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技術 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 西村一国前田誠亮
出願日 2019年9月9日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-163487
公開日 2021年3月18日 (4ヶ月経過) 公開番号 2021-043269
状態 未査定
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード 固溶体形成 肩ピーク カチオン原子 ピーク波長位置 融着体 電子発生材 ラジカル重合性反応基 自動画像処理
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

本発明の課題は、1000nm以上の近赤外光露光したときの画像再現性に優れ、かつ780nm付近の近赤外光で露光する従来の画像形成方法において、黒ポチ等の画質欠陥の発生を防止できる電子写真感光体と、それを適用した電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することである。

解決手段

本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも、中間層、電荷発生層電荷輸送層をこの順で有する電子写真感光体であって、前記電荷発生層が、分光吸収スペクトルの1000〜1800nmの波長範囲内吸収ピークを有するアザポルフィリン骨格を有する化合物を含有することを特徴とする。

概要

背景

電子写真方式画像形成装置では、形成しようとする画像に対応した静電潜像を形成するために電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)が使用されている。上記静電潜像は、帯電している感光体の表面に光を照射することにより形成される。静電潜像が形成された感光体にトナーが供給されるとトナー像が形成される。当該トナー像は、記録媒体転写される。

電子写真感光体は、主には、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層電荷輸送層等の各機能性層を積層して構成されている。その中で電荷発生層の機能は、電荷発生材料を含有し、受光時に電荷を発生する機能を有する層である。

当該電荷発生層に含まれる電荷発生材料としては、一般にフタロシアニン系材料が用いられており、特に、チタニルフタロシアニン系材料近赤外領域において高感度であり、例えば、光導電性物質として、チタニルフタロシアニン顔料を適用した電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1によれば、長波長光に対し高い感度を有し、連続使用下での帯電性の低下がなく、かつ残留電位上昇が抑制され、画像欠陥が生じない半導体レーザー光用に適した感光体を提供できるとされている。しかしながら、特許文献1で開示されている方法では、電荷発生材料の感度の上限波長は900nm程度であり、波長1000nm以上の近赤外光に対する対応に関する記載や示唆は一切されていない。

また、波長1000nm以上の近赤外光に応答する赤外可視変換蛍光物質を併用して電荷発生材料を間接的に励起する電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、特許文献2で開示されている方法では、潜像拡散激しく、電子写真感光体としては実用には至っていないのが現状である。

また、感光体に、従来用いられているフタロシアニン系材料等の高感度電荷発生材料を用いたとき、副作用として白ベタ画像上に黒ポチ画像欠陥(以下、単に黒ポチともいう。)が発生するという問題を抱えている。特に、感光体に高電界がかかる状況、及び長期間にわたり用いた際の電荷発生層の劣化や、高温高湿条件下において、黒ポチ発生がより顕著となることが判明した。

概要

本発明の課題は、1000nm以上の近赤外光で露光したときの画像再現性に優れ、かつ780nm付近の近赤外光で露光する従来の画像形成方法において、黒ポチ等の画質欠陥の発生を防止できる電子写真感光体と、それを適用した電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することである。本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも、中間層、電荷発生層、電荷輸送層をこの順で有する電子写真感光体であって、前記電荷発生層が、分光吸収スペクトルの1000〜1800nmの波長範囲内吸収ピークを有するアザポルフィリン骨格を有する化合物を含有することを特徴とする。

目的

本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、1000nm以上の近赤外光で露光したときの画像再現性に優れ、かつ780nm付近の近赤外光で露光する従来の画像形成方法において、黒ポチ等の画質欠陥の発生を防止できる電子写真感光体と、それを適用した電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

導電性支持体上に、少なくとも、中間層、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順で有する電子写真感光体であって、前記電荷発生層が、分光吸収スペクトルの1000〜1800nmの波長範囲内吸収ピークを有するアザポルフィリン骨格を有する化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。

請求項2

前記電荷発生層が、下記一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。〔上記一般式(1A)及び(1B)中、R1、R2及びR3は、互いに独立に、水素原子置換基を有していてもよい芳香環基、又は炭素数が0〜20の非芳香環置換基を表し、同一のアズレン環に存在するR1及びR2、R2及びR3はそれぞれ結合して環を形成してもよい。異なるアズレン環に存在するR1同士、R2同士、及びR3同士は互いに異なっていてもよい。Mは、2価のカチオン原子、3価のカチオン原子と軸配位子1つを有する組み合わせ、4価のカチオン原子と酸素原子の組み合わせ、又は4価のカチオン原子と軸配位子2つを有する組み合わせを表す。〕

請求項3

前記電荷発生層が、フタロシアニン電荷発生材料を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。

請求項4

前記フタロシアニン系電荷発生材料が、チタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。

請求項5

前記一般式(1A)で表される構造を有する化合物におけるMが、チタニル基であることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。

請求項6

前記一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物と、前記フタロシアニン系電荷発生材料が固溶体を形成していることを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。

請求項7

前記電荷発生層における、前記一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物と、前記フタロシアニン系電荷発生材料の含有量の比が1:99〜5:95であることを特徴とする請求項3から請求項6までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。

請求項8

前記チタニルフタロシアニンの2,3−ブタンジオール付加体を含有することを特徴とする請求項4から請求項7までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。

請求項9

請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真画像形成方法

請求項10

請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を具備していることを特徴とする電子写真画像形成装置

技術分野

0001

本発明は、電子写真感光体電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置に関し、更に詳しくは、画像再現性及び画像欠陥耐性黒ポチ耐性)に優れた電子写真画像を形成することができる電子写真感光体と、それを用いた電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置に関する。

背景技術

0002

電子写真方式画像形成装置では、形成しようとする画像に対応した静電潜像を形成するために電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)が使用されている。上記静電潜像は、帯電している感光体の表面に光を照射することにより形成される。静電潜像が形成された感光体にトナーが供給されるとトナー像が形成される。当該トナー像は、記録媒体転写される。

0003

電子写真感光体は、主には、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層電荷輸送層等の各機能性層を積層して構成されている。その中で電荷発生層の機能は、電荷発生材料を含有し、受光時に電荷を発生する機能を有する層である。

0004

当該電荷発生層に含まれる電荷発生材料としては、一般にフタロシアニン系材料が用いられており、特に、チタニルフタロシアニン系材料近赤外領域において高感度であり、例えば、光導電性物質として、チタニルフタロシアニン顔料を適用した電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1によれば、長波長光に対し高い感度を有し、連続使用下での帯電性の低下がなく、かつ残留電位上昇が抑制され、画像欠陥が生じない半導体レーザー光用に適した感光体を提供できるとされている。しかしながら、特許文献1で開示されている方法では、電荷発生材料の感度の上限波長は900nm程度であり、波長1000nm以上の近赤外光に対する対応に関する記載や示唆は一切されていない。

0005

また、波長1000nm以上の近赤外光に応答する赤外可視変換蛍光物質を併用して電荷発生材料を間接的に励起する電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、特許文献2で開示されている方法では、潜像拡散激しく、電子写真感光体としては実用には至っていないのが現状である。

0006

また、感光体に、従来用いられているフタロシアニン系材料等の高感度電荷発生材料を用いたとき、副作用として白ベタ画像上に黒ポチ画像欠陥(以下、単に黒ポチともいう。)が発生するという問題を抱えている。特に、感光体に高電界がかかる状況、及び長期間にわたり用いた際の電荷発生層の劣化や、高温高湿条件下において、黒ポチ発生がより顕著となることが判明した。

先行技術

0007

特開平6−282086号公報
特開平9−080769号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、1000nm以上の近赤外光で露光したときの画像再現性に優れ、かつ780nm付近の近赤外光で露光する従来の画像形成方法において、黒ポチ等の画質欠陥の発生を防止できる電子写真感光体と、それを適用した電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、導電性支持体上に、少なくとも、中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、前記電荷発生層に、1000nm以上の近赤外領域に吸収ピークを有する特定構造化合物を含有させた電子写真感光体により、画像再現性及び画像欠陥耐性(黒ポチ耐性)に優れた電子写真画像を形成することができる電子写真感光体等を提供することができることを見いだし、本発明に至った。

0010

すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。

0011

1.導電性支持体上に、少なくとも、中間層、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順で有する電子写真感光体であって、
前記電荷発生層が、分光吸収スペクトルの1000〜1800nmの波長範囲内に吸収ピークを有するアザポルフィリン骨格を有する化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。

0012

2.前記電荷発生層が、下記一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする第1項に記載の電子写真感光体。

0013

〔上記一般式(1A)及び(1B)中、R1、R2及びR3は、互いに独立に、水素原子置換基を有していてもよい芳香環基、又は炭素数が0〜20の非芳香環置換基を表し、同一のアズレン環に存在するR1及びR2、R2及びR3はそれぞれ結合して環を形成してもよい。異なるアズレン環に存在するR1同士、R2同士、及びR3同士は互いに異なっていてもよい。Mは、2価のカチオン原子、3価のカチオン原子と軸配位子1つを有する組み合わせ、4価のカチオン原子と酸素原子の組み合わせ、又は4価のカチオン原子と軸配位子2つを有する組み合わせを表す。〕

0014

3.前記電荷発生層が、フタロシアニン系電荷発生材料を含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の電子写真感光体。

0015

4.前記フタロシアニン系電荷発生材料が、チタニルフタロシアニンであることを特徴とする第3項に記載の電子写真感光体。

0016

5.前記一般式(1A)で表される構造を有する化合物におけるMが、チタニル基であることを特徴とする第2項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。

0017

6.前記一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物と、前記フタロシアニン系電荷発生材料が固溶体を形成していることを特徴とする第3項から第5項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。

0018

7.前記電荷発生層における、前記一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物と、前記フタロシアニン系電荷発生材料の含有量の比が1:99〜5:95の範囲内であることを特徴とする第3項から第6項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。

0019

8.前記チタニルフタロシアニンの2,3−ブタンジオール付加体を含有することを特徴とする第4項から第7項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。

0020

9.第1項から第8項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。

0021

10.第1項から第8項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を具備していることを特徴とする電子写真画像形成装置。

発明の効果

0022

本発明の上記手段により、画像再現性及び画像欠陥耐性(黒ポチ耐性)に優れた電子写真画像を形成することができる電子写真感光体と、それを適用した電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することができる。

0023

本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。

0024

本発明の電子写真感光体においては、分光吸収スペクトルの1000〜1800nmの波長範囲内に吸収ピークを有するアザポルフィリン骨格を有する化合物を電荷発生層に含有することを含有することにより、露光波長が1000nm以上のときでもドット再現性等の画像再現性が向上する。加えて、フタロシアニン系電荷発生材料と、本発明に係る前記一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物(以下、総称して本発明に係る一般式(1)で表される構造を有する化合物、又は一般式(1)の化合物ともいう。)を電荷発生層に併用したときに、黒ポチ等の画質欠陥の発生を防止できることを見出したものである。

0025

前記特許文献2で開示されている電子写真感光体では、赤外可視変換蛍光物質を感光層に含有しており、1000nm以上の近赤外光が、赤外可視変換蛍光物質により短波長の光に変換され、感光層に含有するフタロシアニン系などの従来の電荷発生材料に作用して、電荷発生作用をもたらすと記載されている。しかし、赤外可視変換蛍光物質と電荷発生材料との相互作用において、感光体面内方向への大きな光散乱が伴うため、例え感光体としての感度を有していても、実際の静電潜像は感光体面内方向に大きく拡散してしまうため、画像再現性、特に、ドット細線再現性が悪化することになる。これに対し、本発明で規定するアザポルフィリン骨格を有する化合物を電荷発生材料として適用することにより、1000nm以上の近赤外光に対しても蛍光物質を用いることなく、直接、光励起することが可能となり、上記のような画像再現性の悪化を防止することができた。

0026

また、前述の画像欠陥である黒ポチの発生原因の一つとして、電荷発生層の熱励起により発生するホールの影響があると推測している。電荷発生材料としては、一般にフタロシアニン系材料が用いられるが、大気中の酸素電子アクセプターとして作用することにより、フタロシアニン材料p型半導体特性を示すことが知られている。

0027

図1は、フタロシアニン分子エネルギー準位の一例を示す模式図である。

0028

図1で示すように、HOMO(最高被占軌道)から比較的近い位置にアクセプター準位が存在し、熱エネルギー(室温で0.025eV程度)でも励起することが可能である。一方、フタロシアニン系電荷発生材料のHOMO−LUMO(最低空軌道ギャップは1.6eV以上であるため、熱励起によるHOMO−LUMO遷移は実質的に発生せず、光励起でのみ発生する遷移である。

0029

図2は、フタロシアニン分子と、本発明に係るアザポルフィリン骨格を有する化合物である一般式(1)で表される化合物が混在する状態での軌道準位の一例を示す模式図である。

0030

前記熱励起過程により、電荷発生材料の粒子中のいずれかの分子のHOMOにホールが発生した状況を仮定する。電荷発生材料の分子集合体中では、フタロシアニンのπ電子間の電荷ホッピングによる移動が可能である。フタロシアニン分子のみで構成される場合は、同一準位のHOMOに偏在すると考えられるが、図2で示すように本発明に係る一般式(1)で表される化合物のHOMOは、フタロシアニンのそれに比べ上側に位置しており、ホールが本発明に係る一般式(1)で表される化合物のHOMOに局在したほうが、エネルギー的に安定だと考えられる。なお、露光時の光励起は、前述の熱励起による励起子密度の低い状況とは異なり、電荷発生材料粒子中のほぼ全ての分子が同時に光励起されることによる集団励起に伴う電荷分離現象であるため、本発明に係る一般式(1)で表される化合物分子によるホールの局在化の影響は実質的に無視できる。

0031

電荷発生材料は一般に微粒子分散系であり、粒子の局所的な欠陥に起因して熱励起ホールを発生しやすい特異点が存在すると推測される。このような特異点において、フタロシアニン系電荷材料にホールが存在する場合は、図3の左側に示すように、電荷輸送層に存在する電荷輸送分子への電荷注入障壁が比較的小さく、特異点での熱励起ホールが感光体表面まで輸送され局所的な表面電位を招き、結果として現像後の白ベタ画像上の黒ポチ画像欠陥をもたらす。一方、電荷発生材料に本発明に係る一般式(1)で表される化合物を含有する場合は、前述の通りホールが本発明に係る一般式(1)で表される化合物分子のHOMOに局在しており、図3の右側に示すように、この場合の電荷輸送分子への電荷注入障壁は比較的大きくなるため、熱励起ホールは電荷輸送層に移動しにくく、結果として、白ベタ画像上の黒ポチ画像欠陥が発生しにくくなると考えられる。

図面の簡単な説明

0032

フタロシアニン分子のエネルギー準位の一例を示す模式図
フタロシアニン分子と、本発明に係るアザポルフィリン骨格を有する化合物が混在する状態での起動準位の一例を示す模式図
フタロシアニン分子及び一般式(1)の化合物分子の電荷輸送分子への電荷注入障壁の違いを説明するための模式図
本発明の電子写真感光体の構成の一例を示す概略断面図
本発明に係るアザポルフィリン骨格を有する化合物の分光吸収特性の一例を示す分光吸収スペクトル
本発明の一形態に係る電子写真画像形成装置の構成の一例を示す概略構成

0033

本発明の感光体は、導電性支持体上に、少なくとも、中間層、電荷発生層、電荷輸送層をこの順で有する感光体であって、前記電荷発生層が、分光吸収スペクトルの1000〜1800nmの波長範囲内に吸収ピークを有するアザポルフィリン骨格を有する化合物を含有することを特徴とする。これらの特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。

0034

本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記電荷発生層が、アザポルフィリン骨格を有する化合物として、前記一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物を含有することが、より高感度の電荷発生層を形成することができ、画像再現性及び画像欠陥耐性(黒ポチ耐性)により優れた画像を形成することができる点で好ましい。

0035

また、前記電荷発生層が、アザポルフィリン骨格を有する化合物と共に、フタロシアニン系電荷発生材料、更にはフタロシアニン系電荷発生材料として、チタニルフタロシアニンを含有することが、白ベタ画像上の黒ポチ画像欠陥の発生を防止することができる点で好ましい。

0036

また、一般式(1A)で表される構造を有する化合物におけるMが、チタニル基であることが、高感度の電荷発生材料として機能し、白ベタ画像上の黒ポチ画像欠陥の発生をより防止することができる点で好ましい。

0037

また、本発明に係る一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物と、フタロシアニン系電荷発生材料が固溶体を形成していることが、より白ベタ画像上の黒ポチ画像欠陥の発生をより防止することができる点で好ましい。

0038

また、電荷発生層における、本発明に係る一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物と、前記フタロシアニン系電荷発生材料の含有量の比が1:99〜5:95の範囲内であることが、白ベタ画像上の黒ポチ画像欠陥の発生をより防止することができ好ましい。

0039

また、チタニルフタロシアニンの2,3−ブタンジオール付加体を含有することが、感度がさらに高まり、かつ温湿度に対する感度の環境変化が少なくなるので好ましい。

0040

本発明においては、電荷発生層が、分光吸収スペクトルの1000〜1800nmの波長範囲内に吸収ピークを有するアザポルフィリン骨格を有する化合物を含有することを特徴とするが、本発明でいう吸収ピークとは吸収帯ともいい、特に、規定される波長範囲における最大吸収ピークであることが必須ではない。

0041

以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。

0042

《電子写真感光体》
本発明の感光体は、導電性支持体上に、少なくとも、中間層、電荷発生層、電荷輸送層をこの順で有する感光体であって、前記電荷発生層が、分光吸収スペクトルの1000〜1800nmの波長範囲内に吸収ピークを有するアザポルフィリン骨格を有する化合物を含有することを特徴とする。

0043

[感光体の基本構造
はじめに、本発明の感光体の具体的な構造について、図を交えて説明する。

0044

図4は、本発明の感光体の構成の一例を示す概略断面図である。

0045

図4において、感光体101は、導電性支持体102上に、中間層103を形成し、その上に、電荷発生層106及び電荷輸送層107により構成されている感光層104が形成され、最表面に、保護層105が形成されている構成である。

0046

[感光体の各層の構成要素]
以下、本発明の感光体を構成する各層の詳細について説明する。

0047

〔電荷発生層〕
本発明に係る電荷発生層は、電荷発生物質CGM)を含有し、必要に応じてバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなり、さらに、その他の添加剤が含有されていてもよい。

0048

(電荷発生材料)
本発明に係る電荷発生層では、電荷発生材料として、分光吸収スペクトルの1000〜1800nmの波長範囲内に吸収ピークを有するアザポルフィリン骨格を有する化合物を含有することを特徴とする。

0049

本発明に係るアザポルフィリン骨格を有する化合物の分光吸収スペクトルは、以下の手段に従って測定することができる。

0050

対象となるアザポルフィリン骨格を有する化合物の2質量部を適切なバインダー樹脂1質量部に分散し、膜厚として0.1〜0.5μmの範囲内の樹脂分散膜ポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明樹脂基板上に形成する。次いで、市販の分光光度計を用い、700〜1800nmまでの近赤外領域の吸収スペクトルを測定する。1000〜1800nmの範囲内に吸収ピークが存在し、かつピーク吸光度を膜厚(μm)で除した値が0.5以上であるとき、本願の化合物の条件を満たすこととする。明確なピークが見られない場合は肩ピーク代用してもよい。

0051

図5に、本発明に係るザポルフィリン骨格を有する化合物の一例として、例示化合物I−1の分光吸収スペクトルを示す。図に記載の破線は、ピーク波長位置を示す。

0052

前記のように分光吸収スペクトルの1000〜1800nmの範囲内に吸収ピークを有するアザポルフィリン骨格を有する化合物としては、一般式(1A)又は一般式(1B)で表される構造を有する化合物であることが好ましく、更には、一般式(2A)又は一般式(2B)で表される構造を有する化合物を挙げることができるが、この限りではない。同一分子内に存在するアザポルフィリン骨格の数は1つであることが好ましく、また、分子全体の価数が0であることが好ましい。

0053

0054

上記一般式(1A)、一般式(1B)及び一般式(2A)及び一般式(2B)において、R1〜R6は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい芳香環基、又は炭素数が0〜20の非芳香環置換基を表し、同一のアズレン環に存在するR1及びR2、R2及びR3、R3及びR4、R4及びR5、R5及びR6は、それぞれ結合して環を形成してもよい。異なるアズレン環に存在するR1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士は互いに異なっていてもよい。

0055

Mは、2価のカチオン原子、3価のカチオン原子と軸配位子1つを有する組み合わせ、4価のカチオン原子と酸素原子の組み合わせ、又は4価のカチオン原子と軸配位子2つを有する組み合わせを表す。

0056

Mがカチオン原子あるいはカチオン原子を含有する原子団の場合、その種類は、縮合アズレン環骨格の窒素原子に結合し得るものであれば特に制限されない。2価のカチオン原子の具体例としては、Be、Mg、Ca、Ba、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Pt,Zn、Cd,Hg等が挙げられる。3価のカチオン原子の具体例としては、B、Al、Ga、In、Sc等が挙げられる。4価のカチオン原子の具体例としては、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Si、Ge、Sn等が挙げられる。軸配位子は1価の基であれば特に制限されないが、電子供与性のほうが好ましく、具体例としてはハロゲン原子アルコキシ基フェノキシ基等が挙げられる。高感度の電荷発生材料を与えるという点において、MがTi=O、Ga−OH、Ga−Clであることが好ましく、Ti=Oが特に好ましい。

0057

本発明においては、一般式(1A)で表される化合物のうち、中心金属Mがチタニル基のときは高感度の電荷発生材料として機能するので好ましい。加えて、フタロシアニン系電荷発生材料のHOMO準位との相対的な位置関係がより適正となり、熱励起ホールの局在及び電荷注入障壁の形成がより確実となるため、白ベタ画像上の黒ポチ画像欠陥の発生をより防止することができ好ましい。

0058

ここで、一般式(1A)、一般式(1B)、一般式(2A)及び一般式(2B)における、R1〜R6は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい芳香環基、又は炭素数が0〜20の非芳香環置換基を表し、同一のアズレン環に存在するR1及びR2、R2及びR3、R3及びR4、R4及びR5、R5及びR6は、それぞれ結合して環を形成してもよい。異なるアズレン環に存在するR1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士は互いに異なっていてもよい。ただし、合成が容易であるとの観点では、異なるアズレン環に存在するR1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士は同一であることが好ましい。

0059

〈芳香環基〉
R1〜R6が芳香環基である場合、その骨格構造は特に限定されないが、例えば、5員環単環としてフラン環チオフェン環ピロール環イミダゾール環チアゾール環オキサジアゾール環、6員環単環としてベンゼン環ピリジン環ピラジン環、5又は6員環の縮合環としてナフタレン環フェナンスレン環、アズレン環、ピレン環キノリン環イソキノリン環キノキサリン環、ベンゾフラン環、カルバゾール環ジベンゾチオフェン環、アントラセン環等が挙げられる。これらのうち、合成がより容易であるとの観点では単環が好ましく、更に好ましくは6員環の単環であり、特に好ましくはベンゼン環である。R1〜R6が芳香環基である場合、該芳香環基は更に置換基を有していてもよい。

0060

鎖状アルキル基の例としては、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等の、炭素数が20以下、好ましくは10以下の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。鎖状アルキル基は、例えばハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。

0061

鎖状アルケニル基の例としては、ビニル基プロペニル基ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等の、炭素数が20以下、好ましくは10以下の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。

0062

鎖状アルキニル基の例としては、エチニル基プロピニル基ブチニル基、2−メチル−1−プロピニル基、ヘキシニル基、オクチニル基等の、炭素数が20以下、好ましくは10以下の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。

0063

炭化水素環基の例としては、シクロプロピル基シクロヘキシル基テトラデカヒドロアントラニル基等の、炭素数が3以上、好ましくは5以上であり、かつ、炭素数が20以下、好ましくは10以下のシクロアルキル基シクロヘキセニル基等の、炭素数が3以上、好ましくは5以上であり、かつ、炭素数が20以下、好ましくは10以下のシクロアルケニル基フェニル基、アントラニル基、フェナンスリル基フェロセニル基等の、炭素数が6以上であり、かつ、炭素数が18以下、好ましくは10以下のアリール基が挙げられる。炭化水素環基は、例えばハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。

0064

複素環基の例としては、5〜6員環の単環又は5〜6員環が2〜6個縮合してなる縮合環からなるヘテロアリール基、5〜6員環の単環又は5〜6員環が2〜6個縮合してなる縮合環からなるヘテロシクロアルキル基が挙げられ、ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。具体的には、チエニル基等の5員環の単環;ピリジル基、2−ピペリジニル基、2−ピペラジニル基等の6員環の単環;ベンゾチエニル基、カルバゾリル基キノリニル基オクタヒドロキノリニル基等の5〜6員環が2〜6個縮合してなる縮合環が挙げられる。

0065

アルコキシ基の例としては、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられ、その炭素数は、好ましくは2以上で、かつ9以下、好ましくは8以下である。アルコキシ基は、例えばハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。

0066

アルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基エチルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等の、炭素数が18以下、好ましくは8以下のものが挙げられる。

0067

(ヘテロアリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の、炭素数が6以上で18以下、好ましくは10以下のアリールオキシ基;2−チエニルオキシ基、2−フリルオキシ基、2−キノリルオキシ基等の、炭素数が5以上で18以下、好ましくは10以下であって、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子等から選ばれるものを含むヘテロアリールオキシ基等が挙げられる。(ヘテロ)アリールオキシ基は、例えばハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。

0068

(ヘテロ)アラルキルオキシ基の例としては、ベンジルオキシ基フェネチルオキシ基、ナフチルメトキシ基等の、炭素数が7以上で18以下、好ましくは12以下のアラルキルオキシ基;2−チエニルメトキシ基、2−フリルメトキシ基、2−キノリルメトキシ基等の、炭素数が6以上で18以下、好ましくは10以下で、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから選ばれるものを含むヘテロアラルキルオキシ基などが挙げられる。

0069

アルキルチオ基アリールチオ基、及びアルコキシカルボニル基は何れも、好ましくは炭素数が20以下、より好ましくは10以下であり、例えばハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。

0070

置換基を有していてもよいアミノ基の例としては、アミノ基、アルキルアミノ基、(ヘテロ)アリールアミノ基等が挙げられる。

0071

アルキルアミノ基の例としては、エチルアミノ基ジメチルアミノ基メチルエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ピペリジル基等の、炭素数が2以上、好ましくは3以上で、かつ、炭素数が20以下、好ましくは10以下のものが挙げられる。

0072

(ヘテロ)アリールアミノ基の例としては、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等の、炭素数が6以上で30以下、好ましくは15以下のアリールアミノ基;ジ(2−チエニル)アミノ基、ジ(2−フリル)アミノ基等の、炭素数が5以上、好ましくは6以上で、かつ炭素数が30以下、好ましくは15以下で、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから選ばれるものを含むヘテロアリールアミノ基;フェニル(2−チエニル)アミノ基等の、炭素数が11以上、好ましくは12以上で、かつ炭素数が30以下、好ましくは16以下のアリールヘテロアリールアミノ基等が挙げられる。

0073

置換基を有していてもよいカルバモイル基の例としては、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基などが挙げられる。

0074

アルキルカルバモイル基の例としては、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−エチル−N−シクロヘキシルカルバモイル基等の、炭素数が2以上で20以下、好ましくは10以下のものが挙げられる。

0075

エステル基の例としては、メトキシカルボニル基エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等の、炭素数が2以上で20以下、好ましくは10以下のものが挙げられる。

0076

ハロゲン原子の例としては、フッ素原子塩素原子臭素原子ヨウ素原子等が挙げられる。

0077

〈非芳香環置換基〉
R1〜R6が炭素数0〜20の非芳香環置換基である場合、その具体例としては、R1〜R6のそれぞれが芳香環基である場合には、更に有していてもよい置換基として上述した具体例のうち、芳香環基以外の置換基を挙げることができる。

0078

環構造
上記一般式(1A)、一般式(1B)、一般式(2A)及び一般式(2B)において、同一のアズレン環に存在するR1及びR2、R2及びR3、R3及びR4、R4及びR5、R5及びR6は、それぞれ結合して環を形成してもよい。なお、当該環構造は、更に炭素数20以下の置換基を有していてもよい。その置換基の具体例としては、R1〜R6が芳香環基である場合に更に有していてもよい置換基として上述した具体例と同様の置換基を挙げることができる。

0079

〈R1〜R6の好ましい組み合わせ〉
一般式(1A)、一般式(1B)、一般式(2A)及び一般式(2B)における、R1〜R6は互いに独立に、水素原子;ニトロ基シアノ基;塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素からなる群より選択されるハロゲン原子;置換基を有していてもよい炭素数20以下のアルキル基;置換基を有していてもよい炭素数20以下のシクロアルキル基;置換基を有していてもよい炭素数20以下のアルコキシ基又はアリールオキシ基;置換基を有していてもよい炭素数20以下のアルキルチオ基又はアリールチオ基;置換基を有していてもよい炭素数20以下のアシル基;置換基を有していてもよい炭素数20以下のアルコキシカルボニル基;及び、複素環基;からなる群より選択される何れか一つであることが好ましい。

0080

また、一般式(1A)、一般式(1B)、一般式(2A)及び一般式(2B)における、R1〜R6は互いに独立に、水素原子;ニトロ基;シアノ基;塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素からなる群より選択されるハロゲン原子;及び、置換基を有していてもよい炭素数5以下のアルキル基;からなる群より選択される何れか一つであることがより好ましい。

0081

本発明に係る一般式(1A)及び一般式(2A)に示す化合物は、以下の一般式(1a)〜(1d)、(2a)〜(2d)に示す異性体が存在する。本発明に係る化合物は、下記に示す異性体のうちいずれか一種であってもよく、二種含む混合物であってもよい。なお、立体障害を考慮すると一般式(1a)及び(2a)の化合物が主な生成物であると推測される。

0082

0083

上記一般式(1a)〜(1d)、(2a)〜(2d)に示す化合物におけるR1〜R6及びMは、上記説明した一般式(1A)及び一般式(2A)のそれらと同義である。

0084

次いで、一般式(1A)及び一般式(1B)で表される構造を有する化合物の具体例として下記例示化合物I−1〜I−50を示すが、本発明ではここで例示する化合物に限定されるものではない。

0085

次いで、一般式(2A)及び一般式(2B)で表される構造を有する化合物の具体例として下記例示化合物II−1〜II−36を示すが、本発明ではここで例示する化合物に限定されるものではない。

0086

本発明に係るアザポルフィリン骨格を有する化合物は、電荷発生物質として用いてもよく、他の電荷発生物質を別途含有してもよい。他の電荷発生物質としては、例えば、スーダンレッドダイアブルーなどのアゾ原料ピレンキノンアンアントロンなどのキノン化合物キノシアニン化合物ペリレン化合物インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ化合物ピランロンジフタロイルピレンなどの多環キノン化合物、フタロシアニン化合物などが挙げられるが、これらに限定されるもではない。これらの中でも、フタロシアニン化合物が好ましい。これらの電荷発生物質は1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。

0087

本発明においては、アザポルフィリン骨格を有する化合物のうち、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物が、フタロシアニン骨格と分子サイズの差が少ないため、高感度の電子発生材料であるフタロシアニンと同系構造を形成しやすく、フタロシアニンと同様に高感度を示す構造体が得られるため好ましい。

0088

本発明においては、本発明に係る上記説明した一般式(1)で表される構造を有する化合物に加え、電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を併用することが、フタロシアニン化合物に発生する熱励起ホールが、本発明に係る一般式(1)で表される構造を有する化合物に局在化するため、白ベタ画像上の黒ポチ画像欠陥の発生を防止することができる点で好ましい組み合わせである。

0089

本発明においては、前記フタロシアニン系電荷発生材料のうち、特にチタニルフタロシアニンは、高感度の電荷発生材料として機能するため好ましい。

0090

本発明においては、一般式(1)で表される構造を有する化合物とフタロシアニン系電荷発生材料が固溶体を形成しているときには、熱励起ホールの移動が同一凝集体内での分子間ホッピング過程となるので、一般式(1)で表される化合物を構成する分子への熱励起ホールの局在過程がより確実となり、白ベタ画像上の黒ポチ画像欠陥の発生をより防止することができ好ましい。

0091

本発明においては、一般式(1)で表される構造を有する化合物とフタロシアニン系電荷発生材料の含有量の比が1:99以上であるときは、熱励起ホールの局在がより確実となり、白ベタ画像上の黒ポチ画像欠陥の発生をより防止することができ好ましく、5:95以下であるときは、凝集体中の異種分子混入による感度低下が事実上無視できるレベルとなり好ましい。

0092

本発明に適用が可能なチタニルフタロシアニン系電荷発生材料に対して、2,3−ブタンジオールを付加することにより感度がさらに高まり、かつ温湿度に対する感度の環境変化が少なくなるので好ましい。例えば、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)7.4°、9.7°、24.2°、27.3°に明瞭な回折ピークを示すY型チタニルフタロシアニンに対して2,3−ブタンジオールを付加することにより、ブラッグ角(2θ±0.2)8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明瞭な回折ピークを示す2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンが得られる。

0093

(バインダー樹脂)
電荷発生層を形成するバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ホルマール樹脂、ブチラール樹脂シリコーン樹脂シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂などが挙げられる。

0094

(電荷発生材料の含有量)
本発明に係る電荷発生層における電荷発生材料の含有割合は、電荷発生層用バインダー樹脂100質量部に対して20〜600質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50〜500質量部の範囲内である。

0095

電荷発生層用バインダー樹脂と電荷発生材料との混合割合が上記の範囲にあることにより、後述する電荷発生層形成用塗布液に高い分散安定性が得られ、かつ、形成された感光体において電気抵抗が低く抑制されて繰り返し使用に伴う残留電位の増加を極めて抑制することができる。

0096

(電荷発生層形成用塗布液)
以上のような電荷発生層は、例えば、電荷発生材料を、公知の溶媒で溶解した電荷発生層用バインダー樹脂中に添加して分散させて電荷発生層形成用塗布液を調製し、この電荷発生層形成用塗布液を中間層の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより、電荷発生層を形成することができる。

0097

電荷発生層の形成に用いられる溶媒としては、電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させることができるものを用いればよく、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノンアセトフェノンなどのケトン系溶媒テトラヒドロフランジオキソランジグライムなどのエーテル系溶媒メチルセルソルブ、エチルセルソルブブタノールなどのアルコール類、その酢酸エチル酢酸t−ブチルなどのエステル系溶媒トルエンクロロベンゼンなどの芳香族溶媒ジクロロエタントリクロロエタンなどのハロゲン系溶媒など多数を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。

0098

電荷発生材料の分散手段としては、特に制限されず公知の手段を用いることができ、例えば、超音波分散機ボールミルビーズミルサンドミル及びホモミキサー等の一般的な分散手段を挙げることができる。

0099

また、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬塗布法スプレーコーティング法スピンナーコーティング法ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などが挙げられる。

0100

塗布膜の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する中間層の層厚に応じて公知の乾燥方法を適宜に選択することができ、特に熱乾燥することが好ましい。乾燥条件は、例えば100〜150℃で10〜60分間とすることができる。

0101

電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、電荷発生層用バインダー樹脂の特性や含有割合などによっても異なるが、好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.15〜1.5μmの範囲内である。

0102

[感光体のその他の構成要素]
次いで、感光体を構成する電荷発生層以外の構成層の詳細について説明する。

0103

〔1.導電性支持体〕
本発明に適用可能な導電性支持体は、少なくとも、中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を支持し、かつ、導電性を有する部材である。

0104

導電性支持体の例としては、金属製のドラム又はシートと、ラミネートされた金属箔を有するプラスチックフィルムと、蒸着された導電性物質の層を有するプラスチックフィルムと、導電性物質又は導電性物質及びバインダー樹脂からなる塗料を塗布してなる導電層を有する金属部材、プラスチックフィルム、又は紙等が挙げられる。

0105

上記金属の例としては、アルミニウム、銅、クロムニッケル亜鉛及びステンレス鋼が挙げられる。

0106

上記導電性物質の例としては、上記金属、酸化インジウム及び酸化スズが挙げられる。加工性堅牢性及び軽量性の観点からは、上記金属は、アルミニウムであることが好ましい。

0107

〔2.中間層〕
本発明の感光体において、中間層は、電荷発生層及び電荷輸送層を有する感光層で生成した電子導電性支持体側へ輸送する機能(電子輸送機能)と、導電性支持体から感光層への正孔注入を防止する機能(ブロッキング機能)を有するものであり、導電性支持体と有機感光層との間に接着機能とを付与するものである。

0108

以下、中間層の各構成材料について説明する。

0109

中間層用金属酸化物粒子
本発明に係る中間層は、金属酸化物粒子(以下、「中間層用金属酸化物粒子」ともいう。)を含有することが好ましい。

0110

中間層用金属酸化物粒子としては、例えば、アルミナ酸化亜鉛酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物微粒子、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。

0111

このうち、N型導性を有する金属酸化物粒子が好ましく、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム水酸化アルミニウム及び酸化スズ等が含まれる。中でも、導電性や分散性を高めるためには、酸化チタン及び酸化亜鉛が好ましく、中間層の電子輸送性と正孔ブロッキング性能の両立を図れる点で酸化チタンがより好ましい。酸化チタンの結晶型は、アナタース型ルチル型及びアモルファス型などのいずれであってもよく、2種以上の結晶型の混合物であってもよい。この中でも、ルチル型がより好ましい。

0112

このような中間層用金属酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。

0113

本発明に係る粒子の平均粒径は、以下のように測定されるものである。

0114

すなわち、試料となる粒子(例えば、酸化チタン粒子)を走査型電子顕微鏡により倍率100000倍で撮影し、自動画像処理解析装置を使用して試料となる粒子について2値化処理し、無作為に選んだ粒子100個についての水平方フェレ径を算出し、その平均値数平均一次粒径)を「平均粒径」として求めるものとする。ここで水平方向フェレ径とは、試料となる粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。

0115

中間層用金属酸化物粒子は、表面修飾剤によって表面が修飾されていることが好ましい。表面修飾剤としては、例えば、無機系化合物有機系化合物が挙げられ、有機系化合物としては、反応性有機ケイ素化合物有機チタン化合物などが挙げられる。表面修飾剤は、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。

0116

本発明では、中間層用金属酸化物として、酸化チタンが有機系化合物で表面処理されたルチル型の酸化チタンを含有することが、中間層の電子輸送性がより高まり、かつ、正孔ブロッキング性能が維持されるので、画像メモリーの発生防止と、黒ポチ及びカブリなどの画像欠陥の発生防止をより高いレベルで両立することができる点で好ましい。

0117

(中間層用バインダー樹脂)
中間層を構成する中間層用バインダー樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂カゼインポリビニルアルコール樹脂ニトロセルロースエチレンアクリル酸共重合体塩化ビニル樹脂酢酸ビニル樹脂ポリウレタン樹脂及びゼラチンなどが挙げられる。これらの中でも、後述する電荷発生層形成用塗布液を中間層上に塗布するときに当該中間層用バインダー樹脂が溶解されることを抑制する観点などから、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、メトキシメチロール化ポリアミド樹脂などのアルコール可溶性のポリアミド樹脂を用いることがより好ましい。

0118

(中間層の形成方法
以上のような構成からなる中間層は、例えば、中間層用バインダー樹脂を溶媒に溶解又は分散させ、次いで、中間層用金属酸化物粒子等を均質に分散させて分散液を調製し、この分散液を静置後、濾過して中間層形成用塗布液を調製し、この中間層形成用塗布液を導電性支持体の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより、中間層を形成することができる。

0119

中間層の形成に用いられる溶媒としては、中間層用バインダー樹脂を溶解させることができ、かつ、中間層用金属酸化物粒子の良好な分散性が得られるものであればよく、例えば、中間層用バインダー樹脂としてポリアミド樹脂を用いる場合には、ポリアミド樹脂について良好な溶解性塗布性能を発現することができることから、メタノールエタノールn−プロピルアルコールイソプロピルアルコールn−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノールなどのアルコール類が好ましく用いられる。これらの溶媒は1種単独で又は2種以上の混合溶媒として用いることができる。

0120

また、保存性や中間層用金属酸化物粒子の分散性を向上させるために、助溶媒を併用してもよい。助溶媒としては、例えばベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。

0121

中間層用金属酸化物粒子等の分散手段としては、超音波分散機、ビーズミル、ボールミル、サンドミル及びホモミキサーなどを用いることができる。

0122

中間層形成用塗布液における中間層用バインダー樹脂の濃度は、中間層の層厚や塗布方法によっても異なるが、例えば中間層用バインダー樹脂100質量部に対する溶媒の使用量が100〜3000質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは500〜2000質量部の範囲内である。

0123

また、中間層形成用塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、中間層用バインダー樹脂100質量部に対して、合計で200〜600質量部の範囲内が好ましく、より好ましくは250〜500質量部の範囲内である。

0124

電子受容性化合物添加量は、金属酸化物粒子に対して、質量比0.0001〜0.01の範囲内が好ましく、より好ましくは質量比0.001〜0.01の範囲内である。

0125

中間層形成用塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などが挙げられる。

0126

塗布膜の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する中間層の層厚に応じて公知の乾燥方法を適宜に選択することができ、特に熱乾燥することが好ましい。乾燥条件は、例えば100〜150℃で10〜60分間とすることができる。

0127

中間層の厚さは、0.5〜5μmの範囲内であることが好ましい。

0128

中間層の厚さが0.5μm以上であれば、導電性支持体の表面全体を十分に被覆することができるため、導電性支持体からの正孔の注入を十分にブロックすることができ、この結果、黒ポチ、カブリなど画像欠陥の発生をより抑制することができる。また、中間層の厚さが5μm以下であれば、電気抵抗を適切にでき、十分な電子輸送性が得られ、この結果、濃度ムラの発生をより抑制することができる。

0129

〔3.感光層〕
感光層は、露光により所期の画像に対応する静電潜像を上記感光体の表面を形成するための層である。

0130

上記感光層は、例えば、電荷発生層用のバインダー樹脂及び本発明に係る電荷発生物質を含有する前記で詳細な説明をした電荷発生層と、電荷輸送層用のバインダー樹脂及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層との積層物により構成される。

0131

(電荷輸送層)
電荷輸送層は、ホール輸送性の電荷輸送物質(CTM)及びバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなり、必要に応じて酸化防止剤などが含有されていてもよい。電荷輸送層は、2層以上の層構成とされていてもよい。

0132

電荷輸送層の電荷輸送物質としては、電荷を輸送する物質として、例えば、トリフェニルアミン誘導体ヒドラゾン化合物スチリル化合物ベンジジン化合物ブタジエン化合物などが挙げられる。

0133

電荷輸送層用バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えばポリスチレン樹脂アクリル樹脂メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂ポリエステル樹脂アルキッド樹脂ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、及び、これらの樹脂の繰り返し構造単位のうちの二つ以上を含む共重合体樹脂などの絶縁性樹脂、並びに、ポリN−ビニルカルバゾールなどの高分子有機半導体が挙げられる。これらの中でも、電荷輸送物質(CTM)の分散性、良好な電子写真特性が得られる観点から、ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。

0134

電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有割合は、電荷輸送層用バインダー樹脂100質量部に対して10〜200質量部であることが好ましい。

0135

電荷輸送層中には、酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルなどが添加されていてもよい。酸化防止剤は、例えば感光体中又は感光体の表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電などの条件下における酸素の作用を防止又は抑制する性質を有する物質である。

0136

電荷輸送層の厚さは、電荷輸送物質の特性、電荷輸送層用バインダー樹脂の特性及び含有割合などによって異なるが、10〜40μmであることが好ましい。感光体の内部電場が強まり、連続露光履歴による蓄積電荷が低減されるという点で、より好ましくは、電荷輸送層の厚さは、10〜20μmの範囲内である。

0137

以上のような電荷輸送層は、例えば、電荷輸送物質(CTM)及び必要に応じて酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルなどを、公知の溶媒で溶解した電荷輸送層用バインダー樹脂中に添加して分散させて電荷輸送層形成用塗布液を調製し、この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。

0138

電荷輸送層の形成において用いられる溶媒としては、電荷発生層の形成に用いられる溶媒と同じものを挙げることができる。

0139

また、電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としても、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。

0140

なお、本発明に係る感光層は、単層で構成されていてもよい。この場合、上記感光層は、例えば、感光層用のバインダー樹脂、上記電荷発生物質及び上記電荷輸送物質を含む単層物により構成することができる。

0141

上記感光層の厚さは、例えば、10〜50μmの範囲内であることが好ましく、20〜40μmの範囲内であることがより好ましい。

0142

上記感光層が、単層で構成されている場合、上記感光層用のバインダー樹脂の例には、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、これらの樹脂のうち二以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリレート樹脂スチレンアクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、が挙げられる。

0143

〔4.保護層〕
本発明の感光体には、必要に応じて、保護層を設けることができる。保護層は、感光層を外部環境や衝撃から保護する層である。

0144

本発明の感光体は、必要に応じて、上記感光層上に外部環境や衝撃から、感光層を保護する目的で、保護層を有していてもよい。

0145

本発明の感光体においては、架橋性重合性化合物重合反応してなる硬化樹脂(以下、「保護層用バインダー樹脂」ともいう。)中に、保護層用の金属酸化物微粒子(以下、「保護層用金属酸化物微粒子」ともいう。)と電荷輸送物質とを含有する保護層を、電荷輸送層の上に有することが、感光体の耐久性向上と耐メモリー性を両立できるという点で好ましい。

0146

このような保護層は、保護層用バインダー樹脂中に金属酸化物微粒子及び電荷輸送物質を含有することが好ましい。

0147

(保護層用金属酸化物微粒子)
保護層用金属酸化物微粒子は、保護層の強度の向上や抵抗調整による画質安定性に寄与するものである。

0148

保護層用金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、シリカ酸化ケイ素)、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化マグネシウム酸化鉛酸化タンタル酸化イットリウム酸化コバルト酸化銅酸化マンガン酸化セレン酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム酸化ニオブ酸化モリブデン酸化バナジウムなどの微粒子、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの微粒子を用いることができる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせて使用した場合には、固溶体又は融着体とされていてもよい。

0149

保護層用金属酸化物微粒子の平均粒径は、1〜300nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3〜100nmの範囲内である。

0150

保護層用金属酸化物微粒子の平均粒径は、上記平均粒径の測定方法と同様の方法で求めることができる。

0151

保護層用金属酸化物微粒子は、保護層用バインダー樹脂100質量部に対して1〜200質量部の範囲内の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは50〜150質量部の範囲内である。

0152

金属酸化物微粒子の含有割合が保護層用バインダー樹脂100質量部に対して1質量部以上であることにより、保護層に十分な強度が得られるとともに十分な画質安定性が獲られる。一方、金属酸化物微粒子の含有割合が保護層用バインダー樹脂100質量部に対して200質量部以下であることにより、保護層を形成するときに塗布膜の形成が阻害されることを防止することができる。

0153

表面修飾された保護層用金属酸化物微粒子〉
保護層に含有される保護層用金属酸化物微粒子は、分散性が得られて耐摩耗性が向上する観点から、表面修飾剤で表面が修飾されたものであることが好ましく、また、保護層の硬度をさらに高める目的で、反応性有機基を有する表面修飾剤で表面が修飾されたものであることがより好ましく、反応性有機基がラジカル重合性反応基である表面修飾剤で表面修飾されたものであることがさらに好ましい。ラジカル重合性反応基を有する表面修飾剤を用いることにより、保護層用バインダー樹脂が下記の重合性化合物による硬化樹脂である場合に当該重合性化合物とも反応するために強固な保護層を形成することができる。

0154

表面修飾剤としては、表面修飾する前の金属酸化物微粒子の表面に存在するヒドロキシ基などと反応する表面修飾剤を用いることができ、これらの表面修飾剤としては、各種のシランカップリング剤チタンカップリング剤無機酸化物フッ素変性シリコーンオイルフッ素系界面活性剤及びフッ素系グラフトポリマーなどが挙げられる。

0155

ラジカル重合性反応基を有する表面修飾剤としては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有するシランカップリング剤を用いることが好ましく、このようなラジカル重合性反応基を有する表面修飾剤としては、例えば、特開2019−28330号公報の段落(0075)〜(0076)に記載されている例示化合物S−1〜S−34を挙げることができる。

0156

表面修飾剤としては、特開2019−28330号公報で開示されているS−1〜S−34で表される化合物以外にも、ラジカル重合反応を行うことができる反応性有機基を有するシラン化合物を用いることができる。これらの表面修飾剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。

0157

また、表面修飾剤の使用量は、特に制限されないが、処理前の金属酸化物微粒子100質量部に対して0.1〜100質量部であることが好ましい。

0158

〈保護層用金属酸化物微粒子の表面修飾方法
保護層用金属酸化物微粒子の表面修飾は、具体的には、処理前の金属酸化物微粒子と表面修飾剤とを含むスラリー固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、金属酸化物微粒子を微細化すると同時に粒子の表面への修飾を進行させ、その後、溶媒を除去して粉体化することによって行うことができる。

0159

スラリーは、処理前の金属酸化物微粒子100質量部に対し、表面修飾剤0.1〜100質量部の範囲内、溶媒50〜5000質量部の範囲内の割合で混合されたものであることが好ましい。

0160

また、スラリーの湿式粉砕に用いる装置としては、湿式メディア分散型装置が挙げられる。

0161

湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズ充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスク高速回転させることにより、保護層用金属酸化物微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、保護層用金属酸化物微粒子に表面修飾を行う際に、保護層用金属酸化物微粒子を十分に分散させ、かつ表面修飾できる形式であれば問題なく、例えば、縦型横型連続式・回分式など、種々の様式のものを用いることができる。具体的には、サンドミル、ウルトラビスミルパールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミルダイナミックミルなどを使用することができる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力などによって微粉砕及び分散が行われる。

0162

湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコンジルコニアスチールフリント石などを原材料としたボールを用いることができるが、特にジルコニア製やジルコン製のものを用いることが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1〜1.0mm程度のものを用いることが好ましい。

0163

湿式メディア分散型装置に使用するディスク容器内壁には、ステンレス製ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものを使用することができるが、本発明では特にジルコニア又はシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁であることが好ましい。

0164

(電荷輸送物質)
保護層に含有される電荷輸送物質としては、公知の種々の電荷輸送物質を用いることができるが、保護層を形成するときの硬化処理紫外線を用いる場合は、波長450nm以下の短波長領域の光の吸収がない又は小さい電荷輸送物質を用いることが好ましい。

0165

波長450nm以下の短波長領域の光の吸収がない又は小さい電荷輸送物質としては、下記一般式(I)で表される化合物を用いることができる。

0166

0167

上記一般式(I)において、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基又は炭素数1〜7のアルコキシ基を表し、k、l、nは各々1〜5の整数、mは1〜4の整数を表す。k、l、m、nが2以上である場合は、複数の基は互いに同一のものであっても、異なるものであってもよい。

0168

上記一般式(I)で表される電荷輸送物質の具体例としては、例えば、特開2019−28330号公報の段落(0087)〜(0091)に記載されている例示化合物(CTM−1〜CTM−22)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。

0169

(硬化樹脂(保護層用バインダー樹脂))
保護層用バインダー樹脂は、架橋性の重合性化合物が重合反応してなる硬化樹脂である。

0170

硬化樹脂は、架橋性の重合性化合物、具体的には2個以上のラジカル重合性官能基を有する化合物(以下、「多官能ラジカル重合性化合物」ともいう。)を、紫外線や電子線などの活性線の照射により重合反応することによって得られるものであることが好ましい。

0171

〈多官能ラジカル重合性化合物〉
多官能ラジカル重合性化合物としては、少ない光量又は短い時間での硬化が可能であることから、ラジカル重合性官能基としてアクリロイル基(CH2=CHCO−)又はメタクリロイル基(CH2=CCH3CO−)を2個以上有するアクリル系モノマー又はこれらのオリゴマーであることが特に好ましい。したがって、硬化樹脂としてはアクリル系モノマー又はそのオリゴマーにより形成されるアクリル樹脂であることが好ましい。

0172

これらの多官能ラジカル重合性化合物としては、例えば以下の化合物を例示することができる。

0173

0174

ただし、上記の例示化合物M1〜M15を示す化学式において、Rはアクリロイル基(CH2=CHCO−)を示し、R′はメタクリロイル基(CH2=CCH3CO−)を示す。

0175

保護層には、保護層用バインダー樹脂である上記硬化樹脂に加えて、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などを併用することができる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0176

さらに、保護層には、上述のような保護層用バインダー樹脂、保護層用金属酸化物微粒子及び電荷輸送物質の他に、必要に応じて、滑剤粒子や各種の酸化防止剤などが含有されていてもよい。

0177

(滑剤粒子)
滑剤粒子としては、例えば、フッ素原子含有樹脂粒子が挙げられる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂を用いることが好ましい。

0178

滑剤粒子の平均粒径は、0.01〜1.0μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5μmの範囲内である。

0179

滑剤粒子は、保護層用バインダー樹脂100質量部に対して5〜70質量部の範囲内の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは10〜60質量部の範囲内である。

0180

保護層の層厚は、0.2〜10μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜6μmの範囲内である。

0181

(保護層の形成方法)
保護層は、多官能ラジカル重合性化合物、金属酸化物微粒子及び電荷輸送物質並びに必要に応じて公知の樹脂、重合開始剤、滑剤粒子、酸化防止剤などを溶媒に添加して調製した保護層形成用塗布液を、公知の方法により電荷輸送層の表面に塗布して塗布膜を形成し、硬化処理することにより、作製することができる。
具体的な保護層の形成方法については、例えば、特開2019−28330号公報の段落(0103)〜(0114)に記載の方法を参照することができる。

0182

《電子写真画像形成方法》
本発明の電子写真画像形成方法では、少なくとも、
1)感光体の表面を帯電する帯電工程と、
2)当該感光体の表面を露光することにより、静電潜像を形成する露光工程と、
3)当該静電潜像をトナーにより顕像化しトナー画像を形成する現像工程と、
4)当該トナー画像を転写媒体に転写する転写工程と、
を有し、1)〜4)で使用する感光体が本発明の感光体であることが好ましい。

0183

また、必要に応じて
5)残存トナーを除去するクリーニング工程と、
6)残存電荷を除去する除電工程を、
有していてもよい。

0184

本発明の感光体は、電子写真方式の公知の種々の画像形成方法において用いることができる。例えば、モノクロの画像形成方法やフルカラーの画像形成方法に用いることができる。フルカラーの画像形成方法では、イエローマゼンタシアン、及びブラックの各々に係る4種類のカラー現像装置と、一つの感光体とにより構成される4サイクル方式の画像形成方法や、各色に係るカラー現像装置及び感光体を有する画像形成ユニットを、それぞれ色別に搭載するタンデム方式の画像形成方法など、いずれの画像形成方法も用いることができる。

0185

本発明に係る電子写真画像形成方法としては、具体的には、本発明の感光体を使用して、感光体上に帯電装置にて帯電(帯電工程)し、像露光(露光工程)することにより形成された静電潜像を、現像装置を用いて現像(現像工程)することにより顕像化させてトナー画像を得る。このトナー画像をコピー用紙又は転写ベルト等の転写媒体上に転写(転写工程)し、その後、除電工程を経て、次の画像形成サイクルが行われる。転写ベルト等の転写媒体上に転写されたトナー画像は、コピー用紙上に転写され、コピー用紙上に転写されたトナー画像を接触加熱方式等の定着処理によってコピー用紙に定着(定着工程)させることにより、可視画像を得る。転写工程の後、感光体上に残留したトナー(転写残トナー)は、ゴムブレード等により除去(クリーニング工程)される。このクリーニング工程は、除電工程の前でも後であってもよいが、除電工程が光照射による除電の場合は、クリーニング工程の後の方が、感光体上に残留するトナーが除電光の吸収を妨げることがないので、効果的に除電が行えるので好ましい。

0186

除電工程においては、交流除電(AC除電)又は光除電のどちらでもよいが、交流除電では、交流電源の設置が必要になり、スペースの問題、又は装置が大がかりになるなどの問題があり、光除電の方が好ましい。

0187

《電子写真画像形成装置》
次いで、具体的な電子写真画像形成方法について、電子写真画像形成装置を用いて説明する。

0188

本発明の電子写真画像形成装置は、本発明の感光体を使用して、感光体上に帯電装置にて帯電する帯電手段、像露光することにより形成された静電潜像を形成する露光手段、現像装置を用いて現像することにより顕像化させてトナー画像を得る現像手段、このトナー画像を用紙又は転写ベルト等の転写媒体上に転写する転写手段、及び除電手段を有している。コピー用紙上に直接転写されたトナー画像及び転写ベルト等の転写媒体を経て用紙上に転写されたトナー画像は接触加熱方式等の定着処理によってコピー用紙に定着する定着手段により可視画像を得る。転写の後、感光体上に残留したトナー(転写残トナー)は、クリーニングブレード等のクリーニング手段によりにより除去される。

0189

図6は、本発明の感光体を備えるタンデム型の電子写真画像形成装置の構造を示す断面模式図である。

0190

図6に示す画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、中間転写体ユニット7と、給紙手段21及び定着手段24とからなる。電子写真画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。

0191

4つの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkを中心に、帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bk、及び感光体1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkより構成されている。

0192

なお、本発明の電子写真画像形成装置は、感光体1Y、1M、1C、1Bkとして、各々上記説明した本発明の感光体を用いる。

0193

画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、備えるトナーの色がそれぞれイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(Bk)色というように異なることを除き同じ構成である。よって、以下では、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。

0194

画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを有し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。

0195

帯電手段2Yは、感光体1Yの表面を一様に負極性に帯電させる手段である。帯電手段2Yとしては、例えば、コロナ放電型の帯電器が用いられる。

0196

露光手段3Yは、帯電手段2Yにより一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段である。この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、又は、レーザー光学系などが用いられる。

0197

現像手段4Yは、例えば、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ、及び当該現像スリーブと感光体との間に直流又は交流バイアス電圧印加する電圧印加装置よりなるものである。

0198

定着手段24は、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラーと、この加熱ローラーにより定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラーとにより構成されてなる熱ローラー定着方式のものが挙げられる。

0199

クリーニング手段6Yは、クリーニングブレードより構成されている。なお、このクリーニングブレードより上流側にブラシローラーを設けてもよい。

0200

また、感光体1Yの表面に滑剤を供給する(塗布する)滑剤供給手段(図示せず)を設けてもよい。滑剤供給手段は、例えば、一次転写ローラー5Yの下流側かつクリーニング手段6Yの上流側に設けることができる。ただし、クリーニング手段6Yの下流側であってもよい。

0201

画像形成装置100としては、感光体と、現像手段、クリーニング手段などの構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段の少なくとも一つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。

0202

無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラーにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。

0203

画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像担持する画像支持体:例えば普通紙、透明シートなど)Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D、及びレジストローラー23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラー5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラー25に挟持されて機外排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材などの感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。

0204

一方、二次転写手段としての二次転写ローラー5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。

0205

画像形成処理中、一次転写ローラー5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラー5Y、5M及び5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M及び1Cに当接する。

0206

二次転写ローラー5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。

0207

また、装置本体から筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。

0208

筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とからなる。

0209

画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkは、垂直方向縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C及び1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラー71、72、73及び74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5Bk、並びにクリーニング手段6bとからなる。

0210

《トナー及び現像剤》
本発明において、「トナー母体粒子」とは、「トナー粒子」の母体を構成するものである。「トナー母体粒子」は、少なくとも結着樹脂着色剤とを含むものであり、その他必要に応じて、離型剤ワックス)、荷電制御剤などの他の構成成分を含有してもよい。「トナー母体粒子」は、外添剤の添加によって「トナー粒子」と称される。そして、「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。

0211

本発明において、画像形成装置に適用するトナーとしては、特に制限されず、公知の各種トナーを用いることができる。

0212

トナーとしては、粉砕トナー及び重合トナーのいずれを用いることもできるが、高い画質の画像が得られる観点から、重合トナーを用いることが好ましい。

0213

トナーの平均粒径は、特に制限されないが、体積基準メジアン径で2〜8μmの範囲内であることが好ましい。この範囲とすることにより、解像度をより高くすることができる。

0214

また、トナー母体粒子には、外添剤として、平均粒径10〜300nm程度のシリカ及びチタニアなどの無機粒子、平均粒径が0.2〜3μm程度の研磨剤等を適宜量、外添剤として外部添加することができる。

0215

トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウム及び鉛などの合金フェライト及びマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができる。これらの中でも、特にフェライトが好ましい。

0216

キャリアとしては、さらに樹脂により被覆されているもの、又は樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを用いることが好ましい。被覆用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えば、シクロヘキシルメタクリレートメチルメタクリレート共重合体などを用いることが好ましい。

0217

キャリアの体積基準のメジアン径は15〜100μmの範囲内が好ましく、25〜60μmの範囲内がより好ましい。

0218

二成分現像剤に含まれるトナーの濃度は、4.0〜8.0質量%の範囲内であることが好ましい。

0219

以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明の実施の形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。

0220

以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行った。

0221

《感光体の作製》
[感光体1の作製]
〔1.導電性支持体の作製〕
直径60mmの円筒状のアルミニウム支持体の表面を切削加工することにより、表面に細かい粗面加工が施された導電性支持体を作製した。

0222

〔2.中間層の形成〕
下記に示す式(N−1)で表される構造を有するポリアミド樹脂の60質量部を、エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(体積比50/20/30)の混合溶媒1110質量部に加え、20℃で撹拌混合し、この溶液に、市販の酸化チタンナノ粒子SMT−150MK;テイカ社製;平均一次粒子径15nm)を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理したもの300質量部を添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間2時間として分散した。この分散液を一昼夜静置した後、日本ポール社製のリジメッシュ5μmフィルターを使用して50kPaの圧力下で濾過することにより、中間層形成用塗布液を調製した。



次いで、上記調製した中間層形成用塗布液を、上記導電性支持体の外周面に、浸漬塗布法で塗布し、120℃で30分間乾燥することにより、乾燥膜厚が1.5μmの中間層を形成した。

0223

〔3.電荷発生層の形成〕
(3−1)電荷発生物質CG−1の調製
〈3−1−1〉5,6−ジシアノアズレンの合成
特開2011−116717号公報に記載の方法に従い、5,6−ジシアノアズレンを合成した。窒素気流下、ジメチルホルムアミド450質量部に、5,6−ジブロモアズレン52質量部及びシアン化銅49質量部を入れ、加熱還流下で、17時間撹拌反応させた。室温に戻し、反応液チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて生成物を抽出、乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムにて精製を行い、5,6−ジシアノアズレンを27質量部得た(収率83%)。

0224

1H−NMR(CDCl3/TMS)δ(ppm):7.56(1H,d),7.78(1H,d),7.83(1H,d),8.25(1H,t),8.42(1H,d),8.62(1H,s)

0225

〈3−1−2〉化合物I−1の合成
窒素気流下、5,6−ジシアノアズレン27質量部と1−クロロナフタレン200質量部の混合物に、四塩化チタン29質量部を滴下した後、徐々に200℃まで昇温し3時間攪拌した。その後、放冷して130℃になったところで熱時濾過し、1−クロロナフタレンで洗浄した後、メタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄することにより、下記に示す化合物I−1を青色粉末として得た。X線回折スペクトルにピークが見られなかったことから無定形状態と推測される。マススペクトルにおいて776に親ピーク観測され、IRスペクトルにおいては970cm−1付近にTi=Oの吸収が観測されたことから、化合物I−1を同定した。なお、有機溶媒不溶であるためNMRによる同定は実施できなかった。

0226

化合物I−1の2質量部とポリビニルブチラール樹脂1部にメチルエチルケトン50質量部に超音波により分散し、ワイヤーバーで引くことにより膜厚0.2μmの塗布膜をPET透明樹脂基板上に作成した。市販の分光光度計を用いて700〜1800nmまでの近赤外領域の吸収スペクトルを測定すると、1077nmにピークが観測され、その吸光度は1.53であった。図5に、化合物I−1の分光吸収スペクトルを示す。

0227

〈3−1−3〉粗チタニルフタロシアニンの合成
1,3−ジイミノイソインドリン59質量部を1,2−ジクロロベンゼン200質量部に分散し、チタニウムテトラ−n−ブトキシド41質量部を加え、窒素雰囲気下において150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルム、2%塩酸水溶液、水、メタノールで順次洗浄し、乾燥することにより、53質量部(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。

0228

〈3−1−4〉チタニルフタロシアニンと化合物I−1の固溶体形成
上記調製した粗チタニルフタロシアニン48.5質量部と化合物I−1の1.5質量部の混合物を5℃以下において濃硫酸500質量部中で1時間撹拌して溶解し、これを20℃の水10000質量部に注ぎ、析出した結晶を濾過し、水洗してウェットペースト品450質量部を得た。

0229

このウェットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、濾過、乾燥することにより、無定形のチタニルフタロシアニンと化合物I−1の固溶体43質量部(収率86%)を得た。

0230

〈3−1−5〉ブタンジオール付加処理
上記調製した固溶体10.0質量部と、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94質量部を1,2−ジクロロベンゼン200質量部中に混合し、60〜70℃で6時間加熱撹拌した。一夜放置後、この反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗浄することにより、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料からなる電荷発生物質CG−1の10.3質量部を得た。

0231

マススペクトルにおいては、チタニルフタロシアニン及びそのブタンジオール付加体に相当する576と648に強いピークを生じ、加えて、化合物I−1及びそのブタンジオール付加体に相当する776と848に前述の3%に相当する強度の弱いピークを生じた。

0232

電荷発生物質CG−1のX線回折スペクトル(CuKα)においては、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークが生じており、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンと同一である。これらを併せて、化合物I−1の分子とチタニルフタロシアニン分子が結晶構造を変えることなく置換され、固溶体を形成したと考えられる。

0233

IRスペクトルにおいては、970cm−1付近にTi=O、630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れた。また、熱分析(TG)においては390〜410℃に約7%の質量減少が生じた。

0234

以上のことより、電荷発生物質CG−1は、チタニルフタロシアニンと化合物I−1の97:3固溶体(前駆体比に相当)であり、チタニルフタロシアニン及び化合物I−1のそれぞれに対して(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体、又は非付加体が混在している状態であると推定される。

0235

(3−2)電荷発生層形成用塗布液1−1の調製
下記に記載の各原料を混合し、循環式超音波ホモジナイザー(RUS−600TCVP、株式会社日本精機製作所製、19.5kHz、600W)を用いて、循環流量40L/Hで分散し、電荷発生層形成用塗布液1−1を調製した。

0236

電荷発生物質CG−1 24質量部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBL−1、積水化学社製) 12質量部
溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=4/1(V/V) 600質量部
(3−3)電荷発生層の形成
上記調製した電荷発生層形成用塗布液1−1を、上記中間層上に、浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥し、層厚が0.3μmの電荷発生層1を形成した。

0237

〔4.電荷輸送層の形成〕
下記に記載の各原料を混合及び溶解して、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。

0238

電荷輸送物質:下式で表される化合物225質量部
電荷輸送層用バインダー樹脂(ポリカーボネート樹脂「Z300」、三菱ガス化学社製) 300質量部
酸化防止剤(Irganox1010、BASFジャパン社製) 6質量部
溶媒:テトラヒドロフラン1600質量部
溶媒:トルエン400質量部
シリコーンオイル(KF−50、信越化学工業(株)製) 1質量部
上記形成した電荷発生層1上に、この電荷輸送層形成用塗布液を、円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥し、層厚が21μmの電荷輸送層を形成した。

0239

0240

[感光体2〜5の作製]
上記感光体1の作製の電荷発生層の製造工程の「〈3−1−4〉チタニルフタロシアニンと化合物I−1の固溶体形成」において、前駆体として用いた粗チタニルフタロシアニンと化合物I−1の使用量を表Iに記載の量に変更した以外は同様にして、感光体2〜5を作製した。

0241

[感光体6の作製]
上記感光体1の作製の電荷発生層の製造工程の「〈3−1−5〉ブタンジオール付加処理」において、(2R,3R)−2,3−ブタンジオールを加えず、下記に記載の「ブタンジオールを加えない場合の後処理」を行った以外は同様にして、感光体6を作製した。

0242

〈3−1−5A〉ブタンジオールを加えない場合の後処理
感光体1の作製で調製した「〈3−1−4〉チタニルフタロシアニンと化合物I−1の固溶体」10.0質量部を、1,2−ジクロロベンゼン200質量部中に混合し、60〜70℃で6時間加熱撹拌した。一夜放置後、この反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗浄することにより、チタニルフタロシアニンを含有する顔料からなる電荷発生物質CG−6の9.9質量部を得た。マススペクトルにおいては、チタニルフタロシアニンに相当する576に強いピークを生じ、加えて、化合物I−1に相当する776に前述の3%の強度の弱いピークを生じた。電荷発生物質CG−6のX線回折スペクトル(CuKα)においては、9.6°、11.7°、24.1°、27.2°に明確なピークが生じており、公知のY型チタニルフタロシアニン(例えば、特開平2−183258に記載のもの。)と同一であることから、化合物I−1の分子とチタニルフタロシアニン分子が結晶構造を変えることなく置換されたと考えられる。

0243

[感光体7の作製]
上記感光体1の作製の電荷発生層の製造工程の「〈3−1−4〉チタニルフタロシアニンと化合物I−1の固溶体形成」において、濃硫酸処理からウェットペースト品を経て濾過、乾燥するまでの工程を、粗チタニルフタロシアニンと化合物I−1を混合せずに別々のバッチで実施して、固溶体ではなく混合物として用いた以外は同様にして、感光体7を作製した。

0244

[感光体8の作製]
上記感光体1の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−1−3〉、〈3−1−4〉、〈3−1−5〉を、それぞれ下記の製造工程〈3−1−3B〉、〈3−1−4B〉、〈3−1−5B〉に変更した以外は同様にして、感光体8を作製した。

0245

〈3−1−3B〉クロロガリウムフタロシアニンの合成
1,2−ジシアノベンゼン73質量部、三塩化ガリウム50質量部、1−クロロナフタレン600質量部の混合物を、窒素雰囲気下において200℃で4時間加熱した。130℃まで放冷後、析出した結晶を濾過し、N,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間洗浄した後に濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥することにより、52質量部(収率60%)のクロロガリウムフタロシアニンを得た。

0246

〈3−1−4B〉クロロガリウムフタロシアニンのヒドロキシル化及び固溶体形成
上記調製したクロロガリウムフタロシアニン48.5質量部及び化合物I−1の1.5質量部を、5℃以下において濃硫酸500質量部中で1時間撹拌して溶解し、これを20℃の水10000質量部に注ぎ、析出した結晶を濾過し、水洗してウェットペースト品450質量部を得た。

0247

このウェットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、濾過、乾燥することにより、無定形ヒドロキシガリウムフタロシアニンと化合物I−1の固溶体44質量部(収率88%)を得た。

0248

〈3−1−5B〉ガリウムフタロシアニン系に対する後処理
上記〈3−1−4B〉で調製した固溶体10.0質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド190質量部と1mmφのガラスビーズ400質量部とともに、20℃で20時間サンドミルを用いたミリング処理を実施した。この分散液より固形分を取り出しテトラヒドロフランで充分に洗浄及び乾燥して、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有する顔料からなる電荷発生物質CG−8を9.3質量部得た。マススペクトルにおいては、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに相当する598と600に強いピークを生じ、加えて、化合物I−1に相当する776に前述の3%に相当する強度の弱いピークを生じた。電荷発生物質〔CG−8〕のX線回折スペクトル(CuKα)においては、7.3°、24.9°、28.1°に明確なピークが生じており、公知のヒドロキシガリウムフタロシアニン(例えば(特開2000−344778に記載のもの)と同一であることから、化合物I−1の分子とヒドロキシガリウムフタロシアニン分子が結晶構造を変えることなく置換されたと考えられる。

0249

〔感光体9の作製〕
上記感光体8の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−1−2〉、〈3−1−4B〉を、それぞれ下記の製造工程〈3−1−2C〉、〈3−1−4C〉に変更した以外は同様にして、感光体9を作製した。

0250

〈3−1−2C〉化合物I−7の合成
窒素気流下、5,6−ジシアノアズレン27質量部と1−クロロナフタレン200質量部の混合物に三塩化ガリウム27質量部を加えた後、徐々に200℃まで昇温し3時間撹拌した。その後、放冷して130℃になったところで熱時濾過し、1−クロロナフタレンで洗浄した後、メタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄することにより、化合物I−7の青色粉末を得た。X線回折スペクトルにピークが見られなかったことから無定形状態と推測される。マススペクトルにおいて816,818,820,822にCl及びGaの同位体分布を反映した親ピークが観測されたことから、化合物I−7を同定した。なお、有機溶媒に不溶であるためNMRによる同定は実施できなかった。

0251

〈3−1−4C〉クロロガリウムフタロシアニンのヒドロキシル化及び固溶体形成
前記クロロガリウムフタロシアニン48.5質量部及び化合物I−7の1.5質量部を5℃以下において濃硫酸500質量部中で1時間撹拌して溶解し、これを20℃の水10000質量部に注ぎ、析出した結晶を濾過し、水洗してウェットペースト品450質量部を得た。

0252

このウェットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、濾過、乾燥することにより、無定形ヒドロキシガリウムフタロシアニンと化合物I−6の固溶体45質量部(収率90%)を得た。

0253

[感光体10の作製]
前記感光体1の電荷発生層の形成において、製造工程〈3−1−1〉で、5,6−ジブロモアズレンの代わりに2−フルオロ−5,6−ジブロモアズレンを用い、化合物I−1の代わりに、化合物I−17を得て、それを用いた以外は同様にして、感光体10を作製した。

0254

[感光体11の作製]
感光体1の電荷発生層の製造工程〈3−1−2〉において、四塩化チタンの代わりに三塩化バナジウムを用いて、化合物I−1の代わりに化合物I−2を得て、これを用いた以外は同様にして、感光体11を得た。

0255

[感光体12の作製]
感光体1の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−1−3〉を実施せず、製造工程〈3−1−4〉及び〈3−1−5〉を下記の製造工程〈3−1−4D〉及び〈3−1−5D〉に変更して、化合物I−1を単独で電荷発生材料として用いたこと以外は同様にして、感光体12を作製した。

0256

〈3−1−4D〉化合物I−1の酸処理
化合物I−1の50質量部を、5℃以下において濃硫酸500質量部中で1時間撹拌して溶解し、これを20℃の水10000質量部に注ぎ、析出した結晶を濾過し、水洗してウェットペースト品450質量部を得た。

0257

このウェットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、濾過、乾燥することにより、化合物I−1の酸処理体42質量部(収率84%)を得た。

0258

〈3−1−5D〉化合物I−1の後処理
この酸処理した化合物I−1の10.0質量部を、1,2−ジクロロベンゼン200質量部中に混合し、60〜70℃で6時間加熱撹拌した。一夜放置後、この反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗浄することにより、化合物I−1からなる電荷発生物質CG−12を9.9質量部得た。マススペクトルにおいては、化合物I−1に相当する776に強いピークを生じた。

0259

電荷発生物質CG−12の2質量部とポリビニルブチラール樹脂1部にメチルエチルケトン50質量部に超音波により分散し、ワイヤーバーで引くことにより膜厚0.2μmの塗布膜をPET透明樹脂基板上に作成した。市販の分光光度計を用いて700〜1800nmまでの近赤外領域の吸収スペクトルを測定すると、1191nmにピークが観測され、その吸光度は2.04であった。

0260

[感光体13の作製]
上記感光体12の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−1−2〉で、四塩化チタンの代わりに三塩化ガリウムを用いて化合物I−7を得て、製造工程(3−1−4D)での酸処理により化合物I−6に変換したことの他は、同様にして感光体13を得た。次いで、感光体12の製造工程〈3−1−5D〉に記載の条件で同様に吸収スペクトルを測定すると、1160nmにピークが観測され、その吸光度は1.77であった。

0261

[感光体14の作製]
上記感光体12の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−1−1〉で、5,6−ジブロモアズレンの代わりに2−フルオロ−5,6−ジブロモアズレンを用いたことの他は、同様にして感光体14を得た。感光体12の製造工程(3−1−5D)に記載の条件で同様に吸収スペクトルを測定すると、1134nmにピークが観測され、その吸光度は1.58であった。

0262

[感光体15の作製]
上記感光体12の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−1−1〉で、5,6−ジブロモアズレンの代わりに1,2,3−トリメチル−5,6−ジブロモアズレンを用いたことの他は、同様にして感光体15を得た。感光体12の製造工程(3−1−5D)に記載の条件で同様に吸収スペクトルを測定すると、1207nmにピークが観測され、その吸光度は1.96であった。

0263

[感光体16の作製]
上記感光体12の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−1−1〉で、5,6−ジブロモアズレンの代わりに、1,2−ジブロモフェノチアジンを用いたことの他は、同様にして感光体16を得た。感光体12の製造工程(3−1−5D)に記載の条件で同様に吸収スペクトルを測定すると、1087nmにピークが観測され、その吸光度は1.15であった。

0264

[感光体17の作製]
前記感光体1の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−1−1〉、〈3−1−2〉を実施せず、製造工程〈3−1−4〉において、粗チタニルフタロシアニン48.5質量部と化合物I−1の1.5質量部の代わりにチタニルフタロシアニン50質量部のみを用い、製造工程〈3−1−5〉における電荷発生物質CG−17として、チタニルフタロシアニンの(2R,3R)−2,3−ブタンジオール1:1付加体及び非付加体の混合物を得たこと以外は同様にして、感光体17を得た。なお、感光体12の製造工程(3−1−5D)に記載の条件で同様に吸収スペクトルを測定すると、856nmにピークが観測され、その吸光度は2.48であったが、1000nm以上には吸収は存在しなかった。

0265

[感光体18の作製]
前記感光体9の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−1−1〉、〈3−1−2C〉を実施せず、製造工程〈3−1−4C〉においてクロロガリウムフタロシアニン48.5質量部と化合物I−7の1.5質量部の代わりにクロロガリウムフタロシアニン50質量部のみを用い、製造工程(3−1−5)における電荷発生物質CG−18として、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを得たこと以外は同様にして、感光体18を得た。なお、感光体12の製造工程(3−1−5D)に記載の条件で同様に吸収スペクトルを測定すると、827nmにピークが観測され、その吸光度は2.15であったが、1000nm以上には吸収は存在しなかった。

0266

[感光体19の作製]
上記感光体17の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−2〉で、市販の希土類蛍光体粉末(NaY0.77Yb0.20Er0.03F4、シグマアルドリッチ社製)を2質量部加えた以外は同様にして、感光体19を作製した。

0267

[感光体20の作製]
上記感光体17の作製において、電荷発生層の製造工程〈3−2〉で、市販の希土類蛍光体粉末(NaY0.77Yb0.20Er0.03F4、シグマ=アルドリッチ社製)を5質量部加えた以外は同様にして、感光体20を作製した。

0268

0269

《感光体の評価》
下記の方法に従って、上記作製した各感光体の評価を行った。

0270

〔電子写真画像形成装置の作製〕
市販のフルカラー複合機「bizhub Press C1070」(コニカミノルタ社製)に、上記作製した感光体1〜20をそれぞれ搭載し、電子写真画像形成装置1〜20を作製し、これを用いて下記の各評価を行った。

0271

〔黒ポチの評価〕
長期印刷として、画像比率が5%の文字画像を、A4横送りで各20万枚両面連続プリントを行う耐久試験を実施した。その後、温度40℃、湿度85%RHの環境下において、転写材:「A3/PODグロスコート(A3サイズ、100g/m2)」(王子製紙社製)上に、グリッド電圧を−900V、現像バイアスを−720Vの条件で、無地画像(白ベタ画像)を形成し、得られた転写材上の10×10cm2の範囲における直径0.1mm以上の黒点(黒ポチ)発生数感光体周期=188mm間隔で発生するもの)を、ルーペを併用しながら目視カウントし、下記の判定基準に従って黒ポチを評価した。

0272

A:10×10cm2の範囲内に、直径0.1mm以上の黒点が観測されない
B:10×10cm2の範囲内に、直径0.1mm以上の黒点が1〜9個認められる
C:10×10cm2の範囲内に、直径0.1mm以上の黒点が10個以上認められる
上記ランクにおいて、A及びBであれば「合格」、Cは「不合格」と判定した。

0273

〔感度の評価〕
露光前の帯電電位V0を基準として、表面電位がV0/2に半減するときの露光エネルギーE1/2(μJ/cm2)の値を感光体の感度として評価した。評価は、ジェンテック社製のCYNTHIA59を用いて、20℃、50%RHの条件下、暗所スコロトロン帯電器により感光体を表面電位が−700Vになるように帯電させ、波長780nm及び1100nmの単色近赤外LED光源を用いて、露光エネルギーを変化させながら露光後の感光体表面電位を測定し、感光体表面電位が−350Vになるときの露光エネルギーを内挿により求め、その値を求めた。なお、1100nmで露光したときに表面電位の低下がみられなかった感光体については、感度E1/2の値なしと表示した。

0274

〔ドット再現性の評価〕
1200dpiのハーフトーン画像を連続1000枚印刷し、1000枚目の画像でドット再現性を、ルーペで拡大して判定し、下記の基準に従ってドット再現性の評価を行った。なお、感光体12〜16及び19、20の評価には、露光系レーザーを通常の780nm半導体レーザーダイオードから1064nm半導体レーザーダイオードに差し替え改造機を用いた。

0275

A:独立して再現されているドットの割合が100%
B:独立して再現されているドットの割合が90%以上、100%未満
C:独立して再現されているドットの割合が50%以上、90%未満
D:独立して再現されているドットの割合が50%未満
上記ランクにおいて、A及びBであれば「合格」、C及びDは「不合格」と判定した。

実施例

0276

以上により得られた結果を、表IIに示す。



表IIに記載の結果より明らかなように、本発明の感光体は、比較例に対し、黒ポチの発生が著しく防止され、感度に優れ、かつドット再現性に優れた特性を有していることが分かる。

0277

1Y、1M、1C、1Bk感光体
2Y、2M、2C、2Bk帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk露光手段
4Y、4M、4C、4Bk現像手段
5Y、5M、5C、5Bk一次転写ローラー
5b二次転写ローラー
6Y、6M、6C、6Bk、6bクリーニング手段
7中間転写体ユニット
8筐体
10Y、10M、10C、10Bk画像形成ユニット
11 保護層
12表面修飾剤(樹脂中)
13 樹脂
14A、14B表面修飾済金属酸化物粒子
15 金属酸化物粒子(無機フィラー
16、17 表面修飾剤(粒子表面)
20給紙カセット
21 給紙手段
22A、22B、22C、22D中間ローラー
23レジストローラー
24定着手段
25排紙ローラー
26排紙トレイ
70中間転写体
71、72、73、74ローラー
77 中間転写体
82L、82R支持レール
100画像形成装置
101電子写真感光体(感光体)
102導電性支持体
103 中間層
104感光層
105 保護層
106電荷発生層
107 電荷輸送層

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