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技術 パウダー分散液、積層体の製造方法及び積層体

出願人 AGC株式会社
発明者 寺田達也細田朋也
出願日 2019年9月2日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-159692
公開日 2021年3月11日 (2ヶ月経過) 公開番号 2021-038300
状態 未査定
技術分野 電子写真における感光体 高分子組成物 高分子物質の処理方法
主要キーワード 極性単位 溶融流れ速度 B型粘度計 カルボニル基含有基 PAVE単位 液状被膜 非反応型 チキソ比
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年3月11日)のものです。
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課題

所定の熱溶融性ポリマーパウダー及び電荷輸送性芳香族化合物分散性が高いパウダー分散液の提供、及び、電荷輸送効率及び耐磨耗性に優れた電荷輸送層を有する積層体及びその製造方法の提供。

解決手段

本発明のパウダー分散液は、テトラフルオロエチレンに基づく単位及び極性官能基を有する熱溶融性のポリマーのパウダーと、電荷輸送性の芳香族化合物と、液状媒体とを含み、25℃における粘度が1000mPa・s以下である。

概要

背景

電荷輸送性芳香族化合物は、発光素子電子写真感光体電荷輸送層を構成する材料として使用されている。例えば、電子写真感光体の電荷輸送層を形成する際には、上記電荷輸送性の芳香族化合物とフィラーとが併用される。
特許文献1〜3では、電荷輸送層の形成に適した材料として、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)等のフルオロポリマーパウダーをフィラーに使用した分散液が提案されている。

概要

所定の熱溶融性ポリマーのパウダー及び電荷輸送性の芳香族化合物の分散性が高いパウダー分散液の提供、及び、電荷輸送効率及び耐磨耗性に優れた電荷輸送層を有する積層体及びその製造方法の提供。本発明のパウダー分散液は、テトラフルオロエチレンに基づく単位及び極性官能基を有する熱溶融性のポリマーのパウダーと、電荷輸送性の芳香族化合物と、液状媒体とを含み、25℃における粘度が1000mPa・s以下である。なし

目的

本発明は、所定の熱溶融性のポリマーのパウダー及び電荷輸送性の芳香族化合物の分散性が高いパウダー分散液の提供と、電荷輸送効率及び耐磨耗性に優れた電荷輸送層を有する積層体及びその製造方法の提供とを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

テトラフルオロエチレンに基づく単位及び極性官能基を有する熱溶融性ポリマーパウダーと、電荷輸送性芳香族化合物と、液状媒体とを含み、25℃における粘度が1000mPa・s以下である、パウダー分散液。

請求項2

前記パウダー分散液に占める前記芳香族化合物の割合に対する前記ポリマーの割合の質量での比が、0.01以上である、請求項1に記載のパウダー分散液。

請求項3

前記パウダーの平均粒子径が、10μm未満である、請求項1又は2に記載のパウダー分散液。

請求項4

前記ポリマーの溶融温度が、260〜320℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパウダー分散液。

請求項5

前記極性官能基が、アルコキシカルボニル基カーボネート基酸無水物残基及びイミド残基からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボニル基含有基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパウダー分散液。

請求項6

前記芳香族化合物が、フルオレノンカルバゾールインドールイミダゾールオキサゾールピラゾールチアジアゾ—ル、ベンゾフランジアリールアミントリアリールアミン及びスチルベンからなる群から選ばれる少なくとも1種の環構造を複数有し、かつ前記複数の環構造が単結合、−CH=N−又は−CH=CH−CH=CH−を介して連結されてなる化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパウダー分散液。

請求項7

前記液状媒体が、ケトンエステル又はアミドである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパウダー分散液。

請求項8

さらに、ポリテトラフルオロエチレンのパウダーを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のパウダー分散液。

請求項9

さらに、ポリマー分散剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパウダー分散液。

請求項10

さらに、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアルケニル基を有するモノマーに基づく単位と、オキシアルキレン基を有するモノマーに基づく単位とを含むポリマー分散剤を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のパウダー分散液。

請求項11

さらに、結着樹脂を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のパウダー分散液。

請求項12

さらに、ポリカーボネート樹脂ポリアリレート樹脂ポリビニルアセタール樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の結着樹脂を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のパウダー分散液。

請求項13

請求項1〜12のいずれか1項に記載のパウダー分散液を、基材の表面に塗布し加熱して、前記ポリマーのパウダーが分散した前記芳香族化合物で構成された電荷輸送層を形成し、前記基材と前記電荷輸送層とをこの順に有する積層体を得る、積層体の製造方法。

請求項14

前記パウダー分散液を加熱する際の温度が、前記ポリマーの溶融温度未満である、請求項13に記載の製造方法。

請求項15

基材と、テトラフルオロエチレンに基づく単位及び極性官能基を有する熱溶融性のポリマーのパウダーが分散した電荷輸送性の芳香族化合物で構成された電荷輸送層とを、この順に有する、積層体。

技術分野

0001

本発明は、パウダー分散液、積層体の製造方法及び積層体に関する。

背景技術

0002

電荷輸送性芳香族化合物は、発光素子電子写真感光体電荷輸送層を構成する材料として使用されている。例えば、電子写真感光体の電荷輸送層を形成する際には、上記電荷輸送性の芳香族化合物とフィラーとが併用される。
特許文献1〜3では、電荷輸送層の形成に適した材料として、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)等のフルオロポリマーのパウダーをフィラーに使用した分散液が提案されている。

先行技術

0003

国際公開2018/139555号
国際公開2018/169021号
国際公開2019/070003号

発明が解決しようとする課題

0004

かかる電荷輸送層では、電荷輸送効率耐摩耗性を向上させる観点から、電荷輸送性の芳香族化合物とフィラーとが高度に分散している必要がある。
しかし、特許文献1〜3の分散液は、分散性が未だ充分でなく、電荷輸送効率と耐摩耗性とを充分に具備した電荷輸送層を形成できない点を、本発明者らは知見している。
この原因は、フルオロポリマーがその低い極性により、他の化合物相互作用しにくく、一方で、上記芳香族化合物も分子サイズが大きい共役系化合物である場合が多く、その低い極性により、他の化合物と相互作用しにくいためであると考えられる。

0005

そのため、特許文献1〜3では、フルオロポリマーのパウダーを含む分散液と芳香族化合物との混合に際して、予め、分散液を物理的に粉砕処理湿式ジェットミル)して、パウダーと芳香族化合物との混合分散性の改善を試みている。
しかし、粉砕処理を行うと、フルオロポリマーの変質誘引され、パウダー分散液や電荷輸送層中においてパウダーの分散状態が逆に制御しにくくなり、また、電荷輸送層の耐摩耗性も損なわれやすい点を、本発明者らは知見している。

0006

本発明は、所定の熱溶融性ポリマーのパウダー及び電荷輸送性の芳香族化合物の分散性が高いパウダー分散液の提供と、電荷輸送効率及び耐磨耗性に優れた電荷輸送層を有する積層体及びその製造方法の提供とを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、下記の態様を有する。
<1>テトラフルオロエチレンに基づく単位及び極性官能基を有する熱溶融性のポリマーのパウダーと、電荷輸送性の芳香族化合物と、液状媒体とを含み、25℃における粘度が1000mPa・s以下である、パウダー分散液。
<2>前記パウダー分散液に占める前記芳香族化合物の割合に対する前記ポリマーの割合の質量での比が、0.01以上である、上記<1>のパウダー分散液。
<3>前記パウダーの平均粒子径が、10μm未満である、上記<1>又は<2>のパウダー分散液。
<4>前記ポリマーの溶融温度が、260〜320℃である、上記<1>〜<3>のいずれかのパウダー分散液。
<5>前記極性官能基が、アルコキシカルボニル基カーボネート基酸無水物残基及びイミド残基からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボニル基含有基である、上記<1>〜<4>のいずれかのパウダー分散液。
<6>前記芳香族化合物が、フルオレノンカルバゾールインドールイミダゾールオキサゾールピラゾールチアジアゾ—ル、ベンゾフランジアリールアミントリアリールアミン及びスチルベンからなる群から選ばれる少なくとも1種の環構造を複数有し、かつ前記複数の環構造が単結合、−CH=N−又は−CH=CH−CH=CH−を介して連結されてなる化合物である、上記<1>〜<5>のいずれかのパウダー分散液。
<7>前記液状媒体が、ケトンエステル又はアミドである、上記<1>〜<6>のいずれかのパウダー分散液。
<8>さらに、ポリテトラフルオロエチレンのパウダーを含む、上記<1>〜<7>のいずれかのパウダー分散液。
<9>さらに、ポリマー分散剤を含む、上記<1>〜<8>のいずれかのパウダー分散液。
<10>さらに、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアルケニル基を有するモノマーに基づく単位と、オキシアルキレン基を有するモノマーに基づく単位とを含むポリマー分散剤を含む、上記<1>〜<9>のいずれかのパウダー分散液。
<11>さらに、結着樹脂を含む、上記<1>〜<10>のいずれかのパウダー分散液。
<12>さらに、ポリカーボネート樹脂ポリアリレート樹脂ポリビニルアセタール樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の結着樹脂を含む、上記<1>〜<11>のいずれかのパウダー分散液。
<13>上記<1>〜<12>のいずれかのパウダー分散液を、基材の表面に塗布し加熱して、前記ポリマーのパウダーが分散した前記芳香族化合物で構成された電荷輸送層を形成し、前記基材と前記電荷輸送層とをこの順に有する積層体を得る、積層体の製造方法。
<14>前記パウダー分散液を加熱する際の温度が、前記ポリマーの溶融温度未満である、上記<13>の製造方法。
<15>基材と、テトラフルオロエチレンに基づく単位及び極性官能基を有する熱溶融性のポリマーのパウダーが分散した電荷輸送性の芳香族化合物で構成された電荷輸送層とを、この順に有する、積層体。

発明の効果

0008

本発明によれば、所定の熱溶融性のポリマーのパウダー及び電荷輸送性の芳香族化合物の分散性が高いパウダー分散液と、電荷輸送効率及び耐磨耗性に優れた電荷輸送層を有する積層体とが得られる。

0009

以下の用語は、以下の意味を有する。
「熱溶融性のポリマー」とは、溶融流動性を示すポリマーを意味し、荷重49Nの条件下、ポリマーの溶融温度よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度が0.1〜1000g/10分となる温度が存在するポリマーを意味する。なお、「溶融流れ速度(MFR)」とは、JIS K 7210:1999(ISO 1133:1997)に規定される、ポリマーのメルトマスフローレートを意味する。
「ポリマーの溶融温度(融点)」は、示差走査熱量測定DSC)法で測定したポリマーの融解ピーク最大値に対応する温度である。
「パウダーの平均粒子径(D50)」は、レーザー回折散乱法によって求められるパウダーの体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によってパウダーの粒度分布を測定し、パウダーの粒子集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「パウダーのD90」は、同様にして測定されるパウダーの体積基準累積90%径である。
パウダーのD50及びD90は、パウダーを水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920測定器)を用いて求められる。
「パウダー分散液の粘度」は、B型粘度計を用いて、25℃で回転数が30rpmの条件下でパウダー分散液について測定される値である。測定を3回繰り返し、3回分の測定値平均値とする。
「パウダー分散液のチキソ比」は、回転数が30rpmの条件で測定されるパウダー分散液の粘度η1を回転数が60rpmの条件で測定されるパウダー分散液の粘度η2で除して算出される値(η1/η2)である。
ポリマーにおける「単位」は、重合反応によってモノマーから直接形成された原子団であってもよく、重合反応によって得られたポリマーを所定の方法で処理して、構造の一部が変換された原子団であってもよい。ポリマーに含まれる、モノマーAに基づく単位を、単に「モノマーA単位」とも記す。
重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」とも記す。)により測定された標準ポリスチレン換算値である。
「(メタアクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとの総称である。

0010

本発明のパウダー分散液は、テトラフルオロエチレンに基づく単位及び極性官能基を有する熱溶融性のポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)のパウダーと、電荷輸送性の芳香族化合物(以下、単に「芳香族化合物」とも記す。)と、液状媒体とを含み、25℃における粘度が1000mPa・s以下である。
本発明のパウダー分散液を基材の表面に塗布し加熱すれば、Fポリマーのパウダー(以下、単に「パウダー」とも記す。)が分散した芳香族化合物で構成された電荷輸送層を形成できる。かかる電荷輸送層は、電荷輸送効率及び耐磨耗性に優れる。この理由は、必ずしも明確でないが、以下のように考えられる。

0011

本発明におけるFポリマーは、極性官能基の存在により極性が高まり、他の化合物と相互作用しやすい状態になっている。このため、パウダーは、液状媒体と良好に相互作用して、パウダー分散液中に均一に分散すると考えられる。一方で、Fポリマーは、芳香族化合物との相互作用も強まるので、芳香族化合物がパウダーの表面に固着しやすくなると考えられる。その結果、パウダー分散液中において、パウダー及び芳香族化合物が均一かつ安定して分散したと推察される。なお、芳香族化合物のパウダーへの固着は、パウダーの表面に芳香族化合物が付着又は結着して生じる物理的な固着であってもよく、Fポリマーと芳香族化合物とが化学的に結合して生じる化学的な固着であってもよい。

0012

かかるパウダー分散液は、その粘度が比較的低いため流動性が高く、それから電荷輸送層を形成すると、均質な電荷輸送層が得られやすく、よって、電荷輸送層中でもパウダー及び芳香族化合物が均一に存在しやすくなると考えられる。その結果、電荷輸送層では、芳香族化合物に基づく良好な電荷輸送効率と、Fポリマー(パウダー)に基づく優れた耐磨耗性とがバランスよく発現したと推察される。

0013

本発明におけるパウダーのD50は、10μm未満が好ましく、6μm以下がより好ましい。パウダーのD50は、0.1μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。また、パウダーのD90は、30μm以下が好ましく、20μm以下がさらに好ましい。この範囲のD50及びD90において、パウダー全体としての表面積が増大して、パウダーの表面への芳香族化合物の固着量も増加する。このため、パウダー分散液中でのパウダーの分散性がより高まる。その結果、電荷輸送層の電荷輸送効率及び耐磨耗性が充分に発現しやすい。

0014

本発明におけるパウダーは、Fポリマー以外の樹脂を含んでいてもよいが、Fポリマーを主成分とするのが好ましい。パウダーにおけるFポリマーの含有量は、80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
上記樹脂としては、芳香族ポリエステルポリアミドイミド熱可塑性ポリイミドポリフェニレンエーテルポリフェニレンオキシドが挙げられる。

0015

本発明におけるFポリマーが有する極性官能基は、極性官能基を有するモノマーに基づく単位に含まれていてもよく、ポリマー主鎖末端部に含まれていてもよく、表面処理放射線処理電子線処理コロナ処理プラズマ処理等)によりFポリマー中に含まれていてもよく、最前者が好ましい。また、Fポリマーが有する極性官能基は、極性官能基を形成し得る基を有するFポリマーを変性して調製された基であってもよい。ポリマー末端基に含まれる極性官能基は、そのFポリマーの重合に際して使用する成分(重合開始剤連鎖移動剤等)を調整することにより得られる。

0016

本発明における極性官能基は、水酸基含有基、カルボニル基含有基、アセタール基又はホスホノ基(−OP(O)OH2)が好ましく、カルボニル基含有基がより好ましい。
水酸基含有基は、アルコール性水酸基を含有する基が好ましく、−CF2CH2OH、−C(CF3)2OH又は1,2−グリコール基(−CH(OH)CH2OH)がより好ましい。
カルボニル基含有基としては、カルボニル基(>C(O))を含む基であり、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基イソシアネート基カルバメート基(−OC(O)NH2)、酸無水物残基(−C(O)OC(O)−)、イミド残基(−C(O)NHC(O)−等)、カーボネート基(−OC(O)O−)が挙げられる。中でも、カルボニル基含有基は、アルコキシカルボニル基、カーボネート基、酸無水物残基及びイミド残基からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。この場合、パウダーの表面への芳香族化合物の固着量がより増加するとともに、電荷輸送層の密着性もより向上する。

0017

Fポリマーは、テトラフルオロエチレンに基づく単位(TFE単位)と、極性官能基を有するモノマーに基づく単位(以下、「極性単位」とも記す。)とを有するポリマーが好ましく、TFE単位と、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ペルフルオロアルキルビニルエーテル)(PAVE)又はフルオロアルキルエチレンFAE)に基づく単位(以下、「PAE単位」とも記す。)と、極性単位とを有するポリマーがより好ましい。

0018

TFE単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、50〜99モル%が好ましく、90〜99モル%がより好ましい。
PAE単位は、PAVE単位又はHFP単位が好ましく、PAVE単位がより好ましい。PAE単位は、2種類以上であってもよい。
PAE単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、1.5モル%以上が好ましく、2〜9.97モル%がより好ましい。この場合、Fポリマーが適度な柔軟性を有するため、得られる電荷輸送層は、押圧力が付与される部材(例えば、電子写真感光体)の電荷輸送層に好適に使用できる。

0019

PAVEとしては、CF2=CFOCF3(PMVE)、CF2=CFOCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3(PPVE)、CF2=CFOCF2CF2CF2CF3が挙げられ、PMVE又はPPVEが好ましい。
FAEとしては、CH2=CH(CF2)2F(PFEE)、CH2=CH(CF2)3F、CH2=CH(CF2)4F(PFBE)、CH2=CF(CF2)3H、CH2=CF(CF2)4Hが挙げられ、PFEE又はPFBEが好ましい。

0020

極性単位は、環状酸無水物残基を有するモノマー単位又は環状カーボネート基を有するモノマー単位が好ましく、環状酸無水物残基を有するモノマー単位がより好ましく、無水イタコン酸無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物別称無水ハイミック酸。以下、「NAH」とも記す。)又は無水マレイン酸がさらに好ましく、NAHが特に好ましい。
極性単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、0.01〜3モル%が好ましい。極性単位は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。

0021

また、この場合のFポリマーは、TFE単位、PAE単位及び極性単位以外の単位(以下、「他の単位」とも記す。)を、さらに含んでいてもよい。他の単位は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
他の単位を形成するモノマーとしては、エチレン、プロピレン塩化ビニル塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン(VDF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)が挙げられる。他の単位は、エチレン、VDF又はCTFEが好ましく、エチレンがより好ましい。
Fポリマーにおける他の単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、0〜50モル%が好ましく、0〜40モル%が特に好ましい。

0022

Fポリマーの溶融温度は、260〜320℃が好ましく、300〜320℃がより好ましくい。この場合、パウダーの接着性をさらに向上させやすい。また、電荷輸送層を形成する際の加熱により、パウダーが溶融するのを防止又は抑制でき、電荷輸送層の耐摩耗性が高まりやすい。
Fポリマーの380℃における溶融粘度は、1×103〜1×106Pa・sが好ましい。

0023

本発明における芳香族化合物は、電荷電子又は正孔)を輸送する能力を有する化合物である。
芳香族化合物は、フルオレノン、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、チアジアゾ—ル、ベンゾフラン、ジアリールアミン、トリアリールアミン及びスチルベンからなる群から選ばれる少なくとも1種の環構造を複数有し、かつ前記複数の環構造が単結合、−CH=N−又は−CH=CH−CH=CH−を介して連結した化合物が好ましい。これらの化合物を使用すれば、特に電荷輸送効率の高い電荷輸送層が得られやすい。
芳香族化合物は、非ポリマー状であってもよく、ポリマー状であってもよい。ポリマー状である場合の芳香族性化合物は、Fポリマーと異なるポリマーである。
ポリマー状の芳香族性化合物としては、上記環構造を有する基を主鎖又は側鎖に有するポリマーが挙げられる。
ポリマー状の芳香族化合物の重量平均分子量(Mw)は、5000〜100000が好まい。この場合、芳香族化合物は、電荷の高い輸送能力を維持しつつ、Fポリマーとの相互作用がより高まりやすい。

0024

芳香族化合物の具体例としては、[ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(4,4’−(N−(4−sec−ブチルフェニルジフェニルアミン)]]、ポリ(2,7−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン)−(1,4−フェニレン−((4−sec−ブチルフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、2,2’,7,7’−テトラキス[N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミノ]−9,9’−スピロビフルオレン、ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニルアミン]]、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン]、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセンポリチオフェンポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレビニレンが挙げられる。

0025

本発明における液状媒体は、25℃で液体の化合物であればよい。液状媒体は、極性媒体が好ましい。極性媒体を使用すれば、パウダーの分散液中での分散性がより高まる。
極性媒体は、プロトン性であってもよく、非プロトン性であってもよい。また、極性媒体は、水性媒体であってもよく、非水性媒体であってもよい。極性媒体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
極性媒体は、水、アミド、アルコールスルホキシド、エステル、ケトン又はグリコールエーテルが好ましく、ケトン、エステル又はアミドがより好ましい。

0026

極性媒体の具体例としては、水、メタノールエタノールイソプロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドN−メチル−2−ピロリドンジメチルスルホキシドジエチルエーテルジオキサン乳酸エチル酢酸エチル酢酸ブチルメチルエチルケトンメチルイソプロピルケトン、シクロペンタノンシクロヘキサノンエチレングリコールモノイソプロピルエーテルセロソルブ(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)が挙げられる。
中でも、極性媒体は、メチルエチルケトン、酢酸エチル又はN−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。

0027

本発明のパウダー分散液は、上記パウダーに加え、極性官能基を有さないフルオロポリマーのパウダーを含んでいてもよい。上述したように、Fポリマーは、極性官能基を有するため、芳香族化合物との相互作用が強まるだけでなく、同種のフルオロポリマーとも強く相互作用する。このため、フルオロポリマーのパウダー自体は、液状媒体への分散性が低いものの、Fポリマーを介して液状媒体に均一かつ安定して分散できる。
フルオロポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー(ETFE)が挙げられ、PTFEが好ましい。
この場合、Fポリマーとフルオロポリマーとの比率は、質量比で1:10〜1:30が好ましく、1:15〜1:25がより好ましい。比較的安価に入手可能なフルオロポリマーのパウダーを上記比率で使用すれば、電荷輸送層の耐摩耗性をより向上でき、かつ、製造コストを削減できる。

0028

本発明のパウダー分散液は、パウダーの分散性をより向上させる観点から、ポリマー分散剤を含むのが好ましい。また、ポリマー分散剤は、ノニオン性かつフッ素系であるのがより好ましい。なお、ノニオン性のフッ素系ポリマー分散剤(以下、「分散剤F」とも記す。)は、Fポリマーと異なるポリマーである。
分散剤Fは、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアルケニル基を有する(メタ)アクリレートに基づく単位と、オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートに基づく単位とを含むコポリマーが好ましい。この場合、分散剤FのFポリマー及び液状媒体に対する相互作用がバランスして、本発明のパウダー分散液は、パウダーの分散性に加えて、その成膜性が向上しやすい。
このコポリマーの重量平均分子量(Mw)は、2000〜80000が好ましい。
このコポリマーのフッ素含有量は、10〜60質量%が好ましい。
このコポリマーのオキシアルキレン基の含有量は、10〜60質量%が好ましい。
また、このコポリマーがアルコール性水酸基を有する場合、その水酸基価は、10〜300mgKOH/gが好ましい。

0029

ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアルケニル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、CH2=C(CH3)C(O)OCH2CH2(CF2)4F、CH2=CHC(O)OCH2CH2(CF2)6F、CH2=C(CH3)C(O)OCH2CH2(CF2)6F、CH2=CHC(O)OCH2CH2OCF(CF3)C(=C(CF3)2)(CF(CF3)2)、CH2=C(CH3)C(O)OCH2CH2OCF(CF3)C(=C(CF3)2)(CF(CF3)2)、CH2=CHC(O)OCH2CH2CH2CH2OCF(CF3)C(=C(CF3)2)(CF(CF3)2)、CH2=C(CH3)C(O)OCH2CH2CH2CH2OCF(CF3)C(=C(CF3)2)(CF(CF3)2)が挙げられる。

0030

オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、CH2=C(CH3)C(O)OCH2CH2OH、CH2=C(CH3)C(O)OCH2CH2CH2CH2OH、CH2=C(CH3)C(O)(OCH2CH2)4OH、CH2=C(CH3)C(O)(OCH2CH2)9OH、CH2=C(CH3)C(O)(OCH2CH2)23OH、CH2=C(CH3)C(O)(OCH2CH2)9OCH3、CH2=C(CH3)C(O)(OCH2CH2)23OCH3、CH2=C(CH3)C(O)(OCH2CH2)66OCH3、CH2=C(CH3)C(O)(OCH2CH2)120OCH3が挙げられる。
上記コポリマーの具体例としては、「フタジェントシリーズネオス社製)、「サーフロン」シリーズ(AGCセイケミカル社製)、「メガファック」シリーズ(DIC社製)、「ユニダイン」シリーズ(ダイキン工業社製)が挙げられる。

0031

本発明のパウダー分散液は、電荷輸送層を形成する際に、パウダーに結着して、その粉落ちを抑制する観点、芳香族化合物同士の密着性(電荷輸送層の緻密性)を向上する観点等から、結着樹脂を含むのが好ましい。
本発明における結着樹脂の結着樹脂の5%重量減少温度は、300℃以上が好ましく、320℃以上がさらに好ましい。結着樹脂の5%重量減少温度は、600℃以下が好ましい。この範囲において、結着樹脂の分解ガス気泡)や結着樹脂自体の反応に伴う副生物によるガス(気泡)による、電荷輸送層の界面荒れを効果的に抑制でき、電荷輸送層の基材に対する密着性が一層向上しやすい。

0032

かかる結着樹脂は、パウダー分散液の液状媒体に可溶な樹脂が好ましい。これにより、パウダー分散液中での結着樹脂と他成分(Fポリマー、芳香族化合物、液状媒体)との相互作用が高まり、パウダー分散液の分散性が向上しやすい。さらに、電荷輸送層の形成における加熱において、結着樹脂の流動性が高まり、高度に均一なマトリックスが形成されやすい。その結果、耐摩耗性等のFポリマーの元来の物性、及び電荷輸送効率等の芳香族化合物の元来の物性がそのまま発現しつつ、基材に対する密着性の高い電荷輸送層が形成されると考えられる。特に、パウダー分散液中の結着樹脂の割合が低い場合、かかる効果が一層亢進しやすい。

0033

結着樹脂は、非反応型の樹脂であってもよく、反応型の樹脂であってもよい。
非反応型の樹脂とは、本発明のパウダー分散液の使用条件において反応が生じる反応性基を有しない樹脂を意味する。
一方、反応型の樹脂とは、上記反応性基を有し、本発明のパウダー分散液の使用条件において、反応(縮合反応付加反応等)が生じる樹脂を意味する。
結着樹脂は、熱可塑性であってもよく、熱硬化性であってもよい。
結着樹脂が熱可塑性であれば、パウダー分散液から電荷輸送層を形成する際の加熱において、結着樹脂の流動性が亢進し、均質な電荷輸送層が形成され、基材に対する密着性が向上しやすい。熱可塑性の結着樹脂は、非反応型の熱可塑性樹脂が好ましい。
一方、結着樹脂が熱硬化性であれば、その硬化物の存在により、電荷輸送層の線膨張性が一層低下し、反りがより抑制されやすい。

0034

結着樹脂は、芳香族化合物の電荷輸送性に悪影響を及ぼさない樹脂が好ましく、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。

0035

本発明のパウダー分散液は、本発明の効果を損なわない範囲で、チキソ性付与剤消泡剤シランカップリング剤脱水剤可塑剤、耐候剤、酸化防止剤熱安定剤滑剤帯電防止剤増白剤着色剤導電剤離型剤表面処理剤、粘度調節剤、難燃剤を含んでいてもよい。
パウダー分散液の25℃における粘度は、1000mPa・s以下であり、50〜750mPa・sが好ましく、100〜500mPa・sがより好ましい。この場合、パウダー分散液の液物性(分散性及び塗工性)と異種の材料との相溶性にも優れている。
パウダー分散液のチキソ比は、1〜2.5が好ましく、1.2〜2がより好ましい。この場合、パウダー分散液の液物性に優れるだけでなく、電荷輸送層の均質性がより向上しやすい。

0036

本発明のパウダー分散液に占める芳香族化合物の割合に対するFポリマーの割合の質量での比は、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05〜0.5がさらに好ましい。かかる範囲において、電荷輸送層の電荷輸送効率と耐摩耗性とのバランスが特に良好となる。
具体的には、パウダー分散液に占める芳香族化合物の割合は、5〜60質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましく、30〜45質量%がさらに好ましい。この範囲において、電荷輸送効率に優れた電荷輸送層を形成しやすい。
また、パウダー分散液に占めるFポリマーの割合は、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましい。この範囲において、耐摩耗性と基材に対する密着性とに優れた電荷輸送層を形成しやすい。
パウダー分散液が結着樹脂を含む場合、そのパウダー分散液に占める割合は、0.01〜1質量%が好ましい。
パウダー分散液がポリマー分散剤を含む場合、そのパウダー分散液に占める割合は、1〜15質量%が好ましい

0037

本発明の積層体の製造方法(本法)は、上記パウダー分散液を、基材の表面に塗布し加熱して、Fポリマーのパウダーが分散した芳香族化合物で構成された電荷輸送層を形成し、基材と電荷輸送層とをこの順に有する積層体を得る方法である。
パウダー分散液の塗布方法は、基材の表面に安定した液状被膜が形成される方法であればよく、スプレー法ロールコート法スピンコート法グラビアコート法マイクログラビアコート法、グラビアオフセット法、ナイフコート法、キスコート法、バーコート法ダイコート法ファウンテンメイヤーバー法、スロットダイコート法、コンマコート法、ディップコート法が挙げられる。

0038

パウダー分散液(液状被膜)の加熱方法としては、加熱乾燥、空気(ガス)の吹き付けによる乾燥、自然乾燥等が挙げられる。中でも、加熱方法としては、液状被膜の形状を安定的に保持しつつ、比較的短時間で液状被膜から液状媒体を除去できるため、加熱乾燥が好ましい。
この際の加熱温度は、Fポリマーの溶融温度未満が好ましく、90〜250℃がより好ましい。また、加熱時間は、0.1〜10分間が好ましい。かかる条件で、液状被膜を加熱すれば、Fポリマー及び芳香族化合物の変質、劣化を防止しつつ、液状媒体を効率よく除去できる。
また、加熱における手段としては、オーブンを用いる方法、通風乾燥炉を用いる方法、赤外線等の熱線照射する方法が挙げられる。
また、加熱における雰囲気は、常圧下、減圧下のいずれの状態であってよい。
さらに、加熱における雰囲気は、パウダー分散液中に含まれるポリマー成分の変質、劣化を抑制する観点から、不活性ガス雰囲気ヘリウムガスネオンガスアルゴンガス窒素ガス等)が好ましい。

0039

本発明の積層体は、基材と、パウダーが分散した芳香族化合物で構成された電荷輸送層とを、この順に有する。
なお、本発明の積層体におけるパウダー(Fポリマー)及び芳香族化合物の構成は、その好適な態様及び範囲も含めて、本発明のパウダー分散液におけるパウダー(Fポリマー)及び芳香族化合物の構成と同様である。
本発明における電荷輸送層は、電荷輸送効率に優れるため、本発明の積層体は、有機EL素子光電変換素子有機TFT素子、電子写真感光体等の各種電子部品に好適に使用できる。さらに、本発明における電荷輸送層は、耐摩耗性にも優れるため、本発明の積層体は、特に、電子写真感光体等の他の部材と摺接する電子部品に使用するのが好ましい。

0040

本発明における電子写真感光体は、円筒状の導電性支持体と、その表面を被覆する感光層とを有する。
感光層は、導電性支持体側から電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層してなる積層型感光層であってもよいし、電荷発生層が省略された単層型感光層であってもよい。
積層型感光層を有する電子写真感光体の場合、導電性支持体と電荷発生層とにより、本発明における基材が構成される。
また、積層型感光層の場合、電荷発生層は、電荷発生材料バインダー樹脂で結着して形成される。

0041

電荷発生材料としては、セレニウム及びその合金硫化カドミウム等の無機光導電材料と、有機顔料等の有機光導電材料とが挙げられ、有機光導電材料が好ましく、有機顔料がより好ましい。
有機顔料としては、フタロシアニン顔料アゾ顔料ジチオケトピロロピロール顔料スクアレン顔料、キナクリドン顔料インジゴ顔料、ペリレン顔料多環キノン顔料アンアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料が挙げられる。

0042

バインダー樹脂には、上記Fポリマー、絶縁性樹脂、有機光導電性樹脂等を使用できる。
絶縁性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ポリ塩化ビニリデン樹脂ポリ酢酸ビニル樹脂ポリスチレン樹脂アクリル樹脂メタクリル樹脂ポリアクリルアミド樹脂ポリアミド樹脂ポリビニルピリジン樹脂セルロース系樹脂ポリウレタン樹脂エポキシ樹脂シリコン樹脂ポリビニルアルコール樹脂ポリビニルピロリドン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。
有機光導電性樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレンが挙げられる。
中でも、バインダー樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。なお、上記バインダー樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。

0043

電荷発生層において、バインダー樹脂100質量部に対する電荷発生材料の質量は、10〜1000質量部が好ましく、30〜500質量部がより好ましい。この場合、電荷輸送層形成用塗布液中において、電荷発生材料の凝集等による沈降を防止または抑制できる。また、電子写真感光体としての感度を充分に高められる。
電荷発生層の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、0.15〜0.6μmがより好ましい。
電荷発生材料として有機顔料を使用する場合、有機顔料のD50は、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、0.15μm以下がさらに好ましい。

0044

積層型感光層及び単層型感光層のいずれの場合も、電荷輸送層が電子写真感光体の最表面層を構成できる。この電荷輸送層が、本発明のパウダー分散液から形成され、パウダーが分散した芳香族化合物で構成されている。かかる電荷輸送層は、電荷輸送効率及び耐摩耗性に優れている。
積層型感光層の場合、電荷輸送層の厚さは、感光層の耐久性を向上させる観点から、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、解像度及び塗布性を高める観点から、50μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましい。
一方、単層型感光層の場合、電荷輸送層の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。

0045

導電性支持体と感光層との間には、接着性及びブロッキング性等を改善する観点から、下引き層を設けるようにしてもよい。
下引き層は、樹脂単独、樹脂に金属酸化物粒子を分散させた樹脂組成物で構成できる。
この下引き層に使用する金属酸化物粒子としては、酸化チタン粒子酸化アルミニウム粒子酸化珪素粒子酸化ジルコニウム粒子酸化亜鉛粒子酸化鉄粒子チタン酸カルシウム粒子チタン酸ストロンチウム粒子チタン酸バリウム粒子が挙げられる。これらの金属酸化物粒子は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、金属酸化物粒子としては、酸化チタン粒子又は酸化アルミニウム粒子が好ましく、酸化チタン粒子がより好ましい。

0046

酸化チタン粒子の表面は、酸化錫酸化アルミニウム酸化アンチモン酸化ジルコニウム酸化珪素等の無機物質ステアリン酸ポリオールシリコーン等の有機物質で表面処理されていてもよい。
なお、酸化チタン結晶型としては、ルチルアナターゼブルッカイトアモルファスのいずれであってもよく、複数の結晶状態を含んでもよい。
金属酸化物粒子は、電気特性及び下引き層形成用の塗布液の安定性を向上させる観点から、そのD50が1〜100nmであるのが好ましく、10〜50nmであるのがより好ましいある。なお、金属酸化物粒子の粒子径は、下引き層の厚み方向の切断面を透過型電子顕微鏡TEM)により観察して、観察領域から測定される粒子径に基づいて、パウダーのD50と同様にして算出される。

0047

下引き層に使用するバインダー樹脂としては、上記Fポリマー、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸が挙げられる。なお、これらのバインダー樹脂は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
中でも、バインダー樹脂としては、導電性支持体との接着性に優れ、電荷発生層用の塗布液に使用される液状媒体に対する溶解性が小さい樹脂が好ましく、Fポリマー又はポリアミド樹脂がより好ましい。

0048

下引き層に占めるバインダー樹脂の割合に対する金属酸化物粒子の割合の質量での比は、10〜500質量%が好ましい。
下引き層の厚さは、電子写真感光体の特性及び下引き層形成用の塗布液の塗布性を向上させる観点から、0.01〜30μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましい。
なお、下引き層は、酸化防止剤等を含有してもよい。
また、下引き層は、画像欠陥の発生を防止する目的等として、顔料粒子樹脂粒子等を含有してもよい。

0049

本発明における電子写真感光体では、電荷輸送層(感光層)を最表面層としてもよく、電子輸送層をさらに被覆する保護層を設け、この保護層を最表面層としてもよい。
かかる保護層は、例えば、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止又は抑制する目的で形成される。なお、生産コスト及び工程を削減する観点から、電荷輸送層(感光層)が最表面層であるのが好ましい。
保護層は、例えば、バインダー樹脂中に、導電性材料、フィラーを含有させて形成できる。バインダー樹脂としては、電荷発生層又は下引き層で挙げたのと同様のバインダー樹脂を使用できる。
保護層の膜さは、1〜15μm以上が好ましく、3〜10μm以上がより好ましい。この場合、電子写真感光体の耐久性がより向上しやすい。

0050

以上、本発明のパウダー分散液、積層体の製造方法及び積層体について説明したが、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されない。
例えば、本発明のパウダー分散液及び積層体は、上記実施形態の構成において、他の任意の構成を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の構成と置換されていてよい。
また、本発明の積層体の製造方法は、上記実施形態の構成において、他の任意の工程を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の工程と置換されていてよい。

0051

以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.各成分の準備
[パウダー]
パウダー1:TFE単位、NAH単位及びPPVE単位を、この順に98.0モル%、0.1モル%、1.9モル%含有し、極性官能基を有するFポリマー(溶融温度:300℃、380℃の溶融粘度:3×105Pa・s)のパウダー(D50:1.8μm、D90:5.2μm)
パウダー2:TFEに基づく単位及びPPVEに基づく単位を、この順に97.5モル%、2.5モル%含有し、極性官能基を有さないポリマー(溶融温度:305℃、380℃の溶融粘度:3×105Pa・s)のパウダー(D50:1.9μm、D90:5.5μm)
パウダー3:TFEに基づく単位を99.9モル%以上含有し、極性官能基を有さないポリマー(溶融温度:320℃超、380℃の溶融粘度:3×109Pa・s)のパウダー(D50:1.8μm、D90:5.4μm)
パウダー4:1質量部のパウダー1と20質量部のパウダー3との混合パウダー

0052

[芳香族化合物]
芳香族化合物1:[ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(4,4’−(N−(4−sec−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)]](重量平均分子量:30000超)
[液状媒体]
CHN:シクロヘキサノン
[分散剤]
分散剤1:ペルフルオロアルケニル基と、ポリオキシエチレン基及びアルコール性水酸基とをそれぞれ側鎖に有する、ノニオン性の(メタ)アクリレート系ポリマー(ネオス社製、「フタージェント710FL」)

0053

2.パウダー分散液の製造
(パウダー分散液1)
ポットに、CHN(64質量部)と分散剤1(3質量部)とを入れて溶液とした後、芳香族化合物1(30質量部)とパウダー1(3質量部)とを入れた。その後、ジルコニアボール投入し、150rpmにて1時間、ポットを転がして、パウダー1が分散したパウダー分散液1を製造した。
(パウダー分散液2(比較例))
パウダー1に代えて、パウダー2を使用した以外は、パウダー分散液1と同様にして、パウダー分散液2を製造した。

0054

(パウダー分散液3(比較例))
パウダー1に代えて、パウダー3を使用した以外は、パウダー分散液1と同様にして、パウダー分散液3を製造した。
(パウダー分散液4)
パウダー1に代えて、パウダー4を使用した以外は、パウダー分散液1と同様にして、パウダー分散液4を製造した。
なお、25℃におけるパウダー分散液1、2及び4の粘度は1000mPa・s以下であり、パウダー分散液3の粘度は1000mPa・s超であった。

0055

3.積層体の製造
(積層体1)
アルミニウム製の基板(厚さ:50μm)の鏡面加工された表面に、パウダー分散液1を浸漬塗布し、250℃にて5分間加熱して、電荷輸送層(厚さ:36μm)を形成した。これにより、積層体1を得た。
(積層体2〜4)
パウダー分散液1に代えて、パウダー分散液2〜4をそれぞれ使用した以外は、積層体1と同様にして、積層体2〜4を製造した。

0056

4.パウダー分散液及び積層体の評価
<パウダー分散液中のパウダーの分散性>
各パウダー分散液を25℃にて静置した後、沈殿物の発生の有無を確認し、以下の評価基準に従って評価した。
[評価基準]
〇(良) :顕著な沈殿物が発生しなかった。
×(不可):顕著な沈殿物が発生した。

0057

<電荷輸送層中のパウダーの分散性>
各電荷輸送層の表面を目視にて確認し、以下の評価基準に従って評価した。
[評価基準]
〇(良) :表面のブツブツの程度が低かった。
×(不可):表面のブツブツの程度が激しかった。

0058

<電荷輸送層の耐摩耗性の評価>
ポリエステルワイパーテックスワイプ社製、「アルファワイパーTX1009」)で300g/cm2の荷重をかけ、電荷輸送層の表面に対して100回往復させた後、目視で傷や擦り痕の有無を観察し、以下の評価基準に従って評価した。
[評価基準]
〇(良) :表面に変化がなかった。
△(可) :表面に若干擦り痕が付いた。
×(不可):表面に傷や擦り痕が付いた。

0059

実施例

0060

例1及び例4の積層体は、電荷輸送層中でパウダーが良好に分散しており、電荷輸送層は、耐摩耗性及び電荷輸送効率に優れていた。したがって、これらの積層体は、電子写真感光体の感光ドラムとして使用できる。

0061

本発明のパウダー分散液によれば、耐摩耗性及び電荷輸送効率に優れる電荷輸送層を形成できる。本発明の積層体は、かかる電荷輸送層を有するため、押圧力が付与される部材(例えば、電子写真感光体)に好適に使用できる。また、本発明の製造方法によれば、かかる積層体を効率的に製造できる。

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