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技術 クローディン18.2に対する抗体を含む薬物コンジュゲート

出願人 ガニメドファーマシューティカルズゲーエムベーハートロン-トランスラショナル・オンコロジー・アン・デア・ウニヴェルシテーツメディツィン・デア・ヨハネス・グーテンベルク-ウニヴェルシテート・マインツ・ゲマインニューツィゲ・ゲーエムベーハー
発明者 ウグール・サヒンウツレム・テューレチコルデン・ヴァルターマリア・クロイツベルクリタ・ミットナヒト-クラウスファブリス・ル・ギャルシュテファン・ヤーコプス
出願日 2020年11月25日 (6ヶ月経過) 出願番号 2020-195120
公開日 2021年3月11日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-038255
状態 未査定
技術分野 医薬品製剤 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード クローク 中止基準 プレフォーミング 溶解対 構造的機構 固体フィラー アップスケール 小成分
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図面 (20)

課題

本発明は一般に、例えば、胃がん食道がん膵がん非小細胞肺がん(NSCLC)等の肺がん卵巣がん大腸がん肝がん頭頸部がん、及び胆嚢がん、並びにこれらの転移、特に、胃がん転移、例えば、クルーケンベルク腫瘍腹膜転移、及びリンパ節転移を含めた、CLDN18.2を発現する細胞と関連したがんを有効に処置及び/又は予防するための療法を提供する。特に好適ながん疾患は、食道膵管胆管、及び卵巣腺癌である。

解決手段

本発明は、胃がん、食道がん、膵がん、肺がん、卵巣がん、大腸がん、肝がん、頭頸部がん、及び胆嚢のがん、並びにこれらの転移を含めた、CLDN18.2を発現する細胞と関連したがん疾患を処置及び/又は予防するのに有効である抗CLDN18.2抗体-薬物コンジュゲートを提供する。

概要

背景

モノクローナル抗体(mAB)は、過去20年にわたってがん処置を激変させてきた(Sliwkowski, M. X.ら(2013)、Science 341(6151)、1192〜1198)。mABの極めて重要な特徴は、これらの高い特異性、並びに腫瘍細胞を標的にし、免疫エフェクター媒介細胞殺傷(補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞傷害(ADCC))のために腫瘍細胞をマーキングし、且つ/又は増殖の低減及びアポトーシスをもたらすこれらの能力である(Kubota, T.ら(2009)Cancer Sci.100(9)、1566〜1572)。細胞傷害性薬にコンジュゲートさせると、mABの有用性を拡大し、これらの効能及び有効度を改善することができる(Goldmacher, V. S.ら(2011) Ther. Deliv. 2(3)、397〜416;Sievers, E. L.(2013) Annu. Rev. Med. 64、15〜29)。

歴史的に、がんを処置するための細胞傷害性薬の使用は、分裂中のがん細胞を標的にする化学療法に集中していた。これらの化合物は、がん細胞だけでなく、体内の他の分裂中の健康細胞も標的にし、処置を受けている患者は、重度副作用を経験し、この副作用は用量を制限する。これらの薬物の治療指数(最大耐用量/最小有効用量)は低く、狭い治療ウインドウをもたらす(Ismael, G. F. V.ら(2008) Cancer Treat Rev.34(1)、81〜91)。薬物開発におけるこの障害を回避し、治療指数を改善するために、抗体を使用して、腫瘍に特異的に細胞傷害性薬を送達することができる。抗体の独特の標的化能力を細胞傷害性薬のがん殺傷能力と組み合わせることによって、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、従来の化学療法剤と比較してより低い副作用を呈し、より広い治療ウインドウをもたらす(Gerber, H.-P.ら(2013) Nat. Prod. Rep.、30(5)、625〜639)。

ADCは、標的依存様式でがん細胞を殺傷するように設計されている。このプロセスの第1の工程は、抗体のその抗原への結合である。ADCが結合すると、抗原-ADC複合体全体が内部移行され、細胞傷害性ペイロード腫瘍細胞内に放出され、細胞死をもたらす。ADCの治療指数に影響を与える因子としては、抗体、腫瘍標的抗原、細胞傷害性薬、及びリンカーがある(Panowksi, S.ら(2014) MAbs、6(1)、34〜45)。

ADCを開発するための基本必要条件として、腫瘍標的抗原は、細胞表面上に局在化され、循環抗体アクセス可能でなければならない。更に、腫瘍選択性及び標的抗原の発現レベルは、安全で効果的なADCを設計するための極めて重要なパラメータである。現在、様々な腫瘍関連細胞表面抗原ががん療法のADC標的として評価されている(Trail, P. A.(2013) Antibodies、2(1)、113〜129; Teicher, B. A.(2009) Curr. Cancer Drug Targets 9(8)、982〜1004)。

ADCの効率は、細胞傷害性薬にも依存する。腫瘍に局在化する抗体の量は、投与される用量と比較して非常に小さいので、ナノモル未満の効能を有する毒性化合物が要求される。オーリスタチン及びメイタンシノイドは、ADC開発において現在使用されている高度に強力な細胞毒の2つのクラスである(Trail, P. A.(2013) Antibodies、2(1)、113〜129)。両方ともチューブリン重合遮断し、G2/M期細胞周期停止によって細胞死を引き起こす抗有糸分裂剤である(Lopus, M.ら(2010) Mol. Cancer Ther. 9(10)、2689〜2699; Francisco, J. Aら(2003) Blood、102(4)、1458〜1465)。mABの特異性及び薬物の効能に加えて、リンカーは、ADC開発における重要なエレメントである。リンカーは、mABの薬物動態学的半減期活用するために安定であるべきであり、抗原媒介内部移行まで細胞傷害性薬を放出するべきでない。リンカーは、これらの薬物放出機構によって分類することができる:切断可能リンカーは、抗原特異的内部移行後の加水分解又は酵素的切断によって薬物を放出し、一方、切断不可能リンカーは、内部移行後のリソソーム内でのmABの分解を介して薬物を放出する(Dosio, F.ら(2011) Toxins (Basel)3(7)、S. 848〜883)。

リンカー設計によっては、標的陽性細胞内部で放出される膜透過性(親油性)毒素は、細胞膜を通過し、抗原発現欠く隣接するがん細胞を含めた近接近している他の細胞を殺傷することができる(バイスタンダー効果)(Kovtun, Y. V.ら(2006) Cancer Res.、66(6)、3214〜3221)。これらの細胞傷害性薬の局所的なバイスタンダー殺傷を媒介する能力は、腫瘍内で不均質に発現される抗原に向けられるADCの重要な選択基準である。

タイトジャンクション分子クローディン18アイソタイプ2(CLDN18.2)は、クローディン18のがん関連スプライスバリアントである。CLDN18.2は、2つの小細胞外ループ(疎水性領域1及び疎水性領域2によって包含されたループ1;疎水性領域3及び4によって包含されたループ2)とともに4つの膜スパニングドメインを含む27.8kDaの膜貫通タンパク質である。CLDN18.2は、短命分化した胃上皮細胞上でもっぱら発現され、任意の他の正常なヒト組織内で検出可能でない高度に選択的な系統抗原である。抗原は、胃食道がん及び膵がんを含めた多様なヒトがんにおいてかなりのレベル異所性に発現される(Sahin, U.ら.、Clin Cancer Res、2008.14(23):7624〜34頁)。CLDN18.2タンパク質は、胃がんリンパ節転移において、及び遠位転移においても頻繁に検出される。CLDN18.2は、CLDN18.2陽性腫瘍細胞の増殖に関与していると思われ、その理由は、siRNA技術によって標的を下方調節すると胃がん細胞の増殖が阻害されるためである。

IMAB362は、CLDN18.2に向けられたIgG1サブタイプキメラモノクローナル抗体である。IMAB362は、高い親和性及び特異性でCLDN18.2の第1の細胞外ドメインを認識し、クローディン18の密接に関係したスプライスバリアント1(CLDN18.1)を含めた任意の他のクローディンファミリーメンバーに結合しない。CLDN18.2を発現するヒト異種移植片では、生存利益及び腫瘍退縮が、IMAB362の投与後のマウスにおいて観察された。関連した動物種において静脈内に投与されたとき、標的エピトープがアクセス可能でないため、胃組織内の毒性は、観察されない。しかし、腫瘍標的は、悪性形質転換中にIMAB362にとってアクセス可能となる。IMAB362は、4つの独立した高度に強力な作用機序:(i)抗体依存性細胞傷害(ADCC)、(ii)補体依存性細胞傷害(CDC)、(iii)腫瘍表面で標的を架橋することによって誘導されるアポトーシスの誘導、及び(iv)増殖の直接阻害を束ねる。以前の第I相トライアルでは、後期胃食道がんを有する患者における単回用量での単剤療法としてのIMAB362が評価された。この試験は、用量群間のAEプロファイル及び他の安全性パラメータの関連した差異を認めることができないため、この抗体の単回投与が、最大で1000mg/m2の投与量において安全で耐容性良好であることを示す(AE=有害事象)。抗腫瘍活性に関する最良の結果は、300mg/m2及び600mg/m2群で得られた。第IIa相臨床トライアルが、組織診断によって証明された胃又は下部食道の進行した腺癌転移性難治性、又は再発性疾患を有する患者におけるIMAB362の反復用量の安全性、耐容性、及び抗腫瘍活性を判定するために行われた。

上述の通り、CLDN18.2は、正常細胞内で制限された発現パターンを有し、したがってCLDN18.2を発現するがんの抗体介在療法にとって理想的な標的であるように思われる。したがって、特に、非CLDN18.2発現細胞に望ましくない効果を発揮することなく、CLDN18.2発現細胞に臨床的に有用な細胞傷害性又は細胞増殖抑制性効果を発揮することができるCLDN18.2発現がん細胞に向けられた療法の必要性が存在する。好ましくは、療法は、放射標識、及び化学療法との組合せ等の抗体の治療効性を増大させるのに使用されてきた手法と一般に関連する不利点及び望ましくない副作用と関連しているべきでない。例えば、同位体療法は、骨髄抑制と関連し、抗体及び化学療法剤との併用療法は、免疫抑制と関連する。更に、同位体で標識された物質は、生成するのが困難であり、同位体で標識された物質を用いた最初の処置後に再発病を経験することが多い。

本発明は、CLND18.2発現細胞上でCLND18.2に結合すると高度に効率的に内部移行され得、したがってADC開発に適している抗CLDN18.2モノクローナル抗体の存在を実証する。更に、それぞれ切断可能なSPDB又はVal-Cit(vc)リンカーを使用して薬物DM4及びMMAEにこのような抗体をコンジュゲートすることの成功も開示されている。in vitroで、抗体コンジュゲートは、CLDN18.2を発現する胃がん及び膵がん細胞の生存能を低減する。IMAB362-vcMMAE及びIMAB362-DM4は、CLDN18.2陰性細胞に結合せず、又はその生存能に影響を与えない。DM4及びvcMMAEコンジュゲートはともに、in vitroでCLDN18.2陽性がん細胞と共培養されたCLDN18.2陰性がん細胞にバイスタンダー殺傷効果を発揮する。更に、CLDN18.2陽性胃又は膵臓異種移植腫瘍を有するヌードマウスにおけるin vivoでの抗体コンジュゲートを静脈内投与は、用量依存腫瘍増殖阻害、生存利益、並びに更には早期の及び進行した腫瘍の完全退縮がもたらす。有意な治療効果が約4〜8mg/kgの単回用量静脈内適用で観察され、最適な治療効果は、15〜16mg/kgで実現される。両コンジュゲートの最大耐単回用量は、15.2及び16mg/kgという最高の可能な試験用量が肝臓毒性又は他の毒性効果をもたらさなかったので、判定することができなかった。

本明細書に提示されるデータから、本明細書に記載のもの等の抗CLDN18.2抗体-薬物コンジュゲートは、胃癌及び膵癌等のCLDN18.2陽性ヒト癌を処置するための高度に強力な薬物であると結論付けることができる。

概要

本発明は一般に、例えば、胃がん、食道がん、膵がん、非小細胞肺がん(NSCLC)等の肺がん卵巣がん大腸がん肝がん頭頸部がん、及び胆嚢のがん、並びにこれらの転移、特に、胃がん転移、例えば、クルーケンベルク腫瘍腹膜転移、及びリンパ節転移を含めた、CLDN18.2を発現する細胞と関連したがんを有効に処置及び/又は予防するための療法を提供する。特に好適ながん疾患は、胃、食道、膵管胆管、及び卵巣の腺癌である。本発明は、胃がん、食道がん、膵がん、肺がん、卵巣がん、大腸がん、肝がん、頭頸部がん、及び胆嚢のがん、並びにこれらの転移を含めた、CLDN18.2を発現する細胞と関連したがん疾患を処置及び/又は予防するのに有効である抗CLDN18.2抗体-薬物コンジュゲートを提供する。なし

目的

本発明は一般に、例えば、胃がん、食道がん、膵がん、非小細胞肺がん(NSCLC)等の肺がん、卵巣がん、大腸がん、肝がん、頭頸部がん、及び胆嚢のがん、並びにこれらの転移、特に、胃がん転移、例えば、クルーケンベルク腫瘍、腹膜転移、及びリンパ節転移を含めた、CLDN18.2を発現する細胞と関連したがんを有効に処置及び/又は予防するための療法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

がん患者におけるCLDN18.2発現がんを処置又は予防するための医薬の製造のための、少なくとも1つの治療部分共有結合的に付着しているCLDN18.2に結合する能力を有する抗体を含む抗体コンジュゲートの使用であって、前記抗体は、(a)配列番号32によって表されるアミノ酸配列CDR1、CDR2及びCDR3を含む抗体重鎖配列と、配列番号39によって表されるアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3を含む抗体軽鎖配列とを含む、CLDN18.2に結合する抗体;並びに(b)配列番号30によって表されるアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3を含む抗体重鎖配列と、配列番号35によって表されるアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3を含む抗体軽鎖配列とを含む、CLDN18.2に結合する抗体から成る群から選択される、使用。

請求項2

抗体コンジュゲートが、細胞内に内部移行される、請求項1に記載の使用。

請求項3

CLDN18.2に結合する能力を有する抗体が、CLDN18.2に特異的に結合する、請求項1又は2に記載の使用。

請求項4

前記(a)の抗体が、配列番号17に示される重鎖配列と、配列番号24に示される軽鎖配列とを含み、前記(b)の抗体が、配列番号15に示される重鎖配列と、配列番号20に示される軽鎖配列とを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。

請求項5

CLDN18.2に結合する能力を有する抗体が、一本鎖抗体である、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。

請求項6

前記一本鎖抗体が、二重特異性一本鎖抗体である、請求項5に記載の使用。

請求項7

前記抗体のVH及びVLドメインが、単一のポリペプチド鎖に発現される、請求項5または6に記載の使用。

請求項8

治療部分が、細胞膜透過性である毒素薬部分である、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。

請求項9

治療部分が、細胞傷害性剤又は細胞増殖抑制剤である、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。

請求項10

治療部分が、メイタンシノイド及びオーリスタチンから成る群から選択される毒素薬部分である、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。

請求項11

メイタンシノイドが、DM1及びDM4からなる群から選択される、請求項10に記載の使用。

請求項12

オーリスタチンが、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)及びモノメチルオーリスタチンF(MMAF)からなる群から選択される、請求項10に記載の使用。

請求項13

CLDN18.2に結合する能力を有する抗体が、リンカーによって治療部分に共有結合的に付着している、請求項1から12のいずれか一項に記載の使用。

請求項14

リンカーが、切断可能リンカーである、請求項13に記載の使用。

請求項15

リンカーが、細胞内条件下で切断可能である、請求項13又は14に記載の使用。

請求項16

リンカーが、5.5未満のpHで加水分解性である、請求項13から15のいずれか一項に記載の使用。

請求項17

リンカーが、細胞内プロテアーゼによって切断可能である、請求項13から16のいずれか一項に記載の使用。

請求項18

リンカーが、カテプシン切断可能リンカーである、請求項13から17のいずれか一項に記載の使用。

請求項19

リンカーが、ジペプチドを含む、請求項13から18のいずれか一項に記載の使用。

請求項20

ジペプチドが、val-cit又はphe-lysである、請求項19に記載の使用。

請求項21

抗体コンジュゲートが、CLDN18.2発現がんの処置又は予防に有効な量で投与される、請求項1から20のいずれか一項に記載の使用。

請求項22

抗体コンジュゲートが、3〜30mg/体重1kgの間の用量で投与される、請求項1から21のいずれか一項に記載の使用。

請求項23

抗体コンジュゲートが、9〜90mg/ヒト患者体表1m2の間の用量で投与される、請求項1から21のいずれか一項に記載の使用。

請求項24

単回用量の抗体コンジュゲート又は2回以上の用量の抗体コンジュゲートが投与される、請求項1から23のいずれか一項に記載の使用。

請求項25

抗体コンジュゲートが、静脈内注射によって投与される、請求項1から24のいずれか一項に記載の使用。

請求項26

手術化学療法、及び/又は放射線療法を施す工程を更に含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の使用。

請求項27

がんが、腺癌、特に、進行した腺癌である、請求項1から26のいずれか一項に記載の使用。

請求項28

がんが、胃がん食道がん膵がん非小細胞肺がん(NSCLC)等の肺がん乳がん卵巣がん大腸がん肝がん頭頸部がん胆嚢のがん、並びにこれらの転移クルーケンベルク腫瘍腹膜転移、及び/又はリンパ節転移からなる群から選択される、請求項1から27のいずれか一項に記載の使用。

請求項29

がんが、のがん、食道、特に、下部食道のがん、食道胃接合部のがん、及び胃食道がんからなる群から選択される、請求項1から28のいずれか一項に記載の使用。

請求項30

患者が、HER2/neu陰性患者、又はHER2/neu陽性状態を有するがトラスツズマブ療法に適格でない患者である、請求項1から29のいずれか一項に記載の使用。

請求項31

CLDN18.2が、配列番号1によるアミノ酸配列を有する、請求項1から30のいずれか一項に記載の使用。

請求項32

少なくとも1つの治療部分に共有結合的に付着しているCLDN18.2に結合する能力を有する抗体を含む抗体コンジュゲートであって、前記抗体は、(a)配列番号32によって表されるアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3を含む抗体重鎖配列と、配列番号39によって表されるアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3を含む抗体軽鎖配列とを含む、CLDN18.2に結合する抗体;並びに(b)配列番号30によって表されるアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3を含む抗体重鎖配列と、配列番号35によって表されるアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3を含む抗体軽鎖配列とを含む、CLDN18.2に結合する抗体から成る群から選択される、抗体コンジュゲート。

請求項33

CLDN18.2に結合する能力を有する抗体が、CLDN18.2に特異的に結合する、請求項32に記載の抗体コンジュゲート。

請求項34

前記(a)の抗体が、配列番号17に示される重鎖配列と、配列番号24に示される軽鎖配列とを含み、前記(b)の抗体が、配列番号15に示される重鎖配列と、配列番号20に示される軽鎖配列とを含む、請求項32または33に記載の抗体コンジュゲート。

請求項35

CLDN18.2に結合する能力を有する抗体が、一本鎖抗体である、請求項32から34のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。

請求項36

前記一本鎖抗体が、二重特異性一本鎖抗体である、請求項35に記載の抗体コンジュゲート。

請求項37

前記抗体のVH及びVLドメインが、単一のポリペプチド鎖に発現される、請求項35または36に記載の抗体コンジュゲート。

請求項38

治療部分が、細胞膜透過性である毒素薬部分である、請求項32から37のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。

請求項39

治療部分が、細胞傷害性剤又は細胞増殖抑制剤である、請求項32から38のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。

請求項40

治療部分が、メイタンシノイド及びオーリスタチンから成る群から選択される毒素薬部分である、請求項32から39のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。

請求項41

メイタンシノイドが、DM1及びDM4からなる群から選択される、請求項40に記載の抗体コンジュゲート。

請求項42

オーリスタチンが、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)及びモノメチルオーリスタチンF(MMAF)からなる群から選択される、請求項41に記載の抗体コンジュゲート。

請求項43

CLDN18.2に結合する能力を有する抗体が、リンカーによって治療部分に共有結合的に付着している、請求項32から42のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。

請求項44

リンカーが、切断可能リンカーである、請求項43に記載の抗体コンジュゲート。

請求項45

リンカーが、細胞内条件下で切断可能である、請求項43又は44に記載の抗体コンジュゲート。

請求項46

リンカーが、5.5未満のpHで加水分解性である、請求項43から45のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。

請求項47

リンカーが、細胞内プロテアーゼによって切断可能である、請求項43から46のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。

請求項48

リンカーが、カテプシン切断可能リンカーである、請求項43から47のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。

請求項49

リンカーが、ジペプチドを含む、請求項43から48のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。

請求項50

ジペプチドが、val-cit又はphe-lysである、請求項49に記載の抗体コンジュゲート。

請求項51

請求項32から50のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート、及び薬学的に許容される希釈剤担体、又は賦形剤を含む医薬製剤

請求項52

請求項32から50のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲートを含む医薬調製物

請求項53

抗体コンジュゲートを含む容器を含むキットの形態で存在する、請求項52に記載の医薬調製物。

請求項54

CLDN18.2発現がんの処置又は予防における使用のための医薬の製造のための、請求項32から50のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート、請求項51に記載の医薬製剤、又は請求項52若しくは53に記載の医薬調製物の使用。

請求項55

前記医薬製剤が、CLDN18.2発現がんの処置又は予防における製剤の使用のための印刷された指示書を更に含む、請求項54に記載の使用。

請求項56

前記医薬製剤が、がんを処置又は予防するために製剤化される、請求項54若しくは55に記載の使用。

背景技術

0001

モノクローナル抗体(mAB)は、過去20年にわたってがん処置を激変させてきた(Sliwkowski, M. X.ら(2013)、Science 341(6151)、1192〜1198)。mABの極めて重要な特徴は、これらの高い特異性、並びに腫瘍細胞を標的にし、免疫エフェクター媒介細胞殺傷(補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞傷害(ADCC))のために腫瘍細胞をマーキングし、且つ/又は増殖の低減及びアポトーシスをもたらすこれらの能力である(Kubota, T.ら(2009)Cancer Sci.100(9)、1566〜1572)。細胞傷害性薬にコンジュゲートさせると、mABの有用性を拡大し、これらの効能及び有効度を改善することができる(Goldmacher, V. S.ら(2011) Ther. Deliv. 2(3)、397〜416;Sievers, E. L.(2013) Annu. Rev. Med. 64、15〜29)。

0002

歴史的に、がんを処置するための細胞傷害性薬の使用は、分裂中のがん細胞を標的にする化学療法に集中していた。これらの化合物は、がん細胞だけでなく、体内の他の分裂中の健康細胞も標的にし、処置を受けている患者は、重度副作用を経験し、この副作用は用量を制限する。これらの薬物の治療指数(最大耐用量/最小有効用量)は低く、狭い治療ウインドウをもたらす(Ismael, G. F. V.ら(2008) Cancer Treat Rev.34(1)、81〜91)。薬物開発におけるこの障害を回避し、治療指数を改善するために、抗体を使用して、腫瘍に特異的に細胞傷害性薬を送達することができる。抗体の独特の標的化能力を細胞傷害性薬のがん殺傷能力と組み合わせることによって、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、従来の化学療法剤と比較してより低い副作用を呈し、より広い治療ウインドウをもたらす(Gerber, H.-P.ら(2013) Nat. Prod. Rep.、30(5)、625〜639)。

0003

ADCは、標的依存様式でがん細胞を殺傷するように設計されている。このプロセスの第1の工程は、抗体のその抗原への結合である。ADCが結合すると、抗原-ADC複合体全体が内部移行され、細胞傷害性ペイロード腫瘍細胞内に放出され、細胞死をもたらす。ADCの治療指数に影響を与える因子としては、抗体、腫瘍標的抗原、細胞傷害性薬、及びリンカーがある(Panowksi, S.ら(2014) MAbs、6(1)、34〜45)。

0004

ADCを開発するための基本必要条件として、腫瘍標的抗原は、細胞表面上に局在化され、循環抗体アクセス可能でなければならない。更に、腫瘍選択性及び標的抗原の発現レベルは、安全で効果的なADCを設計するための極めて重要なパラメータである。現在、様々な腫瘍関連細胞表面抗原ががん療法のADC標的として評価されている(Trail, P. A.(2013) Antibodies、2(1)、113〜129; Teicher, B. A.(2009) Curr. Cancer Drug Targets 9(8)、982〜1004)。

0005

ADCの効率は、細胞傷害性薬にも依存する。腫瘍に局在化する抗体の量は、投与される用量と比較して非常に小さいので、ナノモル未満の効能を有する毒性化合物が要求される。オーリスタチン及びメイタンシノイドは、ADC開発において現在使用されている高度に強力な細胞毒の2つのクラスである(Trail, P. A.(2013) Antibodies、2(1)、113〜129)。両方ともチューブリン重合遮断し、G2/M期細胞周期停止によって細胞死を引き起こす抗有糸分裂剤である(Lopus, M.ら(2010) Mol. Cancer Ther. 9(10)、2689〜2699; Francisco, J. Aら(2003) Blood、102(4)、1458〜1465)。mABの特異性及び薬物の効能に加えて、リンカーは、ADC開発における重要なエレメントである。リンカーは、mABの薬物動態学的半減期活用するために安定であるべきであり、抗原媒介内部移行まで細胞傷害性薬を放出するべきでない。リンカーは、これらの薬物放出機構によって分類することができる:切断可能リンカーは、抗原特異的内部移行後の加水分解又は酵素的切断によって薬物を放出し、一方、切断不可能リンカーは、内部移行後のリソソーム内でのmABの分解を介して薬物を放出する(Dosio, F.ら(2011) Toxins (Basel)3(7)、S. 848〜883)。

0006

リンカー設計によっては、標的陽性細胞内部で放出される膜透過性(親油性)毒素は、細胞膜を通過し、抗原発現欠く隣接するがん細胞を含めた近接近している他の細胞を殺傷することができる(バイスタンダー効果)(Kovtun, Y. V.ら(2006) Cancer Res.、66(6)、3214〜3221)。これらの細胞傷害性薬の局所的なバイスタンダー殺傷を媒介する能力は、腫瘍内で不均質に発現される抗原に向けられるADCの重要な選択基準である。

0007

タイトジャンクション分子クローディン18アイソタイプ2(CLDN18.2)は、クローディン18のがん関連スプライスバリアントである。CLDN18.2は、2つの小細胞外ループ(疎水性領域1及び疎水性領域2によって包含されたループ1;疎水性領域3及び4によって包含されたループ2)とともに4つの膜スパニングドメインを含む27.8kDaの膜貫通タンパク質である。CLDN18.2は、短命分化した胃上皮細胞上でもっぱら発現され、任意の他の正常なヒト組織内で検出可能でない高度に選択的な系統抗原である。抗原は、胃食道がん及び膵がんを含めた多様なヒトがんにおいてかなりのレベル異所性に発現される(Sahin, U.ら.、Clin Cancer Res、2008.14(23):7624〜34頁)。CLDN18.2タンパク質は、胃がんリンパ節転移において、及び遠位転移においても頻繁に検出される。CLDN18.2は、CLDN18.2陽性腫瘍細胞の増殖に関与していると思われ、その理由は、siRNA技術によって標的を下方調節すると胃がん細胞の増殖が阻害されるためである。

0008

IMAB362は、CLDN18.2に向けられたIgG1サブタイプキメラモノクローナル抗体である。IMAB362は、高い親和性及び特異性でCLDN18.2の第1の細胞外ドメインを認識し、クローディン18の密接に関係したスプライスバリアント1(CLDN18.1)を含めた任意の他のクローディンファミリーメンバーに結合しない。CLDN18.2を発現するヒト異種移植片では、生存利益及び腫瘍退縮が、IMAB362の投与後のマウスにおいて観察された。関連した動物種において静脈内に投与されたとき、標的エピトープがアクセス可能でないため、胃組織内の毒性は、観察されない。しかし、腫瘍標的は、悪性形質転換中にIMAB362にとってアクセス可能となる。IMAB362は、4つの独立した高度に強力な作用機序:(i)抗体依存性細胞傷害(ADCC)、(ii)補体依存性細胞傷害(CDC)、(iii)腫瘍表面で標的を架橋することによって誘導されるアポトーシスの誘導、及び(iv)増殖の直接阻害を束ねる。以前の第I相トライアルでは、後期胃食道がんを有する患者における単回用量での単剤療法としてのIMAB362が評価された。この試験は、用量群間のAEプロファイル及び他の安全性パラメータの関連した差異を認めることができないため、この抗体の単回投与が、最大で1000mg/m2の投与量において安全で耐容性良好であることを示す(AE=有害事象)。抗腫瘍活性に関する最良の結果は、300mg/m2及び600mg/m2群で得られた。第IIa相臨床トライアルが、組織診断によって証明された胃又は下部食道の進行した腺癌転移性難治性、又は再発性疾患を有する患者におけるIMAB362の反復用量の安全性、耐容性、及び抗腫瘍活性を判定するために行われた。

0009

上述の通り、CLDN18.2は、正常細胞内で制限された発現パターンを有し、したがってCLDN18.2を発現するがんの抗体介在療法にとって理想的な標的であるように思われる。したがって、特に、非CLDN18.2発現細胞に望ましくない効果を発揮することなく、CLDN18.2発現細胞に臨床的に有用な細胞傷害性又は細胞増殖抑制性効果を発揮することができるCLDN18.2発現がん細胞に向けられた療法の必要性が存在する。好ましくは、療法は、放射標識、及び化学療法との組合せ等の抗体の治療効性を増大させるのに使用されてきた手法と一般に関連する不利点及び望ましくない副作用と関連しているべきでない。例えば、同位体療法は、骨髄抑制と関連し、抗体及び化学療法剤との併用療法は、免疫抑制と関連する。更に、同位体で標識された物質は、生成するのが困難であり、同位体で標識された物質を用いた最初の処置後に再発病を経験することが多い。

0010

本発明は、CLND18.2発現細胞上でCLND18.2に結合すると高度に効率的に内部移行され得、したがってADC開発に適している抗CLDN18.2モノクローナル抗体の存在を実証する。更に、それぞれ切断可能なSPDB又はVal-Cit(vc)リンカーを使用して薬物DM4及びMMAEにこのような抗体をコンジュゲートすることの成功も開示されている。in vitroで、抗体コンジュゲートは、CLDN18.2を発現する胃がん及び膵がん細胞の生存能を低減する。IMAB362-vcMMAE及びIMAB362-DM4は、CLDN18.2陰性細胞に結合せず、又はその生存能に影響を与えない。DM4及びvcMMAEコンジュゲートはともに、in vitroでCLDN18.2陽性がん細胞と共培養されたCLDN18.2陰性がん細胞にバイスタンダー殺傷効果を発揮する。更に、CLDN18.2陽性胃又は膵臓異種移植腫瘍を有するヌードマウスにおけるin vivoでの抗体コンジュゲートを静脈内投与は、用量依存腫瘍増殖阻害、生存利益、並びに更には早期の及び進行した腫瘍の完全退縮がもたらす。有意な治療効果が約4〜8mg/kgの単回用量静脈内適用で観察され、最適な治療効果は、15〜16mg/kgで実現される。両コンジュゲートの最大耐単回用量は、15.2及び16mg/kgという最高の可能な試験用量が肝臓毒性又は他の毒性効果をもたらさなかったので、判定することができなかった。

0011

本明細書に提示されるデータから、本明細書に記載のもの等の抗CLDN18.2抗体-薬物コンジュゲートは、胃癌及び膵癌等のCLDN18.2陽性ヒト癌を処置するための高度に強力な薬物であると結論付けることができる。

0012

米国特許第4,151,042号
米国特許第4,137,230号
米国特許第4,248,870号
米国特許第4,256,746号
米国特許第4,260,608号
米国特許第4,265,814号
米国特許第4,294,757号
米国特許第4,307,016号
米国特許第4,308,268号
米国特許第4,308,269号
米国特許第4,309,428号
米国特許第4,313,946号
米国特許第4,315,929号
米国特許第4,317,821号
米国特許第4,322,348号
米国特許第4,331,598号
米国特許第4,361,650号
米国特許第4,364,866号
米国特許第4,424,219号
米国特許第4,362,663号
米国特許第4,371,533号
米国特許出願公開第2003/0118592号
米国特許出願公開第2003/0133939号
米国特許第5,635,483号
米国特許第5,780,588号
WO02/43478
WO2004 035607
WO87/04462
WO89/01036
EP338841

先行技術

0013

Sliwkowski, M. X.ら(2013) Science、341(6151)、1192〜1198
Kubota, T.ら(2009) Cancer Sci.100(9)、1566〜1572
Goldmacher, V. S.ら(2011) Ther. Deliv. 2(3)、397〜416
Sievers, E. L.(2013) Annu. Rev. Med. 64、15〜29
Ismael, G. F. V.ら(2008) Cancer Treat Rev.、34(1)、81〜91
Gerber, H.-P.ら(2013) Nat. Prod. Rep.30(5)、625〜639
Panowksi, S.ら(2014) MAbs、6(1)、34〜45
Trail, P. A.(2013) Antibodies、2(1)、113〜129
Teicher, B. A.(2009) Curr. Cancer Drug Targets 9(8)、982〜1004
Lopus, M.ら(2010) Mol. Cancer Ther.9(10)、2689〜2699
Francisco, J. Aら(2003) Blood、102(4)、1458〜1465
Dosio, F.ら(2011) Toxins (Basel)3(7)、S. 848〜883
Kovtun, Y. V.ら(2006) Cancer Res.66(6)、3214〜3221
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発明が解決しようとする課題

0014

本発明は一般に、例えば、胃がん、食道がん、膵がん、非小細胞肺がん(NSCLC)等の肺がん卵巣がん大腸がん肝がん頭頸部がん、及び胆嚢のがん、並びにこれらの転移、特に、胃がん転移、例えば、クルーケンベルク腫瘍腹膜転移、及びリンパ節転移を含めた、CLDN18.2を発現する細胞と関連したがんを有効に処置及び/又は予防するための療法を提供する。特に好適ながん疾患は、胃、食道、膵管胆管、及び卵巣の腺癌である。

課題を解決するための手段

0015

一態様では、本発明は、CLDN18.2発現がんを処置又は予防する方法であって、がん患者に、少なくとも1つの毒素薬部分に共有結合的に付着しているCLDN18.2に結合する能力を有する抗体を含む抗体-薬物コンジュゲートを投与する工程を含む、方法を提供する。

0016

一実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートは、細胞によって発現されるCLDN18.2に結合した後、細胞内に内部移行される。

0017

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、CLDN18.2に特異的に結合する。一実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートは、CLDN18.2に特異的に結合する。

0018

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、モノクローナル、キメラ、若しくはヒト化抗体、又は抗体の断片である。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、モノクローナル抗体である。

0019

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、生細胞の表面上に存在するCLDN18.2の天然エピトープに結合する。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、CLDN18.2の細胞外ドメインに結合する。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、CLDN18.2の第1の細胞外ループに結合する。

0020

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、受託番号DSMACC2737、DSM ACC2738、DSM ACC2739、DSM ACC2740、DSM ACC2741、DSM ACC2742、DSM ACC2743、DSM ACC2745、DSM ACC2746、DSM ACC2747、DSM ACC2748、DSM ACC2808、DSM ACC2809、又はDSM ACC2810の下で寄託されたクローンによって産生され、且つ/又はそのクローンから得られる抗体、(ii)(i)に属する抗体のキメラ化形態又はヒト化形態である抗体、(iii)(i)に属する抗体の特異性を有する抗体、及び(iv)(i)に属し、且つ好ましくは(i)に属する抗体の特異性を有する抗体の抗原結合性部分又は抗原結合性部位、特に可変領域を含む抗体からなる群から選択される抗体である。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号32によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号39によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号17若しくは51によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号24によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号30によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号35によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号15によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号20によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号32によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号39によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含むCLDN18.2結合抗体と同じ又は本質的に同じエピトープを認識し、並びに/或いは前記CLDN18.2結合抗体とCLDN18.2への結合について競合する。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号17若しくは51によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号24によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含むCLDN18.2結合抗体と同じ又は本質的に同じエピトープを認識し、並びに/或いは前記CLDN18.2結合抗体とCLDN18.2への結合について競合する。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号30によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号35によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含むCLDN18.2結合抗体と同じ又は本質的に同じエピトープを認識し、並びに/或いは前記CLDN18.2結合抗体とCLDN18.2への結合について競合する。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号15によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号20によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含むCLDN18.2結合抗体と同じ又は本質的に同じエピトープを認識し、並びに/或いは前記CLDN18.2結合抗体とCLDN18.2への結合について競合する。第2の抗体と標的への結合について競合する抗体は、好ましくは前記第2の抗体に拮抗的である。

0021

一実施形態では、毒素薬部分は、細胞膜透過性である。一実施形態では、毒素薬部分は、細胞傷害性剤又は細胞増殖抑制剤である。一実施形態では、毒素薬部分は、メイタンシノイド又はオーリスタチンである。一実施形態では、メイタンシノイドは、DM1及びDM4からなる群から選択される。一実施形態では、オーリスタチンは、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)及びモノメチルオーリスタチンF(MMAF)からなる群から選択される。

0022

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、リンカーによって毒素薬部分に共有結合的に付着している。一実施形態では、リンカーは、切断可能リンカーである。一実施形態では、リンカーは、細胞内条件下で切断可能である。一実施形態では、リンカーは、5.5未満のpHで加水分解性である。一実施形態では、リンカーは、細胞内プロテアーゼによって切断可能である。一実施形態では、リンカーは、カテプシン切断可能リンカーである。一実施形態では、リンカーは、ジペプチドを含む。一実施形態では、ジペプチドは、val-cit又はphe-lysである。一実施形態では、抗体は、抗体のシステインチオールを介してリンカーに付着している。一実施形態では、抗体は、アミン基、特に、抗体のリシン残基のアミン基を介してリンカーに付着している。

0023

一実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートは、CLDN18.2発現がんの処置又は予防に有効な量で投与される。一実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートは、3〜30mg/体重1kgの間、例えば、4〜25、5〜20、10〜18、又は15〜16mg/体重1kgの間の用量で投与される。一実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートは、8〜150、9〜100、又は9〜90mg/ヒト患者体表1m2の間、例えば、12〜75、15〜60、30〜54、又は45〜48mg/ヒト患者の体表1m2の間の用量で投与される。一実施形態では、単回用量の抗体-薬物コンジュゲート、又は2回以上の用量の抗体-薬物コンジュゲートが投与される。一実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートは、静脈内注射によって投与される。

0024

一実施形態では、本発明の方法は、手術、化学療法、及び/又は放射線療法を施す工程を更に含む。

0025

一実施形態では、CLDN18.2の発現は、がん細胞の細胞表面におけるものである。一実施形態では、がんは、腺癌、特に、進行した腺癌である。一実施形態では、がんは、胃がん、食道がん、膵がん、非小細胞肺がん(NSCLC)等の肺がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肝がん、頭頸部がん、胆嚢のがん、並びにこれらの転移、クルーケンベルク腫瘍、腹膜転移、及び/又はリンパ節転移からなる群から選択される。一実施形態では、がんは、胃のがん、食道、特に、下部食道のがん、食道胃(eso-gastric)接合部のがん、及び胃食道がんからなる群から選択される。一実施形態では、患者は、HER2/neu陰性患者、又はHER2/neu陽性状態を有するがトラスツズマブ療法に適格でない患者である。

0026

一実施形態では、CLDN18.2は、配列番号1によるアミノ酸配列を有する。

0027

更なる態様では、本発明は、少なくとも1つの毒素薬部分に共有結合的に付着しているCLDN18.2に結合する能力を有する抗体を含む抗体-薬物コンジュゲートを提供する。

0028

一実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートは、細胞によって発現されるCLDN18.2に結合した後、細胞内に内部移行される。

0029

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、CLDN18.2に特異的に結合する。一実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートは、CLDN18.2に特異的に結合する。

0030

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、モノクローナル、キメラ、若しくはヒト化抗体、又は抗体の断片である。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、モノクローナル抗体である。

0031

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、生細胞の表面上に存在するCLDN18.2の天然エピトープに結合する。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、CLDN18.2の細胞外ドメインに結合する。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、CLDN18.2の第1の細胞外ループに結合する。

0032

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、受託番号DSMACC2737、DSM ACC2738、DSM ACC2739、DSM ACC2740、DSM ACC2741、DSM ACC2742、DSM ACC2743、DSM ACC2745、DSM ACC2746、DSM ACC2747、DSM ACC2748、DSM ACC2808、DSM ACC2809、又はDSM ACC2810の下で寄託されたクローンによって産生され、且つ/又はそのクローンから得られる抗体、(ii)(i)に属する抗体のキメラ化形態又はヒト化形態である抗体、(iii)(i)に属する抗体の特異性を有する抗体、及び(iv)(i)に属し、且つ好ましくは(i)に属する抗体の特異性を有する抗体の抗原結合性部分又は抗原結合性部位、特に可変領域を含む抗体からなる群から選択される抗体である。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号32によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号39によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号17若しくは51によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号24によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号30によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号35によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号15によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号20によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号32によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号39によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含むCLDN18.2結合抗体と同じ又は本質的に同じエピトープを認識し、並びに/或いは前記CLDN18.2結合抗体とCLDN18.2への結合について競合する。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号17若しくは51によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号24によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含むCLDN18.2結合抗体と同じ又は本質的に同じエピトープを認識し、並びに/或いは前記CLDN18.2結合抗体とCLDN18.2への結合について競合する。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号30によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号35によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含むCLDN18.2結合抗体と同じ又は本質的に同じエピトープを認識し、並びに/或いは前記CLDN18.2結合抗体とCLDN18.2への結合について競合する。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号15によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号20によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含むCLDN18.2結合抗体と同じ又は本質的に同じエピトープを認識し、且つ/或いは前記CLDN18.2結合抗体とCLDN18.2への結合について競合する。第2の抗体と標的への結合について競合する抗体は、好ましくは前記第2の抗体に拮抗的である。

0033

一実施形態では、毒素薬部分は、細胞膜透過性である。一実施形態では、毒素薬部分は、細胞傷害性剤又は細胞増殖抑制剤である。一実施形態では、毒素薬部分は、メイタンシノイド又はオーリスタチンである。一実施形態では、メイタンシノイドは、DM1及びDM4からなる群から選択される。一実施形態では、オーリスタチンは、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)及びモノメチルオーリスタチンF(MMAF)からなる群から選択される。

0034

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、リンカーによって毒素薬部分に共有結合的に付着している。一実施形態では、リンカーは、切断可能リンカーである。一実施形態では、リンカーは、細胞内条件下で切断可能である。一実施形態では、リンカーは、5.5未満のpHで加水分解性である。一実施形態では、リンカーは、細胞内プロテアーゼによって切断可能である。一実施形態では、リンカーは、カテプシン切断可能リンカーである。一実施形態では、リンカーは、ジペプチドを含む。一実施形態では、ジペプチドは、val-cit又はphe-lysである。一実施形態では、抗体は、抗体のシステインチオールを介してリンカーに付着している。一実施形態では、抗体は、アミン基、特に、抗体のリシン残基のアミン基を介してリンカーに付着している。

0035

一実施形態では、CLDN18.2は、配列番号1によるアミノ酸配列を有する。

0036

更なる態様では、本発明は、本発明の抗体-薬剤コンジュゲート、及び薬学的に許容される希釈剤担体、又は賦形剤を含む医薬製剤を提供する。

0037

更なる態様では、本発明は、本発明の抗体-薬剤コンジュゲートを含む医薬製剤を提供する。一実施形態では、医薬製剤は、抗体-薬物コンジュゲートを含む容器を含むキットの形態で存在する。一実施形態では、医薬製剤は、がん、特に、CLDN18.2発現がんを処置又は予防する方法における製剤の使用のための印刷された指示書を更に含む。

0038

更なる態様では、本発明は、療法における使用のための、特に、がん、特に、CLDN18.2発現がんを処置又は予防する方法における使用のための本発明の抗体-薬剤コンジュゲート、本発明の医薬組成物、又は本発明の医薬製剤を提供する。一実施形態では、がんを処置又は予防する方法は、本発明のCLDN18.2発現がんを処置又は予防する方法である。

0039

本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかとなる。

図面の簡単な説明

0040

抗体薬コンジュゲーションを示す図である。
HEK293〜CLDN18.2細胞のキメラ抗CLDN18.2 mAb及びFab-ZAPとの共インキュベーション後の生存能の低減を示すグラフである(内部移行の間接評価)。 HEK293〜CLDN18.2細胞を、抗CLDN18.2特異的抗体及びサポリンコンジュゲート抗ヒトIgGFab断片(Fab-ZAPヒト)とともに72時間インキュベートした。IMAB362、chim mAB294、chim mAB308、及びchim mAB359のエンドサイトーシスを、細胞生存能を測定することによって間接的に判定した。データ点(n=3反復)は、平均±SDとして表されている。
HEK293〜CLDN18.2細胞のマウス抗CLDN18.2抗体及びFab-ZAPとの共インキュベーション後の生存能の低減を示すグラフである(内部移行の間接評価)。 HEK293〜CLDN18.2細胞を、抗CLDN18.2反応性マウス抗体及びサポリンコンジュゲート抗マウスIgG Fab断片(Fab-ZAPマウス)とともに72時間インキュベートした。異なる抗CLDN18.2反応性マウス抗体のエンドサイトーシスを、細胞生存能を測定することによって間接的に判定した。
IMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEのCLDN18.2陽性細胞への相対的結合親和性を示すグラフである。 非コンジュゲートIMAB362と比較したIMAB362-毒素コンジュゲートの相対的結合親和性を、最大で20μg/mlの抗体濃度フローサイトメトリーによって、(A)NUGC-4 10cF7-5 sort3a、及び(B)CLDN18.2を内因的に発現するDAN-G 1C5F2細胞、(C)NCI-N87〜CLDN18.2、及び(D)CLDN18.2を異所性に過剰発現するBxPC-3〜CLDN18.2細胞について判定した。データ点(n=2反復)は平均±SDとして表されている。
IMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEのCLDN18.2媒介結合を示すグラフである。 IMAB362-毒素コンジュゲートのCLDN18.2媒介結合を、最大で20μg/mlの抗体濃度でフローサイトメトリーによって、(A)CLDN18.2を異所性に過剰発現するNCI-N87〜CLDN18.2細胞及び(B)対応するCLDN18.2陰性ヒト腫瘍細胞株について分析した。データ点(n=2反復)は平均±SDとして表されている。
IMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEの結合特異性を示すグラフである。 IMAB362-毒素コンジュゲートの結合特異性を、(A)HEK293〜CLDN18.2、(B)HEK293〜CLDN18.1、又は(C)陰性対照としてのHEK293〜モック細胞について判定した。結合は、最大で20μg/mlの抗体濃度でフローサイトメトリーによって分析した。データ点(n=2反復)は平均±SDとして表されている。
CLDN18.2発現ヒト癌細胞株の生存能に対するIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEの効果を示すグラフである。 (A)NUGC-4 10cF7-5 sort 3a、(B)NCI-N87〜CLDN18.2、及び(C)BxPC-3〜CLDN18.2細胞生存能のIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAE媒介低減の用量応答曲線。IMAB362を陰性対照として使用した(これらの条件下の生存能アッセイにおいて効果無し)。細胞を最大で16875ng/mlの濃度の抗体の存在下で72時間インキュベートした。細胞生存能の低減は、XTTベース生存能アッセイを使用して測定した。データ点(n=3反復)は平均±SDとして表されている。
腫瘍細胞生存能のIMAB362-vcMMAE媒介低減のCLDN18.2依存性を示すグラフである。 細胞生存能のIMAB362-vcMMAE媒介低減の標的依存性を、NCI-N87細胞(CLDN18.2陰性)及び標的を異所性に発現するNCI-N87〜CLDN18.2細胞について判定した。細胞を、最大で16875ng/mlの濃度のIMAB362-vcMMAE又は非コンジュゲートIMAB362とともに72時間インキュベートした。IMAB362は、ここで使用される実験条件下で活性を有さないことが公知である。細胞生存能の低減は、XTTベース生存能アッセイを使用して測定した。データ点(n=3反復)は平均±SDとして表されている。
細胞生存能のIMAB362-vcMMAE媒介低減の特異性を示すグラフである。 細胞生存能のIMAB362-vcMMAE媒介低減の標的特異性を、安定にトランスフェクトされたHEK293〜CLDN18.2、HEK293〜CLDN18.1、及びHEK293〜モック細胞を用いて試験した。細胞を、最大で16875ng/mlの濃度のIMAB362-vcMMAEの存在下で72時間インキュベートした。細胞生存能の低減は、XTTベース生存能アッセイを使用して測定した。データ点(n=3反復)は平均±SDとして表されている。
IMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEのバイスタンダー活性を示すグラフである。 バイスタンダー効果のIMAB362-DM4-及びIMAB362-vcMMAE媒介誘導を、PA-1(Luc)細胞(CLDN18.2陰性/ルシフェラーゼ陽性)及びNUGC-4 10cE8細胞(CLDN18.2陽性/ルシフェラーゼ陰性)を使用して共培養実験において判定した。バックグラウンド対照として、PA-1(Luc)細胞をIMAB362-DM4-又はIMAB362-vcMMAEとともにインキュベートした。処置のために、細胞を、200ng/mlのIMAB362-DM4、800ng/mlのIMAB362-vcMMAE、又は800ng/mlのIMAB362の存在下で4日間培養した。ルシフェラーゼ活性を測定した。
IMAB362-DM4による進行したBxPC-3〜CLDN18.2異種移植腫瘍の腫瘍増殖阻害を示すグラフである。 CLDN18.2陽性BxPC-3〜CLDN18.2細胞を雌胸腺欠損ヌードマウスの側腹部の皮下に移植した。14日目に、マウスを4群に組織化し、単回用量のビヒクル、7.5mg/kg、15mg/kgのIMAB362-DM4、又は反復用量の15mg/kgのIMAB362-DM4(14及び21日目)を静脈内注射した。皮下腫瘍のサイズを毎週2回測定した(平均+SEM)。群サイズn=5。SD:単回用量、RD:反復用量。
IMAB362-DM4で処置したマウスの平均体重を示すグラフである。 それぞれ、単回用量のビヒクル対照、7.5mg/kg、若しくは15mg/kg、又は反復用量の15mg/kgのIMAB362-DM4で処置した担BxPC-3〜CLDN18.2腫瘍ヌードマウスの体重をそれぞれ、週2回モニターした。4群の体重は、平均として表されている。群サイズn=5。
異種移植片ヌードマウスにおけるIMAB362-DM4の単回及び反復用量投与からの臨床化学パラメータを示すグラフである。 単回用量のビヒクル、7.5mg/kg、15mg/kgのIMAB362-DM4、又は反復用量の15mg/kgのIMAB362-DM4で静脈内処置した担BxPC-3〜CLDN18.2腫瘍雌ヌードマウスの臨床化学を、移植後49日目に分析した。A)アラニントランスアミナーゼ(GPT)、B)アスパラギン酸トランスアミナーゼ(GOT)、C)グルタミン酸脱水素酵素、D)アルカリホスファターゼ、E)α-アミラーゼ、F)コリンエステラーゼ、G)クレアチンキナーゼ(CK)、H)乳酸脱水素酵素(LDH)、I)リパーゼ、J)尿素、K)グルコース、L)総タンパク質、及びM)アルブミン
IMAB362-DM4及びビヒクル処置マウスからの胃切片組織分析を示す写真である。 BxPC-3〜CLDN18.2異種移植腫瘍を持つマウスをIMAB362-DM4で処置した。グラフト後49日目に、マウスを屠殺し、選択した臓器解剖し、ホルマリンで固定した。これらのFFPE組織の切片をヘマトキシリン-エオシンで染色し、形態学的変化について顕微鏡検査した。(A、C)最高のIMAB362-DM4曝露(グラフト後14日目及び21日目に15mg/kgのIMAB362-DM4)を伴った処置群からの代表的なマウスの胃組織。(B、D)ビヒクルのみで処置された対照群のマウスの胃組織。倍率:スケールバーを参照。
進行したBxPC-3〜CLDN18.2異種移植腫瘍IMAB362-vcMMAEの腫瘍増殖阻害を示すグラフである。 CLDN18.2陽性BxPC-3〜CLDN18.2細胞を雌ヌードマウスの側腹部の皮下に移植した。14日目に、マウスを4群に組織化し、単回用量のビヒクル、8mg/kg、16mg/kgのIMAB362-vcMMAE、又は反復用量の16mg/kgのIMAB362-vcMMAE(14及び21日目)を静脈内注射した。皮下腫瘍のサイズを毎週2回測定した(平均+SEM)。群サイズn=5。
IMAB362-vcMMAEで処置したマウスの平均体重を示すグラフである。 単回用量のビヒクル対照、8mg/kg、若しくは16mg/kg、又は反復用量の16mg/kgのIMAB362-vcMMAEで処置した担腫瘍雌ヌードマウスの体重を、週2回モニターした。4群の体重は、平均として提示されている。群サイズn=5。
異種移植片ヌードマウスにおけるIMAB362-vcMMAEの単回及び反復用量投与からの臨床化学パラメータを示すグラフである。 単回用量のビヒクル、8mg/kg、16mg/kgのIMAB362-vcMMAE、又は反復用量の16mg/kgのIMAB362-vcMMAEで静脈内処置した担BxPC-3〜CLDN18.2腫瘍雌ヌードマウスの臨床化学を、移植後37日目に分析した。A)アラニントランスアミナーゼ(GPT)、B)アスパラギン酸トランスアミナーゼ(GOT)、C)グルタミン酸脱水素酵素、D)アルカリホスファターゼ、E)α-アミラーゼ、F)コリンエステラーゼ、G)クレアチンキナーゼ(CK)、H)乳酸脱水素酵素(LDH)、I)リパーゼ、J)尿素、K)グルコース、L)総タンパク質、及びM)アルブミン。
進行したヒトNCI-N87〜CLDN18.2胃異種移植腫瘍モデルにおけるIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEの用量依存的な抗腫瘍効力を示すグラフである。ヒトCLDN18.2を異所性に発現するNCI-N87〜CLDN18.2細胞を雌ヌードマウスの側腹部の皮下に移植した。移植後10日目に、マウスを群に組織化し、13日目に、単回用量のビヒクル、3.8、7.6、若しくは15.2mg/kgのIMAB362-DM4、又は4、8、若しくは16mg/kgのIMAB362-vcMMAEを静脈内注射した。別の対照群は、反復用量の約8mg/kgのIMAB362をIV及びi.p.注射を交互することによって週2回受けた。腫瘍体積を週2回測定した。動物を、腫瘍体積が1400mm3を超えたとき、又は腫瘍が潰瘍化したとき屠殺した。腫瘍増殖統計分析は、クラスカル-ウォリス及び事後Dunn検定を使用して実施した。生存期間は、ビヒクル対照群をそれぞれIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEと比較してマンテルコックス検定を使用して分析した。ビヒクル対照、IMAB362、又はIMAB362-DM4、又はIMAB362-vcMMAEで処置したマウスの(A〜H)腫瘍増殖曲線、(I、K)平均腫瘍増殖(±SEM)、及び(J、L)生存期間プロット。群サイズ:n=11;*:p<0.05;***p<0.001。矢印は、処置の開始を示す。
早期ヒトNUGC-4 10cF7-5 sort3a胃異種移植腫瘍モデルにおけるIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEの抗腫瘍効力を示すグラフである。 CLDN18.2を内因的に発現するNUGC-4 10cF7-5 sort3a細胞を雌ヌードマウスの側腹部の皮下に移植した。3日目に、マウスは、単回IV注射によってビヒクル、15.2mg/kgのIMAB362-DM4、又は16mg/kgのIMAB362-vcMMAEを受けた。腫瘍体積を週2回測定した。動物を、腫瘍体積が1400mm3を超えたとき、又は腫瘍が潰瘍化したとき、又は120日の所定観察期間後に屠殺した。腫瘍増殖の統計分析は、クラスカル-ウォリス及び事後Dunn検定を使用して実施した。生存期間は、マンテルコックス検定を使用して分析した。ビヒクル対照、IMAB362-DM4、又はIMAB362-vcMMAEで処置したマウスの(A〜C)腫瘍増殖曲線、(D)平均腫瘍増殖(±SEM)、及び(E、F)生存期間プロット。群サイズ:n=10;***:p<0.001;****:p<0.0001。矢印は、処置の時点を示す。
進行したヒトBxPC-3〜CLDN18.2膵臓異種移植腫瘍モデルにおけるIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEの用量依存的な抗腫瘍効力を示すグラフである。 ヒトCLDN18.2を異所性に発現するBxPC-3〜CLDN18.2細胞を雌ヌードマウスの側腹部の皮下に移植した。13日目に、マウスを群に組織化し、14日目に、単回用量のビヒクル、3.8、7.6、若しくは15.2mg/kgのIMAB362-DM4、又は4、8、若しくは16mg/kgのIMAB362-vcMMAEを静脈内注射した。抗体対照群からのマウスは、約8mg/kgの非コンジュゲートIMAB362をIV及びi.p.注射を交互することによって週2回受けた。腫瘍サイズを週2回測定した。動物を、腫瘍体積が1400mm3を超えたとき、又は腫瘍が潰瘍化したとき屠殺した。腫瘍増殖の統計分析は、クラスカル-ウォリス及び事後Dunn検定を使用して実施した。生存期間は、ビヒクル対照群をそれぞれIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEと比較してマンテルコックス検定を使用して分析した。ビヒクル対照、IMAB362、IMAB362-DM4、又はIMAB362-vcMMAEで処置したマウスの(A〜H)腫瘍増殖曲線、(I、K)平均腫瘍増殖(±SEM)、及び(J、L)生存期間プロット。群サイズ:n=11;p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001;****:p<0.0001。矢印は、処置の時点を示す。
早期ヒトDAN-G 1C5F2膵臓異種移植腫瘍モデルにおけるIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEの抗腫瘍効力を示すグラフである。 CLDN18.2を内因的に発現するDAN-G 1C5F2細胞を雌ヌードマウスの側腹部の皮下に移植した。移植後3日目に、マウスを、ビヒクル対照、15.2mg/kgのIMAB362-DM4、又は16mg/kgのIMAB362-vcMMAEの単回IV注射で処置した。腫瘍体積を週2回測定した。動物を、マウスががん悪液質に起因して10%超の体重を失ったとき、腫瘍が潰瘍化したとき、又は120日の所定観察期間後に屠殺した。腫瘍増殖の統計分析は、クラスカル-ウォリス及び事後Dunn検定を使用して実施した。生存期間は、マンテルコックス検定を使用して分析した。ビヒクル対照、IMAB362-DM4、又はIMAB362-vcMMAEで処置したマウスの(A〜C)腫瘍増殖曲線、(D)平均腫瘍増殖(±SEM)、及び(E、F)生存期間プロット。群サイズ:n=10;**:p<0.01;***:p<0.001。矢印は、処置の時点を示す。
IMAB362-vcMMAE及びビヒクル処置マウスからの胃切片の組織分析を示す写真である。 BxPC-3〜CLDN18.2異種移植腫瘍を持つマウスをIMAB362-vcMMAEで処置した。グラフト後37日目に、マウスを屠殺し、選択した臓器を解剖し、ホルマリンで固定した。これらのFFPE組織の切片をヘマトキシリン-エオシンで染色し、形態学的変化について顕微鏡で検査した。(A、C)最高のIMAB362-vcMMAE曝露(グラフト後14日目及び21日目に16mg/kgのIMAB362-vcMMAE)を伴った処置群からの代表的なマウスの胃組織。(B、D)ビヒクルのみで処置された対照群のマウスの胃組織。倍率:スケールバーを参照。
IMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEによるアポトーシスの誘導を示すグラフである。 アポトーシスのIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAE媒介誘導を、標的陽性NUGC-4 10cE8細胞を使用してカスパーゼ3/7活性を測定し、アネキシンVで染色することによって判定した。A)カスパーゼ3/7活性は、細胞を2.5μg/mlのIMAB362抗体の存在下で3日間インキュベートした後に分析した(n=3反復、平均±SD)。B)アネキシンV及びヨウ化プロピジウム(PI)で共染色した細胞のフローサイトメトリー分析は、2.5μg/mlのIMAB362抗体で処置して4日後に実施した(n=3反復)。未処置の細胞は、対照として機能を果たした。
進行したヒトNUGC-4 10cF7-5 sort3a胃異種移植腫瘍モデルにおけるIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAEの抗腫瘍効力を示すグラフである。 CLDN18.2を内因的に発現するNUGC-4 10cF7-5 sort3a細胞を雌ヌードマウスの側腹部の皮下に移植した。10日目に、マウスは、単回IV注射によってビヒクル、15.2mg/kgのIMAB362-DM4、又は16mg/kgのIMAB362-vcMMAEを受けた。腫瘍体積を週2回測定した。動物を、腫瘍体積が1400mm3を超えたとき、腫瘍が潰瘍化したとき、又は120日の所定観察期間後に屠殺した。腫瘍増殖の統計分析は、クラスカル-ウォリス及び事後Dunn検定を使用して実施した。生存期間は、マンテルコックス検定を使用して分析した。ビヒクル対照、IMAB362-DM4、又はIMAB362-vcMMAEで処置したマウスの(A〜C)腫瘍増殖曲線、(D)平均腫瘍増殖(±SEM)、及び(E、F)生存期間プロット。群サイズ:n=10;*:p<0.05;***:p<0.001。矢印は、処置の時点を示す。
CLDN18.2発現ヒトがん細胞に対するIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAE媒介ADCCを示すグラフである。 A)内因的にCLDN18.2を発現するNUGC-4 10cF7_5 sort3a p3151#10ヒト胃癌細胞に対するIMAB362-DM4(中実黒色円)、IMAB362-vcMMAE(中実黒色三角形)、及びIMAB362(開放黒色正方形)媒介ADCCの用量応答曲線。実験は、約40:1のエフェクターの標的に対する比を使用して実施した。データ点(n=4反復)は、平均±SDとして表されている。B)NUGC-4 10cF7_5 sort3a p3151#10細胞上のCLDN18.2発現のフローサイトメトリー分析。灰色塗りのヒストグラム:抗CLDN18.2(IMAB362、50μg/ml)。黒色点線:アイソタイプ対照。
CLDN18.2発現ヒトがん細胞に対するIMAB362-DM4及びIMAB362-vcMMAE媒介CDCを示すグラフである。A)内因的にCLDN18.2を発現するKATO-III FGF BP#12 adM p3151#25(左)及びNUGC-4 10cF7_5 sort3a p3151#10ヒト胃癌細胞(右)に対するIMAB362-DM4(中実黒色円)、IMAB362-vcMMAE(中実黒色三角形)、及びIMAB362(開放黒色正方形)媒介CDCの用量応答曲線。ルシフェラーゼ発現標的細胞を、20%のヒト血清(健康なヒトドナーからのプール)及び示された濃度のそれぞれの抗体とともに90分間インキュベートした。データ点(n=3反復)は、平均±SDとして表されている。B)KATO-III FGF BP#12 adM p3151#25(左)及びNUGC-4 10cF7_5 sort3a p3151#10細胞(右)上のCLDN18.2発現のフローサイトメトリー分析。灰色塗りのヒストグラム:抗CLDN18.2(IMAB362、50μg/ml)。黒色点線:アイソタイプ対照。

0041

本発明を以下で詳細に記載するが、本発明は、本発明に記載の特定の方法論プロトコール、及び試薬が多様であり得るので、これらに限定されないことが理解されるべきである。本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態を記載する目的のためだけであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになる本発明の範囲を限定するように意図されていないことも理解されるべきである。別段に定義されていない限り、本明細書で使用するすべての技術用語及び科学用語は、当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。

0042

以下において、本発明の要素を記載する。これらの要素は、特定の実施形態とともに列挙されているが、これらは、追加の実施形態を作るために任意の様式で、且つ任意の数で組み合わせることができることが理解されるべきである。様々に記載される実施例及び好適な実施形態は、明示的に記載される実施形態のみに本発明を限定するように解釈されるべきでない。本記載は、明示的に記載される実施形態を、開示され、且つ/又は好適な要素の任意の数と組み合わせる実施形態を支持及び包含することが理解されるべきである。更に、本願におけるすべての記載される要素の任意の並び換え及び組合せは、脈絡により別段に示されていない限り、本願の記載によって開示されているとみなされるべきである。

0043

好ましくは、本明細書で使用される用語は、「A multilingual glossary of biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)」、H.G.W. Leuenberger、B. Nagel、及びH. Kolbl編、Helvetica Chimica Acta、CH-4010 Basel、Switzerland、(1995)に記載されているように定義される。

0044

本発明の実行には、別段に示されてない限り、本分野の文献(例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、2版、J. Sambrookら編、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor 1989を参照)に説明されている化学生化学細胞生物学免疫学、及び組換えDNA技法の従来法を使用する。

0045

本明細書、及び以下に続く特許請求の範囲全体にわたって、脈絡により別段に要求されない限り、単語「含む(comprise)」、並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」等の変形は、述べたメンバー整数、若しくは工程、又はメンバー、整数、若しくは工程の群を含めることを暗示するが、任意の他のメンバー、整数、若しくは工程、又はメンバー、整数、若しくは工程の群を除外せず、とはいえ、いくつかの実施形態では、このような他のメンバー、整数、若しくは工程、又はメンバー、整数、若しくは工程の群が除外される場合があり、即ち、主題は、述べたメンバー、整数、若しくは工程、又はメンバー、整数、若しくは工程の群を含めることにあることが理解される。本発明を記載することとの関連で(特に、特許請求の範囲との関連で)使用される用語「a」及び「an」及び「the」、並びに同様の言及は、本明細書で別段に示されていない限り、又は脈絡によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方に及ぶと解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の記述は、その範囲内に入る各別個の値を個々に指す簡便な方法として機能を果たすように単に意図されている。本明細書で別段に示されていない限り、各個々の値は、それが本明細書で個々に列挙されているように明細書に組み込まれている。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書で別段に示されていない限り、又は脈絡により別段に明らかに矛盾しない限り、任意の適当な順序で実施することができる。本明細書に提供される任意且つすべての例、又は例示的な言い回し(例えば、「等」)の使用は、本発明をより良好に例示するように単に意図されており、別段に主張される本発明の範囲を限定しない。本明細書中の言い回しは、本発明の実行に本質的な任意の主張されていない要素を示すものとして解釈されるべきでない。

0046

いくつかの文献が、本明細書の本文全体にわたって引用されている。本明細書で引用される文献(すべての特許、特許出願、科学刊行物製造者仕様書、指示書等を含む)のそれぞれは、上記のものであれ、以下のものであれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。本明細書中のいずれも、先行発明によって本発明がそのような開示に先行する権利がないことを承認するものとして解釈されるべきでない。

0047

クローディンは、タイトジャンクションの最も重要な成分であるタンパク質のファミリーであり、タイトジャンクションでは、これらは、上皮細胞同士間細胞間隙内で分子の流れを制御する傍細胞障壁確立する。クローディンは、膜の内外に4回またがる膜貫通タンパク質であり、N末端及びC末端はともに細胞質内に位置する。第1の細胞外ループ又はドメインは、平均で53アミノ酸からなり、第2の細胞外ループ又はドメインは、約24アミノ酸からなる。CLDN18.2等のクローディンファミリーの細胞表面タンパク質は、様々な起源の腫瘍内で発現され、これらの選択的発現(毒性関連正常組織内で発現無し)及び形質膜への局在化に起因して、抗体媒介がん免疫療法に関連した標的構造として特に適している。

0048

用語「CLDN」は、本明細書で使用する場合、クローディンを意味し、CLDN18.2を含む。好ましくは、クローディンは、ヒトクローディンである。

0049

用語「CLDN18」は、クローディン18を指し、クローディン18スプライスバリアント1(クローディン18.1(CLDN18.1))及びクローディン18スプライスバリアント2(クローディン18.2(CLDN18.2))を含めた任意のバリアントを含む。

0050

用語「CLDN18.2」は、好ましくは、ヒトCLDN18.2、特に、配列表の配列番号1によるアミノ酸配列、又は前記アミノ酸配列のバリアントを含み、好ましくはそれからなるタンパク質を指す。CLDN18.2の第1の細胞外ループ又はドメインは、好ましくは、配列番号1に示したアミノ酸配列のアミノ酸27〜81、より好ましくはアミノ酸29〜78を含む。CLDN18.2の第2の細胞外ループ又はドメインは、好ましくは、配列番号1に示したアミノ酸配列のアミノ酸140〜180を含む。前記第1及び第2の細胞外ループ又はドメインは、好ましくは、CLDN18.2の細胞外部分又はドメインを形成する。

0051

CLDN18.2は、胃粘膜の分化上皮細胞内の正常組織中で選択的に発現される。CLDN18.2は、様々な起源のがん、例えば、膵癌、食道癌、胃癌、気管支癌乳癌、及びENT腫瘍等において発現される。CLDN18.2は、原発性腫瘍、例えば、胃がん、食道がん、膵がん、非小細胞肺がん(NSCLC)等の肺がん、卵巣がん、大腸がん、肝がん、頭頸部がん、及び胆嚢のがん、並びにこれらの転移、特にクルーケンベルク腫瘍等の胃がん転移、腹膜転移、及びリンパ節転移の予防及び/又は処置のための貴重な標的である。

0052

用語「CLDN18.1」は、好ましくは、ヒトCLDN18.1、特に、配列表の配列番号2によるアミノ酸配列、又は前記アミノ酸配列のバリアントを含み、好ましくはそれからなるタンパク質を指す。

0053

本発明による用語「バリアント」は、特に、突然変異体、スプライスバリアント、コンホメーションアイソフォーム対立遺伝子バリアント、種バリアント、及び種同族体、特に、天然に存在するものを指す。対立遺伝子バリアントは、遺伝子の正常な配列の変化に関し、その重要性は、不明確であることが多い。完全な遺伝子配列決定は、多くの場合、所与の遺伝子に対して多数の対立遺伝子バリアントを同定する。種同族体は、所与の核酸又はアミノ酸配列のものと異なる起源の種に対する核酸又はアミノ酸配列である。用語「バリアント」は、任意の翻訳後修飾されたバリアント及びコンホメーションバリアントを包含するものとする。

0054

本発明によれば、用語「CLDN18.2発現がん」又は「CLDN18.2陽性がん」は、がん細胞であって、好ましくは前記がん細胞の表面上で、CLDN18.2を発現するがん細胞を伴うがんを意味する。

0055

「細胞表面」は、当技術分野でその通常の意味に従って使用され、したがって、タンパク質及び他の分子による結合にアクセス可能である細胞の外側を含む。

0056

CLDN18.2は、それが細胞の表面に位置している場合、前記細胞の表面上で発現され、細胞に添加されるCLDN18.2特異的抗体による結合にアクセス可能である。

0057

用語「細胞外部分」又は「細胞外ドメイン」は、本発明との関連で、細胞の細胞外空間に面しており、好ましくは、例えば、細胞の外側に位置した抗体等の抗原結合分子によって前記細胞の外側からアクセス可能であるタンパク質等の分子の一部を指す。好ましくは、この用語は、1つ又は複数の細胞外ループ若しくはドメイン又はこれらの断片を指す

0058

本発明によれば、CLDN18.2は、発現のレベルが胃細胞又は胃組織内の発現と比較してより低い場合、細胞内で実質的に発現されない。好ましくは、発現のレベルは、胃細胞又は胃組織内の発現の10%未満、好ましくは、5%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、若しくは0.05%未満、又は更により低い。好ましくは、CLDN18.2は、発現のレベルが、2倍以下、好ましくは1.5倍以下で胃以外の非がん性組織内の発現のレベルを超え、好ましくは、前記非がん性組織内の発現のレベルを超えない場合、細胞内で実質的に発現されない。好ましくは、CLDN18.2は、発現のレベルが検出限界未満であり、且つ/又は発現のレベルが低すぎて細胞に添加されるCLDN18.2特異的抗体による結合を可能にすることができない場合、細胞内で実質的に発現されない。

0059

本発明によれば、CLDN18.2は、発現のレベルが、2倍超、好ましくは、10倍超、100倍超、1000超倍、又は10000倍超、胃以外の非がん性組織内の発現のレベルを超える場合、細胞内で発現される。好ましくは、CLDN18.2は、発現のレベルが検出限界を超える場合、且つ/又は発現のレベルが細胞に添加されるCLDN18.2特異的抗体による結合を可能にするのに十分高い場合、細胞内で発現される。好ましくは、細胞内で発現されるCLDN18.2は、前記細胞の表面上で発現され、又は曝露される。

0060

用語「疾患」は、個体の体に影響する異常な状態を指す。疾患は、特異的な症状及び徴候に関連した医学的状態と解釈されることが多い。疾患は、感染疾患等、元来外部源からの要因によって引き起こされる場合があり、又は疾患は、自己免疫疾患等、体内の機能不全によって引き起こされる場合がある。ヒトにおいて、「疾患」は、それを患う個体に疼痛、機能不全、苦痛社会的問題、若しくは死を引き起こす任意の状態、又は個体と接触している者に対する同様の問題を指すのにより広く使用されることが多い。このより広い意味では、疾患は、傷害、身体障害、障害、症候群感染症孤立症状、逸脱した挙動、並びに構造及び機能の非定型の変形を時に含み、一方、他の脈絡では、且つ他の目的に関して、これらは、区別可能カテゴリーとみなされ得る。疾患は通常、身体的にだけでなく情緒的にも個体に影響し、その理由は、多くの疾患に罹り、これらとともに生活することは、人生観及び人格を変化させ得るためである。本発明によれば、用語「疾患」は、がん、特に、本明細書に記載のがんの形態を含めた、任意の病理状態を含む。がん、又はがんの特定の形態への本明細書での任意の言及は、そのがん転移も含む。好適な実施形態では、本願によって処置される疾患は、CLDN18.2を発現する細胞を伴う。

0061

「CLDN18.2を発現する細胞を伴う疾患」若しくは「CLDN18.2を発現する細胞と関連する疾患」、又は同様の表現は、本発明によれば、CLDN18.2が病変組織又は臓器の細胞内で発現されることを意味する。一実施形態では、患部組織又は患部臓器の細胞内のCLDN18.2の発現は、対応する健康な組織又は臓器内の状態と比較して増大している。増大は、少なくとも10%、特に、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも500%、少なくとも1000%、少なくとも10000%、又はそれ以上の増大を指す。一実施形態では、発現は、患部組織内でのみ見つかり、一方、対応する健康な組織内の発現は抑圧されている。本発明によれば、CLDN18.2を発現する細胞に関連した疾患は、がん疾患を含む。更に、本発明によれば、がん疾患は、好ましくは、がん細胞がCLDN18.2を発現するものである。

0062

用語「がん疾患」又は「がん」は、典型的には未調節の細胞増殖によって特徴付けられる個体における生理的状態を指し、又は記述する。がんの例としては、それだけに限らないが、癌、リンパ腫芽腫肉腫、及び白血病がある。より特定すれば、このようながんの例としては、骨がん、血液がん、肺がん、肝がん、膵がん、皮膚がん、頭部又は頸部のがん、皮膚又は眼内黒色腫子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、大腸がん、乳がん、前立腺がん、子宮がん、性器及び生殖器の癌、ホジキン病、食道のがん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟組織の肉腫、膀胱のがん、腎臓のがん、腎細胞癌腎盂の癌、中枢神経系(CNS)の新生物神経外胚葉性がん、脊髄軸腫瘍、神経膠腫髄膜腫、及び下垂体腺腫がある。用語「がん」は、本発明によれば、がん転移も含む。好ましくは、「がん疾患」は、CLDN18.2を発現する細胞によって特徴付けられ、がん細胞は、CLDN18.2を発現する。CLDN18.2を発現する細胞は、好ましくはがん細胞であり、好ましくは本明細書に記載のがんのがん細胞である。

0063

本発明によれば、用語「腫瘍」又は「腫瘍疾患」は、好ましくは腫大又は病変部を形成する細胞(新生物細胞腫瘍原性細胞(tumorigenous cell)、又は腫瘍細胞と呼ばれる)の異常増殖を指す。「腫瘍細胞」とは、急速な、制御されない細胞増殖(cellular proliferation)によって増殖し、新しい増殖(growth)を開始した刺激が終わった後、増殖し続ける異常細胞を意味する。腫瘍は、構造的機構、及び正常組織との機能的協調の部分的又は完全な欠如を示し、良性、前悪性、又は悪性であり得る、組織の別個の塊を通常形成する。本発明によれば、「がん疾患」は、好ましくは「腫瘍疾患」である。しかし一般に、用語「がん」及び「腫瘍」は、本明細書で互換的に使用される。

0064

一実施形態では、本発明によるがんは、CLDN18.2を発現するがん細胞を伴う。一実施形態では、がんは、CLDN18.2陽性である。一実施形態では、CLDN18.2の発現は、細胞の表面におけるものである。一実施形態では、がん細胞の少なくとも50%、好ましくは60%、70%、80%、若しくは90%は、CLDN18.2陽性であり、且つ/又はがん細胞の少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%は、CLDN18.2の表面発現について陽性である。一実施形態では、がん細胞の少なくとも95%又は少なくとも98%は、CLDN18.2陽性である。一実施形態では、がん細胞の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%は、CLDN18.2の表面発現について陽性である。

0065

一実施形態では、CLDN18.2発現がん、CLDN18.2を発現するがん細胞を伴うがん、又はCLDN18.2陽性がんは、胃がん、食道がん、膵がん、非小細胞肺がん(NSCLC)等の肺がん、卵巣がん、大腸がん、肝がん、頭頸部がん、及び胆嚢のがん、並びにこれらの転移、特にクルーケンベルク腫瘍等の胃がん転移、腹膜転移、及びリンパ節転移からなる群から選択される。一実施形態では、がんは、腺癌、特に、進行した腺癌である。特に好適ながん疾患は、胃、食道、膵管、胆管、肺、及び卵巣の腺癌である。一実施形態では、がんは、胃のがん、食道、特に、下部食道のがん、食道胃接合部のがん、及び胃食道がんからなる群から選択される。特に好適な実施形態では、がんは、転移性、難治性、又は再発性進行胃食道がん等の胃食道がんである。

0066

本発明によれば、「癌」は、上皮細胞に由来する悪性腫瘍である。この群は、乳房前立腺、肺、及び大腸がんの一般的な形態を含む最も一般的ながんを代表する。

0067

「腺癌」は、腺組織に由来するがんである。この組織は、上皮組織として知られるより大きい組織カテゴリーの一部でもある。上皮組織は、皮膚、、及び体の腔及び臓器を裏打ちする様々な他の組織を含む。上皮は、外胚葉内胚葉、及び中胚葉発生学的に由来する。腺癌として分類されるために、細胞は、分泌性を有する限り、必ずしも腺の一部である必要はない。この形態の癌は、ヒトを含めたいくつかの高等哺乳動物において起こり得る。十分に分化した腺癌は、これらが由来する腺組織に類似する傾向がある一方、不十分に分化した腺癌は、類似しない場合がある。生検からの細胞を染色することによって、病理学者は、腫瘍が腺癌であるか、又はいくつかの他のタイプのがんであるかを判定する。腺癌は、体内の腺のユビキタス性質に起因して、体の多くの組織内で生じ得る。各腺は、同じ物質を分泌しない場合があるが、細胞への外分泌機能がある限り、それは、腺とみなされ、したがってその悪性形態は、腺癌と呼ばれる。悪性腺癌は、他の組織に浸入し、転移する十分な時間が与えられると転移することが多い。卵巣腺癌は、卵巣癌の最も一般的なタイプである。これには、漿液性腺癌及び粘液腺癌、明細胞腺癌、並びに類内膜腺癌が含まれる。

0068

「転移」とは、その元の部位から体の別の部分へのがん細胞の拡散を意味する。転移の形成は、非常に複雑なプロセスであり、原発性腫瘍からの悪性細胞の脱離、細胞外マトリックス侵襲体腔及び血管に入るための内皮基底膜浸透、並びに次いで、血液によって輸送された後、標的臓器浸潤に依存する。最後に、標的部位での新しい腫瘍の増殖は、血管新生に依存する。腫瘍細胞又は腫瘍成分が残存し、転移能を発生させる場合があるので、腫瘍転移は、原発性腫瘍が除去された後でさえ起こることが多い。一実施形態では、本発明による用語「転移」は、「遠隔転移」に関し、これは、原発性腫瘍及び局所リンパ節系から離れた転移に関する。一実施形態では、本発明による用語「転移」は、リンパ節転移に関する。本発明の療法を使用して処置可能である転移の一特定の形態は、主要な部位として胃がんに由来する転移である。好適な実施形態では、このような胃がん転移は、クルーケンベルク腫瘍、腹膜転移、及び/又はリンパ節転移である。

0069

クルーケンベルク腫瘍は、すべての卵巣腫瘍の1%〜2%を占める卵巣の珍しい転移性腫瘍である。クルーケンベルク腫瘍の予後は、依然として非常に芳しくなく、クルーケンベルク腫瘍の確立された処置はまったくない。クルーケンベルク腫瘍は、卵巣の転移性印環細胞腺癌である。胃は、ほとんどのクルーケンベルク腫瘍症例(70%)における原発部位である。大腸虫垂、及び乳房(主に侵襲性小葉癌)の癌は、次に最も一般的な原発部位である。胆嚢、胆道、膵臓、小腸、ファーター膨大部子宮頸、及び膀胱/尿膜管の癌に由来するクルーケンベルク腫瘍の稀有な症例が報告されている。原発癌診断引き続く卵巣関与の発見との間隔は、通常6カ月以下であるが、より長い期間が報告されている。多くの場合では、原発性腫瘍は、非常に小さく、検出を逃れ得る。胃又は別の臓器の従前の癌の履歴は、症例の20%〜30%のみで得ることができる。

0070

クルーケンベルク腫瘍を有する患者は、著しく高い全体的な死亡率を有する。ほとんどの患者は、2年以内に死亡する(生存時間中央値、14カ月)。いくつかの研究により、予後は、卵巣への転移が発見された後に原発性腫瘍が同定されるとき、芳しくなく、予後は、原発性腫瘍が隠れたままである場合悪化することが示されている。

0071

クルーケンベルク腫瘍の最適な処置ストラテジーは、まったく文献において明らかに確立されていない。外科切除が実施されるべきか否かは、十分に対処されていない。化学療法又は放射線療法は、クルーケンベルク腫瘍を有する患者の予後に対して有意な効果がまったくない。

0072

特に、がんの処置に関連した用語「(治療的)処置」は、本明細書で使用する場合、健康状態を改善すること及び/又は患者の寿命延長すること(増大させること)を目的とする任意の処置を指す。前記処置は、がんを排除し、患者における腫瘍のサイズ若しくは数を低減し、患者におけるがんの発生を停止若しくは減速し、患者における新しいがんの発生を阻害若しくは減速し、患者における症状の頻度若しくは重症度を減少させ、且つ/又は現在がんを有する、若しくは以前にがんを有していたことがある患者における再発を減少させることができる。がんの(治療的)処置は、手術、化学療法、放射線療法、及び標的療法からなる群から選択され得る。

0073

用語「手術」は、本明細書で使用する場合、オペレーションにおける腫瘍の除去を含む。これは、がんの一般的な処置である。外科医は、局所的な切除を使用して腫瘍を除去することができる。

0074

用語「化学療法」は、本明細書で使用する場合、好ましくは、細胞を殺傷し、又は細胞が分裂するのを停止することによってがん細胞の増殖を停止するための化学療法剤又は化学療法剤の組合せの使用を指す。化学療法が口によって服用され、又は静脈若しくは筋肉内に注射される場合、薬物は、血流入り、体全体にわたってがん細胞に到達することができる(全身化学療法)。化学療法が脳脊髄液、臓器、又は腹部等の体腔内に直接配置される場合、薬物は、これらのエリア内のがん細胞に主に影響する(局所化学療法)。

0075

本発明による化学療法剤には、細胞増殖抑制性化合物及び細胞傷害性化合物が含まれる。従来の化学療法剤は、ほとんどのがん細胞の主な性質の1つである急速に分裂する細胞を殺傷することによって作用する。これは、化学療法は、骨髄消化管、及び毛嚢内の細胞等の正常環境下で急速に分裂する細胞にも危害を与えることを意味する。これは、化学療法の最も一般的な副作用をもたらす。本発明によれば、用語「化学療法」は、好ましくは、がん細胞内で異常に発現されるタンパク質(CLDN18.2等の腫瘍抗原)を標的にし、患者の免疫系を動員して腫瘍細胞を破壊することによって作用する抗体を含まない。しかし、がん細胞内で異常に発現されるタンパク質(CLDN18.2等の腫瘍抗原)を標的にし、抗体にコンジュゲートした治療部分又は作用物質によって作用する抗体は、化学療法の一形態としてとらえることができる。しかし、厳密な意味において、用語「化学療法」は、本発明によれば、標的療法を含まない。

0076

本発明によれば、用語「標的療法」は、がん細胞等の疾患細胞優先的に標的にするのに使用することができる一方、非疾患細胞は、標的にされず、又はより少ない程度に標的にされる任意の療法を指す。疾患細胞の標的化は、好ましくは、疾患細胞の殺傷及び/又は疾患細胞の増殖若しくは生存能の障害をもたらす。このような療法は、i)であるか、若しくは腫瘍抗原、例えば、CLDN18.2等の疾患細胞上のある特定の細胞表面標的を標的にする治療部分にコンジュゲートされた抗体、抗体断片、及びタンパク質(例えば、本明細書に記載のCLDN18.2に対する抗体若しくは抗体コンジュゲート)、又はii)疾患細胞の増殖又は生存能を損なう低分子を含む。具体的な実施形態では、作用物質は、正常な幹細胞より疾患細胞上で大きいレベルで発現される抗原に結合する。具体的な実施形態では、作用物質は、腫瘍抗原に特異的に結合する。従来の化学療法又は放射線療法は、それが腫瘍に向けられていることが多いにもかかわらず、「標的療法」とみなされない。更に、用語「抗体療法」は、本発明によれば、治療部分にコンジュゲートされている抗体、これらの断片又は誘導体を用いた療法を含まないが、単に、患者の免疫系を動員して腫瘍細胞を破壊することによって作用する抗体、これらの断片又は誘導体を用いた療法に関する。

0077

本発明との関連で、「保護する」、「予防する(prevent)」、又は「予防的な(prophylactic)」等の用語は、対象における疾患の出現及び/又は伝播の予防、特に、対象が疾患を発生させる公算を最小限にし、又は疾患の発生を遅延させることを指す。例えば、がんのリスクにある対象は、がんを予防する療法の候補であるはずである。

0078

「リスクにある」とは、一般的な集団と比較して、疾患、特にがんを発生させる通常より高い公算を有すると同定されている対象を意味する。更に、疾患、特に、がんを有していたことがある、又は現在有する対象は、疾患を発生させるリスクが増大している対象であり、その理由は、このような対象は、疾患を発生させ続け得るためである。がんを現在有する、又は有していたことがある対象はまた、がん転移のリスクが増大している。

0079

用語「個体」及び「対象」は、互換的に本明細書で使用される。これらは、疾患又は障害(例えば、がん)を患い得る、又はそれに感受性であるが、疾患又は障害を有していてもよく、又は有さなくてもよいヒト、非ヒト霊長類、又は他の哺乳動物(例えば、マウス、ラットウサギイヌネコウシブタヒツジウマ、又は霊長類)を指す。多くの実施形態では、個体は、ヒトである。別段の記載のない限り、用語「個体」及び「対象」は、特定の年齢を表さず、したがって成人高齢者小児、及び新生児を包含する。本発明の好適な実施形態では、「個体」又は「対象」は、「患者」である。用語「患者」は、本発明によれば、処置の対象、特に罹病対象を意味する。

0080

用語「抗原」は、免疫応答が向けられている、且つ/又は向けられるエピトープを含むタンパク質又はペプチド等の作用物質に関する。好適な実施形態では、抗原は、CLDN18.2等の腫瘍関連抗原、即ち、細胞質、細胞表面、及び細胞核に由来し得るがん細胞の構成要素、特に、細胞内で、又はがん細胞の表面抗原として、好ましくは大量に産生される抗原である。

0081

本発明との関連で、用語「腫瘍関連抗原」又は「腫瘍抗原」は、好ましくは、正常状態下で、限られた数の組織及び/若しくは臓器において、又は特定の発生段階において特異的に発現され、1つ又は複数の腫瘍組織又はがん組織において発現又は異常に発現されるタンパク質に関する。本発明との関連で、腫瘍関連抗原は、好ましくはがん細胞の細胞表面に関連し、好ましくは、正常組織内で発現されないか、又はまれにしか発現されない。

0082

用語「エピトープ」は、分子内の抗原決定基、即ち、免疫系によって認識される、例えば、抗体によって認識される分子の一部を指す。例えば、エピトープは、免疫系によって認識される、抗原上の別個の3次元の部位である。エピトープは通常、アミノ酸又は糖側鎖等の分子の化学的に活性な表面基からなり、通常、特定の3次元の構造的特徴、及び特定の帯電特性を有する。立体構造エピトープ及び非立体構造エピトープは、後者へではなく前者への結合が、変性溶媒の存在下で失われる点で区別される。CLDN18.2等のタンパク質のエピトープは、好ましくは、前記タンパク質の連続部分又は不連続部分を含み、好ましくは5から100の間、好ましくは5から50の間、より好ましくは8から30の間、最も好ましくは、10から25の間のアミノ酸長であり、例えば、エピトープは、好ましくは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25アミノ酸長であり得る。

0083

用語「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互接続された2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖を含む糖タンパク質、並びにこのような糖タンパク質の抗原結合性部分を含む任意の分子を含む。用語「抗体」は、限定することなく、単鎖抗体、例えば、scFv、並びに抗原結合抗体断片、例えば、Fab及びFab'断片を含めたモノクローナル抗体、組換え抗体ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、抗体の結合断片又は誘導体を含む分子を含み、抗体のすべての組換え型、例えば、原核生物において発現される抗体、非グリコシル化抗体、並びに本明細書に記載の任意の抗原結合抗体断片及び誘導体も含む。各重鎖は、重鎖可変領域(VHと本明細書で省略する)及び重鎖定常領域で構成されている。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VLと本明細書で省略する)及び軽鎖定常領域で構成されている。VH領域及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存された領域とともに散在した相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域に更に細分することができる。各VH及びVLは、以下の順序、即ち、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4でアミノ末端からカルボキシ末端に配置された3つのCDR及び4つのFRから構成されている。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合性ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、効果細胞)、及び古典的補体系の第1の成分(Clq)を含めた、宿主組織又は因子への免疫グロブリンの結合を媒介することができる。

0084

用語「モノクローナル抗体」は、本明細書において使用する場合、単一分子組成抗体分子の製剤を指す。モノクローナル抗体は、単一の結合特異性及び親和性を示す。一実施形態では、モノクローナル抗体は、不死化細胞に融合された非ヒト動物、例えば、マウスから得られるB細胞を含むハイブリドーマによって生成される。

0085

用語「組換え抗体」は、本明細書において使用する場合、組換え手段によって調製、発現、創製、又は単離されるすべての抗体、例えば、(a)自己から調製される免疫グロブリン遺伝子又はハイブリドーマに関してトランスジェニック又はトランスクロモソーマル(transchromosomal)である動物(例えば、マウス)から単離される抗体、(b)抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から、例えば、トランスフェクトーマから単離される抗体、(c)組換えコンビナトリアル抗体ライブラリーから単離される抗体、及び(d)他のDNA配列に免疫グロブリン遺伝子配列をスプライシングする任意の他の手段によって調製、発現、創製、又は単離される抗体等を含む。

0086

用語「ヒト抗体」は、本明細書において使用する場合、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域及び定常領域を有する抗体を含むように意図されている。ヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroでのランダム若しくは部位特異的な突然変異誘発によって、又はin vivoでの体細胞突然変異によって導入された突然変異)を含み得る。

0087

用語「ヒト化抗体」は、非ヒト種からの免疫グロブリンに実質的に由来する抗原結合性部位を有する分子であって、分子の残りの免疫グロブリン構造は、ヒト免疫グロブリンの構造及び/又は配列に基づく、分子を指す。抗原結合性部位は、定常ドメイン上に融合した完全な可変ドメインを含み、又は可変ドメイン中の適切なフレームワーク領域上にグラフトされた相補性決定領域(CDR)のみを含むことができる。抗原結合性部位は、野生型であっても、1つ又は複数のアミノ酸置換によって修飾されていても、例えば、ヒト免疫グロブリンにより密接に類似するように修飾されていてもよい。ヒト化抗体のいくつかの形態は、すべてのCDR配列を保存する(例えば、マウス抗体由来の6つすべてのCDRを含有するヒト化マウス抗体)。他の形態は、元の抗体に対して変更された1つ又は複数のCDRを有する。

0088

用語「キメラ抗体」は、重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列のそれぞれの1つの部分が、特定の種に由来する、又は特定のクラスに属する抗体中の対応する配列と相同であり、一方、鎖の残りのセグメントは、別のものにおける対応する配列と相同である抗体を指す。一般に、軽鎖及び重鎖の両方の可変領域は、哺乳動物の1つの種に由来する抗体の可変領域を模倣し、一方、定常部分は、別の種に由来する抗体の配列と相同である。このようなキメラ形態の1つの明らかな利点は、可変領域を、好都合なことには、例えば、ヒト細胞標本に由来する定常領域と組み合わせて、非ヒト宿主生物体からの容易に入手可能なB細胞又はハイブリドーマを使用して現在分かっている源から導出することができることである。可変領域は、調製の容易さという利点を有し、特異性は、源によって影響されないが、ヒトである定常領域は、非ヒト源由来の定常領域が誘発するより、抗体が注射される場合、ヒト対象から免疫応答を誘発しにくい。しかし、定義は、この特定の例に限定されない。

0089

用語の抗体の「抗原結合性部分」(若しくは単に「結合性部分」)、又は抗体の「抗原結合性断片」(若しくは単に「結合性断片」)、又は同様の用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1種又は複数の断片を指す。抗体の抗原結合性機能は、全長抗体の断片によって遂行され得ることが示されている。用語の抗体の「抗原結合性部分」の中に包含される結合性断片の例としては、(i)Fab断片、VL、VH、CL、及びCHのドメインからなる一価の断片;(ii)F(ab')2断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片;(iii)VHドメイン及びCHドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一アームのVLドメイン及びVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardら、(1989) Nature、341: 544〜546);(vi)単離された相補性決定領域(CDR)、及び(vii)合成リンカーによって任意選択で接合され得る2つ以上の単離されたCDRの組合せがある。更に、Fv断片の2つのドメイン、VL及びVHは、別個の遺伝子によってコートされるが、これらは、VL領域及びVH領域が対になって一価の分子を形成する単一タンパク質鎖としてこれらが作製されることを可能にする合成リンカーによって、組換え法を使用して接合することができる(単鎖Fv(scFv)として公知;例えば、Birdら、(1988) Science、242: 423〜426;及びHustonら、(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA、85: 5879〜5883を参照)。このような単鎖抗体も、用語の抗体の「抗原結合性断片」の中に包含されることが意図されている。さらなる例は、(i)免疫グロブリンヒンジ領域ポリペプチドに融合されている結合性ドメインポリペプチド、(ii)ヒンジ領域に融合した免疫グロブリン重鎖CH2定常領域、及び(iii)CH2定常領域に融合した免疫グロブリン重鎖CH3定常領域を含む結合性ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質である。結合性ドメインポリペプチドは、重鎖可変領域又は軽鎖可変領域であり得る。結合性ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質は、米国特許出願公開第2003/0118592号及び米国特許出願公開第2003/0133939号に更に開示されている。これらの抗体断片は、当業者に公知の慣例的な技法を使用して得られ、断片は、インタクト抗体と同じ様式で有用性についてスクリーニングされる。

0090

天然に存在する抗体は、一般に単一特異性であり、即ち、これらは、単一抗原に結合する。本発明は、標的細胞(腫瘍抗原と係合することによって)及び細胞傷害性細胞等の第2のエンティティ(例えば、CD3受容体と係合することによって)に結合している抗体を含む。本発明の抗体は、二重特異性又は多重特異性、例えば、三重特異性、四重特異性等であり得る。

0091

用語「二重特異性分子」は、2つの異なる結合特異性を有する作用物質を含むように意図されている。例えば、分子は、(a)CLDN18.2等の細胞表面抗原、及び(b)エフェクター細胞の表面上のFc受容体等の受容体に結合し、又はこれらと相互作用することができる。用語「多重特異性分子」は、2つを超える異なる結合特異性を有する作用物質を含むように意図されている。例えば、この分子は、(a) CLDN18.2等の細胞表面抗原、(b)効果細胞の表面上のFc受容体等の受容体、及び(c)少なくとも1種の他の成分に結合し、又はこれらと相互作用することができる。したがって、用語「抗体」は、それだけに限らないが、腫瘍抗原、及び効果細胞上のFc受容体等の他の標的に向けられた、二重特異性、三重特異性、四重特異性、及び他の多重特異性分子を含む。用語「二重特異性抗体」は、ダイアボディも含む。ダイアボディは、VHドメイン及びVLドメインが単一ポリペプチド鎖上であるが、リンカーを使用して発現され、リンカーは、短すぎて同じ鎖上の2つのドメインの間で対形成を可能にすることができず、それによってこれらのドメインを別の鎖の相補的メイン強制的に対を形成させ、2つの抗原結合性部位を作る二価の二重特異性抗体である(例えば、Holliger, P.ら、(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90: 6444〜6448; Poljak, R. J.ら、(1994) Structure、2: 1121〜1123を参照)。

0092

抗体は、それだけに限らないが、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、及びヒトを含めた様々な種に由来し得る。

0093

本明細書において使用する場合、「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えば、IgM又はIgG1)を指す。

0094

本明細書において使用する場合、「アイソタイプスイッチング」は、抗体のクラス又はアイソタイプが、1つのIgクラスから他のIgクラスの1つに変化する現象を指す。

0095

本明細書に記載の抗体としては、IgA、例えば、IgA1又はIgA2、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgE、IgM、及びIgDの抗体がある。様々な実施形態では、抗体は、IgG1抗体、より具体的には、IgG1、カッパ、若しくはIgG1、ラムダアイソタイプ(即ち、IgG1、κ、λ)、IgG2a抗体(例えば、IgG2a、κ、λ)、IgG2b抗体(例えば、IgG2b、κ、λ)、IgG3抗体(例えば、IgG3、κ、λ)、又はIgG4抗体(例えば、IgG4、κ、λ)である。

0096

本明細書において使用する場合、「異種抗体」は、このような抗体を産生するトランスジェニック生物に関して定義される。この用語は、トランスジェニック生物からならない生物において見つかるものに対応するアミノ酸配列又はコード核酸配列を有し、一般にトランスジェニック生物以外の種に由来する抗体を指す。

0097

本明細書において使用する場合、「ヘテロハイブリッド抗体」は、異なる生物起源の軽鎖及び重鎖を有する抗体を指す。例えば、マウス軽鎖に付随したヒト重鎖を有する抗体は、ヘテロハイブリッド抗体である。

0098

本明細書に記載の抗体は、好ましくは単離されている。「単離抗体」は、本明細書において使用する場合、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体(例えば、腫瘍抗原に特異的に結合する単離抗体は、腫瘍抗原以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)を指すことが意図されている。しかし、ヒト腫瘍抗原のエピトープ、アイソフォーム、又はバリアントに特異的に結合する単離抗体は、例えば、他の種からの他の関連抗原(例えば、腫瘍抗原種同族体)と交差反応性を有する場合がある。更に、単離抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まない場合がある。本発明の一実施形態では、「単離」モノクローナル抗体の組合せは、異なる特異性を有し、特定の組成物又は混合物中に組み合わされた抗体に関する。

0099

本発明との関連で、抗体が、特に、疾患細胞上の腫瘍抗原等のその標的に結合しているとき、本明細書に記載の免疫エフェクター機能を誘発する場合、抗体は、患者の免疫系を動員して腫瘍細胞を破壊することによって作用することができる。好ましくは、前記免疫エフェクター機能は、その表面にCLDN18.2等の腫瘍抗原を担持しているがん細胞等の細胞に向けられる。

0100

用語「免疫エフェクター機能」は、本発明との関連で、例えば、腫瘍蔓延及び転移の阻害を含めた腫瘍増殖の阻害及び/又は腫瘍発生の阻害をもたらす免疫系の成分によって媒介される任意の機能を含む。好ましくは、免疫エフェクター機能は、がん細胞の殺傷をもたらす。このような機能は、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞媒介食作用(ADCP)、腫瘍抗原を担持する細胞内のアポトーシスの誘導、腫瘍抗原を担持する細胞の細胞溶解、及び/又は腫瘍抗原を担持する細胞の増殖の阻害を含む。

0101

抗体依存性細胞媒介性細胞傷害
ADCCは、抗体によってマークされている標的細胞を好ましくは必要とする効果細胞、特にリンパ球の細胞殺傷能力を記述するものである。

0102

ADCCは、好ましくは、抗体が腫瘍細胞上の抗原に結合し、抗体Fcドメイン免疫効果細胞の表面上のFc受容体(FcR)と係合するとき起こる。Fc受容体のいくつかのファミリーが同定されており、特定の細胞集団は、規定されたFc受容体を特徴的に発現する。ADCCは、抗原提示をし、腫瘍指向性T-細胞応答を誘導する多様な程度の即時の腫瘍破壊直接誘導する機構として見ることができる。好ましくは、ADCCをin vivoで誘導すると、腫瘍指向性T-細胞応答及び宿主由来抗体応答に至ることになる。

0103

補体依存性細胞傷害
CDCは、抗体によって向けることができる別の細胞殺傷方法である。IgMは、補体活性化の最も有効なアイソタイプである。IgG1及びIgG3もともに、古典的な補体活性化経路を介してCDCを向けることに非常に有効である。好ましくは、このカスケードにおいて、抗原抗体複合体の形成が、IgG分子等の参加抗体分子のCH2ドメイン上で近接近している複数のClq結合性部位クローク解除(uncloaking)をもたらす(C1qは、補体C1の3つの小成分の1つである)。好ましくは、これらのクローク解除されたC1q結合性部位は、以前は低親和性であったC1q-IgG相互作用を、高い結合活性の1つに変換し、それは、一連の他の補体タンパク質を伴うイベントのカスケードを誘因し、効果細胞走化性物質/活性化剤C3a及びC5aのタンパク質分解放出をもたらす。好ましくは、補体カスケードは、細胞膜傷害複合体の形成で終わり、それにより細胞膜内に孔が作られ、孔は、細胞内外への水及び溶質の自由通過を促進する。

0104

本明細書に記載の抗体-薬物コンジュゲートは、補体依存性細胞傷害(CDC)媒介溶解及び/又は抗体依存性細胞傷害(ADCC)媒介溶解を誘導することによって、細胞、特にがん細胞等のCLDN18.2を発現する細胞の殺傷を媒介することができることが意外にも判明した。したがって、一実施形態では、本発明の抗体-薬物コンジュゲートは、補体依存性細胞傷害(CDC)媒介溶解及び/又は抗体依存性細胞傷害(ADCC)媒介溶解を誘導することによって、好ましくは、CDC媒介溶解及びADCC媒介溶解を誘導することによって細胞の殺傷を媒介する。

0105

本明細書において使用する場合、抗体が、動物を免疫することによって、又は免疫グロブリン遺伝子ライブラリーをスクリーニングすることによって1つの系から得られ、選択された抗体が、生殖系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と、アミノ酸配列において少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、更により好ましくは、少なくとも96%、97%、98%、又は99%同一である場合、抗体は、特定の生殖系列配列に「由来する」。一般に、特定の生殖系列配列に由来する抗体は、生殖系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と10以下のアミノ酸差異、より好ましくは5以下、又は更により好ましくは、4、3、2、若しくは1以下のアミノ酸差異を示すことになる。

0106

本明細書において使用する場合、用語「ヘテロ抗体」は、2種以上の抗体、それらの誘導体、又は一緒に連結された抗原結合性領域であって、これらのうちの少なくとも2種が異なる特異性を有するものを指す。これらの異なる特異性は、効果細胞上のFc受容体に対する結合特異性、及び標的細胞、例えば、腫瘍細胞上の抗原又はエピトープに対する結合特異性を含む。

0107

用語「トランスフェクトーマ」は、本明細書において使用する場合、抗体を発現する組換え真核生物宿主細胞、例えば、CHO細胞、NS/0細胞、HEK293細胞、HEK293T細胞、植物細胞、又は酵母細胞を含めた真菌等を含む。

0108

本発明は、本発明の目的に関して、用語「抗体」によって包含される、本明細書に記載のすべての抗体及び抗体の誘導体を含む。用語「抗体誘導体」は、抗体の任意の修飾体、例えば、抗体と別の作用物質若しくは抗体とのコンジュゲート、又は抗体断片を指す。

0109

用語「腫瘍抗原に対する抗体」又は同様の用語は、腫瘍抗原に向けられた、又はそれに結合する能力を有する抗体を指す。本発明による用語「結合性」は、好ましくは、特異的結合性に関する。

0110

本発明によれば、抗体又は抗体-薬物コンジュゲートは、これが所定の標的に対して有意な親和性を有し、標準的なアッセイで前記所定の標的に結合する場合、前記所定の標的に結合することができる。「親和性」又は「結合親和性」は、平衡解離定数(KD)によって測定されることが多い。好ましくは、用語「有意な親和性」は、10-5M以下、10-6M以下、10-7M以下、10-8M以下、10-9M以下、10-10M以下、10-11M以下、又は10-12M以下の解離定数(KD)で所定の標的に結合することを指す。

0111

抗体又は抗体-薬物コンジュゲートは、それが標的に対して有意な親和性を有さず、標準アッセイにおいて前記標的に有意に結合しない、特に、検出可能に結合しない場合、前記標的に(実質的に)結合することができない。好ましくは、抗体又は抗体-薬物コンジュゲートは、最大2、好ましくは10、より好ましくは20、特に、50、若しくは100μg/ml、又はそれ以上の濃度で存在する場合、前記標的に検出可能な程度に結合しない。好ましくは、抗体又は抗体-薬物コンジュゲートは、これが、抗体又は抗体-薬物コンジュゲートが結合することができる所定の標的への結合性についてのKDより、少なくとも10倍、100倍、103倍、104倍、105倍、又は106倍高いKDで一標的に結合する場合、前記標的に対して有意な親和性をまったく有さない。例えば、抗体又は抗体-薬物コンジュゲートの、該抗体又は抗体-薬物コンジュゲートが結合することができる標的への結合性についてのKDが10-7Mである場合、抗体又は抗体-薬物コンジュゲートが有意な親和性をまったく有さない一標的への結合性についてのKDは、少なくとも10-6M、10-5M、10-4M、10-3M、10-2M、又は10-1Mである。

0112

抗体又は抗体-薬物コンジュゲートは、これが、所定の標的に結合することができる一方、他の標的に結合することができず、即ち、他の標的に対して有意な親和性を有さず、標準的なアッセイで他の標的に有意に結合しない場合、前記所定の標的に特異的である。本発明によれば、抗体又は抗体-薬物コンジュゲートは、これが、腫瘍抗原に結合することができるが、他の標的に(実質的に)結合することができない場合、腫瘍抗原に特異的である。好ましくは、このような他の標的に対する親和性及びこれらへの結合性が、腫瘍抗原無関係のタンパク質、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインヒト血清アルブミン(HSA)、又はMHC分子若しくはトランスフェリン受容体等の非腫瘍抗原膜貫通タンパク質、又は任意の他の指定されたポリペプチド等に対する親和性又はこれらへの結合性を有意に超えない場合、抗体又は抗体-薬物コンジュゲートは、腫瘍抗原に特異的である。好ましくは、抗体又は抗体-薬物コンジュゲートは、これが、特異的でない標的への結合性についてのKDより、少なくとも10分の1、100分の1、103分の1、104分の1、105分の1、又は106分の1低いKDで所定の前記標的に結合する場合、所定の標的に特異的である。例えば、抗体又は抗体-薬物コンジュゲートの、これが特異的である標的への結合性についてのKDが10-7Mである場合、これが特異的でない標的への結合性についてのKDは、少なくとも10-6M、10-5M、10-4M、10-3M、10-2M、又は10-1Mであるはずである。

0113

抗体の標的への結合性は、任意の適当な方法を使用して実験的に判定することができ、例えば、Berzofskyら「Antibody-Antigen Interactions」、Fundamental Immunology、Paul, W. E.編、Raven Press New York、N Y (1984)、Kuby、Janis Immunology、W. H. Freeman and Company New York、N Y (1992)、及び本明細書に記載の方法を参照。親和性は、平衡透析によって;製造者が概説した一般的な手順を使用してBIAcore 2000計測器を使用することによって;放射標識された標的抗原を使用するラジオイムノアッセイによって;又は当業者に公知の別の方法によって等、慣例的な技法を使用して容易に判定することができる。親和性データは、例えば、Scatchardら、Ann N.Y. Acad. ScL、51:660 (1949)の方法によって分析することができる。特定の抗体-抗原相互作用の測定される親和性は、異なる条件、例えば、塩濃度、pH下で測定される場合、変動し得る。したがって、親和性並びに他の抗原結合性パラメータ、例えば、KD、IC50の測定は、抗体及び抗原の標準化された溶液、並びに標準化された緩衝液を用いて行われることが好ましい。

0114

用語「天然に存在する」は、本明細書において使用する場合、物体に適用する場合、物体が自然において見つかり得る事実を指す。例えば、天然源から単離することができ、実験室で人によって意図的に改変されていない、生物(ウイルスを含む)中に存在するポリペプチド配列又はポリヌクレオチド配列は、天然に存在する。

0115

用語「再配列された」は、本明細書において使用する場合、Vセグメントが、それぞれ完全なVHドメイン又はVLドメインを本質的にコードするコンホメーション内でD-Jセグメント又はJセグメントに直接隣接して位置している重鎖又は軽鎖の免疫グロブリン座位の構成を指す。再配列された免疫グロブリン(抗体)遺伝子座は、生殖系列DNAと比較することによって同定することができ、再配列された遺伝子座は、少なくとも1つの組換えられた七量体/九量体相同性エレメントを有することになる。

0116

用語「再配列されていない」又は「生殖系列構成」は、Vセグメントを参照して本明細書で使用する場合、VセグメントがDセグメント又はJセグメントに直接隣接しているように組換えられていない構成を指す。

0117

本発明によれば、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、CLDN18.2中に存在するエピトープ、好ましくは、CLDN18.2の細胞外ドメイン、特に、第1の細胞外ドメイン、好ましくは、CLDN18.2のアミノ酸29位〜78位内に位置したエピトープに結合することができる抗体である。特定の実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、(i)CLDN18.1上に存在しないCLDN18.2上のエピトープ、好ましくは配列番号3、4、及び5、(ii)CLDN18.2-ループ1上に局在化したエピトープ、好ましくは配列番号8、(iii)CLDN18.2-ループ2上に局在化したエピトープ、好ましくは配列番号10、(iv)CLDN18.2-ループD3上に局在化したエピトープ、好ましくは配列番号11、(v)CLDN18.2-ループ1及びCLDN18.2-ループD3を包含するエピトープ、又は(vi)CLDN18.2-ループD3上に局在化した非グリコシル化エピトープ、好ましくは、配列番号9に結合することができる抗体である。

0118

本発明によれば、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、好ましくはCLDN18.2に結合する能力を有するが、CLDN18.1に結合する能力を有さない抗体である。好ましくは、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、CLDN18.2に特異的である。好ましくは、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、好ましくは細胞表面上で発現されるCLDN18.2に結合する能力を有する抗体である。特定の好適な実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、生細胞の表面上に存在するCLDN18.2の天然エピトープに結合する。好ましくは、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号1、3〜11、44、46、及び48〜50からなる群から選択される1種又は複数のペプチドに結合する。好ましくは、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、上述のタンパク質、ペプチド、又はこれらの免疫原性断片若しくは誘導体に特異的である。CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号1、3〜11、44、46、及び48〜50からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質若しくはペプチド、又は前記タンパク質若しくはペプチドを発現する核酸若しくは宿主細胞で動物を免疫する工程を含む方法によって得ることができる。好ましくは、抗体は、がん細胞、特に、上述したがんタイプの細胞に結合し、好ましくは、非がん性細胞に結合しない。

0119

特に好適な実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、DSMZ(Mascheroder Weg 1b、31824 Braunschweig、ドイツ;新規住所: Inhoffenstr. 7B、31824 Braunschweig、ドイツ)で寄託され、以下の名称及び受託番号を有するハイブリドーマによって生成される:
a.182-D1106-055、受託番号DSMACC2737、2005年10月19日に寄託
b.182-D1106-056、受託番号DSM ACC2738、2005年10月19日に寄託
c.182-D1106-057、受託番号DSM ACC2739、2005年10月19日に寄託
d.182-D1106-058、受託番号DSM ACC2740、2005年10月19日に寄託
e.182-D1106-059、受託番号DSM ACC2741、2005年10月19日に寄託
f.182-D1106-062、受託番号DSM ACC2742、2005年10月19日に寄託、
g.182-D1106-067、受託番号DSM ACC2743、2005年10月19日に寄託
h.182-D758-035、受託番号DSM ACC2745、2005年11月17日に寄託
i.182-D758-036、受託番号DSM ACC2746、2005年11月17日に寄託
j.182-D758-040、受託番号DSM ACC2747、2005年11月17日に寄託
k.182-D1106-061、受託番号DSM ACC2748、2005年11月17日に寄託
l.182-D1106-279、受託番号DSM ACC2808、2006年10月26日に寄託
m.182-D1106-294、受託番号DSM ACC2809、2006年10月26日に寄託、
n.182-D1106-362、受託番号DSM ACC2810、2006年10月26日に寄託。

0120

本発明による好適な抗体は、上述したハイブリドーマ、即ち、182-D1106-055の場合では37G11、182-D1106-056の場合では37H8、182-D1106-057の場合では38G5、182-D1106-058の場合では38H3、182-D1106-059の場合では39F11、182-D1106-062の場合では43A11、182-D1106-067の場合では61C2、182-D758-035の場合では26B5、182-D758-036の場合では26D12、182-D758-040の場合では28D10、182-D1106-061の場合では42E12、182-D1106-279の場合では125E1、182-D1106-294の場合では163E12、及び182-D1106-362の場合では175D10;によって生成されるもの、及びこれらから得られるもの、並びにそれらのキメラ化形態及びヒト化形態である。

0121

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、受託番号DSMACC2737、DSM ACC2738、DSM ACC2739、DSM ACC2740、DSM ACC2741、DSM ACC2742、DSM ACC2743、DSM ACC2745、DSM ACC2746、DSM ACC2747、DSM ACC2748、DSM ACC2808、DSM ACC2809、又はDSM ACC2810の下で寄託されたクローンによって産生され、且つ/又はそのクローンから得られる抗体、(ii)(i)に属する抗体のキメラ化形態又はヒト化形態である抗体、(iii)(i)に属する抗体の特異性を有する抗体、及び(iv)(i)に属し、且つ好ましくは(i)に属する抗体の特異性を有する抗体の抗原結合性部分又は抗原結合性部位、特に可変領域を含む抗体からなる群から選択される抗体である。

0122

好適な抗体、特にキメラ化抗体及びこれらの配列を、以下の表に示す。

0123

0124

好適な実施形態では、抗体、特に、本発明による抗体のキメラ化形態は、配列番号13によって表されるアミノ酸配列又はその断片等のヒト重鎖定常領域に由来するアミノ酸配列を含む重鎖定常領域(CH)を含む抗体を含む。さらなる好適な実施形態では、抗体、特に、本発明による抗体のキメラ化形態は、配列番号12によって表されるアミノ酸配列又はその断片等のヒト軽鎖定常領域に由来するアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域(CL)を含む抗体を含む。特定の好適な実施形態では、抗体、特に、本発明による抗体のキメラ化形態は、配列番号13によって表されるアミノ酸配列又はその断片等のヒトCHに由来するアミノ酸配列を含むCHを含み、配列番号12によって表されるアミノ酸配列又はその断片等のヒトCLに由来するアミノ酸配列を含むCLを含む抗体を含む。

0125

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、カッパマウス可変軽鎖、ヒトカッパ軽鎖定常領域アロタイプKm(3)、マウス重鎖可変領域、ヒトIgG1定常領域アロタイプG1m(3)を含む、キメラマウス/ヒトIgG1モノクローナル抗体である。

0126

ある特定の好適な実施形態では、抗体のキメラ化形態は、配列番号14、15、16、17、18、19、51からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びその断片を含む重鎖を含み、且つ/又は配列番号20、21、22、23、24、25、26、27、28からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びその断片を含む軽鎖を含む抗体を含む。

0127

ある特定の好適な実施形態では、抗体のキメラ化形態は、以下の可能性(i)〜(ix)から選択される重鎖と軽鎖の組合せを含む抗体を含む:
(i)配列番号14によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む重鎖、及び配列番号21によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む軽鎖、
(ii)配列番号15によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む重鎖、及び配列番号20によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む軽鎖、
(iii)配列番号16によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む重鎖、及び配列番号22によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む軽鎖、
(iv)配列番号18によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む重鎖、及び配列番号25によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む軽鎖、
(v)配列番号17によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む重鎖、及び配列番号24によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む軽鎖、
(vi)配列番号19によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む重鎖、及び配列番号23によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む軽鎖、
(vii)配列番号19によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む重鎖、及び配列番号26によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む軽鎖、
(viii)配列番号19によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む重鎖、及び配列番号27によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む軽鎖、
(ix)配列番号19によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む重鎖、及び配列番号28によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む軽鎖、及び
(x)配列番号51によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む重鎖、及び配列番号24によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含む軽鎖。

0128

(ii)、(v)、又は(x)による抗体が、「CLDN18.2に結合する能力を有する抗体」の好適な実施形態である。(v)又は(x)による抗体が特に好適である。

0129

上記で使用した「断片」又は「アミノ酸配列の断片」は、抗体配列の一部、即ち、N末端及び/又はC末端で短縮された抗体配列を表し、それが抗体中で前記抗体配列と入れ替わるとき、前記抗体のCLDN18.2への結合性に関する。好ましくは、アミノ酸配列の断片は、前記アミノ酸配列に由来するアミノ酸残基の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%を含む。配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、及び51からなる群から選択されるアミノ酸配列の断片は、好ましくはN末端の17、18、19、20、21、22、又は23アミノ酸が除去されている前記配列に関する。

0130

好適な実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号29、30、31、32、33、34からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びその断片を含む重鎖可変領域(VH)を含む。

0131

好適な実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、配列番号35、36、37、38、39、40、41、42、43からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びその断片を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。

0132

ある特定の好適な実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、以下の可能性(i)〜(ix)から選択される重鎖可変領域(VH)と軽鎖可変領域(VL)の組合せを含む:
(i)配列番号29によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVH、及び配列番号36によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVL、
(ii)配列番号30によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVH、及び配列番号35によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVL、
(iii)配列番号31によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVH、及び配列番号37によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVL、
(iv)配列番号33によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVH、及び配列番号40によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVL、
(v)配列番号32によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVH、及び配列番号39によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVL、
(vi)配列番号34によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVH、及び配列番号38によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVL、
(vii)配列番号34によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVH、及び配列番号41によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVL、
(viii)配列番号34によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVH、及び配列番号42によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVL、
(ix)配列番号34によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVH、及び配列番号43によって表されるアミノ酸配列又はその断片を含むVL。

0133

(ii)又は(v)による抗体が、「CLDN18.2に結合する能力を有する抗体」の好適な実施形態である。(v)による抗体が特に好適である。

0134

本発明によれば、用語「断片」は、特に、重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)の相補性決定領域(CDR)の1つ又は複数、好ましくは少なくともCDR3可変領域を指す。一実施形態では、前記相性決定領域(CDR)の1つ又は複数は、一連の相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3から選択される。特に好適な実施形態では、用語「断片」は、重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)の相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3を指す。

0135

好適な実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、以下の実施形態(i)〜(vi)から選択される相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含むVHを含む:
(i)CDR1:配列番号14の45位〜52位、CDR2:配列番号14の70位〜77位、CDR3:配列番号14の116位〜125位、
(ii)CDR1:配列番号15の45位〜52位、CDR2:配列番号15の70位〜77位、CDR3:配列番号15の116位〜126位、
(iii)CDR1:配列番号16の45位〜52位、CDR2:配列番号16の70位〜77位、CDR3:配列番号16の116位〜124位、
(iv)CDR1:配列番号17の45位〜52位、CDR2:配列番号17の70位〜77位、CDR3:配列番号17の116位〜126位、
(v)CDR1:配列番号18の44位〜51位、CDR2:配列番号18の69位〜76位、CDR3:配列番号18の115位〜125位、及び
(vi)CDR1:配列番号19の45位〜53位、CDR2:配列番号19の71位〜78位、CDR3:配列番号19の117位〜128位。

0136

好適な実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、以下の実施形態(i)〜(ix)から選択される相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含むVLを含む:
(i)CDR1:配列番号20の47位〜58位、CDR2:配列番号20の76位〜78位、CDR3:配列番号20の115位〜123位、
(ii)CDR1:配列番号21の49位〜53位、CDR2:配列番号21の71位〜73位、CDR3:配列番号21の110位〜118位、
(iii)CDR1:配列番号22の47位〜52位、CDR2:配列番号22の70位〜72位、CDR3:配列番号22の109位〜117位、
(iv)CDR1:配列番号23の47位〜58位、CDR2:配列番号23の76位〜78位、CDR3:配列番号23の115位〜123位、
(v)CDR1:配列番号24の47位〜58位、CDR2:配列番号24の76位〜78位、CDR3:配列番号24の115位〜123位、
(vi)CDR1:配列番号25の47位〜58位、CDR2:配列番号25の76位〜78位、CDR3:配列番号25の115位〜122位、
(vii)CDR1:配列番号26の47位〜58位、CDR2:配列番号26の76位〜78位、CDR3:配列番号26の115位〜123位、
(viii)CDR1:配列番号27の47位〜58位、CDR2:配列番号27の76位〜78位、CDR3:配列番号27の115位〜123位、及び
(ix)CDR1:配列番号28の47位〜52位、CDR2:配列番号28の70位〜72位、CDR3:配列番号28の109位〜117位。

0137

好適な実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、以下の実施形態(i)〜(ix)から選択される相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3のセットをそれぞれ含むVHとVLの組合せを含む:
(i)VH:CDR1:配列番号14の45位〜52位、CDR2:配列番号14の70位〜77位、CDR3:配列番号14の116位〜125位、VL: CDR1:配列番号21の49位〜53位、CDR2:配列番号21の71位〜73位、CDR3: 配列番号21の110位〜118位、
(ii)VH:CDR1:配列番号15の45位〜52位、CDR2:配列番号15の70位〜77位、CDR3:配列番号15の116位〜126位、VL:CDR1:配列番号20の47位〜58位、CDR2:配列番号20の76位〜78位、CDR3:配列番号20の115位〜123位、
(iii)VH:CDR1:配列番号16の45位〜52位、CDR2:配列番号16の70位〜77位、CDR3:配列番号16の116位〜124位、VL:CDR1:配列番号22の47位〜52位、CDR2:配列番号22の70位〜72位、CDR3:配列番号22の109位〜117位、
(iv)VH:CDR1:配列番号18の44位〜51位、CDR2:配列番号18の69位〜76位、CDR3:配列番号18の115位〜125位、VL:CDR1:配列番号25の47位〜58位、CDR2:配列番号25の76位〜78位、CDR3:配列番号25の115位〜122位、
(v)VH:CDR1:配列番号17の45位〜52位、CDR2:配列番号17の70位〜77位、CDR3:配列番号17の116位〜126位、VL:CDR1:配列番号24の47位〜58位、CDR2:配列番号24の76位〜78位、CDR3:配列番号24の115位〜123位、
(vi)VH:CDR1:配列番号19の45位〜53位、CDR2:配列番号19の71位〜78位、CDR3:配列番号19の117位〜128位、VL:CDR1:配列番号23の47位〜58位、CDR2:配列番号23の76位〜78位、CDR3:配列番号23の115位〜123位、
(vii)VH:CDR1:配列番号19の45位〜53位、CDR2:配列番号19の71位〜78位、CDR3:配列番号19の117位〜128位、VL:CDR1:配列番号26の47位〜58位、CDR2:配列番号26の76位〜78位、CDR3:配列番号26の115位〜123位、
(viii)VH:CDR1:配列番号19の45位〜53位、CDR2:配列番号19の71位〜78位、CDR3:配列番号19の117位〜128位、VL:CDR1:配列番号27の47位〜58位、CDR2:配列番号27の76位〜78位、CDR3: 配列番号27の115位〜123位、及び
(ix)VH:CDR1:配列番号19の45位〜53位、CDR2:配列番号19の71位〜78位、CDR3:配列番号19の117位〜128位、VL:CDR1:配列番号28の47位〜52位、CDR2:配列番号28の70位〜72位、CDR3:配列番号28の109位〜117位。

0138

(ii)又は(v)による抗体が、「CLDN18.2に結合する能力を有する抗体」の好適な実施形態である。(v)による抗体が特に好適である。

0139

さらなる好適な実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、好ましくは、CLDN18.2に対するモノクローナル抗体の、好ましくは本明細書に記載のCLDN18.2に対するモノクローナル抗体の重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)の相補性決定領域(CDR)の1つ又は複数、好ましくは少なくともCDR3可変領域を含み、好ましくは本明細書に記載の重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)の相補性決定領域(CDR)の1つ又は複数、好ましくは少なくともCDR3可変領域を含む。一実施形態では、相補性決定領域(CDR)の前記1つ又は複数は、本明細書に記載の相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3のセットから選択される。特に好適な実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、好ましくは、CLDN18.2に対するモノクローナル抗体の、好ましくは本明細書に記載のCLDN18.2に対するモノクローナル抗体の重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)の相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含み、好ましくは本明細書に記載の重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)の相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。

0140

一実施形態では、本明細書に記載の1つ又は複数のCDR、CDRのセット、又はCDRのセットの組合せを含む抗体は、これらの介在性のフレームワーク領域と一緒に前記CDRを含む。好ましくは、この部分は、第1及び第4のフレームワーク領域のいずれか又は両方の少なくとも約50%も含み、この50%は、第1のフレームワーク領域のC末端の50%、及び第4のフレームワーク領域のN末端の50%である。組換えDNA技法によって作製される抗体を構築すると、免疫グロブリン重鎖、他の可変ドメイン(例えば、ダイアボディの生成における)、又はタンパク質標識を含めたさらなるタンパク質配列に本発明の可変領域を接合するリンカーの導入を含めた、クローニング又は他の操作工程を促進するために導入されるリンカーによってコードされる可変領域に残基N末端又はC末端を導入することができる。

0141

一実施形態では、本明細書に記載の1つ又は複数のCDR、CDRのセット、又はCDRのセットの組合せを含む抗体は、ヒト抗体フレームワーク内に前記CDRを含む。

0142

自己の重鎖に関して、特定の鎖、又は特定の領域若しくは配列を含む抗体への本明細書での言及は、好ましくは、前記抗体のすべての重鎖が前記特定の鎖、領域、又は配列を含む状況に関する。このことは、抗体の軽鎖に対応して当てはまる

0143

一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、本発明によれば、本明細書に記載のCLDN18.2結合抗体と同じ、若しくは本質的に同じエピトープを認識し、即ちそれに結合し、且つ/又は前記CLDN18.2-結合抗体とCLDN18.2への結合について競合する抗体を指す。

0144

本発明によれば、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、特に、抗体-薬物コンジュゲート中に存在する場合、好ましくは、抗体及び/又は抗体-薬物コンジュゲートのエンドサイトーシスを可能にするのに適切なCLDN18.2に対する親和性及び/又は特異性を有する。

0145

用語「エンドサイトーシス」は、真核細胞が形質膜のセグメント、細胞-表面受容体、及び細胞外液由来の成分を内部移行するプロセスを指す。エンドサイトーシス機構は、受容体媒介エンドサイトーシスを含む。用語「受容体媒介エンドサイトーシス」は、リガンドが、その標的に結合すると、膜が陥入くび切れることを誘因し、細胞質ゾル内に内部移行及び送達され、又は適切な細胞内コンパートメントに移される生物学的機構を指す。

0146

本発明は、「CLDN18.2に結合する能力を有する抗体」が、任意の「CLDN18.2への結合剤」を包含する意味を有する実施形態も想定する。本発明によれば、「CLDN18.2への結合剤」は、CLDN18.2への結合能力を有する任意の化合物を含む。好ましくは、このような結合剤は、CLDN18.2に対する少なくとも1つの結合ドメインを含む。用語は、それだけに限らないが、ナノボディアフィボディアンチカリン、DARPin、モノボディアビマー、及びマイクロボディを含めた、CLDN18.2への結合能力を有するすべての人工結合分子(足場)を含む。一実施形態では、前記結合剤は、CLDN18.2の細胞外ドメインに結合する。一実施形態では、前記結合剤は、生細胞の表面上に存在するCLDN18.2の天然エピトープに結合する。一実施形態では、前記結合剤は、CLDN18.2の第1の細胞外ループに結合する。一実施形態では、CLDN18.2への前記結合は、特異的結合である。

0147

用語「結合ドメイン」は、所与の標的構造/抗原/エピトープに結合し/それと相互作用する例えば抗体の構造を本発明に関連して特徴付ける。したがって、本発明による結合ドメインは、「抗原相互作用部位」を指定する。

0148

がん細胞に治療効果を発揮する任意の作用物質を、抗CLDN18.2抗体又はその誘導体へのコンジュゲーションのための薬物として使用することができる。好ましくは、薬物のコンジュゲーションは、本明細書に論じられる通り、抗体の結合特性、特に、特異性を変更せず、又は有意に変更しない。したがって、本発明による抗体-薬物コンジュゲートは、好ましくは、コンジュゲーションに使用される抗体と同じ、又は本質的に同じ結合特性、特に特異性を有する。したがって、ある特定の結合特性が、コンジュゲーションに使用される抗体について本明細書に記載されている場合、抗体-薬物コンジュゲートもそのような結合特性を有することが好適である。例えば、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体が、CLDN18.2の細胞外ドメインに結合し、且つ/又はCLDN18.2の第1の細胞外ループに結合すると記載されている場合、抗体-薬物コンジュゲートもCLDN18.2の細胞外ドメインに結合し、且つ/又はCLDN18.2の第1の細胞外ループに結合することが好適である。

0149

典型的には、薬物は、細胞傷害性剤又は細胞増殖抑制剤である。細胞毒又は細胞傷害性剤は、細胞に有害である、特に細胞を殺傷する任意の作用物質を含む。

0152

抗チューブリン剤の例としては、それだけに限らないが、ドラスタチン(例えば、オーリスタチンE、AFP、MMAF、MMAE、AEB、AEVB)、メイタンシノイド、タキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)、T67(Tularik社)、ビンカアルカロイド(vinca alkyloid)(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、及びビノレルビン)、バッカチン誘導体タキサン類似体(例えば、エポチロンA及びB)、ノコダゾール、コルヒチン及びコルシミド、エストラムスチンクリプトフィシン(cryptophysins)、セマドチン、コンブレタスタチン、ジスコデルモリド、並びにエロイテロビンがある。

0153

具体的な実施形態では、細胞傷害性剤又は細胞増殖抑制剤は、オーリスタチンE(ドラスタチン-10としても当技術分野で公知)又はその誘導体である。典型的には、オーリスタチンE誘導体は、例えば、オーリスタチンEとケト酸との間で形成されたエステルである。例えば、オーリスタチンEは、パラアセチル安息香酸又はベンゾイル吉草酸と反応して、それぞれAEB及びAEVBを生成することができる。他の典型的なオーリスタチン誘導体としては、AFP、MMAF、及びMMAEがある。

0154

ある特定の実施形態では、細胞傷害性剤又は細胞増殖抑制剤は、メイタンシノイド、抗チューブリン剤の別の群である。例えば、具体的な実施形態では、メイタンシノイドは、メイタンシン、DM-1、又はDM-4である。

0155

メイタンシノイドは、有糸分裂において細胞の増殖を阻害する強力な微小管標的化合物である。メイタンシノイドは、塩素化ベンゼン環に付着した19員アンサマクロライド構造であるメイタンシンの誘導体である。メイタンシンは、以下の式を有する:

0156

0157

ある特定の微生物もメイタンシノイド、例えば、メイタンシノール及びC-3メイタンシノールエステルを産生することが発見された(米国特許第4,151,042号)。合成メイタンシノール及びメイタンシノール類似体は、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,137,230号;同第4,248,870号;同第4,256,746号;同第4,260,608号;同第4,265,814号;同第4,294,757号;同第4,307,016号;同第4,308,268号;同第4,308,269号;同第4,309,428号;同第4,313,946号;同第4,315,929号;同第4,317,821号;同第4,322,348号;同第4,331,598号;同第4,361,650号;同第4,364,866号;同第4,424,219号;同第4,362,663号;及び同第4,371,533号、並びにKawaiら(1984) Chem. Pharm. Bull.、3441〜3451に報告されている。

0158

メイタンシノイドは、当技術分野で周知であり、公知の技法によって合成し、又は天然源から単離することができる。本発明による特に好適なメイタンシノイドは、メイタンシンのチオール含有誘導体、例えば、DM1及びDM4である。このようなメイタンシンのチオール含有誘導体としては、カルボニル基に結合したメチル基が、-R-SH基(式中、Rは、アルキレン基又は原子の他の炭素含有基を表す)等の遊離スルフヒドリル基を含有する基によって置き換えられている化合物がある。

0159

DM1は、メルタンシンとしても公知であり、以下の式を有するメイタンシノイドである:

0160

0161

特に、用語「メルタンシン」又は「DM1」は、化合物N2'-デアセチル-N2'-(3-メルカプト-1-オキソプロピル)-メイタンシンを指す。

0162

「DM4」は、化合物N2'-デアセチル-N2'-(4-メチル-4-メルカプト-1-オキソペンチル)-メイタンシンを指す。

0163

抗CLDN18.2抗体-メイタンシノイドコンジュゲートは、抗体又はメイタンシノイド分子の生物活性を有意に減らすことなく、抗CLDN18.2抗体をメイタンシノイド分子に化学的に連結することによって調製することができる。平均で3〜4個のメイタンシノイド分子が抗体分子1個当たりにコンジュゲートされ得るが、毒素/抗体の1個の分子でも、裸の抗体の使用に対して細胞傷害性を増強することが予期される。

0164

この点において、用語「少なくとも1つの毒素薬部分に共有結合的に付着している抗体」は、同じ薬物の1個又は複数の分子が抗体分子に共有結合的に付着している状況、及び異なる薬物が抗体分子に共有結合的に付着している状況を含む。後者の状況では、異なる薬物のそれぞれの1個若しくは複数の分子が抗体分子に付着されている場合があり、又はその組合せの場合がある(例えば、1種の薬物の1個の分子が付着されている一方、別の薬物のいくつかの分子が付着されている)。

0165

本発明の一部の実施形態では、抗体は、ドラスタチン又はドラスタチン(dolostatin)ペプチド類似体及び誘導体、オーリスタチンにコンジュゲートされている(参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,635,483号;同第5,780,588号)。オーリスタチンは、ドラスタチン10、海洋軟体動物、タツナミガイ(Dolabela auricularia)に由来する天然産物合成類似体である。メイタンシノイドのように、オーリスタチンは、微小管ディスラプターである。ドラスタチン又はオーリスタチン薬物部分は、ペプチド性薬物部分のN(アミノ)末端又はC(カルボキシル)末端を通じて抗体に付着させることができる。

0166

例示的なオーリスタチン実施形態は、好ましくはN末端連結されているMMAE及びMMAF等のモノメチルオーリスタチン薬物部分を含む。

0167

MMAEは、モノメチルオーリスタチンEとしても公知であり、以下の式を有する:

0168

0169

特に、用語「MMAE」は、化合物(S)-N-((3R,4S,5S)-1-((S)-2-((1R,2R)-3-(((1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)ピロリジン-1-イル)-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル)-N,3-ジメチル-2-((S)-3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミドを指す。MMAEは、実際にはデスメチル-オーリスタチンEであり、即ち、N末端アミノ基は、オーリスタチンE自体のように2個の代わりに1個のみのメチル置換基を有する。

0170

抗体-vcMMAEコンジュゲート等の抗体-vcオーリスタチンコンジュゲートが、本発明によれば特に好適である。本発明によれば、用語「抗体-vcオーリスタチン」又は「vcMMAE」は、リソソーム切断可能ジペプチド、バリン-シトルリン(vc)を含むリンカーを介して、抗体に連結されたMMAE等のオーリスタチンを含む抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を指す。

0171

MMAFは、モノメチルオーリスタチンFとしても公知であり、化合物(S)-2-((2R,3R)-3-((S)-1-((3R,4S,5S)-4-((S)-N,3-ジメチル-2-((S)-3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミド)-3-メトキシ-5-メチルヘプタノイル)ピロリジン-2-イル)-3-メトキシ-2-メチルプロパンアミド)-3-フェニルプロパン酸を指す。

0172

抗体-薬物コンジュゲートの生成は、当業者に公知の任意の技法によって達成することができる。抗体-薬物コンジュゲートは、慣例的な技法に従って薬物を抗体に結合させることによって調製され得る。抗体及び薬物は、これらの自己のリンカー基を介して互いに直接的に、又はリンカー若しくは他の物質を介して間接的に結合され得る。

0173

いくつかの異なる反応が、薬物の抗体への共有結合的付着に利用可能である。これは、リシンのアミン基、グルタミン酸及びアスパラギン酸遊離カルボン酸基、システインのスルフヒドリル基、並びに芳香族アミノ酸の様々な部分を含めた抗体分子のアミノ酸残基の反応によって達成されることが多い。共有結合的付着の最も一般に使用される非特異的方法の1つは、化合物のカルボキシ(又はアミノ)基を抗体のアミノ(又はカルボキシ)基に連結するためのカルボジイミド反応である。更に、ジアルデヒド又はイミドエステル等の二官能性剤が、化合物のアミノ基を抗体分子のアミノ基に連結するのに使用されている。シッフ塩基反応も、薬物を抗体に付着させるのに利用可能である。この方法は、グリコール又はヒドロキシ基を含有する薬物の過ヨウ素酸酸化を伴い、したがってアルデヒドを形成し、次いでこれは抗体分子と反応させられる。付着は、抗体分子のアミノ基とのシッフ塩基の形成を介して起こる。イソチオシアネートも、薬物を抗体に共有結合的に付着させるためのカップリング剤として使用することができる。他の技法は、当業者に公知であり、本発明の範囲内である。

0174

抗体-薬物コンジュゲートを作製するための当技術分野で公知の多くの連結基が存在する。リンカーは、好ましくは、抗体及び薬物のいずれか又は両方と反応する1種又は複数の官能基を含む。官能基の例としては、アミノ、カルボキシル、メルカプト、マレイミド、及びピリジニル基がある。

0175

本発明の一実施形態では、抗体は、二官能性架橋試薬を介して薬物と連結される。本明細書で使用する場合、「二官能性架橋試薬」は、2つの反応基を有する試薬を指し、この反応基の一方は、抗体と反応することができ、一方、他方は、薬物と反応して抗体を薬物と連結し、それによってコンジュゲートを形成することができる。リンカー試薬が、薬物が保持しているもの、例えば、細胞傷害性、及び抗体の標的化特性をもたらす限り、任意の適当な二官能性架橋試薬を本発明に関連して使用することができる。好ましくは、リンカー分子は、化学結合によって薬物を抗体に接合し、その結果、薬物及び抗体は、互いに化学的にカップリングされている(例えば、共有結合的に結合している)。

0176

一実施形態では、二官能性架橋試薬は、切断不可能リンカーを含む。切断不可能リンカーは、メイタンシノイド等の薬物を安定な共有結合性様式で抗体に連結することができる任意の化学部分である。好ましくは、切断不可能リンカーは、生理的条件下で、特に、細胞内部で切断可能でない。したがって、切断不可能リンカーは、薬物又は抗体が活性なままである条件で、酸誘起切断、光誘起切断、ペプチダーゼ誘起切断、エステラーゼ誘起切断、及びジスルフィド結合切断に対して実質的に耐性である。薬物と抗体との間で切断不可能リンカーを形成する適当な架橋試薬は、当技術分野で周知である。一実施形態では、薬物は、チオエーテル結合によって抗体に連結される。

0177

特に好適な一実施形態では、連結試薬は、切断可能リンカーである。好ましくは、切断可能リンカーは、生理的条件下で、特に、細胞内部で切断可能である。適当な切断可能リンカーの例としては、ジスルフィドリンカー、酸に不安定なリンカー、光解離性リンカー、ペプチダーゼに不安定なリンカー、及びエステラーゼに不安定なリンカーがある。

0178

リンカーの例としては、それだけに限らないが、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート(SPDB)、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC)、N-スクシンイミジル-4-(マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボキシレート(SMCC)、N-スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-l-カルボキシ-(6-アミドカプロエート)(LC-SMCC)、4-マレイミドブチル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(GMBS)、3-マレイミドカプロン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(EMCS)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、N-(α-マレイミドアセトキシ)-スクシンイミドエステル(AMAS)、スクシンイミジル-6-(β-マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート(SMPH)、N-スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)-ブチレート(SMPB)、N-(p-マレイミドフェニル)イソシアネート(PMPI)、6-マレイミドカプロイル(MC)、マレイミドプロパノイル(MP)、p-アミノベンジルオキシカルボニル(PAB)、N-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルチオ)ペンタノエート(SPP)、及びN-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SIAB)がある。バリン-シトルリン(Val-Cit)又はアラニン-フェニルアラニン(ala-phe)等のペプチドリンカーも使用することができ、上述のリンカーのいずれも、適切な組合せで使用することができる。

0179

ジスルフィド含有リンカーは、生理的条件下で起こり得るジスルフィド交換によって切断可能なリンカーである。更に他の実施形態では、リンカーは、還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。例えば、SATA(N-スクシンイミジル-5-アセチルチオアセテート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート)、及びSMPT(N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-ピリジル-ジチオ)トルエン)を使用して形成され得るものを含めて、様々なジスルフィドリンカーが当技術分野で公知である。

0180

酸に不安定なリンカーは、酸性pHで切断可能なリンカーである。例えば、ある特定の細胞内コンパートメント、例えば、エンドソーム及びリソソームは、酸性pH(pH4〜5)を有し、酸に不安定なリンカーを切断するのに適した条件を提供する。酸に不安定なリンカーは、血液中の条件等の中性pH条件下で相対的に安定であるが、pH5.5又は5.0未満で不安定である。例えば、ヒドラゾンセミカルバゾンチオセミカルバゾン、cis-アコニットアミド、オルトエステルアセタールケタール等を使用することができる。

0181

光解離性リンカーは、光にアクセス可能である体表及び多くの体腔において有用である。更に、赤外光は、組織を貫通することができる。

0182

ペプチダーゼに不安定なリンカーは、細胞の内側又は外側のある特定のペプチドを切断するのに使用され得る。一実施形態では、切断可能リンカーは、穏やかな条件、即ち、細胞傷害性剤の活性が影響されない細胞内の条件下で切断される。

0183

リンカーは、例えば、それだけに限らないが、リソソーム又はエンドソームプロテアーゼを含めた細胞内ペプチダーゼ又はプロテアーゼ酵素によって切断されるペプチジルリンカーであり得、又はそれを含み得る。典型的には、ペプチジルリンカーは、少なくとも2アミノ酸長又は少なくとも3アミノ酸長である。切断剤は、カテプシンB及びD並びにプラスミンを含むことができ、これらのすべては、ジペプチド薬誘導体を加水分解し、標的細胞内部で活性薬物を放出することが公知である。例えば、がん組織内で高度に発現されるチオール依存性プロテアーゼカテプシン-Bによって切断可能であるペプチジルリンカーを使用することができる(例えば、Phe-Leu又はGly-Phe-Leu-Glyリンカー)。具体的な実施形態では、細胞内プロテアーゼによって切断可能なペプチジルリンカーは、バリン-シトルリン(Val-Cit;vc)リンカー又はフェニルアラニン-リシン(Phe-Lys)リンカーである。治療剤細胞内タンパク質分解放出を使用する1つの利点は、作用物質は、コンジュゲートされているとき典型的には減弱されており、コンジュゲートの血清定性は、典型的には高いことである。

0184

特に好適な一実施形態では、本発明によるリンカーは、ジペプチドバリン(Val)-シトルリン(Cit)(vc)を含み、又はそれからなり、それは、腫瘍細胞内部でカテプシンによって切断される。

0185

一実施形態では、薬物は、アミノ及びスルフヒドリル反応性ヘテロ二官能性タンパク質架橋剤を介してCLDN18.2に結合する能力を有する抗体にカップリングされたDM4等のメイタンシノイドであり、この架橋剤は、抗体の一級アミン(タンパク質のリシン側鎖又はN末端において見つかる)及びメイタンシノイドのスルフヒドリル(sulhydryl)基と反応して可逆性ジスルフィド結合を生じる。一実施形態では、アミノ及びスルフヒドリル反応性ヘテロ二官能性タンパク質架橋剤は、SPDB(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート)であり、これは、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルを介して抗体の一級アミン(タンパク質のリシン側鎖又はN末端に見つかる)と及びピリジニルジスルフィド基を介してDM4のスルフヒドリル基と反応して可逆性ジスルフィド結合を生じる(図1)。

0186

一実施形態では、薬物は、カテプシン切断可能ペプチドリンカー、特に、Val-Cit(vc)等のペプチドリンカーを介してCLDN18.2に結合する能力を有する抗体にカップリングされたMMAE等のオーリスタチンである。一実施形態では、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、例えば、リシン残基の遊離アミンと反応するヘテロ二官能性リンカー2-IT(2-イミノチオラン)でチオール化されている。

0187

特に好適な一実施形態では、本発明による抗体-薬物コンジュゲートは、DM4(好ましくはそのスルフヒドリル基によって)にカップリングされた(好ましくはそのアミノ基よって)、配列番号32によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号39によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む抗体を含む。一実施形態では、抗体は、SPDBリンカーによってDM4にカップリングされている。

0188

一実施形態では、本発明による抗体-薬物コンジュゲートは、DM4(好ましくはそのスルフヒドリル基によって)にカップリングされた(好ましくはそのアミノ基よって)、配列番号17若しくは51によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号24によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む抗体を含む。一実施形態では、抗体は、SPDBリンカーによってDM4にカップリングされている。

0189

特に好適な一実施形態では、本発明による抗体-薬物コンジュゲートは、MMAE(好ましくはそのN末端アミノ基によって)にカップリングされた(好ましくはそのアミノ基よって)、配列番号32によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号39によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む抗体を含む。一実施形態では、抗体は、ジペプチドvcを含むリンカーによってMMAEにカップリングされている。

0190

特に好適な一実施形態では、本発明による抗体-薬物コンジュゲートは、MMAE(好ましくはそのN末端アミノ基によって)にカップリングされた(好ましくはそのアミノ基よって)、配列番号17若しくは51によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む重鎖、及び配列番号24によって表されるアミノ酸配列若しくはその断片、又は前記アミノ酸配列若しくは断片のバリアントを含む軽鎖を含む抗体を含む。一実施形態では、抗体は、ジペプチドvcを含むリンカーによってMMAEにカップリングされている。

0191

用語「核酸」は、本明細書において使用する場合、DNA及びRNAを含むことが意図されている。核酸は、一本鎖であっても二本鎖であってもよいが、好ましくは二本鎖DNAである。

0192

本発明によれば、用語「発現」は、その最も一般的な意味で使用され、RNAの、又はRNA及びタンパク質/ペプチドの生成を含む。これは、核酸の部分的な発現も含む。更に、発現は、一過性に、又は安定に実施され得る。

0193

特定のアミノ酸配列、例えば、配列表に示したもの、特に、配列番号を示すことによって本明細書に言及されたものに関して本明細書に与えた教示は、前記特定の配列のバリアントも指すように解釈されるべきである。このようなバリアント配列は、前記特定の配列と機能的に等価であり得、例えば、特定のアミノ酸配列のものと同一又は同様の性質を呈するアミノ酸配列であり得る。1つの重要な性質は、抗体のその標的への結合性を保持することである。好ましくは、特異的配列に関してバリアントである配列は、それが抗体中で特異的配列と入れ替わるとき、前記抗体のCLDN18.2への結合性を保持する。

0194

特に、CDR、超可変領域及び可変領域の配列は、CLDN18.2に結合する能力を失うことなく修飾され得ることが当業者によって理解される。例えば、CDR領域は、本明細書で指定される抗体の領域と同一又は高度に相同になる。「高度に相同の」によって、1〜5、好ましくは1〜4、例えば、1〜3又は1若しくは2等の置換が、CDR中で行われ得ることが企図されている。更に、超可変領域及び可変領域は、これらが本明細書に具体的に開示されている抗体の領域と実質的な相同性を示すように修飾することができる。

0195

本発明による用語「バリアント」は、特に、突然変異体、スプライスバリアント、コンホメーション、アイソフォーム、対立遺伝子バリアント、種バリアント、及び種同族体、特に、天然に存在するものを指す。対立遺伝子バリアントは、遺伝子の正常な配列の変化に関し、その重要性は、不明確であることが多い。完全な遺伝子配列決定は、多くの場合、所与の遺伝子に対して多数の対立遺伝子バリアントを同定する。種同族体は、所与の核酸又はアミノ酸配列のものと異なる起源の種に対する核酸又はアミノ酸配列である。用語「バリアント」は、任意の翻訳後修飾されたバリアント及びコンホメーションバリアントを包含するものとする。

0196

本発明の目的に関して、アミノ酸配列の「バリアント」は、アミノ酸挿入バリアント、アミノ酸付加バリアント、アミノ酸欠失バリアント、及び/又はアミノ酸置換バリアントを含む。タンパク質のN末端及び/又はC末端で欠失を含むアミノ酸欠失バリアントは、N末端及び/又はC末端トランケーションバリアントとも呼ばれる。

0197

アミノ酸挿入バリアントは、特定のアミノ酸配列中に単一又は2つ以上のアミノ酸の挿入を含む。挿入を有するアミノ酸配列バリアントの場合では、1つ又は複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列中の特定の部位内に挿入されるが、得られる産物の適切なスクリーニングを用いてランダムに挿入することも可能である。

0198

アミノ酸付加バリアントは、1つ又は複数のアミノ酸、例えば、1、2、3、5、10、20、30、50、又はそれ以上のアミノ酸等のアミノ及び/又はカルボキシ末端融合を含む。

0199

アミノ酸欠失バリアントは、配列からの1つ又は複数のアミノ酸の除去によって、例えば、1、2、3、5、10、20、30、50、又はそれ以上アミノ酸の除去等によって特徴付けられる。欠失は、タンパク質の任意の位置内とすることができる。

0200

アミノ酸置換バリアントは、配列中の少なくとも1種の残基が除去され、別の残基がその場所に挿入されることによって特徴付けられる。相同タンパク質又はペプチド同士間で保存されていないアミノ酸配列中の位置内にある修飾、及び/又はアミノ酸を同様の性質を有する他のアミノ酸と置き換えることが好ましい。好ましくは、タンパク質バリアント中のアミノ酸変化は、保存的アミノ酸変化、即ち、同様に帯電したアミノ酸又は無荷電のアミノ酸の置換である。保存的アミノ酸変化は、自己の側鎖に関係しているアミノ酸のファミリーの1つの置換を伴う。天然に存在するアミノ酸は一般に、4つのファミリー、即ち、酸性(アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性(リシン、アルギニンヒスチジン)、非極性(アラニン、バリン、ロイシンイソロイシンプロリン、フェニルアラニン、メチオニントリプトファン)、及び無荷電極性(グリシンアスパラギングルタミン、システイン、セリントレオニンチロシン)のアミノ酸に分類される。フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンは時折、芳香族アミノ酸として合同で分類される。

0201

好ましくは、配列番号を示すことによって本明細書に言及したアミノ酸配列等の所与のアミノ酸と、前記所与のアミノ酸配列のバリアントであるアミノ酸配列との間の類似性、好ましくは同一性の程度は、少なくとも約60%、65%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%となる。類似性又は同一性の程度は、参照アミノ酸配列全長の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は約100%であるアミノ酸領域について好ましくは与えられる。例えば、参照アミノ酸配列が200アミノ酸からなる場合、類似性又は同一性の程度は、少なくとも約20、少なくとも約40、少なくとも約60、少なくとも約80、少なくとも約100、少なくとも約120、少なくとも約140、少なくとも約160、少なくとも約180、又は約200のアミノ酸、好ましくは連続アミノ酸について好ましくは与えられる。好適な実施形態では、類似性又は同一性の程度は、参照アミノ酸配列の全長について与えられる。配列類似性、好ましくは配列同一性を決定するための整列は、当技術分野で公知のツールを用いて、好ましくは最良配列整列を使用して、例えば、標準的な設定、好ましくはEMBOSS::needle、Matrix: Blosum62、Gap Open 10.0、Gap Extend 0.5を使用するAlignを使用して行うことができる。

0202

「配列類似性」は、同一であるか、又は保存的アミノ酸置換を表すアミノ酸のパーセンテージを示す。2つのアミノ酸配列間の「配列同一性」は、配列同士間で同一であるアミノ酸のパーセンテージを示す。

0203

用語「パーセンテージ同一性」は、最良整列をした後に得られる、比較される2つの配列間で同一であるアミノ酸残基のパーセンテージを表すように意図されており、このパーセンテージは、純粋に統計的であり、2つの配列間の差異は、ランダムに、且つこれらの全長にわたって分布している。2つのアミノ酸配列間の配列比較は、これらの配列を最適に整列した後にこれらを比較することによって慣例的に実施され、前記比較は、配列類似性の局所領域を同定及び比較するために、セグメントによって、又は「比較のウインドウ」によって実施される。比較のための配列の最適な整列は、手作業に加えて、Smith及びWaterman、1981、AdsApp. Math.、2、482の局所相同性アルゴリズムによって、Neddleman及びWunsch、1970、J. Mol. Biol.、48、443の局所相同性アルゴリズムによって、Pearson及びLipman、1988、Proc. Natl Acad. Sci. USA、85、2444の類似性検索法によって、又はコンピュータープログラムであって、これらのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group社、575 Science Drive、Madison、Wis.におけるGAP、BESTFIT、FASTA、BLASTP、BLAST N、及びTFASTA)を使用する、プログラムによって、生成することができる。

0204

パーセンテージ同一性は、比較されている2つの配列間の同一の位置の数を判定し、この数を比較された位置の数で除し、得られた結果に100を乗じ、その結果、これらの2つの配列間のパーセンテージ同一性を得ることによって計算される。

0205

用語「トランスジェニック動物」は、1つ又は複数の導入遺伝子、好ましくは重鎖導入遺伝子及び/若しくは軽鎖導入遺伝子、又はトランス染色体(動物の天然ゲノムDNA中に組み込まれた、若しくは組み込まれていない)を含むゲノムを有し、好ましくは導入遺伝子を発現することができる動物を指す。例えば、トランスジェニックマウスは、ヒト軽鎖導入遺伝子、及びヒト重鎖導入遺伝子又はヒト重鎖トランス染色体を有することができ、その結果このマウスは、CLDN18.2抗原及び/又はCLDN18.2を発現する細胞で免疫されたとき、ヒト抗CLDN18.2抗体を産生する。ヒト重鎖導入遺伝子を、トランスジェニックマウス、例えば、HuMAbマウス、例えば、HCo7マウス若しくはHCol2マウス等の場合と同様に、マウスの染色体DNA中に組み込むことができ、又はヒト重鎖導入遺伝子を、WO02/43478に記載のトランスクロモソーマル(例えば、KM)マウスの場合と同様に染色体外で維持することができる。このようなトランスジェニックマウス及びトランスクロモソーマルマウスは、V-D-J組換え及びアイソタイプスイッチングを経ることによって、CLDN18.2に対するヒトモノクローナル抗体の複数のアイソタイプ(例えば、IgG、IgA、及び/又はIgE)を産生することができる。

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