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図面 (8)

課題

ヒトにおいて免疫原性反応を生じさせるための組成物および方法の提供。

解決手段

組成物には、(ii)ヒトの回腸への免疫原性生物学的作用物質送達誘導する作用物質によって包含される、免疫原性生物学的作用物質が含まれ、ここで、作用物質(ii)は閾値pH5.8〜6.8を有する腸溶性コーティング(例えば、Eudragit(登録商標))である。さらに、そのような組成物、例えばワクチンを設計するための方法が提供される。

概要

背景

発明の背景
ワクチンは、いくつかの疾患および障害(例えば、ウイルス感染細菌感染、および癌)を予防および/または処置するための重要な手段である。ワクチン接種は典型的には、注射を用いて行われ、ワクチン接種場所を訪れる面倒さおよび注射への嫌悪により参加は減少する。さらに、ワクチンの注射は、投与するために注射器および針などの滅菌キットの使用ならびに熟練した施術者を必要とする。

インフルエンザワクチンに関して、市場ニーズ応えるのに十分なウイルス回収および処理するのに十分な受精卵収集するために、毎年大規模キャンペーンが行われる。細胞培養または植物由来赤血球凝集素(HA)は、取得および処理作業の負担を軽減させる可能性があるが、これらのアプローチはまだ、高価な無菌充填を必要とし、バイオハザードとして処分する必要がある個人用注射針を製造して完了する。パンデミックの間、学校は閉鎖され、社会距離戦略が命ぜられる可能性があるが、大規模なインフルエンザ免疫は典型的には、注射のために診療所で対象を並ばせる必要がある。インフルエンザまたは他の病原体向けの経口ワクチンは、郵便によって送ることができ、よって、ヒト対ヒト接触の大部分を避けることができる。さらに、錠剤化は、注射型ワクチンが必要とする高価な無菌充填および仕上げ工程を必要としない迅速で衛生的な工程である。

非経口的ではなく、例えば、経口的にまたは粘膜経由で送達することができるワクチンは、米国特許第8,222,224号(特許文献1)に記載される。

概要

ヒトにおいて免疫原性反応を生じさせるための組成物および方法の提供。組成物には、(ii)ヒトの回腸への免疫原性生物学的作用物質の送達を誘導する作用物質によって包含される、免疫原性生物学的作用物質が含まれ、ここで、作用物質(ii)は閾値pH5.8〜6.8を有する腸溶性コーティング(例えば、Eudragit(登録商標))である。さらに、そのような組成物、例えばワクチンを設計するための方法が提供される。

目的

概して、適切な投与量および処置計画は、治療的および/または予防的有用性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

以下を含む、ヒトにおいて免疫反応を誘発するための免疫原性組成物:(i)免疫原性生物学的作用物質であって、(ii)ヒトの回腸への該免疫原性生物学的作用物質の送達誘導する作用物質により包含され、作用物質(ii)が閾値pH 5.8〜6.8を有する腸溶性コーティングである、免疫原性生物学的作用物質。

請求項2

腸溶性コーティングが6.0の閾値pHを有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。

請求項3

腸溶性コーティングが、pH 5.8〜6.8にて110分で、その当初の厚さと比較して少なくとも75%崩壊する、請求項1または2に記載の免疫原性組成物。

請求項4

腸溶性コーティングがポリ(メチルアシル酸(methylacylic acid)-co-メタクリル酸メチル)1:1を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項5

腸溶性コーティングがEudragit(登録商標)L-100を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項6

腸溶性コーティングがEudragit(登録商標)L-100とEudragit(登録商標)L100-55の混合物を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項7

腸溶性コーティングがEudragit(登録商標)L-100、クエン酸トリエチル、およびタルクを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項8

Eudragit(登録商標)L-100を1〜4、クエン酸トリエチルを1〜2、およびタルクを1〜2の割合で含む、請求項7に記載の免疫原性組成物。

請求項9

腸溶性コーティングがポリ(メタシル酸(methacylic acid)-co-メタクリル酸メチル)1:1とポリ(メタシル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の混合物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項10

ポリ(メタシル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1対ポリ(メタシル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の比が1:4から4:1である、請求項9に記載の免疫原性組成物。

請求項11

腸溶性コーティングがポリ(メタシル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1およびポリ(メタシル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項12

ポリ(メタシル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1対ポリ(メタシル酸-co-アクリル酸メチル)1:2の比が1:2から2:1である、請求項11に記載の免疫原性組成物。

請求項13

腸溶性コーティングがEudragit(登録商標)L-100とEudragit(登録商標)S100の混合物を含む、請求項1〜3、11、および12のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項14

腸溶性コーティングが、ポリ(メタシル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1とポリ(メタシル酸-co-アクリル酸メチル)1:2を1〜4;クエン酸トリエチルを1〜2;およびタルクを1〜2の割合で含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項15

腸溶性コーティングがポリ(メタシル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2とポリ(メタシル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の混合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項16

ポリ(メタシル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2対ポリ(メタシル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の比が1:4から4:1である、請求項15に記載の免疫原性組成物。

請求項17

腸溶性コーティングがEudragit(登録商標)L-100-55とEudragit(登録商標)S100の混合物を含む、請求項1〜3、15、および16のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項18

腸溶性コーティングが、ポリ(メタシル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2とポリ(メタシル酸-co-アクリル酸エチル)1:2を1〜4;クエン酸トリエチルを1〜2;およびタルクを1〜2の割合で含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項19

前記免疫原性生物学的作用物質が免疫原性ポリペプチドである、前記請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項20

前記免疫原性生物学的作用物質が、免疫原性ポリペプチドをコードする発現ベクターである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項21

ベクターアデノウイルスベクターである、請求項20に記載の免疫原性組成物。

請求項22

発現ベクターがdsRNAをさらにコードする、請求項20または21に記載の免疫原性組成物。

請求項23

圧縮錠剤の形態である、前記請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。

請求項24

前記請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物をヒトに経口投与する段階を含む、ヒトの回腸に免疫原性組成物を送達するための方法。

請求項25

請求項1〜23のいずれか一項に記載の組成物をヒトに投与する段階を含む、ヒトにおいて免疫反応を誘発する方法であって、該免疫反応が前記免疫原性生物学的作用物質に特異的である、方法。

請求項26

前記免疫原性生物学的作用物質が免疫原性ポリペプチドであり、かつ免疫反応が該免疫原性ポリペプチドに特異的である、請求項25に記載の方法。

請求項27

前記免疫原性生物学的作用物質が、免疫原性ポリペプチドをコードする発現ベクターであり、かつ免疫反応が該免疫原性ポリペプチドに特異的である、請求項25に記載の方法。

請求項28

発現ベクターがアデノウイルスベクターである、請求項27に記載の方法。

請求項29

投与する段階が、ヒトによる中和抗体の産生をもたらす、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、2014年2月20日に出願された米国仮出願第61/942,386に対する優先権を主張し、その開示は、その全体が本明細書に組み入れられる。

背景技術

0002

発明の背景
ワクチンは、いくつかの疾患および障害(例えば、ウイルス感染細菌感染、および癌)を予防および/または処置するための重要な手段である。ワクチン接種は典型的には、注射を用いて行われ、ワクチン接種場所を訪れる面倒さおよび注射への嫌悪により参加は減少する。さらに、ワクチンの注射は、投与するために注射器および針などの滅菌キットの使用ならびに熟練した施術者を必要とする。

0003

インフルエンザワクチンに関して、市場ニーズ応えるのに十分なウイルス回収および処理するのに十分な受精卵収集するために、毎年大規模キャンペーンが行われる。細胞培養または植物由来赤血球凝集素(HA)は、取得および処理作業の負担を軽減させる可能性があるが、これらのアプローチはまだ、高価な無菌充填を必要とし、バイオハザードとして処分する必要がある個人用注射針を製造して完了する。パンデミックの間、学校は閉鎖され、社会距離戦略が命ぜられる可能性があるが、大規模なインフルエンザ免疫は典型的には、注射のために診療所で対象を並ばせる必要がある。インフルエンザまたは他の病原体向けの経口ワクチンは、郵便によって送ることができ、よって、ヒト対ヒト接触の大部分を避けることができる。さらに、錠剤化は、注射型ワクチンが必要とする高価な無菌充填および仕上げ工程を必要としない迅速で衛生的な工程である。

0004

非経口的ではなく、例えば、経口的にまたは粘膜経由で送達することができるワクチンは、米国特許第8,222,224号(特許文献1)に記載される。

先行技術

0005

米国特許第8,222,224号

0006

本明細書において、対象の回腸への特異的な免疫原性生物学的作用物質の送達を含む、対象(ヒトまたは非ヒト)のより有効なワクチン接種のための方法および組成物が提供される。よって、本開示は、より効率的かつ有効なワクチンを提供し、ヒトにおけるその有効性を明らかにする。

0007

本明細書において、対象の回腸への免疫原性生物学的作用物質の送達を誘導する作用物質により包含される免疫原性生物学的作用物質を含む、対象において免疫反応を誘発するための免疫原性組成物が提供される。いくつかの態様において、対象はヒトである。いくつかの態様において、対象は非ヒト動物、例えば、霊長類マウスラットウサギウマイヌネコ、または家禽である。いくつかの態様において、免疫原性生物学的作用物質は、免疫原性を有するポリペプチド(例えば、ウイルス様粒子糖タンパク質リンタンパク質)、糖質、および脂質から選択される。

0008

いくつかの態様において、免疫原性生物学的作用物質は、免疫原性ポリペプチドをコードする発現ベクターである。いくつかの態様において、発現ベクターはウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、AAV、レトロウイルス、またはレンチウイルス)である。いくつかの態様において、ウイルスベクターは、弱毒化されているか、または複製不全である。いくつかの態様において、発現ベクターは、免疫原性ポリペプチドをコードする配列に機能的に連結されたプロモーター(例えば、CMV、SV40初期または後期、βアクチンなど)を含む。いくつかの態様において、発現ベクターは、二本鎖(dsRNA)をさらにコードする。いくつかの態様において、dsRNAコード配列は、プロモーター、例えば、免疫原性ポリペプチドコード配列に機能的に連結されたプロモーターと同じプロモーター(配列内リボソーム進入部位(IRES)を用いる)または異なるプロモーターに機能的に連結される。

0009

いくつかの態様において、免疫原性組成物は、少なくとも1つのアジュバント、例えば、TLR3アゴニストをさらに含む。いくつかの態様において、TLR3アゴニストはdsRNAまたはdsRNA模倣体である。

0010

いくつかの態様において、免疫原性生物学的作用物質の少なくとも50%、例えば、投与した組成物中に存在する免疫原性生物学的作用物質の少なくとも60%、70%、75%、80%、90%、95%、またはそれより多くが、回腸内に送達(放出)される。いくつかの態様において、送達を誘導する作用物質(例えば、腸溶性コーティングまたはマトリックス)は、免疫原性組成物が回腸に到達する前に溶解し始めるが、免疫原性組成物が回腸に到達するまで免疫原性生物学的作用物質の少なくとも50%を保持する。いくつかの態様において、送達を誘導する作用物質は、十二指腸、および空腸にかけて免疫原性生物学的作用物質を保持するが、回腸で免疫原性生物学的作用物質を放出する。

0011

いくつかの態様において、送達を誘導する作用物質は腸溶性コーティングである。すなわち、免疫原性生物学的作用物質は腸溶性コーティングにより被覆される。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、pH≧5、例えば、5.2、5.5、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、7.0、5.5〜6.8、5.8〜6.8等で崩壊する。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、メタクリル酸-アクリル酸エチルコポリマー(例えば、1:1)、タイプA;メタクリル酸コポリマー、タイプC;メタクリル酸コポリマータイプAとCの混合物;およびTime Clock(登録商標)からなる群より選択される。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、酢酸フタル酸セルロース(CAP)を含まない。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、回腸で免疫原性生物学的作用物質の放出をもたらす厚さのものである。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、メタクリル酸コポリマーベースであり、1平方センチメートルあたり5.5〜10ミリグラム被覆度を有する。いくつかの態様において、送達を誘導する作用物質は、無線制御カプセルである。

0012

いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、ポリ(メチルアクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1を含む。いくつかの態様において、腸溶性コーティングはEudragit(登録商標)L-100を含む。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、Eudragit(登録商標)L-100、クエン酸トリエチル、およびタルクを含み、例えば、Eudragit(登録商標)L-100を1、2、3、4または1〜4、クエン酸トリエチルを1〜2、およびタルクを1〜2の割合で含む。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1とポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の混合物を含む。いくつかの態様において、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1対ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の比は1:4から4:1、例えば、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1である。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、Eudragit(登録商標)L-100とEudragit(登録商標)L100-55の混合物を含む。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、Eudragit(登録商標)L-100およびEudragit(登録商標)L100-55、クエン酸トリエチル、ならびにタルクを含み、例えば、Eudragit(登録商標)L-100とEudragit(登録商標)L100-55を1〜4、クエン酸トリエチルを1〜2、およびタルクを1〜2の割合で含む。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1およびポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2を含む。いくつかの態様において、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1対ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸メチル)1:2の比は1:2から2:1である。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、Eudragit(登録商標)L-100とEudragit(登録商標)S100の混合物を含む。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、Eudragit(登録商標)L-100およびEudragit(登録商標)S100、クエン酸トリエチル、ならびにタルクを含み、例えば、Eudragit(登録商標)L-100とEudragit(登録商標)S100を1〜4、クエン酸トリエチルを1〜2、およびタルクを1〜2の割合で含む。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2とポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の混合物を含む。いくつかの態様において、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2およびポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の比は、1:4から4:1、例えば、1:3、1:2、1:1、2:1、または3:1である。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、Eudragit(登録商標)L-100-55とEudragit(登録商標)S100の混合物を含む。いくつかの態様において、腸溶性コーティングは、Eudragit(登録商標)L-100-55およびEudragit(登録商標)S100、クエン酸トリエチル、ならびにタルクを含み、例えば、Eudragit(登録商標)L-100-55とEudragit(登録商標)S100を1〜4、クエン酸トリエチルを1〜2、およびタルクを1〜2の割合で含む。

0013

いくつかの態様において、免疫原性組成物は、錠剤またはカプセルの形態、例えば、腸溶性コーティングにより被覆された圧縮錠剤の形態である。いくつかの態様において、免疫原性組成物は、ゼラチンヒドロキシプロピルメチルセルロースデンプン、またはプルランを含むポリマーカプセルの中に被包される。いくつかの態様において、免疫原性組成物は、直径2 mm未満の微小粒子、例えば、それぞれが本明細書に記載したような腸溶性コーティングで被覆された微小粒子の形態である。

0014

さらに、上記の免疫原性組成物(すなわち、任意でアジュバントを含む、回腸への免疫原性生物学的作用物質の送達を誘導する作用物質により包含される免疫原性生物学的作用物質)を対象に経口投与する段階を含む、対象の回腸に免疫原性組成物を送達する方法が提供される。いくつかの態様において、対象はヒトである。いくつかの態様において、対象は非ヒト動物である。いくつかの態様において、方法は、回腸に誘導されない同じ免疫原性組成物の投与を受ける対象(異なる時点での同じ対象、または異なる対象のいずれか)における免疫反応より少なくとも10%高い、例えば、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、75%、80%、100%またはそれより高い免疫反応を対象においてもたらす。いくつかの態様において、対象における免疫反応は、回腸に誘導されない同じ免疫原性組成物の投与を受ける対象(異なる時点での同じ対象、または異なる対象のいずれか)における免疫反応より少なくとも1.5倍高い(例えば、2倍、2.5倍、5倍またはそれより高い)。いくつかの態様において、免疫反応は、免疫原性生物学的作用物質に特異的な抗体の増加である。いくつかの態様において、免疫反応は、細胞性免疫反応、例えば、IFNγなどのサイトカインの増加である。いくつかの態様において、免疫反応は、免疫化である(例えば、対象が、免疫原性生物学的作用物質が由来するウイルス、細菌等による感染に抵抗性を有する)。

0015

さらに、上記の免疫原性組成物(すなわち、任意でアジュバントを含む、回腸への免疫原性生物学的作用物質の送達を誘導する作用物質により包含される免疫原性生物学的作用物質)を対象、例えばヒト対象に経口投与する段階を含む、対象において増大された免疫反応を誘発する方法が提供される。いくつかの態様において、免疫反応は、回腸に誘導されない同じ免疫原性組成物の投与を受ける対象(異なる時点での同じ対象、または異なる対象のいずれか)における免疫反応と比較して、少なくとも10%、例えば少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、75%、80%、100%またはそれより多く増加する。いくつかの態様において、対象における免疫反応は、回腸に誘導されない同じ免疫原性組成物の投与を受ける対象(異なる時点での同じ対象、または異なる対象のいずれか)における免疫反応と比較して、少なくとも1.5倍(例えば、2倍、2.5倍、5倍またはそれより多く)増加する。いくつかの態様において、免疫反応は、免疫原性生物学的作用物質に特異的な抗体の増加である。いくつかの態様において、免疫反応は、細胞性免疫反応、例えば、IFNγなどのサイトカインの増加である。いくつかの態様において、免疫反応は、免疫化である(例えば、対象が、免疫原性生物学的作用物質が由来するウイルス、細菌等による感染に抵抗性を有する)。
[本発明1001]
以下を含む、ヒトにおいて免疫反応を誘発するための免疫原性組成物:
(i)免疫原性生物学的作用物質であって、(ii)ヒトの回腸への該免疫原性生物学的作用物質の送達を誘導する作用物質により包含され、作用物質(ii)が閾値pH 5.8〜6.8を有する腸溶性コーティングである、免疫原性生物学的作用物質。
[本発明1002]
腸溶性コーティングが6.0の閾値pHを有する、本発明1001の免疫原性組成物。
[本発明1003]
腸溶性コーティングが、pH 5.8〜6.8にて110分で、その当初の厚さと比較して少なくとも75%崩壊する、本発明1001または1002の免疫原性組成物。
[本発明1004]
腸溶性コーティングがポリ(メチルアクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1を含む、前記本発明のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1005]
腸溶性コーティングがEudragit(登録商標)L-100を含む、前記本発明のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1006]
腸溶性コーティングがEudragit(登録商標)L-100とEudragit(登録商標)L100-55の混合物を含む、前記本発明のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1007]
腸溶性コーティングがEudragit(登録商標)L-100、クエン酸トリエチル、およびタルクを含む、前記本発明のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1008]
Eudragit(登録商標)L-100を1〜4、クエン酸トリエチルを1〜2、およびタルクを1〜2の割合で含む、本発明1007の免疫原性組成物。
[本発明1009]
腸溶性コーティングがポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1とポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の混合物を含む、本発明1001〜1006のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1010]
ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1対ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の比が1:4から4:1である、本発明1009の免疫原性組成物。
[本発明1011]
腸溶性コーティングがポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1およびポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2を含む、本発明1001〜1003のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1012]
ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1対ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸メチル)1:2の比が1:2から2:1である、本発明1011の免疫原性組成物。
[本発明1013]
腸溶性コーティングがEudragit(登録商標)L-100とEudragit(登録商標)S100の混合物を含む、本発明1001〜1003、1011、および1012のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1014]
腸溶性コーティングが、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1とポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸メチル)1:2を1〜4;クエン酸トリエチルを1〜2;およびタルクを1〜2の割合で含む、本発明1011〜1013のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1015]
腸溶性コーティングがポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2とポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の混合物を含む、本発明1001〜1003のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1016]
ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2対ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1の比が1:4から4:1である、本発明1015の免疫原性組成物。
[本発明1017]
腸溶性コーティングがEudragit(登録商標)L-100-55とEudragit(登録商標)S100の混合物を含む、本発明1001〜1003、1015、および1016のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1018]
腸溶性コーティングが、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2とポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1を1〜4;クエン酸トリエチルを1〜2;およびタルクを1〜2の割合で含む、本発明1015〜1017のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1019]
前記免疫原性生物学的作用物質が免疫原性ポリペプチドである、前記本発明のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1020]
前記免疫原性生物学的作用物質が、免疫原性ポリペプチドをコードする発現ベクターである、本発明1001〜1019のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1021]
ベクターアデノウイルスベクターである、本発明1020の免疫原性組成物。
[本発明1022]
発現ベクターがdsRNAをさらにコードする、本発明1020または1021の免疫原性組成物。
[本発明1023]
圧縮錠剤の形態である、前記本発明のいずれかの免疫原性組成物。
[本発明1024]
前記本発明のいずれかの免疫原性組成物をヒトに経口投与する段階を含む、ヒトの回腸に免疫原性組成物を送達するための方法。
[本発明1025]
本発明1001〜1023のいずれかの組成物をヒトに投与する段階を含む、ヒトにおいて免疫反応を誘発する方法であって、該免疫反応が前記免疫原性生物学的作用物質に特異的である、方法。
[本発明1026]
前記免疫原性生物学的作用物質が免疫原性ポリペプチドであり、かつ免疫反応が該免疫原性ポリペプチドに特異的である、本発明1025の方法。
[本発明1027]
前記免疫原性生物学的作用物質が、免疫原性ポリペプチドをコードする発現ベクターであり、かつ免疫反応が該免疫原性ポリペプチドに特異的である、本発明1025の方法。
[本発明1028]
発現ベクターがアデノウイルスベクターである、本発明1027の方法。
[本発明1029]
投与する段階が、ヒトによる中和抗体の産生をもたらす、本発明1024〜1028のいずれかの方法。

図面の簡単な説明

0016

rAd-HA-dsRNAを含有する無線制御型カプセルを対象に与えた7日後に、末梢血におけるHAに特異的な抗体分泌細胞(ASC)を測定した。対象をランダム化し、ワクチンを回腸または空腸のいずれかにおいて放出させた。(N=12/群)。結果は、回腸に送達させたワクチンによる12人の対象のうち12人がHAを認識する抗体分泌B細胞を生じることができ、一方で、空腸にワクチンを与えられた12人の対象のうち9人のみが抗原特異的B細胞を生じることができたことを示す。IgAASCおよびIgGASCの平均数は、空腸より回腸で有意に高かった。
rAd-HA-dsRNAに対するT細胞応答を、投与後7日目のIFNγレベルを検出することにより決定した。空腸送達群の75%と比較して、回腸送達群における個体は全てが高いIFNγレベルを示した。平均IFNγレベルもまた、回腸送達群で有意に高かった。
インフルエンザA/CA/07/2009に対するマイクロ中和抗体(MN)反応を、免疫後0日目および28日目に測定した。40以下の初期MN価を有した個々の対象について、MN価の増加倍数プロットした。結果は、空腸送達(10人のうち6人)と比較して、回腸送達は、免疫後にMN価が増加した対象の割合が高い(10人のうち9人)ことを示していた。
微結晶セルロースおよびデンプンを用いて、放射線不透過性物質として10%硫酸バリウムを有する錠剤を作製した。これらの錠剤をEudragit L100(登録商標)で腸溶性コーティングし、経口胃管によりメスカニクイザルに与えた。投与後経時的にX線撮影を行った。A.胃中の錠剤、矢印が錠剤を指している。B. 1時間後、錠剤は腸で見られ、矢印が指している脊柱の左の白い点である。錠剤は、2時間以内に腸で溶解され、見えなくなった。
ASCの数を、各免疫の7日後である7日目および35日目に報告する。0日目および28日目のバックグラウンドASCは極めて小さく、プロットしなかった。7日目の平均反応を各処置群に対して水平線で示す。
個々の対象に対するMN価の増加倍数。濃い色のカラムは、MN価が28日目と56日目の間で上昇した部分を示すのに対して、薄い色のカラムは初回免疫後の反応を示す。MNの2倍増加点に線を引き、どの対象が検出可能な中和抗体反応を有したかを示した。プラセボ群の対象はいずれも反応しなかったが、低用量群では3人の対象および高用量群では7人の対象が、免疫後にインフルエンザに対して2倍以上の中和抗体反応を有した。プラセボN=10、低用量および高用量N=11。
単回経口免疫後の抗体反応。A.免疫前および免疫後(それぞれ0日目および28日目)のHAI抗体価を個々の対象について示す。B. HAI幾何平均力価(GMT)対時間。免疫後0ヶ月、1ヶ月および6ヶ月にHAI価を測定し、抗体反応の持続性を評価した。C. 免疫前および免疫後のMN価を個々の対象について示す。D. 免疫後のASC反応。IgG ASCおよびIgA ASCの数を免疫後7日目に報告する(106 PMBCあたり)。

0017

発明の詳細な説明
本発明者らは、小腸の特定の部位、すなわち、回腸への免疫原性生物学的作用物質の送達が、作用物質が標的化されていない、または異なる部位を標的とするときよりも、より優れた治療反応をもたらすことを発見した。これは、より効果的なワクチン、材料のコストの低減、およびレシピエントに対する副作用の低下の設計を可能にする。

0018

I. 定義
「免疫原性」という用語は、宿主において液性または細胞性いずれかの免疫反応を生じさせる作用物質の能力を指す。免疫原性作用物質は典型的には、宿主に対して「外来性」であり、例えば、異なる種、または細菌、ウイルス、もしくは真菌類に由来する。非外来性作用物質は、例えば、自己免疫反応の場合、免疫原性を有しうる。ある特定の癌細胞特異的作用物質は、免疫原性作用物質として活用することができ、宿主免疫系が癌を攻撃するのを可能にする。

0019

「生物学的作用物質」という用語は、核酸、ポリペプチド、糖タンパク質、糖質、脂質、またはこれらの修飾型(例えば、メチル化グリコシル化、検出可能に標識化)を指す。生物学的作用物質は、化学合成の代わりに生物学的工程(組換え技術を含む)により作製され得る低分子薬物と区別される。しかしながら、生物学的作用物質は、化学的に修飾されうる、または非天然ヌクレオチドまたはアミノ酸を含みうる。生物学的作用物質はまた、非天然物、例えば、組換え体またはキメラ体でもありうる。

0020

本明細書で用いられる「免疫原性生物学的作用物質」は、抗原として直接的に作用する作用物質(例えば、T細胞受容体または抗体により認識される)、または、細胞において発現した後に抗原として作用する作用物質を指す。例えば、免疫原性生物学的作用物質には、免疫原性ポリペプチドをコードする発現ベクターが含まれうる。

0021

「抗原」という用語は、T細胞受容体および/または抗体によって結合される(例えば、「外来物」として認識される)ポリペプチド、糖タンパク質、リポタンパク質、脂質、糖質、または他の作用物質を指す。抗原は通常、細菌、ウイルス、または真菌供給源に由来する。「由来する」という用語は、抗原が本質的には、それがその天然抗原性を有する状況において存在するのと同様のものであること、または抗原が、ある特定の条件下で発現されるように、最も抗原性がある部分のみを含むように、もしくは他の潜在的に有害な関連成分等を取り除くように改変されていることを意味する。

0022

本明細書に記載の組成物の「免疫原的に有効な用量または免疫原的に有効な量」は、ワクチン接種のために選択された抗原に特異的な免疫反応を誘発または調節する量である。免疫反応には、液性免疫反応および細胞性免疫反応が含まれる。免疫原性組成物は、治療的または予防的に用いられ、任意の段階で疾患を処置または予防する。

0023

「液性免疫反応」は、血液の無細胞成分、例えば、血漿または血清によって媒介され;一方の個体からもう一方への血清または血漿の移動によって液性免疫が移動される。液性免疫は典型的には、B細胞媒介性であり、例えば抗体産生である。

0024

「細胞性免疫反応」は抗原特異的リンパ球によって媒介され;一方の個体からもう一方への抗原特異的リンパ球の移動によって免疫が移動される。細胞性免疫反応は、T細胞によって少なくとも一部媒介され、例えば、T細胞増殖の増加またはT細胞特異的サイトカインを検出することにより検出されうる。

0025

「回腸」は、十二指腸および空腸と共に小腸を形成する3つの部分のうち最長部分である。それは、空腸と盲腸の間にある、末端部分を占める。

0026

腸溶性コーティングは、治療剤の内部が胃および十二指腸の低pH環境(〜pH 3)で消化されるのを妨げる、経口医薬に適用されるバリアである。

0027

腸溶性コーティング、マトリックス、またはカプセルなどの作用物質は、治療剤の当初の投与量の少なくとも60%、例えば、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が作用物質内に包含または包埋されたままであるときに、包含または包埋された治療剤を保持すると言われる。作用物質、例えば、腸溶性コーティングまたはマトリックスは典型的には、ある特定の条件下で崩壊し、治療剤を放出するように設計される。崩壊は、例えば、より厚いまたはより化学的に複雑なコーティングの場合、緩やかでありうる。腸溶性コーティングは、コーティング厚さが、当初投与した厚さと比較して少なくとも10%、例えば、少なくとも25%、50%、または75%減少すると「崩壊する」と言われる。崩壊は、条件に応じて異なる時間的経過にわたって生じうることから、絶対的な用語ではない。例えば、pH 6.5にて5分で崩壊するように設計されたコーティングは、pH 6でもゆっくりではあるが(例えば、1時間で)崩壊する可能性がある。崩壊は、包含または包埋された治療剤が放出されることを必ずしも意味しない。その一方で、治療剤は、腸溶性コーティングまたはマトリックスが完全に崩壊する前に放出され始める可能性がある。

0028

例えば、核酸、タンパク質、またはベクターなどに関連して、本明細書で用いられる「キメラ」または「組換え」という用語は、核酸、タンパク質またはベクターが、異種の核酸もしくはタンパク質の導入、または天然の核酸もしくはタンパク質の変化により改変されていることを意味する。よって、例えば、キメラベクターおよび組換えベクターには、ベクターの天然型(非キメラ型または非組み換え型)内には見出されない核酸配列が含まれる。キメラウイルス発現ベクターは、異種(例えば、免疫原性)ポリペプチドをコードする核酸配列を含むウイルス発現ベクターを指す。

0029

「発現ベクター」は、宿主細胞において特定の核酸の転写を可能にする一連の指定の核酸要素を有する、組換え的にまたは合成的に作製された核酸構築物である。発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、または核酸断片の一部でありうる。典型的には、発現ベクターには、プロモーターに機能的に連結された、転写されるべき核酸が含まれる。ウイルス発現ベクターは典型的には、複製能力がないか弱毒化されている。ウイルス由来のベクターには、所望の配列の発現に必要とされる発現ベクターの構成成分が含まれうるが、例えば、複製または他の病原性作用に関与する構成成分は取り除かれる。

0030

「プロモーター」および「発現制御配列」という用語は、本明細書では、核酸の転写を誘導する核酸制御配列を指すために用いられる。プロモーター配列は典型的には、ポリメラーゼII型プロモーターの場合、TATAエレメントなど、転写の開始点の近くにある。プロモーターには、転写の開始点から数千塩基対もの場所に位置しうる、遠位エンハンサーエレメントまたは抑制エレメントも含まれうる。プロモーターには、構成的プロモーターおよび誘導プロモーターが含まれる。「構成的」プロモーターは、たいていの環境条件または発生条件下で活性を有するプロモーターである。「誘導」プロモーターは、環境規制または発生規制下で活性を有するプロモーターである。「機能的に連結される」という用語は、核酸発現制御配列(プロモーター、または転写因子結合部位アレイなど)と第2の核酸配列との間の機能的連結を指し、ここで、発現制御配列は、第2の配列に対応する核酸の転写を誘導する。

0031

「異種」という用語は、核酸の一部分に関連して用いるとき、核酸が、自然界では互いに同じ関連性では見出されない2つ以上の配列を含むことを意味する。例えば、核酸は典型的には、組換え的に作製され、新たな機能的核酸を作るように配置された関連のない遺伝子由来の2つ以上の配列、例えば、1つの供給源からのプロモーターおよび別の供給源からのコード領域を有する。同様に、タンパク質の異種部分とは、タンパク質が、自然界では互いに同じ関連性では見出されない2つ以上の配列を含むことを意味する(例えば、融合タンパク質)。異種核酸またはタンパク質とは、自然界の特定の環境では見出されないもの、例えば、ヒト細胞における異種マウスタンパク質である。

0032

「核酸」および「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書において可換的に用いられ、一本鎖型または二本鎖型いずれかのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。この用語は、遺伝子、cDNA、RNA、およびオリゴヌクレオチド(短いポリヌクレオチド)を包含する。この用語は、合成、天然、および非天然であって、参照核酸と同様の結合特性を有し、かつ参照ヌクレオチドと同様の形で代謝される、公知のヌクレオチド類似体または修飾骨格残基もしくは結合を含有する核酸を包含する。そのような類似体の例には、ホスホロチオエートホスホロアミド酸メチルホスホン酸キラル-メチルホスホン酸、2-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。「ヌクレオチド」という用語は典型的には、核酸単量体を指す。

0033

特に指示のない限り、特定の核酸配列はまた、明示的に示された配列と同様に、その保存的に改変された変異体(例えば、縮重コドン置換体)および相補的配列も包含する。具体的には、縮重コドン置換は、1つまたは複数の選択された(または全ての)コドンの3番目の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換されている配列を作製することにより達成されうる(Batzer et al., Nucleic Acid Res. 19:5081 (1991); Ohtsuka et al., J. Biol. Chem. 260:2605-2608 (1985); Rossolini et al., Mol. Cell. Probes 8:91-98 (1994))。

0034

本明細書に記載の組成物の「治療用量」または「治療的有効量」または「有効量」は、ワクチン接種のために選択された抗原の供給源(例えば、ウイルス、細菌、寄生体、または癌)に関連した疾患および障害の症状の重症度を予防する、緩和する、寛解する、または軽減する量である。

0035

「抗体」という用語は、抗原に特異的に結合するかまたは抗原を特異的に認識する、免疫グロブリン遺伝子またはその断片によりコードされるポリペプチドを指す。免疫グロブリン配列には、κ、λ、α、γ、δ、εおよびμ定常領域配列、ならびに無数免疫グロブリン可変領域配列が含まれる。軽鎖はκまたはλのいずれかに分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεに分類され、それぞれ順に、免疫グロブリンクラスIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEを定義する。

0036

T細胞は、1つのファミリーの遺伝子によってコードされる特定の受容体(T細胞受容体)を発現するリンパ球の特定のクラスを指す。認識されたT細胞受容体遺伝子には、α、β、δ、およびγ遺伝子座が含まれ、T細胞受容体は典型的には、MHCに短いペプチドを加えた組み合わせを認識する(が、普遍的ではない)。T細胞は典型的には、ヘルパーT細胞(CD4+)および細胞傷害性T細胞(CD8+)に大別される。抗体は、B細胞、例えば、抗体分泌細胞(ASC)により天然に産生される。成熟B細胞は、ナイーブB細胞、形質B細胞(活性化されて抗体を産生)、メモリーB細胞、B-1細胞、辺縁帯B細胞、濾胞B細胞、および制御性B細胞でありうる。

0037

適応免疫応答は、T細胞および/またはB細胞および/または抗体の抗原の認識を指す。

0038

抗原提示細胞(APC)は、免疫原性ペプチドまたはその断片をT細胞に提示し、免疫反応を活性化または増強できる細胞である。APCには、樹状細胞マクロファージ、B細胞、単球、および有効なAPCとなるように設計されうる他の細胞が含まれる。そのような細胞は、必要はないが、抗原を提示する能力を増加させるように、T細胞応答の活性化および/または維持を改良するように、それ自体が抗腫瘍作用を有するように、ならびに/または受容者免疫学的適合する(すなわち、HLAハプロタイプ合致)ように遺伝的に改変されうる。APCは、骨髄、末梢血、腫瘍および腫瘍周囲組織を含む種々の生物学的液体および器官のいずれかから単離されてもよく、かつ自己細胞同種細胞同系細胞または異種細胞であってもよい。APCは典型的には、主要組織適合性(MHC)遺伝子座由来の受容体を利用して、T細胞に短いポリペプチドを提示する。

0039

アジュバントは非特異的免疫反応エンハンサーである。適したアジュバントには、例えば、コレラ毒素モノホスホリルリピドA(MPL)、フロイント完全アジュバントフロイント不完全アジュバント、Quil A、およびAl(OH)が含まれる。アジュバントはまた、Toll様受容体のような2次的なシグナル伝達分子を介してAPC活性化およびT細胞の提示増強をもたらす物質、例えば、二本鎖RNA(dsRNA)、dsRNA模倣体、細菌鞭毛LPS、CpG DNA、および細菌リポペプチドでもあってもよい(最近[Abreu et al., J Immunol, 174(8), 4453-4460 (2005)]において概説)。

0040

「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書において可換的に用いられ、アミノ酸のポリマーを指す。この用語は、天然アミノ酸ポリマーおよび非天然アミノ酸ポリマーはもちろんのこと、1つまたは複数のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工的な化学的模倣体であるアミノ酸ポリマーにも適用される。

0041

「アミノ酸」という用語は、天然アミノ酸および合成アミノ酸、ならびに天然アミノ酸と同様の形で機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣体を指す。天然アミノ酸は、遺伝子コードによりコードされるアミノ酸、ならびに後に修飾されるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γカルボキシグルタミン酸、およびO-ホスホセリンである。アミノ酸類似体は、天然アミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素カルボキシル基アミノ基、およびR基が結合した炭素を有する化合物、例えばホモセリンノルロイシンメチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。そのような類似体は、修飾R基(例えば、ノルロイシン)または修飾ペプチド骨格を有するが、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を保持する。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然アミノ酸と同様の形で機能する化学化合物を指す。

0042

アミノ酸は、その一般に公知の3文字記号か、またはIUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionにより推奨される1文字記号のいずれかにより、本明細書において言及されうる。ヌクレオチドも同様に、その一般に認知された1文字コードにより言及されうる。

0043

「保存的に改変された変異体」は、アミノ酸配列および核酸配列の両方に適用される。特定の核酸配列に関して、保存的に改変された変異体は、同じまたは本質的に同じアミノ酸配列をコードする核酸、または核酸がアミノ酸配列をコードしない本質的に同じ配列を指す。遺伝子コードの縮重のために、多数の機能的に同一な核酸が任意の所与のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCAGCC、GCGおよびGCUは全て、アミノ酸アラニンをコードする。よって、アラニンがコドンにより指定されている全ての位置では、コドンは、コードされたポリペプチドを変更することなく、記載された対応するコドンのいずれかに変更することができる。そのような核酸変異は、「サイレント変異」であり、保存的に改変された変異の1種である。ポリペプチドをコードする本明細書におけるあらゆる核酸配列はまた、核酸のあらゆる可能なサイレント変異も記載する。当業者であれば、核酸内の各コドン(通常メチオニンに対する唯一のコドンであるAUG、および通常トリプトファンに対する唯一のコドンであるTGGを除く)が、機能的に同じ分子を得るために改変されうることを認識するだろう。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、記載された各配列において暗示的である。

0044

アミノ酸配列に関して、当業者であれば、コードされる配列内の1個のアミノ酸または低いパーセンテージのアミノ酸を変更、付加または欠失する核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列に対する個々の置換、欠失または付加が、変更によってアミノ酸が化学的に類似するアミノ酸と置換された場合に、「保存的に改変された変異体」であることを認識するだろう。機能的に類似するアミノ酸を提供する保存的置換の表は当技術分野において周知である。そのような保存的に改変された変異体は、本発明の多型変異体、種間相同体、およびアレルに加えてのものであり、それらを排除しない。

0045

以下の8グループはそれぞれ、相互に保存的に置換されるアミノ酸を含む:1)アラニン(A)、グリシン(G);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニンI、リジン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);7)セリン(S)、スレオニン(T);および8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えばCreighton, Proteins (1984)を参照)。

0046

「選択的(または特異的)にハイブリダイズする」というは、複合混合物(例えば、全細胞性またはライブラリDNAまたはRNA)内の相補的な(または概ね相補的な)ヌクレオチドの結合、二本鎖化、またはハイブリダイズを指す。

0047

ポリヌクレオチドは、天然の配列(すなわち、個別のポリペプチドまたはdsRNAまたはその一部をコードする内在性配列)を含んでもよく、あるいはそのような配列の変異体を含んでもよい。ポリヌクレオチド変異体は、コードされるポリペプチドの少なくとも1つの生物学的活性(例えば、免疫原性)が、天然の抗原を含むポリペプチドと比べて減少しないような、1つまたは複数の置換、付加、欠失および/または挿入を含んでもよい。ポリヌクレオチド変異体は、コードされるdsRNAのアジュバント活性が、置換、付加、欠失および/または挿入を含まないdsRNAと比べて減少しないような、1つまたは複数の置換、付加、欠失および/または導入を含んでもよい。変異体は好ましくは、天然のポリペプチドもしくはその一部またはdsRNAをコードするポリペプチド配列に対して、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を示す。

0048

2つ以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の文脈において、「同一の」またはパーセント同一性」という用語は、2つ以上の同じ配列または部分配列、または比較ウィンドウにわたって最大の一致になるように比較もしくは整列したとき、または以下の配列比較アルゴリズムの1つを用いるかもしくは手動によるアライメントおよび目視検査により測定された領域を指定したとき、指定のパーセンテージ(すなわち、指定の領域にわたって50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い同一性)の同じアミノ酸残基またはヌクレオチドを有する、2つ以上の配列または部分配列を指す。そして、そのような配列は、「実質的に同一」であると言える。この定義はまた、試験ポリヌクレオチド配列相補体も指す。任意で、同一性は、少なくとも約10から約100個、約20から約75個、約30から約50個のアミノ酸またはヌクレオチドの長さの領域にわたって存在する。

0049

対照試料または「対照」値は、試験試料との比較のために、参考として、通常公知の参考としての役割を果たす試料を指す。例えば、試験試料は、試験条件から、例えば、試験化合物または処置の存在下で採取され、公知の条件からの、例えば、試験化合物の非存在下(負の対照)または公知化合物の存在下(正の対照)での試料と比較されうる。本開示の文脈において、負の対照の例は、公知の健常な(非感染の)個体からの生物学的試料であり、かつ正の対照の例は、公知の感染患者からの生物学的試料である。対照はまた、複数の試験または結果から収集した平均値または範囲も表す。当業者であれば、対照が任意の数のパラメーターの評価のために設計されうることを認識するだろう。例えば、対照は、薬理学データ(例えば、半減期)または治療基準(例えば、利点および/または副作用の比較)に基づき治療効果を比較するために考案されうる。対照は、インビトロでの適用のために設計されうる。当業者であれば、どの対照が所定の状況で有益であり、対照値との比較に基づきデータを分析することができるかを理解するだろう。対照はまた、データの有意性を判定するのにも有用である。例えば、所定のパラメーターの値が対照において大幅にばらついている場合、試験試料におけるばらつきは重要であるとはみなされない。

0050

診断」という用語は、対象が感染または癌などの障害を有する相対的可能性を指す。同様に、「予後」という用語は、ある特定の将来の結果が対象に起こりうる相対的可能性を指す。これらの用語は、医療診断の分野における任意の当業者により理解されるように、絶対的なものを意図しない。

0051

「治療」、「処置」および「回復」という用語は、症状の重症度の任意の軽減を指す。感染の文脈において、処置は、感染物質の減少、症状の軽減などを指しうる。癌を処置する場合、処置は、例えば、腫瘍サイズの減少、癌細胞の数の減少、増殖速度の減少、転移活性の減少、非癌細胞細胞死の減少などを指しうる。「処置する」および「予防する」という用語は、絶対的な用語であることを意図しない。処置および予防は、感染物質の任意の相対的減少または見かけ上の不存在、発症遅延、症状の回復、患者生存の改善、生存時間または生存率の増加などを指しうる。処置または予防は、完全(検出限界以下のレベルの感染物質または新生細胞)または部分的であってもよく、本明細書に記載の免疫原性生物学的作用物質なしに生じたであろうものより少数の感染物質または新生細胞が、患者において見出される。処置の効果は、処置を受けていない個体もしくは個体のプール、または処置の前もしくは処置の異なる時点での同じ患者と比較されうる。いくつかの局面において、感染または疾患の重症度は、例えば、投与前の個体または処置を受けていない対照個体と比較して、少なくとも10%軽減する。いくつかの局面において、感染または疾患の重症度は、少なくとも25%、50%、75%、80%、または90%軽減し、いくつかの場合には、もはや標準的な診断技術を用いて検出することができない。

0052

「対象」、「患者」および「個体」などの用語は、可換的に用いられ、指示されている場合を除き、ヒトおよび非ヒト霊長類、ならびにウサギ、ラット、マウス、ヤギブタ、および他の哺乳類の種などの哺乳動物を指す。この用語は、対象が特定の疾患と診断されていることを必ずしも意味しないが、典型的には、医学的管理下の個体を指す。患者は、既存の治療計画などの処置、モニタリング、調整または変更などを求める個体でありうる。

0053

II.免疫原性生物学的作用物質
免疫原性生物学的作用物質は、宿主、例えば、ヒト宿主において免疫反応を引き起こす任意の生物学的作用物質である。よって、免疫原性生物学的作用物質は、ポリペプチド(例えば、糖タンパク質、リンタンパク質、または他の修飾型)、糖質、脂質、ポリヌクレオチド(例えば、クロマチン、メチル化ポリヌクレオチド、または他の修飾型)でありうる。いくつかの態様において、免疫原性生物学的作用物質は、免疫反応を直接的に引き起こし、例えば、それ自体が標的免疫原(抗原)である。いくつかの態様において、免疫原性生物学的作用物質は、標的免疫原をコードするポリヌクレオチドである。例えば、標的抗原をコードするポリヌクレオチドが抗原提示細胞(APC)で発現されるとき、発現した抗原に対して免疫反応が開始される。免疫原性生物学的作用物質は、単独で、第2、第3、および/もしくは第4の免疫原性生物学的作用物質との組み合わせで(例えば、マルチ標的予防ワクチンの場合)、ならびに/または免疫反応を増大するためのアジュバントとの組み合わせで投与されうる。

0054

A.発現ベクター
本明細書に記載のように使用するための発現ベクターには、ウイルス由来のベクター、例えば、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、改変ワクシニアアンカラ(MVA)ベクター、およびレンチウイルス(例えば、HSV-1由来)ベクターが含まれうる(例えば、Brouard et al. (2009) British J. Pharm. 157:153を参照)。治療使用のためのウイルス由来ベクターは典型的には、複製不全であるか弱毒化されている。例えば、アデノウイルスベクターの場合、アデノウイルスゲノムは、E1遺伝子およびE3遺伝子を除去するように改変されうる。生産に関して、複製欠損ベクターは、組換えアデノウイルス(rAd)が細胞により産生されるように、E1遺伝子を発現する細胞に与えることができる。コードされたポリペプチド抗原に対する免疫反応を誘発するために、このrAdは、回収され、単回の感染で用いられ、哺乳動物内の別の細胞に遺伝子導入成分を送達しうる。

0055

適したウイルスベクターの例には、例えば、E1/E3領域の欠失を有するAd5およびE4領域の欠失を有するAd5を含む、アデノウイルス5が含まれる。他の適したアデノウイルスベクターには、2型、経口で試験される4型および7型、腸管アデノウイルス40型および41型、ならびに抗原を送達して遺伝子導入抗原に対する適応免疫応答を誘発するのに十分な他の型(例えば、Ad34、Ad26、またはAd35)が含まれる[Lubeck et al., Proc Natl Acad Sci USA, 86(17), 6763-6767 (1989); Shen et al., J Virol, 75(9), 4297-4307 (2001); Bailey et al., Virology, 202(2), 695-706 (1994)]。ウイルスベクターは、ヒトから単離されている必要はなく、チンパンジーアデノウイルス3(ChAd3)など非ヒトに由来しうる(例えば、Colloca et al. (2012) Sci. Transl. Med. 4:115; Stanley et al. (2014) Nat. Med. doi:10.1038/nm.3702を参照)。いくつかの態様において、アデノウイルスベクターは、生の複製不全アデノウイルスベクター(E1およびE3を欠失させたrAd5など)、生の弱毒化アデノウイルスベクター(E1B55K欠失ウイルスなど)、または野生型複製を有する生のアデノウイルスベクターである。

0056

本明細書に記載のように用いられる発現ベクターにおける転写調節配列および翻訳調節配列は、ウイルス供給源によりもたらされうる。例えば、通常用いられるプロモーターおよびエンハンサーは、例えば、βアクチン、アデノウイルス、サルウイルス(SV40)、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)に由来する。例えば、CMVプロモーター、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーターメタロチオネインプロモーター、マウス乳癌ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、トランスデューサープロモーター、または哺乳類細胞での発現に効果を示す他のプロモーターの指示下でタンパク質の発現を可能にするベクターが適している。さらなるウイルスプロモーターおよび非ウイルスプロモーター、調節および/またはシグナル配列は、そのような調節配列が遺伝子導入される宿主細胞と適合するならば用いられうる。

0057

B.免疫原
本明細書に記載の使用のための免疫原は、例えば、ウイルス抗原細菌抗原癌抗原真菌抗原または寄生体抗原などの抗原に由来しうる(例えば、本明細書に記載のように用いられうる抗原のリストについて米国特許第8,222,224号を参照。)

0058

本明細書に記載のように用いられうる抗原の特定の例は、インフルエンザウイルス(例えば、HA、NA、M1、NP)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV、例えば、gag、pol、env等)、ヒトパピローマウイルス(HPV、例えば、L1などのカプシドタンパク質)、ベネズエラウマ脳炎(VEE)ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV)、ヒトヘルペスウイルスライノウイルスコクサッキーウイルスエンテロウイルス、A型、B型C型、E型およびG型肝炎(HAVHBV、HCVHEV、HGV、例えば、表面抗原)、ムンプスウイルス風疹ウイルス麻疹ウイルスポリオウイルス痘瘡ウイルス狂犬病ウイルス、ならびに水痘帯状疱疹ウイルスに由来するものである。

0059

適したウイルス抗原には、カプシドを作るタンパク質またはウイルスを囲むタンパク質とは異なり、ウイルスの非構造タンパク質、例えば、構造ポリペプチドをコードしないウイルス核酸によりコードされるタンパク質も含まれる。非構造タンパク質には、例えば、ベネズエラウマ脳炎(VEE)、東部ウマ脳炎(EEE)、またはセムリキ森林ウイルス由来の非構造タンパク質1、2、3、および4(それぞれNS1、NS2、NS3、および NS4)など、ウイルス核酸複製ウイルス遺伝子発現、または翻訳後プロセシングを促進するタンパク質が含まれる。

0060

細菌抗原は、例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis)、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)、ストレプトコッカスボビス(Streptococcus bovis)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、リステリアモノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、らい菌(Mycobacterium leprae)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、ライム病ボレリア(Borrelia burgdorferi)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、バチルスセレウス(Bacillus cereus)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)、チフス菌(Salmonella typhi)、コレラ菌(Vibrio chloerae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ペスト菌(Yersinia pestis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、マイコプラズマ種(Mycoplasm sp.)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、発疹熱リケッチア(Rickettsia typhi)、トラコーマクラジミア(Chlamydia trachomatis)、および志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、コレラ菌(例えば、コレラ毒素Bサブユニット、コレラ毒素同時制御線毛(toxin-coregulated pilus)(TCP));ヘリコバクター・ピロリ(例えば、VacA、CagA、NAP、Hsp、カタラーゼウレアーゼ);大腸菌(E. coli)(例えば、熱不安定性エンテロトキシン、線毛抗原)に由来しうる。

0061

寄生体抗原は、例えば、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、リーシュマニア種(Leishmania sp.)、トリパノソーマ種(Trypanosoma sp.)、トリコモナス種(Trichomonas sp.)、プラスモジウム種(Plasmodium sp.)(例えば、pfs25、pfs28、pfs45、pfs84、pfs 48/45、pfs 230、Pvs25、およびPvs28などの熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)表面タンパク質抗原);住血吸虫種(Schistosoma sp.);結核菌(例えば、Ag85、MPT64、ESAT-6、CFP10、R8307、MTB-32 MTB-39、CSP、LSA-1、LSA-3、EXP1、SSP-2、SALSA、STARP、GLURP、MSP-1、MSP-2、MSP-3、MSP-4、MSP-5、MSP-8、MSP-9、AMA-1、1型内在性膜タンパク質、RESA、EBA-175、およびDBA)に由来しうる。

0062

真菌抗原は、例えば、足白癬(Tinea pedis)、体部白癬(Tinea corporus)、股部白癬(Tinea cruris)、爪白癬(Tinea unguium)、クラドスポリウムカリオニイ(Cladosporium carionii)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、カンジダ種(Candida sp.)、アスペルギルスフミガーツス(Aspergillus fumigatus)、およびニューシスチス・カリニ(Pneumocystis carinii)に由来しうる。

0063

癌抗原には、例えば、結腸がん胃がん膵がん肺がん卵巣がん前立腺がん乳がん皮膚がん(例えば、メラノーマ)、白血病、またはリンパ腫で発現または過剰発現する抗原が含まれる。例示的な癌抗原には、例えば、HPVL1、HPV L2、HPV E1、HPV E2、胎盤アルカリホスファターゼAFP、BRCA1、Her2/neu、CA 15-3、CA 19-9、CA-125、CEA、Hcg、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子(Upa)、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター、CD53、CD30、CD25、C5、CD11a、CD33、CD20、ErbB2、CTLA-4が含まれる。さらなる癌標的についてはSliwkowski & Mellman (2013) Science 341:6151を参照。

0064

C.アジュバント
いくつかの態様において、組成物は少なくとも1つのアジュバントをさらに含む。適したアジュバントには、例えば、WO2004/020592, Anderson and Crowle, Infect. Immun. 31(1):413-418 (1981), Roterman et al., J. Physiol. Pharmacol., 44(3):213-32 (1993), Arora and Crowle, J. Reticuloendothel. 24(3):271-86 (1978)、および Crowle and May, Infect. Immun. 38(3):932-7 (1982)に記載されているような、例えば、脂質、非脂質性化合物、コレラ毒素(CT)、CTサブユニットB、CT誘導体CTK63、大腸菌熱不安定性エンテロトキシン(LT)、LT誘導体LTK63、Al(OH)3、およびポリイオン有機酸が含まれる。適したポリイオン有機酸には、例えば、6,6'-[(3,3'-ジメチル[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス(アゾ)]ビス[4-アミノ-5-ヒドロキシ-1,3-ナフタレンジスルホン酸](エバンスブルー)、および3,3'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス(アゾ)ビス[4-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸](コンゴーレッド)が含まれる。ポリイオン有機酸は、任意のタイプの投与と組み合わせて核酸ベースの任意のワクチン接種法のために用いられうることを、当業者なら理解するであろう。

0065

TLR-3アゴニスト(例えば、dsRNA、およびその模倣体、polyI:C、poly A:U、およびpolyI:polyCなど)も用いられうる。TLR-3アゴニストには、例えば、ショートヘアピン型RNA、ウイルス由来RNA、二本鎖RNAまたはショートヘアピン型RNAを形成することができるRNAの短いセグメント、および低分子干渉RNA(siRNA)が含まれる。いくつかの態様において、TLR-3アゴニストは、ウイルス由来dsRNA、例えば、シンドビスウイルス由来のdsRNAまたはdsRNAウイルス中間体である(Alexopoulou et al. (2001) Nature 413:732)。いくつかの態様において、TLR-3アゴニストは、ショートヘアピン型RNAである。ショートヘアピン型RNA配列は典型的には、リンカー配列により連結させた2つの相補的配列を含む。特定のリンカー配列は、本発明の重要な局面ではない。2つの相補的配列が結合してdsRNAを形成するのを妨げない限り、任意の適切なリンカー配列を用いることができる。TLR-3アゴニストは、インビトロまたはインビボレスポンダー細胞(例えば、樹状細胞、末梢血単核細胞、またはマクロファージ)と接触すると、炎症促進性サイトカイン放出(例えば、IL-6、IL-8、TNFα、IFNα、IFNβ)を引き起こしうる。

0066

他の適したアジュバントには、例えば、イミキモドおよびレシキモドなどのイミダゾキノリンファミリーのメンバーなど、局所免疫調節物質が含まれる(例えば、Hengge et al., Lancet Infect. Dis. 1(3):189-98 (2001)を参照)。

0067

さらなる適したアジュバントは、例えば、追加のミョウバンベースのアジュバント(例えば、Alhydrogel、Rehydragel、リン酸アルミニウム、Algammulin);オイルベースのアジュバント(フロイント不完全アジュバントおよび完全アジュバント(Difco Laboratories, Detroit, Mich.)、Specol、RIBI、TiterMax、MontanideISA50またはSeppic MONTANIDE ISA 720);非イオン性ブロックコポリマーベースのアジュバント、サイトカイン(例えば、GM-CSFまたはFlat3-リガンド);Merck Adjuvant 65(Merck and Company, Inc., Rahway, N.J.);AS-2(SmithKline Beecham, Philadelphia, Pa.);カルシウム、鉄または亜鉛の塩;アシル化チロシンの不溶性懸濁剤;アシル化された糖;カチオンまたはアニオン誘導体化した多糖ポリホスファゼン生分解性マイクロスフェア;モノホスホリルリピドAおよびQuil Aとして市販されている。GM-CSFまたはインターロイキン2、7もしくは12などのサイトカインもまた、適したアジュバントである。ヘモシアニン(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン)およびヘムエリトリンもまた、アジュバントとして用いられうる。多糖アジュバント、例えば、キチンキトサン、および脱アセチル化キチンなども、アジュバントとして適している。他の適したアジュバントには、ムラミルジペプチド(MDP、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン)、細菌ペプチドグリカンおよびその誘導体(例えば、スレオニルMDPおよびMTPPE)が含まれる。BCGおよびBCG細胞壁骨格(CWS)は、トレハロースジミコレートと共にまたはなしで、アジュバントとして用いられうる。トレハロースジミコレートはそれ自体が用いられうる(例えば、米国特許第4,579,945号を参照)。無毒化エンドトキシンも、単独でまたは他のアジュバントとの組み合わせでアジュバントとして有用である(例えば、米国特許第4,866,034号;同第4,435,386号;同第4,505,899号;同第4,436,727号;同第4,436,728号;同第4,505,900号;および同第4,520,019号を参照)。サポニンQS21、QS17、QS7もまた、アジュバントとして有用である(例えば、米国特許第5,057,540号; EP 0362 279; WO 96/33739; およびWO 96/11711を参照)。他の適したアジュバントには、Montanide ISA 720(Seppic, France)、SAF(Chiron, Calif., United States)、ISCOMS(CSL)、MF-59 (Chiron)、SBASシリーズのアジュバント(例えば、SBAS-2、SBAS-4もしくはSBAS-6またはその変異体、SmithKline Beecham, Rixensart, Belgiumから入手可能)、Detox(Corixa, Hamilton, Mont.)、およびRC-529(Corixa, Hamilton, Mont.)が含まれる。

0068

スーパー抗原もまた、本発明におけるアジュバントとしての使用が企図される。スーパー抗原には、黄色ブドウ球菌および表皮ブドウ球菌由来のα、β、γ、およびδエンテロトキシンなどのブドウ球菌エキソタンパク質(exoprotein)、ならびにα、β、γ、およびδ大腸菌外毒素が含まれる。一般的なブドウ球菌エンテロトキシンは、ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)およびブドウ球菌エンテロトキシンB (SEB)として知られており、E(SEE)までのエンテロトキシンが記載されている(Rott et al., 1992)。化膿連鎖球菌B(SEB)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringen)エンテロトキシン(Bowness et al., 1992)、化膿連鎖球菌由来の細胞質膜結合タンパク質(CAP) (Sato et al., 1994)および黄色ブドウ球菌由来毒素性ショック症候群毒素-1(TSST 1) (Schwab et al., 1993)も用いられうる。

0069

本明細書で提供される薬学的組成物に関して、アジュバントは、例えば、Th1またはTh2タイプの免疫反応を優勢に誘導するように設計されうる。高レベルのTh1タイプサイトカイン(例えば、IFNγ、TNFα、IL-2およびIL-12)は、投与した抗原に対する細胞性免疫反応の誘導にとって有利に働く傾向がある。これに対して、高レベルのTh2タイプサイトカイン(例えば、IL-4、IL-5、IL-6およびIL-10)は、液性免疫反応の誘導にとって有利に働く傾向がある。本明細書で提供される免疫原性ポリペプチドを含む組成物の経口送達に続いて、Th1およびTh2タイプの反応を含む免疫反応が典型的には誘発される。

0070

III.標的化送達ステム
本明細書に記載の回腸送達のための組成物および方法は、以下に記載されているものなど、適切なコーティング、マトリックス、およびデバイスに依拠することができる。

0071

A.腸溶性コーティング、マトリックスおよびデバイス
腸溶性コーティングは、胃の低pH環境から物質を遮蔽し、封入した物質が消化管内のその先の所望の標的に到着するまでそれの放出を遅延させるために用いられる。腸溶性コーティングは公知であり、かつ市販されている。例には、pH感応性ポリマー、生分解性ポリマーハイドロゲル徐放システム、および浸透圧送達システムが含まれる(例えば、Chourasia & Jain (2003) J. Pharm. Pharmaceutical Sci. 6:33を参照)。

0072

胃腸管(GIT)のpHは、胃での強酸性(pH〜2)から回腸でのより中性(pH〜5.8-7.0)へと進行する。回腸でまたは回腸の直前で溶解されるpH感応性コーティングが用いられうる。例には、Eudragit(登録商標)LおよびSポリマー(5.5〜7.0の閾値pH範囲);酢酸フタル酸ポリビニル(pH 5.0)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート50および55(それぞれpH 5.2および5.4)、ならびに酢酸フタル酸セルロース(pH 5.0)が含まれる。Thakral et al. (2013) Expert Opin. Drug Deliv. 10:131は、回腸送達用のEuragit(登録商標)製剤、特にpH≦7.0での送達を確実にするLおよびSの組み合わせを概説する。Crotts et al. (2001) Eur. J Pharm. Biol. 51:71は、適切な崩壊特性を示すEudragit(登録商標)製剤を記載する。Vijay et al. (2010) J. Mater. Sci. Mater. Med. 21:2583は、pH 6.8での回腸送達用のアクリル酸(AA)-メタクリル酸メチル(MMA)ベースのコポリマーを概説する。

0073

回腸送達に関して、ポリマーコーティングは典型的には、約pH 6.8で溶解し、約40分以内に完全な放出を可能にする(例えば、Huyghebaert et al. (2005) Int. J. Pharm. 298:26を参照)。これを達成するために、治療物質は、例えば、最外層が低pH状態から治療物質を保護しかつ錠剤が胃を離れると分解し、少なくとも1つの内層が、上昇するpH内を錠剤が通過するとともに溶解するような、異なるコーティングの層で被覆されうる。遠位回腸への送達のための層状コーティングの例は、例えば、WO2013148258に記載される。

0074

生分解性ポリマー(例えば、ペクチンアゾポリマー)は典型的には、GIT中に生存するミクロフローラ酵素活性に依拠する。回腸は、手前の場所よりもはるかに多くの細菌を収容しており、細菌には乳酸菌および腸内細菌が含まれる。

0075

浸透圧により放出制御される経口送達システム(OROS(登録商標);Alza)は、水性条件で経時的に分解する浸透圧システムの一例である。そのような物質は、回腸に特異的に送達させるために、他のコーティングと共に、または種々の厚さで処理される(例えば、Conley et al. (2006) Curr. Med. Res. Opin. 22:1879を参照)。

0076

回腸への送達用の混合ポリマーはWO2000062820において報告されている。例には、クエン酸トリエチル(2.4 mg/カプセル)を伴うEudragit(登録商標)L100-55(25 mg/カプセル)、およびPovidone K-25(20 mg/錠)とその後のEudragit(登録商標)FS30D(30 mg/錠)が含まれる。pH感応性ポリマーは、上記のように、回腸への送達をもたらすために適用することができ、例えば、メタクリル酸コポリマー(例えば、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1)、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、酢酸フタル酸ポリビニル、酢酸トリメリト酸セルロースカルボキシメチルエチル-セルロース、セラックまたは他の適したポリマーである。コーティング層はまた、pHよりも細菌分解などの他の内腔成分に感応性を有するフィルム形成ポリマー、または別のフィルム形成ポリマーと混合されるとそのような感応性を有する成分から構成されうる。回腸への遅延放出を提供するそのような成分の例は、アゾ結合を含むポリマー、ペクチンおよびその塩などの多糖、ガラクトマンナンアミロースおよびコンドロイチンジスルフィドポリマーおよびグリコシドである。

0077

種々のpH、水分、および酵素感応性を示す成分は、回腸を治療組成物の標的とするために組み合わせて用いられうる。コーティングの厚さもまた、放出を制御するために用いられうる。成分はまた、治療組成物が包埋されるマトリックスを形成するために用いられうる。Frontiers in Drug Design & Discovery (Bentham Science Pub. 2009) vol. 4を概して参照。

0078

B.周波数または無線制御型カプセル
溶解型コーティングおよびマトリックスの代替として、外部から生じたシグナルにより放出を行うカプセルによって、部位特異的送達を行うことができる。Digenis et al. (1998) Pharm. Sci. Tech. Today 1:160に開示のように、初期のモデルは、高周波(HF)シグナルで放出した。当初のHFカプセル概念はその後にアップデートされ、その結果はInteliSite(登録商標)として市場に出た。最新のカプセルは、無線周波数活性化型の非崩壊性送達システムである。カプセルの放射標識は、γシンチグラフィによりGI管の特定の領域内でのカプセル位置の決定を可能にする。カプセルがGI管内の所望の位置に到達すると、外部起動によって、カプセル薬物リザーバーへの一連のウィンドウが開かれる。

0079

いくつかの態様において、免疫原性生物学的作用物質は、無線制御型カプセル中に封入することができ、カプセルは追跡され、回腸に到達するとシグナルが送られる。いくつかの態様において、カプセルは、検出の有無にかかわらず、カプセルが回腸に到着すると予測される時に対応する投与後の所定の時間にシグナルが送られる。

0080

C. 製剤
薬学的組成物は、本明細書に記載のように予防目的および治療目的のために用いられうる。上記に説明したように、薬学的組成物は、投与した免疫原性生物学的作用物質が所望の位置に到達するように、調製され胃分解から保護されうる。経口送達のためのDNAおよび薬物のマイクロカプセル化のための方法は、例えば、US2004043952に記載される。

0081

免疫原性薬学的組成物は、免疫原性生物学的作用物質(例えば、免疫原性ポリペプチド、または免疫原性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド)の薬学的に許容される塩を含みうる。そのような塩は、有機塩基(例えば、一級アミン二級アミン三級アミン、および塩基性アミノ酸の塩)および無機塩基(例えば、ナトリウム塩カリウム塩リチウム塩アンモニウム塩カルシウム塩およびマグネシウム塩)を含む、薬学的に許容される非毒性塩基から調製されうる。塩のいくつかの特定の例には、リン酸緩衝食塩水および食塩水(例えば、経口摂取経鼻送達、または注射のための)が含まれる。

0082

製剤の遅延放出コーティングまたはさらなるコーティングは、技術的理由または薬物放出クロノグラフ制御のために管腔状態に非感応性である他のフィルム形成ポリマーを含みうる。そのような目的のために用いられる物質には、これらに限定されるわけではないが、糖、ポリエチレングリコールポリビニルピロリドンポリビニルアルコールポリ酢酸ビニルヒドロキシプロピルセルロースメチルセルロースエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどが含まれ、単独でまたは混合で用いられる。

0083

分散剤着色剤色素、さらなるポリマー、例えば、ポリ(アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル)、固着防止剤、および消泡剤などの添加剤がコーティング層内に含まれうる。他の化合物は、フィルム厚を増大させる、およびコア物質内への酸性胃液拡散を低下させるために添加されてもよい。コーティング層はまた、所望の機械的特性を得るために、薬学的に許容される可塑剤も含みうる。そのような可塑剤は、例えば、これらに制限されるわけではないが、トリアセチンクエン酸エステルフタル酸エステルセバシン酸ジブチルセチルアルコール、ポリエチレングリコール、グリセリンモノエステルポリソルベート、または他の可塑剤およびそれらの混合物である。可塑剤の量は、各配合に対して、選択されたポリマー、選択された可塑剤、および該ポリマーの適用量に関して最適化されうる。

0084

当技術分野において公知の他の適した薬学的成分は、本発明の薬学的組成物において利用されうる。適した担体には、例えば、水、生理食塩水アルコール脂肪ワックスバッファー固体担体、例えば、マンニトールラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウムサッカリンナトリウム滑石、セルロース、グルコーススクロース、および炭酸マグネシウムなど、または生分解性マイクロスフェア(例えば、ポリ乳酸ポリグリコール酸)が含まれる。適した生分解性マイクロスフェアは、例えば、米国特許第4,897,268号; 同第5,075,109号; 同第5,928,647号; 同第5,811,128号; 同第5,820,883号に開示される。免疫原性ポリペプチドおよび/またはキャリア発現ベクターは、生分解性マイクロスフェア内に封入されうるか、またはマイクロスフェアの表面に結合されうる。

0085

そのような組成物はまた、非免疫原性バッファー(例えば、中性緩衝食塩水、リン酸緩衝食塩水)、糖質(例えば、グルコース、マンノース、スクロースまたはデキストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチドもしくはアミノ酸、例えばグリシンなど、抗酸化剤静菌剤キレート剤、例えばEDTAまたはグルタチオンなど、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、懸濁剤、増粘剤および/または保存剤を含んでもよい。あるいは、本発明の組成物は、凍結乾燥物として製剤化されてもよい。化合物はまた、周知の技術を用いてリポソーム内に封入されてもよい。

0086

IV.免疫反応およびワクチン
本明細書に記載の回腸送達のための薬学的組成物は、薬学的組成物中に含まれる免疫原性生物学的作用物質に特異的な免疫反応を、個体から誘発するように設計される。薬学的組成物は、ワクチンとして予防的または治療的に用いられ、ウイルス感染、細菌感染、寄生体感染、真菌感染、または癌を回避または軽減しうる。薬学的組成物は、任意の段階、例えば、前癌段階、癌段階、もしくは転移段階で処置するため、または疾患もしくは感染を予防するために用いられうる。

0087

例えば、本明細書に記載の組成物は、インフルエンザ、肝炎、もしくはHIVなどの感染を予防もしくは処置するため、または癌の予防もしくは処置のために用いられてもよい。そのような方法の中で、薬学的組成物は典型的には個体に投与され、この個体は、疾患、障害、または感染を患っていてもよく、またはそうでなくてもよい。いくつかの態様において、疾患、障害、または感染は、例えば、当技術分野で一般に認められている基準を用いて、投与前に診断される。例えば、ウイルス感染は、患者からの試料中のウイルス価の測定により診断されてもよく、細菌感染は、患者からの試料中の細菌を検出することにより診断されてもよく、そして、癌は、悪性腫瘍の存在を検出することにより診断されてもよい。薬学的組成物は、原発腫瘍外科的除去および/または処置、例えば放射線療法の実施もしくは従来の化学療法薬の投与などの前または後のいずれかに投与されうる。

0088

免疫療法は典型的には、能動免疫療法であり、この療法では、処置は、内在性宿主免疫システムのインビボ刺激に依存し、免疫反応を改変する作用物質(例えば、免疫原性生物学的作用物質)の投与により、例えば、腫瘍または細菌もしくはウイルスに感染した細胞に対して反応させる。

0089

本明細書に記載の予防的または治療的組成物の投与の頻度は、投与量と同様に、個体によって異なり、標準的技術を用いて容易に確立することができる。典型的には、1から52回分が、52週間にわたって投与されうる。いくつかの態様において、3回分が1ヶ月の間隔で投与されるか、または2〜3回分が2〜3ヶ月毎に投与される。いくつかの態様において、2種類以上の抗原の組み合わせを同時にまたは連続的に投与することができ、例えば、年1回のインフルエンザワクチンは、インフルエンザの各サブタイプまたは1つのサブタイプ内の複数のクレードに対する個々の成分を含む。いくつかの態様において、間隔は、むしろ年1回、例えば、流行している特定の菌株に基づく年1回のインフルエンザワクチンがよりふさわしい。ブースターワクチン接種は、その後定期的に行われうる。代替のプロトコールは、個々の患者ならびに特定の疾患および障害に対して適切である可能性がある。

0090

適した用量は、上記のように投与したときに免疫反応、例えば、抗腫瘍抗ウイルス、または抗細菌免疫反応を促進することができ、基礎(未処置)レベルを少なくとも15〜50%上回る、または非回腸標的化処置のレベルを少なくとも5〜50%(例えば、5%、10%、20%、30%、50%、1.5倍、2倍、またはそれより多く)上回る、免疫原性生物学的作用物質の量である。そのような反応は、患者における抗腫瘍抗体を測定することにより、または、例えば、患者の腫瘍細胞、患者のウイルス感染細胞、または患者の細菌感染細胞をインビトロで殺傷することができる細胞溶解性T細胞のワクチン依存的発生によりモニターすることができる。そのようなワクチンはまた、ワクチン接種を行っていない患者、または非回腸標的化処置を受けた患者と比較して、ワクチン接種を受けた患者において臨床転帰の改善(例えば、完全なまたは部分的なまたはより長期の無病生存期間、ウイルス価の低下)につながる免疫反応も生じうる。

0091

概して、適切な投与量および処置計画は、治療的および/または予防的有用性を提供するのに十分な量で活性化合物を提供する。そのような反応は、非回腸標的化処置により処置された患者、または非処置患者と比較して、処置患者における臨床転帰の改善(例えば、ウイルス価の低下または陰性のウイルス価、寛解の頻度の増大、完全なもしくは部分的な、またはより長期の無病生存期間)を確立することによりモニターされうる。そのような免疫反応は一般的に、上記の増殖、細胞傷害性またはサイトカインの標準的アッセイを用いて評価することができ、処置前および処置後の患者から得た試料を用いて実施することができる。

0092

例えば、免疫原性ポリペプチドと免疫原性ポリペプチドに特異的な抗体との間で体液中に形成される免疫複合体の検出は、例えば、免疫原性ポリペプチドが関連する疾患または障害に対する、治療の有効性をモニターするために用いられうる。治療(例えば、回腸標的化療法)の開始前および開始後に個体から採取した体液の試料は、公知の方法を用いて免疫複合体について分析されうる。簡単に言うと、両方の試料において検出される免疫複合体の数を比較する。第1の試料(標的化療法前)と比較した第2の試料(標的化療法後)における免疫複合体の数の有意な変化は治療の成功を反映する。

0093

V. 実施例
低分子を腸に送達するための薬学的方法は公知であるが、適切な免疫認識のために腸へ大きな生物製剤を送達する能力はほとんど理解されていない。マウスは、丸剤嚥下することができないため、動物モデルにおいて錠剤による試験を行うことは難しい。さらに、遺伝子導入抗原への反応を誘発するためにワクチンベクターを送達するのに最適な場所の位置は、ヒトでは特徴づけられていない。ヒツジでは、空腸が、アデノウイルスにコードされた遺伝子導入抗原への免疫反応を誘発するのに最も有効な標的であることが示されている(Mutwari et al. (1999) Immunology 97:455)。本明細書において、本発明者らは、生物学的作用物質の送達用の改善されたヒト経口投与形態による、複数のヒトまたは非ヒト霊長類の試験の結果を示す。

0094

実施例1
小腸のどの領域が抗原に対する免疫反応を誘導するのに最も有効であるかを決定するために、ヒトにおいて試験を行った。無線制御型カプセルを健康な正常ボランティアに与え、小腸の初期(空腸)または小腸の後期(回腸)のいずれかでワクチンを放出させた。低分子薬物の送達用の無線制御型カプセルの使用は記載されているが、ワクチン送達については記載されていない(Digenis et al. (1991) Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst. 7:309)。

0095

ワクチンは、A/CA/04/2009由来のインフルエンザ抗原HAを発現する組換えアデノウイルス(rAd-HA-dsRNA)から構成された(例えば、US2012/0244185を参照)。合計で1011感染単位(IU)を0日目に各対象に与えた。ワクチンの投与後0日目および7日目に抗体分泌細胞(ASC)アッセイにより、末梢血中の循環プレ形質B細胞の数を測定した。結果は、抗原HAを認識するASCの数のみを測定する。

0096

結果は、処置群のそれぞれにおいて免疫後7日目にASCを測定できたことを示す(図1)。平均反応は、空腸投与群より回腸投与群で高かった。0日目のバックグラウンドASCは無視できるものであった。回腸に関して、7日目に、340 +/- 111(標準誤差)IgGASCおよび74 +/- 18IgAASCの平均値を認めた。空腸に関して、平均値および標準誤差反応は、118 +/- 30 IgG ASCおよび28 +/- 8 IgA ASCであった。回腸群は、プラセボとは有意に異なっていた(7日目のIgA ASCはP=0.03、IgG ASCはより高い傾向でp=0.07)。ヒツジでの結果に反して、ヒトでの結果は、回腸送達は、空腸送達よりIgGまたはIgA抗体反応の誘発で強力であることを示している。

0097

ELISPOT(登録商標)アッセイを用いてインターフェロンγ放出(IFN-γ)を検出することにより、T細胞応答についても決定した。図2は、投与後7日目に、回腸投与群の12/12は、空腸投与群の8/12と比較して、IFN-γのレベルが上昇していたことを示す。加えて、IFN-γレベルは、空腸投与群より回腸投与群で有意に高かった。

0098

インフルエンザA/CA/07/2009に対するマイクロ中和(MN)抗体価を測定した。MN抗体レベルの上昇は、中和抗体反応の指標である。40より大きな初期中和抗体反応を有した対象を除外した後(Faix et al. (2012) PloS One 7:e34581)、MN価の増加倍数を個々の対象についてプロットした。正の増加を示す対象の数は、回腸送達ワクチンでは10人のうち9人であったのに対して、空腸送達ワクチンでは10人のうち6人であった(図3)。幾何平均力価(GMT)は2群間でほぼ同等であり、回腸GMTが22から92に上昇するのに対し、空腸GMTは18から90に上昇した。結果は、おそらくインフルエンザに対して保護された対象の割合の増大につながる、インフルエンザに対する中和抗体反応の誘導では、回腸放出がより信頼性が高いことを示している。

0099

実施例2
流動性補助剤(flow aid)としてヒュームドシリカおよび錠剤滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを含み、放射線不透過性物質として10%硫酸バリウムを組み込む、微結晶セルロース(PH-101、FMC)およびデンプン(Starch 1500、Colorcon)を用いて、錠剤を手作りした。腸溶性コーティングを加えたかどうかのガイドとして10%コーティング固形物重量増加を用いて、7.14 mm直径かつ150 mg重量の錠剤をパンコーティング機(pan coater)でEudragit(登録商標)L-100によりコーティングした;コーティング固形物は、クエン酸トリエチルを1およびタルクを1に対してEudragit(登録商標)ポリマーを4の割合で含んだ。腸溶性コーティング性能の初回試験として、4匹のカニクイザルに経口胃管を用いて錠剤を与えた。経口胃管は固体かつ硬質であるが、液体注入するために下方がくり抜かれている。経口胃管は、硬質管の先端部に、適所に小さな錠剤を保持することができる柔軟なシリコン管を備える。先端部が噴門括約筋を通過し胃の中に入るまで、管と丸剤との装置を拘束したサルの食道の下へと挿入した。丸剤を胃の中へと移動させるために、オレンジジュースの流れを用いた。設定した時点でX線撮影を行い、錠剤の位置および溶解を調べた。表1は結果を要約する。

0100

(表1)L-100コーティング性

0101

図4は、錠剤が胃の低pH環境中で完全に無傷であったこと;錠剤の早すぎる溶解の証拠がなかったことを示す。サルにとっては大きいにもかかわらず、錠剤は無傷で胃を通過し腸内に入ることができた。腸では、それらは適度な速度で溶解し、4匹のうち3匹のサルで完全に溶解した。4匹目のサルでは、丸剤は3時間後しばらくして胃から離れ、最後のX線撮影の時には溶解していなかった。全体として、錠剤は許容可能な形で機能し、Eudragit(登録商標)L-100コーティングを今後のヒト試験のために選択した。

0102

実施例3
H1季節性インフルエンザに対する組換えAd血清型5(rAd5)ベースの経口ワクチンの安全性および免疫原性を評価するために、ランダム化プラセボ対照コホートによる第1相の連続登録方式による臨床試験を完了した。rAd5ベクター(A/CA/04/2009由来のHAを有するrAd-HA-dsRNA)を実施例1に記載した。試験は、およそ3ヶ月の試験期間を有し、適用可能なGood Clinical Practiceガイドライン、the United States Code of Federal Regulation、およびInternational Conference on Harmonizationガイドラインにしたがって実施された。リスクの説明の後に全ての対象からインフォームドコンセントを得た。対象への投薬前にIRB承認が与えられた。

0103

優良医薬品製造基準(GMP)グレードのrAd-HA-dsRNAを、Lonza Biologicals (Houston, TX)にてWave(登録商標)バッグ(GE Healthcare, Waukesha, WI)で作製した。イオン交換クロマトグラフィ、続いてバッファー交換により、精製を行った。精製したベクターを賦形剤と混合し、凍結乾燥し、次いで、錠剤化バルクとして微結晶セルロースおよびデンプンを用いてLonzaにて錠剤化した。Vector HiCoater(登録商標)LDCS-5コーティング機(Vector Freund, Cedar Rapids, IA)を用いて、Eudragit(登録商標)L 100(Evonik Industries, Darmstadt, Germany)で錠剤を腸溶性コーティングした。最終製品一括して1ロット吐出し、標準的なIUアッセイにより力価を測定した。腸溶性コーティングされていない、150 mgの微結晶セルロースを含む同様のサイズかつ形状の錠剤として、プラセボを準備した。試験は、導入遺伝子に対する免疫反応を誘発する能力について109 IU、1010 IU、およびプラセボで処置した対象を比較した。対象には0日目と28日目に錠剤が与えられた。

0104

末梢血中の循環プレ形質B細胞の数を、初回投薬後の0日目および7日目、ならびに2回目の投薬後の28日目および35日目(2回目の投薬は28日目に送達された)にASCアッセイにより測定した。結果は、処置群では各免疫後7日目にASC数が測定できたが、プラセボ群では測定できなかったことを示す(図5)。平均反応は7日目で高く、低用量群より高用量群でより高かった。0日目および28日目のバックグラウンドASCは無視できるものであった、また、プラセボ群では全ての時点で無視できるものであった。高用量群に関して、7日目および35日目それぞれについて、105 +/- 33 ASCおよび27 +/- 12 ASCの平均値が認められた。低用量群に関して、平均ASCは、7日目および35日目についてそれぞれ41 +/- 32および14 +/- 8であった。プラセボ群は、7日目および35日目についてそれぞれ0.3 +/- 0.3および0の平均値を有した。高用量群は、プラセボより有意に高かった(7日目および35日目についてそれぞれP=0.01および0.05)。

0105

インフルエンザに対する中和抗体反応をMNアッセイにより測定した。結果は、処置群対プラセボ対照におけるMN価の用量依存的増加を示す(図6)。高用量群において少なくとも2倍増加を示すMNレスポンダーの頻度は、プラセボ群より有意に異なっていた(フィッシャーの正確確率検定によりP=0.003)のに対して、低用量は高い傾向にあるが、プラセボより有意に高いものではなかった(P=0.2)。40より大きなMN価を有した対象を除去した後、残りの対象において幾何平均力価(GMT)を計算した(表2)。56日目の幾何平均力価反応倍数(Geometric Fold Titer Response)(GMFR)も計算した(表2)。これらの結果は、インフルエンザに対する中和抗体価が経口免疫により生じていて、高用量群では免疫後のGMTの増加は3倍を上回ることを示す。これらの結果は、L 100でコートされた錠剤は腸へのワクチン送達のために用いることができることを示す。

0106

(表2)MN≦40を示す対象のMN価のGMT変化

0107

実施例4
本発明者らは、腸溶性コーティングのパラメーターをインビトロで試験し、種々のpHおよびコーティング割合による溶解時間を測定した。データは、回腸に到達する前の低pHでの胃曝露(胃の中など)およびその後に続く増加するpH勾配(十二指腸および空腸で認められるような)の通過による回腸送達についてのガイドラインを提供する。

0108

上記のように調製し、かつ有機溶媒懸濁剤として適用したEudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)L100-55、またはL100ポリマーとL100-55ポリマーとの1:1(w/w)混合物を利用して8、10、または12%総固体重量増加でコーティングした150 mg錠剤を用いて、錠剤崩壊を試験した。二つ組で、各コーティングポリマーを用いてかつ各レベルのコーティング適用で調製した錠剤を、VanKel Bio-Dis III往復運動シリンダ溶解試験装置で37℃にて10浸漬/分(DPM)の往復運動速度でUSP刺激胃液(SGF、pH 1.6、ペプシンなし)に120分間予め曝露した。次いで、錠剤をUSP刺激腸液(SIF、pH 6.8、パンクレアチンなし)に移した。錠剤を崩壊について観察し、両方の錠剤の崩壊が完了する時間を、最も近い5分単位の時間で記録した。データは、崩壊時間ポリマー組成と厚さの両方によって影響を受けることを示し、錠剤が胃を出た後のコーティングの動態に影響を与えるコーティング組成の適切な選択に関するガイダンスを提供する。

0109

崩壊時間に対するpHの作用を、Eudragit(登録商標)L100またはEudragit(登録商標)L100-55のいずれかによって10%総固体重量増加でコーティングされた150 mg錠剤を用いて試験した。USP SIF(パンクレアチンなし)のpHを6.8のUSP規格を包含する値に調整することにより、一連のバッファーを調製した。錠剤を、37℃かつ10DPMで120分間USP SGF(ペプシンなし)に予め曝露し、次いで、pHを改変したUSP SIF溶液に移した。錠剤を崩壊について観察し、崩壊が完了する時間を最も近い5分単位の時間で記録した。データは、崩壊の速度は周囲のpHにより影響を受け、かつ2種類のポリマー間で異なっていることを示す。この場合も、この結果は、胃および小腸上部を通じた薬物保持を達成するためのコーティング組成の適切な選択のために用いることができる。

0110

実施例5
本発明者らは、ランダム化プラセボ対照コホートによる第1相の連続登録方式による試験を行い、H1季節性インフルエンザに対する組換えAd血清型5(rAd5)ベースの経口ワクチンの安全性および免疫原性を評価した。ワクチンを含む錠剤を本明細書に記載のようにコーティングし、回腸で溶解させた。データは、インフルエンザに対する中和抗体反応の誘発に関して、経口錠剤ワクチンが既存のワクチンに対する競争力を有している可能性があることを示す。

0111

赤血球凝集抑制(HAI)反応を0日目および28日目に測定した(図7A)。プラセボ処置対象はいずれも抗体陽転しなかったが、1人のプラセボ対象はスクリーニングくぐり抜け、0日目に高い値を有した。ワクチン対象のいずれも開始HAI価>20を有した。免疫後、ワクチン群では9人の対象が血清抗体保有レベル(HAI≧40)に到達した(図7A)。ワクチン群の幾何平均力価(GMT)は、61.1(95%CI:30-124)であり、7.9(95% CI:6-11)の初期GMTに対して7.7倍の幾何平均増加倍数(GMFR)であった。4倍増加した11人(92%)のうち、9人は抗体陽転し(SC)、残りの2人の対象は5から20へとHAI価の4倍増加を示した。ワクチン群は、プラセボに対して4倍レスポンダーの数の統計的に有意な増加を有した(11対0、フィッシャーの正確確率検定によりP<0.0000を示す)。プラセボ対象は、0日目の11.0のGMT(95% CI:5-23)に対して28日目に11.9のGMT(95% CI:6-25)を有した。

0112

抗体反応の持続性を、免疫後180日目のHAI反応を調べることにより測定した。ワクチン免疫群では、対象の75%(12人のうち9人)が28日目に血清抗体を保有し、75%(12人のうち9人)が180日目に未だ血清抗体を保有した。HAIGMTをプロットし(図7B)、GMTの減少が免疫後28日目と180日目の間で28%であることを見出した。

0113

インフルエンザに対する中和抗体反応をMNアッセイにより測定した。プラセボ対照に対して処置群においてMN価の有意な増加が観察された(図7C)。ワクチン処置群における4倍MNレスポンダーの頻度は、プラセボ群とは有意に異なっており、ワクチン処置群において11人の対象が反応するのに対しプラセボ群では0人だった(フィッシャーの正確確率検定によりP<0.0000)。

0114

40より大きなベースラインMN価(およびHAI価)を有した対象を取り除いたのち、残りの対象において、以下の表に示すように0日目および28日目に幾何平均力価(GMT)を計算した。ワクチン群のGMTは247(95CI:89-685)に上昇したのに対し、プラセボでは9.6(95 CI:5-18)の28日目GMTで上昇しなかった。対象のいずれも高い初期MN価またはHAI価を有していなかったことから、これらの計算はワクチン群への影響を有さなかった。これらの結果は、インフルエンザに対する中和抗体価が経口免疫により生じ、免疫後にワクチン処置群において20倍を上回るGMTの増加があることを示す。

0115

HAに対する総抗体反応を測定するために、免疫後0日目および7日目に、末梢血中の循環プレ形質B細胞の数をASCアッセイにより測定した。結果は、ワクチン処置群において7日目に、ASCを確実に測定できたことを示す(図7D)。0日目のバックグラウンドASCは概して無視できるものであった。ワクチン処置群に関して、1×106個のPBMCあたり992(+/-標準誤差209、95%CI:532-1452)IgGASCおよび337IgAASC(+/-標準誤差 104、95% CI:117-580)の平均値が7日目に認められ、12人の対象のうち1人だけが検出可能なASC反応を有していなかった。プラセボ群は7日目にIgAスポットを有していなかったが、1人の対象は高いバックグラウンドスメア、および通常観察されるものより小さなスポットを示す測定可能なIgG ASC反応を有した。7日目にIgG ASCまたはIgA ASC反応を誘発する能力に関して、処置群はプラセボとは有意に異なった(T検定によりそれぞれ、P=0.0007およびP=0.008)。

0116

免疫前および免疫後の抗ベクター価について、対象を遡及的に測定した。経口免疫後に、ワクチン処置した数人の対象は、Ad5に対する中和抗体反応の増加を有し、プラセボ処置対象における1.0倍のGM増加倍数と比較して、2.6倍のGM中和抗体価の増加がもたらされた。ワクチン群では、HAI反応およびMN反応は、個々の対象で同様の傾向を示した。8人の対象は免疫前にAd5陰性であり、4人は免疫前にAd5陽性であった。Ad5陽性だった1人の対象はHAI抗体陽転しなかったが、Ad5陽性だった1人の対象は、本試験における対象の全てのなかで最も高いHAI価の増加(64倍)を有した。この同じ対象は、免疫前および免疫後のAd5中和抗体価を何ら増加させることなく、362倍のMN価を得た。錠剤ワクチンにより免疫した対象では、開始Ad5価とMN反応(またはHAI反応)倍数の間に相関関係は認められなかった。

0117

さらに、本明細書に開示の錠剤ワクチンは、室温で270日を上回って安定であり、かつ短期間の高温に耐えることができ、それによってこのアプローチは技術的に実現可能なものとなる。

0118

実施例5 考察
は、軍人において中和抗体反応に対する季節性ワクチンキャンペーンの効果を測定するために独自の試験を行い、開始時に40を上回るMN価を有した対象を明らかにした後に、三価の不活性ワクチン(TIV)注射後に5.6のMN価GMFR、および弱毒生インフルエンザワクチン(LAIV)経鼻投与後に2.2のGMFRを報告した(Faix et al. (2012) PloS one 7:e34581)。別の試験において、H1N1に対するSC率が、45 μgのHAタンパク質(アジュバントなし)の1回注射では45%であることが見出され(Gordon et al. (2012) Vaccine 30:5407)、一方別の試験では、H1N1ワクチンは、高い免疫原性を有し、1用量のスプリットワクチン後に78%のSC率が認められた(Greenberg et al. (2009) 361:2405)。

0119

注射型ワクチンで認められるさまざまな結果とは対照的に、本試験では、MNGMFRは、12人のワクチン処置対象について29と計算され、92%の対象が4倍を上回るMN価の上昇を示した。本錠剤試験では、ワクチン処置対象内のHAI SC率は75%であり、92%を超える対象がHAI価の4倍上昇を有した(図7A)。MN価はHAI価より高かった。MNアッセイがより感応性であるか、またはrAdベースの経口ワクチンがタンパク質注射型ワクチンより強力な中和反応を頭部(head region)の外側で誘発する可能性がある。

0120

HAI反応は、注射型の市販のワクチンによって誘発されるが、HAI価は減弱することが公知である。例えば、非HIV感染ボランティアは、免疫後1から6ヶ月の間にGMT HAI価は67%下落する(Crum-Cianflone et al. (2011) Vaccine 29:3183)。同様に、血清抗体を保有する対象の割合も、血清反応陰性のHAI価(≦1:10)で登録したHIV陰性対象で75%から56%に下降した。パンデミックインフルエンザワクチンによる試験もまた、持続性の低下を示している。AS03トリインフルエンザワクチン試験では、GMTは2回のワクチン投薬後に563に達したが、免疫後6ヶ月で、GMTは18に下降しており、96%減少している(Leroux-Roels et al.(2010) Vaccine 28:849)。本錠剤ワクチン試験では、血清抗体保有対象の割合は、免疫後1ヶ月および6ヶ月で75%と一定のままであり、HAI GMT価の下降はあまり劇的ではなく、わずか28%の減少のみを示した(図7B)。T細胞応答が増強されるため、ベクターベースのワクチンの持続性がより良好であるというのが、1つの可能性である。

0121

実施例5 材料と方法
臨床プロトコールおよび登録。登録の45日以内に、対象を赤血球凝集抑制(HAI)価についてプレスクリーニングした。試験参加の資格を有するためには、対象は、≦1:20の初期HAI価を有し、18〜49年齢であり、かつ良好な健康状態でなければならなかった。試験の試験期間は28日目までであり、安全性をモニタリングするためのフォローアップ期間を1年間続けた。

0122

24人の対象を登録した。登録した全ての対象について、試験期間および180日のモニタリング期間にわたって、安全性および免疫原性の評価を完了した。

0123

ランダム化およびマスキング。プラセボ対照を与えた12人の対象と共に、12人の対象において1×1011感染単位(IU)の単回投与でのワクチン(VXA-A1・1)を評価するように、試験を設計した。3人は、各対象が24時間毎に1回以下の頻度投与される、連続登録センチネル(sentinel)ワクチン処置対象であった。1週間、ワクチン関連毒性をモニターした後、処置コホートの残りの対象(9人)を、12人のプラセボ対照と共にランダム化した。ランダム化をコンピュータ生成割り当てにより行い、割り当てを隠されていない薬剤師によって割り当てが隠されているスタッフに、氏名を隠して試験薬物配布した。全ての調査箇所のスタッフ、ならびに臨床安全性の免疫学的アッセイまたは評価に直接関与する人に、処置割り当てを隠した状態にした。本試験において全ての対象に割り当てが隠された。

0124

ワクチン。rAdベクター(非複製Ad5)は、CMVプロモーターによりその発現が駆動されるHA(A/CA/04/2009)導入遺伝子、および別のプロモーターにより駆動される分子dsRNAヘアピンをコードするDNAを保有する。GMP原薬を、Lonza Biologicals (Houston, TX)にてWaveバッグ(GE Healthcare, Waukesha, WI)で作製した。イオン交換クロマトグラフィ、続いてバッファー交換により、精製を行った。精製したベクターを賦形剤と混合し、凍結乾燥し、次いで、錠剤化バルクとして微結晶セルロースおよびデンプンを用いてLonzaにて錠剤化した。Vector Hi-Coaterシステム(Vector Freund, Cedar Rapids, IA)を用いて、Eudragit L100(登録商標) (Evonik Industries, Darmstadt, Germany)で錠剤を腸溶性コーティングした。最終製品を1ロットで吐出し、Lonzaにて標準的なIUアッセイにより力価を測定した。プラセボを、腸溶性コーティングされていない、150 mgの微結晶セルロースを含む同様のサイズかつ形状の錠剤として準備した。

0125

エンドポイント。試験期間を通じて、本試験の主要エンドポイントは安全性であり、二次エンドポイントは、主にHAI価およびHAI抗体陽転による、免疫原性である。さらなる免疫学的エンドポイントには、MN価およびASCが含まれる。プラセボ群では5件の有害事象が、ワクチン群では4件の有害事象があり、これらのいずれも重症度はグレード1であった。試験中、重篤な有害事象は報告されなかった。

0126

PBMC単離および凍結保存。血液をK3EDTAVacutainer(登録商標)管(BD, Franklin Lakes, NJ)中に収集し、Lymphoprep(商標)管(Axis-遮蔽, Norway)を用いてPBMCを同日に単離した。製造者による説明書(Cellular Technology Ltd [CTL], Shaker Heights, OH)にしたがって、無血清試薬を用いて、PBMCを凍結および解凍した。

0127

抗体分泌細胞(ASC)。製造者の説明書(Mabtech, Mariemont, OH)にしたがって、IgGおよびIgA分泌B細胞に対する酵素結合免疫吸着(ELISpot)キットを実施した。CTL-Test培地三つ組ウェルにおいて細胞を培養し(1ウェルあたり1.5×104個から5×105個の細胞)、スポットを最適化した。ビオチン化キット(Pierce, Rockford,IL)を用いて、HAタンパク質(Protein Sciences Corp, Meriden, CT)をビオチン化および定量化した。

0128

抗体アッセイ。HAI価およびマイクロ中和(MN)価を行い、A/CA/07/2009由来のMDCKおよびA/CA/07/2009由来の卵それぞれに対して測定した。10未満のHAI価およびMN価を、規制当局アドバイスによって示唆されたように5として記録した。

0129

統計解析独立スチューデント「t」検定を行い、群間有意差を試験した。本明細書に記載したように、両側フィッシャーの正確確率検定を用いて、観察された頻度が一部の解析では異なっていたかどうか判定した。両方の検定で、≦0.05のP値を有意と見なした。95%信頼区間(95CI)が測定値に与えられた。

実施例

0130

本明細書に記載の実施例および態様は単に例示を目的としたものであり、それらに照らし種々の変更または変形が当業者に提示され、また、本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるべきであることが理解される。本明細書で引用した全ての刊行物、特許、特許出願、ウェブサイト、およびデータベースアクセッションエントリは、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。

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