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図面 (1)

課題

インク組成物を調製するときに、溶媒への溶解性を向上させることができるイオン性化合物及び有機エレクトロニクス材料を提供する。また、前記イオン性化合物を用いた有機エレクトロニクス材料、インク組成物及び有機エレクトロニクス素子を提供する。

解決手段

下記式で表されるカチオン及びアニオンを含有するイオン性化合物。式中、Cはカチオンを表し、Rd、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。l、m、n及びoは、それぞれ独立に、1〜5の整数を表す。

概要

背景

有機エレクトロニクス素子は、有機物を用いて電気的な動作を行う素子であり、省エネルギー、低価格、及び柔軟性等の特長を発揮できると期待され、従来のシリコン主体とした無機半導体に替わる技術として注目されている。

有機エレクトロニクス素子の一例としては、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子ということもある。)、有機光電変換素子、及び有機トランジスタなどが挙げられる。

有機エレクトロニクス素子の中でも有機EL素子は、例えば、白熱ランプ、及びガス充填ランプ等の代替えとして、大面積ソリッドステート光源用途として注目されている。また、フラットパネルディスプレイFPD)分野における液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わる最有力の自発光ディスプレイとしても注目されており、製品化が進んでいる。

近年、有機EL素子の発光効率及び寿命を改善する目的で、電荷輸送性化合物電子受容性の化合物を混合して用いる試みがなされている。

例えば、特許文献1には、正孔輸送性高分子化合物に、電子受容性化合物としてトリス(ペンタフルオロフェニルボラン(Tris(pentafluorophenyl)borane)を、湿式成膜法により混合して正孔注入層を形成することが開示されている。

また、特許文献2には、電荷輸送膜用組成物として、イオン化合物電荷輸送性化合物とからなる組成物が開示されている。

一方、有機EL素子は、用いる材料により、低分子型有機EL素子又は高分子型有機EL素子の2つに大別される。高分子型有機EL素子は、有機材料高分子材料により構成されており、真空系での成膜が必要な低分子型有機EL素子と比較して、インクジェットなどによる簡易成膜が可能なため、今後の大画面有機ELディスプレイには不可欠な素子として期待されている。

また、有機EL素子では、発光効率及び素子寿命を向上させるため、有機層多層化が行われている。

低分子型有機EL素子の作製では、用いる材料を順次変更しながら蒸着を行うことで容易に多層化が達成できる。一方、高分子型有機EL素子の作製では、インクジェットといった湿式プロセスを用いて成膜するため、上層を塗布する際に下層が溶解しない方法が求められる。

この要求に対処するために、特許文献3及び4では、シロキサン化合物、又は、オキセタン基もしくはビニル基等の官能基を有する化合物を用い、重合反応を利用して化合物の溶解度を変化させ、薄膜溶剤に対して不溶化する方法が検討されている。

重合反応を利用するには、通常、光、又は熱等の刺激により反応又は分解して、酸、塩基、又はラジカル等を発生する適切な重合開始剤が添加される。

上記重合開始剤として、特許文献5には、ヨードニウム化合物を用い、光によって酸を発生させることが開示されている。

概要

インク組成物を調製するときに、溶媒への溶解性を向上させることができるイオン性化合物及び有機エレクトロニクス材料を提供する。また、前記イオン性化合物を用いた有機エレクトロニクス材料、インク組成物及び有機エレクトロニクス素子を提供する。下記式で表されるカチオン及びアニオンを含有するイオン性化合物。式中、Cはカチオンを表し、Rd、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。l、m、n及びoは、それぞれ独立に、1〜5の整数を表す。なし

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、本発明の実施形態は、溶解性を向上させることができるイオン性化合物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記式で表されるカチオン及びアニオンを含有するイオン性化合物。(式中、Cはカチオンを表し、Rd、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。l、m、n及びoは、それぞれ独立に、1〜5の整数を表す。)

請求項2

前記アニオンが下記式で表される、請求項1に記載のイオン性化合物。(式中、Rd、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。l、m、n及びoは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。)

請求項3

Rd、Re、Rf及びRgのそれぞれは、互いに同一である請求項1又は2に記載のイオン性化合物。

請求項4

Rd、Re、Rf及びRgのそれぞれは、トリフルオロメチル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン性化合物。

請求項5

前記アニオンが下記式で表される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオン性化合物。

請求項6

前記カチオンが下記式で表される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のイオン性化合物。(式中、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。)

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載のイオン性化合物と、電荷輸送性化合物とを含有する、有機エレクトロニクス材料

請求項8

前記電荷輸送性化合物が、芳香族アミン構造を含む単位、カルバゾール構造を含む単位、及びチオフェン構造を含む単位からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項7に記載の有機エレクトロニクス材料。

請求項9

前記電荷輸送性化合物がポリマー又はオリゴマーである、請求項7又は8に記載の有機エレクトロニクス材料。

請求項10

前記電荷輸送性化合物が1つ以上の重合性官能基を有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料。

請求項11

前記重合性官能基がオキセタン基エポキシ基、及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項10に記載の有機エレクトロニクス材料。

請求項12

請求項7〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料と、溶媒とを含むインク組成物

請求項13

前記溶媒が非極性有機溶媒である、請求項12に記載のインク組成物。

請求項14

請求項7〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料、又は、請求項12又は13に記載のインク組成物を用いて形成された有機層を含む、有機エレクトロニクス素子

請求項15

前記有機層が、重合により不溶化した層である、請求項14に記載の有機エレクトロニクス素子。

請求項16

前記有機層上に、さらに別の層を成膜し、多層化した、請求項15に記載の有機エレクトロニクス素子。

請求項17

さらに基板を有し、前記基板が樹脂フィルムである、請求項14〜16のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。

技術分野

背景技術

0002

有機エレクトロニクス素子は、有機物を用いて電気的な動作を行う素子であり、省エネルギー、低価格、及び柔軟性等の特長を発揮できると期待され、従来のシリコン主体とした無機半導体に替わる技術として注目されている。

0003

有機エレクトロニクス素子の一例としては、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子ということもある。)、有機光電変換素子、及び有機トランジスタなどが挙げられる。

0004

有機エレクトロニクス素子の中でも有機EL素子は、例えば、白熱ランプ、及びガス充填ランプ等の代替えとして、大面積ソリッドステート光源用途として注目されている。また、フラットパネルディスプレイFPD)分野における液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わる最有力の自発光ディスプレイとしても注目されており、製品化が進んでいる。

0005

近年、有機EL素子の発光効率及び寿命を改善する目的で、電荷輸送性化合物電子受容性の化合物を混合して用いる試みがなされている。

0006

例えば、特許文献1には、正孔輸送性高分子化合物に、電子受容性化合物としてトリス(ペンタフルオロフェニルボラン(Tris(pentafluorophenyl)borane)を、湿式成膜法により混合して正孔注入層を形成することが開示されている。

0007

また、特許文献2には、電荷輸送膜用組成物として、イオン化合物電荷輸送性化合物とからなる組成物が開示されている。

0008

一方、有機EL素子は、用いる材料により、低分子型有機EL素子又は高分子型有機EL素子の2つに大別される。高分子型有機EL素子は、有機材料高分子材料により構成されており、真空系での成膜が必要な低分子型有機EL素子と比較して、インクジェットなどによる簡易成膜が可能なため、今後の大画面有機ELディスプレイには不可欠な素子として期待されている。

0009

また、有機EL素子では、発光効率及び素子寿命を向上させるため、有機層多層化が行われている。

0010

低分子型有機EL素子の作製では、用いる材料を順次変更しながら蒸着を行うことで容易に多層化が達成できる。一方、高分子型有機EL素子の作製では、インクジェットといった湿式プロセスを用いて成膜するため、上層を塗布する際に下層が溶解しない方法が求められる。

0011

この要求に対処するために、特許文献3及び4では、シロキサン化合物、又は、オキセタン基もしくはビニル基等の官能基を有する化合物を用い、重合反応を利用して化合物の溶解度を変化させ、薄膜溶剤に対して不溶化する方法が検討されている。

0012

重合反応を利用するには、通常、光、又は熱等の刺激により反応又は分解して、酸、塩基、又はラジカル等を発生する適切な重合開始剤が添加される。

0013

上記重合開始剤として、特許文献5には、ヨードニウム化合物を用い、光によって酸を発生させることが開示されている。

先行技術

0014

特開2003−31365号公報
特開2006−233162号公報
国際公開第2008/010487号
特開2009−196982号公報
特開2007−302886号公報

発明が解決しようとする課題

0015

しかし、従来の熱酸発生機構を有する重合開始剤は、極性溶媒への溶解性は高いが、トルエンなどの非極性溶媒には溶解性が低い場合が多く、インク溶媒選択性が少なくなる恐れがある。

0016

本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、本発明の実施形態は、溶解性を向上させることができるイオン性化合物を提供することを目的とする。本発明の他の実施形態は、前記イオン性化合物を用いた有機エレクトロニクス材料、インク組成物、及び有機エレクトロニクス素子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の構造を有するイオン性化合物が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0018

本発明の実施形態は、次のものに関する。

0019

<1> 下記式で表されるカチオン及びアニオンを含有するイオン性化合物。

0020

0021

式中、Cはカチオンを表し、Rd、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。l、m、n及びoは、それぞれ独立に、1〜5の整数を表す。

0022

<2> 前記アニオンが下記式で表される、<1>に記載のイオン性化合物。

0023

0024

式中、Rd、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。l、m、n及びoは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。

0025

<3> Rd、Re、Rf及びRgのそれぞれは、互いに同一である<1>又は<2>に記載のイオン性化合物。

0026

<4> Rd、Re、Rf及びRgのそれぞれは、トリフルオロメチル基である<1>〜<3>のいずれか1項に記載のイオン性化合物。

0027

<5> 前記アニオンが下記式で表される、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のイオン性化合物。

0028

0029

<6> 前記カチオンが下記式で表される、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のイオン性化合物。

0030

0031

式中、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。

0032

<7> <1>〜<6>のいずれか1項に記載のイオン性化合物と、電荷輸送性化合物とを含有する、有機エレクトロニクス材料。

0033

<8> 前記電荷輸送性化合物が、芳香族アミン構造を含む単位、カルバゾール構造を含む単位、及びチオフェン構造を含む単位からなる群から選択される少なくとも1つを含む、<7>に記載の有機エレクトロニクス材料。

0034

<9> 前記電荷輸送性化合物がポリマー又はオリゴマーである、<7>又は<8>に記載の有機エレクトロニクス材料。

0035

<10> 前記電荷輸送性化合物が1つ以上の重合性官能基を有する、<7>〜<9>のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料。

0036

<11> 前記重合性官能基がオキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種を含む、<10>に記載の有機エレクトロニクス材料。

0037

<12> <7>〜<11>のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料と、溶媒とを含むインク組成物。

0038

<13> 前記溶媒が非極性有機溶媒である、<12>に記載のインク組成物。

0039

<14> <7>〜<11>のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料、又は、<12>又は<13>に記載のインク組成物を用いて形成された有機層を含む、有機エレクトロニクス素子。

0040

<15> 前記有機層が、重合により不溶化した層である、<14>に記載の有機エレクトロニクス素子。

0041

<16> 前記有機層上に、さらに別の層を成膜し、多層化した、<15>に記載の有機エレクトロニクス素子。

0042

<17> さらに基板を有し、前記基板が樹脂フィルムである、<14>〜<16>のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。

発明の効果

0043

本発明の実施形態によれば、溶解性を向上させることができるイオン性化合物を提供することができる。また、本発明の他の実施形態によれば、前記イオン性化合物を用いた有機エレクトロニクス材料、インク組成物及び有機エレクトロニクス素子を提供することができる。

図面の簡単な説明

0044

図1は、本発明の実施形態である有機EL素子の一例を示す模式図である。

0045

<イオン性化合物>
本実施形態のイオン性化合物は、後述する下記式で表される、カチオン及びアニオンからなる。以下、カチオン及びアニオンについて説明する。

0046

(カチオン)
カチオン部は特に限定されず、公知のカチオンであってもよく、本実施形態のイオン性化合物に用いることができるカチオンとしては、例えば、ヨードニウムスルホニウムホスホニウムカルベニウムトリチル)、アニリニウム、ビスムトニウム、アンモニウムセレニウムピリジニウムイミダゾリウムオキソニウムキノリニウムピロリジニウムアミニウムイモニウム、トロピリウムなどが挙げられる。

0047

スルホニウムとしては、例えば、トリフェニルスルホニウム、トリ−p−トリルスルホニウム、トリ−o−トリルスルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、1−ナフチルジフェニルスルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、トリス(4−フルオロフェニル)スルホニウム、トリ−1−ナフチルスルホニウム、トリ−2−ナフチルスルホニウム、トリス(4−ヒドロキシフェニル)スルホニウム、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4−(p−トリルチオフェニルジ−p−トリルスルホニウム、4−(4−メトキシフェニルチオ)フェニルビス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、4−(フェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウム、4−(フェニルチオ)フェニルビス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、4−(フェニルチオ)フェニルジ−p−トリルスルホニウム、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス〔4−{ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホニオ}フェニル〕スルフィド、ビス{4−[ビス(4−フルオロフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、ビス{4−[ビス(4−メチルフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、ビス{4−[ビス(4−メトキシフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、4−(4−ベンゾイル−2−クロロフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウム、4−(4−ベンゾイル−2−クロロフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウム、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、7−イソプロピル−9−オキソ−10−チア−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イルジ−p−トリルスルホニウム、7−イソプロピル−9−オキソ−10−チア−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イルジフェニルスルホニウム、2−[(ジ−p−トリル)スルホニオ]チオキサントン、2−[(ジフェニル)スルホニオ]チオキサントン、4−[4−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジ−p−トリルスルホニウム、4−[4−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウム、4−[4−(ベンゾイルフェニルチオ)]フェニルジ−p−トリルスルホニウム、4−[4−(ベンゾイルフェニルチオ)]フェニルジフェニルスルホニウム、5−(4−メトキシフェニル)チアアンスレニウム、5−フェニルチアアンスレニウム、5−トリルチアアンスレニウム、5−(4−エトキシフェニル)チアアンスレニウム、5−(2,4,6−トリメチルフェニル)チアアンスレニウム等のトリアリールスルホニウム;ジフェニルフェナシルスルホニウム、ジフェニル4−ニトロフェナシルスルホニウム、ジフェニルベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム等のジアリールスルホニウム;フェニルメチルベンジルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4−メトキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4−アセトカルボニルオキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、2−ナフチルメチルベンジルスルホニウム、2−ナフチルメチル(1−エトキシカルボニル)エチルスルホニウム、フェニルメチルフェナシルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、4−メトキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、4−アセトカルボニルオキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、2−ナフチルメチルフェナシルスルホニウム、2−ナフチルオクタデシルフェナシルスルホニウム、9−アントラニルメチルフェナシルスルホニウム等のモノアリールスルホニウム;ジメチルフェナシルスルホニウム、フェナシルテトラヒドロチオフェニウム、ジメチルベンジルスルホニウム、ベンジルテトラヒドロチオフェニウム、オクタデシルメチルフェナシルスルホニウム等のトリアルキルスルホニウムなどが挙げられ、これらは次に示す文献に記載されている。

0048

トリアリールスルホニウムに関しては、例えば、米国特許第4231951号、米国特許第4256828号、特開平7−61964号公報、特開平8−165290号公報、特開平7−10914号公報、特開平7−25922号公報、特開平8−27208号公報、特開平8−27209号公報、特開平8−165290号公報、特開平8−301991号公報、特開平9−143212号公報、特開平9−278813号公報、特開平10−7680号公報、特開平10−287643号公報、特開平10−245378号公報、特開平8−157510号公報、特開平10−204083号公報、特開平8−245566号公報、特開平8−157451号公報、特開平7−324069号公報、特開平9−268205号公報、特開平9−278935号公報、特開2001−288205号公報、特開平11−80118号公報、特開平10−182825号公報、特開平10−330353公報、特開平10−152495公報、特開平5−239213号公報、特開平7−333834号公報、特開平9−12537号公報、特開平8−325259号公報、特開平8−160606号公報、特開2000−186071号公報(米国特許第6368769号)等;ジアリールスルホニウムに関しては、例えば、特開平7−300504号公報、特開昭64−45357号公報、特開昭64−29419号公報等;モノアリールスルホニウムに関しては、例えば、特開平6−345726号公報、特開平8−325225号公報、特開平9−118663号公報(米国特許第6093753号)、特開平2−196812号公報、特開平2−1470号公報、特開平2−196812号公報、特開平3−237107号公報、特開平3−17101号公報、特開平6−228086号公報、特開平10−152469号公報、特開平7−300505号公報、特開2003−277353号公報、特開2003−277352号公報等;トリアルキルスルホニウムに関しては、例えば、特開平4−308563号公報、特開平5−140210号公報、特開平5−140209号公報、特開平5−230189号公報、特開平6−271532号公報、特開昭58−37003号公報、特開平2−178303号公報、特開平10−338688号公報、特開平9−328506号公報、特開平11−228534号公報、特開平8−27102号公報、特開平7−333834号公報、特開平5−222167号公報、特開平11−21307号公報、特開平11−35613号公報、米国特許第6031014号等に記載されている。

0049

ヨードニウムイオンとしては、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジ−p−トリルヨードニウム、ビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、ビス(4−デシルオキシフェニル)ヨードニウム、4−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシフェニルフェニルヨードニウム、4−イソプロピルフェニル(p−トリル)ヨードニウム、イソブチルフェニル(p−トリル)ヨードニウム等が挙げられ、これらは、Macromolecules,10,1307(1977)、特開平6−184170号公報、米国特許第4256828号、米国特許第4351708号、特開昭56−135519号公報、特開昭58−38350号公報、特開平10−195117号公報、特開2001−139539号公報、特開2000−510516号公報、特開2000−119306号公報等に記載されている。

0050

セレニウムイオンとしては、例えば、トリフェニルセレニウム、トリ−p−トリルセレニウム、トリ−o−トリルセレニウム、トリス(4−メトキシフェニル)セレニウム、1−ナフチルジフェニルセレニウム、トリス(4−フルオロフェニル)セレニウム、トリ−1−ナフチルセレニウム、トリ−2−ナフチルセレニウム、トリス(4−ヒドロキシフェニル)セレニウム、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルセレニウム、4−(p−トリルチオ)フェニルジ−p−トリルセレニウム等のトリアリールセレニウム;ジフェニルフェナシルセレニウム、ジフェニルベンジルセレニウム、ジフェニルメチルセレニウム等のジアリールセレニウム;フェニルメチルベンジルセレニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルベンジルセレニウム、フェニルメチルフェナシルセレニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルフェナシルセレニウム、4−メトキシフェニルメチルフェナシルセレニウム等のモノアリールセレニウム;ジメチルフェナシルセレニウム、フェナシルテトラヒドロセレノフェニウム、ジメチルベンジルセレニウム、ベンジルテトラヒドロセレノフェニウム、オクタデシルメチルフェナシルセレニウム等のトリアルキルセレニウムなどが挙げられ、これらは特開昭50−151997号公報、特開昭50−151976号公報、特開昭53−22597号公報等に記載されている。

0051

アンモニウムイオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウムジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウムテトラエチルアンモニウムトリメチル−n−プロピルアンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、トリメチル−n−ブチルアンモニウム、トリメチルイソブチルアンモニウム、トリメチル−t−ブチルアンモニウム、トリメチル−n−ヘキシルアンモニウム、ジメチルジ−n−プロピルアンモニウム、ジメチルジイソプロピルアンモニウム、ジメチル−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、メチルトリ−n−プロピルアンモニウム、メチルトリイソプロピルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム;N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム等のピロリジニウム;N,N'−ジメチルイミダゾリニウム、N,N'−ジエチルイミダゾリニウム、N−エチル−N'−メチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−n−プロピル−2,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチル−4−メチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム等のイミダゾリニウム;N,N'−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、N,N'−ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、N−エチル−N'−メチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム等のテトラヒドロピリミジニウム;N,N'−ジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N,N−ジエチルモルホリニウム等のモルホリニウム;N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N'−メチルピペリジニウム、N,N'−ジエチルピペリジニウム等のピペリジニウム;N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、N−n−プロピルピリジニウム、N−イソプロピルピリジニウム、N−n−ブチルピリジニウム、N−ベンジルピリジニウム、N−フェナシルピリジウム等のピリジニウム;N−メチルキノリウム、N−エチルキノリウム、N−n−プロピルキノリウム、N−イソプロピルキノリウム、N−n−ブチルキノリウム、N−ベンジルキノリウム、N−フェナシルキノリウム等のキノリウム;N−メチルイソキノリウム、N−エチルイソキノリウム、N−n−プロピルイソキノリウム、N−イソプロピルイソキノリウム、N−n−ブチルイソキノリウム、N−ベンジルイソキノリウム、N−フェナシルイソキノリウム等のイソキノリウム;ベンジルベンゾチアゾニウム、フェナシルベンゾチアゾニウム等のチアゾニウム;ベンジルアクリジウム、フェナシルアクリジウム等のアクリジウムなどが挙げられる。

0052

これらは、米国特許第4069055号、特許第2519480号、特開平5−222112号公報、特開平5−222111号公報、特開平5−262813号公報、特開平5−255256号公報、特開平7−109303号公報、特開平10−101718号公報、特開平2−268173号公報、特開平9−328507号公報、特開平5−132461号公報、特開平9−221652号公報、特開平7−43854号公報、特開平7−43901号公報、特開平5−262813号公報、特開平4−327574号公報、特開平2−43202号公報、特開昭60−203628号公報、特開昭57−209931号公報、特開平9−221652号公報等に記載されている。

0053

ホスホニウムイオンとしては、例えば、テトラフェニルホスホニウム、テトラ−p−トリルホスホニウム、テトラキス(2−メトキシフェニル)ホスホニウム、テトラキス(3−メトキシフェニル)ホスホニウム、テトラキス(4−メトキシフェニル)ホスホニウム等のテトラアリールホスホニウム;トリフェニルベンジルホスホニウム、トリフェニルフェナシルホスホニウム、トリフェニルメチルホスホニウム、トリフェニルブチルホスホニウム等のトリアリールホスホニウム;トリエチルベンジルホスホニウム、トリブチルベンジルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、トリエチルフェナシルホスホニウム、トリブチルフェナシルホスホニウム等のテトラアルキルホスホニウムなどが挙げられ、これらは、特開平6−157624号公報、特開平5−105692号公報、特開平7−82283号公報、特開平9−202873号公報等に記載されている。

0054

オキソニウムイオンとしては、例えば、トリメチルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、トリプロピルオキソニウム、トリブチルオキソニウム、トリヘキシルオキソニウム、トリフェニルオキソニウム、ピリリニウム、クロメニリウム、キサンチリウム等が挙げられる。

0055

ビスムトニウムイオンとしては、例えば、特開2008−214330号公報等に記載されているものが挙げられる。

0056

トロピリウムイオンとしては、例えば、J. Polym. Sci. PartA;Polym. Chem.,42,2166(2004)等に記載されているものが挙げられる。

0057

アンモニウムカチオン
本実施形態のイオン性化合物は、下記式(1A)で表されるアンモニウムカチオンを含むことが好ましい。

0058

下記式(1A)で表されるアンモニウムカチオンについて説明する。

0059

0060

上記式(1A)において、Ra、Rb及びRcはそれぞれ独立に、1価の有機基を表す。1価の有機基としては、例えば、アルキル基アルケニル基アルキニル基アリール基ヘテロアリール基アリールアルキル基等が挙げられる。これらの基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基等が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。Ra、Rb及びRcのうちの少なくとも2つが互いに結合し、環を形成していてもよい。Ra、Rb及びRcは、互いに同一であっても異なってもよい。

0061

本明細書等において、有機基とは、炭素原子を1つ以上有する原子団をいう。
本明細書等において、アリール基とは、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた原子団をいう。芳香族炭化水素としては、単環、縮合環、又は、独立した単環及び縮合環から選択される2個以上が単結合を介して結合した多環が挙げられる。
本明細書等において、ヘテロアリール基とは、芳香族複素環から水素原子1個を除いた原子団をいう。芳香族複素環としては、単環、縮合環、又は、独立した単環及び縮合環から選択される2個以上が単結合を介して結合した多環が挙げられる。

0062

Ra、Rb及びRcの具体例を説明するが、以下に限定されない。

0063

前記アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜24であり、より好ましくは2〜20であり、更に好ましくは2〜18である。アルキル基の具体例としては、メチル基エチル基プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基ヘプチル基オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、3,7−ジメチルオクチル基ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。

0064

前記アルケニル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルケニル基の炭素数は、好ましくは2〜12であり、より好ましくは2〜8であり、更に好ましくは2〜6である。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基、1−デセニル基、1−オクタデセニル基等が挙げられる。

0065

前記アルキニル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキニル基の炭素数は、好ましくは2〜12であり、より好ましくは2〜8であり、更に好ましくは2〜6である。アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−オクタデシニル基等が挙げられる。

0066

前記アリール基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基等が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。非置換の状態の1価のアリール基の炭素数は、好ましくは6〜60であり、より好ましくは6〜20であり、更に好ましくは6〜18である。具体的には、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、置換基の炭素数が1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、フェナントレンイル基ピレン−イル基、ペリレン−イル基、ペンタフルオロフェニル基等が例示される。

0067

C1〜C12アルキルとして、具体的には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、3,7−ジメチルオクチルラウリル等が例示される。

0068

前記ヘテロアリール基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基等が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。非置換の状態の1価のヘテロアリール基の炭素数は、好ましくは4〜60であり、より好ましくは4〜40であり、更に好ましくは4〜20である。具体的には、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基フリル基ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基等が例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。C1〜C12アルキルの例としては、前述のとおりである。

0069

前記アリールアルキル基は、アルキル基が有する水素原子の少なくとも1つがアリール基により置換された基である。アリールアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基等が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。非置換の状態の1価のアリールアルキル基の炭素数は、好ましくは7〜19、より好ましくは7〜16、更に好ましくは7〜13である。アルキル基としては、前述のアルキル基が例示され、アリール基としては、前述のアリール基が例示される。具体的には、ベンジル基フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ジフェニルメチル基等が例示される。

0070

式(1A)において、Ra、Rb及びRcのうちの少なくとも1つは、炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)の有機基であることが好ましい。Ra、Rb及びRcのうちの少なくとも1つが、炭素数5以上の有機基である場合、イオン性化合物を、後述する重合性官能基を有する電荷輸送性化合物とともに用いた場合に、低温硬化性を向上させて、成膜性を向上させることができる。

0071

また、溶解性の観点から、式(1A)において、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群から選択される1価の有機基であることが好ましく、さらに好ましくは、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立にアルキル基であることが好ましい。

0072

例えば、式(1A)において、Ra、Rb及びRcがそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群から選択される1価の有機基であり、かつ、Ra、Rb及びRcのうちの少なくとも1つが炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)の1価の有機基であることも好ましい。

0073

(アニオン)
本実施形態のイオン性化合物のアニオンは、下記式(1B)で表される。

0074

0075

上記式(1B)において、Rd、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。l、m、n及びoは、それぞれ独立に、1〜5の整数を表す。

0076

Rd、Re、Rf及びRgの例として、具体的には、下記において示される基が挙げられる。なお、本明細書等において、構造式中の「*」は、他の構造単位との結合部位を表す。

0077

0078

また、溶解性の観点から、アニオンを嵩高くすることが好ましい。アニオンが嵩高い置換基を有すると立体的なひずみが大きくなり、溶媒への溶解性が高くなる。少し削除しました。

0079

嵩高いアニオンとしては、例えば、式(1B)において、Rd、Re、Rf及びRgが炭素数3〜5のパーフルオロアルキル基である構成が挙げられる。

0080

また、式(1B)において、ホウ素(B)と結合しているフェニル基が有する置換基Rd、Re、Rf及びRg同士の接近による立体的なひずみを有する嵩高いアニオンを用いることが好ましい。例えば、式(1B)において、ホウ素(B)と結合しているフェニル基の3位及び5位に置換基Rd、Re、Rf及びRgを有する下記式(2B)で表されるアニオンを用いることができる。

0081

0082

上記式(2B)において、Rd、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。l、m、n及びoは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。

0083

Rd、Re、Rf及びRgの例として、上記式(1B)において例示した置換基が挙げられる。

0084

また、アニオンを簡便に製造する観点から、Rd、Re、Rf及びRgのそれぞれは、互いに同一であると好ましく、また、l、m、n及びoのそれぞれは、互いに同一であると好ましい。さらに、アニオンを簡便に製造する観点から、Rd、Re、Rf及びRgのそれぞれは、トリフルオロメチル基であると好ましい。例えば、下記式(3B)で表されるアニオンを用いることができる。

0085

0086

本実施形態のイオン性化合物は、インク組成物に用いたときに、インク溶媒の選択性を向上させることができる。

0087

<有機エレクトロニクス材料>
本実施形態の有機エレクトロニクス材料は、前述の実施形態のイオン性化合物を含み、イオン性化合物を、1種のみ含有しても、又は、2種以上含有してもよい。本実施形態の有機エレクトロニクス材料は、さらに電荷輸送性化合物を含んでいてもよい。前述の実施形態のイオン性化合物を含む有機エレクトロニクス材料を用いることによって、耐溶剤性に優れる有機層を備える有機エレクトロニクス素子を得ることができる。

0088

[電荷輸送性化合物]
有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物を含有してもよい。電荷輸送性化合物は、低分子の化合物であっても、ポリマーであってもよい。有機溶媒への溶解性の観点からは、ポリマーであることが好ましく、昇華再結晶等による精製が容易な観点からは低分子化合物であることが好ましい。「ポリマー」には、重合度の低いオリゴマー(例えば、数平均重合度が2以上20以下)と、重合度の高いポリマー(例えば、数平均重合度が20超)とが含まれる。電荷輸送性化合物は、市販のものでもよく、公知の方法で合成したものであってもよく、特に制限はない。

0089

電荷輸送性化合物は、芳香族アミン構造を含む単位、カルバゾール構造を含む単位、及びチオフェン構造を含む単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位を含むことが好ましい。
電荷輸送性化合物は、分子内に1つ以上の重合性官能基を有することが好ましい。重合性官能基としてはとくに限定されないが、好ましい重合性官能基として、オキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基が挙げられる。
電荷輸送性化合物が重合性官能基を有する場合、この電荷輸送性化合物と、前述の実施形態のイオン性化合物とを含む有機エレクトロニクス材料をインク組成物とした場合に、低温での硬化性を向上させて、低温での成膜性を向上させることができる。

0090

電荷輸送性ポリマー
以下、電荷輸送性ポリマーについて説明する。
電荷輸送性ポリマーは電荷輸送する能力を有する。電荷輸送性ポリマーは、直鎖状であっても、又は、分岐構造を有していてもよい。電荷輸送性ポリマーは、好ましくは、電荷輸送性を有する2価の構造単位Dと末端部を構成する1価の構造単位Mとを少なくとも含み、分岐部を構成する3価以上の構造単位Tを更に含んでもよい。電荷輸送性ポリマーは、各構造単位を、それぞれ1種のみ含んでいても、又は、それぞれ複数種含んでいてもよい。各構造単位は、「1価」〜「3価以上」の結合部位において互いに結合している。

0091

(電荷輸送性ポリマーの構造)
電荷輸送性ポリマーに含まれる部分構造の例として、以下が挙げられる。電荷輸送性ポリマーは以下の部分構造を有するものに限定されない。部分構造中、「D」は構造単位Dを、「M」は構造単位Mを、「T」は構造単位Tを表す。下記に示す電荷輸送性ポリマーに含まれる部分構造において式中の「*」は、他の構造単位との結合部位を表す。以下の部分構造中、複数のDは、互いに同一の構造単位であっても、互いに異なる構造単位であってもよい。M及びTについても、同様である。

0092

直鎖状の電荷輸送性ポリマー

0093

0094

分岐構造を有する電荷輸送性ポリマー

0095

0096

(構造単位D)
構造単位Dは、電荷輸送性を有する2価の構造単位である。構造単位Dは、電荷を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されない。例えば、構造単位Dは、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造ベンゼン構造、ビフェニル構造ターフェニル構造ナフタレン構造アントラセン構造テトラセン構造、フェナントレン構造ジヒドロフェナントレン構造、ピリジン構造、ピラジン構造キノリン構造、イソキノリン構造、キノキサリン構造アクリジン構造、ジアザフェナントレン構造、フラン構造ピロール構造オキサゾール構造オキサジアゾール構造、チアゾール構造、チアジアゾール構造トリアゾール構造ベンゾチオフェン構造、ベンゾオキサゾール構造ベンゾオキサジアゾール構造、ベンゾチアゾール構造、ベンゾチアジアゾール構造ベンゾトリアゾール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。芳香族アミン構造は、好ましくはトリアリールアミン構造であり、より好ましくはトリフェニルアミン構造である。

0097

本実施形態において、構造単位Dは、優れた正孔輸送性を得る観点から、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造、ベンゼン構造、ピロール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることが好ましく、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることがより好ましい。構造単位Dは、優れた電子輸送性を得る観点から、置換又は非置換の、フルオレン構造、ベンゼン構造、フェナントレン構造、ピリジン構造、キノリン構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることが好ましい。

0098

構造単位Dの具体例として、以下が挙げられる。構造単位Dは、以下に限定されない。

0099

0100

0101

Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Rが置換基である場合、該置換基は、それぞれ独立に、−R1、−OR2、−SR3、−OCOR4、−COOR5、−SiR6R7R8、ハロゲン原子、及び、後述する重合性官能基を含む基からなる群から選択されることが好ましい。R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1〜22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基;又は、炭素数2〜30個のアリール基又はヘテロアリール基を表す。アルキル基は、更に、炭素数2〜20個のアリール基又はヘテロアリール基により置換されていてもよく、アリール基又はヘテロアリール基は、更に、炭素数1〜22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基により置換されていてもよい。Rは、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基である。Arは、炭素数2〜30個のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Arは、好ましくはアリーレン基であり、より好ましくはフェニレン基である。本明細書等において、アリーレン基とは、芳香族炭化水素から水素原子2個を除いた原子団をいう。また、本明細書等において、ヘテロアリーレン基とは、芳香族複素環から水素原子2個を除いた原子団をいう。芳香族炭化水素及び芳香族複素環については、アリール基及びヘテロアリール基の説明と同様である。

0102

(構造単位M)
構造単位Mは、電荷輸送性ポリマーの末端部を構成する1価の構造単位である。構造単位Mは、特に限定されず、例えば、置換又は非置換の、芳香族炭化水素構造芳香族複素環構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。構造単位Mは、価数以外において構造単位Dと同じ構造を有していてもよい。本実施形態において、構造単位Mは、電荷の輸送性を低下させずに耐久性を付与するという観点から、置換又は非置換の芳香族炭化水素構造であることが好ましく、置換又は非置換のベンゼン構造であることがより好ましい。また、後述するように、電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、構造単位Mは重合可能な構造(すなわち、例えば、ピロール−イル基等の重合性官能基)であってもよい。構造単位Mの具体例として、以下が挙げられる。

0103

0104

上記式中、Rは、構造単位DにおけるRとして挙げた水素原子又は置換基が挙げられる。電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、Rの少なくとも1つが、重合性官能基を含む基であることが好ましい。

0105

(構造単位T)
構造単位Tは、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合に、分岐部を構成する3価以上の構造単位である。構造単位Tは、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、好ましくは6価以下の構造単位であり、より好ましくは4価以下の構造単位であり、更に好ましくは3価又は4価の構造単位である。構造単位Tは、電荷輸送性を有する単位であることが好ましい。例えば、構造単位Tは、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、置換又は非置換の、トリフェニルアミン構造、カルバゾール構造、縮合多環式芳香族炭化水素構造、及び、これらの1種又は2種以上を含有する構造から選択される少なくとも1種を含む。構造単位Tは、価数以外において構造単位Dと同じ構造を有していてもよく、また、価数以外において構造単位Mと同じ構造を有していてもよい。

0106

構造単位Tの具体例として、以下が挙げられる。構造単位Tは、以下に限定されない。

0107

0108

Wは、3価の連結基を表し、例えば、炭素数2〜30個のアレーントリイル基又はヘテロアレーントリイル基を表す。本明細書等において、アレーントリイル基とは、芳香族炭化水素から水素原子3個を除いた原子団をいう。本明細書等において、ヘテロアレーントリイル基とは、芳香族複素環から水素原子3個を除いた原子団をいう。Arは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、例えば、それぞれ独立に、炭素数2〜30個のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Arは、好ましくはアリーレン基、より好ましくはフェニレン基である。Yは、2価の連結基を表し、例えば、構造単位DにおけるR(ただし、重合性官能基を含む基を除く。)として挙げた置換基のうち水素原子を1個以上有する基から、更に1個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。Zは、炭素原子、ケイ素原子、又はリン原子のいずれかを表す。構造単位中、縮合環、W、Y、及びArは、置換基を有していてもよく、置換基の例として、構造単位DにおけるRとして挙げた置換基等が挙げられる。

0109

(重合性官能基)
本実施形態において電荷輸送性ポリマーは、重合反応により硬化させ、溶剤への溶解度を変化させる観点から、重合性官能基を少なくとも1つ有することが好ましい。「重合性官能基」とは、熱及び光の少なくとも一方を加えることにより、互いに結合を形成し得る官能基をいう。

0110

重合性官能基としては、炭素炭素多重結合を有する基(例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、エチニル基、アクリロイル基アクリロイルオキシ基アクリロイルアミノ基メタクリロイル基メタクリロイルオキシ基メタクリロイルアミノ基、ビニルオキシ基ビニルアミノ基等)、小員環を有する基(例えば、シクロプロピル基シクロブチル基等の環状アルキル基;エポキシ基(オキシラニル基)、オキセタン基(オキセタニル基)等の環状エーテル基ジケテン基;エピスルフィド基ラクトン基ラクタム基等)、複素環基(例えば、フラン−イル基、ピロール−イル基、チオフェン−イル基、シロール−イル基)などが挙げられる。これらの基はさらに置換基を有してもよく、該置換基としては、アルキル基等が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。重合性官能基としては、特に、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、及びオキセタン基が好ましく、反応性及び有機エレクトロニクス素子の特性の観点から、ビニル基、オキセタン基、又はエポキシ基がより好ましい。

0111

重合性官能基の自由度を上げ、重合反応を生じさせやすくする観点からは、電荷輸送性ポリマーの主骨格と重合性官能基とが、アルキレン鎖で連結されていることが好ましい。
また、例えば、電極上に有機層を形成する場合、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の親水性電極との親和性を向上させる観点からは、エチレングリコール鎖ジエチレングリコール鎖等の親水性の鎖で連結されていることが好ましい。さらに、重合性官能基を導入するために用いられるモノマーの調製が容易になる観点からは、電荷輸送性ポリマーは、アルキレン鎖及び親水性の鎖の末端部の少なくとも一方、すなわち、これらの鎖と重合性官能基との連結部、及び、これらの鎖と電荷輸送性ポリマーの骨格との連結部の少なくとも一方に、エーテル結合又はエステル結合を有していてもよい。前述の「重合性官能基を含む基」とは、重合性官能基それ自体、又は、重合性官能基とアルキレン鎖等とを合わせた基を意味する。重合性官能基を含む基として、例えば、国際公開第2010/140553号に例示された基を好適に援用することができる。

0112

重合性官能基は、電荷輸送性ポリマーの末端部(すなわち、構造単位M)に導入されていても、末端部以外の部分(すなわち、構造単位D又はT)に導入されていても、末端部と末端以外の部分の両方に導入されていてもよい。硬化性の観点からは、少なくとも末端部に導入されていることが好ましく、硬化性及び電荷輸送性の両立を図る観点からは、末端部のみに導入されていることが好ましい。また、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合、重合性官能基は、電荷輸送性ポリマーの主鎖に導入されていても、側鎖に導入されていてもよく、主鎖と側鎖の両方に導入されていてもよい。

0113

重合性官能基は、溶解度の変化に寄与する観点からは、電荷輸送性ポリマー中に多く含まれる方が好ましい。一方、重合性官能基は、電荷輸送性を妨げない観点からは、電荷輸送性ポリマー中に含まれる量が少ない方が好ましい。重合性官能基の含有量は、これらを考慮し、適宜設定できる。

0114

例えば、電荷輸送性ポリマー1分子あたりの重合性官能基数は、十分な溶解度の変化を得る観点から、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましい。また、重合性官能基数は、電荷輸送性を保つ観点から、1,000個以下が好ましく、700個以下がより好ましく、500個以下が更に好ましい。

0115

電荷輸送性ポリマー1分子あたりの重合性官能基数は、電荷輸送性ポリマーを合成するために使用した、重合性官能基の仕込み量(例えば、重合性官能基を有するモノマーの仕込み量)、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量、電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量等を用い、平均値として求めることができる。また、重合性官能基の数は、電荷輸送性ポリマーの1H NMR核磁気共鳴スペクトルにおける重合性官能基に由来するシグナル積分値と全スペクトルの積分値との比、電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量等を利用し、平均値として算出できる。仕込み量が明らかである場合は、仕込み量を用いて求めた値を採用することが簡便であるため好ましい。

0116

(数平均分子量)
電荷輸送性ポリマーの数平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。数平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましい。また、数平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、50,000以下が更に好ましい。

0117

(重量平均分子量)
電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。重量平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、1,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、10,000以上が更に好ましい。また、重量平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、700,000以下がより好ましく、400,000以下が更に好ましい。

0118

数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレン検量線を用いて測定することができる。

0119

(構造単位の割合)
電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Dの割合は、十分な電荷輸送性を得る観点から、全構造単位を基準として、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Dの割合は、構造単位M及び必要に応じて導入される構造単位Tを考慮すると、全構造単位を基準として、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。

0120

電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Mの割合は、有機エレクトロニクス素子の特性向上の観点、又は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点から、全構造単位を基準として、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、15モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Mの割合は、十分な電荷輸送性を得る観点から、全構造単位を基準として、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。

0121

電荷輸送性ポリマーが構造単位Tを含む場合、構造単位Tの割合は、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、全構造単位を基準として、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Tの割合は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点、又は、十分な電荷輸送性を得る観点から、全構造単位を基準として、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、30モル%以下が更に好ましい。

0122

電荷輸送性ポリマーが重合性官能基を有する場合、重合性官能基の割合は、電荷輸送性ポリマーを効率よく硬化させるという観点から、全構造単位を基準として、0.1モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、3モル%以上が更に好ましい。また、重合性官能基の割合は、良好な電荷輸送性を得るという観点から、全構造単位を基準として、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。なお、ここでの「重合性官能基の割合」とは、重合性官能基を有する構造単位の割合をいう。

0123

電荷輸送性、耐久性、生産性等のバランスを考慮すると、構造単位D及び構造単位Mの割合(モル比)は、D:M=100:1〜70が好ましく、100:3〜50がより好ましく、100:5〜30が更に好ましい。また、電荷輸送性ポリマーが構造単位Tを含む場合、構造単位D、構造単位M、及び構造単位Tの割合(モル比)は、D:M:T=100:10〜200:10〜100が好ましく、100:20〜180:20〜90がより好ましく、100:40〜160:30〜80が更に好ましい。

0124

構造単位の割合は、電荷輸送性ポリマーを合成するために使用した、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量を用いて求めることができる。また、構造単位の割合は、電荷輸送性ポリマーの1HNMRスペクトルにおける各構造単位に由来するスペクトルの積分値を利用し、平均値として算出することができる。仕込み量が明らかである場合は、仕込み量を用いて求めた値を採用することが簡便であるため好ましい。

0125

(製造方法)
電荷輸送性ポリマーは、種々の合成方法により製造でき、特に限定されない。例えば、鈴木カップリング、根カップリング、薗頭カップリング、スティルカップリング、ブッフバルト・ハートウィッグカップリング等の公知のカップリング反応を用いることができる。鈴木カップリングは、芳香族ボロン酸誘導体芳香族ハロゲン化物の間で、Pd触媒を用いたクロスカップリング反応を起こさせるものである。鈴木カップリングによれば、所望とする芳香環同士を結合させることにより、電荷輸送性ポリマーを簡便に製造できる。

0126

カップリング反応では、触媒として、例えば、Pd(0)化合物、Pd(II)化合物、Ni化合物等が用いられる。また、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)等を前駆体とし、ホスフィン配位子と混合することにより発生させた触媒種を用いることもできる。電荷輸送性ポリマーの合成方法については、例えば、国際公開第2010/140553号の記載を援用できる。

0127

電荷輸送性低分子化合物
以下、電荷輸送性低分子化合物について説明する。
電荷輸送性低分子化合物は、電荷を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されない。電荷輸送性低分子化合物は、重合性官能基を有していてもよい。電荷輸送性低分子化合物は、芳香族アミン構造を含む単位、カルバゾール構造を含む単位、及びチオフェン構造を含む単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位を含むことが好ましい。

0128

(電荷輸送性低分子化合物の構造)
電荷輸送性低分子化合物の構造の例として、以下が挙げられる。「D」は構造単位Dを、「M」は構造単位Mを表す。構造単位D及び構造単位Mについては、上述のとおりである。

0129

0130

有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物(電荷輸送性低分子化合物を含む)を、1種のみ含有しても、又は、2種以上含有してもよい。

0131

有機エレクトロニクス材料が、イオン性化合物と電荷輸送性化合物とを含有する場合、イオン性化合物の含有量は、成膜性の観点から、電荷輸送性化合物の質量を基準として、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。また、イオン性化合物の含有量は、有機エレクトロニクス素子の駆動電圧の観点から、電荷輸送性化合物の質量を基準として、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。

0132

[溶媒]
有機エレクトロニクス材料は、更に溶媒を含有してもよい。溶媒を含有する有機エレクトロニクス材料は、インク組成物として有機エレクトロニクス素子の製造に好ましく用いられる。

0133

溶媒としては、水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を使用できる。有機溶媒としては、メタノールエタノールイソプロピルアルコール等のアルコールペンタンヘキサンオクタン等のアルカンシクロヘキサン等の環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレンメシチレンテトラリンジフェニルメタン等の芳香族炭化水素;エチレングリコールジメチルエーテルエチレングリコールジエチルエーテルプロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソールフェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル酢酸エチル酢酸n−ブチル、乳酸エチル乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル酢酸フェニルプロピオン酸フェニル、安息香酸メチル安息香酸エチル安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒ジメチルスルホキシドテトラヒドロフランアセトンクロロホルム塩化メチレンなどが挙げられる。好ましくは、芳香族炭化水素、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等である。溶媒としては、非極性の有機溶媒が好ましい。

0134

イオン性化合物における溶媒の含有量は、種々の塗布方法へ適用することを考慮して定めることができる。例えば、イオン性化合物は、溶媒に対し電荷輸送性ポリマーの割合が、0.1質量%以上となる量の溶媒を含有することが好ましく、0.2質量%以上となる量の溶媒を含有することがより好ましく、0.5質量%以上となる量の溶媒を含有することが更に好ましい。また、イオン性化合物は、溶媒に対し電荷輸送性ポリマーの割合が、20質量%以下となる量の溶媒を含有することが好ましく、15質量%以下となる量の溶媒を含有することがより好ましく、10質量%以下となる量の溶媒を含有することが更に好ましい。

0135

添加剤
有機エレクトロニクス材料は、更に、任意成分として添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、安定剤、増粘剤ゲル化剤難燃剤酸化防止剤還元防止剤酸化剤、還元剤表面改質剤乳化剤消泡剤分散剤界面活性剤等が挙げられる。

0136

<有機層>
本実施形態である有機層は、前述の実施形態の有機エレクトロニクス材料、又は該有機エレクトロニクス材料を含有するインク組成物を用いて塗布法で成膜された層、さらには当該成膜した層を重合させて不溶化した層である。溶媒を含有する有機エレクトロニクス材料を用いることによって、塗布法により有機層を良好に形成できる。塗布方法としては、例えば、スピンコーティング法キャスト法浸漬法凸版印刷凹版印刷オフセット印刷平版印刷凸版反転オフセット印刷スクリーン印刷グラビア印刷等の有版印刷法インクジェット法等の無版印刷法などの公知の方法が挙げられる。塗布法によって有機層を形成する場合、塗布後に得られた有機層(塗布層)を、ホットプレート又はオーブンを用いて乾燥させ、溶媒を除去してもよい。

0137

有機エレクトロニクス材料が、重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を含有する場合、光照射加熱処理等によりこれらの重合反応を進行させ、有機層の溶解度を変化させることができる。有機エレクトロニクス材料において、イオン性化合物は、重合開始剤として機能し得る。溶解度を変化させた有機層を積層することで、有機エレクトロニクス素子の多層化を容易に図ることが可能となる。有機層の形成方法については、例えば、国際公開第2010/140553号の記載を援用できる。
有機エレクトロニクス材料が重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を含有する場合、インク組成物としたときに低温での硬化性を向上させることができる。また、良好な有機層の積層が可能となり、有機エレクトロニクス素子としたときに、有機エレクトロニクス素子の長寿命化を達成できる。

0138

乾燥後又は硬化後の有機層の厚さは、電荷輸送の効率を向上させる観点から、好ましくは0.1nm以上であり、より好ましくは1nm以上であり、更に好ましくは3nm以上である。また、有機層の厚さは、電気抵抗を小さくする観点から、好ましくは300nm以下であり、より好ましくは200nm以下であり、更に好ましくは100nm以下である。

0139

<有機エレクトロニクス素子>
本実施形態である有機エレクトロニクス素子は、少なくとも前述の実施形態の有機層を有する。有機エレクトロニクス素子として、例えば、有機発光ダイオード(OLED)等の有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタ等が挙げられる。有機エレクトロニクス素子は、好ましくは、少なくとも一対の電極の間に有機層が配置された構造を有する。

0140

[有機EL素子]
本実施形態である有機EL素子は、少なくとも一つ以上の前述の実施形態の有機層を有する。有機EL素子は、通常、発光層陽極陰極、及び基板を備えており、必要に応じて、正孔注入層、電子注入層正孔輸送層電子輸送層等の他の機能層を備えている。各層は、蒸着法により形成してもよく、塗布法により形成してもよい。有機EL素子は、好ましくは、有機層を発光層又は他の機能層として有し、より好ましくは機能層として有し、更に好ましくは正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方として有する。

0141

図1は、有機EL素子の一実施形態を示す断面模式図である。図1に示す有機EL素子は、多層構造の素子であり、基板8、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層6、発光層1、電子輸送層7、電子注入層5、及び陰極4をこの順に積層された多層構造を有している。なお、図1は例示であり、本実施形態の有機EL素子はこの図に限定されるものではない。
図1では、正孔注入層3が、前述の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層であるが、本実施形態の有機EL素子は、このような構造に限らず、他の有機層が、前述の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層であってもよい。例えば、前述の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層を、正孔輸送層、正孔注入層及び発光層からなる群から選択される少なくとも1つの層として含むことが好ましい。以下、各層について説明する。

0142

[発光層]
発光層に用いる材料として、低分子化合物、ポリマー、デンドリマー等の発光材料を使用できる。ポリマーは、溶媒への溶解性が高く、塗布法に適しているため好ましい。発光材料としては、蛍光材料燐光材料熱活性化遅延蛍光材料(TADF)等が挙げられる。

0143

蛍光材料として、ペリレン、クマリンルブレンキナクリドンスチルベン色素レーザー色素アルミニウム錯体、これらの誘導体等の低分子化合物;ポリフルオレンポリフェニレンポリフェニレンビニレンポリビニルカルバゾールフルオレンベンゾチアジアゾール共重合体、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、これらの誘導体等のポリマー;これらの混合物等が挙げられる。

0144

燐光材料として、Ir、Pt等の金属を含む金属錯体などを使用できる。Ir錯体としては、例えば、青色発光を呈するFIr(pic)(イリジウム(III)ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジネート−N,C2]ピコリネート)、緑色発光を呈するIr(ppy)3(ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム)、赤色発光を呈する(btp)2Ir(acac)(ビス〔2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニルピリジナート−N,C3〕イリジウム(アセチル−アセトネート))、Ir(piq)3(トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム)等が挙げられる。Pt錯体としては、例えば、赤色発光を呈するPtOEP(2、3、7、8、12、13、17、18−オクタエチル−21H、23H−フォフィンプラチナ)等が挙げられる。

0145

発光層が燐光材料を含む場合、燐光材料の他に、更にホスト材料を含むことが好ましい。ホスト材料としては、低分子化合物、ポリマー、又はデンドリマーを使用できる。低分子化合物としては、例えば、CBP(4,4’−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、mCP(1,3−ビス(9−カルバゾリル)ベンゼン)、CDBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル)、これらの誘導体等が、ポリマーとしては、前述の実施形態の有機エレクトロニクス材料、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフルオレン、これらの誘導体等が挙げられる。

0146

熱活性化遅延蛍光材料としては、例えば、Adv. Mater., 21, 4802-4906 (2009);Appl. Phys. Lett., 98, 083302 (2011);Chem. Comm., 48, 9580 (2012);Appl. Phys. Lett., 101, 093306 (2012);J. Am. Chem. Soc., 134, 14706 (2012);Chem. Comm., 48, 11392 (2012);Nature, 492, 234 (2012);Adv. Mater., 25, 3319 (2013);J. Phys. Chem. A, 117, 5607 (2013);Phys. Chem. Chem. Phys., 15, 15850 (2013);Chem. Comm., 49, 10385 (2013);Chem. Lett., 43, 319 (2014)等に記載の化合物を援用できる。

0147

[正孔輸送層、正孔注入層]
前述の有機層を、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方として使用することが好ましく、少なくとも正孔輸送層として使用することがより好ましい。有機EL素子が、前述の有機層を正孔輸送層として有し、さらに正孔注入層を有する場合、正孔注入層には公知の材料を使用できる。また、前述の有機層を正孔注入層として有し、さらに正孔輸送層を有する場合、正孔輸送層には公知の材料を使用できる。

0148

正孔注入層及び正孔輸送層に用いることができる材料として、例えば、芳香族アミン系化合物フタロシアニン系化合物チオフェン系化合物等が挙げられる。

0149

[電子輸送層、電子注入層]
電子輸送層及び電子注入層に用いる材料としては、例えば、フェナントロリン誘導体ビピリジン誘導体ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体チオピランジオキシド誘導体ナフタレン、ペリレンなどの縮合環テトラカルボン酸無水物カルボジイミドフルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体チアジアゾール誘導体ベンゾイミダゾール誘導体キノキサリン誘導体、アルミニウム錯体(例えばBAlq、Alq3)等が挙げられる。また、前述の実施形態の有機エレクトロニクス材料も使用できる。

0150

[陰極]
陰極材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金が用いられる。

0151

[陽極]
陽極材料としては、例えば、金属(例えば、Au)又は導電性を有する他の材料が用いられる。他の材料として、例えば、酸化物(例えば、ITO)、導電性高分子(例えば、ポリチオフェンポリスチレンスルホン酸混合物(PEDOT:PSS))が挙げられる。

0152

[基板]
基板として、ガラスプラスチック等を使用できる。基板は、透明であることが好ましく、また、フレキシブル性を有することが好ましい。石英ガラス光透過性樹脂フィルム等が好ましく用いられる。

0154

樹脂フィルムを用いる場合、水蒸気酸素等の透過を抑制するために、樹脂フィルムへ酸化珪素窒化珪素等の無機物コーティングして用いてもよい。

0155

発光色]
有機EL素子の発光色は特に限定されるものではない。白色発光を呈する有機EL素子(白色有機EL素子」とも記す。)は、家庭用照明、車内照明、時計又は液晶バックライト等の各種照明器具に用いることができるため好ましい。

0156

白色有機EL素子を形成する方法としては、複数の発光材料を用いて複数の発光色を同時に発光させて混色させる方法を用いることができる。複数の発光色の組み合わせとしては、特に限定されるものではないが、例えば、青色、緑色及び赤色の3つの発光極大波長を含有する組み合わせ、青色と黄色、黄緑色と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有する組み合わせが挙げられる。発光色の制御は、発光材料の種類と量の調整により行うことができる。

0157

表示素子照明装置表示装置
本実施形態である表示素子は、前述の実施形態の有機EL素子を備えている。例えば、赤、緑及び青(RGB)の各画素に対応する素子として、有機EL素子を用いることで、カラーの表示素子が得られる。画像の形成方法には、マトリックス状に配置した電極でパネルに配列された個々の有機EL素子を直接駆動する単純マトリックス型と、各素子に薄膜トランジスタを配置して駆動するアクティブマトリックス型とがある。

0158

また、本実施形態である照明装置は、前述の実施形態の有機EL素子を備えている。さらに、本実施形態である表示装置は、照明装置と、表示手段として液晶素子とを備えている。例えば、表示装置は、バックライトとして前述の実施形態である照明装置を用い、表示手段として公知の液晶素子を用いた表示装置、すなわち液晶表示装置とできる。

0159

以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0160

<イオン性化合物の合成>
[実施例1]
(イオン性化合物1の合成)
下記構造のイオン性化合物1を以下のようにして合成した。
N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン1.954g(10mmol)にアセトン25gと純水5gを加え撹拌均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液3.653gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis[3,5-bis(trifluoromethyl)phenyl]-borate9.745g(11mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し、白色の固体物を作製した。

0161

0162

[実施例2]
(イオン性化合物2の合成)
下記構造のイオン性化合物2を以下のようにして合成した。
N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.292g(10mmol)にアセトン25gと純水5gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液3.653gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis[3,5-bis(trifluoromethyl)phenyl]-borate9.745g(11mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し、白色の固体物を作製した。

0163

0164

[比較例1]
(イオン性化合物3の合成)
下記構造のイオン性化合物3を以下のようにして合成した。
N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン1.954g(10mmol)にアセトン25gと純水5gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液3.653gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis (pentafluorophenyl) borateの10%水溶液77.49g(11mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し、白色の固体物を作製した。

0165

0166

[比較例2]
(イオン性化合物4の合成)
下記構造のイオン性化合物4を以下のようにして合成した。
N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.292g(10mmol)にアセトン25gと純水5gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液3.653gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis (pentafluorophenyl) borateの10%水溶液77.49g(11mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し、白色の固体物を作製した。

0167

0168

<溶解性の評価>
実施例1〜2のイオン性化合物(イオン性化合物1〜2)及び比較例1〜2のイオン性化合物(イオン性化合物3〜4)のそれぞれについて溶解性の評価を行った。6mLのスクリュー管に各イオン性化合物を5mg量り、目視で溶解するまで各溶媒を100μLずつ加えた。表1にイオン性化合物が溶解するのに要した溶媒量を示す。なお、表中の「-」は、溶媒にイオン性化合物が溶解しなかったことを表す。

0169

0170

本実施形態であるイオン性化合物を用いた実施例1〜2は比較例1〜2と比較し、いずれも溶解性において良好な評価結果を示した。

0171

以下、実施例により本発明の実施形態についてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。

0172

正孔輸送性ポリマーの調製>
(Pd触媒の調製)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、室温下、サンプル管にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(73.2mg、80μmol)を取り、トルエン(15mL)を加え、30分間撹拌した。同様に、サンプル管にトリス(t−ブチル)ホスフィン(129.6mg、640μmol)を秤取り、トルエン(5mL)を加え、5分間撹拌した。これらの溶液を混合し、室温で30分間撹拌した後に触媒として使用した。すべての溶媒は30分以上、窒素バブルにより脱気した後、使用した。

0173

(正孔輸送性ポリマー1の調製)
口丸底フラスコに、下記モノマーA1(5.0mmol)、下記モノマーB1(2.0mmol)、下記モノマーC1(4.0mmol)、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド(AlfaAesar社製「アリコート336」)(0.03g)、水酸化カリウム(1.12g)、純水(5.54mL)、及びトルエン(50mL)を加え、更に、先に調製したPd触媒トルエン溶液(3.0mL)を加えて混合し、この混合液を2時間にわたって加熱還流することによって反応を行った。ここまでの全ての操作は窒素気流下で行った。また、すべての溶媒は、30分以上、窒素バブルにより脱気した後に使用した。

0174

0175

反応終了後、有機層を水洗し、有機層をメタノール−水(9:1)に注いだ。生じた沈殿吸引ろ過により回収し、メタノール−水(9:1)で洗浄した。得られた沈殿をトルエンに溶解し、メタノールへ注ぎ、再沈殿させた。得られた沈殿を吸引ろ過により回収し、トルエンに溶解し、金属吸着剤(StremChemicals社製「Triphenylphosphine, polymer-bound on styrene-divinylbenzene copolymer」、沈殿物100mgに対して200mg)を加えて、80℃で2時間撹拌した。撹拌終了後、金属吸着剤と不溶物をろ過して取り除き、ろ液をメタノールへ注ぎ、再沈殿させた。生じた沈殿を吸引ろ過により回収し、メタノールで洗浄した。得られた沈殿を真空乾燥し、正孔注入性化合物1を作製した。正孔輸送性ポリマー1の数平均分子量は、14,700、重量平均分子量は46,100であった。

0176

数平均分子量及び重量平均分子量は、溶離液にテトラヒドロフラン(THF)を用いたGPC(ポリスチレン換算)により測定した。測定条件は以下のとおりである。
装置:高速液体クロマトグラフProminence 株式会社島津製作
液ポンプ(LC−20AD)
脱気ユニット(DGU−20A)
オートサンプラ(SIL−20AHT)
カラムオーブン(CTO−20A)
PDA検出器(SPD−M20A)
示差屈折率検出器RID−20A)
カラム:Gelpack(登録商標
GL−A160S(製造番号:686-1J27)
GL−A150S(製造番号:685-1J27)日立化成株式会社
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)(HPLC用、安定剤含有)富士フイルム和光純薬工業株式会社
流速:1mL/min
カラム温度:40℃
検出波長:254nm
分子量標準物質:PStQuick A/B/C 東ソー株式会社

0177

(正孔輸送性ポリマー2の調製)
三口丸底フラスコに、下記モノマーA2(5.0mmol)、下記モノマーB1(2.0mmol)、下記モノマーC1(3.6mmol)、下記モノマーC2(0.4mmol)、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド(AlfaAesar社「アリコート336」)(0.03g)、水酸化カリウム(1.12g)、純水(5.54mL)、及びトルエン(50mL)を加え、更に、先に調製したPd触媒トルエン溶液(3.0mL)を加えて混合し、この混合液を2時間にわたって加熱還流することによって反応を行った。ここまでの全ての操作は窒素気流下で行った。また、すべての溶媒は、30分以上、窒素バブルにより脱気した後に使用した。それ以降は正孔輸送性ポリマー1と同様の操作を行い、正孔輸送性ポリマー2を作製した。正孔輸送性ポリマー2の数平均分子量は、12000、重量平均分子量は67000であった。

0178

0179

[耐溶剤性評価]
正孔輸送性ポリマー1〜2を用いて有機層を形成し、残膜率測定により耐溶剤性(すなわち、正孔輸送性ポリマー+イオン性化合物の硬化性)の評価を実施した。

0180

(残膜率測定)
20mLスクリュー管に、実施例1で用いたイオン性化合物(10mg)を量り取り、クロロベンゼン(10mL)を加えて撹拌し、イオン性化合物溶液を作製した。次いで、9mLスクリュー管に、正孔輸送性ポリマー(10mg)及びクロロベンゼン(792μL)を加え、正孔輸送性ポリマーを溶解させた。その後、前述の9mLスクリュー管に、イオン性化合物溶液101μLを加え、撹拌し、インク組成物を調製した。インク組成物をポリテトラフルオロエチレンPTFE)フィルタ孔径0.2μm)にてろ過した後に、石英基板(縦22mm×横29mm×厚0.7mm)上に滴下し、スピンコーターにより塗布膜を成膜した。続いて、200℃、30分間、窒素雰囲気下で加熱硬化を実施し、石英基板上に膜厚30nmの有機層を形成した。

0181

分光光度計(株式会社島津製作所製「UV−2700」)を用いて、石英基板上に形成した有機層の吸光度Aを測定した。続いて、測定後の有機層が上面になるように、25℃の環境下で、アニソール(10mL、25℃)に10分間浸漬した。アニソール浸漬後の有機層の吸光度Bを測定し、形成した有機層の吸光度Aとアニソール浸漬後の有機層の吸光度Bから、以下の式を用いて、残膜率を算出した。なお、吸光度の値は、有機層の極大吸収波長における値を用いた。残膜率が大きいほど、耐溶剤性が優れている。

0182

[数1]

残膜率(%)=(吸光度B/吸光度A)×100

0183

表2に残膜率の測定結果を示す。

0184

実施例

0185

前述の実施形態であるイオン性化合物1〜2を用いた有機層はイオン性化合物3〜4を用いた有機層と比較し、同等の残膜率であり、成膜性において良好な測定結果を示した。

0186

1発光層
2陽極
3正孔注入層
4陰極
5電子注入層
6正孔輸送層
7電子輸送層
8 基板

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