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技術 二重特異性抗VEGF/抗ANG−2抗体及び眼血管疾患の処置におけるそれらの使用

出願人 ロシュグリクアートアクチェンゲゼルシャフト
発明者 デュール,ハーラルトヘルティンク,フランククライン,クリスティアンレグラ,イェルク・トーマスリュート,マティアスシュトゥーベンラウホ,カイ-グンナー
出願日 2020年11月13日 (7ヶ月経過) 出願番号 2020-189175
公開日 2021年3月11日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-036888
状態 未査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 ペプチド又は蛋白質 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理
主要キーワード 熱レーザー 中央領 微小刺激 トンネル視 流体力学的相互作用 生活相 マイクロレーザ 管要素
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図面 (15)

課題

変異I253A、H310A、及びH435Aを伴うヒトIgG1又はIgG4サブクラスのヒト血管内皮成長因子VEGF/VEGF−A)に対する及びヒトアンギオポエチン2(ANG−2)に対する二重特異性抗体、それらを産生するための方法、前記抗体を含む医薬的組成物、ならびにそれらの使用を提供する。

解決手段

ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む二重特異性抗体。宿主細胞を、前記抗体をコードする核酸分子を含むベクターを用いて形質転換すること、宿主細胞を、前記抗体分子の合成を許す条件下で培養すること、前記抗体分子を、前記培養から回収することを含む、方法。眼血管疾患処置における、二重特異性抗体の使用。

概要

背景

概要

変異I253A、H310A、及びH435Aを伴うヒトIgG1又はIgG4サブクラスのヒト血管内皮成長因子VEGF/VEGF−A)に対する及びヒトアンギオポエチン2(ANG−2)に対する二重特異性抗体、それらを産生するための方法、前記抗体を含む医薬的組成物、ならびにそれらの使用を提供する。ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む二重特異性抗体。宿主細胞を、前記抗体をコードする核酸分子を含むベクターを用いて形質転換すること、宿主細胞を、前記抗体分子の合成を許す条件下で培養すること、前記抗体分子を、前記培養から回収することを含む、方法。眼血管疾患処置における、二重特異性抗体の使用。なし

目的

しかし、それは、親和性成熟されており、VEGF−Aへのより強い結合を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

抗体の粘度の低下のための方法であって、ここで、抗体は、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラスヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含み、ここで、方法は、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を伴う、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラスの抗体定常重鎖領域の改変を含む方法。

請求項2

抗体が、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む二重特異性抗体であり、ここでi)VEGFに特異的に結合する前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号1のCDR3H領域、配列番号2のCDR2H領域、及び配列番号3のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号4のCDR3L領域、配列番号5のCDR2L領域、及び配列番号6のCDR1L領域を含み;及びii)ANG−2に特異的に結合する前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号9のCDR3H領域、配列番号10のCDR2H領域、及び配列番号11のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号12のCDR3L領域、配列番号13のCDR2L領域、及び配列番号14のCDR1L領域を含み、及び、ここでiii)二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む、請求項1記載の方法。

請求項3

二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含み、変異L234A、L235A、及びP329G(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)をさらに含む、ヒトIgG1サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む、請求項2記載の方法。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項記載の方法により得られる抗体。

請求項5

抗体が、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む、抗体の粘度の低下のための変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)の使用。

請求項6

抗体が、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む二重特異性抗体であり、ここでi)VEGFに特異的に結合する前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号1のCDR3H領域、配列番号2のCDR2H領域、及び配列番号3のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号4のCDR3L領域、配列番号5のCDR2L領域、及び配列番号6のCDR1L領域を含み;及びii)ANG−2に特異的に結合する前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号9のCDR3H領域、配列番号10のCDR2H領域、及び配列番号11のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号12のCDR3L領域、配列番号13のCDR2L領域、及び配列番号14のCDR1L領域を含み、及び、ここでiii)二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む、請求項5記載の方法。

請求項7

二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含み、変異L234A、L235A、及びP329G(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)をさらに含む、ヒトIgG1サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む、請求項6記載の使用。

請求項8

ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む二重特異性抗体、ここでi)VEGFに特異的に結合する前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号1のCDR3H領域、配列番号2のCDR2H領域、及び配列番号3のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号4のCDR3L領域、配列番号5のCDR2L領域、及び配列番号6のCDR1L領域を含み;及びii)ANG−2に特異的に結合する前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号9のCDR3H領域、配列番号10のCDR2H領域、及び配列番号11のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号12のCDR3L領域、配列番号13のCDR2L領域、及び配列番号14のCDR1L領域を含み、及び、ここでiii)二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む。

請求項9

i)VEGFに特異的に結合する前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインVHとして、配列番号7のアミノ酸配列を、及び、軽鎖可変ドメインVLとして、配列番号8のアミノ酸配列を含み、ならびにii)ANG−2に特異的に結合する前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインVHとして、配列番号15のアミノ酸配列を、及び、軽鎖可変ドメインVLとして、配列番号16のアミノ酸配列を含む、請求項8記載の二重特異性抗体。

請求項10

iii)の下の定常重鎖領域が、IgG1サブクラスのものである、請求項8〜9のいずれか一項記載の二重特異性抗体。

請求項11

IgG1サブクラスの定常重鎖領域が、さらに、変異L234A、L235A、及びP329G(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、請求項10記載の二重特異性抗体。

請求項12

iii)の下の定常重鎖領域が、IgG4サブクラスのものである、請求項8〜9のいずれか一項記載の二重特異性抗体。

請求項13

IgG4サブクラスの定常重鎖領域が、さらに、変異S228P及びL235E(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、請求項12記載の二重特異性抗体。

請求項14

IgG4サブクラスの定常重鎖領域が、さらに、変異S228P、L235E、及びP329G(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、請求項12記載の二重特異性抗体。

請求項15

請求項4及び8〜14のいずれか一項記載の抗体を含む医薬的組成物

請求項16

血管疾患処置における使用のための、請求項4及び8〜14のいずれか一項記載の二重特異性抗体。

請求項17

抗体が硝子体内適用を介して投与される、請求項16記載の二重特異性抗体。

請求項18

請求項8〜14のいずれか一項記載の二重特異性抗体をコードする核酸

請求項19

原核又は真核宿主細胞において前記核酸を発現することが可能である、請求項18記載の前記核酸を含む発現ベクター

請求項20

請求項19記載のベクターを含む原核又は真核宿主細胞。

請求項21

請求項8〜14のいずれか一項記載の二重特異性抗体の調製のための方法であって、以下の工程a)宿主細胞を、前記抗体をコードする核酸分子を含むベクターを用いて形質転換すること;b)宿主細胞を、前記抗体分子の合成を許す条件下で培養すること;及びc)前記抗体分子を、前記培養から回収することを含む、方法。

請求項22

請求項21記載の方法により得られた二重特異性抗体。

請求項23

配列番号25の、配列番号26の、配列番号27の、及び配列番号28のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性二価抗体

請求項24

配列番号21の、配列番号22の、配列番号23の、及び配列番号24のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体。

請求項25

配列番号29の、配列番号30の、配列番号31の、及び配列番号32のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体。

請求項26

眼血管疾患の処置における使用のための、請求項23〜25のいずれか一項記載の二重特異性抗体。

請求項27

抗体が硝子体内適用を介して投与される、請求項26記載の二重特異性抗体。

請求項28

眼血管疾患の処置のための医薬の製造のための、請求項4及び8〜14、ならびに請求項23〜25のいずれか一項記載の二重特異性抗体の使用。

請求項29

抗体が硝子体内適用を介して投与される、請求項28記載の使用。

請求項30

そのような処置を必要とする患者に、請求項4及び8〜14、ならびに請求項23〜25のいずれか一項記載の抗体を投与することによる、眼血管疾患に苦しむ患者の処置の方法。

請求項31

抗体が硝子体内適用を介して投与される、請求項30記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラスの抗体(二重特異性抗体を含む)の粘度の低下のための方法に、ヒト血管内皮成長因子VEGF/VEGF−A)に対する及びヒトアンギオポエチン2(ANG−2)に対する二重特異性抗体、それらの産生のための方法、前記抗体を含む医薬的組成物、及びその使用に関する。

0002

発明の背景
血管形成は、固形腫瘍、眼内新生血管症候群(例えば増殖性網膜症又は加齢性黄斑変性症(AMD)、関節リウマチ、及び乾癬など)を含む種々の障害病因関与する(Folkman, J., et al., J. Biol.Chem.267 (1992) 10931-10934; Klagsbrun, M., et al., Annu.Rev.Physiol.53 (1991) 217-239; and Garner, A., Vascular diseases, in: Pathobiology of ocular disease, A dynamic approach, Garner, A., and Klintworth, G. K. (eds.), 2nd edition, Marcel Dekker, New York (1994), pp.1625-1710)。

0003

ラニビズマブ商品ルーセンティス(登録商標))は、ベバシズマブアバスチン)と同じ親マウス抗体由来モノクローナル抗体フラグメントである。しかし、それは、親和性成熟されており、VEGF−Aへのより強い結合を提供する(WO 98/45331)。これは、VEGF−A遮断が、一部の全身毒性に関連しうるが、従って、ラニビズマブは、Fc部分欠落しており、血中半減期及び、結果的に、全身毒性を低下することが公知である。それは加齢性黄斑変性症(ARMD)の「湿潤」型を処置するために承認されている抗血管形成薬剤、加齢に関連する失明の一般的な形態である。

0004

角膜血管形成アッセイは、ANG−1及びANG−2の両方が、同様の効果を有することを示し、VEGFと相乗的に作用し、新たな血管の成長を促した。Asahara, T., et al.,Circ. Res. 83 (1998) 233-40.用量依存性の内皮応答があったという可能性が、インビトロで、高濃度で、ANG−2が、また、血管形成促進でありうるとの観察により出された(Kim, I., et al., Oncogene 19 (2000) 4549-52)。高濃度で、ANG−2は、PI−3キナーゼ及びAkt経路を介して、Tie2の活性化を通じて血清欠乏アポトーシスの間に内皮細胞のためのアポトーシス生存因子として作用する(Kim, I., et al., Oncogene 19 (2000) 4549-52)。

0005

WO 2010/040508 A9及びWO 2011/117329は、抗VEGF/抗ANG−2抗体二重特異性に関する。WO2008/132568は、成長因子に結合する融合タンパク質に関する。WO2009/136352は、抗血管形成化合物に関する。WO 2009/080253及びWO 2011/117330は、二重特異性の二価抗体フォーマットに関する。WO2010/069532は、Ang2抗体に関する。

0006

血管疾患(例えば加齢性黄斑変性(ARMD)及び糖尿病性網膜症(DR)など)は、それぞれ異常脈絡膜又は網膜血管新生に起因する。それらは先進国における視力喪失の主な原因である。網膜は、ニューロングリア、及び血管要素の明確に定義された層からなるので、そのような血管増殖又は浮腫に見られるような比較的小さな乱れが、視覚機能の著しい損失をもたらしうる。遺伝性網膜変性(例えば網膜色素変性症(RP)など)が、また、血管異常(例えば細動脈狭窄及び血管萎縮など)と関連付けられる。それらは、3500人中1人という多くに影響し、しばしば、完全な失明に進行する、進行性夜盲視野欠損視神経萎縮、細動脈減弱、及び視力の中心喪失により特徴付けられる。

0007

虚血性網膜症は、血流の低下及び低酸素をもたらす網膜血管系の喪失又は機能不全により特徴付けられる。網膜は、新たな血管を成長させるためシグナルを生成することにより、低酸素状態に応答するが、しかし、これらの新たな血管は、通常、脆弱無秩序である。それは、視力への脅威の大半を作る、これらの異常な新たな血管の成長である。なぜなら、それらは、漏出し、出血する、又は網膜剥離終わりうる瘢痕化に導くからである。虚血性網膜症のための現在の治療は病的な血管の成長を停止しようとするが、それらの成長を駆動する、基礎となる虚血対処しない。さらに、何百万人に影響を与える、糖尿病性網膜症、虚血性網膜症のための標準的な処置は、新たな血管の成長を停止し、中心視野を保存する試みにおいて、レーザーを用いた、網膜の一部の破壊を含む。戦略は、血管成長の主なプロモーターである血管内皮成長因子(VEGF)の機能を遮断するために用いられてきた。短期的には、抗VEGF治療は、視力を向上させることができるが、しかし、それは、基礎となる虚血には対処しておらず、実際には、この状態を悪化させうる。なぜなら、それは、有益な側副血管を含むすべての血管の成長を阻害するからである。新たな血管成長が、虚血性脳、心臓、又は四肢において要求されうる高齢者及び/又は糖尿病患者において、これらの薬物の全身曝露の深刻な懸念もある。

0008

典型的には、眼疾患のために、硝子体内適用を介して、Fab又はFab(2)のようなより小さな抗体フラグメントが使用されることが多い。なぜなら、それらは、低い血清半減期を有し、全身毒性のリスクが低いからである。しかし、このより小さなフラグメントは、また、典型的には、より低い硝子体内半減期(例、原因血清中でのより速い拡散に起因する)を有し、典型的には、よりしばしば投与しなければならない。

0009

Kim et al, Molecular Vision, 15 (2009) 2803-2812は、眼の硝子体内に投与された完全長抗体に関し、FcRn結合を伴うIgGは、野生型マウスにおいて、血液中に排除されたのに対し、FcRn結合を伴わないIgYは、血液系中に排除されなかった。さらに、FcRn結合を伴うIgGは、FcRnノックダウンマウスにおいて、血液系中に排除されなかった。

0010

当技術分野において、種々の眼血管疾患(例えば虚血性網膜症など)を処置及び予防するためのより良い手段についての必要性がある。

0011

発明の概要
本発明の一局面は、抗体の粘度の低下のための方法であって、ここで、抗体は、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含み、ここで、方法は、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を伴う、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラスの抗体定常重鎖領域の改変を含む。

0012

本発明の一実施態様において、前記方法は、抗体が、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む二重特異性抗体であることを特徴とし、ここで
i)VEGFに特異的に結合する前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号1のCDR3H領域、配列番号2のCDR2H領域、及び配列番号3のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号4のCDR3L領域、配列番号5のCDR2L領域、及び配列番号6のCDR1L領域を含み;及び
ii)ANG−2に特異的に結合する前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号9のCDR3H領域、配列番号10のCDR2H領域、及び配列番号11のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号12のCDR3L領域、配列番号13のCDR2L領域、及び配列番号14のCDR1L領域を含み、及び、ここで
iii)二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む。

0013

本発明の一実施態様において、そのような方法は、上に記載する前記の二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含み、変異L234A、L235A、及びP329G(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)をさらに含む、ヒトIgG1サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含むことを特徴とする。

0014

本発明の一実施態様は、そのような方法により得られた抗体である。

0015

本発明の一実施態様は、抗体の粘度の低下のための変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)の使用であって、ここで、抗体は、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む。

0016

本発明の一実施態様において、前記方法は、抗体が、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む二重特異性抗体であることを特徴とし、
ここで
i)VEGFに特異的に結合する前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号1のCDR3H領域、配列番号2のCDR2H領域、及び配列番号3のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号4のCDR3L領域、配列番号5のCDR2L領域、及び配列番号6のCDR1L領域を含み;及び
ii)ANG−2に特異的に結合する前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号9のCDR3H領域、配列番号10のCDR2H領域、及び配列番号11のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号12のCDR3L領域、配列番号13のCDR2L領域、及び配列番号14のCDR1L領域を含み、及び、ここで
iii)二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む。

0017

本発明の一実施態様において、前記の特定の使用は、二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含み、変異L234A、L235A、及びP329G(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)をさらに含む、ヒトIgG1サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含むことを特徴とする。

0018

本発明は、さらに、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体に向けられ、
ここで
i)VEGFに特異的に結合する前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号1のCDR3H領域、配列番号2のCDR2H領域、及び配列番号3のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号4のCDR3L領域、配列番号5のCDR2L領域、及び配列番号6のCDR1L領域を含み;及び
ii)ANG−2に特異的に結合する前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号9のCDR3H領域、配列番号10のCDR2H領域、及び配列番号11のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号12のCDR3L領域、配列番号13のCDR2L領域、及び配列番号14のCDR1L領域を含み、及び、ここで
iii)二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む。

0019

一実施態様において、前記の二重特異性抗体は、以下を特徴とする:
i)VEGFに特異的に結合する前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインVHとして、配列番号7のアミノ酸配列を、及び、軽鎖可変ドメインVLとして、配列番号8のアミノ酸配列を含み、ならびに
ii)ANG−2に特異的に結合する前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインVHとして、配列番号15のアミノ酸配列を、及び、軽鎖可変ドメインVLとして、配列番号16のアミノ酸配列を含む。

0020

一実施態様において、前記の二重特異性抗体は、iii)の下の定常重鎖領域が、ヒトIgG1サブクラスのものであることを特徴とする。一実施態様において、IgG1サブタイプの前記の二重特異性抗体は、IgG1サブクラスの定常重鎖領域が、さらに、変異L234A、L235A、及びP329G(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む。

0021

一実施態様において、前記の二重特異性抗体は、iii)の下の定常重鎖領域が、ヒトIgG4サブクラスのものであることを特徴とする。一実施態様において、IgG4サブタイプの前記の二重特異性抗体は、IgG4サブクラスの定常重鎖領域が、さらに、変異S228P及びL235E(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む。一実施態様において、IgG4サブタイプの前記の二重特異性抗体は、IgG4サブクラスの定常重鎖領域が、さらに、変異S228P、L235E、及びP329G(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む。

0022

本発明のさらなる局面は、前記の二重特異性抗体を含む医薬的組成物、眼血管疾患の処置における使用のための前記の医薬的組成物、眼血管疾患の処置のための医薬の製造のための前記の二重特異性抗体の使用、前記の二重特異性抗体を、そのような処置を必要とする患者へ投与することによる、眼血管疾患に苦しむ患者の処置の方法である。一実施態様において、二重特異性抗体又は前記二重特異性抗体を含む医薬的組成物は、硝子体内適用を介して投与される。

0023

本発明のさらなる局面は、本発明に従った二重特異性抗体の重鎖及び/又は軽鎖をコードする核酸分子である。

0024

本発明は、さらに、原核又は真核宿主細胞において前記核酸発現することが可能である、本発明に従った前記核酸を含む発現ベクター、ならびに、本発明の二重特異性抗体の組換え産生のための、そのようなベクターを含む宿主細胞を提供する。

0025

本発明は、さらに、本発明に従ったベクターを含む原核又は真核宿主細胞を含む。

0026

本発明は、さらに、本発明に従った二重特異性抗体の産生のための方法を含み、本発明に従った核酸を、原核又は真核宿主細胞中で発現させ、前記の二重特異性抗体を、前記細胞又は細胞培養上清から回収することにより特徴付けられる。一実施態様は、本発明に従った二重特異性抗体の調製のための方法であって、以下の工程を含む:
a)宿主細胞を、前記抗体をコードする核酸分子を含むベクターを用いて形質転換すること;
b)宿主細胞を、前記抗体分子の合成を許す条件下で培養すること;及び
c)前記抗体分子を、前記培養から回収すること。

0027

本発明は、さらに、二重特異性抗体の産生のための、そのような方法により得られた抗体を含む。

0028

したがって、本発明の一実施態様は、配列番号21の、配列番号22の、配列番号23の、及び配列番号24のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体である。

0029

したがって、本発明の一実施態様は、配列番号25の、配列番号26の、配列番号27の、及び配列番号28のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体である。

0030

本発明に従った抗体は、眼血管疾患に苦しむ患者のための利益を起こす、Fc部分/定常領域におけるそれらの特異的な改変に起因する、高度に価値のある特性を有する。それらは、硝子体内環境中での高い安定性及び眼からの遅い拡散を示し(定常重鎖領域を伴わない、より小さな抗体フラグメントと比較して)、そこでは、実際の疾患が、位置付けられ、処置される(そのため、処置スケジュールを、潜在的に、非IgG様抗体(例、Fab及び(Fab)2フラグメント)などと比較し、改善することができる)。驚くべきことに、非改変IgG抗体と比較し、定常領域中の変異I253A、H310A、及びH435Aを伴う抗体(それ以上のFcRn結合を伴わない)の硝子体内適用後の眼中での半減期が、同様であったのに対し(わずかにだけ低下した)(表17a及び18aならびに図7D及び7E)、眼から血液血清中への拡散は同様であった(表15及び図7B)。これは、高度に価値がある。なぜなら、眼からVEGF及びAng2(例、抗ANG2/ANG2抗体複合体又は抗VEGF/VEGF抗体複合体としての血清中への輸送を介して)を排除することが、ANG2及び/又はVEGFに関連する眼血管疾患の処置のために望まれるためである。本発明に従った抗体は、他方で、非改変IgG抗体と比較した場合、血清から非常に迅速に取り除かれる(それは、全身曝露から生じる潜在的な副作用を低下させるために、高度に望まれる)。

0031

驚くべきことに、それらは、また、より低い粘度を示し(図2を参照のこと)(定常領域中に変異I253A、H310A、及びH435Aを伴わないバージョンと比較して)、従って、眼疾患の処置の間での細い針を通した硝子体内適用のために特に有用である(そのような適用のために、典型的には、細い針が使用され、高粘度によって、適切な適用がかなり困難になる)。より低い粘度によって、また、より高い濃度の製剤を許す。

0032

また、驚くべきことに、本発明に従った抗体は、保存の間に、より低い凝集傾向を示し(図4)(Fc部分中に変異I253A、H310A、及びH435Aを伴わないバージョンと比較して)、それは、眼における硝子体内適用のために決定的である(眼中での凝集が、そのような処置の間に、合併症に導きうるからである)。本発明に従った二重特異性抗体は、血管疾患の阻害において良い効力を示す。

0033

特定の実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体は、定常領域中のそれらの特定の改変(例、P329G LALA)のため、血栓及び/又は不要な細胞死(例えば、ADCCに起因する)などの副作用のリスクを低下させる非結合Fcgamma受容体などの価値のある特性を示す。

図面の簡単な説明

0034

AAA変異(変異I253A、H310A、及びH435A−KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を伴う<VEGF−ANG−2>IgG1又はIgG4抗体の概念及び利点の模式図。
小規模DLSベース粘度測定。200mMアルギニンスクシネート(pH5.5)中の150mg/mLでの外挿された粘度(本発明のVEGFang2−0016(AAA変異を伴う)に従った<VEGF−ANG−2>抗体と参照VEGFang2−0015(そのようなAAA変異を伴わない)との比較)。
20mM His、140mM NaCl、pH6.0 5中の温度に依存したDLS凝集(DLS凝集開始温度を含む)(本発明のVEGFang2−0016(AAA変異を伴う)に従った<VEGF−ANG−2>抗体と参照VEGFang2−0015(そのようなAAA変異を伴わない)との比較)。
40℃で100mg/mLでの7日間保存(主な高分子量/HMW増加の減少)(より低い凝集を示した、本発明のVEGFang2−0016(AAA変異を伴う)に従った<VEGF−ANG−2>抗体と参照VEGFang2−0015(そのようなAAA変異を伴わない)との比較)。
VEGFang2−0015(AAA変異を伴わない)のFcRnの定常状態の親和性:異なる濃度でのBIAcoreセンサーグラムオーバーレイは、FcRnへのVEGFang2−0015(AAA変異を伴わない)の結合に依存した濃度を示す。
A:VEGFang2−0015(AAA変異を伴わない)のFcRnの定常状態の親和性:VEGFang2−0015(AAA変異を伴わない)の濃度依存性結合応答曲線は、FcRnへの結合を示す。
VEGFang2−0016(AAA変異を伴う)のFcRnの定常状態の親和性:異なる濃度でのBIAcoreセンサーグラムのオーバーレイは、全ての濃度でFcRnへの結合を示す。
VEGFang2−0016(AAA変異を伴う)のFcRnの定常状態の親和性:VEGFang2−0016(AAA変異を伴う)の濃度依存性結合応答曲線は、FcRnへの結合を示さない。
VEGFang2−0016(AAA変異を伴う)のFcRnの定常状態の親和性:VEGFang2−0016(AAA変異を伴う)の濃度依存性結合応答曲線は、FcRnへの結合を示さない(応答は−0.6から0.2RUの範囲である/濃度スケールは0から0.35Mの範囲である)。
AAA変異を伴わないVEGFang2−0015のFcgammaRIIIa相互作用及びAAA変異を伴うVEGFang2−0016の測定(両方が、P329G LALA変異を伴うIgG1サブクラスである;コントロールとして、IgG1サブクラスの抗Dig及びIgG4ベースの抗体を使用した)。
血清及び全眼ライセート中の<VEGF/Ang2>二重特異性抗体の濃度の決定のための模式的なPk−ELISAアッセイの原理
静脈内適用後の血清中濃度化合物の比較−AAA変異を伴わないVEGFang2−0015及びAAA変異を伴うVEGFang2−0016。
硝子体内適用後の血清中濃度:化合物の比較−AAA変異を伴わないVEGFang2−0015及びAAA変異を伴うVEGFang2−0016。
右眼及び左眼におけるVEGFang2−0016(AAA変異を伴う)の眼ライセート濃度(静脈内適用と比較し、右眼中だけへの硝子体内適用後):有意な濃度が、硝子体内適用後、右眼中だけで検出することができた。静脈内適用後、眼ライセート中の無濃度が、VEGFang2−0016(AAA変異を伴う)の低い血清中半減期に起因して、検出することができた。
右眼及び左眼におけるVEGFang2−0015(AAA変異を伴わない)の眼ライセート濃度(静脈内適用と比較した、右眼中だけへの硝子体内適用後):硝子体内適用後の右眼において(及び、ある程度まで、左眼において)、VEGFang2−0015の濃度を検出することができた。これは、右眼から血清中への、及びそこから左眼中への拡散を示し、それは、VEGFang2−0015(AAA変異を伴わない)の長い半減期により説明することができる。静脈内適用後、また、両方の眼の眼ライセート中の有意な濃度が、血清中で安定なVEGFang2−0015(AAA変異を伴わない)の眼中への拡散に起因して検出することができた。

0035

発明の詳細な説明
本発明の一実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体は二価である。

0036

本発明の一局面において、本発明に従った、そのような二重特異性の二価抗体は、以下を含むことを特徴とする:
a)VEGFに特異的に結合する第1の完全長抗体の重鎖及び軽鎖;
b)ANG−2に特異的に結合する第2の完全長抗体の改変重鎖及び改変軽鎖、ここで、定常ドメインCL及びCH1が、互いにより交換される。

0037

ヒト血管内皮成長因子(VEGF)及びヒトアンジオポエチン2(ANG−2)に特異的に結合する二重特異性抗体のための、この二重特異性の二価抗体フォーマットは、WO2009/080253において記載されている(ノブインツ−ホール改変CH3ドメインを含む)。この二重特異性の二価抗体フォーマットに基づく抗体を、CrossMabと名付けた。

0038

一実施態様において、そのような二重特異性の二価抗体は、以下を含むことを特徴とする:
a)第1の完全長抗体の重鎖として、配列番号25のアミノ酸配列、及び、第1の完全長抗体の軽鎖として、配列番号27のアミノ酸配列、ならびに
b)第2の完全長抗体の改変重鎖として、配列番号26のアミノ酸配列、及び、第2の完全長抗体の改変軽鎖として、配列番号28のアミノ酸配列。

0039

一実施態様において、そのような二重特異性の二価抗体は、以下を含むことを特徴とする:
a)第1の完全長抗体の重鎖として、配列番号21のアミノ酸配列、及び、第1の完全長抗体の軽鎖として、配列番号23のアミノ酸配列、ならびに
b)第2の完全長抗体の改変重鎖として、配列番号22のアミノ酸配列、及び、第2の完全長抗体の改変軽鎖として、配列番号24のアミノ酸配列。

0040

一実施態様において、そのような二重特異性の二価抗体は、以下を含むことを特徴とする:
a)第1の完全長抗体の重鎖として、配列番号29のアミノ酸配列、及び、第1の完全長抗体の軽鎖として、配列番号31のアミノ酸配列、ならびに
b)第2の完全長抗体の改変重鎖として、配列番号30のアミノ酸配列、及び、第2の完全長抗体の改変軽鎖として、配列番号32のアミノ酸配列。

0041

したがって、本発明の一実施態様は、配列番号25の、配列番号26の、配列番号27の、及び配列番号28のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体である。

0042

したがって、本発明の一実施態様は、配列番号21の、配列番号22の、配列番号23の、及び配列番号24のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体である。

0043

したがって、本発明の一実施態様は、配列番号29の、配列番号30の、配列番号31の、及び配列番号32のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体である。

0044

本発明の別の局面において、本発明に従った二重特異性抗体は、以下を含むことを特徴とする:
a)VEGFに特異的に結合する第1の完全長抗体の重鎖及び軽鎖;
b)ANG−2に特異的に結合する第2の完全長抗体の重鎖及び軽鎖、ここで、重鎖のN末端が、軽鎖のC末端に、ペプチドリンカーを介して接続される。

0045

ヒト血管内皮成長因子(VEGF)及びヒトアンジオポエチン2(ANG−2)に特異的に結合するこの二重特異性抗体のための、この二重特異性の二価抗体フォーマットは、WO2011/117330において記載されている(ノブ−インツ−ホール改変CH3ドメインを含む)。この二重特異性の二価抗体フォーマットに基づく抗体を、OAscFabと名付けた。

0046

一実施態様において、そのような二重特異性の二価抗体は、以下を含むことを特徴とする:
a)第1の完全長抗体の重鎖として、配列番号33のアミノ酸配列、及び、第1の完全長抗体の軽鎖として、配列番号35のアミノ酸配列、ならびに
b)ペプチドリンカーを介して、第2の完全長抗体の軽鎖に接続された第2の完全長抗体の重鎖として、配列番号34のアミノ酸配列。

0047

一実施態様において、そのような二重特異性の二価抗体は、以下を含むことを特徴とする:
a)第1の完全長抗体の重鎖として、配列番号36のアミノ酸配列、及び、第1の完全長抗体の軽鎖として、配列番号38のアミノ酸配列、ならびに
b)ペプチドリンカーを介して、第2の完全長抗体の軽鎖に接続された第2の完全長抗体の重鎖として、配列番号37のアミノ酸配列。

0048

一実施態様において、第2の完全長抗体の重鎖及び軽鎖の抗体重鎖可変ドメイン(VH)及び抗体軽鎖可変ドメイン(VL)が、以下の位置の間でのジスルフィド結合の導入により安定化されたジスルフィドである:重鎖可変ドメイン位置44から軽鎖可変ドメイン位置100(ナンバリングは、常に、KabatのEUインデックス(Kabat, E.A., et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))に従う)。そのようなさらなるジスルフィド安定化は、第2完全長抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメインVHとVLの間でのジスルフィド結合の導入により達成される。安定化のために非天然ジスルフィド架橋を導入するための技術が、例えば、WO 94/029350、Rajagopal, V., et al, Prot.Engin.10 (1997) 1453-59;Kobayashi et al., Nuclear Medicine & Biology 25 (1998) 387-393;又はSchmidt, M., et al., Oncogene 18 (1999) 1711-1721において記載されている。

0049

したがって、本発明の一実施態様は、配列番号33の、配列番号34の、及び配列番号35のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体である。

0050

したがって、本発明の一実施態様は、配列番号36の、配列番号37の、及び配列番号38のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体である。

0051

一実施態様において、本発明に従った二重特異性の二価抗体のCH3ドメインは、「ノブ−インツ−ホール」技術により変えられ、それは、例えば、WO 96/027011、Ridgway J.B., et al., Protein Eng 9 (1996) 617-621;及びMerchant, A.M., et al., Nat Biotechnol 16 (1998) 677-681において、いくつかの例を用いて詳細に記載されている。この方法において、2つのCH3ドメインの相互作用表面を変えて、これら2つのCH3ドメインを含む両方の重鎖のヘテロ二量体を増加させる。(2つの重鎖の)2つのCH3ドメインの各々は、「ノブ」でありうるが、他は「ホール」である。ジスルフィド架橋の導入によって、ヘテロ二量体を安定化させ(Merchant, A.M, et al., Nature Biotech 16 (1998) 677-681;Atwell, S., et al. J. Mol. Biol. 270 (1997) 26-35)、収量を増加させる。

0052

本発明の好ましい局面において、本発明に従った全ての二重特異性抗体が、1つの重鎖のCH3ドメイン及び他の重鎖のCH3ドメインが、各々、抗体のCH3ドメインの間の本来の界面を含む界面で会合し;ここで、前記界面を変え、二重特異性抗体の形成を促し、ここで、変化は、以下を特徴とする:
a)1つの重鎖のCH3ドメインを変え、
二重特異性抗体内の他の重鎖のCH3ドメインの本来の界面に会合する、1つの重鎖のCH3ドメインの本来の界面内で、
アミノ酸残基が、より大きな側鎖容積を有するアミノ酸残基を用いて交換され、それにより、他の重鎖のCH3ドメインの界面内の空洞中に配置可能である1つの重鎖のCH3ドメインの界面内に隆起を生成するようにし、
及び
b)他の重鎖のCH3ドメインを変え、
二重特異性抗体内の第1のCH3ドメインの本来の界面に会合する、第2のCH3ドメインの本来の界面内で、
アミノ酸残基が、より小さな側鎖容積を有するアミノ酸残基を用いて交換され、それにより、第1のCH3ドメインの界面内の隆起が配置可能である、第2のCH3ドメインの界面内に空洞を生成するようにする。

0053

このように、本発明に従った抗体は、好ましくは、以下を特徴とする:
a)の完全長抗体の重鎖のCH3ドメイン及びb)の完全長抗体の重鎖のCH3ドメインが、各々、抗体CH3ドメインの間の本来の界面において変化を含む界面で会合し、
ここで、i)1つの重鎖のCH3ドメインにおいて、
アミノ酸残基が、より大きな側鎖容積を有するアミノ酸残基を用いて交換され、それにより、他の重鎖のCH3ドメインの界面内の空洞中に配置可能である1つの重鎖のCH3ドメインの界面内に隆起を生成し、
及び、ここで
ii)他の重鎖のCH3ドメインにおいて、
アミノ酸残基が、より小さな側鎖容積を有するアミノ酸残基を用いて交換され、それにより、第1のCH3ドメインの界面内の隆起が配置可能である、第2のCH3ドメインの界面内に空洞を生成する。

0054

好ましくは、より大きな側鎖容積を有する前記アミノ酸残基は、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)からなる群より選択される。

0055

好ましくは、より小さな側鎖容積を有するアミノ酸残基は、アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T)、バリン(V)からなる群より選択される。

0056

本発明の一局面において、両方のCH3ドメインは、さらに、両方のCH3ドメインの間にジスルフィド架橋を形成できるようにする、各々のCH3ドメインの対応する位置におけるアミノ酸としてのシステイン(C)の導入により変えられる。

0057

一実施態様において、二重特異性抗体は、「ノブ鎖」のCH3ドメインにおいてT366W変異及び「ホール鎖」のCH3ドメインにおいてT366S、L368A、Y407V変異を含む。CH3ドメイン間の追加の鎖間ジスルフィド架橋を、例えば、「ノブ鎖」のCH3ドメイン中にY349C変異及び「ホール鎖」のCH3ドメイン中にE356C変異又はS354C変異を導入することにより、使用することもできる(Merchant, A.M, et al., Nature Biotech 16 (1998) 677-681)。

0058

別の実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体は、2つのCH3ドメインの1つにおいてY349C、T366W変異及び2つのCH3ドメインの他においてE356C、T366S、L368A、Y407V変異を含む。別の好ましい実施態様において、二重特異性抗体は、2つのCH3ドメインの1つにおいてY349C、T366W変異及び2つのCH3ドメインの他においてS354C、T366S、L368A、Y407V変異を含む(鎖間ジスルフィド架橋を形成する、1つのCH3ドメインにおける追加のY349C変異及び他のCH3ドメインにおける追加のE356C又はS354C変異)(ナンバリングは、常に、KabatのEUインデックス(Kabat, E.A., et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))に従う)。しかし、また、EP 1 870 459 A1に記載される通りの他のノブ−イン−ホール技術を、代わりに又は追加で使用することができる。このように、二重特異性抗体についての別の例は、「ノブ鎖」のCH3ドメインにおけるR409D;K370E変異及び「ホール鎖」のCH3ドメインにおけるD399K;E357K変異である(ナンバリングは、常に、KabatのEUインデックス(Kabat, E.A., et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))に従う)。

0059

別の実施態様において、二重特異性抗体は、「ノブ鎖」のCH3ドメインにおけるT366W変異及び「ホール鎖」のCH3ドメインにおけるT366S、L368A、Y407V変異を、ならびに、追加で、「ノブ鎖」のCH3ドメインにおけるR409D;K370E変異及び「ホール鎖」のCH3ドメインにおけるD399K;E357K変異を含む。

0060

別の実施態様において、二重特異性抗体は、2つのCH3ドメインの1つにおけるY349C、T366W変異及び2つのCH3ドメインの他におけるS354C、T366S、L368A、Y407V変異を含み、又は、前記の三価の二重特異性抗体は、2つのCH3ドメインの1つにおけるY349C、T366W変異及び2つのCH3ドメインの他におけるS354C、T366S、L368A、Y407V変異ならびに、追加で、「ノブ鎖」のCH3ドメインにおけるR409D;K370E変異及び「ホール鎖」のCH3ドメインにおけるD399K;E357K変異を含む。

0061

一実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体は、以下の特性(実施例6において記載される通りのアッセイにおいて決定される)の1つ又は複数を有することを特徴とする:
− iii)の下に記載する変異を伴わない、対応する二重特異性抗体と比較し、より低い血清中濃度を示し(マウスにおける硝子体内適用後96時間、それらは、マウスFcRn欠損であるが、しかし、ヒトFcRnについてヘミ接合トランスジェニックである);
− iii)の下に記載する変異を伴わない、対応する二重特異性抗体と比較し、全右眼ライセートにおける同様の(倍数0.8〜1.2)濃度(マウスにおいて、それらは、マウスFcRn欠損であるが、しかし、ヒトFcRnについてヘミ接合トランスジェニックであり、右眼における硝子体内適用後96時間)。

0062

一実施態様において、二重特異性の二価抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含むことを特徴とし、以下を特徴とする:
i)前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)として、配列番号7、及び、軽鎖可変ドメイン(VL)として、配列番号8を含み;及び
ii)前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)として、配列番号15、及び、軽鎖可変ドメイン(VL)として、配列番号16を含み;及び
iii)二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、IgG1又はIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含み、
及び、以下の特性(実施例6において記載される通りのアッセイにおいて決定される)の1つ又は複数を有する:
− iii)の下に記載する変異を伴わない、対応する二重特異性抗体と比較し、より低い血清中濃度を示し(マウスにおける硝子体内適用後96時間、それらは、マウスFcRn欠損であるが、しかし、ヒトFcRnについてヘミ接合トランスジェニックである);
− iii)の下に記載する変異を伴わない、対応する二重特異性抗体と比較し、全右眼ライセートにおける同様の(倍数0.8〜1.2)濃度を示す(マウスにおいて、それらは、マウスFcRn欠損であるが、しかし、ヒトFcRnについてヘミ接合トランスジェニックであり、右眼における硝子体内適用後96時間)。

0063

一実施態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含むことを特徴とし、以下を特徴とする:
i)前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)として、1、2、又は3つのアミノ酸置換を伴う配列番号7、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として、1、2、又は3つのアミノ酸置換を伴う配列番号8を含み;及び
ii)前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)として、1、2、又は3つのアミノ酸置換を伴う配列番号7、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として、1、2、又は3つのアミノ酸置換を伴う配列番号を含み;及び
iii)二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含むIgG1又はIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含み、
及び、以下の特性(実施例6において記載される通りのアッセイにおいて決定される)の1つ又は複数を有する:
− iii)の下に記載する変異を伴わない、対応する二重特異性抗体と比較し、より低い血清中濃度を示し(マウスにおける硝子体内適用後96時間、それらは、マウスFcRn欠損であるが、しかし、ヒトFcRnについてヘミ接合トランスジェニックである);
− iii)の下に記載する変異を伴わない、対応する二重特異性抗体と比較し、全右眼ライセートにおける同様の(倍数0.8〜1.2)濃度を示す(マウスにおいて、それらは、マウスFcRn欠損であるが、しかし、ヒトFcRnについてヘミ接合トランスジェニックであり、右眼における硝子体内適用後96時間)。

0064

本明細書において使用する通り、「抗体」は、抗原結合部位を含む結合タンパク質を指す。用語「結合部位」又は「抗原結合部位」は、本明細書において使用する通り、リガンドが実際に結合する抗体分子の領域を表示する。用語「抗原結合部位」は、抗体重鎖可変ドメイン(VH)及び抗体軽鎖可変ドメイン(VL)(VH/VLの対)を含む。

0065

抗体特異性は、抗原の特定のエピトープについての抗体の選択的な認識を指す。天然抗体は、例えば、単一特異性である。

0066

本発明に従った「二重特異性抗体」は、2つの異なる抗原結合特異性を有する抗体である。本発明の抗体は、2つの異なる抗原(第1抗原としてのVEGF及び第2抗原としてのANG−2)について特異的である。

0067

用語「単一特異性」抗体は、本明細書において使用する通り、その各々が、同じ抗原の同じエピトープに結合する、1つ又は複数の結合部位を有する抗体を表示する。

0068

用語「価」は、本願内で使用する通り、抗体分子中の結合部位の指定された数の存在を表示する。そのようなものとして、用語「二価」、「四価」、及び「六価」は、それぞれ、抗体分子中の2つの結合部位、4つの結合部位、及び6つの結合部位の存在を表示する。本発明に従った二重特異性抗体は、好ましくは、「二価」である。

0069

用語「VEGF」は、本明細書において使用する通り、ヒト血管内皮成長因子(VEGF/VEGF−A)、165アミノ酸のヒト血管内皮細胞成長因子(ヒトVEGF165の前駆体配列のアミノ酸27−191:配列番号17;アミノ酸1−26は、シグナルペプチドを表す)、及び関連する121、189、及び206血管内皮細胞成長因子アイソフォーム(Leung, D.W., et al., Science 246 (1989) 1306-9;Houck et al., Mol. Endocrin. 5 ( 1991) 1806 -1814;Keck, P.J., et al., Science 246 (1989) 1309-12、及びConnolly, D.T., et al., J. Biol. Chem. 264 (1989) 20017-24により記載される通り);それらの成長因子の天然アリル及びプロセシング形態と一緒に、指す。VEGFは、腫瘍及び眼内障害に関連付けられる正常及び異常な血管形成及び血管新生の調節において含まれる(Ferrara, N., et al., Endocr. Rev. 18 (1997) 4-25; Berkman, R.A.,et al., J. Clin. Invest. 91 (1993) 153-159;Brown, L.F., et al., Human Pathol. 26 (1995) 86-91;Brown, L.F., et al., Cancer Res. 53 (1993) 4727-4735;Mattern, J., et al., Brit. J. Cancer.73 (1996) 931-934;及びDvorak, H.F., et al., Am. J. Pathol. 146 (1995) 1029-1039)。VEGFは、いくつかの供給源から単離され、いくつかのアイソフォームを含む、ホモ二量体糖タンパク質である。VEGFは、内皮細胞について高度に特異的な分裂促進活性を示す。

0070

用語「ANG−2」は、本明細書において使用する通り、ヒトアンギオポエチン2(ANG−2)(あるいは、ANGPT2又はANG2を用いて省略される)(配列番号18)であり、それらは、例えば、Maisonpierre, P.C., et al, Science 277 (1997) 55-60及びCheung, A.H., et al., Genomics 48 (1998) 389-91において記載されている通りである。アンジオポエチン1(配列番号19)及び2は、Ties(血管内皮細胞内で選択的に発現されるチロシンキナーゼファミリー)についてのリガンドとして発見された(Yancopoulos, G.D., et al., Nature 407 (2000) 242-48)。アンジオポエチンファミリーの4つの決定的なメンバーがある。アンジオポエチン3及び4(Ang−3及びAng−4)は、マウス及びヒトにおける同じ遺伝子座の広く分岐した対応物を表しうる(Kim, I., et al., FEBSLet, 443 (1999) 353-56;Kim, I., et al., J Biol Chem 274 (1999) 26523-28)。ANG−1及びANG−2は、本来は、それぞれアゴニスト及びアンタゴニストとして組織培養実験において同定された(ANG−1については、Davis, S., et al., Cell 87 (1996) 1161-69;及びANG−2については、Maisonpierre, P.C., et al., Science 277 (1997) 55-60を参照のこと)。公知のアンジオポエチンの全てが、主に、Tie2(配列番号20)に結合し、Ang−1及び−2の両方が、3nM(Kd)の親和性を伴い、Tie2へ結合する(Maisonpierre, P.C., et al., Science 277 (1997) 55-60)。

0071

本発明の二重特異性抗体の抗原結合部位は、変動する程度において、抗原についての結合部位の親和性に寄与する6つの相補性決定領域(CDR)を含む。3つの重鎖可変ドメインCDR(CDRH1、CDRH2、及びCDRH3)及び3つの軽鎖可変ドメインCDR(CDRL1、CDRL2、及びCDRL3)がある。CDR及びフレームワーク領域(FR)の範囲は、アミノ酸配列のコンパイルされたデータベースとの比較により決定され、ここで、それらの領域は、配列の間の可変性に従って定義されてきた。

0072

本発明の抗体は、1つ又は複数の免疫グロブリンクラスのヒト起源から由来する免疫グロブリン定常領域を含み、ここで、そのような免疫グロブリンクラスは、IgG、IgMIgAIgD、及びIgEクラス、ならびに、IgG及びIgAの場合において、それらのサブクラス、特にIgG1及びIgG4を含む。

0073

用語「モノクローナル抗体」又は「モノクローナル抗体組成物」は、本明細書において使用する通り、単一アミノ酸組成の抗体分子の調製物を指す。

0074

用語「キメラ抗体」は、1つの供給源又は種からの可変領域、即ち、結合領域及び異なる供給源又は種から由来する定常領域の少なくとも部分を含む抗体を指し、通常、組換えDNA技術により調製される。マウス可変領域及びヒト定常領域を含むキメラ抗体が、好ましい。本発明により包含される「キメラ抗体」の他の好ましい形態は、定常領域が、本来の抗体のものから、特に、C1q結合及び/又はFc受容体(FcR)結合に関して、改変又は変化され、本発明に従った特性を生成する形態である。そのようなキメラ抗体は、また、「クラススイッチ抗体」として言及される。キメラ抗体は、免疫グロブリン可変領域をコードするDNAセグメント及び免疫グロブリン定常領域をコードするDNAセグメントを含む、発現された免疫グロブリン遺伝子の産物である。従来の組換えDNA技術及び遺伝子トランスフェクション技術に基づくヒト化抗体を産生するための方法は、当技術分野において周知である。例えば、Morrison, S.L., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81 (1984) 6851-6855;US 5,202,238及びUS 5,204,244を参照のこと。

0075

用語「ヒト化抗体」は、フレームワーク又は「相補性決定領域」(CDR)が改変され、親免疫グロブリンのものと比較した場合、異なる特異性の免疫グロブリンのCDRを含む抗体を指す。好ましい実施態様において、マウスCDRを、ヒト抗体のフレームワーク領域中に移植し、「ヒト化抗体」を調製した。例えば、Riechmann, L., et al., Nature 332 (1988) 323-327;及びNeuberger, M.S., et al., Nature 314 (1985) 268-270を参照のこと。特に好ましいCDRは、キメラ抗体について前述した抗原を認識する配列を表すCDRに対応する。本発明により包含される「ヒト化抗体」の他の形態は、定常領域が、追加で、本来の抗体のものから、特に、C1q結合及び/又はFc受容体(FcR)結合に関して、改変又は変化され、本発明に従った特性を生成する形態である。

0076

用語「ヒト抗体」は、本明細書において使用する通り、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列から由来する可変領域及び定常領域を有する抗体を含むことを意図する。ヒト抗体は、最先端技術において周知である(van Dijk, M.A., and van de Winkel, J.G., Curr. Opin. Chem. Biol. 5 (2001) 368-374)。例えば、免疫化時に、内因性の免疫グロブリン産生の非存在において完全レパートリーを産生すること、又はヒト抗体の選択が可能であるトランスジェニック動物(例、マウス)において、ヒト抗体を産生することが現在可能である。そのような生殖系列変異体マウスにおけるヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子アレイトランスファーは、抗原攻撃時にヒト抗体の産生をもたらす(例、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 2551-2555;Jakobovits, A., et al., Nature 362 (1993) 255-258;Brueggemann, M., et al., Year Immunol. 7 (1993) 33-40を参照のこと)。ヒト抗体は、また、ファージディスプレイライブラリーにおいて産生することができる(Hoogenboom, H.R., and Winter, G., J. Mol. Biol.227 (1992) 381-388;Marks, J.D., et al., J. Mol. Biol. 222 (1991) 581-597)。

0077

Cole et al.及びBoerner et al.の技術が、また、ヒトモノクローナル抗体の調製のために利用可能である(Cole A., et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77 (1985)及びBoerner et al., J. Immunol. 147(1): 86-95 (1991))。本発明に従ったキメラ抗体及びヒト化抗体について既に言及されている通り、用語「ヒト抗体」は、本明細書において使用する通り、定常領域において改変され、本発明に従った特性、特にC1q結合及び/又はFcR結合に関して、例えば、「クラススイッチ」、即ち、Fc部分の変化又は変異(例、IgG1からIgG4及び/又はIgG1/IgG4変異)により生成するそのような抗体も含む。

0078

用語「組換え抗体」は、本明細書において使用する通り、組換え手段により調製、発現、作製、又は単離された全てのヒト抗体、例えば、宿主細胞(例えばNS0細胞又はCHO細胞など)から又はヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例、マウス)から単離された抗体、あるいは宿主細胞中へトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体などを含むことを意図する。そのような組換え抗体は、可変領域及び定常領域を再配置形態において有する。本発明に従った組換え抗体を、インビボ体細胞超変異に供した。このように、組換え抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系VH及びVL配列から由来する及びそれに関連し、インビボでのヒト抗体生殖系レパートリー内に自然に存在しないであろう配列である。

0079

「可変ドメイン」(軽鎖(VL)の可変ドメイン、重鎖(VH)の可変ドメイン)は、本明細書において使用する通り、抗体を抗原へ結合させる際に直接的に含まれる軽鎖及び重鎖の対の各々を表示する。可変ヒト軽鎖及び重鎖のドメインは、同じ一般的な構造を有し、各々のドメインが、4つのフレームワーク(FR)領域を含み、それらの配列は、広く保存されており、3つの「超可変領域」(又は相補性決定領域、CDR)により接続されている。フレームワーク領域は、βシートコンホメーションを取り、CDRは、βシート構造を連結するループを形成しうる。各々の鎖中のCDRは、それらの三次元構造において、フレームワーク領域により保持され、他の鎖からのCDRと一緒に、抗原結合部位を形成する。抗体重鎖及び軽鎖CDR3領域は、本発明に従った抗体の結合特異性/親和性において特に重要な役割を果たし、従って、本発明のさらなる目的を提供する。

0080

用語「超可変領域」又は「抗体の抗原結合部分」は、本明細書において使用する場合、抗原結合について関与する抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」又は「CDR」からのアミノ酸残基を含む。「フレームワーク」又は「FR」領域は、本明細書において定義する超可変領域以外のそれらの可変ドメイン領域である。従って、抗体の軽鎖及び重鎖は、NからC末端で、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4を含む。各々の鎖上のCDRは、フレームワークアミノ酸により分離される。特に、重鎖のCDR3は、抗原結合に最も寄与する領域である。CDR及びFR領域は、Kabat, E.A., et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)の標準的な定義に従って決定する。

0081

本明細書において使用する通り、用語「結合する」又は「特異的に結合する」は、インビトロアッセイにおいて、好ましくは、精製された野生型抗原を用いたプラズモン共鳴アッセイ(BIAコア、GE−ヘルスケアスウェーデン、ウプサラ)において、抗原(ヒトVEGF又はヒトANG−2のいずれか)のエピトープへの抗体の結合を指す。結合の親和性は、用語ka(抗体/抗原複合体からの抗体の会合についての速度定数)、kD(解離定数)、及びKD(kD/ka)により定義される。一実施態様において、「結合する」又は「特異的に結合する」は、10−8mol/l又はそれ以下、一実施態様において、10−9M〜10−13mol/lの結合親和性(KD)を意味する。

0082

用語「エピトープ」は、抗体への特異的な結合が可能である任意のポリペプチド決定基を含む。特定の実施態様において、エピトープ決定因子は、分子化学的に活性な表面基(例えばアミノ酸、糖側鎖、ホスホリル、又はスルホニルなど)を含み、特定の実施態様において、特定の三次元構造特徴、及び/又は特定の荷電特徴を有しうる。エピトープは、抗体により結合される抗原の領域である。

0083

特定の実施態様において、抗体は、それが、優先的に、タンパク質及び/又は巨大分子複合体混合物中のその標的抗原を認識する場合、抗原に特異的に結合すると言う。

0084

用語「完全長抗体」は、2つの「完全長抗体重鎖」及び2つの「完全長抗体軽鎖」からなる抗体を表示する。「完全長抗体重鎖」は、N末端からC末端の方向において、抗体重鎖可変ドメイン(VH)、抗体定常重鎖ドメイン1(CH1)、抗体ヒンジ領域(HR)、抗体重鎖定常ドメイン2(CH2)、及び抗体重鎖定常ドメイン3(CH3)(VH−CH1−HR−CH2−CH3として省略される);ならびに、場合により、サブクラスIgEの抗体の場合において、抗体重鎖定常ドメイン4(CH4)からなるポリペプチドである。好ましくは、「完全長抗体重鎖」は、N末端からC末端の方向において、VH、CH1、HR、CH2、及びCH3からなるポリペプチドである。「完全長抗体軽鎖」は、N末端からC末端の方向において、抗体軽鎖可変ドメイン(VL)、及び抗体重鎖可変ドメイン(CL)からなるポリペプチドである(VL−CLと省略される)。抗体軽鎖定常ドメイン(CL)は、κカッパ)又はλ(ラムダ)でありうる。2つの完全長抗体鎖を、CLドメインとCH1ドメインの間の及び完全長抗体重鎖のヒンジ領域の間のポリペプチド間ジスルフィド結合を介して、一緒に連結される。典型的な完全長抗体の例は、IgG(例、IgG1及びIgG2)、IgM、IgA、IgD、及びIgEのような天然抗体である。本発明に従った完全長抗体は、単一種(例、ヒト)からでありうる、又は、それらは、キメラ化もしくはヒト化抗体でありうる。本発明に従った完全長抗体は、VH及びVLの対により各々形成された2つの抗原結合部位を含み、その両方が、具体的には、同じ抗原に結合する。前記完全長抗体の重鎖又は軽鎖のC末端は、前記重鎖又は軽鎖のC末端での最後のアミノ酸を表示する。前記完全長抗体の重鎖又は軽鎖のN末端は、前記重鎖又は軽鎖のN末端での最後のアミノ酸を表示する。

0085

用語「ペプチドリンカー」は、本発明内で使用する通り、アミノ酸配列を伴うペプチドを表示し、それは、好ましくは、合成由来である。本発明に従ったこれらのペプチドを使用し、軽鎖のC末端を、第2の完全長抗体(第2抗原に特異的に結合する)の重鎖のN末端に、ペプチドリンカーを介して接続する。第2の完全長抗体の重鎖及び軽鎖内のペプチドリンカーは、少なくとも30アミノ酸の長さを伴う、好ましくは、32〜50アミノ酸の長さを伴うアミノ酸配列を伴うペプチドである。1つにおいて、ペプチドリンカーは、32〜40アミノ酸の長さを伴うアミノ酸配列を伴うペプチドである。一実施態様において、前記リンカーは、G=グリシン、S=セリン(x=3、n=8、9、又は10及びm=0、1、2、又は3)又は(x=4及びn=6、7、又は8及びm=0、1、2、又は3)を伴う、好ましくは、x=4、n=6、又は7及びm=0、1、2、又は3を伴う、より好ましくは、x=4、n=7、及びm=2を伴う(GxS)nである。一実施態様において、前記リンカーは(G4S)6G2である。

0086

用語「定常領域」は、本願内で使用する通り、可変領域以外の抗体のドメインの和を表示する。定常領域は、抗原の結合において直接的に含まれないが、しかし、種々のエフェクター機能を示す。それらの重鎖の定常領域のアミノ酸配列に依存して、抗体を、クラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMにおいて分け、これらのいくつかを、さらに、サブクラス(例えばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4、IgA1及びIgA2など)中に分けてもよい。抗体の異なるクラスに対応する重鎖定常領域を、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ぶ。全ての5つの抗体クラスにおいて見出すことができる軽鎖定常領域を、κ(カッパ)及びλ(ラムダ)と呼ぶ。

0087

用語「ヒト起源から由来する定常領域」又は「ヒト定常領域」は、本願において使用する通り、サブクラスIgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4のヒト抗体の定常重鎖領域及び/又は定常軽鎖カッパ又はラムダ領域を表示する。そのような定常領域は、最先端技術において周知であり、例えば、Kabat, E.A., et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)(また、例えば、Johnson, G., and Wu, T.T., Nucleic AcidsRes. 28 (2000) 214-218; Kabat, E.A., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 72 (1975) 2785-2788を参照のこと)により記載される。位置及び変異のナンバリングについての適用内で、Kabat, E.A., et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)に従ったEUナンバリングシステム(EUインデックス)を使用し、「KabatのEUインデックスに従ったナンバリング」として言及する。

0088

一実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体は、ヒトIgG1サブクラス(ヒトIgG1サブクラスから由来)の定常領域を有する。

0089

一実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体は、ヒトIgG4サブクラス(ヒトIgG1サブクラスから由来)の定常領域を有する。

0090

一実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体は、変異L234A(Leu235Ala)、L235A(Leu234Ala)、及びP329G(Pro329Gly)を伴うヒトIgG1サブクラスのものである。そのような抗体は、低下したFcR結合を有する(特に、それらは、もはや、FcRgammaI、FcRgammaII、及びFcRgammaIIIへの結合を示さない)。これは特に、例えば血栓症のような潜在的副作用の減少に有用である(Meyer, T., et al., J. Thromb.Haemost.7 (2009) 171-81)。一実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体は、変異S228P(Ser228Pro)、L235E(Leu235Glu)、及びP329G(Pro329Gly)を伴うヒトIgG4サブクラスのものである。そのような抗体は、上に示す通り、低下したFcR結合を示す。記載したPro329Ala変異は、FcgammaRIIIaサンドイッチ相互作用の3分の2だけを既に除去しており、本発明に従った抗体中のPro329Glyは、FcgammaRIIIへのFc部分の結合を完全に与える。これは、特に有用である。なぜなら、FcgammaRIIIへの結合が、細胞死に導くADCC(抗体依存性細胞毒性)において含まれ、それは、癌疾患の処置において有用でありうるが、しかし、それは、他の血管疾患又は免疫学的疾患抗体ベースの処置において深刻な副作用を起こしうる。そのため、変異L234A、L235A、及びP329Gを伴うIgG1サブクラス及び変異S228P、L235E、及びP329Gを伴うIgG4サブクラスの本発明に従った抗体が、特に有用である。なぜなら、それらは、両方が、FcRgammaI、FcRgammaII、及びFcRgammaIIIへのより多くの結合を示さないからである。

0091

用語「変異AAAを伴う」は、本明細書において使用する通り、IgG1又はIgG4の定常重鎖領域における変異I253A(Ile253Ala)、H310A(His310Ala)、H435A(His435Ala)を指し、ここで、ナンバリングは、KabatのEUインデックスに従う。

0092

用語「変異P329G LALAを伴う」は、本明細書において使用する通り、IgG1サブクラスの定常重鎖領域における変異L234A(Leu235Ala)、L235A(Leu234Ala)、及びP329G(Pro329Gly)を指し、ここで、ナンバリングは、KabatのEUインデックスに従う。用語「変異SPLEを伴う」は、本明細書において使用する通り、IgG4サブクラスの定常重鎖領域におけるS228P(Ser228Pro)及びL235E(Leu235Glu)を指し、ここで、ナンバリングは、KabatのEUインデックスに従う。用語「変異SPLE及びP239Gを伴う」は、本明細書において使用する通り、IgG4サブクラスの定常重鎖領域におけるS228P(Ser228Pro)、L235E(Leu235Glu)、及びP329G(Pro329Gly)を指し、ここで、ナンバリングは、KabatのEUインデックスに従う。

0093

本発明に従った免疫グロブリンは、組換え手段により産生される。このように、本発明の一局面は、本発明に従った抗体をコードする核酸である。さらなる局面は、本発明に従った抗体をコードする前記核酸を含む細胞である。組換えの産生のための方法が、最先端技術において広く公知であり、原核細胞及び真核細胞中でのタンパク質発現を含み、続く抗体の単離及び通常は医薬的に許容可能な純度までの精製を伴う。宿主細胞中での上記の抗体の発現のために、それぞれの改変された軽鎖及び重鎖をコードする核酸を、標準方法により発現ベクター中に挿入する。発現は、適切な原核宿主細胞又は真核宿主細胞(CHO細胞、NS0細胞、SP2/0細胞、HEK293細胞、COS細胞、PER.C6細胞、酵母、又はE. coli細胞など)において実施され、抗体を細胞(上清又は溶解後の細胞)から回収する。抗体の組換え産生のための一般的方法が、最先端技術において周知であり、例えば、Makrides, S. C., Protein Expr. Purif. 17 (1999) 183-202; Geisse, S., et al., Protein Expr. Purif. 8 (1996) 271-282; Kaufman, R. J., Mol. Biotechnol. 16 (2000) 151-160; Werner, R. G., Drug Res. 48 (1998) 870-880の総説文献において記載されている。

0094

したがって、本発明の一実施態様は、本発明に従った二重特異性抗体の調製のための方法であって、以下の工程を含む:
a)宿主細胞を、前記抗体をコードする核酸分子を含むベクターを用いて形質転換すること;
b)宿主細胞を、前記抗体分子の合成を許す条件下で培養すること;及び
c)前記抗体分子を、前記培養から回収すること。

0095

一実施態様において、cの下での回収工程は、軽鎖定常ドメイン特異的な捕捉試薬(それは、例えば、本発明に従った二重特異性抗体中のカッパ軽鎖又はラムダ軽鎖が使用されるかに依存して、カッパ定常軽鎖又はラムダ定常軽鎖について特異的)の使用を含む。一実施態様において、この軽鎖特異的捕捉試薬を、結合及び溶出モードにおいて使用する。そのような軽鎖定常ドメイン特異的な捕捉試薬の例は、例えば、GE Healthcare/BACからのKappaSelect(商標)及びLambdaFabSelect(商標)であり、それらは、高い流速及び低い背圧を大規模で許す高度に強固なアガロースビーズマトリクスに基づく。それらは、カッパ軽鎖又はラムダ軽鎖の定常領域にそれぞれ結合するリガンドを特徴とする(即ち、軽鎖の定常領域を欠くフラグメントは、結合しない;図1)。両方が、従って、軽鎖の定常領域を含む他の標的分子(例えばIgG、IgA、及びIgM)に結合することが可能である。リガンドは、マトリクスに、長い親水性スペーサーを介して付着され、それを、標的分子への結合のために簡単に利用可能にする。それらは、ヒトIgカッパ又はラムダのいずれかについてスクリーニングされる単鎖抗体フラグメントに基づく。

0096

本発明の二重特異性抗体は、従来の免疫グロブリン精製手段(例えばプロテインAセファロースヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーゲル電気泳動透析、又は親和性クロマトグラフィーなど)により培養培地から適切に分離される。モノクローナル抗体をコードするDNA及びRNAは、容易に単離され、従来の手順を使用して配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、そのようなDNAの好ましい供給源としての役割を果たしうる。一度、単離されると、DNAを、発現ベクター中に挿入し、それは、次に、本来なら免疫グロブリンタンパク質を産生しない宿主細胞(例えばHEK 293細胞、COS細胞、又はミエローマ細胞など)中にトランスフェクトし、宿主細胞において組換えモノクローナル抗体の合成を得うる。

0097

二重特異性抗体のアミノ酸配列バリアント(又は変異体)を、抗体DNA中へ適切なヌクレオチド変化を導入することにより、又はヌクレオチド合成により調製する。そのような改変は、しかし、非常に限られた範囲においてだけ、実施することができる。例えば、改変は、上に言及する抗体特徴(例えばIgGサブクラス及び抗原結合など)を変えないが、しかし、組換え産生の収量、タンパク質安定性を改善し、又は精製を促進しうる。

0098

本願において使用する用語「宿主細胞」は、本発明に従った抗体を生成するために操作することができる任意の種類の細胞系を表示する。一実施態様において、HEK293細胞及びCHO細胞を宿主細胞として使用する。本明細書において使用する通り、表現「細胞」、「細胞株」、及び「細胞培養」は、互換的に使用され、全てのそのような名称後代を含む。このように、用語「形質転換体」及び「形質転換細胞」は、トランスファーの数にかかわらず、初代被験細胞及びそれに由来する培養物を含む。全ての子孫が、故意又は偶然突然変異のため、DNA含量において正確に同一ではないかもしれないことも理解される。本来の形質転換細胞についてスクリーニングされたのと同じ機能及び生物学的活性を有するバリアント子孫が含まれる。

0099

NS0細胞における発現が、例えば、Barnes, L. M., et al., Cytotechnology 32 (2000) 109-123; Barnes, L. M., et al., Biotech. Bioeng. 73 (2001) 261-270により記載されている。一過性発現は、例えば、Durocher, Y., et al., Nucl. Acids. Res.30 (2002) E9により記載されている。可変ドメインのクローニングが、Orlandi, R., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 (1989) 3833-3837;Carter, P., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89 (1992) 4285-4289;及びNorderhaug, L., et al., J. Immunol. Methods 204 (1997) 77-87により記載されている。好ましい一過性発現系(HEK 293)が、Schlaeger, E. -J., and Christensen, K., Cytotechnology 30 (1999) 71-83及びSchlaeger, E.-J., J. Immunol. Methods 194 (1996) 191-199により報告されている。

0100

原核生物のために適したコントロール配列は、例えば、プロモーター、場合により、オペレーター配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核細胞は、プロモーター、エンハンサー、及びポリアデニル化シグナルを利用することが公知である。

0101

核酸は、それが、別の核酸配列と機能的な関係におかれた場合、「動作可能に連結されている」。例えば、プレ配列又は分泌リーダーのためのDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現される場合、ポリペプチドのためのDNAに動作可能に連結されている;プロモーター又はエンハンサーは、それが配列の転写に影響する場合、コード配列に動作可能に連結されている;又は、リボソーム結合部位は、それが翻訳を促進するように位置付けられている場合、コード配列に動作可能に連結されている。一般的に、「動作可能に連結される」は、連結されているDNA配列が、近接している、分泌リーダーの場合において、近接し、リーディングフレーム中にあることを意味する。しかし、エンハンサーは近接する必要はない。連結は、便利な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーを従来の実行に従って使用する。

0102

細胞成分又は他の混入物(例、他の細胞性核酸又はタンパク質)を、標準的な技術(アルカリ/SDS処理、CsClバンディングカラムクロマトグラフィーアガロースゲル電気泳動を含む)、及び当技術分野において公知の他により排除するために、抗体の精製を実施する。Ausubel, F., et al., ed.Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley Interscience, New York (1987)を参照のこと。

0103

異なる方法が、タンパク質精製のために、十分に確立され、広範に使用されている。例えば、微生物タンパク質を用いた親和性クロマトグラフィー(例、プロテインA又はプロテインG親和性クロマトグラフィー)、イオン交換クロマトグラフィー(例、陽イオン交換カルボキシメチル樹脂)、陰イオン交換アミノエチル樹脂)、及び混合モード交換)、チオフィリック吸着(例、ベータメルカプトエタノール及び他のSHリガンドを伴う)、疎水的相互作用又は芳香族吸着クロマトグラフィー(例、フェニル基−セファロース、アザ−アレノフィリック樹脂、又はm−アミノフェニルボロン酸を伴う)、金属キレート親和性クロマトグラフィー(例、Ni(II)及びCu(II)親和性材料を伴う)、サイズ排除クロマトグラフィー、及び電気泳動方法(例えばゲル電気泳動法キャピラリー電気泳動など)など(Vijayalakshmi, M. A., Appl. Biochem. Biotech. 75 (1998) 93-102)。

0104

本発明に従った二重特異性の二価抗体は、VEGF及びANG−2標的治療を必要とするヒト患者について利益を示す。

0105

本発明に従ったヒトVEGF及びヒトANG−2に対する二価の二重特異性は、効力/安全性プロファイルを有しうる、そして抗VEGF及び抗ANG−2治療を必要とする患者のために利益を提供しうる。

0106

本発明の一局面は、本発明に従った抗体を含む医薬的組成物である。本発明の別の局面は、医薬的組成物の製造のための本発明に従った抗体の使用である。本発明のさらなる局面は、本発明に従った抗体を含む医薬的組成物の製造のための方法である。別の局面において、本発明は、医薬的担体を用いて一緒に製剤化された、組成物、例、本発明に従った抗体を含む医薬的組成物を提供する。

0107

本明細書において使用する通り、「医薬的担体」は、任意の及び全ての溶媒分散媒質コーティング抗菌剤及び抗真菌剤等張剤及び吸収遅延剤、ならびに生理学的に適合性のある同様のものを含む。好ましくは、担体は、局所経路を介して被験者に投与する投与のために適している。例えば、抗体又はその組成物を、眼内適用により、例えば、眼内注射(例えば硝子体内注射など)により、被験者に投与することができる。これは、当技術分野において公知の標準的な手順に従って実施することができる。例えば、Ritter et al., J. Clin.Invest. 116 (2006) 3266-76; Russelakis-Carneiro et al., Neuropathol. Appl. Neurobiol. 25 (1999) 196-206;及びWray et al., Arch. Neurol. 33 (1976) 183-5を参照のこと。

0108

本発明の組成物は、当技術分野において公知の種々の方法により投与することができる。当業者により理解されるであろう通り、投与の経路及び/又は様式は、所望の結果に依存して変動しうる。本発明の化合物を、特定の投与の経路により投与するために、その活性化を防止するための材料を用いて、化合物をコーティングする、又は化合物を同時投与することが必要でありうる。例えば、化合物は、適切な担体(例えば、リポソーム)、又は希釈剤中で、被験者に投与してもよい。医薬的に許容可能な希釈剤は、生理食塩水及び水性緩衝溶液を含む。医薬的担体は、滅菌注射可能溶液又は分散剤の即時調製のための滅菌水溶液又は分散剤及び滅菌粉末を含む。医薬的に活性な物質のためのそのような媒質及び薬剤の使用は、当技術分野において公知である。

0109

送達の多くの可能なモードを使用することができ、非限定的に、眼内適用又は局所適用を含む。一実施態様において、適用は、眼内であり、非限定的に、結膜下注射、前房内注射、側頭部角膜縁を介した前房中への注射、基質内注射、角膜内注射、網膜下注射、眼房水注射、テノン嚢下注射又は持続送達装置、硝子体内注射(例、前、中、又は後硝子体内注射)を含む。一実施態様において、適用は局所的であり、非限定的に、角膜への点眼を含む。

0110

一実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体又は医薬的組成物は、硝子体内適用を介して、例えば、硝子体内注射を介して投与される。これは、当技術分野において公知の標準的な手順に従って実施することができる。例えば、Ritter et al., J. Clin. Invest. 116 (2006) 3266-76; Russelakis-Carneiro et al., Neuropathol. Appl. Neurobiol. 25 (1999) 196-206;及びWray et al., Arch.Neurol.33 (1976) 183-5を参照のこと。

0111

一部の実施態様において、本発明の治療的キットは、本明細書において記載する医薬的組成物中に存在する二重特異性抗体の1又は複数の用量、医薬的組成物の硝子体内注射のための適した装置、ならびに適した被験者を詳述する指示書及び注射を行うためのプロトコールを含みうる。これらの実施態様において、組成物は、典型的には、処置を必要とする被験者に、硝子体内注射を介して投与される。これは、当技術分野において公知の標準的な手順に従って実施することができる。例えば、Ritter et al., J. Clin. Invest. 116 (2006) 3266-76; Russelakis-Carneiro et al., Neuropathol. Appl. Neurobiol.25 (1999) 196-206;及びWray et al., Arch.Neurol.33 (1976) 183-5を参照のこと。

0112

組成物は、また、アジュバント(例えば保存剤湿潤剤乳化剤、及び分散剤など)を含んでもよい。微生物の存在の防止は、滅菌手順(上記)により、ならびに、種々の抗菌薬剤及び抗真菌薬剤(例えば、パラベンクロロブタノールフェノールソルビン酸、及び同様のものなど)の包含により、確実にされうる。また、等張剤(例えば糖、塩化ナトリウム、及び同様のものなど)を組成物中に含むことが望ましいであろう。また、注射可能な医薬的形態の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなど)の包含によりもたらされうる。

0113

選択された投与の経路にかかわらず、本発明の化合物(それは、適した水和形態において使用してもよい)、及び/又は本発明の医薬的組成物は、当業者に公知の従来の方法により、医薬的に許容可能な投与形態中に製剤化される。

0114

本発明の医薬的組成物における活性成分の実際の投与量レベルを、変動させてもよく、患者への毒性を伴わず、特定の患者、組成物、及び投与様式についての所望の治療的応答を達成するために効果的である活性成分の量を得るようにする。選択される投与量レベルは、種々の薬物動態学的因子(用いられる本発明の特定の組成物の活性、投与の経路、投与の時間、用いられている特定の化合物の排出速度、治療の持続期間、他の薬物、用いられる特定の組成物との組み合わせにおいて使用される化合物及び/又は材料、処置されている患者の年齢性別、体重、状態、全身の健康状態及び以前の病歴、ならびに医学分野において周知の同様の因子を含む)に依存しうる。

0115

組成物は、滅菌で、組成物がシリンジにより送達可能である範囲まで液体でなければならない。水に加えて、担体は、好ましくは、等張緩衝生理食塩水である。

0116

適した流動性は、例えば、コーティング(例えばレシチンなど)の使用により、分散の場合においては、要求される粒子サイズの維持により、及び界面活性剤の使用により維持することができる。多くの場合において、等張剤、例えば、糖、多価アルコール(例えばマンニトール又はソルビトール)、及び塩化ナトリウムなどを組成物中に含むことが好ましいであろう。

0117

組成物は、結膜下投与のための活性薬剤を含む眼科用デポー製剤を含むことができる。眼科用デポー製剤は、本質的に純粋な活性薬剤、例えば、本発明に従った二重特異性抗体の微粒子を含む。本発明に従った二重特異性抗体を含む微粒子は、生体適合性の医薬的に許容可能なポリマー又は脂質封入薬剤中に埋め込むことができる。デポー製剤を、延長期間にわたり、実質的に全ての活性物質の全てを放出するように適応してもよい。ポリマー又は脂質マトリクスは、存在する場合、全て又は実質的に全ての活性薬剤の放出後に、十分に分解され、投与部位から輸送されるように適応してもよい。デポー製剤は、医薬的に許容可能なポリマー及び溶解又は分散した活性薬剤を含む、液体製剤でありうる。注射時、ポリマーは、例えば、ゲル化又は沈殿により、注射部位デポーを形成する。

0118

本発明の別の局面は、眼血管疾患の処置における使用のための、本発明に従った二重特異性抗体である。

0119

本発明の一実施態様は、眼血管疾患の処置における使用のための、本発明に従った二重特異性抗体である。

0120

本発明の別の局面は、眼血管疾患の処置における使用のための、前記医薬的組成物である。

0121

本発明の別の局面は、眼血管疾患の処置のための医薬の製造のための本発明に従った抗体の使用である。

0122

本発明の別の局面は、そのような処置を必要とする患者に、本発明に従った抗体を投与することによる、眼血管疾患に苦しむ患者の処置の方法である。

0123

用語「眼血管疾患」及び「血管眼疾患」を、本明細書において互換的に使用し、非限定的に、眼内新生血管症候群、例えば糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫未熟児網膜症血管新生緑内障、網膜静脈閉塞症網膜中心静脈閉塞症黄斑変性症、加齢性黄斑変性症、網膜色素変性症、網膜血管腫増殖症、黄斑毛細血管拡張症、虚血性網膜症、虹彩血管新生、眼内血管新生、角膜血管新生、網膜血管新生、脈絡膜血管新生、及び網膜変性などを含む。(Garner, A., Vascular diseases, In: Pathobiology of ocular disease, A dynamic approach, Garner, A., and Klintworth, G.K., (eds.), 2nd edition, Marcel Dekker, New York (1994), pp.1625-1710)本明細書において使用する通り、眼血管障害は、眼組織(例えば網膜又は角膜など)の構造中への新たな血管の変化した又は調節されない増殖及び侵入により特徴付けられる任意の病理学的状態を指す。一実施態様において、眼血管疾患は、以下からなる群より選択される:滲出型加齢黄斑変性症滲出型AMD)、乾燥型加齢黄斑変性症(乾燥型AMD)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、嚢胞様黄斑浮腫(CME)、非増殖性糖尿病性網膜症(NPDR)、増殖性糖尿病網膜症(PDR)、嚢胞様黄斑浮腫、血管炎(例、網膜中心静脈閉塞症)、乳頭浮腫網膜炎結膜炎ブドウ膜炎脈絡膜炎多巣性脈絡膜炎、眼ヒストプラスマ眼瞼炎ドライアイ(シェーグレン病)、及び他の眼疾患、ここで、眼疾患又は障害は、眼血管新生血管漏出、及び/又は網膜浮腫と関連付けられる。そのため、本発明に従った二重特異性抗体は、滲出型AMD、乾燥型AMD、CME、DME、NPDR、PDR、眼瞼炎、ドライアイ、及びブドウ膜炎、また、好ましくは、滲出型AMD、乾燥型AMD、眼瞼炎、及びドライアイ、また、好ましくは、CME、DME、NPDR、及びPDR、また、好ましくは、眼瞼炎、及びドライアイ、特に、滲出型AMD及び乾燥型AMD、また、特に、滲出型AMDの防止及び処置において有用である。一部の実施態様において、眼疾患は、滲出型加齢黄斑変性症(滲出型AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞、未熟児網膜症、及び糖尿病性網膜症からなる群より選択される。

0124

角膜血管新生に関連付けられる他の疾患は、非限定的に、流行性角結膜炎ビタミンA欠乏症コンタクトレンズの過剰装着、アトピー性角膜炎、上輪部角角膜炎、翼状片角膜炎乾性角、シェーグレン、酒さ性ざ瘡フィレクテヌローシス、梅毒マイコバクテリア感染、脂質変性化学熱傷細菌性潰瘍真菌性潰瘍、単純ヘルペス感染、帯状疱疹感染、原虫感染カポジ肉腫モーレン潰瘍、テリエン辺縁変性、辺縁角質溶解慢性関節リウマチ全身性エリテマトーデス、多発外傷ウェゲナーサルコイドーシス強膜炎スティーブジョンソン病、類天疱瘡放射角膜切開、及び角膜移植拒絶を含む。

0125

網膜/脈絡膜新生血管形成に関連する疾患は、非限定的に、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、鎌状赤血球貧血サルコイド、梅毒、弾性線維仮性黄色腫パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頸動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎/硝子体炎、マイコバクテリア感染、ライム病、全身性エリテマトーデス、未熟児網膜症、網膜色素変性、網膜浮腫(黄斑浮腫を含む)、イールズ病ベーチェット病、網膜炎又は脈絡膜炎を起こす感染、推定眼ヒストプラスマ症ベスト病近視、視神経ピットシュタルガルト病扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群トキソプラズマ症、外傷、及びレーザー後合併症を含む。他の疾患は、非限定的に、ルベオーシス(角の新生血管形成)に関連付けられる疾患及び線維血管組織又は繊維組織異常増殖増殖性硝子体網膜症の全ての形態を含む)により起こされる疾患を含む。

0126

未熟児の網膜症(ROP)は、早期に生まれた乳児に影響する、眼の疾患である。それは、瘢痕及び網膜剥離をもたらしうる、網膜血管の無秩序な成長により起こされると考えられる。ROPは、軽度であり、自然発生的に消散しうるが、深刻な場合において失明に導きうる。そのようなものとして、全ての早産乳児には、ROPについてのリスクがあり、非常に低い出生体重は、追加のリスク因子である。酸素毒性及び相対低酸素症の両方が、ROPの発生に寄与しうる。

0127

黄斑変性症は、高齢者において主に見出される医学的状態であり、ここで、眼の内部裏打ちの中心(網膜の黄斑領域として公知である)が、菲薄化、萎縮、及び、一部の場合において、出血を被る。これは、中心視野の喪失を招きうるが、それは、細かい詳細を見る、読む、又は顔を認識することの不能を伴う。米国眼科学会に従い、それは、50を上回る人々での、今日の米国での中心視野喪失(失明)の主要な原因である。若年者に影響する一部の黄斑ジストロフィーは、時々、黄斑変性症と呼ばれているが、この用語は、一般的に、加齢性黄斑変性症(AMD又はARMD)を指す。

0128

加齢黄斑変性は、網膜色素上皮とその下の脈絡膜の間のドルーゼンと呼ばれる黄斑(詳細な中心視野を提供する網膜の中央領域で、中心窩と呼ばれる)に特徴的な黄色沈着を伴い始まる。これらの初期の変化(加齢性黄斑変性症とも呼ばれる)を伴う大半の人々が、良い視力を有する。ドルーゼンを伴う人々は、進み、進行性AMDを発生しうる。このリスクは、ドルーゼが大きく、多数であり、黄斑下の色素性細胞層における乱れに関連付けられる場合、相当により高い。大きく、柔らかいドルーゼンは、上昇したコレステロール沈着に関連しており、コレステロール低下薬剤又はRheo手順に応答しうる。

0129

進行性AMDは、深刻な失明に関与し、2つの形態を有する:乾燥型及び滲出型。中央の地理的な萎縮は、進行性AMDの乾燥形態であり、網膜下の網膜色素上皮層への萎縮から生じ、それは、眼の中央部分において光受容体桿体及び錐体)の喪失を通じて視力喪失を起こす。処置は、この状態について利用可能ではなく、高用量の酸化防止剤ルテイン、及びゼアキサンチンを伴うビタミンサプリメントが、国立眼研究所及び他により、乾燥黄斑変性の進行を遅らせ、一部の患者において、視力を改善することが実証されている。

0130

網膜色素変性症(RP)は、遺伝的な眼状態の群である。RPについての症状の進行において、夜盲は、一般的に、トンネル視を数年又は数十年だけ先行する。RPを伴う多くの人が、彼らの40代又は50代までに、合法的盲目にならず、一部の視力を、全ての彼らの人生で保持する。他は、一部の場合において、小児期という早期に、RPから完全な盲目に行く。RPの進行は、各々の場合において異なる。RPは、遺伝性網膜ジストロフィーの型であり、遺伝性障害の群であり、ここで、網膜の光受容体(桿体及び錐体)又は網膜色素上皮(RPE)の異常が、進行性の視力喪失に導く。罹患した個人は、最初に、欠陥のある暗順応又は夜盲症(夜盲)を経験し、周辺視野の低下(トンネル視として公知である)及び、時々、疾患の経過における後期に、中心視野の喪失が続く。

0131

液体及びタンパク質の堆積物が眼の黄斑の上下に集まる際、黄斑浮腫(網膜の黄色中央領域)が生じ、それを厚くし、膨潤させる。腫脹が、ヒトの中心視野を歪めうる。なぜなら、黄斑は、眼球後ろで、網膜の中心近くにあるからである。この領域は、ヒトが、直接的に視線中にある形態、色、及び詳細を見ることを可能にする、シャープで明確な中心視野を提供する緊密に詰められた錐体を保持する。嚢胞様黄斑浮腫は、嚢胞形成を含む黄斑浮腫の型である。

0132

組み合わせ治療:特定の実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体又は医薬的組成物を、本明細書において記載する1つ又は複数の眼血管疾患の処置のために、単独で(追加の治療的薬剤を伴わない)投与する。

0133

他の実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体又は医薬的組成物を、本明細書において記載する1つ又は複数の眼血管疾患の処置のために、1つ又は複数の追加の治療的薬剤又は方法との組み合わせにおいて投与する。

0134

他の実施態様において、本発明に従った二重特異性抗体又は医薬的組成物を、1つ又は複数の追加の治療的薬剤との組み合わせにおいて製剤化し、本明細書において記載する1つ又は複数の眼血管疾患の処置のために投与する。

0135

特定の実施態様において、本明細書において提供する組み合わせ処置は、投与を含み、本発明に従った二重特異性抗体又は医薬的組成物を、本明細書において記載する1つ又は複数の眼血管疾患の処置のために、1つ又は複数の追加の治療的薬剤と順次投与する。

0136

追加の治療的薬剤は、非限定的に、トリプトファニルtRNA合成酵素(TrpRS)、EyeOOl(抗VEGFペグアプタマー)、スクアラミン、RETAANE(商標)(デポー懸濁液用酢酸アネコルタブ;Alcon, Inc.)、コンブレタスタチンA4プロドラッグ(CA4P)、MACUGEN(商標)、MIFEPREX(商標)(ミフェプリストン−ru486)、サブテノントリアムシノロンアセトニド、硝子体内結晶トリアムシノロンアセトニド、プリマスタット(AG3340合成マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、Pfizer)、フルオシノロンアセトニド(フルオシノ眼内インプラントを含む、Bausch & Lomb/Control Delivery Systems)、VEGFR阻害剤(SUGEN)、VEGF−Trap(Regeneron/Aventis)、VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−(l−メチルピペリジン−4−イルメトキシキナゾリンZD6474)、4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171)、バタラニブ(PTK787)、及びSU11248(スニチニブ)、リノマイド、ならびにインテグリンv.ベータ.3機能及びアンギオスタチン阻害剤を含む。

0137

本発明に従った二重特異性抗体又は医薬的組成物との組み合わせにおいて使用することができ、投与される他の医薬的治療は、非限定的に、非熱レーザーを用いたVISUDYNE(商標)、PKC412、Endovion(NeuroSearch A/S)、神経栄養因子(例として、グリア由来の神経栄養因子及び毛様体神経栄養因子を含む)、ジアタゼム、ドルゾラミドフォトトロプ、9−シス−レチナール目薬エコー治療を含む)(ヨウ化ホスホリン又はエコチオフェート又は炭酸脱水酵素阻害剤を含む)、AE−941(AEterna Laboratories, Inc.)、Sirna-027(Sima Therapeutics, Inc.)、ペガプタニブ(NeXstar Pharmaceuticals/Gilead Sciences)、ニューロトロフィン(例として、NT−4/5、Genentechを含む)、Cand5(Acuity Pharmaceuticals)、INS−37217(Inspire Pharmaceuticals)、インテグリンアンタゴニスト(Jerini AG及びAbbott Laboratoriesからのものを含む)、EG−3306(Ark Therapeutics Ltd.)、BDM−E(BioDiem Ltd.)、サリドマイド(例えば、EntreMed, Inc.により使用される通り)、カルジオトロフィン1(Genentech)、2メトキシエストラジオール(Allergan/Oculex)、DL−8234(Toray Industries)、NTC−200(Neurotech)、テトラチオモリブデンミシガン大学)、LYN−002(Lynkeus Biotech)、微細藻類化合物(Aquasearch/Albany, Mera Pharmaceuticals)、D−9120(Celltech Group pic)、ATX−S10(Hamamatsu Photonics)、TGF−β2(Genzyme/Celtrix)、チロシンキナーゼ阻害剤(Allergan, SUGEN, Pfizer)、NX−278−L(NeXstar Pharmaceuticals/Gilead Sciences)、OPT−24(OPTIS France SA)、網膜細胞神経節神経保護剤(Cogent Neurosciences)、Nニトピラゾール誘導体(Texas A&M University System)、KP−102(Krenitsky Pharmaceuticals)、シクロスポリンA、Timited網膜転座光線力学治療(例として、受容体を標的とするPDT、Bristol-Myers Squibb, Co.;PDTを用いた注射用のルフィマーナトリウムベルポルフィン、QLTInc.;PDTを伴うロスタポルフィン、Miravent Medical Technologies;PDTを伴うタラポルフィンナトリウム、Nippon Petroleum;モテキサフィンルテチウム、Pharmacyclics, Inc.)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(例として、Novagali Pharma SAによりテストされた産物及びISIS−13650、Isis Pharmaceuticalsを含む)、レーザー光凝固、ドルーゼンレーザー加工黄斑円孔手術、黄斑転座手術、移植可能ミニチュアテレスコープファイモーション血管造影(また、マイクロレーザー治療及びフィーダーベッセル処置として公知である)、陽子線治療微小刺激治療、網膜剥離及び硝子体手術強膜バックル、黄斑下手術、経瞳孔温熱治療光化学系I治療、RNA干渉(RNAi)の使用、体外レオフェレシス(また、膜差濾過及びRheotherapyとして公知である)、マイクロチップ移植、幹細胞治療、遺伝子交換治療、リボザイム遺伝子治療低酸素応答エレメント用の遺伝子治療を含む、Oxford Biomedica;Lentipak、GENETIX;PDEF遺伝子治療、GenVec)、光受容体/網膜細胞移植(移植可能な網膜上皮細胞、Diacrin, Inc.;網膜細胞移植、Cell Genesys, Inc.を含む)、及びを含む。

0138

任意の抗血管形成薬剤を、本発明に従った二重特異性抗体又は医薬的組成物(非限定的に、Carmeliet and Jain, 2000, Nature 407: 249-257により列挙されるものを含む)との組み合わせにおいて使用することができる。特定の実施態様において、抗血管形成薬剤は、別のVEGFアンタゴニスト又はVEGF受容体アンタゴニスト、例えばVEGFバリアント、可溶性VEGF受容体フラグメント、VEGF又はVEGFRを遮断することが可能であるアプタマー、中和抗VEGFR抗体、VEGFRチロシンキナーゼの低分子量阻害剤、及びそれらの任意の組み合わせなどであり、これらは、抗VEGFアプタマー(例、ペガプタニブ)、可溶性組換えデコイ受容体(例、VEGFトラップ)を含む。特定の実施態様において、抗血管形成薬剤は、コルチコステロイド、血管形成抑制ステロイド、酢酸アネコルタブ、アンジオスタチンエンドスタチン、VEGFR又はVEGFリガンドの発現を減少させる低分子干渉RNA、チロシンキナーゼ阻害剤を用いたVEGFR後の遮断、MMP阻害剤、IGFBP3、SDF−1遮断薬、PEDF、ガンマセクレターゼデルタ様リガンド4、インテグリンアンタゴニスト、HIF−1アルファ遮断、プロテインキナーゼCK2遮断、及び血管内皮カドヘリン(CD−144)及び間質由来因子(SDF)−I抗体を使用した血管新生部位への幹細胞(即ち、内皮前駆細胞ホーミングの阻害を含む。VEGF受容体(PTK787を含む)を標的とする小分子RTK阻害剤を使用することもできる。必ずしも抗VEGF化合物ではない血管新生に対して活性を有する薬剤も使用することができ、抗炎症薬物、m−Tor阻害剤、ラパマイシンエベロリムステムシロリムスシクロスポリン、抗TNF薬剤、抗補体薬剤、及び非ステロイド性抗炎症薬剤を含むことができる。神経保護的であり、乾燥型黄斑変性の進行を潜在的に低下させることができる薬剤も使用することができる(例えば「神経ステロイド」と呼ばれる薬物のクラスなど)。これらは、薬物、例えばデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)(ブランド名:Prastera(登録商標)及びFidelin(登録商標))、デヒドロエピアンドロステロン硫酸、及びプレグネノロン硫酸などを含む。任意のAMD(加齢性黄斑変性症)治療用薬剤は、本発明に従った二重特異性抗体又は医薬的組成物との組み合わせにおいて使用することができ、非限定的に、PDTとの組み合わせにおけるベルテポルフィン、ペガプタニブナトリウム亜鉛、又は酸化防止剤(単独で又は任意の組み合わせにおいて)を含む。

0139

用語「被験者」及び「患者」は、互換的に使用され、哺乳動物(例えばヒト患者及び非ヒト霊長類など)、ならびに実験動物(例えばウサギラット、及びマウスなど)、ならびに他の動物などを指す。動物は、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物及び非哺乳動物、例えばイヌネコヒツジウシブタ、ウサギ、ニワトリなどを含む。本発明の治療的方法を実行するための好ましい被験者は、ヒトである。処置が必要な被験者は、眼血管疾患又は障害に既に苦しんでいる患者ならびに障害を発生しやすい患者を含む。

0140

本明細書において使用する通り、表現「細胞」、「細胞株」、及び「細胞培養」は互換的に使用され、全てのそのような名称はその子孫を含む。このように、用語「形質転換体」及び「形質転換細胞」は、トランスファーの数に関わらず、初代被験細胞及びそれから由来する培養物を含む。全ての子孫が、故意又は偶然の変異に起因し、DNA含量において正確に同一ではないかもしれないことも理解される。本来の形質転換細胞についてスクリーニングされたのと同じ機能及び生物学的活性を有するバリアント子孫が含まれる。別個の名称が意図される場合、それは文脈から明らかであろう。

0141

用語「形質転換」は、本明細書において使用される通り、宿主細胞中へのベクター/核酸のトランスファーのプロセスを指す。手強い細胞壁障壁を伴わない細胞を宿主細胞として使用する場合、トランスフェクションは、例えば、Graham, F.L., van der Eb, A.J., Virology 52 (1973) 546-467により記載される通りのリン酸カルシウム沈殿法により行う。しかし、細胞中にDNAを導入するための他の方法(例えば、核注射による又はプロトプラスト融合による、など)も使用することができる。原核細胞又は実質的な細胞壁構成を含む細胞を使用する場合、例えば、トランスフェクションの方法は、Cohen, S.N., et al., PNAS. 69 (1972) 2110-2114により記載される通りの塩化カルシウムを使用したカルシウム処理である。

0142

本明細書において使用する通り、「発現」は、核酸がmRNA中に転写されるプロセス及び/又は転写されたmRNA(また、転写物として言及される)が、その後、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質中に翻訳されているプロセスを指す。転写物及びコードされたポリペプチドは、集合的に、遺伝子産物として言及される。ポリヌクレオチドが、ゲノムDNAから由来する場合、真核細胞における発現は、mRNAのスプライシングを含みうる。

0143

「ベクター」は、特に自己複製する核酸分子であり、それは、挿入された核酸分子を、宿主細胞中及び/又はその間に移す。この用語は、細胞中へのDNA又はRNAの挿入(例、染色体組込み)のために主に機能するベクター、DNA又はRNAの複製のために主に機能するベクターの複製、ならびに、DNA又はRNAの転写及び/又は翻訳のために機能する発現ベクターを含む。また、記載する通りの機能の複数を提供するベクターが含まれる。

0144

「発現ベクター」は、適切な宿主細胞中に導入された場合、ポリペプチドに転写及び翻訳されうるポリヌクレオチドである。「発現系」は、通常、所望の発現産物を生じるように機能することができる、発現ベクターで構成される適した宿主細胞を指す。

0145

以下の実施例、配列表、及び図面を提供し、本発明の理解を助け、その真の範囲は、添付の特許請求の範囲において記載される。記載する手順は、本発明の精神から逸脱することを伴わず、改変を作ることができることが理解される。

0146

配列リストの記載(アミノ酸配列)

0147

以下において、本発明の実施態様を列挙する:
1.ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む二重特異性抗体であって、
ここで
i)VEGFに特異的に結合する前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号1のCDR3H領域、配列番号2のCDR2H領域、及び配列番号3のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号4のCDR3L領域、配列番号5のCDR2L領域、及び配列番号6のCDR1L領域を含み;及び
ii)ANG−2に特異的に結合する前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインにおいて、配列番号9のCDR3H領域、配列番号10のCDR2H領域、及び配列番号11のCDR1H領域、ならびに、軽鎖可変ドメインにおいて、配列番号12のCDR3L領域、配列番号13のCDR2L領域、及び配列番号14のCDR1L領域を含み、及び、ここで
iii)二重特異性抗体が、変異I253A、H310A、及びH435A(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む、ヒトIgG1又はヒトIgG4サブクラス(ヒト起源から由来する)の定常重鎖領域を含む。

0148

2.実施態様1に従った二重特異性抗体であって、ここで
i)VEGFに特異的に結合する前記の第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインVHとして、配列番号7のアミノ酸配列を、及び、軽鎖可変ドメインVLとして、配列番号8のアミノ酸配列を含み、ならびに
ii)ANG−2に特異的に結合する前記の第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメインVHとして、配列番号15のアミノ酸配列を、及び、軽鎖可変ドメインVLとして、配列番号16のアミノ酸配列を含む。

0149

3.実施態様1〜2のいずれか1つに従った二重特異性抗体であって、ここで、iii)の下の定常重鎖領域が、ヒトIgG1サブクラスのものである。

0150

4.実施態様3に従った二重特異性抗体であって、ここで、IgG1サブクラスの定常重鎖領域が、さらに、変異L234A、L235A、及びP329G(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む。

0151

5.実施態様1〜2のいずれか1つに従った二重特異性抗体であって、ここで、iii)の下の定常重鎖領域が、ヒトIgG4サブクラスのものである。

0152

6.実施態様5に従った二重特異性抗体であって、ここで、IgG4サブクラスの定常重鎖領域が、さらに、変異S228P及びL235E(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む。

0153

7.実施態様5に従った二重特異性抗体であって、ここで、IgG4サブクラスの定常重鎖領域が、さらに、変異S228P、L235E、及びP329G(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を含む。

0154

8.実施態様1〜7のいずれか1つに従った抗体を含む医薬的組成物。

0155

9.眼血管疾患の処置における使用のための、実施態様1〜7のいずれか1つに従った二重特異性抗体。

0156

10.眼血管疾患の処置のための医薬の製造のための、実施態様1〜7のいずれか1つに従った二重特異性抗体の使用。

0157

11.抗体が、硝子体内適用を介して投与される、実施態様9又は10のいずれか1つに従った二重特異性抗体。

0158

12.そのような処置を必要とする患者に、実施態様1〜7のいずれか1つに従った抗体を投与することによる、眼血管疾患に苦しむ患者の処置の方法。

0159

13.実施態様1〜7のいずれか1つに従った二重特異性抗体をコードする核酸。

0160

14.原核又は真核宿主細胞において前記核酸を発現することが可能である、実施例13に従った前記核酸を含む発現ベクター。

0161

15.実施態様14に従ったベクターを含む原核又は真核宿主細胞。

0162

16.実施態様1〜7に従った二重特異性抗体の調製のための方法であって、以下の工程を含む方法:
a)宿主細胞を、前記抗体をコードする核酸分子を含むベクターを用いて形質転換すること;
b)宿主細胞を、前記抗体分子の合成を許す条件下で培養すること;及び
c)前記抗体分子を、前記培養から回収すること。

0163

17.実施態様16の方法により得られた二重特異性抗体。

0164

18.配列番号25の、配列番号26の、配列番号27の、及び配列番号28のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体。

0165

19.配列番号21の、配列番号22の、配列番号23の、及び配列番号24のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体。

0166

20.配列番号29の、配列番号30の、配列番号31の、及び配列番号32のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位及びヒトANG−2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性の二価抗体。

0167

実験手順

0168

用語「変異AAAを伴う」は、本明細書において使用する通り、IgG1又はIgG4の定常重鎖領域中の変異I253A(Ile253Ala)、H310A(His310Ala)、及びH435A(His435Ala)(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を指し、用語「変異P329G LALAを伴う」は、本明細書において使用する通り、IgG1サブクラスの定常重鎖領域中の変異L234A(Leu235Ala)、L235A(Leu234Ala)、及びP329G(Pro329Gly)(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を指し、用語「変異SPLEを伴う」は、本明細書において使用する通り、IgG4サブクラスの定常重鎖領域中のS228P(Ser228Pro)及びL235E(Leu235Glu)(KabatのEUインデックスに従ったナンバリング)を指す。

0169

実施例
材料及び方法
ヒト免疫グロブリンの軽鎖及び重鎖のヌクレオチド配列に関する一般的な情報が、以下において与えられる:Kabat, E. A., et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)。抗体鎖のアミノ酸に、EUナンバリングに従って番号を付けて指す(Edelman, G. M., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 63 (1969) 78-85; Kabat, E.A., et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, (1991))。

0170

組換えDNA技術
標準的方法を使用し、Sambrook, J., et al., Molecular cloning: A laboratory manual;Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989に記載される通りに操作した。分子生物学試薬を、製造業者の指示に従って使用した。

0171

遺伝子合成
所望の遺伝子セグメントは、Geneart(レーゲンスブルク、ドイツ)での所与仕様に従って順序付けた。

0172

DNA配列決定
DNA配列は、MediGenomix GmbH(マルティンスリート、ドイツ)又はSequiserve GmbH(ファーターシュテッテン、ドイツ)で実施した二本鎖配列決定により決定した。

0173

DNA及びタンパク質配列分析ならびに配列データ管理
GCGの(Genetics Computer Group, Madison, Wisconsin)ソフトウェアパッケージバージョン10.2及びInfomaxのVectorNT1 Advance suite version 8.0を、配列の作成、マッピング、分析、注釈、及び図示のために使用した。

0174

発現ベクター
記載する抗体の発現のために、CMV−イントロンAプロモーターを伴う又は伴わないcDNA組織化又はCMVプロモーターを伴うゲノム組織化のいずれかに基づく一過性発現(例、HEK293−Fにおける)細胞のための発現プラスミドの変異体を適用した。

0175

抗体発現カセットの他に、ベクターは、以下を含んだ:
大腸菌においてこのプラスミドの複製を許す複製の起点、
− 大腸菌においてアンピシリン耐性を付与するβラクタマーゼ遺伝子、及び
−真核細胞における選択可能なマーカーとしての、ハツカネズミからのジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、
抗体遺伝子転写単位は、以下のエレメントで構成された:
− 5’末端での固有の制限部位、
ヒトサイトメガロウイルスからの前初期エンハンサー及びプロモーター、
−cDNA組織化の場合において、イントロンA配列が続く、
−ヒト抗体遺伝子の5’非翻訳領域、
免疫グロブリン重鎖シグナル配列
−免疫グロブリンエクソン−イントロン組織化を伴うcDNAとしての又はゲノム組織化としてのヒト抗体鎖(野生型又はドメイン交換を伴う)、
ポリアデニル化シグナル配列を伴う3’非翻訳領域、及び
− 3’末端での固有の制限部位。

0176

下に記載する通りの抗体鎖を含む融合遺伝子を、PCR及び/又は遺伝子合成により生成し、公知の組換え方法及び一致した核酸セグメントの接続により(例、それぞれのベクターにおいて固有の制限部位を使用し)、組み立てた。サブクローン化した核酸配列をDNA配列決定により検証した。一過性トランスフェクションのために、より多量のプラスミドを、形質転換された大腸菌培養物(Nucleobond AX, Macherey-Nagel)からのプラスミド調製により調製した。

0177

細胞培養
標準的な細胞培養技術を、Current Protocols in Cell Biology (2000), Bonifacino, J.S., Dasso, M., Harford, J.B., Lippincott-Schwartz, J. and Yamada, K.M. (eds.), John Wiley & Sons, Inc.において記載される通りに使用した。

0178

二重特異性抗体は、下に記載する通り、懸濁液中で成長するHEK29−F細胞中でのそれぞれの発現プラスミドの一過性同時トランスフェクションにより発現させた。

0179

実施例1
タンパク質の発現及び精製
HEK293−Fシステムにおける一過性トランスフェクション
二重特異性抗体を、それぞれのプラスミド(例、重鎖及び改変重鎖、ならびに対応する軽鎖及び改変軽鎖をコードする)を用いた一過性トランスフェクションにより、HEK293−Fシステム(Invitrogen)を製造者の指示に従って使用して精製した。簡単には、振盪フラスコ中又は撹拌発酵槽中のいずれかで、無血清FreeStyle(商標)293発現培地(Invitrogen)中で、懸濁液中で成長するHEK293−F細胞(Invitrogen社)を、4つの発現プラスミド及び293フェクチン(商標)又はフェクチン(Invitrogen)の混合物を用いてトランスフェクトした。2L振盪フラスコ(Corning)について、HEK293−F細胞を、600ml中の1.0E*6個細胞/mLの密度播種し、120rpm、8%CO2でインキュベートした。翌日、細胞を、A)重鎖又は改変重鎖、及び等モル比での対応する軽鎖をそれぞれコードする600μgの全プラスミドDNA(1μg/mL)を伴う20mlのOpti-MEM(Invitrogen)ならびにB)20mlのOpti-MEM + 1.2mLの293フェクチン又はフェクチン(2μl/mL)の約42mL混合物を用いて、約1.5E*6個細胞/mLの細胞密度でトランスフェクトした。グルコース消費量に従い、グルコース溶液を、発酵過程の間に加えた。分泌された抗体を含む上清を、5−10日後に採取し、抗体を上清から直接的に精製した、又は上清を凍結及び保存した。

0180

精製
二重特異性抗体を、細胞培養上清から、MabSelectSure-Sepharose(商標)(non_AAA変異体用)(GE Healthcare、スウェーデン)又はkappaSelect-Agarose(AAA変異体用)(GE Healthcare、スウェーデン)を使用した親和性クロマトグラフィー、ブチルセファロース(GE Healthcare、スウェーデン)を使用した疎水性相互作用クロマトグラフィー、及びSuperdex 200サイズ排除(GE Healthcare、スウェーデン)クロマトグラフィーにより精製した。

0181

簡単には、滅菌濾過した細胞培養上清を、PBS緩衝液(10mM Na2HPO4、1mM KH2PO4、137mM NaCl、及び2.7mM KCl、pH7.4)を用いて平衡化したMabSelect SuRe樹脂上に捕捉し、平衡緩衝液を用いて洗浄し、25mMクエン酸ナトリウムを用いてpH3.0で溶出した。AAA変異体を、25mMトリス、50mM NaCl、pH7.2を用いて平衡化したkappaSelect樹脂上に捕捉し、平衡緩衝液を用いて洗浄し、25mMクエン酸ナトリウムpH2.9を用いて溶出した。溶出したタンパク質画分プールし、2M Tris、pH9.0を用いて中和した。抗体プールは、0.8M硫酸アンモニウム最終濃度まで1.6M硫酸アンモニウム溶液を加えることにより、疎水性相互作用クロマトグラフィー用に調製し、pHを、酢酸を使用し、pH5.0に調整した。35mM酢酸ナトリウム、0.8M硫酸アンモニウム、pH5.0を用いたブチルセファロース樹脂の平衡化後、抗体を樹脂に適用し、平衡緩衝液を用いて洗浄し、35mM酢酸ナトリウムpH5.0までの直線勾配を用いて溶出した。画分を含む二重特異性抗体をプールし、20mMヒスチジン、140mMNaCl、pH6.0を用いて平衡化したSuperdex20026/60 GL(GE Healthcare、スウェーデン)カラムを使用したサイズ排除クロマトグラフィーにより、さらに精製した。画分を含む二重特異性抗体を、プールし、Vivaspin限外濾過装置(Sartorius Stedim Biotech S.A.、フランス)を使用して必要な濃度まで濃縮し、−80℃で保存した。

0182

0183

純度及び抗体の完全性を、マイクロ流体Labchip技術(Caliper Life Science, USA)を使用し、CE−SDSによる各々の精製工程後に分析した。5μlのタンパク質溶液を、製造者の指示に従い、HTProtein Express Reagent Kitを使用し、CE−SDS分析のために調製し、HT Protein Express Chipを使用したLabChip GXIIシステム上で分析した。データを、LabChip GX Softwareを使用して分析した。

0184

0185

抗体サンプルの凝集体含量を、2×PBS(20mM Na2HPO 4、2mM KH2PO4、274mM NaCl、及び5.4mM KCl、pH7.4)泳動緩衝液中のSuperdex200分析用サイズ排除カラム(GE Healthcare、スウェーデン)を使用し、25℃で、高性能SECにより分析した。25μgタンパク質を、0.75ml/分の流速でカラム上に注射し、50分間にわたり均一濃度で溶出した。

0186

同様に、<VEGF−ANG−2>二重特異性抗体VEGFang2−0012及びVEGFang2−0201を調製し、以下の収量を伴い精製した:

0187

0188

また、<VEGF−ANG−2>二重特異性抗体、AAA変異を伴う及びSPLE変異を伴う<VEGF−ANG−2>CrossMAbIgG4(配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32)、AAA変異を伴う<VEGF−ANG−2>OAscFabIgG1(配列番号33、配列番号34、配列番号35)、ならびにAAA変異を伴う及びSPLE変異を伴う<VEGF−ANG−2>OAscFab IgG4(配列番号36、配列番号37、配列番号38)を、同様に調製し、精製することができる。

0189

実施例2
分析&現像性
小規模DLSベース粘度測定
粘度測定は、本質的に、(He, F. et al., Analytical Biochemistry 399 (2009) 141-3)において記載される通りに実施した。簡単には、サンプルを、ポリスチレンラテックスビーズ(300nm直径)及びポリソルベート20(0.02%v/v)を加える前に、200mMコハク酸アルギニン、pH5.5中の種々のタンパク質濃度に濃縮する。サンプルを、0.4μmフィルタープレートを通した遠心分離により、光学的384ウェルプレート中に移し、パラフィンオイルを用いて覆った。ラテックスビーズ見かけ上の直径を、25℃での動的光散乱により決定する。溶液の粘度を、η=η0(rh/rh、0)(η:粘度;η0:水の粘度;rh:ラテックスビーズの見掛け上の流体力学的半径;rh、0:水中でのラテックスビーズの流体力学半径)として算出することができる。

0190

同じ濃度での種々のサンプルの比較を許すために、粘度−濃度データを、ムーニー等式(式1)(Mooney, Colloid Sci, 1951; Monkos, Biochem.Biophys.Acta 1997)を用いて適合し、それに従って、データを補間した。

0191

(S:タンパク質の流体力学的相互作用パラメータ;K:自己込み合い因子;Φ:溶解したタンパク質の体積分率

0192

結果を図2において示す:Fc部分においてAAA変異を伴うVEGFang2−0016は、全ての測定された温度で、Fc部分においてAAA変異を伴わないVEGFang2−0015と比較し、より低い粘度を示す。

0193

DLS凝集開始温度
サンプルは、20mMヒスチジン/塩化ヒスチジン、140mM NaCl、pH6.0中で、濃度1mg/mLで調製し、0.4μmフィルタープレートを通した遠心分離により光学的384ウェルプレートに移し、パラフィンオイルを用いて覆った。流体力学半径を、動的光散乱により繰り返し測定し、サンプルを、0.05℃/分の速度で、25℃から80℃まで加熱する。凝集開始温度は、流体力学的半径が増加し始める温度として定義する。結果を図3に示す。図3において、Fc部分におけるAAA変異を伴わないVEGFang2−0015対AAA変異を伴うVEGFang2−0016の凝集を示す。VEGFang2−0016は、61℃の凝集開始温度を示したのに対し、AAA変異を伴わないVEGFang2−0015は、60℃の開始温度を示した。

0194

DLS時間経過
サンプルを、20mMヒスチジン/塩化ヒスチジン、140mM NaCl、pH6.0中に、1mg/mLの濃度で調製し、0.4μmフィルタープレートを通した遠心分離により光学的384ウェルプレートに移し、パラフィンオイルを用いて覆った。流体力学半径を、動的光散乱により繰り返し測定し、サンプルを、145時間まで50℃の一定温度で保つ。この実験において、上昇温度での天然、アンフォールドタンパク質の凝集傾向は、経時的に、平均粒径の増加に導きうる。このDLSベースの方法は、凝集物について非常に鋭敏である。なぜなら、これらは、過剰比例的に散乱光強度に寄与するためである。50℃(凝集開始温度に近い温度、上を参照のこと)で145時間後でさえ、わずか0.5nm未満の平均粒径の増加が、VEGFang2−0015及びVEGFang2−0016の両方について見出された。

0195

100mg/mLで40℃での7日間保存(HMW増加)
サンプルを、200mMアルギニンコハク酸、pH5.5中で、100mg/mLの最終濃度まで濃縮し、滅菌濾過し、静止状態で7日間にわたり40℃で保存した。保存前後、高及び低分子量種(それぞれHMW及びLMW)の含量を、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定する。保存したサンプルと調製直後に測定したサンプルとの間のHMW及びLMW含量における差を、それぞれ「HMW増加」及び「LMW増加」として報告する。結果を表4及び図4において示し、それらは、VEGFang2−0015(AAA変異を伴わない)が、VEGF Ang2−0016(AAA変異を伴う)と比較し、主ピークのより高い低下及びより高いHMW増加を示すことを示している。驚くべきことに、VEGF Ang2−0016(AAA変異を伴う)は、VEGFang2−0015(AAA変異を伴わない)と比較し、より低い凝集傾向を示した。

0196

0197

抗VEGF及び抗Ang2二重特異性抗体の機能的分析は、BIAcore(登録商標)T100又はT200機器(GE Healthcare)を25℃で使用し、表面プラズモン共鳴(SPR)により評価した。BIAcore(登録商標)システムが、分子相互作用試験のために十分に確立されている。SPR技術は、金コーティングバイオセンサーチップ表面近くでの屈折率の測定に基づく。屈折率における変化は、固定化リガンドと、溶液中に注射された分析物との相互作用により起こる表面上での質量変化を示す。質量は、分子が、表面上に固定化されたリガンドに結合する場合、増加し、逆に、質量は、固定化リガンドからの分析物の解離(複雑な解離を反映する)の場合において、減少する。SPRは、リガンド/分析物の結合の継続的リアルタイムモニタリング、及び、このように、会合速度定数(ka)の、解離速度定数(kd)、及び平衡定数(KD)の決定を許す。

0198

実施例3
VEGF、Ang2、FcgammaR、及びFcRnへの結合
交差反応性の評価を含む、動力学的親和性VEGFアイソフォーム
捕捉システム(10μg/mlヤギ抗ヒトF(ab)’2;オーダーコード:28958325;GE Healthcare Bio-Sciences AB、スウェーデン)の約12000共鳴単位(RU)を、GE Healthcareにより供給されたアミンカップリングキットを使用することにより、pH5.0で、CM5チップ(GE Healthcare BR−1005−30)上に共役させた。サンプル及びシステム緩衝液は、PBS−T(0.05% Tween20を含む10mMリン酸緩衝生理食塩水)pH7.4であった。フローセルを25℃に設定し、サンプルブロックを12℃に設定し、泳動緩衝液を用いて2回刺激した。二重特異性抗体を、5μl/分の流量で30秒間にわたり、50nM溶液を注射することにより捕捉した。会合を、1:3希釈液中で300nMを用いて開始し、30μl/分の流量で300秒間にわたる、溶液中の種々の濃度におけるヒトhVEGF121、マウスmVEGF120、又はラットrVEGF164の注射により測定した。解離相を、1200秒間までモニターし、サンプル溶液から泳動緩衝液への切り替えにより誘発した。表面を、30μl/分の流速でグリシンpH2.1溶液を用いた60秒間の洗浄により再生した。バルク屈折率の差を、ヤギ抗ヒトF(ab’)表面から得られた応答を減算することにより補正した。ブランク注射も減算する(=二重参照)。見掛けのKD及び他の動力学的パラメータの算出のために、ラングミュア1:1モデルを使用した。結果を表5において示す。

0199

種交差反応性の評価を含むAng2溶液親和性
溶液親和性では、平衡混合物中の遊離相互作用パートナーの濃度を決定することにより、相互作用の親和性を測定する。溶液の親和性アッセイは、<VEGF−ANG−2>二重特異性抗体の混合を含み、種々の濃度のでのリガンド(=Ang2)を用いて、一定の濃度に保った。抗体の最大の可能な共鳴単位(例、17000共鳴単位(RU))を、GE Healthcareにより供給されたアミンカップリングキットを使用し、pH5.0で、CM5チップ(GE Healthcare BR-1005-30)表面上に固定化した。サンプル及びシステム緩衝液は、HBS−P pH7.4であった。フローセルを25℃に、サンプルブロックを12℃に設定し、泳動緩衝液を用いて2回刺激した。検量線を生成するために、増加濃度のAng2を、固定化VEGF−ANG−2>二重特異性抗体を含むBIAcoreフローセル中に注射した。結合したAng2の量を、共鳴単位(RU)として決定し、濃度に対してプロットした。各々のリガンドの溶液(VEGF−ANG−2>二重特異性抗体についての0から200nMまでの11の濃度)を、10nMのAng2を用いてインキュベートし、室温で平衡に達することを許した。遊離のAng2を、公知の量のAng2を用いて溶液の応答を測定する前後に生成した検量線から決定した。4パラメータ適合を、遊離Ang2濃度をy軸として及び阻害のための抗体の使用濃度をx軸として使用したモデル201を使用し、XLfit4(IDBS Software)を用いて設定した。親和性は、この曲線の変曲点を決定することにより算出した。表面を、30μl/分の流速で0.85% H3PO4溶液を用いた1回の30秒間の洗浄により再生した。バルク屈折率の差を、得られた応答を、ブランク共役表面から減算することにより補正した。結果を表6に示す。

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