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図面 (14)

課題

より便利であり、耐性の発生に対する遺伝的障壁が高く、現在の薬剤よりも安全性が向上した抗レトロウイルス剤を提供する。

解決手段

特定の配列の非リンカー領域アミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む抗CD4アドネクチン、好ましくは、特定の配列の非リンカー領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む抗N17アドネクチンに関する。

概要

背景

後天性免疫不全症候群AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルスHIV)として知られるレトロウイルスによる感染の結果である。AIDSは、依然として大きな医療上の問題であり、2013年末に全世界において感染した人口は約3500万人と推定されている。その年には210万人の新たな感染症があり、AIDSによる合併症で150万人が死亡した。

HIV感染個体の現在の治療法は、承認された抗レトロウイルス剤の組み合わせからなる。現在、2ダース以上の薬剤がHIV感染のために承認されており、これらは単一剤、固定用量組み合わせ又は単一錠剤レジメンとしての薬剤であり、後者の2つは2〜4つの承認された薬剤を含む。これらの薬剤は、ウイルスライフサイクル中にウイルス酵素又はウイルスタンパク質の機能のいずれかを標的とするいくつかの異なるクラスに属する。したがって、薬剤は、ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤(PI)、インテグラーゼ阻害剤(INI)、又は侵入阻害剤(1つの侵入阻害剤であるマラビロク(maraviroc)は、宿主CCR5タンパク質を標的とし、一方、他の侵入阻害剤であるエンビルチド(enfuvirtide)は、ウイルスgp160タンパク質のgp41領域を標的とするペプチドである)のいずれかとして分類される。さらに、抗ウイルス活性を有さない薬物動態エンハンサー(コビシスタット: cobincistat)は、追加免疫を必要とする抗レトロウイルス剤(ARV)との併用が承認されている。

薬剤と薬物の組み合わせの具備にもかかわらず、一部は感染症と闘うための慢性投与の必要性のために、新たな抗レトロウイルス剤の医学ニーズが残されている。長期毒性に関する重要な問題が記録されており、これらの併存疾患(例えば、CNSCV/代謝、腎疾患)に対処し、予防する必要が生じている。また、耐性株の存在若しくは出現、又は休薬又は有害な副作用に起因する非順守のために、現在の治療法における不成功率の増加が問題となっている。例えば、治療にもかかわらず、併用療法を受けている被験者の63%がウイルス量>500コピー/mlを有するため、ウイルス血症のままであることが推定されている(Oette, M.ら、「PrimaryHIVDrug Resistance and Efficacy of First-Line Antiretroviral Therapy Guided by Resistance Testing」、J. Acq. Imm. Def. Synd.、41(5):573-581頁(2006年))。これらの患者のうち、76%は、1つ以上のクラスの抗レトロウイルス薬に耐性であるウイルスを有していた。結果として、より便利であり、耐性の発生に対する遺伝的障壁が高く、現在の薬剤よりも安全性が向上した新薬が必要である。

現在、細胞膜ウイルス膜の間で融合が起こるプロセスを経て、細胞がHIVに感染することは周知である。このプロセスの一般に受け入れられているモデルは、ウイルスエンベロープ糖タンパク質複合体(gp120/gp41)が標的細胞の膜上の細胞表面受容体相互作用することである。細胞受容体(例えば、CCR5又はCXCR4などのケモカイン共受容体と組み合わせたCD4)へのgp120の結合後、gp120/gp41複合体に構造変化誘導され、gp41が標的細胞の膜内に挿入され、膜融合を媒介する。これらの侵入プロセスは細胞膜上で起こるため、生物学的ペプチドを含む巨大分子による阻害に適している(Haqqaniら、Antiviral Res.、98:158頁(2013年))。例えば、承認された抗ウイルスペプチドであるエンフビルチド(FUZEON(登録商標))は、膜融合に関与するgp41の領域を標的とする。モノクローナル抗体などのより大きなポリペプチドはまた、ウイルス侵入の異なる局面を阻害し得る。ウイルス侵入の第1段階である、細胞受容体CD4との相互作用を標的とするモノクローナル抗体(イバリズマブ; Brunoら、J. Antimicrob. Chemother.、65:1839頁(2010年))、並びに共受容体CCR5を標的とするモノクローナル抗体(PRO-140; Tenorio, Curr. HIV/AIDS Rep.、8:1頁(2011年))はともに、第2a相試験において陽性結果を示している。これらの抗体はまた、毎週〜毎月の潜在的な投薬レジメンを有する、長期作用性抗レトロウイルス剤であるという特性を有する(Jacobsonら、J. Infect. Dis.、201:1481頁(2010年); Jacobsonら、Antimicrob. Agents Chemother.、53:450頁(2009年))。

概要

より便利であり、耐性の発生に対する遺伝的障壁が高く、現在の薬剤よりも安全性が向上した抗レトロウイルス剤を提供する。特定の配列の非リンカー領域アミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む抗CD4アドネクチン、好ましくは、特定の配列の非リンカー領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む抗N17アドネクチンに関する。

目的

このプロセスの一般に受け入れられているモデルは、ウイルスエンベロープ糖タンパク質複合体(gp120/gp41)が標的細胞の膜上の細胞表面受容体と相互作用することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

1つのドメインが抗CD4アドネクチンタンパク質であり、第2のドメインがgp41結合部分であり、第3のドメインがHIV融合ペプチドインヒビター部分である、3つの活性ドメインを含むポリペプチド

請求項2

1つのドメインがCD4結合部分であり、第2のドメインが抗N17アドネクチンタンパク質であり、第3のドメインがHIV融合ペプチドインヒビター部分である、3つの活性ドメインを含むポリペプチド。

請求項3

1つのドメインがCD4結合部分であり、第2のドメインがgp41結合部分であり、第3のドメインがHIV融合ペプチドインヒビターである、3つの活性ドメインを含むポリペプチド。

請求項4

前記3つのドメインが、リンカーによって任意の順序で互いに連結されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド。

請求項5

ポリエチレングリコールシアル酸、Fc、Fc断片トランスフェリン血清アルブミン血清アルブミン結合タンパク質、及び血清免疫グロブリン結合タンパク質からなる群から選択される1つ以上の薬物動態PK)部分をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド。

請求項6

PK部分がFcである、請求項5に記載のポリペプチド。

請求項7

FcがポリペプチドのN末端に結合している、請求項6に記載のポリペプチド。

請求項8

PK部分がヒト血清アルブミンである、請求項5に記載のポリペプチド。

請求項9

ヒト血清アルブミンが前記ポリペプチドのN末端に結合している、請求項8に記載のポリペプチド。

請求項10

抗CD4アドネクチンタンパク質が、配列番号95〜114のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のポリペプチド。

請求項11

抗N17アドネクチンタンパク質が、配列番号115〜371のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項2に記載のポリペプチド。

請求項12

HIV融合ペプチドインヒビターが、配列番号372〜392のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載のポリペプチド。

請求項13

一方のドメインが抗CD4アドネクチンタンパク質であり、他方のドメインがgp41結合部分又はHIV融合ペプチドインヒビター部分である、2つの活性ドメインを含むポリペプチド。

請求項14

一方のドメインが抗N17アドネクチンタンパク質であり、他方のドメインがCD4結合部分又はHIV融合ペプチドインヒビター部分である、2つの活性ドメインを含むポリペプチド。

請求項15

一方のドメインがHIV融合ペプチドインヒビターであり、他方のドメインがgp41結合部分又はCD4結合部分である、2つの活性ドメインを含むポリペプチド。

請求項16

2つのドメインが、リンカーによって任意の順序で互いに連結されている、請求項13〜15のいずれか一項に記載のポリペプチド。

請求項17

ポリエチレングリコール、シアル酸、Fc、Fc断片、トランスフェリン、血清アルブミン、血清アルブミン結合タンパク質、及び血清免疫グロブリン結合タンパク質からなる群から選択される1つ以上の薬物動態(PK)部分をさらに含む、請求項13〜15のいずれか一項に記載のポリペプチド。

請求項18

PK部分がFcである、請求項17に記載のポリペプチド。

請求項19

FcがポリペプチドのN末端に結合している、請求項18に記載のポリペプチド。

請求項20

PK部分がヒト血清アルブミンである、請求項17に記載のポリペプチド。

請求項21

ヒト血清アルブミンが前記ポリペプチドのN末端に結合している、請求項20に記載のポリペプチド。

請求項22

1つのドメインが抗CD4アドネクチンタンパク質であり、第2のドメインが抗N17アドネクチンタンパク質であり、第3のドメインがHIV融合ペプチドインヒビターである、3つの活性ドメインを含むポリペプチド。

請求項23

3つのドメインが、リンカーによって任意の順序で互いに連結されている、請求項22に記載のポリペプチド。

請求項24

ポリエチレングリコール、シアル酸、Fc、Fc断片、トランスフェリン、血清アルブミン、血清アルブミン結合タンパク質、及び血清免疫グロブリン結合タンパク質からなる群から選択される1つ以上の薬物動態(PK)部分をさらに含む、請求項22又は23に記載のポリペプチド。

請求項25

PK部分がFcである、請求項24に記載のポリペプチド。

請求項26

Fcが前記ポリペプチドのN末端に結合している、請求項25に記載のポリペプチド。

請求項27

PK部分がヒト血清アルブミンである、請求項24に記載のポリペプチド。

請求項28

ヒト血清アルブミンが前記ポリペプチドのN末端に結合している、請求項27に記載のポリペプチド。

請求項29

配列番号3、5、7又は9の非リンカー領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチド。

請求項30

ポリエチレングリコール、シアル酸、Fc、Fc断片、トランスフェリン、ヒト血清アルブミン、血清アルブミン結合タンパク質、及び血清免疫グロブリン結合タンパク質からなる群から選択される1つ以上の薬物動態(PK)部分をさらに含む、請求項29に記載のポリペプチド。

請求項31

PK部分がFcである、請求項30に記載のポリペプチド。

請求項32

Fcが前記ポリペプチドのN末端に結合している、請求項31に記載のポリペプチド。

請求項33

PK部分がヒト血清アルブミンである、請求項30に記載のポリペプチド。

請求項34

ヒト血清アルブミンが前記ポリペプチドのN末端に結合している、請求項33に記載のポリペプチド。

請求項35

配列番号4、6、8又は10の非リンカー領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチド。

請求項36

配列番号3に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。

請求項37

配列番号4に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。

請求項38

配列番号5に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。

請求項39

配列番号6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。

請求項40

配列番号7に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。

請求項41

配列番号8に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。

請求項42

配列番号9に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。

請求項43

配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。

請求項44

1つのドメインが抗N17アドネクチンタンパク質であり、第2のドメインがHIV融合インヒビターペプチドである、2つの活性ドメインを含むポリペプチド。

請求項45

2つのドメインが、リンカーによって任意の順序で互いに連結されている、請求項44に記載のポリペプチド。

請求項46

ポリエチレングリコール、シアル酸、Fc、Fc断片、トランスフェリン、血清アルブミン、血清アルブミン結合タンパク質、及び血清免疫グロブリン結合タンパク質からなる群から選択される1つ以上の薬物動態(PK)部分をさらに含む、請求項44又は45に記載のポリペプチド。

請求項47

PK部分がFcである、請求項46に記載のポリペプチド。

請求項48

Fcが前記ポリペプチドのN末端に結合している、請求項47に記載のポリペプチド。

請求項49

前記PK部分がヒト血清アルブミンである、請求項46に記載のポリペプチド。

請求項50

ヒト血清アルブミンが前記ポリペプチドのN末端に結合している、請求項49に記載のポリペプチド。

請求項51

請求項1〜50のいずれか一項に記載のポリペプチド、及び担体を含む医薬組成物

請求項52

有効量の請求項1〜51のいずれか一項に記載のペプチド又はその組成物投与することを含む、対象においてHIVを治療する方法。

技術分野

0001

関連出願の参照
本出願は、2015年4月24日に出願された米国特許仮出願第62/152,271号、及び2015年11月19日に出願された米国特許仮出願第62/257,474号の優先権を主張し、それらの全内容は参照により本明細書に組み込まれる。

0002

本発明は、CD4結合部分、gp41結合部分、HIV融合ペプチドインヒビター部分及びそれらの組み合わせを含むポリペプチドに関する。より具体的には、本発明は、CD4に結合するフィブロネクチンベース足場ドメインタンパク質、gp41のN17ドメインに結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質、及びHIV融合ペプチドインヒビター、又はそれらの組み合わせを含むポリペプチドに関する。本発明はまた、HIVを治療するための治療用途における革新的なタンパク質の使用に関する。

背景技術

0003

後天性免疫不全症候群AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)として知られるレトロウイルスによる感染の結果である。AIDSは、依然として大きな医療上の問題であり、2013年末に全世界において感染した人口は約3500万人と推定されている。その年には210万人の新たな感染症があり、AIDSによる合併症で150万人が死亡した。

0004

HIV感染個体の現在の治療法は、承認された抗レトロウイルス剤の組み合わせからなる。現在、2ダース以上の薬剤がHIV感染のために承認されており、これらは単一剤、固定用量組み合わせ又は単一錠剤レジメンとしての薬剤であり、後者の2つは2〜4つの承認された薬剤を含む。これらの薬剤は、ウイルスライフサイクル中にウイルス酵素又はウイルスタンパク質の機能のいずれかを標的とするいくつかの異なるクラスに属する。したがって、薬剤は、ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤(PI)、インテグラーゼ阻害剤(INI)、又は侵入阻害剤(1つの侵入阻害剤であるマラビロク(maraviroc)は、宿主CCR5タンパク質を標的とし、一方、他の侵入阻害剤であるエンビルチド(enfuvirtide)は、ウイルスgp160タンパク質のgp41領域を標的とするペプチドである)のいずれかとして分類される。さらに、抗ウイルス活性を有さない薬物動態エンハンサー(コビシスタット: cobincistat)は、追加免疫を必要とする抗レトロウイルス剤(ARV)との併用が承認されている。

0005

薬剤と薬物の組み合わせの具備にもかかわらず、一部は感染症と闘うための慢性投与の必要性のために、新たな抗レトロウイルス剤の医学ニーズが残されている。長期毒性に関する重要な問題が記録されており、これらの併存疾患(例えば、CNSCV/代謝、腎疾患)に対処し、予防する必要が生じている。また、耐性株の存在若しくは出現、又は休薬又は有害な副作用に起因する非順守のために、現在の治療法における不成功率の増加が問題となっている。例えば、治療にもかかわらず、併用療法を受けている被験者の63%がウイルス量>500コピー/mlを有するため、ウイルス血症のままであることが推定されている(Oette, M.ら、「PrimaryHIVDrug Resistance and Efficacy of First-Line Antiretroviral Therapy Guided by Resistance Testing」、J. Acq. Imm. Def. Synd.、41(5):573-581頁(2006年))。これらの患者のうち、76%は、1つ以上のクラスの抗レトロウイルス薬に耐性であるウイルスを有していた。結果として、より便利であり、耐性の発生に対する遺伝的障壁が高く、現在の薬剤よりも安全性が向上した新薬が必要である。

0006

現在、細胞膜ウイルス膜の間で融合が起こるプロセスを経て、細胞がHIVに感染することは周知である。このプロセスの一般に受け入れられているモデルは、ウイルスエンベロープ糖タンパク質複合体(gp120/gp41)が標的細胞の膜上の細胞表面受容体相互作用することである。細胞受容体(例えば、CCR5又はCXCR4などのケモカイン共受容体と組み合わせたCD4)へのgp120の結合後、gp120/gp41複合体に構造変化誘導され、gp41が標的細胞の膜内に挿入され、膜融合を媒介する。これらの侵入プロセスは細胞膜上で起こるため、生物学的ペプチドを含む巨大分子による阻害に適している(Haqqaniら、Antiviral Res.、98:158頁(2013年))。例えば、承認された抗ウイルスペプチドであるエンフビルチド(FUZEON(登録商標))は、膜融合に関与するgp41の領域を標的とする。モノクローナル抗体などのより大きなポリペプチドはまた、ウイルス侵入の異なる局面を阻害し得る。ウイルス侵入の第1段階である、細胞受容体CD4との相互作用を標的とするモノクローナル抗体(イバリズマブ; Brunoら、J. Antimicrob. Chemother.、65:1839頁(2010年))、並びに共受容体CCR5を標的とするモノクローナル抗体(PRO-140; Tenorio, Curr. HIV/AIDS Rep.、8:1頁(2011年))はともに、第2a相試験において陽性結果を示している。これらの抗体はまた、毎週〜毎月の潜在的な投薬レジメンを有する、長期作用性抗レトロウイルス剤であるという特性を有する(Jacobsonら、J. Infect. Dis.、201:1481頁(2010年); Jacobsonら、Antimicrob. Agents Chemother.、53:450頁(2009年))。

課題を解決するための手段

0007

ペプチド侵入インヒビターの別の特性は、2つのペプチドインヒビターが互いに結合している場合、又は単一のインヒビターが膜生体分子への結合を介して作用部位近傍で局在する場合、増強された又は相乗的な効力が得られることである。したがって、CCR5を標的とするモノクローナル抗体に融合ペプチドインヒビターを結合させることにより(Kopetzkiら、Virol. J.、5:56頁(2008年))、又はペプチド融合インヒビターのC末端コレステロール部分を結合させて、標的細胞膜の表面に配置することにより(Ingallinelaら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、106:5801頁(2009年); Augustoら、J. Antimicrob. Chemother.、69:1286頁(2014年))、別々の分子と比較して結合分子の効力が劇的に増加する。同様に、イバリズマブに融合したgp120を標的とする抗HIV-1中和抗体断片からなる二重特異性抗体は、個々のインヒビターと比較して相乗的な効力の増加を示した(Sunら、J. Acquir. Immune Defic. Syndr.、66:473頁(2014年))。本発明のコンビネクチン分子は、これらの種々の特性を利用する。

0008

本発明は、CD4結合部分、gp41結合部分、HIV融合ペプチド阻害部分及びそれらの組み合わせを含むポリペプチドに関する。

0009

本発明の一実施形態は、CD4に結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質、gp41のN17ドメインに結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質、及びHIV融合ペプチドインヒビターを含むポリペプチドに関する。

0010

本発明の一実施形態において、3つのドメインはリンカーによって互いに連結される。本発明の別の実施形態において、3つのドメインは、任意の順序で互いに連結され得る。本発明の別の実施形態において、ポリペプチドは、配列番号3、5、7又は9の非リンカー領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0011

本発明はまた、CD4に結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質、及びgp41のN17ドメインに結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質を含むポリペプチドに関する。本発明の一実施形態において、2つのドメインは、リンカーによって互いに連結される。本発明の別の実施形態において、2つのドメインは、任意の順序で互いに連結され得る。

0012

本発明はまた、CD4に結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質及びHIV融合ペプチドインヒビターを含むポリペプチドに関する。本発明の一実施形態において、2つのドメインは、リンカーによって互いに連結される。本発明の別の実施形態において、2つのドメインは、任意の順序で互いに連結され得る。

0013

本発明はまた、gp41のN17ドメインに結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質及びHIV融合ペプチドインヒビターを含むポリペプチドに関する。本発明の一実施形態において、2つのドメインは、リンカーによって互いに連結される。本発明の別の実施形態において、2つのドメインは、任意の順序で互いに連結され得る。本発明の別の実施形態において、ポリペプチドは、配列番号410〜428の非リンカー領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0014

本発明の別の実施形態はまた、3つの活性ドメインである、CD4に結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質、gp41結合部分及びHIV融合ペプチドインヒビター部分を含むポリペプチドに関する。本発明はまた、gp41に結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質、CD4結合部分及びHIV融合ペプチドインヒビター部分を含むポリペプチドに関する。本発明はまた、CD4結合部分、gp41結合部分及びHIV融合ペプチドインヒビターを含むポリペプチドに関する。本発明の一実施形態において、2つのドメインは、リンカーによって互いに連結される。本発明の別の実施形態において、2つのドメインは、任意の順序で互いに連結され得る。

0015

本発明はまた、2つの活性ドメインである、CD4に結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質及びgp41結合部分を含むポリペプチドに関する。本発明はまた、gp41に結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質及びCD4結合部分を含むポリペプチドに関する。本発明はまた、CD4結合部分及びHIV融合ペプチドインヒビターを含むポリペプチドに関する。本発明はまた、gp41結合部分及びHIV融合ペプチドインヒビターを含むポリペプチドに関する。本発明の一実施形態において、2つのドメインは、リンカーによって互いに連結される。本発明の別の実施形態において、2つのドメインは、任意の順序で互いに連結され得る。

0016

本発明の別の実施形態はまた、抗CD4アドネクチン、抗N17アドネクチン、又はHIV融合ペプチドインヒビターに関する。本発明の別の実施形態において、ポリペプチドは、配列番号95〜114又は配列番号115〜371又は配列番号372〜392の非リンカー領域と、それぞれ少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0017

本発明の別の実施形態において、薬物動態PK)部分は本発明のポリペプチドに結合される。PK部分の例としては、限定されないが、ポリエチレングリコールシアル酸、Fc、Fc断片トランスフェリン血清アルブミンHSA)、血清アルブミン結合タンパク質、及び血清免疫グロブリン結合タンパク質が挙げられる。本発明の一実施形態において、PK部分は、本発明のポリペプチドのリンカー領域、又はN末端若しくはC末端に結合され得る。本発明の別の実施形態において、ポリペプチドは、配列番号4、6、8又は10の非リンカー領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0018

本発明はまた、配列番号3〜10に示される配列のいずれか1つのアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。

0019

本発明はまた、本発明のポリペプチドの1つ以上、及び担体を含む医薬組成物に関する。

0020

本発明はまた、有効量の本発明のポリペプチドを投与することを含む、対象においてHIVを治療する方法を提供する。

図面の簡単な説明

0021

代替のコンビネクチンの図である。アドネクチンの1つはCD4に結合し、第2のアドネクチンはgp41のHR1領域に結合する。このペプチドはまた、gp41のHR1領域において結合する。コンビネクチンの異なる成分は、リンカーによって任意の順序で互いに連結される。任意のコンビネクチンは、HSA又はFcなどの、結合したPK部分を有してもよい。
Fc融合-コンビネクチン3137(配列番号4)、3151(配列番号6)並びにヒト血清アルブミン(HSA)融合-コンビネクチン3191(配列番号8)及び3202(配列番号10)のアミノ酸配列を示す。Fc及びHSA配列は太字で示されている。抗CD4アドネクチン配列は下線が引かれている。抗N17アドネクチン配列は二重下線が引かれている。HIVインヒビターペプチド配列は太字で下線が引かれている。リンカー配列イタリック体で示している。
図2−1の続き
図2−2の続き。
実施例2に記載されるコンビネクチン3137、3151、3191及び3202の効力(EC50及びEC90)を示す。
実施例3に記載されるコンビネクチン3137、3151、3191及び3202のPK特性を示す。
表4に記載される配列からN末端及びC末端の伸長領域を差し引いた配列に対応する、HIV融合ペプチドインヒビターと組み合わせた抗N17アドネクチンのアミノ酸配列を示す。抗N17アドネクチン配列は二重下線が引かれている。HIV融合ペプチドインヒビター配列は太字で下線が引かれている。リンカー配列はイタリック体で示されている。
図5−1の続き。
図5−2の続き。
図5−3の続き。
抗CD4アドネクチンのCDループについてのWebLogoを示す。WebLogoは、配列ロゴ、複数の配列アラインメント内のパターングラフカル表現を生じさせる。各ロゴは文字スタックからなり、配列内の各位置について1つのスタックがある。各スタックの全体の高さは、その位置(ビット単位で測定される)での配列保存を示し、一方、スタック内のシンボルの高さは、その位置での対応するアミノ又は核酸相対頻度を反映する(Crooks, G.E.ら、「WebLogo: A sequence logo generator」、Genome Research、14:1188-1190頁(2004年))。
抗CD4アドネクチンのFGループについてのWebLogoを示す(Schneider, T.D.ら、「Sequence Logos: A New Way to Display Consensus Sequences」、Nucleic AcidsRes.、18:6097-6100頁(1990年))。
HIV融合ペプチドインヒビターの点突然変異データを示す。HIV融合ペプチドインヒビターのC末端近傍のアスパラギン酸(D)を、X軸に沿って列挙されたアミノ酸を用いて置換した。

0022

定義
他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的及び科学的用語は、当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等のいかなる方法及び組成物もまた、本発明の実施又は試験に使用可能であるが、好ましい方法及び組成物が本明細書に記載されている。

0023

「ポリペプチド」は、本明細書で使用するとき、長さ、翻訳後修飾、又は機能にかかわらず、2つ以上のアミノ酸の任意の配列を指す。「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書において互換的に使用される。ポリペプチドはまた、様々な標準的な化学的方法のうちのいずれかによって、修飾されることができる(例えば、アミノ酸は保護基によって修飾されることができる;カルボキシ末端アミノ酸末端アミド基とすることができる;アミノ末端残基は、例えば親油性を高める基によって修飾されることができる;あるいはポリペプチドは安定性を高めるために又はインビボ半減期を増加させるために、化学的グリコシル化する又は他の方法で修飾することができる)。ポリペプチド修飾は、ポリペプチドへの、環状化合物などの別の構造、若しくは他の分子の結合を含み得、又は立体配置改変された1つ以上のアミノ酸(すなわち、R若しくはS;又はL若しくはD)を含有するポリペプチドもまた含み得る。

0024

本発明のペプチドは、例えば、CD4、又はgp41のN17ドメインに結合するように改変されたフィブロネクチンの10番目III型ドメインに由来するタンパク質を含み得、本明細書において「抗CD4アドネクチン」、「抗N17アドネクチン」、「CD4アドネクチン」又は「gp41アドネクチン」と称される。本発明のポリペプチドはまた、HIVエンベロープ糖タンパク質gp41のヘプタッド(heptad)反復2(HR2)領域の後にモデル化されたペプチドであって、gp41のヘプタッド反復1(HR1)領域に結合することによって融合を阻害するペプチドを含んでもよく、本明細書において「HIV融合ペプチドインヒビター」又は「融合ペプチドインヒビター」と称される。本発明のポリペプチドはまた、HIV融合ペプチドインヒビターに連結した抗N17アドネクチンに連結した抗CD4アドネクチンを含む「コンビネクチン」を含む(図1)。あるいは、コンビネクチンは、抗N17アドネクチンに連結した抗CD4アドネクチン、又はHIV融合ペプチドインヒビターに連結した抗N17アドネクチン、又はHIV融合ペプチドインヒビターに連結した抗CD4アドネクチンを含む。

0025

ポリペプチド鎖」は、本明細書で使用するとき、各ドメインが他のドメインに、非共有性の相互作用又はジスルフィド結合とは対照的に、ペプチド結合により接続しているポリペプチドを指す。

0026

「単離された」ポリペプチドは、同定され、かつ天然環境の成分から分離され及び/又は回収されたものである。天然環境の成分の夾雑物は、ポリペプチドの診断又は治療への使用を妨げる物質であり、組み換え宿主細胞タンパク質、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様の溶質を含み得る。一実施形態において、ポリペプチドは、(1)Lowry法により決定されるポリペプチドの95重量%を超えるまで、最も好ましくは99重量%を超えるまで、あるいは(2)クーマシーブルー若しくは銀染色を用いた還元又は非還元条件下でのSDS-PAGEにより均一性が得られるまで、精製される。通常は、単離されたポリペプチドは、少なくとも1つの精製工程により調製される。

0027

本明細書において、「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」とは、配列同一性の一部分としていずれもの保存的置換を考慮することなく、最大配列同一性パーセントを達成するために配列をアラインし、必要に応じてギャップを導入した後の、選択された配列中のアミノ酸残基と同一である、候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定することを目的とするアラインメントは、当該技術分野における技術の範囲内にある様々な方法で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、ALIGN-2又はMegalign(DNASTAR(登録商標))ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピューターソフトウェアを使用して達成することができる。当業者は、比較されている配列の全長にわたって最大アラインメントを達成するのに必要とされる任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを容易に決定することができる。例えば、所与のアミノ酸配列Bについて、所与のアミノ酸配列Bに、又は所与のアミノ酸配列Bに対する所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(あるいは、所与のアミノ酸配列Bについて、所与のアミノ酸配列Bに、若しくは所与のアミノ酸配列Bに対する一定のアミノ酸配列同一性%を有する又は含む所与のアミノ酸配列Aと表現することができる)は、以下のように計算される:100×分数X/Y(ここで、Xは、配列アラインメントプログラムALIGN-2により、そのプログラムのAとBのアラインメントにおいて同一マッチとしてスコア化されたアミノ酸残基の数であり、Yは、B中のアミノ酸残基の総数である)。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さに等しくない場合、AのBに対するアミノ酸配列同一性%は、BのAに対するアミノ酸配列同一性%と等しくないことが理解される。

0028

本明細書で使用するとき、「保存的置換」とは、ペプチドの全体的な立体配置及び機能を変更することなく、アミノ酸残基を別のアミノ酸残基に置換することを意味し、限定されないが、アミノ酸を類似の特性(例えば、極性水素結合能酸性塩基性、形状、疎水性芳香族など)を有するアミノ酸に置換することを含む。類似の特性を有するアミノ酸は、当該技術分野において周知である。例えば、アルギニンヒスチジン及びリシンは、親水性塩基性アミノ酸であり、互換性があり得る。同様に、疎水性アミノ酸であるイソロイシンは、ロイシンメチオニン又はバリンに置換され得る。互いに置換され得る中性親水性アミノ酸には、アスパラギングルタミンセリン及びスレオニンが含まれる。「置換された」又は「修飾された」について、本発明は、天然に存在するアミノ酸から改変又は修飾されたそれらのアミノ酸を含む。このように、本発明の文脈において、あるアミノ酸の類似の特性を有する別のアミノ酸への置換として、保存的置換が当該技術分野において認識されることが理解されるべきである。

0029

本明細書で使用するとき、用語「結合部位」は、本発明の特定のタンパク質と相互作用する又は結合する(例えば、エピトープが抗体によって認識される)タンパク質の部位又は部分(例えばCD4、gp41)を指す。結合部位は、タンパク質の三次折り畳みによって並置された隣接アミノ酸又は非隣接アミノ酸から形成され得る。隣接するアミノ酸によって形成される結合部位は、典型的には、変性溶媒への曝露時に保持されるが、一方、三次折り畳みによって形成される結合部位は、典型的には、変性溶媒の処理で失われる。

0030

本発明の抗CD4部分又は抗N17部分の結合部位は、限定されないが、プロテアーゼマッピング及び突然変異分析を含む、抗体のエピトープマッピングに典型的に使用される標準的な技術の適用によって決定され得る。あるいは、結合部位は、同じポリペプチド、例えば、CD4又はgp41に結合する参照タンパク質(例えば、別のアドネクチン又は抗体)を用いる競合アッセイによって決定することができる。試験タンパク質及び参照分子(例えば、別のアドネクチン又は抗体)が競合する場合、それらは、1つの分子の結合が他方と干渉するように、同じ結合部位又は十分に近接した結合部位に結合する。

0031

「特異的に結合する」、「特異的結合」、「選択的結合」及び「選択的に結合する」という用語は、本明細書において互換的に使用するとき、限定されないが、スキャッチャード分析及び/又は競合結合アッセイ(例えば、競合ELISA、BIACORE(登録商標)SPRアッセイ)などの当該技術分野において利用可能な技術によって測定した場合、CD4又はgp41に対して親和性を示すが、異なるポリペプチドに有意に結合しない(例えば、10%未満の結合)タンパク質を指す。この用語はまた、例えば、本発明のタンパク質の結合ドメインがCD4又はgp41に特異的である場合に適用可能である。

0032

用語「優先的に結合する」とは、本明細書で使用するとき、限定されないが、スキャッチャード分析及び/又は競合結合アッセイ(例えば、競合ELISA、BIACORE(登録商標)SPRアッセイ)などの当該技術分野において利用可能な技術によって測定した場合、本発明のポリペプチドが、異なるポリペプチドに結合するよりも少なくとも約20%大きくCD4又はgp41に結合する状況を指す。

0033

本明細書で使用するとき、用語「交差反応性」とは、同一又は非常に類似した結合部位を有する1を超える異なるタンパク質に結合するタンパク質を指す。

0034

用語「Kd」は、本明細書で使用するとき、表面プラズモン共鳴アッセイ又は細胞結合アッセイを用いて測定した場合、特定のアドネクチン-タンパク質、融合ペプチドインヒビター-タンパク質又はコンビネクチン-タンパク質(例えば、CD4及び/若しくはgp41)相互作用の解離平衡定数、あるいはタンパク質(例えば、CD4及び/若しくはgp41)に対するアドネクチン、融合ペプチドインヒビター又はコンビネクチンの親和性を指すことが意図される。「所望のKd」とは、本明細書で使用するとき、企図される目的に十分である本発明のタンパク質のKdを指す。例えば、所望のKdは、インビトロアッセイ、例えば、細胞ベースルシフェラーゼアッセイにおいて機能的効果を引き出すために必要とされるコンビネクチンのKdを指すことができる。

0035

用語「kon」とは、本明細書で使用するとき、例えば、コンビネクチン/タンパク質複合体へのコンビネクチンの結合についての結合速度定数を指すことが意図される。

0036

用語「koff」とは、本明細書で使用するとき、例えば、コンビネクチン/タンパク質複合体からのコンビネクチンの解離についての解離速度定数を指すことが意図される。

0037

用語「IC50」とは、本明細書で使用するとき、インビトロ又はインビボアッセイのいずれかにおいて、最大阻害応答が50%であるレベルまで応答を阻害する、例えば、コンビネクチンの濃度を指し、すなわち、最大阻害応答と未処置応答の中間にある。

0038

本発明のタンパク質の活性に関して「阻害する」又は「中和する」という用語は、本明細書で使用するとき、限定されないが、生物学的活性若しくは性質、疾患又は状態を含む、例えば、阻害されている進行又は重症度を実質的に拮抗し、阻止し、予防し、抑制し、遅延し、崩壊し、排除し、停止し、減少し又は逆転する能力を意味する。阻害又は中和は、好ましくは、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又はそれより高い。

0039

用語「PK」は、「薬物動態」の頭字語であり、例として、対象による吸収、分布、代謝、及び排除を含む、化合物の特性を包含する。「PK調節タンパク質」又は「PK部分」とは、本明細書で使用するとき、生物学的に活性な分子に融合又はそれと一緒に投与された場合に、生物学的に活性な分子の薬物動態特性に影響を及ぼす任意のタンパク質、ペプチド又は部分を指す。PK調節タンパク質又はPK部分の例には、PEG、ヒト血清アルブミン(HSA)結合剤(米国特許出願公開第2005/0287153号、米国特許第7,696,320号、PCT公開第WO2009/083804号及び第WO2009/133208号)、ヒト血清アルブミン、Fc又はFc断片及びそれらの改変体、並びに糖(例えば、シアル酸)が含まれる。

0040

用語「CD4結合部分」とは、CD4+T細胞上のCD4レセプターへのHIV表面タンパク質gp120の結合を遮断する任意の部分を指す。CD4結合部分は、抗CD4-アドネクチン、-抗体(例えば、イバリズマブ)、-ドメイン抗体(dAb)、-抗体断片Fab)、-二重特異性抗体及びそれらの融合タンパク質であってもよい。

0041

用語「gp41結合部分」は、ウイルスエンベロープ糖タンパク質複合体(gp120/gp41)とT細胞との相互作用を干渉する任意の部分を指す。gp41結合部分は、抗gp41-アドネクチン、-抗体(Ab)、-ドメイン抗体(dAb)、-抗体断片(Fab)、-二重特異性抗体及びそれらの融合タンパク質であってもよい。

0042

「HIV融合ペプチドインヒビター部分」とは、gp41のヘプタッド反復1(HR1)領域に結合することによって融合を阻害する任意の部分を指す。融合ペプチドインヒビター部分の例には、gp41のNHR及びCHR領域由来のペプチドが含まれ、それぞれNHRペプチド及びCHRペプチドと呼ばれる。エンフビルチドは、CHRペプチドの例である。

0043

本発明のペプチドは、例えば、CD4モノクローナル抗体イバリズマブ、抗N17アドネクチン及びHIV融合ペプチドインヒビターを含み得る。あるいは、本発明のペプチドは、抗CD4アドネクチン、抗N17アドネクチン及びHIV融合ペプチドインヒビターエンフビルチドを含み得る。

0044

アミノ酸配列又は化合物の「半減期」は、一般的に、例えば、該配列若しくは化合物の分解に起因して、及び/又は天然のメカニズムによる該配列若しくは化合物のクリアランス又は隔絶(sequestration)に起因して、インビボでポリペプチドの血清濃度が50%減少するのにかかる時間として定義され得る。半減期は、それ自体が知られている任意の方法、例えば、薬物動態的分析により決定され得る。適切な技術は、当業者には明らかであり、例えば、適切な用量の本発明のアミノ酸配列又は化合物を対象に適切に投与するステップ;該対象から血液試料又は他の試料一定間隔で回収するステップ;該血液試料中の本発明のアミノ酸配列又は化合物のレベル又は濃度を決定するステップ;こうして得られたデータ(のプロット)から本発明のアミノ酸配列又は化合物のレベル又は濃度が投与時の初期レベルと比較して50%減少するまでの時間を計算するステップを伴ってもよい。例えば、Kenneth, A.ら、Chemical Stability of Pharmaceuticals: A Handbook for Pharmacists及びPetersら、Pharmacokinetic Analysis: A Practical Approach (1996年)などの標準的なハンドブックが参照される。また、Gibaldi, M.ら、Pharmacokinetics, Second Rev. Edition, Marcel Dekker (1982年)が参照される。

0045

半減期は、tl/2-α、tl/2-β、HL_ラムダ_z及び曲線下面積(AUC)などのパラメータを用いて表すことができる。本明細書において、「半減期の増加」とは、これらのパラメータのうちいずれか1つ、これらのパラメータのうちいずれかの2つ、これらのパラメータのうちいずれかの3つ、又はこれらのパラメータの4つ全てにおける増加を指す。

0046

「mpk」、「mg/kg」、又は「1kgあたりのmg」という表記は、1キログラムあたりのミリグラムを指す。全ての表記は、本開示を通じて互換可能に使用される。

0047

「個体」、「対象」及び「患者」という用語は、本明細書において互換可能に使用され、動物、好ましくは哺乳動物非霊長類及び霊長類を含む)を指し、限定されないが、マウスサル、ヒト、哺乳動物の家畜動物(例えば、ウシブタヒツジ)、哺乳動物の競技動物(例えば、ウマ)、及び哺乳動物のペット(例えば、イヌ及びネコ)が挙げられる;好ましくはこの用語はヒトを指す。特定の実施形態において、対象は哺乳動物であり、好ましくはヒトであり、HIVに感染している。

0048

用語「治療的に有効な量」とは、対象に治療的利益を与えるのに必要な薬剤の少なくとも最小用量であって、毒性用量未満を指す。例えば、治療的に有効な量の本発明のコンビネクチンは、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、感染した個体内循環HIVの有意な減少をもたらす量である。

0049

概説
本発明は、CD4及び/又はgp41に結合する新規なポリペプチドを提供する。このポリペプチドは、CD4結合部分、gp41結合部分、HIV融合ペプチド阻害部分及びそれらの組み合わせを含む。より具体的には、本発明は、CD4に結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質、gp41のN17ドメインに結合するフィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質、及びHIV融合ペプチドインヒビター又はそれらの組み合わせ(本明細書においては「コンビネクチン」と称する)を含むポリペプチドに関する。

0050

CD4及びgp41アドネクチンを同定するために、可溶性CD4(細胞外ドメイン)及びgp41(gp41の一部を模倣する三重ヘリックスセグメントを示すように設計された様々な人工構築物)をアドネクチンの大きな合成ライブラリー提示した。いくつかのラウンドの選択により生存したアドネクチンを、CD4又はgp41結合について、生物物理学的特性について、及びHIV-1阻害活性についてスクリーニングした。スクリーニングから出現した最良の抗CD4及び抗N17アドネクチン配列を突然変異させ、選択圧を増加させた更なるラウンドの選択に供し、これは、標的濃度を低下させることにより、並びに/又は速い結合速度(on-rate)及び/若しくは遅い解離速度(off-rate)を用いて抗CD41又はgp41アドネクチンについて選択することによって達成された。この最適化プロセスから、アドネクチンの複数のファミリーは、一部はCD4を標的とし、他方はgp41を標的とするが、好ましい生化学的及び生物物理学的活性を有するHIV-1特異的インヒビターとして同定された。

0051

最適化されたgp41標的ヘリックスペプチドは、gp41 HR2に関連する配列から出発して開発され、HIV株全体の幅及び効力を改善し、耐性障壁を増加させるための変化を含有した。ペプチドは、場合により合成的に、及び他の場合には不活性又は活性なアドネクチンとの遺伝的融合体として産生された。最適なN末端及びC末端位置は、gp41アドネクチンファミリーのメンバーに対する融合体において決定された。効力をさらに増加させる突然変異を同定するために、改善がより容易に検出されるように、効力の低いN末端をトリミングしたペプチドを使用した。不活性なアドネクチンペプチド融合体の小さなライブラリーを、単一及び複数の点突然変異を含むように作製し、次に、タンパク質を発現させ、生物物理学的特性及びHIV-1阻害活性についてスクリーニングした。ペプチドの最終ファミリーは、最も好ましいプロファイルを有する配列の種々の組み合わせを有する最適な長さのペプチドからなっていた。

0052

I.フィブロネクチンベースの足場−アドネクチン
本出願の一態様は、1つ以上の溶媒接触可能ループの一部又は全てがランダム化又は変異されているフィブロネクチンIII型(Fn3)ドメインを含む抗CD4及び抗N17アドネクチンを提供する。いくつかの実施形態において、非ループベータ鎖の1つ以上における1つ以上の残基もまたランダム化又は変異されている。いくつかの実施形態において、Fn3ドメインは、ヒトフィブロネクチンの10番目の3型モジュール由来のFn3ドメイン(10Fn3)である:
VSDVPRDLEVVAATPTSLLISWDAPAVTVRYYRITYGETGGNSPVQEFTVPGSKSTATISGLKPGVDYTITVYAVTGRGDSPASSKPISINYRT(配列番号1)(BC、CD、DE及びFGループは下線付きである)。

0053

他の実施形態において、10Fn3の非リガンド結合配列、すなわち「10Fn3足場」は改変され得るが、10Fn3はリガンド結合機能及び/又は構造安定性を保持する。種々の変異体10Fn3足場が報告されている。一態様において、Asp7、Glu9及びAsp23の1つ以上が、別のアミノ酸、例えば、負の電荷を有さないアミノ酸残基(例えば、Asn、Lysなど)により置換される。これらの変異は、野生型形態と比較して、中性pHで変異型10Fn3のより大きな安定性を促進する効果を有すると報告されている(例えばPCT公開WO02/04523参照)。有益又は中立のいずれかである10Fn3足場における種々のさらなる改変が開示されている。例えば、Batoriら Protein Eng., 15(12):1015-1020 (Dec. 2002); Koideら Biochemistry, 40(34):10326-10333 (Aug. 28, 2001)参照。

0054

変異型及び野生型10Fn3タンパク質の両方は、同じ構造、即ち、AからGと示される7つのベータ鎖ドメイン配列、並びに7つのベータ鎖ドメイン配列と連結する6つのループ領域(ABループ、BCループ、CDループ、DEループ、EFループ及びFGループ)により特徴付けられる。N及びC末端の最も近くに位置するベータ鎖は、溶液中でベータコンフォメーションをとり得る。配列番号1において、ABループは残基14-17に対応し、BCループは残基23-31に対応し、CDループは残基37-47に対応し、DEループは残基51-56に対応し、EFループは残基63-67に対応し、FGループは残基75-87に対応する。

0055

したがって、いくつかの実施形態において、本発明の抗CD4又は抗N17アドネクチンは、配列番号1に示されるヒト10Fn3ドメインと少なくとも40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%又は90%同一である10Fn3ポリペプチドである。可変性の多くは、一般的に1つ以上のループ中で起こる。10Fn3ポリペプチドのベータ鎖又はベータ様鎖のいずれかは、本質的に、配列番号1の対応するベータ鎖又はベータ様鎖の配列と少なくとも40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%同一であるアミノ酸配列からなり得るが、このような変異は生理学的条件におけるポリペプチドの安定性を破壊しない。

0056

いくつかの実施形態において、本発明は、10番目のフィブロネクチンIII型(10Fn3)ドメインを含む1つ以上のアドネクチンであって、該10Fn3ドメインは、ループ、AB;ループ、BC;ループ、CD;ループ、DE;ループ、EF;及びループ、FGを含み;ヒト10Fn3ドメインの対応するループの配列と比較して、改変されたアミノ酸配列を有するループBC、CD、DE及びFGから選択される少なくとも1つのループを有する、上記ポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態において、本発明のアドネクチンは、配列番号1の非ループ領域と少なくとも40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列含む10Fn3ドメインを含み、ここでBC、CD、DE及びFGから選択される少なくとも1つのループが改変される。いくつかの実施形態において、BC及びFGループが改変され、いくつかの実施形態において、BC、DE及びFGループが改変され、すなわち、10Fn3ドメインは非天然ループを含む。いくつかの実施形態において、AB、CD及び/又はEFループは改変される。いくつかの実施形態において、CD及びFGループは改変される。いくつかの実施形態において、ループ間の鎖における溶媒接触可能アミノ酸は、隣接するループの改変と共に又は改変なしで、改変される。「改変」は、鋳型配列(対応するヒトフィブロネクチンドメイン)と比較して1つ以上のアミノ酸配列改変を意味し、アミノ酸付加、欠失、置換又はそれらの組み合わせを含む。アミノ酸配列の改変は、一般的に核酸コード配列の意図的な、盲検的な(blind)又は自発的な配列変異を介して成し遂げられ得、任意の技術、例えば、PCRエラープローンPCR又は化学的DNA合成により起こり得る。

0057

いくつかの実施形態において、BC、CD、DE及びFGから選択される1つ以上のループは、対応するヒトフィブロネクチンループと比較して、長さが伸長又は短縮され得る。いくつかの実施形態において、ループの長さは、1〜25個のアミノ酸により伸長され得る。いくつかの実施形態において、ループの長さは、1〜11個のアミノ酸により減少され得る。したがって、抗原結合を最適化するために、10Fn3のループは、抗原結合において最大の可能な柔軟性及び親和性を得るように、長さ並びに配列において改変され得る。

0058

いくつかの実施形態において、アドネクチンは、配列番号1の非ループ領域と少なくとも40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含むFn3ドメインであって、BC、CD、DE及びFGから選択される少なくとも1つのループが改変されているFn3ドメインを含む。いくつかの実施形態において、改変されたBCループは、最大1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸置換、最大1、2、3又は4個のアミノ酸欠失、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸挿入、又はそれらの組合せを有する。いくつかの実施形態において、改変されたCDループは、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸置換、最大1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸欠失、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸挿入、又はそれらの組合せを有する。いくつかの実施形態において、改変されたDEループは、最大1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸置換、最大1、2、3又は4個のアミノ酸欠失、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個のアミノ酸挿入、又はそれらの組合せを有する。いくつかの実施形態において、FGループは、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個のアミノ酸置換、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸欠失、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25個のアミノ酸挿入又はそれらの組合せを有する。

0059

伸張配列
いくつかの実施形態において、本発明のアドネクチン分子は、N末端伸長配列及び/又はC末端伸長を含むように修飾され得る。例えば、MG配列は、配列番号1により定義される10Fn3のN末端に配置され得る。Mは、通常、切断され、N末端でGを放出する。本明細書に記載されるアドネクチンはまた、本明細書において切断型C末端又はC末端伸長配列と称される代替C末端テール配列を含み得る。さらに、切断バージョンは、切断形態治療分子として使用され得るか、又は代替C末端伸長(His6タグなど)が切断バージョンに加えられ得る。いくつかの実施形態において、C末端伸長配列(「テール」とも呼ばれる)は、E及びD残基を含み、8から50、10から30、10から20、5から10及び2から4アミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態において、C末端伸長の最初の残基はプロリンである。他のいくつかの実施形態において、C末端伸長の最初の残基はグルタミン酸である。

0060

いくつかの実施形態では、N末端は、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個又はそれ以上のアミノ酸で伸長されてもよく、標的結合、安定性又はその両方を改善するために、選択ラウンド前又は後に、いかなる方法で改変してもよい。他の実施形態では、C末端は、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個又はそれ以上のアミノ酸で伸長されてもよく、標的結合、安定性、又はその両方を改善するために、選択ラウンドの前又は後に、いかなる方法で改変してもよい。さらに他の実施形態では、N末端及びC末端の両方をこのように伸長することができる。

0061

抗CD4アドネクチン
本発明の抗CD4アドネクチンループ領域CD及びFGのアミノ酸配列には、以下の表1に列挙されるものが含まれるが、これらに限定されない。表1に記載のCDループは、配列番号1によって定義される10Fn3のR30からT49を置換する。表1に記載のFGループは、配列番号1で定義される10Fn3のD67からN91を置換する。

0062

表1はまた、列挙されたCD/FGループの組み合わせを含む抗CD4アドネクチンのそれぞれのIC50値を記載する。

0063

いくつかの実施形態において、本発明の抗CD4アドネクチンは、配列番号13〜94のCD/FGループ領域の組み合わせと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0064

いくつかの実施形態において、本発明の抗CD4アドネクチンは、配列番号13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91及び93のCDループ領域のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0065

いくつかの実施形態において、本発明の抗CD4アドネクチンは、配列番号14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92及び94のFGループ領域のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0066

WebLogo(weblogo.berkeley.edu)を用いて、抗CD4アドネクチンのコンセンサス配列を同定した。抗CD4アドネクチンCDループのY32、I34、Y36、Q46及びF48は保存されたアミノ酸である(図6参照)。いくつかの実施形態では、抗CD4アドネクチンは、保存されたアミノ酸Y32、I34、Y36、Q46及びF48の1つ以上を含む。

0067

WebLogoは、保存されたアミノ酸として抗CD4アドネクチンFGループのY68、I70、V72、A74、T76、I88及びI90を同定した(図7参照)。いくつかの実施形態では、抗CD4アドネクチンは、保存されたアミノ酸Y68、I70、V72、A74、T76、I88及びI90の1つ以上を含む。

0068

いくつかの実施形態では、抗CD4アドネクチンは、保存されたアミノ酸Y32、I34、Y36、Q46、F48、Y68、I70、V72、A74、T76、I88及びI90の1つ以上を含む。

0069

本発明の抗CD4アドネクチンの全長アミノ酸配列には、以下の表2に列挙されるものが含まれるが、これらに限定されない。表2はまた、抗CD4アドネクチンのそれぞれの抗ウイルスEC50値を記載する。

0070

いくつかの実施形態において、本発明の抗CD4アドネクチンは、配列番号95〜114のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0071

いくつかの実施形態において、本発明の抗CD4アドネクチンは、いずれものN末端伸長領域を除いて、配列番号95〜114のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0072

いくつかの実施形態において、本発明の抗CD4アドネクチンは、いずれものC末端伸長領域を除いて、配列番号95〜114のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0073

いくつかの実施形態において、本発明の抗CD4アドネクチンは、いずれものN末端伸長領域とC末端伸長領域の両方を除いて、配列番号95〜114のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0074

他の実施形態において、抗CD4アドネクチンは、配列番号95〜114のCDループ及びFGループ領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0075

抗N17アドネクチン
本発明の抗N17アドネクチンタンパク質の全長アミノ酸配列には、以下の表3に列挙されるものが含まれるが、これらに限定されない。表3はまた、抗N17アドネクチンのそれぞれの抗ウイルスEC50値を記載する。

0076

いくつかの実施形態において、本発明の抗N17アドネクチンは、配列番号115〜371のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0077

いくつかの実施形態において、本発明の抗N17アドネクチンは、いずれものN末端伸長領域を除いて、配列番号115〜371のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0078

いくつかの実施形態において、本発明の抗N17アドネクチンは、いずれものC末端伸長領域を除いて、配列番号115〜371のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0079

いくつかの実施形態において、本発明の抗N17アドネクチンは、いずれものN末端伸長領域とC末端伸長領域の両方を除いて、配列番号115〜371のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0080

他の実施形態において、抗N17アドネクチンは、配列番号115〜371のBCループ、DEループ及びFGループ領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0081

上記の配列の分析は、抗N17アドネクチンDEループのS52、V53、L54及びS55が保存されたアミノ酸であることを示す。いくつかの実施形態において、抗N17アドネクチンは、保存されたアミノ酸S52、V53、L54及びS55の1つ以上を含む。

0082

さらに、上記配列の分析は、抗CD4アドネクチンBCループのY24が保存されたアミノ酸であることを示す。いくつかの実施形態において、抗N17アドネクチンBCループの26位は、バリン又はロイシンである。

0083

上記の配列の分析は、抗N17アドネクチンFGループのG78及びS85が保存されたアミノ酸であることを示す。いくつかの実施形態において、抗N17アドネクチンは、保存されたアミノ酸G78及びS85の1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、抗N17アドネクチンFGループの79位は、バリン又はイソロイシンである。

0084

いくつかの実施形態において、抗N17アドネクチンは、保存されたアミノ酸Y24、V26、L26、S52、V53、L54、S55、G78、V79、I79及びS85の1つ以上を含む。

0085

抗N17アドネクチンの点突然変異分析は、いくつかの10Fn3非ループ足場位置を変異させる利点を示した。具体的には、変異位置T56及びT58は効力を増強した。いくつかの実施形態において、抗N17アドネクチンは、T58をAsn、Glu、又はGlnに変異させることを含む。

0086

II.HIV融合ペプチドインヒビター
gp41のアミノ酸配列、及びHIV-1の異なる株間のそのバリエーションは周知である。融合誘導ドメイン(多くの場合、融合ペプチド又はFPと呼ばれる)は、標的細胞膜への挿入及びその破壊に関与すると考えられている。膜貫通アンカー配列を含む膜貫通ドメインは、タンパク質のC末端に向かって配置される。融合誘導ドメインと膜貫通アンカーの間に、ヘプタッド反復(HR)領域として知られる2つの異なる領域があり、各領域は複数のヘプタッドを有する。HR1領域を含むアミノ酸配列及びHR2領域を含むアミノ酸配列は、それぞれHIV-1エンベロープタンパク質中の比較的保存された領域である。gp41(クレードBコンセンサス)の外部ドメインの代表的な配列は以下の通りである。

512 AVGIGAMFL GFLGAAGSTMGAASVTLTVQ ARQLLSGIVQ QQNNLLRAIE
561 AQQHLLQLTV WGIKQLQARVLAVERYLKDQQLLGIWGCSG KLICTTAVPW
611 NASWSNKSLDEIWNNMTWME WEREIDNYTG LIYTLIEESQ NQQEKNEQEL
661LELDKWASLWNWFDITNWLW YIK (配列番号2)

0087

融合ペプチドは、最初の約23個のアミノ酸Ala512〜Ser534からなる。HR1領域は、複数の連続した7つのアミノ酸残基のストレッチ又は「ヘプタッド」(各ヘプタッド中の7個のアミノ酸は「a」から「g」で示される)を有し、3-ヘリックスバンドル構造コアを形成するために、同型的(homotypically)に相互作用する第1(「a」)の位置及び第4(「d」)の位置での疎水性残基の優位性を有する。グルタミンなどの中性極性アミノ酸はまた、これらの位置を占有することがある。1つの代表的なヘプタッドは、Leu545で開始する。HR1の高度に保存された部分は、Leu565からLeu581までの17残基からなり、「N17」と呼ばれる。

0088

gp41のC末端部分は、融合プロセス中にアルファヘリックス構造を形成し、HR1三重ヘリックス構造の溝に結合すると考えられるHR2領域を含む。HR2はまた、ヘプタッドを含むが、ヘプタッドは、同型的に相互作用しないが、むしろHR1からのアミノ酸と相互作用する。1つの代表的なヘプタッドはTrp628で開始する。

0089

HIV融合ペプチドインヒビター
本発明のHIV融合ペプチドインヒビターは、限定されないが、以下の配列を含む。

0090

0091

いくつかの実施形態において、HIV融合ペプチドインヒビターは、配列番号372〜392のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0092

HIV融合ペプチドインヒビターのC末端領域における点突然変異は、効力を高めることが判明した。いくつかの実施形態において、HIV融合ペプチドインヒビターのC末端近傍のアスパラギン酸(D)の疎水性置換は、少なくとも10倍の効力の増加を与えた(図8)。いくつかの実施形態において、HIV融合ペプチドインヒビターは、「DK」を「YK」、「LK」、「FK」又は「WK」で置換することを含む。

0093

C末端領域における他の点突然変異研究は、C末端アミノ酸「WAS」がどのようにして効力に良好な効果を伴って変異し得るかを示した。いくつかの実施形態において、HIV融合ペプチドインヒビターは、C末端アミノ酸「WAS」を「WFS」又は「WAL」に置換することを含む。

0094

III.リンカー
本発明のコンビネクチンの種々の成分は、共有結合的又は非共有結合的に連結されてもよい。いくつかの実施形態において、PK部分は、直接的に又はポリペプチドリンカーを介して間接的にコンビネクチンに連結されてもよい。

0095

適切なリンカーは、別々のドメインが互いに独立して折り畳まれ、標的分子への高親和性結合を可能にする三次元構造を形成することを可能にするものである。

0096

本開示は、グリシン-セリンベースのリンカー、グリシン-プロリンベースのリンカーを含む、これらの要件を満たすいくつかの適切なリンカーを提供する。本明細書に記載される実施例は、ポリペプチドリンカーを介して接続されたコンビネクチンドメインがそれらの標的結合機能を保持していることを実証する。いくつかの実施形態において、リンカーは、グリシン-セリンベースのリンカーである。これらのリンカーは、グリシン及びセリン残基を含み、長さが8〜50、10〜30及び10〜20アミノ酸であり得る。例としては、アミノ酸配列(GS)7(配列番号393)、G(GS)6(配列番号394)、及びG(GS)7G(配列番号395)を有するリンカーが挙げられる。他のリンカーは、グルタミン酸を含み、例えば、(GSE)5(配列番号396)及びGGSEGGSE(配列番号397)を含む。他の例示的なグリシン-セリンリンカーは、(GS)4(配列番号398)、(GGGGS)7(配列番号399)、(GGGGS)5(配列番号400)、(GGGGS)4(配列番号401)、(GGGGS)3G(配列番号402)を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、グリシン-プロリンベースのリンカーである。これらのリンカーは、グリシン及びプロリン残基を含み、長さが3〜30、10〜30及び3〜20アミノ酸であり得る。例としては、アミノ酸配列(GP)3G(配列番号403)及び(GP)5G(配列番号404)を有するリンカーが含まれる。他の実施形態において、リンカーは、長さ3〜30、10〜30及び3〜20アミノ酸であるプロリン-アラニンベースのリンカーであり得る。プロリンアラニンベースのリンカーの例としては、例えば、(PA)3(配列番号405)、(PA)6(配列番号406)及び(PA)9(配列番号407)が含まれる。いくつかの実施形態において、リンカーは、グルタミン酸-プロリンベースのリンカーである。これらのリンカーは、グルタミン酸残基及びプロリン残基を含み、長さが3〜30、10〜30及び3〜20アミノ酸であり得る。例としては、アミノ酸配列ESPEPETPEDE(配列番号408)及び(ESPEPETPED)2E(配列番号409)を有するリンカーが含まれる。最適なリンカーの長さ及びアミノ酸組成は、当該技術分野において周知の方法によって日常的な実験により決定され得ることが企図される。

0097

リンカー又はスペーサーは、抗CD4部分のN末端、抗CD4部分のC末端、抗gp41部分のN末端、抗gp41部分のC末端、HIV融合ペプチドインヒビターのN末端、又はそれらの組み合わせに導入され得る。いくつかの実施形態において、抗CD4アドネクチンと抗N17アドネクチンの間の好ましいリンカーは、短いグルタミン-プロリンリッチなリンカーである。いくつかの実施形態において、抗N17アドネクチンとHIV融合ペプチドインヒビターの間の好ましいリンカーは、柔軟なグリシン-セリンリッチなリンカーである。

0098

IV.HIV融合ペプチドインヒビターに連結した抗N17アドネクチンのコンビネクチン
本発明の抗N17アドネクチン-HIV融合ペプチドインヒビターコンビネクチンのアミノ酸配列には、限定されないが、以下の表4に列挙されるものが含まれる。表4はまた、抗N17アドネクチン-HIV融合ペプチドインヒビターのコンビネクチンそれぞれの抗ウイルスEC50値を記載する。

0099

0100

いくつかの実施形態において、抗N17アドネクチン-HIV融合ペプチドインヒビターコンビネクチン又はその融合タンパク質は、配列番号410〜428のいずれか1つの非リンカー領域と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0101

いくつかの実施形態において、抗N17アドネクチン-HIV融合ペプチドインヒビターコンビネクチン又はその融合タンパク質は、いずれものN末端伸長領域を除いて、配列番号410〜428のいずれか1つの非リンカー領域と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0102

他の実施形態において、抗N17アドネクチン-HIV融合ペプチドインヒビターコンビネクチンは、配列番号410〜428のBCループ、DEループ及びFGループ領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む抗N17アドネクチンを含む。

0103

他の実施形態において、抗N17アドネクチン-HIV融合ペプチドインヒビターコンビネクチンは、配列番号410〜428のHIV融合ペプチドインヒビターと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含むHIV融合ペプチドインヒビターを含む。

0104

V.HIV融合ペプチドインヒビターに連結した抗N17アドネクチンに連結した抗CD4アドネクチンのコンビネクチン
本発明のHIV融合ペプチドインヒビターに連結した抗N17アドネクチンに連結した抗CD4アドネクチンのコンビネクチンは、限定されないが、以下の配列を含む。

0105

コンビネクチン3137 (配列番号3)

コンビネクチン3151 (配列番号5)

コンビネクチン3191 (配列番号7)

コンビネクチン3202 (配列番号9)

0106

上記の配列において、抗CD4アドネクチン配列は下線が引かれている。抗N17アドネクチン配列は二重下線が引かれている。HIV融合ペプチドインヒビター配列は太字で下線が引かれている。リンカー配列はイタリック体で示している。

0107

いくつかの実施形態において、コンビネクチン又はその融合タンパク質は、配列番号3、5、7及び9のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0108

いくつかの実施形態において、コンビネクチン又はその融合タンパク質は、配列番号3、5、7及び9のいずれか1つの非リンカー領域と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0109

他の実施形態において、コンビネクチンは、配列番号3、5、7及び9のCDループ及びFGループ領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む抗CD40アドネクチンを含む。

0110

他の実施形態において、コンビネクチンは、配列番号3、5、7及び9のBCループ、DEループ及びFGループ領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む抗N17アドネクチンを含む。

0111

他の実施形態において、コンビネクチンは、配列番号3、5、7及び9のHIV融合ペプチドインヒビターと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含むHIV融合ペプチドインヒビターを含む。

0112

VI.薬物動態部分
一態様において、本出願は、薬物動態(PK)部分をさらに含む抗CD4部分、抗gp41部分、HIV融合ペプチドインヒビター及びそれらの組み合わせを提供する。改善された薬物動態は、認識される治療的必要性にしたがって評価され得る。しばしば、恐らくタンパク質が投与後の血清において利用可能なままである時間を増加させることにより、バイオアベイラビリティを増加させること、及び/又は投与間の時間を増加させることが望ましい。場合によっては、経時的にタンパク質の血清濃度の連続性を改善すること(例えば、投与直後及び次の投与直前の、タンパク質の血清濃度の差を減少させること)が望ましい。本発明のコンビネクチンは、哺乳動物(例えば、マウス、ラット又はヒト)におけるポリペプチドのクリアランス速度を、非修飾コンビネクチンと比較して少なくとも2倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍低減させる部分に結合させてもよい。改善された薬物動態の他の尺度は、しばしば、アルファ相及びベータ相に分類される血清半減期を含み得る。いずれかの相又は両方の相は、適当な部分の付加により有意に改善され得る。例えば、PK部分は、ポリペプチドの血清半減期を、コンビネクチン単独と比較して5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、200%、400%、600%、800%、1000%を超えて、又はそれ以上増加させ得る。

0113

本明細書において「PK部分」と称される血液からのタンパク質のクリアランスを遅延する部分は、ポリオキシアルキレン部分(例えば、ポリエチレングリコール)、糖(例えば、シアル酸)、及び耐容性良好であるタンパク質部分(例えば、Fc並びにその断片及び変異体、トランスフェリン又は血清アルブミン)を含む。本発明のコンビネクチンはまた、米国公開第2007/0048282号に記載されているアルブミン又はアルブミンの断片(部分)若しくは変異体に融合されてもよいし、あるいは1つ以上のアドネクチン、又は血清アルブミンに結合する他の部分、Fc、又はトランスフェリンに融合されてもよい。

0114

本発明で使用することができる他のPK部分としては、Kontermannら(Current Opinion in Biotechnology, 22:868-876 (2011))(本明細書中に参考として援用される)に記載されるものが挙げられる。そのようなPK部分には、ヒト血清アルブミン融合体、ヒト血清アルブミンコンジュゲート、ヒト血清アルブミン結合体(例えばAdnectin PKE、AlbudAb、ABD)、XTEN融合体、PAS融合体(すなわち、3つのアミノ酸プロリン、アラニン及びセリンに基づく組換えPEGミメティック)、炭水化物コンジュゲート(例えば、ヒドロキシエチルデンプンHES))、グリコシル化、ポリシアル酸コンジュゲート、及び脂肪酸コンジュゲートが挙げられる。

0115

したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、ポリマー糖であるPK部分に融合されたコンビネクチンを提供する。いくつかの実施形態において、PK部分は、ポリエチレングリコール部分又はFc領域である。いくつかの実施形態において、PK部分は、血清アルブミン結合タンパク質、例えば、米国公開第2007/0178082号及び第2007/0269422号に記載されているものである。いくつかの実施形態において、PK部分はヒト血清アルブミンである。いくつかの実施形態において、PK部分はトランスフェリンである。

0116

本発明のFc融合-コンビネクチンは、図2の3137(配列番号4)及び3151(配列番号6)に示される配列を含む。

0117

いくつかの実施形態では、Fc融合-コンビネクチン又はその融合タンパク質は、配列番号4及び6のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0118

いくつかの実施形態では、Fc融合-コンビネクチン又はその融合タンパク質は、配列番号4及び6のいずれか1つの非リンカー領域と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0119

他の実施形態では、Fc融合-コンビネクチンは、配列番号4及び6のCDループ及びFGループ領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む抗CD4アドネクチンを含む。

0120

他の実施形態では、Fc融合-コンビネクチンは、配列番号4及び6のBCループ、DEループ及びFGループ領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む抗N17アドネクチンを含む。

0121

他の実施形態では、Fc融合-コンビネクチンは、配列番号4及び6のHIV融合ペプチドインヒビターと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む融合ペプチドインヒビターを含む。

0122

本発明のHSA融合-コンビネクチンは、図2の3191(配列番号8)及び3202(配列番号10)に示される配列を含む。

0123

いくつかの実施形態では、HSA融合-コンビネクチン又はその融合タンパク質は、配列番号8及び10のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0124

いくつかの実施形態では、HSA融合-コンビネクチン又はその融合タンパク質は、配列番号8及び10のいずれか1つの非リンカー領域と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0125

他の実施形態では、HSA融合-コンビネクチンは、配列番号8及び10のCDループ及びFGループ領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む抗CD4アドネクチンを含む。

0126

他の実施形態では、HSA融合-コンビネクチンは、配列番号8及び10のBCループ、DEループ及びFGループ領域と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む抗N17アドネクチンを含む。

0127

他の実施形態では、HSA融合-コンビネクチンは、配列番号8及び10のHIV融合ペプチドインヒビターと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%又は100%同一であるアミノ酸配列を含む融合ペプチドインヒビターを含む。
ポリエチレングリコール
いくつかの実施形態において、抗CD4部分、抗gp41部分、HIV融合ペプチドインヒビター及びその組み合わせはポリエチレングリコール(PEG)を含む。PEGは、市販されているか、又は当該技術分野において周知の方法(Sandlerら、Polymer Synthesis, Vol. 3, pp. 138-161, Academic Press, New York)に従ってエチレングリコール開環重合によって調製することができる、周知の水溶性ポリマーである。「PEG」という用語は、サイズに関係なく、又はPEGの末端の修飾に関わらず、あらゆるポリエチレングリコール分子を包含するように広範に用いられ、式:X−O(CH2CH2O)n-1CH2CH2OH(式中nは20〜2300であり、XはH又は末端修飾、例えばC1-4アルキルである)で表すことができる。PEGは、分子の化学合成の結果として生じる結合反応に必要なさらなる化学基を含んでもよいし、又は分子の部分の最適な距離のためのスペーサーとして作用するさらなる化学基を含んでもよい。さらにそのようなPEGは、一緒に連結された1つ又は複数のPEG側鎖からなることができる。2つ以上のPEG鎖を有するPEGは、マルチアームPEG又は分岐型PEGと呼ばれる。分岐型PEGは、例えば、欧州出願公開473084A及び米国特許第5,932,462号に記載されている。

0128

1つ以上のPEG分子は、タンパク質上の異なる位置で結合してもよく、このような結合は、アミンチオール又は他の適当な反応基との反応によりなし遂げられ得る。アミン部分は、例えば、ポリペプチドのN末端で見られる第一級アミン又はリジン若しくはアルギニンのようなアミノ酸に存在するアミン基であり得る。いくつかの実施形態において、PEG部分は、a)N末端;b)N末端と最もN末端側のベータ鎖又はベータ様鎖との間;c)標的結合部位と反対側のポリペプチドの表面上に位置するループ又は鎖残基;d)C末端と最もC末端側のベータ鎖又はベータ様鎖との間;e)2つの結合ドメインを連結するリンカー配列内;並びにf)C末端、からなる群から選択されるポリペプチドの位置で結合する。

0129

PEG化は、適当な反応基が、PEG化が優先的に起こる部位を作るように、タンパク質に導入される、部位特異的PEG化によりなし遂げられ得る。いくつかの実施形態において、タンパク質は、所望の位置でシステイン残基を導入するように修飾され、システイン上の部位特異的PEG化を可能にする。システイン残基を生成するために、突然変異をタンパク質コード配列に導入してもよい。これは、例えば、1つ以上のアミノ酸残基をシステインに変異させることによって達成され得る。システイン残基に変異する好ましいアミノ酸には、セリン、トレオニン、アラニン及び他の親水性残基が含まれる。好ましくは、システインに変異される残基は、表面に露出した残基である。一次配列又はタンパク質に基づく残基の表面接近可能性を予測するためにアルゴリズムが当技術分野において周知である。あるいは、骨格結晶構造(それに基づいて結合ポリペプチドを設計し進化させる)が解明されている場合、結合ポリペプチドのアミノ酸配列を比較することにより、表面残基を予測することができ(Himanenら、Nature, 414:933-938 (2001))、したがって表面露出残基が同定される。システイン残基のPEG化は、例えば、PEG-マレイミド、PEG-ビニルスルホン、PEG-ヨードアセトアミド又はPEG-オルトピリジルジスルフィドを用いて行うことができる。

0130

PEGは、典型的には、ポリペプチド上の所望の部位へのカップリングに適した好適な活性化基で活性化される。PEG化法は当該技術分野において周知であり、Zalipsky, S.ら、"Use of Functionalized Poly(Ethylene Glycols) for Modification of Polypeptides"、Harris, J.M., Polyethylene Glycol Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications, Plenus Press, New York (1992)及びZalipsky、Advanced Drug Reviews, 16:157-182 (1995)にさらに記載されている。

0131

PEGは、分子量を広範に変化し得、分岐状又は直線状であり得る。典型的には、PEGの重量平均分子量は、約100ダルトン〜約150,000ダルトンである。PEGの例示的な重量平均分子量には、約20,000ダルトン、約40,000ダルトン、約60,000ダルトン及び約80,000ダルトンが含まれる。特定の実施形態では、PEGの分子量は40,000ダルトンである。上記のいずれかの総分子量を有する分岐した形態のPEGを使用することもできる。いくつかの実施形態では、PEGは2つの分岐を有する。他の実施形態では、PEGは4つの分岐を有する。別の実施形態では、PEGはビス-PEG(NOF Corporation、DE-200MA)であり、これに2つのアドネクチンがコンジュゲートされる。

0132

サイズ排除(例えば、ゲルろ過)及びイオン交換クロマトグラフィーなどの当技術分野で公知の慣用的な分離及び精製技術を用いてPEG化アドネクチンを精製することができる。生成物はSDS-PAGEを使用して分離することもできる。分離される生成物には、モノ、ジ、トリポリPEG化及び非PEG化アドネクチン並びに遊離PEGが含まれる。モノPEGコンジュゲートのパーセンテージは、組成物中のモノPEGのパーセンテージを増加させるために、溶出ピーク付近のより広い画分をプールすることによって制御することができる。約90%のモノPEGコンジュゲートは、収率及び活性の良好なバランスを示す。

0133

いくつかの実施形態では、PEG化抗CD4部分、抗gp41部分、HIV融合ペプチドインヒビター及びそれらの組み合わせは、好ましくは、非修飾抗CD4部分、抗gp41部分、アドネクチン又はコンビネクチンに関連する生物学的活性の少なくとも約25%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は100%を保持する。いくつかの実施形態では、生物学的活性は、Kd、kon又はkoffによって評価されるように、CD4又はgp41に結合するその能力を指す。いくつかの実施形態において、PEG化抗CD4部分、抗gp41部分、アドネクチン又はそのコンビネクチンは、非PEG化抗CD4部分、抗gp41部分、アドネクチン又はコンビネクチンと比較してCD4又はgp41への結合の増加を示す。

0134

免疫グロブリンFcドメイン(及び断片)
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドは、免疫グロブリンFcドメイン、又はその断片若しくは変異体に融合される。本明細書で使用する「機能的Fc領域」は、FcRnに結合する能力を保持するFcドメイン又はその断片である。いくつかの実施形態では、機能的Fc領域はFcRnに結合するが、エフェクター機能は持たない。FcRnに結合するFc領域又はその断片の能力は、当該分野で公知の標準的な結合アッセイによって決定することができる。他の実施形態では、Fc領域又はその断片はFcRnに結合し、天然Fc領域の少なくとも1つの「エフェクター機能」を有する。例示的な「エフェクター機能」には、C1q結合、補体依存性細胞傷害(CDC)、Fcレセプター結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、食作用ファゴサイトーシス)、細胞表面レセプター(例えばB細胞レセプター、BCR)の下方調節などが含まれる。このようなエフェクター機能は、一般に、Fc領域が結合ドメイン(例えば、抗CD4又は抗N-17アドネクチン)と組み合わされることを必要とし、そしてそのような抗体エフェクター機能を評価するための当該分野で公知の様々なアッセイを用いて評価され得る。

0135

天然配列Fc領域」は、天然に見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。「変異型Fc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸改変により天然配列Fc領域のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含む。好ましくは、変異型Fc領域は、天然配列Fc領域又は親ポリペプチドのFc領域と比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を有し、例えば天然配列Fc領域又は親ポリペプチドのFc領域における約1〜約10個のアミノ酸置換、好ましくは約1〜約5個のアミノ酸置換を有する。本明細書の変異型Fc領域は、天然配列Fc領域及び/又は親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約80%の配列同一性、最も好ましくは少なくとも約90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%の配列同一性を有する。

0136

例示的な実施形態において、Fcドメインは、IgG1サブクラス由来である、しかしながら、他のサブクラス(例えば、IgG2、IgG3及びIgG4)もまた使用され得る。以下に示されているものは、ヒトIgG1免疫グロブリンFcドメインの配列である:
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK (配列番号11)

0137

コアヒンジ配列は下線を引かれており、CH2及びCH3領域は通常の文字列である。C末端グリシン及びリジンは、本発明のコンビネクチンにおいて任意であることが理解されるべきである。

0138

融合体は、本発明のアドネクチンをFc分子のいずれかの末端に結合させることにより、すなわち、Fc−アドネクチン又はアドネクチン−Fc配置で形成され得る。いくつかの実施形態において、Fc及びアドネクチンはリンカーを介して融合される。

0139

いくつかの実施形態において、アドネクチン融合体において使用されるFc領域は、Fc分子のヒンジ領域を含む。本明細書において使用される「ヒンジ」領域は、IgG1 Fc領域の配列番号11のコアヒンジ残基にまたがる位置1〜16(DKTHTCPPCPAPELLG; 配列番号12)を含む。いくつかの実施形態において、アドネクチン−Fc融合体は、一部、ヒンジ領域内で配列番号11の位置6及び9でのシステイン残基のため、多量体構造(例えば、ダイマー)をとる。

0140

いくつかの実施形態において、アドネクチン−Fc融合体は、以下の立体配置を有し得る:1)アドネクチン−ヒンジ−Fc、又は2)ヒンジ−Fc−アドネクチン。したがって、本発明のアドネクチンのいずれかは、これらの立体配置によるヒンジ配列を含むFc領域に融合させることができる。いくつかの実施形態において、リンカーは、アドネクチンをヒンジ−Fc部分に結合するために使用され得る、例えば、典型的な融合タンパク質は、立体配置アドネクチン−リンカー−ヒンジ−Fc又はヒンジ−Fc−リンカー−アドネクチンを有し得る。さらに、融合ポリペプチド生産される系に依存して、リーダー配列が、融合ポリペプチドのN末端に配置され得る。例えば、融合体が哺乳動物系において生産されるとき、リーダー配列は、融合分子のN末端に付加され得る。融合体が大腸菌において生産されるとき、融合配列は、メチオニンが先行する。

0141

VII.核酸−タンパク質融合技術
一態様において、本発明は、CD4、又はgp41のn17ドメインに結合するフィブロネクチンIII型ドメインを含むアドネクチンを提供する。特異的結合特性を有するFn3ドメインを迅速に生成し、試験する1つの方法は、核酸−タンパク質融合技術である。本開示は、核酸−タンパク質融合体(RNA−及びDNA−タンパク質融合体)を利用して、タンパク質への結合のために重要である新規ポリペプチド及びアミノ酸モチーフを同定する、「PROfusion」と称されるインビトロ発現及びタグ付加技術を利用する。核酸−タンパク質融合技術は、タンパク質をそのコード遺伝情報共有的に連結する技術である。RNA−タンパク質融合技術及びフィブロネクチンベースの足場タンパク質ライブラリースクリーニング方法の詳細な説明のために、Szostakら、米国特許第6,258,558号、第6,261,804号、第6,214,553号、第6,281,344号、第6,207,446号、第6,518,018号及び第6,818,418号;並びにRobertsら, Proc. Natl. Acad. Sci., 94:12297-12302 (1997)、Kurzら, Molecules, 5:1259-1264 (2000)(すべて参照により本明細書に援用する)参照。

0142

VIII.ベクター及びポリヌクレオチド
本明細書に記載されている種々のタンパク質又はポリペプチドのいずれかをコードする核酸は、化学的に合成され得る。コドン使用頻度は、細胞における発現を改善するよう選択され得る。このようなコドン使用頻度は、選択される細胞型に依存する。特定化されたコドン使用頻度パターンが、大腸菌及び他の細菌、並びに哺乳動物細胞植物細胞酵母細胞及び昆虫細胞のために開発されている。例えば:Mayfieldら Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 100(2):438-442 (Jan. 21, 2003); Sinclairら Protein Expr. Purif., 26(I):96-105 (Oct. 2002); Connell, N.D., Curr. Opin. Biotechnol., 12(5):446-449 (Oct. 2001); Makridesら Microbiol. Rev., 60(3):512-538 (Sep. 1996);及びSharpら Yeast, 7(7):657-678 (Oct. 1991)参照。

0143

核酸操作の一般的な技術は、例えば、Sambrookら Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)又はAusubel, Fら Current Protocols in Molecular Biology, Green Publishing and Wiley-Interscience, New York (1987)及び定期的アップデートされたもの(参照により本明細書に包含させる)に記載されている。一般的に、ポリペプチドをコードするDNAは、哺乳動物、ウイルス又は昆虫遺伝子由来の適当な転写又は翻訳調節エレメントに機能的に連結される。このような調節エレメントは、転写プロモーター、転写を制御するための任意のオペレーター配列、適当なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、並びに転写及び翻訳終結を制御する配列を含む。宿主において複製する能力は、通常、複製起点により与えられ、形質転換体の認識を容易にするための選択遺伝子がさらに組み込まれる。

0144

本明細書に記載されているタンパク質は、直接的にだけではなく、好ましくはシグナル配列、又は成熟タンパク質若しくはポリペプチドのN末端で特異的切断部位を有する他のポリペプチドである異種ポリペプチドとの融合ポリペプチドとしても組換え的に生産され得る。選択される異種シグナル配列は、好ましくは、宿主細胞により認識され、プロセッシングされる(すなわち、シグナルペプチダーゼにより切断される)ものである。

0145

天然シグナル配列を認識せず、プロセッシングしない原核宿主細胞のために、シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼペニシリナーゼ、lpp又は熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル配列により置換される。

0146

酵母分泌のために、天然シグナル配列は、例えば、酵母インベルターゼリーダー、因子リーダー(サッカロミセス(Saccharomyces)及びクルイベロマイセス(Kluyveromyces)アルファ因子リーダーを含む)又は酸性ホスファターゼリーダー、C.アルビカンス(albicans)グルコアミラーゼリーダー、又は米国特許第5,631,144号に記載されているシグナル配列により置換され得る。哺乳動物細胞発現において、哺乳動物シグナル配列並びにウイルス分泌リーダー、例えば、単純ヘルペスgDシグナルを利用できる。このような前駆体領域のDNAは、タンパク質をコードするDNAにリーディングフレームにおいてライゲートされ得る。

0147

発現及びクローニングベクターの両方は、ベクターが1つ以上の選択された宿主細胞において複製することを可能にする核酸配列を含む。一般的に、クローニングベクターにおいて、この配列は、ベクターが宿主染色体DNAと独立して複製することを可能にするものであり、複製起点又は自己複製配列を含む。このような配列は、種々の細菌、酵母及びウイルスに対してよく知られている。プラスミドpBR322由来の複製起点は多数のグラム陰性菌に適当であり、2ミクロンプラスミド起点は酵母に適当であり、種々のウイルス起点(SV40ポリオーマアデノウイルス、VSV又はBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターのために有用である。一般的に、複製起点成分は、哺乳動物発現ベクターのために必要ではない(SV40起点は一般的に、単に初期プロモーターを含むため、使用され得る)。

0148

発現及びクローニングベクターは、選択可能なマーカーとも称される選択遺伝子を含み得る。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質又は他のトキシン、例えば、アンピシリンネオマイシンメトトレキサート又はテトラサイクリンに対する耐性を与える、(b)栄養要求性欠失を補足する、又は(c)複合培地から利用できない決定的な栄養素を提供する、タンパク質をコードする、例えば、バチルス(Bacilli)のD-アラニンラセマーゼをコードする遺伝子である。

0149

発現及びクローニングベクターは、通常、宿主生物により認識され、本発明のタンパク質、例えば、フィブロネクチンベースの足場タンパク質をコードする核酸に機能的に連結されるプロモーターを含む。原核生物宿主と共に使用するために適当なプロモーターは、phoAプロモーター、ベータ−ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系及びハイブリッドプロモーター、例えば、tanプロモーターを含む。しかしながら、他の既知の細菌プロモーターが適当である。細菌系における使用のためのプロモーターはまた、本発明のタンパク質をコードするDNAに機能的に連結したシャインダルガノ(S.D.)配列を含む。真核生物のためのプロモーター配列は知られている。実質的には、全ての真核遺伝子は、転写が開始される部位から約25から30塩基上流に位置するATリッチ領域を有する。多数の遺伝子の転写の開始から70から80塩基上流に見出される別の配列はCNCAAT領域であり、Nは任意のヌクレオチドであってよい。多数の真核遺伝子の3’末端に、コード配列の3’末端へのポリAテールの付加のためのシグナルとなり得るAATAAA配列がある。これらの配列の全ては、真核発現ベクターに適当に挿入される。

0151

哺乳動物宿主細胞におけるベクターからの転写は、例えば、ウイルス、例えば、ポリオーマウイルス鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシパピローマウイルストリ肉腫ウイルスサイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、及びより好ましくはシミアンウイルス40(SV40)のゲノムから得られるプロモーター、異種哺乳動物プロモーター、例えば、アクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター、ヒートショックプロモーターにより制御することができ、このようなプロモーターは宿主細胞系と適合性である。

0152

高等真核生物による本発明のタンパク質をコードするDNAの転写は、しばしば、ベクターにエンハンサー配列を挿入することにより増加される。哺乳動物遺伝子由来の多数のエンハンサー配列が、現在、知られている(グロビンエラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、一般的に、真核細胞ウイルス由来エンハンサーを使用する。例としては、複製起点の後ろ側においてSV40エンハンサー(bp100-270)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後ろ側においてポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーがある。真核プロモーターの活性化のためのエンハンサーエレメントについて、Yaniv, Nature, 297:17-18 (1982)も参照。エンハンサーは、ペプチドコード配列に対して5’又は3’側の位置でベクターにスプライシングされ得るが、プロモーターの5’側に位置することが好ましい。

0153

真核宿主細胞(例えば、酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト又は他の多細胞生物からの有核細胞)において使用される発現ベクターはまた、転写の終結のため、及びmRNAを安定化させるために必要な配列を含む。このような配列は、真核又はウイルスDNA又はcDNAの5’及び、時折3’非翻訳領域から一般的に利用できる。これらの領域は、本発明のタンパク質をコードするmRNAの非翻訳部分におけるポリアデニル化フラグメントとして転写されるヌクレオチドセグメントを含む。1つの有用な転写終結成分は、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。WO94/11026及びそこに記載されている発現ベクターを参照。

0154

組換えDNAはまた、タンパク質を精製するために有用であり得るあらゆるタイプのタンパク質タグ配列を含むことができる。タンパク質タグの例は、限定はしないが、ヒスチジンタグ、FLAGタグ、mycタグ、HAタグ又はGSTタグを含む。細菌、真菌、酵母及び哺乳動物細胞宿主で使用するために適当なクローニング及び発現ベクターは、Cloning Vectors: A Laboratory Manual, Elsevier, New York (1985)(この関連の記載は、参照により本明細書に包含させる)において見出すことができる。

0155

発現構築物は、当業者に明らかであるとおりに、宿主細胞に適当な方法を使用して宿主細胞に導入される。宿主細胞に核酸を導入するための種々の方法は、当分野で知られており、限定はしないが、エレクトロポレーション塩化カルシウム塩化ルビジウムリン酸カルシウムDEAE-デキストラン又は他の物質を使用するトランスフェクション微粒子銃リポフェクション;及び感染(ベクターが感染性因子である)を含む。

0156

適当な宿主細胞は、原核生物、酵母、哺乳動物細胞又は細菌細胞を含む。適当な細菌は、グラム陰性又はグラム陽性生物、例えば、大腸菌又はバチルス種を含む。好ましくはサッカロミセス種由来の酵母、例えば、サッカロミセス・セレビシエがまた、ポリペプチドの生産のために使用され得る。種々の哺乳動物又は昆虫細胞培養系をまた、組換えタンパク質を発現させるために使用することができる。昆虫細胞における異種タンパク質の生産のためのバキュロウイルス系は、Luckowら (Bio/Technology, 6:47 (1988))により概説されている。適当な哺乳動物宿主細胞系の例は、内皮細胞、COS-7サル腎臓細胞、CV-1、L細胞、C127、3T3、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、ヒト胚腎臓細胞、HeLa、293、293T及びBHK細胞系を含む。精製ポリペプチドは、適当な宿主/ベクター系を培養し、組換えタンパク質を発現させることにより調製される。多数の適用のために、本明細書に記載されている小さいサイズの多数のポリペプチドは、発現のための好ましい方法として大腸菌において発現させる。次に、タンパク質は、培養培地又は細胞抽出物から精製される。

0157

IX.タンパク質生産
本発明はまた、コビネクチン又はその融合タンパク質を発現する細胞株に関する。コンビネクチンを産生する細胞株の作製及び単離は、本明細書に記載されるような当技術分野で公知の標準技術を用いて達成することができる。

0158

宿主細胞は、タンパク質生産のために本明細書において記載されている発現又はクローニングベクターで形質転換され、プロモーターを誘導するか、形質転換体を選択するか、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために適当に修飾された慣用栄養培地中で培養される。本明細書に示される例において、ハイスループットタンパク質生産(HTPP)及び中規模生産のために使用された宿主細胞は、HMS174細菌株由来のものであった。

0159

本発明のタンパク質を生産するために使用される宿主細胞は、種々の培地で培養され得る。市販の培地、例えば、Ham's F10(Sigma)、最小必須培地((MEM)、(Sigma)、RPMI-1640(Sigma)及びダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma))は、宿主細胞を培養するために適当である。加えて、Hamら Meth. Enzymol., 58:44 (1979)、Baritesら Anal. Biochem., 102:255 (1980)、米国特許第4,767,704号、第4,657,866号、第4,927,762号、第4,560,655号、第5,122,469号、第6,048,728号、第5,672,502号、又は米国特許第RE 30,985号に記載されている多くの培地が、宿主細胞のための培養培地として使用され得る。これらの培地はいずれも、必要なとき、ホルモン及び/又は他の増殖因子(例えば、インスリン、トランスフェリン又は上皮細胞増殖因子)、塩(例えば、塩化ナトリウムカルシウムマグネシウム及びホスフェート)、バッファー(例えば、HEPES)、ヌクレオチド(例えば、アデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシン薬)、微量元素マイクロモル範囲の最終濃度で通常存在する無機化合物として定義される)、及びグルコース又は同等のエネルギー供給源補給され得る。任意の他の必要な栄養補助剤がまた、当業者に知られている適当な濃度で含まれ得る。培養条件、例えば、温度、pHなどは、発現のために選択された宿主細胞で以前に使用されたものであり、当業者に明らかである。

0160

本明細書に記載されているタンパク質はまた、無細胞翻訳系を使用して生産することができる。このような目的のために、ポリペプチドをコードする核酸は、インビトロ転写がmRNAを生産することを可能にし、利用される特定の無細胞系(真核、例えば、哺乳動物若しくは酵母無細胞翻訳系、又は原核生物、例えば、細菌無細胞翻訳系)におけるmRNAの無細胞翻訳を可能にするように修飾されるべきである。

0161

本発明のタンパク質はまた、化学合成(例えば、Solid Phase Peptide Synthesis, Second Edition, The Pierce Chemical Co., Rockford, Ill. (1984)に記載されている方法による)により生産することができる。タンパク質に対する修飾もまた、化学合成により生産することができる。

0162

本発明のタンパク質は、タンパク質化学の分野において一般的に知られているタンパク質に対する単離/精製方法により精製することができる。非限定的な例は、抽出、再結晶化塩析(例えば、硫酸アンモニウム又は硫酸ナトリウムで)、遠心分離透析限外ろ過吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー順相クロマトグラフィー逆相クロマトグラフィーゲル濾過ゲル浸透クロマトグラフィーアフィニティークロマトグラフィー電気泳動法向流分配又はこれらの任意の組合せを含む。精製後、ポリペプチドは、異なるバッファーに交換され、及び/又は限定はしないが、濾過及び透析を含む当分野で既知の種々の方法のいずれかにより濃縮され得る。

0163

精製されたポリペプチドは、好ましくは少なくとも85%純粋、又は好ましくは少なくとも95%純粋、最も好ましくは少なくとも98%純粋である。純度の正確な数値にかかわらず、ポリペプチドは、医薬品として使用するために十分に純粋なものである。

0164

X.生物物理学及び生化学的特性決定
標的分子(例えば、CD4又はgp41)への本発明のタンパク質の結合は、平衡定数(例えば、解離、Kd)に関して、及び速度定数(例えば、結合速度定数、kon及び解離速度定数、koff)に関して評価されてもよい。本発明のタンパク質は、一般的に、500nM、100nM、10nM、1nM、500pM、200pM、又は100pM未満のKdで標的分子に結合するが、より高いKd値が許容され得、この場合、koffは十分に低く、又はkonは十分に高い。

0165

結合親和性についてのインビトロアッセイ
CD4又はgp41に結合するタンパク質は、様々なインビトロアッセイを用いて同定することができる。好ましくは、アッセイは、複数の候補を同時にスクリーニングすることを可能にするハイスループットアッセイである。

0166

いくつかの実施形態において、生体分子相互作用は、BIACORE(登録商標)システムを用いてリアルタイムモニターすることができ、これは、SPRを使用して、最大300nm離れた表面の屈折率の変化に起因して、ガラス支持体上の金薄膜の表面における光の共鳴角の変化を検出する。BIACORE(登録商標)分析は、結合速度定数、解離速度定数、平衡解離定数、及び親和定数を生じさせる。結合親和性は、BIACORE(登録商標)表面プラズモン共鳴システム(Biacore、Inc.)を用いて結合速度定数及び解離速度定数を評価することによって得られる。バイオセンサーチップは、標的の共有結合のために活性化される。次に、標的を希釈し、チップ上に注入して、固定された物質の応答単位でシグナルを得る。共鳴単位(RU)のシグナルは固定化された物質の質量に比例するため、これは、マトリックス上の固定化された標的密度の範囲を表す。結合データ及び解離データは、1:1の2分子相互作用正味の速度表現を解釈するためのグローバル分析に同時に適合し、kon、koff及びRmax(飽和時の最大応答)に最適な値をもたらす。結合に関する平衡解離定数、Kdは、koff/konとしてSPR測定値から計算される。

0167

いくつかの実施形態において、本発明のコンビネクチンは、100nM以下のKdを示す。好ましくは、Kdは10nM以下である。より好ましくは、Kdは1nM以下である。

0168

いくつかの実施形態において、本発明のコンビネクチンは、5nM以下、4nM以下、3nM以下、2.5nM以下、2nM以下、1.5nM以下、1nM以下、0.5nM以下、0.2nM以下、又は0.1nM以下のIC50を示す。好ましくは、IC50は1.5nM以下である。より好ましくは、IC50は0.5nM以下である。

0169

本明細書に記載される上記のアッセイは例示的であり、タンパク質間の結合親和性を決定するための当該技術分野において公知である任意の方法(例えば、蛍光ベースの移動(FRET)、酵素結合免疫吸着アッセイ、及び競合結合アッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ)を用いて、本発明のコンビネクチンの結合親和性を評価することができることは理解されるべきである。

0170

本発明において、ELISAアッセイは、BIACORE(登録商標)SPRによって決定される親和性でCD4又はgp41に結合するアドネクチンを同定するために利用された。また、FACSアッセイを使用して、T細胞表面上に天然に存在するCD4へのCD4アドネクチン(単独及び完全なコンビネクチンの一部として)の結合のEC50を決定した。ペプチド親和性は、BIACORE(登録商標)SPRによって測定された。

0171

以下の表5に記載されるように、CD4アドネクチンのCD4に対する結合親和性の範囲(SPRによる)は0.3nM〜140nMであった;人工のgp41ベースの標的へのN17アドネクチンの結合の範囲は0.5nM〜40nMであった;ペプチド結合の範囲は0.2nM〜70nMであった。本発明のコンビネクチン及びその個々の成分のSPRベースの親和性を以下の表5に示す。

0172

0173

阻害活性のインビトロアッセイ
HIV-1感染に対するコンビネクチン(又は個々のインヒビター若しくはそれらの組み合わせ)の効力の試験を可能にする様々な当該技術分野において認められているインビトロ系が存在する。これらには、培養細胞又は末梢血単球培養物中の種々の菌株実験室由来ウイルス又は臨床分離株の完全な複製を可能にする系が含まれる。さらに、生存可能なウイルスを使用せずに、感染の初期細胞侵入段階を再現する系を用いて、コンビネクチン、個々のインヒビター又はそれらの組み合わせの有効性を分析することができる。これらには、限定されないが、感染性ビリオンを産生できない欠失を含む「偽型(pseudotyped)」ウイルス、又は標的細胞に対するHIV-1特異的融合反応をモニターするために使用され得るHIV gp160遺伝子のみを発現する細胞が含まれる。

0174

インビボモデル
当業者は、複製することができ、いくつかの場合においてはHIV感染の症状を再現することができる当該技術分野において認められている様々な動物モデルを知っている。これらのモデルは、本発明のコンビネクチン、個々のインヒビター又はそれらの組み合わせの有効性を試験するために使用することができる。

0175

XI.治療用途
一態様において、本発明は、HIVの治療に有用なコンビネクチンを提供する。したがって、特定の実施形態において、本発明は、有効量の本発明のコンビネクチンを対象に投与することを含む、対象においてHIV融合を減弱又は阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、本発明のコンビネクチンは、哺乳動物、特にヒトに医薬として許容される。「医薬として許容される」ポリペプチドとは、重大な有害となる医学的影響なしに動物に投与されるポリペプチドを指す。

0176

いくつかの実施形態において、本発明のコンビネクチンは、治療される特定の障害又は疾患に有用であることが当該技術分野において公知である薬剤と組み合わせて(同時に又は別々に)対象に投与される。

0177

いくつかの実施形態において、コンビネクチン療法の標的患者集団は、例えば、年齢既往症遺伝子構造及び/又は併存疾患に起因して、治療される疾患の標準的な療法を受け入れられないものである。本発明のコンビネクチンは、実質的な副作用又は安全性の懸念に関連する既存の療法の代替物として役立ち得る。

0178

いくつかの実施形態において、コンビネクチン療法の標的患者集団は、生活習慣又は他の悪化要因に起因して、感染リスクが高い非感染個体で構成される。コンビネクチンは、これらの個体がHIVに感染するのを防ぐために使用される(曝露前の予防)。

0179

XII.医薬組成物
本発明はさらに、本明細書に記載されるコンビネクチン又はその融合タンパク質を含む医薬組成物を提供し、ここで、組成物は、エンドトキシンを本質的に含まない、又は少なくとも適切な規制当局(例えば、FDA)によって決定される許容レベル以下のエンドトキシンを含有する。

0180

本発明の組成物は、経口投与のための丸薬、錠剤、カプセル液体、又は徐放性錠剤の形態であり得る;静脈内、皮下又は非経口投与のための液体;局所投与のためのゲルローション軟膏クリーム、若しくはポリマー、又は他の徐放性ビヒクル、あるいは吸入又は鼻腔内投与に適した噴霧可能な懸濁液の形態であり得る。

0181

組成物を作製するための、当該技術分野において周知である方法は、例えば、Gennaro, A.R.ら、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, PA (2000年)に見い出される。非経口投与のための組成物は、例えば、賦形剤滅菌水生理食塩水、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール植物起源の油、又は水素ナフタレンを含み得る。生体適合性生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、又はポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーを使用して、化合物の放出を制御することができる。ナノ粒子組成物(例えば、生分解性ナノ粒子固体脂質ナノ粒子リポソーム)を使用して、化合物の生体内分布を制御することができる。他の潜在的に有用な非経口送達系には、エチレン-酢酸ビニルコポリマー粒子浸透圧ポンプ移植可能注入系、及びリポソームが含まれる。組成物中の化合物の濃度は、投与される薬物の投薬量及び投与経路などの多数の要因に依存して変化する。

0182

許容される担体、賦形剤又は安定化剤は、使用される用量及び濃度でレシピエント無毒であり、リン酸塩クエン酸塩及び他の有機酸などの緩衝剤アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤防腐剤(例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩化ヘキサメトニウム塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウムフェノールブチル又はベンジルアルコールメチル又はプロピルパラベンなどのアルキルパラベンカテコールレゾルシノールシクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又はリジン;単糖類二糖類、及びグルコース、マンノース又はデキストランを含む他の糖質EDTAなどのキレート剤スクロースマンニトールトレハロース又はソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);及び/又はTween、PLURONIC(登録商標)又はポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。

0183

有効成分はまた、例えば、コアセルベーション技術によって又は界面重合によって調製されるマイクロカプセル、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル及びポリ-(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェアマイクロエマルジョンナノ粒子及びナノカプセル)中に、又はマクロエマルジョン中に封入されてもよい。このような技術は、Osol, A., ed., Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th Edition (1980年)に開示されている。

0184

徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の適切な例には、本発明のタンパク質を含有する固体疎水性ポリマー半透性マトリックスが含まれ、マトリックスは成形品、例えば、フィルム又はマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの例としては、ポリエステルハイドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸及びyエチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えば、LUPRON DEPOT(登録商標)(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドで構成される注射可能なマイクロスフィア)、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。エチレン-酢酸ビニル及び乳酸-グリコール酸などのポリマーは、100日を超える分子の放出を可能にするが、特定のハイドロゲルは、より短期間、タンパク質を放出する。本発明のカプセル化されたタンパク質が長時間体内に残っている可能性がある場合、それらは37℃で湿気に曝露された結果として変性又は凝集し得、生物活性喪失及び免疫原性の可能性のある変化をもたらす。関係するメカニズムに応じて安定化のための合理的な戦略考案することができる。例えば、凝集メカニズムがチオ-ジスルフィド交換による分子間S-S結合形成であることが発見された場合、安定化は、スルフヒドリル残基を修飾し、酸性溶液から凍結乾燥させ、水分含有量を制御し、適切な添加剤を使用し、特定のポリマーマトリックス組成物を開発することによって達成することができる。

0185

経口使用のための本発明の組成物は、非毒性の医薬として許容される賦形剤との混合物中に有効成分(単数又は複数)を含有する錠剤を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤又は充填剤(例えば、スクロース及びソルビトール)、潤滑剤、流動促進剤、及び粘着防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムステアリン酸亜鉛ステアリン酸シリカ硬化植物油、又はタルク)であってもよい。経口使用のための製剤はまた、チュアブル錠として、又は有効成分が不活性固形希釈剤と混合されている硬ゼラチンカプセル剤として、又は有効成分が水若しくは油性媒質と混合されている軟ゼラチンカプセル剤として提供されてもよい。

0186

インビボ投与のために使用される医薬組成物は、典型的には無菌でなければならない。これは、滅菌濾過膜による濾過によって達成され得る。組成物が凍結乾燥される場合、この方法を用いた滅菌は、凍結乾燥及び再構成の前又は後のいずれかに行われ得る。非経口投与のための組成物は、凍結乾燥された形態で又は溶液中で保存され得る。さらに、非経口組成物は、一般的に、滅菌アクセスポート、例えば、皮下注射針穿孔可能な栓を有する静脈用溶液バッグ又はバイアルを有する容器に入れられる。

0187

医薬組成物が製剤化された後、溶液、懸濁液、ゲル、エマルジョン、固体、又は脱水粉末若しくは凍結乾燥粉末として滅菌バイアルに保存することができる。このような製剤は、直ぐに使える形態又は投与前に再構成を必要とする形態(例えば、凍結乾燥形態)のいずれかで保存することができる。

0188

また、本明細書中の組成物は、治療される特定の徴候に必要な1を超える活性化合物、好ましくは相互に悪影響を及ぼさない相補的活性を有する化合物を含み得る。このような分子は、意図される目的に有効な量で組み合わせて適切に存在する。

0189

XIII.投与
本発明のコンビネクチン又はその融合タンパク質を含む医薬組成物は、経口、非経口、経皮筋肉内、鼻腔内、口腔下、又は坐剤投与を含む標準的な投与技術を用いてHIV患者に投与することができる。好ましくは、本発明のコンビネクチンの投与は、非経口である。非経口という用語は、本明細書で使用するとき、静脈内、筋肉内、皮下、直腸又は腹腔内投与を含む。静脈内又は腹腔内又は皮下注射による末梢全身送達が好ましい。

0190

治療的に有効な用量は、それが投与されて、治療効果を生じさせる用量を指す。治療的に使用される医薬組成物の有効量は、例えば、治療の背景及び目的に依存する。当業者は、したがって、治療のための適切な投薬量レベルが、部分的には、送達される分子、結合剤分子が使用される適応症、投与経路、及び患者のサイズ(体重、体表面又は器官サイズ)及び状態(年齢及び一般的な健康状態)に依存することを理解する。

0191

例えば、治療的に有効な用量は、細胞培養アッセイ、又はマウス、ラット、ウサギ、イヌ、ブタ若しくはサルなどの動物モデルのいずれかにおいて最初に推定することができる。また、適切な濃度範囲及び投与経路を決定するために動物モデルを使用することができる。次に、このような情報は、ヒトにおける投与に有用な用量及び経路を決定するために使用され得る。

0192

正確な投薬量は、治療を必要とする対象に関連する因子を考慮して決定され、標準的な技術を用いて確定され得る。投薬量及び投与は、十分なレベルの活性化合物を提供するように、又は所望の効果を維持するように調整される。考慮され得る因子としては、病状の重症度、対象の一般的な健康状態、対象の年齢、体重及び性別、投与の時間及び頻度、薬物の組み合わせ、反応感受性及び治療反応性が挙げられる。一般的に、本発明のコンビネクチンは、約0.01mg/kg/日〜約50mg/kg/日、好ましくは約0.01mg/kg/日〜約30mg/kg/日、最も好ましくは約0.01mg/kg/日〜約20mg/kg/日で投与される。いくつかの実施形態において、本発明のコンビネクチンは、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、より好ましくは約0.01〜約5mg/kg、最も好ましくは約0.01〜約1mg/kgの用量で毎週投与される。あるいは、本発明のコンビネクチンは、約15〜約100mg/週、約20〜約80mg/週、約20〜約60mg/週、又は約20〜約25mg/週で投与される。

0193

投与頻度は、使用される製剤中の結合剤分子の薬物動態パラメータに依存する。典型的には、組成物は、所望の効果を達成する投薬量に達するまで投与される。したがって、組成物は、経時的に単一用量若しくは複数用量として(同一又は異なる濃度/用量で)、又は連続注入として投与することができる。適切な投薬量の更なる改良が日常的に行われている。適切な投薬量は、適切な投薬量-応答データの使用によって確定することができる。例えば、コンビネクチンは、毎日(例えば、1日1回、2回、3回若しくは4回)、又はより少ない頻度で(例えば、1日おきに、週に1回若しくは2回、又は毎月)投与され得る。さらに、当該技術分野で公知であるように、年齢、並びに体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、薬物相互作用、及び疾患の重症度の調整が必要であり、当業者により慣用的な実験を用いて確定することができる。コンビネクチンは、一度に又は一連の治療にわたって患者に適切に投与される。

0194

コンビネクチン又はその融合体、及び1つ以上の追加の治療剤の投与は、同時投与又は連続投与にかかわらず、治療用途のために上記のように生じさせ得る。同時投与のための適切な医薬として許容される担体、希釈剤及び賦形剤は、投与される特定の治療剤の固有性に依存することは、当業者によって理解される。

0195

XIV.キット及び製品
本発明のコンビネクチンは、キット、すなわち本発明の治療又は診断方法における使用のための説明書とともに、所定量の試薬包装された組み合わせで提供され得る。

0196

例えば、本発明の一実施形態において、上述の障害又は状態の治療又は予防に有用な物質を含有する製品が提供される。製品は、容器及びラベルを含む。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、及び試験管が含まれる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成されてもよい。容器は、HIVの治療に有効な本発明の組成物を保持し、滅菌アクセスポート(例えば、容器は静脈用溶液バッグ又は皮下注射針によって穿孔可能な栓を有するバイアルであり得る)を有し得る。組成物中の活性薬剤は、本発明のコンビネクチンである。容器上の又はそれに関連付けられるラベルは、組成物がHIVの治療に使用されることを示す。製品は、リン酸緩衝食塩水リンゲル液及びデキストロース溶液などの医薬として許容される緩衝液を含む第2の容器をさらに含んでもよい。それは、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用説明書付きの添付文書を含む、商業的及びユーザーの観点から望ましい他の物質をさらに含んでもよい。

0197

参照による組み込み
本明細書に記載されている、特許文書及びウェブサイトを含む、全ての文書及び参考文献は、本書に完全又は部分的に記載されているのと同程度に本書に参照として個々に組み込まれる。

0198

ここで、本発明を以下の実施例を参照して説明するが、これらは例示に過ぎず、本発明を限定することを意図しない。本発明をその特定の実施形態を参照して詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明らかである。

0199

[実施例1]
コンビネクチン生成/精製
HIVコンビネクチンタンデム-細菌
BL21(DE3)細菌細胞にDNAを形質転換する。
約37℃での細菌培養において細胞を標的OD600まで増殖させる。
培養温度を約30℃に下げ、培養物をIPTGで誘導し、数時間後に回収する。
回収を遠心分離機を用いて行う。
化学的溶解及びMICROFLUIDIZER(登録商標)を用いてタンパク質の回収を行い、続いて、遠心分離又はタンジェント流濾過によって清澄化する。溶解物を直ちに処理するか又は後の使用のために凍結する。
疎水性相互作用クロマトグラフィー、続くヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー及び/又はイオン交換クロマトグラフィーにより精製する。タンジェント流濾過を用いて配合し、濃縮する。

0200

HIVコンビネクチン-Fc構築物;哺乳動物の細胞培養
適切な哺乳動物細胞にDNAをトランスフェクトする。
細胞培養において細胞を増殖させる。
遠心分離及び/又は濾過により回収する。
親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーを用いて精製する。
タンジェント流濾過を用いて配合し、濃縮する。

0201

HIVコンビネクチン-HuSA構築物;哺乳動物の細胞培養
適切な哺乳動物細胞にDNAをトランスフェクトする。
細胞培養において細胞を増殖させる。
遠心分離及び/又は濾過により回収する。
疎水性相互作用クロマトグラフィー、続くヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー及び/又はイオン交換クロマトグラフィーにより精製する。
タンジェント流濾過を用いて配合し、濃縮する。

0202

[実施例2]
コンビネクチン効力アッセイ
MT-2細胞、HEK293T細胞、及びNL4-3のプロウイルスDNAクローンをNIHAIDS Research and Reference Reagent Programから入手した。10%の熱不活性化したウシ胎仔血清(FBS)、10mMのHEPES緩衝液pH7.55、及び2mMのL-グルタミンを添加したRPMI1640培地中でMT-2細胞を増殖させた。10%の熱不活性化したFBS、10mMのHEPES緩衝液pH7.55、及び2mMのL-グルタミンを添加したDMEM培地中でHEK293T細胞を増殖させた。NL4-3のプロウイルスクローン由来のnef遺伝子の一部をRenillaルシフェラーゼ遺伝子で置換した組み換えNL-RlucウイルスをBristol-Myers Squibbで構築した。改変されたpNL-Rlucプロウイルスクローンを用いたHEK293T細胞のトランスフェクションの3日後に、複製能を有するウイルスを回収した。トランスフェクションは、製造者の指示に従って、Lipofectamine Plus(Invitrogen, Carlsbad, CA)を用いて行われた。バイオマーカーとしてのルシフェラーゼ酵素活性を用いて、MT-2細胞においてウイルスを力価測定した。NL-Rlucウイルスを用いて、MT-2細胞を1時間、0.01の多重度で感染させた後、96ウェルプレート中のペプチドに添加した。ペプチドを連続的に3倍希釈し、11個の濃度を三連播種した。インキュベーションの4〜5日後、細胞を処理し、発現したルシフェラーゼの量によってウイルス増殖を定量した。ルシフェラーゼは、Promega(Madison, WI)のDual Luciferaseキットを用いて、製造業者プロトコールに変更を加えて定量された。希釈された受動溶解溶液(Passive Lysis solution)は、再懸濁したルシフェラーゼアッセイ試薬と予め混合され、次にSTOP&GLO(登録商標)基質(2:1:1比)に再懸濁した。アッセイプレート上の各々吸引されたウェルに合計50μLの混合物を添加し、Wallac TriLux(Perkin-Elmer, Waltham, MA)でルシフェラーゼ活性を直ちに測定した。50%有効濃度(EC50)は、阻害ペプチドの存在下で産生されたルシフェラーゼ量を、ペプチドが添加されていないウェルと比較することによって計算された。

0203

[実施例3]
コンビネクチン薬物動態の評価
ヒトCD4トランスジェニックマウスモデル
雄性及び雌性ヘテロ接合ヒトCD4マウスをJackson Laboratories, Bar Harbor, MEから入手した。

0204

WTマウスPK研究
8〜21日の単回IVボーラス用量研究は、様々なコンビネクチンのPK特性を評価するために雌性C57Bl/6 WTマウスにおいて行われた。Fc-コンビネクチン融合体を10mg/kgで投薬し、HSA-コンビネクチン融合体を8.8mg/kgで投薬した。血漿試料をCPD中に回収し、分析するまで-80℃で保存した。

0205

hCD4マウスPK研究
7〜10日の単回IVボーラス用量研究は、標的の存在下で様々なコンビネクチンのPK特性を評価するために、ヘテロ接合性hCD4マウスにおいて行われた。コンビネクチンの用量及び試料の回収方法は、WTマウスについて上記したものと同じであった。

0206

カニクイザルの研究
1週間の単回投与研究は、コンビネクチンのPKを決定するために雌性カニクイザルにおいて行われた。1mg/kgの用量後、指示された時間で血清試料を回収し、分注し、MSD又はLC/MS分析のために急速に凍結した。

実施例

0207

薬物動態測定
Mesoscale技術プラットフォーム又は比色ELISAフォーマットを用いてマウス又はカニクイザルの血漿における薬物レベルを測定した。コンビネクチンのペプチド成分に特異的に結合するタンパク質PRD828(BMS)を介してFc-コンビネクチン融合体を捕捉し、ヤギ抗ヒトIgGFc-HRPコンジュゲート化pAb(Pierce#31413)を用いて検出した。HSA-コンビネクチン融合体をPRD828を介して捕捉し、ルテニウム標識された、HSAに対するヤギpAb(Bethyl、TX#A80-229A)を用いて検出した。5-パラメータ対数適合を用いて標準曲線から試料濃度を計算した。非コンパートメント分析は、血漿モデル及びリニアアップ/ログダウン計算法(linear up/log down calculation method)を用いたPhoenix WINNONLIN(登録商標)6.3(Pharsight Corporation、Mountain View、CA)を利用して行われた。

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