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課題

再充電可能であり、クーロン効率が改善されたリチウム空気電池を提供する。

解決手段

第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び第2の電極に接する電解質4とを含み、前記第2の電極が遷移金属含有化学種を含むプロモーターを含む、金属−空気電気化学システム1。

概要

背景

リチウムイオンLiイオン電池は、軽量で長寿命持ち運び可能な電子デバイスの最近の普及を可能にしてきた。残念ながら、リチウムイオン電池は、高価すぎるし、それらのエネルギー密度が低すぎるために電気自動車大量生産ができないために、新規低コスト高エネルギー密度の電池システムの開発に大きな関心が寄せられている。M. Armand and J. M. Tarascon, Nature, 2008, 451, 652、及びP. G. Bruce, S. A. Freunberger, L. J. Hardwick and J.-M. Tarascon, Nat. Mater., 2012, 11, 19参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。リチウム−空気/リチウム−酸素(Li−O2)電池化学は、それらの高い理論質量エネルギー密度(2000Wh・kg-1)が高いため、現在、次世代の再充電可能な電池として大きな科学的注目を集めている。その全内容を引用により本明細書に援用するY.-C. Lu, B. M. Gallant, D. G. Kwabi, J. R. Harding, R. R. Mitchell, M. S. Whittingham and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2013, 6, 750参照。Gallagherらによる分析から、電気自動車におけるシステムレベルアプリケーションには約300Wh・kg-1の質量エネルギー密度が求められることが予測され、これはLiイオンセルに比べてエネルギー密度が2倍に増加することになる。その全内容を引用により本明細書に援用するK. G. Gallagher, S. Goebel, T. Greszler, M. Mathias, W. Oelerich, D. Eroglu and V. Srinivasan, Energy Environ. Sci., 2014, 7, 1555参照。しかし、実用的なLi−O2デバイスを製造するには、多くの課題を解決する必要がある。特に、Li−O2電池は、高い充電電圧、低い総合効率(round-trip efficiency)及びサイクル寿命が限られていることといった課題があり、これらは、Li−O2放電生成物反応性と、放電時に形成されるLi2O2の不十分な酸化反応速度(oxidation kinetics)に起因する。M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng, Y. Chen, Z. Liu and P. G. Bruce, Nat. Mater., 2013, 12, 1050, B. M. Gallant, R. R. Mitchell, D. G. Kwabi, J. Zhou, L. Zuin, C. V. Thompson and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. C, 2012, 116, 20800、B. D. McCloskey, A. Speidel, R. Scheffler, D. C. Miller, V. Viswanathan, J. S. Hummelshoj, J. K. Norskov and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 3, 997、M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng and P. G. Bruce, J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 494、及びY. Shao, S. Park, J. Xiao, J.-G. Zhang, Y. Wang and J. Liu, ACS Catal., 2012, 2, 844参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。

概要

再充電可能であり、クーロン効率が改善されたリチウム空気電池を提供する。第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び第2の電極に接する電解質4とを含み、前記第2の電極が遷移金属含有化学種を含むプロモーターを含む、金属−空気電気化学システム1。

目的

リチウム−酸素電池は、リチウムイオン電池の3倍の重量エネルギー密度を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び第2の電極に接する電解質とを含み、前記第2の電極が遷移金属含有化学種を含むプロモーターを含む、金属−空気電気化学システム

請求項2

前記第1の電極がリチウム(Li)を含む、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項3

前記第2の電極が酸素を含む、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項4

前記遷移金属含有化学種がモリブデン(Mo)含有化学種である、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項5

前記プロモーターがナノ粒子の形態にある、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項6

前記プロモーターが、さらに、Ru、Ir、Pt、Au、Cr及びNiからなる群から選択された金属を含む、請求項1に記載の前記電気化学システム。

請求項7

前記プロモーターが遷移金属酸化物を含む、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項8

前記プロモーターがモリブデン酸化物を含む、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項9

前記プロモーターがリチウム化モリブデン酸化物を含む、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項10

前記プロモーターが、Mo金属、モリブデン酸化物、リチウム化モリブデン酸化物、モリブデン硫化物、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項11

前記プロモーターが、さらに、カーボンを含む、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項12

前記第2の電極にLi2O2が予め添加されている、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項13

放電中にLi2O2が形成される、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項14

前記電解質が非水系である、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項15

前記電気化学システムが導電性支持体を含む、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項16

前記導電性支持体がAu又はAlを含む、請求項15に記載の電気化学システム。

請求項17

前記第2の電極が、さらに、バインダーを含む、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項18

前記バインダーがアイオノマーである、請求項17に記載の電気化学システム。

請求項19

前記プロモーターが前記電解質中に部分的に溶解されている、請求項1に記載の電気化学システム。

請求項20

Mo含有プロモーターを含む電極。

請求項21

前記Mo含有プロモーターがナノ粒子の形態にある、請求項20に記載の電極。

請求項22

前記Mo含有プロモーターが、さらに、Ru、Au、Cr及びNiからなる群から選択された金属を含む、請求項20に記載の電極。

請求項23

前記Mo含有プロモーターがモリブデン酸化物を含む、請求項20に記載の電極。

請求項24

前記Mo含有プロモーターがリチウム化モリブデン酸化物を含む、請求項20に記載の電極。

請求項25

前記プロモーターがMo金属、モリブデン酸化物、リチウム化モリブデン酸化物、モリブデン硫化物、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項20に記載の電極。

請求項26

前記Mo含有プロモーターが、さらに、カーボンを含む、請求項20に記載の電極。

請求項27

前記電極にLi2O2が予め添加されている、請求項20に記載の電極。

請求項28

前記電極が、さらに、バインダーを含む、請求項20に記載の電極。

請求項29

前記バインダーがアイオノマーである、請求項28に記載の電極。

請求項30

前記電極がLi−空気電池におけるカソードである、請求項20に記載の電極。

請求項31

Mo含有材料を含む組成物であって、電気化学システムにおける電極用のプロモーターである、組成物。

請求項32

前記Mo含有材料がナノ粒子の形態にある、請求項31に記載の組成物。

請求項33

前記Mo含有材料が、さらに、Ru、Au、Cr及びNiからなる群から選択された金属を含む、請求項31に記載の組成物。

請求項34

前記Mo含有材料がモリブデン酸化物を含む、請求項31に記載の組成物。

請求項35

前記Mo含有材料がリチウム化モリブデン酸化物を含む、請求項31に記載の組成物。

請求項36

前記プロモーターが、Mo金属、モリブデン酸化物、リチウム化モリブデン酸化物、モリブデン硫化物、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項31に記載の組成物。

請求項37

前記Mo含有材料が、さらに、カーボンを含む、請求項31に記載の組成物。

請求項38

前記組成物がさらにバインダーを含む、請求項31に記載の組成物。

請求項39

前記バインダーがアイオノマーである、請求項38に記載の組成物。

請求項40

前記電気化学システムがLi−空気電池である、請求項31に記載の組成物。

請求項41

第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び第2の電極に接する電解質とを用意する工程、ここで、前記第2の電極はプロモーターを含み、前記プロモーターは遷移金属含有化学種を含む;及び前記第1の電極と前記第2の電極との間に酸素生成電圧印加する工程;を含む、酸素生成方法。

請求項42

前記第1の電極がLiを含む、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項43

前記第2の電極が酸素を含む、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項44

前記遷移金属含有化学種がMo含有化学種である、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項45

前記プロモーターがナノ粒子の形態にある、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項46

前記プロモーターが、さらに、Ru、Ir、Pt、Au、Cr及びNiからなる群から選択された金属を含む、請求項44に記載の酸素生成方法。

請求項47

前記プロモーターが遷移金属酸化物を含む、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項48

前記プロモーターがモリブデン酸化物を含む、請求項44に記載の酸素生成方法。

請求項49

前記プロモーターがリチウム化モリブデン酸化物を含む、請求項44に記載の酸素生成方法。

請求項50

前記プロモーターが、Mo金属、モリブデン酸化物、リチウム化モリブデン酸化物、モリブデン硫化物、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項44に記載の酸素生成方法。

請求項51

前記プロモーターが、さらに、カーボンを含む、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項52

さらに、前記第2の電極にLi2O2を予め添加する工程を含む、請求項41に記載の酸素発生方法

請求項53

さらに、放電時にLi2O2を形成する工程を含む、請求項41に記載の酸素発生方法。

請求項54

前記電解質が非水系である、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項55

さらに、導電性支持体を用意する工程を含む、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項56

前記導電性支持体がAu又はAlを含む、請求項55に記載の酸素生成方法。

請求項57

さらに、バインダーを用意する工程を含む、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項58

前記バインダーがアイオノマーである、請求項57に記載の酸素生成方法。

請求項59

さらに、前記プロモーターが前記電解質中に部分的に溶解されるように、前記プロモーター及び前記電解質を選択する工程を含む、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項60

さらに、前記遷移金属含有化学種をリチウム化遷移金属含有化学種にリチウム化する工程、及び、前記リチウム化遷移金属含有化学種を前記遷移金属含有化学種に脱リチウム化する工程を含む、請求項41に記載の酸素生成方法。

請求項61

さらに、前記遷移金属含有化学種をリチウム化する工程及び前記リチウム化遷移金属含有化学種を脱リチウム化する工程を繰り返すことにより酸素を生成させることを含む、請求項60に記載の酸素生成方法。

請求項62

さらに、前記Mo含有化学種をリチウム化Mo含有化学種にリチウム化する工程、及び、前記リチウム化Mo含有化学種を前記金属含有化学種に脱リチウム化する工程を含む、請求項44に記載の酸素生成方法。

請求項63

さらに、前記Mo含有化学種をリチウム化する工程と前記リチウム化Mo含有化学種を脱リチウム化する工程とを繰り返すことにより酸素を生成させることを含む、請求項62に記載の酸素生成方法。

請求項64

第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び第2の電極に接する電解質とを含み、前記第2の電極がプロモーターを含み、前記プロモーターがモリブデン(Mo)、コバルト(Co)又はマンガン(Mn)を含む、電気化学システム。

請求項65

遷移金属を含むプロモーターを含む電極であって、前記遷移金属がMo、Co又はMnである、電極。

請求項66

遷移金属を含む組成物であって、前記遷移金属がMo、Co又はMnであり、前記組成物が電池における電極用のプロモーターである、組成物。

請求項67

第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び第2の電極に接する電解質とを用意する工程、ここで、前記第2の電極はCr含有化学種を含むプロモーターを含む;前記第1の電極と前記第2の電極との間に酸素生成電圧を印加する工程;前記Cr含有化学種をリチウム化Cr含有化学種にリチウム化する工程;前記リチウム化Cr含有化学種を前記Cr含有化学種に脱リチウム化する工程;を含む、酸素生成方法。

請求項68

さらに、前記Cr含有化学種をリチウム化する工程と前記リチウム化Cr含有化学種を脱リチウム化する工程とを繰り返すことにより酸素を生成させることを含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項69

前記第1の電極がLiを含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項70

前記第2の電極が酸素を含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項71

前記プロモーターがナノ粒子の形態にある、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項72

前記プロモーターが、さらに、Ru、Ir、Pt、Au、Mo及びNiからなる群から選択された金属を含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項73

前記プロモーターがクロム金属酸化物を含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項74

前記プロモーターがリチウム化クロム酸化物を含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項75

前記プロモーターが、Cr金属、クロム酸化物、リチウム化クロム酸化物、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項76

前記プロモーターが、さらに、カーボンを含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項77

さらに、前記第2の電極にLi2O2を予め添加する工程を含む、請求項67に記載の酸素発生方法。

請求項78

さらに、放電時にLi2O2を形成する工程を含む、請求項67に記載の酸素発生方法。

請求項79

前記電解質が非水系である、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項80

さらに、導電性支持体を用意する工程を含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項81

前記導電性支持体がAu又はAlを含む、請求項80に記載の酸素生成方法。

請求項82

さらに、バインダーを用意する工程を含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

請求項83

前記バインダーがアイオノマーである、請求項82に記載の酸素生成方法。

請求項84

さらに、前記プロモーターが前記電解質中に部分的に溶解するように、前記プロモーター及び前記電解質を選択する工程を含む、請求項67に記載の酸素生成方法。

技術分野

0001

優先権の主張
本願は、2015年2月26日に出願された先の米国仮出願第62/121,036号の利益を主張する。米国仮出願第62/121,036号の全内容を引用により本明細書に援用する。

0002

本発明は、電池のためのプロモーターに関する。

背景技術

0003

リチウムイオンLiイオン)電池は、軽量で長寿命持ち運び可能な電子デバイスの最近の普及を可能にしてきた。残念ながら、リチウムイオン電池は、高価すぎるし、それらのエネルギー密度が低すぎるために電気自動車大量生産ができないために、新規低コスト高エネルギー密度の電池システムの開発に大きな関心が寄せられている。M. Armand and J. M. Tarascon, Nature, 2008, 451, 652、及びP. G. Bruce, S. A. Freunberger, L. J. Hardwick and J.-M. Tarascon, Nat. Mater., 2012, 11, 19参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。リチウム−空気/リチウム−酸素(Li−O2)電池化学は、それらの高い理論質量エネルギー密度(2000Wh・kg-1)が高いため、現在、次世代の再充電可能な電池として大きな科学的注目を集めている。その全内容を引用により本明細書に援用するY.-C. Lu, B. M. Gallant, D. G. Kwabi, J. R. Harding, R. R. Mitchell, M. S. Whittingham and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2013, 6, 750参照。Gallagherらによる分析から、電気自動車におけるシステムレベルアプリケーションには約300Wh・kg-1の質量エネルギー密度が求められることが予測され、これはLiイオンセルに比べてエネルギー密度が2倍に増加することになる。その全内容を引用により本明細書に援用するK. G. Gallagher, S. Goebel, T. Greszler, M. Mathias, W. Oelerich, D. Eroglu and V. Srinivasan, Energy Environ. Sci., 2014, 7, 1555参照。しかし、実用的なLi−O2デバイスを製造するには、多くの課題を解決する必要がある。特に、Li−O2電池は、高い充電電圧、低い総合効率(round-trip efficiency)及びサイクル寿命が限られていることといった課題があり、これらは、Li−O2放電生成物反応性と、放電時に形成されるLi2O2の不十分な酸化反応速度(oxidation kinetics)に起因する。M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng, Y. Chen, Z. Liu and P. G. Bruce, Nat. Mater., 2013, 12, 1050, B. M. Gallant, R. R. Mitchell, D. G. Kwabi, J. Zhou, L. Zuin, C. V. Thompson and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. C, 2012, 116, 20800、B. D. McCloskey, A. Speidel, R. Scheffler, D. C. Miller, V. Viswanathan, J. S. Hummelshoj, J. K. Norskov and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 3, 997、M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng and P. G. Bruce, J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 494、及びY. Shao, S. Park, J. Xiao, J.-G. Zhang, Y. Wang and J. Liu, ACS Catal., 2012, 2, 844参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。

発明が解決しようとする課題

0004

金属−空気電気化学システムは、第1の電極及び第2の電極と、第1の電極及び第2の電極に接する電解質とを含むことができ、第2の電極は、遷移金属含有化学種を含むプロモーターを含む。特定の実施形態において、第1の電極はリチウム(Li)を含んでもよい。第2の電極は酸素を含んでもよい。

課題を解決するための手段

0005

特定の実施形態において、遷移金属含有化学種は、モリブデン(Mo)含有化学種であることができる。特定の実施形態において、プロモーターは、ナノ粒子の形態にあることができる。特定の実施形態において、プロモーターは、さらに、Ru、Ir、Pt、Au、Cr及びNiからなる群から選択された金属を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは遷移金属酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターはモリブデン酸化物を含んでもよい。

0006

特定の実施形態において、プロモーターは、リチウム化モリブデン酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは、Mo金属酸化モリブデン、リチウム化モリブデン酸化物、モリブデン硫化物、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは、さらに、カーボンを含んでもよい。

0007

特定の実施形態において、第2の電極にLi2O2が予め添加されていてもよい。特定の実施形態において、Li2O2は放電中に形成されてもよい。

0008

特定の実施形態において、電解質は非水系であってもよい。特定の実施形態において、電気化学システムは、導電性支持体を含んでもよい。特定の実施形態において、導電性支持体は、Au又はAlを含んでもよい。

0009

特定の実施形態において、第2の電極は、さらに、バインダーを含んでもよい。特定の実施形態において、バインダーはアイオノマーであることができる。

0010

特定の実施形態において、プロモーターは、電解質中に部分的に溶解されていてもよい。
電極は、Mo含有プロモーターを含んでもよい。特定の実施形態において、Mo含有プロモーターはナノ粒子の形態にある。特定の実施形態において、Mo含有プロモーターは、さらに、Ru、Au、Cr及びNiからなる群から選択された金属を含んでもよい。

0011

特定の実施形態において、Mo含有プロモーターはモリブデン酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、Mo含有プロモーターは、リチウム化モリブデン酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは、Mo金属、モリブデン酸化物、リチウム化モリブデン酸化物、モリブデン硫化物、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態において、Mo含有プロモーターは、さらに、カーボンを含んでもよい。

0012

特定の実施形態において、電極にLi2O2が予め添加されていてもよい。特定の実施形態において、電極は、さらに、バインダーを含んでもよい。特定の実施形態において、バインダーはアイオノマーであることができる。
特定の実施形態において、電極は、Li空気電池カソードとすることができる。

0013

組成物は、Mo含有材料を含むことができ、当該組成物は、電気化学システムにおける電極用のプロモーターである。特定の実施形態において、Mo含有材料は、ナノ粒子の形態にあることができる。特定の実施形態において、Mo含有材料は、さらに、Ru、Au、Cr及びNiからなる群から選択された金属を含んでもよい。
特定の実施形態において、Mo含有材料はモリブデン酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、Mo含有材料は、リチウム化モリブデン酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは、Mo金属、モリブデン酸化物、リチウム化モリブデン酸化物、モリブデン硫化物、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態において、Mo含有材料は、さらに、カーボンを含んでもよい。

0014

特定の実施形態において、組成物は、さらに、バインダーを含んでもよい。特定の実施形態において、バインダーはアイオノマーであることができる。
特定の実施形態において、電気化学システムは、Li−空気電池である。

0015

酸素を生成させる方法は、第1の電極及び第2の電極と、第1の電極及び第2の電極に接する電解質とを用意する工程、ここで、第2の電極はプロモーターを含み、プロモーターは遷移金属含有化学種を含む;及び
第1の電極と前記第2の電極との間に酸素生成電圧印加する工程;
を含む。

0016

特定の実施形態において、当該方法は、さらに、遷移金属含有化学種をリチウム化遷移金属含有化学種にリチウム化する工程、及び、リチウム化遷移金属含有化学種を遷移金属含有化学種に脱リチウム化する工程を含んでもよい。特定の実施形態において、当該方法は、さらに、遷移金属含有化学種をリチウム化する工程とリチウム化遷移金属含有化学種を脱リチウム化する工程とを繰り返すことにより酸素を生成させることを含んでもよい。
特定の実施形態において、第1の電極はLiを含んでもよい。特定の実施形態において、第2の電極は酸素を含んでもよい。

0017

特定の実施形態において、遷移金属含有化学種はMo含有化学種である。特定の実施形態において、プロモーターは、ナノ粒子の形態にあることができる。特定の実施形態において、プロモーターは、さらに、Ru、Ir、Pt、Au、Cr及びNiからなる群から選択された金属を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは遷移金属酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターはモリブデン酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは、リチウム化モリブデン酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは、Mo金属、モリブデン酸化物、リチウム化モリブデン酸化物、モリブデン硫化物、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターはさらにカーボンを含んでもよい。

0018

特定の実施形態において、当該方法は、さらに、第2の電極にLi2O2を予め添加する工程を含んでもよい。特定の実施形態において、当該方法は、さらに、放電時にLi2O2を形成する工程を含んでもよい。
特定の実施形態において、電解質は非水系であってもよい。特定の実施形態において、当該方法は、さらに、導電性支持体を用意する工程を含んでもよい。特定の実施形態において、導電性支持体は、Au又はAlを含んでもよい。

0019

特定の実施形態において、この方法は、さらに、バインダーを用意する工程を含んでもよい。特定の実施形態において、バインダーはアイオノマーであることができる。
特定の実施形態において、当該方法は、さらに、プロモーターが電解質中に部分的に溶解するようにプロモーター及び電解質を選択する工程を含んでもよい。

0020

特定の実施形態において、当該方法は、さらに、Mo含有化学種をリチウム化Mo含有化学種にリチウム化し、リチウム化Mo含有化学種を金属含有化学種に脱リチウム化することを含んでもよい。特定の実施形態において、当該方法は、さらに、Mo含有化学種をリチウム化する工程及びリチウム化Mo含有化学種を脱リチウム化する工程を繰り返すことにより酸素を生成させることを含んでもよい。

0021

電気化学システムは、第1の電極及び第2の電極と、第1の電極及び第2の電極に接する電解質とを含み、第2の電極はプロモーターを含み、ここで、プロモーターはモリブデン(Mo)、コバルト(Co)又はマンガン(Mn)を含む。
電極は、遷移金属を含むプロモーターを含むことができ、ここで、遷移金属はMo、Co又はMnである。
組成物は、遷移金属を含むことができ、ここで、遷移金属は、Mo、Co又はMnであり、組成物は、電池における電極用のプロモーターである。

0022

酸素を発生させる方法は、
第1の電極及び第2の電極と、第1の電極及び第2の電極に接する電解質とを用意する工程、ここで、第2の電極は、Cr含有化学種を含むプロモーターを含む、
第1の電極と第2の電極の間に酸素生成電圧を印加する工程、
Cr含有化学種をリチウム化Cr含有化学種にリチウム化する工程、及び
リチウム化Cr含有化学種をCr含有化学種に脱リチウム化する工程を含む。
特定の実施形態において、当該方法は、さらに、Cr含有化学種をリチウム化する工程とリチウム化Cr含有化学種を脱リチウム化する工程とを繰り返すことにより酸素を生成させることを含んでもよい。

0023

特定の実施形態において、第1の電極はLiを含んでもよい。特定の実施形態において、第2の電極は酸素を含んでもよい。
特定の実施形態において、プロモーターは、ナノ粒子の形態にあることができる。特定の実施形態において、プロモーターは、さらに、Ru、Ir、Pt、Au、Mo及びNiからなる群から選択された金属を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは、クロム金属酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは、リチウム化クロム酸化物を含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは、Cr金属、クロム酸化物、リチウム化クロム酸化物、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態において、プロモーターは、さらに、カーボンを含んでもよい。

0024

特定の実施形態において、当該方法は、さらに、第2の電極にLi2O2を予め添加する工程を含んでもよい。特定の実施形態において、当該方法は、さらに、放電時にLi2O2を形成する工程を含んでもよい。
特定の実施形態において、電解質は非水系であってもよい。特定の実施形態において、当該方法は、さらに、導電性支持体を用意する工程を含んでもよい。特定の実施形態において、導電性支持体は、Au又はAlを含んでもよい。

0025

特定の実施形態において、当該方法は、さらに、バインダーを用意する工程を含んでもよい。特定の実施形態において、バインダーはアイオノマーであることができる。
特定の実施形態において、当該方法は、さらに、プロモーターが電解質中に部分的に溶解するようにプロモーター及び電解質を選択することを含んでもよい。
他の態様、実施形態、及び特徴は、以下の説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0026

図1は、金属−空気電池の概略図である。
図2A〜2Bは、金箔担持された、カーボンフリー(カーボンを含まない)のプロモーター:Li2O2=0.667:1の電極の電気化学的性能を示す。図2Aは、プロモーター質量規格化電流充電時間に対して示したグラフである。図2Bは、プロモーター質量規格化電流を通過した電荷に対して示したグラフである。
図2Cは、金箔に担持された、カーボンフリー(カーボンを含まない)のプロモーター:Li2O2=0.667:1の電極の電気化学的性能を示す。図2Cは、プロモーターナノ粒子の表面積に対して規格化された電流を通過した電荷に対して示したグラフである。
図3A〜3Bは、カーボン担持型の、プロモーター:カーボン:Li2O2=0.667:1:1の電極の電気化学的性能を示す。図3Aは、プロモーター金属ナノ粒子の質量に対して規格化された電流を充電時間に対して示したグラフである。図3Bは、同じ規格化された電流を容量に対して表したグラフである。
図4A〜4Bは、カーボンを含有するVC:プロモーター:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1の電極、及び、カーボンフリーのプロモーター:Li2O2=0.667:1(質量比)の電極における、プロモーター金属ナノ粒子の質量に対して規格化された3.9VLiでの電流を示す。図4Aは、カーボン含有電極について、プロモーターの質量に対して規格化された電流を容量に対して示したグラフである。図4Bは、3.7、3.8、3.9及び4.0VLiでの、プロモーターの単位質量当たりに規格化された電圧依存平均電流を示すグラフである。
図4C〜4Dは、カーボンを含有するVC:プロモーター:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1の電極、及び、カーボンフリーのプロモーター:Li2O2=0.667:1(質量比)の電極における、プロモーター金属ナノ粒子の質量に対して規格化された3.9VLiでの電流を示す。図4Cは、カーボンフリー電極における電荷に対してプロモーターの単位質量当たりの電流を示したグラフである。図4Dは、カーボン含有電極及びカーボンフリー電極についての、時間に対するプロモーターの単位質量当たりの電流を示す。
図4E〜4Fは、カーボンを含有するVC:プロモーター:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1の電極、及び、カーボンフリーのプロモーター:Li2O2=0.667:1(質量比)の電極における、プロモーター金属ナノ粒子の質量に対して規格化された3.9VLiでの電流を示す。図4Eは、カーボン含有電極及びカーボンフリー電極についての、時間に対するプロモーターの単位質量当たりの電流を示す。図4Fは、カーボンフリー電極対カーボン含有電極における活性化時間を示すグラフである。
図5A〜5Bは、カーボンを含有するVC:プロモーター:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1(質量比)の電極における金属酸化物ナノ粒子の3.9VLiでの電気化学的性能を示す。図5Aは、プロモーターの単位質量当たりの電流を容量に対して示したグラフである。図5Bは、プロモーターの単位質量当たりの電流を時間に対して示したグラフである。
図6A〜6Bは、カーボンを含有するVC:プロモーター:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1(質量比)の電極についての3.9VLiでの電気化学的性能を示す。図6Aは、金属ナノ粒子促進電極についての、プロモーターのBrunauer, Emmet and Teller(BET)比表面積当たりの電流を容量に対して示したグラフである。図6Bは、プロモーターのBET比表面積当たりの電流を金属酸化物ナノ粒子促進電極についての容量に対して示したグラフである。
図7A〜7Bは、3.8VLiで充電されたカーボンフリーCr促進電極における、Cr K及びL端XASを使用した、四面体環境にあるCr6+の実験証拠を示す。図7Aは、カーボンフリーの、未充電(pristine)の、半充電された、及び完全充電されたCr:Li2O2電極と、対照標準のK2CrO4とについてのCr K端スペクトルを示す。図7Bは、表面感受性全電子収率(TEY)モードでの、Crナノ粒子と、未充電の、半充電された、及び完全充電された電極についてのCr L端スペクトルを示す。
図8A〜8Bは、金属ナノパウダーと、未充電の、半充電された、及び3.9VLiで完全充電された電極についての、Mo:Li2O2及びCo:Li2O2の表面感受性遷移金属L端TEYスペクトルを示す。図8Aは、Li2MoO4の対照標準スペクトルと共に、Moナノパウダー(Mo nanopowder)、未充電の、半充電された、及び完全充電された電極についてのMo L端スペクトルを示す。図8Bは、Moナノパウダー、未充電の、半充電された、及び完全充電された電極についてのCo L端スペクトルを示す。
図9は、表2に強調した化学変換Li2O2+MaOb±O2→LixMyOzについて計算されたエンタルピーに対して、カーボンフリー(白抜き記号)及びカーボン含有(べた塗り記号)の場合の3.9VLiでの平均BET比表面積比活性を示すグラフである。(丸):金属ナノ粒子、(正方形):金属酸化物。Mn系プロモーターに対して三角形マーカーを使用した。点線ガイドとして示されており、線形フィットとして解釈されるべきではない。
図10は、未充電のカーボンフリーのMn:Li2O2電極、Mnナノパウダー、及びLi2MnO3対照標準粉末ラマン分光分析結果である。金ナノ粒子増強ラマンをMn:Li2O2プロービングに使用した。
図11は、合成したα−MnO2ナノワイヤーX線回折を示す。
図12は、カーボン系電極におけるCr及びMoの電気化学的活性を示す。
図13は、ナノ粒子表面の酸化状態を示すCrナノパウダー及びCr2O3のX線吸収スペクトルを示す。Cr2O3スペクトルは、Crナノ粒子の表面が主にCr2O3に酸化されていることを示している。
図14は、ナノ粒子表面の酸化状態を示すMoナノパウダーの遷移金属L端スペクトルを示す。Mo表面は部分的にしか酸化されていないように見える。
図15は、半充電されたカーボンフリーMo触媒電極X線回折パターンを示す。Mo:Li2O2電極の中間充電(mid-charge)においてLi2MoO4の明確な形成が観察される。
図16は、ナノ粒子表面の酸化状態を示すCoナノパウダーの遷移金属L端スペクトルを示す。Coナノ粒子の表面はCo3O4に酸化されているようである。
図17A〜17Bは、種々の充電状態でのCo促進電極及びMn促進電極の遷移金属L端スペクトルを示す図である。
図18A〜18Bは、Mo促進電極(図18A)、Cr促進電極(図18B)におけるLi2O2酸化中の不純物の潜在的効果を示す。
図18Cは、Ru促進電極におけるLi2O2酸化中の不純物の潜在的効果を示す。
図19A〜19Bは、VCカーボン促進(VC:Li2O2:LiNafion=1:1:1)(図19A)及びMn促進(調査した中で最も活性の低いプロモーター)における(VC:Mn:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1)(図19B)におけるLi2O2酸化の活性化に及ぼす電解質含水量の効果を示す。
図20は、プロモーターによるLi2O2のLixMyOzへの化学変換と、その後のLixMyOzの脱リチウム化から成る提案されるメカニズムの概略図を示す。
図21A〜21Bは、カーボンを含有する、VC:プロモーター:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1(質量比)の電極の3.9VLiでの電気化学的性能を示す。図21Aは、金属ナノ粒子促進電極についての、プロモーターBET比表面積当たりの電流を時間に対して示したグラフである。図21Bは、金属酸化物ナノ粒子促進電極についての、プロモーターBET比表面積当たりの電流を時間に対して示したグラフである。
図22は、カーボンフリーのMo:Li2O2=0.667:1(質量比、アルミニウム箔上に担持)の電極の3.9VLiでの電気化学的性能と、関連するバックグラウンド電流(Al箔上のMo、Li2O2を含まず)を示すグラフである。
図23A〜23Bは、Li−O2セルにおける、VC:(Cr,Mo,Ru):LiNafion=1:0.667:1(質量比)電極の200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターでの第1サイクル放電中のO2消費の圧力追跡を示す。図23Aは、放電電圧をプロモーターの質量規格化電荷に対して示したグラフである。図23Bは、プロモーター質量規格化電流及びO2消費速度をプロモーター質量規格化電荷に対して示したグラフである。
図24A及び24Dは、それぞれ、Li−O2セルにおける、Li2O2を予め添加したVC:(Cr,Mo,Ru):Li2O2:LiNafion=1:0.66:1:1の電極とVC:(Cr,Mo,Ru):LiNafion=1:0.66:1(質量比)の電極についての3.9Vでの定電位充電中のO2及びCO2生成のDEMS追跡を示す。図24A及び24Dは、プロモーター質量規格化電荷に対するプロモーター質量規格化電流を示す。
図24B及び図24Eは、それぞれ、Li−O2セルにおける、Li2O2を予め添加したVC:(Cr,Mo,Ru):Li2O2:LiNafion=1:0.66:1:1の電極とVC:(Cr,Mo,Ru):LiNafion=1:0.66:1(質量比)の電極についての3.9Vでの定電位充電中のO2及びCO2生成のDEMS追跡を示す。図24B及び図24Eは、プロモーター質量規格化電荷に対するプロモーター質量規格化O2生成速度を示す。
図24C及び24Fは、それぞれ、Li−O2セルにおける、Li2O2を予め添加したVC:(Cr,Mo,Ru):Li2O2:LiNafion=1:0.66:1:1の電極とVC:(Cr,Mo,Ru):LiNafion=1:0.66:1(質量比)の電極についての3.9Vでの定電位充電中のO2及びCO2生成のDEMS追跡を示す。図24C及び図24Fは、プロモーター質量規格化電荷に対するプロモーター質量規格化CO2生成速度を示す。
図25A〜25Bは、Li−O2セルにおける、Li2O2を予め添加したVC:(Cr,Mo,Ru):Li2O2:LiNafion=1:0.66:1:1(図25A)の電極とVC:(Cr,Mo,Ru):LiNafion=1:0.66:1(質量比)の電極についての、第1サイクル充電e−/O2を示す。灰色の破線理想的な2e−/O2を強調している。
図26A及び26Dは、Li−O2セルにおける、VC:Mo:LiNafion=1:0.667:1(質量比)の電極のDEMS下での放電及び充電サイクリング中のO2当たりの電子を示す。図26Aは、200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターでの定電流放電中のO2当たりの電子を示す。図26Dは、3.9Vで定電位充電中のO2当たりの電子を示す。
図26B及び26Eは、Li−O2セルにおける、VC:Cr:LiNafion=1:0.667:1(質量比)の電極のDEMS下での放電及び充電サイクリング中のO2当たりの電子を示す。図26Bは、200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターでの定電流放電中のO2当たりの電子を示す。図26Eは、3.9Vで定電位充電中のO2当たりの電子を示す。
図26C及び26Fは、Li−O2セルにおける、VC:Ru:LiNafion=1:0.667:1(質量比)の電極のDEMS下での放電及び充電サイクリング中のO2当たりの電子を示す。図26Cは、200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターでの定電流放電中のO2当たりの電子を示す。図26Fは、3.9Vで定電位充電中のO2当たりの電子を示す。
図27A及び27Dは、Li−O2セルにおける、VC:Mo:LiNafion=1:0.66:1(質量比)の電極のO2消費及び生成のサイクル圧力及びDEMS追跡を示す。図27Aは、200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターで定電流放電中の、プロモーター質量規格化電荷に対するプロモーター質量規格化O2消費量及び電圧を示し、記号は消費速度、実線電圧プロファイルである。図27Dは、3.9VLiで定電位充電中のプロモーター質量規格化電荷に対するプロモーター質量規格化O2生成速度及び電流を示す。記号は生成速度であり、実線は電流プロファイルである。O2生成速度と電流のスケールは等しい。
図27B及び27Eは、Li−O2セルにおける、VC:Cr:LiNafion=1:0.66:1(質量比)の電極のO2消費及び生成のサイクル圧力及びDEMS追跡を示す。図27Bは、200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターで定電流放電中の、プロモーター質量規格化電荷に対するプロモーター質量規格化O2消費量及び電圧を示し、記号は消費速度、実線は電圧プロファイルである。図27Eは、3.9VLiで定電位充電中のプロモーター質量規格化電荷に対するプロモーター質量規格化O2生成速度及び電流を示す。記号は生成速度であり、実線は電流プロファイルである。O2生成速度と電流のスケールは等しい。
図27C及び27Fは、Li−O2セルにおける、VC:Ru:LiNafion=1:0.66:1(質量比)の電極のO2消費及び生成のサイクル圧力及びDEMS追跡を示す。図27Cは、200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターで定電流放電中の、プロモーター質量規格化電荷に対するプロモーター質量規格化O2消費量及び電圧を示し、記号は消費速度、実線は電圧プロファイルである。図27Fは、3.9VLiで定電位充電中のプロモーター質量規格化電荷に対するプロモーター質量規格化O2生成速度及び電流を示す。記号は生成速度であり、実線は電流プロファイルである。O2生成速度と電流のスケールは等しい。
図28A及び28Cは、Li2O2が予め添加されたVC:Mo:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図28Aは、質量分析器で測定されたガス流中各化学種の未処理フラクションを示す。図28Cは、生成した各ガス種非規格化累積量を示す。
図28B及び28Dは、Li2O2が予め添加されたVC:Mo:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図28Bは、Moプロモーターの質量に対して規格化された電流を示す。図28Dは、各化学種の非規格化生成速度を示す。
図29A及び29Cは、Li2O2が予め添加されたVC:Cr:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図29Aは、質量分析器で測定されたガス流中の各化学種の未処理フラクションを示す。図29Cは、生成した各ガス化学種の非規格化累積量を示す。
図29B及び29Dは、Li2O2が予め添加されたVC:Cr:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図29Bは、Crプロモーターの質量に対して規格化された電流を示す。図29Dは、各化学種の非規格化生成速度を示す。
図30A及び30Cは、Li2O2が予め添加されたVC:Ru:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図30Aは、質量分析器で測定されたガス流中の各化学種の未処理フラクションを示す。図30Cは、生成した各ガス化学種の非規格化累積量を示す。
図30B及び30Dは、Li2O2が予め添加されたVC:Ru:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図30Bは、Ruプロモーターの質量に対して規格化された電流を示す。図30Dは、各化学種の非規格化生成速度を示す。
図31A及び31Cは、Li2O2が予め添加されたVC:Mo:LiNafion=1:0.667:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図31Aは、質量分析器で測定されたガス流中の各化学種の未処理フラクションを示す。図31Cは、生成した各ガス化学種の非規格化累積量を示す。
図31B及び31Dは、Li2O2が予め添加されたVC:Mo:LiNafion=1:0.667:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図31Bは、Moプロモーターの質量に対して規格化された電流を示す。図31Dは、各化学種の非規格化生成速度を示す。
図32A及び32Cは、Li2O2が予め添加されたVC:Cr:LiNafion=1:0.667:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図32Aは、質量分析器で測定されたガス流中の各化学種の未処理フラクションを示す。図32Cは、生成した各ガス化学種の非規格化累積量を示す。
図32B及び32Dは、Li2O2が予め添加されたVC:Cr:LiNafion=1:0.667:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図32Bは、Crプロモーターの質量に対して規格化された電流を示す。図32Dは、各化学種の非規格化生成速度を示す。
図33A及び33Cは、Li2O2が予め添加されたVC:Ru:LiNafion=1:0.667:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図33Aは、質量分析器で測定されたガス流中の各化学種の未処理フラクションを示す。図33Cは、生成した各ガス化学種の非規格化累積量を示す。
図33B及び33Dは、Li2O2が予め添加されたVC:Ru:LiNafion=1:0.667:1の3.9Vで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成時間に対するDEMS追跡を示す。図33Bは、Ruプロモーターの質量に対して規格化された電流を示す。図33Dは、各化学種の非規格化生成速度を示す。
図34A及び34Cは、Li2O2が予め添加されたVC:Li2O2:LiNafion=1:1の4.4V(3.9VLiでのVCの酸化は電流を生じない)で定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成の時間に対するDEMS追跡を示す。図34Aは、質量分析器で測定されたガス流中の各化学種の未処理フラクションを示す。図34Cは、生成された各ガス種の規格化されていない累積量を示す。
図34B〜図34Dは、Li2O2が予め添加されたVC:Li2O2:LiNafion=1:1の4.4V(3.9VLiでのVCの酸化は電流を生じない)で定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2生成の時間に対するDEMS追跡を示す。図34Bは、VCプロモーターの質量に対して規格化された電流を示す。図34Dは、各種の非規格化生成速度を示す。
図35A、35D及び35Gは、O2電極VC:Mo:LiNafion=1:0.667:1の、放電時のO2消費量の圧力追跡と、3.9VLiで定電位充電中のO2、CO、CO及びH2O生成のDEMS追跡を示す。図35A、35D及び35Gは、第1、第2及び第3サイクル放電時の時間に対するO2消費量を示す。
図35B、35E及び35Hは、O2電極VC:Mo:LiNafion=1:0.667:1の、放電時のO2消費量の圧力追跡と、3.9VLiで定電位充電中のO2、CO、CO及びH2O生成のDEMS追跡を示す。図35B、35E及び35Hは、第1、第2及び第3サイクル充電時の時間に対するO2生成量を示す。
図35C、35F及び35Iは、O2電極VC:Mo:LiNafion=1:0.667:1の、放電時のO2消費量の圧力追跡と、3.9VLiで定電位充電中のO2、CO、CO及びH2O生成のDEMS追跡を示す。図35C、35F及び35Iは、第1、第2及び第3サイクル充電時のプロモーター質量規格化電荷に対するO2生成量を示す。
図36A及び36Dは、O2電極VC:Cr:LiNafion=1:0.667:1の、放電時のO2消費量の圧力追跡と、3.9VLiで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2O生成のDEMS追跡を示す。図36A及び36Dは、第1、第2及び第3サイクル放電時の時間に対するO2消費量を示す。
図36B及び36Eは、O2電極VC:Cr:LiNafion=1:0.667:1の、放電時のO2消費量の圧力追跡と、3.9VLiで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2O生成のDEMS追跡を示す。図36B及び36Eは、第1、第2及び第3サイクル充電時の時間に対するO2生成量を示す。
図36C及び36Fは、O2電極VC:Cr:LiNafion=1:0.667:1の、放電時のO2消費量の圧力追跡と、3.9VLiで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2O生成のDEMS追跡を示す。図36C及び36Fは、第1、第2及び第3サイクル充電時のプロモーター質量規格化電荷に対するO2生成量を示す。
図37A、37D及び37Gは、O2電極VC:Ru:LiNafion=1:0.667:1の、放電時のO2消費量の圧力追跡と、3.9VLiで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2O生成のDEMS追跡を示す。図37A、37D及び37Gは、第1、第2及び第3サイクルの放電時の時間に対するO2消費量を示す。
図37B、37E及び37Hは、O2電極VC:Ru:LiNafion=1:0.667:1の、放電時のO2消費量の圧力追跡と、3.9VLiで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2O生成のDEMS追跡を示す。図37B、37E及び37Hは、第1、第2及び第3サイクルの充電に対するO2生成対時間を示す。
図37C、37F及び37Iは、O2電極VC:Ru:LiNafion=1:0.667:1の、放電時のO2消費量の圧力追跡と、3.9VLiで定電位充電中のO2、CO2、CO及びH2O生成のDEMS追跡を示す。図37C、37F及び37Iは、第1、第2及び第3サイクルの充電時のプロモーター質量規格化電荷に対するO2生成量を示す。
図38は、MoとMnの脱リチウム化の概略的な比較を示す。

0027

リチウム−酸素電池は、リチウムイオン電池の3倍の重量エネルギー密度を提供するその潜在能力から、電池化学の「聖(holy grail)」と呼ばれており、同等のシステム質量で現在の内燃機関と同様の範囲を可能にする。これまでのところ、Li−O2電気化学は、電解質とカーボン系カソードの不安定性がひどく、不十分なサイクル寿命及び効率をもたらすという問題に直面している。より根本的には、再充電は、放電時に析出した絶縁性Li2O2の酸化のために大きな電圧を必要とし、その結果、低い総合効率をもたらす。

0028

触媒材料を含む電気化学システム、電極及び組成物であって、触媒材料が遷移金属を含む電気化学システム、電極及び組成物が記述されている。場合によっては、遷移金属はモリブデン(Mo)であることができる。当該システムは、改善された活性度、例えば過電位の低い絶対値、高い電流密度、顕著な効率、安定性、又はこれらの組み合わせなどで、動作することができる。触媒材料は、高価な貴金属又は貴金属酸化物を含まないものであることができる。このシステムは、また、高度に純粋な溶媒源又は任意の組み合わせを必ずしも必要とせずに、中性pH以上で動作可能である。当該システム、電極、システム、及び組成物は、エネルギー貯蔵エネルギー利用及び酸素発生などの用途で有用である。

0029

電解装置燃料電池及び金属空気電池は、本明細書で示す電気化学装置の非限定的な例である。エネルギーは、太陽電池風力発電機、又は他のエネルギー源によって電解装置に供給することができる。

0030

電気分解とは、電流を使用しなければ非自発的である化学反応を引き起こすための電流の使用を指す。例えば、電気分解は、電流の印加によって、少なくとも1種の化学種の酸化還元状態の変化、並びに/又は、少なくとも1つの化学結合の形成及び/もしくは破壊を含む。水の電気分解は、一般的に、水を、酸素ガス水素ガス、もしくは酸素ガスと別の水素含有化学種、又は、水素ガスと別の酸素含有化学種、あるいは組み合わせに分解することを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のシステムは逆反応触媒することができる。すなわち、水を生成するために水素ガスと酸素ガス(又は他の燃料)とを化合させることからエネルギーを生成させるためにシステムを使用することができる。

0031

電源は、電気化学システムにおいてDC又はAC電圧を供給することができる。非限定的な例としては、電池、電力網回生電力供給源(例えば、風力発電機、光起電力電池潮力発電機)、発電機などが挙げられる。電源は、1つ又は複数のそのような電源(例えば、電池及び光電池)を含んでもよい。特定の実施形態において、電源は1つ以上の光電池であってもよい。いくつかの場合において、電気化学システムは、光電池(例えば、光電池は、システムの電圧又は電力源であり得る)に電気的に接続可能であるように、及び、光電池により駆動できるように構成及び配置されてもよい。光電池は、光を吸収して電気エネルギーに変換する光活性材料を含む。

0032

電気化学システムをさらなる電気化学システムと組み合わせてより大きなデバイス又はシステムを形成することができる。これは、より大きなデバイス又はシステムを形成するように、デバイス又はサブシステムのスタック(例えば、燃料電池及び/又は電解デバイス及び/又は金属空気電池)の形態を取ることができる。
業者は、例えば電極、電源、電解質、セパレータ容器回路絶縁材料ゲート電極などのデバイスの様々な構成要素を、様々な構成要素並びに本明細書に記載の特許出願のいずれかに記載されているもののいずれかから製造することができる。構成要素は、成形され、機械加工され、押出成形され、プレス加工され、等方圧プレス加工され、浸透され、コーティングされるか、グリーン状態又は焼成された状態にあるか、あるいは、任意の他の適切な技術によって形成される。当業者であれば、本明細書の装置の構成要素を形成する技術を容易に認識する。

0033

一般的に、電気化学システムは、電解質に接する2つの電極(すなわち、アノード及びカソード)を含む。電極は、互いに電気的に接続されており、電気接続は、当該システムの意図する用途に依存して、電源(所望の電気化学反応が電気エネルギーを必要とする場合)又は電気負荷(所望の電気化学反応が電気エネルギーを生成する場合)を含んでもよい。化学的及び/又は電気的エネルギーを生成、貯蔵又は変換するために電気化学システムを使用することができる。

0034

図1は、アノード2、空気カソード3、電解質4、アノード集電体5及び空気カソード集電体6を含む再充電可能な金属空気電池1を概略的に示す。電極(アノード2及び空気カソード3はそれぞれ個別に触媒材料を含むことができ、特に、図示した構成では、アノード2は、反応速度及び充電効率の向上に有効なプロモーターを含んでもよい。

0035

電極構成の詳細を含む、装置及びシステムについてのさらなる詳細は、当該技術分野で知られている。これに関し、例えば、米国特許出願公開第2009/0068541号を参照されたい。その全内容を引用により本明細書に援用する。

0036

電気化学システムは、第1の電極及び第2の電極と、第1の電極及び第2の電極に接している電解質とを含み、第2の電極がプロモーターを含み、プロモーターが遷移金属種を含む。
プロモーターは、リチウム酸化物によって化学的にリチウム化され、脱リチウム化により生じることができる化合物として定義される。

0037

遷移金属含有化学種は、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au又はHgなどの遷移金属を含むことができる。特定の実施形態において、遷移金属含有化学種は、遷移金属酸化物、リチウム化遷移金属酸化物、又は遷移金属硫化物を含むことができる。当該化学種は、遷移金属の分子、酸化物、炭化物又は硫化物であることができる。特に有用な遷移金属化学種は、Mo、Cr、Ru、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、それらの酸化物、化学的に精製された酸化物を包含するそれらのリチウム化酸化物、又はそれらの硫化物を含むことができる。特定の実施形態において、遷移金属含有化学種は、希土類金属又はアルカリ土類金属ならびに遷移金属を含むことができる。希土類金属としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuが挙げられる。アルカリ土類金属としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba及びRaが挙げられる。遷移金属としては、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au及びHgが挙げられる。特に有用な希土類金属としては、Laが挙げられる。特に有用なアルカリ土類金属としては、Ca、Sr及びBaが挙げられる。特に有用な遷移金属としては、第1列遷移金属、例えばCr、Mn、Fe、Co、Ni及びCuが挙げられる。代表的な材料としては、LaCrO3、LaMnO3、LaFeO3、LaCoO3、LaNiO3、LaNi0.5Mn0.5O3、LaCu0.5Mn0.5O3、La0.5Ca0.5MnO3-δ、La0.5Ca0.5FeO3-δ、La0.75Ca0.25FeO3-δ、La0.5Ca0.5CoO3-δ、LaMnO3+δ及びBa0.5Sr0.5Co0.8Fe0.2O3-δが挙げられる。

0038

バインダーはポリマーであることができる。例えば、ポリマーは、ポリオレフィン又はフッ素化ポリオレフィンであることができる。いくつかの例では、バインダーは、アイオノマー、例えばスルホン化テトラフルオロエチレン、例えばナフィオン(Nafion)、又はイオン交換ナフィオン、例えばリチウムナフィオンであることができる。本明細書に開示されたプロモーターは、リチウム(Li)−空気(又はLi−O2)電池の典型的な放電の間に形成される反応の主生成物(Li2O2)を、より低い電圧及びより速い反応速度で分解することを可能にする。その結果、かかるプロモーターを使用したリチウム空気電池は再充電可能であり、そのクーロン効率が改善される。また、電気化学反応の反応速度が改善され、すなわち電池の充電がより速くなる。また、このプロモーターは、充電中にO2形成を促進することができ、これは数サイクル行うことができる。

0039

Li−空気(Li−O2)電池では、LiとO2が放電中に結合してLi2O2を形成する。充電中、Li2O2は分解され、O2及びLiとしてその初期状態に戻る。Li2O2の分解プロセスは、緩慢であり、予想される熱力学的電圧と比較して高い過電圧で起こることが知られている。

0040

したがって、(1)Li2O2分解又はLi−空気(Li−O2)電池充電に関連する電流を増加させること、(2)(Li−O2)電池の充電中に起こるLi2O2分解の反応時間を減少/加速させること、(3)貴金属と同様に有効であるが低コストであるプロモーターを提案すること(例えば、Ru含有プロモーターはLi2O2分解には有効であるが高価である)、及び(4)電解質分解による発生するCO2などの望ましくない他の化学種の代わりに、数サイクルの充電中にO2形成を促進することが望ましい。

0041

Cr系化合物(例えば、Cr−NP、Cr2O3、LaCrO3)が、Li−空気電池の触媒として提案されている。K. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。あるレビュー記事は、水系又は非水系のLi−空気電池用の触媒として作用する7種の様々な材料群の使用について説明している。Z-L Wang, D. Xu, J-J. Xu, X-B. Zhang, Chem. Soc. Rev., 2014, 43, 7746参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。最近、二硫化モリブデンがLi−空気電池用の触媒として提案された。Mohammad Asadi, Bijandra Kumar, Cong Liu, Patrick Phillips, Poya Yasaei, Amirhossein Behranginia, Peter Zapol, Robert F. Klie, Larry A. Curtiss, and Amin Salehi-Khojin, ACS Nano, Articles ASAP, Publication Date (Web): January 20, 2016参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。Mo2C/CNT複合体は、Li-O2電池用のカソードとしても提案された。Won-Jin Kwak, Kah Chun Lau, Chang-Dae Shin, Khalil Amine, Larry A Curtiss, and Yang-Kook Sun, ACS Nano, 2015, 9 (4), pp 4129-4137参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。

0042

本明細書では、金属空気電池において使用される空気カソード用の「プロモーター」としてモリブデン(Mo)含有材料を使用したLi−空気電池又はLi−O2電池が開示される。Li−空気電池又はLi−O2電池は、非水系であることができる。特定の実施形態において、Mo含有プロモーターはMo金属粒子を含むことができる。特定の実施形態において、Mo含有プロモーターは、ナノ粒子の形態にあるか、又はナノ粒子を含む複合体であることができる。特定の実施形態において、Mo含有プロモーターは、例えばMo/CNT、Mo/CNF及びMo/グラフェンなどの炭素に基づく第2又は第3の材料、あるいは、例えばMo/Ru、Mo/Au、Mo/Cr及びMo/Niなどの他の金属を含んでもよい。特定の実施形態において、Mo含有プロモーターは、酸化物、例えばMoOw(0<w<4である)、例えばMoO2、MoO3など、又はかかる酸化物の混合物を含むことができる。特定の実施形態において、Mo含有プロモーターは、式LixMoyOz(0<x<7、0<y<3及び1<z<10である)のリチウム化酸化物を含むことができる。例えば、Mo含有プロモーターは、y=1である場合のLi2MoO4、Li4MoO5、Li2MoO3、LiMoO2、y=2である場合のLi6Mo2O7など、y=3である場合のLi4Mo3O8など、又はかかる酸化物の混合物を含むことができる。特定の実施形態において、Mo含有プロモーターは、上記の成分のいずれかの混合物、例えばMo/MoOwもしくはMo/LixMoyOz又はMo/MoOw/LixMoyOzを含むことができる。。

0043

Li−空気電池又はLi−O2電池は、金属空気電池において使用される空気カソード用の「プロモーター」としてクロム(Cr)含有材料を含むことができる。Li−空気電池又はLi−O2電池は、非水系であることができる。特定の実施形態において、Cr含有プロモーターはCr金属粒子を含むことができる。特定の実施形態において、Cr含有プロモーターは、ナノ粒子の形態にあるか、又はナノ粒子を含む複合体であることができる。例えばCr/CNT、Cr/CNF及びCr/グラフェンなどのカーボンに基づく第2又は第3の材料、あるいは、例えばCr/Ru、Cr/Au、Cr/Mo及びCr/Niなどの他の金属を含んでもよい。特定実施形態において、Cr含有プロモーターは、酸化物、例えばCrOw(0<wである)、例えばCr2O3、CrO2、CrO3など、又はかかる酸化物の混合物を含むことができる。特定の実施形態において、Cr含有プロモーターは、式LixCryOz(0<x<10、0<y<4及び0<z<10)のリチウム化酸化物を含むことができる。例えば、Cr含有プロモーターは、Cr金属粒子、クロム酸化物、リチウム化クロム酸化物、又はかかる酸化物の混合物を含むことができる。リチウム化された酸化物は、化学的にリチウム化され、次いで、電池内で電気化学的に脱リチウム化され得る。特定の実施形態において、Cr含有プロモーターは、上記の成分のいずれかの混合物、例えばCr/CrOwもしくはCr/LixCryOz、又はCr/CrOw/LixCryOzを含むことができる。

0044

プロモーターの比表面積は重要な基準である。比表面積は、典型的には、Brunauer, Emmett and Teller(BET)法に基づいて材料に対してN2(又は他のガス吸着試験を使用して測定される。これらの測定から、例えば、比表面積のBET値を求め、m2/g単位で表す。プロモーターは、選択的にナノメートルの粒子サイズを有することができる。プロモーターは、Li2O2に対して負である反応エンタルピーを選択的に示すことができる。プロモーターは、電解質溶液に部分的に溶解する能力を選択的に示すことができる。プロモーターは、正の空気(又はO2)電極の構成成分のうちの1つであることができる。特定の実施形態において、プロモーターは、Li2O2が予め添加された電極に含まれてもよい。特定の実施形態において、Li2O2は、放電プロセス中に現場(in situ)形成されてもよい。特定の実施形態において、空気電極はカーボンを含んでもよい。特定の実施形態において、上記電池は、主な放電反応生成物としてLi2O2をもたらす電解質を選択的に含んでもよい。特定の実施形態において、かかる電解質は、ジメトキシエタンDME)、グライムジメチルスルホキシド(DMSO)、イオン性液体(DEME、PP13など)、ポリマー、ゲル、又はセラミック固体電解質であることができる。
例えば、特定の実施形態において、Moナノ粒子は、Li2O2を含有するカーボンフリー電極においてLi2O2分解用のプロモーターとして使用することができ、当該プロモーターは、導電性支持体(Au又はAl)上に配置される(図2A〜2C参照)。

0045

簡単に説明すると、0.667:1の一定のプロモーター:Li2O2比で金箔に担持されたカーボンフリー電極及びアルミニウム箔に担持されたカーボン含有電極を製造した。カーボンフリー電極及びカーボン含有電極の両方を、以前に報告された方法に従って製造し(K. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297参照、引用によりその全内容を本明細書に援用する)、以下に記載する。カーボンフリー電極では、比をプロモーター:Li2O2=0.667:1に設定し、イソプロパノール中均質化したら1/2インチ金基材上に5トンプレスした。全ての電極及び電気化学電池の製造を、アルゴン充填グローブボックス(MBraun、H2O含有量0.1ppm未満H2含有量1%未満)内で大気暴露を防止しながら行った。水を含まない環境での製造に加えて、全ての電極を、Buchi(登録商標オーブン内で、30mbar未満真空下、70℃で最低12時間乾燥させた。セルは、直径15mmのリチウム箔と、2枚のCelgard C480上の150μLの0.1M LiClO4/DMEと、それを覆うLi2O2を予め添加した電極とから成っていた。1,2−ジメトキシエタン電解質中の0.1M LiClO4は、BASFから入手したものであって、カールフィッシャー滴定により求められた含水量が10ppm未満であるものであった。セルは、この例では、3.9V対Li/Li+に固定された一定電位で充電した。

0046

図2A〜図2Cは、カーボンフリー電極におけるLi2O2分解のためのプロモーターとしてMo粒子を使用する有益な効果を明確に強調表示している。特に、プロモーターの比表面積(図2C)に対して規格化された、Li2O2分解に関連する電流は、Ru又はCrを含むプロモーターと比較して1桁大きい。
特定の実施形態において、プロモーター、Li2O2、カーボン及びバインダーを含有するカーボン含有電極におけるLi2O2分解用のプロモーターとしてMoナノ粒子を使用することができる(図3A〜3B参照)。図3A−3Bは、3.7、3.8及び3.9VLiで比較した、VC:Cr,Mo:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1のカーボン含有電極の電位依存Li2O2酸化活性を示す。

0047

簡単に説明すると、導電性骨格としてVulcan XC72カーボン(VC)を用いたカーボン含有電極を、電池グレードのアルミニウム箔上に、プロモーター:VC:Li2O2:LiNafionバインダー=0.667:1:1:1の比で配置した。全ての電極及び電気化学電池の製造を、アルゴン充填グローブボックス(MBraun、H2O含有量0.1ppm未満、H2含有量1%未満)内で大気暴露を防止しながら行った。水を含まない環境での製造に加えて、全ての電極を、Buchi(登録商標)オーブン内で、30mbar未満の真空下、70℃で最低12時間乾燥させた。セルは、直径15mmのリチウム箔と、2枚のCelgard C480上の150μLの0.1M LiClO4/DMEと、それを覆うLi2O2を予め添加した電極とから成っていた。1,2−ジメトキシエタン電解質中の0.1M LiClO4は、BASFから入手したものであって、カールフィッシャー滴定により求められた含水量が20ppm未満であるものであった。この例では、セルを、3.9V対Li/Li+に固定された一定電位で充電した。

0048

図3Aは、カーボン含有電極におけるLi2O2分解用のプロモーターとしてMo粒子を使用する有益な効果を強調表示している。特に、プロモーターの比表面積に規格化された、Li2O2分解に関連する電流は、Crプロモーターと比較して高く、これは以前に報告された電流よりも高い。本発明のこの利点は、3.7V、3.8V及び3.9V対Li/Li+である様々な印加電位で確認された。

0049

図3Bは、本発明の別の有益な効果を強調表示する。Li2O2分解のための反応時間は、以前に報告されたプロモーターと比較して、本発明に記載されたプロモーターでは10分の1に減少した(3.7Vの充電電圧を印加した場合)。より高い電圧(3.8V及び3.9V)では、この効果も観察されるが、それほど重要ではない。

0050

簡単に説明すると、導電性骨格としてVulcan XC72カーボンを用いたカーボン含有電極を、電池グレードのCelgard 480セパレータ上に、プロモーター:VC:LiNafionバインダー=0.667:1:1:1の比で配置した。全ての電極及び電気化学電池の製造を、アルゴン充填グローブボックス(MBraun、H2O含有量0.1ppm未満、H2含有量1%未満)内で大気暴露を防止しながら行った。水を含まない環境での製造に加えて、全ての電極を、Buchi(登録商標)オーブン内で、30mbar未満の真空下、70℃で最低12時間乾燥させた。セルは、直径15mmのリチウム箔と、2枚のCelgard C480上の150μLの0.1M LiClO4/DMEと、カーボン含有電極とから成っていた。電解質中の含水量はカールフィッシャー滴定にって20ppm未満であった。この例では、セルを、3.9V対Li/Li+に固定された一定電位で充電した。

0051

この例では、Li2O2は、セル中で現場(in situ)で生成され、電極に添加されなかった。セルのサイクリングの間、現場(in situ)DEMSを実施し、充電中に放出されたガスを同定及び定量した。本明細書に記載のプロモーターを使用すると、主にO2ガスが放出され、これは数サイクル連続して起こった(図24A〜24F、25A〜25B、26A〜26F及び27A〜27F)。
最良の材料を特定する努力は、まだ、増進(enhancement)のメカニズムを突き止め、それによって予測能力を得るには至っていない。以下に示すセクションでは、遷移金属及び酸化物がLi2O2酸化動態に及ぼす影響の機構起源を調べた。結果は、これらの物質がプロモーターではなく反応プロモーターとして作用することを示唆している。リチウム金属酸化物の形成に対する反応物Li2O2及び遷移金属(酸化物)の変換のエンタルピーは、高活性のプロモーターを同定するための規則を与える電気化学活性と強く相関している。

0052

Li2O2酸化反応速度の固体状態活性化とLi−O2電池への影響
理論的に有望な次世代ケミストリーの1つとして、Li−O2電池は、それらの安定性、サイクル特性及び効率の問題に取り組む熱心な研究の対象となっている。Li−O2の再充電速度は特に遅く、反応プロモーターとしての金属ナノ粒子の使用を促している。本研究では、遷移金属及び酸化物粒子による反応速度の増進の基礎となる経路を、カーボンフリー電極及びカーボン含有電極における電気化学、X線吸収分光法及び熱化学分析の組み合わせを用いて調査した。本明細書では、貴金属Ruに匹敵し、しかも、Li2MoO4及びLi2CrO4の形成につじつまが合う表面酸化状態のXAS測定変化と一致する第VI族遷移金属Mo及びCrの高い活性が開示される。プロモーター表面によるLi2O2の変換エンタルピー

0053

0054

と電気化学活性との間の強い相関が見出され、これは固体状態のプロモーターの挙動統一することを見出した。充電時に可溶性化学種が存在せず、Li2O2の分解が固溶体を経て進行すると、Li2O2の酸化の増進が、Li2O2の遅い酸化反応速度でのリチウム金属酸化物への化学変換によって媒介される。以下に示す機構の知見は、Li−O2電池における電極化学の選択及び/又は使用についての新しい見識を与える。

0055

Li−O2電池におけるLi2O2酸化の反応速度は多くのグループによって調査され、放電時に生成されるLi2O2の形態によって充電性能が強く影響されることが示された。Li2O2の薄層について、McCloskeyらは、低充電過電位を計算及び実験的に測定し(サイクリックボルタンメトリーにより<0.2V)、Li2O2酸化からの酸素発生反応(OER)のための電気的触媒作用は必要でないであろうと仮定した。Y.-C. Lu and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 4, 93、J. S. Hummelshoj, A. C. Luntz and J. K. Norskov, J. Chem. Phys., 2013, 138、Y. Mo, S. P. Ong and G. Ceder, Phys. Rev. B, 2011, 84, 205446、B. D. McCloskey, R. Scheffler, A. Speidel, D. S. Bethune, R. M. Shelby and A. C. Luntz, J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 18038、及びB. D. McCloskey, R. Scheffler, A. Speidel, G. Girishkumar and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. C, 2012, 116, 23897参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。同様に、Luらは、堆積したLi2O2の第1のサブナノメートルの除去の間に電気的触媒作用は必要でなく、Li2O2の電気化学的酸化が最初の脱リチウム化から進行してリチウム欠乏Li2−xO2を形成し、次いでLi2−xO2から酸素が発生することを報告した。Y.-C. Lu, B. M. Gallant, D. G. Kwabi, J. R. Harding, R. R. Mitchell, M. S. Whittingham and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2013, 6, 750, 及びY.-C. Lu and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 4, 93参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。このコンセプトは、充電時の実動作環境下(オペランド(in operando))X線回折を使用した固溶体リチウム欠損Li2−xO2を示すDFT知見及びGanapathyらによる最近の結果と整合する。S. Kang, Y. Mo, S. P. Ong and G. Ceder, Chem. Mater., 2013, 25, 3328、及びS. Ganapathy, B. D. Adams, G. Stenou, M. S. Anastasaki, K. Goubitz, X.-F. Miao, L. F. Nazar and M. Wagemaker, J. Am. Chem. Soc., 2014参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。

0056

Li2O2の堆積物の厚さがより厚いほど(すなわち、放電深度がより深いほど)、特にカーボン電極上で、酸化させるのに、より高い過電位を必要とすることが示された。B. M. Gallant, R. R. Mitchell, D. G. Kwabi, J. Zhou, L. Zuin, C. V. Thompson and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. C, 2012, 116, 20800、M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng and P. G. Bruce, J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 494、Y.-C. Lu and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 4, 93、R. R. Mitchell, B. M. Gallant, C. V. Thompson and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2011, 4, 2952、F. Li, R. Ohnishi, Y. Yamada, J. Kubota, K. Domen, A. Yamada and H. Zhou, Chem. Commun., 2013, 49, 1175、R. Black, J.-H. Lee, B. Adams, C. A. Mims and L. F. Nazar, Angew. Chem. Int. Ed., 2013, 52, 392、及びY. Cao, S.-R. Cai, S.-C. Fan, W.-Q. Hu, M.-S. Zheng and Q.-F. Dong, Faraday Discuss., 2014を参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。この現象は、2つの異なる効果、すなわち、(1)酸化させるのにより大きな電位を必要とする放電時の副生成物の形成(B. M. Gallant, R. R. Mitchell, D. G. Kwabi, J. Zhou, L. Zuin, C. V. Thompson and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. C, 2012, 116, 20800、B. D. McCloskey, A. Speidel, R. Scheffler, D. C. Miller, V. Viswanathan, J. S. Hummelshoj, J. K. Norskov and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 3, 997、M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng and P. G. Bruce, J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 494、B. D. McCloskey, J. M. Garcia and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2014, 5, 1230、及びS. A. Freunberger, Y. Chen, N. E. Drewett, L. J. Hardwick, F. Barde and P. G. Bruce, Angew. Chem. Int. Ed., 2011, 50, 8609参照、これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する)、及び(2)酸化反応を引き起こさせるのに必要な電位を増加させるLi2O2の絶縁性(V. Viswanathan, K. S. Thygesen, J. S. Hummelshoj, J. K. Norskov, G. Girishkumar, B. D. McCloskey and A. C. Luntz, J. Chem. Phys., 2011, 135, S. P. Ong, Y. Mo and G. Ceder, Phys. Rev. B, 2012, 85, 081105, M. D. Radin, J. F. Rodriguez, F. Tian and D. J. Siegel, J. Am. Chem. Soc., 2012, 134, 1093, and P. Albertus, G. Girishkumar, B. McCloskey, R. S. Sanchez-Carrera, B. Kozinsky, J. Christensen and A. C. Luntz, J. Electrochem. Soc., 2011, 158, A343参照)に起因する。主な副生成物の1つのグループは、電解質の分解及び/又はLi2O2とカーボン電極との間の相互作用から形成しうる例えばLi2CO3などの炭酸塩である。単純な多孔質カーボンからグラフェン、カーボンナノファイバー17及びナノチューブ6に及ぶ様々なカーボン電極について、50〜100mA・g-1カーボンの高い充電過電位(典型的には1Vより大きい)が報告されている。M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng and P. G. Bruce, J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 494、Y.-C. Lu and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 4, 93、F. Li, R. Ohnishi, Y. Yamada, J. Kubota, K. Domen, A. Yamada and H. Zhou, Chem. Commun., 2013, 49, 1175、Y. Cao, S.-R. Cai, S.-C. Fan, W.-Q. Hu, M.-S. Zheng and Q.-F. Dong, Faraday Discuss., 2014、T. Cetinkaya, S. Ozcan, M. Uysal, M. O. Guler and H. Akbulut, J. Power Sources, 2014, 267, 140、R. R. Mitchell, B. M. Gallant, C. V. Thompson and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2011, 4, 2952、及びB. M. Gallant, R. R. Mitchell, D. G. Kwabi, J. Zhou, L. Zuin, C. V. Thompson and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. C, 2012, 116, 20800参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。対照的に、いくつかのグループは、例えば、ナノ多孔質金、TiC及びRUなどのカーボンフリー電極を使用した場合に、改善された充電性能を示したことが報告された。Z. Peng, S. A. Freunberger, Y. Chen and P. G. Bruce, Science, 2012, 337, 563、M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng, Y. Chen, Z. Liu and P. G. Bruce, Nat. Mater., 2013, 12, 1050、及びJ. Xie, X. Yao, I. P. Madden, D.-E. Jiang, L.-Y. Chou, C.-K. Tsung and D. Wang, J. Am. Chem. Soc., 2014, 136, 8903参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。Li2O2の絶縁性については、Viswanathanらは、絶縁性Li2O2の5〜10nmの層が0.6Vより大きい過電位を駆動するのに十分であると推定している。その全内容を本明細書に援用するV. Viswanathan, K. S. Thygesen, J. S. Hummelshoj, J. K. Norskov, G. Girishkumar, B. D. McCloskey and A. C. Luntz, J. Chem. Phys., 2011, 135参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。

0057

いくつかの報告は、(貴金属又は遷移金属のいずれかを使用する)金属ナノ粒子の添加が、充電過電位に定量可能な減少を示すことを示し(F. Li, R. Ohnishi, Y. Yamada, J. Kubota, K. Domen, A. Yamada and H. Zhou, Chem. Commun., 2013, 49, 1175.、R. Black, J.-H. Lee, B. Adams, C. A. Mims and L. F. Nazar, Angew. Chem. Int. Ed., 2013, 52, 392、Z. Jian, P. Liu, F. Li, P. He, X. Guo, M. Chen and H. Zhou, Angew. Chem. Int. Ed., 2014, 53, 442、F. Li, Y. Chen, D.-M. Tang, Z. Jian, C. Liu, D. Golberg, A. Yamada and H. Zhou, Energy Environ. Sci., 2014, 7, 1648、C. Kavakli, S. Meini, G. Harzer, N. Tsiouvaras, M. Piana, A. Siebel, A. Garsuch, H. A. Gasteiger and J. Herranz, ChemCatChem, 2013, 5, 3358、K. Song, J. Jung, Y.-U. Heo, Y. C. Lee, K. Cho and Y.-M. Kang, Phys. Chem. Chem. Phys., 2013, 15, 20075、J. R. Harding, Y.-C. Lu, Y. Tsukada and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2012, 14, 10540、K. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297、J. Ming, W. J. Kwak, J. B. Park, C. D. Shin, J. Lu, L. Curtiss, K. Amine and Y. K. Sun, Chemphyschem, 2014, 15, 2070、及びB. G. Kim, H.-J. Kim, S. Back, K. W. Nam, Y. Jung, Y.-K. Han and J. W. Choi, Sci. Rep., 2014, 4参照、これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する)、Li2O2酸化反応の反応速度を増進できることを示したが、この増進の原因は完全には解明されていない。固体Li2O2から誘導された可溶性化学種は、電子常磁性共鳴、ラマン、及び回転リングディスク技術を用いて、充電時に確認されていないが、これは不均一触媒メカニズムを支持する。R. Cao, E. D. Walter, W. Xu, E. N. Nasybulin, P. Bhattacharya, M. E. Bowden, M. H. Engelhard and J.-G. Zhang, ChemSusChem, 2014, 7, 2436、Z. Peng, S. A. Freunberger, L. J. Hardwick, Y. Chen, V. Giordani, F. Barde, P. Novak, D. Graham, J.-M. Tarascon and P. G. Bruce, Angew. Chem. Int. Ed., 2011, 50, 6351、M. J. Trahan, I. Gunasekara, S. Mukerjee, E. J. Plichta, M. A. Hendrickson and K. M. Abraham, J. Electrochem. Soc., 2014, 161, A1706、M. J. Trahan, S. Mukerjee, E. J. Plichta, M. A. Hendrickson and K. M. Abraham, J. Electrochem. Soc., 2013, 160, A259、及びC. N. Satterfield, Heterogeneous catalysis in practice, McGraw-Hill New York, 1980参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。McCloskeyらは、測定された増進が、電解質の分解の触媒作用及び寄生生成物の効率的な除去に起因するとした。B. D. McCloskey, R. Scheffler, A. Speidel, D. S. Bethune, R. M. Shelby and A. C. Luntz, J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 18038参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。さらに、Blackらは、触媒表面が電極表面上のLi2-xO2種の効率的な輸送を促進すると提案した。R. Black, J.-H. Lee, B. Adams, C. A. Mims and L. F. Nazar, Angew. Chem. Int. Ed., 2013, 52, 392参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。さらに、例えばテトラチアフルバレン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル及びヨウ素などの可溶性酸化還元メディエーターを用いた実験から、Li−O2電池を充電するのに必要な過電位を大幅に減少させることが示された。これは、表面電荷移動のためのプロモーターとの酸化還元交換によって、Li2O2酸化速度が直接影響を受けることがあることを示唆している。G. V. Chase, S. Zecevic, T. W. Wesley, J. Uddin, K. A. Sasaki, P. G. Vincent, V. Bryantsev, M. Blanco and D. D. Addison参照。再充電可能な金属−空気電池用の可溶性酸素放出触媒については、USPTO, 2012/0028137, 2012、Y. Chen, S. A. Freunberger, Z. Peng, O. Fontaine and P. G. Bruce, Nat. Chem., 2013, 5, 489、B. J. Bergner, A. Schurmann, K. Peppler, A. Garsuch and J. Janek, J. Am. Chem. Soc., 2014, 136, 15054、及びH.-D. Lim, H. Song, J. Kim, H. Gwon, Y. Bae, K.-Y. Park, J. Hong, H. Kim, T. Kim, Y. H. Kim, X. Lepro, R. Ovalle-Robles, R. H. Baughman and K. Kang, Angew. Chem. Int. Ed., 2014, 53, 3926参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。要約すると、固体状態の金属ナノ粒子がどのようにして反応経路を変化させ、Li2O2酸化の反応速度を高めることができるかは、まだ解明されていない。

0058

本明細書には、最近開発されたカーボンフリー電極及びカーボン含有電極の両方で市販の結晶性Li2O2を予め添加した電極を用いて、例えばCo、Mo、Cr及びRuなどの遷移金属ナノ粒子によるLi2O2酸化反応速度の増進が開示されている(J. R. Harding, Y.-C. Lu, Y. Tsukada and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2012, 14, 10540、及びK. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297参照、これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する)。Li2O2を添加した電極を使用することにより、触媒依存寄生放電生成物並びに電気化学的に形成されたLi2O2の結晶性及び形態の変化がLi2O2酸化速度に及ぼす妨害が最低限に抑えられる。電気化学的に形成されたB. M. Gallant, R. R. Mitchell, D. G. Kwabi, J. Zhou, L. Zuin, C. V. Thompson and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. C, 2012, 116, 20800、S. A. Freunberger, Y. Chen, N. E. Drewett, L. J. Hardwick, F. Barde and P. G. Bruce, Angew. Chem. Int. Ed., 2011, 50, 8609、及びB. G. Kim, H.-J. Kim, S. Back, K. W. Nam, Y. Jung, Y.-K. Han and J. W. Choi, Sci. Rep., 2014, 4参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。これらのナノ粒子の表面は酸化されやすいため、Li2O2酸化反応速度の活性化を、MoO3、Cr2O3、RuO2、Co3O4及びα−ΜnO2を含む対応する金属酸化物を用いて比較した。充電前後の電極のex situX線吸収分光法(XAS)及び誘導結合プラズマ原子発光スペクトル(ICP−AES)を使用して、Li2O2反応速度の活性化に潜在的に関与するプロセスについての見識を与える。促進されたLi2O2酸化反応速度を変換

0059

0060

のエンタルピーと関連付けることによって、遷移金属ナノ粒子及び酸化物にわたるLi2O2電気的酸化活性の固体状態活性化のための統一記述子及び経路を提案する。提案される機構に照らして、添加されるナノ粒子は、本文を通して「プロモーター」と呼ばれる。

0061

I.非貴金属遷移金属ナノ粒子によるLi2O2の酸化反応速度の増加
バルク遷移金属ナノ粒子Mo、Cr、Ru、Co及びMnにより促進されたカーボン含有及びカーボンフリーLi2O2添加電極を調べたところ、VI族のMo及びCrナノ粒子の高い活性が明らかになった。Moの存在下でのAu支持体脆化のために、カーボンフリーMo電極用の支持体としてアルミニウム箔を使用したことに留意されたい。図4Aは、3.9V対Li(VLi)でのカーボン含有電極中のCo、Mn及びRuに対して、Cr及びMoの重量Li2O2酸化電流(プロモーターの質量当たりに規格化)を比較したものである。Cr及びMoは、3.9VLiで1000mA・g-1プロモーターのオーダーの活性を示すことが見出された。これは、本研究及び以前の研究(J. R. Harding, Y.-C. Lu, Y. Tsukada and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2012, 14, 10540参照、その全内容を引用により本明細書に援用する)における貴金属Ruに匹敵し、Co及びMnのオーダーより一桁以上大きい。Li2O2酸化反応速度のこの増進は、図12において確認される。図12では、放電後の100mA・g-1カーボンでの定電流充電の間に、Mo及びCr電極について、それぞれベースカーボン担体と比較しておよそ600及び200mVの充電電圧の低下が観察された。図12は、100mA/gカーボンでのカーボンを含有するVC:プロモーター:LiNafion=1:0.667:1(質量比)空気電極の定電流性能を示す。Cr及びMo促進についての活性の増加が放電後の充電(Li2O2の実動作環境下形成とその後のその酸化)中に確認される。Mo促進電極は、図3A〜図3B及び図4Bに示されているように、3.7、3.8及び3.9VLiでCrよりも高い酸化電流を有していた。Mo、Cr、Ru、Co及びMnにより促進されたLi2O2の重量酸化電流(gravimetric oxidation currents)をカーボンフリー電極で分析したところ(図4C)、図4Aに示されている傾向と類似の

0062

0063

の傾向が観察された。この結果は、カーボン担体とのLi2O2の報告された反応性が活性の傾向を変えないことを示唆している。B. D. McCloskey, A. Speidel, R. Scheffler, D. C. Miller, V. Viswanathan, J. S. Hummelshoj, J. K. Norskov and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 3, 997、及びD. M. Itkis, D. A. Semenenko, E. Y. Kataev, A. I. Belova, V. S. Neudachina, A. P. Sirotina, M. Havecker, D. Teschner, A. Knop-Gericke, P. Dudin, A. Barinov, E. A. Goodilin, Y. Shao-Horn and L. V. Yashina, Nano Lett., 2013, 13, 4697参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。さらに、この結果は、McCloskeyら(B. D. McCloskey, R. Scheffler, A. Speidel, D. S. Bethune, R. M. Shelby and A. C. Luntz, J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 18038、その全内容を引用により本明細書に援用する)により以前に報告された、Li−O2セルの充電中のカーボンに担持されたPt、MnO2及びAuによるLi2O2酸化の反応速度の増進は、主として、寄生放電生成物の除去増進の人為的結果であるという仮説では説明できない。カーボン及びバインダーを含有する電極において再充電が合理的に完了したが、カーボンフリーMo促進電極の場合には、予測した容量(1168mAh・g-1Li2O2≡1751mAh・g-1金属)よりもかなり低い容量が観察された(図4A対図4C)。これは、カーボンフリー電極の製造前に、イソプロパノール中での高密度Moナノ粒子(10.3g・cm-3)と低密度Li2O2(2.31g・cm-3)との混合が不十分であることに帰するであろう。

0064

同じ5つの代表的な金属ナノ粒子プロモーターについての電流プロファイル対時間を図4D、4E及び4Fでさらに分析した。充電の開始から最初の局所的最小値初期電流減少)までの時間遅延は「活性化時間」として示し、カーボンフリー及びカーボン含有電極についての図4Fにグラフで示されている。Mnを除き、電極の活性化の遅延は、カーボンフリー電極からカーボン含有電極まで、カーボンが存在しない場合の数十分間のオーダーからカーボン担体存在下の数時間のオーダーまで増加した。この差異は、カーボン含有電極においてLi2CO3の形成をもたらし、Li2O2酸化反応の交換電流を減少させるが、その酸化的除去に対して3.5VLiの高い可逆的な酸化還元電位も示すカーボンとLi2O2との間の反応性に起因すると考えられる。B. D. McCloskey, A. Speidel, R. Scheffler, D. C. Miller, V. Viswanathan, J. S. Hummelshoj, J. K. Norskov and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 3, 997、M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng and P. G. Bruce, J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 494、K. P. C. Yao, D. G. Kwabi, R. A. Quinlan, A. N. Mansour, A. Grimaud, Y.-L. Lee, Y.-C. Lu and Y. Shao-Horn, J. Electrochem. Soc., 2013, 160, A824、R. Wang, X. Yu, J. Bai, H. Li, X. Huang, L. Chen and X. Yang, J. Power Sources, 2012, 218, 113、及びS. A. Freunberger, Y. Chen, Z. Peng, J. M. Griffin, L. J. Hardwick, F. Barde, P. Novak and P. G. Bruce, J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 8040参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。この現象は、カーボンフリーTiC電極と比較してカーボン電極を使用するとLi2CO3形成が40倍増加することを示したThotiylらの研究で十分に説明された。M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng, Y. Chen, Z. Liu and P. G. Bruce, Nat. Mater., 2013, 12, 1050, and M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng and P. G. Bruce, J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 494参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。カーボンフリー電極と比較した場合のカーボン含有電極におけるLi2O2酸化の反応速度の減少は、TiC及びナノポーラス金などのカーボンフリー電極におけるセル性能及びサイクルの向上の一般的傾向を強める。M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng, Y. Chen, Z. Liu and P. G. Bruce, Nat. Mater., 2013, 12, 1050, and Z. Peng, S. A. Freunberger, Y. Chen and P. G. Bruce, Science, 2012, 337, 563参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。プロモーター活性が増加するにつれて活性化時間(及び電流最大値までの時間)が一般的に短くなることは注目に値する。ピーク電流に上昇する前の遅延は、活性から起こるものであり、活性がより高い電極ほど、プロモーターと反応物Li2O2との界面での活性化学種核形成がより迅速であることを暗示している。

0065

MoO3、Cr2O3、RuO2、Co3O4及びα−MnO2といった金属酸化物をカーボン含有電極で調べた(図5A〜5B)。興味深いことに、調べた全ての酸化物間の重量活性(gravimetric activity)の広がりは、金属ナノ粒子で見られるものよりもかなり小さい。金属酸化物における活性のクラスター化は、ペロブスカイトBa0.5Sr0.5Co0.8Fe0.2O3-δ、LaCrO3、LaNiO3、LaFeO3及びLaMnO3+δ。を使用した場合に同様に観察された。K. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。さらに、金属酸化物の重量活性は、特に、Cr及びMo系粒子の場合に、図4Aに示した遷移金属の重量活性よりも低い。さらに、金属ナノ粒子について観察された「活性化時間」の傾向に一致して、Li2O2酸化電流ピークまでの遅延は、金属酸化物の場合には、活性が減少するにつれて増加する(図5B)。本願における3.9VLiでのα−MnO2の活性は、同様に予備添加された電極及びレートを使用したKavakliらの研究と一致している。同様にプリロードされた電極及び速度を使用する。C. Kavakli, S. Meini, G. Harzer, N. Tsiouvaras, M. Piana, A. Siebel, A. Garsuch, H. A. Gasteiger and J. Herranz, ChemCatChem, 2013, 5, 3358参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。

0066

研究した全てのプロモーターにわたって固有の活性を調べるため、カーボン含有電極中での領域特有の活性(プロモーターのBET表面積に対して規格化)が、バルク金属ナノ粒子については図6Aに、金属酸化物については図6Bに示されている。以下の傾向が解明された:

0067

0068

特に重要なのは、遷移金属ナノ粒子が、特に項活性遷移金属の場合に、それらの対応する酸化物よりも高い比活性及び短い活性化時間を有することである:Mo>MoO3、Cr>Cr2O3及びRu>RuO2。金属から酸化物への活性の減少は、特にRu及びRuO2の抵抗率がそれぞれ約8μΩ・cm及び約40μΩ・cmであることを考えると、カーボンネットワークにおける酸化物の電気伝導度の低下によっては完全に説明できない。R. Powell, R. Tye and M. J. Woodman, Platinum Met. Rev., 1962, 6, 138、及びL. Krusin-Elbaum and M. Wittmer, J. Electrochem. Soc., 1988, 135, 2610参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。ここで、観察された活性の傾向は、下記のXASにより調査した場合の、Li2O2とのプロモーターの中間生成物をもたらす相対的な表面反応性に関連するであろう。Li2O2酸化反応の観察された促進の機構については後で詳述する。

0069

II.電気化学的酸化中の予備添加されたLi2O2電極のex situ XAS
XASデータを使用すると、充電中のCr及びMo粒子の酸化状態にはかなりの変化があった。図7Aに示されているように、Cr K端のXANESスペクトルを使用して、3.8VLiで充電されたカーボンフリーCr:Li2O2電極の化学変化を調べた。図7A中の未充電電極から部分的に充電又は完全に充電された電極までのXANES Cr K端データは、5993.5eVに位置する(1)と標識付けされたピークの強度が増加することを示しており、これは対照のK2CrO4とよく一致しており、Crナノ粒子の表面上にCr2O42−環境の形成を示している。Cr K端でのXANESは主にCrナノ粒子のバルクを調べるために、充電された電極(図7A)に見られるピーク(1)の小さな強度は、Li2Cr4O4などのCr2O42−環境への変換が、Crナノ粒子の表面に局在化しているであろうことを示唆している。この仮説は、図7BのCr L端データによってさらに裏付けられている。図13は、Cr2O3に対する、CrナノパウダーのCr L端TEY XAS示す。ナノ粒子の表面が酸化されていることを示すためにCr2O3を添加した。T. Neisius, C. T. Simmons and K. Kohler, Langmuir, 1996, 12, 6377参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。両方の端は、Cr2O3のような環境では、Crの表面がCr3+に酸化されていることを示している。Cr粒子及び未充電電極のCr L端スペクトルがCr2O3様表面(図13)を示しているだけでなく、3.8VLiで充電された電極のCr L端スペクトルもCr3+のCr6+への強い変換を示し(ピーク(2)及び(3))、これは以前に3.9VLiで示されたものよりもはっきり見える。K. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。

0070

MoO2及びMoO3のMo L端スペクトルとMo箔のMo L端スペクトルを比較すると、Mo粉末の表面上のMoのかなりのフラクションは、金属Moに帰属させることができ、さらに、いくらかがMo4+及びMo6+の酸化状態をとる(図14)。図14は、MoナノパウダーMo L端スペクトルを、対照のMoO3、MoO2及びMo箔から収集されたものと比較して示し、Moパウダー上の酸化物層が比較的薄いことを示している。ナノ粒子の表面が酸化されていることを示すためにMoO3及びMoO2を添加した。この薄いMo層は、図15に示されているとおりのXRD検出可能なLi2MoO4の形成のためにバルクMo金属へのアクセスを可能にしたようである。MoのL端プロービング中の約75Åの信号深度(電子の平均自由行程の3倍として見積もられた;S. Tanuma, C. J. Powell and D. R. Penn, Surf. Interface Anal., 2011, 43, 689、及びS. L. M. Schroeder, G. D. Moggridge, R. M. Ormerod, T. Rayment and R. M. Lambert, Surf. Sci., 1995, 324, L371参照、これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する)を考慮すると、Moナノ粒子上の酸化物シェルはここでは約75Å未満の厚さである(又は表面が不完全に覆われている)ようであり、XRDにより示されるように、下方にあるMo金属の化学的変換を可能にするようである。未充電のカーボンフリーMo:Li2O2電極のXASデータをMo粉末のXASデータと比較すると、図8Aにおいて、2526.0eV及び2630.4eVの高い光子エネルギーにある(3)及び(6)の標識の付いた2つの新しいピークが見え、これらは、Li2O2と接触するMo表面の酸化の増加を示している。

0071

Li2O2とのMoの自発的な化学反応が、XAS(図8A)及びXRD(図15)を使用して、Li2MoO4の存在により確認された。図15は、未充電のMo:Li2O2(0.667:1)電極のXRDを示す。電気化学的処理の前にLi2MoO4の明確な証拠が観察され、これはLi2O2によるMoの強い化学的変換を証明している。半充電及び「満」充電の後、Mo L端スペクトルは、図8において、Mo粉末及び未充電電極と比較して、これらのピークの明らかな成長を示しており(L3:2523.9(2)及び2526eV(3);L2:2628.6(5)及び2630.4eV(6))、Moのさらなる酸化を示している。これらの新たなピークは、図8Aにおいて(2)、(3)、(5)及び(6)で示されているように、対照化合物Li2MoO4中の四面体配位Mo6+と結び付けることができる。半充電されたMo電極と比較して完全充電されたMo電極のピーク(1)〜(6)の比率は、Crの場合に見られるように電位反転を示すMoのより低い酸化状態へのシフトバック兆候を示す。Mo6+のより低い酸化状態への不完全な逆転は、図4Cに見られるAl:Mo電極における不完全な充電の結果として起こるようである。カーボンフリーMo電極の不完全な充電のため、部分充電は300mAh・g-1 Moで規定したことに留意されたい。完全充電されたMo電極は、約600mAh・g-1 Moで終了した。これは、「完全充電された」と表示された電極における酸化されたMoの残留を説明しているであろう。Coナノ粒子の場合の、プロモーターパウダー、未充電電極、半充電電極及び完全充電電極のL端スペクトルの分析(図8B)から、Coの酸化状態の明確な変化を示さないことが判る。図16のCo及びCo3O4粉末のXASスペクトルを比較すると、Coナノ粒子の表面はCo3O4様であると同定される。図16は、Coナノ粒子のCo L端TEYスペクトルをCo3O4と比較して示しており、Coナノ粒子の表面がほとんど酸化されてCo3O4層になっていることを示している。図17A〜17Bは、表面感受性全電子収率(TEY)モードでの、酸化物MnO2及びCo3O4ナノ粒子、未充電の、半充電された、及び完全充電されたカーボンフリー電極の金属L端スペクトルを示す。ここで調べた電極の半充電及び完全充電は、3.9VLiで実施した。Co3O4及びα−MnO2促進電極のこのXAS調査は、充電中のCo又はMnの酸化状態の変化を示さない。Li2O2酸化中のMo及びCrの酸化状態の顕著な変化が、明らかに安定なCo、Co3O4及びα−ΜnO2と比較してより高い活性と一致することが観察されることは興味深い。Li2O2酸化中に観察された酸化の変化が電解質中への金属溶解をもたらし得るため、ICP−AESを使用して、カーボンフリー電極において、充電後の電解質中の遷移金属の存在を調べた。

0072

III.Li2O2酸化中のプロモーターの溶解とLi2O2酸化速度に及ぼす影響
表1は、充電後における電解質中の可溶性金属種の存在を調査した結果をまとめたものである。電解質中の可溶性金属のモル量は、一般的に、Li2O2酸化の活性がより高いほど増加し、XAS分解酸化状態はプロモーターで変化する:

0073

0074

電解質中の溶解したプロモーターに由来する錯体は、Li2O2の電気化学的酸化に対する酸化還元メディエーター(redox mediators)として作用すると考えられる。しかし、溶解した化学種の測定濃度は、文献で使用された酸化還元メディエーターの10mMを超える典型的濃度と比較して1桁低い。Y. Chen, S. A. Freunberger, Z. Peng, O. Fontaine and P. G. Bruce, Nat. Chem., 2013, 5, 489、及びB. J. Bergner, A. Schurmann, K. Peppler, A. Garsuch and J. Janek, J. Am. Chem. Soc., 2014, 136, 15054参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。

0075

0076

これらの可溶性化学種がCr、Mo及びRuによるLi2O2酸化の観察された増進に及ぼす影響を調べるために、促進高活性電極(Mo、Cr及びRu)を0.1M LiClO4/DME電解質中で3.9VLiで完全充電した(実施例参照)。これにより、電解質中に溶解した遷移金属種が生じやすくなる。その直後に、セル内にカーボン電極(VC:Li2O2=1:1、プロモーターなし)を挿入し(同様に、溶解した金属種を含む直前電解質層を再利用する)、同様に3.9VLiで充電した。図18A、図18B及び図18C中の3つのVC:Li2O2電極の全てにおいて電気化学的活性化が存在しないことから、遷移金属酸化物を使用するLi2O2酸化反応の増進中に酸化還元メディエーター効果が存在しないことが確認され、電解質中の浸出金属種がCr、Mo及びRuによるLi2O2の反応速度の増進に関与しないことが示唆される。

0077

IV.Li2O2の酸化反応速度に及ぼす水の影響
Meiniらは、水(実動作環境下(in operando)での電解質分解から生成)などの不純物が電極活性化を増進することができることを実証した。S. Meini, S. Solchenbach, M. Piana and H. A. Gasteiger, J. Electrochem. Soc., 2014, 161, A1306参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。図18A〜18Cは、VC:プロモーター:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1の完全充電直後のセルにVC促進(VC:Li2O2:LiNafion=1:1:1)電極を挿入することにより試験したLi2O2酸化中の不純物(電解質中に溶解した遷移金属種、水及び他の実動作環境(in operando)不純物)の効果を示す。ICP−AESデータから、3.9VLiで充電された前の促進電極からの溶解した金属カチオンが存在することが明らかになった。このように試験したVCのみの電極の不活性は、溶解したカチオンが促進電極における活性の原因でないことを示唆している。

0078

浸出した金属種について行った観察と同様に、図18A〜図18Cにおける3つのVC:Li2O2電極の全てにおける電気化学的活性化の不存在は、実動作環境下(in operando)で潜在的に生成される水が、Cr、Mo及びRuによるLi2O2酸化の反応速度の促進の起源でないことを示唆している。3.9VLiでのプロモーターフリーのVC:Li2O2及び最も活性の低いVC:Mn:Li2O2の活性化に及ぼす含水量の増加(ベースライン20ppm、100ppm及び5000ppm)の影響を調べた(図19A及び図19B)。VC:Li2O2電極において、電流の早期の減少に次ぐ増加(約8時間)が観察された。これは、Mieniらの研究と一致して、100ppm未満から5000ppmまでの電極活性化を示しているであろう。しかし、VC:Mn:Li2O2電極の場合、活性化時間の短縮は観察されなかった。Mieniらと一致して、試験した両方のタイプの電極において、より高い含水量で全体的活性(印加電圧3.9VLiでの平均電流、<20mA/gプロモーター)は著しく高められなかった。

0079

図19A〜19Bは、VC促進(VC:Li2O2:LiNafion=1:1:1)(図19A)及び最も活性の低いMn促進(VC:Mn:Li2O2:LiNafion=1:0.667:1:1)(図19B)におけるLi2O2酸化の活性化に及ぼす電解質水(ベースライン20ppm、100ppm及び5000ppm)の効果を示している。高活性Mo、Cr及びRu促進電極における1時間未満と比較して10時間のオーダーであるにもかかわらず、5000ppmの増加した含水量でVC促進電極ではわずかに低い活性化時間が明らかであろう。全体的活性(印加電圧3.9VLiでの平均電流、<20mA/gプロモーター)は、より高い含水量で著しく高められなかった。Mn促進電極の場合、水の添加は活性に有害なようである(図19B)。全体的にみれば、含水量及び他の不純物の実動作環境下での増加は、Mo、Cr及びRuなどのナノ粒子を使用して電極性能が2桁向上することを説明できない。Li2O2酸化反応の固体状態活性化の統一的記述子は、以下で議論する。

0080

V.Li2O2酸化の固体状態活性化の統一的メカニズム
変換反応

0081

0082

(ここで、ΜaObはプロモーターの表面組成である)についてのエンタルピーを調べることにより、増進されたLi2O2反応速度についてのさらなる見識が得られる。リチウム化金属酸化物の形成に向かう遷移金属(酸化物)との多数の代表的なLi2O2反応についての計算されたエンタルピーの値を表2に示す。

0083

0084

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0086

未処理のCr、Mo及びCo粒子のL端XAS結果に基づいて、それらの表面はそれぞれCr2O3、Mo/MoOx及びCo3O4と同定された。Mn粒子の表面は、American Elementsによって報告されたとおりMn3O4により被覆されており、Ru粒子の表面は以前の研究に基づいてRu/RuO2により被覆されていると推測される。K. S. Kim and N. Winograd, J. Catal., 1974, 35, 66参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。金属酸化物の場合、MoO3、Cr2O3、Co3O4、α−MnO2及びRuO2の表面はバルクと同等である。さらに、XAS測定から明らかなように、Cr及びMoの反応中間体はそれぞれLi2CrO4及びLi2MoO4である。Li2O2とプロモーターとの間の化学反応のエンタルピーの増加は、図9に示されているように、カーボンフリー電極とカーボン含有電極の両方における比Li2O2酸化電流の増加と相関していた。この傾向は、金属から金属酸化物への活性の一般的な減少(図6A〜6B)が、変換の減少をもたらすLi2O2の存在下での金属酸化物の相対的熱化学的安定性に関連することを示している。図9におけるエンタルピーと活性との相関における顕著な例外は、Cr及びRuプロモーターのような活性を有するとアプリオリに予測されるMnナノ粒子(Mn3O4表面を有する)で生じる。Auナノ粒子増強ラマン分光法を使用して、表2中の比較的大きな予測された変換エンタルピーと一致して、Li2MnO3へのプロモーターの自発的な変換が未充電のMn:Li2O2電極で観察された(図10)。しかし、LixMyOz中間体が3.9VLiの印加電位(表3)よりも低い可逆的な脱リチウム化電位を有するかどうかについて調べた他のプロモーターとは対照的に、Li2MnO3の脱リチウム電位は4.5VLiを超えると報告されている。F. Zhou, M. Cococcioni, C. Marianetti, D. Morgan and G. Ceder, Phys. Rev. B, 2004, 70, 235121, and P. Lanz, C. Villevieille and P. Novak, Electrochim. Acta, 2013, 109, 426参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。表3は、Li2O2と触媒のLixMyOzへの化学変換とその後の脱リチウム化のメカニズムで予測された触媒活性についての理論的分析を示す。これらの観測結果では、Li2O2酸化中の電極活性化の経路は、

0087

0088

直接酸化と比較して一般的により良好な反応速度で、プロモーターの対応するリチウム金属酸化物LixMyOzへの化学変換とその後の電気化学的脱リチウム化であることが判る(図20に図示)。変換エンタルピーと適用された過電位の関数としてのlog(i)の導出を以下に示す(記号「〜」は「比例」を表すために使用した)。

0089

0090

Mnの特定の場合、活性は脱リチウム工程によって制限され、脱リチウム化は、ここでの3.9VLiの印加電位では不可能である。図38は、MoとMnの脱リチウム化の概略的な比較を示す。この提案された経路の下での理論的分析から、

0091

0092

がもたらされる。ここで、C、ΔH、α、n、e、ηは、それぞれ、定数、化学変換のエンタルピー、電荷移動係数電子電荷、及び中間体リチウム金属酸化物についての有効過電位を示す。表3に示した推定値から、この理論的モデルと実験的に求められた活性の傾向との間に良好な一致が見られる。Li2CrO4、Li2MoO4、Li2RuO3及びLi2MnO3の完全脱リチウム化(約4.5VLiを超える)は、Li−O2電池において望まれている酸素発生

0093

0094

をもたらすであろうことは注目に値する。F. Zhou, M. Cococcioni, C. Marianetti, D. Morgan and G. Ceder, Phys. Rev. B, 2004, 70, 235121、P. Lanz, C. Villevieille and P. Novak, Electrochim. Acta, 2013, 109, 426、及びS. Sarkar, P. Mahale and S. Mitra, J. Electrochem. Soc., 2014, 161, A934参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。一方、脱リチウム化反応は、金属酸化物の堆積物を生じるが、必ずしも元のプロモーターの再生をもたらすとは限らない。この提案された経路を、報告されたTiC及びTi4O7プロモーターのLi2O2酸化中の表面挙動を説明するために使用することができる。M. M. Ottakam Thotiyl, S. A. Freunberger, Z. Peng, Y. Chen, Z. Liu and P. G. Bruce, Nat. Mater., 2013, 12, 1050、及びD. Kundu, R. Black, E. J. Berg and L. F. Nazar, Energy Environ. Sci., 2015参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。Li−O2電池中のTiC及びTi4O7についての最初の放電後のX線光電子スペクトル(XPS)から、LiTiO3中のTi4+ 2p3/2及びTi4+ 2p1/2を示す約458.5及び約464eVにおけるピークの成長が明らかとなった。H. Deng, P. Nie, H. Luo, Y. Zhang, J. Wang and X. Zhang, J. Mater. Chem. A, 2014, 2, 18256参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。

0095

0096

のような酸素の存在下でのLi2O2とTiC及びTi4O7との間の熱力学的自発的反応は高いエンタルピーを有する。A. Jain, G. Hautier, S. P. Ong, C. J. Moore, C. C. Fischer, K. A. Persson and G. Ceder, Phys. Rev. B, 2011, 84, 045115参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。中間体の脱リチウム化については、Li2TiO3は、4.7V超で脱リチウム化に対して安定であり、これにより、結晶性Li2O2が添加されたTi4O7電極の比較的低い表面積規格化活性(約4Vで約8.4・10−3μA・cm-2BET)と、最初の放電を過ぎてからのサイクル中のTi4+のXPSピークの持続性を説明できるであろう。

0097

図23A〜23Bは、3.9VLiでのカーボンフリーのMo:Li2O2=0.667:1(質量比、アルミニウム箔上に担持)の電極の電気化学的性能と、関連するバックグラウンド電流(Al箔上のMo、Li2O2なし)とを示す。Li2O2酸化電流からバックグラウンド電流を減算すると、Mo促進電極で観測された大電流はMoによる電解質の分解に帰属させることはできず、むしろLi2O2酸化によるものであることが明らかである。

0098

要約すると、Li2O2酸化のキネティクスへの機構論的洞察が、金属及び酸化物プロモーターの電気化学的Li2O2酸化の傾向を分光学測定値及びLi2O2とプロモーターとの間の反応性エネルギーと結び付けることによって提示された。Cr、Mo及びRu粒子の測定された活性は、Co及びMnならびに相当する酸化物のものよりも一桁大きい。Li2O2酸化の際、XAS測定から、Cr及びMo粒子が、電解質中の可溶性のCr及びMoベースの化学種に伴うそれぞれLi2CrO及びLi2MoOのようなCrO42−及びMoO42−環境中でM6+に高度に酸化されることが判る。しかし、これらの可溶性化学種や、他の可能性のある不純物、例えば実動作下で生成した水は、例えばMo、Cr及びRuの存在下での電極活性に桁違いの増大をもたらす主原因ではない。カーボンフリー電極とカーボン含有電極の両方における特有のLi2O2酸化電流の増加と、Li2O2とプロモーターとの間の化学反応のためのエンタルピーの増加との間に、強い相関が見出された。この結果は、リチウム金属酸化物へのプロモーター表面とLi2O2の熱化学的変換を伴う固体状態活性化を介してLi2O2の酸化反応速度を増進することについての普遍的なメカニズムを提案している。リチウム金属酸化物は、その後、電気化学的に脱リチウム化を受けることができる。再充電可能なLi-空気電池の電圧及びファラデー効率に対するLi2O2のかかる固体状態活性化の影響は、さらなる研究を必要とする。

0099

反応プロモーターを使用したLi−O2電池のプロセス効率
Li−O2システムは、電池エネルギー貯蔵分野における重量エネルギー密度を大変するのに有望である。様々な遷移金属ベースのナノ粒子が、再充電電位を低下させ、その往復効率を高める候補プロモーターである。化学的リチウム化とその後の電気化学的脱リチウム化は、例えばMo、Cr及びRuなどのプロモーターの存在下で測定される反応速度の増進をもたらす。本研究は、示差電気化学質量分析(DEMS)を使用して、Mo、Cr、及びRu金属プロモーターの存在下でのLi−O2電池の充電中のプロセス効率に焦点を当てている。放電中の酸素消費は、3種のプロモーターの全てについて、3サイクルの間、Li2O2の形成に望ましい2e−/O2に従う。現在の技術水準と一致する3.9Vでの定電位充電では、3種のプロモーターの全てが、無視できるCO2、CO及びH2O発生で、亜化学量論的酸素再生成を示す。Moは、Li2O2によるその大きな変換エンタルピーにより可能となった最高の活性を有するが、理想から最も遠い4.82e−/O2で動作するのに対し、同等の変換エンタルピー及び電気化学的Li2O2酸化活性を有するCr及びRuは、約3.0e−/O2で動作する。この研究は、例えばCrなどの低コストの遷移金属がLi−O2電池の充電を促進するのに広く使用されている貴金属Ruの優れた代替物であることを補強している。

0100

リチウムイオン電池システムは、高エネルギー及び高電力用途に欠かせないものとなっており、現在、ポータブル電子機器や今後の電気自動車に電力を供給するための一般的に好まれている化学製品である。しかし、約100Wh・kg-1というそれらの典型的な重量エネルギー密度は、米国電気自動車(EV)の目標350Wh・kg-1に足りない。P. Simon and Y. Gogotsi, Nat. Mater., 2008, 7, 845, and USCAR, Energy Storage System Goals, Accessed Jan. 01, 2016, 2016参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。リチウム又はナトリウムによる酸素又は硫黄の変換に一般的に基づくいくつかの次世代化学製品は様々な開発段階にある。P. G. Bruce, S. A. Freunberger, L. J. Hardwick and J.-M. Tarascon, Nat. Mater., 2012, 11, 19参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。Li−O2電池は、最先端のリチウムイオン電池のエネルギー密度を2倍乃至3倍にするのに有望であることから、高い科学的関心を集めている。K. G. Gallagher, S. Goebel, T. Greszler, M. Mathias, W. Oelerich, D. Eroglu and V. Srinivasan, Energy Environ. Sci., 2014, 7, 1555、及びY.-C. Lu, B. M. Gallant, D. G. Kwabi, J. R. Harding, R. R. Mitchell, M. S. Whittingham and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2013, 6, 750参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。

0101

しかし、それらの実行可能性はいくつかのセルレベルファクターによって妨げられている。リチウムイオンセルで使用されているアルキルカーボネートや、エーテル系溶媒及び有機硫黄といったほとんどの非プロトン性電解質では、溶媒の激しい分解が観察される。S. A. Freunberger, Y. Chen, Z. Peng, J. M. Griffin, L. J. Hardwick, F. Barde, P. Novak and P. G. Bruce, J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 8040、B. D. Adams, R. Black, Z. Williams, R. Fernandes, M. Cuisinier, E. J. Berg, P. Novak, G. K. Murphy and L. F. Nazar, Adv. Energy Mater., 2015, 5、S. A. Freunberger, Y. Chen, N. E. Drewett, L. J. Hardwick, F. Barde and P. G. Bruce, Angew. Chem. Int. Ed., 2011, 50, 8609、及びD. G. Kwabi, T. P. Batcho, C. V. Amanchukwu, N. Ortiz-Vitoriano, P. Hammond, C. V. Thompson and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. Lett., 2014, 5, 2850参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。電解質の分解は、寄生放電生成物の形成及び主放電生成物Li2O2の低い電気伝導度と関連し、高い再充電過電位、低い往復効率及び限られたサイクル寿命をもたらす。B. D. McCloskey, A. Speidel, R. Scheffler, D. C. Miller, V. Viswanathan, J. S. Hummelshoj, J. K. Norskov and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 3, 997、B. D. McCloskey, A. Valery, A. C. Luntz, S. R. Gowda, G. M. Wallraff, J. M. Garcia, T. Mori and L. E. Krupp, J. Phys. Chem. Lett., 2013, 4, 2989、O. Gerbig, R. Merkle and J. Maier, 2013, 25, 3129、及びS. P. Ong, Y. Mo and G. Ceder, Phys. Rev. B, 2012, 85, 081105参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。高い過電位及び低い往復効率の関連する問題に対処するために、金属(酸化物)ナノ粒子からなる反応プロモーターが一般的に使用されている。K. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phy. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297、K. P. C. Yao, M. Risch, S. Y. Sayed, Y.-L. Lee, J. R. Harding, A. Grimaud, N. Pour, Z. Xu, J. Zhou, A. Mansour, F. Barde and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2015, 8, 2417、F. Li, R. Ohnishi, Y. Yamada, J. Kubota, K. Domen, A. Yamada and H. Zhou, Chem. Commun., 2013, 49, 1175、R. Black, J.-H. Lee, B. Adams, C. A. Mims and L. F. Nazar, Angew. Chem. Int. Ed., 2013, 52, 392、及びZ. Jian, P. Liu, F. Li, P. He, X. Guo, M. Chen and H. Zhou, Angew. Chem. Int. Ed., 2014, 53, 442参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。ex-situX線吸収分光法により補助される電気化学的及び熱化学的傾向の最近の系統的プロービングは、放電生成物Li2Oによるプロモーターのリチウム化金属酸化物を形成する化学的変換を明らかにした。K. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phy. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297、K. P. C. Yao, M. Risch, S. Y. Sayed, Y.-L. Lee, J. R. Harding, A. Grimaud, N. Pour, Z. Xu, J. Zhou, A. Mansour, F. Barde and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2015, 8, 2417、及びD. Kundu, R. Black, B. Adams, K. Harrison, K. Zavadil and L. F. Nazar, J. Phys. Chem. Lett., 2015, 6, 2252参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。これらの最後の文献のリチウム化金属酸化物中間体の脱リチウム化は、Li2O2酸化について観察された反応速度の増進の原因であることが明らかにされた。K. P. C. Yao, M. Risch, S. Y. Sayed, Y.-L. Lee, J. R. Harding, A. Grimaud, N. Pour, Z. Xu, J. Zhou, A. Mansour, F. Barde and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2015, 8, 2417参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。触媒が、酸素化された中間体の表面への調整された結合を介して律速段階障壁を低下させる、従来の酸素発生(OER)触媒とは著しく異なる機構。I. C. Man, H.-Y. Su, F. Calle-Vallejo, H. A. Hansen, J. I. Martinez, N. G. Inoglu, J. Kitchin, T. F. Jaramillo, J. K. Norskov and J. Rossmeisl, ChemCatChem, 2011, 3, 1159、及びJ. Suntivich, K. J. May, H. A. Gasteiger, J. B. Goodenough and Y. Shao-Horn, Science, 2011, 334, 1383参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。この知見に照らして、後続の放電のためにLi−O2セルを再生するのに必要なLi2O2酸化からのOERのプロセス効率を調査することが不可欠になってきた。

0102

McCloskeyらは、電解質溶媒としてポリカーボネート:ジメトキシエタン(PC:DME)又は1,2−ジメトキシエタン(DME)を使用したLi−O2電池の充電反応中のOERを調べるために差動電気化学的質量分析(DEMS)を使用した。B. D. McCloskey, R. Scheffler, A. Speidel, D. S. Bethune, R. M. Shelby and A. C. Luntz, J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 18038参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。彼らの研究は、Li−O2セル中の金属ナノ粒子は、充電の際にCO2を発生するPCベースの電解質中の可溶性寄生生成物を除去するだけであると結論したが、所望のLi2O2生成物が酸化されてO2を発生するDMEベースの電解質では効果は観察されなかった。Li−O2系とNa−O2系を比較した同じ著者によるその後の研究は、カーボネート副生成物がない場合には、アルカリ空気セルの再充電がプロモーターナノ粒子を必要とせずに効率的であろうことをさらに示唆している。B. D. McCloskey, J. M. Garcia and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2014, 5, 1230参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。これらの結論は、ほとんど乃至全くカーボネートがないことが望ましいLi2O2を予め添加したカーボンフリー電極を用いたLi2O2分解について観察された明らかな充電傾向に一致してしない。K. P. C. Yao, M. Risch, S. Y. Sayed, Y.-L. Lee, J. R. Harding, A. Grimaud, N. Pour, Z. Xu, J. Zhou, A. Mansour, F. Barde and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2015, 8, 2417参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。Kunduらの研究では、充電に及ぼすMo2Cの効果を調査し、3.6VLi未満の充電プラトー(強い増進効果)と、ほとんどがO2でほんの痕跡量がCO2であるというオンライン電気化学質量分析(OEMS)測定結果とが観察された。D. Kundu, R. Black, B. Adams, K. Harrison, K. Zavadil and L. F. Nazar, J. Phys. Chem. Lett., 2015, 6, 2252参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。著者らは、X線光電子分光法により、Yaoらにより提案されたメカニズムに従うLixMoO3へのプロモーター表面の変換を報告している(Energy Environ. Sci., 2015)。さらに、この場合のLi−O2中のLi2O2及びNa−O2中のNaO2の酸化反応速度の比較(B. D. McCloskey, J. M. Garcia and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2014, 5, 1230、その全内容を引用により本明細書に援用する)は、1電子移動反応に対する2電子移動の予測されるより遅い反応速度ならびに一方から他方への電荷移動について考えられる差異を無視している。

0103

本研究では、DEMSを使用して、最も活性の高いLi2O2酸化プロモーター(上記)であるMo、Cr及びRuの存在下で、Li−O2セルのプロセス効率を調べた。Crと貴金属Ruとの特性類似性と、それらとMoとの相違点が明らかになった。それらの類似点及び相違点は、充電時のLi2O2によるプロモーターのリチウム化金属酸化物への変換エンタルピーの値により説明可能であることが判った。まず、200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターで定電流放電中に、カーボン担持電極中にMo、Cr及びRuが存在するもとで、放電プロセスを調べた。Li−O2電池における望ましい放電反応は、気相の酸素によるリチウムのリチウム酸化物(Li2O、Li2O2及び/又はLi2O)を形成する変換である。Kumarらによる最初の刊行物(B. Kumar, J. Kumar, R. Leese, J. P. Fellner, S. J. Rodrigues and K. M. Abraham, J. Electrochem. Soc., 2010, 157, A50、その全内容を引用により本明細書に援用する)以来、Li−O2電気化学システムは、電解質又はカーボンカソードの寄生分解がない状態で、最終放電生成物としてのLi2O2の形成を通じて放電

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することが報告されている。S. A. Freunberger, Y. Chen, N. E. Drewett, L. J. Hardwick, F. Barde and P. G. Bruce, Angew. Chem. Int. Ed., 2011, 50, 8609、及びY.-C. Lu, D. G. Kwabi, K. P. C. Yao, J. R. Harding, J. Zhou, L. Zuin and Y. Shao-Horn, Energy Environ. Sci., 2011, 4, 2999参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。この反応の化学量論は、通過した2つの電子あたり1つの酸素分子(2e−/O2)の消費を示す。

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図23A〜23Bは、200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターにおけるVC:(Mo,Cr,Ru):LiNafion電極の第1サイクル放電をまとめたものである。図23A中の200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターにおける通過した電荷に対する放電電圧は、調査した3種のプロモーターの全てについて、約2.6VLiでの長いプラトーと比較し得る。この電圧プロファイルは、使用したVCカーボン担体の特徴であり、プロモーターナノ粒子は、以前報告されたように、長い放電に対してほとんど増進効果を持たない。K. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phy. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。図23Bは、電荷に対する電流及びガス消費速度を示し、これらは両方とも電極中のMo、Cr又はRu粒子の質量に対して規格化されている。2e−/O2の比は、消費された又は生成された1nmol・min-1の酸素当たり約311mAに等しく、この係数は本願における全ての図においてファラデー電流ガス生成速度を比較するために用いる。ガス消費速度をファラデー電流と比較すると、検討した全てのプロモーターについて、放電中に名目上2e−/O2のプロセスが起こっていることが明らかである(図23B)。したがって、所望の放電生成物であるLi2O2の形成は、Mo、Cr及びRuの存在下で生じる主な電気化学的プロセスである。

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プロモーターナノ粒子の最も顕著な増進効果は、セル充電中のLi2O2酸化反応で観察される。金属ナノ粒子の存在下、3.9Vで起こる化学プロセスのX線吸収分光法による以前のプロービングは、Li2O2によるプロモーターのリチウム化金属酸化物の形成への化学変換

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を明らかにした。したがって、この経路の潜在的効果を、O2の再生成

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について調べ、以前に同定された高活性プロモーターMo、Cr及びRuの実際のプロセス効率と比較する。図24A〜24C及び図25Aは、Li2O2が予め添加された電極におけるLi2O2電気酸化のDEMSプロービングの結果を示す。図24D〜図24F及び図25Bは、図23A〜23Bに示した放電の後の充電時のO2電極におけるLi2O2電気酸化のDEMSプロービングの結果を示す。まず、全てのプロモーターについて、充電時に形成された寄生CO2並びにCO及びH2Oの量は、Li2O2が予め添加された電極では、3.9VLiで無視できるとみなすことができる(図24C)。この観察結果は、図28A、図29A及び図30Aに示した生のガスフラクションでさらに明らかにされており、CO2、CO及びH2Oのフラクションは、セル充電の開始前に見られたバックグラウンドレベルフラットのままである。O2電極では、放電後のLi2O2の電気酸化は、Li2O2が予め添加された電極と比べてわずかに高いCO2フラクションを示す(図25F並びに図31A、図32A及び図33A)。この知見は、ジグライムなどのエーテル中での放電時のLi2CO3、HCO2Li、CH3CO2Liの電解質分解生成物の報告された形成に対応している。S. A. Freunberger, Y. Chen, N. E. Drewett, L. J. Hardwick, F. Barde and P. G. Bruce, Angew. Chem. Int. Ed., 2011, 50, 8609、及びB. D. McCloskey, A. Speidel, R. Scheffler, D. C. Miller, V. Viswanathan, J. S. Hummelshoj, J. K. Norskov and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 3, 997参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。後の充電時のこれらのカーボネートの分解は、予備添加電極と比べてCO2の量が多いことを説明している。ここで、Li2O2酸化反応を理解するために、放電を回避して寄生生成物に由来する妨害を最低限に抑える。

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図24A及び図24Dは、それぞれ、Li2O2が予め添加された電極とO2電極における、プロモーター質量に対して規格化された電流プロファイルを示す。DMEベースの電解質(上記参照)での所見とは対照的に、Cr及びRuと比べて、予備添加Mo電極の性能は大幅に低下した(図24A)。Mo電極の性能のこの低下は、不完全で劣った電極再充電を引き起こすと特定された、未充電電極状態でのLi2MoO4を形成するMo及びLi2O2のより強い変換によるものであろう。この仮定は、図24Dに裏付けられている。予備添加電極の場合に乾燥と貯蔵が数日間であるのと比べて、実動作環境下(in operando)で形成されるLi2O2とMoとの間の接触時間は、O2電極で10時間程度(放電と充電の間に課される休止時間)である。Li2O2とMoとの間の接触が限られているため、限られた表面変換が起こり、これは以前の観察と一致して、Cr及びRuと比べてMoのより大きな活性を維持する。所望のO2は、それぞれ図24B及び図24Eに見られるように、Li2O2が予め添加された電極及びO2電極の両方で観察される主なガスである。O2生成速度の傾向は、図24A及び図24Dの測定電流とよく一致する。注目すべきことは、それらの非常に類似した電気化学的活性により、Cr及び貴金属Ruは、Li2O2酸化について実質的に同じO2発生プロファイルを示すという事実である(図24B及び24E、図32C及び33C)。ジグライムベースの電解質を使用した本研究では、Moの性能は予備添加電極で不十分である(図24B)にもかかわらず、O2電極でのそのより大きな活性は改善された酸素発生を伴う(図24E)。

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それにもかかわらず、充電時の酸素発生速度は、Li2O2が予め添加された電極(図25A)及びO2電極(図25B)の両方で、2e−/O2反応

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を考慮して観察された電流と比べて亜化学量論的である。Li2O2が予め添加された電極では、Cr電極はe−/O2対電荷についてRuと同様の傾向に従う(図25A)が、計算された平均値はそれぞれ3.37及び2.82である。傾向の同様の一致がO2電極で観察され(図25B)、Cr及びRuについて計算された平均値はそれぞれ3.02及び3.06e−/O2であった。CrとRuとの類似性は、上記のように、Li2O2による変換のそれらの相当するエンタルピーとBET表面積と一致する。著しく多量のCO2は観察されないが、Moベースの電極は、予備添加電極及びO2電極においてそれぞれ平均3.73及び4.82e−/O2であった(それぞれ図28A〜28D及び図31A〜31D)。2e−/O2の化学量論的値からのMo電極のより大きな偏差は、Crの場合のLi2CrO4(Cr2O3被覆、−440kJ・mol-1)及びRuの場合のLi2RuO3(部分的に酸化、−446kJ・mol-1)と比べて、Li2O2によるLi2MoO4への変換(部分的に酸化、−939kJ・mol-1)の駆動力がより高いことを反映している。電極の外面的に測定される活性に寄与する化学的にリチウム化された金属酸化物の3.9VLiでの脱リチウム化

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は、2e−/O2をもたらしてより大きな化学量論的偏差を引き起こしやすいと予測することはできない。ガス定量化のためにDEMS又はOEMSを使用した従来の研究では、一般的に、Li−O2セルにおけるLi2O2の酸化に由来する亜化学量論的O2の再生成が報告されている。B. D. McCloskey, J. M. Garcia and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2014, 5, 1230、S. Meini, S. Solchenbach, M. Piana and H. A. Gasteiger, J. Electrochem. Soc., 2014, 161, A1306、B. D. McCloskey, D. S. Bethune, R. M. Shelby, T. Mori, R. Scheffler, A. Speidel, M. Sherwood and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 3, 3043、及びS. Meini, N. Tsiouvaras, K. U. Schwenke, M. Piana, H. Beyer, L. Lange and H. A. Gasteiger, Phys. Chem. Chem. Phys., 2013, 15, 11478参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。McCloskeyらは、LiTFSI/モノグライム(DME)電解質を使用したO2電極を再充電するのに2.59e−/O2の値を報告した。B. D. McCloskey, R. Scheffler, A. Speidel, D. S. Bethune, R. M. Shelby and A. C. Luntz, J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 18038、及びB. D. McCloskey, D. S. Bethune, R. M. Shelby, T. Mori, R. Scheffler, A. Speidel, M. Sherwood and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2012, 3, 3043参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。Gasteigerらは、OEMSを使用し、LiTFSI/ジグライム電解質とカーボンのみの電極を用いて、予備添加電極において2.6e−/O2及び2〜2.4e−/O2の値を報告した。S. Meini, N. Tsiouvaras, K. U. Schwenke, M. Piana, H. Beyer, L. Lange and H. A. Gasteiger, Phys. Chem. Chem. Phys., 2013, 15, 11478、及びS. Meini, S. Solchenbach, M. Piana and H. A. Gasteiger, J. Electrochem. Soc., 2014, 161, A1306参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。VC:Li2O2:LiNafion=1:1:1の電極の4.4VLi(VCのみの電極における合理的な酸素発生率を可能にするように選択された)での定電位DEMS調査は、2.89e−/O2をもたらし、比較的多量のCO2を放出した(図34A〜図34D)。3.9VLiに分極された金属促進電極と比べたときのこの多量のCO2の発生は、より高い4.4VLiの印加電圧の結果、ジグライム電解質の酸化が促進されたことによるものであり、電解質の酸化を緩和するためにより低い再充電電位を可能にすることにおけるプロモーターナノ粒子の有用性を強調する事実である。

0118

Mo、Cr及びRu促進O2電極のサイクル中のO2の消費及び再生を調査した(図26A〜26F及び図27A〜27F)。全ての促進電極が、調査した最初の3回の放電サイクルの間の1つサイクルから次のサイクルまでで理想的な2e−/O2を示した(図26A、図26B及び図26C)。3サイクルにわたる酸素消費速度は、Mo、Cr及びRu促進電極の場合に同等であり(200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターでの一定の印加電流と一致する)、プロモーターが放電機構に著しい影響を及ぼさないことを示唆している(図27A、図27B及び図27C)。サイクル経ることで放電容量が変化することが観察されたが、これもガス消費速度に影響を及ぼさないようであり、Li2O2は、Mo、Cr及びRu促進O2電極の3サイクルの放電中の主要な放電生成物であるようである。

0119

上記のように、Li−O2セルの充電は、一般的に、放電時に形成されたLi2O2の所望の2e−/O2分解に従わない。図26D、図26E及び図67Fでは、充電時に、Mo、Cr、Ru促進電極は全て、放電時に見られる理想的な2e−/O2から逸脱している。図27D、図27E及び図27Fは、最初の3サイクルのO2生産速度(左軸)と電流(右軸)との間の対応関係を詳述する。両方の軸は、2e−/O2反応について、酸素1nmol・min-1当たり311mAに従って等価になるようにスケーリングされている。O2生成速度の一般的な形状は電流プロファイルのそれを辿っているが、全てのプロモーターの場合に、O2よりも多くの電流が生成されたことが明らかである。注目すべきことは、Cr及びRuは、測定した最初の2サイクルで充電時にかなり類似するe−/O2を維持し(図26E及び図26F)、同等の電流が発生したことである(図27E及び図27F)。Cr電極は、第1及び第2のサイクルで、それぞれ、平均で3.02及び3.90e−/O2であったのに対し、Ru電極は、平均で3.07、3.8及び3.7e−/O2のであった。Mo促進O2電極におけるプロセス効率は、理想からより顕著に逸脱している(図26D)。第1サイクルでまもなく、Mo電極は、放電時に生成したLi2O2を、Cr及びRu電極と比べて大きく変動するe−/O2で酸化し、平均で4.82e−/O2であった(図26D)。しかし、Moの第3サイクルで3.06及び2.49e−/O2が記録され、第1サイクルの4.82e−/O2(図26D)より電流とO2発生の間で改善された対応関係が記録された。永久酸化物層が、Li2MoO4の最初の脱リチウム化後にMo粒子の表面上に(MoO2又はMoO3)を形成し、その後のサイクルでの変換プロセスを緩和することができる。この事実は、Li2MoO4への変換に対するより高い安定性を伴うより低い活性を有するMoO2及び/又はMoO3と一致する第2及び第3のサイクルでのファラデー効果の低下と解釈される。わずかに過剰な容量を示したCr及びRuとは対照的に、最初のより高い活性のサイクルを除いて、Mo電極において不完全な再充電(電流が約5mA・g-1金属以下になると充電が終了)が起こることは注目に値する。Cr及びRuにおける生成した酸素当たりの過剰電流及び2e−/O2からの逸脱にもかかわらず、3.9VLiでの定電位充電サイクルの間にほんの微量のCO2、CO及びH2Oが観察された。O2、CO2、CO及びH2Oを発生しない他の寄生酸化反応が起こっているであろう(図35、36及び37)。かかる反応の明白な候補は、Mo、Cr及びRuナノ粒子などの特定の金属(酸化物)について測定された高活性の基礎となる「表面化学リチウム化とその後の電気化学的脱リチウム化」のメカニズムであることをもう一度述べておく。

0120

結論として、金属ナノ粒子プロモーターは、Li−O2セルの再充電中に広範囲に広がる大きな過電位を減少させる手段を提供し、それによって再充電効率を高め、有機電解質の寄生酸化を減少させる。ここでは、有望なプロモーターナノ粒子Mo、Cr及びRuのプロセス効率が示されている。以下の4つの主要な発見が強調される:
(i)2e−/O2であるLi2O2がMo、Cr又は貴金属Ruの存在とは無関係に主要な放電生成物である。放電経路

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は、調査した3種のプロモーターの全てについて200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターで約2.6VLiの同等の放電電圧から明らかであるように、プロモーターナノ粒子により影響されない。
(ii)Li2O2放電生成物の酸化が、文献報告と一致してO2の亜化学量論的再生成をもたらす。特に、Mo電極は、おそらく、Li2O2によるMoのLi2MoO4への変換の場合のより大きな熱力学的駆動力

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の結果として著しい変動(fluctuations)で2e−/O2から大きくはずれている。対照的に、中程度の類似の変換エンタルピー

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を有するCr及びRuと比較して、完全再充電を過ぎて観察された変動の前に、およそ3e−/O2の値を示す。注目すべきことに、変換エンタルピーとプロモーターの電気化学的活性との間の相関は、Li2O2予備添加電極及びO2電極における3.9VLiでの電流と酸素発生速度の両方に関するCrとRuの間の類似性にさらに反映されている。低コストのCrナノ粒子促進電極は、Li−O2電池で広く使用されているより高価な貴金属Ru電極の優れた代替物となるだろう。
(iii)3.9VLiでのサイクル充電中にほんのわずかな量のCO2、CO及びH2Oが測定された。このことは、電解質安定性のために4.0VLi未満の充電電圧を可能にするプロモーターナノ粒子の有用性を強調している。

0127

電極の作製
Mo金属ナノ粒子(US Research Nanomaterial Inc.,純度=99.9%,SSABET=4m2・g-1)、Cr金属ナノ粒子(US Research Nanomaterial Inc.,99.9%,26m2・g-1)、Co金属ナノ粒子(US Research Nanomaterial Inc.,99.8%,21m2・g-1)、Ru金属ナノ粒子(Sigma Aldrich,≧98%,23m2・g-1)、Mn金属ナノ粒子(American Elements,Mn3O4シェル,99.9%,24m2・g-1)と、MoO3ナノ粒子(Sigma Aldrich,99.98%,1.8m2・g-1)、Cr2O3ナノ粒子(Sigma Aldrich,99%,20m2・g-1)、Co3O4ナノ粒子(Sigma Aldrich,99.5%,36m2・g-1)、RuO2ナノ粒子(Sigma Aldrich,99.9%,16.2m2・g-1)といった金属酸化物粒子や、α−MnO2ナノワイヤー(合成,SSABET=85m2・g-1,図11に示したX線回折パターン;α−MnO2の全ての主要なピークが分解しており、意図する相の有効な合成が確認された)といったプロモーターを使用して、Li2O2の電気化学的酸化反応動力学を検討した。S. Devaraj and N. Munichandraiah, J. Phys. Chem. C, 2008, 112, 4406参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。BET比表面積は、Quantachrome ChemBETを使用して測定した。カーボンフリーの金箔(Sigma Aldrich,99.99%)に担持された電極、及びカーボンを含有し、アルミニウム箔(Targray Inc.)に担持された電極をアルゴン充填グローブボックス(MBraun,含水量<0.1ppm,O2含量<1%)中で完成した。すべての製造ツールを使用前に70℃で乾燥させた。すべてのナノ粒子及びVulcan XC72カーボン(Premetek,約100m2・g-1)をBuchi(登録商標)B585ガラスオーブン中で、100℃で30mbar真空下で乾燥させ、空気にさらに暴露せずにグローブボックス内に移した。

0128

以前に報告された以下の方法を使用して、固定されたプロモーター:Li2O2=0.667:1の比を有する、カーボンもバインダーも含まない、金に担持された電極を作製した。K. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。Moの存在下での金箔の脆化のために、Mo促進電極を電池グレードのアルミニウム箔上に付着させた。10mgのプロモーターと15mgのボールミルされたLi2O2(AlfaAesar,≧90%,ボールミリング後約345nm)を1mLの無水2−プロパノール(IPA,Sigma Aldrich,99.5%)中で混合し、30Wの50%パルスで30分間ホーン音波処理した。音波処理後、40μLのスラリーを直径1/2インチの金箔上に滴下キャストして、約0.8mg・cm-2の材料使用量をもたらした。IPAが蒸発したら、金のディスクを2枚の乾燥アルミニウムシートの間に封入し、アルゴン充填ヒートシールバッグに封入した。密閉されたバッグをグローブボックスから取り出し、油圧プレスで5トンでプレスして、プロモーター:Li2O2混合物を金箔上に固定した。

0129

導電性骨格としてVulcan XC72カーボンを含むカーボン含有電極を、#50メイヤーバーを使用して、電池グレードのアルミニウム箔上に、プロモーター:VC:Li2O2:LiNafionバインダー=0.667:1:1:1(#50マイヤーロッドを使用)で付着させた。J. R. Harding, Y.-C. Lu, Y. Tsukada and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2012, 14, 10540、及びK. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。インキャスティング前に、75mgのVulcan XC72、50mgのプロモーター、75mgのLi2O及び75mg相当のIPA分散リチウム置換ナフィオン(LiNafion,Dupont)をIPA中で30Wの50%パルスで30分間ホーン音波処理した。全ての電極をBuchi(登録商標)真空オーブン中で70℃で最低12時間乾燥させ、周囲環境への暴露なしにグローブボックス内に移した。電気化学セルの製造は、アルゴン充填グローブボックス(Mbraun,H2O<0.1ppm,O2<0.1%)内で大気暴露なしに行った。

0130

電気化学試験
Li2O2の酸化反応速度を、直径18mmのリチウム箔(ドイツ国のChemetall)、1,2-ジメトキシエタン中の150μLの0.1M LiClO4(0.1M LiClO4/DME,BASF,カールフィッシャー滴定によりH2O<20ppm未満)、2枚のCelgard C480、及びLi2O2が予め添加された電極からなる電気化学セルで調べた。これらのセルは、VMP3ポテンシオスタット(BioLogic Inc.)を使用して定電位で試験した。

0131

X線吸収分光法
Ex situ X線吸収分光法は、Canadian Light SourceのSGMビームラインにおいて、真空中で第1列遷移金属のL端で実施した。モリブデンのL端は、Canadian Light SourceののSXRMBビームラインにおいて真空中で記録し、また、Advanced Photon Sourceの9−BM−Bビームラインステーションにおいてヘリウム雰囲気中で記録した。クロムK端は、National Synchrotron Light SourceのビームラインX11Aでヘリウム雰囲気中で収集した。すべてのスペクトルは、室温で表面感受性電子収率モード(surface sensitive electron yield)で得た。以前に報告されたようにスペクトルを処理した。K. P. C. Yao, Y.-C. Lu, C. V. Amanchukwu, D. G. Kwabi, M. Risch, J. Zhou, A. Grimaud, P. T. Hammond, F. Barde and Y. Shao-Horn, Phys. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 2297、及びM. Risch, A. Grimaud, K. J. May, K. A. Stoerzinger, T. J. Chen, A. N. Mansour and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. C, 2013, 117, 8628参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。エネルギー軸は、適切な金属対標準に対して較正した。ナノ粒子粉末、未充電電極、部分的に充電された電極、及び完全に充電された電極について、プロモーター金属の(Mo,Cr,Co,Mn)のL端を収集した。MoO2(Alfa-Aesar,99%)、MoO3(Sigma Aldrich,99.98%)、Li2MoO4(Alfa Aesar,99.92%)、Mo箔(Sigma Aldrich,99.9%)についてのMo L端スペクトルと、K2CrO4(Alfa Aesar,99%)のCr K端を収集し、対照標準として使用した。

0132

誘導結合プラズマ原子発光スペクトル
Mo、Cr、Co、Co3O4及びα−MnO2の存在下におけるLi2O2の電気化学的酸化の後、誘導結合プラズマ原子発光スペクトル(ICP−AES)を電解質から収集した。遷移金属含有化学種の分解物リチウムアノード上を覆いうるため、これはリチウム箔||50μLの0.1M LiClO4/DMEを含むCelgard C480||Ohara固体電解質||100μLの0.1M LiClO4/DMEを含むCelgard C480||カーボンフリーLi2O2添加電極から成る、Gasteigerらによって報告された「2コンパートメント(2-compartment)」セルを利用した。R. Bernhard, S. Meini and H. A. Gasteiger, J. Electrochem. Soc., 2014, 161, A497参照。その全内容は引用により本明細書に援用する。Li2O2電極に接するC480セパレータを充電後に集め、DME(BASF,H2O<カールフィッシャー滴定で20ppm)中に浸漬し、これを固体電解質の表面をすすぐために使用した全部で3mLのDMEと合わせた。次いで、得られたDME溶液を7000rpmで10分間遠心分離して固体粒子を除去し、その後、新しいバイアルピペットで移し入れ、ホットプレート上で40℃でゆっくりと蒸発させた。乾燥したバイアルに0.5mLの37質量%HClを加えて固体析出物を全て溶解させ、次いで、ホットプレート上でゆっくりと蒸発させた。最後に、バイアルを10mLの2質量%硝酸(Sigma Aldrich,TraceSelect(登録商標))ですすぎ、ICPサンプルを生じさせた。また、Mo(RICCA CHEMICAL COMPANY(登録商標),3%HNO3中1000ppm,微量のHFを含む)と、標準溶液(Fluka TraceCERT(登録商標),2%HNO3中1000ppm)からのCr、Co及びMnについての0ppm、1ppm、2ppm及び5ppmのICP標準も生じさせた。ICP−AESデータは、Horiba ACTIVA-S分光計を使用して収集した。

0133

DEMS実験のための電極の作製
DEMSを使用するさらなる調査のために、上で発見した最も活性の高い金属ナノ粒子、すなわちMo(US Research Nanomaterial Inc.,純度=99.9%,SSABET=4m2・g-1)、Cr(US Research Nanomaterial Inc.,99.9%,26m2・g-1)、Ru(Sigma Aldrich,≧98%,23m2・g-1)を選択した。これらの3種のプロモーターナノ粒子を含むVulcan XC72(VC,Premetek,約100m2・g-1)カーボン担持電極は、アルゴン充填グローブボックス(MBraun、含水量<0.1ppm、O2含量<1%)中で作製した。#50マイヤーロッド、電池グレードアルミ箔(Targray Inc.)及びCelgard C480セルセパレータシート(Celgard Inc.)からなる製造用具を使用前に70℃で乾燥させた。VC、Mo、Cr及びRuのナノ粒子粉末をBuchi(登録商標)B585オーブン中、30mbarの真空下で100℃で乾燥させた。乾燥ナノ粒子の移動は、Buchi(登録商標)真空管内で、周囲空気から隔離して行った。

0134

VC:(Mo,Cr,Ru):LiNafion=1:0.667:1(質量比)の酸素電極を、Celgard C480のシート上へのインキキャスティングにより得た。75mgのVulcan XC72、50mgのプロモーターと75mg相当のIPA分散リチウム置換Nafion(LiNafion、Dupont)の混合物を、30Wの50%パルスで30分間ホーン音波処理することにより、IPA中に均質化した。同様に、アルミニウムのシート上にインキキャスティングすることにより、VC:(Mo,Cr,Ru):Li2O2:LiNaF3=1:0.667:1:1(質量比)のLi2O2が予め添加された電極を得た。75mgのVulcan XC72、50mgのプロモーター、75mgのLi2O2(AlfaAesar、90%超、ボールミリング後約345nm)及び75mg相当のIPA分散LiNafionの混合物を、30Wの50%パルスで30分間ホーン音波処理することにより、IPA中に均質化した。
グローブボックスの嫌気的環境内で、直径1/2インチのディスクを打ち抜き、Buchi(登録商標)オーブンチューブ真空チューブ内に固定し、セル組立て前に70℃で最低12時間乾燥させた。

実施例

0135

DEMS実験
O2電極又はLi2O2が予め添加された電極のいずれかで作られた電気化学セルを、アルゴングローブボックス(MBraun、含水量<0.1ppm、O2含量<0.1ppm)内で作製し、DEMS測定にかけた。全てのセルは、150μLのリチウム箔(RockWood Lithium Inc.)、ジグライム(モレキュラーシーブ上で乾燥後に公称で20ppm)中の0.1Mのリチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド(LiTFSI)、及びLi2O2が予め添加された電極から成っていた。リチウム箔||ジグライム中の0.1M LiTFSIを150μL含む2枚のCelgard C480セパレーター||0.5インチ電極を、内部容積約2.9mLのカスタムセルに組み立てた、McCloskeyら及びJonathonら25,26により報告された設計に基づくインハウスのDEMSを使用して放電中の酸素消費と充電時のガス発生監視した。B. D. McCloskey, D. S. Bethune, R. M. Shelby, G. Girishkumar and A. C. Luntz, J. Phys. Chem. Lett., 2011, 2, 1161、J. R. Harding, C. V. Amanchukwu, P. T. Hammond and Y. Shao-Horn, J. Phys. Chem. C, 2015, 119, 6947、及びJ. R. Harding, in Chemical Engineering, Massachusetts Institute of Technology, hdl.handle.net/1721.1/98707, 2015参照。これらの各々の全内容を引用により本明細書に援用する。O2電極の200mA・g-1カーボン=300mA・g-1プロモーターでの定電流放電中の酸素消費量を、2秒間隔で圧力降下を監視することにより定量した。O2電極及びLi2O2が予め添加された電極の両方の定電位充電中のO2、CO2及びH2Oの発生を、圧力モニタリングと結合した質量分析器を使用して15分間隔で定量した。本明細書に提示される全ての図における電気化学的測定値及びDEMS測定値をマッチさせるために線形補間を使用した。DEMSとセル技術の詳細はオンラインで入手できる。マサチューセッツ工科大学のケミカルエンジニアリングのJ. R. Harding, hdl.handle.net/1721.1/98707,2015参照。その全内容を引用により本明細書に援用する。
他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内にある。

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