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技術 粘着シート、剥離シート付き粘着シート及び積層体

出願人 王子ホールディングス株式会社
発明者 山本真之山口貴迪
出願日 2019年7月26日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-137561
公開日 2021年2月18日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-020998
状態 未査定
技術分野 積層体(2) 接着テープ 接着剤、接着方法
主要キーワード 耐アウトガス性 多層基材 無電極紫外線ランプ アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤 積層サンプル 片面粘着シート 積層体サンプル 剥離力差
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図面 (2)

課題

本発明は、後硬化後に優れた耐アウトガス性耐黄変性を発揮する粘着シートを提供することを課題とする。

解決手段

本発明は、粘着剤組成物半硬化状態とした粘着剤層を有する粘着シートであって、粘着剤組成物が架橋性メタアクリル共重合体架橋剤、アクリロイル基を一つ有する単官能単量体、アクリロイル基を2つ有する多官能単量体及び光重合開始剤を含有し、架橋性(メタ)アクリル共重合体はt−ブチルメタクリレート由来する単位を有し、単官能単量体はラウリル(メタ)アクリレートであり、多官能単量体はビスフェノール骨格を有するジアクリレートである、粘着シートに関する。

概要

背景

従来、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの表示装置と組み合わせて用いられる入力装置が広く用いられている。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合せる用途に透明な粘着シートが使用されており、表示装置と入力装置との貼合にも透明な粘着シートが使用されている。

粘着シートを形成する粘着剤組成物重合方法としては、下記のような数通りの重合方法があることが知られている。具体的には、熱による重合活性エネルギー線による重合、熱(又は活性エネルギー線)による重合をした後に、活性エネルギー線(又は熱)による重合を行う2段重合といった方法がある。

熱(又は活性エネルギー線)による重合をした後に、活性エネルギー線(又は熱)による重合を行う2段重合により形成される粘着シートは、熱硬化性および活性エネルギー線硬化性の両方を備える粘着剤組成物(以下、「デュアル硬化型粘着剤組成物」ということがある。)から形成される。例えば、被着体と貼合する前に、粘着剤組成物を熱硬化し、被着体に仮接着させた後、さらに活性エネルギー線を照射することにより粘着剤組成物を完全に硬化させる(後硬化またはアフターキュアと言われる)。これにより、粘着剤層は被着体に強固に接着する。

特許文献1には、非架橋性メタアクリル酸エステル単位(a1)及び架橋性官能基を有するアクリル単量体単位(a2)を含むベースポリマー(A)と、ラウリルアクリレート(b1)を含む単量体(B)と、熱によりベースポリマー(A)と反応する架橋剤(C)と、活性エネルギー線の照射により単量体(B)の重合反応を開始させる重合開始剤(D)と、溶剤(E)と、を含有する粘着剤組成物を加熱により半硬化させてなる粘着剤層を含む粘着シートが記載されている。

概要

本発明は、後硬化後に優れた耐アウトガス性耐黄変性を発揮する粘着シートを提供することを課題とする。本発明は、粘着剤組成物を半硬化状態とした粘着剤層を有する粘着シートであって、粘着剤組成物が架橋性(メタ)アクリル共重合体、架橋剤、アクリロイル基を一つ有する単官能単量体、アクリロイル基を2つ有する多官能単量体及び光重合開始剤を含有し、架橋性(メタ)アクリル共重合体はt−ブチルメタクリレート由来する単位を有し、単官能単量体はラウリル(メタ)アクリレートであり、多官能単量体はビスフェノール骨格を有するジアクリレートである、粘着シートに関する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

粘着剤組成物半硬化状態とした粘着剤層を有する粘着シートであって、前記粘着剤組成物が架橋性メタアクリル共重合体架橋剤、アクリロイル基を一つ有する単官能単量体、アクリロイル基を2つ有する多官能単量体及び光重合開始剤を含有し、前記架橋性(メタ)アクリル共重合体はt−ブチルメタクリレート由来する単位を有し、前記単官能単量体はラウリル(メタ)アクリレートであり、前記多官能単量体はビスフェノール骨格を有するジアクリレートである、粘着シート。

請求項2

前記粘着シートに積算光量が3000mJ/cm2となるように活性エネルギー線照射後硬化粘着シートとし、前記後硬化粘着シートを105℃で500時間処理したときの処理前後のL*a*b*色空間におけるb値の変化量(Δb*)が0.5未満であり、かつ色差(ΔE*ab値)が1未満である、請求項1に記載の粘着シート。

請求項3

前記架橋性(メタ)アクリル共重合体における、t−ブチルメタクリレートに由来する単位の含有量は、前記架橋性(メタ)アクリル共重合体の全質量に対して15〜40質量%である、請求項1又は2に記載の粘着シート。

請求項4

前記ラウリル(メタ)アクリレートの含有量は、前記架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、5〜30質量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項5

前記ビスフェノール骨格を有するジアクリレートの含有量は、前記架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、1〜10質量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項6

前記光重合開始剤が、濃度0.1質量%のアセトニトリル溶液における波長380nmの吸光度が0.2以上である光重合開始剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項7

前記架橋剤が2〜4官能イソシアネート系架橋剤及び2〜4官能のエポキシ系架橋剤から選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項8

第1部材貼合用であり、前記第1部材は、樹脂板樹脂シート及び樹脂フィルムから選択される少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項9

第2部材貼合用であり、前記第2部材は、ガラス板、樹脂板、樹脂シート及び樹脂フィルムから選択される少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項10

前記樹脂板、前記樹脂シート及び前記樹脂フィルムが、ポリカーボネート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選択される少なくとも1種を含む、請求項8又は9に記載の粘着シート。

請求項11

請求項1〜10のいずれか1項に記載の粘着シートの両表面に剥離力が互いに異なる1対の剥離シートを備える剥離シート付き粘着シート

請求項12

請求項1〜10のいずれか1項に記載の粘着シートの粘着剤層に活性エネルギー線を照射して後硬化させた後硬化後の粘着剤層と、前記後硬化後の粘着剤層の一方の面側に第1部材を備え、前記後硬化後の粘着剤層の他方の面側に第2部材を備える、積層体

技術分野

0001

本発明は、粘着シート剥離シート付き粘着シート及び積層体に関する。

背景技術

0002

従来、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの表示装置と組み合わせて用いられる入力装置が広く用いられている。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合せる用途に透明な粘着シートが使用されており、表示装置と入力装置との貼合にも透明な粘着シートが使用されている。

0003

粘着シートを形成する粘着剤組成物重合方法としては、下記のような数通りの重合方法があることが知られている。具体的には、熱による重合活性エネルギー線による重合、熱(又は活性エネルギー線)による重合をした後に、活性エネルギー線(又は熱)による重合を行う2段重合といった方法がある。

0004

熱(又は活性エネルギー線)による重合をした後に、活性エネルギー線(又は熱)による重合を行う2段重合により形成される粘着シートは、熱硬化性および活性エネルギー線硬化性の両方を備える粘着剤組成物(以下、「デュアル硬化型粘着剤組成物」ということがある。)から形成される。例えば、被着体と貼合する前に、粘着剤組成物を熱硬化し、被着体に仮接着させた後、さらに活性エネルギー線を照射することにより粘着剤組成物を完全に硬化させる(後硬化またはアフターキュアと言われる)。これにより、粘着剤層は被着体に強固に接着する。

0005

特許文献1には、非架橋性メタアクリル酸エステル単位(a1)及び架橋性官能基を有するアクリル単量体単位(a2)を含むベースポリマー(A)と、ラウリルアクリレート(b1)を含む単量体(B)と、熱によりベースポリマー(A)と反応する架橋剤(C)と、活性エネルギー線の照射により単量体(B)の重合反応を開始させる重合開始剤(D)と、溶剤(E)と、を含有する粘着剤組成物を加熱により半硬化させてなる粘着剤層を含む粘着シートが記載されている。

先行技術

0006

特開2016−084391号公報

発明が解決しようとする課題

0007

粘着シートを、例えばアウトガスを発生させやすい樹脂板等に貼合する場合においては、粘着シートと樹脂板の界面や、粘着シート中に気泡が発生する場合がある。また、近年は、粘着シートを貼合した光学部材が高温高湿環境といった過酷環境下で使用される場合もあり、このような環境下においては、粘着シートが黄変する場合があり問題となっていた。

0008

そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、後硬化後の粘着シートにおいて、耐アウトガス性耐黄変性を高めることを目的として検討を進めた。

課題を解決するための手段

0009

上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、半硬化状態の粘着剤層を有する粘着シートを構成する粘着剤組成物に、所定構造を有する架橋性(メタ)アクリル共重合体、架橋剤、ラウリル(メタ)アクリレート、ビスフェノール骨格を有するジアクリレート及び光重合開始剤を配合することにより、後硬化後の粘着剤層が優れた耐アウトガス性と耐黄変性を発揮し得ることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。

0010

[1]粘着剤組成物を半硬化状態とした粘着剤層を有する粘着シートであって、
粘着剤組成物が架橋性(メタ)アクリル共重合体、架橋剤、アクリロイル基を一つ有する単官能単量体、アクリロイル基を2つ有する多官能単量体及び光重合開始剤を含有し、
架橋性(メタ)アクリル共重合体はt−ブチルメタクリレート由来する単位を有し、
単官能単量体はラウリル(メタ)アクリレートであり、
多官能単量体はビスフェノール骨格を有するジアクリレートである、粘着シート。
[2] 粘着シートに積算光量が3000mJ/cm2となるように活性エネルギー線を照射し後硬化粘着シートとし、後硬化粘着シートを105℃で500時間処理したときの処理前後のL*a*b*色空間におけるb値の変化量(Δb*)が0.5未満であり、かつ色差(ΔE*ab値)が1未満である、[1]に記載の粘着シート。
[3] 架橋性(メタ)アクリル共重合体における、t−ブチルメタクリレートに由来する単位の含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体の全質量に対して15〜40質量%である、[1]又は[2]に記載の粘着シート。
[4] ラウリル(メタ)アクリレートの含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、5〜30質量部である、[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着シート。
[5] ビスフェノール骨格を有するジアクリレートの含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、1〜10質量部である、[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着シート。
[6] 光重合開始剤が、濃度0.1質量%のアセトニトリル溶液における波長380nmの吸光度が0.2以上である光重合開始剤である、[1]〜[5]のいずれかに記載の粘着シート。
[7] 架橋剤が2〜4官能イソシアネート系架橋剤及び2〜4官能のエポキシ系架橋剤から選択される少なくとも1種である、[1]〜[6]のいずれかに記載の粘着シート。
[8] 第1部材貼合用であり、
第1部材は、樹脂板、樹脂シート及び樹脂フィルムから選択される少なくとも1種である、[1]〜[7]のいずれかに記載の粘着シート。
[9] 第2部材貼合用であり、
第2部材は、ガラス板、樹脂板、樹脂シート及び樹脂フィルムから選択される少なくとも1種である、[1]〜[8]のいずれかに記載の粘着シート。
[10] 樹脂板、樹脂シート及び樹脂フィルムが、ポリカーボネート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選択される少なくとも1種を含む、[8]又は[9]に記載の粘着シート。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の粘着シートの両表面に剥離力が互いに異なる1対の剥離シートを備える剥離シート付き粘着シート。
[12] [1]〜[10]のいずれかに記載の粘着シートの粘着剤層に活性エネルギー線を照射して後硬化させた後硬化後の粘着剤層と、後硬化後の粘着剤層の一方の面側に第1部材を備え、後硬化後の粘着剤層の他方の面側に第2部材を備える、積層体。

発明の効果

0011

本発明によれば、後硬化後に優れた耐アウトガス性と耐黄変性を発揮する粘着シートを得ることができる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、剥離シートもしくは基材を有する粘着シートの断面を表す概略図である。

0013

以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。

0014

なお、本明細書において、 “(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表す。また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”は同義であり、“重合体”と“ポリマー”は同義である。

0015

<粘着シート>
本発明の粘着シートは、粘着剤組成物を半硬化状態とした粘着剤層を有する。ここで、粘着剤組成物は、架橋性(メタ)アクリル共重合体、架橋剤、アクリロイル基を一つ有する単官能単量体、アクリロイル基を2つ有する多官能単量体及び光重合開始剤を含有する。ここで、架橋性(メタ)アクリル共重合体はt−ブチルメタクリレートに由来する単位を有し、単官能単量体はラウリル(メタ)アクリレートであり、多官能単量体はビスフェノール骨格を有するジアクリレートである。

0016

上記構成により、本発明の粘着シートは、後硬化後に優れた耐アウトガス性と耐黄変性を発揮することができる。本発明の粘着シートにおいては、架橋性(メタ)アクリル共重合体がt−ブチルメタクリレートに由来する単位を含有することにより、後硬化後の粘着シートが高温や高湿環境といった過酷環境下で使用された場合であっても、黄変することが抑制されている。さらに、粘着剤組成物において、単官能単量体としてラウリル(メタ)アクリレートと、多官能単量としてビスフェノール骨格を有するジアクリレートを併用することにより、耐アウトガス性をより効果的に高めることができる。このように、本発明の粘着シートは、優れた耐アウトガス性と耐黄変性を兼ね備えている。
一方で、本発明の粘着シートは、後硬化前は半硬化状態の粘着剤層を有するため半硬化状態では柔軟性に優れており半硬化状態で被着体へ貼着することにより被着体への密着性が優れ、例えば、被着体が曲面を有していたり、段差部を有している場合であっても、被着体の形状に追従して優れた密着性を発揮する。そして、このような状態で後硬化が行われるため、粘着剤層は被着体に強固に接着することができる。このように、本発明の粘着シートは、後硬化には、被着体に強固に接着しつつ、優れた耐アウトガス性と耐黄変性を発揮する。

0017

本明細書においては、後硬化後の粘着シートの耐アウトガス性は、粘着剤層の両面に被着体を貼着して積層体を作製した後、積算光量が3000mJ/cm2となるように紫外線を照射し、105℃、相対湿度10%以下の環境下に置き、500時間後の積層体について目視確認を行うことで評価できる。具体的には、積層体に気泡、浮き及び剥がれが見られないことが好ましい。

0018

本明細書においては、後硬化後の粘着シートの耐黄変性は、L*a*b*色空間におけるb値の変化量(Δb*)と、色差(ΔE*ab値)を算出することで評価することができる。具体的には、本発明の粘着シートに積算光量が3000mJ/cm2となるように活性エネルギー線を照射し後硬化粘着シートとした後、該後硬化粘着シートを105℃で500時間処理したときの処理前後のL*a*b*色空間におけるb値の変化量(Δb*)と色差(ΔE*ab値)を以下の式を用いて算出する。
式1)
ΔE*ab=[(L*1−L*0)2+(a*1−a*0)2+(b*1−b*0)2]1/2
式2)
Δb*=b*1−b*0
ここで、L*0は後硬化粘着シートを105℃で500時間処理する前のL*値であり、a*0は後硬化粘着シートを105℃で500時間処理する前のa*値であり、b*0は後硬化粘着シートを105℃で500時間処理する前のb*値である。また、L*1は後硬化粘着シートを105℃で500時間処理した後のL*値であり、a*1は後硬化粘着シートを105℃で500時間処理した後のa*値であり、b*1は後硬化粘着シートを105℃で500時間処理した後のb*値である。
Δb*の値は、0.5未満であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましい。また、ΔE*abの値は、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.8以下であることがさらに好ましく、0.7以下であることが一層好ましく、0.6以下であることが特に好ましい。

0019

<粘着シートの構成>
本発明の粘着シートは、粘着剤層を有する。粘着シートは、粘着剤層のみから構成される単層の粘着シートであってもよい。また、粘着シートは、片面に基材(好ましくは透明基材)を備えた片面粘着シートでも、両面粘着シートでもよい。両面粘着シートとしては、粘着剤層からなる単層の粘着シート、粘着剤層を複数積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に他の粘着剤層を積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に支持体を積層した多層の粘着シート、支持体の片面に粘着剤層が積層し、他方の面に他の粘着剤層が積層した多層の粘着シートが挙げられる。両面粘着シートが支持体を有する場合、支持体として透明な支持体を用いたものが好ましい。支持体としては、透明基材と同様に光学分野に用いられる一般的なフィルムを用いることができる。このような両面粘着シートは、粘着シート全体としての透明性にも優れることから、光学部材同士の接着に好適に用いることができる。

0020

本発明の粘着シートは両面粘着シートであることが好ましい。また、本発明は、粘着シートの両表面に剥離シートを備える剥離シート付き粘着シートに関するものであってもよい。本発明の粘着シートの両表面に剥離シートが備えられている場合、図1に示されるように剥離シート付き粘着シート10は、粘着剤層11の両表面に剥離シート12a及び12bを有することが好ましい。

0021

剥離シートとしては、剥離シート用基材とこの剥離シート用基材の片面に設けられた剥離剤層とを有する剥離性積層シート、あるいは、低極性基材としてポリエチレンフィルムポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。
剥離性積層シートにおける剥離シート用基材には、紙類高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用付加型もしくは縮合型シリコーン系剥離剤長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−4527、SD−7220等や、信越化学工業(株)製のKS−3600、KS−774、X62−2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO2単位と(CH3)3SiO1/2単位あるいはCH2=CH(CH3)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−843、SD−7292、SHR−1404等や、信越化学工業(株)製のKS−3800、X92−183等が挙げられる。
剥離性積層シートとして、市販品を用いてもよい。例えば、帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである重セパレータフィルムや、帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである軽セパレータフィルムを挙げることができる。

0022

剥離シート付き粘着シートは、粘着シートの両表面に剥離力が互いに異なる1対の剥離シートを有することが好ましい。すなわち、剥離シートは、剥離しやすくするために、剥離シート12aと剥離シート12bとの剥離性を異なるものとすることが好ましい。一方からの剥離性と他方からの剥離性とが異なると、剥離性が高い方の剥離シートだけを先に剥離することが容易となる。その場合、貼合方法や貼合順序に応じて剥離シート12aと剥離シート12bの剥離性を調整すればよい。

0023

また、本発明は、粘着シートの少なくとも一方の面に透明フィルムを備える透明フィルム付き粘着シートに関するものであってもよい。この場合、透明フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アクリルフィルムポリカーボネートフィルムトリアセチルセルロースフィルム及びシクロオレフィンポリマーフィルムから選択される少なくとも1種であることが好ましい。透明フィルム付き粘着シートは、透明フィルム/粘着シート/剥離シートがこの順で積層されたシートであってもよい。

0024

<粘着剤層>
本発明の粘着シートは、粘着剤組成物を半硬化状態とした粘着剤層を有し、粘着剤層は後硬化性を有する。なお、粘着シートは、粘着剤層からなるものであってもよい。

0025

本明細書では、以下の条件で活性エネルギー線を照射もしくは加熱したことにより、粘着剤層のゲル分率が10質量%以上高まった場合に、照射もしくは加熱前の粘着剤層は半硬化状態であるとする。この場合、粘着剤層が活性エネルギー線を照射することで後硬化する場合、粘着剤層の両面に光学用透明PETセパレーターを貼合し、光学用透明PETセパレーター側から活性エネルギー線(高圧水銀灯又はメタルハライドランプ)を積算光量が3000mJ/cm2となるように照射する。なお、粘着剤層が加熱により後硬化する場合、粘着剤層の両表面にセパレータフィルム(剥離シート)を貼合した状態で100℃のオーブンにて1時間加熱処理を行う。
中でも、粘着剤層の半硬化状態でのゲル分率は、10質量%以上70質量%未満であることが好ましく、20質量%以上65質量%未満であることがより好ましい。また、後硬化後の粘着剤層のゲル分率は、65〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましい。

0026

粘着剤層のゲル分率は、以下の方法で測定した値である。まず、粘着シート(粘着剤層)約0.1gをサンプル瓶採取し、酢酸エチル30mlを加えて24時間振とうする。その後、このサンプル瓶の内容物を150メッシュステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で1時間乾燥して乾燥質量(g)を測定する。得られた乾燥質量から下記式1によりゲル分率を求める。
ゲル分率(質量%)=(乾燥質量/粘着シートの採取質量)×100・・・式1

0027

本明細書において、「半硬化状態」は、熱硬化後の状態であることが好ましい。そして、その後に活性エネルギー線を照射することで「後硬化」することが好ましい。すなわち、「半硬化状態」は、熱硬化後の状態であって、活性エネルギー線照射前の柔らかい粘着剤層であることが好ましい。なお、「後硬化」は、熱又は活性エネルギー線によって粘着剤層を完全に硬化する工程であることが好ましく、活性エネルギー線によって粘着剤層を完全に硬化する工程であることがより好ましい。すなわち、本発明の粘着シートの粘着剤層は、粘着剤組成物を熱硬化させて半硬化状態となっていることが好ましく、かつ、活性エネルギー線硬化性を有することが好ましい。

0028

粘着剤層の厚みは、用途に応じて適宜設定でき、特に限定されないが、5〜1000μmであることが好ましく、8〜500μmであることがより好ましく、10〜300μmであることが特に好ましい。粘着剤層の厚みを上記範囲内とすることにより、粘着剤のはみ出しやべたつきを抑制することができるため加工性を高めることができる。さらに、粘着剤層の厚さを上記範囲内とすることにより、両面粘着シートの製造が容易となる。

0029

粘着剤層のJIS Z 0237に準じた方法で測定された剥離速度300mm/minの対ガラス粘着力は、半硬化状態では1〜25N/25mmであることが好ましく、3〜20N/25mmであることがより好ましく、後硬化後は10〜50N/25mmであることが好ましく、15〜45N/25mmであることがより好ましい。粘着剤層の対ガラス粘着力を上記範囲内とすることにより粘着剤層の意図せぬ剥がれを抑制できる一方で、誤って貼合した場合に容易に再剥離が可能となる。

0030

<粘着剤組成物>
上述の粘着剤層は、粘着剤組成物を半硬化状態としたものである。本発明で用いられる粘着剤組成物は、デュアル硬化型粘着剤組成物である。

0031

粘着剤組成物は架橋性(メタ)アクリル共重合体、架橋剤、アクリロイル基を一つ有する単官能単量体、アクリロイル基を2つ有する多官能単量体及び光重合開始剤を含有する。

0032

(架橋性(メタ)アクリル共重合体)
架橋性(メタ)アクリル共重合体は、t−ブチルメタクリレートに由来する単位を有する。また、架橋性(メタ)アクリル共重合体は、t−ブチルメタクリレートに由来する単位の他に、非架橋性(メタ)アクリル酸エステル単位(a1)をさらに有していてもよく、架橋性官能基を有するアクリル単量体単位(a2)をさらに含有するものであってもよい。なお、本明細書および特許請求の範囲において、「単位」は重合体を構成する繰り返し単位単量体単位)である。

0033

架橋性(メタ)アクリル共重合体は、t−ブチルメタクリレートに由来する単位を有し、架橋性(メタ)アクリル共重合体における、t−ブチルメタクリレートに由来する単位の含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体の全質量に対して15質量%以上であることが好ましく、18質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、25質量%以上であることが特に好ましい。また、t−ブチルメタクリレートに由来する単位の含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体の全質量に対して40質量%以下であることが好ましい。t−ブチルメタクリレートに由来する単位の含有量を上記範囲内とすることにより、本発明の粘着シートは後硬化後により優れたに耐黄変性を発揮することができ、また加工性を高めることできる。

0034

架橋性(メタ)アクリル共重合体は、t−ブチルメタクリレートに由来する単位の他に、耐黄変性を妨げない範囲で非架橋性(メタ)アクリル酸エステル単位(a1)をさらに有していてもよい。非架橋性(メタ)アクリル酸エステル単位(a1)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰り返し単位である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。これらは1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、粘着性が高くなることから、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルから選ばれる少なくとも1種類が好ましい。

0035

架橋性(メタ)アクリル共重合体は、t−ブチルメタクリレートに由来する単位の他に、架橋性官能基を有するアクリル単量体単位(a2)をさらに含有するものであってもよい。この場合、架橋性官能基を有するアクリル単量体単位(a2)は、カルボキシ基含有単量体単位、ヒドロキシ基含有単量体単位、アミノ基含有単量体単位グリシジル基含有単量体単位であることが好ましい。
カルボキシ基含有単量体単位としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
ヒドロキシ基含有単量体単位は、ヒドロキシ基含有単量体に由来する繰り返し単位である。ヒドロキシ基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基含有単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリルアミドアリルアミン等のアミノ基含有単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
グリシジル基含有単量体単位としては、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。

0036

架橋性(メタ)アクリル共重合体が架橋性官能基を有するアクリル単量体単位(a2)をさらに含有する場合、架橋性官能基を有するアクリル単量体単位(a2)は、ヒドロキシ基含有単量体単位であることが好ましい。架橋性(メタ)アクリル共重合体がヒドロキシ基含有単量体単位を有することにより、より効果的に、粘着シートの黄変を抑制することができる。さらに、架橋性(メタ)アクリル共重合体がヒドロキシ基含有単量体単位を有することにより、樹脂板などの被着体に対してより良好な接着性を発揮することができる。

0037

架橋性(メタ)アクリル共重合体における架橋性官能基を有するアクリル単量体単位(a2)の含有量は0.5〜50質量%であることが好ましく、1.0〜40質量%であることがより好ましい。架橋性官能基を有するアクリル単量体単位(a2)の含有量が上記範囲の下限値以上であれば、半硬化状態を維持するために必要な架橋性を十分に有しており、上記範囲の上限値以下であれば必要な粘着性を維持しやすい。

0038

架橋性(メタ)アクリル共重合体における架橋性官能基を有するアクリル単量体単位が、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する単位である場合、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する単位の含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体の全質量に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する単位の含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体の全質量に対して、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する単位の含有量を上記範囲内とすることにより、被着体への密着性をより高めることができる。

0039

なお、架橋性(メタ)アクリル共重合体においては、カルボキシ基含有単量体単位の含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体の全質量に対して、1質量%以下であることが好ましく、0質量%であってもよい。カルボキシ基含有単量体単位としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。

0040

窒素含有単量体
架橋性(メタ)アクリル共重合体は、窒素含有単量体に由来する単位をさらに含んでもよい。窒素含有単量体は、1分子内に窒素元素を含有する単量体である。窒素含有単量体としては、例えば、ジメチルアクリルアミドジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンヒドロキシエチルアクリルアミドメチロールアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタムN−ビニル−2−ピロリドン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルホルムアミド等を挙げることができる。中でも、窒素含有単量体は、アクリルアミド誘導体、アミノ基含有モノマー及び含窒素複素環含有モノマーから選択される少なくとも1種であることが好ましく、アクリルアミド誘導体であることがより好ましい。アクリルアミド誘導体は、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクリロイルモルホリンから選択される少なくとも1種であることがさらに好ましく、ジメチルアクリルアミドであることが特に好ましい。架橋性(メタ)アクリル共重合体が、上述したような窒素含有単量体に由来する単位を含むことにより、半硬化状態の粘着剤層は、基材に対して密着しやすくなる一方で、後硬化後の粘着剤層は高硬度となり、耐アウトガス性をより高めることができる。

0041

架橋性(メタ)アクリル共重合体が窒素含有単量体に由来する単位を含む場合、窒素含有単量体に由来する単位の含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体の全質量に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、窒素含有単量体に由来する単位の含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体の全質量に対して、20質量%以下であることが好ましい。

0042

架橋性(メタ)アクリル共重合体は、必要に応じて、他の単量体単位を有してもよい。他の単量体は、上述したアクリル単量体と共重合可能なものであればよく、例えば(メタ)アクリロニトリル酢酸ビニルスチレン塩化ビニルビニルピロリドンビニルピリジン等が挙げられる。架橋性(メタ)アクリル共重合体における他の単量体単位の含有量は20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。

0043

<架橋性(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量
架橋性(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量は、10万〜200万が好ましく、20万〜150万がより好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であると、粘着シートの半硬化状態を維持しやすく、かつ後硬化後の硬度を出しやすく、加工性に優れる。なお、架橋性(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量は架橋剤で架橋される前の値である。重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定し、ポリスチレン基準で求めた値である。架橋性(メタ)アクリル共重合体としては、市販のものを用いてもよく、公知の方法により合成したものを用いてもよい。

0044

(架橋剤)
粘着剤組成物は架橋剤を含有する。架橋剤は、架橋性(メタ)アクリル共重合体が有する架橋性官能基との反応性を考慮して適宜選択できる。例えばイソシアネート化合物エポキシ化合物オキサゾリン化合物アジリジン化合物金属キレート化合物ブチル化メラミン化合物などの公知の架橋剤の中から選択できる。これらの中でも、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを容易に架橋できることから、イソシアネート化合物やエポキシ化合物を用いることが好ましい。すなわち、架橋剤は2〜4官能のイソシアネート系架橋剤及び2〜4官能のエポキシ系架橋剤から選択される少なくとも1種であることが好ましい。

0045

イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネートキシリレンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。市販品の例としては、トリレンジイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)、キシリレンジイソシアネート化合物(三井化学(株)製、タケネートD−110N)等が挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、TETRAD−C(三菱ガス化学社製)、TETRAD−X三菱ガス化学社製)等が挙げられる。

0046

粘着剤組成物中の架橋剤の含有量は、所望とする粘着性等に応じて適宜選択されるが、架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。架橋剤の含有量を上記範囲内とすることにより、加工性をより高めることができる。なお、架橋剤としては1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよく、2種類以上を併用する場合は、合計質量が上記範囲内であることが好ましい。

0047

(単官能単量体)
粘着剤組成物は、アクリロイル基を一つ有する単官能単量体を含む。ここで、単官能単量体はラウリル(メタ)アクリレートであり、ラウリルアクリレートであることが特に好ましい。粘着剤組成物がラウリル(メタ)アクリレートを含有することで、半硬化状態の粘着シートでは樹脂板やガラスなどの被着体への濡れ性が高くなる一方で、粘着力が高くならないため優れたリワーク性が発揮される。また、粘着シートが完全硬化した後には、粘着シートの耐アウトガス性をより効果的に高めることができる。

0048

ラウリル(メタ)アクリレートの含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、8質量部以上であることがより好ましく、10質量部以上であることがさらに好ましく、15質量部以上であることが特に好ましい。また、ラウリル(メタ)アクリレートの含有量は、架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましい。ラウリル(メタ)アクリレートの含有量を上記範囲内とすることにより、後硬化後の粘着シートの耐アウトガス性をより効果的に高めることができる。

0049

(多官能単量体)
粘着剤組成物は、分子内にビスフェノール骨格を有しかつ(メタ)アクリロイル基を2つ有する単量体(多官能単量体)を含有する。すなわち、粘着剤組成物は、多官能単量体として、ビスフェノール骨格を有するジアクリレートを含有する。本発明においては、1分子内にビスフェノール骨格を有する多官能単量体を用いることにより、後硬化後の粘着剤層の硬度を高めると同時に応力緩和性を付与することができる。

0050

このような多官能単量体としては、例えば、ビスフェノールジグリシジルエーテルのジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAのジアクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテルのジアクリレート等が挙げられる。

0051

多官能単量体として、市販品を使用できる。市販品の例としては、東亞合成社製、二官能モノマーM211B(ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート)、東亞合成社製、二官能モノマーM208(ビスフェノールFエチレンオキサイド変性ジアクリレート)、新中化学社製、二官能モノマーA−BPP−3(プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート)等が挙げられる。

0052

ビスフェノール骨格を有するジアクリレートの含有量は架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましく、5質量部以上であることが特に好ましい。また、ビスフェノール骨格を有するジアクリレートの含有量は架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましい。ビスフェノール骨格を有するジアクリレートの含有量を上記範囲内とすることにより、後硬化後の粘着剤層の硬度をより効果的に高めることができ、粘着シートの加工性を高めることができる。

0053

(光重合開始剤)
粘着剤組成物は光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により多官能単量体や単官能単量体の重合を開始させるものであることが好ましい。ここで、「活性エネルギー線」とは電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、紫外線、電子線、可視光線X線イオン線等が挙げられる。中でも、汎用性の点から、紫外線または電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。

0054

光重合開始剤は、濃度0.1質量%のアセトニトリル溶液における波長380nmの吸光度が0.2以上である光重合開始剤であることが好ましい。このような光重合開始剤を用いることにより、活性エネルギー線の照射により、多官能単量体と単官能単量体の重合反応が進行しやすくなる。

0055

光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ヘニルプロパノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチルプロパノン、2−ヒドロキシ−1−(4−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルベンジル)フェニル)−2−メチル−1−プロパノン等のアルキルフェノン系光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドや、2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤ベンゾイルギ酸メチルや4メチルベンゾフェノン等の分子内水素引き抜き型光重合開始剤の他、オキシムエステル系光重合開始剤カチオン系光重合開始剤などの油溶性重合開始剤を挙げることができる。
この中でもアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤は濃度0.1質量%のアセトニトリル溶液における波長380nmの吸光度が0.2以上であるため、紫外線吸収性能のあるフィルムや樹脂板越しでも重合が開始するため好ましい。
このようなアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としてはIRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド BASF社製)やIRGACURETPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルフォスフィンオキサイド BASF社製)等が挙げられる。

0056

粘着剤組成物中の光重合開始剤の含有量は、単量体の含有量や後硬化させるときの活性エネルギー線の照射量等に応じて適宜選択されが、具体的には、架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。光重合開始剤の含有量を上記範囲内とすることにより、後硬化後の粘着シートにおいて耐アウトガス性と耐黄変性をより効果的に高めることができる。また、光重合開始剤の含有量を上記範囲内とすることにより粘着シートの加工性を高めることもできる。

0057

(溶剤)
粘着剤組成物は、溶剤を含んでいてもよい。この場合、溶剤は、粘着剤組成物の塗工適性の向上のために用いられる。溶剤としては、例えば、ヘキサンヘプタンオクタントルエンキシレンエチルベンゼンシクロヘキサンメチルシクロヘキサン等の炭化水素類ジクロロメタントリクロロエタントリクロロエチレンテトラクロロエチレンジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;メタノールエタノールプロパノールイソプロピルアルコールブタノールイソブチルアルコールジアセトンアルコール等のアルコール類ジエチルエーテルジイソプロピルエーテルジオキサンテトラヒドロフラン等のエーテル類アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンイソホロンシクロヘキサノン等のケトン類酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル酢酸イソブチル酢酸アミル酪酸エチル等のエステル類エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のポリオール及びその誘導体が挙げられる。

0058

粘着剤組成物中の溶剤の含有量は、特に限定されないが、架橋性(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、25〜500質量部が好ましく、30〜400質量部がより好ましい。
また、溶剤の含有量は、粘着剤組成物の全質量に対し、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。溶剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよく、2種類以上を併用する場合は、合計質量が上記範囲内であることが好ましい。

0059

(他の成分)
粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、粘着剤用の添加剤として公知の成分を挙げることができる。例えば可塑剤酸化防止剤金属腐食防止剤粘着付与剤シランカップリング剤紫外線吸収剤ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤等の中から必要に応じて選択できる。また、着色を目的に染料顔料を添加してもよい。

0060

可塑剤としては、例えば無官能基アクリル重合体を用いてもよい。無官能基アクリル重合体としては、アクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位のみからなる重合体や、アクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位と官能基を有しない非アクリル単量体単位とからなる重合体を挙げることができる。無官能基アクリル重合体は架橋しないため、粘着性に影響を与えずに段差追従性を高めることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤アミン系酸化防止剤ラクトン系酸化防止剤リン系酸化防止剤イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
金属腐食防止剤としては、粘着剤の相溶性や効果の高さから、ベンゾリアゾール系樹脂を好ましい例として挙げることができる。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂テルペン系樹脂テルペンフェノール系樹脂クマロンインデン系樹脂スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物ベンゾフェノン系化合物トリアジン系化合物などが挙げられる。

0061

<粘着シートの製造方法>
本発明の粘着シートの製造方法は、剥離シート上に上述した粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成する工程と、この塗膜を加熱により半硬化状態の硬化物とする工程を含むことが好ましい。塗膜の加熱により、架橋性(メタ)アクリル共重合体および架橋剤の反応が進行して半硬化状態の硬化物(粘着剤層)が形成される。つまり、加熱の際、塗膜中では光重合開始剤による多官能単量体や単官能単量体の重合反応が進行しないか、進行してもわずかであるため、粘着剤層中には、粘着剤組成物に含まれる多官能単量体や単官能単量体、並びに光重合開始剤の少なくとも一部が未反応の状態で含まれている。このように本発明の粘着シートは、後硬化性を有し、活性エネルギー線硬化性を有していることが好ましい。

0062

なお、粘着剤組成物を半硬化状態とするためには、塗工後溶剤を除去した後に、一定温度で一定期間粘着シートを静置するエージング処理を施すことが好ましい。エージング処理は例えば、23℃で7日間静置して行うことができる。

0063

半硬化状態の粘着剤層は、基材等の被着体に貼合した後に活性エネルギー線を照射することで後硬化することができる。すなわち、本発明の粘着シートは、2段階硬化型の粘着シートであり、貼合前は熱のみによって半硬化された粘着剤層を有し、貼合後に活性エネルギー線により粘着剤層は後硬化される。

0064

粘着剤組成物の塗工は、公知の塗工装置を用いて実施できる。塗工装置としては、例えば、ブレードコーターエアナイフコーターロールコーターバーコーターグラビアコーターマイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーターダイコーターカーテンコーター等が挙げられる。

0065

粘着剤組成物を塗工して形成される塗膜の加熱には、加熱炉赤外線ランプ等の公知の加熱装置を用いることができる。

0066

<粘着シートの使用方法
本発明の粘着シートの使用方法においては、粘着シートの粘着剤層を被着体表面に接触させることが好ましい。粘着シートの使用方法においては、粘着シートの粘着剤層が半硬化状態のときに被着体と貼合し、活性エネルギー線を照射して粘着剤層を後硬化させることが好ましい。

0067

<粘着シートの用途>
本発明の粘着シートは、基材等の被着体に貼合し、後硬化させた後、高湿熱環境下に曝した場合であっても、気泡の発生を抑制できることができる。本発明の粘着シートは、基材に貼合する用途に用いられる粘着シートであることが好ましく、樹脂板、樹脂シート及び樹脂フィルムから選択される少なくとも1種に貼合する用途に用いられる粘着シートであることがより好ましい。

0068

本発明の粘着シートが両面粘着シートである場合、粘着シートは、第1部材と第2部材に貼合される。この場合、第1部材は、樹脂板、樹脂シート及び樹脂フィルムから選択される少なくとも1種であり、第2部材は、ガラス板、樹脂板、樹脂シート及び樹脂フィルムから選択される少なくとも1種であることが好ましい。

0069

被着体として、樹脂版、樹脂シートもしくは樹脂フィルムが用いられる場合、これらの部材はポリカーボネート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選択される少なくとも1種を含む部材であることが好ましい。例えば、樹脂版、樹脂シートもしくは樹脂フィルムは、ポリカーボネートからなる樹脂版、樹脂シートもしくは樹脂フィルムであってもよく、(メタ)アクリル樹脂からなる樹脂版、樹脂シートもしくは樹脂フィルムであってもよい、また、樹脂版、樹脂シートもしくは樹脂フィルムは、ポリカーボネート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂の両方を含む部材であってもよく、例えば、ポリカーボネート樹脂層と(メタ)アクリル樹脂の積層体であってもよい。

0070

ポリカーボネート基材としては、例えば、帝人化成(株)製のPC−1151等を挙げることができる。また、ポリカーボネート基材を含む多層基材としては、例えば、三菱ガス化学(株)製のMR−58UやIMR05等を用いることができる。ここで、MR−58Uの構成は、HC(ハードコート)/PMMAポリメチルメタクリレート)/PC(ポリカーボネート)/HC(ハードコート)である。MR−58Uの全体の厚みは0.3mm〜1.2mmであり、ハードコート層の1層の厚みは、0.0005mm〜0.02mmであることが好ましい。また、IMR05の構成は、HC(ハードコート)/PC(ポリカーボネート)である。

0071

また、本発明の粘着シートは、偏光板などの光学部材に貼合し、後硬化させた後、高湿熱環境下に曝した場合であっても、気泡の発生や、剥がれの発生を抑制することができる。ここで、偏光板とは、偏光子偏光子保護フィルムを含むものであり、本発明の粘着シートは偏光子保護フィルムに貼合されることが好ましい。偏光子保護フィルムとしては、シクロオレフィン系樹脂フィルムトリアセチルセルロースジアセチルセルロースなどの酢酸セルロース系樹脂フィルムポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルムポリカーボネート系樹脂フィルムアクリル系樹脂フィルムポリプロピレン系樹脂フィルムなどが挙げられる。特に、偏光子保護フィルムが酢酸セルロース系樹脂フィルムである場合、本発明の粘着シートを用いることによって、気泡発生抑制効果が発揮される。
本発明では、粘着シートの被着体の気泡の発生を抑制することができるため、粘着シートを表示装置等に組み込んだ場合、視認性の悪化を防ぐことができる。

0072

<積層体>
本発明は、上述した粘着シートと被着体を有する積層体に関するものでもある。積層体は、上述した粘着シートの粘着剤層に活性エネルギー線を照射して後硬化させた後硬化後の粘着剤層と、後硬化後の粘着剤層の一方の面側に第1部材を備え、後硬化後の粘着剤層の他方の面側に第2部材を備えるものであることが好ましい。

0073

ここで、第1部材は、樹脂板、樹脂シート及び樹脂フィルムから選択される少なくとも1種であり、第2部材は、ガラス板、樹脂板、樹脂シート及び樹脂フィルムから選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、いずれの部材も光学部材であることが好ましい。光学部材としては、例えば、タッチパネルや画像表示装置等の光学製品における各構成部材や最表層カバーレンズ等を挙げることができる。

0074

本発明の粘着シートが両面粘着シートである場合、粘着シートは、タッチパネルの内部における透明光学用フィルム同士の貼合、透明光学用フィルムとガラスとの貼合、タッチパネルの透明光学用フィルムと液晶パネルとの貼合、カバーガラスと透明光学用フィルムとの貼合、樹脂製のカバーレンズとタッチパネルとの貼合などに用いられ、いずれかの部材がポリカーボネート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選択される少なくとも1種を含む部材であってもよい。なお、透明光学用フィルムやポリカーボネート基材にはハードコート層が設けられていてもよい。

0075

<積層体の製造方法>
積層体の製造方法は、上述した粘着シートの粘着剤層を被着体に対して半硬化状態で貼合した後、活性エネルギー線を照射して粘着剤層を後硬化させる工程を含む。活性エネルギー線を照射する前は、粘着シートの粘着剤層は半硬化状態であることから、基材への初期密着性が良好となる。このように、粘着シートを被着体に貼合した後、粘着剤層を活性エネルギー線で後硬化させることで、粘着剤層の凝集力が高まり、被着体への粘着性が向上する。また、後硬化した粘着剤層は基材が変形したり、歪んだりすることを防止できる。

0076

活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、可視光線、X線、イオン線等が挙げられ、粘着剤層に含まれる重合開始剤に応じて適宜選択できる。中でも、汎用性の点から、紫外線または電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。
紫外線の光源としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアークキセノンアーク無電極紫外線ランプ等を使用できる。
電子線としては、例えば、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型ダイナミトロン型、高周波型等の各種類の電子線加速器から放出される電子線を使用できる。
紫外線の照射出力は、積算光量が100〜10000mJ/cm2となるようにすることが好ましく、500〜5000mJ/cm2となるようにすることがより好ましい。

0077

以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきではない。

0078

(架橋性(メタ)アクリル共重合体A−1の合成)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を40質量%、t−ブチルメタクリレート(TBMA)を35質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)を25質量%となるように配合し、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を溶液へ溶解した。溶液を60℃に加熱してランダム共重合させ、架橋性(メタ)アクリル共重合体(A−1)を得た。架橋性(メタ)アクリル共重合体(A−1)の重量平均分子量は43万であった。

0079

(架橋性(メタ)アクリル共重合体A−2の合成)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を50質量%、t−ブチルメタクリレート(TBMA)を25質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)を25質量%となるように配合し、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を溶液へ溶解した。溶液を60℃に加熱してランダム共重合させ、架橋性(メタ)アクリル共重合体(A−2)を得た。架橋性(メタ)アクリル共重合体(A−2)の重量平均分子量は46万であった。

0080

(架橋性(メタ)アクリル共重合体A−3の合成)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を52質量%、t−ブチルメタクリレート(TBMA)を18質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)を30質量%となるように配合し、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を溶液へ溶解した。溶液を60℃に加熱してランダム共重合させ、架橋性(メタ)アクリル共重合体(A−3)を得た。架橋性(メタ)アクリル共重合体(A−3)の重量平均分子量は47万であった。

0081

(架橋性(メタ)アクリル共重合体B−1の合成)
ブチルアクリレート(BA)を75質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)を25質量%となるように配合し、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を溶液へ溶解した。溶液を60℃に加熱してランダム共重合させ、架橋性(メタ)アクリル共重合体(B−1)を得た。架橋性(メタ)アクリル共重合体(B−1)の重量平均分子量は51万であった。

0082

(実施例1)
架橋性(メタ)アクリル共重合体A−1の固形分100質量部に対し、架橋剤(東ソー社製、コロネートL−55)0.15質量部と、単官能単量体としてラウリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、LA)27質量部、多官能単量体としてビスフェノール骨格を有するジアクリレート(ビスフェノールFEO変性ジアクリレート)(東亞合成社製、M208)8質量部、光重合開始剤(BASF社製、IrgacureTPO)0.5質量部を加え、酢酸エチルにて固形分濃度が40質量%の溶液となるように希釈攪拌し粘着剤組成物を調製した。

0083

<粘着シートの作製>
上記のように作製した粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理された剥離剤層を備えた厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第1の剥離シート)(王子エフテックス社製、38RL−07(2))の表面に、乾燥後の塗工厚みが200μmになるようにアプリケーターで均一に塗工し、100℃の空気循環式恒温オーブンで3分間乾燥し、第1の剥離シートの表面に粘着剤層を形成した。次いで、該粘着剤層の表面に厚さ38μmの第2の剥離シート(王子エフテックス社製、38RL−07(L))を貼合した。このようにして、粘着剤層が剥離力差のある1対の剥離シートに挟まれた第1の剥離シート/粘着剤層/第2の剥離シートの構成を備える剥離シート付き粘着シートを得た。該粘着シートは、23℃、相対湿度50%の条件で7日間養生した。

0084

(実施例2)
多官能単量体を東亞合成社製、M211Bに変更した以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。

0085

(実施例3)
架橋性(メタ)アクリル共重合体A−2の固形分100質量部に対し、架橋剤(東ソー社製、コロネートL−55)0.15質量部と、単官能単量体としてラウリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、LA)20質量部、多官能単量体としてビスフェノール骨格を有するジアクリレート(ビスフェノールFEO変性ジアクリレート)(東亞合成社製、M208)5質量部、光重合開始剤(BASF社製、IrgacureTPO)0.5質量部を加え、酢酸エチルにて固形分濃度が40質量%の溶液となるように希釈攪拌し粘着剤組成物を調製した。
上記のように作製した粘着剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして剥離シート付き粘着シートを得た。

0086

(実施例4)
多官能単量体を東亞合成社製、M211Bに変更した以外は、実施例3と同様の方法で粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。

0087

(実施例5)
架橋性(メタ)アクリル共重合体A−3の固形分100質量部に対し、架橋剤(東ソー社製、コロネートL−55)0.15質量部と、単官能単量体としてラウリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、LA)10質量部、多官能単量体としてビスフェノール骨格を有するジアクリレート(ビスフェノールFEO変性ジアクリレート)(東亞合成社製、M208)2質量部、光重合開始剤(BASF社製、IrgacureTPO)0.5質量部を加え、酢酸エチルにて固形分濃度が40質量%の溶液となるように希釈攪拌し粘着剤組成物を調製した。
上記のように作製した粘着剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして剥離シート付き粘着シートを得た。

0088

(実施例6)
多官能単量体を東亞合成社製、M211Bに変更した以外は、実施例5と同様の方法で粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。

0089

(比較例1)
架橋性(メタ)アクリル共重合体B−1の固形分100質量部に対し、架橋剤(東ソー社製、コロネートL−55)0.15質量部と、単官能単量体としてラウリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、LA)10質量部、多官能単量体としてビスフェノール骨格を有するジアクリレート(ビスフェノールFEO変性ジアクリレート)(東亞合成社製、M208)2質量部、光重合開始剤(BASF社製、IrgacureTPO)0.5質量部を加え、酢酸エチルにて固形分濃度が40質量%の溶液となるように希釈攪拌し粘着剤組成物を調製した。
上記のように作製した粘着剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして剥離シート付き粘着シートを得た。

0090

(比較例2)
単官能単量体を大阪有機化学工業社製、ISTAに変更した以外は、比較例1と同様の方法で粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。

0091

(比較例3)
多官能単量体を東亞合成社製、M360に変更した以外は、比較例1と同様の方法で粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。

0092

(比較例4)
単官能単量体を大阪有機化学工業社製、ISTAに変更した以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。

0093

[測定及び評価]
<耐アウトガス性>
実施例及び比較例で作製した剥離シート付き粘着シートを用いて、耐アウトガス性評価を以下のように行った。
剥離シート付き粘着シートにおいて、軽セパレータフィルムである第2の剥離シートを剥がして粘着剤層を露出させ、該粘着剤層に対して、第1部材として100mm×200mmの大きさのガラス板に貼り合わせた。次に、重セパレータフィルムである第1の剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層に対し、第2部材として上記ガラスより一回り大きい120mm×220mmの大きさで厚み1mmのポリカーボネート樹脂板(帝人社製のパンライトシートPC−1151)を互いの中心部が重なるよう貼着した。これにより、ポリカーボネート樹脂板/粘着剤層/ガラス板で構成される積層体サンプルを得た。積層体サンプルをオートクレーブにて、40℃、0.5MPaで30分処理した後、ポリカーボネート樹脂板側から紫外線を積算光量が3000mJ/cm2となるように照射して、貼合部面積100mm×200mmの大きさの試験サンプルを得た。試験サンプルを105℃、相対湿度2%の環境下に500時間置き、その後試験サンプルを目視観察し、気泡、浮き及び剥がれを下記の3種類の判定基準で評価した。
○:気泡、浮き及び剥がれが見られなかった。
△:浮き及び剥がれは見られなかったが、直径1mm未満の気泡が10個未満見られた。
×:直径1mm以上気泡又は直径1mm未満の気泡が10個以上見られた、もしくは浮き又は剥がれが見られた。

0094

<黄変評価>
粘着シートの第2の剥離シート(軽剥離セパレーター)を剥がし、厚さ1.2mmの透明ガラス板(硝子工業社製、S9112)に貼合した後、第1の剥離シート(重剥離セパレーター)を剥がし、上記と同じもう1枚の透明ガラス板と空気などが入らないように貼合し積層サンプルを作製した。その後、積層体サンプルをオートクレーブにて、40℃、0.5MPaで30分処理した後、高圧水銀ランプを積算光量が3000mJ/cm2となるように照射した。その後23℃、相対湿度50%の環境下に1時間静置後に色差計にてL*a*b*色空間におけるL*値、a*値、b*値を測定し初期値L*0、a*0、b*0とした。続いてこの試験サンプルを105℃、相対湿度2%の環境下で500時間処理した後、再度を色差計にてL*a*b*色空間におけるL*値、a*値、b*値を測定し、これらの値をL*1、a*1、b*1として、、下記の式にてΔE*abおよびΔb*値を求めて以下の評価基準で評価した。
式1)
ΔE*ab=[(L*1−L*0)2+(a*1−a*0)2+(b*1−b*0)2]1/2
式2)
Δb*=b*1−b*0
(評価基準)
黄変性(1)
○:ΔE*abが1未満である
×:ΔE*abが1以上である
黄変性(2)
○:Δb*が0.5未満である
×:Δb*が0.5以上である

0095

実施例

0096

上記結果より、実施例の粘着シートは、耐アウトガス性に優れ、かつ高温条件下に長時間置いた場合であっても黄変が抑制されていた。

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