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技術 カルシトニン遺伝子関連ペプチドに対するアンタゴニスト抗体及びその使用方法

出願人 テバ・ファーマシューティカルズ・インターナショナル・ゲーエムベーハー
発明者 ビガル,マルセロウォルター,サラスターン,ヘンリーチャン,マイケル
出願日 2020年11月6日 (1年2ヶ月経過) 出願番号 2020-185826
公開日 2021年2月12日 (10ヶ月経過) 公開番号 2021-014464
状態 未査定
技術分野 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質 医薬品製剤 微生物による化合物の製造 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 インドール系化合物 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード 光学式記憶ディスク テレメーター テレメトリー装置 目的対象 設計試験 作業プレート 集団構成 一代替法
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年2月12日)のものです。
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図面 (20)

課題

本発明は、抗CGRPアンタゴニスト抗体投与することによって、血管運動神経症状及び/または頭痛(例えば、片頭痛群発頭痛及び緊張性頭痛)などのCGRP関連障害を予防または治療するための方法を特徴とする。

解決手段

本開示の方法にて使用するための組成物も提供される。CGRPに対するアンタゴニスト抗体G1及びG1に由来する抗体についても記載される。

概要

背景

カルシトニン遺伝子関連ペプチドCGRP)は、アミノ酸37個の神経ペプチドであり、カルシトニンアドレノメデュリン及びアミリンを含むペプチドファミリーに属する。ヒトでは、2種類のCGRP(α−CGRP及びβ−CGRP)が存在し、類似の活性を有している。これらは、3つのアミノ酸が異なり、特異的な分布を示す。また、少なくとも2つのCGRP受容体サブタイプも、特異的な活性を有し得る。CGRPは、中枢神経系の神経伝達物質であり、CGRP含有ニューロンが血管と緊密に関係している末梢部における強力な血管拡張物質であることが示されている。CGRP媒介性血管拡張はまた、血漿血管外漏出及び微小血管系の血管拡張を引き起こし、片頭痛に存在する事象カスケードの一部として、神経原性炎症と関連している。

CGRPは、血管運動神経症状に関連する可能性が指摘されている(Wyon et al.Scand.J.Urol.Nephrol.35:92−96(2001);Wyon et al.Menopause 7(1):25−30(2000))。顔面潮紅及び寝汗などの血管運動神経症状(VMS)は、更年期に伴う最も一般的な症状であり、自然なまたは外科的に生じる閉経後の全女性の60〜80%に生じるものである。顔面潮紅は、性ステロイドの減少に対する中枢神経系(CNS)の適応応答であると思われる(Freedman Am.J.Human Biol.13:453−464(2001))。現在、紅潮の最も有効な治療法は、エストロゲン及び/またはいくつかのプロゲスチンを含むホルモン治療である。ホルモン治療は、紅潮を軽減するのに有効であり得るが、全ての女性に適するものではない。神経過敏、疲労、過敏性不眠抑うつ、記憶の欠落頭痛、不安、神経質または集中力欠如などの観察される精神的及び感情的症状は、顔面潮紅及び寝汗による断眠によって引き起こされると考えられる(Kramer et al.,In:Murphy et al.,3.sup.rd Int’l Symposium on Recent Advances in Urological Cancer Diagnosis and Treatment−Proceedings,Paris,France:SCI:3−7(1992))。

男性も同様にステロイドホルモンアンドロゲン離脱後に顔面潮紅を経験する。これは、加齢に伴うアンドロゲン減少の場合(Katovich,et al.,Proceedings of the Society for Experimental Biology&Medicine,1990,193(2):129−35)及び前立腺癌治療に伴うホルモン遮断極端な場合(Berendsen,et al.,European Journal of Pharmacology,2001,419(1):47−54)も同じである。これらの患者のうちの3分の1もの人が、多大な不快感及び不自由を引き起こすほど重症である、持続性のある常習的な症状を経験する。

CGRPは、強力な血管拡張物質であり、片頭痛(前兆のあるものまたは前兆のないもの)及び群発頭痛を含む、各種の血管性頭痛などの他の血管運動神経症状の病理との関連が示されている。Durham,N.Engl.J.Med.350:1073−1075,2004。片頭痛中の患者では、外頸静脈中の血清CGRPレベルが高い。Goadsby et al.,Ann.Neurol.28:183−7,1990。ヒトα−CGRPの静脈内投与により、前兆のない片頭痛を患う患者において頭痛及び片頭痛が誘発されることから、CGRPが片頭痛の原因として働くことが示唆されている。Lassen et al.,Cephalalgia 22:54−61,2002。

片頭痛にCGRPが関与している可能性は、CGRPの放出を阻害し(例えば、スマトリプタン)、CGRP受容体で拮抗し(例えば、ジペプチド誘導体BIBN4096BS(Boerhringer Ingelheim);CGRP(8〜37))、または受容体活性膜タンパク質(RAMP)若しくは受容体構成要素タンパク質(RCP)(両方ともCGRPのCGRP受容体への結合に影響する)などの受容体関連タンパク質の1つ若しくは複数と相互作用する、多数の化合物の開発及び試験根拠となってきた。Brain,S.et al.,Trendsin Pharmacological Sciences 23:51−53,2002。α−2アドレナリン受容体サブタイプ及びアデノシンA1受容体も同様に、CGRP放出及び三叉神経活性化を制御(阻害)する(Goadsby at al.,Brain 125:1392−401,2002)。ヒトにおける神経原性血管拡張及び三叉神経痛覚を阻害することが示されているアデノシンA1受容体アゴニストGR79236(メトラファジル)もまた、抗片頭痛活性を示し得る(Arulmani et al.,Cephalalgia 25:1082−1090,2005;Giffin et al.,Cephalalgia 23:287−292,2003)。

この理論に反するのは、神経原性炎症(例えば、タキキニンNK1受容体アンタゴニスト)または三叉神経活性化(例えば、5HT1D受容体アゴニスト)を排他的に阻害する化合物による治療が、片頭痛の急性治療としては相対的に有効でないことが示された所見であり、一部の研究者は、CGRPの放出を阻害することが有効な抗片頭痛治療の主要な作用機構であるかどうか疑問視している。Arulmani et al.,Eur.J.Pharmacol.500:315−330,2004。

片頭痛は、重症度の頭痛の反復発作及び悪心嘔吐、光過敏、音過敏または動作過敏を含み得る随伴的特徴によって特徴付けられる、複雑で一般的な神経学的状態である。一部の患者において、頭痛には、前兆が先行するか、前兆を伴う。頭痛の痛みは、重症である場合もあり、ある特定の患者では片側性であることもある。

片頭痛の発作は、日常生活破壊するものである。米国及び西欧において、片頭痛患者の全罹患率は、一般集団の11%(男性6%、女性15〜18%)である。更に、個体における平均発作頻度は、1.5回/月である。症状を緩和し、または軽減するための治療は多数利用可能であるが、片頭痛の発作が月3〜4回を超える患者には、予防療法推奨される。Goadsby et al.New Engl.J.Med.346(4):257−275,2002。

片頭痛の治療に使用されてきた薬理学介入多様性及び患者間応答のばらつきは、この疾患の多様な性質証拠である。そのため、セロトニン作動性に加えて、アドレナリン作動性ノルアドレナリン作動性及びドーパミン作動性活性を示す麦角アルカロイドなどの比較的非選択的な薬物(例えば、エルゴタミンジヒドロエルゴタミンメチセルジド)が片頭痛の治療に80年以上使用されてきた。他の治療薬には、オピエート(例えば、オキシコドン)及びβ−アドレナリン遮断薬(例えば、プロプラノロール)が挙げられる。一部の患者、通常、軽度の症状を有する患者は、1つまたは複数の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、アスピリンアセトアミノフェン及びカフェインの組み合わせ(例えば、Excedrin(登録商標)Migraine)などの処方箋なしで購入できる治療薬でその症状を制御することができる。

より最近では、一部の片頭痛患者は、電位依存性ナトリウムチャネル及びある特定のグルタミン酸受容体AMPAカイニン酸)を遮断し、GABA−A受容体活性を増強し、炭酸脱水酵素を阻害する抗痙攣薬であるトピラマートで治療されている。一部の患者におけるスマトリプタンなどのセロトニン5HT−1B/1D及び/または5HT−1a受容体アゴニストの比較的最近の成功により、研究者らは、セロトニン作動性がこの疾患の病因であることを提唱してきた。残念ながら、一部の患者はこの治療に良好に応答するが、その効果に比較的耐性のある患者もいる。

アミン作動性脳幹核におけるイオンチャネル機能不全がこの疾患の根底にあると仮定されてきたが、片頭痛の正確な病態生理学は十分に理解されていない。片頭痛の一種である家族性片麻痺性片頭痛は、電位開口型P/Q型カルシウムチャネルのα1サブユニットにおけるミスセンス突然変異との関連が示されており、おそらく他のイオンチャネルの突然変異も他の患者集団で認められると思われる。血管の拡張は、片頭痛の疼痛症状に関連し、当該症状を悪化させるが、こうした神経血管事象は、現在では、当該状態の原因ではなく結果であると考えられている。全体として、感覚入力を調節する脳幹経路の機能不全が片頭痛の統一的特徴であると思われる。Goadsby,P.J.et al.,New Engl.J.Med.346(4):257−275,2002。

概要

本発明は、抗CGRPアンタゴニスト抗体投与することによって、血管運動神経症状及び/または頭痛(例えば、片頭痛、群発頭痛及び緊張性頭痛)などのCGRP関連障害を予防または治療するための方法を特徴とする。本開示の方法にて使用するための組成物も提供される。CGRPに対するアンタゴニスト抗体G1及びG1に由来する抗体についても記載される。なし

目的

本発明は、対象における少なくとも1つの血管運動神経症状及び/または頭痛を治療し、またはその発生を減少させる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

対象における頭痛治療し、またはその発生を減少させる方法であって、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を前記対象に複数日投与することを含み、前記複数日の各日に投与される前記量は、100〜2000mgである、前記方法。

請求項2

対象における少なくとも1つの血管運動神経症状を治療し、またはその発生を減少させる方法であって、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を前記対象に複数日に投与することを含み、前記複数日の各日に投与される前記量は、100〜2000mgである、前記方法。

請求項3

前記頭痛が片頭痛である、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記片頭痛が慢性片頭痛である、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記片頭痛が反復性片頭痛である、請求項3に記載の方法。

請求項6

前記頭痛の発生が、単回投与後少なくとも7日間減少する、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記投与後に前記対象が経験する1ヶ月の頭痛時間が、前記対象における投与前のレベルから40時間以上減少する、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記投与後に前記対象が経験する1ヶ月の頭痛日が、前記対象における投与前のレベルから3日以上減少する、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記投与後に前記対象が経験する1ヶ月の頭痛時間が、前記対象における投与前のレベルと比較して25%以上減少する、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記モノクローナル抗体が抗CGRPアンタゴニスト抗体である、請求項1または2に記載の方法。

請求項11

前記モノクローナル抗体の前記量が1000mg未満である、請求項1または2に記載の方法。

請求項12

前記複数日の2つには7日を上回る間隔がある、請求項1または2に記載の方法。

請求項13

第1の日に投与される前記モノクローナル抗体の量が、第2の日に投与される前記モノクローナル抗体の量と異なる、請求項1または2に記載の方法。

請求項14

前記第1の日に投与される前記モノクローナル抗体の前記量が、前記第2の日に投与される前記モノクローナル抗体の前記量よりも多い、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記対象に1ヶ月あたり3回未満の用量が投与される、請求項1または2に記載の方法。

請求項16

前記投与することが皮下または静脈内投与である、請求項1または2に記載の方法。

請求項17

前記投与することが、前記量のモノクローナル抗体を含むプレフィルドシリンジを用いることを含む、請求項1または2に記載の方法。

請求項18

前記モノクローナル抗体が、少なくとも150mg/mLの濃度で配合される、請求項1または2に記載の方法。

請求項19

前記モノクローナル抗体が2mL未満の体積で投与される、請求項1または2に記載の方法。

請求項20

前記モノクローナル抗体と同時にまたは連続的に、第2の作用物質を前記対象に投与することを含む、請求項1または2に記載の方法。

請求項21

前記第2の作用物質が、5−HTアゴニストトリプタン麦角アルカロイド及び非ステロイド性抗炎症薬からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。

請求項22

前記モノクローナル抗体の投与後、前記対象による前記第2の作用物質の月間使用が少なくとも15%減少する、請求項20に記載の方法。

請求項23

前記第2の作用物質がトリプタンである、請求項21に記載の方法。

請求項24

前記対象がヒトである、請求項1または2に記載の方法。

請求項25

前記モノクローナル抗体がヒトまたはヒト化抗体である、請求項1または2に記載の方法。

請求項26

前記モノクローナル抗体が、(a)配列番号3に示すCDRH1、配列番号4に示すCDRH2、配列番号5に示すCDRH3、配列番号6に示すCDRL1、配列番号7に示すCDRL2及び配列番号8に示すCDRL3を有する抗体、または(b)表6に示す(a)に従った抗体のバリアントを含む、請求項1または2に記載の方法。

請求項27

対象が経験する1ヶ月の頭痛時間数を減らす方法であって、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を前記対象に投与することを含み、前記モノクローナル抗体は、単回投与後、前記1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも20時間減少させるのに有効な量である、前記方法。

請求項28

対象が経験する1ヶ月の頭痛時間数を減らす方法であって、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を前記対象に投与することを含み、前記モノクローナル抗体は、単回投与後、前記1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも15%減少させるのに有効な量である、前記方法。

請求項29

対象が経験する1ヶ月の頭痛日数を減らす方法であって、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を前記対象に投与することを含み、前記モノクローナル抗体は、単回投与後、前記1ヶ月の頭痛日数を少なくとも3日減少させるのに有効な量である、前記方法。

請求項30

対象における抗頭痛薬の使用を減らす方法であって、CGRP経路を調節するモノクローナル抗体を前記対象に投与することを含み、前記モノクローナル抗体は、前記対象の前記抗頭痛薬の月間使用を少なくとも15%減少させるのに有効な量である、前記方法。

請求項31

前記抗頭痛薬が、5−HT1アゴニスト、トリプタン、オピエート、β−アドレナリン遮断薬、麦角アルカロイド及び非ステロイド性抗炎症薬からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。

請求項32

前記抗頭痛薬がトリプタンである、請求項31に記載の方法。

請求項33

前記モノクローナル抗体が抗CGRPアンタゴニスト抗体である、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項34

前記モノクローナル抗体の前記量が1000mg未満である、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項35

前記対象に1ヶ月あたり3回未満の用量が投与される、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項36

前記投与することが皮下または静脈内投与である、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項37

前記モノクローナル抗体が、少なくとも150mg/mLの濃度で配合される、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

前記モノクローナル抗体が2mL未満の体積で投与される、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

前記対象がヒトである、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

前記モノクローナル抗体がヒトまたはヒト化抗体である、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項41

前記モノクローナル抗体が、(a)配列番号3に示すCDRH1、配列番号4に示すCDRH2、配列番号5に示すCDRH3、配列番号6に示すCDRL1、配列番号7に示すCDRL2及び配列番号8に示すCDRL3を有する抗体、または(b)表6に示す(a)に従った抗体のバリアントを含む、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項42

対象における頭痛を治療し、またはその発生を減少させる方法であって、CGRP経路を調節する量で、単回用量のモノクローナル抗体を前記対象に投与することを含み、前記モノクローナル抗体の前記量は、100〜2000mgである、前記方法。

請求項43

先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための組成物

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2014年3月21日出願の米国仮特許出願第61/968,897号、2014年11月24日出願の米国仮特許出願第62/083,809号及び2015年2月23日出願の米国仮特許出願第62/119,778号に対する優先権を主張するものであり、全ての目的において、これらの出願の全体を参照により本明細書に援用する。

背景技術

0002

カルシトニン遺伝子関連ペプチドCGRP)は、アミノ酸37個の神経ペプチドであり、カルシトニンアドレノメデュリン及びアミリンを含むペプチドファミリーに属する。ヒトでは、2種類のCGRP(α−CGRP及びβ−CGRP)が存在し、類似の活性を有している。これらは、3つのアミノ酸が異なり、特異的な分布を示す。また、少なくとも2つのCGRP受容体サブタイプも、特異的な活性を有し得る。CGRPは、中枢神経系の神経伝達物質であり、CGRP含有ニューロンが血管と緊密に関係している末梢部における強力な血管拡張物質であることが示されている。CGRP媒介性血管拡張はまた、血漿血管外漏出及び微小血管系の血管拡張を引き起こし、片頭痛に存在する事象カスケードの一部として、神経原性炎症と関連している。

0003

CGRPは、血管運動神経症状に関連する可能性が指摘されている(Wyon et al.Scand.J.Urol.Nephrol.35:92−96(2001);Wyon et al.Menopause 7(1):25−30(2000))。顔面潮紅及び寝汗などの血管運動神経症状(VMS)は、更年期に伴う最も一般的な症状であり、自然なまたは外科的に生じる閉経後の全女性の60〜80%に生じるものである。顔面潮紅は、性ステロイドの減少に対する中枢神経系(CNS)の適応応答であると思われる(Freedman Am.J.Human Biol.13:453−464(2001))。現在、紅潮の最も有効な治療法は、エストロゲン及び/またはいくつかのプロゲスチンを含むホルモン治療である。ホルモン治療は、紅潮を軽減するのに有効であり得るが、全ての女性に適するものではない。神経過敏、疲労、過敏性不眠抑うつ、記憶の欠落頭痛、不安、神経質または集中力欠如などの観察される精神的及び感情的症状は、顔面潮紅及び寝汗による断眠によって引き起こされると考えられる(Kramer et al.,In:Murphy et al.,3.sup.rd Int’l Symposium on Recent Advances in Urological Cancer Diagnosis and Treatment−Proceedings,Paris,France:SCI:3−7(1992))。

0004

男性も同様にステロイドホルモンアンドロゲン離脱後に顔面潮紅を経験する。これは、加齢に伴うアンドロゲン減少の場合(Katovich,et al.,Proceedings of the Society for Experimental Biology&Medicine,1990,193(2):129−35)及び前立腺癌治療に伴うホルモン遮断極端な場合(Berendsen,et al.,European Journal of Pharmacology,2001,419(1):47−54)も同じである。これらの患者のうちの3分の1もの人が、多大な不快感及び不自由を引き起こすほど重症である、持続性のある常習的な症状を経験する。

0005

CGRPは、強力な血管拡張物質であり、片頭痛(前兆のあるものまたは前兆のないもの)及び群発頭痛を含む、各種の血管性頭痛などの他の血管運動神経症状の病理との関連が示されている。Durham,N.Engl.J.Med.350:1073−1075,2004。片頭痛中の患者では、外頸静脈中の血清CGRPレベルが高い。Goadsby et al.,Ann.Neurol.28:183−7,1990。ヒトα−CGRPの静脈内投与により、前兆のない片頭痛を患う患者において頭痛及び片頭痛が誘発されることから、CGRPが片頭痛の原因として働くことが示唆されている。Lassen et al.,Cephalalgia 22:54−61,2002。

0006

片頭痛にCGRPが関与している可能性は、CGRPの放出を阻害し(例えば、スマトリプタン)、CGRP受容体で拮抗し(例えば、ジペプチド誘導体BIBN4096BS(Boerhringer Ingelheim);CGRP(8〜37))、または受容体活性膜タンパク質(RAMP)若しくは受容体構成要素タンパク質(RCP)(両方ともCGRPのCGRP受容体への結合に影響する)などの受容体関連タンパク質の1つ若しくは複数と相互作用する、多数の化合物の開発及び試験根拠となってきた。Brain,S.et al.,Trendsin Pharmacological Sciences 23:51−53,2002。α−2アドレナリン受容体サブタイプ及びアデノシンA1受容体も同様に、CGRP放出及び三叉神経活性化を制御(阻害)する(Goadsby at al.,Brain 125:1392−401,2002)。ヒトにおける神経原性血管拡張及び三叉神経痛覚を阻害することが示されているアデノシンA1受容体アゴニストGR79236(メトラファジル)もまた、抗片頭痛活性を示し得る(Arulmani et al.,Cephalalgia 25:1082−1090,2005;Giffin et al.,Cephalalgia 23:287−292,2003)。

0007

この理論に反するのは、神経原性炎症(例えば、タキキニンNK1受容体アンタゴニスト)または三叉神経活性化(例えば、5HT1D受容体アゴニスト)を排他的に阻害する化合物による治療が、片頭痛の急性治療としては相対的に有効でないことが示された所見であり、一部の研究者は、CGRPの放出を阻害することが有効な抗片頭痛治療の主要な作用機構であるかどうか疑問視している。Arulmani et al.,Eur.J.Pharmacol.500:315−330,2004。

0008

片頭痛は、重症度の頭痛の反復発作及び悪心嘔吐、光過敏、音過敏または動作過敏を含み得る随伴的特徴によって特徴付けられる、複雑で一般的な神経学的状態である。一部の患者において、頭痛には、前兆が先行するか、前兆を伴う。頭痛の痛みは、重症である場合もあり、ある特定の患者では片側性であることもある。

0009

片頭痛の発作は、日常生活破壊するものである。米国及び西欧において、片頭痛患者の全罹患率は、一般集団の11%(男性6%、女性15〜18%)である。更に、個体における平均発作頻度は、1.5回/月である。症状を緩和し、または軽減するための治療は多数利用可能であるが、片頭痛の発作が月3〜4回を超える患者には、予防療法推奨される。Goadsby et al.New Engl.J.Med.346(4):257−275,2002。

0010

片頭痛の治療に使用されてきた薬理学介入多様性及び患者間応答のばらつきは、この疾患の多様な性質証拠である。そのため、セロトニン作動性に加えて、アドレナリン作動性ノルアドレナリン作動性及びドーパミン作動性活性を示す麦角アルカロイドなどの比較的非選択的な薬物(例えば、エルゴタミンジヒドロエルゴタミンメチセルジド)が片頭痛の治療に80年以上使用されてきた。他の治療薬には、オピエート(例えば、オキシコドン)及びβ−アドレナリン遮断薬(例えば、プロプラノロール)が挙げられる。一部の患者、通常、軽度の症状を有する患者は、1つまたは複数の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、アスピリンアセトアミノフェン及びカフェインの組み合わせ(例えば、Excedrin(登録商標)Migraine)などの処方箋なしで購入できる治療薬でその症状を制御することができる。

0011

より最近では、一部の片頭痛患者は、電位依存性ナトリウムチャネル及びある特定のグルタミン酸受容体AMPAカイニン酸)を遮断し、GABA−A受容体活性を増強し、炭酸脱水酵素を阻害する抗痙攣薬であるトピラマートで治療されている。一部の患者におけるスマトリプタンなどのセロトニン5HT−1B/1D及び/または5HT−1a受容体アゴニストの比較的最近の成功により、研究者らは、セロトニン作動性がこの疾患の病因であることを提唱してきた。残念ながら、一部の患者はこの治療に良好に応答するが、その効果に比較的耐性のある患者もいる。

0012

アミン作動性脳幹核におけるイオンチャネル機能不全がこの疾患の根底にあると仮定されてきたが、片頭痛の正確な病態生理学は十分に理解されていない。片頭痛の一種である家族性片麻痺性片頭痛は、電位開口型P/Q型カルシウムチャネルのα1サブユニットにおけるミスセンス突然変異との関連が示されており、おそらく他のイオンチャネルの突然変異も他の患者集団で認められると思われる。血管の拡張は、片頭痛の疼痛症状に関連し、当該症状を悪化させるが、こうした神経血管事象は、現在では、当該状態の原因ではなく結果であると考えられている。全体として、感覚入力を調節する脳幹経路の機能不全が片頭痛の統一的特徴であると思われる。Goadsby,P.J.et al.,New Engl.J.Med.346(4):257−275,2002。

先行技術

0013

Wyon et al.Scand.J.Urol.Nephrol.35:92−96(2001)
Wyon et al.Menopause 7(1):25−30(2000)
Kramer et al.,In:Murphy et al.,3.sup.rd Int’l Symposium on Recent Advances in Urological Cancer Diagnosis and Treatment−Proceedings,Paris,France:SCI:3−7(1992)
Katovich,et al.,Proceedings of the Society for Experimental Biology&Medicine,1990,193(2):129−35
Berendsen,et al.,European Journal of Pharmacology,2001,419(1):47−54
Durham,N.Engl.J.Med.350:1073−1075,2004
Lassen et al.,Cephalalgia 22:54−61,2002
Brain,S.et al.,Trends in Pharmacological Sciences 23:51−53,2002
Goadsby at al.,Brain 125:1392−401,2002
Arulmani et al.,Cephalalgia 25:1082−1090,2005
Giffin et al.,Cephalalgia 23:287−292,2003
Arulmani et al.,Eur.J.Pharmacol.500:315−330,2004
Goadsby et al.New Engl.J.Med.346(4):257−275,2002
Goadsby,P.J.et al.,New Engl.J.Med.346(4):257−275,2002

発明が解決しようとする課題

0014

いくつかの態様において、本明細書にて開示する本発明は、抗CGRPアンタゴニスト抗体、及び血管運動神経症状を治療または予防するための抗CGRPアンタゴニスト抗体の使用方法に関する。顔面潮紅などの血管運動神経症状の例については、本明細書にて記載する。いくつかの場合において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、前兆のあるまたは前兆のない片頭痛、片麻痺性片頭痛、群発頭痛、片頭痛性神経痛慢性頭痛緊張性頭痛及び他の医学的状態感染症または腫瘍に起因する頭蓋内圧亢進など)から生じる頭痛などの頭痛を治療または予防するために用いられる。

課題を解決するための手段

0015

一態様において、本発明は、個体における少なくとも1つの血管運動神経症状を治療または予防するための方法を提供し、この方法は、その個体に有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を投与することを含む。
一態様において、本発明は、個体における頭痛(例えば、片頭痛及び群発頭痛)を治療または予防するための方法を提供し、この方法は、その個体に有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を投与することを含む。

0016

別の態様において、本発明は、個体における頭痛(例えば、片頭痛及び群発頭痛)を改善し、制御し、その発生を減少させ、またはその発症若しくは進行を遅らせるための方法を提供し、この方法は、その個体に有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を投与することを含む。

0017

一態様において、本発明は、対象における少なくとも1つの血管運動神経症状及び/または頭痛を治療し、またはその発生を減少させる方法を提供する。一実施形態において、方法は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に複数日に投与することを含み、複数日の各日に投与される量は、1000mg未満である。一実施形態において、方法は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に複数日に投与することを含み、複数日の各日に投与される量は、100〜2000mgである。いくつかの実施形態において、頭痛は片頭痛(例えば、慢性片頭痛または反復性片頭痛)である。いくつかの実施形態において、複数日の2つには7日を上回る間隔がある。いくつかの実施形態において、単回投与後少なくとも7日間、頭痛の発生が減少する。いくつかの実施形態において、第1の日に投与されるモノクローナル抗体の量は、第2の日に投与されるモノクローナル抗体の量と異なる(例えば、より多い)。いくつかの実施形態において、1ヶ月あたり3回未満の用量が対象に投与される。いくつかの実施形態において、投与は、皮下投与である。いくつかの実施形態において、投与は、静脈内投与である。いくつかの実施形態において、投与は、ある量のモノクローナル抗体を含むプレフィルドシリンジを用いることを含む。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、150mg/mLの濃度で配合される。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、2mL未満の体積で投与される。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体の量は、1000mg未満である。いくつかの実施形態において、当該投与後に対象が経験する1ヶ月の頭痛時間が、対象における投与前のレベルから40時間以上(例えば、45、50、55、60、65、70、75、80、またはそれ以上)減少する。1ヶ月の頭痛時間は、60時間を超えて減少し得る。いくつかの実施形態において、当該投与後に対象が経験する1ヶ月の頭痛時間が、対象における投与前のレベルと比較して25%以上(例えば、30%、35%、40%、45%、50%、またはそれ以上)減少する。1ヶ月の頭痛時間は、40%以上減少し得る。いくつかの実施形態において、当該投与後に対象が経験する1ヶ月の頭痛日が、対象における投与前のレベルから3日以上(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日以上)減少する。いくつかの実施形態において、方法は、モノクローナル抗体と同時にまたは連続的に、第2の作用物質を対象に投与することを更に含む。第2の作用物質は、5−HT1アゴニスト、トリプタン、麦角アルカロイド及び非ステロイド性抗炎症薬のいずれかであり得る。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、予防的に対象に投与される物質である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体の投与後、対象による第2の作用物質の月間使用が少なくとも15%減少する。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、トリプタンである。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒトまたはヒト化モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、(a)配列番号3に示すCDRH1、配列番号4に示すCDR H2、配列番号5に示すCDR H3、配列番号6に示すCDR L1、配列番号7に示すCDR L2及び配列番号8に示すCDR L3を有する抗体、または(b)表6に示す(a)に従った抗体のバリアントを含む。

0018

一態様において、本発明は、対象が経験する1ヶ月の頭痛時間数を減らす方法を提供する。一実施形態において、方法は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも20時間(例えば、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70時間またはそれ以上の頭痛時間分)減少させるのに有効な量である。いくつかの実施形態において、1ヶ月の頭痛時間数は、少なくとも約50時間減少する。一実施形態において、方法は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも15%(例えば、20%、25%、30%、35%、40%またはそれ以上)減少させるのに有効な量である。いくつかの実施形態において、1ヶ月の頭痛時間数は、少なくとも約30%減少する。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、抗CGRPアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体の量は、1000mg未満である。いくつかの実施形態において、1ヶ月あたり3回未満の用量が対象に投与される。いくつかの実施形態において、投与は、皮下または静脈内投与である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、少なくとも150mg/mLの濃度で配合される。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、2mL未満の体積で投与される。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒトまたはヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、(a)配列番号3に示すCDRH1、配列番号4に示すCDR H2、配列番号5に示すCDR H3、配列番号6に示すCDR L1、配列番号7に示すCDR L2及び配列番号8に示すCDR L3を有する抗体、または(b)表6に示す(a)に従った抗体のバリアントを含む。

0019

一態様において、本発明は、対象が経験する1ヶ月の頭痛日数を減らす方法を提供する。一実施形態において、方法は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛日数を少なくとも3日(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日またはそれ以上の頭痛日数分)減少させるのに有効な量である。いくつかの実施形態において、1ヶ月の頭痛日数は、少なくとも約6日の頭痛日数分減少する。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、抗CGRPアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体の量は、1000mg未満である。いくつかの実施形態において、1ヶ月あたり3回未満の用量が対象に投与される。いくつかの実施形態において、投与は、皮下または静脈内投与である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、少なくとも150mg/mLの濃度で配合される。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、2mL未満の体積で投与される。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒトまたはヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、(a)配列番号3に示すCDRH1、配列番号4に示すCDR H2、配列番号5に示すCDR H3、配列番号6に示すCDR L1、配列番号7に示すCDR L2及び配列番号8に示すCDR L3を有する抗体、または(b)表6に示す(a)に従った抗体のバリアントを含む。

0020

一態様において、本発明は、対象における抗頭痛薬の使用を減らす方法を提供し、CGRP経路を調節するモノクローナル抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体は、対象の抗頭痛薬の月間使用を少なくとも15%(例えば、20%、25%、30%、35%、40%、またはそれ以上)減少させるのに有効な量である。いくつかの実施形態において、抗頭痛薬は、5−HT1アゴニスト、トリプタン、オピエート、β−アドレナリン遮断薬、麦角アルカロイド及び非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、抗頭痛薬は、トリプタンである。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体の量は、1000mg未満である。いくつかの実施形態において、1ヶ月あたり3回未満の用量が対象に投与される。いくつかの実施形態において、投与は、皮下または静脈内投与である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、少なくとも150mg/mLの濃度で配合される。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、2mL未満の体積で投与される。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒトまたはヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、(a)配列番号3に示すCDRH1、配列番号4に示すCDR H2、配列番号5に示すCDR H3、配列番号6に示すCDR L1、配列番号7に示すCDR L2及び配列番号8に示すCDR L3を有する抗体、または(b)表6に示す(a)に従った抗体のバリアントを含む。

0021

一態様において、本発明は、対象における頭痛(例えば、片頭痛)を治療し、またはその発生を減少させる方法を提供し、CGRP経路を調節する量で、単回用量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体の量は、100〜2000mgである。

0022

更なる実施形態において、本発明は、個体における頭痛(例えば、片頭痛及び群発頭痛)を改善し、制御し、その発生を減少させ、またはその発症若しくは進行を遅らせるための方法を提供し、この方法は、その個体に有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を、頭痛の治療に有用な少なくとも1つの追加の作用物質と組み合わせて投与することを含む。かかる追加の作用物質には、5−HT1様アゴニスト(及び他の5−HT1部位に作用するアゴニスト)及び非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が挙げられる。

0023

抗CGRP抗体と組み合わせて用いることができる5−HT1アゴニストの例には、スマトリプタン、ゾルミトリプタンナラトリプタンリザトリプタンエレトリプタンアルモトリプタン及びフロバトリプタンなどのトリプタンとして知られている種類の化合物が挙げられる。麦角アルカロイド及び関連化合物もまた、5−HTアゴニスト活性を持つことが知られており、片頭痛などの頭痛を治療するために使用されている。これらの化合物には、エルゴタミン酒石酸塩エルノビマレイン酸塩及びエルゴロイドメシル酸塩(例えば、ジヒドロエルゴコルニンジヒドロエルゴクリスチンジヒドロエルゴクリプチン及びジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(DHE45))が含まれる。

0024

抗CGRP抗体と組み合わせて用いることができるNSAIDの例には、アスピリン、ジクロフェナクジフルシナルエトドラクフェンブフェンフェノプロフェン、フルフェニサール、フルルビプロフェンイブプロフェンインドメタシンケトプロフェンケトロラクメクロフェナム酸メフェナム酸ナブメトンナプロキセンオキサプロジンフェニルブタゾンピロキシカムスリンダクトルメチンまたはゾメピラク、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害薬セレコキシブロフェコキシブメロキシカム;JTE−522;L−745,337;NS398またはこれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。

0025

別の態様において、本発明は、個体における顔面潮紅を改善し、制御し、その発生を減少させ、またはその発症若しくは進行を遅らせるための方法を提供し、この方法は、その個体に有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を投与することを含む。

0026

別の態様において、本発明は、個体における顔面潮紅を改善し、制御し、その発生を減少させ、またはその発症若しくは進行を遅らせるための方法を提供し、この方法は、その個体に有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を、顔面潮紅の治療に有用な少なくとも1つの追加の作用物質と組み合わせて投与することを含む。かかる追加の作用物質には、エストロゲン及び/またはプロゲスチンを含むホルモン系治療薬が挙げられるが、これらに限定されない。

0027

一実施形態において、上記方法のいずれかにて使用される抗CGRPアンタゴニスト抗体は、本明細書に記載の抗体のいずれかである。

0028

いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、ヒトCGRPを認識する。いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、ヒトα−CGRPとβ−CGRPの両方に結合する。いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、ヒト及びラットCGRPと結合する。いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CGRPのアミノ酸25〜37を有するC末端断片と結合する。いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CGRPのアミノ酸25〜37内のC末端エピトープと結合する。

0029

いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、ヒト化されている。いくつかの実施形態において、抗体はヒト抗体である。いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、抗体G1である(本明細書に記載のもの)。いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、抗体G1または表6に記載のG1のバリアントの1つまたは複数のCDR(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはいくつかの実施形態では6つ全てのCDR)を含む。更に他の実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、図5に示す重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号1)及び図5に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号2)を含む。

0030

いくつかの実施形態において、抗体は、改変された定常領域を含み、例えば、補体媒介性溶解を誘発しない、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害ADCC)を刺激しない、ミクログリアを活性化しない、またはこれらの活性の1つ若しくは複数を低下させた、免疫学的に不活性(部分的に免疫学的に不活性を含む)である定常領域を含む。いくつかの実施形態において、定常領域は、Eur.J.Immunol.(1999)29:2613−2624、PCT出願第PCT/GB99/01441号及び/または英国特許出願第9809951.8号に記載されているように改変される。他の実施形態において、抗体は、A330P331からS330S331への変異を含むヒト重鎖IgG2定常領域を含む(野生型IgG2配列を基準としたアミノ酸ナンバリング)。Eur.J.Immunol.(1999)29:2613−2624。いくつかの実施形態において、抗体の重鎖定常領域は、次の変異:1)A327A330P331からG327S330S331、2)E233L234L235G236(配列番号48)からG236が欠失したP233V234A235、3)E233L234L235からP233V234A235、4)E233L234L235G236A327A330P331(配列番号49)からG236が欠失したP233V234A235G327S330S331(配列番号50)、5)E233L234L235A327A330P331(配列番号51)からP233V234A235G327S330S331(配列番号50)、及び6)N297からA297若しくはN以外の任意の他のアミノ酸への変異のいずれかを有するヒト重鎖IgG1である。いくつかの実施形態において、抗体の重鎖定常領域は、次の変異:E233F234L235G236(配列番号52)からG236が欠失したP233V234A235、E233F234L235からP233V234A235、及びS228L235からP228E235への変異のいずれかを有するヒト重鎖IgG4である。

0031

更に他の実施形態において、定常領域は、N−結合グリコシル化脱グリコシル化される。いくつかの実施形態において、定常領域は、定常領域内のオリゴ糖結合残基(Asn297など)及び/またはN−グリコシル化認識配列の一部である隣接残基を変異させることによって、N−結合グリコシル化が脱グリコシル化される。いくつかの実施形態において、定常領域は、N−結合グリコシル化が脱グリコシル化される。定常領域のN−結合グリコシル化は、酵素的にまたはグリコシル化欠損宿主細胞での発現によって脱グリコシル化され得る。

0032

CGRP(25℃または37℃などの適切な温度で表面プラズモン共鳴によって測定されるヒトα−CGRPなど)に対する抗CGRPアンタゴニスト抗体の結合親和性(KD)は、約0.02〜約200nMであり得る。いくつかの実施形態において、結合親和性は、約200nM、約100nM、約50nM、約10nM、約1nM、約500pM、約100pM、約60pM、約50pM、約20pM、約15pM、約10pM、約5pMまたは約2pMのいずれかである。いくつかの実施形態において、結合親和性は、約250nM、約200nM、約100nM、約50nM、約10nM、約1nM、約500pM、約100pMまたは約50pMのいずれか未満である。いくつかの実施形態において、結合親和性は、約50nM未満である。

0033

抗CGRPアンタゴニスト抗体は、頭痛前、頭痛中及び/または頭痛後に投与され得る。いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、頭痛(例えば、片頭痛及び群発頭痛)の発作前に投与される。抗CGRPアンタゴニスト抗体の投与は、当該技術分野にて知られている任意の手段であってよく、経口、静脈内、皮下、動脈内、筋肉内、経鼻(例えば、吸入ありまたは吸入なし)、心臓内脊髄内胸腔内腹腔内、脳室内下、経皮及び/または吸入による投与が挙げられる。投与は、全身投与(例えば、静脈内)であっても、局所投与であってもよい。

0034

いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、頭痛を治療するための別の作用物質などの別の作用物質とともに投与してもよい。

0035

別の態様において、本発明は、本明細書に記載の方法のいずれか、例えば、頭痛を治療または予防する方法で使用する薬剤の製造のための抗CGRPアンタゴニスト抗体の使用を提供する。

0036

別の態様において、本発明は、頭痛(例えば、片頭痛及び群発頭痛)を予防または治療するための医薬組成物を提供し、この医薬組成物は、有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤と組み合わせて含む。

0037

別の態様において、本発明は、本明細書に記載の方法のいずれかにて使用するためのキットを提供する。いくつかの実施形態において、キットは、容器と、本明細書に記載の抗CGRPアンタゴニスト抗体を薬学的に許容可能な担体と組み合わせて含む組成物と、本明細書に記載の方法のいずれかにて当該組成物を使用するための説明書とを含む。

0038

本発明はまた、抗CGRPアンタゴニスト抗体及び抗体G1または表6に示すそのバリアントに由来するポリペプチドを提供する。したがって、一態様において、本発明は、ATCC受託番号PTA−6866及びPTA−6867の発現ベクターによって産生される抗体G1(同義的に「G1」と呼ぶ)を提供する。例えば、一実施形態において、ATCC受託番号PTA−6867の発現ベクターによって産生される重鎖を含む抗体である。更なる実施形態において、ATCC受託番号PTA−6866の発現ベクターによって産生される軽鎖を含む抗体である。G1の重鎖及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列を図5に示す。抗体G1の相補性決定領域(CDR)部分(Chothia及びKabatのCDRを含む)についても図5に示す。G1のいずれかの部分または領域全体への言及は、ATCC受託番号PTA−6866及びPTA−6867を有する発現ベクターによって産生される配列及び/または図5に示す配列を包含すると理解される。いくつかの実施形態において、本発明はまた、表6に示すアミノ酸配列を有する、G1の抗体バリアントも提供する。

0039

一態様において、本発明は、アミノ酸配列が配列番号1と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるVHドメインを含む抗体を提供する。

0040

別の態様において、本発明は、アミノ酸配列が配列番号2と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるVLドメインを含む抗体を提供する。

0041

別の態様において、本発明は、抗体G1または表6に示すそのバリアントの断片または領域を含む抗体を提供する。一実施形態において、断片は、抗体G1の軽鎖である。別の実施形態において、断片は、抗体G1の重鎖である。更に別の実施形態において、断片は、抗体G1の軽鎖及び/または重鎖由来の1つまたは複数の可変領域を含む。更に別の実施形態において、断片は、図5に示す軽鎖及び/または重鎖由来の1つまたは複数の可変領域を含む。更に別の実施形態において、断片は、抗体G1の軽鎖及び/または重鎖由来の1つまたは複数のCDRを含む。

0042

別の態様において、本発明は、配列番号5に示すVHCDR3または1、2、3、4若しくは5つのアミノ酸置換により配列番号5と異なる配列を含むポリペプチド(抗体であっても抗体でなくてもよい)を提供する。特定の実施形態において、そのようなアミノ酸置換は、保存的置換である。

0043

別の態様において、本発明は、配列番号8に示すVLCDR3または1、2、3、4若しくは5つのアミノ酸置換により配列番号8と異なる配列を含むポリペプチド(抗体であっても抗体でなくてもよい)を提供する。特定の実施形態において、そのようなアミノ酸置換は、保存的置換である。

0044

別の態様において、本発明は、a)抗体G1または表6に示すそのバリアントに由来する1つまたは複数のCDR、b)抗体G1または表6に示すそのバリアントの重鎖に由来するCDR H3、c)抗体G1または表6に示すそのバリアントの軽鎖に由来するCDR L3、d)抗体G1または表6に示すそのバリアントの軽鎖に由来する3つのCDR、e)抗体G1または表6に示すそのバリアントの重鎖に由来する3つのCDR、f)抗体G1または表6に示すそのバリアントの軽鎖に由来する3つのCDR及び重鎖に由来する3つのCDRのうちのいずれか1つまたは複数を含むポリペプチド(抗体であっても抗体でなくてもよい)を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、a)抗体G1若しくは表6に示すそのバリアント由来の1つ若しくは複数(1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)のCDR、b)抗体G1の重鎖のCDR H3に由来するCDR、及び/またはc)抗体G1の軽鎖のCDR L3に由来するCDRのうちのいずれか1つまたは複数を含むポリペプチド(抗体であっても抗体でなくてもよい)を更に提供する。いくつかの実施形態において、CDRは、図5に示すCDRである。いくつかの実施形態において、抗体G1または表6に示すそのバリアントに由来する1つまたは複数のCDRは、G1またはそのバリアントの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つまたは少なくとも6つのCDRと少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%と同一である。

0045

いくつかの実施形態において、CDRは、KabatのCDRである。他の実施形態において、CDRは、ChothiaのCDRである。他の実施形態において、CDRは、KabatとChothiaのCDRの組み合わせである(「組み合わせCDR」または「拡張CDR」とも呼ぶ)。言い換えれば、2つ以上のCDRを含有する任意の所定の実施形態について、CDRは、Kabat、Chothia及び/または組み合わせのいずれかであってよい。

0046

いくつかの実施形態において、ポリペプチド(抗体など)は、KASKXaaVXaaTYVS(配列番号53)のアミノ酸配列を含み、5位のXaaは、R、W、G、LまたはNであり、7位のXaaは、T、A、D、G、R、S、WまたはVである。いくつかの実施形態において、KASKXaaVXaaTYVS(配列番号53)のアミノ酸配列は、抗体軽鎖のCDR1である。

0047

いくつかの実施形態において、ポリペプチド(抗体など)は、XaaXaaSNRYXaa(配列番号54)のアミノ酸配列を含み、1位のXaaは、GまたはAであり、2位のXaaは、AまたはHであり、7位のXaaは、L、T、IまたはSである。いくつかの実施形態において、XaaXaaSNRYXaa(配列番号54)のアミノ酸配列は、抗体軽鎖のCDR2である。

0048

いくつかの実施形態において、ポリペプチド(抗体など)は、EIRSXaaSDXaaXaaATXaaYAXaaAVKG(配列番号55)のアミノ酸配列を含み、5位のXaaは、E、R、K、QまたはNであり、8位のXaaは、A、G、N、E、H、S、L、R、C、F、Y、V、DまたはPであり、9位のXaaは、S、G、T、Y、C、E、L、A、P、I、N、R、V、DまたはMであり、12位のXaaは、HまたはFであり、15位のXaaは、EまたはDである。いくつかの実施形態において、EIRSXaaSDXaaXaaATXaaYAXaaAVKG(配列番号55)のアミノ酸配列は、抗体重鎖のCDR2である。

0049

いくつかの実施形態において、ポリペプチド(抗体など)は、配列番号1のアミノ酸配列を含み、配列番号1の99位のアミノ酸残基はLであるか、またはA、N、S、T、V若しくはRで置換されており、配列番号1の100位のアミノ酸残基はAであるか、またはL、R、S、V、Y、C、G、T、K若しくはPで置換されている。

0050

いくつかの実施形態において、抗体は、ヒト抗体である。他の実施形態において、抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、モノクローナルである。いくつかの実施形態において、抗体(またはポリペプチド)は、単離される。いくつかの実施形態において、抗体(またはポリペプチド)は、実質的に純粋である。

0051

抗体の重鎖定常領域は、IgG、IgMIgDIgA及びIgEなどの任意の型の定常領域に由来するものであってよく、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4などの任意のアイソタイプであってよい。

0052

いくつかの実施形態において、抗体は、本明細書に記載の改変された定常領域を含む。

0053

別の態様において、本発明は、抗体G1または表6に示すそのバリアントの断片または領域をコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド(単離されてもよい)を提供する。一実施形態において、断片は、抗体G1の軽鎖である。別の実施形態において、断片は、抗体G1の重鎖である。更に別の実施形態において、断片は、抗体G1の軽鎖及び/または重鎖由来の1つまたは複数の可変領域を含む。更に別の実施形態において、断片は、抗体G1の軽鎖及び/または重鎖に由来する1つまたは複数(すなわち、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の相補性決定領域(CDR)を含有する。

0054

別の態様において、本発明は、抗体G1または表6に示すそのバリアントをコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド(単離されてもよい)を提供する。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号9及び配列番号10に示すポリヌクレオチドの一方または両方を含む。

0055

別の態様において、本発明は、本明細書に記載の抗体(抗体断片を含む)またはポリペプチドのいずれかをコードするポリヌクレオチドを提供する。

0056

別の態様において、本発明は、本明細書にて開示するポリヌクレオチドのいずれかを含むベクター(発現ベクター及びクローニングベクターを含む)及び宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態において、ベクターは、ATCC番号PTA−6867を有するpDb.CGRP.hFcGIである。他の実施形態において、ベクターは、ATCC番号PTA−6866を有するpEb.CGRP.hKGIである。

0057

別の態様において、本発明は、本明細書に記載の抗体のいずれかをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供する。

0058

別の態様において、本発明は、本明細書に記載の抗体またはポリペプチドのいずれかが結合したCGRPの複合体を提供する。いくつかの実施形態において、抗体は、抗体G1または表6に示すそのバリアントである。

0059

別の態様において、本発明は、有効量の本明細書に記載のポリペプチド(抗体G1の1つまたは複数のCDRを含む抗体などの抗体を含む)またはポリヌクレオチドのいずれかと、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。

0060

別の態様において、本発明は、抗体G1を作製する方法を提供し、この方法は、抗体G1の産生を可能にする条件下で、宿主細胞またはその子孫細胞を培養することを含み、宿主細胞は、抗体G1をコードする発現ベクターを含み、いくつかの実施形態では、抗体G1を精製することを含む。いくつかの実施形態において、発現ベクターは、配列番号9及び配列番号10に示すポリヌクレオチド配列の一方または両方を含む。

0061

別の態様において、本発明は、本明細書に記載の抗体またはポリペプチドのいずれかを作製する方法を提供し、この方法は、抗体またはポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを好適な細胞中で発現させ(単一の軽鎖若しくは重鎖として個別に発現させてもよいし、または軽鎖と重鎖の両方を1つのベクターから発現させる)、一般にはこれ続いて、目的の抗体またはポリペプチドを回収及び/または単離することによる。

0062

本発明の抗CGRPアンタゴニスト抗体、ポリペプチドならびに当該抗体及びポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、CGRPの異常機能に関連する疾患、例えば、頭痛(例えば、片頭痛、群発頭痛、慢性頭痛及び緊張性頭痛)及びCGRP活性に拮抗することによって治療または予防され得る他の状態を治療し、予防し、改善し、制御し、その発生を減少させるために使用することができる。

0063

別の態様において、本発明は、本明細書に記載の組成物のいずれか1つまたは複数を含むキット及び組成物を提供する。一般に、適切な包装で適切な説明書を備えたこれらのキットは、本明細書に記載の方法のいずれかに有用である。

0064

一態様において、本発明は、本明細書に記載の方法のいずれかに従った使用のための組成物を提供する。

0065

一態様において、本発明は、対象における少なくとも1つの血管運動神経症状及び/または頭痛を治療し、またはその発生を減少させるのに使用するための組成物を提供する。一実施形態において、使用は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に複数日に投与することを含み、複数日の各日に投与される量は、1000mg未満である。一実施形態において、使用は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に複数日に投与することを含み、複数日の各日に投与される量は、100〜2000mgである。いくつかの実施形態において、頭痛は片頭痛(例えば、慢性片頭痛または反復性片頭痛)である。いくつかの実施形態において、複数日の2つには7日を上回る間隔がある。いくつかの実施形態において、単回投与後少なくとも7日間、頭痛の発生が減少する。いくつかの実施形態において、第1の日に投与されるモノクローナル抗体の量は、第2の日に投与されるモノクローナル抗体の量と異なる(例えば、より多い)。いくつかの実施形態において、1ヶ月あたり3回未満の用量が対象に投与される。いくつかの実施形態において、投与は、皮下投与である。いくつかの実施形態において、投与は、静脈内投与である。いくつかの実施形態において、投与は、ある量のモノクローナル抗体を含むプレフィルドシリンジを用いることを含む。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、150mg/mLの濃度で配合される。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、2mL未満の体積で投与される。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体の量は、1000mg未満である。いくつかの実施形態において、当該投与後に対象が経験する1ヶ月の頭痛時間が、対象における投与前のレベルから40時間以上(例えば、45、50、55、60、65、70、75、80、またはそれ以上)減少する。1ヶ月の頭痛時間は、60時間を超えて減少し得る。いくつかの実施形態において、当該投与後に対象が経験する1ヶ月の頭痛時間が、対象における投与前のレベルと比較して25%以上(例えば、30%、35%、40%、45%、50%、またはそれ以上)減少する。1ヶ月の頭痛時間は、40%以上減少し得る。いくつかの実施形態において、当該投与後に対象が経験する1ヶ月の頭痛日が、対象における投与前のレベルから3日以上(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日以上)減少する。いくつかの実施形態において、使用は、モノクローナル抗体と同時にまたは連続的に、第2の作用物質を対象に投与することを更に含む。第2の作用物質は、5−HT1アゴニスト、トリプタン、麦角アルカロイド及び非ステロイド性抗炎症薬のいずれかであり得る。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、予防的に対象に投与される物質である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体の投与後、対象による第2の作用物質の月間使用が少なくとも15%減少する。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、トリプタンである。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒトまたはヒト化モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、(a)配列番号3に示すCDRH1、配列番号4に示すCDR H2、配列番号5に示すCDR H3、配列番号6に示すCDR L1、配列番号7に示すCDR L2及び配列番号8に示すCDR L3を有する抗体、または(b)表6に示す(a)に従った抗体のバリアントを含む。

0066

一態様において、本発明は、対象が経験する1ヶ月の頭痛時間数を減らすのに使用するための組成物を提供する。一実施形態において、使用は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも20時間(例えば、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70時間またはそれ以上の頭痛時間分)減少させるのに有効な量である。いくつかの実施形態において、1ヶ月の頭痛時間数は、少なくとも約50時間減少する。一実施形態において、使用は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも15%(例えば、20%、25%、30%、35%、40%、またはそれ以上)減少させるのに有効な量である。いくつかの実施形態において、1ヶ月の頭痛時間数は、少なくとも約30%減少する。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、抗CGRPアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体の量は、1000mg未満である。いくつかの実施形態において、1ヶ月あたり3回未満の用量が対象に投与される。いくつかの実施形態において、投与は、皮下または静脈内投与である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、少なくとも150mg/mLの濃度で配合される。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、2mL未満の体積で投与される。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒトまたはヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、(a)配列番号3に示すCDRH1、配列番号4に示すCDR H2、配列番号5に示すCDR H3、配列番号6に示すCDR L1、配列番号7に示すCDR L2及び配列番号8に示すCDR L3を有する抗体、または(b)表6に示す(a)に従った抗体のバリアントを含む。

0067

一態様において、本発明は、対象が経験する1ヶ月の頭痛日数を減らすのに使用するための組成物を提供する。一実施形態において、使用は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛日数を少なくとも3日(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日またはそれ以上の頭痛日数分)減少させるのに有効な量である。いくつかの実施形態において、1ヶ月の頭痛日数は、少なくとも約6日の頭痛日数分減少する。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、抗CGRPアンタゴニスト抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体の量は、1000mg未満である。いくつかの実施形態において、1ヶ月あたり3回未満の用量が対象に投与される。いくつかの実施形態において、投与は、皮下または静脈内投与である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、少なくとも150mg/mLの濃度で配合される。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、2mL未満の体積で投与される。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒトまたはヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、(a)配列番号3に示すCDRH1、配列番号4に示すCDR H2、配列番号5に示すCDR H3、配列番号6に示すCDR L1、配列番号7に示すCDR L2及び配列番号8に示すCDR L3を有する抗体、または(b)表6に示す(a)に従った抗体のバリアントを含む。

0068

一態様において、本発明は、対象における抗頭痛薬の使用を減らすのに使用するための組成物を提供し、CGRP経路を調節するモノクローナル抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体は、対象の抗頭痛薬の月間使用を少なくとも15%(例えば、20%、25%、30%、35%、40%、またはそれ以上)減少させるのに有効な量である。いくつかの実施形態において、抗頭痛薬は、5−HT1アゴニスト、トリプタン、オピエート、β−アドレナリン遮断薬、麦角アルカロイド及び非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、抗頭痛薬は、トリプタンである。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体の量は、1000mg未満である。いくつかの実施形態において、1ヶ月あたり3回未満の用量が対象に投与される。いくつかの実施形態において、投与は、皮下または静脈内投与である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、少なくとも150mg/mLの濃度で配合される。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、2mL未満の体積で投与される。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒトまたはヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、(a)配列番号3に示すCDRH1、配列番号4に示すCDR H2、配列番号5に示すCDR H3、配列番号6に示すCDR L1、配列番号7に示すCDR L2及び配列番号8に示すCDR L3を有する抗体、または(b)表6に示す(a)に従った抗体のバリアントを含む。

0069

一態様において、本発明は、対象における頭痛(例えば、片頭痛)を治療し、またはその発生を減少させるのに使用するための組成物を提供し、CGRP経路を調節する量で、単回用量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体の量は、100〜2000mgである。

図面の簡単な説明

0070

アラニン置換した種々のヒトα−CGRP断片に対する12のネズミ抗体の結合親和性を示す表である。結合親和性は、Biacoreを用いてチップ上のCGRPにFabを流すことにより25℃で測定した。囲み中の値は、親断片25〜37(斜字体)(19〜37の親断片に由来するK35Aを除く)と比較した、アラニン変異体の親和性の低下を表す。「a」は、19〜37及び25〜37の断片の親和性が個別のセンサーチップ上での2つの単独測定値の平均±標準偏差であることを示す。「b」は、これらの相互作用が2段階の解離速度であるために単純な二分子相互作用モデルから逸脱することから、これらの親和性が高次構造変化モデルを用いて決定されたものであることを示す。グレースケール解説:白(1.0)は親と同様の親和性を示す。薄いグレー(0.5未満)は親よりも親和性が高いことを示す。濃いグレー(2を超えるもの)は親よりも親和性が低いことを示す。黒は、結合が検出されなかったことを示す。
図2Aは、30秒間の電気パルス刺激後における血液細胞流速として測定した皮膚血流量に対する、CGRP8〜37(400nmol/kg)、抗体4901(25mg/kg)及び抗体7D11(25mg/kg)の投与効果を示す。CGRP8〜37は、電気パルス刺激の3〜5分前に静脈内(iv)投与した。各抗体は、電気パルス刺激の72時間前に腹腔内(IP)投与した。グラフ中の各点は、指定した条件下で処置したラット1匹のAUCを表す。グラフ中の各線は、指定した条件下で処置したラットの平均AUCを表す。AUC(曲線下面積)は、Δ流速×Δ時間に等しい。「Δ流速」は、電気パルス刺激後の流速単位の変化を表し、「Δ時間」は、血液細胞の流速レベルが電気パルス刺激前のレベルに戻るのにかかる時間を表す。
図2Bは、30秒間の電気パルス刺激後における血液細胞の流速として測定した皮膚血流量に対する、CGRP8〜37(400nmol/kg)、抗体4901(25mg/kg)及び抗体7D11(25mg/kg)の投与効果を示す。CGRP8〜37は、電気パルス刺激の3〜5分前に静脈内(iv)投与した。各抗体は、電気パルス刺激の72時間前に腹腔内(IP)投与した。グラフ中の各点は、指定した条件下で処置したラット1匹のAUCを表す。グラフ中の各線は、指定した条件下で処置したラットの平均AUCを表す。AUC(曲線下面積)は、Δ流速×Δ時間に等しい。「Δ流速」は、電気パルス刺激後の流速単位の変化を表し、「Δ時間」は、血液細胞の流速レベルが電気パルス刺激前のレベルに戻るのにかかる時間を表す。
30秒間の電気パルス刺激後における血液細胞の流速として測定した皮膚血流量に対する、異なる用量の抗体4901(25mg/kg、5mg/kg、2.5mg/kgまたは1mg/kg)の投与効果を示す。各抗体は、電気パルス刺激の24時間前に静脈内(IV)投与した。グラフ中の各点は、指定した条件下で処置したラット1匹のAUCを表す。グラフ中の線は、指定した条件下で処置したラットの平均AUCを表す。
図4Aは、30秒間の電気パルス刺激後における血液細胞の流速として測定した皮膚血流量に対する、抗体4901(1mg/kgまたは10mg/kg、i.v.)、抗体7E9(10mg/kg、i.v.)及び抗体8B6(10mg/kg、i.v.)の投与効果を示す。各抗体は、静脈内(i.v.)投与し、次いで、抗体投与後30分、60分、90分及び120分に電気パルス刺激を行った。Y軸は、抗体を全く投与していない場合(時間0)のAUCレベルと比較したAUCのパーセントを表す。X軸は、抗体投与と電気パルス刺激との間の時間(分)を表す。「*」はP<0.05を示し、「**」はP<0.01を示す(時間0と比較)。データは、一元配置ANOVAダネット多重比較検定とともに用いて分析した。
図4Bは、30秒間の電気パルス刺激後における血液細胞の流速として測定した皮膚血流量に対する、抗体4901(1mg/kgまたは10mg/kg、i.v.)、抗体7E9(10mg/kg、i.v.)及び抗体8B6(10mg/kg、i.v.)の投与効果を示す。各抗体は、静脈内(i.v.)投与し、次いで、抗体投与後30分、60分、90分及び120分に電気パルス刺激を行った。Y軸は、抗体を全く投与していない場合(時間0)のAUCレベルと比較したAUCのパーセントを表す。X軸は、抗体投与と電気パルス刺激との間の時間(分)を表す。「*」はP<0.05を示し、「**」はP<0.01を示す(時間0と比較)。データは、一元配置ANOVAをダネットの多重比較検定とともに用いて分析した。
抗体G1の重鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号1)及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号2)を示す。KabatのCDRは太字で、ChothiaのCDRは下線付きで示す。重鎖及び軽鎖可変領域に関するアミノ酸残基は、順番にナンバリングされている。
Biacoreを用いたペプチド競合による抗体G1のエピトープマッピングを示す。N−ビオチン化ヒトα−CGRPをSAセンサーチップ上に捕捉した。競合ペプチドの不存在下または10uMの競合ペプチドとともに1時間予めインキュベートしたG1 Fab(50nM)をチップ上に流した。チップ上のヒトα−CGRPに対するG1 Fabの結合を測定した。Y軸は、競合ペプチドが存在しない場合の結合と比較した、競合ペプチドの存在による結合阻害率を表す。
30秒間の電気パルス刺激後における血液細胞の流速として測定した皮膚血流量に対する、抗体G1(1mg/kgまたは10mg/kg、i.v.)またはビヒクルPBS、0.01%Tween20)の投与効果を示す。抗体G1またはビヒクルを静脈内(i.v.)投与し、次いで、抗体投与後30分、60分、90分及び120分に神経電気パルス刺激を行った。Y軸は、抗体またはビヒクル(100%と定義)を全く投与していない場合(時間0)のAUCレベルと比較したAUCのパーセントを表す。X軸は、抗体投与と電気パルス刺激との間の時間(分)を表す。「*」はP<0.05を示し、「**」はP<0.01を示す(ビヒクルと比較)。データは、二元配置ANOVA及びボンフェローニ事後検定を用いて分析した。
投薬から24時間後の30秒間の電気パルス刺激後における血液細胞の流速として測定した皮膚血流量に対する、抗体G1(1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kg、i.v.)またはビヒクル(PBS、0.01%Tween20)の投与効果を示す。抗体G1またはビヒクルは、神経電気パルス刺激の24時間前に静脈内(i.v.)投与した。Y軸は、曲線総面積(AUC、血液細胞の流速変化に、刺激から流速がベースラインに戻るまでの時間変化を乗じたもの)を表す。X軸は、様々な用量の抗体G1を表す。「*」はP<0.05を示し、「**」はP<0.01を示す(ビヒクルと比較)。データは、一元配置ANOVA及びダンの多重比較検定を用いて分析した。
投薬から7日後の30秒間の電気パルス刺激後における血液細胞の流速として測定した皮膚血流量に対する、抗体G1(0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kg、i.v.)またはビヒクル(PBS、0.01%Tween20)の投与効果を示す。抗体G1またはビヒクルは、神経電気パルス刺激の7日前に静脈内(i.v.)投与した。Y軸は、総AUCを表す。X軸は、様々な用量の抗体G1を表す。「**」はP<0.01を示し、「***」はP<0.001を示す(ビヒクルと比較)。データは、一元配置ANOVA及びダンの多重比較検定を用いて分析した。
図8A及び8Bのデータの曲線当てはめ分析である。神経電気パルス刺激の24時間前または7日前のいずれかに抗体G1またはビヒクルを静脈内(i.v.)投与した。Y軸は、総AUCを表す。X軸は、様々な用量の抗体G1を「mg/kg」単位のEC50を求めるための対数目盛で表す。
電界刺激後の中硬膜動脈直径変化に対する、抗体mu7E9(10mg/kg)、BIBN4096BSまたはビヒクル(PBS、0.01%Tween20)の効果を示す。抗体mu7E9、BIBN4096BSまたはビヒクルは、電気刺激に対するベースライン応答確立された後の時間点0分にて静脈内(i.v.)投与した。Y軸は、電界刺激後の中硬膜動脈の直径変化を表す。安静時の直径が0%に相当する。X軸は、電気パルス刺激の時間(分)を表す。「*」はP<0.05を示し、「**」はP<0.01を示す(ビヒクルと比較)。データは、一元配置ANOVA及びダネットの多重比較検定を用いて分析した。
電界刺激後の中硬膜動脈の直径変化に対する、様々な用量の抗体G1(1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kg、i.v.)またはビヒクル(PBS、0.01%Tween20)の効果を示す。抗体G1またはビヒクルは、電界刺激の7日前に静脈内(i.v.)投与した。Y軸は、中硬膜動脈の直径変化を表す。安静時の直径が0%に相当する。X軸は、刺激電圧を表す。「*」はP<0.05を示し、「**」はP<0.01を示し、「***」はP<0.001を示す(ビヒクルと比較)。データは、二元配置ANOVA及びボンフェローニ事後検定を用いて分析した。
モルヒネ中毒ラットにおいてナロキソン皮下注射(1mg/kg)によって誘発した深部体温の低下に対する、24時間前に静脈内(i.v.)投与した抗体mu4901(10mg/kg)またはビヒクル(PBS、0.01%Tween20)の効果を示す。Y軸は、ベースラインからの温度差を表す。X軸は、ナロキソン注射時からの測定時間を表す。
モルヒネ中毒ラットにおいてナロキソン皮下注射(1mg/kg)によって誘発した尾表面温度の上昇に対する、24時間前に静脈内(i.v.)投与した抗体mu4901(10mg/kg)またはビヒクル(PBS、0.01%Tween20)の効果を示す。Y軸は、ベースラインからの温度差を表す。X軸は、ナロキソン注射時からの測定時間を表す。
異なる用量の抗体G1の効果とプラセボを比較した、臨床試験の結果を示すグラフである。
異なる用量の抗体G1の効果とプラセボを比較した、臨床試験の結果を示すグラフである。
異なる用量の抗体G1の効果とプラセボを比較した、臨床試験の結果を示すグラフである。
異なる用量の抗体G1の効果とプラセボを比較した、臨床試験の結果を示すグラフである。
異なる用量の抗体G1の効果とプラセボを比較した、臨床試験の結果を示すグラフである。
異なる用量の抗体G1の効果とプラセボを比較した、臨床試験の結果を示すグラフである。
異なる用量の抗体G1の効果とプラセボを比較した、臨床試験の結果を示すグラフである。

0071

いくつかの態様において、本明細書にて開示する本発明は、個体に治療上有効な量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を投与することによって、個体における血管運動神経症状(例えば、顔面潮紅)を治療し、及び/または予防するための方法を提供する。

0072

いくつかの態様において、本明細書にて開示する本発明は、個体に治療上有効な量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を投与することによって、個体における頭痛(例えば、片頭痛、群発頭痛、慢性頭痛及び緊張性頭痛)を治療し、及び/または予防するための方法を提供する。いくつかの場合において、頭痛は、片頭痛である。

0073

いくつかの態様において、本明細書にて開示する本発明はまた、抗CGRPアンタゴニスト抗体及びG1または表6に示すそのバリアントに由来するポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態において、本発明はまた、これらの抗体及びポリペプチドを作製する方法及び使用する方法を提供する。

0074

本出願全体を通して、種々の公開物(特許及び特許出願を含む)を参照する。これらの公開物の開示については、その全体を参照により本明細書に援用する。

0075

一般的技術
本発明の各種態様の実施には、特に指定のない限り、当該技術分野の技術範囲内である、分子生物学組み換え技術を含む)、微生物学細胞生物学生化学及び免疫学の従来技術が採用される。このような技術については、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,second edition(Sambrook et al.,1989)Cold Spring Harbor Press;Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Methodsin Molecular Biology,Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press;Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.,1987);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press;Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle、J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993−1998)J.Wiley and Sons;Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.);Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel et al.,eds.,1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991);Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999);Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997);Antibodies(P.Finch,1997);Antibodies:a practical approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988−1989);Monoclonal antibodies:a practical approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000);Using antibodies:a laboratory manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999);The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995)などの文献にて詳細に説明されている。

0076

定義
「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどの標的に特異的に結合することができる免疫グロブリン分子である。本明細書で使用するとき、この用語は、インタクトポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけではなく、それらの断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvなど)、一本鎖(ScFv)、それらの変異体、抗体部分ドメイン抗体など)を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む他の任意の修飾構造の免疫グロブリン分子も包含する。抗体は、IgG、IgAまたはIgM(またはそれらのサブクラス)などの任意のクラスの抗体を含み、いずれかの特定のクラスである必要はない。免疫グロブリンは、抗体重鎖の定常ドメインの抗体アミノ酸配列に応じて、異なるクラスに割り振ることができる。免疫グロブリンには、5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、これらのいくつかは、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2のサブクラス(アイソタイプ)に更に分類することができる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖の定常ドメインは、それぞれアルファデルタイプシロンガンマ及びミューと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び三次元構造は、よく知られている。

0077

本明細書で使用するとき、「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体を指し、すなわち、この集団に含まれる個々の抗体は、微量に存在する可能性が想定される自然に発生する変異を除いて、同一である。モノクローナル抗体は、極めて特異性が高く、単一の抗原部位に向けられる。更に、異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に向けられる。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に均質な抗体の集団から得られるという抗体の特徴を示すものであり、いずれかの特定の方法による抗体の産生が求められるものと解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler and Milstein,1975,Nature,256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ方法によって作製してもよいし、米国特許第4,816,567号に記載の方法などの組み換えDNA法によって作製してもよい。モノクローナル抗体はまた、例えば、McCafferty et al.,1990,Nature,348:552−554に記載された技術を用いて作製されたファージライブラリーから単離してもよい。

0078

本明細書で使用するとき、「ヒト化」抗体は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含む、特異的なキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらの断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2または抗体の他の抗原結合部分配列など)である非ヒト(例えば、ネズミ)抗体の形態を指す。主に、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリンレシピエント抗体)であって、レシピエントの相補性決定領域(CDR)に由来する残基が、所望の特異性、親和性及び生物活性を有するマウス、ラットまたはウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRに由来する残基で置き換えられているものである。ある場合には、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。更に、ヒト化抗体には、レシピエント抗体中にも、移入したCDRまたはフレームワーク配列中にも認められないが、抗体性能を更に改良及び最適化するために包含される残基を含めてもよい。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含み、全てまたは実質的に全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、全てまたは実質的に全てのFR領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域である。ヒト化抗体はまた、最適には、免疫グロブリン、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域またはドメイン(Fc)の少なくとも一部を含む。抗体は、WO99/58572に記載するように修飾されたFc領域を有してよい。ヒト化抗体の他の形態は、元の抗体の1つまたは複数のCDRに「由来する」1つまたは複数のCDRとも呼ばれる、元の抗体に対して改変を加えた1つまたは複数のCDR(1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ)を有する。

0079

本明細書で使用するとき、「ヒト抗体」は、ヒトによって産生された抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体を意味し、かつ/または当該技術分野にて知られている若しくは本明細書にて開示するヒト抗体の作製技術のいずれかを用いて作製されている。このヒト抗体の定義は、少なくとも1つのヒト重鎖ポリペプチドまたは少なくとも1つのヒト軽鎖ポリペプチドを含む抗体を含む。このような例の1つは、ネズミ軽鎖とヒト重鎖のポリペプチドを含む抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野において知られている各種技術を使用して作製することができる。一実施形態において、ヒト抗体は、ファージライブラリーから選択され、このファージライブラリーがヒト抗体を発現する(Vaughan et al.,1996,Nature Biotechnology,14:309−314;Sheets et al.,1998,PNAS,(USA)95:6157−6162;Hoogenboom and Winter,1991,J.Mol.Biol.,227:381;Marks et al.,1991,J.Mol.Biol.,222:581)。ヒト抗体はまた、トランスジェニック動物、例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的にまたは完全に不活性化されているマウスに、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を導入することによっても作製することができる。この手法は、米国特許第5,545,807号、同第5,545,806号、同第5,569,825号、同第5,625,126号、同第5,633,425号及び同第5,661,016号に記載されている。あるいは、標的抗原に対する抗体を産生するヒトBリンパ球不死化させることによってヒト抗体を作製してもよい(このようなBリンパ球は、個体から回収してもよいし、インビトロ免疫化してもよい)。例えば、Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boerner et al.,1991,J.Immunol.,147(1):86−95及び米国特許第5,750,373号を参照されたい。

0080

本明細書で使用するとき、「カルシトニン遺伝子関連ペプチド」及び「CGRP」という用語は、任意の形態のカルシトニン遺伝子関連ペプチド及びCGRPの活性の少なくとも一部を保持するそのバリアントを指す。例えば、CGRPは、α−CGRPまたはβ−CGRPであり得る。本明細書で使用するとき、CGRPは、全ての哺乳動物種、例えば、ヒト、イヌネコウマ及びウシ天然配列CGRPを含む。

0081

本明細書で使用するとき、「抗CGRPアンタゴニスト抗体」(同義的に「抗CGRP抗体」と呼ぶ)は、CGRPに結合し、CGRP生物活性及び/またはCGRPシグナル伝達によって媒介される下流経路複数可)を阻害することができる抗体を指す。抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CGRP生物活性を調節、遮断、拮抗、抑制または低減する(有意にを含む)か、あるいはさもなければ受容体結合及び/またはCGRPに対する細胞応答の誘発などのCGRPシグナル伝達によって媒介される下流経路を含むCGRP経路を拮抗する抗体を包含する。本発明の目的上、「抗CGRPアンタゴニスト抗体」という用語は、CGRP自体、CGRP生物活性(頭痛の任意の側面をもたらす能力を含むが、これに限定されない)またはその生物活性の帰結が、任意の意味のある程度で実質的に無効にされ、低下し、または中和する、先に特定された用語、名称ならびに機能的状態及び特徴を全て包含することを明確に理解されたい。いくつかの実施形態において、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CGRPと結合し、CGRPがCGRP受容体に結合するのを妨げる。他の実施形態において、抗CGRP抗体は、CGRPと結合し、CGRP受容体の活性化を妨げる。抗CGRPアンタゴニスト抗体の例については、本明細書中に記載する。

0082

本明細書で使用するとき、「G1」及び「抗体G1」という用語は、同じ意味で用いられ、ATCCPTA−6867及びATCC PTA−6866の受託番号を有する発現ベクターによって産生される抗体を指す。重鎖及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列を図5に示す。抗体G1のCDR部分(Chothia及びKabatのCDRを含む)を図5図式的に示す。重鎖及び軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを配列番号9及び配列番号10に示す。G1の特性評価については、実施例にて記載する。

0083

「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」という用語は、本明細書にて同じ意味で用いられ、任意の長さのアミノ酸の高分子を指す。高分子は、直鎖でも分岐鎖でもよく、修飾アミノ酸を含み得、非アミノ酸によって遮られていてもよい。これらの用語はまた、自然にまたは介入により、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化リン酸化または任意の他の操作若しくは修飾(標識要素との結合など)により修飾されたアミノ酸高分子も包含する。また、この定義内には、例えば、アミノ酸の1つまたは複数の類似体(例えば、非天然アミノ酸などを含む)及び当該技術分野において知られている他の修飾を含有するポリペプチドも含まれる。本発明のポリペプチドは、抗体に基づくものであることから、これらのポリペプチドは、単鎖または会合した鎖として存在し得ることを理解されたい。

0084

本明細書にて同じ意味で使用する「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドの高分子を指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドリボヌクレオチド修飾ヌクレオチド若しくは塩基及び/またはそれらの類似体、またはDNA若しくはRNAポリメラーゼによって高分子に取り込まれ得る任意の基質であってよい。ポリヌクレオチドは、メチル化されたヌクレオチド及びそれらの類似体などの修飾ヌクレオチドを含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、高分子の組み立ての前または後に加えることができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド構成要素によって遮られていてもよい。ポリヌクレオチドは、標識要素との結合などによって、重合後に更に修飾されてもよい。他の種類の修飾には、例えば、「キャップ」、類似体での天然ヌクレオチドの1つまたは複数の置換、ヌクレオチド間修飾、例えば、非荷電結合(例えば、メチルホスホネートホスホトリエステル、ホスホアミデートカルバメートなど)による修飾及び荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)による修飾、ペンダント部分、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ毒素、抗体、シグナルペプチド、ply−L−リシンなど)を含有する修飾、インターカレータ(例えば、アクリジンソラレンなど)による修飾、キレート化剤(例えば、金属、放射性金属ホウ素、酸化金属など)を含有する修飾、アルキル化剤を含有する修飾、修飾結合(例えば、αアノマー核酸など)による修飾、ならびにポリヌクレオチド(複数可)の非修飾形態が挙げられる。更に、糖中に通常存在するヒドロキシル基のうちのいずれかを、例えば、ホスホネート基ホスフェート基によって置換してもよいし、標準的な保護基によって保護してもよいし、活性化して更なるヌクレオチドの更なる結合をもたらしてもよいし、固体支持体に結合させてもよい。5’及び3’末端のOHを、リン酸化することもできるし、アミン若しくは1〜20個の炭素原子有機キャッピング基部分で置換することもできる。他のヒドロキシルも同様に標準的な保護基に誘導化されてもよい。ポリヌクレオチドはまた、当該技術分野において一般に知られているリボースまたはデオキシリボースの糖の類似形態も含み得、例えば、2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオロ−または2’−アジド−リボース、炭素環糖類似体、α−アノマー糖、アラビノースキシロースまたはリキソースなどのエピマー糖、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース非環式類似体及びメチルリボシドなどの脱塩ヌクレオシド類似体が挙げられる。1つまたは複数のホスホジエステル結合は、他の結合基によって置換されてよい。これらの他の結合基には、ホスフェートがP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH2(「ホルムアセタール」)で置換され、式中、各RまたはR’は、独立して、Hであるか、または置換若しくは非置換である、エーテル(−O−)結合を任意に含有するアルキル(1〜20個のC)、アリールアルケニルシクロアルキルシクロアルケニル若しくはアラルジル(araldyl)である実施形態が挙げられるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチド中の全ての結合が同一である必要はない。先の記載は、RNA及びDNAを含む、本明細書にて言及する全てのポリヌクレオチドに適用される。

0085

抗体の「可変領域」は、単独または組み合わせのいずかである、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域を指す。重鎖及び軽鎖の可変領域はそれぞれ、超可変領域としても知られている3つの相補性決定領域(CDR)によって連結された4つのフレームワーク領域(FR)からなる。各鎖中のCDRは、FRによって極めて近接してまとめられ、他の鎖のCDRとともに、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。CDRを特定するには、(1)異種間の配列多様性に基づくアプローチ(すなわち、Kabat et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest,(5th ed.,1991,National Institutes of Health,Bethesda MD))、及び(2)抗原−抗体複合体結晶学的研究に基づくアプローチ(Al−lazikani et al(1997)J.Molec.Biol.273:927−948))の少なくとも2つの技術がある。本明細書で使用するとき、CDRは、いずれか一方または両方のアプローチの組み合わせによって定義されるCDRを指し得る。

0086

抗体の「定常領域」は、単独または組み合わせのいずれかである、抗体軽鎖の定常領域または抗体重鎖の定常領域を指す。

0087

抗体またはポリペプチドに「優先的に結合する」または「特異的に結合する」(本明細書にて同じ意味で用いる)エピトープは、当該技術分野において十分に理解されている用語であり、このような特異的または優先的結合を特定する方法も同様に当該技術分野において十分知られている。ある分子が、他の細胞または物質よりも、より頻繁に、より迅速に、より長い期間及び/またはより高い親和性で特定の細胞または物質と反応し、または会合する場合に、その分子は、「特異的結合」または「優先的結合」を示すと言う。ある抗体は、他の物質への結合よりも、より高い親和性、アビディティで、より容易に、及び/またはより長い期間、結合する場合、その抗体は、標的に「特異的に結合」または「優先的に結合」する。例えば、CGRPエピトープに特異的または優先的に結合する抗体は、他のCGRPエピトープまたは非CGRPエピトープへの結合よりも、より高い親和性、アビディティで、より容易に、及び/またはより長い期間このエピトープに結合する抗体である。この定義を読むことにより、例えば、第1の標的に特異的または優先的に結合する抗体(または部分若しくはエピトープ)が第2の標的に特異的または優先的に結合してもしなくてもよいこともまた理解される。したがって、「特異的結合」または「優先的結合」は、排他的な結合を必ずしも必要とするものではない(ただし、含む場合もある)。一般に、必ずしも必須ではないが、結合への言及は、優先的結合を意味する。

0088

本明細書で使用するとき、「実質的に純粋」は、少なくとも50%純粋(すなわち、汚染物質を含まない)、より好ましくは少なくとも90%純粋、より好ましくは少なくとも95%純粋、より好ましくは少なくとも98%純粋、より好ましくは少なくとも99%純粋である物質を指す。

0089

「宿主細胞」は、ポリヌクレオチド挿入物を組み込むためのベクター(複数可)のレシピエントになり得る、またはレシピエントになっている個々の細胞または細胞培養物を含む。宿主細胞は、単一の宿主細胞の子孫を含み、その子孫は、自然発生的、偶発的または意図的な変異により、元の親細胞と必ずしも(形態学的にまたはゲノムDNA相補鎖において)完全に同一でなくてもよい。宿主細胞は、本発明のポリヌクレオチド(複数可)をインビボトランスフェクションした細胞を含む。

0090

「Fc領域」という用語は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。「Fc領域」は、天然配列のFc領域またはバリアントFc領域であってよい。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変わり得るが、ヒトIgG重鎖のFc領域は、通常、アミノ酸残基の位置Cys226またはPro230からそのカルボキシル末端までに及ぶものと定義される。Fc領域の残基のナンバリングは、Kabatと同様のEUインデックスのナンバリングである。Kabat et al.,Sequences of Proteins of Imunological Interest、5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1991。免疫グロブリンのFc領域は、一般に、2つの定常ドメインであるCH2及びCH3を含む。

0091

本明細書で使用するとき、「Fc受容体」及び「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を記述する。好ましいFcRは、天然配列のヒトFcRである。更に、好ましいFcRは、IgG抗体に結合するもの(ガンマ受容体)であり、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIサブクラスの受容体を含み、これらの受容体の対立遺伝子バリアント及び選択的スプライシングによる形態を含む。FcγRII受容体は、FcγRIIA(「活性型受容体」)及びFcγRIIB(「抑制型受容体」)を含み、これらは、その細胞質ドメインが主に異なる類似のアミノ酸配列を有する。FcRは、Ravetch and Kinet,1991,Ann.Rev.Immunol.,9:457−92;Capelet al.,1994,Immunomethods,4:25−34;ならびにde Haas et al.,1995,J.Lab.Clin.Med.,126:330−41にて概説されている。「FcR」はまた、母親由来IgGの胎児への輸送を担う、胎児性受容体FcRnを含む(Guyer et al.,1976,J.Immunol.,117:587;及びKim et al.,1994,J.Immunol.,24:249)。

0092

補体依存性細胞傷害」及び「CDC」は、補体の存在下における標的の溶解を指す。補体活性化経路は、同種抗原と複合体を形成した分子(例えば、抗体)に補体系の第1成分(C1q)が結合することによって開始される。補体活性化を評価するには、例えば、Gazzano−Santoro et al.,J.Immunol.Methods,202:163(1996)の記載の通りに、CDCアッセイを実施することができる。

0093

「機能性Fc領域」は、天然配列のFc領域の少なくとも1つのエフェクター機能を有する。例示的な「エフェクター機能」には、C1q結合、補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、食作用細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体;BCR)の下方制御などが挙げられる。このようなエフェクター機能は、一般に、Fc領域と結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)を組み合わせる必要があり、このような抗体エフェクター機能を評価するためには、当該技術分野において知られている各種アッセイを用いて評価することができる。

0094

「天然配列のFc領域」は、天然に見られるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。「バリアントFc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾により天然配列のFc領域のアミノ酸配列とは異なるが、天然配列のFc領域の少なくとも1つのエフェクター機能を保持する、アミノ酸配列を含む。好ましくは、バリアントFc領域は、天然配列のFc領域または親ポリペプチドのFc領域と比較して、天然配列のFc領域または親ポリペプチドのFc領域中に少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、約1〜約10個のアミノ酸置換、好ましくは約1〜約5個のアミノ酸置換を有する。本明細書におけるバリアントFc領域は、天然配列のFc領域及び/または親ポリペプチドのFc領域と、好ましくは少なくとも約80%の配列同一性、最も好ましくは少なくとも約90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%の配列同一性を有する。

0095

本明細書で使用するとき、「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」及び「ADCC」は、Fc受容体(FcR)を発現する非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球及びマクロファージ)が標的細胞上に結合した抗体を認識し、その後、標的細胞の溶解を引き起こす、細胞媒介性反応を指す。目的分子ADCC活性は、米国特許第5,500,362号または同第5,821,337号に記載されているものなどのインビトロADCCアッセイを用いて評価することができる。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)及びNK細胞が挙げられる。代替的にまたは追加的に、目的分子のADCC活性は、インビボで評価でき、例えば、Clynes et al.,1998,PNAS(USA),95:652−656に記載されているものなどの動物モデルにて評価され得る。

0096

本明細書で使用するとき、「治療」は、有益なまたは望ましい臨床結果を得るための手法である。本発明の目的上、有益なまたは望ましい臨床結果には、重症度の軽減を含めた頭痛のあらゆる側面の改善、疼痛強度及び他の随伴症状の緩和、発生頻度の減少、頭痛罹患者の生活の質の向上、ならびに頭痛を治療するのに必要な他の薬の用量の低減のうちの1つまたは複数が挙げられるが、これらに限定されない。片頭痛の他の関連症状には、悪心、嘔吐、光過敏、音過敏及び/または動作過敏が挙げられるが、これらに限定されない。群発頭痛の他の関連症状には、眼の下または周辺腫脹、過剰な赤目鼻漏または鼻詰まり及び赤く紅潮した顔が挙げられるが、これらに限定されない。

0097

頭痛の「発生を減少させる」とは、重症度の軽減(例えば、片頭痛用エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミンまたはトリプタンを含む、当該状態のために一般に使用される他の薬剤及び/または治療薬の必要性及び/または量(例えば、曝露量)の低減を含み得る)、継続期間の短縮、及び/または頻度の低減(例えば、個体における次の反復性発作までの時間を遅延させ、または延長させることを含む)のいずれかを意味する。当業者であれば理解するように、治療に対する応答に関しては、個体で異なる場合があることから、例えば、「個体における頭痛の発生を減少させる方法」は、抗CGRPアンタゴニスト抗体の投与により、この特定の個体における発生のこうした減少が生じる可能性があるという合理的な見込みに基づいた、抗CGRPアンタゴニスト抗体の投与を表す。

0098

頭痛または頭痛の1つ若しくは複数の症状を「改善する」とは、抗CGRPアンタゴニスト抗体を投与しない場合と比較して、頭痛の1つ若しくは複数の症状が軽減することまたは良くなることを意味する。「改善する」にはまた、症状の継続期間が短くなることまたは減少することも含まれる。

0099

本明細書で使用するとき、「頭痛を制御する」とは、個体における頭痛の1つ若しくは複数の症状の重症度若しくは継続期間または頭痛発作の頻度が維持されることまたは低減することを指す(治療前のレベルと比較して)。例えば、個体において、頭痛の継続期間若しくは重症度または発作頻度が、治療前のレベルと比較して、少なくともおよそ10%、20%、30%、40%、50%、60%または70%のいずれか低減する。

0100

本明細書で使用するとき、「頭痛時間」とは、対象が頭痛を経験している間の時間を指す。頭痛時間は、整数時間(例えば、1時間、2時間、3時間などの頭痛時間)または整数と端数の時間(例えば、0.5時間、1.2時間、2.67時間などの頭痛時間)で表すことができる。1時間またはそれ以上の頭痛時間は、特定の時間期間に関して記載され得る。例えば、「1日の頭痛時間」は、1日の期間(例えば、24時間)内に対象が経験する頭痛時間数を指し得る。別の例において、「1週間の頭痛時間」は、1週間の期間(例えば、7日間)内に対象が経験する頭痛時間数を指し得る。理解され得るように、1週間の期間は、暦週に対応していても、対応していなくてもよい。別の例において、「1ヶ月の頭痛時間」は、1ヶ月の期間内に対象が経験する頭痛時間数を指し得る。理解され得るように、1ヶ月の期間(例えば、28〜31日の期間)は、特定の月に応じて日数が変動し得、暦月に対応していても、対応していなくてもよい。更に別の例として、「1年の頭痛時間」は、1年の期間内に対象が経験する頭痛時間数を指し得る。理解され得るように、1年の期間(例えば、365日または366日の期間)は、特定の年に応じて日数が変動し得、暦年に対応していても、対応していなくてもよい。いくつかの実施形態において、頭痛時間は、特定の種類の頭痛(例えば、片頭痛、群発頭痛、慢性頭痛及び緊張性頭痛)に関するものであってよい。例えば、「片頭痛時間」は、対象が片頭痛を経験する時間を指し得る。

0101

本明細書で使用するとき、「頭痛日」は、対象が頭痛を経験する日を指し得る。頭痛日は、整数日(例えば、1日、2日、3日などの頭痛日)または整数と端数の日(例えば、0.5日、1.2日、2.67日などの頭痛日)で表すことができる。1日またはそれ以上の頭痛日は、特定の時間期間に関して記載され得る。例えば、「1週間の頭痛日」は、1週間の期間(例えば、7日間)内に対象が経験する頭痛日数を指し得る。理解され得るように、1週間の期間は、暦週に対応していても、対応していなくてもよい。別の例において、「1ヶ月の頭痛日」は、1ヶ月の期間内に対象が経験する頭痛日数を指し得る。理解され得るように、1ヶ月の期間(例えば、28〜31日の期間)は、特定の月に応じて日数が変動し得、暦月に対応していても、対応していなくてもよい。更に別の例において、「1年の頭痛日」は、1年の期間内に対象が経験する頭痛日数を指し得る。理解され得るように、1年の期間(例えば、365日または366日の期間)は、特定の年に応じて日数が変動し得、暦年に対応していても、対応していなくてもよい。いくつかの実施形態において、頭痛日は、特定の種類の頭痛(例えば、片頭痛、群発頭痛、慢性頭痛及び緊張性頭痛)に関するものであってよい。例えば、「片頭痛日」は、対象が片頭痛を経験する日を指し得る。

0102

本明細書で使用するとき、頭痛の発症を「遅らせる」とは、当該疾患の進行を延期し、阻害し、減速させ、遅延し、安定化させ、及び/または先延ばしすることを意味する。この遅延は、疾患歴及び/または治療対象の個体に応じて、様々な時間の長さであり得る。当業者には明らかであるように、十分なまたは有意な遅延は、事実上、個体が頭痛(例えば、片頭痛)を発症しないという点において、予防を包含し得る。症状の発症を「遅らせる」方法は、当該方法を使用しない場合と比較して、所定の時間枠における症状の発症の確率を下げ、及び/または所定の時間枠における症状の程度を低減させる方法である。このような比較は、通常、統計的に有意な数の対象者を用いた臨床試験に基づく。

0103

頭痛の「発症」または「進行」とは、疾患の初期症状及び/または後続の進行を意味する。頭痛の発症は、当該技術分野においてよく知られている標準的な臨床技術を用いて、検出可能であり、評価することができる。しかしながら、発症はまた、検出し得ない進行も指す。本開示の目的上、発症または進行は、症状の生物学的過程を指す。「発症」は、発現、再発及び開始を含む。本明細書で使用するとき、頭痛の「開始」または「発現」は、初期発症及び/または再発を含む。

0104

本明細書で使用するとき、薬物、化合物または医薬組成物の「有効な用量」または「有効量」は、有益なまたは望ましい結果を達成するのに十分な量である。予防的使用に関して、有益なまたは望ましい結果には、疾患のリスクの排除若しくは低下、重症度の軽減、または疾患の生化学的、組織学的及び/または行動学的症状、その合併症及び疾患の発症中に呈示される中間的な病理学表現型を含む、疾患の開始の遅延などの結果が挙げられる。治療的使用に関して、有益なまたは望ましい結果には、頭痛発作の疼痛強度、継続期間若しくは頻度の低減、ならびにその合併症及び疾患の発症中に呈示される中間的な病理学的表現型を含めた頭痛に起因する1つまたは複数の症状(生化学的、組織学的及び/または行動学的症状)の低減、疾患を患う人の生活の質の向上、疾患を治療するのに必要な他の薬の用量の低減、別の薬の効果の増大、及び/または患者の疾患進行の遅延などの臨床結果が挙げられる。有効な用量は、1回または複数回の投与で投与することができる。本開示の目的上、薬物、化合物または医薬組成物の有効な用量は、直接的または間接的に、予防的処置または治療的処置を実施するのに十分な量である。臨床的状況において理解されるように、薬物、化合物または医薬組成物の有効な用量は、別の薬物、化合物または医薬組成物と併せて達成されてもよいし、そうでなくてもよい。したがって、「有効な用量」は、1つまたは複数の治療用物質を投与する状況にて考慮され得、単一の作用物質は、1つまたは複数の他の作用物質と併せて望ましい結果を達成し得るか、または達成するのであれば、有効量で投与されたとみなされ得る。

0105

「個体」または「対象」は、哺乳動物、より好ましくはヒトである。哺乳類はまた、家畜競技動物ペット霊長類、ウマ、イヌ、ネコ、マウス及びラットが挙げられるが、これらに限定されない。

0106

本明細書で使用するとき、「ベクター」は、宿主細胞において、1つ若しくは複数の目的の遺伝子または配列を送達し、かつ好ましくはそれらを発現させることができる構築物を意味する。ベクターの例には、ウイルスベクター、ネイキッドDNAまたはRNA発現ベクター、プラスミドコスミドまたはファジーベクター、カチオン性縮合剤と結合したDNAまたはRNA発現ベクター、リポソーム内封入されたDNAまたはRNA発現ベクター、及び産生細胞などのある特定の真核細胞が挙げられるが、これらに限定されない。

0107

本明細書で使用するとき、「発現制御配列」は、核酸の転写を誘導する核酸配列を意味する。発現制御配列は、構成性若しくは誘導性プロモーターなどのプロモーターまたはエンハンサーであり得る。発現制御配列は、転写される核酸配列に機能的に連結している。

0108

本明細書で使用するとき、「薬学的に許容可能な担体」または「薬学的に許容可能な賦形剤」は、活性成分と組み合わせたときに、その活性成分が生物活性を維持することができ、対象の免疫系と反応性でない、あらゆる物質を含む。例には、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、油/水エマルジョンなどのエマルジョン、及び各種の湿潤剤などの標準的な薬学的担体のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾルまたは非経口的投与に好ましい希釈剤は、リン酸緩衝生理食塩水または通常(0.9%)生理食塩水である。このような担体を含む組成物は、よく知られている従来方法によって配合される(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th edition,A.Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990;及びRemington,The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed.Mack Publishing,2000を参照)。

0109

「kon」という用語は、本明細書で使用するとき、抗原に対する抗体の結合に関する速度定数を指すものとする。

0110

「koff」という用語は、本明細書で使用するとき、抗体/抗原複合体からの抗体の解離に関する速度定数を指すものとする。

0111

「KD」という用語は、本明細書で使用するとき、抗体−抗原相互作用の平衡解離定数を指すものとする。

0112

本明細書で使用するとき、「血管運動神経症状」という用語は、血管拡張に関連する状態を指すものとする。かかる血管拡張は、頭痛(前兆のあるまたは前兆のない片頭痛、片麻痺性片頭痛、慢性片頭痛、反復性片頭痛、高頻度反復性片頭痛、群発頭痛、片頭痛性神経痛、慢性頭痛、緊張性頭痛、他の医学的状態(感染症または腫瘍に起因する頭蓋内圧亢進など)から生じる頭痛、慢性発作性片側頭痛器質的病変を伴わない各種頭痛;非血管性頭蓋内疾患に伴う頭痛;原因物質の投与またはその離脱に伴う頭痛;頭部以外の感染症に伴う頭痛;代謝障害に伴う頭痛;頭蓋骨、眼、副鼻腔、歯、口または他の顔面・頭蓋組織に起因する頭痛;脳神経痛;ならびに神経幹痛及び求心路遮断性疼痛)、とりわけ体温調節障害によって引き起こされる、顔面潮紅(またはホットフラッシュ)、コールドフラッシュ、不眠、睡眠障害気分障害、過敏性、多汗、寝汗、日中の、疲労などに関連し得る、または関連する可能性がある。

0113

本明細書で使用するとき、「潮紅」、「顔面潮紅」及び「ホットフラッシュ」という用語は、当該技術分野で認識されている用語であり、対象における、通常は発汗を伴う突発性皮膚潮紅から典型的になる、体温断続的な乱れを指す。

0114

A.血管運動神経症状及び/または頭痛を予防または治療するための方法
一態様において、本発明は、対象における少なくとも1つの血管運動神経症状を治療し、またはその発生を減少させる方法を提供する。別の態様において、本発明は、対象における頭痛(例えば、片頭痛)を治療し、またはその発生を減少させる方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、CGRP経路を調節する、有効量の抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)または当該抗体に由来するポリペプチドを個体に投与することを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの血管運動神経症状は、頭痛(例えば、片頭痛)及び/または顔面潮紅に関連し得る。

0115

別の態様において、本発明は、個体における少なくとも1つの血管運動神経症状を改善し、制御し、その発生を減少させ、またはその発症若しくは進行を遅らせるための方法を提供し、この方法は、その個体に有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの血管運動神経症状は、頭痛(例えば、片頭痛)及び/または顔面潮紅に関連し得る。

0116

別の態様において、本発明は、個体における頭痛(例えば、片頭痛)または頭痛に関連する症状(例えば、下痢または光過敏)を改善し、制御し、その発生を減少させ、またはその発症若しくは進行を遅らせるための方法を提供し、この方法は、その個体に有効量のCGRP経路を調節する抗体または抗CGRPアンタゴニスト抗体を、頭痛の治療に有用な少なくとも1つの追加の作用物質と組み合わせて投与することを含む。

0117

かかる追加の作用物質には、5−HTアゴニスト及びNSAIDが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、抗体と少なくとも1つの追加の作用物質を同時に投与することができ、すなわち、その個々の治療的効果が重なり合うように時間的に十分近接して投与することができる。例えば、抗CGRP抗体と組み合わせて投与される5−HTアゴニストまたはNSAIDの量は、患者における頭痛の再発頻度を減少させ、またはこれらの作用物質の一方を投与せずにいずれか1つを投与した場合と比較してより長い持続効果をもたらすのに十分なものである必要がある。この手順は、頭痛を治療するために用いることができ、頭痛は、前兆のあるまたは前兆のない片頭痛、片麻痺性片頭痛、慢性片頭痛、反復性片頭痛、高頻度反復性片頭痛、群発頭痛、片頭痛性神経痛、慢性頭痛、緊張性頭痛、他の医学的状態(感染症または腫瘍に起因する頭蓋内圧亢進など)から生じる頭痛、慢性発作性片側頭痛;器質的病変を伴わない各種頭痛;非血管性頭蓋内疾患に伴う頭痛;原因物質の投与またはその離脱に伴う頭痛;頭部以外の感染症に伴う頭痛;代謝障害に伴う頭痛;頭蓋骨、頸、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口または他の顔面・頭蓋組織に起因する頭痛;脳神経痛;ならびに神経幹痛及び求心路遮断性疼痛を含む、多様な種類のいずれかに該当するものである。

0118

抗CGRPアンタゴニスト抗体と組み合わせて投与され得る追加の作用物質の追加の非限定的な例には、以下のうちの1つまたは複数が挙げられる。
(i)オピオイド鎮痛薬、例えば、モルヒネヘロインヒドロモルフォンオキシモルフォンレボルファノールレバロルファンメタドンメペリジンフェンタニルコカインコデインジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドンプロポキシフェンナルメフェンナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソンブプレノルフィンブトルファノールナルブフィンまたはペンタゾシン
(ii)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルシナル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサール、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン若しくはゾメピラク、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害薬、セレコキシブ;ロフェコキシブ;メロキシカム;JTE−522;L−745,337;NS398またはこれらの薬学的に許容可能な塩;
(iii)バルビツール酸鎮静薬、例えば、アモバルビタールアプロバルビタールブタバルビタール、ブタビタール(butabital)、メホバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタールフェノバルチタール(phenobartital)、セコバルビタールタルブタールテアミラール(theamylal)またはチオペンタールまたはこれらの薬学的に許容可能な塩;
(iv)バルビツール酸系鎮痛薬、例えば、ブタルビタール若しくはこれらの薬学的に許容可能な塩またはブタルビタールを含む組成物;
(v)鎮静作用を有するベンゾジアゼピン、例えば、クロルジアゼポキシドクロラゼプ酸ジアゼパムフルラゼパムロラゼパムオキサゼパムテマゼパム若しくはトリアゾラムまたはこれらの薬学的に許容可能な塩;
(vi)鎮静作用を有するH1アンタゴニスト、例えば、ジフェンヒドラミンピリラミンプロメタジンクロルフェニラミン若しくはクロルクリジンまたはこれらの薬学的に許容可能な塩;
(vii)グルテチミドメプロバメートメタカロン若しくはジクロラールフェナゾンまたはこれらの薬学的に許容可能な塩などの鎮静薬;
(viii)骨格筋弛緩薬、例えば、バクロフェンカリソプロドールクロルゾキサゾンシクロベンザプリンメトカルバモール若しくはオルフェナドリンまたはこれらの薬学的に許容可能な塩;
(ix)NMDA受容体アンタゴニスト、例えば、デキストロメトルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)またはその代謝産物デキストロルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、ケタミンメマンチンピロロキノリンキノン若しくはcis−4−(ホスホノメチル)−2−ピペリジンカルボン酸またはこれらの薬学的に許容可能な塩;
(x)アルファ−アドレナリン作動薬、例えば、ドキサゾシンタムスロシンクロニジンまたは4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−(5−メタンスルホンアミド−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノール−2−イル)−5−(2−ピリジルキナゾリン
(xi)三環系抗うつ薬、例えば、デシプラミンイミプラミンアミトリプチリンまたはノルトリプチリン
(xii)抗痙攣薬、例えば、カルバマゼピンまたはバルプロ酸
(xiii)タキキニン(NK)アンタゴニスト、特にNK−3、NK−2またはNK−1アンタゴニスト、例えば、(αR,9R)−7−[3,5−ビストリフルオロメチルベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾチノ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルエトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、ラネピタント、ダピタントまたは3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチルアミノ]−2−フェニル−ピペリジン(2S,3S);
(xiv)ムスカリンアンタゴニスト、例えば、オキシブチン(oxybutin)、トルテロジンプロピベリントロプシウム(tropsium)塩化物またはダリフェナシン
(xv)COX−2阻害薬、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブまたはバルデコキシブ
(xvi)非選択的COX阻害薬(好ましくはGI保護を有するもの)、例えば、ニトロフルルビプロフェン(HCT−1026);
(xvii)コールタール鎮痛薬、特にパラセタモール
(xviii)ドロペリドールなどの神経弛緩薬
(xix)バニロイド受容体アゴニスト(例えば、レシンフェラトキシン(resinferatoxin))またはアンタゴニスト(例えば、カプサゼピン);
(xix)プロプラノロールなどのベータアドレナリン作動性薬;
(xx)メキシレチンなどの局所麻酔薬
(xxi)デキサメタゾンなどのコルチコステロイド
(xxii)セロトニン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト;
(xxiii)コリン作動性ニコチン)鎮痛薬;
(xxiv)トラマドール(商標);
(xxv)シルデナフィルバルデナフィルまたはタラフィル(taladafil)などのPDEV阻害薬;
(xxvi)ガバペンチンまたはプレガバリンなどのアルファ−2−デルタリガンド
(xxvii)カナノイド(canabinoid);及び
(xxviii)アミトリプチリン(Elavil)、トラゾドン(Desyrel)及びイミプラミン(Tofranil)などの抗うつ薬またはフェニトイン(Dilantin)若しくはカルバマゼピン(Tegretol)などの抗痙攣薬。

0119

当業者であれば、抗CGRP抗体と組み合わせて使用される特定の作用物質の適切な用量を決定することができるであろう。例えば、スマトリプタンは、約0.01〜約300mgの用量で投与され得る。場合によって、スマトリプタンは、2mg〜300mgの用量で投与され得る。スマトリプタンの典型的な用量は、非経口以外で投与される場合、約25〜約100mgであり、通常は約50mgが好ましく、非経口的に投与される場合、好ましい用量は、約6mgである。しかしながら、これらの用量は、特定の患者または特定の併用療法にとって最適なものとなるように、当該技術分野において標準的な方法に従って変更されてよい。更に、例えば、セレコキシブを50〜500mgの量で投与してもよい。

0120

別の態様において、本発明は、個体における顔面潮紅を改善し、制御し、その発生を減少させ、またはその発症若しくは進行を遅らせるための方法を提供し、この方法は、その個体に有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を、顔面潮紅の治療に有用な少なくとも1つの追加の作用物質と組み合わせて投与することを含む。かかる追加の作用物質には、エストロゲン及び/またはいくつかのプロゲスチンを含むホルモン系治療薬が挙げられるが、これらに限定されない。

0121

別の態様において、本開示は、対象における頭痛(例えば、片頭痛)を治療し、またはその発生を減少させる方法を提供し、この方法は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に複数日に投与することを含む。いくつかの実施形態において、複数日の各日に投与されるモノクローナル抗体の量は、0.1mg〜5000mg、1mg〜5000mg、10mg〜5000mg、100mg〜5000mg、1000mg〜5000mg、0.1mg〜4000mg、1mg〜4000mg、10mg〜4000mg、100mg〜4000mg、1000mg〜4000mg、0.1mg〜3000mg、1mg〜3000mg、10mg〜3000mg、100mg〜3000mg、1000mg〜3000mg、0.1mg〜2000mg、1mg〜2000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、1000mg〜2000mg、0.1mg〜1000mg、1mg〜1000mg、10mg〜1000mgまたは100mg〜1000mgであってよい。いくつかの実施形態において、当該量は、100〜2000mgである。

0122

別の態様において、本開示は、対象における頭痛(例えば、片頭痛)を治療し、またはその発生を減少させる方法を提供し、この方法は、CGRP経路を調節する量で、単回用量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、単回用量は、0.1mg〜5000mg、1mg〜5000mg、10mg〜5000mg、100mg〜5000mg、1000mg〜5000mg、0.1mg〜4000mg、1mg〜4000mg、10mg〜4000mg、100mg〜4000mg、1000mg〜4000mg、0.1mg〜3000mg、1mg〜3000mg、10mg〜3000mg、100mg〜3000mg、1000mg〜3000mg、0.1mg〜2000mg、1mg〜2000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、1000mg〜2000mg、0.1mg〜1000mg、1mg〜1000mg、10mg〜1000mgまたは100mg〜1000mgの抗体量であってよい。いくつかの実施形態において、単回用量は、100〜2000mgの抗体量であってよい。

0123

別の態様において、本開示は、対象における少なくとも1つの血管運動神経症状を治療し、またはその発生を減少させる方法を提供し、この方法は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に複数日に投与することを含む。いくつかの実施形態において、複数日の各日に投与されるモノクローナル抗体の量は、0.1mg〜5000mg、1mg〜5000mg、10mg〜5000mg、100mg〜5000mg、1000mg〜5000mg、0.1mg〜4000mg、1mg〜4000mg、10mg〜4000mg、100mg〜4000mg、1000mg〜4000mg、0.1mg〜3000mg、1mg〜3000mg、10mg〜3000mg、100mg〜3000mg、1000mg〜3000mg、0.1mg〜2000mg、1mg〜2000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、1000mg〜2000mg、0.1mg〜1000mg、1mg〜1000mg、10mg〜1000mgまたは100mg〜1000mgであってよい。いくつかの実施形態において、当該量は、100〜2000mgである。

0124

別の態様において、本開示は、対象が経験する1ヶ月の頭痛時間数を減らす方法を提供し、この方法は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも0.1、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100時間またはそれ以上の頭痛時間分減少させるのに有効な量であり得る。いくつかの実施形態において、モノクローナルは、単回投与後、1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも20時間の頭痛時間分減少させるのに有効な量であり得る。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも40時間の頭痛時間分減少させるのに有効な量であり得る。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上減少させるのに有効な量であり得る。いくつかの実施形態において、モノクローナルは、単回投与後、1ヶ月の頭痛時間数を少なくとも15%減少させるのに有効な量であり得る。

0125

別の態様において、本開示は、対象が経験する1ヶ月の頭痛日数を減らす方法を提供し、この方法は、CGRP経路を調節する、ある量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛日数を少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日またはそれ以上の頭痛日分減少させるのに有効な量であり得る。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛日数を少なくとも3日の頭痛日数分減少させるのに有効な量であり得る。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月の頭痛日間数を少なくとも0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上減少させるのに有効な量であり得る。

0126

別の態様において、本開示は、対象における抗頭痛薬の使用を減らす方法を提供し、この方法は、CGRP経路を調節するモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、対象の抗頭痛薬の月間使用を少なくとも0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上減少させるのに有効な量であり得る。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、対象の抗頭痛薬の月間使用を少なくとも15%減少させるのに有効な量であり得る。抗頭痛薬は、本明細書に別途記載する抗頭痛薬の任意の種類であり得る。抗頭痛薬の非限定的な例としては、5−HT1アゴニスト(及び他の5−HT1部位に作用するアゴニスト)、トリプタン(例えば、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、アフロバトリプタン(afrovatriptan))、麦角アルカロイド(例えば、エルゴタミン酒石酸塩、エルゴノビンマレイン酸塩及びエルゴロイドメシル酸塩(例えば、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン及びジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(DHE45))、及び非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルシナル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサール、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチンまたはゾメピラク、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害薬、セレコキシブ;ロフェコキシブ;メロキシカム;JTE−522;L−745,337;NS398またはこれらの薬学的に許容可能な塩)、オピエート(例えば、オキシコドン)及びβ−アドレナリン遮断薬(例えば、プロプラノロール)が挙げられる。

0127

本明細書に記載の全ての方法に関して、抗体(例えば、CGRP経路を調節するモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)への言及には、これらの作用物質のうちの1つまたは複数を含む組成物も包含される。したがって、このような組成物を、本明細書に記載の抗体に関する方法に従って用いることができる。これらの組成物は、本明細書に別途記載する薬学的に許容可能な賦形剤などの好適な賦形剤を更に含み得る。本発明は、単独で用いてもよいし、従来の他の治療法と組み合わせて用いてもよい。

0128

本明細書に記載の抗体(例えば、モノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)は、任意の治療用量で、任意の好適な経路により、任意の好適な配合で個体または対象に投与することができる。当業者であれば、本明細書に記載する例が限定ではなく、利用可能な技術の例示を意図することは明らかであろう。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体は、既知の方法に従って、例えば、静脈内投与(例えば、ボーラスまたは一定期間にわたる連続注入)、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、舌下、動脈内、滑液嚢内、吹送髄腔内、経口、吸入、経鼻(例えば、吸入ありまたは吸入なし)、頬側、経直腸、経皮、心臓内、骨内、皮内、経粘膜経膣硝子体内関節周囲内、局部、皮膚上または局所経路を介して、個体に投与することができる。投与は、例えば、静脈内投与の全身投与であっても、局所投与であってもよい。液剤には、ジェットネブライザー及び超音波ネブライザーを含む、市販のネブライザーが投与に有用である。液剤は、直接霧化することもできるし、凍結乾燥粉末再構成後に霧化することもできる。あるいは、本明細書に記載の抗体は、フルオロカーボン配合物及び定量吸入器を用いてエアロゾル化することもできるし、凍結乾燥して粉砕した粉末として吸入されてもよい。

0129

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体は、部位特異的または標的化局所送達技術によって投与することができる。部位特異的または標的化局所送達技術には、種々の埋め込み可能な抗体の貯蔵源、注入カテーテル留置カテーテル若しくはニードルカテーテルなどの局所送達カテーテル人工血管外膜ラップシャント及びステント若しくは他の埋め込み可能な装置、部位特異的な担体、直接注射または直接適用が挙げられる。例えば、PCT国際公開番号WO00/53211及び米国特許第5,981,568号を参照されたい。

0130

本明細書に記載する抗体の種々の製剤を投与に用いることができる。いくつかの実施形態において、抗体は、そのまま投与されてよい。いくつかの実施形態において、抗体及び薬学的に許容可能な賦形剤は、種々の製剤であってよい。薬学的に許容可能な賦形剤は、当該技術分野において知られており、薬理学的に有効な物質の投与を促進する、比較的不活性な物質である。例えば、賦形剤は、形態または粘稠性を与えることができ、または希釈剤として作用することができる。好適な賦形剤には、安定化剤、湿潤乳化剤浸透圧モル濃度を変更するための塩、カプセル化剤緩衝剤及び皮膚浸透助剤が挙げられるが、これらに限定されない。非経口及び非経口以外の薬物送達のための賦形剤及び製剤化については、Remington,The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed.Mack Publishing(2000)に記載されている。

0131

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体を含む、これらの作用物質は、注入(例えば、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内など)による投与用に製剤化されてよい。したがって、これらの作用物質は、生理食塩水、リンゲル液ブドウ糖液などの薬学的に許容可能なビヒクルと組み合わせることができる。具体的な投与レジメン、すなわち、用量、タイミング及び反復は、特定の個体及びその個体の病歴によって異なる。

0132

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体を含む、これらの作用物質は、末梢投与用に製剤化されてよい。かかる製剤は、静脈内及び皮下を含む、任意の好適な末梢経路を介して末梢から投与することができる。末梢投与用に調製される作用物質には、中枢的脊髄的、鞘内またはCNSに直接的に送達されない物質、薬剤及び/または抗体を含むことができる。末梢投与経路の非限定的な例としては、経口、舌下、頬側、局所、経直腸、吸入、経皮、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、皮内、腹腔内、経粘膜、経膣、硝子体内、関節内、関節周囲内、局部または皮膚上である経路が挙げられる。

0133

本開示に従って使用される抗体の治療用製剤は、保存及び/または使用のために、所望の純度を有する抗体を、任意選択の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または安定剤と混合することによって、調製することができ(Remington,The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed.Mack Publishing(2000))、場合によって、凍結乾燥製剤または水溶液の形態であってよい。許容可能な担体、賦形剤または安定剤は、使用される用量及び濃度でレシピエントに対して非毒性である。抗体の治療用製剤は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または安定剤を含み得、これらの種類の非限定的な例には、リン酸クエン酸及び他の有機酸などの緩衝剤;塩化ナトリウムなどの塩;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤保存剤オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドヘキサメトニウムクロリド塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウムフェノールブチルまたはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベンカテコールレゾルシノールシクロヘキサノール;3−ペンタノール;及びm−クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清アルブミンゼラチン若しくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマーグリシングルタミン、メチオニン、アスパラギンヒスチジンアルギニン若しくはリシンなどのアミノ酸(例えば、0.1mM〜100mM、0.1mM〜1mM、0.01mM〜50mM、1mM〜50mM、1mM〜30mM、1mM〜20mM、10mM〜25mMの濃度);グルコースマンノース若しくはデキストリンを含む単糖二糖及び他の炭水化物;EDTA(例えば、EDTA二ナトリウム二水和物)などのキレート剤(例えば、0.001mg/mL〜1mg/mL、0.001mg/mL〜1mg/mL、0.001mg/mL〜0.1mg/mL、0.001mg/mL〜0.01mg/mL、0.01mg/mL〜0.1mg/mLの濃度);スクロースマンニトールトレハロース若しくはソルビトールなどの糖(例えば、1mg/mL〜500mg/mL、10mg/mL〜200mg/mL、10mg/mL〜100mg/mL、50mg/mL〜150mg/mLの濃度);ナトリウムなどの塩生成対イオン金属複合体(例えば、Zn−タンパク質複合体);及び/またはTWEEN(商標)(例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80))、PLURONICS(商標)若しくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤(例えば、0.01mg/mL〜10mg/mL、0.01mg/mL〜1mg/mL、0.1mg/mL〜1mg/mL、0.01mg/mL〜0.5mg/mLの濃度)が挙げられる。

0134

抗体製剤は、様々な物理的性質のいずれかの点から特性評価され得る。例えば、液体の抗体製剤は、治療的有効性、安全性及び保存に好適な任意のpHを有し得る。例えば、液体の抗体製剤のpHは、pH4〜pH約9、pH5〜pH8、pH5〜pH7またはpH6〜pH8であってよい。いくつかの実施形態において、液体の抗体製剤は、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5若しくは10以上または以下のpHを有し得る。

0135

別の例として、液体の抗体製剤は、治療的有効性、安全性及び保存に好適な任意の粘度を有し得る。例えば、液体の抗体製剤の粘度は、25℃で、0.5cP(センチポアズ)〜100cP、1cP〜50cP、1cP〜20cP、1cP〜15cPまたは5cP〜15cPであってよい。いくつかの実施形態において、液体の抗体製剤は、25℃で、0.5cP、1cP、1.2cP、1.4cP、1.6cP、1.8cP、2.0cP、2.2cP、2.4cP、2.6cP、2.8cP、3.0cP、3.2cP、3.4cP、3.6cP、3.8cP、4.0cP、4.2cP、4.4cP、4.6cP、4.8cP、5.0cP、5.2cP、5.4cP、5.6cP、5.8cP、6.0cP、6.2cP、6.4cP、6.6cP、6.8cP、7.0cP、7.2cP、7.4cP、7.6cP、7.8cP、8.0cP、8.2cP、8.4cP、8.6cP、8.8cP、9.0cP、9.2cP、9.4cP、9.6cP、9.8cP、10.0cP、10.2cP、10.4cP、10.6cP、10.8cP、11.0cP、11.2cP、11.4cP、11.6cP、11.8cP、12.0cP、12.2cP、12.4cP、12.6cP、12.8cP、13.0cP、13.2cP、13.4cP、13.6cP、13.8cP、14.0cP、14.2cP、14.4cP、14.6cP、14.8cPまたは15.0cPの粘度を有し得、粘度はこれ以上でもこれ以下であってもよい。

0136

別の例において、液体の抗体製剤は、治療的有効性、安全性及び保存に好適な任意の導電率を有し得る。例えば、液体の抗体製剤の導電率は、0.1mS/cm(ミリジーメンスセンチメートル)〜15mS/cm、0.1mS/cm〜10mS/cm、0.1mS/cm〜5mS/cm、0.1mS/cm〜2mS/cmまたは0.1mS/cm〜1.5mS/cmであってよい。いくつかの実施形態において、液体の抗体製剤は、0.19mS/cm、0.59mS/cm、1.09mS/cm、1.19mS/cm、1.29mS/cm、1.39mS/cm、1.49mS/cm、1.59mS/cm、1.69mS/cm、1.79mS/cm、1.89mS/cm、1.99mS/cm、2.09mS/cm、2.19mS/cm、2.29mS/cm、2.39mS/cm、2.49mS/cm、2.59mS/cm、2.69mS/cm、2.79mS/cm、2.89mS/cm、2.99mS/cm、3.09mS/cm、3.19mS/cm、3.29mS/cm、3.39mS/cm、3.49mS/cm、3.59mS/cm、3.69mS/cm、3.79mS/cm、3.89mS/cm、3.99mS/cm、4.09mS/cm、4.19mS/cm、4.29mS/cm、4.39mS/cm、4.49mS/cm、4.59mS/cm、4.69mS/cm、4.79mS/cm、4.89mS/cm、4.99mS/cm、5.09mS/cm、6.09mS/cm、6.59mS/cm、7.09mS/cm、7.59mS/cm、8.09mS/cm、8.59mS/cm、9.09mS/cm、9.59mS/cm、10.09mS/cm、10.59mS/cm、11.09mS/cm、11.59mS/cm、12.09mS/cm、12.59mS/cm、13.09mS/cm、13.59mS/cm、14.09mS/cm、14.59mS/cmまたは15.09mS/cmの導電率を有し得、導電率はこれ以上でもこれ以下であってもよい。

0137

別の例において、液体の抗体製剤は、治療的有効性、安全性及び保存に好適な任意のモル浸透圧濃度を有し得る。例えば、液体の抗体製剤のモル浸透圧濃度は、50mOsm/kg(ミリオスモルキログラム)〜5000mOsm/kg、50mOsm/kg〜2000mOsm/kg、50mOsm/kg〜1000mOsm/kg、50mOsm/kg〜750mOsm/kgまたは50mOsm/kg〜500mOsm/kgであってよい。いくつかの実施形態において、液体の抗体製剤は、50mOsm/kg、60mOsm/kg、70mOsm/kg、80mOsm/kg、90mOsm/kg、100mOsm/kg、120mOsm/kg、140mOsm/kg、160mOsm/kg、180mOsm/kg、200mOsm/kg、220mOsm/kg、240mOsm/kg、260mOsm/kg、280mOsm/kg、300mOsm/kg、320mOsm/kg、340mOsm/kg、360mOsm/kg、380mOsm/kg、400mOsm/kg、420mOsm/kg、440mOsm/kg、460mOsm/kg、480mOsm/kg、500mOsm/kg、520mOsm/kg、540mOsm/kg、560mOsm/kg、580mOsm/kg、600mOsm/kg、620mOsm/kg、640mOsm/kg、660mOsm/kg、680mOsm/kg、700mOsm/kg、720mOsm/kg、740mOsm/kg、760mOsm/kg、780mOsm/kg、800mOsm/kg、820mOsm/kg、840mOsm/kg、860mOsm/kg、880mOsm/kg、900mOsm/kg、920mOsm/kg、940mOsm/kg、960mOsm/kg、980mOsm/kg、1000mOsm/kg、1050mOsm/kg、1100mOsm/kg、1150mOsm/kg、1200mOsm/kg、1250mOsm/kg、1300mOsm/kg、1350mOsm/kg、1400mOsm/kg、1450mOsm/kg、1500mOsm/kgのモル浸透圧濃度を有し得、モル浸透圧濃度はこれ以上でもこれ以下であってもよい。

0138

抗体を含有するリポソームは、当該技術分野において知られている方法、例えば、Epstein,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688(1985);Hwang,et al.,Proc.Natl Acad.Sci.USA 77:4030(1980);ならびに米国特許第4,485,045号及び同第4,544,545号に記載されている方法によって調製することができる。循環時間を向上させたリポソームについては、米国特許第5,013,556号に開示されている。特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリンコレステロール及びPEG誘導体ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用いて、逆相蒸発法によって作製することができる。定めた孔径フィルターを通してリポソームを押し出すことで、所望の直径を有するリポソームが得られる。

0139

活性成分はまた、例えば、コアセルベーション技術若しくは界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロース若しくはゼラチンのマイクロカプセル及びポリ(メチルメタレート(methylmethacylate))マイクロカプセル中、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェアマイクロエマルションナノ粒子及びナノカプセル)中、またはマクロエマルション中に閉じ込めてもよい。こうした技術は、Remington,The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed.Mack Publishing(2000)に開示されている。

0140

徐放性調製物を調製してもよい。徐放性調製物の好適な例には、抗体を含有する固体疎水性ポリマー半透過性マトリクスが挙げられ、このマトリクスは、成形物品の形態、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルである。徐放性マトリクスの例には、ポリエステルヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とL−グルタミン酸7−エチルコポリマー非分解性エチレンビニルアセテート、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸グリコール酸コポリマー及び酢酸リュープロリドからなる注入可能なミクロスフェア)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、スクロース酢酸イソブチル及びポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。

0141

インビボ投与に使用する製剤は、一般に、滅菌したものである必要がある。これは、例えば、滅菌濾過膜を通す濾過によって容易に行うことができる。治療用抗体組成物は、一般に、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアル中に入れられる。

0142

本発明による組成物は、経口、非経口若しくは経直腸投与または吸入若しくは吹送による投与のための錠剤丸剤カプセル剤散剤粒剤、液剤若しくは懸濁剤または坐剤などの単位剤形であってよい。場合によって、単位剤形は、その単位用量を対象に投与するのに有用なプレフィルド容器(例えば、プレフィルドシリンジ)で提供してもよい。

0143

錠剤などの固形組成物を調製するために、主要な活性成分と、薬学的担体(例えば、コーンスターチラクトースショ糖、ソルビトール、タルクステアリン酸ステアリン酸マグネシウム、リン酸ニカルシウムまたはガムなどの従来の錠剤化成分)及び他の薬学的希釈剤(例えば、水)とを混合して、本発明の化合物または非毒性の薬学的に許容可能なその塩の均一混合物を含有する固形製剤前組成物を形成することができる。これらの製剤前組成物を均一であると称する場合、これは、活性成分が当該組成物全体に均一に分散されており、そのため、組成物を錠剤、丸剤及びカプセル剤などの等しく有効な単位剤形に容易に分割することができることを意味する。次いで、この固形製剤前組成物を、0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含有する、上述した種類の単位剤形に分割する。新規組成物の錠剤または丸剤をコーティングし、または別の方法で調合して、持続性作用の利点をもたらす剤形を提供することができる。例えば、錠剤または丸剤は、内側投与成分及び外側投与成分を含み、外側投与成分が内側投与成分を包む形態にすることができる。この2つの成分は、胃内での分解に抵抗するように働き、内側成分を完全なまま十二指腸に到達させるか、または内側成分の放出を遅延させられる腸溶性の層により隔てることができる。このような腸溶性層またはコーティングには、様々な材料を使用することができ、このような材料には、多数のポリマー酸ならびにポリマー酸とセラックセチルアルコール及び酢酸セルロースなどの材料との混合物が挙げられる。

0144

好適な界面活性剤には、特に、ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween(商標)20、40、60、80または85)及び他のソルビタン(例えば、Span(商標)20、40、60、80または85)などの非イオン性剤が挙げられる。界面活性剤を含む組成物は、好都合には、0.05〜5%の界面活性剤を含み、0.1〜2.5%であり得る。必要であれば、他の成分、例えば、マンニトールまたは他の薬学的に許容可能なビヒクルを加えてもよいことが理解されよう。

0145

好適な乳剤は、Intralipid(商標)、Liposyn(商標)、Infonutrol(商標)、Lipofundin(商標)及びLipiphysan(商標)などの市販の脂肪乳剤を用いて調製することができる。活性成分は、予め混合した乳剤組成物中に溶解させてもよいし、あるいは、油(例えば、ダイズ油サフラワー油綿実油ゴマ油コーン油またはアーモンド油)中に溶解させてもよく、これをリン脂質(例えば、のリン脂質、大豆のリン脂質または大豆レシチン)及び水と混合すると乳剤が形成される。他の成分、例えば、グリセロールまたはグルコースを加えて、乳剤の張度を調整してもよいことが理解されよう。好適な乳剤は、通常、最大20%、例えば、5〜20%の油を含む。脂肪乳剤は、0.1〜1.0lm、特に0.1〜0.5lmの脂肪滴を含み得、5.5〜8.0の範囲のpHを有し得る。

0146

乳剤組成物は、抗体と、Intralipid(商標)またはその成分(ダイズ油、卵のリン脂質、グリセロール及び水)とを混合することによって調製されたものであってよい。

0147

吸入または吹送のための組成物には、薬学的に許容可能な水性溶媒若しくは有機溶媒またはその混合物中の液剤及び懸濁剤、ならびに散剤が挙げられる。液体または固形組成物は、上記の好適な薬学的に許容可能な賦形剤を含有し得る。いくつかの実施形態において、組成物は、局所的または全身的な効果を得るために、経口または経鼻の呼吸経路によって投与される。好ましくは滅菌した薬学的に許容可能な溶媒中の組成物を、ガスを用いて霧化することができる。霧化した液剤を霧化装置から直接吸い込んでもよいし、霧化装置にフェイスマスクテントまたは間欠的陽圧呼吸器を取り付けてもよい。液剤、懸濁剤または散剤組成物は、当該製剤を適切な方法で送達する装置から、好ましくは経口または経鼻により投与してもよい。

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