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図面 (4)

課題

運転者異常状態が検出された場合に実施される減速制御開始タイミングを適切にする。

解決手段

運転支援ECU10は、運転者の異常状態が検出された場合(S11:Yes)に警報を開始し(S12)、警報開始からの経過時間Tが第2設定時間T2に到達した時点(S15:Yes)から、自車両の周辺情報に基づいて、自車両の走行シーンが予め設定された特定シーンであるか否かについて判定する(S18)。運転支援ECU10は、警報開始からの経過時間Tが第1設定時間T1(>T2)に到達する前に特定シーンが検出された場合(S18:Yes)には、その時点で減速制御を開始し、特定シーンが検出されない場合には、警報開始から第1設定時間T1を待って減速制御を開始する。

概要

背景

従来から、運転者が自車両を運転する能力を失っている異常状態(例えば、居眠り運転状態、および、心身機能停止状態等)に陥っているか否かを判定し、そのような判定がなされた場合に自車両を減速させる装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。なお、以下において、「運転者が自車両を運転する能力を失っている異常状態」を単に「異常状態」と呼び、「運転者が異常状態にあるか否かの判定」を、単に「運転者の異常判定」と呼ぶ。

この特許文献1に提案された装置(従来装置と呼ぶ)では、運転者が異常状態であると判定された場合、車内警報(運転者への警報)を開始し、その車内警報の開始から所定の第1時間が経過しても運転者の応答が無い場合に、車外警報(車外への警報)を開始する。更に、従来装置は、車外警報の開始から所定の第2時間(>第1時間)が経過しても運転者の応答が無い場合に、危険回避処理として減速制御を開始して車両を停止させる。

概要

運転者の異常状態が検出された場合に実施される減速制御の開始タイミングを適切にする。運転支援ECU10は、運転者の異常状態が検出された場合(S11:Yes)に警報を開始し(S12)、警報開始からの経過時間Tが第2設定時間T2に到達した時点(S15:Yes)から、自車両の周辺情報に基づいて、自車両の走行シーンが予め設定された特定シーンであるか否かについて判定する(S18)。運転支援ECU10は、警報開始からの経過時間Tが第1設定時間T1(>T2)に到達する前に特定シーンが検出された場合(S18:Yes)には、その時点で減速制御を開始し、特定シーンが検出されない場合には、警報開始から第1設定時間T1を待って減速制御を開始する。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、減速制御を開始するタイミングを適切にできるようにすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

運転者が自車両を運転する能力を失っている異常状態にあるか否かの判定を継続的に行う異常判定手段と、前記異常状態であると判定されたときに、前記運転者に対して警報を開始する運転者警報手段と、前記警報の開始から第1設定時間経過しても前記異常状態が解消されない場合に、減速制御を開始して前記自車両を停止させる異常時走行停止手段とを備えた車両走行制御装置において、前記異常状態が解消されない状況で、前記自車両の周辺情報を取得し、前記周辺情報に基づいて、前記自車両の走行シーンが予め設定された特定シーンであるか否かを判定する特定シーン判定手段と、前記特定シーンであると判定された場合には、前記警報の開始から前記第1設定時間経過する前であっても、減速制御を開始して前記自車両を停止させる早期走行停止手段とを備えた車両走行制御装置。

請求項2

請求項1記載の車両走行制御装置において、前記早期走行停止手段は、前記警報の開始から、前記第1設定時間よりも短くゼロより長い第2設定時間の経過を待った後において、前記自車両の走行シーンが前記特定シーンであることが判定された場合に、減速制御を開始して前記自車両を停止させるように構成された、車両走行制御装置。

請求項3

請求項1または2記載の車両走行制御装置において、前記異常状態であると判定された場合、前記減速制御が開始される前に、前記自車両の周囲に対する警報を開始する周囲警報手段を備え、前記早期走行停止手段は、前記異常時走行停止手段に比べて、前記減速制御の開始時における制動力を緩やかに増加させるように構成された、車両走行制御装置。

請求項4

請求項1ないし請求項3の何れか一項記載の車両走行制御装置において、前記特定シーンは、前記自車両の車線逸脱状態が検出されているシーン、あるいは、前記自車両が走行する車線白線認識不能状態が検出されているシーンを含む、車両走行制御装置。

請求項5

請求項4記載の車両走行制御装置において、前記自車両が車線から逸脱することを抑制する車線逸脱抑制制御ステムを備えた車両に適用され、前記特定シーン判定手段は、前記車線逸脱抑制制御システムから車線逸脱情報、あるいは、白線認識情報を取得して、前記自車両の走行シーンが予め設定された前記特定シーンであるか否かを判定するように構成された、車両走行制御装置。

請求項6

請求項1ないし請求項5の何れか一項記載の車両走行制御装置において、前記特定シーンは、前記自車両の走行路の先に前記自車両を停止させる必要のあるポイントが検出されているシーンを含む、車両走行制御装置。

請求項7

請求項6記載の車両走行制御装置において、前記自車両を停止させる必要のあるポイントは、前記自車両の走行路の先に検出されている交差点、前記自車両の走行路の先に検出されている他車線との合流点、および、前記自車両の走行路の先に検出されている踏切の少なくとも1つを含む、車両走行制御装置。

請求項8

請求項6または7記載の車両走行制御装置において、自車両の前方に設置されている道路標識を認識し、その道路標識の表している情報を使って運転者の運転を支援するロードサインアシストシステムを備えた車両に適用され、前記特定シーン判定手段は、前記ロードサインアシストシステムから道路標識情報を取得して、前記自車両の走行シーンが予め設定された前記特定シーンであるか否かを判定するように構成された、車両走行制御装置。

請求項9

請求項6または7記載の車両走行制御装置において、ナビゲーションシステムを備えた車両に適用され、前記特定シーン判定手段は、前記ナビゲーションシステムから、前記ポイントに関する情報を取得して、前記自車両の走行シーンが予め設定された前記特定シーンであるか否かを判定するように構成された、車両走行制御装置。

請求項10

請求項1ないし請求項9の何れか一項記載の車両走行制御装置において、前記特定シーンは、先行車両が検出されているシーン、あるいは、前記自車両の前方に障害物が検出されているシーンを含む、車両走行制御装置。

技術分野

0001

本発明は、運転者が自車両を運転する能力を失っている異常状態に陥った場合に、自車両を停止させる車両走行制御装置に関する。

背景技術

0002

従来から、運転者が自車両を運転する能力を失っている異常状態(例えば、居眠り運転状態、および、心身機能停止状態等)に陥っているか否かを判定し、そのような判定がなされた場合に自車両を減速させる装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。なお、以下において、「運転者が自車両を運転する能力を失っている異常状態」を単に「異常状態」と呼び、「運転者が異常状態にあるか否かの判定」を、単に「運転者の異常判定」と呼ぶ。

0003

この特許文献1に提案された装置(従来装置と呼ぶ)では、運転者が異常状態であると判定された場合、車内警報(運転者への警報)を開始し、その車内警報の開始から所定の第1時間が経過しても運転者の応答が無い場合に、車外警報(車外への警報)を開始する。更に、従来装置は、車外警報の開始から所定の第2時間(>第1時間)が経過しても運転者の応答が無い場合に、危険回避処理として減速制御を開始して車両を停止させる。

先行技術

0004

特開2016−85563号公報

0005

運転者の異常状態が検出されてから減速制御が開始されるまでには、所定時間の経過(上記の例では第2時間の経過)が必要となる。この所定時間は、運転者への警報を行うことによって、運転者が本当に異常状態であるのかを確認する期間を設定したものである。

0006

しかしながら、従来装置においては、所定時間が常に一定であって、減速制御を開始するタイミングに関して考慮がなされていない。例えば、自車両の周辺の状況によっては、この所定時間の経過を待たずに、早めに減速制御を開始したほうが良いケースもある。例えば、自車両の前方に交差点が存在していることが分かっていれば、早めに減速制御を開始することによって、運転者が異常状態のまま、自車両が交差点を通過してしまわないようにすることができる。

0007

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、減速制御を開始するタイミングを適切にできるようにすることを目的とする。

0008

上記目的を達成するために、本発明の車両走行制御装置の特徴は、
運転者が自車両を運転する能力を失っている異常状態にあるか否かの判定を継続的に行う異常判定手段(S11,S14,S20)と、
前記異常状態であると判定されたときに、前記運転者に対して警報を開始する運転者警報手段(S12)と、
前記警報の開始から第1設定時間(T1)経過しても前記異常状態が解消されない場合に、減速制御を開始して前記自車両を停止させる異常時走行停止手段(S19:Yes,S21)と
を備えた車両走行制御装置において、
前記異常状態が解消されない状況で、前記自車両の周辺情報を取得し、前記周辺情報に基づいて、前記自車両の走行シーンが予め設定された特定シーンであるか否かを判定する特定シーン判定手段(S18)と、
前記特定シーンであると判定された場合(S18:Yes)には、前記警報の開始から前記第1設定時間経過する前であっても、減速制御を開始して前記自車両を停止させる早期走行停止手段(S22)と
を備えたことにある。

0009

本発明においては、異常判定手段が、運転者が自車両(運転者の運転する車両)を運転する能力を失っている異常状態にあるか否かの判定を継続的に行う。運転者の異常判定は、後述するように、種々の方法により実行することができる。例えば、この異常判定は、運転者が自車両を運転するための操作を行わない状態(運転無操作状態)が閾値時間(運転者異常判定閾値時間)以上に渡って継続したか否か、或いは、運転者が確認ボタン押動操作を促されても当該確認ボタンを押動操作しない状態が閾値時間以上に渡って継続したか否か、等を判定することにより実行され得る。或いは、この異常判定は、特開2013−152700号公報等に開示されている所謂「ドライバモニタ技術」を用いても実行され得る。

0010

運転者警報手段は、異常状態であると判定されたときに、運転者に対して警報を開始する。この警報によって運転者が応答すれば、運転者は、異常状態ではなかったと考えることができる。従って、この警報は、運転者に注意喚起を与えるだけでなく、運転者が異常状態であることを確認する手段として機能する。

0011

異常時走行停止手段は、警報の開始から第1設定時間経過しても異常状態が解消されない場合に、減速制御を開始して自車両を停止させる。例えば、警報の開始から第1設定時間経過する前に、運転者の応答があれば、異常状態が解消されたと推定して、減速制御を行わないようにすることができる。逆に、警報の開始から第1設定時間経過しても運転者の異常状態が継続する場合(運転者の応答が無い場合)には、減速制御を開始して自車両を停止させることができる。

0012

特定シーン判定手段は、異常状態が解消されない状況で、自車両の周辺情報を取得し、周辺情報に基づいて、自車両の走行シーンが予め設定された特定シーンであるか否かを判定する。この特定シーンは、自車両を早めに停止させることが好ましい走行シーンに設定することができる。

0013

早期走行停止手段は、特定シーンであると判定された場合には、警報の開始から第1設定時間経過する前であっても、減速制御を開始して自車両を停止させる。従って、本発明によれば、自車両の周辺情報に応じて、減速制御を開始するタイミングを適切にすることができる。

0014

本発明の一側面の特徴は、
前記早期走行停止手段は、
前記警報の開始から、前記第1設定時間よりも短くゼロより長い第2設定時間(T2)の経過を待った後において(S15:Yes)、前記自車両の走行シーンが前記特定シーンであることが判定された場合に、減速制御を開始して前記自車両を停止させるように構成されたことにある。

0015

本発明の一側面においては、警報の開始から、第1設定時間よりも短くゼロより長い第2設定時間の経過を待った後において、自車両の走行シーンが特定シーンであることが判定された場合に、減速制御が開始されて自車両が停止させられる。従って、警報によって運転者が異常状態であることを確認することができる期間(第2設定時間のあいだ)を確保することができる。

0016

本発明の一側面の特徴は、
前記異常状態であると判定された場合、前記減速制御が開始される前に、前記自車両の周囲に対する警報を開始する周囲警報手段(S17)を備え、
前記早期走行停止手段は、前記異常時走行停止手段に比べて、前記減速制御の開始時における制動力を緩やかに増加させるように構成されたことにある。

0017

本発明の一側面においては、周囲警報手段が、異常状態であると判定された場合、減速制御が開始される前に、自車両の周囲に対する警報を開始する。これにより、自車両の周囲に存在する他車両の運転者および歩行者等に注意喚起をすることができる。減速制御の開始タイミングを早めると、自車両の周囲に対する警報の開始から減速制御の開始までの時間が短くなり、例えば、後続車両の運転者が自車両に追突することを回避する回避操作を行う余裕が少なくなり、後続車両が自車両に急接近してしまう懸念がある。

0018

そこで、早期走行停止手段は、異常時走行停止手段に比べて、減速制御の開始時における制動力を緩やかに増加させる。これにより、後続車両の運転者に余裕を与えて、後続車両が自車両に急接近しないようにすることができる。

0019

本発明の一側面の特徴は、
前記特定シーンは、前記自車両の車線逸脱状態が検出されているシーン、あるいは、前記自車両が走行する車線白線認識不能状態が検出されているシーンを含むことにある。

0020

この場合、
前記自車両が車線から逸脱することを抑制する車線逸脱抑制制御ステムを備えた車両に適用され、
前記特定シーン判定手段は、前記車線逸脱抑制制御システムから車線逸脱情報、あるいは、白線認識情報を取得して、前記自車両の走行シーンが予め設定された前記特定シーンであるか否かを判定するように構成されているとよい。

0021

自車両が車線から逸脱している状況においては、早く車両を停止させる必要がある。また、自車両が走行する車線の白線を認識できない場合には、車線逸脱抑制制御システムは、適正な車線逸脱抑制制御を実施することができないため、早く車両を停止させる必要がある。そこで、本発明の一側面においては、自車両の車線逸脱状態が検出されているシーン、あるいは、自車両が走行する車線の白線認識不能状態が検出されているシーンが特定シーンとされる。これにより、自車両の車線逸脱状態が検出されているシーン、あるいは、白線認識不能状態が検出されているシーンでは、警報の開始から第1設定時間経過する前であっても、減速制御を開始して自車両を停止させることができる。

0022

本発明の一側面の特徴は、
前記特定シーンは、前記自車両の走行路の先に前記自車両を停止させる必要のあるポイントが検出されているシーンを含むことにある。

0023

更に、
前記自車両を停止させる必要のあるポイントは、前記自車両の走行路の先に検出されている交差点、前記自車両の走行路の先に検出されている他車線との合流点、および、前記自車両の走行路の先に検出されている踏切の少なくとも1つを含むとよい。

0024

この場合、
自車両の前方に設置されている道路標識を認識し、その道路標識の表している情報を使って運転者の運転を支援するロードサインアシストシステムを備えた車両に適用され、
前記特定シーン判定手段は、前記ロードサインアシストシステムから道路標識情報を取得して、自車両の走行シーンが予め設定された前記特定シーンであるか否かを判定するように構成されているとよい。

0025

あるいは、
ナビゲーションシステムを備えた車両に適用され、
前記特定シーン判定手段は、前記ナビゲーションシステムから、前記ポイントに関する情報を取得して、前記自車両の走行シーンが予め設定された前記特定シーンであるか否かを判定するように構成されているとよい。

0026

自車両の走行路の先に交差点、あるいは、他車線との合流点、あるいは、踏切といった自車両を停止させる必要のあるポイントが検出されている場合には、そうしたポイントを運転者が異常状態のまま自車両が通過しないようにする必要がある。そこで、本発明の一側面においては、自車両の走行路の先に自車両を停止させる必要のあるポイントが検出されているシーンが特定シーンとされる。これにより、運転者が異常状態のまま上記ポイントを自車両が通過しないようにすることができる。

0027

本発明の一側面の特徴は、
前記特定シーンは、先行車両が検出されているシーン、あるいは、前記自車両の前方に障害物が検出されているシーンを含むことにある。

0028

自車両の前方に先行車両が検出されている場合、あるいは、自車両の前方に障害物が検出されている場合には、運転者が異常状態のまま自車両を走行させることは好ましくなく、早く車両を停止させる必要がある。そこで、本発明の一側面においては、先行車両が検出されているシーン、あるいは、自車両の前方に障害物が検出されているシーンが特定シーンとされる。これにより、先行車両が検出されているシーン、あるいは、自車両の前方に障害物が検出されているシーンでは、警報の開始から第1設定時間経過する前であっても、減速制御を開始して自車両を停止させることができる。

0029

上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成要件に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。

図面の簡単な説明

0030

本発明の実施形態に係る車両走行制御装置の概略構成図である。
通常モードの減速制御と早期作動モードの減速制御とにおける要求制動力推移を表すグラフである。
走行制御ルーチンを表すフローチャートである。

実施例

0031

以下、本発明の実施形態に係る車両走行制御装置について図面を参照しながら説明する。

0032

本発明の実施形態に係る車両走行制御装置は、車両(以下において、他の車両と区別するために、「自車両」と呼ぶ。)に適用され、図1に示すように、運転支援ECU10、ブレーキECU40、エンジンECU50、ステアリングECU60、警報ECU70、メータECU80、ナビゲーションECU90、および、外部通信ECU100を備えている。

0033

これらのECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)であり、図示しないCAN(Controller Area Network)を介して相互に情報を送信可能および受信可能に接続されている。本明細書において、マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリおよびインターフェースI/F等を含む。CPUはROMに格納されたインストラクションプログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。これらのECUは、幾つか又は全部が一つのECUに統合されてもよい。

0034

運転支援ECU10は、以下に列挙するセンサ操作器を含む。)と接続されていて、それらのセンサの検出信号又は出力信号を受信するようになっている。なお、各センサは、運転支援ECU10以外のECUに接続されていてもよい。その場合、運転支援ECU10は、センサが接続されたECUからCANを介してそのセンサの検出信号又は出力信号を受信する。

0035

アクセルペダル操作量センサ21は、自車両のアクセルペダル操作量アクセル開度)を検出し、アクセルペダル操作量を表す信号を出力する。
ブレーキペダル操作量センサ22は、自車両のブレーキペダルの操作量を検出し、ブレーキペダル操作量を表す信号を出力する。
ストップランプスイッチ23は、ブレーキペダルが踏み込まれていないとき(操作されていないとき)にローレベル信号を出力し、ブレーキペダルが踏み込まれたとき(操作されているとき)にハイレベル信号を出力する。

0036

操舵角センサ24は、自車両の操舵角を検出し、操舵角を表す信号を出力する。
操舵トルクセンサ25は、操舵ハンドルの操作により自車両のステアリングシャフトに加わる操舵トルクを検出し、操舵トルクを表す信号を出力する。
車速センサ26は、自車両の走行速度(車速)を検出し、車速を表す信号を出力する。
ヨーレートセンサ27は、自車両のヨーレートを検出し、ヨーレートを表す信号を出力する。

0037

レーダセンサ28aは、自車両の前方の道路、および、その道路に存在する立体物に関する情報を取得する。立体物は、例えば、歩行者、自転車および自動車などの移動物、並びに、電柱樹木およびガードレールなどの固定物を表す。以下、これらの立体物を「物標」と呼ぶ。

0038

レーダセンサ28aは、何れも図示しない「レーダ送受信部と信号処理部」とを備えている。
レーダ送受信部は、ミリ波帯電波(以下、「ミリ波」と呼ぶ。)を自車両の前方領域を含む自車両の周辺領域に放射し、放射範囲内に存在する物標によって反射されたミリ波(即ち、反射波)を受信する。
信号処理部は、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、反射波の減衰レベルおよびミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間等に基づいて、検出した各物標に対する、車間距離縦距離)、相対速度、横距離、および、相対横速度等を所定時間の経過毎に取得する。

0039

カメラセンサ28bは、自車両前方風景撮影するカメラ(例えば、ステレオカメラ)、および、カメラによって撮影されたカメラ画像を処理する画像処理部(いずれも図示略)を備えている。
画像処理部は、画像処理によって、カメラ画像に映っている物標の有無、物標の自車両に対する相対位置、物標の種類を演算によって取得する。物標の種類の判別は、例えば、機械学習によって行われる。

0040

カメラセンサ28bは、例えば、道路の左および右の白線などのレーンマーカー(以下、単に「白線」と呼ぶ。)を認識し、道路の形状(道路の曲がり方の程度を示す曲率半径)、および、道路と車両との位置関係等を取得する。

0041

また、カメラセンサ28bは、カメラ画像に映っている道路標識をパターンマッチング等の機械学習によって識別して認識する。

0042

運転支援ECU10は、レーダセンサ28aによって得られた物標情報とカメラセンサ28bによって得られた物標情報とを合成することにより、自車両と物標との相対関係を決定するとともに、物標の種類、および、自車両と道路(白線)との位置関係を認識する。

0043

設定操作器29は、運転支援ECU10に備わっている各種の運転支援システムを機能させるか否かを運転者が選択するための操作スイッチであって、その操作信号を運転支援ECU10に供給する。

0044

確認ボタン30は、運転者により操作可能な位置に配設されていて、操作されていない場合にはローレベル信号を出力し、押動操作されるとハイレベル信号を出力する。

0045

運転支援ECU10は、運転者の運転支援を行う中枢となる制御装置であって、各種の運転支援を行うための複数のシステム(運転支援システムと呼ぶ)が搭載されている。運転支援ECU10の機能については、後述する。

0046

ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ41、および、パーキングブレーキアクチュエータ42に接続されている。ブレーキアクチュエータ41は、ブレーキECU40からの指示に応じて、摩擦ブレーキ機構に供給する油圧を調整し、その油圧によりブレーキパッドブレーキディスク押し付けて所望の摩擦制動力を発生させる。従って、ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ41を制御することによって、自車両の制動力を制御することができる。

0047

パーキングブレーキアクチュエータ42は、ブレーキパッドをブレーキディスクに押し付けるための電動アクチュエータである。従って、ブレーキECU40は、パーキングブレーキアクチュエータ42を用いてパーキングブレーキ力車輪に加え、車両を停止状態に維持することができる。

0048

エンジンECU50は、エンジンアクチュエータ51に接続されている。エンジンアクチュエータ51は内燃機関運転状態を変更するためのアクチュエータであり、例えば、スロットル弁開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。従って、エンジンECU50は、エンジンアクチュエータ51を制御することによって、自車両の駆動力を制御し加速状態加速度)を変更することができる。

0049

ステアリングECU60は、電動パワーステアリングシステムの制御装置であって、ステアリングアクチュエータ61に接続されている。ステアリングアクチュエータ61は、ステアリング機構に組み込まれた電動モータであって、ステアリングECU60から供給される電力よってトルクを発生し、このトルクによって操舵アシストトルクを加えたり、左右の操舵輪転舵したりすることができる。

0050

警報ECU70は、ブザー71、および、表示器72に接続されている。警報ECU70は、運転支援ECU10からの指示に応じてブザー71を鳴動させて運転者への注意喚起を行うことができ、且つ、表示器72に注意喚起用マーク(例えば、ウォーニングランプ)を点灯させたり、警報メッセージを表示したり、運転支援制御作動状況を表示したりすることができる。

0051

メータECU80は、表示器72、ハザードランプ81、および、ストップランプ82に接続されている。メータECU80は、運転支援ECU10からの指示に従って、表示器72に運転支援に係る表示を表示させることができる。また、メータECU80は、運転支援ECU10からの指示に従って、ハザードランプ81を点滅させることができ、且つ、ストップランプ82を点灯させることができる。尚、ハザードランプ81、および、ストップランプ82への点灯指示(または点滅指示)に関しては、必ずしも、メータECU80が実施する必要は無く、それに代えて、例えば、ボディECU(図示略)が実施してもよい。

0052

ナビゲーションECU90は、自車両の現在位置を検出するためのGPS信号を受信するGPS受信機91、地図情報等を記憶した地図データベース92、および、ヒューマンマシンインターフェースであるタッチパネル式ディスプレイ93等と接続されている。ナビゲーションECU90は、GPS信号に基づいて現時点の自車両の位置を特定するとともに、自車両の位置および地図データベース92に記憶されている地図情報等に基づいて各種の演算処理を行い、ディスプレイ93を用いて経路案内を行う。

0053

地図データベース92に記憶されている地図情報には、道路情報が含まれている。道路情報には、その道路の区間毎における道路の形状を示すパラメータ(例えば、道路の曲がり方の程度を示す道路の曲率半径又は曲率)が含まれている。また、地図情報には、交差点に関する交差点情報、道路の合流点に関する合流点情報、および、踏切に関する踏切情報などのポイント情報も含まれている。このポイント情報には、少なくとも、それらの位置(交差点位置、合流点位置、踏切位置)を表す情報が含まれている。

0054

従って、ナビゲーションECU90は、自車両の現在位置と地図情報とから、自車両の走行路の先に設けられている交差点、合流点、および、踏切などの存在を認識することができる。

0055

このナビゲーションECU90、GPS受信機91、地図データベース92、および、ディスプレイ93によってナビゲーションシステムが構成されている。

0056

尚、地図データベース92は、自車両に搭載される必要は無く、例えば、サービスセンターに備わっており、ナビゲーションECU90が無線通信によってサービスセンターから地図情報を取得する構成であってもよい。

0057

外部通信ECU100は、無線通信装置101に接続されている。外部通信ECU100および無線通信装置101は、ヘルプネットワークシステムに接続するための無線通信端末である。外部通信ECU100は、運転支援ECU10からヘルプネット接続指令を受けると、無線通信装置101を作動させてヘルプネットセンタ通信接続を行って、自車両の現在位置情報(ナビゲーションECU90から取得できる)と、自車両を特定するID番号とを含んだヘルプ信号をヘルプネットセンタに送信する。

0058

<運転支援システム>
次に、運転支援ECU10について説明する。運転支援ECU10は、運転者の運転を支援する各種の運転支援システムが搭載されている。その一つが、運転者が自車両を運転する能力を失っている異常状態にあるか否かを判定し、運転者が異常状態にあると判定した場合に自車両を減速させて停止させるドライバー常時支援システムである。

0059

また、運転支援ECU10は、ドライバー異常時支援システムに加えて、以下の運転支援システムを備えている。
レーンパーチャーアラートシステム(LDAシステムと呼ぶ)
レーントレーシングアシストシステム(LTAシステムと呼ぶ)
アダプティブクルーズコントロールシステムACCシステムと呼ぶ)
ロードサインアシストシステム(RSAシステムと呼ぶ)
これらの運転支援システムは、必ずしも、ドライバー異常時支援システムと共通のECU(つまり、運転支援ECU10)に設けられる必要は無く、別のECUに設けられていてもよい。この場合、各運転支援システムを備えたECUは、互いに送受信可能に設けられているとよい。

0060

LDAシステムは、カメラセンサ28bから供給される周辺情報に基づいて自車両と白線との関係を認識し、自車両が車線から逸脱する可能性がある場合に、ブザー71の鳴動、および、表示器72による注意喚起を行うとともに、自車両が車線から逸脱しないように操舵輪の操舵を制御して、運転者のハンドル操作の一部を支援する。この支援制御を車線逸脱抑制制御と呼ぶ。LDAシステムは、本発明の車線逸脱抑制制御システムに相当する。

0061

LTAシステムは、ACCシステムの作動中においては、自車両が車線の中央に沿って走行するように操舵輪の操舵を制御して、運転者のハンドル操作の一部を支援する。この支援制御を車線維持支援制御と呼ぶ。

0062

LTAシステムでは、運転者の操舵操作が全く不要となるわけでは無く、運転者が操舵ハンドルを握っていることが原則とされる。

0063

ACCシステムは、運転者が設定操作器29によって定速制御モードを選択している場合には、設定操作器29によって設定されたセット車速にて自車両を定速走行させ、運転者が設定操作器29によって追従制御モードを選択している場合には、自車両を先行車両に追従させることにより、運転者の運転操作ペダル操作)を支援するシステムである。

0064

ACCシステムが作動して、追従制御モードが選択されている場合、運転支援ECU10は、カメラセンサ28bとレーダセンサ28aから供給される周辺情報に基づいて、自車両の走行する車線(自車線)の前方に他車両が存在するか否かを判定し、自車線の前方に他車両が存在する場合には、そのうちの最も自車両に接近した他車両を先行車両として選択する。運転支援ECU10は、自車両を先行車両に対して所定の車間距離を保って追従させるための目標加速度を演算する。また、先行車両が存在しない場合には、定速モードにおける作動と同様であって、運転支援ECU10は、セット車速にて自車両を定速走行させるための目標加速度を演算する。

0065

運転支援ECU10は、自車両を目標加速度で加速(目標加速度が負の値の場合には減速)させるための要求駆動力を演算し、その要求駆動力を表す駆動指令をエンジンECU50に送信する。これにより、自車両が目標加速度で加速(減速も含む)するように駆動力が制御される。

0066

RSAシステムは、自車両の前方に設置されている道路標識を認識し、その道路標識の表している情報を運転者に提供するシステムである。カメラセンサ28bは、自車両の前方に設置されている道路標識を検知すると、その道路標識の表している情報(標識情報)を運転支援ECU10に供給する。RSAシステムが作動している場合、運転支援ECU10は、カメラセンサ28bから供給された標識情報に基づいて、メータECU80に標識情報表示指令を送信する。この標識情報表示指令には、標識情報が含まれている。メータECU80は、標識情報表示指令に従って、標識情報が表している内容を表示器72に表示する。これにより、運転者は、現時点における道路の制限や状況などを容易に認識することができる。

0067

<ドライバー異常時支援システム>
次に、運転支援ECU10に設けられているドライバー異常時支援システムについて説明する。ドライバー異常時支援システムは、運転者が自車両を運転する能力を失っている異常状態にあるか否かを判定し、運転者が異常状態にあると判定した場合に、運転者に対して警報を行い、警報開始から設定時間経過しても、運転者の応答が検知されなかった場合に、減速制御を開始して自車両を停止させるシステムである。

0068

更に、本実施形態のドライバー異常時支援システムでは、運転者が異常状態にあると判定されている場合、自車両の周囲の状況を確認し、早めに停車させる必要があるシーン(特定シーンと呼ぶ)においては、警報開始から設定時間の経過を待つことなく、早めに減速制御を開始する。

0069

運転支援ECU10は、ドライバー異常時支援システムを構成する機能部として、図1に示すように、ドライバー異常状態判別部11と、警報部12と、周辺情報取得部13と、特定シーン検出部14と、早期減速制御開始要否判定部15と、制動力要求部16とを備えている。

0070

本実施形態においては、ドライバー異常時支援システムは、ACCシステムが作動している場合に作動する。

0071

ドライバー異常状態判別部11は、車両が走行しているときに、「運転者が自車両を運転する能力を失っている異常状態(単に、異常状態と呼ぶ)」にあるか否かについて繰り返し判定する。この場合、ドライバー異常状態判別部11は、運転者が運転操作をしていない状態(運転無操作状態)であるか否かについて判定する。この運転無操作状態とは、運転者によって変化する「アクセルペダル操作量、ブレーキペダル操作量、操舵トルク、および、ストップランプスイッチ23の信号レベル」の一つ以上の組み合わせからなるパラメータの何れもが変化しない状態である。例えば、運転支援ECU10は、「アクセルペダル操作量、ブレーキペダル操作量、および、操舵トルク」の何れもが変化せず、且つ、操舵トルクが「0」のままである状態を運転無操作状態と見做す。尚、操舵ハンドルの無操作状態の判定については、必ずしも、操舵トルクに基づく必要は無く、例えば、操舵ハンドルにタッチセンサ(図示略)を設けて、このタッチセンサの検出信号に基づいて判定してもよい。

0072

ドライバー異常状態判別部11は、運転無操作状態が予め設定された異常判定時間以上継続した場合に、運転者が異常状態にあると判定する。

0073

警報部12は、ドライバー異常状態判別部11によって、運転者が異常状態にあると判定されたとき、警報ECU70に対して、運転無操作警報指令を出力する。これにより、警報ECU70は、ブザー71から警報音を発生させ、表示器72にてウォーニングランプを点滅させるとともに、運転操作を促す警報メッセージを表示する。運転者が異常状態でなければ、この警報によって、運転者から何らかの応答が検知されるはずである。

0074

周辺情報取得部13は、運転者が異常状態にあると判定された場合(警報部12によって運転者への警報が開始された場合)、自車両の周辺情報を取得する。この周辺情報には、以下の情報1,2,3が含まれる。
1.車線逸脱状態情報、白線認識不能状態情報 ・・・(周辺情報1と呼ぶ)
2.交差点、合流点、踏切などの車両停止ポイント情報・・・(周辺情報2と呼ぶ)
3.先行車両、障害物情報・・・(周辺情報3と呼ぶ)

0075

周辺情報1は、自車両が車線逸脱している状態であるか否かを判定することができる情報、および、自車両が走行している車線の白線を認識できていない状態であるか否かを判定することができる情報である。LDAシステムは、自車両の車線の左右の白線を認識し、この白線と自車両との相対位置関係に基づいて、車線逸脱抑制制御を実施する。このため、LDAシステムでは、自車両の車線に対する逸脱レベル、および、白線の認識状況を把握している。従って、周辺情報取得部13は、LDAシステムから、車線逸脱状態情報、および、白線認識不能状態情報を取得する。

0076

周辺情報2は、交差点、合流点、踏切など、車両を停止させる必要のあるポイント(以下、停止ポイントと呼ぶ)が、自車両の走行路の先に存在するか否かを判定することができる情報である。

0077

停止ポイントは、RSAシステムによって認識されている道路標識から推定することができる。例えば、「交差点あり」を表す道路標識、「信号機あり」を表す道路標識、「一時停止」を表す道路標識、「踏切あり」を表す道路標識などを利用することができる。

0078

また、停止ポイントは、RSAシステムに代えて、ナビゲーションシステムを使って推定することができる。ナビゲーションシステムでは、地図データベース92を備えており、この地図データベース92には、道路情報が含まれている。道路情報には、交差点に関する交差点情報、道路の合流点に関する合流点情報、および、踏切に関する踏切情報などの位置情報が含まれている。従って、この道路情報と、GPS受信機91によって検出される自車両の現在位置情報とから、自車両の走行路(予想進路)の先に停止ポイントが存在するか否かを判定することができる。

0079

尚、停止ポイントは、運転者が異常状態であると判定されて自車両が停止させられるまでの走行路の途中に存在する停止ポイントである。従って、自車両が停止させられる地点よりも遠方に存在する停止ポイントは、周辺情報に含む必要は無い。

0080

周辺情報3は、自車両の前方に先行車両、あるいは、障害物が存在するか否かを判定することができる情報である。この周辺情報3は、レーダセンサ28aおよびカメラセンサ28bから供給される物標情報を用いることができる。従って、周辺情報取得部13は、レーダセンサ28aおよびカメラセンサ28bから、先行車両、および、障害物の情報を取得する。周辺情報取得部13は、周辺情報を取得すると、その周辺情報を特定シーン検出部14に供給する。

0081

特定シーン検出部14は、周辺情報に基づいて、自車両が車線逸脱している状況、あるいは、車線の白線を認識できていない状況、あるいは、自車両の走行路の先に停止ポイントが存在する状況、あるいは、自車両の前方に先行車両検出されている状況、あるいは、自車両の前方に障害物が検出されている状況である場合には、現時点における自車両のシーンが特定シーンであると判定する。

0082

特定シーン検出部14は、現時点における自車両のシーンが特定シーンであると判定した場合には、特定シーンを検出した旨の信号、および、特定シーンの状況を表す信号を早期減速制御開始要否判定部15に供給する。また、特定シーン検出部14は、現時点における自車両のシーンが特定シーンでないと判定した場合には、特定シーンを検出していない旨の信号を早期減速制御開始要否判定部15に供給する。

0083

早期減速制御開始要否判定部15は、特定シーン検出部14から、特定シーンを検出していない旨の信号が供給された場合は、減速制御を通常モードに設定し、特定シーンを検出した旨の信号が供給された場合は、減速制御を早期作動モードに設定する。

0084

早期減速制御開始要否判定部15は、設定した減速制御モードを表す信号を制動力要求部16に供給する。

0085

制動力要求部16は、減速制御モードに応じた制動力指令(要求制動力を表す指令)をブレーキECU40に供給する。図2は、通常モードと早期作動モードとにおける要求制動力の推移を表すグラフである。太実線が通常モードを表し、太点線が早期作動モードを表す。

0086

通常モードでは、運転者の異常状態が検出されたタイミング(警報が開始されたタイミング)である時刻t1から第1設定時間T1だけ経過した時刻t3にて減速制御が開始される。早期作動モードでは、時刻t1から第1設定時間T1経過する前の時刻t2にて減速制御が開始される。尚、早期作動モードにおいて減速制御が開始されるタイミングは、第1設定時間T1経過する前ではあるが、時刻t1から第2設定時間T2(<T1)を経過した後の任意のタイミングに設定される。

0087

減速制御は、通常モードおよび早期作動モードの何れにおいても、緩減速制御→減速停止制御停止保持制御順番で実施される。緩減速制御では、自車両をゆっくりと減速させるように要求制動力が設定され、減速停止制御では、自車両を停止させるように緩減速制御よりも大きな要求制動力が設定される。自車両が停止すると停止保持制御が実施され要求制動力がゼロに戻される。この場合、パーキングブレーキアクチュエータ42の作動によって、自車両の停止状態が維持される。尚、制動力の大きさを論じる場合には、その絶対値を表すものとする。

0088

図2に示すように、緩減速制御が開始されると、要求制動力は、ゼロから所定の勾配で増加するように設定されるが、この要求制動力の増加勾配は、通常モードにおける増加勾配α1に比べて、早期作動モードにおける増加勾配α2の方が小さくなるように設定されている。

0089

また、制動力要求部16は、ブレーキECU40への制動力指令とともに、メータECU80に対してストップランプ82の点灯指令を送信する。

0090

尚、制動力要求部16は、早期減速制御開始要否判定部15から特定シーンの状況を表す信号を入力し、特定シーンの状況に応じて要求制動力を可変する。例えば、制動力要求部16は、特定シーンの状況が、自車両を早く停止させる必要性が高いほど、要求制動力を大きく設定し、逆に、自車両を早く停止させる必要性が低いほど、要求制動力を小さく設定する。

0091

<具体的な制御ルーチン
次に、ドライバー異常時支援システムにおいて実施される制御処理の流れについて説明する。図3は、運転支援ECU10の実施する走行制御ルーチンを表す。

0092

走行制御ルーチンが起動すると、運転支援ECU10は、ステップS11において、運転者が異常状態であるか否かについて判定する。この場合、上述したように、運転操作無操作状態であるか否かについて判定される。このステップS11の処理は、繰り返し実施される。そして、運転者が異常状態であると判定された場合、運転支援ECU10は、その処理をステップS12に進めて、警報ECU70に対して、運転無操作警報指令を出力する。これにより、警報ECU70は、ブザー71から警報音を発生させ、表示器72にてウォーニングランプを点滅させるとともに、運転操作を促す警報メッセージ(例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、操舵ハンドルの何れかを操作することを促す警報メッセージ)を表示する。

0093

続いて、運転支援ECU10は、ステップS13において、タイマゼロクリアし、タイマによる計時を開始する。従って、警報が開始されてからの経過時間の計測が開始される。以下、警報が開始されてからの経過時間を経過時間Tと呼ぶ。

0094

続いて、運転支援ECU10は、ステップS14において、運転者の応答が無いか否かについて判定する。運転支援ECU10は、運転者の異常判定を繰り返し行っており、このステップS14においては、その異常判定結果が読み込まれる。従って、運転操作無操作状態が継続している場合は、「Yes」と判定される。

0095

運転支援ECU10は、運転者の応答が無い場合、その処理をステップS15に進め、経過時間Tが予め設定された第2設定時間T2に到達したか否かについて判定する。経過時間Tが第2設定時間T2に到達していない場合、運転支援ECU10は、その処理をステップS14に戻して、上述した処理を繰り返す。この第2設定時間T2は、ゼロより長く、後述する第1設定時間T1よりも短い時間である。

0096

ステップS14,15の処理を繰り返している途中で、運転者の運転操作が検出された場合(S14:No)、運転支援ECU10は、その処理をステップS16に進める。運転支援ECU10は、ステップS16において、警報ECU70に対して運転無操作警報の終了指令を出力して、走行制御ルーチンを終了する。そして、運転支援ECU10は、所定のタイミングにて、走行制御ルーチンを再開する。

0097

一方、運転者の応答が得られないまま経過時間Tが第2設定時間T2に到達した場合、運転支援ECU10は、その処理をステップS17に進めて、メータECU80に対して、ハザードランプ81の点滅指令を出力する。こうしてハザードランプ81の点滅が開始されることによって、後続車両の運転者に対して注意喚起することができる。

0098

続いて、運転支援ECU10は、ステップS18において、特定シーンが検出されたか否かについて、つまり、現時点における自車両のシーンが上述の特定シーンであるか否かについて判定する。特定シーンが検出されていない場合(S18:No)、運転支援ECU10は、その処理をステップS19に進めて、警報を開始してからの経過時間Tが予め設定された第1設定時間T1に到達したか否かについて判定する。

0099

経過時間Tが第1設定時間に到達していない場合(S19:No)、運転支援ECU10は、その処理をステップS20に進めて、運転者の応答が有った否かについて判定する。運転操作無操作状態が継続している場合には、「No」と判定される。この場合、運転支援ECU10は、その処理をステップS18に戻す。従って、ステップS18〜S20の処理が繰り返される。

0100

こうした処理が繰り返されているうちに、運転者の運転操作が検出された場合(S20:Yes)、運転支援ECU10は、その処理をステップS16に進める。この場合、運転支援ECU10は、警報ECU70に対して運転無操作警報の終了指令を出力するとともに、メータECU80に対してハザードランプ81の点滅終了指令を出力して、走行制御ルーチンを終了する。そして、運転支援ECU10は、所定のタイミングにて、走行制御ルーチンを再開する。

0101

一方、運転者の運転操作が検出されないまま経過時間Tが第1設定時間T1に到達した場合には、運転者が車両を運転する能力を失っている異常状態にある蓋然性が高い。そこで、運転支援ECU10は、特定シーンが検出されず、運転者の運転操作が検出されないまま経過時間Tが第1設定時間T1に到達した場合(S19:Yes)、運転者が異常状態であるという判定を確定させて、その処理をステップS21に進めて、通常モードの減速制御を実施する。

0102

運転支援ECU10は、このステップS21において、通常モードの減速制御に応じた制動力指令をブレーキECU40に出力するとともにメータECU80に対してストップランプ点灯指令を出力する。

0103

他方、経過時間Tが第1設定時間T1に到達する前であっても、特定シーンが検出された場合には、早く減速制御を開始する必要がある。そこで、運転支援ECU10は、運転者の運転操作が検出されていなく、かつ、経過時間Tが第1設定時間T1に到達する前に特定シーンが検出された場合(S18:Yes)、その処理をステップS22に進めて、早期作動モードの減速制御を実施する。

0104

このステップS22においては、運転支援ECU10は、早期作動モードの減速制御に応じた制動力指令をブレーキECU40に出力するとともにメータECU80に対してストップランプ点灯指令を出力する。この場合、減速制御の開始時における要求制動力の増加勾配α2は、図2から分かるように、通常モードにおける増加勾配α1に比べて小さい。

0105

早期作動モードでは、通常モードに比べて、ハザードランプ81の点滅が開始されてから減速制御が開始されるまでの期間が短い。このため、後続車両の運転者が自車両に追突することを回避する回避操作を行う余裕が少なくなり、後続車両が自車両に急接近してしまう懸念がある。そこで、早期作動モードでは、通常モードに比べて減速制御の開始時における要求制動力の増加勾配を小さくすることによって、自車両を通常モードよりも緩やかに減速させ、後続車両の運転者に余裕を与える。これにより、後続車両が自車両に急接近しないようにすることができる。

0106

通常モードあるいは早期作動モードの減速制御が開始されると、運転支援ECU10は、外部通信ECU100に対してヘルプ信号送信指令を出力する。これにより、自車両は、ヘルプネットセンタにヘルプ信号を送信しながら減速する。運転支援ECU10は、自車両が停止すると、ブレーキECU40に対してパーキングブレーキ指令を出力する。これにより、パーキングブレーキアクチュエータ42が作動して自車両の停止状態が維持される。

0107

運転支援ECU10は、パーキングブレーキ指令を出力すると、通常モードあるいは早期作動モードの減速制御を終了する。この場合、ハザードランプ82の点滅状態は継続される。

0108

また、図3のフローチャートには表されていないが、運転支援ECU10は、通常モードあるいは早期作動モードの減速制御中においても、運転者の運転操作が検出されたか否かについての判定(運転者の異常判定)を繰り返し、減速制御の途中で運転者の運転操作が検出された場合には、その時点で減速制御を終了する。あるいは、運転支援ECU10は、通常モードあるいは早期作動モードの減速制御中に運転者の運転操作が検出された場合、アクセルオーバーライド禁止アクセルペダル操作に基づく加速要求無効化)して、そのまま減速制御を継続させて自車両を停止させてもよい。

0109

以上説明した本実施形態の車両走行制御装置によれば、運転者の異常状態が検出された場合、自車両の現時点における走行シーンが特定シーンであれば、警報の開始から第1設定時間T1が経過する前であっても、早期作動モードの減速制御を開始して自車両を停止させることができる。これにより、自車両を一層安全に停止させることができる。

0110

また、早期作動モードの減速制御は、少なくとも、警報の開始から第2設定時間T2が経過した後に実施されるため、その間の警報によって運転者が異常状態であることを確認することができる。従って、警報の開始から第2設定時間T2が経過する前に運転者の異常状態が解消された場合には、不必要な減速制御を開始しないようにすることができる。

0111

また、早期作動モードでは、通常モードに比べて減速制御の開始時における要求制動力の増加勾配が小さく設定されている。従って、ハザードランプ81の点滅が開始されてから減速制御が開始されるまでの期間が短くても、後続車両の運転者に余裕を与えることができ、後続車両が自車両に急接近しないようにすることができる。

0112

また、運転者の異常状態が検出されている状況において、自車両の車線逸脱状態が検出されている場合、あるいは、自車両が走行する車線の白線認識不能状態が検出されている場合には、現時点における自車両のシーンが特定シーンであると判定される。これにより、自車両を安全に早期に停止させることができる。

0113

また、運転者の異常状態が検出されている状況において、自車両の走行路の先に停止ポイント(交差点、合流点、踏切など)が検出されている場合には、現時点における自車両のシーンが特定シーンであると判定される。これにより、自車両を安全に早期に停止させることができる。

0114

また、運転者の異常状態が検出されている状況において、自車両の前方に先行車両あるいは障害物先行車両が検出されている場合には、現時点における自車両のシーンが特定シーンであると判定される。これにより、自車両を安全に早期に停止させることができる。

0115

以上、本実施形態に係る車両走行制御装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。

0116

例えば、本実施形態においては、自車両が車線逸脱している状況、車線の白線を認識できていない状況、自車両の走行路の先に停止ポイントが存在する状況、自車両の前方に先行車両が存在している状況、あるいは、自車両の前方に障害物が存在している状況の1つでも検出された場合、現時点における自車両のシーンが特定シーンであると判定するが、必ずしも、そのようにする必要は無い。例えば、上記の状況のうちの任意の状況について、そのうちの1つでも検出された場合、現時点における自車両のシーンが特定シーンであると判定する構成であってもよい。また、上記のシーンとは異なるシーンを、自車両を早めに停止させるべき特定シーンに設定することもできる。

0117

また、例えば、本実施形態においては、ハザードランプ81の点滅は、警報開始からの経過時間Tが第2設定時間T2に到達した時点で開始されるが、必ずしもそのようにする必要は無く、例えば、警報開始と同時に開始される構成など、減速制御が開始される前のタイミングであれば、任意のタイミングで開始することができる。

0118

また、例えば、本実施形態においては、運転無操作状態の継続時間に基づいて運転者の異常判定を行っているが、それに代えて、特開2013−152700号公報等に開示されている所謂「ドライバモニタ技術」を利用して、運転者の異常判定を行ってもよい。より具体的に述べると、車室内の部材(例えば、ステアリングホイール及びピラー等)に運転者を撮影するカメラを設け、運転支援ECU10は、カメラの撮影画像を用いて運転者の視線の方向又は顔の向きを監視する。運転支援ECU10は、運転者の視線の方向又は顔の向きが車両の通常の運転中には長時間向くことがない方向に所定時間以上継続して向いている場合、運転者が異常状態であると判定する。

0119

また、確認ボタン30を用いて運転者の異常判定を行っても良い。例えば、運転支援ECU10は、運転無操作状態が検出された場合、確認ボタン30の操作を表示および音声によって催促し、確認ボタン30の操作がない状態が異常判定時間以上継続したとき、運転者が異常状態であると判定する。

0120

また、本実施形態においては、ドライバー異常時支援システムは、ACCシステムが作動している状況において作動するが、ACCシステムが作動していない状況においても作動する構成であってもよい。

0121

また、本実施形態においては、早期作動モードの場合、通常モードに比べて、緩減速制御の開始時おける要求制動力の増加勾配が小さく設定されるが(α2<α1)、必ずしも、そのようにする必要は無い。例えば、早期作動モードと通常モードとにおいて、要求制動力の増加勾配を同じ値に設定してもよい(α2=α1)。

0122

10…運転支援ECU、11…ドライバー異常状態判別部、12…警報部、13…周辺情報取得部、14…特定シーン検出部、15…早期減速制御開始要否判定部、16…制動力要求部、28a…レーダセンサ、28b…カメラセンサ、29…設定操作器、30…確認ボタン、40…ブレーキECU、41…ブレーキアクチュエータ、42…パーキングブレーキアクチュエータ、50…エンジンECU、51…エンジンアクチュエータ、60…ステアリングECU、61…ステアリングアクチュエータ、70…警報ECU、71…ブザー、72…表示器、80…メータECU、81…ハザードランプ、82…ストップランプ、90…ナビゲーションECU、91…GPS受信機、92…地図データベース、T…経過時間、T1…第1設定時間、T2…第2設定時間、α1,α2…増加勾配。

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