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図面 (7)

課題

電子顕微鏡法において、正確な化学的かつ結晶学的な分析方法を提供する。

解決手段

電子顕微鏡100は、電子ビーム発生器120、回折パターン取得装置130、X線検出器140、制御部145を備える。電子ビーム発生器120は歳差運動150をする電子ビーム122を放射し、回折パターン取得装置130により電子回折パターン及びX線検出器140によりX線強度値を少なくとも部分的に同時に取得する。

概要

背景

電子顕微鏡法は、電子部品に存在する構造体のような様々な対象を分析するために使用される。電子部品の例として、相変化メモリセル、又は複数の材料、例えば半導体を含む部品がある。電子ビーム焦点観察対象の様々なポイントに連続的に合わせる。その分析は化学分析であってもよい。その分析は更に結晶タイプの分析であってもよい。

概要

電子顕微鏡法において、正確な化学的かつ結晶学的な分析方法を提供する。電子顕微鏡100は、電子ビーム発生器120、回折パターン取得装置130、X線検出器140、制御部145を備える。電子ビーム発生器120は歳差運動150をする電子ビーム122を放射し、回折パターン取得装置130により電子回折パターン及びX線検出器140によりX線強度値を少なくとも部分的に同時に取得する。

目的

実施形態は、分析中に変化するか又は移動する対象の化学的且つ結晶学的な分析方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

歳差運動(150) をする電子ビーム(122) を放射し、電子回折パターン及びX線強度値を少なくとも部分的に同時的に取得することを特徴とする電子顕微鏡法

請求項2

取得中、前記電子ビーム(122) は対象(112) のポイント(114) を通過する軸芯を有することを特徴とする請求項1に記載の電子顕微鏡法。

請求項3

前記ポイントが非晶質部分に位置すると決定するか、又は前記ポイントが結晶質部分に位置すると決定することを特徴とする請求項2に記載の電子顕微鏡法。

請求項4

前記ポイントは、画像(300) の複数の画素の内の画素(310) に対応することを特徴とする請求項2又は3に記載の電子顕微鏡法。

請求項5

非晶相に関連付けられた画像(300) の少なくとも1組(320A)の画素の内の画素毎に、前記強度値に基づき化学組成を決定することを特徴とする請求項3を引用する請求項4に記載の電子顕微鏡法。

請求項6

同一の結晶相に関連付けられた画像(300) の少なくとも1組(320B)の画素の内の画素(310) 毎に、前記強度値に基づき化学組成を決定することを特徴とする請求項3を引用する請求項4に記載の電子顕微鏡法。

請求項7

前記同一の結晶相の構造、及び/又は前記同一の結晶相の一若しくは複数のパラメータ、及び/又は結晶方向を決定することを特徴とする請求項6に記載の電子顕微鏡法。

請求項8

前記化学組成と前記同一の結晶相の一又は複数のパラメータとに基づき、少なくとも1つの変形値(510, 520)を決定することを特徴とする請求項7に記載の電子顕微鏡法。

請求項9

前記組毎に、前記組の画素に関連付けられた統計的な化学組成値を決定することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1つに記載の電子顕微鏡法。

請求項10

前記歳差運動(150) は、前記画像(300) の全ての画素(310) に関して同一の角度及び同一の周波数を有することを特徴とする請求項4〜9のいずれか1つに記載の電子顕微鏡法。

請求項11

前記歳差運動(150) は、10度未満で正の半頂角(α)を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の電子顕微鏡法。

請求項12

前記歳差運動の周波数が0.2 Hz〜1,000 Hzの範囲内であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の電子顕微鏡法。

請求項13

請求項1〜12のいずれか1つに記載の電子顕微鏡法を実行するように構成されていることを特徴とする電子顕微鏡

請求項14

透過顕微鏡又は走査顕微鏡であることを特徴とする請求項13に記載の電子顕微鏡。

技術分野

0001

本開示は一般に、電子顕微鏡法に関し、より具体的には電子顕微鏡法による対象の分析方法に関する。

背景技術

0002

電子顕微鏡法は、電子部品に存在する構造体のような様々な対象を分析するために使用される。電子部品の例として、相変化メモリセル、又は複数の材料、例えば半導体を含む部品がある。電子ビーム焦点観察対象の様々なポイントに連続的に合わせる。その分析は化学分析であってもよい。その分析は更に結晶タイプの分析であってもよい。

発明が解決しようとする課題

0003

実施形態は、電子顕微鏡法による結晶分析既知の方法の不利点の全て又は一部を克服する。

0004

実施形態は、電子顕微鏡法による化学分析の既知の方法の不利点の全て又は一部を克服する。

0005

実施形態は、分析中に変化するか又は移動する対象の化学的且つ結晶学的な分析方法を提供する。

0006

実施形態は、特に正確な化学的且つ結晶学的な分析方法を提供する。

課題を解決するための手段

0007

従って、実施形態は、歳差運動をする電子ビームを放射し、電子回折パターン及びX線強度値を少なくとも部分的に同時的に取得することを特徴とする電子顕微鏡法を提供する。

0008

実施形態によれば、取得中、前記電子ビームは対象のポイントを通過する軸芯を有する。

0009

実施形態によれば、前記電子顕微鏡法では、
前記ポイントが非晶質部分に位置すると決定するか、又は
前記ポイントが結晶質部分に位置すると決定する。

0010

実施形態によれば、前記ポイントは、画像の複数の画素の内の画素に対応する。

0011

実施形態によれば、前記電子顕微鏡法では、非晶相に関連付けられた画像の少なくとも1組の画素の内の画素毎に、前記強度値に基づき化学組成を決定する。

0012

実施形態によれば、前記電子顕微鏡法では、同一の結晶相に関連付けられた画像の少なくとも1組の画素の内の画素毎に、前記強度値に基づき化学組成を決定する。

0013

実施形態によれば、前記電子顕微鏡法では、前記同一の結晶相の構造、及び/又は前記同一の結晶相の一若しくは複数のパラメータ、及び/又は結晶方向を決定する。

0014

実施形態によれば、前記電子顕微鏡法では、前記化学組成と前記同一の結晶相の一又は複数のパラメータとに基づき、少なくとも1つの変形値を決定する。

0015

実施形態によれば、前記電子顕微鏡法では、前記組毎に、前記組の画素に関連付けられた統計的な化学組成値を決定する。

0016

実施形態によれば、前記歳差運動は、前記画像の全ての画素に関して同一の角度及び同一の周波数を有する。

0017

実施形態によれば、前記歳差運動は、10度未満で正の半頂角を有する。

0018

実施形態によれば、前記歳差運動の周波数が0.2 Hz〜1,000 Hzの範囲内である。

0019

別の実施形態は、上記に定義されているような電子顕微鏡法を実行するように構成されていることを特徴とする電子顕微鏡を提供する。

0020

実施形態によれば、前記電子顕微鏡は、透過顕微鏡又は走査顕微鏡である。

図面の簡単な説明

0021

前述及び他の特徴及び利点は、添付図面を参照して本発明を限定するものではない実例として与えられる以下の特定の実施形態に詳細に記載されている。

0022

実施形態に係る方法を実行するように構成された電子顕微鏡を部分的に示す斜視図である。
図1の電子顕微鏡によって実行される方法の例を示すタイミング図である。
図1の電子顕微鏡によって実行される方法の例によって得られた画像の例を示す図である。
図1の電子顕微鏡によって実行される方法の例で分析された構造体の例を示す図である。
図1の電子顕微鏡によって実行される方法の例によって得られた図4の構造体の変形率を位置に応じて示す図である。
図1の電子顕微鏡によって実行される方法の例によって得られた図4の構造体の材料の化学組成を位置に応じて示す図である。

実施例

0023

同様の特徴が、様々な図面で同様の参照符号によって示されている。特に、様々な実施形態に共通の構造的特徴及び/又は機能的特徴は同一の参照符号を有してもよく、同一の構造特性寸法特性及び材料特性を有してもよい。

0024

明瞭化のために、本明細書に記載されている実施形態の理解に有用なステップ及び要素のみが示されて詳細に記載されている。

0025

開示全体に亘って、「接続」という用語は、回路素子間の直接の電気接続を表すために使用される一方、「連結」という用語は、直接であってもよく又は一若しくは複数の中間素子を介してもよい回路素子間の電気接続を表すために使用される。

0026

以下の開示では、特に示されていない場合、「前」、「後ろ」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」などの絶対位置、若しくは「上方」、「下方」、「高」、「低」などの相対位置を限定する文言、又は「水平」、「垂直」などの向きを限定する文言を参照するとき、この文言は図面の向きを指す。

0027

「約」、「略」、「実質的に」及び「程度」という表現は、特に指定されていない場合、10%の範囲内、好ましくは5%の範囲内を意味する。

0028

図1は、実施形態に係る方法を実行するように構成された電子顕微鏡100 を部分的に示す斜視図である。

0029

電子顕微鏡100 は、観察対象112 を受けるための場所110 を有している。例として、観察対象112 は、反対側の主面116H及び主面116Lを有するプレートの形状を少なくとも部分的に有する。

0030

電子顕微鏡100 は、電子ビーム(e-BEAM)発生器120 を更に備えている。電子ビーム発生器120 は、動作中、電子ビーム122 を観察対象に向かって放射する。電子は、典型的には30 keVより高く、好ましくは100 keV より高いエネルギー準位を有する。電子ビーム発生器120 は詳細に記載されておらず、記載された実施形態は、電子顕微鏡の電子ビームの通常の発生器と適合する。

0031

電子顕微鏡100 は透過顕微鏡であることが好ましい。この場合、電子ビームの電子の一部、好ましくは電子ビームの電子の半分以上が観察対象を横切るほど、観察対象は十分薄い。記載された実施形態は、透過電子顕微鏡法によって観察される対象の通常の厚さと適合する。そのため、電子顕微鏡100 は、対象を横切った電子を検出することができる。変形例として、電子顕微鏡は走査電子顕微鏡であり、すなわち、対象に反射する電子を検出することができ、好ましくは対象を横切った電子を撮像することができる検出器を備えている。

0032

電子ビーム122 は、対象112 のポイント114 を通過する軸芯を有し、電子ビーム122 の焦点を、この軸芯のポイントに合わせることが好ましい。例えば、ポイント114 は電子ビームの合焦点である。言い換えれば、電子ビームの実質的に全ての電子、例えば全ての電子が対象112 に届く領域が、ポイント114 を中心とする。この領域は、例えば対象112 の表面116H上にある。この領域は、例えば直径が10nm未満であり、好ましくは5nm未満の円内に含まれる。

0033

電子顕微鏡100 は、回折パターン取得装置130 を更に備えている。より具体的には、回折パターン取得装置130 は、対象112 との電子ビーム122 の相互作用によって回折する電子132 の回折パターンを与える、又は取得して記録するように構成されている。回折パターン取得装置130 は、電子ビーム122 が届く側と反対の対象112 の側に設けられており、すなわち、図示された例では対象112 の表面116Lの側に設けられていることが好ましい。電子ビームの焦点をポイント114 に合わせる場合、回折パターンは、好ましくはポイント114 からの回折方向に対応する夫々の画素を有する画像である。言い換えれば、画素毎に、所与の方向に回折する電子の数を記録する。電子ビームの焦点を好ましくはポイント114 に合わせるが、これに限定されず、電子ビーム122 は表面116Hとは異なる焦点面を有してもよい。回折パターン取得装置130 は詳細に記載されておらず、記載された実施形態は、電子回折パターンを得ることができる通常の装置と適合する。例として、回折パターン取得装置130 は、電荷結合素子(CCD) タイプのカメラを有している。

0034

電子顕微鏡100 は、対象112 との電子ビーム122 の相互作用によって放射されるX線142 の強度値を与えることができるX線検出器140 を更に備えている。X線検出器140 によって与えられる強度値は、X線の所与のエネルギーに関するX線の強度を夫々表す。X線は、13.6eV〜300 keV の範囲内のエネルギーを有する電磁放射線によって定められる。例として、与えられる値はエネルギースペクトルを形成し、すなわち、所与の範囲のエネルギー内のエネルギーに応じて1組の強度値を形成する。変形例として、エネルギースペクトルの値の内の一部のみが検出器によって与えられる。

0035

電子顕微鏡100 は、電子ビーム発生器120 、回折パターン取得装置130 及びX線検出器140 に連結され、好ましくは接続された制御部145 (CTRL)を更に備えている。制御部145 は、好ましくは一又は複数のマイクロプロセッサのようなデータ処理部とメモリとを有している。メモリは、マイクロプロセッサによって実行可能なプログラムを含んでいる。

0036

データ処理部によるプログラムは、
−電子ビームが歳差運動150 をする、
−電子回折パターンの取得期間及びX線の強度値の取得期間が少なくとも部分的に同時的である
方法を実行する。

0037

歳差運動150 は、電子ビーム122 の軸芯が錐152 、好ましくは円錐をたどる運動によって定められる。錐152 は軸芯154 を有し、頂点としてポイント114 を有する。軸芯154 は、例えば表面116Hに直交する顕微鏡の光軸に相当することが好ましい。錐152 は、多くとも10度のゼロではない正の半頂角αを有することが好ましい。歳差運動の周波数は0.2 〜1,000 Hzの範囲内であることが好ましい。

0038

回折パターンの取得期間は、回折パターン取得装置130 が回折パターンを形成するために使用される回折電子132 を受ける期間によって定められる。記録/取得される回折パターンは、ディスクリング又はポイント134 で形成される。回折パターン取得装置130 は、ポイント、ディスク又はリングの形になってもよい十分な数の回折電子ビームを網羅するために対象112 から十分離れて配置されていることが好ましい。

0039

X線の強度値の取得期間は、X線検出器140 がこのような強度値を得るために使用されるX線を受ける期間によって定められる。

0040

電子ビーム122 と相互作用する対象112 の部分の化学・結晶分析を、回折パターン及びX線強度値に基づき行うことが好ましい。

0041

より具体的には、結晶分析では、電子ビーム122 と相互作用した対象112 の部分が非晶質であるか否か、又はこの部分が結晶質であるか否か、すなわち一又は複数の結晶で形成されているか否かを決定してもよい。結晶分析では、電子ビーム122 と相互作用した対象112 の部分の結晶構造及び結晶格子の方向を決定してもよい。

0042

より具体的には、化学分析では、電子ビーム122 と相互作用した対象112 の部分の化学組成を決定してもよい。化学分析では、予測される化学元素含有量を更に決定してもよい。

0043

対象の一部の結晶・化学分析を行うために、X線スペクトル及び回折パターンを連続的に得ることが考案され得る。しかしながら、対象の移動又は変化がよく起こる。特に電子ビームは、分析部分の様々な構造特性及び/又は化学特性を変える。更に、成長する結晶又は相変化材料のような対象は変化する場合がある。更に、特に電子ビームに関連した振動又は様々な熱現象は、分析部分の移動の源であることが多い。このような移動又はこのような変化により、化学分析及び結晶分析の結果が不正確になる。歳差運動のような電子ビームの運動は、このような精度の問題を改善することができない。

0044

エネルギースペクトル及び回折パターンの連続的な取得による分析と比較して、対象112 が移動する又は変化する場合でも、歳差運動、回折パターンの取得及びエネルギースペクトルの値の取得の同時性により、分析がより正確になる。

0045

図2は、図1の電子顕微鏡によって実行される方法の例を示すタイミング図である。より具体的には、図2は、歳差錐の軸芯154 の位置X154、電子ビームが歳差運動150 をする期間210 、回折パターンを取得する期間220 及びX線の強度値を取得する期間230 を経時的に示す。

0046

位置X154は対象112 のポイント114 の位置に相当する。本方法は、位置X154が固定されている段階240 を有する。段階240 は段階242 と交互に生じる。各段階242 中、電子ビームは、前の段階240 の固定位置X154から次の段階240 の固定位置X154に移動する。固定位置の各段階240 の期間は、0.1 秒より長く、例えば0.5 秒から5秒の範囲内であることが好ましい。各移動段階242 の期間は、好ましくは10ミリ秒より短く、より好ましくは1ミリ秒より短い。変形例として、電子ビームは即座に移動する。

0047

複数の段階240 及び複数の段階242 に亘って電子ビームを放射して電子ビームが歳差運動をすることが好ましい。歳差運動は、好ましくは全ての段階240 で同一の半頂角及び同一の周波数を有する。

0048

電子ビームの固定位置での各段階240 は時点t0で開始する。回折パターン取得装置130 を、時点t0である時点t1又は時点t0の後の時点t1で初期化する。

0049

各段階240 の時点t2と時点t3との間に、X線検出器140 はX線の強度値を決定する。その後、時点t2と時点t3との間のX線の強度値の平均値に相当する平均強度値を計算する。このため、例として、X線検出器140 は全ての段階240, 242中、動作中のままであり、時点t3及び時点t2で測定された累積強度値の差から決定値が得られる。変形例として、X線検出器140 を時点t2で初期化する。

0050

時点t4で、回折パターン取得装置130 は回折パターンの取得を終了する。段階240 は、時点t4である時点t5又は時点t4の後の時点t5で終了する。

0051

各段階240 で、回折パターンの取得及びX線の強度値の取得が少なくとも部分的に同時的であり、すなわち、期間220 及び期間230 の少なくとも一部が同時的に生じる。言い換えれば、
− X線の強度値の取得期間230 の開始時点t2は、回折パターンの取得期間220 の終了時点t4より早く、
− X線の強度値の取得期間230 の終了時点t3は、回折パターンの取得期間220 の開始時点t1の後である。

0052

X線の強度値の取得期間230 が、回折パターンの取得期間220 中に完全に生じることが好ましい。言い換えれば、時点t1、時点t2、時点t3、時点t4及び時点t5は、この順に連続する。

0053

期間220 中に取得する回折パターンを、図示されていないその後のステップで使用する。例として、回折パターンが非晶質材料の回折パターンではない場合、1組のミラー指数が、ディスク又はリング又はポイント134 の各々に関連付けられる。このため、結晶状態を特定して、例えば結晶構造を特徴付けることが可能になる。結晶構造のパラメータ、例えば格子パラメータ及び結晶構造の方向を、回折パターンのディスク又はリング又はポイント134 の位置から導き出すことができる。本実施形態は、回折パターンに基づく結晶構造及び/又は結晶構造の方向の通常の分析方法と適合する。期間220 中に取得する回折パターンでは、歳差運動に起因するディスク又はリング又はポイント134 (図1)により、歳差運動がない場合より結晶構造をより正確に分析することが可能になる。

0054

期間230 中に取得するX線の強度値は、X線の所定のエネルギー値に関する値である。所定のエネルギー値はエネルギー範囲内に分散してもよい。X線は、電子ビームと相互作用する対象の部分の化学組成に応じたエネルギーで強度ピークを有する。エネルギー範囲は、このような強度ピークのエネルギーを含むように選択されている。例として、エネルギー範囲は0.1 keV 〜20 keVの範囲内である。例えば、所定のエネルギー値は、強度ピークの幅より小さいピッチでエネルギー範囲内に規則的に分散する。そのため、期間230 中に取得するエネルギー値から化学組成を導き出すことができる。記載された実施形態は、様々なエネルギーに関するX線の強度値に基づく化学組成の通常の分析方法と適合する。

0055

X線の所定のエネルギー値は、スペクトルが既知の化学元素に対応するピークを有するエネルギーの値であることが好ましい。このため、化学分析のために処理する情報の量を減らし、ひいては分析を簡略化することができる。例えば、分析材料のこのような既知の元素の含有量又は割合を測定する。

0056

図3は、図1の電子顕微鏡によって実行される方法の例によって得られた画像300 の例を示す。

0057

より具体的には、この方法は、電子ビームの歳差軸の連続的な位置X154の各々が画像の画素に関連付けられる図2の方法に相当する。従って、各位置X154は観察対象112 のポイント114 に相当する。画像は、観察対象112 の着目する領域の写像に相当する。変形例として、着目する領域を対象の縁部に置き、位置X154の一部のみが対象のポイントに相当する。

0058

注目する領域を、本方法を実行する前に選択する。その後、着目する領域全体アレイに配置された位置X154を定めることを可能にする連続的な位置X154間の距離を較正するステップを実行する。

0059

図示された例では、着目する領域はメモリセルの相変化材料に含まれる。このようなセルは、相変化材料の最初に結晶質の部分を非晶質にすることによりプログラムされる。メモリセルに含まれる情報の読み出しは、結晶状態と非晶状態との導電率の差に基づいている。ここで、相変化材料はゲルマニウムアンチモン及びテルルから構成されている。

0060

画像300 の組320Aの画素310 及び組302Bの画素310 が定められる。組320A及び組320Bは、異なるハッチングによって図3に示されている。2組の図示された例に限定されず、組の数は2より小さくてもよく、又は2より大きくてもよい。組320Aの画素は、対象の非晶領域、すなわち非晶相にあるポイント114 (図1)に対応する。組320Bの画素は、対象が同一の結晶状態、つまり同一の結晶構造を有するポイント114 の位置に対応する。言い換えれば、組320Bの画素は、対象が同一の結晶相を有する結晶領域に対応する。組320Bに対応する結晶構造は多結晶質であってもよく、つまり複数の結晶方向を有する。変形例として、画素が異なる結晶構造に対応する組320A及び組320Bを定めることにより、結晶を可視化することが可能になる。第2の変形例として、各組320A, 320Bは、異なる結晶方向で同一の結晶状態に対応する画素によって定められる。各組320A, 320Bの画素は隣接しても隣接しなくてもよい。

0061

その後、各組の組成を決定する。例として、この組に対応する相の平均組成を定める。同様に、組に対応する相を形成する一又は複数の化学元素の含有量の平均値、最小値最大値又は標準偏差のようなあらゆる統計値を決定してもよい。

0062

従って、組毎に、非晶状態及び結晶状態から状態を決定し、非晶相又は結晶相を分析する。歳差運動、回折パターンの取得及びエネルギースペクトルの値の取得の同時性により、移動、変形又は変化後、分析相の周りにある化学元素が結晶分析の結果に影響を及ぼすことが回避され得る。

0063

図4は、図2の方法の例で分析された対象400 の例を示す。

0064

対象400 は、例えば単結晶シリコン領域410 上にシリコン・ゲルマニウム及びシリコンで夫々交互に形成された構造体420 及び構造体430 のエピタキシによって得られた構造体である。例として、構造体400 は4つのシリコン・ゲルマニウム層420 を有している。シリコン・ゲルマニウム層420 はシリコン層430 より薄い。シリコン・ゲルマニウム層420 の厚さは15nm程度である。結晶格子、より具体的にはシリコン・ゲルマニウム層420 の結晶格子が、シリコンとシリコン・ゲルマニウムとの格子不整合により変形する。シリコン・ゲルマニウム層420 は(単結晶シリコン領域410 から)20%、31%、38%及び45%のゲルマニウム含有率を夫々有する。

0065

図5は、図2の方法の例によって得られた図4の構造体の変形率S(%)を位置X154(図2)に応じて示す。より具体的には、位置X154毎に、本方法に係る分析によって決定された化学組成から計算された変形値510 が点線で示され、本方法に係る分析によって決定された結晶構造のパラメータから得られた変形値520 が実線で示されている。変形値510 及び変形値520 は0.1 %未満、異なる。

0066

図6は、図2の方法の例によって得られた図4の構造体の材料の化学組成を示す。より具体的には、位置X154毎に、歳差運動のない方法によって得られたゲルマニウム含有率値610 (%Ge)が点線で示され、図2の方法によって得られたゲルマニウム含有率値620 が実線で示されている。構造体400 のゲルマニウム含有率と歳差運動と共に測定された夫々23%、33%、38%及び45%の最大値との差は3%未満である。更に、歳差運動と共に測定された最大値は、歳差運動無しで得られた夫々25%、37%、42%及び49%の最大値より正確である。

0067

様々な実施形態及び変形例が述べられている。当業者は、これらの実施形態のある特徴を組み合わせることができると理解し、他の変形例が当業者に容易に想起される。

0068

最後に、本明細書に記載されている実施形態及び変形例の実際の実施は、上記に与えられる機能的な表示に基づく当業者の技能の範囲内である。

0069

このような変更、調整及び改良は、本開示の一部であることが意図されており、本発明の趣旨及び範囲内であることが意図されている。従って、先の記載は単なる一例であり、限定することを意図されていない。本発明は、以下の特許請求の範囲及びこの均等物に定義されているように限定されるだけである。

0070

本出願は、仏国特許出願第19/07615 号明細書の優先権を主張しており、その内容全体が、特許法で許容可能な最大限に至るまで参照により本明細書に組み込まれる。

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