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概要
背景
概要
溝を有する基板に対して、選択的に処理可能な技術を提供する。 上記課題を解決するための一態様は、処理室内に備えられ、複数の溝を有する基板を載置する基板載置面を有する基板載置部と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給部と、前記処理室から雰囲気を排気する排気部と、前記溝の表面を処理するよう前記基板の側方から電磁波を供給する電磁波供給部と、を有する技術である。
目的
そこで、溝を有する基板に対して、選択的に処理可能な技術を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
処理室内に備えられ、複数の溝を構成するピラーを有する基板を載置する基板載置面を有する基板載置部と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給部と、前記処理室から雰囲気を排気する排気部と、前記溝の中を処理せず、前記基板の表面を処理するよう前記基板の側方から電磁波を供給する電磁波供給部と、を有する基板処理装置。
請求項2
請求項3
前記電磁波供給部は指向性ランプを有し、前記指向性ランプの放射面中心の高さは、前記処理ガスが前記処理室に供給される間に配される前記基板載置面の高さと同じ高さに設定される請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
請求項4
前記指向性ランプの照射面の中心軸と前記基板載置面とが交差するよう前記指向性ランプが配される請求項3に記載の基板処理装置。
請求項5
前記ガス供給部は第1ガスを供給する第1ガス供給部と、前記第1ガスと反応する第2ガスを供給する第2ガス供給部と、パージガスを供給するパージガス供給部とを有し、前記処理室は、前記第1ガスが供給される第1ドメインと、前記第2ガスが供給される第2ドメインと、パージガスが供給されるパージドメインとを有し、前記基板載置部に複数の前記基板載置面が円周状に配され、前記基板載置部が回転することで複数の前記基板はそれぞれの前記ドメインを通過するよう構成される請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の基板処理装置。
請求項6
前記基板載置部は、中心部から端部にかけて上方に傾斜するよう構成される請求項5に記載の基板処理装置。
請求項7
前記基板載置部は、中心部から端部にかけて下方に傾斜するよう構成される請求項5に記載の基板処理装置。
請求項8
前記電磁波供給部から照射される電磁波は、前記第2ドメインのうち、前記第2ガス供給部からガスが供給される領域よりも回転方向上流の領域に照射されるよう構成される請求項5から請求項7のうち、いずれか一項に記載の基板処理装置。
請求項9
前記電磁波供給部から照射される電磁波は、前記第2ドメインのうち、前記第2ガス供給部からガスが供給される領域よりも回転方向下流の領域に照射されるよう構成される請求項5から請求項7のうち、いずれか一項に記載の基板処理装置。
請求項10
複数の溝を構成するピラーを有する基板を、処理室内に備えられ基板載置面を有する基板載置部に載置する工程と、前記溝の中を処理せず、前記基板の表面を処理するよう前記基板の側方から電磁波を供給し、前記処理室に処理ガスを供給し、前記処理室から雰囲気を排気する工程と、を有する半導体装置の製造方法。
請求項11
複数の溝を構成するピラーを有する基板を、処理室内に備えられ基板載置面を有する基板載置部に載置する手順と、前記溝の中を処理せず、前記基板の表面を処理するよう前記基板の側方から電磁波を供給し、前記処理室に処理ガスを供給し、前記処理室から雰囲気を排気する手順と、を有する半導体装置の製造方法。
技術分野
背景技術
0002
半導体装置を製造する過程においては、近年の微細化傾向に伴い、アスペクト比の高い溝を基板上に形成したり、あるいはその溝や周囲の構成に様々な処理を行ったりする。溝の周囲を処理する方法として、例えば特許文献1に記載の技術がある。
発明が解決しようとする課題
0003
前述の溝は、例えば10〜20nmの長さの幅を有する。通常基板上に溝を形成するにはリソグラフィ技術を用いることが考えられるが、前述の幅の場合、アライメントエラーの発生の影響が大きく、また高精度のマスク作成が困難であることから、正確な位置に溝を形成することが難しいという問題がある。
0004
そのため、所望箇所以外の場所がエッチングされないよう、基板表面に保護膜を形成することが考えられる。ところが、保護膜を形成する際、ガスが基板表面に一様に供給されるため、基板表面だけでなく溝中にも保護膜が形成されてしまう。その場合、溝中に意図しない成分が残留するため、半導体装置は所望の性能を満たせない。
0005
そこで、溝を有する基板に対して、選択的に処理可能な技術を提供することを目的とする。
0006
特開2014−75579
課題を解決するための手段
0007
上記課題を解決するための一態様は、処理室内に備えられ、複数の溝を有する基板を載置する基板載置面を有する基板載置部と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給部と、前記処理室から雰囲気を排気する排気部と、前記溝の表面を処理するよう前記基板の側方から電磁波を供給する電磁波供給部と、を有する技術である。
発明の効果
0008
係る技術によれば、溝を有する基板に対して、選択的に処理可能な技術をできる。
図面の簡単な説明
0009
第1の実施形態に係る基板処理装置を説明する説明図である。
ガス供給部を説明する説明図である。
基板処理装置のコントローラを説明する説明図である。
基板処理フローを説明する説明図である。
基板の状態を説明する説明図である。
基板の状態を説明する説明図である。
第2の実施形態に係る基板処理装置を説明する説明図である。
第2の実施形態に係る基板処理装置を説明する説明図である。
基板処理フローを説明する説明図である。
第3の実施形態に係る基板処理装置を説明する説明図である。
第4の実施形態に係る基板処理装置を説明する説明図である。
第5の実施形態に係る基板処理装置を説明する説明図である。
実施例
0010
(第1の実施形態)
図1を用いて、基板を処理する基板処理装置200および基板処理装置200を用いた基板処理方法の一例について説明する。
0011
(基板処理装置)
基板処理装置200はチャンバ202を有する。チャンバ202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。チャンバ202内には、基板としてのシリコンウエハ等の基板100を処理する処理空間205と、基板100を処理空間205に搬送する際に基板100が通過する搬送空間206とが形成されている。チャンバ202は、上部容器202aと下部容器202bで構成される。
0012
下部容器202bの側面には、ゲートバルブ149に隣接した基板搬入出口148が設けられており、基板100は基板搬入出口148を介して図示しない真空搬送室との間を移動する。下部容器202bの底部には、リフトピン207が複数設けられている。
0013
処理空間205を構成する処理室201は、例えば後述する基板載置台212とシャワーヘッド230とで構成される。処理空間205内には、基板100を支持する基板支持部210が設けられている。基板支持部210は、基板100を載置する基板載置面211と、基板載置面211を表面に持つ基板載置台212、基板載置台212に内包された加熱源としてのヒータ213を主に有する。
0014
基板載置台212には、リフトピン207が貫通する貫通孔214が、リフトピン207と対応する位置にそれぞれ設けられている。ヒータ213には、ヒータ213の温度を制御する温度制御部220が接続される。
0015
基板載置台212はシャフト217によって支持される。シャフト217の支持部はチャンバ202の底壁に設けられた穴を貫通しており、更には支持板216を介してチャンバ202の外部で昇降回転部218に接続されている。昇降回転部218を作動させてシャフト217及び基板載置台212を昇降させることにより、基板載置面211上に載置される基板100を昇降させることが可能である。さらには、昇降回転部218を作動させて、基板載置台212を回転させることが可能である。なお、シャフト217下端部の周囲はベローズ219により覆われている。チャンバ202内は気密に保持されている。
0016
昇降回転部218はシャフト217を支持する支持軸218aと、支持軸218aを昇降させたり回転させたりする作動部218bを主に有する。作動部218bは、例えば昇降を実現するためのモータを含む昇降部218cと、支持軸218aを回転させるための歯車等の回転機構218dを有する。これらには、動作を円滑にするようにグリス等が塗布されている。
0017
基板載置台212は、基板100の搬送時には、基板載置面211が基板搬入出口148に対向する位置まで下降し、基板100の処理時には、図1で示されるように、基板100が処理空間205内の処理位置となるまで上昇する。
0018
処理空間205の上部(上流側)には、シャワーヘッド230が設けられている。
シャワーヘッド230は、蓋231を有する。蓋231はフランジ232を有し、フランジ232は上部容器202a上に支持される。更に、蓋231は位置決め部233を有する。位置決め部233が上部容器202aに嵌合されることで、蓋231が固定される。
0019
シャワーヘッド230は、バッファ空間234を有する。バッファ空間234は、蓋231と位置決め部233とで構成される空間をいう。バッファ空間234と処理空間205は連通している。バッファ空間234に供給されたガスはバッファ空間234で拡散し、処理空間205に均一に供給される。ここではバッファ空間234と処理空間205を別の構成として説明したが、それに限るものではなく、バッファ空間234を処理空間205に含めてもよい。
0021
第1ガス供給孔235は、第1ガス供給部240の一部である第1ガス供給管241と連通するように構成される。第2ガス供給孔236は、第2ガス供給部250の一部である第2ガス供給管251と連通するように構成される。パージガス供給孔237は、パージガス供給部260の一部であるパージガス供給管261と連通するように構成される。
0025
第1ガス供給管241から第1元素を含有するガス(以下、「第1ガス」)が、MFC243、バルブ244、第1ガス供給管241を介してシャワーヘッド230に供給される。
0026
第1ガスは、原料ガス、すなわち、処理ガスの一つである。ここで、第1元素は、例えばチタン(Ti)である。すなわち、第1ガスは、金属ガスであり、Ti含有ガスである。具体的には、テトラキスジメチルアミノチタニウム(Ti[N(CH3)2]4、TDMATとも呼ぶ)ガスが用いられる。
0028
主に、第1ガス供給管241、MFC243、バルブ244により、第1ガス供給部240が構成される。更には、第1ガス供給源242を第1ガス供給部240に含めて考えてもよい。
0029
続いて図2(b)を用いて、ガス供給部の一部である第2ガス供給部250を説明する。
第2ガス供給管251には、上流方向から順に、第2ガス供給源252、流量制御器であるMFC253、バルブ254が設けられる。
0030
そして、第2ガス供給管251から、第1ガスと反応する反応ガスがシャワーヘッド230内に供給される。反応ガスは第2ガスとも呼ぶ。第2ガスは処理ガスの一つであり、例えば窒素含有ガスである。窒素含有ガスとしては、例えばアンモニア(NH3)ガスが用いられる。
0031
主に、第2ガス供給管251、MFC253、バルブ254で第2ガス供給部250が構成される。なお、第2ガス供給部250は、反応ガスを供給する構成であるので、反応ガス供給部とも呼ぶ。更には、第2ガス供給源252を第2ガス供給部250に含めてもよい。
0032
続いて図2(c)を用いて、ガス供給部の一部であるパージガス供給部260を説明する。
パージガス供給管261には、上流方向から順に、パージガス供給源262、流量制御器(流量制御部)であるMFC263、バルブ264が設けられる。
0033
そして、パージガス供給管261からは、パージガスがシャワーヘッド230内に供給される。パージガスは、第1ガスや第2ガスと反応しないガスであり、処理室201中の雰囲気をパージするパージガスの一つであり、例えば窒素(N2)ガスである。
0034
主に、パージガス供給管261、MFC263、バルブ264でパージガス供給部260が構成される。パージガス供給源262をパージガス供給部260に含めてもよい。
0035
また、第一ガス供給部240、第二ガス供給部250、パージガス供給部260をまとめてガス供給部と呼ぶ。
0036
次に図1で排気部280を説明する。処理室201の雰囲気を排気する排気部280は、処理空間205に連通する排気管281を有する。排気管281には、処理空間205内を所定の圧力に制御する圧力制御器であるAPC(AutoPressure Controller)282、処理空間205の圧力を計測する圧力検出部283が設けられる。APC282は開度調整可能な弁体(図示せず)を有し、後述するコントローラ400からの指示に応じて排気管281のコンダクタンスを調整する。また、排気管281においてAPC282の上流側にはバルブ284が設けられる。排気管281とバルブ284、APC282、圧力検出部283をまとめて排気部280と呼ぶ。
0037
排気管281の下流側には、ポンプ285が設けられる。ポンプ285は、排気管281を介して、処理室201内の雰囲気を排気する。
0038
次に、電磁波供給部290を説明する。
上部容器202aの側壁には、窓291が設けられている。更に、窓291と隣接するように、電磁波供給構造292が上部容器202の側壁に固定される。電磁波供給構造292には、電磁波供給制御部294が接続される。
0039
窓291は例えば石英で構成されており、更に容器202内の雰囲気を気密に維持するよう構成される。窓291の高さ方向の中心位置は、基板載置面211の高さと同じ高さに設定される。より好ましくは、基板100表面と同じ高さに設定される。
0040
電磁波供給構造292は電磁波を照射する性能を有し、例えば紫外光を照射する指向性ランプ293が設けられる。指向性ランプ293は、電磁波を意図した方向に照射できるよう構成される。指向性ランプ293の照射面は窓291に向かうよう構成される。指向性ランプ293の照射面のうち、高さ方向中心位置は、基板載置面の高さと同じ高さに設定さる。よりよくは、基板100の表面より若干高い位置に配される。若干高い位置とすることで、後述するように、図5に記載の基板100の表面103に電磁波を照射可能とする。
0041
電磁波供給制御部294は、後述するコントローラ400からの指示に基づいて指向性ランプ293を制御する。指向性ランプ293から照射された電磁波は、窓291を介して、側方から基板100に照射される。
0042
供給する電磁波は、後述するように、基板100に形成された極細幅の溝102の幅Lの長さよりも長い波長に設定されることが望ましい。このようにすると、溝102の中に電磁波が回り込まないため、溝102の内側が電磁波によって処理されることがない。例えば、波長が200nm〜400nmである紫外光を本装置における処理に用いる。また、幅Lの長さよりも長い波長であれば、紫外光に限らず、例えばエキシマランプ(Ar、ArFを用いたランプ)や、水銀ランプ等から発生する電磁波を用いてもよい。
0043
続いてコントローラ400を説明する。
基板処理装置200は、基板処理装置200の各部の動作を制御するコントローラ400を有している。コントローラ400は、図3に記載のように、演算部(CPU)401、一時記憶部402、記憶部403、送受信部404を少なくとも有する。コントローラ400は、送受信部404を介して基板処理装置200の各構成に接続され、上位コントローラや使用者の指示に応じて記憶部403からプログラムやレシピを呼び出し、その内容に応じて各構成の動作を制御する。なお、コントローラ400は、専用のコンピュータとして構成してもよいし、汎用のコンピュータとして構成してもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ(USB Flash Drive)やメモリカード等の半導体メモリ)412を用意し、外部記憶装置412を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすることにより、本実施形態に係るコントローラ400を構成できる。また、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置412を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用いても良いし、上位装置420から送受信部411を介して情報を受信し、外部記憶装置412を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。また、キーボードやタッチパネル等の入出力装置413を用いて、コントローラ400に指示をしても良い。
0044
なお、記憶部402や外部記憶装置412は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶部402単体のみを含む場合、外部記憶装置412単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
0045
(基板処理工程)
図4を用いて基板処理装置200を用いた基板処理工程について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置200を構成する各部の動作はコントローラ400により制御される。
0046
基板搬入工程を説明する。図4においては、本工程の説明を省略する。基板処理装置200では基板載置台212を基板100の搬送位置(搬送ポジション)まで下降させることにより、基板載置台212の貫通孔214にリフトピン207を貫通させる。続いて、ゲートバルブ149を開いて搬送空間206を真空搬送室(図示せず)と連通させる。そして、この移載室からウエハ移載機(図示せず)を用いて基板100を搬送空間206に搬入し、リフトピン207上に基板100を移載する。これにより、基板100は、基板載置台212の表面から突出したリフトピン207上に水平姿勢で支持される。
0047
搬入される基板100には、図5に記載のように、複数のピラー101と、ピラー101間に形成された高アスペクト比の高い極細幅の溝102が形成されている。本基板処理工程では、溝102中に膜を形成することなく、各ピラー101の周囲の表面103に選択的に膜を形成する。
0048
チャンバ202内に基板100を搬入したら、ウエハ移載機をチャンバ202の外へ退避させ、ゲートバルブ149を閉じてチャンバ202内を密閉する。その後、基板載置台212を上昇させることにより、基板載置面211上に基板100を載置させ、さらに基板載置台212を上昇させることにより、前述した処理空間205内の処理位置(基板処理ポジション)まで基板100を上昇させる。
0049
基板100が搬送空間206に搬入された後、バルブ284を開き、処理空間205とAPC282の間を連通させる。APC282は、排気管281のコンダクタンスを調整することで、ポンプ285による処理空間205の排気流量を制御し、処理空間205を所定の圧力(例えば10−5〜10−1Paの高真空)に維持する。
0050
また、基板100を基板載置台212の上に載置する際は、ヒータ213に電力を供給し、基板100の表面が所定の温度となるよう制御する。基板100の温度は、例えば室温以上800℃以下であり、好ましくは、室温以上であって500℃以下である。
0052
以下、第1ガスとしてTDMATを用い、第2処理ガスとしてNH3ガスを用いて、基板100の表面103上に選択的に保護膜を形成する例について説明する。ここでは、異なる処理ガスを交互に供給する工程を繰り返す交互供給処理を行う。
0053
続いて、第1ガス供給工程S202を説明する。基板載置台212が図1のようにウエハ処理ポジションに移動したら、排気管281を介して処理室201から雰囲気を排気して、処理室201内の圧力を調整する。所定の圧力に調整しつつ、基板100の温度を所定の温度、例えば400℃から500℃に加熱する。
0054
続いて、第1ガス供給部240の動作を説明する。
第1ガス供給部240では、バルブ244を開にすると共に、MFC243で第1ガスの流量を調整する。このような動作により、第1ガス供給管241から処理室201に第1ガス、例えばチタン含有ガスであるTDMATガスを処理室に供給する。供給されたチタン含有ガスは分解され、基板100上にチタン含有層を形成する。このとき、図6に記載のように、チタン含有ガスの成分104の多くは基板表面103に付着するものの、一部は溝102内に入り込む。所定時間経過したら、バルブ244を閉にして、チタン含有ガスの供給を停止する。
0055
続いて、第1パージ工程S204を説明する。チタン含有ガスの供給を停止した後は、パージガス供給管261からパージガスを供給し、処理室201内の雰囲気のパージを行う。ここではバルブ264を開とする。第1ガス供給工程S202で基板100に付着できなかったチタン含有ガスの成分104は、ポンプ285により、排気管281を介して処理室201から除去される。この時、溝102中に入り込んだ第1ガス成分も除去されるが、すべてを除去することは難しい。
0056
第1パージ工程S204では、基板100に付着できなかったり、処理室201、シャワーヘッドバッファ室232で残留したりするチタン含有ガスを排除するために、大量のパージガスを供給して排気効率を高める。所定時間経過したら、バルブ264を閉としてパージ処理を終了する。
0057
続いて、第2ガス供給工程S206を説明する。処理室201のパージが完了したら、第2ガス供給工程S206を行う。第2ガス供給部250では、バルブ254を開として、シャワーヘッド230を介して、処理室201内に第2ガスであるNH3ガスを供給する。このとき、NH3ガスの流量が所定流量となるように、MFC253を調整する。NH3ガスの供給流量は、例えば1000〜10000sccmである。
0058
NH3ガスの供給と並行して、電磁波供給部290から基板100に向けて電磁波を照射する。照射された電磁波は窓291を介して基板100に到達する。指向性ランプ293の照射面のうち、高さ方向中心位置は、窓290の高さ方向中心位置と同様であるので、照射された電磁波は、図6の矢印105のように、溝102の中には供給されず、基板100の表面103に供給される。
0059
電磁波は基板表面103のチタン含有ガス成分104間の結合を切断し、分解する。その切断部分には、熱により分解されたNH3ガスが供給され、切断されたチタン含有ガスの成分とアンモニアガスの成分(具体的には窒素成分)が結合し、結合度の高い層が形成される。これと並行して、チタン含有ガスの余剰成分(例えば塩素(Cl))とアンモニアガスの水素成分が反応し、HClガスやNH4Clガスが生成される。それらのガスは排気部から排気される。
0060
このとき電磁波は基板100の側面から照射されるので、図6に記載のように溝102中に入り込みにくい。したがって、溝102中に残留したチタン含有ガスの成分を電磁波で処理させることが無いので、溝102には膜を形成せずに、基板表面103上に選択的に膜を形成できる。
0061
なお、使用する電磁波の波長は、溝102の幅Lよりも大きいことが望ましい。波長が大きいと溝102中に回り込むことが無いので、より確実に溝102中の処理を抑制できる。
0062
NH3ガスの供給を開始してから所定時間経過後、バルブ254を閉じNH3ガスの供給を停止する。NH3ガスの供給時間は、例えば2〜20秒である。
0063
続いて、第2パージ工程S208を説明する。NH3ガスの供給を停止した後は、上述した第1パージ工程S204と同様の第2パージ工程S208を実行する。第2パージ工程S208における各部の動作は、上述した第1パージ工程S204と同様であるので、ここでの説明を省略する。
0064
続いて、判定工程S210を説明する。第1ガス供給工程S202、第1パージ工程S204、第2ガス供給工程S206、第2パージ工程S208を1サイクルとして、コントローラ400は、このサイクルを所定回数(nサイクル)実施したか否かを判定する。サイクルを所定回数実施すると、基板100上には、所望膜厚のTiN層が形成される。所定回数実施したとき(S210でYesの場合)、図4に示す処理を終了する。以上のようにして、表面103上に選択的に保護膜を形成する。
0065
より良くは、少なくとも第2ガス供給工程では基板載置台210を回転させる。基板載置台210と共に基板100を回転させることで、基板100の面内により均一に電磁波を供給できる。
0066
続いて基板搬出工程を説明する。所望の膜厚のTiN層が形成されたら、基板載置台212を下降させ、基板100を搬送ポジションに移動する。その後、ゲートバルブ149を開き、アーム(不図示)を用いて基板100をチャンバ202の外へ搬出する。
0067
なお、ここでは紫外光を照射した例を説明したが、マイクロ波でもよい。その場合、例えば基板表面のチタン含有ガスの成分を含む層(もしくは膜)にマイクロ波を供給して加熱するなどして膜を処理する。
0068
また、ここでは基板100上のチタン含有ガスの成分を電磁波で処理したが、それに限るものではなく、供給されるガスに電磁波を照射し、ガスを励起してもよい。この場合、溝102中に励起したガスが入り込まないよう、基板表面で反応が終了する程度のエネルギーに調整する。
0069
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る基板処理装置の構成について、主に図7、図8を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る基板処理装置300の横断面概略図である。図8は、本実施形態に係る基板処理装置300の縦断面概略図であり、図7に示すチャンバのα−α’線断面図である。なお、α−α’線は、αからチャンバ302の中心を通ってα’に向かう線である。
0070
(基板処理装置)
基板処理装置300の具体的構成を説明する。なお、第1の実施形態と同様の番号を付与された構成は、第1の実施形態と同様の機能を有する構成であり、適宜説明を省略する。また、基板処理装置300は、コントローラ400により制御される。
0071
図7および図8に示されているように、基板処理装置300は、主に円筒状の気密容器であるチャンバ302で構成される。チャンバ302内には、基板100を処理する処理室301が構成されている。チャンバ302にはゲートバルブ305が接続されており、ゲートバルブ305を介して基板100が搬入出される。
0072
処理室301は、処理ガスを供給する処理領域306とパージガスを供給するパージ領域307を有する。ここでは処理領域306とパージ領域307は、円周状に交互に配される。例えば、第1処理領域306a、第1パージ領域307a、第2処理領域306bおよび第2パージ領域307bの順に配される。後述するように、第1処理領域306a内には第1ガスが供給され、第2処理領域306b内には第2ガスが供給され、また第1パージ領域307aおよび第2パージ領域307bには不活性ガスが供給される。これにより、それぞれの領域内に供給されるガスに応じて、基板100に対して所定の処理が施される。なお、処理領域306aは第1ドメイン、処理領域306bは第2ドメインとも呼び、第1パージ領域307a、第2パージ領域307bはパージドメインとも呼ぶ。
0073
パージ領域307は、第1処理領域306aと第2処理領域306bとを空間的に切り分ける領域である。パージ領域307の天井308は処理領域306の天井309よりも低くなるよう構成されている。第1パージ領域307aには天井308aが設けられ、第2パージ領域307bには天井308bが設けられる。各天井を低くすることで、パージ領域307の空間の圧力を高くする。この空間にパージガスを供給することで、隣り合う処理領域306を区画している。なお、パージガスは基板100上の余分なガスを除去する役割も有する。
0075
基板載置プレート317は、チャンバ302内に、複数枚(例えば6枚)の基板100を同一面上に、且つ回転方向に沿って同一円周状に配置可能なよう構成される。ここでいう「同一面」とは、完全な同一面に限られるものではなく、基板載置プレート317を上面から見たときに、複数枚の基板100が互いに重ならないように並べられていればよい。
0076
基板載置プレート317表面における基板100の支持位置には、凹部318が設けられている。処理する基板100の枚数と同数の凹部318が基板載置プレート317の中心から同心円状の位置に互いに等間隔(例えば60°の間隔)で配置されている。なお、図7においては、説明の便宜上図示を省略している。
0077
それぞれの凹部318は、例えば基板載置プレート317の上面から見て円形状であり、側面から見て凹形状である。凹部318の直径は基板100の直径よりもわずかに大きくなるように構成することが好ましい。この凹部318の底には基板載置面319が設けられており、凹部318内に基板100を載置することで、基板100を基板載置面319に載置できる。
0078
基板載置プレート317はコア部321に固定される。コア部321は基板載置プレート317の中心に設けられ、基板載置プレート317を固定する役割を有する。コア部321の下方にはシャフト322が配される。シャフト322はコア部321を支持する。
0079
シャフト322の下方は、容器302の底部に設けられた孔323を貫通し、チャンバ302外で気密可能な容器304で覆われている。また、シャフト322の下端には、第1の実施形態と同様、昇降回転部218が設けられる。なお、シャフト322を昇降させない場合は、昇降回転部218は単に回転部218と呼ぶ。昇降回転部218はコントローラ400の指示によって基板載置プレート317を回転、昇降可能に構成される。
0080
基板載置プレート317の下方には、加熱部としてのヒータ380を内包するヒータユニット381が配される。ヒータ380は、基板載置プレート317に載置した各基板100を加熱する。ヒータ380は、チャンバ302の形状に沿って円周状に配される
0082
基板載置プレート317の外周には排気構造386が配される。排気構造386は、排気溝388と排気バッファ空間389を有する。排気溝388、排気バッファ空間389は、チャンバ302の形状に沿って円周状に構成される。
0083
排気構造386の底には、排気口391、排気口392が設けられる。排気口391は処理空間306aに供給される第1ガスと、その上流から供給されるパージガスを主に排気する。排気口392は処理空間306bに供給される第2ガスと、その上流から供給されるパージガスを主に排気する。各ガスは排気溝388、排気バッファ空間389を介して排気口391、排気口392から排気される。
0084
続いてガス供給部を説明する。ガス供給部は第1の実施形態と同様である。
図7に記載のように、チャンバ302にはノズル345、355、365、366を有する。図7のAは図2(a)のAと接続される。すなわち、ノズル345は供給管241に接続される。図7のBは図2(b)のBと接続される。すなわち、ノズル355は供給管251に接続される。図7のCは図2(c)のCと接続される。すなわち、ノズル365、366はそれぞれ供給管261に接続される。
0085
図7に示されているように、チャンバ302には排気口391、排気口392が設けられる。排気口391と連通するよう、第1の排気部334の一部である排気管334aが設けられる。排気管334aには、開閉弁としてのバルブ334d、圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ334cを介して、真空排気装置としての真空ポンプ334bが接続されており、処理室301内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。
0086
排気管334a、バルブ334d、APCバルブ334cをまとめて第1の排気部334と呼ぶ。なお、真空ポンプ334bを第1の排気部334に含めてもよい。
0087
また、排気口392と連通するよう、第2の排気部335が設けられる。排気口392は、処理領域306bの回転方向下流側に設けられる。主に第2ガスと不活性ガスを排気する。
0088
排気口392と連通するよう、第2の排気部335の一部である排気管335aが設けられる。排気管335aには、開閉弁としてのバルブ335d、圧力調整器(圧力調整部)としてのAPCバルブ335cを介して、真空排気装置としての真空ポンプ335bが接続されており、処理室301内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。
0089
排気管335a、バルブ335d、APCバルブ335cをまとめて第2の排気部335と呼ぶ。なお、真空ポンプ335bを第2の排気部335に含めてもよい。
0090
続いて電磁波供給部290を説明する。窓291は、チャンバ302の壁であって、第2処理領域306bに隣接するよう設けられる。回転方向で考えると、ノズル255の回転方向上流側であって、第1パージ領域307aの下流側に設けられる。
0091
窓291の高さ方向の中心位置は、基板載置プレート317の高さと同じ高さに設定される。電磁波供給構造292が有する指向性ランプ293の照射面のうち、高さ方向中心位置は、基板100の表面より若干高い位置に配される。
0092
電磁波供給構造292から照射される電磁波は、第2処理領域306bの内、ノズル355の回転方向上流側の領域に照射される。したがって、第1パージ領域307aから移動された基板100の表面103には、第2ガスが供給される前に電磁波が照射され、処理される。
0093
第2ガスが供給される前に電磁波が照射されるため、ガスと衝突することなく、表面103に確実に電磁波を照射できる。
0094
なお、基板100上の層に電磁波を照射するのではなく、ノズル355から供給されるガスに電磁波を照射させる場合は、ノズル355の回転方向下流側に窓291を設けることが望ましい。下流側に設けることで、電磁波をノズル355の下流領域に供給できるので、第2ガスを確実に励起できる。
0095
(基板処理工程)
次に、図9を用い、第2実施形態に係る基板処理工程について説明する。図9は、本実施形態に係る基板処理工程を示すフロー図である。以下の説明において、基板処理装置300の構成各部の動作は、コントローラ400により制御される。
0097
基板搬入・載置工程を説明する。図9においては図示を省略する。基板載置プレート317を回転させ、凹部318をゲートバルブ305と対向する位置に移動さする。次に、リフトピン(図示せず)を上昇させ、基板載置プレート317の貫通孔(図示せず)に貫通させる。続いて、ゲートバルブ305を開いてチャンバ302と真空搬送室(図示せず)と連通させる。そして、この移載室からウエハ移載機(図示せず)を用いて基板100をリフトピン上に移載し、その後リフトピンを下降させる。これにより、基板100は凹部318上に水平姿勢で支持される。
0098
搬入される基板100には、図5に記載のように、複数のピラー101と、ピラー101間に形成された高アスペクト比の極細幅の溝102が形成されている。本基板処理工程では、溝102中に膜を形成することなく、各ピラー101の周囲の表面103に選択的に膜を形成する。
0099
そして、基板100が載置されていない凹部318がゲートバルブ305と向かい合うよう、基板載置プレート317を回転させる。その後、同様に凹部318に基板を載置する。すべての凹部318に基板100が載置されるまで繰り返す。
0100
凹部318に基板100を搬入したら、基板移載機を基板処理装置300の外へ退避させ、ゲートバルブ305を閉じてチャンバ302内を密閉する。
0101
基板100を基板載置プレート317に載置する際は、予めヒータ380に電力を供給し、基板100の表面が所定の温度となるよう制御する。基板100の温度は、例えば400℃以上であって500℃以下である。ヒータ380は、少なくとも基板搬入・載置工程から後述する基板搬出工程が終了するまでの間は、常に通電させた状態とする。
0102
基板載置プレート回転開始工程S310を説明する。基板100が各凹部318に載置されたら、回転部324は基板載置プレート317をR方向に回転させる。基板載置プレート317を回転させることにより、基板100は、第1処理領域306a、第1パージ領域307a、第2処理領域306b、第2パージ領域307bの順に移動する。
0103
ガス供給開始工程S320を説明する。基板100を加熱して所望とする温度に達し、基板載置プレート317が所望とする回転速度に到達したら、バルブ244を開けて第1処理領域306a内にチタン含有ガスの供給を開始する。それと併行して、バルブ254を開けて第2処理領域306b内にNH3ガスを供給する。
0104
このとき、チタン含有ガスの流量が所定の流量となるように、MFC243を調整する。なお、チタン含有ガスの供給流量は、例えば50sccm以上500sccm以下である。
0105
また、NH3ガスの流量が所定の流量となるように、MFC253を調整する。なお、NH3ガスの供給流量は、例えば100sccm以上5000sccm以下である。
0106
なお、基板搬入・載置工程S310後、継続して、第1の排気部334、第2の排気部335により処理室301内が排気されるとともに、不活性ガス供給部260から第1パージ領域307a内および第2パージ領域307b内にパージガスとしてのN2ガスが供給されている。
0107
成膜工程S330を説明する。ここでは成膜工程S330の基本的な流れについて説明し、詳細は後述する。成膜工程S330では、各基板100は、第1処理領域306aにてチタン含有層が形成され、更に回転後の第2処理領域306bにて、チタン含有層とNH3ガスとが反応し、基板100上にチタン含有膜を形成する。所望の膜厚となるよう、基板載置部を所定回数回転させる。
0108
ガス供給停止工程S340を説明する。所定回数回転させた後、バルブ244,バルブ254を閉じ、第1処理領域306aへのチタン含有ガスの供給、第2処理領域306bへのNH3ガスの供給を停止する。
0109
基板載置プレート回転停止工程S350を説明する。ガス供給停止S340の後、基板載置プレート317の回転を停止する。
0110
基板搬出工程を説明する。図9では図示を省略している。
ゲートバルブ305と対向する位置に搬出したい基板100を移動するよう基板載置プレートを回転させる。その後、基板搬入時と逆の方法で基板を搬出する。これらの動作を繰り返し、すべての基板100を搬出する。
0111
続いて、成膜工程S330の詳細を説明する。成膜工程S330の間、基板載置プレート317の回転によって、複数の基板100を、第1処理領域306a、第1パージ領域307a、第2処理領域306b、および第2パージ領域307bを順次通過させる。
0112
成膜工程S330の詳細は図2のフローと同様である。第1ガス供給工程S202から第2パージ工程S208までは、基板載置部317上に載置された複数の基板100の内、一枚の基板100を主として説明する。以下相違点を中心に説明する。
0113
本実施形態における第1ガス供給工程S202を説明する。第1ガス供給工程S202では、基板100が第1処理領域306aを通過する際に、チタン含有ガスが基板100に供給される。供給されたチタン含有ガスは分解され、基板100上にチタン含有層を形成する。このとき、図6に記載のように、チタン含有ガスの成分104の多くは基板表面103に付着するものの、一部は溝102内に入り込む。
0114
本実施形態における第1パージ工程S204を説明する。基板100は、第1処理領域306aを通過した後に、第1パージ領域307aに移動する。基板100が第1パージ領域307aを通過するときに、第1処理領域306aにおいて基板100上で強固な結合を形成できなかったチタン含有ガスの成分104は、不活性ガスによって基板100上から除去される。この時、溝102中に入り込んだ第1ガス成分も除去されるが、すべてを除去することは難しい。
0115
第2ガス供給工程S206を説明する。基板100は、第1パージ領域307aを通過した後に第2処理領域306bに移動する。基板100がノズル355の上流を通過すると、電磁波供給部290から基板100に向けて電磁波が照射される。照射された電磁波は窓291を介して基板100に到達する。指向性ランプ293の照射面のうち、高さ方向中心位置は、窓290の高さ方向中心位置と同様であるので、照射された電磁波は、図6の点線矢印105のように、溝102の中には供給されず、基板100の表面103に供給される。
0116
第1の実施形態と同様、電磁波は基板表面103のチタン含有ガス成分間の結合を切断し、分解する。その切断部分には、熱により分解されたNH3ガスが供給され、切断されたチタン含有ガスの成分とNH3ガスの成分が結合し、結合度の高い層が形成される。
0117
このとき電磁波は基板100の側面から照射されるので、図6に記載のように溝102中に入り込みにくい。したがって、溝102中に残留したチタン含有ガスの成分を電磁波で処理させることが無い。したがって、溝102には膜を形成せずに、基板表面103上に選択的に膜を形成できる。
0118
第2パージ工程S208を説明する。基板100は、第2処理領域306bを通過した後に、第2パージ領域307bに移動する。基板100が第2パージ領域307bを通過するときに、第2処理領域306cにおいて基板100上の層から脱離したHCl、NH4Clガスや、余剰となったガス等が、不活性ガスによって基板100上から除去される。
0119
このようにして、基板に対して、互いに反応する少なくとも2つの第2ガスを順番に供給する。以上の第1ガス供給工程S202、第1パージ工程S204、第2ガス供給工程S206、および第2パージ工程S208を1サイクルとする。
0121
上記1サイクルを所定回数実施していないとき(S210でNoの場合)、さらに基板載置プレート317の回転を継続させて、第1ガス供給工程S202、第1パージ工程S204、第2ガス供給工程S206、第2パージ工程S208を有するサイクルを繰り返す。このように積層することにより薄膜を形成する。
0122
上記1サイクルを所定回数実施したとき(S210でYesの場合)、成膜工程S330を終了する。このように、上記1サイクルを所定回数回実施することにより、積層した所定膜厚の薄膜が形成される。以上のようにして、表面103上に選択的に保護膜を形成する。
0123
ところで、前述のように、各ドメインは同じヒータの影響を受ける。そのため、第1ガスと第2ガスそれぞれを異なる温度で処理することが難しい。これに対して、本実施形態の場合、第2ドメインでは、他のドメインから独立して電磁波を供給できるので、エネルギーを補填できる。すなわち、独立して基板100を昇温させる等できる。したがって、第1ガスと第2ガスとを異なるエネルギーで処理する場合、例えば第1ガスと第2ガスとを異なる温度で処理する場合に有意である。
0124
(第3の実施形態)
続いて第3の実施形態を説明する。第3の実施形態は第1の実施形態における基板載置台が異なる。他の構成は第1の実施形態と同様である。以下に、図10を用いて相違点を中心に説明する。なお、点線矢印は電磁波供給構造292から照射される電磁波を示す。
0125
まず、図1の実施形態における懸念事項を説明する。第1の実施形態の場合、電磁波供給構造292から照射された電磁波は基板表面に照射されるが、指向性ランプ293の据え付け位置によっては基板100の中心に電磁波が届かないことがある。すなわち、基板100の処理状態が斑になってしまうことがある。
0126
据え付け者が指向性ランプ293を据え付ける際には、基板100の中心まで電磁波が届くよう設定するが、据え付け精度等によってはそれが難しい。例えば、据え付け精度によっては電磁波が若干上向きに照射される角度になってしまい、その結果基板100の中心とぶつからない場合がある。
0127
そこで、本実施形態では基板載置台212に傾斜を持たせると共に、基板載置台212を回転させることとした。傾斜を持たせることで、指向性ランプ293の照射面の中心軸と基板載置面211とを交差させることができる。更には、基板載置面211が傾斜を持った状態で回転するので、そこに載置されている基板100を斜めに支持された状態で回転させることができる。なお、回転時に基板100の位置がずれないよう、基板載置台212に凹部212aを設け、基板100を凹部212a内に載置してもよい。
0128
このようにすることで、指向性ランプ293の据え付け精度が低く、電磁波の方向が多少上向きになったとしても、電磁波を基板100の中心に到達させることができる。更には、基板100を自転させ、基板100の端部を電磁波供給部292に近づけるよう制御しているので、基板100の端部に関しても、電磁波を到達させることができる。
0129
(第4の実施形態)
続いて第4の実施形態を説明する。第4の実施形態は第2の実施形態における基板載置プレート317が異なる。他の構成は第1の実施形態と同様である。以下に、図11を用いて相違点を中心に説明する。なお、点線矢印は電磁波供給構造292から照射される電磁波を示す。
0130
まず、第2の実施形態における懸念事項を説明する。ここでは、電磁波供給構造292から照射された電磁波は基板表面に照射されるが、指向性ランプ293の据え付け位置によっては基板100の中心に電磁波が届かないことがある。これは、第1の実施形態と同様、据え付け精度の問題による。
0131
そこで、本実施形態では基板載置プレート317に傾斜を持たせると共に、基板載置プレート317を回転させることとした。基板載置プレート317は、中心から端部にかけて下方に傾斜するよう構成される。
0132
この場合、凹部318も傾斜を持つため、そこに載置されている基板100は斜めに支持された状態で回転する。したがって、第3の実施形態と同様、指向性ランプ293の据え付け精度が低く、電磁波の方向が多少上向きになったとしても、電磁波を基板100の中心に到達させることができる。更には、基板100を公転させているので、複数の基板100間で電磁波の照射量を均一にできる。そのため、基板100間の処理を均一にできる。
0133
(第5の実施形態)
続いて第5の実施形態を説明する。第5の実施形態は第4の実施形態を変形させたものであり、基板載置プレート317の傾斜が異なる。他の構成は第3の実施形態と同様である。以下に、図12を用いて相違点を中心に説明する。
0134
本実施形態では基板載置プレート317に傾斜を持たせると共に、基板載置プレート317を回転させることとした。基板載置プレート317は、中心から端部にかけて上方に傾斜するよう構成される。
0135
この場合、凹部318も傾斜を持つため、そこに載置されている基板100は斜めに支持された状態で回転する。したがって、第4の実施形態と同様、指向性ランプ293の据え付け精度が低く、電磁波の方向が多少上向きになったとしても、電磁波を基板100の中心に到達させることができる。更には、凹部318の外周側は上方に向かっているので、基板100を公転させることで遠心力が働いたとしても、基板100が凹部318の外周にぶつかる。そのため、基板100が凹部から飛び出すことがない。
0136
以上、本開示に係る実施形態を説明した。これらでは、第1ガスとしてチタン含有ガスを用場合について説明したが、それに限るものではなく、処理内容によっては、他の金属含有ガス、シリコン含有ガスを用いてもよい。また第2ガスとして窒素含有ガスを用いたが、それに限るものではなく、処理内容によっては、酸素含有ガスや水素含有ガスを用いてもよい。
0137
また、不活性ガスとしてN2ガスを例に説明したが、処理ガスと反応しないガスであればそれに限るものではない。例えばヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の希ガスを用いることができる。
0138
また、上記の説明では「同じ」と表現しているが、実質同じであればよく、例えば基板載置面と同じ高さといった場合、基板載置面より若干高く、もしくは若干低い状態も含む。
0139
100基板
101ピラー
102 溝
103 表面
200基板処理装置
201処理室
240 第1ガス供給部
250 第2ガス供給部
260パージガス供給部
280排気部
292電磁波供給部
301 処理室
334 第1の排気部
335 第2の排気部
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