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技術 貯血槽

出願人 テルモ株式会社
発明者 平口竜士
出願日 2017年9月22日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2017-182896
公開日 2021年1月28日 (3ヶ月経過) 公開番号 2021-007419
状態 未査定
技術分野 体外人工臓器
主要キーワード 濾過用フィルタ 消泡部材 吸引血 逆円錐形 吸引ライン 箱形形状 貯血槽 液面付近
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年1月28日)のものです。
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図面 (9)

課題

液内気泡捕捉する性能を向上させつつ、血液の滞留を抑制することができる貯血槽を提供する。

解決手段

貯血槽1は、内部空間10aを有するハウジング10と、ハウジングの上部に設けられ、内部空間に血液を流入可能な流入ポート21と、内部空間内に収納され、血液を濾過するフィルタ31を有する濾過部30と、流入ポートに連通して濾過部内に延在し、下方に向かって開口した開口部61を有する導管60と、導管の開口部に対向するように設けられた底部70と、底部から上方に延在する壁部80と、ハウジングの下部に設けられ、内部空間から血液を流出可能な流出ポート50と、を有する。流出ポートは、導管の開口部と水平方向の異なる位置に配置される。

概要

背景

先天性心疾患虚血性心疾患大血管疾患等の外科的治療を行う際、心臓を止めて手術を行うことが多いが、その間一時的に心臓との機能を代行する目的で、体外循環回路を含む人工心肺システムが用いられる。人工心肺システムには、患者静脈から脱血された静脈血や、術野溢れた心内血(吸引血)などの血液を一時的に貯留するための貯血槽が設けられる(例えば、下記特許文献1を参照)。貯血槽内に流入した血液は、フィルタを通過して異物気泡が除去された後、流出ポートから貯血槽外に流出して、人工肺等を通過して患者に返血される。

概要

液内の気泡を捕捉する性能を向上させつつ、血液の滞留を抑制することができる貯血槽を提供する。貯血槽1は、内部空間10aを有するハウジング10と、ハウジングの上部に設けられ、内部空間に血液を流入可能な流入ポート21と、内部空間内に収納され、血液を濾過するフィルタ31を有する濾過部30と、流入ポートに連通して濾過部内に延在し、下方に向かって開口した開口部61を有する導管60と、導管の開口部に対向するように設けられた底部70と、底部から上方に延在する壁部80と、ハウジングの下部に設けられ、内部空間から血液を流出可能な流出ポート50と、を有する。流出ポートは、導管の開口部と水平方向の異なる位置に配置される。

目的

本発明は、血液内の気泡を捕捉する性能を向上させつつ、血液の滞留を抑制することができる貯血槽を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内部空間を有するハウジングと、前記ハウジングの上部に設けられ、前記内部空間に血液を流入可能な流入ポートと、前記内部空間内に収納され、血液を濾過するフィルタを有する濾過部と、前記流入ポートに連通して前記濾過部内に延在し、下方に向かって開口した開口部を有する導管と、前記導管の前記開口部に対向するように設けられた底部と、前記底部から上方に延在する壁部と、前記ハウジングの下部に設けられ、前記内部空間から血液を流出可能な流出ポートと、を有し、前記流出ポートは、前記導管の前記開口部と水平方向の異なる位置に配置される、貯血槽

請求項2

前記壁部は、前記導管の前記開口部よりも高い位置に延在する、請求項1に記載の貯血槽。

請求項3

前記濾過部は、楕円形または円形の断面形状を備える筒形状である、請求項1または請求項2に記載の貯血槽。

請求項4

前記底部は、前記ハウジングの底部と一体に構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の貯血槽。

技術分野

0001

本発明は、貯血槽に関する。

背景技術

0002

先天性心疾患虚血性心疾患大血管疾患等の外科的治療を行う際、心臓を止めて手術を行うことが多いが、その間一時的に心臓との機能を代行する目的で、体外循環回路を含む人工心肺システムが用いられる。人工心肺システムには、患者静脈から脱血された静脈血や、術野溢れた心内血(吸引血)などの血液を一時的に貯留するための貯血槽が設けられる(例えば、下記特許文献1を参照)。貯血槽内に流入した血液は、フィルタを通過して異物気泡が除去された後、流出ポートから貯血槽外に流出して、人工肺等を通過して患者に返血される。

先行技術

0003

特開2003−111835号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記特許文献1の貯血槽では、血流量が多く流速が速い場合には、血液がフィルタを通過する際にフィルタに負荷される圧力が高くなって気泡を捕捉する性能が低下してしまう可能性がある。また、貯血槽内に貯留される血液の量が過度に多い場合には、液面付近に血液が長時間滞留してしまう可能性がある。

0005

本発明は、血液内の気泡を捕捉する性能を向上させつつ、血液の滞留を抑制することができる貯血槽を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成する貯血槽は、内部空間を有するハウジングと、前記内部空間内に収納され、血液を濾過するフィルタを有する濾過部と、前記ハウジングの上部に設けられ、前記内部空間に血液を流入可能な流入ポートと、前記流入ポートに連通して前記濾過部内に延在し、下方に向かって開口した開口部を有する導管と、前記導管の前記開口部に対向するように設けられた底部と、前記底部から上方に延在する壁部と、前記ハウジングの下部に設けられ、前記内部空間から血液を流出可能な流出ポートと、を有し、前記流出ポートは、前記導管の前記開口部と水平方向の異なる位置に配置される。

発明の効果

0007

上記のように構成した貯血槽によれば、導管の開口部から流出した血液が上向きに流れることによって、血液がフィルタに直接的に衝突することを抑制することができる。これにより、血流からフィルタに負荷される圧力を低下させて気泡を捕捉する性能を向上させることができる。さらに、血液が上向きに流れた後に、導管の開口部と水平方向の異なる位置に配置された流出ポート側へ流れることによって、貯血槽内を旋回する流れを誘起することができる。これにより、貯血槽内に貯留された血液を撹拌することができる。その結果、血液内の気泡を捕捉する性能を向上させつつ、貯血槽内において血液の滞留を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明の一実施形態に係る貯血槽の概略構成を示した斜視図である。
本発明の一実施形態に係る貯血槽の内部構成を示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係る貯血槽の側面断面図である。
図3に示す貯血槽の一部を拡大して示す断面図である。
血液の流れを説明するための貯血槽の断面図である。
血液の流れを説明するための貯血槽の断面図である。
血液の流れを説明するための貯血槽の断面図である。
血液の流れを説明するための図であり、図7の8−8線に沿う断面図である。

実施例

0009

以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。

0010

[貯血槽の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る貯血槽1の概略構成を示した斜視図、図2は、貯血槽1の内部構成を示す斜視図、図3は、貯血槽1の側面断面図、図4は、図3に示す貯血槽の一部を拡大して示す断面図である。以下の説明の便宜のため、XYZ直交座標系を図中に示す。X軸およびY軸は水平方向、Z軸は上下方向にそれぞれ平行な軸を示す。X軸方向は貯血槽1の「前後方向」であり、Y軸方向は貯血槽1の「幅方向」である。X軸の矢印が向いた側を「正面側」、X軸の矢印と反対側を「背面側」と称する。

0011

本実施形態に係る貯血槽1は、患者の静脈から脱血した静脈血を一時的に貯留しておく貯血槽(静脈リザーバ)と、術野(心臓の外部)から吸引した心内血(吸引血)を一時的に貯留しておく貯血槽(カーディトミーリザーバ)が一体になった一体型の貯血槽である。

0012

貯血槽1は、例えば、心臓外科手術で用いられる体外循環回路に組み込まれて、静脈血や心内血を濾過、消泡して一時的に貯血するために用いられる。

0013

図1図2に示すように、貯血槽1は、血液を貯血する内部空間10a(貯血空間)を備えるハウジング10と、ハウジング10の上部に設けられ、内部空間10aに血液を流入可能な流入ポート20と、内部空間10a内に収納され、静脈血を濾過する静脈血濾過部30(濾過部に相当)と、心内血を濾過するカーディオトミー部40と、ハウジング10の下部に設けられ、内部空間10aから血液を流出可能な流出ポート50と、を有する。

0014

流入ポート20は、静脈血が流入する静脈血流入ポート21と、心内血が流入する心内血流入ポート22と、を有する。

0015

図3に示すように、貯血槽1は、静脈血流入ポート21に連通して静脈血濾過部30内に延在し、下方に向かって開口した開口部61を有する導管60と、導管60の開口部61に対向するように設けられた底部70と、底部70から上方に延在する壁部80と、をさらに有する。流出ポート50は、導管60の開口部61と水平方向の異なる位置に配置される。

0016

底部70および壁部80は、カップ状に構成されている。導管60から流出した血液は、底部70に衝突して、壁部80に誘導されて上向きに流動する。底部70および壁部80は、隙間なく連続するように配置することが好ましいが、血液の上向きの流れを形成できる程度に隙間を介して配置されていてもよい。

0017

本実施形態では、底部70は、ハウジング10の底部と一体に構成され、壁部80は、静脈血濾過部30と一体に構成される例について説明する。

0018

以下、貯血槽1の各部の構成について詳細に説明する。

0019

(ハウジング)
図1に示すように、ハウジング10は、ハウジング本体11と、ハウジング本体11の上部に載置された蓋体12と、を有する。

0020

ハウジング本体11は、上部が開口した箱形形状を有する。ハウジング本体11は、内部空間10aの上部を形成する収容部111と、収容部111の正面側の一部が下方に向かって突出した突出部112と、を備える。収容部111は、血液が流入する側の貯血空間を形成する。突出部112は、血液が流出する側の貯血空間を形成する。

0021

図3に示すように、突出部112は、下方に向かって断面積縮小するように形成された逆円錐形の上部112Uと、上部の先端から下方に延在する管状の下部112Lと、を備える漏斗形状に構成されている。

0022

図4を参照して、突出部112の底部112a(以下、「ハウジング10の底部112a」と称する)は、導管60の開口部61に対向するように設けられた底部70を有する。底部70は、静脈血濾過部30の壁部80の下端が嵌合可能な溝部71と、導管60の中心軸Oの延長線上に位置する部分が上方に突出した凸部72と、凸部72の外周が下方に凹んだ凹部73と、を有する。溝部71は、静脈血濾過部30の下端の形状に沿うように環状に形成されている。凸部72および凹部73は、図4に示す断面視において、曲線状に湾曲した形状を有する。これにより、導管60から流出した血液は、底部70に衝突した際に、凸部72および凹部73の形状に沿うように流動するため、血液を円滑に上向きに誘導することができる。

0023

図1図3に示すように、蓋体12は、ハウジング本体11の上部の開口を覆うように配置されている。蓋体12には、静脈血流入ポート21および心内血流入ポート22が設けられている。なお、蓋体12には、静脈血流入ポート21および心内血流入ポート22以外に、内部空間10aにベント血を流入可能なベント血ポート薬液等を血液に混入するための薬液注入ポート、貯血槽1内の圧力を調整するための排気ポート圧力調整弁等を設けてもよい。

0024

ハウジング10の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネートアクリル樹脂ポリエチレンテレフタレートポリエチレンポリプロピレンポリスチレンポリ塩化ビニルアクリルスチレン共重合体、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。

0025

また、ハウジング10は、内部空間10aに貯留された血液の量や状態を目視で確認することができる程度に、実質的に透明、半透明、有色透明であるのが好ましい。

0026

(静脈血流入ポートおよび心内血流入ポート)
静脈血流入ポート21には、患者の静脈から脱血を行う脱血ラインチューブが接続される。心内血流入ポート22には、術野から心内血を吸引する吸引ラインのチューブが接続される。

0027

(導管)
図2に示すように、導管60は、中空のチューブ状の部材から形成される。図3を参照して、導管60は、上下方向に延在して静脈血流入ポート21から流入した血液を下方に誘導するルーメン60aと、ルーメン60aの下端に設けられた開口部61と、を有する。導管60は、静脈血流入ポート21からハウジング本体11の突出部112まで延在するように配置されている。

0028

図4を参照して、導管60の開口部61は、ハウジング10の底部112aから高さH1だけ上方に配置される。高さH1は、3〜5mmに設定することが好ましい。

0029

(静脈血濾過部)
図2図3に示すように、静脈血濾過部30は、フィルタ31と、フィルタ31を支持する支持部材32と、を有する。静脈血濾過部30は、楕円形または円形の断面形状を備える筒形状である。

0030

支持部材32は、その側面に複数の開口を有する格子状に形成されている。支持部材32は、その下端に底部70(本実施形態では、ハウジング10の底部112a)から上方に延在する壁部80を有する。壁部80は、導管60の周り囲うように配置される。図4に示すように、壁部80(支持部材32の下端)は、底部70の溝部71に嵌合している。

0031

図4を参照して、壁部80の高さH2(上下方向に沿う長さ)は、10〜15mmに設定することが好ましい。壁部80の高さH2を高さH1よりも高く設定することにより、壁部80は、導管60の開口部61よりも高い位置まで延在するように構成されている。このため、壁部80と導管60が上下方向に重なる部分に、壁部80および導管60によって囲まれた流路80aが形成される。当該流路80aによって、導管60の開口部61から流出した血液をより確実に上向きに誘導することができる。一方で、壁部80の高さH2が高すぎると血液の上向きの流れが強くなり過ぎてしまう。これにより、フィルタ31を通過する血液が静脈血濾過部30の上部に極端に集中して、フィルタ31に負荷される圧力が不均一になってしまう。このような観点から、壁部80の高さH2は上記範囲に設定することが好ましい。

0032

フィルタ31は、支持部材32の開口部61に挿入(インサート成形)されて、支持部材32と一体的に形成されている。なお、フィルタ31は、支持部材32と一体的に形成される構成に限定されず、例えば、支持部材32とは別体の袋状に形成してもよい。この場合、フィルタ31の外部において血栓の形成や異物の混入を防止する観点から、フィルタ31は、支持部材32の外側を覆うように配置されることが好ましい。

0033

フィルタ31としては、例えば、多数の微細な開口を有する織布や不織布等を用いた公知の濾過用フィルタを適宜選択して使用することができる。フィルタ31の構成材料は、特に限定されないが、例えば、PET、PBTのようなポリエステルポリアミドテトロン登録商標)、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等の高分子材料、あるいはこれらのうちの2以上を組み合わせたものが挙げられる。フィルタ31の開口径は、特に制限はないが、30μm〜200μmが好ましい。開口径がこの数値範囲より大きいと、気泡を捕捉する性能が低下する。開口径がこの数値範囲より小さいと、血液がフィルタ31を通過する際の通過抵抗が大きくなったり、フィルタ31の目詰まりが生じやすくなったりして、静脈血濾過部30の内側の液面が外側よりも上昇するホールドアップ現象が生じる場合がある。このような観点から、フィルタ31の開口径は上記範囲に設定することが好ましい。

0034

なお、静脈血濾過部30は、消泡剤を備えていてもよいし、フィルタ31にシリコーン等をコーティングして気泡の消泡機能を付与してもよい。

0035

(カーディオトミー部)
図3に示すように、カーディオトミー部40は、袋状のフィルタ41と、フィルタ41内に収容された消泡部材42と、を有する。フィルタ41の形成材料は、前述した静脈血濾過部30のフィルタ31と同様のものを用いることができる。消泡部材42は、気泡が接触すると破泡する機能を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン等の消泡剤を担持した発泡体を用いることができる。

0036

(流出ポート)
図3図4に示すように、流出ポート50は、導管60の開口部61に対して背面側の水平方向の異なる位置に配置される。ここで、「水平方向の異なる位置に配置する」とは、貯血槽1を上方から見た際に、流出ポート50と、導管60の開口部61とが重ならない位置に配置することを意味する(図8を参照)。これにより、導管60の開口部61から流出した血液の流路と、流出ポート50を流出する血液の流路は、上下方向に連続せずに水平方向にオフセットされる。なお、導管60の開口部61が流出ポート50と水平方向の異なる位置に配置される限りにおいて、導管60の開口部61よりも上側の部位が部分的に流出ポート50と水平方向に重なる位置に配置されていてもよい。

0037

次に、図5図8を参照して、貯血槽1内の血液の流れを説明する。図5図7は、血液(主に、静脈血)の流れを説明するために貯血槽1を幅方向から見た断面図であり、図8は、ハウジング10内に貯留された血液の液面L付近の血液の流れを説明するために貯血槽1を上方向から見た断面図である。図5図8の図中の矢印は、血液の流れを示す。

0038

患者の術野から吸引された心内血は、心内血流入ポート22を通過してカーディオトミー部40内に流入する。心内血に混入していた気泡は、消泡部材42に接触して破泡する。カーディオトミー部40内の心内血は、カーディオトミー部40の消泡部材42およびフィルタ31を通過する。これにより、心内血に含まれる肉片脂肪凝血塊などの異物や気泡は除去される。その後、心内血は、ハウジング本体11の内部空間10aに貯留される。

0039

図5に示すように、患者の静脈から脱血された静脈血は、静脈血流入ポート21および導管60を順に通過して、導管60の開口部61から流出する。その後、底部70に衝突して壁部80に誘導されて上向きに流れる。

0040

そして、図6に示すように、上向きに流れた静脈血は、静脈血濾過部30のフィルタ31を通過する。この際、静脈血が上向きに流れることによって、ハウジング10内に貯留された血液の液面L付近のフィルタ31を通過する血流量を増加させることができる。さらに、静脈血が衝突する底部70付近(貯血槽1の下側)に局所的に血流が集中せずに、上側へ分散するため、フィルタ31に負荷される圧力を均一化することができる。これにより、血液内の気泡を捕捉する性能を向上させることができる。

0041

その後、静脈血は、図7に示すように、流出ポート50側へ流れる。流出ポート50は、導管60の開口部61と水平方向の異なる位置に配置されている。このため、フィルタ31を通過した静脈血は、流出ポート50の吸引力陰圧)によって下斜め方向に吸引されて、図8に示すように、静脈血濾過部30の周りを旋回するように流れる。この静脈血が旋回する流れに起因して、ハウジング10内に貯留された血液の液面L付近が撹拌される。また、静脈血濾過部30は、楕円形または円形の断面形状を備える筒形状であるため、血液がフィルタ31を通過した後に、静脈血濾過部30の周りを旋回する血液の流れを誘起しやすくなる。

0042

なお、心内血は、術野(心臓の外部)に溢れた血液を吸引するのに対し、静脈血は、体外循環させるために患者の静脈から脱血される。このため、貯血槽1内に流入する血液は、静脈血が大部分を占める。よって、ハウジング10内の血液の流れは、主に導管60から流入する静脈血の流れによって形成される。したがって、静脈血の流れを調整することにより、ハウジング10内に貯留された血液の液面L付近に、血液を撹拌する流れを誘起することができる。

0043

仮に、流出ポートが導管60の開口部61の真下に配置されている場合、静脈血は、底部70に衝突して壁部80に誘導されて上向きに流れた後、下向きに流れる。このため、静脈血の大部分がハウジング10の底部112aに集中してしまう。これにより、ハウジング10内に貯留された血液の液面L付近(貯血槽1の上側)に血流が形成されず、滞留が生じてしまう可能性がある。

0044

特に、心内血は、静脈血に比べて空気に触れることが多く、活性化されているため、心内血が長時間滞留すると、血栓を形成しやすい。

0045

本実施形態に係る貯血槽1によれば、ハウジング10内に貯留された血液の液面L付近に、血液を撹拌する流れを誘起することができるため、血液が滞留することを抑制することができる。

0046

以上のように、本実施形態に係る貯血槽1は、内部空間10aを有するハウジング10と、ハウジング10の上部に設けられ、内部空間10aに血液を流入可能な静脈血流入ポート21(流入ポート)と、内部空間10a内に収納され、血液を濾過するフィルタ31を有する静脈血濾過部30(濾過部)と、静脈血流入ポート21に連通して静脈血濾過部30内に延在し、下方に向かって開口した開口部61を有する導管60と、導管60の開口部61に対向するように設けられた底部70と、底部70から上方に延在する壁部80と、ハウジング10の下部に設けられ、内部空間10aから血液を流出可能な流出ポート50と、を有する。流出ポート50は、導管60の開口部61と水平方向の異なる位置に配置される。

0047

上記のように構成された貯血槽1によれば、導管60の開口部61から流出した血液が上向きに流れることによって、血液がフィルタ31に直接的に衝突することを抑制することができる。これにより、血流からフィルタに負荷される圧力を低下させて気泡を捕捉する性能を向上させることができる。さらに、血液が上向きに流れた後に、導管60の開口部61と水平方向の異なる位置に配置された流出ポート50側へ流れることによって、貯血槽1内を旋回する流れを誘起することができる。これにより、貯血槽1内に貯留された血液を撹拌することができる。その結果、血液内の気泡を捕捉する性能を向上させつつ、貯血槽1内において血液の滞留を抑制することができる。

0048

また、壁部80は、導管60の開口部61よりも高い位置まで延在する。このため、壁部80と導管60が上下方向に重なる部分に、壁部80および導管60によって囲まれた流路80aが形成される。当該流路80aによって、導管60の開口部61から流出した血液をより確実に上向きに誘導することができる。

0049

また、静脈血濾過部30は、楕円形または円形の断面形状を備える筒形状である。このため、血液がフィルタ31を通過した後に、静脈血濾過部30の周りを旋回する血液の流れを誘起しやすくなる。これにより、貯血槽1内において血液の滞留を抑制することができる。

0050

また、底部70は、ハウジング10の底部112aと一体に構成されるため、底部70に衝突した血液はそれよりも下方に流れることがない。よって、血液は、上方向に移動した後に、流出ポート50に向かって流れる。これにより、貯血槽1内の血流がさらに撹拌されるため、滞留をより確実に抑制することができる。

0051

以上、実施形態を通じて本発明に係る貯血槽を説明したが、本発明は明細書内で説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。

0052

例えば、前述した実施形態の流出ポートは、導管の開口部に対して背面側の水平方向の異なる位置にオフセットして配置されるとして説明したが、オフセットの方向は水平方向であれば特に限定されず、導管の周りのいずれの方向(例えば、前方向(図1のX軸方向)、幅方向(図1のY軸方向))でもよい。

0053

また、静脈血濾過部の形状は、前述した実施形態のように楕円形または円形の断面形状を備える筒形状に限定されず、例えば、多角形の断面形状であってもよい。

0054

また、壁部は、静脈血濾過部の支持部材と一体に構成されるとしたが、これに限定されず、静脈血濾過部と別体に構成されてもよい。

0055

また、底部は、ハウジングの底部と一体に構成されるとしたが、これに限定されず、例えば、ハウジングの底部と別体で、かつ、静脈血濾過部の支持部材と一体に構成してもよい。

0056

また、底部の形状は、凸部および凹部を有する形状に限定されず、例えば、平坦な形状を有していてもよい。

0057

また、静脈血濾過部は、前述した実施形態に限定されず、静脈血濾過部を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置き換えることができる。例えば、支持部材を備えずに、フィルタを袋状に形成してもよい。

0058

また、カーディオトミー部は、前述した実施形態に限定されず、カーディオトミー部を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置き換えることができる。例えば、カーディオトミー部のフィルタおよび消泡部材は、上記の実施形態のように袋形状を有している必要はなく、例えば円筒形状を有していてもよい。

0059

また、前述した実施形態では、静脈血が流入する静脈血貯血槽と、心内血が流入する心内血貯血槽が一体になった貯血槽について説明したが、本発明を適用することができる貯血槽はこれに限定されず、公知の貯血槽に適用することができる。例えば、心内血が流入せずに静脈血が流入する静脈血貯血槽であってもよい。

0060

1貯血槽、
10ハウジング、
10a 内部空間、
11 ハウジング本体、
111 収容部、
112 突出部、
112a 突出部の底部(ハウジングの底部)、
12 蓋部、
20流入ポート、
21静脈血流入ポート(流入ポート)、
22 心内血流入ポート、
30静脈血濾過部(濾過部)、
31フィルタ、
32支持部材、
40 カーディオトミー部、
41 フィルタ、
42消泡部材、
50流出ポート、
60導管、
61 導管の開口部、
70 底部、
80 壁部。

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