図面 (/)

技術 光により活性化される二成分タンパク質結合マトリックス

出願人 ナショナルユニヴァーシティーオブシンガポール
発明者 ドラム,チェスターリー
出願日 2020年10月26日 (7ヶ月経過) 出願番号 2020-179174
公開日 2021年1月21日 (4ヶ月経過) 公開番号 2021-006594
状態 特許登録済
技術分野 クロマトグラフィによる材料の調査、分析 生物学的材料の調査,分析 窒素含有縮合複素環(3) 吸着剤による液体の処理一般 微生物・酵素関連装置 インドール系化合物 固体収着剤及びろ過助剤 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 同心シリンダ カラムハウジング 原子炭素 クラウンエーテル誘導体 例示的実施 被覆固体 スピロピラン構造 有機剤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2021年1月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

光により活性化される二成分タンパク質結合マトリックスを提供すること。

解決手段

第1の条件下で第1の異性立体配置にあり、かつ第2の条件下で第2の異性体立体配置にあるスピロピラン分子である第1の結合メンバーと、 異性体特異的ペプチドアプタマーである第2の結合メンバーとを含み、 第1の結合メンバーと第2の結合メンバーは、スピロピラン分子の異性体立体配置に変化がある場合に、互いに可逆的に会合または解離し、 第2の結合メンバーは、スピロピランの第1の異性体立体配置に対してある結合親和性を有し、かつスピロピランの第2の異性体立体配置に対して低い結合親和性を有し、第2の結合メンバーは、異性体立体配置の1つと会合するが、もう一方の異性体立体配置とは会合せず、 第1の異性体立体配置におけるスピロピラン分子は、所定の構造式で表され、第2の異性体立体配置のスピロピラン分子は、所定の構造式で表される、結合対

概要

背景

複合体タンパク質合物高スループット分割、キャラクタリゼーションのために、ならびに商業的実施に適した量、スケールおよびコストのタンパク質精製のために、効率的な分析ツールおよび調製用ツールが必要とされている。液体クロマトグラフィープロテオミクスおよび大規模タンパク質精製において重要なツールであり、様々な特性によるタンパク質の分離を可能にする。それにもかかわらず、費用対効果の高い方法でのより効率的なタンパク質精製を可能にするクロマトグラフツールが必要とされている。

概要

光により活性化される二成分タンパク質結合マトリックスを提供すること。 第1の条件下で第1の異性立体配置にあり、かつ第2の条件下で第2の異性体立体配置にあるスピロピラン分子である第1の結合メンバーと、 異性体特異的ペプチドアプタマーである第2の結合メンバーとを含み、 第1の結合メンバーと第2の結合メンバーは、スピロピラン分子の異性体立体配置に変化がある場合に、互いに可逆的に会合または解離し、 第2の結合メンバーは、スピロピランの第1の異性体立体配置に対してある結合親和性を有し、かつスピロピランの第2の異性体立体配置に対して低い結合親和性を有し、第2の結合メンバーは、異性体立体配置の1つと会合するが、もう一方の異性体立体配置とは会合せず、 第1の異性体立体配置におけるスピロピラン分子は、所定の構造式で表され、第2の異性体立体配置のスピロピラン分子は、所定の構造式で表される、結合対。なし

目的

本発明の課題は、光により活性化される二成分タンパク質結合マトリックスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

第1の条件下で第1の異性立体配置にあり、かつ第2の条件下で第2の異性体立体配置にあるスピロピラン分子である第1の結合メンバーと、異性体特異的ペプチドアプタマーである第2の結合メンバーとを含み、第1の結合メンバーと第2の結合メンバーは、スピロピラン分子の異性体立体配置に変化がある場合に、互いに可逆的に会合または解離し、第2の結合メンバーは、スピロピランの第1の異性体立体配置に対してある結合親和性を有し、かつスピロピランの第2の異性体立体配置に対して低い結合親和性を有し、第2の結合メンバーは、異性体立体配置の1つと会合するが、もう一方の異性体立体配置とは会合せず、第1の異性体立体配置におけるスピロピラン分子は、以下の構造式:で表され、第2の異性体立体配置のスピロピラン分子は、以下の構造式:で表され、式中、R1は、(C1〜C20)アルキルもしくは置換アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、(C1〜C20)アルコキシアミノハロゲンシアノ、トリクロロメチルトリフルオロメチルニトロ、マレイミド、−C(O)−OH、アジドまたはHO−(O)C−(C1〜C3)アルキルから選択され、R2は、水素、−NO2または−C(O)OHである、結合対

請求項2

前記異性体特異的ペプチドアプタマーが、前記ペプチドアプタマー共有結合的に連結されているリンカーを更に含み、前記リンカーは目的の分子非共有結合的にまたは共有結合的に結合可能である、請求項1に記載の結合対。

請求項3

前記ペプチドアプタマーが、a)ジペプチド、b)3〜6個のアミノ酸を有するポリペプチド、c)7個のアミノ酸を有するポリペプチド、d)8〜11個のアミノ酸を有するポリペプチド、e)12個のアミノ酸を有するポリペプチド、f)13〜52個のアミノ酸を有するポリペプチド、g)52個を超えるアミノ酸を有するポリペプチド、またはh)3〜18個のアミノ酸を有するポリペプチドである、請求項1または2に記載の結合対。

請求項4

前記リンカーがプロテアーゼ感受性切断部位を含む、請求項2または3に記載の結合対。

請求項5

前記第1の条件が、スピロピランの、光、低輝度の光、暗闇、熱、pH、ストレスイオン、前記異性体特異的ペプチドアプタマーまたはこれらの組合せへの曝露であり、および前記第2の条件が、スピロピランの、前記第1の条件と異なる光、低輝度の光、暗闇、熱、pH、ストレス、イオン、前記異性体特異的ペプチドアプタマーまたはこれらの組合せへの曝露である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結合対。

請求項6

a)前記第1の条件が、スピロピランの、可視スペクトルもしくはその一部上の広範囲波長の光への曝露であり、および前記第2の条件が、スピロピランの、紫外スペクトルもしくはその一部上の広範囲の波長の光への曝露であるか、b)前記第1の条件が、スピロピランの、可視スペクトルもしくはその一部上の波長の光への曝露であり、および前記第2の条件が、スピロピランの、前記第1の条件と異なる低輝度の光もしくは暗闇への曝露であるか、またはc)前記第1の条件が、スピロピランの、ある波長の光への曝露であり、および前記第2の条件が、スピロピランの、前記第1の条件と10ナノメートル超の波長だけ異なる波長の光への曝露である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の結合対。

請求項7

目的の分子を選択的に結合および遊離させる方法であって、a)第1の異性体立体配置におけるスピロピラン分子で被覆されているか、またはそれに共有結合的に連結されている固体基材を準備すること、ここで、任意に、前記固体基材は、ストリップ、棒、粒子ビーズメッシュ、膜またはゲルから選択される、b)第1の条件下で、前記固体基材と、異性体特異的ペプチドアプタマーに結合している目的の分子を含む溶液とを接触させて、前記ペプチドアプタマーと前記固体基材上を被覆する前記スピロピラン分子との間に複合体を形成すること、c)(b)で形成された前記複合体を洗浄して、前記複合体と会合していない物質を除去すること、ならびにd)前記第1の異性体立体配置における前記スピロピラン分子を、第2の条件下で第2の異性体立体配置へと変換すること、ここで、前記スピロピラン分子の前記第2の異性体立体配置への前記変換により、前記ペプチドアプタマーおよび前記目的の分子が前記スピロピラン分子から解離することが可能となる、を含み、前記スピロピラン分子および前記異性体特異的ペプチドアプタマーが共に請求項1〜6のいずれか一項に記載の結合対である、方法。

請求項8

前記第1の条件または第2の条件が、特定のまたは広範囲の波長の光を照射するように構成されている光源である、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記第1の条件または第2の条件が熱源または冷却源である、請求項7または8に記載の方法。

請求項10

前記目的の分子を精製、分離、単離、またはパターン化するために実施される、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

(a)の前に、前記固体基材を、前記第1の異性体立体配置における前記スピロピラン分子で被覆するか、またはそれと共有結合的に連結させることを更に含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記第1の異性体立体配置における前記スピロピラン分子が式(IV−1a)または(V−1a):の化合物であり、前記第2の異性体立体配置における前記スピロピラン分子が式(IV−1)または(V−1):の化合物であり、式中、R1が、(C1〜C20)アルキルもしくは置換アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、(C1〜C20)アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、マレイミド、−C(O)−OH、アジドまたはHO−(O)C−(C1〜C3)アルキルから選択される、請求項7に記載の方法。

請求項13

前記固体基材がハウジング中に配置され、および(c)の洗浄が、前記ハウジングを通して溶液を洗浄して、前記固体基材複合体と会合していない物質を除去することを更に含む、請求項7〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記目的の分子が、タンパク質、抗体、薬剤核酸ポリマー有機分子金属イオンまたはペプチドである、請求項7〜13のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記異性体特異的ペプチドアプタマーが、LAREPTS(配列番号1)、HEVRSP(配列番号2)、WALDRGA(配列番号3)、APSTPTP(配列番号4)、SMPQTAG(配列番号5)、EPLQLKM(配列番号6)、ATPLWLK(配列番号7)、AKIART(配列番号8)、YNHQRPP(配列番号9)、ALIPKPR(配列番号10)、QLITKPL(配列番号11)、STPIQQP(配列番号12)、TFAKSAY(配列番号13)、STFTKSP(配列番号14)、TPAHNDY(配列番号15)、SLSLIQT(配列番号16)、NQDVPLF(配列番号17)、GPHLGLK(配列番号18)、LAGPQMH(配列番号19)、SQASSLK(配列番号20)、SDLSSPY(配列番号21)、LVTTWPA(配列番号22)、ALYKNTS(配列番号23)、QQISTQM(配列番号24)、AWLPAGA(配列番号25)、GTWLSRG(配列番号26)、GHQVSRL(配列番号27)、GPMLARG(配列番号28)、TASLVRP(配列番号29)、TDSLRLL(配列番号30)、AKPDWRF(配列番号31)、VQTYARV(配列番号32)、YTEPVRE(配列番号33)、MSLQQEH(配列番号34)、MKWQTV(配列番号35)、NERALTL(配列番号36)、SPSTHWK(配列番号37)、WSTTNVP(配列番号38)、YHKDPL(配列番号39)、LSNNNLR(配列番号40)、LPAGRVL(配列番号41)、STSFWIT(配列番号42)、LGSPMSN(配列番号43)、WELRPRT(配列番号44)、TNIESLK(配列番号45)、LYAEVIR(配列番号46)、NHSTQMY(配列番号47)、NLQIYAV(配列番号48)、YDTSSAS(配列番号49)、MHSNTWD(配列番号50)、TPTTVSY(配列番号51)、TSHILQ(配列番号52)、TLRVPPNPNMNV(配列番号53)、HVKLVAVADLMN(配列番号54)、YHPNGMNPYTKA(配列番号55)、EYSPKLFPPHRL(配列番号56)、HHLTHANSLTNT(配列番号57)、WHWGLLYPASAN(配列番号58)、KPLMTYKVIHYV(配列番号59)、QPDLSHPSTNAY(配列番号60)、FPTNLATRSAMV(配列番号61)、LAGPQMHGK(配列番号62)、PLRPKSEYPFHY(配列番号63)、SYSPKLFPPHRL(配列番号64)、SDLSSPYG(配列番号65)、SDLSSPYGG(配列番号66)、SDLSSPYGGC(配列番号67)もしくはEYSPKLFPPHRLGK(配列番号68)、またはグリシンC末端に付加されている配列番号1〜68のいずれか1つ、または1種もしくは複数のアミノ酸がN末端もしくはC末端のいずれかに付加されている配列番号1〜68のいずれか1つから選択される、請求項7〜14のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記固体基材が、ストリップ、棒、粒子、ゲル、メッシュまたはビーズである、請求項7〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

前記第1の異性体立体配置における前記スピロピラン分子が式(IV−1a)または(V−1a):の化合物であり、および前記第2の異性体立体配置における前記スピロピラン分子が式(IV−1)または(V−1):の化合物であり、式中、R1が、(C1〜C20)アルキルもしくは置換アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、(C1〜C20)アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、マレイミド、−C(O)−OH、アジドまたはHO−(O)C−(C1〜C3)アルキルから選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の結合対。

請求項18

目的の分子を選択的に結合させるためのキットであって、請求項1〜6のいずれか一項に記載の結合対と、前記ペプチドアプタマーを目的の分子に結合させ、かつ前記スピロピラン分子に更に選択的に結合させ、および任意にそれから前記ペプチドアプタマーを遊離させるための説明書とを含むキット。

請求項19

前記第1の異性体立体配置における前記スピロピラン分子を第2の異性体立体配置へと変換するのに適した広範囲のまたは特定の波長の光源を更に含む、請求項18に記載のキット。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、2014年10月30日に出願された米国仮出願第62/072,727号明細書の利益を主張する。上記出願の教示全体が参照により本明細書に援用される。

0002

本発明は、光により活性化される二成分タンパク質結合マトリックスに関する。

背景技術

0003

複合体タンパク質合物高スループット分割、キャラクタリゼーションのために、ならびに商業的実施に適した量、スケールおよびコストのタンパク質精製のために、効率的な分析ツールおよび調製用ツールが必要とされている。液体クロマトグラフィープロテオミクスおよび大規模タンパク質精製において重要なツールであり、様々な特性によるタンパク質の分離を可能にする。それにもかかわらず、費用対効果の高い方法でのより効率的なタンパク質精製を可能にするクロマトグラフツールが必要とされている。

先行技術

0004

Liu,Y.,Fan,M.,Zhang,S.,Sheng,X.&Yao,J.Basic amino acid induced isomerization of a spiropyran:towardsvisual recognition ofbasicamino acids in water.New J Chem(2007)
Shiraishi,Y.,Adachi,K.,Itoh,M.&Hirai,T.Spiropyran as a Selective,Sensitive,and Reproducible Cyanide Anion Receptor.Org.Lett.11,3482−3485(2009)

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の課題は、光により活性化される二成分タンパク質結合マトリックスを提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、目的の分子を制御的および選択的に結合および遊離させるための二成分システム発見に関する。本発明は、様々な異性体型を有する異性化可能な有機分子(この二成分システムでの第1の成分)を利用しており、第1の異性体型では、この異性化可能な有機分子は結合パートナー(この二成分システムでの第2の成分)に結合することができ、第2の異性体型では、この結合パートナーは異性化可能な有機分子から遊離または解離することができる。異性体型間の変化は条件(例えば、光、温度、pH、異性特異的因子またはこれらの組合せ)により誘発され、そのため、この二成分システムは誘発条件に従って会合および解離する。この二成分システムは、例えばクロマトグラフィーカラム中において、組換えタンパク質を分離および/または精製するために、異性化可能な有機分子と、この有機分子の親和性結合パートナーとを使用する。

0007

第1の態様では、本発明は、異性化可能な有機分子(例えば光異性化可能な有機分子)である第1の結合メンバーと、異性体特異的親和性因子(isomer−specific affinity agent)である第2の結合メンバーとを含み、異性化可能な有機分子が、第1の条件下で第2の結合メンバーに対してある結合親和性を有し、かつ第2の条件下で第2の結合メンバーに対して異なる結合親和性を有する、結合対である。本発明の第1の態様の例示的実施形態では、結合親和性の差異は、第1の結合メンバーと第2の結合メンバーとが第1の条件下で会合し、かつ第2の条件下で解離するようなものである。別の例示的実施形態では、この異性体特異的親和性因子はペプチドアプタマーまたは核酸アプタマーを含む。別の例示的実施形態では、この異性体特異的親和性因子は、このペプチドアプタマーまたは核酸アプタマーに共有結合しているリンカーを更に含み、このリンカーは目的の分子に非共有結合的にまたは共有結合的に結合可能である。別の例示的実施形態では、このリンカーはプロテアーゼ感受性切断部位を含む。別の例示的実施形態では、このペプチドアプタマーは、ジペプチド、3〜6個のアミノ酸を有するポリペプチド、7個のアミノ酸からなるポリペプチド、長さが8〜11個のアミノ酸であるポリペプチド、12個のアミノ酸からなるポリペプチド、長さが13〜52個のアミノ酸であるポリペプチド、または長さが52個を超えるアミノ酸であるポリペプチドである。別の例示的実施形態では、このリンカーはペプチドアプタマーと同じアミノ酸配列を有する。別の例示的実施形態では、第1の条件は、光、低輝度の光もしくは暗闇、熱、pH、ストレスイオン、異性体特異的親和性因子またはこれらの組合せへの曝露であり、および第2の条件は、第1の条件と異なる光、低輝度の光、暗闇、熱、pH、ストレス、イオン、異性体特異的親和性因子またはこれらの組合せへの曝露である。別の例示的実施形態では、a)第1の条件は、可視スペクトルもしくはその一部上の広範囲波長の光への曝露であり、および第2の条件は、紫外スペクトルもしくはその一部上の広範囲の波長の光への曝露であるか、b)第1の条件は、可視スペクトルもしくはその一部上の波長の光への曝露であり、および第2の条件は、第1の条件と異なる低輝度の光もしくは暗闇への曝露であるか、またはc)第1の条件は、ある波長の光への曝露であり、および第2の条件は、第1と10ナノメートル超の波長だけ異なる波長の光への曝露である。別の例示的実施形態では、この異性化可能な有機分子は光異性化可能な有機分子である。更に別の例示的実施形態では、この光異性化可能な有機分子はスピロピランコア構造またはスピロピランの誘導体化型を有する。この異性化可能な有機分子が光異性化可能な有機分子である場合、第1の条件は第1の波長の光であり、および第2の条件は第2の波長の光である。

0008

第2の態様では、本発明は、本発明の結合対を使用して目的の分子を選択的に結合および遊離させる方法を対象とする。例示的実施形態によれば、この方法は、a)第1の異性体立体配置における異性化可能な有機分子(例えば光異性化可能な有機分子)で被覆されているか、またはそれに共有結合的に連結されている固体基材を準備すること、b)第1の条件下で、この被覆固体基材と、異性体特異的親和性因子(例えば、親和性タグ親和性ペプチド、ペプチドアプタマー、核酸アプタマー)に共役している目的の分子を含む溶液とを接触させて、この親和性因子と固体基材上を被覆する異性化可能な有機分子との間に複合体を形成すること、c)工程(b)で形成された複合体を洗浄して、この複合体と会合していない物質(例えば非特異的結合)を除去すること、およびd)第1の異性体立体配置における異性化可能な分子を、(例えば適切な異性化誘発因子の適用により)第2のまたは更なる条件下で第2のまたは更なる異性体立体配置へと変換することであって、この分子の第2のまたは更なる異性体立体配置への変換により、目的の分子が異性化可能な有機分子から解離することが可能となり、それにより目的の分子を溶出させる、変換することを含む。本発明の第2の態様の例示的実施形態では、これらの異性化可能な有機分子および異性体特異的親和性因子は共にその結合対である。別の例示的実施形態では、この異性化可能な有機分子は光異性化可能な有機分子、例えばスピロピランコア構造またはスピロピランの誘導体化型を有する有機分子である。別の実施形態では、この異性化誘発因子は、広範囲のまたは特定の波長の光を照射するように構成されている光源、例えば発光ダイオードまたはランプである。別の実施形態では、この適切な異性化誘発因子は熱源または冷却源である。別の実施形態では、この方法は、工程(a)の前に、固体基材を、第1の異性体立体配置における異性化可能な有機分子で被覆するか、またはそれと共有結合的に連結させることを更に含む。

0009

第3の態様では、本発明は、目的の分子を選択的に結合および遊離させるためのクロマトグラフ装置(例えばカラム多孔質膜またはフィルタ)であって、ハウジングと、このハウジング内に充填されている被覆固体基材(例えば複数の被覆ビーズ)であって、被覆が、第1の異性体立体配置、第2のもしくは更なる異性体立体配置または両方の組合せにおける光異性化可能な有機分子である、被覆固体基材と、第1の異性体立体配置における光異性化可能な有機分子を第2のまたは更なる異性体立体配置へと変換するのに適した波長の少なくとも1個の光源とを含み、被覆固体基材(例えば複数の被覆ビーズ)がこの少なくとも1個の光源と光接触する、クロマトグラフ装置に関連する。本発明の第3の態様の一実施形態では、クロマトグラフ装置は、同心シリンダに構成されているハウジングを有するカラムであり、このシリンダの中心は中空である。ハウジングおよび/またはシリンダの中空コアの外部は、制御的に照射し得る少なくとも1個の光源を含む。本発明の第3の態様の別の実施形態では、カラムの外部のみが、制御的に照射し得る少なくとも1個の光源を含む。

0010

第4の態様では、本発明は、本明細書で説明する結合対を使用して目的の分子を選択的に結合させるためのキットに関連する。キットは、第1の異性体立体配置、第2のもしくは更なる異性体立体配置またはこれらの組合せにおける光異性化可能な有機分子で被覆されているか、またはそれに共有結合的に連結されている固体基材と、第2のまたは更なる異性体立体配置における光異性化可能な有機分子に対して親和性を有する異性体特異的親和性因子と、この親和性因子を目的の分子に結合させ、かつ光異性化可能な有機分子に更に選択的に結合させ、および任意選択的にそれからこの親和性因子を遊離させるための説明書とを含む。本発明の第4の態様の変形形態では、このキットは、第1の異性体立体配置における光異性化可能な有機分子を第2のまたは更なる立体配置へと変換するのに適した広範囲のまたは特定の波長の光源を更に含む。

0011

本発明の結合対と本明細書で説明する結合対を使用して目的の分子に選択的に結合および遊離させる方法とは、目的の分子を精製、分離、単離、またはパターン化するために使用することができる。目的の分子のクロマトグラフ媒体への結合およびこの目的の分子の遊離を、異性化可能な有機分子の異性体型、光の存在、温度、pH、異性体特異的親和性分子またはこれらの組合せの変化により制御する。例えば、クロマトグラフ装置(例えばカラム)中において、目的の分子を溶出させるための溶出刺激として溶媒ではなく光を使用する。本明細書で説明する本発明により、刺激が強いまたは高価な溶出バッファーを必要とすることなく目的の分子(例えば組換えタンパク質)の迅速な精製が可能となる。加えて、光はマクロスケールおよびナノメートルスケールの両方に適用され得、周囲の溶媒の化学的性質を本質的に変更せず、非常に広範囲な時間スケールで照射され得、かつ順次のまたは同時の溶出用に自動化され得るため、便利な溶出刺激である。

0012

上述したことは、添付図面に示すように、下記の本発明の例示的実施形態のより具体的な説明から明らかになるであろう。図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本発明の実施形態を説明することに重点が置かれている。

0013

即ち、本発明の要旨は、
〔1〕第1の条件下で第1の異性体立体配置にあり、かつ第2の条件下で第2の異性体立体配置にあるスピロピラン分子である第1の結合メンバーと、
異性体特異的ペプチドアプタマーである第2の結合メンバーと
を含み、
第1の結合メンバーと第2の結合メンバーは、スピロピラン分子の異性体立体配置に変化がある場合に、互いに可逆的に会合または解離し、
第2の結合メンバーは、スピロピランの第1の異性体立体配置に対してある結合親和性を有し、かつスピロピランの第2の異性体立体配置に対して低い結合親和性を有し、第2の結合メンバーは、異性体立体配置の1つと会合するが、もう一方の異性体立体配置とは会合せず、
第1の異性体立体配置におけるスピロピラン分子は、以下の構造式




で表され、第2の異性体立体配置のスピロピラン分子は、以下の構造式:




で表され、
式中、R1は、(C1〜C20)アルキルもしくは置換アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、(C1〜C20)アルコキシアミノハロゲンシアノ、トリクロロメチルトリフルオロメチルニトロ、マレイミド、−C(O)−OH、アジドまたはHO−(O)C−(C1〜C3)アルキルから選択され、R2は、水素、−NO2または−C(O)OHである、
結合対、
〔2〕前記異性体特異的ペプチドアプタマーが、前記ペプチドアプタマーに共有結合的に連結されているリンカーを更に含み、前記リンカーは目的の分子に非共有結合的にまたは共有結合的に結合可能である、〔1〕に記載の結合対、
〔3〕前記ペプチドアプタマーが、
a)ジペプチド、
b)3〜6個のアミノ酸を有するポリペプチド、
c)7個のアミノ酸を有するポリペプチド、
d)8〜11個のアミノ酸を有するポリペプチド、
e)12個のアミノ酸を有するポリペプチド、
f)13〜52個のアミノ酸を有するポリペプチド、
g)52個を超えるアミノ酸を有するポリペプチド、または
h)3〜18個のアミノ酸を有するポリペプチド
である、〔1〕または〔2〕に記載の結合対、
〔4〕前記リンカーがプロテアーゼ感受性の切断部位を含む、〔2〕または〔3〕に記載の結合対、
〔5〕前記第1の条件が、スピロピランの、光、低輝度の光、暗闇、熱、pH、ストレス、イオン、前記異性体特異的ペプチドアプタマーまたはこれらの組合せへの曝露であり、および前記第2の条件が、スピロピランの、前記第1の条件と異なる光、低輝度の光、暗闇、熱、pH、ストレス、イオン、前記異性体特異的ペプチドアプタマーまたはこれらの組合せへの曝露である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の結合対、
〔6〕a)前記第1の条件が、スピロピランの、可視スペクトルもしくはその一部上の広範囲の波長の光への曝露であり、および前記第2の条件が、スピロピランの、紫外スペクトルもしくはその一部上の広範囲の波長の光への曝露であるか、
b)前記第1の条件が、スピロピランの、可視スペクトルもしくはその一部上の波長の光への曝露であり、および前記第2の条件が、スピロピランの、前記第1の条件と異なる低輝度の光もしくは暗闇への曝露であるか、または
c)前記第1の条件が、スピロピランの、ある波長の光への曝露であり、および前記第2の条件が、スピロピランの、前記第1の条件と10ナノメートル超の波長だけ異なる波長の光への曝露である、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の結合対、
〔7〕目的の分子を選択的に結合および遊離させる方法であって、
a)第1の異性体立体配置におけるスピロピラン分子で被覆されているか、またはそれに共有結合的に連結されている固体基材を準備すること、ここで、任意に、前記固体基材は、ストリップ、棒、粒子ビーズメッシュ、膜またはゲルから選択される、
b)第1の条件下で、前記固体基材と、異性体特異的ペプチドアプタマーに結合している目的の分子を含む溶液とを接触させて、前記ペプチドアプタマーと前記固体基材上を被覆する前記スピロピラン分子との間に複合体を形成すること、
c)(b)で形成された前記複合体を洗浄して、前記複合体と会合していない物質を除去すること、ならびに
d)前記第1の異性体立体配置における前記スピロピラン分子を、第2の条件下で第2の異性体立体配置へと変換すること、ここで、前記スピロピラン分子の前記第2の異性体立体配置への前記変換により、前記ペプチドアプタマーおよび前記目的の分子が前記スピロピラン分子から解離することが可能となる、
を含み、前記スピロピラン分子および前記異性体特異的ペプチドアプタマーが共に〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の結合対である、方法、
〔8〕前記第1の条件または第2の条件が、特定のまたは広範囲の波長の光を照射するように構成されている光源である、〔7〕に記載の方法、
〔9〕前記第1の条件または第2の条件が熱源または冷却源である、〔7〕または〔8〕に記載の方法、
〔10〕前記目的の分子を精製、分離、単離、またはパターン化するために実施される、〔7〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の方法、
〔11〕(a)の前に、前記固体基材を、前記第1の異性体立体配置における前記スピロピラン分子で被覆するか、またはそれと共有結合的に連結させることを更に含む、〔7〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の方法、
〔12〕前記第1の異性体立体配置における前記スピロピラン分子が式(IV−1a)または(V−1a):




化合物であり、
前記第2の異性体立体配置における前記スピロピラン分子が式(IV−1)または(V−1):




の化合物であり、
式中、R1が、(C1〜C20)アルキルもしくは置換アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、(C1〜C20)アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、マレイミド、−C(O)−OH、アジドまたはHO−(O)C−(C1〜C3)アルキルから選択される、〔7〕に記載の方法、
〔13〕前記固体基材がハウジング中に配置され、および(c)の洗浄が、前記ハウジングを通して溶液を洗浄して、前記固体基材複合体と会合していない物質を除去することを更に含む、〔7〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の方法、
〔14〕前記目的の分子が、タンパク質、抗体、薬剤核酸ポリマー、有機分子、金属イオンまたはペプチドである、〔7〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の方法、
〔15〕前記異性体特異的ペプチドアプタマーが、LAREPTS(配列番号1)、HEVRSP(配列番号2)、WALDRGA(配列番号3)、APSTPTP(配列番号4)、SMPQTAG(配列番号5)、EPLQLKM(配列番号6)、ATPLWLK(配列番号7)、AKIART(配列番号8)、YNHQRPP(配列番号9)、ALIPKPR(配列番号10)、QLITKPL(配列番号11)、STPIQQP(配列番号12)、TFAKSAY(配列番号13)、STFTKSP(配列番号14)、TPAHNDY(配列番号15)、SLSLIQT(配列番号16)、NQDVPLF(配列番号17)、GPHLGLK(配列番号18)、LAGPQMH(配列番号19)、SQASSLK(配列番号20)、SDLSSPY(配列番号21)、LVTTWPA(配列番号22)、ALYKNTS(配列番号23)、QQISTQM(配列番号24)、AWLPAGA(配列番号25)、GTWLSRG(配列番号26)、GHQVSRL(配列番号27)、GPMLARG(配列番号28)、TASLVRP(配列番号29)、TDSLRLL(配列番号30)、AKPDWRF(配列番号31)、VQTYARV(配列番号32)、YTEPVRE(配列番号33)、MSLQQEH(配列番号34)、MKWQTV(配列番号35)、NERALTL(配列番号36)、SPSTHWK(配列番号37)、WSTTNVP(配列番号38)、YHKDPL(配列番号39)、LSNNNLR(配列番号40)、LPAGRVL(配列番号41)、STSFWIT(配列番号42)、LGSPMSN(配列番号43)、WELRPRT(配列番号44)、TNIESLK(配列番号45)、LYAEVIR(配列番号46)、NHSTQMY(配列番号47)、NLQIYAV(配列番号48)、YDTSSAS(配列番号49)、MHSNTWD(配列番号50)、TPTTVSY(配列番号51)、TSHILQ(配列番号52)、TLRVPPNPNMNV(配列番号53)、HVKLVAVADLMN(配列番号54)、YHPNGMNPYTKA(配列番号55)、EYSPKLFPPHRL(配列番号56)、HHLTHANSLTNT(配列番号57)、WHWGLLYPASAN(配列番号58)、KPLMTYKVIHYV(配列番号59)、QPDLSHPSTNAY(配列番号60)、FPTNLATRSAMV(配列番号61)、LAGPQMHGK(配列番号62)、PLRPKSEYPFHY(配列番号63)、SYSPKLFPPHRL(配列番号64)、SDLSSPYG(配列番号65)、SDLSSPYGG(配列番号66)、SDLSSPYGGC(配列番号67)もしくはEYSPKLFPPHRLGK(配列番号68)、またはグリシンC末端に付加されている配列番号1〜68のいずれか1つ、または1種もしくは複数のアミノ酸がN末端もしくはC末端のいずれかに付加されている配列番号1〜68のいずれか1つから選択される、〔7〕〜〔14〕のいずれか一項に記載の方法、
〔16〕前記固体基材が、ストリップ、棒、粒子、ゲル、メッシュまたはビーズである、〔7〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の方法、
〔17〕前記第1の異性体立体配置における前記スピロピラン分子が式(IV−1a)または(V−1a):




の化合物であり、および
前記第2の異性体立体配置における前記スピロピラン分子が式(IV−1)または(V−1):




の化合物であり、
式中、R1が、(C1〜C20)アルキルもしくは置換アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、(C1〜C20)アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、マレイミド、−C(O)−OH、アジドまたはHO−(O)C−(C1〜C3)アルキルから選択される、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の結合対、
〔18〕目的の分子を選択的に結合させるためのキットであって、
〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の結合対と、
前記ペプチドアプタマーを目的の分子に結合させ、かつ前記スピロピラン分子に更に選択的に結合させ、および任意にそれから前記ペプチドアプタマーを遊離させるための説明書と
を含むキット、
〔19〕前記第1の異性体立体配置における前記スピロピラン分子を第2の異性体立体配置へと変換するのに適した広範囲のまたは特定の波長の光源を更に含む、〔18〕に記載のキット
に関する。

発明の効果

0014

本発明により、光により活性化される二成分タンパク質結合マトリックスが提供され得る。

図面の簡単な説明

0015

光異性化後の特異な結合親和性を示す。図1Aは、2種の異性体状態モデルを示し、光異性体Aは光に反応して、この光異性体Aの化学的特性および/または構造的特性を光異性体Bへと変化させる。図1Bは、異性体特異的アプタマーを使用する二成分システムの別の変形形態を示す。
図1Cは、固体支持体の表面が異性化可能な有機分子で修飾されている二成分システムの変形形態を示す。
スピロピラン分子で修飾されているプレートへの様々なペプチドの結合を表す棒グラフである。
スピロピラン分子で選択的に修飾されているビーズへのペプチドの結合を表す折れ線グラフである。
異性化前後の例示的な精製カラムを示す。図4Aは、光により媒介される標的タンパク質の結合および遊離の例示的方法を示す。
図4Bは、支持体(例えば、架橋したアガロースビーズまたは他のクロマトグラフ媒体)上の光異性化可能な分子の例示的実施形態を示し、この光異性化可能な有機分子は親和性ペプチドまたは親和性アプタマーに結合している。
図4Cは、カラムの周囲を覆うハウジングと、光異性化可能な有機分子で誘導体化されているビーズを制御的に照射する(例えば順次にまたは同時に照射する)ための、カラムと接触している少なくとも1個の光源とを有するように適合されているクロマトグラフィーカラムの例示的実施形態を示す。
可視(Vis)光への曝露によるメロシアニン(MC)アイソフォームのスピロピラン(SP)アイソフォームへの変換を示し、濃さの消失が異性化を示す(赤色/オレンジ色の色相− 図示せず)。
例示的な光異性化可能な有機分子の異性化を示す。
例示的な光異性化可能な有機分子の異性化を示す。
例示的な光異性化可能な有機分子の異性化を示す。
例示的な光異性化可能な有機分子の異性化を示す。
ビーズ共役技術の例を示す。

0016

生物学的製品(例えば組換えタンパク質)のアフィニティ分離用の二成分システムが説明され、この二成分は、光の波長または他の誘発性条件(例えば、光、暗闇もしくは低輝度の光、温度、pH、異性体特異的親和性因子もしくはこれらの組合せ)に従って会合することができる、または解離することができる。この二成分システムは、異性化可能な有機分子と異性体特異的親和性因子とで構成されている。本発明は、様々な異性体型を有する異性化可能な有機分子(この二成分システムでの第1の成分)を利用しており、第1の異性体型では、この有機分子は結合パートナー(この二成分システムでの第2の成分)に結合することができ、この有機分子の第2の異性体型では、この結合パートナーは異性化可能な有機分子から遊離または解離することができる。異性体型間の変化は条件(例えば、光、低輝度の光、暗闇、温度、pH、異性体特異的親和性因子またはこれらの組合せ)により誘発され、そのため、この二成分システムは誘発条件に従って会合すおよび解離する。この二成分システムは、例えばクロマトグラフィーカラム中において、組換えタンパク質を分離するためにおよび/または精製するために、異性化可能な有機分子と、この有機分子の親和性結合パートナーとを使用する。

0017

本発明の二成分システムを使用して、溶出刺激として例えば光を使用して目的の分子を結合または遊離させることができる。本発明は、異性化可能な有機分子である第1の結合メンバーと異性体特異的親和性因子である第2の結合メンバーとを含む結合対を説明する。この異性化可能な有機分子は、第1の条件下で第2の結合メンバーに対してある結合親和性を有し、かつ第2の条件下で第2の結合メンバーに対して異なる結合親和性を有する。本発明に有用な異性化可能な有機分子の一例は、光異性化可能な有機分子である。光異性化可能な有機分子の特定の異性化状態により結合親和性を制御することができるため、光を使用して、異性体特異的親和性因子(または異性体特異的親和性因子に付着している他の分子エンティティ)と光異性化可能な有機分子(またはこの有機分子により修飾されている表面)との間の会合を制御することができる。例えば、結合親和性の差異により、第1の結合メンバーと第2の結合メンバーとが第1の条件下で会合し、かつ第2の条件下で解離することができる。これに関して光は有用である。なぜなら、光は、マクロスケールおよびナノメートルスケールの両方に適用され得、周囲の溶媒の化学的性質を本質的に変更せず、かつ非常に広範囲な時間スケールで照射され得るからである。

0018

従って、「異性化可能な有機分子」は、本明細書で使用する場合、第1の条件または第2のもしくは更なる条件への(例えば適切な異性化誘発因子による)曝露に反応して1種または複数の構造的変化または化学的変化を起こす有機分子を意味する。第1の条件は、光、低輝度の光、暗闇、熱、pH、ストレス、イオン、異性体特異的親和性因子またはこれらの組合せへの曝露であり得る。異性化可能な有機分子は、第2のまたは更なる条件に曝露された場合に、以前の構造または状態への復帰等の1種または複数の構造的変化を起こすことができる。第2のまたは更なる条件は、第1の条件と異なる光、低輝度の光、暗闇、熱、pH、ストレス、イオン、異性体特異的親和性因子またはこれらの組合せへの曝露であり得る。溶媒を使用して、ある異性体型を別のものよりも優先的に安定化させることにより、ストレスを与えることができる。適切な溶媒の例として、例えば水、リン酸塩緩衝化されている水、ジメチルスルホキシドテトラヒドロフランジメチルホルムアミドエタノールプロパノールメタノールおよび同類のもの等の溶媒が挙げられる。例えば、スピロピラン分子をテトラヒドロフラン中に置いた場合、この分子は開環(またはメロシアニン)立体配置を好む。あるいは、例えばスピロピラン分子を脱イオン水中に置いた場合、この分子は閉環立体構造を好む。イオン溶液を使用してストレスを与えることもできる。イオンを、イオン強度が高い水性溶媒により供給することができる。異性化可能な有機分子は、イオン濃度が高い溶媒に曝露された場合、ある立体配置をとることができ、イオン濃度がわずかであるかまたはない溶媒に曝露された場合には別の立体配置をとることができる。イオン成分が溶解しているか、またはイオン強度が高い水性溶媒は、例えばスピロピラン分子の開環立体配置を安定化させることができる。加えて、イオン溶液を使用して(例えば二価イオン溶液により)、ある異性体を他の異性体よりも優先的に安定化させることによりストレスを与えることができる。pHをバッファーへの曝露により変更することができる。適切なバッファーの例として、pHが約2〜約3である酸性バッファーが挙げられる。温度変化により、異性化可能な有機分子が1種または複数の構造的変化または化学的変化を起こすこともできる。例えば、異性化可能な有機分子は、70℃超の温度で、ある立体配置をとることができる。別の例では、異性化可能な有機分子は、4℃未満で別の立体配置をとることができる。熱源は、熱を加えて異性化可能な有機分子の立体配置の変化を促進する。冷却源は、冷却または他の手段で温度を低下させて、異性化可能な有機分子の立体配置の変化を促進する。

0019

用語「アルキル」は、本明細書で使用する場合、規定の数の炭素原子を有する、飽和脂肪族の分枝したまたは直鎖の一価炭化水素ラジカルの両方を意味する。そのため、「(C1〜C6)アルキル」は、直鎖のまたは分枝した配置中に1〜6個の炭素原子を有するラジカルを意味する。「(C1〜C6)アルキル」の例として、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、3−メチルペンチルおよび4−メチルペンチルが挙げられる。アルキルを、ハロゲン、−OH、オキソ、(C1〜C4)アルキル、(C2〜C6)アルキニル、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C4)アルキル、ニトロ、シアノ、アジドならびに−N(Ra)(Rb)(RaおよびRbはそれぞれ独立して、−Hおよび(C1〜C3)アルキルから選択される)で任意選択的に置換することができる。

0020

用語「アルケニル」は、本明細書で使用する場合、1個または複数の炭素炭素二重結合を有する直鎖のまたは分枝したアルキル基を意味する。そのため、「(C2〜C6)アルケニル」は、1個または複数の二重結合を有する直鎖のまたは分枝した配置中に2〜6個の炭素原子を有するラジカルを意味する。アルケニル基の例として、エテニル基プロペニル基ブテニル基ペンテニル基ヘキセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基ヘキサジエニル基および同類のものが挙げられるがこれらに限定されない。1個または複数の炭素−炭素二重結合は、内部(例えば2−ブテン)または末端(例えば1−ブテン)であり得る。

0021

用語「アルキニル」は、本明細書で使用する場合、1個または複数の炭素−炭素三重結合を有する直鎖のまたは分枝したアルキル基を意味する。そのため、「(C2〜C6)アルキニル」は、1個または複数の三重結合を有する直鎖のまたは分枝した配置中に2〜6個の炭素原子を有するラジカルを意味する。アルキニル基の例として、エチニルプロピニルブチニルペンチニルおよび同類のものが挙げられるがこれらに限定されない。1個または複数の炭素−炭素三重結合は、内部(例えば2−ブチン)または末端(例えば1−ブチン)であり得る。

0022

用語「アルコキシ」は、本明細書で使用する場合、「アルキル−O−」基(アルキル基は上記で規定されている)を意味する。アルコキシ基の例として、メトキシ基またはエトキシ基が挙げられる。

0023

用語「アミノ」は、本明細書で使用する場合、「−NH2」基、「NHRp」基または「NRpRq」基(RpおよびRqは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基シクロアルコキシ基アリール基ヘテロアリール基および二環式炭素環式基のいずれかであり得る)を意味する。本発明では、アミノは第1級(NH2)、第2級(NHRp)または第3級(NRpRq)であり得る。(ジ)アルキルアミノ基は、1個または2個のアルキルで置換されているアミノ基の一例である。

0024

用語「アリール」は、本明細書で使用する場合、芳香族単環式のまたは多環式(例えば二環式または三環式)の炭素環系を意味する。そのため、「(C6〜C10)アリール」は6〜10員の単環系または多環系である。アリール系には、フェニルビフェニルナフチルフェナントリルアントラニルピレニルフルオランチルまたはフルオレニル等の任意選択的に置換された基が含まれる。アリールを任意選択的に置換することができる。アリール上の適切な置換基の例として、ハロゲン、ヒドロキシル、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニル、(C1〜C6)ハロアルキル、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)ジアルキルアミノ(C1〜C6)アルコキシ、(C6〜C10)アリールアミノ、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、−NO2、−CNおよびオキソが挙げられる。

0025

いくつかの実施形態では、フェニル、インデニルまたはナフチルから選択される(C6〜C10)アリールである。いくつかの実施形態では、フェニルまたはナフタレンから選択される(C6〜C10)アリールである。

0026

用語「ヘテロ」は、本明細書で使用する場合、N、SおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子による環系中の少なくとも1個の原子炭素メンバーの置き換えを意味する。「ヘテロ」はまた、非環式系中の少なくとも1個の炭素原子メンバーの置き換えも意味する。ヘテロ環系またはヘテロ非環系は、ヘテロ原子で置き換えられた1個、2個または3個の炭素原子メンバーを有することができる。

0027

用語「ヘテロアリール」は、本明細書で使用する場合、ヘテロ原子(O、SまたはN)である1個または複数の原子を含む芳香族基を意味する。ヘテロアリール基は単環式または多環式であり得、例えば、1個または複数の炭素環式芳香族基または他の単環式ヘテロアリール基に融合した単環式ヘテロアリール環であり得る。本発明のヘテロアリール基には、1個または複数のオキソ部分で置換されている環系も含まれ得る。ヘテロアリール基の例として、ピリジニルピリダジニルイミダゾリルピリミジニルピラゾリルトリアゾリルピラジニルキノリルイソキノリル、テトラゾリルフリルチエニルイソオキサゾリルチアゾリルオキサゾリルイソチアゾリルピロリル、キノリニルイソキノリニルインドリルベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニルシンノリニル、インダゾリルインドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニルイソインドリル、プリニル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリルベンゾオキサゾリルキナゾリニルキノキサリニルナフチリジニルジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソロキノリル、ベンゾフリル、フロピリジニル、ピロロピリミジニルおよびアザインドリルが挙げられるがこれらに限定されない。

0028

用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書で使用する場合、フッ素塩素臭素またはヨウ素を意味する。

0029

用語「オキソ」は、本明細書で使用する場合、=Oを意味する。オキソ基が炭素原子上の置換基である場合、これらはカルボニル基(C(O))を形成する。

0030

「光異性化可能な有機分子」は、本明細書で使用する場合、光に反応して1種または複数の構造的変化または化学的変化を起こす分子を意味する。光異性化可能な有機分子の一例は、少なくとも第1の異性体立体配置および第2のまたは更なる異性体立体配置を有するスピロピランである。「スピロピラン」は、本明細書で使用する場合、下記式(I):



のスピロピランコア構造で示されるように、2位の水素原子スピロ様式で第2の環系に置き換えられている、任意選択的に置換されている2H−ピランを意味しており、式中、第2の環系は炭素環または複素環であり得る。少なくとも第1の異性体立体配置および第2のまたは更なる異性体立体配置を有するスピロピランの一例は、下記式(II):



の化合物であり、式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は同一であるか、または異なり、かつそれぞれ独立して、(C1〜C20)アルキルもしくは置換アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、(C1〜C20)アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、硫黄、マレイミド、−C(O)−OH、アジドまたはHO−(O)C−(C1〜C3)アルキルから選択され、
Xは酸素であり、および
YはSeまたはC(CH3)2である。

0031

別の例では、式(II)の化合物は式(IIa):



のポリマーであり得、式中、R1〜R9、XおよびYは式(II)に関して上記で定義しており、nは1を超える整数である。別の例示的実施形態では、nは1〜500である。式(II)の化合物は、付着R1〜R9のうちの任意の位置で重合することができる。加えて、式(II)の化合物は、付着R1〜R9のうちの任意の位置で固体基材に結合することができる。

0032

本発明の光異性化可能な有機分子の例として、式(III)、(IV−1)、(IV−2)、(V−1)および(V−2):



の化合物が挙げられ、式中、R1は式(II)に関して上記で定義されている。

0033

第1の異性体立体配置の一例は式(IIIa)の化合物であり、第1の条件(例えば可視スペクトル中の光)に曝露された場合に式(III)の化合物に変わる。第2の異性体立体配置の一例は式(III)の化合物であり、第2の条件(例えば紫外光)に曝露された場合に式(IIIa)の化合物に変わる。下記に表す異性化は、この概念を説明することのみを意図しており、下記に示す反応または構造に限定することを意図するものではなく、図5Aに同様に表す。

0034

本明細書で説明する異性体は平衡状態で存在することが理解され、換言すると、所与試料として式(III)の例示的化合物を使用する場合には式(III)の化合物と式(IIIa)の化合物との両方の濃度が存在することが理解される。これは、式(IV−1)および(IV−1a)、(IV−2)および(IV−2a)、(V−1)および(V−1a)、ならびに(V−2)および(V−2a)の化合物の場合にも当てはまり、(IV−1a)、(IV−2a)、(V−1a)および(V−2a)は下記の通りである。

0035

従って、「異性化」は、分子が化学的異性化または構造的異性化を起こすにつれて、ある異性体の濃度が低下して別の異性体が増加する、所与の試料中の異性体の濃度の変化、または別の異性体を支持するある異性体の濃度を増加させる、ある異性体を別の異性体よりも支持する媒体への異性体の曝露を意味する。

0036

「光異性化可能な有機分子」に言及する場合、通常は「異性化可能な有機分子」にも言及していることが理解される。

0037

本発明での使用に適した光異性化可能な有機分子の追加の例として、ジアリエテン(diaryethene)、具体的にはスチルベンおよびジチエニルエテンアゾベンゼン;スピロピラン;フルギド;ナフタセンキノンヒンダードアルカン(hindered alkane)、クラウンエーテルレチノイドシアニン色素;ならびにこれらのポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。ヒンダードアルカンの一例は、式(VI):



の化合物である。

0038

光異性化可能な有機分子は、共有結合的または非共有結合的な手段により、固体基材の表面上に共役、結合、または他に被覆され得、光により制御される表面特性を付与する。この特性により、この固体表面は、疎水性電荷の変化および発生、立体構造の変化またはこれらの性質の組合せにもかかわらず、異性体特異的親和性因子との相互作用が可能になる。親和性ペプチドは、概して、粗溶解物から融合タンパク質を精製するために高い親和性を必要としており、そのため、光異性化可能な有機分子(光異性化可能な親和性分子または「PIAM」としても知られている)の一例は、複数の異性体状態(典型的にはシスおよびトランス)の間に大きい自由エネルギーの差異(例えば好ましくは20kJ/モルを超える)を有する。結合するペプチドの自由エネルギーにより、最初のペプチド結合状態が安定化する傾向がある。そのため、光により触媒された大きい「駆動力」により、ペプチド標識タンパク質のマトリックスからの急速な解離が可能になる。

0039

PIAM分子の他の適切な特性は、1)水中でおよび/または生理的pHで異性化する能力、2)一般的なバッファー(例えばTris、HEPES、リン酸塩)と実質的に反応しないこと、3)電荷特性、好ましくは正電荷、4)エタノール中で実質的に分解しないこと、5)還元条件および非還元条件下での異性化、6)様々な塩濃度(例えば0〜400mMのNaCl)での異性化、ならびに7)アガロースマトリックスへの安定したおよび高効率の共役が形成可能であることである。列挙した制限を仮定すると、下記の化合物がPIAM分子の適切なクラスの例を表す:1)ジアリエテン、具体的にはスチルベンおよびジチエニルエテン;2)アゾベンゼン;3)フルギド;4)スピロピラン;5)ナフタセンキノン;6)ヒンダードアルカン;7)クラウンエーテル誘導体;8)レチノイド;ならびに9)シアニン色素。追加の例示的化合物として上記の組合せが挙げられ、例えば高分子のアゾベンゼン、スチルベンまたはスピロピランが挙げられる。図6A〜Dを参照されたい。

0040

「光源」は、本明細書で使用する場合、特定の波長または特定の範囲の波長で光を発することが可能なあらゆる発光素子を意味しており、本明細書で定義するように、この特定の波長は、光異性化可能な有機分子の異性化状態を変えるのに適している。例えば、本発明のある実施形態では、光異性化可能な有機分子は式(III)の分子(上記に示す)であり、特定の波長の紫外光の適用により、第1の異性体から第2の異性体(式(IIIa)で示す)へと変換される。適切な波長範囲の例として、可視(vis)スペクトルまたはこの一部、紫外(UV)スペクトルまたはこの一部、および赤外スペクトル(IR)またはこの一部が挙げられるがこれらに限定されない。第1の異性体から第2の異性体への変換に適した波長の一例は350nmである。別の実施形態では、光への曝露は、光異性化可能な有機分子の異性化状態の変化を誘発するのに十分である。例えば、光異性化可能な有機分子は、最小の光に曝露された場合または光に曝露されない場合に(例えば暗所に置かれた場合に)第1の立体配置で存在することができ、任意の発光装置(例えばランプ等)からの光に曝露された場合に第2の立体配置で存在することができる。ランプは、白熱電球ハロゲン電球またはガス放電により、例えばガス(例えばアルゴンネオンクリプトンもしくはキセノンまたは前記ガスの組合せ)の使用により、光を発することができる。

0041

「異性体特異的親和性因子」または「親和性タグ」は、本明細書で使用する場合、特定のタンパク質、抗体、薬剤、核酸、ポリマー、有機分子、金属イオン、ペプチドまたは酵素に対する親和性で目的の標的分子に結合するペプチド配列またはオリゴヌクレオチド配列を意味しており、異性化可能な有機分子の単一の異性化状態または複数の異性化状態のサブセットに対して特異な親和性を示す。従って、この親和性タグを使用することにより、親和性技術を使用して粗生物学的供給源から目的の標的分子を容易に分離することができる。この親和性タグを、例えば化学結合により共有結合的に結合させるか、または例えば水素結合もしくは静電的相互作用により非共有結合的に結合させることができる。親和性技術は、この親和性タグと別の構造(例えば限定されないがタンパク質、抗体、酵素、薬剤、基質受容体またはリガンド)との間の特異的相互作用を依拠とする。例示的な親和性タグとしてアプタマーが挙げられる。「アプタマー」は、本明細書で使用する場合、特定の目的の分子への高親和性の結合を容易にする分子を意味する。例示的なアプタマーは、ペプチド、オリゴ核酸または核酸であり得る。「ペプチドアプタマー」は、本明細書で使用する場合、特定の標的分子に結合する天然のまたは合成されたペプチド分子を意味する。「核酸アプタマー」は、本明細書で使用する場合、天然のまたは合成された核酸配列(例えばRNAアプタマーDNAアプタマーまたは還元型マイクロRNAアプタマー(reduced microRNA aptamer))を意味する。

0042

いくつかの実施形態では、ペプチドアプタマーはジペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドアプタマーは、長さが3〜6個のアミノ酸であるポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドアプタマーは、長さが3個、4個、5個または6個のアミノ酸であるポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドアプタマーは、長さが7個のアミノ酸であるポリペプチドである。別の実施形態では、ペプチドアプタマーは、長さが8〜11個のアミノ酸であるポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドアプタマーは、長さが8個、9個、10個または11個のアミノ酸であるポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドアプタマーは、長さが12個のアミノ酸であるポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドアプタマーは、長さが13〜52個のアミノ酸であるポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドアプタマーは、長さが13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、40個、41個、42個、43個、44個、45個、46個、47個、48個、49個、50個、51個または52個のアミノ酸であるポリペプチドである。別の実施形態では、ペプチドアプタマーは、52個を超えるアミノ酸を含むポリペプチドである。別の実施形態では、ペプチドアプタマーは120個未満のアミノ酸を含む。別の実施形態では、ペプチドアプタマーは、長さが3〜18個のアミノ酸であるポリペプチドである。別の実施形態では、ペプチドアプタマーは、長さが3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個または18個のアミノ酸であるポリペプチドである。「アミノ酸」は、本明細書で使用する場合、天然アミノ酸または改変アミノ酸のいずれかを意味する。7個を単位とするポリペプチドの一例はLAREPTS(配列番号1)である。12個を単位とするポリペプチドの一例はTLRVPPNPNMNV(配列番号53)である。別の例示的実施形態では、ペプチドアプタマーはペプチド配列EYSPKLFPPHRL(配列番号56)である。下記のペプチド配列は、本発明での使用に適した例示的ペプチドアプタマーを表すが、表1に示すペプチドに限定されない。表1に示す配列は、C末端に付加されるグリシンを有するか、またはN末端もしくはC末端のいずれかに付加される1種または複数のアミノ酸を有することができる。適切なアプタマーが類似の構造の異性体のセットに結合するように設計され得、十分に、この適切なアプタマーはそのようなアプタマーを製造および設計するための当業者の技術の範囲内であることを理解すべきである。当業者は、異性化可能な有機分子と相互作用するのに十分な長さであるという条件で、任意の長さのアプタマーを作ることができるはずであることも理解すべきである。従って、当業者は任意の長さのアプタマーを設計することができ、このアプタマーは本発明の範囲内に入るであろう。

0043

0044

異性体特異的親和性因子は、ペプチドアプタマーまたは核酸アプタマーに結合しているリンカーを更に含むことができる。「リンカー」は、本明細書で使用する場合、アプタマーに結合している天然のまたは合成されたポリペプチドまたは核酸の配列を意味しており、目的の分子に結合可能である。リンカーは、異性体特異的親和性因子が異性化可能な有機分子と相互作用する場合、あらゆる潜在的な立体的制限を克服するのに十分な量の余長を異性体特異的親和性因子に付与することができる。このリンカーは、最終的には、異性体特異的親和性因子の異性化可能な有機分子との会合を可能にする回転自由度を付与することができる。このリンカーに関して、用語「結合している」は、このリンカー、アプタマーおよび目的の分子の間の共有結合を意味する(例えば、このリンカーがアプタマーおよび目的の分子に共有結合している)。このリンカーは、ペプチドアプタマーまたは核酸アプタマーと同じアミノ酸配列または核酸配列であってもよく、または異なっていてもよい。下記の式(V):
[アプタマー]−[リンカー]−[目的の分子] (V)
で示すように、リンカーは、アプタマーおよび目的の分子の両方に同時に結合することができる。

0045

ファージディスプレイを使用して、PIAMの特定のアイソフォームに結合する高親和性ペプチド配列を決定することができる。所与のPIAM/マトリックスの組合せの場合、共役PIAMは、適切な波長の光を使用してシス異性体またはトランス異性体のいずれかに均質化され得る。ファージペプチドライブラリを結合させることができ、マトリックスを高塩濃度バッファーで洗浄して非特異的結合剤を除去する。次いで、光の波長を切り換えた後に特定のファージ結合剤を溶出させて、PIAM分子の異性化を促進させることができる。このプロセスを高ストリンジェンシー条件下で繰り返して、光異性化で特異的に溶出するマイクロモル親和性ファージペプチドおよびナノモル親和性ファージペプチドを見出すことができる。成功したヘプタペプチドを、組換え発現タンパク質用の親和性タグとして試験することができる。

0046

「洗浄する」は、本明細書で使用する場合、光異性化可能な親和性分子に結合または会合していない実質的に全ての物質の除去を意味する。洗浄プロセスでは全ての物質が除去され得ないことを理解すべきである。微量の残留物許容され得る。

0047

「目的の分子」とは、本明細書で使用する場合、使用者が所望するあらゆる分子または構造である。例えば、目的の分子は、目的のタンパク質、抗体、薬剤、核酸、ポリマー、有機分子、金属イオン、ペプチドまたは酵素であり得る。本発明の方法および組成物を使用して、目的の分子を精製、単離、選択的に結合、選択的に遊離、分離、またはパターン化することができる。目的の分子を、上記に記載したもの等の異性体特異的親和性因子または親和性タグを含むように遺伝子操作により製造することができる。目的の分子を、当業者に既知の任意の方法で製造することができ、例えば、親和性タグで修飾されているタンパク質の合成を促進するように設計されているプラスミドベクターの使用により製造することができる。

0048

「会合する」は、本明細書で使用する場合、結合対(例えば光異性化可能な有機分子および異性体特異的親和性因子または親和性タグ等)の捕捉、結合または組立てを意味する。同様に、「解離する」は、本明細書で使用する場合、結合対(例えば光異性化可能な有機分子および異性体特異的親和性因子または親和性タグ等)の遊離または分解を意味する。「親和性」は、本明細書で使用する場合、結合対(例えば光異性化可能な有機分子および親和性タグ等)の2種の結合パートナー間の結合相互作用の強さを意味する。光異性体が原子的平らである場合にのみ、この光異性体に例示的な親和性タグが結合することができるように、結合対間の会合は極めて高度に特異的であり得る。親和性タグが原子的に平らな異性体にのみ結合するという示唆は、本発明の概念の説明を提供しているに過ぎず、いずれか1つの特定の理論または原子の立体配置に限定することを意図するものではない。

0049

本明細書で使用する場合、「固体基材」には、多数の形状および形態(例えば、ストリップ、棒、粒子、ビーズ(固体またはゲル)、メッシュ、膜およびゲル(ヒドロゲル等))のいずれか1つを有することができる多孔質または非多孔質の物質が含まれ得る。適切な物質は当技術分野で公知であり、この物質として、例えばデキストランアガロース樹脂、紙、ろ紙ナイロンガラスセラミックシリカアルミナ珪藻土セルロースポリメタクリレートポリプロピレンポリスチレンポリエチレンポリ塩化ビニルおよびこれらそれぞれの誘導体を挙げることができる。この固体基材はカラムの側部および底部であり得るか、またはカラムに加えられる物質であり得る。固体基材の例として、アガロースビーズ、免疫アッセイプレオート細胞培養プレートおよび同類のものが挙げられる。上記で定義したように、この固体基材を使用して目的の分子を固定することができる。

0050

例えば異性化可能な有機分子との共有結合的または非共有結合的な結合の形成により、固体基材を被覆することができる。例示的実施形態では、異性化可能な有機分子は共有結合により固体基材を被覆することができる。この共有結合を、当業者に既知の任意の方法により形成することができ、この方法として、例えばクリック化学およびペプチド結合形成、COOHまたはアミンを介したEDC/NHSカップリングが挙げられる。本発明の別の態様では、異性化可能な有機分子を、当技術分野で既知の方法を使用して単一点付着または複数点付着により固体基材に共有結合的に付着させることができる。付着点は、異性化可能効果が妨げられないように選択すべきである。

0051

これより、例示的実施形態を説明して図面に示す。図1Aは、光異性化後の特異な結合親和性を概略的に示す。例えば、特定の分子は、光に反応して、この分子の化学的特性および/または構造的特性を変化させる。図1Aを参照すると、hv1およびhv2は、分子の異性化状態を操作するために選択される光の波長を意味する。図1Aに示す例では分子は2種の状態のモデルであるが、異性化可能な有機分子は多数の化学的異性体および構造的異性体を有することができる。

0052

図1Bを参照すると、本発明の例示的実施形態を、光による結合の制御を順に可能にする光異性化可能な有機分子の1種または複数の化学的異性体に対して高い結合親和性を有する異性化可能な有機分子(例えば光異性化可能な有機分子)である2種の成分で構成することができる。図1B中の例を参照すると、光異性体Aは異性体特異的アプタマーに高い親和性で結合するが、光異性体Bは、この異性体特異的アプタマーに対する親和性が非常に低い。

0053

図1Cは、例示的な異性化可能な有機分子で修飾された表面を示す。図1Cでは、異性体特異的アプタマーは、繋ぎ止められた目的の分子(目的の分析物とも称される)に結合している。この異性体特異的アプタマーは、修飾された表面上の光異性体Aに結合する。異性化させる光に曝露された場合、光異性化可能な有機分子は光異性体Bへの構造的変化を起こし、そのため、修飾された表面から異性体特異的アプタマーおよび目的の分子が遊離される。

0054

光異性化可能な有機剤は多くの用途を有することができる。例示的実施形態では、光異性化可能な小さい有機分子と親和性タグとの間の光反応性結合を使用して、溶液から組換えタンパク質を精製することができる。例示的実施形態では、本発明は、光異性化可能な有機分子(例えばスピロピラン)で修飾されているか、被覆されているか、またはそれに共有結合的に連結されている固体基材、例えばビーズを準備することを含む方法である。図4Aを参照されたい。この固体基材と、親和性タグ(例えばペプチドB7)に共役している目的の分子を含む溶液とを、この親和性タグと固体基材上を被覆する異性化可能な有機分子との間に複合体を形成する条件下で接触させる。この複合体の説明を図4Bに示す。親和性タグと被覆固体基材との会合を、プルダウンアッセイにより「プルダウン」と称することもできる。この固体基材を洗浄して、複合体に会合していない物質を除去する。次いで、光異性化可能な有機分子を適切な異性化誘発因子(例えば光)に曝露して、異性化可能な有機分子の構造を、親和性タグにもはや結合しない別の異性体型へと変化させ、その結果、目的の分子が溶出される。上記の方法を、例えば図4Aおよび図4Cに示すカラム中で実行することができる。

0055

別の実施形態では、本発明は、より集中した溶出ピークを作るために順次にまたは同時に光を発するカラムハウジングである。図4Cは、目的の分子を選択的に結合および遊離させるためのクロマトグラフィーカラムであって、ハウジングと、このハウジング内に充填されている複数の被覆ビーズであり、被覆が、第1の異性体立体配置における光異性化可能な有機分子である、被覆ビーズと、第1の異性体立体配置における光異性化可能な有機分子を第2の異性体立体配置へと変換するのに適した波長の少なくとも1個の光源とを含み、複数の被覆ビーズが少なくとも1個の光源と光接触する、クロマトグラフィーカラムを示す。図4Cに示すように、このカラムは、被覆ビーズが充填されているハウジングを囲む複数の光源を有することができる。これらの光源を、順次にまたは同時に作動させることができる。図4Cを参照すると、これらの光源に符号1〜5を付している。光源1が最初に作動し、続いて2が、続いて3が、続いて4が、次いで5が作動し得る。光源1〜5の順次の作動により、図4Cに示すように鋭い溶出ピークを作ることができる。一方、全ての光源1〜5を同時に作動させる場合、溶出ピークは平らになり得る。

0056

図5Bは、カラムが可視光から遮断されているT=0秒での図4Cのカラムの色調/色相と、カラムが可視光に曝露されているT=5秒での図4Cのカラムの色調/色相とを示す。濃さの消失は異性化可能な有機分子の異性化を示す。赤色/オレンジ色の色相を図示しない。

0057

光異性化可能な親和性分子(1−(β−カルボキシエチル)−3’,3’−ジメチルスピロ(2’H−1’−ベンゾピラン−2,2’−インドリン))(式(II))の合成



2,3,3−トリメチルインドレニン(6mL、37mmol)と3−ヨードプロパン酸(7.47g、37mmol)との混合溶液を、3時間にわたり100℃においてアルゴン(または窒素)下で2−ブタノン(7mL)中で還流させた。ロータリーエバポレーターを使用した溶媒の蒸発後、生じた固体物質を水に溶解させてジクロロメタンで洗浄した。水相回収し、ロータリーエバポレーターを使用して水を蒸発させた。73%(9.6g)の代表的な収率で、更に精製することなく、CE−TMIとして知られているFisherの塩基1−(β−カルボキシエチル)−2,3,3−トリメチルインドレニウムヨージド白色粉末)を得た。前記ヨウ化物塩(8.17g、23mmol)を5−ニトロサリチルアルデヒド(3.85g、23mmol)およびピペリジン(2.4mL、23mmol)および2−ブタノン(10mL)と混合し、この混合物を100℃において3時間にわたり還流させた。(ブタノンメチルエチルケトンに置き換えてもよい)。次いで、この混合物を室温で一晩放置し、生成物黄色粉末として再結晶化した。この生成物をろ過してメタノールで洗浄した。一晩真空下で乾燥した後、SP−COOHを黄色粉末として回収した(5.1g、58%収率)。図5Aを参照されたい。

0058

特異な結合
図2は、スピロピラン分子で修飾したプレートへの様々なペプチドの結合を表す棒グラフである。スピロピラン修飾プレートに結合するための親和性に関して2種のビオチン化ペプチド、即ちEYSPKLFPPHRLGK(配列番号56)およびLAGPQMHGK(配列番号62)を試験し、ビオチン化陰性コントロールペプチドとして作用するS.pepも試験した。吸光度は、どの程度のビオチン化ペプチドが洗浄後にスピロピラン修飾プレートに結合したままかを表す。インキュベーション条件および洗浄条件を下記で説明する。

0059

ビオチン化ペプチドを、示した濃度(薄い灰色:1μM、濃い灰色:100nm、白色:1μM+光への曝露)でインキュベートし、10回洗浄し、次いでHRPが共役したストレプトアビジンと共にインキュベートした。洗浄を10回繰り返し、次いで、プレートを3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質で顕在化させて96ウェルプレートリーダー定量化した。全ての場合において、ビオチンは、C末端リシン残基上のアミンを介して供給結合的に連結されている。

0060

ペプチドを、示した濃度で30分にわたりインキュベートした。プレートを、リン酸緩衝生理食塩水が入ったTecan Hydroflex 96プレート洗浄機で10回洗浄した。プレートを2時間にわたり1%BSAでブロックした。HRPに共役しているストレプトアビジンを1時間かけて添加した。プレートを再度、PBSが入ったプレート洗浄機で10回洗浄した。市販のELISA基質であるTMB/H202を添加し、顕在化の15分後にH2SO4を添加して反応をクエンチさせた。

0061

ビオチンをプルダウンさせるためのスピロピラン修飾ビーズの使用
図3は、スピロピラン分子で選択的に修飾されているビーズへのペプチドの結合を表す折れ線グラフである。選択的に修飾されているビーズを、示した時間の長さにわたり10μMのペプチドB7(LAGPQMHGK(配列番号62))と共にインキュベートし、次いでリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄した。ビーズを1μMのセイヨウワサビ(HRP)共役ストレプトアビジンと共にインキュベートし、残留するHRP−ストレプトアビジンを溶液中で測定した。図3は、インキュベートした期間後のビーズの吸光度を%で示す。吸光度が高いほど、バルク溶液中のストレプトアビジンの濃度が高い。時間=60分において矢印で示すように、ストレプトアビジン修飾ビーズが時間=60分で光に曝露された場合、ストレプトアビジンが遊離してバルク溶液中に戻った。

0062

全ての実験は、「SP−ビーズ/ペプチドB7」(n=6である)を除いてN=3であり(エラーバー標準偏差である)、次いで、示したように、試料を、光に曝露する(T=60秒)N=3と暗闇のままのn=3とに半分に分けた。

0063

アガロースビーズ修飾の方法
1mLのアガロースビーズを2カラム体積DMSO(無水状態ボトルから取り出す)で洗浄する。別の容器中で、2.5mgのスピロピランおよび80mgのEDCおよび100mgのNHSを混合する。これらの化合物をDMSOに溶解させ、室温で10分間待つ。この混合物にビーズ(DMS中である)を添加する。良好な混合/懸濁を確認する。即ち、DMSOがマトリックス全体を完全に懸濁させるのに十分であるかを確認する。12時間撹拌する。修飾されたマトリックスを20カラム体積のDMSOで洗浄し、遊離している化合物を洗い落とす。DMSOを20カラム体積の水で除去する。次いで、水中でまたは20%エタノール中で貯蔵する。ビーズ共役技術の例に関して図7を参照されたい。

0064

参考文献
Liu,Y.,Fan,M.,Zhang,S.,Sheng,X.&Yao,J.Basic amino acid induced isomerization of a spiropyran:towardsvisual recognition ofbasicamino acids in water.New J Chem(2007)。

0065

Shiraishi,Y.,Adachi,K.,Itoh,M.&Hirai,T.Spiropyran as a Selective,Sensitive,and Reproducible Cyanide Anion Receptor.Org.Lett.11,3482−3485(2009)。

0066

本明細書で参照する全ての特許、公開出願および参考文献の教示は、その全体が参照により援用される。

0067

本発明を具体的に示し、本発明の例示的実施形態を参照して説明したが、当業者は、添付した特許請求の範囲により包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更形態がなされ得ることを理解するであろう。

実施例

0068

本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
[1]異性化可能な有機分子である第1の結合メンバーと、
異性体特異的親和性因子である第2の結合メンバーと
を含み、
前記異性化可能な有機分子が、第1の条件下で前記第2の結合メンバーに対してある結合親和性を有し、かつ第2の条件下で前記第2の結合メンバーに対して異なる結合親和性を有する、結合対。
[2]結合親和性の差異は、前記第1の結合メンバーと前記第2の結合メンバーとが第1の条件下で会合し、かつ第2の条件下で解離するようなものである、[1]に記載の結合対。
[3]前記異性体特異的親和性因子がペプチドアプタマーまたは核酸アプタマーを含む、[1]に記載の結合対。
[4]前記異性体特異的親和性因子が、前記ペプチドアプタマーまたは前記核酸アプタマーに共有結合的に連結されているリンカーを更に含み、前記リンカーは目的の分子に非共有結合的にまたは共有結合的に結合可能である、[3]に記載の結合対。
[5]前記ペプチドアプタマーが、
a)ジペプチド、
b)3〜6個のアミノ酸を有するポリペプチド、
c)7個のアミノ酸を有するポリペプチド、
d)8〜11個のアミノ酸を有するポリペプチド、
e)12個のアミノ酸を有するポリペプチド、
f)13〜52個のアミノ酸を有するポリペプチド、または
g)52個を超えるアミノ酸を有するポリペプチド
である、[3]または[4]に記載の結合対。
[6]前記ペプチドアプタマーが、3〜18個のアミノ酸を有するポリペプチドである、[3]〜[5]のいずれか一項に記載の結合対。
[7]前記リンカーがプロテアーゼ感受性の切断部位を含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の結合対。
[8]前記第1の条件が、光、低輝度の光、暗闇、熱、pH、ストレス、イオン、前記異性体特異的親和性因子またはこれらの組合せへの曝露であり、および前記第2の条件が、前記第1の条件と異なる光、低輝度の光、暗闇、熱、pH、ストレス、イオン、前記異性体特異的親和性因子またはこれらの組合せへの曝露である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の結合対。
[9]a)前記第1の条件が、可視スペクトルもしくはその一部上の広範囲の波長の光への曝露であり、および前記第2の条件が、紫外スペクトルもしくはその一部上の広範囲の波長の光への曝露であるか、
b)前記第1の条件が、可視スペクトルもしくはその一部上の波長の光への曝露であり、および前記第2の条件が、前記第1の条件と異なる低輝度の光もしくは暗闇への曝露であるか、または
c)前記第1の条件が、ある波長の光への曝露であり、および前記第2の条件が、前記第1と10ナノメートル超の波長だけ異なる波長の光への曝露である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の結合対。
[10]前記異性化可能な有機分子が光異性化可能な有機分子である、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の結合対。
[11]前記光異性化可能な有機分子がスピロピランコア構造を有する、[10]に記載の結合対。
[12]前記光異性化可能な有機分子が、式(I):




スピロピラン構造を有し、
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9が同一であるか、または異なり、かつそれぞれ独立して、水素、(C1〜C20)アルキルもしくは置換アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、(C1〜C20)アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、マレイミド、硫黄、−C(O)−OH、アジドまたはHO−(O)C−(C1〜C3)アルキルから選択され、
Xが酸素であり、および
YがSeまたはC(CH3)2である、[11]に記載の結合対。
[13]目的の分子を選択的に結合および遊離させる方法であって、
a)第1の異性体立体配置における異性化可能な有機分子で被覆されているか、またはそれに共有結合的に連結されている固体基材を準備すること、
b)第1の条件下で、前記被覆固体基材と、異性体特異的親和性因子に共役している目的の分子を含む溶液とを接触させて、前記親和性因子と前記固体基材上を被覆する前記異性化可能な有機分子との間に複合体を形成すること、
c)工程(b)で形成された前記複合体を洗浄して、前記複合体と会合していない物質を除去すること、および
d)前記第1の異性体立体配置における前記異性化可能な分子を、(例えば適切な異性化誘発因子の適用により)第2のまたは更なる条件下で第2のまたは更なる異性体立体配置へと変換することであって、前記有機分子の前記第2のまたは更なる異性体立体配置への前記変換により、前記目的の分子が前記異性化可能な有機分子から解離することが可能となる、変換すること
を含む方法。
[14]前記異性化可能な有機分子および前記異性体特異的親和性因子が共に[1]〜[12]のいずれか一項に記載の結合対である、[13]に記載の方法。
[15]前記異性化可能な有機分子が光異性化可能な有機分子、例えばスピロピランコア構造を有する有機分子である、[13]に記載の方法。
[16]前記適切な異性化誘発因子が、特定のまたは広範囲の波長の光を照射するように構成されている光源、例えば発光ダイオードまたはランプである、[13]〜[15]のいずれか一項に記載の方法。
[17]前記適切な異性化誘発因子が熱源または冷却源である、[13]〜[15]のいずれか一項に記載の方法。
[18]前記目的の分子を精製、分離、単離、またはパターン化するために実施される、[13]〜[17]のいずれか一項に記載の方法。
[19]工程(a)の前に、前記固体基材を、前記第1の異性体立体配置における前記異性化可能な有機分子で被覆するか、またはそれと共有結合的に連結させることを更に含む、[13]〜[18]のいずれか一項に記載の方法。
[20]前記第1の異性体立体配置における前記異性化可能な有機分子が式(IV−1a)または(V−1a):




の化合物であり、
前記第2のまたは更なる異性体立体配置における前記異性化可能な有機分子が式(IV−1)または(V−1):




の化合物であり、
式中、R1が、水素、(C1〜C20)アルキルもしくは置換アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、(C1〜C20)アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、マレイミド、硫黄、−C(O)−OH、アジドまたはHO−(O)C−(C1〜C3)アルキルから選択される、[13]に記載の方法。
[21]前記固体基材がハウジング中に配置され、および工程(c)の洗浄が、前記ハウジングを通して溶液を洗浄して、前記固体基材複合体と会合していない物質を除去することを更に含む、[13]〜[20]のいずれか一項に記載の方法。
[22]前記目的の分子が、タンパク質、抗体、薬剤、核酸、ポリマー、有機分子、金属イオンまたはペプチドである、[13]〜[21]のいずれか一項に記載の方法。
[23]前記異性体特異的親和性因子が、LAREPTS(配列番号1)、HELVRSP(配列番号2)、WALDRGA(配列番号3)、APSTPTP(配列番号4)、SMPQTAG(配列番号5)、EPLQLKM(配列番号6)、ATPLWLK(配列番号7)、AKIDART(配列番号8)、YNHQRPP(配列番号9)、ALIPKPR(配列番号10)、QLITKPL(配列番号11)、STPIQQP(配列番号12)、TFAKSAY(配列番号13)、STFTKSP(配列番号14)、TPAHNDY(配列番号15)、SLSLIQT(配列番号16)、NQDVPLF(配列番号17)、GPHLGLK(配列番号18)、LAGPQMH(配列番号19)、SQASSLK(配列番号20)、SDLSSPY(配列番号21)、LVTTWPA(配列番号22)、ALYKNTS(配列番号23)、QQISTQM(配列番号24)、AWLPAGA(配列番号25)、GTWLSRG(配列番号26)、GHQVSRL(配列番号27)、GPMLARG(配列番号28)、TASLVRP(配列番号29)、TDSLRLL(配列番号30)、AKPDWRF(配列番号31)、VQTYARV(配列番号32)、YTEPVRE(配列番号33)、MSLQQEH(配列番号34)、MKWQTV(配列番号35)、NERALTL(配列番号36)、SPSTHWK(配列番号37)、WSTTNVP(配列番号38)、YHKLDPL(配列番号39)、LSNNNLR(配列番号40)、LPAGRVL(配列番号41)、STSFWIT(配列番号42)、LGSPMSN(配列番号43)、WELRPRT(配列番号44)、TNIESLK(配列番号45)、LYAEVIR(配列番号46)、NHSTQMY(配列番号47)、NLQIYAV(配列番号48)、YDTSSAS(配列番号49)、MHSNTWD(配列番号50)、TPTTVSY(配列番号51)、TSHSILQ(配列番号52)、TLRVPPNPNMNV(配列番号53)、HVKLVAVADLMN(配列番号54)、YHPNGMNPYTKA(配列番号55)、EYSPKLFPPHRL(配列番号56)、HHLTHANSLTNT(配列番号57)、WHWGLLYPASAN(配列番号58)、KPLMTYKVIHYV(配列番号59)、QPDLSHPSTNAY(配列番号60)、FPTNLATRSAMV(配列番号61)、LAGPQMHGK(配列番号62)、PLRPKSEYPFHY(配列番号63)、SYSPKLFPPHRL(配列番号64)、SDLSSPYG(配列番号65)、SDLSSPYGG(配列番号66)、SDLSSPYGGC(配列番号67)もしくはEYSPKLFPPHRLGK(配列番号68)、またはグリシンがC末端に付加されている配列番号1〜67のいずれか1つ、または1種もしくは複数のアミノ酸がN末端もしくはC末端のいずれかに付加されている配列番号1〜67のいずれか1つから選択されるペプチドアプタマーを含む、[13]〜[22]のいずれか一項に記載の方法。
[24]前記固体基材がビーズ、例えばアガロースビーズである、[13]〜[23]のいずれか一項に記載の方法。
[25]目的の分子を選択的に結合および遊離させるためのクロマトグラフ装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に充填されている被覆固体基材であって、被覆が、第1の異性体立体配置、第2のもしくは更なる異性体立体配置またはこれらの組合せにおける光異性化可能な有機分子である、被覆固体基材と、
前記第1の異性体立体配置における前記光異性化可能な有機分子を第2のまたは更なる異性体立体配置へと変換するのに適した波長の少なくとも1個の光源と
を含み、
前記被覆固体基材が前記少なくとも1個の光源と光接触する、クロマトグラフ装置。
[26]前記被覆固体基材が複数の被覆ビーズである、[25]に記載の装置。
[27]カラム、多孔質膜またはフィルタである、[26]に記載の装置。
[28]前記第1の異性体立体配置における前記光異性化可能な有機分子が式(IV−1a)または(V−1a):




の化合物であり、および
前記第2のまたは更なる異性体立体配置における前記光異性化可能な有機分子が式(IV−1)または(V−1):




の化合物であり、
式中、R1が、水素、(C1〜C20)アルキルもしくは置換アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C10)アリール、(5〜12個の原子の)ヘテロアリール、(C1〜C20)アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、マレイミド、硫黄、−C(O)−OH、アジドまたはHO−(O)C−(C1〜C3)アルキルから選択される、[25]〜[27]のいずれか一項に記載の装置。
[29]目的の分子を選択的に結合させるためのキットであって、
[1]〜[12]のいずれか一項に記載の結合対と、
前記親和性因子を目的の分子に結合させ、かつ前記異性化可能な有機分子に更に選択的に結合させ、および任意選択的にそれから前記親和性因子を遊離させるための説明書と
を含むキット。
[30]前記異性化可能な有機分子が光異性化可能な有機分子である場合に、前記第1の異性体立体配置における前記光異性化可能な有機分子を第2のまたは更なる立体配置へと変換するのに適した広範囲のまたは特定の波長の光源を更に含む、[29]に記載のキット。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ