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課題

本発明は、遍在性タンパク質由来ペプチドおよびかかるペプチドをコードする核酸を提供する。

解決手段

本発明は、例えば、ワクチン自体で用いる抗原として、および敗血症誘導細菌によって引き起こされる感染症の防止、改善、または処置のための治療薬物で用いる抗体の生成におけるこれらのペプチドおよび核酸の種々の使用に及ぶ。本発明は、特に、免疫低下状態の宿主新生児乳児小児生殖可能年齢女性妊婦胎児高齢者、および糖尿病患者など)の利益になる。

概要

背景

発明の背景
敗血症は、新生児罹患率および死亡率の主な原因である。世界保健機関(WHO)によれば、年間およそ100万人の死亡新生児敗血症によって引き起こされる(1〜3)。さらに、30〜50%の生存新生児が、認知機能障害痙攣、または聴覚消失などの長期後遺症を患う(4)。

新生児感染は、出生前子宮内)、分娩中、または出生後に生じ得る。子宮内感染は、母体生殖管から羊水内への共生細菌上行(ascending of commensal bacteria)によって引き起こされる(1)。分娩中に起こる感染は、母体の生殖管由来粘膜コロニー形成した微生物吸入によって引き起こされる。両方の原因において、87%までの感染が、B群レンサ球菌(GBS;Streptococcus agalactiae(S.agalactiae)としても公知)、Escherichia coli(大腸菌)、およびKlebsiella spp.(5〜7)によって引き起こされる。細菌の垂直伝播が出生後に起こる感染の原因でもあり得るにもかかわらず、これらの感染のほとんどが、Staphylococcus spp.、Streptococcus pneumoniae(S.pneumoniae)、またはPseudomonas spp.によって引き起こされる(2、3、7〜12)。

子宮内感染はまた、早産の重要な原因である。実際に、妊娠32週未満の早産50〜80%が上行性細菌感染によって引き起こされる(9、13〜17)。

現行の新生児敗血症に利用可能な処置は、抗生物質投与のみに基づく。しかし、分娩時の抗生物質の予防投与の実施以来GBS感染症は劇的に減少している一方で、使用した抗生物質に対する宿主耐性が増加し、また、妊婦における抗生物質の使用にも疑問の余地があるので、別の予防ストラテジーが非常に必要とされている。しかし、新生児敗血症のために採用された免疫療法は、今までのところ、全く当てにならない。

新生児の免疫系の特有なところは、種々の環境に基づく。重要なことに、出生は母親の子宮によって提供されたほとんど無菌の環境から「不利な」抗原および病原体豊富外界への劇的な通過を意味し、乳児の免疫系はこの外界に耐えるように学習する必要がある。その意味では、乳児の生涯における最初の月(first months)は、新規の抗原に対する過剰応答を調節するための活発免疫寛容状態を特徴とし、そのため、感染リスクが高まり得る。他方では、子宮内での抗原への曝露は制限されており、新生児適応免疫において欠損があることは十分に記載されているので、新生児は感染からの防御を新生児の先天性免疫系に依存しなければならない。実際に、好中球減少症好中球が異常に少数であることを特徴とする顆粒球障害)は、重症敗血症に強く関連する(13、18〜23)。

好中球減少症は、通常、新生児免疫系の未熟さによって説明されるが、本発明者らは、GBS感染に対する新生児の感受性が細菌チャレンジ後、迅速に大量のインターロイキン−10(IL−10)(免疫抑制分子)を産生するという新生児の素因に関連することを以前に記載している(24)。本発明者らの結果は、新生児免疫系の未熟さではなくIL−10産生によって引き起こされるこの初期免疫抑制がGBS感染で認められる好中球減少症の主な理由であることを証明した(24)。さらに、本発明者らは、この初期IL−10産生を担う細菌因子として細胞外グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)を同定した(24、25)。本発明者らは、母性ワクチン中に組換えGAPDH(rGAPDH)を使用し、このワクチンが致死的なGBS感染からの子孫の防御に非常に有効であることを示した(24)。本発明者らは、この防御を、GBS GAPDHの抗体中和またはIL−10のその受容体への結合の遮断のいずれかによって得ることもできることを示した(24)。

Neisseria meningitidis(N.meningitidis)(しばしば、髄膜炎菌と呼ばれる)は、乳児および乳幼児における致命的な敗血症、髄膜炎、および髄膜炎菌性疾患の他の形態の主な原因であるが、新生児期に認められるのは稀である。Neisseria meningitidisは、小児および若年成人における細菌性髄膜炎の主な原因でもある。血清型分布は、世界各国で顕著に異なる。米国では、例えば、血清群Bは、疾患および死亡率の主因であり、血清群C;血清群Aが続くが、アフリカおよびアジアで最も蔓延している。複数のサブタイプが存在することが髄膜炎菌性疾患のためのユニバーサルワクチンの開発の障害となっているが、少数のワクチンは、個別の、ある場合では、2つの血清群に対して利用可能である。

新生児、乳児、乳幼児、および小児と同様に、高齢者などの免疫低下状態の成人も、細菌感染および敗血症に非常に感受性である(26)。肺炎菌血症、および敗血症は、高齢者で非常に頻度が高く、死亡率および罹患率の重要な原因を構成する。これらの感染は、一般に混合しており、嫌気性菌であるS.pneumoniae、Staphylococcus aureus(S.aureus)、およびHaemophilus influenzaeに起因することが多いが、グラム陰性腸内細菌(Klebsiella pneumoniae(K.pneumoniae)および他の腸内細菌科)、Pseudomonas aeroginosa(P.aeruginosa)(長期臥床患者において)、およびGBSも原因となり得る(26)。

したがって、集中治療室で認められる重症敗血症および敗血症性ショックに関連する死亡率は、およそ30%である(27)。重要なことに、免疫低下患者発生率はここ20年間で確実に増加しており(28)、免疫不全は、重症敗血症および敗血症性ショックに起因する死亡率の増加に関連することがますます頻繁に特定されている予後因子である(29)。

また、糖尿病の患者は、Staphylococcus spp.およびGBSによって引き起こされる侵襲的感染に対する感受性が増大している(30、31)。東アジアでは、糖尿病は、K.pneumoniaeによって引き起こされる肝膿瘍の周知のリスク因子である(32)。

したがって、文献中に見出されるデータは、これらの患者群で敗血症に一貫して関連する微生物病原体が少数であることを示す。

概要

本発明は、遍在性タンパク質由来ペプチドおよびかかるペプチドをコードする核酸を提供する。本発明は、例えば、ワクチン自体で用いる抗原として、および敗血症誘導細菌によって引き起こされる感染症の防止、改善、または処置のための治療薬物で用いる抗体の生成におけるこれらのペプチドおよび核酸の種々の使用に及ぶ。本発明は、特に、免疫低下状態の宿主(新生児、乳児、小児、生殖可能年齢女性、妊婦、胎児、高齢者、および糖尿病患者など)の利益になる。なし

目的

本発明の第1の態様によれば、1つまたは複数の敗血症誘導細菌のGAPDH内に見出されるペプチドと少なくとも90%のアミノ酸配列が同一であり、ヒトGAPDH内に見出されるペプチドと10%未満のアミノ酸配列が同一である、単離されたペプチドまたはその機能的フラグメントまたはその機能的バリアントを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

1つまたは複数の敗血症誘導細菌のGAPDH内に見出されるペプチドと少なくとも90%のアミノ酸配列が同一であり、ヒトGAPDH内に見出されるペプチドと10%未満のアミノ酸配列が同一である、単離されたペプチドまたはその機能的フラグメントまたはその機能的バリアント

請求項2

前記ペプチドが、GBS大腸菌、Staphylococcusspp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、N.meningitidis、および/またはPseudomonasspp.のGAPDH内に見出されるペプチドと少なくとも90%のアミノ酸配列が同一である請求項1に記載の単離されたペプチド、そのフラグメント、またはそのバリアント

請求項3

前記ペプチドが、前記敗血症誘導細菌のGAPDH内に見出されるペプチドと少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%のアミノ酸配列が同一である、請求項1または請求項2に記載の単離されたペプチド、そのフラグメント、またはそのバリアント。

請求項4

前記ペプチドが、配列番号9〜69の任意の1つに実質的に記載のアミノ酸配列を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の単離されたペプチド、そのフラグメント、またはそのバリアント。

請求項5

前記ペプチドが、以下:a)150個またはそれ未満のアミノ酸を含むか、100個未満のアミノ酸、50個未満のアミノ酸、30個未満のアミノ酸、または20個未満のアミノ酸を含み;b)少なくとも3個のアミノ酸、少なくとも5個のアミノ酸、少なくとも8個のアミノ酸、または少なくとも10個のアミノ酸を含み;そして/またはc)5〜100アミノ酸長、5〜50アミノ酸長、または10〜20アミノ酸長である、先行する請求項のいずれか1項に記載の単離されたペプチド、そのフラグメント、またはそのバリアント。

請求項6

先行する請求項のいずれか1項に記載のペプチド、そのフラグメント、またはそのバリアントをコードする単離された核酸、またはその機能的フラグメント、またはその機能的バリアント。

請求項7

請求項6に記載の核酸、そのフラグメント、またはそのバリアントを含む遺伝子構築物

請求項8

請求項7に記載の遺伝子構築物を含む組換えベクター

請求項9

請求項7に記載の遺伝子構築物または請求項8に記載の組換えベクターを含む宿主細胞

請求項10

少なくとも1つの請求項9に記載の宿主細胞を含むトランスジェニック宿主生物

請求項11

敗血症誘導細菌の感染防止のためのワクチンの開発における請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、またはバリアントの使用。

請求項12

請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、またはバリアントを含むワクチン。

請求項13

2つまたはそれを超える請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、またはバリアントを含み、少なくとも2つの該ペプチド、フラグメント、および/またはバリアントが共に連結している、請求項12に記載のワクチン。

請求項14

1つまたは複数の配列番号9〜69に実質的に記載のアミノ酸配列を有するペプチドを含む請求項12または請求項13に記載のワクチン。

請求項15

配列番号9〜12に記載のアミノ酸配列を有するペプチドのうちの任意の1つ、2つ、3つ、または4つ全てを含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載のワクチン。

請求項16

好ましくは新生児乳児小児生殖可能年齢女性妊婦胎児糖尿病患者、および/または高齢被験体から選択される免疫低下状態の宿主への投与のために製剤化された請求項12〜15のいずれか1項に記載のワクチン。

請求項17

免疫応答刺激するための請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、もしくはバリアント、または請求項12〜16のいずれか1項に記載のワクチンの使用。

請求項18

前記免疫応答が、1つまたは複数の敗血症誘導細菌種のGAPDHに特異的な抗体の産生を含む、請求項17に記載の使用。

請求項19

前記使用が、以下:a)invitro、invivo、またはexvivoでの使用;および/またはb)モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の産生を刺激するためのinvitroまたはexvivoでの使用である、請求項17または請求項18に記載の使用。

請求項20

治療で用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、またはバリアント。

請求項21

敗血症誘導細菌による感染の防止で用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、もしくはバリアント、または請求項12〜16のいずれか1項に記載のワクチン。

請求項22

敗血症、肺炎髄膜炎心内膜炎腸炎尿路感染症軟部組織感染症消化管感染症、血流感染症、脳炎早産、および死産のうちの任意の1つまたは複数の防止で用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、もしくはバリアント、または請求項12〜16のいずれか1項に記載のワクチン。

請求項23

敗血症誘導細菌による感染を防止する方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、もしくはバリアントまたは請求項12〜16のいずれか1項に記載のワクチンをかかる処置を必要とする被験体に投与することを含む、方法。

請求項24

前記方法が、敗血症、肺炎、髄膜炎、心内膜炎、腸炎、尿路感染症、軟部組織感染症、消化管感染症、血流感染症、脳炎、早産、および死産のうちの任意の1つまたは複数を防止する方法である、請求項23に記載の方法。

請求項25

1つまたは複数の敗血症誘導細菌種のGAPDHに特異的な抗体であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、もしくはバリアントまたは請求項12〜16のいずれか1項に記載のワクチンに対して産生される、抗体。

請求項26

1つまたは複数の敗血症誘導細菌種のGAPDHに見出されるエピトープに特異的な抗体であって、該エピトープが配列番号9〜69の任意の1つに実質的に記載のアミノ酸配列を有する、抗体。

請求項27

前記抗体が、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、もしくはバリアントまたは請求項12〜16のいずれか1項に記載のワクチンに対して産生する、請求項26に記載の抗体。

請求項28

治療で用いる請求項25〜27のいずれか1項に記載の抗体。

請求項29

敗血症誘導細菌による感染の防止、処置、または改善で用いる請求項25〜27のいずれか1項に記載の抗体。

請求項30

敗血症、肺炎、髄膜炎、心内膜炎、腸炎、尿路感染症、軟部組織感染症、消化管感染症、血流感染症、および脳炎のうちの任意の1つもしくは複数の防止、処置もしくは改善で使用するための、ならびに/または早産および/もしくは死産の防止で使用するための、請求項25〜27のいずれか1項に記載の抗体。

請求項31

1つまたは複数の敗血症誘導細菌種のGAPDHに特異的な抗体を産生する方法であって、抗体産生細胞を、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド、フラグメント、もしくはバリアント、または請求項12〜16のいずれか1項に記載のワクチンと接触させるステップを含む、方法。

請求項32

前記方法が、以下:a)invitro法、invivo法、またはexvivo法;b)モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を産生するためのinvitro法またはexvivo法;c)invivoワクチン接種法である、請求項31に記載の方法。

請求項33

敗血症誘導細菌による感染を処置、改善、または防止する方法であって、請求項25〜27のいずれか1項に記載の抗体をかかる処置を必要とする被験体に投与することを含む、方法。

請求項34

前記方法が、敗血症、肺炎、髄膜炎、心内膜炎、腸炎、尿路感染症、軟部組織感染症、消化管感染症、血流感染症、および脳炎のうちの任意の1つまたは複数を処置、改善、または防止する方法であり、そして/または早産および/または死産を防止する方法である、請求項33に記載の方法。

請求項35

前記処置を必要とする被験体が、好ましくは新生児、乳児、小児、生殖可能年齢の女性、妊婦、胎児、糖尿病患者、および/または高齢の被験体から選択される免疫低下状態の宿主である、請求項23または請求項33に記載の方法。

請求項36

請求項25〜27のいずれか1項に記載の抗体および任意選択的に薬学的に許容され得るビヒクルを含む敗血症誘導細菌処置組成物

請求項37

請求項36に記載の組成物を作製するためのプロセスであって、治療有効量の請求項25〜27のいずれか1項に記載の抗体を薬学的に許容され得るビヒクルと組み合わせることを含む、プロセス。

請求項38

前記敗血症誘導細菌が、GBS、大腸菌、Staphylococcusspp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、Pseudomonasspp.、およびN.meningitidisからなる群から選択される、請求項11または請求項18に記載の使用、請求項21に記載のペプチド、フラグメント、またはバリアント、請求項23、請求項31、または請求項33に記載の方法、請求項25、26、または29のいずれか1項に記載の抗体、または請求項36に記載の組成物。

技術分野

0001

発明の分野
本発明は、敗血症誘導細菌によって引き起こされる疾患、障害、および状態、ならびに、特に、制限されないが、敗血症および敗血症関連病態処置および防止に関する。本発明は、新規ペプチドおよびそのコードする核酸、ならびに免疫または受動抗体移入によって敗血症誘導細菌による感染の防止のためのワクチンを作製するためのこれらのペプチドの使用に及ぶ。本発明は、特に、免疫低下状態の宿主新生児乳児小児生殖可能年齢女性妊婦胎児高齢者、および糖尿病患者など)の利益になる。

背景技術

0002

発明の背景
敗血症は、新生児の罹患率および死亡率の主な原因である。世界保健機関(WHO)によれば、年間およそ100万人の死亡新生児敗血症によって引き起こされる(1〜3)。さらに、30〜50%の生存新生児が、認知機能障害痙攣、または聴覚消失などの長期後遺症を患う(4)。

0003

新生児感染は、出生前子宮内)、分娩中、または出生後に生じ得る。子宮内感染は、母体生殖管から羊水内への共生細菌上行(ascending of commensal bacteria)によって引き起こされる(1)。分娩中に起こる感染は、母体の生殖管由来粘膜コロニー形成した微生物吸入によって引き起こされる。両方の原因において、87%までの感染が、B群レンサ球菌(GBS;Streptococcus agalactiae(S.agalactiae)としても公知)、Escherichia coli(大腸菌)、およびKlebsiella spp.(5〜7)によって引き起こされる。細菌の垂直伝播が出生後に起こる感染の原因でもあり得るにもかかわらず、これらの感染のほとんどが、Staphylococcus spp.、Streptococcus pneumoniae(S.pneumoniae)、またはPseudomonas spp.によって引き起こされる(2、3、7〜12)。

0004

子宮内感染はまた、早産の重要な原因である。実際に、妊娠32週未満の早産50〜80%が上行性細菌感染によって引き起こされる(9、13〜17)。

0005

現行の新生児敗血症に利用可能な処置は、抗生物質投与のみに基づく。しかし、分娩時の抗生物質の予防投与の実施以来GBS感染症は劇的に減少している一方で、使用した抗生物質に対する宿主耐性が増加し、また、妊婦における抗生物質の使用にも疑問の余地があるので、別の予防ストラテジーが非常に必要とされている。しかし、新生児敗血症のために採用された免疫療法は、今までのところ、全く当てにならない。

0006

新生児の免疫系の特有なところは、種々の環境に基づく。重要なことに、出生は母親の子宮によって提供されたほとんど無菌の環境から「不利な」抗原および病原体豊富外界への劇的な通過を意味し、乳児の免疫系はこの外界に耐えるように学習する必要がある。その意味では、乳児の生涯における最初の月(first months)は、新規の抗原に対する過剰応答を調節するための活発免疫寛容状態を特徴とし、そのため、感染リスクが高まり得る。他方では、子宮内での抗原への曝露は制限されており、新生児適応免疫において欠損があることは十分に記載されているので、新生児は感染からの防御を新生児の先天性免疫系に依存しなければならない。実際に、好中球減少症好中球が異常に少数であることを特徴とする顆粒球障害)は、重症敗血症に強く関連する(13、18〜23)。

0007

好中球減少症は、通常、新生児免疫系の未熟さによって説明されるが、本発明者らは、GBS感染に対する新生児の感受性が細菌チャレンジ後、迅速に大量のインターロイキン−10(IL−10)(免疫抑制分子)を産生するという新生児の素因に関連することを以前に記載している(24)。本発明者らの結果は、新生児免疫系の未熟さではなくIL−10産生によって引き起こされるこの初期免疫抑制がGBS感染で認められる好中球減少症の主な理由であることを証明した(24)。さらに、本発明者らは、この初期IL−10産生を担う細菌因子として細胞外グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)を同定した(24、25)。本発明者らは、母性ワクチン中に組換えGAPDH(rGAPDH)を使用し、このワクチンが致死的なGBS感染からの子孫の防御に非常に有効であることを示した(24)。本発明者らは、この防御を、GBS GAPDHの抗体中和またはIL−10のその受容体への結合の遮断のいずれかによって得ることもできることを示した(24)。

0008

Neisseria meningitidis(N.meningitidis)(しばしば、髄膜炎菌と呼ばれる)は、乳児および乳幼児における致命的な敗血症、髄膜炎、および髄膜炎菌性疾患の他の形態の主な原因であるが、新生児期に認められるのは稀である。Neisseria meningitidisは、小児および若年成人における細菌性髄膜炎の主な原因でもある。血清型分布は、世界各国で顕著に異なる。米国では、例えば、血清群Bは、疾患および死亡率の主因であり、血清群C;血清群Aが続くが、アフリカおよびアジアで最も蔓延している。複数のサブタイプが存在することが髄膜炎菌性疾患のためのユニバーサルワクチンの開発の障害となっているが、少数のワクチンは、個別の、ある場合では、2つの血清群に対して利用可能である。

0009

新生児、乳児、乳幼児、および小児と同様に、高齢者などの免疫低下状態の成人も、細菌感染および敗血症に非常に感受性である(26)。肺炎菌血症、および敗血症は、高齢者で非常に頻度が高く、死亡率および罹患率の重要な原因を構成する。これらの感染は、一般に混合しており、嫌気性菌であるS.pneumoniae、Staphylococcus aureus(S.aureus)、およびHaemophilus influenzaeに起因することが多いが、グラム陰性腸内細菌(Klebsiella pneumoniae(K.pneumoniae)および他の腸内細菌科)、Pseudomonas aeroginosa(P.aeruginosa)(長期臥床患者において)、およびGBSも原因となり得る(26)。

0010

したがって、集中治療室で認められる重症敗血症および敗血症性ショックに関連する死亡率は、およそ30%である(27)。重要なことに、免疫低下患者発生率はここ20年間で確実に増加しており(28)、免疫不全は、重症敗血症および敗血症性ショックに起因する死亡率の増加に関連することがますます頻繁に特定されている予後因子である(29)。

0011

また、糖尿病の患者は、Staphylococcus spp.およびGBSによって引き起こされる侵襲的感染に対する感受性が増大している(30、31)。東アジアでは、糖尿病は、K.pneumoniaeによって引き起こされる肝膿瘍の周知のリスク因子である(32)。

0012

したがって、文献中に見出されるデータは、これらの患者群で敗血症に一貫して関連する微生物病原体が少数であることを示す。

先行技術

0013

Edmond K, Zaidi A (2010)PLoS Med 7: e1000213.

発明が解決しようとする課題

0014

発明の概要
本発明者らはGAPDHに注目し続けており、この酵素が全ての関連する敗血症誘導細菌の細胞外病原性因子であることをここに明らかにした。本発明者らは、ヒトよりもむしろ細菌のGAPDHに特異的な抗体を誘発することができる新規の一連のGAPDH由来ペプチドをはじめて同定したと考えている。本明細書中に十分に記載および例示するように、これらの新規のペプチドは、特に免疫低下状態の宿主(新生児、乳児、小児、生殖可能年齢の女性、妊婦、胎児、高齢者、および糖尿病患者など)における敗血症誘導細菌によって引き起こされる感染の防止のためのワクチンの生成に非常に有用である。さらに、誘発された抗体を、特にこれらの患者集団における既存感染症の処置のための治療剤として使用することができる。

課題を解決するための手段

0015

それ故、本発明の第1の態様によれば、1つまたは複数の敗血症誘導細菌のGAPDH内に見出されるペプチドと少なくとも90%のアミノ酸配列が同一であり、ヒトGAPDH内に見出されるペプチドと10%未満のアミノ酸配列が同一である、単離されたペプチドまたはその機能的フラグメントまたはその機能的バリアントを提供する。

0016

本発明者らは、自身の以前の研究から、GBSによって引き起こされる敗血症に対する感受性が細菌GAPDHとの接触の際に高レベルのIL−10を産生するという宿主の傾向に強く関連することを理解していた(24)。しかし、このことが他の敗血症誘導細菌に当てはまると見なしたり疑ったりする理由は本発明者らには存在しなかった。実際に、他の敗血症誘導細菌がGAPDHを保有することは公知であったが(この酵素が遍在性であるので)、他の敗血症誘導細菌由来のGAPDHが宿主細胞にIL−10を産生させることは知られても予想されてもいなかった。したがって、GAPDHが全ての関連する敗血症誘導細菌の細胞外病原性因子であるという本発明者らによる発見は、非常に意外なことであった。

0017

さらに、各敗血症誘導細菌属によって引き起こされる感染症から個々に新生児および胎児を効率的に防御するワクチンは今のところ存在しない。さらに、高齢者および糖尿病患者などの免疫低下状態の成人における敗血症と戦うために使用される予防的または治療的なストラテジーは、有効とは程遠い。本明細書中で説明するように、遅発性敗血症の場合、抗生物質はその投与が遅すぎて敗血症に関連する罹患率の防止において無効であるので、抗生物質は問題の一部のみを解決する。さらに、抗生物質は、子宮内感染を防止できない。したがって、第1の態様のペプチド、フラグメント、およびバリアントは、特にこれらの患者集団のための有用且つ切望される種々のワクチンの作製で有意に有用である。

0018

ワクチンは、最も対費用効果の高い感染症処置法であり、同一のワクチンが異なる患者群における異なるヒト病原体によって引き起こされる感染を防止することができる場合はさらにより対費用効果が高くなる。本発明は、敗血症誘導細菌、特に、GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、N.meningitidis、および/またはPseudomonas spp.によって引き起こされる感染症の防止、処置、および改善に関する。

0019

詳細な説明
本明細書中に記載の本発明は、細菌性敗血症に対する感受性が全ての敗血症誘導細菌について細菌GAPDHとの接触の際に高レベルのIL−10を産生するという宿主の傾向に強く関連するという本発明者らの驚くべき発見に基づく。

0020

敗血症に対する感受性は、異なるリスク群で非常に頻度が高い。それにもかかわらず、敗血症に関連する微生物病原体は、異なる感受性宿主群で高度に保存されている。ヒトにおける敗血症に関連する最重要の細菌は、GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、Pseudomonas spp.、およびN.meningitidisであり、本発明者らは、驚くべきことに、これらの細菌の全てがGAPDHを分泌することを見出した。

0021

そのため、敗血症誘導細菌を、好ましくは、GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、およびPseudomonas spp.、およびN.meningitidisからなる細菌の群から選択することができる。ある実施形態では、Staphylococcus spp.はS.aureusである。別の実施形態では、Pseudomonas spp.はPseudomonas aeruginosa(P.aeruginosa)である。別の実施形態では、N.meningitidisはN.meningitidis血清型B(MenB)である。ある実施形態では、敗血症誘導細菌はGBSではない。

0022

GBS、大腸菌、S.aureus、S.pneumoniae、K.pneumoniae、P.aeruginosa、およびMenB(MC58株)由来のGAPDHのアミノ酸配列を、本明細書中で、それぞれ配列番号1〜7とする。

0023

GBS由来のGAPDHのアミノ酸配列(UniProtアクセッション番号Q8E3E8)を、本明細書中で、以下の通り配列番号1とする:−
MVVKVGINGFGRIGRLAFRRIQNVEGVEVTRINDLTDPNMLAHLLKYDTTQGRFDGTVEVKEGGFEVNGQFVKVSAEREPANIDWATDGVEIVLEATGFFASKEKAEQHIHENGAKKVVITAPGGNDVKTVVFNTNHDILDGTETVISGASCTTNCLAPMAKALQDNFGVKQGLMTTIHAYTGDQMILDGPHRGGDLRRARAGAANIVPNSTGAAKAIGLVIPELNGKLDGAAQRVPVPTGSVTELVATLEKDVTVEEVNAAMKAAANDSYGYTEDPIVSSDIVGISYGSLFDATQTKVQTVDGNQLVKVVSWYDNEMSYTSQLVRTLEYFAKIAK
[配列番号1]

0024

大腸菌由来のGAPDHのアミノ酸配列(UniProtアクセッション番号D5D2F1)を、本明細書中で、以下の通り配列番号2とする:−
MSKVGINGFGRIGRLVLRRLLEVKSNIDVVAINDLTSPKILAYLLKHDSNYGPFPWSVDYTEDSLIVNGKSIAVYAEKEAKNIPWKAKGAEIIVECTGFYTSAEKSQAHLDAGAKKVLISAPAGEMKTIVYNVNDDTLDGNDTIVSVASCTTNCLAPMAKALHDSFGIEVGTMTTIHAYTGTQSLVDGPRGKDLRASRAAAENIIPHTTGAAKAIGLVIPELSGKLKGHAQRVPVKTGSVTELVSILGKKVTAEEVNNALKKATNNNESFGYTDEEIVSSDIIGSHFGSVFDATQTEITAVGDLQLVKTVAWYDNEYGFVTQLIRTLEKFAKL
[配列番号2]

0025

S.aureus由来のGAPDHのアミノ酸配列(UniProtアクセッション番号A6QF81)を、本明細書中で、以下の通り配列番号3とする:−
MAVKVAINGFGRIGRLAFRRIQEVEGLEVVAVNDLTDDDMLAHLLKYDTMQGRFTGEVEVVDGGFRVNGKEVKSFSEPDASKLPWKDLNIDVVLECTGFYTDKDKAQAHIEAGAKKVLISAPATGDLKTIVFNTNHQELDGSETVVSGASCTTNSLAPVAKVLNDDFGLVEGLMTTIHAYTGDQNTQDAPHRKGDKRRARAAAENIIPNSTGAAKAIGKVIPEIDGKLDGGAQRVPVATGSLTELTVVLEKQDVTVEQVNEAMKNASNESFGYTEDEIVSSDVVGMTYGSLFDATQTRVMSVGDRQLVKVAAWYDNEMSYTAQLVRTLAYLAELSK
[配列番号3]

0026

S.aureus由来のGAPDHの配列のみを本明細書中に提供したが、Staphylococcus spp.由来の全ての利用可能なGAPDH配列の配列類似性は98%を超える。

0027

S.pneumoniae由来のGAPDHのアミノ酸配列(UniProtアクセッション番号Q97NL1)を、本明細書中で、以下の通り配列番号4とする:−
MVVKVGINGFGRIGRLAFRRIQNVEGVEVTRINDLTDPVMLAHLLKYDTTQGRFDGTVEVKEGGFEVNGKFIKVSAERDPEQIDWATDGVEIVLEATGFFAKKEAAEKHLKGGAKKVVITAPGGNDVKTVVFNTNHDVLDGTETVISGASCTTNCLAPMAKALQDNFGVVEGLMTTIHAYTGDQMILDGPHRGGDLRRARAGAANIVPNSTGAAKAIGLVIPELNGKLDGSAQRVPTPTGSVTELVAVLEKNVTVDEVNAAMKAASNESYGYTEDPIVSSDIVGMSYGSLFDATQTKVLDVDGKQLVKVVSWYDNEMSYTAQLVRTLEYFAKIAK
[配列番号4]

0028

K.pneumoniae由来のGAPDHのアミノ酸配列(UniProtアクセッション番号B5XRG0)を、本明細書中で、以下の通り配列番号5とする:−
MSKLGINGFGRIGRLVLRRLLEVDSSLEVVAINDLTSPKVLAYLLKHDSNYGPFPWSVDFTEDALIVNGKTITVYAEKEAQHIPWQAAGAEVIVECTGFYTSAEKSQAHIQAGARKVLISAPAGEMKTIVYNVNDDTLTPDDTIISVASCTTNCLAPMAKVLQDAFGITVGTMTTIHAYTGTQSLVDGPRGKDLRASRAAAENVIPHTTGAAKAIGLVIPALSGKLKGHAQRVPTKTGSVTELVSVLEKKVTADEVNQAMKQAAEGNESFGYTEEEIVSSDIIGSHFGSIYDATQLEIVEAGGVQLVKTVAWYDNEYGFVTQLIRVLEKFAR
[配列番号5]

0029

P.aeruginosa由来のGAPDHのアミノ酸配列(UniProtアクセッション番号P27726)を、本明細書中で、以下の通り配列番号6とする:−
MTIRLAINGFGRIGRNVLRALYTGHYREQLQVVAINDLGDAAVNAHLFQYDSVHGHFPGEVEHDAESLRVMGDRIAVSAIRNPAELPWKSLGVDIVLECTGLFTSRDKAAAHLQAGAGKVLISAPGKDVEATVVYGVNHEVLRASHRIVSNASCTTNCLAPVAQVLHRELGIEHGLMTTIHAYTNDQNLSDVYHPDLYRARSATQSMIPTKTGAAEAVGLVLPELAGKLTGLAVRVPVINVSLVDLTVQVARDTSVDEVNRLLREASEGSPVLGYNTQPLVSVDFNHDPRSSIFDANHTKVSGRLVKAMAWYDNEWGFSNRMLDSALALAAARD
[配列番号6]

0030

P.aeruginosa由来のGAPDHの配列のみを本明細書中に提供したが、Pseudomonas spp.由来の全ての利用可能なGAPDH配列の配列類似性は98%を超える。

0031

MenB(MC58株)由来のGAPDHのアミノ酸配列(UniProtアクセッション番号Q9JX95)を、本明細書中で、以下の通り配列番号7とする:−
MSIKVAINGFGRIGRLALRQIEKAHDIEVVAVNDLTPAEMLLHLFKYDSTQGRFQGTAELKDDAIVVNGKEIKVFANPNPEELPWGELGVDVILECTGFFTNKTKAEAHIRAGARKVVISAPGGNDVKTVVYGVNQDILDGSETVISAASCTTNCLAPMAAVLQKEFGVVEGLMTTIHAYTGDQNTLDAPHRKGDLRRARAAALNIVPNSTGAAKAIGLVIPELNGKLDGSAQRVPVASGSLTELVSILERPVTKEEINAAMKAAASESYGYNEDQIVSSDVVGIEYGSLFDATQTRVMTVGGKQLVKTVAWYDNEMSYTCQLVRTLEYFAGKI
[配列番号7]

0032

MenB(MC58株)由来のGAPDHの配列のみを本明細書中に提供したが、異なる血清型のN.meningitidis由来の全ての利用可能なGAPDH配列の配列類似性は97.668%である(http://www.uniprot.org/align/A20150610146R8 0D4XR)。

0033

GBSについてのGAPDHタンパク質生化学的特徴付け、酵素活性、および表面局在が記載されている(33)。大腸菌(34〜36)、S.aureus(37〜39)、およびS.pneumoniae(40)由来のGAPDHについての細胞外局在化も記載されている。本発明者らは、本発明者らがP.aeruginosaおよびN.meningitidisのGAPDHが細胞外に存在することを示した最初の著者であると考えている。

0034

GAPDHは、エネルギー代謝に関連する系統発生的に保存されたタンパク質であり、あらゆる細胞型に存在する。微生物GAPDHのヒトGAPDHとの配列同一性はおよそ30〜40%である。ヒトGAPDHのアミノ酸配列(UniProtアクセッション番号P04406)を、本明細書中で、以下の通り配列番号8とする:−
MGKVKVGVNGFGRIGRLVTRAAFNSGKVDIVAINDPFIDLNYMVYMFQYDSTHGKFHGTVKAENGKLVINGNPITIFQERDPSKIKWGDAGAEYVVESTGVFTTMEKAGAHLQGGAKRVIISAPSADAPMFVMGVNHEKYDNSLKIISNASCTTNCLAPLAKVIHDNFGIVEGLMTTVHAITATQKTVDGPSGKLWRDGRGALQNIIPASTGAAKAVGKVIPELNGKLTGMAFRVPTANVSVVDLTCRLEKPAKYDDIKKVVKQASEGPLKGILGYTEHQVVSSDFNSDTHSSTFDAGAGIALNDHFVKLISWYDNEFGYSNRVVDLMAHMASKE
[配列番号8]

0035

驚いたことに、細菌GAPDHは、そのアミノ酸配列を60%まで共有し、本発明者らは、さらに驚いたことに、本明細書中に記載の好ましい敗血症誘導細菌(すなわち、GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、Pseudomonas spp.、およびN.meningitidis)由来のGAPDHが特に高い程度の配列同一性を有することをここに証明した(実施例7を参照のこと)。以下の表1は、本明細書中で配列番号1〜7としたアミノ酸配列(前に示したUniProtアクセッション番号のFASTAフォーマットに従う)の提出後にClustalW2サーバから得た複数のアラインメントおよび配列類似パーセントを提供する。配列アラインメント図1に示す。

0036

したがって、ある好ましい実施形態では、第1の態様のペプチドは、1つまたは複数の敗血症誘導細菌のGAPDH内に見出されるペプチドと少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%のアミノ酸配列が同一である。

0037

したがって、好ましくは、ペプチドは、配列番号1〜7とした1つまたは複数のGAPDH配列内に見出されるペプチドと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはさらに100%のアミノ酸配列が同一である。

0038

例えば、1つの好ましい実施形態では、第1の態様のペプチドは、配列番号1に見出されるペプチド(すなわち、GBS由来のGAPDH)と少なくとも90%のアミノ酸配列が同一であり得る。別の好ましい実施形態では、第1の態様のペプチドは、配列番号2に見出されるペプチド(すなわち、大腸菌由来のGAPDH)と少なくとも95%のアミノ酸配列が同一であり得る。さらに別の好ましい実施形態では、ペプチドは、配列番号4に見出されるペプチド(すなわち、S.pneumoniae由来のGAPDH)と少なくとも98%のアミノ酸配列が同一であり得る。別の好ましい実施形態では、ペプチドは、例えば、配列番号1に見出されるペプチド(すなわち、GBS由来のGAPDH)と少なくとも95%のアミノ酸配列が同一、配列番号4に見出されるペプチド(すなわち、S.pneumoniae由来のGAPDH)と少なくとも98%のアミノ酸配列が同一、および配列番号6に見出されるペプチド(すなわち、Pseudomonas spp.由来のGAPDH)と少なくとも99%のアミノ酸配列が同一などであり得る。本明細書中に記載の可能な配列同一性と可能な敗血症誘導細菌との任意の組み合わせが想定され、本発明の一部を構成することが理解される。

0039

驚いたことに敗血症誘導細菌間でGAPDHが高度に保存されることが発見されたので、本発明者らは、細菌GAPDHに共通するが、ヒトGAPDHに不在のいくつかのペプチド配列を同定した(語句「〜に共通する」は、アラインメントした細菌配列に由来するコンセンサスアミノ酸配列を含み得る)。これらの共通ペプチド配列の4つの好ましい例を、本明細書中で配列番号9〜12とする。配列番号9〜12のアミノ酸配列を有するペプチドを、本明細書中で、それぞれ「ペプチド1〜4」といい、これらを以下および表2に示す。

0040

GAPDH由来のペプチド1のアミノ酸配列(すなわち、共通配列1)を、本明細書中で、以下の通り配列番号9とする:−
RIQEVEGLEVTR
[配列番号9]

0041

GAPDH由来のペプチド2のアミノ酸配列(すなわち、共通配列2)を、本明細書中で、以下の通り配列番号10とする:−
DVTVEENAAM
[配列番号10]

0042

GAPDH由来のペプチド3のアミノ酸配列(すなわち、共通配列3)を、本明細書中で、以下の通り配列番号11とする:−
EVKDGHLIVNGKV
[配列番号11]

0043

GAPDH由来のペプチド4のアミノ酸配列(すなわち、共通配列4)を、本明細書中で、以下の通り配列番号12とする:−
EHDAESLRVMGDR
[配列番号12]

0044

例として、GBS、S.aureus、およびS.pneumoniae由来のGADPHに見出される天然配列からのペプチド1および2の誘導、ならびにこれらと同一の配列がヒトのGAPDH中に存在しないという事実を、図2および3に示す。図2および/または3でも確認されるように、ペプチド3および4は、大腸菌、K.pneumoniae、および/またはP.aeruginosa由来のGADPHに見出される天然配列に由来していた。

0045

したがって、本発明による各ペプチドのアミノ酸配列は、敗血症誘導細菌に見出されるアミノ酸配列と同一であっても異なっていてもよい。しかし、異なる場合、好ましくは、このペプチドは、事実上、敗血症誘導細菌GAPDHについてのコンセンサス配列であるが、ヒトGADPHについてはそうではないアミノ酸配列を有する。

0046

したがって、1つの好ましい実施形態では、第1の態様のペプチドは、配列番号9〜12の任意の1つに実質的に提示されている通りのアミノ酸配列を有する。

0047

異なる敗血症誘導細菌由来のGAPDHは、配列番号9〜12としたコンセンサス配列に加えて、ワクチンとして使用するための本発明によるペプチドを生成するために使用することができるさらなるコンセンサス配列を保有すると予想される。ペプチドは、任意の配列を有することができるが、この配列はヒトのGAPDHと実質的に共有されてはならない。

0048

あるいは、敗血症誘導細菌由来のGAPDHの天然アミノ酸配列を使用して、本発明のペプチドを生成することができる。表3は、少なくとも表示の細菌を標的にするために本発明のワクチンで使用することができる表示の細菌のGAPDHから得た推定ペプチド配列を示す。ペプチドは、各細菌GAPDHのアミノ酸配列のヒトGAPDHとの個別のアラインメント(ClustalW2サーバ、その後の目視検査および選択)後にヒトGAPDHイソ型に類似する共通配列を共有しない細菌GAPDHペプチドとして同定された。これらのペプチドは、細菌の表面ペプチド間で見出すことができ、且つ本発明のワクチンを作製するために使用することができるさらに多くのGAPDHペプチドの例である。天然配列内の任意のペプチド配列を使用することができるが、この配列は、ヒトのGAPDHと実質的に共有してはならない。

0049

それ故、別の好ましい実施形態では、第1の態様のペプチドは、配列番号13〜69の任意の1つに実質的に提示される通りのアミノ酸配列を有する。

0050

適切には、第1の態様のペプチドは、150個またはそれ未満のアミノ酸を含む。例えば、ペプチドは、好ましくは、100個未満のアミノ酸、より好ましくは、50個未満のアミノ酸を含む。さらにより好ましくは、ペプチドは、30個未満のアミノ酸、および最も好ましくは、20個未満のアミノ酸を含む。適切には、本発明のペプチドは、少なくとも3個のアミノ酸を含む。好ましくは、本発明のペプチドは、少なくとも5個のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも8個のアミノ酸、さらにより好ましくは、少なくとも10個のアミノ酸を含む。本発明のペプチドは、上記範囲内の任意の長さのものであり得るが、典型的には、5〜100アミノ酸長、好ましくは、5〜50アミノ酸長、および最も好ましくは、10〜20アミノ酸長である。

0051

適切には、本発明のペプチドは、各細菌GAPDH表面に存在すべきであり、全タンパク質内に保有されるペプチドに類似の三次元構造高次構造)を示すべきである。

0052

本発明のペプチドを、当該分野で公知の任意の手段(組換え手段を介する、が含まれる)によって得ることができる。例えば、GBS由来のrGAPDH(全タンパク質)の産生は、以前に記載されている(41)。所望のペプチドを、類似の様式で産生することができる。GBS以外の細菌におけるGAPDH(全タンパク質またはペプチド)の組換え産生も、本発明の一部と見なす。あるいは、ペプチドを、タンパク質短縮によって得ることができるか、当該分野で周知の技術(固相合成または液相合成など)を使用してde novoで合成することができる。したがって、本発明は、本発明のペプチドをコードする核酸分子(nucleic molecule)にまで及ぶ。

0053

それ故、本発明の第2の態様によれば、第1の態様によるペプチドまたはその機能的フラグメントまたはその機能的バリアントをコードする単離された核酸を提供する。

0054

当該分野の熟練した研究者は、第1の態様によるペプチドまたはその機能的フラグメントまたはその機能的バリアントをコードする適切な核酸配列を容易に同定することができる。それ故、当業者は、当該分野の既存の知識および/または既刊文献(例えば、組換えGAPHの構築および精製に有用な方法を記載している(25)を参照のこと)中に提供された関連技術の詳細に基づいて本発明のこの態様を容易に実行することができる。

0055

1つの実施形態では、単離された核酸は、組換えまたは合成の核酸である。ある実施形態では、単離された核酸は、第1の態様によるペプチドまたはその機能的フラグメントまたはその機能的バリアントをコードするcDNA分子である。ある実施形態では、単離された核酸は、例えば、公知の修飾されたヌクレオチド包含によって化学修飾されている。ある実施形態では、単離された核酸は、異種プロモーター作動可能に連結されている。ある実施形態では、単離された核酸は、基材(substrate)または標識などに結合している。かかる修飾は、当該分野で日常的であり、当業者に公知である。

0056

第3の態様では、第2の態様による核酸を含む遺伝子構築物を提供する。

0057

本発明の遺伝子構築物は、宿主細胞中でのコードされたペプチドの発現に適切であり得る発現カセットの形態であり得る。遺伝子構築物を、ベクター中に組み込むことなく宿主細胞中に導入することができる。例えば、核酸分子であり得る遺伝子構築物を、リポソームまたはウイルス粒子内に組み込むことができる。あるいは、精製された核酸分子(例えば、ヒストンフリーDNAまたはのDNA)を、適切な手段(例えば、直接エンドサイトーシス取り込み)によって宿主細胞内に直接挿入することができる。遺伝子構築物を、トランスフェクション、感染、エレクトロポレーション微量注入細胞融合プロトプラスト融合、または遺伝子銃(ballistic bombardment)によって宿主被験体細胞(例えば、細菌細胞)内に直接導入することができる。あるいは、本発明の遺伝子構築物を、粒子を使用して宿主細胞内に直接導入することができる。あるいは、遺伝子構築物を、適切な宿主細胞中での発現のために組換えベクター内に保有することができる。

0058

それ故、本発明の第4の態様では、第3の態様による遺伝子構築物を含む組換えベクターを提供する。

0059

組換えベクターは、プラスミドコスミド、またはファージであり得る。かかる組換えベクターは、第5の態様の遺伝子構築物での宿主細胞の形質転換およびこの構築物中での発現カセットの複製に有用である。当業者は、本発明の遺伝子構築物を多くの型の発現用バックボーンベクターと組み合わせることができることを理解する。組換えベクターは、種々の他の機能的エレメント遺伝子発現を開始させるのに適切なプロモーターが含まれる)を含むことができる。例えば、組換えベクターを、宿主細胞のサイトゾル中で自律複製するようにデザインすることができる。この場合、組換えベクター中にDNA複製を誘導または制御するエレメントが必要であり得る。あるいは、組換えベクターを、宿主細胞のゲノム内に組み込まれるようにデザインすることができる。標的化組み込み(例えば、相同組換えによる)を好むDNA配列を使用することができる。

0060

組換えベクターはまた、クローニングプロセスにおける選択マーカー(すなわち、トランスフェクトされたか形質転換された細胞を選択することが可能であるための、かつ異種DNAを組み込んだベクターを保有する細胞を選択することが可能であるための)として使用することができる遺伝子をコードするDNAを含み得る。例えば、クロラムフェニコール耐性が予想される。あるいは、選択マーカー遺伝子は、目的の遺伝子を含むベクターと同時に使用される異なるベクター中に存在し得る。ベクターはまた、コード配列の発現の制御に関与するか、発現されたペプチドが宿主細胞の一定の部分をターゲティングするためのDNAを含み得る。

0061

したがって、第5の態様では、第3の態様による遺伝子構築物または第4の態様による組換えベクターを含む宿主細胞を提供する。

0062

宿主細胞は、細菌細胞(例えば、大腸菌)であり得る。あるいは、宿主細胞は、動物細胞(例えば、マウス細胞またはラット細胞)であり得る。宿主細胞がヒト細胞ではないことが好ましい。宿主細胞を、公知の技術を使用して、本発明による遺伝子構築物またはベクターで形質転換することができる。遺伝子構築物を宿主細胞内に導入するための適切な手段は、細胞の型に依存する。

0063

第6の態様では、少なくとも1つの第5の態様による宿主細胞を含むトランスジェニック宿主生物を提供する。

0064

本発明の宿主細胞またはトランスジェニック宿主生物のゲノムは、第1の態様によるペプチド、バリアント、またはフラグメントをコードする核酸配列を含むことができる。宿主生物は、多細胞生物であり得、好ましくは非ヒトである。例えば、宿主生物はマウスまたはラットであり得る。宿主は細菌であり得る。宿主を、敗血症誘導細菌(GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、N.meningitidis、および/またはPseudomonas spp.など)の感染に対して被験体を免疫するためのワクチンの開発のために使用することができる。実際に、異なる敗血症誘導細菌由来のGAPDHのアミノ酸配列の知識を、本明細書中に記載のように、ワクチン開発で利用することができる。

0065

本明細書中に記載のように、本発明者らは、GAPDHが新生児敗血症だけでなく高齢者および糖尿病患者における敗血症にも関連する最も有害な細菌の細胞外病原性因子であることを見出して驚いた。本発明者らは、驚くべきことに、細菌GAPDHが宿主内で感染の非常に早期にIL−10の産生を誘導すること、および、これらの病原体が宿主免疫系からの回避形態としてGAPDH分泌を使用することを明らかにした(実施例5および6を参照のこと)。

0066

本発明者らはまた、驚くべきことに、GAPDHがToll様受容体2(TLR2)との相互作用を通じて免疫細胞に対して作用することを発見した。興味深いことに、本発明者らは、細菌GAPDHがB1リンパ球表面上のTLR2に会合し、これらの細胞によるIL−10産生を誘導することができることを見出した(実施例1および2を参照のこと)。本発明者らは、B1細胞がGAPDH刺激の際のIL−10の主な産生者であることを発見した。

0067

本発明者らは、自身の以前の研究から、TLR2媒介性IL−10産生がGBSによって引き起こされる新生児敗血症の病態生理学で重要な役割を果たすことを認識しているが(42)、この活性がGAPDHによって誘発されることに驚いた。文献(43、44)によれば、TLR2が細菌関連リポタンパク質を認識すると予想された。したがって、本発明者らは、TLR2媒介性IL−10産生がGBSリポタンパク質に関連することを常に仮定していた。それ故、細菌GAPDHもTLR2に結合し、IL−10産生を誘導するシグナル伝達カスケードを担い得るという発見は驚くべきことであった。GAPDHが共有病原性因子であるという上記の驚くべき所見を考慮すれば、この活性をGBS以外の敗血症誘導細菌が共有することは非常に驚くべきことでもあった(実施例3を参照のこと)。

0068

マクロファージのような他の白血球は、B1細胞よりも少ない程度であるが、細菌GAPDH認識の際にIL−10も産生することが見出された。さらに、本発明者らは、驚くべきことに、B1細胞によるGAPDH誘導性(すなわち、TLR2媒介性)IL−10産生が樹状細胞またはマクロファージによって産生されたI型インターフェロンの存在下で有意に増大し、この増大はこれらの細胞による細菌抗原の認識後に起こることを発見した(実施例4を参照のこと)。これは、細菌の構造抗原および分泌産物が協同的に作用して宿主免疫抑制を誘導する、全く新しい病原性機構を示す。

0069

本発明者らは、新生児が細菌GAPDHの存在下で大量のIL−10を産生する傾向が新生児のこれらの感染に対する感受性が増大する理由であることも発見した。このことは、GBSでは公知であったが(24)、他の敗血症誘導細菌では公知でも予想もされていなかった(実施例5を参照のこと)。免疫低下状態の成人(高齢者および糖尿病患者など)も細菌GAPDHの中和によって敗血症から防御され、新生児で認められた同一の機構がこれらの群にも当てはまることを意味する(実施例12および13を参照のこと)。さらに、本発明者らは、細菌GAPDHがヒト臍帯血および成人白血球におけるIL−10の強力な誘導因子でもあることが見出され、マウスで認められた同一の機構がヒト個体に当てはまることが証明された(実施例6を参照のこと)。

0070

本発明者らは、自身の研究において主な敗血症誘導細菌を研究しているので、任意の他の敗血症誘導細菌で同一の結果が認められると仮定している。これを考慮して、本発明者らは、特に免疫低下状態の宿主(新生児、乳児、小児、生殖可能年齢の女性、妊婦、胎児、高齢者、および糖尿病患者など)における敗血症誘導細菌によって引き起こされる感染症を防止するためのGAPDHベースのワクチンを開発した。

0071

したがって、本発明の第7の態様によれば、敗血症誘導細菌の感染防止のためのワクチンの開発における第1の態様によるペプチド、フラグメント、またはバリアントの使用を提供する。

0072

敗血症誘導細菌を、好ましくは、GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、Pseudomonas spp.、およびN.meningitidisからなる細菌群から選択することができる。ある実施形態では、Staphylococcus spp.はS.aureusである。別の実施形態では、Pseudomonas spp.はP.aeruginosaである。別の実施形態では、N.meningitidisはMenBである。ある実施形態では、敗血症誘導細菌はGBSではない。

0073

第8の態様では、第1の態様によるペプチド、フラグメント、またはバリアントを含むワクチンを提供する。

0074

GAPDHがヒトにも存在するタンパク質であるので、全細菌GAPDHタンパク質で構成されたワクチンは、自己免疫性病態惹起し得る。有利なことに、実施例8〜10に例示するように、第1の態様のペプチドをワクチンとして使用する場合、このペプチドにより本明細書中に記載の任意の敗血症誘導細菌由来のGAPDHに対する強い抗体応答を生じると同時に、自己免疫性病態が回避される。実際に、かかるペプチドを使用すると、各細菌GAPDHに対するワクチンの特異性が増大し、各細菌に対して付与される防御が増大すると考えられる。上記のように(表1中の配列比較を参照のこと)、いくつかの場合、異なる細菌由来のGAPDHの間の配列類似度はあまり高くない。それ故、異なるペプチドの使用により、任意の細菌GAPDHに対する特異的免疫応答保証され得る。これは、ワクチンとしての単一のGAPDH(全タンパク質)の使用では不可能である。したがって、驚いたことに、本発明者らは、GAPDH由来ワクチンを、自己免疫性病態を生じること無く、それ必要とする被験体に投与することができる方法を見出した。特に新生児に関して、新生児B1細胞は、新生児における全脾臓細胞のおよそ30%を占める。他方では、成人B1細胞は、全脾臓細胞の1〜5%に相当する(45)。本発明者らは、このことが、新生児の敗血症感受性における細菌GAPDHの役割を強固にしていると考える。

0075

第8の態様のワクチン(または第7の態様で開発されたワクチン)は、本明細書中に記載または想定される任意の異なるペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントを任意の組み合わせおよび任意の数で含むことができる。したがって、好ましい実施形態では、ワクチンは、本明細書中に記載のたった1つのペプチド型(例えば、配列番号9)を含むことができる。別の実施形態では、ワクチンは、任意の2種(例えば、配列番号9および10)、3種(例えば、配列番号9、10、および11)、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、またはそれを超える種類の本明細書中に記載または想定されたペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントなどを含むことができる。異なるペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントの任意の組み合わせを想定し、これらは本発明の一部を形成する。

0076

1つの好ましい実施形態では、ワクチンは、1つまたは複数の表2に示すペプチド(すなわち、配列番号9〜12を有する)またはそのフラグメントもしくはバリアントを含む。ワクチンは、任意の1種のペプチド、任意の2種のペプチド、任意の3種のペプチド、または実際には4種全てのペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントを含むことができる。

0077

別の好ましい実施形態では、ワクチンは、1つまたは複数の表3に示すペプチド(すなわち、配列番号13〜69を有する)またはそのフラグメントもしくはバリアントを含む。それ故、ワクチンは、任意の1種のペプチド、または任意の2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、またはそれを超える種類のペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントを含むことができる。

0078

さらに別の好ましい実施形態では、ワクチンは、1つまたは複数の表2に示すペプチド(すなわち、配列番号9〜12を有する)および1つまたは複数の表3に示すペプチド(すなわち、配列番号13〜69を有する)またはそのフラグメントもしくはバリアントを含む。ワクチンは、任意の1種のペプチド、または任意の2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、またはそれを超える種類のペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントを含むことができる。

0079

最も好ましい実施形態では、ワクチンは、4種全ての表2に示すペプチド(すなわち、配列番号9〜12を有する)またはそのフラグメントもしくはバリアントを含む。純粋に便宜のためであり、制限すると決して解釈すべきでないが、これらの4種のペプチドの組み合わせを含むワクチンを、本明細書中でこれ以降、新生児ワクチン(Neonatal Vaccine)という。その名称が特に新生児について言及しているが、新生児ワクチンは、本明細書中に記載の任意の患者集団において使用する、および本明細書中に記載の任意の疾患、障害、または状態に対して使用することを意図する。これに関して、早産および死産は、細菌感染によって誘導された炎症応答の悪化が原因となり得る。細菌誘導性の早産および死産の場合、最も一般的な因子は、GBS、大腸菌、およびK.pneumoniae(すなわち、本明細書中に記載の敗血症誘導細菌)である。

0080

本明細書中に記載のワクチンでは、ペプチド、そのフラグメントもしくはバリアントを、共に連結して、より大きなペプチド(または小タンパク質)を形成することができる。1つの実施形態では、2つまたはそれを超えるペプチド(またはフラグメントもしくはバリアント)を共に連結する。別の実施形態では、同一ペプチド(またはフラグメントもしくはバリアント)の2つまたはそれを超えるコピーを共に連結する。連結は、直接的(すなわち、連結されるペプチド、フラグメント、またはバリアントの間にアミノ酸を持たない)または間接的(すなわち、連結されるペプチド、フラグメント、またはバリアントの間に1つまたは複数のアミノ酸を有し、それにより、「スペーサー」としての役割を果たす)であり得る。1つまたは複数の記載のペプチド(またはフラグメントもしくはバリアント)のパターンを反復させて、より大きなペプチド/小タンパク質を形成することができる。反復は、いわゆる縦列反復で相互に直接隣接し得るか、1つまたは複数のアミノ酸によってその都度間隔を開けることができる。あるいは、連結したペプチド、フラグメント、またはバリアントは、無作為順序出現し得る。上記配置の任意および全ての組み合わせも想定され、本発明の一部を形成する。例えば、より大きなペプチドを、同一のペプチド、フラグメント、またはバリアントの2つまたはそれを超えるコピーおよび2つまたはそれを超える異なるペプチド、フラグメント、またはバリアントを共に、あるパターン、ある無作為な順序、または両者の組み合わせで連結することによって形成することができる。

0081

したがって、ある好ましい実施形態では、ワクチンは、本明細書中に記載のペプチド、フラグメント、またはバリアントを、たった1種の型(例えば、配列番号9)であるが、この型の2つまたはそれを超える連結したコピーで含むことができる。別の実施形態では、ワクチンは、任意の2種(例えば、配列番号9および10)、3種(例えば、配列番号9、10、および11)、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、またはそれを超える種類の記載のペプチド、フラグメント、またはバリアントの連結したコピーを、直前に記載の任意の配置で含むことができる。

0082

1つの好ましい実施形態では、ワクチンは、表2に示すペプチド(すなわち、配列番号9〜12を有する)またはそのフラグメントもしくはバリアントの1つまたは複数の連結されたコピーを含む。ワクチンは、任意の1種のペプチド、任意の2種のペプチド、任意の3種のペプチド、または実際には4種全てのペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントを、本明細書中に記載の任意の連結配置で含むことができる。

0083

別の好ましい実施形態では、ワクチンは、表3に示すペプチド(すなわち、配列番号13〜69を有する)またはそのフラグメントもしくはバリアントの1つまたは複数の連結されたコピーを含む。それ故、ワクチンは、任意の1種のペプチド、または任意の2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、またはそれを超える種類のペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントを、本明細書中に記載の任意の連結配置で含むことができる。

0084

さらに別の好ましい実施形態では、ワクチンは、1つまたは複数の表2に示すペプチド(すなわち、配列番号9〜12を有する)および1つまたは複数の表3に示すペプチド(すなわち、配列番号13〜69を有する)またはそのフラグメントもしくはバリアントを、本明細書中に記載の任意の連結配置で含む。ワクチンは、任意の1種のペプチド、または任意の2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、またはそれを超える種類のペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントを、本明細書中に記載の任意の連結配置で含むことができる。

0085

最も好ましい実施形態では、ワクチンは、新生児ワクチン(すなわち、4種全ての表2に示すペプチド(すなわち、配列番号9〜12を有する)またはそのフラグメントもしくはバリアントを、本明細書中に記載の任意の連結配置で含む)である。

0086

したがって、第8の態様のワクチン(または第7の態様で開発されたワクチン)は、少なくとも2つのペプチド、フラグメント、および/またはバリアントが共に連結している、任意の2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、またはそれを超える種類の第1の態様のペプチド、フラグメント、またはバリアントを含むことができる。任意の2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、またはそれを超える種類のペプチド、フラグメント、またはバリアントを、この点において共に連結することができる。

0087

本発明者らは、敗血症誘導細菌のGAPDH由来のペプチドおよびこれらのペプチドを含むワクチンが防御抗体応答を誘発することができることが認められたことに驚かされた。特に、このペプチドに対して産生された抗体は、敗血症誘導細菌のGAPDHを特異的に認識して中和することができる。

0088

したがって、第9の態様では、免疫応答を刺激するための第1の態様によるペプチド、フラグメント、もしくはバリアント、または第8の態様によるワクチンの使用を提供する。

0089

好ましくは、免疫応答は、1つまたは複数の敗血症誘導細菌種のGAPDHに特異的な抗体の産生を含む。敗血症誘導細菌は、GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、N.meningitidis、および/またはPseudomonas spp.であり得る。ある実施形態では、Staphylococcus spp.はS.aureusである。別の実施形態では、Pseudomonas spp.はP.aeruginosaである。別の実施形態では、N.meningitidisはMenBである。したがって、抗体が特異性を有するGAPDHは、配列番号1〜7に提供したアミノ酸配列を有するGAPDHであり得る。ある実施形態では、敗血症誘導細菌はGBSではない。

0090

GAPDHが遍在性タンパク質であり、本明細書中に証明されるように、敗血症誘導細菌の間で保存されているので、本発明のペプチド、フラグメント、およびバリアントは、敗血症誘導細菌の全ての異なる血清型に対する防御を誘導することができ、これは有利である。

0091

以前に、9つのGBS血清型に対する複合糖質ワクチンが動物において免疫原性であることが示されたが、異なるエピトープ特異的莢膜血清型が存在することが、世界的なGBSワクチンの開発を妨げた(46、47)。対照的に、GAPDHは、8種全ての公開されたGBSゲノム中に構造的に保存されている(99.8%超が同一)。したがって、本発明者らが以前に記載していたように、GAPDH免疫したマウスまたはウサギ血清から精製した抗GAPDH免疫グロブリンGIgG)抗体を使用して、10種の無関係のGBS臨床分離株培養上清中に存在するGAPDHが異なる血清型および/またはMLS型に属することが証明されている(24)。しかし、GBS GAPDHがウサギ、マウス、およびヒトのGAPDHとそれぞれたった44.7%、45.8%、および44.0%のアミノ酸同一性しか示さないので、以前に記載した「GBSワクチン」は、哺乳動物への投与の際にいかなる自己免疫も誘導しない(24)。GAPDHが全ての敗血症誘導細菌の間で保存されているという本発明者らの本発見を考慮すると、本明細書中に記載のペプチド、フラグメント、およびバリアントにも同じことが言える。

0092

ペプチド、フラグメント、またはバリアントの使用は、in vitro、in vivo、またはex vivoでの使用であってよい。

0093

好ましくは、ペプチド、そのフラグメントもしくはバリアントの使用は、抗体産生のためのin vitroまたはex vivoでの使用である。特に好ましい実施形態では、in vitroまたはex vivoでの使用は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体産生のためである。

0094

かかる使用は、1つまたは複数の敗血症誘導細菌種のGAPDHに特異的な抗体を産生することができるようなin vitroまたはex vivoでの第1の態様のペプチド、フラグメント、またはバリアントの抗体産生細胞との相互作用を含み得る。適切な抗体産生細胞、および抗体を産生するためにこの細胞を本発明のペプチド、フラグメント、またはバリアントと接触させる技術は、当該分野で記載されており、当業者に公知である。例えば、免疫ヒトおよび/または非ヒト免疫動物血液産物を使用して、抗体を生成することができる。あるいは、第1の態様のペプチド、フラグメント、またはバリアントを使用して、細菌GAPDHの異なるエピトープに特異的なハイブリドーマを産生することができる。当該分野で利用可能な標準的な技術を使用して、ハイブリドーマを産生することができる。

0095

別の好ましい実施形態では、ペプチド、そのフラグメントもしくはバリアントの使用は、in vivoでの(すなわち、被験体における免疫応答を刺激するための)使用である。

0096

ペプチド、フラグメント、またはバリアントを、そのまま(すなわち、1つまたは複数の敗血症誘導細菌のGAPDH内に見出されるペプチドと少なくとも90%のアミノ酸配列が同一であり、ヒトGAPDH内に見出されるペプチドと10%未満のアミノ酸配列が同一であるたった1つまたは複数の単離されたペプチドまたはその機能的フラグメントまたはその機能的バリアントを)ワクチン接種すべき被験体に直接投与することができる。

0097

ペプチド、フラグメント、またはバリアントを、任意の手段(注射によるまたは粘膜に、を含む)によって投与することができる。好ましくは、ペプチド、フラグメント、またはバリアントを、筋肉内、皮下、静脈内、または皮内に(intra-dermically)投与する。ワクチン接種すべき被験体への本発明のペプチド、フラグメント、またはバリアントの投与によってペプチド、フラグメント、またはバリアントに対して免疫特異性(immunospecificity)を示す対応する抗体が産生されること、およびこれらの抗体が敗血症誘導細菌による既存の感染の改善または処置およびその後の感染の防止に役立つことが理解される。

0098

したがって、好ましい実施形態では、ペプチド、そのフラグメントもしくはバリアントは、敗血症誘導細菌(GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、N.meningitidis、および/またはPseudomonas spp.など)のGAPDHに特異的な抗体の産生を刺激するためのものである。

0099

当業者は、本明細書中に記載の抗原ペプチド、フラグメント、およびバリアント(配列番号9〜69に示すペプチドならびにそのフラグメントおよびバリアントなど)に基づいてワクチンを作製することができる方法が多様に存在することを理解する。例えば、異種抗原(すなわち、ペプチド、そのフラグメントもしくはバリアント)を、宿主ベクター(例えば、大腸菌などの細菌またはアデノウイルスなどのウイルス)中での発現を容易にするプロモーターまたは遺伝子に融合した遺伝子操作されたワクチンを構築することができる。

0100

ワクチンは、アジュバントとして作用することができる賦形剤を含むことができる。したがって、ある実施形態では、ワクチン中の抗原ペプチド、フラグメント、またはバリアントを、微粒子アジュバント(例えば、リポソーム)または免疫刺激複合体ISCOM)と組み合わせることができる。ペプチド、フラグメント、またはバリアントを、アジュバント(コレラ毒素など)またはスクアレン様分子と組み合わせることができる。例えば、水酸化アルミニウムミョウバン)、破傷風トキソイド、またはジフテリア毒素などの任意のアジュバントを使用することができる。ビヒクル(水、リン酸緩衝生理食塩水PBS)、ポリオール、またはデキストロース溶液が含まれ得るが、これらに限定されない)を、アジュバントのために適切に使用することができる。

0101

有効サイズのペプチド、フラグメント、またはバリアントを増加させるために、ペプチド、そのフラグメントもしくはバリアントを、キャリアタンパク質と併せて適切に使用することもできる。この様式では、免疫系は、ペプチドまたはそのフラグメントもしくはバリアントを認識するだけでなく、記憶もする。ペプチド、そのフラグメントもしくはバリアントは、任意のキャリアタンパク質(例えば、キーホールリンペット由来のヘモシアニン(KLH)など)と会合することができる。

0102

したがって、本発明のワクチンは、アジュバントおよび/またはキャリアタンパク質と共に、1つまたは複数の本明細書中に記載のペプチド、または1つまたは複数のそのフラグメントもしくはバリアントを適切に含む。任意の記載のペプチドを、単独または任意の他の記載のペプチドと組み合わせて使用することができる。本明細書中に記載のように、新生児ワクチンは、4種全ての表2に示すペプチド(すなわち、配列番号9〜12を有する)またはそのフラグメントもしくはバリアントを含む。しかし、記載のペプチドの任意の組み合わせを代わりに使用することができる。アジュバントは、ヒトへの使用が許可されている任意のアジュバント(ミョウバン、破傷風トキソイド(TT)、またはジフテリア毒素(DT)など)であり得る。キャリアタンパク質(複数可)は、KLH、ウシ血清アルブミン(BSA)、オボアルブミン(OVA)、TT、および/またはDTであり得る。ヒトへの使用に適切な任意の他のキャリアタンパク質を、ワクチンにおいて同様にまたは代わりに使用することができる。

0103

実施例7は、ワクチンを調製することができる1つの方法を記載している。最初に、1つまたは複数の第1の態様によるペプチド、そのフラグメントもしくはバリアントを抗原として選択することができ、この抗原に対してその後にワクチン接種された被験体が対応する抗体を産生する。次いで、指定のペプチド、フラグメント、またはバリアントをコードする指定の遺伝子または核酸分子の配列を、当該分野で公知の技術を使用して適切なベクターにクローニングして本発明の第3の態様の遺伝子構築物を形成することができる。

0104

指定の抗原をコードするDNA配列を、公知のタンパク質をコードする宿主細菌細胞由来の任意の公知の標的遺伝子に挿入することができる。抗原をコードするDNA配列を、マルチクローニング部位に挿入することができる。宿主生物の成長および機能が障害されない(すなわち、挿入が機能的に不必要である(redundant))限り、任意の遺伝子内への挿入が許容されることが理解される。

0105

したがって、作製された遺伝子構築物を使用して、二重交差組換えによって栄養母細胞(vegetative mothercell)を形質転換することができる。あるいは、遺伝子構築物は、一重交差組換え(single cross−over)によって栄養母細胞を形質転換するために使用することができる組み込みベクターであり得る。

0106

構築物は、宿主細胞中で選択性(例えば、クロラムフェニコール耐性)である薬物耐性遺伝子を含むことができる。プラスミドクローンの確認後、次いで、プラスミドを、適切な手段によって宿主細胞内に導入することができる。形質転換は、DNA媒介形質転換またはエレクトロポレーションによる形質転換であり得る。プラスミドを、薬物耐性を試験することによって選択し、その時点でゲノムに導入することができる。

0107

ハイブリッドまたはキメラ遺伝子の発現を、導入した抗原(すなわち、細菌GAPDH由来のペプチド、フラグメント、またはバリアント)を認識する抗体を用いるウェスタンブロッティングを使用して、サイズ分画を行ったタンパク質を調査ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動;SDS−PAGE)して確認することができる。宿主遺伝子に融合した抗原性の遺伝子または核酸が正確に発現する場合、抗体によってのみ認識され、宿主中に通常は見出されない新規のバンドが出現する。使用することができる他の技術は、宿主表面上の抗原の表面発現を示すことができる免疫蛍光顕微鏡法および蛍光標示細胞分取(FACS分析である。

0108

得られたワクチンを、任意の経路(筋肉内経路、皮下経路、皮内経路、経口経路吸入経路鼻腔内経路、直腸経路、および静脈内経路が含まれる)によって被験体に投与することができる。経口投与は、錠剤カプセル、または液体の懸濁液もしくは乳濁液を介することが適切であり得る。あるいは、ワクチンを、細末またはエアロゾルの形態でDischaler(登録商標)またはTurbohaler(登録商標)を介して投与することができる。鼻腔内投与は、適切には、細末もしくはエアロゾルの鼻内噴霧または修正されたDischaler(登録商標)もしくはTurbohaler(登録商標)の形態であり得る。直腸投与は、坐剤を介することが適切であり得る。

0109

本発明のワクチンを、それを必要とする任意の被験体、特に、免疫低下状態の宿主(新生児、乳児、小児、生殖可能年齢の女性、妊婦、胎児、高齢の被験体、または糖尿病患者など)への投与のために製剤化する。ワクチンは、既に感染の兆候を示す者または免疫低下状態であるか敗血症誘導細菌による感染リスクがより高いと見なされる者のみに投与する必要があるわけではない。むしろ、ワクチンを、将来的なかかる感染の可能性に対する純粋な予防手段として見かけ上健康な被験体に投与することができる。例えば、ワクチンを、免疫低下状態の宿主(新生児、乳児、小児、生殖可能年齢の女性、妊婦、胎児、高齢者、および糖尿病患者など)に対する一般的なワクチン接種プログラムの一部として投与することができる。

0110

本明細書中で使用する場合、「免疫低下状態」は、新生児、乳児、小児、生殖可能年齢の女性、妊婦、胎児、高齢者、および糖尿病患者によって例示される免疫系に欠陥があることを意味する。

0111

本発明のワクチンを、任意の年齢の表示の被験体への投与のために製剤化することができる。任意の年齢の小児(新生児、乳児、幼児、および学童期の小児が含まれる)へ投与することを意図する。母体および胎児の両方を感染から防御するために本ワクチンを妊婦および生殖可能年齢の女性に投与することを意図する。その高齢期の任意の時期の高齢の被験体およびその生涯における任意の時点の糖尿病患者に本ワクチンを投与することも意図する。

0112

用語「新生児(neonate)」および「新産児(newborn)」は、本明細書中で使用する場合、出生時からおよそ1ヶ月齢までの子供をいうことができる。本用語は、未熟児過熟児、および正期産児に適用する。出生前は、用語「胎児」を使用する。

0113

用語「乳児」および「乳幼児(infant)」は、本明細書中で使用する場合、およそ1ヶ月齢とおよそ1または2歳との間の若年小児をいうことができる(すなわち、小児が歩行および会話を学ぶ年齢、用語「幼児」をそのかわりに使用することができる)。

0114

用語「小児」は、本明細書中で使用する場合、若年小児をいい、幼児からおよそ12歳(すなわち、プレティーン)までの小児を対象とする。

0115

用語「高齢者」は、本明細書中で使用する場合、高齢の被験体をいう。例えば、高齢者は、60歳もしくは60歳超、65歳もしくは65歳超、70歳もしくは70歳超、75歳もしくは75歳超、または80歳もしくは80歳超の男性または女性をいうことができる。寿命後期の対応する年齢の非ヒト被験体も、この用語に含まれる。

0116

用語「糖尿病患者」は、本明細書中で使用する場合、任意の病期1型糖尿病(若年性糖尿病またはインスリン依存性糖尿病としても公知)を罹患した者をいう。これは、患者を免疫低下状態にする免疫系病態に関連する唯一の糖尿病型である。

0117

本発明のワクチンを、他の既存のワクチン(例えば、免疫低下状態の宿主(乳児、小児、生殖可能年齢の女性、妊婦、高齢者、および糖尿病患者など)に推奨されるワクチン)(例えば、破傷風ワクチンおよびジフテリアワクチンなど)と同時に投与することができる。

0118

本発明のワクチンを、特に、筋肉内経路、皮下経路、皮内経路、経口経路、鼻腔内経路、または静脈内経路によって生殖可能年齢の女性に投与することができる。妊娠期間第三期にこのワクチンの追加免疫の実施を意図する。ワクチンは、敗血症誘導細菌(GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、Pseudomonas spp.、およびN.meningitidisが含まれる)によって引き起こされる周産期感染から生殖可能年齢の女性を防御することを意図する。胎内の乳幼児(胎児)は、母親の抗体が胎盤を通じて特に第三期の成長中の子に到達したときに獲得される受動免疫から恩恵を受ける。実施例に例示のように、本発明のワクチンはまた、生殖管から羊水内への細菌(GBS、大腸菌、およびKlebsiella spp.など)の上行性子宮内感染によって引き起こされる早産および死産を防止することができる。

0119

ワクチン接種すべき生物に応じた適切な投与計画を使用することができる。例えば、ワクチン接種すべきヒト被験体のために、通常は錠剤またはカプセルとして10mg/kgの用量を3回、2ヶ月間隔で使用することができる。血清(IgG)応答の分析のために採血することができる。唾液液、または糞便を、粘膜(分泌型IgA)応答の分析のために採取することができる。ワクチン接種の有効性を測定するために、間接的酵素結合免疫吸着アッセイELISA)を使用して、血清サンプルおよび粘膜サンプルにおける抗体応答を分析することができる。

0120

実施例に記載のように、本発明者らは、本発明のペプチドが敗血症誘導細菌に対する防御抗体応答を誘導することができることを示した。本発明者らは、実施例中で、本発明のワクチンが敗血症誘導細菌による感染を防止することができることを証明した。好ましくは、ワクチンは、GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、N.meningitidis、および/またはPseudomonas spp.の感染の防止を目的とする。ワクチン開発において、上記のように、任意のまたは全ての配列番号9〜69またはそのフラグメントもしくはバリアントをワクチン接種すべき被験体において免疫応答を誘発するための抗原として使用することができることが好ましい。ワクチンは予防用である。換言すると、本明細書中に記載のペプチド、フラグメント、またはバリアントを使用して、感染の防止(以前の感染の再発/再コロニー形成の防止が含まれる)が可能である。

0121

したがって、第10の態様では、治療に使用するための第1の態様のペプチド、フラグメント、またはバリアントを提供する。

0122

第11の態様では、本発明は、敗血症誘導細菌による感染の防止で用いるための第1の態様のペプチド、フラグメント、もしくはバリアントまたは第8の態様によるワクチンを提供する。

0123

さらに、本発明の第12の態様によれば、敗血症誘導細菌による感染を防止する方法であって、第1の態様によるペプチド、フラグメント、もしくはバリアント、または第8の態様によるワクチンをかかる処置を必要とする被験体に投与することを含む方法を提供する。

0124

本発明のペプチド、フラグメント、バリアント、またはワクチンは、敗血症の最も一般的な原因である少なくとも7種の異なる病原体、好ましくは、GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、Pseudomonas spp.、およびN.meningitidisのうちの1つまたは複数によって引き起こされる全身性感染を防止することができる。ある実施形態では、Staphylococcus spp.はS.aureusである。別の実施形態では、Pseudomonas spp.はP.aeruginosaである。別の実施形態では、N.meningitidisはMenBである。ある実施形態では、敗血症誘導細菌はGBSではない。したがって、本発明のペプチド、フラグメント、バリアント、またはワクチンは、敗血症誘導細菌の感染によって引き起こされる敗血症または任意の他の疾患、障害、もしくは状態を防止することができる。これらの他の疾患、障害、または状態には、肺炎、髄膜炎、心内膜炎腸炎尿路感染症軟部組織感染症、消化管感染症、血流感染症、および脳炎が含まれる。

0125

ある好ましい実施形態では、本発明のペプチド、フラグメント、バリアント、またはワクチンを、早産および/または死産を防止するために使用する。本明細書中で説明するように、早産および死産は、生殖管から羊水内への細菌(GBS、大腸菌およびKlebsiella spp.など)の上行性に起因する子宮内感染によって引き起こされる。本発明のペプチド、フラグメント、バリアント、またはワクチンを用いた妊婦へのワクチン接種により、かかる抗原に対して産生した抗体による受動免疫が胎内の子孫に提供される。したがって、胎児および新生児を、母体ワクチン接種によって感染から防御することができる。

0126

本発明者らは、GAPDHが全ての敗血症誘導細菌から分泌されること、特に、これらの分泌されたGAPDHの配列が類似するという知識を敗血症誘導細菌による感染症を処置する、防止する、または改善するために有用な治療薬物の調製で利用することもできることを認識している。例えば、分泌されたGADPHの標的ヒト細胞または標的動物細胞との結合を遮断する任意の薬剤を、この標的細胞における感染を防止する、処置する、または改善するための医薬として使用することができる。

0127

分泌されたGADPHのヒト細胞または動物細胞との結合を遮断することができる薬剤は、抗体であり得る。例えば、本明細書中に記載の任意のペプチド、フラグメント、またはバリアント(配列番号9〜69に記載のアミノ酸配列を有するものが含まれる)に対して特異性を示す抗体は、分泌されたGAPDHのヒト細胞または動物細胞への結合を遮断することができる。例えば、ワクチンを粘膜に投与する場合、ワクチンは粘膜表面に分泌型IgAを生成し、この抗体(sIgA)がGAPDHの宿主細胞上皮への結合を遮断する。ワクチンを全身投与する場合、ワクチンはIgGの産生を誘導し、このIgGが細菌GAPDHのB1細胞表面上のTLR2への結合を遮断し、これらの細胞による初期IL−10産生を防止する。

0128

したがって、本発明の第13の態様によれば、1つまたは複数の敗血症誘導細菌種のGAPDHに特異的な抗体であって、第1の態様のペプチド、フラグメント、またはバリアントに対して産生される、抗体を提供する。

0129

用語「〜に特異的な」は、抗体に関連して本明細書中で使用する場合、抗体の可変領域がその標的(例えば、ペプチドまたはポリペプチド)を排他的に認識して結合する(すなわち、ペプチドまたはポリペプチドのファミリー中で見出される配列の同一性相同性、または類似性にもかかわらず、標的ペプチドまたは標的ポリペプチドを他の類似のペプチドまたはポリペプチドと区別することができる)ことを意味し得る。

0130

上記のように、本発明の第1の態様のペプチド、フラグメント、またはバリアントのアミノ酸配列は、天然の細菌GAPDH配列内に見出される配列であり得る。したがって、かかる配列は、細菌GAPDH上の標的エピトープを示し得、この配列を、分泌されたGAPDHのヒト細胞または動物細胞への結合の遮断で利用することができる。

0131

したがって、第14の態様では、1つまたは複数の敗血症誘導細菌種のGAPDH中に見出されるエピトープに特異的な抗体であって、該エピトープが配列番号9〜69のいずれか1つに実質的に記載のアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。

0132

第13の態様および第14の態様の抗体は、1つまたは複数の敗血症誘導細菌種によって分泌されたGAPDHのヒト細胞または動物細胞への結合を遮断することができる。上記のように、細胞は、上皮細胞またはB1細胞であり得る。マクロファージなどの他の白血球も想定される。例えば、抗体は、sIgAであり得、GAPDHのヒトまたは動物の上皮細胞への結合を遮断することができる。あるいは、抗体はIgGであり得、ヒトまたは動物の白血球(B1細胞またはマクロファージなど)の表面上のTLR2へのGAPDHの結合を遮断することができる。結果的に、かかる抗体は、ヒト細胞または動物細胞中でのGAPDH誘導性IL−10産生の遮断または中和に適切である。モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の両方が本発明に含まれる。

0133

本発明の第15の態様によれば、1つまたは複数の敗血症誘導細菌種のGAPDHに特異的な抗体を産生する方法であって、抗体産生細胞を第1の態様のペプチド、フラグメント、またはバリアント、または第8の態様によるワクチンと接触させるステップを含む方法を提供する。

0134

好ましくは、上記の本発明の態様で言及された敗血症誘導細菌は、GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、N.meningitidis、および/またはPseudomonas spp.である。1つの実施形態では、Staphylococcus spp.はS.aureusである。別の実施形態では、Pseudomonas spp.はP.aeruginosaである。別の実施形態では、N.meningitidisはMenBである。したがって、抗体が特異性を有するか、抗体が結合するGAPDHは、配列番号1〜7としたアミノ酸配列を有するGAPDHであり得る。ある実施形態では、敗血症誘導細菌はGBSではない。

0135

本発明の方法は、in vitro、in vivo、またはex vivo法であり得る。

0136

適切なin vitro法およびex vivo法は、本発明の第9に記載の方法(すなわち、1つまたは複数の敗血症誘導細菌種のGAPDHに特異的な(モノクローナルまたはポリクローナル)抗体を産生する方法)である。

0137

適切なin vivo法は、本発明の第9の態様中に記載の方法(すなわち、ワクチン接種方法)である。

0138

第16の態様では、敗血症誘導細菌による感染を処置、改善、または防止する方法であって、第13の態様もしくは第14の態様による抗体または第8の態様によるワクチンを、かかる処置を必要とする被験体に投与することを含む方法を提供する。

0139

好ましくは、抗体は、GBS、大腸菌、Staphylococcus spp.、S.pneumoniae、K.pneumoniae、N.meningitidis、および/またはPseudomonas spp.の感染を処置、改善、または防止することができる。ある実施形態では、Staphylococcus spp.はS.aureusである。別の実施形態では、Pseudomonas spp.はP.aeruginosaである。別の実施形態では、N.meningitidisはMenBである。したがって、抗体が特異性を有するGAPDHは、好ましくは、配列番号1〜7として提供したアミノ酸配列を有するGAPDHである。ある実施形態では、敗血症誘導細菌はGBSではない。

0140

したがって、本発明の抗体は、敗血症誘導細菌の感染によって引き起こされる敗血症または任意の他の疾患、障害、もしくは状態を防止、処置、または改善することができる。これらの他の疾患、障害、または状態には、肺炎、髄膜炎、心内膜炎、腸炎、尿路感染症、軟部組織感染症、消化管感染症、血流感染症、および脳炎が含まれる。したがって、敗血症誘導細菌による感染症の治療、特に、防止、処置、または改善(上記疾患、障害、および状態の防止、処置、または改善が含まれる)で用いる本発明の第13の態様および第14の態様の抗体も提供する。

0141

好ましくは、抗体は、本発明の第1の態様に定義のペプチド、フラグメント、もしくはバリアントに対して、または本発明の第8の態様に定義のワクチンに対して産生される。

0142

本発明の第12の態様と関連して上記で考察するように、本発明のペプチド、フラグメント、バリアント、またはワクチンに対して産生した抗体は、母体の胎盤を通じてか、授乳の間の母乳から胎内の乳児に移動することができる。胎内の子孫に提供されたかかる受動免疫は、敗血症誘導細菌による感染を防御し、早産および/または死産を防止することができる。したがって、ある好ましい実施形態では、第16の態様の方法は、胎内の乳児の感染を防止する方法、したがって、早産および/または死産を防止する方法である。この実施形態では、抗体を、分娩時の抗生物質の予防投与の代わりに用いるのに適切なストラテジーとして妊婦に投与する。したがって、早産および/または死産の防止で用いる本発明の第13および第14の態様の抗体も提供する。

0143

本明細書中で使用する場合、用語「抗体」には、完全なIgGだけでなく、その一部(FabフラグメントおよびF(ab’)2フラグメントが含まれる)も含まれる。抗体には、sIgAも含まれる。

0144

したがって、本発明のワクチンを使用するワクチン接種に加えて、本明細書中に記載のペプチド、フラグメント、バリアント、またはワクチンで誘発された抗体(完全なsIgA抗体もしくはIgG抗体またはその一部(FabフラグメントまたはF(ab’)2フラグメントが含まれる)のいずれか)を、特に以下に示すワクチンを受けていない感染個体および/または母体のための処置として使用することができる:
a)敗血症誘導細菌による敗血症または感染が証明されているか疑われる新生児において施すべき治療アプローチ−完全なIgGまたはFab/F(ab’)2フラグメント;
b)ワクチンを受けていなかった母体から出生した新生児において投与すべき敗血症誘導細菌感染に対する防止アプローチ−完全なIgGまたはFab/F(ab’)2フラグメント;
c)ワクチンを受けていなかった第三期の母体または生殖可能年齢の女性のワクチン接種で投与すべき敗血症誘導細菌感染に対する防止的アプローチ−完全なIgG;および
d)敗血症誘導細菌によって引き起こされる敗血症または侵襲的感染が証明された妊婦または生殖可能年齢の女性のための治療アプローチ。

0145

抗GAPDH抗体の受動的投与により、耐性株が選択されることになる現在の抗生物質投与に基づく治療アプローチを超える有意な改善が認められる。ある者が別の被験体の抗体を投与された場合に受動免疫が生じる。これらの抗体をある者の体内に導入する場合、「負荷した(loaned)」抗体が一定の感染症に対する防止または戦い補助する。受動免疫によって付与される防御は短命であり、通常は数週間または数ヶ月しか持続しないが、即時防御に役立つ。

0146

本明細書中に証明されるように、非免疫個体への薬物適用として抗体を投与した場合、受動免疫を人為的に誘導することができる。上記のように、これらの抗体は、免疫ヒトのプールおよび精製した血液産物または非ヒト免疫動物(ウマヒツジ、およびウサギなど)に由来し得る。実施例に示すように、新産児マウスへの抗体の受動的投与により、GBS、大腸菌、S.pneumoniae、およびS.aureusの致死性感染を防御する。これらの抗体を、本発明のワクチンを接種していなかった母体および/またはワクチン接種していない母体由来の新生児に投与すべきである。本明細書中で考察するように、本発明のペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬の妊婦への投与によって胎児にも受動免疫を誘導することができる。胎内の乳幼児(胎児)は、母親の抗体が胎盤を通して特に第三期の成長中の子に到達したときに獲得される受動免疫から恩恵を受ける。したがって、これは、分娩時の抗生物質の予防投与の代わりに用いるのに適切なストラテジーである。

0147

本発明によるペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬を、敗血症誘導細菌による感染症を処置する、改善する、または防止するための単剤療法(すなわち、ペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、または医薬の単独使用)で使用することができると理解される。あるいは、本発明によるペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬を、敗血症誘導細菌による感染症を処置する、改善する、または防止するための公知の治療の補助として、またはそれと組み合わせて使用することができる。例えば、ペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、または医薬を、敗血症誘導細菌感染症を処置するための公知の薬剤と組み合わせて使用することができる。例えば、ペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、または医薬を、真菌またはウイルスによって引き起こされる新生児敗血症を処置するための公知の薬剤と組み合わせて使用することができる。それを公知の抗レトロウイルス薬と組み合わせて使用することができる。

0148

本明細書中に記載のペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、または医薬をどの患者に投与すべきであるという制限はない。むしろ、本明細書中に記載の任意のペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬を本明細書中に記載の任意の患者に投与することができることを意図する。本発明者らは、実際に、ペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、または医薬、および表示の患者群のそれぞれおよびあらゆる組み合わせが本発明に含まれることを明確に意図する。したがって、本発明は、治療剤および表示の患者群のそれぞれおよびあらゆる組み合わせを含む。免疫低下状態の宿主(新生児、乳児、小児、生殖可能年齢の女性、妊婦、胎児、高齢者、および糖尿病患者など)における新生児ワクチンの使用が好ましい。

0149

本発明によるペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬を、多数の異なる形態を有する組成物中で、特に組成物が使用される様式に応じて組み合わせることができる。したがって、例えば、組成物は、粉末、錠剤、カプセル、液体、軟膏クリームゲルヒドロゲル、エアロゾル、スプレーミセル溶液経皮貼布、リポソーム懸濁液の形態、または処置を必要とするヒトまたは動物に投与することができる任意の他の適切な形態であり得る。本発明による医薬のビヒクルが、投与される被験体が十分に許容し、好ましくは薬剤が血液脳関門を通過して送達することができるビヒクルであるべきであると理解される。

0150

本発明のペプチド、薬剤、ワクチン、および抗体を含む医薬を、多数の方法で使用することができる。例えば、薬剤を錠剤、カプセル、または液体の形態で経口摂取することができる組成物内に含むことができる場合、例えば、経口投与を必要とし得る。本発明のペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬を含む組成物を、吸入(例えば、鼻腔内)によって投与することができる。組成物を、局部使用のために製剤化することもできる。例えば、クリームまたは軟膏を、皮膚に適用することができる。

0151

本発明によるペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬を、徐放または遅延放出デバイス内に組み込むこともできる。かかるデバイスを、例えば、皮膚上または皮膚下に挿入することができ、医薬を数週間または数ヶ月にわたって放出させることができる。デバイスを、少なくとも処置部位に隣接させて配置することができる。かかるデバイスは、本発明にしたがって使用される薬剤の長期処置が必要な場合および通例として頻繁な投与(例えば、少なくとも毎日の注射)が必要な場合に特に有利であり得る。

0152

好ましい実施形態では、本発明によるペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬を、血流への注射または治療を必要とする部位への直接的な注射によって被験体に投与することができる。注射は、静脈内(ボーラスもしくは注入)、皮下(ボーラスもしくは注入)、または皮内(ボーラスもしくは注入)であり得る。

0153

ペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、または医薬の必要量は、その生物学的活性および生物学的利用能によって決定され、この必要量は、投与様式、ペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬の生理化学的性質、ならびに単剤療法または併用療法のいずれとして使用されるかどうかに依存することが理解される。投与頻度はまた、処置される被験体内における薬剤の半減期に影響を受ける。投与すべき最適な投薬量は、当業者が決定することができ、使用される特定の薬剤、薬学的組成物の強度、投与様式、および細菌感染症の進行によって変化する。治療される特定の被験体に依存するさらなる要因(被験体の年齢、体重、性別食事、および投与時間が含まれる)により、投薬量を調整する必要がある。

0154

一般に、0.001μg/kg体重と10mg/kg体重との間の1日用量の本発明によるペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、または医薬を、どのペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、または医薬を使用するのかに応じて、細菌感染症を処置する、改善する、または防止するために使用することができる。より好ましくは、1日用量は、0.01μg/kg体重と1mg/kg体重との間、より好ましくは、0.1μg/kg体重と100μg/kg体重との間、および最も好ましくは、およそ0.1μg/kg体重と10μg/kg体重との間である。

0155

ペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、または医薬を、細菌感染症の発症前、発症中、または発症後に投与することができる。1日用量を、単回投与(例えば、毎日1回の注射)として投与することができる。あるいは、ペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、または医薬は、1日を通じて2回またはそれを超える回数の投与が必要であり得る。例として、ペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬を、2回(または処置される細菌感染症の重症度に応じてそれを超える回数)の1日用量として0.07μgと700mgとの間(すなわち、体重70kgと仮定する)を投与することができる。処置を受ける患者は、起床時に第1の用量を投与し、次いで、晩(evening)に第2の用量を投与するか(2回投与レジメンの場合)、またはその後に3〜4時間間隔をあけることができる。あるいは、徐放デバイスを使用して、反復投与を必要とせずに最適用量の本発明によるペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬を患者に提供することができる。公知の手順(医薬品産業慣習的に使用されている手順(例えば、in vivo実験臨床試験など)など)を使用して、本発明によるペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬の特定の製剤および正確な治療レジメン(薬剤の1日用量および投与頻度など)を形成することができる。

0156

本発明の第17の態様では、本発明の第13の態様または第14の態様の抗体および任意選択的に薬学的に許容され得るビヒクルを含む敗血症誘導細菌処置組成物を提供する。

0157

用語「敗血症誘導細菌処置組成物」または「抗敗血症誘導細菌組成物」は、被験体における敗血症誘導細菌感染症の治療的な改善、防止、または処置で使用される薬学的製剤を意味し得る。

0158

本発明はまた、第18の態様において、第17の態様による組成物を作製するためのプロセスであって、治療有効量の本発明の第13の態様または第14の態様の抗体を薬学的に許容され得るビヒクルと組み合わせることを含むプロセスを提供する。

0159

薬剤(例えば、本発明の抗体)の「治療有効量」は、任意の量であり、被験体に投与する場合、感染症を処置するか、所望の効果を得るのに必要な薬剤の量である。

0160

例えば、使用される薬剤(例えば、抗体)の治療有効量は、約0.001mg〜約1000mg、および好ましくは、約0.01mg〜約500mgであり得る。薬剤の量は、約0.1mg〜約100mg、および最も好ましくは、約0.5mg〜約50mgの量であることが好ましい。参考として、本明細書中に記載の実施例での新生児マウスにおいて使用する抗体の用量は40mg/kgであった。

0161

本明細書中で言及される「薬学的に許容され得るビヒクル」は、薬学的組成物の製剤化に有用であることが当業者に公知の任意の公知の化合物または公知の化合物の組み合わせである。

0162

「被験体」は、本明細書中で使用される場合、脊椎動物、哺乳動物、または飼育動物であり得る。それ故、本発明によるペプチド、薬剤、ワクチン、抗体、および医薬を使用して、任意の哺乳動物、例えば、家畜類(例えば、ウマ)、ペットを処置することができるか、他の獣医学的適用で使用することができる。最も好ましくは、被験体はヒトである。

0163

1つの実施形態では、薬学的に許容され得るビヒクルは固体であり得、組成物は粉末または錠剤の形態であり得る。固体の薬学的に許容され得るビヒクルには、香味剤滑沢剤可溶化剤懸濁化剤色素充填剤流動促進剤圧縮助剤不活性結合剤甘味料防腐剤、色素、コーティング、または錠剤崩壊剤としても作用することができる1つまたは複数の物質が含まれ得る。ビヒクルはまた、カプセル化材料であり得る。粉末では、ビヒクルは、本発明による微粉化活性薬剤と混合される微粉化固体である。錠剤では、活性薬剤を、適切な比率で必要な圧縮性を有するビヒクルと混合し、所望の形状およびサイズに圧縮することができる。粉末および錠剤は、好ましくは、99%までの活性薬剤を含む。適切な固体ビヒクルには、例えば、リン酸カルシウムステアリン酸マグネシウムタルク、糖、ラクトースデキストリンデンプンゼラチンセルロースポリビニルピロリジン低融点ワックス、およびイオン交換樹脂が含まれる。別の実施形態では、薬学的ビヒクルはゲルであり得、組成物は、クリームなどの形態であり得る。

0164

しかし、薬学的ビヒクルは液体であり得、薬学的組成物は溶液の形態である。液体ビヒクルを、溶液、懸濁液、乳濁液、シロップエリキシル、および圧縮組成物の調製で使用する。本発明による活性薬剤を、薬学的に許容され得る液体ビヒクル(水、有機溶媒、薬学的に許容され得る油および脂肪の両方またはこれらのいずれかの混合物など)に溶解または懸濁することができる。液体ビヒクルは、他の適切な薬学的添加物(可溶化剤、乳化剤緩衝剤、防腐剤、甘味料、香味剤、懸濁化剤、増粘剤着色剤粘性調節剤、安定剤、または浸透圧調節剤など)を含むことができる。経口投与および非経口投与のための液体ビヒクルの適切な例には、水(上記の添加物を一部含む、例えば、セルロース誘導体、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液)、アルコール一価アルコールおよび多価アルコール(例えば、グリコール)を含む)およびその誘導体、ならびに油(例えば、分留したココナッツ油およびラッカセイ油)が含まれる。非経口投与のために、ビヒクルはまた、油性エステルオレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルなど)であり得る。無菌液体ビヒクルは、非経口投与用の無菌の液体形態の組成物で有用である。圧縮組成物用の液体ビヒクルは、ハロゲン化炭化水素または他の薬学的に許容され得る噴射剤であり得る。

0165

滅菌された溶液または懸濁液である液体薬学的組成物を、例えば、筋肉内注射髄腔内注射硬膜外注射、腹腔内注射静脈内注射、特に皮下注射で利用することができる。薬剤を、投与時に滅菌水食塩水、または他の適切な滅菌注射用媒体を使用して溶解または懸濁することができる滅菌固体組成物として調製することができる。

0166

本発明の薬剤および組成物を、他の溶質または懸濁化剤(例えば、溶液を等張にするのに十分な食塩水またはグルコース)、胆汁酸塩アカシア、ゼラチン、ソルビタンモノオレアート、およびポリソルベート80ソルビトールおよびその無水物のオレイン酸エステルエチレンオキシドを共重合させたもの)などを含む滅菌溶液または懸濁液の形態で経口投与することができる。本発明によって使用される薬剤を、液体または固体の組成物形態のいずれかで経口投与することもできる。経口投与に適切な組成物には、固体の形態(丸薬、カプセル、顆粒、錠剤、および粉末など)ならびに液体の形態(溶液、シロップ、エリキシル、および懸濁液など)が含まれる。非経口投与に有用な形態には、滅菌溶液、乳濁液、および懸濁液が含まれる。

0167

本発明が、本明細書中で言及された配列のいずれかのアミノ酸配列または核酸配列(その機能的バリアントまたは機能的フラグメントが含まれる)を実質的に含む任意の核酸もしくはペプチド、またはそのバリアント、誘導体、もしくはアナログに及ぶことが理解される。用語「実質的にアミノ酸/ヌクレオチド/ペプチド配列」、「機能的バリアント」、および「機能的フラグメント」は、本明細書中で言及した配列の任意の1つのアミノ酸/ヌクレオチド/ペプチド配列と少なくとも40%の配列が同一であり、例えば、配列番号9〜69とした配列と40%同一である配列であり得る。

0168

本明細書中で言及した配列のいずれかと50%超、より好ましくは65%超、70%超、75%超、さらにより好ましくは、80%超配列が同一である、配列同一性を有するアミノ酸/ヌクレオチド/ペプチド配列も想定する。好ましくは、アミノ酸/ヌクレオチド/ペプチド配列は、本明細書中で言及した配列のいずれかと少なくとも85%同一、本明細書中で言及した配列のいずれかと、より好ましくは、少なくとも90%、92%、95%、97%、98%同一、および最も好ましくは、少なくとも99%同一である。

0169

当業者は、2つのアミノ酸/ヌクレオチド/ペプチド配列の間のパーセント同一性の計算方法を理解する。2つのアミノ酸/ヌクレオチド/ペプチド配列の間のパーセント同一性を計算するために、2つの配列のアラインメントを最初に整えた(prepared)後、配列同一値を計算しなければならない。2つの配列のパーセント同一性は、以下に応じて異なる値をとり得る:(i)配列アラインメントのために使用する方法、例えば、ClustalW、BLAST、FASTA、Smith−Waterman(異なるプログラムで実行される)、または3D比較による構造アラインメント;ならびに(ii)アラインメント法によって使用されるパラメータ(例えば、局所アラインメント対大域アラインメント)、使用される対スコア行列(pair-score matrix)(例えば、BLOSUM62、PAM250、Gonnetなど)、およびギャップペナルティ(例えば、関数形式および定数)。

0170

アラインメントを作製後に2配列間のパーセント同一性を計算する方法は多数存在する。例えば、同一性の数を以下で割ることができる:(i)最短配列の長さ;(ii)アラインメントの長さ;(iii)平均配列長;(iv)非ギャップの位置数;または(iv)オーバーハングを除く等価な位置の数。さらに、パーセント同一性は長さにも強く依存することが理解される。したがって、配列の対が短いほど配列同一性は高くなり、偶然が生じると予想され得る。

0171

それ故、アミノ酸配列または核酸配列の正確なアラインメントのプロセスは複雑であると理解される。一般的なマルチプルアラインメントプログラムClustalW(48、49)は、本発明によるタンパク質またはDNAのマルチプルアラインメントの好ましい生成方法である。ClustalWの適切なパラメータは、以下であり得る:DNAアラインメントについては以下である:ギャップオープンペナルティ=15.0、ギャップ伸長ペナルティ=6.66、および行列=Identity。タンパク質アラインメントについては以下である:ギャップオープンペナルティ=10.0、ギャップ伸長ペナルティ=0.2、および行列=Gonnet。DNAおよびタンパク質のアラインメントについては以下である:ENDGAP=−1、およびGAPDIST=4。当業者は、最適な配列アラインメントのためにこれらのパラメータおよび他のパラメータを変動させる必要があり得ることを認識している。

0172

好ましくは、次いで、2つのアミノ酸/ヌクレオチド/ペプチド配列の間のパーセント同一性の計算を、(N/T)*100(式中、Nは配列が同一残基を共有する位置の数であり、Tは、ギャップを含むがオーバーハングを排除して比較される位置の総数である)などのアラインメントから計算することができる。それ故、2配列間のパーセント同一性の最も好ましい計算方法は、(i)適切なパラメータ(例えば、上記)のセットを使用したClustalWプログラムを用いて配列アラインメントを整えること;ならびに(ii)以下の式:配列同一性=(N/T)*100にNおよびTの値を挿入することを含む。

0173

類似の配列の別の同定方法が当業者に公知である。例えば、実質的に類似するヌクレオチド配列は、ストリンジェントな条件下で第1の態様によるペプチドまたはその機能的フラグメントまたはその機能的バリアントをコードするヌクレオチド配列あるいはその相補物ハイブリッド形成する配列である。ストリンジェントな条件とは、およそ45℃の3×塩化ナトリウムクエン酸ナトリウム(SSC)中でヌクレオチドがフィルターに結合したDNAまたはRNAとハイブリッド形成し、その後におよそ20〜65℃の0.2×SSC/0.1%SDSで少なくとも1回洗浄することを意味する。あるいは、実質的に類似するペプチドは、配列番号9〜69に示す配列と少なくとも1個であるが、3、4、5、6、7、8、9、または10個未満のアミノ酸が異なり得る。

0174

遺伝暗号縮重のために、本明細書中に記載の任意の核酸配列を、核酸配列によってコードされるペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の配列に実質的に影響を及ぼすことなく、その機能的バリアントを得るために変動または変更することができることが明らかである。適切なヌクレオチドバリアントは、配列内に同一アミノ酸をコードする異なるコドン置換することによって変化した配列を有し、それにより、サイレントな変化を生じるバリアントである。他の適切なバリアントは、相同なヌクレオチド配列を有するが、置換されるアミノ酸と類似する生物物理的性質の側鎖を有するあるアミノ酸をコードする異なるコドンを置換することによって変化し、それにより、保存的変化を生ずる配列の全部または一部を含むバリアントである。例えば、小さな非極性疎水性アミノ酸には、グリシンアラニンロイシンイソロイシンバリンプロリン、およびメチオニンが含まれる。大きな非極性の疎水性アミノ酸には、フェニルアラニントリプトファン、およびチロシンが含まれる。極性中性アミノ酸には、セリントレオニンシステインアスパラギン、およびグルタミンが含まれる。正電荷塩基性)アミノ酸には、リジンアルギニン、およびヒスチジンが含まれる。負電荷酸性)アミノ酸には、アスパラギン酸およびグルタミン酸が含まれる。したがって、どのアミノ酸を、類似の生物物理的性質を有するアミノ酸で置き換えることができるのかは理解され、当業者はこれらのアミノ酸をコードするヌクレオチド配列を知っている。

0175

本明細書中(任意の添付の特許請求の範囲、要約、および図面が含まれる)に記載の全ての特徴および/または開示の任意の方法もしくはプロセスの全てのステップを、少なくともいくつかのかかる特徴および/またはステップが互いに排反する組み合わせを除き、任意の組み合わせで任意の上記態様と組み合わせることができる。

0176

本発明をより容易に理解するためおよび本発明の実施形態を実行し得る方法を示すために、ここに、例として以下に添付の線図が参照される。

図面の簡単な説明

0177

図1は、主な敗血症誘導細菌(GBS、大腸菌、S.aureus、S.pneumoniae、K.pneumoniae、P.aeruginosa、およびN.meningitidis)のGAPDHのアミノ酸配列アラインメントを示す。(上記のUniProtアクセッション番号のFASTA形式に従って)本明細書中で配列番号1〜7としたアミノ酸配列の提出後にClustalW2サーバからマルチプルアラインメントを得た。得られた配列類似%を、表1に示す。
図2は、本発明のワクチンで使用することができる4つの表面ペプチドの例を提供する。表は、4つの例示的なペプチドのアミノ酸配列および各アミノ酸配列を保有する各細菌を示す。表の下に異なる細菌GAPDHにおける同一の4つのペプチドの表面の位置を示す。本明細書中でペプチドをペプチド1〜4(配列番号9〜12)とし、これらのペプチドを組み合わせて使用して本明細書中で新生児ワクチンとして同定されたワクチンを形成する。
図3は、S.agalactiae、S.pneumoniae、S.aureus、およびヒト由来のGAPDHのアミノ酸配列のアラインメントを示す。2つのボックスで囲んだ領域は、ペプチド1およびペプチド2が由来する配列を示す。
図4〜6は、新生児B1細胞が細菌GAPDHによる刺激の際の主なIL−10産生者であることを示す。図4パネルAおよびBは、脾臓単核球(MNC)、末梢血由来の好中球(PMNC)、肝臓由来のマクロファージ(FLM)または樹状細胞(FLDC)、ならびに新産児マウスの脾臓から精製したB細胞(総B細胞)、B1細胞、およびB2細胞を、リポ多糖LPS)、rGAPDH、またはRoswell Park Memorial Institute(RPMI培地のみで刺激した後のIL−10濃度を示す。図5は、新産児マウスの脾臓から精製したB1細胞を、示すようにTLR2インヒビター(OxPAC)またはToll様受容体4(TLR4)インヒビター(CLI095)の存在下にてrGAPDHで刺激した後のIL−10濃度を示す。図6のパネルAおよびBは、新産児マウスの脾臓から精製した総細胞およびB1細胞をそれぞれrGAPDH、固定GBS(GBSf)、またはRPMI培地のみで刺激した後のIL−10濃度を示す。図6のパネルCは、胎児肝臓由来の樹状細胞および新産児脾臓由来の精製したB1細胞の共培養物を、rGAPDH、GBSf、I型インターフェロン受容体(αIFNAR)に特異的なモノクローナル抗体、またはRPMI培地のみで刺激した後のIL−10濃度を示す。図4〜6の全パネル中に示したデータは、少なくとも2つの独立した実験の平均+SEMである。
図4〜6は、新生児B1細胞が細菌GAPDHによる刺激の際の主なIL−10産生者であることを示す。図4のパネルAおよびBは、脾臓単核球(MNC)、末梢血由来の好中球(PMNC)、肝臓由来のマクロファージ(FLM)または樹状細胞(FLDC)、ならびに新産児マウスの脾臓から精製したB細胞(総B細胞)、B1細胞、およびB2細胞を、リポ多糖(LPS)、rGAPDH、またはRoswell Park Memorial Institute(RPMI)培地のみで刺激した後のIL−10濃度を示す。図5は、新産児マウスの脾臓から精製したB1細胞を、示すようにTLR2インヒビター(OxPAC)またはToll様受容体4(TLR4)インヒビター(CLI095)の存在下にてrGAPDHで刺激した後のIL−10濃度を示す。図6のパネルAおよびBは、新産児マウスの脾臓から精製した総細胞およびB1細胞をそれぞれrGAPDH、固定GBS(GBSf)、またはRPMI培地のみで刺激した後のIL−10濃度を示す。図6のパネルCは、胎児肝臓由来の樹状細胞および新産児脾臓由来の精製したB1細胞の共培養物を、rGAPDH、GBSf、I型インターフェロン受容体(αIFNAR)に特異的なモノクローナル抗体、またはRPMI培地のみで刺激した後のIL−10濃度を示す。図4〜6の全パネル中に示したデータは、少なくとも2つの独立した実験の平均+SEMである。
図4〜6は、新生児B1細胞が細菌GAPDHによる刺激の際の主なIL−10産生者であることを示す。図4のパネルAおよびBは、脾臓単核球(MNC)、末梢血由来の好中球(PMNC)、肝臓由来のマクロファージ(FLM)または樹状細胞(FLDC)、ならびに新産児マウスの脾臓から精製したB細胞(総B細胞)、B1細胞、およびB2細胞を、リポ多糖(LPS)、rGAPDH、またはRoswell Park Memorial Institute(RPMI)培地のみで刺激した後のIL−10濃度を示す。図5は、新産児マウスの脾臓から精製したB1細胞を、示すようにTLR2インヒビター(OxPAC)またはToll様受容体4(TLR4)インヒビター(CLI095)の存在下にてrGAPDHで刺激した後のIL−10濃度を示す。図6のパネルAおよびBは、新産児マウスの脾臓から精製した総細胞およびB1細胞をそれぞれrGAPDH、固定GBS(GBSf)、またはRPMI培地のみで刺激した後のIL−10濃度を示す。図6のパネルCは、胎児肝臓由来の樹状細胞および新産児脾臓由来の精製したB1細胞の共培養物を、rGAPDH、GBSf、I型インターフェロン受容体(αIFNAR)に特異的なモノクローナル抗体、またはRPMI培地のみで刺激した後のIL−10濃度を示す。図4〜6の全パネル中に示したデータは、少なくとも2つの独立した実験の平均+SEMである。
図7は、TLR2欠損が新生児の生存を改善し、細菌性敗血症から防御することを示す。S.aureus NEWMAN株(パネルA)または大腸菌IHE3034株(パネルB)でチャレンジされた新産児マウスの生存を示す。本研究は野生型マウスおよびTLR2−/−マウスの両方を含んだ。結果は、少なくとも2つの独立した実験からプールしたデータを示す。括弧内の数字は、異なる感染チャレンジを生き延びた動物数対総感染動物数を示す。TLR2欠損仔マウスコントロールとの間の統計的差異P値)を示す。
図8は、IL−10シグナル伝達の遮断により新産児が細菌性敗血症から防御されることを示す。マウスIL−10受容体に特異的なモノクローナル抗体(抗IL10R)またはアイソタイプ適合コントロール抗体(アイソタイプIgG/コントロール)の注射後に大腸菌IHE3034株(パネルA)またはS.aureus NEWMAN株(パネルB)でチャレンジされた新産児マウスの生存を示す。結果は、3つの独立した実験からプールしたデータを示す。括弧内の数字は、異なる感染チャレンジを生き延びた動物数対総感染動物数を示す。抗IL−10R処置仔マウスとコントロールとの間の統計的差異(P値)を示す。
図9は、GAPDH分泌が共通の病原性機構であることを示す。ポジティブコントロールとして使用したrGAPDHをレーン1に示す。レーン2〜6は、表示の病原体(NEM316はGBSの株である)のバンドが等価であることを示す。データは、5つの独立した実験の代表である。
図10は、rGAPDHで誘発された抗体が新産児マウスをGBS以外の敗血症誘導細菌による感染から防御することを示す。rGAPDH誘導性抗体(抗rGAPDH IgG)またはコントロール抗体(コントロールIgG)の注射後のS.pneumonia Tigr4株(パネルA)、大腸菌IHE3034株(パネルB)、およびS.aureus NEWMAN株(パネルC)でチャレンジした仔マウスの生存を示す。結果は、2つの独立した実験からプールしたデータを示す。括弧内の数字は、種々の感染チャレンジを生き延びた動物数対総感染動物数を示す。免疫した群対コントロール群との間の統計的差異(P値)を示す。
図11は、細菌GAPDHがヒト単核球中でのIL−10産生を誘導することを示す。パネルAおよびBは、臍帯血(パネルA)または末梢血(パネルB)から分離したヒト単核球をrGAPDH、TLR2インヒビター(TLR2 in)、またはRPMI培地のみで刺激した後のIL−10濃度を示す。図中に示したデータは、少なくとも2つの独立した実験の平均+SEMである。
図12は、大腸菌およびヒト由来のGAPDHのアミノ酸配列のアラインメントを示す。ボックスで囲んだ領域は、図2由来のペプチド3を示す。

0178

図13は、P.aeroginosaおよびヒト由来のGAPDHのアミノ酸配列のアラインメントを示す。アミノ酸23のボックスで囲んだ領域は、本発明で用いるペプチド(配列番号62)を示す。アミノ酸59のボックスで囲んだ領域は、図2由来のペプチド4を示す。
図14、15、および16は、本発明のワクチンで誘発された抗体が細菌GAPDHと反応することを示す。ポジティブコントロールとして使用したrGAPDHを各ゲルのレーン1に示す。図14中のレーン2〜6および図15および16中のレーン2は、表示の病原体のバンドが等価であることを示す。データは、2つの独立した実験の代表である。
図14、15、および16は、本発明のワクチンで誘発された抗体が細菌GAPDHと反応することを示す。ポジティブコントロールとして使用したrGAPDHを各ゲルのレーン1に示す。図14中のレーン2〜6および図15および16中のレーン2は、表示の病原体のバンドが等価であることを示す。データは、2つの独立した実験の代表である。
図14、15、および16は、本発明のワクチンで誘発された抗体が細菌GAPDHと反応することを示す。ポジティブコントロールとして使用したrGAPDHを各ゲルのレーン1に示す。図14中のレーン2〜6および図15および16中のレーン2は、表示の病原体のバンドが等価であることを示す。データは、2つの独立した実験の代表である。
図17は、新生児ワクチンで誘発された抗体が新産児マウスをGBS感染から防御することを示す。新生児ワクチン誘導性抗体(IgG)またはコントロールIgGの注射後のGBS NEM316でチャレンジした仔マウスの生存を示す。結果は、2つの独立した実験からプールしたデータを示す。括弧内の数字は、感染チャレンジを生き延びた動物数対総感染動物数を示す。免疫した群対コントロール群との間の統計的差異(P値)を示す。
図18は、新生児ワクチンで誘発された抗体が新産児マウスを細菌性敗血症から防御することを示す。新生児ワクチン誘導性抗体(IgG)またはコントロールIgGの注射後のS.pneumoniae Tigr4株(パネルA)、大腸菌IHE3034株(パネルB)、またはS.aureus NEWMAN株(パネルC)でチャレンジした新産児マウスの生存を示す。結果は、少なくとも2つの独立した実験からプールしたデータを示す。括弧内の数字は、異なる感染チャレンジを生き延びた動物数対総感染動物数を示す。免疫した群対コントロール群との間の統計的差異(P値)を示す。
図19は、抗GAPDH抗体の治療での使用によりGBS誘導性敗血症を効率的に処置することができることを示す。GBS NEM316でチャレンジし、その後に新生児ワクチン誘導性抗体(IgG)、コントロールIgG、または生理食塩水を投与した新産児マウスの生存を示す。結果は、2つの独立した実験からプールしたデータを示す。括弧内の数字は、感染チャレンジを生き延びた動物数対総感染動物数を示す。免疫した群対コントロール群との間の統計的差異(P値)を示す。
図20は、新生児ワクチンで誘発された抗体が高齢マウスを致死性GBS感染から防御することを示す。新生児ワクチン誘導性抗体(新生児ワクチン−IgG)またはコントロールIgG(「免疫した」)の注射後のGBSでチャレンジした高齢マウスの生存を示す。結果は、2つの独立した実験からプールしたデータを示す。括弧内の数字は、感染チャレンジを生き延びた動物数対総感染動物数を示す。免疫した群対コントロール群との間の統計的差異(P値)を示す。
図21は、新生児ワクチンで誘発された抗体が非肥満糖尿病(NOD)マウスを致死性GBS感染から防御することを示す。新生児ワクチン誘導性抗体(新生児ワクチン−IgG)またはコントロールIgG(「偽免疫した」)の注射後のGBSでチャレンジしたNODマウスの生存を示す。結果は、2つの独立した実験からプールしたデータを示す。括弧内の数字は、感染チャレンジを生き延びた動物数対総感染動物数を示す。免疫した群対コントロール群との間の統計的差異(P値)を示す。

実施例

0179

他で示さない限り、実施例に記載の研究で使用した材料と方法は下記のとおりである。

0180

マウス
6〜8週齢の雄および雌のBALB/cマウス、C57BL/6マウス、およびTLR2欠損C57BL/B6.129−Tlr2tm1Kir/J(TLR2−/−)マウス、および高齢C57Bl/6マウス(16月齢超)を、The Jackson Laboratoryから購入した。ニューランドホワイトラビットおよび8週齢非肥満糖尿病(NOD)マウスを、Charles River Laboratoriesから購入した。動物を、実験の期間中にInstitute Abel Salazarの動物施設で管理した。全手順を、実験および他の科学的目的のために使用される脊椎動物の保護に関するヨーロッパ協定(ETS123)および86/609/EEC指令およびポルトガル規則(DL129/92)(the European Convention for the Protection of Vertebrate Animals used for Experimental and Other Scientific Purposes (ETS 123) and 86/609/EEC Directive and Portuguese rules (DL 129/92))にしたがって行った。全ての動物実験を、動物の苦痛を最小にするように計画した。

0181

細菌
研究で使用した細菌を、以下の表4に列挙する。全ての株は、感染新産児から得た臨床分離株であった。大腸菌、S.aureus、P.aeruginosa、GBS、およびS.pneumoniaeは、Pasteur Institute,Paris,FranceのPatrick Trieu Cuot教授から分与され;K.pneumoniaeおよびN.meningitidisは、Microbiology Department of Hospital Geral de Santo Antonio,Porto,Portugalから分与された。GBSおよびS.pneumoniaeは、0.001mg/mLの硫酸コリスチンおよび0.5μg/mLのオキソリン酸(oxalinic acid)(Streptococcus選択サプリメント、Oxoid)を含むTodd−Hewittのブロスまたは寒天(Difco Laboratories)中で成長させた。大腸菌、P.aeruginosa、MenB、およびS.aureusを、Todd−Hewittのブロスまたは寒天培地上で培養した。細菌を、37℃で成長させた。

0182

抗体処置
抗体処置を、新産児BALB/cマウス(48時間齢まで)においてはGBS感染の12時間前、高齢C57Bl/6マウス(16月齢超)およびNODマウスにおいてはGBS感染の24時間前に行った。受動免疫のために、仔マウスに、100μgの抗rGAPDHIgG抗体を腹腔内注射した。コントロール動物に、同量のコントロールIgG抗体を投与した。IL−10シグナル伝達遮断のために、100μgの抗IL10R抗体(1B1.3a、Schering−Plough Corporation)を、腹腔内投与し、コントロール動物に同量の適合アイソタイプコントロール抗体を投与した。抗GAPDH抗体の治療的使用に関して、仔マウスを、感染6時間後に100μgの抗GAPDHIgG(または各コントロールIgG)で処置した。

0183

細菌感染の新生児マウスモデル
新生児期(48時間齢)のBALB/cマウス、C57BL/6野生型マウス、またはTLR2−/−マウスに、最大体積40μlの表示の細菌接種材料を皮下感染させた。新産児を、実験を通して該新産児の母親と共に飼育した。12日間の実験にわたる生存曲線を決定した。

0184

rGAPDH
以前に記載のようにrGAPDHを産生し、精製した(41)。

0185

抗GAPDHIgGの精製
成体のマウスまたはウサギを、25μgのrGAPDHを含むPBS/ミョウバン懸濁液にて3週間の投与間隔で2回免疫した。第2の免疫から10日後に血清を回収した。プールした血清サンプルを、プロテインG HPアフィニティカラム(HiTrap、GE Healthcare Bio−Sciences AB)にアプライし、次いで、精製されたIgG抗体を、固定されたrGAPDHを有するアフィニティカラム(Hi−trap NHS活性化HP、GE Health−care Bio−Sciences AB)に通過させた。コントロールIgGを、PBS/ミョウバン懸濁液で偽免疫したマウスまたはウサギの血清から得、プロテインG HPアフィニティカラムで精製した。精製されたIgG抗体画分を、PBS中でさらに平衡化し、−80℃で一定分量ずつ凍結保存した。

0186

総脾臓細胞培養
新産児マウス(48時間齢まで)の脾臓由来の細胞を、ペニシリン(100IU/ml)、ストレプトマイシン(50μg/ml)、2−ME(0.05M)、および10%ウシ胎児血清(FBS)(Sigma−Aldrich)を補充したRPMI1640−完全RPMI(cRPMI)中で該臓器を穏やかに掻き裂くことによって得た。次いで、細胞を、96ウェルプレート(1×106細胞/ウェル)に分注し、培地のみ、2.5μg/mlLPSを含む培地、25μg/mlのrGAPDHを含む培地、1μg/mLのTLR2アゴニストであるPAM3CSK4(Invivogen)を含む培地を使用して、5%二酸化炭素を含む加湿雰囲気下にて37℃で12時間培養した。TLRインヒビターを使用した実験のために、OxPAC(TLR2インヒビター)およびCLI095(TLR4インヒビター)(共にInvivogen)を、10μg/mLの濃度で使用した。

0187

B細胞の精製
B細胞を、製造者の指示にしたがってマウスB細胞精製キット(Miltenyi Biotech)を使用した磁気細胞選別によって新生児マウスの脾臓(上記のように調製)から精製した。

0188

CD5+B細胞の精製
B1細胞を、製造者の指示にしたがってマウスB1細胞精製キット(Miltenyi Biotech)を使用した磁気細胞選別によって新生児マウスの脾臓(上記のように調製)から精製した。

0189

新生児肝臓由来マクロファージ
マクロファージを、1日齢マウスの肝臓から得た。肝臓を、無菌条件下で取り出し、ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)中でホモジナイズした。得られた細胞懸濁物を、500×gで遠心分離し、10%L929細胞馴化培地を補充したcRPMIに再懸濁した。線維芽細胞または分化したマクロファージを取り除くために、細胞を、細胞培養皿上で5%二酸化炭素雰囲気下にて37℃で一晩培養した。次いで、非接着細胞を、温cRPMIを使用して回収し、500×gで遠心分離し、96ウェルプレート中に1×105細胞/ウェルの密度で分注し、5%二酸化炭素雰囲気下にて37℃で培養した。播種4日後、10%のL929細胞馴化培地を添加し、7日目に培地を取り換えた。培養10日後、細胞は、マクロファージに完全に分化した。本方法により、これらの食細胞に特徴的な形態学的性質、生理学的性質、および表面マーカーを保持したマクロファージの均一な初代培養物の分化が可能である(50)。

0190

新生児肝臓由来樹状細胞
樹状細胞を、1日齢マウスの肝臓から得た。肝臓を、無菌条件下で取り出し、HBSS中でホモジナイズした。得られた細胞懸濁物を、500×gで遠心分離し、30ng/mlの顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)(Immunotools)を補充したcRPMI(初代DC培地)に再懸濁した。線維芽細胞または分化したマクロファージを取り出すために、細胞を、細胞培養皿上で5%二酸化炭素雰囲気下にて37℃で一晩培養した。3日目に、75%の培地(非接着細胞とともに)を除去し、初代DC培地を添加した。6日目に、非接着細胞を穏やかに押しのけるようにプレートの底部に対してピペットで培地を穏やかに上下させることによって細胞をプレートから取り出した。この数分後、細胞混合物を50mLポリスチレンチューブに移した。次いで、細胞を、500×gで5〜7分間遠心分離し、初代DC培地に再懸濁した。細胞をカウントし、5×105細胞/ウェルの濃度でプレーティングした。共培養実験のために、ウェルあたり5×104樹状細胞をプレーティングした。共培養実験では、表示する場合、20μg/mLのI型インターフェロン受容体に特異的なモノクローナル抗体(抗IFNAR)(Biolegend)を使用した。

0191

血中好中球の精製
好中球単離のために、新生児マウス(48時間齢まで)の眼窩後出血により採血し、BSA(0.1% w/v)およびグルコース(1% w/v)を含むHBSS中で2倍希釈した。細胞をペレット化し、低浸透圧溶解によって赤血球を除去した。血液調製物ダルベッコPBS(GIBCO)に懸濁し、三層パーコール(GE−Healthcare)勾配(80、65、および55%のダルベッコPBS)に重層し、1200×gにて10℃で30分間遠心分離した。成熟好中球を、65%画分と80%画分との境界で回収し、抗Ly6G抗体(Biolegend)を使用したFACS分析によって決定したところ、純度は85%であった。単離された好中球を、96ウェルプレートにプレーティングし、表示のように12時間刺激した。

0192

IL−10の定量
新生児または成体の細胞培養物由来のIL−10を、製造者の指示にしたがってELISA(R&D Systems)によって定量した。

0193

ヒト血液サンプル
ヒト血液サンプルを、情報提供後承認(informed approval)後にHospital Geral de Santo Antonioで入手した。単核球の単離のために、RPMI1640で2倍希釈した総血液の5mlアリコートを、2.5mlのHistopaque(Sigma−Aldrich)上に重層し、1000gにて室温で20分間遠心分離した。次いで、細胞を、培地−Histopaque境界から穏やかに取り出し、滅菌容器に移し、10mlのcRPMIで洗浄した。単離された単核球をcRPMIに再懸濁し、5×105細胞/ウェルの濃度でプレーティングし、25μg/mLのrGAPDHで、10μg/mLのOxPACで、または培地のみ(RPMI)で5%二酸化炭素下にて37℃で12時間刺激した。

0194

新生児ワクチン
ペプチド1〜4(配列番号9〜12)を、キャリアタンパク質としてのKLHまたはOVAとコンジュゲートした。免疫プロトコールのために、20μgのキャリアタンパク質とコンジュゲートした各ペプチドを、雌BALB/cマウスに腹腔内注射した。ミョウバンをアジュバントとして用い1:20PBS懸濁物とした。成体雌BALB/cマウスを、3週間の投与間隔で3回免疫した。最後の免疫から10日後、採血し、「新生児ワクチン」抗血清を、4℃で24時間の血液凝固後に得た。

0195

同一の免疫プロトコールを、N.meningitidis研究のためにラットで使用した(実施例8)。

0196

実施例1−新生児B細胞の亜集団が細菌GAPDH刺激の際にIL−10産生を担う
以前に公開された情報により、新生児免疫系がGBS感染と戦う能力を無効にする際のGAPDHの役割が明らかとなった(24)。GAPDH誘導性免疫抑制機構におけるIL−10の役割は既に明らかとなっていたが、細胞機構は依然として不明であった。どの細胞集団(複数可)が新生児GBS感染で認められる初期IL−10産生に寄与するのかを解明するために、異なる白血球集団を新生児マウスから精製し、in vitroにてGBS由来のrGAPDHで処理した。

0197

材料と方法
具体的には、上記のように、樹状細胞およびマクロファージを新生児肝臓前駆体から得、B細胞および単核球を新生児脾臓から得、好中球を新生児末梢血から精製した。CD5の表面発現に基づいた新生児脾臓から得たB細胞のより厳格な分離により、B1(CD5+)細胞を分離した。

0198

異なる白血球集団を、in vitroにて0.5μg/mLのLPS(ポジティブコントロールとして;LPSは、ポリクローナルB細胞活性化を誘導することが公知の構造細菌抗原である)、25μg/mLのrGAPDH、またはRPMI培地のみ(ネガティブコントロールとして)で5%二酸化炭素下にて37℃で12時間刺激した。分離B細胞研究のために2.5×105細胞/ウェルを使用したことを除き、全ての条件において5×105細胞/ウェルを使用した。

0199

細胞のインキュベーション後、上記のように上清中のIL−10濃度を測定した。

0200

いずれの場合も、少なくとも2つの独立した実験を行った。

0201

結果
図4Aに認められるように、単核球、好中球、マクロファージ、樹状細胞、および総B細胞がGAPDH刺激の際にIL−10を産生する能力を比較した場合、B細胞のみが有意な量のIL−10を産生する能力を保持していた。

0202

新生児B細胞の分離後、本発明者らは、B1細胞がIL−10産生能力を保持する一方でB2細胞がこのサイトカインを微量でしか産生しないことを認めた(図4B)。

0203

考察
本研究は、新生児B1細胞が細菌GAPDH刺激の際のIL−10の主な供給源であることを示す。

0204

実施例2−TLR2は細菌GAPDHの表面受容体である
細菌GAPDH認識およびIL−10発現の誘導を担う細胞受容体確立するために、本発明者らは、GAPDHが異なるパターン認識受容体の特異的インヒビターの存在下にて精製B1細胞培養物中でIL−10産生を誘導する能力を比較した。

0205

材料と方法
B1細胞を、上記のように新産児マウスの脾臓から精製した。

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