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課題・解決手段
発明は、いわゆるツールヘッド(4)の形態でそれぞれチャック(5)にクランプされ、スピンドル(3)に結合することができる複数の工具により、被加工品を機械加工するために回転駆動され得るスピンドル(3)を備える工作機械(2)と、ツールヘッド(4)のバランスを取るためのバランス装置(8)とを備える工作機械システム(1)に関し、工作機械システム(1)は、それぞれシステムに関連するツールヘッド(4)に関連するバランス調整プロトコルが格納されるデータメモリ(11)と、スピンドル(3)に結合されたツールヘッド(4)のためにバランス調整プロトコルからバランス調整データを読み取り、それを前記ツールヘッド(4)が提供される機械加工の少なくとも1つのパラメータ、又は少なくとも1つの汎用バランス調整パラメータと比較するコントローラ(12)とを備え、工作機械システム(1)は、前記ツールヘッド(4)のための利用可能なバランス調整データがない場合にツールヘッド(4)を不合格とするように設計されるのが好ましい。
概要
背景
背景技術
金属切削加工用の工作機械は、通常、以下で「ツールヘッド」と称され、例えば、その内部に固定されるエンドミル研磨装置の形態での工具チャック又は金属切削工具とのチャックから構成される工具が現在装備されている。加えて、かかるツールヘッドは、更なるコンポーネント、例えば、冷却液の噴流をカッター工具に噴射するための噴射システムを備えることができる。
工具を迅速且つ正確に交換するために、現在のツールヘッドは工作機械のスピンドルから容易に切り離される。次いで、チャックの形態で別のツールヘッドが、次の加工ステップに必要な、例えば、仕上げ型エンドミル装置の形態での金属切削工具を固定することによって結合される。
工具ホルダ、及び必要に応じて、例えば、冷却液パイプ、締め付けボルト、又はモジュラーエクステンションの更なるコンポーネントとの金属切削工具のアセンブリは、必然的に、ある程度のアンバランスを有するツールヘッドを生じさせる。スピンドルに結合されたツールヘッドが回転するとすぐに、その僅かなアンバランスが振動を引き起こし、金属切削プロセスの品質に悪影響を及ぼし、共振に近い範囲でスピンドルを破壊することさえある。
従って、ここで問題となる種類のツールヘッドは、それらを組み立てた後又は最初に用いる前にバランスを取るのが最適である。
しかし、バランス調整プロセスはコストがかかり、ステッカーの形での警告メッセージが通常、機械のスピンドルに貼付されていても、意図せず又は意図的に省略される可能性がある。
バランス調整されたツールヘッドを用いても、前回のバランス調整プロセスが既に比較的遠い過去であり、現在のバランス状態が不明であるというリスクがある。これに関連して、例えば、摩耗による、若しくは金属切削工具のカッターの切り欠きによる材料腐食の結果として、及び/又は、移動量が多くの場合小さいだけだとしても、金属切削工具が振動のせいで工具ホルダ内を移動するという事実の結果として及び短時間の過負荷の結果として、バランス状態が作業中に変化する可能性があることを心に留めておくことが重要である。これにより、作業中又は作業のためにツールヘッドを繰り返し用いた後、予期しないアンバランスが発生する可能性がある。
最新の工作機械は、従って、スピンドル領域にあるセンサ、通常は加速度センサの形態による振動監視機能を有している。それらは、実際に発生している振動を測定し、振動が最大許容限界値を超えた場合に処理を停止する。
しかし、かかる停止は、無論、処理が既に開始されるまで発生することはない一方で、処理を停止することは、振動の原因を最初に発見して除去する必要があるため、機械における動作不能時間及び不働時間を意味する。これにより、結果として高いコスト及び遅延を生じる。
振動監視のない機械において、振動は警告なしに被加工品及び機械に損傷を与える可能性がある。
概要
発明は、いわゆるツールヘッド(4)の形態でそれぞれチャック(5)にクランプされ、スピンドル(3)に結合することができる複数の工具により、被加工品を機械加工するために回転駆動され得るスピンドル(3)を備える工作機械(2)と、ツールヘッド(4)のバランスを取るためのバランス装置(8)とを備える工作機械システム(1)に関し、工作機械システム(1)は、それぞれシステムに関連するツールヘッド(4)に関連するバランス調整プロトコルが格納されるデータメモリ(11)と、スピンドル(3)に結合されたツールヘッド(4)のためにバランス調整プロトコルからバランス調整データを読み取り、それを前記ツールヘッド(4)が提供される機械加工の少なくとも1つのパラメータ、又は少なくとも1つの汎用バランス調整パラメータと比較するコントローラ(12)とを備え、工作機械システム(1)は、前記ツールヘッド(4)のための利用可能なバランス調整データがない場合にツールヘッド(4)を不合格とするように設計されるのが好ましい。
目的
発明が取り組む課題
上記に鑑みて、発明は、工作機械のアンバランス特性を確実に、早期に、及び可能な限りツールヘッドの動作の次の開始前の時点で既に考慮に入れることができるシステムを提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
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(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
被加工品を金属切削加工する目的のために回転駆動され得るスピンドル(3)を備える工作機械(2)を有し、それぞれがチャック(5)にクランプされ、前記スピンドル(3)に結合することができるいわゆるツールヘッド(4)の形態での複数の工具を有し、前記ツールヘッド(4)のバランスを取るためのバランス調整装置(8)を有する工作機械システム(1)であって、前記工作機械システム(1)は、関連するバランス調整ログが前記システムに関連するツールヘッド(4)にそれぞれ格納されるデータメモリ(11)を備え、前記スピンドル(3)に結合されるツールヘッド(4)のために、バランス調整ログからバランス調整データを読み出し、前記データをこのツールヘッド(4)が提供される前記金属切削加工の1つ以上のパラメータと比較するか、又は前記データを少なくとも1つの汎用バランス調整パラメータと比較するコントローラ(12)を備えることを特徴とし、前記工作機械システム(1)は、このツールヘッド(4)のために利用可能なバランス調整データがない場合、ツールヘッド(4)を不合格とするように構成されるのが好ましい、工作機械システム(1)。
請求項2
前記コントローラ(12)は、それぞれのツールヘッド(4)のためのバランス調整ログによって記録される前記提供される金属切削加工のための1つ以上のパラメータをバランス調整データに適合させるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の工作機械システム(1)。
請求項3
前記コントローラ(12)は、好ましくは前記スピンドル(3)に結合される前に、前記ツールヘッド(4)の前記バランス調整データが、前記ツールヘッド(4)が提供される前記金属切削加工の1つ以上のパラメータと一致しない場合、又は前記ツールヘッド(4)の前記バランス調整データが、前記ツールヘッド(4)が提供される前記金属切削加工の1つ以上のパラメータと一致するかどうかを評価するために十分に記録されていない場合、前記ツールヘッド(4)を不合格とするように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の工作機械システム(1)。
請求項4
前記コントローラ(12)は、好ましくは前記スピンドル(3)に結合される前に、前記ツールヘッド(4)のバランス調整データが、このツールヘッド(4)が提供される前記金属切削加工のパラメータと一致しない場合、ツールヘッドの更なる使用のために例外的に解放することを可能にするように構成されることを特徴とし、前記コントローラ(12)は、好ましくは前記それぞれのツールヘッド(4)のための前記バランス調整ログ内に前記特殊な解放を記録し、好ましくは前記特殊な解放を表示する、請求項1又は2に記載の工作機械システム(1)。
請求項5
請求項6
前記バランス調整ログは、1つのバランス調整データ項目、好ましくは複数のバランス調整データ項目、理想的には少なくとも全てのバランス調整データ項目を、下記の前記項目:最後のバランス調整プロセスのデータ、許容回転速度に関するデータ、存在する残留アンバランスに関するデータ、車両質量に関するデータを伴うか又は伴わない静的アンバランス、前記車両質量に関するデータを伴うか又は伴わない動的アンバランス、例えば、前記静的アンバランスとトルクアンバランスとの組み合わせ、前記車両質量に関するデータを伴うか又は伴わないバランス調整品質、車両質量/残留アンバランスの商、バランスの取れた/バランスの取れていない金属切削パラメータ及びフライス加工パラメータ、良好又は不良バランス状態のうちの2つを除いて記録することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の工作機械システム(1)。
請求項7
前記工作機械(2)に割り当てられたマガジンへの前記それぞれのツールヘッド(4)の挿入の過程で、前記工作機械システム(1)の前記コントローラ(12)は、前記バランス調整ログの前記バランス調整データを前記金属切削加工の前記1つ以上のパラメータと比較することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の工作機械システム(1)。
請求項8
前記マガジンからの前記進行中の加工の過程で、前記工作機械システム(1)の前記コントローラ(12)は、前記ツールヘッド(4)の交換前のみに又はその前にも、前記バランス調整ログの前記バランス調整データを前記金属切削加工の前記1つ以上のパラメータと比較することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の工作機械システム(1)。
請求項9
作動準備完了状態の前記工作機械(2)は、コントローラ(12)を介してバランス調整ログ用のデータメモリ(11)からバランス調整データを読み出すよう装備されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の工作機械システム(1)において用いるための工作機械(2)。
請求項10
請求項11
前記工作機械(2)は、本体一体型コンポーネントとしてバランス調整ログ用のデータメモリ(11)を備えることを特徴とする、請求項9又は10に記載の工作機械(2)。
請求項12
前記工作機械システム(1)は、1つ以上のパラメータに対する偏差を表示する装置を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の工作機械システム(1)。
請求項13
被加工品の金属切削加工の目的のために回転駆動され得るスピンドル(3)を備える工作機械(2)を有し、それぞれがチャック(5)にクランプされ、前記スピンドル(3)に結合することができる複数の工具(「いわゆるツールヘッド」(4))を有し、前記チャック(5)にクランプされる前記工具のバランスを取るためのバランス調整装置(8)を有する工作機械システム(1)を用いることによって、被加工品の金属切削加工中にアンバランスにより誘導される品質の低下を低減する方法であって、バランス調整ログは各ツールヘッド(4)のために格納され、バランスログの前記バランス調整データは、前記スピンドル(3)に結合される前記ツールヘッド(4)のために読み出され、前記ツールヘッド(4)が提供される前記金属切削加工の前記パラメータと比較されることを特徴とする、方法。
請求項14
特定のツールヘッド(4)への割り当てで格納されるバランス調整ログの使用であって、前記ツールヘッド(4)の使用前に読み出すことができ、前記ツールヘッド(4)が提供される金属切削加工の1つ以上のパラメータを変更する目的を有する、使用。
技術分野
背景技術
0002
背景技術
金属切削加工用の工作機械は、通常、以下で「ツールヘッド」と称され、例えば、その内部に固定されるエンドミル研磨装置の形態での工具チャック又は金属切削工具とのチャックから構成される工具が現在装備されている。加えて、かかるツールヘッドは、更なるコンポーネント、例えば、冷却液の噴流をカッター工具に噴射するための噴射システムを備えることができる。
0003
工具を迅速且つ正確に交換するために、現在のツールヘッドは工作機械のスピンドルから容易に切り離される。次いで、チャックの形態で別のツールヘッドが、次の加工ステップに必要な、例えば、仕上げ型エンドミル装置の形態での金属切削工具を固定することによって結合される。
0004
工具ホルダ、及び必要に応じて、例えば、冷却液パイプ、締め付けボルト、又はモジュラーエクステンションの更なるコンポーネントとの金属切削工具のアセンブリは、必然的に、ある程度のアンバランスを有するツールヘッドを生じさせる。スピンドルに結合されたツールヘッドが回転するとすぐに、その僅かなアンバランスが振動を引き起こし、金属切削プロセスの品質に悪影響を及ぼし、共振に近い範囲でスピンドルを破壊することさえある。
0007
バランス調整されたツールヘッドを用いても、前回のバランス調整プロセスが既に比較的遠い過去であり、現在のバランス状態が不明であるというリスクがある。これに関連して、例えば、摩耗による、若しくは金属切削工具のカッターの切り欠きによる材料腐食の結果として、及び/又は、移動量が多くの場合小さいだけだとしても、金属切削工具が振動のせいで工具ホルダ内を移動するという事実の結果として及び短時間の過負荷の結果として、バランス状態が作業中に変化する可能性があることを心に留めておくことが重要である。これにより、作業中又は作業のためにツールヘッドを繰り返し用いた後、予期しないアンバランスが発生する可能性がある。
0008
最新の工作機械は、従って、スピンドル領域にあるセンサ、通常は加速度センサの形態による振動監視機能を有している。それらは、実際に発生している振動を測定し、振動が最大許容限界値を超えた場合に処理を停止する。
0009
しかし、かかる停止は、無論、処理が既に開始されるまで発生することはない一方で、処理を停止することは、振動の原因を最初に発見して除去する必要があるため、機械における動作不能時間及び不働時間を意味する。これにより、結果として高いコスト及び遅延を生じる。
0010
振動監視のない機械において、振動は警告なしに被加工品及び機械に損傷を与える可能性がある。
発明が解決しようとする課題
0011
発明が取り組む課題
上記に鑑みて、発明は、工作機械のアンバランス特性を確実に、早期に、及び可能な限りツールヘッドの動作の次の開始前の時点で既に考慮に入れることができるシステムを提供する課題に取り組んでいる。
課題を解決するための手段
0014
工作機械システムは、それぞれチャックにクランプされる複数の工具、いわゆるツールヘッドを含んでいる。ツールヘッドは、工具スピンドルとの、通常は標準化されたインターフェイスを形成する。それらは、通常、自動工具交換装置を用いることによって、スピンドルに結合することができる。
0015
発明による工作機械システムは、また、ツールヘッドのバランスを取るためのバランス調整装置又はバランス調整機も含んでいる。バランス調整装置は、多くの場合、機械に直接一体化することができるが、通常、工作機械に連結されるか又は対応する別個のバランス調整機である。バランス調整装置は、バランス調整の過程で特定される少なくとも1つのバランス調整データ項目、又はバランス調整の過程で特定される複数のバランス調整データ項目を、更なる加工のために出力又は格納することができるように物理的に構成される。
0016
バランス調整装置は、工作機械の空間的近傍に必ずしも位置する必要はなく、及び/又はデータ伝送のためにそれに接続される必要はないことは言うまでもない。バランス調整プロセス又はバランス調整データの特定は、また、サービスプロバイダ又はサプライヤによって外部で実行することもできる。
0017
工作機械システムは、また、発明による目的のために機能的に準備が整った状態で設置されるデータメモリも備えている。代替として、発明による目的のための工作機械システムは、データメモリへのリンクを備えることができる。バランス調整データは、システムに関連するツールヘッド、すなわち、システムに関連する工作機械上で用いることを現在意図しているツールヘッドのために前記データメモリ内にバランス調整ログとしてそれぞれ格納される。
0018
工作機械システムは、過去に用いられたツールヘッドのバランス調整データが、例えばログファイルの形で格納される更なる(通常、追加の)メモリも有するのが好ましい。これは、例えば、スピンドルに欠陥がある場合に、損傷の原因について遡及的に結論を出すことを可能にする。工作機械システムは、ネットワーク化されたデータメモリへの接続を有することもできるのが特に好ましい。
0019
そのより広い意味で、この説明及び以下の特許請求の範囲における用語「バランス調整データ」は、それぞれ単一の「バランス調整データ項目」も意味する。用語「バランス調整データ」は、従って、それぞれ単数形も意味する。しかし、用語「バランス調整データ」は、そのより狭い意味で理解されることが好ましく、次いで、ツールヘッドの少なくとも2つの異なるデータ項目を意味する。
0020
最後に、工作機械システムは、発明による目的のために機能的に準備が整った状態で設置されるコントローラを備える。前記コントローラは、スピンドルに結合されるツールヘッドのための関連するバランス調整ログを読み出す。コントローラは、次いで、読み取ったものを、このツールヘッドが提供される近々行われる金属切削加工の単数又は複数のパラメータと比較する。
0021
このようにして、選択したツールヘッドが次の使用サイクルを開始する前のそれぞれの場合において、ツールヘッドを計画どおりに用いることができるかどうか、及び適切な場合は対策を講じるかどうかを、自動的に試験することができる。代替として、処理中に「バランス調整信号」により状態を表示することができるか、又は警告信号を送信することができる。
0022
これは一般に、コントローラが、そのバランス調整ログに格納されているバランス調整データを考慮して、それぞれのツールヘッドが提供された金属切削加工にどの程度適しているかを試験することを意味する。不適切であると判断された場合、ツールヘッドは、例えば、記録されたそのバランス状態が意図した動作回転速度と一致しないか、又は警告が表示される等の理由で、例えば、不適切として不合格とされる。
0023
同様の方法とは対照的に、発明の説明される目的は、工具の状態に関する切り離された情報を記録することだけではない。代わりに、ログ記録及び比較により、工具、特にスピンドルの寿命を延ばす可能性のある方法を提供することを目的としている。バランスが取れていない又は十分にバランスが取れていないツールヘッドに加工中に接続されるスピンドルに作用する力に注目する場合、何故バランス状態の監視がスピンドルの耐用年数を延ばし、故障のリスクを低減させるかの理由が、迅速に明らかとなる。第1に、これにより、工具及び被加工品の監視だけでなく、スピンドルの注意深い使用も可能となる。例えば、バランス状態を監視することにより、ベアリングの損傷を防ぎ、その結果、スピンドルの寿命が略2倍になる。従って、工作機械システムがここで全体として考慮されることが発明にとって不可欠である。
0024
ある特定の場合において、コントローラを、バランス調整データと少なくとも1つの汎用バランス調整パラメータとの比較に制限することもできる。かかる比較は、例えば、特定の後続処理に関係しない一般的な測定が、例えば、それらのアンバランスが特定の制限値よりも大きいか小さいかに関する工具の分類等、工作機械システムを用いて行われる場合に行われる。
0025
同様の方法とは対照的に、工具の状態に関する切り離された情報だけでなく、記録することも本発明の明確なオプションである。代わりに、ログ記録及び比較により、工具の寿命並びに特にスピンドルの寿命の両方を延ばす可能性が提供される。バランスが取れていない又は十分にバランスが取れていないツールヘッドに加工中に接続されるスピンドルに作用する力に注目する場合、何故アンバランス状態の監視がスピンドルの耐用年数を延ばし、故障のリスクを低減させるかの理由が、迅速に明らかとなる。第1に、これにより、工具及び被加工品の監視だけでなく、スピンドルの注意深い使用も可能となる。従って、バランス状態を監視することにより、例えば、ベアリングの損傷を防ぎ、その結果、スピンドルの寿命が略2倍になる。従って、工作機械システムがここで全体として考慮されることが発明にとって不可欠である。
0026
発明の好ましい可能性のある改良
コントローラ又は工作機械は、提供される金属切削加工のための1つ以上のパラメータを、それぞれのツールヘッドのためのバランス調整ログが記録するバランス調整データに自動的に一致させることができるように使用準備完了状態で装備される場合が特に好ましい。
0027
これは、コントローラが、前記ツールヘッドのバランス調整ログに格納されているバランス調整データを考慮して、それぞれのツールヘッドが(次に)提供される金属切削加工にどの程度適しているかを試験することを意味する。不適切が検出された場合、このオプションにおいて、それによって、近々行われる動作条件が、工具の後続の交換による停止を回避すべきである場合に、この段階で受け入れられる必要がある記録されたバランス状態と一致することを保証するために、例えば、動作回転速度を低下させるか、及び/又は前方送りに影響を与えることによって、近々行われる金属切削加工のための1つ以上のパラメータを一致させる。
0028
このように、ある特定の時間において比較的遅い動作の進捗状況は、再起動後に動作をより迅速に実行できる場合でも、機械の一時的な完全停止よりも一般的に好ましいため、不必要な機械の動作不能時間が回避される。
0029
用語「使用準備完了」は、この文脈及び以下の文脈において、通常の機械オペレータにはできない再プログラミングを実行する必要がなく、通常の機械オペレータにはできないソフトウェア又は制御への介入の必要がないような、機械の使用準備ができていることを意味すると理解される。代わりに、それぞれの機能は継続的に有効化されるか、又は、事前定義されたキーの組み合わせを用いることによって、又はドングル等を差し込むことによって、メニューを通して通常の機械オペレータによって有効化することができる。
0030
代替又は追加として、コントローラ又は工作機械は、最適化が自動的に実行できるように、使用準備完了状態で装備することもできる。かかる最適化は、現在遭遇しているツールヘッドが十分な精度でバランスが取られておらず、従って、例えば本来意図されたよりも低いスピンドル回転速度を自動的に設定する必要があることをバランス調整ログが記録する場合に考慮される。このようにして、引き続き安定した動作フローが達成され、従って、機械の個別の最適化が生産時間を継ぎ合わせる。これらのデータ項目は、特に好ましい実施形態を最適化するためにそれらに追加される工具の切削パラメータ又は金属切削データを有することができるか、又は個別に表示することもできる。
0031
好ましくはツールヘッドがスピンドルに結合される前であっても、及び前記ツールヘッドのバランス調整データが、このツールヘッドが提供される金属切削加工のパラメータと一致しない場合でさえも、ツールヘッドが更なる使用のために例外的に解放されるように、コントローラ又は工作機械が使用準備完了状態で装備されている場合に特に好都合である。これに関連して、特殊な解放は、好ましくはそれぞれのツールヘッドのバランス調整ログ及び/又は工作機械のログファイルに記録される。
0032
かかる最適化は、ツールヘッドが実際に計画された動作条件に適していない場合でも停止が回避されるという大きな利点を有するが、機械のクロック時間は、ツールヘッドの性能低下が、例えば、スピンドルの回転速度を下げることによる等、速度を落とすことにより容易に可能とならないように、他のシステムと連動することによって永続的に事前定義される。この場合、結果を考慮することにより、ツールヘッドが非最適条件下で例外的に用いられるという自動決定を行うことができる。この事実の任意のログ記録により、例えば、その予定された交換が行われる状態に金属切削工具が実際に達していない場合でも、ツールヘッドが次の機会に交換されることを保証することができる。加えて、ある特定の状況下でかなり後に工作機械又はそのスピンドルのみに損傷が発生した場合、用いられるツールヘッドが必要なバランス調整要件を常に満たしているかどうかを判断することができる。
0033
代替として、文書と共にバランス調整信号による純粋な操作が可能であり、状態(バランスが取れている場合は緑、アンバランスの場合は赤、及び不明の場合は黄色)が格納されている。
0034
システムに関連する工作機械自体が、ツールヘッドのバランス調整特性に関して少なくともある特定の判断、特に、元のバランス調整ログにおいて発見されるバランス調整データが未だ正しい可能性があるかどうかに関する試験を許可するかの判断を行うことができる場合、特に有利である。かかる判断は、例えば、工作機械の振動測定を用いることによって行うことができる。ここで増加する値が特定されるとすぐに、これはツールヘッドを不合格とし、少なくとも更新されたログ記録又はバランス調整を行う必要があることを示している。
0035
バランス調整ログは、1つのバランス調整データ項目、好ましくは複数のバランス調整データ項目、理想的には全てのバランス調整データ項目又は、下記のバランス調整データ項目のうちの2つを除く少なくとも全てのバランス調整データ項目を記録することが特に好ましい:
・最後のバランス調整プロセスのデータ、
・許容回転速度に関するデータ、
・車両質量に関するデータを伴うか又は伴わない現在の静的アンバランスに関するデータ、
・車両質量に関するデータを伴うか又は伴わない、例えば、静的アンバランスとトルクアンバランスの組み合わせとしての現在の動的アンバランスに関するデータ、
・ISO21940に従うバランス調整品質に関するデータ、
・車両質量及び現在の残留アンバランスの商、
・バランスが取れている/バランスが取れていない、
・バランスの良好/不良状態、及び
・用いる工具のフライス加工/金属切削パラメータに関するデータ。
0036
システムは、工作機械に割り当てられたマガジンへのそれぞれのツールヘッドの挿入の過程で、工作機械システムのコントローラがバランス調整ログ又はそのバランスデータを金属切削加工の1つ以上のパラメータと比較するように、使用準備完了状態で有利に装備される。
0037
特定の使用目的に適さないツールヘッドを、結果として、早期に阻止することができる。
0038
システムは、理想的には、マガジンからスピンドルの進行中の加工の過程で、工作機械システムのコントローラが、ツールヘッドの交換前のみに又は好ましくはその前にも、バランス調整ログのバランス調整データを金属切削加工の1つ以上のパラメータと比較するように、使用準備完了状態で装備される。
0040
発明の追加の態様
更に、発明は、上で説明したような発明による工作機械システムを実施するための工作機械を提供する目的に基づいている。
0041
これに関する発明による解決策
この更なる課題を解決するために、工作機械は、工作機械がコントローラとの通信及び上で説明したような種類のバランス調整ログを読み出すために使用準備完了で装備されているという事実により区別されて提供される。これは、概して、「プラグアンドプレイ」に対応して装備されていることを意味する。この目的のために、対応するルーチンは、そのコントローラ内のソフトウェアによって既に実装されているため、工作機械は、対応するケーブル接続又は連結後に本発明に従って操作することができる。
0043
1つの好ましい実施形態の適用範囲内で、工作機械は、本体一体型コンポーネントとしてバランス調整ログ用のメモリを備えるという条項がある。
0044
発明の方法の態様
最後に、本発明は、ツールヘッドの動作の次の開始前の時点でツールヘッドのアンバランス特性を既に考慮に入れることが可能な方法を特定する課題に補助的な様式で基づいている。
0045
これに関する発明による解決策
解決策は、被加工品の金属切削加工の目的のために回転駆動され得るスピンドルを備える工作機械を有し、それぞれがチャックにクランプされ、スピンドルに結合することができる複数の工具又はツールヘッドを有し、チャック及び工具からツールヘッドのバランスを取るためのバランス調整装置を有する工作機械システムを用いることによって、被加工品の金属切削加工中にアンバランスにより誘導される品質の低下を低減する方法であって、スピンドルに結合されるツールヘッドのために読み出されるバランス調整ログは各ツールヘッドのために格納され、このツールヘッドが提供される金属切削加工のパラメータと比較されることを特徴とする方法から構成される。
0046
その他
極めて一般的には、全てのバランス調整プロセス中に、ツールヘッドの現在のバランス状態に関する情報がツールヘッド自体及び/又はデータベース内に格納されるという事実のために区別される方法に対して、保護も主張されていると結論付けることができ、ここで、ツールヘッドが機械に挿入される場合、バランス状態が照会され、照会の結果がログファイル(例えば、機械のログファイル)に機械に付託されて記録されるのが好ましく、最終的に、ツールヘッドのバランス状態に応じて用いられるか又は不合格とされる。
0047
更に、ツールヘッドの使用前に読み出すことができ、このツールヘッドが提供される金属切削加工の1つ以上のパラメータを変更する目的を有し、その結果、金属切削プロセスの最適化を行うことができる、特定のツールヘッドへの割り当てで格納されるバランス調整ログの使用に対しても、保護が主張されている。
0048
更なる利点、動作方法、及び構成の可能性は、図面を参照して、例示的な実施形態の以下の説明から得られる。
図面の簡単な説明
実施例
0050
例示的な実施形態
図1は、発明の例示的な実施形態を示している。
0052
工作機械2は主スピンドル3を備えている。また、複数の主スピンドルを持つこともできるが、本明細書中では示さない。ツールヘッド4は主スピンドル3に連結されている。ツールヘッド4は、チャック5、チャック5内に保持される金属切削工具6、及び、切削領域に供給される冷却液の噴流の方向性出力のための、例えば、長手方向調整ねじ又は装置等の可能な取り付け部品から概して構成されるユニットである。
0053
大半の場合、工作機械2には、更なるシステムコンポーネントを形成する工具交換装置7が割り当てられている。そのマガジンには、要件に応じて、工作機械の主スピンドル3に結合され、そこから切り離される異なるツールヘッド4が存在する。
0054
最後に、発明による工作機械システム1は、また、バランス調整装置又はバランス調整機8も含んでいる。いずれの場合も、ツールヘッド4をこのバランス調整機8に挿入することができる。
0055
例示的な本実施形態において個々のツールヘッド4が取る経路は、一点鎖線の材料流れ線9によって示されている。工作機械システム1の個々のコンポーネント間のデータフローは、細かい点線のデータフロー線10によって示されている。
0056
チャック5及び金属切削工具6を組み立ててツールヘッド4を形成した後、このツールヘッド4は、一般に、工具の測定又は工具の事前設定の過程でバランス調整機8に送り込まれる。バランス調整機8は、また、特定の用途とは無関係に、いわゆるバランス調整ログも生成し、それには、理想的に提供されるコンテンツの詳細が後で示される。公知の要件が与えられている場合、バランス状態もここで改善することができ、すなわち、それぞれのツールヘッド4のバランスが取れている。バランス調整ログは、この時点で既に評価されて、例えば、それぞれのツールヘッドが、計画した金属切削作業をここで考慮して、装備する工作機械2に対してここで本当に適しているかどうか、又は、例えば、チャック5内の金属切削工具6の位置を変更することによって又はチャック5において材料を除去するか若しくは、例えば、バランス調整ウェイトの形で材料を追加することによって、そのバランス状態が改善された場合、装備する工作機械2に対してのみ適しているかどうかを特定することができる。
0057
この例示的な実施形態において、最終的なバランス調整ログは、ここで工作機械2の一体部分であり得るデータメモリ11に送信される。バランス調整ログはそこに格納される。ツールヘッド4は、次いで、工具交換装置7のマガジンに送り込まれる。また、工作機械2が、それに一体化されるのが好ましく、データメモリ11からバランス調整ログを読み出し、それを処理することができるコントローラ12を有していることにも注目すべきである。
0058
被加工品の金属切削加工の過程において、工作機械2が個々の加工ステップを最適な方法で連続して実行することができるように、ツールヘッド4を繰り返し交換することが概して必要である。工作機械2が工具交換装置7のマガジンから別のツールヘッド4を要求するとすぐに、コントローラ12は、関連するバランス調整ログをデータメモリ11から読み込み、そのバランス調整データをその後に意図される金属切削加工の単数又は複数のパラメータと自動的に比較する。
0059
バランス調整ログが過度に悪いバランス調整データを有するために、最初に選択されたツールヘッド4が適切でないことが明らかになった場合、ツールヘッド4は不合格とされ、すなわち、それは工具交換装置7のマガジン内に残り、工作機械のスピンドル3にも結合されない。
0060
任意選択的に、コントローラ12又は工作機械2の汎用制御装置が、その後に意図される金属切削加工のパラメータを変更し、従って、加工パラメータとバランス調整ログのバランス調整データとの間の適合性を実現するか又は対応する最適化が実行されるように適合させる可能性が存在する。機械は、次いで、例えば、低速になるか、及び/又は、前方送りを低減させて若しくはより速く動作し、すなわち、最新のソフトウェア最適化フライス加工戦略(乾式金属切削)によるが、最初に選択されたツールヘッド4を用いることもできる。
0061
1つの特に適切な実施形態の適用範囲内において、工作機械2のスピンドル3はそれ自体が追加のアンバランス測定システム13を装備して対処している。工作機械は、次いで、進行中の加工期間にわたって、ツールヘッドが加工の開始前にバランス調整ログに記録されたバランス調整品質を保持しているかどうか、又は、例えば、摩耗の結果として若しくはカッター等の部品の破損の結果として、バランス調整品質が加工の過程で変化したことの少なくとも兆候があるかどうかをそれ自体が観測する可能性を有する。かかる兆候が、バランス調整品質が変化したことを明らかにした場合、工作機械2のコントローラ12又は汎用制御システムは、次いで、工作機械のバランス調整ログ及び/又は内部ログファイルにエントリを作成するのが好ましい。工作機械2のコントローラ12又は汎用制御装置はデータメモリにエントリを作成することができることが特に好ましい。バランス調整ログへのかかるエントリは、通常、それぞれのツールヘッド4が取り外され、再加工される状況につながる。しかし、バランス調整ログが将来に対してバランス調整品質が低いと推測されることを書き留め、次いで、このツールヘッド4を使用し続けることもできるが、その一方で、処理ステップの要求が低いことに対してのみでも十分であってもよい。いずれの場合でも、ログファイルは、従って、スピンドルの故障とアンバランスなツールの使用期間との間の関係を初めて分析することを可能にする。
0062
工具に関する振動メタデータは、また、他の工具との比較を行うために、コントローラによってデータメモリに格納することが好ましい。
0063
バランス状態は、以下のバランス調整データを用いることによって個別に又は組み合わせて説明する可能性が好ましい。
0064
前記バランス状態は、最後のバランス調整プロセスのカレンダー日付を用いることによって説明することができる。これに続いて、例えば、コントローラ12に格納されている経験値を用いることによって、ツールヘッド4がもはや使用できず、除去しなければならない摩耗限界に一般にいつ到達するかを特定することが可能である。最後のバランス調整プロセスの日付は、この日付から経過した最大許容期間が定義されるという効果を評価することもできる。この期間がこの最大値を超えなければ、工具のバランス状態も要件を満たしていると想定することができる。これは、特に、バランス調整プロセス中にツールヘッドが常に特定のバランス状態に置かれているという一般的同意が得られる場合に適切である。この場合、バランス状態に関する詳細なデータをバランス調整ログに格納する必要はない。
0065
バランス状態は、許容回転速度に関するデータを用いることによって説明することもできる。この情報は、それぞれのツールヘッド4を用いることができるスピンドルの最大の回転速度制限を明確にするための最も簡単な情報である。
0066
バランス状態は、存在する残留アンバランス、例えば、静的アンバランス及び/又は動的アンバランス、例えば、静的アンバランスとトルクアンバランスとの組み合わせに関するデータによって、好ましくは工具質量に関する追加データにより指定することができる。データキャリア上の格納スペースを節約するために、工具のバランス状態は、工具質量と存在するアンバランスとの間の商から構成される係数の形で指定することができるのが特に好ましい。存在するアンバランス品質は、工作機械のコントローラ12に格納されている提供される動作回転速度と共に計算することができ、前記バランス調整品質は設定値と比較することができる。
0067
無論、バランス状態は、バランス調整品質に関するデータを提供するだけで指定することもできる。これは、特に、ツールヘッドが特定の回転速度で用いるために常にバランスが取れているという一般的同意において定義されている場合に可能である。無論、少なくともバランス状態に関する追加情報として、バランス調整が本当に行われたか否か、及び適切な定性的情報も、バランス状態が良いか又は悪いかどうかについて格納することができるかどうかも指定することが可能である。加えて、工具に関する金属切削データも個別に格納することができる。
0068
理想的には、情報は1つのステップで又は図2に説明する全てのステップでバランス調整ログから検索して取り出される。すなわち、コントローラ12は、理想的には、バランス状態についての情報が本当に存在するかどうかを最初に検索して取り出す。次いで、工具のバランスが取れているかどうか、及びこの最後がいつ実行されたか、すなわち、最後のバランス調整が許容期間内にあるかどうかが照会される。次いで、ツールヘッドのバランス状態に基づいて許容される最大回転速度が何か、ログからデータを得る。この最大回転速度は、ツールヘッドが用いられる計画された動作回転速度と比較される。次いで、バランス調整品質が十分に高いかどうか、及び実際の残留アンバランス≦許容される残留アンバランスであるかどうかが照会される。
0069
試験により、バランス状態が要件を満たしていることが判明した場合、ツールヘッドは制御システム又はコントローラにおいて作動準備完了状態で用いられるか又は表示される。
0070
試験により、バランス状態が要件を満たしていないか又は不明であることが判明した場合、ツールヘッドは不合格とされる。代替として、工具の使用のための特殊な解放を行うことができ、すなわち、工具は、ワークフローの中断を回避するために、例外的に引き続き用いられる。この場合は、便宜上、機械関連方法でデータベース(例えば、ログファイル)にログ記録されるか、又は代替若しくは追加として、作動危険状態で表示される。完全を期すために、工作機械2にデータメモリ11及び/又はコントローラ12を収容することが有利であることも強調されるが、これは必ずしもそうである必要はない。また、データメモリ11及び/又はコントローラ12が、バランス調整機8及び工作機械2へデータに関してのみ接続される独立したネットワークコンポーネントを用いることによって実装される場合も考えられる。これに関連して、好ましくない極端な場合に、データ接続は、また、モバイルデータキャリアとのデータの送信を意味するとも理解される。
0072
更なる例示的な実施形態において、データ転送はネットワークを介して実施される。データメモリ11は、この更なる例示的な実施形態において、工作機械2から離間していわゆる「データ分析装置及びコントローラ」(以下、DACと称する)内に位置している。DACは、例えば、主にツールデータの管理に役立つネットワークベースのサービスプログラムである。特に、これらは公称値だけでなく、特に取得した事前設定データ及びバランス調整データである。この更なる例示的な実施形態において、バランス調整機8はDACのデータメモリ11内にデータを格納する。データ伝送10は、例えば、イーサネットネットワークを介して起こり、特に、トランスポート層セキュリティ(TLS)を介して格納される。データメモリは、例えば、REST(Representational State Transfer)インターフェイスを介してデータを受信する。特に、データメモリはRESTインターフェイスを介してデータを格納する。対応するツールヘッドの計画された使用の場合における更なる例示的な実施形態において、コントローラ12は、DACのデータメモリ(11)上の保護されたRESTインターフェイスを同様に介して、バランス調整データ及び、例えば、事前設定からのデータ等の、好ましくは、更なるツール固有のパラメータを照会する。例示的な実施形態において、例えば、Heidenheim社からのコントローラ機種TNC640が用いられる。(バランス調整)データが検索されて取り出された後、コントローラ(12)は、特に、計画されたタスクに対するツールヘッド(4)の適合性を特定する。不適切な場合、例えば、指示がオペレータに出力される。
0073
同様に代替として、各ツールヘッド4自体が、バランス調整ログが格納され、言うなれば、ツールヘッド「にも」転送される適切なデータメモリを有することも提供され得る。これは、例えば、一体型RFIDチップへの転送と考えることができる。
0074
RFIDデータキャリアを介したデータ転送の例示的な実施形態を、更なる例示的な実施形態に基づいて以下に説明する。
0075
バランス調整機8からコントローラ12へのデータフローは、この更なる例示的な実施形態において、RFIDデータキャリアを介して発生する。例示的な実施形態において、データキャリア、特に、RFIDデータキャリア又はRFIDチップが、工具ホルダ、特にツールヘッド4に挿入される。例示的な実施形態において、特に、Balluff社の機種BIS C-122-04/Lからのデータキャリアが用いられている。これは単なる例である。他のデータキャリア、例えば、Balluff社からの機種BIS C又はBIS Mのデータキャリアも用いることができる。例えば、他のメーカーからのデータキャリア又はRFIDシステムを用いることも可能である。
0076
更なる例示的な実施形態において、工作機械システム1は、書き込み/読み取りヘッドをバランス調整データをデータキャリアに送信するための評価ユニットと共に備えている。評価ユニットは、特に、データキャリアと互換性がなければならない。本発明による解決策において、読み取りヘッドを有する評価ユニットは低周波数範囲で用いられる。更なる例示的な実施形態において、評価ユニットは、シリアルインターフェイス(RS232)を介してバランス調整機8の[PC]に接続される。例示的な実施形態において、例えば、Balluff社からの評価ユニット、特に、低周波範囲又は特に70/455kHzの低中波範囲で動作するのが好ましいBIS-C読み取りヘッドを特に備えるBIS-C-650モデルが用いられた。
0077
更なる例示的な実施形態において、システム全体に対するデータキャリア上のデータの配置は、個々のコンポーネント間で調整される。コントローラ12は誘導システムであるのが好ましい。構成ファイルは、バランス調整機8のデータキャリア上のデータ構成を定義する。構成ファイルは、特にXMLファイルとして実装される。構成ファイルは、定義されたスキームを適切に満足させる。
0078
何のバランス調整データもツールヘッドに対して格納されていない場合、警告が試験に関して発せられるか、又は警告表示が制御システム若しくはコントローラにおいて発生する。
0079
符号リスト
1工作機械システム
2工作機械
3スピンドル又は主スピンドル
4ツールヘッド
5チャック
6金属切削工具
7工具交換装置
8バランス調整機又はバランス調整装置
9材料流れ線
10データフロー線
11データメモリ
12コントローラ
13 工作機械上の追加のアンバランス測定システム
14 切断される被加工品