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課題・解決手段

改善されたシリカ艶消し剤が開示される。艶消し剤は水性コーティング組成物において有用であり、木材基材に非常に優れた特性を提供する。木材基材上のシリカ系艶消し剤から得られるフィルムは、予想外にも、木材基材の表面に対して改善された耐化学性及び/又はフィルム透明度を提供する。艶消し剤を作製及び使用する方法もまた開示される。

概要

背景

シリカ艶消し剤は、コーティングされたフィルムの光沢を低減するために、コーティング及び塗装用の製剤において広く使用されている。溶剤系コーティング又は100%固体UV硬化型製剤においては、効果的に光沢を低減し艶消しをするために、多量のシリカが必要とされる。一方、高濃度親水性シリカは、溶剤系ラッカーレオロジー特性を変化させる可能性があり、多くの場合、分注性及び沈降の問題を有し得る。こうした問題を解決するために、通常、先行技術は、微粒子シリカ表面処理を行ってその表面を疎水性とし、これにより溶剤系及び製剤中の有機物との相溶性を高めることを対象としている。この目的のため、多くの場合、ワックス及び/又はポリマーでコーティングされたシリカが使用されてきた。

米国特許第6039798号には、ワックスでコーティングされたシリカ艶消し剤であって、シリカが少なくとも1.5cm3/g、好ましくは少なくとも1.8cm3/gの細孔体積を有する非晶質シリカである艶消し剤が開示されている。ワックスコーティングは、艶消し剤の6重量%〜15重量%(wt%)の範囲で存在し、合成ポリエチレンワックスを含む。

欧州特許第0759959号には、ワックスでコーティングされたシリカ艶消し剤であって、シリカが、細孔の90%が15ナノメートルを超える直径を有し、細孔体積の20%未満が10〜30ナノメートルの孔径を有する細孔中にある細孔サイズ分布を有する非晶質シリカであり、ワックスコーティングが、艶消し剤の約2重量%〜約15重量%の範囲で存在し、硬質マイクロクリスタリンワックス可塑化マイクロクリスタリンワックス、合成ポリエチレンワックス、又はこれらの混合物を含む艶消し剤が開示されている。

米国特許出願公開第20050065268号は、シリカ艶消し剤が、シリカの粒子親水性ポリオレフィンワックスで処理された、微粒子非晶質シリカを含むことを開示している。

米国特許第6921781号は、少なくとも1種のシリカ粒子表面の少なくとも一部分を少なくとも1種のワックスでコーティングすることを開示しており、コーティングは、ワックスの融点より高く、かつワックスの分解温度より低い温度で、少なくとも1種の気体中で実施される。ワックス含有量は、シリカ含有量の2〜15重量%として規定される。

米国特許第7303624号は、構造的にコーティングされたシリカが、発熱性シリカを水及びコーティング剤で好適な混合容器内にて噴霧かつ混合し、その後、生成物粉砕、次いで調整することで調製され得ることを開示している。

米国特許第8926748号には、無機酸化物微粒子と、当該無機酸化物微粒子上にコーティングされたワックスと、を含む、艶消しされたコーティングの調製に有用な艶消し剤であって、当該ワックスが、約50%以上の結晶化度を有し、当該ワックスが、当該艶消し剤の総重量に基づいて15重量%〜30重量%の範囲の量で存在する、艶消し剤が開示されている。

国際公開第1999051692号には、二酸化ケイ素原料とする艶消し剤であって、二酸化ケイ素粒子が、2.5〜20μmの粒径及び艶消し剤に基づいて0〜65重量%の含水率を有し、0.2〜10重量%の尿素ウレタン誘導体又は尿素ウレタン誘導体の混合物でコーティングされている、艶消し剤に関する発明が開示されている。

現在、溶剤系コーティング組成物は、環境問題並びに安全及び健康問題という理由から望ましくない。政府規制により、塗料又はコーティング製剤中の揮発性有機化合物(VOC)の低減及び排除が推し進められており、実質的により水溶性であるコーティングの使用が奨励されている。

様々な種類の艶消し剤が水溶性製剤で使用されており、これにはシリカ艶消し剤、有機艶消し剤、及び2つのブレンドが含まれる。

Acematt(登録商標)TS100、Syloid(登録商標)C807などのシリカ系艶消し剤は、優れた艶消し効率性及び水溶性製剤におけるフィルム透明度を有するが、耐化学性及び耐候性は低い傾向があり、多くの場合、化学物質曝露されたか又は天候条件が変化したときに白化したり、ったりしてしまう。また、シリカ系艶消し剤は、急速な温度変化に曝されたときの熱応力耐性が低い傾向がある。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、光の散乱に効果がある亀裂を生じさせる、艶消し剤とラテックスとの界面における接着破壊、並びにフィルムの湿潤及び乾燥中のフィルムの膨張(次いで収縮)による応力によって生じ、乾燥中の艶消し粒子の粒子収縮によって大きくなる接着破壊は、水溶性コーティング製剤中のシリカ艶消し剤に関するこれらの欠点の原因となり得る。こうした欠点全てが、木材基材へのコーティング用途において望ましくない。

純粋有機系有機艶消し剤も使用されてきた。例えば、Deuteron(登録商標)MK及びCeraflour(登録商標)920などの尿素ホルムアルデヒド樹脂系艶消し剤が知られている。しかしながら、これらの艶消し剤はいずれも、有毒ホルムアルデヒドといった残留出発物質を潜在的に放出し得るので、環境への懸念がある。改質され、微粉化されたポリエチレン系艶消し剤であるCeraflour(登録商標)929も利用可能である。しかしながら、コーティング製剤においてシリカ系艶消し剤と比較したとき、この製品は艶消し効率性に乏しい。また、有機艶消し剤は、純粋シリカ系艶消し剤と比較したとき、フィルム透明度に乏しいことも知られている。これは恐らく、シリカ系艶消し剤は、コーティングされたフィルム中で他の成分(例えば、結合剤)の屈折率に近い屈折率を有するが、一方、有機系艶消し剤とこのような成分の屈折率の差はより大きいことが理由である。加えて、有機艶消し剤は、通常、生産がより困難であり、その上、より高価である。

また、必要とされるコーティングフィルム特性のバランスをとるために、シリカ系艶消し剤と有機艶消し剤とをブレンドすることも水溶性系において使用されている。しかしながら、このブレンドは既に複雑である塗料又はコーティング製剤系にて、更なる複雑さを作り出す。

したがって、(i)水性コーティング系で使用するのに好適であり、(ii)良好な艶消し効率性と合わせて、改善された耐化学性及び/又は改善されたフィルム透明度を有するクリアコートフィルムを提供する艶消し剤を開発するための簡単な解決策が依然として必要とされている。

概要

改善されたシリカ系艶消し剤が開示される。艶消し剤は水性コーティング組成物において有用であり、木材基材に非常に優れた特性を提供する。木材基材上のシリカ系艶消し剤から得られるフィルムは、予想外にも、木材基材の表面に対して改善された耐化学性及び/又はフィルム透明度を提供する。艶消し剤を作製及び使用する方法もまた開示される。

目的

したがって、(i)水性コーティング系で使用するのに好適であり、(ii)良好な艶消し効率性と合わせて、改善された耐化学性及び/又は改善されたフィルム透明度を有するクリアコートフィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

低い多孔度を有する多孔質シリカ粒子を含む水性コーティング組成物用の艶消し剤であって、前記低い多孔度が、Barrett−Joyner−Halenda(BJH)法によって求めたときに約1.2立方センチメートルグラム(cc/gm)以下の総細孔体積であり、有効艶消し量で水性コーティング組成物に組み込まれ、前記コーティング組成物基材上に塗布されてクリアコートフィルムを形成したとき、前記艶消し剤が、艶消し剤としてより高い総細孔体積を有するシリカ粒子を含む水性コーティング組成物から形成されたフィルムと比較して、フィルムに増大した耐化学性を提供する、艶消し剤。

請求項2

前記多孔質シリカ粒子が、コーティングされていないシリカ粒子である、請求項1に記載の艶消し剤。

請求項3

前記シリカ粒子が、少なくとも0.10cc/gm以上の総細孔体積を有する多孔質シリカ粒子と、少なくとも部分的に前記多孔質シリカ粒子の細孔内の(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせと、を含む、複合シリカ粒子であり、前記複合粒子が、Barrett−Joyner−Halenda(BJH)法によって求めたときに約1.2cc/gm以下の総細孔体積を有する、請求項1に記載の艶消し剤。

請求項4

フィルムを形成するために平坦、平滑、かつ非浸透性黒色チャート上で乾燥させた際に、乾燥させたフィルムにおいて10.0〜15.0の60°光沢度値を達成するのに十分な量で、水性コーティング組成物に組み込まれたとき、前記フィルムが、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに6.0単位未満の水損傷24時間ΔL*を示すことを可能にする、請求項1又は3に記載の艶消し剤。

請求項5

フィルムを形成するために平坦、平滑、かつ非浸透性の黒色チャート上で乾燥させた際に、乾燥させたフィルムにおいて10〜15の60°光沢度値を達成するのに十分な量で、水性コーティング組成物に組み込まれたとき、前記フィルムが、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに13.0単位未満の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*を示すことを可能にする、請求項1又は3のいずれか一項に記載の艶消し剤。

請求項6

フィルムを形成するために平坦、平滑、かつ非浸透性の黒色チャート上で乾燥させた際に、乾燥させたフィルムにおいて10〜15の60°光沢度値を達成するのに十分な量で水性コーティング組成物に組み込まれたとき、前記フィルムが、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに15.0単位未満の50/50水/エタノール損傷4時間ΔL*を示すことを可能にする、請求項5に記載の艶消し剤。

請求項7

フィルムを形成するために平坦、平滑、かつ非浸透性の黒色チャート上で乾燥させた際に、乾燥させたクリアコートフィルムにおいて10.0〜15.0の60°光沢度値を達成するのに十分な量で水性コーティング組成物に組み込まれたとき、フィルム組成物が、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに7.0単位未満のフィルム透明度ΔL*を示すことを可能にする、請求項1又は3に記載の艶消し剤。

請求項8

前記複合シリカ粒子が、(i)前記1つ以上のワックス、(ii)前記1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせのうちの1つを、前記複合粒子の総重量に基づいて最大で約75重量パーセント(重量%)含む、請求項3に記載の艶消し剤。

請求項9

前記複合シリカ粒子が、(i)前記1つ以上のワックス、(ii)前記1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせのうちの1つを、前記複合粒子の総重量に基づいて約1.0重量%〜約70.0重量%含む、請求項8に記載の艶消し剤。

請求項10

前記複合シリカ粒子が、少なくとも部分的に前記多孔質シリカ粒子の細孔内に(i)前記1つ以上のワックス、(ii)前記1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせのうちの1つを、前記複合シリカ粒子の総重量に基づいて約2.0重量%〜約50.0重量%含む、請求項9に記載の艶消し剤。

請求項11

前記多孔質シリカ粒子が、シリカゲル沈殿シリカ、又はヒュームドシリカ粒子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の艶消し剤。

請求項12

前記多孔質シリカ粒子が、BJH法によって求めたときに約0.01cc/gm〜約1.2cc/gmの総細孔体積を有する、請求項2の艶消し剤。

請求項13

前記多孔質シリカ粒子が、BJH法によって求めたときに約0.1cc/gm〜約1.0cc/gmの総細孔体積を有する、請求項12の艶消し剤。

請求項14

前記多孔質シリカ粒子が、少なくとも約10m2/gかつ最大で2000m2/g、又はそれ以上のBETシリカ粒子表面積を有する、請求項11に記載の艶消し剤。

請求項15

前記多孔質シリカ粒子が、少なくとも約20m2/gかつ最大で900m2/g以下のBETシリカ粒子表面積を有する、請求項14に記載の艶消し剤。

請求項16

前記多孔質シリカ粒子が、約1.0マイクロメートル(μm)〜約50μmの中央粒径を有する、請求項1又は3に記載の艶消し剤。

請求項17

前記粒子が、BJH法によって求めたときに約0.01cc/gm〜約1.2cc/gmの総細孔体積を有する、請求項15の艶消し剤。

請求項18

前記複合シリカ粒子が、BJH法によって求めたときに約0.01cc/gm〜約1.2cc/gmの総細孔体積を有する、請求項3の艶消し剤。

請求項19

前記複合シリカ粒子が、多孔質シリカ粒子と1つ以上のワックスとを含む、請求項3に記載の艶消し剤。

請求項20

前記1つ以上のワックスが、炭化水素ワックスパラフィンワックスポリエチレンワックスポリプロピレンワックス植物ワックス動物ワックス、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項19に記載の艶消し剤。

請求項21

前記1つ以上のワックスが、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、又はこれらの組み合わせを含む、請求項20に記載の艶消し剤。

請求項22

前記1つ以上のワックスが、少なくとも2000の平均分子量を有するポリエチレンワックスを含む、請求項21に記載の艶消し剤。

請求項23

前記複合シリカ粒子が、多孔質シリカ粒子と1つ以上のポリマーとを含む、請求項3に記載の艶消し剤。

請求項24

前記1つ以上のポリマーが、ポリジエン加硫ポリジエン、ポリアクリルアミドポリビニルポリピロリドンセルロースアセテートブチレート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項23に記載の艶消し剤。

請求項25

前記1つ以上のポリマーが、ポリジエン、加硫ポリジエン、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項24に記載の艶消し剤。

請求項26

前記1つ以上のポリマーが、加硫ポリジエンを含む、請求項25に記載の艶消し剤。

請求項27

前記シリカ系粒子が、自由流動性粒子である、請求項11に記載の艶消し剤。

請求項28

前記複合シリカ粒子の外側表面領域の大部分がシリカを含む、請求項3に記載の艶消し剤。

請求項29

コーティング組成物に組み込まれ、平坦、平滑、かつ非浸透性の黒色チャート上に塗布されたとき、前記コーティング組成物が、携帯型Micro−TRI光沢度計を使用して測定したときに10.0〜15.0の60°光沢度値を有するクリアコートフィルムを形成することを可能にする、請求項1又は3に記載の艶消し剤。

請求項30

前記フィルムが、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに6.0単位未満の水損傷24時間ΔL*を示す、請求項29に記載の艶消し剤。

請求項31

前記フィルムが、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに13.0単位未満の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*を示す、請求項29に記載の艶消し剤。

請求項32

前記フィルムが、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに15.0単位未満の50/50水/エタノール損傷4時間ΔL*を示す、請求項29に記載の艶消し剤。

請求項33

コーティング組成物に組み込まれ、基材上に塗布されたとき、前記コーティング組成物が、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに7.0単位未満のフィルム透明度ΔL*を示すことを可能にする、請求項30〜32のいずれか一項に記載の艶消し剤。

請求項34

前記フィルムが、(i)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに6.0単位未満の水損傷24時間ΔL*、(ii)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに13.0単位未満の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*、(iii)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに15.0単位未満の50/50水/エタノール損傷4時間ΔL*、及び(iv)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに7.0単位未満のフィルム透明度ΔL*を示す、請求項29に記載の艶消し剤。

請求項35

前記フィルムが、(i)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに4.8単位未満の水損傷24時間ΔL*、(ii)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに11.0単位未満の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*、(iii)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに11.5単位未満の50/50水/エタノール損傷4時間ΔL*、及び(iv)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに6.5単位未満のフィルム透明度ΔL*を示す、請求項29に記載の艶消し剤。

請求項36

請求項3に記載の艶消し剤を調製する方法であって、前記方法が、1.2cc/gm以下の総細孔体積を有する複合シリカ粒子を形成するために、少なくとも0.1cc/gm以上の総細孔体積を有する多孔質シリカ粒子を、(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせと接触させることを含む、方法。

請求項37

前記接触工程が、(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせを溶媒に溶解させて、懸濁液又は分散液を形成することと、前記多孔質シリカ粒子を前記懸濁液又は分散液に組み込むことと、前記懸濁液又は分散液から前記溶媒を除去して、前記複合シリカ粒子を形成することと、を含む、請求項36に記載の方法。

請求項38

前記接触工程が、(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせを融解させて、液体コーティングを形成することと、前記多孔質シリカ粒子を前記液体コーティングに組み込んで、前記複合シリカ粒子を形成することと、を含む、請求項36に記載の方法。

請求項39

前記接触工程が、(a)(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせと(b)前記多孔質シリカ粒子とを加熱しながら同時に混合又は粉砕して、前記複合シリカ粒子を形成することを含む、請求項36に記載の方法。

請求項40

硫黄元素加硫促進剤、又はこれらの両方を前記1つ以上のポリマーに添加することを更に含む、請求項36〜39のいずれか一項に記載の方法。

請求項41

前記加硫促進剤が、硫黄元素及び/又はブチルジメートを含む、請求項40に記載の方法。

請求項42

前記複合シリカ粒子の粒径を減少させて、100マイクロメートル(μm)未満の最終粒径を有する複合シリカ粒子を得ることを更に含む、請求項36〜41のいずれか一項に記載の方法。

請求項43

約500マイクロメートル(μm)未満の第1の粒径を有する複合シリカ粒子を形成することと、前記複合シリカ粒子を高温熱処理時間にわたって熱処理することと、前記熱処理された複合シリカ粒子を冷却することと、約100μm未満の最終粒径が得られるように、前記熱処理された複合シリカ粒子を粉砕することと、を更に含む、請求項42に記載の方法。方法。

請求項44

前記複合シリカ粒子が、約90℃〜約140℃の範囲である高温で熱処理され、熱処理時間が約1.0時間(hr)〜約4.0hrの範囲である、請求項43に記載の方法。

請求項45

1つ以上のワックスが存在し、前記高温が約100℃〜約130℃の範囲であり、前記熱処理時間が約1.0hr〜約1.5hrの範囲である、請求項44に記載の方法。

請求項46

1つ以上のポリマーが存在し、前記高温が約90℃〜約100℃の範囲であり、前記熱処理時間が約2.5hr〜約3.5hrの範囲である、請求項44に記載の方法。

請求項47

前記減少工程の結果、約45μm未満の最終粒径を有するコーティングされた粒子が得られる、請求項42に記載の方法。

請求項48

請求項1〜35のいずれか一項に記載の艶消し剤を含む、コーティング組成物。

請求項49

水性組成物を含む、請求項48に記載のコーティング組成物。

請求項50

前記コーティング組成物の総重量に基づいて、最大で約50重量%の前記艶消し剤を含む、請求項49に記載のコーティング組成物。

請求項51

平坦、平滑、かつ非浸透性の黒色チャート上に塗布されたとき、携帯型Micro−TRI光沢度計を使用して測定したときに10.0〜15.0の60°光沢度値を有するフィルムを形成する、請求項49に記載のコーティング組成物。

請求項52

前記フィルムが、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに6.0単位未満の水損傷24時間ΔL*を示す、請求項51に記載のコーティング組成物。

請求項53

前記フィルムが、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに13.0単位未満の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*を示す、請求項51に記載のコーティング組成物。

請求項54

前記フィルムが、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに15.0単位未満の50/50水/エタノール損傷4時間ΔL*を示す、請求項51に記載のコーティング組成物。

請求項55

前記フィルムが、携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに7.0単位未満のフィルム透明度ΔL*を示す、請求項51に記載のコーティング組成物。

請求項56

前記フィルムが、(i)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに6.0単位未満の水損傷24時間ΔL*、(ii)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに13.0単位未満の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*、(iii)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに15.0単位未満の50/50水/エタノール損傷4時間ΔL*、及び(iv)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに6.5単位未満のフィルム透明度ΔL*を示す、請求項51に記載のコーティング組成物。

請求項57

前記フィルムが、(i)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに4.8単位未満の水損傷24時間ΔL*、(ii)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに11.0単位未満の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*、(iii)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに11.5単位未満の50/50水/エタノール損傷4時間ΔL*、及び(iv)携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに6.0単位未満のフィルム透明度ΔL*を示す、請求項51に記載のコーティング組成物。

請求項58

請求項48〜57のいずれか一項に記載のコーティング組成物でコーティングされた基材。

請求項59

木材基材を含む、請求項58に記載の基材。

請求項60

木材基材に塗布される水性組成物の耐化学性を改善する方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の艶消し剤を前記コーティング組成物に組み込むことと、前記コーティング組成物を木材基材の少なくとも1つの表面上に塗布してコーティングを形成することと、前記コーティングを乾燥させて、前記木材基材の少なくとも1つの表面上にフィルムを形成することと、を含む方法。

請求項61

前記フィルムがクリアコートフィルムである、請求項60に記載の方法。

技術分野

0001

本出願は、2018年8月3日に全ての国を指定して米国企業W.R.Grace & Co.−Conn.名義PCT国際特許出願として出願されており、「SILICA−BASED MATTING AGENTS AND METHODS OF MAKING AND USING THESAME」と題された2017年8月3日出願の米国仮特許出願第62/540,920号に対する優先権を主張する。

0002

本発明は、改善されたシリカ艶消し剤に関する。一態様では、本発明は、水性(waterborne)コーティング系用の改善されたシリカ系艶消し剤に関する。別の態様では、本発明は、低多孔度シリカ粒子を含むシリカ系艶消し剤、当該シリカ系艶消し剤を含有する水性(aqueous)コーティング組成物、及び当該組成物を作製及び使用する方法に関する。

背景技術

0003

シリカ系艶消し剤は、コーティングされたフィルムの光沢を低減するために、コーティング及び塗装用の製剤において広く使用されている。溶剤系コーティング又は100%固体UV硬化型製剤においては、効果的に光沢を低減し艶消しをするために、多量のシリカが必要とされる。一方、高濃度親水性シリカは、溶剤系ラッカーレオロジー特性を変化させる可能性があり、多くの場合、分注性及び沈降の問題を有し得る。こうした問題を解決するために、通常、先行技術は、微粒子シリカ表面処理を行ってその表面を疎水性とし、これにより溶剤系及び製剤中の有機物との相溶性を高めることを対象としている。この目的のため、多くの場合、ワックス及び/又はポリマーでコーティングされたシリカが使用されてきた。

0004

米国特許第6039798号には、ワックスでコーティングされたシリカ艶消し剤であって、シリカが少なくとも1.5cm3/g、好ましくは少なくとも1.8cm3/gの細孔体積を有する非晶質シリカである艶消し剤が開示されている。ワックスコーティングは、艶消し剤の6重量%〜15重量%(wt%)の範囲で存在し、合成ポリエチレンワックスを含む。

0005

欧州特許第0759959号には、ワックスでコーティングされたシリカ艶消し剤であって、シリカが、細孔の90%が15ナノメートルを超える直径を有し、細孔体積の20%未満が10〜30ナノメートルの孔径を有する細孔中にある細孔サイズ分布を有する非晶質シリカであり、ワックスコーティングが、艶消し剤の約2重量%〜約15重量%の範囲で存在し、硬質マイクロクリスタリンワックス可塑化マイクロクリスタリンワックス、合成ポリエチレンワックス、又はこれらの混合物を含む艶消し剤が開示されている。

0006

米国特許出願公開第20050065268号は、シリカ艶消し剤が、シリカの粒子親水性ポリオレフィンワックスで処理された、微粒子非晶質シリカを含むことを開示している。

0007

米国特許第6921781号は、少なくとも1種のシリカ粒子表面の少なくとも一部分を少なくとも1種のワックスでコーティングすることを開示しており、コーティングは、ワックスの融点より高く、かつワックスの分解温度より低い温度で、少なくとも1種の気体中で実施される。ワックス含有量は、シリカ含有量の2〜15重量%として規定される。

0008

米国特許第7303624号は、構造的にコーティングされたシリカが、発熱性シリカを水及びコーティング剤で好適な混合容器内にて噴霧かつ混合し、その後、生成物粉砕、次いで調整することで調製され得ることを開示している。

0009

米国特許第8926748号には、無機酸化物微粒子と、当該無機酸化物微粒子上にコーティングされたワックスと、を含む、艶消しされたコーティングの調製に有用な艶消し剤であって、当該ワックスが、約50%以上の結晶化度を有し、当該ワックスが、当該艶消し剤の総重量に基づいて15重量%〜30重量%の範囲の量で存在する、艶消し剤が開示されている。

0010

国際公開第1999051692号には、二酸化ケイ素原料とする艶消し剤であって、二酸化ケイ素粒子が、2.5〜20μmの粒径及び艶消し剤に基づいて0〜65重量%の含水率を有し、0.2〜10重量%の尿素ウレタン誘導体又は尿素ウレタン誘導体の混合物でコーティングされている、艶消し剤に関する発明が開示されている。

0011

現在、溶剤系コーティング組成物は、環境問題並びに安全及び健康問題という理由から望ましくない。政府規制により、塗料又はコーティング製剤中の揮発性有機化合物(VOC)の低減及び排除が推し進められており、実質的により水溶性であるコーティングの使用が奨励されている。

0012

様々な種類の艶消し剤が水溶性製剤で使用されており、これにはシリカ艶消し剤、有機艶消し剤、及び2つのブレンドが含まれる。

0013

Acematt(登録商標)TS100、Syloid(登録商標)C807などのシリカ系艶消し剤は、優れた艶消し効率性及び水溶性製剤におけるフィルム透明度を有するが、耐化学性及び耐候性は低い傾向があり、多くの場合、化学物質曝露されたか又は天候条件が変化したときに白化したり、ったりしてしまう。また、シリカ系艶消し剤は、急速な温度変化に曝されたときの熱応力耐性が低い傾向がある。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、光の散乱に効果がある亀裂を生じさせる、艶消し剤とラテックスとの界面における接着破壊、並びにフィルムの湿潤及び乾燥中のフィルムの膨張(次いで収縮)による応力によって生じ、乾燥中の艶消し粒子の粒子収縮によって大きくなる接着破壊は、水溶性コーティング製剤中のシリカ艶消し剤に関するこれらの欠点の原因となり得る。こうした欠点全てが、木材基材へのコーティング用途において望ましくない。

0014

純粋有機系有機艶消し剤も使用されてきた。例えば、Deuteron(登録商標)MK及びCeraflour(登録商標)920などの尿素ホルムアルデヒド樹脂系艶消し剤が知られている。しかしながら、これらの艶消し剤はいずれも、有毒ホルムアルデヒドといった残留出発物質を潜在的に放出し得るので、環境への懸念がある。改質され、微粉化されたポリエチレン系艶消し剤であるCeraflour(登録商標)929も利用可能である。しかしながら、コーティング製剤においてシリカ系艶消し剤と比較したとき、この製品は艶消し効率性に乏しい。また、有機艶消し剤は、純粋シリカ系艶消し剤と比較したとき、フィルム透明度に乏しいことも知られている。これは恐らく、シリカ系艶消し剤は、コーティングされたフィルム中で他の成分(例えば、結合剤)の屈折率に近い屈折率を有するが、一方、有機系艶消し剤とこのような成分の屈折率の差はより大きいことが理由である。加えて、有機艶消し剤は、通常、生産がより困難であり、その上、より高価である。

0015

また、必要とされるコーティングフィルム特性のバランスをとるために、シリカ系艶消し剤と有機艶消し剤とをブレンドすることも水溶性系において使用されている。しかしながら、このブレンドは既に複雑である塗料又はコーティング製剤系にて、更なる複雑さを作り出す。

0016

したがって、(i)水性コーティング系で使用するのに好適であり、(ii)良好な艶消し効率性と合わせて、改善された耐化学性及び/又は改善されたフィルム透明度を有するクリアコートフィルムを提供する艶消し剤を開発するための簡単な解決策が依然として必要とされている。

0017

本発明は、「水溶性」又は水性のコーティング組成物から得られるコーティングされたフィルムにおいて耐化学性の増大と合わせて良好な艶消し効率性を提供する、改善されたシリカ系艶消し剤を見出すことによって、当該技術分野における前述の要求に対処する。予想外にも、比較的低い多孔度(例えば、約1.2cc/gm以下)を有するシリカ粒子を艶消し剤として水性コーティング組成物に組み込むと、特に木材基材上に塗布したときに、乾燥したコーティング組成物から形成されるフィルムの耐化学性が増大することが見出された。有利にも、本発明の水性組成物更に、従来の水性コーティングされた組成物と比較したとき、改善されたフィルム透明度の非常に優れた特性を木材基材の表面に提供する。

0018

したがって、本発明は、Barrett−Joyner−Halenda(BJH)法によって求めたときに約1.2立方センチメートルグラム(cc/gm)以下の総細孔体積を有する多孔質シリカ粒子を含むシリカ系艶消し剤を提供する。多孔質シリカ粒子は、コーティングされていない多孔質シリカ粒子であってもコーティングされた多孔質シリカ粒子であってもよい。

0019

所望の実施形態において、シリカ系艶消し剤は、コーティングされた又は複合のシリカ粒子であって、最終的な複合シリカ粒子が、BJH法によって求めたときに約1.2cc/gm以下の総細孔体積を有するように、シリカ粒子が(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの成分でコーティング又は処理されたシリカ粒子を含む。

0020

また、本発明は、乾燥時に、改善された耐化学性を有する乾燥した「クリアコート」フィルムを提供する、本発明の改善されたシリカ系艶消し剤を含む水性コーティング組成物又は製剤を提供する。本発明の目的のために、用語「クリアコート」フィルムは、木材基材の少なくとも1つの表面上に塗布したときに、木材基材の天然木目を実質的に目視できるように、透明又は実質的に透明であるフィルムを示すために本明細書で使用される。いくつかの例示的な実施形態では、コーティング組成物を用いて平坦、平滑、かつ非浸透性黒色チャート上でドローダウンを実施したとき、乾燥させた際に、乾燥クリアコートフィルムにおいて10.0〜15.0の60°光沢度値を達成するのに十分な量で存在する本発明の改善された艶消し剤を有する本発明のコーティング組成物は、本明細書で以下に記載する方法に従って携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに15.0単位未満の50/50水/エタノール損傷4時間ΔL*を示すフィルムを提供する。いくつかの所望の実施形態では、乾燥させた際に、乾燥フィルムにおいて10.0〜15.0の60°光沢度値を達成するのに十分な量で存在する本発明の改善された艶消し剤を有する本発明による水性コーティング組成物は、(a)本明細書で以下に記載する方法に従って携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに13.0単位未満の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*、並びに/又は(b)携帯型Spectro−Guide45/0比色計及び本明細書で記載する方法を使用して測定したときに6.0単位未満の水損傷24時間ΔL*の少なくとも1つを示すクリアコートフィルムを提供する。

0021

他の実施形態では、本明細書で上記した耐化学特性に加えて、乾燥させた際に、乾燥させたフィルムにおいて10.0〜15の60°光沢度値を達成するのに十分な量で存在する本発明の改善された艶消し剤を有する本発明による水性コーティング組成物は、本明細書で記載する方法に従って携帯型Spectro−Guide45/0比色計を使用して測定したときに7.0単位未満のフィルム透明度ΔL*を示すクリアコートフィルムを提供する。

0022

本発明は、更に、シリカ系艶消し剤を作製する方法及び本発明の艶消し剤を含む水性コーティング組成物を調製する方法に関する。また、本発明は、本明細書で言及する水性コーティング組成物で基材をコーティングする方法に関する。好ましい実施形態では、基材は木材基材である。

0023

他の実施形態では、本明細書に記載のシリカ系艶消し剤を使用する方法は、基材、特に木材基材の耐化学性及び/若しくはフィルム透明度、又はこれらの任意の組み合わせを改善する方法であって、水性コーティング組成物を当該基材上に塗布する前に、本明細書に記載のシリカ系艶消し剤を当該コーティング組成物に組み込むことを含む方法を含む。予想外にも、比色計(例えば、携帯型Spectro−Guide45/0比色計)を使用して測定したとき、公知の液体コーティング組成物と比較した場合に、本明細書に記載のコーティング組成物は、所与の木材基材に対して改善された保護を提供する。

0024

本発明は、更に、本明細書に記載の艶消し剤を含有する水性組成物でコーティングされた基材に関する。いくつかの例示的な実施形態では、基材は、本明細書に記載のシリカ系艶消し剤を含有する水性組成物でコーティングされた木材基材を含む。

0025

本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の開示された実施形態の詳細な説明及び添付の「特許請求の範囲」の考察後に明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0026

本発明は、添付図面を参照して更に説明される。
例示的な艶消し剤を含有するフィルムの水及び化学的損傷に対する、本発明の例示的なシリカ系艶消し剤の総細孔体積のプロットを示す。

0027

本発明の原理の理解を促すため、本発明の特定の実施形態の説明が続き、特定の原語を用いてその特定の実施形態を説明する。とはいえ、特定の原語の使用により本発明の範囲の制限を意図していないことを理解されたい。変更、更なる修正、及び考察されるそのような本発明の原理の更なる用途は、通常本発明が関係する当業者が想到し得るものとして企図される。

0028

本明細書及び添付の請求項に使用される場合、単数形の「a」、「an(and)」、及び「the」は、文脈別途明らかに指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。そのため、例えば、「ある酸化物」への言及は、複数のそのような酸化物を含み、「酸化物」への言及は、1つ以上の酸化物及び当業者に既知であるその同等物などへの言及を含む。

0029

例えば、本開示の実施形態を説明する際に用いられる、コーティングされた粒子及び/又は組成物中の成分の量、濃度、体積プロセス温度、プロセス時間、回収率又は収率、流量、並びにそれらの同様の値及び範囲を修飾する「約」は、例えば、典型的な測定及び取り扱い手順を通じて、これらの手順における不慮のエラーを通じて、これらの方法を実行するために使用される成分の差を通じて、また近似の検討事項を通じて起こり得る数量のばらつきを指す。「約」という用語はまた、特定の初期濃度又は混合物を有する製剤の経時変化によって異なる量、並びに特定の初期濃度又は混合物を有する製剤の混合又は処理によって異なる量も包含する。「約」という用語で修飾されているかどうかに関わらず、添付の特許請求の範囲は、等価物を含む。

0030

本発明の目的のために、平坦、平滑、かつ非浸透性の黒色チャート上で水性コーティング組成物のドローダウンを実施し、室温で少なくとも4日間乾燥させたときに、本明細書に記載の光沢度値を測定した。全ての耐化学性及びフィルム透明度の値も、黒色チャート上の測定値に基づいていた。木材を含む他の種類の基材についても同様の改善が見出された。

0031

本発明は、水性コーティング組成物を基材、好ましくは木材基材上に塗布することにより得られるフィルムにおいて改善された耐化学性を提供する、改善されたシリカ系艶消し剤に関する。典型的には、改善されたシリカ系艶消し剤は、多孔度が低い、すなわち、BJH法によって求めたときに約1.2cc/gm以下の総細孔体積を有する多孔質シリカ粒子を含む。シリカ粒子は、必要とされる低い多孔度を有する未処理シリカ粒子であってもよく、又は必要とされる低い多孔度を提供するように処理された多孔質シリカ粒子であってもよい。いずれの場合も、本発明において有用な処理された又は未処理の多孔質シリカ粒子は、BJH法によって求めたときに、0.01cc/gmきざみで0.01cc/gm超かつ最大で約1.2cc/g、例えば、約0.35cc/gm〜約0.95cc/gmの任意の値の最終総細孔体積を有する。好ましい実施形態では、本発明の艶消し剤を形成するために使用される多孔質シリカ粒子は、BJH法によって求めたときに約0.10cc/gm〜約1.00cc/gmの総細孔体積を有する。別の実施形態では、本発明の艶消し剤を形成するために使用される多孔質シリカ粒子は、BJH法によって求めたときに約0.20cc/gm〜約0.80cc/gmの総細孔体積を有する。

0032

本発明の所望の実施形態では、艶消し剤は、複合シリカ粒子を含む。複合粒子は、(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせで処理されて、BJH法によって求めたときに約1.2cc/gm以下の総細孔体積を提供する、少なくとも0.10cc/gm以上の総細孔体積を有する多孔質シリカ粒子を含む。典型的には、複合シリカ粒子を形成するために使用されるシリカ粒子は、BJH法によって求めたときに約0.10cc/gm〜約3.00cc/gmの総細孔体積を有する。

0033

複合粒子を形成するために、多孔質シリカ粒子は、所望の低い多孔度、すなわち、本明細書で上述したBJH法によって求めたときに約1.2cc/gm以下の総細孔体積を有する複合粒子を提供するのに十分な量の(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせで処理される。典型的には、(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせは、複合粒子において所望の低い多孔度を提供するために多孔質粒子の細孔を部分的に又は実質的に充填するのに十分な任意の量で、多孔質シリカ粒子上にコーティングされる。本発明の好ましい実施形態では、(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせは、粒子の細孔の少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%においてワックス、ポリマー、又はこれらの任意の組み合わせを提供するのに十分な任意の量で、多孔質シリカ粒子上にコーティングされる。

0034

最終複合シリカ粒子中の1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせの量は、複合粒子を調製するために使用される多孔質シリカ出発多孔度に応じて異なる。典型的には、(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせは、複合粒子の総重量に基づいて最大で約75.0重量%の成分(i)、(ii)又は(iii)を有する複合粒子を得るのに十分な量で存在する。いくつかの例示的な実施形態では、複合粒子は、当該複合粒子の総重量に基づいて、1.0重量%〜約70.0重量%(又は0.1重量%きざみで1.0重量%超かつ70.0重量%以下の任意の値、例えば約3.1重量%、又は0.1重量%きざみで1.0〜70.0重量%の任意の値の範囲、例えば約10.3〜約37.8重量%)の範囲の量の成分(i)、(ii)、又は(iii)を含む。いくつかの例示的な実施形態では、複合粒子は、当該複合粒子の総重量に基づいて、0.1重量%きざみで約2.0〜約50.0重量%の任意の値の範囲、例えば約2.3〜約47.8重量%)の範囲の量の成分(i)、(ii)、又は(iii)を含む。他の実施形態では、複合粒子は、約5.0重量%〜約67重量%以下(又は0.1重量%きざみで5.0重量%超かつ67.0重量%以下の任意の値、例えば約5.1重量%、又は0.1重量%きざみで5.0〜67.0重量%の任意の値の範囲、例えば約10.3〜約37.8重量%)の範囲の量の成分(i)、(ii)、又は(iii)を含む。

0035

本発明の艶消し剤を調製するのに有用な、好適な微粒子多孔質シリカとしては、シリカゲル沈殿シリカヒュームドシリカコロイドシリカが挙げられるが、これらに限定されない。また、好適な多孔質シリカには、シリカ粒子の形成中に有機テンプレート(例えば界面活性剤)を介して調製され、続いて、高温処理により有機物が「焼き尽くされた」、規則メソ細孔シリカが挙げられるが、これに限定されない。特に好ましい多孔質シリカ粒子は、シリカゲル又は沈殿シリカ粒子を含む。

0036

本発明において有用な、好ましい低多孔度シリカ粒子としては、1.2cc/gm以下、好ましくは1.0cc/gm未満のBJH細孔体積を有するシリカゲル又は沈殿シリカが挙げられるが、これらに限定されない。本発明において有用な市販の多孔質シリカ粒子としては、W.R.Grace(Columbia,MD)から商品名SYLOID(登録商標)、例えば、SYLOID(登録商標)C807シリカゲル粒子及びSYLOID(登録商標)MX106沈殿シリカ粒子、Sylobloc(登録商標)シリカ粒子、並びにDaraclar(登録商標)シリカ粒子として入手可能な粒子が挙げられる。

0037

好ましい一実施形態では、本発明の艶消し剤を形成するために使用される多孔質シリカ粒子は、当該多孔質シリカ粒子の総重量に基づいて、少なくとも約93.0重量%のSiO2、又は少なくとも約93.5重量%のSiO2、少なくとも約94.0重量%のSiO2、少なくとも約95.0重量%のSiO2、少なくとも約96.0重量%のSiO2、少なくとも約97.0重量%のSiO2、又は少なくとも約98.0重量%のSiO2かつ最大で100重量%のSiO2の純度を有する多孔質シリカを含む。

0038

本発明の艶消し剤を形成するために使用されるシリカ粒子は、鎖状ロッド状、又は拍子木状を含む、様々な異なる対称、非対称、又は不規則な形状を有し得る。多孔質シリカ粒子は、非晶質又は結晶質などを含む異なる構造を有し得る。好ましい一実施形態において、多孔質シリカ粒子は非晶質である。多孔質シリカ粒子は、異なる組成、大きさ、形状、若しくは物理構造を含む粒子、又は表面処理が異なる以外は同一であり得る粒子の混合物を含み得る。より小さな粒子が凝集してより大きな粒子を形成する場合、多孔質シリカ粒子の多孔度は粒子内又は粒子間であり得る。

0039

本明細書で使用するとき、用語「結晶質」は、その構成要素である原子分子、又はイオンが、全三方向に延在する秩序あるパターンで配置された固体物質を意味し、X線回折又は示差走査熱量測定によって測定することができる。本明細書で使用するとき、用語「非晶質」は、その構成要素である原子、分子、又はイオンが、全三方向に延在するランダムで秩序がないパターンで配置された固体物質を意味し、X線回折又は示差走査熱量測定によって測定することができる。

0040

本明細書で用いられる用語「BET粒子表面積」は、Brunauer Emmet Teller(BET)窒素吸着法により測定される粒子表面積を意味するものとして定義される。

0041

本明細書で用いられる語句「総細孔体積」は、DIN66134に記載されているBarrett−Joyner−Halenda(BJH)窒素ポロシメトリーを使用して求めたときの、複数の粒子(すなわち、それぞれ、任意の粒子、シリカ粒子、又は複合粒子)の中央細孔体積を指す。脱気又は測定中の物性(例えば、融解)の変化を防ぐために、ワックス又は有機含有複合シリカ粒子については、実施例3の記載に従って、特別な低温脱気手順を行った。

0042

本明細書で用いられる語句「粒径」は、粒子が水中又はアセトン若しくはエタノールなどの有機溶媒スラリー化される場合、動的光散乱法により測定される、中央粒径(D50、50体積パーセントの粒子のサイズがこの数より小さく、50体積パーセントの粒子のサイズがこの数より大きい体積分布である)を指す。

0043

本発明の艶消し剤を形成するために使用されるシリカ粒子は、少なくとも約10m2/gかつ最大で約2000m2/g(又は1.0m2/gきざみで10m2/g超で2000m2/g以下の任意の値、例えば453m2/g、又は1.0m2/gきざみで10m2/g超かつ2000m2/g以下の任意の値の範囲、例えば約400m2/g〜約444m2/g)、又はそれよりも大きいBET粒子表面積を有していてもよい。いくつかの実施形態では、シリカは、少なくとも約50m2/gかつ最大で約1500m2/g(又は1.0m2/gきざみで50m2/g超かつ1500m2/g以下の任意の値、例えば53m2/g、又は1.0m2/gきざみで50m2/g〜1500m2/gの任意の値の範囲、例えば約400m2/g〜約444m2/g)のBET粒子表面積を有する。好ましくは、本発明の艶消し剤を形成するために使用されるシリカ粒子は、約20m2/g〜最大約900m2/gのBET粒子表面積を有する。

0044

本発明の艶消し剤は、典型的には、約1.0マイクロメートル(μm)〜約50μm(又は0.1μmきざみで1.0μm〜約50μmの任意の値、例えば45.0μm、又は0.1μmきざみで1.0μm〜約50μmの任意の値の範囲、例えば約3.2μm〜約50.1μm)の中央粒径を有する。しかしながら、本発明の艶消し剤は、粒子の用途に応じて任意の中央粒径を有し得ることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、本発明の艶消し剤は、約2.0μm〜約20.0μmの中央粒径を有する。いくつかの実施形態では、本発明の艶消し剤は、約3.0μm〜約15.0μmの中央粒径を有する。

0045

本発明のシリカ系艶消し剤が複合粒子を含む場合、当該粒子は、1つ以上のワックスを含んでいてよい。1つ以上のワックスとしては、炭化水素ワックス(すなわち、例えば、中に20個以上の炭素原子を有するアルキル鎖などの比較的長いアルキル鎖を含み、脂肪酸第一級及び第二級長鎖アルコール不飽和結合芳香族アミドケトン、並びにアルデヒドなどの1つ以上の様々な官能基を有するか若しくは有さないワックス)、パラフィンワックス(すなわち、追加の官能基を有さない20〜40個の炭素原子由来)、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス植物ワックス、例えばカルナバワックス(すなわち、ブラジルワックス)、動物ワックス、例えば蜜蝋、又はこれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。

0046

本発明において使用するのに好適な市販のワックスとしては、Hi−WAX(商標)又はEXCEREX(商標)ワックスの商品名でMitsui Chemicals,LLC(Osaka,Japan)から入手可能なワックス、RHEOLUB(登録商標)ワックスの商品名でHoneywell Performance Additives(Morristown,NJ)から入手可能なワックス、及びPolarwachs(登録商標)ワックスの商品名でTH.C.TROMM GmbH(Cologne,Germany)から入手可能なワックスが挙げられるが、これらに限定されない。

0047

いくつかの実施形態では、艶消し剤は、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、又はこれらの組み合わせと共に多孔質シリカ粒子を含む複合粒子を含む。いくつかの望ましい実施形態では、複合粒子は、少なくとも2000の平均分子量を有するポリエチレンワックスを含む。このような比較的高分子量のポリエチレンワックスは、Polarwachs(登録商標)ワックスの商品名でTH.C.TROMM GmbH(Cologne,Germany)から市販されている。

0048

本発明の別の実施形態では、本発明の複合粒子艶消し剤は、単独で又は上記の1つ以上のワックスと組み合わせて、1つ以上のポリマーを含み得る。ポリマーが存在する場合、1つ以上のポリマーは、ポリジエン(例えば、ポリイソプレンポリブタジエン若しくはこれらの組み合わせ)、加硫ポリジエン、ポリアクリルアミドポリビニルポリピロリドン酢酸酪酸セルロース又はこれらの任意の組み合わせを含む1つ以上のポリマーを含み得るが、これに限定されない。いくつかの望ましい実施形態では、1つ以上のポリマーは、ポリジエン、加硫ポリジエン又はこれらの任意の組み合わせを含む。

0049

本発明で使用するのに好適な市販のポリマーとしては、KL−10液体ゴムポリマーの商品名でKuraray Co.,LTD(Tokyo,Japan)から入手可能なポリマー(すなわち、ポリイソプレン)が挙げられるが、これに限定されない。

0050

本発明において有用な複合シリカ粒子は、BJH法によって求めたときに約1.2cc/gm以下(又は上述のとおり、0.01cc/gmきざみで1.00cc/gm未満の任意の値)の総細孔体積を有する複合粒子を提供するのに十分な方法で、多孔質シリカ粒子を(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせと接触させることによって調製することができる。複合粒子を提供するために、任意の従来の方法を使用して多孔質シリカ粒子を(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせと接触させてよい。いくつかの実施形態では、接触工程は、湿式プロセスであってよい。湿式接触プロセス工程は、(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせを溶媒に溶解させて溶媒混合物を形成することと、多孔質シリカ粒子を当該溶媒混合物に組み込むことと、当該溶媒混合物から当該溶媒を除去又は蒸発させて、複合粒子を形成することと、を含み得る。

0051

その後、複合粒子をサイズ減少に供してもよい。任意の既知である粒径減少方法が使用され得、この方法としてボールミル又は乳棒乳鉢摩砕する工程などの粉砕工程が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態では、複合粒子を、シリカ系粒子の中央粒径を約500マイクロメートル(μm)未満の第1の中央粒径まで減少させるサイズ減少工程に供する。サイズを減少させたら、望ましくは、シリカ系粒子を高温熱処理時間にわたって熱処理する。典型的には、高温は約90℃〜約140℃(又は1.0℃単位で90℃かつ140℃以下の任意の値(例えば約100℃)、又は1.0℃単位で90℃かつ140℃以下である任意の値の範囲(例えば約91.0℃〜約102.0℃))である。典型的には、熱処理時間は約1.0時間(hr)〜約4.0hr(又は1.0分単位で1.0hrかつ4.0hr以下の任意の値(例えば約1.0hrと9分)、又は1.0分単位で1.0hr〜4.0hr以下である任意の値の範囲(例えば約1.0hrと9分〜約2.0hrと5分))の範囲である。

0052

1つ以上のワックスコーティングが存在する例示的な一実施形態では、熱処理工程の高温は、約100℃〜約130℃の範囲であり、熱処理時間は、約1.0hr〜約1.5hrの範囲である。1つ以上のポリマーが存在する別の例示的な実施形態では、熱処理工程の高温は、約90℃〜約100℃の範囲であり、熱処理時間は、約2.5hr〜約3.5hrの範囲である。

0053

任意の所望による熱処理工程に続いて、熱処理されたシリカ系粒子を冷却する。冷却したら、熱処理されたシリカ系粒子を、所望により、約100μm未満(又は1.0μmきざみで約100μm未満の任意の値、例えば約45.0μm、又は1.0μmきざみで約1.0μmかつ100μm以下の任意の値の範囲、例えば約4.0μm〜約6.7μm)の最終粒径が得られるように、更にサイズを減少させてもよい。上記のように、任意の既知の粒径を減少する方法が使用され得る。例示的な一実施形態では、約45.0μm未満の最終粒径を有するシリカ系粒子が得られるように、粉砕工程を利用してよい。

0054

他の例示的な実施形態では、接触工程は任意の溶媒を含まなくてよく、したがって乾式プロセスであってよい。一実施形態では、乾式プロセスは、(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー又は(iii)(i)と(ii)の任意の組み合わせを溶融させて液体コーティングを形成することと、多孔質シリカ粒子を液体コーティングへ組み込むことと、を含み得る。更に他の実施形態では、乾式プロセスは、(a)(i)1つ以上のワックス、(ii)1つ以上のポリマー、又は(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせと、(b)多孔質シリカ粒子と、を、高温(すなわち、必要に応じて任意のワックス及び/又はポリマーを融解させる温度)で、従来型ミキサ、例えば、リボンブレンダヘンシェルミキサ二軸押出機流体エネルギーミル(fluid energy mill、FEM)、又は微粉化ジェットミルなどにおいて同時に接触させ混合することを含み得る。これらの実施形態では、加熱工程及び粒径減少工程が組み合わされ、また、追加の粒径減少は、必要である場合もあるし必要でない場合もある。

0055

いくつかの例示的な実施形態では、更により良好な安定性及び特性のために、ポリマーコーティングされた多孔質シリカ粒子の架橋が望ましい。いくつかの例示的な実施形態では、架橋は加硫工程を含む。加硫工程を含む方法においては、硫黄元素加硫促進剤又はその両方が、接触工程中に1つ以上のポリマーに添加され得る。本発明で使用するのに好適な加硫促進剤としては、硫黄元素、及びブチルジメートが挙げられるが、これらに限定されない。

0056

コーティング組成物
本発明の艶消し剤は、本明細書に記載のシリカ系艶消し剤の水性の懸濁液又は分散液を含むコーティング組成物を調製するのに有用である。好ましい実施形態において、コーティング組成物は水溶性又は水性のコーティング組成物であり、これにより、一般に、基材上で乾燥させた際にクリアコートフィルムが得られる。基材が木材である場合、クリアコートフィルムは、チークサクラオーククルミマホガニー、及びシタンなどの木材の天然の色及び木目構造を視認可能又は実質的に視認可能にすることができ、この特徴は、家具及び木彫品などの用途で非常に価値がある可能性がある。

0057

コーティング組成物は、コーティング組成物において使用される様々な他の成分に加えて、開示されるシリカ系艶消し剤を含み得る。組成物中に存在し得る他の成分の例としては、自己架橋性変性アクリルコポリマーエマルション又はラテックスアクリルバインダーNeocryl(登録商標)XK12(Royal DSM(Heerlen,Netherlands)から入手可能)などの水性フィルム形成バインダー樹脂、及びジプロピレングリコールn−ブチルエーテルDOWANOL(商標)PDnB)などの合体溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。組成物は、有機顔料又は二酸化チタン白色無機顔料などの着色顔料を含有していても含有しなくてもよいが、ただし、基材が木材である場合、木材(word)の天然木目は、実質的に視認可能である。組成物が着色顔料を含有する場合、製剤に分散剤が含まれていてもよい。

0058

組成物の残部は、典型的には水である。水の他に、脂肪族、芳香族、アルコール、ケトン、揮発油石油蒸留物エステルグリコールエーテル、低分子量合成樹脂などが挙げられるがこれらに限定されない他の希釈剤が含まれていてもよい。水などの、環境に優しい希釈剤が好ましい。

0059

表面張力を調整するため、流動性を改善するため、仕上がり外観を改善するため、ウェットエッジを増大させるため、顔料安定性を改善するため、凍結防止特性を付与するため、発泡を制御するため、スキニングを制御するためなどの添加剤が挙げられるがこれに限定されない他の種々の添加剤も組成物中に含まれていてよい。組成物中に含まれ得る更なる添加剤としては、界面活性剤、触媒増粘剤、安定剤、乳化剤テクスチャ化剤、接着促進剤、UV安定剤、脱光沢剤細菌増殖対抗する殺生物剤などが挙げられるが、これらに限定されない。油は、ともすれば、コーティングされた材料の供給環境下において形成プロセス及び劣化成分から発生することがある、コーティングに対する損傷を低減するレオロジー剤光沢改質剤及び保護剤として含まれ得る。

0060

本発明のコーティング組成物は、典型的には、(I)約1.0重量%かつ最大で約50.0重量%(又は0.1重量%きざみで1.0重量%〜50.0重量%以下の任意の値、例えば約5.1重量%、又は0.1重量%きざみで1.0重量%〜50.0重量%以下の任意の値の範囲、例えば約1.3〜約4.8重量%)のシリカ系艶消し剤と、(II)約99.0重量%〜約50.0重量%(又は0.1重量%きざみで99.0重量%〜50.0重量%以下の任意の値、例えば約70.1重量%、又は0.1重量%きざみで99.0重量%〜50.0重量%以下の任意の値の範囲、例えば約70.3〜約44.8重量%)の1つ以上の追加成分と、を含み、成分(I)及び(II)の両重量パーセントは、コーティング組成物の総重量に基づく。

0061

使用
本発明は、更には、様々なコーティング用途/プロセスにおけるシリカ系艶消し剤の使用に関する。コーティング組成物において艶消し剤として使用される場合、本明細書に記載のシリカ系粒子は、最終コーティングにおいて、改善された耐化学性だけではなく、改善された熱応力耐性、改善された耐候性、改善されたフィルム透明度、又はこれらの任意の組み合わせなどの他の望ましい特性を提供する。

0062

好ましい一実施形態において、本発明のシリカ系艶消し剤は、基材に塗布された水性コーティング組成物から得られるフィルムの耐化学性を改善する方法において有用である。別の実施形態では、本発明のシリカ系艶消し剤は、基材に塗布された水性フィルムコーティング組成物から得られるクリアカットフィルムのフィルム透明度を改善すると同時に、耐化学性を改善する方法において有用である。

0063

特に好ましい実施形態では、基材は木材基材である。望ましい一実施形態では、木材基材の表面上に本発明のシリカ系艶消し剤を含むその水性コーティング組成物で、木材基材を処理する。本発明によるコーティング組成物でコーティングされ得る他の基材としては、皮革プラスチック(例えばビニル)、金属(例えばコイル)若しくは金属合金セメント若しくはコンクリート、又はその他の産業用仕上げが挙げられるが、これらに限定されない。

0064

一般的に、本発明によるコーティング組成物において艶消し剤を利用する方法は、基材にコーティング組成物を塗布する前に、コーティング組成物、好ましくは水性コーティング組成物に本発明のシリカ系艶消し剤を組み込むことを含む。典型的な組込工程には、製剤中への艶消し剤の混合又は分散が挙げられる。コーティング組成物を基材に塗布する方法には、ブラッシング圧延、吹き付け、ドローダウン又はその他の可能な方法が挙げられる。

0065

以下の実施例で更に論じるように、本発明のシリカ系粒子艶消し剤を水性コーティング組成物に組み込み、続いて、乾燥させながら基材上にそのコーティング組成物を塗布すると、本発明のシリカ系艶消し剤を含有しない既知のコーティング/フィルムと比較して、単独で又は改善されたフィルム透明度と組み合わせて耐化学性が改善された、コーティングされたフィルムが得られる。

0066

例えば、いくつかの実施形態では、乾燥させたフィルムにおいて10.0〜15.0の60°光沢度値を達成するのに十分な量のシリカ系艶消し剤(すなわち、コーティングされていない低多孔度シリカ粒子及び/又はシリカ系複合粒子)を含むコーティング組成物からは、携帯型Spectro−Guide45/0比色計及び以下の実施例に記載の方法を使用して測定したときに6.00単位未満(又は0.01単位きざみで6.00単位未満の任意の値、例えば2.34単位、又は0.01単位きざみで6.00単位未満の任意の値の範囲、例えば約1.02単位〜約2.64単位)の水損傷24時間ΔL*を示す、基材上のクリアコートフィルムが得られる。

0067

いくつかの実施形態では、乾燥させたフィルムにおいて10.0〜15.0の60°光沢度値を達成するのに十分な量の本発明のシリカ系艶消し剤(すなわち、コーティングされていない低多孔度シリカ粒子及び/又はシリカ系複合粒子)を含むコーティング組成物からは、携帯型Spectro−Guide45/0比色計及び以下の実施例に記載の方法を使用して測定したときに6.00単位未満(又は0.01単位きざみで6.00単位未満の任意の値、例えば2.34単位、又は0.01単位きざみで6.00単位未満の任意の値の範囲、例えば約1.02単位〜約2.64単位)の水損傷24時間ΔL*を示す、基材上のコーティングされたフィルムが得られる。

0068

いくつかの実施形態では、乾燥させたフィルムにおいて10.0〜15.0の60°光沢度値を達成するのに十分な量の本発明のシリカ系艶消し剤(すなわち、コーティングされていない低多孔度シリカ粒子及び/又はシリカ系複合粒子)を含むコーティング組成物からは、基材上のコーティングされたフィルムが得られ、当該フィルムは、携帯型Spectro−Guide45/0比色計及び以下の実施例に記載の方法を使用して測定したときに13.00単位未満(又は0.01単位きざみで13.00単位未満の任意の値、例えば6.85単位、又は0.01単位きざみで13.0単位未満の任意の値の範囲、例えば約2.12単位〜約10.85単位)の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*を示す。

0069

いくつかの実施形態では、乾燥させたフィルムにおいて10.0〜15.0の60°光沢度値を達成するのに十分な量の本明細書に記載の艶消し剤(すなわち、コーティングされていない低多孔度シリカ粒子及び/又はシリカ系複合粒子)を含むコーティング組成物からは、基材上のコーティングされたフィルムが得られ、当該フィルムは、携帯型Spectro−Guide45/0比色計及び以下の実施例に記載の方法を使用して測定したときに15.0単位未満(又は0.01単位きざみで15.0単位未満の任意の値、例えば7.17単位、又は0.01単位きざみで150.0単位未満の任意の値の範囲、例えば約4.70単位〜約14.64単位)の50/50水/エタノール損傷4時間ΔL*を示す。

0070

いくつかの望ましい実施形態では、上述の改善が耐化学性になされたフィルムは、携帯型Spectro−Guide45/0比色計及び以下の実施例に記載の方法を使用して測定したときに7.0単位未満(又は0.1単位きざみで7.0単位未満の任意の値、例えば2.4単位、又は0.1単位きざみで7.0単位未満の任意の値の範囲、例えば約1.2単位〜約2.4単位)のフィルム透明度ΔL*も示す。

0071

いくつかの望ましい実施形態では、コーティング組成物は、基材上にコーティングされた乾燥させたクリアコートフィルムにおいて10.0〜15.0単位の60°光沢度値を達成するのに十分な量の本明細書に記載のシリカ系艶消し剤を含み、当該フィルムは、(a)携帯型Spectro−Guide45/0比色計及び以下の実施例に記載の方法を使用して測定したときに6.00単位未満(又は0.01単位きざみで6.00単位未満の任意の値、例えば2.34単位、又は0.01単位きざみで6.00単位未満の任意の値の範囲、例えば約1.02単位〜約2.64単位)の水損傷24時間ΔL*、(b)携帯型Spectro−Guide45/0比色計及び以下の実施例に記載の方法を使用して測定したときに13.00単位未満(又は0.01単位きざみで13.00単位未満の任意の値、例えば6.85単位、又は0.01単位きざみで13.0単位未満の任意の値の範囲、例えば約2.12単位〜約10.85単位)の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*、(c)携帯型Spectro−Guide45/0比色計及び以下の実施例に記載の方法を使用して測定したときに13.0単位未満(又は0.01単位きざみで13.0単位未満の任意の値、例えば6.85単位、又は0.01単位きざみで13.0単位未満の任意の値の範囲、例えば約2.12単位〜約10.85単位)の50/50水/エタノール損傷1時間ΔL*、及び(e)携帯型Spectro−Guide45/0比色計及び以下の実施例に記載の方法を使用して測定したときに7.0単位未満のフィルム透明度ΔL*のうちの1つ以上又は全てを示す。

0072

いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、改善されたシリカ系艶消し剤、並びに得られる組成物及びフィルムに起因する耐化学性の改善された特性は、以下の要因のうちの1つ以上に起因し得るという仮説が立てられる:1)ワックス又はポリマーなどのコーティングされた有機物が、シリカの細孔を少なくとも部分的に充填し、それが溶媒への曝露及び乾燥中の粒子収縮を低減する、2)コーティングされた有機物が、艶消し粒子とラテックスとの間の接着性を改善する、3)コーティングされた有機物が、形成されるにつれて、より良好に流動しかつ亀裂を充填するワックス/有機コーティング能力を有する、4)粒子を取り囲む領域のラテックスの軟化に起因して、コーティングされた有機物が、ラテックス−粒子界面における応力を低減する、並びに5)ワックス及び/又は有機物がフィルムの細孔の少なくともいくつかに拡散し、それによって、水、エタノール、又はその他の溶媒のフィルムへの浸透が低減する。

0073

上記のシリカ系艶消し剤、方法、及び使用は、1つ以上の成分又は工程を「含んでいる(comprising)」と記載されるが、上記のシリカ系粒子、方法、及び使用は、シリカ系粒子、方法、及び使用の上記の構成要素又は工程のいずれか「を含む(comprise)」、「からなる(consists of)」又は「から本質的になる(consist essentially of)」ことができると理解すべきである。その結果として、本発明又はその一部分が「含んでいる」などのオープンエンドの用語で記載された場合、本発明の記載又はその一部分は更に(別段の指定がない限り)、用語「〜から本質的になる」若しくは「〜からなる」、又は以下で考察されるようなこれらの変化形を使用して、本発明又はその一部分を記載すると解釈されるべきであることが容易に理解されるべきである。

0074

本明細書で使用されるとき、用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「含有する」、「含有している」、「〜を特徴とする」、又はこれらの任意のその他の変化形は、そうではないと明示的に指し示されたあらゆる限定を条件として、列挙された成分の非排他的包含を含むことが意図される。例えば、一連の要素(例えば、構成要素又は工程)を「含む(comprises)」シリカ系粒子、方法、及び/又は使用は、必ずしもこれらの要素(又は構成要素若しくは工程)のみに限定されず、シリカ系粒子、方法、及び/若しくは使用について明示的に列挙されないか又は固有ではない他の要素(又は構成要素若しくは工程)を含み得る。

0075

本明細書で使用されるとき、移行「〜からなる(consists of)」及び「〜からなる(consisting of)」は、指定されないいかなる要素、工程、又は成分も除外する。例えば、請求項で使用される「〜からなる(consists of)」及び「〜からなる(consisting of)」は、通常関連する不純物(すなわち、所与の成分内の不純物)を除いて、その請求項を、その請求項に具体的に列挙される成分、材料、又は工程に制限する。語句「〜からなる(consists of)」又は「〜からなる(consisting of)」が、前文の直後ではなく請求項の主文の節内に見られる場合、語句「〜からなる(consists of)」又は「〜からなる(consisting of)」は、その節内に記載される要素(又は構成要素若しくは工程)のみを制限し、他の要素(又は構成要素)は、その請求項全体からは除外されない。

0076

本明細書で使用するとき、移行句「〜から本質的になる(consists essentially of)」及び「〜から本質的になる(consisting essentially of)」は、文字どおり開示されたものに加えて、材料、工程、特徴、構成要素、又は要素を含む複合粒子、方法、及び/又は使用を定義するために使用されるが、ただし、これらの追加の材料、工程、特徴、成分、又は要素は、請求される本発明の基本的な及び新規の特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼすものではない。用語「〜から本質的になる」は、「含む」と「〜からなる」との間の中間領域にある。

0077

本発明は、以下の実施例によって更に説明されるが、これらは決してその範囲に制限を課するものとして解釈されるものではない。反対に、様々な他の実施形態、修正、及びそれらの同等物に依ることができることは明らかに理解されるべきであり、これは本明細書の説明を読めば、本発明の趣旨及び/又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それら自体が当業者に示唆され得る。

0078

以下の実施例は、(i)シリカ系粒子を調製するための本発明によるプロセス及び(ii)コーティング組成物中のシリカ系粒子の評価について説明する。

0079

以下の実施例で使用されるドローダウン手順、並びに光沢(艶消し効率性)、フィルム透明度及び耐化学性の測定方法は、以下のとおりであった。

0080

ドローダウン手順及びドローダウンカード
40のワイヤサイズを有し、Gardner Company製である巻線付きラボロッドを使用して、ドローダウンが実施された。このサイズを用いると、湿潤フィルムの厚さは約100μmであった。乾燥後、乾燥フィルムの厚さは約30〜35μmであった。使用したドローダウンプレートは、Leneta Company,Inc.(Mahwah,NJ)製の219×286mm2の平坦な黒色チャートであった。各ドローダウンの手順は以下のとおりであった。
1.塵埃を含まないクリーンルームにて、ブランクドローダウンプレートを真空ホルダに設置した。
2.ピペットを用い、約2〜5mLの十分に混合されたコーティング組成物サンプルを、サンプルシート上及びサンプルシート近くに配置した。
3.ドローダウンロッドの端部を速やかに把持した。サンプルから離れてロッドが撓んだり屈曲したりしないように両手親指を使用し、液体プールを介してドローダウンロッドを引き下ろし、サンプルシートの端から端まで流体展着及び計測した。所与のドローダウンを行った後、ドローダウンロッドを使用後洗浄トレイに浸漬した。
4.ドローダウン後、ドローダウンサンプルを少なくとも4日間室温に放置して、コーティング層を完全に乾燥させた。
5.コーティングされたドローダウンプレートを乾燥させた後、以下の手順を使用して、耐化学性、フィルム透明度、艶消し効率性及びコールドチェック試験を実施した。

0081

光沢(艶消し効率性)、フィルム透明度及び耐化学性の測定並びに試験方法
携帯型Micro−TRI−Glossメータ(BYK−Gardner USA(Columbia,MD)製)を、フィルム光沢度の測定に使用した。60°光沢度値を測定し、報告した。

0082

フィルムの透明度及び化学的損傷を確認するため、携帯型Spectro−Guide45/0比色計(これもBYK−Gardner製)を使用した。所与のコーティングされたフィルムで、L*値を比色計の測定値により得た。黒色背景のカードでは、艶消しされていない原液(実施例6による)から約7.9のL*値を得た。原液中への艶消し剤(例えばシリカ)の添加により、フィルムはより白色となり(すなわち、より高いL*値が得られる)、また艶消ししたフィルムのフィルム透明度は、新規L*値と艶消し剤を含有しない原液から形成されたフィルムからのL*値との差であると定義された。

0083

使用される耐化学性試験方法は、欧州標準規格であるEN 12720/DIM68861−1と同様のものであった。脱イオン水及び水中での50/50エタノールに対する耐性を試験した。試験は以下のように実施した。
1.円(直径1インチ)をFisherbrandろ紙から切り取った。
2.水又は50/50エタノール/水のいずれかに、円を30秒間浸漬させた。
3.浸漬させた各円を、乾燥したドローダウンカード上に置き、次いで秤量皿で覆って蒸発を防いだ。
4.一定時間(すなわち、水の試験に対しては24時間、並びに水中の50/50エタノールに対しては1時間及び4時間)の後、秤量皿及び紙を取り除いた。
5.時間が経つにつれて接触領域内に白色マーク発現し、一晩の後に、Spectro−Guide45/0比色計を用いてL*値を測定した。
6.化学的損傷(耐化学性に反比例する)は、白色マークのL*値(すなわち、少なくとも3つの読み取り値のうちの最大の読み取り値)とフィルムの周囲の損傷を受けていない背景との差であると定義された。変化率も計算した。

0084

コーティング組成物の試験用原液の形成
以下の表1に列挙される成分を以下のように合わせて、コーティング組成物の試験用原液を形成した。

0085

0086

77.43グラム(g)のフィルム形成結合剤(例えば、NEOCRYL(登録商標)XK12)及び5.53gの脱イオン水を、第1の容器内で混合した。8.85gの合体剤(例えば、DOWANOL(商標)PDnB)及び5.54gの脱イオン水を、第2の容器内で混合した。次いで、第2の容器内の内容物を第1の容器へとゆっくり注いだ。30mmワイドブレードを備えたGardner Company(Pompano Beach,FL)製のDISPERMAT(登録商標)分散機を用い、混合物を1500rpmで15分間分散させた。

0087

0.55gの第1の界面活性剤(例えば、BYK(登録商標)024)、1.11gの第2の界面活性剤(例えば、SURFYNOL(登録商標)104E)、及び0.22gの増粘剤(例えば、RHEOLATE(登録商標)299)を第1の容器内の混合物に添加した。次いで、混合物をDISPERMAT(登録商標)分散機を用いて2500rpmで10分間分散させた。

0088

0.77gの第3の界面活性剤(例えば、BYK(登録商標)346)を第1の容器内の混合物に添加した。次いで、混合物をDISPERMAT(登録商標)分散機を用いて1000rpmで5分間分散させた。次いで、得られた混合物を、最大1か月間保管可能である原液として使用した。

0089

艶消し剤及び原液を含むコーティング組成物の形成
艶消し剤及び実施例1の原液を含むコーティング組成物を以下のように調製した。艶消し剤を使用することの目標は、コーティングされたフィルムの光沢度を低下させ、10.0〜15.0又は12.5に近い目標60°光沢度範囲にすることであった。このレベルの光沢度を達成するために、艶消し剤の必要な量は、異なるサンプルごとに異なっており、別個の充填試験から求められた。所与の量の艶消し剤を上記実施例1で形成した所与の量の原液に添加した後、得られた混合物を、DISPERMAT(登録商標)分散機を用いて2500rpmで30分間分散させ、次いで、室温で一晩静置させた。

0090

上記のドローダウン手順を用いて、各コーティング組成物を試験するためのドローダウンを2日目(すなわち、所与のコーティング組成物を作製した翌日)に実施した。

0091

複合粒子サンプルの窒素細孔体積及びBET表面積測定
シリカ及びワックス複合粒子の窒素細孔体積を、Quantachrome Instrument(Boynton Beach,FL)から入手可能なAutosorb(登録商標)iQ分析器を使用して測定した。65℃(すなわち、約80℃のワックスの融解温度未満)で4時間、各サンプルの脱気を実施した。それぞれ、窒素圧を0.01%雰囲気から0.998%雰囲気に上昇させ、その後、0.998%雰囲気から0 025%雰囲気に低下させて、77Kで窒素吸着及び脱着等温線を測定した。BJH理論に基づくAsiQwin(商標)5.0バージョンプログラムを使用して、細孔体積を計算した。例えば、BarrettらのThe Determination of Pore Volume and Area Distributions in Porous Substances.I.Computations from Nitrogen Isotherms,J.Am.Chem.Soc,1951,73(1),pp 373〜380を参照、また、BET表面積は、Brunauer Emmet Teller法(Brunauerらの「Adsorption of Gases in Multimolecular Layers」.J.Am.Chem.Soc..1938,60(2):309〜319)に基づいて計算し、これら両方の主題は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

0092

複合シリカ/ワックス粒子の形成(湿式法
以下に記載の湿式法を用いて、複合シリカ/ワックス粒子を形成した。2.5〜10グラムのワックスを、60〜100mLのトルエンに加熱しながら溶解させた。10gのシリカ粒子を、ワックス溶液と混合した。よく換気されたドラフト内で、混合物を結晶皿に一晩放置して、全ての溶媒を蒸発させた。「乾燥した」残留物を乳鉢乳棒による粉砕に供して、全ての粒子が500μmのスクリーンを通過できるようにした。次いで、ふるいにかけられた粒子を続けて130℃で1時間加熱した。乾燥後、粒子を冷却させ、分析ミルを用いて粒径を更に減少させ、粒子が45μmのスクリーンを通過できるようにした。ふるいにかけられた粒子は、そのままの状態で直接、例えば塗装用製剤で使用するのに好適であった。

0093

加硫工程を利用した複合シリカ/ポリマー粒子の形成(湿式法)
以下に記載の加硫を使用する湿式法を用いて複合シリカ/ポリマー粒子を形成した。4.3グラムのポリマー(例えば、ポリイソプレン、10kD MW、大半がトランス型であるKL−10、Kurarayから市販されている)を60mLのトルエンに溶解させた。0.24gの硫黄元素及び0.12gのブチルジメート(Vanderbilt Chemicals,LLCから市販されている)を溶液に添加し、十分に混合した。10gのシリカ粒子を溶液と混合した。よく換気されたドラフト内で、混合物を結晶皿に一晩放置して、全ての溶媒を蒸発させた。次いで、「乾燥した」残留物を乳鉢乳棒に供して、全ての粒子が500μmのスクリーンを通過できるようにした。続いて、ふるいにかけられた粒子を95℃で3時間加熱した。その後、粒子を冷却させ、分析ミルを用いて粒径を更に減少させて、大半の粒子が45μmのスクリーンを通過できるようにした。ふるいにかけられた粒子は、そのままの状態で直接、例えば塗装用製剤で使用するのに好適であった。

0094

加硫工程を利用しない複合シリカ/ポリマー粒子の形成(湿式法):
以下に記載の加硫を使用しない湿式法を用いて複合シリカ/ポリマー粒子を形成した。7.0グラムのポリマー(例えば、ポリイソプレン、10kDMW、大半がトランス型であるKL−10、Kurarayから市販されている)を60mLのトルエンに溶解させた。10gのシリカ粒子を溶液と混合した。よく換気されたドラフト内で、混合物を結晶皿に一晩放置して、全ての溶媒を蒸発させた。次いで、「乾燥した」残留物を乳鉢乳棒に供して、全ての粒子が500μmスクリーンを通過できるようにした。続いて、ふるいにかけられた粒子を70℃で3時間加熱した。その後、粒子を冷却させ、分析ミルを用いて粒径を更に減少させて、大半の粒子が45μmのスクリーンを通過できるようした。ふるいにかけられた粒子は、そのままの状態で直接、例えば塗装用製剤で使用するのに好適であった。

0095

融解及び混合を利用する複合シリカ/ワックス粒子の形成(乾式法
以下に記載の乾式法を使用して複合シリカ/ワックス粒子を形成した。窒素下で10L Henscher Mixerにおいて、4kgのシリカ粒子を4kgのワックス(例えば、POLARWACHS(登録商標)N481ポリエチレンワックス)と混合した。ミキサは120℃で2時間加熱した。ミキサは3000rpmで2時間混合した。次いで、サンプルを室温まで冷却した。

0096

融解及び粉砕を利用する複合シリカ/ワックス粒子の形成(乾式法)
以下に記載の乾式法を用いて、複合シリカ/ワックス粒子を形成した。窒素下で10L Henscher Mixerにおいて、4kgのシリカ粒子(粒径〜30μm、細孔体積1.9cc/gm)を4kgのワックス(例えば、POLARWACHS(登録商標)N481ポリエチレンワックス)と混合した。ミキサは120℃で2時間加熱した。ミキサは3000rpmで2時間混合した。サンプルを室温まで冷却して化合物を流体エネルギーミルに窒素下で供し、結果、粒径を9μm(中央粒径)とした。

0097

実施例1−シリカの細孔体積の比較、並びにシリカ含有コーティング組成物の艶消し効率性及び耐化学性に対するその影響
以下の表2に、実施例で使用した5つの異なるシリカサンプルの物性を列挙する。全てのシリカ粒子は、W.R.Grace&Co.から市販されており、物性試験のためにそのまま使用した(すなわち、ワックス又はポリマーによるコーティングなし)。

0098

3.0重量%のシリカ及び97重量%の原液を使用し、上述の手順(すなわち、艶消し剤及び原液を含むコーティング組成物の形成)を使用して、最初の3つのシリカ(すなわち、シリカサンプル1〜3)を使用した3つのコーティング組成物を形成した。各コーティング組成物の耐化学性を10.0〜15.0の60°光沢度値で評価したところ、化学的損傷(50/50エタノール/水損傷、1時間(ΔL*))がシリカ粒子の細孔体積と反比例することが判明した。以下の表2に示すとおり、0.40cc/gmの細孔体積を有するシリカサンプル3からは、5単位未満の50/50エタノール/水損傷、1時間(ΔL*)が得られた。

0099

0100

実施例2−本発明の複合粒子の形成
以下の表3に示す材料を用いて複合粒子を調製した。上記の表2に記載のシリカサンプル1及び4を用いて、シリカ複合サンプル1〜7及び9を形成した。シリカ複合体8については、ワックスを適用する前に、上記の表2に記載のシリカサンプル1を希NaOH(pH10)で洗浄し、次いで、90℃で一晩乾燥させた。洗浄プロセスの結果として、シリカの細孔体積が1.9cc/gmから1.2cc/gmに減少した。

0101

上述の湿式又は乾式のシリカ/ワックス複合粒子形成手順を使用して、9つのシリカ複合サンプルを調製した。以下の表3に示す比較シリカサンプル1は、任意の改質なし(すなわち、ワックスもポリマーもなし)の表2に示すシリカサンプル1であった。

0102

0103

表3に示すように、シリカ複合体8は、20重量%のワックスと組み合わされた上述の変性シリカを含んでいた。シリカ複合体8について測定された細孔体積は、0.53cc/gmであった。

0104

実施例3−特定のコーティング組成物の形成
上記手順(すなわち、艶消し剤及び原液を含むコーティング組成物の形成)を使用して、各艶消し剤含有コーティング組成物を調製した。形成後、上記のドローダウン手順を使用して、各艶消し剤含有コーティング組成物をドローダウンした。室温で少なくとも4日間乾燥させた後、上記方法に従って、得られたフィルムのそれぞれを光沢及び耐化学性について評価した。各サンプルの細孔体積及びBET表面積も、上記手順を用いて測定した。以下の表4に結果をまとめる。

0105

0106

上記表4に示すとおり、製剤中の異なる濃度の艶消し剤によって達成された10.0〜15.0の同等の光沢度範囲内では、異なるサンプルは異なる性能を有しており、結果は、複合粒子の細孔体積(PV)が低くなると、より低いΔL*値が予想外にも得られることを示した。

0107

1時間での水損傷、50/50水/エタノール損傷、及び4時間での50/50水/エタノール損傷のΔL*値のプロットは、図1のチャートに示されるような線形関係を示す。図1に示すとおり、シリカ/ワックス複合粒子含有組成物の細孔体積が低くなると、予想外にも、水及び化学的損傷が著しく低下した。

0108

上記の詳細な説明で論じたとおり、いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、以下が、複合粒子の改善された化学/熱応力耐性に寄与し得る:(1)ワックス/有機物は、乾燥中の粒子収縮を低減することができる、(2)ワックス/有機物は、艶消し粒子とラテックスとの間の接着性を改善することができる、(3)ワックス/有機物は、粒子及びラテックスよりも可塑性であり得、それによって、形成される際に亀裂を流れることができる、(4)ワックス/有機物は、粒子の周囲の領域内においてラテックスを軟化させることができ、それによって、ラテックス−粒子界面上の応力を低減することができる、並びに(5)ワックス/有機物は、ラテックス内に拡散して、水及びエタノールのフィルム内への浸透を低減することができる。

0109

実施例5−50/50エタノール/水に曝露した後の粒子細孔収縮
溶媒に曝露し、細孔内部をワックスで再乾燥させた際の細孔収縮の低減効果を実証するために、以下の実施例を提供する。艶消し剤2.0gを4mLの50/50エタノール/水に浸漬し、次いで、粒子をまず空気中で6時間乾燥させ、次いで、60℃で12時間乾燥させた。次いで、粒子を空気中において500℃で熱処理(焼成)して有機物を完全に除去し、次いで、上記のとおり細孔体積測定を行った。分析を表5に示す。

0110

表5は、曝露しなかった(ただし、焼成した)、及び50/50エタノール/水に曝露した後に焼成した(上記のとおり)細孔体積を列挙する。

0111

0112

表5から分かるとおり、より高いワックス濃度で粒子細孔の収縮量が減少し、これは、ワックス含有量が高くなるほど、曝露及び乾燥後の細孔体積の変化が小さくなることを示している。

0113

実施例6−シリカ複合体とシリカ及び有機艶消し剤とのフィルム透明度の比較
表6は、2つのシリカ複合体サンプル、それらのコーティングされていないシリカ前駆体、及び2つの純粋な有機艶消し剤(Ceraflour(登録商標)はBYKの商標である)を示す。Ceraflour(登録商標)920は、尿素−ホルムアルデヒド系艶消し剤であり、Ceraflour(登録商標)929は、微粉化ポリエチレン有機艶消し剤である。2つのシリカ複合体サンプル及びシリカサンプル2の細孔体積比較を表に列挙する。フィルム透明度試験は、上記のとおりである。

0114

0115

表に示すとおり、データは、シリカ複合体サンプルは純粋なシリカサンプル(シリカサンプル5)のフィルム明澄度と同様のフィルム透明度を有するが、純粋な有機系艶消し剤は、より高いΔL*値(すなわち、「より白い」コーティング又はより悪いフィルム透明度)を有することを示す。

実施例

0116

本発明は、限定数の実施形態を用いて説明されたが、これらの特定の実施形態は、本明細書の他の箇所で説明及び請求されるような本発明の範囲を制限することを意図しない。更なる修正、同等物、及び変化形が可能であることは、本明細書における例示的な実施形態を検討すれば、当業者には明らかであろう。実施例並びに残りの本明細書における全ての部及び割合は、別途指定がない限り、重量によるものである。更に、特定の一連の特性、計測の単位、条件、物理的状態、又はパーセンテージを表すもののような、明細書又は特許請求の範囲において引用される数字のいずれの範囲も、そのような範囲内に含まれる任意の数、並びにそのように示されている任意の範囲内の数の任意の部分集合を含めて、言及するか又は他の方法で示すことによって文字どおり本明細書に明示的に組み込まれるものであることが意図されている。例えば、下限RL及び上限RUを有する数の範囲が開示されているときはいつでも、範囲内に当てはまるいかなる数Rも具体的に開示されている。特に、範囲内の以下の数Rが具体的に開示される:R=RL+k(RU−RL)であり、式中、kは、1%単位で、1%〜100%の範囲の変数であり、例えば、kは、1%、2%、3%、4%、5%....50%、51%、52%....95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である。更に、上で計算されたように、Rの任意の2つの値によって表される任意の数値範囲も、具体的に開示されている。本明細書に図示及び説明されるものに加えて、本発明のいかなる修正も、前述の説明及び添付の図面から当業者には明らかとなるであろう。そのような修正は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。本明細書に引用される全ての刊行物は、参照によりそれら全体が組み込まれる。

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