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課題・解決手段
概要
背景
本開示は、カンナビジオールを使用する変形性関節症の治療に関する。カンナビジオール(CBD)は、式:
を有するカンナビノイドである。
変形性関節症は、患者の関節における軟骨の喪失および異常な骨成長により特徴付けられる関節変性疾患である。症状としては、硬直および疼痛が挙げられ、機能の減少または障害に繋がることがある。変形性関節症は、米国において3000万を超える成人に影響していると米国疾病管理予防センター(CDC)により推定されている。
当該技術分野において公知の変形性関節症の治療としては、特に、オピオイド鎮痛薬が挙げられる。近年、オピオイド鎮痛薬の乱用は大きな問題となっている。他の既存の治療としては、COX−2阻害剤のような非ステロイド抗炎症性薬物(NSAID)が挙げられる。これらの治療は、不都合な副作用プロファイルを有し得る。
現在利用可能な薬剤を使用する多くの変形性関節症患者は、疼痛の軽減および身体機能の改善を経験しないか、または副作用に起因して医薬を忍容できない。
疼痛、硬直および身体機能の評価を使用して、患者の変形性関節症症状が改善しているかどうかを決定することができる。西部オンタリオ大学・マクマスター大学変形性関節症指数(WOMAC)は、膝および股関節の変形性関節症を有する患者の状態を評価するために医師および臨床医により使用される標準化された質問票のセットである。それは、関節の疼痛、硬直、および身体機能の評価を含む。WOMACは、3つの下位尺度に分けられる24項目からなり、疼痛についての5項目、硬直についての2項目、および機能的制約についての17項目を測定する。
概要
それを必要とする対象において変形性関節症を治療するための医薬組成物、および医薬組成物を使用する方法であって、医薬組成物は、カンナビジオールまたはその薬学的に許容される塩を含み、特に、カンナビジオールの投与は、経皮医薬ゲル組成物による。患者において変形性関節症の1つまたは複数の症状を治療する方法が開示される。方法は、有効量のカンナビジオール(CBD)を患者に経皮投与することを含み、変形性関節症の1つまたは複数の症状が患者において治療される。
目的
カンナビジオール(CBD)は、変形性関節症患者に治療を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
患者において変形性関節症の1つまたは複数の症状を治療する方法であって、有効量のカンナビジオール(CBD)を前記患者に経皮投与することを含み、変形性関節症の1つまたは複数の症状が前記患者において治療される、方法。
請求項2
前記有効量が1日当たり250〜500mgである、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記有効量が1日当たり約250mgである、請求項1に記載の方法。
請求項4
前記有効量が1日当たり500mgである、請求項1に記載の方法。
請求項5
前記CBDが(−)−CBDである、請求項1に記載の方法。
請求項6
前記CBDがゲルとして配合される、請求項1に記載の方法。
請求項7
請求項8
前記有効量が約125mgである、請求項1に記載の方法。
請求項9
前記カンナビジオールが医薬組成物内にあり、かつ前記医薬組成物内のカンナビジオールの濃度が3%〜5%である、請求項1に記載の方法。
請求項10
前記カンナビジオールが医薬組成物内にあり、かつ前記医薬組成物内のカンナビジオールの濃度が4.2%である、請求項1に記載の方法。
請求項11
有効量のカンナビジオールを経皮投与することが、経皮塗布のために好適なゲルを前記患者の皮膚に塗布することを含む、請求項1に記載の方法。
請求項12
前記CBDが1日当たり単回の用量で投与される、請求項1に記載の方法。
請求項13
前記CBDが1日当たり2回の用量で投与される、請求項1に記載の方法。
請求項14
前記CBDが合成CBDである、請求項1に記載の方法。
請求項15
前記CBDが精製されたCBDである、請求項1に記載の方法。
請求項16
前記CBDが植物由来である、請求項1に記載の方法。
請求項17
請求項18
軽減される前記1つまたは複数の症状が膝疼痛である(inkneepain)、請求項1に記載の方法。
請求項19
軽減される前記1つまたは複数の症状が疼痛および機能である、請求項1に記載の方法。
請求項20
請求項21
請求項22
変形性関節症の1つまたは複数の症状を軽減することが疼痛および機能の改善を含む、請求項1に記載の方法。
技術分野
0001
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月14日に出願された米国仮出願第62/545,468号、および2018年4月24日に出願された米国仮出願第62/661,733号の利益を主張し、これらの各仮出願の開示全体は参照することにより本明細書に組み込まれる。
背景技術
0004
変形性関節症は、患者の関節における軟骨の喪失および異常な骨成長により特徴付けられる関節変性疾患である。症状としては、硬直および疼痛が挙げられ、機能の減少または障害に繋がることがある。変形性関節症は、米国において3000万を超える成人に影響していると米国疾病管理予防センター(CDC)により推定されている。
0005
当該技術分野において公知の変形性関節症の治療としては、特に、オピオイド鎮痛薬が挙げられる。近年、オピオイド鎮痛薬の乱用は大きな問題となっている。他の既存の治療としては、COX−2阻害剤のような非ステロイド抗炎症性薬物(NSAID)が挙げられる。これらの治療は、不都合な副作用プロファイルを有し得る。
0007
疼痛、硬直および身体機能の評価を使用して、患者の変形性関節症症状が改善しているかどうかを決定することができる。西部オンタリオ大学・マクマスター大学変形性関節症指数(WOMAC)は、膝および股関節の変形性関節症を有する患者の状態を評価するために医師および臨床医により使用される標準化された質問票のセットである。それは、関節の疼痛、硬直、および身体機能の評価を含む。WOMACは、3つの下位尺度に分けられる24項目からなり、疼痛についての5項目、硬直についての2項目、および機能的制約についての17項目を測定する。
課題を解決するための手段
0008
最近の行動学および電気生理学研究は、カンナビノイドは変形性関節症の齧歯動物モデルにおいて抗侵害受容効果を呈することを実証している。カンナビジオール(CBD)は、TRPV1受容体とのその相互作用を通じて抗痛覚過敏効果を有することが公知である。CBDはアデノシン受容体(A2A)を活性化させ、A2Aは身体の全体を通じて広範な抗炎症効果を有する。破骨細胞の機能を促進するGPR55シグナル伝達を遮断することにより、CBDは、骨再吸収を減少させるように作用することができる。
0009
カンナビジオール(CBD)は、変形性関節症患者に治療を提供することができる。本明細書において開示される研究は、変形性関節症患者の皮膚へのCBD経皮ゲルの投与が、組合せの疼痛/機能メトリック(複合レスポンダー)の改善を実証したことを示す。本研究は、男性患者および研究の開始時に高いベースライン疼痛スコアを報告した患者について特に良好な結果を明らかにした。さらに、本研究は、1日当たり250mgのようなカンナビジオールのより低い投与量を用いた患者の治療が、1日当たり500mgの投与量よりも向上した結果を提供することを示した。本開示は、多数の利点を提供する。CBDの経皮送達は、薬物が皮膚を通じて血流に直接的に吸収されることを可能とするので、経口投薬よりも利益を有し得る。これは、初回通過肝臓代謝を回避し、より高いバイオアベイラビリティおよび向上した安全性プロファイルと共に活性医薬成分のより低い投与量レベルを可能とする可能性がある。経皮送達はまた、胃腸管を回避して、GI関連有害事象の機会、および望ましくない精神活性効果と関連付けられ得るTHCへの胃酸によるCBDの分解の可能性を減少させる。本明細書において提供される治療は、患者が経験する疼痛の頻度および重篤度を低減させ得る。治療は、限られた副作用を有する。治療は、例えば、既存の治療に良好に応答しない者、そのような治療と関連付けられる負の副作用を経験する者、または、オピオイド治療の場合に患者が非オピオイド治療を望む場合に使用され得る。
0010
一態様では、患者において変形性関節症の1つまたは複数の症状を治療する方法が開示される。方法は、有効量のカンナビジオール(CBD)を患者に経皮投与することを含み、変形性関節症の1つまたは複数の症状が患者において治療される。
0011
一部の実施形態では、有効量は1日当たり250〜500mgである。有効量は1日当たり約250mgであり得る。有効量は1日当たり500mgであり得る。一部の実施形態では、有効量は125mgである。
0012
一部の実施形態では、CBDは(−)−CBDである。CBDは合成CBDであり得る。CBDは精製されたCBDであり得る。一部の実施形態では、CBDは植物由来のCBDである。
0014
一部の実施形態では、カンナビジオールは医薬組成物内にあり、かつ医薬組成物内のカンナビジオールの濃度は3%〜5%である。一部の実施形態では、カンナビジオールは医薬組成物内にあり、かつ医薬組成物内のカンナビジオールの濃度は4.2%である。
0015
有効量のカンナビジオールを経皮投与することは、経皮塗布のために好適なゲルを患者の皮膚に塗布することを含み得る。
0016
一部の実施形態では、CBDは1日当たり単回の用量で投与される。CBDは、1日当たり2回の用量で投与され得る。
0017
有効量のCBDを経皮投与することは、ベースラインと比較して平均最悪膝疼痛スコアの強度を低減させ得る。一部の実施形態では、軽減される1つまたは複数の症状は膝疼痛である。軽減される1つまたは複数の症状は疼痛および機能であり得る。一部の実施形態では、変形性関節症の1つまたは複数の症状を軽減することは、身体機能WOMACスコアの改善を含む。変形性関節症の1つまたは複数の症状を軽減することは、複合応答解析における改善を含み得る。一部の実施形態では、変形性関節症の1つまたは複数の症状を軽減することは、疼痛および機能の改善を含み得る。
図面の簡単な説明
0018
本発明は、添付の図面と組み合わせて以下の詳細な説明からより充分に理解することができる。
図1は、治療群による経時的な平均の週毎の平均最悪膝疼痛スコアのグラフを示す。
図2は、平均最悪膝疼痛スコアにおけるベースラインから第12週の平均低減のチャートを示す。
図3は、治療群による経時的な週毎の平均最悪膝疼痛スコアの変化の平均パーセントのグラフを示す。
図4は、最終観察繰越法(LOCF)における複合レスポンダーのチャートを示し、複合レスポンダーは、疼痛における≧30%の低減およびWOMACの身体機能における20%の応答を有する患者である。
図5は、治療群および性別(男性)による経時的なメジアンの週毎の平均最悪膝疼痛スコアのグラフを示す。
図6は、男性のみについてのLOCFにおける複合レスポンダーのチャートを示す。
図7は、治療群および性別(女性)による経時的なメジアンの週毎の平均最悪膝疼痛スコアのグラフを示す。
図8は、ベースライン疼痛スコアが7より大きいまたは7に等しい患者についての治療群による経時的なメジアンの週毎の平均最悪膝疼痛スコアおよびベースラインスコアのグラフを示す。
図9は、ベースライン疼痛スコアが7より大きいまたは7に等しい患者について(or patients)の平均最悪膝疼痛スコアにおけるベースラインから第12週の平均低減のチャートを示す。
図10は、ベースライン疼痛スコアが7未満の患者についての治療群による経時的なメジアンの週毎の平均最悪膝疼痛スコアおよびベースラインスコアのグラフを示す。
図11Aおよび図11Bは、選択病歴を有する(11A)および有しない(11B)患者における複合応答のチャートを示す。
0020
本明細書において使用される場合、「カンナビジオール」または「CBD」という用語は、カンナビジオール;カンナビジオールプロドラッグ;カンナビジオール、カンナビジオールプロドラッグ、およびカンナビジオール誘導体の薬学的に許容される塩などのカンナビジオールの薬学的に許容される誘導体を指す。CBDは、2−[3−メチル−6−(l−メチルエテニル)−2−シクロヘキセン−l−イル]−5−ペンチル−l,3−ベンゼンジオールの他に、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、代謝物(例えば、皮膚代謝物)、および代謝前駆体を含む。CBDの合成は、例えば、Petilka et al.、Helv.Chim.Acta、52:1102(1969)およびMechoulam et al.、J.Am.Chem.Soc、87:3273(1965)(参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されている。
0021
本明細書において使用される場合、「治療する」または「治療」という用語は、ヒトのような対象における状態、疾患もしくは障害の少なくとも1つの症状を和らげ、改善させ、緩和し、もしくは軽減すること、または状態、疾患もしくは障害と関連付けられる確認可能な測定事項の改善を指す。
0022
本明細書において使用される場合、「経皮投与する」という用語は、CBDが皮膚を透過するために効果的な条件下でCBDを患者または対象の皮膚と接触させることを指す。
0023
本明細書において使用される場合、「臨床的有効性」という用語は、食品医薬品局(FDA)、または任意の外国での対応物の臨床試験を通じて示されるようなヒトにおける所望の効果を生じさせる能力を指す。
0024
本明細書において使用される場合、医薬は、単独で、または包帯、パッチなどと組み合わせて、作製または形成されて、哺乳動物にCBDまたはCBDプロドラッグを投与するために使用され得る任意の軟膏、クリーム、溶液、懸濁液、ローション、ペースト、ゲル、ハイドロゲル、スプレー、泡、固体または油を含む。
0025
CBDは、CBD医薬を局所的に塗布することにより患者に経皮送達され得る。CBD医薬は、不活性希釈剤および担体の他に、他の賦形剤、例えば、湿潤剤、防腐剤、懸濁剤および分散剤を含み得る。これらの一般に非活性の成分に加えて、CBDを含有する外用配合物は、追加の活性剤、特に、疼痛、不快感の治療、またはそれ以外に患者の病気を治療するための活性剤をさらに含み得る。例えば、活性材料は、鎮痛剤、例えば、アヘン剤およびCBD受容体以外の受容体に働く他の鎮痛活性剤を含み得る。
0026
外用配合物は、皮膚に直接的に塗布され、次に任意選択で、動く可能性を最小化するために(例えば、包帯またはガーゼを用いて)覆われ得る。あるいは、外用配合物は、包帯、ガーゼなどの表面上にコーティングされるか、または包帯、ガーゼなどの中に吸収されてよく、それにより、外用医薬は、患者の皮膚と直接契約(contract)する。ゲルは、患者の1つまたは複数の関節炎の関節に近接して投与される必要はない。
0027
本明細書に記載されるような有効量は、例えば、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約500mg、約525mg、約550mg、約575mg、約600mg、約625mg、約650mg、約675mg、または約700mgの1日当たりの投与量であり得る。以上の任意の値は範囲を形成することができ、例えば、1日当たりの用量は約125mg〜約325mgであり得る。
0028
本明細書に記載されるような有効量は、1日当たり約250mgまたは1日当たり約500mgの1日当たりの投与量であり得る。用量は、1日当たり単回の用量として投与されてよく、または、用量は、1日当たり2回の用量、例えば、125mgを1日2回または250mgを1日2回として投与されてよい。
0029
CBDはゲル形態であってよく、1日当たり1回または2回の投与で制御された薬物送達を経皮的に提供するように設計された透明な浸透促進ゲルとして薬学的に製造され得る。CBDゲルは、1%(wt/wt)のCBD〜7.5%(wt/wt)のCBDであり得る。CBDゲルは、例えば、4.2%(wt/wt)のCBDまたは7.5%(wt/wt)のCBDを有し得る。CBDゲルは、患者の上腕および肩、背中、大腿、または任意のこれらの組合せに患者または介護者により局所的に塗布され得る。
0030
カンナビジオール組成物は、浸透促進剤、可溶化物質、可溶化剤、酸化防止剤、増量剤、増粘剤、またはpH調整剤のそれぞれの1つまたは複数を含み得る。以上の成分の例は、the Handbook of Pharmaceutical Excipients(参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されている。浸透促進剤としては、イソステアリン酸、オクタン酸、オレイン酸、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、エチルオレエート、イソプロピルミリステート、ブチルステアレート、メチルラウレート、ジイソプロピルアジペート、グリセリルモノラウレート、テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレンオキシドのアルキルアリールエーテル、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル、ポリエチレンオキシドジメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、グリセロール、酢酸エチル、アセト酢酸エステル、N−アルキルピロリドン、およびこれらの組合せが挙げられる。
0031
CBDゲルは、可溶化物質、浸透促進剤、可溶化剤、酸化防止剤、増量剤、増粘剤、および/またはpH調整剤を含み得る。CBDゲルの組成物は、例えば、a.組成物の約0.1%〜約20%(wt/wt)の量で存在するカンナビジオール;b.組成物の約15%〜約95%(wt/wt)の量で存在する1〜6個の炭素原子を有する低級アルコール;c.組成物の約0.1%〜約20%(wt/wt)の量で存在する第1の透過促進剤;およびd.合計100%(wt/wt)までの組成物にとって充分な量の水であり得る。CBDゲルの他の配合物は、国際公開第WO 2010/127033号(その内容全体は参照することにより本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。
0032
CBD医薬は、ボトル、チューブ、パケット、サシェ剤、パウチ、または類似のパッケージング内に貯蔵され得る。サシェ剤、特に、使い捨てサシェ剤は、サシェ剤内の医薬の量が単回使用のために適切となるように提供され得る。
0033
膝の変形性関節症が確認された41〜78歳の320人の患者を二重盲検の多施設試験において無作為化した。1週のウォッシュアウトおよび7〜10日のベースライン期を完了した患者を1:1:1で無作為化して、1日当たり250mgのCBD、1日当たり500mgのCBD、またはプラセボのいずれかを12週にわたり与えた。登録された患者は、ベースライン中1〜10の尺度で6.9の平均最悪膝疼痛スコアを有していた。250mgおよび500mgの用量を4.2%(wt/wt)のCBDゲルとして投与した。患者の特質を表1に示し、安全性解析セットについての患者人口統計を表2に示す。
0034
0035
0036
全ての参加者において、1日当たり250mgのCBDの投与量の患者は、第12週時に平均最悪膝疼痛スコアにおいてベースラインから2.64の平均低減を達成し、1日当たり500mgのCBDの患者は、第12週時に平均最悪膝疼痛スコアにおいてベースラインから2.83の平均低減を達成し、プラセボの患者は、第12週時に平均最悪膝疼痛スコアにおいてベースラインから2.37の平均低減を達成した。これらの結果は統計的に有意でなかった。図1および図2は、治療群による経時的な平均の週毎の平均最悪膝疼痛スコアを示し、活性剤群およびプラセボの両方において疼痛が減少したことを示す。図3は、図1に示す結果に対応する週毎の平均最悪膝疼痛スコアの変化の平均パーセントを示す。混合モデル反復測定(MMRM)モデルを使用して、ベースラインから第12週までの全ての週毎の平均最悪膝疼痛スコアに基づいて活性剤治療群とプラセボとの差異について試験した。
0037
最初の7日の期間にわたり、患者は、NSAIDまたはCOX−2阻害剤のような他の変形性関節症治療の使用を終了するように指示されたが、レスキュー使用のためにアセトアミノフェンを使用することは許容された。この時点において、ベースライン平均最悪膝疼痛を各患者について同定した。試験の間、アセトアミノフェンのレスキュー使用は、活性剤試験群およびプラセボ試験群の両方について許容され、レスキュー使用の頻度について群間で差異はなかった。
0038
図4に示すように、1日当たり250mgのCBDについての複合レスポンダー(すなわち、最終観察繰越法において≧30%の最悪疼痛スコアにおける平均の週毎の改善および最終観察繰越法(LOCF)における≧20%のWOMAC身体機能下位尺度の低減を有する患者の数およびパーセント)解析について統計的に有意な結果が達成された(p=0.016)。フィッシャーの直接検定を使用して、LOCFにおける各活性剤治療とプラセボとの間の複合レスポンダーの差異について試験した。複合レスポンダー解析において、複合応答解析での陽性応答は、最悪平均連日疼痛スコアの≧30パーセントの低減およびWOMAC(西部オンタリオ大学・マクマスター大学変形性関節症指数)身体機能スコアにおける≧20パーセントの改善を指し示した。したがって、陽性複合応答スコアは、疼痛および機能の両方における改善を実証する。複合レスポンダースコアは、疼痛および機能の両方の成分を含むので、プラセボからの薬物の効果の区別においてより効果的であると考えられる。
0039
最後の観察における複合レスポンダー解析の要約を表3に報告する。表3は、93人の患者のうち60人が、4.2%のCBDゲル中の1日当たり250mgのCBDを用いた治療後に身体機能WOMACスコアの20%またはより大きい応答を経験したことを示す。さらに、106人のうち53人において、疼痛の少なくとも30%の低減が観察され、93人のうち49人(52.7%)が複合応答を呈した。
0040
0041
1日当たり250mgのCBDについて第8週時に最悪疼痛重篤度における≧30%の低減(p=0.037)に基づいてレスポンダー率についても統計的に有意な結果が記録された。他の二次評価項目において統計的有意性に向かう傾向が観察された。
0042
変形性関節症についてのカンナビジオールの価値の実証に加えて、本データはまた、投与量レベルに関する情報を提供する。1日当たり250mgのカンナビジオールの投与量は、複合評価および複合評価の各成分において1日当たり500mgより(that 500 mg)良好な結果を示す。図6を参照。さらに、500mgから250mgへの改善傾向は、250mgより低い投与量は患者に対して類似またはより大きい利益を提供し得ることを示唆する。以下において議論する投与量/体重解析は、特に、低い投与量/体重での治療について観察される良好な結果を達成するために低減された投与量(250mg未満)を支持する。
0043
安全性データ:CBDゲルは非常に忍容性良好であることが示され、安全性プロファイルは、以前に報告された臨床試験からのデータに合致した。表4は有害事象の要約を提供する。
0044
0046
実施例1に記載の試験において得られたデータを性別に関しても解析した。1日当たり250mgのCBDの男性は、第4週時に平均最悪膝疼痛スコアにおいてベースラインから1.65の平均低減を達成したのに対し、プラセボの男性においてはベースラインから1.19の平均低減であり(p=0.156);第8週時に平均最悪膝疼痛スコアにおいてベースラインから2.30の平均低減であったのに対し、プラセボの男性においてはベースラインから1.56の平均低減であり(p=0.066);第12週時に平均最悪膝疼痛スコアにおいてベースラインから2.68の平均低減であったのに対し、プラセボの男性においてはベースラインから1.70の平均低減であった(p=0.049)。
0047
0048
図5は、男性についての経時的なメジアンの週毎の平均最悪膝疼痛スコアを示し、男性は、250mgのCBDおよび500mgのCBDの両方についてプラセボに対して平均膝疼痛スコアの有意な低減を経験し、試験エンドポイントにおいて250mgのCBDを与えられた患者について最低の平均疼痛スコアが報告された。図6は、男性のみのLOCFにおける複合レスポンダーを示す。
0049
図6に示すように、女性患者は疼痛の低減を示したが、女性プラセボ群は疼痛のより大きな低減を実証した。女性は、エンドポイントにおいて有意性を達成しなかった。図7は、女性患者についての経時的なメジアンの週毎の平均最悪膝疼痛スコアを示し、疼痛が試験の経過にわたり活性剤アームおよびプラセボアームの両方について減少したことを示すが、試験の終了時に有意性はなかった。
0050
試験において得られたデータを異なるレベルの疼痛重篤度における応答に関しても解析したところ、より高いベースライン疼痛スコアを有する患者においてより大きな有効性が示された。平均ベースライン最悪膝疼痛スコアは6.9であった。≧7のベースライン疼痛スコアを有する患者の評価において、この群内においてこのベースライン内にCBDの101患者、プラセボアームの48患者がいた。CBDの患者は、第4週時に平均最悪膝疼痛スコアにおいてベースラインから2.17の平均低減を達成したのに対し、プラセボの患者においてはベースラインから1.6の平均低減であり(p=0.029);第8週時に平均最悪膝疼痛スコアにおいてベースラインから3.02の平均低減を達成したのに対し、プラセボの患者においてはベースラインから2.22の平均低減であり(p=0.054);第12週時に平均最悪膝疼痛スコアにおいてベースラインから3.29の平均低減を達成したのに対し、プラセボの患者においてはベースラインから2.52の平均低減であった(p=0.086)。図9を参照。
0051
0052
図8は、7より大きいまたは7に等しいベースライン膝疼痛スコアを有する患者についての膝疼痛スコアは、250mgのCBDおよび500mgのCBDの両方についてプラセボより大きい程度で低下したことを示す。図9は、7より大きいまたは7に等しいベースライン膝疼痛スコアを有する患者についての平均最悪膝疼痛スコアにおけるベースラインから第12週の平均低減を示す。図9のデータは、プラセボ群対組合せのCBD経皮ゲル(すなわち、両方の投与量群の組合せ)として提示される。比較により、図10は、7未満のベースライン膝疼痛スコアを有する患者についての対応するデータを示す。この群について、プラセボに対する疼痛の低減は統計的に有意でなかった。
0053
表5および表6における以上の結果は、全特許(patent)トータルと比較することもでき、それを表7に報告し、男性患者および7より大きいまたは7に等しいベースライン疼痛を有する患者についての結果は、全体的な試験集団についてより大きい疼痛の低減を示し、比較的より小さい低減がプラセボと関連付けられることを実証する。
0054
0056
0057
複合応答を、選択病歴を有するおよび有しない(with an without)患者においても解析した。選択病歴は、中枢神経障害性疼痛、線維筋痛症、鬱病、気分変化、不快気分、疲労感および/または不眠からなる。図11Aおよび図11Bは、選択病歴を有するおよび有しない患者における複合応答を詳述するチャートである。
0058
試験データを患者の体重当たりの活性剤用量(すなわち、投与量/mgでのCBDの質量/患者の体重kg)に関しても解析した。この解析のために、患者集団を用量/体重により3群に分けた:0〜25パーセンタイル、25〜75パーセンタイル、および75〜100パーセンタイル。表9は、最後の観察時の用量/体重四分位0〜25%における複合レスポンダー解析の要約である。表10は、最後の観察時の用量/体重四分位25〜75%における複合レスポンダー解析の要約である。表11は、最後の観察時の用量/体重四分位75〜100%における複合レスポンダー解析の要約である。
0059
0060
0061
0062
この解析は、0〜25パーセンタイル群内の患者は最大パーセンテージの複合レスポンダーを呈し、46人のうち27人(58.7%)は疼痛における30パーセントの低減および身体機能WOMACスコアにおける20パーセントの応答の両方を呈した。この群の全体の69.6%の患者は、身体機能WOMACスコアにおける20パーセントの応答を実証した。これに対し、25〜75パーセンタイル群の半分未満の患者は複合応答を呈した(250mgのCBDについて46.8%、500mgのCBDサブセットについて48.9%)。75〜100パーセンタイル群について、41.3%のみが複合応答を呈した。したがって、投与量/体重の解析は、より低い投与量/体重がより効果的であることを示した。さらに、解析は、250mgのCBD患者の2群、すなわち、より低い投与量/体重(0〜25パーセンタイル)およびより高い投与量/体重(25〜75パーセンタイル)を与えられた患者の比較を可能とする。この比較は、250mgのCBD群内において、より低い投与量/体重はより良好な複合レスポンダースコアを実証したことを示す。この傾向は、250mgより低い投与量が患者に有益であり得ることを指し示す。250mgより低い投与量は、好都合な結果をもたらすことが本明細書において実証された活性剤の低い投与量/体重範囲により多くの患者が入ることを可能とする。
0063
結果の要約
CBD経皮ゲル群の250mgおよび500mg用量のいずれも、平均最悪膝疼痛スコアにおけるベースラインから第12週の平均低減の点でプラセボからの統計的に有意な分離を実証しなかった。解析は、プラセボに対するCBD経皮ゲルの有意な分離がベースラインページ(page)スコア≧7の者について観察されたことを明らかにした。解析は、女性は男性より大きなプラセボ応答を呈することを強調した。
0064
プラセボを与えられた患者(34.1%)と比較して1日当たり250mgのCBD経皮ゲルを与えられた有意に多くの数の患者(52.7%)が複合レスポンダーであった。解析は、250mg群および500mg群の両方についてのプラセボからの差異は、ベースライン疼痛スコアにおけるリース量(lease amount)の変動を有した者の間で広がることを明らかにした。
実施例
0065
本明細書において参照した全ての刊行物および参考文献は、参照することにより全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
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