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課題・解決手段

タンパク質の機能又は活性喪失により引き起こされる疾患について治療を必要とする対象を治療する方法が提供される。タンパク質の機能、活性又は発現の獲得により引き起こされる疾患について治療を必要とする対象を治療する方法もまた提供される。

概要

背景

序論
[0002]組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を使用する遺伝子療法遺伝子移入)は、満たされていない医学上の必要性に対処する有望な可能性を示している。例えば、凝固VIII因子及び第IX因子発現するAAVを使用する遺伝子療法は、ヒト臨床試験において有望な安全性及び有効性を示している(参考文献)。

[0003]AAV感染はヒト集団において一般的であり、疾患を引き起こすことは知られていない。AAVベースの遺伝子療法から利益を受けることができるヒト対象の大部分は、以前にAAVにより感染された者である。感染は人生後期に起こることがあるが、最も頻繁には小児期に起こる。あらゆるウイルス感染と同様に、AAV感染への宿主免疫応答は、AAVへの抗体(AAV抗体)の形成を結果としてもたらす。AAVへの曝露後、迅速なAAV抗体形成(週)、高力価抗体ピークの達成、及びその後のAAV抗体レベルの徐々の低下(年)という時系列が周知である(参考文献)。AAV感染後のAAV抗体の典型的なピーク力価は>1:100であり、1:1000を容易に超えることがある(Calcedo et al, 2009)。

[0004]現在までの有望な血友病臨床試験において(George et al 2016, American Society for Hematology, San Diego CA, Plenary Lecture; George et al 2017, International Society for Thrombosis and Hemostasis, Berlin, Germany)、既存の抗体を有しない(力価<1:1)ヒト対象への治療的な導入遺伝子(FVIII又はFIX)を発現するAAVベクター全身性(例えば、静脈内)投与後に最良の結果が観察されている。既存の抗体が非常に低い力価(1:1〜1:2)である場合にも良好な結果が得られることがあり、低い力価の既存の抗体(1:3〜1:5)の場合に中等度の結果が得られることがある。これらのレベルを超える既存の抗体のレベルは、ほぼ下限から不十分な程度の遺伝子形質導入に相当する。既存の抗体力価関数としての遺伝子移入効率のこの低下の機序は、既存のAAV抗体によるAAV遺伝子療法ベクターの結合及びその中和である。抗AAV抗体が結合した場合、ベクターは、治療遺伝子移入の標的である肝細胞などの肝臓細胞及び内皮細胞のような標的組織及び細胞に達してそれに導入されることができない。特定のAAV血清型に応じて、50%まで及び50%を超える血友病を有する対象は、既存のAAV抗体を理由にして、AAVベースの遺伝子療法処置から利益を受けるのに適格でないことがある(Calcedo et al 2009)。

概要

タンパク質の機能又は活性喪失により引き起こされる疾患について治療を必要とする対象を治療する方法が提供される。タンパク質の機能、活性又は発現の獲得により引き起こされる疾患について治療を必要とする対象を治療する方法もまた提供される。なし

目的

本発明は、AAV結合抗体を除去し、枯渇させ、捕捉し、及び/又は不活性化させるための組成物及び方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

タンパク質の機能又は活性喪失により引き起こされる疾患について治療を必要とする対象を治療する方法であって、(a)アフェレーシスを含むプロセスにより前記対象から得られた血液製剤からAAV結合抗体を、除去する、低減させる、枯渇させる、阻害する、不活性化する又は捕捉するステップ;及び(b)前記タンパク質の機能又は活性を提供するか又は補助するタンパク質又はペプチドをコードする異種ポリヌクレオチドを含むある量の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクター投与するステップを含む、方法。

請求項2

タンパク質の機能、活性又は発現の獲得により引き起こされる疾患について治療を必要とする対象を治療する方法であって、(a)アフェレーシスを含むプロセスにより前記対象から得られた血液製剤からAAV結合抗体を、除去する、低減させる、枯渇させる、阻害する、不活性化する又は捕捉するステップ;及び(b)前記タンパク質の機能、活性又は発現の獲得の発現を阻害する、減少させる又は低減させる核酸転写される異種ポリヌクレオチドを含むある量の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターを投与するステップを含む、方法。

請求項3

前記アフェレーシスプロセスが、基材に取り付けた又は固定されたAAV結合抗体親和性マトリックスを含む、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、基材に取り付けた又は固定された、前記血液製剤中の前記AAV結合抗体に結合するAAVキャプシド又はAAVキャプシド断片を含む、請求項3に記載の方法。

請求項5

基材に固定された前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、前記AAV結合抗体親和性マトリックスと接触したときに前記血液製剤からAAV結合抗体を体外又は体内で除去又は枯渇させるための入口及び出口を有する、カラム、装置、チャンバーデバイスフィルターカートリッジチューブ内に配されている、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、天然に存在する又は非天然の又は合成のインタクトなAAV空キャプシドを含む、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、AAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質又はその断片を含む、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、天然に存在する又は非天然の又は合成のAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質を含む、請求項3〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、天然に存在する又は非天然の又は合成のAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質モノマーを含む、請求項3〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、天然に存在する又は非天然の又は合成のAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質ポリマーを含む、請求項3〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、天然に存在する又は非天然の又は合成のAAVキャプシドタンパク質に対して60%又はそれより高い配列同一性を有するAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質を含む、請求項3〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、Rh10、Rh74、配列番号1及び配列番号2のVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質からなる群から選択されるAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質に対して60%又はそれより高い配列同一性を有するAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質を含む、請求項3〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、配列番号1又は配列番号2に対して60%又はそれより高い配列同一性を有するAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質を含む、請求項3〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、前記血液製剤中の前記AAV結合抗体に結合する抗イディオタイプ抗体を含む、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

AAV結合抗体に結合する前記抗イディオタイプ抗体が、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、Rh10、Rh74、配列番号1及び/若しくは配列番号2の(1つ若しくは複数の)キャプシドタンパク質、又はAAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、Rh10、Rh74、配列番号1及び/若しくは配列番号2の(1つ若しくは複数の)キャプシドタンパク質の誘導体若しくはアミノ酸置換体に結合する、請求項14に記載の方法。

請求項16

AAV結合抗体に結合する前記抗イディオタイプ抗体が抗体断片である、請求項14又は15に記載の方法。

請求項17

AAV結合抗体に結合する前記抗イディオタイプ抗体が、IgGIgAIgMIgE又はIgDである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記AAV結合抗体親和性マトリックスがGMPグレードである、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

前記対象から得られた前記血液製剤への前記AAV結合抗体親和性マトリックスの浸出が、前記血液製剤が前記対象に再導入される場合に、前記対象を実質的に害しない、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

前記AAV結合抗体が、AAVキャプシドタンパク質に結合するIgG、IgM、IgA又はIgDを含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

前記基材及び/又はカラム、装置、チャンバー、デバイス、フィルター、カートリッジ、若しくはチューブが、プラスチック又はガラスから構成されている、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。

請求項22

前記AAV結合抗体親和性マトリックス、基材及び/又はカラム、装置、チャンバー、デバイス、フィルター、カートリッジ、チューブが無菌である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。

請求項23

前記アフェレーシスプロセスの前に前記血液製剤中に存在する前記AAV結合抗体が、約1:100より多く、その場合、1部の前記血液製剤を100部の等張緩衝液希釈して、50%のAAVの中和がもたらされる、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

前記アフェレーシスプロセスの前に前記血液製剤中に存在する前記AAV結合抗体が、約1:1000より多く、その場合、1部の前記血液製剤を1000部の等張緩衝液で希釈して、50%のAAVの中和が結果もたらされる、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。

請求項25

前記血液製剤中に存在する前記AAV結合抗体の20〜50%、50〜75%、75〜90%、90〜95%又は95%又はそれより多くが除去される、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

前記アフェレーシスプロセス後の前記血液製剤中に存在する前記AAV結合抗体が、約1:10未満であり、その場合、1部の前記血液製剤を10部の等張緩衝液で希釈して、50%のAAVの中和がもたらされる、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

前記アフェレーシスプロセス後の前記血液製剤中に存在する前記AAV結合抗体が、約1:5未満であり、その場合、1部の前記血液製剤を5部の等張緩衝液で希釈して、50%のAAVの中和がもたらされる、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。

請求項28

前記アフェレーシスプロセス後の前記血液製剤中に存在するAAV結合抗体の比が、約1:4未満であり、その場合、1部の前記血液製剤を4部の等張緩衝液で希釈して、50%のAAVの中和がもたらされる、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。

請求項29

前記アフェレーシスプロセス後の前記血液製剤中に存在するAAV結合抗体の比が、約1:3未満であり、その場合、1部の前記血液製剤を3部の等張緩衝液で希釈して、50%のAAVの中和がもたらされる、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。

請求項30

前記アフェレーシスプロセス後の前記血液製剤中に存在するAAV結合抗体の比が、約1:2未満であり、その場合、1部の前記血液製剤を2部の等張緩衝液で希釈して、50%のAAVの中和がもたらされる、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。

請求項31

前記アフェレーシスプロセス後の前記血液製剤中に存在するAAV結合抗体の比が、約1:1未満であり、その場合、1部の前記血液製剤を1部の等張緩衝液で希釈して、50%のAAVの中和がもたらされる、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項32

前記方法後の前記血液製剤の全て又は一部分が、前記対象に再導入又は再注入される、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。

請求項33

ステップ(b)の後に、前記対象にドナーからの血液製剤が与えられる、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。

請求項34

ステップ(b)が(a)の後の約72時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項35

ステップ(b)が(a)の後の約48時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項36

ステップ(b)が(a)の後の約1〜48時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項37

ステップ(b)が(a)の後の約36時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

ステップ(b)が(a)の後の約24時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

ステップ(b)が(a)の後の約1〜24時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

ステップ(b)が(a)の後の約12時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項41

ステップ(b)が(a)の後の約6時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項42

ステップ(b)が(a)の後の約3時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項43

ステップ(b)が(a)の後の約30分〜6時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項44

ステップ(b)が(a)の後の約30分〜3時間以内に行われる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項45

ステップ(a)の後であるがステップ(b)の前に、前記対象からの試料を前記試料中に存在するAAV結合抗体の量について分析することをさらに含む、請求項1〜44のいずれか一項に記載の方法。

請求項46

ステップ(b)の後に、前記対象からの試料を前記試料中に存在するAAV結合抗体の量について分析することをさらに含む、請求項1〜45のいずれか一項に記載の方法。

請求項47

前記対象からの試料分析される前記試料が血液製剤である、請求項45又は46に記載の方法。

請求項48

前記血液製剤が血漿である、請求項1〜47のいずれか一項に記載の方法。

請求項49

前記対象が、肺疾患(例えば、嚢胞性繊維症)、出血障害(例えば、阻害剤あり若しくはなしの血友病A若しくは血友病B)、サラセミア血液障害(例えば、貧血)、アルツハイマー病パーキンソン病ハンチントン病筋萎縮性側索硬化症ALS)、癲癇リソソーム蓄積症、銅若しくは鉄蓄積障害(例えば、ウィルソン病若しくはメンケス病)、リソソームリパーゼ欠損症神経学的若しくは神経変性障害がん1型若しくは2型糖尿病ゴーシェ病、ハーラー病、アデノシンデアミナーゼ欠損症代謝障害(例えば、グリコーゲン貯蔵病)、網膜変性疾患(例えば、RPE65欠損症、コロイデレミア、及び眼の他の疾患)、固形臓器(例えば、脳、肝臓腎臓心臓)の疾患、又は感染性ウイルス(例えば、B型及びC型肝炎HIVなど)、細菌性若しくは真菌性疾患を有する、請求項1〜48のいずれか一項に記載の方法。

請求項50

前記疾患が、前記タンパク質をコードする遺伝子の発現の喪失又は低減により引き起こされるものである、請求項1〜49のいずれか一項に記載の方法。

請求項51

前記疾患が血液凝固障害である、請求項1〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項52

前記疾患が、血友病A、阻害抗体を有する血友病A患者、血友病B、任意の凝固因子:VII、VIII、IX及びX、XI、V、XII、II、フォンウィルブランド因子の欠損症、又はFV/FVIII合併欠損症、又はサラセミア、ビタミンKエポキシドレダクターゼC1欠損症又はガンマカルボキシラーゼ欠損症である、請求項1〜51のいずれか一項に記載の方法。

請求項53

前記疾患が、貧血、外傷に関連する出血、損傷、血栓症血小板減少症、卒中、凝固障害播種性血管内凝固DIC);ヘパリン低分子量ヘパリン五糖ワルファリン、小分子抗血栓剤(すなわち、FXa阻害剤)に関連する過剰抗凝固;及び血小板障害、例えば、ベルナール・スーリエ症候群グランツマン血小板無力症(thromblastemia)、又は貯蔵プール欠乏症である、請求項1〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項54

前記疾患が、中枢神経系(CNS)に影響を与えるものか、又はCNSから発生するものである、請求項1〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項55

前記疾患が神経変性疾患である、請求項1〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項56

前記CNS又は神経変性疾患が、アルツハイマー病、ハンチントン病、ALS、遺伝性痙性片麻痺原発性側索硬化症脊髄性筋萎縮症、ケネディ病、ポリグルタミンリピート疾患、又はパーキンソン病である、請求項54又は55に記載の方法。

請求項57

前記CNS又は神経変性疾患がポリグルタミンリピート疾患である、請求項55又は56に記載の方法。

請求項58

前記ポリグルタミンリピート疾患が脊髄小脳失調症SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、又はSCA17)である、請求項57に記載の方法。

請求項59

前記異種ポリヌクレオチドが、インスリングルカゴン成長ホルモンGH)、副甲状腺ホルモンPTH)、成長ホルモン放出因子(GRF)、卵胞刺激ホルモンFSH)、黄体形成ホルモンLH)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、血管内皮増殖因子VEGF)、アンジオポエチンアンジオスタチン顆粒球コロニー刺激因子GCSF)、エリスロポエチン(EPO)、結合組織成長因子(CTGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、上皮成長因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGFα)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン成長因子I及びII(IGF−I及びIGF−II)、TGFβ、アクチビンインヒビン骨形成タンパク質(BMP)、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィンNT−3及びNT4/5、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞由来神経栄養因子GDNF)、ニュールツリンアグリンネトリン−1及びネトリン−2、肝細胞増殖因子HGF)、エフリンノギンソニックヘッジホッグ並びにチロシンヒドロキシラーゼからなる群から選択されるタンパク質をコードする、請求項1又は3〜58のいずれか一項に記載の方法。

請求項60

前記異種ポリヌクレオチドが、トロンボポエチンTPO)、インターロイキンIL1〜IL−17)、単球走化性タンパク質、白血病抑制因子顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、Fasリガンド腫瘍壊死因子α及びβ、インターフェロンα、β、及びγ、幹細胞因子、flk−2/flt3リガンド、IgG、IgM、IgA、IgD及びIgE、キメラ免疫グロブリンヒト化抗体単鎖抗体T細胞受容体、キメラT細胞受容体、単鎖T細胞受容体、クラスI及びクラスIIMHC分子からなる群から選択されるタンパク質をコードする、請求項1又は3〜58のいずれか一項に記載の方法。

請求項61

前記異種ポリヌクレオチドが、CFTR(嚢胞性線維症膜貫通調節タンパク質)、血液凝固凝血因子(第XIII因子、第IX因子、第VIII因子、第X因子、第VII因子、第VIIa因子プロテインCなど)機能性血液凝固因子の獲得、抗体、網膜色素上皮特異的65kDaタンパク質(RPE65)、エリスロポエチン、LDL受容体リポタンパク質リパーゼオルニチントランスカルバミラーゼ、β−グロビン、α−グロビン、スペクトリン、α−アンチトリプシンアデノシンデアミナーゼ(ADA)、金属トランスポーターATP7A若しくはATP7)、スルファミダーゼ、リソソーム蓄積症(ARSA)に関与する酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、β−25グルコセレブロシダーゼスフィンゴミエリナーゼ、リソソームヘキソサミニダーゼ分岐鎖ケト酸デヒドロゲナーゼホルモン、成長因子、インスリン様成長因子1若しくは2、血小板由来成長因子、上皮成長因子、神経成長因子、神経栄養因子−3及び−4、脳由来神経栄養因子、グリア由来成長因子、トランスフォーミング増殖因子α及びβ、サイトカイン、α−インターフェロン、β−インターフェロン、インターフェロン−γ、インターロイキン−2、インターロイキン−4、インターロイキン12、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子、リンホトキシン自殺遺伝子産物、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼシトシンデアミナーゼジフテリア毒素シトクロムP450、デオキシシチジンキナーゼ腫瘍壊死因子薬物耐性タンパク質、腫瘍抑制タンパク質(例えば、p53、Rb、Wt−1、NF1、フォンヒッペルリンドウ(VHL)、腺腫様大腸ポリポーシスAPC))、免疫調節特性を有するペプチド、寛容原性若しくは免疫原性ペプチド若しくはタンパク質Tレギトープ若しくはhCDR1、インスリン、グルコキナーゼグアニル酸シクラーゼ2D(LCA−GUCY2D)、Rabエスコートタンパク質1(コロイデレミア)、LCA5(LCA−レベルシリン)、オルニチンケト酸アミノトランスフェラーゼ脳回転状萎縮)、レチノスキシン1(X連鎖網膜分離)、USH1C(アッシャー症候群1C)、X連鎖性網膜色素変性症GTPase(XLRP)、MERTK(RPのAR形態:網膜色素変性症)、DFNB1(コネキシン26難聴)、ACHM2、3及び4(色覚異常)、PKD−1若しくはPKD−2(多発性嚢胞腎疾患)、TPP1、CLN2、リソソーム蓄積症に関与する遺伝子産物(例えば、スルファターゼN−アセチルグルコサミン−1−リン酸トランスフェラーゼカテプシンA、GM2−AP、NPC1、VPC2、スフィンゴ脂質活性化タンパク質ゲノム編集用の1つ若しくは複数のジンクフィンガーヌクレアーゼ、又はゲノム編集用の修復鋳型として使用されるドナー配列をコードする、請求項1又は3〜58のいずれか一項に記載の方法。

請求項62

前記異種ポリヌクレオチドが阻害核酸をコードする、請求項2〜58のいずれか一項に記載の方法。

請求項63

前記阻害核酸が、siRNA、アンチセンス分子、miRNA、RNAi、リボザイム及びshRNAからなる群から選択される、請求項2〜58のいずれか一項に記載の方法。

請求項64

前記阻害核酸が、病原性遺伝子、病原性遺伝子の転写物、若しくはポリヌクレオチドリピート疾患に関連する遺伝子転写物ハンチンチンHTT)遺伝子、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(dentatorubropallidolusyanatropy)に関連する遺伝子(アトフィン1、ATN1)、球脊髄性筋萎縮症におけるX染色体上のアンドロゲン受容体、ヒトアタキシン−1、−2、−3、及び−7、(CACNA1A)によりコードされるCav2.1P/Q電位依存性カルシウムチャネルTAT結合タンパク質、ATXN8OSとしても公知のアタキシン8逆鎖、脊髄小脳失調症におけるセリンスレオニンプロテインホスファターゼ2A55kDa調節サブユニットベータアイソフォーム(1、2、3、6、7、8、1217型)、脆弱X症候群におけるFMR1(脆弱精神遅滞1)、脆弱X関連振戦運動失調症候群におけるFMR1(脆弱X精神遅滞1)、FMR1(脆弱X精神遅滞2)若しくは脆弱XE精神遅滞におけるAF4/FMR2ファミリーメンバー2;筋強直性ジストロフィーにおけるミオトニン−プロテインキナーゼMT−PK);フリードライヒ運動失調症におけるフラタキシン;筋萎縮性側索硬化症におけるスーパーオキシドディスムターゼ1(SOD1)遺伝子の突然変異体;パーキンソン病及び/若しくはアルツハイマー病の病理発生に関与する遺伝子;アポリポタンパク質B(APOB)及びプロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)、高コレステロール血症(hypercoloesterolemia);HIV感染症におけるHIVTat、転写遺伝子のヒト免疫不全ウイルストランス活性化因子;HIV感染症におけるHIVTAR、HIVTAR、ヒト免疫不全ウイルストランス活性化因子応答エレメント遺伝子;HIV感染症におけるC−Cケモカイン受容体CCR5);RSV感染症におけるラウス肉腫ウイルス(RSVヌクレオキャプシドタンパク質、C型肝炎ウイルス感染症における肝臓特異的マイクロRNA(miR−122);p53、急性腎障害若しくは遅延グラフト機能腎臓移植片若しくは腎障害急性腎不全進行性再発性若しくは転移性固形悪性腫瘍におけるプロテインキナーゼN3(PKN3);LMP2、プロテアソームサブユニットベータ−9型(PSMB9)としても公知のLMP2、転移性黒色腫;プロテアソームサブユニットベータ−8型(PSMB8)としても公知のLMP7、転移性黒色腫;プロテアソームサブユニットベータ−10型(PSMB10)としても公知のMECL1、転移性黒色腫;固形腫瘍における血管内皮増殖因子(VEGF);固形腫瘍におけるキネシンスピンドルタンパク質、慢性骨髄性白血病におけるアポトーシス抑制B細胞LLリンパ腫(BCL−2);固形腫瘍におけるリボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);固形腫瘍におけるフューリン;肝臓腫瘍におけるポロ様キナーゼ1(PLK1)、C型肝炎感染症におけるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)、家族性腺腫性ポリポーシスにおけるベータカテニン;ベータ2アドレナリン作動性受容体緑内障糖尿病性黄斑浮腫(oedma)(DME)若しくは加齢黄斑変性症における、DAN損傷誘導性転写物4タンパク質としても公知のRTP801/Redd1;加齢黄斑変性症若しくは脈絡膜新生血管(choroidalneivascularization)における血管内皮増殖因子受容体I(VEGFR1)、非動脈炎虚血性視神経症におけるカスパーゼ2;先天性爪肥厚症におけるケラチン6AN17K突然変異体タンパク質インフルエンザ感染症におけるインフルエンザウイルスゲノム遺伝子配列重症急性呼吸器症候群SARS)感染症におけるSARSコロナウイルスゲノム/遺伝子配列;呼吸器合胞体ウイルス感染症における呼吸器合胞体ウイルスゲノム/遺伝子配列;エボラ感染症におけるエボラフィロウイルスゲノム/遺伝子配列;B型及びC型肝炎感染症におけるB型及びC型肝炎ウイルスゲノム/遺伝子配列;単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症におけるHSVゲノム/遺伝子配列、コクサッキーウイルスB3感染症におけるコクサッキーウイルスB3ゲノム/遺伝子配列;原発性ジストニアにおけるトルシンA(TOR1A)のような遺伝子の病原性アレルサイレンシング(アレル特異的サイレンシング)、移植における汎クラスI及びHLAアレル特異的;又は常染色体優性遺伝網膜色素変性症(adRP)における突然変異体ロドプシン遺伝子(RHO)に結合する、請求項63に記載の方法。

請求項65

前記異種ポリヌクレオチドが遺伝子編集ヌクレアーゼをコードする、請求項1〜64のいずれか一項に記載の方法。

請求項66

前記遺伝子編集ヌクレアーゼがジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)又は転写活性化因子エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を含む、請求項65に記載の方法。

請求項67

前記異種ポリヌクレオチドが、機能的なII型RISPR−Cas9;及び/又はガイドRNA配列;及び/又は標的遺伝子修正若しくは置換のためのドナー核酸配列をコードする、請求項1〜64のいずれか一項に記載の方法。

請求項68

ステップ(a)及び/又はステップ(b)が2回又はそれより多くの回数行われる、請求項1〜67のいずれか一項に記載の方法。

請求項69

前記対象がヒトである、請求項1〜68のいずれか一項に記載の方法。

請求項70

AAV結合抗体親和性マトリックスと接触したときに血液製剤からAAV結合抗体を体外又は体内で除去又は枯渇させるための入口及び出口を有する、カラム、装置、チャンバー、デバイス、フィルター、カートリッジ、チューブ内に配された基材に固定された、前記AAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項71

天然に存在する又は非天然の又は合成のインタクトなAAV空キャプシドを含む、請求項70に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項72

AAVVP1、VP2及び/若しくはVP3キャプシドタンパク質又はその断片を含む、請求項70に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項73

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、天然に存在する又は非天然の又は合成のAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質を含む、請求項70に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項74

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、天然に存在する又は非天然の又は合成のAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質モノマーを含む、請求項70に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項75

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、天然に存在する又は非天然の又は合成のAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質ポリマーを含む、請求項70に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項76

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、天然に存在する又は非天然の又は合成のAAVキャプシドタンパク質に対して60%又はそれより高い配列同一性を有するAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質を含む、請求項70に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項77

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、Rh10、Rh74、配列番号1及び配列番号2のVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質からなる群から選択されるAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質に対して60%又はそれより高い配列同一性を有するAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質を含む、請求項70に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項78

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、配列番号1又は配列番号2に対して60%又はそれより高い配列同一性を有するAAVVP1、VP2及び/又はVP3キャプシドタンパク質を含む、請求項70に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項79

前記AAV結合抗体親和性マトリックスが、前記血液製剤中の前記AAV結合抗体に結合する抗イディオタイプ抗体を含む、請求項70に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項80

AAV結合抗体に結合する前記抗イディオタイプ抗体が、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、Rh10、Rh74、配列番号1及び/若しくは配列番号2の(1つ若しくは複数の)キャプシドタンパク質、又はAAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、Rh10、Rh74、配列番号1及び/若しくは配列番号2の(1つ若しくは複数の)キャプシドタンパク質の誘導体若しくはアミノ酸置換体に結合する、請求項79に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項81

AAV結合抗体に結合する前記抗イディオタイプ抗体が抗体断片である、請求項79に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項82

AAV結合抗体に結合する前記抗イディオタイプ抗体が、IgG、IgA、IgM、IgE又はIgDである、請求項79に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項83

前記AAV結合抗体親和性マトリックスがGMPグレードである、請求項70〜82のいずれか一項に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項84

対象から得られた血液製剤への前記AAV結合抗体親和性マトリックスの浸出が、前記血液製剤が前記対象に再導入される場合に、前記対象を実質的に害しない、請求項70〜82のいずれか一項に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項85

前記AAV結合抗体が、AAVキャプシドタンパク質に結合するIgG、IgM、IgA又はIgDを含む、請求項70〜82のいずれか一項に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項86

前記基材及び/又はカラム、装置、チャンバー、デバイス、フィルター、カートリッジ、若しくはチューブが、プラスチック又はガラスから構成されている、請求項70〜82のいずれか一項に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

請求項87

前記AAV結合抗体親和性マトリックス、基材及び/又はカラム、装置、チャンバー、デバイス、フィルター、カートリッジ、チューブが無菌である、請求項70〜82のいずれか一項に記載のAAV結合抗体親和性マトリックス。

背景技術

0001

序論
[0002]組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を使用する遺伝子療法遺伝子移入)は、満たされていない医学上の必要性に対処する有望な可能性を示している。例えば、凝固VIII因子及び第IX因子発現するAAVを使用する遺伝子療法は、ヒト臨床試験において有望な安全性及び有効性を示している(参考文献)。

0002

[0003]AAV感染はヒト集団において一般的であり、疾患を引き起こすことは知られていない。AAVベースの遺伝子療法から利益を受けることができるヒト対象の大部分は、以前にAAVにより感染された者である。感染は人生後期に起こることがあるが、最も頻繁には小児期に起こる。あらゆるウイルス感染と同様に、AAV感染への宿主免疫応答は、AAVへの抗体(AAV抗体)の形成を結果としてもたらす。AAVへの曝露後、迅速なAAV抗体形成(週)、高力価抗体ピークの達成、及びその後のAAV抗体レベルの徐々の低下(年)という時系列が周知である(参考文献)。AAV感染後のAAV抗体の典型的なピーク力価は>1:100であり、1:1000を容易に超えることがある(Calcedo et al, 2009)。

0003

[0004]現在までの有望な血友病臨床試験において(George et al 2016, American Society for Hematology, San Diego CA, Plenary Lecture; George et al 2017, International Society for Thrombosis and Hemostasis, Berlin, Germany)、既存の抗体を有しない(力価<1:1)ヒト対象への治療的な導入遺伝子(FVIII又はFIX)を発現するAAVベクター全身性(例えば、静脈内)投与後に最良の結果が観察されている。既存の抗体が非常に低い力価(1:1〜1:2)である場合にも良好な結果が得られることがあり、低い力価の既存の抗体(1:3〜1:5)の場合に中等度の結果が得られることがある。これらのレベルを超える既存の抗体のレベルは、ほぼ下限から不十分な程度の遺伝子形質導入に相当する。既存の抗体力価関数としての遺伝子移入効率のこの低下の機序は、既存のAAV抗体によるAAV遺伝子療法ベクターの結合及びその中和である。抗AAV抗体が結合した場合、ベクターは、治療遺伝子移入の標的である肝細胞などの肝臓細胞及び内皮細胞のような標的組織及び細胞に達してそれに導入されることができない。特定のAAV血清型に応じて、50%まで及び50%を超える血友病を有する対象は、既存のAAV抗体を理由にして、AAVベースの遺伝子療法処置から利益を受けるのに適格でないことがある(Calcedo et al 2009)。

0004

[0005]AAV遺伝子療法から利益を受けることができるヒト対象のような見込みのある哺乳動物においてAAV抗体を除去し、枯渇させ、捕捉し、及び/又は不活化させる方法及び使用が本明細書に開示される。ある特定の態様では、AAV抗体は、標的細胞の治療遺伝子移入ベクター形質導入を低減又は遮断するレベルで存在する。ある特定の態様では、AAV抗体は、予め存在しており、標的細胞の治療遺伝子移入ベクター形質導入を低減又は遮断するレベルで存在することができる。ある特定の態様では、AAV抗体は、AAVへの曝露又は遺伝子療法用のAAVベクターの投与後に発生することができる。そのような抗体が遺伝子療法用のAAVベクターの投与後に発生する場合、これらの対象もまた、本発明にしたがって治療することができる。

0005

[0006]方法は、一般的にアフェレーシス、より特には、血液製剤関与するプラズマフェレーシスと称される医療用デバイス/手順に基づく。ある特定の実施形態では、アフェレーシスは、特に、既存のAAV抗体を有するか、又は遺伝子療法後にAAV抗体を発生する対象において、AAV遺伝子療法の利益を与えるために使用される。

0006

[0007]一般的に、アフェレーシス又はプラズマフェレーシスは、ヒト対象の血漿を、患者に戻す前に成分の追加、除去及び/又は交換を通じて血漿を改変するデバイスを通じてex vivo(体外)で循環させる方法である。プラズマフェレーシスは、血液製剤(例えば、血漿)からヒト免疫グロブリン(例えば、IgGIgEIgAIgD)を除去するために使用することができる。この手順は、AAVに結合する免疫グロブリン(抗体)を枯渇させ、捕捉し、不活性化させ、低減させ又は除去し、それにより、治療される対象においてAAV抗体の力価を低減させ、それにより、AAVの中和に寄与し得るAAV抗体を低減させる。本発明の実施に有用なデバイスは、AAVキャプシド親和性マトリックスカラムの形態であり得る。ヒト対象の血液製剤(例えば、血漿)をAAVキャプシド親和性マトリックスに通すことは、AAV抗体、及び全てのアイソタイプ(IgG、IgMなどを含む)のみの結合を結果としてもたらす。

0007

[0008]AAVキャプシド親和性マトリックスを使用する十分量のプラズマフェレーシスは、AAVキャプシド抗体を実質的に除去し、そのようにして治療されるヒトにおいてAAVキャプシド抗体力価(負荷)を低減させることが予測される。ある特定の実施形態では、治療される対象における力価は、実質的に低いレベル(<1:5、又はそれ未満、例えば、<1:4、又は<1:3、又は<1:2、又は<1:1)まで低減される。抗体力価の低減は一時的なものであり、その理由は、AAVキャプシド抗体を産生するBリンパ球は、AAVキャプシド抗体力価がプラズマフェレーシス手順の介入前の定常状態レベルリバウンドすることを徐々に引き起こすと予想されるからである。このリバウンドの速度論は、IgGの半減期(20時間)及び定常状態(プラズマフェレーシスの方法の前の定常状態AAVキャプシド力価に対応する)の系について合成速度減衰速度に等しいことに基づく。

0008

[0009]既存のキャプシド抗体力価が1:100から1:1へと低減した場合、約0.15%(1:1.2の力価に対応する)0.43%(1:1.4)、0.9%(1:1.9)、1.7%(1:2.7)、及び3.4%(1:4.4)のAAV抗体力価のリバウンドは、プラズマフェレーシスの方法の完了のそれぞれ1時間、3時間、6時間、12時間及び24時間後に起こる。そのような対象からのAAV抗体(例えば、AAVキャプシドに結合するAAV抗体)の一時的な除去は、ある時間枠(例えば、約24時間又はそれ未満、例えば、12時間若しくはそれ未満、又は6時間若しくはそれ未満、又は3時間若しくはそれ未満、又は2時間若しくはそれ未満、又は1時間若しくはそれ未満)に対応し、この時間枠の間に、治療用AAVベクターは、対象に投与され、AAV抗体でのAAVベクターの大幅な中和なしに標的組織に効率的に形質導入されると予測することができる。

0009

[0010]既存のキャプシド抗体力価が1:1000から1:1へと低減した場合、約0.15%(1:2.5の力価に対応する)0.4%(1:5.3)、0.9%(1:9.7)、1.7%(1:18)、及び3.4%(1:35)のAAV抗体力価のリバウンドは、プラズマフェレーシスの方法の完了のそれぞれ1時間、3時間、6時間、12時間及び24時間後に起こる。したがって、AAVベクターの投与のための枠は比較的短い。

0010

[0011]AAVキャプシド親和性マトリックスの種類のようなパラメーターは、対象における(1つ又は複数の)AAV抗体血清型にしたがって変更することができる。したがって、AAVキャプシド親和性マトリックスは、対象における(1つ又は複数の)AAV抗体血清型にしたがって調整(増加又は減少)することができる。例えば、抗体が、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、Rh10、Rh74、配列番号1及び配列番号2の(1つ又は複数の)キャプシドタンパク質のような1つのさらなる血清型に結合する場合、1つ又は複数のAAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、Rh10、Rh74、配列番号1及び配列番号2の(1つ又は複数の)キャプシドタンパク質に特異的な抗体を親和性マトリックスとして使用することができる。

0011

[0012]AAVキャプシド親和性マトリックスの量のようなパラメーターは、対象におけるAAV抗体力価にしたがって変更することができる。例えば、AAVキャプシド親和性マトリックスの量は、対象におけるAAV抗体の量にしたがって調整(増加又は減少)することができる。高いAAV抗体力価について、AAVキャプシド親和性マトリックスの量を増加させることができる。より低いAAV抗体力価について、AAVキャプシド親和性マトリックスの量を比較的より少なくすることができる。

0012

[0013]AAVキャプシド親和性マトリックスの量のようなパラメーターもまた、対象からの処理される血液製剤の体積にしたがって変更することができる。例えば、AAVキャプシド親和性マトリックスの量は、マトリックスが接触する血液製剤の体積にしたがって調整(増加又は減少)することができる。

0013

[0014]加えて、AAV抗体の枯渇、捕捉、不活性化又は除去後の時間枠は、どれほど迅速にAAV抗体がリバウンドするかに応じて変更することができる。例えば、ある特定の対象においてAAV抗体のリバウンドは、より速い又はより遅いことがある。AAV抗体のリバウンドがより速い場合、治療用AAVベクターを対象に投与できる時間枠は、比較的より短くなる。AAV抗体のリバウンドがより遅い場合、治療用AAVベクターを対象に投与できる時間枠は、比較的より長くなる。

0014

[0015]AAVベクターは、分裂細胞及び非分裂細胞のための指向性を含むそのような応用のために多数の望ましい特徴を持つ。これらのベクターを用いた初期の臨床経験は、治療されたヒトにおける長期の発現を実証した。加えて、初期の臨床試験は、持続的な毒性がないこと及び免疫応答が最小又は検出不可能であったことを実証した。AAVは、受容体媒介性のエンドサイトーシス又はトランスサイトーシスによりin vivo及びin vitroで多様な細胞種に感染することが公知である。これらのベクター系は、網膜上皮、肝臓、骨格筋気道、脳、関節及び造血幹細胞のような多くの組織を標的化してヒトにおいて試験されてきた。

0015

[0016]本発明は、AAV結合抗体を除去し、枯渇させ、捕捉し、及び/又は不活性化させるための組成物及び方法を提供する。そのような抗体は、哺乳動物、例えばヒトのような対象中に予め存在することができる。或いは、そのようなAAV結合抗体は、AAVへの曝露又はAAVベクターを用いた対象の処置/投与に起因して哺乳動物、例えばヒトのような対象中で発生することができる。本発明の組成物及び方法は、AAV結合抗体親和性マトリックスを用いる。

0016

[0017]一部の実施形態では、AAV結合抗体は、アフェレーシスを含む方法により対象から得られた血液製剤から除去され、枯渇され、捕捉され及び/又は不活性化される。アフェレーシスの非限定的な例としては、アフェレーシス、プラズマフェレーシス、サイタフェレーシス又はこれらの組合せが挙げられる。アフェレーシスは、対象の血液又は血液製剤中に存在する成分の体外(ex vivo)でのマニピュレーション、除去、枯渇、及び/又は不活性化の方法を指す。一部の実施形態では、アフェレーシス後に血液又は血液製剤は対象に戻される。

0017

[0018]典型的なアフェレーシスの方法では、血液は対象の静脈又は動脈から直接的に得られる。一部の実施形態では、血液は2つ又はそれより多くの血液製剤に分離され、成分(例えば、細胞又はタンパク質)は血液製剤の1つから除去され、血液製剤は任意選択で合わせられる。血液は、任意選択で患者の動脈又は静脈に直接的に戻される。

0018

[0019]より詳細には、例えば、アフェレーシスの方法において、末梢血が好適なアフェレーシスカラム又は機械により対象から除去され、抗凝固剤が任意選択で血液に添加され、血液は細胞画分(例えば、赤血球細胞白血球細胞、及び血小板を含む)及び液体画分(例えば、血漿)に分離される。液体画分は次にアフェレーシスに供され、アフェレーシスにおいて液体画分中の成分(AAV結合抗体)は除去され、枯渇され、捕捉され及び/又は不活性化される。次に、処理された血漿は、以前に分離された固体血液成分と合わせられて、対象に再注入することができる。全血から血漿を分離するための好適な方法及び装置は、例えば、米国特許第4,619,639号に記載されるように当業者に公知であり、アフェレーシスに起因する任意の体積損失等張生理食塩水溶液のような好適な溶液により後に置換することができる。

0019

[0020]ある特定の実施形態では、アフェレーシスの方法は、少なくとも20%〜50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%のAAV結合抗体を対象から得られた血液製剤から除去し、枯渇させ、捕捉し及び/又は及び不活性化させる。ある特定の実施形態では、方法は、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%のAAV結合抗体を対象から得られた血液製剤から除去し、枯渇させ、捕捉し及び/又は及び不活性化させる。血液製剤の非限定的な例としては、全血、血清、血漿など、及びこれらの組合せが挙げられる。血液製剤は細胞を欠いていてもよく、又は細胞(例えば、赤血球細胞、血小板及び/又はリンパ球)を含んでいてもよい。

0020

[0021]組成物の製造のため又は任意の好適な方法を使用するアフェレーシスの方法において使用するために任意のAAV結合抗体親和性マトリックスを基材に取り付ける又は固定することができる。例えば、一実施形態では、本明細書に開示されるようなアフェレーシスカラム又はアフェレーシスの方法のためにAAV結合抗体に結合する抗体を基材に取り付ける又は固定することができる。別の実施形態では、本明細書に開示されるようなアフェレーシスカラム又はアフェレーシスの方法のためにAAVキャプシドタンパク質又はAAVキャプシド断片を基材に取り付ける又は動員することができる。そのようなAAVキャプシドタンパク質及び断片としては、組成物の製造のため又はアフェレーシスの方法における使用のために好適な任意のAAV血清型のVP1、VP2及び/又はVP3が挙げられる。

0021

[0022]AAV抗体に結合する親和性マトリックスは、任意の好適な方法及び任意の好適な基材を使用して基材に固定することができる。一部の実施形態では、親和性カラムの基材に固定される親和性マトリックスは、アフェレーシスへの応用のために好適である。一部の実施形態では、アフェレーシス(apherersis)のプロセスは、米国特許第9,726,666号及び同第8,877,177号に開示されるようなアフェレーシスの方法、デバイス又はカラムを含む。

0022

[0023]AAV抗体に結合する親和性マトリックスが固定される基材は、典型的に固体基材である。「固体基材」は、例えば、剛性又は半剛性の1つ又は複数の表面を有する材料であって、表面が、規則的又は不規則幾何学的構成であってもよく、ビーズ樹脂ゲルスフェアマイクロスフェア粒子、繊維又は他の幾何学的構成若しくは物理的形態の形態をとることができる材料を指す。固体基材は典型的に、医学的、生化学的又は生物学的アッセイにおいて適用可能な材料、例えば、アフェレーシス、生物学的分子又は有機分子の精製又は分離のためのカラムクロマトグラフィー及びELISAアッセイにおいて使用される基材を含む。固体基材は、多孔性又は非多孔性であってもよい。

0023

[0024]本発明のAAV抗体に結合する親和性マトリックスを固定するための固体基材は当該技術分野において公知である。固体基材の非限定的な例としては、例えば、多糖のようなポリマーが挙げられる。多糖の非限定的な例は、高分子量多糖、特に、アガロースのような100kDa又はそれより高い分子量を有する多糖である。アガロースは粒子状形態であってもよく、粒子状形態は任意選択で架橋されていてもよい。アガロースの特定の非限定的な例はセファロース(Sepharose)(商標)である。多糖のさらに別の非限定的な例はセルロースであり、セルロースは任意選択で架橋されていてもよい。

0024

[0025]基材として適切な他のポリマーとしては、例えば、カルボキシル化ポリスチレンが挙げられる。固体基材は、磁気ビーズの形態で提供されてもよい。ガラスもまた適切な基材材料である。

0025

[0026]任意の好適な血液若しくは血漿濾過カラム又はシステムを本明細書に開示されるアフェレーシスカラム又はアフェレーシスの方法のために構成することができる。非限定的な例としては、米国特許第4,619,639号に記載されているカラム、好適な粒子、表面、又は基材と共に使用される膜濾過システム(例えば、MDF)、並びに日本国Asahi Medical Company, Ltd.により製造されるPlasmaFlo(登録商標)OP−05(W)L及びRheoFilter(登録商標)AR2000血液フィルターが挙げられる。

0026

[0027]対象の血液からのAAV結合抗体の除去、枯渇、捕捉及び/又は不活性化のためのアフェレーシスカラム又は本発明の方法は、所望の結果を達成するために、必要に応じて1回又は繰り返して実行されてもよい。一部の実施形態では、アフェレーシスの方法は、有益な治療効果を得るための努力において、連日、2日毎、3日毎、4日毎、週に1回、2週毎、月に2回、月に1回、2カ月毎、又はこれらの組合せで行われる。

0027

[0028]ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるAAV遺伝子療法ベクターは、AAV結合抗体が対象の血液製剤から除去され、枯渇され、捕捉され及び/又は不活性化された後に投与される。AAV遺伝子療法ベクターは、アフェレーシスの方法の直後に対象に投与されてもよい。一部の実施形態では、AAV遺伝子療法ベクターは、AAV結合抗体が対象の血液製剤から除去され、枯渇され、捕捉され及び/又は不活性化されてから少なくとも1分以内、少なくとも10分以内、少なくとも20分以内、少なくとも60分以内、少なくとも1時間以内、少なくとも4時間以内、少なくとも8分以内、少なくとも12分以内、又は少なくとも24時間以内に投与される。一部の実施形態では、AAV遺伝子療法ベクターは、AAV結合抗体が対象の血液製剤から除去され、枯渇され、捕捉され及び/又は不活性化されてから1分〜24時間以内、1分〜8時間以内、又は1分〜4時間以内に投与される。

0028

[0029]ある特定の実施形態では、AAV結合抗体親和性マトリックスは、AAV結合抗体親和性マトリックスを基材に連結させる共有結合を含む。一部の実施形態では、好適な共有結合はペプチド結合を含む。

0029

[0030]ある特定の実施形態では、AAV結合抗体親和性マトリックスは、AAV結合抗体親和性マトリックスを基材に連結させるリンカーを含む。リンカーは、AAV結合抗体親和性マトリックスを基材に共有結合により取り付けるための機構を提供することができる。任意の好適なリンカーを本明細書に開示される組成物又は方法において使用することができる。AAV結合抗体親和性マトリックスを基材に連結させるために任意の好適な共有結合又はリンカーを使用することができる。

0030

[0031]一部の実施形態では、リンカーは、ペプチドリンカーのような1つ又は複数のアミノ酸を含む。ペプチドリンカーは、任意の好適な数のアミノ酸を含んでもよい。一部の実施形態では、ペプチドリンカーは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5又は少なくとも10のアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、ペプチドリンカーは、1〜50、1〜20、1〜10、又は1〜5のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、ペプチドリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のアミノ酸を含む。アミノ酸及びペプチドリンカーの非限定的な例としては、1つ若しくは複数のグリシン残基、1つ若しくは複数のセリン残基、又はこれらの組合せが挙げられる。追加の好適なリンカーとしては、1つ又は複数の炭素シランチオールホスホン酸、及びポリエチレングリコール(PEG)、これらの組合せが挙げられる。

0031

[0032]共有結合をAAV結合抗体親和性マトリックスのN末端又はC末端に取り付けることができる。リンカーをAAV結合抗体親和性マトリックスのN末端又はC末端に取り付けることができる。

0032

[0033]共有結合又はリンカーを使用して2つ又はそれより多くの分子を取り付ける方法は当該技術分野において周知であり、「架橋」と称されることがある。架橋の非限定的な例としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルイミドエステル、ペンタフルオロフェニル(PFP)エステル、ヒドロキシメチルホスフィンオキシラン又は任意の他のカルボニル化合物と反応するアミンカルボジイミドと反応するカルボキシルマレイミドハロアセチルピリジルジスルフィド、及び/又はビニルスルホンと反応するスルフヒドリルヒドラジンと反応するアルデヒドジアジリン及び/又はアリールアジドと反応する任意の非選択的な基;イソシアネートと反応するヒドロキシル;カルボニル化合物と反応するヒドロキシルアミン;並びにこれらの組合せが挙げられる。

0033

[0034]「ベクター」という用語は、小さいキャリア核酸分子、プラスミドウイルス(例えば、AAVベクター)、又は核酸の挿入若しくは組込みによりマニピュレートできる他のビヒクルを指す。ベクターを遺伝子マニピュレーション(すなわち、「クローニングベクター」)のために使用して、ポリヌクレオチドを細胞に導入/移入し、及び挿入されたポリヌクレオチドを細胞中転写又は翻訳させることができる。「発現ベクター」は、宿主細胞での発現のために必要とされる必要な調節領域と共に遺伝子又は核酸配列を含有する特殊なベクターである。ベクターの核酸配列は、一般に、細胞での繁殖のために少なくとも複製起点を含有し、任意選択で追加のエレメント、例えば、異種ポリヌクレオチド配列、発現制御エレメント(例えば、プロモーターエンハンサー)、イントロン、逆末端反復配列(ITR)、選択マーカー(例えば、抗生物質抵抗性)、ポリアデニル化シグナルを含有する。

0034

[0035]ウイルスベクターは、ウイルスゲノムを構成する1つ又は複数の核酸エレメント由来するか、又はそれに基づく。特定のウイルスベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。

0035

[0036]組換えAAVベクターのようなベクターの修飾語の他に、組換えポリヌクレオチド及びポリペプチドのような配列の修飾語としての「組換え」という用語は、一般に天然で起こらない様式で組成物がマニピュレート(すなわち、操作)されていることを意味する。組換えAAVベクターの特定の例は、野生型AAVゲノムに通常存在しない核酸配列がAAVゲノム内に挿入されている場合である。「組換え」という用語は、AAVベクターの他に、ポリヌクレオチドのような配列に関して本明細書において必ずしも使用されないが、異種ポリヌクレオチドを含む組換え形態は、いかなるそのような省略があっても、明示的に含まれる。

0036

[0037]「組換えAAVベクター」又は「rAAV」は、分子的方法を使用してAAVゲノムから野生型ゲノムを除去し、異種核酸と称される非天然核酸配列で置換することによりAAVの野生型ゲノムに由来する。典型的には、AAVについてAAVゲノムの1つ又は両方の逆末端反復(ITR)配列が保持されている。AAVゲノムの全体又は一部分がAAVゲノム核酸に関して非天然の配列で置換されているので、rAAVはAAVゲノムから区別される。非天然又は異種配列の組込みは、したがって、「rAAVベクター」と称することができる「組換え」ベクターとしてAAVベクターを定義する。

0037

[0038]rAAV配列は、ex vivo、in vitro又はin vivoでの細胞のその後の感染(形質導入)のためにパッケージング(本明細書において「粒子」と称される)することができる。組換えAAVベクター配列がAAV粒子キャプシド化又はパッケージングされる場合、粒子を「rAAVベクター」又は「rAAV粒子」と称することもできる。そのようなrAAV粒子は、ベクターゲノムをキャプシド化又はパッケージングするタンパク質を含む。AAVの場合、それらはキャプシドタンパク質と称される。

0038

[0039]AAVベクター「ゲノム」は、最終的にパッケージング又はキャプシド化されて、ウイルス(例えば、AAV)粒子を形成する組換えプラスミド配列の部分を指す。組換えベクター構築又は製造するために組換えプラスミドが使用される場合、ベクターゲノムは、組換えプラスミドのベクターゲノム配列に対応しない「プラスミド」の部分を含まない。組換えプラスミドのこの非ベクターゲノム部分は、「プラスミド骨格」と称され、繁殖及び組換えウイルスの製造のために必要なプロセスであるプラスミドのクローニング及び増幅のために重要であるが、それ自体はウイルス(例えば、AAV)粒子にパッケージング又はキャプシド化されない。したがって、ベクター「ゲノム」は、ウイルス(例えば、AAV)によりパッケージング又はキャプシド化される核酸を指す。

0039

[0040]「核酸」及び「ポリヌクレオチド」という用語は本明細書において交換可能に使用され、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)を含む全ての形態の核酸、オリゴヌクレオチドを指す。核酸としては、ゲノムDNA、cDNA及びアンチセンスDNA、並びにスプライシング又は非スプライシングmRNArRNAtRNA及び阻害DNA又はRNA(RNAi、例えば、小若しくは短鎖ヘアピン(sh)RNA、マイクロRNA(miRNA)、小若しくは短鎖干渉(si)RNA、トランススプライシングRNA、又はアンチセンスRNA)が挙げられる。核酸としては、天然に存在する、合成の、及び意図的に改変された又は変化したポリヌクレオチド(例えば、変種核酸)が挙げられる。

0040

[0041]ポリヌクレオチドは、一本鎖二本鎖、又はトリプレクス、直鎖状又は環状であってもよく、任意の長さであってもよい。ポリヌクレオチドの議論において、特定のポリヌクレオチドの配列又は構造は、5’から3’の方向に配列を記載する慣習にしたがって本明細書において記載されることがある。

0041

[0042]「導入遺伝子」は、意図されるか又は細胞若しくは生物に導入された異種核酸を簡便に指すために本明細書において使用される。導入遺伝子としては、ポリペプチド若しくはタンパク質をコードするか又は阻害RNAをコードする遺伝子のような任意の異種核酸が挙げられる。

0042

[0043]「形質導入する」及びその文法的変形の用語は、細胞又は宿主生物へのrAAVベクターのような分子の導入を指す。異種核酸/導入遺伝子は、レシピエント細胞のゲノム核酸に組み込まれてもよいし、組み込まれなくてもよい。導入された異種核酸はまた、レシピエント細胞又は宿主生物において染色体外に存在してもよいし、一過的にのみ存在してもよい。

0043

[0044]「形質導入細胞」は、導入遺伝子が導入された細胞である。したがって、「形質導入」細胞(例えば、哺乳動物中、例えば、細胞又は組織又は臓器細胞)は、外因性分子、例えば核酸(例えば、導入遺伝子)の細胞への組込み後の細胞中の遺伝子の変化を意味する。したがって、「形質導入」細胞は、外因性核酸が導入された細胞、又はその子孫である。(1つ又は複数の)細胞を繁殖させ、及び導入されたタンパク質を発現させ、又は核酸を転写させることができる。遺伝子療法の使用及び方法のために、1つの形質導入細胞又は複数の形質導入細胞が対象中に存在することができる。

0044

[0045]「発現制御エレメント」は、作動可能に連結された核酸の発現に影響を及ぼす(1つ又は複数の)核酸配列を指す。制御エレメントとしては、プロモーター及びエンハンサーのような本明細書に記載されるような発現制御エレメントが挙げられる。AAVベクターを含むベクター配列は、1つ又は複数の「発現制御エレメント」を含むことができる。典型的に、そのようなエレメントは、適切な異種ポリヌクレオチドの転写及び適切な場合は翻訳を促進するために含まれる(例えば、プロモーター、エンハンサー、イントロン用のスプライシングシグナル、mRNAのインフレームの翻訳を可能とするための遺伝子の正しいリーディングフレームの維持、及び終止コドンなど)。そのようなエレメントは典型的にシスで作用し、「シス作用性」エレメントと称されるが、トランスで作用することもある。

0045

[0046]発現制御は、転写、翻訳、スプライシング、メッセージ定性などのレベルにおいてもたらされることがある。典型的には、転写をモジュレートする発現制御エレメントは、転写される核酸の5’末端(すなわち、「上流」)付近並置される。発現制御エレメントはまた、転写される配列の3’末端(すなわち、「下流」)又は転写物内(例えば、イントロン中)に位置することができる。発現制御エレメントは、隣接して位置するか、又は、かなりの距離であっても、転写される配列から離れて(例えば、ポリヌクレオチドから1〜10、10〜25、25〜50、50〜100、100〜500、又はそれより多くのヌクレオチド)位置することができる。それにもかかわらず、AAVベクターの長さの制限により、発現制御エレメントは、典型的に転写される核酸から1〜1000ヌクレオチド以内にある。

0046

[0047]機能的に、作動可能に連結された核酸の発現は、エレメント(例えば、プロモーター)により少なくとも部分的に制御可能であり、それにより、エレメントは、核酸の転写及び適切な場合は転写物の翻訳をモジュレートする。発現制御エレメントの特定の例は、転写される核酸配列の5’に通常位置するプロモーターである。プロモーターは、プロモーターが存在しない場合に発現される量と比較して典型的に作動可能に連結された核酸から発現される量を増加させる。

0047

[0048]本明細書において使用される「エンハンサー」は、異種核酸に隣接して位置する配列を指すことができる。エンハンサーエレメントは典型的にプロモーターエレメントの上流に位置して機能するが、配列の下流又は配列内に位置することができる。それゆえ、エンハンサーエレメントは、異種核酸配列の10〜50塩基対、50〜100塩基対、100〜200塩基対、又は200〜300塩基対、又はそれより多くの塩基対だけ上流又は下流に位置することができる。エンハンサーエレメントは、典型的にプロモーターエレメントにより付与される発現より作動可能に連結された核酸の発現(expressed)を増加させる。

0048

[0049]発現構築物は、特定の細胞又は組織種において発現を推進するように働く調節エレメントを含んでもよい。発現制御エレメント(例えば、プロモーター)としては、特定の組織又は細胞種において活性のものが挙げられ、これは本明細書において「組織特異的発現制御エレメント/プロモーター」と称される。組織特異的発現制御エレメントは、典型的に特定の細胞又は組織(例えば、肝臓)において活性である。発現制御エレメントは、典型的に特定の細胞、組織又は臓器において活性であり、その理由は、それらは、特定の細胞、組織又は臓器種に特有転写活性化タンパク質、又は転写の他の調節因子により認識されるからである。そのような調節エレメントは当業者に公知である(例えば、Sambrook et al.(1989)及びAusubel et al.(1992)を参照)。

0049

[0050]発現構築物中の組織特異的調節エレメントの組込みは、タンパク質又は阻害RNAをコードする異種核酸の発現について少なくとも部分的な組織指向性を提供する。肝臓において活性のプロモーターの例は、特に、TTRプロモーター、ヒトアルファ1−アンチトリプシン(hAAT)プロモーター;アルブミン、Miyatake, et al. J. Virol., 71:5124−32(1997);B型肝炎ウイルスコアプロモーター、Sandig, et al., Gene Ther. 3:1002−9(1996);アルファフェトプロテインAFP)、Arbuthnot, et al., Hum. Gene. Ther., 7:1503−14(1996)]である。肝臓において活性のエンハンサーの例は、アポリポタンパク質E(apoE)HCR−1及びHCR−2である(Allan et al., J. Biol. Chem., 272:29113−19(1997))。

0050

[0051]発現制御エレメントとしては、多くの異なる細胞種においてポリヌクレオチドの発現を推進することができる遍在又は乱交雑(promiscuous)プロモーター/エンハンサーも挙げられる。そのようなエレメントとしては、サイトメガロウイルス(CMV)最初期プロモーター/エンハンサー配列ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター/エンハンサー配列及び様々な哺乳動物細胞種において活性の他のウイルスプロモーター/エンハンサー、又は天然に存在しない合成エレメント(例えば、Boshart et al, Cell, 41:521−530(1985)を参照)、SV40プロモーター、ジヒドロ葉酸レダクターゼプロモーター、細胞質β−アクチンプロモーター及びホスホグリセロールキナーゼPGK)プロモーターが挙げられるがこれらに限定されない。

0051

[0052]発現制御エレメントはまた、調節可能な方式で発現を付与することができ、すなわち、シグナル又は刺激が、作動可能に連結された異種ポリヌクレオチドの発現を増加又は減少させる。シグナル又は刺激に応答して作動可能に連結されたポリヌクレオチドの発現を増加させる調節可能なエレメントはまた、「誘導性エレメント」(すなわち、シグナルにより誘導される)とも称される。特定の例としては、ホルモン(例えば、ステロイド誘導性プロモーターが挙げられるがこれに限定されない。典型的に、そのようなエレメントにより付与される増加又は減少の量は、存在するシグナル又は刺激の量に比例し、シグナル又は刺激の量が大きくなるほど、発現の増加又は減少は大きくなる。特定の非限定的な例としては、亜鉛誘導性ヒツジメタロチオネイン(metallothionine)(MT)プロモーター;ステロイドホルモン誘導性マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)プロモーター;T7ポリメラーゼプロモーターシステム(国際公開第98/10088号);テトラサイクリン抑制性システム(Gossen, et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89:5547−5551(1992));テトラサイクリン誘導性システム(Gossen, et al., Science. 268:1766−1769(1995);Harvey, et al., Curr. Opin. Chem. Biol. 2:512−518(1998)も参照);RU486誘導性システム(Wang, et al., Nat. Biotech. 15:239−243(1997)及びWang, et al., Gene Ther.4:432−441(1997)];及びラパマイシン誘導性システム(Magari, et al., J. Clin. Invest. 100:2865−2872(1997);Rivera, et al., Nat. Medicine. 2:1028−1032(1996))が挙げられる。この文脈において有用なことがある他の調節可能な制御エレメントは、特定の生理学的状態、例えば、温度、急性期、発生により調節されるものである。

0052

[0053]発現制御エレメントはまた、異種ポリヌクレオチドのための(1つ又は複数の)天然のエレメントを含む。天然の制御エレメント(例えば、プロモーター)は、異種ポリヌクレオチドの発現が天然の発現を模倣することが所望される場合に使用されることがある。天然のエレメントは、異種ポリヌクレオチドの発現が、一時的に又は発生上で、又は組織特異的な方式で、又は特定の転写刺激に応答して調節されるべき場合に使用されることがある。イントロン、ポリアデニル化部位又はKozakコンセンサス配列のような他の天然の発現制御エレメントもまた使用することができる。

0053

[0054]「作動可能に連結される」という用語は、核酸配列の発現のために必要な調節配列が、核酸配列の発現をもたらすように該配列に対して適切な位置で置かれることを意味する。この同じ定義が、発現ベクター、例えばrAAVベクター中の核酸配列及び転写制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、及び終止エレメント)の構成に適用されることがある。

0054

[0055]核酸と作動可能に連結した発現制御エレメントの例において、関係性は、制御エレメントが核酸の発現をモジュレートするようなものである。より詳細には、例えば、作動可能に連結された2つのDNA配列は、DNA配列の少なくとも1つが他の配列に対して生理学的効果を発揮できるような関係性で2つのDNAが配置されている(シス又はトランス)ことを意味する。

0055

[0056]したがって、ベクターのための追加のエレメントとしては、発現制御(例えば、プロモーター/エンハンサー)エレメント、転写終結シグナル若しくは終止コドン、AAV ITR配列の1つ若しくは複数のコピーのような配列に隣接する5’若しくは3’非翻訳領域(例えば、ポリアデニル化(ポリA)配列)、又はイントロンが挙げられるがこれらに限定されない。

0056

[0057]さらなるエレメントとしては、例えば、フィラー又はスタッファーポリヌクレオチド配列、例えば、パッケージングを向上させ及び汚染性核酸の存在を低減させるためのフィラー又はスタッファーポリヌクレオチド配列が挙げられる。AAVベクターは、一般に約4kb〜約5.2kb、又はわずかにより大きいサイズ範囲を有するDNAのインサートを典型的に許容する。したがって、より短い配列について、ウイルス粒子へのAAVベクターのパッケージングのために許容されるウイルスゲノム配列の正常なサイズの近く又は該サイズまで長さを調整するためにスタッファー又はフィラーが含められる。様々な実施形態では、フィラー/スタッファー核酸配列は、核酸の非翻訳(非タンパク質コーディングセグメントである。4.7Kb未満の核酸配列について、フィラー又はスタッファーポリヌクレオチド配列は、配列と組み合わせられた(例えば、ベクターに挿入された)場合に約3.0〜5.5Kb、又は約4.0〜5.0Kb、又は約4.3〜4.8Kbの合計の長さを有する。

0057

[0058]組成物の修飾語として使用された場合の「単離された」という用語は、組成物が人工的に作られたか、又はそれが天然に存在するin vivo環境から完全に又は少なくとも部分的に分離されていることを意味する。一般的に、単離された組成物は、それが天然で通常一緒に存在する1つ又は複数の材料、例えば、1つ又は複数のタンパク質、核酸、脂質、炭水化物細胞膜を実質的に含まない。

0058

[0059]「単離された」という用語は、人工的に製造された組合せ、例えば、rAAV配列、又はAAVベクターゲノム及び医薬配合物をパッケージング若しくはキャプシド化するrAAV粒子を除外しない。「単離された」という用語はまた、組成物の代替的な物理的形態、例えば、ハイブリッドキメラマルチマーオリゴマー、修飾(例えば、リン酸化グリコシル化、脂質化)又は誘導化形態、又は人工的に製造された宿主細胞で発現される形態を除外しない。

0059

[0060]特定のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列を指す場合の「から本質的になる」という語句は、配列が所与参照配列の特性を有することを意味する。例えば、アミノ酸配列に関して使用される場合、該語句は、配列自体並びに配列の基本的な及び新規の特徴に影響しない分子修飾を含む。

0060

[0061]「同一性」、「相同性」及びこれらの文法的変形の用語は、2つ又はそれより多くの参照される実体が、それらが「アライメントされた」配列である場合に同じであることを意味する。したがって、例として、2つのタンパク質配列が同一である場合、それらは、少なくとも参照される領域又は部分内において、同じアミノ酸配列を有する。2つの核酸配列が同一である場合、それらは、少なくとも参照される領域又は部分内において、同じ核酸配列を有する。同一性は、配列の定義された区画(領域又はドメイン)にわたるものであってもよい。

0061

[0062]同一性の「区画」又は「領域」は、2つ又はそれより多くの参照される実体の同じ部分を指す。したがって、2つのタンパク質又は核酸配列が1つ又は複数の配列区画又は領域にわたり同一である場合、それらはその領域内で同一性を共有する。「アライメントされた」配列は、多くの場合に参照配列と比較して欠失又は追加の塩基若しくはアミノ酸(ギャップ)の訂正を含有する複数のタンパク質(アミノ酸)又は核酸配列を指す。

0062

[0063]同一性は、配列の全長又は部分にわたる広がりを持つものであってもよい。ある特定の実施形態では、同一性パーセントを共有する配列の長さは、2、3、4、5又はそれより多くの連続するアミノ酸又は核酸、例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20などの連続する核酸又はアミノ酸である。追加の実施形態では、同一性を共有する配列の長さは、21又はそれより多くの連続するアミノ酸又は核酸、例えば、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40などの連続するアミノ酸又は核酸である。さらなる実施形態では、同一性を共有する配列の長さは、41又はそれより多くの連続するアミノ酸又は核酸、例えば、42、43、44、45、45、47、48、49、50などの連続するアミノ酸又は核酸である。いっそうさらなる実施形態では、同一性を共有する配列の長さは、50又はそれより多くの連続するアミノ酸又は核酸、例えば、50〜55、55〜60、60〜65、65〜70、70〜75、75〜80、80〜85、85〜90、90〜95、95〜100、100〜150、150〜200、200〜250、250〜300、300〜500、500〜1,000などの連続するアミノ酸又は核酸である。

0063

[0064]2つの配列間の同一性(相同性)又は「同一性パーセント」の程度は、コンピュータープログラム及び/又は数学アルゴリズムを使用して確認することができる。本発明の目的のために、核酸配列の比較は、Madison、WisconsinのGenetic Computer Groupから入手可能なGCG Wisconsin Packageバージョン9.1を使用して行われる。簡便のために、プログラムにより指定されるデフォルトのパラメーター(ギャップ生成ペナルティ=12、ギャップエクステンションペナルティ=4)が、配列同一性を比較するために本発明において使用されることが意図される。或いは、デフォルトのパラメーターを用いるギャップアライメントを使用する米国国立生物工学情報センターにより提供されるBlastn 2.0プログラム(ワールドワイドウェブncbi.nlm.nih.gov/blast/に見出される;Altschul et al., 1990, J Mol Biol 215:403−410)を使用して、核酸配列間及びアミノ酸配列間の同一性及び類似性のレベルを決定してもよい。ポリペプチド配列比較のために、BLASTPアルゴリズムは、PAM100、PAM 250、BLOSUM 62又はBLOSUM 50のようなスコアリングマトリックスと組み合わせて典型的に使用される。FASTA(例えば、FASTA2及びFASTA3)及びSSEARCH配列比較プログラムもまた同一性の程度を定量化するために使用される(Pearson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444(1988);Pearson, MethodsMol Biol. 132:185(2000);及びSmith et al., J. Mol. Biol. 147:195(1981))。ドロネーベースのトポロジカルマッピングを使用してタンパク質構造類似性を定量化するためのプログラムもまた開発されている(Bostick et al., Biochem Biophys Res Commun. 304:320(2003))。

0064

[0065]核酸分子、発現ベクター(例えば、AAVベクターゲノム)、プラスミド及び異種核酸は、組換えDNA技術の方法を使用することにより調製されてもよい。ヌクレオチド配列情報が利用可能であることにより、様々な手段による本発明の単離された核酸分子の調製が可能となる。例えば、治療用タンパク質をコードする核酸配列は、細胞発現又はin vitro翻訳及び化学合成技術を介して様々な標準的なクローニング、組換えDNA技術を使用して調製することができる。ポリヌクレオチドの純度は、シークエンシング及びゲル電気泳動などを通じて決定することができる。例えば、ハイブリダイゼーション又はコンピューターベースのデータベーススクリーニング技術を使用して核酸を単離することができる。そのような技術としては以下が挙げられるがこれらに限定されない:(1)相同ヌクレオチド配列を検出するためのプローブを用いたゲノムDNA又はcDNAライブラリーのハイブリダイゼーション;(2)例えば発現ライブラリーを使用して、共有された構造的特徴を有するポリペプチドを検出するための抗体スクリーニング;(3)目的の核酸配列にアニーリングすることができるプライマーを使用するゲノムDNA又はcDNAのポリメラーゼ連鎖反応PCR);(4)関連配列のための配列データベースのコンピューターサーチ;及び(5)サブトラクト核酸ライブラリー差次的なスクリーニング。

0065

[0066]核酸は、任意の簡便なクローニングベクター中にDNAとして維持されてもよい。例えば、好適な大腸菌(E. coli)宿主細胞で繁殖するpBluescript(Stratagene、La Jolla、CA)のようなプラスミドクローニング/発現ベクター中にクローンを維持することができる。或いは、哺乳動物細胞での発現のために好適なベクター、例えばAAVベクター中に核酸を維持してもよい。

0066

[0067]本明細書に開示されるように、rAAVベクター(actor)は、宿主細胞でのコードされたタンパク質の発現を可能とするような方式で配置された細胞での異種核酸の発現のために必要な調節エレメントを任意選択で含んでもよい。発現のために必要とされるそのような調節エレメントとしては、本明細書に記載される及び当業者に公知のプロモーター配列、エンハンサー配列及び転写開始配列が挙げられるがこれらに限定されない。

0067

[0068]本発明の方法及び使用は、分裂及び/又は非分裂細胞を含む宿主細胞に核酸(導入遺伝子)を送達(導入)することを含む。本発明の核酸、rAAVベクター、方法、使用及び医薬配合物は追加的に、治療方法として、それを必要とする対象に異種核酸によりコードされる配列を送達、投与又は提供する方法において有用である。この方式では、核酸が転写され、及びタンパク質又は阻害核酸は対象においてin vivoで産生されてもよい。対象は、タンパク質の欠乏を抱えているか、又は対象におけるタンパク質若しくは阻害核酸の産生は、治療方法として何らかの治療効果を付与することがあるか、又はそれ以外を理由として、対象は、タンパク質又は阻害核酸から利益を受けるか、又はそれを必要とすることがある。例えば、阻害核酸は、明白な又は有害なタンパク質が神経学的疾患又は障害のような疾患又は障害を引き起こしている対象において発現される異常な有害なタンパク質の発現又は転写を低減させることができる。

0068

[0069]異種核酸を有するAAVゲノムを含むrAAVベクターは、遺伝性疾患の治療を可能とする。欠乏状態疾患について、遺伝子移入を使用して、影響された組織に正常な遺伝子を置換療法のために運ぶことができる他に、アンチセンス突然変異を使用して疾患のための動物モデルを作製することができる。均衡崩れ病態について、遺伝子移入を使用して、モデルシステムにおいて病態を作製することができ、次にそれを、病態に対抗する努力において使用することができる。欠陥を訂正するための核酸配列の部位特異的組込みの使用もまた可能である。

0069

[0070]様々な実施形態では、異種核酸を有するAAVゲノムを含むrAAVベクターは、例えば、治療剤及び/又は予防剤(タンパク質又は核酸)として使用することができる。特定の実施形態では、異種核酸は、血液凝固カスケードをモジュレートできるタンパク質をコードする。

0070

[0071]例えば、コードされたFVIII又はFVIII−BDDは、野生型FVIIIと類似の凝固活性を有してもよく、又は野生型FVIIと比較して変化した凝固活性を有してもよい。患者へのFVIII又はFVIII−BDDコーディングrAAVベクターの投与は、凝固カスケードを正常化するために働くFVIII又はFVIII−BDDタンパク質の発現を結果としてもたらす。

0071

[0072]追加の実施形態では、異種核酸は、グリコーゲン蓄積を阻害し若しくは低減させ、グリコーゲンの蓄積を防止し、又はグリコーゲンを分解することができるタンパク質(酵素)をコードする。例えば、コードされたGAAは、野生型GAAと類似の活性を有してもよい。ポンペ病を有する患者へのGAAコーディングrAAVベクターの投与は、グリコーゲンの蓄積を阻害し若しくは低減させ、グリコーゲンの蓄積を防止し、又はグリコーゲンを分解するように働き、次にそれがポンペ病の1つ又は複数の有害効果を低減又は減少させることができるGAAタンパク質の発現を結果としてもたらす。

0072

[0073]rAAVベクターは、単独で、又は他の分子と組み合わせて投与することができる。本発明によれば、rAAVベクター又は治療剤の組合せを単独で又は薬学的に許容できる若しくは生物学的に適合性の組成物中で患者に投与することができる。

0073

[0074]rAAVベクターの直接送達又はヒト細胞のex−vivoでの形質導入及びその後の身体への注入は、異種核酸の発現を結果としてもたらし、それにより、うっ血に対する有益な治療効果を発揮する。第VIII因子のような血液凝固因子の文脈において、投与は凝固促進活性増進させる。GAAのような酵素の文脈において、投与は、グリコーゲンの量若しくは蓄積を低減させ、グリコーゲンの蓄積を防止し、又はグリコーゲンを分解する。次にこれが、筋緊張及び/若しくは筋肉強度の促進若しくは向上並びに/又は肝肥大の低減若しくは減少のように、ポンペ病の1つ又は複数の有害効果を低減又は減少させることができる。

0074

[0075]組換えAAVベクターの他に、方法及びその使用は、任意のウイルス株又は血清型を含む。非限定的な例として、組換えAAVベクターは、例えば、AAV−1、−2、−3、−4、−5、−6、−7、−8、−9、−10、−11、−12、−rh74、−rh10又はAAV−2i8のような任意のAAVゲノムに基づくことができる。そのようなベクターは、同じ株若しくは血清型(又は亜群若しくは変種)に基づいてもよく、又は互いに異なっていてもよい。非限定的な例として、特定の血清型ゲノムに基づく組換えAAVベクターは、ベクターをパッケージングするキャプシドタンパク質の血清型と同一であってもよい。加えて、組換えAAVベクターゲノムは、ベクターをパッケージングするAAVキャプシドタンパク質の血清型とは別個のAAV血清型ゲノムに基づいてもよい。例えば、AAVベクターゲノムは、AAV2に基づいてもよい一方、3つのキャプシドタンパク質の少なくとも1つは、例えば、配列番号1、配列番号2、AAV1、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、Rh10、Rh74又はAAV−2i8又はこれらの変種であってもよい。

0075

[0076]特定の実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは、配列番号1、配列番号2、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、Rh10、Rh74及びAAV−2i8の他に、例えば、国際公開第2013/158879号(国際出願PCT/US2013/037170)、国際公開第2015/013313号(国際出願PCT/US2014/047670)及び米国特許出願公開第2013/0059732号(米国特許第9,169,299号明細書;LK01、LK02、LK03などを開示する)に記載されるようなその変種(例えば、キャプシド変種、例えば、アミノ酸の挿入、付加、置換及び欠失)を含む。

0076

[0077]本明細書において使用される場合、「血清型」という用語は、他のAAV血清型とは血清学的に別個のキャプシドを有するAAVを指すために使用される区別である。血清学的に別個であることは、別のAAVと比較して1つのAAVに対する抗体間に交差反応性がないことに基づいて決定される。そのような交差反応性の差異は、キャプシドタンパク質配列/抗原決定基の差異に起因することが通常である(例えば、AAV血清型のVP1、VP2、及び/又はVP3配列の差異に起因する)。AAV変種が参照AAV又は他のAAV血清型とは血清学的に別個ではない可能性にもかかわらず、それらは、参照又は他のAAV血清型と比較して少なくとも1つのヌクレオチド又はアミノ酸残基が異なる。

0077

[0078]伝統的な定義の下では、血清型は、目的のウイルスが、全ての既存の及び特徴付けられた血清型に特異的な血清に対して中和活性について試験されており、及び目的のウイルスを中和する抗体が見出されていないことを意味する。より多くの天然に存在するウイルス分離株発見され及び/又はキャプシド突然変異体が生成されるにつれて、現行の既存の任意の血清型と血清学的な差異を有することもあるし、有しないこともある。したがって、新たなウイルス(例えば、AAV)が血清学的な差異を有しない場合、この新たなウイルス(例えば、AAV)は、対応する血清型の亜群又は変種である。多くの場合、中和活性についての血清学試験は、血清型の伝統的な定義にしたがって別の血清型であるかどうかを決定するためにキャプシド配列改変を有する突然変異体ウイルスに対してまだ行われていない。したがって、簡便性及び繰返しの回避のために、「血清型」という用語は、血清学的に別個のウイルス(例えば、AAV)の他に、所与の血清型の亜群又は変種に入る可能性がある血清学的に別個ではないウイルス(例えば、AAV)の両方を広く指す。

0078

[0079]本明細書に記載される場合、AAVキャプシドタンパク質及びキャプシドタンパク質をコードする核酸は、配列番号1、配列番号2、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、Rh10、又はAAV−2i8のような参照又は親AAV血清型に対して100%未満の配列同一性を呈するが、配列番号1、配列番号2、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、Rh10、Rh74又はAAV−2i8のような公知のAAV遺伝子又はタンパク質とは別個であり、それらと同一ではない。一実施形態では、AAVキャプシドタンパク質は、配列番号1、配列番号2、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、Rh10、Rh74又はAAV−2i8のような参照又は親AAVキャプシドタンパク質に対して少なくとも80%、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%など、最大99.9%同一の配列を含むか、又は該配列からなる。

0079

[0080]ある特定の実施形態では、改変AAVキャプシドタンパク質は、1、2、3、4、5、5〜10、10〜15、15〜20又はそれより多くのアミノ酸置換を有する。ある特定の実施形態では、改変AAVキャプシドタンパク質は、2、3、4、5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜50又は50〜60のアミノ酸のペプチド挿入長さを有する。

0080

[0081]rAAVベクターは、生物学的に適合性の担体中での注入を介して、例えば静脈注射を介して、患者に投与されてもよい。rAAVベクターは、分子の安定性を増加させるために、任意選択で、リポソーム中カプセル化されるか、又は他のリン脂質若しくはミセルと混合されてもよい。

0081

[0082]rAAVベクター(veector)は、単独で又は他の組成物、剤、薬物、生物学的製剤などと組み合わせて投与されてもよい。したがって、rAAVベクターは、単独で及び他の組成物、剤、薬物、生物学的製剤(タンパク質)と共に医薬組成物に組み込むことができる。そのような医薬組成物は、特に、in vivo又はex vivoでの対象への投与及び送達のために有用である。

0082

[0083]特定の実施形態では、医薬組成物はまた、薬学的に許容できる担体又は賦形剤を含有する。そのような賦形剤としては、組成物を与えられる個体に有害な免疫応答をそれ自体は誘導せず、過度の毒性なしに投与することができる任意の医薬物質が挙げられる。

0083

[0084]本明細書において使用される場合、「薬学的に許容できる」及び「生理学的に許容できる」という用語は、1つ又は複数の投与経路、in vivo送達又は接触のために好適な生物学的に許容できる配合物気体液体又は固体、又はこれらの混合物を意味する。「薬学的に許容できる」又は「生理学的に許容できる」組成物は、生物学的に又はそれ以外に望ましくないものではない材料であり、例えば、材料は、大きな望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく対象に投与することができる。したがって、そのような医薬組成物は、例えば、核酸、ベクター、ウイルス粒子又はタンパク質の対象への投与において使用することができる。

0084

[0085]薬学的に許容できる賦形剤としては、水、生理食塩水グリセロール、糖及びエタノールのような液体が挙げられるがこれらに限定されない。薬学的に許容できる塩としてはまた、例えば、塩酸塩臭化水素酸塩リン酸塩、及び硫酸塩などのような鉱酸塩;及び酢酸塩プロピオン酸塩マロン酸塩、及び安息香酸塩などのような有機酸の塩を挙げることができる。さらに、助剤物質、例えば、湿潤剤又は乳化剤、及びpH緩衝物質などがそのようなビヒクル中に存在してもよい。

0085

[0086]医薬組成物は、塩として提供されてもよく、多くの酸と共に形成されることができ、塩としては、塩酸、硫酸、酢酸乳酸酒石酸リンゴ酸コハク酸などの塩が挙げられるがこれらに限定されない。塩は、対応する遊離塩基形態よりも水性又は他のプロトン溶媒中でより可溶性な傾向がある。他の場合には、調製物は、以下:1〜50mMのヒスチジン、0.1%〜2%のスクロース、及び2〜7%のマンニトールのいずれか又は全てを含有してもよい4.5〜5.5のpH範囲凍結乾燥粉末であってもよく、これは使用前に緩衝液と合わせられる。

0086

[0087]医薬組成物は、医薬投与又はin vivoでの接触若しくは送達と適合性の、溶媒(水性又は非水性)、溶液(水性又は非水性)、エマルション(例えば、水中油又は油中水)、懸濁液、シロップエリキシル、分散液及び懸濁媒体、コーティング等張剤及び吸収促進又は遅延剤を含む。水性及び非水性の溶媒、溶液及び懸濁液は、懸濁化剤及び増粘剤を含んでもよい。そのような薬学的に許容できる担体としては、錠剤(コーティング又は非コーティング)、カプセル硬質又は軟質)、マイクロビーズ粉末顆粒及び結晶が挙げられる。補助活性化合物(例えば、防腐剤抗菌剤抗ウイルス剤及び抗真菌剤)もまた組成物中に組み込むことができる。

0087

[0088]医薬組成物は、本明細書に記載されるか、又は当業者に公知のように、特定の投与又は送達の経路適合するように配合することができる。したがって、医薬組成物は、様々な経路による投与のために好適な担体、希釈剤、又は賦形剤を含む。

0088

[0089]非経口投与のために好適な組成物は、活性化合物の水性及び非水性溶液、懸濁液又はエマルションを含み、この調製物は典型的に無菌であり、意図するレシピエントの血液と等張であってもよい。非限定的な実例としては、水、緩衝生理食塩水ハンクス溶液リンガー溶液デキストロースフルクトース、エタノール、動物油植物油又は合成油が挙げられる。水性注射用懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウムソルビトール、又はデキストランのような懸濁液の粘度を増加させる物質を含有してもよい。

0089

[0090]さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射用懸濁液として調製されてもよい。好適な親油性溶媒又はビヒクルとしては、ゴマ油のような脂肪油、又はオレイン酸エチル若しくはトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、又はリポソームが挙げられる。任意選択で、懸濁液はまた、好適な安定化剤、又は化合物の溶解度を増加させて高度に濃縮された溶液の調製を可能とする剤を含有してもよい。

0090

[0091]共溶媒及びアジュバントを配合物に加えてもよい。共溶媒の非限定的な例は、ヒドロキシル基又は他の極性基、例えば、イソプロピルアルコールのようなアルコールプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールグリコールエーテルのようなグリコール;グリセロール;ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルを含有する。アジュバントとしては、例えば、ソーヤレシチン及びオレイン酸のような界面活性剤ソルビタントリオレエートのようなソルビタンエステル;及びポリビニルピロリドンが挙げられる。

0091

[0092]医薬組成物が調製された後、それらを適切な容器中に入れて処理のために標識することができる。そのような標識化としては、投与の量、頻度、及び方法を挙げることができる。

0092

[0093]本発明の組成物、方法及び使用のために適切な医薬組成物及び送達システムは当該技術分野において公知である(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy(2003)20th ed., Mack Publishing Co., Easton、PA;Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)18th ed., Mack Publishing Co., Easton, PA;Merck Index(1996)12th ed., Merck Publishing Group, Whitehouse, NJ;Pharmaceutical Principles of Solid Dosage Forms(1993), Technonic Publishing Co., Inc., Lancaster, Pa.;Ansel及びStoklosa, Pharmaceutical Calculations(2001)11th ed., Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore, MD;及びPoznansky et al., Drug Delivery Systems(1980), R. L. Juliano, ed., Oxford, N.Y., pp.253−315を参照)。

0093

[0094]「有効量」又は「十分量」は、単独で又は1つ若しくは複数の他の組成物(薬物のような治療剤又は免疫抑制(immunosupprosive)剤)、治療、プロトコール、又は治療レジメン剤との組合せで、任意の継続期間(長期又は短期)の検出可能な応答、任意の測定可能若しくは検出可能な程度の又は任意の継続期間(例えば、分、時間、日、月、年、又は治癒の間)の対象における期待若しくは所望されるアウトカム又は対象にとっての利益を単回又は複数回用量で提供する量を指す。

0094

[0095]用量は変動することがあり、治療が為される疾患の種類、発症、進行、重篤度、頻度、継続期間、又は確率、対象の所望される臨床的エンドポイント先行する若しくは同時の治療、全般的健康状態年齢性別人種又は免疫学的適格性、及び当業者により理解される他の要因に依存する。用量、回数、頻度又は継続期間は、治療又は療法の任意の有害な副作用合併症又は他のリスク因子及び対象の状態により指し示されるように、比例的に増加又は低減させてもよい。当業者は、治療又は予防上の利益をもたらすために十分な量を提供するために必要とされる投与量及びタイミングに影響を及ぼすことがある要因を理解する。

0095

[0096]治療効果を達成するための用量、例えば、体重1キログラム当たりのベクターゲノムの用量(vg/kg)は、いくつもの要因に基づいて変化し、該要因としては、投与経路、治療効果を達成するために必要とされる異種ポリヌクレオチド発現のレベル、治療される特定の疾患、ウイルスベクターへの任意の宿主免疫応答、異種ポリヌクレオチド又は発現産物(タンパク質)への宿主免疫応答、及び発現されるタンパク質の安定性が挙げられるがこれらに限定されない。当業者は、上述の要因の他に、他の要因に基づいて特定の疾患又は障害を有する患者を治療するためのrAAV/ベクターゲノムの用量範囲を決定することができる。

0096

[0097]一般に、用量は、治療効果を達成するために、対象の体重1キログラム当たり少なくとも1×108のベクターゲノム(vg/kg)又はそれより多く、例えば、対象の体重1キログラム当たり1×109、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013又は1×1014、又はそれより多くのベクターゲノム(vg/kg)の範囲内である。マウスにおいて1×1010〜1×1011vg/kg、イヌにおいて1×1012〜1×1013vg/kgの範囲内のrAAV用量は効果的であった。用量は、例えば、6×1012vg/kg未満の用量といった、より低いものであってもよい。より特には、5×1011vg/kg又は1×1012vg/kgの用量である。

0097

[0098]rAAVベクター用量は、異種核酸配列、コードされるタンパク質若しくは阻害核酸、又はrAAVベクターに対して大きな免疫応答がないように、典型的には用量スペクトル下端のレベルであってもよい。より特には、最大6×1012vg/kgであるがそれ未満、例えば、約5×1011〜約5×1012vg/kg、又はより特には、約5×1011vg/kg又は約1×1012vg/kgの用量である。

0098

[0099]治療のための「有効量」又は「十分量」の用量(例えば、寛解のため又は治療的利益若しくは改善をもたらすため)は、典型的に、測定可能な程度まで、疾患の1つ、複数又は全ての有害な症状、帰結又は合併症、例えば、疾患により引き起こされるか、又は疾患に関連する、1つ又は複数の有害な症状、障害、病気病状、又は合併症に対して応答をもたらすために効果的であるが、疾患の進行又は悪化を減少させ、低減させ、阻害し、抑制し、制限し又は制御することは満足のいくアウトカムである。

0099

[0100]有効量又は十分量は、単回投与で提供されてもよいがその必要はなく、複数回投与を必要とすることがあり、単独で又は別の組成物(例えば、剤)、治療、プロトコール若しくは治療レジメンと組み合わせて提供されてもよいがその必要はない。例えば、量は、対象の必要性、治療されている疾患の種類、状態及び重篤度又は治療の副作用(それがある場合)により指し示されるように比例的に増加させてもよい。

0100

[0101]加えて、有効量又は十分量は、第2の組成物(例えば、別の薬物又は剤)、治療、プロトコール又は治療レジメンなしで単回又は複数回用量で与えられた場合に効果的又は十分なものである必要はなく、その理由は、所与の対象において効果的又は十分であると考えるために、そのような用量を上回るように追加の用量、量若しくは継続期間、又は追加の組成物(例えば、薬物若しくは剤)、治療、プロトコール若しくは治療レジメンを含めてもよいからである。効果的と考えられる量としてはまた、酵素欠乏(例えば、ポンペ病)の治療のための組換え酵素(例えば、GAA)の投与又は凝固障害(例えば、血友病A)の治療のための組換え凝固因子タンパク質(例えば、FVIII)の投与のような別の治療、治療レジメン又はプロトコールの使用の低減を結果としてもたらす量が挙げられる。

0101

[0102]したがって、本発明の方法及び使用はまた、特に、別の化合物、剤、薬物、治療レジメン、治療プロトコール、方法、又は治療薬の必要性又は使用の低減を結果としてもたらす方法及び使用を含む。したがって、本発明によれば、別の治療又は療法の必要性又は使用を低減させる方法及び使用が提供される。

0102

[0103]有効量又は十分量は、治療される各々及びあらゆる対象において効果的である必要はなく、所与の群又は集団内の治療される対象の大部分において効果的である必要もない。有効量又は十分量は、群又は一般集団ではなく特定の対象における有効性又は十分性を意味する。そのような方法について典型的であるように、一部の対象は、所与の治療方法又は使用に対してより大きな応答、又はより小さい応答を呈し、又は応答を呈さない。

0103

[0104]「寛解させる」という用語は、対象の疾患又はその症状、又はこれらの背景となる細胞応答における検出可能又は測定可能な改善を意味する。検出可能又は測定可能な改善としては、疾患、若しくは疾患により引き起こされるか若しくは疾患に関連する合併症の存在、頻度、重篤度、進行、若しくは継続期間の主観的若しくは客観的な減少、低減、阻害、抑制、制限若しくは制御、又は疾患の症状若しくは背景となる原因若しくは帰結の改善、又は疾患の後退が挙げられる。

0104

[0105]ポンペ病について、有効量は、例えば、グリコーゲンの産生若しくは蓄積を阻害し若しくは低減させ、グリコーゲンの分解若しくは除去を増進若しくは増加させ、又は対象における筋緊張及び/若しくは筋肉強度を向上させるGAAの量である。血友病Aについて、有効量は、例えば、対象における急性出血発生の頻度若しくは重篤度を低減させる量、又は、例えば、凝固アッセイにより測定される凝固時間を低減させる量である。

0105

[0106]治療用量は、他の要因の中でも特に、対象の年齢及び全般的状態、疾患又は障害の重篤度に依存する。ヒトにおける治療有効量は、個々の患者の応答に基づいて医師により決定されることがある比較的広範な範囲に入る。

0106

[0107]医薬組成物のような組成物は、コードされたタンパク質又は阻害核酸の産生を可能とするように、対象に送達されてもよい。特定の実施形態では、医薬組成物は、レシピエントが対象中で治療有効量のタンパク質又は阻害核酸を産生することを可能とするために十分な遺伝材料を含む。

0107

[0108]組成物は、単独で投与されてもよい。ある特定の実施形態では、組換えAAV粒子は、免疫抑制剤なしで治療効果をもたらす。治療効果は、任意選択で、免疫抑制剤を投与することなく、例えば、2〜4、4〜6、6〜8、8〜10、10〜14、14〜20、20〜25、25〜30、又は30〜50日又はそれより長い期間、例えば、50〜75、75〜100、100〜150、150〜200日又はそれより長い期間にわたり持続する。したがって、治療効果は、ある期間にわたりもたらされる。

0108

[0109]組成物は、少なくとも1つの他の剤と組み合わせて投与されてもよい。ある特定の実施形態では、rAAVベクターは、rAAVベクターの投与の前に、実質的に同時に又は後に1つ又は複数の免疫抑制剤と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、rAAVベクターの投与後、例えば、1〜12、12〜24又は24〜48時間、又は2〜4、4〜6、6〜8、8〜10、10〜14、14〜20、20〜25、25〜30、30〜50日、又は50日より後である。rAAVベクターを投与した後のある期間後の免疫抑制剤のそのような投与は、rAAVベクター後のある期間、例えば、20〜25、25〜30、30〜50、50〜75、75〜100、100〜150、150〜200日、又は200日より後にわたり初期発現レベル後のコードされたタンパク質又は阻害核酸の減少がある場合。

0109

[0110]ある特定の実施形態では、免疫抑制剤は抗炎症剤である。ある特定の実施形態では、免疫抑制剤はステロイドである。ある特定の実施形態では、免疫抑制剤は、サイクロスポリン(例えば、サイクロスポリンA)、ミコフェノレート、リツキシマブ又はこれらの誘導体である。追加の特定の剤としては、安定化化合物が挙げられる。

0110

[0111]組成物は、生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロース、及び水が挙げられるがこれらに限定されない任意の無菌の、生体適合性薬学的担体中に配合し及び/又は該担体中で投与することができる。組成物は、単独で、又はうっ血に影響を及ぼす他の剤(例えば、補因子)と組み合わせて配合し及び/又は患者に投与することができる。

0111

[0112]本発明の方法及び使用は、全身限局的若しくは局所的に、又は任意の経路、例えば注射若しくは注入により送達及び投与することを含む。in vivoでの医薬組成物の送達は、一般に、従来のシリンジを使用する注射を介して達成することができるが、対流強化送達法のような他の送達方法もまた想定される(例えば、米国特許第5,720,720号明細書を参照)。例えば、組成物は、皮下に、表皮に、皮内に、髄腔内に、眼窩内に、粘膜内に、腹腔内に、静脈内に、胸膜内に、動脈内に、経口的に、肝臓内に、門脈を介して、又は筋肉内に送達されてもよい。投与の他の様式としては、経口及び投与、坐剤、及び経皮塗布が挙げられる。血液凝固障害を有する患者の治療を専門とする臨床医は、患者の状態及び治療の目的(例えば、血液凝固の増進又は低減)が挙げられるがこれらに限定されない多数の基準に基づいてAAVベクターの投与のための最適な経路を決定することができる。

0112

[0113]本発明のrAAVベクター、方法及び使用は、所望の治療的、有益、付加的、相乗的又は相補的な活性又は効果を有する任意の化合物、剤、薬物、治療又は他の治療レジメン又はプロトコールと組み合わせることができる。例示的な組合せ組成物及び治療は、生物学的製剤(タンパク質)、剤(例えば、免疫抑制剤)及び薬物のような第2の活性剤を含む。そのような生物学的製剤(タンパク質)、剤、薬物、治療及び療法は、任意の他の方法又は本発明の使用の前に、それと実質的に同期間に又はその後に投与又は行うことができる。

0113

[0114]化合物、剤、薬物、治療又は他の治療レジメン又はプロトコールは、組合せ組成物として投与するか、又は別々に投与することができ、例えば、核酸、ベクター、又はrAAV粒子の送達又は投与と並行して又は連続して又は逐次的(前又は後)に投与することができる。本発明は、したがって、本発明の方法又は使用が、本明細書に記載される又は当業者に公知の任意の化合物、剤、薬物、治療レジメン、治療プロトコール、方法、治療薬又は組成物と組み合わせられた組合せを提供する。化合物、剤、薬物、治療レジメン、治療プロトコール、方法、治療薬又は組成物は、本発明の核酸、ベクター又はrAAV粒子の投与の前に、それと実質的に同期間に又はその後に対象に投与又は行うことができる。

0114

[0115]本発明は、ヒトを含む動物及び獣医学的応用において有用である。好適な対象としては、したがって、ヒトの他に、非ヒト哺乳動物のような哺乳動物が挙げられる。「対象」という用語は、動物、典型的には哺乳動物、例えば、ヒト、非ヒト霊長動物類人猿テナガザルゴリラチンパンジーオランウータンマカク)、家畜動物(イヌ及びネコ)、農用動物(家禽、例えば、ニワトリ及びカモウマウシヤギ、ヒツジ、ブタ)、及び実験動物(マウス、ラットウサギモルモット)を指す。ヒト対象としては、胎児新生児乳児若年児及び成人対象が挙げられる。対象としては、ポンペ病、HemAのような血液凝固疾患及び当業者に公知の他のもののようなタンパク質/酵素欠損動物疾患モデル、例えばマウス及び他の動物モデルが挙げられる。

0115

[0116]本発明による治療のために適切な対象としては、不十分な量の機能的な遺伝子産物を産生するか若しくは該遺伝子産物に欠損を有するか、若しくはこれらのリスクがあるか、又は疾患に繋がることがある異常な、部分的に機能的若しくは非機能的な遺伝子産物を産生する対象が挙げられる。本発明による治療のために適切な対象としてはまた、疾患に繋がる異常な、又は欠陥のある(突然変異体)遺伝子産物(タンパク質)を有するか、又はそれを産生するリスクがあり、それにより、異常な、又は欠陥のある(突然変異体)遺伝子産物(タンパク質)の量、発現又は機能の低減が、疾患の治療に繋がるか、又は1つ若しくは複数の症状を低減させるか、又は疾患を寛解させるような対象が挙げられる。

0116

[0117]免疫応答、例えば、AAVに対する抗体について対象を試験することができる。したがって、本発明の方法による治療の前に対象候補をスクリーニングすることができる。治療後のAAVに対する抗体について対象を試験することもでき、及び任意選択で、治療後の期間にわたり対象をモニターすることができる。AAV抗体を発生する対象を免疫抑制剤で治療することができ、又は該対象に1つ若しくは複数の追加の量のAAVベクターを投与することができる。

0117

[0118]本発明による治療のために適切な対象としてはまた、AAVに対する抗体を有するか、又は該抗体を産生するリスクがある対象が挙げられる。いくつもの技術を使用してそのような対象にrAAVベクターを投与又は送達することができる。例えば、AAV空キャプシド(すなわち、異種核酸を欠いたAAV)を送達して対象中のAAV抗体に結合させ、それにより、異種核酸を含むrAAVベクターが対象の細胞に導入されることを可能とすることができる。

0118

[0119]AAV空キャプシド対rAAVベクターの比は、約2:1〜約50:1、又は約2:1〜約25:1、又は約2:1〜約20:1、又は約2:1〜約15:1、又は約2:1〜約10:1であってもよい。比はまた、約2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、又は10:1であってもよい。

0119

[0120]投与すべきAAV空キャプシドの量は、特定の対象中で産生されるAAV抗体の量(力価)に基づいて軟正されてもよい。AAV空キャプシドは、任意の血清型、例えば、配列番号1、配列番号2、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、Rh10、Rh74又はAAV−2i8であってもよい。

0120

[0121]代替的又は追加的に、rAAVベクターは、直接的な筋肉内注射(例えば、1つ又は複数の遅筋線維)により送達されてもよい。別の代替手段では、大腿動脈中に導入されたカテーテルを使用して、肝動脈を介してrAAVベクターを肝臓に送達することができる。rAAVベクターを肝臓に直接的に送達し、それにより血流及びAAV抗体をバイパスするために、内視鏡的逆行性胆道膵管造影ERCP)のような非外科的手段もまた用いることができる。顎下腺管のような他の管系もまた、抗AAV抗体を発生するか、又は既存の抗AAV抗体を有する対象にrAAVベクターを送達するためのポータルとして使用することができる。

0121

[0122]疾患により引き起こされるか又は疾患に関連する有害な症状、条件、合併症などの発症の前に対象への投与又はin vivo送達を行うことができる。例えば、スクリーニング(例えば、遺伝子スクリーニング)を使用して、本発明の組成物、方法及び使用の候補としてそのような対象を同定することができる。そのような対象としては、したがって、機能的な遺伝子産物において不十分な量若しくは欠乏について陽性とスクリーニングされたか、又は異常な、部分的に機能的若しくは非機能的な遺伝子産物を産生する対象が挙げられる。

0122

[0123]本明細書に開示されるような本発明の方法及び使用による対象への投与又はin vivo送達は、対象が、治療のために標的化された疾患を有すると同定され、疾患の1つ若しくは複数の症状を有し、又はスクリーニングされて、対象は疾患の1つ若しくは複数の症状を有しないが本明細書に記載されるように陽性であると同定された後、1〜2、2〜4、4〜12、12〜24又は24〜72時間以内に実施することができる。当然、本発明の方法及び使用は、対象が、治療のために標的化された疾患を有すると同定され、疾患の1つ若しくは複数の症状を有し、又はスクリーニングされて、対象は疾患の1つ若しくは複数の症状を有しないが本明細書に記載されるように陽性であると同定された後、1〜7、7〜14、14〜24、24〜48、48〜64又はそれより後の日、月又は年に実施することができる。

0123

[0124]本明細書において使用される「単位剤形」は、治療すべき対象のための単位投与量として適した物理的に別々の単位を指し、各単位は、1つ又は複数の用量で投与された時に所望の効果(例えば、予防又は治療効果)を生じさせると算出される薬学的担体(賦形剤、希釈剤、ビヒクル又は充填剤)と任意選択で組み合わせた予め決定された量を含有する。単位剤形は、例えば、アンプル及びバイアル内にあってもよく、アンプル及びバイアルは、液体組成物、又はフリーズドライ若しくは凍結乾燥状態の組成物を含んでもよく、例えば、in vivoでの投与又は送達の前に無菌の液体担体を加えることができる。個々の単位剤形は、複数用量のキット又は容器に含まれてもよい。rAAV粒子、及びその医薬組成物は、投与を容易にし、投与量を均一にするために単一又は複数の単位剤形中にパッケージングすることができる。

0124

[0125]対象をタンパク質活性について試験して、そのような対象が本発明の方法による治療のために適切かどうかを決定することができる。対象を本発明の方法にしたがってタンパク質の量について試験することもできる。そのような治療される対象を、治療後に定期的に、例えば、1〜4週毎、1〜6カ月毎、6〜12カ月毎、又は1、2、3、4、5若しくはより長い年毎にモニターすることができる。

0125

[0126]有害な応答について対象を1つ又は複数の肝臓酵素について試験して、そのような対象が本発明の方法による治療のために適切かどうかを決定することができる。したがって、本発明の方法による治療の前に対象候補を1つ又は複数の肝臓酵素の量についてスクリーニングすることができる。本発明の方法による治療後に対象を1つ又は複数の肝臓酵素の量について試験することもできる。そのような治療される対象を肝臓酵素の上昇について定期的に、例えば、1〜4週毎、1〜6カ月毎、6〜12カ月毎、又は1、2、3、4、5若しくはより長い年毎に治療後にモニターすることができる。

0126

[0127]例示的な肝臓酵素としては、アラニンアミノトランスフェラーゼALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、及び乳酸デヒドロゲナーゼLDH)が挙げられるが、肝臓損傷指標となる他の酵素もまたモニターすることができる。循環中のこれらの酵素の正常レベルは、典型的に上限レベルを有する範囲として定義され、該上限レベルより高い酵素レベルは上昇しており、したがって肝臓損傷の指標となると考えられる。正常範囲は、部分的に、アッセイを実行する臨床試験室により使用される基準に基づく。

0127

[0128]別段の定義がなければ、本明細書において使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用することができるが、好適な方法及び材料を本明細書に記載する。

0128

[0129]本明細書で引用する全ての特許、特許出願、刊行物、及び他の参考文献、GenBankの引用及びATCCの引用は、参照により全体が組み込まれる。矛盾がある場合、定義を含む本明細書の記載が優先される。

0129

[0130]本発明の生物学的分子に関する様々な用語が、上記、並びに本明細書の全体及び特許請求の範囲において使用される。

0130

[0131]本明細書に開示される全ての特徴は、任意の組合せで組み合わせることができる。本明細書に開示される各特徴を、同じ、同等、又は類似の目的を果たす代替的な特徴により置換することができる。したがって、別段の明示的な記載がなければ、開示される特徴は、同等又は類似の特徴の属の例である。

0131

[0132]本明細書において使用される場合、単数形「a」、「and」及び「the」は、そうでないことを文脈が明確に指し示さなければ、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「核酸」(a nucleic acid)への言及は複数のそのような核酸を含み、「ベクター」(a vector)への言及は複数のそのようなベクターを含み、「ウイルス」(a virus)又は「粒子」(a particle)への言及は複数のそのようなウイルス/粒子を含む。

0132

[0133]本明細書において使用される場合、全ての数値又は数値範囲は、そうでないことを文脈が明確に指し示さなければ、そのような範囲内の整数及び値又は範囲内の整数の小数を含む。したがって、実例を示すと、80%又はそれより高い同一性への言及は、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%などの他に、81.1%、81.2%、81.3%、81.4%、81.5%など、82.1%、82.2%、82.3%、82.4%、82.5%など、及び以下同様のものを含む。

0133

[0134]より大きい(超)又はより小さいを伴う整数への言及は、それぞれ、参照数より大きい又は小さい任意の数を含む。したがって、例えば、100未満への言及は、99、98、97など、さらに減少して数1までの全てを含み、10未満は、9、8、7など、さらに減少して数1までの全てを含む。

0134

[0135]本明細書において使用される場合、全ての数値又は範囲は、そうでないことを文脈が明確に指し示さなければ、値の小数及びそのような範囲内の整数及びそのような範囲内の整数の小数を含む。したがって、実例を示すと、1〜10のような数値範囲への言及は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の他に、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5など、及び以下同様のものを含む。1〜50の範囲への言及は、したがって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20など、50を含めて50までの他に、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5など、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5など、及び以下同様のものを含む。

0135

[0136]範囲のシリーズへの言及は、シリーズ内の異なる範囲の境界の値を合わせた範囲を含む。したがって、実例を示すと、例えば、1〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜75、75〜100、100〜150、150〜200、200〜250、250〜300、300〜400、400〜500、500〜750、750〜850の範囲のシリーズへの言及は、1〜20、1〜30、1〜40、1〜50、1〜60、10〜30、10〜40、10〜50、10〜60、10〜70、10〜80、20〜40、20〜50、20〜60、20〜70、20〜80、20〜90、50〜75、50〜100、50〜150、50〜200、50〜250、100〜200、100〜250、100〜300、100〜350、100〜400、100〜500、150〜250、150〜300、150〜350、150〜400、150〜450、150〜500などの範囲を含む。

0136

[0137]本発明は、一般に、多数の実施形態及び態様を記載するために肯定的な表現を使用して本明細書に開示される。本発明はまた、物質又は材料、方法ステップ及び条件、プロトコール、又は手順のような特定の主題が全体的又は部分的に除外された実施形態を特に含む。例えば、本発明のある特定の実施形態又は態様では、材料及び/又は方法ステップが除外される。したがって、本発明は、一般に、本発明が何を含まないのかの点で本明細書中に表現されないが、それにもかかわらず、本発明において明示的に除外されない態様が本明細書に開示される。

0137

[0138]本発明のいくつかの実施形態を記載してきた。それにもかかわらず、当業者は、本発明の精神及び範囲から離れることなく、本発明を様々な使用法及び条件に適合させるために本発明に様々な変更及び改良を行うことができる。したがって、以下の実施例は、実例を示すことを意図したものであり、いかなる意味でも請求される発明の範囲を限定することを意図しない。

0138

[0001]以下は、AAVキャプシド特異的抗体親和性マトリックスを生成するために使用することができた親和性樹脂(GE Healthcare)の代表的な非限定的(non−liming)な例である。AAVキャプシドタンパク質は、以下に記載される様々なクロマトグラフィー媒体に架橋され得るアミノ酸を含有する。AAVキャプシドを取り付けることができる親和性樹脂の他の製造業者からの同等の及び/又は好適な材料を適宜に使用又は製造することもできる。

0139

実施例1
CNBr活性化セファロース4ファストフロー(Fast Flow)
[0002]CNBr活性化セファロース4ファストフローは、大きいアミノ含有リガンドの連結のための予め活性化されたクロマトグラフィー媒体である。
大きいアミノ含有リガンドの連結のために設計されたCNBr活性化BioProcess媒体
迅速及び効率的な連結。
この樹脂は、タンパク質リガンド複数点取付けを可能とし、リガンド漏出を最小化する。
産業用途のために支持され、認証された方法において十分に確立されたBioProcess媒体。

0140

[0003]CNBr活性化セファロース4ファストフローは、確立されたセファロースファストフロープラットフォームに基づく。樹脂は、臭化シアンで予め活性化された架橋された4%のアガロースビーズから構成される。CNBr活性化セファロース 4ファストフローは、アミノ基を含有するタンパク質リガンドの複数点取付けのために設計されている。

0141

[0004]CNBr活性化セファロース4ファストフローへの生体分子特異的リガンドの連結によるアフィニティークロマトグラフィー媒体の調製及び使用は、広く使用されている、十分に文書化されたアプローチであり、容易、迅速及び効率的な連結手順を伴う。

0142

[0005]CNBr活性化セファロース4ファストフローは、容易なスケールアップ及びプロセス開発のために異なるバルパックサイズ及び簡便な事前パッキングされたフォーマットの範囲で利用可能である。

0143

[0006]BioProcess媒体範囲のメンバーとして、CNBr活性化セファロース4ファストフローは産業上の需要を満たし、供給の確実性並びに包括的な技術的及び規制上のサポートを伴う。

0144

実施例2
活性化チオールセファロース4B
[0007]活性化チオールセファロース4B媒体は、穏やかな条件下でのチオール基を含有する分子の可逆的な固定のために使用される媒体である。大分子の固定のために最適化されている。
グルタチオンスペーサーアームを介したセファロース4Bへのチオール基を用いたタンパク質及び大きい生体分子の可逆的な連結。
リガンドは、2,2’−ジピリジルジスルフィドとCNBr活性化セファロース4Bに連結されたグルタチオンとの間に形成された混合ジスルフィドである。
酵素及び核酸のような大分子の共有結合クロマトグラフィーに良好に適する。
ゲルはまた、重金属イオン並びにハロゲン化アルキル及びハロゲン化アリールと反応する。C=O、C=C、及びN=N結合を含有する化合物と付加反応を起こす。
チオール含有タンパク質を非チオール含有タンパク質から分離する。

0145

[0008]活性化チオールセファロース4Bは、2,2’−ジピリジルジスルフィドとCNBr活性化セファロース4Bに連結されたグルタチオンとの間に形成される混合ジスルフィドである。活性化チオールセファロース4Bは、穏やかな条件下でチオール基を含有する溶質と反応して、混合ジスルフィドを形成する。この反応は、共有結合クロマトグラフィー及びチオール含有生体分子の固定のための手順の基礎を形成する。

0146

実施例3
AHセファロース4B
[0009]EAHセファロース事前活性化媒体は、11原子スペーサーアームを介するカルボジイミドベースの連結を通じたセファロース4Bへのカルボキシル基を含有する化合物の連結のために使用される。
11原子親水性スペーサーアームを介したセファロース4Bへのカルボキシル基の安定なカルボジイミドベースの連結は非常に安定な連結を可能とする。

0147

実施例4
エポキシ活性化セファロース6B
[0010]エポキシ活性化セファロース6Bは、12原子親水性スペーサーアームを介したセファロース6Bへのリガンドのヒドロキシ、アミノ又はチオール基の連結を通じた糖を含む様々なリガンドの固定のための予め活性化された媒体である。
エポキシ活性化セファロース6Bを使用して、安定なエーテル結合を介して糖及び他の炭水化物をヒドロキシル基に連結することができる。

0148

[0011]エポキシ活性化セファロース6Bは、様々なリガンドの固定のための予め活性化された媒体である。エポキシ活性化セファロース6Bを使用して、安定なエーテル結合を介して糖及び他の炭水化物をヒドロキシル基に連結することができる。他のリガンドをヒドロキシル、アミノ又はチオール基を通じて連結することができる。媒体は長い親水性スペーサーアームを有し、それにより、小分子の固定のために特に好適である。エポキシ活性化セファロース6Bは、セファロース6Bを1,4−ビス(2,3−エポキシ−プロポキシ−)ブタンと反応させることにより形成される。

0149

実施例5
精製されたAAVキャプシドは本質的にGMPグレードであり得る
[0012]AAVキャプシド親和性マトリックスを生成するために適切な樹脂又はマトリックスと組み合わせて使用されるAAVキャプシドタンパク質の典型的な特徴は純度である。細胞培養物中のAAVの生成は複雑であり、共に生成される豊富に存在する非AAV成分(不純物及び汚染物)からのその分離は重要である。特に、AAVキャプシド粒子は、製造細胞及び細胞培養培地由来の不純物から精製される。親和性マトリックスを生成するために使用されるAAVキャプシド調製物中の高い不純物レベルの存在は、アフェレーシスの状況において使用される時に、より低い効率及びより低い結合特異性を結果としてもたらす。AAV粒子の1つの例示的な精製は、ヒト非経口製品の現行医薬適正製造基準(GMP)下のものであり、その理由は、想定される親和性マトリックスはプラズマフェレーシスプロセス中にヒト対象の血液製剤と接触するからである。

0150

実施例6
親和性マトリックスの製造のためのAAVキャプシド材料
[0013]プラズマフェレーシス用のAAVキャプシド親和性マトリックスの生成において使用するためのキャプシド材料の1つの典型的な形態は、導入遺伝子を欠いたAAV粒子であるAAV「空」キャプシドである。親和性マトリックス結合AAV空キャプシドは、対応するAAVベクターと同じ表面エピトープ提示すると予測される。

0151

[0014]例えば、AAVキャプシド変種配列番号1又は2に由来する高度に精製された空キャプシドをCNBr活性化セファロース樹脂に連結させることができる。重篤な血友病Aを有し、1:100のAAV−配列番号1又は2の抗体力価を有するヒト対象において、高度に精製されたAAV−配列番号1又は2の空キャプシドを使用して調製されたAAV結合抗体親和性マトリックスを用いる本明細書に記載されるような十分なプラズマフェレーシスは、対象のAAV−配列番号1又は2の抗体力価を例えば1:1に低減させることが予測される。プラズマフェレーシスプロトコールの完了の約12時間未満又は典型的に約6時間未満に、次にこの対象をヒト凝固第VIII因子を発現するAAV−AAV−配列番号1又は2を用いて治療することで、効率的な遺伝子移入が達成され、その後に治療的なレベルの循環性FVIIIが発現される。より高い初期AAV力価(1:100より高い)において、プラズマフェレーシスプロトコール後の治療はより早く行われる。

0152

[0015]或いは、任意の他の公知のAAVキャプシド血清型又はキャプシド変種について調製された空キャプシドを同様に使用して、その特定のAAVキャプシド血清型又はキャプシド変種への抗体力価を低減させ、それにより、任意の治療的な導入遺伝子を発現する対応するAAVベクターでの効率的な遺伝子移入を可能とすることができる。

0153

[0016]いっそうさらには、別の代替手段において、単独で又は任意の化学量論での組合せで使用される、任意の天然に存在するAAVキャプシド血清型又は合成AAVキャプシド変種からの任意のAAV VP1、VP2及びVP3キャプシドタンパク質を同様に使用して、AAV抗体力価を低減させ、任意の治療遺伝子を発現する対応するウイルスベクターでの効率的な遺伝子移入を可能とすることができる。

0154

実施例7
親和性マトリックスの製造のための他のウイルスベクター材料
[0017]或いは、遺伝子移入を達成するために使用することができるウイルスからの他のウイルスベクター又はウイルスベクタータンパク質を使用して、抗体親和性マトリックスを開発し、及び本明細書に記載されるような方法を実行してもよい。例示的に、ウイルスは以下のウイルスファミリーピコルナウイルス科カリシウイルス科アストロウイルス科、トガウイルス科フラビウイルス科コロナウイルス科(Coronoviridae)、ラブドウイルス科フィロウイルス科パラミクソウイルス科(Paromyxoviridae)、オルトミクソウイルス科ブニヤウイルス科アレナウイルス科レオウイルス科レトロウイルス科(Etroviridae)、パポバウイルス科(Papoviridae)、アデノウイルス科パルボウイルス科ヘルペスウイルス科ポックスウイルス科ヘパドナウイルス科からのものであり、各々のウイルス抗体力価を低減させるために使用して、任意の治療遺伝子を発現する対応するベクターでの効率的な遺伝子移入を可能とすることができる。

0155

実施例8
治療的利益のためのベクターの再投与及び/又は連続投与
[0018]ヒト集団中に天然に生じる既存の抗体によるAAVベクターによる治療遺伝子移入の阻害に加えて、キャプシド特異的抗体は、AAVベクター(及び本明細書に記載されるような他のベクター)自体の投与後に増加することがある。AAVキャプシド親和性プラズマフェレーシスの使用は、同様に、遺伝子療法ベクターの事前の投与により引き起こされるAAVキャプシド抗体を低減させて、再投与時の効率的な遺伝子移入を可能とすることができる。このプロセスを長期間にわたり連続的な方式で行って、ヒト対象中の治療遺伝子発現のレベルを徐々に増加させることができる。例えば、重篤な血友病Aを有する幼児におけるAAVベースの遺伝子移入後の凝固第FVIII因子の血中レベルは、子供が成長するにつれて徐々に減少すると考えられる。本明細書に開示されるAAVキャプシド親和性プラズマフェレーシスプロトコールを使用する小児期及び青年期の定期的な再投与は、子供が成長する際の及び成人期を通じてFVIIIの治療的なレベルの維持を可能とする。

0156

実施例9
抗体のリバウンド速度の算出
IgGの半減期(ヒト)=20日
ヒト血清中のIgG濃度は8〜18mg/mLの範囲内であり、12mg/mLmを使用する。
指数関数的減衰式HID=No(1/2)t/t1/2(tの単位は日)
式の証明:H(0)=12(1/2)0/20=12(1)=12mg/mL
H(20)=12(1/2)20/20=12(1/2)=6mg/mL
N=IgG損失
1日=24時間 N(t=1)=12(1/2)1/20=12(0.5)0.05=11.591mg/mL
0.5日=12時間 N(0.5)=12(1/2)0.5/20=12(0.5)0.025=11.794mg/mL
0.25日=6時間 N(0.25)=12(1/2)0.25/20=12(0.5)0.0125=11.896mg/mL
=3時間 H(0.125)=12(1/2)0.125/20=12(0.5)0.00625=11.948mg/mL
=1時間 N(0.042)=12(1/2)^0.042/20=12(0.5)^0.00208=11.983mg/mL
定常状態12mg/mLは等しい合成速度を意味する。
IgG合成
24時間 12−11.591=0.409mg/m2÷12=3.41%
12時間 12−11.794=0.206mg/m2÷12=1.72%
6時間 12−11.896=0.104mg/m2÷12=0.87%
3時間 12−11.948=0.052mg/m2÷12=0.43%
1時間 12−11.983=0.017mg/mL/12=0.15%
合成速度は全てのIgGにわたり同等に分布すると想定する。
1:100で開始するAAVキャプシドIgGは、キャプシドプラズマフェレーシスにより1:1に低減し、
24時間時で1:4.4、
12時間時で1:.7、
6時間時で1:1.9、
3時間時で1:1.43、
1時間時で1:1.15
にリバウンドした。

0157

[0019]表1は、初期AAVキャプシドIgG力価(すなわち、1:10、1:230、上記の通り1:100、1:300、1:1000、1:3000、1:10000)の関数としての力価リバウンド速度のより広い範囲を示す。特に、表1は、最大1:1000のAAV抗体力価を有する対象にプラズマフェレーシス後の約1時間以内に遺伝子療法用のAAVベクターを投与することができ、最大1:300のAAV抗体力価を有する対象にプラズマフェレーシス後の約3時間以内に遺伝子療法用のAAVベクターを投与することができ、最大1:100のAAV抗体力価を有する対象にプラズマフェレーシス後の約6時間以内に遺伝子療法用のAAVベクターを投与することができ、最大1:100のAAV抗体力価を有する対象にプラズマフェレーシス後の約12時間以内に遺伝子療法用のAAVベクターを投与することができ、最大1:30のAAV抗体力価を有する対象にプラズマフェレーシス後の約24時間以内に遺伝子療法用のAAVベクターを投与することができることを示す。

0158

0159

実施例9
代表的なAAVキャプシド(VP1)タンパク質
AAV−SPKVP1キャプシド(配列番号1)
1 MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDNGRGLVLPGYKYLGPFNGLD
61 KGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLQAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQ
121AKKRVLEPLGLVESPVKTAPGKKRPVEPSPQRSPDSSTGIGKKGQQPAKKRLNFGQTGDS
181ESVPDPQPIGEPPAAPSGVGPNTMAAGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRV
241 ITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQ
301RLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSA
361HQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYNFED
421VPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGGTAGTQQLLFSQAGPNNMSAQAKNW
481 LPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGATKYHLNGRDSLVNPGVAMATHKDDEERFFPSS
541GVLMFGKQGAGKDNVDYSSVMLTSEEEIKTTNPVATEQYGVVADNLQQQNAAPIVGAVNS
601QGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADP
661PTTFNQAKLASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTE
721 GTYSEPRPIGTRYLTRNL
AAV−LK03 VP1キャプシド(配列番号2)
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALQPGAPKPKANQQHQDNARGLVLPGYKYLGPGNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLKYNHADAEFQERLKEDTSFGGNLGRAVFQAKKRLLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVDQSPQEPDSSSGVGKSGKQPARKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPTSLGSNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSQWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSQSGASNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKKLSFKLFNIQVKEVTQNDGTTTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLNRTQGTTSGTTNQSRLLFSQAGPQSMSLQARNWLPGPCYRQQRLSKTANDNNNSNFPWTAASKYHLNGRDSLVNPGPAMASHKDDEEKFFPMHGNLIFGKEGTTASNAELDNVMITDEEEIRTTNPVATEQYGTVANNLQSSNTAPTTRTVNDQGALPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQIMIKNTPVPANPPTTFSPAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYNKSVNVDFTVDTNGVYSEPRPIGTRYLTRPL

実施例

0160

[関連出願]
[0001]この特許出願は、2017年7月17日に出願された米国特許出願第62/533,579号の優先権の利益を主張する。上記出願の内容全体は、全てのテキスト、表、図面及び配列を含めて、参照により本明細書に組み込まれる。

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