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技術 ATPホスホリボシル転移酵素変異体及びそれを用いたL−ヒスチジンの生産方法

出願人 シージェイチェイルジェダンコーポレーション
発明者 パクミョンクンクォンナライジンナム
出願日 2018年8月2日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2020-503268
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-530771
状態 特許登録済
技術分野 酵素・酵素の調製 微生物による化合物の製造 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理
主要キーワード 調整メカニズム 英語表現 次選別 微生物発酵法 酸素含有ガス混合物 子供たち 窒素供給源 窒素含有有機化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

本出願は、ATPホスホリボシル基転移酵素(HisG)タンパク質、及びそれを用いたヒスチジン生産方法に関する。

概要

背景

L−ヒスチジンは20個の標準アミノ酸のうちの1つのアミノ酸であり、栄養学的な観点から見ると、成人には多くの量が必要とされていないが、成長期子供たちには該当する必須アミノ酸として分類される。また、L−ヒスチジンは、抗酸化免疫調節などの重要な生理的過程関与して胃腸潰瘍治療剤循環器系治療剤原料及びアミノ酸輸液製剤などの医学産業で用いられる。

ヒスチジンは、特にヘモグロビンに多く含まれていて、主に血分を原料とするタンパク質加水分解抽出法を用いて主に生産される。しかし、これは低い効率と環境汚染などの欠点を有している。一方、微生物発酵法を介してL−ヒスチジンを生産することは可能であるが、大規模工業化はまだ行われていなかった。これはL−ヒスチジンの生合成ヌクレオチド合成前駆体であるPRPPと競争関係を有し、高エネルギーを必要とする複雑な生合成過程及び調整メカニズムを持っているからである。

発酵法に用いられる微生物のL−ヒスチジン生産能は、従来には、突然変異誘発及び突然変異体選抜方法、遺伝子改良を介した菌株新陳代謝を調節する方法で改善させた。最近微生物を用いたヒスチジンの生産はPRPPからいくつかの段階を経て生合成されると知られているが、ヒスチジン生合成に関与する酵素のうちの最初の酵素であるATPホスホリボシル転移酵素は、最終産物であるL−ヒスチジンまたはその誘導体によるフィードバック阻害が発生して工業的にL−ヒスチジンを大量生産するのに問題がある(特許文献1)。

概要

本出願は、ATPホスホリボシル基転移酵素(HisG)タンパク質、及びそれを用いたヒスチジンの生産方法に関する。 なし

目的

本出願の一つの目的は、配列番号13のアミノ酸配列内215番目アスパラギン(asparagine)がアルギニン(arginine)に置換、233番目のグリシン(glycin)がヒスチジン(histidine)に置換、及び235番目のトレオニン(threonine)がグルタミン(glutamine)に置換されることを含む、ATPホスホリボシル基転移酵素変異体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

列番号13のアミノ酸配列内215番目アスパラギン(asparagine)がアルギニン(arginine)に置換、233番目のグリシン(glycin)がヒスチジン(histidine)に置換、及び 235番目のトレオニン(threonine)がグルタミン(glutamine)に置換されることを含む、ATPホスホリボシル基転移酵素変異体

請求項2

前記ATPホスホリボシル転移酵素変異体が、配列番号1のアミノ酸配列からなるものである、請求項1に記載のATPホスホリボシル転移酵素変異体。

請求項3

請求項1に記載のATPホスホリボシル基転移酵素変異体をコードするポリヌクレオチド

請求項4

請求項1に記載のATPホスホリボシル基転移酵素変異体をコードするポリヌクレオチドを含むベクター

請求項5

請求項1に記載のATPホスホリボシル基転移酵素変異体を含むか、請求項4に記載のベクターで形質転換された、ヒスチジン(Histidine)を生産するコリネバクテリウム属微生物

請求項6

前記コリネバクテリウム属微生物が、コリネバクテリウムグルタミカム(Corynebacterium glutamicum)である、請求項5に記載のコリネバクテリウム属微生物。

請求項7

請求項5に記載のヒスチジンを生産するコリネバクテリウム属微生物を培地で培養する段階;前記培養された微生物または培地からヒスチジンを回収する段階を含む、ヒスチジン生産方法

請求項8

前記コリネバクテリウム属微生物が、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)である、請求項7に記載のヒスチジン生産方法。

技術分野

0001

本出願は、ATPホスホリボシル基転移酵素変異体及びそれを用いたヒスチジン生産方法に関する。

背景技術

0002

L−ヒスチジンは20個の標準アミノ酸のうちの1つのアミノ酸であり、栄養学的な観点から見ると、成人には多くの量が必要とされていないが、成長期子供たちには該当する必須アミノ酸として分類される。また、L−ヒスチジンは、抗酸化免疫調節などの重要な生理的過程関与して胃腸潰瘍治療剤循環器系治療剤原料及びアミノ酸輸液製剤などの医学産業で用いられる。

0003

ヒスチジンは、特にヘモグロビンに多く含まれていて、主に血分を原料とするタンパク質加水分解抽出法を用いて主に生産される。しかし、これは低い効率と環境汚染などの欠点を有している。一方、微生物発酵法を介してL−ヒスチジンを生産することは可能であるが、大規模工業化はまだ行われていなかった。これはL−ヒスチジンの生合成ヌクレオチド合成前駆体であるPRPPと競争関係を有し、高エネルギーを必要とする複雑な生合成過程及び調整メカニズムを持っているからである。

0004

発酵法に用いられる微生物のL−ヒスチジン生産能は、従来には、突然変異誘発及び突然変異体選抜方法、遺伝子改良を介した菌株新陳代謝を調節する方法で改善させた。最近微生物を用いたヒスチジンの生産はPRPPからいくつかの段階を経て生合成されると知られているが、ヒスチジン生合成に関与する酵素のうちの最初の酵素であるATPホスホリボシル転移酵素は、最終産物であるL−ヒスチジンまたはその誘導体によるフィードバック阻害が発生して工業的にL−ヒスチジンを大量生産するのに問題がある(特許文献1)。

0005

国際公開特許第WO2014−029376号

先行技術

0006

J. Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory press, Cold Spring Harbor, New York, 1989
F.M. Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., New York
Sambrook et al., supra, 9.50-9.51, 11.7-11.8
Pearson et al(1988)[Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85]: 2444
Rice et al., 2000, TrendsGenet. 16: 276−277
Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453
Smith and Waterman, Adv. Appl. Math(1981)2:482
Schwartz and Dayhoff, eds., Atlas Of Protein Sequence And Structure, National Biomedical Research Foundation, pp. 353−358(1979)
Gribskov et al(1986)Nucl. Acids Res. 14: 6745
Biochimie. 2012 Mar;94(3):829-38

発明が解決しようとする課題

0007

本出願者らは、L−ヒスチジンによって阻害を受けるATPホスホリボシル転移酵素を改良するために鋭意努力した結果、新たに開発したATPホスホリボシル転移酵素変異体を導入した微生物がL−ヒスチジンを高収率で製造しうることを確認し、本出願を完成した。

課題を解決するための手段

0008

本出願の一つの目的は、配列番号13のアミノ酸配列内215番目アスパラギン(asparagine)がアルギニン(arginine)に置換、233番目のグリシン(glycin)がヒスチジン(histidine)に置換、及び235番目のトレオニン(threonine)がグルタミン(glutamine)に置換されることを含む、ATPホスホリボシル基転移酵素変異体を提供することにある。

0009

本出願の他の目的は、前記ATPホスホリボシル基転移酵素変異体をコードするポリヌクレオチドを提供することにある。

0010

本出願の別の目的は、前記ATPホスホリボシル基転移酵素変異体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを提供することにある。

0011

本出願の別の目的は、前記ATPホスホリボシル基転移酵素変異体及び前記タンパク質を含むように形質転換された微生物を提供することにある。

0012

本出願の別の目的は、前記微生物を培地で培養する段階;前記培養された微生物または培養培地からヒスチジンを回収する段階を含むヒスチジン生産方法を提供することにある。

発明の効果

0013

本出願は、ATPホスホリボシル基転移酵素(HisG)タンパク質を用いてヒスチジンを効率的に生産しうる方法を提供する。

実施例

0014

これを具体的に説明すると、次の通りである。一方、本出願で開示された各説明及び実施形態は、それぞれの他の説明及び実施形態にも適用されうる。すなわち、本出願で開示された様々な要素の任意の組み合わせが本出願のカテゴリに属する。また、下記記述された具体的な叙述によって、本出願のカテゴリが制限されるとは見えない。

0015

前記目的を達成するための本出願の一つの様態は、配列番号13のアミノ酸配列内215番目のアスパラギン(asparagine)がアルギニン(arginine)に置換、233番目のグリシン(glycin)がヒスチジン(histidine)に置換、及び235番目のトレオニン(threonine)がグルタミン(glutamine)に置換されたことを含む、ATPホスホリボシル基転移酵素変異体を提供する。

0016

本出願において、用語、「ATPホスホリボシル基転移酵素(ATP Phosphoribosyltransferase、HisG)」は、化学反応触媒するグリコシルトランスフェラーゼ(glycosyltransferases)系列の酵素であって、特にペントシルトランスフェラーゼ(pentosyltransferases)に属する。この酵素の一般的な名称は、1−(5−ホスホ−D−リボシル)−ATP:二リン酸ホスホ−α−D−リボトランスフェラーゼ(1-(5-phospho-D-ribosyl)-ATP:diphosphate phospho-alpha-D-ribosyl transferase)である。前記酵素は次のような反応を触媒する。1−(5−phospho−D−ribosyl)−ATP+diphosphate <−> ATP+5−phospho−alpha−D−ribose 1−diphosphate。前記酵素は、ヒスチジンの生合成で最初の段階を触媒する。

0017

本出願でATPホスホリボシル基転移酵素は、「HisG」または「HisGタンパク質」と混用されうる。前記ATPホスホリボシル基転移酵素は、公知のデータベースであるNCBIのGenBankからその配列を得ることができる。その例として、コリネバクテリウム属由来のATPホスホリボシル基転移酵素であってもよいが、これに制限されない。その例として、配列番号13のアミノ酸配列であってもよいが、これに制限されるものではない。その例として、前記ATPホスホリボシル基転移酵素は、配列番号13のアミノ酸配列またはこれと80%以上の相同性または同一性を有するアミノ酸配列を含んでもよいが、これに制限されるものではない。具体的には、前記ATPホスホリボシル基転移酵素は、配列番号13及び前記配列番号1と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の相同性または同一性を有するポリペプチドを含んでもよい。また、このような相同性または同一性を有し、前記タンパク質に相応する効能を示すアミノ酸配列であれば、一部の配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有する補助タンパク質も、本出願のATPホスホリボシル基転移酵素として用いられることは自明である。

0018

本出願のATPホスホリボシル基転移酵素変異体は、具体的には、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)由来の配列番号13に記載されたアミノ酸配列を有するATPホスホリボシル基転移酵素でN末端から233番目のグリシン(glycin)アミノ酸残基、235番目のトレオニン(threonine)アミノ酸残基、または215番目のアスパラギン(asparagine)アミノ酸残基が他のアミノ酸に置換されたものであってもよい。その例として、前記233番目のグリシン(glycin)アミノ酸残基はヒスチジン(histidine)、235番目のトレオニン(threonine)アミノ酸残基はグルタミン(glutamine)、または215番目のアスパラギン(asparagine)アミノ酸残基はアルギニン(arginine)に置換されたものであってもよい。

0019

具体的には、前記ATPホスホリボシル基転移酵素変異体は、配列番号1のアミノ酸配列からなるものであってもよい。本出願でのATPホスホリボシル基転移酵素変異体は、配列番号1のアミノ酸配列またはそれと80%以上の相同性または同一性を有するアミノ酸配列を含んでもよいが、これに制限されるものではない。具体的には、本出願の前記ATPホスホリボシル基転移酵素変異体は、配列番号1及び前記配列番号1と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%相同性または同一性を有するポリペプチドを含んでもよい。また、このような相同性または同一性を有し、前記タンパク質に相応する効能を示すアミノ酸配列であれば、一部の配列が欠失、変形、置換、または付加されたアミノ酸配列を有する補助タンパク質も、本出願の範囲内に含まれるのは自明である。

0020

また、コドン縮退性(codon degeneracy)によって、前記配列番号1のアミノ酸配列からなる群からなるタンパク質またはそれと相同性または同一性を有するタンパク質に翻訳されうるポリヌクレオチドも含まれるのは自明である。また、公知の遺伝子配列から調製されうるプローブ、例えば、前記塩基配列の全体または一部に対する相補配列厳格な条件下でハイブリッド化し、配列番号1のアミノ酸配列になるタンパク質の活性を有するタンパク質をコードする配列であれば制限なく含まれてもよい。前記「厳しい条件」とは、ポリヌクレオチド間の特異的混成化を可能にする条件を意味する。これらの条件は、文献(例えば、非特許文献1及び2)に具体的に記載されている。例えば、相同性または同一性が高い遺伝子同士、80%以上、具体的には、85%以上、より具体的には、90%以上、さらに具体的には、95%以上、より一層具体的には、97%以上、特に具体的には、99%以上の相同性または同一性を有する遺伝子同士でハイブリッド化する。そして、それより相同性または同一性が低い遺伝子同士はハイブリッド化しない条件、または通常のサザンハイブリッド化の洗浄条件である60℃、1×SSC 、0.1%SDS、具体的には、60℃、0.1×SSC、0.1%SDS、より具体的には、68℃、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度及び温度で、1回、具体的には、2回〜3回洗浄する条件を挙げられる。

0021

すなわち、本出願で「特定の配列番号に記載されたアミノ酸配列を有するタンパク質またはポリペプチド」と記載されていても、その配列番号のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同一あるいは相応する活性を有する場合であれば、一部の配列が欠失、変形、置換、保存的置換または付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質も、本出願で用いられるのは自明である。例えば、前記変異型ポリペプチドと同一あるいは相応する活性を有する場合であれば、前記アミノ酸配列の前後にタンパク質の機能を変更していない配列の追加、自然に発生しうる突然変異、そのサイレント突然変異(silent mutation)または保存的置換を除外することなく、これらの配列の追加、あるいは突然変異を有する場合でも、本願の範囲内に属するのが自明である。

0022

前記「保存的置換(conservative substitution)」は、1つのアミノ酸を類似の構造的及び/または化学的性質を有する別のアミノ酸に置換させることを意味する。これらのアミノ酸置換は、一般的に残基の極性電荷、溶解度、疎水性親水性、及び/または両親媒性(amphipathicnature)での類似性に基づいて発生しうる。例えば、陽に荷電された(塩基性)アミノ酸は、アルギニン、リジン、及びヒスチジンを含み;陰に荷電された(酸性)アミノ酸は、グルタミン酸及びアスパラギン酸を含み;芳香族アミノ酸は、フェニルアラニントリプトファン、及びチロシンを含み;疎水性アミノ酸は、アラニンバリンイソロイシンロイシンメチオニン、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファンを含む。

0023

従って、本出願において、「変異型(variant)」は、「特定の配列番号に記載されたアミノ酸配列を有するタンパク質またはポリペプチド」にさらに1つ以上のアミノ酸の保存的置換(conservative substitution)及び/または変形(modification)を含んでもよい。例えば、一部の変異体は、N末端リーダー配列または膜転移ドメイン(transmembrane domain)などの1つ以上の部分が除去された変異型を含んでもよい。他の変異型は、成熟タンパク質(mature protein)のN末端及び/またはC末端から一部が除去された変異型を含んでもよい。また、変異型はポリペプチドの特性と2次構造に最小限の影響を有するアミノ酸の欠失または付加を含む他の変形を含んでもよい。例えば、ポリペプチドは翻訳と同時に(co-translationally)または翻訳後に(post-translationally)タンパク質の転移(transfer)に関与するタンパク質N末端のシグナル(またはリーダー)配列とコンジュゲートしてもよい。また、前記ポリペプチドはポリペプチドを確認、精製、または合成できるように、他の配列またはリンカーとコンジュゲートされてもよい。前記用語、「変異型」は、変異体、変形、変異されたタンパク質、変異型ポリペプチド、変異などの用語(英語表現では、modification、modified protein、modified polypeptide、mutant、mutein、divergentなど)が用いられてもよく、変異された意味で用いられる用語であれば、これに制限されない。

0024

混成化は、たとえ混成化の厳密度によって塩基間のミスマッチ(mismatch)が可能であっても、2つの核酸相補的配列を有することを要求する。用語、「相補的」は、互いに混成化が可能であるヌクレオチド塩基間の関係を記述するのに用いられる。例えば、DNAに関すると、アデノシンチミンに相補的であり、シトシングアニンに相補的である。したがって、本出願は、また、実質的に類似の核酸配列だけでなく、全体配列に相補的な単離された核酸断片を含みうる。

0025

具体的には、相同性または同一性を有するポリヌクレオチドは、55℃のTm値で混成化段階を含む混成化条件を用い、上述した条件を用いて探知してもよい。また、前記Tm値は、60℃、63℃または65℃であってもよいが、これに制限されるものではなく、その目的に応じて当業者によって適切に調節されてもよい。

0026

ポリヌクレオチドを混成化する適切な厳密度は、ポリヌクレオチドの長さ及び相補性の程度に依存し、変数は当該技術分野でよく知られている(非特許文献3参照)。

0027

相同性(homology)または同一性(identity)は、2つの与えられたアミノ酸配列または塩基配列と関連された程度を意味し、パーセンテージで示されてもよい。用語、相同性及び同一性は、多くの場合、相互交換的に用いられてもよい。

0028

保存された(conserved)ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列相同性または同一性は標準配列アルゴリズムによって決定されるし、用いられるプログラムによって確立されたデフォルトギャップペナルティ一緒に用いられてもよい。実質的には、相同性を有するか(homologous)または同一な(identical)配列は、一般的に配列全体または全長の少なくとも約50%、60%、70%、80%または90%以上に沿って中間または高い厳しい条件(stringent conditions)でハイブリッドしてもよい。ハイブリッドするポリヌクレオチドでコドンの代わりに縮退コドンを含有するポリヌクレオチドも考慮されうる。

0029

任意の2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列が、相同性、類似性または同一性を有するかどうかは、例えば、非特許文献4と同じデフォルトのパラメータを用いて「FASTA」プログラムのような公知のコンピュータアルゴリズムを利用して決定してもよい。または、EMBOSSパッケージニードルマンプログラム(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite、非特許文献5)(バージョン5.0.0またはそれ以降のバージョン)で実行されるような、ニードルマン−ウンシュ(Needleman-Wunsch)アルゴリズム(非特許文献6)を用いて決定してもよい。(GCプログラムパッケージ(Devereux, J., et al, Nucleic AcidsResearch 12: 387(1984))、BLASTP、BLASTN、FASTA(Atschul, [S.] [F.,] [ET AL, J MOLEC BIOL 215]: 403(1990);Guide to Huge Computers, Martin J. Bishop, [ED.,] Academic Press, San Diego,1994、及び[CARILLO ETA/.](1988)SIAM J Applied Math 48: 1073を含む)。例えば、国立生物工学情報データベースセンターのBLAST、またはClustalWを用いて相同性、類似性または同一性を決定してもよい。

0030

ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの相同性、類似性または同一性は、例えば、非特許文献7に公知されたように、例えば、非特許文献6のようなGAPコンピュータプログラムを利用して配列情報を比較することによって決定してもよい。要約すると、GAPプログラムは、2つの配列のうち、より短いものからのシンボルの全体数で同様の配列されたシンボル(つまり、ヌクレオチドまたはアミノ酸)の数を割った値として定義する。GAPプログラムのためのデフォルトパラメータは、(1)一進法比較マトリックス(同一性のための1及び非同一性のための0の値を含有する)及び非特許文献8に開示されたように、非特許文献9の加重された比較マトリックス(またはEDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックス);(2)各ギャップのための3.0のペナルティ及び各ギャップの各記号のための追加の0.10ペナルティ(またはギャップ開放ペナルティ10、ギャップ延長ペナルティ0.5);及び(3)末端ギャップのための無ペナルティを含んでもよい。したがって、本願で用いられたものとして、用語、「相同性」または「同一性」は、配列間の関連性(relevance)を示す。

0031

本出願の他の一つの様態は、前記ATPホスホリボシル基転移酵素変異体をコードするポリヌクレオチド、または前記ポリヌクレオチドを含むベクターを含む。

0032

本出願において、用語、「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチド単量体(monomer)が共有結合によって長く鎖状につながったヌクレオチドの重合体(polymer)で一定の長さ以上のDNAまたはRNA鎖であり、より具体的には、前記変異型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド断片を意味する。

0033

本出願でATPホスホリボシル基転移酵素変異体のアミノ酸配列をコードする遺伝子は、hisG遺伝子であり、具体的には、コリネバクテリウムグルタミカム由来であってもよい。遺伝暗号の縮退性(genetic code degeneracy)に起因して、 同じアミノ酸配列をコードする塩基配列及びその変異体も、本出願に含まれるし、具体的には、配列番号2で示してもよいが、これに制限されない。

0034

また、変異型ポリヌクレオチドも遺伝暗号の縮退性(genetic code degeneracy)に起因し、同じアミノ酸配列をコードする塩基配列及びその変異体も、本出願に含まれる。

0035

本出願のもう一つの様態として、本出願は、前記ATPホスホリボシル基転移酵素変異体をコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞、及び前記ATPホスホリボシル基転移酵素変異体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターで形質転換された微生物を提供する。具体的には、前記導入は形質転換によって行われてもよいが、これに制限されない。

0036

具体的には、本出願のATPホスホリボシル基転移酵素変異体を含む微生物は、野生型ATPホスホリボシル基転移酵素を含む微生物に比べて宿主細胞の成長を阻害することなくヒスチジンの生産能が向上されるので、これらの微生物からヒスチジンを高収率で得ることができる。

0037

本出願で用いられた用語、「ベクター」は、適合した宿主内で目的タンパク質発現できるように、適合の調節配列作動可能に連結された前記目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドの塩基配列を含有するDNA製造物を意味する。前記調節配列は、転写を開始しうるプロモーター、このような転写を調節するための任意のオペレーター配列、適合のmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、及び転写及び解読終結を調節する配列を含んでもよい。ベクターは、適切な宿主細胞内に形質転換された後、宿主ゲノムとは無関係に複製されたり機能することができ、ゲノムそのものに統合されてもよい。

0038

本出願で用いられるベクターは、宿主細胞内で複製可能なものであれば特に限定されず、当業界に知られている任意のベクターを用いてもよい。通常用いられるベクターの例としては、天然の状態であるか、組換えされた状態のプラスミドコスミドウイルス及びバクテリオファージが挙げられる。例えば、ファージベクターまたはコスミドベクターとして、pWE15、M13、MBL3、MBL4、IXII、ASHII、APII、t10、t11、Charon4A、及びCharon21Aなどを用いてもよく、プラスミドベクターとして、pBR系、pUC系、pBluescriptII系、pGEM系、pTZ系、pCL系及びpET系などを用いてもよい。具体的には、pDZ、pACYC177、pACYC184、pCL、pECCG117、pUC19、pBR322、pMW118、pCC1BACベクターなどを用いてもよい。

0039

一例として、細胞内の染色体挿入用ベクターを介して染色体内に目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを変異されたポリヌクレオチドに交替してもよい。前記ポリヌクレオチドの染色体内への挿入は、当業界で知られている任意の方法、例えば、相同組換えによって行われてもよいが、これに限定されない。

0040

本出願において、用語、「形質転換」は、標的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを宿主細胞内に導入して、宿主細胞内で前記ポリヌクレオチドがコードするタンパク質が発現できるようにすることを意味する。形質転換されたポリヌクレオチドは宿主細胞内で発現することさえできれば、宿主細胞の染色体内に挿入され位置するか、染色体外に位置するかに関係なく、これらをすべて含んでもよい。また、前記ポリヌクレオチドは、標的タンパク質をコードするDNA及びRNAを含む。前記ポリヌクレオチドは、宿主細胞内に導入されて発現できるものであれば、あらゆる形態で導入されるものであっても構わない。例えば、前記ポリヌクレオチドは、それ自体で発現されるのに必要なすべての要素を含む遺伝子構造体である発現カセット(expression cassette)の形態で宿主細胞に導入されてもよい。前記発現カセットは、通常、前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されているプロモーター(promoter)、転写終結シグナル、リボソーム結合部位及び翻訳終結シグナルを含んでもよい。前記発現カセットは、それ自体の複製が可能な発現ベクターの形態であってもよい。また、前記ポリヌクレオチドは、それ自体の形態で宿主細胞に導入されて、宿主細胞で発現に必要な配列と作動可能に連結されたものであってもよいが、これに限定されない。

0041

また、前記において、用語、「作動可能に連結された」というのは、本出願の目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドの転写を開始及び媒介するようにするプロモーター配列と、前記ポリヌクレオチド配列が機能的に連結されていることを意味する。

0042

本出願で使用される用語、「ヒスチジンを生産する微生物」または「ヒスチジン生産能を有する微生物」とは、自然にヒスチジン生産能を有している微生物またはヒスチジンの生産能のない親菌株にヒスチジンの生産能が付与された微生物をを意味する。

0043

前記ヒスチジンを生産する微生物は、変異型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むか、または変異型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターで形質転換されて変異型ポリペプチドを発現しうる細胞または微生物であって、本出願の目的上、前記宿主細胞または微生物は、前記ATPホスホリボシル基転移酵素変異体を含むL−ヒスチジンを生産しうる微生物であればいずれも可能である。具体例としては、エシェリキア(Escherichia)属、セラチア(Serratia)属、エルウィニア(Erwinia)属、エンテロバクテリア(Enterobacteria)属、サルモネラ(Salmonella)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属またはコリネバクテリウム(Corynebacterium)属などの微生物菌株が含まれてもよく、具体的には、コリネバクテリウム属微生物であってもよく、より具体的な例としては、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)であってもよいが、これに限定されない。

0044

本出願において、用語、「ヒスチジンを生産するコリネバクテリウム属(the genus Corynebacterium)微生物」とは、天然型または変異を介してヒスチジン生産能を有しているコリネバクテリウム属微生物を意味する。コリネバクテリウム属微生物の培養物がヒスチジンを有しているのはすでに知られていた。ただし、ヒスチジンの生産能が著しく低く、生産メカニズムに作用する遺伝子やメカニズムの原理が明らかにされていない状態である。したがって、本出願でヒスチジン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物とは、天然型微生物自体または外部ヒスチジン生産メカニズムと関連する遺伝子が挿入されたり、内在的遺伝子の活性を強化させたり不活性させて、向上されたヒスチジン生産能を有するようになったコリネバクテリウム属微生物を意味する。

0045

本出願で「コリネバクテリウム属微生物」は、具体的には、コリネバクテリウム・グルタミカム、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)、コリネバクテリウム・エフィシエンス(Corynebacterium efficiens)などであるが、必ずこれに限定されるものではない。より具体的には、本出願でコリネバクテリウム属微生物は、高濃度のヒスチジンに露出されても、細胞生長生存に影響を少なく受けるコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)であってもよい。

0046

本出願のもう一つの様態として、本出願は記述された微生物を培養する段階及び培養された微生物または培養培地からヒスチジンを回収する段階を含む、ヒスチジンを生産する方法を提供する。

0047

前記方法において、前記微生物を培養する段階は、特に制限されないが、公知の回分式培養方法連続式培養方法、流加式培養方法などにより行われてもよい。このとき、培養条件は、特に制限されないが、塩基性化合物(例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウムまたはアンモニア)または酸性化合物(例えば、リン酸または硫酸)を用いて、適正pH(例えば、pH5〜9、具体的には、pH6〜8、最も具体的には、pH6.8)を調節してもよく、酸素または酸素含有ガス混合物を培養物に導入させて好気性条件を維持してもよい。培養温度は20〜45℃、具体的には、25〜40℃を維持してもよく、約10〜160時間培養してもよいが、これに制限されるものではない。前記培養によって生産されたヒスチジンは、培地中に分泌されるか細胞内に残留してもよい。

0048

また、用いられる培養用培地は、炭素供給源としては、糖及び炭水化物(例えば、グルコーススクロースラクトースフルクトースマルトース糖蜜澱粉及びセルロース)、油脂及び脂肪(例えば、大豆油ヒマワリ種油ピーナッツ油及びココナッツ油)、脂肪酸(例えば、パルミチン酸ステアリン酸、及びリノール酸)、アルコール(例えば、グリセロール及びエタノール)及び有機酸(例えば、酢酸)などを個別に用いたり、または混合して用いてもよいが、これに制限されない。窒素供給源としては、窒素含有有機化合物(例えば、ペプトン酵母抽出液肉汁麦芽抽出液トウモロコシ浸漬液大豆泊分及びウレア)、または無機化合物(例えば、硫酸アンモニウム塩化アンモニウムリン酸アンモニウム炭酸アンモニウム、及び硝酸アンモニウム)などを個別に用いたり、または混合して用いてもよいが、これに制限されない。リン供給源としては、リン酸二水素カリウムリン酸水素二カリウム、これに相応するナトリウム含有塩などを個別に用いたり、または混合して用いてもよいが、これに制限されない。また、培地には他の金属塩(例えば、硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄)、アミノ酸及びビタミンのような必須成長促進物質を含んでもよい。

0049

本出願の前記培養段階で生産されたヒスチジンを回収する方法は、培養方法によって当該分野で公知の適切な方法を用いて培養液から目的とするアミノ酸を収集してもよい。例えば、遠心分離、ろ過、陰イオン交換クロマトグラフィー結晶化及びHPLCなどが用いられてもよく、当該分野で公知の適切な方法を用いて培地または微生物から目的とするヒスチジンを回収してもよい。

0050

以下、本出願の実施例により、より詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本出願を例示的に説明するためのものであり、本出願の範囲がこれらの実施例により制限されるものではない。

0051

実施例1.ATPホスホリボシル転移酵素(ATP phosphoribosyltransferase、HisG)変異体の設計
コリネバクテリウム属微生物のATPホスホリボシル転移酵素(ATP phosphoribosyltransferase、HisG)は、ヒスチジン濃度プリン系列ヌクレオチドなどの濃度が高くなるとATPホスホリボシル転移酵素の調節部位(regulatory domain)に基質であるATPと競争、あるいは非競争的結合になって活性が弱化される。これを参考にして、ヒスチジンがATPホスホリボシル転移酵素に結合することを妨げると同時に構造的に活性が強化される変異が設計された。

0052

具体的には、コリネバクテリウム・グルタミカムのATPホスホリボシル基転移酵素のN末端から233番目のグリシン(glycin)アミノ酸残基がヒスチジン(histidine)に、 235番目のトレオニン(threonine)アミノ酸残基がグルタミン(glutamine)に、215番目のアスパラギン(asparagine)アミノ酸残基がアルギニン(arginine)に置換されたATPホスホリボシル転移酵素変異体(N215R/G233H/T235Q)が設計された(配列番号1)。前記配列番号1のATPホスホリボシル転移酵素変異体をコードする塩基配列は、配列番号2である。

0053

実施例2.hisG遺伝子クローニング及びMarkerless菌株製作のための染色体挿入用ベクターの製作
実施例2−1.N215R変異とG233H及びT235Q変異が導入されたHisG遺伝子クローニング及び染色体挿入用ベクターの製作
野生型コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032の染色体遺伝子を分離し、配列番号3と配列番号4のプライマー対を用いてポリメラーゼ連鎖反応を介してhisG遺伝子断片を得た(表1)。この時、PCR反応は95℃で5分間変性後、95℃で30秒の変性、52℃で30秒のアニーリング、72℃で1分30秒重合を25回繰り返した後、72℃で7分間重合反応を行った。その結果、約850bpのポリヌクレオチドを取得できた。前記得られたhisG遺伝子の断片をTOPOベクターに接合し、製造されたベクターをpTOPO−hisGと命名した。

0054

0055

前記で作製したpTOPO−hisGベクターを鋳型とし、前記表1と下記表2に開示されたプライマーを用いて次のようにPCRを行った。1次には、hisG遺伝子内に変異を導入するために、変異を起こしたい部位を中心に5’末端と3’末端に対してそれぞれPCRを行った後、2次には、2つのPCR断片を結合するPCRを行った。

0056

具体的には、前記鋳型の5’末端は、Xba1−Cgl−hisG−F(配列番号3)とCgl−hisG−G233H/T235Q−R(配列番号8)プライマーを用いてPCRで増幅した。前記鋳型の3’末端は、Cgl−hisG−G233H/T235Q−F(配列番号7)とXba1−Cgl−hisG−R(配列番号4)プライマーを用いてPCRで増幅した。PCRで得られた前記2つのPCR断片を2次PCRの鋳型とし、Xba1−Cgl−hisG−F(配列番号3)とXba1−Cgl−hisG−R(配列番号4)プライマーを用いて2次PCRを行った。前記2次PCRで得られたhisG_G233H/T235Q遺伝子の断片を制限酵素XbaI(New England Biolabs、Beverly、MA)で切断した。T4リガーゼ(New England Biolabs、Beverly、MA)を用いて、染色体挿入用ベクターpDCをXbaI制限酵素で切断した線状のベクターに前記切断された遺伝子断片を接合して組換えベクターを製造した。製造されたベクターをpDC−hisG_G233H/T235Qと命名した。

0057

N215R変異を追加で導入するために、再び2次PCRを行った。具体的には、pDC−hisG_G233H/T235Qを鋳型とし、5’末端はCgl13032 hisG N215R−F(配列番号5)とCgl−hisG−G233H/T235Q−R(配列番号8)プライマーを用いてPCRで増幅し、 3’末端はCgl−hisG−G233H/T235Q−F(配列番号7)とCgl13032 hisG N215R−R(配列番号6)プライマーを用いてPCRで増幅した。増幅された2つのPCR断片を2次PCRの鋳型とし、Xba1−Cgl−hisG−F(配列番号3)とXba1−Cgl−hisG−R(配列番号4)プライマーを用いて2次PCRを行った。前記2次PCRで得られた遺伝子の断片を制限酵素XbaIで切断し、T4リガーゼを用いて、染色体挿入用ベクターpDCをXbaI制限酵素で切断した線状のベクターに前記切断された遺伝子断片を接合してpDCベクターに挿入した。ここで製造されたベクターをpDC−hisG_N215R/G233H/T235Qと命名した。前記で製作されたベクター内hisG変異が導入されたかどうかは配列分析で確認した。

0058

実施例2−2.既公知のHisG変異が導入された遺伝子のクローニング及び染色体挿入用ベクターの製作
公知のHisG変異遺伝子(N215K/L231F/T235A)が導入された微生物のヒスチジン生産能と本出願の変異が導入された微生物のヒスチジン生産能を比較確認するために、公知の変異遺伝子のベクターを作製した(非特許文献10)。

0059

HisG変異遺伝子(N215K/L231F/T235A)が導入されたベクターを製作するために、前記実施例2−1と同様の方法でpTOPO−hisG templateベクターを鋳型とし、配列番号9と12、配列番号10と11をそれぞれプライマーとして用いてPCR増幅した(表2)。増幅された2つのPCR断片を2次PCRの鋳型とし、Xba1−Cgl−hisG−F(配列番号3)とXba1−Cgl−hisG−R(配列番号4)プライマーを用いて2次PCRを行った。前記2次PCRで得られた遺伝子の断片を制限酵素XbaIで切断し、T4リガーゼを用いて、染色体挿入用ベクターpDCをXbaI制限酵素で切断した線状のベクターに前記切断された遺伝子断片を接合してPDCベクターに挿入した。ここで製造されたベクターをpDC−hisG_N215K/L231F/T235Aと命名した。

0060

0061

実施例3.HisG変異遺伝子が挿入された菌株の選別
実施例3−1.HisG変異遺伝子が挿入された野生型菌株の選別
実施例2で製造された、前記HisG変異遺伝子を含むベクターhisG_N215R/G233H/T235Qをコリネバクテリウム・グルタミカム野生型ATCC13032(Corynebacterium glutamicum ATCC 13032)にエレクトロポレーション法で形質転換した後、カナマイシン25mg/Lを含有した選別培地で耐性を示す菌株を選別した。染色体上に変異遺伝子が挿入された菌株を選別するために2次組換え過程(cross-over)を行った。Xba1−Cgl−hisG−F(配列番号3)とXba1−Cgl−hisG−R(配列番号4)プライマーを用いてPCRを行った。PCR産物の配列分析によりゲノム上に挿入されたDNA断片であるhisG_N215R/G233H/T235QによってhisG変異遺伝子が挿入された菌株を確認し、ATCC13032−161と命名した。

0062

実施例3−2.HisG変異遺伝子を含むベクターが挿入されたL−ヒスチジン生産能を有する菌株の選別
コリネバクテリウム・グルタミカム野生型ATCC13032(Corynebacterium glutamicum ATCC 13032)はヒスチジンを生産できないため、酵素の活性を測定してL−ヒスチジンの生産能を確認するために、L−ヒスチジン生産能を有する菌株であるHCJ−86(KCCM11795P)を宿主細胞として用いた。

0063

前記HCJ−86は以下のように収得した。野生型コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032活性化培地で16時間培養して活性化させた後、活性化された菌株を121℃で15分間滅菌した種培地接種し、14時間培養し、培養液5mlを回収した。前記回収した培養液を100mMクエン酸緩衝溶液(citric buffer)で洗浄した後、最終濃度200mg/LとなるようにN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(N-Methyl-N'-nitro- N-nitrosoguanidine、NTG)を添加して20分間処理し、100mMリン酸緩衝溶液(phosphate buffer)で洗浄した。NTGで処理された菌株を最小培地塗抹して死滅率を計算した結果、死滅率は85%であった。

0064

L−ヒスチジンの誘導体である1,2,4−トリアゾール−3−アラニン(1,2,4-triazole-3-alanine)に対する耐性を有し、L−ヒスチジン生産能を有する1種の変異株を選別した。前記変異株をHCJ−86と命名し、2015年12月22日付でブダペスト条約下の国際寄託機関である韓国微生物保存センターに寄託して受託番号KCCM11795Pを与えられた。HCJ−86のhisG遺伝子の配列解析の結果、コリネバクテリウム・グルタミカム野生型ATCC13032と配列が同一であり、hisG遺伝子に変異はないことが確認された。

0065

実施例2で製造されたHisG変異遺伝子を含むベクターを(pDC−hisG_G233H/T235Q、pDC−hisG_N215R/G233H/T235Q、pDC−hisG_N215K/L231F/T235A)コリネバクテリウム・グルタミカムHCJ−86に電気穿孔法で形質転換した後、カナマイシン25mg/Lを含有した選別培地で耐性を示す菌株を選別した。染色体上に変異遺伝子が挿入された菌株を選別するために、2次組換え過程(cross-over)を行った。Xba1−Cgl−hisG−F(配列番号3)とXba1−Cgl−hisG−R(配列番号4)プライマーを用いてPCRを行った。PCR産物の配列分析によりゲノム上に挿入されたDNA断片hisG_G233H/T235Q、hisG_N215R/G233H/T235Q、hisG_N215K/L231F/T235Aによって、hisG遺伝子が変異された菌株の取得を確認し、これらはそれぞれHCJ−96、HCJ−161、HCJ−162と命名された。

0066

このうちHCJ−161は2017年2月27日付でブダペスト条約下の国際寄託機関である韓国微生物保存センター(KCCM)に寄託し、受託番号KCCM11982Pを与えられた。

0067

また、前記2次組換え過程を経た菌株の配列を分析してhisG_N215RDNA断片のみを有する菌株を選別し、これはHCJ−163と命名された。

0068

hisG_N215R/L231F/T235A変異を有する菌株を製造するために、HCJ−161菌株にベクターpDC−hisG_N215K/L231F/T235Aを電気穿孔法で形質転換した後、カナマイシン25mg/Lを含有した選別培地で耐性を示す菌株を1次選別した。2次組換え過程(cross-over)を経た菌株の配列を分析して、hisG遺伝子に組換えが起こった菌株の中でhisG_N215R/L231F/T235A変異を含む菌株を2次選別した。このように選別された菌株はHCJ−164と命名された。

0069

hisG_N215K/G233H/T235Q変異を有する菌株を製造するために、HCJ−162菌株にベクターpDC−hisG_G233H/T235Qを電気穿孔法で形質転換した後、カナマイシン25mg/Lを含有した選別培地で耐性を示す菌株を1次選別した。2次組換え過程(cross-over)を経た菌株の配列を分析して、hisG遺伝子に組換えが起こった菌株の中でhisG_N215K/G233H/T235Q変異を含む菌株を2次選別した。このように選別された菌株は、HCJ−165と命名された。各菌株とATPホスホリボシル転移酵素(ATP phosphoribosyltransferase、HisG)の変異形質は表3の通りである。

0070

0071

実施例4.ATPホスホリボシル転移酵素の活性測定
実施例4−1.ATPホスホリボシル転移酵素の収得
種培地25mlを含有する250mlコーナーバッフルフラスコに、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032及び実施例3で選別した菌株(HCJ−96、HCJ−161、HCJ−162、HCJ−163、HCJ−164、HCJ−165)をそれぞれ接種した後、30℃で20時間200rpmで振とう培養して種培養液を得た。その後、生産培地24mlを含有する250mlコーナー バッフルフラスコに、1mlの種培養液を接種し、30℃で45時間200rpmで培養した。培養後、得られた細胞を超音波破砕した後に遠心分離し、これから得られた上澄み液をATPホスホリボシル転移酵素の活性を評価するために用いた。一方、実施例4−1で用いた培地の組成は下記の表4の通りである。

0072

0073

実施例4−2.ATPホスホリボシル転移酵素の活性測定
前記実施例4−1で得られたATPホスホリボシル転移酵素野生型とATPホスホリボシル転移酵素変異体の活性を測定した。前記酵素の活性を把握するための評価条件は、既存の文献報告を参考にして行った(非特許文献10)。

0074

前記酵素の活性の評価のために、上澄み液はタンパク質定量をして濃度を同一に合わせた。前記酵素を試料酵素とし、反応条件は定量されたタンパク質0.05mgに計500μlになるように反応組成物を混合した後、30℃で290nmのUV波長で1分30秒の間測定した。活性が低いATPホスホリボシル転移酵素野生型は、活性測定のために上澄み液のタンパク質0.3mgが使用され、290nmのUV波長で30分間測定した。前記酵素の活性を測定するための反応液の組成は以下の通りである。

0075

0076

測定した結果、前記ATPホスホリボシル転移酵素変異体は、野生型酵素よりも酵素活性が増加したことを確認できた。特にN215R/G233H/T235Q変異を有するATPホスホリボシル転移酵素変異体は、野生型酵素よりも約160倍の高い活性を示した(表6)。

0077

0078

実施例4−3.ATPホスホリボシル転移酵素変異体のヒスチジンによる活性阻害程度の測定
ATPホスホリボシル転移酵素野生型及び前記実施例4−1で得られたATPホスホリボシル転移酵素変異体のL−ヒスチジンによる活性抑制の程度を測定した。具体的には、それぞれ0mM、50mM、または100mMのL−ヒスチジンを含む前記実施例4−2の反応組成液で、前記実施例4−2に記載された方法と同様の方法で前記酵素の活性を測定した。測定した結果、前記野生型酵素は、50mM及び100mMのL−ヒスチジン濃度で活性が完全に阻害されることが確認できた。しかし、前記ATPホスホリボシル転移酵素変異体は、L−ヒスチジンにより活性阻害を少なく受けており、特に、N215R/G233H/T235Q変異を有するATPホスホリボシル転移酵素変異体100mMのL−ヒスチジンがある組成液でも最も高い活性を示した(表7)。

0079

0080

実施例5.ATPホスホリボシル転移酵素変異体が導入されたL−ヒスチジン生産菌株の生産能の測定
前記実施例3で選別された菌株のL−ヒスチジン生産能を測定し、活性が増加したATPホスホリボシル転移酵素変異体が実際にL−ヒスチジンの生産に及ぼす影響を確認した。

0081

種培地25mlを含有する250mlコーナーバッフルフラスコに、親菌株であるコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032(Corynebacterium glutamicum ATCC 13032)、及び変異株(ATCC13032−161、HCJ−96、HCJ−161、HCJ−162、HCJ−163、HCJ−164、HCJ−165)をそれぞれ接種した後、30℃で20時間200rpmで振とう培養して種培養液を得た。その後、生産培地24mlを含有する250mlコーナーバッフルフラスコに1mlの種培養液を接種し、30℃で45時間200rpmで培養してL−ヒスチジンを生産するようにした。培養終了後、液体高速クロマトグラフィーを利用してL−ヒスチジンの生産量を測定した。詳細な分析方法及び濃度は下記表8の通りである。

0082

0083

0084

その結果、野生型コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032はL−ヒスチジンを全く生成できなかったが、本願のATPホスホリボシル転移酵素変異体で形質転換されたATCC13032−161は0.5g/L生産することを確認した。また、HCJ−161は、2.3g/Lであって、親菌株であるHCJ−86に比べて43.75%増加した(表9)。HCJ−86、HCJ−96、HCJ−162、HCJ−163、HCJ−164はすべて1.6〜1.9g/L水準のヒスチジンが生成され、ATPホスホリボシル転移酵素変異体(N215R/G233H/T235Q)を有する菌株であるHCJ−161が最も高い酵素活性及びL−ヒスチジン生産能を示すことを確認した。したがって、結果的に本願のATPホスホリボシル転移酵素変異体(N215R/G233H/T235Q)を用いて、L−ヒスチジンを高効率及び高水率で生産しうることが確認できた。

0085

以上の説明から、本出願が属する技術分野の当業者は、本出願がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施されうることを理解できるだろう。これに関連し、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないものと理解しなければならない。本出願の範囲は、前記詳細な説明より、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本出願の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

0086

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