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技術 表面品質、強度、及び延性に優れためっき鋼板

出願人 ポスコ
発明者 キム、ヨン-ウ
出願日 2018年8月3日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2020-506319
公開日 2020年10月15日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-530068
状態 未査定
技術分野 薄鋼板の熱処理
主要キーワード 製品製作 平均結晶粒サイズ 市場状況 高温圧延 熱延鋼材 薄物材 高純度鋼 相分率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月15日)のものです。
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図面 (4)

課題・解決手段

熱延鋼板の表面にめっき被膜を有するめっき鋼板であって、熱延鋼板は、重量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.015%以下、Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Ti:0.05%以下(0%は除く)、B:0.01%以下(0%は除く)、残部Fe及び不可避不純物を含み、下記関係式1を満たし、その微細組織として、フェライト10〜30面積%、パーライト20〜40面積%、及びベイナイト35〜55面積%を含むめっき鋼板及びその製造方法が開示される。 [関係式1] 0.235[C]+0.0158[Mn]+0.0625[Si]+0.0423[Mo]+0.317[Ti]+1.36[Nb]≦0.075 (ここで、[C]、[Mn]、[Si]、[Mo]、[Ti]、及び[Nb]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素含有量(重量%)を意味する)

概要

背景

PEB(Pre−engineered building)工法は、支持荷重を考慮した最適の設計を介して、資材の使用を最小化する工法であって、施工コストの削減及び工事期間の短縮が可能な建築工法である。かかるPEB工法に用いられるPEB構造物は、荷重による座屈などの防止のために、優れた強度を有することが要求される。そこで、PEB構造物として用いられる鋼板の場合には、鋼中の不純物を最小限に抑えた高純度鋼にC、Si、Mn、Ti、Nb、Mo、及びVなどを添加して製造することが一般的である。

代表的に、Ti、Nb、V、Moなどを添加して、これら元素析出強化活用する方法(特許文献1、特許文献2)、CrまたはMnなどを大量に添加して強度を確保する方法(特許文献3、特許文献4)、Mn及びCr添加鋼を焼戻しアニールによって衝撃強度及び引張特性強化する方法(特許文献5)などが知られている。

さらに、最近の建設業界では、コスト削減のために、構造物の設計変更により薄物素材を従来よりも複雑な形状に加工することを希望している。したがって、このような市場状況に対応するためには、強度だけでなく、延性に優れた鋼板が必要な実情である。ところが、上述した従来技術は、C、Si、Mn、Cr、Mo、及びWなどの合金成分による固溶強化やTi、Nb、Moなどの合金成分による析出強化を介した高強度化のみに焦点を合わせているため、延性の改善には限界がある。

一方、PEB構造物は、優れた耐食性を有することが要求されることから、一般的にPEB構造物として用いられる鋼板の表面にはめっき被膜を形成するようになる。そのため、PEB構造物として用いられる鋼板の場合には、めっき前の熱延鋼板表面品質が非常に重要な要素となる。しかし、上述した従来技術の場合には、合金成分が過多となり、熱間圧延抵抗性が高いことから、2.0t未満の薄物材生産の際に高温圧延による砂状スケールが発生し、めっき品質劣化するという問題があった。

概要

熱延鋼板の表面にめっき被膜を有するめっき鋼板であって、熱延鋼板は、重量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.015%以下、Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Ti:0.05%以下(0%は除く)、B:0.01%以下(0%は除く)、残部Fe及び不可避不純物を含み、下記関係式1を満たし、その微細組織として、フェライト10〜30面積%、パーライト20〜40面積%、及びベイナイト35〜55面積%を含むめっき鋼板及びその製造方法が開示される。 [関係式1] 0.235[C]+0.0158[Mn]+0.0625[Si]+0.0423[Mo]+0.317[Ti]+1.36[Nb]≦0.075 (ここで、[C]、[Mn]、[Si]、[Mo]、[Ti]、及び[Nb]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)

目的

本発明のいくつかの目的のうちの一つは、表面品質、強度、及び延性に優れためっき鋼板及びその製造方法を提供する

効果

実績

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請求項1

熱延鋼板の表面にめっき被膜を有するめっき鋼板であって、前記熱延鋼板は、重量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.015%以下、Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Ti:0.05%以下(0%は除く)、B:0.01%以下(0%は除く)、残部Fe及び不可避不純物を含み、下記関係式1を満たす組成を有し、その微細組織として、フェライト10〜30面積%、パーライト20〜40面積%、及びベイナイト35〜55面積%を含む、めっき鋼板。[関係式1]0.235[C]+0.0158[Mn]+0.0625[Si]+0.0423[Mo]+0.317[Ti]+1.36[Nb]≦0.075(ここで、[C]、[Mn]、[Si]、[Mo]、[Ti]、及び[Nb]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素含有量(重量%)を意味する)

請求項2

前記フェライト、パーライト、及びベイナイトの分率の合計は90面積%以上である、請求項1に記載のめっき鋼板。

請求項3

前記フェライトの平均結晶粒サイズは20μm以下(0μmは除く)である、請求項1に記載のめっき鋼板。

請求項4

前記パーライトの平均コロニーサイズは30μm以下(0μmは除く)である、請求項1に記載のめっき鋼板。

請求項5

前記めっき被膜は、重量%で、Mg:10%以下(0%は除く)、Al:5%以下(0%は除く)、残部Zn及び不可避不純物を含む、請求項1に記載のめっき鋼板。

請求項6

前記めっき鋼板は450〜600MPaの降伏強度を有する、請求項1に記載のめっき鋼板。

請求項7

前記めっき鋼板の降伏強度と伸び率の積は8,500MPa・%以上である、請求項1に記載のめっき鋼板。

請求項8

前記熱延鋼板は、板厚2.0mm未満の薄物材である、請求項1に記載のめっき鋼板。

請求項9

重量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.015%以下、Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Ti:0.05%以下(0%は除く)、B:0.01%以下(0%は除く)、残部Fe及び不可避不純物を含み、下記関係式1を満たすスラブを1100〜1300℃で再加熱する段階と、前記再加熱されたスラブをAr3℃以上の温度で仕上げ圧延して熱延鋼板を得る段階と、前記熱延鋼板を下記式1で定義されるVc〜(Vc+30)℃/sの速度で冷却してから巻取る段階と、前記巻取られた熱延鋼板を溶融めっき浴に浸漬して溶融めっきする段階と、を含む、めっき鋼板の製造方法。[関係式1]0.235[C]+0.0158[Mn]+0.0625[Si]+0.0423[Mo]+0.317[Ti]+1.36[Nb]≦0.075(ここで、[C]、[Mn]、[Si]、[Mo]、[Ti]、及び[Nb]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)[式1]Vc=158.0−156.6[C]+246.6[Si]−40.32[Mn]−25.74[Cr]−73.26[Ni]−8820[B]−1483.2[Ti]+1108.8[Nb]−291.6[Mo]−1092.6[V](ここで、前記[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]、[Ni]、[B]、[Ti]、[Nb]、[Mo]、及び[V]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)

請求項10

前記仕上げ圧延は、下記式2で定義される(FDT−20)℃から(FDT+20)℃の範囲で行われる、請求項9に記載のめっき鋼板の製造方法。[式2]FDT(℃)=1002.1−353[C]+43.9[Si]−74.1[Mn]−20.4[Cu]−19.9[Cr]−45.6[Ni]−80[Mo](ここで、前記[C]、[Si]、[Mn]、[Cu]、[Cr]、[Ni]、及び[Mo]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)

請求項11

前記巻取りは、下記式3で定義される(CT−20)℃から(CT+20)℃の範囲で行われる、請求項9に記載されためっき鋼板の製造方法。[式3]CT=751.7−357.3[C]−85.3[Mn]−35[Si]−73[Cr]−36[Ni]−84.4[Mo](ここで、前記[C]、[Mn]、[Si]、[Cr]、[Ni]、及び[Mo]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)

請求項12

前記溶融めっき浴は、重量%で、Mg:10%以下(0%は除く)、Al:5%以下(0%は除く)、残部Zn及び不可避不純物を含む、請求項9に記載されためっき鋼板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、表面品質、強度、及び延性に優れためっき鋼板に関し、より詳細には、PEB(Pre−engineered building)構造物として好ましく用いられることができる表面品質、強度、及び延性に優れためっき鋼板に関する。

背景技術

0002

PEB(Pre−engineered building)工法は、支持荷重を考慮した最適の設計を介して、資材の使用を最小化する工法であって、施工コストの削減及び工事期間の短縮が可能な建築工法である。かかるPEB工法に用いられるPEB構造物は、荷重による座屈などの防止のために、優れた強度を有することが要求される。そこで、PEB構造物として用いられる鋼板の場合には、鋼中の不純物を最小限に抑えた高純度鋼にC、Si、Mn、Ti、Nb、Mo、及びVなどを添加して製造することが一般的である。

0003

代表的に、Ti、Nb、V、Moなどを添加して、これら元素析出強化活用する方法(特許文献1、特許文献2)、CrまたはMnなどを大量に添加して強度を確保する方法(特許文献3、特許文献4)、Mn及びCr添加鋼を焼戻しアニールによって衝撃強度及び引張特性強化する方法(特許文献5)などが知られている。

0004

さらに、最近の建設業界では、コスト削減のために、構造物の設計変更により薄物素材を従来よりも複雑な形状に加工することを希望している。したがって、このような市場状況に対応するためには、強度だけでなく、延性に優れた鋼板が必要な実情である。ところが、上述した従来技術は、C、Si、Mn、Cr、Mo、及びWなどの合金成分による固溶強化やTi、Nb、Moなどの合金成分による析出強化を介した高強度化のみに焦点を合わせているため、延性の改善には限界がある。

0005

一方、PEB構造物は、優れた耐食性を有することが要求されることから、一般的にPEB構造物として用いられる鋼板の表面にはめっき被膜を形成するようになる。そのため、PEB構造物として用いられる鋼板の場合には、めっき前の熱延鋼板の表面品質が非常に重要な要素となる。しかし、上述した従来技術の場合には、合金成分が過多となり、熱間圧延抵抗性が高いことから、2.0t未満の薄物材生産の際に高温圧延による砂状スケールが発生し、めっき品質劣化するという問題があった。

先行技術

0006

特開平23−102434号公報
特開平16−359974号公報
欧州公開特許第1375694号公報
韓国公開特許第1997−7002384号公報
国際公開特許第2011−154831号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明のいくつかの目的のうちの一つは、表面品質、強度、及び延性に優れためっき鋼板及びその製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一側面は、熱延鋼板の表面にめっき被膜を有するめっき鋼板であって、上記熱延鋼板は、重量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.015%以下、Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Ti:0.05%以下(0%は除く)、B:0.01%以下(0%は除く)、残部Fe及び不可避不純物を含み、下記関係式1を満たす組成を有し、その微細組織として、フェライト10〜30面積%、パーライト20〜40面積%、及びベイナイト35〜55面積%を含むめっき鋼板を提供する。
[関係式1]
0.235[C]+0.0158[Mn]+0.0625[Si]+0.0423[Mo]+0.317[Ti]+1.36[Nb]≦0.075
(ここで、[C]、[Mn]、[Si]、[Mo]、[Ti]、及び[Nb]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)

0009

本発明の他の側面は、重量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.015%以下、Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Ti:0.05%以下(0%は除く)、B:0.01%以下(0%は除く)、残部Fe及び不可避不純物を含み、下記関係式1を満たす組成を有するスラブを1100〜1300℃で再加熱する段階と、上記再加熱されたスラブをAr3℃以上の温度で仕上げ圧延して熱延鋼板を得る段階と、上記熱延鋼板を下記式1で定義されるVc〜(Vc+30)℃/sの速度で冷却してから巻取る段階と、上記巻取られた熱延鋼板を溶融めっき浴に浸漬して溶融めっきする段階と、を含むめっき鋼板の製造方法を提供する。
[関係式1]
0.235[C]+0.0158[Mn]+0.0625[Si]+0.0423[Mo]+0.317[Ti]+1.36[Nb]≦0.075
(ここで、[C]、[Mn]、[Si]、[Mo]、[Ti]、及び[Nb]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)
[式1]Vc=158.0−156.6[C]+246.6[Si]−40.32[Mn]−25.74[Cr]−73.26[Ni]−8820[B]−1483.2[Ti]+1108.8[Nb]−291.6[Mo]−1092.6[V]
(ここで、上記[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]、[Ni]、[B]、[Ti]、[Nb]、[Mo]、及び[V]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)

発明の効果

0010

本発明のいくつかの効果のうちの一つとして、本発明によるめっき鋼板は、表面欠陥が発生しないなど、表面品質に非常に優れるだけでなく、降伏強度及び伸び率バランスに優れるという長所がある。

0011

本発明の様々且つ有意義な長所及び効果は上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でさらに簡単に理解されることができる。

図面の簡単な説明

0012

(a)は比較例2のめっき鋼板の表面を観察した写真であり、(b)は発明例1のめっき鋼板の表面を観察した写真である。
発明例及び比較例の降伏強度に対する伸び率を示したグラフである。

0013

以下、本発明の一側面である表面品質、強度、及び延性に優れためっき鋼板について詳細に説明する。

0014

本発明の一側面である表面品質、強度、及び延性に優れためっき鋼板は、熱延鋼板及び熱延鋼板の表面に形成されためっき被膜を含む。めっき被膜は、重量%で、Mg:10%以下(0%は除く)、Al:5%以下(0%は除く)、残部Zn及び不可避不純物を含むことができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。

0015

以下、熱延鋼板の合金成分及び好ましい含有量の範囲について詳細に説明する。後述する各成分の含有量は、特に言及しない限り、すべて重量基準であることを予め明らかにしておく。

0016

C:0.15〜0.25%
Cは、強度を確保するのに最も経済的であり、且つ効果的な元素である。C含有量が低すぎる場合には、目標とする強度の確保が難しくなりうる。したがって、C含有量は、0.15%以上であることが好ましく、0.16%以上であることがより好ましい。これに対し、その含有量が多すぎる場合には、過度強度上昇により延性が劣化する可能性がある。したがって、C含有量は、0.25%以下であることが好ましく、0.22%以下であることがより好ましい。

0017

Si:0.5%以下
Siは、溶鋼脱酸及び固溶強化による強度上昇に寄与するが、本発明では、意図的に添加せず、Siを添加しなくても、物性の確保の面では大きな支障がない。一方、その含有量が多すぎる場合には、熱延鋼板の表面にSiによる赤スケールが形成されて表面品質が低下し、めっきの品質が低下する可能性がある。場合に応じて、上記Si含有量は、0%を除外することができる。

0018

Mn:0.5〜2.0%
Mnは、鋼を固溶強化させるのに効果的な元素であって、適正強度を確保するために、0.5%以上添加される必要があり、好ましくは0.6%以上添加される必要がある。但し、その含有量が多すぎる場合には、連続鋳造工程で中心偏析部が発生するおそれがある。したがって、Mn含有量は、2.0%以下であることが好ましく、1.8%以下であることがより好ましい。

0019

P:0.03%以下
Pは、鋼中に必然的に含まれる不純物であって、可能な限りその含有量を低く管理することが好ましい。特に、その含有量が多すぎる場合には、溶接性の劣化及び鋼の脆性が発生するおそれが大きくなる。したがって、本発明では、その含有量を0.03%以下に管理する。場合に応じて、上記P含有量は、0%を除外することができる。

0020

S:0.015%以下
Sは、鋼中に必然的に含まれる不純物であって、可能な限りその含有量を低く管理することが好ましい。特に、その含有量が多すぎる場合には、Mnなどと組み合わせて非金属介在物を形成することがあり、鋼の脆性が発生するおそれが大きくなる。したがって、本発明では、その含有量を0.015%以下に管理する。場合に応じて、上記S含有量は、0%を除外することができる。

0021

Al:0.05%以下
Alは、溶鋼の脱酸に寄与するが、本発明では、意図的に添加せず、Alを添加しなくても物性の確保の面では大きな支障がない。一方、その含有量が多すぎる場合には、連続鋳造の際におけるノズル詰まりなどが発生する可能性がある。したがって、本発明では、その含有量を0.05%以下に管理する。場合に応じて、上記Al含有量は、0%を除外することができる。

0022

N:0.01%以下
Nは、鋼の強度向上に寄与するが、本発明では、意図的に添加せず、Nを添加しなくても物性の確保の面では大きな支障がない。一方、その含有量が多すぎる場合には、鋼の脆性が発生するおそれが大きくなる。したがって、本発明では、その含有量を0.01%以下に管理する。場合に応じて、上記N含有量は、0%を除外することができる。

0023

Ti:0.05%以下(0%は除く)
Tiは、鋼中にTiNとして存在して熱間圧延のための加熱過程において結晶粒成長することを抑制するという効果がある。また、ボロン添加鋼でBがNと反応しないように、Nをなくす役割を果たす。但し、その含有量が多すぎる場合には、過度なTiNの析出によって連続鋳造の際にノズル詰まるおそれがある。したがって、Ti含有量は、0.05%以下であることが好ましく、0.04%以下であることがより好ましく、0.03%以下であることがさらに好ましい。また、上述した効果を得るためには、Tiが鋼中に添加される必要があるため、Ti含有量は、0%を除外する。一方、本発明では、Ti含有量の下限については特に限定しないが、十分な結晶粒成長抑制効果を確保するという面から、その下限を0.01%に限定してもよい。

0024

B:0.01%以下(0%は除く)
Bは、Siの代替元素として含有されることもあり、極微量で焼入れ性を向上させ、結晶粒界を強化させることで強度を向上させる。但し、その含有量が多すぎる場合には、過度なBNの析出により表面品質が劣化するおそれがある。したがって、B含有量は、0.01%以下であることが好ましく、0.008%以下であることがより好ましく、0.005%以下であることがさらに好ましい。また、上述した効果を得るためには、Bが鋼中に添加される必要があるため、B含有量は、0%を除外する。一方、本発明では、B含有量の下限については特に限定しないが、十分な焼き入れ性を確保するという面から、その下限を0.0005%、より好ましくは0.001%に限定してもよい。

0025

上記組成以外の残りはFeである。但し、通常の製造工程では原料又は周囲環境から意図しない不純物が不可避混入するため、これを排除することはできない。これらの不純物は、当該技術分野における通常の知識を有する技術者であれば容易に理解されるものであるため、本明細書ではそのすべての内容について特に言及しない。一方、上記組成に加えて、有効な成分の添加が排除されるものではない。

0026

一方、上記のような成分範囲を有する鋼材合金設計の際には、下記関係式1を満たすように制御することが好ましい。下記関係式1は、鋼板の表面品質を因子化したものであって、下記関係式1を満たす場合には、熱間圧延の抵抗の減少により熱間圧延の仕上げ温度を900℃未満に確保することができる。これにより、熱間圧延中の高温圧延による砂状スケールが発生しないため、最終のめっき後の表面品質に優れためっき鋼板を確保することができるようになる。下記関係式1を満たさない場合には、熱間圧延の際の高温圧延による砂状スケールが発生し、めっき品質が劣化する可能性がある。
[関係式1]
0.235[C]+0.0158[Mn]+0.0625[Si]+0.0423[Mo]+0.317[Ti]+1.36[Nb]≦0.075
(ここで、[C]、[Mn]、[Si]、[Mo]、[Ti]、及び[Nb]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)

0027

以下、鋼板の微細組織について詳細に説明する。

0028

本発明のめっき鋼板の素地となる熱延鋼板は、その微細組織として、フェライト10〜30面積%、パーライト20〜40面積%、及びベイナイト35〜55面積%を含み、より好ましくは、フェライト15〜25面積%、パーライト25〜35面積%、及びベイナイト40〜50面積%を含むことができる。上記のような相分率が確保されない場合には、強度又は延性の低下により目標とする強度及び延性のバランスを確保することが難しくなりうる。本発明の一実施形態によると、上記フェライト、パーライト、及びベイナイトの分率の合計は90面積%以上であることができる。

0029

一例によると、フェライトの平均結晶粒サイズは、20μm以下(0μmは除く)であることができ、より好ましくは、15μm以下(0μmは除く)であることができる。フェライトの平均結晶粒サイズが20μmを超えると、目標とする強度の確保が難しくなりうる。一方、フェライトの平均結晶粒サイズが小さいほど強度の確保に有利であるため、本発明では、その下限については特に限定しない。ここで、結晶粒サイズとは、鋼の一断面を観察して検出した粒子円相当直径(equivalent circular diameter)を意味する。

0030

一例によると、パーライトの平均コロニーサイズは、30μm以下(0μmは除く)であることができ、より好ましくは、20μm以下(0μmは除く)であることができる。パーライトのコロニーサイズが30μmを超えると、延性が劣化し、目標とする優れた強度及び延性の組み合わせの確保が難しくなりうる。特に、曲げ成形性が劣化するため、最終の製品製作の際にクラックが発生するおそれがある。一方、パーライトの平均コロニーサイズが小さいほど強度の確保に有利であるため、本発明では、その下限については特に限定しない。ここで、コロニーサイズとは、パーライトの内部を観察して検出した方位差15度以上のバランスの傾角粒界区分される粒子の円相当直径を意味する。

0031

一方、本発明では、フェライト、パーライト、及びベイナイトの他の残部組織については特に限定せず、場合によっては、マルテンサイトセメンタイト、及び残留オーステナイトのうち1種以上の第2相をさらに含むことができる。但し、かかる第2相はすべて硬い相であるため、その面積率が高くなりすぎる場合には、強度が高く、延性が低いことから、強度及び延性の組み合わせが劣化するおそれがある。したがって、これらの面積率の合計は、10%以下に制御することが好ましく、5%以下に制御することがより好ましい。

0032

本発明のめっき鋼板は、降伏強度が高いという利点がある。一例によると、450〜600MPaの降伏強度を有することができる。

0033

また、本発明のめっき鋼板は、強度及び延性のバランスに優れるという利点がある。一例によると、降伏強度と伸び率の積が8,500MPa・%以上であることができる。

0034

以上で説明した本発明のめっき鋼板は、様々な方法で製造することができるが、その製造方法は特に制限されない。但し、好ましい一例として、次のような方法により製造することができる。

0035

以下、本発明の他の一側面である強度及び延性に優れためっき鋼板の製造方法について詳細に説明する。

0036

まず、上述した成分系を有するスラブを1100〜1300℃で再加熱する。再加熱温度が1100℃未満の場合には、後続工程である熱間圧延工程で圧延負荷が大きくなりすぎる可能性がある。これに対し、1300℃を超えると、一部のオーステナイト結晶粒の異常成長により部分的に粗大となり、最終の微細組織の結晶粒サイズが均質ではなくなるおそれがある。一方、本発明では、スラブ再加熱時間については特に限定しないが、通常の条件であればよい。制限されない一例として、スラブ再加熱時間は、100〜400分であることができる。

0037

次に、再加熱されたスラブを粗圧延した後、オーステナイト単相域温度(Ar3℃以上の温度)で仕上げ圧延して熱延鋼材を得る。ここで、粗圧延とは、仕上げ圧延前に行われる一連中間圧延過程を意味する。本発明では、粗圧延の具体的な条件については特に限定せず、通常の条件であればよい。制限されない一例として、再加熱されたスラブの厚さに対する粗圧延されたスラブの厚さは、10〜25%であることができる。尚、粗圧延温度は、仕上げ圧延温度が確保されることができる十分に高い温度に設定することができる。

0038

一例によると、仕上げ圧延は、下記式2で定義される(FDT−20)℃から(FDT+20)℃の範囲で行うことができる。仕上げ圧延温度がFDT+20℃を超えると、スラブのオーステナイト結晶粒が粗大化し、最終のフェライト結晶粒及びパーライトのコロニーサイズが粗大となって強度が低下する可能性があり、結果として、目標とする優れた強度及び延性の組み合わせの確保が難しくなりうる。これに対し、仕上げ圧延温度がFDT−20℃未満の場合には、二相域圧延による混粒組織の発生により延性が低下する可能性があり、熱間圧延の際に圧延荷重が大幅に増加し、生産性が低下する可能性がある。併せて、上記混粒組織とは、粒度が異なる結晶粒が混在することを意味する。一方、上記温度範囲において仕上げ圧延を行う際に、仕上げ圧延された熱延鋼材のオーステナイト組織は、10〜40μmの平均粒径を有するようになる。
[式2]
FDT(℃)=1002.1−353[C]+43.9[Si]−74.1[Mn]−20.4[Cu]−19.9[Cr]−45.6[Ni]−80[Mo]
(ここで、上記[C]、[Si]、[Mn]、[Cu]、[Cr]、[Ni]、及び[Mo]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)

0039

次に、熱延鋼板を下記式1で定義されるVc℃/s以上(Vc+30)℃/s以下の冷却速度で冷却してから巻取る。冷却速度がVc℃/s未満の場合には、フェライト及びパーライトの分率が本発明で制限する範囲を超えて所望の強度の確保が難しくなりうる。これに対し、(Vc+30)℃/sを超えると、ベイナイト又は2相の分率が、本発明の制限範囲を上回り、延性が低下し、優れた降伏強度及び延性の組み合わせを得ることができなくなる。
[式1]Vc=158.0−156.6[C]+246.6[Si]−40.32[Mn]−25.74[Cr]−73.26[Ni]−8820[B]−1483.2[Ti]+1108.8[Nb]−291.6[Mo]−1092.6[V]
(ここで、上記[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]、[Ni]、[B]、[Ti]、[Nb]、[Mo]、及び[V]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)

0040

一例によると、巻取りは、下記式3で定義される(CT−20)℃から(CT+20)℃の範囲で行うことができる。巻取り温度が(CT+20)℃を超えると、粗大なフェライト及びパーライトが形成され、降伏強度が低下する可能性があり、目標とする降伏強度×伸び率の値を得ることができなくなる。これに対し、巻取り温度がCT−20℃未満の場合には、延性が劣化する可能性がある。より具体的には、巻取り温度がCT−20℃未満の場合には、ベイナイトが過度に形成され、本発明が提示する分率を超えて降伏強度は増加するが、延性が劣化し、目標とする降伏強度×伸び率の値を得ることができなくなる。したがって、上記温度範囲で巻取り温度を制御して冷却する場合には、本発明が提案する好ましい微細組織を有する熱延鋼板を得ることができる。
[式3]
CT=751.7−357.3[C]−85.3[Mn]−35[Si]−73[Cr]−36[Ni]−84.4[Mo]
(ここで、上記[C]、[Mn]、[Si]、[Cr]、[Ni]、及び[Mo]はそれぞれ、鋼板に含有された該当元素の含有量(重量%)を意味する)

0041

次に、巻取られた熱延鋼板を溶融めっきする過程が後続する。本発明の一実施形態による上記溶融めっき過程は、重量%で、Mg:10%以下(0は除く)、Al:5%以下(0は除く)、及び残部Zn及びその他の不可避不純物からなる溶液で溶融めっきして行うことができる。

0042

以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示してより詳細に説明するためのもので、本発明の権利範囲を限定するためのものではないことに留意する必要がある。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に記載された事項及びこれから合理的に類推される事項によって決定されるためである。

0043

(実施例)
下記表1に記載された成分系(それぞれの鋼種において不純物であるP、Sの含有量はそれぞれ、0.03重量%以下、0.015重量%以下に管理する、また、Cu含有量は0重量%、N含有量は0.005重量%である)を有する鋼スラブを1200℃に加熱し、下記表2に記載される熱間仕上げ圧延温度熱間仕上げ圧延を行うことで熱延鋼板を得た。その後、熱延鋼板を下記表2に記載されている巻取り温度まで冷却速度(CR、℃/s)で冷却を行ってから巻取った。次に、巻取られた熱延鋼板に対して溶融めっきを行った。

0044

その後、製造されためっき鋼板の微細組織を分析し、機械的物性を評価して、その結果を下記表3に示した。下記表3の微細組織のうち、Fはフェライト、Pはパーライト、Bはベイナイトを意味し、結晶粒サイズのうち、Fはフェライトの平均結晶粒サイズ、Pはパーライトの平均コロニーサイズを意味する。尚、下記表3の機械的物性のうち、YPは降伏強度、TSは引張強度、Elは伸び率を意味する。

0045

また、めっき後の表面品質を肉眼で測定し、その結果を下記表3にともに示し、スケールや引裂きなどといった表面欠陥が検出された場合を「×」、表面欠陥が検出されなかった場合を「O」と評価した。

0046

0047

0048

0049

上記表3から分かるように、本発明で提案する合金組成及び製造条件をすべて満たす発明例1〜9の場合には、表面欠陥が発生せず、表面品質に優れ、降伏強度と伸び率の積が8,500MPa・%以上と強度及び延性のバランスに優れる。

0050

これに対し、比較例1及び4の場合には、冷却速度(CR)が本発明の制限範囲に達していないため、フェライト分率が高くなり、結果として、降伏強度が低くなり、降伏強度と伸び率の積が劣化した。

0051

比較例2の場合には、関係式1が本発明の制限範囲を超えて熱間仕上げ圧延温度(FDT)が本発明の制限範囲を超えたことから、スケールによる表面欠陥が発生し、めっき表面が劣化した。

0052

比較例3の場合には、関係式1及び冷却速度が本発明の制限範囲をすべて超えたことから、表面品質も劣化し、降伏強度と伸び率の積も劣化した。

0053

比較例5の場合には、巻取り温度が本発明の制限範囲を超えたことから、強度が過度に高く、伸び率が劣化し、結果として、降伏強度と伸び率の積が劣化した。

0054

比較例6の場合には、合金組成は本発明の範囲を満たしているが、仕上げ圧延温度がAr3よりも低かったため、フェライト分率が圧延中に過度に生成され、十分な降伏強度を確保することができなかった。

0055

比較例7及び8の場合には、冷却速度が本発明で規定する範囲を満たしていなかったため、結果として、フェライト及びパーライトの分率が本発明で制御する値よりも高く、ベイナイト分率が低いことから、十分な降伏強度を得ることができなかった。

0056

一方、図1(a)は比較例2のめっき鋼板の表面を観察した写真であり、図1(b)は発明例1のめっき鋼板の表面を観察した写真である。また、図2は発明例及び比較例の降伏強度に対する伸び率を示したグラフである。

実施例

0057

以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。

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