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図面 (8)

課題・解決手段

本開示は、生バイオ治療薬製品プロバイオティクス、該プロバイオティクスを含む医薬組成物、およびこれらを用いて種々のヒト疾患処置する方法に関する。いくつかの態様において、本開示は、細菌ストレプトコッカス・オーストラリス(Streptococcus australis)の株を含むそのような組成物、および代謝関連の疾患または障害を処置する上での該組成物の使用を提供する。

概要

背景

背景
腸内細菌叢は、宿主生物の健康において有意な役割を担っている多種多様微生物、主として原核生物を含む。腸内細菌叢の操作は健康上の利益を提供することができ、いくつかの疾患および障害処置する上で有効であることを示す研究が増加の一途であるため、腸内細菌叢の複雑性は、その集団形成および混成機能の両方の点で、近年激しい研究領域となってきた。現に、生きた細菌および酵母を含有するいくつかのプロバイオティクス市場に出ており、ヒトの体内で自然に存在するこれらの微生物の利点を増大させると考えられている。生バイオ治療薬製品(LBP)は、ますます、疾患の処置における管理された臨床試験および規制承認のために開発されている。これらの疾患は、多面的であり、無数の方法で診断上存在する。

治療薬の開発について当技術分野において大いなる必要性があり、これは、血糖恒常性回復させることができるだけでなく、個体におけるその関係する合併症も処置することができる。研究は、不適切に機能している血糖の制御および調節が、多種多様な代謝症候群、状態、および/または障害をもたらし得ることを実証してきた。本明細書で教示する生バイオ治療薬製品、プロバイオティクスおよびその組成物は、いくつかのヒトの健康の態様を、疾患、状態、または代謝因子もしくは炎症性因子における何らかのわずかな不均衡を予防しまたは処置するために恒常性を回復させて確立することができるレベルまで回復させる。

概要

本開示は、生バイオ治療薬製品、プロバイオティクス、該プロバイオティクスを含む医薬組成物、およびこれらを用いて種々のヒト疾患を処置する方法に関する。いくつかの態様において、本開示は、細菌ストレプトコッカス・オーストラリス(Streptococcus australis)の株を含むそのような組成物、および代謝関連の疾患または障害を処置する上での該組成物の使用を提供する。

目的

加えて、本明細書で使用する「薬剤」という用語は、治療上のおよび/または有益な効果を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

代謝障害処置することを必要とする対象において代謝障害を処置するための方法であって、a.前記対象へ、i.治療有効量の単離されたストレプトコッカス・オーストラリス(Streptococcusaustralis(S.オーストラリス(S.australis)))細菌株と、ii.薬学的に許容される担体とを含む組成物投与することを含む、方法。

請求項2

前記S.オーストラリスが生存可能である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記代謝障害が、高血糖2型糖尿病、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記代謝障害が1型糖尿病ではない、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記対象が、約125mg/dLよりも高いまたは約130mg/dLよりも高い空腹時血中グルコース値を呈している、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記対象が、75グラム経口グルコース負荷試験について、約140mg/dLよりも高い2時間値を呈している、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記治療有効量のS.オーストラリスが、約1×107〜1×1012コロニー形成単位(CFU)のS.オーストラリスを含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記組成物を前記対象へ1日に1回、2回または3回、少なくとも約1〜52週の期間にわたって投与することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記組成物の初回投与前の前記対象の空腹時血中グルコース値の少なくとも約5%、10%、20%、30%または40%の前記対象の空腹時血中グルコース値の低減を結果としてもたらす、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記対象の空腹時血中グルコース値の前記低減が、前記組成物の前記初回投与の1か月後、2か月後、3か月後、4か月後、5か月後、6か月後、7か月後、8か月後、9か月後、10か月後、11か月後、または12か月後に測定される、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記S.オーストラリス細菌株が、配列番号1と少なくとも97%同一である16SrRNA配列、および/または配列番号2と少なくとも97%同一である16SrRNA配列を有する、請求項1に記載の方法。

請求項12

前記S.オーストラリス細菌株が、配列番号1と少なくとも98%同一である16SrRNA配列、配列番号2と少なくとも98%同一である16SrRNA配列を有する、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記S.オーストラリス細菌株が、配列番号1と少なくとも99%同一である16SrRNA配列、および/または配列番号2と少なくとも99%同一である16SrRNA配列を有する、請求項1に記載の方法。

請求項14

前記S.オーストラリス細菌株が、配列番号1と100%同一である16SrRNA配列、および/または配列番号2と100%同一である16SrRNA配列を有する、請求項1に記載の方法。

請求項15

液中のグルコース値を低減させる必要のある対象において血液中のグルコース値を低減させるための方法であって、前記対象へ、i.治療有効量の単離されたS.オーストラリス細菌株と、ii.薬学的に許容される担体とを含む組成物を投与することを含む、方法。

請求項16

前記対象の前記血液が、前記組成物を投与する前に125mg/dLよりも高いグルコース値を有する、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記組成物が経口摂取用に製剤化される、請求項15に記載の方法。

請求項18

前記組成物が、可食性製品である、請求項15に記載の方法。

請求項19

前記組成物が、錠剤カプセル剤液剤、または液状懸濁剤として製剤化される、請求項15に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書により援用される2017年8月6日出願の米国仮出願第62/541,759号に対する優先権の利益を主張する。

0002

電子提出したテキストファイルの説明
本明細書と共に電子提出した次のテキストファイルの内容は、その全体が参照により本明細書に援用される:配列表ファイル名:SEGE_019_01WO_SeqList_ST25.txt、作成日2018年8月2日、ファイルサイズ約4.22キロバイトコンピュータ可読フォーマットコピー

0003

分野
本開示は、生細菌を含む治療処置のための新規のかつ治療上有効な組成物および方法に関する。微生物組成物はとりわけ、対象における健常なグルコース恒常性を取り戻す上で適用される。高血糖糖尿病ならびに異常な代謝調節および/または消化管疾患と関係する状態および疾患状態処置寛解および/または予防における組成物の使用が想定される。

背景技術

0004

背景
腸内細菌叢は、宿主生物の健康において有意な役割を担っている多種多様微生物、主として原核生物を含む。腸内細菌叢の操作は健康上の利益を提供することができ、いくつかの疾患および障害を処置する上で有効であることを示す研究が増加の一途であるため、腸内細菌叢の複雑性は、その集団形成および混成機能の両方の点で、近年激しい研究領域となってきた。現に、生きた細菌および酵母を含有するいくつかのプロバイオティクス市場に出ており、ヒトの体内で自然に存在するこれらの微生物の利点を増大させると考えられている。生バイオ治療薬製品(LBP)は、ますます、疾患の処置における管理された臨床試験および規制承認のために開発されている。これらの疾患は、多面的であり、無数の方法で診断上存在する。

0005

治療薬の開発について当技術分野において大いなる必要性があり、これは、血糖の恒常性を回復させることができるだけでなく、個体におけるその関係する合併症も処置することができる。研究は、不適切に機能している血糖の制御および調節が、多種多様な代謝症候群、状態、および/または障害をもたらし得ることを実証してきた。本明細書で教示する生バイオ治療薬製品、プロバイオティクスおよびその組成物は、いくつかのヒトの健康の態様を、疾患、状態、または代謝因子もしくは炎症性因子における何らかのわずかな不均衡を予防しまたは処置するために恒常性を回復させて確立することができるレベルまで回復させる。

0006

本開示の概要
いくつかの実施形態において、処置必要とする対象へ、治療有効量の生菌を含む組成物を投与することを含む、該対象を処置するための方法が提供され、生菌は、ストレプトコッカス・オーストラリス(Streptococcus australis(S.オーストラリス(S.australis)))であり、S.オーストラリス菌は、配列番号1と少なくとも75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%または100%同一である16SrRNA遺伝子を含む。

0007

いくつかの実施形態において、高血糖を経験しているまたは高血糖と診断された対象を処置する方法が提供される。

0008

いくつかの実施形態において、対象におけるグルコース恒常性を改善する方法が提供される。

0009

いくつかの実施形態において、対象は、代謝障害と診断されているかまたは代謝障害に罹患している。

0010

いくつかの実施形態において、代謝障害は、高血糖、高インスリン血症糖尿病前症1型糖尿病、肥満2型糖尿病、メタボリックシンドローム心臓代謝リスク高血圧、脂質異常症、インスリン抵抗性、高インスリン血症、脂肪肝腎疾患心血管疾患脳血管障害、および末梢血管からなる群から選択される。他の実施形態において、代謝障害は、高血糖、インスリン抵抗性、および2型糖尿病からなる群から選択される。さらに他の実施形態において、代謝障害は高血糖である。

0011

いくつかの実施形態において、対象は、2型糖尿病と診断されていない。他の実施形態において、対象は、1型糖尿病と診断されていない。

0012

いくつかの実施形態において、対象は、約125mg/dLまたは130mg/dLよりも高い、空腹時血中グルコース値を呈している。

0013

いくつかの実施形態において、対象は、75グラム経口グルコース負荷試験について、約140mg/dLよりも高い、2時間値を呈している。

0014

いくつかの実施形態において、投与することは結果として、組成物の初回投与前の対象の空腹時血中グルコース値の少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%または40%の対象の空腹時血中グルコース値の低減をもたらす。

0015

いくつかの実施形態において、対象の空腹時血中グルコース値の低減は、組成物の初回投与の1か月後、2か月後、3か月後、4か月後、5か月後、6か月後、7か月後、8か月後、9か月後、10か月後、11か月後、または12か月後に測定される。

0016

いくつかの実施形態において、対象は、消化管疾患と診断されている。他の実施形態において、消化管疾患は、腸上皮関門機能の低減と関係している。なおも他の実施形態において、消化管疾患は、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)、過敏性腸症候群(IBS)、胃腸粘膜炎、化学療法誘発性粘膜炎放射線誘発性粘膜炎壊死性腸炎回腸嚢炎、機能的下痢、機能的消化不良、機能的便秘、機能的腹痛、機能的腹部膨満心窩部痛症候群、食後窮迫症候群、消化管逆流疾患(GERD)およびこれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択される。

0017

いくつかの実施形態において、本方法は、組成物を対象へ1日1回、2回または3回、約1〜52週の期間にわたって投与することを含む。他の実施形態において、本方法は、組成物を対象へ1日1回、2回または3回、1年超の期間にわたって投与することを含む。

0018

いくつかの実施形態において、S.オーストラリスは、配列番号2と少なくとも75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%または100%同一である16SrRNA遺伝子を含む。

0019

いくつかの実施形態において、S.オーストラリスは、S.オーストラリスGenBank受入番号NZ_AFD01000002と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%、99.99%、99.999%、または100%同一であるゲノムを含む。他の実施形態において、同一性百分率は、参照ゲノム配列全体の80%、85%、90%、95%、98%、99%、99.5%99.9%、99.99%、99.999%、または100%以上で計算される。さらに他の実施形態において、配列同一性は、BLASTプログラムを用いて計算される。

0020

いくつかの実施形態において、S.オーストラリスとは、ATCC700641として寄託された株である。

0021

いくつかの実施形態において、組成物中のS.オーストラリスは、生存可能である。

0022

いくつかの実施形態において、治療有効量のS.オーストラリスは、約1×107〜1×1012コロニー形成単位(CFU)を含む。

0023

いくつかの実施形態において、S.オーストラリスを含んでいる組成物は、錠剤カプセル剤液剤、および液状懸濁剤からなる群から選択される。

0024

いくつかの実施形態において、S.オーストラリスを含んでいる組成物は、ヨーグルトチーズ、乳、食肉クリーム、またはチョコレートからなる群から選択される、食品を基にした製品である。

0025

いくつかの実施形態において、S.オーストラリスを含んでいる組成物は、ペットフードである。他の実施形態において、ペットは、イヌネコ、またはウシである。

図面の簡単な説明

0026

実施例1に説明するように、高脂肪食誘導性肥満マウスにおける正規化グルコース負荷試験(GTT)の結果を提示することによる、グルコース恒常性に及ぼすS.オーストラリスを用いた処理の効果を示す。
実施例1に説明するように、高脂肪食誘導性肥満マウスにおける正規化GTT(図1)からの曲線下面積(AUC)を提示することによる、グルコース恒常性に及ぼすS.オーストラリスを用いた処理の効果を示す。
図3Aおよび3Bは、実施例2に説明するように、高脂肪食誘導性肥満マウスにおける精巣上体脂肪重量図3A)および皮下脂肪重量図3B)に及ぼすS.オーストラリスを用いた処理の効果を示す。
図4Aおよび4Bは、実施例2に説明するように、高脂肪食誘導性肥満マウスにおける体重に及ぼすS.オーストラリスを用いた処理の効果を示す。
実施例3に説明するように、高脂肪食誘導性肥満マウスにおける脂質酸化と関係する遺伝子、すなわち、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ(pparα、図5A発現に及ぼすS.オーストラリスを用いた処理の効果を示す。
実施例3に説明するように、高脂肪食誘導性肥満マウスにおける脂質酸化と関係する遺伝子、すなわち、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1A(cpt−1α、図5B)の発現に及ぼすS.オーストラリスを用いた処理の効果を示す。
実施例3に説明するように、高脂肪食誘導性肥満マウスにおける脂質酸化と関係する遺伝子、すなわち、ステロール調節因子結合転写因子1(srebf1、図5C)の発現に及ぼすS.オーストラリスを用いた処理の効果を示す。

0027

詳細な説明
定義
本明細書で別途定義されていない限り、本出願において使用される科学用語および技術用語は、当業者によって通常理解される意味を有する。概して、本明細書で説明される化学分子生物学細胞生物学および癌生物学、免疫学、微生物、薬理学、ならびにタンパク質化学および核酸化学の技術と関連して使用される命名法は、当業者に周知であり、当技術分野において通常使用される。したがって、次の用語は当業者によって十分に理解されると考えられているが、次の定義は、現に開示されている対象物の説明を容易にするために明らかにされている。

0028

本明細書を通して、「を含む(comprise)」という語、または「を含む(comprises)」もしくは「を含んでいる(comprising)」のような変形は、記載の構成要素、または構成要素の群を含んでいるが、何らかの他の構成要素、または構成要素の群を排除しないことを含意するよう理解されることになる。

0029

「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、該実体のうちの1つ以上を指し、すなわち、複数の指示対象を指すことができる。このようなものとして、「1つの(a)」または「1つの(an)」、「1つ以上」および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書で相互交換可能に使用される。さらに、「a」または「an」という不定詞による「要素(an element)」に対する参照は、この要素のうちの1つおよび1つのみがあることを文脈が明確に必要としない限り、この要素のうちの1つ超が存在する可能性を排除しない。

0030

本明細書で使用する場合、「微生物(microorganism)」または「微生物(microbe)」は広く使用されるべきである。これらの用語は、相互交換可能に使用され、2つの原核生物ドメインである細菌および古細菌、ならびに真核性真菌および原生生物を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、本開示は「微生物(microbe)」を指す。この特徴づけは、微生物の特定された細菌属だけでなく、特定された分類種、ならびに種々の新規のかつ新たに特定された細菌株も指すことができる。

0031

本明細書で使用する場合、「単離する」、「単離された」、「単離された微生物」、および類似の用語は、1つ以上の微生物が、特定の環境において関係している材料(例えば、消化液胃腸組織、ヒト消化液、ヒト消化組織など)のうちの少なくとも1つから分離されていることを意味するよう企図されている。したがって、「単離された微生物」は、該微生物が自然発生する環境においては存在せず、むしろ、本明細書に説明する種々の技術を経て、微生物がその自然な状況から取り出され、自然ではない存在の状態へと置かれている。したがって、単離された株は、例えば、ヒト投与に適した薬学的に許容される担体と共に、生物学的に純粋な培養物として、または胞子(もしくは該株の他の形態)として存在していてもよい。

0032

本開示のある特定の態様において、単離された微生物は、単離されかつ生物学的に純粋な培養物として存在する。本明細書で使用する場合、「生物学的に純粋な」という用語は、生物の他の種を実質的に含まない実験培養物を指す。好ましくは、細菌種は、生物の単一種の培養物の形態にある。特定の微生物の、単離されかつ生物学的に純粋な培養物が、他の生きている生物を(科学的理由の範囲内で)実質的に含有しておらず、問題の個々の微生物のみを含有することを該培養物が示すことは、当業者によって認識されることになる。この培養物は、さまざまな濃度の該微生物を含有することができる。本開示は、単離されかつ生物学的に純粋な微生物がしばしば、あまり純粋ではないまたは不純な材料とは「必然的に」異なっていることを示す。例えば、In re Bergstrom,427 F.2d 1394,(CCPA1970)(精製されたプロスタグランジンを考察)を参照されたく、In re Bergy,596 F.2d 952(CCPA 1979)(精製された微生物を考察)も参照されたく、Parke−Davis&Co.v.H.K.Mulford&Co.,189 F.95(S.D.N.Y.1911)(精製されたアドレナリンを考察しているLearned Hand)、aff’d in part rev’d in part,196 F.496(2dCir.1912)も参照されたく、これらの各々は、参照により本明細書に援用される。さらに、いくつかの態様において、本開示は、単離されかつ生物学的に純粋な微生物培養物内で認められなければならない、ある特定の濃度の定量尺度、または純度制限を規定する。これらの純度値の存在は、ある特定の実施形態において、本明細書で開示されている微生物を自然な状態で存在する微生物と区別するさらなる属性である。例えば、参照により本明細書に援用されるMerck&Co.v.Olin Mathieson Chemical Corp.,253 F.2d 156(4th Cir.1958)(微生物によって産生されるビタミンB12についての純度制限を考察)を参照されたい。

0033

本開示のある特定の態様において、単離された微生物は、本明細書に説明する細菌の種または株の変異体またはバリアントの使用も包含する。本明細書で使用する場合、「変異体」および「バリアント」という用語は、参照される株のゲノム配列と少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を有する派生細菌株を含む。変異体およびバリアントは、とりわけ、自然な過程変異誘発キャンペーン無作為培養、および遺伝子操作技術によって取得可能である。「変異体」という用語は本明細書において、「バリアント」という用語と相互交換可能に使用される。

0034

本明細書で使用する場合、「個々の単離物」は、1つ以上の他の微生物からの分離後に、微生物の単一の属、種、または株の圧倒的な量を含む組成物、または培養物を意味するよう使用されるべきである。該は、微生物が単離されたまたは精製された程度を示すよう使用されるべきではない。しかしながら、「個々の単離物」は、微生物の実質的に唯一の属、種、または株を含むことができる。

0035

本明細書で使用する場合、「プロバイオティクス」は、実質的に純粋な微生物(すなわち、単一の単離物)または所望の微生物の混合物を指し、微生物相を回復させるまたは変化させるために対象(例えば、ヒト)へ投与することができる何らかの追加の構成要素も含むことができる。本開示のプロバイオティクスまたは微生物の接種材料組成物は、薬剤と共に投与して、微生物に消化管の環境を生き残らせることを可能にする、すなわち、低pHに抵抗して、消化管環境内で成長することを可能にする。いくつかの実施形態において、本組成物(例えば、微生物組成物)は、いくつかの態様においてプロバイオティクスである。

0036

本明細書で使用する場合、「プレバイオティクス」は、1つ以上の所望の微生物の数および/または活性を増加させる薬剤を指す。本開示の方法において有用であり得るプレバイオティクスの非限定例としては、フルクトオリゴ糖(例えば、オリゴフルクトースインスリン、インスリン型フルクタン)、ガラクトオリゴ糖アミノ酸アルコール、およびこれらの混合物が挙げられる。Ramirez−Farias et al.(2008.Br.J.Nutr.4:1−10)およびPool−Zobel and Sauer(2007.J.Nutr.137:2580−2584および補足資料)を参照されたい。

0037

本明細書で使用する場合、「生バイオ治療薬製品」または「LBP」は、1)細菌のような生きた生物を含有し、かつ2)疾患または状態の予防、処置、または治癒を必要とする対象の、疾患または状態の予防、処置、または治癒へ適用可能である、生物学的製品を指す。いくつかの実施形態において、LBPとは、臨床規制承認を受けることになるまたは受けた治療用組成物である。

0038

2つ以上の細菌の「併用」には、同じ材料もしくは製品、または物理的に接続した製品のいずれかにおける細菌の物理的な共存在、および異なる細菌の一時的な共投与または共局在が含まれる。

0039

「配列同一性」、「同一性百分率」、「相同性百分率」という記述、または例えば「と50%同一の配列」を含んでいる記述は、本明細書で使用する場合、配列が比較のウィンドウにわたって、ヌクレオチド毎を基にして、同一である程度を指す。したがって、「配列同一性の百分率」は、比較のウィンドウにわたって2つの最適に整列した配列を比較すること、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)が両配列内で生じる位置の数を決定して、一致した位置の数を得ること、一致した位置の数を比較のウィンドウ(すなわち、ウィンドウサイズ)における位置の総数で除すること、およびその結果に100を乗じて配列同一性の百分率を得ることによって計算されることができる。

0040

本明細書で使用する場合、配列「同一性」は、当業者に既知標準的な技術を用いて決定することができる。例えば、同一性は、blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgiで公共的入手可能なオンラインアルゴリズムである「BLAST」プログラムを用いて決定してもよい。あるいはまたは加えて、2つの核酸配列の%同一性を決定するために、配列を最適な比較目的のために整列させることができる(例えば、間隙は、最適な整列のために第1および第2の配列のうちの片方または両方の中に導入することができ、非同一配列の一部は、比較目的のために適宜無視することができる)。ある特定の実施形態において、比較目的のために整列した参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%である。次に、対応するヌクレオチド位置におけるヌクレオチドを比較する。この2つの配列間の同一性百分率は、2つの配列の最適な整列のために導入されることが必要である間隙数と、各間隙の長さとを考慮した、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。

0041

少なくとも2つの核酸の文脈における「実質的に類似の」および「実質的に同一の」という句は典型的には、参照ポリヌクレオチドとの比較において少なくとも約70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.9%の配列同一性を有する配列を含むことを意味する。

0042

宿主生物の「コロニー形成」には、細菌または他の微視的生物の非一過性滞在が含まれる。

0043

患者」、「対象」、および「個体」という用語は、相互交換可能に使用されることができ、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを指す。これらの用語には、ヒト、非ヒト霊長類家畜(例えば、ウシ、ブタヒツジヤギ家禽)、伴侶動物(例えば、イヌ、ネコ、ウマアナウサギ)および齧歯類(例えば、マウスおよびラット)のような哺乳類動物が含まれる。ある特定の実施形態において、該用語はヒト患者を指す。例示的な実施形態において、該用語は、例えば、2型糖尿病、高血糖、高インスリン血症、肥満、消化管炎症状態(例えば、IBD)、またはこれらのいずれかの組み合わせに罹患しているヒト患者を指す。

0044

本明細書で使用する場合、「阻害することおよび抑制すること」および類似の用語は、いくつかの実施形態においては所望されることもあるが、完全な阻害または抑制を必要とするよう解釈されるべきではない。したがって、「阻害された免疫応答」または「炎症性サイトカインの阻害」は、絶対的な阻害を必要としていない。

0045

本明細書で使用する場合、「高血糖」という用語は、過剰のグルコースが血流中にある状態を指す。例えば、約125mg/dLまたは130mg/dLよりも高い(約7mmol/Lよりも高い)空腹時血糖値を使用して、対象における高血糖を診断することができる。

0046

本明細書で使用する場合、「肥満」という用語は、過剰の体脂肪を特徴とする状態である。例えば、30以上のBMIボディマス指数、kg/m2)は肥満であるとみなされる。

0047

本明細書で使用する場合の「腸」という用語は、消化管(gastrointestinal tract)または消化管(digestive tract)(消化管(alimentary canal)ともいう)の全体を指し、該用語は、食物を摂取し、それを消化してエネルギーおよび栄養素を抽出し、残った廃棄物を排出する多細胞動物内の器官の系を指す。本明細書で使用する場合、「消化管」という用語は、口腔から直腸までの消化管全体を指す。「消化管」という用語には、口が含まれるがこれに限定されず、食道小腸大腸、直腸および最終的には肛門へと進む。

0048

本明細書で使用する場合、「治療有効量」という用語は、何らかの医学的処置へ適用可能な妥当な利益/リスク比で、処置された対象に及ぼす治療効果を与える治療薬(例えば、本開示の微生物、生バイオ治療薬製品(LBP)、および/またはプロバイオティクス)の量を指す。このような治療効果は、客観的(すなわち、何らかの検査またはマーカーによって測定可能)であっても主観的(すなわち、対象は効果の示唆を与えるか、または効果を感じる)であってもよい。いくつかの実施形態において、「治療有効量」は、関連する疾患もしくは状態を処置し、寛解させ、もしくは予防する(例えば、その発症遅延させる)、ならびに/あるいは疾患と関係した症状を寛解させること、疾患の発症を予防しもしくは遅延させること、および/または疾患の症状の重症度もしくは頻度弱化させることによってのような、検出可能な治療効果あるいは予防効果を呈するのに有効な治療薬または組成物の量を指す。

0049

本明細書で使用する場合、「処置」(「処置する」または「処置すること」も)という用語は、特定の疾患、障害、および/または状態(例えば、消化管(GI)の慢性または再発性免疫応答および炎症、慢性または再発性高血糖)の1つ以上の症状または特色の発現を部分的にまたは完全に緩和し、寛解させ、軽減し、抑制し、その発症を遅延させ、低減するという点で所望の効果を達成する治療投与計画による治療薬(例えば、本開示の微生物、生バイオ治療薬製品、および/またはプロバイオティクス)の何らかの投与を指し、いくつかの実施形態において、治療投与計画による治療薬の投与は、所望の効果の達成と相関している。このような処置は、関連する疾患、障害、および/もしくは状態の徴候を呈さない対象ならびに/または関連する疾患、障害、および/もしくは状態の早期徴候のみを呈する対象の処置であり得る。あるいはまたはそれに加えて、このような処置は、関連する疾患、障害、および/または状態の1つ以上の確立された徴候を呈する対象の処置であり得る。いくつかの実施形態において、処置は、関連する疾患、障害、および/または状態に罹患していると診断された対象の処置であり得る。いくつかの実施形態において、処置は、関連する疾患、障害、および/または状態の発症のリスク上昇と統計的に相関している1つ以上の感受性因子を有することが既知である対象の処置であり得る。

0050

本明細書で使用する場合、「薬剤」という用語は、ヒト医学および獣医学におけるヒトおよび動物での使用の両方のための薬剤を包含する。加えて、本明細書で使用する「薬剤」という用語は、治療上のおよび/または有益な効果を提供する何らかの物質を意味する。本明細書で使用する「薬剤」という用語は、市販承認を必要とする物質に必ずしも限定されないが、化粧品栄養補助食品、食品(例えば、飼料および飲料を含む)、プロバイオティクス培養物、栄養補給剤、および天然薬において使用することができる物質を含むことができる。加えて、本明細書で使用する「薬剤」という用語は、動物飼料、例えば、家畜飼料および/またはペット飼料における組込みのために設計された製品を包含する。

0051

「薬学的」は、組成物、微生物、試薬、方法、およびこれらに類するものが、薬学的効果が可能であること、ならびに組成物を対象へ安全に投与することができることも含意する。「薬学的に許容される」は、動物における安全な使用、より詳細にはヒトにおける安全な使用のために、連邦政府もしくは州政府の規制省によって認可されている、または米局薬局方もしくは他の概して認識されている薬局方において列挙されることを意味する。「薬学的に許容されるビヒクル」または「薬学的に許容される賦形剤」は、本明細書に説明する微生物がともに投与される、希釈剤アジュバント、賦形剤または担体を指す。薬学的組成物または追加の有効成分の調製は、参照により本明細書に援用されるRemington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.Mack Printing Company,1990によって例証されるように、本開示の点において当業者に既知であることになる。その上、動物(例えば、ヒト)への投与のために、調製物FDAOffice of Biological Standardsによって必要とされるような無菌性発熱性全身への安全性および純度標準を満たすべきであることが理解されることになる。

0052

本明細書に教示する治療用薬学的組成物は、1つ以上の天然産物を含み得るが、ある特定の実施形態において、治療用薬学的組成物はそれ自体、天然のものではない。さらに、ある特定の実施形態において、治療用薬学的組成物は、自然界に存在し得る何らかの個々の天然対応物と比較して、顕著に異なる特徴を有する。すなわち、ある特定の実施形態において、治療有効量の単離された微生物を含む本明細書に開示する薬学的組成物は、自然界に存在し得る何らかの単一の個々の構成要素と比較して、顕著に異なる特徴を組成物へ全体として付与する少なくとも1つの構造的および/または機能的な特性を有する。裁判所は、自然界に存在し得る何らかの個々の構成要素と比較して顕著に異なる特徴を有する天然産物を含む組成物が法定の対象物であるとの判決を下した。したがって、教示される治療用薬学的組成物は全体として、顕著に異なる特徴を有している。これらの特徴は、本明細書で教示するデータおよび例において説明されている。

0053

本開示の詳細は、本明細書で明らかにされる。本明細書に説明する方法および材料と類似のまたは等価の方法および材料は本開示の実施または検査において使用することができるが、実例となる方法および材料を次に説明する。本開示の他の特色、目的、および利点は、本明細書からおよび特許請求の範囲から明らかとなる。

0054

代謝上の健康に有益な消化管細菌
小腸マイクロバイオームの組成物は、代謝疾患および代謝障害(Eid et al.,2017,Front Pharmacol,8:387)、心血管疾患(Tang et al.,2017,Circ Res,120:1183−1196)、および肝疾患(Henao−Mejia et al.,2013,J Autoimmun,46:66−73)を含む種々の疾患および障害と密接に関係していることが実証されており、動物モデルを含むヒトおよび動物の両方において血糖制御の変化(Palau−Rodriguez,2015,Front Microbiol,6:1151)と連関していた。

0055

グルコース恒常性とは、いくぶん狭い生理学限界内での耐グルコース能の維持である。耐グルコース能を維持することができないことは、インスリン抵抗性を含むがこれに限定されないいくつかの有害な下流効果に寄与する可能性がある。インスリン抵抗性とは、膵細胞によって血流中へと分泌されたインスリンを適宜使用することができる筋肉脂肪または肝臓細胞能力の低下である。結果として、より多くのインスリンを産生して、同量のグルコースを処理し、結果として高インスリン血症を生じることがある。インスリン抵抗性と合わせたグルコース恒常性の脆弱性は結果として、高血糖および高インスリン血症の両方を生じて、2型糖尿病(T2DM)のリスクをもたらす可能性がある。非常に高い血糖値短期間の合併症には、ケトアシドーシス(血中のケトンの有害な蓄積)および高浸透圧性非ケトン性症候群が含まれる。T2DMの長期の合併症には、糖尿病性網膜症、腎疾患、糖尿病性神経障害、および大血管性問題が含まれる。

0056

代謝障害に罹患している人の腸マイクロバイオームと、対応する健常者の腸マイクロバイオームとの比較を含む、代謝障害に罹患している人の腸マイクロバイオームを分析するために、数多くの研究が行われてきた。このような研究を実施するために、関心対象対象由来糞便物質収集し、分析して、糞便中の細菌の種類および時には相対的な量を測定する。結果として生じるデータは、各対象の腸マイクロバイオームを示す。試料中に存在する具体的かつ個々の細菌を分子要素および計算要素の組み合わせを包含するいくつかの方法によって決定する。具体的には、細菌は、(ヌクレオチドマイクロアレイによるまたは配列決定による)独特な微生物16SリボソームRNArRNA)配列の特定によって、または全ゲノムのショットガン配列決定およびアセンブリを採用することができるメタノミクス分析を経て特定されることができる。各方法の結果は、試料調製およびPCR増幅から、各プログラムについて選択された実験データおよびパラメータ解析するために使用されるソフトウェアプログラムまでに及ぶいくつかの変数に従属している。

0057

対象の代謝上の健康における機能的重要性を有する細菌株を特定するために、代謝障害に罹患している対象に由来する腸マイクロバイオームの収集および特徴づけを含む研究を解析した。このような研究には、2型糖尿病と診断された対象 対 健常患者における腸微生物相(Qin et al.,2012,Nature 490:55−60、Forslund et al.,2015,Nature,528:262−266)、Roux−en−Y胃バイパス手術を受ける前後の対象に由来する腸微生物相(Sweeney and Morton,2013,JAMA Surg,148:563−569、Tremaroli et al.,2015,Cell Metab,22:228−238)、および健常である対象、またはBMI、HbA1c、コレステロール値、もしくは耐グルコース能のような種々の代謝疾患マーカーと相関している潜在性臨床疾患に罹患していると判断された対象に由来する腸微生物相(Karlsson et al,2013,Nature 498:99−103、Zeevi et al,2015,Cell,163:1079−1094、Yassour et al,2016,Genome Med,8:17)の比較が含まれる。微生物の存在を、多様性および量の両方の点で特徴づけた。選択された研究からの16srRNAおよびメタゲノム配列データを独立して解析し、罹患している対象の小腸内で認められることがよりありそうな細菌種と比較して、健常対象の小腸内で認められることがよりありそうな細菌種を特定した。

0058

健常個体と潜在的に有意に関係していると特定された細菌株を取得し、培養し、および分析して、代謝障害に特徴的な生理学的パラメータを改善する該細菌株の能力を検査した。実施例1において説明されるように、約60%脂肪および20%炭水化物である食餌をC57BL/6Jマウスに給餌した、高脂肪食(HFD)誘導性マウスモデルを使用した。HFD給餌C57BL/6Jマウスは、この高脂肪食で維持したとき、肥満、2型糖尿病および粥状硬化易罹患性である(Collins et al.,2004,Physiol Behav,81:243−248)。これらの実験研究(実施例1)から、動物へ投与されると、S.オーストラリスの投与が血中グルコース値の低減を結果としてもたらすことが明らかになった。その上、グルコース負荷試験(GTT)において未処置の対象と比べて、グルコース値が低減した。追加の分析を実施して、脂質酸化と関係する遺伝子、具体的には脂質酸化のマーカーであるpparα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ)、cpt−1α(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1A)、およびsrebf1(ステロール調節要素結合転写因子1)のmRNA発現の変化を測定した。各場合において、S.オーストラリスを用いたHFDマウスの処置は結果として、脂肪異化作用の上昇における役割と一致した、各遺伝子の各発現における有意な低下をもたらした。

0059

関連する代謝障害を模倣するために使用されることができる別のマウスモデルは、レプチン欠失しており過剰に食餌するob/obマウスである。結果として、マウスは肥満となり、過食、高血糖の糖尿病様症候群、耐糖能障害血漿インスリン上昇、平均以下の出生率創傷治癒低下、ならびに下垂体および副腎の両方からのホルモン産生の上昇のような他の症状を呈する。

0060

したがって、本データは、S.オーストラリスを含む組成物が、処置された対象のグルコース恒常性を改善し、血中グルコースを低減するのに有効であることを実証する。

0061

治療有効量の生菌
代謝障害に罹患している対象を処置するのに有用な細菌組成物は、後でさらに説明される生S.オーストラリスを含むことができる。

0062

いくつかの実施形態において、本明細書で教示される微生物は、16SrRNA遺伝子配列を利用して特定される。重要なrRNAサブユニット16Sの一次構造は、保存領域、可変領域、および超可変領域の特定の組み合わせを含み、これらは、異なる速度で進化し、かつドメインのような非常に古くからの系譜と、属のような非常に現代的な系譜の両方の分析を可能にする。16Sサブユニットの二次構造には、残基の約67%の塩基対形成を結果として生じるおよそ50のらせんが含まれる。超可変領域は、細菌の特定に有用な種特異的/株特異的署名配列を提供することができる。先の数十年にわたって、16S rRNA遺伝子は、最も配列決定された分類学上のマーカーとなっており、細菌および古細菌の現行系統的な分類のための基礎である(Yarza et al.2014.Nature Rev.Micro.12:635−645)。

0063

利用可能な表現型データおよび遺伝子型データをすべて、コンセンサス分類へと組み込む多相分類学に基づいた属へ、微生物を分類することができる(Vandamme et al.,1996,Microbiol Rev,60:407−438)。いくつかの実施形態において、2つの16SrRNA遺伝子についての94.5%以下の配列同一性は、異なる属についての強力な証拠であり、86.5%以下は異なる科についての強力な証拠であり、82%以下は異なる目についての強力な証拠であり、78.5%は異なるについての強力な証拠であり、かつ75%以下は異なる門についての強力な証拠である。また、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.9%超の同一性を共有する集団は、同じ種のバリアントであるとみなすことができる。種を規定するための別の受け入れられている遺伝子型解析法は、本開示のマーカー遺伝子を単離すること、これらの遺伝子を配列決定すること、かつ複数の単離物またはバリアントに由来するこれらの配列決定された遺伝子を整列させることである。

0064

種を規定するための別の受け入れられている遺伝子型解析法は、全体的なゲノムの関連性に基づいており、それにより、標準条件下で5℃以下のΔTm(相同ハイブリッド非相同ハイブリッドとの間の融点における差)で、DNA間ハイブリッド形成を用いておよそ70%以上の関連性を共有する株は、同じ種のメンバーであるとみなされる。

0065

本明細書で開示する細菌株(S.オーストラリス)およびそのバリアントは、少なくとも1つの16SrRNA配列を、参照株ゲノム配列の対応する16S rRNA配列と一部または全体で比較されることにより特徴づけられ得る。概して、細菌株ゲノム配列は、16S rRNA配列の複数のコピーを含有することになる。16SrRNA遺伝子配列は、多数の株について決定されてきた。GenBank(www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/)は、2000万を超える寄託配列を有し、そのうち、90000超は16S rRNA遺伝子である。細菌16S rRNA遺伝子配列の比較は、好ましい遺伝子技術として出現してきており、新たな株は、例えば、BLAST(blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)を用いて、配列と既知の細菌DNA配列との比較によって特定することができる。手短には、16S rRNA配列の比較によって、種および亜種のレベルを含む複数のレベルの株を分類することに加えて、細菌のすべての主要な門にわたる属のレベルで生物間の分化が可能となる。

0066

ストレプトコッカス・オーストラリス(S.オーストラリス)
ストレプトコッカス・オーストラリスは、2001年にWillcox et al.によって単離され、説明された(Int J Syst Evol Microbiol,51:1277−1281、ATCCへ寄託されたS.オーストラリス株、寄託番号700641)。Willcox et al.は、S.オーストラリスをグラム陽性非運動性、非胞子形成カタラーゼ陰性球菌と特徴づけた。また、S.オーストラリスは、通性嫌気菌である。S.オーストラリスは、口腔におけるその有病率、および例えば、齲歯(Ribeiro et al.,PLoS One,2017,12:e0180621)または歯周病(Johansson et al.,2016,J Dent Res,95:80−86)について既知である。S.オーストラリス Al−1株(ATCC寄託番号700641)の16SrRNA配列は、GenBank受入番号NR_036936(配列番号1)において認めることができる。また、S.オーストラリス ATCC寄託番号700641の別の16S rRNA配列は、GenBank受入番号AF184974(配列番号2)において認めることができる。S.オーストラリス ATCC寄託番号700641についてのゲノム配列は、GenBank受入番号NZ_AFUD01000002において公表されている。したがって、本開示は、S.オーストラリスまたはそのバリアントと関連する組成物および方法に向けられており、本組成物および方法において使用されるS.オーストラリス株は、ATCC寄託番号700641と同一であるか、またはATCC寄託番号700641のゲノムと少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%同一であるゲノムを保有している。本明細書に説明するS.オーストラリスと同じ治療有効性を有する操作されたゲノムを有する合成細菌を含む組成物も企図される。いくつかの実施形態において、このような微生物は、ATCC寄託番号700641のゲノムと少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%同一であるゲノムを有する。

0067

本明細書に開示するバリアント(S.オーストラリス)の変異株は、少なくとも1つの16SrRNA配列を参照株ゲノム配列の対応する16S rRNA配列と比較することを特徴とし得る。細菌16SrRNA遺伝子配列の比較は、信頼可能な遺伝子技術として出現してきており、新たな株は、例えば、BLAST(blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)を用いて、配列と既知の細菌DNA配列との比較によって特定することができる。16S rRNA遺伝子配列は、細菌において普遍的であり、そのため、関連性は、多くの異なる細菌にわたって測定することができる。概して、16S rRNA配列の比較によって、種および亜種のレベルを含む複数のレベルの株を分類することに加えて、細菌のすべての主要な門にわたる属のレベルで生物間の区別が可能である。16S rRNA遺伝子配列は、多数の株について決定されてきた。ヌクレオチド配列の最大のデータバンクであるGenBankは、2000万を超える寄託配列を有し、そのうち90,000超が16S rRNA遺伝子である。

0068

概して、細菌株ゲノム配列は、16SrRNA配列の複数のコピーを含有することになる。16S rRNA配列は、種間および株間識別を行うためにしばしば使用されている。上述の配列のうちの1つ以上が、参照配列由来の指定された%配列同一性よりも低い場合、該配列が取得された2つの生物は、異なる種または異なる株であるといわれる。

0069

ATCC寄託番号700641の16SrRNA配列は、GenBank受入番号NR_036936(配列番号1)において認めることができる。いくつかの実施形態において、本開示による組成物は、S.オーストラリス細菌を含み、そのゲノムは、GenBank受入番号NR_036936の16S rRNA配列(配列番号1)と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、または100%同一である1つ以上の16S rRNAコード配列を含む。

0070

ATCC寄託番号700641の16SrRNA配列は、GenBank受入番号AF184974(配列番号2)においても認めることができる。いくつかの実施形態において、本開示による組成物は、S.オーストラリス細菌を含み、そのゲノムは、GenBank受入番号AF184974の16S rRNA配列(配列番号2)と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、または100%同一である1つ以上の16S rRNAコード配列を含む。

0071

本開示は、本開示の株の遺伝材料を変更するための遺伝子操作技術または本開示の株の遺伝材料を他のポリヌクレオチド組換えることによって取得したものを含む、本明細書に説明する細菌の種または株のバリアントの使用も包含する。このようなバリアント株を取得するために、当業者は、UV照射または変異原性化学的生成物への曝露のような標準的な変異原性技術を使用することができる。本開示は、上述の配列同一性をGenBank受入番号NZ_AFUD01000002の配列と共有する合成由来のゲノムを保有する何らかの微生物をさらに含む。したがって、本開示には、天然に単離された、組換えで作られた、および合成由来の、微生物が含まれる。

0072

いくつかの実施形態において、バリアントには、参照される株(例えば、S.オーストラリスGenBank受入番号NZ_AFUD01000002)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%または99.999%同一であるゲノム配列を有する変異体または誘導細菌株が含まれる。配列比較を実行することができるソフトウェアの例としては、例えば、BLASTパッケージ(Ausubel,et al.1999 Short Protocols in Molecular Biology,4th Ed−Chapter18を参照されたい)、BLAST2(FEMS Microbial Lett 1999 174(2):247−50、FEMS Microbial Lett 1999 177(1):187−8を参照されたい)、FASTA(Altschul,et al.1990 J Mol Biol 403−410)およびAlignXが挙げられるが、これらに限定されない。

0073

したがって、本開示の微生物は、GenBank受入番号NZ_AFUD01000002と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%または99.999%同一であるゲノム配列を含み、後でさらに詳細に説明するように、健康を改善する必要のある対象の健康を改善する機能的能力も有する。

0074

いくつかの実施形態において、本開示の微生物は、GenBank受入番号NZ_AFUD01000002に示される配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%または99.999%同一であるゲノム配列を含み、血中グルコース値を低減する、腸上皮関門透過性を低減する(すなわち、対象における(またはインビトロ細胞アッセイにおける)消化管上皮細胞関門機能を高める、および/または対象へ投与したとき、炎症促進性サイトカインを低減する機能的能力も有する。

0075

いくつかの実施形態において、本開示の微生物は、GenBank受入番号NZ_AFUD01000002において示される配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%または99.999%同一であるゲノム配列を含み、少なくとも1つの副作用を改善し、または少なくとも1つの症状を寛解させ、またはグルコース恒常性および/もしくは糖制御を改善および/もしくは調節することを必要とする患者へ投与したとき、少なくとも1つの副作用を改善し、または少なくとも1つの症状を寛解させ、またはグルコース恒常性および/もしくは血糖制御を改善および/もしくは調節する機能的能力も有する。

0076

S.オーストラリスについての治療上の使用
増加する数の研究は、対象のマイクロバイオームが代謝障害の素因または発生率に影響し得るまたは関係し得ることを示している(総説については、例えば、Eid et al.,2017,Front Pharmacol,8:article 387、Johnson et al.,2017,J Mol Med,95:1−8、Yang and Kweon,2016,BMB Rep,49:536−541を参照されたい)。代謝障害に罹患している対象へ、S.オーストラリスを生細菌として含有する組成物を投与することによって代謝障害を処置するための方法が本明細書に提供される。後に提供する実施例は、これらの細菌の投与が、動物において血中グルコース値を低減することができ、かつ耐グルコース能を高めることができることを示す。グルコース恒常性におけるこの改善は、幾多の代謝疾患および代謝障害がグルコース恒常性機能不全と連関しているので、組成物が幾多の代謝疾患または代謝障害の処置において有用であることを示す。本明細書に開示するようなS.オーストラリスを含んでいる組成物を用いて処置することができるこのような代謝疾患および代謝障害は、後でより詳細に説明される。これにより、本明細書に開示するようなS.オーストラリスを含んでいる組成物が、これらの疾患および障害の1つ以上の症状を低減し、寛解させまたは逆転することがさらに可能である。

0077

したがって、治療有効量または予防有効量の本明細書に説明するような微生物(複数可)を、疾患または状態の少なくとも1つの症状を処置し、予防し、または寛解させることを必要とする対象、すなわち、該疾患もしくは状態、または該疾患もしくは状態の少なくとも1つの症状に罹患しているもしくは発症するリスクのある対象へ投与することを含む、疾患または状態の少なくとも1つの症状を処置し、予防し、または寛解させるための方法が提供される。

0078

メタボリックシンドロームとは、血圧上昇、高血糖(high blood sugar)(高血糖(hyperglycemia))、過剰な腹囲体脂肪を含む肥満、および異常なコレステロール値またはトリグリセリド値を含むひとまとまりの状態を指すために使用される用語である。これらの状態は、一緒に生じる傾向があり、心疾患、卒中および糖尿病のリスクを高める可能性がある。状態のうちのいずれか1つは、2型糖尿病または粥状硬化のような重篤な疾患の素因を示す可能性がある。

0079

高い血中グルコース値の状態である高血糖は、代謝の変化の特徴である。細胞レベルでいくつかの決定的な過程を崩壊させ、かつ組織特異的な様式での有害な影響(例えば、失明)、器官全体での有害な影響(例えば、腎疾患)、および全身レベルの宿主への影響(例えば、ケトアシドーシス、昏睡死亡など)の様式さえ含む有害な影響を有するので、高血糖の影響は複数のレベルで悲惨である。

0080

T2DMおよび/または肥満に罹患しているまたはその素因のある対象は、正常よりも高い空腹時血中グルコース値、例えば、約125mg/dL超または130mg/dL超を呈する可能性がある(例えば、Pippitt et al.,2016,Amer Fam Physic,93:103−109を参照されたい)。空腹時血中グルコース値は、少なくとも8時間絶食した対象における血中グルコースの測定である。S.オーストラリスを用いた療法から利益を得ることができる対象には、約125mg/dL、130mg/dL、140mg/dL、150mg/dL、160mg/dL、170mg/dL、180mg/dL、190mg/dLまたは200mg/dLよりも高い空腹時血中グルコース値を有すると判定された対象が含まれる。したがって、高血糖または血中グルコース値を低減する必要のある対象における高血糖または血中グルコース値を低減する方法であって、S.オーストラリスを含む組成物の投与が、125mg/dL未満、130mg/dL未満、140mg/dL未満、または150mg/dL未満の値まで、対象における空腹時血中グルコース値を低減する方法が、本明細書で想定されている。

0081

これらの対象は、耐糖能不全、例えば、75g経口グルコース負荷試験における、約140〜199mg/dL(1Lあたり7.8〜11.0mmol)の2時間血漿グルコースを有する可能性もある。空腹時血中グルコース値の測定は、対象へのS.オーストラリスを含む組成物の初回投与の1〜7日または1〜4週間前に実施することができる。S.オーストラリスを用いた療法から利益を受けることができる対象には、75グラム経口グルコース負荷試験(OGTT)について、約140mg/dL、150mg/dL、160mg/dL、170mg/dL、180mg/dL、190mg/dLまたは200mg/dLを超える2時間値を有すると判定された対象が含まれる。

0082

あるいは、高血糖に罹患している対象は、食後に生じる食後高血糖または反応性高血糖を有する可能性がある。食後高血糖または反応性高血糖とは、食後1〜2時間で約180mg/dLを上回る血中グルコース値である。したがって、高血糖または血中グルコース値を低減する必要のある対象における高血糖または血中グルコース値を低減する方法であって、S.オーストラリスを含む組成物の投与が、食後1時間または2時間で測定すると、180mg/dL未満、190mg/dL未満、200mg/dL未満、または210mg/dL未満の値まで食後血中グルコースを低減させる方法が、本明細書で想定されている。

0083

高血糖の症状は、頭痛排尿の増加、口渇吐き気、霧視、体重減少、疲労、および昏睡であり得る。高血糖は、膵臓インスリン産生β細胞がインスリンを生成することができないか、または生成するが血流中へ分泌するインスリンの量が低減する状態である、低インスリン血症によって発症し得る。このような場合、血糖値は劇的に上昇して、結果として高血糖をもたらす。高血糖は、血中で利用可能なインスリンの一部もしくは全部が身体の細胞の受容体へ結合し損なうことに起因する可能性もあり、かつ/または細胞内のインスリンの内部移行が低減している。したがって、高血糖の1つ以上の症状を低減させ、寛解させ、または逆転させる方法が本明細書に提供される。

0084

糖尿病とは、糖、すなわちグルコース、および身体の代謝に関与する他の化合物を身体が適切に利用することができないことを主として包含する、人体の代謝上の化学障害である。糖尿病は、血中の糖濃度の上昇および尿中での糖の出現を特徴とする。世界人口の1.5〜2%がある種の糖尿病に罹患していると概算されている。一般的な用語において、糖尿病は、3つの主要な種類、すなわち、1型糖尿病、耐糖能不全(IGT)および2型糖尿病(T2DM)へと分類される。1型糖尿病のほとんどの場合、膵臓内のβ細胞は、おそらく自己免疫反応を経て、人の血流中へとインスリンを産生しなくなる。インスリンは、生命維持に重要であり、その理由は、代謝過程の一部として血中の糖の適切な利用および完了が可能となるからである。

0085

耐糖能不全およびT2DMにおいて、膵臓はインスリンを産生し続けるが、インスリンは、適切な細胞受容体へ結合し損なう可能性があり、かつ/または細胞内でのインスリンの内部移行が低減する可能性がある。このような場合、血中には十分なレベルのインスリンがあり得るが、内部移行するインスリンの減少のため、グルコースを取り込む細胞の能力は低減しているかまたは存在しない。

0086

T2DMは、高血糖の最も共通の原因のうちの1つである。大規模CCT試験(The Diabetes Control and Complications Trial Research Group(1993)N.Engl.J.Med.329,977−986を参照されたい)は、慢性的高値の血中グルコースが、いくつかの糖尿病状態における合併症の発症に潜む主因であると結論付けた。米国におけるDCCT試験によって、慢性的に高値の血中グルコースが糖尿病の合併症の発症についての主な理由であり、余命の低下をもたらすことが明示された。冠動脈性心疾患のリスクを伴う心血管死は、一例として、この集団において2〜4倍高まった。糖尿病の合併症の例としては、これらに限定されないが、小血管および大血管の損傷が挙げられ、網膜疾患、失明に至ることがある腎症/失明に至ることがない腎症、腎不全、および四肢喪失を生じさせ得、かつ心血管疾患のリスクの上昇を伴う。

0087

人における1型、IGT、または2型糖尿病の存在は通常、経口グルコース負荷試験(OGTT)によって判定される。OGTTとは、空腹時の個体に口腔により既知の量のグルコース(糖)を与えられる検査であり、血液を一定間隔で検査して、その後、血糖の量を記録する。次に、個体についての重要な情報を描くことができる曲線構築する。グルコース負荷試験曲線は典型的には、個体が高血糖(糖尿病性)であるかどうかまたは個体が血中にあまりにも少量の糖を有していてそれゆえ低血糖であるかどうかを示すことになる。後の実施例1は、HFDマウスへのS.オーストラリスの投与が、グルコースAUC(曲線下面積)の低下によってみられるように耐グルコース能を高めたことを示す(図2)。S.オーストラリスを用いた処置が結果として、精巣上体脂肪(図3A)および皮下脂肪図3B)の低下を、体重への同様の効果なしでもたらし(図4Aおよび4B)、精巣上体および皮下の喪失の観察に、筋量および/または骨密度における対応する重量増加が伴いそうであったことを示唆することはさらに留意される。

0088

S.オーストラリスの投与が対象の血中グルコース値を低減し、耐グルコース能(およびグルコースの恒常性)を高めるこれらの有益な効果の点で、S.オーストラリスを含む組成物およびこれらの組成物を用いて、高血糖、高インスリン血症、高脂血症、インスリン抵抗性、インスリン不応症糖代謝不全、耐糖能不全、2型糖尿病、肥満、糖尿病性網膜症、黄斑変性症足部潰瘍代謝性アシドーシス白内障糖尿病性腎症糸球体硬化、糖尿病性神経障害、勃起障害月経前症候群血管再狭窄、冠動脈性心疾患、高血圧、狭心症心筋梗塞、卒中、皮膚および結合組織障害、関節炎骨粗鬆症、およびこれらの組み合わせに罹患している対象を処置することが本明細書に提供される。上述に列挙した障害のうちのいずれかの1つ以上の症状を低下させ、寛解させ、および/または逆転させるための方法も提供される。このような症状には、例えば、頭痛、霧視、頻尿、口渇、吐き気、体重減少、疲労、および昏睡が含まれる。

0089

対象がヒト、非ヒト霊長類、またはイヌおよびネコのようなペット、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、ウサギのような家畜、ならびに齧歯類(マウスおよびラット)のような他の動物、またはそれを必要とするその他の動物を含むがこれらに限定されない他の動物であり得ることは理解される。

0090

ディスバイオシスは、炎症および免疫のような他の生理学的性質に及ぼす有害作用を有することも既知である。したがって、プロバイオティクスまたは生バイオ治療薬製品を用いた療法の有益な効果が、単一の障害を越えて及ぶことになることは非常に見込みがある。例えば、代謝障害と関連した症状を処置するためのS.オーストラリスを含む組成物の投与も、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患を含む炎症性障害に及ぼす有益な効果も有することができる。

0091

IBDを処置する上で有効として本開示による組成物の有効性を検査するための1つの手段は、小腸上皮関門疾患のインビトロアッセイである。消化管上皮関門の完全性は、細胞単層電気抵抗を測定する経上皮経内皮電気抵抗(TEER)アッセイを用いたインビトロ実験系において測定することができる。この非常に感受性がありかつ信頼可能な方法は、単層の完全性および透過性を測定する。TEERアッセイに及ぼす背景情報は、例えば、Dewi,et al.(2004)J.Virol.Methods.121:171−180において、およびMandic,et al.(2004)Clin.Exp.Metast.21:699−704において入手可能である。経内皮細胞アルブミン透過性アッセイに関するガイダンスは、例えば、Dewi,et al.(2008)J.Gen.Virol.89:642−652において入手可能である。スタウロスポリンとは、対照としてTEERアッセイと共に使用することができる試薬である。したがって、いくつかの実施形態において、S.オーストラリスを含む組成物を用いて小腸上皮関門機能の完全性を高めるための方法であって、TEERアッセイにおいて電気抵抗をS.オーストラリスの非存在下でのTEERアッセイの試行と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%高める方法が提供される。

0092

本明細書に開示する組成物および方法の治療有効性は、発生率が低減することと関係する症状の低減を包含することができる。例えば、2型糖尿病と診断され、それについて処置されている対象は、低減が、口渇および痒感性皮膚、霧視、酵母感染の発症ならびに足または脚における疼痛またはしびれ感からなる群から選択される1つ以上の症状であるとわかり得る。症状の低減は、24時間において対象が症状(複数可)を経験する回数の低減であり得る。1つ以上の症状における低減は、例えば、処置の開始後約1〜2か月、1〜5か月、または6〜12か月にわたって観察することができる。

0093

S.オーストラリスを含む組成物
本開示の微生物組成物は、それを必要とする対象へ、全身の健康および幸福感を高め、かつ/または代謝障害もしくは本明細書に説明するような小腸上皮関門機能の低減と関係する障害のような疾患もしくは障害を処置しもしくは予防するために、投与することができる。いくつかの実施形態において、微生物組成物は、生バイオ治療薬製品(LBP)であるのに対し、他の実施形態において、微生物組成物は、プロバイオティクスである。いくつかの実施形態において、S.オーストラリスを単離し、対象の外部で培養して、微生物の数または濃度を増大させ、それにより微生物集団を含む組成物の治療有効性を高めた。

0094

いくつかの実施形態において、微生物組成物は、生菌集団の形態にある。生集団は、例えば、凍結され、凍結保護されまたは凍結乾燥されていることができる。他の実施形態において、微生物組成物は、非生菌調製物、またはその細胞構成要素を含む。いくつかの実施形態において、微生物組成物が非生菌調製物である場合、例えば、熱殺菌細菌、照射細菌および溶解細菌から選択される。

0095

いくつかの実施形態において、細菌種は、生物の他の種を実質的に含まない、生物学的に純粋な形態にある。いくつかの実施形態において、細菌種は、生物の単一種の培養物の形態にある。

0096

本開示に従ったS.オーストラリスを含む組成物は、対象への投与に適したいくつかの受け入れられたプロバイオティクスまたは生バイオ治療薬製品(LBP)のうちのいずれかであり得る。重要なことに、S.オーストラリスの生きた集団の送達のための組成物は、微生物の生存度を維持するために製剤化されなければならない。いくつかの実施形態において、組成物は、胃の酸性環境から細菌を保護する要素を含む。いくつかの実施形態において、組成物には腸溶性コーティングが含まれる。

0097

いくつかの実施形態において、組成物は、食物を基にした製品である。食物を基にした製品は、例えば、ヨーグルト、チーズ、乳、食肉、クリーム、またはチョコレートであり得る。このような食物を基にした製品は、可食性とみなすことができ、このことは、ヒトまたは動物の消費のために承認されていることを意味する。

0098

本開示の一態様は、先に定義した細菌種を含む食品に関する。「食品」という用語は、固体ゼリー状または液体であり得るすべての消費可能な製品を網羅するよう企図される。適切な食品には、例えば、機能的食品、食物組成物、ペットフード、家畜用食餌、健康食品、飼育原料、およびこれらに類するものが含まれてもよい。いくつかの実施形態において、食品は、処方された健康食品である。

0099

本明細書で使用する場合、「機能的食品」という用語は、栄養効果だけでなく消費者へさらなる有益な効果を送達することもできる食物を意味する。したがて、機能的食品とは、純粋な栄養効果以外の具体的な機能的、例えば、医学的または生理学的有益性を食物に付与する構成要素または構成要素へ組み込まれた(本明細書に説明する成分のような)成分を有する、普通の食物である。

0100

本開示へ適用可能な具体的な食品の例としては、ヒトのための乳を基にした製品、すぐに食べられるデザート、例えば、乳もしくは水で再構成するための粉末、チョコレートミルク飲料麦芽飲料、すぐに食べられる一品、即席作れる一品もしくは飲料、またはヒト、ペット、もしくは家畜のために企図された完全食もしくは部分食を表す食品組成物が挙げられる。

0101

一実施形態において、本開示による組成物は、ヒト、ペットまたは家畜のために企図された食品である。組成物は、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、または家禽からなる群から選択される動物のために企図されてもよい。別の実施形態において、組成物は、成体種、特に成人のために企図された食品である。

0102

本開示の別の態様は、先に定義した細菌種を含有する食品、栄養補助食品(dietary supplement)、栄養補助食品(nutraceutical)、栄養調合物、飲料および薬剤ならびにこれらの使用に関する。

0103

本開示において、「乳を基にした製品」は、種々の脂肪含有量を有する何らかの液体または半固体の乳または乳清を意味する。乳を基にした製品は、例えば、牛乳、ヤギ乳、乳、スキムミルク全乳粉乳から再構成された乳、およびいかなる加工もしていない乳清、またはヨーグルト、凝乳カードサワーミルク、サワー全乳、バターミルク、および他のサワーミルク製品であり得る。別の重要な群には、乳清飲料、発酵飲料コンデンスミルク、幼児もしくは乳児用の乳、風味付き乳、アイスクリーム菓子などの乳含有食物が含まれる。

0104

微生物組成物は、錠剤、咀嚼可能な錠剤、カプセル剤、スティックパック散剤、または発泡剤であり得る。組成物は、細菌を含有する被覆されたビーズを含むことができる。散剤は、投与のために水のような飲料用液体中に懸濁または溶解することができる。

0105

いくつかの実施形態において、微生物組成物は、単離されている微生物を含む。単離された微生物は、1つ以上の追加の物質(複数可)と共に組成物中に含まれることができる。例えば、単離された微生物は、医薬組成物中に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤(複数可)と共に含まれることができる。

0106

いくつかの実施形態において、微生物組成物は、ヒトの健康を促進しまたは改善するために使用することができる。いくつかの態様において、微生物組成物は、腸の健康を改善するために使用することができる。いくつかの態様において、微生物組成物は、食欲を調節するために使用することができる。いくつかの態様において、微生物組成物は、血中グルコース値を調節するために使用することができる。いくつかの態様において、微生物組成物は、インスリンの感度を調節するために使用することができる。いくつかの実施形態において、開示された微生物組成物は、対象における食欲を調節するために使用される。

0107

本明細書に説明する微生物は、予防用途においても使用することができる。予防用途において、本開示による細菌種または組成物は、特定の疾患に易罹患性の患者またはさもなくば該疾患のリスクのある患者に、疾患を発症するリスクを少なくとも部分的に低減するのに十分である量で投与される。正確な量は、患者の健康状態および体重のようないくつかの患者特異的因子による。

0108

いくつかの実施形態において、本開示は、教示された微生物およびその組み合わせを含む種々の即時性および徐放性製剤を用意する。徐放性製剤は時には、細菌を覆う徐放性コーティングを包含する。特定の実施形態において、徐放性コーティングは、腸溶コーティング遅延放出コーティングであってもよく、またはパルス化放出コーティングが所望されてもよい。特に、コーティングは、活発な放出(すなわち、治療用微生物およびその組み合わせの放出)において適切な時間差を提供する場合、適切となる。いくつかの実施形態においては、小腸内の所望の標的に到達する前に、教示された微生物を潜在的に分解し得および/または破壊し得る胃の酸性環境中へと治療用微生物およびその組み合わせが放出されるのを所望しないことが認められ得る。

0109

いくつかの実施形態において、本開示の微生物組成物は、先に説明したようなS.オーストラリスおよびその何らかのバリアントを包含する。

0110

いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、総重量組成に関して約1〜約30重量%、好ましくは5〜20重量%の量でプレバイオティクスをさらに含む。好ましい炭水化物は、フルクトオリゴ糖(またはFOS)、短鎖フルクトオリゴ糖、イヌリンイソマルトオリゴ糖ペクチンキシロオリゴ糖(またはXOS)、キトサンオリゴ糖(またはCOS)、ベータグルカンアラビアゴム難消化性加工デンプンポリデキストロース、D−タガトースアカシア繊維、イナゴマメエンバク、およびカンキツ繊維から選択される。特に好ましいプレバイオティクスは、短鎖フルクトオリゴ糖(簡素化のために後はFOSs−c.cとして本明細書に示す)であり、該FOSs−c.cは、ビート糖転換によって概して取得されかつ3つのグルコース分子が結合している糖分子を含んでいる、可食性炭水化物ではない。

0111

一実施形態において、該組成物は、少なくとも1つの他の種類の食品等級細菌をさらに含み、食品等級細菌は好ましくは、乳酸細菌、ビフィドバクテリウムプロピオニバクテリウム、またはこれらの混合物からなる群から選択される。

0112

いくつかの実施形態において、微生物組成物は、106〜1012CFU(コロニー形成単位)、108〜1012CFU、1010〜1012CFU、108〜1010CFU、または108〜1011CFUのS.オーストラリスを含む。他の実施形態において、微生物組成物は、約106、約107、約108、約109、約1010、約1011、または約1012CFUのS.オーストラリスを含む。

0113

本開示によるS.オーストラリスを含む組成物は、投与される個体内の所望の作用部位への送達のために製剤化されることができる。例えば、該組成物は、経口投与および/または直腸投与のために製剤化されてもよい。追加的に、該組成物は、消化管への投与のための、または小腸、終末回腸、または結腸内での遅延放出のための製剤であってもよい。

0114

薬物として、すなわち疾患、障害、または状態の処置または予防のために採用されるとき、本明細書に説明する組成物は、薬学的組成物の形態で典型的に投与される。このような組成物は、薬学分野において周知の様式で調製されることができ、少なくとも1つの活性のある化合物、すなわち、本明細書に説明する生きた株を含む。概して、該組成物は、薬学的に有効な量、すなわち、治療有効量または予防有効量で投与される。投与される活性薬、すなわち、本明細書に説明するような微生物の量は典型的には、処置されることになっている状態、選択された投与経路、投与される1種または複数種の微生物の活性、個々の患者の齢、体重、および応答、患者の症状の重症度、ならびにこれらに類するものを含む関連環境の点で、医師によって典型的に判断されることになる。

0115

組成物は、口腔、直腸、および内を含む種々の経路によって投与することができる。企図される送達経路に応じて、該組成物は、注射可能組成物もしくは経口組成物のいずれかとして、または膏薬として、ローション剤として、もしくはパッチ剤としてのいずれかとして製剤化される。

0116

経口投与のための組成物は、バルクの液状の液剤もしくは懸濁剤、またはバルクの散剤の形態をとることができる。しかしながら、より一般的には、該組成物は、精確な投薬を容易にするために、単位剤形で提示される。典型的な単位剤形には、液体組成物事前充填された事前測定されたアンプル剤もしくは注射器、または固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセル剤、もしくはこれらに類するものが含まれる。経口投与可能な、または注射可能な投与可能な組成物についての上述の構成要素は単に代表に過ぎない。他の材料は、加工技術およびこれらに類するものと同様に、参照により本明細書に援用されるRemington’s The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,2005,Publisher:Lippincott Williams&Wilkinsの第8部において明らかにされている。

0117

経口投与のために、特定の使用は、圧縮錠剤、丸剤、錠剤、ゲル剤滴剤、およびカプセル剤でなされる。

0118

組成物は、単位剤形で、すなわち単位用量、または単位用量の複数の単位もしくは部分単位を含有する個別の部分の形態で、製剤化することができる。

0119

別の実施形態において、本開示の組成物は、1つ以上の他の活性薬との組み合わせで投与される。このような場合、本開示の組成物は、1つ以上の他の活性薬と連続して、同時にまたは順次投与することができる。

0120

薬用量および投与スケジュール
本明細書に開示する薬用量は、平均の場合の例示である。より多量のまたはより少量の薬用量範囲を得る個々の場合はもちろんあり得、このような場合は本開示の範囲内である。「単位剤形」という用語は、投与される個体についての単位薬用量として適した物理的に個別の単位を指し、各単位は、所望の治療効果または予防効果を生じるよう計算された活性のある材料のあらかじめ決めておいた量を含有し、適切な薬学的賦形剤と共にあってもよい。

0121

いくつかの実施形態において、対象における有効日用量は、約1×106〜約1×1012コロニー形成単位(CFU)、1×107〜1×1012CFU、1×108〜1×1012CFU、1×108〜1×1011CFU、1×108〜1×1010CFU、1×108〜1×109CFU、1×109〜1×1012CFU、1×1010〜1×1012CFU、または1×1010〜1×1011CFUである。対象は、ヒトまたは非ヒト霊長類であり得る。あるいは、対象は、ラット、マウス、ウサギなどの別の哺乳類であってもよい。

0122

いくつかの実施形態において、日用量は、対象に約1〜2週、1〜4週、1〜2か月、1〜6か月、1〜12か月間毎日投与される。

0123

あるいは、約1×106〜約1×1012コロニー形成単位(CFU)、1×107〜1×1012CFU、1×108〜1×1012CFU、1×108〜1×1011CFU、1×108〜1×1010CFU、1×108〜1×109CFU、1×109〜1×1012CFU、1×1010〜1×1012CFU、または1×1010〜1×1011CFUの範囲の用量は、対象へ隔日で、1週間に1回、1週間に3回、1週間に5回、1か月間に1回、1か月間に2回、1か月間に3回、2か月間に1回、または1年に3回、4回もしくは6回投与される。これらの実施形態において、用量は、対象へ約1〜2週間、1〜4週間、1〜2か月間、1〜6か月間、1〜12か月間延長する期間、投与することができる。

0124

対象へ投与される用量は、疾患および/もしくは状態を処置するのに、疾患および/もしくは状態を部分的に逆転させるのに、疾患および/もしくは状態を完全に逆転させるのに、または健常状態のマイクロバイオームを確立するのに十分であるべきである。いくつかの態様において、対象へ投与される用量は、高血糖、2型糖尿病、または肥満のような代謝障害と関係する症状の発症を予防するのに十分であるべきである。他の実施形態において、用量は、炎症性障害を処置しまたは寛解させるために有効である。いくつかの実施形態において、炎症は、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患である。

0125

投薬は、1回、または2回以上の投与の組み合わせであり得、例えば、毎日、隔日、毎週、毎月、またはさもなくば臨床医もしくは開業医の判断に従って、齢、体重、疾患の重症度、および各投与において投与される用量のような因子を考慮し得る。

0126

別の実施形態において、有効量は、1mlあたりもしくは1グラムあたり107〜1011個の細菌を有する1〜500mlもしくは1〜500グラムの細菌組成物、または107〜1011個の細菌を有する1mg〜1000mgの凍結乾燥した粉末を有するカプセル剤、錠剤、もしくは坐剤で提供することができる。一過性の処置を受けるものは、(病院作業従事者または長期ケア施設へと入院したもののような)長期投与を受けているものよりも多量の用量を服用することができる。

0127

上述のような有効量は、例えば、経口で、直腸に、静脈内に、皮下注射を介して、または経皮的に投与することができる。有効量は、固体または液体として提供することができ、かつ1つ以上の剤形単位(例えば、錠剤またはカプセル剤)で存在することができる。

0128

併用療法
治療用微生物を含む本明細書に教示する組成物は、他の処置療法および/または薬学的組成物と組み合わせることができる。例えば、高血糖、肥満または2型糖尿病などの代謝症候群または代謝障害に罹患している患者は、状態を処置するために担当医によって処方された薬剤をすでに服用していてもよい。複数の実施形態において、本明細書に教示する組成物は、患者の既存の薬剤と共に投与することができる。

0129

1つ以上のプレバイオティクスを含有するまたは含有しない組成物は、抗菌薬を含む、併用療法様式で他の薬剤と共に投与することができる。投与は、数時間または数日の期間にわたって、順次であっても、同時であってもよい。

0130

一実施形態において、1つ以上のプレバイオティクスを含有するまたは含有しない微生物組成物は、抗菌薬、抗真菌薬抗ウイルス薬、および抗寄生虫薬を含む1つ以上の抗微生物薬との併用療法に含まれる。いくつかの実施形態において、抗微生物薬(複数可)は、S.オーストラリスの機能または成長を止めたり抑制したりしない。

0131

マイクロバイオームを基にした患者の選択
いくつかの実施形態において、対象はヒトである。他の実施形態において、対象は、非ヒト霊長類、ブタ、ヤギ、イヌ、ウシ、ウマ、ニワトリ、マウス、ラット、およびネコを含むがこれらに限定されない他の動物である。

0132

例えば、血中グルコース値、耐グルコース能、および/またはBMIを測定することによって、S.オーストラリスの投与を含む療法から利益を受けることができる対象を特定することに加えて、対象は、腸マイクロバイオームの特性により特定することができる。特定の細菌組成物は、個々の対象についてまたは特定の特性を有する対象について選択することができる。例えば、16SrRNA配列決定は、所与の対象が自身の微生物相内に存在する細菌を特定するために実行することができる。16S rRNA配列決定は、他の方法、例えば、対象のマイクロバイオーム特性を決定するためのマイクロプロファイリングと共に使用することができる。配列決定は、(科、属、または種のレベルに対する)16S配列決定を用いて対象の全マイクロバイオームを特徴づけることができるか、16S配列決定を用いて対象のマイクロバイオームの一部を特徴づけることができるか、または多剤耐性生物もしくは関心対象の具体的な属のマーカーのような、健康状態もしくは特定の疾患状態についてのバイオマーカーである具体的な候補細菌の有無を検出するために使用することができるかのいずれかである。バイオマーカーデータに基づいて、特定の組成物は、健康を回復させ、または疾患を処置もしくは予防するために、対象の微生物相を補充または補完するための対象への投与について選択することができる。別の実施形態において、処置の成功の見込みを決定するために、微生物相の組成を決定するよう、対象をスクリーニングすることができる。

0133

キット
ある特定の態様において、本開示は、代謝障害もしくは代謝疾患または炎症性障害もしくは炎症性疾患の処置のためのキットに関する。キットは、本開示による微生物組成物を含む。いくつかの実施形態において、キットは、本明細書に説明するような第2の治療薬であるプレバイオティクス、またはその組み合わせをさらに含む。

0134

提供されるキットは、1つ以上の容器を含むことができる。容器は、1つ以上の微生物を含む単一の単離された微生物組成物を含み得、および/または1つ以上の炭水化物を含む単一の単離されたプレバイオティクス組成物を含む単一の単離された微生物組成物を含み得る。異なる容器中での1つ以上のプレバイオティクスを含有するまたは含有しない微生物組成物は、同時にまたは異なるときに投与することができ、特定の順序で投与することができる。

0135

1つ以上のプレバイオティクスを含有するまたは含有しない微生物組成物は、生きている微生物、凍結乾燥した(lyophilized)、凍結乾燥した(freeze−dried)、および/もしくは実質的に脱水した微生物を含むことができるか、または組成物は細菌胞子を含むことができる。

0136

次の実施例は、本開示を説明するよう企図されているが、本開示を限定しない。

0137

次の実験は、教示された微生物の治療能力を単独でおよび組み合わせで実証するために、肥満/糖尿病の動物モデルを利用したインビボ実験の頑強な混合物、ならびにその方法を利用する。ヒトの肥満、高血糖、2型糖尿病、ならびに関係する状態および疾患を模倣するために一般に使用される動物モデルは、ob/obマウスモデルの使用である(総説については、例えば、Lindstrom,P.(2007)ScientificWorldJournal.7:666−685を参照されたい)。さらに、約60%の脂肪および20%の炭水化物である食餌を給餌されたC57BL/6Jマウスのような高脂肪食誘導マウスモデルを使用することができる(Collins et al.,2004,Physiol Behav,81:243−248)。

0138

次の実験は、教示された微生物の治療能力を単独でおよび組み合わせで実証するために、肥満/糖尿病の動物モデルを利用したインビボ実験の頑強な混合物、ならびにその方法を利用する。

0139

実施例1
A.グルコース恒常性に及ぼすストレプトコッカス・オーストラリス(S.オーストラリス)の効果
本実施例は、高脂肪食誘導肥満マウスモデルにグルコース負荷試験(GTT)を実行することによって、グルコース恒常性に及ぼす生S.オーストラリス細菌を投与する効果を試験した。

0140

C57BL/6Jを背景とするマウス(The Jackson Laboratory)のセットをケージ1つにつき5匹の群で飼育し、食餌および水への接近は自由とした。マウスに対照食(18%タンパク質および6%脂肪、Teklad global T2018)または高脂肪食(60%脂肪および20%炭水化物、Research Diets D12492)のいずれかを給餌した。合計10匹のマウスに正常(対照)食を給餌した。高脂肪食を給餌した40匹のマウスを次の処置、すなわちビヒクルのみ、S.オーストラリスを含む組成物、G.サングイニス(G.sanguinis)、またはアッカーマンシアムシフィラ(Akkermansia muciniphila(A.ムシニフィラ(A.muciniphila))を含む組成物のために4群に分けた。使用した株に由来するATCC寄託番号は、次のとおりである。S.オーストラリス(ATCC700641)、G.サングイニス(ATCC700632)、およびA.ムシニフィラ(ATCC BAA−835)。処置の前に、すべてのマウスに強制経口投与によって100μLの10%重炭酸ナトリウムを投与した。ビヒクルのみの処置は強制経口投与によるものとし、100μLの滅菌済みPBSを投与した。微生物組成物を用いた処置については、2×108コロニー形成単位(CFU)のS.オーストラリス、G.サングイニス、またはA.ムシニフィラを含有する100μLの滅菌済みPBSを、強制経口投与を介して1日当たり1回を4週間(28日)投与した。

0141

マウスを屠殺する前日である27日後に、マウスを4時間絶食させた後、デキストロース腹腔内注射した(1g/Kg,Hospira,Inc)。注射後のグルコースの変動を監視した。血液試料をデキストロース注射後の0、10、30、60および120分に採取した。ワンタッチグルコースモニタリングシステム(Lifescan)を用いてグルコースを測定し、正規化血中値を図1に提示する。GraphPad Prismを用いて正規化GTT由来の曲線下面積(AUC)を測定し、値を図2に提供する(一元配置ANOVAにより、*p<0.05、***p<0.001)。AUCは、経時的なグルコース値の下の面積を測定することによってグルコースの変動を決定する。AUCは任意の単位であるが、濃度×時間の単位を有する。例えば、mg・時/Lまたはmg・時L−1である。AUCは、薬剤製品性能、すなわち剤形生物学的利用能の計算において広範に使用されている。

0142

S.オーストラリスを用いた処置は、GTTによって測定されるように、耐グルコース能の有意な改善をもたらした。図1は、S.オーストラリスを用いた処置が、ビヒクル単独を用いた処置と比較して、グルコース恒常性を亢進する上でのS.オーストラリスの役割を実証する、グルコース投与後の血中グルコース値のより迅速な低減をもたらすことを示している。その上、30分後および60分後、循環グルコース値は、ビヒクル群と比較してS.オーストラリス処置マウスにおいて有意に低かった。AUCはしたがって、ビヒクル処置マウスと比較して有意に低下した(図2を参照されたい)。

0143

実施例2
体重に及ぼすS.オーストラリスの効果
マウスを体重および脂肪組成に関しても解析した。総体重を実験の経過にわたって監視した。また、28日後のマウスの屠殺後、各マウスを量して、最終総体重を測定した。図4Aおよび図4Bに示すように、S.オーストラリスまたはA.ムシニフィラを用いて処置したマウスは、ビヒクルのみを用いて処置したHFD誘導肥満マウスと比較して、総体重の中程度の低下を経験した。

0144

加えて、精巣上体脂肪および皮下脂肪を個別に収集し、各個体について秤量した。図3Aに示すように、ビヒクルのみを用いて処置したマウスと比較して、S.オーストラリスを用いて処置したマウスにおける精巣上体脂肪重量の劇的な低下があった。皮下の飢餓に関して、S.オーストラリスまたはA.ムシニフィラを用いて処置した動物についての皮下脂肪の有意な低下があった(図3B,**一元配置ANOVAによりp<0.01)。

0145

体重に及ぼす類似の効果(図4Aおよび4B)なく精巣上体脂肪(図3A)および皮下脂肪(図3B)の明白な低下を結果として生じるS.オーストラリスを用いた処置は、観察された皮下の喪失が、おそらく筋量および/または骨密度の対応する重量増加を伴ったことを示唆する。したがって、本データは、肥満のような代謝障害、およびおそらく2型糖尿病のような関連障害対処することについて、生S.オーストラリスの治療効果と一致している。

0146

実施例3
遺伝子発現に及ぼすS.オーストラリスの効果
マウスから取得した試料も加工して、グルコースおよび脂肪の代謝と関係する遺伝子の発現を分析した。肝脂肪組織および褐色脂肪組織をマウスから収集し、液体窒素中での浸漬によって瞬時に凍結させた後、−80℃で保存した。全RNAを組織から調製し、cDNA逆転写によって調製し、脂質酸化のマーカーである遺伝子pparα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ)、cpt−1α(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1A)、およびsrebf1(ステロール調節要素結合転写因子1)に特異的な順方向および逆方向プライマーを用いてリアルタイムPCRを実施した。これらの遺伝子産物の活性化は、脂肪産生の増加を示す。この分析の結果は図5A図5Bおよび図5Cに示され、S.オーストラリスを用いて処置した動物の肝臓における3つすべての遺伝子の発現の低下を実証している。

0147

実施例4
S.オーストラリスを含む組成物を用いた2型糖尿病の処置
S.オーストラリスを含有する生バイオ治療薬製品の効果を試験する臨床試験を行い、2型糖尿病を処置するための本組成物の効果を試験した。本試験には、処置前後の糞便物質中のS.オーストラリス細菌、耐グルコース能、およびインスリン感受性の測定が含まれる。

0148

本試験は、無作為化した偽薬対照の二重盲検治験とする。2型糖尿病と診断された24名の成人を無作為に試験群(n=12)および対照群(n=12)に割り当てる。試験群における各対象に等量のS.オーストラリス(約108〜1012CFU)を含有するカプセル剤を経口投与するのに対し、対照群における対象は、偽薬カプセル剤を受ける。試験群における各対象に、を含有するカプセル剤を経口投与する。各対象は、試験群が偽薬錠剤を経口投与されていることである。カプセル剤を各対象へ午前中に1日1回、4週の期間で投与する。処置の週の間発酵乳製品控えるよう対象に指導する。経口グルコース負荷試験(OGTT)前の48時間は激しい身体運動を回避する。経口抗糖尿病薬およびスタチンを1週間、すべての他の薬剤を24時間与えないでおく。

0149

カプセル剤の初回投与の前24時間以内、および投与の最終日糞便試料を収集する。試料を24時間以内に5℃に保ち、実験室内で分析するまで−80℃で保存する。全細菌DNAおよびゲノムDNAを糞便試料から抽出する。

0150

糞便試料中のS.オーストラリスのレベルを決定するために、S.オーストラリスに特異的な遺伝子配列をPCR増幅し、DNA配列決定によって確認した後、リアルタイムPCRによって分析して、各対象の糞便試料中のS.オーストラリスのレベルを測定する。

0151

OGTTを本試験の開始時および終了時に実施して、耐グルコース能に関する処置の効果を決定する。各対象は、カプセル剤の初回経口投与の前日および投与の最終日に経口グルコース負荷試験(OGTT)を受ける。対象は、500mlの水に希釈した75gのグルコースを5分間かけて飲む。血漿グルコースを、ベースラインで、ならびにグルコース投与後1時間および2時間で測定する。

0152

インスリン抵抗性に及ぼす処置の効果を、高インスリン正常血糖クランプ技術を用いて測定する。概して、一晩の絶食後、対象は実験室へ報告し、インスリン、グルコース、および電解質の投与のための静脈内カテーテルは前静脈内に配置する。逆行性カテーテルを反対側の手における背部静脈内へと挿入する。

0153

クランプの持続時間は180分である。インスリン(100IU/ml)を1m2あたり0.120IU/分の流量で継続的に注入する。血漿グルコースを時間1の間の5分間隔、および時間2および時間3の間の10分間隔で測定する。血漿グルコース値は、コンピュータ制御注入ポンプでグルコースの注入流量(200g/l)を調整することによって5.0±0.2mmol/lを標的とする。グルコースの全身代謝速度MをDeFronzo et al.(1979,Am J Physiol 237:E214−E223)の方程式によって120〜180分の間隔におけるグルコース注入流量から計算する。Kを有する等張性塩類溶液を継続的に注入して、低カリウム血症を回避する。インスリンの分析のための血液を30分ごとにEDTA含有チューブへと抜き取り、すぐに遠心分離する。分析まで血漿を−80℃で保存する。

実施例

0154

上述の本発明を、理解の明確さの目的のためである例解および例によってやや詳細に説明してきたが、ある特定の変更および改変が、添付の特許請求の範囲において輪郭を描かれている本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく実施され得ることは当業者に明らかとなる。それゆえ、本明細書は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。

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