図面 (/)

技術 血液悪性腫瘍の治療

出願人 アクティニウムファーマシューティカルズインコーポレイテッド
発明者 セスサンデシュトーマスケイシャ
出願日 2018年7月31日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2020-505341
公開日 2020年10月8日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-529416
状態 未査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 突然変異または遺伝子工学 ペプチド又は蛋白質 非環式または炭素環式化合物含有医薬 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード 破壊経路 累積エネルギー 締め出し 遠心分離デバイス パーセント超 地固め 高エネルギー放射 ハイブリッド化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (16)

課題・解決手段

CD38に対する放射性核種標識モノクローナル抗体を含む医薬組成物、ならびに血液悪性腫瘍治療する方法、CD38を発現する細胞成長及び/もしくは増殖を阻害する方法、又はCD38を発現する細胞に関与する疾患もしくは障害を治療する方法が開示される。例示的モノクローナル抗体は、アクチニウム(225Ac)で標識されたダラツムマブを含む。

概要

背景

多発性骨髄腫は、通常は抗体の産生に寄与する形質細胞(plasma cell)の単一クローンの増殖によって特徴付けられる血液悪性腫瘍である。これらの悪性形質細胞(多発性骨髄腫細胞)は、骨髄中の健康な血液細胞締め出し末梢血中に循環し、骨髄の新しい部位に侵入する。したがって、多発性骨髄腫の進行は、骨髄と多発性骨髄腫細胞との間の連続的な相互作用によって起こり、骨格系全体に複数の腫瘍及び病変を生じさせ、生存期間中央値は5年である。全ての癌の約1%、及び全ての血液悪性腫瘍の10%超が、多発性骨髄腫に起因し得る。多発性骨髄腫患者大多数が数年以内に再発し、ほとんどの場合、再発患者治療に反応しない。

多発性骨髄腫の現在利用可能な治療は、化学療法幹細胞移植、又は免疫調節薬レナリドミドサリドマイド)、プロテアソーム阻害剤カルフィルミブボルテゾミブ)、ビスホスホネートパミドロン酸ゾレドロン酸)等の小分子薬を含む。ビンクリスチンカルムスチンメルファランシクロホスファミドアドリアマイシン、及びステロイド系薬剤、例えば、プレドニゾン又はデキサメタゾン等の化学療法剤の組み合わせを含む現在の治療プロトコルは、わずか約5%の完全寛解率、及び診断時から約36〜48ヶ月の生存期間中央値をもたらす。高用量の化学療法に続いて自己骨髄移植又は末梢血単核細胞移植を用いる最近の進歩により、完全寛解率及び寛解持続期間が増加した。しかしながら、全体的な生存期間はわずかに延長されたに過ぎず、治癒証拠は得られていない。

これらの利用可能な化学療法治療計画の有効性は、多発性骨髄腫細胞の低い増殖率及び多剤耐性の発生によって制限される。90%を上回る多発性骨髄腫患者にとって、本疾患は化学療法抵抗性となる。結果として、形質細胞上の表面抗原を標的とする養子免疫療法を目的とした代替的な治療計画が求められている。

多発性骨髄腫細胞は、長いC末端細胞外ドメインと短いN末端細胞質ドメインとを有する45kDのII型膜貫通糖タンパク質であるCD38を均一に過剰発現する。CD38タンパク質は、NAD+の環状ADPリボース(cADPR)への変換、及びcADPRのADP−リボースへの変換を触媒することができる二官能性細胞外酵素であり、したがって細胞外NAD+濃度を調節する。更に、CadPRは、細胞内Ca2+動員のためのセカンドメッセンジャーであることが示されている。したがって、CD38は、細胞内Ca2+流束の調節に必要不可欠な構成要素であり得る。

クラスとしてのCD38治療抗体は、典型的には、主な作用機序として古典的なFc依存性免疫エフェクター機能、例えば、抗体依存性細胞傷害ADCC)、抗体依存性細胞貪食ADCP)、及び補体依存性細胞傷害(CDC)に依存するが、最近の研究により、免疫抑制因子機序を標的とすることもまた、特定のCD38抗体の抗腫瘍活性に寄与し得ることが示されている。

CD38発現はまた、限定されないが、B細胞慢性リンパ性白血病B細胞急性リンパ性白血病、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症原発性全身性アミロイドーシスマントル細胞リンパ腫、前リンパ球性白血病骨髄性白血病急性骨髄性白血病慢性骨髄性白血病濾胞性リンパ腫NK細胞白血病及び形質細胞性白血病を含む様々な他の悪性血液疾患においても上方制御される。

更に、CD38の発現は、前立腺腺上皮膵臓島細胞耳下腺を含む導管上皮気管支上皮細胞精巣及び卵巣の細胞、ならびに直腸結腸腺癌の腫瘍上皮を含む、異なる起源の上皮/内皮細胞について記載されている。したがって、CD38発現が関与する可能性がある疾患は、限定されないが、気管支上皮癌腫乳房の管及び小葉上皮内層の悪性増殖から生じる乳癌、b細胞から生じる膵腫瘍(例えば、インスリノーマ)、腸の上皮から生じる腫瘍(例えば、腺癌及び扁平上皮癌)を含む。

ダラツムマブは、自家造血幹細胞移植を受けることができない、新たに診断された多発性骨髄腫(MM)患者の治療のための併用、ならびに再発性又は難治性MMにおいて、単剤として及び標準治療との併用において承認された、ファーストインクラスのCD38を標的とする抗体である。抗CD38単剤又は併用療法による患者の反応における顕著な改善にもかかわらず、全ての患者が反応するわけではなく、MMの管理は依然として困難である。

CD38抗体療法に対する患者反応を潜在的に妨げる障害の1つは、上述の作用機序を誘導するために有意なCD38発現レベルを有する腫瘍に対するこのアプローチの依存性である。したがって、低い又は異種の腫瘍CD38発現を有する患者は、抗体療法に対する反応が不十分な傾向がある。細胞傷害性毒素又は化学療法剤を抗体にコンジュゲートさせる抗体−薬物コンジュゲート等の薬物の治療指数を増加させるための選択肢もまた、強力な腫瘍細胞死を可能にするのに十分なペイロード送達するための高い抗原密度に大きく依存する。したがって、低CD38発現の状況において潜在的に作用し得る治療が求められており、抗体ベースの治療の転帰を改善し得る。

概要

CD38に対する放射性核種標識モノクローナル抗体を含む医薬組成物、ならびに血液悪性腫瘍を治療する方法、CD38を発現する細胞の成長及び/もしくは増殖を阻害する方法、又はCD38を発現する細胞に関与する疾患もしくは障害を治療する方法が開示される。例示的モノクローナル抗体は、アクチニウム(225Ac)で標識されたダラツムマブを含む。

目的

本発明はまた、CD38に対するアクチニウム(225Ac)標識モノクローナル抗体と、用量及び投与の指示を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

CD38を発現する細胞関与する疾患又は障害治療する方法であって、CD38に対するモノクローナル抗体を含む有効量の医薬組成物を対象に投与することを含み、前記モノクローナル抗体が、アクチニウム(225Ac)で標識されていることを特徴とする方法。

請求項2

前記モノクローナル抗体が、CD38に対するヒト又はヒト化免疫グロブリンIgG1)を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記モノクローナル抗体が、ダラツムマブ、MOR202、SAR650984を含む、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記モノクローナル抗体が、ダラツムマブを含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

CD38を発現する前記細胞が、CD38発現癌細胞又はCD38発現T細胞、B細胞NK細胞、もしくは形質細胞である、請求項1に記載の方法。

請求項6

CD38を発現する前記細胞が、固形腫瘍細胞又は血液悪性腫瘍細胞を含む、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記血液悪性腫瘍細胞が、多発性骨髄腫細胞急性リンパ性白血病細胞、急性骨髄性白血病細胞慢性リンパ性白血病細胞、慢性骨髄性白血病細胞、ホジキンリンパ腫細胞、非ホジキンリンパ腫細胞、T−LGL白血病細胞、NK細胞白血病細胞、又はヘアリーセル白血病細胞を含む、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記医薬組成物が、CD38のエピトープに対する非放射標識モノクローナル抗体を更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記医薬組成物が、前記アクチニウムで標識されたモノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非放射標識モノクローナル抗体を更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記有効量が、0.1uCi/kg〜5uCi/kgを含む0.1ug/kg〜1mg/kg抗体の用量を含む、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記有効量が、0.1uCi/kg〜1uCi/kgを含む0.1ug/kg〜50ug/kg抗体の用量を含む、請求項9に記載の方法。

請求項12

前記有効量が、単回用量として投与される、請求項10又は11に記載の方法。

請求項13

前記有効量が、2回の等しい分割用量として投与され、第2の用量が第1の用量の3〜8日後に投与される、請求項10又は11に記載の方法。

請求項14

1つ以上のさらなる治療薬を投与することを更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項15

前記1つ以上のさらなる治療薬の投与が、前記医薬組成物の投与の前又は後である、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記1つ以上のさらなる治療薬が、化学療法剤抗炎症剤免疫抑制剤免疫調節剤、又はそれらの組み合わせを含む、請求項14に記載の方法。

請求項17

前記1つ以上のさらなる治療薬が、抗骨髄腫剤を含む、請求項14に記載の方法。

請求項18

請求項19

前記医薬組成物が、1つ以上のさらなる治療薬を更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項20

前記医薬組成物が、少なくとも1回の用量を含む投与計画において前記対象に投与される、請求項1に記載の方法。

請求項21

前記少なくとも1回の用量が、対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも5倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量、又は対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも10倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量、又は対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも20倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量、又は前記対照モノクローナル抗体のみを含む前記投与計画の前記用量よりも50倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量、又は前記対照モノクローナル抗体のみを含む前記投与計画の前記用量よりも100倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量を含み、前記対照モノクローナル抗体が、前記アクチニウムで標識されたモノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非標識モノクローナル抗体を含む、請求項20に記載の方法。

請求項22

前記対照モノクローナル抗体が、約16mg/kg患者体重の用量で投与されるダラツムマブを含む、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記投与計画が、対照投与計画よりも少なくとも1回少ない用量、又は対照投与計画よりも少なくとも2回少ない用量、又は対照投与計画よりも少なくとも3回少ない用量、又は対照投与計画よりも少なくとも4回少ない用量、又は対照投与計画よりも少なくとも5回少ない用量を含み、前記対照投与計画は、単独で又は1つ以上の追加の治療薬と組み合わせてのいずれかの、前記アクチニウムで標識されたモノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非標識モノクローナル抗体の投与を含む、請求項20に記載の方法。

請求項24

前記対照投与計画が、少なくとも8週間、1週間に1回の用量で投与される8回の用量を含む、請求項23に記載の方法。

請求項25

(a)CD38に対する放射標識モノクローナル抗体と、(b)CD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療するのに有効な量の前記抗体を対象に投与するよう使用者に指示する表示と、を含むことを特徴とする製造品

請求項26

前記モノクローナル抗体が、アクチニウム(225Ac)で標識されたダラツムマブである、請求項25に記載の製造品。

請求項27

CD38を発現する細胞に関与する前記疾患又は障害を治療するのに有効な前記抗体の量が、10μCi〜200μCiの前記225Acで標識されたダラツムマブを含む、請求項26に記載の製造品。

請求項28

CD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害の治療に有用な医薬組成物であって、5〜50重量%のアクチニウム(225Ac)で標識されたCD38に対するモノクローナル抗体と、50〜95重量%の非標識CD38に対する前記モノクローナル抗体と、薬学的に許容可能な担体と、を含むことを特徴とする医薬組成物。

請求項29

前記放射標識モノクローナル抗体が、225Ac−ダラツムマブであり、前記非標識モノクローナル抗体が、ダラツムマブである、請求項28に記載の医薬組成物。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2017年7月31日に出願された米国仮特許出願第62/539,114号、表題「Treatments for a Hematological Malignancy」の利益を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、CD38抗原に特異的な放射標識モノクローナル抗体組成物に関し、より具体的には、血液悪性腫瘍治療に有用なα線放出核種で標識された抗CD38モノクローナル抗体を含む組成物に関する。

背景技術

0002

多発性骨髄腫は、通常は抗体の産生に寄与する形質細胞(plasma cell)の単一クローンの増殖によって特徴付けられる血液悪性腫瘍である。これらの悪性形質細胞(多発性骨髄腫細胞)は、骨髄中の健康な血液細胞締め出し末梢血中に循環し、骨髄の新しい部位に侵入する。したがって、多発性骨髄腫の進行は、骨髄と多発性骨髄腫細胞との間の連続的な相互作用によって起こり、骨格系全体に複数の腫瘍及び病変を生じさせ、生存期間中央値は5年である。全ての癌の約1%、及び全ての血液悪性腫瘍の10%超が、多発性骨髄腫に起因し得る。多発性骨髄腫患者大多数が数年以内に再発し、ほとんどの場合、再発患者は治療に反応しない。

0003

多発性骨髄腫の現在利用可能な治療は、化学療法幹細胞移植、又は免疫調節薬レナリドミドサリドマイド)、プロテアソーム阻害剤カルフィルミブボルテゾミブ)、ビスホスホネートパミドロン酸ゾレドロン酸)等の小分子薬を含む。ビンクリスチンカルムスチンメルファランシクロホスファミドアドリアマイシン、及びステロイド系薬剤、例えば、プレドニゾン又はデキサメタゾン等の化学療法剤の組み合わせを含む現在の治療プロトコルは、わずか約5%の完全寛解率、及び診断時から約36〜48ヶ月の生存期間中央値をもたらす。高用量の化学療法に続いて自己骨髄移植又は末梢血単核細胞移植を用いる最近の進歩により、完全寛解率及び寛解持続期間が増加した。しかしながら、全体的な生存期間はわずかに延長されたに過ぎず、治癒証拠は得られていない。

0004

これらの利用可能な化学療法治療計画の有効性は、多発性骨髄腫細胞の低い増殖率及び多剤耐性の発生によって制限される。90%を上回る多発性骨髄腫患者にとって、本疾患は化学療法抵抗性となる。結果として、形質細胞上の表面抗原を標的とする養子免疫療法を目的とした代替的な治療計画が求められている。

0005

多発性骨髄腫細胞は、長いC末端細胞外ドメインと短いN末端細胞質ドメインとを有する45kDのII型膜貫通糖タンパク質であるCD38を均一に過剰発現する。CD38タンパク質は、NAD+の環状ADPリボース(cADPR)への変換、及びcADPRのADP−リボースへの変換を触媒することができる二官能性細胞外酵素であり、したがって細胞外NAD+濃度を調節する。更に、CadPRは、細胞内Ca2+動員のためのセカンドメッセンジャーであることが示されている。したがって、CD38は、細胞内Ca2+流束の調節に必要不可欠な構成要素であり得る。

0006

クラスとしてのCD38治療抗体は、典型的には、主な作用機序として古典的なFc依存性免疫エフェクター機能、例えば、抗体依存性細胞傷害ADCC)、抗体依存性細胞貪食ADCP)、及び補体依存性細胞傷害(CDC)に依存するが、最近の研究により、免疫抑制因子機序を標的とすることもまた、特定のCD38抗体の抗腫瘍活性に寄与し得ることが示されている。

0008

更に、CD38の発現は、前立腺腺上皮膵臓島細胞耳下腺を含む導管上皮気管支上皮細胞精巣及び卵巣の細胞、ならびに直腸結腸腺癌の腫瘍上皮を含む、異なる起源の上皮/内皮細胞について記載されている。したがって、CD38発現が関与する可能性がある疾患は、限定されないが、気管支上皮癌腫乳房の管及び小葉上皮内層の悪性増殖から生じる乳癌、b細胞から生じる膵腫瘍(例えば、インスリノーマ)、腸の上皮から生じる腫瘍(例えば、腺癌及び扁平上皮癌)を含む。

0009

ダラツムマブは、自家造血幹細胞移植を受けることができない、新たに診断された多発性骨髄腫(MM)患者の治療のための併用、ならびに再発性又は難治性MMにおいて、単剤として及び標準治療との併用において承認された、ファーストインクラスのCD38を標的とする抗体である。抗CD38単剤又は併用療法による患者の反応における顕著な改善にもかかわらず、全ての患者が反応するわけではなく、MMの管理は依然として困難である。

0010

CD38抗体療法に対する患者反応を潜在的に妨げる障害の1つは、上述の作用機序を誘導するために有意なCD38発現レベルを有する腫瘍に対するこのアプローチの依存性である。したがって、低い又は異種の腫瘍CD38発現を有する患者は、抗体療法に対する反応が不十分な傾向がある。細胞傷害性毒素又は化学療法剤を抗体にコンジュゲートさせる抗体−薬物コンジュゲート等の薬物の治療指数を増加させるための選択肢もまた、強力な腫瘍細胞死を可能にするのに十分なペイロード送達するための高い抗原密度に大きく依存する。したがって、低CD38発現の状況において潜在的に作用し得る治療が求められており、抗体ベースの治療の転帰を改善し得る。

0011

CD38の高発現に依存しない、CD38特異的な標的治療に対する効力及び潜在的な反応を増加させるための潜在的な解決法は、放射免疫療法RIT)である。RITは、腫瘍関連抗原に対する抗体による放射性核種の標的化を介して有用な抗腫瘍療法として出現した。

0012

したがって、本発明は、CD38に対するモノクローナル抗体を含む組成物に関し、抗体は、アクチニウム(225Ac)等のα線放出核種で標識される。本発明の特定の態様によれば、組成物は、CD38に対する非標識抗体、及び/又は化学療法剤、抗炎症剤免疫抑制剤免疫調節剤、もしくは抗骨髄腫剤等の1つ以上の追加の治療薬を更に含み得る。本発明の特定の態様によれば、モノクローナル抗体は、キレート剤を介して放射性核種で標識されてもよい。

0013

本発明はまた、CD38に対するアクチニウム(225Ac)標識モノクローナル抗体と、用量及び投与の指示を提供する表示とを含む製造品にも関する。

0014

本発明は更に、CD38に対する放射標識モノクローナル抗体を含む組成物の投与によって、血液悪性腫瘍を有する哺乳動物を治療するための方法、CD38を発現する細胞の成長及び/又は増殖を阻害するための方法、ならびにCD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療する方法に関する。

0015

本発明の目的は、添付の特許請求の範囲に具体的に概説される組み合わせによって実現され、かつ達成される。前述の概略的な説明ならびに後述の本発明の詳細な説明及び例は、本発明の様々な態様を説明するために提供されるのであって、決して記載される実施形態のいずれかを限定するものとして見なされるべきではない。

図面の簡単な説明

0016

アクチニウム225Ac)でダラツムマブを放射標識するための方法の概略図を提供し、パネル(A)は、二官能性キレーターS−2−(4−イソチオシアナトベンジル)−1,4,7,10テトラアザシクロドデカン四酢酸(p−SCN−Bn−DOTA:図中でDOTAと称される)のモノクローナル抗体ダラツムマブ(DARA)への結合を示し、パネル(B)は、225Ac−DARAを提供するための225AcによるDOTA−DARAコンジュゲートの放射標識を示す。
キレーターDOTAとDARAの免疫複合体によるアクチニウム(225Ac)のキレート化収率を示す棒グラフを提供し、コンジュゲーション反応は、37oC又は室温で、DARAに対して様々なモル過剰のDOTAキレーターで行われる。0.15M酢酸アンモニウム緩衝液(pH6.5)中0.3mg/mlのDOTA−DARAを、37oC又は室温で60分間、1uCi/ug DARAで、0.01M HCL中の225Acで標識した(DOTAによる225Acのキレート化)。
様々な放射標識DARA試料の4oCでの保存安定性を示すグラフを提供し、試料は、37oC又は室温で、DARAに対して様々なモル過剰のDOTAで行われたDOTAとDARAとのコンジュゲーション反応に由来する。
様々な放射標識DARA試料の室温での保存安定性を示すグラフを提供し、試料は、37oC又は室温で、DARAに対して様々なモル過剰のDOTAで行われたDOTAとDARAとのコンジュゲーション反応に由来する。
225Ac−DARAコンジュゲートの様々な濃度のCD38に対する結合を示すグラフを提供し、225Ac−DARAコンジュゲートは、37oC又は室温で、DARAに対して様々なモル過剰のDOTAで行われたDOTAとDARAとのコンジュゲーション反応に由来する。
様々な濃度のDARA及びDOTA−DARAがプラスチック上で固定化され、補体タンパク質C1qとともにインキュベートされたときの結果を示すグラフを提供する。C1q結合の量は、抗C1q−HRPをプローブとして使用して評価した。
様々な濃度のDARA及びDOTA−DARAが、CD38を発現する標的細胞に添加されたときの結果を示すグラフを提供する。FcγR(III)によって活性化されたときにルシフェラーゼを発現するエフェクター細胞を標的細胞に添加し、Bio−Glow(商標)の添加後に発光を測定した。誘導倍率=RLU(誘導バックグラウンド)/RLU(抗体なしの対照バックグラウンド)。ADCCを活性化することが分かっている抗CD20抗体を、陽性対照として使用した。
225Ac−DARAコンジュゲートがDaudi細胞の溶解を誘導する能力を、非標識DARA、225Ac−DOTA−IgGコンジュゲート、及び未処理細胞と比較して示すグラフを提供し、図5A〜図5Dは、24、48、72、及び96時間の曝露時間をそれぞれ示す。
図5A〜図5Dに見られるデータの概要グラフを提供し、様々な濃度の225Ac−DARAについて経時的な細胞溶解パーセントを示す。
様々な濃度の225Ac−DARAコンジュゲートが、96時間にわたってADCCによる28BM及び28PE多発性骨髄腫細胞の溶解をそれぞれ誘導する能力を示すグラフを提供する。
様々な濃度の225Ac−DOTA−DARAコンジュゲートへの曝露におけるDaudi、28BM、及び28PE細胞の細胞溶解結果を比較する棒グラフを提供し、図8A〜図8Cは、48、72、及び96時間の曝露時間をそれぞれ示す。
Daudi腫瘍担持CIマウスにおける111In−DARAの生体内分布を示す。マウスに111In−DARA(400μCi)の単回腹腔内(IP)注射を投与し、注射後1、4、24時間、続いて2、3、7及び10日目にmicroSPECT/CTで撮像した。
Daudi腫瘍担持SCIDマウスの放射免疫療法治療(RIT)の結果を示し、図5AはRIT後の腫瘍体積を示し、図5BはRIT後のマウス生存期間のカプランマイヤープロットを示す。SCIDマウスの右側腹部に、CD38陽性Daudi細胞を注射した。腫瘍が約200mm3に達したとき、200もしくは400nCiの225Ac−DARA(0.3μg)、又は同量の0.3μgのDARAもしくは30倍高い用量(10μg)の裸のDARA、又は生理食塩水の単回IP注射で処理した。式V=0.5(LW2)を用いて腫瘍体積を算出した。腫瘍体積が4,000mm3に達したときにマウスを屠殺した。
225Ac−DARAを用いるRITの安全性評価の結果を示し、図11AはRIT後のマウスの体重を示し、図11Bは、RIT後7日目の血液、肝臓及び腎臓の健康パラメータを示す。SCIDマウスの右側腹部に、CD38陽性Daudi細胞を注射した。腫瘍が約200mm3に達したとき、200もしくは400nCiの225Ac−DARA(0.3μg)、又は同量の0.3μg裸のDARAもしくは30倍高い用量(10μg)の裸のDARA、又は生理食塩水の単回IP注射で処理した。RIT後は3日ごとにマウスの体重をモニタリングした。RIT後7日目に血液を採取し、指示されたパラメータについて分析した。
GenBank受入れ番号NP_001766に示されるようなヒトCD38のアミノ酸配列を提供する。

0017

定義及び略語
単数形「a」、「an」、「the」等は、文脈別途明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「a」希釈剤は、単一の希釈剤及び複数の異なる希釈剤の両方を含む。

0018

数字表示、例えば、温度、時間、量、及び濃度の前に使用される場合の「約」という用語は、±10%、±5%、又は±1%変化し得る近似値を示す。

0019

「含んでいる」又は「含む」は、組成物及び方法が列挙される要素を含むが、他を排除しないことを意味することを意図する。組成物及び方法を定義するために使用される場合の「〜から本質的になる」は、記載される目的のために、その組み合わせにとって任意の本質的に重要な他の要素を排除することを意味するものとする。したがって、本明細書に定義される要素から本質的になる方法は、特許請求される発明の基本的及び新規の特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさない他のステップ又は組成物を排除しない。

0020

「モノクローナル抗体」は、単一分子組成物の抗体分子調製物を指す。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対して単一結合特異性及び親和性を示すか、又は二特異性モノクローナル抗体の場合、2つの別個のエピトープに対する二重結合特異性を示す。したがって、「モノクローナル抗体」は、抗体重鎖からのC末端リジンの除去等の考えられる周知の変化を除いて、各重鎖及び各軽鎖における単一のアミノ酸組成物を有する抗体集団を指す。モノクローナル抗体は、抗体集団内に異種グリコシル化を有し得る。モノクローナル抗体は、単一特異性もしくは多特異性であり得るか、又は一価二価もしくは多価であり得る。二特異性抗体は、モノクローナル抗体という用語に含まれる。

0021

「エピトープ」は、抗体によって認識され得る、及び抗体によって結合され得る標的分子の部位を指す。タンパク質エピトープの場合、例えば、これは抗体によって結合されるアミノ酸(及び特にそれらの側鎖)を指してもよい。重複するエピトープは、少なくとも1〜5個の共通のアミノ酸残基を含む。抗体のエピトープを特定する方法は当業者既知であり、例えば、Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Ed Harlow and David Lane(1988)に記載されているものを含む。

0022

ヒト化抗体」は、抗原結合部位がヒト以外の種に由来し、可変領域フレームワークヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体を指す。ヒト化抗体は、フレームワーク領域に置換を含んでもよく、そのためフレームワークは、発現したヒト免疫グロブリン又は生殖系列遺伝子配列の正確なコピーではない場合がある。

0023

ヒト抗体」は、フレームワーク及び抗原結合部位の両方がヒト起源の配列に由来する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する抗体を指す。抗体が定常領域を含む場合、定常領域もまたヒト起源の配列に由来する。

0024

ヒト抗体は、ヒト起源の配列に「由来する」可変ドメイン配列を有する重鎖可変領域又は軽鎖可変領域を含み、抗体の可変領域は、ヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子を使用する系から得られる。そのような系は、ファージ上に提示されたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリ、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座を保有するマウス等のトランスジェニック非ヒト動物を含む。ヒト抗体は、例えば、天然に存在する体細胞突然変異、又はフレームワークもしくは抗原結合部位における意図的な置換の導入、あるいはその両方に起因して、ヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子と比較した場合にアミノ酸の差異を含み得る。典型的には、ヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一のアミノ酸配列を有する抗体を指す。

0025

免疫反応性」は、特定の抗原を認識して結合する免疫グロブリンの能力の尺度を指す。

0026

「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体又は抗体断片を指す(例えば、CD38に特異的に結合する単離された抗体は、ヒトCD38以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、CD38に特異的に結合する単離された抗体は、上述のように、他の抗原に対して交差反応性を有する場合がある。更に、単離された抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まない場合がある。「単離された抗体」は、より高い純度まで単離された抗体、例えば、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%純粋な抗体を包含する。

0027

薬学的に許容可能な塩」は、塩基性化合物、例えば、塩基性アミノ基を含む化合物酸付加塩、及び酸性化合物、例えば、カルボキシル基を含む化合物の塩基性塩、及び酸性部分と塩基性部分の両方を含む化合物の両性塩を指すため、これらの塩は、好ましくはヒトへの、インビボでの投与に適している。様々な有機酸及び無機酸が、酸付加塩を形成するために使用され得る。薬学的に許容可能な塩は、当該技術分野で周知の様々な有機及び無機の対イオンに由来する。薬学的に許容可能な塩は、分子塩基性官能基を含む場合、ほんの一例として、塩酸塩臭化水素酸塩酒石酸塩メシル酸塩酢酸塩マレイン酸塩シュウ酸塩等を含み、分子が酸性官能基を含む場合、ほんの一例として、ナトリウムカリウムカルシウムマグネシウムアンモニウムテトラアルキルアンモニウム、N−メチルモルホリニウム等を含む。一実施形態において、エザチオスタットの薬学的に許容可能な塩はエザチオスタット塩酸塩である。

0028

本明細書で使用される場合、「癌」は、限定されないが、固形癌(例えば、腫瘍)及び血液悪性腫瘍を含む。

0029

血液癌としても知られる「血液悪性腫瘍」は、骨髄又は免疫系の他の細胞等の血液形組織において発生する癌である。血液悪性腫瘍は、限定されないが、白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性混合系統白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、ヘアリーセル白血病及び大顆粒リンパ球性白血病)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患真性多血症本態性血小板増加症、原発性骨髄線維症及び慢性骨髄性白血病)、リンパ腫、多発性骨髄腫、MGUS及び類似の障害、ホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫(NHL)、縦隔原発B細胞性大細胞型リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、形質転換濾胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、リンパ球性リンパ腫、T細胞リンパ腫、及び他のB細胞悪性腫瘍を含む。

0030

本明細書で使用される場合、対象の「末梢血リンパ球」は、対象の血液中を循環する成熟リンパ球を意味するものとする。末梢血リンパ球の例として、限定されないが、末梢血T細胞、末梢血NK細胞及び末梢血B細胞が挙げられる。対象の末梢血リンパ球集団は容易に測定可能である。したがって、枯渇事象(例えば、低131I−BC8用量の投与)後に少なくとも1つの種類の末梢血リンパ球のレベルにおける減少を測定することにより、対象においてリンパ球枯渇が起こったと容易に判断できる。

0031

「固形癌」は、限定されないが、骨癌膵臓癌皮膚癌、頭部又は頸部の癌、皮膚又は眼球内悪性黒色腫子宮癌卵巣癌前立腺癌直腸癌肛門部の癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌子宮頸癌癌、外陰部癌、食道癌小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫尿道癌、陰茎癌、小児腫瘍膀胱癌、腎臓又は尿管の癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫下垂体腺腫カポジ肉腫類表皮癌、扁平上皮癌、アスベストによって誘発されるものを含む環境誘発性の癌を含む。

0032

本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類イヌネコウマヒツジヤギウシウサギブタラット、及びマウス等の哺乳動物を含む。対象がヒトである場合、対象は任意の年齢であり得る。例えば、対象は60以上、65歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、85歳以上、又は90歳以上であり得る。代替として、対象は50歳以下、45歳以下、40歳以下、35歳以下、30歳以下、25歳以下、又は20歳以下であり得る。癌に罹患したヒト対象の場合、対象は、新たに診断され得るか、又は再発及び/もしくは難治性であり得るか、又は寛解期にあり得る。「患者」及び「対象」は、本明細書において互換的に使用される。

0033

本明細書で使用される場合、「放射性同位元素」は、α線放出同位元素β線放出同位元素、及び/又はγ線放出同位元素であり得る。放射性同位元素の例として以下が挙げられる:90Y、89Sr、153Sm、32P、225Ac、213Bi、213Po、211At、212Bi、213Bi、223Ra、227Th、149Tb、131I、137Cs、212Pb及び103Pd。したがって、本発明において想定される放射標識抗体は、限定されないが、90Y−抗CD38、89Sr−抗CD38、153Sm−抗CD38、32P−抗CD38、225Ac−抗CD38、213Bi−抗CD38、213Po−抗CD38、211At−抗CD38、212Bi−抗CD38、213Bi−抗CD38、223Ra−抗CD38、227Th−抗CD38、149Tb−抗CD38、131I−抗CD38、137Cs−抗CD38、212Pb−抗CD38、及び103Pd−抗CD38を含む。

0034

本明細書で使用される場合、癌に罹患した対象を「治療すること」は、限定されないが、(i)癌の進行を遅延、停止又は逆転させること、(ii)癌の症状の進行を遅延、停止又は逆転させること、(iii)癌の再発の可能性を低減すること、及び/又は(iv)癌の症状が再発する可能性を低減することを含む。特定の好ましい態様によれば、癌に罹患した対象を治療することは、(i)理想的には癌が排除されるまで、癌の進行を逆転させること、及び/又は(ii)理想的には症状が排除されるまで、癌の症状の進行を逆転させること、及び/又は(iii)再発の可能性を低減もしくは排除すること(すなわち、理想的には残存するあらゆる癌細胞破壊する地固め療法)を意味する。

0035

「治療有効量」は、必要な投与量でかつ必要な期間にわたって、所望の治療結果を達成するのに有効な量を指す。治療有効量は、個体の病態、年齢、性別、及び体重等の要因、ならびに個体において所望の反応を引き出す治療薬又は治療薬の組み合わせの能力に応じて異なり得る。有効な治療薬又は治療薬の組み合わせの指標の例として、例えば、患者の健康の改善、腫瘍量の減少、腫瘍の成長の停止もしくは鈍化、及び/又は体内の他の場所への癌細胞の転移不在が挙げられる。

0036

「成長を阻害する」は、治療薬又は治療薬の組み合わせの非存在下で同じ細胞又は組織の成長における低下又は遅延と比較した場合に、治療薬又は治療薬もしくは薬物の組み合わせと接触させたときのインビトロ又はインビボでの悪性細胞又は組織(例えば、腫瘍)の成長における測定可能な低下又は遅延を指す。インビトロ又はインビボでの悪性細胞又は組織の成長の阻害は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%であり得る。

0037

「CD38」は、ヒトCD38タンパク質を指す(同義語:ADP−リボシルシクラーゼ1、cADPrヒドロラーゼ1、環状ADP−リボースヒドロラーゼ1)。ヒトCD38は、配列番号1(図12)に示されるアミノ酸配列を有する。

0038

別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料を本明細書に記載の実施又は試験で使用することができるが、適切な方法及び材料を以下に記載する。

0039

発明の詳細な説明
本発明は、CD38に対する放射標識モノクローナル抗体を含む組成物と、該組成物の投与によって、血液悪性腫瘍を有する哺乳動物を治療するための方法、CD38を発現する細胞の成長及び/又は増殖を阻害するための方法、ならびにCD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療する方法とに関する。

0040

ヒトCD38は、GenBank受入れ番号NP_001766及び配列番号1(図12)に示されるアミノ酸配列を有する。CD38が、細胞質ドメインを表すアミノ酸残基1〜21、膜貫通ドメインを表すアミノ酸残基22〜42、及びCD38の細胞外ドメインを表す残基43〜300を有する、1回膜貫通型のII膜タンパク質であることは周知である。

0041

ダラツムマブ、MOR202、又はSAR650984等のCD38に対する抗体は、これまで、そして現在も、多発性骨髄腫を含む血液悪性腫瘍及び形質細胞障害を治療するその有効性について臨床で評価されている。各抗体は、CD38の細胞外領域の異なる部分に結合することが分かっており(表I)、それぞれ異なる臨床応答(例えば、抗腫瘍効果)を示す。Darzalex(登録商標)としてJohnson&Johnson(Janssen Biotech)/Genmabから入手可能なダラツムマブは、de Weersらに対する刊行物“Daratumumab,a Novel Therapeutic Human CD38 Monoclonal Antibody,Induces Killing of Multiple Myeloma and Other Hematological Tumors,”J Immunology,2010,186(3)1840−1848に記載されており、Celgene Corp./Morphosysから入手可能なMOR202は、米国特許第8,877,899号に記載されており、Sanofi/ImmunogenからIsatuximabとして入手可能なSAR650984は、Parkらの“SAR650984:A Potent Anti−CD38 Therapeutic Antibody with Three Mechanisms of Action(Apoptosis,ADCC,CDC)for Hematological Malignancies,”BLOD,vol.112,No.11,Nov.2008,p.951、及びDeckertらに対する刊行物“SAR650984,A Novel Humanized CD38−Targeting Antibody,Demonstrates Potent Antitumor Activity in Models of Multiple Myeloma and Other CD38+Hematologic Malignancies,”Clin Cancer Res 2014;20:4574−83、ならびに米国特許第8,153,765号に記載されている。下の表1は、CD38に結合する多数の抗体、又はその断片、及びCD38分子上のそれらのエピトープ(結合部位)を列挙しており(図12を参照}、それらの一部又は全てが、本発明の様々な態様に応じて有用であり得る。



1)Tissue Antigens 2000,(56):539−547 andBMCImmunology 2004,(5):21
2)J.Biol.Chem.2011,(286):22170−22177
3)米国特許第8,153,765号及びClin Cancer Res 2014,20(17):4574−83
4)J Immunol 2011,(186):1840−1848
5)米国特許第8,877,899号

0042

これらの抗体がCD38陽性細胞を除去することにより提案された方法は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)、及びアポトーシスを含む。

0043

「抗体依存性細胞傷害」、「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」又は「ADCC」は、エフェクター細胞上で発現されるFcガンマ受容体(FcγR)を介した、抗体被覆標的細胞と、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球マクロファージ及び好中球等の溶解活性を有するエフェクター細胞との相互作用に依存する、細胞死を誘導するための機序である。例えば、NK細胞はFcγRIIIaを発現する一方で、単球は、FcγRI、FcγRII及びFcvRIIIaを発現する。CD38発現細胞等の抗体被覆標的細胞の死は、膜孔形成タンパク質及びプロテアーゼ分泌によるエフェクター細胞活性の結果として起こる。

0044

「補体依存性細胞傷害」又は「CDC」は、標的結合抗体のFcエフェクタードメイン補体成分C1qに結合してそれを活性化し、次に補体成分C1qが補体カスケードを活性化して標的細胞の死をもたらす、細胞死を誘導するための機序を指す。補体の活性化は、白血球上の補体受容体(例えば、CR3)に結合することによってADCCを促進する標的細胞表面上の補体成分の堆積ももたらし得る。

0045

「アポトーシス」は、標的細胞への抗体結合が、不可欠な細胞シグナル伝達経路を妨害して細胞の自己破壊をもたらすプログラム細胞死の機序を指す。

0046

CD38に特異的に結合する抗体のADCC活性を評価するために、抗体を免疫エフェクター細胞と組み合わせてCD38発現細胞に添加してもよく、それをCD38発現細胞の細胞溶解をもたらす抗原−抗体錯体によって活性化することができる。細胞溶解は、通常、溶解細胞からの標識(例えば、放射性基質蛍光染料又は天然の細胞内タンパク質)の放出によって検出される。そのようなアッセイのための例示的なエフェクター細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)及びNK細胞を含む。

0047

例示的なADCCのアッセイにおいて、CD38発現細胞を51Crで標識して十分に洗浄することができる。抗CD38抗体は、様々な濃度でCD38発現細胞に添加されてもよく、エフェクター細胞(例えば、末梢血単核細胞からのNK細胞)を添加することによってアッセイが開始され得る。37℃で様々な時間間隔インキュベーションした後、遠心分離によりアッセイを停止させ、溶解細胞からの51Cr放出をシンチレーションカウンターで測定する。細胞傷害性の割合は、CD38発現細胞に3%の過塩素酸を添加することによって誘導され得る最大溶解%として算出することができる。

0048

細胞傷害性の例示的アッセイでは、様々な量の抗CD38抗体で処理したCD38発現細胞にテトラゾリウム塩が添加される。生きたミトコンドリアにおいて、XTTが、ミトコンドリア脱水素酵素によって橙色の生成物還元され、細胞表面に移される。橙色の生成物は、光学的に定量化することができ、生細胞の数を反映する。代替として、生細胞からのエステラーゼは、無色のカルセイン蛍光分子として加水分解することが分かっている。蛍光は、測定及び定量化することができ、試料中の生細胞の数を反映する。死滅細胞の総量は、インタクトな膜によって生細胞から除外されるヨウ化プロピジウムを使用して測定されてもよい。死滅細胞におけるヨウ化プロピシジウムによる蛍光は、フローサイトメトリーによって定量化され得る。

0049

CDCを評価するために、本明細書の実施例2に詳述されるC1q等の補体タンパク質を、細胞傷害性のアッセイに含める必要があり得る。アポトーシス誘導の測定は、細胞傷害性のアッセイにおいてNK細胞又は補体タンパク質の添加を必要としない。

0050

CD38に対する非標識(すなわち「裸の」)モノクローナル抗体を用いる様々な血液悪性腫瘍の治療が、最近の臨床試験成功している。このような抗体の1つであるダラツムマブは、現在、Janssen Biotech、Inc.からDarzalex(登録商標)の名称の下に多発性骨髄腫の治療薬として市販されている。治療計画は、16mg/kg患者体重注入による1週間に1回投与という最初の8週間の投与スケジュールを含む。解熱剤及び抗ヒスタミン剤による前処理は、注入のより一般的及び深刻な副作用の一部を改善するためのものである。例えば、全患者の半数超に起こる注入反応は、気管支痙攣低酸素呼吸困難高血圧喉頭浮腫、及び肺浮腫を含み、最長で治療後48時間まで起こる可能性がある。治療された患者の20パーセント超に起こる副作用は、少なくとも疲労感悪心下痢便秘筋痙攣腰痛悪寒不眠、及び呼吸困難を含む。したがって、CD38に対する裸の抗体を用いる治療は、血液悪性腫瘍の治療にある程度成功しているが、治療の副作用は極めて深刻であり、モノクローナル抗体の高いタンパク質用量に関連している可能性がある。

0051

形質細胞及びリンパ球等のB細胞は、放射線療法に対して本質的に敏感であり、したがって、血液悪性腫瘍を標的とする放射免疫療法の魅力的な標的である。上述のように、抗CD38抗体がB細胞を死滅させることができる多くの機序に加えて、CD38に対する放射性核種標識抗体からの電離放射線放射は、CD38を発現する細胞に結合した抗体に近接した細胞を死滅させることができる。放射性核種は、細胞修復機構が細胞を生存させ続けることができなくなるまで細胞のDNAを損傷する可能性がある放射性粒子を放射する。したがって、CD38を発現する細胞が腫瘍に関与する場合、放射性核種は腫瘍細胞を有利に死滅させることができる。

0052

そのため、血液悪性腫瘍を治療するためにCD38を標的とする免疫療法の能力を改善するアプローチは、抗体を放射性核種で標識することを含む。CD38に対する放射性核種標識モノクローナル抗体を用いる患者の治療において、放射性核種を腫瘍部位等のCD38を発現する細胞に局在化させてそれらの腫瘍細胞を死滅させることができる。

0053

癌細胞等の細胞にそのような損傷を誘発するために使用することができる放射性核種は、通常、高エネルギー放射体である。高エネルギー放射性核種は、細胞傷害作用を標的細胞に局在化するように、短い範囲にわたって作用することが好ましい。このようにして、非標的細胞又は非癌細胞に対する損傷を減少させるために、放射線療法はより局在的に送達される。

0054

したがって、本発明は、CD38に対するモノクローナル抗体を含む組成物に関し、抗体は放射性核種で標識される。本発明の特定の態様によれば、CD38に対するモノクローナル抗体は、ダラツムマブ、MOR202、又はSAR650984であり得る。本発明の態様によれば、CD38に対するモノクローナル抗体は、ダラツムマブであり得る。

0055

本発明の特定の態様によれば、放射性核種は、β線放出核種、例えば、131I、90Y、177Lu、186Re、もしくは188Re、又はγ線放射核種、例えば、125Iもしくは123Iであり得る。

0056

本発明の特定の態様によれば、放射性核種は、例えば、アスタチン−211(211At)、ビスマス−212(212Bi)、ビスマス−213(213Bi)、アクチニウム−225(225Ac)、ラジウム−223(223Ra)、鉛−212(212Pb)、トリウム−227(227Th)、及びトリウム−149(149Tb)であり得る。

0057

放射性核種アクチニウム(225Ac)は、10日間の半減期を有する純粋なα放射体である。6つの比較的短寿命娘放射性核種のカスケードを介して崩壊し、安定な209Biになる。225Acの主要破壊経路は、28MeVの大きな累積エネルギーを有する正味4つのα粒子と、1.6及び0.6MeVの最大エネルギーを有する2つのβ壊変をもたらす。比較的長い10日間の半減期と、急速な崩壊鎖で発生した複数のα粒子が、225Acを高度に細胞傷害性の放射性核種にする。

0058

したがって、本発明の特定の態様によれば、α線放出核種は、アクチニウム−225(225Ac)であり得る。モノクローナル抗体、抗体断片、又は小型ペプチドリガンドにコンジュゲートされた225Acペイロードは、腫瘍部位に直接、高エネルギーα粒子を送達することができ、腫瘍細胞内に著しいペイロード蓄積を必要とすることなく致死性のDNA二本鎖切断を生成する。その短い経路長に起因して、その高エネルギーα粒子放射の範囲はほんの数細胞直径の厚さであり、それによって近くの正常組織への損傷を制限する。更に、225Ac−抗体コンジュゲートは、低い標的抗原を発現する腫瘍を有する患者においてさえも有効であることが分かっているため、抗体−薬物コンジュゲートに勝る重要な利点を提供する。これは、225Acの大きな細胞破壊効果によるものであり、癌細胞に対する効果を発揮するために何百という抗体分子がそれらのそれぞれの抗原に結合する必要がある抗体−薬物コンジュゲートとは著しく対照的である。

0059

薬物又は毒素に勝る放射性ペイロードの他の利点は以下の通りである:1)放射線送達に使用される抗体は、細胞を死滅させるために内部移行させる必要がない、2)放射線の「多門照射」効果のために、腫瘍内の全ての癌細胞が抗体によって標的化される必要がない、及び3)抗体−薬物コンジュゲートとは対照的に、抗体に結合した放射性同位元素は、その後の使用を制限するような著しい免疫応答を誘導する可能性が低い。更に、本明細書に報告される研究は、225Ac標識抗体の安定性を実証している。

0060

モノクローナル抗体は、当該技術分野で既知の任意の手段によってα線放出核種で標識されることができる。本発明の一態様によれば、放射性核種は、モノクローナル抗体にコンジュゲートされるキレート剤によって結合又はキレート化され得る。

0061

本明細書に記載されるCD38に対する放射性核種標識モノクローナル抗体(「放射標識抗CD38」)は、最初にキレーターとコンジュゲートされた抗CD38(「コンジュゲート抗CD38」)を形成し、次いでコンジュゲート抗CD38で放射核種をキレート化して放射標識抗CD38を形成することによって調製することができる。放射性核種は、コンジュゲーション後の任意の時点で、コンジュゲート抗CD38によってキレート化され得る。

0062

本明細書に記載される方法を用いて放射標識抗CD38を形成する場合、キレート化及びコンジュゲーションの程度は有利に高い。本明細書で使用される場合、「キレート化の程度」及び「コンジュゲーションの程度」という用語は、反応で使用される総キレート剤で除した、キレート剤によって結合された放射性核種の割合、及びモノクローナル抗体と成功裏にコンジュゲートするキレート剤の割合をそれぞれ意味すると解釈されてもよい。

0063

本発明の反応のコンジュゲート抗CD38を形成する場合のコンジュゲーションの程度は、通常、50%超、70%超、90%超、95%超、約96%超、約97%超、約98%超、又は約99%超である。

0064

本発明の反応の放射標識抗CD38を形成する場合の放射性核種のキレートの程度は、通常、50%超、70%超、90%超、95%超、約96%超、約97%超、約98%超、又は約99%超である。

0065

本明細書に記載される放射標識抗CD38を形成する方法によれば、CD38に対するモノクローナル抗体は、キレート剤を含む緩衝溶液中に溶解され得る。pHは、コンジュゲーション反応混合物中のキレート剤と抗体とのコンジュゲーションの条件を最適化するように選択され得る。コンジュゲーション反応混合物は、炭酸水素緩衝液又はリン酸緩衝液を含んでもよい。コンジュゲーション反応混合物は、約8.0〜約9.2のpHを有し得る。例えば、コンジュゲーション反応混合物は、約8.0、約8.1、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、又は約9.2のpHを有し得る。コンジュゲーション反応混合物の温度は、キレート剤と標的化部分とのコンジュゲーションを促進するように調節され得る。例えば、コンジュゲーション反応混合物は、室温又は約37℃の温度でインキュベートすることができる。コンジュゲーション反応混合物は、例えば、約1.5時間等の、コンジュゲーションを提供するのに十分な任意の時間、インキュベートされてもよい。

0066

コンジュゲート抗CD38は、放射性核種を含む緩衝溶液中に溶解されてもよい。pHは、キレート化反応混合物中の放射性核種とコンジュゲート抗CD38とのキレート化の条件を最適化するように選択され得る。キレート化反応混合物はゲンチジン酸を含んでもよい。キレート化反応混合物は、約5.5〜約7.0のpHを有し得る。例えば、キレート化反応混合物は、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、又は約7.0のpHを有し得る。

0067

キレート化反応混合物の温度は、放射性核種とコンジュゲート抗CD38とのキレート化を促進するように調節され得る。例えば、キレート化反応混合物は、約37℃の温度でインキュベートされてもよい。キレート化反応混合物は、約1.5時間インキュベートされてもよい。一定期間後、溶液反応停止キレート(例えば、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA))の添加によって反応停止させることができ、反応混合物を精製することができる。キレート化反応混合物は、反応停止キレートの添加後更にインキュベートされてもよく、例えば、反応停止キレートの添加後、約37℃で約30分間更にインキュベートされてもよい。

0068

本発明において有用なキレーターは、金属イオン封鎖することに加えて、例えば抗体等の生物学的担体共有結合する能力という二重官能性を有する化合物である。多数のキレーターが当該技術分野で既知である。本発明における使用に適した例示的なキレーターは、限定されないが、S−2−(4−イソチオシアナトベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン四酢酸(p−SCN−Bn−DOTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA);エチレンジアミン四酢酸EDTA);1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N′,N″,N′″−四酢酸(DOTA);p−イソチオシアナトベンジル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(p−SCN−Bz−DOTA);1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N′,N″−三酢酸(DO3A);1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラキス2−プロピオン酸)(DOTMA);3,6,9−トリアザ−12−オキサ−3,6,9−トリカルボキシメチレン−10−カルボキシ−13−フェニルトリデカン酸(「B−19036」);1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N′,N″−三酢酸(NOTA);1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−N,N′,N″,N′″−四酢酸(TETA);トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA);トランス−1,2−ジアミノヘキサン四酢酸(CYDTA);1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−(2−ヒドロキシプロピル)−4,7,10−三酢酸(HP−DO3A);トランス−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA);トランス(1,2)−シクロヘキサンジエチレントリアミン五酢酸(CDTPA);1−オキサ−4,7,10−トリアザシクロドデカン−N,N′,N″−三酢酸(OTTA);1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラキス{3−(4−カルボキシル)−ブタン酸};1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラキス(酢酸メチルアミド);1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラキス(メチレンホスホン酸);及びその誘導体等のキレーターを含む。

0069

1つ以上のステップを用いて、コンジュゲート反応混合物の他の成分からコンジュゲートCD38を、又はキレート化反応混合物の他の成分から放射標識抗CD38を分離することができる。例えば、反応混合物は、特定の分子量カットオフを有する濾過デバイス(例えば、Millipore遠心分離デバイス)に移送することができ、そうすることで、濾過デバイスを通る反応混合物の濾過により、それぞれの反応混合物の他の成分からコンジュゲート抗CD38又は放射標識抗CD38を分離することができる。濾過を用いて、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の純度を有するコンジュゲート抗CD38又は放射標識抗CD38を得ることができる。

0070

本発明の特定の態様によれば、分離(例えば、精製)からのコンジュゲート抗CD38又は放射標識抗CD38の収率は、最終生成物の少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%である。

0071

本発明の一態様によれば、モノクローナル抗体は、最初にp−SCN−Bn−DOTA又はDOTAキレート剤とコンジュゲートされてコンジュゲート抗CD38を形成し、コンジュゲート抗CD38のp−SCN−Bn−DOTA又はDOTAによる225Acのキレート化により放射標識抗CD38を形成する。したがって、本発明の態様によれば、225ACに関与する単一のステップのみが抗CD38を標識するために必要である。

0072

本発明の特定の態様によれば、放射性核種(225AC)は、CD38に対するモノクローナル抗体とのコンジュゲーションの前に、キレート剤によってキレート化されてもよい。

0073

本発明の特定の態様によれば、放射標識抗CD38は比較的安定である。例えば、アクチニウムで標識されたモノクローナル抗体の75%超が、4oCで24時間保存した後にインタクトな状態を保持し得る。

0074

本発明の特定の態様によれば、放射標識抗CD38は、対照モノクローナル抗体と本質的に同じCD38に対する免疫反応性を示し、対照モノクローナル抗体は、アクチニウム標識モノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非標識モノクローナル抗体を含む。

0075

標識効率、放射標識抗CD38の安定性、及び標識CD38の免疫反応性を組み合わせて効果的な治療薬を提供する。このように、本明細書に記載される方法を用いて生成される放射標識抗CD38は、治療薬として使用することができる。例えば、放射標識抗CD38は、CD38を発現する細胞及び組織に特異的に放射線量を送達する治療薬として使用され得る。したがって、本発明の特定の態様によれば、放射標識抗CD38は、医薬組成物を形成するための薬学的に許容可能な塩又は担体を用いて溶液中で製剤化され得る。

0076

本発明の医薬組成物はまた、併用療法において投与されてもよく、すなわち、治療される疾患又は症状に関連する他の治療薬と組み合わされてもよい。そのような投与は、同時、別個、又は逐次的であり得る。同時投与の場合、薬剤は、必要に応じて、1つの組成物として、又は別個の組成物として投与されてもよい。

0077

本発明の特定の態様によれば、医薬組成物は、1つ以上の治療薬を含み得る。例示的な治療薬は、化学療法剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、又はそれらの組み合わせを含む。

0078

治療薬は、当分野で既知の任意の標準的な投与計画に従って投与され得る。治療薬が本発明の組成物に含まれる場合、それらは1〜500mg/m2の範囲の濃度で含まれてもよく、その量は、患者の表面積(m2)の関数として算出される。例えば、パクリタキセルの例示的な用量は15mg/2〜275mg/m2を含んでもよく、ドセタキセルの例示的な用量は60mg/m2〜100mg/m2を含んでもよく、エポチロンの例示的な用量は10mg/m2〜20mg/m2を含んでもよく、カリチアマイシンの例示的な用量は1mg/m2〜10mg/m2を含んでもよい。例示的な用量が本明細書に列挙されているが、それらは参考のために提供されているだけであって、本開示の発明の薬剤の用量範囲を限定することを意図するものではない。

0079

したがって、一態様によれば、医薬組成物は少なくとも1つの化学療法剤を含み得る。例示的な化学療法剤は、例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン6−チオグアニンシタラビンフルダラビン5−フルオロウラシルダカルバジンヒドロキシウレアアスパラギナーゼゲムシタビンクラドリビン及び類似の薬剤等の代謝拮抗薬を含む。

0080

例示的な化学療法剤は、例えば、メクロレタミン、チオテパクロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファンジブロモマンニトールストレプトゾトシン、ダカルバジン(DTIC)、プロカルバジンマイトマイシンCシスプラチン及びカルボプラチン等の他の白金誘導体、ならびに類似の薬剤等のアルキル化剤を含む。

0081

例示的な化学療法剤は、例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、カリチアマイシン、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)、ドキソルビシンイダルビシンミトラマイシンマイトマイシンミトキサントロンプリカマイシンアントラマイシン(AMC)及び類似の薬剤等の抗生物質を含む。

0082

例示的な化学療法剤は、例えば、ドセタキシン及びパクリタキセル等のタキサン、ならびにビンカアルカロイド、例えば、ビンデシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤を含む。

0083

例示的な化学療法剤は、トポテカン等のトポイソメラーゼ阻害剤を含む。

0084

例示的な化学療法剤は、例えば、ErBb1(EGFR)の阻害剤ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、HuMax−EGFr(WO2002/100348に開示されている2F8)及び類似の薬剤等)、ErBb2(Her2/neu)の阻害剤(トランスツズマブ(Herceptin(登録商標)及び類似の薬剤等)等の成長因子阻害剤を含む。一実施形態において、そのような成長因子阻害剤は、SCH−66336及びR115777等のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤であってもよい。一実施形態において、そのような成長因子阻害剤は、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))等の血管内皮成長因子VEGF)阻害剤であってもよい。

0085

例示的な化学療法剤は、イマチニブ(Glivec、Gleevec ST1571)、ラパチニブ、PTK787/ZK222584及び類似の薬剤等のチロシンキナーゼ阻害剤を含む。

0086

例示的な化学療法剤は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤を含む。そのようなヒストンデアセチラーゼ阻害剤の例として、SAHA(サブロアニリドヒドロキサム酸)等のヒドロキサム酸系ハイブリッド化合物が挙げられる。

0087

例示的な化学療法剤は、SCIO−469等のP38aMAPキナーゼ阻害剤を含む。

0088

例示的な化学療法剤は、血管形成新血管新生、及び/又は他の血管新生の阻害剤を含む。そのような阻害剤の例として、ウロキナーゼ阻害剤マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(マリマスタット、ネオバスタット、BAY 12−9566、AG 3340、BMS−275291及び類似の薬剤等)、内皮細胞遊走及び増殖の阻害剤(TNP−470、スクアラミン、2−メトキシエストラジオールコンブレタスタチンエンドスタチンアンジオスタチン、ペニシルアミン、SCH66336(Schering−Plough Corp、Madison,N.J.)、R115777(Janssen Pharmaceutica,Inc、Titusville,N.J.)及び類似の薬剤等)、血管形成成長因子アンタゴニストZD6474、SU6668、血管形成作用物質及び/又はそれらの受容体(VEGF、bFGF、及びアンジオポエチン−1等)に対する抗体、サリドマイド(Thalomid(登録商標))、サリドマイド誘導体(CC−5013(レナリドミド、Revlimid(商標)等)及びCC4047(Actimid(商標))、Sugen 5416、SU5402、抗血管形成リボザイムアンジオザイム等)、インターフェロンα(インターフェロンα2α等)、スラミン及び類似の薬剤)、VEGF−Rキナーゼ阻害剤及び他の抗血管形成チロシンキナーゼ阻害剤(SU011248等)、内皮特異的インテグリン/生存シグナル伝達の阻害剤(ビタキシン及び類似の薬剤等)、銅アンタゴニスト/キレーター(テトラチオモリブデートカプトプリル、及び類似の薬剤等)、カルボキシアミドトリアゾールCAI)、ABT−627、CM101、インターロイキン−12(IL−12)、IM862、PNU145156E、ならびに血管形成を阻害するヌクレオチド分子アンチセンス−VEGF−cDNA、アンジオスタチンをコードするcDNA、p53をコードするcDNA、及び欠損VEGF受容体−2をコードするcDNA)ならびに類似の薬剤が挙げられる。

0089

そのような血管形成、新血管新生、及び/又は他の血管新生の阻害剤の他の例は、抗血管形成ヘパリン誘導体及び関連分子(例えば、ヘパリナーゼIII)、テトゾロミド、NK4、マクロファージ遊阻害因子MIF)、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、低酸素誘導因子1の阻害剤、抗血管形成大豆イソフラボンオルチプラズフマギリン及びその誘導体、ソマトスタチン誘導体ポリ硫酸ペントサンテコガランナトリウム、ダルテパリンツムスタチントロンボスポンジン、NM−3、コンブレスタチン、カンスタチン、アバスタチン、他の関連標的に対する抗体(抗α−v/β−3インテグリン抗キニスタチンmAb等)ならびに類似の薬剤である。

0090

例示的な化学療法剤は、サリドマイド(Thalomid(登録商標))、サリドマイド類似体(CC−5013(レナリドミド、Revlimid(商標))及び/又はCC4047(Actimid(商標))を含む。

0091

例示的な化学療法剤は、追加の抗体治療薬、又はプロテアソーム阻害剤、例えば、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、コルチコステロイド、例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン等、ビスホスホネート等の薬剤を含んでもよい。潜在的に好適なビスホスホネートの例は、パミドロネート(Aredia(登録商標))、ゾレドロン酸(Zometa(登録商標))、クロドロネート(Bonefos(登録商標))、リセンドロネート(Actonel(登録商標))、イバンドロネート(Boniva(登録商標))、エチドロネート(Didronel(登録商標))、アレンドロネート(Fosamax(登録商標))、チルドロネート(Skelid(登録商標))、インカドロネート(Yamanouchi Pharmaceutical)及びミノドロネート(YM529、Yamanouchi)である。

0092

例示的な化学療法剤は、コロニー刺激因子を含む。好適なコロニー刺激因子の例は、フィルグラスチム(Neupogen(登録商標))及びペグフィルグラスチム(Neulasta(登録商標))等の顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、ならびにサルグラモスチム(Leukine(登録商標))等の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GM−CSF)である。

0093

例示的な化学療法剤は、赤血球造血剤を含む。好適な赤血球造血剤の例は、エポエチンアルファ(例えば、Procrit(登録商標)、Epogen(登録商標)、及びEprex(登録商標))及びエポエチンベータ(例えば、NeoRecormon(登録商標))等のエリスロポエチン(EPO)、ならびに赤血球生成促進タンパク質(例えば、Aranesp(登録商標))である。

0094

例示的な化学療法剤は、抗アネルギー剤(例えば、腫瘍及び癌抗原に対する寛容性を破壊する小分子化合物、タンパク質、糖タンパク質、又は抗体)を含む。

0095

例示的な化学療法剤は、ウイルスウイルスタンパク質等を含む。通常、インビボで1回又はほんの数回の複製が可能であり、かつ腫瘍細胞に標的化される複製欠損ウイルスが、例えば、そのような組成物及び方法の有用な構成要素であり得る。そのようなウイルス剤は、GM−CSF及び/又はIL−2等の免疫刺激物質をコードする核酸を含み得るか、又はそれと関連し得る。天然の腫瘍溶解性ウイルス及びそのような組換え型腫瘍溶解性ウイルス(例えば、HSV−1ウイルス、レオウイルス、複製欠損及び複製感受性アデノウイルス等)の両方が、そのような方法及び組成物の有用な構成要素であり得る。

0096

別の態様によれば、医薬組成物は、ステロイド性薬物及びNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)から選択され得る抗炎症剤を含んでもよい。他の抗炎症剤は、アスピリン及び他のサリチル酸塩、Cox−2阻害剤(ロフェコキシブ及びセレコキシブ等)、NSAID(イブプロフェンフェノプロフェンナプロキセンスリンダックジクロフェナックピロキシカムケトプロフェンジフルニサルナブメトンエトドラックオキサプロジン、及びインドメタシン等)、抗IL6R抗体、抗IL8抗体、抗IL15抗体、抗IL15R抗体、抗CD4抗体、抗CD11a抗体(例えば、エファリズマブ)、抗α4/β−1インテグリン(VLA4)抗体(例えば、ナタリズマブ)、炎症性疾患の治療のためのCTLA4−1g、プレドニゾロン、プレドニゾン、メトトレキサート等の疾患修飾抗リウマチ薬DMARD)、スルファサラジンピリミジン合成阻害剤(レフルノミド等)、IL−1受容体遮断薬アナキンラ等)、TNF−α遮断薬エタネルセプトインフリキシマブ、及びアダリムマブ等)ならびに類似の薬剤から選択されてもよい。

0097

別の態様によれば、医薬組成物は、それを必要とする対象に対する少なくとも1つの免疫抑制剤及び/又は免疫調節剤を含み得る。免疫抑制剤及び/又は免疫調節剤の例として、シクロスポリンアザチオプリンミコフェノール酸、ミコフェノレートモフェチル、プレドニゾン等のコルチコステロイド、メトトレキサート、金塩、スルファサラジン、抗マラリア薬ブレキナール、レフルノミド、ミゾリビン、15−デオキシスペルグアリン、6−メルカプトプリン、シクロホスファミド、ラパマイシンタクロリムス(FK−506)、OKT3、抗胸腺細胞グロブリンチモペンチンチモシン−α及び類似の薬剤が挙げられる。

0098

追加の免疫抑制剤及び/又は免疫調節剤は、IL−2受容体のp75に結合する抗体、又は例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD28、B7、CD40、CD45、IFNγ、TNF−α、IL−4、IL−5、IL−6R、IL−6;IGF、IGFR1、IL−7、IL−8、IL−10、CD11a、もしくはCD58に結合する抗体、又はそれらのリガンドに結合する抗体等の免疫抑制抗体から選択されてもよい。さらなる免疫抑制剤及び/又は免疫調節剤は、可溶性IL−15R、IL−10、B7分子(B7−1、B7−2、その変異体、及びその断片、ICOS、ならびにOX40、陰性T細胞調節因子の阻害剤(CTLA4に対する抗体等)ならびに類似の薬剤から選択されてもよい。

0099

本発明の特定の態様によれば、1つ以上の治療薬は、抗骨髄腫剤を含む。例示的な抗骨髄腫剤は、デキサメタゾン、メルファラン、ドキソルビシン、ボルテゾミブ、レナリドミド、プレドニゾン、カルムスチン、エトポシド、シスプラチン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、シスプラチン、及びサリドマイドを含み、それらのうちのいくつかは、化学療法剤、抗炎症剤、又は免疫抑制剤として上に示される。

0100

本発明の特定の態様によれば、医薬組成物は、CD38のエピトープに対する非放射標識モノクローナル抗体を更に含み得る。非放射標識モノクローナル抗体は、ダラツムマブ、MOR202、又はSAR650984を含む。非放射標識モノクローナル抗体は、アクチニウム標識モノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対するものであってもよい。医薬組成物に含まれる非放射標識抗CD38の量は、治療される疾患の正確な性質、患者の年齢及び体重、CD38に対するモノクローナル抗体の同一性、ならびにモノクローナル抗体の標識のために選択される放射性核種に応じて変化し得る。

0101

本発明の特定の態様によれば、医薬組成物は、医薬組成物中の放射標識抗CD38の量と少なくとも等しい量の、又は医薬組成物中の放射標識抗CD38の量よりも少なくとも2倍多い、例えば、少なくとも4倍多い、又は少なくとも10倍多い量の、非放射標識モノクローナル抗体を含み得る。

0102

本発明の特定の態様によれば、放射標識抗CD38は、0.1ug/ml以下、例えば0.06ug/ml以下、又は0.04ug/ml以下、又は更には0.02ug/ml以下で、本明細書に詳述される組成物又は医薬組成物中に含まれ得る。

0103

そのような用量に含まれる場合、本明細書に詳述される組成物又は医薬組成物は、投与から72時間以内にリンパ芽球もしくは骨髄腫細胞の50%超の細胞死、又は投与から96時間以内にリンパ芽球もしくは骨髄腫細胞の70%の細胞死、又は投与から96時間以内にリンパ芽球もしくは骨髄腫細胞の90%の細胞死、又は更には投与から96時間以内にリンパ芽球もしくは骨髄腫細胞の95%の細胞死を引き起こし得る。

0104

本発明の特定の態様によれば、アクチニウム標識モノクローナル抗体は、リンパ芽球もしくは骨髄腫細胞の細胞死を引き起こす際に対照モノクローナル抗体と比較して少なくとも5倍より有効であり得、対照モノクローナル抗体は、アクチニウム標識モノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非標識モノクローナル抗体を含む。例えば、アクチニウム標識モノクローナル抗体は、リンパ芽球もしくは骨髄腫細胞の細胞死を引き起こす際に対照モノクローナル抗体と比較して少なくとも10倍より有効、少なくとも20倍より有効、少なくとも50倍より有効、又は少なくとも100倍より有効であり得る。

0105

現在市販されている非標識抗CD38治療薬Darzalex(登録商標)を用いるCDC及びCDCCによる最大溶解は、それぞれ1ug/ml及び0.10ug/mlで起こると文献に報告されている。上述のように、アクチニウム標識モノクローナル抗体は、細胞死を引き起こす際に少なくとも5倍より有効であり得る。理論に束縛されることを望むものではないが、放射標識抗CD38の細胞傷害性におけるそのような増加は、例えば、アポトーシス等の追加の機序を介した細胞死を含み得る。

0106

本発明の医薬組成物は、血液悪性腫瘍を治療するため、又はCD38を発現する細胞の成長及び/もしくは増殖を阻害するため、又はCD38を発現する細胞に関与する疾患もしくは障害を治療するために使用され得る。したがって、本発明は、血液悪性腫瘍を有する対象を治療するための方法、CD38を発現する細胞の成長及び/又は増殖を阻害するための方法、ならびにCD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療するための方法を提供し、該方法は、本明細書中上記に詳述される医薬組成物を対象に投与することを含む。

0107

本発明の特定の態様によれば、血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫である。本発明の特定の態様によれば、CD38を発現する細胞は多発性骨髄腫細胞である。本発明の特定の態様によれば、疾患又は障害は多発性骨髄腫であり得る。

0108

本発明の特定の態様によれば、CD38を発現する細胞は、CD38発現癌細胞又はCD38発現T細胞、B細胞、NK細胞、もしくは形質細胞である。本発明の特定の態様によれば、CD38 CD38を発現する細胞は、固形腫瘍細胞又は血液悪性腫瘍細胞を含む。例示的な血液悪性腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞、急性リンパ性白血病細胞、急性骨髄性白血病細胞、慢性リンパ性白血病細胞、慢性骨髄性白血病細胞、ホジキンリンパ腫細胞、非ホジキンリンパ腫細胞、T−LGL白血病細胞、NK細胞白血病細胞、又はヘアリーセル白血病細胞を含む。

0109

上述のように、医薬組成物は、単独で、又は1つ以上の追加の治療薬と組み合わせてのいずれかで投与されてもよい。医薬組成物は、1つ以上の追加の治療薬を含み得る。医薬組成物は、少なくとも1回の用量を含む投与計画において投与され得る。

0110

本発明の特定の態様によれば、投与計画の少なくとも1回の用量は、対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも5倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量を含む。本発明の特定の態様によれば、投与計画の少なくとも1回の用量は、対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも10倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量を含む。本発明の特定の態様によれば、投与計画の少なくとも1回の用量は、対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも20倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量を含む。本発明の特定の態様によれば、投与計画の少なくとも1回の用量は、対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも50倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量を含む。本発明の特定の態様によれば、投与計画の少なくとも1回の用量は、対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも100倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量を含む。対照モノクローナル抗体は、通常、アクチニウム標識モノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非標識モノクローナル抗体を含む。

0111

本発明の特定の態様によれば、投与計画は、対照投与計画よりも少なくとも1回のより少ない用量を含み、対照投与計画は、単独で、又は1つ以上の追加の治療薬と組み合わせてのいずれかで、アクチニウム標識モノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非標識モノクローナル抗体の投与を含む。本発明の特定の態様によれば、投与計画は、対照投与計画よりも少なくとも2回のより少ない用量を含み、対照投与計画は、単独で、又は1つ以上の追加の治療薬と組み合わせてのいずれかで、アクチニウム標識モノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非標識モノクローナル抗体の投与を含む。

0112

本発明の特定の態様によれば、投与計画は、対照投与計画よりも10%少ない用量、例えば、対照投与計画よりも20%少ない用量、又は30%少ない用量、又は40%少ない用量、又は50%少ない用量、又は60%少ない用量、又は70%少ない用量、又は80%少ない用量、又は更には90%少ない用量を含み得る。

0113

本発明の特定の態様によれば、対照モノクローナル抗体は、約16mg/kg患者体重の用量で投与されるダラツムマブを含み得る。本発明の特定の態様によれば、対照投与計画は、少なくとも8週間、1週間当たり1回の用量で投与される8回の用量を含み得る。

0114

本発明の特定の態様によれば、放射標識抗CD38抗体の治療有効用量は、0.1ug/kg〜1mg/kg、例えば、1ug/kg〜1mg/kg、又は10ug/kg〜1mg/kg、又は100ug/kg〜1mg/kg、又は0.1ug/kg〜100ug/kg、又は0.1ug/kg〜50ug/kg、又は0.1ug/kg〜10ug/kg、又は0.1ug/kg〜40ug/kg、又は1ug/kg〜40ug/kgであり得る。

0115

これらのタンパク質用量は、0.1uCi/kg〜5uCi/kg、例えば、0.1uCi/kg〜4uCi/kg、又は0.1uCi/kg〜3uCi/kg、又は0.1uCi/kg〜2uCi/kg、又は0.1uCi/kg〜1uCi/kg、又は0.2uCi/kg〜5uCi/kg、又は0.5uCi/kg〜5uCi/kgの放射能濃度を含み得る。

0116

放射標識抗CD38抗体の治療有効用量は、単回用量で、又は2回の等しい分割用量として投与されてもよく、第2の用量は、第1の用量の1日〜10日後、例えば、3〜8日又は4〜7日又は5〜8日後に投与されてもよい。

0117

一態様によれば、本発明は、対象における癌を治療するための方法を提供し、該方法は、治療有効量の本明細書中上記に詳述される医薬組成物を対象に投与することを含む。いずれか特定の理論に束縛されることを望むものではないが、ダラツムマブ、MOR202、又はSAR650984等の本明細書に記載される抗CD38モノクローナル抗体で観察された免疫調節効果に基づいて、固形腫瘍の治療に有効であり得る。したがって、本発明は、固形腫瘍を有する患者を治療する方法であって、それを必要とする患者に固形腫瘍を治療するのに十分な時間、CD38に特異的に結合する治療有効量の抗体を投与することを含む方法も提供する。

0118

特定の態様によれば、本発明は製造品を提供する。例えば、本発明の態様による製造品は、(a)CD38に対する放射標識モノクローナル抗体と、(b)CD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療するのに有効な量の抗体を対象に投与するよう使用者に指示する表示とを含み得る。モノクローナル抗体は、本明細書に記載される抗体のいずれかを含んでもよく、本明細書に記載される放射性核種のいずれかで標識されてもよい。例えば、モノクローナル抗体は、ダラツムマブ、MOR202、又はSAR650984のいずれかであってもよい。本発明の一態様によれば、製造品は、アクチニウム(225Ac)で標識されたダラツムマブを含み得る。製造品のさらなる態様によればCD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療するのに有効な抗体の量は、10μCi〜600μCiの225Ac標識ダラツムマブ、例えば、10μCi〜400μCiの225Ac標識ダラツムマブ、又は10μCi〜200μCiの225Ac標識ダラツムマブを含む。

0119

本発明の特定の態様によれば、製造品は、(a)本明細書に記載される態様のいずれかによる医薬組成物と、(b)CD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療するのに有効な量の抗体を対象に投与するよう使用者に指示する表示とを含み得る。例えば、医薬組成物は、CD38に対するモノクローナル抗体の放射標識画分、及びCD38に対する同じ又は異なるモノクローナル抗体の非標識画分を含み得る。医薬組成物は、患者に特化した形態で、例えば、特定の患者のために(例えば、体重、性別、年齢、疾患の種類及び進行等の患者の特徴に基づいて)調整された放射活性の量及びタンパク質濃度を含む治療有効用量で提供され得る。特定の態様によれば、治療有効用量は、0.1uCi/kg〜5uCi/kg、例えば、0.1uCi/kg〜4uCi/kg、又は0.1uCi/kg〜3uCi/kg、又は0.1uCi/kg〜2uCi/kg、又は0.1uCi/kg〜1uCi/kg、又は0.2uCi/kg〜5uCi/kg、又は0.5uCi/kg〜5uCi/kgの放射能濃度を有する、0.1ug/kg〜1mg/kg、例えば、1ug/kg〜1mg/kg、又は10ug/kg〜1mg/kg、又は100ug/kg〜1mg/kg、又は0.1ug/kg〜100ug/kg、又は0.1ug/kg〜50ug/kg、又は0.1ug/kg〜10ug/kg、又は0.1ug/kg〜40ug/kg、又は1ug/kg〜40ug/kgの放射標識抗CD38抗体を含み得る。

0120

特定の態様によれば、本発明は、CD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害の治療に有用な医薬組成物を提供する。組成物は、5〜50重量%のアクチニウム(225Ac)で標識されたCD38標識に対するモノクローナル抗体と、50〜95重量%の非標識CD38に対するモノクローナル抗体と、薬学的に許容可能な担体と、を含み得る。医薬組成物のさらなる態様によれば、放射標識モノクローナル抗体は225Ac−ダラツムマブであってもよく、非標識モノクローナル抗体は、ダラツムマブ等の標識抗体と同じであってもよいか、又は異なってもよい。

0121

実施例1:ダラツムマブの放射標識
Janssen Biotech(USA)社製のダラツムマブ(DARA)を、Montefiore Medical Center、New York,USAの薬局から購入した。アイソタイプ対照ヒトIgG1は、Creative Diagnotics(New York,USA))から購入した。乾燥硝酸塩の形態の225ACは、Oak Ridge National Laboratory,USAから入手した。塩化インジウム111の形態のインジウム−111(111In)は、MDS Nordion(Vancouver,BC,Canada)から購入した。CD38陽性リンパ腫細胞株Daudiは、ATCC(Manassas,USA)から調達し、CD38陽性多発性骨髄腫細胞株KMS−28BM及びKMS−28PEはXenoTech(Japan)から調達した。Daudi細胞株は、RPMI、10%FBS及び抗菌薬カクテルで成長させ、KMS−28BM及びKMS−28PE細胞株は、10%FBSを補充したRPMIで成長させた。二官能性キレート剤p−SCN−Bn−DOTA(これらの実施例ではDOTAと称される)をMacrocyclics(Texas,USA)から購入した。

0122

図1A及び図1Bを参照すると、酢酸アンモニウム緩衝液中、37℃で1.5時間、5M過剰でDOTAをDARAにコンジュゲートした((図1A)。DARA−DOTAコンジュゲートを400nCi〜0.3μgの比放射能の225Ac又は111Inで標識して225Ac−DARAを生成した(図1B)。225Ac−DARAを等しい量の非標識DARAで希釈して、200uCiの225Ac−DARA用量になるように総抗体用量(0.3μg)を調節した。その後、使い捨てのスピンカラムで試料を99±1の放射化学的純度まで精製した。

0123

図2は、DOTA−DARA免疫複合体による225Acのキレート化の程度を示す棒グラフを提供し、コンジュゲーション反応は、37oC又は室温で、DARAに対して様々なモル過剰のDOTAキレーターで行った。0.15M酢酸アンモニウム緩衝液(Ph6.5)中0.3mg/mlのDOTA−DARA免疫複合体を、37oC又は室温で60分間、1uCi/ugダラツムマブで、0.01M HCL中の225Acで標識した(DOTAによる225Acのキレート化)。

0124

225AC−DARAの安定性は、2つの異なる温度で保存して測定した。図3Aは、様々な225Ac−DARA試料の4oCでの保存安定性を示しており、試料は、37oC又は室温で、DARAに対して様々なモル過剰のDOTAで行われたDOTAとDARAとのコンジュゲーション反応に由来する。図3Bは、様々な225Ac−DARA試料の室温での保存安定性を示しており、試料は、37oC又は室温で、DARAに対して様々なモル過剰のDOTAで行われたDOTAとDARAとのコンジュゲーション反応に由来する。安定性実験開始前に、使い捨てのスピンカラムで試料を99±1%まで精製した。両方の温度で、アクチニウム標識モノクローナル抗体の75%超が、4oCで24時間保存した後にインタクトな状態を保持し、アクチニウム標識モノクローナル抗体の60%超が、室温で24時間保存した後にインタクトな状態を保持する。

0125

実施例2:225Ac−DARAの免疫反応性
図4Aに示されるように、たとえ、37oC又は室温で、DARAに対して様々なモル過剰のDOTAで行われたDOTAとDARAとのコンジュゲーション反応由来の225Ac−DARAコンジュゲートであっても、様々な濃度のCD38に対する225Ac−DARAコンジュゲートの結合は、非標識抗CD38と比較して本質的に変化しない。

0126

DARA及びDOTAとコンジュゲートさせたダラツムマブに対する補体成分1q(C1q)の結合を、ELISA結合アッセイを用いて評価した。図4Bに示されるように、DARAのDOTAへのコンジュゲーションは、補体結合に影響を与えない。高結合型96ウェルプレート(Corning)を、コーティング緩衝液(100Mm炭酸ナトリウム、pH9.6)中の様々な濃度の抗体で、一晩4℃でコーティングした。各インキュベーション後に、試料ウェルPBST(0.05%Tween20/PBS、pH7.4)で3回洗浄した。コーティング後、ブロッキング緩衝液(0.1%BSA/PBST)でプレートを室温で1時間ブロッキングし、次いでブロッキング緩衝液中の2μg/mLヒトC1qと交換した。1時間後、ウェルを3回洗浄し、ブロッキング緩衝液中の100μLの1μg/mL抗hC1qHRPを添加した。1時間後にウェルを洗浄し、100μLのTMB基質(Pierce,Rockford,IL)を添加した。15分後、100μLの1M HClで反応を停止させ、Spectra MAX 250プレートリーダー(Molecular Devices、San Jose,CA)を用いて450nmで吸光度を読み取った。

0127

DARA及びDOTAとコンジュゲートさせたDARAがADCCを媒介する能力を、Promega(Madison,WI)から購入され、製造業者プロトコルに従って使用されるADCC Reporter Bioassay,Complete Kit(Raji)を使用して評価した。図4Cに示されるように、様々な濃度のDARA及びDARA−DOTAを、CD38を発現する標的細胞に添加した。FcγR(III)によって活性化されたときにルシフェラーゼを発現するエフェクター細胞を標的細胞に添加し、Bio−Glow(商標)の添加後に発光を測定した。誘導倍率=RLU(誘導バックグラウンド)/RLU(抗体なしの対照バックグラウンド)。ADCCを活性化することが分かっている抗CD20抗体を、陽性対照として使用した。示されるように、DARAのDOTAへのコンジュゲーションは、ADCCを阻害しない。

0128

実施例3:225Ac−DARAの細胞傷害性
裸のDARA、225Ac−DARA、及び無関係なIgG−225Acが、ある範囲のCD38抗原発現レベルを有する多発性骨髄腫細胞株において細胞溶解を誘導する能力を、様々な時点及び濃度で評価した。

0129

Daudi細胞(1mLPBS中2×105)をBSAでブロックしたエッペンドルフ管に入れ、225AC−DARA、又は対応する活性の対照ヒトIgG、又は非標識DARAを用いて、0、20、40、60及び100nCi/試料で3通りに処理した。1mLの試料当たりのDARAの総量は、20nCi試料で0.02μg、40nCi試料で0.04μg、60nCi試料及び対応する非標識DARAの試料で0.06μgであった。48、72、及び96時間のインキュベーション後、放射標識抗体が細胞に与える影響を、テトラゾリウム染料(2,3)−ビス−(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルフェニル)−(2H)−タラゾリウム−5−カルボサニリド(XTT)アッセイを用いて評価した。ウェルを洗浄し、新鮮培地を、PBS中1mg/Mlの50μl XTT(Sigma)、及びアセトン中1Mmの4μlメナジオン(Sigma)とともに添加した。細胞を更に3時間インキュベートし、492nmで吸光度を読み取った。全ての条件を3通り行った。平行して、トリパンブルー染色で死滅を評価した。

0130

図5A〜図5Dに、Daudi細胞を225Ac−DARAコンジュゲートで処理したXTTアッセイの結果を示す。225Ac−DOTA−IgGコンジュゲートによるDaudi細胞の溶解が95%〜100%に達するのに対し、対照DARAは、本アッセイで試験した低濃度ではほとんど又は全く効果を示さないこと(すなわち、対照細胞と同じ細胞傷害性)が見て取れる。図5A〜図5Dは、24、48、72、及び96時間の曝露時間をそれぞれ示す。

0131

図6は、図5A〜図5Dに見られるデータの概要グラフを提供し、様々な濃度の225Ac−DARAについて経時的な細胞溶解パーセントを示す。図7A及び図7Bは、様々な濃度の225Ac−DARAコンジュゲートが、96時間にわたってADCCによる28BM及び28PE多発性骨髄腫細胞の溶解をそれぞれ誘導する能力を示すグラフを提供する。

0132

図8A〜図8Cは、様々な濃度の225Ac−DARAコンジュゲートへの曝露におけるDaudi、28BM、及び28PE細胞の細胞溶解結果を比較する棒グラフを提供し、パネル図8A〜図8Cは、48、72、及び96時間の曝露時間をそれぞれ示す。

0133

重要なのは、DOTA及び225AcでDARAを標識した際に免疫原性が保持されたことである。図中に示されるように、0.01μg/Ml〜0.06μg/Mlの範囲の抗体及び225Ac標識構築物の濃度を、4個の細胞株のそれぞれにおいて試験した。用いられた活性:抗体の比率は、10nCi:0.01μg/mLであった。0.01μg/mL及び0.06μg/mLの225Ac−DARAでDaudi細胞を処理したところ、72時間でそれぞれ25%及び95%の細胞死がもたらされたのに対し、ダラツムマブのみの群では細胞死は5〜6%であった。同様の時間依存性及び濃度依存性の細胞死が、患者由来細胞株28PE及び28BMにおいて示された。CD38陽性細胞株を、同様の活性の放射標識アイソタイプ一致ヒト対照抗体IgG−225Acで処理した場合、又は陰性のCD38発現多発性骨髄腫細胞株U266を225Ac−DARAで処理した場合には、時間依存性又は濃度依存性の死滅は観察されなかった。

0134

これらの結果は、CD38を標的とする抗体を225Acで標識する能力を示すものであり、強力なα放射体225ACは、DARAの免疫機能を依然として維持しながらビヒクルとして抗体を本質的に利用して、DARAの有効性を10倍超改善する。225ACは、その高い線形エネルギー移動特性及び組織における短い経路長に起因して有効なペイロードである。

0135

実施例4:動物モデル
Daudi腫瘍担持マウスにおいて111In−DARAのmicroSPECT/CTによる画像化を行い、腫瘍におけるその特異的取り込みを確認した(図9)。腫瘍の誘発のために、雌SCIDマウス(Charles River Laboratoriesから調達したCB17/Icr−Prkdcscid/IcrIcoCrl)の右側腹部に、50μL生理食塩水中の5×106Daudi細胞を皮下注射した。腫瘍の成長を3日ごとに電子キャリパーで測定し、式V=0.5(L×W2)を用いて腫瘍体積を算出し、幅を腫瘍短径とした。腫瘍細胞接種後14日目に、腫瘍が約200mm3の平均体積に達したとき、マウスをmicroSPECT/CTにより撮像したか、又は111In−DARAで処理した。画像化のために、3匹のマウスに400μCiの111In−DARAを腹腔内(IP)注射し、注射後1、4、24時間、続いて2、3、7及び10日目にmicroSPECT/CT(MILabs,Netherlands)で撮像した。

0136

MicroSPECT/CT画像は、投与後24時間の腫瘍において111In−DARAの顕著な局所化を示した。111DARAは最長10日間腫瘍内で濃縮し続けたが、一方で、活性は体の他の部分から消失した。図9は、全時間経過にわたって1匹のマウスからの代表的な画像を示している。

0137

放射免疫療法(RIT)の副作用を評価するために、腫瘍担持マウスを5匹の動物の群に無作為化し、100μLの生理食塩水、又はマウス1匹当たり10もしくは0.3μgの濃度の非標識DARA、又は0.3μgの抗体当たり400nCi及び200nCiの225Ac−DARAのいずれかをIP注射した。マウスを40日間腫瘍進行について観察し、腫瘍が4,000mm3の体積に達した、又は壊死を起こしたいずれのマウスも人道的安楽死させた(図10A及び図10B)。

0138

RITの副作用を評価するために、マウスの体重をモニタリングして(図11A)、血液学的パラメータ及び全身毒性(腎臓及び肝臓、図11B)を評価することにより、225Ac−DARAの総合的な安全性評価を行った。200nCiの225Ac−DARA群におけるマウスの体重は実験を通して変化しなかった一方で、400nCi群は、処理後2週目の間にわずかに一過性体重減少を示し、処理後3週目には迅速な回復が認められた。血液学的パラメータ及び毒性パラメータの評価により、試験した任意のパラメータでは、いずれの225Ac標識群と非標識群の間にも統計的有意差が見られなかったことが示された。このことは、225Acコンジュゲートの存在が血液パラメータに影響を与えなかったこと、又は処理マウスにおいてアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼAST)及びアラニントランスミナーゼ(ALT)のレベルによって測定された肝障害の増加の証拠が見られないことを示唆するものであった。更に、クレアチニン及び血中尿素窒素(BUN)に何の変化も見られなかったことから、明らかな腎毒性がないことが示された。

0139

本出願には、以下の態様が開示されている。

0140

態様1.CD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療する方法であって、CD38に対するモノクローナル抗体を含む有効量の医薬組成物を対象に投与することを含み、モノクローナル抗体はアクチニウム(225Ac)で標識される、方法。

0141

態様2.モノクローナル抗体は、CD38に対するヒト又はヒト化免疫グロブリン(IgG1)を含む、態様1に記載の方法。

0142

態様3.モノクローナル抗体は、ダラツムマブ、MOR202、SAR650984を含む、態様1又は2に記載の方法。

0143

態様4.CD38を発現する細胞は、CD38発現癌細胞又はCD38発現T細胞、B細胞、NK細胞、もしくは形質細胞である、態様1〜3のいずれかに記載の方法。

0144

態様5.CD38を発現する細胞は、固形腫瘍細胞又は血液悪性腫瘍細胞を含む、態様1〜4のいずれかに記載の方法。

0145

態様6.血液悪性腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞、急性リンパ性白血病細胞、急性骨髄性白血病細胞、慢性リンパ性白血病細胞、慢性骨髄性白血病細胞、ホジキンリンパ腫細胞、非ホジキンリンパ腫細胞、T−LGL白血病細胞、NK細胞白血病細胞、又はヘアリーセル白血病細胞を含む、態様5に記載の方法。

0146

態様7.医薬組成物は、CD38のエピトープに対する非放射標識モノクローナル抗体を更に含む、態様1〜6のいずれかに記載の方法。

0147

態様8.医薬組成物は、アクチニウム標識モノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非放射標識モノクローナル抗体を更に含む、態様1〜7のいずれかに記載の方法。

0148

態様9.有効量は、0.1uCi/kg〜5uCi/kgのアクチニウム(225Ac)を含む0.1ug/kg〜1mg/kgの抗体の用量;例えば、0.1uCi/kg〜1uCi/kgを含む0.1ug/kg〜50ug/kgの抗体を含む、態様1〜8のいずれかに記載の方法。

0149

態様10、有効量は、単回用量として投与されるか、又は有効量は、2回の等しい分割用量として投与され、第2の用量が第1の用量の3〜8日後に投与される、態様1〜9のいずれかに記載の方法。

0150

態様11.1つ以上のさらなる治療薬を投与することを更に含む、態様1〜10のいずれかに記載の方法。

0151

態様12.1つ以上のさらなる治療薬の投与は、医薬組成物の投与の前又は後である、態様11に記載の方法。

0152

態様13.1つ以上のさらなる治療薬は、化学療法剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、又はそれらの組み合わせを含む、態様11又は12のいずれかに記載の方法。

0153

態様14.1つ以上のさらなる治療薬は、デキサメタゾン、メルファラン、ドキソルビシン、ボルテゾミブ、レナリドミド、プレドニゾン、カルムスチン、エトポシド、シスプラチン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、及びサリドマイドなどの抗骨髄腫剤を含む、態様11〜13のいずれかに記載の方法。

0154

態様15.医薬組成物は、1つ以上のさらなる治療薬を更に含む、態様1〜14のいずれかに記載の方法。

0155

態様16.医薬組成物は、少なくとも1回の用量を含む投与計画において対象に投与される、態様1〜15のいずれかに記載の方法。

0156

態様17.少なくとも1回の用量は、対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも5倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量、又は対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも10倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量、又は対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも20倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量、又は対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも50倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量、又は対照モノクローナル抗体のみを含む投与計画の用量よりも100倍低いCD38に対するモノクローナル抗体の量を含み、対照モノクローナル抗体は、アクチニウム標識モノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非標識モノクローナル抗体を含み、対照モノクローナル抗体は、約16mg/kg患者体重の用量で投与されるダラツムマブを含む、態様16に記載の方法。

0157

態様18.投与計画は、対照投与計画よりも少なくとも1回少ない用量、又は対照投与計画よりも少なくとも2回少ない用量、又は対照投与計画よりも少なくとも3回少ない用量、又は対照投与計画よりも少なくとも4回少ない用量、又は対照投与計画よりも少なくとも5回少ない用量を含み、対照投与計画は、単独で又は1つ以上の追加の治療薬と組み合わせてのいずれかの、アクチニウム標識モノクローナル抗体と同じCD38のエピトープに対する非標識モノクローナル抗体の投与を含み、対照投与計画は、少なくとも8週間、1週間に1回の用量で投与される8回の用量を含む、態様16又は17に記載の方法。

0158

態様19.(a)CD38に対する放射標識モノクローナル抗体と、(b)CD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療するのに有効な量の抗体を対象に投与するよう使用者に指示する表示と、を含む、製造品。

0159

態様20.CD38を発現する細胞又は障害を治療するのに有効な抗体の患者特異的量を含む医薬組成物と、(b)医薬組成物に関する情報を示す表示と、を含む、製造品。

0160

態様21.モノクローナル抗体は、アクチニウム(225Ac)で標識されたダラツムマブである、態様19又は20に記載の製造品。

0161

態様22.CD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療するのに有効な抗体の量は、10μCi〜600μCiの225Ac標識ダラツムマブ、例えば、10μCi〜400μCiの225Ac標識ダラツムマブ、又は10μCi〜200μCiの225Ac標識ダラツムマブを含む、態様19〜21のいずれかに記載の製造品。

0162

態様23.CD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害を治療するのに有効な抗体の量は、0.1uCi/kg〜5uCi/kgのアクチニウム(225Ac)を含む0.1ug/kg〜1mg/kgの抗体の用量;例えば、0.1uCi/kg〜1uCi/kgを含む0.1ug/kg〜50ug/kgの抗体を含む、態様19〜22のいずれかに記載の製造品。

0163

態様24.CD38を発現する細胞に関与する疾患又は障害の治療に有用な医薬組成物であって、組成物は、5〜50重量%のアクチニウム(225Ac)で標識されたCD38標識に対するモノクローナル抗体と、50〜95重量%の非標識CD38に対するモノクローナル抗体と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。

0164

態様25.放射標識モノクローナル抗体は225Ac−ダラツムマブであり、非標識モノクローナル抗体は、ダラツムマブ等の標識抗体と同じであってもよいか、又は異なってもよい、態様22に記載の医薬組成物。

0165

態様26.抗体の総量は、10μCi〜600μCiの225Ac標識ダラツムマブ、例えば、10μCi〜400μCiの225Ac標識ダラツムマブ、又は10μCi〜200μCiの225Ac標識ダラツムマブを含む、態様25に記載の医薬組成物。

0166

態様27.抗体の総量は、0.1uCi/kg〜5uCi/kgのアクチニウム(225Ac)を含む0.1ug/kg〜1mg/kgの抗体の用量;例えば、0.1uCi/kg〜1uCi/kgを含む0.1ug/kg〜50ug/kgの抗体を含む、態様25又は26のいずれかに記載の製造品。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社カネカの「 多能性幹細胞凝集抑制剤」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】この出願は、細胞周期停止剤を含むことを特徴とする多能性幹細胞の浮遊培養に用いるための多能性幹細胞凝集抑制剤、その凝集抑制剤を含む培地中で多能性幹細胞を浮遊培養する工程を含む、多能性幹... 詳細

  • 国立大学法人東北大学の「 相同組換え修復活性の定量法」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】細胞における相同組換え修復活性の測定方法は、部位特異的ヌクレアーゼにより、細胞内の標的ゲノムDNA領域の二本鎖を特定部位で切断すること、細胞にタグ配列を含むドナーベクターを導入し、相... 詳細

  • 長瀬産業株式会社の「 エルゴチオネインの製造方法」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】安価かつ大量にエルゴチオネインを製造する方法および該方法に使用する細菌を提供する。エルゴチオネインもしくはその関連物質、またはこれらの混合物の製造方法であって、エルゴチオネイン生産能... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ