図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年10月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

NKG2D受容体、CD16、及び腫瘍関連抗原FLT3と結合する多重特異性結合タンパク質が記載され、それに加えてがん処置に有用な医薬組成物及び治療方法が記載される。

概要

背景

がんは、かなりの研究努力及び化学的進歩が、この疾患の処置について文献で報告されているにもかかわらず、重大な健康問題であり続けている。血液がん及び骨髄がんは、高い頻度診断されるがん型であり、多発性骨髄腫白血病、及びリンパ腫を含む。これらのがんに対する現在の処置選択肢は、全ての患者にとって効果的なものではなく、及び/またはかなり有害な副作用を有し得る。他の種類のがんも、既存の治療選択肢を使用して処置することが依然として困難である。

がん免疫療法は、それらが高度に特異的であることから望ましく、患者自身の免疫系を使用してがん細胞破壊を促進し得る。二重特異性細胞誘導体などの融合タンパク質は、腫瘍細胞及びT細胞に結合し、腫瘍細胞の破壊を促進する、文献に記載されているがん免疫療法である。ある特定の腫瘍関連抗原に、かつある特定の免疫細胞に結合する抗体が、文献に記載されてきた。例えば、WO2016/134371及びWO2015/095412を参照のこと。

ナチュラルキラー(NK)細胞は、自然免疫系の構成要素であり、循環リンパ球のおよそ15%を構成する。NK細胞は実質的に全ての組織浸潤し、元より、以前の感作を必要とすることなく、効果的に腫瘍細胞を死滅させるそれらの能力を特徴とした。活性化NK細胞は、細胞傷害性T細胞に類似した手段によって、すなわち、パーフォリン及びグランザイムを含有する細胞溶解性顆粒によって、それに加えて細胞死受容体経路によって標的細胞を死滅させる。活性化NK細胞はまた、標的組織に対して他の白血球動員を促進するIFN−γ及びケモカインなどの炎症性サイトカイン分泌する。

NK細胞は、それらの表面上の様々な活性化受容体及び阻害性受容体を介してシグナル応答する。例えば、NK細胞が健康な自己細胞遭遇する場合、それらの活性は、キラー細胞免疫グロブリン様受容体KIR)の活性化によって阻害される。あるいは、NK細胞が外来細胞またはがん細胞に遭遇する場合、それらは、それらの活性化受容体(例えば、NKG2D、NCR、DNAM1)によって活性化される。NK細胞はまた、それらの表面上のCD16受容体を介する一部の免疫グロブリン定常領域によって活性化される。活性化に対するNK細胞の全体的な感度は、刺激シグナル及び阻害シグナルの合計に依存する。

FMSチロシンキナーゼ−3(FLT3)、すなわち多能性前駆細胞及びリンパ球系共通前駆細胞発現される受容体チロシンキナーゼは、造血系及び免疫系の発生に重要である。FLT3を介するシグナル伝達は、細胞の生存、増殖、及び分化において重要な役割を果たす。FLT3受容体の変異は、白血病、例えば、急性骨髄性白血病、T細胞白血病、急性リンパ性白血病慢性リンパ性白血病慢性骨髄性白血病、及び有毛細胞白血病の発症を招き得る。FLT3の遺伝子内縦列重複(FLT3−ITD)は、急性骨髄性白血病(AML)と関連する最も一般的な変異である。

概要

NKG2D受容体、CD16、及び腫瘍関連抗原FLT3と結合する多重特異性結合タンパク質が記載され、それに加えてがんの処置に有用な医薬組成物及び治療方法が記載される。

目的

本発明は、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体、ならびに腫瘍関連抗原FLT3に結合する多重特異性結合タンパク質を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

タンパク質であって、(a)NKG2Dと結合する第1抗原結合部位と、(b)FLT3と結合する第2抗原結合部位と、(c)抗体FcドメインもしくはCD16と結合するのに十分なその一部分、またはCD16と結合する第3抗原結合部位とを含む、前記タンパク質。

請求項2

前記第1抗原結合部位が、ヒトのNKG2Dに結合する、請求項1に記載のタンパク質。

請求項3

前記第1抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む、請求項1または2に記載のタンパク質。

請求項4

前記重鎖可変ドメイン及び前記軽鎖可変ドメインが、同じポリペプチド上に存在する、請求項3に記載のタンパク質。

請求項5

前記第2抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む、請求項3または4に記載のタンパク質。

請求項6

前記第2抗原結合部位の前記重鎖可変ドメイン及び前記軽鎖可変ドメインが、同じポリペプチド上に存在する、請求項5に記載のタンパク質。

請求項7

前記第1抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、前記第2抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する、請求項5または6に記載のタンパク質。

請求項8

前記第1抗原結合部位が、配列番号:1、配列番号:41、配列番号:49、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:69、配列番号:77、配列番号:85、及び配列番号:93から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメインを含む、先行請求項のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項9

前記第1抗原結合部位が、配列番号:41と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:42と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項10

前記第1抗原結合部位が、配列番号:49と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:50と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項11

前記第1抗原結合部位が、配列番号:57と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:58と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項12

前記第1抗原結合部位が、配列番号:59と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:60と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項13

前記第1抗原結合部位が、配列番号:61と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:62と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項14

前記第1抗原結合部位が、配列番号:69と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:70と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項15

前記第1抗原結合部位が、配列番号:77と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:78と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項16

前記第1抗原結合部位が、配列番号:85と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:86と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項17

前記第1抗原結合部位が、配列番号:93と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:94と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項18

前記第1抗原結合部位が、配列番号:101と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:102と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項19

前記第1抗原結合部位が、配列番号:103と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号:104と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項20

前記第1抗原結合部位が、単一ドメイン抗体である、請求項1または2に記載のタンパク質。

請求項21

前記単一ドメイン抗体が、VHH断片またはVNAR断片である、請求項20に記載のタンパク質。

請求項22

前記第2抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜2または20〜21のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項23

前記第2抗原結合部位の前記重鎖可変ドメイン及び前記軽鎖可変ドメインが、同じポリペプチド上に存在する、請求項22に記載のタンパク質。

請求項24

前記第2抗原結合部位がFLT3と結合し、前記第2抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号:109と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号:113と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項25

前記第2抗原結合部位がFLT3と結合し、前記第2抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号:117と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号:121と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項26

前記第2抗原結合部位がFLT3と結合し、前記第2抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号:125と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号:129と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項27

前記第2抗原結合部位が、単一ドメイン抗体である、請求項1〜4または8〜21のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項28

前記第2抗原結合部位が、VHH断片またはVNAR断片である、請求項27に記載のタンパク質。

請求項29

前記タンパク質が、CD16と結合するのに十分な抗体Fcドメインの一部分を含み、前記抗体Fcドメインがヒンジ及びCH2ドメインを含む、先行請求項のいずれか1項に記載のタンパク質。

請求項30

前記抗体Fcドメインが、ヒトIgG1抗体のヒンジ及びCH2ドメインを含む、請求項29に記載のタンパク質。

請求項31

前記Fcドメインが、ヒトIgG1抗体のアミノ酸234〜332と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項29または30に記載のタンパク質。

請求項32

前記Fcドメインが、ヒトIgG1の前記Fcドメインと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、Q347、Y349、L351、S354、E356、E357、K360、Q362、S364、T366、L368、K370、N390、K392、T394、D399、S400、D401、F405、Y407、K409、T411、K439からなる群から選択される1つ以上の位置で異なる、請求項31に記載のタンパク質。

請求項33

先行請求項のいずれか1項に記載のタンパク質と、薬学的に許容される担体とを含む、製剤。

請求項34

請求項1〜32のいずれか1項に記載のタンパク質を発現する1つ以上の核酸を含む、細胞

請求項35

腫瘍細胞死の増強方法であって、腫瘍細胞及びナチュラルキラー細胞を、有効量の請求項1〜32のいずれか1項に記載の前記タンパク質に曝露することを含み、前記腫瘍細胞がFLT3を発現する、前記方法。

請求項36

がん処置方法であって、前記方法が、有効量の請求項1〜32のいずれか1項に記載の前記タンパク質または請求項33に記載の前記製剤を患者投与することを含む、前記方法。

請求項37

前記がんが白血病である、請求項36に記載の方法。

請求項38

前記白血病が、急性骨髄性白血病、T細胞白血病、急性リンパ性白血病慢性リンパ性白血病慢性骨髄性白血病、及び有毛細胞白血病からなる群から選択される、請求項37に記載のがんの処置方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2017年7月31日出願の米国特許仮出願第62/539,421号明細書の利益及びその優先権を主張し、その内容全体が、あらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。

0002

配列表
本出願は、ASCII形式電子的に提出された配列表を含有し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。2018年7月30日に作成されたASCIIコピーは、DFY−027WO_SL.txtという名称であり、103,731バイトのサイズである。

0003

本発明は、NKG2D、CD16、及び腫瘍関連抗原FLT3に結合する多重特異性結合タンパク質に関する。

背景技術

0004

がんは、かなりの研究努力及び化学的進歩が、この疾患の処置について文献で報告されているにもかかわらず、重大な健康問題であり続けている。血液がん及び骨髄がんは、高い頻度診断されるがん型であり、多発性骨髄腫白血病、及びリンパ腫を含む。これらのがんに対する現在の処置選択肢は、全ての患者にとって効果的なものではなく、及び/またはかなり有害な副作用を有し得る。他の種類のがんも、既存の治療選択肢を使用して処置することが依然として困難である。

0005

がん免疫療法は、それらが高度に特異的であることから望ましく、患者自身の免疫系を使用してがん細胞破壊を促進し得る。二重特異性細胞誘導体などの融合タンパク質は、腫瘍細胞及びT細胞に結合し、腫瘍細胞の破壊を促進する、文献に記載されているがん免疫療法である。ある特定の腫瘍関連抗原に、かつある特定の免疫細胞に結合する抗体が、文献に記載されてきた。例えば、WO2016/134371及びWO2015/095412を参照のこと。

0006

ナチュラルキラー(NK)細胞は、自然免疫系の構成要素であり、循環リンパ球のおよそ15%を構成する。NK細胞は実質的に全ての組織浸潤し、元より、以前の感作を必要とすることなく、効果的に腫瘍細胞を死滅させるそれらの能力を特徴とした。活性化NK細胞は、細胞傷害性T細胞に類似した手段によって、すなわち、パーフォリン及びグランザイムを含有する細胞溶解性顆粒によって、それに加えて細胞死受容体経路によって標的細胞を死滅させる。活性化NK細胞はまた、標的組織に対して他の白血球動員を促進するIFN−γ及びケモカインなどの炎症性サイトカイン分泌する。

0007

NK細胞は、それらの表面上の様々な活性化受容体及び阻害性受容体を介してシグナル応答する。例えば、NK細胞が健康な自己細胞遭遇する場合、それらの活性は、キラー細胞免疫グロブリン様受容体KIR)の活性化によって阻害される。あるいは、NK細胞が外来細胞またはがん細胞に遭遇する場合、それらは、それらの活性化受容体(例えば、NKG2D、NCR、DNAM1)によって活性化される。NK細胞はまた、それらの表面上のCD16受容体を介する一部の免疫グロブリン定常領域によって活性化される。活性化に対するNK細胞の全体的な感度は、刺激シグナル及び阻害シグナルの合計に依存する。

0008

FMSチロシンキナーゼ−3(FLT3)、すなわち多能性前駆細胞及びリンパ球系共通前駆細胞発現される受容体チロシンキナーゼは、造血系及び免疫系の発生に重要である。FLT3を介するシグナル伝達は、細胞の生存、増殖、及び分化において重要な役割を果たす。FLT3受容体の変異は、白血病、例えば、急性骨髄性白血病、T細胞白血病、急性リンパ性白血病慢性リンパ性白血病慢性骨髄性白血病、及び有毛細胞白血病の発症を招き得る。FLT3の遺伝子内縦列重複(FLT3−ITD)は、急性骨髄性白血病(AML)と関連する最も一般的な変異である。

0009

本発明は、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体、ならびに腫瘍関連抗原FLT3に結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。そのようなタンパク質は、NK活性化受容体のうち2種以上と結合し得、天然リガンドとNKG2Dとの結合をブロックする可能性がある。ある特定の実施形態では、タンパク質は、ヒトのNK細胞を作動させ得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、ヒトのNK細胞ならびにげっ歯類及びカニクイザルなどの、他の種のNK細胞を作動させ得る。本発明の様々な態様及び実施形態が、以下でさらに詳しく記載される。

0010

したがって、本発明の一態様は、NKG2Dと結合する第1抗原結合部位、腫瘍関連抗原FLT3と結合する第2抗原結合部位、及び抗体Fcドメイン、CD16と結合するのに十分なその一部分、またはCD16と結合する第3抗原結合部位を組み込むタンパク質を提供する。

0011

抗原結合部位は各々、抗体重鎖可変ドメイン及び抗体軽鎖可変ドメインを組み込む可能性がある(例えば、抗体におけるように配置される、もしくはscFvを形成するように互いに融合される)か、または抗原結合部位のうち1つ以上が、ラクダ抗体のようなVHH抗体もしくは軟骨魚類に見られるもののようなVNAR抗体などの単一ドメイン抗体である可能性がある。

0012

一態様では、本発明は、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体、ならびに腫瘍関連抗原FLT3に結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。NKG2D結合部位は、配列番号:1、配列番号:41、配列番号:49、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:69、配列番号:77、配列番号:85、及び配列番号:93から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメインを含む。

0013

NKG2Dに結合する第1抗原結合部位は、いくつかの実施形態では、配列番号:1と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一のアミノ酸配列を有すること、及び/または配列番号:1のCDR1(配列番号:105)、CDR2(配列番号:106)、及びCDR3(配列番号:107)配列と同一のアミノ酸配列を組み込むことなどによって、配列番号:1に関連する重鎖可変ドメインを組み込み得る。配列番号:1に関連する重鎖可変ドメインは、様々な軽鎖可変ドメインと対になってNKG2D結合部位を形成し得る。例えば、配列番号:1に関連する重鎖可変ドメインを組み込む第1抗原結合部位は、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、及び40に関連する配列のうちいずれか1つから選択される軽鎖可変ドメインをさらに組み込み得る。例えば、第1抗原結合部位は、配列番号:1と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインならびに配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、及び40から選択される配列のうちいずれか1つと少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインを組み込む。

0014

あるいは、第1抗原結合部位は、配列番号:41に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:42に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:41と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:41のCDR1(配列番号:43)、CDR2(配列番号:44)、及びCDR3(配列番号:45)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:42と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:42のCDR1(配列番号:46)、CDR2(配列番号:47)、及びCDR3(配列番号:48)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。

0015

他の実施形態では、第1抗原結合部位は、配列番号:49に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:50に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:49と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:49のCDR1(配列番号:51)、CDR2(配列番号:52)、及びCDR3(配列番号:53)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:50と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:50のCDR1(配列番号:54)、CDR2(配列番号:55)、及びCDR3(配列番号:56)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。

0016

あるいは、第1抗原結合部位は、配列番号:57に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:58に関連する軽鎖可変ドメインを、それぞれ配列番号:57と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列及び配列番号:58と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有することなどによって組み込み得る。

0017

別の実施形態では、第1抗原結合部位は、配列番号:59に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:60に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得、例えば、第1抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:59と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:59のCDR1(配列番号:134)、CDR2(配列番号:135)、及びCDR3(配列番号:136)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:60と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:60のCDR1(配列番号:137)、CDR2(配列番号:138)、及びCDR3(配列番号:139)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。

0018

NKG2Dに結合する第1抗原結合部位は、いくつかの実施形態では、配列番号:61に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:62に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:61と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:61のCDR1(配列番号:63)、CDR2(配列番号:64)、及びCDR3(配列番号:65)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:62と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:62のCDR1(配列番号:66)、CDR2(配列番号:67)、及びCDR3(配列番号:68)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。いくつかの実施形態では、第1抗原結合部位は、配列番号:69に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:70に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:69と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:69のCDR1(配列番号:71)、CDR2(配列番号:72)、及びCDR3(配列番号:73)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:70と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:70のCDR1(配列番号:74)、CDR2(配列番号:75)、及びCDR3(配列番号:76)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。

0019

いくつかの実施形態では、第1抗原結合部位は、配列番号:77に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:78に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:77と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:77のCDR1(配列番号:79)、CDR2(配列番号:80)、及びCDR3(配列番号:81)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:78と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:78のCDR1(配列番号:82)、CDR2(配列番号:83)、及びCDR3(配列番号:84)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。

0020

いくつかの実施形態では、第1抗原結合部位は、配列番号:85に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:86に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:85と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:85のCDR1(配列番号:87)、CDR2(配列番号:88)、及びCDR3(配列番号:89)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:86と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:86のCDR1(配列番号:90)、CDR2(配列番号:91)、及びCDR3(配列番号:92)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。

0021

いくつかの実施形態では、第1抗原結合部位は、配列番号:93に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:94に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:93と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:93のCDR1(配列番号:95)、CDR2(配列番号:96)、及びCDR3(配列番号:97)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:94と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:94のCDR1(配列番号:98)、CDR2(配列番号:99)、及びCDR3(配列番号:100)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。

0022

いくつかの実施形態では、第1抗原結合部位は、配列番号:101に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:102に関連する軽鎖可変ドメインを、それぞれ配列番号:101と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列及び配列番号:102と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有することなどによって組み込み得る。いくつかの実施形態では、第1抗原結合部位は、配列番号:103に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:104に関連する軽鎖可変ドメインを、それぞれ配列番号:103と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列及び配列番号:104と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有することなどによって組み込み得る。

0023

いくつかの実施形態では、FLT3に結合する第2抗原結合部位は、配列番号:109に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:113に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第2抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:109と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:109のCDR1(配列番号:110)、CDR2(配列番号:111)、及びCDR3(配列番号:112)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:113と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:113のCDR1(配列番号:114)、CDR2(配列番号:115)、及びCDR3(配列番号:116)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。

0024

あるいは、FLT3に結合する第2抗原結合部位は、配列番号:117に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:121に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第2抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:117と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:117のCDR1(配列番号:118)、CDR2(配列番号:119)、及びCDR3(配列番号:120)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:121と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:121のCDR1(配列番号:122)、CDR2(配列番号:123)、及びCDR3(配列番号:124)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。

0025

あるいは、FLT3に結合する第2抗原結合部位は、配列番号:125に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号:129に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第2抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号:125と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:125のCDR1(配列番号:126)、CDR2(配列番号:127)、及びCDR3(配列番号:128)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号:129と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一であり得る、及び/または配列番号:129のCDR1(配列番号:130)、CDR2(配列番号:131)、及びCDR3(配列番号:132)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。

0026

いくつかの実施形態では、第2抗原結合部位は、第1抗原結合部位中に存在する軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインを組み込む。

0027

いくつかの実施形態では、タンパク質は、CD16と結合するのに十分な抗体Fcドメインの一部分を組み込み、抗体Fcドメインは、ヒンジ及びCH2ドメイン、及び/またはヒトIgG抗体のアミノ酸配列234〜332と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む。

0028

本明細書に記載されるタンパク質のうちいずれか1つを含有する製剤、タンパク質を発現する1つ以上の核酸を含有する細胞、及びタンパク質を使用して腫瘍細胞死を増強する方法も提供される。

0029

本発明の別の態様は、患者のがんを処置する方法を提供する。本方法は、治療有効量の本明細書に記載される多重特異性結合タンパク質を、それを必要とする患者に投与することを含む。多重特異性結合タンパク質を使用して処置される例示的ながんとしては、白血病、例えば、急性骨髄性白血病、T細胞白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、及び有毛細胞白血病が挙げられる。

図面の簡単な説明

0030

ヘテロ二量体多重特異性抗体の図である。各アームは、NKG2D結合ドメイン、またはFLT3結合ドメインのいずれかを表し得る。いくつかの実施形態では、NKG2D及びFLT3結合ドメインは、共通の軽鎖共有し得る。

0031

ヘテロ二量体多重特異性抗体の図である。NKG2D結合ドメインまたはFLT3結合ドメインのいずれかが、scFv型を取り得る(右アーム)。

0032

ELISAアッセイにおける、NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)とヒト組換えNKG2Dとの結合親和性を示す線グラフである。

0033

ELISAアッセイにおける、NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)とカニクイザル組換えNKG2Dとの結合親和性を示す線グラフである。

0034

ELISAアッセイにおける、NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)とマウス組換えNKG2Dとの結合親和性を示す線グラフである。

0035

平均蛍光強度MFI)のバックグラウンドに対する倍率FOB)を示すフローサイトメトリーによる、NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)とヒトNKG2Dを発現するEL4細胞との結合を示す棒グラフである。

0036

平均蛍光強度(MFI)のバックグラウンドに対する倍率(FOB)を示すフローサイトメトリーによる、NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)とマウスNKG2Dを発現するEL4細胞との結合を示す棒グラフである。

0037

天然リガンドULBP−6と競合することによって、NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)と組換えヒトNKG2D−Fcとの特異的結合親和性を示す線グラフである。

0038

天然リガンドMICAと競合することによって、NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)と組換えヒトNKG2D−Fcとの特異的結合親和性を示す線グラフである。

0039

天然リガンドRae−1デルタと競合することによって、NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)と組換えマウスNKG2D−Fcとの特異的結合親和性を示す線グラフである。

0040

TNF−α陽性細胞パーセンテージ定量化することによって、NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)によるヒトNKG2Dの活性化を示す棒グラフであり、この細胞はヒトNKG2D−CD3ゼータ融合タンパク質を発現する。

0041

TNF−α陽性細胞のパーセンテージを定量化することによって、NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)によるマウスNKG2Dの活性化を示す棒グラフであり、この細胞はマウスNKG2D−CD3ゼータ融合タンパク質を発現する。

0042

NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)によるヒトNK細胞の活性化を示す棒グラフである。

0043

NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)によるヒトNK細胞の活性化を示す棒グラフである。

0044

NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)によるマウスNK細胞の活性化を示す棒グラフである。

0045

NKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)によるマウスNK細胞の活性化を示す棒グラフである。

0046

腫瘍細胞上のNKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)の細胞傷害効果を示す棒グラフである。

0047

示差走査蛍光定量法によって測定されるNKG2D結合ドメイン(クローンとして列挙される)の融解温度を示す棒グラフである。

0048

CD16及びNKG2D結合を使用したNK細胞の相乗的活性化の棒グラフである。図19AはCD107aのレベルを示し、図19BはIFN−γのレベルを示し、図19CはCD107a及びIFN−γのレベルを示す。グラフは、平均(n=2)±SDを示す。データは、5人の異なる健康なドナーを使用した5つの独立した実験の典型である。

0049

Triomab型のTriNKETの図であり、これはIgG様形状を維持する三機能性の二重特異性抗体である。このキメラは2つの半抗体からなり、各々が1本の軽鎖及び1本の重鎖を有し、2つの親抗体に由来する。Triomab型は、1/2のラット抗体及び1/2のマウス抗体を含有するヘテロ二量体構築物の場合もある。

0050

KiH共通軽鎖型のTriNKETの図であり、これはノブイントゥホール(KIH)技術を含む。KiHは、標的1及び2に結合する2つのFab、ならびにヘテロ二量体化変異によって安定化させたFcを含有するヘテロ二量体である。KiH型のTriNKETは、2本の異なる重鎖及び両方の重鎖と対になる共通の軽鎖を含有する、標的1及び標的2に結合する2つのFabを有するヘテロ二量体構築物の場合もある。

0051

重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig商標))型のTriNKETの図であり、これは天然に存在するフレキシブルリンカーを介して2つのモノクローナル抗体標的結合ドメインを組み合わせ、四価のIgG様分子をもたらす。DVD−Ig(商標)は、抗原2を標的とする可変ドメインが、抗原1を標的とするFabの可変ドメインのN末端に融合されているホモ二量体構築物である。DVD−Ig(商標)型は、通常のFcを含有する。

0052

直交Fab界面(オルソ−Fab)型のTriNKETの図であり、これはFcに融合されている標的1及び標的2に結合する2つのFabを含有するヘテロ二量体構築物である。軽鎖(LC)−重鎖(HC)対合は、直交界面によって確実に行われる。ヘテロ二量体化は、Fcの変異によって確実に行われる。

0053

2・イン・1Ig型のTriNKETの図である。

0054

ES型のTriNKETの図であり、これはFcに融合されている標的1及び標的2に結合する2つの異なるFabを含有するヘテロ二量体構築物である。ヘテロ二量体化は、Fcの静電ステアリング変異によって確実に行われる。

0055

Fabアーム交換型のTriNKETの図であり、この抗体は、重鎖及び付随する軽鎖(半分子)と別の分子からの重−軽鎖対とを交換することによってFabアームを交換し、これにより二重特異性抗体をもたらす。Fabアーム交換型(cFae)は、標的1及び2に結合する2つのFab、ならびにヘテロ二量体化変異によって安定化させたFcを含有するヘテロ二量体である。

0056

SEEDディ型のTriNKETの図であり、これは標的1及び2に結合する2つのFab、ならびにヘテロ二量体化変異によって安定化させたFcを含有するヘテロ二量体である。

0057

LuZ−Y型のTriNKETの図であり、その場合、ロイシンジッパーが2つの異なるHCのヘテロ二量体化を誘導するために使用される。LuZ−Y型は、Fcに融合されている標的1及び2に結合する2つの異なるscFabを含有するヘテロ二量体である。ヘテロ二量体化は、FcのC末端に融合されているロイシンジッパーモチーフによって確実に行われる。

0058

Cov−X−ボディ型のTriNKETの図である。

0059

kλ−ボディ型のTriNKETの図であり、これはヘテロ二量体化変異によって安定化させたFcに融合されている2つの異なるFabを有するヘテロ二量体構築物であり、抗原1を標的とする一方のFabがカッパLCを含有し、抗原2を標的とする第2FabがラムダLCを含有する。図30Aは、kλ−ボディの1つの型の例示的な図であり、図30Bは、別のkλ−ボディの例示的な図である。

0060

標的1に結合するFab及び標的2に結合するscFabを含み、その両方がFcドメインに融合されているOasc−Fabヘテロ二量体構築物である。ヘテロ二量体化は、Fcドメインの変異によって確実に行われる。

0061

DuetMabであり、これは抗原1及び2に結合する2つの異なるFab、ならびにヘテロ二量体化変異によって安定化させているFcを含有するヘテロ二量体構築物である。Fab1及び2は、正確な軽鎖及び重鎖対合を確実に行う示差的S−S架橋を含有する。

0062

CrossmAbであり、これは標的1及び2に結合する2つの異なるFab、ならびにヘテロ二量体化変異によって安定化させたFcを有するヘテロ二量体構築物である。CL及びCH1ドメイン、ならびにVH及びVLドメインが交換されていて、例えば、CH1がVLとインラインで融合される一方で、CLがVHとインラインで融合される。

0063

Fit−Igであり、これは抗原2に結合するFabが、抗原1に結合するFabのHCのN末端に融合されるホモ二量体構築物である。構築物は、野生型Fcを含有する。

0064

FLT3標的化TriNKETと、EL4細胞上で発現されるNKG2Dとの結合を示す線グラフである。FLT3モノクローナル抗体IMCEB10を対照として使用した。

0065

FLT3標的化TriNKETと、ヒトAML細胞株Molm−13(図36A)及びEOL−1(図36B)上で発現されるFLT3との結合を示す線グラフである。FLT3モノクローナル抗体IMCEB10を対照として使用した。

0066

37℃での2時間及び20時間のインキュベーション後における、EOL−1細胞(図37A)及びMolm−13細胞(図37B)上でのFLT3標的化TriNKETの内在化を示す線グラフである。リンツズマブを対照として使用した。

0067

FLT3発現EOL−1細胞に対するヒトNK細胞のTriNKET媒介性細胞傷害を示す線グラフである。FLT3モノクローナル抗体IMCEB10及びIMCEB10に由来するFLT3結合ドメインを含有するTriNKETが、図38Aに示される。FLT3モノクローナル抗体4G8及び4G8に由来するFLT3結合ドメインを含有するTriNKETが、図38Bに示される。

0068

本発明は、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体、ならびに腫瘍関連抗原FLT3と結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、多重特異性タンパク質は、FLT3または別の腫瘍関連抗原と結合する追加の抗原結合部位をさらに含む。本発明は、そのような多重特異性結合タンパク質を含む医薬組成物、ならびにがんを処置するなどの目的のために、そのような多重特異性タンパク質及び医薬組成物を使用する治療方法も提供する。本発明の様々な態様が以下の節に記載されているが、しかしながら、ある特定の節に記載されている本発明の態様が、いずれの特定の節にも限定されるべきではない。

0069

本発明の理解を促進するために、多数の用語及び語句が以下に定義される。

0070

「a」及び「an」という用語は、本明細書で使用される場合に「1つ以上」を意味し、文脈不適切でない限り複数形を含む。

0071

本明細書で使用される場合、「抗原結合部位」という用語は、抗原結合に関与する免疫グロブリン分子の一部を指す。ヒト抗体では、抗原結合部位は、重(「H」)鎖及び軽(「L」)鎖のN末端可変(「V」)領域のアミノ酸残基によって形成される。重鎖及び軽鎖のV領域内における3つの大きく異なるストレッチは「超可変領域」と称され、これらは「フレームワーク領域」、または「FR」として知られるより保存された隣接ストレッチ間に挿入される。したがって、「FR」という用語は、免疫グロブリンの超可変領域間で天然に見られ、かつそれらに隣接しているアミノ酸配列を指す。ヒト抗体分子では、軽鎖の3つの超可変領域及び重鎖の3つの超可変領域は、三次元空間中で互いに関連して配置され、抗原結合表面を形成する。抗原結合表面は、結合抗原の三次元表面相補的であり、重鎖及び軽鎖の各々の3つの超可変領域は、「相補性決定領域」、または「CDR」と称される。ラクダ及び軟骨魚類などのある特定の動物では、抗原結合部位は、「単一ドメイン抗体」をもたらす一本の抗体鎖によって形成される。抗原結合部位は、インタクトな抗体中において、抗原結合表面を保持する抗体の抗原結合断片中において、またはscFvなどの、ペプチドリンカーを使用して単一ポリペプチド中で重鎖可変ドメインを軽鎖可変ドメインに結合させる組換えポリペプチド中において存在し得る。

0072

「腫瘍関連抗原」という用語は、本明細書で使用される場合、がんと関連するタンパク質、糖タンパク質ガングリオシド炭水化物、脂質を含むが、これらに限定されないいずれかの抗原を意味する。そのような抗原は、悪性細胞上で、または腫瘍微小環境中において、例えば、腫瘍関連の血管、細胞外マトリックス間葉系間質、もしくは免疫浸潤物上などで発現され得る。

0073

本明細書で使用される場合、「対象」及び「患者」という用語は、本明細書に記載される方法及び組成物によって処置される生物を指す。そのような生物としては、好ましくは、哺乳動物(例えば、ネズミサルウマ科ウシ科ブタイヌ科ネコ科など)が挙げられるが、これらに限定されず、より好ましくはヒトが挙げられる。

0074

本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、有益なまたは所望の結果をもたらすのに十分な化合物(例えば、本発明の化合物)の量を指す。有効量は、1つ以上の投与、適用または投与量で投与され得、特定の製剤または投与経路に限定されることを意図するものではない。本明細書で使用される場合、「処置すること」という用語は、状態、疾患、障害などの改善をもたらす、例えば、低下、減少、調節、向上もしくは排除、またはそれらの症状を向上させるいずれかの効果を含む。

0075

本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、活性剤と、その組成物をインビボまたはエクスビボでの診断的または治療的使用に特に好適にさせる、不活性または活性な担体との組合せを指す。

0076

本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、標準的な医薬担体、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、水、エマルジョン(例えば、油/水または水/油エマルジョンなど)、及び様々な種類の湿潤剤などのいずれかを指す。組成物は、安定剤及び防腐剤も含み得る。担体、安定剤及びアジュバントの例については、例えば、Martin,Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.,Mack Publ.Co.,Easton,PA[1975]を参照のこと。

0077

本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の任意の薬学的に許容される塩(例えば、酸または塩基)を指し、これは対象への投与時に本発明の化合物またはその活性代謝産物もしくは残基を提供することができる。当業者には既知の通り、本発明の化合物の「塩」は、無機または有機酸及び塩基に由来する場合がある。例示的な酸としては、塩酸臭化水素酸硫酸硝酸過塩素酸フマル酸マレイン酸リン酸グリコール酸乳酸サリチル酸コハク酸トルエン−p−スルホン酸酒石酸酢酸クエン酸メタンスルホン酸エタンスルホン酸ギ酸安息香酸マロン酸ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などが挙げられるが、これらに限定されない。シュウ酸などの他の酸は、それ自体では薬学的に許容されないが、本発明の化合物及びそれらの薬学的に許容される酸付加塩を得る時に中間体として有用な塩の調製に用いられる場合がある。

0078

例示的な塩基としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム水酸化物アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)水酸化物、アンモニア、及び式NW4+(式中、Wは、C1〜4アルキルである)の化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。

0080

治療的使用に関して、本発明の化合物の塩は、薬学的に許容されるものとして考慮される。しかしながら、薬学的に許容されない酸及び塩基の塩もまた、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製において用途を見出す場合もある。

0081

記載全体を通して、組成物が特定の構成要素を有する、含む、もしくは備えると記載されている場合か、またはプロセス及び方法が特定のステップを有する、含む、もしくは備えると記載されている場合、さらに、列挙される構成要素から本質的になる、またはそれらからなる本発明の組成物が存在すること、ならびに列挙されるプロセスステップから本質的になる、またはそれらからなる本発明によるプロセス及び方法が存在することが考慮される。

0082

一般的な事項として、パーセンテージを明示している組成物は、別段の指定がない限り重量によるものである。さらに、変数が定義を伴わない場合には、変数の前の定義を考慮に入れる。

0083

I.タンパク質
本発明は、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体、ならびに腫瘍関連抗原FLT3に結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。多重特異性結合タンパク質は、本明細書に記載される医薬組成物及び治療方法に有用である。多重特異性結合タンパク質と、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体との結合は、FLT3を発現する腫瘍細胞の破壊に対するナチュラルキラー細胞の活性を増強する。多重特異性結合タンパク質とFLT3発現細胞との結合は、がん細胞をナチュラルキラー細胞に近接させ、これにより、ナチュラルキラー細胞による直接的かつ間接的ながん細胞の破壊が促進される。いくつかの例示的な多重特異性結合タンパク質のさらなる記載が以下に提供される。

0084

多重特異性結合タンパク質の第1構成要素は、NKG2D受容体発現細胞に結合し、これらの細胞としては、NK細胞、γδT細胞及びCD8+αβT細胞が挙げられ得るが、これらに限定されない。NKG2D結合時、多重特異性結合タンパク質は、NKG2Dとの結合及びNKG2D受容体の活性化から、ULBP6及びMICAなどの天然リガンドをブロックする可能性がある。

0085

多重特異性結合タンパク質の第2構成要素は、FLT3と結合する。FLT3発現細胞は、白血病、例えば、急性骨髄性白血病及びT細胞白血病で見られる場合がある。

0086

多重特異性結合タンパク質の第3構成要素は、CD16を発現する細胞、白血球、例えば、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ好中球好酸球肥満細胞、及び濾胞樹状細胞を含むものの表面上におけるFc受容体に結合する。

0087

本明細書に記載される多重特異性結合タンパク質は、様々な型を取り得る。例えば、1つの型は、第1免疫グロブリン重鎖、第1免疫グロブリン軽鎖、第2免疫グロブリン重鎖及び第2免疫グロブリン軽鎖を含むヘテロ二量体多重特異性抗体である(図1)。第1免疫グロブリン重鎖は、第1Fc(ヒンジ−CH2−CH3)ドメイン、第1重鎖可変ドメイン及び場合により、第1CH1重鎖ドメインを含む。第1免疫グロブリン軽鎖は、第1軽鎖可変ドメイン及び第1軽鎖定常ドメインを含む。第1免疫グロブリン軽鎖は、第1免疫グロブリン重鎖と一緒になって、NKG2Dと結合する抗原結合部位を形成する。第2免疫グロブリン重鎖は、第2Fc(ヒンジ−CH2−CH3)ドメイン、第2重鎖可変ドメイン及び場合により、第2CH1重鎖ドメインを含む。第2免疫グロブリン軽鎖は、第2軽鎖可変ドメイン及び第2軽鎖定常ドメインを含む。第2免疫グロブリン軽鎖は、第2免疫グロブリン重鎖と一緒になって、FLT3と結合する抗原結合部位を形成する。第1Fcドメイン及び第2Fcドメインは共に、CD16に結合することができる(図1)。いくつかの実施形態では、第1免疫グロブリン軽鎖は、第2免疫グロブリン軽鎖と同一である。

0088

別の例示的な型は、第1免疫グロブリン重鎖、第2免疫グロブリン重鎖及び免疫グロブリン軽鎖を含むヘテロ二量体多重特異性抗体を含む(図2)。第1免疫グロブリン重鎖は、リンカーまたは抗体ヒンジのいずれかを介して、対合してNKG2Dと結合するか、またはFLT3抗原と結合する重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインで構成される一本鎖可変断片(scFv)に融合される第1Fc(ヒンジ−CH2−CH3)ドメインを含む。第2免疫グロブリン重鎖は、第2Fc(ヒンジ−CH2−CH3)ドメイン、第2重鎖可変ドメイン及び場合により、CH1重鎖ドメインを含む。免疫グロブリン軽鎖は、軽鎖可変ドメイン及び軽鎖定常ドメインを含む。第2免疫グロブリン重鎖は、免疫グロブリン軽鎖と対合してNKG2Dに結合するか、または腫瘍関連抗原FLT3と結合する。第1Fcドメイン及び第2Fcドメインは共に、CD16に結合することができる(図2)。

0089

1つ以上の追加の結合モチーフが、場合によりリンカー配列を介して、定常領域CH3ドメインのC末端に融合される場合がある。ある特定の実施形態では、抗原結合モチーフは、四価または三価の分子を形成する一本鎖またはジスルフィド安定化可変領域(scFv)である。

0090

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質はTriomab型であり、これはIgG様形状を維持する三機能性の二重特異性抗体である。このキメラは2つの半抗体からなり、各々が1本の軽鎖及び1本の重鎖を有し、2つの親抗体に由来する。

0091

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質はKiH共通軽鎖(LC)型であり、これはノブ・イントゥ・ホール(KIH)技術を含む。KIHは、CH3ドメインを操作して各重鎖に「ノブ」または「ホール」のいずれかを作製し、ヘテロ二量体化を促進することを含む。「ノブ・イントゥ・ホール(KiH)」Fc技術の背後にある構想とは、小さい残基から嵩高い残基への置換によって1つのCH3ドメイン(CH3A)に「ノブ」を導入すること(例えば、EU番号付けのT366WCH3A)であった。「ノブ」を収容するために、相補的な「ホール」表面が、最も近接した隣接残基を、より小さな残基を有するノブに置き換えることによって他方のCH3ドメイン(CH3B)上に作製された(例えば、T366S/L368A/Y407VCH3B)。「ホール」変異は、構造に基づくファージライブラリースクリーニングによって最適化された(Atwell S,RidgwayJB,Wells JA,Carter P.,Stable heterodimers from remodeling the domain interface of a homodimer using a phage display library,J.Mol.Biol.(1997)270(1):26−35)。KiH FcバリアントX線結晶構造(Elliott JM,Ultsch M,Lee J,Tong R,Takeda K,Spiess C,et al.,Antiparallel conformation of knob and hole aglycosylated half−antibody homodimers is mediated by a CH2−CH3 hydrophobic interaction.J.Mol.Biol.(2014)426(9):1947−57、Mimoto F,Kadono S,Katada H,Igawa T,Kamikawa T,Hattori K.Crystal structure of a novel asymmetrically engineered Fc variant with improved affinity for FcγRs.Mol.Immunol.(2014)58(1):132−8)は、ヘテロ二量体化が、CH3ドメイン間のコア界面における立体相補性によって促進される疎水性相互作用により熱力学的に有利となるのに対して、ノブ−ノブ及びホール−ホール界面は、それぞれ立体障害及び有利な相互作用の破壊ゆえに、ホモ二量体化に有利ではないことを実証した。

0092

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(商標))型であり、これは天然に存在するフレキシブルリンカーを介して2つのモノクローナル抗体の標的結合ドメインを組み合わせ、四価のIgG様分子をもたらす。

0093

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、直交Fab界面(オルソ−Fab)型である。オルソ−FabIgGアプローチ(LewisSM,Wu X,Pustilnik A,Sereno A,Huang F,Rick HL,et al.,Generation of bispecific IgG antibodies by structure−based design of an orthogonal Fab interface.Nat.Biotechnol.(2014)32(2):191−8)では、構造に基づく領域設計によって、他方のFabを一切変化させることなく、一方のFabのみにおいてLC及びHCVH−CH1界面に相補的変異が導入される。

0094

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、2・イン・1Ig型である。いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質はES型であり、これはFcに融合されている標的1及び標的2に結合する2つの異なるFabを含有するヘテロ二量体構築物である。ヘテロ二量体化は、Fcの静電ステアリング変異によって確実に行われる。

0095

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質はkλ−ボディ型であり、これはヘテロ二量体化変異:抗原1を標的とするFab1がカッパLCを含有する一方で、抗原2を標的とする第2FabがラムダLCを含有する変異によって安定化させたFcに融合されている2つの異なるFabを有するヘテロ二量体構築物である。図30Aは、kλ−ボディの1つの型の例示的な図であり、図30Bは、別のkλ−ボディの例示的な図である。

0096

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、Fabアーム交換型(重鎖及び付随する軽鎖(半分子)と別の分子からの重−軽鎖対とを交換することによってFabアームを交換する抗体であって、これにより二重特異性抗体をもたらす)である。

0097

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、SEEDボディ型である。鎖交換操作ドメイン(SEED)プラットフォームは、天然抗体の治療用途を拡大させる能力を持つ、非対称かつ二重特異性抗体様分子を生成するように設計された。このタンパク質操作プラットフォームは、保存されたCH3ドメイン内で免疫グロブリンの構造的に関連した配列を交換することに基づく。SEED設計は、AG/GAヘテロ二量体の効率的な生成を可能にする一方で、AG及びGA SEED CH3ドメインのホモ二量体化を不利にする。(Muda M.et al.,Protein Eng.Des.Sel.(2011,24(5):447−54))。

0098

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質はLuZ−Y型であり、その場合、ロイシンジッパーが2つの異なるHCのヘテロ二量体化を誘導するために使用される。(Wranik,BJ.et al.,J.Biol.Chem.(2012),287:43331−9)。

0099

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、Cov−X−ボディ型である。二重特異性Cov−X−ボディでは、2つの異なるペプチドが、分岐アゼチジノンリンカーを使用して互いに結合され、緩やかな条件下において部位特異的手法で足場抗体に融合される。ファーマコフォア機能活性に関与するのに対して、抗体足場は長期の半減期及びIg様分布を付与する。ファーマコフォアは、最適化された、または特有の二重特異性抗体を生成するために、化学的に最適化され得るか、または他のファーマコフォアで置き換えられ得る。(DoppalapudiVRet al.,PNAS(2010),107(52)、22611−22616)。

0100

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、Fcに融合されている、標的1に結合するFab、及び標的2に結合するscFabを含むOasc−Fabヘテロ二量体型である。ヘテロ二量体化は、Fcの変異によって確実に行われる。

0101

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質はDuetMab型であり、これは抗原1及び2に結合する2つの異なるFab、ならびにヘテロ二量体化変異によって安定化させたFcを含有するヘテロ二量体構築物である。Fab1及び2は、正確なLC及びHC対合を確実に行う示差的S−S架橋を含有する。

0102

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質はCrossmAb型であり、これはヘテロ二量体化によって安定化させたFcに融合されている、標的1及び2に結合する2つの異なるFabを有するヘテロ二量体構築物である。CL及びCH1ドメインならびにVH及びVLドメインが交換されていて、例えば、CH1がVLとインラインで融合される一方で、CLがVHとインラインで融合される。

0103

いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質はFit−Ig型であり、これは抗原2に結合するFabが、抗原1に結合するFabのHCのN末端に融合されるホモ二量体構築物である。構築物は、野生型Fcを含有する。

0104

表1は、組み合わせるとNKG2Dに結合し得る重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインのペプチド配列を一覧にしている。NKG2D結合ドメインは、NKG2Dに対するそれらの結合親和性が異なる可能性があるが、それにもかかわらず、それらは全てヒトNKG2D及びNK細胞を活性化させる。

0105

あるいは、配列番号:101で表される重鎖可変ドメインは、配列番号:102で表される軽鎖可変ドメインと対合し、US9,273,136で例証されるように、NKG2Dに結合し得る抗原結合部位を形成し得る。

0106

あるいは、配列番号:103で表される重鎖可変ドメインは、配列番号:104で表される軽鎖可変ドメインと対合し、US7,879,985で例証されるように、NKG2Dに結合し得る抗原結合部位を形成し得る。

0107

一態様では、本開示は、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体、ならびに抗原FLT3に結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。表2は、組み合わせるとFLT3に結合し得る重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインのいくつかの例示的な配列を一覧にしている。

0108

あるいは、FLT3に結合し得る新規の抗原結合部位は、配列番号:133で定義されるアミノ酸配列への結合についてのスクリーニングによって同定され得る。

0109

Fcドメイン内では、CD16結合は、ヒンジ領域及びCH2ドメインによって媒介される。例えば、ヒトIgG1内では、CD16との相互作用は、CH2ドメインにおけるアミノ酸残基Asp265−Glu269、Asn297−Thr299、Ala327−Ile332、Leu234−Ser239、及び炭水化物残基N−アセチル−D−グルコサミンに主に集中している(Sondermann et al.,Nature,406(6793):267−273を参照のこと)。既知のドメインに基づいて、変異は、ファージディプレイライブラリーもしくは酵母表面ディスプレイcDNAライブラリーなどを使用することによって、CD16に対する結合親和性を増強もしくは減少させるために選択され得るか、または相互作用の既知の三次元構造に基づいて設計され得る。

0110

ヘテロ二量体抗体重鎖の集合は、同じ細胞中で2つの異なる抗体重鎖配列を発現することによって達成され得、これにより各抗体重鎖のホモ二量体の集合に加えて、ヘテロ二量体の集合がもたらされる可能性がある。ヘテロ二量体の優先的集合を促進することは、US13/494870、US16/028850、US11/533709、US12/875015、US13/289934、US14/773418、US12/811207、US13/866756、US14/647480、及びUS14/830336に示されるように、各抗体重鎖定常領域のCH3ドメインに異なる変異を組み込むことによって達成され得る。例えば、変異は、ヒトIgG1に基づき、第1ポリペプチド及び第2ポリペプチドが互いに選択的にヘテロ二量体化するのを可能にする、これら2本の鎖内におけるアミノ酸置換の異なる対を組み込むことでCH3ドメイン中に作製され得る。以下に例証されるアミノ酸置換の位置は全て、KabatにおけるようなEUインデックスに従って番号付けされる。

0111

1つの設定では、第1ポリペプチドのアミノ酸置換は、元のアミノ酸を、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)またはトリプトファン(W)から選択されるより大きなアミノ酸と置き換え、第2ポリペプチドの少なくとも1つのアミノ酸置換は、元のアミノ酸(複数可)を、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはバリン(V)から選択されるより小さなアミノ酸(複数可)と置き換えて、その結果、より大きなアミノ酸置換(突起)がより小さなアミノ酸置換(空洞)の表面に収まる。例えば、一方のポリペプチドがT366W置換を組み込み得、他方がT366S、L368A、及びY407Vを含む3つの置換を組み込み得る。

0112

本発明の抗体重鎖可変ドメインは、抗体定常領域、例えば、ヒンジ、CH2及びCH3ドメインを含み、CH1ドメインを含む、または含まないIgG定常領域などと少なくとも90%同一のアミノ酸配列に場合により結合され得る。いくつかの実施形態では、定常領域のアミノ酸配列は、ヒト抗体定常領域、例えば、ヒトIgG1定常領域、IgG2定常領域、IgG3定常領域、またはIgG4定常領域などと少なくとも90%同一である。いくつかの他の実施形態では、定常領域のアミノ酸配列は、別の哺乳動物、例えば、ウサギイヌネコ、マウス、またはウマなどの抗体定常領域と少なくとも90%同一である。1つ以上の変異が、ヒトIgG1定常領域と比較した場合、定常領域中に、例えば、Q347、Y349、L351、S354、E356、E357、K360、Q362、S364、T366、L368、K370、N390、K392、T394、D399、S400、D401、F405、Y407、K409、T411及び/またはK439に組み込まれ得る。例示的な置換としては、例えば、Q347E、Q347R、Y349S、Y349K、Y349T、Y349D、Y349E、Y349C、T350V、L351K、L351D、L351Y、S354C、E356K、E357Q、E357L、E357W、K360E、K360W、Q362E、S364K、S364E、S364H、S364D、T366V、T366I、T366L、T366M、T366K、T366W、T366S、L368E、L368A、L368D、K370S、N390D、N390E、K392L、K392M、K392V、K392F、K392D、K392E、T394F、T394W、D399R、D399K、D399V、S400K、S400R、D401K、F405A、F405T、Y407A、Y407I、Y407V、K409F、K409W、K409D、T411D、T411E、K439D、及びK439Eが挙げられる。

0113

ある特定の実施形態では、ヒトIgG1定常領域のCH1中に組み込まれ得る変異は、アミノ酸V125、F126、P127、T135、T139、A140、F170、P171、及び/またはV173における場合がある。ある特定の実施形態では、ヒトIgG1定常領域のCk中に組み込まれ得る変異は、アミノ酸E123、F116、S176、V163、S174、及び/またはT164における場合がある。

0114

あるいは、アミノ酸置換は、表3に示される置換の以下のセットから選択され得る。

0115

あるいは、アミノ酸置換は、表4に示される置換の以下のセットから選択され得る。

0116

あるいは、アミノ酸置換は、表5に示される置換の以下のセットから選択され得る。

0117

あるいは、各ポリペプチド鎖の少なくとも1つのアミノ酸置換は、表6から選択され得る。

0118

あるいは、少なくとも1つのアミノ酸置換は、表7における置換の以下のセットから選択され得て、第1ポリペプチド列に示される位置(複数可)は、任意の既知の負荷電アミノ酸によって置き換えられ、第2ポリペプチド列に示される位置(複数可)は、任意の既知の正荷電アミノ酸によって置き換えられる。

0119

あるいは、少なくとも1つのアミノ酸置換は、表8の以下のセットから選択され得て、第1ポリペプチド列に示される位置(複数可)は、任意の既知の正荷電アミノ酸によって置き換えられ、第2ポリペプチド列に示される位置(複数可)は、任意の既知の負荷電アミノ酸によって置き換えられる。

0120

あるいは、アミノ酸置換は、表9の以下のセットから選択され得る。

0121

あるいは、またはさらに、ヘテロ多量体タンパク質構造安定性は、第1または第2ポリペプチド鎖のいずれか上のS354C、及び相対するポリペプチド鎖上のY349Cを導入することによって増加する場合があり、これは2つのポリペプチドの界面内で人工ジスルフィド架橋を形成する。

0122

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、T366位でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366、L368及びY407からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0123

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、T366、L368及びY407からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366位でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0124

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、E357、K360、Q362、S364、L368、K370、T394、D401、F405、及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349、E357、S364、L368、K370、T394、D401、F405及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0125

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、Y349、E357、S364、L368、K370、T394、D401、F405及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、E357、K360、Q362、S364、L368、K370、T394、D401、F405、及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0126

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、L351、D399、S400及びY407からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366、N390、K392、K409及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0127

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、T366、N390、K392、K409及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、L351、D399、S400及びY407からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0128

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、Q347、Y349、K360、及びK409からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Q347、E357、D399及びF405からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0129

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、Q347、E357、D399及びF405からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349、K360、Q347及びK409からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0130

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、K370、K392、K409及びK439からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、D356、E357及びD399からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0131

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、D356、E357及びD399からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、K370、K392、K409及びK439からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0132

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、L351、E356、T366及びD399からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349、L351、L368、K392及びK409からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0133

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、Y349、L351、L368、K392及びK409からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、L351、E356、T366及びD399からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0134

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、S354C置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349C置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0135

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、Y349C置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、S354C置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0136

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、K360E及びK409W置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、O347R、D399V及びF405T置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0137

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、O347R、D399V及びF405T置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、K360E及びK409W置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0138

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、T366W置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366S、T368A、及びY407V置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0139

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、T366S、T368A、及びY407V置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366W置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0140

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、T350V、L351Y、F405A、及びY407V置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T350V、T366L、K392L、及びT394W置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0141

いくつかの実施形態では、抗体定常領域における一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列が、T350V、T366L、K392L、及びT394W置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域における他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T350V、L351Y、F405A、及びY407V置換によってIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。

0142

上に記載される多重特異性タンパク質は、当業者に周知の組換えDNA技術を使用して作製され得る。例えば、第1免疫グロブリン重鎖をコードする第1核酸配列は、第1発現ベクタークローニングされ得、第2免疫グロブリン重鎖をコードする第2核酸配列は、第2発現ベクターにクローニングされ得、免疫グロブリン軽鎖をコードする第3核酸配列は、第3発現ベクターにクローニングされ得、第1、第2、及び第3発現ベクターは一緒に宿主細胞へと安定にトランスフェクトされ、多量体タンパク質を産生し得る。

0143

多重特異性タンパク質の最高収量を達成するために、異なる比の第1、第2、及び第3発現ベクターが、宿主細胞へのトランスフェクションについて最適な比を決定するために調査され得る。トランスフェクション後、単一クローンは、当該技術分野において既知の方法、例えば、限界希釈法、ELISA、FACS顕微鏡法、またはClonepixなどを使用して、細胞バンク生成のために単離され得る。

0144

クローンは、バイオリアクタースケールアップに好適な条件下で培養され、多重特異性タンパク質の発現を維持し得る。多重特異性タンパク質は、当該技術分野において既知の方法、例えば、遠心分離深層濾過細胞溶解均質化凍結融解アフィニティー精製、ゲル濾過イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用交換クロマトグラフィー、及びミックスモードクロマトグラフィーを含む方法を使用して、単離かつ精製され得る。

0145

II.多重特異性タンパク質の特性
本明細書に記載される多重特異性タンパク質は、NKG2D結合部位、CD16結合部位、及びFLT3結合部位を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性タンパク質は、NK細胞などの、NKG2D及び/またはCD16を発現する細胞、ならびにFLT3を発現する腫瘍細胞に同時に結合する。多重特異性結合タンパク質とNK細胞との結合は、腫瘍細胞の破壊に対するNK細胞の活性を増強し得る。

0146

いくつかの実施形態では、多重特異性タンパク質は、対応するFLT3モノクローナル抗体(すなわち、多重特異性タンパク質に組み込まれているものと同じFLT3結合部位を含有するモノクローナル抗体)と同様の親和性でFLT3に結合する。いくつかの実施形態では、多重特異性タンパク質は、対応するFLT3モノクローナル抗体よりも、FLT3を発現する腫瘍細胞を死滅させるのにより効果的である。

0147

ある特定の実施形態では、本明細書に記載される多重特異性タンパク質は、NKG2D結合部位及びFLT3に対する結合部位を含み、FLT3を発現する細胞と共培養する場合に初代ヒトNK細胞を活性化させる。NK細胞活性化は、CD107a脱顆粒及びIFN−γサイトカイン産生の増加を特徴とする。さらに、対応するFLT3モノクローナル抗体と比較して、多重特異性タンパク質は、FLT3を発現する細胞の存在下でヒトNK細胞の優れた活性化を示す場合がある。

0148

ある特定の実施形態では、本明細書に記載される多重特異性タンパク質は、NKG2D結合部位及びFLT3に対する結合部位を含み、FLT3を発現する細胞と共培養すると、静止及びIL−2活性化ヒトNK細胞の活性を増強する。

0149

ある特定の実施形態では、FLT3に結合する対応するモノクローナル抗体と比較して、多重特異性タンパク質は、中レベル及び低レベルのFLT3を発現する腫瘍細胞を標的とすることに利点がある。

0150

III.治療用途
本発明は、本明細書に記載される多重特異性結合タンパク質及び/または本明細書に記載される医薬組成物を使用して、がんを処置する方法を提供する。本方法は、FLT3を発現する様々ながんを処置するために使用されてよい。いくつかの実施形態では、がんは白血病、例えば、急性骨髄性白血病、T細胞白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、または有毛細胞白血病である。

0151

いくつかの他の実施形態では、がんは、乳癌卵巣癌食道癌膀胱癌もしくは胃癌唾液腺導管癌、唾液腺導管癌(複数可)、腺癌または子宮漿液性子宮内膜癌などの子宮癌の侵攻型である。いくつかの他の実施形態では、がんは、脳癌、乳癌、子宮頸癌結腸癌結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、白血病、肺癌肝臓癌黒色腫、卵巣癌、膵臓癌直腸癌腎臓癌、胃癌、精巣癌、または子宮癌である。さらに他の実施形態では、がんは、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、黒色腫、神経芽細胞腫肉腫(例えば、血管肉腫もしくは軟骨肉腫)、喉頭癌、耳下腺癌、胆道癌甲状腺癌末端黒子型黒色腫、日光角化症、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、腺様嚢胞癌腺腫腺肉腫腺扁平上皮癌肛門管癌、肛門癌、肛門直腸癌、星状細胞腫瘍、バルトリン腺癌、基底細胞癌、胆道癌、骨癌、骨髄癌、気管支癌気管支腺癌、カルチノイド胆管癌、軟骨肉腫、脈絡叢乳頭腫/癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、明細胞癌、結合組織癌、嚢胞腺腫消化器系癌、十二指腸癌、内分泌系癌、内胚葉洞腫瘍子宮内膜増殖症、子宮内膜間質肉腫、類内膜腺癌、内皮細胞癌、上衣癌、上皮細胞癌、ユーイング肉腫、眼及び眼窩の癌、女性生殖器癌、限局性結節性過形成胆嚢癌洞癌、胃底部癌、ガストリノーマ膠芽腫グルカゴノーマ心臓癌、血管芽細胞腫血管内皮腫血管腫肝細胞腺腫、肝細胞腺腫症、肝胆道癌、肝細胞癌ホジキン病回腸癌、インスリノーマ上皮内腫瘍、上皮内扁平上皮腫瘍、肝内胆管癌浸潤性扁平上皮癌、空腸癌、関節癌、カポジ肉腫骨盤癌、大細胞癌大腸癌平滑筋肉腫悪性黒子型黒色腫、リンパ腫、男性生殖器癌、悪性黒色腫悪性中皮腫瘍、髄芽腫髄様上皮腫髄膜癌、中皮癌、転移性癌口腔癌、粘表皮癌、多発性骨髄腫、筋肉癌、鼻道癌、神経系癌、神経上皮腺癌、結節性黒色腫、非上皮性皮膚癌非ホジキンリンパ腫燕麦細胞癌乏突起膠細胞癌、口腔癌、骨肉腫乳頭状漿液性腺癌、陰茎癌、咽頭癌下垂体腫瘍形質細胞腫肉腫、肺芽腫、直腸癌、腎細胞癌呼吸器系癌、網膜芽細胞腫横紋筋肉腫、肉腫、漿液性癌、洞癌、皮膚癌、小細胞癌、小腸癌、平滑筋癌、軟組織癌、ソマトスタチン分泌腫瘍、脊椎癌、扁平上皮癌、横紋筋癌、中皮下癌、表在拡大型黒色腫、T細胞白血病、舌癌未分化癌尿管癌、尿道癌、膀胱癌、泌尿器系癌、子宮頸癌、子宮体癌ブドウ膜黒色腫癌、状癌、VIPoma、外陰癌、高分化癌、またはウィルムス腫瘍である。

0152

いくつかの他の実施形態では、処置されるがんは、B細胞リンパ腫またはT細胞リンパ腫などの非ホジキンリンパ腫である。ある特定の実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、B細胞リンパ腫、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫辺縁帯B細胞リンパ腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫リンパ形質細胞性リンパ腫、有毛細胞白血病、または中枢神経原発CNS)リンパ腫などである。ある特定の他の実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、T細胞リンパ腫、例えば、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫末梢性T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、または末梢性T細胞リンパ腫などである。

0153

IV.併用療法
本発明の別の態様は、併用療法をもたらす。本明細書に記載される多重特異性結合タンパク質は、がんを処置するために追加の治療剤と組み合わせて使用され得る。

0154

がんの処置において併用療法の一部として使用される場合のある例示的な治療剤としては、例えば、放射線マイトマイシントレチノインリボスチン、ゲムシタビンビンクリスチンエトポシドクラドリビンミトブロニトールメトトレキサートドキソルビシンカルボコンペントスタチンニトクリン、ジノスタチン、セトロレリクスレトロゾール、ラルチトレキセド、ダウノルビシンファドロゾールフォテムスチン、チマルファシンソブキサンネダプラチン、シタラビンビカルタミドビノレルビンベスナリノンアミノグルテチミドアムサクリンプログルミド、酢酸エリプチニウム、ケタンセリンドキシフルリジンエトレチナートイソトレチノイン、ストレプトゾシンニムスチンビンデシンフルタミド、ドロゲニルブトシンカルモフール、ラゾキサン、シゾフィランカルボプラチンミトラクトールテガフールイホスファミドプレドニムスチン、ピシバニールレバミソール、テニポシド、インプロスルファンエノシタビンリスリドオキシメトロンタモキシフェンプロゲステロンメピチオスタンエピチオスタノール、フォルメスタンインターフェロンアルファ、インターフェロン−2アルファ、インターフェロン−ベータ、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニロイキンジフチトクス、インターロイキン−2、黄体形成ホルモン放出因子ならびに剤の同種受容体に対する示差的結合、及び血清半減期の増加または低減を示す可能性がある上述した剤の変化形態が挙げられる。

0155

がんの処置において併用療法の一部として使用される場合のある追加の剤の種類は、免疫チェックポイント阻害剤である。例示的な免疫チェックポイント阻害剤としては、(i)細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA4)、(ii)プログラム細胞死タンパク質1(PD1)、(iii)PDL1、(iv)LAG3、(v)B7−H3、(vi)B7−H4、及び(vii)TIM3のうち1つ以上を阻害する剤が挙げられる。CTLA4阻害剤のイピリムマブは、黒色腫を処置するために米国食品医薬品局によって承認されている。

0156

さらに、がんの処置において併用療法の一部として使用される場合のある他の剤は、非チェックポイント標的を標的とするモノクローナル抗体剤(例えば、ハーセプチン)及び非細胞傷害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)である。

0157

さらに、抗がん剤の他のカテゴリーとしては、例えば、以下のものが挙げられる:(i)ALK阻害剤ATR阻害剤、A2Aアンタゴニスト、塩基除去修復阻害剤、Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤、CDC7阻害剤、CHK1阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、DNA−PK阻害剤、DNA−PK及びmTORの両方の阻害剤、DNMT1阻害剤、2−クロロ−デオキシアデノシンを加えたDNMT1阻害剤、HDAC阻害剤ヘッジホッグシグナル伝達経路阻害剤、IDO阻害剤、JAK阻害剤、mTOR阻害剤MEK阻害剤MELK阻害剤、MTH1阻害剤、PARP阻害剤ホスホイノシチド3−キナーゼ阻害剤、PARP1及びDHODHの両方の阻害剤、プロテアソーム阻害剤トポイソメラーゼII阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、VEGFR阻害剤、ならびにWEE1阻害剤から選択される阻害剤、(ii)OX40、CD137、CD40、GITR、CD27、HVEM、TNFRSF25、またはICOSのアゴニスト、ならびに(iii)IL−12、IL−15、GMCSF、及びG−CSFから選択されるサイトカイン

0158

本発明のタンパク質は、原発巣外科的除去のために補助剤としても使用され得る。

0159

多重特異性結合タンパク質及び追加の治療剤の量ならびに投与の相対的タイミングは、所望の組み合わされた治療効果を達成するために選択される場合がある。例えば、併用療法を、そのような投与を必要とする患者に投与する場合、組み合わせた治療剤、または治療剤を含む医薬組成物(複数可)は、例えば、順次、並行して、共に、同時になどの任意の順序で投与されてよい。さらに、例えば、多重特異性結合タンパク質は、追加の治療剤(複数可)が、その予防効果もしくは治療効果を発揮しているか、または逆の場合の間中、投与されてよい。

0160

V.医薬組成物
本開示はまた、治療有効量の本明細書に記載されるタンパク質を含有する医薬組成物を特徴とする。組成物は、様々な薬物送達システムで使用するために製剤化され得る。1つ以上の生理学的に許容される賦形剤または担体も、適切な製剤化のために組成物に含まれ得る。本開示での使用に好適な製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Philadelphia,Pa.,17th ed.,1985に見出される。薬剤送達の方法の簡単な概説については、例えば、Langer(Science 249:1527−1533,1990)を参照のこと。

0161

本開示の静脈薬物送達製剤は、バッグペン、またはシリンジ中に含有されてよい。ある特定の実施形態では、バッグは、管及び/または針を含む導管に連結されてよい。ある特定の実施形態では、製剤は、凍結乾燥製剤または液体製剤であってよい。ある特定の実施形態では、製剤は、凍結して乾燥(凍結乾燥)されて、約12〜60本のバイアル中に含有されてよい。ある特定の実施形態では、製剤は凍結乾燥されてよく、45mgの凍結乾燥製剤が、1本のバイアル中に含有されてよい。ある特定の実施形態では、約40mg〜約100mgの凍結乾燥製剤が、1本のバイアル中に含有されてよい。ある特定の実施形態では、12、27、または45本のバイアルからの凍結乾燥製剤が、静脈内薬物製剤中に治療用量のタンパク質を得るために組み合わされる。ある特定の実施形態では、製剤は液体製剤であって、約250mg/バイアル〜約1000mg/バイアルとして保存されてよい。ある特定の実施形態では、製剤は液体製剤であって、約600mg/バイアルとして保存されてよい。ある特定の実施形態では、製剤は液体製剤であって、約250mg/バイアルとして保存されてよい。

0162

タンパク質は、製剤を形成する緩衝溶液中に治療有効量のタンパク質を含む、液状の水性医薬製剤中に存在し得る。

0163

これらの組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌されてよいか、または滅菌濾過されてよい。得られた水溶液は、そのまま使用するために梱包されてよいか、または凍結乾燥されてよく、凍結乾燥調製物投与前滅菌水性担体と組み合わされる。調製物のpHは通常、3〜11、より好ましくは5〜9または6〜8、最も好ましくは7〜7.5などの7〜8であることになる。固体形態の得られた組成物は、固定量の上述した剤(複数可)を各々含有する、複数の単回用量単位で梱包されてよい。固体形態の組成物はまた、変動する量のために容器中に梱包され得る。

0164

ある特定の実施形態では、本開示は、本開示のタンパク質を、マンニトールクエン酸一水和物クエン酸ナトリウムリン酸二ナトリウム二水和物リン酸二水素ナトリウム二水和物塩化ナトリウムポリソルベート80、水、及び水酸化ナトリウムと組み合わせて含む、有効期限延長された製剤を提供する。

0165

ある特定の実施形態では、水性製剤は、pH緩衝溶液中に本開示のタンパク質を含んで調製される。本発明の緩衝液は、約4〜約8、例えば、約4.5〜約6.0、もしくは約4.8〜約5.5の範囲のpHを有してよいか、または約5.0〜約5.2のpHを有してよい。上に列挙したpHの中間の範囲も、本開示の一部であることを意図する。例えば、上限及び/または下限として上に列挙した値のいずれかの組合せを使用する値の範囲が、含まれることを意図する。この範囲内でpHを制御することになる緩衝液の例としては、酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム)、コハク酸塩(コハク酸ナトリウムなど)、グルコン酸塩ヒスチジン、クエン酸塩及び他の有機酸緩衝液が挙げられる。

0166

ある特定の実施形態では、製剤は、約4〜約8の範囲でpHを維持するためにクエン酸塩及びリン酸塩を含有する緩衝系を含む。ある特定の実施形態では、pH範囲は、約4.5〜約6.0、または約pH4.8〜約5.5、または約5.0〜約5.2のpH範囲内であってよい。ある特定の実施形態では、緩衝系としては、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム二水和物、及び/またはリン酸二水素ナトリウム二水和物が挙げられる。ある特定の実施形態では、緩衝系としては、約1.3mg/mLのクエン酸(例えば、1.305mg/mL)、約0.3mg/mLのクエン酸ナトリウム(例えば、0.305mg/mL)、約1.5mg/mLのリン酸二ナトリウム二水和物(例えば、1.53mg/mL)、約0.9mg/mLのリン酸二水素ナトリウム二水和物(例えば、0.86)、及び約6.2mg/mLの塩化ナトリウム(例えば、6.165mg/mL)が挙げられる。ある特定の実施形態では、緩衝系としては、1〜1.5mg/mLのクエン酸、0.25〜0.5mg/mLのクエン酸ナトリウム、1.25〜1.75mg/mLのリン酸二ナトリウム二水和物、0.7〜1.1mg/mLのリン酸二水素ナトリウム二水和物、及び6.0〜6.4mg/mLの塩化ナトリウムが挙げられる。ある特定の実施形態では、製剤のpHは、水酸化ナトリウムで調整される。

0167

ポリオール等張化剤として作用し、抗体を安定化させる場合があり、これも製剤中に含まれてよい。ポリオールは、製剤の所望の等張性に関して変動する場合がある量で製剤に添加される。ある特定の実施形態では、水性製剤は等張であってよい。添加されるポリオールの量はまた、ポリオールの分子量に対して変化する場合もある。例えば、より少量の単糖(例えば、マンニトール)が、二糖トレハロースなど)と比較して添加されてよい。ある特定の実施形態では、等張化剤として製剤に使用される場合もあるポリオールは、マンニトールである。ある特定の実施形態では、マンニトール濃度は、約5〜約20mg/mLであってよい。ある特定の実施形態では、マンニトールの濃度は、約7.5〜15mg/mLであってよい。ある特定の実施形態では、マンニトールの濃度は、約10〜14mg/mLであってよい。ある特定の実施形態では、マンニトールの濃度は、約12mg/mLであってよい。ある特定の実施形態では、ポリオールのソルビトールが、製剤に含まれてよい。

0168

洗剤または界面活性剤もまた、製剤に添加されてよい。例示的な洗剤としては、非イオン性洗剤、例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、80など)またはポロキサマー(例えば、ポロキサマー188)などが挙げられる。添加される洗剤の量は、それが製剤化抗体の凝集を減少させる、及び/または製剤中の微粒子の形成を最小限に抑える、及び/または吸着を減少させるような量である。ある特定の実施形態では、製剤は、ポリソルベートである界面活性剤を含んでよい。ある特定の実施形態では、製剤は、洗剤のポリソルベート80またはTween80を含有してよい。Tween80は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートを記載するために使用される用語である(Fiedler,Lexikon der Hifsstoffe,Editio Cantor Verlag Aulendorf,4th ed.,1996を参照のこと)。ある特定の実施形態では、製剤は、約0.1mg/mL〜約10mg/mLのポリソルベート80、または約0.5mg/mL〜約5mg/mLを含有してよい。ある特定の実施形態では、約0.1%のポリソルベート80が、製剤に添加されてよい。

0169

実施形態では、本開示のタンパク質産物は、液体製剤として製剤化される。液体製剤は10mg/mL濃度で、ゴム栓で閉められ、アルミニウムクリンプシールクロージャー密閉されたUSP/Ph EurタイプI 50Rバイアルのいずれか中に提示されてよい。栓は、USP及びPh Eurに適合するエラストマーで作製されてよい。ある特定の実施形態では、バイアルは、60mLの抽出可能な体積を可能にするために、61.2mLのタンパク質産物溶液で満たされてよい。ある特定の実施形態では、液体製剤は、0.9%の生理食塩水で希釈されてよい。

0170

ある特定の実施形態では、本開示の液体製剤は、安定したレベルの糖と組み合わせて10mg/mL濃度の溶液として調製されてよい。ある特定の実施形態では、液体製剤は、水性担体中で調製されてよい。ある特定の実施形態では、安定剤は、静脈内投与に望ましくない、または不適当な粘度をもたらす可能性のある量以下の量で添加されてよい。ある特定の実施形態では、糖は二糖、例えば、スクロースであってよい。ある特定の実施形態では、液体製剤はまた、緩衝剤、界面活性剤、及び防腐剤のうち1つ以上を含んでよい。

0171

ある特定の実施形態では、液体製剤のpHは、薬学的に許容される酸及び/または塩基の添加によって設定されてよい。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される酸は、塩酸であってよい。ある特定の実施形態では、塩基は水酸化ナトリウムであってよい。

0172

凝集に加えて、脱アミドは、発酵採取/細胞清澄化、精製、原薬医薬品の保存中及び試料分析中に生じる可能性のあるペプチド及びタンパク質の一般的な産物バリアントである。脱アミドは、加水分解され得るスクシンイミド中間体を形成するタンパク質からのNH3の消失である。スクシンイミド中間体は、親ペプチドの17ダルトンの質量低減をもたらす。後続の加水分解によって、18ダルトンの質量増加がもたらされる。スクシンイミド中間体の単離は、水性条件下では不安定性ゆえに困難である。そのため、脱アミドは通常、1ダルトンの質量増加として検出可能である。アスパラギンの脱アミドは、アスパラギン酸またはイソアスパラギン酸のいずれかをもたらす。脱アミドの割合に影響を及ぼすパラメータとしては、pH、温度、溶媒誘電率、イオン強度一次配列局所的なポリペプチド立体構造及び三次構造が挙げられる。ペプチド鎖中でAsnに隣接するアミノ酸残基は、脱アミドの割合に影響を及ぼす。タンパク質配列中においてAsnの後のGly及びSerは、脱アミドに対してより高い感受性をもたらす。

0173

ある特定の実施形態では、本開示の液体製剤は、タンパク質産物の脱アミノ反応を防止するためのpH及び湿度の条件下で保存されてよい。

0174

本明細書における目的の水性担体は、薬学的に許容され(ヒトへの投与について安全かつ非毒性)、液体製剤の調製に有用なものである。例示的な担体としては、注射用滅菌水(SWFI)、注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、滅菌生理食塩水リンゲル液またはデキストロース溶液が挙げられる。

0175

防腐剤は、細菌作用を減少させるために、本明細書における製剤に場合により添加されてよい。防腐剤の添加は、例えば、複数回使用(複数回用量)製剤の作製を容易にする場合がある。

0176

静脈内(IV)製剤は、特定の場合で、例えば、患者が移植後に入院してIV経路によって全ての薬物を受け入れる場合などでは、好ましい投与経路である場合がある。ある特定の実施形態では、液体製剤は、投与前に0.9%の塩化ナトリウム溶液で希釈される。ある特定の実施形態では、注射のために希釈した医薬品は等張であり、静脈内注入による投与に好適である。

0177

ある特定の実施形態では、塩または緩衝液成分は、10mM〜200mMの量で添加されてよい。塩及び/または緩衝液は薬学的に許容され、「塩基形成」金属またはアミンを有する様々な既知の酸(無機及び有機)から得られる。ある特定の実施形態では、緩衝液はリン酸緩衝液であってよい。ある特定の実施形態では、緩衝液は、グリシン酸、炭酸クエン酸緩衝液であってよく、その場合、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムイオン対イオンとして機能し得る。

0178

防腐剤は、細菌作用を減少させるために、本明細書における製剤に場合により添加されてよい。防腐剤の添加は、例えば、複数回使用(複数回用量)製剤の作製を容易にする場合がある。

0179

本明細書における目的の水性担体は、薬学的に許容され(ヒトへの投与について安全かつ非毒性)、液体製剤の調製に有用なものである。例示的な担体としては、注射用滅菌水(SWFI)、注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、滅菌生理食塩水、リンゲル液またはデキストロース溶液が挙げられる。

0180

本開示のタンパク質は、タンパク質及びリオプロテクタントを含む凍結乾燥製剤中に存在し得る。リオプロテクタントは糖、例えば、二糖であってよい。ある特定の実施形態では、リオプロテクタントは、スクロースまたはマルトースであってよい。凍結乾燥製剤はまた、緩衝剤、界面活性剤、増量剤、及び/または防腐剤のうち1つ以上を含んでよい。

0181

凍結乾燥医薬品の安定化に有用なスクロースまたはマルトースの量は、少なくとも1:2のタンパク質対スクロースまたはマルトースの重量比であってよい。ある特定の実施形態では、タンパク質対スクロースまたはマルトースの重量比は、1:2〜1:5であってよい。

0182

ある特定の実施形態では、凍結乾燥前の製剤のpHは、薬学的に許容される酸及び/または塩基の添加によって設定されてよい。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される酸は、塩酸であってよい。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される塩基は、水酸化ナトリウムであってよい。

0183

凍結乾燥前、本開示のタンパク質を含有する溶液のpHは、6〜8に調整されてよい。ある特定の実施形態では、凍結乾燥医薬品のpH範囲は、7〜8であってよい。

0184

ある特定の実施形態では、塩または緩衝液成分は、10mM〜200mMの量で添加されてよい。塩及び/または緩衝液は薬学的に許容され、「塩基形成」金属またはアミンを有する様々な既知の酸(無機及び有機)から得られる。ある特定の実施形態では、緩衝液はリン酸緩衝液であってよい。ある特定の実施形態では、緩衝液は、グリシン酸、炭酸、クエン酸緩衝液であってよく、その場合、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムイオンが対イオンとして機能し得る。

0185

ある特定の実施形態では、「増量剤」が添加されてよい。「増量剤」は、凍結乾燥混合物に質量を添加し、凍結乾燥ケーキ物理的構造に寄与する(例えば、開孔構造を維持する本質的に均一の凍結乾燥ケーキの作製を容易にする)化合物である。例示的な増量剤としては、マンニトール、グリシン、ポリエチレングリコール及びソルビトールが挙げられる。本発明の凍結乾燥製剤は、そのような増量剤を含有してよい。

0186

防腐剤は、細菌作用を減少させるために、本明細書における製剤に場合により添加されてよい。防腐剤の添加は、例えば、複数回使用(複数回用量)製剤の作製を容易にする場合がある。

0187

ある特定の実施形態では、凍結乾燥医薬品は、水性担体で構成されてよい。本明細書における目的の水性担体は、薬学的に許容され(例えば、ヒトへの投与について安全かつ非毒性)、凍結乾燥後の液体製剤の調製に有用なものである。例示的な希釈剤としては、注射用滅菌水(SWFI)、注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、滅菌生理食塩水、リンゲル液またはデキストロース溶液が挙げられる。

0188

ある特定の実施形態では、本開示の凍結乾燥医薬品は、注射用滅菌水、USP(SWFI)または0.9%の塩化ナトリウム注射液、USPのいずれかで再構成される。再構成中、凍結乾燥粉末が溶液中に溶解する。

0189

ある特定の実施形態では、本開示の凍結乾燥タンパク質産物は、約4.5mLの注射用水中に構成され、0.9%の生理食塩水(塩化ナトリウム溶液)で希釈される。

0190

本発明の医薬組成物中における活性成分の実際の投与量レベルは、患者にとって毒性がなく、特定の患者、組成物、及び投与方法に関して所望の治療応答を達成するのに効果的な活性成分の量を得るように変化させてよい。

0191

特定の用量は、各患者に対して均一な用量、例えば、50〜5000mgのタンパク質であり得る。あるいは、患者の用量は、患者の概算の体重または表面積に合わせることができる。適切な投与量を決定する時の他の要因としては、処置または予防される疾患または状態、疾患の重症度、投与経路、ならびに患者の年齢性別及び健康状態が挙げられ得る。処置に適切な投与量を決定するのに必要な計算のさらなる精度向上は、当業者によって、特に本明細書に開示される投与量情報及びアッセイに鑑みて日常的に行われる。投与量はまた、適切な用量反応データと組み合わせて使用される投与量を決定することを目的とした既知のアッセイの使用によって決定され得る。個々の患者の投与量は、疾患の進行をモニターしながら調整され得る。患者における標的化可能な構築物または複合体の血中レベルは、投与量が効果濃度に達する、またはそれを維持するために調整が必要であるかを確認するために測定され得る。ファーコゲノミクスは、どの標的化可能な構築物及び/または複合体、ならびにその投与量が、所与の個体にとって効果的な可能性が最も高いのかを決定するために使用されてよい(Schmitz et al.,Clinica Chimica Acta 308:43−53,2001、Steimer et al.,Clinica Chimica Acta 308:33−41,2001)。

0192

概して、体重に基づく投与量は、約0.01μg〜約100mg/kg体重、例えば、約0.01μg〜約100mg/kg体重、約0.01μg〜約50mg/kg体重、約0.01μg〜約10mg/kg体重、約0.01μg〜約1mg/kg体重、約0.01μg〜約100μg/kg体重、約0.01μg〜約50μg/kg体重、約0.01μg〜約10μg/kg体重、約0.01μg〜約1μg/kg体重、約0.01μg〜約0.1μg/kg体重、約0.1μg〜約100mg/kg体重、約0.1μg〜約50mg/kg体重、約0.1μg〜約10mg/kg体重、約0.1μg〜約1mg/kg体重、約0.1μg〜約100μg/kg体重、約0.1μg〜約10μg/kg体重、約0.1μg〜約1μg/kg体重、約1μg〜約100mg/kg体重、約1μg〜約50mg/kg体重、約1μg〜約10mg/kg体重、約1μg〜約1mg/kg体重、約1μg〜約100μg/kg体重、約1μg〜約50μg/kg体重、約1μg〜約10μg/kg体重、約10μg〜約100mg/kg体重、約10μg〜約50mg/kg体重、約10μg〜約10mg/kg体重、約10μg〜約1mg/kg体重、約10μg〜約100μg/kg体重、約10μg〜約50μg/kg体重、約50μg〜約100mg/kg体重、約50μg〜約50mg/kg体重、約50μg〜約10mg/kg体重、約50μg〜約1mg/kg体重、約50μg〜約100μg/kg体重、約100μg〜約100mg/kg体重、約100μg〜約50mg/kg体重、約100μg〜約10mg/kg体重、約100μg〜約1mg/kg体重、約1mg〜約100mg/kg体重、約1mg〜約50mg/kg体重、約1mg〜約10mg/kg体重、約10mg〜約100mg/kg体重、約10mg〜約50mg/kg体重、約50mg〜約100mg/kg体重などである。

0193

用量は、毎日毎週、毎月または毎年1回以上、あるいは2〜20年ごとに1回の投与であってよい。当業者は、体液または組織中において標的化可能な構築物または複合体の測定された滞留時間及び濃度に基づいて、投薬反復率を容易に推定し得る。本発明の投与は、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、胸膜内髄腔内、腔内、カテテルによる灌流によって、または直接の病巣内注射によって行われ得る。これは、毎日1回以上、毎週1回以上、毎月1回以上、及び毎年1回以上投与されてよい。

0194

上の記載は、本発明の複数の態様及び実施形態について記載している。本特許出願は、態様及び実施形態の全ての組合せ及び順列を具体的に考慮する。

0195

ここに概して記載される本発明は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解されることとなり、それらは、単に本発明のある特定の態様及び実施形態の例示を目的として含まれ、本発明を限定することを意図するものではない。

0196

実施例1−NKG2D結合ドメインはNKG2Dに結合する
NKG2D結合ドメインは、精製した組換えNKG2Dに結合する
ヒト、マウスまたはカニクイザルNKG2Dエクトドメインの核酸配列を、ヒトIgG1Fcドメインをコードする核酸配列と融合し、発現される哺乳動物細胞内に導入した。精製後、NKG2D−Fc融合タンパク質マイクロプレートウェルに吸着させた。非特異的結合を防止するためにウシ血清アルブミンでウェルをブロックした後、NKG2D結合ドメインを滴定し、NKG2D−Fc融合タンパク質を予め吸着させたウェルに添加した。一次抗体の結合を、西ワサビペルオキシダーゼ複合化させた、Fc交差反応を回避するためにヒトカッパ軽鎖を特異的に認識する二次抗体を使用して検出した。3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、すなわち、西洋ワサビペルオキシダーゼの基質をウェルに添加して結合シグナルを可視化し、その吸光度を450nMで測定して540nMで補正した。NKG2D結合ドメインクローン、アイソタイプ対照または陽性対照(配列番号:101〜104から選択される重鎖及び軽鎖可変ドメインを含む、もしくはeBioscienceで入手可能な抗マウスNKG2DクローンのMI−6及びCX−5)を各ウェルに添加した。

0197

アイソタイプ対照が、組換えNKG2D−Fcタンパク質に対して最小限の結合を示した一方で、陽性対照は、組換え抗原に最も強く結合した。全てのクローンによって産生されたNKG2D結合ドメインが、ヒト、マウス、及びカニクイザル組換えNKG2D−Fcタンパク質に対して結合を実証したが、クローンごとに親和性が異なっていた。概して、各抗NKG2Dクローンは、ヒト(図3)及びカニクイザル(図4)組換えNKG2D−Fcに同様の親和性で結合したが、マウス(図5)組換えNKG2D−Fcに対する親和性は低かった。

0198

NKG2D結合ドメインは、NKG2Dを発現する細胞に結合する
EL4マウスリンパ腫細胞株を操作して、ヒトまたはマウスNKG2D−CD3ゼータシグナル伝達ドメインキメラ抗原受容体を発現させた。NKG2D結合クローン、アイソタイプ対照または陽性対照を100nMの濃度で使用して、EL4細胞上に発現した細胞外NKG2Dを染色した。抗体結合を、フルオロフォア複合化抗ヒトIgG二次抗体を使用して検出した。細胞をフローサイトメトリーによって分析し、バックグラウンドに対する倍率(FOB)を、親EL4細胞と比較したNKG2D発現細胞の平均蛍光強度(MFI)を使用して算出した。

0199

全てのクローンによって産生されたNKG2D結合ドメインが、ヒト及びマウスNKG2Dを発現するEL4細胞に結合した。陽性対照抗体(配列番号:101〜104から選択される重鎖及び軽鎖可変ドメインを含む、またはeBioscienceで入手可能な抗マウスNKG2DクローンのMI−6及びCX−5)が、最も良好なFOB結合シグナルをもたらした。各クローンに対するNKG2D結合親和性は、ヒトNKG2D(図6)及びマウス(図7)NKG2Dを発現する細胞間で類似していた。

0200

実施例2−NKG2D結合ドメインは、NKG2Dに結合する天然リガンドをブロックする
ULBP−6との競合
組換えヒトNKG2D−Fcタンパク質をマイクロプレートのウェルに吸着させ、非特異的結合を減少させるためにウシ血清アルブミンでウェルをブロックした。飽和濃度のULBP−6−His−ビオチンをウェルに添加し、続いてNKG2D結合ドメインクローンを添加した。2時間のインキュベーション後、ウェルを洗浄し、NKG2D−Fcでコーティングしたウェルに結合したままであったULBP−6−His−ビオチンを、西洋ワサビペルオキシダーゼと複合化したストレプトアビジン及びTMB基質によって検出した。吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。バックグラウンドを差し引いた後、NKG2D−Fcタンパク質に対するNKG2D結合ドメインの特異的結合を、ウェル中でNKG2D−Fcタンパク質に対する結合からブロックされたULBP−6−His−ビオチンのパーセンテージから算出した。陽性対照抗体(配列番号:101〜104から選択される重鎖及び軽鎖可変ドメインを含む)ならびに様々なNKG2D結合ドメインが、NKG2Dに結合するULBP−6をブロックした一方で、アイソタイプ対照は、ULBP−6との競合をほとんど示さなかった(図8)。

0201

ULBP−6配列は、配列番号:108で表される。

0202

MICAとの競合
組換えヒトMICA−Fcタンパク質をマイクロプレートのウェルに吸着させ、非特異的結合を減少させるためにウシ血清アルブミンでウェルをブロックした。NKG2D−Fc−ビオチンをウェルに添加し、続いてNKG2D結合ドメインを添加した。インキュベーション及び洗浄後、MICA−Fcでコーティングしたウェルに結合したままであったNKG2D−Fc−ビオチンを、ストレプトアビジン−HRP及びTMB基質を使用して検出した。吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。バックグラウンドを差し引いた後、NKG2D−Fcタンパク質に対するNKG2D結合ドメインの特異的結合を、MICA−Fcでコーティングしたウェルに対する結合からブロックされたNKG2D−Fc−ビオチンのパーセンテージから算出した。陽性対照抗体(配列番号:101〜104から選択される重鎖及び軽鎖可変ドメインを含む)ならびに様々なNKG2D結合ドメインが、NKG2Dに結合するMICAをブロックした一方で、アイソタイプ対照は、MICAとの競合をほとんど示さなかった(図9)。

0203

Rae−1デルタとの競合
組換えマウスRae−1デルタ−Fc(R&D Systemsから購入した)をマイクロプレートのウェルに吸着させ、非特異的結合を減少させるためにウシ血清アルブミンでウェルをブロックした。マウスNKG2D−Fc−ビオチンをウェルに添加し、続いてNKG2D結合ドメインを添加した。インキュベーション及び洗浄後、Rae−1デルタ−Fcでコーティングしたウェルに結合したままであったNKG2D−Fc−ビオチンを、ストレプトアビジン−HRP及びTMB基質を使用して検出した。吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。バックグラウンドを差し引いた後、NKG2D−Fcタンパク質に対するNKG2D結合ドメインの特異的結合を、Rae−1デルタ−Fcでコーティングしたウェルに対する結合からブロックされたNKG2D−Fc−ビオチンのパーセンテージから算出した。陽性対照(配列番号:101〜104から選択される重鎖及び軽鎖可変ドメインを含む、またはeBioscienceで入手可能な抗マウスNKG2DクローンのMI−6及びCX−5)ならびに様々なNKG2D結合ドメインクローンが、マウスNKG2Dに結合するRae−1デルタをブロックした一方で、アイソタイプ対照抗体は、Rae−1デルタとの競合をほとんど示さなかった(図10)。

0204

実施例3−NKG2D結合ドメインクローンは、NKG2Dを活性化させる
ヒト及びマウスNKG2Dの核酸配列を、CD3ゼータシグナル伝達ドメインをコードする核酸配列に融合し、キメラ抗原受容体(CAR)構築物を得た。次いで、NKG2D−CAR構築物を、ギブソンアセンブリを使用してレトロウイルスベクターにクローニングし、レトロウイルス産生のためにexpi293細胞にトランスフェクトした。EL4細胞を、8μg/mLのポリブレンと共にNKG2D−CARを含有するウイルスに感染させた。感染から24時間後、EL4細胞中のNKG2D−CARの発現レベルをフローサイトメトリーによって分析し、細胞表面上で高レベルのNKG2D−CARを発現するクローンを選択した。

0205

NKG2D結合ドメインがNKG2Dを活性化させるかを決定するために、それらをマイクロプレートのウェルに吸着させ、NKG2D−CAR EL4細胞を、抗体断片でコーティングしたウェル上で4時間、ブレフェルジン−A及びモネンシンの存在下において培養した。細胞内TNF−α産生、すなわち、NKG2D活性化の指標をフローサイトメトリーによってアッセイした。TNF−α陽性細胞のパーセンテージを、陽性対照で処理した細胞を基準として正規化した。全てのNKG2D結合ドメインが、ヒトNKG2D(図11)及びマウスNKG2D(図12)の両方を活性化させた。

0206

実施例4−NKG2D結合ドメインはNK細胞を活性化させる
初代ヒトNK細胞
末梢血単核細胞(PBMC)を、密度勾配遠心分離法を使用して、ヒト末梢血バフィーコートから単離した。NK細胞(CD3−CD56+)を、磁気ビーズを用いたネガティブセレクションを使用してPBMCから単離し、単離したNK細胞の純度は通常、>95%であった。次いで、単離したNK細胞を、100ng/mLのIL−2を含有する培地中で24〜48時間培養してから、それらを、NKG2D結合ドメインを吸着させたマイクロプレートのウェルに移し、フルオロフォア複合化抗CD107a抗体、ブレフェルジン−A、及びモネンシンを含有する培地中で培養した。培養後、NK細胞を、フローサイトメトリーによってCD3、CD56及びIFN−γに対するフルオロフォア複合化抗体を使用してアッセイした。CD107a及びIFN−γ染色を、CD3−CD56+細胞中で分析し、NK細胞活性化を評価した。CD107a/IFN−γ二重陽性細胞の増加は、1つの受容体ではなく、2つの活性化受容体の結合による良好なNK細胞活性化を示している。NKG2D結合ドメインならびに陽性対照(例えば、配列番号:101または配列番号:103で表される重鎖可変ドメイン、及び配列番号:102または配列番号:104で表される軽鎖可変ドメイン)は、アイソタイプ対照よりも高いパーセンテージの、CD107a+及びIFN−γ+となるNK細胞を示した(図13及び図14は、2つの独立した実験からのデータを表し、各々でNK細胞調製のために異なるドナーのPBMCを使用した)。

0207

初代マウスNK細胞
脾臓をC57Bl/6マウスから入手し、70μmのセルストレーナーによって破砕して単一の細胞懸濁液を得た。細胞をペレットにし、ACK溶解緩衝液(Thermo Fisher Scientificから購入した#A1049201、155mMの塩化アンモニウム、10mMの重炭酸カリウム、0.01mMのEDTA)中に再懸濁して赤血球を除去した。残存する細胞を100ng/mLのhIL−2と共に72時間培養してから、採取してNK細胞単離のために調製した。次いで、NK細胞(CD3−NK1.1+)を、磁気ビーズを用いたネガティブ除去技術を使用して脾臓細胞から単離し、通常は>90%の純度であった。精製したNK細胞を、100ng/mLのmIL−15を含有する培地中で48時間培養してから、それらを、NKG2D結合ドメインを吸着させたマイクロプレートのウェルに移し、フルオロフォア複合化抗CD107a抗体、ブレフェルジン−A、及びモネンシンを含有する培地中で培養した。NKG2D結合ドメインでコーティングしたウェル中での培養後、NK細胞を、フローサイトメトリーによってCD3、NK1.1及びIFN−γに対するフルオロフォア複合化抗体を使用してアッセイした。CD107a及びIFN−γ染色を、CD3−NK1.1+細胞中で分析し、NK細胞活性化を評価した。CD107a/IFN−γ二重陽性細胞の増加は、1つの受容体ではなく、2つの活性化受容体の結合による良好なNK細胞活性化を示している。NKG2D結合ドメインならびに陽性対照(eBioscienceで入手可能な抗マウスNKG2DクローンのMI−6及びCX−5から選択される)は、アイソタイプ対照よりも高いパーセンテージの、CD107a+及びIFN−γ+となるNK細胞を示した(図15及び図16は、2つの独立した実験からのデータを表し、各々でNK細胞調製のために異なるマウスを使用した)。

0208

実施例5−NKG2D結合ドメインは、標的腫瘍細胞の細胞傷害を可能にする
ヒト及びマウス初代NK細胞活性化アッセイは、NKG2D結合ドメインとのインキュベーション後における、NK細胞上での細胞傷害性マーカーの増加を実証した。このことが腫瘍細胞溶解の増加につながるかを確認するために、細胞に基づくアッセイを利用し、各NKG2D結合ドメインを単一特異性抗体とした。Fc領域を1つの標的化アームとして使用した一方で、Fab領域(NKG2D結合ドメイン)は、NK細胞を活性化させるための別の標的化アームとして機能した。THP−1細胞はヒト起源であり、高レベルのFc受容体を発現し、これらを腫瘍標的として使用して、Perkin Elmer DELFIA細胞傷害性キットを使用した。THP−1細胞をBATDA試薬で標識し、105/mLで培養培地中に再懸濁させた。次いで、標識したTHP−1細胞をNKG2D抗体と組み合わせ、マウスNK細胞をマイクロタイタープレートのウェル中において37℃で3時間単離した。インキュベーション後、20μLの培養上清を除去し、200μLのユウロピウム溶液と混合して15分間暗所振盪しながらインキュベートした。蛍光を、時間分解蛍光モジュールを備えたPheraStarプレートリーダーによって経時的に測定し(励起337nm、発光620nm)、特異的溶解をキットの説明書に従って算出した。

0209

NKG2Dに対する天然リガンドである陽性対照のULBP−6は、マウスNK細胞によるTHP−1標的細胞の特異的溶解の増加を示した。NKG2D抗体はまた、THP−1標的細胞の特異的溶解も増加させた一方で、アイソタイプ対照抗体は特異的溶解の減少を示した。点線は、抗体を添加しなかった場合の、マウスNK細胞によるTHP−1細胞の特異的溶解を示す(図17)。

0210

実施例6−NKG2D抗体は高い熱安定性を示す
NKG2D結合ドメインの融解温度を、示差走査蛍光定量法を使用してアッセイした。外挿した見かけの融解温度は、典型的なIgG1抗体と比較して高い(図18)。

0211

実施例7−NKG2D及びCD16を架橋することによるヒトNK細胞の相乗的活性化
初代ヒトNK細胞活性化アッセイ
末梢血単核細胞(PBMC)を、密度勾配遠心分離法を使用して、ヒト末梢血バフィーコートから単離した。NK細胞を、ネガティブ磁気ビーズ(StemCell#17955)を使用してPBMCから精製した。NK細胞は、フローサイトメトリーによって決定した場合、>90%のCD3−CD56+であった。次いで、細胞を、活性化アッセイでの使用前に100ng/mLのhIL−2(Peprotech#200−02)を含有する培地中で48時間増殖させた。抗体を96ウェル平底プレート上に、2μg/mL(抗CD16、Biolegend#302013)及び5μg/mL(抗NKG2D、R&D#MAB139)の濃度で、100μLの滅菌PBS中において一晩4℃でコーティングし、続いてウェルを完全に洗浄して過剰な抗体を除去した。脱顆粒の評価のために、IL−2活性化NK細胞を5×105細胞/mLで、100ng/mLのヒトIL−2(hIL2)及び1μg/mLのAPC複合化抗CD107a mAb(Biolegend#328619)を補充した培養培地中に再懸濁させた。次いで、1×105細胞/ウェルを抗体でコーティングしたプレート上に添加した。タンパク質輸送阻害剤のブレフェルジンA(BFA、Biolegend#420601)及びモネンシン(Biolegend#420701)を、それぞれ1:1000及び1:270の最終希釈で添加した。播種した細胞を、4時間37℃で5%CO2中においてインキュベートした。IFN−γの細胞内染色のために、NK細胞を抗CD3(Biolegend#300452)及び抗CD56mAb(Biolegend#318328)で標識し、その後、固定して透過処理し、抗IFN−γ mAb(Biolegend#506507)で標識した。生CD56+CD3−細胞上でゲーティングした後、NK細胞を、CD107a及びIFN−γの発現についてフローサイトメトリーによって分析した。

0212

受容体の組合せの相対的効力を調査するために、プレート結合刺激によるNKG2DまたはCD16の架橋、及び両方の受容体の共架橋を実施した。図19(図19A〜19C)に示す通り、CD16及びNKG2Dの複合刺激は、CD107a(脱顆粒)(図19A)及び/またはIFN−γ産生(図19B)の大幅なレベル上昇をもたらした。点線は、各受容体の個々の刺激に関する相加効果を表す。

0213

IL−2活性化NK細胞のCD107aレベル及び細胞内IFN−γ産生を、抗CD16、抗NKG2Dまたは両方のモノクローナル抗体の組合せによるプレート結合刺激の4時間後に分析した。グラフは、平均(n=2)±SDを示す。図19AはCD107aのレベルを示し、図19BはIFN−γのレベルを示し、図19CはCD107a及びIFN−γのレベルを示す。図19A〜19Cに示したデータは、5人の異なる健康なドナーを使用した5つの独立した実験の典型である。

0214

実施例8−細胞に発現したヒトNKG2Dに結合するTriNKETの評価
EL4マウスリンパ腫細胞株を操作して、ヒトNKG2Dを発現させた。多重特異性結合タンパク質、例えば、三重特異性結合タンパク質(TriNKET)は、その各々がNKG2D結合ドメイン、FLT3結合ドメイン、及びCD16に結合するFcドメインを含有し、EL4細胞上に発現した細胞外NKG2Dに結合するそれらの親和性について試験した。TriNKETを20μg/mLに希釈し、次いで段階的に希釈した。TriNKETとNKG2Dとの結合を、フルオロフォア複合化抗ヒトIgG二次抗体を使用して検出した。次いで、細胞をフローサイトメトリーによって分析し、平均蛍光強度(MFI)を、二次抗体対照を基準として正規化してバックグラウンドに対する倍率(FOB)値を得た。

0215

試験したTriNKETは、A44−TriNKET−FLT3−IMCEB10(クローンADI−27744からのNKG2D結合ドメイン、ならびにFLT3モノクローナル抗体IMCEB10から、例えば、配列番号:109の重鎖可変領域及び配列番号:113の軽鎖可変領域を組み込むことによって得られるFLT3結合ドメイン)、A44−TriNKET−FLT3−4G8(クローンADI−27744からのNKG2D結合ドメイン、ならびにモノクローナル抗体4G8から、例えば、配列番号:117の重鎖可変領域及び配列番号:121の軽鎖可変領域を組み込むことによって得られるFLT3結合ドメイン)、A49−TriNKET−FLT3−IMCEB10(クローンADI−27749からのNKG2D結合ドメインならびにFLT3モノクローナル抗体IMCEB10から、例えば、配列番号:109の重鎖可変領域及び配列番号:113の軽鎖可変領域を組み込むことによって得られるFLT3結合ドメイン)、A49−TriNKET−FLT3−4G8(クローンADI−27749からのNKG2D結合ドメインならびにモノクローナル抗体4G8から、例えば、配列番号:117の重鎖可変領域及び配列番号:121の軽鎖可変領域を組み込むことによって得られるFLT3結合ドメイン)、C26−TriNKET−FLT3−4G8(クローンADI−28226からのNKG2D結合ドメイン、ならびにモノクローナル抗体4G8から、例えば、配列番号:117の重鎖可変領域及び配列番号:121の軽鎖可変領域を組み込むことによって得られるFLT3結合ドメイン)であった。FLT3モノクローナル抗体IMCEB10を対照として使用した。NKG2D結合ドメインを含有するTriNKET(A44、A49、またはC26)は、細胞表面上に発現したNKG2Dに結合することを示した。同じNKG2D結合ドメインを含有するが、異なるFLT3結合ドメインを含有するTriNKETは、細胞表面上のNKG2Dに対して同様の結合親和性を示した(図35)。

0216

実施例9−がん細胞上に発現したFLT3に結合するTriNKETの評価
FLT3を発現するヒトAML細胞株(Molm−13及びEOL−1)を使用して、FLT3標的化TriNKETと腫瘍関連抗原との結合をアッセイした。TriNKETを細胞と共にインキュベートし、結合を、フルオロフォア複合化抗ヒトIgG二次抗体を使用して検出した。細胞をフローサイトメトリーによって分析し、平均蛍光強度(MFI)を、二次抗体対照を基準として正規化してバックグラウンドに対する倍率(FOB)値を得た。

0217

IMCEB10または4G8のFLT3結合ドメインを含有するFLT3標的化TriNKETは、Molm−13及びEOL−1細胞(図36A及び図36B)に対する結合が陽性を示した。IMCEB10または4G8のいずれかのFLT−3結合ドメインを含有するTriNKETとヒトAML細胞株との結合は、NKG2D結合ドメインに依存しなかった。4G8のFLT3結合ドメインを含有するTriNKETは、より高い最大結合及びEC50値を示した。

0218

実施例10−FLT3発現細胞上でのFLT3標的化TriNKETの内在化
ヒトAML細胞株のMolm−13及びEOL−1を使用して、細胞表面上に発現したFLT3に結合した後のFLT3標的化TriNKETの内在化を評価した。TriNKETまたはモノクローナル抗体のリンツズマブを20μg/mLに希釈し、これを使用して細胞を染色した。染色後、試料の3分の2を37℃で一晩置いて内在化を促進させ、試料の残り3分の1を、フルオロフォア複合化抗ヒトIgG二次抗体を使用して検出し、ベースラインMFIを得た。37℃での2時間及び20時間のインキュベーション後、試料をインキュベーターから取り出し、細胞の表面上にある結合した抗体を、フルオロフォア複合化抗ヒトIgG二次抗体を使用して検出し、試料MFIを得た。内在化を算出した:%内在化=(1−(試料MFI/ベースラインMFI))*100%。

0219

図37A及び37Bは、それぞれEOL−1及びMolm−13細胞とのインキュベーション後におけるFLT3標的化TriNKETの内在化を示した。CD33はMolm−13及びEOL−1細胞株の両方に発現されるため、抗CD33モノクローナル抗体のリンツズマブを内在化の陽性対照として使用した。リンツズマブは、両方の細胞株上で高レベルの内在化を示し、内在化は経時的に増加した。IMCEB10のFLT3結合ドメインを含有するTriNKETは、4G8のFLT3結合ドメインを含有するTriNKETと比較して、2時間のインキュベーション後により高いレベルの内在化を示した。20時間のインキュベーション後、4G8のFLT3結合ドメインを含有するTriNKET及びIMCEB10のFLT3結合ドメインを含有するTriNKETは、細胞上で同様のレベルの内在化を示した。

0220

実施例11−TriNKETは、がん細胞に対するヒトNK細胞の細胞傷害を増強する
FLT3標的化TriNKETの存在下においてFLT3発現がん細胞を溶解させるヒトNK細胞の能力を試験するために、末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、NK細胞単離のために調製した。PBMCを、密度勾配遠心分離法を使用して、ヒト末梢血バフィーコートから単離した。単離したPBMCを洗浄し、NK細胞単離のために調製した。NK細胞を、磁気ビーズを用いたネガティブセレクション技術を使用して単離し、単離したNK細胞の純度は通常、>90%のCD3−CD56+であった。単離したNK細胞を、100ng/mLのIL−2を含有する培地中で培養したか、またはサイトカインを入れずに一晩置いた。IL−2活性化または置いたNK細胞を、細胞傷害性アッセイで翌日使用した。

0221

全ての細胞傷害性アッセイを、以下の通りに調製した:FLT3陽性腫瘍細胞EOL−1を培養物から採取し、PBSで洗浄して、BATDA試薬(Perkin Elmer C136−100)での標識のために、増殖培地中において106/mLで再懸濁させた。標的細胞の標識については、製造業者の指示に従った。標識後、細胞をHBSで3回洗浄し、0.5〜1.0×105/mLで培養培地中において再懸濁させた。バックグラウンドウェルを調製するために、標識した細胞のアリコートを別に取り、細胞を培地から分離した。100μLの培地を3連でウェルに慎重に添加し、細胞ペレット化の妨害を回避した。100μLのBATDA標識細胞を、96ウェルプレートの各ウェルに添加した。ウェルを標的細胞からの自然放出のために保存し、ウェルを、1%Triton−Xの添加によって標的細胞の最大溶解のために調製した。FLT3モノクローナル抗体またはFLT3標的化TriNKETを培養培地中で希釈し、50μLの希釈したモノクローナル抗体またはTriNKETを各ウェルに添加した。置いた、及び/または活性化させたNK細胞を培養物から採取して洗浄し、105〜2.0×106/mLで培養培地中において、所望のエフェクター細胞対標的細胞比に応じて再懸濁させた。50μLのNK細胞をプレートの各ウェルに添加し、合計で200μLの培養体積とした。プレートを37℃で5%CO2を用いて2〜3時間インキュベートしてから、アッセイを進めた。

0222

2〜3時間の培養後、プレートをインキュベーターから取り出し、細胞を遠心分離によって200gで5分間ペレットにした。20μLの培養上清を、製造業者から提供された清浄なマイクロプレートに移し、200μLの室温ユウロピウム溶液を各ウェルに添加した。プレートを光から保護し、プレートシェーカー上において250rpmで15分間インキュベートした。プレートを、Victor3またはSpectraMax i3X機器のいずれかを使用して読み取った。%特異的溶解を、以下の通りに算出した:%特異的溶解=((実験的放出−自然放出)/(最大放出−自然放出))*100%。

0223

FLT3標的化TriNKETは、FLT3陽性EOL−1がん細胞に対するヒトNK細胞の細胞傷害を媒介した。図38Aに示す通り、両方のTriNKET(A49−TriNKET−IMCEB10及びA44−TriNKET−IMCEB10)は、がん細胞に対するNK細胞の細胞傷害活性を用量反応的に増強することができた。両方のTriNKETは、対応するFLT3モノクローナル抗体IMCEB10よりも著しく強力であった。図38Bに示す通り、TriNKET(A49−TriNKET−4G8、A44−TriNKET−4G8、及びC26−TriNKET−4G8)は、がん細胞に対するNK細胞の細胞傷害活性を用量反応的に増強することができた。TriNKETは、対応するFLT3モノクローナル抗体4G8よりも著しく強力であった。さらに、4G8のFLT3結合ドメインを含有するTriNKETは、IMCEB10のFLT3結合ドメインを含有するTriNKETよりも、ヒトNK細胞の細胞傷害を媒介する時により強力であった。

0224

参照による援用
本明細書で言及される特許文献及び科学論文の各々の開示全体は、あらゆる目的のために参照によって組み込まれる。

実施例

0225

均等論
本発明は、その趣旨または本質的特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてよい。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載される本発明を限定するのではなく、あらゆる点において例示的であると見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の記載によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と等価の意味及び範囲内に入る全ての変更が、本明細書に包含されること意図する。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ