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課題・解決手段

抗ヒトタウ抗体の投与レジメン及び製剤を提供する。これらの製剤及び投与レジメンは、タウオパチー、例えば、進行性核上麻痺及びアルツハイマー病などの治療に有用である。

概要

背景

タンパク質蓄積変性及び凝集は、多数の神経変性疾患における病理学的態様である。過剰リン酸化タウ配座異性体を含む異常に変性及び凝集したタウは、タウオパチーにおける一様な特徴であり、疾患の重症度相関関係にある。

微小管結合タンパク質であるタウは、中枢神経系において豊富に存在し、主にニューロンによって産生される。タウは、微小管集合を促進し、微小管の構造を維持し、微小管を安定化させる。タウタンパク質は、単一の遺伝子から生じる代替mRNAスプライスバリアントから誘導されて、サイズが352〜441アミノ酸と様々である成熟タンパク質となる。胎児の脳が単一のタウアイソフォーム(タウ352)を含有する一方、成人ヒト脳には6種のタウアイソフォームが存在する。それら6種のタウアイソフォームは、それぞれ3または4つの31〜32アミノ酸の微小管結合反復、それぞれ2、1または0の29アミノ酸のアミノ末端挿入を有することにより、互いに異なっている。

タウオパチーとは、脳内のいわゆる神経原線維変化(NFT)におけるタウタンパク質の異常凝集に起因する、神経変性疾患の部類のことである。タウオパチーの一部の例としては、進行性核上麻痺アルツハイマー病前頭側頭認知症(FTD)、皮質基底核変性症、及び前頭側頭葉変性症が挙げられる。

タウオパチーを治療するための方法が当該技術分野において求められている。ますます増加しているタウオパチーを有する患者を治療するために、タウに対する治療抗体、ならびに、このような抗ヒトタウ抗体の臨床使用用の適切な投与レジメン及び製剤が求められている。

概要

抗ヒトタウ抗体の投与レジメン及び製剤を提供する。これらの製剤及び投与レジメンは、タウオパチー、例えば、進行性核上麻痺及びアルツハイマー病などの治療に有用である。

目的

一態様では、本開示は、タウオパチーの治療を必要とするヒト対象においてそれを実施するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

タウオパチー治療を必要とするヒト対象においてそれを実施するための方法であって、前記方法は、2000mgの固定用量抗ヒトタウ抗体を4週間に1回前記ヒト対象に静脈内投与することを含み、前記抗ヒトタウ抗体は、免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)及び免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含み、(a)前記VHはVH相補性決定領域(VH−CDR)を含み、VH−CDR1は配列番号:16のアミノ酸配列からなり、VH−CDR2は配列番号:17のアミノ酸配列からなり、VH−CDR3は配列番号:18のアミノ酸配列からなり、(b)前記VLはVL−CDRを含み、VL−CDR1は配列番号:19のアミノ酸配列からなり、VL−CDR2は配列番号:20のアミノ酸配列からなり、VL−CDR3は配列番号:21のアミノ酸配列からなる、前記方法。

請求項2

請求項3

前記タウオパチーは進行性核上麻痺である、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記タウオパチーはアルツハイマー病である、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記VHは配列番号:12からなり、前記VLは配列番号:13からなる、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

前記抗ヒトタウ抗体は重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖は配列番号:14からなり、前記軽鎖は配列番号:15からなる、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

(i)50mg/mlの濃度の抗ヒトタウ抗体と、(ii)20mMの濃度のヒスチジンと、(iii)250mMの濃度のスクロースと、(iv)0.05%(重量/体積)の濃度のポリソルベート80と、(v)50μMのジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)と、を含む医薬組成物であって、前記抗ヒトタウ抗体は、免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)及び免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含み、(a)前記VHはVH相補性決定領域(VH−CDR)を含み、VH−CDR1は配列番号:16のアミノ酸配列からなり、VH−CDR2は配列番号:17のアミノ酸配列からなり、VH−CDR3は配列番号:18のアミノ酸配列からなり、(b)前記VLはVL−CDRを含み、VL−CDR1は配列番号:19のアミノ酸配列からなり、VL−CDR2は配列番号:20のアミノ酸配列からなり、VL−CDR3は配列番号:21のアミノ酸配列からなり、前記組成物は6.0のpHを有する、前記医薬組成物。

請求項8

前記VHは配列番号:12からなり、前記VLは配列番号:13からなる、請求項7に記載の医薬組成物。

請求項9

前記抗ヒトタウ抗体は重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖は配列番号:14からなり、前記軽鎖は配列番号:15からなる、請求項7に記載の医薬組成物。

請求項10

タウオパチーの治療を必要とするヒト対象においてそれを実施するための方法であって、前記方法は、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の医薬組成物を前記ヒト対象に静脈内投与することを含む、前記方法。

請求項11

前記抗ヒトタウ抗体は、150mgの固定用量で4週間に1回投与される、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記抗ヒトタウ抗体は、210mgの固定用量で4週間に1回投与される、請求項10に記載の方法。

請求項13

前記抗ヒトタウ抗体は、700mgの固定用量で4週間に1回投与される、請求項10に記載の方法。

請求項14

前記抗ヒトタウ抗体は、2000mgの固定用量で4週間に1回投与される、請求項10に記載の方法。

請求項15

前記抗ヒトタウ抗体は、2100mgの固定用量で4週間に1回投与される、請求項10に記載の方法。

請求項16

前記抗ヒトタウ抗体は、4200mgの固定用量で4週間に1回投与される、請求項10に記載の方法。

請求項17

前記医薬組成物は少なくとも12週間投与される、請求項11から請求項16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

前記タウオパチーは、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合、嗜銀顆粒性認知症、イギリス型アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、皮質基底核変性症、クロイツフェルトヤコブ病、ボクサー認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症(FTD)、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、ゲルストマンストロイスラーシャインカー病、ハラーフォルデンシュパッツ病、封入体筋炎、多系統萎縮症、筋強直性ジストロフィー、C型ニーマンピック病、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソン症候群、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維型老年認知症、多発梗塞性認知症、脳卒中、慢性外傷性脳症、外傷性脳損傷、振盪症、てんかん発作、てんかん、または急性鉛脳症である、請求項10から請求項17のいずれか1項に記載の方法。

請求項19

前記タウオパチーは進行性核上麻痺である、請求項10から請求項17のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

前記タウオパチーはアルツハイマー病である、請求項10から請求項17のいずれか1項に記載の方法。

技術分野

0001

本出願は一般に、抗タウ抗体の臨床使用用の投与レジメン及び製剤に関する。

背景技術

0002

タンパク質蓄積変性及び凝集は、多数の神経変性疾患における病理学的態様である。過剰リン酸化タウ配座異性体を含む異常に変性及び凝集したタウは、タウオパチーにおける一様な特徴であり、疾患の重症度相関関係にある。

0003

微小管結合タンパク質であるタウは、中枢神経系において豊富に存在し、主にニューロンによって産生される。タウは、微小管集合を促進し、微小管の構造を維持し、微小管を安定化させる。タウタンパク質は、単一の遺伝子から生じる代替mRNAスプライスバリアントから誘導されて、サイズが352〜441アミノ酸と様々である成熟タンパク質となる。胎児の脳が単一のタウアイソフォーム(タウ352)を含有する一方、成人ヒト脳には6種のタウアイソフォームが存在する。それら6種のタウアイソフォームは、それぞれ3または4つの31〜32アミノ酸の微小管結合反復、それぞれ2、1または0の29アミノ酸のアミノ末端挿入を有することにより、互いに異なっている。

0004

タウオパチーとは、脳内のいわゆる神経原線維変化(NFT)におけるタウタンパク質の異常凝集に起因する、神経変性疾患の部類のことである。タウオパチーの一部の例としては、進行性核上麻痺アルツハイマー病前頭側頭認知症(FTD)、皮質基底核変性症、及び前頭側頭葉変性症が挙げられる。

0005

タウオパチーを治療するための方法が当該技術分野において求められている。ますます増加しているタウオパチーを有する患者を治療するために、タウに対する治療抗体、ならびに、このような抗ヒトタウ抗体の臨床使用用の適切な投与レジメン及び製剤が求められている。

0006

本開示は部分的に、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントの投与レジメン及び製剤、ならびに、タウオパチーの治療におけるその使用に関する。

0007

一態様では、本開示は、タウオパチーの治療を必要とするヒト対象においてそれを実施するための方法を提供する。本方法は、抗ヒトタウ抗体を2000mgの固定用量でヒト対象に投与することを含む。本抗ヒトタウ抗体は、免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)及び免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む。VHはVH相補性決定領域(VH−CDR)を含み、VH−CDR1は配列番号:16のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR2は配列番号:17のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR3は配列番号:18のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。VLはVL−CDRを含み、VL−CDR1は配列番号:19のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR2は配列番号:20のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR3は配列番号:21のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。特定の例では、本抗ヒトタウ抗体はヒト対象に静脈内投与される。特定の例では、2000mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体は4週間に1回投与される。

0008

別の態様において、本明細書では、タウオパチーの治療を必要とするヒト対象においてそれを実施するための方法を提供する。本方法は、抗ヒトタウ抗体を150mgの固定用量でヒト対象に投与することを含む。本抗ヒトタウ抗体は、免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)及び免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む。VHはVH相補性決定領域(VH−CDR)を含み、VH−CDR1は配列番号:16のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR2は配列番号:17のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR3は配列番号:18のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。VLはVL−CDRを含み、VL−CDR1は配列番号:19のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR2は配列番号:20のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR3は配列番号:21のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。特定の例では、本抗ヒトタウ抗体はヒト対象に静脈内投与される。特定の例では、150mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体は4週間に1回投与される。

0009

別の態様において、本明細書では、タウオパチーの治療を必要とするヒト対象においてそれを実施するための方法を提供する。本方法は、抗ヒトタウ抗体を210mgの固定用量でヒト対象に投与することを含む。本抗ヒトタウ抗体は、免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)及び免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む。VHはVH相補性決定領域(VH−CDR)を含み、VH−CDR1は配列番号:16のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR2は配列番号:17のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR3は配列番号:18のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。VLはVL−CDRを含み、VL−CDR1は配列番号:19のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR2は配列番号:20のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR3は配列番号:21のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。特定の例では、本抗ヒトタウ抗体はヒト対象に静脈内投与される。特定の例では、210mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体は4週間に1回投与される。

0010

別の態様において、本明細書では、タウオパチーの治療を必要とするヒト対象においてそれを実施するための方法を提供する。本方法は、抗ヒトタウ抗体を2100mgの固定用量でヒト対象に投与することを含む。本抗ヒトタウ抗体は、免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)及び免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む。VHはVH相補性決定領域(VH−CDR)を含み、VH−CDR1は配列番号:16のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR2は配列番号:17のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR3は配列番号:18のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。VLはVL−CDRを含み、VL−CDR1は配列番号:19のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR2は配列番号:20のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR3は配列番号:21のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。特定の例では、本抗ヒトタウ抗体はヒト対象に静脈内投与される。特定の例では、2100mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体は4週間に1回投与される。

0011

一態様において、本明細書では、タウオパチーの治療を必要とするヒト対象においてそれを実施するための方法を提供する。本方法は、抗ヒトタウ抗体を4200mgの固定用量でヒト対象に投与することを含む。本抗ヒトタウ抗体は、免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)及び免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む。VHはVH相補性決定領域(VH−CDR)を含み、VH−CDR1は配列番号:16のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR2は配列番号:17のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR3は配列番号:18のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。VLはVL−CDRを含み、VL−CDR1は配列番号:19のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR2は配列番号:20のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR3は配列番号:21のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。特定の例では、本抗ヒトタウ抗体はヒト対象に静脈内投与される。特定の例では、4200mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体は4週間に1回投与される。

0012

以下の実施形態は上記態様の全てに適用される。一部の例では、タウオパチーは、進行性核上麻痺、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症パーキンソン認知症複合、嗜銀顆粒性認知症、イギリスアミロイド血管症、脳アミロイド血管症、皮質基底核変性症、クロイツフェルトヤコブ病ボクサー認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症(FTD)、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、ゲルストマンストロイスラーシャインカー病、ハラーフォルデンシュパッツ病、封入体筋炎多系統萎縮症筋強直性ジストロフィーC型ニーマンピック病、神経原線維変化を伴う非グアム運動ニューロン疾患ピック病脳炎パーキンソン症候群プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、球状グリアタウオパチー、亜急性硬化性全脳炎神経原線維老年認知症、多発梗塞性認知症、脳卒中、慢性外傷性脳症外傷性脳損傷振盪症てんかん発作てんかん、または急性鉛脳症である。1つの例では、タウオパチーは進行性核上麻痺である。別の例では、タウオパチーはアルツハイマー病である。特定の例では、本抗ヒトタウ抗体のVHは配列番号:12を含むかまたはそれからなり、本抗ヒトタウ抗体のVLは配列番号:13を含むかまたはそれからなる。特定の例では、本抗ヒトタウ抗体は重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は配列番号:14を含むかまたはそれからなり、軽鎖は配列番号:15を含むかまたはそれからなる。

0013

別の態様では、本開示は、抗ヒトタウ抗体を含む医薬組成物を特徴とする。本医薬組成物は、50mg/mlまたは60mg/mlの濃度の抗ヒトタウ抗体、20mMの濃度のヒスチジン、250mMの濃度のスクロース、0.05%(重量/体積)の濃度のポリソルベート80を含む。一部の例では、本医薬組成物は50μMのジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を更に含む。本抗ヒトタウ抗体はVH及びVLを含む。VHは、配列番号:16のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVH−CDR1、配列番号:17のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVH−CDR2、及び、配列番号:18のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVH−CDR3、を含む。VLは、配列番号:19のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVL−CDR1、配列番号:20のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVL−CDR2、及び、配列番号:21のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVL−CDR3、を含む。本医薬組成物は6.0のpHを有する。

0014

一部の実施形態では、本抗ヒトタウ抗体のVHは配列番号:12を含むかまたはそれからなり、本抗ヒトタウ抗体のVLは配列番号:13を含むかまたはそれからなる。一部の実施形態では、本抗ヒトタウ抗体は重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は配列番号:14を含むかまたはそれからなり、軽鎖は配列番号:15を含むかまたはそれからなる。一部の実施形態では、本医薬組成物は、上記医薬組成物のいずれかをヒト対象に静脈内投与することにより、タウオパチーの治療を必要とするヒト対象においてそれを実施するために使用される。一部の実施形態では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、150mgの固定用量で4週間に1回ヒト対象に投与される。その他の実施形態では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、210mgの固定用量で4週間に1回ヒト対象に投与される。更にその他の実施形態では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、700mgの固定用量で4週間に1回ヒト対象に投与される。更なる実施形態では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、2000mgの固定用量で4週間に1回ヒト対象に投与される。その他の実施形態では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、2100mgの固定用量で4週間に1回ヒト対象に投与される。別の実施形態では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、4200mgの固定用量で4週間に1回ヒト対象に投与される。特定の例では、本医薬組成物は、少なくとも12週間(例えば、12週間、16週間、20週間、24週間、30週間、32週間、36週間、40週間、48週間、52週間)投与される。特定の例では、タウオパチーは、進行性核上麻痺、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合、嗜銀顆粒性認知症、イギリス型アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、皮質基底核変性症、クロイツフェルトヤコブ病、ボクサー認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症(FTD)、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、ゲルストマンストロイスラーシャインカー病、ハラーフォルデンシュパッツ病、封入体筋炎、多系統萎縮症、筋強直性ジストロフィー、C型ニーマンピック病、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソン症候群、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、球状グリアタウオパチー、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維型老年認知症、多発梗塞性認知症、脳卒中、慢性外傷性脳症、外傷性脳損傷、振盪症、てんかん発作、てんかん、または急性鉛脳症である。一実施形態では、タウオパチーは進行性核上麻痺である。別の実施形態では、タウオパチーはアルツハイマー病である。

0015

特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。本明細書に記載の方法及び物質と同様または同等の方法及び物質を、本発明の実施または試験において使用できるが、例示的な方法及び物質について以下で説明する。本明細書において言及する全ての刊行物、特許出願、特許及びその他の参照文献の全体は参照により組み込まれる。矛盾が生じた場合には、本出願(定義を含む)が優先される。物質、方法及び例は例示に過ぎず、制限することを意図するものではない。

0016

本発明のその他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態及び特許請求の範囲により明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明

0017

ヒトタウ441アイソフォーム(2N4R)配列(配列番号:6)と比較した、異なる形態の細胞外タウ(eタウ)の配列、eタウ1(配列番号:7)、eタウ2(配列番号:8)、eタウ3(配列番号:9)、及びeタウ4(配列番号:10)を記載した図である。
実施例1に記載の単回漸増用量試験用の試験デザインの概略図である。
CSF中濃度対eタウ抑制の曝露応答モデルベイズEmax)を示すグラフである。
実施例3に記載の複数回漸増用量試験用の試験デザインの概略図である。
実施例3に記載の複数回漸増用量試験における患者の基本的な人口統計的特性を記載した表である。
実施例3に記載の複数回漸増用量試験における有害事象の一覧を記載した表である。
BIIB092の血清中PKパラメータ(試験の57日目における)の一覧を記載した表である。
タウ濃度の経時的な平均変化量を示すグラフである。BIIB092の用量とCSF中におけるeタウ抑制の度合いの間には用量依存関係があった。
BIIB092を投与した、ベースラインパーセンテージとしてのCSF中遊離eタウを記載した表である。

0018

本開示は、抗ヒトタウ抗体及びそのタウ結合フラグメントの投与レジメン及び製剤、ならびに、タウオパチー(例えば、タウの凝集に関連する疾患、例えば、進行性核上麻痺、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合、嗜銀顆粒性認知症、イギリス型アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、皮質基底核変性症、クロイツフェルトヤコブ病、ボクサー認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症(FTD)、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、ゲルストマンストロイスラーシャインカー病、ハラーフォルデンシュパッツ病、封入体筋炎、多系統萎縮症、筋強直性ジストロフィー、C型ニーマンピック病、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソン症候群、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維型老年認知症、多発梗塞性認知症、脳卒中、慢性外傷性脳症、外傷性脳損傷、振盪症、てんかん発作、てんかん、及び急性鉛脳症など)の治療におけるその使用を特徴とする。

0019

タウ
タウは、集合的にタウオパチーと呼ばれるいくつかの疾患の病因において重要な役割を果たすタンパク質である。微小管結合タンパク質のいくつかの異なるアイソフォームが存在し、それらについては以下に記載する。
352aaの胎児型タウアイソフォーム
AEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRNAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL(配列番号:1)
381aaのタウBアイソフォーム
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKEPLQTPTEDGSEEPGSETSDAKSTPTAEAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL(配列番号:2)
410aaのタウCアイソフォーム
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKESPLQTPTEDGSEEPGSETSDAKSTPTAEDVTAPLVDEGAPGKQAAAQPHTEIPEGTTAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL(配列番号:3)
383aaのタウDアイソフォーム
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIINKKLDLSNVQSKCGSKDNIKHVPGGGSVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL(配列番号:4)
412aaのタウEアイソフォーム
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKESPLQTPTEDGSEEPGSETSDAKSTPTAEAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIINKKLDLSNVQSKCGSKDNIKHVPGGGSVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL(配列番号:5)
441aaのタウFアイソフォーム(2N4R)
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKESPLQTPTEDGSEEPGSETSDAKSTPTAEDVTAPLVDEGAPGKQAAAQPHTEIPEGTTAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIINKKLDLSNVQSKCGSKDNIKHVPGGGSVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL(配列番号:6)

0020

アルツハイマー病患者の脳内における細胞内タウレベルは、非認知症対照と比較して上昇している(Barton,Am J.Pathol.,137:497−502(1990);Khatoon,J.Neurochem.,59:750−753(1992))。細胞内タウレベルのこの上昇は、細胞内タウ量の減少が神経変性マウスモデルにおいて保護的であることが示されている(Rapoport et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,99:6364−6369(2002);Robertson et al.,Science,316:750−754(2007))ことから、ニューロンに毒性であると考えられており、それゆえ、細胞内タウ量を減少させることが治療上有益となり得る。

0021

細胞外タウ(eタウ)と呼ばれるN末端トランケートされた分泌性タウ種が同定されている。本明細書で使用する場合、「eタウ」は、脳脊髄液(CSF)または間質液(ISF)中において検出され得る任意のタウポリペプチド包含する。一部の実施形態では、eタウは、図1の配列番号:7〜10のうちの1つに記載されている配列を有するポリペプチドである。eタウ種は、eタウ1の171アミノ酸からeタウ4の67アミノ酸まで様々である。タウがシグナル配列を欠いているとはいえ、タウが、神経芽細胞腫細胞、タウを発現する非ニューロン細胞人工多能性幹細胞から誘導したヒトニューロン、及びマウス一次ニューロンから培地に放出されていることが分かっている。それゆえ、タウは、自由に分泌され得る、または、エクソソームまたはその他の膜小胞と関連し得る。eタウはまた、微小透析試験において、野生型マウスとP301Sタウ発現マウスの両方の脳ISF中において検出されている。eタウはまた、外傷性脳損傷後の患者の脳ISF中においても確認されている。eタウがAβ産生を調節してニューロンの過活動を亢進させることが示されている(Bright et al.,Neurobiology and Aging,36:693−709(2015))。eタウ中和抗体を用いて治療を行うと、eタウが介在するニューロンの過活動が抑制される。例えば、WO2014/02877を参照されたい。eタウが刺激するニューロンの過活動の亢進がAβ分泌の増加だけではなくeタウ分泌の更なる増加にもつながり、その結果、eタウとAβが、疾患を永続させるフィードフォワード疾患機構を作り出すということが提唱されている。それゆえ、eタウを中和することにより、脳内におけるタウ及びタウ病変拡散を抑制し、中枢神経系のAβレベル及び結果として生じたニューロンの過活動を抑制し、場合によっては、認知症への臨床的進行を遅らせることができる。

0022

抗ヒトタウ抗体
タウを中和するための1つの方法は、タウに結合する抗体を使用することである。特定の実施形態では、これらの抗体は、配列番号:6のアミノ酸1〜25、1〜18、9〜18、13〜24、15〜44、または15〜24内のエピトープに結合する。特定の一実施形態では、抗タウ抗体は、AGTYGLGDRK(配列番号:11)内のエピトープに結合する。

0023

例示的な抗ヒトタウ抗体は「BIIB092」と呼ばれる。BIIB092は、ヒトタウを認識するヒト化IgG4/κ抗体である。BIIB092抗体の重鎖可変ドメインは、以下のアミノ酸配列、



(配列番号:12)
を有している。

0024

BIIB092抗体の軽鎖可変ドメインは、以下のアミノ酸配列、



(配列番号:13)
を有している。

0025

BIIB092抗体の重鎖は、以下のアミノ酸配列



(配列番号:14)
を有している。

0026

BIIB092抗体の軽鎖は、以下のアミノ酸配列、



(配列番号:15)
を有している。

0027

一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントは、BIIB092の3つの軽鎖可変ドメインCDRを含む。一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントは、BIIB092の3つの重鎖可変ドメインCDRを含む。更にその他の実施形態では、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントは、BIIB092の3つの重鎖可変ドメインCDR及び3つの軽鎖可変ドメインCDRを含む。CDRは、当該技術分野における任意のCDR定義、例えば、Kabat、Chothia、Chothia from Abysis、enhanced Chothia/AbMの定義に基づいていてもよく、または、接触定義に基づいていてもよい。BIIB092のCDR配列を以下の表1に記載する。
表1:BIIB092のCDRの配列

0028

一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントは、配列番号:16に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVHCDR1、配列番号:17に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVH CDR2、及び配列番号:18に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVH CDR3、ならびに、配列番号:19に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVL CDR1、配列番号:20に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVL CDR2、及び配列番号:21に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVL CDR3、を含む。

0029

一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントは、配列番号:12に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVHを含む。一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントは、配列番号:13に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVLを含む。一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントは、配列番号:12に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVH、及び配列番号:13に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるVLを含む。

0030

一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントは、配列番号:14に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる重鎖を含む。一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントは、配列番号:15に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる軽鎖を含む。一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体またはそのタウ結合フラグメントは、配列番号:14に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる重鎖、及び配列番号:15に記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる軽鎖を含む。

0031

特定の実施形態では、抗ヒトタウ抗体はIgG抗体である。特定の実施形態では、抗ヒトタウ抗体は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgMIgA1、IgA2、IgD、及びIgEから選択される重鎖定常領域を有する。一実施形態では、抗ヒトタウ抗体はIgG4アイソタイプの抗ヒトタウ抗体である。別の実施形態では、抗ヒトタウ抗体はIgG1アイソタイプの抗ヒトタウ抗体である。更に別の実施形態では、抗ヒトタウ抗体はIgG2アイソタイプの抗ヒトタウ抗体である。別の実施形態では、抗ヒトタウ抗体はIgG3アイソタイプの抗ヒトタウ抗体である。更なる実施形態では、抗ヒトタウ抗体は、例えば、ヒトκ軽鎖定常領域またはヒトλ軽鎖定常領域から選択される軽鎖定常領域を有する。特定の実施形態では、抗ヒトタウ抗体はIgG4/ヒトκ軽鎖抗体である。

0032

一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体は全長(完全)抗体またはほぼ全長である。タンパク質は、少なくとも1つ、好ましくは2つの完全な重鎖、及び少なくとも1つ、好ましくは2つの完全な軽鎖を含んでいてもよい。一部の実施形態では、抗ヒトタウ抗体はタウ結合フラグメントである。一部の例では、タウ結合抗体フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab’)2、Facb、Fv、単鎖Fv(scFv)、sc(Fv)2、またはディアボディである。

0033

本明細書で開示する抗ヒトタウ抗体の重鎖及び軽鎖はまた、シグナル配列を含んでいてもよい。シグナル配列は、当該技術分野において周知のシグナル配列、例えば、MDMRVPAQLLGLLLLWFPGSRC(配列番号:22)またはMDMRVPAQLLGLLLLWLPGARC(配列番号:23)から選択してもよい。

0034

BIIB092などの抗体またはそのタウ結合フラグメントは、例えば、列挙したアミノ酸配列をコードする合成遺伝子を調製して発現させることにより、または、ヒト生殖細胞遺伝子を変異させて列挙したアミノ酸配列をコードする遺伝子を得ることにより、作製することができる。更に、この抗体及びその他の抗ヒトタウ抗体は、例えば、以下の方法のうちの1つまたは複数を用いて作製することができる。

0035

抗ヒトタウ抗体を作製するための方法
抗ヒトタウ抗体またはタウ結合フラグメントは、細菌細胞または真核細胞を用いて作製することができる。一部の抗体、例えば、Fab’は、細菌細胞、例えば、E.coli細胞を用いて作製することができる。抗体はまた、真核細胞、例えば、形質転換細胞株(例えば、CHO、293E、COS)などを用いて作製することができる。加えて、抗体(例えば、scFv’s)は、酵母菌細胞、例えば、Pichia(例えば、Powers et al.,J Immunol Methods.251:123−35(2001)を参照のこと)、Hanseula、またはSaccharomycesなどを用いて発現させることができる。目的の抗体を作製するために、その抗体をコードする1つのポリヌクレオチドまたは複数のポリヌクレオチドを構築して、1つの発現ベクターまたは複数の発現ベクター内に導入してから、好適な宿主細胞内で発現させる。発現を向上させるためには、アミノ酸配列を変化させることなく(または最小限に変化させて、例えば、重鎖または軽鎖のC末端残基を除去して)、軽鎖遺伝子及び重鎖遺伝子のヌクレオチド配列を再コードしてもよい。再コード候補領域としては、翻訳開始コドン利用、及び起こり得る意図しないmRNAスプライシングに関わる領域が挙げられる。本明細書に記載のタウ抗体のVH及び/またはVL、HC及び/またはLCを含む抗ヒトタウ抗体をコードするポリヌクレオチドについて、当業者は容易に想像するであろう。

0036

標準的な分子生物学的手法を用いて、組換え発現ベクター複数可)を調製し、宿主細胞にトランスフェクトし、形質転換細胞を選択し、宿主細胞を培養し、抗ヒトタウ抗体を回収する。

0037

抗ヒトタウ抗体またはタウ結合フラグメントを細菌細胞(例えば、E.coli)内で発現させる場合、発現ベクターは、細菌細胞内でベクター増幅可能となるような特性を有する必要がある。加えて、E.coli、例えば、JM109、DH5α、HB101、または XL1−Blueなどを宿主として用いる場合、ベクターは、プロモーター、例えば、E.coli内における効率的な発現を可能とするlacZプロモーター(Ward et al.,341:544−546(1989))、araBプロモーター(Better et al.,Science,240:1041−1043(1988)、またはT7プロモーターを有していなければならない。このようなベクターの例としては、例えば、M13シリーズのベクター、pUCシリーズのベクター、pBR322、pBluescript、pCR−Script、pGEX−5X−1(Pharmacia)、「QIAexpress system」(QIAGEN)、pEGFP、及びpETが挙げられる(この発現ベクターを用いる際、宿主は、T7RNAポリメラーゼを発現するBL21であることが好ましい)。発現ベクターは、抗体分泌用のシグナル配列を含有していてもよい。E.coliのペリプラズム内で作製するために、pelBシグナル配列(Lei et al.,J.Bacteriol.,169:4379(1987))を抗体分泌用のシグナル配列として用いてもよい。細菌による発現を実施するために、塩化カルシウム法またはエレクトロポレーション法を用いて発現ベクターを細菌細胞内に導入してもよい。

0038

動物細胞、例えば、CHO、COS及びNIH3T3細胞の中で抗体を発現させる場合、発現ベクターは、これらの細胞内における発現に必要なプロモーター、例えば、SV40プロモーター(Mulligan et al.,Nature,277:108(1979))(例えば、シミアンウイルス40初期プロモーター)、MMLV−LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushima et al.,Nucleic AcidsRes.,18:5322(1990))、またはCMVプロモーター(例えば、ヒトサイトメガロウイルス前初期プロモーター)を含む。免疫グロブリンまたはそのドメインをコードする核酸配列に加え、組換え発現ベクターは、別の配列、例えば、宿主細胞内においてベクターの複製を調節する配列(例えば、複製起点)など、及び選択マーカー遺伝子を有していてもよい。選択マーカー遺伝子は、ベクターを内部に導入した宿主細胞の選択を容易にする(例えば、米国特許番号4,399,216、4,634,665及び5,179,017を参照のこと)。例えば、選択マーカー遺伝子は通常、G418、ヒグロマイシンまたはメトトレキサートなどの薬剤に対する耐性を、ベクターを内部に導入した宿主細胞に付与する。選択マーカーを有するベクターの例としては、pMAM、pDR2、pBK−RSV、pBK−CMV、pOPRSV、及びpOP13が挙げられる。

0039

一実施形態では、抗ヒトタウ抗体は哺乳動物細胞を用いて作製される。抗体を発現させるための例示的な哺乳動物宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣CHO細胞)(例えば、Kaufman and Sharp(1982)Mol.Biol.159:601−621に記載されているDHFR選択マーカーと共に使用される、Urlaub and Chasin(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216−4220に記載されているdhfr−CHO細胞を含む)、ヒト胎児腎臓293細胞(例えば、293、293E、293T)、COS細胞、NIH3T3細胞、リンパ球細胞株、例えば、NS0骨髄腫細胞及びSP2細胞、ならびに、トランスジェニック動物、例えば、トランスジェニック哺乳動物由来する細胞が挙げられる。例えば、細胞は乳腺上皮細胞である。特定の一実施形態では、哺乳動物細胞はCHO−DG44I細胞である。

0040

抗体発現用の例示的なシステムでは、抗ヒトタウ抗体(例えば、BIIB092)の抗ヒトタウ抗体重鎖と抗ヒトタウ抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターは、リン酸カルシウム媒介性トランスフェクションによりdhfr−CHO細胞に導入される。組換え発現ベクター内において、抗体重鎖遺伝子と抗体軽鎖遺伝子はそれぞれ、エンハンサー/プロモーター調節エレメント(例えば、SV40、CMV、アデノウイルスなどに由来するが、例えば、CMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメント、またはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントなど)に機能的に連結して、高レベル遺伝子転写を駆動する。組換え発現ベクターはまたDHFR遺伝子を有し、その遺伝子により、メトトレキサート選択/増幅を用いた、ベクターをトランスフェクトされたCHO細胞の選択が可能となる。選択した形質転換宿主細胞を培養し、抗体の重鎖及び軽鎖を発現させ、培地から抗体を回収する。

0041

抗体はまた、トランスジェニック動物を用いて作製することができる。例えば、米国特許番号5,849,992は、トランスジェニック哺乳動物の乳腺内において抗体を発現させるための方法について記載している。乳汁特異的プロモーター、目的の抗体をコードする核酸、及び分泌用のシグナル配列を含むように、導入遺伝子を構築する。このようなトランスジェニック哺乳動物の雌が産生する乳汁には、その中に分泌された目的の抗体が含まれている。その抗体を乳汁から精製してもよく、または、その抗体を直接使用してもよい。動物はまた、本明細書に記載の核酸のうちの1種または複数種を含むように提供される。

0042

本開示の抗体を宿主細胞の内側または外側(培地など)から単離して、ほぼ純粋で均一な抗体となるように精製してもよい。抗体精製に一般に用いられる単離及び精製のための方法を、抗体の単離及び精製のために使用してもよく、任意の特定の方法に限定されない。例えば、カラムクロマトグラフィー濾過限外濾過塩析溶媒沈殿溶媒抽出蒸留免疫沈降SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動等電点電気泳動透析、及び再結晶を適切に選択及び組み合わせることにより、抗体を単離及び精製してもよい。クロマトグラフィーとしては、例えば、アフィニティークロマトグラフィーイオン交換クロマトグラフィー疎水性クロマトグラフィーゲル濾過逆相クロマトグラフィー、及び吸着クロマトグラフィーが挙げられる(Strategies for Protein Purification and Characterization:A Laboratory Course Manual.Ed Daniel R.Marshak et al.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1996)。HPLC及びFPLCなどの液相クロマトグラフィーを用いてクロマトグラフィーを実施してもよい。アフィニティークロマトグラフィーに用いるカラムとしては、プロテインAカラム及びプロテインGカラムが挙げられる。プロテインAカラムを用いるカラムの例としては、Hyper D、POROS、及びSepharoseFF(GE Healthcare Biosciences)が挙げられる。本開示はまた、これらの精製法を用いて高度に精製された抗体を含む。

0043

抗ヒトタウ抗体製剤
本明細書に記載の抗ヒトタウ抗体のいずれかを医薬組成物として調剤してもよい。本医薬組成物は、10mg/mL、60mg/mLまたは50mg/mLの本明細書に記載の抗ヒトタウ抗体を含んでいてもよい。特定の実施形態では、本医薬組成物は、50mg/mLの本明細書に記載の抗ヒトタウ抗体を含む。加えて、本医薬組成物は、20mMの濃度のヒスチジン、250mMの濃度のスクロース、及び0.05%(重量/体積)の濃度のポリソルベート80を含む。特定の例では、本医薬組成物は、50μMのジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を更に含む。本医薬組成物は6.0のpHを有する。

0044

一部の例では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、VH相補性決定領域(VH−CDR)を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)、及びVL−CDRを含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む。VH−CDR1は配列番号:16のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR2は配列番号:17のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR3は配列番号:18のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。VL−CDR1は配列番号:19のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR2は配列番号:20のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR3は配列番号:21のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。

0045

特定の例では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、配列番号:12を含むかまたはそれからなるVHを含む。特定の例では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、配列番号:13を含むかまたはそれからなるVLを含む。特定の例では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、配列番号:12を含むかまたはそれからなるVH、及び配列番号:13を含むかまたはそれからなるVLを含む。

0046

特定の例では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、配列番号:14を含むかまたはそれからなる重鎖を含む。特定の例では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、配列番号:15を含むかまたはそれからなる軽鎖を含む。特定の例では、本医薬組成物の抗ヒトタウ抗体は、配列番号:14を含むかまたはそれからなる重鎖、及び配列番号:15を含むかまたはそれからなる軽鎖を含む。

0047

適応症
本明細書に記載の抗ヒトタウ抗体は、タウオパチーの治療に有用であることが予想される。タウオパチーとは、ヒト脳内の神経原線維またはグリア原線維変化におけるタウタンパク質の異常凝集を伴う、神経変性疾患の部類のことである。

0048

例示的なタウオパチーとしては、進行性核上麻痺、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合、嗜銀顆粒性認知症、イギリス型アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、皮質基底核変性症、クロイツフェルトヤコブ病、ボクサー認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症(FTD)、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、ゲルストマンストロイスラーシャインカー病、ハラーフォルデンシュパッツ病、封入体筋炎、多系統萎縮症、筋強直性ジストロフィー、C型ニーマンピック病、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソン症候群、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、球状グリアタウオパチー、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維型老年認知症、多発梗塞性認知症、脳卒中、慢性外傷性脳症、外傷性脳損傷、振盪症、てんかん発作、てんかん、及び急性鉛脳症が挙げられる。

0049

一実施形態では、本明細書に記載の抗ヒトタウ抗体を用いて進行性核上麻痺を治療する。

0050

別の実施形態では、本明細書に記載の抗ヒトタウ抗体を用いてアルツハイマー病を治療する。

0051

治療方法
本開示は、本明細書で開示する抗ヒトタウ抗体または本明細書で開示する医薬組成物を用いて、タウオパチー(上記を参照のこと)を有するヒト対象を治療するための方法を特徴とする。一実施形態では、タウオパチーは進行性核上麻痺である。別の実施形態では、タウオパチーはアルツハイマー病である。

0052

特定の実施形態では、本方法は、個体の細胞外液(例えば、脳脊髄液(CSF)、間質液(ISF)、血液、または血液画分(例えば、血清または血漿))中におけるタウ(例えば、総タウ及び/または遊離タウ)のレベルを有意に低下させるのに有効な量で、抗ヒトタウ抗体を必要とするヒト対象にそれを投与することを含む。「遊離タウ」とは、抗ヒトタウ抗体に結合していないタウポリペプチドのことを意味する。一実施形態では、遊離タウは細胞外タウ(eタウ)である。「総タウ」は、遊離タウ、及び抗ヒトタウ抗体に結合しているタウを含む。1つの特定の実施形態では、本方法は、遊離eタウのレベルを有意に低下させるのに有効な量で、抗ヒトタウ抗体を必要とするヒト対象にそれを投与することを含む。一部の実施形態では、タウ(例えば、総タウ及び/または遊離タウ)のレベルは、本抗ヒトタウ抗体の投与の36時間以内に有意に低下する。一部の実施形態では、タウ(例えば、総タウ及び/または遊離タウ)のレベルは、本抗ヒトタウ抗体の投与の24時間以内に有意に低下する。一部の実施形態では、遊離eタウのレベルは、本抗ヒトタウ抗体の投与の24時間以内に有意に低下する。一部の例では、有効量の抗ヒトタウ抗体とは、本抗ヒトタウ抗体の投与の48時間以内、36時間以内、24時間以内、12時間以内、8時間以内、4時間以内、2時間以内、1時間以内、30分以内、15分以内、または5分以内に、細胞外液中におけるタウ(例えば、総タウ及び/または遊離タウ)のレベルを有意に低下させるのに有効な量のことである。例えば、一部の例では、有効量の抗ヒトタウ抗体とは、5分〜約10分以内、約10分〜約15分以内、約15分〜約30分以内、約30分〜約1時間以内、約1時間〜約2時間以内、約2時間〜約4時間以内、約4時間〜約8時間以内、約8時間〜約12時間以内、約12時間〜約24時間以内、約24時間〜約36時間以内、約24〜約48時間以内、または約36時間〜約48時間以内に、細胞外液中におけるタウ(例えば、総タウ及び/または遊離タウ)のレベルを有意に低下させるのに有効な量のことである。

0053

個体の細胞外液(例えば、CSF、ISF、血液、または血液画分(例えば、血清または血漿))中におけるタウ(例えば、総タウ及び/または遊離タウ)のレベルの有意な低下は、少なくとも30%の低下、少なくとも35%の低下、少なくとも40%の低下、少なくとも45%の低下、少なくとも50%の低下、少なくとも55%の低下、少なくとも60%の低下、少なくとも65%の低下、少なくとも70%の低下、少なくとも75%の低下、少なくとも80%の低下、少なくとも85%の低下、少なくとも90%の低下、少なくとも95%の低下、または90%超の低下である。一部の例では、有意な低下は統計的に有意な低下である。一部の例では、有意な低下は臨床的に有意な低下である。一部の実施形態では、細胞外液中におけるタウ(例えば、総タウ及び/または遊離タウ)のレベルは、正常な対照レベル(例えば、約100pg/ml)に低下する。一部の実施形態では、細胞外液中におけるタウ(例えば、総タウ及び/または遊離タウ)のレベルは、検出不能なレベルに低下する。一部の例では、細胞外液はCSFである。その他の例では、細胞外液はISFである。その他の例では、細胞外液は血漿である。その他の例では、細胞外液は全血である。その他の例では、細胞外液は血清である。

0054

特定の例では、本明細書に記載の抗ヒトタウ抗体は、2000mgの固定用量でヒト対象に投与される。特定の例では、抗ヒトタウ抗体は、2100mgの固定用量でヒト対象に投与される。その他の例では、抗ヒトタウ抗体は、150mgの固定用量でヒト対象に投与される。更なる例では、抗ヒトタウ抗体は、4200mgの固定用量でヒト対象に投与される。特定の実施形態では、上記固定用量の本明細書に記載の抗ヒトタウ抗体は、4週間に1回ヒト対象に投与される。

0055

特定の例では、本明細書に記載の抗ヒトタウ抗体は、医薬組成物の一部としてヒト対象に投与される。一実施形態では、本医薬組成物は、50mg/mLの本抗ヒトタウ抗体、20mMのヒスチジン、250mMのスクロース、及び50μMのDTPAを含む。本医薬組成物は6.0のpHを有する。特定の実施形態では、本医薬組成物は、2000mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体を送達するのに十分な量で、ヒト対象に投与される。特定の実施形態では、本医薬組成物は、2100mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体を送達するのに十分な量で、ヒト対象に投与される。特定の実施形態では、本医薬組成物は、700mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体を送達するのに十分な量で、ヒト対象に投与される。特定の実施形態では、本医薬組成物は、150mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体を送達するのに十分な量で、ヒト対象に投与される。特定の実施形態では、本医薬組成物は、210mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体を送達するのに十分な量で、ヒト対象に投与される。特定の実施形態では、本医薬組成物は、4200mgの固定用量の抗ヒトタウ抗体を送達するのに十分な量で、ヒト対象に投与される。

0056

これらの方法の特定の実施形態では、本抗ヒトタウ抗体は、抗ヒトタウ抗体を必要とするヒト対象に静脈経路で投与される。

0057

特定の実施形態では、本抗ヒトタウ抗体は、免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)及び免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含み、VHはVH相補性決定領域(VH−CDR)を含み、VH−CDR1は配列番号:16のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR2は配列番号:17のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VH−CDR3は配列番号:18のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VLはVL−CDRを含み、VL−CDR1は配列番号:19のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR2は配列番号:20のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、VL−CDR3は配列番号:21のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。

0058

特定の実施形態では、本抗ヒトタウ抗体のVHは配列番号:12を含むかまたはそれからなり、VLは配列番号:13を含むかまたはそれからなる。

0059

特定の実施形態では、本抗ヒトタウ抗体は重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は配列番号:14を含むかまたはそれからなり、軽鎖は配列番号:15を含むかまたはそれからなる。

0060

以下の実施例は、いかなる様式によっても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

0061

実施例1:抗ヒトタウ抗体、BIIB092の単回漸増用量試験
BIIB092は、ヒト細胞外タウ(eタウ)を認識するヒト化抗体である。本試験の目的は、健康なヒト対象へとBIIB092の単回静脈内(IV)注射を実施した後における、BIIB092の安全性、忍容性及び薬物動態(PK)に加え、細胞外タウ(eタウ)に対するBIIB092の薬力学的(PD)効果を評価することであった。とりわけ、ヒトCSF中の遊離eタウに結合してそれらを減少させることによりタウ病変の伝播を予防するBIIB092の効果を測定するために、BIIB092を試験した。

0062

本試験は、無作為化二重盲検プラセボ対照、単回漸増用量試験であった。コホートあたり8名の対象を含む6つの漸増用量コホート(21mg、70mg、210mg、700mg、2100mg、及び4200mgのBIIB092)における健康な対象(年齢:21〜65)に、BIIB092(6名の対象)またはプラセボ(2名の対象)の単回静脈内(IV)注射を実施した。図2を参照されたい。12週間にわたり、安全性評価を実施し、血清試料及びCSF試料(4回の腰椎穿刺を含む)を採取した。薬物動態パラメータ(血清中及びCSF中の)及び薬力学指標(遊離eタウのCSF中濃度)、ならびに、ベースラインからの対応する変化及び変化率について評価した。

0063

血清中におけるBIIB092のピーク(Cmax)及び曝露(AUC[INF])の上昇は、用量に比例していると思われた。BIIB092の終末消失半減期は約25日間であった。BIIB092のCSF中濃度が用量と共に上昇し、用量に比例していると思われた。BIIB092のCSF対血清の比率は約0.2%であり、用量範囲間で類似していた。ほとんどの有害事象は軽度であった。重篤な有害事象または有害事象による中止は認められなかった。eタウの抑制の度合いは用量と共に高まり、eタウの抑制の期間は用量と共に長くなった。単回用量のBIIB092の後、28日目におけるCSF中eタウの抑制は、70mg〜4200mgの範囲の用量で65%〜96%の範囲であった。

0064

この第1相試験においてBIIB092が遊離eタウのCSF中濃度を強力に抑制する能力は、BIIB092が、ヒトタウオパチー(例えば、進行性核上麻痺)の治療における有効性を示していることを示唆している。単回用量のBIIB092投与は、最大4200mgの用量で安全であり、十分に耐性を示した。

0065

実施例2:ベイズEmaxモデル
CSF中濃度対eタウ抑制の曝露−応答モデル(ベイズEmax)を構築した(図3を参照のこと)。ベイズEmaxモデルは、観察されたeタウ抑制を適度に十分に捕捉した。

0066

実施例3:進行性核上麻痺を有する患者における抗ヒトタウ抗体、BIIB092の複数回漸増用量試験
本試験の目的は、進行性核上麻痺(PSP)を有する患者へとBIIB092の静脈内(IV)注射を4週間毎(Q4W)に実施した後における、遊離細胞外タウ(eタウ)に対するBIIB092の安全性、忍容性、薬物動態(PK)及び薬理学的(PD)効果を評価することであった。具体的には、本試験は、BIIB092の安全性プロファイル、及びPSPを有する患者のCSF中における遊離eタウを抑制するBIIB092の能力を評価するために設計された。

0067

本試験用の基本的な人口統計的特性を図4に示す。本試験は、PSPを有する48名の患者の無作為化、二重盲検、プラセボ対照、複数回漸増用量試験であり、うち12名(25%)はプラセボを投与された。パネルあたり8名の患者を含む3つの漸増用量パネル(150mg、700mg、及び2100mg)に、BIIB092(6名の患者)またはプラセボ(2名の患者)のIV注射を12週間にわたりQ4Wで実施し、別の24名の患者について、12週間にわたりQ4Wで2100mg用量のBIIB092(18名の患者)またはプラセボ(6名の患者)を投与して治療した。図5を参照されたい。全ての患者はまた、オープンラベル拡大試験に参加する機会をオファーされた。12週間にわたり、安全性評価を実施し、血清試料及びCSF試料を採取した。PKパラメータ(血清中及びCSF中の)及びPD指標(CSF中遊離eタウの濃度)、ならびに、ベースラインからの対応する変化及び変化率について評価した。PSP Rating Scale及びSchwab and England Activities of Daily Living Scaleを含む臨床効果指標も採用した。

0068

患者の平均年齢は67.4±5.5であり、54.2%は女性であった。血清中及びCSF中のBIIB092の濃度は用量と共に上昇した。有害事象(AE)を被った患者のパーセンテージは、BIIB092群とプラセボ群で同様(約75%)であった。ほとんどのAEは軽度であった。図6を参照されたい。死亡またはAEによる中止は認められなかった。BIIB092の血清中PKパラメータの一覧を図7に示す。CSF中遊離eタウの平均抑制は、150mg〜2100mgの範囲の用量で約90〜96%(29日目)及び91〜97%(85日目)であった。CSF及び血清への曝露ならびにCSF中遊離eタウの抑制は、BIIB092用量と共に増加したが、CSF中遊離eタウの有意な抑制は、試験に用いた全ての用量に認められた。図8及び図9を参照されたい。

0069

複数回用量のBIIB092の投与は、PSPを有する患者において最大2100mgの用量で安全であり、十分に耐性を示した。

0070

実施例4:シミュレートしたPK及びeタウ抑制に基づいたBIIB092用量の選択
PSP患者における推定PK−PDモデルパラメータ及びこれらのパラメータ周辺のばらつきを使用して、1000のプロファイルをシミュレートし、血清中及びCSF中におけるPKならびにCSF中におけるPD(eタウ)の時間経過を、4週間に1回(Q4W)投与した2つの用量、すなわち、2000mg及び700mgのBIIB092から得た。シミュレーションに基づく総括を行う前に、eタウ濃度を、それぞれの対象のベースライン値を基準とした抑制率へと変換した。以下の表1は、2000mg Q4Wの投与レジメン後4週間、12週間、24週間、及び48週間における、ベースラインレベルを基準としたeタウの抑制率の要約統計量を示している。
表1:2000mg Q4W後におけるベースラインを基準としたeタウの抑制率の要約統計量(シミュレーション)

0071

表2は、700mg Q4Wの投与レジメン後4週間、12週間、24週間、及び48週間における、ベースラインレベルを基準としたeタウの抑制率の要約統計量を示している。
表2:700mg Q4W後におけるベースラインを基準としたeタウの抑制率の要約統計量(シミュレーション)

0072

Q4Wで投与した2000mg用量のBIIB092と700mg用量のBIIB092の両方は、トラフにおいてeタウの強力な抑制をもたらした。2000mg用量のBIIB092はトラフにおいて、700mg用量と比較してわずかにより高い抑制(3〜5%)に関与している。2000mg Q4W用量を投与された全ての対象のうちの90パーセントは、トラフにおいて96%以上のeタウ抑制率を示すと予想される。700mg Q4W用量を投与された全ての対象のうちの90パーセントは、トラフにおいて93%以上のeタウ抑制率を示すと予想される。

0073

試験した210mg以上の用量の投与後最長12週間にわたり持続する強力な抑制、及び、健康な対象と比較してPSP患者において観察された約2×より高いBIIB092のCSF中濃度を考慮すると、より少ない頻度ベース、例えば、12週間に1回(Q12W)でBIIB092の投与を行ってもよい。Q12Wで投与した2000mg用量の同一PK−PDモデルを使用して、シミュレーションを実施した。eタウ抑制については表3にまとめている。
表3:2000mg Q12W後におけるベースラインを基準としたeタウの抑制率の要約統計量(シミュレーション)

0074

2000mg Q12W用量を投与された全ての対象のうちの90パーセントは、トラフ(すなわち、12週間投与間隔の最後)において86%以上のeタウ抑制率を示すと予想される。しかしながら、対象は、注射直後の1ヶ月の間95%以上の抑制を示し、続く2ヶ月間にわたりわずかに減衰した抑制を示すと予想される。総合的に言えば、Q12W投与もまたeタウの強力で持続的な抑制に関与すると予想され、患者及び介護人にとって好ましい場合もある。

0075

実施例5:BIIB092製剤における賦形剤含有量の最適化
この賦形剤最適安定化において、0.05%のPS−80及び50μMのDTPAに加え、250mMのスクロースまたは250mMのソルビトールのいずれか一方を含有する、pH5.5、6.0、及び6.5の、20mMのヒスチジン緩衝液中の10mg/mLのBIIB092を評価した。加えて、0.05%のPS−80、50μMのDTPA、及び250mMのスクロースを含有する、pH6.0の、20mMのヒスチジン中の20mg/mL及び50mg/mLのBIIB092を評価した。製剤の一覧を表4に示す。
表4.BIIB092賦形剤最適化試験用の製剤の一覧





全ての製剤を、40±2℃/75±5%RHで最長3ヶ月間にわたり、5±3℃及び25±2℃/60±5%RHで最長12ヶ月間にわたり保管した。初期の試料及び時点における試料について、外観によるAPI安定性、pH、A280、HIAC、SEC、CEX、及び力価ELISAを評価した。初期、2ヶ月、及び12ヶ月の時点にのみペプチドマッピング解析を実施した。3ヶ月の時点にのみマイクロフローイメージングを評価した。試験方法については表5に示しており、それぞれの時点における試験の一覧については表6に示している。
表5.BIIB092賦形剤最適化試験における解析検査






13×0.5mLのランで検査を実施し、全3回のランに由来するデータを含めた
23ヶ月の時点にのみMFIを試験し記録した
3初期の時点、2ヶ月の時点、及び最終の時点にのみELISA検査及びペプチドマッピング検査を実施した
表6.BIIB092賦形剤最適化試験のプルスケジュール





A=MFIを除き表2に従った検査。
B=ELISA、MFI及びペプチドマップを除き表2に従った検査。
C=ELISA及びペプチドマップを除き表2に従った検査。
D=MFI、ELISA及びペプチドマップを除き表2に従った製剤E1〜E3、E7、及びE8の検査。
E=MFIを除き表2に従った製剤E1〜E3、E7、及びE8の検査。

0076

外観
全ての時点及び条件における全ての試料を評価したが、1つを除き、透明無色の溶液であり、目に見え生成物関連微粒子を何ら含んでいなかった。1つの試料(E3、6ヶ月、25±2℃/60±5%RH)に単一の大きな白色粒子が含まれていることが確認され、その粒子夾雑物であると考えられたため、その特定の試料の更なる検査は止められた。

0077

pHの測定
全ての時点及び条件における全ての試料は、それぞれの製剤における正常値の±0.1pH単位以内であるpH値を示した。それゆえ、pHに認められた全ての差異は方法のばらつきの範囲内であった。

0078

紫外可視分光法によるタンパク質含有量
全ての時点及び条件における全ての試料は、それらの対応する初期値とは大きく異ならないタンパク質濃度を示した。10mg/mLを目標とした製剤(E1〜E6)は全て、9.8〜11.4mg/mLの間のタンパク質濃度を示した。ソルビトール製剤(E4〜E6)の測定濃度は、スクロース製剤(E1〜E3)の濃度と比較して約0.5mg/mL分より高いが、このことは単に、試料調製によるわずかにより高い濃度を反映しているに過ぎないということに留意されたい。製剤E7(20mg/mLを目標とした)は19.0〜20.2mg/mLの範囲であり、E8(50mg/mLを目標とした)は50.0〜53.7mg/mLの範囲であった。A280によるタンパク質含有量は、検査した全ての製剤の安定化時点にわたり、タンパク質濃度における大きな傾向がないということを示した。

0079

粒子カウント(HIAC)
全ての製剤において、より大きな粒子(10μm及び25μm)の数の増加が安定化時点にわたり認められた。しかしながら、粒子形成における保管温度への依存はなかった。製剤E1〜E3は12ヶ月時点まで大きな粒子のカウントの全体的な増加を示し、3つの製剤間における全ての差異は方法のばらつきによるものであると考えられた。ノイズに対する傾向が極めて強いわけではないが、試料中におけるカウントの絶対値が相当であるという点に留意すべきである。粒子の増加はE7及びE8製剤で特に顕著(それぞれ、20mg/mL及び50mg/mLのAPI)であり、E7中10μmの粒子は、初期時点の12カウントから9ヶ月/25℃/60%RH試料の1161カウントへと増加し、E8中10μmの粒子は、初期時点の18カウントから9ヶ月/25℃/60%RH試料の1003カウントへと増加した。その他のより長い範囲の安定化時点及び条件におけるこれら2つの試料の粒子カウントはまた、初期粒子のカウントよりもはるかに多かった。保管温度間の差異は方法のばらつきによるものと考えられる。3ヶ月までに限り検査した製剤E4〜E6では、その時点までの粒子カウントは、E1〜E3で観察された粒子カウントと同等であり、E7〜E8で観察された粒子カウントよりも少なかった。

0080

サイズ排除クロマトグラフィー
それぞれの時点では、安定化条件温度が上昇するにつれて、HMWパーセントの小さいが有意な低下が全ての製剤で観察された。通常、HMW不純物における温度依存性差異は、250mMのソルビトールで調製した製剤(E4〜E6)と比較して、250mMのスクロースで調製した製剤(E1〜E3)でより少なかった。12ヶ月時点において、製剤E2及びE3は最も高いメインピーク純度を示し、これらの製剤におけるAPIの最も少ない凝集及びフラグメンテーションを示した。

0081

それぞれの製剤の時点データの中には、いずれの保管条件においてもHMW含有量が増加しているという確実なエビデンスは存在していない。時点間比較における問題は、更なる別個の判定を困難なものとする。しかしながら、それぞれの試料キューにおける参照標準液の性能が同等である場合、時点間における一定の比較を行うことはできる。2つのこのような時点は、全ての参照標準液注入が1.5±0.1%のHMWを示す初期時点及び最終(12ヶ月)時点であった。これらの2つの時点において、試験試料のHMW含有量にほとんど差異は認められなかった。

0082

それぞれの時点において、LMWパーセントは有意に変化するようではなかった(ある製剤及び時点/条件ではLMWパーセントに0.1〜0.3%の間の増加があり、LMWパーセントに変化が認められないものもある)。

0083

陽イオン交換クロマトグラフィー
酸性変異体パーセントは全ての製剤において経時的に増加し、温度が上昇するにつれてより大きな増加を示し、pHが低くなるにつれてより低下するようであった。逆に、塩基性変異体パーセントは、経時的に、またより高い安定化温度で増加する一方で、pHが高くなるにつれてより少ない変異体を示した。より高濃度(E7−20mg/mL、E8−50mg/mL)で配合された試料における酸性変異体パーセントまたは塩基性変異体パーセントのいずれかには、同一pH(6.0)の10mg/mLの同等の試料と比較して、有意差が何ら存在していないようであった。

0084

総合的に言えば、12ヶ月まで検査した試料(E1〜E3、E7〜E8)のメインピークパーセントは、pH5.5及び6.0で配合された全ての濃度の試料のメインピークパーセントと同等であるようであった。pH6.5で配合された試料(E3)は、より低いpHの試料のメインピークパーセントと比較して、やや低いメインピークパーセントを示した(12ヶ月/25℃/60%RHにおいて、E3の70.6%対E2の76.9%)。

0085

酵素免疫測定法による力価
試料は82〜126%の範囲の力価測定を示した。製剤タイプまたは安定化時点/条件のいずれかに対する力価パーセントには何ら傾向があるようではなかった。

0086

ペプチドマッピング
LC/MSにより行った同定を考慮してペプチドマップを解釈した。軽鎖部位N33またはN35におけるアスパラギンアミド分解について、12ヶ月まででも、5℃で保管した製剤と凍結参照標準液の有意差は認められなかった。室温(25℃/60%RH)で、2ヶ月のpH6.5の製剤(E3及びE6)におけるバックグラウンド超のアミド分解を検出することができた。12ヶ月、25℃/60%RHの後に、pH依存様式の有意なアミド分解(参照に対する>2%の増加)が認められた。2ヶ月、40℃/75%RHの後に同様の増加が認められ、pHへの明らかな依存があるが、ソルビトール及びスクロースの結果は同等であった。UVで測定した参照標準液の修飾レベル(6.1〜8.3%)が、LC/MSで測定した親物質の修飾レベル(3.0%)に適度に類似していることに留意されたい。

0087

重鎖部位N381またはN386におけるアスパラギンのアミド分解は、軽鎖アミド分解部位に極めて同様に対応した。12ヶ月まででも、5℃で保管した製剤と凍結参照標準液の有意差は認められなかった。室温(25℃/60%RH)で、2ヶ月のpH6.5の製剤(E3及びE6)におけるバックグラウンド超のアミド分解を検出することができた。12ヶ月、25℃/60%RHの後に、pH依存様式の有意なアミド分解(参照に対する>2%の増加)が認められた。2ヶ月、40℃/75%RHの後に同様の増加が認められ、pHへの明らかな依存があるが、ソルビトール及びスクロースの結果は同等であった。UVで測定した参照標準液の修飾レベル(5.9〜6.8%)は、LC/MSで測定した親物質の修飾レベル(3.3%)に類似していた。

0088

重鎖部位N312におけるアスパラギンのアミド分解について、試験全体と凍結参照標準液の有意差は認められなかった。25℃/60%RH、12ヶ月時点、及び40℃/75%RH,2ヶ月時点であっても、ピークパーセンテージには凍結参照標準液との有意差は認められなかった。このことは、このアスパラギン部位がアミド分解され難いということ、または、修飾アスパラギンとして同定されたピークの移動時間別種が存在することによりアミド分解反応をマスクしているということを示し得る。この理論を裏付けるものとして、総N312修飾は、LC/MSによる親物質(2.8%)と比較して、UV解析による参照標準液でやや多かった(5.1〜9.8%)。LC/MSデータにおいてAsn/Asp中間体スクシンイミド形態が最も豊富であることから、全ての時点における実際のアミド分解は単純に少ない(<1%)場合があった。

0089

プロリン及びリジンヒドロキシル化(再配合した試料中においてもかなり豊富に存在しているが)は、保管温度に関係なく、経時的に変化していないようであった。P189のヒドロキシル化は、全ての時点において極めて安定しており変化しなかった。興味深いことに、このプロリンヒドロキシル化は凍結参照標準液においてより少なかった。UVで測定した参照標準液のプロリンヒドロキシル化レベル(1.1〜1.6%)は、LC/MSで測定した参照標準液のプロリンヒドロキシル化レベル(1.0%)に適度に類似していた。K121ヒドロキシル化の測定は、量におけるはるかに大きな差異を生み出した。しかしながら、一貫した傾向を認めることができなかったため、これらの差異が解析的なノイズを示していると結論付けられた。UVで測定した参照標準液のリジンヒドロキシル化レベル(4.1〜7.9%)は、LC/MSで測定した親物質のリジンヒドロキシル化レベル(2.8%)に適度に類似していた。

0090

重鎖部位M425におけるメチオニン酸化は解析にかなり貢献した。わずかではあるが一定レベルの酸化が全ての製剤に認められた。酸化は、時間及び温度の関数として徐々に増加したが、pHまたは製剤の成分の影響を受けることはなかった。2ヶ月、40℃/75%RHの後であっても、酸化は約0.5%増加しただけであった。UVで測定した参照標準液の修飾レベル(0.2〜0.6%)は、LC/MSで測定した親物質の修飾レベル(0.3%)に極めて類似していた。

0091

粒子カウント(マイクロフローイメージング)
3ヶ月の時点にのみMFIによる粒子カウントを実施した。総合的に言えば、250mMのソルビトールを配合した試料は、より大きな粒径(10μm及び25μm)のより少ない粒子カウントを示すようであった。250mMのスクロースを配合した試料のうち、製剤E2は概して、わずかにより少ない粒子カウントを示すようであった。API濃度の異なる製剤間における粒子カウントに有意差はないようであった。

実施例

0092

その他の実施形態
本発明についてその発明を実施するための形態と関連させて説明してきたが、上記の説明は例示を目的としたものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲の範囲によって定義されるものである。その他の態様、利点及び変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。

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