図面 (/)

技術 血漿カリクレイン阻害剤としての複素芳香族カルボキサミド誘導体

出願人 ベーリンガーインゲルハイムインターナショナルゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツング
発明者 エックハルトマティアスゴルナーアンドレアスラングコップエルケワグナーホルガーヴィーデンマイヤーディーター
出願日 2019年8月14日 (1年6ヶ月経過) 出願番号 2019-564151
公開日 2020年10月8日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-529389
状態 未登録
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 複数複素環系化合物 窒素含有縮合複素環(3) 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード 溶液結晶化 順序内 参照文 チタンアルコレート 遅延係数 アクロレインジメチルアセタール 部分基 アクロレインジ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題・解決手段

式(I)の複素芳香族カルボキサミド、(式中、Y、RおよびXは、明細書および特許請求の範囲に定義されている通りである)および薬学的に許容されるその塩は、血漿カリクレイン阻害により影響を受け得る疾患を処置する方法に使用することができる。

概要

背景

血漿カリクレインPKK)は、遊離チモーゲンとして、または活性化されて、他の基質の処理に加えて、キニーノゲンからキニンを遊離することができる活性PKKをもたらす高分子量キニーノゲンに結合しているヘテロ二量体複合体としてのどちらかで、血漿中に循環している不活性な血漿プレカリクレインとして、肝臓中の肝細胞により分泌されるトリプシン様セリンプロテアーゼである。キニンは、ブラジキニン受容体などのGタンパク質共役型受容体を介して作用する炎症の強力なメディエータである。

PKKは、いくつかの炎症性障害において役割を果たすと考えられており、遺伝性血管浮腫HAE)、網膜症または糖尿病性網膜症増殖性および非増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫DME)、臨床的に有意な黄斑浮腫(CSME)、嚢胞様黄斑浮腫(CME)、水晶体摘出後CME、冷凍療法により誘発されるCME、ブドウ膜炎により誘発されるCME、眼内炎血管閉塞後のCME(例えば、網膜中心静脈閉塞症網膜分枝静脈閉塞症または半側網静脈閉塞)、網膜浮腫、糖尿病性網膜症における白内障手術に関連する合併症高血圧性網膜症網膜外傷、萎縮型および滲出型加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)、脈絡膜血管新生(CNV;例えば、非滲出性脈絡膜血管新生)、後部硝子体剥離PVD)、例えば組織および/または器官移植に関連する、すべての種類の文脈における虚血再灌流傷害手術誘発性脳損傷局所脳虚血(focal cerebral ischemia)、全脳虚血神経膠腫関連浮腫脊髄損傷疼痛、虚血、局所脳虚血(focal brain ischemia)、神経障害および認知障害深部静脈血栓、卒中、心筋梗塞後天性血管浮腫、薬物関連ACE阻害剤)浮腫、高地脳浮腫細胞傷害性脳浮腫、浸透性脳浮腫、閉塞性水頭症放射線照射誘発性浮腫、リンパ液浮腫、外傷性脳損傷出血性脳卒中(例えば、脳卒中またはくも膜下脳卒中)、脳内出血虚血性脳卒中出血性変化、損傷または手術に関連する脳外傷脳動脈瘤動静脈奇形、手術中の血液喪失の低減(例えば、心肺バイパスまたは冠状動脈バイパス移植などの心臓胸部外科手術)、血栓症などの血液凝固障害、皮癬、炎症性成分による障害多発性硬化症など)、てんかん脳炎アルツハイマー病、日中の過度眠気本態性高血圧糖尿病または高脂血症に関連する血圧上昇腎不全慢性腎疾患心不全、微量アルブミン尿症アルブミン尿タンパク尿血管透過性の上昇に関連する障害(例えば、網膜血管透過性の上昇、脚部、足、足関節の血管透過性の上昇)、脳内出血、深部静脈血栓、線維素溶解処置後に起因する凝固狭心症、血管浮腫、敗血症関節炎(例えば、関節リウマチ骨関節炎感染性関節炎)、ループス痛風乾癬炎症性大腸、糖尿病、糖尿病合併症メタボリックシンドロームに起因する合併症、感染症星状細胞活性化関連疾患(例えば、アルツハイマー病または多発性硬化症)、パーキンソン病筋萎縮性側索硬化症クロイツフェルトヤコブ病、卒中、てんかんおよび外傷(例えば、脳外傷)、アレルギー性浮腫、例えば、慢性アレルギー副鼻腔炎または通年性鼻炎における気道閉塞急性喘息における気道閉塞;全身性エリテマトーデスSLE)に関連する漿膜炎急性呼吸窮迫症候群(ARDS)および他の疾患などの、障害との様々な関連性を有し得る。

PKK阻害剤は、幅広い範囲の障害の処置、特に疾患における浮腫形成、例えば、虚血再灌流傷害、網膜症、または遺伝性血管浮腫、黄斑浮腫および脳浮腫などの浮腫関連疾患に関連する浮腫形成の処置において有用と考えられている。PKK阻害剤は、網膜症、例えば、糖尿病および/または高血圧に関連する網膜症の処置、ならびに黄斑浮腫、例えば糖尿病および/または高血圧に関連する黄斑浮腫の処置にとりわけ有用と考えられている。
治療的使用に好適なPKK阻害剤は、強力かつ高い選択性でPKKに結合するはずである。それらの阻害剤は、胃腸管から十分に吸収されて、代謝的に十分に安定であり、好都合薬物動態特性を有すはずである。それらの阻害剤は、非毒性であるべきであり、副反応をほとんど示さないはずである。
本発明の化合物は、PKK阻害剤であり、したがって、本明細書のこれ以前に言及した障害の処置に有用である可能性があり、特に、糖尿病性網膜症および糖尿病性黄斑浮腫、または浮腫関連疾患に関連する網膜血管透過性を低下させるための処置としての利用性を有するはずである。
そのすべてがPKKとの関連性を有する、脳出血腎障害心筋症および神経障害などの糖尿病の他の合併症もまた、PKK阻害剤に対する標的として考えることができる。
分子量PKK阻害剤は、当分野で公知であり、例えば、これらの化合物は、WO2013/111108、WO2013/111107、WO2014/188211、WO2017/072020およびWO2017/072021に開示されている。

概要

式(I)の複素芳香族カルボキサミド、(式中、Y、RおよびXは、明細書および特許請求の範囲に定義されている通りである)および薬学的に許容されるその塩は、血漿カリクレインの阻害により影響を受け得る疾患を処置する方法に使用することができる。

目的

特に、上記の化合物は、ヒトPKKに対する高い有効性と、例えば、ヒト組織カリクレイン1(TK1)などの様々なセリンプロテアーゼに対する顕著な選択性との有利な組合せを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

式(I)の化合物(式中、Yは、からなるY−G1群から選択され、これらはそれぞれ、1つまたは2つの独立した置換基R1により置換されており、Rは、環員として1〜3個のN原子を含有し、C=O、O、S、S=OおよびSO2からなる群から選択される1〜2環員を含有してもよい、4〜7員の飽和単環式環系および6〜12員の飽和二環式環系からなるR−G1群から選択されるが、但し、環系は、環員間にいかなるヘテロ原子−ヘテロ原子結合も含有しておらず、前記環系は、N原子を介して、式(I)中のYに結合しており、前記環系は、1〜6個のFによって置換されていてもよく、1つの置換基R2により置換されていてもよく、1つまたは2つのCH3基により置換されていてもよいことを条件とし、Xは、1〜4個のN原子を含有する、または1個のO原子もしくはS原子を含有する、または1〜3個のN原子および1個のO原子もしくはS原子を含有する5員のヘテロアリール、ならびに6員環縮合している5員環からなり、1〜5個のN原子を含有する9員のヘテロアリールからなるX−G1群から選択され、前記ヘテロアリールは、5員環のC原子を介して、式(I)中のカルボニル基に、および5員環の非隣接C原子またはN原子を介して、式(I)中のCH2基に結合しており、前記ヘテロアリールは、1つの置換基R3により置換されていてもよく、R1は、H、1〜5個のFにより置換されていてもよいC1-4−アルキル、1個のFまたは1つのCH3基により置換されていてもよいシクロプロピル、CN、OH、1〜5個のFにより置換されていてもよいO−C1-3−アルキル、CN、OHおよびO−CH3からなる群から選択される1つの置換基により置換されていてもよいC1-3−アルキルからなるR1−G1群から選択され、R2は、Cl、1〜5個のFにより置換されていてもよいC1-4−アルキル、C3-4−シクロアルキル、C1-3−アルキレン−OH、C1-3−アルキレン−O−C1-4−アルキル、CN、COOH、NH2、NH−C1-3−アルキル、N(C1-3−アルキル)2、OH、1〜5個のFにより置換されていてもよいO−C1-4−アルキル、フェニル、1つの−NH−、−N<、−O−または−S−環員を含有し、さらに1つまたは2つの=N−環員を含有してもよい5員のヘテロアリール、ならびに1つまたは2つの=N−環員を含有する6員のヘテロアリールからなるR2−G1群から選択され、前記フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールは、1個または2個の炭素原子において、F、Cl、CH3、CF3、CN、OHおよび/またはO−CH3により互いに独立して置換されていてもよく、これらの環内に存在するN−H基は、N−C1-3−アルキルにより置き換えられていてもよく、R3は、F、Cl、Br、CN、COOH、1〜5個のFにより置換されていてもよいC1-4−アルキル、C3-5−シクロアルキル、C1-3−アルキレン−OH、C1-3−アルキレン−O−C1-4−アルキル、1〜5個のFにより置換されていてもよいO−C1-4−アルキル、1つの−NH−、−O−または−S−環員を含有し、さらに1つまたは2つの=N−環員を含有してもよい5員のヘテロアリール、および1つまたは2つの=N−環員を含有する6員のヘテロアリールからなるR3−G1群から選択され、前記5員および6員のヘテロアリールは、1個または2個の炭素原子において、F、Cl、CH3、CF3、CN、OHおよび/またはO−CH3により互いに独立して置換されていてもよく、これらの環内に存在するN−H基は、N−C1-3−アルキルにより置き換えられていてもよい)および/もしくはその互変異性体またはその塩。

請求項2

Yが、からなるY−G3群から選択され、これらはそれぞれ、1つの置換基R1により置換されており、アスタリスクおよび括弧付きの結合が、式(I)のRおよびCH2基の結合部位を示す、請求項1に記載の化合物および/もしくはその互変異性体またはその塩。

請求項3

Rが、アゼチジン−1−イル、5−アザスピロ[2.3]ヘキサン−5−イル、2−アザ−スピロ[3.3]ヘプタン−2−イル、ピロリジン−1−イル、3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル、5−アザ−スピロ[2.4]ヘプタン−5−イル、6−アザ−スピロ[3.4]オクタン−6−イル、3−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタン−3−イル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−1−イル、3−アザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イル、3−アザ−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−イルおよびアゼパン−1−イルからなるR−G4群から選択され、これらはそれぞれ、1個または2個のFにより置換されていてもよく、1つの置換基R2により置換されていてもよく、1つまたは2つのCH3基により置換されていてもよい、請求項1から2までのいずれか1項に記載の化合物および/もしくはその互変異性体またはその塩。

請求項4

Xが、からなるX−G3群から選択され、これらはそれぞれ、1つの置換基R3により置換されていてもよく、アスタリスクおよび括弧付きの結合が、式(I)のC=O基およびCH2基の結合部位を示す、請求項1から3までのいずれか1項に記載の化合物および/もしくはその互変異性体またはその塩。

請求項5

R1が、H、CH3、CN、CF3およびCH2CH3からなるR1−G2群から選択される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の化合物および/もしくはその互変異性体またはその塩。

請求項6

R2が、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、CH2F、CHF2、CF3、CH2OH、CN、OH、O−CH3、4−フルオロフェニルおよびピラゾリルからなるR2−G3群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の化合物および/もしくはその互変異性体またはその塩。

請求項7

R3が、Cl、CN、COOH、1〜3個のFにより置換されていてもよいCH3、シクロプロピル、C(CH3)2OH、CH2OCH3、OCH3およびN−メチル−ピラゾリルからなるR3−G4群から選択される、請求項1から6までのいずれか1項に記載の化合物および/もしくはその互変異性体またはその塩。

請求項8

化合物の立体化学が、式(I.1)による、請求項1から7までのいずれか1項に記載の化合物、および/もしくはその互変異性体またはその塩。

請求項9

請求項1から8までのいずれか1項に記載の化合物および/またはその互変異性体の薬学的に許容される塩。

請求項10

1つもしくは複数の請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物および/またはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるその塩を含み、1種もしくは複数の不活性担体および/または希釈剤一緒に含んでもよい、医薬組成物

請求項11

1つもしくは複数の請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物および/またはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるその塩、ならびに1種または複数の追加の治療剤を含み、1種もしくは複数の不活性担体および/または希釈剤を一緒に含んでもよい、医薬組成物。

請求項12

1種または複数の追加の治療剤が、抗糖尿病剤過体重および/または肥満処置のための薬剤高血圧心不全および/またはアテローム性動脈硬化の処置のための薬剤、ならびに眼疾患の処置のための薬剤からなる群から選択される、請求項11に記載の医薬組成物。

請求項13

医薬として使用するための、請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩。

請求項14

それを必要とする患者における、眼疾患の処置、好ましくは、糖尿病性黄斑浮腫加齢黄斑変性および/または脈絡膜血管新生の処置の方法であって、1つまたは複数の請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩が患者に投与されることを特徴とする、方法。

請求項15

眼疾患の処置、好ましくは、糖尿病性黄斑浮腫、加齢黄斑変性および/または脈絡膜血管新生の処置のための方法であって、1つまたは複数の請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩が患者に投与されることを特徴とする、方法に使用するための、請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩。

請求項16

(式中、PGは、H、または例えば、1〜5個のFまたはClにより置換されていてもよく、Si(CH3)3、CN、SO2−C1-4−アルキルまたはSO2−フェニルから選択される1つの基により置換されていてもよい、C1-4−アルキル、1つまたは2つのOCH3により置換されていてもよいCH2−フェニル、CH2−N(C1-4−アルキル)2、CH2−ピロリジン−1−イル、CH2−NHCO−C1-4−アルキル、CH2−N(CH3)CO−C1-4−アルキル、1つのCH3、1つのSi(CH3)3または3個のClにより置換されていてもよいCH2−O−C1-4−アルキル、1つまたは2つのOCH3により置換されていてもよいCH2−O−CH2−フェニル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、1〜5個のFまたはClにより置換されていてもよいCO−C1-4−アルキル、CO−N(C1-4−アルキル)2、CO−ピロリジン−1−イル、1つのSi(CH3)3または3個のClにより置換されていてもよいCO−O−C1-4−アルキル、1つまたは2つのOCH3により置換されていてもよいCO−O−CH2−フェニル、1〜5個のFまたは1〜3個のClにより置換されていてもよいSO2(C1-4−アルキル)、Cl、Br、CH3、NO2およびOC1-4−アルキルから選択される1つまたは2つの基により置換されていてもよいSO2−フェニル、SO2−N(C1-4−アルキル)2、SO2−ピロリジン−1−イル、Cl、Br、NO2、OC1-4−アルキルおよびSO2C1-4−アルキルから選択される、1つまたは2つの基により置換されているフェニルからなる群から選択される保護基である)からなる群から選択される化合物またはその塩。

技術分野

0001

本発明は、血漿カリクレイン阻害剤である、新規複素芳香族カルボキサミド誘導体および薬学的に許容されるその塩に関する。さらに、本発明は、前記化合物合成中間体、前記化合物を含む医薬組成物および組合せ物、ならびに血漿カリクレインの阻害によって影響を受け得る疾患を処置するための方法におけるそれらの使用に関する。特に、本発明の医薬組成物は、糖尿病合併症眼疾患および浮腫関連疾患、特に、糖尿病性黄斑浮腫加齢黄斑変性脈絡膜血管新生および遺伝性血管浮腫の予防および/または治療に好適である。

背景技術

0002

血漿カリクレイン(PKK)は、遊離チモーゲンとして、または活性化されて、他の基質の処理に加えて、キニーノゲンからキニンを遊離することができる活性PKKをもたらす高分子量キニーノゲンに結合しているヘテロ二量体複合体としてのどちらかで、血漿中に循環している不活性な血漿プレカリクレインとして、肝臓中の肝細胞により分泌されるトリプシン様セリンプロテアーゼである。キニンは、ブラジキニン受容体などのGタンパク質共役型受容体を介して作用する炎症の強力なメディエータである。

0003

PKKは、いくつかの炎症性障害において役割を果たすと考えられており、遺伝性血管浮腫(HAE)、網膜症または糖尿病性網膜症増殖性および非増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、臨床的に有意な黄斑浮腫(CSME)、嚢胞様黄斑浮腫(CME)、水晶体摘出後CME、冷凍療法により誘発されるCME、ブドウ膜炎により誘発されるCME、眼内炎血管閉塞後のCME(例えば、網膜中心静脈閉塞症網膜分枝静脈閉塞症または半側網静脈閉塞)、網膜浮腫、糖尿病性網膜症における白内障手術に関連する合併症高血圧性網膜症網膜外傷、萎縮型および滲出型加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)、脈絡膜血管新生(CNV;例えば、非滲出性脈絡膜血管新生)、後部硝子体剥離PVD)、例えば組織および/または器官移植に関連する、すべての種類の文脈における虚血再灌流傷害手術誘発性脳損傷局所脳虚血(focal cerebral ischemia)、全脳虚血神経膠腫関連浮腫、脊髄損傷疼痛、虚血、局所脳虚血(focal brain ischemia)、神経障害および認知障害深部静脈血栓、卒中、心筋梗塞後天性血管浮腫、薬物関連ACE阻害剤)浮腫、高地脳浮腫細胞傷害性脳浮腫、浸透性脳浮腫、閉塞性水頭症放射線照射誘発性浮腫、リンパ液浮腫、外傷性脳損傷出血性脳卒中(例えば、脳卒中またはくも膜下脳卒中)、脳内出血虚血性脳卒中出血性変化、損傷または手術に関連する脳外傷脳動脈瘤動静脈奇形、手術中の血液喪失の低減(例えば、心肺バイパスまたは冠状動脈バイパス移植などの心臓胸部外科手術)、血栓症などの血液凝固障害、皮癬、炎症性成分による障害多発性硬化症など)、てんかん脳炎アルツハイマー病、日中の過度眠気本態性高血圧糖尿病または高脂血症に関連する血圧上昇腎不全慢性腎疾患心不全、微量アルブミン尿症アルブミン尿タンパク尿血管透過性の上昇に関連する障害(例えば、網膜血管透過性の上昇、脚部、足、足関節の血管透過性の上昇)、脳内出血、深部静脈血栓、線維素溶解処置後に起因する凝固狭心症、血管浮腫、敗血症関節炎(例えば、関節リウマチ骨関節炎感染性関節炎)、ループス痛風乾癬炎症性大腸、糖尿病、糖尿病合併症、メタボリックシンドロームに起因する合併症、感染症星状細胞活性化関連疾患(例えば、アルツハイマー病または多発性硬化症)、パーキンソン病筋萎縮性側索硬化症クロイツフェルトヤコブ病、卒中、てんかんおよび外傷(例えば、脳外傷)、アレルギー性浮腫、例えば、慢性アレルギー副鼻腔炎または通年性鼻炎における気道閉塞急性喘息における気道閉塞;全身性エリテマトーデスSLE)に関連する漿膜炎急性呼吸窮迫症候群(ARDS)および他の疾患などの、障害との様々な関連性を有し得る。

0004

PKK阻害剤は、幅広い範囲の障害の処置、特に疾患における浮腫形成、例えば、虚血再灌流傷害、網膜症、または遺伝性血管浮腫、黄斑浮腫および脳浮腫などの浮腫関連疾患に関連する浮腫形成の処置において有用と考えられている。PKK阻害剤は、網膜症、例えば、糖尿病および/または高血圧に関連する網膜症の処置、ならびに黄斑浮腫、例えば糖尿病および/または高血圧に関連する黄斑浮腫の処置にとりわけ有用と考えられている。
治療的使用に好適なPKK阻害剤は、強力かつ高い選択性でPKKに結合するはずである。それらの阻害剤は、胃腸管から十分に吸収されて、代謝的に十分に安定であり、好都合薬物動態特性を有すはずである。それらの阻害剤は、非毒性であるべきであり、副反応をほとんど示さないはずである。
本発明の化合物は、PKK阻害剤であり、したがって、本明細書のこれ以前に言及した障害の処置に有用である可能性があり、特に、糖尿病性網膜症および糖尿病性黄斑浮腫、または浮腫関連疾患に関連する網膜血管透過性を低下させるための処置としての利用性を有するはずである。
そのすべてがPKKとの関連性を有する、脳出血腎障害心筋症および神経障害などの糖尿病の他の合併症もまた、PKK阻害剤に対する標的として考えることができる。
分子量PKK阻害剤は、当分野で公知であり、例えば、これらの化合物は、WO2013/111108、WO2013/111107、WO2014/188211、WO2017/072020およびWO2017/072021に開示されている。

課題を解決するための手段

0005

第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物



(式中、
Yは、

0006

からなるY−G1群から選択され、
これらはそれぞれ、1つまたは2つの独立した置換基R1により置換されており、
Rは、
環員として1〜3個のN原子を含有し、C=O、O、S、S=OおよびSO2からなる群から選択される1〜2環員を含有してもよい、4〜7員の飽和単環式環系および6〜12員の飽和二環式環系
からなるR−G1群から選択されるが、
但し、環系は、環員間にいかなるヘテロ原子−ヘテロ原子結合も含有しておらず、
前記環系は、N原子を介して、式(I)中のYに結合しており、
前記環系は、1〜6個のFによって置換されていてもよく、1つの置換基R2により置換されていてもよく、1つまたは2つのCH3基により置換されていてもよいことを条件とし、
Xは、
1〜4個のN原子を含有する、または1個のO原子もしくはS原子を含有する、または1〜3個のN原子および1個のO原子もしくはS原子を含有する5員のヘテロアリール、ならびに6員環縮合している5員環からなり、1〜5個のN原子を含有する9員のヘテロアリール
からなるX−G1群から選択され、
前記ヘテロアリールは、5員環のC原子を介して、式(I)中のカルボニル基に、および5員環の非隣接C原子またはN原子を介して、式(I)中のCH2基に結合しており、
前記ヘテロアリールは、1つの置換基R3により置換されていてもよく、
R1は、
H、1〜5個のFにより置換されていてもよいC1-4−アルキル、1個のFまたは1つのCH3基により置換されていてもよいシクロプロピル、CN、OH、1〜5個のFにより置換されていてもよいO−C1-3−アルキル、CN、OHおよびO−CH3からなる群から選択される1つの置換基により置換されていてもよいC1-3−アルキル
からなるR1−G1群から選択され、
R2は、
Cl、1〜5個のFにより置換されていてもよいC1-4−アルキル、C3-4−シクロアルキル、C1-3−アルキレン−OH、C1-3−アルキレン−O−C1-4−アルキル、CN、COOH、NH2、NH−C1-3−アルキル、N(C1-3−アルキル)2、OH、1〜5個のFにより置換されていてもよいO−C1-4−アルキル、フェニル、1つの−NH−、−N<、−O−または−S−環員を含有し、さらに1つまたは2つの=N−環員を含有してもよい5員のヘテロアリール、ならびに1つまたは2つの=N−環員を含有する6員のヘテロアリール
からなるR2−G1群から選択され、
前記フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールは、1個または2個の炭素原子において、F、Cl、CH3、CF3、CN、OHおよび/またはO−CH3により互いに独立して置換されていてもよく、
これらの環内に存在するN−H基は、N−C1-3−アルキルにより置き換えられていてもよく、
R3は、
F、Cl、Br、CN、COOH、1〜5個のFにより置換されていてもよいC1-4−アルキル、C3-5−シクロアルキル、C1-3−アルキレン−OH、C1-3−アルキレン−O−C1-4−アルキル、1〜5個のFにより置換されていてもよいO−C1-4−アルキル、1つの−NH−、−O−または−S−環員を含有し、さらに1つまたは2つの=N−環員を含有してもよい5員のヘテロアリール、および1つまたは2つの=N−環員を含有する6員のヘテロアリール
からなるR3−G1群から選択され、
前記5員および6員のヘテロアリールは、1個または2個の炭素原子において、F、Cl、CH3、CF3、CN、OHおよび/またはO−CH3により互いに独立して置換されていてもよく、
これらの環内に存在するN−H基は、N−C1-3−アルキルにより置き換えられていてもよく、
本明細書のこれ以前に言及されているいかなる定義においても、および特に指定しない場合、いずれのアルキル基または部分基は、直鎖であってもよく、または分岐であってもよい)
アイソフォーム互変異性体立体異性体代謝産物プロドラッグ溶媒和物水和物、共結晶およびそれらの塩、特に、薬学的に許容される共結晶およびその塩、またはそれらの組合せ物に関する。

0007

第2の態様では、本発明は、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている1つもしくは複数の式(I)の化合物、および/またはそれらの互変異性体もしくは薬学的に許容されるその塩を含み、1種もしくは複数の不活性担体および/または希釈剤一緒に含んでもよい医薬組成物に関する。
第3の態様では、本発明は、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている1つもしくは複数の式(I)の化合物、および/またはそれらの互変異性体もしくは薬学的に許容されるその塩、ならびに1種または複数の追加の治療剤を含み、1種もしくは複数の不活性担体および/または希釈剤を一緒に含んでもよい医薬組成物に関する。

0008

第4の態様では、本発明は、医薬として使用するための、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている式(I)の化合物、および/もしくはその互変異性体または薬学的に許容されるその塩に関する。
第5の態様では、本発明は、それを必要とする患者において、血漿カリクレインの阻害により影響を受け得る疾患または状態を処置するための方法であって、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている1つまたは複数の式(I)の化合物、および/またはそれらの互変異性体もしくは薬学的に許容されるその塩が患者に投与されることを特徴とする、方法に関する。
同様に、本発明は、血漿カリクレインの阻害によって影響を受け得る疾患または状態を処置するための医薬の製造における、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている1つまたは複数の式(I)の化合物の使用に関する。
同様に、本発明は、それを必要とする患者において、血漿カリクレインの阻害により影響を受け得る疾患または状態を処置する方法において使用するための、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている式(I)の化合物、および/もしくはその互変異性体または薬学的に許容されるその塩に関する。

0009

第6の態様では、本発明は、式(I)の化合物の合成に役立つ中間体である、



(式中、PGは、H、または例えば、
1〜5個のFまたはClにより置換されていてもよく、Si(CH3)3、CN、SO2−C1-4−アルキルまたはSO2−フェニルから選択される1つの基により置換されていてもよい、C1-4−アルキル、
1つまたは2つのOCH3により置換されていてもよいCH2−フェニル、
CH2−N(C1-4−アルキル)2、CH2−ピロリジン−1−イル、CH2−NHCO−C1-4−アルキル、CH2−N(CH3)CO−C1-4−アルキル、
1つのCH3、1つのSi(CH3)3または3個のClにより置換されていてもよいCH2−O−C1-4−アルキル、
1つまたは2つのOCH3により置換されていてもよいCH2−O−CH2−フェニル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、
1〜5個のFまたはClにより置換されていてもよいCO−C1-4−アルキル、
CO−N(C1-4−アルキル)2、CO−ピロリジン−1−イル、
1つのSi(CH3)3または3個のClにより置換されていてもよいCO−O−C1-4−アルキル、
1つまたは2つのOCH3により置換されていてもよいCO−O−CH2−フェニル、
1〜5個のFまたは1〜3個のClにより置換されていてもよいSO2(C1-4−アルキル)、
Cl、Br、CH3、NO2およびOC1-4−アルキルから選択される1つまたは2つの基により置換されていてもよいSO2−フェニル、
SO2−N(C1-4−アルキル)2、SO2−ピロリジン−1−イル、
Cl、Br、NO2、OC1-4−アルキルおよびSO2C1-4−アルキルから選択される、1つまたは2つの基により置換されているフェニル
からなる群から選択される保護基である)
またはその塩からなる群から選択される、1つまたは複数の化合物に関する。
本発明のさらなる態様は、上述および下記の説明ならびに例から直接、当業者に明白となろう。

0010

一般的な用語および定義
本明細書において具体的に定義されていない用語は、本開示および文脈に照らし合わせて、当業者によりこれらの用語に与えられていると思われる意味が与えられるべきである。しかし、本明細書に使用されている場合、反対に述べられていない限り、以下の用語が示された意味を有しており、以下の慣習に従う。

0011

用語「本発明による化合物」、「式(I)の化合物」、「本発明の化合物」などは、本発明による式(I)の化合物(それらの互変異性体、立体異性体およびそれらの混合物、ならびにそれらの塩、特に、薬学的に許容されるそれらの塩、ならびにこのような化合物の溶媒和物、水和物および共結晶、特に薬学的に許容されるそれらの共結晶、このような互変異性体、立体異性体およびそれらの塩の溶媒和物、水和物および共結晶を含む)を意味する。
同様に、特に具体的に示さない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲全体を通じて、所与化学式または名称は、互変異性体、ならびにすべての立体異性体、光学異性体および幾何異性体(例えば、鏡像異性体ジアステレオマー、E/Z異性体など)、ならびにそれらのラセミ体、ならびに個々の鏡像異性体の異なる割合の混合物、ジアステレオマー混合物、またはこのような異性体および鏡像異性体が存在する上述の形態のいずれかの混合物、ならびに塩(薬学的に許容されるその塩を含む)、ならびにその溶媒和物(例えば、遊離化合物の溶媒和物、または本化合物の塩の溶媒和物を含めた、水和物など)、およびその共結晶(薬学的に許容されるその共結晶、および遊離化合物またはその塩の共結晶を含む)を包含するものとする。

0012

「薬学的に許容される」という語句は、過度の毒性、刺激アレルギー反応もしくは他の問題、または合併症なしに、ヒトおよび動物の組織に接触して使用するのに好適な、妥当医療的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合う化合物、物質組成物および/または剤形を指すために本明細書において使用される。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、その酸塩または塩基塩を作製することにより親化合物が修飾された、開示化合物誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例には、以下に限定されないが、アミンなどの塩基性残基無機酸塩または有機酸塩カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが含まれる。
例えば、このような塩には、ベンゼンスルホン酸安息香酸クエン酸エタンスルホン酸フマル酸ゲンチジン酸臭化水素酸塩酸マレイン酸リンゴ酸マロン酸マンデル酸メタンスルホン酸、4−メチル−ベンゼンスルホン酸、リン酸サリチル酸コハク酸硫酸および酒石酸由来の塩が含まれる。
本発明の薬学的に許容される塩は、従来的な化学方法により、塩基性部分または酸性部分を含有する、親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基の形態のものを、水中、あるいはエーテル、EtOAc、EtOH、イソプロパノールもしくはACN、またはそれらの混合物のような有機希釈剤中で、十分な量の適切な塩基または酸と反応させることにより調製することができる。
例えば、本発明の化合物を精製または単離するために有用な上記のもの以外の酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)もまた、本発明の一部を構成する。

0013

本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される共結晶」とは、開示化合物の誘導体であって、1つまたは複数のコフォーマーの助けによりその共結晶を作製することにより、その親化合物が修飾されている、誘導体を指す。同様に、開示化合物の溶媒和物および/または塩の共結晶も包含される。
例えば、コフォーマーは、カルボン酸などの水素結合供与体、ならびにアミンおよびアミドなどの水素結合受容体を含む。

0014

本発明の薬学的に許容される共結晶は、固体状態磨砕溶融押出成形および溶融結晶化などの固体ベースとする方法、ならびに溶液結晶化溶媒蒸発法、冷却結晶化、超臨界流体支援結晶化、超音波支援結晶化、噴霧乾燥液体支援磨砕および遊星ミル粉砕などの液体をベースとする方法を含めた、当業者に公知の方法によって親化合物から合成することができる。
本発明の化合物が、化学名の形態で、および何らかの相違がある場合の式として図示されている場合では、式が優先するものとする。

0015

以下に定義されている基、ラジカルまたは部分において、炭素原子の数は、多くの場合、その基の前に明記されており、例えば、C1-6−アルキルとは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはラジカルを意味する。
アスタリスクは、定義されているコア分子に結合している結合を示すために、部分式中に使用され得る。部分式中の、1つより多い結合点、すなわち1つより多いアスタリスクがある場合、これらのアスタリスクは、コア分子の結合部分の括弧内の表示によってさらに明記され得る。
置換基の原子の命名は、コア、または置換基が結合している基に最も近い原子から開始する。
例えば、用語「3−カルボキシプロピル基」は、以下の置換基を表す:



(式中、カルボキシル基は、プロピル基の第3の炭素原子に結合している)。用語「1−メチルプロピル−」、「2,2−ジメチルプロピル−」または「シクロプロピルメチル−」基は、以下の基を表す:

0016

0017

用語「置換されている」とは、本明細書で使用する場合、指定されている原子、ラジカルまたは部分上の任意の1個または複数の水素が、示されている群から選択したものにより置き換えられていることを意味するが、但し、原子の通常の価数を超過しないこと、およびこの置換により、許容される程度に安定な化合物をもたらすことを条件とする。
基の定義において、用語「X、YおよびZ基はそれぞれ、置換されていてもよい」などは、X基のそれぞれ、Y基のそれぞれ、およびZ基のそれぞれが、それぞれが個別の基として、またはそれぞれが組み合わされた基の一部として、定義されている通りに置換されていてもよいことを意味する。例えば、定義「Rexは、H、C1-3−アルキル、C3-6−シクロアルキル、C3-6−シクロアルキル−C1-3−アルキルまたはC1-3−アルキル−O−を意味し、アルキル基はそれぞれ、1つまたは複数のLexにより置換されていてもよい」などは、用語アルキルを含む上記の基の各々において、すなわちC1-3−アルキル、C3-6−シクロアルキル−C1-3−アルキルおよびC1-3−アルキル−O−基の各々において、アルキル部分は、定義されているLexにより置換されていてもよいことを意味する。

0018

用語「C1-n−アルキル」(nは、1〜nの整数である)は、単独で、または別のラジカルとの組合せのどちらかで、1〜n個のC原子を有する、飽和の分岐または線状の非環式炭化水素ラジカルを意味する。例えば、用語C1-5−アルキルは、ラジカルH3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH3)2-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH3)2-、H3C-C(CH3)2-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-およびH3C-CH2-CH(CH2CH3)-を包含する。
用語「C1-n−アルキレン」(nは、2、3、4、5または6、好ましくは4または6から選択される整数である)は、単独で、または別のラジカルとの組合せのどちらかで、1〜n個の炭素原子を含有する、二価の直鎖または分岐鎖非環式アルキルラジカルを意味する。例えば、用語C1-4−アルキレンには、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-、-C(CH3)2-、-CH(CH2CH3)-、-CH(CH3)-CH2-、-CH2-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH(CH3)-、-CH(CH3)-CH2-CH2-、-CH2-CH(CH3)-CH2-、-CH2-C(CH3)2-、-C(CH3)2-CH2-、-CH(CH3)-CH(CH3)-、-CH2-CH(CH2CH3)-、-CH(CH2CH3)-CH2-、-CH(CH2CH2CH3)-、-CH(CH(CH3))2-および-C(CH3)(CH2CH3)-が含まれる。

0019

用語「C3-n−シクロアルキル」(nは、3〜nの整数である)は、単独で、または別のラジカルとの組合せのどちらかで、3〜n個のC原子を有する、飽和の非分岐環式炭化水素ラジカルを意味する。環式基は、単環式二環式三環式またはスピロ環式であってもよく、最も好ましくは単環式である。このようなシクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルシクロヘプチルシクロオクチル、シクロノニル、シクロドデシルビシクロ[3.2.1.]オクチル、スピロ[4.5]デシルノルニル、ノルボニル、ノルカリル、アダマンチルなどが含まれる。

0020

用語「アリール」は、本明細書で使用する場合、単独で、または別のラジカルとの組合せのどちらかで、6個の炭素原子を含有する炭素環式芳香族単環式基であって、芳香族、飽和または不飽和であってもよい、第2の5員または6員の炭素環式基にさらに縮合していてもよい、炭素環式芳香族単環式基を意味する。用語「アリール」には、以下に限定されないが、フェニル、インダニル、インデニルナフチルアントラセニル、フェナントレニルテトラヒドロナフチルおよびジヒドロナフチルが含まれる。

0021

用語「ヘテロアリール」は、N、OまたはS(O)r(r=0、1または2である)から選択される1個または複数のヘテロ原子を含有し、5〜14個の環原子からなる単環式または多環式芳香族環系であって、ヘテロ原子の少なくとも1個が、芳香族環の一部である、単環式または多環式芳香族環系を意味する。用語「ヘテロアリール」は、可能な異性体形態をすべて含むことが意図されている。

0022

したがって、用語「ヘテロアリール」には、以下の例示的な構造が含まれ、それらは、適切な価数が維持されている限り、各形態が任意の原子への共有結合を介して結合していてもよいので、ラジカルとして図示されていない:

0023

用語「二環式環系」は、スピロ環式環系、縮合環系および架橋環系を含めた、2つが一緒になった環式部分構造からなる基を意味する。
用語ハロゲンとは、一般に、フッ素塩素臭素およびヨウ素を意味する。
上で示されている用語の多くは、式または基の定義において繰り返し使用されてもよく、各場合において、上で示されている意味の1つを互いに独立して有する。

0024

用語「処置」および「処置すること」は、本明細書で使用する場合、治療的、すなわち治癒的および/または緩和的処置、ならびに予防的処置、すなわち防止処置の両方を包含する。
治療的処置とは、発現形態、急性形態または慢性形態の前記状態の1つまたは複数を既に発症している患者の処置を指す。治療的処置は、特定の徴候の症状を軽減するための対症処置、または徴候の状態を逆行させるもしくは部分的に逆行させる、または疾患の進行を停止させるもしくは減速させるための原因処置とすることができる。
予防的処置(「予防」)とは、前記状態の1つまたは複数を発症するリスクのある患者を、前記リスクを低減するために、疾患の臨床的発生前に処置することを指す。
用語「処置」および「処置すること」は、症状もしくは合併症の発生を予防または遅延させるため、および疾患、状態もしくは障害の発症を予防または遅延させるため、および/あるいは疾患、状態もしくは障害をなくすまたは制御するため、ならびに疾患、状態もしくは障害に関連する症状または合併症を軽減するために、1つまたは複数の活性化合物を投与することを含む。
本発明が、処置を必要とする患者を指す場合、本発明は、哺乳動物、特にヒトにおける処置に主に関する。
用語「治療有効量」は、(i)特定の疾患もしくは状態を処置するまたは予防する、(ii)特定の疾患もしくは状態の1つまたは複数の症状を弱化する、改善するまたはなくす、あるいは(iii)本明細書に記載されている特定の疾患もしくは状態の1つまたは複数の症状の発生を予防するまたは遅延させる、本発明の化合物の量を意味する。

0025

本発明は、有効な血漿カリクレイン(PKK)阻害剤である新規の複素芳香族カルボキサミド誘導体であって、以下に限定されないが、糖尿病合併症、眼疾患および浮腫関連疾患、特に、糖尿病性黄斑浮腫、加齢黄斑変性、脈絡膜血管新生および遺伝性血管浮腫を含む、PKK阻害により影響を受け得る、疾患および/または状態の処置のための医薬として、上記のカルボキサミド誘導体を使用するのに好適な薬理学的特性および薬物動態特性を有するカルボキサミド誘導体を開示している。
本発明の化合物は、有効性の増大、高い代謝および/または化学安定性、高い選択性、安全性および耐容性、溶解度の増大、透過性の増大、所望の血漿タンパク質結合、生体利用率の向上、薬物動態プロファイルの改善、および安定な塩を形成する可能性などのいくつかの利点を実現することができる。

0026

本発明の化合物
本発明の第1の態様では、式(I)の化合物



(式中、Y、RおよびXは、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている)は、PKKの強力な阻害剤であり、選択性、安全性および耐容性、代謝および/または化学安定性、薬物動態特徴および物理化学的特徴、溶解度、透過性、血漿タンパク質結合、生体利用率、ならびに/または安定な塩を形成する可能性の点で、好都合な特性を示すことが見いだされている。特に、上記の化合物は、ヒトPKKに対する高い有効性と、例えば、ヒト組織カリクレイン1(TK1)などの様々なセリンプロテアーゼに対する顕著な選択性との有利な組合せを提供する。同様に、変異原性の可能性が低いこと、およびシトクロム(cytochrom)P450 3A4が機構に基づいて阻害する傾向が低いことなどの有利な安全性特徴が示される。
したがって、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩は、PKK阻害により影響を受け得る疾患および/または状態の処置に有用となることが予期される。
したがって、本発明の一態様によれは、式(I)の化合物



(式中、Y、RおよびXは、本明細書のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている)、ならびにそのアイソフォーム、互変異性体、立体異性体、代謝産物、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶および塩、特に、薬学的に許容されるその共結晶および塩が提供される。

0027

特に明記しない限り、基、残基および置換基、特に、Y、R、X、R1、R2およびR3は、本明細書のこれ以前および本明細書のこれ以降に定義されている。置換基Y、R、X、R1、R2およびR3、ならびに式(I)の化合物の立体化学のいくつかの好ましい意味は、本発明の実施形態として、本明細書のこれ以降に示されている。これらの定義および実施形態のいずれも、互いに組み合わされてもよい。

0028

Y:
一実施形態によれば、Yは、



からなるY−G1群から選択され、
これらはそれぞれ、1つまたは2つの独立した置換基R1により置換されている。

0029

別の実施形態によれば、Yは、



からなるY−G2群から選択され、
これらはそれぞれ、1つまたは2つの独立した置換基R1により置換されており、
アスタリスク付きの結合は、式(I)のRおよびCH2基の結合部位を示す。

0030

別の実施形態によれば、Yは、



からなるY−G3群から選択され、
これらはそれぞれ、1つの置換基R1により置換されており、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のRおよびCH2基の結合部位を示す。

0031

別の実施形態によれば、Yは、



からなるY−G4群から選択され、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のRおよびCH2基の結合部位を示す。

0032

別の実施形態によれば、Yは、



からなるY−G5群から選択され、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のRおよびCH2基の結合部位を示す。

0033

別の実施形態によれば、Yは、



からなるY−G6群から選択され、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のRおよびCH2基の結合部位を示す。
R:
一実施形態によれば、Rは、
環員として1〜3個のN原子を含有し、C=O、O、S、S=OおよびSO2からなる群から選択される1〜2環員を含有してもよい、4〜7員の飽和単環式環系および6〜12員の飽和二環式環系
からなるR−G1群から選択されるが、
但し、環系は、環員間にいかなるヘテロ原子−ヘテロ原子結合も含有しておらず、
前記環系は、N原子を介して、式(I)中のYに結合しており、
前記環系は、1〜6個のFによって置換されていてもよく、1つの置換基R2により置換されていてもよく、1つまたは2つのCH3基により置換されていてもよいことを条件とする。

0034

別の実施形態によれば、Rは、
環員として1〜2個のN原子を含有し、C=OおよびOからなる群から選択される1つの環員を含有してもよい、4〜7員の飽和単環式環系および6〜12員の飽和二環式環系
からなるR−G2群から選択され、
但し、環系は、環員間にいかなるヘテロ原子−ヘテロ原子結合も含有しておらず、
前記環系は、N原子を介して、式(I)中のYに結合しており、
前記環系は、1〜4個のFにより置換されていてもよいこと、1つの置換基R2により置換されていてもよいこと、および1つまたは2つのCH3基により置換されていてもよいことを条件とする。

0035

別の実施形態によれば、Rは、アゼチジン-1-イル、5-アザ-スピロ[2.3]ヘキサン-5-イル、2-アザ-スピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、6-オキサ-2-アザ-スピロ[3.4]オクタン-2-イル、5-オキサ-2-アザ-スピロ[3.4]オクタン-2-イル、7-オキサ-2-アザ-スピロ[3.5]ノナン-2-イル、ピロリジン-1-イル、2-アザ-ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-2-イル、3-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、5-アザ-スピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、6-アザ-スピロ[3.4]オクタン-6-イル、3-アザ-ビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、2-オキサ-7-アザ-スピロ[4.4]ノナン-7-イル、オクタヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール-1-イル、ヘキサヒドロ-ピロロ[3,4-c]ピロール-1-オン-5-イル、ヘキサヒドロ-フロ[3,4-c]ピロール-5-イル、ピペリジン-1-イル、3-アザ-ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-イル、3-アザ-ビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル、6-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル、3-オキサ-7-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-7-イル、アゼパン-1-イル、および4-アザ-ビシクロ[5.1.0]オクタン-4-イルからなるR−G3群から選択され、
これらはそれぞれ、1個または2個のFにより置換されていてもよく、1つの置換基R2により置換されていてもよく、1つまたは2つのCH3基により置換されていてもよい。

0036

別の実施形態によれば、Rは、アゼチジン-1-イル、5-アザ-スピロ[2.3]ヘキサン-5-イル、2-アザ-スピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、ピロリジン-1-イル、3-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、5-アザ-スピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、6-アザ-スピロ[3.4]オクタン-6-イル、3-アザ-ビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、オクタヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール-1-イル、3-アザ-ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-イル、3-アザ-ビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル、およびアゼパン-1-イルからなるR−G4群から選択され、
これらはそれぞれ、1個または2個のFにより置換されていてもよく、1つの置換基R2により置換されていてもよく、1つまたは2つのCH3基により置換されていてもよい。

0037

別の実施形態によれば、Rは、6-オキサ-2-アザ-スピロ[3.4]オクタン-2-イル、5-オキサ-2-アザ-スピロ[3.4]オクタン-2-イル、7-オキサ-2-アザ-スピロ[3.5]ノナン-2-イル、2-アザ-ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-2-イル、2-オキサ-7-アザ-スピロ[4.4]ノナン-7-イル、ヘキサヒドロ-ピロロ[3,4-c]ピロール-1-オン-5-イル、ヘキサヒドロ-フロ[3,4-c]ピロール-5-イル、ピペリジン-1-イル、6-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル、3-オキサ-7-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-7-イル、および4-アザ-ビシクロ[5.1.0]オクタン-4-イルからなるR−G5群から選択され、
これらはそれぞれ、1個または2個のFにより置換されていてもよく、1つの置換基R2により置換されていてもよく、1つまたは2つのCH3基により置換されていてもよい。

0038

別の実施形態によれば、Rは、



からなるR−G6群から選択される。

0039

別の実施形態によれば、Rは、



からなるR−G7群から選択される。

0040

別の実施形態によれば、Rは、



からなるR−G8群から選択される。

0041

別の実施形態によれば、Rは、
ピペリジン−1−イル、



からなるR−G9群から選択される。

0042

別の実施形態によれば、Rは、
アゼパン−1−イル、および



からなるR−G10群から選択される。

0043

X:
一実施形態によれば、Xは、
1〜4個のN原子を含有する、または1個のO原子もしくはS原子を含有する、または1〜3個のN原子および1個のO原子もしくはS原子を含有する5員のヘテロアリール、ならびに6員環に縮合している5員環からなり、1〜5個のN原子を含有する9員のヘテロアリール
からなるX−G1群から選択され、
前記ヘテロアリールは、5員環のC原子を介して、式(I)中のカルボニル基に、および5員環の非隣接C原子またはN原子を介して、式(I)中のCH2基に結合しており、
前記ヘテロアリールは、1つの置換基R3により置換されていてもよい。

0044

別の実施形態によれば、Xは、
1〜4個のN原子または1個のS原子を含有する5員のヘテロアリール、ならびに6員環に縮合している5員環からなり、1〜3個のN原子を含有する9員のヘテロアリール
からなるX−G2群から選択され、
前記ヘテロアリールは、5員環のC原子を介して、式(I)中のカルボニル基に、および5員環の非隣接C原子またはN原子を介して、式(I)中のCH2基に結合しており、
前記ヘテロアリールは、1つの置換基R3により置換されていてもよい。
別の実施形態によれば、Xは、



からなるX−G3群から選択され、
これらはそれぞれ、1つの置換基R3により置換されていてもよく、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のC=OおよびCH2基の結合部位を示す。

0045

別の実施形態によれば、Xは、



からなるX−G4群から選択され、
これらはそれぞれ、1つの置換基R3により置換されていてもよく、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のC=OおよびCH2基の結合部位を示す。

0046

別の実施形態によれば、Xは、



からなるX−G5群から選択され、
これらはそれぞれ、1つの置換基R3により置換されていてもよく、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のC=OおよびCH2基の結合部位を示す。

0047

別の実施形態によれば、Xは、



からなるX−G6群から選択され、
これらはそれぞれ、1つの置換基R3により置換されていてもよく、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のC=OおよびCH2基の結合部位を示す。

0048

別の実施形態によれば、Xは、



からなるX−G7群から選択され、
これらはそれぞれ、1つの置換基R3により置換されていてもよく、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のC=OおよびCH2基の結合部位を示す。

0049

別の実施形態によれば、Xは、



からなるX−G8群から選択され、
これらはそれぞれ、1つの置換基R3により置換されていてもよく、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のC=OおよびCH2基の結合部位を示す。

0050

別の実施形態によれば、Xは、



からなるX−G9群から選択され、
アスタリスクおよび括弧付きの結合は、式(I)のC=OおよびCH2基の結合部位を示す。

0051

R1:
一実施形態によれば、R1は、
H、1〜5個のFにより置換されていてもよいC1-4−アルキル、1個のFまたは1つのCH3基により置換されていてもよいシクロプロピル、CN、OH、1〜5個のFにより置換されていてもよいO−C1-3−アルキル、CN、OHおよびO−CH3からなる群から選択される1つの置換基により置換されていてもよいC1-3−アルキル
からなるR1−G1群から選択される。

0052

別の実施形態によれば、R1は、H、CH3、CN、CF3およびCH2CH3からなるR1−G2群から選択される。
別の実施形態によれば、R1は、H、CH3およびCNからなるR1−G3群から選択される。
別の実施形態によれば、R1は、HからなるR1−G4群から選択される。
別の実施形態によれば、R1は、CH3からなるR1−G5群から選択される。
別の実施形態によれば、R1は、CNからなるR1−G6群から選択される。

0053

R2:
一実施形態によれば、R2は、
Cl、1〜5個のFにより置換されていてもよいC1-4−アルキル、C3-4−シクロアルキル、C1-3−アルキレン−OH、C1-3−アルキレン−O−C1-4−アルキル、CN、COOH、NH2、NH−C1-3−アルキル、N(C1-3−アルキル)2、OH、1〜5個のFにより置換されていてもよいO−C1-4−アルキル、フェニル、1つの−NH−、−N<、−O−または−S−環員を含有し、さらに1つまたは2つの=N−環員を含有してもよい5員のヘテロアリール、ならびに1つまたは2つの=N−環員を含有する6員のヘテロアリール
からなるR2−G1群から選択され、
前記フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールは、1個または2個の炭素原子において、F、Cl、CH3、CF3、CN、OHおよび/またはO−CH3により互いに独立して置換されていてもよく、
これらの環内に存在するN−H基は、N−C1-3−アルキルにより置き換えられていてもよい。

0054

別の実施形態によれば、R2は、
Cl、1〜3個のFにより置換されていてもよいC1-3−アルキル、CH2OH、CH2OCH3、CN、OH、O−CH3、フェニル、1つの−N<環員を含有し、さらに1つまたは2つの=N−環員を含有してもよい5員のヘテロアリール、および1つまたは2つの=N−環員を含有する6員のヘテロアリール
からなるR2−G2群から選択され、
前記フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールは、1個の炭素原子において、FまたはCH3により置換されていてもよい。
別の実施形態によれば、R2は、
CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、CH2F、CHF2、CF3、CH2OH、CN、OH、O−CH3、4−フルオロフェニルおよびピラゾリル
からなるR2−G3群から選択される。

0055

別の実施形態によれば、R2は、
CF3、CH2OH、CN、OHおよびO−CH3
からなるR2−G4群から選択される。
別の実施形態によれば、R2は、
CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、CH2F、CHF2、CF3およびCN
からなるR2−G5群から選択される。
別の実施形態によれば、R2は、
CH2OHおよびOH
からなるR2−G6群から選択される。
別の実施形態によれば、R2は、
O−CH3、4−フルオロフェニルおよびピラゾリル
からなるR2−G7群から選択される。

0056

R3:
一実施形態によれば、R3は、
F、Cl、Br、CN、COOH、1〜5個のFにより置換されていてもよいC1-4−アルキル、C3-5−シクロアルキル、C1-3−アルキレン−OH、C1-3−アルキレン−O−C1-4−アルキル、1〜5個のFにより置換されていてもよいO−C1-4−アルキル、1つの−NH−、−O−または−S−環員を含有し、さらに1つまたは2つの=N−環員を含有してもよい5員のヘテロアリール、および1つまたは2つの=N−環員を含有する6員のヘテロアリール
からなるR3−G1群から選択され、
前記5員および6員のヘテロアリールは、1個または2個の炭素原子において、F、Cl、CH3、CF3、CN、OHおよび/またはO−CH3により互いに独立して置換されていてもよく、
これらの環内に存在するN−H基は、N−C1-3−アルキルにより置き換えられていてもよい。

0057

別の実施形態によれば、R3は、
F、Cl、CN、COOH、1〜3個のFにより置換されていてもよいC1-2−アルキル、C3-4−シクロアルキル、C1-3−アルキレン−OH、C1-3−アルキレン−O−CH3、1〜3個のFにより置換されていてもよいO−C1-2−アルキル、および1つの−NH−、−N(CH3)−、−O−または−S−環員を含有し、さらに1つまたは2つの=N−環員を含んでもよい5員のヘテロアリール
からなるR3−G2群から選択され、
前記5員のヘテロアリールは、1個または2個の炭素原子において、F、CH3、CF3、CN、OHおよび/またはO−CH3により、互いに独立して置換されていてもよい。

0058

別の実施形態によれば、R3は、
F、Cl、CN、COOH、1〜3個のFにより置換されていてもよいC1-2−アルキル、C3-4−シクロアルキル、C1-3−アルキレン−OH、C1-3−アルキレン−O−CH3、1〜3個のFにより置換されていてもよいO−CH3、および1つの−NH−または−N(CH3)−環員を含有し、さらに1つまたは2つの=N−環員を含んでもよい5員のヘテロアリール
からなるR3−G3群から選択される。
別の実施形態によれば、R3は、
Cl、CN、COOH、1〜3個のFにより置換されていてもよいCH3、シクロプロピル、C(CH3)2OH、CH2OCH3、OCH3およびN−メチル−ピラゾリル
からなるR3−G4群から選択される。
別の実施形態によれば、R3は、
Cl、CN、CH3、CHF2、CF3およびシクロプロピル
からなるR3−G5群から選択される。
別の実施形態によれば、R3は、
COOHおよびC(CH3)2OH
からなるR3−G6群から選択される。
別の実施形態によれば、R3は、
CH2OCH3、OCH3およびN−メチル−ピラゾリル
からなるR3−G7群から選択される。

0059

立体化学:
一実施形態によれば、式(I)の化合物の立体化学は、式(I.1)



によるものである。

0060

別の実施形態によれば、式(I)の化合物の立体化学は、式(I.2)



によるものである。

0061

さらに好ましい式(I)の化合物の下位の実施形態は、以下の表1中の実施形態(I−a)〜(I−r)として説明され、この場合、上記の置換基の定義が使用される。例えば、列R1および行(I−a)中のエントリー−G1は、実施形態(I−a)において、置換基R1が、R1−G1と表されている定義から選択されることを意味する。同じことが、一般式に組み込まれている他の可変基に同様に該当する。

0062

Y、R、X、R1、R2およびR3の定義に関すると、表1の下位の実施形態(I−a)〜(I−r)に相当するが、化合物の立体化学が式(I.1)による、下位の実施形態(I.1−a)〜(I.1−r)が特に好ましい。

0063

別の好ましい実施形態によれば、本発明の化合物の立体化学は、Yが、Y−G5群から選択される式(I.1)によるものである。
別の好ましい実施形態によれば、本発明の化合物の立体化学は、Yが、Y−G6群から選択される式(I.1)によるものである。
特に好ましい化合物(その互変異性体、その塩、または任意のその溶媒和物、水和物または共結晶を含む)は、例および実験データの項目に記載されているものである。
調製

0064

本発明による化合物およびそれらの中間体は、当業者に公知の合成方法を使用して、および例えば、"Comprehensive Organic Transformations", 2nd Edition, Richard C. Larock, John Wiley & Sons, 2010、および"March's Advanced Organic Chemistry", 7th Edition, Michael B. Smith, John Wiley & Sons, 2013に記載されている方法を使用する有機合成の文献に記載されている合成方法を使用して得ることができる。好ましくは、本化合物は、特に、実験項に記載されている、本明細書のこれ以降に一層完全に説明されている調製方法と同様にして得られる。一部の場合、反応スキームを実施する際に採用される順序は、様々となり得る。当業者に公知であるが、本明細書において詳細に記載されていないこれらの反応の変形も使用されてもよい。本発明による化合物を調製するための一般方法は、以下のスキームを検討すると、当業者に明白となろう。出発化合物は市販されているか、または文献もしくは本明細書において記載されている方法によって調製することができ、または類似もしくは同様の方法で調製することができる。反応を実施する前に、出発化合物中の対応する官能基を、従来的な保護基を使用して保護してもよい。これらの保護基は、当業者に精通されている方法、ならびに例えば"Protecting Groups", 3rd Edition, Philip J. Kocienski, Thieme, 2005および"Protective Groups in Organic Synthesis", 4th Edition, Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene, John Wiley & Sons, 2006において文献に記載されている方法を使用して、反応順序内で好適な段階で、再度、開裂させてもよい。

0065

0066

スキーム1:式(I’)の化合物は、好適な溶媒(例えば、DCM、THF、1,4−ジオキサンDMF、N,N−ジメチルアセトアミドおよび1−メチル−2−ピロリジノン)中、好適なカップリング剤(例えば、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、カルボジイミド試薬など)および塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンピリジンなど)の存在下、式(II)の好適な酸(Li+、Na+、K+などの好適な金属陽イオンを有する遊離酸またはカルボキシレートのどちらかとして)と、好適な式(III)のアミン(遊離アミン、または塩酸塩臭化水素酸塩などの塩のどちらかとして)とを反応させて、アミド結合を形成することにより調製することができる。スキーム1におけるY、RおよびXは、本明細書のこれ以前に定義されている意味を有する。代替的に、カルボン酸は、カルボン酸塩化物(例えば、DCM中でオキサリルクロリドまたは塩化チオニルを使用する)に変換されて、このまま、適切な塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、ピリジンなど)の存在下で、アミン(III)とカップリングされる。アミン(III)が、ピラゾール環(PGは、Hではない)上の保護基と共に使用される場合、この基は、有機化学の文献において報告されている標準的手順を適用することにより、この後に開裂除去される。2−トリメチルシリルエチルオキシメチルおよびtert−ブチルエステルが、DCM、1,4−ジオキサン、イソプロパノールまたはEtOACなどの溶媒中、酸性条件下で、例えば、TFAまたは塩酸を用いて好ましくは開裂される。2−トリメチルシリルエチルオキシメチルもまた、THFなどの適切な溶媒中、フッ化物源(例えば、nBu4NF)を使用することにより除去され得る。ベンジルオキシメチル基は、炭素担持パラジウムなどの遷移金属の存在下で、水素を使用することにより除去することができる。フェニル環上にメトキシなどの電子供与性基を有するベンジルオキシメチル基はまた、酸化的条件下(例えば、硝酸セリウムアンモニウム(CAN)または2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノキノンDDQ)を用いる)、または酸性条件下(例えば、TFAまたは塩酸を用いる)で除去され得る。

0067

0068

スキーム2:Y、RおよびXが、本明細書のこれ以前に定義されている意味を有する式(II)の酸は、R5の性質に応じて、加水分解または水素化分解により、対応するエステル(IV)から好ましくは調製される。エチルエステルまたはメチルエステルなどの低級アルキル基のエステルは、周囲温度または高温で、水および好適な水混和性溶媒(例えば、THF、MeOH、EtOH、1,4−ジオキサンまたはこれらの混合物)の混合物中、NaOH、LiOHまたはKOHなどの水酸化物塩で加水分解することによって好ましくは開裂される。酸は、金属陽イオンとの塩として、または遊離酸としてのどちらかで単離することができる。tert−ブチルエステルは、好適な溶媒(例えば、DCM、1,4−ジオキサン、MeOH、EtOH、THF、水またはこれらの混合物)中、酸(例えば、塩酸またはTFA)により処理することによって好ましくは開裂される。ベンジルエステルは、水素雰囲気下(好ましくは1〜5bar)、好適な溶媒(例えば、EtOH、MeOH、THF、DCMまたはEtOAC)中、好適な触媒(例えば、炭素担持パラジウム)により水素化分解することにより好ましくは開裂される。

0069

0070

スキーム3:化合物(II’)のいくつかは、Mitsunobu反応の条件(例えば、THF、1,4−ジオキサン、トルエンなどの溶媒中、トリフェニルホスフィンまたはトリ−n−ブチルホスフィンを、例えば、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)またはジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート(DBAD)と組み合わせる)を使用する、アルコール(V)とエステル(VI)との反応によって調製することができる。スキーム3中のY、RおよびR3は、本明細書のこれ以前に定義されている意味を有する。アルコール(V)は、複素芳香族環Y上に所望の残基R、または代わりに後でRを導入するための脱離基を有することができる。代替的に、化合物(II’)のいくつかは、適切な溶媒(例えば、ACN)中、高温(20〜120℃)で、ルイス酸またはブレンステッド酸(例えば、4−トルエンスルホン酸)の存在下で、アルコール(V)とエステル(VI)とを反応させることにより得ることができる。

0071

0072

スキーム4:化合物(II’)のいくつかはまた、好適な溶媒(例えば、THF、DMF)中、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウム炭酸セシウム炭酸カリウム)の存在下で、ヘテロアリールメチル位にあるCl、Brまたはメシルオキシメタンスルホニルオキシ)などの脱離基を有する化合物(VII)をエステル(VI)と反応させることにより調製することもできる。スキーム4中のY、RおよびR3は、本明細書のこれ以前に定義されている意味を有する。化合物(VII)は、複素芳香族環Y上に所望の残基R、または代わりに後でRを導入するための脱離基を有することができる。

0073

0074

スキーム5:YおよびRが、本明細書のこれ以前に定義されている意味を有する式(II’)のいくつかのエステルは、DMFまたは別の好適な溶媒中、式(VII)の対応するハロゲン化アルキル臭化物または塩化物)またはスルホン酸エステル(例えば、メシル酸エステル)をアジ化ナトリウムで処理することによって調製されて、式(VIII)の中間体を得ることができ、この中間体は、次に、銅を媒介とする触媒的条件下で、好適なプロピオル酸エステルと反応(例えば、水/tert−ブタノール中、硫酸銅触媒およびアスコルビン酸ナトリウムを用いるプロピオル酸エチルまたはプロピオル酸tert−ブチル)させると、化合物(II’)が得られる。代替的に、アジド(VIII)は、好適な溶媒(例えば、THFまたはDMF)中、DBUなどの好適な塩基の存在下で、ジフェニルホスホリルアジドで処理することによって、式(V)のアルコール(HalはOHである)から得ることができる。化合物(VII)は、複素芳香族環Y上に所望の残基R、または代わりに後でRを導入するための脱離基を有することができる。

0075

0076

スキーム6:Y、RおよびR3が、本明細書のこれ以前に定義されている意味を有する、式(II’’’)のエステルは、文献に報告されている方法を使用して、ヒドロキシル基を水素で置き換えることにより、アルコール(XII)から調製することができる(例えば、DCM中、トリエチルシランおよびTFAもしくは三フッ化ホウ素エーテル錯体を用いる、またはTHFもしくはEtOHなどの溶媒中、炭素担持パラジウムの存在下で水素を用いる)。アルコール(XII)は、ハロゲン化マグネシウム(XI)をアルデヒド(IX)に添加することにより調製することができ、次に、このアルデヒド(IX)は、低温から周囲温度で、不活性溶媒(例えば、THFまたはジエチルエーテル)中で、酸化(例えば、Dess−Martin酸化またはSwern酸化)により、その対応するアルコールから得ることができる。ハロゲン化マグネシウム(XI)は、THF中、低温で、塩化イソプロピルマグネシウム塩化リチウムと組み合わせてもよい)を使用して、(X)の対応する臭化物またはヨウ化物からハロゲン金属交換反応後に得ることができる。代替的に、マグネシウム金属は、炭素ハロゲン結合に挿入されて、ハロゲン化マグネシウム(XI)を与える。化合物(IX)および(XII)は、複素芳香族環Y上に所望の残基R、または代わりに後でRを導入するための脱離基を有することができる。

0077

0078

スキーム7:Y、RおよびR3が、本明細書のこれ以前に定義されている意味を有する、式(II’’’’)の化合物は、ハロゲン化マグネシウム異性体(XI’)を使用して、スキーム6に図示されている化合物と同様の方法で調製することができる。

0079

スキーム8:式(XV)の中間体は、複素芳香族環上の求核置換反応、または遷移金属触媒カップリング反応のどちらかにより、複素芳香族化合物(XIII)およびアミン(XIV)から調製することができる。スキーム8中のXおよびRは、本明細書のこれ以前に定義されている意味を有する。(XIII)中の複素芳香族環上の脱離基の、化合物(XIV)中のNによる求核置換は、周囲温度または高温で、好適な溶媒(例えば、THF、1,4−ジオキサン、DMF、DMSO)中、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン)の存在下で行うことができる。遷移金属を触媒とするカップリング反応は、塩基の存在下、および適切な溶媒中で、好適なパラジウムもしくは銅塩、またはそれらの錯体(追加の配位子と組み合わせてもよい)を使用し、Ullmannカップリング反応またはBuchwald/Hartwigカップリング反応と称される、有機化学の文献に報告されている手順と同様に好ましくは行われる。

0080

0081

スキーム9:式(III.1)および(III’.1)の鏡像異性体として純粋なアミンは、スキーム9に図示されている通り、それぞれ、ケトン(XVI)および(XVI’)から調製することができる。式(XVI)のケトンは、有機化学の文献(例えば、J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 7562-3; Org. Lett. 2010, 12, 1756-9; Org. Proc. Res. Dev. 2006, 10, 949-958; Tetrahedron: Asymmetry 2003, 14, 2659-2681; Tetrahedron Lett. 2014, 55, 3635-40;およびこれらに引用されている参照文献)に報告されている様々な条件下でエナンチオ選択的還元されて、式(XVII)または(XVII’)の鏡像異性体として純粋なまたは鏡像異性体に富むアルコール(図示せず)が得られ、この化合物は、ケトン(XVI’)から誘導される。次に、このアルコールは、Mitsunobu反応またはMitsunobu型反応(好適な溶媒(例えば、THF、1,4−ジオキサン、EtOAC、ベンゼン、トルエンなど)中、例えば、トリフェニルホスフィンまたはトリ−n−ブチルホスフィンを、ジメチルアゾジカルボキシレート、DEAD、DIAD、ジ−(4−クロロベンジル)アゾジカルボキシレート、ジベンジルアゾジカルボキシレート、DBAD、アゾジカルボン酸ビス−(ジメチルアミド)、アゾジカルボン酸ジピペリジドまたはアゾジカルボン酸ジモルホリドと組み合わせて使用する)で、フタルイミドまたは(tert−Bu−OCO)2Nなどの分子を含有する、十分に酸性であるN−Hと反応させて、立体中心立体配置反転したN−残基の導入をもたらすことができる(→(XVIII))。代替的に、ホスホリルアジド(例えば、ジフェニルホスホリルアジド)は、隣接する炭素原子の立体配置の反転下で、(XVII)中のOHをアジドで置き換えるために使用することができる。アミノ基は、好適な溶媒(例えば、EtOH、MeOH、ACN、THF、ジオキサン、DMSO、N,N−ジメチルアセトアミド、水またはこれらの混合物)中、必要な場合、加熱しながら、例えば、ヒドラジンヒドロキシルアミンメチルアミンn−ブチルアミンまたはエタノールアミンで処理することによって、フタルイミド基から遊離させて、式(III.1)の中間体を得ることができる。tert−Bu−O−COは、酸性条件下(例えば、TFAまたは塩酸を使用する)で好ましくは除去されて、アミン(III.1)が得られる。アジドは、遷移金属(例えば、炭素担持Pd、Raney−Ni、PtO2など)またはホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン)の存在下、例えば水素によりアミン(III.1)へと還元することができる。ラセミ体(III)は、水素化ホウ素ナトリウムなどのアキラル還元剤により、および上記のさらなる経路に従い、化合物(XVI)を還元すると得られる。

0082

代替的に、化合物(III.1)は、周囲温度または高温で、溶媒(例えば、THF、DCM、トルエンまたは無溶媒)中、チタンアルコレート(例えば、Ti(OEt)4またはTi(OiPr)4)の存在下で、鏡像体として純粋なtert−ブタンスルフィンアミドを使用する3工程合成順序により、ケトン(XVI)から得られて、鏡像体として純粋な対応するtert−ブチルスルフィニル化イミンが生成し、このイミンを、適切な溶媒(例えば、使用する水素化物源に応じて、THF、トルエン、MeOHなど)中、水素化物(例えば、水素化ホウ素リチウムまたは水素化ホウ素ナトリウム、L−selectride、水素化ジイソブチルアルミニウムなど)を使用し、ジアステレオ選択的に還元して対応するtert−ブチルスルフィニル化アミンにすることができる。tert−ブチルスルフィニル基は、周囲温度または高温で、好適な溶媒(例えば、トルエン、DCM、ジオキサン、アルコール、水など)中、酸(例えば、TFAまたは塩酸)を使用して、開裂除去することができる。

0083

PG=保護基、例えば、
1〜5個のFまたはClにより置換されていてもよく、Si(CH3)3、CN、SO2−C1-4−アルキルまたはSO2−フェニルから選択される1つの基により置換されていてもよい、C1-4−アルキル、
1つまたは2つのOCH3により置換されていてもよいCH2−フェニル、
CH2−N(C1-4−アルキル)2、CH2−ピロリジン−1−イル、CH2−NHCO−C1-4−アルキル、CH2−N(CH3)CO−C1-4−アルキル、
1つのCH3、1つのSi(CH3)3または3個のClにより置換されていてもよいCH2−O−C1-4−アルキル、
1つまたは2つのOCH3により置換されていてもよいCH2−O−CH2−フェニル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、
1〜5個のFまたはClにより置換されていてもよいCO−C1-4−アルキル、
CO−N(C1-4−アルキル)2、CO−ピロリジン−1−イル、
1つのSi(CH3)3または3個のClにより置換されていてもよいCO−O−C1-4−アルキル、
1つまたは2つのOCH3により置換されていてもよいCO−O−CH2−フェニル、
1〜5個のFまたは1〜3個のClにより置換されていてもよいSO2(C1-4−アルキル)、
Cl、Br、CH3、NO2およびOC1-4−アルキルから選択される1つまたは2つの基により置換されていてもよいSO2−フェニル、
SO2−N(C1-4−アルキル)2、SO2−ピロリジン−1−イル、
Cl、Br、NO2、OC1-4−アルキルおよびSO2C1-4−アルキルから選択される、1つまたは2つの基により置換されているフェニルであり、
前記保護基の各々において、C1-4−アルキルはそれぞれ、互いに独立しており、例えば、メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチルからなる群から選択される。

0084

スキーム10:化合物(XVI)は、5つまたは6つの反応工程からなる順序で、報告されているエステル(XIX)(または対応する高級アルキルエステル、例えば、エチル、プロピル、イソプロピルまたはtert−ブチルエステル)から得ることができる。化合物(XIX)は、有機化学の文献に報告されている幅広い範囲の保護基により、そのN原子のうちの1つ上で誘導体化され得る。例えば、化合物(XIX)は、適切な溶媒(例えば、使用する塩基の性質に応じて、ベンゼン、トルエン、DCM、THF、ジオキサン、EtOAc、ACN、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンなど)中、塩基(例えば、水素化ナトリウムなどの水素化物、水酸化ナトリウムなどの水酸化物炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどの炭酸塩リチウムメトキシドまたはカリウムtert−ブチレートなどのアルコレート、トリエチルアミン、Hunig塩基、DABCO、DBNまたはDBUなどの有機アミン、P2Etホスファゼンなどのホスファゼン、リチウムジイソプロピルアミドまたはリチウムヘキサメチルジシラジドなどのアミド)で処理し、適切な保護基(例えば、保護基として、2−トリメチルシリルエチルオキシメチルを導入するための、塩化2−トリメチルシリルエチルオキシメチル)の求電子剤(塩化物、臭化物、ヨウ素、アルキルスルホニルオキシまたはアリールスルホニルオキシ、アルキルオキシアシルオキシなどの脱離基を有する保護基)との同時反応または後続反応により化合物(XX)へと変換することができる。化合物(XX)は、適切な溶媒(例えば、DCM、ジクロロエタン、ジオキサン、ACN、DMFなど)中、対応するハロゲン(例えば、Clの場合、N−クロロスクシンイミド、Brの場合、N−ブロモスクシンイミドまたはBr2、Iの場合、N−ヨードスクシンイミド、I2またはIClであり、銀塩または酸などの添加剤の存在下でもよい)の適切な求電子源を使用して、塩素化臭素化またはヨウ素化することができる。例えば、ヨウ素は、ACN中、N−ヨードスクシンイミドおよびTFAを使用して導入されて、化合物(XXI)を与えることができる。次に、化合物(XXII)は、アクロレインジアルキルアセタール(例えば、アクロレインジメチルアセタール)またはアクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチルエステル)のどちらかとのHeckカップリング反応(有機化学の文献、例えば、Catalysts 2017, 7, 267、およびこの中に引用されている参照文献に幅広く包含されている)を含む1工程または2工程合成経路を使用して、対応するハライド(例えば、ヨウ化物(XXI))から調製することができる。後者のアクリル酸エステルのカップリングパートナーの使用は、適切な溶媒(例えば、DCM、ジオキサン、THF、EtOAc、MeOHなどのアルコール、水など)中、遷移金属触媒(例えば、炭素担持パラジウムなどのPd、Raney−NiなどのNi、酸化白金などのPt、炭素担持ロジウムなどのRhなど)の存在下で、水素を用いて行われ得る、形成されたオレフィン結合を還元する追加の工程を必要とする。ケトエステル(XXIII)は、低温から高温(使用する塩基および溶媒に応じて、−78℃〜100℃)で、適切な溶媒(例えば、使用する塩基に応じて、ベンゼン、トルエン、ジオキサン、THF、アルコールなど)中、塩基(例えば、水素化ナトリウムなどの水素化物、リチウムメトキシドまたはカリウムtert−ブチレートなどのアルコレート、DBUなどの有機アミン、P2Etホスファゼンなどのホスファゼン、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジドまたはカリウムヘキサメチルジシラジドなどのアミドなど)により化合物(XXII)を処理すると生成することができる。化合物(XXIII)中のエステル基の加水分解と、その後の脱カルボキシル化は、0〜140℃で、溶媒(例えば、ジオキサン、THF、ACN、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、DMSO、アルコール、水など、またはこれらの混合物)(塩基(例えば、水酸化ナトリウム)、ヨウ化リチウムもしくは塩化リチウムなどのハロゲン化塩、または酸(例えば、塩酸)の存在下でもよい)中で、この化合物を撹拌することにより達成されて、ケトン(XVI)を得ることができる。全体の順序は、ケトン(XVI’)を得る、異性体として保護されている化合物(XX’)に同様に適用することができ、保護基の使用に必ずしも依存せず、したがって、保護基なし(PG=H)で行うことができる。

0085

式(I)の化合物は、以下に言及されている、それらの鏡像異性体および/またはジアステレオマーに分割され得る。したがって、例えば、シス/トランス混合物は、シスおよびトランス異性体に分割されてもよく、ラセミ化合物は、その鏡像異性体に分離されてもよい。

0086

シス/トランス混合物は、例えば、クロマトグラフィーによって、そのシス異性体およびトランス異性体に分割することができる。ラセミ体として発生する式(I)の化合物は、それ自体公知の方法によって、その光学対掌体に分離することができ、一般式(I)の化合物のジアステレオマー混合物は、それ自体公知の方法、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化を使用して、それらの異なる物理化学的性質を利用することによりそれらのジアステレオマーに分割することができる。

0087

ラセミ体は、キラル相上のカラムクロマトグラフィーにより、または光学活性な溶媒からの結晶化により、またはラセミ化合物とエステルまたはアミドなどの塩または誘導体を形成する、光学活性物質との反応によって、好ましくは分割される。塩は、塩基性化合物の場合、鏡像異性体として純粋な酸と、および酸性化合物の場合、鏡像体異性体として純粋な塩基と形成することができる。ジアステレオマー誘導体は、鏡像異性体として純粋な補助化合物、例えば、酸、その活性化誘導体、またはアルコールと形成される。こうして得られた塩または誘導体のジアステレオマー混合物の分離は、その異なる物理化学的性質、例えば、溶解度の差異を利用することにより、達成することができる。遊離対掌体は、純粋なジアステレオマー塩または誘導体から、好適な作用剤の作用によって遊離され得る。このような目的に一般的に使用される光学活性な酸、および補助残基として適用可能な光学活性アルコールは、当業者に公知である。
上記の通り、式(I)の化合物は、塩、特に医薬品使用のため薬学的に許容される塩に変換することができる。本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、その酸塩または塩基塩を作製することにより親化合物が修飾された、開示化合物の誘導体を指す。

0088

本発明による化合物は、以下の例に記載されている方法を使用して、有利なことに、やはり得ることができ、以下の例は、文献から当業者に公知の方法を用いて、この目的のためにやはり組み合わせることができる。
したがって、本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物の合成の方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物の合成中間体が提供される。
一実施形態によれば、本発明は、スキーム9および/または10に図示および記載されている中間体に関する。
別の実施形態によれば、本発明は、以下の中間体



(式中、PGは、本発明のこれ以前または本明細書のこれ以降に定義されている)
の1つまたは複数に関する。

0089

薬理学的活性
本発明の化合物の活性は、以下のアッセイを使用して実証することができる。
生物学的方法

0090

式(I)の化合物が、血漿カリクレイン(PKK)、第XIIa因子(FXIIa)、第XIa因子(FXIa)、第Xa因子(FXa)、第IIa因子(アルファトロンビン;FIIa)、プラスミントリプシン組織カリクレイン1(TK1)、第VIIa因子(FVIIa)、または組織因子リン脂質およびCaCl2と複合体を形成したFVIIa(FVIIa/TF/PL/CaCl2)を阻害する能力は、1%(v/v)DMSOの存在下での、アッセイ用緩衝液(100mM Tris、150mM NaCL、HClによりpH7.8に調節し、かつ0.1%(w/v)BSAおよび0.05%(v/v)Tween20を含有する)中で、以下の生化学的アッセイを使用して決定した。

0091

エンドポイントアッセイを使用する、PKKの阻害評価
ヒトPKK(0.01U/mL;Enzyme Research Laboratories)またはラットPKK(0.625nM;自家で生成した)を、アッセイ用緩衝液中で、0.10μMの蛍光性基質H−Pro−Phe−Arg−AMC(I1295、Bachem製)、および様々な濃度の試験化合物を用いて、室温で1時間、インキュベートした。続いて、PPACKII(Calbiochem)をストップ溶液として加えて最終濃度を1μMにし、355nmの励起波長設定および460nmの発光波長設定で、Envision Reader(PerkinElmer)を使用して蛍光を測定した。

0092

本発明による化合物のIC50値は、以下の表に示されている。化合物の番号は、実験項目中の例の番号に対応する。

0093

カリオン活性化ヒトPPPにおけるPKKの阻害評価
クエン酸Na(Na−Citrat)により抗凝固させたヒト全血から得た血小板乏血漿(PPP)を、アッセイ用緩衝液中、25、75、250または750μg/mLのいずれかのカオリンと一緒にした様々な濃度の試験化合物と共に、37℃で20分間、インキュベートし、こうして、使用した各カオリン用量の場合の濃度応答を試験化合物に対して得た。この後、上記の混合物に、0,25mMの蛍光性基質H−Pro−Phe−Arg−AMC(I1295、Bachem製)を加え、350nmの励起波長および450nmの発光波長となる上記の設定で、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、12分間、2分おきのカイネティック間隔で測定を行った。GraphPad prism7.0にあてはめた、4x/y−プロット(x=logM、化合物;y=デルタrfu/分)からpIC50およびpIC90値を得た(式:log(アゴニスト)対応答、すなわち、Find ECanything;試験化合物に対して得られた4つの濃度応答曲線(それぞれは、異なるカオリン用量を使用して得た)を、グローバルフィッティング手順を使用してあてはめ、共通のpIC50またはpIC90値を得た)。

0094

本発明による化合物のIC90値は、以下の表に示されている。化合物の番号は、実験項目中の例の番号に対応する。

0095

PKKの阻害(Ki)評価
ヒトPKK(1.78nMまたは0.025U/mL;Enzyme Research Laboratories)を、アッセイ用緩衝液中で、0.25mMの蛍光性基質H−Pro−Phe−Arg−AMC(I1295、Bachem製)、および様々な濃度の試験化合物を用いて、24℃でインキュベートした。測定は、350nmの励起波長および450nmの発光波長となる上記の設定で、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、16分間、2分おきのカイネティック間隔で行った。
本発明による化合物のKi値は、以下の表に示されている。化合物の番号は、実験項目中の例の番号に対応する。

0096

FXIIaの阻害(Ki)評価
ヒトFXIIa(47.5nMまたは1.1U/mL;Enzyme Research Laboratories)を、アッセイ用緩衝液中、0.5mMの発色性基質S2302(Chromogenix)および様々な濃度の試験化合物と共に24℃でインキュベートした。測定は、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、16分間、2分おきのカイネティック間隔で行い、405nmにおける光学吸光度を測定した。

0097

FXIaの阻害(Ki)の評価
ヒトFXIa(0.5nMまたは0,016U/mL;Enzyme Research Laboratories)は、アッセイ用緩衝液中、0.25mMの蛍光性基質Boc−Glu(OBzl)−Ala−Arg−AMC・HCl(I1575、Bachem製)および様々な濃度の試験化合物と共に24℃でインキュベートした。測定は、350nmの励起波長および450nmの発光波長となる上記の設定で、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、16分間、2分おきのカイネティック間隔で行った。

0098

FXaの阻害(Ki)評価
ヒトFXa(0.86nMまたは0.01U/mL;Enzyme Research Laboratories)は、アッセイ用緩衝液中、0.5mMの発色性基質S2765(Chromogenix)および様々な濃度の試験化合物と共に24℃でインキュベートした。測定は、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、16分間、2分おきのカイネティック間隔で行い、405nmにおける光学吸光度を測定した。

0099

FIIaの阻害(Ki)の評価
ヒトFIIa(44.6nMまたは5U/mL;Enzyme Research Laboratories)は、アッセイ用緩衝液中、0.5mMの発色性基質S2238(Chromogenix)および様々な濃度の試験化合物と共に24℃でインキュベートした。測定は、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、16分間、2分おきのカイネティック間隔で行い、405nmにおける光学吸光度を測定した。

0100

プラスミンの阻害(Ki)の評価
ヒトプラスミン(64.1nMまたは0.0275U/mL;Enzyme Research Laboratories)は、アッセイ用緩衝液中、0.3mMの発色性基質S2251(Chromogenix)および様々な濃度の試験化合物と共に24℃でインキュベートした。測定は、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、16分間、2分おきのカイネティック間隔で行い、405nmにおける光学吸光度を測定した。

0101

トリプシンの阻害(Ki)の評価
ヒトトリプシン(4.54nMまたは250U/mL;Calbiochem)は、アッセイ用緩衝液中、0.5mMの発色性基質S2222(Chromogenix)および様々な濃度の試験化合物と共に24℃でインキュベートした。測定は、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、16分間、2分おきのカイネティック間隔で行い、405nmにおける光学吸光度を測定した。

0102

TK1の阻害(Ki)の評価
アッセイの前に、ヒトTK1(R&D Systems)を、1:10,000の比で、ヒトトリプシン(Calbiochem)と共に37℃で15分間、インキュベートすることにより活性化した。TK1阻害活性をアッセイするため、活性化したTK1(31.25nMまたは1U/mL)を、アッセイ用緩衝液中、0.1mMの蛍光性基質H−Pro−Phe−Arg−AMC(I1295、Bachem製)および様々な濃度の試験化合物と共に、24℃でインキュベートした。測定は、350nmの励起波長および450nmの発光波長となる上記の設定で、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、16分間、2分おきのカイネティック間隔で行った。
本発明による化合物のKi値は、以下の表に示されている。化合物の番号は、実験項中の例の番号に対応する。

0103

FVIIaの阻害(Ki)の評価
ヒトFVIIa(0.86nMまたは0.01U/mL;Enzyme Research Laboratories)を、アッセイ用緩衝液中、1.5mMの発色性Pefachrome(登録商標)FVIIa(Loxo)および様々な濃度の試験化合物と共に24℃でインキュベートした。測定は、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、16分間、2分おきのカイネティック間隔で行い、405nmにおける光学吸光度を測定した。

0104

FVIIa/TF/PL/CaCl2の阻害(Ki)の評価
ヒトFVIIa(300nMまたは585U/mL;Enzyme Research Laboratories)を、アッセイ用緩衝液中で、10mM CaCl2*2H2Oおよび13.3%(v/v)Dade(登録商標)Innovin(登録商標)(Siemens;OQUMI94E0002(5534)、これは、組換えヒト組織因子合成リン脂質トロンボプラスチン)を含有する)と一緒に、1.5mMの発色性Pefachrome(登録商標)FVIIa(Loxo)および様々な濃度の試験化合物と共に24℃でインキュベートした。測定は、Spectramax M5(Molecular Devices)を使用して、16分間、2分おきのカイネティック間隔で行い、405nmにおける光学吸光度を測定した。

0105

pIC50およびpKi値の算出
アッセイの開始後の2〜12分の時間間隔の場合の平均Vmax値(それぞれ、発色性基質を使用するアッセイの場合、デルタOD/分、または蛍光発生基質を使用するアッセイの場合、デルタRFU/分のどちらかとして表す)を、評価した阻害剤化合物モル濃度での濃度のLogに対してプロットした。次に、pIC50値を、GraphPad Prism(バージョン6;GraphPad Software,Inc.)を使用して、4パラメトリックフィティグ手順を使用してあてはめた。以下の式を使用して、使用した基質のKM値のそれぞれに対してIC50値を補正することにより、個々のKi値を得た(使用した基質の得られたKM値に関しては、表Aを参照されたい):




(式中、IC50は、モル濃度であり、KM値は、mMである)。

0106

表A:酵素アッセイに使用した基質に対して得られたKM値。

0107

透過性の評価
Caco−2細胞(1〜2x105個細胞/1cm2の面積)をフィルターインサート(Costar transwellポリカーボネートまたはPET製フィルター、0.4μmの細孔サイズ)上に播種し、10〜25日間、培養(DMEM)する。
化合物は、適切な溶媒(DMSOのような、1〜20mMの保存溶液)に溶解した。保存溶液は、HTP−4緩衝液(128.13mM NaCl、5.36mM KCl、1mM MgSO4、1.8mM CaCl2、4.17mM NaHCO3、1.19mM Na2HPO4x7H2O、0.41mM NaH2PO4xH2O、15mMHEES、20mMグルコース、pH7.2)で希釈し、輸送用溶液(0.1〜300μMの化合物、最終DMSO<=0.5%)を調製する。輸送用溶液(TL)は、A−BまたはB−Aの透過性をそれぞれ測定するために(3回のフィルター反復数)、頂端側ドナーまたは基底側ドナーに適用する。レシーバー側は、2%BSAを補給したHTP−4緩衝液を含有する。HPLC−MS/MSまたはシンチレーション計数による濃度測定を行うため、実験の開始時および終了時に、および最大で2時間の様々な時間で、ドナーから、やはりまたレシーバー側から試料採取する。サンプリングしたレシーバーの体積分を、新しいレシーバー溶液と交換する。

0108

ヒトまたはラット肝臓ミクロソームにおける代謝安定性の評価
試験化合物の代謝分解を、プールしたヒトまたはラットの肝臓ミクロソームと共に37℃でアッセイする。時間点あたり100μlとなる最終インキュベートの体積分は、室温において、pH7.6のTRIS緩衝液(0.1M)、塩化マグネシウム(5mM)、ミクロソームタンパク質(1mg/mL)および1μMの最終濃度の試験化合物を含有する。

0109

37℃での短時間の事前インキュベート期間の後に、還元型ベータニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸NADPH、1mM)を添加することによりこの反応を開始し、様々な時間点後、一定分量を溶媒に移すことにより終了させた。さらに、NADPHに無関係の分解を、NADPHを含まないインキュベートでモニタリングし、最後の時間点で終了させた。クエンチ後のインキュベートは、遠心分離(10000g、5分間)によってペレットにする。親化合物の量について、上澄み液の一定分量をLC−MS/MSによってアッセイする。半減期(t1/2 INVITRO)は、濃度−時間プロファイルの半対数プロットの傾きによって決定する。

0110

ヒトまたはラット肝細胞における代謝安定性の評価
試験化合物の代謝分解を幹細胞懸濁液中でアッセイする。肝細胞(通常、冷凍保存されている)を、5%血清種を含有する適切な緩衝系(例えば、ダルベッコ改変イーグル培地および3.5μgのグルカゴン/500mL、2.5mgインスリン/500mLおよび3.75mg/500mLのヒドロコルチゾン)中でインキュベートする。

0111

インキュベーター中での30分(通常)の事前インキュベート(37℃、10%CO2)後、5μLの試験化合物溶液(80μM;培地により1:25に希釈したDMSO保存溶液中の2mMから)を、395μLの肝細胞懸濁液(0.25〜5ミオ細胞/mL、通常、1ミオ細胞/mLの範囲の細胞密度;試験化合物の最終濃度1μM、最終DMSO濃度0.05%)に加える。
細胞を6時間、インキュベートし(インキュベーター、オービタルシェーカー)、試料(25μL)を0、0.5、1、2、4および6時間時に採取する。試料をACNに移し、遠心分離(5分間)によりペレットにする。上澄み液を新しい96ディープウェルプレートに移し、窒素下で溶媒蒸発させて、再懸濁する。
親化合物の減少は、HPLC−MS/MS CLintによって解析し、以下の通り算出する:CL_INTRINSIC=用量/AUC=(C0/CD)/(AUD+clast/k)x1000/60。C0:インキュベートにおける初期濃度[μM]、CD:生存細胞の細胞密度[10e6個細胞/mL]、AUD:データ下面積[μMx時]、clast:最後のデータ点の濃度[μM]、k:親の減少に対する回帰直線の傾き[h−1]。

0112

血漿中タンパク質結合の評価
この平衡透析(ED)技法を使用して、血漿中タンパク質への試験化合物のインビトロ結合率概数を求める。Dianormテフロン(登録商標)透析セルマイクロ0.2)を使用する。セルはそれぞれ、ドナーチャンバーおよびアクセプタチャンバーからなり、5kDaの分子量のカットオフを有する超薄半透性膜によって仕切る。各試験化合物の保存溶液は、1mMのDMSO中で調製し、1.0μMの最終濃度まで希釈する。その後の透析溶液は、雄および雌のドナーに由来するプールしたヒトまたはラットの血漿(NaEDTAを含む)中で調製する。200μLとなる一定分量の透析緩衝液(100mMのリン酸カリウム、pH7.4)を緩衝液チャンバー分注する。200μLとなる一定分量の試験化合物の透析溶液を血漿チャンバーに分注する。インキュベートは、37℃で、回転下で2時間行う。
透析期間の終了時に、透析溶液を反応管に移す。緩衝液フラクション用の管は、0.2mL ACN/水(80/20)を含有する。25μLとなる一定分量の血漿透析溶液をディープウェルプレートに移し、25μL ACN/水(80/20)、25μLの緩衝液、25μLの較正溶液および25μLの内部標準溶液と混合する。タンパク質沈殿(prezipitation)は、200μLのACNを加えることにより行う。
50μLとなる一定分量の緩衝透析溶液をディープウェルプレートに移し、25μLのブランク血漿、25μLの内部標準溶液および200μLのACNと混合する。
試料は、HPLC−MS/MSシステムで測定し、Analystソフトウェアで評価する。
結合率は、以下の式を用いて算出する:結合%=(血漿中濃度緩衝液濃度/血漿中濃度)X100

0113

溶解度の評価
試験化合物の水への溶解度は、緩衝液に溶解した量とACN/水(1/1)溶液中での量を比較することにより求める。10mMDMSO保存溶液から始め、一定分量をアセトニトリル(acetonitril)/水(1/1)または緩衝液でそれぞれ希釈する。24時間振とうした後、この溶液をろ過し、LC−UVによって分析する。緩衝液に溶解した量を、ACN溶液中の量と比較する。

0114

溶解度は、通常、2.5%のDMSO濃度で、0.001〜0.125mg/mLと測定されるであろう。化合物が90%を超えて緩衝液に溶解する場合、この値は、「>」と記す。

0115

げっ歯類における薬物動態特徴の評価
試験化合物を、給餌ラットに静脈内に、または絶食ラットに経口のどちらかで投与する。試験化合物の施用後のいくつかの時間点で血液試料を採取し、抗凝固して遠心分離にかける。
分析対象物の濃度、すなわち投与した化合物および/または代謝産物は、血漿試料で定量する。
PKパラメータは、ノンコンパートメント方法を使用して算出する。AUCおよびCmaxを、1μmol/kgの用量に正規化する。

0116

処置方法
本発明の別の態様では、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、哺乳動物における望ましくないPKK活性によって媒介される疾患または状態を処置するのに有用となり得ることが見いだされている。
望ましくないPKK活性により媒介される疾患および状態は、糖尿病合併症、糖尿病性網膜症、増殖性および非増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、臨床的に有意な黄斑浮腫(CSME)、嚢胞様黄斑浮腫(CME)、水晶体摘出後CME、冷凍療法により誘発されるCME、ブドウ膜炎により誘発されるCME、眼内炎、血管閉塞後CME(例えば、網膜中心静脈閉塞症、網膜分枝静脈閉塞症または半網膜静脈閉塞症)、網膜浮腫、糖尿病性網膜症における白内障手術に関連する合併症、高血圧性網膜症、網膜外傷、萎縮型および滲出型加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)、脈絡膜血管新生(CNV;例えば、非滲出性脈絡膜血管新生)、遺伝性血管浮腫、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、卒中後出血および浮腫、血管性認知症、アルツハイマー病、線維性疾患大腸炎、関節炎および腎損傷を包含する。
したがって、本発明の化合物および医薬組成物は、糖尿病性網膜症、増殖性および非増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)および脈絡膜血管新生(CNV;例えば、非滲出性脈絡膜血管新生)を含めた、眼疾患に特に好適である。
さらに、本発明による化合物および医薬組成物は、遺伝性血管浮腫などの浮腫の処置に特に好適である。
特に、本発明による化合物および医薬組成物は、糖尿病性網膜症、増殖性および非増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)、脈絡膜血管新生(CNV)および遺伝性血管浮腫の処置に好適である。

0117

本発明による化合物および医薬組成物は特に、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出型加齢黄斑変性(AMD)、非滲出性脈絡膜血管新生(CNV)および遺伝性血管浮腫の処置に最も好適である。
例えば、本発明による化合物および医薬組成物は、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出型加齢黄斑変性(AMD)および遺伝性血管浮腫の予防、ならびに非滲出性脈絡膜血管新生(neCNV)から滲出性脈絡膜血管新生(eCNV)への転化を予防するのに特に好適である。

0118

1日あたりに施用可能な式(I)の化合物の用量範囲は、通常、体重1kgあたり0.01〜10mgである。
実際の治療有効量または治療投与量は、当然ながら、患者の年齢および体重、投与経路および疾患の重症度などの、当業者により公知の因子に依存するであろう。いずれの場合でも、本化合物または組成物は、患者の特有の状態に基づいて治療有効量を送達することが可能な投与量および方法で投与されるであろう。

0119

本化合物、組成物は、本発明による1種または複数の追加の治療剤との任意の組合せ物を含め、経口、硝子体内経皮吸入非経口または下での経路により投与され得る。可能な投与方法のうち、経口投与または硝子体内投与が好ましい。硝子体内注入の場合、好ましい用量は、片目あたり5mgを超えるべきではない。
したがって、さらなる態様では、本発明は、血漿カリクレインを阻害し、治療に使用するための、すなわち医薬として使用するための好適な薬理学的特性および薬物動態特性を有する、式(I)の新規の化合物およびその互変異性体(薬学的に許容されるその塩を含む)を提供する。
さらなる態様では、本発明は、血漿カリクレインの阻害によって有利に影響を受け得る、疾患または状態の処置のための方法において使用するための、式(I)の新規の化合物およびその互変異性体(薬学的に許容されるその塩を含む)を提供する。
さらなる態様では、本発明は、糖尿病性網膜症、増殖性および非増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)および脈絡膜血管新生(CNV)などの眼適応症、ならびに遺伝性血管浮腫などの浮腫関連疾患を処置するための、式(I)の新規の化合物およびその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩を提供する。

0120

別の態様では、本発明は、血漿カリクレインの阻害が有益となる疾患または状態の処置に使用するための医薬の製造における、式(I)の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
さらなる態様では、本発明は、糖尿病性網膜症、増殖性および非増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)および脈絡膜血管新生(CNV)などの眼適応症、ならびに遺伝性血管浮腫などの浮腫関連疾患の処置に使用するための医薬の製造における、式(I)の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
したがって、本発明は、医薬としての式(I)の化合物に関する。
さらに、本発明は、患者、好ましくはヒトにおける、望ましくない血漿カリクレイン活性によって媒介される疾患または状態を処置するための方法における、式(I)の化合物の使用に関する。
さらに、本発明は、糖尿病性網膜症、増殖性および非増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)および脈絡膜血管新生(CNV)などの眼適応症、ならびに遺伝性血管浮腫などの浮腫関連疾患の処置のための方法における、式(I)の化合物の使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、哺乳動物における血漿カリクレインの阻害により影響を受け得る疾患または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする患者、好ましくはヒトに、治療有効量の本発明の化合物または医薬組成物を投与するステップ含む、方法に関する。

0121

さらなる態様では、本発明は、対象における、血漿カリクレインの阻害により有益に影響を受け得る、疾患または状態を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の式(I)の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、患者において、糖尿病性網膜症、増殖性および非増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)および脈絡膜血管新生(CNV)などの眼適応症、ならびに遺伝性血管浮腫などの浮腫関連疾患を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
本発明の別の態様によれば、それを必要とする患者に治療有効量の式(I)の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩を投与することを特徴とする、該患者において糖尿病合併症、特に糖尿病性網膜症および糖尿病性黄斑浮腫に関連する網膜血管透過性を処置する方法が提供される。

0122

医薬組成物
本発明の別の態様では、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩は、医薬組成物中の活性成分として使用されてもよいことが記載されている。
本発明の化合物を投与するための好適な調製物であって、1種または複数のさらなる治療剤と組み合わせてもよい調製物は、当業者に明白であり、例えば、錠剤丸剤カプセル剤坐剤ロゼンジ剤トローチ剤、溶液剤、シロップ剤エリキシル剤サシェ剤、注射剤吸入剤および散剤などを含む。経口用製剤、特に、例えば錠剤またはカプセル剤などの固体形態が好ましい。硝子体内注入の場合、溶液剤が好ましい。薬学的活性化合物含有量は、全体として、組成物の0.1〜90質量%、例えば1〜70質量%の範囲にあるのが有利である。

0123

好適な錠剤は、式(I)による1つまたは複数の化合物を、例えば、公知の賦形剤、例えば不活性希釈剤担体崩壊剤アジュバント界面活性剤結合剤および/または滑沢剤と、例えば混合することによって得ることができる。錠剤はまた、いくつかの層からなっていてもよい。所望の調製物に好適な具体的な賦形剤、担体および/または希釈剤は、専門家の知識に基づくと、当業者に精通されていよう。好ましいものは、所望の、投与の特定の製剤および方法に好適なものである。本発明による調製物または製剤は、本発明による少なくとも1つの式(I)の化合物またはこのような化合物の薬学的に許容される塩と、1種もしくは複数の賦形剤、担体および/または希釈剤とを例えば混合することによる、または一緒にすることによるなどの、当業者に精通されている、それ自体が公知の方法を使用して調製することができる。
したがって、本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の式(I)の化合物および/もしくはそれらの互変異性体、または薬学的に許容されるその塩を含み、1種もしくは複数の不活性担体および/または希釈剤を一緒に含んでもよい医薬組成物が提供される。
同様に、血漿カリクレインの阻害によって影響を受け得る疾患または状態を処置するための方法に使用するための、1つもしくは複数の上記の化合物または薬学的に許容されるその塩を含み、1種もしくは複数の不活性担体および/または希釈剤を一緒に含んでもよい医薬組成物が提供される。
特に、本発明は、糖尿病性網膜症、増殖性および非増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、加齢黄斑変性(AMD)、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)および脈絡膜血管新生(CNV)などの眼適応症、ならびに遺伝性血管浮腫などの浮腫関連疾患を処置する方法に使用するための、本発明による医薬組成物を提供する。
さらに、本発明は、患者、好ましくはヒトにおける、望ましくない血漿カリクレイン活性によって媒介される疾患または状態を処置するための、本発明による医薬組成物の使用に関する。
同様に、本発明は、患者、好ましくはヒトにおける、血漿カリクレインの阻害により影響を受け得る疾患または状態を処置するための、本発明による医薬組成物の使用に関する。

0124

別の実施形態によれば、1つまたは複数の式(I)の化合物および/もしくはそれらの互変異性体、または薬学的に許容されるその塩、ならびに1種または複数の追加の治療剤を含み、1種もしくは複数の不活性担体および/または希釈剤を一緒に含んでもよい医薬組成物が提供される。好ましくは、この組成物は、1つの式(I)の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩、ならびに1種または複数の追加の治療剤を含む。

0125

併用療法
本発明の化合物は、1つまたは複数の、好ましくは1つの追加の治療剤とさらに組み合わされてもよい。一実施形態によれば、追加の治療剤は、例えば、糖尿病、肥満、糖尿病合併症、高血圧、高脂血症などの代謝性疾患もしくは状態に特に関連する本明細書のこれ以前に記載されている疾患もしくは状態の処置に有用な治療剤、あるいは眼疾患の処置に有用な治療剤の群から選択される。そのような組合せに好適な追加の治療剤は、特に、言及されている適応症の1つに関する、1つもしくは複数の活性物質治療作用を例えば増強する、および/または1つもしくは複数の活性物質の投与量の低減を可能にするものを含む。
したがって、本発明の化合物は、抗糖尿病剤過体重および/または肥満の処置のための薬剤、高血圧、心不全および/またはアテローム性動脈硬化の処置のための薬剤、ならびに眼疾患の処置のための薬剤からなる群から選択される、1種または複数の追加の治療剤と組み合わせることができる。

0126

抗糖尿病剤は、例えば、メトホルミンスルホニルウレアナテグリニドレパグリニドチアゾリジンジオン、PPAR−(アルファ、ガンマまたはアルファ/ガンマ)アゴニストまたはモジュレーター、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤DPIV阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリンおよびインスリンアナログGLP−1およびGLP−1アナログまたはアミリンおよびアミリンアナログ、cycloset、11β−HSD阻害剤である。他の適切な組合せパートナーは、例えば、グルコース−6−ホスファターゼまたはフルクトース−1,6−ビスホスファターゼグリコーゲンホスホリラーゼグルカゴン受容体アンタゴニスト、およびホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼの阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼもしくはピルビン酸デヒドロキナーゼ、アルファ2−アンタゴニスト、CCR−2アンタゴニストまたはグルコキナーゼアクチベータなどの、肝臓における調節解除されたグルコース生成に影響を及ぼす物質である、タンパク質チロシンホスファターゼ1の阻害剤である。例えば、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤フィブラートニコチン酸およびその誘導体、PPAR−(アルファ、ガンマまたはアルファ/ガンマ)アゴニストまたはモジュレーター、PPAR−デルタアゴニスト、ACAT阻害剤、または回腸胆汁酸輸送体の阻害剤などの胆汁酸結合性物質などのコレステロール吸収阻害剤MTP阻害剤、またはCETP阻害剤もしくはABC1制御因子などのHDL上昇性化合物などの1つまたは複数の脂質低下剤が、組合せパートナーとしてやはり好適である。

0127

過体重および/または肥満を処置するための治療剤は、例えば、カンナビノイド1受容体のアンタゴニスト、MCH−1受容体アンタゴニスト、MC4受容体アゴニスト、NPY5またはNPY2アンタゴニスト、β3−アゴニスト、レプチンまたはレプチン模倣体、5HT2c受容体のアゴニストである。
高血圧、慢性心不全および/またはアテローム性動脈硬化の処置のための治療剤は、例えば、A−IIアンタゴニストまたはACE阻害剤、ECE阻害剤、利尿剤、β−遮断剤、Ca−アンタゴニスト、中枢作用抗高血圧剤(centrally acting antihypertensive)、アルファ−2−アドレナリン受容体のアンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼの阻害剤、血小板凝集阻害剤であり、その他またはその組合せ物が好適である。アンジオテンシンII受容体アンタゴニストは、ヒドロクロロチアジドなどの利尿剤と多くの場合で組み合わされる、高血圧、および糖尿病の合併症の処置または予防に使用されるのが好ましい。

0128

眼疾患の処置のための治療剤は、例えば、硝子体内に投与されるコルチコステロイド、硝子体内に投与される抗VEGF治療、抗Ang2阻害剤、デュアル抗VEGF/抗Ang2阻害剤、抗PDGF、デュアル抗VEGF/抗PDGF、VAP−1(AOC3)阻害剤、補体阻害剤(例えば、補体因子3、5、BおよびD阻害剤)、ブラジキニン受容体1アンタゴニスト、CCR−2アンタゴニストを含むことができる。
眼疾患のための追加の処置は、レーザー凝固治療法を含むことができる。
上記の組合せパートナーの投与量は、通常、推奨される最低用量の1/5から、通常、推奨される用量の1/1までであるのが通常である。
好ましくは、本発明の化合物、および/または本発明の化合物を、1種または複数の追加の治療剤と組み合わせて含んでもよい医薬組成物は、運動および/または食事と一緒に投与される。
したがって、別の態様では、本発明は、望ましくない血漿カリクレイン活性により影響を受け得る、またはこれにより媒介される疾患または状態、特に本明細書のこれ以前および本明細書のこれ以降に記載されている疾患または状態を処置するための、本明細書のこれ以前および本明細書のこれ以降に記載されている1種または複数の追加の治療剤と組み合わせた、本発明による化合物の使用に関する。

0129

さらなる態様では、本発明は、患者における血漿カリクレインの阻害により影響を受け得る疾患または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする患者に、治療有効量の式(I)の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩を、治療有効量の1種または複数の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法に関する。
さらなる態様では、本発明は、それを必要とする患者において、式(I)の化合物および/もしくはその互変異性体、または薬学的に許容されるその塩と、血漿カリクレインの阻害により影響を受け得る疾患または状態を処置するための1種または複数の追加の治療剤とを組み合わせた使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、患者における、望ましくない血漿カリクレイン活性により媒介される疾患または状態を処置する方法であって、このような処置を必要とする患者、好ましくはヒトに、治療有効量の本発明の化合物を、本明細書のこれ以前および本明細書のこれ以降に記載されている治療有効量の1種または複数の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法に関する。

0130

追加の治療剤と組み合わせた、本発明による化合物の使用は、同時に、または時間差を設けて行うことができる。
本発明による化合物、および1種または複数の追加の治療剤はどちらも、1つの製剤、例えば、錠剤もしくはカプセル剤で一緒に存在してもよく、または2つの同一もしくは異なる製剤で、例えば、いわゆるキットオブパートとして個別に存在してもよい。
したがって、別の態様では、本発明は、本発明による化合物、および本明細書のこれ以前および本明細書のこれ以降に記載されている1種または複数の追加の治療剤を含み、1種もしくは複数の不活性担体および/または希釈剤を一緒に含んでもよい、医薬組成物に関する。

0131

本発明の他の特徴および利点は、例として、本発明の原理を例示している、以下の一層詳細な例から明白となろう。

0132

例および実験データ
以下の例は、本発明の例示目的に過ぎず、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。

0133

略称
Acアセチル
ACNアセトニトリル
AMC 7−アミノ−4−メチルクマリン
Boc tert−ブチルオキシカルボニル
BSAウシ血清アルブミン
Bzlベンジル
CAN硝酸セリウムアンモニウム
CI化学イオン化
日数
DABCO 1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
DADダイオードアレイ検出器
DBAD ジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DBN 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
DCMジクロロメタン
DDQ 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノキノン
DEADジエチルアゾジカルボキシレート
DIADジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMEMダルベッコ改変イーグル培地
DMFN,N−ジメチルホルムアミド
DMSOジメチルスルホキシド
EDTAエチレンジアミン四酢酸塩
EI電子イオン
ESIエレクトロスプレーイオン化(MS)
EtOAc酢酸エチル
EtOHエタノール
h 時間
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート
HPLC高速液体クロマトグラフィー
HPLC−MS 連結高速液体クロマトグラフィー−質量分析法
LC液体クロマトグラフィー
LC−MS 連結液体クロマトグラフィー−質量分析法
LG脱離基
Mモル濃度(mol/L)
MeOHメタノール
min 分
MS 質量分析法
NADPHニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
MR核磁気共鳴
PETポリエチレンテレフタレート
PyBop (ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Rf遅延係数
RFU 相対蛍光単位
RP逆相
rt 室温
tR 保持時間(HPLC/LC)
SFC超臨界流体クロマトグラフィー
TBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TFAトリフルオロ酢酸
THFテトラヒドロフラン
TLC薄層クロマトグラフィー
UV 紫外線

0134

用語「周囲温度」および「室温」は、互換的に使用され、約20℃、例えば、15〜25℃の温度を表す。
概して、調製された化合物について、1H−NMRおよび/または質量スペクトルを得た。
別段の指定がない限り、キラル中心を含有する化合物は、図示されている立体化学を有する。立体化学の帰属は、公知の立体化学のキラル出発原料の使用によって、公知の立体化学の立体選択的合成によって、または生物活性によってのいずれかで行われている。

0135

分析方法

0136

0137

0138

0139

0140

0141

0142

0143

中間体の合成:
中間体1
3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−オン

0144

0145

工程1:メチル5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(45g)のMeOH(450mL)溶液に、塩化チオニル(58mL)を滴下して加える。添加後、この混合物を室温で16時間撹拌する。この混合物を真空濃縮する。この残留物をEtOACに溶解し、飽和NaHCO3水溶液およびブラインにより逐次、洗浄する。乾燥(MgSO4)後、この混合物を真空で濃縮すると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.64分;質量スペクトル(ESI+):m/z=141[M+H]+。

0146

工程2:メチル5−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
水素化ナトリウム(鉱物油中60%、16.8g)をDMF(470mL)に小分けにして加える。この混合物を10分間撹拌し、0℃まで冷却し、メチル5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(46.9g)のDMF(470mL)溶液を滴下して処理する。20分間撹拌した後、[2−(クロロメトキシ)エチル]トリメチルシラン(SEM−Cl、77.7mL)を滴下して加える。この混合物を2時間撹拌し、EtOACで希釈して、水およびブラインにより逐次、洗浄する。乾燥(MgSO4)後、この混合物を真空で濃縮し、残留物を石油エーテル/EtOAC2:1により、シリカゲル上でクロマトグラフィーにかける。溶媒を真空で蒸発させると、表題化合物が得られ、これを直接、次の工程に使用する。

0147

工程3:メチル4−ヨード−5−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
メチル5−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(94.4g)のACN(1.4L)溶液に、TFA(2.7mL)およびN−ヨードスクシンイミド(94.2g)を加える。この混合物を48時間撹拌し、EtOACで希釈して、水、飽和Na2S2O3水溶液およびブラインにより逐次、洗浄する。乾燥(MgSO4)後、この混合物を真空で濃縮し、残留物を石油エーテル/EtOAC2:1により、シリカゲル上でクロマトグラフィーにかける。溶媒を真空で蒸発させると、表題化合物が得られ、これは、およそ15%の位置異性体であるメチル4−ヨード−3−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートを含有する。
LC(方法1):tR=1.17分;質量スペクトル(ESI+):m/z=397[M+H]+。

0148

工程4:メチル4−[(1E)−3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル]−5−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
メチル4−ヨード−5−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(44g)、メチルアクリレート(15mL)およびN−メチルジシクロヘキシルアミン(methyldicyclohexylamin)(35mL)を、ジメチルアセトアミド(dimethlyacetamide)(430mL)および水(110mL)に溶解する。この混合物をアルゴンにより10分間パージする。ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)(PdCl2[P(o−Tol)3]2、2.6g)を加え、この混合物を85℃で2時間、撹拌する。次に、この混合物をEtOACで希釈し、1MH3PO4水溶液およびブラインにより逐次、洗浄する。乾燥(MgSO4)後、この混合物を真空で濃縮し、残留物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAC 95:5→50:50)にかけると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=1.13分;質量スペクトル(ESI+):m/z=355[M+H]+。

0149

工程5:メチル4−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−5−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
EtOAC(580mL)中のメチル4−[(1E)−3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル]−5−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(38.6g)および10%炭素担持パラジウム(5.8g)からなる混合物を、水素雰囲気下(3bar)、室温で3時間振とうする。この混合物をろ過して、ろ液を濃縮すると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=1.10分;質量スペクトル(ESI+):m/z=357[M+H]+。

0150

工程6:メチル3−メチル−6−オキソ−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−5−カルボキシレート
メチル4−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−5−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(37.8g)のTHF溶液を0℃に冷却し、NaN(Si(CH3)3)2(THF中の40%;105mL)で処理し、15分間撹拌する。この混合物を氷冷下、および激しい撹拌下で、1MH3PO4水溶液に注ぎ入れる。有機相を分離して、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)する。溶媒を真空で蒸発させると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=1.06分;質量スペクトル(ESI+):m/z=325[M+H]+。

0151

工程7:3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−オン
1,4−ジオキサン(350mL)および水(9mL)中のメチル3−メチル−6−オキソ−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−5−カルボキシレート(34.9g)の溶液を還流下で、12時間加熱する。溶媒を真空で蒸発させて、残留物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAC 80:20→40:60)にかけると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=1.05分;質量スペクトル(ESI+):m/z=267[M+H]+。

0152

中間体2
3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−アミン

0153

工程1:3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−オール
3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−オン(1g)のEtOH(5mL)溶液に、氷冷下、NaBH4(80mg)を加える。この混合物を室温で4時間、撹拌する。次に、この混合物を1M H3PO4水溶液でゆっくりと希釈する。10分間撹拌した後、この混合物をEtOACにより抽出する。有機相をブラインで洗浄して乾燥(MgSO4)する。溶媒を真空で蒸発させると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.98分;質量スペクトル(ESI+):m/z=269[M+H]+。

0154

工程2:6−アジド−3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール
アルゴン下、DBU(2mL)を、3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−オール(950mg)のトルエン(20mL)溶液に加える。この混合物を0℃まで冷却し、ジフェニルホスホリルアジド(2mL)を1時間かけて滴下して加える。室温まで温めながら、この混合物を12時間撹拌する。次に、この混合物を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)して真空で濃縮する。残留物をAl2O3(DCM)でクロマトグラフィーにかけると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=1.15分;質量スペクトル(ESI+):m/z=294[M+H]+。

0155

工程3:3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−アミン
EtOH(10mL)中の6−アジド−3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール(770mg)、10%炭素担持パラジウム(140mg)からなる混合物を、水素雰囲気下(3bar)、室温で12時間振とうする。この混合物をろ過して、ろ液を濃縮すると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.81分;質量スペクトル(ESI+):m/z=268[M+H]+。

0156

中間体3
3−メチル−1H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−アミン二塩酸塩

0157

1,4−ジオキサン中の4N HCl(1mL)中の、3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−アミン(25mg)の溶液を、室温で48時間撹拌する。溶媒を真空で蒸発させると、表題化合物が得られる。
LC(方法2):tR=0.57分;質量スペクトル(ESI+):m/z=138[M+H]+。

0158

中間体4
(6R)−3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−アミン

0159

工程1:(6S)−3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−オール
トリエチルアミン(27mL)のDCM(260mL)溶液に、0℃でギ酸(11mL)を加える。混合物を室温まで温めて、3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−オン(26g)を加える。10分間、アルゴンでパージした後、[N−[(1S,2S)−2−(アミノ−κN)−1,2−ジフェニルエチル]−4−メチルベンゼンスルホンアミダト−κN]クロロ[(1,2,3,4,5,6−η)−1,3,5−トリメチルベンゼン]−ルテニウム(RuCl[(S,S)−TsDPEN](me−シチレン);0.5g)を加え、この混合物を室温で48時間、撹拌する。次に、この混合物を激しい撹拌下で、1M NaHCO3水溶液で処理する。相を分離して、水相をDCMにより抽出する。合わせた有機相を水およびブラインで洗浄する。乾燥(MgSO4)後、溶媒を真空で蒸発させて、残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー(DCM/MeOH 98:2→90:10)にかけると、84%の鏡像異性体過剰率(ee)を有する表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.99分;質量スペクトル(ESI+):m/z=269[M+H]+。

0160

工程2:(6R)−6−アジド−3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール
アルゴン下、DBU(16mL)を、(6S)−3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−オール(25.5g)のトルエン(250mL)溶液に加える。この混合物を0℃まで冷却し、ジフェニルホスホリルアジド(22mL)を1時間かけて滴下して加える。室温まで温めながら、この混合物を12時間撹拌する。次に、MeOH(25mL)を加え、この混合物を1時間撹拌する。この混合物を水により2回洗浄し、乾燥(MgSO4)して、真空で濃縮する。残留物をAl2O3(DCM)でクロマトグラフィーにかけると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=1.15分;質量スペクトル(ESI+):m/z=294[M+H]+。

0161

工程3:(6R)−3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−アミン
EtOH(200mL)中の(6R)−6−アジド−3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール(19.7g)および10%炭素担持パラジウム(3g)からなる混合物を、水素雰囲気下(3bar)、室温で12時間振とうする。この混合物をろ過して、ろ液を濃縮すると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.80分;質量スペクトル(ESI+):m/z=268[M+H]+。

0162

中間体5
3−メチル−1H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−アミン



3−メチル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−アミン(225mg)のDCM(2mL)溶液を0℃まで冷却し、TFA(970μL)で処理し、室温まで温めながら、12時間撹拌する。この溶媒を真空で蒸発させて、残留物をDCMおよびMeOHに溶解する。pH10に到達するまで、EtOH中の1M KOHを加える。この溶媒を真空で蒸発させて、残留物を、Al2O3上でクロマトグラフィー(DCM/MeOH/(MeOH中の1M NH3)97:1:2→80:18:2)にかけると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.18分;質量スペクトル(ESI+):m/z=121[M−NH3+H]+。

0163

中間体6
(6S)−3−メチル−1H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−アミン



この表題化合物は、キラル相(カラム:Chiralpak IC、5μm、250mmx20mm;溶離液:scCO2/(MeOH中の20mM NH3)80:20、40℃、200bar、60mL/分)上でSFC分離することにより、ラセミ混合物から得られる。tR=5.9分

0164

中間体7
(6R)−3−メチル−1H,4H,5H,6H−シクロペンタ[c]ピラゾール−6−アミン

0165

この表題化合物は、キラル相(カラム:Chiralpak IC、5μm、250mmx20mm;溶離液:scCO2/(MeOH中の20mM NH3)80:20、40℃、200bar、60mL/分)上でSFC分離することにより、ラセミ混合物から得られる。tR=5.2分

0166

中間体8
1−[(6−{3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−イル)メチル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸

0167

工程1:6−{3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−カルボアルデヒド
6−クロロ−2−メチルピリジン−3−カルボアルデヒド(15g)、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(14g)およびKHCO3(22.5g)をDMSO(70mL)に懸濁させて、12時間、60℃まで加熱する。この混合物を冷却し、水とDCMとの間に分配して、相を分離する。水相をDCMにより3回抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄する。乾燥(MgSO4)後、溶媒を真空で蒸発させると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.59分;質量スペクトル(ESI+):m/z=203[M+H]+。

0168

工程2:(6−{3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−イル)メタノール
6−{3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−カルボアルデヒド(19.5g)のEtOH(300mL)溶液に、氷冷下、NaBH4(4g)を加える。この混合物を、室温で2時間撹拌する。0℃まで冷却した後、この混合物を4MHCl水溶液(72mL)によりゆっくりと処理し、15分間撹拌する。次に、この混合物を、4MNaOH水溶液の添加により塩基性にする。EtOHを真空で留去する。残留物をDCMにより抽出する。有機相をブラインで洗浄して乾燥(MgSO4)する。溶媒を真空で蒸発させると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.55分;質量スペクトル(ESI+):m/z=205[M+H]+。

0169

工程3:エチル1−[(6−{3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−イル)メチル]−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
(6−{3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−イル)メタノール(19.2g)をTHF(150mL)に溶解し、0℃に冷却する。エチル1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(14.5g)およびトリブチルホスフィン(30mL)を加える。ジ−tert−ブチル−アゾジカルボキシレート(26g)をゆっくりと小分けにして加え、この混合物を45分間、撹拌する。飽和NaHCO3水溶液を加え、この混合物を10分間、激しく撹拌し、次に、EtOACにより抽出する。有機相をブラインで洗浄して乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮する。残留物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAC 80:20→50:50)にかけると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.73分;質量スペクトル(ESI+):m/z=327[M+H]+。

0170

工程4:1−[(6−{3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−イル)メチル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸
EtOH(100mL)およびTHF(250mL)中の、エチル1−[(6−{3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−イル)メチル]−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(15.5g)、1M KOHからなる混合物を50℃で48時間、撹拌する。室温まで冷却した後、酢酸(5.5mL)を加え、この溶媒を真空で蒸発させる。残留物を水とDCM/イソプロパノール9:1との間に分配する。有機相をブラインで洗浄して乾燥(MgSO4)する。溶媒を真空で蒸発させて、残留物をACNから結晶化させると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.60分;質量スペクトル(ESI+):m/z=299[M+H]+。

0171

中間体9
1−[(6−{6,6−ジフルオロ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−イル)メチル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸

0172

工程1:6−{6,6−ジフルオロ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−カルボアルデヒド
6−クロロ−2−メチルピリジン−3−カルボアルデヒド(19.6g)、6,6−ジフルオロ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(19.6g)およびKHCO3(58g)をDMSO(70mL)に懸濁して、75℃まで48時間、加熱する。この混合物を冷却して、水とEtOACとの間に分配し、相を分離する。有機相をブラインで洗浄する。乾燥(MgSO4)後、溶媒を真空で蒸発させると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.66分;質量スペクトル(ESI+):m/z=239[M+H]+。

0173

工程2:(6−{6,6−ジフルオロ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−イル)メタノール
6−{6,6−ジフルオロ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−カルボアルデヒド(41.6g)のEtOH(600mL)溶液に、氷冷下で、NaBH4(9g)を加える。この混合物を室温で12時間、撹拌する。0℃まで冷却した後、この混合物を4MHCl水溶液(150mL)によりゆっくりと処理し、15分間撹拌する。次に、この混合物を、4MNaOH水溶液の添加により塩基性にする。EtOHを真空で留去する。残留物をDCMにより抽出する。有機相をブラインで洗浄して乾燥(MgSO4)する。溶媒を真空で蒸発させて、残留物をジイソプロピルエーテルから粉末にすると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.54分;質量スペクトル(ESI+):m/z=241[M+H]+。

0174

工程3:エチル1−[(6−{6,6−ジフルオロ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−イル)メチル]−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
(6−{6,6−ジフルオロ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル}−2−メチルピリジン−3−イル)メタノール(24.4g)をTHF(500mL)に溶解し、0℃に冷却する。エチル1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(15.3g)およびトリブチルホスフィン(28mL)を加える。ジ−tert−ブチル−アゾジカルボキシレート(24.6g)をゆっくりと小分けにして加え、この混合物を45分間、撹拌する。飽和NaHCO3水溶液を加え、この混合物を10分間、激しく撹拌し、次に、EtOACにより抽出する。有機相をブラインで洗浄して乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮する。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAC 50:50→20:80)にかけると、表題化合物が得られる。
LC(方法1):tR=0.75分;質量スペクトル(ESI+):m/z=363[M+H]+。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ