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技術 遺伝物質をヒト細胞に標的化して導入するための指向性改変組換えウイルスベクターおよびその使用

出願人 リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
発明者 カラツオス,クリストスマーフィー,アンドリュージェイ.ワン,チェンサビン,リア
出願日 2018年6月27日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2019-572024
公開日 2020年10月8日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-529196
状態 未査定
技術分野 動物,微生物物質含有医薬 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 突然変異または遺伝子工学 ペプチド又は蛋白質 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 微生物、その培養処理
主要キーワード パッケージング技法 結合構成要素 構造的配置 ピット中 焦点形成 エンベロープ性 RDX 三次元状
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課題・解決手段

標的化して対象ヌクレオチド送達するために、キャプシドタンパク質によって提示される異種エピトープと、細胞上に発現されるタンパク質とを、特異的に結合する二重特異性抗体などの多重特異性結合分子を用いて、組換えウイルスキャプシドタンパク質/キャプシドベクターを、例えば生体内再標的化するための組成物および方法が、本明細書で提供される。

概要

背景

特定の標的細胞への遺伝子の送達は、多様な慢性疾患および遺伝疾患の診断および遺伝子療法のための現代医学における最も重要な技術のうちの1つとなっている。現在のところ、理想的な遺伝子送達媒体欠くために、遺伝子療法の臨床適用における進展が制限されている。治療的な成功を達成するためには、遺伝子送達媒体は、非標的細胞への形質導入を回避しながら、標的細胞への形質導入が可能でなければならない。具体的には、ウイルス天然指向性が火急の治療的ニーズを満たしていないときに、天然指向性が削除または軽減され、所望の指向性が首尾よく作製されている組換えウイルスベクターが必要である。(Buchholz et al.,)

近年では、ベクター開発の大部分の進展は、レトロウイルスレンチウイルス、および単純ヘルペスウイルスなどのエンベロープウイルス(例えば、キャプシド脂質二重層によって囲まれているウイルス)のみならず、アデノ随伴ウイルス(AAV)およびアデノウイルス(Ad)などのネイキドウイルス(例えば、エンベロープ(例えば、脂質二重層)を有さないウイルスキャプシドタンパク質によって形成されるキャプシドを含むウイルス)を使用して達成されている。AAVは、穏やかな免疫原性でしかないが、明白な毒性なしに広範囲の種および組織生体内に形質導入することが可能な非エンベロープウイルスであるため、AAV系ベクターは多くの研究の焦点となっている。

AAVは、小さな非エンベロープ性一本鎖DNAウイルスである。AAVゲノムは、4.7kbであり、それぞれ、2つの逆位末端反復(ITR)、およびRepタンパク質およびCapタンパク質をコードする2つのオープンリーディングフレームを特徴とする。2つのITRは、AAV複製、パッケージング、および統合に必要不可欠な唯一シスエレメントである。Repリーディングフレームは、分子量78kD、68kD、52kD、および40kDの4つのタンパク質をコードする。これらのタンパク質は、主にAAV複製を調節し、宿主細胞染色体へのAAVの統合で機能する。Capリーディングフレームは、83〜85kD(VP1)、72〜73kD(VP2)、および61〜62kD(VP3)の分子量を有する3つの構造(キャプシド)ウイルスタンパク質(VP)をコードする。AAVビリオンにおける総タンパク質のうちの80%以上は、VP3で構成され、成熟ビリオンにおいて、VP1、VP2、およびVP3は、およそ1:1:10の相対的存在量で見出されている。生体外で、3つのタンパク質は、ビリオン様構造、例えばウイルスキャプシドへと自然発生的に集合する。したがって、感染細胞におけるウイルスキャプシド形成は、ウイルスDNA合成とは無関係に進行するように思われる(Kotin et al.(1994)Hum.Gene Ther.5:793によって検証されている)。

すべての既知のAAVセロタイプの中でも特に、AAV2は、その感染クローンが最初に作製されたため、おそらく最も良好に特徴付けられたセロタイプである。(Samulski et al.(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA79:2077−2081)。その後、AAV3A、AAV3B、AAV4およびAAV6の全配列も決定されている。(Rutledge et al.(1998)J.Virol.72:309−319、Chiorini et al.(1997)J.Virol.71:6823−6833、S.Muramatsu et al.(1996)Virol.221:208−217)。概して、すべてのAAVは、ヌクレオチド配列において80%を超える同一性共有している。

AAVは、他のウイルスベクターとは異なり、AAVが任意の既知のヒト疾患と関連することが示されておらず、概して病原性とはみなされていないため、ヒト遺伝子療法のための有望なベクターである。(Muzyczka et al.(1992)Current Topics in Microbiology and Immunology158:97−129)。さらに、AAVは、有糸分裂後の組織を比較的低い免疫原性で安全に形質導入し、部位特異的な様式で宿主染色体に、およびRepタンパク質がトランスで供給された場合に、染色体19で組織培養細胞に、統合することが可能である。(Kotin et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA87:2211−2215、Samulski et al.(1991)EMBO J.10(12):3941−3950、Balague et al.(1997)J.Virol.71:3299−3306、Surosky et al.(1997)J.Virol.71:7951−7959)。AAVの統合ゲノムは、筋肉肝臓、および脳を含む多数の組織における長期遺伝子発現を可能にすることが示されている(Fisher(1997)Nature Med.3(3):306−312、Snyder et al.(1997)Nature Genetics16:270−276、Xiao et al.(1997)Experimental Neurology144:113−124、Xiao et al.(1996)J.Virol.70(11):8098−8108)。

AAVを含む多数のウイルスは、最終的に感染細胞によるウイルスのエンドサイトーシスをもたらす、ウイルス/リガンド細胞受容体相互作用を介して細胞に感染する。このリガンド:受容体相互作用は、ウイルスベクター研究の大部分の焦点であり、例えば、標的細胞によって発現された受容体を介した、例えば野生型ウイルスによる標的細胞への感染に対して天然に許容状態である細胞から、ウイルスの天然指向性を再配向させるように操作することができる。

大部分の細胞表面受容体またはマーカーが、恒常的である(例えば、再生使用のため)か、またはリガンドに誘導される(例えば、受容体に媒介される)かのいずれかでエンドサイトーシスの経路関与するため、理論上、任意の細胞表面タンパク質またはマーカーに向かうベクターの再標的化は、標的細胞による感染をもたらすはずである。これら受容体は、クラスリン被覆ピット中で塊状になり、クラスリン被覆小胞を介して細胞に進入し、受容体が分類される酸性化エンドソームを通過し、次いで、細胞表面に再生使用されるか、細胞内で貯蔵されるか、またはリソソーム中で分解されるかのいずれかである。このように、ウイルスベクターを再標的化するためのプラットフォームは、多くの場合、ウイルスベクターの天然指向性を削除し、標的細胞単独でまたは主に標的細胞によって発現される受容体またはマーカーにウイルスベクターを再配向さあせることを目的としている。ウイルスベクターを使用した標的化遺伝子療法の進歩のうちの多くは、ウイルスベクターの天然指向性のシュードタイピング拡張、および/または再標的化がもたらされる、ウイルスベクターの非組換え(非遺伝子)または組換え(遺伝子)改変として要約することができる。(Nicklin and Baker(2002)Curr.Gene Ther.2:273−93、Verheiji and Rottier(2012)Advances Virol2012:1−15において検証されている)。

非遺伝的手法は、典型的には、野生型非改変型)ウイルス表面タンパク質および標的細胞の両方を認識するアダプターを利用する。可溶性疑似受容体(野生型ウイルス)、ポリエチレングリコールなどのポリマー、および抗体またはその一部分が、アダプターのウイルス結合ドメインとして使用されてきたが、天然ペプチドまたはビタミンリガンド、ならびに抗体およびその一部分は、上述のアダプターの細胞結合ドメインに使用されてきた。この手法では、標的細胞へのウイルスベクターの再標的化は、ベクター:アダプター複合体が、標的細胞の表面上に発現されたタンパク質(例えば、細胞表面タンパク質)に結合すると達成することができる。

かかる手法は、AAV(Bartlett et al.(1999)Nat.Biotechnol.74:2777−2785)、アデノウイルス(Hemminki et al.(2001)Cancer Res.61:6377−81、van Beusechem et al.(2003)Gene Therapy10:1982−1991、Einfeld,et al.(2001)J.Virol.75:11284−91、Glasgow et al.(2009)PLOS One4:e8355)、ヘルペスウイルス(Nakano et al.(2005)Mol.Ther.11:617−24)、およびパラミキソウイルス(Bian et al.(2005)Cancer Gene Ther.12:295−303、Bian et al.(2005)Int.J.Oncol.29:1359−69)、コロナウイルス(Haijema et al.(2003)J.Virol.77:4528−43]8、Wurdinger et al.(2005)Gene Therapy12:1394−1404)に使用されている。

より一般的な手法は、ウイルスキャプシドタンパク質、したがってウイルスキャプシドの表面の組換え遺伝子改変である。間接的な組換え手法では、ウイルスキャプシドは、その後アダプターに連結される異種「足場」を用いて改変される。アダプターは、足場および標的細胞に結合する。(Arnold et al.(2006)Mol.Ther.5:125−132、Ponnazhagen et al.(2002)J.Virol.76:12900−907、WO97/05266も参照されたい)。(1)抗体アダプターのFcに結合するFc結合分子(例えば、Fc受容体プロテインAなど)、(2)ビオチン標識化アダプターに結合する(ストレプトアビジン、(3)(ストレプト)アビジンに融合するアダプターに結合するビオチン、および(4)Spy標識化アダプターに結合するSpyCatcherなどの等長ペプチド結合を形成するタンパク質:タンパク質結合対、などの足場が、Adに組み込まれている(Pereboeva et al.(2007)Gene Therapy14:627−637、Park et al.(2008)Biochemical and Biophysical Research Communications366:769−774、Henning et al.(2002)Human Gene Therapy13:1427−1439、Banerjee et al.(2011)Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters21:4985−4988)、AAV(Gigout et al.(2005)Molecular Therapy11:856−865、Stachler et al.(2008)Molecular Therapy16:1467−1473)、およびトガウイルス(Quetglas et al.(2010)Virus Research153:179−196、Ohno et al.(1997)Nature Biotechnology15:763−767、Klimstra et al.(2005)Virology338:9−21)。

直接的な組換え標的化手法では、標的化リガンドは、ウイルスキャプシドに直接挿入されるか、またはウイルスキャプシドに連結されて、すなわち、タンパク質ウイルスキャプシドが改変されて異種標的リガンドを発現する。次いで、リガンドは、標的細胞上で優先的にまたは標的細胞上でのみ発現される受容体またはマーカーを再配向、例えば結合する。(Stachler et al.(2006)Gene Ther.13:926−931、White et al.(2004)Circulation109:513−519.)。直接的な組換え手法は、AAV(Park et al.,(2007)Frontiers in Bioscience13:2653−59、Girod et al.(1999)Nature Medicine5:1052−56、Grifman et al.(2001)Molecular Therapy3:964−75、Shi et al.(2001)Human Gene Therapy12:1697−1711、Shi and Bartlett(2003)Molecular Therapy7:515−525)、レトロウイルス(Dalba et al.Current Gene Therapy5:655−667、Tai and Kasahara(2008)Frontiers in Bioscience13:3083−3095、Russell and Cosset(1999)Journal of Gene Medicine1:300−311、Erlwein et al.(2002)Virology302:333−341、Chadwick et al.(1999)Journal of Molecular Biology285:485−494、Pizzato et al.(2001)Gene Therapy8:1088−1096)、ポックスウイルス(Guse et al.(2011)Expert Opinion on Biological Therapy11:595−608、Galmiche et al.(1997)Journal of General Virology78:3019−3027、Paul et al.(2007)Viral Immunology20:664−671)、パラミキソウイルス(Nakamura and Russell(2004)Expert Opinion on Biological Therapy4:1685−1692、Hammond et al.(2001)Journal of Virology75:2087−2096、Galanis(2010)Clinical Pharmacology and Therapeutics88:620−625、Blechacz and Russell(2008)Current Gene Therapy8:162−175、Russell and Peng(2009)Current Topics in Microbiology and Immunology330:213−241)、およびヘルペスウイルス(Shah and Breakefield(2006)Current Gene Therapy6:361−370、Campadelli−Fiume et al.(2011)Reviews in Medical Virology21:213−226)で使用されている。
3つの手法の各々は、利点および欠点を有する。直接的な組換え手法の主な利点は、ウイルスベクターの特異性ウイルスゲノム固有であり、複製の際に特異性が維持されることである。しかしながら、この組換え手法および間接的な組換え手法では、ウイルスを遺伝子改変する能力は、キャプシド構造の維持、および標的化リガンドまたは足場を許容し適切に提示するであろう位置に標的化リガンドまたは足場が置かれることを必要とし、したがって使用することができる適切なリガンドまたは足場のレパートリーが制限される。このように、組換え再標的化方法は、抗体またはその一部分などの他の結合リガンドの組み込みにつながる、標的化リガンドとして有用な天然に存在する分子によって制限される。非組換えおよび組換えアダプタープラットフォームの両方は、使用されるアダプターの柔軟性において有利である。しかしながら、これらの2つの構成要素系では、最適な形質導入効率の達成は困難である。
異種エピトープをウイルスキャプシドに挿入することによる、従来の組換え再標的化方策に固有の問題を解決するウイルス再標的化方策が、本明細書で提供される。本組換えウイルスキャプシドは、特にウイルスベクター:多重特異性結合分子のある特定の比率以内で、異種エピトープに特異的結合するFvなどの抗体パラトープと標的細胞に特異的に結合する再標的化リガンドとを含む多重特異性、任意選択的に二重特異性の結合分子と組み合わせられると、復元および再配向される天然指向性の減少または無効化を呈する。

概要

標的化して対象ヌクレオチドを送達するために、キャプシドタンパク質によって提示される異種エピトープと、細胞上に発現されるタンパク質とを、特異的に結合する二重特異性抗体などの多重特異性結合分子を用いて、組換えウイルスキャプシドタンパク質/キャプシド/ベクターを、例えば生体内で再標的化するための組成物および方法が、本明細書で提供される。

目的

一実施形態では、対象ヌクレオチドは、マルチドメイン治療用のタンパク質、例えば、2つの別個の機能を提供する

効果

実績

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請求項1

エピトープを含む組換えウイルスキャプシドタンパク質であって、前記エピトープが、前記キャプシドタンパク質とは異種であり、前記異種エピトープまたはその一部分が、抗体パラトープに特異的に結合し、前記ウイルスキャプシドタンパク質が、減少または無効化された天然指向性を有する組換えウイルスキャプシドを形成する、組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項2

前記エピトープが、少なくとも1アミノ酸長である、請求項1に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項3

前記組換えウイルスキャプシドタンパク質が、減少または無効化されたウイルスキャプシドを形成するように、前記ウイルスキャプシドの前記天然指向性に関与するアミノ酸位置での置換、挿入、または欠失を含む、請求項1または請求項2に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項4

前記ウイルスキャプシドタンパク質が、アデノ随伴ウイルス(AAV)キャプシド遺伝子に由来し、任意選択的に、前記異種エピトープが、AAV2のI587、AAV6のI585、AAV8のI590、AAV9のI453、AAV9のI589、および霊長類に感染するAAVセロタイプの任意の対応するアミノ酸からなる群から選択される位置に挿入され、任意選択的に、前記霊長類に感染するAAVセロタイプが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、およびAAV9からなる群から選択される、請求項1〜3に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項5

前記アデノ随伴ウイルスが、AAV2である、請求項4に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項6

前記アデノ随伴ウイルスが、AAV6である、請求項4に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項7

前記アデノ随伴ウイルスが、AAV8である、請求項4に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項8

前記アデノ随伴ウイルスが、AAV9である、請求項4に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項9

(i)前記ウイルスキャプシドタンパク質が、遺伝子改変AAV2VP1キャプシドタンパク質であり、前記エピトープが、位置I453またはI587のアミノ酸の後に挿入され、かつ/またはそのアミノ酸を置き換え、(ii)前記ウイルスキャプシドタンパク質が、遺伝子改変AAV6VP1キャプシドタンパク質であり、前記エピトープが、位置I585のアミノ酸の後に挿入され、かつ/またはそのアミノ酸を置き換え、(iii)前記ウイルスキャプシドが、遺伝子改変AAV8VP1キャプシドタンパク質であり、前記エピトープが、位置I590のアミノ酸の後に挿入され、かつ/またはそのアミノ酸を置き換え、(iv)前記ウイルスキャプシドタンパク質が、遺伝子改変AAV9VP1キャプシドタンパク質であり、前記エピトープが、位置I453またはI589のアミノ酸の後に挿入され、かつ/またはそのアミノ酸を置き換える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項10

前記ウイルスキャプシドタンパク質が、前記AAV2VP1キャプシドタンパク質のアミノ酸N587とR588との間に並ぶ、前記エピトープを発現するように改変されたAAV2キャプシド遺伝子によってコードされる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項11

前記ウイルスキャプシドタンパク質が、AAV6キャプシド遺伝子に由来し、前記エピトープが、アミノ酸Q585の直後に挿入されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項12

前記ウイルスキャプシドタンパク質が、AAV8キャプシド遺伝子に由来し、前記エピトープが、前記AAV8VP1キャプシドタンパク質のアミノ酸N590の直後に挿入されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項13

前記ウイルスキャプシドタンパク質が、AAV9キャプシド遺伝子に由来し、前記エピトープが、前記AAV9VP1キャプシドタンパク質の位置G453またはA589のアミノ酸の後で前記キャプシドタンパク質に挿入され、かつ/またはそのアミノ酸を置き換え、前記キャプシドタンパク質が、追加の変異をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項14

前記追加の変異が、W503Aである、請求項13に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項15

前記エピトープが、アミノ酸配列EQKLISEEDLを含み、前記アミノ酸配列またはその一部分が、前記抗体パラトープに特異的に、および任意選択的に結合する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項16

前記エピトープが、アミノ酸配列EQKLISEEDLを含み、前記アミノ酸配列またはその一部分が、前記抗体パラトープに特異的に結合し、前記アミノ酸配列EQKLISEEDLが、AAVキャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ操作可能に連結されている、請求項1〜15のいずれかに記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項17

前記ウイルスキャプシドタンパク質が、配列番号2として表されるアミノ酸配列、配列番号4として表されるアミノ酸配列、配列番号25として表されるアミノ酸配列、配列番号26として表されるアミノ酸配列、または配列番号27として表されるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項18

前記組換えウイルスキャプシドタンパク質、または前記組換えウイルスキャプシドタンパク質を含むウイルスキャプシドが、前記抗体パラトープを含む多重特異性結合分子非存在下で、標的細胞に感染することができず、任意選択的に、前記抗体パラトープを含む多重特異性結合分子の非存在下で、前記ウイルスキャプシドタンパク質、または前記組換えウイルスキャプシドタンパク質を含むウイルスキャプシドの形質導入効率が、(i)少なくとも10%減少されるか、(ii)少なくとも20%減少されるか、(iii)少なくとも30%減少されるか、(iv)少なくとも40%減少されるか、(v)少なくとも50%減少されるか、(vi)少なくとも60%減少されるか、(vii)少なくとも70%減少されるか、(viii)少なくとも80%減少されるか、(ix)少なくとも90%減少されるか、あるいは(x)無効化される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質。

請求項19

請求項1〜18のいずれか一項に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、単離核酸

請求項20

前記ヌクレオチド配列が、配列番号2として表されるアミノ酸配列、配列番号4として表されるアミノ酸配列、配列番号25として表されるアミノ酸配列、配列番号26として表されるアミノ酸配列、または配列番号27として表されるアミノ酸配列を含む、組換えウイルスキャプシドタンパク質をコードする、請求項19に記載の単離核酸。

請求項21

請求項20に記載の組換えウイルスキャプシドによって封入された対象ヌクレオチドを含む組換えウイルスベクターであって、任意選択的に、前記組換えウイルスキャプシドが、モザイクキャプシドである、組換えウイルスベクター。

請求項22

前記対象ヌクレオチドが、ウイルスプロモーター、細菌プロモーター、哺乳類プロモーター、鳥類プロモーター、プロモーター、昆虫プロモーター、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるプロモーターの制御下にある、請求項21に記載の組換えウイルスベクター。

請求項23

前記対象ヌクレオチドが、非ヒトプロモーターの制御下にある、請求項22に記載の組換えウイルスベクター。

請求項24

前記対象ヌクレオチドが、AAVITR配列に隣接している、請求項23に記載の組換えウイルスベクター。

請求項25

前記対象ヌクレオチドが、レポーター遺伝子である、請求項21〜24のいずれか一項に記載の組換えウイルスベクター。

請求項26

前記レポーター遺伝子が、緑色蛍光タンパク質をコードする、請求項25に記載の組換えウイルスベクター。

請求項27

前記対象ヌクレオチドが、自殺遺伝子、抗体またはその断片をコードするヌクレオチド、CRISPR/Cas系またはその一部分(複数可)をコードするヌクレオチド、アンチセンスRNAをコードするヌクレオチド、siRNAをコードするヌクレオチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項21〜24のいずれか一項に記載の組換えウイルスベクター。

請求項28

(a)請求項21〜27のいずれか一項に記載の組換えウイルスベクターと、(b)エピトープに特異的に結合する抗体パラトープを含む多重特異性結合分子と、を含む組成物であって、任意選択的に、多重特異性結合分子が、標的細胞上で発現された受容体に特異的に結合する再標的化リガンドをさらに含み、前記多重特異性結合分子が、任意選択的に二重特異性結合分子である、組成物。

請求項29

前記ウイルスベクターおよび前記多重特異性結合分子が、1:4の比率で存在する、請求項28に記載の組成物。

請求項30

前記抗体パラトープが、Fvドメインである、請求項28または29に記載の組成物。

請求項31

前記Fvドメインが、重鎖定常ドメインに直接融合されている、請求項30に記載の組成物。

請求項32

前記再標的化リガンドが、抗体またはその一部分である、請求項28〜31のいずれか一項に記載の組成物。

請求項33

前記多重特異性結合分子が、二重特異性抗体であり、前記パラトープおよび前記再標的化リガンドが、第1および第2の重鎖定常ドメインに融合されている別個のFvドメインを各々含む、請求項28〜32のいずれか一項に記載の組成物。

請求項34

前記第1および第2の重鎖が、異なる結合親和性プロテインAに結合する、請求項33に記載の組成物。

請求項35

前記多重特異性結合分子が、二重特異性抗体であり、前記再標的化リガンドが、2つの同一の免疫グロブリン重鎖および2つの同一の軽鎖を含む四量体体構造を備え、異種エピトープに結合する前記パラトープが、一方もしくは両方の重鎖のC末端もしくはN末端に、かつ/または一方もしくは両方の重鎖のC末端もしくはN末端に付加されている、請求項28〜32のいずれか一項に記載の組成物。

請求項36

前記パラトープがscFvであり、任意選択的に、前記scFvが、配列番号37として表されるアミノ酸配列を含む、請求項35に記載の組成物。

請求項37

前記異種エピトープが、アミノ酸配列EQKLISEEDLまたはその一部分を含み、前記抗体パラトープが、前記アミノ酸配列EQKLISEEDLまたはその一部分に特異的に結合する、請求項28〜36のいずれか一項に記載の組成物。

請求項38

前記再標的化リガンドが、細胞表面マーカーである細胞表面タンパク質に特異的に結合する、請求項28〜37のいずれか一項に記載の組成物。

請求項39

前記細胞表面マーカーが、アシアロ糖タンパク質1(ASGR1)である、請求項38に記載の組成物。

請求項40

前記細胞表面マーカーが、CD3である、請求項38に記載の組成物。

請求項41

前記細胞表面マーカーが、ENTPD3である、請求項38に記載の組成物。

請求項42

薬学的に許容可能な担体をさらに含む、請求項28〜41のいずれか一項に記載の組成物。

請求項43

請求項21〜27のいずれか一項に記載の組換えウイルスベクターを標的細胞に配向させる方法であって、前記組換えウイルスベクターを多重特異性結合分子と接触させることを含み、前記多重特異性結合分子が、(i)エピトープに特異的に結合する抗体パラトープ、および(ii)前記標的細胞の表面上に発現されるタンパク質に特異的に結合する再標的化リガンドを含む、方法。

請求項44

前記標的細胞が、生体内にある、請求項43に記載の方法。

請求項45

前記接触させることが、エクスビボで実施される、請求項43または請求項44に記載の方法。

請求項46

細胞表面タンパク質を発現している標的細胞に対象ヌクレオチドを送達する方法であって、前記標的細胞を請求項28〜42のいずれか一項に記載の組成物と接触させることを含み、前記多重特異性結合分子が、前記細胞表面タンパク質に結合する再標的化リガンドを含む、方法。

請求項47

前記標的細胞が、生体外にある、請求項46に記載の方法。

請求項48

前記標的細胞が、対象の生体内にある、請求項46に記載の方法。

請求項49

前記対象が、ヒトである、請求項48に記載の方法。

請求項50

前記標的細胞が、ヒト細胞である、請求項46〜49のいずれか一項に記載の方法。

請求項51

前記標的細胞が、肝細胞、脳細胞、T細胞、腎細胞腸細胞膵細胞癌細胞、および異種病原体に感染した細胞からなる群から選択される、請求項46〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項52

前記標的細胞が、ヒト肝細胞である、請求項46〜51のいずれか一項に記載の方法。

請求項53

前記細胞表面タンパク質が、ヒトアシアロ糖タンパク質受容体1(hASGR1)である、請求項46〜52のいずれか一項に記載の方法。

請求項54

前記標的細胞が、ヒトT細胞である、請求項46〜51のいずれか一項に記載の方法。

請求項55

前記細胞表面タンパク質が、CD3である、請求項54に記載の方法。

請求項56

前記細胞表面タンパク質が、ヒトグルカゴン受容体(hGCGR)である、請求項46〜51のいずれか一項に記載の方法。

請求項57

前記標的細胞が、腸細胞である、請求項46〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項58

前記標的細胞が、膵細胞である、請求項46〜50のいずれか一項に記載の方法。

請求項59

前記細胞表面タンパク質が、ENTPD3である、請求項57および58に記載の方法。

請求項60

ウイルスキャプシドタンパク質を不活性化する方法であって、(a)異種エピトープをコードする核酸を、ウイルスキャプシドタンパク質をコードする核酸配列に挿入して、前記異種エピトープを含む遺伝子改変されたキャプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を形成することと、(b)ウイルスベクターの生成に十分な条件下で、パッケージング細胞を培養することであって、前記パッケージング細胞が、前記ヌクレオチド配列を含む、培養することと、を含む、方法。

請求項61

ウイルスベクターを生成する方法であって、ウイルスベクターの生成に十分な条件下でパッケージング細胞を培養することを含み、前記パッケージング細胞が、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組換えキャプシドタンパク質をコードするプラスミドを含む、方法。

請求項62

前記パッケージング細胞が、ヘルパープラスミド、および/または対象ヌクレオチドを含む伝達プラスミドをさらに含む、請求項60または請求項61に記載の方法。

請求項63

培養上清から自己相補的アデノ随伴ウイルスベクターを単離することをさらに含む、請求項60〜62のいずれか一項に記載の方法。

請求項64

前記パッケージング細胞を溶解することと、一本鎖アデノ随伴ウイルスベクターを前記細胞溶解物から単離することと、をさらに含む、請求項60〜63のいずれか一項に記載の方法。

請求項65

a.細胞片を除去することと、b.DNaseIおよびMgCl2を用いて、ウイルスベクターを含有する前記上清を処理することと、c.ウイルスベクターを濃縮することと、d.前記ウイルスベクターを精製することと、e.a〜dのうちの任意の組み合わせと、をさらに含む、請求項60〜64のいずれか一項に記載の方法。

請求項66

請求項60〜65のいずれか一項に記載の方法に従って作製される、ウイルスベクター。

請求項67

請求項1〜18のいずれか一項に記載のキャプシドタンパク質をコードするプラスミドを含むウイルスベクターを生成するための、パッケージング細胞。

請求項68

配列番号6に結合するパラトープを含む結合分子であって、前記パラトープが、配列番号28として表される前記核酸配列によってコードされる、HCVR、LCVR、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2および/またはLCDR3配列の前記scFvを含む、結合分子。

請求項69

前記抗体パラトープが、Fvドメインである、請求項68に記載の結合分子。

請求項70

前記Fvドメインが、重鎖定常ドメインに直接融合されている、請求項69に記載の結合分子。

請求項71

前記結合分子が、二重特異性抗体であり、再標的化リガンドをさらに含み、前記パラトープおよび前記再標的化リガンドが、第1および第2の重鎖定常ドメインに融合されている別個のFvドメインを各々含む、請求項68〜70のいずれか一項に記載の結合分子。

請求項72

前記第1および第2の重鎖が、異なる結合親和性でプロテインAに結合する、請求項71に記載の結合タンパク質

請求項73

前記結合分子が、二重特異性抗体であり、再標的化リガンドをさらに含み、前記再標的化リガンドが、2つの同一の免疫グロブリン重鎖および2つの同一の軽鎖を含む四量体抗体構造を備え、前記パラトープが、一方もしくは両方の重鎖のC末端もしくはN末端に、かつ/または一方もしくは両方の重鎖のC末端もしくはN末端に、付加されている、請求項68または69のいずれか一項に記載の結合タンパク質。

請求項74

前記パラトープがscFvであり、任意選択的に、前記scFvが、配列番号37として表されるアミノ酸配列を含む、請求項73に記載の結合タンパク質。

請求項75

抗体またはその一部分である再標的化リガンドをさらに含む、請求項69〜72のいずれか一項に記載の結合タンパク質。

請求項76

前記再標的化リガンドが、細胞表面マーカーである細胞表面タンパク質に特異的に結合する、請求項75に記載の結合タンパク質。

請求項77

前記細胞表面マーカーが、アシアロ糖タンパク質1(ASGR1)である、請求項76に記載の結合タンパク質。

請求項78

前記細胞表面マーカーが、CD3である、請求項76に記載の結合タンパク質。

請求項79

前記細胞表面マーカーが、GCGRである、請求項76に記載の結合タンパク質。

請求項80

前記細胞表面マーカーが、ENTPD3である、請求項76に記載の結合タンパク質。

請求項81

(a)請求項21〜27のいずれか一項に記載の組換えウイルスベクターと、(b)請求項68〜81のいずれか一項に記載の結合タンパク質と、を含む、組成物。

請求項82

前記ウイルスベクターおよび前記多重特異性結合分子が、1:4の比率で存在する、請求項81に記載の組成物。

請求項83

薬学的に許容可能な担体をさらに含む、請求項81または請求項82に記載の組成物。

技術分野

0001

配列表の参照
FSウェブ経由でテキストファイルとして提出
ファイル10335WO01_ST25.txtに記述されている配列表は、88キロバイトであり、2018年6月27日に作成され、参照により本明細書に組み込まれる。

0002

本明細書の開示は、概して、遺伝物質細胞および/または組織に標的化して導入するために有用な、指向性改変組換えウイルスベクターおよびそれを含む組成物に関する。

背景技術

0003

特定の標的細胞への遺伝子の送達は、多様な慢性疾患および遺伝疾患の診断および遺伝子療法のための現代医学における最も重要な技術のうちの1つとなっている。現在のところ、理想的な遺伝子送達媒体欠くために、遺伝子療法の臨床適用における進展が制限されている。治療的な成功を達成するためには、遺伝子送達媒体は、非標的細胞への形質導入を回避しながら、標的細胞への形質導入が可能でなければならない。具体的には、ウイルス天然指向性が火急の治療的ニーズを満たしていないときに、天然指向性が削除または軽減され、所望の指向性が首尾よく作製されている組換えウイルスベクターが必要である。(Buchholz et al.,)

0004

近年では、ベクター開発の大部分の進展は、レトロウイルスレンチウイルス、および単純ヘルペスウイルスなどのエンベロープウイルス(例えば、キャプシド脂質二重層によって囲まれているウイルス)のみならず、アデノ随伴ウイルス(AAV)およびアデノウイルス(Ad)などのネイキドウイルス(例えば、エンベロープ(例えば、脂質二重層)を有さないウイルスキャプシドタンパク質によって形成されるキャプシドを含むウイルス)を使用して達成されている。AAVは、穏やかな免疫原性でしかないが、明白な毒性なしに広範囲の種および組織を生体内に形質導入することが可能な非エンベロープウイルスであるため、AAV系ベクターは多くの研究の焦点となっている。

0005

AAVは、小さな非エンベロープ性一本鎖DNAウイルスである。AAVゲノムは、4.7kbであり、それぞれ、2つの逆位末端反復(ITR)、およびRepタンパク質およびCapタンパク質をコードする2つのオープンリーディングフレームを特徴とする。2つのITRは、AAV複製、パッケージング、および統合に必要不可欠な唯一シスエレメントである。Repリーディングフレームは、分子量78kD、68kD、52kD、および40kDの4つのタンパク質をコードする。これらのタンパク質は、主にAAV複製を調節し、宿主細胞染色体へのAAVの統合で機能する。Capリーディングフレームは、83〜85kD(VP1)、72〜73kD(VP2)、および61〜62kD(VP3)の分子量を有する3つの構造(キャプシド)ウイルスタンパク質(VP)をコードする。AAVビリオンにおける総タンパク質のうちの80%以上は、VP3で構成され、成熟ビリオンにおいて、VP1、VP2、およびVP3は、およそ1:1:10の相対的存在量で見出されている。生体外で、3つのタンパク質は、ビリオン様構造、例えばウイルスキャプシドへと自然発生的に集合する。したがって、感染細胞におけるウイルスキャプシド形成は、ウイルスDNA合成とは無関係に進行するように思われる(Kotin et al.(1994)Hum.Gene Ther.5:793によって検証されている)。

0006

すべての既知のAAVセロタイプの中でも特に、AAV2は、その感染クローンが最初に作製されたため、おそらく最も良好に特徴付けられたセロタイプである。(Samulski et al.(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA79:2077−2081)。その後、AAV3A、AAV3B、AAV4およびAAV6の全配列も決定されている。(Rutledge et al.(1998)J.Virol.72:309−319、Chiorini et al.(1997)J.Virol.71:6823−6833、S.Muramatsu et al.(1996)Virol.221:208−217)。概して、すべてのAAVは、ヌクレオチド配列において80%を超える同一性共有している。

0007

AAVは、他のウイルスベクターとは異なり、AAVが任意の既知のヒト疾患と関連することが示されておらず、概して病原性とはみなされていないため、ヒト遺伝子療法のための有望なベクターである。(Muzyczka et al.(1992)Current Topics in Microbiology and Immunology158:97−129)。さらに、AAVは、有糸分裂後の組織を比較的低い免疫原性で安全に形質導入し、部位特異的な様式で宿主染色体に、およびRepタンパク質がトランスで供給された場合に、染色体19で組織培養細胞に、統合することが可能である。(Kotin et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA87:2211−2215、Samulski et al.(1991)EMBO J.10(12):3941−3950、Balague et al.(1997)J.Virol.71:3299−3306、Surosky et al.(1997)J.Virol.71:7951−7959)。AAVの統合ゲノムは、筋肉肝臓、および脳を含む多数の組織における長期遺伝子発現を可能にすることが示されている(Fisher(1997)Nature Med.3(3):306−312、Snyder et al.(1997)Nature Genetics16:270−276、Xiao et al.(1997)Experimental Neurology144:113−124、Xiao et al.(1996)J.Virol.70(11):8098−8108)。

0008

AAVを含む多数のウイルスは、最終的に感染細胞によるウイルスのエンドサイトーシスをもたらす、ウイルス/リガンド:細胞/受容体相互作用を介して細胞に感染する。このリガンド:受容体相互作用は、ウイルスベクター研究の大部分の焦点であり、例えば、標的細胞によって発現された受容体を介した、例えば野生型ウイルスによる標的細胞への感染に対して天然に許容状態である細胞から、ウイルスの天然指向性を再配向させるように操作することができる。

0009

大部分の細胞表面受容体またはマーカーが、恒常的である(例えば、再生使用のため)か、またはリガンドに誘導される(例えば、受容体に媒介される)かのいずれかでエンドサイトーシスの経路関与するため、理論上、任意の細胞表面タンパク質またはマーカーに向かうベクターの再標的化は、標的細胞による感染をもたらすはずである。これら受容体は、クラスリン被覆ピット中で塊状になり、クラスリン被覆小胞を介して細胞に進入し、受容体が分類される酸性化エンドソームを通過し、次いで、細胞表面に再生使用されるか、細胞内で貯蔵されるか、またはリソソーム中で分解されるかのいずれかである。このように、ウイルスベクターを再標的化するためのプラットフォームは、多くの場合、ウイルスベクターの天然指向性を削除し、標的細胞単独でまたは主に標的細胞によって発現される受容体またはマーカーにウイルスベクターを再配向さあせることを目的としている。ウイルスベクターを使用した標的化遺伝子療法の進歩のうちの多くは、ウイルスベクターの天然指向性のシュードタイピング拡張、および/または再標的化がもたらされる、ウイルスベクターの非組換え(非遺伝子)または組換え(遺伝子)改変として要約することができる。(Nicklin and Baker(2002)Curr.Gene Ther.2:273−93、Verheiji and Rottier(2012)Advances Virol2012:1−15において検証されている)。

0010

非遺伝的手法は、典型的には、野生型非改変型)ウイルス表面タンパク質および標的細胞の両方を認識するアダプターを利用する。可溶性疑似受容体(野生型ウイルス)、ポリエチレングリコールなどのポリマー、および抗体またはその一部分が、アダプターのウイルス結合ドメインとして使用されてきたが、天然ペプチドまたはビタミンリガンド、ならびに抗体およびその一部分は、上述のアダプターの細胞結合ドメインに使用されてきた。この手法では、標的細胞へのウイルスベクターの再標的化は、ベクター:アダプター複合体が、標的細胞の表面上に発現されたタンパク質(例えば、細胞表面タンパク質)に結合すると達成することができる。

0011

かかる手法は、AAV(Bartlett et al.(1999)Nat.Biotechnol.74:2777−2785)、アデノウイルス(Hemminki et al.(2001)Cancer Res.61:6377−81、van Beusechem et al.(2003)Gene Therapy10:1982−1991、Einfeld,et al.(2001)J.Virol.75:11284−91、Glasgow et al.(2009)PLOS One4:e8355)、ヘルペスウイルス(Nakano et al.(2005)Mol.Ther.11:617−24)、およびパラミキソウイルス(Bian et al.(2005)Cancer Gene Ther.12:295−303、Bian et al.(2005)Int.J.Oncol.29:1359−69)、コロナウイルス(Haijema et al.(2003)J.Virol.77:4528−43]8、Wurdinger et al.(2005)Gene Therapy12:1394−1404)に使用されている。

0012

より一般的な手法は、ウイルスキャプシドタンパク質、したがってウイルスキャプシドの表面の組換え遺伝子改変である。間接的な組換え手法では、ウイルスキャプシドは、その後アダプターに連結される異種「足場」を用いて改変される。アダプターは、足場および標的細胞に結合する。(Arnold et al.(2006)Mol.Ther.5:125−132、Ponnazhagen et al.(2002)J.Virol.76:12900−907、WO97/05266も参照されたい)。(1)抗体アダプターのFcに結合するFc結合分子(例えば、Fc受容体プロテインAなど)、(2)ビオチン標識化アダプターに結合する(ストレプトアビジン、(3)(ストレプト)アビジンに融合するアダプターに結合するビオチン、および(4)Spy標識化アダプターに結合するSpyCatcherなどの等長ペプチド結合を形成するタンパク質:タンパク質結合対、などの足場が、Adに組み込まれている(Pereboeva et al.(2007)Gene Therapy14:627−637、Park et al.(2008)Biochemical and Biophysical Research Communications366:769−774、Henning et al.(2002)Human Gene Therapy13:1427−1439、Banerjee et al.(2011)Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters21:4985−4988)、AAV(Gigout et al.(2005)Molecular Therapy11:856−865、Stachler et al.(2008)Molecular Therapy16:1467−1473)、およびトガウイルス(Quetglas et al.(2010)Virus Research153:179−196、Ohno et al.(1997)Nature Biotechnology15:763−767、Klimstra et al.(2005)Virology338:9−21)。

0013

直接的な組換え標的化手法では、標的化リガンドは、ウイルスキャプシドに直接挿入されるか、またはウイルスキャプシドに連結されて、すなわち、タンパク質ウイルスキャプシドが改変されて異種標的リガンドを発現する。次いで、リガンドは、標的細胞上で優先的にまたは標的細胞上でのみ発現される受容体またはマーカーを再配向、例えば結合する。(Stachler et al.(2006)Gene Ther.13:926−931、White et al.(2004)Circulation109:513−519.)。直接的な組換え手法は、AAV(Park et al.,(2007)Frontiers in Bioscience13:2653−59、Girod et al.(1999)Nature Medicine5:1052−56、Grifman et al.(2001)Molecular Therapy3:964−75、Shi et al.(2001)Human Gene Therapy12:1697−1711、Shi and Bartlett(2003)Molecular Therapy7:515−525)、レトロウイルス(Dalba et al.Current Gene Therapy5:655−667、Tai and Kasahara(2008)Frontiers in Bioscience13:3083−3095、Russell and Cosset(1999)Journal of Gene Medicine1:300−311、Erlwein et al.(2002)Virology302:333−341、Chadwick et al.(1999)Journal of Molecular Biology285:485−494、Pizzato et al.(2001)Gene Therapy8:1088−1096)、ポックスウイルス(Guse et al.(2011)Expert Opinion on Biological Therapy11:595−608、Galmiche et al.(1997)Journal of General Virology78:3019−3027、Paul et al.(2007)Viral Immunology20:664−671)、パラミキソウイルス(Nakamura and Russell(2004)Expert Opinion on Biological Therapy4:1685−1692、Hammond et al.(2001)Journal of Virology75:2087−2096、Galanis(2010)Clinical Pharmacology and Therapeutics88:620−625、Blechacz and Russell(2008)Current Gene Therapy8:162−175、Russell and Peng(2009)Current Topics in Microbiology and Immunology330:213−241)、およびヘルペスウイルス(Shah and Breakefield(2006)Current Gene Therapy6:361−370、Campadelli−Fiume et al.(2011)Reviews in Medical Virology21:213−226)で使用されている。
3つの手法の各々は、利点および欠点を有する。直接的な組換え手法の主な利点は、ウイルスベクターの特異性ウイルスゲノム固有であり、複製の際に特異性が維持されることである。しかしながら、この組換え手法および間接的な組換え手法では、ウイルスを遺伝子改変する能力は、キャプシド構造の維持、および標的化リガンドまたは足場を許容し適切に提示するであろう位置に標的化リガンドまたは足場が置かれることを必要とし、したがって使用することができる適切なリガンドまたは足場のレパートリーが制限される。このように、組換え再標的化方法は、抗体またはその一部分などの他の結合リガンドの組み込みにつながる、標的化リガンドとして有用な天然に存在する分子によって制限される。非組換えおよび組換えアダプタープラットフォームの両方は、使用されるアダプターの柔軟性において有利である。しかしながら、これらの2つの構成要素系では、最適な形質導入効率の達成は困難である。
異種エピトープをウイルスキャプシドに挿入することによる、従来の組換え再標的化方策に固有の問題を解決するウイルス再標的化方策が、本明細書で提供される。本組換えウイルスキャプシドは、特にウイルスベクター:多重特異性結合分子のある特定の比率以内で、異種エピトープに特異的結合するFvなどの抗体パラトープと標的細胞に特異的に結合する再標的化リガンドとを含む多重特異性、任意選択的に二重特異性の結合分子と組み合わせられると、復元および再配向される天然指向性の減少または無効化を呈する。

0014

国際公開第97/05266号

先行技術

0015

Kotin et al.(1994)Hum.Gene Ther.5:793
Samulski et al.(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA79:2077−2081
Rutledge et al.(1998)J.Virol.72:309−319
Chiorini et al.(1997)J.Virol.71:6823−6833
S.Muramatsu et al.(1996)Virol.221:208−217

課題を解決するための手段

0016

本明細書で開示されるのは、組換えウイルスキャプシドタンパク質であって、ウイルスキャプシドが、組換えウイルスキャプシドタンパク質と、組換えウイルスキャプシドによって封入されている対象ヌクレオチドを含むウイルスベクターと、を含み、当該キャプシドタンパク質、キャプシド、およびウイルスベクターが、異種エピトープを含む(提示する)ように遺伝子改変されており、異種エピトープ(その一部分またはウイルスキャプシドタンパク質と組み合わせられている)が、抗体パラトープと結合対を形成し、組換えウイルスキャプシドタンパク質または組換えウイルスキャプシドタンパク質を含むウイルスキャプシドが、低減または無効化された(天然)指向性を有するように、組換えウイルスキャプシドタンパク質/キャプシド/ベクターが、受容体結合に関与するアミノ酸位置での、例えばウイルスキャプシドタンパク質/キャプシド/ベクターの(天然)指向性の変異、挿入、または欠失をさらに含み得る(例えば、多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子非存在下で、異種エピトープを欠く標準ウイルスキャプシドタンパク質/キャプシド/ベクターの形質導入効率よりも低い形質導入効率、または多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で検出不能な形質導入効率を有する)、組換えウイルスキャプシドタンパク質である。かかる組換えウイルスキャプシドタンパク質/キャプシド/ベクターの減少または無効化された(天然)指向性は、適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合部分の存在下で、向上または復元することができる。したがって、ウイルスベクター:多重特異性結合分子のある特定の比率を含む組成物を含む、(1)本明細書に記載の組換えキャプシドタンパク質を含むキャプシドを有する組換えウイルスベクターと、(2)抗体パラトープおよび標的化リガンドを含む多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子と、を含む組成物についても記載されており、標的細胞に遺伝物質を配向および/または導入するためのその使用についても本明細書に記載している。また、例えば、標的細胞に標的化して対象ヌクレオチドを送達するために、組換えウイルスベクターを再標的化する方法であって、多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子に組換えウイルスベクターを接触させることを含む方法についても記載されており、組換えウイルスベクターを作製する方法についても記載されている。

0017

本明細書に記載されるのは、エピトープを含む組換えウイルスキャプシドタンパク質であって、エピトープが、キャプシドタンパク質とは異種であり、エピトープまたはその一部分が、抗体パラトープに特異的に結合し、組換えウイルスキャプシドタンパク質、または組換えウイルスキャプシドを含むウイルスキャプシドが、例えば多重特異性、任意選択的に二重特異性結合部分の非存在下で減少または無効化された天然指向性を有する、組換えウイルスキャプシドタンパク質である。

0018

いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入および/または提示が、異種エピトープを欠く標準ウイルスキャプシドと比較して、ウイルスキャプシドの(天然)指向性を減少または無効化する、例えば、ウイルスキャプシドが、アミノ酸位置でのエピトープの挿入、および/またはアミノ酸位置でアミノ酸のエピトープへの置換を含む変異を含むように、異種エピトープは、組換えウイルスキャプシドタンパク質に挿入(提示)され、変異によって、例えば、多重特異性、任意選択的に二重特異性結合部分の非存在下で、キャプシドタンパク質の(天然)指向性が減少または無効化される。いくつかの実施形態では、挿入および/または提示が、例えば多重特異性、任意選択的に二重特異性結合部分の非存在下で、異種エピトープを欠く標準ウイルスキャプシドと比較して、組換えウイルスキャプシドの(天然)指向性を部分的に減少させるように、異種エピトープがウイルスキャプシドタンパク質に挿入(提示)され、ウイルスキャプシドは、例えば変異を欠く標準ウイルスキャプシドと比較して、多重特異性、任意選択的に二重特異性結合部分の非存在下で、組換えウイルスキャプシドまたはそれを含む組換えウイルスベクターの(天然)指向性をさらに減少および/または無効化するさらなる変異(例えば異種エピトープの挿入以外の置換、欠失、挿入)をさらに含む。

0019

概して、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、キャプシド遺伝子に由来し得、例えばエピトープを発現するように改変されたキャプシド遺伝子によってコードされ、かつ/または遺伝子改変された、例えばアデノウイルス、アデノ随伴ウイルスなどの、概してヒト細胞に感染する非エンベロープウイルス、または概してヒト細胞に感染する非エンベロープウイルスのセロタイプである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAVキャプシド遺伝子に由来し、例えば、エピトープを発現するように改変されたキャプシド遺伝子によってコードされ、かつ/または霊長類に感染する遺伝子改変アデノ随伴ウイルス(AAV)キャプシドタンパク質のAAVセロタイプであり、任意選択的に、AAVが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、およびAAV9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV2、AAV6、AAV8、またはAAV9キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV2キャプシドタンパク質、遺伝子改変AAV6キャプシドタンパク質、遺伝子改変AAV8キャプシドタンパク質、または遺伝子改変AAV9キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV2キャプシド遺伝子に由来し、例えば、エピトープを発現するように改変されたAAV2キャプシド遺伝子によってコードされ、かつ/または野生型AAV2 VP1タンパク質のアミノ酸配列が配列番号1としてそれぞれ表される、遺伝子改変AAV2 VP1、VP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV6キャプシド遺伝子に由来し、例えば、エピトープを発現するように改変されたAAV6キャプシド遺伝子によってコードされ、かつ/または野生型AAV6 VP1のアミノ酸配列が配列番号3として表される、遺伝子改変AAV6 VP1、VP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV8キャプシド遺伝子に由来し、例えば、エピトープを発現するように改変されたAAV8キャプシド遺伝子によってコードされ、かつ/または野生型AAV VP1タンパク質のアミノ酸配列が配列番号21としてそれぞれ表される、遺伝子改変AAV8 VP1、VP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV9キャプシド遺伝子に由来し、例えば、エピトープを発現するように改変されたAAV9キャプシド遺伝子によってコードされ、かつ/またはAAV9 VP1の野生型アミノ酸配列が配列番号5としてそれぞれ表される、遺伝子改変AAV9 VP1、VP2もしくはVP3キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV2キャプシド遺伝子に由来し、例えば、エピトープを発現するように改変されたAAV2キャプシド遺伝子によってコードされ、かつ/またはAAV2の遺伝子改変VP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV6キャプシド遺伝子に由来し、例えば、エピトープを発現するように改変されたAAV6キャプシド遺伝子によってコードされ、かつ/またはAAV6の遺伝子改変VP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV8キャプシド遺伝子に由来し、例えば、エピトープを発現するように改変されたAAV8キャプシド遺伝子によってコードされ、かつ/またはAAV8の遺伝子改変VP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV9キャプシド遺伝子に由来し、例えば、エピトープを発現するように改変されたAAV9キャプシド遺伝子によってコードされ、かつ/またはAAV9の遺伝子改変VP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質である。

0020

いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、エピトープを発現するように改変されたキメラAAVキャプシド遺伝子に由来する、例えば改変されたキメラAAVキャプシド遺伝子によってコードされ、キメラAAVキャプシド遺伝子が、複数の核酸配列を含み、複数の核酸配列の各々が、異なるAAVセロタイプのキャプシドタンパク質の一部分をコードし、複数の核酸配列が、一緒になってキメラAAVキャプシドタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、キメラAAV2キャプシド遺伝子に由来する。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、キメラAAV6キャプシド遺伝子に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスキャプシドタンパク質は、キメラAAV8キャプシド遺伝子に由来する。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、キメラAAV9キャプシド遺伝子に由来する。

0021

概して、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、標準キャプシドを含む、異種エピトープまたはキャプシドを欠く標準キャプシドと比較して、異種エピトープ自体がそれぞれ、組換えキャプシドタンパク質またはそれを含むキャプシドの天然指向性を減少および/または無効化するように、組換えキャプシドタンパク質に挿入され、かつ/または組換えキャプシドタンパク質によって提示されている異種エピトープを含む。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、野生型標準キャプシドタンパク質の天然指向性に関与するキャプシドタンパク質の領域、例えば、細胞標的化に関与するキャプシドタンパク質の領域に、挿入(提示)されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、Adファイバータンパク質ノブドメインに挿入され、かつ/またはノブドメインによって提示されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、Adファイバータンパク質のHIループに挿入され、かつ/またはHIループによって提示されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAVキャプシドタンパク質のヘパリン結合部位に挿入され、かつ/またはヘパリン結合部位によって提示されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV2キャプシドタンパク質のヘパリン結合部位に挿入され、かつ/またはヘパリン結合部位によって提示されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV6キャプシドタンパク質のヘパリン結合部位に挿入され、かつ/またはヘパリン結合部位によって提示されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV8キャプシドタンパク質のヘパリン結合部位に挿入され、かつ/またはヘパリン結合部位によって提示されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV9キャプシドタンパク質のヘパリン結合部位に挿入され、かつ/またはヘパリン結合部位によって提示されている。いくつかの実施形態では、(i)ウイルスキャプシドタンパク質は、AAV2キャプシド遺伝子に由来し、エピトープは、AAV2 VP1キャプシドタンパク質の位置I453またはI587のアミノ酸、ならびに/またはAAV2 VP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置のアミノ酸の後に挿入され、かつ/またはそのアミノ酸を置き換え、(ii)ウイルスキャプシドタンパク質は、AAV6キャプシド遺伝子に由来し、エピトープは、AAV6 VP1キャプシドタンパク質の位置I585のアミノ酸、ならびに/またはAAV6 VP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置のアミノ酸の後に挿入され、かつ/またはそのアミノ酸を置き換え、(iii)ウイルスキャプシドは、AAV8キャプシド遺伝子に由来し、エピトープは、AAV8 VP1キャプシドタンパク質の位置I590のアミノ酸、ならびに/またはAAV8 VP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置のアミノ酸の後に挿入され、かつ/またはそのアミノ酸を置き換え、あるいは(iv)ウイルスキャプシドタンパク質は、AAV9キャプシド遺伝子に由来し、エピトープは、AAV9 VP1キャプシドタンパク質の位置I453またはI589のアミノ酸、ならびに/またはAAV9 VP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置のアミノ酸の後に挿入され、かつ/またはそのアミノ酸を置き換える。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV2キャプシドタンパク質VP1のG453(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、およびAAV9のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)、AAV2キャプシドタンパク質VP1のN587(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、およびAAV9のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)、AAV6キャプシドタンパク質VP1のQ585(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV7、AAV8、およびAAV9のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)、AAV8キャプシドタンパク質VP1のN590(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、およびAAV9のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)、AAV9キャプシドタンパク質VP1のG453(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、およびAAV8のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)、またはAAV9キャプシドタンパク質VP1のA589(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、およびAAV8のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)からなる群から選択されるアミノ酸の直後に挿入されている(例えばC末端に融合されている)。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV2キャプシドタンパク質VP1のG453(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、およびAAV9のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)の直後に挿入されている(例えばC末端に融合されている)。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV2キャプシドタンパク質VP1のN587(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、およびAAV9のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)の直後に挿入されている(例えばC末端に融合されている)。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV6キャプシドタンパク質VP1のQ585(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV7、AAV8、およびAAV9のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)の直後に挿入されている(例えばC末端に融合されている)。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV8キャプシドタンパク質VP1のN590(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、およびAAV9のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)の直後に挿入されている(例えばC末端に融合されている)。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV9キャプシドタンパク質VP1のG453(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、およびAAV8のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)の直後に挿入されている(例えばC末端に融合されている)。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV9キャプシドタンパク質VP1のA589(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応する位置の、またはヒトに感染する異なるAAV、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、およびAAV8のVP1、VP2、および/もしくはVP3キャプシドタンパク質の対応するアミノ酸)の直後に挿入されている(例えばC末端に融合されている)。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV2 VP1キャプシドタンパク質の(または同じキャプシド遺伝子からコードされたVP2および/もしくはVP3キャプシドの対応する位置の)アミノ酸N587とR588との間に挿入され、かつ/またはAAV2 VP1キャプシドタンパク質によって提示される。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号2として表されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号4として表されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号25として表される核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号26として表される核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号27として表される核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。

0022

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えキャプシドタンパク質は、異種エピトープに加えて、第2の異なる変異を含む。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、遺伝子改変AAV2キャプシドタンパク質であり得、異種エピトープを含み、変異、例えば、R585Aおよび/またはR588A変異をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV2キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV2 VP1キャプシドタンパク質であり、AAV2 VP1タンパク質のG453の直後に挿入されている(例えば、G453のC末端に融合されている)異種エピトープを含み、R585Aおよび/またはR5889Aからなる群から選択される変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV2キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV2 VP1キャプシドタンパク質であり、AAV2 VP1タンパク質のN587の直後に挿入されている(例えば、N587のC末端に融合されている)異種エピトープを含み、R585Aおよび/またはR588Aからなる群から選択される変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV9キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV9 VP1キャプシドタンパク質であり、AAV9 VP1タンパク質のG453の直後に挿入されている(例えば、G453のC末端に融合されている)異種エピトープを含み、W503A変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV9キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV9 VP1キャプシドタンパク質であり、AAV9 VP1タンパク質のA589の直後に挿入されている(例えば、A589のC末端に融合されている)異種エピトープを含み、W503A変異をさらに含む。

0023

概して、組換えウイルスキャプシドタンパク質および/または組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクターは、少なくとも1アミノ酸長である異種エピトープを含む。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、約5アミノ酸長〜約35アミノ酸長であり得、抗体パラトープ(例えば、免疫グロブリン可変ドメイン)と結合対を形成する。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、少なくとも10アミノ酸長を含む。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、親和性タグを含む。いくつかの実施形態では、異種エピトープおよび/または親和性タグは、免疫グロブリン定常ドメインと結合対を形成しない。いくつかの実施形態では、異種エピトープおよび/または親和性タグは、金属イオン、例えばNi2+、Co2+、Cu2+、Zn2+、Fe3+などと結合対を形成しない。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、ストレプトアビジン、Strep II、HA、L14、4C−RGDLH、およびプロテインAからなる群から選択されるポリペプチドではない。いくつかの実施形態では、親和性タグは、FLAG(配列番号7)、HA(配列番号8)およびc−myc(EQKLISEEDL、配列番号6)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、c−myc(EQKLISEEDL、配列番号6)を含む。

0024

いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、遺伝子改変AAV2 VP1キャプシドタンパク質であり、AAV2 VP1キャプシドタンパク質のG453の直後に挿入されている(例えば、G453のC末端に融合されている)配列EQKLISEEDL(配列番号6)を含む異種エピトープを含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、(i)AAV2キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV2 VP1キャプシドタンパク質であり、(ii)配列EQKLISEEDL(配列番号6)を含み、AAV2 VP1キャプシドタンパク質のG453の直後に挿入されている(例えば、G453のC末端に融合されている)異種エピトープを含み、(iii)R585Aおよび/またはR5889Aからなる群から選択される変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、遺伝子改変AAV2 VP1キャプシドタンパク質であり、AAV2 VP1キャプシドタンパク質のN587の直後に挿入されている(例えば、N587のC末端に融合されている)配列EQKLISEEDL(配列番号6)を含む異種エピトープを含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、(i)AAV2キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV2 VP1キャプシドタンパク質であり、(ii)配列EQKLISEEDL(配列番号6)を含み、AAV2 VP1キャプシドタンパク質のN587の直後に挿入されている(例えば、N587のC末端に融合されている)異種エピトープを含み、(iii)R585Aおよび/またはR588Aからなる群から選択される変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、(i)AAV6キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV6 VP1キャプシドタンパク質であり、(ii)配列EQKLISEEDL(配列番号6)を含み、AAV6 VP1キャプシドタンパク質のQ585の直後に挿入されている(例えば、Q585のC末端に融合されている)異種エピトープを含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、遺伝子改変AAV8 VP1キャプシドタンパク質であり、AAV8 VP1キャプシドタンパク質のN590の直後に挿入されている(例えば、N590のC末端に融合されている)配列EQKLISEEDL(配列番号6)を含む異種エピトープを含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、遺伝子改変AAV9 VP1キャプシドタンパク質であり、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のG453の直後に挿入されている(例えば、G453のC末端に融合されている)配列EQKLISEEDL(配列番号6)を含む異種エピトープを含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、(i)AAV9キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV9 VP1キャプシドタンパク質であり、(ii)配列EQKLISEEDL(配列番号6)を含み、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のG453の直後に挿入されている(例えば、G453のC末端に融合されている)異種エピトープを含み、(iii)W503A変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、遺伝子改変AAV9 VP1キャプシドタンパク質であり、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のA589の直後に挿入されている(例えば、A589のC末端に融合されている)配列EQKLISEEDL(配列番号6)を含む異種エピトープを含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、(i)AAV9キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV9 VP1キャプシドタンパク質であり、(ii)配列EQKLISEEDL(配列番号6)を含み、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のA589の直後に挿入されている(例えば、A589のC末端に融合されている)異種エピトープを含み、(iii)W503A変異をさらに含む。

0025

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV VP1キャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV2 VP1キャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV2 VP1キャプシドタンパク質のI587に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV2 VP1キャプシドタンパク質のN587とR588との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含み、例えば、配列番号2として表されるアミノ酸配列を含む。

0026

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV6 VP1キャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV6 VP1キャプシドタンパク質のI585に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV6 VP1キャプシドタンパク質のQ585とS586との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含み、例えば、配列番号4として表されるアミノ酸配列を含む。

0027

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV8 VP1キャプシドの少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドは、AAV8 VP1キャプシドタンパク質のI590に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドは、AAV8 VP1キャプシドタンパク質のN590とT591との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含み、例えば、配列番号25として表されるアミノ酸配列を含む。

0028

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV9 VP1キャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドは、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のI453に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドは、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のG453とS454との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含み、例えば、配列番号26として表されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドは、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のI589に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドは、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のA589とQ590との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含み、例えば、配列番号27として表されるアミノ酸配列を含む。

0029

いくつかの実施形態では、異種エピトープは、親和性タグおよび1つ以上のリンカーを含む。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、リンカーが隣接する親和性タグを含み、例えば、異種エピトープは、N末端からC末端に向かって、第1のリンカー、親和性タグ、および第2のリンカーを含む。いくつかの実施形態では、第1および第2のリンカーは、各々独立した、少なくとも1アミノ酸長のポリペプチドである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の異種エピトープ、例えば、親和性タグ自体、または1つ以上のリンカーと組み合わせた親和性タグは、約5アミノ酸長〜約35アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、第1および第2のリンカーは、同一の長さであり、かつ/または同一のアミノ酸配列を含む。

0030

概して、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、減少または無効化された天然指向性を有し、標準ウイルスキャプシド、例えば標準ウイルスキャプシドタンパク質を含むキャプシド、例えば組換えウイルスキャプシドタンパク質と同一であるが異種エピトープを欠くウイルスキャプシドタンパク質のものと比較して、形質導入に対して天然に許容状態である標準細胞を標的化および結合する能力が、例えば減少しているか、あるいは不可能である。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも10%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも20%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも30%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも40%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも50%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも60%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも70%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも75%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも80%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも85%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも90%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも95%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドは、標準ウイルスキャプシドと比較して、少なくとも99%低下した形質導入効率を呈する。いくつかの実施形態では、および適切な多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子の非存在下で、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスキャプシドによる、対照細胞の形質導入は、無効化される、例えば検出不能である。

0031

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含むウイルスキャプシドは、モザイクキャプシドであり、例えば、ある特定の比率で、異種エピトープを含む組換えウイルスキャプシドタンパク質と、異種エピトープを含まない標準キャプシドタンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、標準キャプシドタンパク質は、組換えウイルスキャプシドタンパク質と同じセロタイプを有する野生型キャプシドタンパク質のアミノ酸配列を含むという点で、野生型標準キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、標準キャプシドタンパク質は、対照標準キャプシドタンパク質が異種エピトープを欠くことを除いて、組換えウイルスキャプシドタンパク質のアミノ酸配列を含むという点で、対照標準キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、標準キャプシドタンパク質は、野生型のキャプシドタンパク質の指向性を減少させる変異(例えば、アミノ酸配列の挿入、キメラ化など)を除いて、組換えウイルスキャプシドタンパク質と同じセロタイプを有する野生型キャプシドタンパク質のものと実質的に同一のアミノ酸配列を含むという点で、変異野生型標準タンパク質である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、組換えウイルスキャプシドタンパク質と、標準キャプシドタンパク質とを、1:1〜1:15の範囲の比率で含むか、あるいは本明細書に記載の方法は、このように組み合わせる。いくつかの実施形態では、比率は1:2である。いくつかの実施形態では、比率は1:3である。いくつかの実施形態では、比率は1:4である。いくつかの実施形態では、比率は1:5である。いくつかの実施形態では、比率は1:6である。いくつかの実施形態では、比率は1:7である。いくつかの実施形態では、比率は1:8である。いくつかの実施形態では、比率は1:9である。いくつかの実施形態では、比率は1:10である。いくつかの実施形態では、比率は1:11である。いくつかの実施形態では、比率は1:12である。いくつかの実施形態では、比率は1:13である。いくつかの実施形態では、比率は1:14である。いくつかの実施形態では、比率は1:15である。

0032

また、本明細書に開示されるのは、本明細書に開示の組換えウイルスキャプシドタンパク質をコードする核酸、(例えば、組換えウイルスキャプシドを作製する方法に使用され得る)かかる核酸、および/または組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組成物(例えば、組換えウイルスキャプシドタンパク質から本質的になる組成物、本明細書に記載のウイルスキャプシドタンパク質を含むキャプシドによって封入されているウイルスベクターのみを含む組成物、(例えば、ウイルスベクター対多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子(分子:分子)のある特定の比率で)かかるウイルスベクターと多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子とを含む組成物、かかるウイルスベクター、再標的化分子、および薬学的に許容可能な担体などを含む組成物)である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、EQKLISEEDL(配列番号6)のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と、およびアデノウイルスまたはアデノ随伴ウイルスキャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸をコードするヌクレオチド配列とを含む。

0033

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV2 VP1キャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV2 VP1キャプシドタンパク質のI587に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV2 VP1キャプシドタンパク質のN587とR588との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含み、例えば、いくつかの実施形態では、記載の核酸は、配列番号2として表されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。

0034

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV6 VP1キャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV6 VP1キャプシドタンパク質のI585に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV6 VP1キャプシドタンパク質のQ585とS586との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含み、例えば、いくつかの実施形態では、記載の核酸は、配列番号4として表されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。

0035

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV8 VP1キャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV8 VP1キャプシドタンパク質のI590に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV8 VP1キャプシドタンパク質のN590とT591との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含み、例えば、いくつかの実施形態では、記載の核酸は、配列番号25として表されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。

0036

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV9 VP1キャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のI453に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のG453とS454との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含み、例えば、いくつかの実施形態では、記載の核酸は、配列番号26として表されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のI589に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸は、AAV9 VP1キャプシドタンパク質のA589とQ590との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)をコードするヌクレオチド配列を含み、例えば、いくつかの実施形態では、記載の核酸は、配列番号27として表されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。

0037

概して、本明細書に記載の組換えウイルスベクターは、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含むウイルスキャプシドを含み、ウイルスキャプシドは、対象ヌクレオチドを封入している。いくつかの実施形態では、対象ヌクレオチドは、ウイルスプロモーター、細菌プロモーター、哺乳類プロモーター、鳥類プロモーター、プロモーター、昆虫プロモーター、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるプロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態では、対象ヌクレオチドは、非ヒトプロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態では、プロモーターは、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは、EF1αプロモーターである。

0038

概して、対象ヌクレオチドは、1つ以上の遺伝子であってもよく、これは検出可能なマーカー、例えば、レポーター、または治療ポリペプチドをコードしてもよい。いくつかの実施形態では、対象ヌクレオチドは、レポーター遺伝子である。いくつかの実施形態では、対象ヌクレオチドは、緑色蛍光タンパク質ルシフェラーゼβ−ガラクトシダーゼなどからなる群から選択される検出可能なマーカーをコードするレポーター遺伝子である。いくつかの実施形態では、検出可能なマーカーは、緑色蛍光タンパク質である。他の実施形態では、対象ヌクレオチドは、自殺遺伝子、抗体またはその断片をコードするヌクレオチド、CRISPR/Cas系またはそれらの一部分(複数可)をコードするヌクレオチド、アンチセンスRNAをコードするヌクレオチド、siRNAをコードするヌクレオチド、分泌酵素などからなる群選択される。一実施形態では、対象ヌクレオチドは、マルチドメイン治療用のタンパク質、例えば、2つの別個の機能を提供する少なくとも2つのドメインを含むタンパク質をコードする。

0039

本明細書に記載の組成物は、概して、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含むウイルスベクターを含み、例えば、キャプシドが対象ヌクレオチドを封入している、組換えウイルスキャプシドタンパク質を含むキャプシドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、(1)異種エピトープを含むように遺伝子改変された組換えウイルスキャプシドタンパク質を含むキャプシドを有するウイルスベクターと、(2)(i)エピトープに特異的に結合する抗体パラトープ、および(ii)受容体に特異的に結合する再標的化リガンドを含む、多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子と、任意選択的に、(3)薬学的に許容可能な担体と、を含む。

0040

本明細書に記載の抗体パラトープは、概して、異種エピトープを特異的に認識する相補性決定領域(CDR)、例えば、重鎖および/または軽鎖可変ドメインのCDR3領域を最小限で含む。いくつかの実施形態では、多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子は、異種エピトープに特異的に結合する抗体パラトープを含む抗体(またはその一部分)を含む。例えば、多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子は、単一ドメイン重鎖可変領域または単一ドメイン軽鎖可変領域を含み得、単一ドメイン重鎖可変領域または単一ドメイン軽鎖可変領域が、異種エピトープに特異的に結合する抗体パラトープを含む。いくつかの実施形態では、多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子は、Fv領域を含み得、例えば、多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子は、異種エピトープに特異的に結合する抗体パラトープを含む、scFvを含み得る。いくつかの実施形態では、多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子は、異種エピトープに特異的結合する抗体パラトープを含む抗体(またはその一部分)を含み、抗体(またはその一部分)が、さらに1つ以上の抗体定常ドメイン(例えば、重鎖定常ドメイン(例えば、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、CH4など)、および/または軽鎖定常ドメイン(例えばCL)を含み、1つ以上の抗体定常ドメインが、異種エピトープに結合しない。

0041

本明細書に記載の多重特異性、任意選択的に二重特異性結合分子は、組換えウイルスキャプシドタンパク質に挿入/提示されている異種エピトープに特異的結合するパラトープ(例えば、パラトープを含む抗体またはその一部分)に加えて、再標的化リガンドをさらに含む。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(例えば、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質の単離および/または精製のための)ビーズの表面上の受容体に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、哺乳類(例えば、ヒト)真核細胞、例えば、標的細胞の表面上に発現される、細胞表面タンパク質、例えば、受容体、細胞表面マーカーなどに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)肝細胞、(ヒト)脳細胞、(ヒト)T細胞、(ヒト)腎細胞、(ヒト)腸細胞、(ヒト)膵細胞、(ヒト)癌細胞、および/または異種病原体に感染した(ヒト)細胞に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)肝細胞特異性マーカー、(ヒト)脳細胞特異性マーカー、(ヒト)T細胞特異性マーカー、(ヒト)腎細胞特異性マーカー、(ヒト)腸細胞特異性マーカー、(ヒト)膵細胞特異性マーカー、(ヒト)腫瘍細胞特異性マーカー、および/または病原性エピトープに結合する。

0042

いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)肝細胞によって発現される受容体、例えば、アシアロ糖タンパク質受容体、例えば、hASGR1に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)神経細胞によって発現される受容体、例えば、GABAトランスフェリンなどに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)T細胞によって発現される受容体、例えば、CD3、例えば、CD3εに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)造血幹細胞によって発現される受容体、例えば、CD34に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)腎細胞によって発現される受容体に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)筋細胞によって発現される受容体、例えばインテグリンなどに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)癌細胞によって発現される受容体、例えば腫瘍関連抗原、例えば、アジポフィリンAIM−2、ALDH1A1、アルファアクチン−4、アルファ−フェトタンパク質(「AFP」)、ARTC1、B−RAF、BAGE−1、BCLX(L)、BCR−ABL融合タンパク質b3a2、ベータカテニン、BING−4、CA−125、CALCA、癌胎児性抗原(“CEA”)、CASP−5、CASP−8、CD274、CD45、Cdc27、CDK12、CDK4、CDKN2A、CEA、CLPP、COA−1、CPSF、CSNK1A1、CTAG1、CTAG2、サイクリンD1、サイクリン−A1、dek−can融合タンパク質、DKK1、EFTUD2、伸長因子2、ENAH(hMena)、Ep−CAM、EpCAM、EphA3、上皮癌抗原(“ETA”)、ETV6−AML1融合タンパク質、EZH2、E6、E7、FGF5、FLT3−ITD、FN1、G250/MN/CAIX、GAGE−1,2,8、GAGE−3,4,5,6,7、GAS7、グリピカン−3、GnTV、gp100/Pme117、GPNMB、HAUS3、ヘプシンHER−2/neu、HERV−K−MELHLA−A11、HLA−A2、HLA−DOB、hsp70−2、IDO1、IGF2B3、IL13Ralpha2、腸カルボキシルエステラーゼ、K−ras、カリクレイン4、KIF20A、KK−LC−1、KKLC1、KM−HN−1、CCDC110としても知られているKMHN1、LAGE−1、LDLR−フコシルトランフエェラーゼAS融合タンパク質、Lengsin、M−CSF、MAGE−A1、MAGE−A10、MAGE−A12、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A6、MAGE−A9、MAGE−C1、MAGE−C2、リンゴ酸酵素マンマグロビン−A、MART2、MATN、MC1R、MCSP、mdm−2、ME1、Melan−A/MART−1、Meloe、ミッドカイン、MMP−2、MMP−7、MUC1、MUC5AC、ムチン、MUM−1、MUM−2、MUM−3、ミオシン、ミオシンクラスI、N−raw、NA88−A、neo−PAP、NFYC、NY−BR−1、NY−ESO−1/LAGE−2、OA1、OGT、OS−9、Pポリペプチド、p53、PAP、PAX5、PBF、pml−RARアルファ融合タンパク質、多型上皮ムチン(“PEM”)、PPP1R3B、PRAME、PRDX5、PSA、PSMA、PTPRK、RAB38/NY−MEL−1、RAGE−1、RBAF600、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、SAGE、セクレニン1、SIRT2、SNRPD1、SOX10、Sp17、SPA17、SSX−2、SSX−4、STEAP1、サバイビン、SYT−SSX1または−SSX2融合タンパク質、TAG−1、TAG−2、テロメラーゼ、TGF−ベータRII、TPBG、TRAG−3、トリオースリン酸イソメラーゼ、TRP−1/gp75、TRP−2、TRP2−INT2、チロシナーゼ、チロシナーゼ(“TYR”)、VEGF、WT1、XAGE−lb/GAGED2a、Kras、NY−ESO1、MAGE−A3、HPVE2、HPV E6、HPV E7、WT−1抗原(リンパ腫および他の固形癌における)、ErbB受容体メランA[MART1]、gp100、チロシナーゼ、TRP−1/gp75、およびTRP−2(黒色腫における);MAGE−1およびMAGE−3(膀胱頭頚部、および非小細胞癌腫における);HPV EGおよびE7タンパク質(子宮頸癌における);ムチン[MUC−1](乳癌膵癌結腸癌、および前立腺癌における);前立腺特異性抗原[PSA](前立腺癌における);癌胎児性抗原[CEA](大腸癌、乳癌、および消化器癌における)、ならびにMAGE−2、MAGE−4、MAGE−6、MAGE−10、MAGE−12、BAGE−1、CAGE−1,2,8、CAGE−3 TO 7、LAGE−1、NY−ESO−1/LAGE−2、NA−88、GnTV、TRP2−INT2としてかかる共有腫瘍特異性抗原(shared tumor−specific antigens)などに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、E6および/またはE7に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、Her2に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、ヒトグルカゴン受容体(hGCGR)に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、ヒトエクトヌクレオシド三リン酸ホスホヒドロラーゼ3(hENTPD3)に結合する。

0043

いくつかの実施形態では、パラトープ(例えば、抗体またはその一部分)および再標的化リガンドは、互いに直接融合している。いくつかの実施形態では、異種エピトープに特異的結合するパラトープ(例えば、抗体またはその一部分)、および再標的化リガンドは、互いに共有結合している。

0044

いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、二重特異性結合分子、例えば、第1および第2の抗原結合ドメインを含む抗体であり、第1の抗原結合ドメインが、組換えウイルスキャプシドタンパク質に挿入/提示されている異種エピトープに特異的結合するパラトープを含み、第2の抗原結合ドメインが、標的細胞によって発現される細胞表面タンパク質に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、二重特異性結合分子は、第1および第2の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体であり、第1の抗体結合ドメインが、組換えウイルスキャプシドタンパク質に挿入/提示されている異種エピトープに特異的結合するパラトープを含み、第2の抗原結合ドメインが、標的細胞によって発現される受容体に特異的に結合し、第1の抗原結合ドメインが、第1のCH3ドメインを含む第1の重鎖領域に操作可能に連結され、第2の抗体結合ドメインが、第2のCH3ドメインを含む第2の重鎖領域に操作可能に連結され、第1および第2のIgCH3ドメインが、少なくとも1つのアミノ酸で互いに異なり、少なくとも1つのアミノ酸の差異が、アミノ酸の差異を欠く二重特異性抗体と比較して、プロテインAへの二重特異性抗体の結合を減少させる。一実施形態では、第1のIg CH3ドメインは、プロテインAに結合し、第2のIg CH3ドメインは、H95R改変(IMGTエクソンナンバリングによる、EUナンバリングではH435R)などのプロテインA結合を減少または無効にする変異を含有する。第2のCH3ドメインはさらに、Y96F改変(IMGTによる、EUではY436F)を含んでもよい。第2のCH3ドメイン内に見出され得るさらなる改変としては、以下が挙げられる:IgG1抗体の場合、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGTによる、EUではD356E、L358M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)、IgG2抗体の場合、N44S、K52N、およびV82I(IMGT、EUではN384S、K392N、およびV422I)、ならびにIgG4抗体の場合、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGTによる、EUではQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)。

0045

いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、二重特異性結合分子、例えば、第1および第2の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体であり、第1の抗原結合ドメインが、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質によって提示される親和性タグに結合し、第2の抗原結合ドメインが、標的細胞の表面上に発現される受容体に結合する。いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、二重特異性結合分子、例えば、第1および第2の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体であり、第1の抗原結合ドメインが、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質によって提示されるアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6)に結合し、第2の抗原結合ドメインが、標的細胞の表面上で発現される受容体に結合する。いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、二重特異性結合分子、例えば、第1および第2の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体であり、第1の抗原結合ドメインが、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質によって提示されるアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6)に結合し、第2の抗原結合ドメインが、hASGR1に結合する。いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、二重特異性結合分子、例えば、第1および第2の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体であり、第1の抗原結合ドメインが、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質によって提示されるアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6)に結合し、第2の抗原結合ドメインが、CD3タンパク質、例えばCD3εに結合する。いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、二重特異性結合分子、例えば、第1および第2の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体であり、第1の抗原結合ドメインが、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質によって提示されるアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6)に結合し、第2の抗原結合ドメインが、インテグリンに結合する。いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、二重特異性結合分子、例えば、第1および第2の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体であり、第1の抗原結合ドメインが、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質によって提示されるアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6)に結合し、第2の抗原結合ドメインが、インテグリン、例えばhGCGRに結合する。いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、二重特異性結合分子、例えば、第1および第2の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体であり、第1の抗原結合ドメインが、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質によって提示されるアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6)に結合し、第2の抗原結合ドメインが、ENTPD3に結合する。

0046

また、組換えウイルスキャプシドタンパク質、それを含むウイルスベクター、組成物などを作製および使用する方法が本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルスなどのウイルスを再配向させて、標的細胞に診断/治療カーゴを送達する方法は、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む組換えウイルスベクター、例えば異種エピトープを提示する組換えウイルスキャプシドを含むキャプシドを含むウイルスベクターを、二重特異性結合分子と組み合わせることを含み、二重特異性結合分子が、(i)エピトープに特異的に結合する抗体パラトープ、および(ii)受容体に特異的に結合する再標的化リガンドを含む。かかる方法は、組換えウイルスベクターを生成する第1の工程として、例えば、ウイルスベクターの生成に十分な条件下でパッケージング細胞を培養することを含み得、パッケージング細胞が、エピトープを含むキャプシドタンパク質をコードするプラスミドを含む。標的細胞に診断/治療カーゴを送達するとき、本明細書に記載の方法は、異種エピトープを提示する組換えウイルスキャプシドを含むキャプシドを含むウイルスベクターと、多重特異性結合分子との組み合わせを標的細胞に接触させることを含み得、多重特異性結合分子が、i)エピトープに特異的に結合する抗体パラトープ、および(ii)標的細胞によって発現される受容体に特異的に結合する再標的化リガンドを含む。いくつかの実施形態では、標的細胞は生体外にある。他の実施形態では、標的細胞は、対象、例えばヒトの生体内にある。

0047

いくつかの実施形態では、標準ウイルスベクターのものと同様のウイルスベクターの形質導入効率を復元する分子:分子の比率で、本明細書に記載の組換えキャプシドタンパク質を含むキャプシドで封入されている対象ヌクレオチドを含む組換えウイルスベクターと、多重特異性結合分子とを、本明細書に記載の組成物は含むか、あるいは本明細書に記載の方法は組み合わせる。いくつかの実施形態では、組換えウイルスベクター対多重特異性結合分子の比率(分子:分子)は、1:0.5〜1:100の範囲である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスベクター対多重特異性結合分子の比率(分子:分子)は、1:4〜1:20の範囲である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスベクター対二重特異性結合分子の比率(分子:分子)は、1:8〜1:15の範囲である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスベクター対多重特異性結合分子の比率(分子:分子)は、1:4である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスベクター対多重特異性結合分子の比率(分子:分子)は、1:8である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスベクター対多重特異性結合分子の比率(分子:分子)は、1:15である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスベクター対多重特異性結合分子の比率(分子:分子)は、1:20である。

0048

また、本明細書に記載されているのは、ウイルスキャプシドを不活性化する方法、および/またはウイルスベクターを生成する方法であり、方法は、概して、(a)ウイルスキャプシドタンパク質をコードする核酸配列に、異種タンパク質をコードする核酸を挿入して、異種タンパク質を含む遺伝子改変キャプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を形成すること、および/または(b)ウイルスベクターを生成するのに十分な条件下でパッケージング細胞を培養することであって、パッケージング細胞が、ヌクレオチド配列を含む、培養すること、を含む。いくつかの実施形態では、パッケージング細胞は、ヘルパープラスミドおよび/または対象ヌクレオチドを含む伝達プラスミドをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、培養上清から自己相補的アデノ随伴ウイルスベクターを単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、パッケージング細胞を溶解することと、一本鎖アデノ随伴ウイルスベクターを細胞溶解物から単離することと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、(a)細胞片を除去することと、(b)DNase IおよびMgCl2を用いて、ウイルスベクターを含有する上清を処理することと、(c)ウイルスベクターを濃縮することと、(d)ウイルスベクターを精製することと、(e)(a)〜(d)のうちの任意の組み合わせと、をさらに含む。また、本明細書に記載の方法に従って作製されたウイルスベクター、および本明細書に記載のウイルスベクターを生成するのに有用なパッケージング細胞、例えば、記載の組換えキャプシドタンパク質をコードするプラスミドを含むパッケージング細胞が本明細書に提供されている。

0049

本特許または本出願は、色付きで作成された少なくとも1つの図面を含有する。色付きの図面(複数可)を伴う本特許または本特許出願公開の写しは、要求により、および必要な料金を支払うことにより、当局に提供されるであろう。

図面の簡単な説明

0050

(A)野生型scAAV2−CMV−eGFPウイルスベクターのみ、(B)scAAV2−N587Myc−CMV−hrGFPウイルスベクターのみ、次の比率で二重特異性抗Myc−ASGR1抗体と混合されたscAAV2−N587Mycウイルスベクター:(C)1:0.5、(D)1:1、(E)1:2、(F)1:4、(G)1:8、(H)1:15、(I)1:20、(J)1:50、もしくは(K)1:100、(L)、または1:8の比率で、単一特異性抗Myc抗体と混合されたscAAV−N587Mycウイルスベクター、と培養されたHepG2細胞による、緑色蛍光(GFP)発現を評価する、免疫蛍光顕微鏡画像(上部パネル)、または蛍光活性セルソーティングFACS)から得たヒストグラム(下部パネル)を提供する。
同上。
同上。
同上。
野生型scAAV2ウイルスベクターのみ(i)、scAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクターのみ(ii)、次の比率で二重特異性抗Myc−ASGR1抗体と混合されたscAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクター:1:0.5(iii)、1:1(iv)、1:2(v)、1:4(vi)、1:8(vii)、1:15(viii)、1:20(ix)、もしくは1:100(x)、または1:8の比率で無関係な二重特異性抗Myc−GCGR抗体と混合されたscAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクター(xii)、と培養された29T3−hASGR1細胞による、緑色蛍光(GFP)発現を評価する、蛍光活性化セルソーティング(FACS)から得たドットプロットを提供する。1:8の比率で二重特異性抗myc−ASGR1抗体と混合されたscAAV−N587Mycウイルスベクターと培養された29T3細胞によるGFP発現(xi)も、示されている。各実験では、2x105細胞、および5×109ウイルスベクターを使用した。
同上。
非改変AAV9−CAGG−GFPウイルスベクターのみ(i)、AAV9−A589Myc−CAGG−eGFPウイルスベクターのみ(ii)、次の比率で二重特異性抗Myc−ASGR1抗体と混合されたAAV9−A589Myc−CAGG−eGFPウイルスベクター:1:1(iii)、1:2(iv)、1:4(v)、1:8(vi)、1:20(vii)、1:50(viii)、もしくは1:100(ix)、と培養された29T3−hASGR1細胞による、緑色蛍光(GFP)発現を評価する、蛍光活性化セルソーティング(FACS)評価から得たヒストグラムを提供する。各実験では、2x105細胞、および1×1010ウイルスベクター(qPCRによる滴定)を使用した。
同上。
0nM(C)、50nM(D)、10nM(E)、2nM(F)、0.4nM(G)、0.08nM(H)、0.016nM(I)、または0.0032nM(J)の濃度で、二価抗ASGR1抗体と事前に培養された29T3−hASGR1細胞による緑色蛍光(GFP)発現、およびその後1:8の比率で二重特異性抗Myc−ASGR1抗体と混合されたscAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクターを用いて感染させた(L)29T3−hASGR1細胞による緑色蛍光(GFP)発現を評価する、蛍光活性化セルソーティング(FACS)から得た、ドットプロットを提供する。野生型scAAVウイルスベクターのみ(A)、またはscAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクターのみ(B)と培養した293T3−hASGR1細胞は、対照として機能する。各実験では、2x105細胞、および5x109ウイルスベクター(qPCRによる滴定)を使用した。
同上。
野生型scAAVウイルスベクターのみ(A)、scAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクターのみ(B)と培養されるか、あるいはその後1x109(C)、2x109(D)、4x109(E)、8x109(F)、2x1010(G)、1x1011(H)、1x1012(I)の二重特異性抗Myc−ASGR1抗体、続いて1x109のscAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクターと連続して培養された、293T−hASGR1細胞による緑色蛍光(GFP)発現を評価する、免疫蛍光顕微鏡画像を提供する。また、1x1011抗myc−ASGR1抗体分子、続いて1x109のscAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクターと連続して培養された293T細胞(J)、および1x1011の無関係な二重特異性抗Myc−GCGR抗体分子、続いて1x109のscAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクターと連続して培養された、293T−hASGR1細胞(K)の免疫蛍光顕微鏡画像が示されている。
野生型ssAAVウイルスベクターのみ(A)、ssAAV2−N587Myc−CMV−hrGFPウイルスベクターのみ(B)、次の比率で二重特異性抗Myc−ASGR1抗体と混合されたssAAV2−N587Myc−CMV−hrGFPウイルスベクター:1:1(C)、1:2(D)、1:4(E)、1:8(F)、1:20(G)、1:100(H)、1:1000(I)、または1:8の比率で無関係な二重特異性抗myc−GCGR抗体と混合されたssAAV−N587Mycウイルスベクター(K)と培養された、29T3−hASGR1細胞による緑色蛍光(GFP)発現を評価する、蛍光活性化セルソーティング(FACS)から得たドットプロットを提供する。1:8の比率で二重特異性抗Myc−ASGR1抗体と混合されたssAAV−N587Mycウイルスベクターと培養された29T3細胞によるGFP発現(J)も、示されている。各実験では、2x105細胞、および5×109ウイルスベクターを使用した。
同上。
野生型ssAAVPウイルスベクターのみ(A)、scAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクターのみ(B)、次の比率で二重特異性抗−Myc−GCGR抗体と混合されたscAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクター:1:0.5(C)、1:1(D)、1:2(E)、1:4(F)、1:8(G)、1:15(H)、1:20(I)、1:50(J)、もしくは1:100(K)、または1:8の比率で無関係な単一特異性抗Myc抗体(Regeneron Pharmaceuticals,Tarrytown,NY)と混合されたscAAV2−N587Myc−CMV−eGFPウイルスベクター(L)と培養された29T3−hGCGR細胞による緑色蛍光(GFP)発現を評価する、蛍光活性化セルソーティング(FACS)から得たドットプロットを提供する。各実験では、2x105細胞、および5×109ウイルスベクターを使用した。
同上。
Jurkat細胞単独(A)、または野生型scAAV6−EF1−eGFPウイルスベクターのみ(B)、AAV6−Q585Myc−EF1a−eGFPウイルスベクターのみ(C)、次の比率で二重特異性抗−Myc−CD3抗体と混合されたAAV6−Q585Myc−EF1a−eGFPウイルスベクター:1:1(D)、1:5(E)、1:10(F)、1:100、または(G)、1:1000(H)、と培養されたJurkat細胞による緑色蛍光(GFP)発現を評価する、蛍光活性化セルソーティング(FACS)から得たドットプロットを提供する。各実験では、2x105細胞、および1x109ウイルスベクターを使用した。
同上。
肝臓の免疫蛍光顕微鏡画像を提供する。
脾臓の免疫蛍光顕微鏡画像を提供する。
腎臓の免疫蛍光顕微鏡画像を提供する。すべての試料は、1x1011の野生型scAAV2−CMV−eGFP(i、v)、生理食塩水(ii、vi)、1x1011のscAAV2−N587myc−CMV−eGFPウイルスベクター単独(iii、vii)、または二重特異性抗−myc−ASGR1抗体を含むscAAV2−N587myc−CMV−eGFPウイルスベクター(iv、viii)を静脈注射した10日後に、肝細胞によってヒトASGR1を発現するように遺伝形質転換して改変されたC57BL/6マウス(i〜iv)、または野生型C57BL/6マウス(v〜viii)から採取する。
2.18x1011の野生型ssAAV2−CAGG−eGFP(B、C、E、F)、生理食塩水(A、D)、2.18x1011のssAAV2−N587myc−CAGG−eGFPウイルスベクター単独(G〜I、J〜L)、または二重特異性抗−myc−ASGR1抗体を含むssAAV2−N587myc−CAGG−eGFPウイルスベクター(M〜O、P〜R)を静脈注射した4週間後に、肝細胞上にヒトASGR1を発現するように遺伝形質転換して改変されたC57BL/6マウス(D〜F、J〜L、P〜R)、または野生型C57BL/6マウス(A〜C、G〜I、M〜O)から採取した肝臓試料の免疫蛍光顕微鏡画像を提供する。各画像は、1匹のマウスを表している。
同上。
同上。
(A)野生型AAV9、(B)250nMのNaCl、(C)二重特異性抗myc−hCD3抗体と組み合わせたAAV9−A589myc−CAGG−eGFPウイルス粒子、または(D)二重特異性抗−myc−ASGR1抗体と組み合わせたAAV9−A589myc−CAGG−eGFPウイルス粒子を静脈注射した10日後、肝細胞によってヒトASGR1を発現するように遺伝形質転換して改変されたC57BL/6マウスから採取した肝臓試料の免疫蛍光顕微鏡画像を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において有用な、図解的な、正確な縮尺ではない、非限定的な例としての多重特異性結合分子のフォーマットを提供する。
(A)_野生型AAV8ウイルスベクターのみ、(C)AA8−N590−mycウイルスベクターのみ、または次の比率で二重特異性抗hASGR1−IgG4−Fc/抗myc二重特異性分子と混合されたpAAV RC8 N590mycウイルスベクター:(D)1:1、(E)1:2、(F)1:4、(G)1:8、(H)1:12、(I)1:15、(J)1:50、もしくは(K)1:100、と培養された29T3−hASGR1細胞による緑色蛍光(GFP)発現を評価する、蛍光活性化セルソーティング(FACS)から得たドットプロットを提供する。模擬トランスフェクトされた29T3−hASGR1細胞によるGFP発現(B)も、示されている。各実験では、2x105細胞、および1x109ウイルスベクターを使用した。
同上。
(A)〜(C)野生型AAV8、(D)〜(F)AA8−N590−mycウイルスベクターおよび対照二重特異性結合分子、または(G)〜(I)抗hASGR1−IgG4−Fc/抗myc二重特異性結合分子と組み合わせたAAV8 N590myc−CAGG−eGFPウイルス粒子を静脈注射した10日後、肝細胞によってヒトASGR1を発現するように遺伝形質転換して改変されたC57BL/6マウスから採取した肝臓試料の、免疫蛍光顕微鏡画像を提供する。
(A)野生型AAV2ウイルスベクターのみ、(B)AAV2−N587Myc−CAGG−eGFPウイルスベクターのみ、または次の比率で二重特異性抗hENTPD3−IgG4−Fc/抗myc二重特異性分子と混合されたAAV2−N587Myc−CAGG−eGFPウイルスベクター:(C)1:1、(D)1:2、(E)1:4、(F)1:8、(G)1:20、(H)1:50、(I)1:100、もしくは(K)1:200、と培養された29T3−h ENTPD3細胞による緑色蛍光(GFP)発現を評価する、蛍光活性化セルソーティング(FACS)から得たドットプロットを提供する。各実験では、2x105細胞、および1x109ウイルスベクターを使用した
同上。
肝臓試料の免疫蛍光顕微鏡画像を提供する。
腸試料の免疫蛍光顕微鏡画像を提供する。
膵臓試料の蛍光顕微鏡画像を提供する。すべての試料は、PBS(15A(i)、15B(i)、および15C(i))、5x1011の野生型AAV9(15A(ii)、15B(ii)、および15C(ii))、1x103の無関係な二重特異性IgG4−Fc/抗myc結合タンパク質を含む5x1011のAAV2−N587myc−CAGG−eGFPウイルスベクター(15A(iii)、15B(iii)、および15C(iii))、または1x1013の二重特異性hENTPD3−IgG4−Fc/抗myc結合タンパク質を含む5x1011のAAV2−N587myc−CAGG−eGFPウイルスベクター(15A(iv)、15B(iv)、および15C(iv))を静脈注射した10日後、野生型C57BL/6マウスから採取する。

0051

非改変ウイルスキャプシドまたは足場改変ウイルスキャプシドを利用するアダプター手法を用いる一般的な問題は、改変キャプシドの最適以下の形質導入効率である。(Grifman et al.(2001)Mol.Ther.3:964−75)。例えば、Curielらは、カルボキシ末端ノブドメインのHIループ内にRGD−4C配列が遺伝学的に組み込まれたファイバーを含有する組換えアデノウイルスベクターの生成および特徴評価について記載しており、短いペプチドリガンドを組み込むための最適な部位としてファイバーノブのHIループの有用性を実証している。例えば、米国特許第7,297,542号を参照し、またBeatty and Curiel(2012)Adv.Cancer Res.115:39−67も参照されたい。同様に、AAVキャプシドタンパク質へのリガンドペプチドの挿入により、キャプシドの表面上にリガンドを提示し、その受容体とリガンドとの相互作用を通じて形質導入を媒介することが可能であり、それによって遺伝子改変キャプシドによるウイルス指向性を再配向させるキャプシドがもたらされた(Girod et al.(1999)Nat.Med.5(9):1052−6,1438(errata included)(1999)、Grifman et al.(2001)Mol.Ther.3(6):964−75、Nicklin et al.(2001)Mol.Ther.4(3):174−81、Shi et al.(2001)Hum Gene Ther.17(3):353−61(2006)、Wu et al.(2000)J.Virol.74(18):8635−47)。具体的には、AAVキャプシドタンパク質VP1の挿入部位I−587にインテグリン結合Arg−Gly−Asp(RGD)モチーフを挿入することにより、αvβ1インテグリンを介してAAVウイルスベクターを細胞に形質導入することを可能にすることが実証されている(Girod et al.(1999)上記)。対照的に、アミノ酸R447(I−447)の後の14−アミノ酸ペプチドL14の挿入は、コンフォメーション高感度抗体(conformation−sensitive antibody)A20によってまだ認識されるキャプシドをもたらしたが、かかる組換えウイルスベクターは、L−14受容体を発現する細胞に形質導入することができなかった(Girod et al.1999、参照Wu et al.(2000)(位置I−447でヘマグルチニン(HA)ペプチドの挿入、およびHAペプチドを発現する細胞への形質導入の成功が報告されている)。T448とN449との間のMycエピトープの挿入は、抗myc抗体によって認識され、したがってキャプシド表面上に存在したが、不活性化ウイルスベクターをもたらした。(Grifman et al.,2001)。対照的に、N587後のNGRモチーフの挿入による再標的化の成功が再び報告されたが、N587後のc−mycの挿入はなかった。(Grifman et al.,2001)。米国特許第9,624,274号は、異種エピトープの好適な挿入部位としてのAAVキャプシドタンパク質のI−453について記載している。これらの研究は、AAVキャプシドタンパク質による、異種ペプチド、例えばエピトープの挿入および提示の成功を実証しているが、異種ペプチドおよび細胞表面タンパク質に特異的に結合する多重特異性結合分子、例えば二重特異性抗体などの二重特異性結合分子が、細胞表面タンパク質を発現している細胞に改変ウイルスベクターを再標的化し、それらの形質導入効率を復元することができるという見込みを、これらの研究のうちのいずれも提供していない。

0052

本明細書に開示されているのは、パラトープ、例えばエピトープに特異的に結合するFvドメインと、標的細胞の表面上に発現される受容体に結合するリガンドとを含む、多重特異性結合分子と関連して使用することができる、異種エピトープで改変された組換えウイルスキャプシドタンパク質である。本明細書に示されるように、ある特定の比率で、多重特異性結合分子と、本明細書に記載のキャプシドタンパク質で形成されているキャプシドを有するウイルスベクターとを接触させることにより、野生型ウイルスに匹敵するレベルまで、ウイルスキャプシドの形質導入効率を復元する(例えば、実施例2参照)。概して、本明細書に記載の異種エピトープで改変されたキャプシドタンパク質は、限定されないが、アデノウイルス(Ad)およびアデノ随伴ウイルス(AAV)などの非エンベロープウイルスに由来し得る。

0053

本発明は、多数の実施形態を参照して具体的に示され、記載されているが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示の様々な実施形態に対して、形式および詳細が変更され得、本明細書に開示の様々な実施形態は、特許請求の範囲を限定するように機能することを意図しないことを当業者は理解するであろう。

0054

本明細書に記載の方法および材料と同様または同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、いくつかの好ましい方法および材料を以下記載する。本明細書で引用されるすべての出版物は、その記載全体が参照により本明細書に組み込まれる。別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。

0055

用語の定義
別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。

0056

単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈別途明確に指示されない限り、複数への言及を含む。したがって、例えば、「1つの方法」への言及は、本明細書に記載され、かつ/または当業者には本開示の閲読により明らかになるであろう種類の1つ以上の方法および/または工程を含む。

0057

「抗体」という用語には、4つのポリペプチド鎖ジスルフィド結合によって相互接続された2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖)を含む、免疫グロブリン分子が含まれる。各重鎖は、重鎖可変ドメイン(V−H)および重鎖定常領域(CH)を含む。重鎖定常領域は、少なくとも3つのドメイン、CH1、CH2、CH3、および任意選択的にCH4を含む。各軽鎖は、軽鎖可変ドメイン(CH)および軽鎖定常領域(CL)を含む。重鎖および軽鎖可変ドメインはさらに、フレームワーク領域(FR)と称されるより保存的な領域に差し込まれている、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域にさらに細分化することができる。各重鎖および軽鎖可変ドメインは、3つのCDRおよび4つのFRを含み、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって、以下の順序で配列される。FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4(重鎖CDRは、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3として省略され得、軽鎖CDRは、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3として省略され得る)。典型的な四量体体構造は、2つの同一の抗原結合ドメインを含み、各々が、VHとVLとの会合により形成され、各々が、それぞれのCHおよびCLドメインと一緒になって抗体Fv領域を形成している。単一ドメイン抗体は、単一の抗原結合ドメイン、例えば、VHまたはVLを含む。「抗体」という用語は、モノクローナル抗体、多重特異性(例えば、二重特異性)抗体、ヒト抗体ヒト化抗体キメラ抗体、単一鎖Fvs(scFv)、単一鎖抗体Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、細胞内抗体ミニボディダイアボディ(diabodies)、および抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば抗原特異的TCRに対する抗ID抗体を含む)、および上記のうちのいずれかのエピトープ結合断片包含する。「抗体(antibody)」および「抗体antibodies)」という用語はまた、米国特許出願公開第2007/0004909号に開示のものなどの共有ダイアボディ(covalent diabodies)、および米国特許出願公開第2009/0060910号に開示のものなどのIg−DARTSを指す。抗体としては、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的活性な断片、すなわち抗原結合部位を含有する分子が挙げられる。免疫グロブリン分子は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgEIgMIgDIgA、およびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)またはサブクラスのものであり得る。

0058

抗体の抗原結合ドメイン、例えば、抗原のエピトープを認識し結合する抗体の一部はまた、「パラトープ」と称される。抗体のFv領域の(5〜10アミノ酸の)小さな領域、すなわち抗原結合断片Fab領域)の一部であり、抗体の重鎖および/または軽鎖の部分を含有し得る。パラトープは、パラトープが高親和性でエピトープに結合するとき、エピトープに特異的に結合する。「高親和性」抗体という用語は、その標的エピトープに対して約10−9M以下(例えば、約1x10−9M、1x10−10M、1x10−11M、または約1x10−12M)のKDを有する抗体を指す。一実施形態では、KDは、表面プラズモン共鳴、例えば、BIACORE(商標)によって測定され、別の実施形態では、KDは、ELISAによって測定される。

0059

「相補性決定領域」という語句または「CDR」という用語は、生物体免疫グロブリン遺伝子の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列を含み、当該アミノ酸配列は、通常(すなわち、野生型動物では)、免疫グロブリン分子(例えば、抗体またはT細胞受容体)の軽鎖または重鎖の可変領域における2つのフレームワーク領域の間に見られる。CDRは、例えば生殖細胞系の配列または再構成配列もしくは非再構成配列によって、例えば、ナイーヴB細胞もしくは成熟B細胞、またはT細胞によってコードされ得る。CDRは、体細胞変異され(例えば動物生殖細胞系でコードされた配列と異なり)、ヒト化され、および/またはアミノ酸置換、付加、もしくは欠失で改変され得る。一部の環境下(例えば、CDR3に関して)では、CDRは、2つ以上の配列(例えば、生殖細胞系配列)によってコードされ得、その2つ以上の配列は(例えば、非再構成核酸配列においては)連続していないが、例えば、配列のスプライシングまたは接続(例えば、重鎖CDR3を形成するためのV−D−J再構成)の結果として、B細胞核酸配列では連続している。

0060

「エピトープ」は、免疫系によって、特に抗体、B細胞、または細胞毒性T細胞によって認識されるマクロ分子の一部である。エピトープは通常、非自己タンパク質に由来すると考えられるが、認識され得る宿主由来の配列もエピトープとして分類される。エピトープは、少なくとも4アミノ酸長、好ましくは4〜30アミノ酸長、より好ましくは5〜20アミノ酸長、特に5〜15アミノ酸長を有する。エピトープは、一次タンパク質構造において互いに離れているが、二次構造および/または三次構造ではより近接した関係になるアミノ酸によって典型的には形成される、直線状または三次元状であり得る。B細胞によって特異的に認識されるエピトープは、B細胞エピトープと称される。

0061

「逆位末端反復」または「ITR」という語句は、効率的な複製に必要なアデノ随伴ウイルスのゲノム中の対称核酸配列を含む。ITR配列は、AAV DNAゲノムの各末端に位置する。ITRは、ウイルスDNA合成のための複製の起源として機能し、AAV統合ベクターを生成するための必須シス構成要素である。

0062

「軽鎖」という語句は、任意の生物体由来の免疫グロブリン軽鎖配列を含み、別段の規定がない限り、代替軽鎖のみならず、ヒトκ軽鎖およびλ軽鎖、ならびにVpreBを含む。軽鎖可変ドメインは、典型的には、別段の規定がない限り、3つの軽鎖CDRおよび4つのフレームワーク(FR)領域を含む。概して、完全長軽鎖は、アミノ末端からカルボキシル末端に向かって、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4を含む可変ドメイン、および軽鎖定常領域を含む。軽鎖可変ドメインは、軽鎖可変領域遺伝子配列によってコードされ、概して、生殖細胞系に存在するVセグメントおよびJセグメントのレパートリーに由来するVLセグメントおよびJLセグメントを含む。様々な生物体のV軽鎖セグメントおよびJ軽鎖セグメントの配列、位置、および命名は、IMGTデータベース、www.imgt.orgで見ることができる。軽鎖は、例えば、軽鎖に現れるエピトープ結合タンパク質によって選択的に結合される第1または第2のエピトープのいずれにも選択的に結合しない軽鎖を含む。軽鎖はまた、軽鎖に現れるエピトープ結合タンパク質によって選択的に結合される1つ以上のエピトープの結合および認識により、重鎖または別の軽鎖に結合および認識するか、またはこれを補助するものを含む。一般的な軽鎖または汎用的な軽鎖は、ヒトVκ1〜39Jκ遺伝子またはヒトVκ3〜20Jκ遺伝子に由来する軽鎖を含み、それらの体細胞変異(例えば、親和性成熟バージョンを含む。例示的なヒトVLセグメントは、ヒトVκ1〜39遺伝子セグメント、ヒトVκ3〜20遺伝子セグメント、ヒトVλ1〜40遺伝子セグメント、ヒトVλ1〜44遺伝子セグメント、ヒトVλ2〜8遺伝子セグメント、ヒトVλ2〜14遺伝子セグメント、およびヒトVλ3〜21遺伝子セグメントを含み、それらの体細胞変異(例えば、親和性成熟)バージョンを含む。1つの生物体(例えば、ヒトもしくは齧歯類、例えば、ラットもしくはマウス、または鳥類、例えばニワトリ)からの可変ドメインと、同じかまたは異なる生物体(例えば、ヒトもしくは齧歯類、例えばラットももしくはマウス、または鳥類、例えばニワトリ)からの定常領域とを含む軽鎖を作製することができる。

0063

「約」または「およそ」という用語は、統計的に有意の値の範囲内であることを含む。かかる範囲は、所与の値または範囲の10倍以内、好ましくは50%以内、より好ましくは20%以内、なおより好ましくは10%以内、さらにより好ましくは5%以内であり得る。「約」または「およそ」という用語によって包含される許容可能な変動は、研究中の特定の系に依存し、当業者によって容易に理解され得る。

0064

「親和性タグ」という用語は、例えば、別のポリペプチド配列、例えば高親和性を有する抗体パラトープと特異的に結合する、特定の結合対のメンバーであるポリペプチド配列を含む。例示的および非限定的親和性タグは、ヘキサヒスチジンタグ、FLAGタグ、StrepIIタグ、ストレプトアビジン結合ペプチド(SBP)タグ、カルタチオン結合ペプチド(CBP)、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、S−タグ、HAタグ、およびc−Mycタグを含む。(Zhao et al.(2013)J.Analytical Meth.Chem.1−8において検証され、参照により本明細書に組み込まれる)。

0065

「キャプシドタンパク質」という用語は、ウイルスのキャプシドの一部であるタンパク質を含む。アデノ随伴ウイルスでは、キャプシドタンパク質は、概して、VP1、VP2、および/またはVP3と称され、各々単一のcap遺伝子によってコードされる。AAVでは、3つのAAVキャプシドタンパク質は、代替的なmRNAスプライシングおよび/または代替的な翻訳開始コドンの使用を介したcapオープンリーディングフレーム(ORF)から重複した様式で生成されるが、3つのタンパク質すべてが共通の終止コドンを使用する。Warrington et al.(2004)J.Virol.78:6595、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。AAV2のVP1は、概して2.4kbのmRNA上のATG開始コドン(アミノ酸M1)から翻訳されるが、AAV2のVP2およびVP3は、より小さい2.3kbのmRNAから生じ、VP2生成にはより弱いACG開始コドン(アミノ酸T138)、および最も豊富なキャプシドメタンタンパク質であるVP3の生成には次に利用可能なATGコドン(アミノ酸M203)へのリードスルー翻訳が使用される。Warrington,上記、Rutledge et al.(1998)J.Virol.72:309−19、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。アデノ随伴ウイルスのキャプシドタンパク質のアミノ酸配列は、当該技術分野で周知であり、概して、具体的にはデペンドパルボウイルス(Dependoparvovirus)に保存されている。Rutledge et al.,上記を参照されたい。例えば、Rutledge et al.(1998)、上記は、図4BのAAV2、AAV3、AAV4、およびAAV6のVP1、VP2、およびVP3キャプシドタンパク質のアミノ酸配列アラインメントを提供し、VP1、VP2、およびVP3キャプシドタンパク質の各々の開始部位は、矢印で示され、可変ドメインは枠で囲まれている。したがって、本明細書に提供されているアミノ酸位置は、AAVのVP1キャプシドタンパク質に関係して提供され得、さらに明記されない本明細書に提供されているアミノ酸位置は、配列番号1として表される主要な外被タンパク質VP1のAAV2配列を指すが、当業者であれば、AAVのVP2および/またはVP3キャプシドタンパク質内の同じアミノ酸の位置、および異なるセロタイプのうちのアミノ酸の対応する位置をそれぞれ容易に決定することが可能であろう。加えて、当業者であれば、「キメラキャプシドタンパク質」の形成のために、異なるAAVセロタイプのキャプシドタンパク質間のドメインを交換することが可能であろう。

0066

「キメラAAVキャプシドタンパク質」の生成のための2つのAAVキャプシドタンパク質構築物間のドメイン交換について記載されており、例えば、Shen et al.(2007)Mol.Therapy15(11):1955−1962(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。「キメラAAVキャプシドタンパク質」は、アミノ酸配列、例えば、2つ以上の異なるAAVセロタイプ由来のドメインを含み、AAV様ウイルスキャプシド/ウイルス粒子を形成することが可能であり、かつ/または形成する、AAVキャプシドタンパク質を含む。キメラAAVキャプシドタンパク質は、キメラAAVキャプシド遺伝子、例えば、複数の、例えば少なくとも2つの核酸配列を含むヌクレオチドよってコードされ、その複数の各々は、別個のAAVセロタイプのキャプシドタンパク質をコードするキャプシド遺伝子の一部分と同一であり、その複数は一緒に、機能的キメラAAVキャプシドタンパク質をコードする。特定のAAVセロタイプに関係するキメラキャプシドタンパク質についての参考文献は、キャプシドタンパク質が、そのセロタイプのキャプシドタンパク質由来の1つ以上のドメイン、および異なるセロタイプのキャプシドタンパク質由来の1つ以上のドメインを含むことを示している。例えば、AAV2キメラキャプシドタンパク質は、AAV2 VP1、VP2、および/またはVP3キャプシドタンパク質の1つ以上のドメインと、異なるAAVのVP1、VP2、および/またはVP3キャプシドタンパク質の1つ以上のドメインとを含む、キャプシドタンパク質を含む。

0067

「モザイクキャプシド」は、少なくとも2組のVP1、VP2、および/またはVP3タンパク質を含み、その各組は、異なるcap遺伝子によってコードされる。

0068

いくつかの実施形態では、本明細書に記載のモザイクキャプシドは、異種エピトープをコードする核酸配列を挿入して遺伝子改変されたcap遺伝子によってコードされる組換えVP1、VP2、および/またはVP3タンパク質を含み、標準cap遺伝子、例えば組換えVP1、VP2、および/またはVP3タンパク質と同じAAVセロタイプの野生型VP1、VP2、および/またはVP3タンパク質をコードする野生型標準cap遺伝子、組換えVP1、VP2、および/またはVP3タンパク質と同一であるが異種エピトープが非存在のVP1、VP2、および/またはVP3タンパク質をコードする標準cap遺伝子、組換えVP1、VP2、および/またはVP3タンパク質と変異(例えば、挿入、置換、欠失)(この変異は、好ましくは、野生型VP1、VP2、および/またはVP3タンパク質の指向性を減少させる)以外実質的に同じであるAAVセロタイプの野生型VP1、VP2、および/またはVP3タンパク質をコードする変異野生型標準cap遺伝子、によってコードされるVP1、VP2、および/またはVP3タンパク質をさらに含む。いくつかの実施形態では、標準キャプシドタンパク質は、組換えVP1、VP2、および/またはVP3タンパク質と同じAAVセロタイプのVP1、VP2、および/またはVP3タンパク質の少なくとも1つのドメインを含むキメラ標準タンパク質である。いくつかの実施形態では、標準cap遺伝子は、キメラVP1、VP2、および/またはVP3タンパク質をコードする。

0069

「重鎖」または「免疫グロブリン重鎖」という語句は、任意の生物体由来の免疫グロブリン重鎖定常領域配列を含む、免疫グロブリン重鎖配列を含む。重鎖可変ドメインは、別段の規定がない限り、3つの重鎖CDRおよび4つのFR領域を含む。重鎖の断片は、CDR、CDRおよびFR、ならびにそれらの組み合わせを含む。典型的な重鎖は、可変ドメインに続いて(N末端からC末端に向かって)、CH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを有する。重鎖の機能性断片は、エピトープを特異的に認識する(例えば、マイクロモルナノモル、またはピコモル範囲のKDを有するエピトープを認識する)ことが可能であり、細胞から発現および分泌可能であり、少なくとも1つのCDRを含む断片を含む。重鎖可変ドメインは、可変領域ヌクレオチド配列によってコードされ、概して、生殖系細胞に存在するVH、DH、およびJHセグメントのレパートリー由来の、VH、DH、およびJHセグメントを含む。様々な生物体のV重鎖セグメント、D重鎖セグメント、およびJ重鎖セグメントの配列、位置、および命名は、IMGTデータベースで見ることができ、これは、インターネットを介してURLが「imgt.org」の世界的なウェブ(www)でアクセス可能である。

0070

「重鎖のみの抗体」、「重鎖のみの抗原結合タンパク質」、「単一ドメイン抗原結合タンパク質」、「単一ドメイン結合タンパク質」、などの用語は、重鎖定常領域に操作可能に連結されている可変ドメインを含む可変領域を含む免疫グロブリン様鎖を含む単量体またはホモ二量体の免疫グロブリン分子を指し、これは重鎖定常領域が、典型的には機能的CH1ドメインを欠くために軽鎖と会合不可能である。したがって、「重鎖のみの抗体」、「重鎖のみの抗原結合タンパク質」、「単一ドメイン抗原結合タンパク質」、「単一ドメイン結合タンパク質」、などの用語は、(i)機能的CH1つのドメインを欠く重鎖定常領域に操作可能に連結されている可変ドメインを含む免疫グロブリン様鎖のうちの1つを含む単量体単一ドメイン抗原結合タンパク質、または(ii)2つの免疫グロブリン様鎖を含み、各々が機能的CH1ドメインを欠く重鎖定常領域に操作可能に連結されている可変ドメインを含む、ホモ二量体単一ドメイン抗原結合タンパク質、の両方を包含する。様々な態様では、ホモ二量体単一ドメイン抗原結合タンパク質は、2つの同一の免疫グロブリン様鎖を含み、各々が機能的CH1ドメインを欠く同一の重鎖定常領域に操作可能に連結されている同一の可変ドメインを含む。加えて、単一ドメイン抗原結合タンパク質の各免疫グロブリン様鎖は、可変ドメインを含み、これは、重鎖可変領域遺伝子セグメント(例えば、VH、DH、JH)、軽鎖遺伝子セグメント(例えば、VL、JL)、またはそれらの組み合わせに由来し得、重鎖定常領域(および任意選択的にヒンジ領域)の遺伝子の配列、例えばIgG、IgA、IgE、IgD、またはそれらの組み合わせをコードするCH1における欠失変異または不活性化変異を含む重鎖定常領域(CH)遺伝子配列に連結し得る。重鎖遺伝子セグメントに由来する可変ドメインを含む単一ドメイン抗原結合タンパク質は、「VH単一ドメイン抗体」または「VH単一ドメイン抗体結合タンパク質」と称され得、例えば、米国特許第8,754,287号、米国特許公開第2014/0289876号、同第2015/0197553号、同第2015/0197554号、同第2015/0197555号、同第2015/0196015号、同第2015/0197556号、同第2015/0197557号(それらの各々は、それらの全体が参照により組み込まれる)を参照されたい。軽鎖遺伝子セグメント由来の可変ドメインを含む単一ドメイン抗原結合タンパク質は、「VL単一ドメイン抗原結合タンパク質」と称され得、例えば、米国公開第2015/0289489号(その全体が参照により組み込まれる)を参照されたい。

0071

「軽鎖」という語句は、任意の生物体由来の免疫グロブリン軽鎖配列を含み、別段の規定がない限り、代替軽鎖のみならず、ヒトカッパ(κ)軽鎖およびラムダ(λ)軽鎖、ならびにVpreBを含む。軽鎖可変ドメインは、典型的には、別段の規定がない限り、3つの軽鎖CDRおよび4つのフレームワーク(FR)領域を含む。概して、完全長軽鎖は、アミノ末端からカルボキシル末端に向かって、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4を含む可変ドメイン、および軽鎖定常領域アミノ酸配列を含む。軽鎖可変ドメインは、軽鎖可変領域ヌクレオチド配列によってコードされ、概して、生殖系細胞に存在する軽鎖VおよびJ遺伝子セグメントのレパートリーに由来する、軽鎖VLおよび軽鎖JLセグメントを含む。様々な生物体の軽鎖V遺伝子セグメントおよび軽鎖J遺伝子セグメントの配列、位置、および命名は、IMGTデータベースで見ることができ、これは、インターネットを介してURLが「imgt.org」の世界的なウェブ(www)でアクセス可能である。軽鎖は、例えば、軽鎖に現れるエピトープ結合タンパク質によって選択的に結合される第1または第2のエピトープのいずれにも選択的に結合しない軽鎖を含む。軽鎖はまた、軽鎖に現れるエピトープ結合タンパク質によって選択的に結合される1つ以上のエピトープの結合および認識により、重鎖に結合および認識するか、またはこれを補助するものを含む。軽鎖はまた、軽鎖に現れるエピトープ結合タンパク質によって選択的に結合される1つ以上のエピトープの結合および認識により、重鎖に結合および認識するか、またはこれを補助するものを含む。一般的な軽鎖または汎用的な軽鎖は、ヒトVκ1〜39Jκ5遺伝子またはヒトVκ3〜20Jκ1遺伝子由来の軽鎖を含み、それらの体細胞変異(例えば、親和性成熟)バージョンを含む。

0072

「操作可能に連結されている」という語句は、本明細書で使用される場合、互いに直接的または間接的に相互作用する、あるいは生物学的事象に関わるように互いに配置される、構成要素または要素の物理的な並置(例えば、三次元的空間における)を含み、この並置は、かかる相互作用および/または配置を達成または可能にする。一例を挙げると、核酸中の制御配列(例えば、発現制御配列)は、コード配列の発現および/または活性に対してその存在または非存在が影響を与えるように、コード配列に位置すると、コード配列に「操作可能に連結されている」と言われる。多くの実施形態では、「操作可能な連結」は、互いに関連する構成要素または要素の共有結合を含む。しかしながら、当業者であれば、いくつかの実施形態では、共有結合は、効果的な操作可能な連結を達成するのに必要ではないことを容易に理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、核酸制御配列が制御するコード配列と操作可能に連結されている核酸制御配列は、対象ヌクレオチドと連続している。代替的にまたは加えて、いくつかの実施形態では、1つ以上のかかる制御配列は、トランスで、または対象のコード配列を制御するための距離で機能する。いくつかの実施形態では、「発現制御配列」という用語は、本明細書で使用される場合、それらが連結されているコード配列の発現および処理に影響を与えるのに必要なおよび/または十分なポリヌクレオチド配列を指す。いくつかの実施形態では、発現制御配列は、適切な転写開始終結、プロモーターおよびエンハンサー配列、スプライシングおよびポリアデニル化シグナルなどの効率的なRNA処理シグナル細胞質mRNAを安定化する配列、翻訳効率を向上する配列(例えばコザックコンセンサス配列)、タンパク質安定性を向上する配列、ならびに/またはいくつかの実施形態では、タンパク質分泌を向上する配列であり得るか、あるいはこれらを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の制御配列は、特定の宿主細胞もしくは生物体、またはそれらのタイプで優先的にまたはそれらでのみ活性である。一例を挙げると、原核生物では、制御配列は、典型的には、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終結配列を含み、真核生物では、多くの実施形態では、制御配列は、典型的には、プロモーター、エンハンサー、および/または転写終結配列を含む。当業者であれば、多くの実施形態で、「制御配列」という用語は、その存在が発現および処理に不可欠な構成要素を指し、いくつかの実施形態で、その存在が発現に有利である構成要素(例えば、リーダー配列標的化配列、および/または融合パートナー配列を含む)を含むことをその文脈から理解するであろう。

0073

「組換えキャプシドタンパク質」という用語は、比較研究のための標準ウイルスおよび/または対照ウイルスでありうる野生型ウイルスの対応するキャプシドタンパク質と比較して、少なくとも1つの変異を有するキャプシドタンパク質を含む。組換えキャプシドタンパク質は、キャプシドタンパク質に挿入され得、かつ/またはキャプシドタンパク質によって提示され得る異種エピトープを含む、キャプシドタンパク質を含む。この文脈における「異種」とは、キャプシドタンパク質が由来するウイルスと比較して異種であることを意味する。挿入されるアミノ酸は、キャプシドタンパク質の2つの所与のアミノ酸の間に単に挿入され得る。アミノ酸の挿入はまた、挿入部位におけるキャプシドタンパク質の所与のアミノ酸の欠失を伴う場合があり、例えば、1つ以上のキャプシドタンパク質アミノ酸は、5つ以上の異種アミノ酸によって置換される)。

0074

「多重特異性結合分子」および「二重特異性結合分子」などの用語は、概してかつそれぞれ、少なくとも2つのおよび2つのみの非同一の結合構成要素を含む結合分子を指し、各結合構成要素が、異なるエピトープ−2つの異なる分子(例えば、2つの異なる免疫原上の異なるエピトープ)、または同じ分子(例えば、同じ免疫原上の異なるエピトープ)、のいずれかに特異的に結合する。概して、本明細書において二重特異性結合分子の結合構成要素のうちの1つは、ウイルスキャプシドタンパク質によって提示される異種エピトープに特異的に結合し、第2の結合構成要素は、標的細胞、例えば、T細胞マーカー(例えば、CD3、CD28など)によって主におよび/または優先的に発現されるタンパク質、例えば細胞表面マーカーに特異的である。二重特異性結合分子は、例えば、同じ免疫原の異なるエピトープを認識する結合構成要素を組み合わせることによって作製され得る。例えば、異なるエピトープを認識する結合構成要素(例えば、軽鎖または重鎖可変配列)をコードする核酸配列は、同じかもしくは異なる重鎖定常領域(複数)、同じかもしくは異なる軽鎖定常領域(複数)、または1つの重鎖定常領域および1つの軽鎖定常領域それぞれをコードする核酸配列に融合され得、かかる配列は、Fab構造、scFab構造、ダイアボディ構造、scFv構造、scFv−Fc構造、scFv−ジッパー構造同属の汎用的な軽鎖を含む典型的な抗体と同様の四量体構造、同属の汎用的な軽鎖を含む典型的な二価抗体を含む四量体構造、および/または重鎖のうちの一方もしくは両方(例えば、N末端および/またはC末端)もしくは軽鎖のうちの一方もしくは両方(例えば、N末端および/またはC末端)に付加されている追加の結合構成要素(例えばscFV、scFV−ジッパー構造、scFabなど)と同様のフォーマットの多重特異性抗原結合タンパク質として細胞内に発現され得る。多重特異性、具体的には二重特異性結合分子の様々なフォーマットは周知であり、例えば、Brinkmann and Konterman(2017)Mabs 9:182−212(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。

0075

例示的な多重特異性分子は、重鎖CDR、続いて(N末端からC末端に向かって)CH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを各々有する2つの重鎖と、エピトープ結合特異性を付与しないが各重鎖と会合することができる免疫グロブリン軽鎖(例えば、一般的な軽鎖)か、または各重鎖と会合することができ重鎖エピトープ結合領域によって結合されるエピトープのうちの1つ以上に結合することができる免疫グロブリン軽鎖か、または各重鎖と会合することができ重鎖のうちの一方もしくは両方をエピトープのうちの一方もしくは両方に結合可能な免疫グロブリン軽鎖のいずれかと、を有する。いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、(1)IgG1、IgG2、IgG4、およびそれらの組み合わせから選択されるヒトIgGの第1のCH3アミノ酸配列を含む、第1の重鎖定常領域に操作可能に連結されている免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、ならびに(2)免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含み、第2の免疫グロブリン重鎖可変ドメインが、IgG1、IgG2、IgG4、およびそれらの組み合わせから選択されるヒトIgGの第2のCH3アミノ酸配列を含む第2の重鎖定常領域に操作可能に連結されており、第1または第2の重鎖可変ドメイン(同族の軽鎖の有無にかかわらず)が、本明細書に記載の異種エピトープに結合し、他の重鎖可変ドメイン(同族の軽鎖の有無にかかわらず)が、標的細胞上の受容体に結合し、第1の重鎖定常領域が、多重特異性結合タンパク質の容易な単離を提供する様式で、第2の定常鎖領域と会合し、例えば第1および第2の重鎖定常領域が、ノブイントゥホール(knobs−into−hole)(KIH)フォーマットを形成するか、あるいは第2のCH3アミノ酸配列が、第2のCH3アミノ酸配列のプロテインAへの結合を減少させるかあるいは排除する改変を含む(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,586,713号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、(1)IgG1、IgG2、IgG4、およびそれらの組み合わせから選択されるヒトIgGの第1のCH3アミノ酸配列を含む、第1の重鎖定常領域に操作可能に連結されている免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、ならびに(2)免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含み、第2の免疫グロブリン重鎖可変ドメインが、IgG1、IgG2、IgG4、およびそれらの組み合わせから選択されるヒトIgGの第2のCH3アミノ酸配列を含む第2の重鎖定常領域に操作可能に連結されており、第1および第2の重鎖可変ドメイン(同族の軽鎖の有無にかかわらず)が、同じかまたは異なる抗原に結合し、第1または第2の重鎖定常領域が、追加の結合ドメインをさらに含むように改変され(例えば、本明細書に記載の異種エピトープに結合するscFVまたはFv、例えば、追加の結合ドメインが、一方または両方の重鎖のC末端またはN末端に付加されている)、第1の重鎖定常領域が、多重特異性結合タンパク質の容易な単離を提供する様式で、第2の定常鎖領域と会合し、例えば第1および第2の重鎖定常領域が、ノブイントゥホール(KIH)フォーマットを形成するか、あるいは第2のCH3アミノ酸配列が、第2のCH3アミノ酸配列のプロテインAへの結合を減少させるかあるいは排除する改変を含む。第2のCH3アミノ酸配列が減少または排除されたプロテインAへの結合を含むいくつかの実施形態では、第2のCH3アミノ酸配列は、H95R改変(IMGTエクソンナンバリングによる、EUナンバリングではH435R)を含む。一実施形態では、第2のCH3アミノ酸配列は、Y96F改変(IMGTエクソン番号による、EUではH436F)をさらに含む。別の実施形態では、第2のCH3アミノ酸配列は、H95R改変(IMGTエクソンナンバリング、EUナンバリングではH435R)およびY96F改変(IMGTエクソンナンバリング、EUではH436F)の両方を含む。いくつかの実施形態では、第2のCH3アミノ酸配列は、改変ヒトIgG1由来であり、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGTによる、EUではD356E、L38M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のCH3アミノ酸配列は、改変ヒトIgG2由来であり、N44S、K52N、およびV82I(IMGTによる、EUではN384S、K392N、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のCH3アミノ酸配列は、改変ヒトIgG4由来であり、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGTによる、EUではQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、重鎖定常領域アミノ酸配列は、非ヒト定常領域アミノ酸配列であり、重鎖定常領域アミノ酸配列は、上述の改変の種類のうちのいずれか1つ以上を含む。

0076

さまざまな実施形態では、Fcドメインは、変更されたFc受容体結合を有するように改変され、その結果エフェクター機能に影響を与える。いくつかの実施形態では、Fcドメインを含む作製された重鎖定常領域(CH)は、キメラである。このように、キメラCH領域は、2つ以上の免疫グロブリンアイソタイプに由来するCHドメインを組み合わせる。例えば、キメラCH領域は、ヒトIgG1、ヒトIgG2、またはヒトIgG4分子に由来するCH3ドメインの一部またはすべてと組み合わせられた、ヒトIgG1、ヒトIgG2、またはヒトIgG4分子に由来するCH2ドメインの一部またはすべてを含む。いくつかの実施形態では、キメラCH領域は、キメラヒンジ領域を含有する。例えば、キメラヒンジは、ヒトIgG1、ヒトIgG2、またはヒトIgG4ヒンジ領域に由来する「上部ヒンジ」アミノ酸配列(EUナンバリングによる位置216〜227のアミノ酸残基、Kabatナンバリングによる位置226〜240のアミノ酸残基)と、ヒトIgG1、ヒトIgG2、またはヒトIgG4ヒンジ領域に由来する「下部ヒンジ」配列(EUナンバリングによる位置228〜236のアミノ酸残基、Kabatナンバリングによる位置241〜249のアミノ酸位置)との組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、キメラヒンジ領域は、ヒトIgG1またはヒトIgG4上部ヒンジに由来するアミノ酸残基と、ヒトIgG2下部ヒンジに由来するアミノ酸残基とを含む。

0077

いくつかの実施形態では、Fcドメインは、Fc含有タンパク質(例えば、抗体)の所望の薬物動態特性に影響を与えることなく、正常なFcエフェクター機能のうちのすべて、一部を活性化するように、あるいはいずれをも活性化しないように作製され得る。キメラCH領域を含み、変更されたエフェクター機能を有するタンパク質の例については、その全体が本明細書に組み込まれる、WO2014/022540を参照されたい。

0078

「標的細胞」という用語は、対象ヌクレオチドの発現が望ましい任意の細胞を含む。好ましくは、標的細胞は、以下に記載のように、再標的化リガンドを用いて細胞を標的化することを可能にするタンパク質、例えば受容体をそれらの表面上に呈する。標的化されたタンパク質、例えば、受容体は、標的細胞に特異的である、例えば「細胞特異性マーカー」、「細胞特異性抗原」などであることが好ましい。「細胞特異性マーカー」、「細胞特異抗原」、「器官特異性マーカー」、「組織特異性マーカー」、などの用語は、細胞、組織、および/または器官の特異性マーカーである、その発現が細胞、組織、および/または器官によって濃縮されたそれらのタンパク質を含む。タンパク質発現の文脈での「濃縮された」とは、主に、優先的に、または単にそのタンパク質が特異性マーカーである細胞/組織/器官による、細胞/組織/器官に特異的なタンパク質の発現または過剰発現を指しかつ含むが、かかるマーカーは、他の細胞/組織/または器官によっても最小限レベルで発現され得る。Human Protein Atlasは、タンパク質が細胞/組織/器官特異性マーカーであるかどうかを決定ために使用することができ、細胞/組織/器官特異的タンパク質リポジトリも提供する。(参照www.proteinatlas.org、また参照Uhlen et al.(2010)Nat.Biotech.28:1248−50(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。

0079

「形質導入」または「感染」などの用語は、ウイルスベクターによる標的細胞への核酸の導入を指す。形質導入などに関係する効率、例えば、「形質導入効率」という用語は、対象ヌクレオチドを含むウイルスベクターの組数との培養後に、対象ヌクレオチドを発現する細胞の画分(例えば、パーセンテージ)を指す。形質導入効率を決定する周知の方法は、蛍光レポーター遺伝子を用いて形質導入された細胞の蛍光活性化セルソーティング、対象ヌクレオチドの発現用のPCRなどを含む。

0080

「野生型」という用語は、本明細書で使用される場合、(変異体病気、変更などに対して)「正常」な状態または状況で自然界に見られる構造および/または活性を有する実在物を含む。当業者であれば、野生型ウイルスベクター、例えば、野生型キャプシドタンパク質が、比較研究における標準ウイルスベクターとして使用され得ることを理解するであろう。概して、標準ウイルスキャプシドタンパク質/キャプシド/ベクターは、効果が試験される変化以外、試験ウイルスキャプシドタンパク質/キャプシド/ベクターと同一である。例えば、試験ウイルスベクターに異種エピトープを挿入する効果、例えば形質導入効率を決定するために、(適切な多重特異性結合分子の非存在下または存在下での)試験ウイルスベクターの形質導入効率は、異種エピトープの存在を除き、すべての場合(例えば、追加の変異、対象ヌクレオチド、ウイルスベクターおよび標的細胞の数など)で試験ウイルスベクターと同一である標準ウイルスベクターの形質導入効率と(必要であれば適切な多重特異性結合分子の非存在下または存在下で)比較することができる。

0081

組換えウイルスキャプシドタンパク質およびウイルスベクター、ならびに核酸
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、Adキャプシドタンパク質、例えば、Ad1、Ad2、Ad3、Ad4、Ad5、Ad6、およびAd7からなる群から選択されるAdセロタイプのキャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、Ad2キャプシド遺伝子に由来する。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、Ad5キャプシド遺伝子に由来する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えAdウイルスキャプシドタンパク質は、ファイバータンパク質ドメイン中に、例えば、ファイバータンパク質、ファイバーノブ、および/またはファイバーノブのHIループのカルボキシ末端に、異種エピトープを含む。

0082

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、アデノ随伴ウイルス(AAV)キャプシド遺伝子に由来し、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8およびAAV9からなる群から選択されるAAVセロタイプの遺伝子改変キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV2キャプシド遺伝子、AAV6キャプシド遺伝子、AAV8キャプシド遺伝子、またはAAV9キャプシド遺伝子に由来する。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV2キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV2 VP1キャプシドタンパク質であり、その野生型のアミノ酸配列は、配列番号1としてそれぞれ表される。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV8キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV8 VP1キャプシドタンパク質であり、その野生型のアミノ酸配列は、配列番号21として表される。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV9キャプシド遺伝子に由来し、例えば、遺伝子改変AAV9 VP1キャプシドタンパク質であり、その野生型のアミノ酸配列は、配列番号5としてそれぞれ表される。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV6キャプシド遺伝子に由来し、例えば、AAV6の遺伝子改変VP1キャプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV9キャプシドタンパク質のI−453に挿入されている。

0083

概して、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、異種エピトープがキャプシドタンパク質またはそれを含むキャプシドの天然指向性を減少させ、かつ/または無効にするように、キャプシドタンパク質に挿入され、かつ/またはキャプシドタンパク質によって提示される異種エピトープを含む。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、野生型標準キャプシドタンパク質の天然指向性に関与するキャプシドタンパク質の領域、例えば、細胞受容体に関与するキャプシドタンパク質の領域に、挿入されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、Adファイバータンパク質のノブドメインに挿入され、かつ/またはノブドメインによって提示されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、Adファイバータンパク質のHIループに挿入され、かつ/またはHIループによって提示されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV2キャプシドタンパク質VP1のG453、AAV2キャプシドタンパク質VP1のN587、AAV6キャプシドタンパク質VP1のQ585、AAV9キャプシドタンパク質VP1のG453、およびAAV9キャプシドタンパク質VP1のA589からなる群から選択されるアミノ酸位置の後に挿入されている。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、AAV2 VP1キャプシドのアミノ酸N587とR588との間に挿入され、かつ/またはそこに提示されている。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号2として表されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号4として表されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号25として表される核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号26として表される核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号27として表される核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。AAV2を使用することによって同定される追加の好適な挿入部位は、当該技術分野で周知であり(Wu et al.(2000)J.Virol.74:8635−8647)、I−1、I−34、I−138、I−139、I−161、I−261、I−266、I−381、I−447、I−448、I−459、I−471、I−520、I−534、I−570、I−573、I−584、I−587、I−588、I−591、I−657、I−664、I−713、およびI−716を含む。本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、I−1、I−34、I−138、I−139、I−161、I−261、I−266、I−381、I−447、I−448、I−459、I−471、I−520、I−534、I−570、I−573、I−584、I−587、I−588、I−591、I−657、I−664、I−713、I−716、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される位置に挿入される特異性エピトープを含む、AAV2キャプシドタンパク質であり得る。追加のAAVセロタイプを使用することにより同定される追加の好適な挿入部位は、周知であり、I−587(AAV1)、I−589(AAV1)、I−585(AAV3)、I−585(AAV4)、およびI−585(AAV5)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、I−587(AAV1)、I−589(AAV1)、I−585(AAV3)、I−585(AAV4)、I−585(AAV5)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される位置に挿入される異種エピトープを含む、AAV2キャプシドタンパク質であり得る。

0084

本明細書で使用される命名I−###は、AAVキャプシドタンパク質のVP1タンパク質に対するアミノ酸数を###に命名する挿入部位を指すが、かかる挿入は、直接N末端もしくはC末端に、好ましくは所与のアミノ酸のうちの5つのアミノ酸の配列中のN末端またはC末端のうちの1つのアミノ酸のC末端に、好ましくは3つ、より好ましくは2つ、特に1つのアミノ酸(複数可)のN末端またはC末端に位置し得る。加えて、本明細書で言及される位置は、AAVキャプシド遺伝子によってコードされるVP1タンパク質に対するものであり、対応する位置(およびその変異)は、標準AAVキャプシド遺伝子によってコードされるVP1、VP2、およびVP3タンパク質の配列アラインメントを実施することによって、キャプシド遺伝子によってコードされるVP2およびVP3キャプシドタンパク質を容易に同定することができる。

0085

したがって、キャプシドタンパク質がコードされる際に、開始コドンをずらした同じ遺伝子のリーディングフレームを重ねることによって、cap遺伝子のこれらの部位のうちの1つをコードする核酸の対応する位置への挿入は、VP1、VP2、および/またはVP3への挿入につながる。したがって、例えば、AAV2では、この命名によると、アミノ酸1〜138の挿入はVP1にのみ挿入され、138〜203の挿入は、VP1およびVP2に挿入され、203〜C末端の挿入は、VP1、VP2、およびVP3に挿入され、これは当然のことながら、挿入部位I−587についても当てはまる。したがって、本発明は、VP1、VP2、および/またはVP3タンパク質における対応する挿入を有するAAVの構造遺伝子を包含する。

0086

加えて、密接に関連するファミリーメンバーのうちの、少なくとも広範囲の大部分のメンバーが高度に保存されていることに起因して、列挙されているAAV以外のAAVへの対応する挿入部位は、アミノ酸アラインメントを実施することによって、またはキャプシド構造の比較によって同定することができる。例えば、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Rutledge et al.(1998)J.Virol.72:309〜19、および異なるAAVキャプシドタンパク質の例示的なアラインメントでは米国特許第9,624,274号を参照されたい。

0087

(例えば、多重特異性結合分子の非存在下での)組換えウイルスキャプシドからなる本明細書に開示のいくつかの組成物では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、I587部位に異種エピトープを挿入されているAAV2キャプシドタンパク質VP1であり、異種エピトープは、Arg−Gly−Asp(RGD)モチーフ、NGRモチーフ、またはc−mycを含まない。(例えば、多重特異性結合分子の非存在下での)組換えウイルスキャプシドからなる本明細書に開示のいくつかの組成物では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、T448とN449との間に異種エピトープを挿入されているVP1キャプシドタンパク質であり、異種エピトープはc−mycを含まない。(例えば、多重特異性結合分子の非存在下での)組換えウイルスキャプシドからなる本明細書に開示のいくつかの組成物では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、I−447部位に異種エピトープを挿入されているVP1キャプシドタンパク質であり、異種エピトープは、L14またはHAを含まない。

0088

(例えば、多重特異性結合分子をさらに含む)組換えウイルスキャプシドを含むいくつかの組成物では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、I587部位に異種エピトープを挿入されているVP1キャプシドタンパク質であり、異種エピトープは、Arg−Gly−Asp(RGD)モチーフ、NGRモチーフ、またはc−mycを含む。(例えば、多重特異性結合分子をさらに含む)組換えウイルスキャプシドを含む本明細書に開示のいくつかの組成物では、ウイルスキャプシドは、VP1キャプシドであり、異種エピトープはc−mycを含み、異種エピトープは、T448とN449との間、またはN587とR588との間に挿入されている。(例えば、多重特異性結合分子をさらに含む)組換えウイルスキャプシドを含む本明細書に開示のいくつかの組成物では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、I−447部位に異種エピトープを挿入されているVP1キャプシドタンパク質であり、異種エピトープは、L14またはHAを含む。(例えば、多重特異性結合分子の存在下での)組換えウイルスキャプシドを含む本明細書に開示のいくつかの組成物では、組換えウイルスキャプシドタンパク質は、T448とN449との間に異種エピトープを挿入されているVP1キャプシドタンパク質であり、異種エピトープはc−mycを含む。米国特許第9,624,274号は、異種エピトープの好適な挿入部位としてのAAVキャプシドタンパク質のI−453について記載している。

0089

いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を無効化し、例えば、野生型標準ウイルスベクターおよび/または標的細胞による感染に対して天然に許容状態である細胞の形質導入は、適切な多重特異性結合分子の非存在下では検出不能である。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、例えば、野生型標準ウイルスベクターによる感染に対して天然に許容状態である細胞の形質導入と比較して、ウイルスベクターの天然指向性を減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも5%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも5%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも10%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも20%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも30%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも40%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも50%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも60%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも70%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも80%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも90%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも95%減少させる。いくつかの実施形態では、異種エピトープの挿入(提示)は、ウイルスベクターの天然指向性を少なくとも90%減少させる。異種エピトープの挿入(提示)が、組換えウイルスキャプシドの天然指向性を無効化しないこれらの実施形態では、かかる組換えウイルスキャプシドの天然指向性は、第2の異なる変異によって無効化され得る。例えば、一実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、AAV9キャプシド遺伝子に由来し得、異種エピトープを含み、変異、例えばW503A変異をさらに含み得る。

0090

特に、ウイルスベクターの全身投与対局所的または局所領域的投与が意図されている場合、天然宿主細胞によるウイルスベクターの取り込みによって、ウイルスベクターの有効用量が制限されるため、ウイルスをその天然宿主細胞から非標的化することは重要である。AAV2およびAAV6の場合、HSPGは、多数の細胞、特に肝細胞におけるウイルス取り込みのための主な受容体であると報告されている。AAV2については、HSPG結合活性は、5つの基本アミノ酸、R484、R487、R585、R588、およびK532の群に依存している(Kern et al.,(2003)J Virol.77(20):11072−81)。近年、リシンからグルタミン酸へのアミノ酸置換K531Eは、ヘパリンまたはHSPGに結合するAAV6の能力の抑制につながると報告された((Wu et al.、2006)J.of Virology80(22):11393−11397)。したがって、好ましい点変異は、天然受容体によって媒介される所与の標的細胞へのウイルスベクターの形質導入活性を、HSPGが主な受容体である場合ウイルスベクターのHSPGへの結合を、少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、特に少なくとも95%減少させるものである。

0091

結果として、HSPG結合ウイルスベクターに好ましいさらなる変異は、それぞれのウイルスのHSPG結合に関与する、R、K、またはH、好ましくはRまたはKなどの塩基性アミノ酸を、なくすか、あるいはA、D、G、Q、S、およびTなどの非塩基性アミノ酸、好ましくはA、または異なるが高度に保存されている、この位置のかかる塩基性アミノ酸を欠くAAVセロタイプの対応する位置に存在するアミノ酸によって置き換える変異である。結果として、好ましいアミノ酸置換は、R484A、R487A、R487G、K532A、K532D、R585A、R585S、R585Q、R585A、またはR588T、特にAAV2ではR585Aおよび/またはR588A、ならびにAAV6ではK531AまたはK531Eである。本発明の特に好ましい一実施形態は、2つの点変異R585AおよびR588Aを追加で含有する、かかるAAV2のキャプシドタンパク質変異であり、これらの2つの点変異は、大幅にHSPG結合活性を削除するのに十分である。これらの点変異は、標的化目的では、HSPG発現細胞からの効率的な非標的化を可能にし、その新しい標的細胞へのそれぞれの変異体ウイルスの特異性を増加させる。

0092

本発明の一実施形態は、本発明の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む多量体構造である。多量体構造は、本明細書に記載の異種エピトープを含む、少なくとも5個、好ましくは少なくとも10個、より好ましくは少なくとも30個、最も好ましくは少なくとも60個の組換えウイルスキャプシドタンパク質を含む。それらは、普通のウイルスキャプシド(空のウイルス粒子)、またはウイルスベクター(対象ヌクレオチドを封入するキャプシド)を形成することができる。ウイルスゲノムをパッケージングすることが可能なウイルスベクターの形成は、本明細書にウイルスベクターとして記載の組換えウイルスキャプシドの使用に非常に好ましい特色である。

0093

本発明の一実施形態は、上述のキャプシドタンパク質をコードする核酸である。好ましくは、核酸は、特許請求の範囲の核酸配列を含むベクターである。核酸、特にベクターは、本発明のキャプシドタンパク質を組換え発現するために必要である。

0094

本発明のさらなる実施形態は、少なくとも1つの組換えウイルスキャプシドタンパク質および/またはそれをコードする核酸の使用、好ましくは遺伝子伝達ベクター(transfer vector)として製造および使用するための少なくとも1つの多量体構造(例えば、ウイルスベクター)である。

0095

異種エピトープ
概して、組換えウイルスキャプシドタンパク質および/または組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクターは、例えば多重特異性結合分子を介したウイルスベクターの再標的化を可能にする異種エピトープを含む。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、B細胞エピトープであり、例えば、約1アミノ酸長〜約35アミノ酸長であり、抗体パラトープ、例えば、免疫グロブリン可変ドメインと結合対を形成する。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、親和性タグを含む。

0096

多数のタグが、当該技術分野で既知である。(例えば、Nilsson et al.(1997)“Affinity fusion strategies for detection、purification、and immobilization of recombinant protein”Protein Expression and Purification 11:1−16、Terpe et al.(2003)”Overview of tag protein fusions:From molecular and biochemical fundamentals to Commercial Microbiology and Biotechnology 60:523−533、および参考文献を参照されたい)。親和性タグとしては、限定されないが、固定化二価カチオン(例えば、Ni2+)に結合するポリヒスチジンタグ(例えば、His−6、His−8、またはHis−10タグ)、(例えば、生体内でビオチン化ポリペプチド配列上の)固定化アビジンに結合するビオチン部分、固定化グルタチオンに結合するGST(グルタチオンS−トランスフェラーゼ)配列、固定化Sタンパク質に結合するSタグ、固定化抗体もしくはドメインまたはそれらの断片に結合する抗原(例えば、対応する抗体に結合するT7、myc、FLAG、およびBタグを含む)、FLASHタグ(特定のヒ素系部分に連結する高親和性タグ)、固定化リガンドに結合する受容体または受容体ドメイン(またはその逆)、固定化IgGに結合するプロテインAまたはその誘導体(例えばZ)、固定化アミロースに結合するマルトース結合タンパク質(MBP)、固定化アルブミンに結合するアルブミン結合タンパク質、固定化キチンに結合するキチン結合ドメイン、固定化カルモジュリンに結合するカルモジュリン結合ペプチド、および固定化セルロースに結合するセルロース結合ドメイン、が挙げられる。別の例示的なタグは、Covalysから市販されているSNAP−タグである(www.covalys.com)。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の異種エピトープは、抗体パラトープによってのみ認識される親和性タグを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の異種エピトープは、抗体パラトープおよび他の特異的結合対によって認識される親和性タグを含む。

0097

いくつかの実施形態では、異種エピトープおよび/または親和性タグは、免疫グロブリン定常ドメインと結合対を形成しない。いくつかの実施形態では、異種エピトープおよび/または親和性タグは、金属イオン、例えばNi2+、Co2+、Cu2+、Zn2+、Fe3+などと結合対を形成しない。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、ストレプトアビジン、StrepII、HA、L14、4C−RGD、LH、およびプロテインAからなる群から選択されるポリペプチドではない。

0098

いくつかの実施形態では、親和性タグは、FLAG(配列番号7)、HA(配列番号8)、およびc−myc(EQKLISEEDL;配列番号6)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、c−mycである。

0099

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV VP1キャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え不可欠キャプシドは、AAV2 VP1キャプシドタンパク質の少なくとも5つの連続アミノ酸に隣接し、かつ/または操作可能に連結されているアミノ酸配列EQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、AAV2 VP1キャプシドタンパク質のN587とR588との間に挿入されているEQKLISEEDL(配列番号6として表される)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、配列番号2として表されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドタンパク質は、配列番号4として表されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号25として表される核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号26として表される核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えウイルスキャプシド、組換えウイルスキャプシドを含むウイルスベクター、および/または組換えウイルスキャプシドを含む組成物は、配列番号27として表される核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。

0100

いくつかの実施形態では、異種エピトープは、親和性タグおよび1つ以上のリンカーを含む。いくつかの実施形態では、異種エピトープは、リンカーが隣接する親和性タグを含み、例えば、異種エピトープは、N末端からC末端に向かって、第1のリンカー、親和性タグ、および第2のリンカーを含む。いくつかの実施形態では、第1および第2のリンカーは、各々独立して、少なくとも1アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、第1および第2のリンカーは、同一である。

0101

概して、本明細書に記載の異種エピトープ、例えば、親和性タグ自体、または1つ以上のリンカーと組み合わせた親和性タグは、約5アミノ酸長〜約35アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、少なくとも5アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、6アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、7アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、8アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、9アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、10アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、11アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、12アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、13アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、14アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、15アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、16アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、17アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、18アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、19アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、20アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、21アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、22アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、23アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、24アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、25アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、26アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、27アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、28アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、29アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、30アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、31アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、32アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、33アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、34アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、異種エピトープ(それ自体、または1つ以上のリンカーとの組み合わせ)は、35アミノ酸長である。

0102

再標的化部分
本明細書に記載のウイルスベクターは、多重特異性結合分子、具体的には(i)エピトープに特異的に結合する抗体パラトープと、(ii)(例えば精製のための)ビーズの表面にコンジュゲートされ得る、または標的細胞によって発現され得る受容体に特異的に結合する再標的化リガンドと、を含む多重特異性結合分子の不在下で、形質導入能力を減少または無効化している。したがって、(i)エピトープに特異的に結合する抗体パラトープと、(ii)受容体に特異的に結合する再標的化リガンドと、を含む多重特異性結合分子は、ウイルスベクターを再標的化する。かかる「再標的化」または「再配向」は、野生型ウイルスベクターが組織内および/または生物体内のいくつかの器官内のいくつかの細胞を標的化し、異種エピトープの挿入により、組織または器官を幅広く標的化することが減少または無効化され、生物体内の組織またはより具体的な器官のより具体的な細胞に再標的化することが、多重特異性結合分子を用いて達成される、シナリオを含み得る。かかる再標的化または再配向はまた、野生型ウイルスベクターが組織を標的化し、異種エピトープの挿入により、組織の標的化が減少または無効化され、完全に異なる組織に再標的化することが、多重特異性結合分子を用いて達成される、シナリオを含み得る。本明細書に記載の抗体パラトープは、概して、異種エピトープを特異的に認識する相補性決定領域(CDR)、例えば、重鎖および/または軽鎖可変ドメインのCDR3領域を最小限で含む。いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、異種エピトープに特異的結合する抗体パラトープを含む抗体(またはその一部分)を含む。例えば、多重特異性結合分子は、単一ドメイン重鎖可変領域または単一ドメイン軽鎖可変領域を含み得、単一ドメイン重鎖可変領域または単一ドメイン軽鎖可変領域は、異種エピトープに特異的結合する抗体パラトープを含む。いくつかの実施形態では、多重特異性結合分子は、Fv領域を含み得、例えば、多重特異性結合分子は、異種エピトープに特異的結合する抗体パラトープを含む、scFvを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の多重特異性結合分子は、c−mycに特異的に結合する抗体パラトープを含む。

0103

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の多重特異性結合分子は、c−mycに特異的に結合する抗体パラトープを含み、パラトープは、scFv、scFvの重鎖および軽鎖可変ドメイン、ならびに/または配列番号28として表される核酸配列によってコードされるHCDR1−HCDR2−HCDR3−LCDR1−LCDR2−LCDR3アミノ酸配列の組、例えば配列番号37として表されるアミノ酸配列を含むscFVを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の多重特異性結合分子は、配列番号28として表される核酸配列によってコードされるFvまたはsCfvを含む。

0104

したがって、本発明は、c−mycに特異的に結合する抗体として、抗体の抗原結合断片、および多重特異性結合タンパク質を含み、抗体、抗体の断片、および多重特異性結合タンパク質が、配列番号29を含む重鎖可変領域(HCVR)および配列番号30を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含むパラトープを含む。本発明はまた、c−Mycに特異的に結合するパラトープを含む、抗体、抗体の抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を含み、パラトープが、配列番号31を含む重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、配列番号32を含むHCDR2、配列番号33を含むHCDR3、配列番号34を含む軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、配列番号35を含むLCDR2、および配列番号36を含むLCDR3を含む。

0105

本発明は、配列番号29として表されるアミノ酸配列、またはそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するその実質的に同様の配列を含むHCVRを含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。

0106

本発明は、配列番号30として表されるアミノ酸配列、またはそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するその実質的に同様の配列を含むLCVRを含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。

0107

本発明は、配列番号30として表されるLCVRアミノ酸配列と対をなす配列番号29として表されるHCVRアミノ酸配列を含む、HCVRおよびLCVR(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対を含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、HCVR/LCVRアミノ酸配列対は、配列番号29/30からなる群から選択される。

0108

本発明は、配列番号31として表されるアミノ酸配列、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するその実質的に同様の配列を含む重鎖CDR1(HCDR1)を含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。

0109

本発明は、配列番号32として表されるアミノ酸配列、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するその実質的に同様の配列を含む重鎖CDR2(HCDR2)を含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。

0110

本発明は、配列番号33として表されるアミノ酸配列、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するその実質的に同様の配列を含む重鎖CDR3(HCDR3)を含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。

0111

本発明は、配列番号34として表されるアミノ酸配列、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するその実質的に同様の配列を含む軽鎖CDR1(LCDR1)を含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。

0112

本発明は、配列番号35として表されるアミノ酸配列、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するその実質的に同様の配列を含む軽鎖CDR2(LCDR2)を含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。

0113

本発明は、配列番号36として表されるアミノ酸配列、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するその実質的に同様の配列を含む軽鎖CDR3(LCDR3)を含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。

0114

本発明は、配列番号36として表されるLCDR3アミノ酸配列と対をなす配列番号33として表されるHCDR3アミノ酸を含む、HCDR3およびLCDR3(HCDR3/LCDR3)アミノ酸配列対を含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、HCDR3/LCDR3アミノ酸配列対は、配列番号33/36として表される。

0115

本発明は、配列番号28として表されるヌクレオチド配列によってコードされる6つのCDRの組(すなわち、HCDR1−HCDR2−HCDR3−LCDR1−LCDR2−LCDR3)を含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。ある特定の実施形態では、HCDR1−HCDR2−HCDR3−LCDR1−LCDR2−LCDR3アミノ酸配列組は、配列番号31−32−33−34−35−36として表される。

0116

関連する実施形態では、本発明は、配列番号29/30として表されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対内に含有される6つのCDRの組(すなわち、HCDR1−HCDR2−HCDR3−LCDR1−LCDR2−LCDR3)を含むパラトープを含む、抗体、その抗原結合断片、および/または多重特異性結合タンパク質を提供する。HCVRおよびLCVRアミノ酸配列内のCDRを同定するための方法および技法は当該技術分野で周知であり、本明細書に開示の特定のHCVRおよび/またはLCVRアミノ酸配列内のCDRを同定するために使用することができる。CDRの境界を同定するために使用することができる例示的な慣習としては、例えば、Kabat定義、Chothia定義、およびAbM定義が挙げられる。一般的な条件では、Kabat定義は配列変動性に基づき、Chothia定義は構造ループ領域の位置に基づき、AbM定義はKabatとChothia手法との間の折衷物である。例えば、Kabat,“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)、Al−Lazikani et al.,J.Mol.Biol.273:927−948(1997)、およびMartin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:9268−9272(1989)を参照されたい。パブリックデータベースもまた、抗体内CDR配列を同定するために利用可能である。

0117

本発明はまた、抗myc抗体またはその部分をコードする核酸分子を提供する。

0118

本明細書に記載の多重特異性結合分子は、組換えウイルスキャプシドタンパク質に挿入/提示されている異種エピトープに特異的結合するパラトープ(例えば、抗体またはその一部分)に加えて、再標的化リガンドをさらに含む。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、細胞の表面上に発現されるタンパク質、例えば、(ヒト)真核細胞(例えば標的細胞)上の細胞表面タンパク質に結合する。再標的化リガンドによって標的化され得る、細胞表面タンパク質、例えば好適な細胞表面受容体は多数存在し、そのための再標的化リガンド、例えば抗体またはそれらの一部分が既に利用可能である。かかる構造としては、クラスIおよびクラスIIの主要組織適合性抗原、多様なサイトカインの受容体(例えば、IL−1、IL−4、IL−6、IL−13、IL−22、IL−25、IL−33などの受容体)、細胞型特異性成長ホルモン脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子(CTNF)、コロニー刺激成長因子内皮増殖因子上皮増殖因子線維芽細胞増殖因子神経膠由来神経栄養因子グリア細胞増殖因子、gro−ベータ/mip 2、肝細胞増殖因子インスリン様成長因子インターフェロン(α−IFN、β−IFN、γIFN、コンセンサスIFN)、インターロイキン(IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14)、ケラチノサイト増殖因子白血病抑制因子マクロファージ単球走化性活性化因子神経成長因子好中球活性化タンパク質2、血小板由来増殖因子、幹細胞因子形質転換増殖因子、腫瘍壊死因子血管内皮成長因子リポタンパク質PRLRなどのさらなるまたは他のタイプ1膜貫通受容体、GCGRなどのG−タンパク質結合受容体、Nav1.7、ASIC1、またはASIC2などのイオンチャネルを含む)、細胞接着分子、アミノ酸などの代謝物質輸送分子Bリンパ球またはTリンパ球光源受容体(例えば、B細胞受容体および関連するタンパク質(例えば、CD19、CD20など)、ならびにT細胞受容体および関連するタンパク質(例えば、CD3、CD4、CD8など)、テトラスパニンタンパク質(例えば、CD63)が含まれるがこれらに限定されない。本明細書に記載の組換えウイルスキャプシドは、ウイルスベクター複合体の標的として分化細胞表面抗原に結合する再標的化リガンドを含む多重特異性結合分子を用いることによって、細胞型の特異的感染を可能にする。

0119

いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)肝細胞によって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、すなわち肝臓特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)脳細胞によって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、脳細胞特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)造血細胞によって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、すなわち造血細胞特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)T細胞によって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、すなわちT細胞特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)B細胞によって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、すなわち、B細胞特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)樹状細胞によって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、すなわち樹状細胞特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)マクロファージによって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、すなわちマクロファージ特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)NK細胞によって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、すなわちNK細胞特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)肝細胞によって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、すなわち腎臓特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)肝細胞によって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、すなわち膵臓特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)腸細胞によって(例えば単独で)主に発現されるタンパク質、すなわち腸特異性マーカーに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)癌細胞、すなわち腫瘍関連抗原(例えば単独で)によって主に発現されるタンパク質に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、主に異種病原体に感染している(ヒト)細胞(例えば単独で)によって発現されるタンパク質に結合する。(1)細胞/組織/器官によって特異的に発現されるか、またはその発現が細胞/組織/器官中に濃縮され、(2)本明細書に記載の再標的化リガンドとして有用な抗原結合タンパク質によって認識される、タンパク質は周知であり、www.proteinatlas.orgでも見ることができ、またUhlen et al.(2010)Nat.Biotech.28:1248−50(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))を参照されたい。以下の表1は、再標的化リガンドとして有用であり得る抗原結合タンパク質に利用可能である例示的かつ非限定的な器官特異性マーカー、およびかかるマーカーを発現する細胞/組織/器官を提供している。

0120

いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)肝細胞によって発現される受容体、例えば、アシアロ糖タンパク質受容体、例えば、hASGR1に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)脳細胞によって発現される受容体に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)T細胞によって発現される受容体、例えば、CD3、例えば、CD3εに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)腎細胞によって発現される受容体に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)筋細胞によって発現される受容体、例えばインテグリンなどに結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、(ヒト)がん細胞によって発現される受容体、例えば腫瘍関連抗原、例えば、E6およびE7に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、ヒトグルカゴン受容体(hGCGR)に結合する。いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、ヒトENTPD3に結合する。

0121

いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、腫瘍細胞によって発現される腫瘍関連抗原に結合する。特異的な腫瘍関連抗原の非限定的な例としては、例えば、アジポフィリン、AIM−2、ALDH1A1、アルファ−アクチン−4、アルファ−フェトタンパク質(「AFP」)、ARTC1、B−RAF、BAGE−1、BCLX(L)、BCR−ABL融合タンパク質b3a2、ベータ−カテニン、BING−4、CA−125、CALCA、癌胎児性抗原(“CEA”)、CASP−5、CASP−8、CD274、CD45、Cdc27、CDK12、CDK4、CDKN2A、CEA、CLPP、COA−1、CPSF、CSNK1A1、CTAG1、CTAG2、サイクリンD1、サイクリン−A1、dek−can融合タンパク質、DKK1、EFTUD2、伸長因子2、ENAH(hMena)、Ep−CAM、EpCAM、EphA3、上皮癌抗原(“ETA”)、ETV6−AML1融合タンパク質、EZH2、E6、E7、FGF5、FLT3−ITD、FN1、G250/MN/CAIX、GAGE−1,2,8、GAGE−3,4,5,6,7、GAS7、グリピカン−3、GnTV、gp100/Pme117、GPNMB、HAUS3、ヘプシン、HER−2/neu、HERV−K−MEL、HLA−A11、HLA−A2、HLA−DOB、hsp70−2、IDO1、IGF2B3、IL13Ralpha2、腸カルボキシルエステラーゼ、K−ras、カリクレイン4、KIF20A、KK−LC−1、KKLC1、KM−HN−1、CCDC110としても知られているKMHN1、LAGE−1、LDLR−フコシルトランフエェラーゼAS融合タンパク質、Lengsin、M−CSF、MAGE−A1、MAGE−A10、MAGE−A12、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A6、MAGE−A9、MAGE−C1、MAGE−C2、リンゴ酸酵素、マンマグロビン−A、MART2、MATN、MC1R、MCSP、mdm−2、ME1、Melan−A/MART−1、Meloe、ミッドカイン、MMP−2、MMP−7、MUC1、MUC5AC、ムチン、MUM−1、MUM−2、MUM−3、ミオシン、ミオシンクラスI、N−raw、NA88−A、neo−PAP、NFYC、NY−BR−1、NY−ESO−1/LAGE−2、OA1、OGT、OS−9、Pポリペプチド、p53、PAP、PAX5、PBF、pml−RARアルファ融合タンパク質、多型上皮ムチン(“PEM”)、PPP1R3B、PRAME、PRDX5、PSA、PSMA、PTPRK、RAB38/NY−MEL−1、RAGE−1、RBAF600、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、SAGE、セクレニン1、SIRT2、SNRPD1、SOX10、Sp17、SPA17、SSX−2、SSX−4、STEAP1、サバイビン、SYT−SSX1または−SSX2融合タンパク質、TAG−1、TAG−2、テロメラーゼ、TGF−ベータRII、TPBG、TRAG−3、トリオースリン酸イソメラーゼ、TRP−1/gp75、TRP−2、TRP2−INT2、チロシナーゼ、チロシナーゼ(“TYR”)、VEGF、WT1、XAGE−lb/GAGED2a、Kras、NY−ESO1、MAGE−A3、HPVE2、HPV E6、HPV E7、WT−1抗原(リンパ腫および他の固形癌における)、ErbB受容体、メランA[MART1]、gp100、チロシナーゼ、TRP−1/gp75、およびTRP−2(黒色腫における);MAGE−1およびMAGE−3(膀胱、頭頚部、および非小細胞癌腫における);HPV EGおよびE7タンパク質(子宮頸癌における);ムチン[MUC−1](乳癌、膵癌、結腸癌、および前立腺癌における);前立腺特異性抗原[PSA](前立腺癌における);癌胎児性抗原[CEA](大腸癌、乳癌、および消化器癌における)、ならびにMAGE−2、MAGE−4、MAGE−6、MAGE−10、MAGE−12、BAGE−1、CAGE−1,2,8、CAGE−3 TO 7、LAGE−1、NY−ESO−1/LAGE−2、NA−88、GnTV、TRP2−INT2としてかかる共有腫瘍特異性抗原に結合する。いくつかの実施形態では、腫瘍関連抗原は、ErBb2/Her2である。いくつかの実施形態では、腫瘍関連抗原は、E6および/またはE7である。

0122

いくつかの実施形態では、再標的化リガンドは、免疫応答に関連するCDマーカー、例えばCD3、CD4、CD8、CD19、CD20などに結合する。いくつかの実施形態では、CDマーカーは、CD3である。

0123

ある特定の例示的な実施形態では、多重特異性結合分子は、二重特異性抗体である。二重特異性抗体の各抗原結合ドメインは、重鎖可変ドメイン(HCVR)および軽鎖可変ドメイン(LCVR)を含む。第1および第2の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗原結合分子(例えば、二重特異性抗体)の文脈において、第1の抗原結合ドメインのCDRは、接頭辞「A1」を伴って示され得、第2の抗原結合ドメインのCDRは、接頭辞「A2」を伴って示され得る。したがって、第1の抗原結合ドメインのCDRは、本明細書ではA1−HCDR1、A1−HCDR2、およびA1−HCDR3と称され得、第2の抗原結合ドメインのCDRは、本明細書ではA2−HCDR1、A2−HCDR2、およびA2−HCDR3と称され得る。

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