図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年9月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

炭素被覆遷移金属ナノ複合材料、その製造、およびその応用が開示される。ここで、前記ナノ複合材料は、コアシェル構造を有する炭素被覆遷移金属粒子を含み、前記コア−シェル構造のシェル層は、酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、かつ前記コア−シェル構造のコアは、遷移金属ナノ粒子である。前記ナノ複合材料は、メソ細孔富む構造を有し、優れた性能を有する吸着触媒材料であり、種々の水素化還元反応を触媒するために使用すること、または工業排ガス中の揮発性有機化合物の処理に有用な接触酸化の触媒として使用することができ、工業的用途の見通しが良好である。

概要

背景

概要

炭素被覆遷移金属ナノ複合材料、その製造、およびその応用が開示される。ここで、前記ナノ複合材料は、コアシェル構造を有する炭素被覆遷移金属粒子を含み、前記コア−シェル構造のシェル層は、酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、かつ前記コア−シェル構造のコアは、遷移金属ナノ粒子である。前記ナノ複合材料は、メソ細孔富む構造を有し、優れた性能を有する吸着触媒材料であり、種々の水素化還元反応を触媒するために使用すること、または工業排ガス中の揮発性有機化合物の処理に有用な接触酸化の触媒として使用することができ、工業的用途の見通しが良好である。

目的

〔発明の概要
従来技術の問題を解決するために、本出願は、コア−シェル構造を有する炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料であって、前記炭素被覆遷移金属粒子は、コアシェル構造を有し、シェル層は、酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、コアは、遷移金属ナノ粒子であり、前記ナノ複合材料は、メソ細孔分布ピークを少なくとも1つ有する多孔質材料であり、好ましくはメソ細孔の分布ピークを2つ以上有する多孔質材料であるナノ複合材料。

請求項2

前記ナノ複合材料の酸浸出における損失は、40%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは10%以下である、請求項1に記載のナノ複合材料。

請求項3

炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料であって、前記炭素被覆遷移金属粒子は、コア−シェル構造を有し、シェル層は、酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、コアは、遷移金属ナノ粒子であり、前記ナノ複合材料の酸浸出における損失は、10%以下であるナノ複合材料。

請求項4

前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ有する多孔質材料であり、好ましくはメソ細孔の分布ピークを2つ以上有する多孔質材料である、請求項3に記載のナノ複合材料。

請求項5

非晶質炭素マトリクスをさらに含むナノ複合材料であって、前記炭素被覆遷移金属粒子は、前記非晶質炭素マトリクス中に分散され、好ましくは、前記ナノ複合材料は、前記非晶質炭素マトリクスおよびその中に分散された炭素被覆遷移金属粒子からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

請求項6

前記ナノ複合材料のメソ細孔容積の割合は、合計細孔容積に対して、約50%超、好ましくは約80%超、より好ましくは約90%超、特に好ましくは約95%超であり、好ましくは、前記ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.05cm3/g〜約1.25cm3/gである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

請求項7

前記ナノ複合材料の炭素含有量は、約10.0質量%〜約60.0質量%であり、かつ遷移金属含有量は、約30.0質量%〜約85.0質量%である、請求項1または2に記載のナノ複合材料。

請求項8

前記ナノ複合材料の炭素含有量は、約15.0質量%〜約60.0質量%であり、かつ遷移金属含有量は、約30.0質量%〜約80.0質量%である、請求項3または4に記載のナノ複合材料。

請求項9

前記炭素被覆遷移金属粒子の前記シェル層は、酸素でドープされた黒鉛化炭素層であり、前記ナノ複合材料の酸素含有量は、約15.0質量%未満、好ましくは約1.0質量%〜約10.0質量%、より好ましくは約0.2質量%〜約5.0質量%であり、あるいは、前記炭素被覆遷移金属粒子の前記シェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、前記ナノ複合材料の窒素および酸素の合計含有量は、約15.0質量%未満、好ましくは約0.2質量%〜約12.0質量%、より好ましくは約0.5質量%〜約10.0質量%、であり、そのうち窒素含有量は、好ましくは約0.1質量%〜約10質量%、より好ましくは約1質量%〜約5質量%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

請求項10

前記黒鉛化炭素層の厚さは、約0.3nm〜約6nm、好ましくは約0.3nm〜約3nmである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

請求項11

前記コア−シェル構造の粒径は、約1nm〜約200nm、好ましくは約3nm〜約100nm、より好ましくは約4nm〜約50nmである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

請求項12

前記遷移金属は、鉄、コバルトニッケル、銅および亜鉛からなる群から選択される1種以上である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

請求項13

前記炭素被覆遷移金属粒子の前記シェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、遷移金属ナノ粒子は、面心立方格子構造および/または六方最密格子構造を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

請求項14

i)遷移金属源および多塩基有機カルボン酸を含む混合物を、溶媒と混合し、均質溶液を形成する工程と、ii)前記均質な溶液から溶媒を除去し、前駆体を得る工程と、iii)不活性保護雰囲気下または還元雰囲気下で、前記前駆体を高温熱分解に供する工程と、iv)任意で、工程iii)で得られた熱分解生成物を、非酸化性強酸での処理に供する工程と、を含む、炭素被覆された遷移金属粒子を含むナノ複合材料の製造方法。

請求項15

工程i)で使用される前記混合物は、前記多塩基性有機カルボン酸とは異なる窒素含有有機化合物および/または酸素含有有機化合物、ならびに任意で、追加の有機化合物をさらに含む、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記窒素含有有機化合物は、尿素メラミンジシアノジアミンヘキサメチレンテトラミンおよびアミノ酸からなる群から選択される1種以上であり、かつ前記酸素含有有機化合物は、ポリオールおよび有機カルボン酸(乳酸等)からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、銅、および亜鉛からなる群から選択される1種以上である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

前記遷移金属源は、遷移金属の有機酸塩カーボネート塩基性カーボネート、酸化物、および水酸化物からなる群から選択される1種以上であり、好ましくは、前記遷移金属の前記有機酸塩は、ヘテロ原子を含まない前記遷移金属の有機カルボン酸塩酢酸塩等)である、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。

請求項19

前記多塩基性有機カルボン酸は、クエン酸マレイン酸トリメシン酸テレフタル酸リンゴ酸EDTA、およびジピコリン酸からなる群から選択される1種以上である、請求項14〜18のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

前記遷移金属源と前記多塩基性有機カルボン酸との質量比は、約1:0.1〜約1:10、好ましくは約1:0.5〜約1:5、より好ましくは約1:0.8〜約1:3である、請求項14に記載の方法。

請求項21

前記遷移金属源と前記多塩基性有機カルボン酸と前記窒素含有有機化合物との質量比は、約1:0.1〜100:0.1〜100、好ましくは約1:0.5〜5:0.5〜5、より好ましくは約1:0.8〜2:1〜2である、請求項15または16に記載の方法。

請求項22

工程i)で使用される前記溶媒は、水、メタノールエタノールn−プロパノールおよびイソプロパノールからなる群から選択される1種以上であり、好ましくは水、エタノールまたはこれらの組み合わせから選択され、最も好ましくは水である、請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法。

請求項23

工程iii)において、前記不活性保護雰囲気は窒素またはアルゴンであり、かつ前記還元雰囲気は不活性ガスおよび水素混合ガスであり、前記高温熱分解は、約0.5℃/分〜約30℃/分の加熱速度で温度維持段階の温度まで加熱し、次いで前記温度維持段階で約20分間〜約600分間温度を一定に保ち、前記温度維持段階で採用される温度は、約400℃〜約800℃であり、好ましくは、前記加熱速度は約1℃/分〜約10℃/分であり、前記温度は前記温度維持段階で約60分間〜約480分間一定に保たれ、かつ前記温度維持段階で採用される温度は約500℃〜約800℃である、請求項14〜22のいずれか1項に記載の方法。

請求項24

工程iv)で使用される前記非酸化性強酸は、フッ化水素酸塩酸硝酸および硫酸からなる群から選択される1種以上であり、好ましくは塩酸および/または硫酸である、請求項14〜23のいずれか1項に記載の方法。

請求項25

請求項14〜24のいずれか1項に記載の方法によって製造された、炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料。

請求項26

揮発性有機化合物を前記ナノ複合材料と接触させ、接触酸化反応を行うことを含む、揮発性有機化合物の処理における触媒としての請求項1〜13および25のいずれか1項に記載のナノ複合材料の使用。

請求項27

水素化還元反応における触媒としての請求項1〜13および25のいずれか1項に記載のナノ複合材料の使用であって、好ましくは、前記水素化還元反応は、p−クロロアニリンを生成するためのp−クロロニトロベンゼン水素化反応アニリンを生成するためのニトロベンゼンの水素化反応、アミノフェノールを生成するためのニトロフェノールの水素化反応、p−アニシジンを生成するためのp−ニトロアニソールの水素化反応、シクロヘキサノールを生成するためのフェノールの水素化反応、オレフィンの水素化反応、シクロヘキサン誘導体を生成するための芳香族炭化水素の水素化反応、アルコールを生成するためのアルデヒドの水素化反応、およびアルコールを生成するためのケトンの水素化反応からなる群から選択される、使用。

発明の詳細な説明

0001

〔関連出願の相互参照
本出願は、2017年7月28日に出願された、発明の名称が「炭素および遷移金属複合材料、その製造およびその応用」である特許出願第201710627278.5号の優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0002

〔技術分野〕
本出願は、炭素被覆金属ナノ複合材料の分野に関し、特に、炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料、その製造およびその応用に関する。

0003

背景技術
カーボンファイバーナノダイヤモンドカーボンナノチューブ、および(酸化された)グラフェン等のナノカーボン触媒は、接触脱水素化、酸化脱水素化、ハロゲン化ヒドロキシル化炭化水素アルキル化、ならびにアルデヒドおよびケトン液相酸化および縮合等の一連の反応に対して、触媒作用的活性があることが見出された。一方、ナノカーボン材料は、非金属材料として、酸やアルカリに対する耐食性、安定した化学的性質等の利点を有する。ナノカーボン触媒の活性部位は、主に炭素材料構造欠陥およびヘテロ原子官能基であり、従って、ナノカーボン触媒の触媒活性を改善するためには、構造欠陥およびヘテロ原子官能基の数を増加させなければならない。しかし、そのような増加は、材料の安定性を低下させるだろう。

0004

遷移金属ナノ材料は、その優れた光学的、電気的、磁気的および触媒的特性のために広く関心が持たれているが、遷移金属ナノ粒子の高い反応性のために、遷移金属ナノ粒子は、凝集または酸化され易く、空気中で自然に燃焼することさえあり、このことは、このような材料の性能および応用に大きな影響を及ぼす。

0005

遷移金属ナノ材料は、高い触媒活性および乏しい安定性を有する。一方、ナノカーボン材料は、良好な化学的安定性を有するが、それらの触媒活性に対してさらなる改善を必要とすることが分かる。従って、2つの材料を適切に組み合わせることで、新たな相乗効果が生じ得、その結果、独自の性能を有する新規な材料を得ることができる。

0006

近年、ナノカーボン被覆金属複合材料が注目されている。このような材料は、1種以上の湾曲した黒鉛化炭素層で形成されたシェルによって緊密に被覆された金属ナノ粒子コアを含み、金属ナノ粒子が外側から隔離された状態である。その結果、複合材料の安定性が大幅に改善される。そのため、独特のコア−シェル構造を有するこのようなナノ材料は、触媒材料、吸波材料、情報記憶材料、磁気光学材料生物医学材料、潤滑油添加剤等の分野における、幅広い応用の見込みがある。

0007

現在、遷移金属を炭素材料で被覆することがいくつかの関連文献で報告されているが、既存の材料の実用化においては、物質移動効率が低い、炭素被覆率が低いことに起因する使用時の不安定性等の様々な問題に直面している。さらに、それらの製造プロセスにおいては、過酷な製造条件、プロセスの複雑さ、低い被覆率、緊密でない被覆、ならびに酸素含有基を導入するために必要とされる硝酸処理によって引き起こされる炭素コーティング層の損傷のし易さおよび金属コアへの悪影響等の多くの問題が存在する。その結果、それらは工業的な製造および応用に適用できない。

0008

現在、当該技術分野で知られている炭素被覆金属ナノ粒子の製造方法には、主に、アーク法化学気相蒸着CVD)法、高温熱分解法ゾルゲル法等が含まれる。

0009

アーク法は、使用する装置が複雑である、操作性が悪い、エネルギー消費が大きいという欠点があり、材料の大規模製造には不利である。CVD法は、アーク法と比較して、コストが低く、収率が高く、生産性が高いが、あらかじめ均一な大きさで分散性の良い金属またはその化合物ナノ粒子を製造する必要があるという問題があり、得られる製品には、産生されたカーボンナノチューブおよび非晶質炭素粒子付随することが多い。

0010

CVD法と同様に、熱分解法の製品の構造および特性は、前駆体材料によって大きく影響される。しかし、熱分解法は、プロセスが簡単で、コストが低く、収率が高く、金属含有量が制御可能である等の利点があり、現在、大規模生産が見込まれる方法の1つである。熱分解法は、主に2つの主なタイプに分けることができ、第1のタイプの方法は、窒素原子を含む炭素源(例えば、ジシアノジアミンメラミン、高温で容易にメラミンに変換可能な尿素等)と金属源とを直接混合する工程、次いで、不活性または還元性雰囲気下で、混合物を高温熱分解に供する工程を含む。この方法は、黒鉛化効率が低く、シアナミドリガンド消費が多く、被覆効果が不十分であるという欠点を有する。さらに、この方法はまた、カーボンナノチューブの製造を促進する。別のタイプの方法は、前駆体として、特徴的な反応において金属イオン窒素含有有機リガンドとの自己集合での結合による周期構造を有する結晶性固体材料(すなわち、金属−有機骨格化合物、MOF)を形成する工程を含む。シアナミドの熱分解法とは異なり、MOF中の金属は原子レベルで均一に分散しているため、MOFは熱分解の理想的な前駆体と考えられ、近年、この分野で話題の研究対象となっている。このような前駆体の製造は、一般に、有機溶媒の使用、ならびに高温および高圧下の反応容器中で行われる反応を必要とする。例えば、中国特許出願公開第CN105965009A号は、高温および高圧条件下で、メタノールおよび水を溶媒として使用し、Ni2+をアスパラギン酸および4,4’−ビピリジンリガンドと配位させ、前駆体を生成する工程、および不活性雰囲気中で前駆体を高温熱分解に供する工程を含む、炭素被覆ニッケルナノ粒子の製造方法を開示している。参考文献「Mesoporous Ni@C hybridsfor a high energy aqueousasymmetric supercapacitor device,Electronic Supplementary Material (ESI) for Journal of Materials Chemistry A, 2016, 4, 9670-9676 (DOI: 10.1039/c6ta02339h)」では、炭素源としてイミノ二酢酸、金属源としてNi(NO3)2を用いて、高温および高圧条件下で、自己集合前駆体を生成し、次いで、Ar雰囲気下で前駆体を高温熱分解に供することにより、炭素被覆ニッケルナノ粒子を製造している。参考文献「MOF-derived Ni-based nanocomposites as robust catalyst for chemoselective hydrogenation of functionalized nitro compounds, Bo Tang et. al., RSC Advances, 2017, 7, 1531-1539」は、最初に、高温および高圧条件下で、窒素を含まない有機リガンドを使用して、有機金属骨格前駆体(MOF)を組み立てる工程、次いで、前駆体を高温熱分解に供する工程を含む、多孔質炭素被覆ニッケルナノ粒子複合材料の合成方法を開示している。しかしながら、一般にMOFの製造において、条件は比較的厳しく、使用されるリガンドは高価であり、大量生産を行うことは困難である。さらに、これらの方法は、炭素源として大量の有機化合物の消費を必要とし、従って、効率が低い。かつ、製造された炭素被覆材料の炭素層はより多くの細孔を有し、結果として、コア金属の被覆率が不十分であり、酸浸出における金属の損失がより高い。その結果、当該材料は、使用において不安定である。

0011

ゾルゲル法は、ある弱酸とあるカチオンとのキレート化合物を形成し、キレート化合物をポリオール重合させて固体ポリマー樹脂を形成し、次いで、得られた樹脂焼成することによって粉末を製造するために使用される。このような方法では、有機酸との化学反応により、ポリマー樹脂中に金属イオンが均一に分散するため、原子レベルで確実に混合することができる。中国特許出願公開第CN105032424A号は、pechini型ゾルゲル法を開示しており、この方法は、配位化合物を含有する水中に、活性金属の前駆体を分散させる工程、ポリオール水溶液および高分子補助剤を添加する工程、担体を添加する工程、分散のために攪拌する工程、水熱反応を行う工程、下層中の固体を分離する工程、および不活性雰囲気中で焼成して、炭素で被覆された活性金属を含む触媒を得る工程を含む。MOF法と同様に、ゾルゲル法もまた、溶媒中で固体の配位ポリマーを製造する必要があり、このような方法によって得られる複合材料の金属粒子は、緊密に被覆されていない。さらに、この方法は、高分子補助剤の使用を必要とし、プロセスが複雑である。

0012

メソ細孔材料は一般に、細孔径が2〜50nmである細孔構造を有する多孔質材料クラスを指す。メソ細孔材料は、マクロ分子の分離、吸着および触媒反応において、良好な役割を果たすことができ、ドメイン制限された触媒作用のためのマイクロリアクターとして働くことができる。高い水熱安定性、強い疎水性有機親和性等の特性のために、メソ細孔炭素材料は、水素化、酸化、分解等の反応において独特の利点を有する。炭素被覆遷移金属材料メソ細孔構造で製造することができれば、それらの物質移動効率を明らかに改善することができ、それらの機能性能を改善することができ、それらの応用を拡大することができる。現在、メソ細孔炭素材料の製造方法は、主に触媒活性化法、オルガノゲル炭化法およびテンプレート法を含むが、これらの方法は、製造プロセスが依然として複雑すぎる。

0013

従来技術で知られている炭素被覆遷移金属材料およびその製造方法は、それぞれの欠点を有する。そのため、依然として、コア金属が炭素層でより良好に被覆され、酸浸出における損失がより低い炭素被覆遷移金属ナノ材料が必要とされており、炭素被覆遷移金属ナノ材料はメソ細孔に富む構造を有することがより望ましい。一方で、炭素源である前駆体の消費が低く、効率が高く、特に、常圧下で、水相中で有機金属前駆体を純粋に製造することができ、より望ましくは、細孔、特にメソ細孔に富む構造を有する炭素被覆遷移金属ナノ材料を高温熱分解によって製造することができる、より単純かつより費用効果の高い炭素被覆遷移金属ナノ材料の製造方法も必要とされている。

0014

さらに、工業排ガスは、揮発性有機化合物(VOC)を含むことが多く、これは、一般に、常温で約70Pa超の飽和蒸気圧を有し、常圧で250℃未満の沸点を有する有機化合物、例えばアルカン芳香族化合物エーテルアルコールハロゲン化炭化水素等を指す。VOCの生成および排出は、化学工業および石油化学工業において最も一般的であり、また、世間で容易に遭遇し得る(例えば、装飾中に生成されるホルムアルデヒド等)。例えば、市販のn−ブタンから無水マレイン酸を製造する場合、上述のVOCが原料として生成され、大気中の酸素分を、触媒に対して100%で製品に変換させることはできない。VOCは光化学スモッグの主な原因の1つとなっており、窒素酸化物吸入性粒子等と共に、大気の品質管理に関わる重要な汚染物質であると考えられている。さらに、VOCは、高い毒性、発がん性等、いくつかの他の側面において有害である。そのため、揮発性有機化合物を処理するための優れた性能を有する接触酸化材料が、緊急に必要とされている。

0015

さらに、従来技術においてニトロベンゼンの水素化を触媒するために使用される触媒は、主に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、およびロジウム(Rh)等の貴金属ベースとする触媒、ならびに銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉛(Zn)、およびモリブデン(Mo)等の非貴金属をベースとする触媒を含む。現在、ラネーNi触媒は、その低価格および比較的高い触媒活性のために、ニトロベンゼン化合物水素化還元を触媒してアニリン化合物を生成するために、工業的に最も一般的に使用される触媒である。しかしながら、ラネーNi触媒は、例えば、骨格ニッケルが大気中での発火に非常に弱いために貯蔵できない、水素化の作業場に水素が存在するために爆発が起こり易い、反応副生成物の量が比較的多い、生成物の収率が低い、触媒活性が比較的低い等の多くの欠点を依然として有する。そのため、水素化還元反応、特にニトロベンゼン水素化反応を触媒するのに適した、高い安定性および触媒活性を有する触媒材料が依然として必要とされている。

0016

前記背景技術の項で開示された情報は、本出願の背景技術の理解を助ける目的のためにのみ提供されたものであり、そのため、当業者に知られている従来技術を構成しない情報を含み得ることに留意されたい。

0017

〔発明の概要
従来技術の問題を解決するために、本出願は、コア−シェル構造を有する炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料を提供する。ここで、遷移金属ナノ粒子コアは、黒鉛化炭素シェル層によって緊密に被覆され、その結果、使用中のコア中の遷移金属の損失が低減され、材料性能の安定性がより良好に維持され、材料の安全性が保証される。特に、当該材料はまた、メソ細孔に富む構造を有することができ、その結果、物質移動効率を改善することができる。一方、本出願はまた、簡単で、環境に優しく、効率的な炭素被覆遷移金属ナノ複合材料の製造方法を提供する。ここで、目的とするナノ複合材料の前駆体は、常圧で簡単に混合することによって得ることができ、前駆体の製造は、水相中で純粋に行うことができる。

0018

一態様において、本出願は、
炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料であって、
炭素被覆遷移金属粒子は、コア−シェル構造を有し、
シェル層は、酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、
コアは、遷移金属ナノ粒子であり、
ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ有する多孔質材料であるナノ複合材料を提供する。

0019

好ましくは、ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを2つ以上有する多孔質材料である。

0020

好ましくは、ナノ複合材料の酸浸出における損失は、40%以下、より好ましくは30%以下、特に好ましくは10%以下である。

0021

好ましくは、ナノ複合材料は、非晶質炭素マトリクスをさらに含み、炭素被覆遷移金属粒子は、非晶質炭素マトリクス中に分散され、より好ましくは、ナノ複合材料は、非晶質炭素マトリクスおよびその中に分散された炭素被覆遷移金属粒子からなる。

0022

好ましくは、ナノ複合材料のメソ細孔容積の割合は、約50%超、より好ましくは約80%超、さらにより好ましくは約90%超、特に好ましくは約95%超であり、最も好ましくは約100%であり、より好ましくは、前記ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.05cm3/g〜約1.25cm3/gである。

0023

別の態様において、本出願は、
炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料であって、
炭素被覆遷移金属粒子は、コア−シェル構造を有し、
シェル層は、酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、
コアは、遷移金属ナノ粒子であり、
ナノ複合材料の酸浸出における損失は、10%以下であるナノ複合材料
を提供する。

0024

好ましくは、ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ有する多孔質材料であり、より好ましくはメソ細孔の分布ピークを2つ以上有する多孔質材料である。

0025

好ましくは、ナノ複合材料は、非晶質炭素マトリクスをさらに含むナノ複合材料であって、炭素被覆遷移金属粒子は、非晶質炭素マトリクス中に分散され、より好ましくは、ナノ複合材料は、前記非晶質炭素マトリクスおよびその中に分散された炭素被覆遷移金属粒子からなる。

0026

好ましくは、ナノ複合材料のメソ細孔容積の割合は、約50%超、より好ましくは約80%超、さらにより好ましくは約90%超、特に好ましくは約95%超であり、最も好ましくは約100%であり、好ましくは、前記ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.05cm3/g〜約1.25cm3/gである。

0027

既存の炭素被覆遷移金属ナノ複合材料と比較して、本出願に係るナノ複合材料は、以下の利点のうちの1つ以上を提供することができる:
1)本出願に係るナノ複合材料は、緊密に被覆された黒鉛化炭素層/金属のコア−シェル構造を有し、反応物の遷移金属コアへのアクセスを可能にする細孔チャネルまたは欠陥を有さず、その結果、コア中の遷移金属材料は非常に安定であり、自己引火性がなく、酸腐食に対する耐性があり、より危険性がなく、保管および輸送が容易である。そのため、複合材料の使用における安全性が保証される。

0028

2)本出願に係るナノ複合材料は、メソ細孔に富む構造を有し、これは、反応中の反応物および生成物の物質移動および拡散に有益である。ナノ複合材料中の炭素材料は、それ自体に触媒活性を有し、遷移金属との相乗効果を提供することができ、その結果、より高い物質移動効率を達成することができる。特に、ナノ複合材料は、マルチレベルメソ多孔質構造を有することができ、それによって、より多様な特性をナノ複合材料に付与し、より多くの応用に適したナノ複合材料とする。

0029

3)本出願に係るナノ複合材料は、黒鉛化炭素層で被覆された強磁性金属コアを含み、高度な多孔質の構造を有し、その結果、ナノ複合材料は、より良好な、磁気分離機能および吸着機能の組み合わせを提供し、吸着分離の分野での使用に特に適する。

0030

4)本願に係るナノ複合材料は、様々な有機反応の触媒として使用することができ、反応における触媒効率を向上させるのに有益である。接触水素化反応に使用される場合、ナノ複合材料は、良好な再現性、高い活性、高い選択性等の利点を示し、工業的用途の見通しが良好である。接触酸化触媒として使用される場合、ナノ複合材料は、良好な低温活性を示し、これは、触媒の燃焼を通じて工業排ガス中に存在する揮発性有機化合物を完全に除去するために、非常に重要である。

0031

5)本出願に係るナノ複合材料は、空気中で自己引火性ではないため、接触酸化、接触水素化等の反応におけるナノ複合材料の使用性能に悪影響を及ぼすことなく、一般的な物品のように長時間、大気中で保存することができる。

0032

6)本出願に係るナノ複合材料の製造において、ドープ元素含有量を調整することができ、硝酸処理等の手段により酸素元素を導入する必要がなく、黒鉛化炭素層の電子特性を調整することができるので、ナノ複合材料は、種々の反応を触媒するのに適している。

0033

さらに別の態様において、本出願は、
i)遷移金属源および多塩基有機カルボン酸を含む混合物を、溶媒と混合し、均質溶液を形成する工程と、
ii)前記均質な溶液から溶媒を除去し、前駆体を得る工程と、
iii)不活性保護雰囲気下または還元雰囲気下で、前記前駆体を高温熱分解に供する工程と、
iv)任意で、工程iii)で得られた熱分解生成物非酸化性強酸での処理に供する工程と、
を含む、炭素被覆された遷移金属粒子を含むナノ複合材料の製造方法
を提供する。

0034

好ましくは、本方法の工程i)で使用される混合物は、多塩基性有機カルボン酸とは異なる窒素含有有機化合物および/または酸素含有有機化合物、ならびに任意で、追加の有機化合物をさらに含み、ここで、窒素含有有機化合物は、好ましくは尿素、メラミン、ジシアノジアミン、ヘキサメチレンテトラミンおよびアミノ酸からなる群から選択される1種以上であり、かつ好ましくは、前記酸素含有有機化合物は、ポリオールおよび有機カルボン酸(乳酸等)から選択される。

0035

好ましくは、遷移金属源は、遷移金属の有機酸塩カーボネート塩基性カーボネート、酸化物、および水酸化物からなる群から選択される1種以上であり、より好ましくは、遷移金属の有機酸塩は、遷移金属のヘテロ原子を含まない有機カルボン酸塩酢酸塩等)である。

0036

さらに好ましくは、多塩基性有機カルボン酸は、クエン酸マレイン酸トリメシン酸テレフタル酸リンゴ酸EDTA、およびジピコリン酸からなる群から選択される1種以上である。

0037

好ましくは、工程iv)で使用される前記非酸化性強酸は、フッ化水素酸塩酸硝酸および硫酸からなる群から選択される1種以上であり、より好ましくは塩酸および/または硫酸である。

0038

既存の炭素被覆遷移金属ナノ複合材料の製造方法と比較して、本出願に係る方法は、以下の利点のうちの1つ以上を提供することができる:
1)本出願に係る方法は、溶媒(例えば、水)中で、遷移金属源と多塩基性有機カルボン酸とを均一に混合することによって得られる前駆体を直接高温熱分解に供するので、より単純かつより効率的であり、前駆体中の遷移金属の原子利用率は100%であり得る。

0039

2)本出願に係る方法は、より良好な被覆効果を提供することができ、金属有機骨格構造を有する前駆体の製造における従来技術の以下の欠点、すなわち、自己集合反応における高温高圧反応の必要性、大量の有機溶媒の浪費、精製の複雑さ等を克服することができる。ゾルゲル法と比較して、本出願に係る方法では、高分子補助剤を必要とせず、反応工程を簡略化することができる。

0040

4)本出願に係る方法によって製造されたナノ複合材料において、ナノ金属粒子は、黒鉛化炭素層でより緊密に被覆され、その結果、より厳しい条件下でナノ複合材料を使用することができる。

0041

5)本出願に係る方法において、黒鉛化炭素層中のドープ元素の含有量を調整することができ、硝酸処理等の手段により酸素元素を導入する必要がなく、黒鉛化炭素層の電子特性を調整することができるので、得られるナノ複合材料は、種々の反応を触媒するのに適している。

0042

さらに別の態様において、本出願は、本出願に係る方法によって製造された、炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料を提供する。

0043

さらなる態様において、本出願は、揮発性有機化合物の処理および水素化還元反応における触媒としての本出願に係るナノ複合材料の使用を提供する。

0044

好ましくは、揮発性有機化合物の処理における前記使用は、揮発性有機化合物をナノ複合材料と接触させ、接触酸化反応を行うことを含む。

0045

好ましくは、水素化還元反応における前記使用は、p−クロロアニリンを生成するためのp−クロロニトロベンゼンの水素化反応、アニリンを生成するためのニトロベンゼンの水素化反応、アミノフェノールを生成するためのニトロフェノールの水素化反応、p−アニシジンを生成するためのp−ニトロアニソールの水素化反応、シクロヘキサノールを生成するためのフェノールの水素化反応、オレフィンの水素化反応、シクロヘキサン誘導体を生成するための芳香族炭化水素の水素化反応、アルコールを生成するためのアルデヒドの水素化反応、およびアルコールを生成するためのケトンの水素化反応からなる群から選択される反応における使用を含む。

0046

〔図面の簡単な説明〕
本明細書の一部を形成する図面は、本出願の理解を助けるために提供され、限定的であると考えられるべきではない。本出願は、以下の詳細な説明と共に図面を参照して、解釈することができる。図面中:
第I部
図1−1は、実施例1−1で得られた前駆体のX線回析(XRD)パターンを示す。

0047

図1−2は、実施例1−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の磁気試験写真を示す。

0048

図1−3は、実施例1−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の透過型電子顕微鏡TEM)画像を示す。

0049

図1−4は、実施例1−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0050

図1−5Aは、実施例1−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のN2吸脱着の等温線を示す図である。

0051

図1−5Bは、実施例1−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0052

図1−6は、実施例1−2で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0053

図1−7は、実施例1−2で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0054

図1−8は、実施例1−2で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0055

図1−9は、実施例1−3で得られた炭素被覆コバルトナノ複合材料のTEM画像を示す。

0056

図1−10は、実施例1−3で得られた炭素被覆コバルトナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0057

図1−11は、実施例1−3で得られた炭素被覆コバルトナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0058

図1−12は、実施例1−4で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0059

図1−13は、実施例1−5で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0060

図1−14は、実施例1−6で得られた炭素被覆ニッケル−コバルトナノ複合材料のTEM画像を示す。

0061

図1−15は、実施例1−6で得られた炭素被覆ニッケル−コバルトナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0062

図1−16は、実施例1−6で得られた炭素被覆ニッケル−コバルトナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0063

図1−17は、実施例1−7で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0064

図1−18は、実施例1−7で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0065

図1−19は、実施例1−7で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0066

図1−20は、実施例1−8で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0067

図1−21は、実施例1−8で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0068

図1−22は、実施例1−9で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0069

図1−23は、実施例1−9で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0070

図1−24は、実施例1−10で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の磁気試験の写真を示す。

0071

図1−25は、実施例1−10で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0072

図1−26は、実施例1−10で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0073

図1−27は、実施例1−10で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0074

図1−28は、比較例1−4で得られたナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0075

第II部
図2−1は、実施例2−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の磁気試験の写真である。

0076

図2−2は、実施例2−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像である。

0077

図2−3は、実施例2−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0078

図2−4Aは、実施例2−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のN2吸脱着の等温線を示す図である。

0079

図2−4Bは、実施例2−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0080

図2−5は、実施例2−2で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0081

図2−6は、実施例2−2で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0082

図2−7は、実施例2−2で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0083

図2−8は、実施例2−3で得られた炭素被覆コバルトナノ複合材料のTEM画像を示す。

0084

図2−9は、実施例2−3で得られた炭素被覆コバルトナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0085

図2−10は、実施例2−3で得られた炭素被覆コバルトナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0086

図2−11は、実施例2−1で得られた前駆体のXRDパターンを示す。

0087

図2−12は、実施例2−4で得られた炭素被覆ニッケル−コバルトナノ複合材料のTEM画像を示す。

0088

図2−13は、実施例2−4で得られた炭素被覆ニッケル−コバルトナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0089

図2−14は、実施例2−4で得られた炭素被覆ニッケル−コバルトナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0090

図2−15は、実施例2−5で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0091

図2−16は、実施例2−5で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0092

図2−17は、実施例2−6で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0093

図2−18は、実施例2−6で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0094

図2−19は、実施例2−7で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0095

図2−20は、実施例2−7で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0096

図2−21は、実施例2−8で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0097

図2−22は、実施例2−8で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0098

図2−23は、実施例2−8で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0099

図2−24は、実施例2−9で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0100

図2−25は、実施例2−9で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0101

図2−26は、実施例2−9で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0102

図2−27は、実施例2−10で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の磁気試験の写真を示す。

0103

図2−28は、実施例2−10で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のTEM画像を示す。

0104

図2−29は、実施例2−10で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料のXRDパターンを示す。

0105

図2−30は、実施例2−10で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料の細孔径分布曲線を示す図である。

0106

第III部
図3−1は、実施例3−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料P2のXRDパターンを示す。

0107

図3−2Aは、実施例3−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料P2のN2吸脱着の等温線を示す図である。

0108

図3−2Bは、実施例3−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料P2の細孔径分布曲線を示す図である。

0109

図3−3は、実施例3−1で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料P2の走査型電子顕微鏡(SEM)画像および透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。

0110

図3−4は、実施例3−2で得られた前駆体の熱重量−示差熱分析曲線(TG−DTA)を示す図である。

0111

図3−5は、実施例3−2で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料P4のXRDパターンを示す。

0112

図3−6は、実施例3−2で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料P4のX線光電子分光法(XPS)スペクトルを示す。

0113

図3−7Aは、実施例3−2で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料P4のN2吸脱着の等温線を示す図である。

0114

図3−7Bは、実施例3−2で得られた炭素被覆ニッケルナノ複合材料P4の細孔径分布曲線を示す図である。

0115

〔発明の詳細な説明〕
以下、具体的な本出願の実施形態および添付の図面を用いて、本出願をさらに詳細に説明する。なお、本出願の具体的な実施形態は、例示する目的でのみで提供され、いかなる方法でも限定的であることを意図しない。

0116

本出願の文脈において、明示的に記載された事項に加えて、言及されていない事項は、いかなる変更もなく、当技術分野で知られているものと同じであると見なされる。さらに、本明細書に記載のいずれの実施形態も、本明細書に記載の他の1つまたは複数の実施形態と自由に組み合わせることができ、こうして得られた技術的解決手段またはアイデアは、本出願の元の開示または元の記載の一部と見なされ、そのような組み合わせが明らかに不合理であることが当業者に明らかでない限り、本明細書において開示または予想されていない新規な事項であると見なされるべきではない。

0117

また、本明細書に開示されている数値は、実施した例において具体的に開示されている数値のみならず、本明細書に記載されている数値範囲端点も含み、これらの数値の任意の組み合わせによって得られる範囲は、本出願において開示または列挙されたものとみなされるべきである。別段の指示がない限り、本明細書で定義される数値範囲は、それらの端点を含む。

0118

本明細書で使用されるように、用語「含む(comprise(s)/comprising)」および「含む(include(s)/including)」は、「含むが、これに限定されない」とのフレーズと実質的に同等であるオープンエンド表現である。

0119

本明細書で使用されるように、単数形(a, an, the)は、文脈において別段の明確な指示がない限り、複数の態様を含む。従って、例えば、「物(a thing)」に言及する場合、「物(a thing)」は、実施例および図面を参照して実質的に上述される、すべての実施形態および変形におけるような、「物」を、2つ以上含み得る。

0120

本明細書で引用されるすべての特許および非特許文献は、教科書および雑誌記事等を含むがこれらに限定されず、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0121

〔用語の定義〕
特に断らない限り、本明細書で使用される用語は、以下の意味を有すると理解されるべきである。本明細書で直接定義されない用語のいずれも、本出願が属する技術分野における、共通の理解に対応する意味を有すると理解されるべきである。

0122

本明細書の文脈において、用語「炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料」および「炭素被覆遷移金属ナノ複合材料」は、互換可能に使用され、「コア−シェル構造」を有する炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料を指す。

0123

本明細書で使用される用語「コア−シェル構造」は、遷移金属ナノ粒子であるコアと、遷移金属ナノ粒子の外面を黒鉛化炭素材料で覆うことによって形成される黒鉛化炭素層であるシェル(すなわち、外層)と、を有する複合構造を指す。

0124

本明細書で使用される用語「黒鉛化炭素層」は、高分解能透過型電子顕微鏡層間距離:約0.34nm)下で、非晶質構造ではなく、層状構造として明確に観察することができる炭素構造を指す。遷移金属ナノ粒子を黒鉛化炭素層で被覆して形成される複合材料は、一般に球状または準球状である。

0125

本明細書で使用される表現「酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層」は、前記黒鉛化炭素層が「酸素でドープされた黒鉛化炭素層」または「酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層」であることを意味し、これは、一般に、少量の水素でさらにドープされていてもよい。

0126

本明細書で使用される「酸素でドープされた黒鉛化炭素層」における「酸素」は、任意の形態で黒鉛化炭素層中に存在する酸素元素を含む、酸素元素を指す。ナノ複合材料の「酸素含有量」は、酸素元素の含有量、すなわち、様々な形態で存在する酸素元素の合計含有量を指す。

0127

本明細書で使用される「酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層」における「酸素」および「窒素」は、それぞれ、任意の形態で黒鉛化炭素層中に存在する酸素元素および窒素元素を含む、酸素元素および窒素元素を指す。ナノ複合材料の「酸素含有量」は、酸素元素の含有量、すなわち、様々な形態で存在する酸素元素の合計含有量を指し、同様に、ナノ複合材料の「窒素含有量」は、窒素元素の含有量、すなわち、様々な形態で存在する窒素元素の合計含有量を指す。

0128

明細書中で使用される用語「メソ細孔」は、2nm〜50nmの範囲の細孔径を有する細孔を指す。

0129

本明細書中で使用される、2nm未満の細孔径を有する細孔は、ミクロ細孔として定義され、一方、50nmを超える細孔径を有する細孔は、マクロ細孔として定義される。

0130

本明細書で使用される用語「メソ細孔の分布ピーク」は、Barrett−Joyner−Halenda(BJH)法による脱着曲線から計算によって得られる細孔径分布曲線上で観察されるメソ細孔の分布ピークを指す。

0131

本明細書で使用される用語「炭素被覆率」は、高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)によって観察することができる、黒鉛化炭素層によって効果的に被覆される遷移金属ナノ粒子の割合を定義するために使用される。

0132

本明細書で使用される用語「炭素被覆の緊密度」は、酸浸出試験の結果によって特徴付けることができる、黒鉛化炭素層によって外部環境から隔離された遷移金属ナノ粒子の割合を定義するために使用される。

0133

本明細書で使用される用語「酸処理」は、炭素被覆遷移金属ナノ複合材料の製造中に、高温熱分解工程後に得られる熱分解生成物に対して、非酸化強酸処理することを指し、この処理は、ナノ複合材料の製造における任意の工程であり、すなわち、前記処理は、存在する場合、製造の一部をなす。

0134

本明細書で使用される用語「酸浸出」は、炭素被覆遷移金属ナノ複合材料を、硫酸水溶液で処理して、「酸浸出における損失」を測定する工程を指し、これは、炭素被覆遷移金属ナノ複合材料の製造の一部をなさない。

0135

本明細書で使用される用語「酸浸出における損失」は、炭素被覆遷移金属ナノ複合材料の酸浸出後の遷移金属の損失率を指し、これは、黒鉛化炭素層による遷移金属ナノ粒子の被覆の緊密度を反映するために使用される。遷移金属ナノ粒子が黒鉛化炭素層によって緊密に被覆されていない場合、酸へ溶解することで、酸浸出後にコア中の遷移金属の損失が起こり得る。酸浸出における損失が大きいほど、遷移金属ナノ粒子の黒鉛化炭素層による被覆の緊密度は低く、逆に、酸浸出における損失が小さいほど、遷移金属ナノ粒子の黒鉛化炭素層による被覆の緊密度は高い。

0136

本出願において、酸浸出における損失が10%以下であるナノ複合材料は、「緊密に被覆されたナノ複合材料」と定義される。酸浸出における損失が10%以下であることは、ナノ複合材料に含まれる炭素被覆遷移金属粒子が、緊密に被覆されたコア−シェル構造を有すること、すなわち、遷移金属ナノ粒子が、黒鉛化炭素層によって緊密に被覆され、外側から実質的に隔離されていることを示す。

0137

第1の態様において、本出願は、炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料であって、炭素被覆遷移金属粒子はコア−シェル構造を有し、シェル層は酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、コアは遷移金属ナノ粒子であり、ナノ複合材料はメソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ有する(すなわち、Barrett−Joyner−Halenda(BJH)法による脱離曲線からの計算によって得られるナノ複合材料の細孔径分布曲線において、メソ細孔の分布ピークが少なくとも1つ存在する)多孔質材料であるナノ複合材料を提供する。

0138

好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素でドープされた黒鉛化炭素層であり、当該シェル層は、水素および酸素以外の元素でドープされていなくてもよい。

0139

別の好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、水素、酸素および窒素以外の元素でドープされていなくてもよい。

0140

好ましい実施形態において、ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを2つ以上有する多孔質材料である。

0141

好ましい実施形態において、ナノ複合材料の酸浸出における損失は、40%以下、例えば、約10%〜約20%、約20%〜約30%、または約30%〜約40%、好ましくは30%以下、より好ましくは10%以下であり得る。上述のように、酸浸出による損失は、遷移金属コアの黒鉛化炭素層による被覆の緊密度を反映し、酸浸出における損失が小さいほど、被覆の緊密度が高いことを示す。

0142

好ましい実施形態において、ナノ複合材料は、非晶質炭素マトリクスをさらに含み、炭素被覆遷移金属粒子は、非晶質炭素マトリクス中に分散されていてもよい。より好ましくは、ナノ複合材料は、非晶質炭素マトリクスおよびその中に分散された炭素被覆遷移金属粒子からなる。

0143

特に、本出願に係るナノ複合材料は、カーボンナノチューブを全く含まない。

0144

好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素でドープされた黒鉛化炭素層であり、ナノ複合材料は、2〜7nmの細孔径範囲におけるメソ細孔の分布ピークおよび8〜20nmの細孔径範囲におけるメソ細孔の分布ピークを有する;または炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、ナノ複合材料は、2〜5nmの細孔径範囲におけるメソ細孔の分布ピークおよび6〜15nmの細孔径範囲におけるメソ細孔の分布ピークを有し、さらに好ましくは、ナノ複合材料の合計細孔容積に対する、2〜5nmの細孔径範囲におけるメソ細孔容積の割合が、約5%超、例えば約10%〜約30%である。

0145

好ましい実施形態において、ナノ複合材料のメソ細孔容積の割合は、合計細孔容積に対して、約50%超、より好ましくは約80%超、さらにより好ましくは約90%超、特に好ましくは約95%超、最も好ましくは約100%である。合計細孔容積に対するメソ細孔容積の割合を制御することによって、複合材料は、メソ細孔に富む構造を有することができ、それによって、より高い物質移動効率を提供する。

0146

好ましい実施形態において、ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.05cm3/g〜約1.25cm3/gである。いくつかの特定の実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層が酸素でドープされた黒鉛化炭素層である場合、ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.30cm3/g〜約0.50cm3/gであってもよい。他の特定の実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層が酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層である場合、ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.10cm3/g〜約0.30cm3/gであってもよい。

0147

好ましい実施形態において、ナノ複合材料の比表面積は、約140m2/g超、好ましくは約200m2/g超である。

0148

好ましい実施形態において、ナノ複合材料の炭素含有量は、約10.0質量%〜約60.0質量%であり、かつ遷移金属含有量は約30.0質量%〜約85.0質量%である。いくつかの特定の実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層が酸素でドープされた黒鉛化炭素層である場合、ナノ複合材料の炭素含有量は、約15.0%〜約40.0%であり、かつ遷移金属含有量は約50.0%〜約80.0%であってもよく、あるいは、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層が酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層である場合、ナノ複合材料の炭素含有量は、約30.0%〜約50.0%であり、かつ遷移金属含有量は約30.0%〜約60.0%であってもよい。

0149

好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素でドープされた黒鉛化炭素層であり、ナノ複合材料の酸素含有量は、約15.0質量%未満、好ましくは約1.0%〜約10.0%、より好ましくは約0.2%〜約5.0%であり、あるいは、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、ナノ複合材料の窒素および酸素の合計含有量は、約15.0質量%未満、好ましくは約0.2%〜約12.0%、より好ましくは約0.5%〜約10.0%、さらに好ましくは約0.1%〜約10%、特に好ましくは約1%〜約5%である。

0150

いくつかの特定の実施形態において、黒鉛化炭素層は、水素でさらにドープされてもよく、ナノ複合材料の水素含有量は、約0.2〜2質量%である。

0151

特定の実施形態において、本出願に係るナノ複合材料中、遷移元素は、還元状態(例えば、0価状態)で存在する、すなわち、酸化状態(例えば、酸化物)で存在する遷移金属元素は、存在しない。

0152

特に、本出願に係るナノ複合材料中の各成分の含有量の合計は、100%である。

0153

好ましい実施形態において、黒鉛化炭素層の厚さは、約0.3nm〜約6.0nm、より好ましくは約0.3nm〜約3nm、さらにより好ましくは約1nm〜約3nmである。

0154

好ましい実施形態において、コア−シェル構造を有する炭素被覆遷移金属粒子の粒径は、約1nm〜約200nm、より好ましくは約3nm〜約100nm、さらにより好ましくは約4nm〜約50nmである。

0155

好ましい実施形態において、遷移金属は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)および亜鉛(Zn)からなる群から選択される1種以上であり、より好ましくは鉄、コバルト、ニッケルおよび銅のうち1種以上であり、最も好ましくはニッケル(Ni)である。

0156

好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素および窒素がドープされた黒鉛化炭素層であり、遷移金属ナノ粒子は、面心立方(fcc)格子構造および/または六方最密(hcp)格子構造を有してもよく、すなわち、面心立方格子構造を有する粒子のみ、六方最密格子構造を有する粒子のみ、または面心立方格子構造を有する粒子と六方最密格子構造を有する粒子との両方が存在してもよい。

0157

特定の理論に裏付けされるものではないが、本出願の第1の態様に係るナノ複合材料は、メソ細孔構造を有し、非晶質炭素マトリクスと、「黒鉛化炭素層によって緊密に被覆された(外部から実質的に隔離された)遷移金属ナノ粒子」と、その中に分散された「外部から接触可能な遷移金属ナノ粒子」と、から構成される複合材料であると考えられる。ナノ複合材料の酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層の表面は、欠陥部位に富み、炭素材料は、それ自体が触媒活性を有し、遷移金属ナノ粒子との相乗効果を提供することができる。その結果、ナノ複合材料は、より良好な触媒性能を示す。

0158

加えて、本出願の第1の態様に係るナノ複合材料は、メソ細孔に富んだ構造を有しており、反応物や生成物の拡散に有利であり、高い物質移動効率を提供し、これにより、より優れた触媒性能を発揮する。ナノ複合材料が異なる細孔径範囲内のメソ細孔を有するマルチレベルのメソ細孔構造を有する場合、ナノ複合材料は、より独自の性能を提供することができ、より広範囲の用途に適用することができる。

0159

本出願の第1の態様に係るナノ複合材料は、黒鉛化炭素層において酸素および/または窒素でドープされ、酸素含有量は、その製造中、ポリオール等の酸素含有有機化合物を追加で導入することによって調節することができ、窒素含有量は、その製造中、ヘキサメチレンテトラミン等の窒素含有有機化合物を追加で導入することによって調節することができる。炭素層の触媒性能は、ナノ複合材料中の窒素および酸素の含有量を調節することによって変更することができ、その結果、異なる反応を触媒するのに好適であり得る。

0160

第2の態様において、本出願は、炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料であって、炭素被覆遷移金属粒子はコア−シェル構造を有し、シェル層は、酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、コアは、遷移金属ナノ粒子であり、ナノ複合材料の酸浸出における損失は、10%以下であるナノ複合材料、すなわち、ナノ複合材料は、緊密に被覆されたナノ複合材料である、ナノ複合材料を提供する。

0161

好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素でドープされた黒鉛化炭素層であり、当該シェル層は、水素および酸素以外の元素でドープされていなくてもよい。

0162

別の好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、当該シェル層は、水素、酸素および窒素以外の元素でドープされていなくてもよい。

0163

好ましい実施形態において、ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ有する多孔質材料である。より好ましくは、ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを2つ以上有する多孔質材料である。

0164

好ましい実施形態において、ナノ複合材料は、非晶質炭素マトリクスをさらに含んでもよく、炭素被覆遷移金属粒子は、非晶質炭素マトリクス中に分散されている。より好ましくは、ナノ複合材料は、非晶質炭素マトリクスおよびその中に分散された炭素被覆遷移金属粒子からなる。

0165

特に、本出願に係るナノ複合材料は、カーボンナノチューブを全く含まない。

0166

好ましい実施形態において、ナノ複合材料のメソ細孔容積の割合は、合計細孔容積に対して、約50%超、より好ましくは約80%超、さらにより好ましくは約90%超、特に好ましくは約95%超、最も好ましくは約100%である。

0167

好ましい実施形態において、ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.05cm3/g〜約1.25cm3/gであり、特にいくつかの実施形態において、ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.30cm3/g〜約0.50cm3/gであってもよい。他のいくつかの特定の実施形態において、ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.10cm3/gから約0.30cm3/gであってもよい。

0168

好ましい実施形態において、ナノ複合材料の比表面積は、約140m2/g超、好ましくは約200m2/g超である。

0169

好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素でドープされた黒鉛化炭素層であり、ナノ複合材料は、2nm〜7nmの細孔径範囲におけるメソ細孔の分布ピークおよび8nm〜20nmの細孔径範囲におけるメソ細孔の分布ピークを有する;あるいは、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、ナノ複合材料は、2nm〜5nmの細孔径範囲におけるメソ細孔の分布ピークおよび6nm〜16nmの細孔径範囲におけるメソ細孔の分布ピークを有し、さらに好ましくはナノ複合材料の合計細孔容積に対する2nm〜5nmの細孔径範囲におけるメソ細孔容積の割合は、約5%超、例えば約10%〜約30%である。

0170

好ましい実施形態において、ナノ複合材料の炭素含有量は、約15.0質量%〜約60.0質量%であり、かつ遷移金属含有量は、約30.0質量%〜約80.0質量%である。いくつかの特定の実施形態において、ナノ複合材料の炭素含有量は、約30質量%〜約60質量%であってもよく、かつ遷移金属含有量は、約30質量%〜約60質量%であってもよい。

0171

好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素でドープされた黒鉛化炭素層であり、ナノ複合材料の酸素含有量は、約15.0質量%未満、好ましくは約1.0%〜約10.0%、より好ましくは約0.2%〜約5.0%である;あるいは、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、ナノ複合材の窒素および炭素の合計含有量は、約15.0質量%未満、好ましくは約0.2%〜約12.0%、より好ましくは約0.5%〜約10.0%、さらに好ましくは約0.1%〜約10%、特に好ましくは約1%〜約5%である。

0172

特定の好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、ナノ複合材料の窒素含有量は、約2質量%〜約8質量%である。

0173

特定の好ましい実施形態において、炭素被覆された遷移金属粒子のシェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、ナノ複合材料の酸素含有量は、約3質量%〜約9質量%である。

0174

いくつかの特定の実施形態において、黒鉛化炭素層は、水素でさらにドープされていてもよく、ナノ複合材料の水素含有量は、約0.2質量%〜約2質量%である。

0175

特定の実施形態において、本出願に係るナノ複合材料中、遷移金属元素は、還元状態(例えば、0価状態)で存在する、すなわち、酸化状態(例えば、酸化物)で存在する遷移金属元素は、存在しない。

0176

特に、本出願に係るナノ複合材料中の各成分の含有量の合計は、100%である。

0177

好ましい実施形態において、黒鉛化炭素層の厚さは、約0.3nm〜約6.0nm、より好ましくは約0.3nm〜約3nm、さらにより好ましくは約1nm〜約3nmである。

0178

好ましい実施形態において、コア−シェル構造を有する炭素被覆遷移金属粒子の粒径は、約1nm〜約200nm、より好ましくは約3nm〜約100nm、さらにより好ましくは約4nm〜約50nmである。

0179

好ましい実施形態において、遷移金属は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)および亜鉛(Zn)からなる群から選択される1種以上であり、より好ましくは鉄、コバルト、ニッケルおよび銅のうちの1種以上であり、最も好ましくはニッケル(Ni)である。

0180

好ましい実施形態において、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層は、酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、遷移金属ナノ粒子は、面心立方(fcc)格子構造および/または六方最密(hcp)格子構造を有する。

0181

特定の理論に裏付けされるものではないが、本出願の第2の態様に係るナノ複合材料は、メソ細孔構造を有し、非晶質炭素マトリクスと、その中に分散された「黒鉛化炭素層によって緊密に被覆された(外部から実質的に隔離された)遷移金属ナノ粒子」と、から構成される複合材料であると考えられる。緊密に被覆されていないナノ複合材料と比較して、緊密に被覆されたナノ複合材料は、適用時に、コア中の遷移金属の損失率をより確実に低減することができる。その結果、複合材料は、より効率的に機能することができる。

0182

水素化反応を触媒するための活性部位は遷移金属であり、従って、触媒の構造にかかわらず、反応物を金属コアと接触させることが必要であることが、当技術分野で一般に認識されている。しかしながら、遷移金属ナノ粒子が黒鉛化炭素層によって緊密に被覆された本出願に係るナノ複合材料は、有機化合物の水素化還元を触媒する優れた能力を依然として有する。

0183

また、本出願の第2の態様に係るナノ複合材料は、メソ細孔に富む組織を有しており、反応物や生成物の拡散に有利であり、高い物質移動効率を提供し、これにより、より優れた触媒性能を発揮する。ナノ複合材料が、異なる細孔径範囲内のメソ細孔を有するマルチレベルのメソ細孔構造を有する場合、ナノ複合材料は、より独自の性能を提供することができ、より広範囲の用途に適用することができる。

0184

本出願の第2の態様に係るナノ細孔材料は、黒鉛化炭素層において酸素および/または窒素でドープされ、酸素含有量は、その製造中、ポリオール等の酸素含有有機化合物を追加的に導入することによって調節することができ、窒素含有量はその製造中、ヘキサメチレンテトラミン等の窒素含有有機化合物を追加的に導入することによって調節することができる。炭素層の触媒性能は、ナノ複合材料中の窒素および酸素の含有量を調節することによって変更することができ、その結果、異なる反応を触媒するのに好適であり得る。

0185

第3の態様において、本出願は、
i)遷移金属源および多塩基性有機カルボン酸を含む混合物を、溶媒と混合し、均質な溶液を形成する工程と、
ii)均質な溶液から溶媒を除去し、前駆体を得る工程と、
iii)不活性保護雰囲気または還元雰囲気下で、前駆体を高温熱分解に供する工程と、
iv)任意で、工程iii)で得られた熱分解生成物を、非酸化性強酸での処理に供する工程と、
を含む、炭素被覆された遷移金属粒子を含むナノ複合材料の製造方法を提供する。

0186

好ましい実施形態において、工程i)で使用される、混合物中の遷移金属源と多塩基性有機カルボン酸との質量比率は、約1:0.1〜約1:10、より好ましくは約1:0.5〜約1:5、特に好ましくは約1:0.8〜約1:3である。

0187

好ましい実施形態において、工程i)で使用される混合物は、多塩基性有機カルボン酸とは異なる窒素含有有機化合物および/または酸素含有有機化合物をさらに含む。

0188

さらに好ましい実施形態において、工程i)で使用される、混合物中の遷移金属源と多塩基性有機カルボン酸と窒素含有有機化合物との質量比は、約1:0.1〜100:0.1〜100、より好ましくは約1:0.5〜5:0.5〜5、特に好ましくは約1:0.8〜2:1〜2である。

0189

さらに好ましい実施形態において、窒素含有有機化合物は、尿素、メラミン、ジシアノジアミン、ヘキサメチレンテトラミンおよびアミノ酸からなる群から選択される1種以上であり、かつ酸素含有有機化合物は、ポリオールおよび有機カルボン酸(乳酸等)から選択される。

0190

特定の好ましい実施形態において、工程i)で使用される混合物は、多塩基性有機カルボン酸とは異なる他の有機化合物、窒素含有有機化合物および酸素含有有機化合物をさらに含んでもよい。生成物中に必要とされる炭素源を補うことができ、他のドーピング原子を含まない任意の有機化合物を使用することができ、不揮発性有機化合物が好ましい。より好ましくは、混合物中の他の有機化合物と遷移金属源との質量比は、約0〜10:1であり、さらにより好ましくは約0〜3:1である。

0191

好ましい実施形態において、遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群から選択される1種以上であり、より好ましくは、鉄、コバルト、ニッケルおよび銅のうち1種以上であり、最も好ましくはニッケルである。

0192

好ましい実施形態において、遷移金属源は、遷移金属の有機酸塩、カーボネート、塩基性カーボネート、酸化物、および水酸化物からなる群から選択される1種以上である。

0193

遷移金属の有機酸塩は、溶媒中で多塩基性有機カルボン酸と混合して均質な溶液を形成することができる限り、本出願において特に限定されない。例えば、遷移金属の有機酸塩は、ヘテロ原子を含まない遷移金属の有機カルボン酸塩(酢酸塩等)を含むが、これらに限定されない。

0194

多塩基性有機カルボン酸は、溶媒中で遷移金属の有機酸塩と混合して均質な溶液を形成することができる限り、本出願において特に限定されない。多塩基性有機カルボン酸は、窒素含有多塩基性有機カルボン酸または窒素を含まない多塩基性有機カルボン酸であってもよく、窒素含有多塩基性有機カルボン酸の場合には、多塩基性有機カルボン酸は、窒素を含まない多塩基性有機カルボン酸と窒素含有有機化合物との組み合わせに相当し得る。すなわち、使用される多塩基性有機カルボン酸が窒素含有多塩基性有機カルボン酸である場合には、窒素含有有機化合物を追加的に導入する必要はなく、このような実施形態も本出願の範囲内である。

0195

好ましい実施形態において、多塩基性有機カルボン酸は、クエン酸、マレイン酸、トリメシン酸、テレフタル酸、リンゴ酸、EDTAおよびジピコリン酸からなる群から選択される1種以上である。さらに好ましくは、ジピコリン酸は、2,3−ジピコリン酸、2,4−ジピコリン酸、2,5−ジピコリン酸、2,6−ジピコリン酸、3,4−ジピコリン酸および/または3,5−ジピコリン酸であってもよい。

0196

特定の好ましい実施形態において、工程i)で使用される混合物は、遷移金属源および窒素含有多塩基性有機カルボン酸、ならびに任意で、酸素含有有機化合物および/または他の有機化合物を含む。

0197

特に好ましい実施形態において、多塩基性有機カルボン酸は、クエン酸を含むがこれに限定されず、窒素含有多塩基性有機カルボン酸は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含むがこれに限定されず、遷移金属源は、遷移金属の酢酸塩を含むがこれに限定されず、窒素含有有機化合物は、ヘキサメチレンテトラミンを含むがこれに限定されず、酸素含有有機化合物は、有機ポリオールを含むがこれに限定されない。

0198

好ましい実施形態において、工程i)で使用される溶媒は、水、メタノール、エタノールn−プロパノールおよびイソプロパノールからなる群から選択される1種以上であり、より好ましくは水、エタノールまたはこれらの組み合わせから選択され、最も好ましくは水である。

0199

好ましい実施形態において、工程ii)において、溶剤は、例えば蒸発によって、例えば、80〜120℃での噴霧乾燥によって、または炉内乾燥によって除去することができる。

0200

本出願に係る方法の工程ii)において、溶媒の除去後に得られる前駆体は、混合物であってもよく、混合物は、水溶性であってもよい。

0201

好ましい実施形態において、工程iii)において、不活性保護雰囲気は、窒素またはアルゴンであり、還元雰囲気は、不活性ガスおよび水素の混合ガスであり;高温熱分解プロセスは、昇温段階および温度維持段階を含み、昇温段階において、温度維持段階で採用されるレベルまで、約0.5〜30℃/分の加熱速度で昇温され、温度は、温度維持段階で、約20〜600分間一定に保たれ、温度維持段階で採用される温度は、約400〜800℃である。より好ましくは、昇温段階で採用される加熱速度は、約0.5〜10℃/分、さらに好ましくは約1〜10℃/分、特に好ましくは約2.5〜10℃/分、最も好ましくは約1〜5℃/分であり、温度は、温度維持段階で、約30〜480分間、さらに好ましくは約60〜300分間一定に保たれ;温度維持段階で採用される温度は、約500〜800℃、さらに好ましくは約500〜700℃である。

0202

好ましい実施形態において、工程iv)において使用される非酸化性強酸は、フッ化水素酸、塩酸、硝酸および硫酸、またはこれらの任意の2種以上の組み合わせ、好ましくは塩酸および/または硫酸を含むが、これらに限定されない。

0203

さらに好ましい実施形態において、工程iv)の酸処理は、約30〜100℃の温度にて、少なくとも約1時間、好ましくは約60〜100℃の温度にて約1〜20時間、より好ましくは約70〜90℃の温度にて約1〜10時間行われる。

0204

特定の実施形態において、本出願に係る方法によって製造されたナノ複合材料中、遷移金属元素は、還元状態(例えば、0価状態)で存在する、すなわち、酸化状態(例えば、酸化物)で存在する遷移金属元素は、存在しない。

0205

特定の好ましい実施形態において、本出願に係るナノ複合材料の製造方法は、
i)遷移金属源、多塩基性有機カルボン酸、任意で窒素含有有機化合物、任意で酸素含有有機化合物、および任意で他の有機化合物を、水およびエタノールからなる群から選択される溶媒中で混合して、均質な溶液を形成する工程と、
ii)蒸発によって溶媒を除去して、遷移金属を含む水溶性混合物を得る工程と、
iii)不活性雰囲気下または還元性雰囲気下で、水溶性混合物を高温熱分解に供する工程と、
iv)任意で、高温熱分解によって得られた生成物を、酸での処理に供する工程と、
を含む。

0206

さらに好ましい実施形態において、蒸発によって溶媒を除去するために採用される方法および条件は、当技術分野で公知の任意の利用可能な技術であってもよく、例えば、約80〜120℃での噴霧乾燥、または炉内乾燥であってもよい。

0207

さらに好ましい実施形態では、工程i)において、遷移金属源、窒素を含まない多塩基性有機カルボン酸、窒素含有有機化合物、任意の酸素含有有機化合物および任意の追加の有機化合物を、溶媒中で混合する。

0208

さらに好ましい実施形態では、工程i)において、遷移金属源、窒素含有多塩基性有機カルボン酸、任意の酸素含有有機化合物および任意の追加の有機化合物を、溶媒中で混合する。

0209

従来技術と比較すると、ナノ複合材料の製造方法は、単純かつ効率的であり、高温熱分解に供される前駆体は、遷移金属源、多塩基性有機カルボン酸、任意の窒素含有有機化合物、任意の酸素含有有機化合物、および任意の追加の有機化合物を、水溶液中で直接混合することによって得られる。その結果、得られる前駆体中の遷移金属の原子利用率は100%であり得、金属有機骨格構造を有する前駆体を製造するための従来技術の以下の欠陥、すなわち、自己集合反応に高温および高圧反応釜を必要とすること、多量の炭素源の前駆体を浪費すること、大量の有機溶媒を消費すること、精製が複雑であること等を克服することができる。

0210

本出願に係る方法は、金属−有機骨格化合物の形成を必要とせず、製造中に黒鉛化炭素層中のドーピング元素の含有量を容易に調節可能にし、その結果、ナノ複合材料の触媒性能を、異なる触媒反応に対して都合よく調節することができる。

0211

加えて、従来技術において、特に、緊密に被覆されたコア−シェル構造とメソ細孔に富む構造との両方を有する複合材料を形成することが必要とされる場合に、緊密に被覆された黒鉛化炭素層および遷移金属コアを有するナノスケールのコア−シェル構造を製造することは、困難である。本出願に係る方法は、この目的を満たすことができるだけでなく、緊密に被覆されたコア−シェル構造とメソ細孔に富むマルチレベルのメソ細孔構造との両方を有する複合材料を提供することができる。

0212

第4の態様において、本出願はまた、本出願に係る方法によって製造された、炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料を提供する。

0213

特定の実施形態において、本出願に係る方法によって製造されたナノ複合材料の炭素被覆遷移金属粒子は、コア−シェル構造を有し、シェル層は、酸素および/または窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、コアは、遷移金属ナノ粒子である。好ましくは、炭素被覆遷移金属粒子は、球状または準球状であり、炭素被覆遷移金属粒子の粒径は、約1nm〜約200nm、好ましくは約3nm〜約100nm、より好ましくは約4nm〜約50nmである。

0214

特定の実施形態において、本出願に係る方法によって製造されたナノ複合材料中、遷移金属元素は、還元状態(例えば、0価状態)で存在する、すなわち、酸化状態(例えば、酸化物)で存在する遷移金属元素は、存在しない。

0215

好ましい実施形態において、本出願に係る方法によって製造されるナノ複合材料は、非晶質炭素マトリクスをさらに含み、炭素被覆遷移金属粒子は、非晶質炭素マトリクス中に分散され、より好ましくは、ナノ複合材料は、非晶質炭素マトリクスおよびその中に分散された炭素被覆遷移金属粒子からなる。

0216

好ましい実施形態において、ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ、好ましくはメソ細孔の分布ピークを2つ以上有する。

0217

好ましい実施形態において、ナノ複合材料のメソ細孔容積は、合計細孔容積に対して、約50%超、より好ましくは約80%超、さらにより好ましくは約90%超、特に好ましくは約95%超、最も好ましくは約100%である。

0218

好ましい実施形態において、ナノ複合材料の酸浸出における損失は、40%以下、より好ましくは30%以下、特に好ましくは10%以下である。

0219

好ましい実施形態において、遷移金属ナノ粒子は、面心立方格子構造および/または六方最密格子構造を有する。

0220

特定の好ましい実施形態において、ナノ複合材料は、本出願の第1の態様に係るナノ複合材料について上述したような特徴を有する。

0221

特定の好ましい実施形態において、ナノ複合材料は、本出願の第2の態様に係るナノ複合材料について上述したような特徴を有する。

0222

透過型電子顕微鏡試験から分かるように、本出願に係る方法によって製造されたナノ複合材料は、カーボンナノチューブを全く含まない。

0223

本出願に係る方法によって製造されたナノ複合材料は、メソ細孔に富む構造を有し、これは、反応物および生成物の拡散に有益であり、より高い物質移動効率を提供し、それによって、より優れた触媒性能を示す。いくつかの実施形態において、単一のバッチで作製された複合材料は、メソ細孔の範囲内に2つの分布ピークを有し、複数のバッチで作製された複合材料が混合される場合、メソ細孔の範囲内により多くの分布ピークが観察され得る。ナノ複合材料が、異なる範囲内の細孔径を有するメソ細孔を有する、マルチレベルのメソ細孔構造を有する場合、ナノ複合材料は、より独特の性能を提供することができ、より広範囲の用途に適用することができる。

0224

本出願に係る方法によって製造されたナノ複合材料は、黒鉛化炭素層において酸素および/または窒素でドープされ、酸素含有量は、製造プロセス中、ポリオール等の酸素含有有機化合物を追加的に導入することによって調節することができ、窒素含有量は、製造プロセス中、ヘキサメチレンテトラミン等の窒素含有有機化合物を追加的に導入することによって調節することができる。炭素層の触媒性能は、ナノ複合材料中の窒素および酸素の含有量を調節することによって変更することができ、その結果、異なる反応を触媒するのに好適であり得る。

0225

本出願の方法によって製造されたナノ複合材料は、触媒材料、吸波材料、情報記憶材料、磁気光学材料、生物医学材料、潤滑油添加剤等の分野で広く使用することができる。特に、遷移金属が、鉄、コバルト、ニッケルまたは銅である場合、複合材料は、p−クロロアニリンを生成するためのp−クロロニトロベンゼンの水素化反応、アニリンを生成するためのニトロベンゼンの水素化反応、アミノフェノールを生成するためのニトロフェノールの水素化反応、p−アニシジンを生成するためのp−ニトロアニソールの水素化反応、シクロヘキサノールを生成するためのフェノールの水素化反応、オレフィンの水素化反応、シクロヘキサン誘導体を生成するための芳香族炭化水素の水素化反応、アルコールを生成するためのアルデヒドの水素化反応、およびアルコールを生成するためのケトンの水素化反応等の反応の触媒として用いることができる。

0226

第5の態様において、本出願はまた、揮発性有機化合物をナノ複合材料と接触させ、接触酸化反応を行うことを含む、揮発性有機化合物の処理における触媒としての本出願に係るナノ複合材料の使用を提供する。

0227

好ましい実施形態において、揮発性有機化合物は、工業排ガスに含まれる揮発性有機化合物である。

0228

好ましい実施形態において、揮発性有機化合物はブタンを含み、ブタンは、工業排ガスの約0.01体積%〜約2体積%を占める。

0229

好ましい実施形態において、接触酸化反応は、約200〜500℃の温度で、より好ましくは約300〜400℃の温度で、さらにより好ましくは約350〜400℃の温度で行われる。

0230

さらに好ましい実施形態において、接触酸化反応の反応空間速度は、約2000ml〜約5000mlの工業排ガス/(hr・g(前記触媒))である。

0231

好ましい実施形態において、工業排ガスは、n−ブタンの酸化による無水マレイン酸の製造中に産生される工業排ガスである。

0232

本出願に係るナノ複合材料を、揮発性有機化合物の接触酸化反応の触媒として用いる場合、反応の激しさを低減することができる。例えば、無水マレイン酸の製造プロセス中に発生する排ガス中に約0.01〜2体積%で存在するブタン成分を、約350℃で、90体積%以上の除去率で接触酸化してCO2にすることができ、ブタン成分を、約400℃で、完全に接触酸化してCO2にすることができる。従来技術と比較すると、反応温度を低下させること、反応空間速度を増加させること等ができ、その結果、化学的製造プロセス中に産生される排ガス中に低濃度で存在するブタンの完全な酸化を、より低い温度で達成することができる。従って、本発明は、工業的用途の見通しが良好である。

0233

第6の態様において、本出願はまた、水素化還元反応における触媒としての本出願に係るナノ複合材料の使用を提供する。

0234

好ましい実施形態において、水素化還元反応は、p−クロロアニリンを製造するためのp−クロロニトロベンゼンの水素化反応、ニトロベンゼンを製造するためのニトロベンゼンの水素化反応、ニトロフェノールを製造するためのニトロフェノールの水素化反応、p−ニトロアジンを製造するためのp−ニトロアニソールの水素化反応、シクロヘキサノールを製造するためのフェノールの水素化反応、オレフィンの水素化反応、シクロヘキサン誘導体を製造するための芳香族炭化水素の水素化反応、アルコールを製造するためのアルデヒドの水素化反応、およびアルコールを製造するためのケトンの水素化反応からなる群から選択される。

0235

本出願に係るナノ複合材料において、遷移金属コアは、黒鉛化炭素層によって緊密に被覆されている。その結果、輸送時および使用時におけるナノ複合材料の安全性を保証することができる。加えて、ナノ複合材料の黒鉛化炭素層は、有機化合物の水素化還元反応を触媒する優れた能力を有し、これは複合材料の触媒性能のさらなる改善に有益である。

0236

特定の好ましい実施形態において、本出願は、以下の技術的解決手段を提供する:
A1.炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料であって、前記炭素被覆遷移金属粒子は、コア−シェル構造を有し、シェル層は、酸素でドープされた黒鉛化炭素層であり、コアは、遷移金属ナノ粒子であり、前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ有する多孔質材料であるナノ複合材料。

0237

A2.前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを2つ以上有する多孔質材料である、項目A1に記載のナノ複合材料。

0238

A3.前記多孔質材料のメソ細孔容積の割合は、合計細孔容積に対して、約50%超、好ましくは約80%超である、項目A1またはA2に記載のナノ複合材料。

0239

A4.前記ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.05〜1.25cm3/gである、項目A1〜A3のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0240

A5.前記ナノ複合材料の酸浸出における損失は、40%以下である、項目A1〜A4のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0241

A6.前記ナノ複合材料の炭素含有量は、約10.0質量%〜約60.0質量%であり、かつ遷移金属含有量は、約30.0質量%〜約85.0質量%であり;特に、炭素含有量は、約15.0%〜約40.0%であり得、遷移金属含有量は、約50.0%〜約80.0%であり得る、項目A1〜A5のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0242

A7.前記ナノ複合材料の酸素含有量は、約15.0質量%未満、好ましくは約0.2〜5.0%である、項目A1〜A6のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0243

A8.前記黒鉛化炭素層の厚さは、約0.3〜6nm、好ましくは約0.3〜3nmである、項目A1〜A7のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0244

A9.前記コア−シェル構造の粒径は、約1〜200nm、好ましくは約3〜100nm、より好ましくは約4〜50nmである、項目A1〜A8のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0245

A10.前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、銅、および亜鉛から選択される1種以上である、項目A1〜A9のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0246

B1.炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料であって、前記炭素被覆遷移金属粒子は、コア−シェル構造を有し、シェル層は、酸素でドープされた黒鉛化炭素層であり、コアは、遷移金属ナノ粒子であり、前記ナノ複合材料の酸浸出における損失は、10%以下であるナノ複合材料。

0247

B2.前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ有する多孔質材料である、項目B1に記載のナノ複合材料。

0248

B3.前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを2つ以上有する多孔質材料である、項目B1に記載のナノ複合材料。

0249

B4.前記多孔質材料のメソ細孔容積の割合は、合計細孔容積に対して、約50%超、好ましくは約80%超である、項目B1〜B3のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0250

B5.前記ナノ複合材料のメソ細孔容積は、約0.05〜1.25cm3/gである、項目B1〜B4のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0251

B6.前記ナノ複合材料の炭素含有量は、約15〜60質量%であり、かつ遷移金属含有量は、約30〜80質量%であり、特に、炭素含有量は、約30〜60%であり得、遷移金属含有量は、約30〜60%であり得る、項目B1〜B5のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0252

B7.前記ナノ複合材料の酸素含有量は、約15.0質量%未満、好ましくは約1.0〜10.0%である、項目B1〜B6のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0253

B8.前記黒鉛化炭素層の厚さは、約0.3〜6.0nm、好ましくは約0.3〜3nmである、項目B1〜B7のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0254

B9.前記コア−シェル構造の粒径は、約1〜200nm、好ましくは約3〜100nm、より好ましくは約4〜50nmである、項目B1〜B8のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0255

B10.前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、銅、および亜鉛から選択される1種以上であり、好ましくはニッケルである、項目B1〜B9のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0256

C1.炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料であって、前記炭素被覆遷移金属粒子はコア−シェル構造を有し、シェル層は酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、コアは遷移金属ナノ粒子であり、前記ナノ複合材料は、酸浸出における損失が10%以下であるナノ複合材料。

0257

C2.前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ有する多孔質材料である、項目C1に記載のナノ複合材料。

0258

C3.前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを2つ以上有する多孔質材料である、項目C2に記載のナノ複合材料。

0259

C4.前記多孔質材料のメソ細孔容積の割合は、合計細孔容積に対して、約50%超、好ましくは約80%超である、項目C1〜C3のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0260

C5.前記ナノ複合材料の炭素含有量は、約15〜60質量であり、かつ遷移金属含有量は、約30〜80質量%である、項目C1〜C4のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0261

C6.前記ナノ複合材料の窒素および酸素の合計含有量は、約15質量%未満である、項目C1〜C5のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0262

C7.前記黒鉛化炭素層の厚さは、約0.3〜6nm、好ましくは約0.3〜3nmである、項目C1〜C6のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0263

C8.前記コア−シェル構造の粒径は、約1〜200nm、好ましくは約3〜100nm、好ましくは約4〜50nmである、項目C1〜C7のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0264

C9.前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、好ましくはニッケルから選択される1種以上である、項目C1〜C8のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0265

C10.前記遷移金属ナノ粒子は、面心立方体格子構造および/または六方最密格子構造を有する、項目C1〜C9のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0266

D1.炭素被覆遷移金属粒子を含むナノ複合材料であって、前記炭素被覆遷移金属粒子はコア−シェル構造を有し、シェル層は酸素および窒素でドープされた黒鉛化炭素層であり、コアは遷移金属ナノ粒子であり、前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ有する多孔質材料であるナノ複合材料。

0267

D2.前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを2つ以上有する、項目D1に記載のナノ複合材料。

0268

D3.前記多孔質材料のメソ細孔容積の割合は、合計細孔容積に対して、約50%超、好ましくは約80%超である、項目D1またはD2に記載のナノ複合材料。

0269

D4.前記ナノ複合材料の炭素含有量は、約10.0〜60.0質量%であり、かつ遷移金属含有量は約30.0〜85.0質量%であり、特に、炭素含有量は約30.0〜50.0%であり得、遷移金属含有量は約30.0〜60.0%であり得る、項目D1〜D3のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0270

D5.前記ナノ複合材料の窒素および酸素の合計含有量は、約15.0質量%未満、好ましくは約0.2〜12.0%、より好ましくは約0.5〜10.0%である、項目D1〜D4のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0271

D6.前記窒素含有量は、約15質量%未満、好ましくは約0.1〜10%、より好ましくは約1〜5%である、項目D1〜D5のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0272

D7.前記ナノ複合材料の酸浸出における損失は、40%以下である、項目D1〜D6のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0273

D8.前記黒鉛化炭素層の厚さは、約0.3〜6.0nm、好ましくは約0.3〜3nmである、項目D1〜D7のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0274

D9.前記コア−シェル構造の粒径は、約1〜200nm、好ましくは約3〜100nm、より好ましくは約4〜50nmである、項目D1〜D8のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0275

D10.前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛から選択される1種以上である、項目D1〜D9のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0276

D11.前記遷移金属ナノ粒子は、面心立方格子構造および/または六方最密格子構造を有する、項目D1〜D10のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0277

E1.i)遷移金属塩および多塩基性有機カルボン酸を含む混合物を、溶媒と混合し、均質溶液を形成する工程と、
ii)前記均質溶液から前記溶媒を除去し、前駆体を得る工程と、
iii)不活性保護雰囲気または還元雰囲気下で、前記前駆体を高温熱分解に供する工程と、
を含む、炭素被覆遷移金属ナノ複合材料の製造方法。

0278

E2.前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、銅のうち1種以上である、項目E1に記載の方法。

0279

E3.前記遷移金属塩は、遷移金属の有機酸塩、炭酸塩塩基性炭酸塩のうち1種以上であり、好ましくは、前記遷移金属の前記有機酸塩は、前記遷移金属のヘテロ原子を含まない有機カルボン酸塩(酢酸塩等)である、項目E1またはE2に記載の方法。

0280

E4.前記多塩基性有機カルボン酸は、クエン酸、マレイン酸、トリメシン酸、テレフタル酸、リンゴ酸、EDTA、およびジピコリン酸のうちの1種以上である、項目E1〜E3のいずれか1項に記載の方法。

0281

E5.前記遷移金属塩と前記多塩基性有機カルボン酸との質量比は、約1:0.1〜10、好ましくは約1:0.5〜5、より好ましくは約1:0.8〜3である、項目E1〜E4のいずれか1項に記載の方法。

0282

E6.前記溶媒は、水、エタノールまたはその混合物から選択される、項目E1〜E5に記載の方法。

0283

E7.工程iii)において、前記不活性保護雰囲気は窒素またはアルゴンであり、前記高温熱分解は、約0.5〜30℃/分の加熱速度で温度維持段階の温度まで加熱し、次いで前記温度維持段階で約20〜600分間温度を一定に保ち、前記温度維持段階で採用される温度は、約400℃〜約800℃であり、好ましくは、前記加熱速度は約1〜10℃/分であり、前記温度は前記温度維持段階で60〜480分間一定に保たれ、かつ前記温度維持段階で採用される温度は約500〜800℃である、項目E1〜E6のいずれか1項に記載の方法。

0284

E8.前記還元雰囲気は、不活性ガスおよび水素の混合ガスであり、前記高温熱分解は、約0.5〜30℃/分の加熱速度で温度維持段階の温度まで加熱し、次いで前記温度維持段階で約20〜600分間温度を一定に保ち、前記温度維持段階で採用される温度は約400〜800℃であり、好ましくは、前記加熱速度は約1〜10℃/分であり、前記温度は前記温度維持段階で約60〜480分間一定に保たれ、前記温度維持段階で採用される温度は約500〜800℃である、項目E1〜E6のいずれか1項に記載の方法。

0285

E9.前記工程iii)の後に、前記熱分解生成物を、非酸化性強酸での処理に供する工程をさらに含む、項目E1〜E8のいずれか1項に記載の方法。

0286

E10.項目E1〜E9のいずれか1項に記載の方法によって製造された、炭素被覆遷移金属ナノ複合材料。

0287

E11.前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ、好ましくはメソ細孔の分布ピークを2つ以上有する、項目E10に記載のナノ複合材料。

0288

E12.前記ナノ複合材料のメソ細孔容積の割合は、合計細孔容積に対して、約50%超、好ましくは約80%超である、項目E10またはE11に記載のナノ複合材料。

0289

E13.前記ナノ複合材料の酸浸出における損失は、40%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは10%以下である、項目E10〜E12のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0290

E14.前記遷移金属ナノ粒子は、面心立方格子構造および/または六方最密格子構造を有する、項目E10〜E13のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0291

F1.i)遷移金属塩、多塩基性有機カルボン酸、および窒素含有有機化合物を含む混合物を、溶媒と混合し、均質溶液を形成する工程と、
ii)前記均質溶液から前記溶媒を除去し、前駆体を得る工程と、
iii)不活性保護雰囲気または還元雰囲気下で、前記前駆体を高温熱分解に供する工程と、
を含む、炭素被覆遷移金属ナノ複合材料の製造方法。

0292

F2.前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケルおよび銅から選択される1種以上である、項目F1に記載の方法。

0293

F3.前記遷移金属塩は、前記遷移金属の有機酸塩、炭酸塩および塩基性炭酸塩のうちの1種以上であり、好ましくは、前記遷移金属の前記有機酸塩は、前記遷移金属のヘテロ原子を含まない有機カルボン酸塩(酢酸塩等)である、項目F1またはF2に記載の方法。

0294

F4.前記多塩基性有機カルボン酸は、クエン酸、マレイン酸、トリメシン酸、テレフタル酸、リンゴ酸、EDTA、およびジピコリン酸から選択される1種以上である、項目F1〜F3のいずれか1項に記載の方法。

0295

F5.前記窒素含有有機化合物は、尿素、メラミン、ジシアノジアミン、ヘキサメチレンテトラミンおよびアミノ酸から選択される1種以上である、項目F1〜F4のいずれか1項に記載の方法。

0296

F6.前記遷移金属塩と前記多塩基性有機カルボン酸と前記窒素含有有機化合物との質量比は、約1:0.1〜100:0.1〜100、好ましくは約1:0.5〜5:0.5〜5、より好ましくは約1:0.8〜2:1〜2である、項目F1〜F5のいずれか1項に記載の方法。

0297

F7.前記溶媒は、水、エタノールおよびその混合物から選択される、項目F1〜F6のいずれか1項に記載の方法。

0298

F8.工程iii)において、前記不活性保護雰囲気は窒素またはアルゴンであり、前記高温熱分解は、約0.5〜30℃/分の加熱速度で温度維持段階の温度まで加熱し、前記温度維持段階で約20〜600分間温度を一定に保ち、前記温度維持段階で採用される温度は約400〜800℃であり、好ましくは、前記加熱速度は約1〜10℃/分であり、前記温度は前記温度維持段階で約60〜480分間一定に保たれ、かつ前記温度維持段階で採用される温度は約500〜800℃である、項目F1〜F7のいずれか1項に記載の方法。

0299

F9.前記還元雰囲気は不活性ガスおよび水素の混合ガスであり、前記高温熱分解は、約0.5〜30℃/分の加熱速度で前記温度維持段階の温度まで加熱し、前記温度は前記温度維持段階で約20〜600分間一定に保たれ、前記温度維持段階で採用される温度は約400〜800℃であり、好ましくは、前記加熱速度は約1〜10℃/分であり、前記温度維持段階で採用される温度は約500〜800℃である、項目F1〜F7のいずれか1項に記載の方法。

0300

F10.前記工程iii)の後に、前記熱分解生成物を、非酸化性強酸での処理に供する工程をさらに含む、項目F1〜F9のいずれか1項に記載の方法。

0301

F11.項目F1〜F10のいずれか1項に記載の方法によって製造される、炭素被覆遷移金属ナノ複合材料。

0302

F12.前記ナノ複合材料は、メソ細孔の分布ピークを少なくとも1つ、好ましくはメソ細孔の分布ピークを2つ以上有する、項目F11に記載のナノ複合材料。

0303

F13.前記ナノ複合材料のメソ細孔容積の割合は、合計細孔容積に対して、約50%超、好ましくは約80%超である、項目F11またはF12に記載のナノ複合材料。

0304

F14.前記ナノ複合材料の酸浸出における損失は、40%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは10%以下である、項目F11〜F13のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0305

F15.前記遷移金属ナノ粒子は、面心立方格子構造および/または六方最密格子構造を有する、項目F11〜F14のいずれか1項に記載のナノ複合材料。

0306

G1.p−クロロニトロベンゼンの水素化によるp−クロロアニリンの製造方法であって、触媒の存在下でp−クロロニトロベンゼンを水素化還元に供する工程を含み、項目A1〜A10、B1〜B10、C1〜C10、D1〜D11、E10〜E14およびF11〜F15のいずれか1項に記載のナノ複合材料が前記触媒として使用される、p−クロロアニリンの製造方法。

0307

G2.溶媒中で前記触媒をp−クロロニトロベンゼンと混合する工程と、次いで、生成物を水素化還元する工程と、を含み、前記溶媒は、アルコール、エーテル、アルカンおよび水からなる群から選択される1種以上である、項目G1に記載の方法。

0308

G3.前記水素化反応の温度は約60℃から約120℃の間であり、水素圧力は約0.5MPaから約2MPaの間である、項目G1またはG2に記載の方法。

0309

H1.ニトロベンゼンの水素化によるアニリンの製造方法であって、ニトロベンゼンを触媒の存在下で水素化還元する工程を含み、項目A1〜A10、B1〜B10、C1〜C10、D1〜D11、E10〜E14およびF11〜F15のいずれか1項に記載のナノ複合材料が前記触媒として使用される、アニリンの製造方法。

0310

H2.触媒中で前記触媒とニトロベンゼンとを混合する工程と、次いで、生成物を水素化還元する工程と、を含み、前記溶媒は、アルコール、エーテル、アルカンおよび水からなる群から選択される1種以上である、項目H1に記載の方法。

0311

H3.前記水素化反応の温度は約60℃〜約120℃であり、水素圧力は約0.5MPa〜約2MPaである、項目H1またはH2に記載の方法。

0312

I1.ニトロフェノールの水素化によるアミノフェノールの製造方法であって、触媒の存在下でニトロフェノールを水素化還元する工程を含み、項目A1〜A10、B1〜B10、C1〜C10、D1〜D11、E10〜E14およびF11〜F15のいずれか1項に記載のナノ複合材料が前記触媒として使用される、アミノフェノールの製造方法。

0313

I2.溶媒中で前記触媒とニトロフェノールを混合する工程と、次いで、生成物を水素化還元する工程と、を含み、前記溶媒は、アルコール、エーテル、アルカンおよび水からなる群から選択される1種以上である、項目I1に記載の方法。

0314

I3.前記水素化反応の温度は約50℃〜約120℃、水素圧力は約0.5MPa〜約2MPaである、項目I1またはI2に記載の方法。

0315

J1.p−ニトロアニソールの水素化によるp−アニシジンの製造方法であって、触媒の存在下でp−ニトロアニソールを水素化還元する工程を含み、項目A1〜A10、B1〜B10、C1〜C10、D1〜D11、E10〜E14およびF11〜F15のいずれか1項に記載のナノ複合材料が前記触媒として使用される、p−アニシジンの製造方法。

0316

J2.溶媒中で前記触媒をp−ニトロアニソールと混合する工程と、次いで、生成物を水素化還元する工程と、を含み、前記溶媒は、アルコール、エーテル、アルカンおよび水からなる群から選択される1種以上である、項目J1に記載の方法。

0317

J3.前記水素化反応の温度は約50℃〜約120℃であり、水素圧力は約0.5MPa〜約2MPaである、項目J1またはJ2に記載の方法。

0318

K1.フェノールの水素化によるシクロヘキサノールの製造方法であって、フェノールを触媒の存在下で水素化還元する工程を含み、項目A1〜A10、B1〜B10、C1〜C10、D1〜D11、E10〜E14およびF11〜F15のいずれか1項に記載のナノ複合材料が前記触媒として使用される、シクロヘキサノールの製造方法。

0319

K2.溶媒中で前記触媒とフェノール化合物とを混合する工程と、次いで、生成物を水素化還元する工程と、を含み、前記溶媒は、アルコール、エーテル、アルカンおよび水からなる群から選択される1種以上である、項目K1に記載の方法。

0320

K3.前記水素化反応の温度は約150℃から約250℃の間であり、水素圧力は約3MPaから約6MPaの間である、項目K1またはK2に記載の方法。

0321

L1.オレフィンを触媒の存在下で水素化還元する工程を含み、項目A1〜A10、B1〜B10、C1〜C10、D1〜D111、E10〜E14およびF11〜F15のいずれか1項に記載のナノ複合材料が前記触媒として使用される、オレフィンの水素化方法

0322

L2.溶媒中で前記触媒と前記オレフィンとを混合する工程と、次いで、生成物を水素化還元する工程と、を含み、前記溶媒は、アルコール、エーテル、アルカン、および水から成る群から選択される1種以上である、項目L1に記載の方法。

0323

L3.前記水素化反応の温度は約100℃〜約130℃であり、水素圧力は約1MPa〜約3MPaである、項目L1またはL2に記載の方法。

0324

M1.芳香族炭化水素の水素化によるシクロヘキサン誘導体の製造方法であって、芳香族炭化水素を触媒の存在下で水素化還元する工程を含み、項目A1〜A10、B1〜B10、C1〜C10、D1〜D11、E10〜E14およびF11〜F15のいずれか1項に記載のナノ複合材料が前記触媒として使用される、シクロヘキサン誘導体の製造方法。

0325

M2.溶媒中で前記触媒を前記芳香族炭化水素と混合する工程と、次いで、生成物を水素化還元する工程と、を含み、前記溶媒は、アルコール、エーテル、アルカン、および水からなる群から選択される1種以上である、項目M1に記載の方法。

0326

M3.前記水素化反応の温度は約200℃〜約300℃であり、水素圧力は約3MPa〜約6MPaである、項目M1またはM2に記載の方法。

0327

N1.アルデヒドの水素化によるアルコールの製造方法であって、触媒の存在下で前記アルデヒドを水素化還元する工程を含み、項目A1〜A10、B1〜B10、C1〜C10、D1〜D11、E10〜E14およびF11〜F15のいずれか1項に記載のナノ複合材料が前記触媒として使用される、アルコールの製造方法。

0328

N2.溶媒中で前記触媒を前記アルデヒドと混合する工程と、次いで、生成物を水素化還元する工程と、を含み、前記溶媒は、アルコール、エーテル、アルカン、および水からなる群から選択される1種以上である、項目N1に記載の方法。

0329

N3.前記水素化反応の温度は約80℃から約180℃の間であり、水素圧力は約2MPaから約5MPaの間である、項目N1またはN2に記載の方法。

0330

O1.ケトンの水素化によってアルコールを製造する方法であって、前記ケトンを触媒の存在下で水素化還元する工程を含み、項目A1〜A10、B1〜B10、C1〜C10、D1〜D11、E10〜E14およびF11〜F15のいずれか1項に記載のナノ複合材料が触媒として使用される、方法。

0331

O2.溶媒中で前記触媒と前記ケトンとを混合する工程と、次いで、生成物を水素化還元する工程と、を含み、前記溶媒は、アルコール、エーテル、アルカンおよび水からなる群から選択される1種以上である、項目O1に記載の方法。

0332

O3.前記水素化反応の温度は約100℃〜約200℃であり、水素圧力は約3MPa〜約6MPaである、項目O1またはO2に記載の方法。

0333

P1.揮発性有機化合物を処理する方法であって、揮発性有機化合物を触媒の存在下で接触酸化する工程を含み、項目A1〜A10、B1〜B10、C1〜C10、D1〜D11、E10〜E14およびF11〜F15のいずれか1項に記載のナノ複合材料が前記触媒として使用される、方法。

0334

P2.前記揮発性有機化合物は、工業排ガスに含まれる揮発性有機化合物、特に、n−ブタンの酸化による無水マレイン酸の生成による工業排ガスである、項目P1に記載の方法。

0335

P3.前記揮発性有機化合物はブタンを含み、前記工業排ガス中のブタンの体積割合は約0.01〜2%である、項目P2に記載の方法。

0336

P4.前記接触酸化反応の温度は約200℃〜約500℃、好ましくは約350℃〜約400℃であり、前記反応の空間速度は約2000ml〜約5000mlの工業排ガス/(hr・g(前記触媒))である、項目P2またはP3に記載の方法。

0337

Q1.接触水素化によって有機化合物を還元する方法であって、コア−シェル構造を有する触媒を使用し、還元剤として水素を使用することによって、有機化合物を接触水素化還元する工程を含み、前記コア−シェル構造のシェル層は黒鉛化炭素層であり、コアは遷移金属であり、当該コアは前記黒鉛化炭素層によって緊密に被覆されている、方法。

0338

Q2.前記有機化合物は、以下の官能基、すなわちニトロ基カルボニル基、および炭素−炭素二重結合のいずれか1つまたは任意の組み合わせを含む有機化合物である、項目Q1に記載の方法。

0339

Q3.前記触媒の細孔径分布図上のメソ細孔範囲内に2つ以上の分布ピーク(例えば、2つの分布ピーク)が存在する、項目Q1またはQ2に記載の方法。

0340

Q4.前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つである、項目Q1〜Q3のいずれか1項に記載の方法。

0341

Q5.接触水素化によって有機化合物を還元する方法であって、コア−シェル構造を有する触媒を使用し、還元剤として水素を使用することによって、有機化合物を接触水素化還元する工程を含み、前記コア−シェル構造のシェル層は黒鉛化炭素層であり、コアは遷移金属であり、前記触媒の細孔径分布図上のメソ細孔範囲内に2つ以上の分布ピークが存在する、方法。

0342

Q6.前記有機化合物は、以下の官能基、すなわちニトロ基、カルボニル基、および炭素・炭素二重結合のうちの1つまたは任意の組み合わせを含む有機化合物である、項目Q5に記載の方法。

0343

Q7.前記触媒の細孔径分布図上のメソ細孔範囲内に2つの分布ピークが存在する、項目Q5またはQ6に記載の方法。

0344

Q8.前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛、またはこれらの任意の組み合わせの1つである、項目Q5〜Q7のいずれか1項に記載の方法。

0345

Q9.ニトロベンゼンの接触水素化還元によるアニリンの製造方法であって、項目Q1〜Q8のいずれか1項に記載の方法を用いて、ニトロベンゼンを接触水素化還元する工程を含む、アニリンの製造方法。

0346

Q10.ハロニトロベンゼンの接触水素化還元によるハロアニリンの製造方法であって、項目Q1〜Q8のいずれか1項に記載の方法を用いて、ハロニトロベンゼンを接触水素化還元する工程を含む、ハロアニリンの製造方法。

0347

Q11.ニトロフェノールの接触水素化還元によるアミノフェノールの製造方法であって、項目Q1〜Q8のいずれか1項に記載の方法を用いて、ニトロフェノールを接触水素化還元する工程を含む、アミノフェノールの製造方法。

0348

Q12.ニトロアニソールの接触水素化還元によるアミノアニソールの製造方法であって、項目Q1〜Q8のいずれか1項に記載の方法を用いて、ニトロアニソールを接触水素化還元する工程を含む、アミノアニソールの製造方法。

0349

Q13.コア−シェル構造を有する炭素と遷移金属との複合材料であって、前記コア−シェル構造のシェル層は黒鉛化炭素層であり、コアは遷移金属であり、当該複合材料の細孔径分布図上のメソ細孔範囲内に2つ以上の分布ピークが存在する、複合材料。

0350

Q14.前記複合材料の細孔径分布図上のメソ細孔範囲内に2つの分布ピーク(例えば、それぞれ1〜7nmおよび8〜16nmに2つの分布ピーク)がある、項目Q13に記載の複合材料。

0351

Q15.前記遷移金属の粒径は、1nm〜200nmの任意の2つの整数値の間の任意の範囲内であり得る(例えば、1、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、および200から選択される任意の2つの値の間の範囲)、項目Q13またはQ14に記載の複合材料。

0352

Q16.前記遷移金属は、鉄、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛、またはこれらの任意の組み合わせの1つである、項目Q13〜Q15のいずれか1項に記載の複合材料。

0353

Q17.有機化合物の接触水素化還元における、項目Q13〜Q16のいずれか1項に記載の複合材料の使用。

0354

Q18.前記有機化合物は、以下の官能基、すなわちニトロ基、カルボニル基、および炭素・炭素二重結合の1つまたは任意の組み合わせを含む有機化合物である、項目Q17に記載の使用。

0355

本出願は以下の作業実施例によってさらに例示されるが、それらに限定されるものと解釈されるべきではない。

0356

試薬器具および試験〕
別段の指示がない限り、本出願で使用されるすべての試薬は分析等級のものであり、使用されるすべての試薬は市販のもの(例えば、Sigma‐Aldrichのもの)である。

0357

本出願では、使用したXRD回折計は、島津製作所(日本)のXRD−6000X線粉末回折計であった。XRD試験は、Cuターゲット、Kα線波長λ=0.154nm)、管電圧40kV、管電流200mA、走査速度10°(2θ)/分の条件で行った。

0358

本出願において、遷移金属粒子の平均粒径は、XRDパターンのピーク分離後、シェラー式:D=kγ/(B・cosθ)を用いて計算して得た。式中、kはシェラー定数、すなわちk=0.89を表し、Bは半値幅を表し、θはラジアン(rad)を単位とする回折角を表し、γはX線の波長、すなわち0.154054nmを表す。

0359

本出願では、材料の表面形態を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて特徴付けた。使用した走査型電子顕微鏡は、日立S−4800冷電界放出走査型電子顕微鏡であり、走査型電子顕微鏡の試験条件は、粉末試料試料台上に導電性接着剤で固定して観察し、加速電圧を5kVとした。

0360

本出願では、高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)としてJEM−2100(HRTEM)(日本エレクトロニクス(株))を用いた。高分解能透過型電子顕微鏡の試験条件は、加速電圧200kVとした。

0361

本出願では、使用したX線光電子分光計(XPS)は、VG scientific Inc.によって製造され、Avantage V5.926ソフトウェアを搭載したESCALab220i−XLX線電子分光計であった。X線光電子分光分析のための試験条件は、単色化A1KαX線の励起源、330Wの電力、および分析試験中は基本、3×10−9mbarの真空であった。さらに、C1sピーク(284.6eV)を用いて電子結合エネルギー較正し、その後のピーク分離を、XPSPEAKソフトウェアを用いて行った。

0362

本出願では、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層が酸素でドープされた黒鉛化炭素層であるナノ複合材料について、Elementar Micro Cube元素分析装置を用いて、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3つの元素の分析を行った。操作および条件は以下の通りである。試料1〜2mgをスズカップ量し、自動試料供給ディスクに入れ、ボール弁を介して燃焼管に供給し、燃焼温度1000℃(試料供給時の大気妨害を排除するため、ヘリウムパージを実施)で燃焼させた後、還元銅を用いて燃焼ガスを還元し、二酸化炭素と水を生成させた。混合ガスを2本の脱離カラムで分離し、生成物をTCD検出器に順次送って検出した。酸素元素の分析は、炭素触媒の存在下、熱分解により試料中の酸素を一酸化炭素に変換し、次いでTCDにより一酸化炭素を検出することにより行った。複合材料は炭素、水素、酸素および金属元素のみを含むので、金属元素の合計含有量は、炭素、水素および酸素の合計含有量に基づいて得ることができる。

0363

本出願では、炭素被覆遷移金属粒子のシェル層が酸素および窒素がドープされた黒鉛化炭素層であるナノ複合材料について、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)および窒素(N)の4つの元素の分析も、Elementar Micro Cube元素分析装置を用いて行った。操作および条件は以下の通りである。試料1〜2mgをスズカップに秤量し、自動試料供給ディスクに入れ、ボール弁を介して燃焼管に供給し、燃焼温度1000℃(試料供給時の大気妨害を排除するため、ヘリウムパージを実施)で燃焼させた後、還元銅を用いて還元し、窒素、二酸化炭素、水を生成した。混合ガスを3本の脱離カラムによって分離し、生成物をTCD検出器に順次送って検出した。酸素元素の分析は、炭素触媒の存在下、熱分解により試料中の酸素を一酸化炭素に変換し、次いでTCDにより一酸化炭素を検出することにより行った。複合材料は炭素、水素、酸素、窒素および金属元素のみを含むので、金属元素の合計含有量は、炭素、水素、酸素および窒素の合計含有量に基づいて得ることができる。

0364

本出願において、異なる金属元素間の比率X線蛍光分光法(XRF)によって決定され、複合材料中の異なる金属元素の含有量は、炭素、水素、酸素および窒素(存在する場合)元素の既知の合計含有量に基づいて計算された。本出願で使用したX線蛍光分光計(XRF)は、Rigaku 3013 X線蛍光分光計であった。X線蛍光スペクトル分析の試験条件は、走査時間100s、空気雰囲気とした。

0365

本出願では、試料の細孔構造特性をQuantachrome AS−6B分析器によって測定し、比表面積および細孔容積をBrunauer−Emmett−Taller(BET)方法を用いて得、細孔径分布曲線をBarrett−Joyner−Halenda(BJH)方法による脱着曲線から計算によって得た。

0366

本出願では、アジレンGC7890Bクロマトグラムを用いたオンラインガスクロマトグラフィーにより、10−6の精度でガス組成を得た。試料導入口からクロマトグラムに試験ガスを導入し、クロマトグラフィーカラムで分離し、各ガス成分の割合を各クロマトグラフィーピークの積分により算出した。

0367

本出願において、「酸浸出における損失」は、以下の方法で測定し計算した。

0368

試料を硫酸溶液20ml(1mol/l)につき試料1gの割合で硫酸溶液に添加し、90℃で8時間処理し、脱イオン水中性になるまで洗浄し、乾燥し、秤量し、その後、分析した。酸浸出における損失は、以下のように計算した。

0369

酸浸出における損失=[1−(酸浸出後の複合材料中の遷移金属の質量分率×酸浸出後の複合材料の質量)÷(酸浸出を行う複合材料中の遷移金属の質量分率×酸浸出を行う複合材料の質量)]×100%。

0370

〔製造実施例および比較例〕
第I部
[実施例1−1]
酢酸ニッケル10gとクエン酸10gを秤量し、脱イオン水30mlに加え、70℃で攪拌して均一溶液を得、この溶液を連続的に加熱し、蒸発乾固して前駆体を得た。

0371

前駆体を磁器ボートに入れ、それから磁器ボートを管状炉恒温部に入れ、窒素を100ml/分の流速で導入し、5℃/分の加熱速度で650℃に加熱し、その温度で2時間保持した後、加熱を停止した。生成物を窒素雰囲気中で室温まで冷却し、炭素被覆ニッケルナノ複合材料を得た。

0372

[実施例1−2]
酢酸ニッケル10gとクエン酸20gを秤量し、脱イオン水50mlに加え、80℃で攪拌して均一溶液を得、この溶液を連続的に加熱し、蒸発乾固して前駆体を得た。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ