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技術 光硬化性組成物、3次元造形物の製造方法

出願人 株式会社ニコンエシロールアテルナジオナール
発明者 宮川晶子水口雅史
出願日 2017年7月28日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2020-503328
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-528480
状態 未査定
技術分野 プラスチック等のその他の成形、複合成形(変更なし) 重合方法(一般) 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 液状層 各硬化層 断面層 多重焦点レンズ 硬化厚み ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤 断面部材 LEDライト
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課題・解決手段

本開示は、複数の層を積層して形成される3次元造形物の製造に用いることができ、優れた透明性、高いガラス転移温度、および、高い硬度を示す3次元造形物を形成でき、速い硬化性を示す光硬化性組成物を関する。光硬化性組成物は、複数の層を積層して形成される3次元造形物の製造に用いられる光硬化性組成物であって、多環式脂肪族基を有する単官能モノマーと、多官能モノマーと、アルコールと、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、を含む。

概要

背景

近年、金型を用いることなく3次元造形物を良好な寸法精度で製造し得る方法として、光硬化性組成物立体的光学造形する方法(以後、単に「光造形法」ともいう。)が検討されている(例えば、特許文献1)。この方法では、複数の層を積層して3次元造形物を製造する。より具体的には、3次元物体モデルを多数の2次元断面層に分割した後、光硬化性組成物を用いて、各2次元断面層に対応する断面部材を順次造形しつつ、断面部材を順次積層することによって3次元造形物を形成する。

概要

本開示は、複数の層を積層して形成される3次元造形物の製造に用いることができ、優れた透明性、高いガラス転移温度、および、高い硬度を示す3次元造形物を形成でき、速い硬化性を示す光硬化性組成物を関する。光硬化性組成物は、複数の層を積層して形成される3次元造形物の製造に用いられる光硬化性組成物であって、多環式脂肪族基を有する単官能モノマーと、多官能モノマーと、アルコールと、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、を含む。

目的

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請求項1

複数の層を積層して形成される3次元造形物の製造に用いられる光硬化性組成物であって、多環式脂肪族基を有する単官能モノマーと、多官能モノマーと、アルコールと、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、を含む、光硬化性組成物。

請求項2

前記アルコールが、式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の光硬化性組成物。式(1)中、R1およびR2は水素原子を表すか、または、R1およびR2の一方は、水素原子を表し、他方はR5と共に環を形成する。R3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、または、ヒドロキシ基置換されていてもよいアルキル基を表す。なお、アルキル基は、さらに、エーテル基エステル基またはケトン基を含んでいてもよい。

請求項3

前記多官能モノマーの密度が、1.00以上である、請求項1または2に記載の光硬化性組成物。

請求項4

前記多官能モノマーが、式(2)で表される化合物であり、前記アルコールの含有量が、前記光硬化性組成物全質量に対して、2〜4質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。式(2)R10−L1−R10式(2)中、R10はそれぞれ独立に重合性基を表し、L1は式(A)で表される構造を含む2価の基または炭素数3〜8のアルキレン基を表す。*は結合位置を表す。

請求項5

前記多官能モノマーが、式(3)で表される化合物であり、前記単官能モノマーの含有量が、前記光硬化性組成物全質量に対して、75質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。式(3)R10−L2−R10式(3)中、R10はそれぞれ独立に重合性基を表し、L2はアダマンタン環構造を含む2価の基、または、式(B)で表される構造を含む2価の基を表す。*は結合位置を表す。

請求項6

前記アルコールに対する、前記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の質量比が0.1〜10である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。

請求項7

前記光硬化性組成物の厚み1cmあたりの385nmでの内部透過率が1%未満であり、前記光硬化性組成物を用いて作製された3次元造形物の厚み1cmあたりの385nmでの内部透過率が85%以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。

請求項8

前記3次元造形物が、光学部材である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物の液状層を形成する工程A1、および、前記液状層を選択的に光照射して、硬化層を形成する工程A2をこの順で繰り返すことにより、複数の前記硬化層が積層してなる積層物を製造する工程Aと3000mJ/cm2以上の露光量にて、前記積層物を光照射し、3次元造形物を得る工程Bと、を有する3次元造形物の製造方法。

請求項10

前記工程Bの後に、前記3次元造形物を加熱する工程Cを有する、請求項9に記載の3次元造形物の製造方法。

請求項11

前記工程A2における光照射が、50mJ/cm2以下の露光量にて実施される、請求項9または10に記載の3次元造形物の製造方法。

請求項12

請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物の液状層を形成する工程D1、および、前記液状層を選択的に光照射して、硬化層を形成する工程D2をこの順で繰り返すことにより、複数の前記硬化層が積層してなる積層物を複数製造する工程Dと、前記工程D1で用いた光硬化性組成物を用いて、前記工程Dで得られた複数の積層物それぞれの表面を塗工する工程Eと、前記光硬化性組成物が塗工された前記複数の積層物をそれぞれ光照射する工程Fと、前記工程Fで得られた前記複数の積層物同士を、前記工程D1で用いた光硬化性組成物を介して結合させ、得られた結合物を光照射し、3次元造形物を得る工程Gと、を有し、前記工程Fもしくは前記工程Gでの光照射の露光量が3000mJ/cm2以上であるか、または、前記工程Dと前記工程Eとの間に、3000mJ/cm2以上の露光量にて、前記複数の積層物をそれぞれ光照射する工程Hを有する、3次元造形物の製造方法。

請求項13

前記工程D2における光照射が、50mJ/cm2以下の露光量にて実施される、請求項12に記載の3次元造形物の製造方法。

請求項14

前記3次元造形物が、光学部材である、請求項9〜13のいずれか1項に記載の3次元造形物の製造方法。

技術分野

0001

本開示は、光硬化性組成物、および、3次元造形物の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、金型を用いることなく3次元造形物を良好な寸法精度で製造し得る方法として、光硬化性組成物を立体的光学造形する方法(以後、単に「光造形法」ともいう。)が検討されている(例えば、特許文献1)。この方法では、複数の層を積層して3次元造形物を製造する。より具体的には、3次元物体モデルを多数の2次元断面層に分割した後、光硬化性組成物を用いて、各2次元断面層に対応する断面部材を順次造形しつつ、断面部材を順次積層することによって3次元造形物を形成する。

先行技術

0003

特開平3−227222号公報

0004

本開示は、複数の層を積層して形成される3次元造形物の製造に用いられる光硬化性組成物であって、多環式脂肪族基を有する単官能モノマーと、多官能モノマーと、アルコールと、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、を含む、光硬化性組成物に関する。
また、本開示は、上記光硬化性組成物の液状層を形成する工程、および、液状層を選択的に光照射して、硬化層を形成する工程をこの順で繰り返すことにより、複数の硬化層が積層してなる積層物を製造する工程Aと、3000mJ/cm2以上の露光量にて、積層物を光照射し、3次元造形物を得る工程Bと、を有する3次元造形物の製造方法にも関する。
さらに、本開示は、上記光硬化性組成物の液状層を形成する工程D1、および、液状層を選択的に光照射して、硬化層を形成する工程D2をこの順で繰り返すことにより、複数の硬化層が積層してなる積層物を複数製造する工程Dと、3000mJ/cm2以上の露光量にて、複数の積層物をそれぞれ光照射する工程Eと、工程D1で用いた光硬化性組成物を用いて、工程Dで得られた複数の積層物それぞれの表面を塗工する工程Eと、光硬化性組成物が塗工された複数の積層物をそれぞれ光照射する工程Fと、工程Fで得られた複数の積層物同士を、工程D1で用いた光硬化性組成物を介して結合させ、得られた結合物を光照射し、3次元造形物を得る工程Gと、を有し、工程Fもしくは工程Gでの光照射の露光量が3000mJ/cm2以上であるか、または、工程Dと工程Eとの間に、3000mJ/cm2以上の露光量にて、複数の積層物をそれぞれ光照射する工程Hを有する、3次元造形物の製造方法にも関する。

図面の簡単な説明

0005

3次元造形物の製造方法の工程Aの手順を説明する図である。
3次元造形物の製造方法の工程Aの手順を説明する図である。
3次元造形物の製造方法の工程Aの手順を説明する図である。
3次元造形物の製造方法の工程Aの手順を説明する図である。
3次元造形物の製造方法の工程Dの手順を説明する図である。
3次元造形物の製造方法の工程Dの手順を説明する図である。
3次元造形物の製造方法の工程Dの手順を説明する図である。
3次元造形物の製造方法の工程Dの手順を説明する図である。
工程Fにより得られた積層物の一例である。
工程Gの手順を示す図である。

0006

以下、本実施形態の光硬化性組成物および3次元造形物の製造方法について詳述する。
なお、本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。

0007

光硬化性組成物を光造形法に適用する際には、光硬化性組成物が優れた硬化性を有することが求められる。なお、優れた硬化性とは、硬化性が速いことを意図し、後述する実施例ではEcが小さいことに該当する。また、形成された3次元造形物を光学部材へ応用する観点から、3次元造形物は優れた透明性を有することが求められる。さらには、3次元造形物は、取り扱い性の観点から、高いガラス転移温度を有すると共に、高い硬度を有することも求められる。ただし、一般的に、組成物が優れた硬化性を満たすためには、組成物が高い光吸収能をもつことが望ましく、そのため、優れた硬化性と優れた透明性とを同時に満足することは原理的に困難であった。
従来技術では、上記のような、複数の層を積層して形成される3次元造形物の製造に用いることができ、優れた透明性、高いガラス転移温度、および、高い硬度を示す3次元造形物を形成でき、速い硬化性を示す光硬化性組成物を提供できなかった。そこで、上記特性を示す光硬化性組成物が望まれていた。

0008

本実施形態の光硬化性組成物においては、所定のモノマー、アルコール、および、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いることにより、上記問題を解決している。後段で詳述するように、所定のモノマーを選択することにより、3次元造形物が所望の特性を満たす。
また、光硬化性組成物を光造形法に適用可能とするために、光硬化性組成物の硬化性を高める方法として、重合開始剤を多量に使用する方法がある。しかし、この方法では、多量に使用される重合開始剤によって3次元造形物に着色が生じやすく、透明性が損なわれる。それに対して、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤はフォトブリーチング機能を有するため、この機能を利用することにより、透明性と硬化性との両立を図っている。
さらに、アルコールを上記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と併用することによっても、3次元造形物の優れた透明性が達成される。

0009

以下、まず、光硬化性組成物に含まれる各成分について詳述し、その後、3次元造形物の製造方法の手順について詳述する。

0010

<多環式脂肪族基を有する単官能モノマー>
光硬化性組成物は、多環式脂肪族基を有する単官能モノマー(以後、単に「特定単官能モノマー」とも称する)を含む。特定単官能モノマーは、主に、3次元造形物の透明性およびガラス転移温度の向上に寄与する。
多環式脂肪族基とは、複数の環状の脂肪族基縮合して構成される1価の基である。
多環式脂肪族基に含まれる単環式の脂肪族基の数は特に制限されないが、3次元造形物の透明性およびガラス転移温度がより向上する点で、2〜5個が好ましく、2〜4個がより好ましい。
多環式脂肪族基の炭素数は特に制限されないが、3次元造形物の透明性およびガラス転移温度がより向上する点で、5〜20が好ましく、6〜15がより好ましい。
多環式脂肪族基としては、例えば、ビシクロ[2.1.0]ペンタニル基、ビシクロ[2.2.0]ヘキサニル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基(ノルボルニル基)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル基(アダマンチル基)、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカニル基などの飽和多環式脂肪族基;ビシクロ[2.1.0]ペンテニル基、ビシクロ[2.2.0]ヘキセニル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル基ノルボルネニル基)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタジエニル基、ビシクロ[2.2.2]オクテニル基、ビシクロ[2.2.2]オクタジエニル基、ビシクロ[2.2.2]オクタトリエニル基などの不飽和多環式脂肪族基が挙げられる。

0011

特定単官能モノマーは、重合性基を有する。重合性基の種類は特に制限されず、ラジカル重合性基またはカチオン重合性基が挙げられ、反応性の点より、ラジカル重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、例えば、アクリロイルオキシ基(CH2=CH−CO−O−)、メタアクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)−CO−O−)、スチリル基アリル基などが挙げられる。カチオン重合性基としては、例えば、エポキシ基オキセタニル基、または、ビニルオキシ基が挙げられる。

0012

特定単官能モノマーの好適形態としては、式(4)で表される化合物が挙げられる。
式(4) R10−L−R11
R10は、重合性基を表す。重合性基の定義は、上述の通りである。
Lは、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、2価の脂肪族炭化水素基(直鎖状分岐鎖状および環状のいずれであってもよく、炭素数1〜20であることが好ましい。具体的には、アルキレン基アルケニレン基アルキニレン基が挙げられる。)、2価の芳香族炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−、−NRa−、−CO−、−N=N−、−CH=N−、および、これらを2種以上組み合わせた基(例えば、−アルキレン基−O−、−(アルキレン基−O)n−(nは2以上)、−アルキレン基−COO−など)が挙げられる。ここで、Raは、水素原子またはアルキル基を表す。
R11は、多環式脂肪族基を表す。多環式脂肪族基の定義は、上述の通りである。

0013

<多官能モノマー>
光硬化性組成物は、多官能モノマーを含む。多官能モノマーは、主に、3次元造形物のガラス転移温度および硬度の向上に寄与する。
多官能モノマーとは、重合性基を複数(2以上)有する化合物である。多官能モノマー中における重合性基の数は特に制限されないが、2〜10個が好ましく、2〜4個がより好ましい。
重合性基の定義は、上述した特定単官能モノマーで説明した通りである。

0014

多官能モノマーの密度(g/cm3)は特に制限されず、0.95以上の場合が多い。なかでも、3次元造形物のガラス転移温度がより向上する点で、1.00以上が好ましい。上限は特に制限されないが、1.20以下の場合が多い。

0015

多官能モノマーの種類は特に制限されないが、例えば、単環または多環脂肪族環を有する多官能モノマー、炭素数3〜12のアルキレン基を有する多官能モノマー、芳香環基を有する多官能モノマーなどが挙げられる。

0016

多官能モノマーの好適形態としては、式(2)で表される化合物が挙げられる。
式(2) R10−L1−R10
式(2)中、R10は、それぞれ独立に重合性基を表す。重合性基の定義は、上述した特定単官能モノマーで説明した通りである。
L1は、式(A)で表される構造を含む2価の基、または、炭素数3〜8(好ましくは、炭素数4〜6)のアルキレン基を表す。*は、結合位置を表す。

0017

0018

式(A)で表される構造を含む2価の基は、上記式(A)で表される構造を含んでいればよく、例えば、式(A−1)で表される基などが挙げられる。

0019

0020

式(A−1)中、Lは、それぞれ独立に単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上述した式(4)中のLで説明した通りである。なかでも、Lとしては、2価の脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキレン基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキレン基がさらに好ましい。

0021

多官能モノマーの他の好適形態としては、式(3)で表される化合物が挙げられる。
式(3) R10−L2−R10
式(3)中、R10は、それぞれ独立に重合性基を表す。重合性基の定義は、上述した特定単官能モノマーで説明した通りである。
L2は、アダマンタン環構造を含む2価の基、または、式(B)で表される構造を含む2価の基を表す。*は結合位置を表す。

0022

0023

アダマンタン環構造を含む2価の基は、アダマンタン環構造を含んでいればよく、例えば、式(C)で表される基が挙げられる。

0024

0025

式(C)中、Lはそれぞれ独立に単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上述した式(4)中のLで説明した通りである。
なお、上記式(C)に示すように、アダマンタン環上におけるLの結合位置はいずれの位置でもよい。

0026

式(B)で表される構造を含む2価の基は、式(B)で表される構造を含んでいればよく、例えば、式(B−1)で表される基が挙げられる。

0027

0028

式(B−1)中、Lはそれぞれ独立に単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上述した式(4)中のLで説明した通りである。Lは、ポリオキシアルキレン基であることが好ましい。2つのLがポリオキシアルキレン基である場合、2つのL中のオキシアルキレン単位の合計数は2〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜5がさらに好ましい。

0029

<アルコール>
光硬化性組成物は、アルコールを含む。アルコールは、主に、3次元造形物の透明性の向上に寄与する。
アルコールは、ヒドロキシ基を有する化合物であればよく、例えば、飽和アルコール不飽和アルコールが挙げられる。なかでも、3次元造形物の透明性がより向上する点で、不飽和アルコールが好ましく、式(1)で表される化合物がより好ましい。

0030

0031

式(1)中、R1およびR2は水素原子を表すか、または、R1およびR2の一方は、水素原子を表し、他方はR5と共に環を形成する。形成される環の種類は特に制限されないが、脂肪族環が好ましい。
R1およびR2の一方は、水素原子を表し、他方はR5と共に環を形成する場合、上記式(1)で表される化合物としては、式(1−1)で表される化合物が好ましい。

0032

0033

R6は、アルキル基が置換していてもよいアルキレン基を表す。
アルキレン基中の炭素数は特に制限されないが、3〜8が好ましい。
アルキレン基に置換してもよいアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。また、アルキル基の炭素数は特に制限されないが、1〜4が好ましい。

0034

R3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、または、ヒドロキシ基が置換されていてもよいアルキル基を表す。
アルキル基中の炭素数は特に制限されないが、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
なお、アルキル基は、エーテル基(−O−)、エステル基(−COO−)、または、ケトン基(−CO−)を含んでいてもよい。例えば、アルキル基中にエーテル基が含まれる場合、一例としては、−R10−O−R11で表される基が挙げられる。R10は、アルキレン基を表し、R11はアルキル基を表す。

0035

式(1)で表される化合物としては、例えば、アリルアルコールメタリルアルコールクロルアルコールクロトンアルコール、2−シクロヘキセン−1−オール、2−シクロペンテン−2−オール、2−シクロヘプテン−1−オール、トランス−2−ヘキセン−1−オール、シス−2−ブテン−1,4−ジオール、および、3−メチル−2−ブテン−1−オールが挙げられる。

0036

<アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤>
光硬化性組成物は、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(以下、単に「特定開始剤」ともいう)を含む。上述したように、特定開始剤は、光照射により光退色するフォトブリーチング機能を有する。そのため、後述する手順に従って、特定開始剤を含む光硬化性組成物を用いて複数の硬化層が積層してなる積層物を形成後、積層物に対して光照射を行うことにより、特定開始剤由来の着色が退色し、透明性に優れる3次元造形物が得られる。

0037

アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤およびビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が挙げられる。
モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルエトキシフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。

0038

<その他成分>
光硬化性組成物は、所定の効果を損なわない範囲で、上述した成分(特定単官能モノマー、多官能モノマー、アルコール、特定開始剤)以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、紫外線吸収剤老化防止剤塗膜調整剤、光安定剤酸化防止剤着色防止剤充填剤着色剤内部離型剤などが挙げられる。

0039

なお、光硬化性組成物は、特定単官能モノマー以外の他の単官能モノマーを含んでいてもよい。

0040

なお、光硬化性組成物は、高分子化合物を実質的に含まないことが好ましい。光硬化性組成物が高分子化合物を実質的に含まない場合、光硬化性組成物の粘性および粘着性が低減され、光硬化性組成物の取り扱い性に優れる。
なお、高分子化合物とは、分子量が2000以上の化合物を意図する。なお、化合物の分子量が多分散である場合、重量平均分子量が2000以下であるかによって、高分子化合物であるかを判断する。
また、高分子化合物を実質的に含まないとは、光硬化性組成物中における高分子化合物の含有量が、光硬化性組成物全質量に対して、3質量%以下であることを意図し、1質量%以下であることが好ましく、0質量%であることがより好ましい。

0041

また、光硬化性組成物は、上記アルコール以外の溶媒を実質的に含まないことが好ましい。なお、上記アルコール以外の溶媒には、重合性基を有する化合物は含まれない。
溶媒を実質的に含まないとは、光硬化性組成物中における溶媒の含有量が、光硬化性組成物全質量に対して、10質量%以下であることを意図し、5質量%以下であることが好ましく、0質量%であることがより好ましい。

0042

<光硬化性組成物>
光硬化性組成物は、上述した成分を含む。
光硬化性組成物の製造方法は特に制限されず、例えば、上述した成分を一括で混合してもよいし、分割して段階的に各成分を混合してもよい。
なお、成分を混合する際、必要に応じて、加熱条件下にて成分を混合してもよい。

0043

光硬化性組成物中における特定単官能モノマーの含有量は特に制限されないが、3次元造形物の物性のバランスがより優れる点で、光硬化性組成物全質量に対して、5〜95質量%が好ましく、20〜95質量%がより好ましい。
特定単官能モノマーは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。特定単官能モノマーを2種以上使用する場合、2種以上の特定単官能モノマーの合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。

0044

光硬化性組成物中における多官能モノマーの含有量は特に制限されないが、3次元造形物の物性のバランスがより優れる点で、光硬化性組成物全質量に対して、5〜95質量%が好ましく、20〜95質量%がより好ましい。
多官能モノマーは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。多官能モノマーを2種以上使用する場合、2種以上の多官能モノマーの合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。

0045

光硬化性組成物中におけるアルコールの含有量は特に制限されないが、3次元造形物の物性のバランスがより優れる点で、光硬化性組成物全質量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、2〜4質量%がより好ましい。
アルコールは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。アルコールを2種以上使用する場合、2種以上のアルコールの合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。

0046

光硬化性組成物中における特定開始剤の含有量は特に制限されないが、3次元造形物の物性のバランスがより優れる点で、光硬化性組成物全質量に対して、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。
特定開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。特定開始剤を2種以上使用する場合、2種以上の特定開始剤の合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。

0047

光硬化性組成物中における特定単官能モノマーと多官能モノマーとの合計含有量は特に制限されないが、3次元造形物の物性のバランスがより優れる点で、光硬化性組成物全質量に対して、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、99.5質量%以下の場合が多い。

0048

アルコールに対する特定開始剤の質量比(特定開始剤の含有質量/アルコールの含有質量)は特に制限されないが、3次元造形物の物性のバランスがより優れる点で、0.1〜10が好ましく、0.2〜5より好ましい。

0049

光硬化性組成物の好適形態の一つとしては、多官能モノマーが上記式(2)で表される化合物であり、アルコールの含有量が光硬化性組成物全質量に対して、2〜4質量%である形態Xが挙げられる。本形態Xであれば、3次元造形物の透明性がより優れる。本形態Xの場合、光硬化性組成物中における特定単官能モノマーの含有量は、光硬化性組成物全質量に対して、15〜55質量%が好ましく、多官能モノマーの含有量は、光硬化性組成物全質量に対して、40〜80質量%が好ましい。
また、光硬化性組成物の他の好適形態としては、多官能モノマーが上記式(3)で表される化合物であり、特定単官能モノマーの含有量が光硬化性組成物全質量に対して、75質量%以上である形態Yが挙げられる。本形態Yであれば、3次元造形物の透明性およびガラス転移温度がより優れる。なお、本形態Yにおける、上記特定単官能モノマーの含有量の上限は特に制限されないが、95質量%以下の場合が多い。

0050

光硬化性組成物は、通常、液状であり、光硬化性組成物の25℃での粘度は特に制限されないが、光造形法へ好適に適用できる点で、200mPa・s以下が好ましく、150mPa・s以下がより好ましく、100mPa・s以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、取り扱い性の点で、5mPa・s以上が好ましい。
上記光硬化性組成物の粘度は、25℃にて粘度計(VM−10A、セコニック社製)を用いて測定する。

0051

光硬化性組成物の厚み1cmあたりの385nmでの内部透過率は特に制限されないが、光吸収性の観点から、1%未満が好ましい。下限は特に制限されない。
上記内部透過率の測定方法は、分光光度計U4100(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定する。

0052

<3次元造形物の製造方法>
上記光硬化性組成物は、複数の層を積層して形成される3次元造形物の製造に好適に適用できる。以下、光硬化性組成物を用いた3次元造形物の製造方法に関して、実施形態ごとに説明する。

0053

(第1実施形態)
3次元造形物の製造方法の第1実施形態は、以下の工程Aおよび工程Bを有する。
工程A:上記光硬化性組成物の液状層を形成する工程A1、および、液状層を選択的に光照射して、硬化層を形成する工程A2をこの順で繰り返すことにより、複数の硬化層が積層してなる積層物を製造する工程
工程B:3000mJ/cm2以上の露光量にて、積層物を光照射し、3次元造形物を得る工程
以下、工程Aおよび工程Bについて詳述する。

0054

工程Aの手順の一例に関して、図1図4を用いて説明する。図1図4は、工程Aの各手順(各工程)を示す模式的側面図である。
まず、図1に示すように、液状の光硬化性組成物10が収容された液槽12を準備する。液槽12の材質は光を透過させる材質であれば特に制限されず、ガラスおよび樹脂が挙げられる。
また、液槽12内には、昇降可能な造形用ステージ14が、液槽12の底面16から所定の高さ(例えば、0.01〜0.2mm程度)となるような位置に設置されている。これにより造形用ステージ14の下面と液槽12の底面16との間に、光硬化性組成物の液状層Lが形成される(工程A1に該当)。

0055

次に、図2に示すように、製造される3次元造形物の形状に基づきマスク18aを液槽12の下方向に設置する。マスク18aの下方向から光照射すると、マスク18aに遮られなかった光が液槽12内の光硬化性組成物の液状層Lに到達して、液状層Lが硬化し、硬化層20aが造形用ステージ14の下表面に形成される。つまり、液状層Lが選択的に光照射され、硬化層20aが形成される(工程A2に該当)。
使用される光の種類は特に制限されず、光硬化性組成物が硬化する波長の光であればよく、紫外光可視光などが挙げられ、装置光学系の作り易さ、および、液状層の硬化性の観点から、350nm以上400nm未満の光がより好ましい。
また、光を照射する光源も特に制限されず、例えば、LED、LD、高圧水銀ランプ超高圧水銀ランプメタルハライドランプハロゲンランプキセノンランプなどが挙げられる。

0056

次に、図3に示すように、造形用ステージ14を、液槽12の底面16に対して上方に1層分移動(例えば、0.1〜0.2mm程度)させ、硬化層20aの下に光硬化性組成物10を導入し、硬化層20aの下面と液槽12の底面16との間に、新たな光硬化性組成物10の液状層Lを形成する(工程A1に該当)。

0057

次に、図4に示すように、製造される3次元造形物の形状に基づきマスク18bを液槽12の下方向に設置する。マスク18bの下方向から光照射すると、マスク18bに遮られなかった光が液槽12内の光硬化性組成物の液状層Lに到達して、液状層Lが硬化し、硬化層20bが硬化層20aの下側に形成される(工程A2に該当)。

0058

以後、図3および図4の工程を繰り返すことにより、複数の硬化層が一体的に積層され立体的な積層物が製造できる。つまり、工程A1および工程A2を繰り返すことにより、複数の硬化層が積層してなる積層物が製造できる。
なお、積層物の大きさは特に限定されないが、通常、数mmから数m、典型的には、数cmから数十cmのスケールである。

0059

上記で用いられるマスクの形状は、造形される3次元造形物の3次元CADデータを複数の層にスライスして得られる断面群のデータから設計できる。
また、上記では、液槽の下方向から光照射する形態について述べたが、この形態に限定されず、例えば、液槽の横方向または上方向から光照射を実施してもよい。例えば、液槽の上側から光照射を行う場合、造形用ステージの上方向に硬化層が積層されることになるため、造形用ステージを下方向に沈降させながら積層を繰り返すことになる。
また、上記ではマスクを用いた光照射の方法について述べたが、他の方法でもよく、例えば、レーザー光レンズなどを用いて得られた収束光などを走査させながら液状層Lを選択的に光照射する方法であってもよし、デジタルミラーデバイス液晶デバイスなどを用いてパターニングされた光を照射する方法であってもよい。

0060

上記工程A2における液状層に対する光照射の露光量は特に制限されないが、液状層中の光が照射されない領域の硬化がより防止される点、および、硬化物の液槽底面への固着防止の観点から、100mJ/cm2以下が好ましく、50mJ/cm2以下がより好ましい。光照射の露光量の下限は特に制限されないが、液状層の硬化性の観点から、1mJ/cm2以上が好ましく、5mJ/cm2以上がより好ましい。

0061

次に、上記手順によって得られた積層物に対して、3000mJ/cm2以上の露光量にて光照射をし、3次元造形物を得る。本工程Bを実施することにより、積層物中に残存する特定開始剤がフォトブリーチングして、透明性に優れる3次元造形物が得られる。
本工程の露光量は、3000mJ/cm2以上であり、3次元造形物の透明性がより優れる点で、5000mJ/cm2以上が好ましく、10000mJ/cm2以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、特定開始剤のフォトブリーチング機能が飽和し、積層物の光劣化を防止する観点から、360000mJ/cm2以下が好ましく、180000mJ/cm2以下がより好ましい。
使用される光の種類は特に制限されず、特定開始剤が感光する光であればよく、紫外光、可視光などが挙げられ、特に、積層物の光透過性および特定開始剤の吸収能の観点から、350nm以上400nm未満の光が好ましい。
また、光を照射する光源も特に制限されず、例えば、LED、LD、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプなどが挙げられる。

0062

なお、上記工程Bの後、必要に応じて、工程Bで得られた3次元造形物を加熱する工程Cを実施してもよい。工程Cを実施することにより、3次元造形物の透明性がより向上する。
上記加熱の温度は、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、3次元造形物の耐熱性の観点から、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。
上記加熱の時間は、1〜24時間が好ましく、3〜10時間がより好ましい。

0063

(第2実施形態)
3次元造形物の製造方法の第2実施形態は、以下の工程Dおよび工程Gを有する。
工程D:上記光硬化性組成物の液状層を形成する工程D1、および、液状層を選択的に光照射して、硬化層を形成する工程D2をこの順で繰り返すことにより、複数の硬化層が積層してなる積層物を複数製造する工程
工程E:工程D1で用いた光硬化性組成物を用いて、工程Dで得られた複数の積層物それぞれの表面を塗工する工程
工程F:光硬化性組成物が塗工された複数の積層物をそれぞれ光照射する工程
工程G:工程Fで得られた複数の積層物同士を、工程D1で用いた光硬化性組成物を介して結合させ、得られた結合物を光照射し、3次元造形物を得る工程
また、第2実施形態においては、工程Fもしくは工程Gでの光照射の露光量が3000mJ/cm2以上であるか、または、工程Dと工程Eとの間に、3000mJ/cm2以上の露光量にて、複数の積層物をそれぞれ光照射する工程Hをさらに有する。上記のような3000mJ/cm2以上の露光量での光照射は、第1実施形態の工程Bと同様に、フォトブリーチングの処理に該当する。この処理は、上述のように、工程Dと工程Eとの間、工程F、および、工程Gのいずれかで実施されればよい。

0064

第2実施形態と上述した第1実施形態との違いは、第2実施形態においては、光造形法によって複数の積層物を同時に製造している点が挙げられる。より具体的には、第2実施形態においては、工程Dにおいて複数の積層物を製造し、その後、これらを工程D1で使用した光硬化性組成物を用いて結合させ、3次元造形物を製造する。
通常、光造形法により積層物を製造する工程は、複数の硬化層を形成する必要があるため、製造時間が長期化しやすい。それに対して、第2実施形態の方法であれば、3次元造形物を構成する部分を分割して光造形し、その後、造形された部材を組み立てて3次元造形物を形成するため、光造形時の作業時間を短縮できる。例えば、形成される3次元造形物を2つのパーツに分けて、このパーツを同時に光造形することにより、光造形の時間を約1/2にできる。
さらに、後段で詳述するように、形成された複数の積層物を結合する際に、工程D1で使用した光硬化性組成物と同じ光硬化性組成物を用いて、複数の積層物を結合する。この手順で使用される材料はいずれも同一の光硬化性組成物であるため、複数のパーツおよび結合部の屈折率熱膨張係数は同じとなり、結果として、最終的に形成される3次元造形物の透明性や機械的特性が優れる。
また、光造形法の場合、通常、形成される積層物の一方の面は造形用ステージと接触しているため、両面凸状のレンズなどの両面に所定の形状を有する積層物を製造することは難しい。それに対して、後段で示すように、本実施形態によれば、両面凸状のレンズなどを容易に製造できる。

0065

以下、工程D〜工程Hについて詳述する。
なお、以下においては、工程Dにおいて2つの積層物を製造して、それらを結合する形態について説明するが、本実施形態はこの形態に限定されない。例えば、工程Dにおいて、3つ以上の積層物を製造して、これらを結合させて、3次元造形物を製造してもよい。

0066

工程Dの手順の一例に関して、図5図8を用いて説明する。図5図8は、工程Dの各手順(各工程)を示す模式的側面図である。
まず、図5に示すように、液状の光硬化性組成物10が収容された液槽12を準備する。液槽12の材質は光を透過させる材質であれば特に制限されず、ガラスおよび樹脂が挙げられる。
また、液槽12内には、昇降可能な造形用ステージ14が、液槽12の底面16から所定の高さ(例えば、0.01〜0.2mm程度)となるような位置に設置されている。これにより造形用ステージ14の下面と液槽12の底面16との間に、光硬化性組成物の液状層Lが形成される(工程D1に該当)。

0067

次に、図6に示すように、製造される3次元造形物の形状に基づきマスク18cを液槽12の下方向に設置する。マスク18cの下方向から光照射すると、マスク18cに遮られなかった光が液槽12内の光硬化性組成物の液状層Lに到達して、液状層Lが硬化し、2つの硬化層20cが造形用ステージ14の下表面に形成される。つまり、液状層Lが選択的に光照射され、硬化層20aが形成される(工程D2に該当)。
使用される光の種類は特に制限されず、光硬化性組成物が硬化する波長の光であればよく、紫外光、可視光などが挙げられ、装置光学系の作り易さ、および、液状層の硬化性の観点から、350nm以上400nm未満の光が好ましい。
また、光を照射する光源も特に制限されず、例えば、LED、LD、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプなどが挙げられる。

0068

次に、図7に示すように、造形用ステージ14を、液槽12の底面16に対して上方に1層分移動(例えば、0.01〜0.2mm程度)させ、硬化層20cの下に光硬化性組成物10を導入し、硬化層20cの下面と液槽12の底面16との間に、新たな光硬化性組成物10の液状層Lを形成する(工程D1に該当)。

0069

次に、図8に示すように、製造される3次元造形物の形状に基づきマスク18dを液槽12の下方向に設置する。マスク18dの下方向から光照射すると、マスク18dに遮られなかった光が液槽12内の光硬化性組成物の液状層Lに到達して、液状層Lが硬化し、2つの硬化層20dが2つの硬化層20cの下側にそれぞれ形成される(工程D2に該当)。

0070

以後、図7および図8の工程を繰り返すことにより、複数の硬化層が一体的に積層され立体的な積層物が2つ製造できる。つまり、工程D1および工程D2を繰り返すことにより、複数の硬化層が積層してなる積層物が複数製造できる。

0071

上記で用いられるマスクの形状は、造形される3次元造形物の3次元CADデータを複数の層にスライスして得られる断面群のデータから設計できる。
また、上記では、液槽の下方向から光照射する形態について述べたが、この形態に限定されず、第1実施形態と同様に、例えば、液槽の横方向または上方向から光照射を実施してもよい。
また、上記ではマスクを用いた光照射の方法について述べたが、第1実施形態と同様に、他の方法でもよい。

0072

上記工程D2における液状層に対する光照射の露光量は特に制限されないが、液状層中の光が照射されない領域の硬化がより防止される点、および、硬化物の液槽底面への固着防止の観点から、100mJ/cm2以下が好ましく、50mJ/cm2以下がより好ましい。光照射の露光量の下限は特に制限されないが、液状層の硬化性の観点から、1mJ/cm2以上が好ましく、5mJ/cm2以上がより好ましい。

0073

なお、上述したように、上記工程Dと後述する工程Eとの間に、上記手順によって得られた複数の積層物に対して、それぞれ、3000mJ/cm2以上の露光量にて、光照射する工程(工程Hに該当)を実施してもよい。本工程Hを実施することにより、積層物中に残存する特定開始剤がフォトブリーチングして、透明性に優れる積層物が得られる。
本工程での光照射の露光量は、3000mJ/cm2以上であり、3次元造形物の透明性がより優れる点で、5000mJ/cm2以上が好ましく、10000mJ/cm2以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、特定開始剤のフォトブリーチング機能が飽和し、積層物の光劣化を防止する観点から、360000mJ/cm2以下が好ましく、180000mJ/cm2以下がより好ましい。
使用される光の種類は特に制限されず、特定開始剤が感光する光であればよく、紫外光、可視光などが挙げられ、特に、積層物の光透過性と特定開始剤の吸収能の観点から、350nm以上400nm未満の光が好ましい。
また、光を照射する光源も特に制限されず、例えば、LED、LD、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプなどが挙げられる。

0074

次に、工程D1で用いた光硬化性組成物を用いて、上記手順によって得られた複数の積層物それぞれの表面を塗工する(工程Eに該当)。本工程および後述する工程Fを実施することにより、工程Dで得られた複数の積層物の表面の微小凹凸が埋められ、平滑な表面を有する積層物が得られる。
なお、本工程で使用される光硬化性組成物は、上記工程D1で用いた光硬化性組成物を用いる。つまり、同一の種類の光硬化性組成物を工程D1および工程Eにて使用する。同じ光硬化性組成物を用いることにより、工程Fで得られる積層物内で屈折率差が生じず、最終的に光学特性に優れる3次元造形物が得られる。
積層物の表面に光硬化性組成物を塗工する方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、ディッピングコーティング法スピンコーティング法スプレーコーティング法インクジェットコーティング法、および、フローコーティング法など)が挙げられる。
積層物の表面に光硬化性組成物を塗工した後は、必要に応じて、乾燥処理を施してもよい。

0075

次に、光硬化性組成物が塗工された複数の積層物をそれぞれ光照射する(工程Fに該当)。
光照射の条件は特に制限されず、塗工された光硬化性組成物が硬化し得る条件であればよく、光照射の露光量は10mJ/cm2以上が好ましく、20mJ/cm2以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、通常、1000mJ/cm2以下が好ましい。
使用される光の種類および光源の種類は、上記工程Hで述べた光および光源が挙げられる。
また、上述したように、工程Fにてフォトブリーチング処理を実施する場合は、上記光照射の露光量は、3000mJ/cm2以上であり、3次元造形物の透明性がより優れる点で、5000mJ/cm2以上が好ましく、10000mJ/cm2以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、特定開始剤のフォトブリーチング機能が飽和し、積層物の光劣化を防止する観点から、360000mJ/cm2以下が好ましく、180000mJ/cm2以下がより好ましい。

0076

次に、工程Fで得られた複数の積層物同士を、工程D1で用いた光硬化性組成物を介して結合させ、得られた結合物を光照射し、3次元造形物を得る(工程Gに該当)。
なお、ここでは一例として、上記工程D〜工程Fを経て、図9に示すような、一方の面が凸状の積層物22aおよび22bを製造した形態について説明する。この積層物22aおよび22bは、上述したように、3次元造形物を構成し得る部材に該当する。
本工程の手順としては、例えば、図10に示すように、積層物22aおよび22bの間に光硬化性組成物10を介在させ、両者を結合させて、結合物24を得る。
次に、得られた結合物24を光照射し、光硬化性組成物10を硬化させ、3次元造形物を得る。上述したように、得られた3次元造形物は、いずれの部分も同一の組成の光硬化性組成物より形成されているため、内部に屈折率差が生じにくく、透明性に優れる。また、上述したように、光硬化性組成物には特定開始剤が含まれているため、光照射によって特定開始剤に由来する着色が退色するため、図10に示すような、積層物22aおよび22bに挟まれた光硬化性組成物10に対しても、光が良好に届き、積層物22aおよび22bをむらなく接着できる。併せて、積層物22aおよび22bと間に挟まれた光硬化性組成物10は、積層物の原料同一物質であるので、化学的接合力が高く、歪なども生じにくい。

0077

なお、工程Gの光照射の条件としては、光硬化性組成物が硬化し得る条件であればよく、光照射の露光量は10mJ/cm2以上が好ましく、20mJ/cm2以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、通常、1000mJ/cm2以下が好ましい。
使用される光の種類および光源の種類は、上記工程Hで述べた光および光源が挙げられる。
また、上述したように、工程Gにてフォトブリーチング処理を実施する場合は、上記光照射の露光量は、3000mJ/cm2以上であり、3次元造形物の透明性がより優れる点で、5000mJ/cm2以上が好ましく、10000mJ/cm2以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、特定開始剤のフォトブリーチング機能が飽和し、積層物の光劣化を防止する観点から、360000mJ/cm2以下が好ましく、180000mJ/cm2以下がより好ましい。

0078

なお、必要に応じて、工程Gの後に、第1実施形態で述べた工程Cを実施してもよい。

0079

上記手順(第1実施形態および第2実施形態)を経ることにより、透明性に優れ、ガラス転移温度が高く、かつ、硬度にも優れる3次元造形物が得られる。
3次元造形物の厚み1cmあたりの420〜700nmの波長域での内部透過率は、光学部材への適用の観点から、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、99.9%以下の場合が多い。
なお、上記は波長420〜700nmのいずれの波長においても、内部透過率が85%以上であることが好ましいことを意図する。
3次元造形物の厚み1cmあたりの385nmでの内部透過率は、85%以上が好ましい。
内部透過率は、分光光度計U4100(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定する。また、内部透過率とは、入射側および出射側における表面反射損失を除いた透過率で、厚みの異なる一対の試料のそれぞれの表面反射損失を含む透過率の測定値を用いて算出される。以下に、一例として、厚みが1cm(10mm)の試料の内部透過率を算出する際の式を表す。
logT=−(logT1−logT2)/Δd
Tは内部透過率を、Δd(cm)では試料の厚み差(d2−d1)を、T1は試料厚d1で得られる表面反射損失を含む透過率を、T2は試料厚d2で得られる表面反射損失を含む透過率を表す。ただし、d2>d1である。

0080

3次元造形物のガラス転移温度は、取り扱い性の観点から、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100℃以下の場合が多い。
上記ガラス転移温度の測定方法としては、示差走査熱量測定DSC)を用いて測定する。より具体的には、DSC8500(パーキンエルマー社製)を用い、測定試料を降温速度−10℃/分にて−50℃まで降温する。測定試料の温度が−50℃まで達したら10分間温度を維持し、昇温速度10℃/分にて150℃までで昇温する。この操作を2回繰り返し、2回目の昇温時の比熱曲線変曲点をガラス転移温度とする。

0081

3次元造形物の硬度は、各種用途への適用の観点から、ショアD硬度60以上が好ましい。上限は特に制限されないが、100以下の場合が多い。
上記硬度は、硬度計(HH336、ミツトヨ製)を用いて測定する。

0082

上記3次元造形物は、種々の用途に適用でき、透明性に優れる観点から、光学部材に好適に適用できる。
光学部材としては、球面レンズ非球面レンズ、自由曲面レンズ眼鏡レンズフレネルレンズランプカバー、LED封止材プリズム回折光学素子などが好適に挙げられる。特に、眼鏡レンズは、目を守るため、および/または、視野矯正するために、眼鏡フレームに合うように設計されたレンズであり、無矯正の眼鏡レンズ(別名として、平面レンズ、または、アフォーカルレンズ)、または、矯正眼鏡レンズとなり得る。矯正眼鏡レンズとしては、単焦点レンズ二焦点レンズ三焦点レンズ、または、多重焦点レンズが挙げられる。

0083

以下、光硬化性組成物および3次元造形物の製造方法に関して実施例および比較例によりさらに詳しく説明するが、これらの実施例によって何ら制限されるものではない。

0084

<実施例A>
(実施例1〜17、比較例1〜2)
表1に示す、各成分を混合して、60℃で30分間加熱して、各実施例および比較例の光硬化性組成物を調製した。
次に、得られた各光硬化性組成物をシリコンゴムの金型に入れ、波長385nmの光を5分間照射して、硬化層(厚み:2mm)をそれぞれ得た。
以下の手順に従って、各実施例および比較例の光硬化性組成物、および、各光硬化性組成物より形成される硬化層の特性を評価した。

0085

(透過率)
分光光度計U4100(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、各光硬化性組成物より得られた硬化層の厚み2mmあたりの波長420nmにおける透過率(%)を測定し、以下の基準に従って評価した。
「AA」:透過率が90%以上の場合
「A」:透過率が85%以上90%未満の場合
「B」:透過率が85%未満の場合

0086

(硬度)
硬度計(HH336、ミツトヨ製)を用いて、各光硬化性組成物より得られた硬化層のショアD硬度を測定し、以下の基準に従って評価した。
「A」:ショアD硬度が60以上の場合
「B」:ショアD硬度が60未満の場合

0087

(ガラス転移温度)
熱機械分析装置(TMA)を用いて、各硬化層のガラス転移温度を測定し、以下の基準に従って評価した。
なお、ガラス転移温度の測定方法の詳細は、以下の通りである。
DSC8500(パーキンエルマー社製)を用い、測定試料を降温速度−10℃/分にて−50℃まで降温した。測定試料の温度が−50℃まで達したら10分間温度を維持し、昇温速度10℃/分にて150℃までで昇温した。この操作を2回繰り返し、2回目の昇温時の比熱曲線の変曲点をガラス転移温度とした。
「AA」:ガラス転移温度が60℃以上
「A」:ガラス転移温度が50℃以上60℃未満
「B」:ガラス転移温度が50℃未満

0088

(粘度)
粘度計(VM−10A、セコニック社製)を用いて、各光硬化性組成物の25℃における粘度(mPa・s)を測定した。

0089

(最小硬化エネルギー(Ec)および硬化厚み(Dp))
波長385nmの光を出射する光源(10mW/cm2)を備える3DプリンターPico2(AGIGA製)を用いて、各光硬化性組成物に対する照射量を変化させ、その際に得られる硬化層の厚みを算出して、照射量および厚みのプロット図より、光硬化性組成物が硬化するために必要な最小硬化エネルギー(Ec)および硬化層の最低硬化厚み(Dp)を算出した。
光硬化性組成物を光造形法に適用する場合、Ecが20mJ/cm2未満であり、Dpは500μm以下であることが好ましい。

0090

なお、各実施例で製造した光硬化性組成物の厚み1cmあたりの385nmでの内部透過率は、1%未満であった。

0091

0092

0093

上記表1中の評価欄における「−」は、測定を実施していないことを意図する。

0094

上記表1中の各記号は、以下の化合物を意図する。
なお、表1中の成分欄の数値は、光硬化性組成物全質量に対する、各成分の含有量(質量%)を表す。
IBXA:イソボルニルアクリレート
AADE:ジシクロペンタニルアクリレート
ADCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(密度:1.10)
DCP:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(密度:1.07)
AHDN:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(密度:1.02)
DDA:1,3−アダマンタンジオールジアクリレート(密度:1.17)
ABPE4:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(密度:1.14)
ANODN:1,9−ノナンジオールジアクリレート(密度:0.98)

0095

0096

0097

TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド
3M2B1O:3−メチル−2−ブテン−1−オール

0098

なお、実施例5の3−メチル−2−ブテン−1−オールを2−メチル−2−ペンテン−1−オールに変更した場合にも、実施例5と同様の特性を示す光硬化性組成物が得られた。
また、実施例1のTPOを、Irgacure369E、IrgacureOXE1、Irgacure651など特開開始剤以外の重合開始剤に変更した場合、透明性が「B」となり、所望の効果が得られなかった。

0099

上記表1に示すように、実施例1〜17に示す光硬化性組成物より得られる硬化層は、優れた透明性、高いガラス転移温度、および、優れた硬度を示すことが確認された。また、実施例1〜17に示す光硬化性組成物の粘度、EcおよびDpは、いずれも光造形法に適用可能な範囲であることが確認された。
なかでも、実施例1〜9の比較より、多官能モノマーが上述した式(2)で表される化合物であり、アルコールの含有量が、光硬化性組成物全質量に対して、2〜4質量%である場合(実施例4〜9)、透明性がより優れることが確認された。
また、実施例13〜14と他の実施例との比較より、多官能モノマーの密度が1.00以上の場合(実施例13〜14以外の場合)、ガラス転移温度がより優れることが確認された。
また、実施例10〜17の比較より、多官能モノマーが上述した式(3)で表される化合物であり、単官能モノマーの含有量が、光硬化性組成物全質量に対して、75質量%以上である場合(実施例17〜19)、透明性およびガラス転移温度がより優れることが確認された。

0100

<実施例B>
次に、実施例4に記載の光硬化性組成物を用いて、上述した3次元造形物の製造方法の第1実施形態の方法にて、3次元造形物を製造した。
具体的には、まず、波長385nmの光を出射する光源(10mW/cm2)を備える3DプリンターPico2(AGIGA製)を用いて、光造形法により積層物を得た。Pico2による光造形法は、上述した図1図4で説明した工程Aと同様の手順で実施された。光造形法においては、積層物の厚みが10mmとなるまで、直径20mm、厚み100μmの円形状の硬化層を繰り返し積層した。また、各硬化層を形成する際の光照射の露光量は、20mJ/cm2であった。
次に、得られた積層物を取り出し、卓上UV−LEDライト(波長385nm、LED385−SPT、オプトコード株式会社製)を用いて、積層物を光照射した。光照射の際の露光量は、18000mJ/cm2であった。
次に、露光処理が施された積層物を60℃で6時間加熱して、透明な3次元造形物を製造した。
形成された3次元造形物は、420〜700nmの波長域での厚み1cmあたりの内部透過率が95%以上であり、ガラス転移温度およびショアD硬度も表1で測定した硬化層の値と略同じであった。形成された3次元造形物の厚み1cmあたりの385nmでの内部透過率は、85%以上であった。この結果より、本実施形態により所望の3次元造形物が得られることが確認された。

0101

なお、実施例4の光硬化性組成物の代わりに、実施例1〜3、5〜17の光硬化性組成物を使用して、上記手順によって3次元造形物を製造した際にも、表1で測定した各硬化層の物性値と略同様の物性値を示す3次元造形物が得られることが確認された。
つまり、表1の結果と同様に、実施例1〜9の光硬化性組成物より形成される3次元造形物の中でも、実施例4〜9の光硬化性組成物を用いて形成された3次元造形物は優れた透明性を示した。また、実施例10〜17の光硬化性組成物より形成される3次元造形物の中でも、実施例15〜17の光硬化性組成物を用いて形成された3次元造形物は優れた透明性およびガラス転移温度を示した。
一方、比較例1および2の光硬化性組成物を使用した場合は、内部透過率が低く、透明性に劣る3次元造形物しか得られなかった。

実施例

0102

<実施例C>
次に、実施例4に記載の光硬化性組成物を用いて、上述した3次元造形物の製造方法の第2実施形態の方法にて、3次元造形物を製造した。
具体的には、まず、波長385nmの光を出射する光源(10mW/cm2)を備える3DプリンターPico2(AGIGA製)を用いて、光造形法により積層物を得た。Pico2による光造形法は、上述した図5図8で説明した工程Dと同様の手順で実施された。具体的には、図9に示した凸状の積層物22aおよび22bが得られるように、光造形法において、積層物の厚みが10mmとなるまで、厚み25μmの円形状の硬化層を繰り返し積層した。また、各硬化層を形成する際の光照射の露光量は、10mJ/cm2であった。なお、得られた凸状の積層物の最大直径は20mmであった。
次に、得られた2つの積層物の表面に実施例4に記載の光硬化性組成物を塗工し、卓上UV−LEDライト(波長385nm、LED385−SPT、オプトコード株式会社製)を用いて、光硬化性組成物が塗工された2つの積層物を光照射し、塗工された光硬化性組成物を硬化した。光照射の露光量は、18000mJ/cm2であった。なお、本工程では、フォトブリーチング処理も合わせて実施した。つまり、工程Fでの光照射の露光量が3000mJ/cm2以上であった。
次に、図10に示すように、得られた2つの積層物の間に実施例4に記載の光硬化性組成物を介在させて結合させ、卓上UV−LEDライト(波長385nm、LED385−SPT、オプトコード株式会社製)を用いて、結合物を光照射し、3次元造形物を得た。光照射の露光量は、20mJ/cm2であった。
得られた3次元造形物を60℃で6時間加熱した。
形成された3次元造形物は、420〜700nmの波長域での厚み1cmあたりの内部透過率が95%以上であり、ガラス転移温度およびショア硬度も表1で測定した硬化層の値と略同じであった。この結果より、本実施形態により所望の3次元造形物が得られることが確認された。
なお、実施例5の光硬化性組成物の代わりに、実施例1〜3、5〜17の光硬化性組成物を使用して、上記手順によって3次元造形物を製造した際にも、表1で測定した各硬化層の物性値と略同様の物性値を示す3次元造形物が得られることが確認された。

0103

10光硬化性組成物
12液槽
14造形用ステージ
16 底面
18a,18b,18c,18dマスク
20a,20b,20c,20d硬化層
22a,22b積層物
24 結合物

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