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技術 ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料、および特に人工象牙としてのその複合材料の使用、およびその複合材料を製造する方法

出願人 マツクス-プランク-ゲゼルシヤフトツールフエルデルングデルヴイツセンシヤフテンエーフアウ
発明者 フィッシャー,ディーターマンハルト,ヨッヘン
出願日 2018年7月5日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2020-501457
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-528469
状態 未査定
技術分野 高分子物質の処理方法 ピアノ
主要キーワード 合成複合材料 可鍛化 アイボリ OR画像 有機液状媒体 材料表 電界放出銃 有孔プレート
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図面 (8)

課題・解決手段

本発明は少くとも次の工程を含む多目的等方性ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料の製造方法に関する。a)C1−C10アルコール、特にエタノール、水混合可能な別の分散剤、水及びその混合物を含む群から選択した液体媒体中粉末ヒドロキシアパタイトの懸濁液を形成し、b)ゼラチン水溶液を好ましくはゼラチン濃度5-25重量%で懸濁液に加え、c)液体媒体が完全又は部分的に蒸発するまで所定期間、好ましくは1-10時間で、所定温度で混合物を撹拌し、d)任意に、工程cで得た生成物を乾燥させる。実施形態で、方法は、工程cかdで得た生成物に別の工程e1で少くとも1種の脂肪族ポリエーテルを更に浸透させる点を特徴とする。別の実施形態で、方法は工程c、d又はe1で得た生成物を工程e2でゼラチン鎖架橋用の少くとも1種の薬剤に更に接触させる点を特徴とする。発明の別の態様は方法を用いて製造した複合材料、特に人工象牙としてのその使用に関する。

概要

背景

象牙またはアイボリの主成分は、象牙質であり、即ち有機マトリックスおよび無機鉱物ミネラル)からなる石化組織である。象牙質は、60〜70%の炭酸塩カーボナート)含有ヒドロキシアパタイト鉱物)、20%のコラーゲンマトリックス)、および10〜20%の水で構成されている。歯の成長期間中、コラーゲン原線維ヒドロキシアパタイト結晶の間に特別な構造が形成される。さらに、その象牙質は依然としてマイクロチャネルまたは微小流路細管)と交差している。一方、象牙質の構造的組成または構築は、徹底的に調査され解明された(V. Jantou-Morris, M.A. Horton, D.W. McComb, Biomaterials 31 (2010), 5275-5286)。象牙質および類似の複合材料核形成および成長も研究された(Y. Wang, T. Azais, M. Robin, A. Vallee, C. Catania, P. Legriel, G. Pehau-Arnaudet, F. Babonneau, MM Giraud-Guille, N. Nassif, Nature Mater. 11 (2012), 724-733; K. Bleek, A. Taubert, Acta Biomater. 9 (2013), 6283-6321)。

象牙の主な供給源は象のである。さらに、例えば、マンモスセイウチマッコウクジライッカクまたはカバのような哺乳類の牙は、小さい役割しか果たしていない。とりわけ、象牙は美術品製作用の原材料または開始材料として、また鍵盤楽器白鍵用の被覆カバー)として使用される。例えば象牙の色(象牙色)および象牙の軽い加工性のような材料特性は、非常に重要である。種の保護のために、1989年以来、国際的な象牙取引禁止されている(CIES協定)。それにもかかわらず、象はその牙のために密猟によって毎日殺され、象牙が違法販売されている。

このような状況にあるため、特に楽器の鍵またはキー(白鍵)用の、適した代替的材料が既に求められてきた。様々な有機ポリマープラスチック)、その一部は無機フィラー充填剤)を含むもの(米国特許第4346639号、1981年;欧州特許出願公開第0371939号、1988年;欧州特許出願公開第457619号、1990年を参照)、およびセラミック(例えば、独国特許出願公開第19632409号、1996年)、およびカゼイン系の材料(例えば、米国特許第4447268号、1980年)が、代替的材料として記載された。

しかし、有機ポリマーは、楽器の象牙鍵(キー)の技術的要件表面品質吸湿性熱伝導率)を満たしていない。セラミック製の鍵被覆(カバー)を使用すると、細孔サイズおよび熱伝導率を或る限度内に設定できるが、その被覆は、より重く、所望の吸湿性を示さない。

そのため、象牙は依然として楽器の鍵(白鍵)として充分に代替可能なものではなく(代わり得るものがない)、適切な代替材料に対するニーズ需要)が依然として存在する。

最近、抗菌性の鍵被覆にも関心が持たれている。この追加的な要件は、人工被覆によってのみ満たすこともできるが、上述の欠点を有するアクリル樹脂からなるそのような材料は、例えば独国特許第19680977号(2004年)および中国特許出願公開第103483754号(2012年)に開示されている。

種の保護のためには、それに応じて他の全ての象牙製品を代替することも求められる。

概要

本発明は少くとも次の工程を含む多目的等方性ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料の製造方法に関する。a)C1−C10アルコール、特にエタノール、水混合可能な別の分散剤、水及びその混合物を含む群から選択した液体媒体中粉末ヒドロキシアパタイトの懸濁液を形成し、b)ゼラチン水溶液を好ましくはゼラチン濃度5-25重量%で懸濁液に加え、c)液体媒体が完全又は部分的に蒸発するまで所定期間、好ましくは1-10時間で、所定温度で混合物を撹拌し、d)任意に、工程cで得た生成物を乾燥させる。実施形態で、方法は、工程cかdで得た生成物に別の工程e1で少くとも1種の脂肪族ポリエーテルを更に浸透させる点を特徴とする。別の実施形態で、方法は工程c、d又はe1で得た生成物を工程e2でゼラチン鎖架橋用の少くとも1種の薬剤に更に接触させる点を特徴とする。発明の別の態様は方法を用いて製造した複合材料、特に人工象牙としてのその使用に関する。

目的

本発明の主な目的は、特に天然象牙代替品として使用できるが他の適用分野での新しい用途をも提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

等方性ヒドロキシアパタイトゼラチン複合材料を製造する方法であって、a) C1−C10アルコール、特にエタノール、別の水混和性分散剤、水、およびそれらの混合物を含む群から選択された液体媒体中粉末状ヒドロキシアパタイトの懸濁液を形成する工程、b)好ましくは1乃至40重量%の、より好ましくは5乃至25重量%の、ゼラチンの濃度の、ゼラチンの水溶液を、前記懸濁液に加える工程、c) 前記液体媒体が部分的または完全に蒸発するまで、所定の温度で所定の時間期間において、好ましくは1乃至10時間の範囲で、前記混合物を攪拌する工程、d) 任意に、工程c)で得られた生成物を乾燥させる工程、を少なくとも含む方法。

請求項2

工程c)は、工程b)の後に得られた水性有機液体媒体沸点未満の温度で行われるものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項3

工程c)またはd)で得られた前記生成物に、追加的な工程e1)において、少なくとも1種の脂肪族ポリエーテルをさらに浸透させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

工程c)、d)またはe1)で得られた前記生成物を、工程e2)において、前記ゼラチン鎖を架橋するための少なくとも1種の薬剤にさらに接触させることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。

請求項5

前記少なくとも1種の架橋剤は、錯体形成金属塩アルデヒドケトンエポキシドイソシアナートカルボジイミドおよび酵素を含む群から選択されるものであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。

請求項6

前記錯体形成金属塩は、アルミニウムクロム、鉄、チタンジルコニウムモリブデン、および、特にミョウバン、例えば、カリウムミョウバンクロムミョウバン、の塩を含む群から選択されるものであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。

請求項7

e1a) 請求項1における工程c)またはd)で得られた前記生成物を、ポリエーテル/水の混合物を含む媒体に、所定の期間、好ましくは1時間乃至1週間の範囲で、接触させる工程と、e1b) 次いで、前記媒体を、脂肪族ポリエーテルを含むまたは脂肪族ポリエーテルからなる無水媒体置換させ、工程e1a)の後に得られた前記生成物を無水ポリエーテルに、所定の期間、好ましくは1時間乃至数週間の範囲で、接触させる工程と、を少なくとも含む、請求項3乃至6のいずれかに記載の方法。

請求項8

前記ポリエーテルに接触させることは、減圧下または真空下で行われるものであることを特徴とする、請求項3または7に記載の方法。

請求項9

工程c)、d)またはe1)で得られた前記生成物を、所定の期間、好ましくは1時間乃至1週間、架橋剤、特に錯体形成金属塩の溶液、に接触させ、次いで、任意に、前記架橋剤、特に前記金属塩の溶液、を除去し、洗浄した後で前記生成物を乾燥させることを特徴とする、請求項4乃至8のいずれかに記載の方法。

請求項10

工程c)、d)またはe1)で得られた前記生成物の部分領域のみを、前記架橋剤に接触させ、前記部分領域のみにおいて前記ゼラチンマトリックスを架橋させることを特徴とする、請求項4乃至6または9のいずれかに記載の方法。

請求項11

前記複合材料の表面上に、例えばブラシまたは布を用いて、前記架橋剤を繰り返し塗布するまたは付着させることによって表面接触が行われることを特徴とする、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記脂肪族ポリエーテルは、100乃至10,000,000g/mol、好ましくは400乃至4000g/mol、の範囲の分子量を有するものであることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか記載の方法。

請求項13

前記脂肪族ポリエーテルがポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。

請求項14

請求項1乃至13のいずれかに記載の方法によって得ることが可能であり、アモルファスゼラチンマトリックスにランダムに埋め込まれたナノメートル領域の寸法を有するヒドロキシアパタイト粒子を含む等方性ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料。

請求項15

前記ヒドロキシアパタイト粒子は、ナノメートル領域の、典型的には約10×50nmの、寸法を有するヒドロキシアパタイト針を表すまたは含むことを特徴とする、請求項14に記載の複合材料。

請求項16

請求項1乃至13のいずれかに記載の方法によって得ることが可能であり、ヒドロキシアパタイト/ゼラチンマトリックスに埋め込まれた脂肪族ポリエーテル、および/または、架橋されたゼラチン鎖、特に金属錯体を介して架橋された前記ゼラチン鎖における前記アミノ酸酸基、を含む等方性ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料。

請求項17

前記脂肪族ポリエーテルは、100乃至10,000,000g/mol、好ましくは400乃至4000g/mol、の範囲のモル質量を有するものであることを特徴とする、請求項16に記載の複合材料。

請求項18

前記脂肪族ポリエーテルがポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項16または17に記載の複合材料。

請求項19

1:1乃至10:1、好ましくは2:1乃至4:1、特に約3:1、のヒドロキシアパタイト/ゼラチン比を有する50乃至100重量%のヒドロキシアパタイト/ゼラチンマトリックス、0乃至30重量%、好ましくは1乃至10重量%、の残留液体媒体、および任意に、0.5乃至50重量%、好ましくは1乃至25重量%、のポリエーテルからなる組成を有する、請求項14乃至18のいずれかに記載の複合材料。

請求項20

さらに、1種以上の添加剤、特に、顔料染料および蛍光体物質マーキング用の材料、塩、金属粒子ポリマー、例えばポリエチレングリコールの誘導体、特に紫外線硬化性誘導体、ガラス、繊維、例えば、セルロース繊維麻繊維ポリプロピレン繊維炭素繊維中空ガラス繊維、ZnOナノファイバ、または、抗菌成分、例えば、TiO2、Agナノ粒子、を含む群から選択される1種以上の添加剤、を含む、請求項14乃至19のいずれかに記載の複合材料。

請求項21

象牙色である、請求項14乃至20のいずれかに記載の複合材料。

請求項22

人工象牙としての、請求項14乃至21のいずれかに記載の複合材料の使用。

請求項23

鍵盤用の鍵被覆を製造するための、ハンドルグリップ挿入物を製造するための、例えば、スポーツ用品工具およびナイフ時計模型部品玩具事務用品筆記用具食器台所用品装身具衛生用品医薬品、電子部品建築材料建設材料ランプ自動車用インテリア若しくは宝石類用のハンドル/グリップ挿入物を製造するための、または、例えばインテリア家具若しくは眼鏡フレーム用の、例えば木材および他の材料上の、例えばガラス若しくはプラスチック若しくは金属上の、被覆を作製するための、または、水分調整材料としておよびプラスチック代替品としての、請求項14乃至21のいずれかに記載の複合材料の使用。

技術分野

0001

本発明は、ヒドロキシアパタイトゼラチン複合材料、および特に人工象牙としてのその複合材料の使用、およびその複合材料を製造する方法に関する。

背景技術

0002

象牙またはアイボリの主成分は、象牙質であり、即ち有機マトリックスおよび無機鉱物ミネラル)からなる石化組織である。象牙質は、60〜70%の炭酸塩カーボナート)含有ヒドロキシアパタイト(鉱物)、20%のコラーゲンマトリックス)、および10〜20%の水で構成されている。歯の成長期間中、コラーゲン原線維ヒドロキシアパタイト結晶の間に特別な構造が形成される。さらに、その象牙質は依然としてマイクロチャネルまたは微小流路細管)と交差している。一方、象牙質の構造的組成または構築は、徹底的に調査され解明された(V. Jantou-Morris, M.A. Horton, D.W. McComb, Biomaterials 31 (2010), 5275-5286)。象牙質および類似の複合材料の核形成および成長も研究された(Y. Wang, T. Azais, M. Robin, A. Vallee, C. Catania, P. Legriel, G. Pehau-Arnaudet, F. Babonneau, MM Giraud-Guille, N. Nassif, Nature Mater. 11 (2012), 724-733; K. Bleek, A. Taubert, Acta Biomater. 9 (2013), 6283-6321)。

0003

象牙の主な供給源は象のである。さらに、例えば、マンモスセイウチマッコウクジライッカクまたはカバのような哺乳類の牙は、小さい役割しか果たしていない。とりわけ、象牙は美術品製作用の原材料または開始材料として、また鍵盤楽器白鍵用の被覆カバー)として使用される。例えば象牙の色(象牙色)および象牙の軽い加工性のような材料特性は、非常に重要である。種の保護のために、1989年以来、国際的な象牙取引禁止されている(CIES協定)。それにもかかわらず、象はその牙のために密猟によって毎日殺され、象牙が違法販売されている。

0004

このような状況にあるため、特に楽器の鍵またはキー(白鍵)用の、適した代替的材料が既に求められてきた。様々な有機ポリマープラスチック)、その一部は無機フィラー充填剤)を含むもの(米国特許第4346639号、1981年;欧州特許出願公開第0371939号、1988年;欧州特許出願公開第457619号、1990年を参照)、およびセラミック(例えば、独国特許出願公開第19632409号、1996年)、およびカゼイン系の材料(例えば、米国特許第4447268号、1980年)が、代替的材料として記載された。

0005

しかし、有機ポリマーは、楽器の象牙鍵(キー)の技術的要件表面品質吸湿性熱伝導率)を満たしていない。セラミック製の鍵被覆(カバー)を使用すると、細孔サイズおよび熱伝導率を或る限度内に設定できるが、その被覆は、より重く、所望の吸湿性を示さない。

0006

そのため、象牙は依然として楽器の鍵(白鍵)として充分に代替可能なものではなく(代わり得るものがない)、適切な代替材料に対するニーズ需要)が依然として存在する。

0007

最近、抗菌性の鍵被覆にも関心が持たれている。この追加的な要件は、人工被覆によってのみ満たすこともできるが、上述の欠点を有するアクリル樹脂からなるそのような材料は、例えば独国特許第19680977号(2004年)および中国特許出願公開第103483754号(2012年)に開示されている。

0008

種の保護のためには、それに応じて他の全ての象牙製品を代替することも求められる。

先行技術

0009

米国特許第4346639号
欧州特許出願公開第0371939号
欧州特許出願公開第457619号
独国特許出願公開第19632409号
米国特許第4447268号
独国特許第19680977号
中国特許出願公開第103483754号

0010

従って、この背景に対して、本発明の主な目的は、特に天然象牙代替品として使用できるが他の適用分野での新しい用途をも提供する新しい合成複合材料を実現することである。

0011

発明の概要
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の製造方法、および、その方法によって得られる請求項14に記載の等方性ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料によって、達成される。本発明の有利な実施形態および適用例が他の請求項に記載されており、以下の説明でより詳細に説明される。

0012

発明の説明
天然象牙の複数の成分が、本発明による合成手法アプローチ)において使用される。ヒドロキシアパタイト(Ca5[PO4]3OH)およびゼラチンを、溶媒中で直接反応させ、攪拌しながら濃縮する。ゼラチンはコラーゲンの熱加水分解生成物であり、従ってコラーゲンに非常に類似しているが、化学的に実現(生成)するのがより容易である。この合成では、膨潤性ゼラチンマトリックスが形成され、これ(マトリックス)はヒドロキシアパタイトによって安定化され、その特性を調整することができる。

0013

より具体的には、請求項1に記載の製造方法は、少なくとも次の工程(ステップ)を含んでいる。
a)C1−C10アルコール、特にエタノール、別の水混和性分散剤、水、およびそれらの混合物を含む群から選択される(好ましくは極性の)液体媒体中粉末状ヒドロキシアパタイトの懸濁液(Suspension:サスペンション)を形成(作成)または供給する工程;
b)好ましくは1乃至40重量%の、より好ましくは5乃至25重量%の、ゼラチンの濃度の、ゼラチンの水溶液を、その懸濁液に加える工程;
c)その液状媒体が部分的または完全に蒸発するまで、所定の温度で所定の時間期間において、典型的には10分乃至24時間(好ましくは1乃至10時間)の範囲で、その混合物を攪拌する工程;
d)任意に、工程c)で得られた生成物を乾燥させる工程。

0014

その(極性)液状媒体は、好ましくは水ではなく、水混和性分散剤、好ましくはC1−C10アルコール、特にエタノール、またはそのような分散剤と水の混合物である。特に好ましい実施形態では、これは共沸混合物(azeotropes Gemisch)である。

0015

工程b)で加えられるゼラチンの水溶液は、好ましくは1乃至40%、より好ましくは5乃至25%、特に好ましくは約15%、のゼラチン濃度を含んでいる。

0016

原則として、本発明によって使用されるゼラチンの選択は、特に制限されない。しかし、ゼラチンは、典型的には50乃至350の範囲の、好ましくは200乃至350の範囲の、高いブルーム値(Bloomzahl:ブルーム強度)と、典型的には1乃至500(mps)の範囲にある、好ましくは10乃至150mpsの範囲にある、粘度と、典型的には3乃至9の範囲にある、好ましくは4乃至7の範囲にある、pH値と、を有することが、好ましい。

0017

工程b)において、(典型的には40乃至70℃の温度範囲にある)加熱されたゼラチン溶液が、(典型的には40乃至70℃の温度範囲にある)加熱されたヒドロキシアパタイト懸濁液に加えられることが、好ましい。

0018

工程c)において、反応混合物は、典型的には、10分乃至24時間の期間、好ましくは2乃至10時間の期間において、40乃至200℃、好ましくは50乃至60℃、の温度で、攪拌される。

0019

このプロセスの特定の実施形態では、工程c)は、工程b)の後に得られる水性有機液状媒体沸点より低い温度で(適用可能な場合は、共沸混合物の沸点よりも低い温度でも)行われる。

0020

工程d)における乾燥は、材料の量に加えて、温度、水蒸気含有量および周囲の圧力の影響を受ける。それは、空気中(1バール)で、25℃で、相対湿度約45%で、好ましく行われた。真空減圧)乾燥も可能である。

0021

工程d)における乾燥は、完全に(標準条件下(1bar、25℃、相対大気湿度45%)で、更なる重量減少なしで)または部分的にのみ、行うことができる。例えば、その生成物をさらに処理する場合、例えば生成物に浸透処理を行う(infiltriert)場合、部分乾燥が有利であり得る。

0022

溶液からのリン酸カルシウム/ゼラチン複合材料の合成は、文献に記載されている(例えば、T. Kollmann, P. Simon, W. Carrillo-Cabrera, C. Braunbarth, T. Poth, E.V. Rosseeva, R. Kniep, Chem. Mater. 22 (2010), 5137-5153; M. Chul Chang, W.H. Douglas, J. Tanaka, J. Mater. Sci.:Mater. Med. 17 (2006), 387-396)。

0023

しかし、発明者たち既知の全ての刊行物において、象牙の代替品としてのリン酸カルシウム/ゼラチン複合体の使用は知られていない。

0024

その理由は、おそらく、既知の複合材料が、通常、骨代替材料人工骨材料)として意図されているからである。骨の細胞外マトリックスおよび天然象牙は、同様の主成分、即ちヒドロキシアパタイトおよびコラーゲンを有するが、それらの構造的組成または構築(struktureller Aufbau)、従って基本的な物理的特性が、互いに大きく異なる。例えば、細胞外マトリックスの空間的配置は、骨のそれぞれの機能に適合化され、機能的な骨細胞を埋め込むこともできる。この構造またはこれらの特性を有する人工材料は、通常、異方性があり、象牙代替材料としての商業的利用には殆どまたは全く適していない。

0025

さらに、本発明者にとって既知の全ての刊行物では、リン酸カルシウム成分はその場で(in situ)生成される。Ca溶液はリン酸塩溶液と反応し、ゼラチンは無機化または鉱化される(mineralisiert:石化される)。それとは対照的に、本発明によれば、粉末状ヒドロキシアパタイトが直接使用される。実施することがより簡単であることに加えて、粉末状ヒドロキシアパタイトを使用すると、他のカルシウム相に対する副反応がなく、各成分は比較的可変交換可能または置換可能であり、追加的な成分が容易に組み込まれる、という利点が得られる。中国特許第101239202号は、ここに示されたものと類似した反応手順を示しているが、層状構造(laminare Struktur)(骨代替材料)を生成するために層状ヒドロキシアパタイトが使用される(明示的に生成される)。しかし、本発明による手法はその反対方向を目指すものである。生成物中の各成分のランダムな配置は、意図的に形成される。

0026

その合成の目的は、等方性の特性を有する適切な強度を有する均一な複合材料であって、とりわけその膨潤性が調整可能である均一な複合材料、を生成または製造することである。これは、一般的に、本発明による方法によって達成することができる。以下の態様または観点は、合成にとって特に重要である。

0027

一方では、その特性は成分比による影響を受ける可能性があり、他方では、高いブルーム値(これはゲル中での高い機械的強度に対応する)を有するゼラチンおよび高濃度のゼラチン溶液を使用すると、生成物のその強度が増大する。さらに、ゼラチン分子の鎖の長さは、持続時間/温度の増加とともに加水分解によってますます減少するので、化学反応の持続時間または温度を短くまたは低く保つことが有利である。さらに、pHは、好ましくは中性点付近(pH=6〜7)とするべきであろう。

0028

これは、例えば共沸混合物を使用することによって、行うことができる。例えば、水(4.4%)とエタノール(95.6%)の混合物は、78.1℃で共沸する。従って、例えば、水に懸濁したヒドロキシアパタイトの代わりに、エタノールに懸濁したヒドロキシアパタイトを、ゼラチン溶液と反応させた場合、その懸濁液の濃縮をより低い温度でより速く行うことができる。さらに、ゼラチンはさらに希釈されることはない(エタノールに不溶)が、含水量(水含有量)は連続的に減少する。少ない含水量、高いブルーム値、低温での迅速な反応によって、より長いゼラチン分子鎖が維持され、従って生成物がより安定的なものになる。ヒドロキシアパタイト結晶は、ゼラチンマトリックスに、好ましい方向なしで埋め込まれ、それによって等方性の生成物の特性が得られる。

0029

請求項1に記載の方法によって合成された生成物は、天然象牙と比較して増大した吸水率を示す。これは、幾つかの適用例では望ましくない。その膨潤性は熱処理によって低下し得るが、それと同時に、ゼラチンマトリックスも分解し、それによって150℃より高い温度で既に生成物が色になる。

0030

従って、本発明による合成プロセスの好ましい実施形態は、生成物の水分吸収(率)が低減されるまたは既に吸収された水が再び除去されるような別の処理工程を含んでいる。

0031

これの1つの可能性は、脂肪族ポリエーテル、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、による浸透である。PEG(HO(CH2CH2O)n−H)は、広範な様々な分子量のものが入手でき、水溶性無毒であり、抗菌作用を有する。

0032

本発明による粗生成物未加工品、粗製品)は、PEG/水混合物またはPEGを容易に浸透させることができる。その材料は、最初に水を貯蔵し、次にそれ(水分)がPEGで置換され(と交換され)、従って耐久性のある含浸された生成物または製品になる。
また、この浸透を用いて、使用されるPEGポリマーの様々な分子量によって吸水率を調整することができる。

0033

この目的のために、完全に(標準条件下で更なる重量の減少なしで)または不完全に乾燥しただけの材料を使用することができる。その際、浸透によって、同時にその材料が固化もする。

0034

PEG/水の混合物を浸透させたとき、同時に水分吸収率が大幅に減少するので、その材料の寸法安定性も維持される。一方、純水を浸透させると、柔らかいプラスチック(柔らかいゴム状の)生成物が得られる。

0035

原則として、使用される脂肪族ポリエーテル、特にPEG、は、100乃至10,000,000g/mol、好ましくは400乃至4000g/mol、の範囲のモル質量を有する。

0036

本発明による浸透処理は、典型的には、次のような複数の工程の中の少なくとも1つの工程を含んでいる。
請求項1の工程c)またはd)で得られた生成物を、ポリエーテル/水の混合物を含む媒体に、所定の期間、好ましくは1時間乃至1週間の範囲で、接触させ、また、任意にその後で乾燥させる工程;または
請求項1の工程c)またはd)で得られた生成物を、脂肪族ポリエーテルを含むまたは脂肪族ポリエーテルからなる無水媒体に、所定の期間、好ましくは1時間乃至数週間の範囲で、接触させる。

0037

特定のプロセス(処理)の変形例は、ポリエーテルとの接触が減圧下または真空下で行われることを特徴とする。特定のプロセス条件は、特に重要ではなく、定期的なまたは定型的な試験テスト)で専門家によって簡単に最適化できる。例えば、その接触は、圧力10〜500mbarまたは20〜200mbarで、期間1乃至48時間、好ましくは1〜24時間で、行うことができる。

0038

この方法の好ましい実施形態は、少なくとも次のような各工程を含んでいる。
e1a) 請求項1の工程c)またはd)で得られた生成物を、ポリエーテル/水の混合物を含む媒体に、所定の時間期間、好ましくは1時間乃至1週間の範囲で、接触させる工程;および
e1b) 次いで、その媒体を、脂肪族ポリエーテルを含むまたは脂肪族ポリエーテルからなる無水媒体と置換させ、工程e1a)の後に得られた生成物を無水ポリエーテルに、所定の期間、好ましくは1時間乃至数週間の範囲で、接触させる工程。

0039

浸透処理の過程で、生成物の色も白色から象牙色に変わり、それぞれの色の強さは、使用材料および持続時間または期間に応じて決まる。従って、この処理によって、本発明による人工象牙は、ピアノ鍵(白鍵)被覆(キー・カバー)として特に有利になる。

0040

本発明により得られた粗生成物の後処理の別の可能性は、ゼラチン鎖を架橋する(硬化させる)ための少なくとも1種の薬剤(Mittel:化学物質、媒体)と接触させることである。吸水量または吸水率を、このような方法で減らすこともできる。

0041

この少なくとも1種の架橋剤は、錯体形成金属塩(komplexbildendes Metallsalz)、アルデヒドケトンエポキシドイソシアナートカルボジイミドおよび酵素を含む群から選択されることが好ましく、錯体形成金属塩であることが特に好ましい。

0042

錯体形成金属塩は、一般的には特に限定されない。しかし、それは、好ましくは、アルミニウムクロム、鉄、チタンジルコニウムモリブデン、の各種の塩、および特にミョウバン(の塩)、例えば、カリウムミョウバンクロムミョウバン、を含む群から選択される。

0043

ゼラチン鎖におけるアミノ酸酸基酸性基)は、錯体形成金属塩で処理することによって、金属錯体を形成することによって架橋することができ、従って、膨潤性および吸水性(率)も低減または調節することができる。

0044

その架橋は、上述の浸透処理と組み合わせることもできる。

0045

従って、本発明による方法の特定の実施形態は、上述の工程c)、d)またはe1)で得られた生成物を、さらに、工程e2)においてゼラチン鎖を架橋するための少なくとも1種の薬剤に接触させること、を特徴とする。

0046

典型的な実施形態では、工程c)、d)またはe1)で得られた生成物を、所定の期間、好ましくは1時間乃至1週間、架橋剤、好ましくは錯体形成金属塩の溶液、に接触させ、次いで、任意に、その架橋剤、例えばその金属塩溶液、を除去し洗浄した後で、その生成物を乾燥させる。

0047

本発明による方法の別の特定の実施形態は、工程c)、d)またはe1)で得られた生成物の部分領域のみをその架橋剤に接触させ、ゼラチンマトリックスがこの部分領域のみにおいて架橋されること、を特徴とする。

0048

これは、例えば、複合材料の表面上に、例えばブラシまたは布を用いて、架橋剤を繰り返し塗布するまたは付着させることによって表面接触を行わせることによって達成され得る。

0049

本発明による方法の別の特定の実施形態は、本発明による粗生成物が、1つの工程で、浸透され架橋剤と接触させられることを、特徴とする。この変形例では、工程e1)およびe2)が同時にまたは並行して行われる。好ましいプロセスの変形例では、その生成物は、PEG/(好ましくは約1%の)カリウムミョウバン水溶液で処理される。

0050

本発明の別の態様は、本発明によるプロセスによって得ることができる生成物、即ち等方性ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料、に関する。

0051

上述の本発明によるプロセスの工程a)〜d)の後、白い固形生成物が最初に生成され、これは、破壊耐性、吸湿性があり、機械加工可能であり、耐熱性があり、或る条件下では可撓性または柔軟性もある。象牙と同じ成分を使用することによって、この生成物は天然物に非常に近く、また、例えば組込み/埋込みまたは化学反応によって所望の材料特性を最適化するために、合成手順を変えるオプション任意選択性)もある。

0052

例えば、上述のように、脂肪族ポリエーテルをその材料に埋め込むことができ、および/または、ゼラチン鎖を架橋することができる。ポリエーテルの組込みおよび/または適切な架橋剤での処理によって、とりわけ、象牙色の生成物または製品の形成が得られる。さらに、ポリエーテルの組込みおよび/または適切な架橋剤での処理によって、その生成物の感触が改善されもする。既に最初に述べたように、これは、或る適用例にとって、特にピアノの鍵(キー)にとって、非常に重要であり、また、この観点で、本発明による生成物または製品は、合成鍵被覆(キー・カバー)の生成のための通常の象牙代替製品よりも明確な利点を与える。

0053

従って、幾つかの特定の実施形態では、本発明による等方性ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料は、ヒドロキシアパタイト/ゼラチンマトリックスに埋め込まれた脂肪族ポリエーテル、特にPEG、および/または、架橋されたゼラチン鎖、特に金属錯体を介して架橋されたそのゼラチン鎖におけるアミノ酸の酸性基または酸基、を含むこと、を特徴とする。

0054

本発明による材料は、例えばその表面上の、部分領域のみにおいて、架橋するまたはそうでなければ改質する若しくは変性させることもできる。

0055

任意に組み込まれた脂肪族ポリエーテル、特にPEG、は、典型的には、100乃至10,000,000g/mol、好ましくは400乃至4000g/mol、の範囲のモル質量を有する。

0056

本発明による複合材料は、さらに、1種以上の添加剤、特に、顔料染料および蛍光体物質マーキング用の材料(Stoffe:生地織物)、塩、金属粒子、ポリマー、例えばポリエチレングリコール、およびそれらの誘導体(例えば、UV(紫外線)硬化可能な誘導体)、ガラス、繊維(セルロース繊維ポリプロピレン繊維炭素繊維中空ガラス繊維、ZnOナノファイバ麻繊維)、または、抗菌成分、例えば、TiO2、Agナノ粒子、を含んでもよい。

0057

典型的な実施形態では、本発明による等方性ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料は、アモルファスゼラチンマトリックスにランダム(無秩序)に埋め込まれた、ナノメートル領域の、典型的には約5乃至1000nm、好ましくは10乃至900nm、より好ましくは10乃至500nm、例えば10乃至100nmまたは50乃至500nm、の寸法または粒径を有するヒドロキシアパタイト粒子を含むこと、を特徴とする。

0058

好ましい実施形態では、本発明による等方性ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料は、アモルファスゼラチンマトリックスにランダムに埋め込まれたナノメートル領域の、典型的には約10×50nmの、寸法のヒドロキシアパタイト針を含むこと、を特徴とする。

0059

特定の実施形態では、本発明による複合材料は、次のような組成を有する。
1:1乃至10:1、好ましくは2:1乃至4:1、特に約3:1、のヒドロキシアパタイト/ゼラチン比を有する50乃至100重量%のヒドロキシアパタイト/ゼラチンマトリックス、
0乃至30重量%、好ましくは1乃至10重量%、の残留液体媒体、および
任意に、0.5乃至50重量%、好ましくは1乃至25重量%、のポリエーテル。

0060

既に述べたように、本発明による複合材料には、その有利な特性により、特に人工象牙としてだけでなく、他の分野でも、様々な可能性ある用途または使用がある。

0061

また、本発明によれば、黒色顔料を組み込むことによって、象牙の有利な特性をも有する黒鍵被覆を初めて製造することができる。これまでは、例えば黒檀のような暗色の木製の鍵(黒鍵)またはプラスチック鍵がこれに使用されてきた。

0062

従って、本発明の他の態様は、この材料の好ましい使用に関し、例えば、一般的な鍵盤キーボード)用の鍵被覆(キーカバー)を製造するための、ハンドルグリップ挿入物インサート)を製造するための、例えば、スポーツ用品工具およびナイフ時計模型モデル部品玩具、事務(オフィス)用品、筆記用具食器台所用品装身具衣料品アクセサリ)、衛生用品医薬品、電子部品建築材料建設材料ランプ自動車用インテリア若しくは宝石類用のハンドル/グリップ挿入物を製造するための、または、例えばインテリア家具若しくは眼鏡フレーム用の、例えば木材、ガラス、プラスチック若しくは金属上の、被覆(コーティング)を作製(製造)するための、または、より一般的には水分調整材料としておよびプラスチック代替品としての、その材料の使用に関する。

0063

また、或る繊維の埋込みによって、例えば、多孔性、表面粗さおよび安定性のような諸特性を最適化する可能性が、提供される。さらに、或る繊維を、適切な溶媒でその材料から再び除去することもできる。

0064

従って、全種類のプラスチック物品または製品を製造することができ、その製造に石油または可塑剤が必要とされない。

0065

また、多層構造の製品も実現できる。

図面の簡単な説明

0066

図1は、本発明による等方性複合材料の写真を示している。図1Aは、風乾空気乾燥)後のヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合原材料を示している。図1Bは、切断、研磨、PEG浸透の後のその材料を示している。
図2は、ゼラチンマトリックス中にアパタイト結晶を有する材料表面のSEM画像を示している。
図3は、相異なるスケール縮尺)での複合材料のTEM画像を示している。図3Aおよび3Bは、埋め込まれたヒドロキシアパタイト針(典型的な寸法は約10×50nm)を示している。
.
図3Cは、埋め込まれた非針状ヒドロキシアパタイト粒子(最大1000nmのサイズを有するもの)を示している。
図4は、原材料(1)の、PEG−400/水(2)で処理されたまたはPEG/カリウムミョウバン(3)で処理された原材料(1)の、各IR(赤外スペクトルを示している。
図5は、原材料(1)の、PEG−400/水(2)で処理されたまたはPEG/カリウムミョウバン(3)で処理された原材料(1)の、各X線粉末回折図を示している。
図6は、天然象牙(1)と本発明による複合材料(2)との比較のラマン・データを示している。

実施例

0067

以下の例は、本発明をより詳しく説明することを意図しているが、本発明をそれぞれの特定のパラメータおよび条件に限定するものではない。

0068

例1
ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料の調整
(75mlの脱イオンH2O中に10gの)ゼラチン水溶液を、75mlのエタノールまたは水に懸濁させた30gのヒドロキシアパタイトに加え、ビーカ中で、約50℃で攪拌しながら、濃縮した。次いで、その量を空気中で完全に乾燥させた。

0069

図1Aは、空気中で乾燥させた後で上述のようにして得られたヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合原材料を示している。

0070

例2
PEGが埋め込まれたヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料の調製
27gのゼラチンを200gの脱イオン水(純水)に入れ、一晩(16時間)放置した(膨潤させた)。次いで、この量を水槽水浴)中で55℃に加熱し、それによってそれが完全に液体になった。別のビーカにおいて、90gのヒドロキシアパタイトを55℃の210gのエタノールに懸濁させた。次いで、そのゼラチン水溶液をこの懸濁液に撹拌しながらゆっくりと加え、55℃で5時間で濃縮させた。白いその量をプラスチック容器中に注ぎ入れ、約3時間風乾し、次いでその容器から取り出した。次いで、その生成物をさらに最初に空気中で乾燥させ(有孔プレートまたは多孔板相互間で5日間)、次いでオーブン内で100℃で24時間乾燥させた。得られた材料は機械加工することができる。

0071

次いで、その白い生成物に、最初に、PEG−400/H2Oの混合物(1:1)を2日間で浸透させ、次いで純粋なPEG−400を6日間で浸透させた。このようにして得られた象牙色の材料を、次いで、それに応じて切断して研磨した。

0072

図1Bは、切断、研磨およびPEG浸透後の材料を示している。

0073

PEGの貯蔵または保存のための各処理工程は、原材料の製造または生産とは無関係であり、自由に組み合わせることができる。

0074

また、依然として湿潤な原材料へのPEG−400の直接的な浸透によって、安定した生成物が供給された。このプロセス(処理)の変形例には、実現(製造)を高速化できるという利点がある。

0075

例3
架橋剤を用いたヒドロキシアパタイト(HA)/ゼラチン(Gel)複合材料の処理
架橋剤によるその処理の様々な処理変形例では、(例えば、切断された/研磨または粉砕された(geschliffenes))ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料を、1%のカリウムミョウバン水溶液、PEG−400と1%のカリウムミョウバン水溶液からなる1:1混合物、1%のグリオキサール水溶液、または、PEG−400と1%のグリオキサール水溶液からなる1:1混合物、に2日間入れて、次いで空気中で乾燥させた。

0076

架橋のためのその各処理工程は、原材料の調製または既に行われた浸透とは無関係であり、自由に組み合わせることができる。

0077

例4
色素のヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料の調製
それぞれの複合材料は、例1または2と同様に生成された。
その手順書プロトコル)から変更して、0.3gの固体FeCl2、0.1gのジオキサジンバイオレットピグメントバイオレット37、C40H34N6O8)、0.4gのフタロシアニングリーンヘリオジェングリーンPG7、CuC32Cl16-nHnN8)、1gのHAN−ブルー(BaCuSi4O10)、または0.5gのナノAg(20〜40nm)、のいずれかを、ヒドロキシアパタイト懸濁液に加えた。

0078

例5
黒色ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料の調製
60gのヒドロキシアパタイトおよび36gのボーンブラック(Kremer顔料、独国)を、約60℃の180gのエタノールに懸濁させた。次いで、60℃に加熱された(230gの脱イオンH2O中に30gの)ゼラチン水溶液を加え、その混合物を約60℃で6時間かけて撹拌しながらビーカ内で濃縮させた。黒いその量を流出させ、次いで空気中で完全に乾燥させた。次いで、その生成物を100℃でさらに14時間において焼き戻し(getempert:可鍛化し、熱処理し)、次いで必要に応じて処理または加工した。

0079

モールド(型)において濃縮させた後で、相異なる色の各量を一緒注ぐことによって、着色されたパターン/粒/インレイ(Intarsien)も得られた。

0080

例6
本発明によるヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料の特性評価
例1、2または3によって得られたヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合材料が、種々の顕微鏡および分光学検査方法を使用してより詳細に特性評価された。

0081

A.走査電子顕微鏡(SEM
走査電子顕微鏡の画像は、高真空二次電子検出器、24,500倍の拡大率目盛(スケール)を参照)においてツァイス(Zeiss)(独国)製のDSM982ジェミニ( Gemini)顕微鏡を使用して、その複合材料の平坦試料上で撮影された。

0082

図2は、原材料の材料表面のSEM画像を示している。そのゼラチンマトリックス中のアパタイト結晶が見える。

0083

B.透過型電子顕微鏡(TEM)
高解像度透過型電子顕微鏡の画像は、高真空中で、冷電界放出銃およびCETOR画像補正(CEOS社(CEOS Co. Ltd.)製)を備えた200kVのJEOLデバイスARM200F(日本電子株式会社(JEOL Co. Ltd)製)を使用して、超音波で薄く削がれまたは間引かれた(ausgeduennten)その複合材料の試料上で撮影された。長さ目盛(スケール)が各画像に付されている。

0084

図3は、原材料の各部分を異なる倍率で示すTEM画像を示している。アパタイト結晶がアモルファスゼラチンマトリックスに等方的に埋め込まれた状態で見える。図3Aおよび3Bは、埋め込まれたヒドロキシアパタイト針(典型的な寸法は約10×50nm)を示しており、図3Cは、最大1000nmのサイズ(粒径、粒度)を有する非針状のヒドロキシアパタイト粒子を示している。

0085

C.赤外分光法(IR)
赤外線(IR)スペクトルは、ATRユニットスミス検出デュラ−サンプルIIRダイヤモンド(Smith Detection Dura-Sample IIR diamond)を備えたパーキンエルマー(Perkin Elmer)社(米国)製のパーキンエルマー(Perkin Elmer)分光計BX II FT−IRを使用して、その複合材料の平坦な試料上で記録された。400乃至4000cm-1の波数の範囲の透過スペクトルは、1cm-1の分解能を有し、それらのスペクトルの強度は縮尺(スケーリング拡大縮小)された。

0086

図4は、原材料(1)の、PEG−400/水(2)で処理されたまたはPEG/カリウムミョウバン(3)で処理された原材料(1)の、各IRスペクトルを示している。原材料の複数のバンドバンドスペクトル)、および対応する複数の浸透成分の複数のバンドが、全ての事例(場合)において見られる。

0087

D.粉末X線回折法
X線粉末回折図は、パナリティカル社(PANalytical)(蘭国)製のPIXcel 3D検出器を用いた反射におけるブラッグブレンターノ(Bragg-Brentano)幾何学(Cu−Kα放射)の回折計を用いて、複合材料の平坦な試料上で記録された。それらの回折図は、2θにおける10乃至90°の回折角範囲で測定され、それらの強度が拡大縮小(スケーリング)された。

0088

図5は、原材料(1)の、PEG−400/水(2)で処理されたまたはPEG/カリウムミョウバン(3)で処理された原材料(1)の、各X線粉末回折図を示している。全ての事例(場合)において、ヒドロキシアパタイトの各反射が見られ、また、試料3についてはカリウムミョウバンの各反射も見られる。

0089

E.ラマン分光法
ラマンスペクトルは、共焦点幾何学的配置(Geometrie)のホリバ(HORIBA)(独国)製のレーザ顕微鏡ラマン分光計(iHR550分光計、BXFM顕微鏡)を用いて記録された。レーザビーム波長532nm、パワー(出力):10mW)は、対物レンズ(100倍)を使用して平坦な試料上に空気中で集束されまたは焦点が合わされた。

0090

図6は、対応するラマン・データを示している。下の曲線は:天然象牙(1)、上の曲線は:原材料ヒドロキシアパタイト/ゼラチン複合体(2)。

0091

この比較によって、両方の材料のラマンスペクトルがほぼ同じであることが示される。

0092

本出願に記載された本発明の各好ましい実施形態および各特徴は、互いに組み合わせることができる。

0093

特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行い、均等手段を代替物として使用できることは、当業者には明らかであろう。

0094

従って、本発明は、開示された例示的な実施形態に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲内に該当する全ての例示的な実施形態を含むよう意図されている。特に、本発明は、引用された請求項とは関係なく、従属請求項の構成および特徴の保護をも請求するものである。

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