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技術 デュアルモードの放射性トレーサーおよび療法剤

出願人 テクニシェユニバーシタットミュンヘン
発明者 ワーザー,アレクサンデル・ヨーゼフウェスター,ハンス-ユルゲンアイバー,マティアス・ヨハネス
出願日 2018年7月30日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2020-526688
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-528461
状態 未査定
技術分野 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 第5-8族元素を含む化合物及びその製造 第4族元素を含む化合物及びその製造 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード ワークプレイス 質量流束 微細種 標準尺 ライトカートリッジ 同位体交換 第四炭素 予備調整
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、単一分子内に、以下の3つの別個の部分:(a)疾患関連標的分子に結合することが可能な1つまたはそれより多くのリガンド、(b)ケイ素原子フッ素原子との間の共有結合を含む、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分、および(c)1つまたはそれより多くのキレート化基(キレート化された非放射性または放射性カチオンを含有し得る)を含む、リガンド-SIFA-キレーターコンジュゲートに関する。

概要

背景

明細書中、特許出願や製造元マニュアルを含む多数の文書引用されている。これらの文書の開示は、本発明の特許性に関連するとはみなされないが、その全体が参照により組み入れられる。より詳細には、参照される全ての文書は、それぞれ個々の文書が具体的かつ個々に参照により組み入れられると示されているのと同程度に、参照により組み入れられる。

前立腺がん
前立腺がん(PCa)は、この10年にわたり、男性において、高い発生率生存率が低い最も一般的な悪性疾患であり続けている。前立腺がんにおけるその過剰発現のために(Silverら、Clinical Cancer Research 3, 81〜85(1997))、前立腺特異的膜抗原(PSMA)またはグルタミン酸カルボキシペプチダーゼII(GCPII)は、PCaの内部放射線療法およびイメージングのための高感度放射標識薬剤を開発するための優れた標的としてのその適格性が証明されている(Afshar-Oromiehら、European journal of nuclear medicine and molecular imaging 42、197〜209 (2015);Benesovaら、Journal of Nuclear Medicine 56、914〜920(2015);Robuら、Journal of Nuclear Medicine, jnumed.116.178939(2016);Weineisenら、Journal of Nuclear Medicine 55、1083〜1083(2014);Roweら、Prostate cancer and prostatic diseases(2016);Maurerら、Nature Reviews Urology(2016))。前立腺特異的膜抗原は、細胞外ヒドロラーゼであり、その触媒中心は、架橋を形成する水酸基リガンドと共に2つの亜鉛(II)イオンを含む。これは転移性およびホルモン抵抗性前立腺癌において高度にアップレギュレートされるが、腎臓唾液腺小腸、脳で、程度は低いが健康な前立腺組織でも、その生理学的な発現報告されている。腸において、PSMAは、プテロイルポリ−γ−グルタミン酸をプテロイルグルタミン酸塩(葉酸塩)に変換することによって、葉酸塩の吸収を容易にする。脳において、PSMAは、N−アセチル−Lアスパルチル−L−グルタミン酸(NAAG)を、N−アセチル−L−アスパラギン酸およびグルタミン酸に加水分解する。

前立腺特異的膜抗原(PSMA)は、前立腺がんの上皮細胞で高度に過剰発現されるII型膜貫通糖タンパク質である。その名称にもかかわらず、PSMAは、様々な前立腺以外のがん新生血管系でも様々な程度で発現される。PSMA発現が明らかになっている最も一般的な前立腺以外のがんとしては、なかでも特に、乳癌肺癌結腸直腸癌、および腎細胞癌が挙げられる。

PSMA標的分子の一般的な必須構造は、P1’グルタミン酸部分に接続された亜鉛結合基を包囲する結合単位(例えば尿素(Zhouら、Nature Reviews Drug Discovery 4、1015〜1026(2005))、ホスフィン酸またはホスホロアミド酸)を含み、これが、PSMAに対する高親和性および特異性保証し、典型的にはエフェクター官能基にさらに接続されている(Machulkinら、Journal of drug targeting、1〜15(2016))。エフェクター部分は、よりフレキシブルであり、構造改変に対してある程度寛容である。入口のトンネルは、2つの他の中心的な構造的特徴と合っており、これは、リガンド結合にとって重要である。第1の構造的特徴は、アルギニンパッチであり、これは、じょうご型の入口の壁における正電荷を有する領域であり、PSMAのP1位で負電荷を有する官能基が選ばれる機械論的な説明になっている。これは、リガンド−足場内の負電荷残基の好ましい取込みの理由と考えられている。これまでに行われてこなかったPSMAリガンドへの正電荷の作用に関する徹底した分析を行うことによって、本発明者らの知見を得るに至った。結合すると、アルギニン側鎖が協調して再配置されることにより、S1疎水性アクセサリーポケットの開口をもたらすことができ、これは、第2の重要な構造であり、いくつかの尿素ベース阻害剤ヨードベンジル基受け入れることから、そのPSMAへの高親和性に寄与することが示されている(Barinkaら、Journal of medicinal chemistry 51、7737〜7743(2008))。

Zhangらは、二座結合様式に採用できるPSMAの遠隔結合部位発見した(Zhangら、Journal of the American Chemical Society 132、12711〜12716(2010))。いわゆるアレーン結合部位は、Arg463、Arg511およびTrp541の側鎖によって形作られる単純な構造的モチーフであり、GCPII入口のふたの一部である。アレーン結合部位と遠位阻害剤部分とがかみ合うと、結合活性作用によりPSMAへの阻害剤親和性を実質的に増加させることができる。結合様式の結晶構造分析が入手できていないにもかかわらず、この方法でPSMAと相互作用させる意図でPSMA I&Tが開発された。Zhangらによる必須の特徴は、リンカー単位(PSMA I&Tの場合はスベリン酸)であり、これは、GCPIIの入口のふたが開いたコンフォメーションを助長し、それによってアレーン結合部位の接近しやすさを有効にする。さらに、リンカーの構造的組成が、腫瘍標的化および生物学的活性に加えて、高いイメージング品質と効率的な標的化内部放射線療法の両方にとって重要な特性であるイメージングのコントラスト薬物動態学にも顕著な影響を与えることが示された(Liuら、Bioorganic & medicinal chemistry letters 21, 7013〜7016(2011))。

現在、PSMA標的阻害剤の2つのカテゴリーが臨床条件に使用されている。一方のカテゴリーは、放射性核種複合体化のためのキレート化単位、例えばPSMA I&Tまたは関連化合物と共にトレーサーが存在するものである(Kiessら、The quarterly journal of nuclear medicine and molecular imaging 59、241(2015))。他方のものは、標的化単位およびエフェクター分子を含む小分子が存在するものである。

選択的なPSMAイメージングに最も頻繁に使用される薬剤は、PSMA HBED−CC(Ederら、Bioconjugate chemistry 23, 688〜697(2012))、PSMA−617(Benesovaら、Journal of Nuclear Medicine 56、914〜920(2015))およびPSMA I&T(Weineisenら;Journal of Nuclear Medicine 55、1083〜1083(2014))、であり、これらは、68Gaで優勢に標識される(88.9%β+、Eβ+,max=1.89MeV、t1/2=68分)。これらのなかでも、68Ga−PSMA−HBED−CC(68Ga−PSMA−11としても公知)が、これまでPCaのPETイメージングのための代表的存在とみなされている。

18F標識
近年、いくつかのグループが、PCa診断のための新規の18F標識尿素ベースの阻害剤の開発に注力している。商業的に分配された68Ge/68Ga放射性核種発生器から得ることができる放射性金属68Ga(68Ge;t1/2=270.8d)とは対照的に、放射線同位体18F−フッ化物(96.7%β+、Eβ+,max=634keV)は、その生産のためにその場でのサイクロトロンを必要とする。この限界にもかかわらず、18Fは、そのより長い半減期(t1/2=109.8分)およびそのより低い陽電子エネルギーのために、日常的な取り扱いおよび画像品質に関して顕著な利点を提供する。加えて、サイクロトロンでの大規模生産の可能性があり、これ、より高い患者処理能力および生産コスト低減にとって有益と予想される。18F標識尿素ベースのPSMA阻害剤である18F−DCFPylは、原発性および転移性PCaの検出において有望な結果を示し(Roweら、Molecular Imaging and Biology、1〜9(2016))、さらに比較研究において68Ga−PSMA−HBED−CCのほうが優れていることを示した(Dietleinら、Molecular Imaging and Biology 17、575〜584(2015))。近年、PSMA−617の構造に基づき、匹敵する腫瘍対臓器比率を示す18F標識類似体PSMA−1007が開発された(Cardinaleら、Journal of nuclear medicine:official publication、Society of Nuclear Medicine 58、425〜431(2017);Gieselら、European journal of nuclear medicine and molecular imaging 43、1929〜1930(2016))。68Ga−PSMA−HBED−CCとの比較研究から、両方のトレーサーが類似の診断精度を有し、18F−PSMA−1007の尿クリアランスが低下したことが解明され、これは、前立腺のより優れた評価を可能にする(Gieselら、European journal of nuclear medicine and molecular imaging 44、678〜688(2017))。

18F標識を導入するための魅力的アプローチは、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)の使用である。フッ化ケイ素アクセプターは、例えば、Lindnerら、Bioconjugate Chemistry 25、738〜749(2014)で説明されている。フッ化ケイ素の結合を保存するために、フッ化ケイ素アクセプターの使用は、ケイ素(silicone、シリコーン原子周り空間配置的に要求される基の必要性を導入する。これは順に、フッ化ケイ素アクセプターを高度に疎水性にする。標的分子、特定にはPSMAである標的分子への結合に関して、フッ化ケイ素(silicone fluoride、シリコーンフッ化物)アクセプターによって提供される疎水性部分は、放射線診断剤または放射線療法化合物と、Zhangら、Journal of the American Chemical Society 132, 12711〜12716(2010)に記載される疎水性ポケットとの相互作用を確立する目的のために活用することができる。それでもなお、結合以前の問題として、分子に導入されるより高度な親油性が、インビボで好適な生体内分布を有する、すなわち非標的組織での非特異的な結合が少ない放射性医薬の開発に関連する重大な問題をもたらしている。

疎水性問題解決の失敗
先行技術において、多くの試みにもかかわらず、フッ化ケイ素アクセプターによって引き起こされる疎水性問題は満足がいくほど解決されていない。

さらに説明するために、Schirrmacher E.ら(Bioconjugate Chem. 2007、18、2085〜2089)は、フッ化ケイ素アクセプターの一例である極めて有効な標識シントンであるp−(ジ−tert−ブチルフルオロシリルベンズアルデヒド([18F]SIFA−A)を使用して、異なる18F標識ペプチドを合成した。SIFA技術は、予想外の効率的な同位体19F−18F交換をもたらし、HPLC精製を適用することなく、ほぼ定量可能な収量で18F−シントンを、225〜680GBq/μmol(6081〜18378Ci/mmol)の高い特異的活性で生じた。最終的に[18F]SIFA−ベンズアルデヒドを使用して、N末端アミノオキシ(N−AO)誘導体化ペプチドであるAO−Tyr3−オクトレオテート(AO−TATE)、シクロ(fK(AO−N)RGD)およびN−AO−PEG2−[D−Tyr−Gln−Trp−Ala−Val−Ala−His−Thi−Nle−NH2](AO−BZH3、ボンベシン誘導体)を高い放射化学的収量で標識した。それにもかかわらず、標識ペプチドは高度に親油性であり(この論文に記載された条件を使用したHPLC保持時間から得ることができるものとして)、したがって動物モデルまたはヒトでのさらなる評価には不適切である。

Wangler C.ら(Bioconjugate Chem.、2009、20(2)、317〜321頁)において、タンパク質ラット血清アルブミン、RSA)の最初のSIFAベースのKit様放射性フッ素化が記載されている。標識剤として、4−(ジ−tert−ブチル[18F]フルオロシリル)ベンゼンチオール(Si[18F]FA−SH)を、簡単な同位体交換によって40〜60%の放射化学的収量(RCY)で生産し、20〜30分以内に生成物マレイミド誘導体血清アルブミンに12%の全RCYで直接カップリングした。この技術的に簡単な標識手順は、いかなる手の込んだ精製手順を必要とせず、PETを用いたインビボでのイメージングのためのSi−18F化学適用の複雑でない成功例である。時間−活性曲線およびマウスのμPET画像は、活性のほとんどが肝臓局在化されたことを示し、したがってこれは、この標識剤は親油性が高すぎること、およびインビボでプローブ肝胆汁排出と徹底した肝臓代謝方向付けることを実証している。

その後Wangler C.ら(Bioconjug Chem. 2010年12月15日;21(12):2289〜96を参照)は、新しいSIFA−オクトレオテート類似体(SIFA−Tyr3−オクトレオテート、SIFA−Asn(AcNH−β−Glc)−Tyr3−オクトレオテートおよびSIFA−Asn(AcNH−β−Glc)−PEG−Tyr3−オクトレオテート)を合成して評価することによって、SIFA技術の主要な欠点である得られた放射性医薬の高い親油性を克服することを試みた。これらの化合物では、ペプチドと、SIFA部分、すなわち炭水化物およびPEGリンカーに加えて炭水化物との間に、親水性リンカーおよび薬物動態調節剤が導入された。コンジュゲートの親油性の尺度としてlogP(ow)を決定したところ、SIFA−Asn(AcNH−β−Glc)−PEG−Tyr3−オクトレオテートでは0.96、およびSIFA−Asn(AcNH−β−Glc)−Tyr3−オクトレオテートでは1.23であることが見出された。これらの結果から、SIFA部分の高い親油性は、親水性部分を適用することによってわずかしか相殺できないことが示される。第1のイメージング研究から過剰な肝臓クリアランス/肝臓での取込みが実証されたため、第1のヒトでの研究に移行することはなかった。

Bernard-Gauthierら(Biomed Res Int.2014;2014:454503)は、低分子補欠分子団や他の低分子量化合物から標識ペプチド、ごく最近ではアフィボディ分子に至る文献で報告されたおびただしい量の様々なSIFA種について総論している。これらのデータに基づいて、SIFAベースの置換基の親油性の問題は、まだ解決されておらず、すなわちSIFAコンジュゲートペプチドの全体の親油性をおよそ−2.0より低いlogDに低下させる手法はまだ説明されていない。

Lindner S.ら(Bioconjug Chem.2014年4月16日;25(4):738〜49)において、特異的なGRP受容体リガンドとしてのペグ化ボンベシン(PESIN)誘導体および特異的なαvβ3バインダーとしてRGD(アルギニン−グリシン−アスパラギン酸の1文字コード)ペプチドを合成し、ケイ素−フッ素−アクセプター(SIFA)部分でタグ付けしたことが記載されている。SIFA部分の高い親油性を相殺するために様々な親水性構造改変を導入したところ、logD値が低下した。SIFA−Asn(AcNH−β−Glc)−PESIN、SIFA−Ser(β−Lac)−PESIN、SIFA−Cya−PESIN、SIFA−LysMe3−PESIN、SIFA−γ−カルボキシ−d−Glu−PESIN、SIFA−Cya2−PESIN、SIFA−LysMe3−γ−カルボキシ−d−Glu−PESIN、SIFA−(γ−カルボキシ−d−Glu)2−PESIN、SIFA−RGD、SIFA−γ−カルボキシ−d−Glu−RGD、SIFA−(γ−カルボキシ−d−Glu)2−RGD、SIFA−LysMe3−γ−カルボキシ−d−Glu−RGD。これらのペプチドの全てを親油性を低下させる目的で予め改善および誘導体化したところ、+2〜−1.22の範囲のlogD値を示した。

Niedermoser S.ら(J Nucl Med. 2015年7月;56(7):1100〜5)において、新たに開発された18F−SIFA−および18F−SIFAlin−(SIFA=フッ化ケイ素アクセプター)で改変されたTATE誘導体を、ソマトスタチン受容体を保持する腫瘍の高品質イメージングについて、現状で臨床上最も代表的な68Ga−DOTATATEと比較した。この目的のために、18F−SIFA−TATEおよび2つの極めて複雑な類似体、18F−SIFA−Glc−PEG1−TATE、18F−SIFAlin−Glc−Asp2−PEG1−TATEを開発した。logD<−1.5を示した薬剤はなかった。

概要

本発明は、単一分子内に、以下の3つの別個の部分:(a)疾患関連の標的分子に結合することが可能な1つまたはそれより多くのリガンド、(b)ケイ素原子フッ素原子との間の共有結合を含む、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分、および(c)1つまたはそれより多くのキレート化基(キレート化された非放射性または放射性カチオンを含有し得る)を含む、リガンド-SIFA-キレーターコンジュゲートに関する。なし

目的

この限界にもかかわらず、18Fは、そのより長い半減期(t1/2=109.8分)およびそのより低い陽電子エネルギーのために、日常的な取り扱いおよび画像品質に関して顕著な利点を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

単一分子内に、以下の3つの別個の部分:(a)疾患関連標的分子に結合することが可能な1つまたはそれより多くのリガンド、(b)ケイ素原子フッ素原子との間の共有結合を含む、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分、および(c)キレート化された非放射性または放射性カチオンを任意に含有し得る、1つまたはそれより多くのキレート化基を含む、リガンド−SIFA−キレーターコンジュゲート

請求項2

前記リガンドが、前立腺特異的膜抗原(PSMA)に結合することが可能である、請求項1に記載のコンジュゲート。

請求項3

前記フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分が、式(I):(式中、R1SおよびR2Sは、独立して、直鎖状または分岐状のC3〜C10アルキル基であり;R3Sは、C1〜C20炭化水素基であり、該炭化水素基は、1つまたはそれより多くの芳香族および/もしくは脂肪族単位、ならびに/またはOおよびSから選択される最大3個のヘテロ原子を含み;ここで該SIFA部分は、で示される結合を介してコンジュゲートの残りに付着されている)で表される構造を有する、請求項1または2に記載のコンジュゲート。

請求項4

前記フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分が、式(Ia):(式中、t−Buは、tert−ブチル基を示す)で表される構造を有する、請求項3に記載のコンジュゲート。

請求項5

前記キレート化基が、(i)8〜20個の環原子を有する大環状環構造であって、該環原子のうち2個またはそれより多くは、酸素原子および窒素原子から選択されるヘテロ原子である、大環状環構造;(ii)8〜20個の主鎖原子を有する非環式開鎖キレート化構造であって、該主鎖原子のうち2個またはそれより多くは、酸素原子および窒素原子から選択されるヘテロ原子である、開鎖キレート化構造;または(iii)第四炭素原子を含有する分岐状のキレート化構造の少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項6

前記キレート化基が、ビスカルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(CBTE2a)、シクロヘキシル−1,2−ジアミン四酢酸(CDTA)、4−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−1−イル)−メチル安息香酸(CPTA)、N’−[5−[アセチルヒドロキシアミノペンチル]−N−[5−[[4−[5−アミノペンチル−(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル]アミノ]ペンチル]−N−ヒドロキシブタンジアミドDFO)、4,11−ビス(カルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(DO2A)1,4,7,10−テトラシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)、α−(2−カルボキシエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTAGA)、1,4,7,10テトラアザシクロドデカンN,N’,N’’,N’’’1,4,7,10−テトラメチレンホスホン酸(DOTMP)、N,N’−ジピリドキシルエチレンジアミン−N,N’−ジアセテート−5,5’−ビス(リン酸)(DPDP)、ジエチレントリアミンN,N’,N’’ペンタ(メチレン)ホスホン酸(DTMP)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、エチレンジアミン−Ν,Ν’−四酢酸(EDTA)、エチレングリコール−O,O−ビス(2−アミノエチル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、N,N−ビス(ヒドロキシベンジル)−エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(HBED)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸HEDTA)、1−(p−ニトロベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロデカン−4,7,10−トリアセテート(HP−DOA3)、6−ヒドラジニル−N−メチルピリジン−3−カルボキサミド(HYNIC)、テトラ3−ヒドロキシ−N−メチル−2−ピリジノンキレーター(4−((4−(3−(ビス(2−(3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシアミドエチル)アミノ)−2−((ビス(2−(3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシアミド)エチル)アミノ)メチル)プロピルフェニル)アミノ)−4−オキソブタン酸)、Me−3,2−HOPOと略記されるもの、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−コハク酸−4,7−二酢酸(NODASA)、1−(1−カルボキシ−3−カルボキシプロピル)−4,7−(カルボキシ)−1,4,7−トリアザシクロノナン(NODAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、4,11−ビス(カルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(TE2A)、1,4,8,11−テトラアザシクロドデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、トリス(ヒドロキシピリジノン)(THP)、ターピリジン−ビス(メチレンアミン四酢酸(TMT)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−トリス[メチレン(2−カルボキシエチル)ホスフィン酸](TRAP)、1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(TRITA)、3−[[4,7−ビス[[2−カルボキシエチル(ヒドロキシ)ホスホリル]メチル]−1,4,7−トリアゾナン−1−イル]メチル−ヒドロキシ−ホスホリル]プロパン酸、およびトリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)から選択される、請求項5に記載のコンジュゲート。

請求項7

前記キレート化基が、1,4,7,10−テトラシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)、α−(2−カルボキシエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTAGA)または1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−トリス[メチレン(2−カルボキシエチル)ホスフィン酸](TRAP)である、請求項5に記載のコンジュゲート。

請求項8

前記キレーターが、43Sc、44Sc、47Sc、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、90Y、111In、149Tb、152Tb、155Tb、161Tb、166Ho、177Lu、186Re、188Re,212Pb、212Bi、213Bi、225Ac、および227Thのカチオンから選択されるキレート化されたカチオン、または18Fを含むカチオン性分子を含有する、請求項5に記載のコンジュゲート。

請求項9

前記SIFAのフッ素原子が、18Fである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項10

式(III):[式中、SIFAは、ケイ素原子とフッ素原子との間の共有結合を含む、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分であり;mは、2〜6の整数であり;nは、2〜6の整数であり;R1Lは、CH2、NHまたはOであり;R3Lは、CH2、NHまたはOであり;R2Lは、CまたはP(OH)であり;X1は、アミド結合エーテル結合チオエーテル結合エステル結合チオエステル結合尿素架橋、およびアミン結合から選択され;X2は、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、尿素架橋、およびアミン結合から選択され;L1は、オリゴアミドオリゴエーテルオリゴチオエーテルオリゴエステル、オリゴチオエステル、オリゴ尿素、オリゴ(エーテルアミド)、オリゴ(チオエーテル−アミド)、オリゴ(エステル−アミド)、オリゴ(チオエステル−アミド)、オリゴ(尿素−アミド)、オリゴ(エーテル−チオエーテル)、オリゴ(エーテル−エステル)、オリゴ(エーテル−チオエステル)、オリゴ(エーテル−尿素)、オリゴ(チオエーテル−エステル)、オリゴ(チオエーテル−チオエステル)、オリゴ(チオエーテル−尿素)、オリゴ(エステル−チオエステル)、オリゴ(エステル−尿素)、およびオリゴ(チオエステル−尿素)から選択される構造を有する2価の結合基であり、L1は、任意選択で、−OH、−OCH3、−COOH、−COOCH3、−NH2、および−NHC(NH)NH2から独立して選択される1つまたはそれより多くの置換基置換されていてもよく;X3は、アミド結合、エステル結合、エーテル、およびアミンから選択され;RBは、3価のカップリング基であり;X4は、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、尿素架橋、アミン結合、式:の結合基(ここで、で示されるアミド結合は、前記キレート化基と共に形成され、で示される他方の結合は、RBに結合している)、および式:の結合基(ここで、カルボニル末端におけるで示される結合は、前記キレート化基と共に形成され、で示される他方の結合は、RBに結合している)から選択され;RCHは、キレート化された放射性または非放射性カチオンを含有していてもよいキレート化基である]の化合物またはその医薬的に許容される塩である、請求項2〜9のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項11

−X1−L1−X2−が、以下の構造(L−1)および(L−2):−NH−C(O)−R6−C(O)−NH−R7−NH−C(O)−(L−1)−C(O)−NH−R8−NH−C(O)−R9−C(O)−NH−R10−NH−C(O)−(L−2){式中、R6〜R10は、独立して、C2〜C10アルキレンから選択され、該アルキレン基はそれぞれ、−OH、−OCH3、−COOH、−COOCH3、−NH2、および−NHC(NH)NH2から独立して選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよい}のうち一方を表すか、または−X1−L1−X2−は、以下の構造(L−3)および(L−4):−NH−C(O)−R11−C(O)−NH−R12−CH(COOH)−NH−C(O)−(L−3)−C(O)−NH−CH(COOH)−R13−NH−C(O)−R14−C(O)−NH−R15−CH(COOH)−NH−C(O)−(L−4){式中、R11〜R15は、独立して、C2〜C8アルキレンから選択される}のうち一方を表す、請求項10に記載のコンジュゲート。

請求項12

RBが、式(IV):[式中、Aは、N、CR16(ここでR16はHまたはC1〜C6アルキルである)、および5〜7員環炭素環式または複素環式基から選択され;(CH2)aにおけるで示される結合は、X2と共に形成され、aは、0〜4の整数であり;(CH2)bにおけるで示される結合は、X3と共に形成され、bは、0〜4の整数であり;(CH2)cにおけるで示される結合は、X4と共に形成され、cは、0〜4の整数である]で表される構造を有する、請求項10または11に記載のコンジュゲート。

請求項13

式(IIIa):[式中、mは、2〜6の整数であり;nは、2〜6の整数であり;bは、0〜4の整数であり;cは、0〜4の整数であり;R1Lは、CH2、NHまたはOであり;R3Lは、CH2、NHまたはOであり;R2Lは、CまたはP(OH)であり;X1は、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、尿素架橋、およびアミン結合から選択され;L1は、オリゴアミド、オリゴエーテル、オリゴチオエーテル、オリゴエステル、オリゴチオエステル、オリゴ尿素、オリゴ(エーテル−アミド)、オリゴ(チオエーテル−アミド)、オリゴ(エステル−アミド)、オリゴ(チオエステル−アミド)、オリゴ(尿素−アミド)、オリゴ(エーテル−チオエーテル)、オリゴ(エーテル−エステル)、オリゴ(エーテル−チオエステル)、オリゴ(エーテル−尿素)、オリゴ(チオエーテル−エステル)、オリゴ(チオエーテル−チオエステル)、オリゴ(チオエーテル−尿素)、オリゴ(エステル−チオエステル)、オリゴ(エステル−尿素)、およびオリゴ(チオエステル−尿素)から選択される構造を有する2価の結合基であり、L1は、任意選択で、−OH、−OCH3、−COOH、−COOCH3、−NH2、および−NHC(NH)NH2から独立して選択される1つまたはそれより多くの置換基で置換されていてもよく;X4は、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、尿素架橋、アミン結合、式:の結合基(ここで、で示されるアミド結合は、前記キレート化基と共に形成される)、および式:の結合基(ここで、カルボニル末端におけるで示される結合は、前記キレート化基と共に形成される)から選択され;RCHは、キレート化された放射性または非放射性カチオンを任意に含有し得るキレート化基である]の化合物またはその医薬的に許容される塩である、請求項10〜12のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項14

前記コンジュゲートが、キレート化された非放射性または放射性カチオンを任意選択で含有し得る、からなる群から選択される化合物、および医薬的に許容される塩、ならびにそれらの個々の異性体であり、前記フッ素原子が、任意選択で18Fである、請求項2〜13のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項15

請求項1〜14のいずれか一項に記載の1つ以上のコンジュゲートまたは化合物を含むか、またはそれからなる医薬または診断用組成物

請求項16

がん診断剤または造影剤として使用するための、請求項1〜15のいずれか一項に記載のコンジュゲート、化合物または組成物

請求項17

請求項1〜15のいずれか一項に記載のコンジュゲート、化合物または組成物を、それを必要とする患者投与することを含む、がんをイメージングおよび/または診断する方法。

請求項18

がんの処置において使用するための、請求項1〜15のいずれか一項に記載のコンジュゲート、化合物または組成物。

請求項19

血管新生/血管新生の診断、イメージングまたは予防のための、請求項1〜15のいずれか一項に記載のコンジュゲート、化合物または組成物。

請求項20

がん診断剤または造影剤として使用するための、またはがんの処置において使用するための、請求項2〜15のいずれか一項に記載のコンジュゲート、化合物または組成物であって、該がんは、前立腺癌乳癌肺癌結腸直腸癌または腎細胞癌である、コンジュゲート、化合物または組成物。

技術分野

0001

本発明は、単一分子内に、(a)疾患関連標的分子に結合することが可能な1つまたはそれより多くのリガンド、(b)ケイ素原子フッ素原子との間の共有結合を含み、19Fの18Fでの同位体交換によって18Fで標識できるかまたは18Fで標識されている、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分、および(c)キレート化された非放射性または放射性カチオンを含有していてもよい、1つまたはそれより多くのキレート化基を含む、リガンド−SIFA−キレーターコンジュゲートに関する。

背景技術

0002

明細書中、特許出願や製造元マニュアルを含む多数の文書引用されている。これらの文書の開示は、本発明の特許性に関連するとはみなされないが、その全体が参照により組み入れられる。より詳細には、参照される全ての文書は、それぞれ個々の文書が具体的かつ個々に参照により組み入れられると示されているのと同程度に、参照により組み入れられる。

0003

前立腺がん
前立腺がん(PCa)は、この10年にわたり、男性において、高い発生率生存率が低い最も一般的な悪性疾患であり続けている。前立腺がんにおけるその過剰発現のために(Silverら、Clinical Cancer Research 3, 81〜85(1997))、前立腺特異的膜抗原(PSMA)またはグルタミン酸カルボキシペプチダーゼII(GCPII)は、PCaの内部放射線療法およびイメージングのための高感度放射標識薬剤を開発するための優れた標的としてのその適格性が証明されている(Afshar-Oromiehら、European journal of nuclear medicine and molecular imaging 42、197〜209 (2015);Benesovaら、Journal of Nuclear Medicine 56、914〜920(2015);Robuら、Journal of Nuclear Medicine, jnumed.116.178939(2016);Weineisenら、Journal of Nuclear Medicine 55、1083〜1083(2014);Roweら、Prostate cancer and prostatic diseases(2016);Maurerら、Nature Reviews Urology(2016))。前立腺特異的膜抗原は、細胞外ヒドロラーゼであり、その触媒中心は、架橋を形成する水酸基リガンドと共に2つの亜鉛(II)イオンを含む。これは転移性およびホルモン抵抗性前立腺癌において高度にアップレギュレートされるが、腎臓唾液腺小腸、脳で、程度は低いが健康な前立腺組織でも、その生理学的な発現報告されている。腸において、PSMAは、プテロイルポリ−γ−グルタミン酸をプテロイルグルタミン酸塩(葉酸塩)に変換することによって、葉酸塩の吸収を容易にする。脳において、PSMAは、N−アセチル−Lアスパルチル−L−グルタミン酸(NAAG)を、N−アセチル−L−アスパラギン酸およびグルタミン酸に加水分解する。

0004

前立腺特異的膜抗原(PSMA)は、前立腺がんの上皮細胞で高度に過剰発現されるII型膜貫通糖タンパク質である。その名称にもかかわらず、PSMAは、様々な前立腺以外のがん新生血管系でも様々な程度で発現される。PSMA発現が明らかになっている最も一般的な前立腺以外のがんとしては、なかでも特に、乳癌肺癌結腸直腸癌、および腎細胞癌が挙げられる。

0005

PSMA標的分子の一般的な必須構造は、P1’グルタミン酸部分に接続された亜鉛結合基を包囲する結合単位(例えば尿素(Zhouら、Nature Reviews Drug Discovery 4、1015〜1026(2005))、ホスフィン酸またはホスホロアミド酸)を含み、これが、PSMAに対する高親和性および特異性保証し、典型的にはエフェクター官能基にさらに接続されている(Machulkinら、Journal of drug targeting、1〜15(2016))。エフェクター部分は、よりフレキシブルであり、構造改変に対してある程度寛容である。入口のトンネルは、2つの他の中心的な構造的特徴と合っており、これは、リガンド結合にとって重要である。第1の構造的特徴は、アルギニンパッチであり、これは、じょうご型の入口の壁における正電荷を有する領域であり、PSMAのP1位で負電荷を有する官能基が選ばれる機械論的な説明になっている。これは、リガンド−足場内の負電荷残基の好ましい取込みの理由と考えられている。これまでに行われてこなかったPSMAリガンドへの正電荷の作用に関する徹底した分析を行うことによって、本発明者らの知見を得るに至った。結合すると、アルギニン側鎖が協調して再配置されることにより、S1疎水性アクセサリーポケットの開口をもたらすことができ、これは、第2の重要な構造であり、いくつかの尿素ベース阻害剤ヨードベンジル基受け入れることから、そのPSMAへの高親和性に寄与することが示されている(Barinkaら、Journal of medicinal chemistry 51、7737〜7743(2008))。

0006

Zhangらは、二座結合様式に採用できるPSMAの遠隔結合部位発見した(Zhangら、Journal of the American Chemical Society 132、12711〜12716(2010))。いわゆるアレーン結合部位は、Arg463、Arg511およびTrp541の側鎖によって形作られる単純な構造的モチーフであり、GCPII入口のふたの一部である。アレーン結合部位と遠位阻害剤部分とがかみ合うと、結合活性作用によりPSMAへの阻害剤親和性を実質的に増加させることができる。結合様式の結晶構造分析が入手できていないにもかかわらず、この方法でPSMAと相互作用させる意図でPSMA I&Tが開発された。Zhangらによる必須の特徴は、リンカー単位(PSMA I&Tの場合はスベリン酸)であり、これは、GCPIIの入口のふたが開いたコンフォメーションを助長し、それによってアレーン結合部位の接近しやすさを有効にする。さらに、リンカーの構造的組成が、腫瘍標的化および生物学的活性に加えて、高いイメージング品質と効率的な標的化内部放射線療法の両方にとって重要な特性であるイメージングのコントラスト薬物動態学にも顕著な影響を与えることが示された(Liuら、Bioorganic & medicinal chemistry letters 21, 7013〜7016(2011))。

0007

現在、PSMA標的阻害剤の2つのカテゴリーが臨床条件に使用されている。一方のカテゴリーは、放射性核種複合体化のためのキレート化単位、例えばPSMA I&Tまたは関連化合物と共にトレーサーが存在するものである(Kiessら、The quarterly journal of nuclear medicine and molecular imaging 59、241(2015))。他方のものは、標的化単位およびエフェクター分子を含む小分子が存在するものである。

0008

選択的なPSMAイメージングに最も頻繁に使用される薬剤は、PSMA HBED−CC(Ederら、Bioconjugate chemistry 23, 688〜697(2012))、PSMA−617(Benesovaら、Journal of Nuclear Medicine 56、914〜920(2015))およびPSMA I&T(Weineisenら;Journal of Nuclear Medicine 55、1083〜1083(2014))、であり、これらは、68Gaで優勢に標識される(88.9%β+、Eβ+,max=1.89MeV、t1/2=68分)。これらのなかでも、68Ga−PSMA−HBED−CC(68Ga−PSMA−11としても公知)が、これまでPCaのPETイメージングのための代表的存在とみなされている。

0009

18F標識
近年、いくつかのグループが、PCa診断のための新規の18F標識尿素ベースの阻害剤の開発に注力している。商業的に分配された68Ge/68Ga放射性核種発生器から得ることができる放射性金属68Ga(68Ge;t1/2=270.8d)とは対照的に、放射線同位体18F−フッ化物(96.7%β+、Eβ+,max=634keV)は、その生産のためにその場でのサイクロトロンを必要とする。この限界にもかかわらず、18Fは、そのより長い半減期(t1/2=109.8分)およびそのより低い陽電子エネルギーのために、日常的な取り扱いおよび画像品質に関して顕著な利点を提供する。加えて、サイクロトロンでの大規模生産の可能性があり、これ、より高い患者処理能力および生産コスト低減にとって有益と予想される。18F標識尿素ベースのPSMA阻害剤である18F−DCFPylは、原発性および転移性PCaの検出において有望な結果を示し(Roweら、Molecular Imaging and Biology、1〜9(2016))、さらに比較研究において68Ga−PSMA−HBED−CCのほうが優れていることを示した(Dietleinら、Molecular Imaging and Biology 17、575〜584(2015))。近年、PSMA−617の構造に基づき、匹敵する腫瘍対臓器比率を示す18F標識類似体PSMA−1007が開発された(Cardinaleら、Journal of nuclear medicine:official publication、Society of Nuclear Medicine 58、425〜431(2017);Gieselら、European journal of nuclear medicine and molecular imaging 43、1929〜1930(2016))。68Ga−PSMA−HBED−CCとの比較研究から、両方のトレーサーが類似の診断精度を有し、18F−PSMA−1007の尿クリアランスが低下したことが解明され、これは、前立腺のより優れた評価を可能にする(Gieselら、European journal of nuclear medicine and molecular imaging 44、678〜688(2017))。

0010

18F標識を導入するための魅力的アプローチは、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)の使用である。フッ化ケイ素アクセプターは、例えば、Lindnerら、Bioconjugate Chemistry 25、738〜749(2014)で説明されている。フッ化ケイ素の結合を保存するために、フッ化ケイ素アクセプターの使用は、ケイ素(silicone、シリコーン原子周り空間配置的に要求される基の必要性を導入する。これは順に、フッ化ケイ素アクセプターを高度に疎水性にする。標的分子、特定にはPSMAである標的分子への結合に関して、フッ化ケイ素(silicone fluoride、シリコーンフッ化物)アクセプターによって提供される疎水性部分は、放射線診断剤または放射線療法化合物と、Zhangら、Journal of the American Chemical Society 132, 12711〜12716(2010)に記載される疎水性ポケットとの相互作用を確立する目的のために活用することができる。それでもなお、結合以前の問題として、分子に導入されるより高度な親油性が、インビボで好適な生体内分布を有する、すなわち非標的組織での非特異的な結合が少ない放射性医薬の開発に関連する重大な問題をもたらしている。

0011

疎水性問題解決の失敗
先行技術において、多くの試みにもかかわらず、フッ化ケイ素アクセプターによって引き起こされる疎水性問題は満足がいくほど解決されていない。

0012

さらに説明するために、Schirrmacher E.ら(Bioconjugate Chem. 2007、18、2085〜2089)は、フッ化ケイ素アクセプターの一例である極めて有効な標識シントンであるp−(ジ−tert−ブチルフルオロシリルベンズアルデヒド([18F]SIFA−A)を使用して、異なる18F標識ペプチドを合成した。SIFA技術は、予想外の効率的な同位体19F−18F交換をもたらし、HPLC精製を適用することなく、ほぼ定量可能な収量で18F−シントンを、225〜680GBq/μmol(6081〜18378Ci/mmol)の高い特異的活性で生じた。最終的に[18F]SIFA−ベンズアルデヒドを使用して、N末端アミノオキシ(N−AO)誘導体化ペプチドであるAO−Tyr3−オクトレオテート(AO−TATE)、シクロ(fK(AO−N)RGD)およびN−AO−PEG2−[D−Tyr−Gln−Trp−Ala−Val−Ala−His−Thi−Nle−NH2](AO−BZH3、ボンベシン誘導体)を高い放射化学的収量で標識した。それにもかかわらず、標識ペプチドは高度に親油性であり(この論文に記載された条件を使用したHPLC保持時間から得ることができるものとして)、したがって動物モデルまたはヒトでのさらなる評価には不適切である。

0013

Wangler C.ら(Bioconjugate Chem.、2009、20(2)、317〜321頁)において、タンパク質ラット血清アルブミン、RSA)の最初のSIFAベースのKit様放射性フッ素化が記載されている。標識剤として、4−(ジ−tert−ブチル[18F]フルオロシリル)ベンゼンチオール(Si[18F]FA−SH)を、簡単な同位体交換によって40〜60%の放射化学的収量(RCY)で生産し、20〜30分以内に生成物マレイミド誘導体血清アルブミンに12%の全RCYで直接カップリングした。この技術的に簡単な標識手順は、いかなる手の込んだ精製手順を必要とせず、PETを用いたインビボでのイメージングのためのSi−18F化学適用の複雑でない成功例である。時間−活性曲線およびマウスのμPET画像は、活性のほとんどが肝臓局在化されたことを示し、したがってこれは、この標識剤は親油性が高すぎること、およびインビボでプローブ肝胆汁排出と徹底した肝臓代謝方向付けることを実証している。

0014

その後Wangler C.ら(Bioconjug Chem. 2010年12月15日;21(12):2289〜96を参照)は、新しいSIFA−オクトレオテート類似体(SIFA−Tyr3−オクトレオテート、SIFA−Asn(AcNH−β−Glc)−Tyr3−オクトレオテートおよびSIFA−Asn(AcNH−β−Glc)−PEG−Tyr3−オクトレオテート)を合成して評価することによって、SIFA技術の主要な欠点である得られた放射性医薬の高い親油性を克服することを試みた。これらの化合物では、ペプチドと、SIFA部分、すなわち炭水化物およびPEGリンカーに加えて炭水化物との間に、親水性リンカーおよび薬物動態調節剤が導入された。コンジュゲートの親油性の尺度としてlogP(ow)を決定したところ、SIFA−Asn(AcNH−β−Glc)−PEG−Tyr3−オクトレオテートでは0.96、およびSIFA−Asn(AcNH−β−Glc)−Tyr3−オクトレオテートでは1.23であることが見出された。これらの結果から、SIFA部分の高い親油性は、親水性部分を適用することによってわずかしか相殺できないことが示される。第1のイメージング研究から過剰な肝臓クリアランス/肝臓での取込みが実証されたため、第1のヒトでの研究に移行することはなかった。

0015

Bernard-Gauthierら(Biomed Res Int.2014;2014:454503)は、低分子補欠分子団や他の低分子量化合物から標識ペプチド、ごく最近ではアフィボディ分子に至る文献で報告されたおびただしい量の様々なSIFA種について総論している。これらのデータに基づいて、SIFAベースの置換基の親油性の問題は、まだ解決されておらず、すなわちSIFAコンジュゲートペプチドの全体の親油性をおよそ−2.0より低いlogDに低下させる手法はまだ説明されていない。

0016

Lindner S.ら(Bioconjug Chem.2014年4月16日;25(4):738〜49)において、特異的なGRP受容体リガンドとしてのペグ化ボンベシン(PESIN)誘導体および特異的なαvβ3バインダーとしてRGD(アルギニン−グリシン−アスパラギン酸の1文字コード)ペプチドを合成し、ケイ素−フッ素−アクセプター(SIFA)部分でタグ付けしたことが記載されている。SIFA部分の高い親油性を相殺するために様々な親水性構造改変を導入したところ、logD値が低下した。SIFA−Asn(AcNH−β−Glc)−PESIN、SIFA−Ser(β−Lac)−PESIN、SIFA−Cya−PESIN、SIFA−LysMe3−PESIN、SIFA−γ−カルボキシ−d−Glu−PESIN、SIFA−Cya2−PESIN、SIFA−LysMe3−γ−カルボキシ−d−Glu−PESIN、SIFA−(γ−カルボキシ−d−Glu)2−PESIN、SIFA−RGD、SIFA−γ−カルボキシ−d−Glu−RGD、SIFA−(γ−カルボキシ−d−Glu)2−RGD、SIFA−LysMe3−γ−カルボキシ−d−Glu−RGD。これらのペプチドの全てを親油性を低下させる目的で予め改善および誘導体化したところ、+2〜−1.22の範囲のlogD値を示した。

0017

Niedermoser S.ら(J Nucl Med. 2015年7月;56(7):1100〜5)において、新たに開発された18F−SIFA−および18F−SIFAlin−(SIFA=フッ化ケイ素アクセプター)で改変されたTATE誘導体を、ソマトスタチン受容体を保持する腫瘍の高品質イメージングについて、現状で臨床上最も代表的な68Ga−DOTATATEと比較した。この目的のために、18F−SIFA−TATEおよび2つの極めて複雑な類似体、18F−SIFA−Glc−PEG1−TATE、18F−SIFAlin−Glc−Asp2−PEG1−TATEを開発した。logD<−1.5を示した薬剤はなかった。

先行技術

0018

Silverら、Clinical Cancer Research 3, 81〜85(1997)
Afshar-Oromiehら、European journal of nuclear medicine and molecular imaging 42、197〜209 (2015)
Benesovaら、Journal of Nuclear Medicine 56、914〜920(2015)
Robuら、Journal of Nuclear Medicine, jnumed.116.178939(2016)
Weineisenら、Journal of Nuclear Medicine 55、1083〜1083(2014)
Roweら、Prostate cancer and prostatic diseases(2016)
Maurerら、Nature Reviews Urology(2016)
Zhouら、Nature Reviews Drug Discovery 4、1015〜1026(2005)
Machulkinら、Journal of drug targeting、1〜15(2016)
Barinkaら、Journal of medicinal chemistry 51、7737〜7743(2008)
Zhangら、Journal of the American Chemical Society 132、12711〜12716(2010)
Liuら、Bioorganic & medicinal chemistry letters 21, 7013〜7016(2011)
Kiessら、The quarterly journal of nuclear medicine and molecular imaging 59、241(2015)
Ederら、Bioconjugate chemistry 23, 688〜697(2012))
Benesovaら、Journal of Nuclear Medicine 56、914〜920(2015)
Weineisenら;Journal of Nuclear Medicine 55、1083〜1083(2014)
Roweら、Molecular Imaging and Biology、1〜9(2016)
Dietleinら、Molecular Imaging and Biology 17、575〜584(2015)
Cardinaleら、Journal of nuclear medicine:official publication、Society of Nuclear Medicine 58、425〜431(2017)
Gieselら、European journal of nuclear medicine and molecular imaging 43、1929〜1930(2016)
Gieselら、European journal of nuclear medicine and molecular imaging 44、678〜688(2017)
Lindnerら、Bioconjugate Chemistry 25、738〜749(2014)
Zhangら、Journal of the American Chemical Society 132, 12711〜12716(2010)
Schirrmacher E.ら(Bioconjugate Chem. 2007、18、2085〜2089)
Wangler C.ら(Bioconjugate Chem.、2009、20(2)、317〜321頁)
Wangler C.ら(Bioconjug Chem. 2010年12月15日;21(12):2289〜96
Bernard-Gauthierら(Biomed Res Int.2014;2014:454503
Lindner S.ら(Bioconjug Chem.2014年4月16日;25(4):738〜49)
Niedermoser S.ら(J Nucl Med. 2015年7月;56(7):1100〜5)

0019

上記のことを考慮して、本発明の土台となる技術的な問題は、フッ化ケイ素(silicone fluoride)アクセプターを含有し、同時に好都合なインビボの特性を特徴とする放射線診断剤および放射線療法剤を提供することで理解することができる。

0020

以下で明らかになるように、本発明は、高親和性で標的としての前立腺特異的抗原(PSMA)に結合する特異的なコンジュゲートを使用して原理証明を確立した。したがって、本発明の土台となるさらなる技術的な問題は、がん、好ましくは前立腺がんである医療上の適応症のための改善された放射線療法剤および診断剤を提供することで理解することができる。

0021

これらの技術的な問題は、特許請求の範囲の主題によって解決される。したがって、第1の形態において、本発明は、単一分子内に、(a)疾患関連の標的分子に結合することが可能な1つまたはそれより多くのリガンド、(b)ケイ素原子とフッ素原子との間の共有結合を含み、19Fの18Fでの同位体交換によって18Fで標識できるかまたは18Fで標識されている、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分、および(c)キレート化された非放射性または放射性カチオンを含有していてもよい、1つまたはそれより多くのキレート化基を含む、リガンド−SIFA−キレーターコンジュゲートに関する。

0022

リガンド−SIFA−キレーターコンジュゲートは、3つの別個の部分を含む。3つの別個の部分は、(a)疾患関連の標的分子に結合することが可能な1つまたはそれより多くのリガンド、(b)ケイ素原子とフッ素原子との間の共有結合を含む、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分、および(c)キレート化された非放射性または放射性カチオンを含有していてもよい、1つまたはそれより多くのキレート化基である。

0023

SIFA部分におけるフッ素原子は、19Fまたは18Fであってもよい。
疾患関連の標的分子に結合することが可能な特定のリガンドは、環状ペプチドであってもよいが、さらなるキレート化部分の非存在下で疎水性のSIFA部分の問題が解決されていないことから、このような環状ペプチドは、本明細書で想定されるようなキレート化基ではない。したがって、本発明の化合物は、疾患関連の標的分子に結合することが可能なリガンドに加えて、親水性キレート化基を必要とする。親水性キレート化基は、SIFA部分の存在によって引き起こされる化合物の疎水性の性質を低減するのに必要である。

0024

本発明の第1の形態に関するリガンドは、機能的な観点で定義される。これが該当するのは、本発明が構造的な観点でリガンドの特定の性質に依存しないためである。そうではなく、本発明の主要な形態は、単一分子内での、フッ化ケイ素アクセプターおよびキレーターまたはキレート組合せである。これらの2つの構造的なエレメントであるSIFAとキレーターは、空間的に近接した状態を示す。好ましくは、2つのエレメントの2つの原子間の最短距離は、25Å未満またはそれに等しく、より好ましくは20Å未満であり、さらにより好ましくは15Å未満である。代替として、または加えて、25以下の共有結合が、SIFA部分の原子とキレーターの原子とを分離することが好ましく、好ましくは20以下の化学結合、さらにより好ましくは15以下の化学結合である。

0025

第1の形態の項目(c)に記載のカチオンは、放射性または非放射性カチオンである。上記カチオンは、好ましくは、放射性または非放射性金属カチオンであり、より好ましくは、放射性金属カチオンである。さらに以下で、例を示す。

0026

結果として、SIFA部分とキレート化基の両方で放射標識されているコンジュゲート、2つの側のうち一方のみで放射性標識されている分子、加えてまったく放射標識されていない分子が、第1の形態の観点に該当する。後者の場合、キレート化基は、コールド(非放射性)イオンの複合体であるか、またはイオンがまったくないかのいずれかであり得る。

0027

本発明者らは、驚くべきことに、これらに限定されないが、DOTAGAまたはDOTAなどの親水性キレーターの近隣に、フッ化ケイ素(silicone fluoride)アクセプターを配置することが、化合物をインビボ投与に好適にする範囲で放射線療法または診断化合物の全体的な疎水性をシフトさせる程度に、SIFA部分の親油性を効率的に遮蔽または相殺することを発見した。

0028

加えて、18F−フッ化物を用いたSIFAにおけるキレーターおよび同位体交換の使用の組合せも、その場のサイクロトロンを備えた施設、またはサイクロトロンの施設からの出荷によって18F−フッ化物を得る施設のいずれかで[18F][natIon]トレーサーとして使用できる「対になった」診断トレーサーをもたらし、それに対し、18F−フッ化物へのアクセスを有さないが、放射線同位体発生器、例えばGe−68/Ga−68ジェネレーターへのアクセスを有する施設で、対応するバージョン、例えば[natF][68Ga]トレーサーを使用できる。

0029

いずれの場合においても重要なことは、化学的に同一な放射性医薬が注射されること、したがって、インビボでの挙動において相違予測されないことである。それに対して現在のところ、化学的な相違によって、1つの地域の患者コホートによって提供される18F標識化合物臨床データは、別の地域の別のグループによって提供される68Ga−類似体の臨床データと直接比較できないが、本発明に係る放射性医薬および/または診断剤は直接比較でき、したがって、このようなデータ(例えばF−18を使って研究を行っている欧州の施設からのデータとGa−68を使って研究を行っているインドの別の施設)が連結されることになる。

0030

さらにキレートも、適切に選択されるのであれば、治療用同位体、例えばベータ放出同位体Lu−177、Y−90、またはアルファ放出同位体Ac−225などで標識化するのに使用でき、したがって、「対になった」トレーサーの概念拡張して、診断剤([18F][natLu]トレーサー)と治療用放射性医薬([natF][177Lu])とを架橋することができる。

0031

化合物、特に本発明のPSMA標的化化合物のさらなる利点は、他のPSMA標的化放射性医薬、例えばPSMA I&Tと比較して、それらのマウス腎臓における蓄積が驚くほど低いことである。これは、特定の理論に縛られることは望まないが、構造的なエレメントであるSIFAと、予想外の腎臓における蓄積の低減をもたらすキレーターとの組合せによるようである。

0032

親油性/親水性に関して、logP値(時にはlogD値とも称される)は、当業界で確立された尺度である。
用語「親油性」は、脂質溶液中に溶解もしくは吸収される、または脂質様表面またはマトリックス吸着される強度に関する。これは、脂質(文字通りの意味)、または有機または無極性液体、または水と比較して小さい双極子モーメントを有する液体、溶液もしくは表面を好むことを意味する。用語「疎水性」は、本明細書では等しい意味で使用される。親油性および疎水性という形容詞は、上述した名詞に対応する意味で使用される。

0033

2つの不混和性または実質的に不混和性の溶媒境界面における分子の質量流束は、その親油性によって支配される。分子の親油性が高いほど、親油性有機相中におけるその可溶性が高くなる。親油性の標準尺度として、水とn−オクタノールとの間で観察される分子の分配係数が用いられてきた。種Aの分配係数Pは、比率P=[A]n−オクタノール/[A]水と定義される。一般的に報告される数値はlogP値であり、これは分配係数の対数である。分子がイオン化可能な場合、複数の別個の微細種(分子のイオン化された形態およびイオン化されていない形態)が、原則的に両方の相に存在すると予想される。イオン化可能な種の全体の親油性を説明する量、分配係数Dであり、これは、比率D=[全微細種の濃度の合計]n−オクタノール/[全微細種の濃度の合計]水と定義される。logPと同様に、分配係数の対数、logDが報告されることが多い。しばしば、緩衝系、例えばリン酸緩衝塩類溶液が、上述したlogPの決定において水の代替物として使用される。

0034

第1の分子における置換基の親油性特徴が、定量的に評価および/または決定されることになれば、その置換基に対応する第2の分子を評価することができ、その場合前記第2の分子は、例えば、前記置換基を第1の分子の残りに接続する結合を破壊することで得られた自由原子価水素に接続することによって得られる。

0035

代替として、分子のlogPへの置換基の寄与率を決定してもよい。分子R−XのlogPへの置換基Xの寄与率πXXは、πXX=logPR−X−logPR−Hと定義され、式中R−Hは、非置換親化合物である。

0036

1より大きいPおよびDの値に加えて、ゼロより大きいlogP、logDおよびπXX値は、親油性/疎水性特徴を示し、それに対して1より小さいPおよびDの値に加えて、ゼロより小さいlogP、logDおよびπXX値は、それぞれの分子または置換基の親水性特徴を示す。

0037

本発明に係る親油性基または分子全体の親油性を特徴付ける上述のパラメーターは、実験手段によって決定してもよいし、および/または当業界において公知のコンピューターによる方法によって予測してもよい(例えばSangster、Octanol-water Partition Coefficients:fundamentals and physical chemistry、John Wiley & Sons、Chichester.(1997)を参照)。

0038

好ましい実施態様において、本発明の化合物のlogP値は、−5〜−1.5の間である。特に好ましくは、logP値は、−3.5〜−2.0の間である。
好ましい実施態様において、本発明に係るリガンドは、ペプチド、ペプチド模擬体または置換された尿素、アミノ酸を含む置換基を含むかまたはそれからなる。ペプチドまたはペプチド模擬体を含むリガンドはまた、非ペプチド性部分や非ペプチド模擬体部分も含むことが理解される。分子量に関して、15kDa未満、10kDa未満または5kDa未満の分子量が好ましい。したがって、低分子量タンパク質も用語「リガンド」に包含される。標的分子としては、特に限定されないが、酵素受容体エピトープ輸送体細胞表面分子および細胞外マトリックスのタンパク質が挙げられる。好ましくは、疾患に関連する標的である。特に好ましくは、因果的所与の疾患に関与する標的であるか、もしくは所与の疾患において高度に過剰発現される標的であるか、および/またはその阻害が、所与の疾患に罹っている患者において有益な作用を引き起こす可能性がある標的である。リガンドは、好ましくは、好ましい親和性を有する高親和性リガンドであり、このような親和性は、IC50として表され、50nM未満、20nM未満または5nM未満である。

0039

特に好ましくは、高親和性で、疾患関連の標的分子または疾患関連の生体分子、これらに限定されないが、ソマトスタチン受容体、ボンベシン受容体ケモカイン受容体インテグリン受容体コレシストキニン受容体、メラノコルチン受容体血管作用性小腸ペプチド受容体、ニューロテンシン受容体神経ペプチドY受容体、ニューロキニン受容体、グルカゴン(glucacon)様ペプチド1受容体、Her2−受容体、PD−L1、PD−1、ゴナドトロピン放出ホルモン受容体および前立腺特異的膜抗原(PSMA)などと結合するリガンドである。

0040

用語「疾患関連」は、好ましくは、疾患における原因としての関与を指す。
好ましくは、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分は、式(I):

0041

0042

で表される構造を有し、
式中、R1SおよびR2Sは、独立して、直鎖状または分岐状のC3〜C10アルキル基であり、好ましくはR1SおよびR2Sは、イソプロピルおよびtert−ブチルから選択され、より好ましくはR1SおよびR2Sは、tert−ブチルであり;
R3Sは、C1〜C20炭化水素基であり、該炭化水素基は、1つまたはそれより多くの芳香族単位および1つまたはそれより多くの脂肪族単位、ならびに/またはOおよびSから選択される最大3個のヘテロ原子を含んでいてもよく、好ましくはR3Sは、芳香環を含み、1つまたはそれより多くの脂肪族単位を含んでいてもよいC6〜C10炭化水素基であり;より好ましくはR3Sは、フェニル環であり、最も好ましくは、R3Sは、Siを含有する置換基と

0043

0044

で示される結合とがパラ位にあるフェニル環であり、ここで該SIFA部分は、

0045

0046

で示される結合を介してコンジュゲートの残りに付着されている。
より好ましくは、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分は、式(Ia):

0047

0048

で表される構造を有し、式中、t−Buは、tert−ブチル基を示す。
好ましいキレート化基は、以下の(i)、(ii)または(iii)の少なくとも1つを含む。

0049

(i)8〜20個の環原子を有する大環状環構造であって、該環原子のうち2個またはそれより多く、より好ましくは3つまたはそれより多くは、酸素原子または窒素原子から選択される。好ましくは、6個またはそれ未満の環原子は、酸素原子または窒素原子から選択される。特に好ましくは、3または4個の環原子が窒素原子または酸素原子である。酸素および窒素原子のなかでも、窒素原子が好ましい。大環状環構造と組み合わせて、好ましいキレート化基は、2個またはそれより多くの、例えば2〜6個、好ましくは2〜4個のカルボキシル基および/またはヒドロキシル基を含んでいてもよい。カルボキシル基およびヒドロキシル基のなかでも、カルボキシル基が好ましい。

0050

(ii)8〜20個の主鎖(バックボーン)原子を有する非環式開鎖キレート化構造であって、該バックボーン原子のうち2個またはそれより多く、より好ましくは3つまたはそれより多くが、酸素原子または窒素原子から選択されるヘテロ原子である、開鎖キレート化構造。好ましくは、6個またはそれ未満のバックボーン原子は、酸素原子または窒素原子から選択される。酸素および窒素原子のなかでも、窒素原子が好ましい。より好ましくは、開鎖キレート化構造は、2個またはそれより多くの、より好ましくは3個またはそれより多くの、酸素原子または窒素原子から選択されるヘテロ原子、および2個またはそれより多くの、例えば2〜6個、好ましくは2〜4個の、カルボキシル基および/またはヒドロキシル基の組合せを含む構造である。カルボキシル基およびヒドロキシル基のなかでも、カルボキシル基が好ましい。

0051

(iii)第四炭素原子を含有する分岐状のキレート化構造。好ましくは、第四炭素原子は、SIFA/リガンド部分に加えて3個の同一なキレート化基で置換されている。置換されたキレート化基は、アミドを含んでいてもよい。置換されたキレート化基は、芳香族基を含んでいてもよい。置換されたキレート化基は、ヒドロキシピリジノンを含んでいてもよい。

0052

好ましい具体的な例において、キレート化基は、ビスカルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(CBTE2a)、シクロヘキシル−1,2−ジアミン四酢酸(CDTA)、4−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−1−イル)−メチル安息香酸(CPTA)、N’−[5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル]−N−[5−[[4−[5−アミノペンチル−(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル]アミノ]ペンチル]−N−ヒドロキシブタンジアミドDFO)、4,11−ビス(カルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(DO2A)1,4,7,10−テトラシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)、α−(2−カルボキシエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTAGA)、1,4,7,10テトラアザシクロドデカンN,N’,N’’,N’’’1,4,7,10−テトラメチレンホスホン酸(DOTMP)、N,N’−ジピリドキシルエチレンジアミン−N,N’−ジアセテート−5,5’−ビス(リン酸)(DPDP)、ジエチレントリアミンN,N’,N’’ペンタ(メチレン)ホスホン酸(DTMP)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、エチレンジアミン−Ν,Ν’−四酢酸(EDTA)、エチレングリコール−O,O−ビス(2−アミノエチル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、N,N−ビス(ヒドロキシベンジル)−エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(HBED)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸HEDTA)、1−(p−ニトロベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロデカン−4,7,10−トリアセテート(HP−DOA3)、6−ヒドラジニル−N−メチルピリジン−3−カルボキサミド(HYNIC)、テトラ3−ヒドロキシ−N−メチル−2−ピリジノンキレーター(4−((4−(3−(ビス(2−(3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシアミドエチル)アミノ)−2−((ビス(2−(3−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシアミド)エチル)アミノ)メチル)プロピルフェニル)アミノ)−4−オキソブタン酸)、Me−3,2−HOPOと略記されるもの、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−コハク酸−4,7−二酢酸(NODASA)、1−(1−カルボキシ−3−カルボキシプロピル)−4,7−(カルボキシ(carbooxy))−1,4,7−トリアザシクロノナン(NODAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、4,11−ビス(カルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(TE2A)、1,4,8,11−テトラアザシクロドデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、トリス(ヒドロキシピリジノン)(THP)、ターピリジン−ビス(メチレンアミン四酢酸(TMT)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−トリス[メチレン(2−カルボキシエチル)ホスフィン酸](TRAP)、1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(TRITA)、3−[[4,7−ビス[[2−カルボキシエチル(ヒドロキシ)ホスホリル]メチル]−1,4,7−トリアゾナン−1−イル]メチル−ヒドロキシ−ホスホリル]プロパン酸、およびトリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)から選択されるキレート剤の残基であり、これらの残基は、キレート剤に含有されるカルボキシル基をコンジュゲートの残りに、エステルまたはアミド結合を介して共有結合することによって提供される。

0053

特定のキレーターを以下に示す:

0054

0055

上記の例示的なキレート剤のなかでも、TRAP、DOTAおよびDOTAGAから選択されるキレート剤が特に好ましい。
金属またはカチオンでキレート化した大環状および非環式の化合物が当業界において周知であり、数々の製造元より入手可能である。本発明に係るキレート化部分は特に限定されないが、当業者は、多数の部分を既製品の形態でさらなる処理を行うことなく使用できることが理解される。

0056

キレート化基は、放射性または非放射性であってもよいキレート化されたカチオンを含んでいてもよく、好ましくは、放射性または非放射性であってもよいキレート化された金属カチオンを含んでいてもよい。より好ましくは、キレート化された放射性金属同位体である。

0057

キレート化基によってキレート化され得るカチオンの好ましい例は、43Sc、44Sc、47Sc、51Cr、52mMn、58Co、52Fe、56Ni、57Ni、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、67Ga、68Ga、89Zr、90Y、89Y、<Tc、99mTc、97Ru、105Rh、109Pd、111Ag,110mIn、111In、113mIn、114mIn、117mSn、121Sn、127Te、142Pr、143Pr、149Pm、151Pm、149Tb、152Tb、155Tb、161Tb、153Sm、157Gd、161Tb、166Ho、165Dy、169Er、169Yb、175Yb、172Tm、177Lu、186Re、188Re、191Pt、197Hg、198Au、199Au、212Pb、203Pb、211At、212Bi、213Bi、223Ra、225Ac、227Thのカチオンであるか、18Fを含むカチオン性分子であるか、または18F−[AlF]2+などのカチオンであり;より好ましくは、44Sc、47Sc、64Cu、67Cu、68Ga、90Y、111In、161Tb、166Ho、177Lu、188Re、212Pb、212Bi、213Bi、225Ac、および227Thのカチオンであるか、または18Fを含むカチオン性分子である。

0058

一例としてPSMAバインダーを使用して、本発明者らは、上記で開示された発明を実施に移した。これは、以下で開示される好ましい形態および実施態様の主題である。それでもなお、SIFA部分の親油性を驚くべき程度に相殺するという本発明者らによってなされた驚くべき発見は、PSMAバインダーを含む分子に限定されない。

0059

したがって、リガンドは、好ましくは、前立腺特異的膜抗原(PSMA)に結合することが可能である。
より好ましくは、リガンドは、式(II):

0060

0061

で表される構造を有し、
式中、mは、2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、より好ましくは2であり;nは、2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、より好ましくは2または3であり;R1Lは、CH2、NHまたはOであり、好ましくはNHであり;R3Lは、CH2、NHまたはOであり、好ましくはNHであり;R2Lは、CまたはP(OH)であり、好ましくはCであり;ここで該リガンドは、

0062

0063

で示される結合を介してコンジュゲートの残りに付着されている。
リガンドは、式(IIa):

0064

0065

で表される構造を有していてもよく、式中、nは、2〜6の整数であり;ここで該リガンドは、

0066

0067

で示される結合を介してコンジュゲートの残りに付着されている。
数々のPSMAバインダーが当業界において公知であり、それらは本発明に従っていずれも好適である。上記の好ましい実施態様は、PSMAバインダーの好ましいグループの構造的な定義である。

0068

特に好ましくは、第1の形態のコンジュゲートが、式(III):

0069

0070

の化合物であるまたはその医薬的に許容される塩であり、式中、
SIFAは、ケイ素原子とフッ素原子との間の共有結合を含み、19Fの18Fでの同位体交換によって18Fで標識できるかまたは18Fで標識されている、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分であり;好ましくはSIFAは、上記で定義された式(I)の、より好ましくは式(Ia)のSIFA部分であり;
mは、2〜6の整数、好ましくは2または3、より好ましくは2であり;
nは、2〜6の整数、好ましくは2または3、より好ましくは2または4であり;
R1Lは、CH2、NHまたはOであり、好ましくはNHであり;
R3Lは、CH2、NHまたはOであり、好ましくはNHであり;
R2Lは、CまたはP(OH)であり、好ましくはCであり;
X1は、アミド結合、エーテル結合チオエーテル結合エステル結合チオエステル結合尿素架橋、およびアミン結合から選択され、好ましくはアミド結合であり;
X2は、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、尿素架橋、およびアミン結合から選択され、好ましくはアミド結合であり;
L1は、オリゴアミドオリゴエーテルオリゴチオエーテルオリゴエステル、オリゴチオエステル、オリゴ尿素、オリゴ(エーテル−アミド)、オリゴ(チオエーテル−アミド)、オリゴ(エステル−アミド)、オリゴ(チオエステル−アミド)、オリゴ(尿素−アミド)、オリゴ(エーテル−チオエーテル)、オリゴ(エーテル−エステル)、オリゴ(エーテル−チオエステル)、オリゴエーテル−尿素)、オリゴ(チオエーテル−エステル)、オリゴ(チオエーテル−チオエステル)、オリゴ(チオエーテル−尿素)、オリゴ(エステル−チオエステル)、オリゴ(エステル−尿素)、およびオリゴ(チオエステル−尿素)から選択される構造を有する2価の結合基であり、好ましくは、オリゴアミドおよびオリゴ(エステル−アミド)から選択される構造を有する。

0071

L1は、任意選択で、−OH、−OCH3、−COOH、−COOCH3、−NH2、および−NHC(NH)NH2から独立して選択される1つまたはそれより多くの置換基で置換されていてもよい。

0072

X3は、アミド結合、およびエステル結合、エーテル、アミン、ならびに式:

0073

0074

の結合基(ここで、NH基における

0075

0076

で示される結合は、RBに結合しており、

0077

0078

で示される他方の結合は、SIFAに結合している)
から選択され;
好ましくはX3は、アミド結合であり;RBは、3価のカップリング基であり;
X4は、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、およびエステル結合、チオエステル結合、尿素架橋、アミン結合、式:

0079

0080

の結合基(ここで、

0081

0082

で示されるアミド結合は、前記キレート化基と共に形成され、

0083

0084

で示される他方の結合は、RBに結合している);および式:

0085

0086

の結合基(ここで、カルボニル末端における

0087

0088

で示される結合は、前記キレート化基と共に形成され、

0089

0090

で示される他方の結合は、RBに結合している)
から選択され;好ましくはX4は、アミド結合であり;
RCHは、キレート化された放射性または非放射性カチオンを含有していてもよいキレート化基であり、好ましくは放射性または非放射性金属カチオンであり、前記キレート化基および任意選択のキレート化されたカチオンの好ましい実施態様は、上記で定義された通りである。

0091

用語「オリゴ」は、オリゴアミド、オリゴエーテル、オリゴチオエーテル、オリゴエステル、オリゴチオエステル、オリゴ尿素、オリゴ(エーテル−アミド)、オリゴ(チオエーテル−アミド)、オリゴ(エステル−アミド)、オリゴ(チオエステル−アミド)、オリゴ(尿素−アミド)、オリゴ(エーテル−チオエーテル)、オリゴ(エーテル−エステル)、オリゴ(エーテル−チオエステル)、オリゴ(エーテル−尿素)、オリゴ(チオエーテル−エステル)、オリゴ(チオエーテル−チオエステル)、オリゴ(チオエーテル−尿素)、オリゴ(エステル−チオエステル)、オリゴ(エステル−尿素)、およびオリゴ(チオエステル−尿素)で使用される場合、好ましくは、2〜20個、より好ましくは2〜10個のサブユニットが、同じ用語で特定されたタイプの結合によって連結されている基を指すと理解されるものとする。熟練した読者であれば理解していると予想されるが、括弧内に2つの異なるタイプの結合が示されている場合、両方のタイプの結合が関連する基に含有される(例えば「オリゴ(エステル−アミド)」において、エステル結合とアミド結合が含有される)。

0092

L1は、その骨格内に、合計1〜5、より好ましくは合計1〜3、最も好ましくは合計1または2つのアミドおよび/またはエステル結合、好ましくはアミド結合を含むことが好ましい。

0093

それゆえにオリゴアミドという用語は、NHCOまたはCONHから選択される基が散在しているCH2またはCHR基の鎖を有する部分を記載する。R部分の各出現は、−OH、−OCH3、−COOH、−COOCH3、−NH2、および−NHC(NH)NH2から選択される任意選択の置換基である。

0094

また好ましくは、−X1−L1−X2−が、以下の構造(L−1)および(L−2)のうち一方を表す:
−NH−C(O)−R6−C(O)−NH−R7−NH−C(O)− (L−1)
−C(O)−NH−R8−NH−C(O)−R9−C(O)−NH−R10−NH−C(O)− (L−2)
上記式中、R6〜R10は、独立して、C2〜C10アルキレン、好ましくは直鎖状C2〜C10アルキレンから選択され、該アルキレン基はそれぞれ、−OH、−OCH3、−COOH、−COOCH3、−NH2、および−NHC(NH)NH2から独立して選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよい。

0095

特に好ましくは、R6およびR7中の炭素原子総数が、任意選択の置換基に含有される炭素原子を除いて、4〜20個であり、より好ましくは4〜16個である。特に好ましくは、R8〜R10中の炭素原子の総数が、任意選択の置換基に含有される炭素原子を除いて、6〜20個であり、より好ましくは6〜16個である。

0096

特に好ましくは、−X1−L1−X2−が、以下の構造(L−3)および(L−4)のうち一方を表す:
−NH−C(O)−R11−C(O)−NH−R12−CH(COOH)−NH−C(O)− (L−3)
−C(O)−NH−CH(COOH)−R13−NH−C(O)−R14−C(O)−NH−R15−CH(COOH)−NH−C(O)− (L−4)
上記式中、R11〜R15は、独立して、C2〜C8アルキレン、好ましくは直鎖状C2〜C8アルキレンから選択される。

0097

特に好ましくは、R11およびR12またはR13〜R15中の炭素原子の総数がそれぞれ、8〜18個であり、より好ましくは8〜12個であり、さらにさらにより好ましくは9または10個である。

0098

好ましくは、RBは、式(IV):

0099

0100

で表される構造を有し、
式中、Aは、N、CR16(ここでR16はHまたはC1〜C6アルキルである)、および5〜7員環炭素環式または複素環式基から選択され;好ましくはAは、NおよびCHから選択され、より好ましくは、Aは、CHであり;(CH2)aにおける

0101

0102

で示される結合は、X2と共に形成され、aは、0〜4の整数、好ましくは0または1、最も好ましくは0であり;
(CH2)bにおける

0103

0104

で示される結合は、X3と共に形成され、bは、0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0または1であり;
(CH2)cにおける

0105

0106

で示される結合は、X4と共に形成され、cは、0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0または1である。
本発明に係るコンジュゲートとしてさらにより好ましくは、それらの全ての好ましい実施態様を含めて、式(IIIa):

0107

0108

(式中、m、n、R1L、R2L、R3L、X1、L1、b、c、X4およびRCHは、上記で定義された通りである)
の化合物またはその医薬的に許容される塩である。

0109

式(IIIa)の化合物にとって、b+c≧1であることが好ましい。
式(IIIa)の化合物にとって、b+c≦3であることも好ましい。
式(IIIa)の化合物にとって、bが1であり、cが0であることがより好ましい。

0110

式(III)の化合物にとって、−X4−RCHが、そのカルボン酸基のうちの1つと、アミド結合を介してコンジュゲートの残りに結合したDOTAおよびDOTAGAから選択されるキレート剤の残基を表すことも好ましい。

0111

式(III)の化合物の好ましい実施態様において、前記化合物は、式(IIIb):

0112

0113

(式中、m、n、R1L、R2L、R3L、X1、L1、b、c、X4およびRCHは、上記で定義された通りであり;rは、0または1である)
の化合物またはその医薬的に許容される塩である。

0114

特に好ましくは、−N(H)−RCHは、そのカルボン酸基のうちの1つと、アミド結合を介してコンジュゲートの残りに結合したDOTAおよびDOTAGAから選択されるキレート剤の残基を表す。

0115

本発明の最も好ましい化合物は、以下である:

0116

0117

およびその異性体:

0118

0119

0120

0121

およびその異性体

0122

0123

0124

0125

およびその異性体

0126

0127

0128

0129

0130

0131

0132

0133

およびその異性体

0134

0135

0136

0137

0138

0139

0140

0141

およびその異性体

0142

0143

0144

0145

0146

およびその異性体:

0147

0148

0149

0150

0151

およびその異性体:

0152

0153

0154

0155

これらの最も好ましい化合物のための好ましい標識化スキームは、本明細書の上記で定義した通りである。
さらなる形態において、本発明は、本明細書の上記で開示された1つまたはそれより多くの本発明のコンジュゲートまたは化合物を含むか、またはそれからなる医薬組成物を提供する。

0156

さらなる形態において、本発明は、本明細書の上記で開示された1つまたはそれより多くの本発明のコンジュゲートまたは化合物を含むか、またはそれからなる診断用組成物を提供する。

0157

さらなる形態において、本発明は、本明細書の上記で開示された1つまたはそれより多くの本発明のコンジュゲートまたは化合物を含むか、またはそれからなる治療用組成物を提供する。

0158

医薬組成物は、医薬的に許容される担体賦形剤および/または希釈剤をさらに含んでいてもよい。好適な製剤用担体、賦形剤および/または希釈剤の例は当業界において周知であり、その例としては、リン酸緩衝生理食塩水、水、エマルジョン、例えば油/水エマルジョン、様々な種類の湿潤剤滅菌溶液などが挙げられる。このような担体を含む組成物は、周知の従来の方法によって製剤化することができる。これらの医薬組成物は、好適な用量で対象に投与することができる。好適な組成物の投与は、様々な方法によって実行することができ、例えば、静脈内、腹膜内、皮下、筋肉内、局所、皮内、経鼻または気管支内投与によって実行することができる。特に好ましくは、前記投与は、例えば、膵臓中の部位への、または脳動脈への、または脳組織への直接的な注射および/または送達によって行われる。組成物はまた、標的部位に直接投与してもよく、例えば、遺伝子銃送達によって、外部の標的部位に、または膵臓または脳のような内部の標的部位に投与してもよい。投薬レジメンは、主治医および臨床的要因によって決定されることになる。医療分野において周知の通り、いずれか1人の患者に対する投薬量は、患者のサイズ、体表面積年齢、投与される特定の化合物、性別、投与の時間および経路全身健康状態、ならびに同時に投与される他の薬物などの多くの要因に依存する。医薬活性を有する物質は、体重1kg当たり0.1ng〜10mg/用量の量で存在していてもよい。しかしながら、特に上述の要因を考慮して、この例示的な範囲未満またはそれを超える用量も想定される。

0159

さらなる形態において、本発明は、医学において使用するための、本明細書の上記で開示された1つまたはそれより多くの本発明の化合物を提供する。
医学における好ましい使用は、罹患した組織における好ましくはPSMAの過剰発現に関連する疾患の、核医学、例えば核分子イメージングとも称される核画像診断、および/または標的化放射線療法である。

0160

さらなる形態において、本発明は、がん、好ましくは前立腺がんを診断および/または病期分類する方法で使用するための、本明細書の上記で定義される本発明の化合物を提供する。前立腺がんは、PSMAを発現する唯一のがんではない。PSMA発現を示す前立腺以外のがんとしては、乳癌、肺癌、結腸直腸癌、および腎細胞癌が挙げられる。したがって、本明細書に記載されるPSMA結合部分を有するあらゆる化合物を、PSMA発現を有するがんの診断、イメージングまたは処置で使用することができる。

0161

好ましい適用は、例えば、これらに限定されないが、高悪性度神経膠腫肺がん、ならびに特に前立腺がんおよび転移した前立腺がんなどのがんの検出または病期分類、中程度のリスクから高リスクに至る原発性前立腺がんを有する患者における転移性疾患の検出、ならびに低い血清SA値であっても、生化学的に再発性の前立腺がんを有する患者における転移部位の検出である。別の好ましい適用は、血管新生(neoangiogensis)のイメージングおよび可視化である。

0162

療法、特に放射線療法に供される医療上の適応症に関して、がんは、好ましい適応症である。前立腺がんが、特に好ましい適応症である。
さらなる形態において、本発明は、がん、好ましくは前立腺がんを診断および/または病期分類する方法において使用するための、本明細書の上記で定義される本発明のコンジュゲートまたは化合物を提供する。

0163

さらに本発明の開示は、以下の項目に関する。
1.単一分子内に、
(a)疾患関連の標的分子に結合することが可能な1つまたはそれより多くのリガンド、
(b)ケイ素原子とフッ素原子との間の共有結合を含み、19Fの18Fでの同位体交換によって18Fで標識できるかまたは18Fで標識されている、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分、および
(c)キレート化された非放射性または放射性カチオンを含有していてもよい、1つまたはそれより多くのキレート化基
を含む、リガンド−SIFA−キレーターコンジュゲート。

0164

2.前記フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分が、式(I):

0165

0166

(式中、R1SおよびR2Sは、独立して、直鎖状または分岐状のC3〜C10アルキル基であり、好ましくはR1SおよびR2Sは、イソプロピルおよびtert−ブチルから選択され、より好ましくはR1SおよびR2Sは、tert−ブチルであり;
R3Sは、C1〜C20炭化水素基であり、該炭化水素基は、1つまたはそれより多くの芳香族単位および1つまたはそれより多くの脂肪族単位、ならびに/またはOおよびSから選択される最大3個のヘテロ原子を含んでいてもよく、好ましくはR3Sは、芳香環を含み、1つまたはそれより多くの脂肪族単位を含んでいてもよいC6〜C10炭化水素基であり;より好ましくはR3Sは、フェニル環であり、最も好ましくは、R3Sは、Siを含有する置換基と

0167

0168

で示される結合とがパラ位にあるフェニル環であり、ここで該SIFA部分は、

0169

0170

で示される結合を介してコンジュゲートの残りに付着されている)
で表される構造を有する、項目1に記載のコンジュゲート。
3.前記フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分が、式(Ia):

0171

0172

(式中、t−Buは、tert−ブチル基を示す)
で表される構造を有する、項目2に記載のコンジュゲート。
4.前記キレート化基が、
(i)8〜20個の環原子を有する大環状環構造であって、該環原子のうち2個またはそれより多く、好ましくは3つまたはそれより多くは、酸素原子および窒素原子から選択される、大環状環構造;および
(ii)8〜20個の主鎖原子を有する非環式の開鎖キレート化構造であって、該主鎖原子のうち2個またはそれより多く、好ましくは3つまたはそれより多くは、酸素原子および窒素原子から選択されるヘテロ原子である、開鎖キレート化構造
の少なくとも1つを含む、項目1〜3のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

0173

5.前記キレート化基が、ビス(カルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(CBTE2a)、シクロヘキシル−1,2−ジアミン四酢酸(CDTA)、4−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−1−イル)−メチル安息香酸(CPTA)、N’−[5−[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル]−N−[5−[[4−[5−アミノペンチル−(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル]アミノ]ペンチル]−N−ヒドロキシブタンジアミド(DFO)、4,11−ビス(カルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(DO2A)1,4,7,10−テトラシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)、N,N’−ジピリドキシルエチレンジアミン−N,N’−ジアセテート−5,5’−ビス(リン酸)(DPDP)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、エチレンジアミン−Ν,Ν’−四酢酸(EDTA)、エチレングリコール−O,O−ビス(2−アミノエチル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、N,N−ビス(ヒドロキシベンジル)−エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(HBED)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、1−(p−ニトロベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロデカン−4,7,10−トリアセテート(HP−DOA3)、6−ヒドラジニル−N−メチルピリジン−3−カルボキサミド(HYNIC)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1−コハク酸−4,7−二酢酸(NODASA)、1−(1−カルボキシ−3−カルボキシプロピル)−4,7−(カルボキシ)−1,4,7−トリアザシクロノナン(NODAGA)、1,4,7−トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、4,11−ビス(カルボキシメチル)−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(TE2A)、1,4,8,11−テトラアザシクロドデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、ターピリジン−ビス(メチレンアミン四酢酸(TMT)、1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(TRITA)、およびトリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)から選択されるキレート剤の残基であり、これらの残基は、キレート剤に含有されるカルボキシル基をコンジュゲートの残りに、エステルまたはアミド結合を介して、好ましくはアミド結合を介して共有結合することによって提供される、項目1〜3のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

0174

6.前記キレート剤が、DOTAおよびDOTAGAから選択される、項目5に記載のコンジュゲート。
7.前記キレート化基が、キレート化されたカチオン、好ましくは、44Sc、47Sc、51Cr、52mMn、58Co、52Fe、56Ni、57Ni、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、68Ga、67Ga、89Zr、90Y、89Y、<Tc、99mTc、97Ru、105Rh、109Pd、111Ag,110mIn、111In、113mIn、114mIn、117mSn、121Sn、127Te、142Pr、143Pr、149Pm、151Pm、149Tb、153Sm、157Gd、161Tb、166Ho、165Dy、169Er、169Yb、175Yb、172Tm、177Lu、186Re、188Re、191Pt、197Hg、198Au、199Au、212Pb、203Pb、211At、212Bi、213Bi、223Ra、225Ac、227Thから選択されるキレート化された放射性カチオン、18Fを含むカチオン性分子、または18F−[AlF]2+などのカチオン;より好ましくは、44Sc、47Sc、64Cu、67Cu、68Ga、90Y、111In、161Tb、166Ho、177Lu、188Re、212Pb、212Bi、213Bi、225Ac、および227Thのカチオン、または18Fを含むカチオン性分子を含む、項目1〜6のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

0175

8.前記リガンドが、PSMAに結合することが可能である、項目1〜8のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
9.前記リガンドが、式(II):

0176

0177

(式中、
mは、2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、より好ましくは2であり;
nは、2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、より好ましくは2または3であり;
R1Lは、CH2、NHまたはOであり、好ましくはNHであり;
R3Lは、CH2、NHまたはOであり、好ましくはNHであり;
R2Lは、CまたはP(OH)であり、好ましくはCであり;
ここで該リガンドは、

0178

0179

で示される結合を介してコンジュゲートの残りに付着されている)
で表される構造を有する、項目1〜8のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
10.式(III):

0180

0181

[式中、
SIFAは、ケイ素原子とフッ素原子との間の共有結合を含み、19Fと18Fとの間の同位体交換によって18Fで標識できるかまたは18Fで標識されている、フッ化ケイ素アクセプター(SIFA)部分であり;好ましくはSIFAは、請求項2で定義されたSIFA部分であり;
mは、2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、より好ましくは2であり;
nは、2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、より好ましくは2または3であり;
R1Lは、CH2、NHまたはOであり、好ましくはNHであり;
R3Lは、CH2、NHまたはOであり、好ましくはNHであり;
R2Lは、CまたはP(OH)であり、好ましくはCであり;
X1は、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、尿素架橋、およびアミン結合から選択され、好ましくはアミド結合であり;
X2は、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、尿素架橋、およびアミン結合から選択され、好ましくはアミド結合であり;
L1は、オリゴアミド、オリゴエーテル、オリゴチオエーテル、オリゴエステル、オリゴチオエステル、オリゴ尿素、オリゴ(エーテル−アミド)、オリゴ(チオエーテル−アミド)、オリゴ(エステル−アミド)、オリゴ(チオエステル−アミド)、オリゴ(尿素−アミド)、オリゴ(エーテル−チオエーテル)、オリゴ(エーテル−エステル)、オリゴ(エーテル−チオエステル)、オリゴエーテル−尿素)、オリゴ(チオエーテル−エステル)、オリゴ(チオエーテル−チオエステル)、オリゴ(チオエーテル−尿素)、オリゴ(エステル−チオエステル)、オリゴ(エステル−尿素)、およびオリゴ(チオエステル−尿素)から選択される構造を有する2価の結合基であり;好ましくは、オリゴアミドおよびオリゴ(エステル−アミド)から選択される構造を有し;
X3は、アミド結合、エステル結合、エーテル、アミン、および式:

0182

0183

の結合基(ここで、NH基において

0184

0185

で示される結合は、RBに結合しており、

0186

0187

で示される他方の結合は、SIFAに結合している)
から選択され;
好ましくはX3は、アミド結合であり;
RBは、3価のカップリング基であり;
X4は、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、尿素架橋、アミン結合、および式:

0188

0189

の結合基(ここで、

0190

0191

で示されるアミド結合は、前記キレート化基と共に形成され、

0192

0193

で示される他方の結合は、RBに結合している)
から選択され;好ましくはX4は、アミド結合であり;
RCHは、キレート化された放射性または非放射性カチオンを含有していてもよいキレート化基であり、好ましくは放射性または非放射性金属カチオンであり、好ましくは項目4で定義されたキレート化基、より好ましくは項目5で定義されたキレート化基、最も好ましくは項目6で定義されたキレート化基である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩である、項目1〜9のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

0194

11.L1が、その骨格内に、合計1〜5、より好ましくは合計1〜3、最も好ましくは合計1または2つのアミドおよび/またはエステル結合、好ましくはアミド結合を含む、項目10に記載のコンジュゲート。

0195

12. −X1−L1−X2−が、以下の構造(L−1)および(L−2):
−NH−C(O)−R6−C(O)−NH−R7−NH−C(O)− (L−1)
−C(O)−NH−R8−NH−C(O)−R9−C(O)−NH−R10−NH−C(O)− (L−2)
(式中、R6〜R10は、独立して、C2〜C10アルキレン、好ましくは直鎖状C2〜C10アルキレンから選択され、該アルキレン基はそれぞれ、−OH、−OCH3、−COOH、−COOCH3、−NH2、および−NHC(NH)NH2から独立して選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよい)
のうち一方を表す、項目10に記載のコンジュゲート。

0196

13.R6およびR7またはR8〜R10中の炭素原子の総数がそれぞれ、任意選択の置換基に含有される炭素原子を除いて、8〜20個であり、より好ましくは8〜14個である、項目12に記載のコンジュゲート。

0197

14.−X1−L1−X2−が、以下の構造(L−3)および(L−4):
−NH−C(O)−R11−C(O)−NH−R12−CH(COOH)−NH−C(O)− (L−3)
−C(O)−NH−CH(COOH)−R13−NH−C(O)−R14−C(O)−NH−R15−CH(COOH)−NH−C(O)− (L−4)
(式中、R11〜R15は、独立して、C2〜C8アルキレン、好ましくは直鎖状C2〜C8アルキレンから選択される)
のうち一方を表す、項目10に記載のコンジュゲート。

0198

15.R11およびR12またはR13〜R15中の炭素原子の総数がそれぞれ、8〜18個であり、より好ましくは8〜12個であり、さらにさらにより好ましくは9または10個である、項目14に記載のコンジュゲート。

0199

16.RBが、式(IV):

0200

0201

[式中、Aは、N、CR16(ここでR16はHまたはC1〜C6アルキルである)、および5〜7員環の炭素環式または複素環式基から選択され;好ましくはAは、NおよびCHから選択され、より好ましくは、Aは、CHであり;
(CH2)aにおける

0202

0203

で示される結合は、X2と共に形成され、aは、0〜4の整数、好ましくは0または1、最も好ましくは0であり;
(CH2)bにおける

0204

0205

で示される結合は、X3と共に形成され、bは、0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0または1であり;
(CH2)cにおける

0206

0207

で示される結合は、X4と共に形成され、cは、0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0または1である]
で表される構造を有する、項目10〜15のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

0208

17.式(IIIa):

0209

0210

(式中、m、n、R1L、R2L、R3L、X1、L1、b、c、X4およびRCHは、項目10〜16で定義された通りである)
の化合物またはその医薬的に許容される塩である、項目10〜16のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

0211

18.b+c≧1である、項目17に記載のコンジュゲート。
19.b+c≦3である、項目17〜18のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
20.bが1であり、cが0である、項目17〜19のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

0212

21.−X4−RCHが、そのカルボン酸基のうちの1つと、アミド結合を介してコンジュゲートの残りに結合したDOTAおよびDOTAGAから選択されるキレート剤の残基を表す、項目10〜20のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

0213

22.式(IIIb):

0214

0215

(式中、m、n、R1L、R2L、R3L、X1、L1、b、c、X4およびRCHは、項目10〜20で定義された通りであり;
rは、0または1である)
の化合物またはその医薬的に許容される塩である、項目10〜20のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

0216

23.−N(H)−RCHが、そのカルボン酸基のうちの1つと、アミド結合を介してコンジュゲートの残りに結合したDOTAおよびDOTAGAから選択されるキレート剤の残基を表す、項目22に記載のコンジュゲート。

0217

図面は以下を例示する。

図面の簡単な説明

0218

図1は、ヒト血清アルブミン(OriginPro 2016G)への9つの参照物質の結合の決定の例示的な相関である。
図2は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける68Ga−natF−5の代表的なPET画像(最大強度投影、背面の骨組み)(1時間p.i.、15分の捕捉時間)および選択された臓器のROI定量化である。データは、平均±SD(n=4)として表される。%ID/mL=1mL当たりの注射された用量%。腫瘍の位置は矢印で示される。
図3は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける68Ga−natF−6の代表的なPET画像(最大強度投影、背面の骨組み)(1時間p.i.、15分の捕捉時間)および選択された臓器のROI定量化である。データは、平均±SD(n=4)として表される。%ID/mL=1mL当たりの注射された用量%。腫瘍の位置は矢印で示される。
図4は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおけるPMPA(8mg/kg)と共に注射された68Ga−natF−7および68Ga−natF−7(1時間p.i.、15分の捕捉時間)の代表的なPET画像(最大強度投影、背面の骨組み)およびブロッキングなしのPETスキャンの選択された臓器のROI定量化である。データは、平均±SD(n=2)として表される。%ID/mL=1mL当たりの注射された用量%。腫瘍の位置は矢印で示される。
図5は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける68Ga−natF−7の血液プール心臓)、筋肉、腎臓、肝臓およびLNCaP腫瘍異種移植片における動的PETデータ(90分の捕捉時間、OSEM3D再構成)から得られたID/mLでの時間活性曲線(TAC、対数プロット)である。
図6は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける18F−7(遊離のキレートと共に)(1時間p.i.、15分の捕捉時間)の代表的なPET画像(最大強度投影、背面の骨組み)およびブロッキングなしのPETスキャンの選択された臓器のROI定量化である。データは、平均±SD(n=3)として表される。%ID/mL=1mL当たりの注射された用量%。腫瘍の位置は矢印で示される。
図7は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける18F−7(遊離のキレートと共に)の血液プール(心臓)、筋肉、腎臓、肝臓およびLNCaP腫瘍異種移植片における動的PETデータ(90分の捕捉時間、OSEM 3D再構成)から得られたID/mLでの時間活性曲線(TAC、対数プロット)である。
図8は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける1時間p.i.での68Ga−natF−7(灰色のバー)および18F−7(遊離のキレートと共に)(白色のバー)の生体内分布(%ID/gでの)である。データは、平均±SD(n=3)として表される。
図9は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおけるPMPA(8mg/kg)と共に注射された68Ga−natF−8および68Ga−natF−8(1時間p.i.、15分の捕捉時間)の代表的なPET画像(最大強度投影、背面の骨組み)およびブロッキングなしのPETスキャンの選択された臓器のROI定量化である。データは、平均±SD(n=2)として表される。%ID/mL=1mL当たりの注射された用量%。腫瘍の位置は矢印で示される。
図10は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける68Ga−natF−8の血液プール(心臓)、筋肉、腎臓、肝臓およびLNCaP腫瘍異種移植片における動的PETデータ(90分の捕捉時間、OSEM 3D再構成)から得られたID/mLでの時間活性曲線(TAC、対数プロット)である。
図11は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおけるPMPA(8mg/kg)と共に注射された18F−8(遊離のキレート)および18F−8(遊離のキレート)(1時間p.i.、15分の捕捉時間)の代表的なPET画像(最大強度投影、背面の骨組み)およびブロッキングなしのPETスキャンの選択された臓器のROI定量化である。データは、平均±SD(n=3)として表される。%ID/mL=1mL当たりの注射された用量%。腫瘍の位置は矢印で示される。縮尺が異なることに留意されたい(左は0〜10;右は0〜20)
図12は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける18F−8の血液プール(心臓)、筋肉、腎臓、肝臓およびLNCaP腫瘍異種移植片における動的PETデータ(90分の捕捉時間、OSEM 3D再構成)から得られたID/mLでの時間活性曲線(TAC、対数プロット)である。
図13は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける1時間p.i.での68Ga−natF−8(遊離のキレート)、(灰色のバー)および18F−8(白色のバー)の生体内分布(%ID/gでの)である。データは、平均±SD(n=3)として表される。
図14は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおけるPMPA(8mg/kg)と共に注射された68Ga−natF−9(遊離のキレート)および68Ga−natF−9(遊離のキレート)(1時間p.i.、15分の捕捉時間)の代表的なPET画像(最大強度投影、背面の骨組み)およびブロッキングなしのPETスキャンの選択された臓器のROI定量化である。データは、平均±SD(n=3)として表される。%ID/mL=1mL当たりの注射された用量%。腫瘍の位置は矢印で示される。
図15は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける68Ga−natF−9の血液プール(心臓)、筋肉、腎臓、肝臓およびLNCaP腫瘍異種移植片における動的PETデータ(90分の捕捉時間、OSEM 3D再構成)から得られたID/mLでの時間活性曲線(TAC、対数プロット)である。
図16は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおけるPMPA(8mg/kg)と共に注射された18F−9(遊離のキレート)および18F−9(遊離のキレート)(1時間p.i.、15分の捕捉時間)の代表的なPET画像(最大強度投影、背面の骨組み)およびブロッキングなしのPETスキャンの選択された臓器のROI定量化である。データは、平均±SD(n=4)として表される。%ID/mL=1mL当たりの注射された用量%。腫瘍の位置は矢印で示される。
図17は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける18F−9(遊離のキレート)の血液プール(心臓)、筋肉、腎臓、肝臓およびLNCaP腫瘍異種移植片における動的PETデータ(90分の捕捉時間、OSEM 3D再構成)から得られたID/mLでの時間活性曲線(TAC、対数プロット)である。
図18は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける1時間p.i.での68Ga−natF−9(灰色のバー)および18F−9(遊離のキレート)(白色のバー)の生体内分布(%ID/gでの)である。データは、平均±SD(n=3)として表される。
図19は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおけるPMPA(8mg/kg)と共に注射された18F−natGa−7(遊離のキレート)および18F−natGa−7(遊離のキレート)(1時間p.i.、15分の捕捉時間)の代表的なPET画像(最大強度投影、背面の骨組み)およびブロッキングなしのPETスキャンの選択された臓器のROI定量化である。データは、平均±SD(n=3)として表される。%ID/mL=1mL当たりの注射された用量%。腫瘍の位置は矢印で示される。
図20は、構造的に同一な化合物68Ga−natF−7(遊離のキレート)(灰色のバー)と比較したLNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける1時間p.i.での18F−natGa−7(遊離のキレート)(白色のバー)の生体内分布(%ID/gでの)である。データは、平均±SD(n=3)として表される。
図21は、左の画像は、正常な生体内分布(検出可能な腫瘍病変がない)対象のPETからの最大強度投影(MIR)を示すである。272MBqの18F標識PSMA−SIFA3(7)の注射後76分に画像を獲得した。図21右は、高い病変対バックグラウンド比で複数の腫瘍病変を示す中程度に進行した疾患を有する対象のPETからの最大強度投影(MIP)を実証する。312MBqの18F標識PSMA−SIFA3(7)の注射後102分に画像を獲得した。
図22は、表6のグラフ表示である。
図23は、表7のグラフ表示である。
図24は、表8のグラフ表示である。
図25は、表9のグラフ表示である。
図26は、根治的前立腺摘除術の1.5年後に生化学的再発を有する70歳患者グリーソン8、pT2c、pN1)のMIR(A)および体軸横断画像(B〜D)を示す。18F標識PSMA−SIFA3(7)を高度に取り込んだ右骨盤における5mmの直径を有する単一の前立腺がんの典型的な病変が存在する。病変の悪性の性質を組織病理学によって検証した。
図27は、進行性の進行去勢抵抗性前立腺がんを有する80歳患者(PSA66.4ng/ml)の一連の画像である。画像は、前立腺がん病変の異なるクラス(局所腫瘍、リンパ節転移骨転移肝臓転移)において18F標識PSMA−SIFA3(7)の高い取込みを示す。実証された病変は、2mmもの小ささである(矢印は、全てではないが代表的な腫瘍病変を示す)。
図28は、68Ga標識SiFA置換キレーターベースのPETトレーサーの概念調査の証明を示す。
図29は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける18F−natLu−rh−7(1時間p.i.、15分の捕捉時間)およびブロッキングなしのPETスキャンの選択された臓器のROI定量化の代表的なPET画像(最大強度投影、背面の骨組み)である。データは、平均±SD(n=3)として表される。%ID/mL=1mL当たりの注射された用量%。腫瘍の位置は矢印で示される。
図30は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける18F−natLu−rh−7の血液プール(心臓)、筋肉、腎臓、肝臓およびLNCaP腫瘍異種移植片における動的PETデータ(90分の捕捉時間、OSEM 3D再構成)から得られたID/mLでの時間活性曲線(TAC、対数プロット)である。
図31は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける24時間p.i.での177Lu−natF−7、177Lu−natF−8および177Lu−natF−10の生体内分布(%ID/gでの)である。データは、平均±SD(n=4)として表される。
図32は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける1時間および24時間p.i.での177Lu−natF−10の生体内分布(%ID/gでの)である。データは、平均±SD(n=4)として表される。
図33は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける24時間p.i.での確立された、および新しいrhPSMA−リガンドの比較生体内分布(%ID/gでの)である。データは、平均±SDとして表される(n=4〜5)。
図34は、LNCaP腫瘍を有するSCIDマウスにおける1時間p.i.での177Lu−natF−10および68Ga−natF−10の生体内分布(%ID/gでの)である。データは、平均±SD(n=4)として表される。

0219

以下の実施例において本発明を例示する。

0220

実施例1:材料および方法
総論
Fmoc−(9−フルオレニルメトキシカルボニル−)および全ての他の保護されたアミノ酸類似体を、ベイケム(Bachem)(ブーベンドルフ、スイス)またはアイリスバイオテック(Iris Biotech)(マルクトレドヴィッツ、ドイツ)から購入した。トリチルクロリドポリスチレン(TCP)樹脂を、PepChem(チュービンゲン、ドイツ)から得た。ケマテック(Chematech)(ディジョン、フランス)が、キレーターDOTAGA無水物およびNOTAを提供した。TRAPキレーター(1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−トリス[メチレン(2−カルボキシエチル)ホスフィン酸])を、以前述べられたようにして合成した(Notniら、Chemistry(Weinheim an der Bergstrasse、ドイツ)16)、7174〜85(2010))。フッ化ケイ素アクセプターSIFA−安息香酸の合成を、これまでに公開された手順に従って実行した(Iovkovaら、Chemistry(Weinheim an der Bergstrasse、ドイツ)15、2140〜7(2009))。全ての必要な溶媒および他の有機試薬を、アルファ・エイサー(AlfaAesar)(カールスルーエ、ドイツ)、シグマアルドリッチ(Sigma-Aldrich)(ミュンヘン、ドイツ)またはVWR(ダルムシュタット、ドイツ)のいずれかから購入した。ペプチドの固相合成を、Intelli−ミキサーシリンジシェーカー(Neolab、ハイデルベルグ、ドイツ)を使用して手作業で行った。分析および分取逆相高圧クロマトグラフィー(RP−HPLC)を、それぞれSPD−20A UV/Visデテクター(220nm、254nm)を備えた島津(Shimadzu)勾配システム(Shimadzu Deutschland GmbH、ノイファールン、ドイツ)を使用して実行した。ヌクレオシル(Nucleosil)100 C18(125×4.6mm、5μm粒度カラム(CS GmbH、ランガーヴェーエ、ドイツ)を、1mL/分の流速で分析的測定に使用した。特定の勾配と対応する保持時間tRはどちらも、本文に述べられている。分取用HPLC精製を、マルトスフェア(Multospher)100 RP18(250×10mm、粒度5μm)カラム(CS GmbH、ランガーヴェーエ、ドイツ)を用いて5mL/分の一定流速度で行った。分析および分取放射線RP−HPLCを、ヌクレオシル100 C18(5μm、125×4.0mm)カラム(CS GmbH、ランガーヴェーエ、ドイツ)を使用して実行した。全てのHPLC操作のための溶離剤は、両方とも0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水(溶媒A)およびアセトニトリル(溶媒B)であった。物質の特徴付けのためのエレクトロスプレーイオン化質量スペクトルを、エクスプレッションL(expressionL)CMS質量分析計(アドビジョン社(Advion Ltd.)、ハーロー、英国)で獲得した。UV−光度計出口の連結部からEG&Gオルテック(EG&G Ortec)(ミュンヘン、ドイツ)からのNaI(Tl)ウェルシンチレーションカウンターにわたり放射活性を検出した。ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を、セファデックス(Sephadex)GP−10(100g、約30×3cmのベッドサイズ)において溶離剤として水を用いて行い、溶出液を20mL画分で分離した。NMRスペクトルを、ブルカー(Bruker)AVHD−300またはAVHD−400分光計で、300Kで記録した。pH値を、セブンイージー(SevenEasy)pH−メーターメトラー・トレド(Mettler Toledo)、ギーセン、ドイツ)を用いて測定した。

0221

合成プロトコール
1)Fmoc戦略による固相ペプチド合成
TCP樹脂ローディング
Fmoc保護アミノ酸(AA)を有するトリチルクロリドポリスチレン(TCP)樹脂のローディングを、DIPEA(4.5当量)を含む無水DCM中のTCP樹脂(1.95mmol/g)およびFmoc−AA−OH(1.5当量)の溶液を室温で2時間撹拌することによって行った。残存するトリチルクロリドを、15分にわたりメタノール(2mL/g樹脂)を添加することによってキャップした。その後、樹脂をろ過し、DCM(2×5mL/g樹脂)、DMF(2×5mL/g樹脂)、メタノール(5mL/g樹脂)で洗浄し、真空中で乾燥させた。Fmoc−AA−OHの最終ローディングlを、以下の方程式によって決定した:

0222

0223

m2=ローディングされた樹脂の質量[g]
m1=ローディングされなかった樹脂の質量[g]
MW=AAの分子量[g/mol]
MHCl=HClの分子量[g/mol]
樹脂上でのペプチド形成
それぞれの側鎖が保護されたFmoc−AA−OH(1.5当量)を、DMF(8mL/g樹脂)中に溶解させ、TBTU(1.5当量)、HOBt(1.5当量)およびDIPEA(4.5当量)を添加することによって予備的に活性化させた。SIFA−BAの予備活性化を同じように実行した。アジドで置換されたアミノ酸(2.0当量)の場合、HATU(3.0当量)、HOAt(3.0当量)およびDIPEA(6.0当量)を使用した。15分活性化した後、溶液を樹脂が結合した遊離アミンペプチドTCP−AA−NH2に添加し、室温で2時間振盪した。その後、樹脂をDMF(6×5mL/g樹脂)で洗浄し、Fmoc脱保護の後、次のアミノ酸を同じようにカップリングした。

0224

樹脂上でのFmoc脱保護
樹脂に結合したFmoc−ペプチドを、DMF(v/v、8mL/g樹脂)中の20%ピペリジンで、5分、それに続いて15分処理した。その後、樹脂をDMF(8×5mL/g樹脂)で徹底的に洗浄した。

0225

樹脂上でのDde脱保護
Ddeで保護されたペプチド(1.0当量)を、DMF(v/v、5mL/g樹脂)中の2%ヒドラジン一水和物の溶液に溶解させ、15分振盪した。Fmoc基が存在する場合、室温で3時間かけて、NMP(2.5mL)およびDMF(0.5mL)中のイミダゾール(0.46g)、塩酸ヒドロキシルアミン(0.63g)の溶液を添加することによって、Dde脱保護を実行した。脱保護の後、樹脂を、DMF(6×5mL/g樹脂)で洗浄した。

0226

樹脂上でのAlloc脱保護
アリルオキシ保護基を、DCM(6mL)中に溶解したトリイソプロピルシラン(TIPS)(50.0当量)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(Pd(PPh3)4)(0.3当量)の添加によって除去した。室温で1.5時間後、樹脂を、DCM(6×5mL/g樹脂)で洗浄した。

0227

tBu/Boc脱保護
未精製の生成物をTFA中に溶解させ、室温で40分撹拌することによって、tBu/tBoc保護基の除去を行った。窒素流下でTFAを除去した後、残留物を、tert−ブタノールと水およびの混合物中に溶解させた。凍結乾燥した後、粗製ペプチドを得た。

0228

樹脂からのペプチド切断
a)酸不安定性保護基の保存:樹脂に結合したペプチドを、DCM/TFE/AcOH(v/v/v;6/3/1、8mL/g樹脂)の混合物中に溶解させ、30分振盪した。完全に保護されたペプチドを含有する溶液をろ過し、樹脂を、切断溶液の別の部分で30分処理した。両方の画分を合わせ、トルエンと水を連続的に添加することによって酢酸減圧下で除去した。残存する水を凍結乾燥した後、粗製の完全に保護されたペプチドを得た。

0229

b)全ての酸不安定性保護基の脱保護:完全に保護された樹脂に結合したペプチドを、TFA/TIPS/水(v/v/v;95/2.5/2.5)の混合物中に溶解させ、30分振盪した。溶液をろ過し、樹脂を同じ方法でさらに30分処理した。両方のろ液を合わせ、窒素流下で濃縮した。tert−ブタノールおよび水の混合物中に残留物を溶解させ、続いて凍結乾燥した後、粗製ペプチドを得た。

0230

2)結合モチーフの合成
Lys−尿素−Glu((tBuO)KuE(OtBu)2)(1)

0231

0232

tBuで保護されたLys−尿素−Glu結合モチーフ(EuK)の合成を、液相合成によって以前述べられたようにして行った(Weineisenら、EJNMMIresearch 4、63(2014))。生成物をワックス状固体として得た(91.5%)。HPLC(15分で10〜90%のB):tR=12.6分。モノアイソトピック質量計算値(C24H45N3O7):487.6、実測値:m/z=488.3[M+H]+、510.3[M+Na]+。
Glu−尿素−Glu((tBuO)EuE(OtBu)2)(2)

0233

0234

tBuで保護されたGlu−尿素−Glu結合モチーフ(EuE)を、これまでに公開された手順に従って合成した(Weineisenら、EJNMMIresearch 4、63(2014))。生成物を吸湿性の固体として得た(84%)。HPLC(15分で10%〜90%のB):tR=11.3分。モノアイソトピック質量の計算値(C23H49N2O9):488.3;実測値:m/z=489.4[M+H]+、516.4[M+Na]+。
PfpO−Sub−(tBuO)KuE(OtBu)2(3)

0235

0236

EuKのスベリン酸スペーサーへのコンジュゲーションを以前述べられたようにして実行した(Weineisenら、EJNMMIresearch 4、63(2014))。生成物を無色の油状物として得た(72%)。HPLC(15分で10〜90%のB):tR=15.5分。モノアイソトピック質量の計算値(C38H56F5N3O10):809.4、実測値:m/z=810.6[M+H]+、832.4[M+Na]+。

0237

EuK−sub部分(3)のペプチドへのコンジュゲーション
N末端で脱保護されたペプチド(1.0当量)をDMF中の3(1.2当量)の溶液に添加し、TEA(8当量)を添加した。溶液を室温で2時間撹拌した後、DMFを真空中で除去した。tBu−エステルの切断のために、TFAを添加し、溶液を室温で45分撹拌した。窒素流下でTFAを除去した後、未精製の生成物をRP−HPLCによって精製した。

0238

3)プロパルギル−TRAP(4)の合成

0239

0240

プロパルギル−TRAPの合成を以前述べられたようにして行った(Reichら、Chemical communications(ケンブリッジ、英国)53、2586〜2589(2017))。分取用HPLCによって最終的な精製を行い、60.2mg(82.4μmol、46%)のプロパルギル−TRAPを無色の固体として得た。HPLC(20分で2〜40%のB):tR=6.0分。モノアイソトピック質量の計算値(C21H39N4O11P3):616.5、実測値:m/z=617.5[M+H]+。

0241

1H-NMR(300MHz, D-2O, 300 K) δ = 1.96-2.08 (m, 6H, C(O)-CH2), 2.46-2.55 (m, 2H, PB-CH2-C), 2.59-2.70 (m, 4H, PA-CH2-C), 3.36 (d, 2H, 2JPH= 6 Hz, PB-CH2-N), 3.41 (d, 4H, 2JPH= 6 Hz, PA-CH2-N), 3.47-3.48 (m, 12H, ring-CH-2), 3.95 (d, 2H, CH2-C≡CH, 4JHH = 3 Hz) ppm*. 13C{1H}-NMR (101 MHz, D2O, 300 K) δ = 24.61 (d, 1JPP= 95 Hz, PB-C-C), 25.07 (d, 1JPP = 94 Hz, PA-C-C), 26.71 (d, 2JPP = 4 Hz, PB-C-C), 27.82 (d, 2JPP= 3 Hz, PA-C-C), 28.89 (C-C≡C), 51.29 / 51.41 / 51.50 (3つの異なる環-C), 53.66 (d, 1JPP= 91 Hz, N-C-PA), 53.66 (d, 1JPP = 90 Hz, N-C-PB), 71.79 (C-C≡C), 79.65 (C-C≡C), 174.46 (d, 3JPP = 14 Hz, N(H)-C=OB), 177.24 (d, 3JPP = 13 Hz, C=OA) ppm*. 31P{1H}-NMR (162 MHz, D2O, 300 K) δ = 37.99 (PA), 38.68(PB) ppm*。*:添え字AおよびBは、それぞれ未修飾Aおよび修飾B側枝に属するPおよびO原子を示す。

0242

プロパルギル−TRAP(4)のペプチドへのカップリング
銅(I)触媒によるアルキンアジ化物付加環化を介したアジ化物で官能化したペプチドのプロパルギル−TRAPへのコンジュゲーションについては、これまでに開発された手順を適用した(Reichら、Chemical communications(ケンブリッジ、英国)53、2586〜2589(2017))。簡単に言えば、プロパルギル−TRAP(1.0当量)を水(40mM溶液)中に溶解させ、tBuOHと水tBuOHおよび水の1:1(v/v)混合物中のペプチド(1.1当量)の溶液と合わせた。その後、水中のアスコルビン酸ナトリウム(0.5M、50当量)の溶液を添加した。反応を開始させるために、Cu(OAc)2・H2Oの水溶液(0.05M、1.2当量)を添加したところ、色の沈殿が生じ、この沈殿は、透明な緑色の溶液中で撹拌した後に溶解した。TRAPの脱金属のために、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸の水溶液(NOTA、8mM、12当量)を添加し、pHを1MのHCl水溶液で2.2に調整した。60℃で1時間、または室温で48時間のいずれかの後、混合物を分取用HPLC精製に直接供した。

0243

4)DOTAGAのコンジュゲーション
ペプチドとそれぞれのキレーターDOTAGA無水物との縮合は、数々の公報に記載されており、以下のように要約される:N末端で脱保護されたペプチド(1.0当量)を、無水DMF中のDOTAGA無水物(1.5当量)およびDIPEA(10.0当量)と共に溶解した。反応混合物を一晩撹拌した後、DMFを真空中で除去し、未精製の生成物を得た。

0244

5)EuKベースのPSMA−SIFA阻害剤の合成
PSMA−SIFA1(5)

0245

0246

PSMA−SIFA1を、上述した方法を適用したトリチルクロリドポリスチレン(TCP)樹脂での標準的なFmoc−固相ペプチド合成(SPPS)に従って合成した。簡単に言えば、樹脂に結合したFmoc−D−Lys(Boc)を、DMF中の20%ピペリジンでFmoc脱保護し、DMF中のHOBt(2.0当量)、TBTU(2.0当量)およびDIPEA(6.0当量)を適用して、Fmoc−D−Dap(Dde)−OH(2.0当量)をコンジュゲートした。NMPおよびDMFの混合物中のイミダゾールおよび塩酸ヒドロキシルアミンでのオルトゴナルなDde脱保護の後、SIFA−BA(1.5当量)を同じようにコンジュゲートした。それに続くFmoc脱保護とDCM中のTFEおよびAcOHを用いた樹脂からの穏やかな切断とにより、Bocで保護されたペプチド骨格を得た。DOTAGA無水物(1.5当量)の縮合を、DMF中のDIPEA(10当量)を添加することによって実行した。TFA中でのBoc脱保護の後、PfpO−Sub−(tBuO)KuE(OtBu)2部分(1.2当量)を、TEA(8当量)およびDMFの混合物中に添加した。TFA中でのtBu−エステルの最終的な切断とRP−HPLC精製により、PSMA−SIFA1(70%)を無色の固体として得た。HPLC(15分で10〜90%のB):tR=9.1分。モノアイソトピック質量の計算値(C63H102FN11O22Si):1411.7、実測値:m/z=1412.3[M+H]+、706.8[M+2H]2+。

0247

0248

スキーム1:PSMA−SIFA1の合成:a)20%ピペリジン(DMF);b)Fmoc−D−Dap(Dde)−OH、HOBt、TBTU、DIPEA(DMF);c)イミダゾール、塩酸ヒドロキシルアミン、(NMP、DMF);d)SIFA−BA、HOBt、TBTU、DIPEA(DMF);e)TFE、AcOH、(DCM);f)DOTAGA無水物、DIPEA、(DMF);g)TFA;h)PfpO−Sub−(tBuO)KuE(OtBu)2、TEA、(DMF)。

0249

PSMA−SIFA2(6)

0250

0251

PSMA−SIFA2の合成を、上述した一般的な方法および手順を適用することによって行った。手短に言えば、樹脂に結合したFmoc−D−Lys(Boc)−OHを、DMF中の20%ピペリジンでFmoc脱保護し、DMF中のHATU(3.0当量)、HOAt(3.0当量)およびDIPEA(6.0当量)を用いてN3−L−Dap(Fmoc)−OH(2.0当量)にコンジュゲートした。Fmoc基の切断後、SIFA−BA(1.5当量)を、DMF中のHOBt(1.5当量)、TBTU(1.5当量)およびDIPEA(4.5当量)と共に添加した。それに続くTFAを用いた樹脂からの切断により、完全に脱保護されたペプチド骨格を得た。EuK部分のコンジュゲーションのために、PfpO−Sub−(tBuO)KuE(OtBu)2(1.2当量)を、TEA(8当量)およびDMFの混合物中に添加した。tBu−エステルの切断を、TFAを添加することによって実行した。最終的な工程において、精製したペプチド(1.1当量)を、上述したように、銅(I)で触媒されるアルキン−アジ化物付加環化においてプロパルギル−TRAP(1.0当量)と反応させた。RP−HPLC精製の後、PSMA−SIFA2(4%)を無色の固体として得た。HPLC(15分で10〜90%のB):tR=8.5分。モノアイソトピック質量の計算値(C65H109FN13O24P3Si):1595.7、実測値:m/z=1596.5[M+H]+、799.1[M+2H]2+。

0252

0253

スキーム2:PSMA−SIFA2の合成:a)20%ピペリジン(DMF);b)N3−L−Dap(Fmoc)−OH、HATU、HOAt、DIPEA(DMF);c)SIFA−BA、HOBt、TBTU、DIPEA(DMF);d)TFA;e)PfpO−Sub−(tBuO)−KuE(OtBu)2、TEA、(DMF);f)プロパルギル−TRAP、Cu(OAc)2・H2O、アスコルビン酸ナトリウム(tBuOH、H2O)。

0254

6)EuEベースのPSMA−SIFA阻害剤の合成
PSMA−SIFA3(7)

0255

0256

PSMA−SIFA3を、上述した標準的なFmoc−SPPSプロトコールを適用することによって合成した。簡単に言えば、樹脂に結合したFmoc−D−Orn(Dde)−OHを、DMF中の20%ピペリジンでFmoc脱保護し、(tBuO)EuE(OtBu)2(2.0当量)を、DMF中のHOBt(2.0当量)、TBTU(2.0当量)およびDIPEA(6.0当量)とコンジュゲートした。DMF中の2%ヒドラジンの混合物でDde基を切断した後、DMF中の無水コハク酸(7.0当量)およびDIPEA(7.0当量)の溶液を添加した。Fmoc−D−Lys−OAll・HCl(1.5当量)のコンジュゲーションが、DMF中のHOBt(1.5当量)、TBTU(1.5当量)およびDIPEA(4.5当量)の混合物を添加することによって達成された。DMF中の20%ピペリジンでFmoc基を切断した後、DMF中のHOBt(2.0当量)、TBTU(2.0当量)およびDIPEA(6.0当量)の混合物中でのアミノ酸の予備活性化して、遊離アミンをFmoc−D−Dap(Dde)−OH(2.0当量)にコンジュゲートした。それに続き、NMPおよびDMFの混合物中に溶解したイミダゾールおよび塩酸ヒドロキシルアミンを使用してオルトゴナルなDde脱保護を行った。SIFA−BA(1.5当量)を、DMF中の活性化試薬としてHOBt(1.5当量)、TBTU(1.5当量)およびDIPEA(4.5当量)を用いて、側鎖の遊離アミンと反応させた。アリルオキシ保護基を、DCM中に溶解したTIPS(50.0当量)およびPd(PPh3)4(0.3当量)の添加によって除去した。ピペリジンでのFmoc脱保護の後、DCM中のTFEおよびAcOHの混合物を使用して酸不安定性の保護基を保存することにより、ペプチドを樹脂から切断した。DOTAGA無水物(1.5当量)の最終的な縮合が、DMF中のピペリジン(10当量)を用いて達成された。EuE部分のtBu−エステルをTFAで切断した後、粗製ペプチドをRP−HPLCによって精製し、PSMA−SIFA3(24%)を無色の固体として得た。HPLC(15分で10〜70%のB):tR=10.4分。モノアイソトピック質量の計算値(C63H99FN12O25Si):1470.7、実測値:m/z=1471.8[M+H]+、736.7[M+2H]2+。

0257

0258

スキーム3:PSMA−SIFA3の合成:a)20%ピペリジン、(DMF);b)(tBuO)EuE(OtBu)2、HOBt、TBTU、DIPEA、(DMF);c)2%ヒドラジン(DMF);d)無水コハク酸、DIPEA、(DMF);e)Fmoc−D−Lys−OAll・HCl、HOBt、TBTU、DIPEA、(DMF);f)Fmoc−D−Dap(Dde)−OH、HOBt、TBTU、DIPEA、(DMF);g)イミダゾール、塩酸ヒドロキシルアミン、(NMP、DMF);h)SIFA−BA、HOBt、TBTU、DIPEA(DMF);i)TIPS、Pd(PPh3)4、(DCM);j)TFE、AcOH(DCM);k)DOTAGA無水物、DIPEA、(DMF);l)TFA。

0259

PSMA−SIFA4(8)

0260

0261

PSMA−SIFA4を、化合物7のように、ただし以下の1点を変更して、SPPSを介して合成した;Fmoc−D−Dap(Dde)−OHのコンジュゲーションの後、Fmoc保護基を、最初にDMF中の20%ピペリジンで切断し、SIFA−BAをペプチドの遊離のN末端と反応させた。NMPおよびDMFの混合物中に溶解したイミダゾールおよび塩酸ヒドロキシルアミンを使用することによってアリルオキシ保護基を除去した後に、残存するDde基を切断した。それに続く反応工程はPSMA−SIFA3と同一であった。RP−HPLC精製後、PSMA−SIFA4(11%)を無色の固体として得た。HPLC(15分で10〜70%のB):tR=10.4分。モノアイソトピック質量の計算値(C63H99FN12O25Si):1470.7、実測値:m/z=1471.7[M+H]+、736.8[M+2H]2+。

0262

0263

スキーム4:PSMA−SIFA4の合成:a)20%ピペリジン、(DMF);b)Fmoc−D−Dap(Dde)−OH、HOBt、TBTU、DIPEA、(DMF);c)SIFA−BA、HOBt、TBTU、DIPEA(DMF);d)TIPS、Pd(PPh3)4、(DCM);e)イミダゾール、塩酸ヒドロキシルアミン、(NMP、DMF);f)TFE、AcOH(DCM);g)DOTAGA無水物、DIPEA、(DMF);h)TFA。

0264

PSMA−SIFA5(9)

0265

0266

PSMA−SIFA5のペプチド骨格をリガンド7および8と同じように調製した。最終的なプロパルギル−TRAPでのクリック反応に必要な、Fmoc−D−Dap(Dde)−OHの代わりにN3−L−Dap(Fmoc)−OHを使用することが異なっていた。アジドで置換されたアミノ酸(2.0当量)を、DMF中のHATU(3.0当量)、HOAt(3.0当量)およびDIPEA(6.0当量)とコンジュゲートした。その側鎖を20%ピペリジンでFmoc脱保護した後、SIFA−BA(1.5当量)を上述したように反応させた。キレーター部分のコンジュゲーションまでの全ての残りの反応工程は、ペプチド7および8と同一であった。全ての酸不安定性の保護基を並行して脱保護しながらTFAを用いて樹脂から切断した後、精製したEuE−アジド−コンジュゲート(1.1当量)を、銅(I)で触媒されるアルキン−アジ化物付加環化においてプロパルギル−TRAP(1.0当量)と反応させた。RP−HPLC精製により、PSMA−SIFA5(9%)を無色の固体として得た。HPLC(15分で10〜90%のB):tR=8.7分。モノアイソトピック質量の計算値(C65H106FN14O27P3Si):1654.6、実測値:m/z=1655.6[M+H]+、828.4[M+2H]2+。

0267

0268

スキーム5:PSMA−SIFA5の合成:a)20%ピペリジン、(DMF);b)N3−L−Dap(Fmoc)−OH、HOBt、TBTU、DIPEA、(DMF);c)SIFA−BA、HOBt、TBTU、DIPEA(DMF);d)TIPS、Pd(PPh3)4、(DCM);e)TFA;f)プロパルギル−TRAP、Cu(OAc)2・H2O、アスコルビン酸ナトリウム(tBuOH、H2O)。

0269

複合体化実験
natGa−TRAP複合体の合成:DMSO中のPSMA前駆体の2mMストック溶液500μLを、2mMのGa(NO3)3水溶液750μLと合わせた。複合体化が室温で瞬間的に起こった。反応の完了は、RP−HPLCとそれに続く質量分析によって制御した。

0270

natGa−PSMA−SIFA2:HPLC(15分で10〜90%のB):tR=9.5分。モノアイソトピック質量の計算値(C65H106FGaN13O24P3Si):1661.6、実測値:m/z=1663.9[M+H]+、832.6[M+2H]2+。

0271

natGa−PSMA−SIFA5:HPLC(15分で10〜90%のB):tR=9.0分。モノアイソトピック質量の計算値(C65H103FGaN14O27P3Si):1720.5、実測値:m/z=1720.8[M+H]+、861.1[M+2H]2+。

0272

natGa−DOTAGA複合体の合成:DMSO中のPSMA前駆体の2mMストック溶液500μLを、2mMのGa(NO3)3水溶液1500μLと合わせた。反応混合物を60℃で30分加熱した。反応の結果を、RP−HPLCとそれに続く質量分析によってモニターした。[natGa]PSMA−SIFAリガンドを18Fで放射性標識するために、複合体化した化合物を、RP−HPLCによって精製し、その後、反応物を標識化した。

0273

natGa−PSMA−SIFA1:HPLC(15分で10〜90%のB):tR=9.1分。モノアイソトピック質量の計算値(C63H99FGaN11O22Si):1477.6、実測値:m/z=1479.5[M+H]+、740.2[M+2H]2+。

0274

natGa−PSMA−SIFA3:HPLC(15分で10〜70%のB):tR=10.4分。モノアイソトピック質量の計算値(C63H96FGaN12O25Si):1536.6、実測値:m/z=1539.4[M+H]+、770.3[M+2H]2+。

0275

natGa−PSMA−SIFA4:HPLC(15分で10〜70%のB):HPLC(15分で10〜70%のB):tR=10.4分。モノアイソトピック質量の計算値(C63H96FGaN12O25Si):1536.6、実測値:m/z=1539.1[M+H]+、770.5[M+2H]2+。

0276

natLu−複合体化:対応するnatLuIII−複合体を、過量の2.5モル濃度のLuCl3(20mM溶液)を含むPSMA阻害剤の2mM水溶液から調製し、95℃で30分加熱した。冷却後、HPLCおよびMSを使用して、natLuIII−キレート形成が確認された。次いで得られたそれぞれのnatLu−複合体の1mM水溶液を希釈し、それ以上処理せずにインビトロのIC50研究で使用した。

0277

放射標識
68Ga標識化:68Ga標識化を、以前述べられたようにして自動システム(GallElut+、シンミクス(Scintomics)製、ドイツ)を使用して行った(Notniら、EJNMMIresearch、28(2012))。簡単に言えば、SnO2マトリックス(IThemba LABS)を有する68Ge/68Gaジェネレーターを1.0MのHCl水溶液で溶出させ、それから活性のおよそ80%(500〜700MBq)を有する画分(1.25mL)を反応バイアル(ALLTECH、5mL)に移した。溶出前に、リアクターに、2.7MのHEPES水溶液中の2〜5nmolのそれぞれのキレーターコンジュゲート(DOTAGA−コンジュゲート:900μL、TRAP−コンジュゲート:400μL)をローディングした。溶出後、バイアルを95℃で5分加熱した。反応混合物を固相抽出カートリッジ(C8ライト、SepPak)に通過させ、水(10mL)でパージし、生成物を50%水性エタノール(2mL)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、1mL)および再度水(1mL)で溶出させることによって、精製した。真空中でエタノールを除去した後、放射標識された化合物の純度を、放射線TLC(ITLC−SGクロマトグラフィーペーパー移動相:0.1Mクエン酸三ナトリウムおよび1M酢酸アンモニウムとメタノールとの1:1混合物(v/v))によって決定した。

0278

18F標識化:18F標識化のために、これまでに公開された手順(Wanglerら、Nat Protoc 7、1946〜55(2012))をわずかに改変したものを適用した。簡単に言えば、18F−水溶液をSAXカートリッジ(Sep-Pak Accell Plus QMAカーボネートライト)に通過させ、10mLの水で予備調整した。10mLの空気で乾燥させた後、10mLの無水アセトニトリル、それに続いて20mLの空気でカートリッジを濯ぐことによって水を除去した。18Fを、500μLの無水アセトニトリル中に溶解した100μmolの[K+⊂2.2.2]OH ̄で溶出させた。標識化の前に、無水アセトニトリル(1M、25μL)中の25μmolのシュウ酸を添加した。この混合物を、10〜25μmolのPSMA−SIFA(無水DMSO中の1M)のフッ素化のために、全体またはアリコートとして使用した。得られた反応混合物を室温で5分インキュベートした。トレーサーの精製のために、10mLのEtOH、続いて10mLのH2Oで予備調整したSep−Pak C18ライトカートリッジを使用した。標識化混合物を9mLの0.1MのHEPES緩衝液(pH3)で希釈し、およびカートリッジ、続いて10mLのH2Oに通過させた。ペプチドを、水中のEtOHの4:1混合物(v/v)500μLで溶出させた。標識された化合物の放射化学的純度を、放射線RP−HPLCおよび放射線TLC(シリカゲル60RP−18F254s、移動相:10%の2MのNaOAc溶液および1%のTFAが補充されたH2O中のMeCNの3:2混合物(v/v))によって決定した。

0279

125I標識化:インビトロでの研究のための参照リガンド([125I]I−BA)KuEを、これまでに公開された手順(Weineisenら、EJNMMIresearch、4、63(2014))に従って調製した。簡単に言えば、0.1mgのスタニル化前駆体(SnBu3−BA)(OtBu)KuE(OtBu)2を、20μLの過酢酸、5.0μL(21MBq)の[125I]NaI(74TBq/mmol、3.1GBq/mL、40mMのNaOH、ハルマン・アナリティック(Hartmann Analytic)、ブラウンシュバイク、ドイツ)、20μLのMeCNおよび10μLの酢酸を含有する溶液中に溶解させた。反応溶液を室温で10分インキュベートし、カートリッジにローディングし、10mLの水で濯いだ(10mLのMeOHおよび10mLの水で予備調整したC18 Sep Pakプラスカートリッジ)。EtOH/MeCNの1:1混合物(v/v)2.0mLで溶出した後、穏やかな窒素流下で放射性溶液蒸発乾固させ、200μLのTFAで30分処理し、続いてTFAを蒸発させた。([125I]I−BA)KuEの未精製の生成物を、RP−HPLCによって精製した(20分で20%〜40%のB):tR=13.0分。

0280

177Luでの標識付け:10μLの反応体積になるまで、1.0MのNH4OAc緩衝液pH=5.9を、0.75〜1.0nmolのトレーサー(7.5〜10μL)、10〜40MBqの177LuCl3(特異的な活性(AS)>3000GBq/mg、740MBq/mL、0.04MのHCl、ITG、ガルヒンク、ドイツ)に添加し。最後にほぼ純粋な水(メルク(Merck)、ダルムシュタット、ドイツ)を100μLまで充填した。反応混合物を95℃で30分加熱し、放射化学的純度を、放射線TLC(シリカゲル60RP−18F254s、10%の2MのNaOAc溶液が補充されたH2O中のMeCNおよび1%のTFAの3:2混合物(v/v)、Rf=0.5)を使用して決定した。

0281

インビトロの実験
IC50の決定
PSMA陽性(posivite)LNCaP細胞を、10%ウシ胎児血清が補充されたグルタマクス(Glutamax)−I(1:1で)(Invitrigon)を含むダルベッコ(Dublecco)改変イーグル培地栄養混合物F−12中で増殖させ、加湿した5%のCO2雰囲気中、37℃で維持した。PSMA親和性(IC50)の決定のために、細胞を、実験前の24±2時間で回収し、24−ウェルプレート中にシーディングした(1mL/ウェル中、細胞1.5×105個)。培養培地を除去した後、細胞を500μLのHBSS(ハンク平衡塩溶液、バイオクロム(Biochrom)、ベルリン、ドイツ、1%ウシ血清アルブミン(BSA)添加)で一度処理し、200μLのHBSS(1%のBSA)中で平衡化するために上で15分放置した。次に、HBSS(1%のBSA、対照)または濃度を増加させた(HBSS中10−10〜10−4M)それぞれのリガンドのいずれかを含有する25μL/ウェルの溶液を添加し、続いてHBSS(1%のBSA)中の25μLの([125I]I−BA)KuE(2.0nM)を添加した。全ての実験を各濃度につき少なくとも3回実行した。氷上で60分インキュベートした後、培地を除去し、200μLのHBSSで連続して濯ぐことによって実験を終結させた。遊離の放射性リガンドの量を示す両方の工程の培地を1つの画分に合わせた。その後、細胞を250μLの1MのNaOHで溶解させ、以下の洗浄工程の200μLのHBSSと一緒にした。結合したおよび遊離の放射性リガンドの定量化をγカウンターで行った。

0282

内在化
内在化研究のために、LNCaP細胞を、実験前の24±2時間で回収し、24−ウェルプレート中にシーディングした(1mL/ウェル中、細胞1.25×105個)。培養培地を除去した後、細胞を500μLのDMEM−F12(5%のBSA)で1回洗浄し、放置して、37℃で少なくとも15分、200μLのDMEM−F12(5%のBSA)中で平衡化した。各ウェルを、ブロックするために、25μLのDMEM−F12(5%のBSA)または100μMのPMPA溶液のいずれかで処理した。次に、25μLの68Ga/18F標識PSMA阻害剤(5.0nM)を添加し、細胞を37℃で60分インキュベートした。24−ウェルプレートを氷上に3分置き、連続して培地を除去することによって実験を終結させた。各ウェルを250μLのHBSSで濯ぎ、遊離の放射性リガンドの量を表すこれらの最初の二段階からの画分を合わせた。表面に結合した活性物質の除去を、細胞を250μLの氷冷PMPA(PBS中10μM)溶液と共に5分インキュベートし、別の250μLの氷冷PBSで再度濯ぐことによって行った。250μLの1MのNaOH中で細胞をインキュベートし、それに続く250μLの1.0MのNaOHでの洗浄工程の画分と合わせることによって、内在化した活性物質を決定した。各実験(対照およびブロック)は3連で実行された。遊離の、表面に結合した、および内在化した活性物質をγカウンターで定量化した。全ての内在化研究に伴い、([125I]I−BA)KuE(c=0.2nM)を使用した参照研究を同じようにして実行した。データを非特異的な内在化に関して補正し、放射性ヨウ素で処理した参照化合物で観察された特異的な内在化に正規化した。

0283

オクタノール−水の分配係数
およそ1MBqの標識されたトレーサーを、エッペンドルフチューブ中で、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)とn−オクタノールとの1:1混合物(体積により)1mL中に溶解させた。懸濁液を力強く室温で3分混合した後、バイアルを15000gで3分遠心分離し(Biofuge 15、Heraus Sepatech、オステローデ、ドイツ)、両方の層の100μLのアリコートをガンマカウンターで測定した。実験を少なくとも6回繰り返した。

0284

HSA結合
HSA結合の決定のために、キラルパック(Chiralpak)HSAカラム(50×3mm、5μm、H13H−2433)を0.5mL/分の一定流速度で使用した。移動相(A:NH4OAc、水中50mM、pH7およびB:イソプロパノール)を各実験につき新たに調製し、1日のみ使用した。カラムを室温で維持し、捕捉時間を短くするためにシグナル検出後に各実行を止めた。全ての物質を、50%2−プロパノールおよび50%50mMのpH6.9酢酸アンモニウム緩衝液中に0.5mg/ml濃度で溶解させた。ペプチドに関連する広範な様々なアルブミン結合が想定されるため、選ばれた参照物質は、13%から99%のHSA結合の範囲を示した。9種全ての参照物質(表1を参照)を連続的に注入して、OriginPro 2016Gを用いた非線形回帰を確立した;図1を参照されたい。

0285

0286

実行された実験ごとに例示的な保持時間が示される;tR 保持時間;Lit.HSAヒト血清アルブミン結合の文献値[%];Log KHAS ヒト血清アルブミン結合の対数K。

0287

インビボでの実験
全ての動物実験をドイツにおける一般的な動物福祉規則および動物のケアおよび使用に関する業務用ガイドラインに従って実行した。腫瘍異種移植片を確立するために、LNCaP細胞(細胞107個/200μL)を、グルタマックス−I(1:1)およびマトリゲル(Matrigel)(BDバイオサイエンス(BD Biosciences)、ドイツ)を含むダルベッコ改変イーグル培地/栄養混合物F−12の1:1混合物(v/v)中にに懸濁し、6〜8週齢CB17−SCIDマウス(チャールス・リバー(Charles River)、ズルツフェルト、ドイツ)の右肩の皮下に植え付けた。腫瘍が5〜8mmの直径に成長したら(植え付けの3〜4週間後)、マウスを使用した。

0288

μPETイメージング
シーメンス(Siemens)のインヴェロン(Inveon)小動物PETシステムでイメージング研究を実行した。データを、3次元の規則正しいサブセット期待値最大(OSEM3D)アルゴリズムを採用する単一フレームとして再構築し、続いてインヴェロンリサーチワークプレイス(Inveon Research Workplace)ソフトウェアを使用してデータ分析(ROIベースの定量化)を行った。PET研究のために、マウスをイソフルラン麻酔し、尾静脈に0.15〜0.25nmol(2〜20MBq)の68Gaまたは18F標識トレーサーを注射した。ベッド上で90分注射した後、動的イメージングを実行した。15分の捕捉時間を含む注射の1時間後に静止画像を記録した。遮断のために、トレーサー注射の前に8mg/kgのPMPAを直接投与した。

0289

生体内分布
LNCaP腫瘍を有する雄CB−17SCIDマウスの尾静脈に、およそ2〜20MBq(0.2nmol)の68Gaまたは18F標識PSMA阻害剤を注射し、注射の1時間後に致死させた(n=3)。選択された臓器を取り出し、重さを量り、γカウンターで測定した。

0290

ヒトでの実験
ヒトにおける使用の概念実証評価を、人道的使用下で実行した。ドイツ医薬品法(German Medicinal Products Act)、AMG§13 2bに従って、さらに監督規制機関オーバーバイエル管轄)に従って薬剤を適用した。

0291

全ての対象を、バイオグラフ(Biograph)mCTスキャナー(シーメンス・メディカルソリューションズ(Siemens Medical Solutions)、エルランゲン、ドイツ)またはバイオグラフmMRスキャナー(シーメンス・メディカル・ソリューションズ、エルランゲン、ドイツ)で検査した。全てのPETスキャンを、ベッド位置当たり2〜4分の捕捉時間を用いた3Dモードで獲得した。放出データを、無作為死亡時間、散乱、および減衰に関して補正し、規則正しいサブセットの期待値最大化アルゴリズム(4回の反復、8つのサブセット)によって、続いて再構成後平滑化ガウスフィルター(最大の2分の1で全幅5mm)によって、反復して再構築した。前立腺がんを有する53人の対象の画像を、平均324(236〜424の範囲)MBqの18F標識PSMA−SIFA3(7)を注射した後に、注射後平均84分(42〜166分の範囲)で得た。47人の対象がPET/CTでのイメージングを受け、6人の対象がPET/MRスキャナーでのイメージングを受けた。33人の対象には、トレーサー注射時にフロセミドを適用し、20人の対象には、フロセミドを与えなかった。

0292

耳下腺顎下腺縦隔の血液プール、肝臓、脾臓膵頭部十二指腸、腎臓、膀胱および罹患していない骨の平均および最大の標準取込み値(SUVmean/SUVmax)を分析した。SUVの計算のために、円形の関心領域を、体軸横断切片における局所的に増加した取込みを有する領域の周りに描き、50%の等輪郭(isocontour)で自動的に3次元の関心体積(VOI)に適合させた。外観的に前立腺がんの再発または転移を示唆するとみなされる病変を計数した。同じタイプ(局所腫瘍、リンパ節転移、骨転移、内臓転移)からの1または2つの病変を、上述したようなSUVmaxおよびSUVmeanを使用して患者ごとに分析した。臀筋は、バックグラウンドとして利用した。

0293

実施例2:結果
合成したPSMA−SIFAリガンドの一覧

0294

0295

0296

0297

0298

0299

0300

0301

親油性
表2に、68Gaまたは18F標識化合物の決定されたオクタノール/水の分配係数(logD)を示す。68Ga標識EuKベースの阻害剤のなかでも、TRAP官能化化合物(5)が、DOTAGAをキレーターとして使用した場合、6より高い親水性であることが見出された。この結果は68Ga標識EuEベースの薬剤についても見出され、TRAP誘導体(9)が最大の親油性を示した。18F標識化合物の全てが、68Ga標識トレーサーと比較してより低い親水性を示した。

0302

0303

PSMA親和性の決定
EuE結合モチーフを有する合成化合物(7、8、9)は、EuKベースの薬剤(5、6)と比較してより高いPSMA親和性を示した。TRAP−キレーターを有する化合物(6および9)は、それらのDOTAGA類似体(それぞれ5および7)と比較して、わずかに減少した親和性を示した。natGa複合体化薬剤とそれぞれの複合体化されていない化合物との間に、PSMA親和性に関する有意差は観察されなかった(表3)。

0304

0305

内在化
結合親和性と同様に、EuEベースの化合物(7、8、9)は、EuK結合モチーフを有するペプチド(5、6)と比較して有意に高い内在化値を示した。キレーターの影響に関して、DOTAGA類似体のほうが高い結合親和性があったとしても、TRAPは、内在化に対して正の作用を有することが示された(5および9、それぞれ6および7と比較して)(表3)。18F標識化合物の全ては、それぞれの68Ga標識トレーサーと比較して高い内在化値を示した(表4)。

0306

0307

ヒト血清アルブミン結合

0308

0309

小動物PETイメージングおよび生体内分布
1.[68Ga][natF]PSMA−SIFA1(68Ga−natF−5)
図2を参照されたい。
2.[68Ga][natF]PSMA−SIFA2(68Ga−natF−6)
図3を参照されたい。

0310

3.PSMA−SIFA3(7)
a)静止68Ga−PETイメージング
図4を参照されたい。
b)動的68Ga−PETイメージング
図5を参照されたい。
c)静止18F−PETイメージング
図6を参照されたい。
d)動的18F−PETイメージング
図7を参照されたい。
e)生体内分布研究
図8を参照されたい。

0311

4.PSMA−SIFA4(8)
a)静止68Ga−PETイメージング
図9を参照されたい。
b)動的68Ga−PETイメージング
図10を参照されたい。
c)静止18F−PETイメージング
図11を参照されたい。
d)動的18F−PETイメージング
図12を参照されたい。
e)生体内分布研究
図13を参照されたい。

0312

5.PSMA−SIFA5(9)
a)静止68Ga−PETイメージング
図14を参照されたい。
b)動的68Ga−PETイメージング
図15を参照されたい。
c)静止18F−PETイメージング
図16を参照されたい。
d)静止18F−PETイメージング
図17を参照されたい。
e)生体内分布研究
図18を参照されたい。

0313

6.の概念研究の証明
natGa−PSMA−SIFA3(natGa−7)
a)静止18F−PETイメージング
図19を参照されたい。
b)生体内分布研究
図20を参照されたい。

0314

7.ルテニウム(Luthenium)rhPSMAリガンドを使用した小動物PETイメージング
a)静止PETイメージング:18F−natLu−rh−7
図29を参照されたい。
b)動的PETイメージング:18F−natLu−rh7
図30を参照されたい。
c)24時間における177Lu−natF−7、177Lu−natF−8および177Lu−natF−10の生体内分布研究
図31を参照されたい。
d)1時間および24時間における177Lu−natF−10の生体内分布
図32を参照されたい。
e)24時間における確立された、および新しいrhPSMA−リガンドの生体内分布の比較
図33を参照されたい。
f)1時間における177Lu−natF−rhPSMA−10および68Ga−natF−rhPSMA−10の生体内分布の比較
図34を参照されたい。

0315

ヒトPSMA−SIFA3(7)の生体内分布および腫瘍病変における取込み
有害事象または臨床的に検出可能な薬理作用は記録されなかった。
図21は、正常な生体内分布(検出可能な腫瘍病変がない)対象のPETからの最大強度投影(MIR)を示す。272MBqの18F標識PSMA−SIFA3(7)の注射後76分に画像を獲得した。図21右は、高い病変対バックグラウンド比で複数の腫瘍病変を示す中程度に進行した疾患を有する対象のPETからの最大強度投影(MIP)を実証する。312MBqの18F標識PSMA−SIFA3(7)の注射後102分に画像を獲得した。

0316

取込みのパラメーターは、異なる組織タイプのバックグラウンドのPSMA発現を反映する。有意な放射性トレーサーの取込みは、唾液腺、腎臓、肝臓、脾臓および十二指腸でのみ認識された。バックグラウンドの組織における取込みは低かった。腫瘍病変における取込みは、低PSMA発現組織より実質的に高かった。

0317

0318

低いバックグラウンド活性のために、臓器および腫瘍病変のバックグラウンドに対するSUVの比率は、臨床イメージングに好都合である。腫瘍病変は、バックグラウンドと比較して高いコントラストで表示される。

0319

0320

腫瘍病変における取込みおよびバックグラウンドに対するコントラストは、異なるタイプの腫瘍間で相対的に等しかった(局所腫瘍[n=24]、リンパ節転移[n=23]、骨転移[n=21]、内臓転移[n=4])。

0321

0322

膀胱におけるヒトPSMA−SIFA3(7)トレーサーの保持
排泄泌尿器系におけるトレーサーの保持は、PSMA−リガンドイメージングの共通の欠点である。SiFA置換キレーターベースのPET剤の可能性がある鉛化合物としての18F標識PSMA−SIFA3(7)は、尿排泄系を介して排出されるが、その程度は、ほとんどの他のPET剤よりかなり低い。加えて、その膀胱における保持は、トレーサー注射時のフロセミド適用によって顕著な影響を受ける可能性がある。t検定8は、フロセミドを適用した場合、より統計的に有意に低いトレーサーの保持を明らかにした(SUVmaxとSUVmeanの両方についてp=0.018)。

0323

0324

腫瘍病変のPSMA−SIFA3(7)検出の臨床結果および組織病理学的な検証
対象を、一次病期分類(n=6)および再発性疾患(n=47)に関してイメージングした。39人の患者で、前立腺がんを示す病変が検出された。72個の病変を分析した。72個の病変のうち21個が、形態学的なイメージングにおいて相関を示さなかった。測定された72個の病変のうち14個が、形態学的なイメージングで5mmに等しいまたはそれより小さいサイズを示した。形態学的なイメージングで、これ以外の方法では臨床的に気付かれない病変を検出したことから、両方とも18F標識PSMA−SIFA3(7)の高い臨床的な価値があることが実証される。形態学的なイメージングで相関がないかまたは小さいサイズの35個の病変の取込みパラメーターは、好都合な取込みパラメーターを示した。

0325

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