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技術 新規なバニリン及び/又はエチルバニリン、それらの調製方法、並びにそれらの使用

出願人 ローディアオペレーションズ
発明者 ヴェルディエ,ステファンマデライン,フレデリック
出願日 2018年7月26日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2020-504399
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-528446
状態 未査定
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 医薬品製剤 調味料 化粧料 脂肪類、香料
主要キーワード pH電極 農業材料 光合成プロセス 年代測定 リサイクルループ 炭素年代測定 酸化媒体 キャビテータ
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課題・解決手段

本発明は、特定の不純物を含む新規バイオソースバニリン及び/又はエチルバニリンに関する。本発明は、更に、それらの調製方法及びそのような化合物の使用に関する。

概要

背景

化学名が4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒドであるバニリンは、食品、飲料、香料、及び医薬品において使用されている最も重要な芳香族フレーバー化合物のうちの1つである。バニリンは、歴史的には、バニラ・プラニフォリア(Vanilla planifolia)、バニラ・タヒテンシス(Vanilla tahitiensis)、及びバニラ・ポンポナ(Vanilla pompona)のから抽出されていた。今日では、絶えず増加している需要の結果として、世界のバニリン生産の5%未満がバニラオーキッド由来である。現在、バニリンの製造のために化学合成が最も重要な方法である。

合成風味料は、天然由来風味料よりも消費者にあまり好まれない傾向がある。そのため、バニリンの他の供給源、及び既存の法律に従って天然又はバイオソースのいずれかに分類できる天然原料を使用する特定のルートに対する関心が高まっている。

現在、微生物による天然基質生物変換に基づくプロセスが多くの注目を集めている。有利なことに、このような生物変換の生成物は、欧州共同体の法律によって「天然物」とみなされている。最近のレビュー(Kaur B,Chakraborty D.“Biotechnological and molecular approaches for vanillin production:a review”Appl Biochem Biotechnol.2013 Feb;169(4):1353−72)には、バニロイド生合成に使用されるいくつかの生合成経路と適切な微生物が列挙されている。国際特許出願公開第2015/066722号パンフレットには、微生物発酵によるオイゲノールのバニリンへの変換が記載されている。

複数の他の文献(Leopold B. Acta Chemica Scandinavia 6(1952)38−48,Barrows et al.Fuel 63,1984,4−8,Durak et al.J of Supercritical Fluids108 (2016),123−135、又はXie et al.ACS Sustainable Chem.Eng.2015,5,2215−223)には、バニリンを含む様々な生成物の調製につながるバイオマス又はリグニンの変換が記載されている。

しかし、ほとんどの生物変換及び発酵生産性は制限されることが多い。天然原料からバニリンを製造するための簡単で経済的に実行可能なプロセスを提供することが依然として望まれている。

概要

本発明は、特定の不純物を含む新規なバイオソースのバニリン及び/又はエチルバニリンに関する。本発明は、更に、それらの調製方法及びそのような化合物の使用に関する。なし

目的

天然原料からバニリンを製造するための簡単で経済的に実行可能なプロセスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

バニリン及び/又はエチルバニリンであって、バイオベース炭素含有率が75%〜100%であり、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレンビス(2−ヒドロキシ酢酸)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン、(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オン、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含み、前記バニリン及び/又はエチルバニリンが90%超の純度を有する、バニリン及び/又はエチルバニリン。

請求項2

バニリン及び/又はエチルバニリンが、80%超、好ましくは85%〜100%、より好ましくは90%〜100%、より好ましくは95%〜100%、より好ましくは98%〜100%、より好ましくは99%〜100%のバイオベース炭素の含有率を有する、請求項1に記載のバニリン及び/又はエチルバニリン。

請求項3

−33‰〜−23‰、好ましくは−31‰〜−25‰、より好ましくは−30‰〜−26‰の平均同位体13C偏差を示す、請求項1又は2に記載のバニリン及び/又はエチルバニリン。

請求項4

前記バニリン及び/又はエチルバニリンがリグニン又はバイオマスから直接製造されない、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバニリン及び/又はエチルバニリン。

請求項5

2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、4−ヒドロキシ−5−メトキシ−イソフタルアルデヒド、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバニリン。

請求項6

95%超、より好ましくは96%超、より好ましくは99%超、より好ましくは99.5%超、最も好ましくは99.9%超の純度を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバニリン。

請求項7

2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(A)、4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド(D)、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)(C)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(E)、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(B)、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン(K)、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される化合物の量が、1〜5000ppm、好ましくは1ppm〜500ppm、より好ましくは1ppm〜50ppm、最も好ましくは1ppm〜20ppmに含まれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバニリン。

請求項8

フレークビーズプリル、又は粉末の形態である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のバニリン。

請求項9

満足できる官能特性を示す、請求項1〜8のいずれか1項に記載のバニリン。

請求項10

2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド、及び(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ)−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチルバニリン。

請求項11

95%超、より好ましくは96%超、更に好ましくは99%超、より好ましくは99.5%超、最も好ましくは99.9%超の純度を有する、請求項1〜4又は10のいずれか1項に記載のエチルバニリン。

請求項12

2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(F)、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(G)、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)(H)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド(I)、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(J)、及び(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オン(L)からなる群から選択される化合物の量が、1ppm〜5000ppm、好ましくは1ppm〜500ppm、より好ましくは1ppm〜50ppm、最も好ましくは1ppm〜20ppmに含まれる、請求項1〜4又は11のいずれか1項に記載のエチルバニリン。

請求項13

フレーク、ビーズ、プリル、又は粉末の形態である、請求項1〜4又は10〜12のいずれか1項に記載のエチルバニリン。

請求項14

バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であるグアイアコール及び/又はグエトールとグリオキシル酸とを縮合する工程(a)、並びに前記縮合生成物酸化する工程(b)を含む、バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であるバニリン及び/又はエチルバニリンの調製方法

請求項15

バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であるグアイアコール及び/又はバイオベース炭素の含有率が75%〜100%であるグエトールと、グリオキシル酸とを縮合する工程(a)と、前記縮合生成物を酸化する工程(b)とを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のバニリン並びに/又は請求項1〜4又は10〜13のいずれか1項に記載のエチルバニリンの調製方法。

請求項16

グリオキシル酸が、50%超、好ましくは60%超、より好ましくは75%〜100%、より好ましくは90%〜100%、より好ましくは95%〜100%、より好ましくは98%〜100%、より好ましくは99%〜100%のバイオベース炭素の含有率を有する、請求項14又は15に記載の方法。

請求項17

前記グアイアコール又はグエトールと前記グリオキシル酸との間のモル比が1.0〜4.0、好ましくは1.2〜2.2である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

請求項1〜9のいずれか1項に記載のバニリン並びに/又は請求項1〜4又は10〜13のいずれか1項に記載のエチルバニリンの、風味料又は香料としての、好ましくは産業における、より好ましくは食品医薬品、又は化粧品産業における使用。

請求項19

組成物であって、−バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であるバニリン及び/又はエチルバニリン;並びに−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン、(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オン、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物;を含むか、又はこれから本質的になる組成物。

請求項20

前記バニリン及び/又はエチルバニリンが前記組成物の主要な化合物を構成し、好ましくは前記組成物の総重量に対して50%超、より好ましくは70%超、更に好ましくは80%超を占める、請求項19に記載の組成物。

請求項21

前記バニリン及び/又はエチルバニリンが、前記組成物の総重量に対して90%超、好ましくは95%超、より好ましくは96%超、より好ましくは99%超、最も好ましくは99.5%超を占める、請求項19又は20に記載の組成物。

請求項22

前記不純物が、前記組成物の総重量に対して1ppm〜5000ppm、好ましくは1ppm〜500ppm、より好ましくは1ppm〜50ppm、最も好ましくは1ppm〜20ppmを占める、請求項19〜21のいずれか1項に記載の組成物。

請求項23

前記不純物が、バニリン及び/又はエチルバニリンの総重量に対して1ppm〜100ppm、好ましくは1ppm〜50ppm、より好ましくは1ppm〜10ppmを占める、請求項19〜22のいずれか1項に記載の組成物。

請求項24

前記組成物がバニリン及びエチルバニリンを含有し、前記バニリン/エチルバニリンモル比が2に等しい、請求項19〜23のいずれか1項に記載の組成物。

請求項25

食品、飲料、化粧品製剤医薬製剤、香料からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のバニリン並びに/又は請求項1〜4又は10〜13のいずれか1項に記載のエチルバニリンを含有する組成物。

技術分野

0001

本発明は、新規バニリン及び/又はエチルバニリン、それらの調製方法、並びにそのような化合物の使用に関する。

背景技術

0002

化学名が4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒドであるバニリンは、食品、飲料、香料、及び医薬品において使用されている最も重要な芳香族フレーバー化合物のうちの1つである。バニリンは、歴史的には、バニラ・プラニフォリア(Vanilla planifolia)、バニラ・タヒテンシス(Vanilla tahitiensis)、及びバニラ・ポンポナ(Vanilla pompona)のから抽出されていた。今日では、絶えず増加している需要の結果として、世界のバニリン生産の5%未満がバニラオーキッド由来である。現在、バニリンの製造のために化学合成が最も重要な方法である。

0003

合成風味料は、天然由来風味料よりも消費者にあまり好まれない傾向がある。そのため、バニリンの他の供給源、及び既存の法律に従って天然又はバイオソースのいずれかに分類できる天然原料を使用する特定のルートに対する関心が高まっている。

0004

現在、微生物による天然基質生物変換に基づくプロセスが多くの注目を集めている。有利なことに、このような生物変換の生成物は、欧州共同体の法律によって「天然物」とみなされている。最近のレビュー(Kaur B,Chakraborty D.“Biotechnological and molecular approaches for vanillin production:a review”Appl Biochem Biotechnol.2013 Feb;169(4):1353−72)には、バニロイド生合成に使用されるいくつかの生合成経路と適切な微生物が列挙されている。国際特許出願公開第2015/066722号パンフレットには、微生物発酵によるオイゲノールのバニリンへの変換が記載されている。

0005

複数の他の文献(Leopold B. Acta Chemica Scandinavia 6(1952)38−48,Barrows et al.Fuel 63,1984,4−8,Durak et al.J of Supercritical Fluids108 (2016),123−135、又はXie et al.ACS Sustainable Chem.Eng.2015,5,2215−223)には、バニリンを含む様々な生成物の調製につながるバイオマス又はリグニンの変換が記載されている。

0006

しかし、ほとんどの生物変換及び発酵生産性は制限されることが多い。天然原料からバニリンを製造するための簡単で経済的に実行可能なプロセスを提供することが依然として望まれている。

課題を解決するための手段

0007

第1の態様では、本発明は、バイオベース炭素含有率が75%〜100%であり、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレンビス(2−ヒドロキシ酢酸)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン、(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オン、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、バニリン及び/又はエチルバニリンに関する。

0008

別の態様では、本発明は、バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であり、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、4−ヒドロキシ−5−メトキシ−イソフタルアルデヒド、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むバニリンに関する。

0009

別の態様では、本発明は、バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であり、2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド、及び(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ)−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むエチルバニリンに関する。

0010

更なる態様では、本発明は、バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であるグアイアコール及び/又はグエトールとグリオキシル酸とを縮合する工程(a);並びに得られた縮合生成物酸化する工程(b);を含む、本発明によるバニリン及び/又はエチルバニリンの調製方法に関する。

0011

別の態様では、本発明は、本発明によるバニリン及び/又はエチルバニリンの風味料又は香料としての使用に関する。

0012

最後に、本発明は、食品、飲料、化粧品製剤医薬製剤、香料からなる群から好ましくは選択される、本発明によるバニリン及び/又はエチルバニリンを含有する組成物にも関する。

0013

明細書全体を通して、「含む」の意味には「からなる」という意味が含まれる。明細書全体を通して、「from...to...」という表現には境界を含むことが意図されている。

0014

本出願において、「バイオベース材料」、「バイオソース材料」、又は「天然材料」という表現は、全体又は大部分が生物学的製品又は再生可能農業材料(植物、動物、及び海洋材料など)又は林業材料から構成される製品を指す。

0015

本発明において、「バイオベース炭素」という表現は、大気平衡状態にある自然環境に生息する農業、植物、動物、真菌、微生物、海洋、又は林業材料などの再生可能な材料起源の炭素を指す。バイオベース炭素の含有率は、典型的には、炭素14年代測定炭素年代測定又は放射性炭素年代測定とも呼ばれる)により評価される。更に、本発明において、「バイオベース炭素の含有率」は、化合物又は生成物の総炭素に対するバイオベース炭素のモル比を指す。バイオベース炭素の含有率は、好ましくは標準試験法ASTMD6866−16に従って、液体シンチレーション計数により、炭素1グラム当たりの1分当たりの崩壊(又はdpm/gC)における、14C(炭素−14)の崩壊プロセスを測定することからなる方法によって好ましくは測定することができる。前記米国標準試験ASTM D6866は、ISO規格16620−2と同等であるとされている。前記規格ASTM D6866によれば、試験方法は、好ましくは、IRMS(同位体比質量分析)手法と共にAMS加速器質量分析)を利用して、所定の製品のバイオベース含有率を定量化することができる。

0016

本発明は、バイオベース炭素の含有率が75%超、好ましくは80%超であるバニリン及び/又はエチルバニリンに関する。バニリン及び/又はエチルバニリンは、好ましくは85%〜100%、より好ましくは90%〜100%、より好ましくは95%〜100%、より好ましくは98%〜100%、より好ましくは99%〜100%のバイオベース炭素の含有率を有していてもよい。

0017

好ましい実施形態によれば、バニリン及び/又はエチルバニリンは、−33‰〜−23‰(すなわちδ13C=−28±5‰)、好ましくは−31‰〜−25‰(すなわちδ13C=−28±3‰)、より好ましくは−30‰〜−26‰(すなわちδ13C=−28±2‰)の、同位体比質量分析法により測定されるいわゆるPDB標準に対する平均同位体13C偏差(δ13C)を示し得る。

0018

本発明において、表現「δ13C」は、炭素−13の平均同位体偏差を指す。光合成の際の植物による炭酸ガス同化は、3つの主要なタイプの代謝:代謝C3、代謝C4、及び代謝CAMに従って生じる。C3、C4、又はCAM植物からの3つの光合成プロセスにより、同位体効果、特に13C同位体効果が生じ、これは植物起源トレーサビリティに役立つ。産業活動とは別に、大気中の二酸化炭素は世界中で約δ13C=−8‰の平均同位体偏差を示す。植物によるCO2蓄積の影響により、C3光合成経路を持つ植物では、植物の13C同位体比が約−20‰減少する。C3光合成経路は13Cに対して非常に特異的である一方で、C4植物は13Cに対する特異性は低い。結果として、13C/12C同位体偏差は約−3〜4‰だけ低下する。その結果、植物のδ13C同位体偏差は、光合成機構によって異なる。イネや小麦などのC3タイプの光合成代謝を有する植物は、約−28‰の平均同位体偏差δ13Cを示す。その一方で、トウモロコシなどのC4光合成機構を有する植物は、約δ13C=−14‰の平均同位体偏差を示す。δ13Cのこれらの範囲は、典型的には、植物自体分析される際に測定される。このような植物から抽出された分子は、わずかに異なるδ13Cを有する場合がある。現在、天然源からのバニリンは、バニラから、又はフェルラ酸の生物変換により得られている。フェルラ酸は、イネ又はトウモロコシのいずれかからの複数の起源を有する場合がある(C.Cochennec Perfumer&Flavorist,2013,38,20−25を参照)。バニリンがイネ由来のフェルラ酸の生物変換によって得られる場合、そのような天然バニリンの起源は平均同位体13C偏差によって区別することができる。実際、イネ由来のフェルラ酸はC3植物から得られる一方で、豆由来のバニリンはC4植物から得られる。その結果、イネから得られたバニリンは、典型的にはδ13C=−35±2‰を示す一方で、トウモロコシから得られたバニリンは、典型的にはδ13C=−19±2‰を示す。本発明は、更に:
−バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であるバニリン及び/又はエチルバニリン;並びに
− 2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン、(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オン、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される、不純物と呼ばれる場合がある少なくとも1つの化合物;
を含有するか、又は本質的にこれらからなる、組成物に関する。

0019

特定の実施形態によれば、本発明は、バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であり、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸、2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン、及び(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オン、からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むバニリン及び/又はエチルバニリンに関する。

0020

前記バニリン及び/又はエチルバニリンは、本発明による組成物の主要な化合物を構成し得る。したがって、前記バニリン又はエチルバニリンは、組成物の総重量に対して50%超、好ましくは70%超、より好ましくは80%超を占めていてもよい。本発明のより好ましい態様では、前記バニリン又はエチルバニリンは、組成物の総重量に対して90%超、好ましくは95%超、より好ましくは96%超、より好ましくは99%超、最も好ましくは99.5%超を占めていてもよい。不純物は、組成物の総重量に対して、1ppm〜5000ppm、好ましくは1ppm〜500ppm、より好ましくは1ppm〜50ppm、最も好ましくは1ppm〜20ppmを占めていてもよい。

0021

したがって、本発明の特定の態様では、不純物は、バニリン及び/又はエチルバニリンの総重量に関して1ppm〜100ppm、好ましくは1ppm〜50ppm、より好ましくは1ppm〜10ppmを占めていてもよい。

0022

本発明の目的は、バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であり、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(A)、4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド(D)、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)(C)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(E)、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(B)、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン(K)、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むバニリンに関する。

0023

非常に高いバイオベース炭素の含有率のため、本発明のバニリンは、豆から得られる天然バニリン、又は天然原料の生物変換によって得られる天然バニリンに類似しているであろう。しかしながら、本発明のバニリンは、特定の不純物の存在のため、依然として他の天然物とは異なる。本発明のバニリンに含まれる不純物は、バニリンを調製するために使用されるプロセスと関係する。本発明の特定の態様によれば、本発明のバニリンは、リグニン又はバイオマスから直接製造されない。この文脈における「リグニン又はバイオマスから直接製造される」とは、リグニン又はバイオマスの分解プロセスからバニリンが得られることを意味する。しかしながら、本発明で使用されるグアイアコールが、リグニン、松材などの天然に存在する基質から、様々な方法によって自然に得られる可能性があることは除外されない。本発明のバニリンは、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(A)、4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド(D)、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)(C)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(E)、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(B)、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン(K)、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を1ppm〜5000ppm含有する。

0024

有利には、本発明のバニリンは、90%超、好ましくは95%超、より好ましくは96%超、更に好ましくは99%超、更に好ましくは99.5%超、最も好ましくは99.9%超の純度を有する。

0025

2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(A)、4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド(D)、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)(C)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(E)、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(B)、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン(K)、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される化合物の量は、1〜5000ppm、好ましくは1ppm〜500ppm、より好ましくは1ppm〜50ppm、最も好ましくは1ppm〜20ppmに含まれ得る。

0026

本発明のバニリンは結晶であってもアモルファスであってもよい。本発明のバニリンは、任意の必要とされる形態、好ましくはフレークビーズプリル、又は粉末の形態で調製されてもよい。

0027

風味料物質官能特性がいくつかの不純物の存在及び量に依存する場合があることは、当業者に周知である。そのため、製造方法は最終化合物風味に重要である。有利なことに、本発明のバニリンは満足できる官能特性を示すことが発見された。本発明のバニリンの官能特性がバニラビーンズから抽出されたバニラの官能特性と同等であることは特すべきことである。

0028

別の態様では、本発明は、バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であり、2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(F)、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(G)、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)(H)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド(I)、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(J)、及び(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オン(L)からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むエチルバニリンに関する。

0029

有利には、本発明のエチルバニリンは、90%超、好ましくは95%超、より好ましくは96%超、更に好ましくは99%超、最も好ましくは99.5%超の純度を有する。

0030

2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(F)、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(G)、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)(H)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド(I)、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(J)、及び(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オン(L)からなる群から選択される化合物の量は、1〜5000ppm、好ましくは1ppm〜500ppm、より好ましくは1ppm〜50ppm、最も好ましくは1ppm〜20ppmに含まれ得る。

0031

本発明の特定の態様によれば、本発明のエチルバニリンは、リグニン又はバイオマスから直接製造されない。

0032

本発明のエチルバニリンは結晶であってもアモルファスであってもよい。本発明のエチルバニリンは、任意の必要とされる形態、好ましくはフレーク、ビーズ、プリル、又は粉末の形態で調製されてもよい。

0033

有利なことに、本発明のエチルバニリンは満足できる官能特性を示すことが発見された。

0034

製造方法
別の態様では、本発明は:
−バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であるグアイアコール及び/又はグエトールとグリオキシル酸とを縮合する工程(a);並びに
− 得られた縮合生成物を酸化する工程(b);
を含む、バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であるバニリン及び/又はエチルバニリンの調製方法に関する。

0035

更なる態様では、本発明は、バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であるグアイアコール及び/又はグエトールとグリオキシル酸とを縮合する工程(a)と、得られた縮合生成物を酸化する工程(b)とを含む、バイオベース炭素の含有率が75%〜100%であり、2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(A)、4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド(D)、2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)(C)、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(E)、2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(B)、2−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(F)、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(G)、2,2’−(5−エトキシ−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)(H)、5−エトキシ−4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド(I)、3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(J)、(E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン(K)、(E又はZ)−7−エトキシ−3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)ベンゾフラン−2(3H)−オン(L)、4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド、及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むバニリン及び/又はエチルバニリンの調製方法に関する。

0036

バイオベース炭素の含有率が75%を超えるグアイアコールは、以降「バイオベースのグアイアコール」とも呼ばれる。本発明によるバイオベースのグアイアコールは、80%超、好ましくは85%〜100%、より好ましくは90%〜100%、より好ましくは95%〜100%、より好ましくは98%〜100%、より好ましくは99%〜100%のバイオベース炭素の含有率を有し得る。バイオベースのグアイアコールは市販品である。これは、リグニン、松材などの天然に存在する基質から、様々な方法で自然に得ることができる。特に、様々な生化学プロセスが利用可能である。例えば、米国特許第6235507号明細書には、フェルラ酸からバニリンとグアイアコールを製造する微生物学的プロセスが開示されている。米国特許出願公開第2013/0232852号明細書には、リグニンバイオマスをバイオリファイニングする方法が開示されている。

0037

生物源由来のため、未加工のグアイアコールには、ベラトロール、6−メチルグアイアコール、α−セドレン、又はショウノウなどの若干の不純物が含まれている場合がある。前記不純物は、化合物の起源に特異的な場合がある。典型的には、バイオベースのグアイアコール中の各不純物の含有率は、0.005〜0.1%、より好ましくは0.01〜0.08%に含まれていてもよい。

0038

更に、グアイアコールには、o−クレゾールm−クレゾール、p−クレゾール、又は2,6−ジメチルフェノールなどの他の不純物が含まれている場合がある。

0039

本発明で使用されるバイオベースのグアイアコールは、好ましくは、−33〜−23‰、より好ましくは−30〜−26‰の平均同位体13C偏差を示し得る。

0040

75%を超えるバイオベース炭素の含有率を有するグエトールは、以降「バイオベースのグエトール」とも呼ばれる。本発明によるバイオベースのグエトールは、80%超、好ましくは85%〜100%、より好ましくは90%〜100%、より好ましくは95%〜100%、より好ましくは98%〜100%、より好ましくは99%〜100%のバイオベース炭素の含有率を有し得る。バイオベースのグエトールは、バイオベースのグアイアコールから得ることができる。バイオベースのグアイアコールのメチルエーテル官能基をバイオベースのグエトールのエチルエーテル官能基に変換するために、自然とみなすことができるプロセスを使用してもよい。例えば、バイオベースのグアイアコールは、酸の存在下でエタノール希釈できるであろう。

0041

生物源由来のため、未加工のグエトールには、ベラトロール、α−セドレン、又はショウノウなどの若干の不純物が含まれている場合がある。前記不純物は、化合物の起源に特異的な場合がある。典型的には、バイオベースのグエトール中の各不純物の含有率は、1ppm〜5000ppm、より好ましくは5ppm〜500ppmに含まれ得る。

0042

本発明で使用されるバイオベースのグエトールは、−33〜−23‰、より好ましくは−30〜−26‰の平均同位体13C偏差を示す。

0043

本発明による方法の好ましい実施形態によれば、縮合工程においてグアイアコールのみ又はグエトールのみを使用することが可能である。しかしながら、グアイアコールとグエトールを同時に使用することは除外されない。別の実施形態によれば、グアイアコールとグエトールとの混合物を使用することができる。

0044

グリオキシル酸は、バイオベースのグリオキシル酸であっても非バイオベースのグリオキシル酸であってもよい。本発明の好ましい実施形態によれば、グリオキシル酸は、以降「バイオベースのグリオキシル酸」とも呼ばれる、50%を超えるバイオベース炭素の含有率を有する。本発明によるバイオベースのグリオキシル酸は、60%超、好ましくは75%〜100%、より好ましくは90%〜100%、より好ましくは95%〜100%、より好ましくは98%〜100%、より好ましくは99%〜100%のバイオベース炭素の含有率を有し得る。バイオベース及び非バイオベースのグリオキシル酸は、複数の製造業者から購入することができる。バイオベースのグリオキシル酸を製造するいくつかの方法は、先行技術に開示されている。特に、様々な生化学プロセスが利用可能である。例えば、米国特許第5219745号明細書には、グリオキシル酸の生化学的製造のための工業的に有利な方法が開示されている。或いは、バイオベースのグリオキシル酸は、バイオベースのエタノール、バイオベースのグリセロール、又はバイオベースのエチレングリコールなどのバイオベースの原料から開始して、周知の工業プロセスに従って製造することができる(例えば、“Glyoxylic Acid”in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,G.MATTIODA and Y.CHRISTIDIS,Vol.17 p.89−92,2012を参照)。

0045

縮合反応において、グリオキシル酸は、任意の形態、特に固体形態又は水溶液で使用されてもよい。グリオキシル酸は、例えば、15重量%〜70重量%の範囲の濃度の水溶液として使用することができる。濃度が約50重量%の市販の溶液を使用することが好ましい。特定の一実施形態によれば、グリオキシル酸は、グリオキシル酸一水和物(CHO−CO2H,H2O)であってもよい。グリオキシル酸誘導体、例えばグリオキシル酸メチルエステル又はグリオキシル酸エチルエステルなどのグリオキシル酸エステルも使用することができる。

0046

生物源由来のため、未加工のバイオベースのグリオキシル酸には若干の不純物が含まれている場合がある。前記不純物は、化合物の起源に特異的な場合がある。

0047

本発明で使用されるバイオベースのグリオキシル酸は、好ましくは、−33〜−7‰、好ましくは−31‰〜−9‰、より好ましくは−30‰〜−10‰、最も好ましくは−31〜−25‰の平均同位体13C偏差を示し得る。

0048

本発明のバニリン及び/又はエチルバニリンは、グアイアコール及び/又はグエトールとグリオキシル酸とを縮合する任意のプロセスにより調製することができる(例えば、欧州特許第0578550号明細書、国際公開第99/65853号パンフレット、又は国際公開第09/077383号パンフレットを参照)。

0049

グアイアコール及び/又はグエトールとグリオキシル酸との縮合反応により、パラヒドロキシマンデル酸である対応する縮合生成物を合成することができる。グアイアコールとグリオキシル酸の縮合により、4−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸(化合物A)が生成する。この縮合工程により、いくつかの不純物、すなわち化合物B及びCが生じる場合がある。

0050

グエトールとグリオキシル酸の縮合により、4−ヒドロキシ−3−エトキシマンデル酸(化合物F)が生成する。この縮合工程により、いくつかの不純物、すなわち化合物G及びHが生じる場合がある。

0051

グアイアコールからの他の不純物は、縮合工程中に反応する場合がある。

0052

グアイアコールとグリオキシル酸との間のモル比は、1.0〜4.0、好ましくは1.2〜2.2の範囲であってもよい。グエトールとグリオキシル酸との間のモル比は、1.0〜4.0、好ましくは1.2〜2.2の範囲であってもよい。

0053

縮合反応は、一連撹拌されている反応器の中で行うことができる。一変形形態によれば、反応は、任意選択的に熱交換器を含んでいてもよい押し出し流れ反応器の中で行われる。そのような実施形態は、例えば国際公開第09/077383号パンフレットに記載されている。グアイアコール及び/又はグエトールとグリオキシル酸との間の縮合反応は、アルカリ金属の存在下で水中で行うことができ、前記反応は押し出し流れ反応で行われる。管型反応器の中で行うこともできる。

0054

縮合反応は、欧州特許出願第0578550号明細書に記載されている反応に従って、四級水酸化アンモニウムによって有利に触媒することができる。

0055

本発明の一実施形態によれば、グアイアコール及び/又はグエトールは、塩基、好ましくは無機塩基又は有機塩基、より好ましくはアルカリ金属の存在下、更に好ましくはNaOH又はKOHの存在下でグリオキシル酸と反応する。経済的な理由のため、水酸化ナトリウムが好ましい場合がある。アルカリ金属水酸化物を溶液で使用してもよい。この態様では、アルカリ金属水酸化物溶液は、10重量%〜50重量%の濃度を有していてもよい。反応媒体に導入されるアルカリ金属水酸化物の量は、ヒドロキシル化芳香族化合物ヒドロキシル官能基とグリオキシル酸のカルボキシル官能基を塩の形態にするために必要な量を考慮する。この変形形態によれば、グアイアコールはグアイアコレートの形態であり、それぞれグエトールはグエトレートの形であり、縮合生成物はマンデレート化合物である。通常、アルカリ金属水酸化物の量は、化学量論量の80%〜120%の範囲である。

0056

有利には、最初に、グアイアコール及び/又はグエトールと水酸化ナトリウムが反応して、それぞれナトリウムグアイアコレート、ナトリウムグエトレートを形成する。例えばグアイアコールについては:

0057

次いで、グアイアコレート及び/又はグエトレートがグリオキシル酸と反応して、対応するパラマンデル酸エステルを形成する。例えばグアイアコールについては:

0058

グリオキシレート及びグアイアコレート及び/又はグエトレートを調製するためのこれらの2つの反応工程は、2つの別個の工程に従って行うことができる。或いは、グリオキシル酸は、塩基の存在下でグアイアコレート及び/又はグエトレートと直接接触させられる。

0059

1つの可能な変形形態は、国際特許出願公開第99/65853号パンフレットに記載されているように、ジカルボン酸タイプの触媒、好ましくはシュウ酸の存在下で反応を行うことである。触媒のモル数とグリオキシル酸のモル数との間の比で表される使用される触媒の量は、0.5%〜2.5%、好ましくは1%〜2%の間で有利に選択することができる。

0060

本発明の一実施形態によれば、反応性ヒドロキシル化芳香族化合物をグリオキシル酸と接触させる前に、グアイアコール及び/又はグエトール並びにアルカリ剤一緒に混合される。したがって、本発明による方法は、第1段階において、グアイアコール及び/又はグエトールを水溶液中のアルカリ金属水酸化物と接触させ、その後、得られた溶液をグリオキシル酸と接触させることを含んでいてもよい。グリオキシル酸を塩にする反応が発熱性であるため、この実施形態は、有利なことには反応温度をよりよく制御することを可能にする。

0061

別の実施形態によれば、本発明による方法は、第一段階において、グリオキシル酸を水溶液中のアルカリ金属水酸化物と接触させ、その後、得られた溶液をグアイアコール及び/又はグエトールと接触させることを含む。

0062

更に別の実施形態によれば、本発明による方法は、最初にグアイアコール及び/又はグエトールを水溶液中のアルカリ剤と接触させること、次いでグリオキシル酸を水溶液中のアルカリ剤と接触させること、続いて得られた2つの溶液を接触させることを含む。

0063

グリオキシル酸を水溶液中のアルカリ金属水酸化物と接触させる、並びに/又はグアイアコール及び/若しくはグエトールをアルカリ剤と接触させるこれらの任意選択的な工程は、10℃〜40℃、例えば15℃又は35℃の温度で行うことができる。

0064

得られた反応混合物は、20℃で0.5mPa.s〜50mPa.s、より好ましくは1.5mPa.s〜3mPa.sの粘度を有し得る。本発明によれば、この混合物は、縮合反応が行われる少なくとも1つの反応器の中に入れられる。

0065

本発明の別の実施形態によれば、グアイアコール及び/又はグエトールは、酸化合物又は塩基化合物の添加なしにグリオキシル酸と反応する。この実施形態は、国際公開第2015/071431号パンフレットに詳しく開示されている。

0066

この縮合工程は、水性媒体中で行うことができる。水性媒体で使用する場合、グアイアコール及び/又はグエトールの濃度は、好ましくは0.5〜1.5mol/リットル、より具体的には約1mol/リットルであってもよい。グリオキシル酸は、例えば、15重量%〜70重量%の範囲の濃度の水溶液で使用することができる。濃度が約50重量%の市販の溶液を使用することが好ましい。

0067

本発明の別の実施形態によれば、グアイアコール及び/又はグエトールは、溶媒なしでグリオキシル酸と反応し、グリオキシル酸はグリオキシル酸一水和物である。この実施形態は、国際公開第2015/071431号パンフレットに詳しく開示されている。

0068

本発明の別の実施形態によれば、グアイアコール及び/又はグエトールは、酸素化配位子を有する遷移金属錯体からなる群から選択される触媒の存在下でグリオキシル酸と反応する。前記触媒は、酢酸鉄(II)(Fe(OAc)2)、酢酸鉄(III)(Fe(OAc)3)、酢酸銅(II)(Cu(OAc)2)、鉄(II)アセチルアセトネート(Fe(acac)2)、鉄(III)アセチルアセトネート(Fe(acac)3)、銅(II)アセチルアセトネート(Cu(acac)2)、銅(III)アセチルアセトネート(Cu(acac)3)、及びグリオキシレート配位子を有する遷移金属錯体からなる群から優先的に選択される。この実施形態は、国際公開第2015/071431号パンフレットに詳しく開示されている。

0069

反応の操作条件は、試薬及び使用する反応器又は反応器配列のタイプに応じて設定することができる。

0070

反応温度は10℃〜90℃であってもよい。一実施形態によれば、反応温度は10℃〜20℃であってもよい。別の実施形態によれば、温度は30℃〜40℃であってもよい。更に、反応中に温度が変動してもよい。例えば、反応は10℃〜20℃の温度で一定時間行われ、その後、温度は仕上げ段階のために30℃〜50℃まで上げられてもよい。

0071

反応は、大気圧で行われてもよいが、不活性ガス、好ましくは窒素、又は任意選択的に希ガス、特にアルゴンの制御された雰囲気下で行われてもよい。窒素が優先的に選択される。

0072

連続形式での試薬の総滞留時間及びバッチ形式での運転時間又はサイクル時間は、特に操作条件に応じて、特に反応温度に応じて、例えば数分から数時間、さらには数日まで大きく変動し得る。温度が10℃〜20℃の場合、試薬の総滞留時間は10時間〜100時間であってもよい。温度が30℃〜50℃の場合、試薬の総滞留時間は30分〜30時間であってもよい。

0073

縮合反応の後、得られた縮合化合物は、標準的な分離技術により、特に結晶化又は適切な有機溶媒を用いた抽出により、反応混合物から分離することができる。中和工程が行われてもよい。

0074

或いは、縮合反応後に得られる反応混合物は、既存の形態で使用されてもよい。しかしながら、未反応のヒドロキシル化芳香族化合物を回収することが好ましい。グアイアコール及び/又はグエトールは通常グリオキシル酸に対して過剰であるため、反応しなかったグアイアコール及び/又はグエトールのフラクションは有利にはリサイクルループから回収される。この過剰は、ジマンデル酸タイプの化合物(すなわち、2つのグリオキシル酸分子と1つのグアイアコール分子の縮合により得られる化合物)を形成する確率を低下させる。国際公開第2014/016146号パンフレットに開示されているように、未反応のグアイアコール及び/又はグエトールは酸性化により回収することができる。これは、鉱酸、例えば塩酸又は硫酸を添加してpHを5〜7に調整し、その後未反応のグアイアコール及び/又はグエトールを有機溶媒、特にエーテル又はトルエン中で抽出することからなる。抽出後、水相有機相を分離することができる。

0075

酸化工程により、縮合化合物を望みのバニリンに変換することができる。

0076

更に、縮合生成物には不純物BとC及び/又は不純物GとHが含まれている場合があり、これらは同じ反応条件下で酸化できるため、酸化工程で不純物D、E、及びK並びに/又はI、J、及びLが生成する場合がある。

0077

縮合工程中にグアイアコールから得られた不純物は、酸化反応条件下で酸化される場合がある。

0078

酸化は、O2又は空気などの酸化性雰囲気で行うことができる。

0079

一変形形態によれば、反応媒体は、アルカリ性水性媒体、好ましくは無機塩基、より好ましくは水酸化ナトリウム又はカリウムであり、その結果対応するフェネートが形成され、放出されたCO2が炭酸塩形態捕捉される。

0080

反応は、例えば水で大きく希釈された媒体中で、連続的に又はバッチ式で行うことができる。

0081

反応は触媒されてもよい。この酸化反応の触媒は、銅、ニッケルコバルト、鉄、マンガン、及びそれらの任意の混合物によって形成される群から選択される少なくとも1つの金属元素を含む触媒から選択することができる。無機又は有機銅化合物の例としては、銅化合物として、臭化第一銅及び臭化第二銅;ヨウ化第一銅;塩化第一銅及び塩化第二銅塩基性炭酸第二銅硝酸第一銅及び硝酸第二銅;硫酸第一銅及び硫酸第二銅;亜硫酸第一銅;酸化第一銅及び酸化第二銅水酸化第二銅;酢酸第一銅及び酢酸第二銅;並びにトリフルオロメチルスルホン酸第二銅を特に挙げることができる。ニッケル誘導体の具体例としては、ニッケル(II)の塩化物臭化物、又はヨウ化物などのハロゲン化ニッケル(II);硫酸ニッケル(II);炭酸ニッケル(II);1〜18個の炭素原子を含む有機酸の塩(特に酢酸塩又はプロピオン酸塩など);ニッケル(II)アセチルアセトネート、ニッケル(II)ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)、又はニッケル(II)ジブロモビスビピリジン)などのニッケル(II)錯体;並びにニッケル(0)ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)又はニッケル(0)ビスジフェニルホスフィノエタンなどのニッケル(0)錯体を挙げることができる。コバルト系化合物の例としては、コバルト(II)の塩化物、臭化物、若しくはヨウ化物、又はコバルト(III)の塩化物、臭化物、若しくはヨウ化物などのコバルト(II)及び(III)のハロゲン化物;コバルト(II)及び(III)の硫酸塩;炭酸コバルト(II)、塩基性炭酸コバルト(II);オルトリン酸コバルト(II);硝酸コバルト(II);コバルト(II)及びコバルト(III)の酸化物;コバルト(II)及びコバルト(III)の水酸化物;1〜18個の炭素原子を含む有機酸の塩(特にコバルト(II)及びコバルト(III)の酢酸塩又はコバルト(II)のプロピオン酸塩など);ヘキサミンコバルト(II)若しくは(III)塩化物、ヘキサミンコバルト(II)若しくは(III)硫酸塩、ペンタミンコバルト(III)塩化物、又はトリエチレンジアミンコバルト(III)塩化物などのコバルト(II)錯体を挙げることができる。鉄(II)及び鉄(III)の塩化物、臭化物、ヨウ化物、又はフッ化物;鉄(II)及び鉄(III)の硫酸塩;鉄(II)及び鉄(III)の硝酸塩;又は鉄(II)及び鉄(III)の酸化物などの、通常酸化物、水酸化物、又は塩の形態である鉄を主体とする触媒系も使用することができる。酸化反応は、例えば、銅、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、及びこれらの任意の混合物により形成される群から選択される2つの金属元素を含む触媒系によって触媒されてもよい。国際公開第2008/148760号パンフレットの教示は、本発明によるVA及び/又はEVAの調製に適用することができる。

0082

最初に、縮合した化合物のフェネート官能基を塩の形態にするために、縮合した化合物を、塩基(好ましくは水酸化ナトリウム)と反応させる。次いで、酸化媒体(好ましくは空気中)での酸化により、バニレート及び/又はエチルバニレートとCO2(炭酸塩の形態で捕捉)が生成する。酸化反応の終わりに、バニリン及び/又はエチルバニリンの前駆体、すなわち、塩(イオン)の形態のヒドロキシル基、及びタールを含む様々な不純物が得られる。後続の工程で、反応媒体中のバニリン及び/又はエチルバニリンの酸性化は、例えば硫酸などの強酸を使用して行われる。貴重な生成物、すなわちバニリン及び/又はエチルバニリンは、タールの存在下で回収される。粗反応混合物からバニリン及び/又はエチルバニリンを分離するため公知の方法は、有機溶媒を使用してその抽出を行うことからなる。

0083

有利には、方法は、
−有機溶媒を用いて抽出することにより反応混合物からバニリン及び/又はエチルバニリンを分離すること;及び
− 抽出に使用した有機溶媒を回収及びリサイクルすること;
を含む。

0084

本発明の別の実施形態によれば、酸化反応は、添加される酸化合物又は塩基化合物の不存在下で行うことができる。この実施形態は、国際公開第2015/071431号パンフレットに詳しく開示されている。

0085

本発明の別の態様では、上で開示された方法により得られるバニリン及び/又はエチルバニリンが本発明の主題である。この化合物は、これらが天然又は再生可能な供給源に由来する原料から調製されるという事実により、当該技術分野で既に知られている化合物とは異なる。

0086

バニリン及び/又はエチルバニリンのこの特異性は、バイオベース炭素の含有率の測定によって決定することができる。

0087

本発明のバニリン及び/又はエチルバニリンは、風味料又は香料として有利に使用することができる。好ましくは、本発明のバニリン及び/又はエチルバニリンは、産業、例えば食品、医薬品、又は化粧品産業、特に例えば香料の製造に使用することができる。

0088

別の態様では、本発明は、本発明によるバニリン及びエチルバニリンの組成物に関する。好ましい実施形態では、バニリン/エチルバニリンのモル比は2に等しい。

0089

本発明の別の目的は、好ましくは食品、飲料、化粧品製剤、医薬製剤、及び香料からなる群から選択される本発明のバニリン及び/又はエチルバニリンを含有する組成物に関する。

0090

本明細書に引用される全ての特許出願及び刊行物の開示は、これらが本明細書の記載を補完する例示的、手順的、又はその他の詳細を提供する範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。参照によって本明細書に組み込まれる特許、特許出願及び刊行物のいずれかの開示が、用語が不明確になり得る程度まで本明細書と矛盾する場合は、本明細書が優先されるであろう。

0091

各々及び全ての特許請求の範囲は、本発明の実施形態として本明細書に組み込まれている。したがって、特許請求の範囲は、更なる説明であり、また、本発明の好ましい実施形態への追加である。

0092

本発明の好ましい実施形態が示され且つ説明されてきたが、当業者によるその変更が、本発明の趣旨又は教示から逸脱することなく行われ得る。本明細書に記載される実施形態は、単なる例示であり、限定的ではない。システム及び方法の多くの変形及び変更が可能であり、本発明の範囲内である。

0093

従って、保護の範囲は、先に説明した記載に限定されることはないが、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は、特許請求の範囲の主題の均等物を全て含む。

0094

1.出発材料
−バイオベース炭素の含有率が100%の天然由来のグアイアコール、特にクレゾール(オルトメタ、パラ)及び2,6−ジメチルフェノールを含む。
− バイオベース炭素の含有率が100%の天然由来のグリオキシル酸。
バイオベース炭素の含有率は、標準試験法ASTMD6866−16に従って測定される。

0095

2.縮合
ジャケットメカニカルスターラーpH電極還流冷却器系、及び不活性ガス注入口を備えた2リットルの316Lガラス製反応器に、以下のものを連続的に入れる:
− 600gの脱塩水
− 146g(1.1mol)の30重量%水酸化ナトリウム水溶液
− 100g(0.8mol)のグアイアコール。
この反応混合物を35℃の温度で維持する。次いで、50重量%のグリオキシル酸の水溶液(58g、0.39mol)を反応器に添加する。
全体の滞留時間は2.5時間である。
反応器の出口でこの反応媒体のサンプルを採取し、混合物中に存在する化合物を液体クロマトグラフィーにより分析する。
得られた結果は以下の通りである:
− グアイアコール(GA)の変換率: 45%
反応で化合物A(87%)、B(5%)、及びC(8%)が形成される。

0096

3.酸化
キャビテーション型(「キャビテーター」)又はラシュトン型の自己吸引撹拌機と効率的な冷却のためのジャケットとを備えたステンレス鋼酸化反応器に、以下のものを連続的に入れた:
−縮合反応からの触媒とマンデル化合物の水溶液との混合物、すなわち:
・縮合反応により得られた反応媒体1.5kg。この混合物は、約100gの2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(A)、7gの2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(B)、及び10.6の2,2’−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,3−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ酢酸)(C)を含む。
・マンデル酸の合計のモル数に対する金属のモルパーセンテージとして表される量のCuSO4水溶液0.8g: 0.06%;
− 少なくとも酸化反応の化学量論により必要とされる量に対応する、適切な量の50重量%水酸化ナトリウム水溶液;
− マンデル酸を事実上完全に変換するのに十分な量の大気圧の酸素。酸化剤は、大気圧の酸素又は圧縮空気であってもよい。
この反応は75℃で行われる。反応器の出口でこの反応媒体のサンプルを採取し、混合物中に存在する化合物を液体クロマトグラフィーにより分析する。
得られた結果は以下の通りである:
− 2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸の変換率: >99.5%
−バニリンVAの収率:95%

実施例

0097

4.精製
その後、純粋な結晶化バニリンを得るために反応混合物を精製する。バニリンの純度>99%
この純粋なバニリンを更に分析すると、以下のものが含まれる:
− 4−ヒドロキシ−5−メトキシイソフタルアルデヒド(化合物D)<30ppm、
− (E又はZ)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−7−メトキシベンゾフラン−2(3H)−オン(化合物K)<400ppb、
− 4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド: 200ppm、
− 4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒド:
150ppm。
−バイオベース炭素の含有率=100%。

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