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課題・解決手段

本発明は、少なくとも1種の熱可塑性プラスチック半完成繊維製品含浸させることによって得られる少なくとも1種の、単一層の、連続繊維強化半完成繊維マトリックス製品を含むドアモジュール、並びに車両及び建築物におけるそれらの使用に関する。

概要

背景

最近の車両構造物においては、繊維−強化プラスチックからの構造部品(structural parts)及び装備品(trim parts)の開発に絶え間ない努力が傾けられている。繊維−強化プラスチック(FRP)は、一般的に、高い強度及び剛性が必要とされる車両構造物において使用されている。原理的には、FRPには、プラスチックマトリックスの中に包埋された補強繊維が含まれている。それらの繊維が、その機械的性質部品に与えている。この場合、それらの繊維が、力が加わる方向に延在するように配向されているときに、最高の機械的性質が達成される。十分に高い機械的性質を有しながらも、その部品の重量をさらに低減させる目的で、特に薄い壁厚を有し、そして所定の部位だけが強化された部品が製造される。しかしながら、そのようなFRPベースの部品の製造においては、高いレベルの複雑さを用いて、その補強用要素が、それらの所定の位置から、望ましくない形で外れたり、ずれたり(leave or slip away)しないように確実にしなければならない。

(特許文献1)には、車両ドア内壁の表面に切り出したくぼみ被覆するためのドアモジュールが記載されているが、そこでは、そのドアモジュールには、ガラス長繊維を用いて強化したプラスチックからなる、実質的に硬質構造部材と、ガラス長繊維を実質的に含まないプラスチックから作製し、その構造部材と一体化した形状の、実質的に弾性のある機能部材とが含まれている。

(特許文献2)には、窓枠、その窓枠に取付け可能な機能性キャリヤ(function carrier)、並びにその機能性キャリヤ、及び場合によってはその窓枠の外側に配した外層を有するドア構造が開示されているが、ここで、一つの実施態様においては、その能性キャリヤが、好ましくは、少なくとも部分的に繊維−強化された熱可塑性プラスチックのマトリックスを有している。

(特許文献3)には、ウェットサイドドライサイドと分離するための、車両のドア又は車両のサイドウォールのための、少なくとも部分的には繊維−強化プラスチックからなるドアモジュール又はサイドモジュールが記載されている。

(特許文献4)には、自動車のドアに機能性部品組み入れ、そして自動車のドアに組み入れることを意図し、設計した、異なった材料からなる少なくとも二つの材料領域を有するドアモジュールキャリヤが記載されているが、それらは、異なったプラスチック材料で構成され、注型用金型の中で同時に製造される。

最後に、(特許文献5)には、熱可塑性プラスチックから作製し、シートの形態にある連続繊維(「オルガノシート(organosheet)」)を組み入れて強化した半完成製品熱成形することによる、自動車のための構造部材(それは、ドアモジュールであってもよい)を製造するための方法が記載されているが、ここで、熱成形装置の中にオルガノシートを収容するために備えられたオルガノシートの領域、及び/又は高い応力がかかるオルガノシートから製造された構造部材の部分が、より高度に構造化されるか、及び/又は熱成形の過程で特定の熱処理かけられる。

本発明の文脈においては複合材料又は半完成繊維マトリックス製品とも呼ばれている、オルガノシートの製造は、当業者には公知である。すべてに共通している要素は、繊維材料半完成繊維製品をプラスチックのマトリックスの中に包埋させることである。慣用されている包埋方法は、(特許文献6)に記載の射出成形注型成形法、(特許文献7)に記載の発泡加圧圧縮成形樹脂含浸させた織布シートプレプレグ)の圧縮法、(特許文献8)に記載の引抜成形法、(特許文献9)に記載のカレンダリング法、又は積層法(特許文献10)である。(特許文献11)には、典型的な、オルガノシートの多層構造物が記載されているが、そこでは、補強繊維の第一の群が、第一の繊維マトリックスの接着力を介して、プラスチックのマトリックスに結合され、そして補強繊維の第二の群が、第二の繊維マトリックスの接着力を介して、プラスチックのマトリックスに結合されている。その第二の繊維マトリックスの接着力は、その第一の繊維マトリックスの接着力よりは弱い。繊維マトリックスの接着を異なった形で形成させたために、全破壊の際には、改良された破壊挙動が達成されると書かれている。しかしながら、従来技術の半完成繊維マトリックス製品の欠点は、そのような複合材料の内部での、層相互の間の接着力が、必ずしも常に満足がいくものではない、より詳しくは、外側層の下側層に対する接着力が、必ずしも常に満足がいくものではないということである。この接着力は、温度の影響、又は温度の繰り返しての変動によって、損なわれる可能性がある。その結果、時間の経過に伴い、複合材料の外側層の、少なくとも部分的な層間剥離が起きる。たとえば、最近のドアモジュールは、常に変化する外温に耐えねばならぬだけではなく、さらには、ドアモジュールを極端寒冷気候帯で使用される車両に取り付けたときに、低温安定性を有していなければならない。本発明の文脈においては、低温とは温度である。

概要

本発明は、少なくとも1種の熱可塑性プラスチックで半完成繊維製品を含浸させることによって得られる少なくとも1種の、単一層の、連続繊維−強化半完成繊維マトリックス製品を含むドアモジュール、並びに車両及び建築物におけるそれらの使用に関する。

目的

本発明の目的は、車両における軽量構造の高い要求を満たし、繰り返しての温度変動に耐え、それと同時に耐衝撃性を特徴とし、そして可能な限りの低温安定性を有しいて、従来技術のオルガノシートに比較して層間剥離する傾向が少ない、オルガノシートをベースとするドアモジュールを提供する

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請求項1

少なくとも1種の単一層の半完成繊維マトリックス製品を含むドアモジュールであって、連続繊維から作られた1〜100プライ半完成繊維製品プライを含み、前記半完成繊維製品プライがそれぞれ、5g/m2〜3000g/m2の範囲の基本重量を有し、全部の半完成繊維製品プライの全体を、1cm3/10分〜100cm3/10分の範囲のMVR(ISO1133による)を有する、少なくとも1種の熱可塑性プラスチック含浸させており、前記熱可塑性プラスチックが、ポリオレフィンビニルポリマーポリアクリレートポリアミドポリウレタンポリウレアポリイミドポリエステルポリエーテルポリスチレンポリヒダントインポリフェニレンオキシドポリアリーレンスルフィドポリスルホンポリカーボネートポリフタルアミドポリメチルメタクリレートスチレンアクリロニトリルオレフィンベース熱可塑性エラストマー熱可塑性ポリウレタン、及びポリオキシメチレンの群から選択され、この半完成繊維マトリックス製品が、5容積%〜90容積%の範囲の、DIN1310により定義された繊維材料容積比、並びに15容積%未満の空気又はガスの容積比を有する、ドアモジュール。

請求項2

前記半完成繊維マトリックス製品が、0.05mm〜6mmの範囲の材料の厚みを有することを特徴とする、請求項1に記載のドアモジュール。

請求項3

ポリハロゲン化ビニルポリビニルエステル、及びポリビニルエーテルの群からの前記ビニルポリマーが使用されることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載のドアモジュール。

請求項4

使用されるポリオレフィンが、ポリエチレン又はポリプロピレンであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載のドアモジュール。

請求項5

使用されるポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載のドアモジュール。

請求項6

2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンジヒドロキシジフェニルスルフィドテトラメチルビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、または1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンベースとするポリカーボネートが使用されることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載のドアモジュール。

請求項7

使用されるポリフタルアミドが、PA6T、PA10T、又はPA12Tであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載のドアモジュール。

請求項8

m−クレゾール中で、2.0〜4.0の範囲の相対溶液粘度を有するポリアミドが選択され、ここで、前記相溶液粘度ηrelが、ENISO307に従い、m−クレゾール中、25℃で測定されることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載のドアモジュール。

請求項9

PA66、PA6、及びPA12の群からのポリアミドが使用されることを特徴とする、請求項8に記載のドアモジュール。

請求項10

前記熱可塑性プラスチックが、少なくとも1種の熱安定剤を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のドアモジュール。

請求項11

金属ベースの熱安定剤又は有機熱安定剤が使用されることを特徴とする、請求項10に記載のドアモジュール。

請求項12

多価アルコールが使用されることを特徴とする、請求項11に記載のドアモジュール。

請求項13

銅安定剤、好ましくはハロゲン化銅(I)が使用されることを特徴とする、請求項11に記載のドアモジュール。

請求項14

請求項1〜13のいずれか一項に規定の少なくとも1種の単一層の半完成繊維マトリックス製品を成形プロセスにかけ、次いで硬化させ、ドアモジュールの雌型から取り出すことを特徴とする、ドアモジュールを製造するためのプロセス。

請求項15

前記単一層の半完成繊維マトリックス製品のための前記製造プロセスと前記成形プロセスとの組み合わせの場合において、前記成形プロセスより前に、全部の半完成繊維製品プライ全体を、少なくとも1種の熱可塑性プラスチックを用いるか又は熱可塑性プラスチック組成物を用いて、含浸及び圧密化及び場合によっては固化させるプロセス工程が先行することを特徴とする、請求項14に記載のプロセス。

請求項16

建築物中又は車両中における、請求項1〜13のいずれか一項に規定のドアモジュールの使用。

技術分野

0001

本発明は、少なくとも1種の熱可塑性プラスチック半完成繊維製品(semifinished fiber product)を含浸させることによって得られる少なくとも1種の、単一層の、連続繊維強化半完成繊維マトリックス製品を含むドアモジュール、及びそれらの使用に関する。

背景技術

0002

最近の車両構造物においては、繊維−強化プラスチックからの構造部品(structural parts)及び装備品(trim parts)の開発に絶え間ない努力が傾けられている。繊維−強化プラスチック(FRP)は、一般的に、高い強度及び剛性が必要とされる車両構造物において使用されている。原理的には、FRPには、プラスチックマトリックスの中に包埋された補強繊維が含まれている。それらの繊維が、その機械的性質部品に与えている。この場合、それらの繊維が、力が加わる方向に延在するように配向されているときに、最高の機械的性質が達成される。十分に高い機械的性質を有しながらも、その部品の重量をさらに低減させる目的で、特に薄い壁厚を有し、そして所定の部位だけが強化された部品が製造される。しかしながら、そのようなFRPベースの部品の製造においては、高いレベルの複雑さを用いて、その補強用要素が、それらの所定の位置から、望ましくない形で外れたり、ずれたり(leave or slip away)しないように確実にしなければならない。

0003

(特許文献1)には、車両ドア内壁の表面に切り出したくぼみ被覆するためのドアモジュールが記載されているが、そこでは、そのドアモジュールには、ガラス長繊維を用いて強化したプラスチックからなる、実質的に硬質構造部材と、ガラス長繊維を実質的に含まないプラスチックから作製し、その構造部材と一体化した形状の、実質的に弾性のある機能部材とが含まれている。

0004

(特許文献2)には、窓枠、その窓枠に取付け可能な機能性キャリヤ(function carrier)、並びにその機能性キャリヤ、及び場合によってはその窓枠の外側に配した外層を有するドア構造が開示されているが、ここで、一つの実施態様においては、その能性キャリヤが、好ましくは、少なくとも部分的に繊維−強化された熱可塑性プラスチックのマトリックスを有している。

0005

(特許文献3)には、ウェットサイドドライサイドと分離するための、車両のドア又は車両のサイドウォールのための、少なくとも部分的には繊維−強化プラスチックからなるドアモジュール又はサイドモジュールが記載されている。

0006

(特許文献4)には、自動車のドアに機能性部品組み入れ、そして自動車のドアに組み入れることを意図し、設計した、異なった材料からなる少なくとも二つの材料領域を有するドアモジュールキャリヤが記載されているが、それらは、異なったプラスチック材料で構成され、注型用金型の中で同時に製造される。

0007

最後に、(特許文献5)には、熱可塑性プラスチックから作製し、シートの形態にある連続繊維(「オルガノシート(organosheet)」)を組み入れて強化した半完成製品熱成形することによる、自動車のための構造部材(それは、ドアモジュールであってもよい)を製造するための方法が記載されているが、ここで、熱成形装置の中にオルガノシートを収容するために備えられたオルガノシートの領域、及び/又は高い応力がかかるオルガノシートから製造された構造部材の部分が、より高度に構造化されるか、及び/又は熱成形の過程で特定の熱処理かけられる。

0008

本発明の文脈においては複合材料又は半完成繊維マトリックス製品とも呼ばれている、オルガノシートの製造は、当業者には公知である。すべてに共通している要素は、繊維材料/半完成繊維製品をプラスチックのマトリックスの中に包埋させることである。慣用されている包埋方法は、(特許文献6)に記載の射出成形注型成形法、(特許文献7)に記載の発泡加圧圧縮成形樹脂−含浸させた織布シートプレプレグ)の圧縮法、(特許文献8)に記載の引抜成形法、(特許文献9)に記載のカレンダリング法、又は積層法(特許文献10)である。(特許文献11)には、典型的な、オルガノシートの多層構造物が記載されているが、そこでは、補強繊維の第一の群が、第一の繊維マトリックスの接着力を介して、プラスチックのマトリックスに結合され、そして補強繊維の第二の群が、第二の繊維マトリックスの接着力を介して、プラスチックのマトリックスに結合されている。その第二の繊維マトリックスの接着力は、その第一の繊維マトリックスの接着力よりは弱い。繊維マトリックスの接着を異なった形で形成させたために、全破壊の際には、改良された破壊挙動が達成されると書かれている。しかしながら、従来技術の半完成繊維マトリックス製品の欠点は、そのような複合材料の内部での、層相互の間の接着力が、必ずしも常に満足がいくものではない、より詳しくは、外側層の下側層に対する接着力が、必ずしも常に満足がいくものではないということである。この接着力は、温度の影響、又は温度の繰り返しての変動によって、損なわれる可能性がある。その結果、時間の経過に伴い、複合材料の外側層の、少なくとも部分的な層間剥離が起きる。たとえば、最近のドアモジュールは、常に変化する外温に耐えねばならぬだけではなく、さらには、ドアモジュールを極端寒冷気候帯で使用される車両に取り付けたときに、低温安定性を有していなければならない。本発明の文脈においては、低温とは温度である。

先行技術

0009

独国特許第602 11 521T2号明細書
独国特許出願公開第10 2004 011 136A1号明細書
欧州特許第1 765 621B1号明細書
独国実用新案第20 2006 005 797U1号明細書
独国特許出願公開第10 2013 213711A1号明細書
独国特許出願公開第102008052000A1号明細書
欧州特許出願公開第0291629A2号明細書
欧州特許出願公開第2028231A1号明細書
独国特許出願公開第102009053502A1号明細書
欧州特許出願公開第1923420A1号明細書
欧州特許出願公開第1923420A1号明細書

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の目的は、車両における軽量構造の高い要求を満たし、繰り返しての温度変動に耐え、それと同時に耐衝撃性を特徴とし、そして可能な限りの低温安定性を有しいて、従来技術のオルガノシートに比較して層間剥離する傾向が少ない、オルガノシートをベースとするドアモジュールを提供することであった。

課題を解決するための手段

0011

この目的は、本発明の主題、すなわち、少なくとも1種の単一層の半完成繊維マトリックス製品を含むドアモジュールによって達成されるが、ここで、
−1〜100層の、連続繊維の半完成繊維製品プライ、好ましくは2〜40層の、連続繊維の半完成繊維製品プライ、より好ましくは2〜10層の、連続繊維の半完成繊維製品プライ、
−ここで、その半完成繊維製品プライはそれぞれ、5g/m2〜3000g/m2の範囲、好ましくは100g/m2〜900g/m2の範囲、より好ましくは150g/m2〜750g/m2の範囲の基本重量を有している、
−そして、全部の半完成繊維製品プライの全体を、1cm3/10分〜100cm3/10分の範囲のMVR(ISO 1133による)を有する、少なくとも1種の熱可塑性プラスチックで含浸させており、
−ここで、その熱可塑性プラスチックは、以下の群から選択される:ポリオレフィンビニルポリマーポリアクリレートポリアミドポリウレタンポリウレアポリイミドポリエステルポリエーテルポリスチレンポリヒダントインポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリアリーレンスルフィドポリスルホンポリカーボネート(PC)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリメチルメタクリレートPMMA)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、TPO(オレフィンベース熱可塑性エラストマー)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、及びポリオキシメチレン(POM)、
−そして、その半完成繊維マトリックス製品は、5容積%〜90容積%の範囲、好ましくは30容積%〜60容積%の範囲、より好ましくは45容積%〜55容積%の範囲の、DIN 1310に従って定義された繊維材料の容積比を有し、そして
−15容積%未満、好ましくは10容積%未満、より好ましくは5容積%未満の空気又はガスの容積比を有している。

0012

好ましくは、本発明においては、ドアモジュールにおいて使用される単一層の半完成繊維マトリックス製品は、0.05mm〜6mmの範囲、より好ましくは0.1mm〜2mmの範囲、最も好ましくは0.3mm〜1.0mmの範囲の材料の厚みを有している。

0013

本発明はさらに、ドアモジュールを製造するためのプロセスにも関し、そこでは、単一層の半完成繊維マトリックス製品が、成形プロセスにかけられ、次いで硬化され、そしてドアモジュールの雌型から取り出される。

0014

説明を加えれば、本発明の範囲には、一般的な項目の中又は好ましい領域の中で記述されたすべての定義及びパラメーターが、各種の組合せで含まれていることに注意されたい。

0015

「単一層の(single−layer)」という用語は、本発明の文脈においては、本発明において使用され、そして通常最初はシートの形態にある、すなわち上側表面と下側表面との間の領域にあるその半完成繊維マトリックス製品の内部に、これまでに記述した、又は特許請求項に記載された範囲から外れた、空気又はガスの容積比又は繊維材料の容積比を有する、領域又は部分が存在しないということを意味している。従来技術におけるように、マトリックス樹脂組成物表面樹脂組成物とを区別することは、もはや不可能であるが、その理由は、熱可塑性プラスチックを用いた全部の半完成繊維製品プライ全体の含浸のレベルが高く、それに伴い、或いはその結果として、圧密化が高いからである。本発明の文脈においては、熱可塑性プラスチックはさらに、上述の熱可塑性プラスチックの各種混合物、並びに上述の熱可塑性プラスチックと少なくとも1種の充填剤及び/若しくは補強剤又は添加剤との混合物(コンパウンド物(compounds)とも呼ばれる)も意味している。本出願の文脈においては、すべての標準は、特に断らない限り、本件の出願日に有効である版を適用することができる。

0016

単一層の半完成繊維マトリックス製品の技術的優秀さは、本発明の文脈においては、W.Siebenpfeiffer,“Leichtbau−Technologien im Automobilbau[Lightweight Construction Technologies in Automobile Construction]”(Springer−Wieweg,2014,pages 118〜120から当業者には公知の、十字引張サンプル(cross tension sample)を使用した、フィン引き裂き試験(fin pull−off test)により示されるが、これについては、実施例にも記載している。

0017

用語の定義
溶融物体積流量(MVR=melt volume flow rate)は、特定の圧力及び温度条件下での、熱可塑性プラスチックの流動特性を表すのに役立つ。それは、プラスチックの溶融物の粘度の尺度である。それを使用して、重合度を決めることができるが、重合度とは、一つの分子の中のモノマー単位の数の平均値である。ISO 1133によるMVRは、キャピラリー粘度計によって求められるが、それには、好ましくはペレット又は粉体の形態にある材料を、加熱可能なシリンダーの中で溶融させ、それに、負荷をかけることにより得られる圧力で、力をかけて、規定されたノズル、好ましくはキャピラリーを通過させる。押し出されるポリマーの溶融物(押出し物(extrudate)と呼ばれる)の体積/質量を時間の関数として測定する。溶融物体積流量のキーとなる利点は、公知のピストン直径に対してピストン移動距離を測定することにより、押し出された溶融物の体積が決められるという簡単さである。MVRの単位は、cm3/10分である。

0018

コンパウンディング(compounding)」/「コンパウンド物(compound)」という用語は、プラスチック業界用語であり、「プラスチックの加工(plastics processing)」と同義語であって、特定の性能プロファイルを最適化する目的で、混ぜ物、特に充填剤、添加剤などを混ぜ込むことによって、プラスチックの性能を向上させるプロセスを表している。エクストルーダー中でコンパウンディングを実施するのが好ましく、それには、輸送、溶融、分散、混合、脱気、及び昇圧のプロセス操作が含まれる。分散は、少なくとも一つの混合装置の中における溶融混合プロセスの手段により実施するのが好ましい。混合装置は好ましくは、単軸若しくは二軸スクリューエクストルーダー又はBanburyミキサーである。熱可塑性プラスチック組成物の個々の成分を、少なくとも一つの混合装置の中で、好ましくはその熱可塑性プラスチック組成物の中の少なくとも1種の熱可塑性プラスチックの融点領域における温度で混合し、ストランドの形態で排出させる。典型的には、そのストランドをペレット化が可能となるまで冷却してからペレット化させる。その熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物は、一般的に究極的には、ペレット、フレーク、又はその他の巨視的な部材の形態にある。

0019

本明細書の記述において使用される、「より上(above)」、「で(at)」、又は「約(about)」という用語は、それに続く量又は値が、その特定の値であるか、又はほぼ同程度の値であってよいということを意味しようとするものである。その表現は、同等の値によって、本発明においては等価である結果又は効果が得られ、本発明に包含されるということを伝えようとしている。

0020

本発明の文脈において「繊維(fiber)」は、長さ対その断面積の高い比率を有する巨視的に均質物体である。その繊維の断面は、所望されるいかなる形状であってもよいが、通常は円形または楕円形である。

0021

「http://de.wikipedia.org/wiki/Faser−Kunststoff−Verbund」によれば、
−0.1〜1mmの範囲の長さを有するチョップトファイバー短繊維とも呼ばれる)と、
−1〜50mmの長さを有する長繊維と、
−L>50mmの長さを有する連続繊維とは、区別される。

0022

繊維の長さは、たとえば微少焦点X線コンピューター断層撮影法(μ−CT)によって求めることができる;J.Kastner et al.,“Quantitative Messung von Faserlaengen und−verteilung in faserverstaerkten Kunststoffteilen mittels μ−Roentgen−Computertomographie[Quantitative Measurement of Fiber Lengths and Distribution in Fiber−Reinforced Plastics Components by means of μ−X−Ray Computed Tomography]”,DGZfP[German Society for Non−Destructive Testing].annual meeting,2007,Lecture 47,pages 1〜8。本発明に従って使用される半完成繊維マトリックス製品には、連続繊維が含まれる。一つの実施態様においては、それらには、連続繊維に加えて、長繊維が含まれていてもよい。

0023

本出願の文脈において使用される、「半完成繊維製品プライ(semifinished fiber product plies)」という用語は、好ましくはウィーブレイドスクリム多軸レイドスクリムを含む)、ニットブレイド、不織布、フェルト及びマットなどの群から選択されるか、又は一方向繊維ストランドの形態にある材料を意味している。別な考え方として、半完成繊維製品プライは、本発明においては、このセクションで記載した材料の二つ以上の混合物又は組合せもまた意味している。

0024

半仕上げ繊維製品プライを製造するためには、少なくとも1本の繊維または繊維ストランドが少なくとも1本の他の繊維または他の繊維ストランドと接触するようにして使用される繊維を互いに結合させて、連続の材料を形成させる。別な方法においては、半仕上げ繊維製品プライを製造するために使用される繊維を、相互に接触させて、連続のマット、ウィーブ、織物、または同様の構造物を形成させる。

0025

「基本重量(basis weight)」という用語は、材料の質量をその面積の関数として記述するものであって、本発明の文脈においては、乾燥繊維層に関連する。基本重量は、DIN EN ISO 12127に従って測定する。

0026

本発明の文脈において、「含浸させた(impregnated)」という用語は、少なくとも1種の熱可塑性プラスチック、又は、適切であるのなら、熱可塑性プラスチック組成物が、全部の半完成繊維製品プライ全体の凹み(depression)やキャビティの中に浸透して、その繊維材料を濡らすことを意味している。本発明の文脈において、「圧密化された(consolidated)」という用語は、その複合材料構造物の中に、体積で15%未満の空気含量しか存在していないということを意味している。含浸(ポリマー組成物による繊維材料の濡れ)と圧密化(包含されているガスの割合の最小化)とは、同時的及び/又は逐次的に、実施する(effected or performed)ことができる。

0027

本発明の文脈においては、以下の記号は、次のような意味合いを有している:「≧」は、「以上」を意味し、「≦」は、「以下」を意味し、「>」は、「より大」を意味し、「<」は「より小」を意味している。

0028

説明を加えれば、「単一層であること(single−layeredness)」は、半完成繊維製品プライ、その基本重量、使用された熱可塑性プラスチック、繊維マトリックス半完成製品全体に関連して、すなわち上側表面と下側表面との間の領域での繊維の容積比及び空気又はガスの容積比に関連する、特徴全体で定義されることに注意されたい。本発明において使用するための半完成繊維マトリックス製品では、含浸プロセス及び圧密化の結果として、それらの特性がその中に均質に存在しているという特徴を有しているのが好ましい。したがって、「均質に(uniformly)」という用語は、より具体的には、好ましくは上側表面と下側表面との間の領域にある本発明の半完成繊維マトリックス製品の内部に、これまでに記述した、又は特許請求項に記載される範囲から外れた、空気又はガスの容積比又は繊維材料の容積比を有する、領域又は部分が存在しないという事実を述べている。

0029

本発明はさらに、上述の少なくとも1種の単一層の半完成繊維マトリックス製品を成形プロセスにかけ、次いでそれを硬化させ、そしてそれをドアモジュールの雌型から取り出すことによる、ドアモジュールを製造するためのプロセスにも関する。

0030

その半完成繊維マトリックス製品が、ドアモジュールを製造するためのシートの形態にある連続材料として供せられるのが好ましい。シートの形態にあるそのような半完成繊維マトリックス製品は、簡単な方法で、所望の最終形状に切断して、切断操作による材料のロスを少なくすることができる。

0031

半完成繊維マトリックス製品は、精力的に検討されている課題であるが、たとえば次の文献に記載されている:“Composites Technologien,Die Verarbeitung von FV−Thermoplasten[Composites Technologies,The Processing of FR Thermoplastics]”、ETH ZuerichIMES−ST,chapter 9、version 3.0,October,2004。半完成繊維マトリックス製品の中の繊維が、そのような複合材料の機械的性質、たとえば強度及び剛性の決定には極めて重要な役割を果たすものの、繊維の間で力を伝え、座屈に対して繊維を支え、そして外部からの攻撃に対して繊維を保護しているのは、ポリマーマトリックスである。繊維は、一つの方向にのみ配向させてもよいし(一方向、たとえば、テープ)、或いは相互に直交させて二つの方向に配向させてもよいし(直交異方性(orthotropic)又は均衡状態(balanced))、或いは相互に任意の方向に配置させて、疑似等方性の形態(quasi−isotropic fashion)としてもよい。連続繊維は、ポリマーマトリックスの中に、高い配向度で、高度に伸長させた状態、従って、比較的大量に導入することができるという利点を有している。さらには、それらは、単に繊維だけを介して、半完成繊維マトリックス製品の中で力の作用点の間で力を伝達して、その結果、そのような連続繊維−強化半完成繊維マトリックス製品をベースとする部品の機械的性能を向上させることが可能である。

0032

本発明において使用するための半完成繊維マトリックス製品は、本発明において使用するための連続繊維から作製された半完成繊維製品を含浸させることによって製造される。したがって、本発明は、ドアモジュールを製造するためのプロセスにも関し、そこでは、少なくとも1種の単一層の半完成繊維マトリックス製品が、成形プロセスにかけられ、次いで硬化され、そして、金型から取り出される。

0033

半完成繊維マトリックス製品のための製造プロセスが、成形プロセスと組み合わされているのなら、その成形プロセスより前に、全部の半完成繊維製品プライ全体を、少なくとも1種の熱可塑性プラスチックを用いるか又は熱可塑性プラスチック組成物を用いて、含浸及び圧密化及び場合によっては固化させるプロセス工程が先行する。そのプロセス全体としては、以下のプロセス工程を含んでいるのが好ましい:
a)少なくとも1種の熱可塑性プラスチックを備えるか、又は熱可塑性プラスチック組成物を備える工程、
b)連続繊維で作製された半完成繊維製品プライを備える工程、
c)その全部の半完成繊維製品プライ全体に対して、少なくとも1種の熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物を適用する工程、
d)少なくとも1種の熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物で、その全部の半完成繊維製品プライ全体を、含浸させる工程、
e)少なくとも1種の熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物で含浸させたその全部の半完成繊維製品プライ全体から空気を除去し、そして過剰な熱可塑性プラスチック樹脂を除去する工程(圧密化工程)、
f)成形してドアモジュールとする工程、
g)少なくとも1種の熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物で含浸させ圧密化させた、全部の半完成繊維製品プライ全体からなるドアモジュールを硬化させ(固化工程)、そしてそれを金型から取り出す工程。

0034

一つの実施態様においては、プロセス工程g)の後に、プロセス工程h)熱処理を続けてもよい。

0035

一つの実施態様においては、プロセス工程g)又はプロセス工程h)の後に、プロセス工程i)ドアモジュールの後処理を続けてもよい。

0036

含浸においては、積層法を採用するのが好ましい。一つの実施態様においては、本発明において使用するための単一層の半完成繊維マトリックス製品の中に、連続繊維に加えて、長繊維及び/又は短繊維を存在させることも可能である。

0037

本発明のプロセスは、半連続若しくは連続プレス法プロセス、好ましくはツインベルトプレス法、間欠加熱プレス法、又は連続圧縮成形型法において、特に良好な適合性を有している。本発明のプロセスは、高速含浸及び高い生産性を特徴としており、単一プロセスで、空隙すなわち空気の巻きこみが少なく、高速で、半完成繊維マトリックス製品、従ってドアモジュールを製造することが可能となる。

0038

プロセス工程a)
本発明においては、その熱可塑性プラスチック組成物のためのベース成分として選択される、又は使用される熱可塑性プラスチックは、以下の群からの熱可塑性プラスチックである:ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸PLA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、スチレン−アクリロニトリル(SAN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、及びポリスチレン(PS)。

0039

好ましいビニルポリマーは、ポリハロゲン化ビニルポリビニルエステル、及びポリビニルエーテルの群から選択するべきである。

0040

好ましいポリオレフィンは、ポリエチレン[CAS No.9002−88−4]、又はポリプロピレン[CAS No.9003−07−0]である。

0041

好ましいポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)[CAS No.25038−59−9]又はポリブチレンテレフタレート(PBT)[CAS No.24968−12−5]である。

0042

好ましいポリカーボネートは、以下のものをベースとするものである:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパンビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)、ジヒドロキシジフェニルスルフィドテトラメチルビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BPTMC)又は1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンTHPE)。ビスフェノールAをベースとするPCを使用するのが特に好ましい。

0043

PPAは、部分芳香族ポリアミド又は半晶質芳香族ポリアミドであって、その中では、アミド基が、脂肪族基と、ベンゼンジカルボン酸基とに交互に結合されている。そのアミド基がテレフタル酸基に結合されているのが、好ましい。本発明において特に好ましいPAAは、PA6T、PA10T、又はPA12Tである。

0044

特に好適なポリアミドは、m−クレゾール中で、2.0〜4.0の範囲、好ましくは2.2〜3.5の範囲、極めて特には2.4〜3.1の範囲の相対溶液粘度を有するものである。相対溶液粘度ηrelは、EN ISO 307に従って測定する。25℃における、m−クレゾール中に溶解させたポリアミドの流出時間tの、m−クレゾール溶媒での流出時間t(0)に対する比率から、式ηrel=t/t(0)により相対溶液粘度が得られる。

0045

特に好ましいポリアミドは、PA66、PA6、及びPA12の群から選択するべきである。本出願の文脈において使用されるポリアミドの命名法は、EN ISO 1874−1:2010(現在、EN ISO 16396−1:2015により部分的に置き換えられている)に相当するものであり、第一の数字が、出発ジアミンの中の炭素原子数を表し、そして最後の数字が、ジカルボン酸の中の炭素原子数を表している。たとえばPA6の場合のように、一つだけの数字が記されているならば、これは、出発物質が、α,ω−アミノカルボン酸、又はそれから誘導されるラクタム、すなわちPA6の場合ならば、ε−カプロラクタムであったということを意味している。

0046

より好ましくは、半完成繊維マトリックス製品のプラスチックマトリックスのための、少なくとも1種の熱可塑性プラスチックが、PA66[CAS No.32131−17−2]、PA6[CAS No.25038−54−4]、PA12、PPA、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、TPU、及びPCの群から選択される。

0047

少なくとも1種の熱可塑性プラスチックが、最も好ましくはTPU、PA6、及びPCの群から、特別に好ましくはPA6から選択される。

0048

ドアモジュールのための単一層の半完成繊維マトリックス製品の中で使用される熱可塑性プラスチックはさらに、広い範囲での相互の組合せで使用してもよいが、好ましいのは、PC/ABS(ABS[CAS No.9003−56−9])の組合せの使用である。

0049

特に好ましくは、ポリマーマトリックスのため、又は半完成繊維マトリックス製品のためのマトリックスポリマーとして、難燃性の形態にある少なくとも1種の熱可塑性プラスチックが使用される。ポリアミドベースの半完成繊維マトリックス製品のための、本発明において好ましい難燃剤は、以下の特許に記載されている:欧州特許出願公開第1762592A1号明細書、欧州特許出願公開第2060596A1号明細書、欧州特許出願公開第2028231A1号明細書、特開2010−222486A号公報、又は欧州特許出願公開第2410021A1号明細書(これらの特許の内容はすべて、本出願に包含されたものとする)。ポリカーボネートベースの半完成繊維マトリックス製品のための、本発明において好ましい難燃剤は、欧州特許出願公開第3020752A1号明細書に記載されている。TPUベースの半完成繊維マトリックス製品のための、本発明において好ましい難燃剤は、国際公開第2013/087733A2号パンフレットに記載されている。100重量部の可塑性プラスチック、特にはポリアミドあたり、0.001〜20重量部の難燃性添加剤を使用するのが好ましい。

0050

難燃性添加剤とは別に、その熱可塑性プラスチックには、その代わりとして、又はそれに加えて、さらなる添加剤、好ましくは少なくとも1種の熱安定剤を含んでいてもよい。好ましい熱安定剤は、金属ベースの安定剤、好ましくは銅若しくは鉄をベースとするもの、又は有機熱安定剤、特に多価アルコールである。好ましい銅安定剤は、ハロゲン化銅(I)、特に臭化銅又はヨウ化銅であるが、それらは、少なくとも1種のアルカリ金属ハロゲン化物、好ましくは臭化カリウム又はヨウ化カリウムと組合せて使用するのが好ましい。好ましい鉄ベースの熱安定剤は、鉄粉酸化鉄、又は有機酸鉄塩、特には、クエン酸鉄若しくはシュウ酸鉄である。好適に使用される多価アルコールは、ジペンタエリスリトールである。一つの実施態様においては、その熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物の中で、上述の熱安定剤の混合物を使用することも可能である。ポリアミドの中で、上述の熱安定剤を使用するのが好ましい。100重量部の可塑性プラスチック、特にはポリアミドあたり、0.001〜20重量部の熱安定剤を使用するのが特に好ましい。

0051

本発明において使用される単一層の半完成繊維マトリックス製品のための、熱可塑性プラスチック組成物を製造するために、本発明において使用するための熱可塑性プラスチックの中のさらなる添加剤としてはさらに、すでに先に挙げたガラス短繊維、並びに好ましくは以下の群から選択されるその他の充填剤又は補強剤が挙げられる:炭素繊維ガラスビーズ非晶質シリカケイ酸カルシウムメタケイ酸カルシウム炭酸マグネシウムカオリンチョーク微粉化石英マイカケイ酸バリウムウォラストナイトモンモリロナイトベーマイトベントナイトバーミキュライトヘクトライトラポナイトカーボンブラック、及び長石。それらに加えて、添加剤として、以下ものを使用することも可能である:立体障害フェノール抗酸化剤染料酸化防止剤離型剤成核剤可塑剤、又は耐衝撃性改良剤。好ましい耐衝撃性改良剤は、エラストマー性ポリマーである。

0052

好ましくは、ガラス短繊維又は各種その他の充填剤及び補強剤又は添加剤は、熱可塑性プラスチックの中に分散又はコンパウンディングした後で、本発明において使用するための単一層の半完成繊維マトリックス製品を製造する目的のために、全部の半完成繊維製品プライ全体に適用する。その分散は、溶融混合方法の手段で実施するのが好ましい。そのような溶融混合プロセスで使用するための混合装置は、好ましくは単軸もしくは二軸のスクリューエクストルーダー、またはBanburyミキサーである。それらの添加剤は、単一段で一度に混合するか、または段階的に混合し、次いで溶融状態にする。少なくとも1種の熱可塑性プラスチックに添加剤を段階的に添加する場合には、最初に添加剤の一部を熱可塑性プラスチックに添加して、混合して溶融状態にする。次いで、さらなる添加剤を添加して、その混合物を混合して、均質な組成物を得る。

0053

プロセス工程b)
好ましくは、本発明において使用される、単一層の半完成繊維マトリックス製品の中の、全部の半完成繊維製品プライ全体が、ガラス繊維及び/又は炭素繊維、より好ましくはガラス繊維をベースとしている。ガラス繊維には、シリカ系ガラス又は非シリカ系ガラスを使用するのが好ましい。ガラス繊維と同様に、追加として、全部の半完成繊維製品プライ全体の中に、他の繊維、より好ましくは、炭素ホウ素、アラミド炭化ケイ素合金金属酸化物金属窒化物金属炭化物、金属、及びケイ酸塩、並びに有機物質、特に天然又は合成ポリマー、好ましくはポリエステル、ポリアミド、又は天然繊維、特に綿若しくはセルロース、並びにそれらの組合せの群からのものを存在させることもまた可能である。

0054

本発明においては、長さが少なくとも10mmの長繊維と組み合わせて、連続繊維を使用するのも好ましい。連続繊維は、半完成繊維製品プライの中に、好ましくはロービング、ストランド、ヤーントワイン、又はコードの形態で、より好ましくはロービングとして、存在させる。

0055

連続繊維(連続補強繊維とも呼ばれる)は、一般的には、先にも述べたように50mmを越える長さを有するもの、より詳しくは、製造する目的の具体的なドアモジュールの長さ寸法にほぼ相当する長さを有するものを意味していると理解されたい。

0056

その連続繊維が、0.5μm〜25μmの範囲のフィラメント直径を有しているのが、好ましい。本発明の文脈においては、ガラス、アラミド又は炭素から作製された、フィラメント直径及びフィラメントヤーンの断面積は、DIN 65571−1:1992−11に従って測定したものである。平均フィラメント直径は、すべてのサイズ剤を除去してから測定する。フィラメント直径及びフィラメントヤーンの断面積は、DIN 65571に従い、光学的方法の手段により求めるが、それには、光学顕微鏡及び測微接眼レンズ円筒の直径の距離測定)によるか、又は光学顕微鏡及びデジタルカメラとその後の面積測定(断面図の測定)によるか、又はレーザー干渉法によるか、又は投影法によるかのいずれかの方法による。別な方法として、ガラス繊維の平均フィラメント直径を、ISO 1888に従って求めることもできる。

0057

一つの実施態様においては、半完成繊維マトリックス製品の中に、連続繊維に加えて存在しているガラス長繊維はすべて、円形ではない断面を有するフラットな形状を有しており、直交させた、断面軸相互の比率が、2以上、特に3以上であり、そして、小さい方の断面軸が、3μm以上の長さを有している。より具体的には、断面軸の比率が、3より大、特に3.5以上の、極めて実質的に長方形の断面のガラス長繊維が好ましい。

0058

3〜20μmの範囲、より好ましくは3〜10μmの範囲の直径を有するガラス長繊維が、ロービングとして同様に好適に使用される。

0059

3.5〜5.0の範囲の断面軸比を有するフラットなガラス長繊維を使用するのが特に好ましい。

0060

好ましくは、連続繊維及びガラス長繊維の両方のために、Eガラス繊維を使用するのが特に好ましい。一つの実施態様においては、Eガラス繊維と同様にして、Sガラス繊維をさらに使用するが、その理由は、それが、Eガラス繊維よりも30%高い引張強度を有しているからである。それに代えて、その他の全てのガラス繊維たとえば、A、C、D、M若しくはRガラス繊維又はそれらの混合物、又は、E及び/又はSガラス繊維との混合物を使用することもまた可能である。Eガラスは、以下の性質を有している:密度、2.6g/cm3(20℃);引張強度、3400MPa;引張弾性モジュラス、73GPa;破断時伸び、3.5〜4%。

0061

本発明において使用される、連続繊維で作製された半完成繊維製品プライは、所望の機械的性質を有するドアモジュールを与える。それらは、それらの構造の面から、ドアモジュールで予想される応力に合わせることが可能であるばかりでなく、それらの数の面でも、ドアモジュールを、実際の負荷に対して、最適な強度及び/又は剛性を有するようにすることができる。

0062

本発明において使用される単一層の半完成繊維マトリックス製品の中の半完成繊維製品プライは、従来技術の場合におけるように、ポリマーマトリックスとは別の層を形成するのではなく、ポリマーマトリックスによって貫入されていて、繊維とポリマーとが、一体となった構成要素を形成している。

0063

より特には、その半完成繊維製品プライが、織布又は不織布構造の形態で使用されていれば、有利である。ウィーブ、スクリム(多軸スクリムを含む)、縫い取り品(embroidery)、ブレイド、不織布、フェルト、マット、2種以上のそれらの材料の混ざり、及びそれらの組合せをベースとする半完成繊維製品プライを使用するのが好ましい。

0064

不織布としては、ランダム繊維配列か、又は配列された繊維構造物を選択することができる。ランダムな繊維配向は、好ましくは、マット、ニードルドマット、又はフェルトの形態に見出される。配列された繊維質の構造物は、好ましくは、一方向繊維ストランド、二方向繊維ストランド、多方向繊維ストランド、多軸織物(multiaxial textile)に見出される。本発明において使用される半完成繊維製品プライが、一方向スクリム又はウィーブ、特にウィーブであれば、好ましい。

0065

ガラス繊維を、炭素繊維(炭素繊維又はグラファイト繊維とも呼ばれる)と組み合わせるのが特に好ましい。ガラス繊維の一部を炭素繊維に置き換えると、ハイブリッド繊維−強化半完成繊維マトリックス製品が得られるが、これは、純然たるガラス繊維ベースの半完成繊維マトリックス製品に比較して、高い剛性を有している。

0066

本発明におけるドアモジュールに使用するための単一層の半完成繊維マトリックス製品の中での炭素繊維の含量は、全繊維含量を基準にして、好ましくは0.1容積%〜30容積%の範囲、より好ましくは10容積%〜30容積%の範囲であり、ここで、本発明において使用される半完成繊維マトリックス製品の中の全繊維含量は、5容積%〜90容積%の範囲、好ましくは30%〜60容積%の範囲、より好ましくは45容積%〜55容積%の範囲である。

0067

半完成繊維製品プライの中の繊維材料、又はそうでなければ繊維ブレイドは、単に一方向に配向させてもよいし、或いは、互いに対して各種の角度で、好ましくは互いに直角に配向させてもよい。

0068

連続繊維と、少なくとも1種の熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物との間でより良好な相溶性を得るためには、それらの表面を、シラン化合物を用いて、それらを前処理しておくのが好ましい。特に好ましいには、一般式(I)のシラン化合物である:
(X−(CH2)q)k−Si−(O−CrH2r+1)4−k (I)
(式中、
Xは、NH2−、カルボキシル−、HO−、又は次式であり、



q:2〜10、好ましくは3〜4の整数
r:1〜5、好ましくは1〜2の整数、
kが、1〜3の整数、好ましくは1である)。

0069

特に好ましいのは、以下の群からのシラン化合物である:アミノプロピルトリメトキシシランアミノブチルトリメトキシシランアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、並びに式(I)のX置換基としてグリシジル基又はカルボキシル基、極めて好ましくはカルボキシル基を含む、相当するシラン

0070

少なくとも1種の式(I)のシラン化合物を用いたガラス繊維の変性は、100重量部のガラス繊維あたり、0.05〜2重量部の量のシラン化合物で実施するのが好ましい。

0071

その半完成繊維製品プライが、サイズの小さくなった繊維又は粒子を一切含まない、特には、0.1〜1mmの範囲の長さを有する短繊維を一切含まないのが好ましい。

0072

ガラス繊維及び/又は炭素繊維を使用するのが好ましく、ガラス繊維で構成されていれば、より好ましい。

0073

一つの実施態様においては、その半完成繊維製品プライが、プロセス工程b)において、ロール原料として備えられる。

0074

プロセス工程c)
全部の半完成繊維製品プライ全体に適用するためには、ペレット、粉体、フレーク、フィルムの形態にあるか、又はその他の巨視的パーツの形態にある、その少なくとも1種の熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック配合物を、最初に、それらの溶融物の形態、又は溶媒中の分散体の形態で仕込む。特に好ましいのは、粉体又はフィルムである。本発明において好ましいのは、粉体の適用、又はフィルムの形態での適用であるが、特に好ましいのは、粉体の適用である。

0075

プロセス工程c)において、熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物を、全部の半完成繊維製品プライ全体に、慣用される手段により適用するが、好ましくは以下の手段による:分散法(scattering)、液適法(trickling)、プリント法(printing)、スプレー法(spraying)、灌注法(irrigating)、含浸法(impregnating)、溶融浴内での濡らし法(wetting in a melt bath)、熱溶射法(thermal spraying)、フレーム溶射法(flame spraying)、又は、流動床コーティング法(fluidized bed coating)。一つの実施態様においては、その全部の半完成繊維製品プライ全体に対して、複数の熱可塑性プラスチック層、又は単一の熱可塑性プラスチック組成物若しくは異なった熱可塑性プラスチック組成物の層を適用することも可能である。一つの実施態様においては、熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物を、連続繊維でできている全部の半完成繊維製品プライ全体に対して、フィルムの形態で適用する。

0076

熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物は、その全部の半完成繊維複合材料プライの全体に対して、DIN 1310に従って定義された、繊維材料中の容積比が、その半完成繊維マトリックス製品中で5容積%〜90容積%の範囲、好ましくは30容積%〜60容積%の範囲、より好ましくは45容積%〜55容積%の範囲となるような量で適用するのが好ましい。

0077

一つの実施態様においては、その適用工程に続けて、焼結(sintering)工程を実施してもよく、そこで、全部の半完成繊維製品プライ全体の上の熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物が焼結される。その焼結工程では、場合によっては圧力下に、その熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物を加熱するが、その温度は、それぞれの場合において使用される熱可塑性プラスチックの溶融温度よりも下にとどめる。一般的には、ここで収縮が起きるが、その理由は、出発物質の熱可塑性プラスチック粒子の密度が高くなり、全部の半完成繊維製品プライ全体の中の空隙スペースが埋められるからである。

0078

プロセス工程d)
次いで、プロセス工程d)で接触処理された全部の半完成繊維製品プライ全体に、圧力と温度の影響を加える。これは、好ましくは、ポリマー又はポリマー組成物(繊維材料とも呼ばれる)を用いて接触処理した、全部の半完成繊維製品プライ全体を、加圧ゾーンの外側で予熱することで実施する。

0079

プロセス工程d)においては、熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物を用いて接触処理した全部の半完成繊維製品プライ全体を、繊維材料の含浸及び圧密化を開始させる目的で加熱する。圧力と熱の影響を受けた結果、少なくとも1種の熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物の溶融及び全部の半完成繊維製品プライ全体への貫入が起こり、それにより含浸される。この場合、好ましくは2〜100barの範囲、より好ましくは10〜40barの範囲の圧力を採用する。

0080

プロセス工程d)において採用される温度は、使用された少なくとも1種の熱可塑性プラスチックまたは熱可塑性プラスチック組成物の溶融温度以上である。一つの実施態様においては、採用される温度が、使用される少なくとも1種の熱可塑性プラスチック溶融温度よりも少なくとも10℃上である。さらなる実施態様においては、採用される温度が、使用される少なくとも1種の熱可塑性プラスチック溶融温度よりも少なくとも20℃上である。加熱は、多くの手段で実施することができるが、好ましくは、以下の手段を用いる:接触加熱法、放射ガス加熱法(radiative gas heating)、赤外線加熱法、対流もしくは強制対流法、誘導加熱法マイクロ波加熱法、またはそれらの組合せ。その直後に、圧密化の影響を受ける。

0081

含浸は、特に温度および圧力のパラメーターに依存する。一つの実施態様においては、プロセス工程d)がさらに、時間に依存する。

0082

プロセス工程d)において最適な機械的性質を達成するためには、少なくとも1種の熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物で、繊維材料のフィラメント最大限に含浸させるのが望ましい。ガラス繊維で構成された繊維材料の存在下では、炭素繊維で構成された繊維材料の含浸速度が高くなり、そのことによって、ガラス繊維と炭素繊維の両方を含む単一層の半完成繊維マトリックス製品全体で、より速やかな総合的な製造サイクルが得られるということが見出された。

0083

含浸の原理は、ポリマー又はポリマー組成物からなるマトリックスを用いて、乾燥繊維構造を充満させることである。半完成繊維製品の中への流れは、多孔質ベース媒体の中へ非圧縮性流体を流すことに例えられる。その流れは、Navier−Stokes式を用いて表現される:



[式中、ρは密度であり、νは速度ベクトルであり、▽Pは圧力勾配であり、そしてηは使用した流体の粘度である]。補強構造物の中のポリマー又はポリマー組成物(マトリックスとも呼ばれる)の流動速度が低いと分類することが可能であると仮定すると、上述の式の中の慣性力(式の左辺)は無視することができる。そうなると、この式は、Stokes式として知られている形に簡略化される。
0=−▽P+η▽2ν

0084

プロセス工程e)
含浸と同時に又は含浸の後に、圧密化が起きるが、これは、閉じ込められた空気やその他のガスの圧搾を意味している。圧密化はさらに、特にパラメーターの温度及び圧力にも依存するし、時間にも依存する可能性がある。

0085

それらのガスとしては、周囲環境からのガス(たとえば空気又は窒素)、及び/又は水/水蒸気、及び/又は使用された少なくとも1種の熱可塑性プラスチックの熱分解(thermal breadkown)反応生成物が挙げられる。

0086

圧密化はさらに、温度及び圧力のパラメーターにも依存する。一つの実施態様においては、プロセス工程e)がさらに、時間にも依存する。

0087

その半完成繊維マトリックス製品のボイド含量が5%未満になるまで、所定のパラメーターを採用するのが好ましい。ここでの目標は、10分より短い時間で、好ましくは100℃よりも高い温度、より好ましくは100℃〜350℃の範囲の温度で、5%未満のボイド含量が達成されることである。20barよりも高い圧力を採用するのが好ましい。

0088

静的プロセスを介するか、又は連続プロセス(動的プロセスとも呼ばれる)を介して圧力をかけることが可能であるが、速度の理由から、連続プロセスが好ましい。好ましい含浸法としては、カレンダー法(calendering)、フラットベッド積層法(flat bed laminaton)、及びツインベルトプレス積層法(twin belt press lamination)が挙げられるが、それらに限定される訳ではない。積層法として含浸工程を実施するのが好ましい。積層法の形で含浸を実施する場合には、冷却ツインベルトプレス法(欧州特許第0 485 895B1号明細書も参照)又は間欠加熱プレス法を使用するのが好ましい。

0089

プロセス工程d)における含浸の程度およびプロセス工程e)における圧密化のいずれの性質も、機械的指数を測定することにより、特に複合材料構造物の試験片の引張強度を測定することによって、測定/チェックすることができる。引張強度は、プラスチックの場合では、ISO 527−4または−5に従って実施される引張試験準静的破壊試験方法)を用いて測定される。

0090

含浸操作および圧密化操作のいずれもが、パラメーターの温度および圧力に依存するので、当業者は、それぞれの場合の熱可塑性プラスチックまたは熱可塑性プラスチック組成物中の熱可塑性プラスチックにおいて、これらのパラメーターを、使用される熱可塑性プラスチックに適合させることになるであろう。当業者は、マトリックスポリマーに合わせて、圧力を加える時間もまた適合させることになるであろう。

0091

プロセス工程f)
プロセス工程e)の後では、本発明において使用される単一層の半完成繊維マトリックス製品の内部で、それらの繊維が、熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物で完全に含浸され、そして圧密化されている、すなわち、それらの繊維が、プラスチックを用いて完全に濡らされており、その材料の中には空気が実質的に存在しない。

0092

固化させるためには、その繊維複合材料構造物又は半完成繊維マトリックス製品を、その熱可塑性プラスチックの溶融温度又はその熱可塑性プラスチック組成物の溶融温度よりも低い温度にまで冷却すればよい。「固化(solidification)」という用語は、全部の半完成繊維製品プライ全体と溶融状態のマトリックスとの混合物を、冷却させるか、又は化学的架橋をもたらして固体化させることによって、硬化させることを表している。

0093

一つの実施態様においては、プロセス工程e)の後で、プロセス工程f)の成形及びプロセス工程g)の固化を、同時に、又は少なくとも直ぐに続けて実施する。

0094

一つの実施態様においては、ツインベルトプレスを使用する場合、好ましくは、単一層の半完成繊維マトリックス製品の固化及び成形を実施して、シート材料を得る。この場合においては、その単一層の半完成繊維マトリックス製品を、その熱可塑性プラスチックの溶融温度又はその熱可塑性プラスチック組成物の溶融温度より低い温度、好ましくは室温(23±2℃)にまで冷却してから、そのプレス金型からシート材料の形態で取り出す。次いで、先に述べた方法で、再加熱するか、又は可塑化させ、次いで成形することにより、ドアモジュールを得るための成形を実施する。この場合、短いサイクル時間を採用するのが好ましい。ここで極めて重要なことは、成形の際に、その単一層の半完成繊維マトリックス製品が、いかなる化学的転換も起こさないということである。

0095

熱可塑性プラスチックの半仕上げ繊維複合シート製品の製造においては、達成するべき材料処理量に従って、フィルムスタッキング法、プレプレグ法、および直接プロセス法が区別される。直接プロセス法の場合で高い材料処理量を得るためには、マトリックス成分織物成分を同時に、プレスプロセスへの原料フィードの領域に直接持ち込む。このことは、一般的には、プラントの高度の複雑さを伴う。少量から中程度の量では、プレプレグ法プロセスに加えて、フィルムスタッキング法プロセスが使用されることも多い。この場合、交互に配列されたフィルムと織物薄プライとからなる構成物が、加圧プロセスを通過する。加圧プロセスの特性は、必要とされる生産量および原料多様性によって決まる。この場合、処理量を増大させる目的では、静的プロセス、半連続プロセス、連続プロセスの間では区別がある。処理量を増大させようとすると、プラントの複雑さが増し、プラントコストが高くなる(AKV−Industrievereinigung Verstaerkte Kunststoffe[Industry Association for Reinforced Plastics]e.V.,Handbuch Faserverbund−Kunststoffe[Handbook of Fiber Composite Plastics],3rd ed.,2010,Vieweg−Teubner,236)。

0096

しかしながら、プロセス工程e)において成形も同時に実施するのなら、その熱可塑性プラスチックの溶融温度又はその熱可塑性プラスチック組成物の溶融温度よりも低い温度、好ましくは室温(23±2℃)に冷却するのに続けて、ドアモジュールの雌型の形状にある圧縮成形金型から、ドアモジュールの冷却及び取り出しをする。

0097

それとは対照的に、その単一層の半完成繊維マトリックス製品を、仕上がりシート材料の形態で使用するのならば、それを製造した後で、それに続く成形工程にかける。プラスチックの成形品の製造方法は、独国では、DIN 8580に従って、分類されている。好ましい成形方法は、圧縮成形法(参照、たとえば、欧州特許出願公開第1 980 383A2号明細書)及びダイ成形法、好ましくはダイ成形法である(参照:C.Hopmann,R.Schoeldgen,M.Hildebrandt,Inline−Impraegniertechnik mit Thermoplasten,Flexible Serienfertigung von thermoplastischen FVK−Bauteilen[Inline Impregnation Methodology with Thermoplastics,Flexible Mass Production of ThermopolasticFRPComponents],IKV at RWTH Aachen,Plastverarbeiter,15 October 2014)。

0098

圧縮成形においては、全部の必要なプロセス工程が、密閉された金型の中で、成形→加熱→含浸/圧密化→冷却の順で実施される。織物の半完成製品を、金属製の金型の中に挿入し、冷時成形し、そして低圧で、金型と接触させることによる伝熱を介して加熱する。マトリックスポリマーが溶融温度に達したら、含浸及び圧密化のために、より高い圧力をかけ、その後で冷却する。

0099

ダイ成形法においては、使用する単一層の半完成繊維マトリックス製品(これは、シート材料から所定の寸法に予め切り出してある)を、成形金型の外部で加熱システムにより加熱して、可塑化させる。次いで、移送システムによって、その可塑化させた半完成繊維マトリックス製品の切片を、その加熱システムから圧縮成形金型へと確実に移行させるが、その金型は、その熱可塑性プラスチックの固化温度又はその熱可塑性プラスチック組成物の固化温度より低い一定温度に維持されている。次いで、その半完成繊維マトリックス製品の切片を、成形金型の中で成形して、部品とし、自然冷却させる(passively cooled)。

0100

好ましい実施態様においては、プロセス工程f)において、製造するための(すなわち、まだその製造過程にある)半完成繊維マトリックス製品を、同時に採用される成形プロセスによって、ドアモジュールの所望の形状寸法(geometry or configuration)に成形する、すなわち、プロセス工程f)及びプロセス工程g)を同時に実施する。プロセス工程f)で製造される半完成繊維マトリックス製品の形状寸法も同時に決定するための好適な成形プロセスは、金型圧縮法(mold compression)、ダイカティング法、プレス法、又は、熱及び/又は圧力を使用する各種の方法である。特に好ましいのは、プレス法及びダイカッティング法である。成形プロセスにおいては、油圧式圧縮成形型(hydraulic compression mold)を使用して圧力をかけるのが好ましい。プレス法又はダイカッティング法操作においては、半完成繊維マトリックス製品を、その少なくとも1種の熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物の溶融温度よりも高い温度にまで予熱し、二次加工して、成形装置又は型、特には少なくとも1種の圧縮成形型を用いて所望の形状寸法とする。

0101

本発明において用いられる成形方法は、次の文献の第10章に記載されている:Pressverfahren fuer kontinuierliche FV−Thermoplasten[Compression Methodsfor Continuous FR Thermoplastics],Urs Thomann,in Composites Technologie,Prof.Dr.Paolo Ermanni,Script for ETH lecture,151−0307−00L,Zuerich,August 2007,Version 4.0。

0102

プロセス工程h)
一つの実施態様においては、プロセス工程h)の中で、少なくとも一つの後処理が続いてもよい。

0103

好ましい実施態様においては、その後処理が、熱処理工程である。加熱処理は、結晶化度を上昇させて、強度及び化学的安定性を改良するため、押出し加工又は材料の取出しの結果起きる内部応力を低減させるため、及び広い温度範囲にわたって寸法安定性を向上させるために役立つ熱処理である。加熱処理によって、ポリアミドの場合、好ましくは熱処理流体中140℃〜170℃で半日〜1日かけて加熱後処理をすることによって、単一層の半完成繊維マトリックス製品の内部、従ってドアモジュールの内部の内部応力を大幅に低下させることが可能となる。加熱処理をするとさらに、結晶化が不完全な製品の後結晶化が導かれ、第一には、密度、耐摩耗性、剛性、及び硬度の上昇が起こり、そして第二には、後収縮が小さくなり、いくつかの場合においてはさらに、部品の反りがわずかになる。加熱処理の種類、温度及び時間は、それぞれの場合において使用される熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック組成物、並びに使用される単一層の半完成繊維マトリックス製品の壁厚に依存する。当業者ならば、適切な予備試験をすることによって、プロセス工程h)のための重要なパラメーターを見定めることができるであろう。有用な熱処理流体としては、耐熱性鉱油パラフィンオイル、及びシリコーンオイルが挙げられる。熱処理した部品は、徐冷しなければならない。参照:https://de.wikipedia.org/wiki/Kristallisation_(Polymer)。

0104

さらに好ましい実施態様においては、その後処理が、そのドアモジュールのエッジの、機能要素又はインサート成形物の組込成形(molding−on)である。注型成形又は射出成形、好ましくは射出成形によるさらなる機能要素の組込成形は、全領域、又は部分的若しくは円周的な方法で実施することができる。射出成形は、アンダー成形(undermolding)、及び/又は組込成形、及び/又はインサート成形であってよい。金型内成形(in−mold forming=IMF)を採用するのが好ましいが、この方法は、異なった材料からのハイブリッド構造部材を製造するための使用される、集成的な特別な射出成形プロセスである(参照;http://www.industrieanzeiger.de/home/−/article/12503/11824771/)。IMFによって、半完成繊維−マトリックス製品のエッジの領域に、露出した(exposed)補強繊維を含ませることが可能となる。このことによって、構造部材が特に滑らかな縁を有するようになる。しかしながら、IMFでは、モールディングオンのための機能要素を成形し、それと同時に、特にさらなる接着剤を使用しなくても半完成繊維マトリックス製品の構成要素に接合させることが可能となる。IMFの原理は、独国特許出願公開第4101106A1号明細書、米国特許第6036908B号明細書、米国特許第6475423B1号明細書、又は国際公開第2005/070647A1号パンフレットの主題でもある。

0105

熱可塑性プラスチックは、IMFで採用するための、本発明において使用する射出成形組成物に好適に有用であり、好ましくは以下のものである:ポリアミド、特にPA6、PA66、又は芳香族ポリアミドたとえばポリフタルアミド、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ(アリーレンエーテルスルホン)たちえば、PES、PPSU若しくはPEI、ポリエステル、好ましくはポリブチレンテレフタレート(PBT)若しくはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、又はポリイミド(PI)。独国特許出願公開第10 2006 013 684A1号明細書には、さらなる実施例が記載されている。

0106

ドアモジュールの極めて特に好ましい実施態様においては、好ましくはIMFによって採用される、半完成繊維マトリックス製品の構成成分と、射出成形の構成成分との両方が、同一の熱可塑性ポリマーから製造されたものである。単一層の半完成繊維マトリックス製品のマトリックスと、射出成形の構成成分が、ポリアミドをベースとしているのが、より好ましい。この場合においては、特にドアモジュールのためには、Lanxess Deutschland GmbH(Cologne)製の、Durethan(登録商標)BKV 235 XCP、Durethan(登録商標)240 XCP、又はDurethan(登録商標)BKV 55TPXが好適である。

0107

射出成形の構成成分から作製される好ましい機能要素は、固定具又は支持具又はその他の用途であるが、それらは、半完成繊維マトリックス製品の構成成分で形成されるのではなく、形状的に複雑であるために、射出成形の構成成分で形成されていなければならない。

0108

機能要素は、プロセス工程f)における成形工程の過程、又はそうでなければ、その後のプロセス工程h)の過程で、取り付けることができる。次いで機能要素を取り付けるためには、特にIMFを実施するためには、方法工程e)の後で得られるドアモジュールを、適切な形状を有する金型キャビティを備えた、成形金型、好ましくは射出金型の中に挿入する。機能要素を取り付ける領域においては、それが予め可塑化されているのが好ましい。次いで射出成形の構成成分を射出する。この場合の目的は、半完成繊維マトリックス製品の構成成分の熱可塑性プラスチックと、射出成形の構成成分の熱可塑性プラスチックとの間に、凝集的な接合を作らせることである。そのような凝集的な接合は、両方のプラスチックが、同一のポリマーベースを有している場合に、最も良好に達成される。本発明においては、それらの両方の構成成分が、ポリアミド、特にナイロン−6をベースとしているのが好ましい。さらに、溶融温度や圧力のようなプロセスパラメーターもまた、役割を果たしている。

0109

プロセス工程h)における射出成形を、200℃〜320℃の範囲、好ましくは240℃〜290℃の範囲、さらに好ましくは240℃〜270℃の範囲の温度で実施するのが好ましい。

0110

プロセス工程h)における射出成形を、10bar〜2000barの範囲、好ましくは200bar〜1500barの範囲、さらに好ましくは500bar〜1300barの範囲の圧力で実施するのも有利である。

0111

使用
最後に、本発明は、好ましくは建築物におけるか又は車両におけるドアモジュールとしての、少なくとも1種の単一層の、連続繊維−強化半完成繊維マトリックス製品の使用に関する。好ましい車両は、自動車である。好ましい自動車は、内燃エンジン自動車、電気自動車、又はハイブリッド自動車をベースとするものである。

0112

本発明は、好ましくは、以下のものを含む、単一層の半完成繊維マトリックス製品の使用に関する:
−1〜100層の、連続繊維の半完成繊維製品プライ、好ましくは2〜40層の、連続繊維の半完成繊維製品プライ、より好ましくは2〜10層の、連続繊維の半完成繊維製品プライ、
−ここで、その半完成繊維製品プライはそれぞれ、5g/m2〜3000g/m2の範囲、好ましくは100g/m2〜900g/m2の範囲、より好ましくは150g/m2〜750g/m2の範囲の基本重量を有している、
−そして、全部の半完成繊維製品プライの全体を、1cm3/10分〜100cm3/10分の範囲のMVR(ISO 1133による)を有する、少なくとも1種の熱可塑性プラスチックで含浸させたが、
−(ここで、その熱可塑性プラスチックは、以下の群から選択される:ポリオレフィン、ビニルポリマー、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリヒダントイン、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、ポリカーボネート(PC)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン−アクリロニトリル(SAN)、TPO(オレフィンベースの熱可塑性エラストマー)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、及びポリオキシメチレン(POM))、
−そして、その半完成繊維マトリックス製品は、ドアモジュールを製造する場合には、5容積%〜90容積%の範囲、好ましくは30容積%〜60容積%の範囲、より好ましくは45容積%〜55容積%の範囲の、DIN 1310に従って定義された繊維材料の容積比を有し、そして
−ドアモジュールを製造する場合には、15容積%未満、好ましくは10容積%未満、より好ましくは5容積%未満の空気の容積比を有している。

0113

本発明のドアモジュールは、車両、好ましくは自動車において使用するのに特に適している。本発明のドアモジュールは、以下の性質を特徴としている:
−純然たるプラスチック構成、純然たる金属製の同様物に比較して、そしてさらには、プラスチック・金属のハイブリッド同様物に比較して、それぞれの場合において重量が同じであるならば、エネルギー吸収性能が顕著に高い(このことは、万一衝突事故が起きた場合には、極めて重大である);
熱硬化性のガラス長繊維−強化材料と比較して、その構成要素を再作業する必要がない;
−純然たるシート金属製の同様物及びプラスチック・金属ハイブリッドと比較して、金型を形成するシート金属のための投資が不要である;
プラスチック構成要素の上に他の要素を溶着させて、それによりさらに、そのドアモジュールにさらなる機能を密着させたり、或いはたとえば、センサーのための支持具のように、その機能を付随させたりすることが可能である。

0114

従来技術のドアモジュールに比較して、本発明のドアモジュールは、多大な利点を提供する:
−軽量(プラスチック・金属ハイブリッド、シート金属、鋳造アルミニウムとの比較)
−より良好な機械的特性、より高いエネルギー吸収性
−より良好な安定性(衝突事故の際、−30℃以下の極低温の場合においてさえも)
耐溶剤性(media resistance)
−層間剥離なし。

0115

ドアモジュール又は少なくとも部分的に前述の用途に組みこまれた単一層の半完成繊維マトリックス製品を得るための、本発明において加工した単一層の半完成繊維マトリックス製品が、従来技術による多層複合材料よりも層間剥離する傾向が小さいことを示す目的で、試験片を、機械的な試験にかけ、それを使用して、極限引張応力、破断時伸び、及び所定の温度での弾性モジュラスを測定するためのEN ISO 527に従い、引張試験を使用して複合材料強度を求めた。EN ISO 527−1(1996年4月の最新版、現在(2012年2月)のISO版)は、引張性能を求めるための、プラスチックのための欧州標準であり、それは、引張試験機を用いた引張試験で求められる。この目的のためには、引張応力下での試験片として使用されるクロステンション(cross−tension)サンプルを簡単に取り付け、固定することを可能とする、特別に設計された試験片ホルダーを使用した。

0116

その試験は、Zwick GmbH & Co.KG(Ulm)製のZwickUTS 50引張試験機で実施し、機械的クランプヘッドの手段によって力を加えた。それぞれの試験片(以後、クロステンションサンプルと呼ぶ)は、その上にナイロン−6のフィン(40×40×4mm3)を射出成形した、半仕上げ繊維マトリックス製品のストリップ(55×40×2mm3)からなっていた。

0117

フィード原料
熱可塑性プラスチックマトリックス1:ナイロン−6(PA6)
ナイロン−6:射出成形タイプ、易流動性微結晶性、超急速加工性(BASFUltramid(登録商標)B3s)、密度:1.13g/cm3、メルトフローインデックスMVR:160cm3/10分[試験条件:ISO 1133、5kg、275℃]、または相対粘度数:145cm3/g(96%H2SO4中0.5%、ISO 307,1157,1628)。

0118

熱可塑性プラスチックマトリックス2:ナイロン−6(PA6)
ナイロン−6:フィルムタイプ、非強化、中程度の易流動性(BASFUltramid(登録商標)B33L)、密度:1.14g/cm3、相対粘度数:187〜203cm3/g(96%H2SO4中0.5%、ISO 307,1157,1628)。

0119

半仕上げ繊維製品
均等(balanced)ロービングガラスウィーブ(YPC ROF RE600)、2/2綾織りウィーブ中1200テックスたて糸およびよこ糸フィラメント、2.5本/cmの糸密度。全基本重量:600g/m2、たて糸方向50%、よこ糸方向50%。ウィーブ幅:1265mm、ロール長さ150 lfm。ポリマー系(実施例の項のPA)に適合させるために、よこ糸を、特定のサイズに修正

0120

半仕上げ繊維マトリックス製品(1)
半仕上げ繊維マトリックス製品(1)を、静圧熱板プレス(static hotplate press)の中で製造した。420mm×420mmのエッジ長さを有する半仕上げ繊維マトリックス製品(1)は、半仕上げ繊維製品の4層のパイルと、もっぱら熱可塑性プラスチックマトリックス1で構成されるある量のポリマーからなり、そのポリマーは、繊維パイルの上に均質に適用、分散され、繊維の体積含有率47%、または2.0mmの厚みとなっていた。圧密化および含浸のために、24barの表面圧力と300℃の温度を240秒間かけた。次いで、一定圧力で300秒かけて冷却して室温とした。そのようにすると、その半仕上げ繊維製品のパイルが、シートの形態で得られた半仕上げ繊維マトリックス製品(1)の中に均質に埋め込まれた。均質な単一層のマトリックス系であるために、マトリックスの内部には、材料/相の境界はまったく形成されなかった。内側に埋め込まれている組成物と表面との間には、いかなる物理的区別もできなかった。

0121

半仕上げ繊維マトリックス製品(2)
従来技術による多層構成の例としての半仕上げ繊維マトリックス製品(2)も、同様にして、静圧熱板プレスの中で製造した。420mm×420mmのエッジ長さを有する、多層構成を目的とした半仕上げ製品は、半仕上げ繊維製品の4層のパイルと、もっぱら熱可塑性プラスチックマトリックス1で構成されるある量のポリマーからなり、そのポリマーは、繊維のパイルの上に均質に適用、分散され、繊維の体積含有率49%、または1.9mmの厚みとなっていた。圧密化および含浸のために、24barの表面圧力と300℃の温度を240秒間かけた。次いで、一定圧力で300秒かけて冷却して室温とした。

0122

多層構造物を製造するために、次の加工工程において、この中間製品の両側に熱可塑性プラスチックマトリックス2の厚み50μmのフィルムを適用した。これを再び、260℃の温度および9barの表面圧力の静圧熱板プレスの中で処理し、この状態を120秒間維持した。表面圧力7.5barで、60秒以内で室温にまで冷却した。熱可塑性プラスチックマトリックス1と2とでは粘度が異なっているために、半仕上げ繊維マトリックス製品の構造が不均質となった。このようにして製造した、シートの形態にある半仕上げ繊維マトリックス製品(2)の内部では、半仕上げ繊維パイルが、マトリックス1の中では均質に埋め込まれていたが、それに対して、マトリックス2は、もっぱら二つの表面に存在していて、このことは、国際公開第2012/132 399A1号パンフレットおよび国際公開第2010/132 335A1号パンフレットに記載の半仕上げ製品と同様であった。

0123

試験
射出成形により成形した、半仕上げ繊維マトリックス製品(1)及び(2)と熱可塑性プラスチックとの間の複合材料の接着性機械的試験のために使用した試験片は、クロステンションサンプルと呼ばれているものであった。それらのクロステンションサンプル試験片のそれぞれは、その上にナイロン−6のフィン(40×40×4mm3)を射出成形した、半仕上げ繊維マトリックス製品ストリップ(55×40×2mm3)からなっていた。クロステンションサンプルについては、次の文献も参照されたい:W.Siebenpfeiffer,Leichtbau−Technologien im Automobilbau[Lightweight Construction Technologies in Automaking],Springer−Vieweg,2014,page118〜120。クロステンション試験においては、次いで、そのクロステンションサンプルをホルダークランプ止めし、一方の側から引張力をかける。引張試験は、応力−歪み図(弾性モジュラス)で表す。

0124

本発明の文脈において実施するクロステンション試験のそれぞれにおいては、本発明の加熱した、未成形の半仕上げ繊維マトリックス製品(1)と、さらには従来技術による多層構成の半仕上げ繊維マトリックス製品(2)とに、それぞれ、全部で22個の同一のフィンをバックモールド(back−mold)した。それぞれの半仕上げ繊維マトリックス製品(1)または繊維マトリックス製品(2)には、ゲートマークのところに8mmの穴をあらかじめ開けておいて、注型されるポリアミド溶融物でフィンが形成されるのにさらなる抵抗がないようにした。加工の後で、試験に適した個々のシートの一部を、Kraeku GmbH(Grossseifen)製の「System Flott」型のバンドソーを使用し、選択された位置から切り出した。

0125

複合材料の強度の機械的試験では、クロステンションサンプルについての引張試験から、指数を求めた。この場合においては、引張応力下でのクロステンションサンプルを簡単に取り付け、固定することを可能とする、特別に設計された試験片ホルダーを使用した。その試験は、Zwick GmbH & Co.KG(Ulm)製のZwickUTS 50引張試験機で実施し、機械的クランプヘッドの手段によって力を加えた。機械的試験において採用したパラメーターは、表1に見出すことができる。

0126

半完成繊維マトリックス製品(1)及び半完成繊維マトリックス製品(2)について、DIN 1310に従って、それらの繊維の体積含有率の試験をした。統計的な理由から、それぞれの場合において5本の試験片について分析した。二つの半完成繊維マトリックス製品について、先に述べた、平均繊維体積含有率を確認した。

0127

その二つの半完成繊維マトリックス製品はさらに、それらの空隙含量(すなわち空気又はガスの取込量)の実験解析にもかけた。この目的のためには、General Electric Micro CT nanotom Sコンピューター断層撮影装置を使用して、半完成繊維マトリックス製品(1)及び半完成繊維マトリックス製品(2)の断面の断層撮影を解析した。統計的な理由から、それぞれの場合において3片の試験片を分析し、それぞれについて5回の繰り返し測定を実施して、解析した。光学的評価ソフトウェアを使用すると、両方の半完成繊維マトリックス製品で、4〜5%の空隙含量が確認された。統計的な理由から、それぞれの場合において3片の試験片を分析し、それぞれについて5回の繰り返し測定を実施して、解析した。

0128

半完成繊維マトリックス製品(1)について、その局所的な繊維の容積比を実験で確かめた。この目的のためには、General Electric Micro CT nanotom Sコンピューター断層撮影装置を使用して、半完成繊維マトリックス製品(1)及び半完成繊維マトリックス製品(2)の断面の断層撮影を解析した。試料の内側のガラス繊維含量は、50μmの深さまで評価した。統計的な理由から、半完成繊維マトリックス製品それぞれについて3片の試験片を分析し、それぞれについて5回の繰り返し測定を実施して、解析した。半完成繊維マトリックス製品(2)では、深さ50μmまででは、ガラス繊維が検出されなかったが、その理由は、前記繊維がすべて、その表面からは分離されて、非充填表面層で覆われていたからである。したがって、この領域における繊維の容積比は、0%であった。半完成繊維マトリックス製品(1)においては、分離された被覆層が見出される代わりに、ガラス繊維の束が、表面にいたるまで間断なく、均質に封じ込められ、そのため、表面と深さ50μmとの間の領域に、前述の繊維の容積比が見出された。

0129

実験結果

0130

0131

複合材料の強度について定義された判定基準は、引張試験で求めた、測定された最大力であった。最大力に達する前の、測定可能な、力における最初の低下は、材料における最初のクラック脱離過程、変形、または同様の作用に由来するものであって、複合材料の強度の判定基準としては適していないと考えられる。測定される最大力は、クロステンションサンプルが破断されたときに得られるので、そのため、それは以後においては、破断力(breaking force)と呼ぶ。原理的には、最大力は、複合材料の接着および寸法形状のみに依存するのではなく、いつの場合でもその試験方法および試験条件にも依存する可能性があるということに注意されたい。

0132

半仕上げ繊維マトリックス製品のいずれにおいても、10個のフィンの引き剥がし(pull−off)試験を実施したが、それは、統計的に信頼のおける結論を可能とするためである。

0133

半仕上げ繊維マトリックス製品(1)(本発明)の場合においては、すべての場合において、半仕上げ繊維製品の最も上の半仕上げ繊維製品のプライのところで直接、熱可塑性プラスチックマトリックス1の純粋な凝集破壊が起きた。

0134

それとは対照的に、半仕上げ繊維マトリックス製品(2)(本発明ではない)の場合においては、いずれの場合においても、熱可塑性プラスチックマトリックス1と熱可塑性プラスチックマトリックス2との間の界面層で、凝集破壊と接着層破壊とからなる複合破断が起きた。最上の半仕上げ繊維製品プライより上では、熱可塑性プラスチックマトリックスの凝集破壊はまったく認められなかった。

0135

本発明ではない半仕上げ繊維マトリックス製品(2)の場合においては、熱可塑性プラスチックマトリックス2の表面に近い層(表面)が、半仕上げ繊維製品および熱可塑性プラスチックマトリックス1からなる基材から剥離したが、それに対して、本発明の単一層の半仕上げ繊維マトリックス製品(1)の場合においては、熱可塑性プラスチックマトリックス1の中の表面と平行な層の中では、そのような剥離はまったく観察されなかった。

0136

0137

引き剥がし力の大きさに従って、結果を評価する。「+」は、2種の半仕上げ繊維マトリックス製品を相互に比較したときに、それぞれの場合で、引き剥がし力がより高いことを示しており、それに対して「−」は、力が低いことを示しているが、「+」は、引き剥がし力が少なくとも15%は高いことを表している。

0138

この試験の結果は、これら2種の半仕上げ繊維マトリックス製品の比較においては、その最大力は常に、多層構造を有する半仕上げ繊維マトリックス製品(2)の場合よりも、本発明の単一層の半仕上げ繊維マトリックス製品(1)の方が高いということを示している。本発明の単一層の半仕上げ繊維マトリックス製品(1)についての一蓮の試験からの個々の試験結果の平均値もまた、半仕上げ繊維マトリックス製品(2)のそれよりも十分に上である。

実施例

0139

まとめ:フィン引き剥がし強度は、本発明の単一層の半完成繊維マトリックス製品(1)の方が、半完成繊維マトリックス製品(2)の場合よりもはるかに高かったが、そのため、本発明の単一層の半完成繊維マトリックス製品は、ドアモジュールとして使用すると、従来技術による半完成繊維マトリックス製品よりも、明らかな利点を有している。

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