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図面 (8)

課題

てんかんなどの神経学的疾患治療するための改善された遺伝子療法ツールの必要性が当技術分野に依然として存在する。

解決手段

本発明は、編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を含む発現ベクター核酸ベクター粒子及びこれらのベクター粒子を伴う治療の方法並びに細胞内における操作されたKCNA1mRNAの存在を確認する方法を提供する。操作されたKCNA1遺伝子の特徴は、組み合わさって、有利には、Kv1.1タンパク質翻訳及び活性を増強し、且つ細胞内におけるKCNA1遺伝子発現の検出を改善し、及び例えばてんかん及び類似の神経学的障害の治療に使用され得る。

概要

背景

背景技術
全世界で6千万人を超える人々がてんかん罹患している(Ngugi et al., 2010)。最適な治療を受けたとしても、約30%に薬剤療法耐性が残る(Kwan et al., 2011;Picot et al., 2008)。過去20年間の新たな抗てんかん薬剤の開発は、難治性てんかんにほとんど効果がなく、発作の抑制が不十分な人々は、引き続き主要な併存症、社会的排除及び年率0.5〜1%のてんかん突然不慮死(SUDEP)を経験する(Devinsky, 2011;Hoppe and Elger, 2011)。手術により難治性てんかん患者が発作から解放されることもあるが、それが適さない症例は、90%を超える。新皮質焦点てんかんは、言語、視覚又は微細運動制御に関与する皮質エロクエント領域の損傷リスクが高いため、外科的介入が特に不適である(Schuele and Lueders, 2008)。焦点新皮質てんかんの人々は、多くの場合、通常、待期的であるごくわずかな治療の選択肢が残されているにすぎない。したがって、新たな治療を開発する緊急の必要性が存在する。

遺伝子療法は、有望な選択肢の1つであるが(Kullmann et al., 2014)、ウイルスベクターを用いて、安定であり、予測可能であり且つ安全なトランスジーン発現を達成するという大きい課題が残されている。これまで、CNS障害に対するレンチベクターを用いた臨床試験は、酵素欠損に対する造血幹細胞エクスビボ治療に主に制限されてきたが(Biffi et al., 2013, 2013;Cartier et al., 2009)、線条体注入されたレンチベクターを用いる最近の試験によりパーキンソン病において安全性及び耐容性が実証され、L−DOPA必要量の減少の証拠いくらか示されている(Palfi et al., 2014)。

てんかんに対する遺伝子療法の研究は、初期には、十分に説明されないことの多い急性誘発発作に重点が置かれた(Galanopoulou et al., 2012)。しかしながら、側頭葉てんかんモデルアデノ随伴ウイルス(AAV)に主に重点が置かれたより最近のストラテジーにより、てんかん原性傷害(てんかん原性)後の発作の発生を減衰可能であることが示された(Bovolenta et al., 2010;Haberman et al., 2003;Kanter-Schlifke et al., 2007;Lin et al., 2006;McCown, 2006;Noe’et al., 2012;Richichi et al., 2004;Woldbye et al., 2010)。

カリウムイオンチャネルは、通常、ニューロトランスミッター発火及び放出を行うニューロンの傾向を低減する。ウイルスベクターを用いて脳に導入した場合、それらは、齧歯動物において脳興奮性の抑制及び実験てんかんの治療のツールとして有効である。

したがって、カリウムチャネル遺伝子療法は、ヒトてんかん及びニューロンが過剰発火する他の神経精神医学的疾患、例えば慢性疼痛の治療に有望である。

カリウムチャネルとてんかんなどの神経学的障害との関連は、説明されてきている(D’Adamo et al., 2013)。ニューロン興奮性をモジュレートする遺伝子のアップ又はダウンレギュレーションに基づく遺伝子療法ストラテジーは、電位療法として説明されてきている(Wykes and Lignani, 2017)。

ラット運動皮質への破傷風毒素(TeNT)注入により誘発された持続性部分てんかん(EPC)モデルにおける遺伝子療法への以前のアプローチは、説明されてきている(Kaetzel et al., 2014;Wykes et al., 2012)。このモデルでは、病理学高頻度皮質脳波(ECoG)活動が顕著であるが、離散長期持続性発作が稀である。KCNA1によりコードされるヒトカリウムチャネルKv1.1のレンチウイルス過剰発現は、運動皮質において病理学的高頻度活動の低減にきわめて有効であった(Wykes et al., 2011 & 2012)。Kv1.1過剰発現は、内因性ニューロン興奮性及びトランスデュース錐体ニューロンからのグルタメート放出の両方を低減することがインビトロ研究により示された(Heeroma et al., 2009;Wykes et al., 2012)。重要なことは、両方の効果がグレード分けされたことである。すなわち、ニューロン興奮性もニューロトランスミッター放出も完全には消失しなかった。しかしながら、興奮性及びトランスミッター放出に対するこうしたグレード分けされた効果並びに運動皮質における病理学的ECoG活動の低減を脳の他の部分から生じるより一般的なより長期持続性の焦点発作外挿可能であるかは、依然として不明である。

Streit et al. (2011 & 2014)は、Kv1.1チャネル酵素的RNA脱アミノ化を受けて内側孔腔に位置する単一アミノ酸交換を有するチャネル(Kv1.1I400V)を形成すると記載している。

概要

てんかんなどの神経学的疾患を治療するための改善された遺伝子療法ツールの必要性が当技術分野に依然として存在する。 本発明は、編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を含む発現ベクター核酸ベクター粒子及びこれらのベクター粒子を伴う治療の方法並びに細胞内における操作されたKCNA1mRNAの存在を確認する方法を提供する。操作されたKCNA1遺伝子の特徴は、組み合わさって、有利には、Kv1.1タンパク質翻訳及び活性を増強し、且つ細胞内におけるKCNA1遺伝子発現の検出を改善し、及び例えばてんかん及び類似の神経学的障害の治療に使用され得る。

目的

本発明は、編集されたKv1.1カリウムチャネルであって、ヒト細胞において編集されたKv1.1カリウムチャネルの発現を駆動するのに適したプロモーター作動可能に結合された編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を含む発現ベクターであって、編集されたKv1.1カリウムチャネルは、配列番号2に示されるアミノ酸残基400に対応する位置にバリンアミノ酸残基を含む、発現ベクターを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

編集されたKv1.1カリウムチャネルであって、ヒト細胞において前記編集されたKv1.1カリウムチャネルの発現を駆動するのに適したプロモーター作動可能に結合された編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を含む発現ベクターであって、前記操作されたKCNA1遺伝子は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有し、前記編集されたKv1.1カリウムチャネルは、配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、且つ配列番号2に示されるアミノ酸残基400に対応する位置にバリンアミノ酸残基を含む、発現ベクター。

請求項2

前記編集されたKv1.1カリウムチャネルが、配列番号2に示される前記アミノ酸配列を含むか又はそれからなるアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の発現ベクター。

請求項3

前記操作されたKCNA1遺伝子が、配列番号1に示される前記ヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるヌクレオチド配列を有する、請求項1又は2に記載の発現ベクター。

請求項4

前記プロモーターが、細胞型特異的プロモーターである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発現ベクター。

請求項5

前記細胞型特異的プロモーターが、ニューロンに特異的である、請求項4に記載の発現ベクター。

請求項6

前記細胞型特異的プロモーターが、錐体ニューロンに特異的である、請求項4又は5に記載の発現ベクター。

請求項7

前記細胞型特異的プロモーターが、ヒトCAMK2Aプロモーターを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発現ベクター。

請求項8

前記ヒトCAMK2Aプロモーターが、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるヌクレオチド配列又は配列番号3に示される前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する、請求項7に記載の発現ベクター。

請求項9

ウイルスベクターである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発現ベクター。

請求項10

前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターであり、任意選択的に、前記レンチウイルスベクターが、非インテグレーティングレンチウイルスベクターである、請求項9に記載の発現ベクター。

請求項11

前記レンチウイルスベクターが、配列番号9のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項10に記載の発現ベクター。

請求項12

ウイルス粒子を作製するインビトロ方法であって、請求項10又は11に記載のレンチウイルスベクターで哺乳動物細胞トランスデュースし、前記細胞内で粒子形成に必要なウイルスパッケージングタンパク質及びウイルスエンベロープタンパク質を発現させることと、前記トランスデュースされた細胞が培養培地中に放出されるレンチウイルス粒子を生成するように、前記細胞を前記培地中で培養することと、を含む方法。

請求項13

粒子形成に必要な前記ウイルスパッケージングタンパク質及びウイルスエンベロープタンパク質をコードする1つ以上のウイルスパッケージング発現ベクター及びウイルスエンベロープ発現ベクターで前記哺乳動物細胞をトランスデュースすることを含む、請求項12に記載のインビトロ方法。

請求項14

前記1つ以上のパッケージングタンパク質が、非機能性インテグラーゼ酵素を含み、それにより、前記レンチウイルスベクターが、そのウイルスゲノムを前記細胞のゲノム内に取り込むことができない、請求項12又は13に記載のインビトロ方法。

請求項15

前記培養培地から前記ウイルス粒子を分離することと、任意選択的に、前記ウイルス粒子を濃縮することとをさらに含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載のインビトロ方法。

請求項16

請求項12〜15のいずれか1項に記載の方法によって生成されたウイルス粒子であって、請求項9〜11のいずれか1項に記載の発現ベクターから転写されたRNA分子を任意選択的に含むウイルス粒子。

請求項17

ヒト細胞内で発現を駆動するのに適したプロモーターに作動可能に結合された操作されたKCNA1遺伝子をコードする一本鎖RNA分子を含むウイルス粒子であって、前記操作された遺伝子は、編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードし、前記操作されたKCNA1遺伝子は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有し、前記編集されたKv1.1カリウムチャネルは、配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、且つ配列番号2に示されるアミノ酸残基400に対応する位置にバリンアミノ酸残基を含み、前記編集されたKv1.1カリウムチャネル及び操作されたKCNA1遺伝子は、任意選択的に、請求項2又は3に記載の通りであり、前記プロモーターは、任意選択的に、請求項4〜8のいずれか1項に記載の通りであり、前記ウイルス粒子は、任意選択的に、レンチウイルス粒子であり、前記レンチウイルス粒子は、任意選択的に、非インテグレーティングレンチウイルス粒子である、ウイルス粒子。

請求項18

請求項10又は11に記載の発現ベクターと、細胞内で発現されたとき、粒子形成に必要なウイルスパッケージングタンパク質及びウイルスエンベロープタンパク質をコードする1つ以上のウイルスパッケージング発現ベクター及びウイルスエンベロープ発現ベクターとを含むキット

請求項19

前記ウイルスパッケージング発現ベクターが、インテグラーゼ欠損ウイルスパッケージング発現ベクターである、請求項18に記載のキット。

請求項20

人体又は動物体治療の方法に使用するための、請求項16又は17に記載のウイルス粒子。

請求項21

神経学的障害の治療の方法に使用するための、請求項16又は17に記載のウイルス粒子。

請求項22

神経学的障害の治療の方法であって、前記神経学的障害を有する個体に、請求項16又は17に記載のウイルス粒子を投与することを含む方法。

請求項23

神経学的障害の治療のための医薬の製造における、請求項16又は17に記載のウイルス粒子の使用。

請求項24

前記神経学的障害が、神経系過興奮性を伴う、請求項21に記載の使用のためのウイルス粒子、請求項22に記載の治療の方法又は請求項23に記載のウイルス粒子の使用。

請求項25

前記神経学的障害が、発作障害である、請求項21に記載の使用のためのウイルス粒子、請求項22に記載の治療の方法又は請求項23に記載のウイルス粒子の使用。

請求項26

前記発作障害が、てんかんである、請求項25に記載の使用のためのウイルス粒子、治療の方法又はウイルス粒子の使用。

請求項27

前記てんかんが、新皮質てんかんである、請求項26に記載の使用のためのウイルス粒子、治療の方法又はウイルス粒子の使用。

請求項28

前記神経学的障害が、パーキンソン病である、請求項21に記載の使用のためのウイルス粒子、請求項22に記載の治療の方法又は請求項23に記載のウイルス粒子の使用。

請求項29

前記神経学的障害が、慢性疼痛である、請求項21に記載の使用のためのウイルス粒子、請求項22に記載の治療の方法又は請求項23に記載のウイルス粒子の使用。

請求項30

細胞内における操作されたKCNA1mRNAの存在を確認する方法であって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の発現ベクターで細胞をトランスデュースするか、又は操作されたKCNA1mRNAの発現を可能にする条件下において、請求項17又は18に記載のウイルス粒子を細胞に投与することと、ハイブリダイゼーションアッセイを用いて前記細胞内における前記操作されたKCNA1mRNAの存在を検出することと、を含む方法。

請求項31

請求項17又は18に記載のウイルス粒子を投与された対象から得られた細胞内における操作されたKCNA1mRNAの存在を確認するインビトロ又はエクスビボ方法であって、ハイブリダイゼーションアッセイを用いて前記細胞内における操作されたKCNA1mRNAの存在を検出することを含む方法。

請求項32

前記ハイブリダイゼーションアッセイが、標識RNAプローブを用いるインサイチューハイブリダイゼーションアッセイであり、任意選択的に、前記標識RNAプローブは、蛍光標識される、請求項30又は31に記載の方法。

請求項33

請求項1〜11のいずれか1項に記載の発現ベクターを含む細胞。

請求項34

哺乳動物細胞である、請求項33に記載の細胞。

請求項35

ヒト細胞である、請求項34に記載の細胞。

請求項36

ヒト胎児腎細胞である、請求項35に記載の細胞。

請求項37

編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を含む核酸であって、前記操作されたKCNA1遺伝子は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有し、前記編集されたKv1.1カリウムチャネルは、配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、且つ配列番号2に示されるアミノ酸残基400に対応する位置にバリンアミノ酸残基を含み、前記編集されたKv1.1カリウムチャネル及び操作されたKCNA1遺伝子は、任意選択的に、請求項2又は3に記載の通りである、核酸。

技術分野

0001

本出願は、2017年6月15日出願の英国特許出願公開第1709551.4号(その内容及び要素は、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる)からの優先権を主張する。

0002

技術分野
本発明は、概して、てんかん及び類似の神経学的障害治療に使用され得るカリウムチャネルをコードする操作された遺伝子を伴う方法及び材料に関する。

背景技術

0003

背景技術
全世界で6千万人を超える人々がてんかんに罹患している(Ngugi et al., 2010)。最適な治療を受けたとしても、約30%に薬剤療法耐性が残る(Kwan et al., 2011;Picot et al., 2008)。過去20年間の新たな抗てんかん薬剤の開発は、難治性てんかんにほとんど効果がなく、発作の抑制が不十分な人々は、引き続き主要な併存症、社会的排除及び年率0.5〜1%のてんかん突然不慮死(SUDEP)を経験する(Devinsky, 2011;Hoppe and Elger, 2011)。手術により難治性てんかん患者が発作から解放されることもあるが、それが適さない症例は、90%を超える。新皮質焦点てんかんは、言語、視覚又は微細運動制御に関与する皮質エロクエント領域の損傷リスクが高いため、外科的介入が特に不適である(Schuele and Lueders, 2008)。焦点新皮質てんかんの人々は、多くの場合、通常、待期的であるごくわずかな治療の選択肢が残されているにすぎない。したがって、新たな治療を開発する緊急の必要性が存在する。

0004

遺伝子療法は、有望な選択肢の1つであるが(Kullmann et al., 2014)、ウイルスベクターを用いて、安定であり、予測可能であり且つ安全なトランスジーン発現を達成するという大きい課題が残されている。これまで、CNS障害に対するレンチベクターを用いた臨床試験は、酵素欠損に対する造血幹細胞エクスビボ治療に主に制限されてきたが(Biffi et al., 2013, 2013;Cartier et al., 2009)、線条体注入されたレンチベクターを用いる最近の試験によりパーキンソン病において安全性及び耐容性が実証され、L−DOPA必要量の減少の証拠いくらか示されている(Palfi et al., 2014)。

0005

てんかんに対する遺伝子療法の研究は、初期には、十分に説明されないことの多い急性誘発発作に重点が置かれた(Galanopoulou et al., 2012)。しかしながら、側頭葉てんかんモデルアデノ随伴ウイルス(AAV)に主に重点が置かれたより最近のストラテジーにより、てんかん原性傷害(てんかん原性)後の発作の発生を減衰可能であることが示された(Bovolenta et al., 2010;Haberman et al., 2003;Kanter-Schlifke et al., 2007;Lin et al., 2006;McCown, 2006;Noe’et al., 2012;Richichi et al., 2004;Woldbye et al., 2010)。

0006

カリウムイオンチャネルは、通常、ニューロトランスミッター発火及び放出を行うニューロンの傾向を低減する。ウイルスベクターを用いて脳に導入した場合、それらは、齧歯動物において脳興奮性の抑制及び実験てんかんの治療のツールとして有効である。

0007

したがって、カリウムチャネル遺伝子療法は、ヒトてんかん及びニューロンが過剰発火する他の神経精神医学的疾患、例えば慢性疼痛の治療に有望である。

0008

カリウムチャネルとてんかんなどの神経学的障害との関連は、説明されてきている(D’Adamo et al., 2013)。ニューロン興奮性をモジュレートする遺伝子のアップ又はダウンレギュレーションに基づく遺伝子療法ストラテジーは、電位療法として説明されてきている(Wykes and Lignani, 2017)。

0009

ラット運動皮質への破傷風毒素(TeNT)注入により誘発された持続性部分てんかん(EPC)モデルにおける遺伝子療法への以前のアプローチは、説明されてきている(Kaetzel et al., 2014;Wykes et al., 2012)。このモデルでは、病理学高頻度皮質脳波(ECoG)活動が顕著であるが、離散長期持続性発作が稀である。KCNA1によりコードされるヒトカリウムチャネルKv1.1のレンチウイルス過剰発現は、運動皮質において病理学的高頻度活動の低減にきわめて有効であった(Wykes et al., 2011 & 2012)。Kv1.1過剰発現は、内因性ニューロン興奮性及びトランスデュース錐体ニューロンからのグルタメート放出の両方を低減することがインビトロ研究により示された(Heeroma et al., 2009;Wykes et al., 2012)。重要なことは、両方の効果がグレード分けされたことである。すなわち、ニューロン興奮性もニューロトランスミッター放出も完全には消失しなかった。しかしながら、興奮性及びトランスミッター放出に対するこうしたグレード分けされた効果並びに運動皮質における病理学的ECoG活動の低減を脳の他の部分から生じるより一般的なより長期持続性の焦点発作外挿可能であるかは、依然として不明である。

0010

Streit et al. (2011 & 2014)は、Kv1.1チャネル酵素的RNA脱アミノ化を受けて内側孔腔に位置する単一アミノ酸交換を有するチャネル(Kv1.1I400V)を形成すると記載している。

発明が解決しようとする課題

0011

したがって、てんかんなどの神経学的疾患を治療するための改善された遺伝子療法ツールの必要性が当技術分野に依然として存在する。

課題を解決するための手段

0012

発明の開示
本発明者らは、予想外にも、組合せにより、コードKv1.1タンパク質翻訳及び活性の増強並びに細胞内のKCNA1遺伝子発現の検出の改善が可能である、KCNA1遺伝子に対するいくつかの改変を行った。簡潔に述べると、本発明者らは、編集されたカリウムチャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を含む発現ベクターの設計及び試験を行った。本明細書で実証されるように、本発明の操作されたKCNA1遺伝子は、機能性Kv1.1チャネルを生成すると共に、レンチウイルスベクターパッケージした場合、ランダム化盲検前臨床試験でラットに投与したときに発作頻度を有意に低減可能であった。

0013

本発明の態様は、本明細書に添付の特許請求の範囲に規定される。

0014

一態様では、本発明は、編集されたKv1.1カリウムチャネルであって、ヒト細胞において編集されたKv1.1カリウムチャネルの発現を駆動するのに適したプロモーター作動可能に結合された編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を含む発現ベクターであって、編集されたKv1.1カリウムチャネルは、配列番号2に示されるアミノ酸残基400に対応する位置にバリンアミノ酸残基を含む、発現ベクターを提供する。一実施形態では、操作されたKCNA1遺伝子は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるヌクレオチド配列を有する。

0015

いくつかの実施形態では、発現ベクターは、レンチウイルスベクターなどのウイルスベクターである。

0016

本発明は、ウイルス粒子及び本明細書で明らかにされるウイルス粒子を作製するインビトロ方法も提供する。

0017

さらに、本発明は、本明細書で明らかにされるウイルスベクターと、本明細書で明らかにされる1つ以上のウイルスパッケージングベクター及びウイルスエンベロープベクターとを含むキットを提供する。

0018

さらに、本発明は、人体又は動物体の治療の方法に使用するための、本明細書で明らかにされるウイルス粒子を提供する。

0019

さらに、本発明は、本明細書で明らかにされる細胞内における操作されたKCNA1 RNAの存在を確認する方法及び本明細書で明らかにされるウイルス粒子を投与された対象から得られた細胞内における操作されたKCNA1 RNAの存在を確認するインビトロ又はエクスビボ方法を提供する。

0020

本発明は、本明細書で明らかにされる発現ベクターを含む細胞も提供する。

0021

さらに、本発明は、本明細書で明らかにされる核酸も提供する。

0022

ここで、本発明のいくつかの特定の態様をより詳細に考察する。

0023

発現ベクター
本発明は、本明細書で明らかにされるプロモーターに作動可能に結合された編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を含む発現ベクターを提供する。

0024

本明細書で用いられる発現ベクターは、細胞内で外来遺伝物質移入及び発現に使用されるDNA分子である。かかるベクターは、発現されるタンパク質をコードする遺伝子に作動可能に結合されたプロモーター配列を含む。「プロモーター」とは、それが作動可能に結合されたDNA配列転写指令するのに十分な最小DNA配列を意味する。「プロモーター」は、細胞型特異的発現を制御できるプロモーター依存遺伝子発現に十分なプロモーターエレメント包含することも意図され、かかるエレメントは、天然遺伝子の5’又は3’領域に位置し得る。

0025

発現ベクターは、終止コドン及び発現エンハンサーも含み得る。いずれの適当なベクター、プロモーター、エンハンサー及び終止コドンも、本発明に係る発現ベクターから編集されたKv1.1カリウムチャネルを発現するために使用され得る。適当なベクターとしては、プラスミドバイナリーベクターファージファージミド、ウイルスベクター及び人工染色体(例えば、酵母人工染色体又は細菌人工染色体)が挙げられる。以下にさらに詳細に記載されるように、好ましい発現ベクターとしては、レンチウイルスベクターなどのウイルスベクターが挙げられる。

0026

発現ベクターは、レポータータンパク質をコードするレポーター遺伝子を追加的に含み得る。レポータータンパク質の例は、緑色蛍光タンパク質(GFP)である。レポーター遺伝子は、それ自体のプロモーターに作動可能に結合し得るか、又はより好ましくは本発明に係る操作されたKCNA1遺伝子と同一のプロモーターに作動可能に結合し得る。後者の例として、KCNA1遺伝子及びレポーター遺伝子は、T2Aペプチドなどの2Aペプチドをコードする配列の両側に位置し得る。2Aペプチドは、リボソーム媒介翻訳時にペプチド結合形成を障害することにより、単一プロモーターからのマルチシストロニック遺伝子発現を可能にする短い(約20アミノ酸)配列である(Szymczak and Vignali, 2005)。操作されたKCNA1遺伝子と同一のプロモーターに作動可能に結合されたレポーター遺伝子を有することにより、KCNA1遺伝子発現の信頼できるインジケーターとして作用すると考えられる。レポーター遺伝子を含む発現ベクターは、動物モデル用途などの前臨床用途に特に有用であり得る。その場合、それは、遺伝子発現の局在化の評価に役立つように使用可能である。

0027

他の実施形態では、発現ベクターは、レポータータンパク質をコードする配列が欠如している。これは、例えば、規制上の理由で好ましいこともある。本発明の実施形態では、本発明のKCNA1遺伝子のレポート又は検出は、さまざまな方法において − 例えば、その操作された配列に基づいて達成され得る。

0028

一般的に言えば、当業者は、組換え遺伝子発現のためにベクターの構築及びプロトコルの設計を行うことが十分に可能である。以上に記載の本発明のエレメントに加えて、プロモーター配列、ターミネーター断片、ポリアデニル化配列マーカー遺伝子及び必要に応じて他の配列を含めて、適切なレギュラトリー配列を含有する適当なベクターの選択又は構築が可能である。細胞内のポリペプチド発現に適当な分子生物学技術は、当技術分野で周知である。さらなる詳細については、例えば、Molecular Cloning: a Laboratory Manual: 2nd edition, Sambrook et al, 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Press又はCurrent Protocols in Molecular Biology, Second Edition, Ausubel et al. eds., John Wiley & Sons, (1995, and periodic supplements)を参照されたい。

0029

本明細書で用いられる「作動可能に結合された」という用語は、選択された遺伝子及びプロモーターがプロモーターの影響下又は制御下で遺伝子(すなわちポリペプチドコード)の発現の位置決めを行うように共有結合された状況を含む。そのため、プロモーターが細胞内で遺伝子からRNAへの転写を引き起こすことが可能であれば、プロモーターは、操作されたKNCA1遺伝子に作動可能に結合された状態である。次いで、適切な場合、得られたRNA転写物を所望のタンパク質又はポリペプチドに翻訳し得る。プロモーターは、哺乳動物細胞内で作動可能に結合された遺伝子の発現を行うのに好適である。好ましくは、哺乳動物細胞は、ヒト細胞である。

0030

KCNA1遺伝子及びKv1.1カリウムチャネル
KCNA1(カリウム電圧ゲートチャネルサブファミリーメンバー1、KV1.1、HBK1及びRBK1としても知られる遺伝子ID3736)は、ヒトKv1.1カリウムチャネル(カリウム電圧ゲートチャネルサブファミリーAメンバー1としても知られる)をコードするヒト遺伝子である。「野生型KCNA1遺伝子」とは、ヒト細胞に見いだされ、且つヒトKv1.1カリウムチャネルをコードする核酸分子を意味する。KCNA1遺伝子は、コード配列上流又は下流にレギュラトリー配列を含み得る。野生型KCNA1遺伝子のヌクレオチド配列は、非コード5’及び3’非翻訳領域(5’及び3’UTR)を含めてNCBI参照配列NM_000217.2に提供される。野生型KCNA1遺伝子のコード配列は、NCBI参照配列NM_000217.2の位置1106〜2593に対応する配列番号4のヌクレオチド配列を有する。

0031

Kv1.1カリウムチャネルは、ショウジョウバエシェーカーチャネルに系統発生学的に関連する電圧ゲート遅延カリウムチャネルである。野生型Kv1.1カリウムチャネルのアミノ酸配列は、NCBI参照配列NP_000208.2に等しい配列番号5のアミノ酸配列を有する。電圧依存カリウムチャネルは、電圧に反応してカリウム選択孔開閉を行うことにより興奮性をモジュレートする。多くの場合、カリウムイオンフローは、細胞内粒子が孔を塞いたときに中断可能であり、これは、速い不活性化として知られるプロセスである。Kv1.1カリウムチャネルは、6つの推定膜貫通セグメントを有し、第5及び第6のセグメント間のループが孔を形成する。

0032

細胞内の正常生成時、細胞内のKCNA1 RNAのいくつかは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)により編集されて、第6の膜貫通ドメイン内に位置し、イオン伝導孔の内側前庭ライニングする単一位置I400にイソロイシン/バリン(I/V)の再コードイベントを引き起こす(Hoopengardner et al., Science 301(5634):832-6, 2003)。負の膜電位では、未編集I400を含有するチャネルは、その編集(V400)カウンターパートの約1/20の速度で不活性化から回復する(Bhalla et al., 2004)。

0033

本発明は、編集されたKv1.1カリウムチャネルの発現に関与する。

0034

「編集されたKv1.1カリウムチャネル」は、機能性Kv1.1カリウムチャネルであるが、以上に記載のイソロイシン/バリン突然変異を含有する。何らかの特定の理論により拘束されることを望むものではないが、編集されたKv1.1カリウムチャネルを提供すると、細胞内で通常行われるADAR依存RNA編集ステップに依拠することなく編集されたKv1.1カリウムチャネルが細胞に直接提供されるため、有利であると考えられる。こうした編集されたKv1.1カリウムチャネルは、その未編集対照物よりも不活性化からの回復がかなり速いと考えられる。

0035

さらに、通常、KCNA1 RNAのすべてが細胞内で編集されるとは限らない。Hoopengardner et al., Science 301(5634):832-6, 2003(特に図3を参照されたい)に記載されるように、行われるRNA編集の量は、尾状核内の約17%から髄質内の約77%に至るまでヒト神経系のさまざまな領域にわたり変化する。例えば、前頭皮質内では、KCNA1 RNAの約20%が編集されると考えられる。すなわち、KCNA1 RNAの約80%は、脳のこの領域内に未編集の状態で残る。

0036

本明細書の実施例に示されるように、編集されたKv1.1チャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を提供することにより、ランダム化盲検化前臨床試験でラットに投与したときに発作頻度を効率的に低減可能であった。

0037

本明細書で用いられる場合、編集されたKv1.1カリウムチャネルは、配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するが、ただし、配列番号2に示されるアミノ酸残基400に対応する位置(「編集位置」)にバリンアミノ酸残基も含有する。いくつかの好ましい実施形態では、編集されたKv1.1カリウムチャネルは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなるアミノ酸配列を有する。

0038

配列番号2に示されるアミノ酸残基400に対応する位置にバリンアミノ酸残基を含有する編集されたKv1.1カリウムチャネルは、当技術分野で公知の方法により同定可能である。例えば、編集位置は、配列番号2のアミノ酸配列と対象とする編集されたKv1.1カリウムチャネルのアミノ酸配列との間の配列アライメントにより同定可能である。その際、かかる配列アライメントを用いて、少なくともアライメントで配列番号2に示されるアミノ酸配列のアミノ酸残基400の編集位置の近傍又はそれと同一の位置にある対象とする編集されたKv1.1カリウムチャネルの編集位置を同定可能である。

0039

機能性Kv1.1カリウムチャネルは、カリウムチャネルの通常の活性を保持するタンパク質であり、例えば、チャネルは、電圧に反応して開閉可能である。Kv1.1カリウムチャネルが機能性であることを試験する方法は、当技術分野で公知であり、そのいくつかは、本明細書に記載されている。簡潔に述べると、Kv1.1カリウムチャネルが機能性であることを確認するのに適当な方法は、Kv1.1カリウムチャネルをコードする発現ベクターを細胞にトランスフェクトすることと、パッチクランピングなどの電気生理学的技術を用いてカリウムチャネルの電流を記録することとを含む。

0040

野生型Kv1.1カリウムチャネルは、配列番号5に示されるように位置379にチロシンアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、編集されたKv1.1カリウムチャネルは、配列番号2に示されるアミノ酸残基379に対応する位置にチロシンアミノ酸残基を含む。

0041

他の実施形態では、編集されたKv1.1カリウムチャネルは、配列番号2に示されるアミノ酸残基379に対応する位置にバリンアミノ酸残基を含む。このアミノ酸配列を有する編集されたKv1.1カリウムチャネルの例は、配列番号14に示される。何らかの特定の理論により拘束されることを望むものではないが、Y379V突然変異は、カリウムチャネルの機能性を変化させることなくテトラエチルアンモニウム(TEA)に対するKv1.1チャネルの感度を低減すると考えられる。例えば、こうした感度の変化により、トランスジェニックKv1.1チャネルをその野生型カウンターパートからパッチクランプ電気生理学実験で薬理学的に単離可能である(Heeroma et al. 2009)。

0042

本発明では、「操作されたKCNA1遺伝子」が使用される。操作されたKCNA1遺伝子は、本明細書に記載の野生型KCNA1遺伝子のヌクレオチド配列と異なるが、依然として機能性Kv1.1カリウムチャネルをコードする。本明細書で用いられる場合、操作されたKCNA1遺伝子は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有する。

0043

以上に記載したように、本発明の実施形態は、配列番号14に示されるように位置379にバリンアミノ酸残基を含む編集されたカリウムチャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を含む。配列番号14に示されるアミノ酸配列をコードする操作されたKCNA1遺伝子の例は、配列番号13に示されるヌクレオチド配列である。いくつかの実施形態では、操作されたKCNA1遺伝子は、配列番号13に示されるヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるヌクレオチド配列を有するか、又は配列番号13に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99若しくは100%の配列同一性を有する。

0044

細胞型特異的プロモーター
従来の研究は、ラットにおいて興奮性ニューロンに対する強いバイアスが実証された強いウイルスプロモーター(CMV)を用いてKCNA1の過剰発現を駆動することに依拠した(Wykes et al., 2013)。しかしながら、CMVプロモーターなどの非特異的プロモーターの使用に伴う安全上の問題が存在する。例えば、てんかんの場合、問題は、興奮性ニューロン、例えば介在ニューロン以外の細胞内におけるカリウムチャネル過剰発現の可能性であり、これにより局所興奮性の減衰ではなく増悪によって発作活動を悪化させる可能性がある。したがって、安全性を改善する方法は、Kv1.1カリウムチャネルの発現を特定の細胞型に制限することであろう。しかしながら、特に編集されたKv1.1カリウムチャネルを発現する場合、細胞型特異性を駆動するプロモーターが、インビボで機能的効果を有するのに十分な発現を提供するかは明らかでない。

0045

本発明者らは、操作されたKCNA1遺伝子の結果として改善される発現が、細胞型特異的プロモーターを用いてこの遺伝子の発現を駆動可能であることを意味することを見いだした。

0046

そのため、いくつかの実施形態では、プロモーターは、編集されたKv1.1カリウムチャネルの細胞型特異的発現を駆動する細胞型特異的プロモーターである。細胞型特異的プロモーターは、対象細胞型において他の細胞型よりも多くの発現を駆動するプロモーターである。例えば、細胞型特異的プロモーターがニューロンに特異的である場合、これは、ニューロンにおいてグリア細胞などの他の細胞型よりも多くの発現を駆動するであろう。好ましくは、細胞型特異的プロモーターとは、発現の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は最も好ましくは100%が他の細胞型ではなく対象細胞型において行われることを意味する。

0047

遺伝子及びタンパク質の発現及び局在化を決定する方法は、当技術分野で公知である。それらは、RNA転写物を検出するアッセイ、例えば本明細書に記載のハイブリダイゼーション法及びタンパク質を検出する方法、例えば免疫組織化学的方法を含む。細胞型特異的プロモーターの細胞型特異性を評価するかかる方法の1つは、RNA転写物又はタンパク質と特定の細胞型に対するマーカーとのオーバーラップを比較することであろう。例えば、細胞型特異的プロモーターがニューロンに特異的であると考えられる場合、このプロモーターに作動可能に結合された対象遺伝子に対するRNA又はタンパク質の局在化は、ニューロンに対する公知の免疫組織化学的マーカー、例えばNeuN及びグリア細胞に対するもの、例えばGFAPの局在化とのオーバーラップに関して比較可能である。対象遺伝子とニューロンとの間で対象遺伝子とグリア細胞との間よりも多くのオーバーラップが観測された場合、プロモーターは、ニューロン細胞型特異的プロモーターと見なされるであろう。

0048

使用される細胞型特異的プロモーターは、標的となる細胞型に依存するであろう。例えば、神経学的障害を治療する場合、ニューロン及びグリア細胞などの神経系細胞を標的とすることが好ましいであろう。特に好ましい例では、細胞型特異的プロモーターは、ニューロンに特異的である。換言すると、それは、ニューロンにおいてグリア細胞よりも高レベルの発現を駆動する。いくつかの場合、細胞型特異的プロモーターは、グルタミン酸作動性ニューロンなどの興奮性ニューロンに特異的である。興奮性ニューロンの例は、錐体ニューロンである。グルタミン酸作動性ニューロンは、グルタミン酸作動性細胞に特異的なマーカー、例えばvGlut1、vGlut2、NMDAR1、NMDAR2B、グルタミナーゼグルタミンシンテターゼを検出することにより同定可能である。何らかの特定の理論により拘束されることを望むものではないが、グルタミン酸作動性ニューロンにおける操作されたKCNA1遺伝子の細胞型特異的発現は、ニューロン過興奮性を伴う疾患、特にてんかんの治療に有用であると考えられる。

0049

神経系細胞型特異的プロモーターの好ましい例は、ヒトCAMK2A(αCaMキナーゼII遺伝子)プロモーターである。CAMK2Aプロモーターは、発現を興奮性ニューロンにバイアスすると共に、さらにGABA作動性細胞(介在ニューロンとしても知られる)にごくわずかな発現をもたらすことが知られている(Dittgen et al., 2004;Yaguchi et al., 2013)。したがって、CAMK2Aプロモーターは、興奮性ニューロンに特異的な細胞型特異的プロモーターの例である。CAMK2Aプロモーターは、配列番号3のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるヌクレオチド配列を有し得る。代替的に、CAMK2Aプロモーターは、配列番号3のヌクレオチド配列に対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98又は99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるヌクレオチド配列を有し得る。

0050

ニューロンに特異的であると考えられる他のプロモーターは、VGLUT1プロモーターである(Zhang et al. Brain Research 1377:1-12, 2011(少なくともプロモーター配列及び関連配列に関して参照により本明細書に組み込まれる))。Zhang et al.に記載されるように、ラットVGLUT1上流プロモーター又は第1のイントロンは、基本プロモーターへの融合後、グルタミン酸作動性特異的発現をもたらす。ラットにおいてグルタミン酸作動性ニューロンに特異的であることが示されたプロモーターのさらなる例は、PAGプロモーターである(Rasmussen et al. Brain Research 1144: 19-32, 2007(少なくともプロモーター配列及び関連配列に関して参照により本明細書に組み込まれる))。

0051

他の神経系細胞型特異的プロモーターとしては、NSEプロモーター(Liu H. et al., Journal of Neuroscience. 23(18):7143-54, 2003及びPeel AL. et al., Gene Therapy. 4(1): 16-24, 1997)、チロシンヒドロキシラーゼプロモーター(Kessler MA. et al., Brain Research. Molecular Brain Research. 112(l-2):8-23, 2003)、ミエリン塩基性タンパク質プロモーター(Kessler MA. et al Biochemical & Biophysical Research Communications. 288(4):809-18, 2001)、ニューロフィラメント遺伝子(重鎖中鎖軽鎖)プロモーター(Yaworsky PJ.et al. , Journal of Biological Chemistry. 272(40):25112-20, 1997)が挙げられる(それらは、すべて少なくともプロモーター配列及び関連配列に関して参照により本明細書に組み込まれる)。さらなる適当なプロモーターは、Synapsin1プロモーターである(Kuegler et al“Human synapsin 1 gene promoter confers highly neuron-specific long-term transgene expression from an adenoviral vector in the adult rat brain depending on the transduced area.”Gene Therapy. 10(4):337-47 2003)を参照されたい)。

0052

Nav1.7及びNav1.8ナトリウムチャネルは、疼痛で重要な役割を果たすと考えられるため、それらのプロモーターは、慢性疼痛などの疾患の治療に使用可能である。Nav1.7をコードするヒト遺伝子は、SCN9Aであり、SCN9Aプロモーターの同定及び使用は、例えば、Diss et al. Molecular and Cellular Neuroscience. 37(3): 537-47, 2008に記載されている。Nav1.8をコードするヒト遺伝子は、SCN10Aであり、SCN10Aの同定及び使用は、例えば、Puhl & Ikeda, Journal of Neurochemistry. 106(3): 1209-24, 2008に記載されている。これらの参照文献は、少なくともプロモーター配列及び関連配列に関して参照により本明細書に組み込まれる。

0053

ウイルスベクター
本発明に使用するのに好ましい発現ベクターは、レンチウイルスベクター又はAAVベクターなどのウイルスベクターである。特に好ましい発現ベクターは、レンチウイルスベクターである。レンチウイルスベクターは、典型的にはウイルス粒子にアセンブルしたとき、感染のために長いインキュベーション時間を有することにより特徴付けられ、且つ有糸分裂後のニューロンなどの非分裂細胞に感染可能である特別なタイプのレトロウイルスベクターである。レンチウイルスベクターは、一般的には、迅速で安定で且つ空間制限された発現をもたらす(Lundberg et al., 2008)。これは、焦点発作がエロクエント皮質に非常に近い脳領域から生じることの多いてんかんなどの疾患の治療に最適であり得る。加えて、レンチベクターの大きいパッケージング能力によりプロモーター−トランスジーンの組合せの選択肢が増えるため(Kantor et al., 2014)、発現の特異性をさらに増加させることが可能である。

0054

レンチウイルスベクターは、レンチウイルスファミリーのウイルスに由来するウイルス核酸骨格に基づく。天然に見いだされるレンチウイルスの感染プロセスは、当業者に周知である。何らかの特定の理論により拘束されることを望むものではないが、これについて簡単な説明をここに提供する。レンチウイルスは、レトロウイルスである。すなわち、それは、一本鎖RNAゲノムリバーストランスクリプターゼ酵素とを有する。この一本鎖RNAゲノムは、宿主細胞外膜への付着を促進する突出した糖タンパク質を有するウイルスエンベロープ内にパッケージされる。ウイルスゲノム内には、gag、pol及びenv遺伝子領域をはじめとする核酸配列が存在する。pol遺伝子は、ウイルスRNAゲノムの逆転写に必要とされるリバーストランスクリプターゼ酵素と、宿主細胞ゲノム内へのウイルスゲノムの効率的インテグレーションに必要とされるインテグラーゼ酵素とをコードする。env遺伝子は、各種エンベロープタンパク質をコードし、且つgag遺伝子は、各種構造タンパク質をコードする。

0055

感染時、ウイルス物質が宿主細胞に注入されると、ウイルスリバーストランスクリプターゼは、ウイルスRNAゲノムの逆転写を行ってウイルスDNAゲノムを形成する。次いで、ウイルスDNAは、宿主細胞のゲノムに導入される。そこから、宿主細胞は、転写及び翻訳を行って、宿主細胞からバーストされ、且つ他の宿主細胞への感染を継続可能であるウイルス粒子を形成する。

0056

レンチウイルスベクターは、野生型レンチウイルスゲノムから非必須列並びにウイルスの複製及び病原性に関与するゲノム領域を除去してパッケージング及びプロセシングに必要なエレメントを含有する複製欠損ベクターをもたらすことにより開発されてきた(Shaw & Cornetta, Biomedicines 2(1): 14-35, 2014)。

0057

本明細書で用いられる場合、レンチウイルスベクターとは、RNAに転写される操作されたKCNA1遺伝子を生成するのに十分なレンチウイルス遺伝子を含み、且つRNAがレンチウイルスエンベロープタンパク質及びパッケージングタンパク質と共に発現時にウイルス粒子にパッケージされているDNA発現ベクターを意味する。典型的には、レンチウイルスベクターは、SIV及びHIVなどのレンチウイルスの5’及び3’長末端反復LTR)領域を含有する。5’LTRは、RNAポリメラーゼプロモーターとして作用可能である。いくつかのレンチウイルスベクターでは、U3領域などの5’LTRプロモーターの部分は、他のプロモーター、一般的にはCMVプロモーター又はSVプロモーターなどの構成プロモーターにより置き換えられる。レンチウイルスベクターは、細菌プラスミド部分、ウイルスベクターRNAパッケージング及び細胞内輸送に必要とされる追加のレンチウイルスエレメント、マーカー遺伝子並びにそれらのレギュレーションのためのエレメント、任意選択的なクロマチン制御エレメント、及び使いやすいプラスミドDNA再操作用部位も含有し得る。

0058

好ましい実施形態では、レンチウイルスベクターは、5’→3’方向に順にCMVエンハンサー/プロモーター、トランケート5’LTR、HIV−1パッケージングシグナル、Rev反応エレメントセントラルポリプリントラクト及びセントラル終止配列(cPPT/CTS)、細胞型特異的プロモーター(例えば、ヒトCAMK2Aプロモーター)、操作されたKCNA1遺伝子、ウッドチャック肝炎ウイルス翻訳後レギュラトリーエレメント及び3’LTRを含む。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクターは、蛍光タンパク質などのレポータータンパク質をコードする配列を含有する。GFPをコードする配列を含有するレンチウイルスベクターの例は、配列番号7に示される。他の実施形態では、レンチウイルスベクターは、蛍光タンパク質などのレポータータンパク質をコードする配列が欠如している。

0059

いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクターは、配列番号9又は配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98又は99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクターは、配列番号9又は配列番号11のヌクレオチド配列を含む。配列番号9は、位置379にチロシンを有する編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする一方、配列番号11は、位置379にバリンを有する編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする。

0060

いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクターは、配列番号10又は配列番号12のヌクレオチド配列に対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98又は99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクターは、配列番号10又は配列番号12のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。配列番号10は、位置379にチロシンを有する編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする一方、配列番号12は、位置379にバリンを有する編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする。

0061

いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクターは、ウイルスパッケージングタンパク質及びウイルスエンベロープタンパク質をコードする遺伝子を追加的に含む。

0062

いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクターは、非インテグレーティングレンチウイルスベクター(NILV)である。これらのベクターから生成されるベクター粒子は、そのウイルスゲノムを細胞のゲノムにインテグレートしないため、一過的発現が必要とされる用途又は静止細胞などの持続エピソーム発現に有用である。NILVは、インテグラーゼ酵素の突然変異により、又は5’LTR及び/又は3’LTRを変化させてインテグラーゼがこれら配列を結合しないようにすることにより形成可能である。こうした改変は、逆転写及び核へのプレイテグレーション複合体の輸送に影響を及ぼすことなくインテグラーゼ活性を排除する。何らかの特定の理論により拘束されることを望むものではないが、NILVが細胞に入ったとき、レンチウイルスDNAは、エピソームとして核内に残るように残留して有糸分裂後の細胞などの細胞内で持続発現をもたらすと予想される。本明細書で実証されるように、NILVと、CAMK2Aなどの細胞型特異的プロモーターとの組合せ使用は、発現をニューロンなどの特定の細胞型に効果的に標的化可能であることを意味する。

0063

NILVを生成する方法は、Shaw & Cornetta Biomedicines 2(1): 14-35, 2014(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。インテグレーションの阻害に使用される突然変異の例としては、インテグラーゼ酵素のD64突然変異、例えばD64V置換が挙げられる。インテグレーションを阻害するのに適当なこうした及び他の改変例は、例えば、Shaw & Cornetta, Biomedicines 2(1): 14-35, 2014の表1に記載されている。

0064

ウイルス粒子
本発明は、レンチウイルス粒子を作製するインビトロ方法も含む。一実施形態では、本方法は、本明細書に記載のレンチウイルスベクターで哺乳動物細胞をトランスデュースし、細胞内で粒子形成に必要なウイルスパッケージングタンパク質及びウイルスエンベロープタンパク質を発現させることと、トランスデュース細胞を培養培地中で培養することであって、それにより細胞が、培地中に放出されるレンチウイルス粒子を生成する、培養することとを含む。適当な哺乳動物細胞の例は、ヒト胎児腎臓HEK)293細胞である。

0065

ウイルス粒子の形成及び機能に必要とされるレンチウイルス成分をすべてコードする単一発現ベクターを使用することが可能である。しかしながら、ほとんどの場合、レンチウイルスベクター粒子を形成する各種遺伝成分を分離するために、宿主細胞内に安定にインテグレートされる複数のプラスミド発現ベクター又は個別の発現カセットが利用される。

0066

いくつかの実施形態では、1つ以上のウイルスパッケージングタンパク質及びウイルスエンベロープタンパク質をコードする発現カセットが哺乳動物細胞内に安定にインテグレートされた。これらの実施形態では、本明細書に記載のレンチウイルスベクターでこうした細胞をトランスデュースすれば、さらなる発現ベクターを添加することなくレンチウイルス粒子の生成を引き起こすのに十分である。

0067

他の実施形態では、インビトロ方法は、複数の発現ベクターを使用することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、粒子形成に必要なウイルスパッケージングタンパク質及びウイルスエンベロープタンパク質をコードするウイルスパッケージングタンパク質及びウイルスエンベロープタンパク質をコードする1つ以上の発現ベクターで哺乳動物細胞をトランスデュースすることを含む。

0068

適当なウイルスパッケージングタンパク質及びウイルスエンベロープタンパク質並びにこれらのタンパク質をコードする発現ベクターの例は、市販品として入手可能であり、当技術分野で周知である。一般的には、ウイルスパッケージング発現ベクター又は発現カセットは、ベクター粒子形成及びベクター処理に必要とされるタンパク質をコードするHIV−1のgag、pol、rev及びtat遺伝子領域を発現する。一般的には、ウイルスエンベロープ発現ベクター又は発現カセットは、VSV−Gなどのエンベロープタンパク質を発現する。いくつかの場合、パッケージングタンパク質は、1つがRevをコードし、且つ1つがGag及びPolをコードする2つの個別のベクターで提供される。レンチウイルスベクター並びにその関連するパッケージングベクター及びエンベロープベクターの例としては、Dull, T. et al.,“A Third-generation lentivirus vector with a conditional packaging system”J. Virol 72(11):8463-71 (1998)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載のものが挙げられる。

0069

ウイルスエンベロープ発現ベクターの例は、CMVプロモーターに作動可能に結合されたvsv−g遺伝子を含有するpMDG−VSV−Gである。このベクターの構築は、Kafri et al. 1999 J Virol. 73(1): 576-584(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。

0070

ウイルスパッケージング発現ベクターの例は、CMVプロモーターに作動可能に結合されたgag、pol、tat及びrev遺伝子を含有するpCMVdR8.74である。このウイルスパッケージング発現ベクターは、例えば、プラスミド番号22036としてAddgene(Cambridge、MA、USA)から入手可能である。

0071

以上に説明したように、いくつかの実施形態では、ウイルスパッケージング発現ベクターは、インテグラーゼ欠損ウイルスパッケージング発現ベクターである。例えば、インテグラーゼ欠損ウイルスパッケージング発現ベクターは、突然変異体D64Vインテグラーゼなどの非機能性(例えば、突然変異)インテグラーゼ酵素をコードし得る。非機能性インテグラーゼを有するこうしたベクターから生成されたベクター粒子は、そのウイルスゲノムを細胞のゲノム中に効率的にインテグレートしない。インテグラーゼ欠損ウイルスパッケージング発現ベクターの例は、CMVプロモーターに作動可能に結合されたgag、pol、tat及びrev遺伝子を含有し、且つpol遺伝子が突然変異体D64VインテグラーゼをコードするpCMVdR8.74D64Vである。pCMVdR8.74D64Vは、そのインテグラーゼコード配列にアスパラギン酸64−バリン突然変異を有する第二世代ヒト免疫不全ウイルス1(HIV−1)パッケージングプラスミドである。この突然変異は、野生型レベルと比較してゲノムインテグレーションを1/10,000に低減する(Leavitt et al. 1996)。このベクターの構築及び使用は、Leavitt et al. 1996 and Yanez-Munoz et al. Nature Medicine. 12(3): 348-53, 2006(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。

0072

ウイルス粒子の放出後、ウイルス粒子を含む培養培地を採取し得ると共に、任意選択的にウイルス粒子を培養培地から分離し得る。任意選択的にウイルス粒子を濃縮し得る。

0073

生成及び任意選択的濃縮後、例えば細胞への投与に使用できる状態及び/又は治療に使用できる状態において−80℃で凍結することにより、ウイルス粒子を貯蔵し得る。

0074

本発明は、ウイルス粒子、例えば本明細書に記載の方法によって生成されたものも提供する。本明細書で用いられる場合、ウイルス粒子は、哺乳動物細胞などの細胞に感染可能であるウイルスエンベロープ内にパッケージされたRNAゲノムを含む。ウイルス粒子は、インテグラーゼ欠損であり得る。例えば、それは、突然変異体インテグラーゼ酵素を含有し得るか、又は本明細書に記載されるように5’及び/又は3’LTRに変異を含有し得る。

0075

キット
本発明は、本明細書に記載のレンチウイルスベクターと、本明細書に記載の1つ以上のパッケージング及びエンベロープ発現ベクターとを含むキットも提供する。いくつかの実施形態では、ウイルスパッケージング発現ベクターは、本明細書に記載のpCMVdR8.74D64Vベクターなどのインテグラーゼ欠損ウイルスパッケージング発現ベクターである。

0076

障害
本明細書に記載のウイルスベクター及びウイルス粒子は、医薬として使用するためのものでもあり得る。例えば、本明細書に記載のウイルス粒子は、遺伝子療法に使用され得る。

0077

本発明は、人体又は動物体の治療のための医薬の製造するための、本明細書に記載のウイルス粒子の使用、人体又は動物体の治療に使用するための、本明細書に記載のウイルス粒子及び本明細書に記載のウイルス粒子を、それを必要とする個体に投与することを含む治療の方法を提供する。

0078

特定の実施形態では、ウイルス粒子は、神経学的障害の治療に使用される。限定されるものではないが、神経学的障害の例としては、発作障害(例えば、てんかん)、アルツハイマー病多発性硬化症、パーキンソン病、振戦及び他の運動障害、慢性疼痛、片頭痛並びにニューロン興奮性の変化を伴う他の神経精神医学的疾患、例えば大鬱病双極性障害、不安及び統合失調症が挙げられる。

0079

特定の実施形態では、神経学的障害は、神経系過興奮性を伴う。限定されるものではないが、神経系過興奮性を伴う神経学的障害の例としては、発作障害(例えば、てんかん)、アルツハイマー病、多発性硬化症、パーキンソン病、振戦及び他の運動障害、慢性疼痛、片頭痛、大鬱病、双極性障害、不安及び統合失調症が挙げられる。

0080

好ましい実施形態では、治療は、てんかん、慢性疼痛、鬱病又はパーキンソン病を対象とする。

0081

特に好ましい実施形態では、治療は、てんかん、例えば特発性症候性及び原因不明のてんかんを対象とする。てんかんは、新皮質てんかんであり得る。本明細書に記載の治療は、てんかん原性活動クエンチ又はブロックするために使用され得る。治療は、発作の頻度を低減するために使用され得る。治療は、ニューロンにおける神経系興奮性を一時的に又は永久的に低減するために使用され得る。

0082

投与及び投与量
本明細書に記載のウイルス粒子は、脳内にウイルス粒子を直接注入するなどのさまざまな方法で対象に送達可能である。例えば、治療は、大脳皮質内、特に新皮質内にウイルス粒子を直接注入することを含み得る。治療は、障害に機能的に関連すると考えられる脳内の位置にウイルス粒子を直接注入することを含み得る。例えば、治療がてんかんを対象とする場合、これは、運動皮質内にウイルス粒子を直接注入することを含み得、治療が慢性疼痛を対象とする場合、これは、後根神経節内にウイルス粒子を直接注入することを含み得、治療がパーキンソン病を対象とする場合、これは、黒質内にウイルス粒子を直接注入することを含み得る。特定の投与方法及び投与部位は、自らの共通一般知識及び当業者に公知の技術を用いて投与技術も選択するであろう医師自由裁量に委ねられるであろう。

0083

本発明は、複数の同定された遺伝子座に同時に直接注入することにより複数のてんかん焦点を治療するためにも使用され得る。

0084

患者は、薬剤耐性又は医学的難治性のてんかんを有すると診断された者、すなわち抗てんかん薬剤の適正投与にもかかわらずてんかん発作が継続する者であり得る。

0085

対象は、脳の新皮質の単一領域が罹患している明確な焦点てんかんを有すると診断された者であり得る。焦点てんかんは、例えば、発生異常又は後続の脳卒中、腫瘍穿通性脳傷害若しくは感染から生じ得る。

0086

ウイルス粒子の投与後、レシピエント個体は、治療される疾患又は障害の症状の低減を呈し得る。例えば、てんかんなどの発作障害を有する治療される個体では、レシピエント個体は、発作の回数の低減を呈し得る。これは、個体の疾患病態に有益な影響を及ぼし得る。

0087

病態の治療に関連して本明細書で用いられる「治療」という用語は、一般的には、何らかの所望の治療効果、例えば病態の進行の阻害が達成されるヒトの治療及び療法を意味し、進行速度の低減、進行速度の停止、病態の退縮、病態の寛解及び病態の治癒を含む。予防手段(すなわち予防、防止)としての治療も含まれる。

0088

ウイルス粒子は、治療有効量で送達可能である。

0089

本明細書で用いられる「治療有効量」という用語は、所望の治療レジメンに従って投与したときに合理的な便益リスク比に見合って何らかの所望の治療効果を生じるのに有効なウイルス粒子の量を意味する。

0090

同様に、本明細書で用いられる「予防有効量」という用語は、所望の治療レジメンに従って投与したときに合理的な便益/リスク比に見合って何らかの所望の予防効果を生じるのに有効なウイルス粒子の量を意味する。

0091

本明細書に関連して、「予防」とは、完全な成功、すなわち完全な保護又は完全な防止に限定するものと理解すべきではない。より正確には、これに関連して、予防とは、特定の病態の遅延、軽減又は回避を支援することにより健康を保つことを目的として症候性病態の検出前に施される対策を意味する。

0092

ウイルス粒子を単独で使用(例えば、投与)することが可能であるが、多くの場合、例えば薬学的に許容可能な担体又は希釈剤を用いて組成物又は製剤として提示することが好ましい。

0093

本明細書で用いられる「薬学的に許容可能」という用語は、合理的な便益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症を伴うことなく、その対象(例えば、ヒト)の組織に接触させて使用するのに好適である健全な医学的判断の範囲内の化合物、成分、材料、組成物、剤形などを意味する。各担体、希釈剤、賦形剤などは、製剤の他の成分に適合可能であるという意味でも「許容可能」でなければならない。

0094

いくつかの実施形態では、組成物は、唯一活性成分として本明細書に記載のウイルス粒子と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤とを含むか、又はそれらから本質的になるか、又はそれらからなる医薬組成物(例えば、製剤、調製物、医薬品)である。

0095

国際公開第2008096268号に記載されるように、ウイルス粒子の送達を利用する遺伝子療法の実施形態では、単位用量は、投与されるウイルス粒子の用量により計算され得る。ウイルス用量は、特定数のウイルス粒子又はプラーク形成単位(pfu)を含む。アデノウイルスを含む実施形態では、特定の単位用量は、103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013又は1014pfuを含む。粒子用量は、感染欠損粒子の存在に起因していくらか高いことができる(10〜100倍)。

0096

いくつかの実施形態では、本発明の方法又は治療は、症候性であるか又は疾患修飾性であるかにかかわらず他の療法と組み合わされ得る。

0097

「治療」という用語は、例えば、逐次的に又は同時に2つ以上の治療又は療法が組み合わされる組合せ治療及び療法を含む。

0098

例えば、本明細書に記載の化合物を用いた治療と、1つ以上(例えば、1、2、3、4つ)の他の作用剤又は療法とを組み合わせることが有益であり得る。

0099

共療法の適切な例は、当業者であれば本明細書の開示に基づいて分かるであろう。典型的には、共療法は、治療される個体の診断に従って本明細書に記載の疾患の治療で治療効果を与え得ると考えられる、当技術分野で公知のいずれかのものであり得る。例えば、てんかんは、根底にある病因を直接治療することにより寛解可能であることもあるが、異常放電及び発作を抑制するフェニトインガバペンチンラモトリジンレベチラセタムカルバマゼピンクロバザム及びトピラマートなどの抗痙攣薬剤は、従来の治療の主力である(Rho & Sankar, 1999, Epilepsia 40: 1471-1483)。

0100

特定の組合せは、自らの共通一般知識及び当業者に公知の投与レジメンを用いて投与量も選択するであろう医師の自由裁量に委ねられるであろう。

0101

作用剤(すなわちウイルス粒子+1つ以上の他の作用剤)は、同時に又は逐次的に投与され得ると共に、個別のさまざまな用量スケジュール及びさまざまな経路で投与され得る。例えば、逐次的に投与する場合、正確な投与レジメンを治療剤性質に見合うようにして、短い時間インターバル(例えば、5〜10分間の間隔)又はより長いインターバル(例えば、1、2、3及び4時間以上の間隔並びに必要に応じてより長い間隔)で作用剤を投与可能である。

0102

KCNA1の存在を確認する方法
本発明は、細胞内における操作されたKCNA1の存在を確認する方法も提供する。

0103

正常ヒト脳カリウムチャネルの過剰発現は、他の膜タンパク質を用いた遺伝子療法の臨床移行を潜在的に制限する免疫反応のリスクを回避する。しかしながら、ヒトカリウムチャネルの正常遺伝子配列を用いた臨床移行の制限は、その発現を脳内に存在するバックグラウンドの内因性チャネルと対比して検出することが困難であることにある。

0104

操作されたKCNA1遺伝子の配列は、細胞内に見いだされる野生型KCNA1遺伝子と異なるため、この遺伝子がRNAに転写された場合、それは、ユニークRNA配列(「RNAフィンガープリント」)を内蔵する。このRNAフィンガープリントは、RNA標的化技術によるトランスジーン発現の特異的追跡を可能にする。さもなければ、トランスジェニックKCNA1と内因性KCNA1との識別はできないであろう。これは、蛍光タグ又は免疫原性を潜在的にもたらし得るエピトープをコードする配列を含む必要なしに操作されたKCNA1遺伝子発現の局在化を決定することが重要である場合に特に有用である。

0105

例えば、操作されたKCNA1遺伝子で治療された患者から取り出された組織を調べることにより、KCNA1 RNAが存在する場所及び細胞型(予想通りの興奮性ニューロン又は抑制性ニューロン若しくはグリア細胞)を決定することが可能である。かかる組織は、例えば、てんかん遺伝子療法の不奏功イベント時にてんかん手術から又は死後に得ることが可能である。このデータは、前臨床投与量計算、生体内分布研究、規制当局承認及びカリウムチャネル遺伝子療法のさらなる臨床開発に有用であると予想される。

0106

そのため、一実施形態では、本方法は、本明細書に記載の発現ベクターで細胞をトランスデュースするか、又は操作されたKCNA1 RNAの発現を可能にする条件下において、本明細書に記載のウイルス粒子を細胞に投与することと、ハイブリダイズアッセイを用いて細胞内における操作されたKCNA1 RNAの存在を検出することとを含む。本方法は、インビトロ又はエクスビボで、例えば細胞培養で又は人体若しくは動物体から外植された細胞内で行うことが可能である。代替的に、本方法は、例えば、ヒト又は動物の対象の細胞にウイルス粒子を投与した後、ハイブリダイゼーションアッセイを用いて細胞内における操作されたKCNA1 RNAの存在を検出するためにヒト又は動物の対象から細胞又は組織を取り出す場合、インビボで行うことが可能である。

0107

いくつかの実施形態では、発現されたKCNA1遺伝子の局在化を調べるために、本発明のウイルス粒子で治療された対象から細胞又は組織を取り出す。かかる組織は、例えば、てんかん遺伝子療法の不奏功イベント時にてんかん手術から又は死後に得ることが可能である。

0108

本発明は、本明細書に記載のウイルス粒子を投与された対象から得られた細胞内における操作されたKCNA1の存在を確認するインビトロ又はエクスビボ方法も提供する。本方法は、ハイブリダイゼーションアッセイを用いて細胞内における操作されたKCNA1 RNAの存在を検出することを含む。

0109

ハイブリダイゼーションアッセイは、当技術分野で公知であり、一般的には、相補的核酸プローブを使用することを含む(例えば、標識化プローブを用いるインサイチューハイブリダイゼーションノーザンブロット及び関連技術)。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションアッセイは、蛍光標識プローブなどの標識プローブを用いるインサイチューハイブリダイゼーションアッセイである。

0110

本明細書で用いられる場合、「プローブ」という用語は、相補的核酸を検出するために使用される核酸を意味する。典型的には、プローブは、RNAプローブである。

0111

17〜30塩基オリゴヌクレオチドに適当な選択的ハイブリダイゼーション条件は、42℃の6×SSC中における一晩のハイブリダイゼーション及び42℃〜65℃の一連漸増温度の6×SSC中における洗浄を含む。特定の配列相同性の核酸分子間のハイブリダイゼーションを達成するのに必要なストリンジェンシー条件を計算する一般式の1つは、(Sambrook et al., 1989):Tm=81.5℃+16.6Log[Na+]+0.41(%G+C)−0.63(%ホルムアミド)−600/二本鎖中#bpである。

0112

細胞
本発明は、以上に記載の核酸又はベクターを含む細胞も提供する。いくつかの実施形態では、この細胞は、ヒト細胞などの哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト胎児腎細胞(HEK)293である。

0113

核酸及び配列変異体
本発明は、本明細書で明らかにされる編集されたKv1.1カリウムチャネルをコードする操作されたKCNA1遺伝子を含む核酸も提供する。核酸に存在する操作されたKCNA1遺伝子及び編集されたKv1.1カリウムチャネルは、発現ベクターに関連して本明細書に記載された所要の特徴及び配列同一性を有し得る。

0114

アライメント及びパーセントアミノ酸同一性又はヌクレオチド配列同一性の計算は、当業者に公知の各種方法により、例えばClustalW 1.82、T-coffee、Megalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを用いて達成可能である。かかるソフトウェアを使用する場合、かかるソフトウェアを使用する場合、好ましくは、デフォルトパラメーター、例えばギャップペナルティー及び伸長ペナルティーが使用される。ClustalW 1.82のデフォルトパラメーターは、タンパク質ギャップオープンペナルティー=10.0、タンパク質ギャップエクステンションペナルティー=0.2、タンパク質マトリックス=Gonnet、タンパク質/DNAエンドギャップ=−1、タンパク質/DNA GAPDIST=4である。

0115

次いで、多重アライメントから(N/T)×100としてパーセント同一性を計算可能である。式中、Nは、2つの配列が等しい残基を共有する位置の数であり、且つTは、比較した位置の全数である。代替的に、(N/S)×100としてパーセント同一性を計算可能である。式中、Sは、比較される短い方の配列の長さである。アミノ酸/ポリペプチド/核酸配列は、デノボで合成し得るか、又は天然アミノ酸/ポリペプチド/核酸配列若しくはそれらの誘導体であり得る。

0116

遺伝暗号縮重に起因して、いずれかの核酸配列を、それによりコードされるタンパク質の配列に実質的な影響を及ぼすことなく変異又は変化させて、その機能性変異体を提供可能であることは明らかである。適当なヌクレオチド変異体は、配列内で同一のアミノ酸をコードする異なるコドンの置換により変異させてサイレント変化をもたらす配列を有するものである。他の適当な変異体は、相同ヌクレオチド配列を有するが、置換されるアミノ酸に類似した生物物理学的性質の側鎖を有するアミノ酸をコードする異なるコドンの置換により配列の全部又は一部を変化させて保存的変化をもたらすものである。例えば、小さい非極性疎水性アミノ酸としては、グリシンアラニンロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン及びメチオニンが挙げられる。大きい非極性疎水性アミノ酸としては、フェニルアラニントリプトファン及びチロシンが挙げられる。極性中性アミノ酸としては、セリントレオニンシステインアスパラギン及びグルタミンが挙げられる。正荷電(塩基性)アミノ酸としては、リシンアルギニン及びヒスチジンが挙げられる。負荷電(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸及びグルタミン酸が挙げられる。本明細書に記載されるように、編集されたKv1.1カリウムチャネルの適当な変異体は、配列番号2に示されるアミノ酸残基400に対応する位置のアミノ酸残基以外のいずれかのアミノ酸にアミノ酸置換を含有可能である。

0117

本明細書のいずれの副題も、便宜上含まれるにすぎず、決して本開示を限定するものと解釈すべきではない。

0118

ここで、限定されるものではないが、以下の図面及び実施例を参照して本発明をさらに説明する。本発明の他の実施形態は、これらに照らして当業者に想到されるであろう。

0119

本明細書で引用したすべての参照文献の開示は、当業者が使用して本発明を実施し得る程度まで、本出願をもって相互参照により本明細書に特定的に組み込まれる。

図面の簡単な説明

0120


焦点新皮質てんかんの視覚皮質TeNTモデルの特徴付け。A.長い持続時間及び経時的進展を示す成体スプラーグドーリーラットの代表的発作(リスターフデッドラット及びロングエバスラットの代表的発作に関しては、図2を参照されたい)。拡大セクションは、指定の時間で得られる。B.3週でプラトーまで増加した後に5週で頻度低下を示す5週間にわたり記録された9匹の動物の発作回数/週。C.同一の期間にわたる累積発作頻度(/日)。D.約100sの安定持続時間まで初期上昇を示す同一の期間にわたる発作持続時間(/週)。E.102回のランダムに選択されたエレクトログラフィー発作の動作相関(n=8匹の動物、n=102回の発作)。ECoGトレースに対してタイムロックされたビデオ記録を用いてすべての動作を神経学者により評価した。動作相関が「未知」である11例の症例では、動物が敷料下で見えなかったか又はビデオ信号が中断されたかのいずれかであった。データは、平均値±平均値の標準誤差(SEM)として提示される。
焦点新皮質てんかんのTeNT視覚皮質モデルは、系統特異的ではない。リスターフーデッドラット、ロング−エバンスラット及びスプラーグドーリーラットの代表的発作。
Kv1.1過剰発現は、焦点新皮質てんかんの視覚皮質モデルで発作頻度を低減する。A.CMV−KCNA1レンチベクターによる神経系トランスダクションは、注入部位周りの狭い皮質柱に制限される。B.CMV−KCNA1レンチベクター(下側トレース)又はGFPのみの対照(上側トレース)による治療後の2匹の動物の代表的発作。C.全5週間の記録にわたり同一の動物が経験したすべての発作のラスタープロットパネルBに提示された発作は、アスタリスクによりマークされている。D.CMV−KCNA1レンチベクター(n=8)又はそのGFPのみの対照(n=8)で治療されたラットの発作頻度(/週)。各週で経験した発作回数を、治療前の週(週BI)に各動物が経験された数で規格化した。CMV−KCNA1レンチベクターは、治療後の週で規格化発作頻度を有意に低減した。E.CMV−KCNA1レンチベクター又はそのGFPのみの対照で治療されたラットの累積発作頻度(/日)。累積発作回数を、治療前の7日間に各動物が経験した数に規格化した。データは、平均値±SEMとして提示される。
CMV−KCNA1レンチベクターによるKv1.1過剰発現は、発作間スパイキングを抑制する。A.発作間スパイクのECoGトレース例。B.CMV−KCNA1レンチベクター(n=8)又はそのGFPのみの対照(n=7)で治療されたラットの累積発作間スパイク頻度(/日)。累積発作間スパイク数を、治療前の7日間に各動物が経験した数に規格化した。発作間スパイクの頻度は、CMV−KCNA1レンチベクターによる治療により有意に低減された(マンホイットニーU検定で比較した28日目の累積値、p=0.04)。
臨床移行のための最適化KCNA1遺伝子療法の設計及び特徴付け。A.CMV−KCNA1パイロットベクター(i)、最適化EKCベクター(ii)、及びそのレポーターのみの対照(iii)のレンチウイルストランスファープラスミドマップ略号:RSV−ラウス肉腫ウイルスプロモーター、LTR−長末端反復、HIV−1Ψ−HIV−1パッケージングシグナル、RRE−Rev反応エレメント、cPPT/CTS−セントラルポリプリントラクト及びセントラル終止配列、EF1α−伸長因子1αプロモーター、WPRE−ウッドチャック肝炎ウイルス転写後レギュラトリーエレメント。B.最適化EKCトランスファープラスミドからの機能性Kv1.1チャネルの異種発現。(i):EKCトランスファープラスミドがトランスフェクトされたNeuro−2a細胞の代表的な電流−時間トレース。(ii):EKCトランスファープラスミドがトランスフェクトされた細胞(Kv、n=13)、dscGFPのみの対照プラスミドがトランスフェクトされた細胞(G、n=8)及び非トランスフェクト対照(UT、n=10)の平均電流密度対電圧のプロット。挿入図:+20mVまでの電圧ステップ時の3つの群間電流密度の差を示すヒストグラム(Kv対UT:p=0.0013、Kv対G:p=0.0012、UT対G:p=0.82、ns=有意でない、ゲイムス・ハウエル事後検定を併用したウェルチ一元配置ANOVA)。(iii):EKCトランスファープラスミドがトランスフェクトされた細胞の平均規格化コンダクタンス対電圧のプロット。データを単一ボルツマン関数で当てはめた。−28.2mVのV0.5(半値コンダクタンスの電圧)は、CMV駆動野生型KCNA1がトランスフェクトされたヒト胎児腎臓293(HEK293)細胞から得られた値(−32.8±0.9mV)に類似している(Tomlinson et al., 2013)。エラーバーは、すべてSEMを表す。C.CMV−KCNA1ベクターのものに類似したトランスダクションのパターンを示す1.25μl(約3×106感染単位(IU))のEKCレンチベクターが左視覚皮質に注入されたラットの脳スライス明視野画像(左側)及び蛍光画像(右側)。D.EKC発現の細胞型特異性の免疫組織化学的評価。(i):dscGFPを発現するレンチベクタートランスデュースニューロンと、GFAPが染色されたアストロサイトとの間のオーバーラップは存在しなかった。(ii):dscGFP+細胞と、NeuNが染色されたニューロンとの間に100%のオーバーラップが存在した。(iii):dscGFP+細胞と、GAD67が染色された抑制性介在ニューロンとの間に最小限のオーバーラップが観測された。
EKCレンチベクタートランスダクションの皮質内広がり。1.25μl(約3×106IU)のEKCレンチベクターが注入されたラット脳の6つの逐次的左半球視覚皮質スライス(厚さ70μm)の明視野画像及び蛍光画像。スライスは、左上(頭側)から右下(尾側)に秩序化されている。スケールバーは、明視野画像及び蛍光画像に対してそれぞれ600μm及び200μmを表す。
EKC遺伝子療法は、盲検化ランダム化前臨床試験で発作頻度をロバストに低減する。A.EKCレンチベクター(下側トレース)又はそのdscGFPのみの対照(上側トレース)による治療後の2匹の動物の代表的発作。B.全5週間の記録にわたり同一の動物が経験したすべての発作のラスタープロット。パネルAに提示された発作は、アスタリスクによりマークされている。C.EKCレンチベクター(n=7)又はそのレポーターのみの対照(n=11)で治療されたラットの規格化発作頻度(/週)。EKCレンチベクターは、治療後の週で発作頻度を有意に低減した。D.EKCレンチベクター又はそのレポーターのみの対照で治療されたラットの規格化累積発作頻度(/日)。データは、平均値±SEMとして提示される。

実施例

0121


実施例1 −てんかん遺伝子療法における操作されたカリウムチャネル遺伝子の送達の実証
材料及び方法
分子生物学
標準サブクローニング技術を用いてレンチウイルストランスファープラスミドを構築した。GeneOptimizer(登録商標)ソフトウェアを用いてヒト発現に関してKCNA1のコドン最適化を行い、GeneArt(登録商標)(Thermo Fisher Scientific)を用いて合成した。プラスミドは、すべて使用前に完全にシーケンスした。

0122

電圧クランプ記録
S. Hart(UCL Institute of Child Health)の実験室からギフトとしてNeuro−2a細胞を得た。10%熱不活性化ウシ胎仔血清(Thermo Fisher Scientific)、1%ペニシリンストレプトマイシン(Thermo Fisher Scientific)及び1%非必須アミノ酸(Sigma)が補足されたGibco(登録商標)ダルベッコ改変イーグル培地DMEM)+GlutaMAX(商標)(Thermo Fisher Scientific)中で細胞を成長させた。37℃の加湿5%CO2雰囲気中で培養物対数増殖期に維持した。製造業者説明書に従ってTurboFect(商標)トランスフェクション試薬(Thermo Fisher Scientific)を用いてトランスフェクションを実施した。トランスフェクト細胞を13mmボロシリケートガラスカバースリップ(VWR)上にプレーティングした。UMPLFLN 10×及びLUMPLFLN 40×水浸対物レンズオリンパス)を備えたBX51WI固定ステージ直立顕微鏡チャンバー内にカバースリップを配置した。次の組成(mM単位):140NaCl、4KCl、1.8CaCl2、2MgCl2、10HEPES(pH7.35、オスモル濃度約301mOsm/L)を有する細胞外溶液静止浴中にカバースリップを液浸した。P-97 Flaming/Brownマイクロピペットプラー(Sutter Instrument Company)を用いて2.0〜3.0MΩのチップ抵抗になるようにフィラメント入りボロシリケートガラスマイクロピペット(GC150-F; Warner Instruments)を牽引した。次の組物(mM単位):140KCl、10HEPES、10EGTA(pH7.35、オスモル濃度約291mOsm/L)の細胞内溶液をマイクロピペットに充填した。波長488nmの光で励起される蛍光マーカーdscGFP発現によりトランスフェクト細胞を同定した。全細胞パッチクランプ構成を用いて電圧クランプ下で巨視的電流を記録した。使用した電圧ステッププロトコルは、次の通りであった。すなわち、細胞を−80mVの静止電位に保持し、10mVの増分で+20mVまで行う200msの脱分極テップにより電流を誘起する。ベースラインに戻す前、−100mVまでの40msの過分極ステップを含めた。WinWCPソフトウェア(J. Dempster, University of Strathclyde)及びAxon Multiclamp 700B増幅器(Molecular Devices)を用いて、データを3kHzでフィルターし、10kHzで取得した。予測成分及び補正成分を80%に調整し、バンド幅を1.2kHzに設定して、全体にわたり直列抵抗補償を利用した。10MΩを超える直列抵抗の細胞を分析から除外した。すべての記録を室温(23〜26℃)で行った。+4.1mVであると計算された液界電位は、未補正のままにした。リーク電流は、最小限であり、減算せずにそのままにした。

0123

分析のため、各電圧ステップの最後の40msで定常状態電流として誘起電流を得た。ベースライン保持電流を減算した後、細胞キャパシタンス除算して電流密度値を生成した。規格化コンダクタンスを計算するために、各電圧ステップの電流密度をステップ電位−カリウム逆転電位(−91.34mV)で除算した。これにより生のコンダクタンス値を生成し、膜電位のステップワイズ変化に付随するK+駆動力の変動に関して補正する。各EKCトランスフェクト細胞の生のコンダクタンス対電圧のプロットを、式:



で与えられる個別ボルツマン関数で当てはめた。式中、Gは、コンダクタンスであり、Vは、電圧であり、A1は、初期(最小)コンダクタンスであり、A2は、最終(最大)コンダクタンスであり、V0.5は、半値コンダクタンスの電圧であり、且つkは、勾配係数である。生のコンダクタンス値をそれ自体のボルツマン関数のA1及びA2に規格化した。

0124

生のコンダクタンス値をそれ自体のボルツマン関数のA1及びA2に規格化した。次いで、各EKCトランスフェクト細胞で規格化コンダクタンスを電圧に対してプロットし、再び個別ボルツマン関数で当てはめた。結果に提示された平均調整R2値及びV0.5値は、こうした当てはめから取り出された。図5Biiiでは、細胞を横切る平均規格化コンダクタンスを電圧に対してプロットした後、最終ボルツマン関数で当てはめた。慣例に従って、この当てはめで調整されたR2値及びV0.5値は、報告しなかった。

0125

レンチウイルス合成
CMV−KCNA1レンチベクターは、Wykes et al., 2012で使用されるものと等しく、配列番号6に示されるヌクレオチド配列を有する。

0126

10%熱不活性化ウシ胎仔血清及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンが補足されたGibco(登録商標)DMEM+GlutaMAX(商標)中でHEK293プロデューサー細胞を成長させた。37℃の加湿5%CO2雰囲気中で培養物を対数増殖期に維持した。0.05%トリプシンEDTA(Thermo Fisher Scientific)を用いて3〜4日ごとに細胞をスプリットしたが、15継代を超えて成長させなかった。レンチウイルス合成では、細胞を約70%の集密度まで成長させ、pMDG−VSV.G、pCMVdR8.74D64V及びEKCトランスファープラスミド又はそのdscGFPのみの対照のいずれかと共に一過的に共トランスフェクトした。pMDG−VSV.G及びpCMVdR8.74D64Vは、A.J. Thrasher and W. Qasim(UCL Institute of Child Health)の実験室からギフトとして得た。pMDG(VSV−G)は、水疱性口内炎ウイルスエンベロープ糖タンパク質をコードする。VSV−Gでシュードタイプされたレンチベクターは、広い指向性を呈し、超遠心分離時に機械的破壊に対して比較的耐性である(Burns et al., 1993)。pCMVdR8.74D64Vは、そのインテグラーゼコード配列にアスパラギン酸64−バリン突然変異を有する第二世代ヒト免疫不全ウイルス1(HIV−1)パッケージングプラスミドである。この突然変異は、野生型レベルと比較してゲノムインテグレーションを1/10,000に低減する(Leavitt et al., 1996)。エンベローププラスミド対パッケージングプラスミド対トランスファープラスミドの質量比は、1:2.5:1.5であった。トランスフェクションは、100μgの全プラスミドDNA当たり約160μlのLipofectamine(登録商標)2000トランスフェクション試薬(Thermo Fisher Scientific)を用いて実施した。18時間後にトランスフェクション培地を除去して新鮮培地で置き換えた。トランスフェクションの40時間後及び60時間後に2つの培地採取物を採取した。各採取時に細胞脱離を最小限に抑えるように特別な注意を払った。採取された培地を4℃において1000rpmで3分間遠心分離することによりプレクリーニングし、0.45μmミクロ細孔に通して濾過し、4℃で貯蔵した。次の組成(mM単位):50トリス−HCl、100 NaCl、0.5 EDTA(pH7.4、10%w/vスクロース)を有するスクロース溶液上に培地をオーバーレイし、4℃において20,000rpmで2時間遠心分離した。上清廃棄し、レンチウイルスペレット無菌PBS中に再懸濁させた。レンチウイルスサスペンジョンアリコートに分けて液体窒素中でスナップ凍結した後、−80℃で長期貯蔵を行った。Lenti-X(商標)p24迅速力価キット(Clontech)を用いてウイルス力価概算値を得た。各ウイルスの3つの個別アリコートを用いて各力価測定をトリプリケートで実施した。推定力価は、2.42×109IU/ml(EKC)及び4.26×109IU/ml(対照)であった。

0127

外科手順
実験は、すべてUnited Kingdom Animal (Scientific Procedures) Act 1986に準拠して実施した。成体雄ラット(スプラーグドーリー、ロング−エバンス又はリスターフーデッド、300〜400g)を麻酔して定位フレーム(Kopf)に配置した。15ngのTeNT(G. Schiavo(UCL Institute of Neurology)の実験室からのギフト)を100nl min−1の速度において1.0μlの最終体積で右視覚皮質の層5に注入した(座標ブレグマ側方3mm、後方7mm、軟膜から深さ1.0mm)。ECoGトランスミッター(A3028E、Open Source Instruments、MA、USA)を注入部位の上方に位置決めされた硬膜下頭蓋記録電極と共に皮下に植え込んだ。参照電極を対側頭骨内に植え込んだ。11又は14日後にレンチウイルスベクターを送達するためにカニューレ(Plastics One)を注入部位の上方に位置決めした。各ラットは、発作焦点に直接注入された最大2.0μlのレンチウイルスの投与を受けた。TeNTが注入された動物を研究継続期間にわたりファラデーケージに個別に収容した。

0128

ECoG取得及び分析
術後6週間までECoGを連続記録した。Open Source Instrumentsから購入したハードウェア及びソフトウェアを用いてデータを取得した。発作の検出方法は、モデルの特徴付け、パイロット研究及び最終前臨床実験により異なっていた。モデルの特徴付けでは、神経学者による全ECoGデータセットの連続観測により発作を検出した。パイロット研究では、最初にECoGトレースを1sのエポックに分割した。4つのメトリックパワーコーストラインインターミッテンシー及びコヒーレンス)を各エポックで定量し、それらの値を、発作活動を表すものとしてビデオにより検証されたエポックのユーザー管理ライブラリーのものと比較した(Wykes et al., 2012)。対応する値は、発作活動を含有するものとして同定された5つ以上の逐次エポックのすべての例を回収した統合スクリプトに供給した。統合出力中の発作は、すべて実験者により検証された。最終前臨床試験では、各エポックに対して6つのメトリック(パワー、コーストライン、インターミッテンシー、コヒーレンス、アシンメトリー及びリズム)を定量し、統合スクリプトを用いることなく対応する値をすべて発作活動に関してチェックした。この実験の発作回数は、治療に対して盲検化された実験者により実測された。すべてのデータセットに対して、発作の最小持続時間を10sに設定した。

0129

動作発作の評価
エレクトログラフィー発作の動作相関の評価は、神経学者により行った。5週間の記録から発作をランダムに選択し、ECoGトレースにタイムロックされたトップダウンビデオ映像を用いて関連動作を観察した。

0130

免疫組織化学
レンチウイルス注入1週間後、最後にラットをナトリウムペントバルビタール(Euthatal、Merial)で麻酔し、低温(4℃)ヘパリン処理PBS(80mg/リットルヘパリンナトリウム塩、Sigma)及び続いてPBS中4%パラホルムアルデヒド(PFA)(Santa Cruz Biotechnology)を経心的に灌流させた。脳を摘出して4℃の4%PFA中でさらに24時間にわたり後固定した。PBS中で洗浄後、振動ミクロトーム(Leica)を用いて脳を70μm冠状切片にスライスした。PBS+0.02%アジ化ナトリウム(Sigma)中4℃でスライスを浮遊貯蔵した。抗体染色では、切片をPBS+0.3%トリトンX−100(Sigma)中で20分間透過化した後、PBS+0.3%トリトンX−100(Sigma)、1%ウシ血清アルブミン(Sigma)及び4%ヤギ血清(Sigma)中で1時間ブロッキングした。PBS+0.3%トリトンX−100及びウサギ抗NeuN(1:750希釈、ab177487、Abcam)、マウス抗GFAP(1:500希釈、MAB3402、Merck Millipore)又はマウス抗GAD67(1:500希釈、MAB5406、Merck Millipore)一次抗体中、4℃で切片を一晩インキュベートした。PBS中で10分間洗浄を3回行った後、PBS+関連Alexa Fluor(登録商標)594コンジュゲート二次抗体ヤギ抗ウサギ(A-11037、Thermo Fisher Scientific)又はヤギ抗マウス(A-11005、Thermo Fisher Scientific)、両方とも1:750希釈)中、室温でスライスを3時間インキュベートした。PBS中で10分間洗浄をさらに3回行った後、Vectashield(登録商標)HardSet(商標)封入媒体(Vector Laboratories)及びボロシリケートガラスカバースリップ(VWR)を用いて、スライスをプレーンガラス顕微鏡スライド(Thermo Fisher Scientific)上にマウントした。2つの顕微鏡:2.5×、10×及び40×EC Plan-Neofluar非液浸対物レンズを備えたAxio Imager A1蛍光顕微鏡(AxiovisionLEソフトウェア)又は40×及び63×EC Plan-Neofluar油浸対物レンズ(Zeiss)を備えた倒立LSM710共焦点レーザー走査顕微鏡(ZEN 2009ソフトウェア)の1つを用いて明視野画像及び蛍光画像を取得した。共焦点顕微鏡では、dscGFP及びAlexa Fluor(登録商標)594をそれぞれアルゴンの488nm線及び561nm線又はダイオードポンプ固体DPSS)レーザーで励起した。画像処理は、すべてImageJソフトウェアを用いて実施した。複合画像は、MosaicJ ImageJプラグインを用いてアセンブルした。

0131

統計
治療データ図3D、7C)の有効性は、動物のランダム効果(自己回帰共分散)と、治療群、週及び治療群と週との間の相互作用固定効果とを含む一般化対数線形混合モデルを用いて分析した。マンホイットニーU検定を用いて治療前の週の発作回数(図7C)を比較した。ウェルチの一元配置ANOVA及び続いてゲイムス・ハウエル事後検定を用いて+20mVの電流密度(図5Bii)を比較した。

0132

結果
視覚皮質へのTeNTの注入は、離散発作を有する焦点てんかんモデルを生成する
マウスで開発されたモデルから始めて(Mainardi et al., 2012)、本発明者らは、9匹の成体雄スプラーグドーリーラットの視覚皮質へのTeNTの注入により引き起こされる発作のエレクトログラフィー的特徴、時間的進展及び動作相関を特徴付けた。運動皮質へのTeNT注入後に見られる短時間のほぼ連続したてんかん様放電とはきわめて対照的に(Wykes et al., 2012)、視覚皮質への注入は、離散自発発作を生成した(図1A)。発作は、TeNT注入の約4日後に現れ、7〜10日間にわたり頻度が増加し、2〜3週間でプラトーに達し、5又は6週間後にほとんどの動物で消散した(図1B、C)。各動物が経験した全発作回数は、かなり変動した。平均発作持続時間は、経時的に進展し、最初の週の50s弱からその次の4週の約100sまで増加した(図1D)。タイムロックビデオECoGを利用して、発作のランダムに選択されたサブセットの動作相関を同定した(n=102、図1E)。11例の発作(10.8%)では、記録が中断されたため又は動物がその環境向上材料に入って見えない状態であったため、関連動作は観察不能であった。残りの発作は、すべて観察可能な動作相関を有していた。45例の発作(44.1%)では、これらは、繊細であり、瞬きの繰返し、動揺急増又は積極的探索動作を含んでいた。19例の発作(18.6%)では、片側運動関与、例えば対側肢単収縮が観測され、さらなる6例(5.9%)では、両側運動症状が見られた。21例の発作(20.6%)は、完全な両側強直間代発作に発展した。焦点新皮質てんかんのこのモデルは、系統特異的ではなかった。リスターフーデッドラット及びロング−エバンスラットの両方で類似の発作が引き起こされた(図2)。

0133

パイロット試験は、KCNA1遺伝子療法が自発発作を低減するのに十分であることを示す
本発明者らは、EPCモデル(Wykes et al., 2012)で当初使用されたCMV駆動Kv1.1ベクター(CMV−KCNA1)がこうしたより長くより複雑な発作に対して効果を維持するかどうかを求めた。TeNT注入の2週間後、自発発作が確定されてから、動物を2つの群にランダムに分割し、あらかじめ植え込まれたカニューレを介してCMV−KCNA1レンチベクター又は緑色蛍光タンパク質(GFP)のみを発現する対照レンチベクターのいずれかを注入した。ECoG記録をさらに4週間継続した。すでに観測されているように(Wykes et al., 2012)、CMV−KCNA1レンチベクターは、ニューロンの狭い皮質柱内に導入された(図3A)。全発作回数の変動が大きいことを考慮して、2つの治療群間の発作頻度を比較するために、各週に経験した発作回数を治療前の週(ベースライン週(BI))に各動物が経験した数に規格化した。CMV−KCNA1レンチベクターは、治療後の週の規格化発作頻度を有意に低減した(0〜3週にわたる一般化対数線形混合モデル、治療×週相互作用効果:F(1,60)=69.499、p<0.001、図3D)。治療効果は、迅速に出現した。2つの治療群の累積1日発作頻度のプロットは、レンチベクター注入の3日以内に発散し始める(図3E)。Kv1.1過剰発現は、発作持続時間に影響を及ぼさなかった(データは示されていない)。

0134

てんかんは、いくつかの併存症を伴う。これらの中には、側頭葉てんかんで発作間放電に強くに相関する認知障害が含まれる(Holmes GL 2013;Bragatti JA et al 2014;Dinkelacker V et al 2016)。同様に、新皮質では、発作間活動が正常脳機能に有意な撹乱を引き起こす可能性がある。発作頻度の抑制に加えて、CMV−KCNA1レンチベクターによるKv1.1過剰発現は、てんかん原性に合致するもう1つのシグネチャーである発作間放電の頻度を有意に低減した(図4)。

0135

焦点新皮質てんかんの本発明者らのモデルは、系統特異的ではなかったため(図2)、この初期の試験は、3つの異なる系統(スプラーグドーリー、リスターフーデッド及びロング−エバンス)の16匹の動物を含んでいた。CMV−KCNA1治療の好影響が少数のリスターフーデッド動物及びロング−エバンス動物によりバイアスされないことを保証するために、スプラーグドーリー動物のみで発作頻度データを再分析した。小さいサンプルサイズにもかかわらず(6例の治療対5例の対照)、CMV−KCNA1レンチベクターは、治療後の週で規格化発作頻度を依然として有意に低減した(0〜3週の一般化対数線形混合モデル、治療×週相互作用効果:F(1,40)=4.851、p=0.033)。したがって、このパイロット試験は、KCNA1の過剰発現が離散自発発作回数を低減するのに十分であることを強く示唆する。

0136

臨床移行に最適化された遺伝子療法ツールの設計及び特徴付け
KCNA1遺伝子療法を診療に近づけるために、本発明者らは、新たなレンチウイルストランスファープラスミドを設計した(図5Aii)。発現を興奮性ニューロンにバイアスするために、元のCMV−KCNA1構築物図5Ai)のCMVプロモーターを1.3kbのヒトCAMK2Aプロモーター(hCAMK2A)で置き換えた(Dittgen et al., 2004;Yaguchi et al., 2013)。KCNA1遺伝子をヒト細胞における発現にコドン最適化し、通常、RNA編集により形成されるI400Vアミノ酸変化を導入するように突然変異させた。I400V置換は、Kv1.1チャネルが不活性化から回復する速度の20倍増加を誘発する(Bhalla et al., 2004)。前臨床評価では、dscGFPレポーター遺伝子をT2Aペプチドにより操作されたカリウムチャネル(EKC)遺伝子に結合させた。これにより、単一プロモーターからの二重タンパク質発現を可能にする。

0137

本発明者らのEKCレンチウイルストランスファープラスミド(図5Aii)の顕著な成分としては、以下のものが挙げられる。
1)1.2kbの上流DNAに結合されたCAMK2Aの100bpの5’非翻訳領域を含む1.3kbのヒトCAMK2Aプロモーター(hCAMK2A)。類似のサイズのネズミCamk2aプロモーターは、レンチウイルス注入されたラットバレル皮質(Dittgen et al., 2004)及び長動物運動皮質(Yaguchi et al., 2013)において錐体ニューロン特異的遺伝子発現を駆動することが示されている。これは、霊長動物の皮質(Lerchner et al., 2014)又は運動皮質(Yaguchi et al., 2013)へのレンチウイルス注入後にグリア内で優先的にトランスジーン発現を駆動することが知られる本発明者らのパイロットベクターのCMVプロモーターとは対照的である。
2)チャネル不活性化性を改変するためにアデニン1998>グアニン点突然変異を有するコドン最適化KCNA1からなる操作されたカリウムチャネル遺伝子。コドン最適化は、Kv1.1発現の増加の利点を超えて有用である。それは、RNA標的化技術によるトランスジーン発現の特異的追跡を可能にする。さもなければ、トランスジェニックKCNA1と内因性KCNA1との識別はできないであろう。蛍光レポータータンパク質のコード配列がやむを得ず欠如したベクターを用いるとき、さらに翻訳パイプラインに沿ってかかる追跡が特に有用であることが証明されるであろう。負の膜電位では、未編集I400を含有するチャネルは、その編集(V400)カウンターパートの約1/20の速度で不活性化から回復する(Bhalla et al., 2004)。不活性化からより速く回復するKv1.1チャネルは、神経系興奮性を弱めると予想されるため、本発明者らは、A1998G点突然変異を意図的に導入することにより本発明者らのコドン最適化KCNA1におけるRNA編集をあらかじめ回避することを決定した。
3)T2AペプチドによりEKCに結合されたきわめて明るいdscGFPレポーター遺伝子。2Aペプチドは、リボソーム媒介翻訳時にペプチド結合形成を障害することにより単一プロモーターからのマルチシストロニック遺伝子発現を可能にする短い(約20アミノ酸)配列である(Szymczak and Vignali, 2005)。重要なこととして、2Aペプチドの両側の遺伝子は、翻訳が同時に行われて1:1の比で発現される。したがって、レポーター発現は、治療トランスジーン発現の非常に信頼できるインジケーターとしての役割を果たす。この構成は、治療及びレポーターのトランスジーンが個別の識別可能なプロモーターの転写制御下に配置された本発明者らのパイロットベクターのものとは対照的である。

0138

これらの実験に使用されるEKCトランスファープラスミドは、配列番号7に示された配列を有する。dscGFPのみの対照トランスファープラスミドの配列は、配列番号8に示された配列を有する。

0139

機能性Kv1.1チャネルを生成するように最適化トランスファープラスミドをデコード可能であるかを決定するために、EKC又はdscGFPのみの対照のトランスファープラスミドをNeuro−2a細胞に一過的にトランスフェクトし、全細胞パッチクランピングに付した。トランスフェクション混合物暴露されたが、dscGFP蛍光の欠如した細胞を第2のセットの対照として使用した。典型的な電圧ステッププロトコルは、両方の対照群で無視し得る外向き電流を誘起したが、EKCトランスファープラスミドがトランスフェクトされたNeuro−2a細胞は、数ナノアンプの大きさのピークを有する大きい電圧依存電流を示した(図5Bi、ii)。最大脱分極電圧ステップ(+20mV)における電流密度は、EKCトランスフェクト細胞では対照よりも有意に大きく、ごく小さい内因性電圧依存電流を示した(図5Bii)。非トランスフェクト細胞と、対照プラスミドがトランスフェクトされた細胞との間の電流密度に有意差はなかった(図5Bii)。本発明者らの分子最適化がKv1.1チャネル活性化の電圧依存性に影響を及ぼすかを決定するために、各EKCトランスフェクト細胞に対して規格化コンダクタンス−電圧プロットを個別ボルツマン関数で当てはめた。平均調整R2が0.995±0.0007であることから、すべての細胞にわたり良好な当てはめが実証された。−28.2±0.4mVの平均V0.5は、CMV駆動野生型KCNA1がトランスフェクトされたHEK293細胞から得られた値(−32.8±0.9mV)に類似していた(Tomlinson et al., 2013)。すべてのSKCトランスフェクト細胞でそれ自体のボルツマン関数で当てはめた電圧に対する平均規格化コンダクタンスのプロットは、図5Biiiに提供される。全体として、最適化EKCトランスファープラスミドは、ロバストなKv1.1電流の形成を支援することがこれらのデータから示唆される。

0140

EKCトランスファープラスミドを非インテグレーティングレンチウイルスベクターにパッケージした(Yanez-Munoz et al., 2006)。ラット視覚皮質に注入した場合、このレンチベクターは、dscGFPレポーターの強い局在化された発現を駆動した(図5C)。逐次的脳スライスのイメージングでは、約0.075mm3の推定トランスダクション体積が得られた(図6)。免疫組織化学では、dscGFP発現とグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)染色との間に目に見えるオーバーラップは示されなかった(GFAPと共に共局在化されたdscGFP+細胞数0/512、n=3動物、図5Di)。これとは対照的に、dscGFP+細胞は、すべて神経系マーカーNeuNと共に共局在化された(714/714、n=3動物、図5Di)。EKCレンチベクターからのトランスジーン発現は、ニューロンに制限されることがこれらのデータから示唆される。dscGFP発現と、GABA作動性ニューロンに対する酵素マーカーであるグルタミン酸デカルボキシラーゼ67(GAD67)による染色との間に最小限のオーバーラップが存在した(GAD67と共に共局在化されたdscGFP+細胞数3/603、n=3動物、図3Diii)。このことから、EKCトランスジーン発現は、興奮性ニューロンに主に制限されることが示唆される。

0141

EKC遺伝子療法は、ランダム化盲検化前臨床試験で発作頻度を低減する
EKCレンチベクターの有効性を試験するために、本発明者らは、臨床試験条件を模倣するランダム化盲検化前臨床試験を設計し、低減された発作頻度を主アウトカム尺度として選択した。わずかに低減された効力を有する新たなバッチのTeNTは、より少ない全発作を惹起し、動物福祉を改善した。TeNT注入の11日後、26匹のスプラーグドーリーラットを2群にランダムに分割し、あらかじめ植え込まれたカニューレを介してEKCレンチベクター又はdscGFPのみの対照ベクターのいずれかを注入した。ECoG記録をさらに4週間継続した。発作活動が最高になる時期を捕らえるために、タイムラインをパイロット試験のものから11日後に治療するように変更した(TeNT後2〜4週間)。ロバストなてんかんを発生できない動物の交絡した影響を最小限に抑えるために、治療前の週に5回未満の発作を経験した場合には対象を除外した。この基準を非盲検化前に適用して、8匹の動物(6匹のEKC、2匹の対照)の除外を行った。ウイルス注入前の週に遭遇した発作回数に関して治療群間に有意差はなかった(マンホイットニーU検定、p=0.185)。EKC治療は、経時的発作頻度のロバストな減少を生じることが主アウトカム尺度の分析から示唆された(週0〜3の一般化対数線形混合モデル、治療×週相互作用効果:F(1,67)=29.704、p<0.001、図7C)。パイロット試験のときと同じように、効果は、記録の継続期間にわたり続き、絶対効果サイズは、対照群で発作が寛解したときにのみ減少した。この場合にも、治療効果は、迅速に出現し、2群の累積1日発作頻度のプロットは、治療2日後に発散し始める(図7D)。

0142

考察
EKC遺伝子療法は、安全性及び診療への移行を改善するように適合化された形態で焦点新皮質発作に有効な新たな治療を提示する。

0143

本発明者らは、Kv1.1の過剰発現がEPCの運動皮質TeNTモデルでてんかん様放電の頻度を低減可能であることをすでに示した(Wykes et al., 2012)。しかしながら、Kv1.1過剰発現が離散長期持続性発作を抑制するのに十分であるかは不明であった。本発明者らは、Kv1.1過剰発現が発作頻度を低減するのに実際に十分であることをここで2つの独立した実験で示す。発作回数に対する効果は、明らかであるが、発作は、開始後、治療動物及び対照動物の両方で類似のエレクトログラフィー的特徴を有する類似のパターンで進行する。

0144

後頭皮質へのTeNTの注入は、運動皮質へのTeNTの注入(<1s)よりも顕著に長く(50〜150s)持続する発作を誘発した(Wykes et al., 2012)。この差は、ヒト患者において後頭葉発作及びEPCで見られるものに相当し、後頭皮質及び運動皮質における異なる接続性の帰趨であり得る。皮質構造がTeNT傷害により誘発されるてんかん様活動のタイプにどのような影響を与えるか決定するためにさらなる研究が必要であろう。

0145

レンチウイルス遺伝子療法アプローチは、CNS障害においてより一般的になってきており、長期試験でさえも良好な安全性及び耐容性を示してきた(Palfi et al., 2014)。てんかんの場合、さらなる安全上の問題は、介在ニューロンにおけるカリウムチャネル過剰発現の可能性であり、これにより局所興奮性の減衰ではなく増悪によって発作活動を悪化させる可能性がある。このリスクを軽減するために、本発明者らは、ラットのGABA作動性細胞においてごくわずかな発現をもたらすヒトCAMK2Aプロモーターを利用した。齧歯動物皮質の興奮性錐体ニューロンの少数は、GABA及びグルタメートに関して陽性に染色されるため、特異性の本発明者らの推定は、わずかに保守的である可能性もあり(Hill et al., 2000;Lavdas et al., 1996)、したがって錐体の形態及び生理機能にもかかわらずGAD67を発現する可能性もある。

0146

神経系興奮性をレギュレートするKv1.1をはじめとするカリウムチャネルの役割は、広範なニューロンにわたり保存されるため、カリウムチャネル過剰発現は、神経系過興奮性により特徴付けられる他の疾患の治療で治療の見込みを保持し得る。現在、慢性疼痛に対する新たな治療の必要性が臨床的に満たされないまま存在し、後根神経節ニューロンの興奮性の低減を目的としたさまざまな遺伝子療法アプローチは、前臨床有効性がすでに実証されている(Snowball and Schorge, 2015)。パーキンソン病などの他の障害は、特定のグループのニューロンの過剰活動に関連付けられ得ると共に(Lobb、2014)、適当な細胞型特異的プロモーターが同定可能でる場合に治療の候補になり得る。

0147

参考文献
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0148

配列アネックス
模範的操作されたヒトKCNA1遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号1)



(式中、nは、T又はCである)
位置400にバリン(下線付き)を含む編集されたヒトKv1.1のアミノ酸配列(配列番号2)



模範的ヒトCAMK2Aプロモーターのヌクレオチド配列(配列番号3)



ヌクレオチド位置1998にアデニン(下線付き)を含む野生型KCNA1コード配列のヌクレオチド配列(配列番号4)



位置400にイソロイシン(下線付き)を含む野生型ヒトKv1.1のアミノ酸配列(配列番号5)



レポーターが欠如している模範的操作されたKCNA1遺伝子ウイルスベクターのヌクレオチド配列(細菌プラスミド部分を含まない)(配列番号9)









(式中、nは、T又はCである)
位置400にバリン(下線付き)及び位置379にバリン(太字)の置換を含む編集されたヒトKv1.1のアミノ酸配列(配列番号14)

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