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解決手段

本発明は、哺乳動物対象の神経臨床適応症治療するための組成物、手段及びキットを開示する。組成物は、とりわけ、抗炎症剤ダイサー活性化剤との相乗的組み合わせ、好ましくは、セレコキシブシプロフロキサシンとの組合せを含む。更に、本発明は、運動ニューロン疾患(MND)、ALS、FTD(前頭側頭認知症)、黄斑変性(AMD)、自閉症、並びにパーキンソン病及びアルツハイマー病などの神経変性疾患を含む神経疾患治療方法に用いる前述の組成物を開示する。

概要

背景

運動ニューロン疾患(MND)は、病因学的に不均質障害群であって、下位運動ニューロン及び/又は上位運動ニューロンの選択的な変性にそれぞれ起因する筋力低下及び/又は痙性麻痺を特徴としている。

現在研究されているMNDは、筋萎縮性側索硬化症ALS)、遺伝性痙性対麻痺(HSP)、原発性側索硬化症PLS)、脊髄性筋萎縮症SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、及び致死性先天性拘縮症候群(lethal congenital contracture syndrome)(LCCS)であるが、ALSが最も一般的な成人発症型のMNDである。中枢性障害のいくつかの例としては、脳血管障害パーキンソン病多発性硬化症ハンチントン病、及びクロイツフェルトヤコブ病が挙げられる。脊髄性筋萎縮症は下位運動ニューロンの障害であるのに対し、筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの混合性障害である。参考文献として本明細書に援用される、Dion, P. A., Daoud, H., & Rouleau, G. A. (2009). Genetics of motor neuron disorders: new insights into pathogenic mechanisms. Nature Reviews Genetics, 10(11), 769を参照されたい。

ALSは、MNDの例として本明細書に示されているが、上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方の神経変性進行性筋障害筋萎縮診断からおよそ5年以内の死を特徴とする神経変性疾患である。

ALSの臨床的に区別できない形態は、既知の変異がない状態では散発性疾患として生じるか、又は遺伝子変異によって始まり得る。家族性症例の約3分の2は、染色体オープンリーディングフレーム72(C9ORF72)、Cu/Znスーパーオキシドジスムターゼ(SOD1)、fused in sarcoma/translocated in liposarcoma(FUS/TLS)、TAR‐DNA結合タンパク質43(TDP43)である4つの遺伝子の変異によって、トリガーされる。参考文献として本明細書に援用される、Volonte, Apolloni, S., & Parisi, C. (2015). MicroRNAs: newcomers into the ALS picture.CNS& Neurological Disorders-Drug Targets (Formerly Current Drug Targets-CNS & Neurological Disorders), 14(2), 194-207を参照されたい。

前頭側頭認知症(FTD)は、神経変性の病気であって、主に前頭葉及び/又は側頭葉関与する進行性ニューロン欠損と、紡錘形ニューロンの70%を超える一般的な欠損とを特徴とするが、他のニューロン型はインタクトなままである。近年の複数の研究結果には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病因に対する注目すべき見識が示されており、ALSとFTDの間の機構的な関連と、ALSと他の神経変性疾患、例えば、小脳萎縮筋緊張性ジストロフィー封入体筋炎との間の機構的な関連とが明らかにされている。参考文献として本明細書に援用される、Robberecht, Wirn, and Thomas Philips. "The changing scene of amyotrophic lateral sclerosis." Nature Reviews Neurosciencel4.4 (2013): 248を参照されたい。

ALSの病因はまだ明らかではない。次の節に詳述するように、幾つかの病因的要素としては、炎症とマイクロRNAの関与が挙げられる。

炎症:動物学的及び病理学的研究は、炎症がALSの病態に影響を与え、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)が予防となるかも知れないことを示唆している。ALSの典型的な特徴は、神経炎症(neuroinflammation)である。神経炎症はシクロオキシゲナーゼ‐2(COX‐2)によって促進され、COX‐2の活性は非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)によって阻害され得る。NSAIDは、ALSのトランスジェニックマウスモデル生存期間を延ばしたが、臨床試験の結果には、ALS疾患の進行に対する選択的COX‐2阻害剤セレコキシブ保護効果が見いだされなかった(参考文献として本明細書に援用される、Cudkowicz ME, et al (2006). Trial of celecoxib in amyotrophic lateral sclerosis. Ann Neurol.; 60:22-31を参照)。加えて、NSAID使用とALS(n=111症例)に関する症例対照研究によって、発症前のNSAID使用がリスクを軽減するか、又はALSの発症を遅らせることができるかを評価することでは、決定的な結果は得られなかった。参考文献として本明細書に援用される、Popat RA, et al. (2007), Effect of non-steroidal anti-inflammatory medications on the risk of amyotrophic lateral sclerosis. Amyotroph Lateral Scler.;8:157-63、及びFondell, Elinor et al. "Non-Steroidal- Anti-Inflammatory Drugs and Amyotrophic Lateral Sclerosis: Results from 5 Prospective Cohort Studies," Amyotrophic lateral sclerosis : official publication of the World Federation of Neurology Research Group on Motor Neuron Diseases 13.6 (2012): 573-579を参照されたい。

マイクロRNA:ALSの原因は、その影響を受ける人もいれば、受けない人もいるという理由により、分かっていない。ただし、専門家統一見解は、種々の細胞における分子変化が疾患の発生及び進行に関与している、ということである。例えば、運動ニューロン死は、RNA分子プロセシングを含む種々の細胞欠陥によって引き起こされる。

正常な老化又は神経変性疾患中においては、神経の生存及び機能は、タンパク質恒常性によって異なっており、タンパク質の恒常性は、マイクロRNA(miRNA)経路を含む複数の機構によって調節される。マイクロRNAは、真核生物遺伝子発現転写後調節に関与する内因性の小さなノンコーディングRNA分子のサブセットである。長い一次転写物として産生され、これらの転写物細胞質輸送され、更に修飾されて成熟miRNAが得られ、これらの生合成の各段階は、調節の可能性がある段階である。中枢神経系(CNS)のmiRNA関連経路の調節異常は、重度神経損傷及び細胞死と関連しており、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性障害の発生につながる可能性がある。参考文献として本明細書に援用される、Rinchetti, P., Rizzuti, M., Faravelli, I, & Corti, S. (2017). MicroRNA metabolism and Dysregulation in amyotrophic lateral sclerosis. Molecular neurobiology, 1-14を参照されたい。

更に、種々の細胞型では、重要なmiRNAプロセシング酵素であるダイサーが存在しないことにより、細胞自律的機構及び非細胞自律的機構を介して神経変性が生じる。特定のmiRNAの欠損は、幾つかのモデル生物の神経変性も引き起こす。一方、miRNAの発現は、様々な神経変性疾患の患者において誤調節される。故に、miRNA経路は複数の年齢依存性神経変性疾患の発生に不可欠と考えられるが、基礎となる機構についての本発明者らの理解は初歩的なものにとどまる。Gascon, E., & Gao, F.-B. (2012). Cause or Effect: Misregulation of microRNA Pathways in Neurodegeneration. Frontiers in Neuroscience, 6, 48は、参考文献として本明細書に援用される。

miRNAの生合成の欠損は、インビボにおいて脊髄運動ニューロンの変性を引き起こすことが示されている(参考文献として本明細書に援用される、Haramati, Sharon, et al. "miRNA malfunction causes spinal motor neuron disease. " Proceedings of the National Academy of Sciences 107.29 (2010): 13111-13116を参照)。加えて、miRNAレベルの減少は、家族性及び散発性のヒトALSの複数の形態について共通の分子共通性質であることと、小分子であるエノキサシンによるダイサー活性の向上は、独立した2つのALSマウスモデルにおいてインビボで有益であることとが実証された。参考文献として本明細書に援用される、Emde, Anna et al "Dysregulated miRNA Biogenesis Downstream of Cellular Stress and ALS-causing Mutations: A New Mechanism for ALS. " TheEMBO Journal 34.21 (2015): 2633-2651を参照されたい。

治療:患者の管理には主に、対症療法、例えば、痙縮への筋弛緩剤の使用、及び構音障害への言語療法が介在する。参考文献として本明細書に援用される、Hardiman, O., et al (2017). Amyotrophic lateral sclerosis. Nature Reviews Disease Primers, 3, 17071を参照されたい。

リルゾール治療は、臨床試験によりALSの進行を緩やかに遅らせることが示された後、1995年に承認された。別の薬剤であるエダラボンがALS治療向けにFDAによって承認されるまでに22年が経過した。参考文献として本明細書に援用される、Brooks, B. R., et al (2018). Edaravone in the Treatment of Amyotrophic Lateral Sclerosis: Efficacy and Access to Therapy - A Roundtable Discussion. The American journal of managed care, 24(9 Suppl), S175-S186を参照されたい。

加齢黄斑変性:加齢黄斑変性(AMD)は、米国及び他の先進国における失明の主な原因である。推定1000万人の米国人がAMDを患っており、その範囲は、がんを抱えて生活する1200万人(Hayat et al., 2007)、又はアルツハイマー病を抱える500万人に匹敵する。AMDの有病率は年齢とともに徐々に増加し、40の人口の2%が、そして80歳までに4人に1人が罹患している。

AMDには、「萎縮(dry)」型と「滲出(wet)」型の2種類がある。萎縮性AMDは通常、ある程度の視力障害を引き起こし、重度の失明に進行することもある慢性疾患である。これに対して、滲出性AMDは、AMD患者の10〜15%しか罹患せず、不意に明らかになり、治療せずに放置すると失明に急速に進行する。AMD患者は通常、最初に萎縮型を発病するため、滲出性AMDは萎縮性AMDを背景として生じ、それ故に、萎縮性AMDは、滲出性AMDの危険因子か、更には前駆状態と考えることができる。

無症候性であるAMDの初期では、ドルーゼン(drusen)と呼ばれる不溶性細胞外凝集体網膜蓄積する。地図状萎縮(GA)としても知られている萎縮性AMDの後期では、網膜色素上皮(RPE)細胞と、その上に重なり栄養補助のためにRPEに依存する光感知網膜光受容体(light-sensing retinal photoreceptors)の変性の散在した又はコンフルエントな領域が特徴である。AMDの他の後期形態である滲出型では、脈絡膜血管新生(CNV)が代表的であって、外側網膜の下にある脈絡膜から外側網膜へ、未成熟な血管が新たに広がる。これらの未成熟な血管は、網膜の下に又は網膜内に流体漏出させる。

miRNAプロセシング酵素DICER1は、RPE細胞健康状態の重要な決定因子である。

DICER1には、炎症と全体的な(コーディングとノンコーディング)RNA発現とに対する影響を含む複数の機構を介してRPE細胞の健康状態及び機能を調節することにおいて役割がある。リボヌクレアーゼであるDICER1は、GA患者のRPEにおいて特異的に減少し、更に、DICER1のこの病理学的減少には、RPE細胞に対して毒性であるノンコーディングAlu RNAの異常な過剰を伴っていた。参考文献として本明細書に援用される、Ambati, J., & Fowler, B. J. (2012). Mechanisms of age-related macular degeneration. Neuron, 75(1), 26-39を参照されたい。

加えて、ダイサーの発現減少と関係するGAでは、ダイサーの阻害により、短い散在反復配列(SINE)に由来する約300‐ntのAluリピートRNAが蓄積する。この蓄積は細胞傷害性であり、インターフェロンを媒介としたカスパーゼ8依存性アポトーシスをトリガーする。AluリピートRNAをマウスの眼内に注入すると、GAが生成する。この状態は、AluリピートRNAのダイサー切断によって解放され、このことは、RNAのダイサー依存性分解が解毒作用に重要であることを示唆している。AluリピートRNAのダイサープロセシングは、宿主インフラマソームの活性化を防止する。DR2 AluリピートRNAは、ダイサー依存条件下で28‐65‐ntリピート誘導small RNA(riRNA)にプロセシングされる。これらのriRNAは、AGO3と結合することにより安定化し、mRNAキャッピング複合体をリクルートし、それによって、翻訳が阻止され、Nanog及びTdgf1 mRNAのような重要な幹細胞転写物が分解される。参考文献として本明細書に援用される、Song, M. S., & Rossi, J. J. (2017). Molecular mechanisms of Dicer: endonuclease and enzymatic activity. Biochemical Journal, 474(10), 1603-1618を参照されたい。

ALS疾患の希少性は、臨床経過における有意な患者間及び患者内の変動性と、信頼性のあるバイオマーカー不足とともに、ALSを治療するのに有効な薬剤の開発を困難にさせている。ALSの安全且つ有効な治療への要求は、依然として満たされていない。

AMDの治療への要求もほとんど満たされておらず、加齢黄斑変性(AMD)は、世界的な視覚罹患率の重要な原因であり、2040年までに2億8800万人が罹患すると予測されている。抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)剤による治療の出現は、血管新生AMDの治療に革命をもたらした(しかし、その進行を遅らせる地図状萎縮(GA)の治療には、同様のブレークスルーはなかった。)。分子モデル及び遺伝子モデルに基づく、疾患機構のイメージ化及び新たな理解の進歩は、それまでほとんど満たされていなかった要求に応えることを目的とする、GAの新規実験的治療選択肢の開発への道を開いた。参考文献として本明細書に援用される、Kandasamy, R., Wickremasinghe, S., & Guymer, R. (2017). New Treatment Modalities for Geographic Atrophy. Asia-Pacific journal of ophthalmology (Philadelphia, Pa.), 6(6), 508-513を参照されたい。

概要

本発明は、哺乳動物対象の神経臨床適応症を治療するための組成物、手段及びキットを開示する。組成物は、とりわけ、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組み合わせ、好ましくは、セレコキシブとシプロフロキサシンとの組合せを含む。更に、本発明は、運動ニューロン疾患(MND)、ALS、FTD(前頭側頭型認知症)、黄斑変性(AMD)、自閉症、並びにパーキンソン病及びアルツハイマー病などの神経変性疾患を含む神経疾患治療方法に用いる前述の組成物を開示する。

目的

分子モデル及び遺伝子モデルに基づく、疾患機構のイメージ化及び新たな理解の進歩は、それまでほとんど満たされていなかった要求に応えることを目的とする

効果

実績

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請求項1

請求項2

臨床適応症が神経疾患である、請求項1に記載の組成物。

請求項3

臨床適応症が運動ニューロン疾患(MND)である、請求項1に記載の組成物。

請求項4

臨床適応症が自閉症である、請求項1に記載の組成物。

請求項5

臨床適応症が黄斑変性である、請求項1に記載の組成物。

請求項6

臨床適応症が運動ニューロン軸索障害である、請求項1に記載の組成物。

請求項7

臨床適応症が自発運動障害である、請求項1に記載の組成物。

請求項8

臨床適応症がパーキンソン病である、請求項1に記載の組成物。

請求項9

臨床適応症がアルツハイマー病である、請求項1に記載の組成物。

請求項10

抗炎症剤が非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)である、請求項1に記載の組成物。

請求項11

NSAIDがCOX‐2阻害剤である、請求項7に記載の組成物。

請求項12

NSAIDがセレコキシブである、請求項7に記載の組成物。

請求項13

ダイサー活性化剤がシプロフロキサシンである、請求項1に記載の組成物。

請求項14

ダイサー活性化剤がシプロフロキサシン‐HClである、請求項1に記載の組成物。

請求項15

ダイサー活性化剤がエノキサシンである、請求項1に記載の組成物。

請求項16

運動ニューロン疾患が、筋萎縮性側索硬化症ALS)、遺伝性痙性対麻痺(HSP)、原発性側索硬化症PLS)、脊髄性筋萎縮症SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、及び致死性先天性拘縮症候群(LCCS)のうちの1種、並びにこれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。

請求項17

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約10:1から約1:1000(wt/wt)の範囲である、請求項1に記載の組成物。

請求項18

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約100:1から約1:1000(wt/wt)の範囲である、請求項1に記載の組成物。

請求項19

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:200の範囲である、請求項1に記載の組成物。

請求項20

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:50の範囲である、請求項1に記載の組成物。

請求項21

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:10の範囲である、請求項1に記載の組成物。

請求項22

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:10から約1:200の範囲である、請求項1に記載の組成物。

請求項23

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:10から約1:50の範囲である、請求項1に記載の組成物。

請求項24

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約10:1から約1:1の範囲である、請求項1に記載の組成物。

請求項25

抗炎症剤が、抗炎症性の臨床効果について示される用量よりも低い用量で投与される、請求項1に記載の組成物。

請求項26

ヒトのセレコキシブ用量が1日当たり約10mgから約800mgの範囲であり、ヒトのシプロフロキサシン用量が1日当たり約50mgから約2000mgの範囲である、請求項1に記載の組成物。

請求項27

抗炎症剤が、ステロイド類コルチコステロイド類又はNSAIDからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。

請求項28

ダイサー活性化剤がキノロン又はフルオロキノロンである、請求項1に記載の組成物。

請求項29

キノロンが、2‐キノロン、4‐キノロン、フルオロキノロン類ロメフロキサシンオフロキサシンノルフロキサシンガチフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、ゲミフロキサシンデラフロキサシンシノキサシンナリジクス酸トロバフロキサシンスパルフロキサシン、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項29に記載の組成物。

請求項30

NSAIDが、COX‐2阻害剤、COX‐1阻害剤、COX阻害剤アスピリン、セレコキシブジクロフェナクジフルニサルエトドラクイブプロフェンインドメタシンケトプロフェンケトロラクナブメトンナプロキセンメロキシカムメフェナム酸クロフェナメート、オキサプロジンピロキシカムサルサラート、スリンダクフェノプロフェンフルルビプロフェントルメチン、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項10に記載の組成物。

請求項31

錠剤カプセル剤丸剤凍結乾燥粉末乳剤顆粒化粉末、クリーム軟膏ペーストローションゲル液体溶液パッチ、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される手法により投与可能なように構成された、請求項1に記載の組成物。

請求項32

高速放出、徐放持続放出制御放出、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される手法により投与可能なように構成された、請求項1に記載の組成物。

請求項33

更に、可溶化剤、安定剤、緩衝剤浸透圧調整剤充填剤増粘剤/減粘剤、界面活性剤キレート剤アジュバント、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される成分を含む、請求項1に記載の組成物。

請求項34

抗炎症剤とダイサー活性化剤の両方を含む、哺乳動物対象の神経臨床適応症の相乗的治療のためのキット

請求項35

抗炎症剤とダイサー活性化剤の両方を含んだ投与単位を含む、哺乳動物対象の神経臨床適応症の相乗的治療のためのキット。

請求項36

抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを投与することを含む、哺乳動物対象の神経臨床適応症の治療方法

請求項37

臨床適応症が神経疾患である、請求項37に記載の方法。

請求項38

臨床適応症が運動ニューロン疾患(MND)である、請求項37に記載の方法。

請求項39

臨床適応症が自閉症である、請求項37に記載の方法。

請求項40

臨床適応症が黄斑変性である、請求項37に記載の方法。

請求項41

臨床適応症が運動ニューロンの軸索障害である、請求項37に記載の方法。

請求項42

臨床適応症が自発運動障害である、請求項37に記載の方法。

請求項43

臨床適応症がパーキンソン病である、請求項37に記載の方法。

請求項44

臨床適応症がアルツハイマー病である、請求項37に記載の方法。

請求項45

抗炎症剤が非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)である、請求項37に記載の方法。

請求項46

NSAIDがCOX‐2阻害剤である、請求項46に記載の方法。

請求項47

NSAIDがセレコキシブである、請求項46に記載の方法。

請求項48

ダイサー活性化剤がシプロフロキサシンである、請求項46に記載の方法。

請求項49

ダイサー活性化剤がシプロフロキサシン‐HClである、請求項37に記載の方法。

請求項50

ダイサー活性化剤がエノキサシンである、請求項37に記載の方法。

請求項51

運動ニューロン疾患が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、遺伝性痙性対麻痺(HSP)、原発性側索硬化症(PLS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、及び致死性先天性拘縮症候群(LCCS)のうちの1種、並びにこれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項39に記載の方法。

請求項52

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約10:1から約1:1000(wt/wt)の範囲である、請求項37に記載の方法。

請求項53

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約100:1から約1:1000(wt/wt)の範囲である、請求項37に記載の方法。

請求項54

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:200の範囲である、請求項37に記載の方法。

請求項55

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:50の範囲である、請求項37に記載の方法。

請求項56

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:10の範囲である、請求項37に記載の方法。

請求項57

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:10から約1:200の範囲である、請求項37に記載の方法。

請求項58

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:10から約1:50の範囲である、請求項37に記載の方法。

請求項59

抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約10:1から約1:1の範囲である、請求項37に記載の方法。

請求項60

抗炎症剤が、抗炎症性の臨床効果について示される用量よりも低い用量で投与される、請求項37に記載の方法。

請求項61

ヒトのセレコキシブ用量が1日当たり約10mgから約800mgの範囲であり、ヒトのシプロフロキサシン用量が1日当たり約50mgから約2000mgの範囲である、請求項37に記載の方法。

請求項62

抗炎症剤が、ステロイド類、コルチコステロイド類又はNSAIDからなる群より選択される、請求項37に記載の方法。

請求項63

ダイサー活性化剤がキノロン又はフルオロキノロンである、請求項37に記載の方法。キノロンが、2‐キノロン、4‐キノロン、フルオロキノロン類、ロメフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、ガチフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、ゲミフロキサシン、デラフロキサシン、シノキサシン、ナリジクス酸、トロバフロキサシン、スパルフロキサシン、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項18に記載の方法。

請求項64

NSAIDが、COX‐2阻害剤、COX‐1阻害剤、COX阻害剤、アスピリン、セレコキシブジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセンメロキシカム、メフェナム酸メクロフェナメート、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサラート、スリンダクフェノプロフェン、フルルビプロフェン、トルメチン、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項45に記載の方法。

請求項65

経口、局所、皮膚、経皮静脈内、皮下、筋肉内、関節内、坐剤脳室内吸入エアロゾル下、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される手法により、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを投与することを含む、請求項37に記載の方法。

請求項66

高速放出、徐放、持続放出、制御放出、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される手法により、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを投与することを含む、請求項37に記載の方法。

請求項67

1つずつ、非同時、順次及び同時からなる群より選択される手法により、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを投与することを含む、請求項37に記載の方法。

請求項68

単回投与、1日1回投与、1日2回投与、連続投与注入、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される手法により、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを投与することを含む、請求項37に記載の方法。

請求項69

組成物が、錠剤、カプセル剤、丸剤、凍結乾燥、粉末、乳剤、顆粒化粉末、クリーム、軟膏、ペースト、ローションゲル、液体、溶液、パッチ、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項37に記載の方法。

請求項70

組成物が、更に、可溶化剤、安定剤、緩衝剤、浸透圧調整剤、充填剤、増粘剤/減粘剤、界面活性剤、キレート剤、アジュバント、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される成分を含む、請求項37に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、哺乳動物対象の神経臨床適応症治療するための組成物、手段及びキットに関する。組成物は、とりわけ、抗炎症剤ダイサーDICER活性化剤との相乗的組合せを含む。具体的には、本発明は、運動ニューロン疾患(MND)、ALS、FTD(前頭側頭認知症)、黄斑変性(AMD)、自閉症、並びにパーキンソン病及びアルツハイマー病などの神経変性疾患を含む神経疾患に関係する。

背景技術

0002

運動ニューロン疾患(MND)は、病因学的に不均質障害群であって、下位運動ニューロン及び/又は上位運動ニューロンの選択的な変性にそれぞれ起因する筋力低下及び/又は痙性麻痺を特徴としている。

0003

現在研究されているMNDは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、遺伝性痙性対麻痺(HSP)、原発性側索硬化症PLS)、脊髄性筋萎縮症SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、及び致死性先天性拘縮症候群(lethal congenital contracture syndrome)(LCCS)であるが、ALSが最も一般的な成人発症型のMNDである。中枢性障害のいくつかの例としては、脳血管障害、パーキンソン病、多発性硬化症ハンチントン病、及びクロイツフェルトヤコブ病が挙げられる。脊髄性筋萎縮症は下位運動ニューロンの障害であるのに対し、筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの混合性障害である。参考文献として本明細書に援用される、Dion, P. A., Daoud, H., & Rouleau, G. A. (2009). Genetics of motor neuron disorders: new insights into pathogenic mechanisms. Nature Reviews Genetics, 10(11), 769を参照されたい。

0004

ALSは、MNDの例として本明細書に示されているが、上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方の神経変性進行性筋障害筋萎縮診断からおよそ5年以内の死を特徴とする神経変性疾患である。

0005

ALSの臨床的に区別できない形態は、既知の変異がない状態では散発性疾患として生じるか、又は遺伝子変異によって始まり得る。家族性症例の約3分の2は、染色体オープンリーディングフレーム72(C9ORF72)、Cu/Znスーパーオキシドジスムターゼ(SOD1)、fused in sarcoma/translocated in liposarcoma(FUS/TLS)、TAR‐DNA結合タンパク質43(TDP43)である4つの遺伝子の変異によって、トリガーされる。参考文献として本明細書に援用される、Volonte, Apolloni, S., & Parisi, C. (2015). MicroRNAs: newcomers into the ALS picture.CNS& Neurological Disorders-Drug Targets (Formerly Current Drug Targets-CNS & Neurological Disorders), 14(2), 194-207を参照されたい。

0006

前頭側頭型認知症(FTD)は、神経変性の病気であって、主に前頭葉及び/又は側頭葉関与する進行性ニューロン欠損と、紡錘形ニューロンの70%を超える一般的な欠損とを特徴とするが、他のニューロン型はインタクトなままである。近年の複数の研究結果には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病因に対する注目すべき見識が示されており、ALSとFTDの間の機構的な関連と、ALSと他の神経変性疾患、例えば、小脳萎縮筋緊張性ジストロフィー封入体筋炎との間の機構的な関連とが明らかにされている。参考文献として本明細書に援用される、Robberecht, Wirn, and Thomas Philips. "The changing scene of amyotrophic lateral sclerosis." Nature Reviews Neurosciencel4.4 (2013): 248を参照されたい。

0007

ALSの病因はまだ明らかではない。次の節に詳述するように、幾つかの病因的要素としては、炎症とマイクロRNAの関与が挙げられる。

0008

炎症:動物学的及び病理学的研究は、炎症がALSの病態に影響を与え、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)が予防となるかも知れないことを示唆している。ALSの典型的な特徴は、神経炎症(neuroinflammation)である。神経炎症はシクロオキシゲナーゼ‐2(COX‐2)によって促進され、COX‐2の活性は非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)によって阻害され得る。NSAIDは、ALSのトランスジェニックマウスモデル生存期間を延ばしたが、臨床試験の結果には、ALS疾患の進行に対する選択的COX‐2阻害剤セレコキシブ保護効果が見いだされなかった(参考文献として本明細書に援用される、Cudkowicz ME, et al (2006). Trial of celecoxib in amyotrophic lateral sclerosis. Ann Neurol.; 60:22-31を参照)。加えて、NSAID使用とALS(n=111症例)に関する症例対照研究によって、発症前のNSAID使用がリスクを軽減するか、又はALSの発症を遅らせることができるかを評価することでは、決定的な結果は得られなかった。参考文献として本明細書に援用される、Popat RA, et al. (2007), Effect of non-steroidal anti-inflammatory medications on the risk of amyotrophic lateral sclerosis. Amyotroph Lateral Scler.;8:157-63、及びFondell, Elinor et al. "Non-Steroidal- Anti-Inflammatory Drugs and Amyotrophic Lateral Sclerosis: Results from 5 Prospective Cohort Studies," Amyotrophic lateral sclerosis : official publication of the World Federation of Neurology Research Group on Motor Neuron Diseases 13.6 (2012): 573-579を参照されたい。

0009

マイクロRNA:ALSの原因は、その影響を受ける人もいれば、受けない人もいるという理由により、分かっていない。ただし、専門家統一見解は、種々の細胞における分子変化が疾患の発生及び進行に関与している、ということである。例えば、運動ニューロン死は、RNA分子プロセシングを含む種々の細胞欠陥によって引き起こされる。

0010

正常な老化又は神経変性疾患中においては、神経の生存及び機能は、タンパク質恒常性によって異なっており、タンパク質の恒常性は、マイクロRNA(miRNA)経路を含む複数の機構によって調節される。マイクロRNAは、真核生物遺伝子発現転写後調節に関与する内因性の小さなノンコーディングRNA分子のサブセットである。長い一次転写物として産生され、これらの転写物細胞質輸送され、更に修飾されて成熟miRNAが得られ、これらの生合成の各段階は、調節の可能性がある段階である。中枢神経系(CNS)のmiRNA関連経路の調節異常は、重度神経損傷及び細胞死と関連しており、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性障害の発生につながる可能性がある。参考文献として本明細書に援用される、Rinchetti, P., Rizzuti, M., Faravelli, I, & Corti, S. (2017). MicroRNA metabolism and Dysregulation in amyotrophic lateral sclerosis. Molecular neurobiology, 1-14を参照されたい。

0011

更に、種々の細胞型では、重要なmiRNAプロセシング酵素であるダイサーが存在しないことにより、細胞自律的機構及び非細胞自律的機構を介して神経変性が生じる。特定のmiRNAの欠損は、幾つかのモデル生物の神経変性も引き起こす。一方、miRNAの発現は、様々な神経変性疾患の患者において誤調節される。故に、miRNA経路は複数の年齢依存性神経変性疾患の発生に不可欠と考えられるが、基礎となる機構についての本発明者らの理解は初歩的なものにとどまる。Gascon, E., & Gao, F.-B. (2012). Cause or Effect: Misregulation of microRNA Pathways in Neurodegeneration. Frontiers in Neuroscience, 6, 48は、参考文献として本明細書に援用される。

0012

miRNAの生合成の欠損は、インビボにおいて脊髄運動ニューロンの変性を引き起こすことが示されている(参考文献として本明細書に援用される、Haramati, Sharon, et al. "miRNA malfunction causes spinal motor neuron disease. " Proceedings of the National Academy of Sciences 107.29 (2010): 13111-13116を参照)。加えて、miRNAレベルの減少は、家族性及び散発性のヒトALSの複数の形態について共通の分子共通性質であることと、小分子であるエノキサシンによるダイサー活性の向上は、独立した2つのALSマウスモデルにおいてインビボで有益であることとが実証された。参考文献として本明細書に援用される、Emde, Anna et al "Dysregulated miRNA Biogenesis Downstream of Cellular Stress and ALS-causing Mutations: A New Mechanism for ALS. " TheEMBO Journal 34.21 (2015): 2633-2651を参照されたい。

0013

治療:患者の管理には主に、対症療法、例えば、痙縮への筋弛緩剤の使用、及び構音障害への言語療法が介在する。参考文献として本明細書に援用される、Hardiman, O., et al (2017). Amyotrophic lateral sclerosis. Nature Reviews Disease Primers, 3, 17071を参照されたい。

0014

リルゾール治療は、臨床試験によりALSの進行を緩やかに遅らせることが示された後、1995年に承認された。別の薬剤であるエダラボンがALS治療向けにFDAによって承認されるまでに22年が経過した。参考文献として本明細書に援用される、Brooks, B. R., et al (2018). Edaravone in the Treatment of Amyotrophic Lateral Sclerosis: Efficacy and Access to Therapy - A Roundtable Discussion. The American journal of managed care, 24(9 Suppl), S175-S186を参照されたい。

0015

加齢黄斑変性:加齢黄斑変性(AMD)は、米国及び他の先進国における失明の主な原因である。推定1000万人の米国人がAMDを患っており、その範囲は、がんを抱えて生活する1200万人(Hayat et al., 2007)、又はアルツハイマー病を抱える500万人に匹敵する。AMDの有病率は年齢とともに徐々に増加し、40の人口の2%が、そして80歳までに4人に1人が罹患している。

0016

AMDには、「萎縮(dry)」型と「滲出(wet)」型の2種類がある。萎縮性AMDは通常、ある程度の視力障害を引き起こし、重度の失明に進行することもある慢性疾患である。これに対して、滲出性AMDは、AMD患者の10〜15%しか罹患せず、不意に明らかになり、治療せずに放置すると失明に急速に進行する。AMD患者は通常、最初に萎縮型を発病するため、滲出性AMDは萎縮性AMDを背景として生じ、それ故に、萎縮性AMDは、滲出性AMDの危険因子か、更には前駆状態と考えることができる。

0017

無症候性であるAMDの初期では、ドルーゼン(drusen)と呼ばれる不溶性細胞外凝集体網膜蓄積する。地図状萎縮(GA)としても知られている萎縮性AMDの後期では、網膜色素上皮(RPE)細胞と、その上に重なり栄養補助のためにRPEに依存する光感知網膜光受容体(light-sensing retinal photoreceptors)の変性の散在した又はコンフルエントな領域が特徴である。AMDの他の後期形態である滲出型では、脈絡膜血管新生(CNV)が代表的であって、外側網膜の下にある脈絡膜から外側網膜へ、未成熟な血管が新たに広がる。これらの未成熟な血管は、網膜の下に又は網膜内に流体漏出させる。

0018

miRNAプロセシング酵素DICER1は、RPE細胞健康状態の重要な決定因子である。

0019

DICER1には、炎症と全体的な(コーディングとノンコーディング)RNA発現とに対する影響を含む複数の機構を介してRPE細胞の健康状態及び機能を調節することにおいて役割がある。リボヌクレアーゼであるDICER1は、GA患者のRPEにおいて特異的に減少し、更に、DICER1のこの病理学的減少には、RPE細胞に対して毒性であるノンコーディングAlu RNAの異常な過剰を伴っていた。参考文献として本明細書に援用される、Ambati, J., & Fowler, B. J. (2012). Mechanisms of age-related macular degeneration. Neuron, 75(1), 26-39を参照されたい。

0020

加えて、ダイサーの発現減少と関係するGAでは、ダイサーの阻害により、短い散在反復配列(SINE)に由来する約300‐ntのAluリピートRNAが蓄積する。この蓄積は細胞傷害性であり、インターフェロンを媒介としたカスパーゼ8依存性アポトーシスをトリガーする。AluリピートRNAをマウスの眼内に注入すると、GAが生成する。この状態は、AluリピートRNAのダイサー切断によって解放され、このことは、RNAのダイサー依存性分解が解毒作用に重要であることを示唆している。AluリピートRNAのダイサープロセシングは、宿主インフラマソームの活性化を防止する。DR2 AluリピートRNAは、ダイサー依存条件下で28‐65‐ntリピート誘導small RNA(riRNA)にプロセシングされる。これらのriRNAは、AGO3と結合することにより安定化し、mRNAキャッピング複合体をリクルートし、それによって、翻訳が阻止され、Nanog及びTdgf1 mRNAのような重要な幹細胞転写物が分解される。参考文献として本明細書に援用される、Song, M. S., & Rossi, J. J. (2017). Molecular mechanisms of Dicer: endonuclease and enzymatic activity. Biochemical Journal, 474(10), 1603-1618を参照されたい。

0021

ALS疾患の希少性は、臨床経過における有意な患者間及び患者内の変動性と、信頼性のあるバイオマーカー不足とともに、ALSを治療するのに有効な薬剤の開発を困難にさせている。ALSの安全且つ有効な治療への要求は、依然として満たされていない。

0022

AMDの治療への要求もほとんど満たされておらず、加齢黄斑変性(AMD)は、世界的な視覚罹患率の重要な原因であり、2040年までに2億8800万人が罹患すると予測されている。抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)剤による治療の出現は、血管新生AMDの治療に革命をもたらした(しかし、その進行を遅らせる地図状萎縮(GA)の治療には、同様のブレークスルーはなかった。)。分子モデル及び遺伝子モデルに基づく、疾患機構のイメージ化及び新たな理解の進歩は、それまでほとんど満たされていなかった要求に応えることを目的とする、GAの新規実験的治療選択肢の開発への道を開いた。参考文献として本明細書に援用される、Kandasamy, R., Wickremasinghe, S., & Guymer, R. (2017). New Treatment Modalities for Geographic Atrophy. Asia-Pacific journal of ophthalmology (Philadelphia, Pa.), 6(6), 508-513を参照されたい。

0023

本発明は、臨床適応症、運動ニューロン疾患(MND)、ALS、FTD(前頭側頭型認知症)、黄斑変性(AMD)及び自閉症を含む神経疾患を治療するための、抗炎症剤及びダイサー活性化剤による方法及び組成物に関する。

0024

本明細書では、「臨床適応症(clinical indications)」という用語は以後、一般に神経疾患を意味する。

0025

本明細書では、「神経疾患(neuronal diseases)」という用語は以後、一般に、運動ニューロン疾患(MND)、FTD(前頭側頭型認知症)、黄斑変性(AMD)、アルツハイマー病、パーキンソン病及び自閉症を意味する。

0026

本明細書では、「運動ニューロン疾患(motor neuron diseases)」又は「MND」という用語は以後、一般に、とりわけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、遺伝性痙性対麻痺(HSP)、原発性側索硬化症(PLS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、及び致死性先天性拘縮症候群(LCCS)を含む疾患群を意味する。

0027

本明細書では、「抗炎症剤(anti-inflammatory drugs)」という用語は以後、一般に、非限定的な物として、とりわけ、ステロイド類コルチコステロイド類、又は非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)を含む薬剤群を意味する。

0028

本明細書では、「シクロオキシゲナーゼ(Cyclooxygenase)」又は「COX」という用語は以後、一般に、トロンボキサン、及びプロスタサイクリンなどのプロスタグランジン類を含むプロスタノイド類の、アラキドン酸からの形成に関与する酵素(具体的には、アイソザイムファミリー)を意味する。主なCOX阻害剤は、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)である。

0029

本明細書では、「低用量(low dose)」という用語は、抗炎症剤の治療上有効な用量を意味し、この用量は、治療効果を奏するのに必要な通常又は従来の用量よりも少ない。

0030

典型的なCOX阻害剤は選択的ではなく、全ての種類のCOXを阻害する。プロスタグランジン及びトロンボキサン合成の結果として生じる阻害は、炎症軽減効果、並びに解熱効果抗血栓効果及び鎮痛効果を有する。

0031

本明細書では、「非ステロイド性抗炎症剤(non-steroidal anti-inflammatory drugs)」又は「NSAID」という用語は以後、一般に、とりわけ、COX‐2阻害剤、COX‐1阻害剤、COX阻害剤、アスピリン、セレコキシブジクロフェナクジフルニサルエトドラクイブプロフェンインドメタシンケトプロフェンケトロラクナブメトンナプロキセンメロキシカムメフェナム酸クロフェナメート、オキサプロジンピロキシカムサルサラート、スリンダクフェノプロフェンフルルビプロフェン、及びトルメチンを含む薬剤群を意味する。

0032

本明細書では、「ダイサー(DICER)」という用語は以後、一般に、二本鎖RNAdsRNA)及びプレマイクロRNA(プレmiRNA)をそれぞれ低分子干渉RNA及びマイクロRNAと呼ばれる短い二本鎖RNA断片に切断する酵素を意味する。これらの断片は、およそ20〜25塩基対の長さであり、3´末端に2塩基オーバーハングがある。ダイサーは、RNA干渉に不可欠なRNA誘導サイレンシング複合体RISC)の活性化を促進する。RISCは、メッセンジャーRNA(mRNA)を分解することが可能なエンドヌクレアーゼである触媒成分アルノートを有する。

0033

本発明の1つの目的は、抗炎症剤とダイサー活性化剤の組合せを投与することを含む、哺乳動物対象の神経臨床適応症の治療方法である。

0034

本発明の別の目的は、臨床適応症が神経疾患である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0035

本発明の1つの目的は、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを含む、哺乳動物対象の神経臨床適応症を治療するための組成物を開示することである。

0036

本発明の別の目的は、臨床適応症が神経疾患である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0037

本発明の別の目的は、臨床適応症が運動ニューロン疾患(MND)である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0038

本発明の別の目的は、臨床適応症が自閉症である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0039

本発明の別の目的は、臨床適応症が黄斑変性である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0040

本発明の別の目的は、臨床適応症が運動ニューロンの軸索障害である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0041

本発明の別の目的は、臨床適応症が自発運動障害である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0042

本発明の別の目的は、臨床適応症がパーキンソン病である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0043

本発明の別の目的は、臨床適応症がアルツハイマー病である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0044

本発明の別の目的は、抗炎症剤が非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0045

本発明の別の目的は、NSAIDがCOX‐2阻害剤である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0046

本発明の別の目的は、NSAIDがセレコキシブである上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0047

本発明の別の目的は、ダイサー活性化剤がシプロフロキサシンである上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0048

本発明の別の目的は、ダイサー活性化剤がシプロフロキサシン‐HClである上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0049

本発明の別の目的は、ダイサー活性化剤がエノキサシンである上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0050

本発明の別の目的は、運動ニューロン疾患が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、遺伝性痙性対麻痺(HSP)、原発性側索硬化症(PLS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、及び致死性先天性拘縮症候群(LCCS)のうちの1種、並びにこれらの任意の組合せからなる群より選択される上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0051

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約10:1から約1:1000(wt/wt)の範囲である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0052

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約100:1から約1:1000(wt/wt)の範囲である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0053

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:200の範囲である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0054

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:50の範囲である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0055

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:10の範囲である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0056

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:10から約1:200の範囲である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0057

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:10から約1:50の範囲である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0058

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約10:1から約1:1の範囲である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0059

本発明の別の目的は、抗炎症剤が抗炎症性の臨床効果について示される用量よりも低い用量で投与される上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0060

本発明の別の目的は、ヒトのセレコキシブ用量が1日当たり約10mgから約800mgの範囲であり、ヒトのシプロフロキサシン用量が1日当たり約50mgから約2000mgの範囲である上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0061

本発明の別の目的は、抗炎症剤が、ステロイド類、コルチコステロイド類又はNSAIDからなる群より選択される上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0062

本発明の別の目的は、ダイサー活性化剤がキノロン又はフルオロキノロンである上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0063

本発明の別の目的は、キノロンが、2‐キノロン、4‐キノロン、フルオロキノロン類ロメフロキサシンオフロキサシンノルフロキサシンガチフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、ゲミフロキサシンデラフロキサシンシノキサシンナリジクス酸トロバフロキサシンスパルフロキサシン、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0064

本発明の別の目的は、NSAIDが、COX‐2阻害剤、COX‐1阻害剤、COX阻害剤、アスピリン、セレコキシブジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセンメロキシカム、メフェナム酸メクロフェナメート、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサラート、スリンダクフェノプロフェン、フルルビプロフェン、トルメチン、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0065

本発明の別の目的は、組成物が、錠剤カプセル剤丸剤凍結乾燥粉末乳剤顆粒化粉末、クリーム軟膏ペーストローションゲル液体溶液パッチ、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される手法により投与可能なように構成された、上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0066

本発明の別の目的は、組成物が、高速放出、徐放持続放出制御放出、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される手法により投与可能なように構成された、上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0067

本発明の別の目的は、更に、可溶化剤、安定剤、緩衝剤浸透圧調整剤(tonicity modifiers)、充填剤増粘剤/減粘剤(viscosity enhancers/reducers)、界面活性剤キレート剤アジュバント、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される成分を含む上述のうちの何れかに定義された組成物を開示することである。

0068

本発明の1つの目的は、抗炎症剤とダイサー活性化剤の両方を含む、哺乳動物対象の神経臨床適応症の相乗的治療のためのキットを開示することである。

0069

本発明の別の目的は、抗炎症剤とダイサー活性化剤の両方を含んだ投与単位を含む、哺乳動物対象の神経臨床適応症の相乗的治療のためのキットを開示することである。

0070

本発明の1つの目的は、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを投与することを含む、哺乳動物対象の神経臨床適応症の治療方法を開示することである。

0071

本発明の別の目的は、臨床適応症が神経疾患である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0072

本発明の別の目的は、臨床適応症が運動ニューロン疾患(MND)である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0073

本発明の別の目的は、臨床適応症が自閉症である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0074

本発明の別の目的は、臨床適応症が黄斑変性である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0075

本発明の別の目的は、臨床適応症が運動ニューロンの軸索障害である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0076

本発明の別の目的は、臨床適応症が自発運動障害である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0077

本発明の別の目的は、臨床適応症がパーキンソン病である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0078

本発明の別の目的は、臨床適応症がアルツハイマー病である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0079

本発明の別の目的は、抗炎症剤が非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0080

本発明の別の目的は、NSAIDがCOX‐2阻害剤である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0081

本発明の別の目的は、NSAIDがセレコキシブである上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0082

本発明の別の目的は、ダイサー活性化剤がシプロフロキサシンである上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0083

本発明の別の目的は、ダイサー活性化剤がシプロフロキサシン‐HClである上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0084

本発明の別の目的は、ダイサー活性化剤がエノキサシンである上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0085

本発明の別の目的は、運動ニューロン疾患が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、遺伝性痙性対麻痺(HSP)、原発性側索硬化症(PLS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、及び致死性先天性拘縮症候群(LCCS)のうちの1種、並びにこれらの任意の組合せからなる群より選択される上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0086

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約10:1から約1:1000(wt/wt)の範囲である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0087

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約100:1から約1:1000(wt/wt)の範囲である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0088

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:200の範囲である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0089

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:50の範囲である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0090

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:10の範囲である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0091

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:10から約1:200の範囲である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0092

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約1:10から約1:50の範囲である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0093

本発明の別の目的は、抗炎症剤対ダイサー活性化剤の比が約10:1から約1:1の範囲である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0094

本発明の別の目的は、抗炎症剤が、抗炎症性の臨床効果について示された用量よりも低い用量で投与される上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0095

本発明の別の目的は、ヒトのセレコキシブ用量が1日当たり約10mgから約800mgの範囲であり、ヒトのシプロフロキサシン用量が1日当たり約50mgから約2000mgの範囲である上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0096

本発明の別の目的は、抗炎症剤が、ステロイド類、コルチコステロイド類又はNSAIDからなる群より選択される上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0097

本発明の別の目的は、ダイサー活性化剤がキノロン又はフルオロキノロンである上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0098

本発明の別の目的は、キノロンが、2‐キノロン、4‐キノロン、フルオロキノロン類、ロメフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、ガチフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、ゲミフロキサシン、デラフロキサシン、シノキサシン、ナリジクス酸、トロバフロキサシン、スパルフロキサシン、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0099

本発明の別の目的は、NSAIDが、COX‐2阻害剤、COX‐1阻害剤、COX阻害剤、アスピリン、セレコキシブジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセンメロキシカム、メフェナム酸メクロフェナメート、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサラート、スリンダクフェノプロフェン、フルルビプロフェン、トルメチン、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0100

本発明の別の目的は、経口、局所、皮膚、経皮静脈内、皮下、筋肉内、関節内、坐剤脳室内吸入エアロゾル下、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される手法により、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを投与することを含む上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0101

本発明の別の目的は、高速放出、徐放、持続放出、制御放出、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される手法により、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを投与することを含む上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0102

本発明の別の目的は、1つずつ、非同時、順次及び同時からなる群より選択される手法により、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを投与することを含む上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0103

本発明の別の目的は、単回投与、1日1回投与、1日2回投与、連続投与、注入、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される手法により、抗炎症剤とダイサー活性化剤との相乗的組合せを投与することを含む上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0104

本発明の別の目的は、組成物が、錠剤、カプセル剤、丸剤、凍結乾燥、粉末、乳剤、顆粒化粉末、クリーム、軟膏、ペースト、ローションゲル、液体、溶液、パッチ、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

0105

本発明の別の目的は、更に、可溶化剤、安定剤、緩衝剤、浸透圧調整剤、充填剤、増粘剤/減粘剤、界面活性剤、キレート剤、アジュバント、及びこれらの任意の組合せからなる群より選択される成分を含む上述のうちの何れかに定義された方法を開示することである。

図面の簡単な説明

0106

以下に、本発明を次の図面とともに説明する。

0107

処置プロトコルを示すスキーム
野生型及び処置SOD1幼魚と比較した、誘発段階(challenge phase)からの回復における非処置SOD1 G93Rの移動距離の変化(%)。
非処置SOD1変異体MUT)と比較した、実験の全3段階におけるシプロフロキサシンとセレコキシブの組合せにより処置されたSOD1変異体の自発運動。
非処置SOD1変異体と比較した、測定全期間中におけるシプロフロキサシンとセレコキシブの組合せにより処置されたSOD1変異体の自発運動。
1分間の時間ビン(time bin)ごとの96匹のSOD1変異体と野生型幼魚の測定及び算出された移動距離。
SOD1変異体の自発運動は、全測定期間中、野生型と比較して有意な減少を示した。
SOD1変異体の自発運動は、実験の3段階全てにおいて野生型と比較して有意な減少を示した。
リルゾール処置SOD1変異体の自発運動は、実験の3段階全てにおいて非処置SOD1変異体と比較して有意な上昇を示した。
非処置SOD1変異体と比較した、実験の全3段階におけるセレコキシブ処置SOD1変異体の自発運動。
非処置SOD1変異体と比較した、実験の全3段階におけるシプロフロキサシン処置SOD1変異体の自発運動。
実験の全3段階における、異なる濃度のシプロフロキサシンにより処置されたSOD1変異体の自発運動の概要
非処置SOD1変異体と比較した、実験の全3段階におけるエノキサシン処置SOD1変異体の自発運動。
非処置SOD1変異体と比較した、実験の全3段階における規準化エノキサシン処置SOD1変異体と規準化シプロフロキサシン処置SOD1変異体の自発運動。
シプロフロキサシン及びセレコキシブの投与により、SOD1変異は軸索障害から回復した。ゼブラフィッシュ幼魚の胴体における個々の運動ニューロンの形態学解析;解析には、S10〜S12部分が用いられた。左のパネル‐野生型、中央のパネル‐非処置SOD1変異魚、左のパネル‐1μΜセレコキシブ+100μΜシプロフロキサシン処置SOD1変異魚。上のパネル‐抗アセチル化チューブリン抗体により免疫染色された6dpfゼブラフィッシュ幼魚の胴体における分岐運動ニューロンの3D再構成アポトーム(apotome)zスタック(z-stack)画像。中間及び下のパネル‐Imarisソフトウェアフィラメント解析[Bitplane社、黄色の単一運動ニューロン中枢部(backbone)]によりトレースされた運動ニューロンの中枢部(着色処理)。n=15;対照及び処置SOD1変異体、並びにn=11;野生型魚。
シプロフロキサシンとセレコキシブとの組合せにより、SOD1変異魚は運動ニューロン軸索障害からほぼ完全に回復した。運動ニューロンの軸索投射の長さ及び分岐の状況(Aspects)は、Imarisソフトウェア(Bitplane社)を用いて算出され、グラフ中にプロットされている。
同上。
同上。

0108

本発明は、抗炎症剤とダイサー活性化剤との組合せを含む、哺乳動物対象の神経疾患を治療するための組成物を開示する

0109

本発明は、MND(ALSを含む)及び前頭側頭型認知症(FTD)のための治療用組成物及び治療方法を開示し、MNDと診断された患者に対して有効治療を提示することを目的とする。本明細書に示されている方法は、ALSのインビボ及びインビトロ薬理学的モデルを用いることにより、ALS発病において神経保護効果を有する抗炎症剤に加えて、miRNAの役割を強調する。参考文献として本明細書に援用される、Berthod, Frangois, and Francois Gros-Louis. "In vivo and in vitro models to study amyotrophic lateral sclerosis." Amyotrophic Lateral Sclerosis, InTech, 2012を参照されたい。

0110

本発明は、治療として、ダイサーエンハンサー(DICERenhancer)であるキノロンと、抗炎症剤との組合せを開示する。

0111

非限定的例は、キノロンとして、マイクロRNA生合成をアップレギュレートして、ダイサー活性を高めることが可能なシプロフロキサシン、具体的にはフルオロキノロンと、COX‐2選択的非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)としてのセレコキシブである。

0112

キノロン類は、新規作用機構を有する広域抗菌剤である。これらの薬剤は、合成化合物として、抗菌活性薬物動態特性、及び薬物安全性を最適化するように広範囲に開発されてきた。キノロン類は、幅広い潜在的用途、及び広い活性スペクトルを有する。シプロフロキサシンが緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に対して最も強力なキノロンであることは変わらない。参考文献として本明細書に援用される、Walker, R. C. (1999, October). The fluoroquinolones. In Mayo Clinic Proceedings (Vol. 74, No. 10, pp. 1030-1037)を参照されたい。

0113

キノロン類は、NSAIDと合わせると相乗的又は相加的な毒性をもたらす。報告によれば、キノロン類と非ステロイド性NSAIDの同時投与は、CNS刺激を増加させるとのことであった。キノロン類とNSAIDの同時投与は、CNS刺激及び痙攣発作のリスクを高めることが報告されている。CNS障害患者、若しくは発作発生素因となる可能性のある他の危険因子を有する患者、又は発作閾値下げる薬剤を服用している患者は、キノロンも服用している場合、NSAIDの使用に適した候補ではない可能性がある。NSAIDを併用する人は、キノロンを慎重に使用する。

0114

従って、先行技術に対する前述した内容は、本発明の新規主張に反する。当該主張は、提案された2種の薬剤の組合せが、発作発生の素因となる可能性のある危険因子を有していないALS患者にとって、おそらく継続的治療のために薬剤放出延長する新しい製剤によって、肯定的且つ有意で驚くべき結果をもたらす、というものである。

0115

具体的には、抗炎症剤とエノキサシンの併用治療によって誘発されるてんかん発作活性が、慢性電極埋め込みラットにおいて調査された。フェルビナクエチル及びアスピリンDL‐リジンは、脳室内に注入した場合、顕著な挙動変化を示すことなく、EEGにおいて徐波複合を示したが、比較的高い用量が必要であった。一方、エノキサシンは、50及び100マイクログラムの用量において、途切れない高電圧棘徐波複合を特徴とする、強力なてんかん発生活性を誘発した。同時に、ラットは運動亢進飛び上がり及び激しい痙攣を示した。エノキサシン(経口)とフェルビナクエチル(静脈内)の併用治療は、高電圧棘徐波複合の途切れないバーストを特徴とする、強力なてんかん発作活性を引き起こした。動物は、挙動上、前肢クローヌス、頭のうなずき、及び全身の痙攣を示した。エノキサシン(脳室内)とフェルビナクエチル(静脈内又は脳室内)の併用治療後、運動亢進と飛び上がり及び激しい痙攣と関連して、高電圧棘徐波複合も観察された。エノキサシンとフェルビナクエチルの同時治療は、脳室内に注入すると、てんかん発生活性を生じた、と結論づけられる。参考文献として本明細書に援用される、Kamei, Chiaki, et al. "Epileptogenic activity induced by combined treatment with antiinflammatory drugs and enoxacin and its inhibition by a calcium antagonist, nicardipine." Methodsand findings in experimental and clinical pharmacology 18.9 (1996): 579-588を参照されたい。

0116

本発明は、SOD1 G93R変異体及び野生型魚を用いて、ALSの利用可能な処置と比較して、抗炎症剤及びダイサー活性化剤の効果を評価した(処置プロトコルについては、図1を参照)。

0117

本発明は、シプロフロキサシンとセレコキシブの両方により、具体的には1μΜのセレコキシブ及び100μΜのシプロフロキサシンの濃度において処置されたSOD1変異魚における相乗効果を具体的に示す。これらの濃度では、非処置変異体と比較して、遊泳能力に劇的な効果があった(図2図3)。

0118

処置SOD1変異幼魚の移動距離は、非処置SOD1変異幼魚の遊泳行動と比較して29%上昇した(図4)。処置SOD1魚の挙動が野生型魚の挙動に非常によく似ているほど、効果は十分に著しかった(図5)。

0119

本発明の組合せは、抗炎症剤とダイサー活性化剤の比が約10:1から約1:1000の範囲にある。具体的には、次のとおりである。

0120

本明細書において用いられる「約」という用語は、±10%を意味する。
a.組合せは、抗炎症剤とダイサー活性化剤の比が約100:1から約1:1000の範囲にある。
b.組合せは、抗炎症剤とダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:200の範囲にある。
c.組合せは、抗炎症剤とダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:50の範囲にある。
d.組合せは、抗炎症剤とダイサー活性化剤の比が約1:1から約1:10の範囲にある。
e.組合せは、抗炎症剤とダイサー活性化剤の比が約1:10から約1:200の範囲にある。
f.組合せは、抗炎症剤とダイサー活性化剤の比が約1:10から約1:50の範囲にある。
g.組合せは、抗炎症剤とダイサー活性化剤の比が約10:1から約1:1の範囲にある。

0121

<実施例1>
試験では、上位ALS関連遺伝子スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)用トランスジェニックゼブラフィッシュを利用した。SOD1 G93R変異魚は、先に、神経筋接合部の欠陥、持久力の低下、運動ニューロンの欠損、及び筋肉の病態を含む、ALSの主な表現型再現することが示されている。参考文献として本明細書に援用される、Ramesh T, Lyon AN, Pineda RH, et al. A genetic model of amyotrophic lateral sclerosis in zebrafish displays phenotypic hallmarks of motoneuron disease. Disease models & mechanisms 2010; 3:652-62を参照されたい。SOD1変異は、自発運動に関連する行動欠陥を引き起こした。SOD1変異動物は、野生型と比較して、自発遊泳時、明暗誘発(light/ dark challenge)時に遊泳能力の有意な減少を示し、その誘発からの回復を示すストレスの第2のピーク後には最も劇的な減少を示した(図5図7)。野生型幼魚の移動距離を全期間にわたって平均し、それはSOD1変異体の遊泳行動と比較して44%上昇した(図6)。

0122

正の対照として、SOD1変異魚をリルゾールにより処置した(図8)。リルゾールは、長年にわたりALS患者において疾患修飾効果があることが示された、唯一確立された薬剤であることから本試験で選択した。参考文献として本明細書に援用される、Bensimon G, Lacomblez L, Meininger V, Group tARS. A Controlled Trial of Riluzole in Amyotrophic Lateral Sclerosis. New England Journal of Medicine 1994;330:585-91を参照されたい。リルゾールにより処置されたSOD1変異動物は、SOD1変異体の遊泳行動と比較して、36%の有意な上昇を示した。

0123

次の一連の実験では、異なる濃度のセレコキシブによりSOD1変異魚を処置した(図9)。セレコキシブの毒性は、SOD1変異体と野生型動物の両方において、心臓血管毒性及び死亡を含め、高濃度(30μΜ)で顕著であった。低いセレコキシブ濃度によるSOD1変異幼魚の処置は、10μΜ(0.3%DMSOバックグラウンド)、及び5μΜ(0.1%DMSOをバックグラウンド)において、わずかな自発運動低下を示した。これらの濃度よりも低い濃度では、毒性は認められず、全体的な形態及び挙動は正常であった。重要なことに、結果は、セレコキシブ毒性がALS対象と健康な対象の両方において同様であり、SOD1変異体は薬剤に対して高い感受性を示さないことを示している(第III節)。

0124

全体として、全ての用量において処置は、遊泳行動を著しく向上させなかった。1μΜでは、非処置SOD1変異体の遊泳行動と比較して、遊泳活性が6%増加した。

0125

次いで、500、200、100、50、10及び1μΜの濃度のシプロフロキサシンにより、SOD1変異魚を処置した(図10図14)。シプロフロキサシンの全用量は魚に安全であり、全体的な又はわずかな形態学的及び行動毒性を示さなかった。高い濃度は、SOD1変異体の遊泳能力に正の効果があり、100μΜの濃度が最大の成果を示した。そのレベルでは、SOD1変異幼魚の移動距離は、非処置SOD1変異体の遊泳行動と比較して18%上昇した。

0126

シプロフロキサシンにより処置されたSOD1変異魚は、そのファミリーメンバーであるエノキサシンの同用量による処置と類似性を示した(図10)。エノキサシン処置SOD1変異幼魚の移動距離は、非処置SOD1変異体の遊泳行動と比較して20%上昇した。

0127

次に、種々の濃度でシプロフロキサシンとセレコキシブの両方により、SOD1変異魚を処置した。1μΜセレコキシブ及び100μΜシプロフロキサシンの濃度において最大の効果が見られ、これらの濃度では、非処置変異体と比較して、遊泳能力に劇的な効果があった(図3)。処置SOD1変異魚の移動距離は、非処置SOD1変異体の遊泳行動と比較して29%上昇した(図4)。処置SOD1魚の挙動が野生型魚の挙動に非常によく似ているほど、効果は十分に著しかった。

0128

魚の運動能力に対する処置の明確な効果を要約するために、最後の10分間の移動距離を平均した(図2)。さらなる筋肉及び神経学的ストレスの付加後に、誘発段階からのこの回復は、筋持久力強化を特定することを目的とする。野生型動物は、この期間中、SOD1変異魚と比較して長い距離を泳いだ(116%の上昇)。リルゾールは魚の遊泳能力を明らかに増加させた(39.7%)が、100μMのシプロフロキサシンと1μMのセレコキシブとの組合せにより、有意な相乗効果が見られた(72%、図2)。図2は、誘発段階からの回復における、野生型及び処置SOD1幼魚と比較した、非処置SOD1 G93Rの移動距離の変化(%)を示している。

0129

これらの自発運動アッセイ説得力のある結果に続いて、形態学的アッセイを実施し、100μΜのシプロフロキサシンと1μΜのセレコキシブとの組合せによる処置後の運動ニューロンの形態を解析した(図14〜図15)。野生型ゼブラフィッシュは主に正常な運動ニューロンを示し、長く適度に分岐した軸索を有していたのに対し、SOD1変異体は重度の軸索障害を示し、非常に複雑な分岐線維を有していた。1μΜセレコキシブと100μΜシプロフロキサシンの組合せにより処置すると、SOD1変異幼魚は変異体の形態の有意な回復を示し、ほぼ正常な軸索の形態を得た(図14〜図15)。驚くべきことに、シプロフロキサシンとセレコキシブとの組合せにより、SOD1変異魚は運動ニューロン軸索障害からほぼ完全に回復した。

0130

シプロフロキサシンとセレコキシブの組合せは、これらの前臨床研究から示されているように、ALS患者の神経病理及び変性に影響を及ぼし、疾患を遅らせるか又は阻害し得る。

0131

<実施例2>
<a.方法>
魚‐成魚及び幼魚のゼブラフィッシュ(Danio rerio)を、28.5℃でRussek−Blum研究所の魚施設(Dead Sea & Arava Science Center; Yair station, Central Arava)において維持し、確立された手順に従って飼育した25。動物のプロトコルは、ベングリオン大学動物使用管理委員会(the Ben Gurion University Committee on Use and Care of Animals)によって承認された。本試験では、Tg(sod1:sod1G93R又は野生型;hsp70:DsRed)トランスジェニック系統を用いた。参考文献として本明細書に援用される、Ramesh T, Lyon AN, Pineda RH, et al. A genetic model of amyotrophic lateral sclerosis in zebrafish displays phenotypic hallmarks of motoneuron disease. Disease models & mechanisms 2010;3:652-62を参照されたい。トランスジェニック変異体Sod1を発現するゼブラフィッシュを発生させるために、内因性sod1プロモーター及びsod1遺伝子を含有するゼブラフィッシュゲノム領域を用いた。Sod1を、グリシン93をアルギニン(G93R)に変化させることによって変異させ、この変異は、家族性ALSにおいて変異することが多い保存アミノ酸に影響を及ぼす。参考文献として本明細書に援用される、Orrell R, de Belleroche J, Marklund S, Bowe F, Hallewell R. A novel SODmutant and ALS. Nature 1995;374:504、及びElshafey A, Lanyon WG, Connor JM. Identification of a new missense point mutation in exon 4 of the Cu/Zn superoxide dismutase (SOD-1) gene in a family with amyotrophic lateral sclerosis. Human molecular genetics 1994;3:363-4を参照されたい。

0132

材料及び可溶性‐セレコキシブ:高濃度のセレコキシブ(セレコキシブBP/EP;バッチ番号CLX/008/04/17;25gr;Prudence Pharma Chem社、インド)を達成するために、その粉末を、100%DMSOの100mMの保存液に溶解させた。粉末は100%DMSO中で完全に溶解したが、100mMセレコキシブ保存液をゼブラフィッシュ飼育バッファ(raising buffer)(DB)中で最終濃度100μΜ(1:1000)に希釈しながら、材料を沈殿させると、粒子及びクラウド(clouds)が生じた。次いで、セレコキシブを100%DMSOの10mMの保存液に溶解させた。粉末は100%DMSO中で完全に溶解し、DB中で最終濃度30μMに希釈(1:333.3希釈)すると、材料は、クラッシング(crashing)することなくバッファ中に留まった。材料を最も高い計画濃度においてDBに加え、28℃のインキュベーター内でペトリ皿に保存し、実験の正確な条件をシミュレートした。DB中30μΜセレコキシブの最終DMSO濃度は、0.3%であった。保存液の検査では、肉眼でも顕微鏡下でも凝集物が見られず、透明な溶液を示した。最終希釈DB溶液では、凝集物は24又は48時間後も観察されなかった。分光光度計の吸収を、調製後0、24及び48時間において観察した。

0133

材料及び可溶性‐シプロフロキサシン:高濃度のシプロフロキサシン(シプロフロキサシン塩酸塩Ph,Eur;バッチ番号CP20517124;25gr;Neuland Laboratory社、インド)を達成するために、その粉末を、ddH2Oの100mMの保存液に溶解させた。粉末はddH2O中で完全に溶解し、DB中で最終濃度100μΜに希釈(1:1000希釈)すると、完全に溶解した。DB中100μΜシプロフロキサシンの最終DMSO濃度は、0.1%であった。保存液の検査では、肉眼でも顕微鏡下でも凝集物が見られず、透明な黄色の溶液を示した。最終希釈DB溶液では、凝集物は24又は48時間後も観察されなかった。対照試料のpHを調整する(DB中0.1%DMSO;pH6.72)ために、100μMシプロフロキサシンの溶液(pH6.32)に12μlの100mM NaOHを加えた。DB中の低濃度シプロフロキサシンにはNaOHを加える必要はなかった。分光光度計の吸収を、調製後0、24及び48時間にて分析した(図3)。溶液の淡黄色により、吸収値は高くなった。最も高い濃度の混合物(100μΜシプロフロキサシン+30μΜセレコキシブ+NaOH)の吸収を、調製後0、24及び48時間において分光光度計により測定した。

0134

30μΜセレコキシブの吸収は、調製後0、24及び48時間においてそれぞれ0.017、0.013及び0.021である対照(DB)と比較して異なっていた。100μΜシプロフロキサシンの吸収は、溶液の透明な淡黄色により、調製後0、24及び48時間においてそれぞれ0.123、0.149及び0.155の対照と比較して、差を示した。最も高い濃度の混合物(100μΜシプロフロキサシン+30μΜセレコキシブ)の吸収は、調製後0、24及び48時間においてそれぞれ0.16、0.154及び0.131の対照と比較して、差を示した。

0135

全ての実験の基礎として用いられているゼブラフィッシュ飼育バッファ(DB)は、次の最終濃度のものを含有する:ddH2O中1.74mMのNaCl、0.21mMのKCl、0.12mMのMgSO4、0.18mMのCa(NO3)2、0.15mMのHEES、最終pH=6.7。

0136

処置プロトコル:SOD1 G93R変異体又は野生型魚を、容認及び承認されたプロトコルに従って収集し、飼育した。参考文献として本明細書に援用される、Westerfield M. The Zebrafish Book: a Guide for the Laboratory Use of Zebrafish (Danio rerio) 2000を参照されたい。幼魚の形態を毎日観察した(心拍数、全体的な形態及び挙動)。

0137

図1は、処置プロトコルを示すスキームである。

0138

240匹の幼魚を同一の産卵バッチから選択して、異なる3つの処置と対照とに導入した(それぞれの処置当たりn=60)。血液脳関門(BBB)が完全に閉じ、運動ニューロン(MN)及び神経筋接合部(NMJ)が完全に発達したときに、受精後3及び5日(dpf)においてそれぞれ1回目及び2回目の処置を実施した。材料を遊泳用水(DB)中に投与した。6日目に、幼魚を、自動ダニビジョン商標)システムを用いる行動解析に供した。解析に続いて、幼魚を固定し、全免疫組織化学法(whole-mount immunohistochemistry procedure)を実施して、高解像度形態学的解析に用いた。処置プロトコルは、図1に詳述されている。

0139

毒性解析:魚を投与日及び翌日に観察して、毒性を観察した。急性毒性を、アポトーシス/壊死及び循環系障害(心拍数、形態、出血及び浮腫)について評価した。頭、眼及び全体的な形態学的及び行動毒性を、容認された手順に従って記録した。

0140

行動解析ゼブラフィッシュ幼魚の自動ハイスループット追跡システムである、Noldus Information Technology社[ヴァーヘニンゲンオランダ]のダニオビジョン(商標)を、明暗条件の制御を含めて、測定、及び結果の解析に用いた。単一の幼魚をそれぞれ単一のウェル内に入れ、同じ量の遊泳用水を加えて均一なバックグラウンドを確保した。毎秒30回のダイナミックサブトラクション(dynamic subtraction)を用いて、それぞれの動物のx、y位置を試験した。x、y位置から、それぞれの幼魚の移動距離(mm)を算出し、1分間の時間ビンごとに平均した(1分当たり1800の測定値の平均)。さらなる筋肉及び神経学的ストレスを付加するために、本発明者らが適用した環境の変化に従って、行動プロファイルを3段階で測定した。自発的遊泳、明暗誘発(視運動性反応)及び誘発行動からの回復を記録し、解析した。同じ処置の全ての動物、すなわち、野生型(WT)、非処置SOD1変異体、又は処置SOD1変異体を、さらなるストレスに対する反応を調べるために、1分間の時間ビンごとに平均し、次いで、非処置SOD1変異体の遊泳行動と比較した相対数を得るために、全期間にわたって算出した。用いた統計解析は、不等分散を仮定した2つの試料によるスチューデントの対応のあるt検定(両側)であった。報告した全てのP値は両側であり、有意水準を0.05(*)、0.01から0.001(**)、及び0.001未満(***)に設定した。

0141

形態学的解析:確立された免疫組織化学法を用い、抗アセチル化チューブリン抗体を使用して、6dpf処置及び非処置SOD1 G93R又は野生型において、全胚染色を行った。抗アセチル化チューブリンにより染色された脊髄運動ニューロンの軸索投射(部分10〜12)は、Zeiss社のアポトーム顕微鏡を用いて画像化した。3D再構成画像を、Imaris画像解析ソフトウェア(Bitplane社)を使用する定量化に用いた。

0142

<b.結果>
<I.トランスジェニックSOD1変異幼魚は、自発運動の障害を示す>
ALS誘発性SOD1 G93R変異を発現するゼブラフィッシュ幼魚は、異常な運動軸索投射を伴う自発運動の障害を有することが先に示されていたが、そうでなければ正常な肉眼形態を有する。参考文献として本明細書に援用される、Lemmens R, Van Hoecke A, Hersmus N, et al. Overexpression of mutant superoxide dismutase 1 causes a motor axonopathy in the zebrafish. Human molecular genetics 2007;16:2359-65、及びRamesh T, Lyon AN, Pineda RH, et al. A genetic model of amyotrophic lateral sclerosis in zebrafish displays phenotypic hallmarks of motoneuron disease. Disease models & mechanisms 2010;3:652-62を参照されたい。

0143

これらの幼魚の運動機能障害についての本発明者らの理解を検証し、練り上げるために、材料と方法の節に説明されているように、ダニオビジョンシステムを用いて映像解析を行った。2回の生物学的反復を実施し、48匹の生物のそれぞれの自発運動を解析した。図5は、1分間の時間ビンごとの96匹のSOD1変異体と幼魚の測定及び算出された移動距離を表している。

0144

解析されたパラメータは、幼魚の移動距離(mm)であった。最初のグラフでは、全ての動物、SOD1変異体又は野生型(WT)の遊泳行動を1分間の時間ビンごとに平均して、さらなるストレスに対する反応が予想どおりか否かを確認した(図5)。

0145

平均した全ての時点において、野生型幼魚が泳いだ距離(mm)は、SOD1変異魚と比較して有意に高かった。自発的遊泳時、明暗誘発後、及び誘発からの回復後(図5)。

0146

次に、SOD1変異体の遊泳行動と比較した相対数を得るために、全ての野生型幼魚が1分間の時間ビンにおいて泳いだ距離(mm)を全期間にわたって平均した(図6)。

0147

実験全体を通じて、SOD1変異幼魚が泳いだ距離(mm)は、野生型幼魚と比較して有意に減少した。野生型幼魚は、SOD1変異体よりもおよそ45%長い距離を泳いだ(図6)。

0148

図6は、SOD1変異体の自発運動が、全測定期間中に、野生型と比較して有意な減少を示したことを示している。

0149

実験の種々の段階において、野生型と比較したSOD1変異体の自発運動を解析するために、ストレスに対する種々の反応後に、実験のそれぞれの部分ごとの移動距離を算出した(図7)。図7は、SOD1変異体の自発運動が、実験の3段階全てにおいて、野生型と比較して有意な減少を示したことを示している。

0150

遊泳環境の変化が適用されると、さらなる筋肉及び神経学的ストレスが付与される。自発的遊泳時(実験の0〜10分)、及び明暗誘発時(視運動性反応;10〜20分)に、SOD1変異体の自発運動は、野生型と比較して有意な減少を示した。野生型幼魚は、SOD1変異体よりも22〜28%長く泳いだ。ストレスの2つのピーク(t=10、20分)の後、誘発からの回復の挙動が明らかであった。幼魚は動きを止めた後、自発的遊泳の値まで徐々に回復した。この段階において、SOD1変異体はあまり効果的に回復せず、自発的遊泳行動が低下した。この段階では、野生型幼魚は、SOD1変異体よりも116%長い距離を泳いだ。

0151

<II.検証‐リルゾールにより処置されたトランスジェニックSOD1変異幼魚は、自発運動の上昇を示す>
慢性グルタミン酸興奮毒性は毒性レベルまで蓄積し、ALSの神経細胞死の一因となり得る。これは、複雑な効果を有するがグルタミン酸シナプス前放出を阻止すると考えられる薬剤であるリルゾールを用いた臨床試験を実施するための合理的な根拠をもたらした。リルゾールは、治療を受けた参加者の生存期間の適度な延長を実証し(最長2〜3か月)、選択された患者の人工呼吸器依存性又は気管切開の開始を遅らせる。参考文献として本明細書に援用される、Bensimon G, Lacomblez L, Meininger V, Group tARS. A Controlled Trial of Riluzole in Amyotrophic Lateral Sclerosis. New England Journal of Medicine 1994;330:585-91を参照されたい。

0152

ゼブラフィッシュモデルに新規ALS治療法を確認する可能性があるか否かを判断するために、SOD1変異ゼブラフィッシュ幼魚の神経ストレスを改善する抗興奮毒性剤リルゾールの能力を試験した。リルゾールは、長年にわたりALS患者において疾患修飾効果があることが示された、唯一の確立された薬剤であるため、そして標準治療であるため、本試験に選択した。

0153

SOD1変異ゼブラフィッシュにおいて試験され毒性を示さなかった用量である1μΜの最終濃度で、リルゾールをSOD1変異幼魚の遊泳用水に投与した。参考文献として本明細書に援用される、McGown A, ShawDPJ, Ramesh T. ZNStress: a high-throughput drug screening protocol for identification of compoundsmodulating neuronal stress in the transgenic mutant sod1G93R zebrafish model of amyotrophic lateral sclerosis. Molecular neurode generation 2016;11:56を参照されたい。

0154

この濃度のリルゾールによりSOD1変異体を処置すると、抑制性介在ニューロンの神経ストレスが減少した。参考文献として本明細書に援用される、McGown A, McDearmid JR, Panagiotaki N, et al. Early interneuron dysfunction inALS: insights from a mutant sodl zebrafish model. Annals of Neurology 2013;73:246-58を参照されたい。

0155

リルゾールにより処置すると、実験の全ての段階において、SOD1変異幼魚が泳いだ距離(mm)は、非処置SOD1変異魚と比較して高くなった。

0156

非処置SOD1変異体の遊泳行動と比較した相対数を得るために、全てのリルゾール処置SOD1変異幼魚が1分間の時間ビンにおいて泳いだ距離(mm)を全期間にわたって平均した。リルゾール処置SOD1変異体の自発運動は、測定全期間中、非処置SOD1変異体と比較して有意な上昇を示した。

0157

実験全体を通じて、リルゾール処置SOD1変異幼魚が泳いだ距離(mm)は、非処置SOD1変異幼魚と比較して有意に高かった(36.8%の上昇)。

0158

実験の種々の段階において、野生型と比較したSOD1変異体の自発運動を解析するために、ストレスに対する種々の反応後に、実験のそれぞれの部分ごとの移動距離を算出した(図8)。

0159

図8は、リルゾール処置SOD1変異体の自発運動が、実験の3段階全てにおいて、非処置SOD1変異体と比較して有意な上昇を示したことを示している。

0160

リルゾールによる処置によって、実験の全ての段階において、自発運動は常に上昇した。リルゾール処置SOD1変異体の自発運動は、自発的遊泳時に(38%増加)、明暗誘発時に(32%増加)、及誘発からの回復時に(39.7%)、非処置SOD1変異幼魚と比較して有意な増加を示した。

0161

<III.ALS(SOD1変異体)モデルにおけるセレコキシブによる処置の毒性及び有効性
試験される最初の材料は、マクロファージをその神経保護状態に維持する際に神経炎症モジュレーターとしての役割を果たすことが示唆されたCOX2阻害剤セレコキシブであった(参考文献として本明細書に援用される、Aid S, Bosetti F. Targeting cyclooxygenases-1 and -2 in neuroinflammation: therapeutic implications. Biochimie 2011;93:46-51を参照)。セレコキシブを、3つの最終濃度、30μM、10μΜ及び1μΜで、SOD1変異幼魚の遊泳用水に加えた。溶解度の制約により、実験は、全ての試料(対照試料を含む)において、0.3%DMSOのバックグラウンドにより実施した。

0162

第III節の要約:0.3%DMSOをバックグラウンドとして用いた間、セレコキシブは、30μΜの濃度において心臓血管毒性及び死を引き起こした。10μΜのセレコキシブ処置では、実験の特定の段階において、わずかな自発運動の減少が明らかであった。DMSOをバックグラウンドとして0.1%に減らすと、セレコキシブによってもたらされる毒性が増加した。全体的な形態及び挙動は正常であったが、10μΜ未満のセレコキシブにおいて自発運動能力の低下が観察され、5μMでは自発運動能力の低下は明らかであった。

0163

スーパーオキシドジスムターゼ酵素は、中心的な抗酸化触媒であって、O2−を基質として用い(O2−は、相当程度の生物学的損傷を引き起こす。)、そのレベルを通常の分子酸素(O2)又は過酸化水素(H2O2)に減らす抗酸化触媒である。参考文献として本明細書に援用される、Halliwell B, Gutteridge JMC. [1] Role of free radicals and catalytic metal ions in human disease: An overview. Methodsin Enzymology: Academic Press; 1990:1-85を参照されたい。インビボでは、セレコキシブは、チトクロームP450(CYP450)2C9及び3A4によって不活性代謝物ヒドロキシセレコキシブに酸化され、その後、ヒドロキシセレコキシブは、カルボキシセレコキシブ及びセレコキシブグルクロニドに変換される。参考文献として本明細書に援用される、Gong L, Thorn CF, Bertagnolli MM, Grosser T, Altman RB, Klein TE. Celecoxib pathways: pharmacokinetics and pharmacodynamics. Pharmacogenetics and Genomics 2012;22:310-8を参照されたい。DMSOレベルに依存する毒性の変化を示す結果は、SOD1変異体のセレコキシブ毒性からの保護における・OHの強力なスカベンジャーDMSOの役割を示唆する、考えられる仮説によって説明することができる。

0164

それにもかかわらず、セレコキシブの全ての濃度を用いても、実質的な有効性は認められなかった。

0165

<IV:ALS(SOD1変異体)モデルにおけるシプロフロキサシンによる処置の毒性及び有効性>
試験される2番目の材料は、先にダイサー活性を高めることが示唆されたシプロフロキサシンであった。miRNAの異常なレベルは、家族性及び散発性のヒトALSの複数形態の基礎となる一般的な分子機構であり、ダイサー活性の向上はインビボにおいて有益であることが分かった。参考文献として本明細書に援用される、Emde A, Eitan C, LiouLL, et al. Dysregulated miRNA biogenesis downstream of cellular stress and ALS-causing mutations: a new mechanism for ALS. TheEMBO journal 2015;34:2633-51を参照されたい。

0166

シプロフロキサシンを、3つの最終濃度、1μM、10μΜ及び100μΜでSOD1変異幼魚の遊泳用水に加えた。実験は、全ての試料(対照試料を含む。)において、0.1%DMSOのバックグラウンドにより実施した。シプロフロキサシンの全ての用量において、薬剤により引き起こされた形態又は死亡の影響は観察されなかった。

0167

第IV節の要約:異なる全てのシプロフロキサシン処置群の移動距離の割合を比較する、それぞれの実験の規格化された値を、非処置SOD1変異幼魚と比較した。2つの主な観察情報を得ることができる。第一に、シプロフロキサシン処置は、高い用量であっても、SOD1変異幼魚に対して毒性がなかった。第二に、これらの試験条件下では、100μΜのシプロフロキサシン濃度がALSモデルの自発運動に影響を及ぼすのに最も強力であったと考えられる。

0168

実験の3段階をリファインしたシプロフロキサシン処置SOD1幼魚と非処置SOD1幼魚の移動距離の割合を表す全ての規格化された値の概要は、予期しない結果を示した(図11)。

0169

1、10、50、100、200及び500μΜのシプロフロキサシンによる処置は、暗い条件下でのSOD1変異幼魚の自発運動に対してほとんど効果がなかった(図11)。光の第2段階、ストレスからの回復段階では、50、100、200及び500μΜのシプロフロキサシンによる処置は、最終的に定常に達する用量依存曲線を示した。ANOVA及びt検定の静的試験では、200μMと500μΜのシプロフロキサシン処置の間で統計的に有意な変化を示さなかった(示されている統計は、非処置からの有意性である)。

0170

自発的遊泳期間中、シプロフロキサシンの100μΜの用量のみが、遊泳行動を上昇させた(図11)。次の考えられる2つの説明は、200及び500μΜのシプロフロキサシン処置がSOD1変異体の自発的遊泳を高めなかったという事実の根底にあり得る:高いシプロフロキサシン濃度遊泳能力へのわずかな負荷、又は、それほど妥当ではないが、遊泳媒体中のNaCl塩レベルの上昇(或いは、両方)。pHレベルを対照群(シプロフロキサシンなし)のレベルに調整するためにNaOHを、50及び100μMシプロフロキサシン処置において0.06mMの最終濃度まで、200μM及び500μMシプロフロキサシン処置において0.135mM及び0.32mMの最終濃度までそれぞれ加えた。

0171

図11は、実験の全3段階における、異なる濃度のシプロフロキサシンにより処置されたSOD1変異体の自発運動の概要を示している。

0172

<V.ALS(SOD1変異体)モデルにおけるセレコキシブとシプロフロキサシンとの組合せによる処置の毒性及び有効性>
マクロファージをその神経保護状態に維持する際に神経炎症モジュレーターとしての役割を果たすことが示唆されたCOX2阻害剤セレコキシブと、ダイサー活性を高めてmiRNAの異常なレベルを減弱させることが以前に示唆されているシプロフロキサシンとの組合せ(参考文献として本明細書に援用される、Emde A, Eitan C, LiouLL, et al. Dysregulated miRNA biogenesis downstream of cellular stress and ALS-causing mutations: a new mechanism for ALS. TheEMBO journal 2015;34:2633-51を参照)は、両方ともALSの基礎となる2つの主な機構に対処するため、関心対象であった。更に、両方の薬剤の相乗活性が実証されている。参考文献として本明細書に援用される、Dey R, Sultana S, Bishayi B. Combination treatment of celecoxib and ciprofloxacin attenuates live S. aureus induced oxidative damage and inflammation in murine microglia via regulation of cytokine balance. J Neuroimmunol 2018;316:23-39を参照されたい。

0173

セレコキシブの使用に毒性の制限があるため、1、4、及び10μΜのセレコキシブと最も強力な濃度のシプロフロキサシン(100μΜ)とを併用することに決定した。全ての試料において、0.1%DMSOのバックグラウンドで実験を実施した。

0174

用いた全ての組合せ(100μΜシプロフロキサシン+1μΜセレコキシブ;100μΜシプロフロキサシン+4μΜセレコキシブ;100μΜシプロフロキサシン+10μΜセレコキシブ)において、循環系障害(心拍数、形態、出血及び浮腫)又は死亡は観察されなかった。最も高い濃度のセレコキシブとシプロフロキサシン(100μΜシプロフロキサシン+10μΜセレコキシブ)によるSOD1変異幼魚の処置は、顕微鏡下での遊泳能力にはっきりとした効果があった。幼魚が泳いだ距離は短く、動作の間に横に倒れた。低いセレコキシブ用量(100μΜシプロフロキサシン+1μΜセレコキシブ;100μΜシプロフロキサシン+4μΜセレコキシブ)を含む組合せにより処置されたSOD1変異幼魚では、動作の明らかな異常は認められなかった。

0175

エソビジョン(Etho Vision)ソフトウェアを用いて、処置された幼魚が1分間の時間ビンごとに移動した平均距離を解析した。

0176

100+10混合物(100μΜシプロフロキサシン+10μΜセレコキシブ)により処置されたSOD1変異幼魚では、顕微鏡下で異常な動作が明らかに観察され、自発的遊泳及び明暗誘発期間中に幼魚が泳いだ距離は短かった。最も低いセレコキシブ濃度を含む混合物100+1混合物(100μMシプロフロキサシン+1μΜセレコキシブ)は、全ての行動反応プロファイルにおいて、SOD1変異体の遊泳能力を大幅に向上させた。

0177

次に、非処置SOD1変異体の遊泳行動と比較した相対数を得るために、全ての幼魚が1分間の時間ビンにおいて同じ処置から泳いだ距離(mm)を全期間にわたって平均した(図4)。図4は、測定全期間中について、非処置SOD1変異体と比較した、シプロフロキサシンとセレコキシブとの組合せにより処置されたSOD1変異体の自発運動を表している。

0178

全体として、100+1混合物により処置されたSOD1変異体は、遊泳能力の劇的で有意な向上を示した(28.8%、図4)。100+4混合物により処置されたSOD1変異体は、10+1混合物よりも低いものの、遊泳能力の有意な向上を示した(14.9%)。100+10混合物により処置されたSOD1変異体は、遊泳行動の有意な減少を示した(20.7%の減少、図4)。

0179

実験のそれぞれの部分ごとの移動距離を算出し、非処置SOD1変異体の遊泳行動と比較した(図3)。図3は、実験の全3段階における、非処置SOD1変異体と比較した、シプロフロキサシンとセレコキシブとの組合せにより処置されたSOD1変異体の自発運動を表している。実験の3つの段階全てにおいて、異なる組合せの有効性は用量に依存し、セレコキシブの用量が混合物中で減少するにつれて効力が高まった(図3)。100+1混合物により処置されたSOD1変異体は、自発的遊泳時(25.3%)、明暗誘発時(11.8%)に遊泳能力の際立った向上を示し、誘発からの回復時(72.2%)には最も劇的な向上を示した。

0180

100+4混合物により処置されたSOD1変異体は、自発的遊泳時(14.5%)及びチャレンジからの回復時(42.8%)に、少ないがそれでも有意な遊泳能力の増加を示した。100+10混合物による処置は、自発的遊泳時(31.4%減少)及び明暗誘発時(29.4%減少)のSOD1変異幼魚の自発運動を統計的に有意に減少させた。チャレンジからの回復時に、100+10混合物でも17.7%の増加が認められた(図3)。

0181

100μΜシプロフロキサシンと1μΜセレコキシブとの組合せによりSOD1変異体の遊泳能力が大幅に向上したため、形態学的アッセイを用いてSOD1変異幼魚に対する効果を更に確認することに決定した。

0182

<VI:ALS(SOD1変異体)モデルにおけるセレコキシブとシプロフロキサシンとの組合せによる処置後の腹側運動ニューロン(ventral motor neuron)の形態学的解析>
TDP‐43、FUS、C9orf72、Sqstm1、EPHA4及びSOD1などの異なるALS関連遺伝子において変異したALSゼブラフィッシュモデルは、秩序がなく過度に分岐した運動ニューロン軸索と遊泳障害とから構成される運動軸索表現型を示す。参考文献として本明細書に援用される、Kabashi E, Bercier V, Lissouba A, et al. FUS and TARDBP but Not SOD1 Interact in Genetic Models of Amyotrophic Lateral Sclerosis.PLoS genetics 2011;7:el002214; .Lemmens R, Van Hoecke A, Hersmus N, et al. Overexpression of mutant superoxide dismutase 1 causes a motor axonopathy in the zebrafish. Human molecular genetics 2007 ; 16:2359-65 ;Lattante S, de Calbiac H, Le Ber I, Brice A,Ciura S, Kabashi E. Sqstm1 knock-down causes a locomotor phenotype ameliorated by rapamycin in a zebrafish model of ALS/FTLD. Human molecular genetics 2015;24:1682-90; Sorana C, Serena L, Isabelle LB, et al. Loss of function of C9orf72 causes motor deficits in a zebrafish model of amyotrophic lateral sclerosis. Annals of neurology 2013;74:180-7; Van Hoecke A, Schoonaert L, Lemmens R, et al. EPHA4 is a disease modifier of amyotrophic lateral sclerosis in animal models and in humans. Nature medicine 2012;18:1418; Sakowski SA, Lunn JS, Busta AS, et al. Neuromuscular effects of G93A-SOD1 expression in zebrafish. Molecular neurodegeneration 2012;7:44; .Armstrong GAB, Liao M, You Z, Lissouba A, Chen BE, Drapeau P. Homology Directed Knockin of Point Mutations in the Zebrafish tardbp and fus Genes in ALS Using the CRISPR/Cas9 System. PloS one 2016;11:e0150188を参照されたい。

0183

免疫染色、アポトーム顕微鏡、及びImaris画像解析ソフトウェアを用いて、野生型、非処置SOD1 G93R変異体、及び100μΜシプロフロキサシン+1μΜセレコキシブの組合せにより処置されたSOD1 G93R変異体の運動ニューロンの形態を特徴づけた(図14)。

0184

野生型ゼブラフィッシュは主に正常な運動ニューロンを示し、長く適度に分岐した軸索を有していた(図14、左のパネル)。

0185

SOD1 G93R変異幼魚は、全て同一の産卵バッチから生じ、2群に分けられ、処置され(半分はDMSOのみにより処置され、半分は混合物により処置され)、染色され、画像化された。ALSモデルSOD1変異対照群(非処置、0.1%DMSO)は、重度の軸索障害を示し、非常に複雑な分岐線維を有していた(図14、中央のパネル)。驚くべきことに、1μΜセレコキシブと100μΜシプロフロキサシンとの組合せにより処置されたSOD1変異幼魚の半分は、変異体の形態の有意な回復を示し、ほぼ正常な軸索形態を得た(図14、左のパネル)。

0186

要約すると、図14は、シプロフロキサシン及びセレコキシブの投与により、SOD1変異魚が軸索障害から回復したことを示している。ゼブラフィッシュ幼魚の胴体における個々の運動ニューロンの形態学的解析;解析には、S10〜S12部分を用いた。左のパネル‐野生型、中央のパネル‐非処置SOD1変異魚、左のパネル‐1μΜセレコキシブ+100μΜシプロフロキサシン処置SOD1変異魚。上のパネル‐抗アセチル化チューブリン抗体により免疫染色された6dpfゼブラフィッシュ幼魚の胴体における分岐運動ニューロンの3D再構成アポトーム zスタック画像。中間及び下のパネル‐Imarisソフトウェアのフィラメント解析(Bitplane社、白色の単一運動ニューロン中枢部)によりトレースされた運動ニューロンの中枢部(着色処理)。n=15;対照及び処置SOD1変異体、並びにn=11;野生型魚。

0187

Imarisソフトウェアを用いて高解像度画像解析を実施し、軸索形態の異なるパラメータを比較した(図15)。調べた全てのパラメータは、ショール解析による面積分岐レベル分岐点接合部)、区域、長さ、及びこれらの広がりを含め、非処置SOD1変異体と比較して、1μΜセレコキシブ及び100μΜシプロフロキサシン処置SOD1変異魚の軸索障害の減少を示し、野生型の軸索の形態への有意な回復を示した(図15)。

0188

シプロフロキサシンとセレコキシブとの組合せにより、SOD1変異魚は運動ニューロン軸索障害からほぼ完全に回復した。要約すると、図15は、シプロフロキサシンとセレコキシブとの組合せにより、SOD1変異魚が運動ニューロン軸索障害からほぼ完全に回復したことを表している。運動ニューロンの軸索投射の長さ及び分岐の状況は、Imarisソフトウェア(Bitplane社)を用いて算出され、グラフ中にプロットされている。

0189

<VII.ALS(SOD1変異体)モデルにおけるエノキサシンとシプロフロキサシンによる処置の有効性の比較>
エノキサシンは、siRNAを媒介としたmRNA分解を高め内因性miRNAの生合成を促進する、キノロンファミリーの小分子である。参考文献として本明細書に援用される、Melo S, Villanueva A, Moutinho C, et al. Small molecule enoxacin is a cancer-specific growth inhibitor that acts by enhancing TAR RNA-binding protein 2-mediated microRNA processing. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2011; 108:4394-9.、及びShan G, Li Y, Zhang J, et al. A small molecule enhances RNA interference and promotes microRNA processing. Nature biotechnology 2008;26:933-40を参照されたい。エノキサシンにより処置すると、インビトロとインビボの両方においてALSモデルは成果を示した。参考文献として本明細書に援用される、Emde A, Eitan C, LiouLL, et al. Dysregulated miRNA biogenesis downstream of cellular stress and ALS-causing mutations: a new mechanism for ALS. TheEMBO journal 2015;34:2633-51.、及びShan G, Li Y, Zhang J, et al. A small molecule enhances RNA interference and promotes microRNA processing. Nature biotechnology 2008;26:933-40を参照されたい。別のキノロンファミリーメンバーであるシプロフロキサシンは市販されており、相当なRNAi増強活性を有することが示された。インビトロRNAiレポーターアッセイでは、その効果はエノキサシンよりもわずかに劣っていた。参考文献として本明細書に援用される、Shan G, Li Y, Zhang J, et al. A small molecule enhances RNA interference and promotes microRNA processing. Nature biotechnology 2008;26:933-40を参照されたい。本試験では、シプロフロキサシンは、SOD1変異幼魚の遊泳活性の有意な向上を示した(図10)。

0190

エノキサシンのように、シプロフロキサシンがインビボにおいてALSモデルに寄与し得るという仮説を検討するために、本発明者らは、SOD1 G93Rゼブラフィッシュ変異体の運動能力に対するエノキサシンとシプロフロキサシンの効果を比較することに着手した。

0191

エノキサシンを、2つの最終濃度、10μM及び100μMにより、SOD1変異幼魚の遊泳用水に加えた。全ての試料において、0.1%DMSOのバックグラウンドで実験を実施した。

0192

エノキサシンの両方の用量において、薬剤により引き起こされた形態又は死亡の影響は観察されなかった。処置された幼魚が1分間の時間ビンごとに移動した平均距離を解析した。100μΜエノキサシンにより処置すると、ALS幼魚の自発運動が増加した。10μΜシプロフロキサシンの投与は、実験を通して処置変異幼魚の自発運動に有意な影響を及ぼさなかった。シプロフロキサシンにより処置された幼魚でも、非常に似た用量効果が見られた。

0193

実験全体を通じて、10μΜエノキサシン処置SOD1変異幼魚が泳いだ距離(mm)は、非処置SOD1変異幼魚と比較して変化しなかった。100μΜエノキサシンにより処置されたSOD1変異体は、遊泳行動の大幅な増加を示した(19.9%)。同様に、実験全体を通じて、10μΜシプロフロキサシン処置SOD1変異幼魚が泳いだ距離(mm)は、非処置SOD1変異幼魚と比較して変化しなかったのに対し、100μΜシプロフロキサシンにより処置されたSOD1変異体は、遊泳行動の大幅な増加を示した(17.8%)。

0194

実験のそれぞれの部分ごとの移動距離を算出し、非処置SOD1変異体の遊泳行動と比較した(図12)。10μΜエノキサシンによる処置は、自発的遊泳時、明暗誘発時、及び第2の誘発からの回復時に、SOD1変異幼魚の自発運動に対してほとんど効果がなかった。100μΜエノキサシンによる処置は、自発的遊泳(20.1%)、明暗誘発(21%)、及び誘発からの回復後(17.6%、図12)の段階において、自発運動の有意な増加を示した。

0195

図12は、実験の全3段階における、非処置SOD1変異体と比較した、エノキサシン処置SOD1変異体の自発運動を表している。

0196

同様に、10μΜシプロフロキサシンによる処置は、3つの実験段階全てにおいてSOD1変異幼魚の自発運動に対しほとんど効果がなかった(図10)。100μΜシプロフロキサシンによる処置は、自発的遊泳(26.2%)及び誘発からの回復後(33.5%)の段階において、自発運動の有意な増加を示した。

0197

この部を結論づけるために、100μΜシプロフロキサシンと100μΜエノキサシンによる処置の間の比較を図13に示す。図13は、実験の全3段階における、非処置SOD1変異体と比較した、規準化エノキサシン処置SOD1変異体と規準化シプロフロキサシン処置SOD1変異体の自発運動を表している。

0198

第一に、エノキサシンとシプロフロキサシンの両方により、同じ濃度範囲において、SOD1変異幼魚の自発運動が同様に全体的に増加した。第二に、シプロフロキサシンによりSOD1変異体を処置すると、自発的遊泳時と誘発からの回復時の両方で、エノキサシン処置と比較して自発運動が上昇した(図13)。

0199

<実施例3>
自閉症:神経系の接続特異性を確立する一般的な戦略は、ニューロンが過増殖軸索突起及び樹状突起を発達させ、続いて突起のサブセットを選択的に剪定することである。例えば、哺乳動物皮質V層からの長距離投射ニューロンは、発達初期において脊髄上丘の両方に軸索枝を送る。発達後期では、運動皮質ニューロンは上丘への枝を選択的に剪定するが、視覚皮質ニューロンは脊髄への枝を選択的に剪定する。軸索剪定は、脊椎動物無脊椎動物の両方の神経回路精密化に広く用いられており、神経変性疾患の病因の一因ともなり得る。参考文献として本明細書に援用される、Watts, R. J., Hoopfer, E. D., & Luo, L. (2003). Axon pruning during Drosophila metamorphosis: evidence for local degeneration and requirement of the ubiquitin-proteasome system. Neuron, 38(6), 871-885を参照されたい。

0200

自閉症スペクトラム障害ASD)は、社会的相互作用の障害、コミュニケーション障害、反復行動、及び狭くて強い関心を特徴とする神経発達障害である。

0201

樹状突起棘密度の増加がASD患者の脳において見られ、異常なシナプス構造がASDモデルマウスにおいて観察された。

0202

先の段落において説明したように、出生後のシナプス発達は、哺乳動物の大脳皮質におけるシナプスの形成と除去の同時進行によって、動的に調節される。発達初期に形成された、余分で不要なシナプスはその後除去され、シナプスのサブセットが維持及び強化される。従って、シナプスの形成と除去の正確な調節は脳の正常な発達に重要であるが、シナプス除去が減少すること、それによってシナプスが過剰になることは、ASDなどの神経発達障害と関連すると考えられている。参考文献として本明細書に援用される、Kim, H-J et al. "Deficient Autophagy in Microglia Impairs Synaptic Pruning and Causes Social Behavioral Defects. " Molecular Psychiatry 22.11 (2017): 1576-1584を参照されたい。

0203

本発明は、SOD1 G93Rゼブラフィッシュ変異体における非常に複雑な分岐運動ニューロンを主に特徴とする、重度の軸索障害を開示する。本発明の組成物、具体的には、シプロフロキサシンとセレコキシブとの組合せは、この運動ニューロン軸索障害からの回復、並びに、全体的な分岐とともに、分岐レベル、分岐点及び分岐面積の有意な減少を示した。これらの知見は、出生後のシナプス発達に不可欠な分岐の減少に似ており、自閉症の考えられる治療様式を示唆している(図15A、15B、15Cを参照)。

0204

<実施例4>
フルオロキノロンと抗炎症剤との組合せは、経口投与静脈内投与又は局所投与の何れかに向けて製剤化される。

0205

本発明の製剤は、とりわけ、非限定的な物として、所望の濃度、有効用量、投与計画及び治療回数を有する製剤を更に開発するための付加的な成分又は医薬賦形剤を含む。これらの成分としては、とりわけ、可溶化剤、安定剤、緩衝剤、浸透圧調整剤、充填剤、増粘剤/減粘剤、界面活性剤、キレート剤及びアジュバントが挙げられる。

0206

経口投与:経口薬剤は、錠剤又はカプセル剤として服用される。

0207

錠剤:錠剤の溶解は、粒径及び結晶形によって大きく影響を受け得る。溶解時間は、速い効果(速い溶解)又は持続放出(作用の持続時間を延長するか、若しくは初期の高い血漿レベルを回避する、遅い溶解速度)のために変更することができる。

0208

カプセル剤:カプセルは、活性物質封入したゼラチン状外被である。カプセル剤は、吸収を遅らせるために、摂取後数時間そのままの状態を保つように設計することができる。カプセル剤は、同じ用量において迅速且つ持続的な吸収をもたらすように、徐放性粒子と速放性粒子との混合物も含有していてもよい。

0209

経口持続放出:カプセル剤又は錠剤による経口持続放出は、非限定的な物として、不溶性多孔質マトリックスであって、溶解する薬剤が、吸収され得る前にマトリックスから出口をつくる必要がある不溶性多孔質マトリックスに、持続放出製剤であって、マトリックスが膨潤してゲルを形成しそこから薬剤が出る持続放出製剤に有効成分を埋め込むことによって、又は、浸透圧制御放出経口送達システムであって、活性化合物が、一方の端部にレーザーにより穴が開けられた透水性膜に包まれている浸透圧制御放出経口送達システムによって、達成される。水が膜を通過すると、薬剤は穴から押し出されて消化管入り、そこで吸収され得る。

0210

液剤液体製剤は、治療剤経口投与用剤形として広く用いられている。液体製剤は、選択された溶媒系に治療剤及び種々の賦形剤が溶解している液状の製剤と定義される。液体製剤は均一であり、すなわち、治療剤及び賦形剤が溶媒中に溶解している。

0211

非経口投与:非経口投与は、静脈内、皮下、筋肉内及び関節内投与を用いて行われる。薬剤は、液体により、又は不安定な場合は凍結乾燥形態により、保存される。

0212

局所投与:局所製剤は、とりわけ、クリーム、軟膏、ペースト、ローション又はゲルを含む。

0213

経皮送達:経皮送達は、例えば経皮パッチによって達成される。

0214

別の投与経路は、坐剤、脳室内、筋肉内、吸入、エアロゾル及び舌下である。

0215

<実施例5>
本発明の組成物は、重量/重量の1日当たりのヒト用量として、組合せの前述した比で用いられる。

0216

0217

<実施例6>
<セレコキシブとシプロフロキサシンとの組合せによる治療効果を評価するための臨床試験の概要>
本明細書では、「Prime C」という用語は以後、一般に、セレコキシブとシプロフロキサシンとの組合せを含む組成物を意味する。

0218

実施例

0219

本発明の特定の実施形態に関して上述したが、実施形態の説明は本発明の例示であり、限定を意図するものではないことを理解されたい。当業者であれば、本発明の真意及び範囲から逸脱することなく、種々の変更及び応用を着想することが可能である。

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