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課題・解決手段

本発明は、2次元の及び/若しくは3次元のオブジェクト又はシーン表現するためのディスプレイデバイスに関連する。上記ディスプレイデバイスは、光を変調するための複数の画素を有する少なくとも1つの空間光変調デバイス、少なくとも1つの光学系、及び少なくとも1つの導光デバイスを備える。上記光学系は、上記空間光変調デバイスの個々の画素から発する光ビームが、上記少なくとも1つの導光デバイスの表面に対して平均して異なる角度で、上記少なくとも1つの導光デバイスに入射してそこでカプリングされ得る形で設計され、それによりカプリング角度スペクトルが定義可能である。上記少なくとも1つの導光デバイスにおいて伝播する光ビームを、観察者領域に対して平均して異なる角度で上記少なくとも1つの導光デバイスからカプリングアウトすることができ、それによりデカプリング角度スペクトルが定義可能である。上記デカプリング角度スペクトルは、上記カプリング角度スペクトルと比較して拡大される。

概要

背景

光ガイドを有する導光デバイスは、特に光学分野において広い用途を有する。特に、それらはレーザの分野で使用される。光ガイドは一般に、内部にコアを有し、このコアは、クラッド又はクラッド層によって囲まれている。光ガイドに入る光は、通常、全反射を介してその中を伝播する。全反射によるこの導光効果は、クラッド材屈折率よりもコア材の屈折率が高いために、又はクラッド層が設けられていない場合には、周囲、例えば空気、の屈折率よりも導光材の屈折率が高いために生じる。

しかしながら、導光デバイスは、他の分野、例えば、再構成されたシーンを表す装置、特に、再構成された、好ましくは3次元シーン又はオブジェクトポイントを表す装置にも使用することができる。このような装置は例えば、シーンの観察者の目の近くに配置されたディスプレイ又はディスプレイデバイス、いわゆる目に近い(near-to-eye)ディスプレイとすることができる。1つの目に近いディスプレイは、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)又は同様の目の近くに位置するディスプレイもしくはディスプレイデバイスの場合、コンパクトで軽量な光学構造を使用することが望ましい。このようなディスプレイデバイスは一般に、ユーザの頭部に固定されるので、容積が大きくて重い構成は、ユーザの快適性を不利に損なう。

可視範囲又は視野は、HMDにおけるユーザの快適さにとっても重要である。この場合、可能な限り大きな視野が有利である。しかしながら、一般に、高い解像度と組み合わされた大きな視野の表現は、非常に多数の画素を有する空間光変調デバイスを必要とする。

仮想的な観察者ウィンドウを有するホログラフィックヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、米国特許出願公開第2013/0222384号明細書に開示されている。このようなヘッドマウントディスプレイは、視野をセグメント化することによって大規模な視野を達成することができる。この場合、観察者ウィンドウから見える視野の様々な部分が、空間光変調器及び適切な光学系を使用して時系列的に生成される。このデバイスの1つの利点は、連続的な表現であるために、空間光変調器の多数の画素を必要とすることなく、大きな視野が達成されることである。

様々な実施形態が米国特許出願公開第2013/0222384号明細書に記載されており、こうした複数のセグメントからなる空間光変調器によって又はタイリング(tiling)によって視野の拡大が達成される。

導波路を有する実施形態も米国特許出願公開第2013/0222384号明細書に記載されている。ある実施形態は、それぞれ観察者の左目のための1つの導波路と、観察者の右目のための1つの導波路とを有する。この構成では空間光変調器及び光学ユニットはそれぞれ観察者の頭部に横方向に隣接して設けられ、光はそれぞれの目のための格子によって導波路にカプリングされる。光はカプリング用格子により平坦な角度で導波路にカプリングされ、その結果、全てのカプリング角の光は互いに平行に配置された導波路の2つの境界面における全反射を介して、導波路の方向に伝播する。光偏向デバイスは様々な角度スペクトルを時系列的に生成し、これらの角度スペクトルは導波路にカプリングされる。セグメント化された多重イメージを生成するために、多重イメージの各セグメントに対して異なる角度スペクトルが導波路にカプリングされる。光偏向デバイスによって生成された角度スペクトルのうちの1つの光は、その角度選択性に関して異なる角度範囲のためにそれぞれ設計され、互いに隣接して配置された複数のデカプリング用格子を介して、観察者の目の方向に、異なる位置でのそれぞれのケースで、導波路からカプリングアウトされる。

米国特許出願公開第2013/0222384A1号明細書に記載された、他の実施形態との関連における上記実施形態の1つの利点は、導波路が軽量かつコンパクトなことである。

Keigo Iizuka著、Elements of Photonics,Volume II chapter 9「Planar Optical Guides for Integrated Optics」という書籍もまた、光ガイドにおける光伝播に関してここで引用される:「集積オプティクス基礎平面光ガイドである。光は、周囲の層の屈折率よりも高い屈折率を有する媒体によって導かれる…。幾何学的オプティクスによれば、光は特定の条件が満たされるならば、損失が非常に少ない連続的な全内部反射によって伝播する。これらの条件は、伝播を支持する層が周囲の媒体よりも高い屈折率を有していなければならず、光が上下の境界で全反射を満たす角度内で発射されなければならないことである。この単純な幾何学的光学理論は、導波媒体の寸法が光の波長匹敵する場合には失敗する。この範囲では、ガイド離散的な数の角度についてのみ伝搬サポートする。このような離散的な数の角度を「伝搬モード」と称する。」後者の場合、光伝播は波動光学アプローチによって記述される。次に、用語「導波路」が典型的に使用される。このような導波路には、定義された幾何学的ビームプロファイルは現れない。

これとは対照的に、本出願では、用語「光ガイド」は、光伝播が幾何学的オプティクスによって記述され得る、十分に厚い構成を指すように使用される。このような光ガイドは、例えば、数ミリメートル、例えば、2mm又は3mmの厚さを有することができる。

ホログラフィックディスプレイは、とりわけ、空間光変調デバイスの画素のアパーチャにおける回折の効果、及び光源によって放出されるコヒーレント光干渉に基づく。それにもかかわらず、幾何学的オプティクスを使用して、仮想的な観察者ウィンドウを生成するホログラフィックディスプレイデバイスのために、いくつかの重要な条件を定式化し、定義することができる。

一方では、ディスプレイデバイスにおける照明ビーム経路がこの目的のために重要である。これは、とりわけ、仮想観察者ウィンドウを生成するために使用される。空間光変調デバイスは、少なくとも1つの実光源又は仮想光源を有する照明デバイスによって照明される。この場合、空間光変調デバイスの異なる画素から来る光は、それぞれのケースで、仮想観察者ウィンドウに向けられなければならない。この目的のために、空間光変調デバイスを照明する照明デバイスの少なくとも1つの光源は、通常、仮想観察者ウィンドウを有する観察者平面内にイメージングされる。この光源のイメージングは例えば、仮想観察者ウィンドウの中心で行われる。無限遠の光源に対応する平面波を用いて空間光変調デバイスを照明する場合、例えば、空間光変調デバイスの異なる画素からの光は、これらの画素から垂直に出射し、仮想観察者ウィンドウの中心に集束される。それぞれのケースで、空間光変調デバイスの様々な画素から垂直出射ではなく同じ回折角度で発せられる光も、仮想観察者ウィンドウ内のそれぞれの同じ位置に集束される。しかしながら、一般に、仮想観察者ウィンドウは少なくとも1つの光源のイメージに対して横方向に変位させることもでき、例えば、少なくとも1つの光源のイメージの位置は、観察者ウィンドウの左又は右エッジと一致し得る。

他方、イメージングビーム経路は、直視型ディスプレイを除いて、ホログラフィックディスプレイ又はディスプレイデバイスにおいて重要である。HMDでは、一般に、寸法の小さい空間光変調デバイスの拡大像が生成される。これは、しばしば、空間光変調デバイス自体が位置する距離よりも観察者に対してより大きな距離にあるように見える虚像である。空間光変調デバイスの個々の画素は、通常、拡大されてイメージングされる。

仮想観察者ウィンドウを生成するホログラフィック直視型ディスプレイは、照明ビーム経路を含む。ディスプレイは、少なくとも1つの光源を有する照明デバイスを備える。例えば、照明デバイスは、空間光変調デバイスを照明する平行な平面波面を生成するバックライトとして設計される。コリメートされた波面は、空間光変調デバイスを無限遠から照明する仮想光源に対応する。また、空間光変調デバイスは発散又は収束波面を使用して照明することもできるが、これは空間光変調デバイスの前方又は後方有限距離にある実際の又は仮想の光源に対応する。フィールドレンズは、空間光変調デバイスから来る光を仮想観察者ウィンドウの位置に集束させる。ホログラムが空間光変調デバイスにおいて符号化されていない場合、光源のイメージは観察者平面となり、より高い回折次数の結果としてこのイメージの周期的な繰り返しが生じる。適切なホログラムが空間光変調デバイスにおいて符号化される場合、仮想観察者ウィンドウはゼロ番目の回折次数に近い結果となる。これは、以下、仮想観察者ウィンドウが光源イメージの平面内に位置することを述べることによって言及される。ホログラフィック直視型ディスプレイでは、光源のイメージを生成するフィールドレンズは通常、空間光変調デバイスの近くに配置される。観察者は、空間光変調デバイスのイメージが存在しない状態で、その実際の距離で空間光変調デバイスを見る。その場合、イメージングビーム経路は存在しない。

他のホログラフィックディスプレイデバイス、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、又は他の投影ディスプレイでは、既に簡単に述べたように、イメージングビーム経路が追加的に存在し得る。観察者が見る空間光変調デバイスの実像又は虚像は、これらのディスプレイデバイスにおいて生成され、照明ビーム経路は仮想観察者ウィンドウの生成にとって依然として重要である。したがって、ここでは、ビーム経路、照明ビーム経路及びイメージングビーム経路の双方が重要である。

イメージングビーム経路及び照明ビーム経路が存在するケースは、他のディスプレイデバイス、例えば、立体ディスプレイデバイスにおいても発生し得る。スイートスポットを生成するための立体ディスプレイデバイスは例えば、上述のホログラフィックディスプレイデバイスと同様の光学構成、即ち、空間光変調デバイス及びフィールドレンズの平行化された照明を有することができるが、例えば、定義された散乱角度を有する散乱エレメントなどの追加のコンポーネントも有することができる。散乱エレメントがディスプレイデバイスから取り除かれた場合、フィールドレンズは、スイートスポットの平面内に光源イメージを生成する。散乱エレメントを使用することによって、光は代わりに、観察者の瞳孔間距離よりも狭い、拡大されたスイートスポットにわたって分散する。しかしながら、照明ビーム経路は、口径食効果なし立体イメージを完全に見ることができるようにするために、重要である。この場合、3次元ステレオディスプレイデバイスはまたイメージングビーム経路を有することができ、このイメージングビーム経路を用いて、空間光変調デバイスが観察者から特定の距離においてイメージングされる。

ホログラフィックディスプレイデバイスにおいて、3次元シーンからのホログラムの計算におけるサブホログラムの典型的なサイズは、空間光変調デバイスの面又はイメージ平面に対する、3次元シーンの空間位置に依存する。大きな寸法を有するサブホログラムは例えば、シーンが観察者に向かって空間光変調デバイスの面又はイメージ平面のはるか手前に位置する場合に生じる。しかしながら、大きなサブホログラムは、ホログラム計算中の計算労力を増大させる。本出願人の国際公開第2016/156287号パンフレットには、空間光変調デバイスの仮想平面を算術的に導入することによって計算労力を低減する方法が開示されている。しかしながら、空間光変調デバイスのイメージ平面が好適な位置になるように光学系を選択する選択肢代替手段として望ましいはずであり、それにより寸法の小さいサブホログラムを有するホログラムを計算することができる。

光学系及び/又はイメージング系の制約に起因して、あらゆるケースでサブホログラム計算にとって有利なポイントで空間光変調デバイスのイメージを生成することは不可能である。例えば、ヘッドマウントディスプレイにおいて大きな視野を生成する必要性は、短い焦点距離を有するレンズが観察者の目の近くで使用されなければならないという結果をもたらし得る。他方、これは、空間光変調デバイスをレンズに十分に近接して配置することができない場合、ホログラム計算に有利な位置に空間光変調デバイスのイメージ平面を生成することをより困難にし得る。

仮想観察者ウィンドウを生成するホログラフィックディスプレイデバイスの代替設計では、空間光変調デバイスのイメージングを仮想観察者ウィンドウ内で行うこともできる。あるタイプのスクリーン、又は、物理的なスクリーンが存在しない場合には、3次元シーンのホログラフィック表現のための基準面が、空間光変調デバイスのフーリエ平面、したがって光源のイメージ面に設けられる。したがって、このようなディスプレイデバイスにおいては、イメージングビーム経路及び照明ビーム経路も存在する。但し、ホログラム面及び観察者平面についてのその意義は入れ替わる。この場合、仮想観察者ウィンドウは、空間光変調デバイスのイメージ平面内に配置され、したがって、イメージングビーム経路を参照する。3次元シーンからホログラムを計算するためのホログラム又は基準面は、空間光変調デバイスのフーリエ平面内に位置し、したがって、照明ビーム経路を基準とする。

国際公開第2016/156287号パンフレットによれば、このようなディスプレイデバイスについてのホログラムの計算のために、空間光変調デバイスのフーリエ平面に仮想平面が配置され得る。サブホログラムが計算され、その仮想平面内で合計される。空間光変調デバイスに符号化され得るホログラムは、この場合、合計ホログラムからのフーリエ変換によって決定される。

観察者平面内に空間光変調デバイスのイメージを有するディスプレイデバイスは、左目及び右目のための2つの平坦なビューを有する立体3次元ディスプレイデバイスの設計を生成する目的で、修正されたバージョンで使用されてもよい。

適切に計算されたホログラムが空間光変調デバイスへ符号化され、ディスプレイデバイスが十分にコヒーレントな光を生成する照明デバイスを含む場合、ホログラムのフーリエ変換として空間光変調デバイスのフーリエ平面内に2次元イメージが生成される。追加の散乱エレメントをこの平面内に配置することができる。空間光変調デバイスのイメージが、散乱エレメントのない観察者平面内に生成されたとしたならば、代わりに散乱素子を使用してスイートスポットが生じるはずである。スイートスポットのサイズは、散乱エレメントの散乱角度に依存する。このような構成を、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD)において使用することができる。

以下の説明は、主に、仮想観察者ウィンドウ又はスイートスポットが光源イメージの平面内に現れるケースに関連する。上記の説明は、空間光変調デバイスのイメージを仮想観察者ウィンドウ内に有する実施形態にも適用可能であり、これは、イメージングビーム経路と照明ビーム経路との交換、又は、空間光変調デバイスの面とフーリエ平面との交換によるものである。したがって、本発明は、光源イメージの面内に仮想観察者ウィンドウ又はスイートスポットを有する場合に限定されるものではない。

光変調デバイスの多重的なイメージの複数のホログラムセグメントを生成して大規模な視野を生成することは、ある状況下で、高い計算労力と時間消費とを要し得る。

概要

本発明は、2次元の及び/若しくは3次元のオブジェクト又はシーンを表現するためのディスプレイデバイスに関連する。上記ディスプレイデバイスは、光を変調するための複数の画素を有する少なくとも1つの空間光変調デバイス、少なくとも1つの光学系、及び少なくとも1つの導光デバイスを備える。上記光学系は、上記空間光変調デバイスの個々の画素から発する光ビームが、上記少なくとも1つの導光デバイスの表面に対して平均して異なる角度で、上記少なくとも1つの導光デバイスに入射してそこでカプリングされ得る形で設計され、それによりカプリング角度スペクトルが定義可能である。上記少なくとも1つの導光デバイスにおいて伝播する光ビームを、観察者領域に対して平均して異なる角度で上記少なくとも1つの導光デバイスからカプリングアウトすることができ、それによりデカプリング角度スペクトルが定義可能である。上記デカプリング角度スペクトルは、上記カプリング角度スペクトルと比較して拡大される。a

目的

本発明の目的は、簡易な手段を用いて、高い計算労力及び時間消費無しで大きい可視範囲又は視野を生成することを可能にするディスプレイデバイス、具体的には目の近くのディスプレイデバイスを提供する

効果

実績

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請求項1

次元の及び/若しくは3次元のオブジェクト又はシーン表現するためのディスプレイデバイスであって、−光を変調するための複数の画素を有する少なくとも1つの空間光変調デバイスと、−少なくとも1つの光学系と、−少なくとも1つの導光デバイスと、を備え、前記光学系は、前記空間光変調デバイスの個々の前記画素から発する光ビームを、前記少なくとも1つの導光デバイスの表面に対して平均して異なる角度で、前記少なくとも1つの導光デバイスに入射してそこでカプリングできる形で設計され、それによりカプリング角度スペクトルが定義可能であり、前記少なくとも1つの導光デバイスにおいて伝播する前記光ビームを、観察者領域に対して平均して異なる角度で前記少なくとも1つの導光デバイスからカプリングアウトすることができ、それによりデカプリング角度スペクトルが定義可能であり、前記デカプリング角度スペクトルは、前記カプリング角度スペクトルと比較して拡大される、ディスプレイデバイス。

請求項2

請求項1に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの導光デバイスは、光ガイド、少なくとも1つの光カプリングデバイス及び少なくとも1つの光デカプリングデバイスを含み、前記光は、前記光ガイドの境界面における反射を介して前記光ガイド内を伝播し、前記光ガイドの境界面での前記光の定義された回数の反射の後に、前記光デカプリングデバイスによる前記光ガイドからの前記光の前記カプリングアウトが提供される、ディスプレイデバイス。

請求項3

請求項2に記載のディスプレイデバイスであって、制御可能エレメントが、前記光ガイドの境界面における前記光の反射の前記定義された回数を変化させるために提供される、ディスプレイデバイス。

請求項4

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの導光デバイスに入射する前記光が多重的な又は複数の光ビームを有する光束又は光フィールドとして形成される場合、前記導光デバイスの前記光ガイドの境界面における、前記光束又は光フィールドの全ての光ビームについて各ケースで等しい回数の反射の後に、前記光ビームについて前記光ガイドからのカプリングアウトが提供される、ディスプレイデバイス。

請求項5

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの空間光変調デバイスの各画素について、各ケースで、定義された回数の反射の後に当該画素からの前記光が到達する、前記光ガイドの境界面の1つの光入射位置は、前記光ガイドの幾何学的特性及び光学的特性並びに前記光カプリングデバイスの光学的特性から決定可能である、ディスプレイデバイス。

請求項6

請求項5に記載のディスプレイデバイスであって、前記光ガイドの境界面の厚さ及び/又はあり得る曲率が、前記光入射位置を決定する前記光ガイドの幾何学的特性として使用可能であり、前記光ガイドの材料の屈折率が、前記光ガイドの光学的特性として使用可能である、ディスプレイデバイス。

請求項7

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージが、前記少なくとも1つの導光デバイス及び前記少なくとも1つの光学系によって提供される、ディスプレイデバイス。

請求項8

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの空間光変調デバイスにおいて符号化されるシーンの情報項目を表現できる視野が、前記光ガイド内の前記少なくとも1つの空間光変調デバイスのエッジ画素からの光の相異なる長さの伝播経路により、及び、提供される観測者位置への前記光ガイドの距離により定義可能である、ディスプレイデバイス。

請求項9

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、照明デバイス内に提供される少なくとも1つの光源光源イメージ又は前記空間光変調デバイスのイメージが、前記導光デバイスへの前記光のカプリングの前に、前記光の経路において前記光学系によって提供される、ディスプレイデバイス。

請求項10

請求項9に記載のディスプレイデバイスであって、前記光カプリングデバイスは、光源イメージの位置の領域に又は当該領域内に提供される、ディスプレイデバイス。

請求項11

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記光カプリングデバイスは、受動的な又は制御可能な格子エレメントとして設計される、少なくとも1つのミラーエレメント又は少なくとも1つの格子エレメントを含む、ディスプレイデバイス。

請求項12

請求項11に記載のディスプレイデバイスであって、前記格子エレメントの格子定数又は前記光ガイドの前記表面に対する前記ミラーエレメントの傾斜角が、定義された回数の反射の後に前記光が到達する光入射位置を決定するための前記光カプリングデバイスの光学的特性として使用可能である、ディスプレイデバイス。

請求項13

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの光デカプリングデバイスは、前記空間光変調デバイスの異なる複数の画素からの前記光が前記光ガイドの境界面の1つでの定義された回数の反射の後に到達する全ての光入射位置を、当該光デカプリングデバイスの寸法及び位置が含む形で、前記少なくとも1つの導光デバイス内に提供される、ディスプレイデバイス。

請求項14

請求項13に記載のディスプレイデバイスであって、前記光デカプリングデバイスは、少なくとも1つの格子エレメント、具体的には偏向格子エレメント、好適には角度選択的偏向格子エレメント、好適には体積格子、又は少なくとも1つのミラーエレメントを含む、ディスプレイデバイス。

請求項15

請求項14に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの格子エレメントは、制御可能に設計され、前記光ガイド内の前記光が定義された回数の反射の後に到達する光入射位置に依存して、又は、前記光ガイド内の前記光が定義された回数の反射の後に有する光入射角に依存して、前記格子エレメントの格子周期可変的に制御可能である、ディスプレイデバイス。

請求項16

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記導光デバイスは、少なくとも1つの遅延層を含む、ディスプレイデバイス。

請求項17

先行する請求項1〜15のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記導光デバイスは、少なくとも2つの遅延層を含み、前記少なくとも2つの遅延層は、複屈折材料を各々含み、前記少なくとも2つの遅延層の前記複屈折材料は、同一であるか又は異なる、ディスプレイデバイス。

請求項18

請求項17に記載のディスプレイデバイスであって、第1の遅延層の前記複屈折材料の光学軸は、当該層の面に配向され、第2の遅延層の前記複屈折材料の光学軸は、当該層の面に垂直に配向される、ディスプレイデバイス。

請求項19

請求項16、17又は18のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記光ガイドの外側面に少なくとも1つの遅延層が適用され、前記光ガイドの周囲に向かう当該遅延層の境界面において前記光の全ての反射が生じる形で、当該遅延層の屈折率及び前記光ガイド内を伝播する前記光の伝播角が選択される、ディスプレイデバイス。

請求項20

請求項16〜19のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、直線偏光した光の入射の際に、前記光ガイド内を伝播する前記光の平均伝播角について、前記少なくとも1つの遅延層を通じた前記光の第1回の通過後に、前記光ガイドの周囲に向かう境界面において反射が提供され、前記少なくとも1つの遅延層を通じた前記光の後続のさらなる通過後に、前記光の偏光状態が90度回転する形で、又は、円偏光した光の入射の際に、前記光ガイド内を伝播する前記光の平均伝播角について、前記少なくとも1つの遅延層を通じた前記光の第1回の通過後に、前記光ガイドの周囲に向かう境界面において反射が提供され、前記少なくとも1つの遅延層を通じた前記光の後続のさらなる通過後に、前記光の偏光状態が逆方向に回る形で、前記少なくとも1つの遅延層の厚さ、並びに前記少なくとも1つの遅延層の複屈折性及び光学軸の配置がそれぞれ設計される、ディスプレイデバイス。

請求項21

請求項16〜19のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、直線偏光した光の入射の際に、前記光ガイド内を伝播する前記光の総伝播角範囲について、前記少なくとも1つの遅延層を通じた前記光の第1回の通過後に、前記光ガイドの周囲に向かう境界面において反射が提供され、前記少なくとも1つの遅延層を通じた前記光の後続のさらなる通過後に、前記光の偏光状態が実質的に90度回転する形で、前記少なくとも1つの遅延層の厚さ、並びに前記少なくとも1つの遅延層の複屈折性及び光学軸の配置がそれぞれ設計される、ディスプレイデバイス。

請求項22

請求項16〜21のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記光ガイド内での前記光の偶数回の反射及び奇数回の反射について前記光の偏光状態が相違する形で、前記少なくとも1つの遅延層を用いて、前記光ガイド内での前記光の前記偏光状態が変更可能であり又は設定可能である、ディスプレイデバイス。

請求項23

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記光ガイドと前記光デカプリングデバイスとの間に配置される反射偏光エレメント、好適にはワイヤグリッド偏光器、が提供される、ディスプレイデバイス。

請求項24

請求項23に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの遅延層と共に提供される前記光ガイドの境界面での奇数回の反射後に、前記反射偏光エレメントに入射した前記光が反射され、前記少なくとも1つの遅延層と共に提供される前記光ガイドの境界面での偶数回の反射後に、前記反射偏光エレメントに入射した前記光が透過する形で、前記反射偏光エレメントの向きが選択可能であり、反射の前記偶数回と前記奇数回とは交換されることができる、ディスプレイデバイス。

請求項25

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記光デカプリングデバイスは、偏光選択的な格子エレメントを含む、ディスプレイデバイス。

請求項26

請求項25に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの遅延層と共に提供される前記光ガイドの境界面での奇数回の反射後に、前記光デカプリングデバイスの前記偏光選択的な格子エレメントに入射した前記光が、当該格子エレメントによっては屈折されず前記光ガイドと周囲との間の境界面において反射され、前記少なくとも1つの遅延層と共に提供される前記光ガイドの境界面での偶数回の反射後に、前記光デカプリングデバイスの前記偏光選択的な格子エレメントに入射した前記光が、当該格子エレメントによって屈折され及び前記光ガイドから出射し、反射の前記偶数回と前記奇数回とは交換されることができる、ディスプレイデバイス。

請求項27

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記光の方向において前記少なくとも1つの導光デバイスの前に配置される制御可能な偏光スイッチが提供される、ディスプレイデバイス。

請求項28

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの光学系及び前記少なくとも1つの導光デバイスは、立体視又は前記少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージの視野を形成する少なくとも1つのホログラフィックセグメントを生成するために提供され、シーン又はオブジェクトの立体視又はホログラフ表現が前記視野内に提供される、ディスプレイデバイス。

請求項29

先行する請求項1〜27のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの光学系及び前記少なくとも1つの導光デバイスは、立体視及び少なくとも1つのホログラフィックセグメントを生成するために、又は少なくとも2つのホログラフィックセグメントを生成するために提供され、前記立体視及び前記少なくとも1つのホログラフィックセグメント、又は前記少なくとも2つのホログラフィックセグメントは、それぞれ、3次元のシーン又は3次元のオブジェクトを表現できる視野を共に形成する、ディスプレイデバイス。

請求項30

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの導光デバイスは、視野の少なくとも2つのセグメントを生成するための2つの光カプリングデバイスを含む、ディスプレイデバイス。

請求項31

請求項30に記載のディスプレイデバイスであって、前記2つの光カプリングデバイスは、互いにある距離で又は互いに直接近接して前記光ガイドに結合され、前記少なくとも1つの照明デバイスからの光は、前記光ガイドに対して位置の異なる前記2つの光カプリングデバイスによってカプリングされることができる、ディスプレイデバイス。

請求項32

請求項30又は31に記載のディスプレイデバイスであって、生成される前記少なくとも2つのセグメントは、重なり合って前記視野を形成し、前記2つのセグメントの重なり合う領域は、視野角度当たり最高画素密度を有し、2次元の及び/又は3次元のシーンを観察する観察者の中央の視認方向に対応する、ディスプレイデバイス。

請求項33

請求項30〜32のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも2つのセグメントのうちの一方のセグメントは、立体視セグメントとして形成され、前記少なくとも2つのセグメントのうちの他方のセグメントは、ホログラフィックセグメントとして形成され、前記ホログラフィックセグメントは、前記観察者の中央の視認方向に生成されることができる、ディスプレイデバイス。

請求項34

請求項30〜32のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも2つのセグメントは、ホログラフィックセグメントとして形成され、前記少なくとも2つのセグメントの重なり合う領域は、2次元の及び/又は3次元のシーンを観察する観察者の中央の視認方向、又は視線追跡により検出される視認方向に対応する、ディスプレイデバイス。

請求項35

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、少なくとも2つの光デカプリングデバイスが提供され、第1の光デカプリングデバイスは、少なくとも1つのホログラフィックセグメントを生成するための光をデカプリングするために提供され、第2の光デカプリングデバイスは、少なくとも1つの立体視セグメントを生成するための光をデカプリングするために提供される、ディスプレイデバイス。

請求項36

請求項35に記載のディスプレイデバイスであって、前記光デカプリングデバイスは、制御可能なものとして設計され、前記光デカプリングデバイスのある駆動状態において、定義された回数の反射の後に光がカプリングアウトされ、前記光デカプリングデバイスの他の駆動状態において、前記光ガイド内を前記光がさらに伝播する形で、前記光デカプリングデバイスはそれぞれ制御可能である、ディスプレイデバイス。

請求項37

請求項2、35又は36のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、少なくとも1つの光デカプリングデバイスが複数のセクションへ分割され、前記少なくとも1つの光デカプリングデバイスは、複数のセクションにおいて制御可能なものとして設計され、前記少なくとも1つの光デカプリングデバイスは、前記光ガイドの境界面での前記光の反射回数が、ある回数の反射の後に前記光が到達する光入射位置に対応する、前記少なくとも1つの光デカプリングデバイスのあるセクションのある駆動状態により、及び、ある回数のさらなる反射の後に前記光が到達する光入射位置に対応する、前記少なくとも1つの光デカプリングデバイスのさらなるセクションの他の駆動状態により、又は、さらなる光デカプリングデバイスのあるセクションの他の駆動状態により、変更可能である形で制御可能である、ディスプレイデバイス。

請求項38

請求項35に記載のディスプレイデバイスであって、前記2つの光デカプリングデバイスのうちのある光デカプリングデバイスは、少なくとも1つの受動的な格子エレメントを含み、前記2つの光デカプリングデバイスのうちのさらなる光デカプリングデバイスは、少なくとも1つの制御可能な格子エレメントを含む、ディスプレイデバイス。

請求項39

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記光の方向において前記少なくとも1つの導光デバイスの前に配置される追跡デバイスが提供される、ディスプレイデバイス。

請求項40

請求項39に記載のディスプレイデバイスであって、前記追跡デバイスは、レンズ機能が書き込まれた少なくとも1つの格子エレメント又は1つの可変レンズエレメントを含む、ディスプレイデバイス。

請求項41

請求項39又は40に記載のディスプレイデバイスであって、前記オブジェクト又は前記シーンを観察する観察者の視界を追跡し及び検出することのできる視線追跡デバイスが提供され、前記少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージの位置又はセグメントの位置は、前記追跡デバイスを用いる前記視線追跡デバイスによって検出される前記観察者の目の焦点位置に対し適応可能である、ディスプレイデバイス。

請求項42

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの導光デバイスの前記光ガイドは、少なくとも複数のセクションで少なくとも一方向に湾曲形成される、ディスプレイデバイス。

請求項43

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、光源イメージの平面内又は前記少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージの平面内に、仮想観察者領域を生成可能である、ディスプレイデバイス。

請求項44

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記イメージ又は前記少なくとも1つの空間光変調デバイスの前記イメージの単一のセグメントについて、前記少なくとも1つの導光デバイスへの進入の後の、前記少なくとも1つの空間光変調デバイスの多様な画素から来る光の前記カプリングアウトは、全ての画素について各ケースで等しく前記光ガイドの境界面でのある回数の反射の後に提供される、ディスプレイデバイス。

請求項45

先行する請求項のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスであって、前記少なくとも1つの空間光変調デバイスの前記イメージの異なる複数のセグメントについて、あるセグメントを生成するための前記光ガイドの境界面での前記光の反射の回数は、他のセグメントを生成するための前記光ガイドの境界面での前記光の反射の回数と相違する、ディスプレイデバイス。

請求項46

2つのディスプレイデバイスを含むヘッドマウントディスプレイであって、前記ディスプレイデバイスは、請求項1〜45のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスに従って各々設計され、観察者の左目及び前記観察者の右目にそれぞれ関連付けられる、ヘッドマウントディスプレイ。

請求項47

複数の画素を有する少なくとも1つの空間光変調デバイス及び少なくとも1つの導光デバイスによって、シーン又はオブジェクトが立体的に及び/又はホログラフィックに表現される大規模な視野を生成するための方法であって、−前記少なくとも1つの空間光変調デバイスは、前記シーン又は前記オブジェクトの所要の情報を伴う入射光を変調し−前記変調される光は、前記少なくとも1つの空間光変調デバイスの前記画素から発する光ビームが、前記少なくとも1つの導光デバイスの表面に対して平均して異なる角度で、前記少なくとも1つの導光デバイスに入射してそこでカプリングされる形で、光学系によって形成され、それによりカプリング角度スペクトルが定義され、前記少なくとも1つの導光デバイス内を伝播する前記光ビームは、前記少なくとも1つの導光デバイスの観察者領域に対して平均して異なる角度でカプリングアウトされ、それによりデカプリング角度スペクトルが定義され、前記デカプリング角度スペクトルは、前記カプリング角度スペクトルと比較して拡大される、方法。

請求項48

請求項47に記載の方法であって、前記空間光変調デバイスのイメージ、及び/又は、複数のセグメントからなる前記空間光変調デバイスのイメージが生成される、方法。

請求項49

請求項47又は48に記載の方法であって、前記光カプリングデバイスの領域内に光源イメージが生成される、方法。

技術分野

0001

本発明は、2次元の及び/若しくは3次元のオブジェクト又はシーン表現するためのディスプレイデバイスに関連する。さらに、本発明は、そうしたディスプレイデバイスにより大規模視野を生成するための方法にも関連する。

背景技術

0002

光ガイドを有する導光デバイスは、特に光学分野において広い用途を有する。特に、それらはレーザの分野で使用される。光ガイドは一般に、内部にコアを有し、このコアは、クラッド又はクラッド層によって囲まれている。光ガイドに入る光は、通常、全反射を介してその中を伝播する。全反射によるこの導光効果は、クラッド材屈折率よりもコア材の屈折率が高いために、又はクラッド層が設けられていない場合には、周囲、例えば空気、の屈折率よりも導光材の屈折率が高いために生じる。

0003

しかしながら、導光デバイスは、他の分野、例えば、再構成されたシーンを表す装置、特に、再構成された、好ましくは3次元シーン又はオブジェクトポイントを表す装置にも使用することができる。このような装置は例えば、シーンの観察者の目の近くに配置されたディスプレイ又はディスプレイデバイス、いわゆる目に近い(near-to-eye)ディスプレイとすることができる。1つの目に近いディスプレイは、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。

0004

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)又は同様の目の近くに位置するディスプレイもしくはディスプレイデバイスの場合、コンパクトで軽量な光学構造を使用することが望ましい。このようなディスプレイデバイスは一般に、ユーザの頭部に固定されるので、容積が大きくて重い構成は、ユーザの快適性を不利に損なう。

0005

可視範囲又は視野は、HMDにおけるユーザの快適さにとっても重要である。この場合、可能な限り大きな視野が有利である。しかしながら、一般に、高い解像度と組み合わされた大きな視野の表現は、非常に多数の画素を有する空間光変調デバイスを必要とする。

0006

仮想的な観察者ウィンドウを有するホログラフィックヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、米国特許出願公開第2013/0222384号明細書に開示されている。このようなヘッドマウントディスプレイは、視野をセグメント化することによって大規模な視野を達成することができる。この場合、観察者ウィンドウから見える視野の様々な部分が、空間光変調器及び適切な光学系を使用して時系列的に生成される。このデバイスの1つの利点は、連続的な表現であるために、空間光変調器の多数の画素を必要とすることなく、大きな視野が達成されることである。

0007

様々な実施形態が米国特許出願公開第2013/0222384号明細書に記載されており、こうした複数のセグメントからなる空間光変調器によって又はタイリング(tiling)によって視野の拡大が達成される。

0008

導波路を有する実施形態も米国特許出願公開第2013/0222384号明細書に記載されている。ある実施形態は、それぞれ観察者の左目のための1つの導波路と、観察者の右目のための1つの導波路とを有する。この構成では空間光変調器及び光学ユニットはそれぞれ観察者の頭部に横方向に隣接して設けられ、光はそれぞれの目のための格子によって導波路にカプリングされる。光はカプリング用格子により平坦な角度で導波路にカプリングされ、その結果、全てのカプリング角の光は互いに平行に配置された導波路の2つの境界面における全反射を介して、導波路の方向に伝播する。光偏向デバイスは様々な角度スペクトルを時系列的に生成し、これらの角度スペクトルは導波路にカプリングされる。セグメント化された多重イメージを生成するために、多重イメージの各セグメントに対して異なる角度スペクトルが導波路にカプリングされる。光偏向デバイスによって生成された角度スペクトルのうちの1つの光は、その角度選択性に関して異なる角度範囲のためにそれぞれ設計され、互いに隣接して配置された複数のデカプリング用格子を介して、観察者の目の方向に、異なる位置でのそれぞれのケースで、導波路からカプリングアウトされる。

0009

米国特許出願公開第2013/0222384A1号明細書に記載された、他の実施形態との関連における上記実施形態の1つの利点は、導波路が軽量かつコンパクトなことである。

0010

Keigo Iizuka著、Elements of Photonics,Volume II chapter 9「Planar Optical Guides for Integrated Optics」という書籍もまた、光ガイドにおける光伝播に関してここで引用される:「集積オプティクス基礎平面光ガイドである。光は、周囲の層の屈折率よりも高い屈折率を有する媒体によって導かれる…。幾何学的オプティクスによれば、光は特定の条件が満たされるならば、損失が非常に少ない連続的な全内部反射によって伝播する。これらの条件は、伝播を支持する層が周囲の媒体よりも高い屈折率を有していなければならず、光が上下の境界で全反射を満たす角度内で発射されなければならないことである。この単純な幾何学的光学理論は、導波媒体の寸法が光の波長匹敵する場合には失敗する。この範囲では、ガイド離散的な数の角度についてのみ伝搬サポートする。このような離散的な数の角度を「伝搬モード」と称する。」後者の場合、光伝播は波動光学アプローチによって記述される。次に、用語「導波路」が典型的に使用される。このような導波路には、定義された幾何学的ビームプロファイルは現れない。

0011

これとは対照的に、本出願では、用語「光ガイド」は、光伝播が幾何学的オプティクスによって記述され得る、十分に厚い構成を指すように使用される。このような光ガイドは、例えば、数ミリメートル、例えば、2mm又は3mmの厚さを有することができる。

0012

ホログラフィックディスプレイは、とりわけ、空間光変調デバイスの画素のアパーチャにおける回折の効果、及び光源によって放出されるコヒーレント光干渉に基づく。それにもかかわらず、幾何学的オプティクスを使用して、仮想的な観察者ウィンドウを生成するホログラフィックディスプレイデバイスのために、いくつかの重要な条件を定式化し、定義することができる。

0013

一方では、ディスプレイデバイスにおける照明ビーム経路がこの目的のために重要である。これは、とりわけ、仮想観察者ウィンドウを生成するために使用される。空間光変調デバイスは、少なくとも1つの実光源又は仮想光源を有する照明デバイスによって照明される。この場合、空間光変調デバイスの異なる画素から来る光は、それぞれのケースで、仮想観察者ウィンドウに向けられなければならない。この目的のために、空間光変調デバイスを照明する照明デバイスの少なくとも1つの光源は、通常、仮想観察者ウィンドウを有する観察者平面内にイメージングされる。この光源のイメージングは例えば、仮想観察者ウィンドウの中心で行われる。無限遠の光源に対応する平面波を用いて空間光変調デバイスを照明する場合、例えば、空間光変調デバイスの異なる画素からの光は、これらの画素から垂直に出射し、仮想観察者ウィンドウの中心に集束される。それぞれのケースで、空間光変調デバイスの様々な画素から垂直出射ではなく同じ回折角度で発せられる光も、仮想観察者ウィンドウ内のそれぞれの同じ位置に集束される。しかしながら、一般に、仮想観察者ウィンドウは少なくとも1つの光源のイメージに対して横方向に変位させることもでき、例えば、少なくとも1つの光源のイメージの位置は、観察者ウィンドウの左又は右エッジと一致し得る。

0014

他方、イメージングビーム経路は、直視型ディスプレイを除いて、ホログラフィックディスプレイ又はディスプレイデバイスにおいて重要である。HMDでは、一般に、寸法の小さい空間光変調デバイスの拡大像が生成される。これは、しばしば、空間光変調デバイス自体が位置する距離よりも観察者に対してより大きな距離にあるように見える虚像である。空間光変調デバイスの個々の画素は、通常、拡大されてイメージングされる。

0015

仮想観察者ウィンドウを生成するホログラフィック直視型ディスプレイは、照明ビーム経路を含む。ディスプレイは、少なくとも1つの光源を有する照明デバイスを備える。例えば、照明デバイスは、空間光変調デバイスを照明する平行な平面波面を生成するバックライトとして設計される。コリメートされた波面は、空間光変調デバイスを無限遠から照明する仮想光源に対応する。また、空間光変調デバイスは発散又は収束波面を使用して照明することもできるが、これは空間光変調デバイスの前方又は後方有限距離にある実際の又は仮想の光源に対応する。フィールドレンズは、空間光変調デバイスから来る光を仮想観察者ウィンドウの位置に集束させる。ホログラムが空間光変調デバイスにおいて符号化されていない場合、光源のイメージは観察者平面となり、より高い回折次数の結果としてこのイメージの周期的な繰り返しが生じる。適切なホログラムが空間光変調デバイスにおいて符号化される場合、仮想観察者ウィンドウはゼロ番目の回折次数に近い結果となる。これは、以下、仮想観察者ウィンドウが光源イメージの平面内に位置することを述べることによって言及される。ホログラフィック直視型ディスプレイでは、光源のイメージを生成するフィールドレンズは通常、空間光変調デバイスの近くに配置される。観察者は、空間光変調デバイスのイメージが存在しない状態で、その実際の距離で空間光変調デバイスを見る。その場合、イメージングビーム経路は存在しない。

0016

他のホログラフィックディスプレイデバイス、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、又は他の投影ディスプレイでは、既に簡単に述べたように、イメージングビーム経路が追加的に存在し得る。観察者が見る空間光変調デバイスの実像又は虚像は、これらのディスプレイデバイスにおいて生成され、照明ビーム経路は仮想観察者ウィンドウの生成にとって依然として重要である。したがって、ここでは、ビーム経路、照明ビーム経路及びイメージングビーム経路の双方が重要である。

0017

イメージングビーム経路及び照明ビーム経路が存在するケースは、他のディスプレイデバイス、例えば、立体ディスプレイデバイスにおいても発生し得る。スイートスポットを生成するための立体ディスプレイデバイスは例えば、上述のホログラフィックディスプレイデバイスと同様の光学構成、即ち、空間光変調デバイス及びフィールドレンズの平行化された照明を有することができるが、例えば、定義された散乱角度を有する散乱エレメントなどの追加のコンポーネントも有することができる。散乱エレメントがディスプレイデバイスから取り除かれた場合、フィールドレンズは、スイートスポットの平面内に光源イメージを生成する。散乱エレメントを使用することによって、光は代わりに、観察者の瞳孔間距離よりも狭い、拡大されたスイートスポットにわたって分散する。しかしながら、照明ビーム経路は、口径食効果なし立体イメージを完全に見ることができるようにするために、重要である。この場合、3次元ステレオディスプレイデバイスはまたイメージングビーム経路を有することができ、このイメージングビーム経路を用いて、空間光変調デバイスが観察者から特定の距離においてイメージングされる。

0018

ホログラフィックディスプレイデバイスにおいて、3次元シーンからのホログラムの計算におけるサブホログラムの典型的なサイズは、空間光変調デバイスの面又はイメージ平面に対する、3次元シーンの空間位置に依存する。大きな寸法を有するサブホログラムは例えば、シーンが観察者に向かって空間光変調デバイスの面又はイメージ平面のはるか手前に位置する場合に生じる。しかしながら、大きなサブホログラムは、ホログラム計算中の計算労力を増大させる。本出願人の国際公開第2016/156287号パンフレットには、空間光変調デバイスの仮想平面を算術的に導入することによって計算労力を低減する方法が開示されている。しかしながら、空間光変調デバイスのイメージ平面が好適な位置になるように光学系を選択する選択肢代替手段として望ましいはずであり、それにより寸法の小さいサブホログラムを有するホログラムを計算することができる。

0019

光学系及び/又はイメージング系の制約に起因して、あらゆるケースでサブホログラム計算にとって有利なポイントで空間光変調デバイスのイメージを生成することは不可能である。例えば、ヘッドマウントディスプレイにおいて大きな視野を生成する必要性は、短い焦点距離を有するレンズが観察者の目の近くで使用されなければならないという結果をもたらし得る。他方、これは、空間光変調デバイスをレンズに十分に近接して配置することができない場合、ホログラム計算に有利な位置に空間光変調デバイスのイメージ平面を生成することをより困難にし得る。

0020

仮想観察者ウィンドウを生成するホログラフィックディスプレイデバイスの代替設計では、空間光変調デバイスのイメージングを仮想観察者ウィンドウ内で行うこともできる。あるタイプのスクリーン、又は、物理的なスクリーンが存在しない場合には、3次元シーンのホログラフィック表現のための基準面が、空間光変調デバイスのフーリエ平面、したがって光源のイメージ面に設けられる。したがって、このようなディスプレイデバイスにおいては、イメージングビーム経路及び照明ビーム経路も存在する。但し、ホログラム面及び観察者平面についてのその意義は入れ替わる。この場合、仮想観察者ウィンドウは、空間光変調デバイスのイメージ平面内に配置され、したがって、イメージングビーム経路を参照する。3次元シーンからホログラムを計算するためのホログラム又は基準面は、空間光変調デバイスのフーリエ平面内に位置し、したがって、照明ビーム経路を基準とする。

0021

国際公開第2016/156287号パンフレットによれば、このようなディスプレイデバイスについてのホログラムの計算のために、空間光変調デバイスのフーリエ平面に仮想平面が配置され得る。サブホログラムが計算され、その仮想平面内で合計される。空間光変調デバイスに符号化され得るホログラムは、この場合、合計ホログラムからのフーリエ変換によって決定される。

0022

観察者平面内に空間光変調デバイスのイメージを有するディスプレイデバイスは、左目及び右目のための2つの平坦なビューを有する立体3次元ディスプレイデバイスの設計を生成する目的で、修正されたバージョンで使用されてもよい。

0023

適切に計算されたホログラムが空間光変調デバイスへ符号化され、ディスプレイデバイスが十分にコヒーレントな光を生成する照明デバイスを含む場合、ホログラムのフーリエ変換として空間光変調デバイスのフーリエ平面内に2次元イメージが生成される。追加の散乱エレメントをこの平面内に配置することができる。空間光変調デバイスのイメージが、散乱エレメントのない観察者平面内に生成されたとしたならば、代わりに散乱素子を使用してスイートスポットが生じるはずである。スイートスポットのサイズは、散乱エレメントの散乱角度に依存する。このような構成を、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD)において使用することができる。

0024

以下の説明は、主に、仮想観察者ウィンドウ又はスイートスポットが光源イメージの平面内に現れるケースに関連する。上記の説明は、空間光変調デバイスのイメージを仮想観察者ウィンドウ内に有する実施形態にも適用可能であり、これは、イメージングビーム経路と照明ビーム経路との交換、又は、空間光変調デバイスの面とフーリエ平面との交換によるものである。したがって、本発明は、光源イメージの面内に仮想観察者ウィンドウ又はスイートスポットを有する場合に限定されるものではない。

0025

光変調デバイスの多重的なイメージの複数のホログラムセグメントを生成して大規模な視野を生成することは、ある状況下で、高い計算労力と時間消費とを要し得る。

0026

したがって、本発明の目的は、簡易な手段を用いて、高い計算労力及び時間消費無しで大きい可視範囲又は視野を生成することを可能にするディスプレイデバイス、具体的には目の近くのディスプレイデバイスを提供することである。これは、好適には、空間光変調デバイスのセグメント化されたイメージと組み合わせて実施可能となる。本発明のさらなる目的は、コンパクトで軽量なセットアップを有し、空間光変調デバイスのイメージのすべてのセグメントについて、どのケースでも仮想観察者ウィンドウを同じ位置で生成することのできる、ディスプレイデバイスを提供することである。

0027

請求項1の特徴を有するディスプレイデバイスにより、本発明に従って本目的が達成される。

0028

本発明によれば、目に近いディスプレイ、特にここではヘッドマウントディスプレイにおける使用のために特に適したディスプレイデバイスが提供されるが、用途はそれらディスプレイ又はディスプレイデバイスに限定されるものではない。そのディスプレイデバイスは、例えば、ヘッドアップディスプレイにおいても使用されることができる。

0029

2次元の及び/又は3次元のオブジェクト又はシーンを表現するための本発明によるこのようなディスプレイデバイスは、画素を有する少なくとも1つの空間光変調デバイスと、少なくとも1つの光学系と、少なくとも1つの導光デバイスとを備える。少なくとも1つの空間光変調デバイスは、入射光変調するために使用される。光学系は、空間光変調デバイスの個々の画素から放出される光ビームを、導光デバイスの表面に対して平均して異なる角度で、少なくとも1つの導光デバイスに入射してそこでカプリングできる形で設計される。それによりカプリング角度スペクトルが定義可能である。空間光変調デバイスの個々の画素から発する導光デバイスにおいて伝播する光ビームを、例えば仮想観察者ウィンドウ又はスイートスポットとして形成され得る観察者領域に対して平均して異なる角度で導光デバイスからカプリングアウトすることができ、それによりデカプリング角度スペクトルが定義可能である。この場合、デカプリング角度スペクトルは、カプリング角度スペクトルと比較して拡大される。

0030

有利には光ガイド、少なくとも1つの光カプリングデバイス、及び少なくとも1つの光デカプリングデバイスを備える、導光デバイスによって、少なくとも1つの空間光変調デバイスの画素から放出された光又は光ビームが、平均して異なる角度で導光デバイスへカプリングされる。少なくとも1つの空間光変調デバイスの個々の画素から発して異なる角度で導光デバイスに入射する光の個々の光ビームの互いに対する異なる角度のため、光のカプリング角度スペクトル又はカプリング角度範囲が定義される。さらに、個々の異なる画素から放出されて異なる角度で導光デバイスの光ガイド内を伝播する光は、観察者領域に対して平均して異なる角度で導光デバイスからカプリングアウトされる。光のデカプリング角度スペクトル又はデカプリング角度範囲は、このようにして生成され定義され得る。この場合、このデカプリング角度スペクトルは、カプリング角度スペクトルに対して拡大される。

0031

導光デバイスにおいて平面的に具現化された光ガイドの場合、空間光変調デバイスの個々の異なる画素から放出された光は、さらに導光デバイスの表面に対して異なる角度で導光デバイスからカプリングアウトされ、又はさらに観察者領域に関係して観察される。導光デバイスの湾曲された光ガイドの場合、例えば、光が各ケースで導光デバイスの表面に垂直にカプリングアウトされるが、観察者領域に対して異なる角度で伝播する。

0032

異なる角度に関して「平均して」という指定は、少なくとも1つの空間光変調デバイスの各画素から発する光ビーム群の平均的な光ビームの角度に関連する。全ての画素の平均光ビームのこれらの個々の角度は、それらが導光デバイスの光カプリングデバイスに入射するとき、各画素について異なることになる。全ての画素の平均光ビームが導光デバイスの光カプリングデバイスに入射するこの角度を、例えば、空間光変調デバイスと導光デバイスとの間の光学系によって、また任意選択で空間光変調デバイスの前段の光の経路にある光学系によって、設定することができる。しかしながら、単一の画素から発する個々の光ビームが互いに明白な平行性を有しない、即ち、すべてのビームが互いに平行であるわけではない本発明の実施形態が存在する。したがって、単一の画素からの光ビームであって、その角度が他の画素からの他の光ビームの角度に相当し得る光ビームも存在し得る。例えば、各画素の画素アパーチャの回折のため、画素から発する光ビームの角度スペクトルが生じ得る。あるいは、例えば、空間光変調デバイスは既に、散乱エレメントの使用による角度スペクトルを使用して照明され得る。しかしながら、これらの場合、平均角度は、この角度スペクトルから明白に決定可能である。しかしながら、平均で見ると、少なくとも1つの空間光変調デバイスのすべての画素の光ビームは、導光デバイスの表面又は光カプリングデバイスに対して異なる角度で導光デバイスへカプリングされ、さらに、観察者領域に対して異なる角度で導光デバイスからカプリングアウトされる。

0033

本発明によるディスプレイデバイスによって、このようにして大規模な視野が生成され、視野内では、2次元の若しくは3次元のオブジェクト又はシーンも表現され得る。この場合、2次元のオブジェクトは3次元のオブジェクトと組み合わせることもできる。表現される2次元の及び3次元のオブジェクトの組み合わせは、例えば、3次元のオブジェクトのみが大きな計算労力及び時間消費を要し、2次元のオブジェクトは大きな労力なしに表現され得るので、もっぱらホログラフィックに再構成される3次元シーンの表現に関連して計算労力及び時間消費が低減され得るという点で有利である。このような組み合わされた表現の背景及び非常に大きな利点は、以下の通りである:人間又は人が、その自然な環境又は周囲において、高い解像度及び強く知覚可能な3次元の印象を獲得できるのは、限られた空間角度のみである。非常に大きい空間角度がこの人間に利用可能であるならば、「高い解像度及び強く知覚可能な3次元の印象」という特徴は、空間角度全体の部分領域のみに存在する。これは、人間が特に集中することができる領域、及び/又はこの人間がその注意を向ける領域である。この領域は人間の目の動きと共に空間内を移動できるので、強い集束特性及び3次元特性を伴って表現される空間領域も移動させることが有利である。この空間領域を移動させることができるように、目の位置及び/又は人間の視認方向が獲得されることが好都合である。

0034

従来技術によるディスプレイデバイスにおける光ガイドの場合、一般に、光の定義された角度スペクトルは光ガイドへカプリングされる。次いで、定義された角度スペクトルを有するこの光は、光ガイド内を伝播し、デカプリング領域において光ガイドから再びカプリングアウトされる。しかしながら、この場合に、光の角度スペクトル及びしたがって視野は、光ガイドそれ自体によって変更されない。したがって、光のデカプリングされた角度スペクトル及びしたがってオブジェクト又はシーンを観察する観察者に見える視野は、カプリングインされた角度スペクトルに対応する。

0035

全体としての視野は、本明細書にその全体が組み込まれるPCT/EP2018/053496又は米国特許出願公開第2013/0222384号明細書による本出願人のディスプレイデバイスにおける複数のセグメントの連続的な表現によって拡大され、それぞれにおいて、ディスプレイデバイスは導光デバイスを備え、それを使用して空間光変調デバイスのイメージのホログラフィックセグメントを生成することができる。この場合、これは視野のセグメントを並置することによって行われ、イメージの個々のセグメントは各々が視野の1つのセグメントを表現する。しかしながら、このディスプレイデバイスでは、デカプリングされた角度スペクトル及びしたがってセグメントの関連付けられた視野が、カプリングインされた光の角度スペクトルに対応するということが、イメージの個々のセグメントにも当てはまる

0036

しかしながら、これは本発明によるディスプレイの場合に当てはまらず、なぜならば、ここでは、導光デバイスからカプリングアウトされた光の角度スペクトル及びしたがってそれにより生成された視野は、導光デバイスへカプリングされた光の角度スペクトルと比較して拡大されるからである。このようにして、非常に大規模な視野が、例えばオブジェクト又はシーンの立体視表現に関して、生成され又は達成され得る。このような視野は、例えば約60°の角度範囲にわたり得る。この場合、この角度範囲は、空間光変調デバイスのそれぞれ1つの単一のセグメント又は単一のイメージのみを使用して生成され得る。

0037

ホログラフィックセグメントを生成するための導光デバイスは、本出願人の文献PCT/EP2018/053496に開示されている。この場合、導光デバイスの光ガイドへの光のカプリングは、空間光変調デバイスの画素の回折角を別として、空間光変調デバイスの全ての画素からの光が、各ケースで光ガイドの表面に及びカプリングエレメントに垂直に入射する形で行われる。次いで、光ガイド内を伝播する光はまた、固定された回数反射の後に、光ガイドの表面に垂直に再びカプリングアウトされる。

0038

従来技術による他の光ガイドでは、光の角度スペクトルが、カプリング表面で光ガイドへカプリングされ、同じ角度スペクトルであり、したがって拡大されない角度スペクトルが、個々の角度で異なる光ガイド内のある回数の反射の後に、カプリング表面から定義された距離にある光ガイドのデカプリング表面で再びカプリングアウトされる。

0039

本発明によるディスプレイデバイスは、有利には、光ガイド内の固定された回数の反射の特性と組み合わせることができる。したがって、有利には、光は、光ガイドの境界面における反射を介して光ガイド内を伝播し、光ガイドの境界面での光の定義された回数の反射の後に、光デカプリングデバイスによる光ガイドからの光のカプリングアウトが提供され得る。好適には、光ガイドの境界面における光の反射の定義された回数を変化させるための制御可能エレメントが提供され得る。反射の回数は、このように定義されたやり方で変更され得る。

0040

このようにして、大規模な視野を生成するために、光の定義された角度スペクトルのカプリングが、導光デバイスと関連して光学系によって各角度について導光デバイスの光ガイド内の固定的に定義された回数の反射と組み合わされる。

0041

これは、光ガイドの境界面における各ケースで事前に予め決定され又は予め定義された回数の光の反射の後に、光ガイドにおける異なる位置で導光デバイスからそれによって光のカプリングアウトが行われることを意味する。

0042

少なくとも1つの空間光変調デバイスの異なる画素からの光は、導光デバイスへ又は導光デバイスの光ガイドへ互いに対して異なる角度でカプリングされ、予め定義された回数の反射の後に光ガイド内の異なる長さの伝播経路を越えて、少なくとも1つの光デカプリングデバイスによって導光デバイスからカプリングアウトされる。導光デバイスにおける異なる長さの光の伝播経路により、定義されたやり方でカプリング角度スペクトルに対してデカプリング角度スペクトルの拡大を達成することが可能である。

0043

特に有利には、少なくとも1つの導光デバイスに入射する光が多重的な又は複数の光ビームを有する光束又は光フィールドとして形成される場合、導光デバイスの光ガイドの境界面における、光束又は光フィールドの全ての光ビームについて各ケースで等しい回数の反射の後に、光ビームについて光ガイドからのカプリングアウトが提供され得る。

0044

光フィールドは、特定の領域内のある回数の光ビームによって本発明に従って定義される。したがって、光フィールドは全ての到来する光ビームの全体である。

0045

特に、立体視オブジェクト又はシーンを生成するとき、少なくとも1つの空間光変調デバイスの様々な画素からの光が、回数は等しいが位置が異なる反射の後に導光デバイスからカプリングアウトされることにより、ギャップのない一様な立体イメージが表現されることが有利である。

0046

本発明のさらなる有利な実施形態及び改良点が、さらなる従属請求項から得られる。

0047

定義された幾何学的経路が光ガイドに存在する。したがって、光ガイド内の光の伝播中に、光ガイド内の光路及びその境界面での反射の回数が具体的に定義可能である。したがって、このようにして、光ガイドの境界面で何回の反射の後に光がそれからカプリングアウトされるかが予め決定される。

0048

したがって、本発明によれば、少なくとも1つの空間光変調デバイスの各画素について、定義された回数の反射の後に当該画素からの光が到達する、光ガイドの境界面の1つの光入射位置は、光ガイドの幾何学的特性及び光学的特性並びに光カプリングデバイスの光学的特性から決定可能であることが提供され得る。この場合、光ガイドの境界面の厚さ及び/又はあり得る曲率が、好適には、光入射位置を決定する光ガイドの幾何学的特性として使用可能であり、光ガイドの材料の屈折率が、光ガイドの光学的特性として使用可能であり得る。

0049

光ガイドの境界面の1つでの光入射位置及び/又は光デカプリング位置の計算は、本明細書にその全体が組み込まれるPCT/EP2018/053496に記載されている手順に従って行われ得る。

0050

光ガイドの幾何学的形状は、ここでは、光ガイドの実施形態に応じて相違し得る光ガイドの厚さ及びあり得る曲率として理解されることになる。光カプリングデバイスの光学的特性は、ここでは、光カプリングデバイスに提供される少なくとも1つのエレメント、例えば、格子エレメントに関連する。光カプリングエレメントが格子エレメントである場合、光ガイド内の光の反射の回数に影響する光学的特性は、格子エレメントの格子周期である。したがって、光ガイド内の反射の望ましい数を決定するために、光ガイドの厚さ及び場合によってあり得る曲率、並びにカプリングエレメントの光学的特性、本例では格子エレメントの格子周期が、使用され考慮に入れられる。そして、光ガイド内の光の反射の所要又は所望の回数がこれらの値から決定され及び定義される。格子方程式が、典型的にはsinβout=λ/g+sinβinとして知られており、ここで、gは格子周期であり、λは光の波長であり、βinは光の入射角であり、βoutは光の出射角である。しかしながら、上記の方程式がこの形式で当てはまるのは、光の経路における媒体の屈折率が格子エレメントの前後で等しい場合のみである。カプリングエレメントが、空気から光ガイドの媒体への光のカプリングに使用される場合、光ガイドの屈折率nlightguideが、追加的にnlightguidesinβout=λ/g+nairsinβinとして算入されるべきである。

0051

例えば、波長λ=532nmの光束の平均光ビームが空気から垂直にカプリングエレメントに入射し、カプリングエレメントが格子周期g=400nmを有し、光ガイドの材料が屈折率nlightguide=1.6を有する場合、光ガイドへのカプリングの後に光ビームが伝播する56.2°の角度βoutが算出され得る。厚さd=3mmの平坦な光ガイドでは、光ビームは、例えば、この場合は8.96mmである距離2d tanβoutの後、光ガイドの反対側の反射の後に、光がカプリングされた側の光ガイドの表面に再び到達する。5回の反射の後、光ビームは、したがって、カプリング位置から5×8.96=44.8mmの距離で光ガイドから再びカプリングアウトされ得る。

0052

同じ波長λ=532nmを有する空間光変調デバイスの異なる画素から発する光束の平均光ビームが、空気から垂直ではなく10°の角度でカプリングエレメントに入射する場合、且つ、カプリングエレメントが格子周期g=400nmを再び有し、光ガイドの材料が屈折率nlightguide=1.6を再び有する場合、nlightguide sinβout=λ/g+nair sinβinを使用して、光ガイドへのカプリングの後に光ビームが伝播する70.0°の角度βoutが、再び算出され得る。厚さd=3mmの平坦な光ガイドでは、光ビームは、例えば、この場合は16.48mmである距離2d tanβoutの後、光ガイドの反対側の反射の後に、光がカプリングされた側の光ガイドの表面に再び到達する。5回の反射の後、光ビームは、したがって、カプリング位置から5×16.48=82.42mmの距離で光ガイドから再びカプリングアウトされ得る。

0053

観察者領域が、例えば、導光デバイスから30mmの距離に配置され、垂直に入射した光ビームがやはり導光デバイスから垂直にカプリングアウトされる場合、且つ、10°で空気からカプリングされた光ビームが、観察者領域の方向でそれがさらに同様に延びる形でカプリングアウトされる場合、atan((82.42−44.8)/30)=51°のデカプリング角度スペクトルがもたらされ、それは、10°のカプリング角度スペクトルに対して約5倍の拡大を表す。

0054

決定された値は、好適には、値テーブル(ルックアップテーブル)に保存され又は記憶され得る。光の反射の回数についてこうして決定された値のルックアップテーブルにおける保存又は記憶は、このようにして再度これらの値を決定することが必要でなくそのため計算労力が低減できるといいう点で有利であり得る。その後、これらの値は単にルックアップテーブルから取り出されてしかるべく使用され得る。

0055

本発明の1つの有利な実施形態では、少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージが、少なくとも1つの導光デバイス及び少なくとも1つの光学系によって提供され得る。

0056

この場合、イメージは、少なくとも1つの空間光変調デバイスにおいて符号化されるシーンの情報項目を表現できる視野を定義することができる。

0057

オブジェクト又はシーンの立体視表現について特に、光ガイド内の少なくとも1つの空間光変調デバイスのエッジ画素からの光の相異なる長さの伝播経路、及びしたがって光ガイドからのこれらのエッジ画素の光の異なるデカプリング位置により、並びにまた提供された観察者位置からの光ガイドの距離により視野が定義可能な形で、視野を決定することができ、その視野内で、少なくとも1つの空間光変調デバイスにおいて符号化される情報項目又はシーンの情報の表示項目が表現され得る。

0058

本発明によるディスプレイデバイスの特徴のこの記述及び以下の記述を説明するために、ここでまず留意するべきことは、大規模な視野の場合、観察者が視野の異なる部分を観察するとき、ディスプレイデバイスを使用して生成されるシーンの観察者の瞳孔は典型的には異なるように回転されることである。大規模な視野及び観察者領域としての仮想観察者ウィンドウを有するディスプレイデバイス又はディスプレイは、概して、本出願における意味では、観察者の目の瞳孔が回転するときに、生成されたシーンを観察者が観察できる仮想観察者ウィンドウがその中心の周りを共に回転するようにも理解される。空間光変調デバイスのイメージの全てのセグメントについて同じ位置で仮想観察者ウィンドウが生成されることは、一般に、互いに対してイメージの様々なセグメントの各々について仮想観察者ウィンドウも傾けられ得るが共通の中心点を有するように理解される。「空間光変調デバイスのイメージのセグメント」という表現は、本発明における意味では、空間光変調デバイスが複数回イメージングされ、このようにして個々のセグメントが生成され、それらが一緒に空間光変調デバイスのイメージをもたらし又は形成するような形で理解される。

0059

観察者が大規模な視野の様々な部分を観察し同時に観察者の目を回転する場合、瞳孔の約12mm後方に位置する目のレンズの中心点の周りの回転が行われる。したがって、目のレンズの回転のときに瞳孔位置の横方向の変位も自動的に発生する。15°の回転は、例えば、約3.2mmの瞳孔の変位に対応する。例えば空間光変調デバイスのセグメント化された多重イメージを使用して生成される大規模な視野を有するディスプレイデバイスに関して、代替的な実施形態では、したがって、目のレンズの回転時の瞳孔位置の変更が、多重イメージの個々のセグメントの仮想観察者ウィンドウがそれに応じて互いに変位される形で、意図的にやはり考慮に入れられる。例えば、視野内で15°の距離を有するセグメントの場合、仮想観察者ウィンドウの中心点も互いに対して3.2mm変位され、したがって、それは目の回転時の瞳孔中心点に対応する。この場合、各セグメントは、したがって、わずかに変位された位置、及び加えて場合によっては仮想観察者ウィンドウの傾けられた配置を意図的に有する。

0060

光ガイドの曲率は、例えば、この変位が、光ガイド表面から観察者の距離で、導光デバイスの表面に対して垂直な光ガイドの光のカプリングアウトをもたらすように適応され得る。

0061

本発明によるディスプレイデバイスでは、光ガイドの境界面でのそれぞれの予め決定された回数の光の反射の後に、導光デバイスにおける異なる位置で光のカプリングアウトが行われる。

0062

既に述べたように、定義された幾何学的経路が光ガイドに存在する。したがって、光ガイド内の光の伝播中に、光ガイド内の光路及び光ガイドの境界面での反射の回数が定義され得る。したがって、使用される光ガイドの光は予め定義されることができ、光学系のイメージングエレメントの焦点距離、並びに空間光変調デバイス及び仮想観察者ウィンドウ又はスイートスポットの距離が、特定のイメージングビーム経路及び/又は照明ビーム経路が設定可能である形で、導光デバイスから設定されることができる。使用される用語「観察者領域」は、本発明によるディスプレイデバイスがホログラフィックディスプレイデバイス及び/又は立体ディスプレイデバイスとして設計されているかに依存して、仮想観察者ウィンドウ、スイートスポット、又は双方を含む。

0063

本発明のある特に有利な実施形態では、照明デバイス内に提供される少なくとも1つの光源の光源イメージ又は空間光変調デバイスのイメージが、導光デバイスへの光のカプリングの前に、光の経路において光学系によって提供され得る。

0064

この場合、光カプリングデバイスは、好適には、光源イメージの位置の領域に又は当該領域内に提供され得る。

0065

導光デバイスの光ガイドへの光のカプリングは、本発明に従って、光源イメージの位置で又はその位置の近くで行われる。少なくとも1つの空間光変調デバイスによって変調され放出された光は、光学系によって、例えば少なくとも1つのイメージングエレメントによって、光ガイドと組み合わされる導光デバイスの光カプリングデバイスに向けられ、集束され及び/又は結像され、したがって、少なくとも1つの空間光変調デバイスの個々の画素からの光は、光カプリングデバイスに異なる角度で入射する。光カプリングデバイスによる光ガイドへの光のカプリングの後に、異なる角度で入射した光が、光ガイド内を異なる角度で光が伝播する形で屈折される。永続的に予め定義された回数の反射の後に、異なる角度で伝播する光はまた、光ガイド内の異なる長さの光経路又は伝播経路を進む。光ガイド内の光の反射の回数が増すにつれ、2つの異なる伝播角を有する光ビームの間の経路差が増大する。本発明によれば、予め決定され又は予め定義された回数の反射の後に、光は、光デカプリングデバイスによって光ガイドから再びカプリングアウトされ、したがって導光デバイスからカプリングアウトされる。これは、好適には、湾曲された光ガイドの場合、光ガイドの表面に対して垂直に行われ得る。この場合、個々のデカプリングされた光ビームは、湾曲された光ガイドが形成する円弧の中心に達し又は交差するはずである。この場合、デカプリング角度スペクトルは、円弧の中心に対して光が延びる相異なる角度によって定義される。光ガイドにおける相異なる伝播角を有し、したがって光ガイド上で互いに異なる光ビームのデカプリング位置を有する光ビームの異なる長さの経路のために、導光デバイスに関連する円弧の中心点又は中心からの、観察者の目についての視野が、光のカプリングインされた角度スペクトル又はカプリング角度スペクトルと比較して拡大される結果となる。

0066

光カプリングデバイスは、受動的な又は制御可能な格子エレメントとして設計される、少なくとも1つのミラーエレメント又は少なくとも1つの格子エレメントを含むことができる。

0067

本発明のある実施形態では、光カプリングデバイスは、光を光ガイドへカプリングするための少なくとも1つのミラーエレメントを含むことができる。ミラーエレメントは、光ガイドの内側又は境界面に提供される、傾斜した鏡面加工された面として設計され得る。

0068

本発明の他の実施形態では、光カプリングデバイスは、光ガイドへ光をカプリングするための少なくとも1つの格子エレメントを含むことができる。特に、格子エレメントが光ガイドへ光をカプリングするために使用される場合、これらの格子エレメントは、高効率の少なくとも1つの空間光変調デバイスの個々のプロセスから発する光の角度スペクトル全体をカプリングすることが可能とされる。

0069

格子エレメントの格子定数又は光ガイドの表面に対するミラーエレメントの傾斜の角度は、有利には、定義された回数の反射の後に光が到達する光入射位置を決定するための光カプリングデバイスの光学的特性として使用され得る。

0070

さらに、有利には、光デカプリングデバイスの寸法及び位置又は場所が、定義された回数の反射の後に光ガイドの境界面の1つに空間光変調デバイスの異なる画素からの光が到達する全ての光入射位置を含む形で、少なくとも1つの導光デバイスにおいて少なくとも1つの光デカプリングデバイスが提供され得る。

0071

このようにして、光がまた光ガイドの予め定義された位置で光ガイドからカプリングアウトされることを確実化することができる。光デカプリングデバイスの寸法は、この場合、少なくとも1つの空間光変調デバイスの個々の画素から放出された光が入射する全ての光入射位置の範囲を含むことになり、したがって、光の全て又はカプリングインされた角度スペクトル全体が常にカプリングアウトされることが確実化される。

0072

本発明のある特定の実施形態では、光デカプリングデバイスが、少なくとも1つの格子エレメント、具体的には偏向格子エレメント、好適には角度選択的偏向格子エレメント、好適には体積格子、又は少なくとも1つのミラーエレメントを含むことが提供され得る。

0073

光ガイド又は導光デバイスからの光のカプリングアウトは、本発明のある好適な実施形態では、少なくとも1つの格子エレメント、好適には偏向格子エレメントを使用して行われ得る。この偏向格子エレメントは、角度選択的格子、例えば、体積格子として設計され得る。少なくとも1つの格子エレメントの代わりに、少なくとも1つのミラーエレメントが、光をカプリングアウトするために光デカプリングデバイスにおいて使用されてもよい。この場合、ミラーエレメントは、光ガイドの表面に対し傾斜された鏡面を含むことができる。

0074

さらに、少なくとも1つの格子エレメントは、制御可能に設計され、光ガイド内の光が定義された回数の反射の後に到達する光入射位置に依存して、又は、光ガイド内の光が定義された回数の反射の後に有する光入射角に依存して、格子エレメントの格子周期が可変的に制御可能である。このようにして、光ガイド内で光の何回の反射の後に光がカプリングアウトされるかが意図的に制御され得る。光ガイドの境界面での反射の回数は、このように変化させることができる。

0075

もっぱら立体視表現の場合、少なくとも1つの格子エレメント及びしたがって光デカプリングデバイスは、制御可能に設計される必要がない。しかしながら、オブジェクト又はシーンの立体視表現とも組み合わせることができるホログラフィック3次元表現の場合、少なくとも1つの格子エレメントは、少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージの複数のセグメントを相応にカプリングアウトし及び生成し、したがって大規模な視野を達成するために制御可能に設計される必要がある。

0076

但し、各ケースで互いに異なる角度で導光デバイスの光ガイド内を伝播する光又は光ビームは、光デカプリングデバイスの同じデカプリング表面に異なる回数の反射の後に入射することができる。例えば、伝播する光ビームが光ガイドの境界面で3回の反射又は4回の反射の後に入射する領域は、光ガイドの内側で重なり合うはずである。予め定義された回数の反射の後に光ガイドからの光の望ましいカプリングアウトを達成するために、反射の回数が過剰に少ないうちに光ビームが不用意にカプリングアウトされるのを防止すべきである。この目的で様々な選択肢が提供され得る。ある実施形態では、例えば、角度選択的偏向格子エレメント、例えば、体積格子が、導光デバイスから光をカプリングアウトするために使用され得る。この場合、光ガイドの定義された位置でカプリングアウトされるべき伝播角の光のみが偏向格子エレメントによってやはり高効率で屈折される形で、偏向格子エレメントの角度選択性が設定される。しかしながら、光ガイドにおける格子エレメントの位置と共に偏向角度それ自体も変化する格子エレメントの場合、適切な角度選択性の設定はより複雑であり得る。

0077

したがって、ある好適な実施形態では、少なすぎる回数しか反射しないうちに光ガイドから光がカプリングアウトする望ましくない事態を回避するための他の選択肢が提案される。有利には、偶数回及び奇数回の反射について、光ガイド内の伝播する光ビームの偏光が相違するように、これらの光ビームの偏光が設定され得る。光の偏光のこの変更を、光ガイドを使用して、立体視セグメントの表現及びホログラフィックセグメントの生成の双方のために使用することができる。

0078

導光デバイスが少なくとも1つの遅延層を含むことにより、偏光の設定を有利に提供することができる。

0079

また、導光デバイスは、少なくとも2つの遅延層を含んでもよく、少なくとも2つの遅延層は、複屈折材料を各々含み、少なくとも2つの遅延層の複屈折材料は、同一であるか又は異なる。

0080

有利に提供され得ることとして、第1の遅延層の複屈折材料の光学軸は、当該層の面内に配向され、第2の遅延層の複屈折材料の光学軸は、当該層の面に対し垂直に配向される。

0081

少なくとも2つの遅延層は、この場合、第1の遅延層の遅延が、当該遅延層に対する光の伝播角が増大するにつれて減少し、第2の遅延層の遅延が、当該遅延層に対する光の伝播角が増大するにつれて増加する形で構成され得る。第1の遅延層の厚さ及び第2の遅延層の厚さは、光の提供され又は必要とされる伝播角範囲について双方の遅延層の合計で実質的に一定の遅延が得られる形で設定され得る。

0082

さらに提供され得ることとして、光ガイドの外側面に少なくとも1つの遅延層が適用され、光ガイドの周囲に対してこの遅延層の境界面において光の全反射が生じる形で、この遅延層の屈折率及び光ガイド内を伝播する光の伝播角が選択される。他の実施形態では、さらに、例えば誘電体層又は金属層といった追加のミラー層もまた、光ガイドの周囲に対するこの遅延層の境界面に適用されてもよく、それにより、全反射の代わりにこのミラー層で反射が生じる。

0083

光ガイド内の光の伝播角及びこの遅延層の屈折率は、光ガイドの周囲に向かう、例えば周囲媒質空気に向かうこの遅延層の境界面において全反射がやはり生じるように選択される。少なくとも1つの遅延層を通じた光の第1回又は最初の通過後に、光ガイドの周囲に向かう境界面において反射が提供され、少なくとも1つの遅延層を通じた光の後続のさらなる通過後に、直線偏光した入射光の場合は、光の偏光状態が90度回転し、又は円偏光した入射光の場合は、円偏光した光の回転の向きが左円偏光から右円偏光若しくはその逆に変更されるように、少なくとも1つの遅延層の厚さが設計される。言い換えれば、有利には、直線偏光した光の入射の際に、光ガイド内を伝播する光の平均伝播角について、少なくとも1つの遅延層を通じた光の最初の通過後に、光ガイドの周囲に向かう境界面において反射が提供され、少なくとも1つの遅延層を通じた光のさらなる通過後に、直線偏光した入射光の場合は、光の偏光状態が90度回転し、又は円偏光した入射光の場合は、円偏光した光の回転の向きが変更される形で、少なくとも1つの遅延層の各厚さ並びに少なくとも1つの遅延層の複屈折性及び光学軸の配置が形成されることが提供され得る。

0084

本発明の他の実施形態では、総伝播角範囲にわたって、少なくとも1つの遅延層の形成が行われ得る。総伝播角範囲に関しては、これは、直線偏光した光の入射の際に、光ガイド内を伝播する光の、カプリング角度範囲及び光カプリングデバイスによって定義される総伝播角範囲について、少なくとも1つの遅延層を通じた光の第1回の通過後に、光ガイドの周囲に向かう境界面において反射が提供され、少なくとも1つの遅延層を通じた光のさらなる通過後に、光の偏光状態が実質的に90度回転し、又は円偏光した入射光の場合は、円偏光した光の回転の向きが変更される形で、少なくとも1つの遅延層の各厚さ並びに少なくとも1つの遅延層の複屈折性及び光学軸の配置が形成されることを意味する。

0085

総伝播角範囲を考慮に入れる実施形態では、例えば、平均伝播角を考慮に入れるだけの実施形態よりも多くの遅延層が使用されてもよい。例えば、平均伝播角に関する実施形態は単一の遅延層を含んでもよく、総伝播角範囲に関する実施形態は2つの遅延層を含んでもよい。後者の場合、伝搬角範囲全体にわたって望ましい偏光変化が生じる形で、各ケースで、第1及び第2の遅延層の厚さ、並びに第1及び遅延遅れ層の複屈折、並びに第1及び第2の遅延層の光学軸の配置を形成する選択肢がある。しかしながら、本発明は、1つ又は2つの遅延層を有するこれらの例に文字通り限定されることはない。

0086

単一の遅延層は、典型的には波長依存である。複数の遅延層の組み合わせを、例えばアクロマティックに形成することもできる。ある好適な実施形態では、少なくとも1つの遅延層が、伝播角範囲と青、緑、及び赤の光との双方について、直線偏光した入射光の偏光回転を生じさせ、又は円偏光した光の場合の回転の向きの変更を生じさせるように形成される。定義された波長範囲について偏光を90°回転し、他の波長について偏光回転なしに光を通過させる、いわゆる色選択フィルムCSF)も知られている。従来の遅延層の代わりに、本発明の実施形態は、伝播角範囲について赤、緑、又は青のいずれかの光のみについて各ケースで、直線偏光した入射光の偏光回転を生じさせ、又は円偏光した光の場合の回転の向きの変更を生じさせる、そうした色選択フィルムを備えることもできる。

0087

光ガイド内での光の偶数回の反射及び奇数回の反射について光の偏光状態が相違するように、光ガイドの外側面に本発明による少なくとも1つの遅延層を用いて、光ガイド内での光の偏光状態が変更可能又は設定可能であり得る。

0088

本発明のさらなる有利な実施形態では、光ガイドと光デカプリングデバイスとの間に配置される反射偏光エレメント、好適にはワイヤグリッド偏光子が提供され得る。

0089

特に、好適には湾曲され得る光ガイドの内側で、反射偏光エレメントが、光ガイドと光デカプリングデバイスとの間に配置される。反射偏光エレメントは、好適にはワイヤグリッド偏光子(WGP)として設計され得る。ワイヤグリッド偏光子は、例えばフィルムとして利用可能であり、したがって、それらを湾曲された面、例えば湾曲された光ガイドにも適用することができる。

0090

さらに、有利には、少なくとも1つの遅延層と共に提供される光ガイドの境界面での奇数回の反射後に、反射偏光エレメントに入射した光が反射され、少なくとも1つの遅延層と共に提供される光ガイドの境界面での偶数回の反射後に、反射偏光エレメントに入射した光が透過する形で、反射偏光エレメントの向きが選択可能であり、反射の偶数回と奇数回とは交換されてもよい。

0091

反射偏光エレメントの向きは、例えば、少なくとも1つの遅延層を含む光ガイドの境界面又は外側での奇数回の反射後に、偏光エレメントに入射した光が反射し、光デカプリングデバイスに到達することなく光ガイド内をさらに伝播するように選択され得る。少なくとも1つの遅延層を含む光ガイドの境界面又は外側での偶数回の反射後に、偏光エレメントに入射し又は当たる光は、この光が偏光エレメントを通過し又は透過するようにする偏光を有する。次いで、光は偏光エレメントを通過した後に光デカプリングデバイスに入射し、それにより光ガイド又は導光デバイスからカプリングアウトすることができる。

0092

本発明のさらなる有利な実施形態では、光デカプリングデバイスが偏光選択的な格子エレメントを含むことが、反射偏光エレメントの代替手段として提供されてもよい。

0093

さらに、ここでやはり提供され得ることとして、少なくとも1つの遅延層と共に提供される光ガイドの境界面での奇数回の反射後に、光デカプリングデバイスの偏光選択的な格子エレメントに入射した光が、当該格子エレメントによっては屈折されず光ガイドと周囲との間の境界面において反射され、少なくとも1つの遅延層と共に提供される光ガイドの境界面での偶数回の反射後に、光デカプリングデバイスの偏光選択的な格子エレメントに入射した光が、この格子エレメントによって屈折され且つ光ガイドから出射し又はカプリングアウトされるが、反射の偶数回と奇数回とは交換されてもよい。

0094

このような偏光選択的な格子エレメントは、例えばP偏光光を屈折させるが、S偏光光は屈折させない。これらの偏光選択的な格子エレメントは、透過的及び受動的に設計されてもよい。これは、立体視セグメント又は立体視表現を生成するときに特に有利である。偏光選択的な格子エレメントはまた、制御可能に又は切替え可能に設計されてもよい。これは、少なくとも1つのホログラフィックセグメント又はホログラフ表現を生成するために特に有利である。

0095

右円偏光光を屈折させるが左円偏光光を屈折させない特性を有するブラッグ(Bragg)偏光格子も存在する。したがって、このようなブラッグ偏光格子が、導光デバイス又は光ガイドから光をカプリングアウトするために光デカプリングデバイスにおいて使用されてもよい。この場合、少なくとも1つの遅延層は、好適には、それが左円偏光入射光を右円偏光入射光へ変更し及びその逆も行うように設計される。

0096

本発明のさらなる有利な実施形態において、提供され得ることとして、少なくとも1つの導光デバイスの前段で光の方向に配置される制御可能な偏光スイッチが提供されてもよい。

0097

本発明によるディスプレイデバイスにおける導光デバイスの光カプリングデバイスの前段で光の方向に配置されるこの制御可能な偏光スイッチによって、光ガイドへカプリングされる光の偏光が選択され得る。制御可能な偏光スイッチは、P偏光光又はS偏光光のいずれかが光ガイドへカプリングされるように制御され得る。

0098

さらに、本発明のある有利な実施形態において提供され得ることとして、少なくとも1つの光学系及び少なくとも1つの導光デバイスが、立体視又は少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージの視野を形成する少なくとも1つのホログラフィックセグメントを生成するために提供され、シーン又はオブジェクトの立体視又はホログラフ表現が視野内に提供される。

0099

本発明によるディスプレイデバイスを、オブジェクト又はシーンの立体視表現のために提供することができる。これは、オブジェクト又はシーンのもっぱら立体視ビューのみが表現されることを意味する。この目的のために、オブジェクト又はシーンがその場合に表現される視野は、光ガイド内の少なくとも1つの空間光変調デバイスのエッジ画素から放出される光の相異なる長さの伝播経路に、したがって相異なるデカプリング位置に、及び、観察者が現在位置する位置への光ガイドの距離にわたる。したがって、この大規模な視野は、ディスプレイデバイスを使用して生成された単一のセグメントによって形成され、約70度までの角度範囲にわたること又はそれを有することができる。

0100

本発明によるディスプレイデバイスの代替的な実施形態において、有利に提供され得ることとして、少なくとも1つの光学系及び少なくとも1つの導光デバイスは、立体視及び少なくとも1つのホログラフィックセグメントを生成するために、又は少なくとも2つのホログラフィックセグメントを生成するために提供され、立体視及び少なくとも1つのホログラフィックセグメント、又は少なくとも2つのホログラフィックセグメントは、それぞれ、3次元のシーン又は3次元のオブジェクトを表現できる視野を共に形成する。

0101

単一の導光デバイスのみを使用して、視野の範囲全体において時間順で、オブジェクト又はシーンの立体視表現のためのセグメントが提供され又は生成され、さらに、視野の対象にされ又は定義された領域のみで、オブジェクト又はシーンのホログラフィックに再構成された表現を有する少なくとも1つのセグメントが提供され又は生成される形で、光学系及び導光デバイスが設計され互いに組み合わされる。この場合、立体視セグメント及びホログラフィックセグメントは重なり合うことができる。

0102

また、複数のホログラフィックに生成されたセグメントの並置によって、視野の領域全体において大規模な視野を生成することが可能であり、さらにまた、オブジェクト又はシーンのホログラフィックに再構成された表現を有する少なくとも1つのセグメントが、ここで視野の定義された領域のみに提供され又は生成される。ホログラフィックセグメントも、ここで定義された領域において重なり合うことができる。

0103

また、例えば、中央の角度範囲の視野のみをホログラフィックに符号化された3次元表現によって生成し、この中央の角度範囲に隣接する角度範囲の視野をオブジェクト又はシーンの2次元又は立体視表現によって生成することも可能である。

0104

本発明の代替的な例示的な実施形態では、2つの別個の導光デバイスが使用され得る。一方又は双方の光ガイドが、この実施形態における少なくともセクションで湾曲されることもできる。本明細書における「セクションで湾曲される」という用語は、光ガイドが平坦なセクション及び湾曲されたセクションからなることを表す。ある導光デバイスは、3次元のシーン又はオブジェクトのホログラフィックな再構成の少なくとも1つのセグメントを表示する目的に使用され、他の導光デバイスは、オブジェクト又はシーンの立体視表現を生成するために使用される。導光デバイスの2つの光ガイドが少なくともセクションで湾曲形成される場合、これらの光ガイドの湾曲されたセクションは、例えば、異なる半径を有することができる。さらに、双方の導光デバイスを通して組み合わされたホログラフィック且つ立体視的な再構成を観察者の目で見て観察できる形で、2つの導光デバイスが前後に配置されてもよい。

0105

さらに、有利に提供され得ることとして、少なくとも1つの導光デバイスは、少なくとも2つのセグメントの視野を生成するための2つの光カプリングデバイスを含む。

0106

少なくとも1つの導光デバイスは、少なくとも2つのセグメントの視野を生成するために2つの光カプリングデバイスを含むことができる。

0107

2つの光カプリングデバイスは、好適には、互いにある距離で又は互いに直接近接して光ガイドに結合されることができ、少なくとも1つの照明デバイスからの光を、2つの光カプリングデバイスによって、異なる位置で光ガイドにカプリングすることができる。

0108

光ガイドへの2つの異なる位置での光のカプリングは、任意選択で、2つの異なる空間光変調デバイスを使用して行われてもよく、又は、1つだけの空間光変調デバイスによって変調され放出された光が、好適には、一方の光カプリング場所若しくは光カプリング位置に又は光ガイドの他方の光カプリング位置に向けられ、そこでカプリングされてもよい。後者の場合、光学系は、空間光変調デバイスと導光デバイスとの間で、光を一方又は他方の光カプリング位置へ交互に向ける少なくとも1つの切替え可能エレメント、例えば、格子エレメントを含む。

0109

これらの少なくとも2つの生成されたセグメントは、有利には、重なり合って視野を形成してもよく、2つのセグメントの重なり合う領域は、視野角度当たり最高画素密度を有し、2次元の及び/又は3次元のシーンを観察する観察者の中央の視認方向に対応する。

0110

画素密度は、少なくとも2つの生成されたセグメントの重なり合い又はオーバーレイによって、重なり合う領域で増大され得る。一般に観察されるように、人間の目は、周辺視野では中央視野よりもかなり解像度が低い。中央視野の位置は、目が回転することによって回転されることができる。しかしながら、目の回転は、典型的には±15度の範囲内のみで行われる。視認方向の変化がより大きい場合、頭部がむしろ共に回転されることになる。したがって、観察者の実際の視認方向と独立して、視野の中央領域、例えば約30°近辺の領域では、視野の周辺領域におけるさらに外側よりも、視野角度当たりのより高い画素密度を提供することが重要である。

0111

観察者に見える、視野角度当たりの少なくとも1つの空間光変調デバイスの画素の数は、視野全体にわたって等しくはない。むしろ、視野内の視野角度当たりの画素の数に勾配がもたらされる。観察者から見て一方の側では、画素が、観察者から見て他方の側よりも密にグループ化される。

0112

したがって、少なくとも2つの生成されたセグメントは、有利には、観察者の目の前に提供される最高画素密度を有するこれら2つのセグメントの重なり合う領域が、観察者の中央視認方向に対応し、画素密度が、この重なり合う領域から視野の両側に向かって視野角度が増大するにつれて減少する形で提供される。

0113

本発明のある好適な実施形態では、視線追跡を行うことができ、即ち、観察者が視認する又は見る方向が検出される。視認方向において、光はそこから観察者の目の網膜の中心に入射するので、観察者はシーンを最高の解像度で見ることができる。視認方向を越えると、そこからの光は観察者の網膜の周辺領域に入射するので、観察者はシーンをより低い解像度で見ることができる。

0114

高い画素密度を有するセグメントは、観察者の現在検出されている視認方向で視野にそれが配置される形で、光ガイド内の反射の回数を設定することによって変位される。より低い画素密度を有する、例えば、光ガイド内で固定された回数の反射を常に有するセグメントは、周辺イメージコンテンツを表現するために、より低い解像度を有するより大規模な視野を形成する。有利には、高い画素密度を有するセグメントを変位させることによって、観察者は、自身の視認方向が中央でない場合に良好な解像度を有するシーンを見ることもできる。この構成は、異なる画素密度を有する3つ以上のセグメントに拡張することもできる。

0115

2つのセグメントを有する本発明の実施形態において、この場合に提供され得ることとして、少なくとも2つのセグメントのうちの一方のセグメントは、立体視セグメントとして形成され、少なくとも2つのセグメントのうちの他方のセグメントは、ホログラフィックセグメントとして形成され、ホログラフィックセグメントが観察者の中央の視認方向に又は視線追跡を使用して検出された観察者の視認方向に生成され得る。3つ以上のセグメントを有する本発明のより一般的な実施形態では、少なくとも1つのセグメントがやはり立体視セグメントとして形成され、少なくとも1つのセグメントがホログラフィックセグメントとして形成される。例えば、1つの立体視セグメントが、2つのホログラフィックセグメントと組み合わされてもよく、逆もまた然りである。

0116

視野角度当たりの空間光変調デバイスの画素の密度の上述した差は、本発明に従って、表現されたイメージコンテンツにおいて補償される。この補償は空間光変調デバイスにおけるホログラム計算中又は立体視コンテンツの符号化中に、表現されたシーンの対応するスケーリング及び走査によって行われる。しかしながら、その場合、視野の1つの境界領域が、可視解像度を制限し得る画素密度を有することになる。しかしながら、視野角度当たりに多数の3次元オブジェクトポイントを有し、視線追跡を介して観察者の目の視認方向へ追跡させられ得る、少なくとも1つのホログラフィックセグメントのビューと立体視セグメントのビューとの有利な組み合わせの場合、これは特に不利にはならず、なぜならば、オブジェクト又はシーンの生成された立体視コンテンツは、いずれにしても網膜の受容体低解像度で検出をするだけである観察者の目の網膜上の領域内のみで表現されアクティブであるためである。

0117

本発明のある実施形態において、単一の大きなセグメントにおいてもっぱら立体視コンテンツ又は表現を表示するだけであるディスプレイデバイスの場合、少なくとも1つの空間光変調デバイスの中間イメージを提供することもでき、そこでは、空間光変調デバイスの画素が異なるように拡大される。これは、導光デバイスの光カプリング側での光カプリング角度当たりの画素の数は、導光デバイスの光デカプリング側での光デカプリング角度当たりの画素の数の勾配と反対に配向された勾配を有することを意味する。画素イメージ又はシーンの表現されたコンテンツの上述したスケーリング及び走査によって、この場合は視野における位置と共にスケーリングファクタが変化するが、個々の光ビームの互いに対する異なる角距離が、デカプリング中に均等にされ、したがって、視野にわたって視野角度当たりの画素の数がやはり一定となるように提供される。

0118

これに対して代替となる本発明の実施形態において、提供され得ることとして、少なくとも2つのセグメントは、ホログラフィックセグメントとして形成され、少なくとも2つのセグメントの重なり合う領域は、2次元の及び/又は3次元のシーンを観察する観察者の中央の視認方向、又は視線追跡により検出される視認方向に対応する。

0119

本発明のこの実施形態では、複数のホログラフィックセグメントが大規模な視野を達成するように生成され得る。これらの少なくとも2つのセグメント又は好適には複数のホログラフィックセグメントが、場合によって存在する収差のため、生成される大規模な視野にギャップをもたらさないように、重なり合うこともできる。さらに、ここで、全体として視野を拡大するホログラフィックセグメントに加えて、全体として視野を拡大するこれらのホログラフィックセグメントと重ねられ又は重ね合わされるホログラフィックセグメントも生成される。そして、この重なり合う領域は、好適には、観察者の中央視認方向、又は視線追跡によって検出される観察者の視認方向に対応し、後者の場合、他のホログラフィックセグメントと重ね合わされるこのホログラフィックセグメントは、視線追跡を介して観察者の視認方向の新しい位置へ追跡させられ得る。

0120

さらに、有利に提供され得ることとして、少なくとも2つの光デカプリングデバイスが提供され、第1の光デカプリングデバイスは、少なくとも1つのホログラフィックセグメントを生成するための光をデカプリングするために提供され、第2の光デカプリングデバイスは、少なくとも1つの立体視セグメントを生成するための光をデカプリングするために提供される。

0121

少なくとも1つの立体視セグメントと少なくとも1つのホログラフィックセグメントとの双方が大規模な視野で表現されることになるディスプレイデバイスの場合、例えば、光が場合によって同じ位置又は同じポイントで導光デバイスの光ガイドの異なる角度でカプリングアウトされなければならないことを必要とし得る。例えば、立体視セグメントのための光は、ホログラフィックセグメントのための光とは異なる角度で光ガイドから出るべきである。また、重なり合う少なくとも2つのホログラフィックセグメントを含むディスプレイデバイスの場合、光が場合によって同じ位置又は同じポイントで導光デバイスの光ガイドの異なる角度でカプリングアウトされなければならないことが必要であり得る。

0122

様々な角度での光のデカプリングを達成するために、様々なデカプリングエレメント、例えば、異なる格子周期を有する様々な格子エレメントが提供される必要がある。この目的のために、例えば、光デカプリングデバイスは、他の光デカプリングデバイスの格子エレメントの格子周期と異なる格子周期を有する格子エレメントを備え得る。したがって、導光デバイスは、少なくとも1つのホログラフィックセグメント用の少なくとも1つの光デカプリングデバイスと、少なくとも1つの立体視セグメント用の少なくとも1つの光デカプリングデバイスとを備え得る。この場合、少なくとも1つの立体視セグメント用の光デカプリングデバイスによる少なくとも1つのホログラフィックセグメントの光の望ましくないデカプリング、及びその逆の場合が、有利に防止されることになる。

0123

光デカプリングデバイスは、有利には、制御可能なものとして設計されることができ、光デカプリングデバイスのある駆動状態において、定義された回数の反射の後に光がカプリングアウトされ、光デカプリングデバイスの他の駆動状態において、光ガイド内を光がさらに伝播する、という形で光デカプリングデバイスはそれぞれ制御可能である。

0124

光デカプリングデバイスは、この目的で切替え可能な又は制御可能な格子エレメントを含むことができる。この場合、それぞれの光デカプリングデバイスの少なくとも1つの格子エレメントの第1の切替え状態において、光ガイド内を伝播する光が光ガイドからカプリングアウトされるが、少なくとも1つの格子エレメントの第2の切替え状態において、光はカプリングアウトされるのではなく、さらに光ガイド内を伝播する。

0125

光デカプリングデバイスの切替え可能又は制御可能な格子エレメントは、任意選択でさらに複数のセクションに分割することができ、それらのセクションを別個に状態「オン」又は「オフ」に切り替えてもよい。単一の立体視セグメントが少なくとも1つのホログラフィックセグメントと組み合わされるディスプレイデバイスに関して、特に、光デカプリングデバイスの少なくとも1つの切替え可能格子エレメントは、少なくとも1つのホログラフィックセグメントを生成するための光のデカプリングのための複数のセクションに分割される。

0126

言い換えれば、提供され得ることとして、少なくとも1つの光デカプリングデバイスが複数のセクションへ分割され、少なくとも1つの光デカプリングデバイスは、複数のセクションにおいて制御可能なものとして設計され、少なくとも1つの光デカプリングデバイスは、光ガイドの境界面での光の反射回数が、ある回数の反射の後に光が到達する光入射位置に対応する、少なくとも1つの光デカプリングデバイスのあるセクションのある駆動状態により、及び、ある回数のさらなる反射の後に光が到達する光入射位置に対応する、少なくとも1つの光デカプリングデバイスのさらなるセクションの他の駆動状態により、又は、さらなる光デカプリングデバイスのあるセクションの他の駆動状態により、変更可能である形で制御可能である。

0127

2つの光デカプリングデバイスによる少なくとも1つのホログラフィックセグメント及び少なくとも1つの立体視セグメントのデカプリングの場合、これらのセグメントについての光のデカプリングは時系列的に行われ、時間順で、1つの光デカプリングデバイスの少なくとも1つの格子エレメント又は少なくとも1つの制御可能な格子エレメントのセクション、及びその後、他の光デカプリングデバイスの少なくとも1つの格子エレメント又は少なくとも1つの制御可能な格子エレメントのセクションが状態「オン」に切り替えられ、他の各光デカプリングデバイスの少なくとも1つの切替え可能格子エレメントが状態「オフ」にそれぞれ切り替えられる。したがって、複数のホログラフィックセグメントのデカプリング及び場合によっては複数の立体視セグメントのデカプリングも、例えば、それぞれの光デカプリングデバイスの定義されたセクションが「オン」に切り替えられることによって、同様に順次に可能であることは明らかである。

0128

したがって、光ガイドからの様々なセグメントのデカプリングは、少なくとも1つの光デカプリングデバイスの少なくとも1つの制御可能な格子エレメント又は少なくとも1つの制御可能な格子エレメントの個々のセクションがデカプリングのために制御される形、即ち例えばオンに切り替えられ又はオフに切り替えられる形で、制御され得る。光デカプリングデバイスのオフに切り替えられた格子エレメントは、結果として、例えば、格子エレメントに入射した光がカプリングアウトされるのではなく、さらに光ガイド内を反射され伝播し、追加の反射の後に光ガイドの他の位置でカプリングアウトされる。

0129

しかしながら、各々が少なくとも1つの切替え可能格子エレメントを含む、導光デバイス内の2つの光デカプリングデバイスのこのような配置は、このような導光デバイスの製造及び運用に大きな費用を要し得るはずである。これは、導光デバイスの光ガイドが少なくともセクションで湾曲形成される場合に特に当てはまることになる。このような光ガイドでは、したがって、制御可能な光デカプリングデバイスの格子エレメントの各々も曲率を有するはずである。

0130

したがって、2つの光デカプリングデバイスのうちのある光デカプリングデバイスは、少なくとも1つの受動的な格子エレメントを含み、2つの光デカプリングデバイスのうちのさらなる光デカプリングデバイスは、少なくとも1つの制御可能な格子エレメントを含むことが好適であり得る。特に、さらなる光デカプリングデバイスが1つの切替え可能又は制御可能な格子エレメントを含むのみとすることが好適である。これにより、制御可能エレメントの数は有利に低減され、それにより製造費用及びコストが低減され得る。

0131

少なくとも1つの光デカプリングデバイスの少なくとも1つの格子エレメント及びさらに光カプリングデバイスの少なくとも1つの格子エレメントは、透過型又は反射型として設計され得る。

0132

本発明のある特に有利な実施形態において、提供され得ることとして、光の方向において少なくとも1つの導光デバイスの前段に配置される追跡デバイスが提供される。

0133

追跡デバイスは、少なくとも1つの格子エレメントにレンズ機能が書き込まれた少なくとも1つの格子エレメント又は1つの可変レンズエレメントを含むことができる。

0134

このようにして、有利には、例えば、少なくとも1つの立体視セグメント又は少なくとも1つの他のホログラフィックセグメントと重ね合わされ視野角度当たりの最高の画素密度を有する重なり合う領域を形成するホログラフィックセグメントを、観察者がその視認方向を変えたときに、観察者の新しい視認方向又は焦点方向に対し追跡させ又は適応させることが可能であり、その結果、観察者は、形成された視野において高品質で3次元のオブジェクト又は3次元のシーンを観察することができる。

0135

さらに、オブジェクト又はシーンを観察する観察者の視界を追跡し及び検出することのできる視線追跡デバイスが提供されてもよく、少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージの位置又はセグメントの位置は、追跡デバイスを用いて視線追跡デバイスによって検出される観察者の目の焦点位置に対し適応可能である。

0136

本発明によるディスプレイデバイスが視線追跡デバイス及び追跡デバイスを備える場合、ディスプレイデバイスは、有利には、可変焦点ディスプレイ又は可変焦点ディスプレイデバイスとして実装され得る。このような可変焦点ディスプレイデバイスを使用して、シーンの平坦な2次元のビューを表現することができ、制御可能エレメント、例えば、可変焦点距離を有するレンズエレメントを含む追跡デバイスを使用して、このシーンを、深さ及び/又はz方向即ち観察者からのシーンの距離の方向に変位させることができる。

0137

次いで、可変の深さを有する平坦な2次元ビュー又は表現のセグメントは、同じ導光デバイスを使用して、又はホログラフィックセグメント用の別個の導光デバイスを使用してホログラフィックセグメントと組み合わせることができる。

0138

例えば、寸法が例えばわずか3mmから5mmの大きさである寸法の小さい仮想観察者ウィンドウを生成するホログラフィックセグメントを、少なくとも1つの空間光変調デバイスにおいてホログラムの単一の視差符号化を使用して生成することができ、したがって、スイートスポットが、ホログラムの非符号化方向に提供され又は形成され、仮想観察者ウィンドウが、他の方向であるホログラムの符号化方向に提供され又は形成されることが可能である。

0139

少なくとも1つの導光デバイスの光ガイドは、有利には、少なくとも複数のセクションで少なくとも一方向に湾曲形成されることができる。

0140

特定の実施形態では、光ガイドが平坦又は平ら又は平面的な幾何学的形状を含むことが好適であり得る。これは、例えば、平坦な光ガイド又は平坦な導光デバイスは、湾曲された光ガイド又は湾曲された導光デバイスよりも構造空間が少ないので、スペースを節約することが重要な用途に当てはまる。他の実施形態では、例えば、特にヘッドマウントディスプレイの場合、光ガイドは、やはり湾曲された幾何学的形状を有し得る。一般的な場合では、光ガイドはまた、直線セクション及び湾曲されたセクション、又は異なる強度の曲率のセクションから構成されてもよい。例えば、光カプリング領域が平坦に形成され、一方で光デカプリング領域が湾曲形成されてもよい。眼鏡のように設計されたヘッドマウントディスプレイの場合、例えば、光ガイドの平坦なセクションを眼鏡のテンプル領域で頭部に対して横方向に配置することができ、湾曲されたセクションを観察者の目の前に配置することができる。湾曲された光ガイドは、光デカプリングデバイスにおける格子エレメントの使用を可能にし、それのデカプリング角度は、光ガイド上/内の格子エレメントの位置に依存しない。

0141

光ガイドは、少なくとも複数のセクションで中空シリンダの形状を有することができ、その境界面は、異なる半径を有する中空シリンダの部分として形成される。光ガイドは、例えば、半円に類似する形状を有することができる。

0142

代替的には、導光デバイスの光ガイドは、ガラス又は光学プラスチックで構成されてもよい。

0143

さらに、提供され得ることとして、光源イメージの平面内又は少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージの平面内に、仮想観察者領域を生成可能である。

0144

その場合、観察者は、生成されたオブジェクト又は生成されたシーンをこの仮想観察者領域を通して観察することができる。本明細書で使用される「観察者領域」という用語は、ホログラフィックセグメントを生成する場合の仮想観察者ウィンドウ、又は立体視セグメントを生成する場合のスイートスポットの双方を含む。

0145

本発明のさらなる実施形態では、イメージ又は少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージの単一のセグメントについて、少なくとも1つの導光デバイスへの進入の後の、少なくとも1つの空間光変調デバイスの多様な画素から来る光のカプリングアウトは、全ての画素について各ケースで等しく光ガイドの境界面でのある回数の反射の後に提供され得る。

0146

さらに、提供され得ることとして、少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージの異なる複数のセグメントについて、あるセグメントを生成するための光ガイドの境界面での光の反射の回数は、他のセグメントを生成するための光ガイドの境界面での光の反射の回数と相違する。

0147

例えば、イメージの隣接セグメント、例えば隣接するホログラフィックセグメントについて、異なる回数の反射が光ガイドの境界面で実行される形で、少なくとも1つの空間光変調デバイスのイメージの異なるセグメントが形成され得る。しかしながら、例えば、イメージの異なるセグメントについて、光ガイドの境界面で等しい回数の光の反射を生成するが、変位された光カプリング位置又は光の変更されたカプリング角度を使用するといった他の構成も可能である。

0148

本発明によるディスプレイデバイスは、有利には、2つのディスプレイデバイスを含むヘッドマウントディスプレイとして設計され、それらディスプレイデバイスは、請求項1〜45のいずれか1項に記載のディスプレイデバイスに従って各々設計され、観察者の左目及び観察者の右目にそれぞれ関連付けられる。

0149

ヘッドマウントディスプレイに関して、以下の説明はこれに制限されず、また他のディスプレイデバイスにも一般に適用されるが、水平視野が約60°であり、垂直視野が約30°であると有利である。HD(高解像度視認体験のための視野における角度範囲は、約7.5°×7.5°から約20°×20°までとなる。この角度範囲内で、少なくとも1つのホログラフィックセグメントが生成され、このホログラフィックセグメントは、視野角度当たりの非常に高い画素密度を有し、観察者の中央視認方向又は検出された視認方向に対応し、したがって、観察者は、HD品質で生成されたシーン又はオブジェクトを観察することができる。

0150

より低い画素密度、例えば、30画素/度でも、より大規模な視野を有する立体視セグメントでは十分である。

0151

約4000×2000画素を有するLCOS(液晶オンシリコンベースの空間光変調デバイスが利用可能であり、この画素数は、ホログラフィックセグメントと立体視セグメントとの双方の表現に十分である。しかしながら、本発明は、特定のタイプの空間光変調デバイスの使用には限定されない。例えば、MEMSミラーアレイを有する空間光変調デバイスの使用も可能である。原則的に、OLED(有機発光ダイオードマイクロディスプレイも立体視セグメントに関して使用できるが、OLEDと組み合わせた場合、光カプリングデバイス及び光デカプリングデバイスにおける回折エレメント、例えば格子エレメントの使用は、立体視セグメントについて不可能である。空間光変調デバイスは、位相変調及び/又は振幅変調するものとして設計され得る。立体視セグメントについては振幅変調する空間光変調デバイスで十分である。しかしながら、例えば、少なくとも1つのホログラフィックセグメントと少なくとも1つの立体視セグメントとの双方のために、位相変調及び振幅変調をする同じ空間光変調デバイスを使用することも可能である。位相変調及び振幅変調をする空間光変調デバイスは、本出願人の国際公開第2010/149588号パンフレットに記載されているように、例えばビームコンバイナを使用することができる。

0152

少なくとも1つのホログラフィックセグメントを使用して生成される仮想観察者ウィンドウは、それを通してヘッドマウントディスプレイのユーザが生成されたシーン又はオブジェクトを観察できるものであり、十分に少ない画素数のみを有する空間光変調デバイスを使用できるようにその寸法を小さく維持することができる。仮想観察者ウィンドウは、ユーザの目の入射瞳の領域に生成される。アパーチャが、例えば、望ましくない回折次数の発生を阻止するために仮想観察者ウィンドウの平面に提供され得る。仮想観察者ウィンドウの寸法は、ユーザの視認位置の変更の際に仮想観察者ウィンドウの迅速な追跡に関連して迅速な視線追跡が提供される場合、例えば、約5mm×5mm又はわずか約3mm×3mmであり得る。

0153

このように、仮想観察者ウィンドウの寸法は、仮想観察者ウィンドウが長方形に形成される場合、縦横に3mmから6mmの範囲であり得る。

0154

観察者の目の視線追跡が行われる場合、設定される導光デバイスの光ガイド内の反射の数、及び変更される導光デバイスからの光のデカプリング位置によって、高画素密度を有するセグメントが、検出された視認方向へ追跡させられることができる。また、光カプリング位置は、空間光変調デバイスと導光デバイスへの光のカプリングとの間の変位エレメントを用いて、そして光ガイドの境界面での等しい回数の反射によって、また光のデカプリング位置によって、変位することもできる。これは、例えば、制御可能な格子エレメントを使用して行われ得る。

0155

約60°×30°の視野の総角度範囲で非常に高い画素密度を有する少なくとも1つのホログラフィックセグメントによって形成される少なくとも1つのホログラフィックセグメント又はHDコーンの検出された視認方向への追跡(以下、走査ともいう)は、例えば制御可能な格子エレメント又は走査ミラー又は誘電体くさびでもあり得る走査に使用される走査エレメントに対してユーザによる視界変更が十分に緩慢である限り、十分であり得る。走査のための走査エレメントの誘電体設計により、回折分散の発生を回避する。対照的に、屈折分散を、走査エレメントに高いアッベ数を有するガラス又はプラスチック材料の使用によって低減することができ、小さい屈折分散は無視可能である。しかしながら、分散が無視可能とみなすには大きすぎるが依然として十分に小さい場合、走査機構を使用して、これらの分散効果を補償することができる。仮想観察者ウィンドウの小さな変位も、走査エレメントによって補償することができる。

0156

走査の代わりに、角度切替え可能な構成を使用することもできる。この目的で、ワイヤグリッド偏光子が、くさびの前に光の方向に挿入されることができ、くさびは、例えば、反射背面を有することもできる。偏光スイッチングのための急速スイッチング強誘電性液晶を含む位相差板の使用により、ワイヤグリッド偏光子又はくさびの反射背面で光が反射され得る。このようにして、2つの角度間の切替えが可能である。これは、例えばこれらの要素のシリーズを使用することにより、複数の角度に拡張され得る。この手順を用いると回折分散が生じない。

0157

しかしながら、角度切替え又は制御可能な回折格子のために、液晶(LCG)に基づく偏光格子を使用することもできる。

0158

ユーザの視界のみを追跡するために使用され得る走査ミラーの使用は、可変形ミラーを使用する選択肢も含む。これらの可変形ミラーは、チルト即ちくさび、及びさらに連続プロファイルを提供することができ、前者は、視認方向を追跡するために使用でき、後者は、各視認方向の収差の補償のために使用できる。収差は、視野内で様々な角度範囲で変化し得る。これを考慮に入れるために、連続的なプロファイルが角度範囲ごとに別個に設定され得る。

0159

光学設計では、典型的には、視野の中心で最小の収差を有し、視野の中心からの距離が増大するにつれて収差が増大する。

0160

しかしながら、可変形ミラーを有するある実施形態では、ヘッドマウントディスプレイ全体の光学設計も最適化することができ、それにより、例えば、可変形ミラーによる収差補償の前に、視野の中心に最小収差が見つからず、中心の周りのオーバルゾーンで見つかるようになる。しかしながら、これは、可変形ミラーによる収差の補正も中心で提供されることを意味する。この結果、可変形ミラーを使用して収差を十分に補償することが可能であって、したがってHDのために使用できる角度範囲は、可変形ミラーによる収差補償の前に中心に最小収差を有する通常の光学設計と比べて拡大され得る。

0161

視線追跡のためのさらなる選択肢は、切替え可能な照明の使用である。例えば、この場合、互いに直交して偏光された2つの光ビームの異なる光学くさび角を生成する複屈折くさびが使用され得る。このように偏光の切替えも使用され得る。

0162

既に述べたように、アパーチャが仮想観察者ウィンドウの平面内に提供され得る。このようにして、空間光変調デバイスによって生じる回折次数が除去され得る。第2の効果は、面内で仮想的に空間光変調デバイスを結像するために適用されるアパーチャが光学系の開口数を低減することである。しかしながら、これは、仮想観察者ウィンドウの寸法がユーザの目の瞳孔と少なくとも同じ大きさである限り問題を示すものではない。

0163

さらなる重要な特徴は、迅速で正確なユーザの視線追跡により代表され、特に、生成される仮想観察者ウィンドウが、例えば、わずか約4mm×4mmのサイズである場合にはそうである。例えば、この目的で、ユーザの目に対して赤外線照明及び1つのカメラが使用され得る。一般に、ヘッドマウントディスプレイでも同様だが、視線追跡がアイトラッキングと組み合わされてもよい。視線追跡により取得されたデータが、必要に応じてHDコーンを方向付け又は配向するために使用され得る。それと並行して、少なくとも1つの立体視セグメントでは、表現されるシーンの一部は、例えば、画素値ブラックに設定することによって空白にされ、これは、高い画素密度の少なくとも1つのホログラフィックセグメントを使用して表現される。

0164

シーンのホログラフィックに生成された3次元のオブジェクトを高解像度で視認可能とする視野における少なくとも1つのホログラフィックセグメントの生成、及び、同じシーンの1つ又は複数の立体的に生成された2次元又は3次元のオブジェクトをより低解像度で視認可能とする視野における少なくとも1つの立体視セグメントの生成について、少なくとも1つのホログラフィックセグメントが立体視セグメントと重ねられ又は重ね合わされ、そのようにして視野が生成されるが、それら生成の利点は、ホログラフィックセグメントが、約7.5°から15°までの角度範囲のみで生成されることになることである。このようにして、視野全体の生成を迅速に実行することができ、なぜならば、立体視セグメント及び少なくとも1つのホログラフィックセグメントの生成によって、ホログラフィックセグメントのみが生成された場合と比較して計算労力が大幅に低減できるからである。この目的で、例えば、約2000×2000の複素値画素を含む複素値型の空間光変調デバイスが使用され得る。例えば、これは、複素値を形成するために2つの各位相画素を組み合わせるビームコンバイナと組み合わせた、約4000×2000の位相画素を有するフェーズドLCOS変調器であり得る。しかしながら、本発明は特定の画素数、又は特定のタイプの空間光変調器の使用、又は複素値(振幅及び位相)変調の特定のタイプの生成に特に限定されない。

0165

カラーシーンを再現するディスプレイデバイスでは、赤、緑、及び青の波長の光が時間順に例えば導光デバイスに適用され得る。しかしながら、カラーシーンの再現は、フレーム当たり1回のRGBに使用に限定されない。例えば、ローリングフレームシーケンスrGBr|gBRg|bRGb|rGBrを実装することができ、したがって、各フレーム(単一のフレーム)は、4つの部分から構成され、特定の単一の色がフレーム当たり2回使用される。rGBrは、例えば、赤部分コンテンツが2回、即ちフレームの最初に1回及び最後に1回表示され、緑及び青がその間に1回表示されることを意味する。

0166

カラーシーンを再現するディスプレイデバイスでは、代替的には、赤、緑、及び青の光について別個の空間光変調デバイスの使用も提供することができ、そして、様々な波長の光が、空間光変調デバイスと導光デバイスとの間の光学系によって組み合わされてもよい。

0167

本発明の目的は、さらに請求項47の特徴を有する方法によって達成される。

0168

複数の画素を有する少なくとも1つの空間光変調デバイス及び少なくとも1つの導光デバイスによって、シーン又はオブジェクトが立体的に及び/又はホログラフィックに表現される大規模な視野を生成するための本発明による方法は、以下のように実行される:
−少なくとも1つの空間光変調デバイスは、シーン又はオブジェクトの所要の情報を伴う入射光を変調し、
−変調される光は、少なくとも1つの空間光変調デバイスの画素から発する光が、少なくとも1つの導光デバイスの表面に対して平均して異なる角度で、導光デバイスに入射してそこでカプリングされる形で、光学系によって形成され、それによりカプリング角度スペクトルが定義され、少なくとも1つの導光デバイス内を伝播する光ビームは、少なくとも1つの導光デバイスから観察者領域へ平均して異なる角度でカプリングアウトされ、それによりデカプリング角度スペクトルが定義され、
−デカプリング角度スペクトルは、カプリング角度スペクトルと比較して拡大される。

0169

セグメントから構成される空間光変調デバイスのイメージ及び/又は空間光変調デバイスのイメージが有利に生成される。

0170

光源イメージは、光カプリングデバイスの領域に生成されることができる。

0171

有利な様式で本発明の教示を構成し、並びに/又は上記及び下記に説明されている例示的な実施形態及び/若しくは構成を互いに組み合わせるための様々な選択肢がある。この目的のために、一方で、独立特許請求項に従属する特許請求項に対して、及び他方で、本教示の一般的に好適な構成も説明される図面に基づく本発明の好適かつ例示的な実施形態の以下の説明に対して参照が行われる。この場合、本発明は、原則として、記載されている例示的な実施形態に基づいて説明される。

図面の簡単な説明

0172

本発明によるホログラフィックディスプレイデバイスの概略図である。
図1によるディスプレイデバイスの導光デバイスの拡大詳細図である。
本発明による導光デバイスの概略図である。
代替的な実施形態の導光デバイスの概略図である。
(a)(b)2つの遅延層の概略図であり、導光デバイス内に提供され得る遅延層の層厚データのグラフ表現を伴う。
導光デバイスを使用して視野について2つのセグメントが生成され得る導光デバイスの概略図である。
導光デバイスを使用して視野について2つのセグメントが生成され得る導光デバイスの概略図である。
導光デバイスを使用して視野について2つのセグメントが生成され得る導光デバイスの概略図である。
偏光スイッチと関連する、2つの光デカプリングデバイスを備える導光デバイスであって、ある光デカプリングデバイスが第1の駆動状態にある導光デバイスの概略図である。
ある光デカプリングデバイスが第2の駆動状態にある、図6による導光デバイスの概略図である。
ある光デカプリングデバイスが第3の駆動状態にある、図6及び図7による導光デバイスの概略図である。
ホログラフィックセグメント及び立体視セグメントに対する視野の概略図である。
本発明によるヘッドマウントディスプレイの概略図である。

実施例

0173

図面において同一の要素/部分/コンポーネントが同様に同一の参照符号を有することを簡潔に述べておく。

0174

ここで説明される例示的な実施形態を理解するために、まず、イメージングビーム経路及び照明ビーム経路並びに観察者領域のサイズの関係、即ち、仮想観察者ウィンドウ又はスイートスポット及びディスプレイデバイスにおける視野について、特に単純なホログラフィックヘッドマウントディスプレイを基礎として、光ガイドを使用せずに説明する。「観察者ウィンドウ」という用語が以下で使用される場合、これは、例えば、立体視セグメントが生成される場合の「スイートスポット」として理解されてもよい。このディスプレイデバイスは、照明デバイスと、以下でSLMと呼ばれる空間光変調デバイスと、ここでの説明のために理想化されたレンズ即ち収差なしの薄いレンズを含む光学系とを備える。このようなディスプレイデバイスは、限られた視野のみを有する。

0175

具体的には、視野は、特に仮想観察者ウィンドウのサイズに対して固定された関係を有するが、それは、双方ともディスプレイデバイスの光学系の焦点距離に依存するからである。仮想観察者ウィンドウが拡大された場合、視野のサイズはより小さくなり、逆もまた然りである。概してに、使用される光学系は、ディスプレイデバイス内で照明ビーム経路とイメージングビーム経路との双方に影響する。

0176

ディスプレイデバイスの光学系は、概して、1つのイメージングエレメントだけでなく複数のイメージングエレメントを含むことができる。そして、光学系の総焦点距離及び主平面が、幾何光学既知の方法に従って決定され得る。上記は、系全体に相応に適用される。

0177

導光デバイスが、複数のイメージングエレメントを有する光学系を備えるこのようなディスプレイデバイスに導入された場合、かつSLMの単一イメージが使用され、したがって、導光デバイスに入射し伝播する光の固定デカプリング位置及び固定カプリング位置が使用される場合、イメージングビーム経路及び照明ビーム経路におけるSLM、光学系のイメージングエレメント、及び仮想観察者領域の間の距離において、導光デバイスの光ガイドにおける光のカプリング位置とデカプリング位置との間の光路が考慮に入れられる必要がある。

0178

以下に説明される例示的な実施形態では、大規模な視野がディスプレイデバイスによって生成される。この場合、視野は、少なくとも1つの立体視セグメント及び/又は少なくとも1つのホログラフィックセグメントから構成される。このセグメントは、SLMのイメージ又はSLMのフーリエ平面における回折次数のイメージ、又はこの場合は立体視セグメントのものであり、それは、導光デバイスの光ガイドにおけるSLMのエッジ画素からの光の異なる距離の伝播経路によって、及び提供された観察者位置に対する光ガイドの距離によって定義される。言い換えれば、立体視表現が生成される場合、それは、ディスプレイデバイスを使用して単一の立体視セグメントを1つのみ生成するのに十分である。この単一の立体視セグメントは既に、例えば約60°の角度範囲にわたる大規模な視野を生成することができる。しかしながら、複数の立体視セグメントを生成することも、視野のサイズがこれを必要とすべき場合に可能である。自身の自然な環境内の人間が、高解像度且つ強力な3次元の印象で捉えて知覚することができるのは限られた空間角度のみであることから、この事実を受け入れそれを利用することが可能である。したがって、シーンの観察者が直接観察せず又は焦点を当てず背景で知覚されるだけの当該シーンのオブジェクトは、より低い解像度で表現できることが可能である。上述された事実のため、観察者は、より弱い3次元の印象で背景内のオブジェクトを知覚するはずである。したがって、視野全体内で可視である複数のオブジェクトを含む表現されるシーンの背景は、立体視セグメントによって生成されることができ、また、立体視セグメントは視野全体を形成することができる。少なくとも1つの立体視セグメントが、左目用に各ケースでディスプレイデバイスにおいて、及び右目用に別個のディスプレイデバイスにおいて生成される場合、立体視シーンは、左ビュー右ビューの間の視差情報を表示することによって、立体視の通常の方式で3次元的に表現され得る。

0179

しかしながら、観察者によって対象とされ又は焦点を当てられる1つ又は複数のオブジェクトは、強い3次元の印象を有することになる。しかしながら、これらのオブジェクトは、視野の限られた空間角度範囲において高解像度で表現されればよい。この目的で、少なくとも1つのホログラフィックセグメントがディスプレイデバイスによって生成される。空間角度範囲がどの程度大きいかに依存して、複数のホログラフィックセグメントが生成されることもでき、それらのホログラフィックセグメントは、この空間角度範囲を生成するために並置される。観察者により焦点を当てられる3次元のオブジェクトは、このホログラフィックに生成されたセグメント内で再構成され表現される。これは、ホログラフィックセグメントが、立体的に生成された大規模な視野内で生成され、立体視セグメントと重ねられ又は重ね合わされることを意味する。単一のセグメントはSLMのイメージであり、したがってSLMの画素のイメージでもあるので、少なくとも1つのホログラフィックセグメントは、より高い画素密度を有するイメージであり、少なくとも1つの立体視エレメントは、概してより低い画素密度を有するイメージである。立体視コンテンツは、例えば、SLMの対応する画素をゼロの振幅に、したがって立体視セグメントにおいてブラックに設定することによって、立体視及びホログラフィックセグメントのそれぞれの重なり合う領域において、空白にされる。

0180

立体視セグメントが、例えば、60°×30°の視野を生成し、ホログラフィックセグメントが、8°×8°、即ち立体視セグメントの幅の約13%及び高さの約26%の視野を生成する場合、例えば、振幅0(ゼロ)がSLMに符号化されることにより、立体視シーンの対応するより大きな領域がブラックにされる。したがって、シーンのこの部分が立体視シーンから欠落し、この部分は、代わりにホログラムとして計算され、ホログラフィックセグメントに表示される。観察者が不快に知覚し得るホログラフィックシーンから立体視シーンへの突然の移行を回避するために、例えば、立体視シーンのこのブラック化は、例えばホログラフ及び立体視セグメントの重なり合う領域の境界近くで省略されてもよい。

0181

しかしながら、本発明は、ホログラフィック表現と立体視表現の組み合わせに限定されない。導光デバイスを使用して、もっぱら立体視ビュー又は表現のみを生成することも可能である。

0182

立体視セグメント及び/又は少なくとも1つのホログラフィックセグメントを生成するためにディスプレイデバイスで使用される導光デバイスは、各カプリング角度について導光デバイスの光ガイドへ光の予め定義された回数の反射を有する光の角度スペクトルをカプリングする特徴と組み合わされる。

0183

これに関連して、例示的な実施形態が図1a及び図1bに示されており、図1bは、図1aに示されている導光デバイスの拡大図を示している。図1aに示されているディスプレイデバイス1は、少なくとも1つの光源を備える照明デバイス(図示せず)と、SLM2と、ここでイメージングエレメント3の形態の光学系と、導光デバイス4とを備える。導光デバイス4は、光ガイド5、光カプリングデバイス6、及び光デカプリングデバイス7を備える。光ガイド5は、ここでは湾曲されて具体化される。この例示的な実施形態では、光カプリングデバイス7は、光ガイド5へ光をカプリングするためのミラーエレメントを備え、このミラーエレメントは、光ガイド5に配置される傾斜した鏡面加工された面として形成される。光デカプリングデバイス7は、ここで格子エレメントを含む。格子エレメントは、全ての光入射位置で光ガイド5の表面に垂直に導光デバイス4からの光のカプリングアウトを可能にするために、この場合には光入射位置につれて変化する格子周期を有する。視野を拡大するために、表現されるべきオブジェクト及び表現されるべきシーンの情報に従って、照明デバイスにより放出された光がSLM2に向けられ、それにより変調される。明瞭にするため、SLM2の3つの画素P1、P2、及びP3のみから発し、異なるグレースケールで3つのビーム光で表現される、この変調された光は、光学系を介して、したがってここでイメージングエレメント3によって、光カプリングデバイス6に集束され、その結果、照明デバイスの光源のイメージが、そこで生じ又は生成される。このようにして、SLM2の個々の画素P1、P2、P3、…PNから発する光は、導光デバイス4に特に光カプリングデバイス6に平均して異なる角度で入射し、この光カプリングデバイス6によって光ガイド5へカプリングされる。それにより、光のカプリング角度スペクトル8は、図1bに示されるように定義される。画素P1、P2、及びP3から来る3つの光ビームは、このように光カプリングデバイス6に異なるカプリング角度で入射する。この場合、これらの3つの光ビームは、光カプリングデバイス6のミラーエレメントによって光ガイド5へカプリングされ、その後、光ガイド5の境界面で全反射して光ガイド5内を異なる伝播角で伝播する。カプリングインされた角度スペクトル又はカプリング角度スペクトル8は、この場合、空気中で約30°及び光ガイド5内で20°である。予め決定された又は予め定義された回数の光ガイド5内の光の反射の後、この光は、光ガイド5から再びカプリングアウトされる。この例示的な実施形態では、カプリングインされた光ビームは、光ガイド5の内側面及び外側面又は境界面の各々で4回の反射の後に、光デカプリングデバイス7によって、したがってここでは格子エレメントによって、光ガイド5から再びカプリングアウトされる。導光デバイス4内又は光ガイド5内を伝播する光は、この場合、光ガイド5の局所表面に対して垂直にカプリングアウトされるが、光ガイド5の湾曲のため、導光デバイス4又は光ガイド5から観察者領域に対して平均して異なる角度でカプリングアウトされる。図1bにより明確に見ることができるように、このようにして光のデカプリング角度スペクトル9が定義される。図1a及び図1bの双方で明らかなように、光ガイド5からの光のカプリングアウトの後に、視野10が、光ビームの焦点Fから見られるようにもたらされ、それは、ここでは点の網掛けによって明らかである。ここで生成された視野10は、約56°の角度範囲を有する。こうして明らかなように、光のデカプリング角度スペクトル9は、光ガイド5へカプリングされた光の角度スペクトル8の約2倍の大きさである。大規模な視野は、このようにして生成されることができ、その視野内で立体視及び/又はホログラフィック表現が生成され得る。したがって、大規模な視野の生成は、少なくとも1つの立体視セグメント及び/又は少なくとも1つのホログラフィックセグメントの生成によって行われ、この1つ又は複数のセグメントが視野を一緒に形成する。光の角度スペクトルの伝播、及び予め決定された回数の反射の後の光カプリングアウトによる視野の拡大は、ここで示すような湾曲された光ガイドに限定されるものではなく、導光デバイス内に平面的に形成された光ガイドの場合にも同様に適用可能である。

0184

図1aで明らかなように、照明デバイスによって放出された平行光を使用して照明されるSLM2からのビーム経路が、導光デバイス4へのカプリングまで示されている。既に述べたように、照明デバイスの光源のイメージは、光カプリングデバイス6の領域において生成される。しかしながら、光源のイメージは、光学系のイメージングエレメント3の前に光の方向に既に生じており、図1aでは光源のこのイメージ平面に参照符号11が付されている。光源のこのイメージは、光学系の他のイメージングエレメント(図示せず)を使用して生成される。一対の交差された、即ち互いに90°回転された液晶格子エレメント(LCG)12が、このイメージ平面11に配置される。2つの液晶格子エレメント12にレンズ機能を符号化することによって、SLM2のイメージ平面が変位されてもよい。液晶格子の代わりに、他の形態の可変レンズエレメントもSLM2のイメージ平面を変位させるために使用され得る。ディスプレイデバイス1に設けられた視線追跡デバイスに関連して、適応集束を有する立体視セグメントが実装され又は生成されてもよい。視線追跡が観察者の両目に対して実行される場合、観察者の1つの目が焦点を合わせる深さが、観察者の両目についての視認方向の輻輳角から検出され得る。生成された立体視セグメントに関して、SLM2のイメージ平面は、液晶格子エレメントに符号化されたレンズ機能によって、この検出された深さへシフトされ、その結果、表現されたシーンの観察者は、調節/輻輳矛盾に干渉することなくそれを知覚することができる。立体視シーンのコンテンツの計算もこの目的に適応されることができ、したがって、検出された深さに配置されたシーンの部分は鮮明に表現され、他の深さに配置されたシーンの部分は意図的に曖昧に表現されるようになる。立体視セグメントに関するSLMのイメージ平面のこの追跡は、少なくとも1つのホログラフィックセグメントの生成と組み合わせることもできる。少なくとも1つのホログラフィックセグメントと立体視セグメントとの組み合わせが提供される場合に、視線追跡デバイスもまた提供されてもよい。このような視線追跡及び追跡デバイスを使用して、視野におけるホログラフィックセグメントの位置が、観察者の各目の視認方向に応じて変位され得ると共に、SLMのイメージの深さが、立体視セグメントに対して適応され得る。したがって、最大の横方向解像度、及び表現されたシーン又はオブジェクトの完全な3次元の深さが、網膜の中央領域にもたらされる。網膜の中央領域の外側では、2次元のシーン又はオブジェクトのみが立体視セグメントに提供される。しかしながら、あり得る調整/輻輳矛盾は、SLMのイメージの深さの追跡によって、網膜の中央領域の外側でも回避される。人の目は、視野の周辺視領域において粗くしか又は全くオブジェクトの深さを解像することができない。それにもかかわらず、表現されるシーンのイメージコンテンツ又はオブジェクトが、ホログラフィックセグメントによってカバーされる部分よりも視野の広い角度範囲にわたって観察者の目の焦点位置に対して調整される場合、イメージ品質の改善が全体的に達成される。

0185

但し、導光デバイス4の光ガイド5内で互いに対して異なる角度でそれぞれ伝播する光又は光ビームが、光デカプリングデバイス7の同じデカプリング表面に異なる回数の反射の後に入射するかもしれない。例えば、伝播する光ビームが光ガイド5の境界面で3回の反射又は4回の反射の後に入射する領域は、光ガイド5の内側で重なり合うはずである。予め定義された回数の反射の後に光ガイド5からの光の望ましいカプリングアウトを達成するために、反射の回数が過剰に少ないうちにも光ビームが不用意にカプリングアウトされるのを防止すべきである。この目的で様々な選択肢が提供され得る。例えば、この目的で、角度選択的偏向格子エレメントが、導光デバイス4から光をカプリングアウトするために使用され得る。この場合、偏向格子エレメントの角度選択性は、光ガイド5の定義された位置でカプリングアウトされるべき伝播角の光のみが偏向格子エレメントによって高効率で屈折もされるように設定される。しかしながら、光ガイドにおける格子エレメントの位置と共に偏向角度それ自体も変化する格子エレメントの場合、適切な角度選択性の設定はより複雑であり得る。

0186

少な過ぎる回数の反射の後の光ガイド5からの光の望ましくないカプリングアウトを回避するための他の選択肢が、光の偏光の設定である。この場合、光ガイド5内の伝播する光ビームの偏光は、偶数回及び奇数回の反射についてこれらの光ビームの偏光が相違するように設定される。光の偏光のこの変更は、導光デバイスを使用してオブジェクト又はシーンの立体視表現とホログラフィック表現との双方に使用され得る。

0187

光ガイドからの光の望ましくないカプリングアウトを回避するための光の偏光設定又は偏光の変更の選択肢が、図2に概略的に示されている。図1aのディスプレイデバイスは、ここでは、異なるように形成された導光デバイス40を備え、図2では、簡単にするために、導光デバイス40のみが示され説明される。この導光デバイス40は、光カプリングデバイス41、光ガイド42、及び光デカプリングデバイス43を備える。光カプリングデバイス41は、この例示的な実施形態では、光ガイド42へ光をカプリングするための格子エレメントを含むことができる。格子エレメントは、ここで、SLM(図示せず)に面する光ガイド42の表面に設けられる。また、この例示的な実施形態では、湾曲された光ガイド42が使用される。光デカプリングデバイス43はまた、ここで、光ガイド42から光をカプリングアウトするための格子エレメントを含むことができる。さらに、反射偏光エレメント44が設けられる。この反射偏光エレメント44は、好適にはワイヤグリッド偏光子として設計される。反射偏光エレメントがこの配置においてしかるべく動作することができるように、これは光ガイド42と光デカプリングデバイス43との間に配置される。しかしながら、反射偏光エレメントは、光デカプリングデバイスに統合されることも可能である。この場合、反射偏光エレメントは、ある偏光状態の入射光がそれにより反射され、別の偏光状態の光がそれにより通過又は透過するように形成される。例えば、S偏光光は反射され、P偏光光は透過する。さらに、光ガイド42の外側に付加される遅延層45が設けられる。ここでは、遅延層45は、光デカプリングデバイス43の反対側の光ガイド42の表面又は境界面に付加される。

0188

導光デバイス40の光ガイド42内を伝播する光のカプリングアウト中の手順は、ここでは以下のように実行される。2つの伝播する光ビームが図2に示されており、これら2つの光ビームはSLMの2つの画素から発し、光ガイド42へカプリングする前にP偏光(入射の平面に平行に偏光)される。破線及び点線で示される2つの直線偏光した光ビームは、光学系(図示せず)を介して光カプリングデバイス41上へ集束され、その結果、光源のイメージが焦点面に生成される。双方の画素の光ビームは、光カプリングデバイス41に異なる角度で入射する。次いで、これらの光ビームは、光カプリングデバイス41によって光ガイド42へカプリングされ、すると、それらは、光ガイド42内を異なる角度で伝播し、光デカプリングデバイス43が設けられていない光ガイド42の領域において、1回目の反射を光ガイド42の境界面で経験する。次いで、双方の光ビームは、光ガイド42の反対側境界面で遅延層45に入射し、それを初めて通過し、ここで、その偏光がそれぞれ90°回転される。これは、遅延層45を通過した後、双方の光ビームは、もはやP偏光されておらず、S偏光(入射の平面に垂直に偏光)されていることを意味する。次いで、光デカプリングデバイス43も設けられる光ガイド42の境界面における反射偏光エレメント44に光が入射した場合、この光又はこの光ビームは、点線の光ビームで示されるように、反射偏光エレメント44によって反射される。次いで、この光ビームは、遅延層45に再び入射し、遅延層45を通過する間に光ビームの偏光が再び回転され、その結果、光ビームはここで再びP偏光される。遅延層45の通過後、P偏光光ビームは、反射偏光エレメント44に再び入射し、それを通過することができ、又はそれにより通過させられ、次いで、ここでは格子エレメントの形態の光デカプリングデバイス43に入射する。次いで、光デカプリングデバイス43は、この光ビームをそれに応じて屈折させ、それを導光デバイス42からカプリングアウトする。破線で示される光ビームもまた、遅延層45を2回通過した後に反射偏光エレメント44を透過し、光デカプリングデバイス43によって屈折され、光ガイド42からカプリングアウトされる。これは、光ガイド42の境界面で2回の光ビームの反射の後に、点線で示される光ビームと同様に行われるが、破線で示される光ビームは、光ガイド42の最初の3分の1で既に光ガイド42からカプリングアウトされ、なぜならば、この光ビームは、点線で示される光ビームとは異なる角度で光カプリングデバイス41に入射するからである。光ガイド42内の光の反射の回数は、ディスプレイデバイスの動作前又は動作中に決定され及び定義され得る。

0189

光ガイドの境界面42での偶数回の反射の後に初めて光は光デカプリングデバイス43に到達するので、カプリングアウトされない光からのカプリングアウトされる光の分離をより良好に行うことができる。したがって、図1a、bに示された例示的な実施形態では、光の偏光回転と組み合わせて、3回の反射の後に光が既に光ガイドからカプリングアウトされるのを防止することが可能である。したがって、望ましく及び予め決定された又は予め定義されたデカプリングは、4回の反射の後に達成され行われ得る。

0190

この実施形態は、デカプリング格子エレメントの角度選択性と組み合わせることもできる。図1a、1bにおいて小さな領域があり、そこでは、光ビームが、光ガイド5の境界面での2回及び4回の反射の後に、光デカプリングデバイス7の格子エレメントの同じ位置又は同じポイントに入射し、したがって同じ偏光を有することになる。この小さな領域は、光ガイド5の延長部の前半に配置される。偏光だけによるこれらの光ビームの分離の場合、この小さな領域は、視野のセグメントの生成に使用できない。2回の反射の場合及び4回の反射の場合の同じ位置での光デカプリングデバイス7の格子エレメント上の光ビームの入射の角度は、光ガイド7内の光ビームの3回の反射の場合及び4回の反射の場合の光ビームの入射の角度よりもかなり強く異なる。この場合、格子エレメントの角度選択性が、したがって、2回の反射の後に不用意に光ビームが既にカプリングアウトされるのを防止するために使用され得る。

0191

図3では、図1a及び図1bによるディスプレイデバイスにおいてやはり使用することのできるさらなる導光デバイス50が示されている。この導光デバイス50は、光カプリングデバイス51、光ガイド52、及び光デカプリングデバイス53を備える。光カプリングデバイス51は、ここで、やはり光ガイド52へ光をカプリングするための図2と同様の格子エレメントを有する。格子エレメントは、ここで、やはりSLM(図示せず)に面する光ガイド52の表面に設けられる。光ガイド52は、ここで、やはり湾曲形成される。光デカプリングデバイス53は、ここで、光ガイド42から光をカプリングアウトするための偏光選択的な格子エレメントを有する。この場合、偏光選択的な格子エレメントは、ある偏光状態の入射光がそれにより反射され、別の偏光状態の光がそれにより通過又は透過するように形成される。さらに、光ガイド52は、やはり外側に遅延層54を備え、ここで、遅延層54は、光デカプリングデバイス53の反対側の光ガイド52の表面又は境界面に付加される。

0192

導光デバイス50の光ガイド52内を伝播する光のカプリングアウト中の手順は、ここでは以下のように実行される。破線及び点線で示される2つの伝播する光ビームが図2と同様に図3にも再び示されており、これら2つの光ビームはSLMの2つの画素から発し、光ガイド52へカプリングする前にP偏光される。2つの直線偏光した光ビームは、光学系(図示せず)を介して光カプリングデバイス51上へ集束され、その結果、照明デバイスの光源のイメージが焦点面に生成される。次いで、これらの光ビームは、光カプリングデバイス51によって光ガイド52に異なる角度でカプリングし、光デカプリングデバイス53が設けられていない光ガイド42の領域において、1回目の反射を光ガイド52の境界面で経験する。次いで、2つの光ビームは、光ガイド52の反対側境界面で遅延層54に入射し、それを初めて通過し、ここで、その偏光がそれぞれ90°回転される。これは、遅延層54の通過後、双方の光ビームは、もはやP偏光されておらずS偏光されていることを意味する。次いで、点線で示される光ビームが、光デカプリングデバイス53の偏光選択的な格子エレメントに入射した場合、この光ビームは、偏光選択的な格子エレメントによって反射される。次いで、この光ビームは、遅延層54に再び入射し、遅延層54の通過間に光ビームの偏光が再び回転され、その結果、光ビームはここで再びP偏光される。遅延層54の通過後、P偏光光ビームは、偏光選択的な格子エレメントに再び入射し、それを通過し又はそれにより通過させられ、これに応じて屈折され、光ガイド52からカプリングアウトされる。破線で示される光ビームもまた、遅延層54を2回通過した後に光デカプリングデバイス53の偏光選択的な格子エレメントを透過し、それに応じて屈折され、光ガイド52からカプリングアウトされる。これは、光ガイド52の境界面で2回の光ビームの反射の後に、点線で示される光ビームと同様に行われるが、破線で示される光ビームは、光ガイド52の最初の3分の1で既にそこからカプリングアウトされるが、なぜならば、この光ビームは、点線で示される光ビームとは異なる角度で光カプリングデバイス51に入射するからである。

0193

光ガイドの境界面52での偶数回の反射の後の光ビームのより良好な分離がここでも行われ得る。

0194

言い換えれば、遅延層54と共に提供される光ガイド52の境界面での奇数回の反射後に、光デカプリングデバイス53の偏光選択的な格子エレメントに入射した光が、偏光選択的な格子エレメントによっては屈折されず、よって光ガイド52と周囲との間の境界面において反射される。遅延層54と共に提供される光ガイド52の境界面での偶数回の反射後に、光デカプリングデバイス53の偏光選択的な格子エレメントに入射した光が、この偏光選択的な格子エレメントによって屈折され且つ光ガイド52からカプリングアウトされ、反射の偶数回と奇数回とは交換されてもよい。光ガイド42内の光の反射の回数は、ディスプレイデバイスの動作前又は動作中に決定及び定義され得る。

0195

図2及び図3による導光デバイス40及び50が図1aによるディスプレイデバイスにおいて個別に使用された場合、立体的に生成される大規模な視野が、これらの導光デバイス40及び50のそれぞれを使用して生成され得る。この大規模な視野は、SLMのエッジ画素から発するカプリングアウトされた光ビーム、及び導光デバイスにおけるその相異なる長さの伝播経路によって、並びに提供された観察者位置からの導光デバイスの距離によって生成される。これは、例えば、破線で示される光ビーム及び点線で示される光ビームが、SLMのエッジ画素から発するとした場合、破線及び点線で示されるカプリングアウトされた光ビームは視野を生成し、これらの光ビームは視野を横方向に範囲を定めることを意味する。この視野は、導光デバイス40又は50によってこのように立体的に生成されたセグメントを形成する。そして、SLMに符号化又は表示されたシーン又はオブジェクトの情報項目が、視野内に表現され得る。

0196

但し、遅延層の使用はS偏光又はP偏光に限定されない。遅延層は、例えば、代わりに、+45°直線偏光した光を−45°直線偏光した光へ回転させてもよく、又は左円偏光した光を右円偏光した光に変更してもよい。

0197

例えば、選択的にP偏光光のみを屈折させる図3の偏光選択的な格子エレメントが、選択的に右円偏光した光のみを屈折させるブラッグ偏光格子エレメントに置き換えられる場合、遅延層も右円偏光を左円偏光へ及びその逆に変更する形で形成されることになり、例えば、SLMの双方の画素からの既に円偏光された光が導光デバイスへカプリングされることになる。

0198

図4(a)では、2つの遅延層が、例えば、図2及び図3の導光デバイス40又は50において比較可能な様式で提供できるように示されている。但し、この場合、2つの遅延層の配置は+45°直線偏光した光を−45°直線偏光した光に変化させる。

0199

図1a及び図1bによって開示されている例示的な実施形態では、空気中で約30°及び光ガイドの物質中で約20°の光の角度スペクトルのカプリングがn=1.5の屈折率を有し、少なくとも1つの遅延層が、光のこの角度スペクトル全体について高効率で光ガイド内の光の望ましい及び所要の偏光の回転又は偏光の変化を生じさせる形で設計される。したがって、少なくとも1つの遅延層の厚さは、光ビームが少なくとも1つの遅延層に角度をなして入射するため、傾いた光入射に最適化される。また、光ビームが少なくとも1つの遅延層を通過中に経験する遅延は、予め決定された角度範囲内のすべての光ビームについて同様である。例えば、ミラーエレメントを含む光カプリングデバイスを使用して20°の角度スペクトルが光ガイドの材料へカプリングされる場合、光カプリング後に光ガイド内で伝播する角度スペクトルも20°である。例えば、ミラーエレメントが、平均のカプリングインされた光ビーム即ちSLMの平均画素からの光ビームに対して、27.5°傾けられる場合、この光ビームは、光ガイド内で2倍の角度即ち55°で伝播する。その場合、SLMの他の画素の光ビームの伝播角は45°と65°との間である。したがって、この例では、この45°と65°との角度範囲に関して、少なくとも1つの遅延層の通過中に光ビームが経験する遅延は、すべての光ビームについて同様である。

0200

これらの2つの遅延層S1及びS2は、それぞれ複屈折材料からなり、概して2つの遅延層S1及びS2の複屈折材料は同一であっても相違してもよい。ここに説明されている例では、材料は同一である。この場合、2つの遅延層S1及びS2は上下に配置される。図4(a)に見ることができるように、遅延層S1は、遅延層S2より厚い厚さdを有する。遅延層S1では、複屈折材料の光学軸OAはこの層S1の面に配向される。遅延層S2では、複屈折材料の光学軸OAはこの層に垂直に配向される。

0201

図4(b)は、図4(a)に示された遅延層に関するシミュレーションデータのグラフ表現を示す。示されている曲線は、適切に選択された層厚、並びに2つの遅延層S1及びS2の複屈折性及び光学軸の配置を有し、0°から65°をわずかに上回るまでの範囲の光の入射の角度で、各ケースで波長λ=532nmの緑色光の95%を大きく超え、偏光が、望ましい所要の方式で回転され又は変更されることを示している。

0202

遅延層S1及び遅延層S2の光学軸の選択に起因して、遅延層1の遅延は、伝播角が増大するにつれて減少するが、遅延層2の遅延は、伝播角が増大するにつれて増大する。角度依存性は、双方の遅延層S1及びS2の組み合わせによって大きく補償される。

0203

図4a及び4bでは、遅延層S1の複屈折性及び厚さは、垂直入射の場合、4分の1波長板に対応するように選択され、したがって、d×Δn=133nmである。遅延層S2は、厚さd×Δn=50nmである。

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