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技術 光増感剤、その誘導体および用途

出願人 大連理工大学大連科栄生物技術有限公司
発明者 彭孝軍李明樂樊江莉姚起超杜健軍龍颯然王静云
出願日 2017年11月24日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2020-524663
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-526595
状態 未査定
技術分野 6員以上のNS含有複素環式化合物 化合物または医薬の治療活性 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 医薬品製剤 他類に属さない組成物 複数複素環系化合物 O,S系縮合複素環
主要キーワード 分間照射後 関係曲線 光生物学的 光照射条件下 光増感剤化合物 キセノンランプ光源 フェノセレナジン 生体イメージング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
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図面 (13)

課題

光増感剤およびその誘導体、使用を提供する。

解決手段

係る光増感剤は、一般式Iの構造を有する「ただし、XはSまたはSeであり、Yは有機または無機イオンであり、R1およびR2はそれぞれ独立してH、アルキル基アルコキシ基アミド基アルキルアジド基などであり、R3はH、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基ヒドロキシ基およびカルボキシ基から選択されるものであり、L1はリンカーを表し、−(CH2)n1−または−(CH2CH2O)n2−である。」。係る誘導体は、前記光増感剤に抗癌化学療法剤分子または腫瘍標的機能を有する分子薬を結合したものである。前記光増感剤は、優れた近赤外特性を有し、暗所毒性が低く、光線力学的療法による腫瘍治療の分野に用いられる。係る誘導体は、腫瘍標的機能を有する分子をベンゾフェノチアジンまたはベンゾフェノセレナジンの構造に導入することにより腫瘍組織の光増感剤に対する特異的摂取を向上することができ、或いは臨床に使用される抗癌剤をベンゾフェノチアジンまたはベンゾフェノセレナジンの構造に導入することにより光線力学的療法と化学療法相乗的に治療する目的を達成することができる。

化1】

概要

背景

世界保健機関(WHO)の統計によると、20世紀80年代に、毎年世界中で癌患者は約700万増加し、毎年癌で死亡する者は約500万人である。癌は猛烈で阻むことができないほどの勢いで人間を攻撃している。光線力学的療法(PDTと略す)は、光化学光物理学および光生物学的原理を疾患の診断治療に応用する方法である。古くから光で皮膚病を治療できることは知られるが、19世紀に紫外線照射を用いる方法が結核による顔損害に対して良好な治療効果を果たせることは偶然発見された。医療技術発展に伴い、光照射の方法は、例えば、紫外線微生物死滅させることや、太陽光または人工光照射することでビタミンDに乏しい疾患を治療・予防することなど、様々な面で利用できることも発見された。最近30年間、レーザ技術分子生物学および光ファイバ伝送光学信号技術の急速な発展に伴い、光線力学的療法はますます注目され、悪性腫瘍やその他の疾患を治療するための効率的で実用的な手法になりつつある。

光線力学的療法は、手術放射線療法および化学療法と異なり、毒性が小さく、効き目が速く、繰り返し使用されても薬剤耐性が生じず、腫瘍組織に良好な選択性があり、正常組織を脅かさずに腫瘍を死滅させることができ、放射線療法または化学療法で腫瘍を治療している場合はこれらの治療方法と併用して相乗効果を果たせるなど多くの特徴を有する。従って、光線力学的療法は、従来の癌治療法と異なり、悪性腫瘍を治療するための新たな手段を提供できる。医療技術の進歩に伴い、この腫瘍治療法は、内上皮癌扁平上皮癌光線性角化症や、脳腫瘍食道癌皮膚癌肺癌前立腺癌乳癌子宮頸癌等の癌の予防・治療に広く用いられ、世界腫瘍予防・治療科学における最も活発研究分野の一つとなっている。

現在臨床に応用されている光増感剤は、主にポルフィリンフタロシアニン系化合物に代表され、腫瘍治療に大きな成功を取得しているが、組成比率が不安定であり、代謝が遅く、最大励起波長が短く、光毒性副作用が発生しやすいなど多くの欠点が依然として存在する。これらの欠点は、光線力学的療法の実際な効果およびその臨床での実用化を大きく制限する。また、現在臨床に応用されている光増感剤は一般的に標的性が低いとの欠点を有するから、病変部位へ正確に標的し正常組織への損傷を低減する適切な光増感剤を設計して光線力学的療法に用いることは早急に解決すべき課題である。

ベンゾフェノチアジンおよびベンゾフェノセレナジン系光増感剤は、フェノキサジン系誘導体として、モル吸光係数が高く、吸収波長近赤外領域にあり、水溶性が良く、細胞毒性が低く、かつ細胞膜透過能が良好であるなどの利点を有しており、世に出てから、機能性材料分野において多くの注目を集めている。また、これらの誘導体は、理想的な薬理学的活性を有しており、抗マラリアうつ病ドーパミンおよびパーキンソン病などにも多く用いられる。しかしながら、光線力学的療法による腫瘍治療の分野では、これらの光増感剤に対する研究は比較的少ない。また、標的分子薬または臨床に使用される化学療法剤を光増感剤分子に結合し、癌の標的治療イメージングができる診療一体化光増感剤系を構築することは、新規光増感剤の開発及び臨床での使用に重要な現実意義を有する。

概要

光増感剤およびその誘導体、使用を提供する。係る光増感剤は、一般式Iの構造を有する「ただし、XはSまたはSeであり、Yは有機または無機イオンであり、R1およびR2はそれぞれ独立してH、アルキル基アルコキシ基アミド基アルキルアジド基などであり、R3はH、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基ヒドロキシ基およびカルボキシ基から選択されるものであり、L1はリンカーを表し、−(CH2)n1−または−(CH2CH2O)n2−である。」。係る誘導体は、前記光増感剤に抗癌化学療法剤分子または腫瘍標的機能を有する分子薬を結合したものである。前記光増感剤は、優れた近赤外特性を有し、暗所毒性が低く、光線力学的療法による腫瘍治療の分野に用いられる。係る誘導体は、腫瘍標的機能を有する分子をベンゾフェノチアジンまたはベンゾフェノセレナジンの構造に導入することにより腫瘍組織の光増感剤に対する特異的摂取を向上することができ、或いは臨床に使用される抗癌剤をベンゾフェノチアジンまたはベンゾフェノセレナジンの構造に導入することにより光線力学的療法と化学療法で相乗的に治療する目的を達成することができる。なし

目的

また、現在臨床に応用されている光増感剤は一般的に標的性が低いとの欠点を有するから、病変部位へ正確に標的し正常組織への損傷を低減する適切な光増感剤を設計して光線力学的療法に用いることは早急に解決すべき課題である

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

構造が一般式Iで表される化合物である光増感剤。〔一般式Iにおいて、Xは、SまたはSeであり、Yは、ハロゲンイオン、ClO4−、PF6−、BF4−、CH3COO−およびOTs−から選択される1種であり、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、アルキル基アルコキシ基アルキルアミド基アルキルアジド基アルキルアルキニル基、アルキルアミノ基アルキルスルホン酸基アルキルヒドロキシ基およびアルキルカルボキシ基から選択される1種であり、R3は、H、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基モルホリニル基カルボニル基アミド基、アジド基、アルキニル基アミノ基、スルホン酸基ヒドロキシ基およびカルボキシ基から選択される1種であり、L1はリンカーを表し、−(CH2)m−または−(CH2CH2O)n−であり、mは5〜20の整数であり、nは2〜20の整数である。〕

請求項2

前記R1およびR2は、それぞれ独立して、H、C1〜5アルキル基、C1〜5アルコキシ基、C2〜5アルキルアルキニル基、C2〜6アルキルスルホニル基およびC2〜6アルキルアジド基から選択される請求項1に記載の光増感剤。

請求項3

前記R3は、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基およびアジド基から選択される請求項1に記載の光増感剤。

請求項4

前記mおよびnは、それぞれ独立して、5、6、7または8である請求項1に記載の光増感剤。

請求項5

前記一般式Iの化合物は、下記化合物から選択される請求項1に記載の光増感剤。

請求項6

抗腫瘍剤の製造のための、請求項1に記載の光増感剤の使用。

請求項7

請求項1に記載の光増感剤の誘導体であって、一般式IIで表される構造を有する光増感剤誘導体。〔式IIにおいて、R4は、抗癌化学療法剤分子または腫瘍標的機能を有する分子薬である。〕

請求項8

前記R4は、a1〜a10から選択される請求項7に記載の光増感剤誘導体。

請求項9

下記の化合物から選択される請求項7に記載の光増感剤誘導体。

請求項10

抗腫瘍剤の製造のための、請求項7に記載の光増感剤誘導体の使用。

技術分野

0001

本発明は、抗癌剤の設計、合成分野に属し、具体的にベンゾフェノチアジン類光増感剤の設計、製造方法および使用に関する。

背景技術

0002

世界保健機関(WHO)の統計によると、20世紀80年代に、毎年世界中で癌患者は約700万増加し、毎年癌で死亡する者は約500万人である。癌は猛烈で阻むことができないほどの勢いで人間を攻撃している。光線力学的療法(PDTと略す)は、光化学光物理学および光生物学的原理を疾患の診断治療に応用する方法である。古くから光で皮膚病を治療できることは知られるが、19世紀に紫外線照射を用いる方法が結核による顔損害に対して良好な治療効果を果たせることは偶然発見された。医療技術発展に伴い、光照射の方法は、例えば、紫外線微生物死滅させることや、太陽光または人工光照射することでビタミンDに乏しい疾患を治療・予防することなど、様々な面で利用できることも発見された。最近30年間、レーザ技術分子生物学および光ファイバ伝送光学信号技術の急速な発展に伴い、光線力学的療法はますます注目され、悪性腫瘍やその他の疾患を治療するための効率的で実用的な手法になりつつある。

0003

光線力学的療法は、手術放射線療法および化学療法と異なり、毒性が小さく、効き目が速く、繰り返し使用されても薬剤耐性が生じず、腫瘍組織に良好な選択性があり、正常組織を脅かさずに腫瘍を死滅させることができ、放射線療法または化学療法で腫瘍を治療している場合はこれらの治療方法と併用して相乗効果を果たせるなど多くの特徴を有する。従って、光線力学的療法は、従来の癌治療法と異なり、悪性腫瘍を治療するための新たな手段を提供できる。医療技術の進歩に伴い、この腫瘍治療法は、内上皮癌扁平上皮癌光線性角化症や、脳腫瘍食道癌皮膚癌肺癌前立腺癌乳癌子宮頸癌等の癌の予防・治療に広く用いられ、世界腫瘍予防・治療科学における最も活発研究分野の一つとなっている。

0004

現在臨床に応用されている光増感剤は、主にポルフィリンフタロシアニン系化合物に代表され、腫瘍治療に大きな成功を取得しているが、組成比率が不安定であり、代謝が遅く、最大励起波長が短く、光毒性副作用が発生しやすいなど多くの欠点が依然として存在する。これらの欠点は、光線力学的療法の実際な効果およびその臨床での実用化を大きく制限する。また、現在臨床に応用されている光増感剤は一般的に標的性が低いとの欠点を有するから、病変部位へ正確に標的し正常組織への損傷を低減する適切な光増感剤を設計して光線力学的療法に用いることは早急に解決すべき課題である。

0005

ベンゾフェノチアジンおよびベンゾフェノセレナジン系光増感剤は、フェノキサジン系誘導体として、モル吸光係数が高く、吸収波長近赤外領域にあり、水溶性が良く、細胞毒性が低く、かつ細胞膜透過能が良好であるなどの利点を有しており、世に出てから、機能性材料分野において多くの注目を集めている。また、これらの誘導体は、理想的な薬理学的活性を有しており、抗マラリアうつ病ドーパミンおよびパーキンソン病などにも多く用いられる。しかしながら、光線力学的療法による腫瘍治療の分野では、これらの光増感剤に対する研究は比較的少ない。また、標的分子薬または臨床に使用される化学療法剤を光増感剤分子に結合し、癌の標的治療イメージングができる診療一体化光増感剤系を構築することは、新規光増感剤の開発及び臨床での使用に重要な現実意義を有する。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、近赤外吸収を有し光線力学的活性を持つベンゾフェノチアジンおよびベンゾフェノセレナジン系光増感剤、これらの製造方法および用途を提供することである。当該光増感剤は、三重項収率が高く、最大吸収波長および最大発光波長がいずれも600nmを超える。また、本発明で合成した光増感剤は、暗所毒性が低く、光毒性が高く、腫瘍標的機能を有する分子をベンゾフェノチアジンまたはベンゾフェノセレナジンの構造に導入することにより腫瘍組織の特異的摂取を向上することができ、或いは臨床に使用される抗癌剤をベンゾフェノチアジンまたはベンゾフェノセレナジンの構造に導入することにより光線力学的療法と化学療法で相乗的に治療する目的を達成することができ、副作用を増すことなく治療効果を上げることができる。

課題を解決するための手段

0007

本発明の技術目的は、下記の技術手段により実現される。
本発明の1つ目の技術目的は、構造が一般式Iで表される化合物である光増感剤を提供することである。



〔一般式Iにおいて、
Xは、SまたはSeであり、
Yは、ハロゲンイオン、ClO4−、PF6−、BF4−、CH3COO−およびOTs−から選択される1種であり、
R1およびR2は、それぞれ独立して、H、アルキル基アルコキシ基アルキルアミド基アルキルアジド基アルキルアルキニル基、アルキルアミノ基アルキルスルホン酸基アルキルヒドロキシ基およびアルキルカルボキシ基から選択される1種であり、
R3は、H、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基モルホリニル基カルボニル基アミド基、アジド基、アルキニル基アミノ基、スルホン酸基ヒドロキシ基およびカルボキシ基から選択される1種であり、
L1はリンカーを表し、−(CH2)m−または−(CH2CH2O)n−であり、
mは5〜20の整数であり、nは2〜20の整数である。〕

0008

本発明の2つ目の技術目的は、抗腫瘍剤の製造のための、前記光増感剤の使用を提供することである。

0009

本発明の3つ目の技術目的は、前記光増感剤の誘導体であって、一般式IIで表される構造を有する光増感剤誘導体を提供することである。



〔式IIにおいて、R4は、抗癌化学療法剤分子または腫瘍標的機能を有する分子薬である。〕

0010

本発明の4つ目の技術目的は、抗腫瘍剤の製造のための、前記光増感剤誘導体の使用を提供することである。

発明の効果

0011

本発明は、下記の効果を奏する。
(1)本発明に係る前記光増感剤は、優れた近赤外特性を有し、生体イメージングに応用される際に、生体漂白光損傷および生体毒性が低く、かつ発生する蛍光シグナルが比較的深い生体組織を透過することができる。
(2)本発明に係る前記光増感剤は、波長660nm超の光照射下で、一重項酸素を発生することができる。
(3)本発明に係る前記光増感剤は、暗所毒性が低く、生体適合性が良く、水溶性が良く、光安定性が良く、優れる光増感剤として光線力学的療法による腫瘍治療の分野に用いられる。
(4)本発明では、前記光増感剤に抗癌化学療法剤分子または腫瘍標的機能を有する分子薬を結合することにより、前記光増感剤に標的治療作用または光線力学的治療化学治療との相乗治療作用を持たせる。腫瘍標的機能を有する分子をベンゾフェノチアジンまたはベンゾフェノセレナジンの構造に導入することにより腫瘍組織の光増感剤に対する特異的摂取を向上することができ、或いは臨床に使用される抗癌剤をベンゾフェノチアジンまたはベンゾフェノセレナジンの構造に導入することにより、光線力学的療法と化学療法で相乗的に治療する目的を達成することができる。
(5)本発明に係る前記光増感剤は、毒性の副作用が低く、分子構造が単一で安定であり、製造および精製が容易であり、原料入手が容易であり、光線力学的療法による腫瘍治療剤を工業的に製造するのに有利である。

図面の簡単な説明

0012

本明細書には、12枚の図面が含まれる。
本発明に係るベンゾフェノチアジンおよびベンゾフェノセレナジン光増感剤1−1、1−2、2−1、2−2、1−1−IMC、2−1−IMCのジクロロメタンにおける正規化紫外吸収スペクトルである。
本発明に係るベンゾフェノチアジンおよびベンゾフェノセレナジン光増感剤1−1、1−2、2−1、2−2、1−1−IMC、2−1−IMCのジクロロメタンにおける正規化蛍光発光スペクトルである。
本発明に係るベンゾフェノチアジンおよびベンゾフェノセレナジン光増感剤1−1、1−2、2−1、2−2、1−1−IMC、2−1−IMCがメタノール系に660nmの光照射条件下で一重項酸素発生中におけるDPBFの吸光減衰曲線である。
本発明に係るベンゾフェノチアジン1−1、1−2のインビトロ抗癌試験結果である。MCF−7を研究対象とし、細胞生存率で光増感剤の細胞毒性を示した。in darkは光増感剤の暗所毒性を表し、in lightは光毒性を表す。
本発明に係るベンゾフェノセレナジン光増感剤2−1、2−2のインビトロ抗癌試験結果である。MCF−7を研究対象とし、細胞生存率で光増感剤の細胞毒性を示した。in darkは光増感剤の暗所毒性を表し、in lightは光毒性を表す。
本発明に係る光増感剤誘導体1−1−IMC、2−1−IMCのインビトロ抗癌試験結果である。MCF−7を研究対象とし、細胞生存率で光増感剤の細胞毒性を示した。in darkは光増感剤の暗所毒性を表し、in lightは光毒性を表す。
本発明に係るベンゾフェノチアジンとビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinのジクロロメタンにおける紫外吸収スペクトルである。
本発明に係るベンゾフェノチアジンとビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinのジクロロメタンにおける蛍光スペクトルである。
本発明に係るベンゾフェノチアジンとビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinがジクロロメタン系に660nmの光照射条件下で一重項酸素発生中におけるDPBFの吸光減衰曲線である。
本発明に係るベンゾフェノチアジンとビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinのインビトロ細胞暗所毒性試験結果である。HepG2およびCOS−7を研究対象とし、細胞生存率で光増感剤の細胞毒性を示した。
本発明に係るベンゾフェノチアジンとビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinのインビトロ細胞光毒性試験結果である。HepG2およびCOS−7を研究対象とし、細胞生存率で光増感剤の細胞毒性を示した。
本発明に係るベンゾフェノチアジンとビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinおよびベンゾフェノチアジン光増感剤1−1のインビトロ細胞選択性試験結果である。HepG2およびCOS−7を研究対象とし、赤色蛍光の強度で細胞の光増感剤摂取量を示した。

0013

以下、本発明を実施するための形態について詳しく説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。

0014

本発明の1つ目の技術目的は、構造が一般式Iで表される化合物である光増感剤を提供することである。



〔一般式Iにおいて、
Xは、SまたはSeであり、
Yは、ハロゲンイオン、ClO4−、PF6−、BF4−、CH3COO−およびOTs−から選択される1種であり、
R1およびR2は、それぞれ独立して、H、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミド基、アルキルアジド基、アルキルアルキニル基、アルキルアミノ基、アルキルスルホン酸基、アルキルヒドロキシ基およびアルキルカルボキシ基から選択される1種であり、
R3は、H、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、モルホリニル基、カルボニル基、アミド基、アジド基、アルキニル基、アミノ基、スルホン酸基、ヒドロキシ基およびカルボキシ基から選択される1種であり、
L1はリンカーを表し、−(CH2)m−または−(CH2CH2O)n−であり、
mは5〜20の整数であり、nは2〜20の整数である。〕

0015

前記光増感剤において、より具体的に、前記アルコキシ基としては、メトキシ基エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチロキシ基およびn−ドデシルオキシ基が挙げられるが、これらに限定されない。前記アルキルアミド基としては、メチルカルボニルアミノ基エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロキシルカルボニルアミノ基、2−エチルへキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基およびドデシルカルボニルアミノ基が挙げられるが、これらに限定されない。前記アルキルアジド基としては、エチルアジド基、プロピルアジド基、ブチルアジド基およびへキシルアジド基が挙げられるが、これらに限定されない。前記アルキルアミノ基としては、エチルアミノ基ジメチルアミノ基ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基およびドデシルアミノ基が挙げられるが、これらに限定されない。前記アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基およびシクロへキシルスルホニル基が挙げられるが、これらに限定されない。

0016

前記光増感剤において、前記ハロゲンとしては、フッ素塩素臭素およびヨウ素が挙げられる。
前記光増感剤において、好ましくは、前記R1およびR2は、それぞれ独立して、H、C1〜5アルキル基、C1〜5アルコキシ基、C2〜5アルキルアルキニル基、C2〜6アルキルスルホニル基およびC2〜6アルキルアジド基から選択される。より具体的な実施態様として、前記R1およびR2は、それぞれ独立して、H、メチル、エチル、n−プロピルイソプロピルn−ブチルイソブチル、メトキシ基およびエトキシ基から選択される。
前記光増感剤において、好ましくは、前記R3は、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基およびアジド基から選択される。
前記光増感剤において、好ましくは、前記mまたはnは、それぞれ独立して、5、6、7または8である。
前記光増感剤において、好ましくは、前記Yはハロゲンイオンである。
前記光増感剤において、より具体的な実施態様として、前記光増感剤は下記の化合物から選択される。

0017

本発明は、さらに前記光増感剤を製造する方法を提供する。かかる方法は、アニリン誘導体を原料とし硫元素またはセレニウム元素含有縮合中間体を製造するステップナフタレンアミン誘導体中間体を製造するステップ、および前記2種の中間体からベンゾフェノチアジンおよびベンゾフェノセレナジン系光増感剤を製造するステップを含む。具体的に下記の手順を含む。

0018

ベンゾフェノチアジン光増感剤の製造:
(1)氷浴条件下で、R1とR2置換基を持つp−フェニレンジアミンを、三塩化アルミニウム塩化亜鉛チオ硫酸ナトリウムが存在する水溶液に2〜5時間撹拌し、単体固形塩を製造する。
(2)1−ナフタレンアミンまたは1−ブロモナフタレンとNH2−L1−R3をアルカリ性触媒の存在下で2〜24時間還流反応させ、ナフタレンアミン誘導体を製造する。
(3)続いて、ステップ(1)で得られた固形塩とステップ(2)で得られたナフタレンアミン誘導体を重クロム酸カリウムの存在下でメタノールと希塩酸混合溶媒に2〜12時間反応させ、ベンゾフェノチアジン光増感剤を製造する。

0019

ベンゾフェノセレナジン光増感剤の製造方法:
CuOを触媒とし、トリフルオロエタノール溶媒とし、アニリンセレニド単体と前記ステップ(2)で得られたナフタレンアミン誘導体を稀塩酸の存在下で2〜12時間反応させ、ベンゾフェノセレナジン光増感剤を製造する。

0020

前記ベンゾフェノチアジン光増感剤の製造方法において、ステップ(1)におけるAl3+溶液は、塩化アルミニウムまたは硫酸アルミニウムである。
前記ベンゾフェノチアジン光増感剤の製造方法において、ステップ(2)における反応温度は30〜150℃であり、反応時間は1〜24時間であり、反応溶媒はジクロロメタン、エチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、DMFエタノールアセトニトリルまたはこれらの混合物から選択され、1−ナフタレンアミンまたは1−ブロモナフタレンと(−L1−R3)鎖を持つ化合物とのモル比は1:1〜1:5である。好ましい実施態様として、反応温度は90〜140℃であり、反応時間は10〜20時間であり、1−ナフタレンアミンまたは1−ブロモナフタレンと(−L1−R3)鎖を持つ化合物とのモル比は1:2〜1:4である。

0021

前記ベンゾフェノチアジン光増感剤の製造方法において、ステップ(3)において、ステップ(2)の化合物とステップ(1)の化合物はモル比1:1〜1:5で反応され、反応温度は20〜120℃であり、反応時間は4〜12時間であり、反応溶媒はエタノール、DMF、DMSO、塩酸水溶液、メタノール、ジクロロメタンまたはこれらの混合物から選択される。好ましい実施態様として、反応温度は20〜80℃であり、反応時間は2〜8時間であり、反応溶媒はエタノール、メタノール、DMF、塩酸水溶液またはこれらの混合物から選択され、ステップ(2)の化合物とステップ(1)の化合物とのモルは1:1〜1:4である。

0022

前記ベンゾフェノセレナジン光増感剤の製造方法において、ステップ(2)におけるナフタレンアミン誘導体とアニリンジセレニド単体とのモル比は1:1〜1:5であり、反応温度は50〜160℃であり、反応時間は1〜12時間であり、反応溶媒はトリフルオロエタノール、塩酸水溶液、メタノール、ジクロロメタンまたはこれらの混合物から選択される。好ましい実施態様として、反応温度は75〜110℃であり、反応時間は2〜8時間であり、反応溶媒はトリフルオロエタノール、塩酸水溶液、メタノールまたはこれらの混合物から選択され、ステップ(2)におけるナフタレンアミン誘導体とアニリンジセレニド単体とのモル比は1:1〜1:4である。

0023

より具体的な実施態様として、本発明は、前記光増感剤化合物1−1、1−2、2−1、2−2を製造する方法を提供する。具体的な操作手順は、下記の通りである。
1)1−ブロモナフタレンと1,6−ヘキサメチレンジアミンをモル比1:1〜1:5で反応させて、化合物Iを製造する。

0024

反応温度は80〜150℃であり、反応時間は1〜24時間であり、反応溶媒はジクロロメタン、エチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、DMFまたはこれらの混合物から選択される。

0025

好ましい実施態様において、反応温度は90〜140℃であり、反応時間は10〜20時間であり、反応溶媒はエチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、DMFまたはこれらの混合物から選択され、1−ブロモナフタレンと1,6−ヘキサメチレンジアミンとのモル比は1:1〜1:4である。
より好ましい実施態様において、反応温度は100〜130℃であり、反応時間は12〜18時間であり、反応溶媒はエチレングリコールモノメチルエーテル、DMFまたはこれらの混合物から選択され、1−ブロモナフタレンと1,6−ヘキサメチレンジアミンとのモル比は1:2〜1:4である。
最も好ましい実施態様において、反応温度は110〜125℃であり、反応時間は15〜18時間であり、反応溶媒はエチレングリコールモノメチルエーテルであり、1−ブロモナフタレンと1,6−ヘキサメチレンジアミンとのモル比は1:2〜1:3である。

0026

2)1−ナフタレンアミンと6−ブロモヘキサン酸エチルをモル比1:1〜1:5で反応させて化合物N−ヘキサン酸エチル−1−ナフタレンアミンを製造した後、水酸化ナトリウム水溶液中加水分解し、酸性化してIIを製造する。

0027

化合物N−ヘキサン酸エチル−1−ナフタレンアミンの製造において、反応温度は30〜150℃であり、反応時間は1〜24時間であり、反応溶媒はジクロロメタン、エタノール、アセトニトリル、DMF、水酸化ナトリウム水溶液から選択される。

0028

好ましい実施態様において、反応温度は30〜120℃であり、反応時間は1〜12時間であり、反応溶媒はエタノール、アセトニトリル、DMFまたはこれらの混合物から選択され、1−ナフタレンアミンと6−ブロモヘキサン酸エチルとのモル比は1:1〜1:4である。
より好ましい実施態様において、反応温度は60〜120℃であり、反応時間は4〜12時間であり、反応溶媒はエタノール、DMFまたはこれらの混合物から選択され、1−ナフタレンアミンと6−ブロモヘキサン酸エチルとのモル比は1:1〜1:3である。
最も好ましい実施態様において、反応温度は60〜100℃であり、反応時間は8〜12時間であり、反応溶媒はエタノールであり、1−ナフタレンアミンと6−ブロモヘキサン酸エチルとのモル比は1:1〜1:2である。

0029

3)化合物IまたはIIと式iの化合物をモル比1:1〜1:5で反応させて、化合物1−1または1−2を製造する。
反応温度は20〜120℃であり、反応時間は4〜12時間であり、反応溶媒はエタノール、DMF、DMSO、塩酸水溶液、メタノール、ジクロロメタンまたはこれらの混合物から選択される。

0030

好ましい実施態様において、反応温度は20〜80℃であり、反応時間は2〜8時間であり、反応溶媒はエタノール、メタノール、DMF、塩酸水溶液またはこれらの混合物から選択され、化合物IまたはIIと式iの化合物とのモル比は1:1〜1:4である。
より好ましい実施態様において、反応温度は20〜60℃であり、反応時間は2〜6時間であり、反応溶媒はメタノール、塩酸水溶液またはこれらの混合物から選択され、化合物IまたはIIと式iの化合物とのモル比は1:1〜1:3である。
最も好ましい実施態様において、反応温度は20〜50℃であり、反応時間は2〜3時間であり、反応溶媒はメタノールと塩酸水溶液の混合物であり、化合物IまたはIIと式iiの化合物とのモル比は1:1〜1:2である。

0031

4)化合物IまたはIIと式iiの化合物をモル比1:1〜1:5で反応させて、化合物2−1および2−2を製造する。

0032

反応温度は50〜160℃であり、反応時間は1〜12時間であり、反応溶媒はトリフルオロエタノール、塩酸水溶液、メタノール、ジクロロメタンまたはこれらの混合物から選択される。

0033

好ましい実施態様において、反応温度は75〜110℃であり、反応時間は2〜8時間であり、反応溶媒はトリフルオロエタノール、塩酸水溶液、メタノールまたはこれらの混合物から選択され、化合物IまたはIIと式iiとのモル比は1:1〜1:4である。
より好ましい実施態様において、反応温度は80〜100℃であり、反応時間は2〜6時間であり、反応溶媒はトリフルオロエタノール、塩酸水溶液またはこれらの混合物から選択され、化合物IまたはIIと式iiとのモル比は1:1〜1:3である。
最も好ましい実施態様において、反応温度は90〜95℃であり、反応時間は2〜3時間であり、反応溶媒はトリフルオロエタノール、塩酸水溶液またはこれらの混合物から選択され、化合物IまたはIIと式iiとのモル比は1:1〜1:2である。

0034

本発明の2つ目の技術目的は、抗腫瘍剤の製造のための、前記光増感剤の使用を提供することである。
本発明に係る前記光増感剤は、優れた近赤外特性を有し、生体イメージングに応用される際に、生体光漂白、光損傷および生体毒性が低く、かつ発生する蛍光シグナルが比較的深い生体組織を透過することができ、また波長660nm超の光照射下で一重項酸素を発生することができ、波長660nm超のレーザ光照射下で腫瘍細胞に対して光線力学的治療效果を有し、効率的に腫瘍細胞を死滅させることができる。

0035

本発明の3つ目の技術目的は、前記光増感剤の誘導体であって、一般式IIで表される構造を有する光増感剤誘導体を提供することである。



〔式IIにおいて、R4は、抗癌化学療法剤分子または腫瘍標的機能を有する分子薬である。〕

0036

前記光増感剤誘導体において、前記R4はa1〜a10から選択される。



前記式において、曲線断裂結合を示し、母体と結合する箇所を表す。

0037

より具体的な実施態様として、前記誘導体は下記の化合物から選択される。

0038

本発明は、さらに前記光増感剤誘導体を製造する方法を提供する。係る方法は、請求項1に記載の光増感剤化合物と分子薬をモル比1:1〜1:3で反応させるステップを含む。
前記製造方法において、反応温度は0〜100℃であり、反応時間は12〜48時間であり、反応溶媒はジクロロメタン、エタノール、酢酸エチル、DMFまたはこれらの混合物であり、反応は有機アルカリの存在下で行われ、4−ジメチルアミノピリジンを触媒とする。好ましい実施態様において、反応温度は10〜80℃であり、反応時間は12〜32時間である。最も好ましい実施態様において、反応温度は25〜40℃であり、反応時間は12〜24時間であり、反応溶媒はDMFである。

0039

より具体的な実施態様として、本発明は、化合物1−1−IMCおよび2−1−IMCを製造する具体的な方法を提供する。
化合物1−1または2−1と式iiiをモル比1:1〜1:3で反応させて、化合物1−1−IMCまたは2−1−IMCを製造する。

0040

反応温度は0〜100℃であり、反応時間は12〜48時間であり、反応溶媒はジクロロメタン、エタノール、酢酸エチル、DMFまたはこれらの混合物であり、反応は有機アルカリの存在下で行われ、4−ジメチルアミノピリジンを触媒とする。

0041

好ましい実施態様において、反応温度は10〜80℃であり、反応時間は12〜32時間であり、反応溶媒はジクロロメタン、エタノール、DMFまたはこれらの混合物であり、反応は有機アルカリの存在下で行われ、4−ジメチルアミノピリジンを触媒とし、化合物1−1または2−1と式iiiのモルは1:1〜1:3である。
より好ましい実施態様において、反応温度は20〜70℃であり、反応時間は12〜28時間であり、反応溶媒はジクロロメタン、DMFまたはこれらの混合物であり、反応は有機アルカリの存在下で行われ、4−ジメチルアミノピリジンを触媒とし、化合物1−1または2−1と式iiiのモルは1:1〜1:2である。
最も好ましい実施態様において、反応温度は25〜40℃であり、反応時間は12〜24時間であり、反応溶媒はDMFであり、反応は有機アルカリの存在下で行われ、4−ジメチルアミノピリジンを触媒とし、化合物1−1または2−1と式iiiのモルは1:1〜1:1.5である。

0042

前記方法で合成した近赤外吸収を有し光線力学的活性を持つ本発明に係るベンゾフェノチアジンおよびベンゾフェノセレナジン系光増感剤、並びにこれらの誘導体について、核磁気共鳴スペクトルまたは質量分析スペクトルによりこれらの構造を確認し、炭素スペクトルによりこれらの構造を補助的に確認した。

0043

本発明の4つ目の技術目的は、抗腫瘍剤の製造のための、前記光増感剤誘導体の使用を提供することである。
本発明に係る前記光増感剤誘導体は、前記光増感剤と類似する性質を有しており、優れた近赤外特性を有し、生体イメージングに応用される際に、生体光漂白、光損傷および生体毒性が低く、かつ発生する蛍光シグナルが比較的深い生体組織を透過することができ、また波長660nm超の光照射下で一重項酸素を発生することができ、波長660nm超のレーザ光照射下で腫瘍細胞に対して光線力学的治療效果を有し、効率的に腫瘍細胞を死滅させることができる。それに抗癌化学療法剤分子または腫瘍標的機能を有する分子薬を結合することにより標的治療作用または光線力学的治療と化学治療との相乗治療作用を持たせることができるから、抗腫瘍剤の製造に用いられる。

0044

下記の非限定的実施例は、当業者に本発明をより深く理解させるためのものであり、いかなる態様で本発明を限定するものではない。

0045

実施例1
ベンゾフェノチアジン光増感剤1−1、1−2の合成

0046

(1)中間体iの合成
4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン(6.09mmol)を、硫酸アルミニウム4.11gを含有した水溶液10mLに加えた後、チオ硫酸ナトリウム(2.21g)および塩化亜鉛(0.872g)を順番フラスコに加えて、氷浴条件下で、重クロム酸カリウム溶液(0.42mM)4mLをゆっくり滴下し、2時間撹拌し、灰黒色固体を得た。少量のアセトンおよびエチルエーテルでろ過ケーキを洗浄後、メタノール10mLに加えて20分間還流した。熱いうちにろ過して薄灰色固体生成物i 0.76gを得た。収率は47%であった。

0047

(2)中間体Iの合成
1−ブロモナフタレン(4.12g)およびヘキサメチレンジアミン(4.65g)を、エチレングリコールモノメチルエーテル溶液40mLを含有した丸底フラスコに加えて、さらにCuI(190mg)およびCsCO3(3.0g)を加えて、溶液は黄褐色から青緑色となった。125℃に加熱し還流して24h反応させた後、反応を停止し、吸引ろ過により黄褐色のろ過液を得て、カラムクロマトグラフィにより分離して黄褐色の油状液体である中間体2を得た。收率52%であった。

0048

(3)中間体IIの合成
50mLの一口瓶に、1−ナフタレンアミン(1.6g)、6−ブロモヘキサン酸エチル(3.2g)をエタノール60mLに溶かして、12時間還流し反応させ、減圧によりエタノールを留去し、カラムクロマトグラフィにより分離して無色の油状物であるN−ヘキサン酸エチル−1−ナフタレンアミンを得た。続いて、これを1,4−ジオキサン4mLに溶かして、1Mの水酸化ナトリウム1.5mLを加え5時間撹拌して十分反応させた後、塩酸でpHを約3に調整した。ジクロロメタンで前記混合溶液を抽出し、スピンドライし、カラムクロマトグラフィにより分離して中間体IIを得た。収率は55%であった。

0049

(4−1)ベンゾフェノチアジン1−1の合成
薄灰色の中間体i(1.052g)および中間体I(1.5g)をジメチルスルホキシド20mLに溶かして、室温で撹拌し十分溶解させた後、重クロム酸カリウム固体1.3gを加えて、20分間攪拌し溶液は褐色となった後、2mol・L−1の塩酸10mLおよびメタノール250mLを加えて、室温で1時間撹拌し溶液は青緑色となり、減圧で水およびメタノールを留去し、残液飽和塩化ナトリウム水溶液150mLにゆっくり注ぎ青色の固体を析出させ、ろ過し、粗生成物シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して青色の固体生成物1−1を得た。収率は30%であった。
核磁気1H NMR(500MHz,DMSO) δ 10.43 (s, 1H), 8.85 (d, J = 49.0 Hz, 2H), 8.20 (s, 3H), 7.90 (s, 2H), 7.52 (s, 1H), 7.34 (s, 2H), 3.65 (s, 6H), 2.78 (s, 2H), 1.78 (s, 2H), 1.63 (s, 2H), 1.44 (s, 4H), 1.24 (s, 6H). 13C NMR (126 MHz, DMSO) δ 153.04, 150.64, 139.70, 136.67, 133.75, 133.11, 131.83, 131.16, 129.49, 124.57, 123.96, 117.13, 105.36, 103.27, 45.07, 43.72, 39.89, 39.72, 39.56, 39.39, 39.22, 28.19, 26.76, 25.79, 25.46, 12.67.

0050

(4−2)ベンゾフェノチアジン1−2の合成
薄灰色の中間体i(1.052g)および中間体II(1.7g)をジメチルスルホキシド20mLに溶かして、室温で撹拌し十分溶解させた後、重クロム酸カリウム固体1.4gを加えて、20分間攪拌し溶液は紫褐色となった後、2mol・L−1の塩酸10mLおよびメタノール250mLを加えて、室温で1時間撹拌し溶液は深緑色となり、減圧で水およびメタノールを留去し、残液を飽和塩化ナトリウム水溶液150mLにゆっくり注ぎ青色の固体を析出させ、ろ過し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して青色の固体生成物1−2を得た。収率は35%であった。
核磁気1H NMR(500MHz,DMSO) δ 12.01 (s, 1H), 10.15 (s, 1H), 8.95 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.66 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.03 ‐ 7.88 (m, 2H), 7.84 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.37 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 3.67 (dt, J = 21.1, 6.7 Hz, 6H), 2.25 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.82 ‐ 1.72 (m, 2H), 1.65 ‐ 1.54 (m, 2H), 1.44 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 1.23 (t, J = 6.9 Hz, 6H). 13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 174.80, 153.41, 147.48, 139.36, 137.11, 133.83, 133.63, 132.21, 131.67, 131.57, 127.88, 125.01, 124.79, 124.41, 120.59, 109.04, 105.74, 46.75, 44.97, 34.01, 29.08, 28.54, 27.25, 13.07.

0051

化合物1−1、1−2の性能測定
(1)ベンゾフェノチアジン光増感剤1−1、1−2の吸光および蛍光スペクトル測定
最終濃度が5Mとなったように前記実施例1で合成した化合物1−1、1−2を溶媒メタノール3mLに加えて、これらの紫外吸収スペクトルおよび蛍光発光スペクトルを測定した。測定結果から分かるように、ベンゾフェノチアジン光増感剤1−1および1−2の最大吸収波長は655nm(図1に示す)、最大発光波長は694nm(図2に示す)であり、いずれも近赤外領域にあり、近赤外線励起される光増感剤として使用することができる。使用する機器は、それぞれAgIIlent 8453紫外分光光度計およびAgIIlent Cary EclIIpse蛍光分光光度計であった。

0052

(2)ベンゾフェノチアジン光増感剤1−1、1−2の一重項酸素発生測定
最終濃度が5Mとなったように前記実施例1で合成した化合物1−1、1−2を溶媒メタノール3mLに加えて、さらに、溶液における1,3−ジフェニルイソベンゾフラン(DPBF)の吸光度が約1.0となったようにDPBFを加えて、均一に混合した。続いて660nmの赤色光を照射し、速やかにその紫外線吸収曲線を測定した。411nmにおけるDPBFの吸光度値の変化から吸光度と時間の関係曲線を描いた。対照としてメチレンブルー(MB)を用い、下記式により一重項酸素量子収率を算出した。

0053

光増感剤1−1、1−2の一重項酸素量子収量はいずれも0.04であると算出した。図3は、光増感剤がメタノール溶媒に660nmの光照射条件下で一重項酸素発生中におけるDPBFの吸光減衰曲線である。使用する機器はAgIIlent 8453紫外分光光度計であり、光源は300Wキセノンランプ光源であった。

0054

(3)ベンゾフェノチアジン光増感剤1−1、1−2のインビトロ抗癌細胞試験
MCF−7(ヒト乳癌細胞)を0.25%のトリプシン消化した後、10%牛胎児血清含有DMEM液体培地を用いて単一細胞の懸濁液を調製し、1ウェルあたりの液体培地体積が100μL、1ウェルあたりの細胞密度が5000個となったように96ウェルの培養プレート接種した。続いて、培養プレートを細胞インキュベーターに入れ24時間インキュベートした。インキュベーターの環境は、温度37℃、CO2濃度5%、飽和湿度であった。各ウェルにそれぞれ濃度(5、2.5、1.25、0.625、0.32、0.16、0.08、0.04、0.02μM)の1−1または1−2 100μLを加えて、同条件でさらに1時間インキュベートした。光毒性の測定について、96ウェルプレートに660nmの光源を10分間照射後、前記培養環境においてさらに12時間培養した。暗所毒性の測定について、光照射せずにそのまま12時間培養した。続いて、各ウェルに濃度5mg/mLのMTT溶液20μLを加えて、インキュベーターにおいてさらに4時間インキュベートした。ウェル中の液体培地を除去し、染料DMSO溶液200μLに溶かし、シャーレに移し、シェーカーで10分間振とうした後、マイクロプレートリーダーで波長490nmにおける吸光度を測定した。下記式により細胞生存率を算出し、1−1および1−2の細胞に対する生体毒性を評価した。結果は図4に示す。
Cell Viability(%)=[Σ(Ai/Acontrol×100)]/n
前記式において、Aiは第i群データの吸光度(i=1、2、...、n)であり、Acontrolは光増感剤添加なしの対照ウェルの平均吸光度である。同様の実験は3回以上行った。

0055

実施例2
ベンゾフェノセレナジン光増感剤2−1、2−2の合成



(1)中間体iiの合成
40%の水酸化ナトリウム水溶液10mLに3−ヨードアニリン0.7g、ヨードエタン1.7mL、PEG2000 1.8gを加えて、十分撹拌し均一となった後、45℃に昇温して12時間反応させ、反応終了後、前記反応物を室温に冷却し、水およびエチルエーテルで抽出し、エチルエーテル層を収集し、減圧によりエチルエーテルを留出し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して黒色の油状物を得た。収率は55%であった。

0056

前記黒色の油状物1g、酸化銅0.8g、セレニウム粉0.6g、水酸化カリウム0.5gをジメチルスルホキシド15mLに溶かして、窒素雰囲気下で、110℃で撹拌して一晩反応させ、反応終了後、室温に冷却し、酢酸エチルおよび水で抽出し、酢酸エチル層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧により溶媒を留去し、薄赤色の液体を得た。
氷浴条件下で、前記薄赤色の液体1.2gを1mol・L−1の塩酸60mLに溶かして、6mmolの亜硝酸ナトリウム水溶液5mLを加えた。撹拌した際に、溶液は徐々に黄色からオレンジ赤色となり且つ固体が多く現れ、10分間反応後、ろ過し、ろ過液をジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧により溶媒を留去し、粗生成物をイソプロパノール再結晶してオレンジ色の固体を得た。収率は70%であった。

0057

(2−1)ベンゾフェノセレナジン2−1の合成
中間体I 0.315gおよび中間体ii 0.25gをトリフルオロエタノール5mLに加えて、十分撹拌して溶解させた後、1mol・L−1の塩酸溶液4mLを加えて、90℃で2.5時間反応させ、減圧により溶媒を留去した後、エチルエーテルで粗生成物を洗浄して未反応の中間体Iを除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより洗浄後の粗生成物を精製して青色の固体を得た。収率は45%であった。
核磁気1H NMR(500MHz,DMSO) δ 8.73 (s, 1H), 8.41 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 21.7 Hz, 4H), 7.26 (s, 1H), 6.98 (s, 1H), 3.57 (d, J = 45.7 Hz, 6H), 2.24 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.80 ‐ 1.66 (m, 2H), 1.65 ‐ 1.53 (m, 2H), 1.50 ‐ 1.38 (m, 2H), 1.18 (dd, J = 18.4, 11.5 Hz, 6H). 13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 174.88, 158.72, 153.56, 151.24, 140.26, 137.26, 134.21, 133.69, 132.47, 131.72, 131.67, 130.03, 125.18, 124.74, 124.09, 123.54, 117.72, 105.85, 103.69, 45.57, 44.34, 34.08, 28.61, 26.46, 24.69, 13.14.

0058

(2−2)ベンゾフェノセレナジン2−2の合成
中間体II 0.4gおよび中間体ii 0.25gをトリフルオロエタノール5mLに加えて、十分撹拌して溶解させた後、1mol・L−1の塩酸溶液4mLを加えて、90℃で2.5時間反応させ、減圧により溶媒を留去した後、エチルエーテルで粗生成物を洗浄して未反応の中間体IIを除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより洗浄後の粗生成物を精製して青色の固体を得た。収率は40%であった。
核磁気1H NMR(500MHz,DMSO) δ 8.73 (s, 1H), 8.41 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 21.7 Hz, 4H), 7.26 (s, 1H), 6.98 (s, 1H), 3.57 (d, J = 45.7 Hz, 6H), 2.24 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.80 ‐ 1.66 (m, 2H), 1.65 ‐ 1.53 (m, 2H), 1.50 ‐ 1.38 (m, 2H), 1.18 (dd, J = 18.4, 11.5 Hz, 6H). 13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 174.88, 158.72, 153.56, 151.24, 140.26, 137.26, 134.21, 133.69, 132.47, 131.72, 131.67, 130.03, 125.18, 124.74, 124.09, 123.54, 117.72, 105.85, 103.69, 45.57, 44.34, 34.08, 28.61, 26.46, 24.69, 13.14.

0059

ベンゾフェノセレナジン光増感剤2−1、2−2の性能測定
(1)ベンゾフェノセレナジン光増感剤2−1、2−2の吸光および蛍光スペクトル測定
最終濃度が5Mとなったように前記実施例2で合成した化合物2−1、2−2を溶媒メタノール3mLに加えて、これらの紫外吸収スペクトルおよび蛍光発光スペクトルを測定した。測定結果から分かるように、ベンゾフェノセレナジン光増感剤2−1および2−2の最大吸収波長は661nm(図1に示す)、最大発光波長は702nm(図2に示す)であり、いずれも近赤外領域にあり、近赤外線で励起される光増感剤として使用することができる。使用する機器は、それぞれAgIIlent 8453紫外分光光度計およびAgIIlent Cary EclIIpse蛍光分光光度計であった。

0060

(2)ベンゾフェノセレナジン光増感剤2−1、2−2の一重項酸素発生測定
最終濃度が5Mとなったように前記実施例2で合成した化合物2−1、2−2を溶媒メタノール3mLに加えて、さらに、溶液における1,3−ジフェニルイソベンゾフラン(DPBF)の吸光度が約1.0となったようにDPBFを加えて、均一に混合した。続いて660nmの赤色光を照射し、速やかにその紫外線吸収曲線を測定した。411nmにおけるDPBFの吸光度値の変化から吸光度と時間の関係曲線を描いた。対照としてメチレンブルー(MB)を用い、下記式により一重項酸素量子収率を算出した。

0061

光増感剤2−1、2−2の一重項酸素量子収量はそれぞれ0.78、0.73であると算出した。図3は、光増感剤がメタノール溶媒に660nmの光照射条件下で一重項酸素発生中におけるDPBFの吸光減衰曲線である。使用する機器はAgIIlent 8453紫外分光光度計であり、光源は300Wキセノンランプ光源であった。

0062

(3)ベンゾフェノセレナジン光増感剤2−1、2−2のインビトロ抗癌細胞試験
MCF−7(ヒト乳癌細胞)を0.25%のトリプシンで消化した後、10%牛胎児血清含有DMEM液体培地を用いて単一細胞の懸濁液を調製し、1ウェルあたりの液体培地体積が100μL、1ウェルあたりの細胞密度が5000個となったように96ウェルの培養プレートに接種した。続いて、培養プレートを細胞インキュベーターに入れ24時間インキュベートした。インキュベーターの環境は、温度37℃、CO2濃度5%、飽和湿度であった。各ウェルにそれぞれ濃度(5、2.5、1.25、0.625、0.32、0.16、0.08、0.04、0.02μM)の2−1または2−2 100μLを加えて、同条件でさらに1時間インキュベートした。光毒性の測定について、96ウェルプレートに660nmの光源を10分間照射後、前記培養環境においてさらに12時間培養した。暗所毒性の測定について、光照射せずにそのまま12時間培養した。続いて、各ウェルに濃度5mg/mLのMTT溶液20μLを加えて、インキュベーターにおいてさらに4時間インキュベートした。ウェル中の液体培地を除去し、染料をDMSO溶液200μLに溶かし、シャーレに移し、シェーカーで10分間振とうした後、マイクロプレートリーダーで波長490nmにおける吸光度を測定した。下記式により細胞生存率を算出し、2−1および2−2の細胞に対する生体毒性を評価した。結果は図5に示す。
Cell Viability(%)=[Σ(Ai/Acontrol×100)]/n
前記式において、Aiは第i群データの吸光度(i=1、2、...、n)であり、Acontrolは光増感剤添加なしの対照ウェルの平均吸光度である。同様の実験は3回以上行った。

0063

実施例3
ベンゾフェノチアジンまたはベンゾフェノセレナジン光増感剤とCOX−2阻害剤インドメタシンが結合した誘導体1−1−IMC、2−1−IMCの合成



(1)ベンゾフェノチアジン光増感剤1−1とCOX−2阻害剤インドメタシンが結合した誘導体1−1−IMCの合成
ベンゾフェノチアジン1−1(120mg)、インドメタシン(110.23mg)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)(70mg)、HOBt・H2O(70mg)および4−メチルピリジン(45mg)をDMF溶液10mLに加えて、室温で24時間撹拌して反応させ、反応を停止し、減圧により多くの溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィにより分離して深青色の固体製品を得た。收率は66%であった。
核磁気H NMR(500MHz, CDCl3) δ 10.94 (s, 1H), 9.02 (s, 1H), 8.92 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.61 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.34 (s, 1H), 7.09 (s, 2H), 6.95 (s, 1H), 6.85 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.58 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.71 (s, 4H), 3.59 (d, J = 7.0 Hz, 4H), 3.25 (s, 2H), 2.35 (s, 3H), 1.81 (s, 2H), 1.50 (s, 2H), 1.42 (s, 4H), 1.33 (t, J = 7.0 Hz, 7H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 170.83, 168.32, 156.12, 154.50, 150.41, 140.30, 139.02, 137.00, 135.96, 135.69, 134.08, 133.51, 132.10, 131.46, 131.14, 130.99, 130.89, 130.51, 130.22, 129.04, 128.69, 126.04, 125.15, 125.09, 125.01, 115.87, 114.89, 114.14, 111.92, 111.22, 104.50, 102.90, 101.49, 65.86, 55.87, 45.63, 43.86, 39.08, 32.08, 29.71, 28.79, 28.45, 27.18, 25.85, 25.65, 15.24, 14.15, 13.65, 12.75, 0.00.

0064

(2)ベンゾフェノセレナジン光増感剤2−1とCOX−2阻害剤インドメタシンが結合した誘導体2−1−IMCの合成
ベンゾフェノセレナジン2−1(126mg)、インドメタシン(110.23mg)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)(70mg)、HOBt・H2O(70mg)および4−メチルピリジン(45mg)をDMF溶液10mLに加えて、室温で24時間撹拌して反応させ、反応を停止し、減圧により多くの溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィにより分離して深青色の固体製品を得た。收率は80%であった。
核磁気1H NMR(500MHz, CDCl3) δ 8.85 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.80 (s, 1H), 7.92 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.67 ‐ 7.63 (m, 1H), 7.59 (d, J = 8.3 Hz, 3H), 7.40 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.21 (dd, J = 13.2, 6.7 Hz, 2H), 7.05 (s, 2H), 7.00 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.57 (dd, J = 9.0, 2.2 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.69 (s, 2H), 3.55 (d, J = 7.0 Hz, 4H), 3.22 (s, 2H), 2.33 (s, 3H), 1.75 (s, 2H), 1.44 (d, J = 16.5 Hz, 2H), 1.31 (t, J = 7.0 Hz, 11H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 168.29, 156.10, 153.80, 150.14, 143.73, 139.05, 138.69, 135.99, 134.59, 134.53, 134.02, 132.21, 132.00, 131.12, 130.94, 130.87, 129.91, 129.04, 125.72, 125.42, 124.87, 124.60, 117.76, 115.47, 114.89, 114.02, 111.87, 111.07, 107.55, 106.82, 101.45, 55.82, 45.61, 44.08, 39.12, 32.05, 29.70, 28.83, 28.53, 25.86, 25.67, 13.59, 12.80, 0.00.

0065

光増感剤誘導体1−1−IMC、2−1−IMCの性能測定
(1)光増感剤誘導体1−1−IMC、2−1−IMCの吸光および蛍光スペクトル測定
最終濃度が5Mとなったように前記実施例3で合成した化合物1−1−IMC、2−1−IMCを溶媒メタノール3mLに加えて、これらの紫外吸収スペクトルおよび蛍光発光スペクトルを測定した。測定結果から分かるように、1−1−IMCおよび2−1−IMCの最大吸収波長はそれぞれ654nm、662nm(図1)、最大発光波長はそれぞれ692nm、703nm(図2)であり、いずれも近赤外領域にあり、近赤外線で励起される光増感剤として使用することができる。使用する機器は、それぞれAgIIlent 8453紫外分光光度計およびAgIIlent Cary EclIIpse蛍光分光光度計であった。

0066

(2)光増感剤誘導体1−1−IMC、2−1−IMCの一重項酸素発生測定
最終濃度が5Mとなったように前記実施例3で合成した化合物1−1−IMC、2−1−IMCを溶媒メタノール3mLに加えて、さらに、溶液における1,3−ジフェニルイソベンゾフラン(DPBF)の吸光度が約1.0となったようにDPBFを加えて、均一に混合した。続いて660nmの赤色光を照射し、速やかにその紫外線吸収曲線を測定した。411nmにおけるDPBFの吸光度値の変化から吸光度と時間の関係曲線を描いた。対照としてメチレンブルー(MB)を用い、下記式により一重項酸素量子収率を算出した。



光増感剤1−1−IMC、2−1−IMCの一重項酸素量子収量はそれぞれ0.04、0.82であると算出した。図3は、光増感剤がメタノール溶媒に660nmの光照射条件下で一重項酸素発生中におけるDPBFの吸光減衰曲線である。使用する機器はAgIIlent 8453紫外分光光度計であり、光源は300Wキセノンランプ光源であった。

0067

(3)光増感剤誘導体1−1−IMC、2−1−IMCのインビトロ抗癌細胞試験
MCF−7(ヒト乳癌細胞)を0.25%のトリプシンで消化した後、10%牛胎児血清含有DMEM液体培地を用いて単一細胞の懸濁液を調製し、1ウェルあたりの液体培地体積が100μL、1ウェルあたりの細胞密度が5000個となったように96ウェルの培養プレートに接種した。続いて、培養プレートを細胞インキュベーターに入れ24時間インキュベートした。インキュベーターの環境は、温度37℃、CO2濃度5%、飽和湿度であった。各ウェルにそれぞれ濃度(5、2.5、1.25、0.625、0.32、0.16、0.08、0.04、0.02μM)の1−1−IMCまたは2−1−IMC 100μLを加えて、同条件でさらに1時間インキュベートした。光毒性の測定について、96ウェルプレートに660nmの光源を10分間照射後、前記培養環境においてさらに12時間培養した。暗所毒性の測定について、光照射せずにそのまま12時間培養した。続いて、各ウェルに濃度5mg/mLのMTT溶液20μLを加えて、インキュベーターにおいてさらに4時間インキュベートした。ウェル中の液体培地を除去し、染料をDMSO溶液200μLに溶かし、シャーレに移し、シェーカーで10分間振とうした後、マイクロプレートリーダーで波長490nmにおける吸光度を測定した。下記式により細胞生存率を算出し、1−1−IMCおよび2−1−IMCの細胞に対する生体毒性を評価した。結果は図6に示す。
Cell Viability(%)=[Σ(Ai/Acontrol×100)]/n
前記式において、Aiは第i群データの吸光度(i=1、2、...、n)であり、Acontrolは光増感剤添加なしの対照ウェルの平均吸光度である。同様の実験は3回以上行った。

0068

実施例4
ベンゾフェノチアジン光増感剤とビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinの合成



標的ベンゾフェノチアジン光増感剤誘導体1−1−Biotinの合成
ベンゾフェノチアジン1−1(120mg)、ビオチン(125mg)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)(70mg)、HOBt・H2O(70mg)および4−メチルピリジン(45mg)をDMF溶液10mLに加えて、室温で24時間撹拌して反応させ、反応を停止し、減圧により多くの溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィにより分離して深青色の固体製品を得た。收率は52%であった。
核磁気1H NMR(500MHz,DMSO) δ 10.62 (s, 1H), 8.90 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.70 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.90 (dd, J = 12.8, 7.4 Hz, 2H), 7.82 (dd, J = 13.8, 6.2 Hz, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.32 (s, 2H), 6.38 (d, J = 23.4 Hz, 2H), 4.41 ‐ 4.21 (m, 1H), 4.10 (s, 1H), 3.80 ‐ 3.54 (m, 6H), 3.15 (s, 1H), 3.04 (d, J = 5.6 Hz, 3H), 2.78 (dd, J = 12.3, 4.9 Hz, 1H), 2.56 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 2.05 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.75 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 1.60 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 1.54 ‐ 1.38 (m, 7H), 1.35 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 1.22 (d, J = 7.0 Hz, 6H). 13C NMR (126 MHz, DMSO) δ 171.82, 162.66, 153.06, 150.63, 139.45, 136.60, 133.92, 133.13, 131.81, 131.12, 130.90, 129.49, 124.61, 123.75, 116.98, 106.90, 105.34, 103.37, 61.02, 59.17, 55.41, 45.03, 44.07, 40.03, 39.95, 39.86, 39.79, 39.69, 39.62, 39.52, 39.36, 39.19, 39.02, 38.22, 35.18, 29.07, 28.41, 28.17, 28.02, 26.10, 26.07, 25.32, 12.63.

0069

誘導体1−1−Biotinの性能測定
(1)誘導体1−1−Biotinの吸光および蛍光スペクトル測定
最終濃度が5Mとなったように前記実施例4で合成した化合物1−1−Biotinを溶媒ジクロロメタン3mLに加えて、その紫外吸収スペクトルおよび蛍光発光スペクトルを測定した。測定結果から分かるように、1−1−Biotinの最大吸収波長は652nm(図7に示す)、最大発光波長は681nm(図8に示す)であり、いずれも近赤外領域にあり、近赤外線で励起される光増感剤として使用することができる。使用する機器は、それぞれAgIIlent 8453紫外分光光度計およびAgIIlent Cary EclIIpse蛍光分光光度計であった。

0070

(2)ベンゾフェノチアジンとビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinの一重項酸素発生測定
最終濃度が5Mとなったように前記実施例4で合成した化合物1−1−Biotinを溶媒ジクロロメタン3mLに加えて、さらに、溶液における1,3−ジフェニルイソベンゾフラン(DPBF)の吸光度が約1.0となったようにDPBFを加えて、均一に混合した。続いて660nmの赤色光を照射し、速やかにその紫外線吸収曲線を測定した。411nmにおけるDPBFの吸光度値の変化から吸光度と時間の関係曲線を描いた。対照としてメチレンブルー(MB)を用い、下記式により一重項酸素量子収率を算出した。



光増感剤1−1−Biotinの一重項酸素量子収量は0.04であると算出した。図9は、光増感剤がメタノール溶媒に660nmの光照射条件下で一重項酸素発生中におけるDPBFの吸光減衰曲線である。使用する機器はAgIIlent 8453紫外分光光度計であり、光源は300Wキセノンランプ光源であった。

0071

(3)ベンゾフェノチアジンとビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinのインビトロ抗癌細胞試験
HepG2(肝癌細胞、細胞表面におけるビオチン受容体が過剰に発現される)およびCOS−7(アフリカ緑腎細胞、細胞表面におけるビオチン受容体が低く発現される)を0.25%のトリプシンで消化した後、10%牛胎児血清含有DMEM液体培地を用いて単一細胞の懸濁液を調製し、1ウェルあたりの液体培地体積が100μL、1ウェルあたりの細胞密度が5000個となったように96ウェルの培養プレートに接種した。続いて、培養プレートを細胞インキュベーターに入れ24時間インキュベートした。インキュベーターの環境は、温度37℃、CO2濃度5%、飽和湿度であった。各ウェルにそれぞれ濃度の1−1−Biotin 100μLを加えて、同条件でさらに30分間インキュベートした。光毒性の測定について、96ウェルプレートに660nmの光源を10分間照射後、前記培養環境においてさらに12時間培養した。暗所毒性の測定について、光照射せずにそのまま12時間培養した。続いて、各ウェルに濃度5mg/mLのMTT溶液20μLを加えて、インキュベーターにおいてさらに4時間インキュベートした。ウェル中の液体培地を除去し、染料をDMSO溶液200μLに溶かし、シャーレに移し、シェーカーで10分間振とうした後、マイクロプレートリーダーで波長490nmにおける吸光度を測定した。下記式により細胞生存率を算出し、1−1−Biotinの細胞に対する生体毒性を評価した。
Cell Viability(%)=[Σ(Ai/Acontrol×100)]/n
前記式において、Aiは第i群データの吸光度(i=1、2、...、n)であり、Acontrolは光増感剤添加なしの対照ウェルの平均吸光度である。同様の実験は3回以上行った。

0072

図10からわかるように、1−1−Biotinは、HepG2(肝癌細胞)およびCOS−7(アフリカ緑猿の腎細胞)のいずれかに対しても暗所毒性が低いが、光毒性が大きく異なり、660nmのLED光源で10分間照射後、HepG2細胞が大量に死亡したのに対し、COS−7細胞の生存率が依然として高かった(図11に示す)。結果からわかるように、1−1−Biotinは、ビオチン受容体を過剰に発現するHepG2細胞に対する死滅効果が明らかにビオチン受容体を低く発現するCOS−7細胞よりも高い。これは、ベンゾフェノチアジンとビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinが、ビオチン受容体を過剰に発現する細胞に対して選択性を有し、腫瘍細胞を標的にして死滅させる効果を達成できることを示している。

実施例

0073

(4)ベンゾフェノチアジンとビオチンが結合した誘導体1−1−Biotinのインビトロ細胞選択性試験
まず、生きているHepG2細胞およびCOS−7細胞をシャーレにおいて24h共培養した後、1μMの1−1−Biotinまたは1−1を加え、さらに1hインキュベートした。染色終了後、無血清培地で3回洗浄し、新鮮培地2mLを加え、共焦点レーザ走査顕微鏡によって蛍光を観察した。励起波長は635nm、蛍光受け取りチャネル(fluorescent receiving channel)は655nm〜755nmであった。図12は試験結果を示す。図から分かるように、1−1−Biotinはビオチン受容体を過剰に発現するHepG2細胞に特異的に入ることができたが、COS−7細胞への1−1−Biotin摂取は少なかった。なお、ベンゾフェノチアジン光増感剤1−1はこのような選択性を有さなかった。これは、ビオチンの結合が癌細胞を標的する效果を果たすことを示している。

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