図面 (/)

技術 パルボシクリブ及び6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸を含む組み合わせ並びに癌の処置のためのその使用

出願人 サノフイ
発明者 モンシフ・ブアブラメイスン・ショマリファンシィェン・サン
出願日 2018年7月23日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2020-503737
公開日 2020年8月31日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-526572
状態 特許登録済
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 絶対偏差 開発グループ 経験式 明反応 クリブ パッケージング材料 閉経期前後 経管栄養法
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題・解決手段

パルボシクリブと6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピルピロリジン−3−イルオキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸又はその薬学的に許容しうる塩との組み合わせ、このような組み合わせを含有する医薬組成物、及びその治療上の使用、特に乳癌を含む癌の処置のためのその治療上の使用が本明細書において提供される。

概要

背景

エストロゲン受容体α(ESR1)は乳腺腫瘍の大部分において発現され、それらがエストロゲン分裂促進作用に対して応答することを可能にする。

6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピルピロリジン−3−イルオキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸(本明細書では以後「化合物(1)」と呼ばれる)は、選択的エストロゲン受容体機能抑制物質(selective estrogen receptor degrader)(SERD)であり、これは完全エストロゲン受容体アンタゴニスト特性を有し、そしてエストロゲン受容体のプロテアソーム分解を促進する。この化合物は、特許文献1として公開された特許出願PCT/EP2017/053282において開示される。

6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−[5−(1−ピペラジニルピリジン−2−イルアミノピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンとしても知られるパルボシクリブ(Palbociclib)はサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4及び6の阻害剤である。パルボシクリブは、商標名Ibrance(R)で販売されており、そして以前に内分泌治療を受けたことがある女性において、アロマターゼ阻害剤と組み合わせた、又はフルベストラントと組み合わせたホルモン受容体(HR)−陽性ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)−陰性局所進行性又は転移性乳癌処置に表示される。閉経前又は閉経期前後の女性において、内分泌療法黄体化ホルモン放出ホルモンLHRH)アゴニストと組み合わされるべきである。

概要

パルボシクリブと6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸又はその薬学的に許容しうる塩との組み合わせ、このような組み合わせを含有する医薬組成物、及びその治療上の使用、特に乳癌を含む癌の処置のためのその治療上の使用が本明細書において提供される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピルピロリジン−3−イルオキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸、又はその薬学的に許容しうる塩、及びパルボシクリブを含む組み合わせ。

請求項2

治療相乗作用を示す、請求項1に記載の組み合わせ。

請求項3

癌の処置における使用のための、請求項1又は請求項2に記載の組み合わせ。

請求項4

癌は乳癌である、請求項4に記載の組み合わせ。

請求項5

6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸、又はその薬学的に許容しうる塩、及びパルボシクリブ、及び少なくとも1つの薬学的に許容しうる賦形剤を含む医薬組成物

請求項6

6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸、又はその薬学的に許容しうる塩、及びパルボシクリブは、同時に、別々に、又は一定期間の間を空けて投与される、請求項5に記載の医薬組成物。

請求項7

癌の処置における使用のための、請求項5又は請求項6に記載の医薬組成物。

請求項8

癌は乳癌である、請求項7に記載の医薬組成物。

請求項9

パルボシクリブとの同時投与による癌の処置における使用のための、化合物6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸又はその薬学的に許容しうる塩。

請求項10

化合物6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸又はその薬学的に許容しうる塩との同時投与による癌の処置における使用のためのパルボシクリブ。

請求項11

(i)6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸、又はその薬学的に許容しうる塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容しうる賦形剤を含む第一の医薬組成物;(ii)パルボシクリブ、及び少なくとも1つの薬学的に許容しうる賦形剤を含む第二の医薬組成物;を含む医薬キットであって、両方の医薬組成物(i)及び(ii)は、分離された区画中にあり、そして独立して投与されることを意図されており、他方に関して各投与は同時であるか、別々であるか、時間を空けられる、上記医薬キット。

技術分野

0001

本明細書において、パルボシクリブ及び6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピルピロリジン−3−イルオキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸の組み合わせ、このような組み合わせを含有する医薬組成物、並びにこのような組み合わせ及び医薬組成物の、特に癌の処置のための治療上の使用が提供される。

背景技術

0002

エストロゲン受容体α(ESR1)は乳腺腫瘍の大部分において発現され、それらがエストロゲン分裂促進作用に対して応答することを可能にする。

0003

6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸(本明細書では以後「化合物(1)」と呼ばれる)は、選択的エストロゲン受容体機能抑制物質(selective estrogen receptor degrader)(SERD)であり、これは完全エストロゲン受容体アンタゴニスト特性を有し、そしてエストロゲン受容体のプロテアソーム分解を促進する。この化合物は、特許文献1として公開された特許出願PCT/EP2017/053282において開示される。

0004

6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−[5−(1−ピペラジニルピリジン−2−イルアミノピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンとしても知られるパルボシクリブ(Palbociclib)はサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4及び6の阻害剤である。パルボシクリブは、商標名Ibrance(R)で販売されており、そして以前に内分泌治療を受けたことがある女性において、アロマターゼ阻害剤と組み合わせた、又はフルベストラントと組み合わせたホルモン受容体(HR)−陽性ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)−陰性局所進行性又は転移性乳癌の処置に表示される。閉経前又は閉経期前後の女性において、内分泌療法黄体化ホルモン放出ホルモンLHRH)アゴニストと組み合わされるべきである。

先行技術

0005

WO 2017/140669

発明が解決しようとする課題

0006

新しい抗腫瘍処置を見出す必要性が常にある。今や、化合物(1)のパルボシクリブとの組み合わせが、活性成分単独の各々と比較して相乗的効果で、十分に忍容性であり、強い抗腫瘍有効性を示し、かつ腫瘍退縮誘導するということが示された。

課題を解決するための手段

0007

化合物(1)及びパルボシクリブを含む組み合わせが本明細書において提供される。

0008

本明細書において提供される組み合わせにおいて、化合物(1)は、両性イオン(すなわち、酸基及び塩基基を有する全体として中性分子)の形態だけではなく、酸又は塩基との付加塩の形態でも存在し得る。このような付加塩は、上記組み合わせにおいて使用され得る。それ故、化合物(1)、又はその薬学的に許容しうる塩、及びパルボシクリブを含む組み合わせが本明細書において提供される。

0009

一実施態様において、化合物(1)、又はその薬学的に許容しうる塩の、パルボシクリブとの組み合わせは治療相乗作用を示す。組み合わせは、その治療効果が組み合わせのいずれかの活性薬剤単独の累積効果と比較して優れている場合、治療相乗作用を示す。

0010

別の実施態様において、化合物(1)、又はその薬学的に許容しうる塩、及びパルボシクリブは経口経路により投与される。

0011

薬剤としてのその使用のための、化合物(1)、又はその薬学的に許容しうる塩、及びパルボシクリブの組み合わせもまた本明細書において提供される。

0012

化合物(1)、又はその薬学的に許容しうる塩、及びパルボシクリブ、さらには少なくとも1つの薬学的に許容しうる賦形剤を含む医薬組成物もまた本明細書において提供される。

0013

賦形剤は、当業者に公知の慣用の賦形剤から選択される。より詳細には、賦形剤は、どんな形態でも(液体液剤分散剤又は懸濁剤錠剤カプセル剤又は同様のもの)経口投与に有用なものから選択される。

0014

別の実施態様において、化合物(1)、又はその薬学的に許容しうる塩、及びパルボシクリブは、同時に、別々に、又は一定期間の間を空けて(逐次投与)投与され得る。従って、本明細書において提供される組み合わせは、単一の医薬組成物中の構成物質物理的結合により得られるものにのみ限定されず、同時でも時間を空けられても(「広げられても」)よい別々の投与を可能にするものにも限定される。

0015

(i)化合物(1)、又はその薬学的に許容しうる塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容しうる賦形剤を含む第一の医薬組成物;
(ii)パルボシクリブ、及び少なくとも1つの薬学的に許容しうる賦形剤を含む第二の医薬組成物;
を含む医薬キットであって、
両方の医薬組成物(i)及び(ii)は、分離された区画中にあり、そして独立して投与されることを意図されており、他方に関して各投与は同時であるか、別々であるか、時間を空けられる(逐次的)、上記医薬キットもまた本明細書において提供される。

0016

上記の組み合わせ、医薬組成物及び医薬キットにおいて、化合物(1)又はその薬学的に許容しうる塩及びパルボシクリブは、処置される病態及びそれが投与される患者の状態を考慮して適合された有効用量で有利に存在する。特にパルボシクリブについて、成人患者のための癌処置について推奨される開始用量は、個々の安全性及び忍容性に基づいた投薬中断及び/又は用量減少と併せて、21日間1日に1回125mg、続いて7日の処置中止である。

0017

癌の処置における使用のための、化合物(1)、又はその薬学的に許容しうる塩、及びパルボシクリブを含む組み合わせ、さらには上記の医薬組成物及びキットもまた本明細書において提供される。

0018

パルボシクリブとの同時投与による癌の処置における使用のための、化合物(1)又はその薬学的に許容しうる塩もまた本明細書において提供される。

0019

化合物(1)又はその薬学的に許容しうる塩との同時投与による癌の処置における使用のためのパルボシクリブもまた本明細書において提供される。

0020

別の実施態様において、癌はホルモン依存性癌である。

0021

別の実施態様において、癌はエストロゲン受容体依存性癌であり、特に癌はエストロゲン受容体α依存性癌である。

0022

別の実施態様において、癌は抗ホルモン処置に対して抵抗性である。

0023

別の実施態様において、癌は野生型エストロゲン受容体を有する癌である。

0024

別の実施態様において、癌は、限定されないが、変異、増幅スプライスバリアントのようなエストロゲン受容体の少なくとも1つの後成的かつ遺伝的変化に関連する調節解除された機能を伴う癌である。

0025

別の実施態様において、癌は変異したエストロゲン受容体を有する癌である。

0026

別の実施態様において、エストロゲン受容体の変異としては、限定されないが、Leu536Arg、Tyr537Ser、Tyr537Asn、又はAsp538Glyのような新規又は既知の変異が挙げられ得る。

0027

別の実施態様において、癌はエストロゲン感受性癌である。

0028

別の実施態様において、癌は、乳癌、より特にエストロゲン受容体陽性乳癌(ERα陽性乳癌)、又はその転移、例えば大脳転移である。

0029

それを必要とする被験体に治療有効量の化合物(1)、又はその薬学的に許容しうる塩、及び治療有効量のパルボシクリブを投与することを含む、上に示される病理状態、特に乳癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。

0030

それを必要とする被験体に上記の医薬組成物を投与することを含む、上に示される病理状態、特に乳癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。

0031

それを必要とする被験体に上記の組み合わせを投与することを含む、上に示される病理状態、特に乳癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。

0032

それを必要とする被験体に化合物(1)又はその薬学的に許容しうる塩及びパルボシクリブを同時投与することを含む、上に示される病理状態、特に乳癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。

0033

それを必要とする被験体にパルボシクリブ及び化合物(1)又はその薬学的に許容しうる塩を同時投与することを含む、上に示される病理状態、特に乳癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。

0034

上記の方法の実施態様において、被験体はヒトである。

0035

上に示される病理状態、特に乳癌を処置する際に有用な薬剤の製造のための、化合物(1)、又はその薬学的に許容しうる塩、及びパルボシクリブを含む組み合わせもまた本明細書において提供される。

0036

パルボシクリブとの同時投与により、上に示される病理状態、特に乳癌を処置する際に有用な薬剤の製造における化合物(1)又はその薬学的に許容しうる塩の使用もまた本明細書において提供される。

0037

化合物(1)又はその薬学的に許容しうる塩との同時投与により、上に示される病理状態、特に乳癌を処置する際に有用な薬剤の製造におけるパルボシクリブの使用もまた本明細書において提供される。

0038

パッケージング材料
− 上で定義される組み合わせ、医薬組成物又は医薬キット;及び
− 該組み合わせ、医薬組成物又は医薬キットが癌の処置のために患者に投与されることを示す、該パッケージング材料内に含まれるラベル又は添付文書
を含む、製品パッケージング、又は投与ユニットもまた本明細書において提供される。

0039

以下の実施例は、化合物(1)を合成する方法、並びに化合物(1)、パルボシクリブ及びそれらの組み合わせを用いて得られる、マウスにおける乳癌細胞株異種移植片に対する薬理的結果を示す。

0040

1 − 6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸の合成
特許出願WO 2017/140669において記載される6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸(化合物(1))を合成するための実験プロトコルは、その分析データとともに以下で再現された。化合物(1)の合成のための合成スキーム図1に見られる。

0041

1HNMRスペクトルは、Bruker Avance DRX−400分光計で303Kの温度にて溶媒ジメチルスルホキシド−d6(d6−DMSO)中2.5ppmを参照した化学シフト(δ ppm)を用いて行われた。カップリング定数(J)はヘルツで示される。

0042

液体クロマトグラフィー質量スペクトル(LC/MS)を、UPLC Acquity Waters機器光散乱検出器Sedere及びSQD Waters質量分光計でUV検出DAD210<l<400 nm及びカラムAcquity UPLC CSH C18 1.7μm、寸法2.1x30mm、移動相H2O+0,1%HCO2H/CH3CN+0,1% HCO2Hを使用して得た。

0043

以下の略号及び経験式を使用する:
AcOEt酢酸エチル
AlCl3三塩化アルミニウム
Cs2CO3炭酸セシウム
DCMジクロロメタン
DMFN,N−ジメチルホルムアミド
DMSOジメチルスルホキシド
HCl塩化水素
K2CO3炭酸カリウム
LC/MS液体クロマトグラフィー/質量分析
MeOHメタノール
MgSO4硫酸マグネシウム
NaHCO3炭酸水素ナトリウム
NaOH水酸化ナトリウム
Pd(dppf)Cl2 1,1’ビスジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(II)
Ph3P又はP(Ph)3トリフェニルホスフィン
Ph3P=Oトリフェニルホスフィンオキシド
摂氏度
mlミリリットル
mmolミリモル
μmolマイクロモル
μM マイクロモル濃度
nMナノモル濃度
ppm 百万分率

0044

中間体(c). (3S)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2イル)フェノキシ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル



市販の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(a)(82.7g、364.51mmol)のTHF(2L)溶液に、アルゴン下で(R)−1−N−Boc−3−ヒドロキシピロリジン(b)(84.43g、437.41mmol)、続いてN,N,N’,N’−テトラメチルアゾジカルボキサミド(99.1g、546.77mmol)を加えた。透明反応合物は橙色に変わり、そしてトリフェニルホスフィン(143.41g、546.77mmol)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌し、その間にトリフェニルホスフィンオキシドの沈殿が形成された(Ph3P=O)。反応混合物を水(1.5L)に注ぎ、そして酢酸エチル(AcOEt)(3x1.5L)で抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残留物ジイソプロピルエーテル(1.5L)に入れ、そして形成された固形物(Ph3P=O)を濾過した。溶媒を減圧下で濃縮し、そして残留物をカラムクロマトグラフィーヘプタンとAcOEtとの混合物(90/10;体積/体積)で溶出することにより精製して、(3S)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(c) 145g(100%)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、δ ppm):1.27(s:12H);1.39(s:9H);2.05(m:1H);2.14(m:1H);3.37(3H);3.55(m:1H);5.05(s:1H);6.94(d、J=8.4Hz:2H);7.61(d、J=8.4Hz:2H)

0045

中間体(d).(3S)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2イル)フェノキシ]ピロリジン、塩酸塩



(S)−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(c)(80g、195.23mmol)のMeOH(450ml)溶液に、ジオキサン(250ml)中HCl 4Nをゆっくりと加えた。
1.5時間後に、反応混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物をEt2Oに撹拌しながら入れて固体が生じ、次いでこれを濾過し、そして真空乾燥して(3S)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2イル)フェノキシ]ピロリジン、塩酸塩(d)61.8g(95%)を白色粉末として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、δ ppm):1.28(s:12H);2.10(m:1H);2.21(m:1H);3.31(3H);3.48(m:1H);5.19(m:1H);6.97(d、J=8.4Hz:2H);7.63(d、J=8.4Hz:2H);9.48(s:1H);9.71(s:1H).
LC/MS(m/z、MH+):290

0046

中間体(e).(3S)−1−(3−フルオロプロピル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]ピロリジン



(S)−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)ピロリジン塩酸塩(d)(20g、61.42mmol)のアセトニトリル(100ml)中懸濁液に、K2CO3(21.22g、153.54mmol)及び1−ヨード−3−フルオロプロパン(12.15g、61.42mmol)をアルゴン下で加えた。反応混合物を40℃で24時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を濾過し、そしてアセトニトリルで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、そして残留物をDCMに入れて、形成された固体を濾過し、そしてDCMで洗浄した。ろ液を濃縮して(3S)−1−(3−フルオロプロピル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]ピロリジン(e) 21.5g(100%)を黄色フォームとして得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、δ ppm):1.27(s:12H);1.77(m:2H);1.84(m:1H);2.27(m:1H);2.41(m:1H);2.49(2H);2.62(dd、J=2.6及び10.4Hz:1H);2.69(m:1H);2.83(dd、J=6.2及び10.4Hz:1H);4.47(td、J=6.2及び47Hz:2H);4.99(m:1H);6.77(d、J=8.4Hz:2H);7.58(d、J=8.4Hz:2H).
LC/MS(m/z、MH+):350

0047

中間体(B). 2,2−ジメチルプロパン酸5−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル



2−ヒドロキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オン(A)(1.52g、8.63mmol)のアセトン(60ml)溶液に、K2CO3(1.19g、8.63mmol)及び塩化ピバロイル(1.06 ml、8.63mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残留物をAcOEt中ヘプタンのグラジエント(100/0〜85/15、体積/体積)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2,2−ジメチルプロパン酸5−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル(B)1.55g(69%)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、δ ppm):7.65(d、1H);7.10−7.04(m、2H);2.95(t、2H);2.68(t、2H);1.85−1.65(m、4H).
LC/MS(m/z、MH+):261

0048

中間体(C). 2,2−ジメチルプロパン酸9−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−イル



2,2−ジメチルプロパン酸5−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル (B)(15g、57.62mmol)のDCM(500ml)溶液に、ピリジン(7.28ml、86.43mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(19.58ml、115.24mmol)をアルゴン下で滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、そして(200g)を加えた。相を分離し、水相をDCMで洗浄し、そして集めた有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして減圧下でエバポレートして2,2−ジメチルプロパン酸9−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−イル (C)22g(97%)を白色固体として得た。
LC/MS(m/z、MH−):391

0049

中間体(D). 9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−イル−2,2−ジメチルプロパン酸



2,2−ジメチルプロパン酸9−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−イル(C)(22g、56.07mmol)及び(3S)−1−(3−フルオロプロピル)−3−[4−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]ピロリジン(e)(20.56g、58.87mmol)のジオキサン(420ml)及び水(120ml)中の溶液に、Pd(dppf)Cl2(2.75g、3.36mmol)及びCs2CO3(36.57g、112.13mmol)をアルゴン下で加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌し、そして水とDCMとの間で分配した。水相をDCMで洗浄し、そして集めた有機層相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残留物をDCM中のMeOHのグラジエント(0〜5%;体積/体積)を用いて溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2−ジメチルプロパン酸9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−イル(D)31g(100%)を得た。
LC/MS(m/z、MH+):466

0050

中間体(E). 9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−オール



2,2−ジメチルプロパン酸9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−イル(D)(24.8g、53.26mmol)のMeOH(300ml)溶液に、アルゴン下でNaOH 5M(23ml、115.00mmol)を加えた。反応混合物を2時間室温で撹拌した。次いで6NHCl水溶液を加えることによりpHを7に調整した。MeOHを減圧下で濃縮し、次いでDCMを加えた。有機相をMgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残留物をDCM/MeOHのグラジエント100/0〜95/05を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−オール(E)18.8g(93%)をベージュ色固体として得た。
LC/MS(m/z、MH+):382

0051

中間体(F). 9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−イルトリフルオロメタンスルホナート



5℃に冷却した(氷浴)9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−オール(E)(20.6g、54.00mmol)のDCM(200ml)及びピリジン(6.55ml、81.00mmol)中の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(18.93ml、108.00mmol)をアルゴン下で滴下し、そして反応温度を<15℃に維持した。氷浴を外し、そして褐色懸濁液を室温で2時間撹拌した。氷(200g)及びDCM(200ml)を加え、そして相を分離した。有機相をMgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残留物を、DCM/MeOHのグラジエント100/0〜95/05を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−イル トリフルオロメタンスルホナート(F)24.7g(89.1%)を褐色油状物として得た。
LC/MS(m/z、MH+):514

0052

中間体(G). 9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル



9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−イルトリフルオロメタンスルホナート(F)(10.1g、19.67mmol)のDMF(66ml)及びMeOH(33ml)中の溶液に、Pd(dppf)Cl2(909mg、1.18mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(7.21ml)を加えた。黒色懸濁液をオートクレーブで70℃にて5bar CO下で5時間カルボニル化した。反応混合物を濾過し、次いでろ液を減圧下で部分的濃縮した。残留物をAcOEtと水との間で分配した。有機相を水(2x100ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残留物をDCM/MeOHのグラジエント100/0〜95/05を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル(G)7.13g(86%)を褐色粘性物質として得た。
LC/MS(m/z、MH+):424

0053

中間体(A1). 5−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イルトリフルオロメタンスルホナート



アルゴン下で5℃に冷却した市販の2−ヒドロキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オン(A)(18.5g、105mmol)のDCM(185ml)及びルチジン(13.35ml、113.505mmol)中の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(20.22ml、123.29mmol)を、温度を10と20℃との間に維持しながら滴下した。反応混合物を1時間5℃で、次いで室温で1時間撹拌した。

0054

次いで、氷(200g)を加え、そしてこのスラリーを水とDCMとの間で分配した。有機相をNaHCO3水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残留物をヘプタン/AcOEtのグラジエント100〜90/10を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イルトリフルオロメタンスルホナート(A1)28.2 g(87%)を橙色油状物として得た。
LC/MS(m/z、MH+):309

0055

中間体(B1). 5−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸メチル



5−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イルトリフルオロメタンスルホナート(A1)(5.03g、16.32mmol)のDMF(24ml)及びMeOH(12ml)中の溶液に、Pd(dppf)Cl2(754mg、0.98mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(6ml)を加えた。黒色懸濁液を、オートクレーブで70℃にてCO 5bar下で2.5時間カルボニル化した。反応混合物を濾過し、次いでろ液を減圧下で部分的に濃縮し、そして残留物をAcOEtと水との間で分配した。有機相を水(2x75ml)、そして水性HCl 0.5Nで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残留物を、ヘプタン/AcOEtのグラジエント100/0〜90/10を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して5−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸メチル(B1)3.4g(95%)を無色油状物として得た。
LC/MS(m/z、MH+):219

0056

中間体(C1). 9−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル



アルゴン下で5℃に冷却した5−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸メチル(B1)(18,19g、83,34mmol)のDCM(500ml)及び無水ピリジン(11ml、130,56mmol)中の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(30ml、176,54mmol)を滴下した。粘性懸濁液の反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで氷を加え、そして水とDCMとの間で分配した。有機相をMgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮して9−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル(C1)29g(100%)を黄色粘性物質として得た。
LC/MS(m/z、MH+):351

0057

中間体(G). 9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル



9−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル(C1)(29g、82.9mmol)、(3S)−1−(3−フルオロプロピル)−3−[4−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]ピロリジン(e)(28.9g、82.9mmol)のジオキサン(225ml)中の溶液に、アルゴン下でDCMとの複合体のPd(dppf)Cl2(3.73g、4.57mmol)及びCs2CO3 1.5M水溶液(111.12ml、166.68mmol)を加えた。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。
室温まで冷却した後、反応混合物を水(500ml)及びAcOEt(400ml)の混合物に注いた。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、セライトで濾過し、そして減圧下で濃縮した。残留物をDCM/MeOHのグラジエント100/0〜95/05を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル(G)23g(65%)を褐色粘性物質として得た。
LC/MS(m/z、MH+):424

0058

中間体(H). 8−ブロモ−9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル臭化水素酸塩



9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル(G)(13.93g、32.89mmol)のDCM(150ml)溶液に、アルゴン下で三臭化ピリジニウム(15.78g、44.41mmol)を加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌した。水(200ml)を加え、次いで有機相をMgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残留物を、DCM/MeOHのグラジエント100/0〜95/05を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、8−ブロモ−9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル臭化水素酸塩(H)16.4g(85%)を黄色メレンゲ状物質として得た。
LC/MS(m/z、MH+):502

0059

中間体(I). 6−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−{4−[1−(3−フルオロプロピル)−ピロリジン−3−イルオキシ]−フェニル}−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾシクロヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル



8−ブロモ−9−(4−{[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシ}フェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−3−カルボン酸メチル臭化水素酸塩(H)(150mg、298.56μmol)のジオキサン(12ml)及び水(2ml)中の溶液に、2,4−ジクロロフェニル−ボロン酸(62.67mg、328.41μmol)、Cs2CO3(204.48mg、626.97μmol)、及びPd(dppf)Cl2(14.63mg、17.91μmol)を加えた。反応混合物を90℃で3時間加熱し、そしてAcOEtと水との間で分配した。相を分離し、そして有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残留物を、DCM、アセトニトリル及びMeOH(96/2/2;体積/体積/体積)を用いて溶出してカラムクロマトグラフィーにより精製して、6−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−{4−[1−(3−フルオロ−プロピル)−ピロリジン−3−イルオキシ]−フェニル}−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾシクロヘプテン−2−カルボン酸メチルエステル(I)80mg(47%)を得た。
LC/MS(m/z、MH+):568

0060

化合物(1). 6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸



6−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−{4−[1−(3−フルオロ−プロピル)−ピロリジン−3−イルオキシ]−フェニル}−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾシクロヘプテン−2−カルボン酸メチルエステル(I)(80mg、140.72μmol)のMeOH(5ml)溶液に、NaOH(562.88μl、5M)の溶液を加え、そして反応混合物を60℃で5時間加熱し、そして溶媒を減圧下で除去した。残留物を水(10ml)に入れて水性HCl(5M)を加えてpH7にした。このスラリーをDCMで抽出し、MgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。固形物を、DCM、アセトニトリル及びMeOHの混合物(90/5/5;体積/体積/体積)を用いて溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸60mg(77%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、δ ppm):1.68(m、1H);1,79(dm、J=25.3Hz、2H);2.07〜2.23(m、5H);2.38(m、1H);2.46(t、J=7.2Hz、2H);2.52(m、1H);2.62(m、1H);2.55〜2.89(m、3H);4.47(td、J=6.2及び47.6Hz、2H);4.72(m、1H);6.63(d、J=8.9Hz、2H);6.71(m、3H);7.18(d、J=8.4Hz、1H);8.26(dd、J=2.0及び8.4Hz、1H);7.58(d、J=2,0Hz、1H);7.63(d、J=8.4Hz、1H);7.79(s、1H);12.3(m、1H)
LC/MS(m/z、MH+):554

0061

2 −パルボシクリブと組み合わせた6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸の、雌性ヌードマウスにおける皮下乳癌細胞株異種移植片に対する有効性の評価
本研究において、サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)阻害剤パルボシクリブと組み合わせた、6−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−[(3S)−1−(3−フルオロプロピル)ピロリジン−3−イル]オキシフェニル]−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾ[7]アヌレン−2−カルボン酸(「化合物(1)」)の抗腫瘍有効性を、雌性ヌードマウスにおける皮下MCF7−Y537Sヒト乳癌細胞異種移植に対する30日の処置の後に調べた。

0062

処置された群は、化合物(1)5mg/kg単独、パルボシクリブ100mg/kg単独、並びに同じ用量及びレジメンの化合物(1)及びパルボシクリブの組み合わせを含んでいた。

0063

30日間、化合物(1)は1日に2回(BID)経口投薬され、そしてパルボシクリブは1日に1回(QD)経口投薬された。抗腫瘍有効性を腫瘍体積測定により評価した。

0064

2−1:実験手順
2−1−1:動物細胞株、化合物
雌性無胸腺ヌードマウスをHarlan(Indianapolis、IN、USA)から入手した。試験登録前少なくとも4日間、動物を順化させた。マウスは12〜13週齢であり、処置開始時に体重は20.2グラムと27.3グラムとの間であった。これらの動物を、USDA研究動物福祉法(Laboratory Animal Welfare Act)を遵守して研究動物の管理及び使用に関するNIH指針(NIH Guide for Care and Use of Laboratory Animals)に概説される条件下で飼育した。

0065

親MCF7細胞をアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)(ATCC(R)HTB−22TM)から入手した。MCF7−Y537S(ESR1)細胞株は、Sanofiバイオロジー開発グループ(Biology Discovery Group)により生成されたER.Y537S変異体を発現するMCF7細胞であった。Y537S変異は、部位特異的変異誘発(Toy W. et al.、Cancer Discovery、2017、7、277−287)によりESR1構築物GenBankNM_000125.3)に導入された。この構築物をMCF7細胞にトランスフェクトし、これはエストラジオールの存在しない場合のそれらの増殖について選択された。MCF−Y537Sは、エストロゲン非依存性活性をERα(エストロゲン受容体アルファ)に付与し、そして内分泌抵抗性疾患に寄与するESR1変異である(Robinson D.R. et al.、Nat Genet.、2013、45(12)、1446−1451)。10%ウシ胎仔血清(FBS)、ヒトインスリンを添加したイーグル最小必須培地EMEM)中で5%CO2下にて37℃で細胞を増殖させた。細胞を0.25%トリプシンEDTA中に採取し、そしてダルベッコリン酸緩衝食塩水DPBS)で洗浄し、そして50%マトリゲル(Becton Dickinsonカタログ番号356234、ロット番号32277)を含むDPBS中に再懸濁した。細胞(20×106細胞/マウスあたり)を雌性ヌードマウスの右側腹部中に皮下(SC)移植した。

0066

MCF7−Y537S腫瘍が樹立した場合、腫瘍を断片移植のための腫瘍ストックとして保存した。腫瘍を皮下への断片組織移植により段階的に増殖させた。断片腫瘍組織を雌性ヌードマウスの右側腹部に皮下移植した。50匹のマウスをこの実験割り当てた。

0067

化合物(1)及びパルボシクリブ(市販、商品名Ibrance(R)で販売されている)を以下のように配合した:
ビヒクルA:20% Labrasol(R)(GattefosseSAS、Franceより供給される);
. ビヒクルB:5%デキストロース

0068

化合物(1)をビヒクルA中で調製し、次いでSolutol HS15(Sigmaより購入)を加えて最終濃度5%とし、そしてこの溶液を溶解を完全にするために1時間撹拌下で放置した。その後、ビヒクルBを加えた。最終pHは5.5であった。
化合物(1)投与の投薬体積:経口経管栄養法により10ml/kg。
用量:5mg/kg(上記体積での化合物(1)の投薬量)。

0069

パルボシクリブをビヒクルA中で調製し、次いでSolutol HS15を加えて最終濃度5%とし、そしてこの溶液を溶解を完全にするために1時間撹拌下で放置した。その後、ビヒクルBを加えた。最終pHは5.5であった。
投薬体積:経口経管栄養法により10ml/kg。
用量:100mg/kg(上記体積でのパルボシクリブの投薬量)。

0070

2−1−2:研究設計、評価項目
実験に必要な動物(余分を加えて)をプールし、そしてこれらにMCF7−Y537S腫瘍断片組織を0日目に移植した。移植21日後に、マウスをプールし、そして無作為処置群及び対照群に分配し(群あたり10マウス)、ここで各群についての腫瘍体積中央値は202.5〜211.5mm3の範囲に及んだ。化合物(1)及びパルボシクリブの処置を22日目に開始した。30日間、化合物(1)を5mg/kg BID(少なくとも5時間間を空けて)で経口投与し、そしてパルボシクリブを100mg/kg QDで経口投与した。動物体重毎日評価した。

0071

投薬量をmg/kgで表し、そしてこれは動物の毎日の体重に基づくものであった。ビヒクル処置動物を対照として使用した。マウスを毎日チェックし、そして有害臨床反応を書き留めた。実験の終了まで個々のマウスの体重を計った。病的状態又は体重減少≧20%が観察された場合にマウスを安楽死させる。最終の安楽死まで腫瘍をノギスで週に2回測定した。腫瘍サイズが約2000mm3に達した場合、又は動物の健康問題(腫瘍の40%面積潰瘍化)がある場合、動物は安楽死され、そして死亡日が記録される。固形腫瘍体積は二次元腫瘍測定から見積もられ、そして以下の式に従って計算された:

0072

毒性評価項目
個々のマウスについて連続した3日の間の15%体重減少、1日の間の20%体重減少、又は10%もしくはそれ以上の薬物関連死のいずれかを生じる投薬量は、特定の環境下で体重減少又は動物の脂肪が薬物関連ではないとみなすことができなければ、過剰な毒性の投薬量とみなされた。例としては、経管栄養ミス(misgavage)のような動物の取り扱いの問題、対照群又はビヒクル処置群において観察され得る体重減少をもたらす腫瘍誘導悪液質のような腫瘍モデル関連の問題又は過剰な腫瘍潰瘍化が挙げられる。薬物に関連しない死亡又は重篤な体重減少を有するマウスは、毒性とはみなされず、統計解析から除外される。動物の体重は腫瘍質量を含んでいた。

0073

有効性評価項目:
主要有効性評価項目は、処置群と対照群との間のベースラインからの腫瘍体積変化の中央値の比(ΔT/ΔC)により要約されるベースラインからの腫瘍体積変化を含む。各処置(T)群及び対照(C)群についての腫瘍体積変化は、各動物について毎日、特定の観察日の腫瘍体積から最初の処置(病期診断日)の腫瘍体積を引くことにより計算される。中央値ΔTは処置群について計算され、そして中央値ΔCは対照群について計算される。比ΔT/ΔCは計算されてパーセンテージとして表される:

0074

ΔT/ΔC≦40%は治療的に活性とみなされ、ΔT/ΔC=0%は腫瘍停滞とみなされ、そしてΔT/ΔC<0%は腫瘍退縮(非常に活性)とみなされる。ΔT/ΔC>40%は治療的に不活性とみなされる。

0075

腫瘍退縮パーセントは、研究が開始されたときのその体積と比較した、特定の観察日の処置群における腫瘍体積減少の%(パーセンテージ)として定義される。特定の時点(t)でかつ各動物について、退縮パーセンテージは以下の式を使用して計算される:

0076

次いで所定の日の群についての退縮パーセント中央値を、その群における各動物について計算された個々の退縮%値の中央値を取ることにより計算した。計算の日は退縮パーセント中央値が群の活性の典型ではない場合を除いてΔT/ΔCが計算される日により決定した。この場合、退縮パーセント中央値が最大である最初の日により決定した。

0077

2−1−3:統計解析
処置及び日(反復)の因子を用いた二元配置分散分析型分析を、ベースラインからの腫瘍体積変化に対して行う。その後、多重度についてのBonferroni−Holm補正を用いたコントラスト分析により、対照群と全ての処置群を比較し、そして 27〜51日目の各日に組み合わせに含まれる用量でそれぞれの単一の薬剤に対して組み合わせを比較する。

0078

図面において、各群の中央値及び中央絶対偏差(MAD)を各測定日について表した。

0079

表において、各群の中央値及び正規化MAD(nMAD=1.4826*MAD)は各測定日について報告される。

0080

ベースラインからの腫瘍体積変化を、各動物について毎日、特定の観察日の腫瘍体積から最初の処置の日(21日目)の腫瘍体積を引くことにより計算した。

0081

全ての統計解析は、SASバージョン9.2ソフトウェアを使用して行われた。5%未満の確率(p<0.05)を有意とみなした。

0082

2−2:結果
30日間、5mg/kg BIDでの化合物(1)、パルボシクリブ100mg/kg QD並びにこの用量レジメンでの化合物(1)及びパルボシクリブの組み合わせは、この研究において十分に忍容性であり、最下点で群あたり(その群における体重低下最低)それぞれ−1.7%(22日目)、−2.0%(22日目)及び−6.4%(26日目)の平均体重変化(%)を示した(表1)。

0083

30日間5mg/kg BIDの用量の化合物(1)は、51日目にΔT/ΔC値59%(p=0.4113)で腫瘍増殖に対する最小効果を有していた。30日間100mg/kg QDのパルボシクリブは、51日目にΔT/ΔC値27%(p<0.0001)で抗腫瘍有効性を達成した。化合物(1)についてBID及びパルボシクリブについてQDと同じ投薬レジメンを用いて5mg/kg化合物(1)をパルボシクリブ100mg/kgと組み合わせた場合、この組み合わせ処置は、ΔT/ΔC値0未満(p<0.0001)で強い抗腫瘍有効性を示し、そして51日目に腫瘍退縮を誘導した(腫瘍退縮中央値32%)。統計解析は、組み合わせ効果が、51日目に化合物(1)単独又はパルボシクリブ単独のいずれかと比較した場合に有意に異なっていたことを示した(p<0.0001)。詳細な結果を以下の表1、2及び3、さらに図2及び3に示す:
図2:パルボシクリブと組み合わせた化合物(1)のヌードマウスにおける皮下ヒト乳癌細胞株MCF7−Y537S異種移植片に対する抗腫瘍活性:腫瘍体積進化曲線は毎日各群についての中央値+又は−MAD(中央絶対偏差)を表す;
図3:パルボシクリブと組み合わせた化合物(1)のヌードマウスにおける皮下ヒト乳癌細胞株MCF7−Y537S異種移植片に対する抗腫瘍活性:51日目のベースラインからの腫瘍体積変化。点は51日目のベースラインからの個々の腫瘍体積変化を表し、バーは中央値に相当する。

0084

この実験から、我々は、1日に1回100mg/kgでのCDK4阻害剤パルボシクリブと組み合わせた1日に2回5mg/kgでの化合物(1)が、ヌードマウスにおけるMCF7−Y537Sヒト乳癌細胞株異種移植モデルにおいて有意な抗腫瘍有効性及び腫瘍退縮を誘導したと結論づけた。

0085

0086

実施例

0087

図面の簡単な説明

0088

化合物(1)の合成のための合成スキーム。
図2:パルボシクリブと組み合わせた化合物(1)のヌードマウスにおける皮下ヒト乳癌細胞株MCF7−Y537S異種移植片に対する抗腫瘍活性:腫瘍体積進化。曲線は毎日各群についての中央値+又は−MAD(中央絶対偏差)を表す。
図3:パルボシクリブと組み合わせた化合物(1)のヌードマウスにおける皮下ヒト乳癌細胞株MCF7−Y537S異種移植片に対する抗腫瘍活性:51日目のベースラインからの腫瘍体積変化。点は51日目のベースラインからの個々の腫瘍体積変化を表し、バーは中央値に相当する。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ