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課題・解決手段

化物炭化物またはホウ化物または少なくとも1つの一般組成式Mn+1AXn[式中、M=遷移元素の群(Sc、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、HfおよびTa)からの少なくとも1つの元素、A=群(Si、Al、Ga、Ge、As、Cd、In、Sn、TlおよびPb)からの少なくとも1つのA群元素、X=炭素(C)および/または窒素(N)および/またはホウ素(B)およびn=1、2または3]のMAX相を含む非酸化物セラミック粉末を製造する方法を提供する。本発明により、相応する量の元素状出発物質または他の前駆体を、少なくとも1つの金属ハロゲン塩(NZ)と混合し、圧縮し(ペレット)、合成のために金属ハロゲン塩(NZ)と共に加熱する。圧縮したペレットを、まずさらなる金属ハロゲン塩で被覆し、新たに圧縮し、塩浴中に配置し、この塩浴と共に塩の溶融温度より上まで加熱する。場合により、高温での塩の蒸発を防ぐ溶融ケイ酸塩を添加することができる。有利にはこの方法を空気の存在下で実施することができる。

概要

背景

従来の技術
非酸化物材料の合成は、酸素の存在下で材料が酸化するのを防ぐために、常に保護雰囲気または真空で実施されることが知られている。したがって、望ましくない酸化から保護しなくてはならない非酸化物材料の加工(Prozessieren)を、通常アルゴン窒素の保護雰囲気または真空で行うことは避けられない要求である。

MAX相の合成は、現在、同様にアルゴン下または真空中で、1000℃より上の温度で実施される。MAX相とは、一般式Mn+1AXn[式中、M=遷移元素(例えばTi、V、Cr、…)、A=A群元素(Al、Si、…)、X=炭素または窒素およびn=1、2または3]の化合物を意味する。MAX相は、一般的な定義によれば、3族窒化物および炭化物の群である。MAX相の製造は、通常「反応性焼結」とも呼ばれる焼結工程で規則的に行われる。しかし、このようなプロセス工程では、MAX相を、さらなる輪郭付けプロセスに必要であろう遊離粉末(freies Pulver)として製造することはできない。

MAX相(Ti3SiC2)の最初の例は、JeitschkoおよびNowotnyによって最初に製造されたが、この例では、混合した水素化チタンケイ素およびグラファイトをグラファイトるつぼ中で2000℃で加熱した[1]。しかし、この高温は、大規模でのMAX合成を不採算なものにする。

Barsoumらは、例えば、チタン、炭素および炭化ケイ素からなる混合粉末を、MAX相(Ti3SiC2)を製造するために使用したが、この際1600℃で粉末混合物ホットプレスし、その際一軸圧力を40MPAに設定した[2]。こうして製造されたMAX相は完全に高密度であり、単純な形状を示したが、さらに輪郭付けるために場合により機械加工しなくてはならなかった。上記のプロセスによって高密度材料から遊離MAX相粉末を製造するためには、その点で付加的な粉砕プロセスまたは研削プロセスが必要であろう。

モノリシックなTi3SiC2も、化学蒸着法英語でchemical vapour deposition、CVD)によってすでに合成されていて、この際チタン、ケイ素および炭素の塩化物前駆体(chloridische Vorstufe)が使用された[3]。

一般にMAX相を製造するためのこの方法の欠点は、低い析出率(Abscheidungsrate)および高価格およびしばしば毒性となる前駆体である。さらに、CVDは、粉末を合成するためには適さず、基材上に薄膜もしくは層を析出するためにのみ適する。

上記の方法はすべて、アルゴンまたは窒素の保護雰囲気または真空下でのMAX相粉末の製造を記載するものである。

同様に、溶融塩を介する酸化物および炭化物セラミック粉末の合成手段も公知である。この方法でも、常に保護雰囲気または真空が設定されるので、このような合成のコストは増加する。

Guoらは、フラックス(Flussmittel)としてのNaClからなる溶融塩を介して、保護ガス雰囲気(アルゴン)下で、Ti3SiC2MAX相をすでに製造している[4]。

Cr2AlC粉末も、フラックスとして1:1比のNaClとKClとからなる混合物を使用する溶融塩を用いてすでに合成された。反応混合物を真空下で石英管中に詰め、高温で熱処理した。このプロセスでも、高温で反応を媒介するために常に保護雰囲気または真空が必要である。

R.Yangら、「Molten salt synthesis of Mo2C powder using a mechanically milled powder」、Mater.Lett.、61、2007、4815〜4817(非特許文献1)から公知であるのは、Mo−C−粉末をNaClおよびKClと混合し、そこから試験体(Probekoerper)を製造する、MO2Cの製造方法である。これらの試験体を溶融塩中へ加え、1000℃で60分間熱処理する。

さらに、X.Guoら、「Preparation of Ti3SiC2 powders by the molten salt method」、Materials Letters2013、Vol.111、211〜213頁(非特許文献2)からは、MAX相の製造方法が明らかである。ここで、Ti3SiC2粉末は、フラックスとしてNaClを使用した溶融塩法により成果よく得られた。酸素排除(Sauerstoffausschluss)は、アルゴン雰囲気で焼結することにより達成された。

概要

化物、炭化物またはホウ化物または少なくとも1つの一般組成式Mn+1AXn[式中、M=遷移元素の群(Sc、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、HfおよびTa)からの少なくとも1つの元素、A=群(Si、Al、Ga、Ge、As、Cd、In、Sn、TlおよびPb)からの少なくとも1つのA群元素、X=炭素(C)および/または窒素(N)および/またはホウ素(B)およびn=1、2または3]のMAX相を含む非酸化物セラミック粉末を製造する方法を提供する。本発明により、相応する量の元素状出発物質または他の前駆体を、少なくとも1つの金属ハロゲン塩(NZ)と混合し、圧縮し(ペレット)、合成のために金属ハロゲン塩(NZ)と共に加熱する。圧縮したペレットを、まずさらなる金属ハロゲン塩で被覆し、新たに圧縮し、塩浴中に配置し、この塩浴と共に塩の溶融温度より上まで加熱する。場合により、高温での塩の蒸発を防ぐ溶融ケイ酸塩を添加することができる。有利にはこの方法を空気の存在下で実施することができる。

目的

本発明の課題は、従来の方法よりも著しく安価であり、かつさらに取り扱いも容易である、非酸化物セラミック粉末を製造するための、特にMAX相粉末を製造するための代替的合成手段を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

化学量論的量の、窒化物炭化物ホウ化物または少なくとも1つのMAX相を形成するのに必要な元素を含む元素状出発物質または他の前駆体を、少なくとも1つの金属ハロゲン塩(NZ)と混合し圧縮する、少なくとも1つの窒化物、炭化物、ホウ化物または少なくとも1つの一般組成式Mn+1AXn[式中、M=遷移元素の群(Sc、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、HfおよびTa)からの少なくとも1つの元素、A=群(Si、Al、Ga、Ge、As、Cd、In、Sn、TlおよびPb)からの少なくとも1つのA群元素、X=炭素(C)および/または窒素(N)および/またはホウ素(B)およびn=1、2または3]のMAX相を含む非酸化物セラミック粉末を製造する方法において、−圧縮したペレット(4)を少なくとも1つの金属ハロゲン塩で被覆し(ummanteln)、再度圧縮し(3)、−引き続き、金属ハロゲン塩床(NZ)(2)中で加熱することを特徴とする、前記方法。

請求項2

出発物質または他の前駆体と、金属ハロゲン塩との混合を、非反応性溶媒中でまたは乾式で行う、請求項1に記載の方法。

請求項3

混合をボールミルで行う、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

加熱を、使用する金属ハロゲン塩の溶融温度より上の温度まで少なくとも行う、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。

請求項5

金属ハロゲン塩(NZ)[ここで、N=群(Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Be、Ca、Ba)からの少なくとも1つの元素およびZ=群(F、Cl、Br、I)からの少なくとも1つの元素]または相応する金属ハロゲン塩の混合物、特にNaClまたはKBrを使用する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。

請求項6

元素状出発物質または他の前駆体および少なくとも1つの金属ハロゲン塩を含む混合物を、乾燥混合物として、まず圧縮してペレット(4)にする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。

請求項7

混合物を、まず一軸方向に圧縮し、引き続き冷間静水圧圧縮してペレット(4)にする、請求項6に記載の方法。

請求項8

圧縮工程に10MPA〜1000MPA、有利には50MPA〜500MPAの圧力を使用する、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。

請求項9

被覆体の圧縮工程に10MPA〜1000MPA、有利には50MPA〜500MPAの圧力を使用する、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。

請求項10

金属ハロゲン塩で被覆した(3)ペレット(4)を、金属ハロゲン塩浴(2)中に配置し、金属ハロゲン塩の溶融温度より上の温度まで共に加熱する、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。

請求項11

金属ハロゲン塩浴の加熱を、酸素の存在下で行う、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。

請求項12

ペレット(4)を備える溶融金属ハロゲン塩浴(2)に、付加的に、さらに溶融ケイ酸塩を加えるが、この溶融ケイ酸塩は層として溶融金属ハロゲン塩浴上に浮遊する、請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。

請求項13

溶融金属ハロゲン塩浴および溶融ケイ酸塩を、ケイ酸塩を金属ハロゲン塩浴に添加する前に同じ温度まで加熱する、請求項12に記載の方法。

請求項14

冷却後に金属ハロゲン塩を液体中で溶解し、したがってペレットを取り除くことができる、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。

請求項15

金属ハロゲン塩を水または水溶液または短鎖アルコール中で溶解する、請求項14に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、セラミック粉末の製造、特に窒化物炭化物またはホウ化物を含む非酸化物セラミック粉末の製造、その際特にMAX相粉末の合成にも関する。

背景技術

0002

従来の技術
非酸化物材料の合成は、酸素の存在下で材料が酸化するのを防ぐために、常に保護雰囲気または真空で実施されることが知られている。したがって、望ましくない酸化から保護しなくてはならない非酸化物材料の加工(Prozessieren)を、通常アルゴン窒素の保護雰囲気または真空で行うことは避けられない要求である。

0003

MAX相の合成は、現在、同様にアルゴン下または真空中で、1000℃より上の温度で実施される。MAX相とは、一般式Mn+1AXn[式中、M=遷移元素(例えばTi、V、Cr、…)、A=A群元素(Al、Si、…)、X=炭素または窒素およびn=1、2または3]の化合物を意味する。MAX相は、一般的な定義によれば、3族窒化物および炭化物の群である。MAX相の製造は、通常「反応性焼結」とも呼ばれる焼結工程で規則的に行われる。しかし、このようなプロセス工程では、MAX相を、さらなる輪郭付けプロセスに必要であろう遊離粉末(freies Pulver)として製造することはできない。

0004

MAX相(Ti3SiC2)の最初の例は、JeitschkoおよびNowotnyによって最初に製造されたが、この例では、混合した水素化チタンケイ素およびグラファイトをグラファイトるつぼ中で2000℃で加熱した[1]。しかし、この高温は、大規模でのMAX合成を不採算なものにする。

0005

Barsoumらは、例えば、チタン、炭素および炭化ケイ素からなる混合粉末を、MAX相(Ti3SiC2)を製造するために使用したが、この際1600℃で粉末混合物ホットプレスし、その際一軸圧力を40MPAに設定した[2]。こうして製造されたMAX相は完全に高密度であり、単純な形状を示したが、さらに輪郭付けるために場合により機械加工しなくてはならなかった。上記のプロセスによって高密度材料から遊離MAX相粉末を製造するためには、その点で付加的な粉砕プロセスまたは研削プロセスが必要であろう。

0006

モノリシックなTi3SiC2も、化学蒸着法英語でchemical vapour deposition、CVD)によってすでに合成されていて、この際チタン、ケイ素および炭素の塩化物前駆体(chloridische Vorstufe)が使用された[3]。

0007

一般にMAX相を製造するためのこの方法の欠点は、低い析出率(Abscheidungsrate)および高価格およびしばしば毒性となる前駆体である。さらに、CVDは、粉末を合成するためには適さず、基材上に薄膜もしくは層を析出するためにのみ適する。

0008

上記の方法はすべて、アルゴンまたは窒素の保護雰囲気または真空下でのMAX相粉末の製造を記載するものである。

0009

同様に、溶融塩を介する酸化物および炭化物セラミック粉末の合成手段も公知である。この方法でも、常に保護雰囲気または真空が設定されるので、このような合成のコストは増加する。

0010

Guoらは、フラックス(Flussmittel)としてのNaClからなる溶融塩を介して、保護ガス雰囲気(アルゴン)下で、Ti3SiC2MAX相をすでに製造している[4]。

0011

Cr2AlC粉末も、フラックスとして1:1比のNaClとKClとからなる混合物を使用する溶融塩を用いてすでに合成された。反応混合物を真空下で石英管中に詰め、高温で熱処理した。このプロセスでも、高温で反応を媒介するために常に保護雰囲気または真空が必要である。

0012

R.Yangら、「Molten salt synthesis of Mo2C powder using a mechanically milled powder」、Mater.Lett.、61、2007、4815〜4817(非特許文献1)から公知であるのは、Mo−C−粉末をNaClおよびKClと混合し、そこから試験体(Probekoerper)を製造する、MO2Cの製造方法である。これらの試験体を溶融塩中へ加え、1000℃で60分間熱処理する。

0013

さらに、X.Guoら、「Preparation of Ti3SiC2 powders by the molten salt method」、Materials Letters2013、Vol.111、211〜213頁(非特許文献2)からは、MAX相の製造方法が明らかである。ここで、Ti3SiC2粉末は、フラックスとしてNaClを使用した溶融塩法により成果よく得られた。酸素排除(Sauerstoffausschluss)は、アルゴン雰囲気で焼結することにより達成された。

先行技術

0014

R.Yangら、「Molten salt synthesis of Mo2C powder using a mechanically milled powder」、Mater.Lett.、61、2007、4815〜4817
X.Guoら、「Preparation of Ti3SiC2 powders by the molten salt method」、Materials Letters2013、Vol.111、211〜213頁

発明が解決しようとする課題

0015

課題と解決
本発明の課題は、従来の方法よりも著しく安価であり、かつさらに取り扱いも容易である、非酸化物セラミック粉末を製造するための、特にMAX相粉末を製造するための代替的合成手段を提供することである。

課題を解決するための手段

0016

本発明の課題は、主請求項の特徴を有する非酸化物セラミック粉末を製造する方法により解決される。この方法の有利な形態は、従属請求項から明らかになる。

0017

発明の対象
本発明の範囲において、非酸化物セラミック粉末を製造する際に、非酸化物材料が酸化されることなく従来の通常の保護雰囲気または真空での使用を省くことが可能であることが見出された。

0018

本発明は、窒化物、炭化物またはホウ化物を含む非酸化物セラミック粉末の製造(合成)、および特にいわゆるMAX相を含むセラミック粉末の製造に関する。本発明による方法において、粉末としての、非酸化物セラミック材料を形成するのに必要な元素を有する元素状出発物質または他の前駆体を、少なくとも1つの金属ハロゲン塩と混合し、かつ空気または酸素の存在下で少なくとも1つの金属ハロゲン塩と共にその融点を超えるまで加熱し、したがって合成すべき粉末を、非酸化物セラミック粉末へのいかなる酸素供給も効果的に防止する溶融塩(溶融プール(Schmelzpool))中に配置する。その際、MAX相の典型的な合成温度は800〜1400℃である。

0019

このために、好ましくは、粉末としての元素状出発物質または他の前駆体を非反応性有機溶媒または水に分散させるか、または乾式混合することができる。

0020

混合した金属ハロゲン塩は、その溶融温度より上のより高い温度で溶融塩を形成し、かつ一方では出発物質もしくは前駆体の個々の原子がその中で容易に拡散でき、他方では存在する酸素に対する保護として役立つ媒体として機能する。このために、溶融塩は不透過性の溶融プールを形成するが、これはほとんどゼロと変わらない酸素の溶解度を有する。このことにより、溶融プール内の既存の酸素含有雰囲気からの酸素の溶解が効果的に防止される。その点でこの溶融塩は、酸化を受けやすい非酸化物セラミック粉末とそれを取り囲む酸素含有雰囲気との間の一種酸化バリアとして機能する。

0021

本発明による方法は、少なくとも1つのMAX相を含む粉末の製造(合成)に特に適している。MAX相は一般組成式(Zusammensetzung) Mn+1AXn[式中、M=遷移元素の群(Sc、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、HfおよびTa)からの少なくとも1つの元素、A=群(Si、Al、Ga、Ge、As、Cd、In、Sn、TlおよびPb)からの少なくとも1つのA群元素、X=炭素(C)および/または窒素(N)および/またはホウ素(B)およびn=1、2または3]を有する。その際、位置A、位置Mおよび位置Xを、それぞれ複数の元素が占めることができる。

0022

本発明の範囲では、炭化物および窒化物の他にホウ化物もMAX相の集合名に含まれていることに気づく。ホウ化物は、従来の技術から公知のMAX相と同じ結晶構造を持たないが、M2AB2またはMABとして層状に通常存在する。しかし、そのナノ積層(nanolaminiert)構造に基づいて、ホウ化物は既知のMAX相といくつかの共通の特徴を有し、したがって、本発明ではホウ化物をこの概念に含ませる。

0023

本発明により、少なくとも1つの非酸化物セラミック粉末、例えばMAX相、すなわち複数のMAX相の合成が1つの方法工程で同時に可能である限り、簡略化の理由から、明細書の以下において非酸化物セラミック粉末の本発明の製造方法をMAX相粉末の例で明らかにするが、これは明らかにした方法の制限を意味するものではない。

0024

本発明による方法は、純粋な元素または他の前駆体の形の相応する粉末状出発材料を、金属ハロゲン塩(NZ)[ここで、N=群(Li、Na、K、Ru、Cs、Mg、Be、Ca、Sr、Ba)からの少なくとも1つの元素およびZ=群(F、Cl、Br、I)からの少なくとも1つの元素]または相応する金属ハロゲン塩の混合物中で加熱することにより、MAX相を合成する工程を含む。

0025

この方法は、有利には、空気もしくは酸素含有雰囲気の存在下で実施することができ、したがって、保護ガス雰囲気または真空の使用を有利に省くことができる。

0026

その際、MAX相粉末の合成は、溶融塩によって促進される。溶融塩の効果は、一方では非酸化物セラミック材料の酸化を防ぎ、かつその際に、高温処理(合成)中、粉末状出発材料の酸化も合成MAX相の酸化も防ぎ、さらにフラックスとして合成温度を有利に下げることができることである。使用する塩もしくは溶融塩は、単一の塩または塩の混合物を有してもよく、これによって、有利に、相応するMAX相粉末の合成への方法パラメータ適合も可能になる。ドーパント(Dotierstoff)の添加が合成の改善につながる可能性があることはすでに知られている。ドーパントとしては、例えば、非酸化物粉末に対して最大で25重量%の割合のアルミニウムが挙げられる。

0027

特に、本発明による方法は、保護ガス下で動作する高価な炉の使用または真空での使用を不要にし、このことにより生産コストを通常削減する。したがって、本発明により、非酸化物セラミック粉末、特にMAX相粉末の製造方法が大規模用途のためにも有利に提供される。

0028

本発明による方法を以下で詳細に説明する。

0029

本発明によれば、化学量論的量(Mol)の、M、AおよびXを含む純粋な元素粉末としての粉末状出発材料または相応する前駆体を、少なくとも1つの金属ハロゲン塩と共に混合するが、その際、ナトリウムまたはカリウムの塩化物または臭化物は、融点が低く、水への溶解度が高いため、金属ハロゲン塩として特に有利である。

0030

出発粉末対金属ハロゲン塩の質量混合比については、例えば20:1〜1:100の非常に広い範囲を選択できる。しかし、混入した塩が出発粉末の拡散を改善するためのフラックスとしての機能を果たすためには、少なくとも5重量%、より好ましくは10重量%の割合が有利である。

0031

引き続き混合物を、出発粉末および塩の均一な分配保証するよう混合する。混合は、例えば、電磁撹拌機を用いる振盪または撹拌により行うことができる。ボールミルでの粉砕も、成分を混合するのに適した方法である。

0032

出発粉末および塩の混合は、乾式で、または非反応性有機溶媒および/または水を添加しても行うことができる。

0033

出発粉末の粒子径は、合成において従属的役割しか果たさないため、例えばナノ粉末からミリメートル範囲の粒子を有する粉末までの非常に広い範囲から有利に選択することができる。しかしながら、μm範囲の粒径を有する粉末の使用が特に有利であることが判明した。

0034

引き続き混合物を場合により乾燥させ、グリーン体ペレット)に固化するが、その際、まず片側に最高200℃までの中程度の低温、しかし好ましくは室温で、一軸方向の圧力を加え、引き続き、冷間静水圧圧縮成形(kalt−isostatische Pressung)を行う。圧縮は、10MPA〜1000MPA、有利には50MPA〜500MPAの圧力で通常行う。

0035

その際、混入した塩は、高密度化(Verdichtung)を促進し、その結果、製造したグリーン体の密度を促進する。

0036

さらなる工程において、グリーン体を、例えば、すでに圧縮されたペレットの直径よりも大きい直径を有する押型(Pressform)ですでに圧縮したペレットの一軸圧縮または静水圧圧縮成形により、金属ハロゲン塩で包囲する(umschliessen)。このために使用する金属ハロゲン塩は、ペレット中ですでに使用した塩と同一であってよい。しかし、これは必ずしも必要ではない。

0037

金属ハロゲン塩で固化したセラミック粉末材料を完全に包囲(被覆(Ummantelung))することで、有利に、存在する酸素含有雰囲気とグリーン体の粉末混合物の反応性成分との間にバリアが築かれる。内部の反応性混合物の被覆のハーメチックシール(hermetische Abdichtung)に関しては、特に、被覆の圧縮塩の高い密度がその原因となる。

0038

被覆中の圧縮塩は、通常、90%より上、有利には95%より上の理論密度を有する。圧縮塩はまだ個々の孔を有するが、これらは連続的ではないため、そこに埋め込まれたペレットに基づいて、全体としてハーメチック気密シールである。

0039

その点でKBrは、室温ですでに理論密度まで非常に良好に圧縮できるため、被覆に特に適した金属ハロゲン塩であることが証明されており、そのため、そこに含まれるグリーン体のための非常に良好なハーメチックシールである。さらに、NaClも、多少の水を添加しても、室温で非常に良好にすなわちほぼ気密に、ペレットの周りへ圧縮することができた。

0040

ハロゲン塩は、理論密度の95%より上のグリーン体密度へ高密度化できる。この現象は、室温での特定の圧力条件下でのハロゲン塩の延性によるものである。グリーン体は低い多孔性を有するが、この多孔性は閉じた孔であるため、本発明の範囲における被覆は気密であると見なされる。

0041

KBrタブレットでのヘリウム/空気を用いた透過性測定は、1.4・10−7hPa・dm3・s−1の透過値(Durchlaessigkeitswerte)をもたらし、これは本発明の意味で気密と呼ぶことができる。

0042

本発明の第1の実施形態は、塩で包囲されたペレット(グリーン体)を、適切な容器、例えばるつぼ中で金属ハロゲン塩からなる床(塩床)中に配置することを企図している。このために使用する金属ハロゲン塩は、ペレットにおいておよび/または被覆のためにすでに使用した金属ハロゲン塩と再び同じであってもよい。しかし、これは必ずしも必要ではない。

0043

本発明の範囲において金属ハロゲン塩床中の配置とは、ここでペレットがこの金属ハロゲン塩によって完全に包囲されていることを意味する。その際、金属ハロゲン塩床は、最初はある程度の多孔性を有していて、この多孔性は完全な融解の際に初めて失われる。

0044

塩浴を備えかつその塩浴に埋め込まれ塩で被覆されたペレットを備える、るつぼを共に加熱する。これは、例えば抵抗加熱を備えた炉中で行うことができる。この加熱工程で、好ましくは付加的な圧力を使用しない。その際、加熱は、少なくとも300℃まで、もしくは使用する金属ハロゲン塩の溶融温度まで行う。いくつかの異なる金属ハロゲン塩を使用した場合、加熱は少なくとも塩混合物が融解して液体溶融塩を形成する温度まで行う。非酸化物セラミック粉末の合成は、低い温度でもすでに行われるが、良好な収率を達成するために、個々の場合に、より高い温度を選択すべきである。しかし、一般に1400℃の最高温度を超えるべきではない。なぜならば、最高温度を超えた場合には、使用する金属ハロゲン塩または使用する金属ハロゲン塩混合物が少なからぬ量で蒸発する怖れがあるからである。

0045

その際、金属ハロゲン溶融塩は、存在する酸素に対する保護として役立つ媒体としても機能する。このために、溶融塩は不透過性の溶融プールを形成するが、これはほとんどゼロと変わらない酸素の溶解度を有する。このことにより、溶融プール内の既存の酸素含有雰囲気からの酸素の溶解が効果的に防止される。溶融塩は、酸化されやすい非酸化物セラミック粉末とそれを取り囲む酸素含有雰囲気との間の一種の酸化バリアとして機能する。

0046

有利には、この方法工程では、従来技術とは異なり、その点で特別な不活性雰囲気を設定しなくてよい。したがって、この方法は空気中でも実施することができる。

0047

ペレットのハーメチック被覆は、この方法工程で、特に、酸素からのペレットの分離(Abschottung)に役立つが、そうでなければ、最初は多孔性である金属ハロゲン塩充填床(Metallhalogensalzschuettung)において塩の溶融または望ましい最大合成温度までの加熱過程中に反応性出発粉末の望ましくない酸化を引き起こす可能性がある。

0048

加熱工程後に、るつぼを再び冷却し、内容物(塩床中の合成MAX相)を液体、好ましくは水浴中へ加え、その際、液体中の塩が溶解し、非酸化物セラミックMAX相粉末を有するペレットが残る。場合により、液体、特に水を加熱して、塩の溶解度を改善してもよい。液体として、純水以外の水溶液または短鎖アルコールもこれに該当する。この方法工程では、塩浴からの塩も、すでに圧縮したペレットと共に新たに圧縮した塩も、液体中に完全に溶解するため、合成非酸化物セラミックMAX相粉末を除去することができる。さらに、出発粉末/前駆体と共に最初に混合した塩も除去するため、純粋な非酸化物セラミック相、特に少なくとも1つのMAX相化合物のみが存在する。

0049

本発明のさらに有利な形態において、上記の方法変形と同様に、塩で被覆したペレットを有する少なくとも1つの金属ハロゲン塩を備えるるつぼを、まず塩浴の溶融温度より上まで加熱する。ここでも、引き続き金属ハロゲン塩浴の温度を、上記の実施形態のように、例えば800℃を超えるまでさらに加熱することができる。しかし、1400℃より上の温度への加熱は通常避けるべきである。

0050

この方法工程と並行して、場合により少なくとも1つのケイ酸塩、好ましくはケイ酸ナトリウムケイ酸カリウムまたはケイ酸リチウム(Na2SiO3、K2SiO3またはLi2SiO3)も他のるつぼで同様に加熱することができる。有利には、この工程は、グリーン体を備える金属ハロゲン塩溶融浴を加熱する同じ炉中で行い、その結果、溶融ケイ酸塩と、ペレットを有する溶融塩とは、同じ温度を有する。

0051

使用するケイ酸塩の溶融温度より上の温度、つまり融点Tm=1088℃のケイ酸ナトリウムの場合は例えば約1100℃で、溶融ケイ酸塩を、ペレットを有する塩浴の表面へ慎重に施し(aufbringen)、最も簡単な場合には流し込む。塩浴からの溶融金属ハロゲン塩と溶融ケイ酸塩との間の密度差に基づいて、および相互不溶性に基づいて、溶融ケイ酸塩が溶融塩上に浮遊する。したがって、浮遊ケイ酸塩は、塩浴からの溶融塩の望ましくない蒸発を有利に防ぐ。このようにして、必要な場合の合成のための温度を、塩浴からの塩の著しい損失を生じることなく、1400℃を超えて最大1600℃まで高めることができる。

0052

これに続いて、液体中の金属ハロゲン塩も、好ましくは使用したケイ酸塩も、第一の実施形態と同様に冷却および溶解する。このようにして得られたペレットは、今や所望の合成非酸化物セラミック粉末のみを有する。

0053

出発粉末からなる混合物の組成および設定した最高温度に応じて、多かれ少なかれ所望の組成の純粋な粉末が主相として得られる。未反応の出発粉末およびドーパントが、副次相(Nebenphase)として場合により発生する。所望の粉末の純度は、最初に化学量論的量に応じて相応する出発粉末または前駆体を使用すること、および金属ハロゲン塩浴中の組成に応じて温度を十分に高く設定することにより改善できる。

0054

本発明による方法は、相応する出発材料または前駆体から非酸化物セラミック粉末を製造(合成)することを記載するものであって、したがってその点で焼結工程を含まないことを再度確認しておく。

0055

本発明は、有利に、今まで必要であった炉雰囲気費用のかかる制御のために生じる高コストを防ぎ、したがって、非酸化物セラミック粉末、特に少なくとも1つのMAX相を含む粉末または単純な炭化物のための低コスト工業規模の製造変形を可能にする。これは、部品の製造、特にさらなる輪郭付け(Konturierung)、高密度化または圧密(Konsolidierung)に有利に使用できる。

実施例

0056

特別な記載部分
さらに、複数の実施形態に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これは広い保護範囲を制限することを意図するものではない。

0057

少なくとも1つのMAX相を含む非酸化物セラミック粉末を本発明により製造するために、化学量論的量/質量の、非酸化物セラミック材料を形成するのに必要な元素を形成する元素状出発物質または相応する前駆体を、少なくとも1つの金属ハロゲン塩と混合し、空気もしくは酸素の存在下でそれぞれ金属ハロゲン塩の溶融温度より上の温度まで加熱する。

0058

1.例:
この場合、Ti3SiC2粉末を製造するために、Ti(純度99.9%、−325メッシュ)、Si(純度99.9%、−325メッシュ)およびグラファイト(純度99.9%)をNaClと混合し、その際Ti/Si/Cの質量比を3:1:2に設定した。Ti+Si+C対NaClの質量比は1:1だった。

0059

付加的に、最終製品の純度を改善するために、純粋なアルミニウム(純度99.9%、−325メッシュ、約40μmに相当)をドーパント(Dotierung)として添加した。その際の最終製品中のアルミニウムの割合は、0.01〜0.3Mol%の間で変化した。

0060

粉末を、湿った、すなわちエタノール中で、直径5mmのジルコニウム球の助けを借りて24時間混合もしくは粉砕した。引き続き、スラリー混合物回転蒸発器で60℃で予備乾燥させ、引き続き炉中で70℃でさらに24時間乾燥させた。

0061

乾燥粉末を200MPaで一軸圧縮し(ペレット)、引き続きNaClで被覆した。このために、ペレットを、ペレットよりも大きな直径を有するNaClで満たしたるつぼ中へ加え、NaClで覆い(abdecken)、引き続き新たに200MPaで圧縮した。このようにNaClで被覆したペレットを、付加的に300MPaの圧力で冷間静水圧圧縮した。

0062

引き続き、ペレットをNaClからなる床中へ埋め込み、るつぼ中で空気下で約1200℃の温度まで加熱し、この温度で1時間保持した。純NaClの融点は801℃である。冷却後、塩を水で洗い流して、反応性粉末混合物を有するペレットを得た。

0063

粉末混合物の特性付けは、X線回折により行った。Ti3SiC2がほぼ100%の純度で主相として検出され、その際アルミニウムドーパントは考慮しなかった。二次相としてTiSi2およびTickが同定された。

0064

2.例:
この場合、Ti3AlC2粉末を製造するために、Ti(純度99.9%、−325メッシュ)、Al(純度99.9%、−325メッシュ)およびグラファイト(純度99.99%)をKBrと混合し、その際Ti/Al/Cのモル比を3:1:2に設定した。Ti+Al+C対NaClの質量比は1:1だった。

0065

粉末を、湿った、すなわちエタノール中で、直径5mmのジルコニウム球の助けを借りて24時間混合した。引き続き、スラリー混合物を回転蒸発器で60℃で予備乾燥させ、引き続き炉中で70℃でさらに24時間乾燥させた。

0066

乾燥粉末を200MPaで一軸圧縮し(ペレット)、引き続きKBrで被覆した。このために、ペレットを、ペレットよりも大きな直径を有するKBrで満たしたるつぼ中へ加え、KBrで覆い、引き続き新たに200MPaで圧縮した。このようにKBrで被覆したペレットを、付加的に300MPaの圧力で冷間静水圧圧縮した。

0067

引き続き、ペレットをKBrからなる床中に埋め込み、るつぼ中で空気下で約1250℃の温度まで加熱し、この温度で1時間保持した。純KBrの融点は734℃である。冷却後、KBr塩を水で洗い流して、反応性粉末混合物を含むペレットを得た。

0068

粉末混合物の特性付けは、同様にX線回折により行った。Ti3AlC2が98%より高い純度で主相として検出された。二次相としてTiCが同定された。

0069

3.例:
この場合、Cr2AlC粉末を製造するために、Cr(純度99.9%、−60メッシュ)、Al(純度99.9%、−325メッシュ)およびグラファイト(純度99.99%)をKBrと混合し、その際Cr/Al/Cのモル比を2:1:1に設定した。Cr+Al+C対NaClの質量比は1:1だった。

0070

粉末を、湿った、すなわちエタノール中で、直径5mmのジルコニウム球の助けを借りて24時間混合した。引き続き、スラリー混合物を回転蒸発器で60℃で予備乾燥させ、引き続き炉中で70℃でさらに24時間乾燥させた。

0071

乾燥粉末を200MPaで一軸圧縮し(ペレット)、引き続きKBrで被覆した。このために、ペレットを、ペレットよりも大きな直径を有するKBrで満たしたるつぼ中へ加え、KBrで覆い、引き続き新たに200MPaで再び圧縮した。このようにKBrで被覆したペレットを、付加的に300MPaの圧力で冷間静水圧圧縮した。

0072

引き続き、ペレットをKBrからなる床中に埋め込み、アルミニウムるつぼ中で空気下で約1250℃の温度まで加熱し、この温度で1時間保持した。冷却後、KBr塩を水で洗い流して、反応性粉末混合物を含むペレットを得た。

0073

粉末混合物の特性付けは、同様にX線回折によって行った。Cr2AlCが98%より高い純度で主相として検出された。二次相としてCr7C3が同定された。

0074

4.例:
この場合、非典型的なMAX相粉末の製造のための例として、しかし炭化物粉末のための例として、Ti(純度99.9%、−325メッシュ)およびグラファイト(純度99%)をKBrと混合し、その際Ti/Cのモル比を1:1に設定した。Ti+C対KBrの質量比は同様に1:1だった。

0075

粉末を、湿った、すなわちエタノール中で、直径5mmのジルコニウム球の助けを借りて24時間混合した。引き続き、スラリー混合物を回転蒸発器で60℃で予備乾燥させ、引き続き炉中で70℃でさらに24時間乾燥させた。

0076

乾燥粉末を200MPaで円柱形に一軸圧縮し(ペレット)、引き続きKBrで被覆した。このために、ペレットを、ペレットよりも大きな直径を有するKBrで満たしたるつぼ中へ加え、KBrで覆い、引き続き新たに200MPaで圧縮した。このようにKBrで被覆したペレットを、付加的に300MPaの圧力で冷間静水圧圧縮した。

0077

引き続き、ペレットをKBrからなる床中に埋め込み、アルミニウムるつぼ中で空気下で約1200℃の温度まで加熱し、この温度で1時間保持した。冷却後、KBr塩を沸騰水で洗い流して、反応性粉末混合物を含むペレットを得た。

0078

粉末混合物の特性付けは、同様にX線回折によって行った。TiCが単独相として検出された。

0079

とりわけ適切であると判明した今までに紹介したKBrによる被覆の他に、前もって製造したペレットをNaClで被覆する可能性もある。KBrとは異なり、NaClは、純粋な圧縮によって高密度化はせいぜい理論密度の約95%までである。NaClで被覆したペレットは、相応する塩、すなわち同様にNaClの過飽和溶液の存在下で、75%から85%までの相対湿度で24時間保持することができる。その際に、塩の内部で焼結効果が発生し、これにより、高密度化された塩被覆内のこれまでまだ開いていた孔が閉じる[5]。

0080

この方法工程は非常に時間がかかるが、それにもかかわらず、適切なスケーリングで全体的に製造コストの削減をもたらすことができる。

図面の簡単な説明

0081

図1は、本発明の実施形態を概略的に示している。アルミニウムるつぼ(1)内に、多孔性塩床(2)中の、化学量論的出発粉末または前駆体ならびに少なくとも1つの塩を含むペレット(4)が、塩含有被覆体(3)と共に配置されている。加熱過程中に、多孔性金属ハロゲン塩床(2)ならびにペレット(4)の被覆(3)が融解する。圧縮したペレット内に存在する塩も溶融して、出発粉末のより良好な拡散のためのフラックスとして機能する。塩床の容積は減少する。その際、金属ハロゲン塩床内の塩の量は、塩の融解後もペレットが金属ハロゲン塩で完全に取り囲まれているため取り囲む空気からペレットへの酸素の供給を排除できるように、測定されている。

0082

図2は、本発明方法のさらなる形態を示していて、この形態においては、まず図1により、アルミニウムるつぼ(1)に、化学量論的出発粉末または前駆体ならびに少なくとも1つの金属ハロゲン塩を含むペレット(4)を、塩含有被覆体(3)と共に多孔性金属塩床(2)に配置し、塩(2)の溶融温度より上の温度まで、かつさらに使用するケイ酸塩(5)の溶融温度より上の温度まで共に加熱する。同様に溶融ケイ酸塩(5)を溶融塩に加え、その際密度の違いに基づき、溶融ケイ酸塩が溶融塩上に浮遊する層を有利に提供する。このようにして、1600℃までの高温でも金属ハロゲン塩の不都合な蒸発を回避することができる。

0083

KBrは、室温で延性が高いアルカリ金属ハロゲン化物塩である。カリウム塩(KCl)は手で変形できることが示されている。KBrのカプセル化が、大気試料との間のバリアとして前溶融塩(Vorsalzschmelze)中で機能することを、室温で冷間圧縮した厚さ4mmのKBr円板の密度とガス透過性を測定することにより示す。円板を200MPaで一軸圧縮し、次いで300MPaで静水圧圧縮成形した。幾何学的密度理論値の98%であった。KBr円板を、保護するために外力シールリング(Dichtring)にのせた。ヘリウム/空気混合物をKBr円板に通し、円板の反対側でヘリウム/空気流出を測定した。KBr円板を通るヘリウムおよび空気の透過性値(Permeabilitaetswerte)は1.4・10−7hPa・dm3・s−1であり、このことはKBrによる試料のカプセル化が気密であることを指し示す

0084

図3は、異なる金属ハロゲン塩について、固体、液体および気体の相の状態を温度に関連して記入したものであって、したがって、本発明による合成のための適切なプロセスウインドウ(Prozessfenster)に関連する選択を可能にする。

0085

さらに、熱分析(英語でDifferential Scanning Calorimetry、DSC)および金属ハロゲン化物塩としてKBrを含むシステムTi3SiC2に関する熱重量分析図4aおよび4b)を実施したが、これらの分析は空気下での合成の際の金属ハロゲン化物塩KBrの遮蔽(abschirmend)効果を明確に示した。

0086

KBr被覆の気密効果に基づく酸化の防止を確認するために、KBrの被覆がある試料とない試料(図4a)について空気中で熱分析(DSC)を実施した。被覆のない試料は強い酸化と著しい質量増加を示すが、一方で付加的に被覆した試料は酸化が僅かのみである。酸化は、カプセル化の場合に著しく低く、KBrの融点に達した後に終了する。

0087

明細書中引用した文献:
[1] W. Jeitschko, H. Nowotny, Die Kristallstruktur von Ti3SiC2 − ein neuer Komplexcarbid−Typ, Monatshefte fuer Chemie − Chemical Monthly, March 1967, Volume 98, Issue 2, Pages 329 − 337.
[2] Michael W. Barsoum, Tamnr el−Raghy, Synthesis and Characterization of a Remarkable Ceramic: Ti3SiC2, Journal of the American Chemical Society, Volume 79, Issue 7, July 1996 , Pages 1953 − 1956.
[3] T. Goto, T. Hirai, Chemically vapor deposited Ti3SiC2, Materials Research Bulletin,
Volume 22, Issue 9, September 1987, Pages 1195 − 1201.
[4] Xue Guo, Junxia Wang, Shiyuan Yang, Long Gao, Bin Qian, Preparation of Ti3SiC2 powders by the molten salt method, Materials Letters, Volume 111, 15 November 2013, Pages 211 − 213.
[5] Jing Guo, Hanzheng Guo, Amanda L. Baker, Michael T. Lanagan, Elizabeth R. Kupp, Gary L. Messing, and Clive A. Randall, Cold Sintering: A Paradigm Shift for Processing and Integration of Ceramics, Angewandte Chemie, International Edition, Volume 55, Issue 38, Version of Record online: 11 AUG 2016.

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