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技術 長い炭素繊維強化ポリプロピレン複合体

出願人 ボレアリスエージー
発明者 ルンマーシュトルファートーマスシュトックライターヴォルフガングイェラベックミヒャエルホックラドルシュテファントランニンガーミヒャエル
出願日 2018年7月26日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2019-572166
公開日 2020年8月27日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-525611
状態 未査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 高温プレート 炭素繊維強化ポリマ 自動車用物 最短寸法 強度対重量比 ノッチなしの 融解配合 炭素繊維複合体
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課題・解決手段

ポリプロピレンベース材料と、炭素繊維と、接着促進剤とを含む優れた衝撃/剛性バランスを有するポリプロピレン複合体、その調製、その複合体を含む物品、およびその複合体の使用。

概要

背景

強化ポリプロピレン複合体は周知であり、軽量と同時に良好な機械的特性に関する高度な要求が満たされるべきである自動車産業において、かなりよく適用されている。これらの複合体においてさまざまな繊維が試されて用いられてきたが、特に炭素繊維強化されたポリプロピレン低密度と良好な剛性および強度との両方を提供するため、よく選択される材料である。たとえばガラス繊維強化ポリプロピレンなどの代替的材料と比べて、炭素繊維材料が有利な点は主にその優れた強度対重量比である。

しかし、公知の炭素繊維強化複合体の共通の問題点は、たとえば自動車用物品などの最終物品生産するために適用されるたとえば射出成形テップなどの任意の溶融加工の際に、ある程度までの繊維の摩耗を制御できず、回避できないことである。この公知の材料が非常に複雑な構造−特性−加工相関を示し、とりわけ低い衝撃強度を示すことの結果として、それらの適用範囲が制限される。繊維強化ポリプロピレンの衝撃強度を改善するための公知の選択肢は、かなりの量のエラストマーを加えることであるが、それと同時に剛性および強度が低下する。

特許文献1は、ポリプロピレンと、炭素繊維と、カップリング剤としての極性修飾ポリプロピレンとを含む低密度炭素繊維強化ポリマー複合体を開示している。複合体の生産のために、不織布の形の炭素繊維が用いられ、繊維強化ポリマー複合体を生産するために用いられる炭素繊維の長さは1.5〜200mmの範囲である。しかしこの文献は、最終ポリプロピレン複合体における炭素繊維の長さに関してまったく触れていない。開示される材料の強度および衝撃性能は、どちらも不十分である。

特許文献2は、ポリプロピレンと、炭素繊維と、カップリング剤としての極性修飾ポリプロピレンと、付加的にエチレンおよびC4〜C8α−オレフィン由来する単位を含むエラストマーコポリマー(ECP:elastomeric copolymer)とを含むポリプロピレン炭素繊維複合体を開示している。10wt%のエラストマーを含有するポリプロピレン炭素繊維複合体の引張り特性は中程度であり、衝撃強度(ノッチなし)に対する値は開示されていない。ポリプロピレン複合体における炭素繊維の長さも開示されていない。

特許文献3より、ポリプロピレンと、炭素繊維と、カップリング剤としての極性修飾ポリプロピレンと、炭素繊維以外の繊維とを含む繊維強化ポリマー複合体が公知である。この文献は強化ポリマー複合体における炭素繊維の長さを開示しておらず、複合体を生産するために用いた炭素繊維の長さが1.5〜200mmの範囲であることのみを開示している。20.17wt%の炭素繊維および10.2wt%のガラス繊維を含有するプロピレンポリマー複合体の剛性特性は良好であるが、衝撃性能は低い。

特許文献4より、ハイブリッドの長い繊維熱可塑性材料が公知であり、これは熱可塑性ベース材料含浸したハイブリッド集成ロービングを含む。このハイブリッド集成ロービングは、たとえばガラス繊維などの複数の強化繊維と、相溶化剤の存在下で強化繊維と混合された複数の炭素繊維とを含む。繊維とマトリックス樹脂との優れた濡れおよび接着を確実にするために、相溶化剤が必要とされる。最終的な熱可塑性材料は、ガラス繊維および炭素繊維の両方の所望の特性を組み合わせている。しかし、ガラス繊維は炭素繊維よりも高密度であるため、最終的な物品強化材料として炭素繊維のみを含有する物品よりも重量が重くなる。

したがって、炭素繊維強化ポリプロピレン複合体の技術分野において多くの開発作業が行われたが、優れた剛性および強度を提供すると同時にエネルギー吸収すなわち衝撃強度およびパンクチャーエネルギーの増加を提供する軽量材料が、なおも必要とされている。

本発明の知見は、複合体の粒子長と等しい平均繊維長を有する、長い炭素繊維を含む粒子状の炭素繊維強化ポリプロピレン複合体を用いることである。

概要

ポリプロピレンベース材料と、炭素繊維と、接着促進剤とを含む優れた衝撃/剛性バランスを有するポリプロピレン複合体、その調製、その複合体を含む物品、およびその複合体の使用。なし

目的

これらの複合体においてさまざまな繊維が試されて用いられてきたが、特に炭素繊維で強化されたポリプロピレンは低密度と良好な剛性および強度との両方を提供する

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請求項1

ポリプロピレン複合体であって、a.前記複合体の総重量に基づいて37.0〜95.0wt%のポリプロピレンベース材料(PBM)であって、前記ポリプロピレンベース材料(PBM)はi.プロピレンホモポリマー(hPP)および/またはii.プロピレンコポリマー(cPP)である、ポリプロピレンベース材料(PBM)と、b.前記複合体の総重量に基づいて4.5〜50.0wt%の炭素繊維(CF)と、c.前記複合体の総重量に基づいて0.5〜13.0wt%の接着促進剤AP)とを含み、前記複合体に含まれる前記炭素繊維(CF)はロービングの形であり、かつ4.0〜17.0mmの範囲の平均繊維長を有し、前記複合体は粒子の形で存在し、前記成分a)およびc)は、12.0〜250.0g/10minの範囲のISO1133に従って測定したメルトフローレートMFR2(230℃、2.16kg)を有するポリマーマトリックス(PM)を形成し、前記複合体の平均粒子長は前記炭素繊維(CF)の前記平均繊維長に対応する、ポリプロピレン複合体。

請求項2

前記プロピレンホモポリマー(hPP)は、a.少なくとも150℃のISO11357−3に従って測定した融解温度、および/またはb.前記プロピレンホモポリマー(hPP)の総重量に基づいて4.0wt%以下の低温キシレン可溶性成分(XCS)含有量を有し、成分a)およびc)で形成される前記ポリマーマトリックス(PM)は12.0〜250g/10minの範囲のメルトフローレートMFR2(230℃、2.16kg)を有する、請求項1に記載のポリプロピレン複合体。

請求項3

前記プロピレンコポリマー(cPP)は異相プロピレンコポリマーHECO)であり、前記異相プロピレンコポリマー(HECO)はa.前記異相プロピレンコポリマー(HECO)の総重量に基づいて5.0wt%超の低温キシレン可溶性成分(XCS)含有量、および/またはb.前記異相プロピレンコポリマー(HECO)の総重量に基づいて30.0mol%以下のコモノマー含有量を有し、成分a)およびc)で形成される前記ポリマーマトリックス(PM)は12.0〜250.0g/10minの範囲のメルトフローレートMFR2(230℃、2.16kg)を有する、請求項1に記載のポリプロピレン複合体。

請求項4

前記ポリプロピレンベース材料(PBM)はプロピレンホモポリマー(hPP)であり、前記複合体の総重量に基づく前記炭素繊維(CF)の前記含有量は4.5〜25.0wt%の範囲である、請求項1または2に記載のポリプロピレン複合体。

請求項5

前記炭素繊維(CF)の前記平均繊維長は7.0〜16.0mmの範囲である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリプロピレン複合体。

請求項6

前記炭素繊維(CF)の繊維の平均直径は5〜30μmの範囲である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリプロピレン複合体。

請求項7

前記複合体は、前記複合体の総重量に基づいて1.0〜8.0wt%の接着促進剤(AP)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリプロピレン複合体。

請求項8

前記接着促進剤(AP)は、極性化合物由来する基を含有するポリプロピレンの群より選択され、前記基は酸無水物カルボン酸カルボン酸誘導体一級および二級アミンヒドロキシル化合物オキサゾリン、およびエポキシドより選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリプロピレン複合体。

請求項9

前記接着促進剤(AP)は無水マレイン酸官能化ポリプロピレンである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリプロピレン複合体。

請求項10

請求項1〜9のいずれか一項に記載の複合体の調製のためのプロセスであって、a.ポリプロピレンベース材料(PBM)を提供するステップ、b.接着促進剤(AP)を提供するステップ、c.ステップa)の前記ポリプロピレンベース材料(PBM)を融解し、ステップb)の前記接着促進剤(AP)を融解するステップ、d.連続的なロービングの形の炭素繊維(CF)を提供するステップ、e.ステップc)の前記ポリプロピレンベース材料(PBM)および前記接着促進剤(AP)と、ステップd)の前記炭素繊維(CF)とを組み合わせることによって、炭素繊維(CF)強化ポリプロピレン材料を得るステップ、f.前記炭素繊維(CF)強化ポリプロピレン材料を凝固および切断して、4.0〜17.0mmの範囲の平均粒子長を有する粒子にするステップを含む、プロセス。

請求項11

ステップa)の前記ポリプロピレンベース材料(PBM)の少なくとも一部と、ステップb)の前記接着促進剤(AP)の少なくとも一部または全量とがステップc)において融解配合されて、それらがステップe)において前記炭素繊維(CF)と組み合わされる前に予備化合物を形成する、請求項10に記載のプロセス。

請求項12

ステップe)は、最初にステップd)の前記炭素繊維(CF)をステップc)の前記ポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)および前記接着促進剤(AP)の一部または全部に含浸し、その後こうして含浸された前記炭素繊維(CF)をステップc)の前記ポリプロピレンベース材料の残りの第2の部分(PBM2)および残りの前記接着促進剤(AP)でコートし、したがって炭素繊維(CF)強化ポリプロピレン材料を得ることによって行われる、請求項10または11に記載のプロセス。

請求項13

請求項1〜9のいずれか一項に記載の複合体を含む物品

請求項14

請求項1〜9のいずれか一項に記載の複合体を射出成形ステップに供することによって得ることができる物品。

請求項15

前記物品に含まれる前記炭素繊維(CF)の前記平均繊維長は、前記複合体に含まれる前記炭素繊維(CF)の前記平均繊維長以下である、請求項13または14に記載の物品。

請求項16

少なくとも150MPaのISO527−2に従って測定した引張り強度と、少なくとも8kJ/m2のISO179/1eAに従って測定したシャルピー衝撃強度ノッチ付き)と、少なくとも5.5JのISO6603−2に従って測定したIPTパンクチャーエネルギーとを有する物品の生産のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の複合体の使用。

技術分野

0001

本発明は、優れた衝撃/剛性バランスを有する新たな炭素繊維強化ポリプロピレン複合体ならびにその調製、この複合体を含む物品、およびこの複合体の使用に関する。

背景技術

0002

強化ポリプロピレン複合体は周知であり、軽量と同時に良好な機械的特性に関する高度な要求が満たされるべきである自動車産業において、かなりよく適用されている。これらの複合体においてさまざまな繊維が試されて用いられてきたが、特に炭素繊維強化されたポリプロピレンは低密度と良好な剛性および強度との両方を提供するため、よく選択される材料である。たとえばガラス繊維強化ポリプロピレンなどの代替的材料と比べて、炭素繊維材料が有利な点は主にその優れた強度対重量比である。

0003

しかし、公知の炭素繊維強化複合体の共通の問題点は、たとえば自動車用物品などの最終物品生産するために適用されるたとえば射出成形テップなどの任意の溶融加工の際に、ある程度までの繊維の摩耗を制御できず、回避できないことである。この公知の材料が非常に複雑な構造−特性−加工相関を示し、とりわけ低い衝撃強度を示すことの結果として、それらの適用範囲が制限される。繊維強化ポリプロピレンの衝撃強度を改善するための公知の選択肢は、かなりの量のエラストマーを加えることであるが、それと同時に剛性および強度が低下する。

0004

特許文献1は、ポリプロピレンと、炭素繊維と、カップリング剤としての極性修飾ポリプロピレンとを含む低密度炭素繊維強化ポリマー複合体を開示している。複合体の生産のために、不織布の形の炭素繊維が用いられ、繊維強化ポリマー複合体を生産するために用いられる炭素繊維の長さは1.5〜200mmの範囲である。しかしこの文献は、最終ポリプロピレン複合体における炭素繊維の長さに関してまったく触れていない。開示される材料の強度および衝撃性能は、どちらも不十分である。

0005

特許文献2は、ポリプロピレンと、炭素繊維と、カップリング剤としての極性修飾ポリプロピレンと、付加的にエチレンおよびC4〜C8α−オレフィン由来する単位を含むエラストマーコポリマー(ECP:elastomeric copolymer)とを含むポリプロピレン炭素繊維複合体を開示している。10wt%のエラストマーを含有するポリプロピレン炭素繊維複合体の引張り特性は中程度であり、衝撃強度(ノッチなし)に対する値は開示されていない。ポリプロピレン複合体における炭素繊維の長さも開示されていない。

0006

特許文献3より、ポリプロピレンと、炭素繊維と、カップリング剤としての極性修飾ポリプロピレンと、炭素繊維以外の繊維とを含む繊維強化ポリマー複合体が公知である。この文献は強化ポリマー複合体における炭素繊維の長さを開示しておらず、複合体を生産するために用いた炭素繊維の長さが1.5〜200mmの範囲であることのみを開示している。20.17wt%の炭素繊維および10.2wt%のガラス繊維を含有するプロピレンポリマー複合体の剛性特性は良好であるが、衝撃性能は低い。

0007

特許文献4より、ハイブリッドの長い繊維熱可塑性材料が公知であり、これは熱可塑性ベース材料含浸したハイブリッド集成ロービングを含む。このハイブリッド集成ロービングは、たとえばガラス繊維などの複数の強化繊維と、相溶化剤の存在下で強化繊維と混合された複数の炭素繊維とを含む。繊維とマトリックス樹脂との優れた濡れおよび接着を確実にするために、相溶化剤が必要とされる。最終的な熱可塑性材料は、ガラス繊維および炭素繊維の両方の所望の特性を組み合わせている。しかし、ガラス繊維は炭素繊維よりも高密度であるため、最終的な物品は強化材料として炭素繊維のみを含有する物品よりも重量が重くなる。

0008

したがって、炭素繊維強化ポリプロピレン複合体の技術分野において多くの開発作業が行われたが、優れた剛性および強度を提供すると同時にエネルギー吸収すなわち衝撃強度およびパンクチャーエネルギーの増加を提供する軽量材料が、なおも必要とされている。

0009

本発明の知見は、複合体の粒子長と等しい平均繊維長を有する、長い炭素繊維を含む粒子状の炭素繊維強化ポリプロピレン複合体を用いることである。

先行技術

0010

欧州特許第3095819号
欧州特許第3095818号
欧州特許第3095820号
国際公開第2016057734号

課題を解決するための手段

0011

したがって、本発明はポリプロピレン複合体に向けられたものであり、このポリプロピレン複合体は
a.複合体の総重量に基づいて37.0〜95.0wt%のポリプロピレンベース材料(PBM:polypropylene base material)であって、このポリプロピレンベース材料(PBM)は
i.プロピレンホモポリマー(hPP)および/または
ii.プロピレンコポリマー(cPP)である、ポリプロピレンベース材料(PBM)と、
b.複合体の総重量に基づいて4.5〜50.0wt%の炭素繊維(CF:carbon fibre)と、
c.複合体の総重量に基づいて0.5〜13.0wt%の接着促進剤AP:adhesion promoter)とを含み、
複合体に含まれる炭素繊維(CF)はロービングの形であり、かつ4.0〜17.0mmの範囲の平均繊維長を有し、複合体は粒子の形で存在し、成分a)およびc)は、12.0〜250.0g/10minの範囲のISO 1133に従って測定したメルトフローレート(melt flow rate)MFR2(230℃、2.16kg)を有するポリマーマトリックス(PM:polymer matrix)を形成し、複合体の平均粒子長は炭素繊維(CF)の平均繊維長に対応する。

0012

定義されるポリプロピレン複合体は良好な剛性、強度、ならびに優れた衝撃強度およびパンクチャーエネルギーを提供し、さらに低密度であるため、たとえば自動車の分野などにおける多種多様の適用にこのポリプロピレン複合体を用いることが可能である。

0013

ここで本発明についてより詳細に定義する。

0014

ポリプロピレン複合体
特許請求されるポリプロピレン複合体は、ポリプロピレンベース材料(PBM)と、炭素繊維(CF)と、接着促進剤(AP)とを含まなければならない。本発明によると、プロピレンベース材料(PBM)は、プロピレンホモポリマー(hPP)もしくはプロピレンコポリマー(cPP)であるか、またはポリプロピレンホモポリマー(hPP)およびプロピレンコポリマー(cPP)の両方を含有する。本発明の意味において、「プロピレンコポリマー」という用語はプロピレンランダムコポリマー異相コポリマー、およびそれらの混合物包含する。ポリプロピレンベース材料(PBM)および接着促進剤(AP)はポリマーマトリックス(PM)を形成し、これは連続的なポリマー相であり、その中に炭素繊維(CF)が分散される。

0015

好ましくは本発明のポリプロピレン複合体は、複合体の総重量に基づいて45.0〜90.0wt%のポリプロピレンベース材料(PBM)と、複合体の総重量に基づいて9.5〜45wt%の炭素繊維(CF)と、複合体の総重量に基づいて0.5〜10.0wt%の接着促進剤(AP)とを含んでいる。

0016

ポリプロピレンベース材料(PBM)内に、プロピレンホモポリマー(hPP)およびプロピレンコポリマー(cPP)の両方が存在することが可能である。

0017

プロピレンベース材料(PBM)がプロピレンホモポリマー(hPP)のみを含み、プロピレンコポリマー(cPP)を含んでいない実施形態が好ましい。

0018

同等に好ましい実施形態においては、プロピレンホモポリマー(hPP)がポリプロピレンベース材料(PBM)の唯一ポリマーであり、プロピレンホモポリマー(hPP)は少なくとも150℃、好ましくは160℃から170℃の範囲のISO 11357−3に従って測定した融解温度、および/またはプロピレンホモポリマー(hPP)の総重量に基づいて4.0wt%以下、好ましくは0.1〜4.0wt%の範囲の低温キシレン可溶性成分(XCS:xylene cold soluble)含有量を有し、成分a)およびc)で形成されるポリマーマトリックス(PM)は12.0〜250.0g/10minの範囲、好ましくは12.0〜200.0g/10minの範囲、さらにより好ましくは14.0〜150g/10minの範囲のメルトフローレートMFR2(230℃、2.16kg)を有する。

0019

異相プロピレンコポリマーHECO)がプロピレンベース材料(PBM)の唯一のポリマーであり、異相プロピレンコポリマー(HECO)は異相プロピレンコポリマー(HECO)の総重量に基づいて5.0wt%超、好ましくは15.0〜50.0wt%の範囲の低温キシレン可溶性成分(XCS)含有量、および/または異相プロピレンコポリマー(HECO)の総重量に基づいて30.0mol%以下のコモノマー含有量を有し、成分a)およびc)で形成されるポリマーマトリックス(PM)は12.0〜250.0g/10minの範囲、好ましくは12.0〜200g/10minの範囲、さらにより好ましくは14.0〜150g/10minの範囲のメルトフローレートMFR2(230℃、2.16kg)を有する実施形態も有利である。

0020

同様に好ましい実施形態においては、プロピレンホモポリマー(hPP)および異相プロピレンコポリマー(HECO)の両方がポリプロピレンベース材料(PBM)に含まれており、プロピレンホモポリマー(hPP)および異相プロピレンコポリマー(HECO)はそれぞれ、融解温度および/または低温キシレン可溶性成分(XCS)含有量ならびにMFR2(230℃、2.16kg)値か、低温キシレン可溶性成分(XCS)含有量および/またはコモノマー含有量ならびにMFR2(230℃、2.16kg)値に関する上記の特徴を満たす。

0021

特に好ましい実施形態において、ポリプロピレンベース材料(PBM)におけるプロピレンホモポリマー(hPP)と異相プロピレンコポリマー(HECO)との重量比は1:5〜1:25の範囲、さらにより好ましくは1:7〜1:20の範囲である。

0022

さらに別の実施形態において、ポリプロピレンベース材料(PBM)はプロピレンホモポリマー(hPP)であり、複合体の総重量に基づく炭素繊維(CF)の含有量は4.5〜25.0wt%の範囲、好ましくは10〜20wt%の範囲である。

0023

本発明によるポリプロピレン複合体に対しては、ポリプロピレンベース材料(PBM)および接着促進剤(AP)が複合体中の唯一のポリマー化合物であることが好ましい。特に、本発明のポリプロピレン複合体は、たとえばポリプロピレンベース材料(PBM)に最終的に存在するもの以外のエチレンおよびC4〜C8α−オレフィンに由来する単位を含むエラストマーコポリマー(ECP)などのエラストマーを含まない。

0024

好ましくは、炭素繊維(CF)は、本発明のポリプロピレン複合体に含まれる唯一の繊維である。ポリプロピレン複合体は、ガラス繊維、金属繊維鉱物繊維セラミック繊維、およびそれらの混合物を含む群より選択される繊維を含まないことが特に好ましい。

0025

ポリプロピレン複合体は、ポリプロピレンベース材料(PBM)、炭素繊維(CF)、および接着促進剤(AP)に加えてさらに、典型的な添加剤および/または色および/またはアルファ核形成剤を含有してもよい。添加剤および/または色および/またはアルファ核形成剤は、たとえばポリプロピレン複合体の総重量に基づいて最大20wt%などの、当該技術分野における通常量にて用いられ得る。成分(a)ポリプロピレンベース材料(PBM)、(b)炭素繊維(CF)、(c)接着促進剤(AP)、ならびに添加剤および/または色および/またはアルファ核形成剤の全体の合計は100.0wt%であることが理解される。

0026

上記に説明したとおり、本発明によるポリプロピレン複合体に含有されるポリプロピレンベース材料(PBM)および接着促進剤(AP)はポリマーマトリックス(PM)を形成し、これは連続的なポリマー相であって、その中に炭素繊維(CF)が分散される。複合体中の炭素繊維(CF)はロービングの形であるため、(ロービングに含有される)個々の繊維は通常、複合体粒子内で平行に配置され、好ましくはすべての繊維は同じ長さである。

0027

複合体粒子は好ましくは伸長した粒子であり、これは長手方向における粒子の寸法が横方向における粒子の寸法よりも大きいことを意味する。通常、粒子は円筒形の形状である。しかし、粒子の円筒形状または長手形状以外の任意の形状も可能である。

0028

炭素繊維(CF)はロービングの形で存在するため、個々の繊維は互いに平行である。粒子がたとえば円筒形状などの長手形状である場合、当然のことながら繊維はたとえば複合体粒子の円筒の表面などの長手軸に対して平行であり、断面図において複合体は2層構造を有することが好ましく、これはたとえば炭素繊維(CF)ロービングが内側コアを形成し、それがポリプロピレンベース材料(PBM)の少なくとも一部を含む外側層によって覆われているコアシース構造などである。上述のポリマーマトリックス(PM)は、ポリプロピレンベース材料(PBM)と接着促進剤(AP)とを含む連続的なポリマー相である。よってポリマーマトリックス(PM)は、内側の炭素繊維(CF)含有コアのロービングを形成する個々の繊維の間と、炭素繊維(CF)含有コアの周り外側シースとの両方に存在してもよい。ポリマーマトリックス(PM)内の接着促進剤(AP)の濃度は、ポリプロピレン複合体粒子の直径によって変動してもよい。

0029

こうしたコアシース構造は、たとえば引き抜き成形プロセスなどによって得られ、ここではエンドレスの炭素繊維(CF)ロービングがポリプロピレンベース材料(PBM)および接着促進剤(AP)と組み合わされ、こうして得られたポリプロピレン複合体のストランドが複合体粒子を受取るために特定の長さに切断される。本発明のポリプロピレン複合体を生産するためのプロセスを、以下により詳細に説明することとする。

0030

本発明によると、ポリプロピレン複合体に含まれる炭素繊維(CF)は4.0〜17.0mmの範囲の平均繊維長を有し、複合体の平均粒子長は炭素繊維(CF)の平均繊維長に対応する。したがって、複合体の平均粒子長は上に定義したものと同じ範囲内にある。公知の炭素繊維充填ポリプロピレン材料における短い炭素繊維(CF)では繊維が通常最大30μmの範囲の長さを有するのと対照的に、本発明の炭素繊維(CF)は長い炭素繊維(CF)である。

0031

複合体中の炭素繊維(CF)長が本発明において定義される範囲内にあるとき、ポリプロピレン複合体を予め定められた条件下で射出成形ステップに供することによって得られる物品の、たとえば特に衝撃強度などの機械的特性が改善されることが見出された。

0032

以下の実施例のセクションに示されることとなるとおり、特に短い炭素繊維の充填材料と比べて、この繊維強化ポリプロピレン複合体は低密度におけるたとえば増加した剛性および強度および衝撃挙動などの異例の機械的特性を有する物品の生産を可能にする。

0033

ポリプロピレンベース材料(PBM)
本発明によると、ポリプロピレン複合体は、プロピレンホモポリマー(hPP)またはプロピレンコポリマー(cPP)であるポリプロピレンベース材料(PBM)を含有しなければならない。ポリプロピレンベース材料(PBM)内に、プロピレンホモポリマー(hPP)およびプロピレンコポリマー(cPP)の両方が存在することも可能である。本発明の意味において、「プロピレンコポリマー」という用語はプロピレンランダムコポリマー、異相コポリマー、およびそれらの混合物を包含する。

0034

好ましくは、ポリプロピレンベース材料(PBM)は、12.0〜250g/10minの範囲、好ましくは14.0〜150g/10minの範囲の、ISO 1133に従って測定したメルトフローレートMFR2(230℃、2.16kg)を有する。

0035

さらに、ポリプロピレンベース材料(PBM)内に、ただ1つのタイプのプロピレンホモポリマー(hPP)および/またはプロピレンコポリマー(cPP)が存在することも、異なるタイプのプロピレンホモポリマー(hPP)および/またはプロピレンコポリマー(cPP)が存在することも可能である。つまり、ベース材料は、2つ以上の成分(i)および/または2つ以上の成分(ii)を含んでもよい。異なるタイプのプロピレンホモポリマー(hPP)および/またはプロピレンコポリマー(cPP)が存在するような場合、ポリプロピレンベース材料(PBM)のwt%での量は、すべてのタイプのプロピレンホモポリマー(hPP)および/またはプロピレンコポリマー(cPP)の総量を示す。

0036

一実施形態において、プロピレンホモポリマー(hPP)は、少なくとも150℃、好ましくは160℃から170℃の範囲のISO 11357−3に従って測定した融解温度、および/またはプロピレンホモポリマー(hPP)の総重量に基づいて4.0wt%以下、好ましくは0.1〜4.0wt%の範囲の低温キシレン可溶性成分(XCS)含有量を有し、成分a)およびc)で形成されるポリマーマトリックス(PM)は、12.0〜250g/10minの範囲、好ましくは14.0〜150g/10minの範囲のメルトフローレートMFR2(230℃、2.16kg)を有する。2つ以上のタイプのプロピレンホモポリマー(hPP)が存在する場合は、異なるタイプのすべてが上記の特徴を満たすと同時に、それらの特徴の少なくとも1つに関してはホモポリマー(hPP)の他のタイプと異なっている。

0037

別の実施形態において、プロピレンコポリマー(cPP)は異相プロピレンコポリマー(HECO)であり、この異相プロピレンコポリマー(HECO)は異相プロピレンコポリマー(HECO)の総重量に基づいて5.0wt%超、好ましくは15.0〜50.0wt%の範囲の低温キシレン可溶性成分(XCS)含有量、および/または異相プロピレンコポリマー(HECO)の総重量に基づいて30.0mol%以下のコモノマー含有量を有し、成分a)およびc)で形成されるポリマーマトリックス(PM)は、12.0〜250g/10minの範囲、好ましくは14.0〜150g/10minの範囲のメルトフローレートMFR2(230℃、2.16kg)を有する。2つ以上のタイプの異相プロピレンコポリマー(HECO)が存在する場合は、異なるタイプのすべてが上記の特徴を満たすと同時に、それらの特徴の少なくとも1つに関しては異相プロピレンコポリマー(HECO)の他のタイプと異なっている。

0038

本発明の意味におけるプロピレンホモポリマー(hPP)という表現は、実質的に、すなわち99.5wt%より多く、さらにより好ましくは少なくとも99.7wt%、たとえば少なくとも99.8wt%などのプロピレン単位からなるポリプロピレンに関する。好ましい実施形態においては、プロピレンホモポリマー(hPP)においてプロピレン単位のみが検出可能である。

0039

本発明の意味内で、プロピレンホモポリマー、hPP、およびPP Homo(実施例のセクションで用いられる)という用語は同じものを示し、すなわち互いに交換可能である。

0040

プロピレンホモポリマー(hPP)は、好ましくは少量の、すなわち4.0wt%以下、好ましくは0.1〜4.0wt%の範囲、より好ましくは0.1〜3.0wt%の範囲、最も好ましくは0.1〜2.5wt%の範囲の低温キシレン可溶性成分(XCS)を特徴とする。

0041

プロピレンホモポリマー(hPP)は当該技術の水準であり、商業的に入手可能である。

0042

付加的または代替的に、ポリプロピレンベース材料(PBM)はプロピレンコポリマー(cPP)を含んでもよい。「プロピレンコポリマー(cPP)」という用語は、ランダムプロピレンコポリマーおよびたとえば異相系などの複雑な構造を包含する。

0043

「ランダムプロピレンコポリマー」という用語は、プロピレンモノマー単位およびコモノマー単位コポリマーを示し、コモノマー単位はポリマー鎖内にランダムに分散されている。よって以下に詳細に説明されるとおり、ランダムコポリマーは、マトリックス相とその中に分散されるエラストマー相とを含む異相コポリマーとは異なる。したがって、ランダムプロピレンコポリマーは、中に分散されるエラストマーポリマー相を含有せず、すなわち単相であり、ただ1つのガラス遷移温度を有する。しかし、ランダムプロピレンコポリマーは、異相プロピレンコポリマー(HECO)のマトリックス相であり得る。第2の相またはいわゆる包接の存在は、たとえば電子顕微鏡法もしくは原子間力顕微鏡法などの高解像度顕微鏡法などによって、または動的機械熱分析DMTA:dynamic mechanical thermal analysis)によって可視になる。具体的にDMTAにおいて、多相構造の存在は、少なくとも2つの明確なガラス遷移温度の存在によって識別され得る。

0044

よって、ランダムプロピレンコポリマーは、好ましくは以下のものに由来する単位を含み、好ましくはそれらの単位からなる。
(i)プロピレン、ならびに
(ii)エチレンおよび/または少なくとも1つのC4〜C20α−オレフィン、好ましくはエチレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン、および1−オクテンからなる群より選択される少なくとも1つのα−オレフィン、より好ましくはエチレンおよび/または1−ブテン、さらにより好ましくはエチレン。

0045

加えて、ランダムプロピレンコポリマーは少なくとも130℃、好ましくは130〜160℃の範囲、より好ましくは135〜158℃の範囲、たとえば140〜155℃の範囲などの融解温度Tmを有することが認識される。

0046

業者に公知であるとおり、ランダムプロピレンコポリマーは異相プロピレンコポリマー(HECO)とは異なり、異相プロピレンコポリマー(HECO)はプロピレンホモまたはランダムコポリマーマトリックス成分と、エチレンおよびC4〜C8アルファオレフィンコポリマーの1つまたはそれ以上とプロピレンとのエラストマーコポリマー成分とを含むプロピレンコポリマーであり、エラストマー(アモルファスコポリマー成分は前記プロピレンホモまたはランダムコポリマーマトリックスポリマーの中に分散されている。

0047

「異相」という表現は、エラストマーコポリマーが好ましくは少なくとも異相プロピレンコポリマーのポリプロピレンマトリックス中に(微細に)分散されることを示す。言い換えると、エラストマーコポリマーはポリプロピレンマトリックス内に包接を形成する。よってポリプロピレンマトリックスは、マトリックスの一部ではない(微細に)分散された包接を含有し、前記包接はエラストマーコポリマーを含有する。この発明による「包接」という用語は、好ましくはマトリックスと包接とが異相プロピレンコポリマー内の異なる相を形成することを示し、前記包接はたとえば電子顕微鏡法または走査型力顕微鏡法などの高解像度顕微鏡法などによって可視になる。

0048

本発明の意味内で、異相プロピレンコポリマー、HECO、およびPP Heco(実施例のセクションで用いられる)という用語は同じものを示し、すなわち互いに交換可能である。

0049

さらに、異相プロピレンコポリマー(HECO)は好ましくは、ポリマー成分としてポリプロピレンマトリックスおよびエラストマーコポリマーのみを含む。言い換えると、異相プロピレンコポリマー(HECO)はさらなる添加剤を含んでもよいが、合計異相プロピレンコポリマー(HECO)に基づいて5wt%を超える量、より好ましくは3wt%を超える量、たとえば1wt%を超える量などの他のポリマーは含まない。こうした少量が存在し得る付加的なポリマーの1つは、異相プロピレンコポリマー(HECO)の調製によって得られる反応生成物であるポリエチレンである。

0050

エラストマーコポリマーは、好ましくはエラストマープロピレンコポリマーである。ポリプロピレンマトリックスは、プロピレンホモポリマー(hPP)またはランダムプロピレンコポリマーであり得る。しかし、プロピレンマトリックスはプロピレンホモポリマーであることが好ましい。

0051

プロピレンホモポリマーであるポリプロピレンマトリックスはかなり低い低温キシレン可溶性成分(XCS)含有量を有し、すなわちそれはポリプロピレンマトリックスの総重量に基づいて3.5wt%以下、好ましくは3.0wt%以下、たとえば2.6wt%以下などである。よって、好ましい範囲は、プロピレンホモポリマー(hPP)の総重量に基づいて0.5〜3.0wt%である。

0052

異相プロピレンコポリマー(HECO)の第2の成分は、エラストマーコポリマーである。上述したとおり、エラストマーコポリマーは、好ましくはエラストマープロピレンコポリマーである。

0053

好ましくは、エラストマープロピレンコポリマーは、(i)プロピレンと(ii)エチレンおよび/またはC4〜C20α−オレフィンとに由来する単位を含み、好ましくは(i)プロピレンと(ii)エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンからなる群より選択されるものとに由来する単位を含む。好ましくは、エラストマープロピレンコポリマー中のプロピレン含有量は、少なくとも40wt%、より好ましくは少なくとも45wt%である。よって、1つの好ましい実施形態において、エラストマープロピレンコポリマーは、40.0〜85.0wt%、より好ましくは45.0〜80wt%のプロピレンに由来し得る単位を含む。エラストマープロピレンコポリマーに存在するコモノマーは、好ましくはエチレンおよび/またはC4〜C20α−オレフィン、たとえばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンなどである。1つの特定の実施形態において、エラストマープロピレンコポリマーは、プロピレン−エチレンポリマーである。本発明の一実施形態において、エラストマープロピレンコポリマーは、この段落に与えられた量を有するエチレンプロピレンゴムEPR:ethylene propylene rubber)である。

0054

異相プロピレンコポリマー(HECO)は、ポリプロピレンマトリックスとしてのプロピレンホモポリマー(hPP)と、エラストマープロピレンコポリマーとしてのエチレンプロピレンゴム(EPR)とを含むことが特に好ましい。

0055

異相プロピレンコポリマー(HECO)中のエラストマープロピレンコポリマーを含有する分散相占有率は、異相プロピレンコポリマー(HECO)の低温キシレン可溶性成分(XCS)含有量としても示される。言い換えると、「分散相」、「異相プロピレンコポリマー(HECO)の低温キシレン可溶性成分(XCS)含有量」、「エラストマープロピレンコポリマー」、および「エチレンプロピレンゴム(EPR)」という用語は同じものを示し、すなわち互いに交換可能である。

0056

好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO)の低温キシレン可溶性成分含有量(XCS)は、5.0wt%超、より好ましくは15〜50wt%の範囲、さらにより好ましくは20〜40wt%の範囲、たとえば25〜35wt%の範囲などである。

0057

異相プロピレンコポリマー(HECO)の低温キシレン可溶性成分(XCS)フラクション固有粘度(IV:intrinsic viscosity)は、好ましくは中程度である。したがって、異相プロピレンコポリマー(HECO)の低温キシレン可溶性成分(XCS)フラクションの固有粘度は3.3dl/g未満、より好ましくは3.1dl/g未満、最も好ましくは3.0dl/g未満であることが認識される。さらにより好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO)の低温キシレン可溶性成分(XCS)フラクションの固有粘度は、1.5〜3.3dl/gの範囲、より好ましくは2.0〜3.1dl/gの範囲、さらにより好ましくは2.2〜3.0dl/gの範囲である。

0058

ポリプロピレンベース材料(PBM)は、ポリプロピレン複合体の総重量に基づいてたとえば最大20.0wt%などの量の核形成剤、より好ましくはアルファ核形成剤を含んでもよい。

0059

炭素繊維(CF)
本発明によるポリプロピレン複合体の必須成分の1つは炭素繊維(CF)である。当然のことながら、炭素繊維(CF)は本発明の複合体に衝撃強度の改善を与える。

0060

本発明における炭素繊維(CF)はロービングの形で存在し、4.0〜17.0mmの範囲の平均繊維長を有し、複合体の平均粒子長は炭素繊維(CF)の平均繊維長に対応する。

0061

当該技術分野において一般的に公知であるとおり、ロービングとは繊維の束である。ロービングは通常エンドレスの形で入手可能であるため、本ポリプロピレン複合体を生産するためにそれらを適用する。複合体は断面図において2層のコア−シース構造を有し、炭素繊維(CF)ロービングは内側コアに含まれており、この内側コアはポリプロピレンベース材料(PBM)の外側層に囲まれている。本複合体生産プロセスの最後に、得られたポリプロピレン複合体のストランドは特定の長さに切断され、内側の炭素繊維コアも同様に切断される。このやり方で、粒子と同じ長さの炭素繊維(CF)を含有するこうした複合体粒子が得られる。

0062

本発明の好ましい実施形態において、炭素繊維(CF)の平均繊維長は7.0〜16.0mmの範囲であり、よって平均粒子長も同じである。さらにより好ましい実施形態において、炭素繊維(CF)の平均繊維長(および平均粒子長)は10.0〜15.0mmの範囲である。

0063

好ましい実施形態において、炭素繊維(CF)の繊維の平均直径は5〜30μmの範囲である。より好ましくは、炭素繊維(CF)は5〜25μmの範囲、最も好ましくは5〜20μmの範囲の繊維の平均直径を有する。

0064

本発明において用いられる炭素繊維(CF)ロービングは、自身の濡れおよびポリプロピレンベース材料(PBM)との結合を改善するためのサイジング剤を含んでもよい。好ましくは、炭素繊維(CF)は、繊維の表面にサイジング剤を含む。

0065

1つの特に好ましい実施形態において、炭素繊維(CF)は、サイジング剤としてエポキシ樹脂を、より好ましくはポリエーテル修飾エポキシ樹脂を含む。好適なサイジング剤は、たとえばサイテック(Cytec)によって流通されるDuroxy SEF 968wなどである。サイジング剤にはフィルム形成剤潤滑剤、安定剤、および静電防止剤も含まれてもよい。

0066

通常、こうしたサイジング剤の量は、炭素繊維(CF)の総重量に基づいて15wt%以下、より好ましくは10wt%以下、最も好ましくは7.5wt%以下である。サイジング剤による炭素繊維(CF)の表面処理は公知の方法によって行うことができ、それはたとえばサイジング剤が入れられたタンクに繊維を浸漬し、挟み、次いで熱風オーブン内で、または高温ローラもしくは高温プレートによって乾燥することなどである。一実施形態において、サイジング剤を適用する前に、炭素繊維(CF)は酸化および/または炭化によって、好ましくは酸化および炭化によって処理される。

0067

接着促進剤(AP)
本発明によるポリプロピレン複合体の必須成分の1つは、接着促進剤(AP)である。接着促進剤は、ポリプロピレンベース材料(PBM)と炭素繊維(CF)との適合性を改善する。

0068

好ましい実施形態において、本発明のポリプロピレン複合体は、複合体の総重量に基づいて1.0〜8.0wt%、好ましくは2.5〜6.7wt%の接着促進剤(AP)を含む。

0069

接着促進剤(AP)は、好ましくは修飾(官能化)ポリマーと、任意には反応性極性基を有する低分子量化合物とを含む。修飾アルファオレフィンポリマー、特にプロピレンホモポリマーおよびランダムプロピレンコポリマー、たとえばエチレンおよびプロピレンの互いとのコポリマーまたは他のC4〜C12アルファオレフィンとのコポリマーなどは、本複合体のポリマーとの適合性が高いので最も好ましい。修飾ポリエチレンおよび修飾スチレンブロックコポリマー、たとえば修飾ポリスチレン−bブタジエン−b−スチレン)(SBS:poly(styrene−bbutadiene−b−styrene))またはポリ(スチレン−b−(エチレン−コブレン)−b−スチレン)(SEBS:poly(styrene−b−(ethylene−cobutylene)−b−styrene))なども用いられ得る。修飾ポリマーは、好ましくはグラフトまたはブロックコポリマーより選択される。

0070

好ましいのは、極性化合物、特に酸無水物カルボン酸カルボン酸誘導体一級および二級アミンヒドロキシル化合物オキサゾリン、およびエポキシド、ならびにイオン化合物からなる群より選択される極性化合物に由来する基を含有する修飾ポリマーである。

0071

好ましい実施形態において、接着促進剤(AP)は極性化合物に由来する基を含有するポリプロピレンの群より選択され、それらの基は酸無水物、カルボン酸、カルボン酸誘導体、一級および二級アミン、ヒドロキシル化合物、オキサゾリン、およびエポキシドより選択される。前記極性基の具体例は、不飽和環無水物ならびにそれらの脂肪族ジエステルおよび二酸誘導体である。

0072

特に、無水マレイン酸(MAH:maleic anhydride)、ならびにC1〜C10直鎖および分岐鎖マレイン酸ジアルキル、C1〜C10直鎖および分岐鎖フマル酸ジアルキル無水イタコン酸、C1〜C10直鎖および分岐鎖イタコン酸ジアルキルエステルマレイン酸フマル酸イタコン酸、ならびにそれらの混合物より選択される化合物を使用できる。

0073

特定の実施例において、接着促進剤(AP)は極性化合物に由来する基を含有するポリプロピレンであり、ポリプロピレン複合体中に複合体の総重量に基づいて0.014〜0.18wt%の範囲、好ましくは0.03〜0.17wt%の範囲、より好ましくは0.05〜0.15wt%の範囲、たとえば0.07〜0.1wt%の範囲などの極性化合物に由来する基の含有量が得られるような量で、ポリプロピレン複合体中に含まれる。

0074

特に好ましいポリプロピレン複合体において、接着促進剤(AP)は無水マレイン酸(MAH)官能化ポリプロピレンであり、無水マレイン酸(MAH)の含有量は2wt%以上である。

0075

接着促進剤(AP)が極性修飾プロピレンホモポリマーであることが特に好ましい。別の実施形態において、接着促進剤(AP)は、上記に定義されたとおりの極性基を含有する修飾(ランダム)プロピレンコポリマーである。一実施形態において、極性修飾ポリプロピレンは修飾ランダムプロピレンコポリマーであり、前記ランダムプロピレンコポリマーは唯一のコモノマー単位としてエチレンを含む。1つの特定の実施形態において、接着促進剤(AP)は無水マレイン酸(MAH)とグラフトされた(ランダム)プロピレンコポリマーである。

0076

接着促進剤(AP)に対するISO 1133に従って測定したメルトフローレートMFR2(190℃;2.1kg)の好ましい値は1.0〜500.0g/10minの範囲、たとえば1.0〜150.0g/10minの範囲などである。たとえば、接着促進剤(AP)に対するISO 1133に従って測定したメルトフローレートMFR2(190℃;2.1kg)は、10.0〜100.0g/10minである。

0077

接着促進剤(AP)は当該技術分野において公知であり、商業的に入手可能である。

0078

添加剤、色、および核形成剤
上述したとおり、ポリプロピレン複合体は、ポリプロピレンベース材料(PBM)、炭素繊維(CF)、および接着促進剤(AP)に加えてさらに、典型的な添加剤および/または色および/またはアルファ核形成剤を含有してもよい。可能な添加剤は、たとえば自動車分野などにおいて有用なものであり、たとえばカーボンブラック、その他の色素抗酸化剤、UV安定剤、静電防止剤、およびスリップ剤などである。添加剤および/または色および/またはアルファ核形成剤は、たとえばポリプロピレン複合体の総重量に基づいて最大20wt%などの、当該技術分野における通常量にて用いられ得る。当然のことながら、成分(a)ポリプロピレンベース材料(PBM)、(b)炭素繊維(CF)、(c)接着促進剤(AP)、ならびに添加剤および/または色および/またはアルファ核形成剤の全体の合計は100.0wt%である。

0079

核形成剤は、好ましくはポリプロピレンベース材料(PBM)の一部である。好ましい実施形態において、核形成剤は、アルファ核形成剤、たとえばポリマーアルファ核形成剤などである。ポリプロピレン複合体の総重量に基づく(アルファ)核形成剤の含有量は、たとえば最大20.0wt%など、好ましくは最大5.0wt%である。可能なアルファ核形成剤は、当該技術分野において公知である。

0080

プロセス
本発明は、本発明のポリプロピレン複合体の調製のためのプロセスにも向けられている。

0081

本発明のポリプロピレン複合体の上述のコアシース構造は、エンドレスの炭素繊維(CF)ロービングを溶融ポリプロピレンベース材料(PBM)および溶融接着促進剤(AP)に連続的な方式で接触させることによって得られる。こうして得られたポリプロピレン複合体のストランドを凝固させて、本発明によるポリプロピレン複合体の粒子を受取るために特定の長さに切断する。

0082

したがって、本発明の複合体は、以下のステップを含むプロセスによって調製される。
a)ポリプロピレンベース材料(PBM)を提供するステップ、
b)接着促進剤(AP)を提供するステップ、
c)ステップa)のポリプロピレンベース材料(PBM)を融解し、ステップb)の接着促進剤(AP)を融解するステップ、
d)エンドレスロービングの形の炭素繊維(CF)を提供するステップ、
e)ステップc)のポリプロピレンベース材料(PBM)および接着促進剤(AP)と、ステップd)の炭素繊維(CF)とを組み合わせて、炭素繊維(CF)強化ポリプロピレン材料を得るステップ、
f)炭素繊維(CF)強化ポリプロピレン材料を凝固および切断して、4.0〜17.0mmの範囲の平均粒子長を有する粒子にするステップ。

0083

好ましい実施形態において、ステップa)のポリプロピレンベース材料(PBM)の少なくとも一部と、ステップb)の接着促進剤(AP)の少なくとも一部または全量とが、ステップc)において融解配合されて、それらがステップe)において炭素繊維(CF)と組み合わされる前に予備化合物を形成する。

0084

ステップe)すなわちポリプロピレンベース材料(PBM)および接着促進剤(AP)と炭素繊維(CF)とを接触させるステップを、引き抜き成形プロセスにおける次の2つの別個のステップで行うことが有利である。最初に、炭素繊維(CF)を、ポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)および接着促進剤(AP)の一部または全量に含浸する。その後、こうして含浸された炭素繊維(CF)を、ポリプロピレンベース材料の残りの第2の部分(PBM2)および残りの接着促進剤(AP)でコートする。得られた炭素繊維(CF)強化ポリプロピレン材料を、次いでステップf)に従ってさらに加工する。よって、ポリプロピレン複合体の内側の炭素繊維(CF)含有コアのみが接着促進剤(AP)を含有することもできるし、ポリプロピレン複合体の内側の炭素繊維(CF)含有コアと外側シースとの両方が接着促進剤(AP)を含有することが可能である。

0085

特に、たとえば欧州特許第1364760号に記載されるものなどの、複合体の技術分野において周知の一般的に使用される任意の引き抜き成形プロセスが、本発明によるプロセスのステップe)に対して用いられ得る。たとえば、140〜210℃の温度プロファイルを有する引き抜き成形プロセスが好適である。プロセスステップe)における引き抜き成形は、得られる炭素繊維(CF)強化ポリプロピレン材料内の繊維が通常平行に配置されるという利点を有する。好ましくは、ステップf)における凝固および切断の後に得られる、得られた粒子内のすべての繊維が、同じ長さである。ポリプロピレン複合体の平均粒子長は、平均繊維長に対応する。

0086

プロセスステップf)において得られる粒子の平均粒子長は、4.0〜17.0mmの範囲である。好ましい実施形態において、平均粒子長は7.0〜16.0mmの範囲であり、さらにより好ましい実施形態においては10.0〜15.0mmの範囲である。したがって、本発明によるプロセスによって得られる粒子内の炭素繊維(CF)の平均繊維長は、4.0〜17.0mmの範囲、好ましくは7.0〜16.0mmであり、さらにより好ましくは10.0〜15.00mmの範囲である。

0087

異例の良好な衝撃強度を有する複合体を得るために、ステップd)の炭素繊維(CF)は、たとえばエンドレスロービングの形状などの連続的な形で提供されることが必要とされる。エンドレスロービングの形の炭素繊維(CF)を提供することは、ステップf)における凝固および切断の後に得られる粒子が断面図において2層構造を、好ましくはコアシース構造を有し、内側層はポリプロピレンベース材料(PBM)に含浸された炭素繊維(CF)を含むという利点を有することが認識される。

0088

したがって好ましい実施形態において、ステップe)は、最初にステップd)の炭素繊維(CF)をステップc)のポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)および接着促進剤(AP)の一部または全部に含浸するステップと、その後こうして含浸した炭素繊維(CF)をステップc)のポリプロピレンベース材料の残りの第2の部分(PBM2)および残りの接着促進剤(AP)でコートして炭素繊維(CF)強化ポリプロピレン材料を得るステップとによって行われる。

0089

炭素繊維(CF)の含浸は、ポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)および接着促進剤(AP)の全量の、たとえば両方の成分の混合物の形のものなどによって行われることが好ましい。

0090

よって、特に好ましい実施形態において、炭素繊維(CF)の含浸は、前述したとおりのポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)と接着促進剤(AP)の少なくとも一部または全量とを融解配合することによって得られる予備化合物によって行われる。

0091

含浸ステップに対するポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)と接着促進剤(AP)との重量比は、任意の所望の範囲であってもよく、たとえば10:1〜1:1の範囲または5:1〜1:1の範囲などであってもよく、1:1の重量比が好ましい。

0092

含浸された炭素繊維(CF)のコーティングステップのために、ポリプロピレンベース材料の残りの第2の部分(PBM2)および接着促進剤(AP)(含浸のために接着促進剤の一部のみが用いられた場合)が用いられる。

0093

炭素繊維(CF)を含浸するために用いられるポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)と、含浸された炭素繊維(CF)をコートするために用いられるポリプロピレンベース材料の第2の部分(PBM2)との重量比は、1:1〜1:30の範囲、好ましくは1:3〜1:25の範囲、最も好ましくは1:8〜1:20の範囲であり得る。

0094

好ましい実施形態において、炭素繊維(CF)を含浸するために用いられるポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)は、ポリプロピレンホモポリマー(hPP)を含む。

0095

特に好ましい実施形態においては、たとえば重量比1:1を有するポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)と接着促進剤(AP)との予備化合物などの混合物が炭素繊維(CF)の含浸のために用いられ、含浸に用いられるポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)はプロピレンホモポリマー(hPP)のみを含み、炭素繊維(CF)を含浸するために用いられるポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)と、含浸された炭素繊維(CF)をコートするために用いられるポリプロピレンベース材料の第2の部分(PBM2)との重量比は、1:8〜1:20の範囲である。

0096

炭素繊維(CF)を含浸するために用いられるポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)は、含浸された炭素繊維(CF)をコートするために用いられるポリプロピレンベース材料の第2の部分(PBM2)と同じポリプロピレンホモポリマー(hPP)および/または同じポリプロピレンコポリマー(cPP)を含むことが可能であり、よって炭素繊維(CF)の含浸およびコーティングの両方に同じ種類のポリプロピレンベース材料(PBM)を用いることが可能である。この場合、本発明のポリプロピレン複合体のポリプロピレンベース材料(PBM)は、複合体の観点から引き抜き成形プロセスに用いられるポリプロピレンベース材料の第1および第2の部分(PBM1、PBM2)に対応する。

0097

しかし、炭素繊維(CF)を含浸するためのポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)および含浸された炭素繊維(CF)をコートするためのポリプロピレンベース材料の第2の部分(PBM2)として、異なる種類のポリプロピレンベース材料(PBM)が用いられることも可能である。たとえば、ポリプロピレンベース材料の第1および第2の部分(PBM1およびPBM2)は、プロピレンホモポリマー(hPP)および/もしくはプロピレンコポリマー(cPP)を含むことに関して、または異なるタイプのプロピレンホモポリマー(hPP)および/もしくはプロピレンコポリマー(cPP)を含むことに関して異なっていてもよい。この場合、複合体の観点からの本発明の複合体のポリプロピレンベース材料(PBM)は、引き抜き成形プロセスにおいて用いられるポリプロピレンベース材料の第1および第2の部分(PBM1、PBM2)の両方で構成される。

0098

好ましい実施形態においては、プロピレンホモポリマー(hPP)のみを含む同じ種類のポリプロピレンベース材料(PBM)が、炭素繊維(CF)の含浸(PBM1)および含浸された炭素繊維(CF)のコーティング(PBM2)の両方のために用いられる。

0099

同様に好ましい実施形態においては、ポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)として、炭素繊維(CF)の含浸のためにホモポリマー(hPP)のみを含むポリプロピレンベース材料が用いられ、ポリプロピレンベース材料の第2の部分(PBM2)として、含浸された炭素繊維(CF)のコーティングのために異相プロピレンコポリマー(HECO)のみを含むポリプロピレンベース材料が用いられる。

0100

物品/使用
本発明は、本発明によるポリプロピレン複合体を含む物品にも向けられている。

0101

本発明のポリプロピレン複合体は、好ましくは成形物品、好ましくは射出成形物品の生産のために用いられる。物品を生産するための好ましいやり方の1つは、本発明によるプロセスのステップf)で得られた粒子を、その後の射出成形ステップに供することである。

0102

したがって、本発明によるポリプロピレン複合体を射出成形ステップに供することによって得ることができる物品が好ましい。

0103

射出成形ステップは、たとえば射出成形機などにおいて、当該技術分野において周知の一般的に用いられる任意の射出成形法によって行われ得る。本発明のポリプロピレン複合体をたとえば射出成形ステップなどの成形ステップに供するとき、ある程度の繊維摩耗および繊維破損を避けることはできない。広範囲の(望ましくない)繊維摩耗および繊維破損の危険を冒さないために、射出成形ステップのパラメータおよび条件を注意深く選択すべきであり、これは射出成形ステップをできる限り穏やかなやり方で行うべきであることを意味する。たとえば、射出成形ステップは、170〜250℃、好ましくは190〜230℃の温度にて行われる。さらに、注入の際の背圧できる限り低くするべきであり、射出速度は100〜150mm/sの空洞内の流頭速度を超えるべきではない。当業者は、繊維摩耗および繊維破損を最小限にするために射出成形ステップにおけるパラメータをどのように設定するかを完璧に知っている。広範囲の繊維摩耗および繊維破損が起こると、その物品は本発明の複合体に関連する衝撃および剛性の特性の上述の利点をもはや示さなくなるだろう。

0104

よって当然のことながら、(射出)成形ステップ後に得られる物品における炭素繊維(CF)の平均繊維長は、本発明のポリプロピレン複合体の平均繊維長とは異なってもよく、好ましくはそれより短くなってもよい。したがって、好ましい物品においては、物品に含まれる炭素繊維(CF)の平均繊維長は、本発明の複合体に含まれる炭素繊維(CF)の平均繊維長以下である。しかし、射出成形ステップは、本発明のポリプロピレン複合体の炭素繊維(CF)長と比べてできる限り減少の少ない平均炭素繊維(CF)長を有する物品を得ることを目標とするべきである。

0105

よって、好ましい物品に含まれる炭素繊維(CF)の平均繊維長は、4.0以下〜17.0mmの範囲である。本発明の意味において、その長さの炭素繊維(CF)はより長い炭素繊維(CF)と呼ばれる。以下の実施例のセクションで説明されることとなるとおり、最終物品における繊維長は、X線コンピュータ断層撮影(XCT:X−ray computed tomography)によって測定される。

0106

本発明のポリプロピレン複合体は、好ましくは洗濯機または食器洗浄機部品、ならびに自動車用物品、特に車の内装および外装の物品、たとえばバンパーサイドトリムステップアシスト本体パネルスポイラーダッシュボード、および内装トリムなどの生産に用いられる。

0107

特に好ましい物品は、自動車用物品である。

0108

加えてこの発明は、少なくとも60wt%、好ましくは少なくとも80wt%、さらにより好ましくは少なくとも95wt%の本発明のポリプロピレン複合体を含み、たとえば本発明のポリプロピレン複合体からなる、たとえば射出成形物品などの物品を提供する。

0109

本発明のポリプロピレン複合体を含む物品は、たとえば剛性および強度の増加、ならびに特に低密度における優れたエネルギー吸収、すなわち衝撃強度およびパンクチャーエネルギーなどの異例の機械的特性を示す。

0110

よって本発明は、少なくとも150MPaのISO527−2に従って測定した引張り強度と、少なくとも8kJ/m2のISO179/1eAに従って測定したシャルピー衝撃強度ノッチ付き)と、少なくとも5.5JのISO 6603−2に従って測定したIPTパンクチャーエネルギーとを有する物品の生産のための、ポリプロピレン複合体の使用にも向けられている。

0111

それらの特性は、主に本発明のポリプロピレン複合体に含まれるより長い炭素繊維(CF)に基づくものである。なぜなら、それはより長い炭素繊維(CF)を含む(射出)成形物品の生産も可能にするからである。このことは、以下の実験のセクションにおいてさらに詳細に示すこととする。

0112

別様に定義されない限り、以下の用語の定義および判定方法は、上記の本発明の一般的説明および以下の実施例にも適用される。

0113

1.測定方法
MFR2(230℃、2.16kg)は、ISO 1133(230℃、2.16kg荷重)に従って測定する。炭素繊維(CF)を含有するポリマー複合体のうちの成分a)ポリプロピレンベース材料(PBM)およびc)接着促進剤(AP)によって形成されるポリマーマトリックス(PM)のMFR2を測定するために、高温キシレン不溶性物質の決定のための方法を用いてサンプル調製を行う。したがって、微細に切断した複合体粒子を沸騰キシレン中で数時間抽出することによって、不溶性物質すなわち炭素繊維(CF)を、可溶性物質すなわち炭素繊維(CF)含有ポリマー複合体のポリマーマトリックス(PM)から分離することができる。ポリマーサンプルをステンレス鋼の網でできた袋に入れ、キシレン中還流条件下で5時間溶解させる。次いで、不溶性の炭素繊維(CF)フラクションを含む袋をフラスコから取り出し、100℃にて可溶性ポリマーマトリックス(PM)フラクションからキシレン乾燥除去する。次いで、ISO 1133によるMFR2(230℃、2.16kg)測定のためにポリマーマトリックスを調製する。

0114

MFR2(190℃、2.1kg)は、ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)に従って測定する。

0115

炭素繊維(CF)の平均繊維長および平均繊維径。ポリプロピレン複合体に含まれる炭素繊維(CF)の平均繊維長は平均粒子長に対応し、これは引き抜き成形プロセスにおいて得られるストランドの最終切断ステップにおけるパラメータによって定まる。複合体から生産する物品が含む炭素繊維(CF)の平均繊維長は、(射出)成形ステップにおけるパラメータおよび条件によって定まる。

0116

X線コンピュータ断層撮影(XCT)によって、平均炭素繊維(CF)長を定めた。XCTデータの生成のために、サブμm CT nanotom(GE phoenix x−ray nanotom 180NF、ヴンストルフ(Wunstorf)、ドイツ(Germany))を用いた。十分なコントラストを得るために、チューブを70kVにて動作させた。ボクセルサイズは(2μm)3であり、測定した体積はEN ISO 1873−2に記載される射出成形試料ドッグボーン形状、厚さ4mm)のサンプルの(5x2x3mm)3であった。サンプルの3次元構造を確認するために、さまざまなアルゴリズムステップによってXCTデータを処理した。XCTデータから繊維長分布導出し、繊維長分布の加重平均を平均繊維長とした。

0117

平均炭素繊維(CF)径は、ISO 1888:2006(E)、方法Bに従って、顕微鏡倍率1000にて定める。引き抜き成形によって得たペレットを、真空下でストルアス(Struers)CaldoFix樹脂に埋め込んだ。平均繊維径を定めるために、これらのペレットの研磨断面を定めた。最小0.04μmの粒径を有する粉砕媒体を使用して、ストルアスLaboPol−5機において摩耗/研磨を行った。こうして調製したサンプルを、明視野モードのオリンパス(Olympus)光学顕微鏡を用いて分析した。マトリックス内の繊維の繊維断面の寸法を測定して、平均繊維径を得た(通常は20から30程の個別の繊維を測定し、繊維断面の最短寸法を用いて繊維径を得た)。

0118

ポリマー複合体の密度は、ISO 1183−187に従って測定する。サンプル調製は、ISO 1872−2:2007に従う圧縮成形によって行う。

0119

低温キシレン可溶性成分(XCS、wt%)含有量。低温キシレン可溶性成分(XCS)の含有量は、25℃にてISO 16152;第1版;2005−07−01に従って定める。

0120

融解温度(Tm)は、TAインスツルメント(Instrument)Q200示差走査熱量測定DSC:differential scanning calorimetry)によって、5〜7mgのサンプルに対して測定する。DSCは、ISO 11357−3/方法C2による加熱/冷却/加熱サイクルにおいて、10℃/minの走査速度および−30〜+225℃の温度範囲にて実行する。融解温度は第2の加熱ステップから定める。

0121

固有粘度は、DIN ISO 1628/1、1999年10月(デカリン中、135℃)に従って測定する。

0122

MR分光法によるコモノマー含有量/微細構造定量化。ポリマーのコモノマー含有量を定量化するために、定量的核磁気共鳴(NMR:nuclear−magnetic resonance)分光法を用いた。1Hおよび13Cに対してそれぞれ400.15MHzおよび100.62MHzにて動作するBruker Advance III 400 NMR分光計を用いて、溶液状態で定量的13C{1H}NMRスペクトルを記録した。すべての空気圧に対して窒素ガスを用いた125℃における13C最適化10mm拡張温度プローブヘッドを用いて、すべてのスペクトルを記録した。約200mgの材料を3mlの1,2−テトラクロロエタン−d2(TCE−d2:tetrachloroethane−d2)にクロム−(III)−アセチルアセトネート(Cr(acac)3:chromium−(III)−acetylacetonate)とともに溶解することによって、溶剤中の緩和剤の65mM溶液を得た(Singh,G.,Kothari,A.,Gupta,V.,Polymer Testing 28 5(2009),475)。均質溶液を確実にするために、ヒートブロックにおける最初のサンプル調製の後に、回転オーブン中でNMRチューブを少なくとも1時間さらに加熱した。磁石への挿入の際に、チューブを10Hzで回転させた。このセットアップは主に高分解能のために選択されたものであり、正確なエチレン含有量の定量化のために定量的に必要であった。NOEを伴わない標準的なシングルパルス励起を使用し、最適化した先端角度、1sリサイクル遅延、およびバイレベルALTZ16デカップリングスキームを用いた(Zhou,Z.,Kuemmerle,R.,Qiu,X.,Redwine,D.,Cong,R.,Taha,A.,Baugh,D.Winniford,B.,J.Mag.Reson.187(2007)225;Busico,V.,Carbonniere,P.,Cipullo,R.,Pellecchia,R.,Severn,J.,Talarico,G.,Macromol.Rapid Commun.2007,28,1128)。スペクトル当り合計6144(6k)のトランジェントを取得した。所有権のあるコンピュータプログラムを用いて、定量的13C{1H}NMRスペクトルを処理し、積分し、その積分値から関連する定量的特性を定めた。溶剤の化学シフトを用いて、30.00ppmにおけるエチレンブロック(EEE)の中心メチレン基に対して、すべての化学シフトを間接的に参照した。このアプローチは、たとえこの構造単位が存在しないときにも同等の参照を可能にした。エチレンの取り込みに対応する特徴信号を観察したCheng,H.N.,Macromolecules 17(1984),1950)。2,1エリトロ部位欠陥に対応する特徴信号を観察したため(L.Resconi,L.Cavallo,A.Fait,F.Piemontesi,Chem.Rev.2000,100(4),1253、Cheng,H.N.,Macromolecules 1984,17,1950、およびW−J.Wang and S.Zhu,Macromolecules 2000,33,1157に記載されるとおり)、決定した特性に対する部位欠陥の影響に対する補正が必要であった。他のタイプの部位欠陥に対応する特徴信号は観察しなかった。ワン(Wang)ら(Wang,W−J.,Zhu,S.,Macromolecules 33(2000),1157)の方法を用い、13C{1H}スペクトルのスペクトル領域全体にわたる複数の信号の積分によって、コモノマーフラクションを定量化した。この方法を選択したのは、その頑健な性質および必要なときに部位欠陥の存在を考慮できることのためであった。遭遇したコモノマー含有量の全範囲にわたる適用性を増加させるために、積分領域をわずかに調整した。PPEPP配列の単離エチレンしか観察されない系に対しては、存在しないことが既知である部位の非ゼロ積分値の影響を低減させるようにワンらの方法を修正した。このアプローチは、こうした系に対するエチレン含有量の過大評価を低減するものであり、これは絶対エチレン含有量を定めるために用いる部位の数を次のとおりに低減させることによって達成した。
E=0.5(Sββ+Sβγ+Sβδ+0.5(Sαβ+Sαγ))

0123

この部位の組を用いることによって、対応する積分方程式は次のとおりになる。
E=0.5(IH+IG+0.5(IC+ID))
ここではワンらの論文(Wang,W−J.,Zhu,S.,Macromolecules 33(2000),1157)で用いているものと同じ表記法を用いている。絶対プロピレン含有量に対して使用した等式は修正しなかった。モル分率から、モルパーセントコモノマー取り込みを算出した。
E[mol%]=100*fE モル分率から、重量パーセントコモノマー取り込みを算出した。E[wt%]=100*(fE*28.06)/((fE*28.06)+((1−fE)*42.08))カクゴ(Kakugo)ら(Kakugo,M.,Naito,Y.,Mizunuma,K.,Miyatake,T.Macromolecules 15(1982)1150)の分析方法を用いて、3つ組レベルのコモノマー配列分布を定めた。この方法はその頑健な性質のために選択したものであり、より広範囲のコモノマー含有量に対して適用性を増加させるために、積分領域をわずかに調整した。

0124

引張り係数は、EN ISO 1873−2に記載される射出成形試料(1Bドッグボーン形状、厚さ4mm)を用いて、ISO 527−2(クロスヘッドスピード=1mm/min;23℃)に従って測定する。

0125

引張り強度は、EN ISO 1873−2に記載される射出成形試料(1Bドッグボーン形状、厚さ4mm)を用いて、ISO 527−2(クロスヘッドスピード=50mm/min;23℃)に従って測定する。

0126

破断引張り歪みは、EN ISO 1873−2に記載される射出成形試料(1Bドッグボーン形状、厚さ4mm)を用いて、ISO 527−2(クロスヘッドスピード=50mm/min;23℃)に従って測定する。

0127

シャルピノッチ付き衝撃強度は、EN ISO 1873−2に従って射出成形した80x10x4mm3のテストバーを用いて、ISO 179 1eAに従って23℃にて定める。

0128

シャルピーノッチなし衝撃強度は、ENISO 19069−2に従って調製した80x10x4mm3の射出成形テスト試料を用いて、ISO 179 1eUに従って23℃にて定める。

0129

IPTパンクチャーエネルギーは、ISO 6603−2に従って定める。

0130

2.実施例
2.1.比較例
比較例CE1〜CE6に対して、以下の表1に示した成分および量を用いて、以下にさらに説明するとおりに6つの繊維含有複合体を調製した。炭素繊維は不織布の形で用いた。すべての実施例において、共回転ツインスクリュー押出し機(コペリオン(Coperion)のZSK40)を用いた。サイドフィーダとして、コペリオンZSB40ツインスクリューサイドフィーダを用いた。

0131

次のプロセスパラメータを用いた。
スループット100kg/h
スクリュー速度100〜150rpm
バレル温度250℃フラット
− 5mmの穴を有するダイプレート、3つの穴を開けた

0132

例CE1〜CE3においてはプロピレンホモポリマー(PP Homo)を用い、例CE4〜CE6においては異相プロピレンコポリマーを用い、この異相プロピレンコポリマーはCE1〜CE3のプロピレンホモポリマー(PP Homo)と、外部ゴムとで構成した。

0133

プロピレンホモポリマー(PP Homo)、接着促進剤、添加剤、および例CE4〜CE6に対する外部ゴムを押出し機に供給し、3つのニーディングブロック(2度のKB45/5/40、その後のKB 45/5/20LH)および左回り運搬構成要素からなる押出し機の第4のバレルにおいて溶融混練した。サイドフィーダを用いて、第6のバレルにおいて不織布を加えた。第8のバレルに位置し、3つのニーディングブロック(KB 45/5/20)からなる第2のニーディングゾーンを用いて、炭素繊維を均一に分散させた。

0134

さらに、第8および第9のバレルの間に位置する2つのTME構成要素(1つのTME22.5/20および1つのTME22.5/20LH)を用いて、炭素繊維をさらに分散させた。

0135

比較例CE1〜CE6に対する次の複合体(表1)を調製した。

0136

0137

PP Homoは、905kg/m3の密度と、20g/10minのメルトフローレート(230℃、2.16kg、ISO 1133)と、167℃の融解温度とを有するプロピレンホモポリマーである。

0138

外部ゴムは、メタロセン触媒によるエチレンベースオクテンコポリマーであり、882kg/m3の密度と、1.1g/10minのメルトフローレート(190℃、2.16kg、ISO 1133)とを有する。

0139

接着促進剤はSCONA TSPP 10213 GBであり、これはBYKコメトラ(KOMETRA)が流通させている無水マレイン酸(MAH)官能化ポリプロピレンであり、200g/10minのMFR(190℃、2.16kg、ISO 1133)と、0.89〜0.92g/cm3の密度と、2.0wt%のMAH含有量とを有する。

0140

添加剤は安定化添加剤である。

0141

炭素繊維は不織布であり、少なくとも80wt%の炭素繊維を含み、ニードルパンチングによって生産される。平均繊維径は7μmである。

0142

2.2 本発明の実施例
本発明の実施例IE1〜IE6に対して、以下の表2に示した成分および量を用いて、以下にさらに説明するとおりに6つの炭素繊維(CF)含有複合体を調製した。炭素繊維(CF)はエンドレス炭素繊維(CF)ロービングの形で用い、複合体は引き抜き成形プロセスにおいて、エンドレス炭素繊維(CF)を含浸するためのポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)と、その後に含浸された炭素繊維(CF)をコートするための残りの第2の部分(PBM2)とを用いて調製した。含浸ステップは、ポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)と接着促進剤(AP)の全量とを重量比1:1で融解配合することによって得られる予備化合物によって行った。含浸は、210℃を超えない温度において行った。コーティングステップの後、得られた炭素繊維(CF)強化材料を凝固し、切断して平均粒子長10mm(IE1〜IE6)、7mm(IE1a)、および4mm(IE1b)を有する粒子にした。

0143

実施例IE1〜IE3、IE1a、およびIE1bにおいては、ポリプロピレンベース材料(PBM)の唯一のポリマーとしてプロピレンホモポリマー(PP Homo)を用いた。含浸ステップおよびコーティングステップの両方に対して、同じタイプのポリプロピレンベース材料(PBM、PP Homo)を用いた。

0144

実施例IE4〜IE6において、本発明による複合体のポリプロピレンベース材料(PBM)は、プロピレンホモポリマー(PP Homo)と異相プロピレンコポリマー(PP Heco)とを含み、PP Hecoがポリプロピレンベース材料(PBM)の主要成分を構築した。含浸ステップに用いたポリプロピレンベース材料の第1の部分(PBM1)はPP Homoを含有し、一方でコーティングステップに用いたポリプロピレンベース材料の第2の部分(PBM2)はPP Hecoを含有した。

0145

本発明の実施例IE1〜IE6、IE1a、およびIE1bに対する次の複合体(表2)を調製した。

0146

0147

PP Homo HJ120UBは、ボレアリス(Borealis)が流通させているプロピレンホモポリマーであり、0.14w%の量の熱安定化および静電防止添加剤を含有する。このポリマーは、905kg/m3(ISO1183)の密度と、75g/10min(230℃;2.16kg;ISO 1133)のMFR2とを有する。

0148

接着促進剤としてSCONA TSPP 10213 GBを用い、これはBYKコメトラが流通させている無水マレイン酸(MAH)官能化ポリプロピレンであり、200g/10minのMFR(190℃、2.16kg、ISO 1133)と、0.89〜0.92g/cm3の密度と、2.0wt%のMAH含有量とを有した。

0149

PP Heco EE050AEは、ボレアリスが流通させているリアクタエラストマー修飾ポリプロピレンであり、905kg/m3の密度と、11g/10minのメルトフローレート(230℃、2.16kg、ISO 1133)と、32.5wt%のXCS含有量とを有する。

0150

三菱ケミカルカーボンファイバーアンドコンポジッツ社(Mitsubishi Chemical Carbon Fiber and Composites,Inc)のタイプGRAFIL37−800WD 30K 1.0%R 6.80 KGS MLの炭素繊維(CF)ロービングを用いた。

0151

2.3 比較例および本発明の実施例の特性
ポリプロピレン複合体の機械的特性をテストするために、比較例CE1〜CE6および本発明の実施例IE1〜IE6の複合体粒子からテスト試料を生成し、これはエンゲル(Engel)EVC310/120射出成形機において250℃の融解温度、1バール水圧の背圧、および125mm/sの空洞内の流頭速度にて行う射出成形プロセスに複合体を供することによって行った。

0152

複合体の特性を、PP Homoのみを含むポリプロピレンベース材料(PBM)を有する複合体については以下の表3に示し、(付加的に)PP Hecoを含むポリプロピレンベース材料(PBM)を有する複合体については表4に示す。

0153

0154

0155

上記に説明したとおり、表3および表4に示されるポリマーマトリックスMFR2は、複合体の成分a)ポリプロピレンベース材料(PBM)およびc)接着促進剤(AP)によって形成したポリマーマトリックス(PM)のMFR2である。

0156

表3および表4から分かるとおり、複合体の炭素繊維含有量の増加(CE1〜CE3、IE1〜IE3、CE4〜CE6、IE4〜IE6に対して20〜40wt%)によって、引張り係数および引張り強度が改善する。この傾向は、比較複合体および本発明の複合体の両方に対して見ることができる。しかし、本発明による複合体(IE1〜IE3、IE4〜IE6)に対する引張り係数および引張り強度の絶対値は、同じ炭素繊維(CF)含有量を有する比較複合体(CE1〜CE3、CE4〜CE6)に対するものよりもかなり良好であることが明らかである。よって、本発明の実施例において炭素繊維長(および粒子長)がより長いことは、引張り係数および引張り強度に対する正の影響を有する。

0157

衝撃特性を比較するとき、より明瞭な状況が得られる。本発明の複合体に対するシャルピーノッチ付きおよびノッチなし衝撃強度の絶対値は、同じ炭素繊維(CF)含有量を有する比較複合体に対するものよりも明らかに高く、これらの比較複合体は押出し機において繊維を不織布として加えることによって生産したものであり、得られたペレットにおける繊維長は1.5mm未満であり、繊維はランダムに分散されている。本発明の複合体に対するシャルピーノッチ付きの値は、比較複合体に対するものよりも最大3倍(CE1−IE1;CE4−IE4)または4倍を超える高さ(CE3−IE3;CE6−IE6)である。シャルピーノッチなしの値は、比較例の最大1.5倍(CE2−IE2;CE3−IE3)または2倍を超える高さ(CE5−IE5)または2.5倍を超える高さ(CE6−IE6)である。

0158

さらに、比較例に対しては、シャルピーノッチ付きおよびノッチなし衝撃強度の両方が、炭素繊維(CF)含有量の増加とともに減少する。このことは特に、引張り特性が炭素繊維(CF)含有量の増加とともに反対の傾向を示すために不利である。よって比較複合体では、満足できる引張り/衝撃バランスを達成することができない(表3および表4のCE1〜CE6)。それとは対照的に、本発明の複合体(表3および表4のIE1〜IE6)は、炭素繊維(CF)含有量の増加とともに増加するか、または少なくとも安定なシャルピーノッチ付きおよびノッチなし衝撃強度の両方を示す。ここではこの傾向が引張り特性と同じ方向であるため、本発明による複合体では優れた引張り/衝撃性能を達成できる。

0159

IPTパンクチャーエネルギーも、同じ炭素繊維(CF)含有量を有する比較複合体よりも本発明の複合体に対して顕著に増加した値を示す。CE1、CE2、およびCE3のそれぞれよりもIE1およびIE2に対する値は50%より多く、さらにIE3に対しては150%より多く増加している。CE4、CE5、およびCE6のそれぞれよりもIE4に対するIPT値は2倍を超える高さであり、IE5に対しては3倍を超える高さ、さらにIE6に対しては4倍を超える高さである。

0160

さらに表3および表4から、本発明の複合体の炭素繊維(CF)含有量を増加させることによって、IPTパンクチャーエネルギーをかなり改善できることが分かる。56%(IE2−IE3)または39%(IE4−IE5)のパンクチャーエネルギー増加を得ることができる。比較実施例に対しては、最大6%(CE5−CE6)の増加のみを観察する。この傾向も、本発明による複合体の優れた引張り/衝撃性能に付加的に寄与する。

0161

以下の表5は、IE1に対して調製された、上に説明したとおり20wt%の炭素繊維(CF)を含有する本発明の複合体の、炭素繊維(CF)長(よって粒子長)に依存する特性を示す。4mm、7mm、および10mmの炭素繊維(CF)長を比較している。

0162

実施例

0163

表5から分かるとおり、特許請求される範囲内の種々の炭素繊維(CF)長を有するすべてのテストした本発明の複合体の衝撃特性、引張り係数、および引張り強度は、1.5mm未満の繊維長を有する対応する比較例CE1よりもかなり良好な値を示す。

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