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技術 血液悪性腫瘍に対するCD47標的化治療のための投与パラメータ

出願人 ザボードオブトラスティーズオブザレランドスタンフォードジュニアユニバーシティーフォーティーセブン,インコーポレイテッド
発明者 マジェティ,ラビンドラチャオ,マークピー.リュウ,ジーフォルクマー,ジェンス-ピーターワイスマン,アービングエル.
出願日 2018年6月21日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2019-570882
公開日 2020年8月27日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-525435
状態 未査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 ペプチド又は蛋白質 非環式または炭素環式化合物含有医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード 棒状構造体 二重遮断 予測特性 レベル目標 スティックパック Nメチル ダブラ BTL
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月27日)のものです。
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図面 (9)

課題・解決手段

臨床的に有効な期間内に治療ベルを達成しつつ安全な用量漸増をもたらすスケジュールで、最適用量治療用抗CD47因子を決定及び投与するための方法を提供する。本方法は、クリアランス漸増及び維持の過程を含んでいてもよい。一実施形態では、投与レジメンでは、その後の治療のための循環腫瘍細胞の安全レベルを達成するために、初期の(i)治療用量以下の抗CD47因子を投与するか、または、(ii)細胞減少療法を実施し(クリアランス)、治療用量に到達するまで抗CD47因子の用量を漸増させ(漸増)、患者骨髄における腫瘍細胞を減少させるために十分な期間にわたり治療用量を維持する(維持)。代替投与レジメンでは、診察時に循環腫瘍細胞の安全レベルを有することが確認された患者は、初期のクリアランスを行うことなく漸増及び維持の過程により治療される。

概要

背景

CD47は、単一のIg様ドメイン及び5つの膜貫通領域を有し広く発現している膜貫通糖タンパク質であり、SIRPαのNH2末端様ドメインを介して結合することによりSIRPαの細胞リガンドとして機能する。

SIRPαは主に、マクロファージ顆粒球骨髄樹状細胞(DC)、肥満細胞、及びそれらの前駆体(造血幹細胞を含む)を含む骨髄細胞上で発現している。CD47は、白血球接着及び遊走、T細胞活性化、アポトーシス及び貪食作用を含む様々な生物学的プロセスを媒介する。

SIRPαはマクロファージによる宿主細胞の貪食作用を阻害するが、宿主標的細胞上に発現するCD47がマクロファージ上のSIRPαと結合すると、貪食作用を負に調節するSHP−1が媒介する阻害シグナルが生成される。SIRPαは「自己」がもたらすシグナルを検出するように作用し、これらの細胞に対する自然免疫エフェクター機能を負に制御する。

CD47はまた、白血病を含む数多くのがんにおいて恒常的に上方制御されている。CD47が過剰発現すると、がん細胞に貪食を回避させることによって病原性が上昇する。CD47の標的化はがん治療のための独特作用機序を意味しているが、広範囲に及ぶCD47の発現により治療上の課題が提示されている。加えて、白血病及び関連血液疾患の治療は、骨髄及び血液学的機能に対するがんの悪影響、及び腫瘍崩壊症候群由来する合併症を含む、特殊な課題を提示している。本明細書で提供する方法はこれらの課題に対処するものである。

概要

臨床的に有効な期間内に治療レベルを達成しつつ安全な用量漸増をもたらすスケジュールで、最適用量治療用抗CD47因子を決定及び投与するための方法を提供する。本方法は、クリアランス漸増及び維持の過程を含んでいてもよい。一実施形態では、投与レジメンでは、その後の治療のための循環腫瘍細胞の安全レベルを達成するために、初期の(i)治療用量以下の抗CD47因子を投与するか、または、(ii)細胞減少療法を実施し(クリアランス)、治療用量に到達するまで抗CD47因子の用量を漸増させ(漸増)、患者の骨髄における腫瘍細胞を減少させるために十分な期間にわたり治療用量を維持する(維持)。代替投与レジメンでは、診察時に循環腫瘍細胞の安全レベルを有することが確認された患者は、初期のクリアランスを行うことなく漸増及び維持の過程により治療される。

目的

本明細書では、臨床的に有効な期間内に治療レベルを達成しつつ安全な用量漸増をもたらすスケジュールで、最適用量の治療用抗CD47因子を決定及び投与するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

抗CD47因子を用いて血液悪性腫瘍を有する患者治療するための方法であって、血液悪性腫瘍を患う患者が治療のための循環腫瘍細胞の安全レベルを有していることを確認することと、前記患者に由来する骨髄芽球において約80%超の受容体占有率が達成される治療用量に到達する漸増用量レジメンで抗CD47因子を投与することと、前記血液悪性腫瘍を治療するために十分な期間にわたり前記治療用量を投与することとを含む、用量及び漸増スケジュールで抗CD47因子のレジメンを実施すること、を含む、方法。

請求項2

循環腫瘍細胞の安全レベルを有していないことが確認された患者は、循環腫瘍細胞の安全レベルを達成するために、初期の治療用量以下の抗CD47因子を投与することにより、または、細胞減少療法を実施することにより、治療される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記血液悪性腫瘍は白血病である、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項4

前記血液悪性腫瘍は急性骨髄性白血病(AML)である、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記抗CD47因子はCD47に特異的に結合する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記抗CD47因子は抗体である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記抗体はCD47に特異的に結合する抗体である、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記循環腫瘍細胞の安全レベルは約10×109循環芽球リットル未満である、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記細胞減少療法はヒドロキシウレアの投与を含む、請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

漸増用量レジメンで抗CD47因子を投与する前に、前記患者の循環芽球または白血球を測定する過程を更に含む、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

骨髄における受容体占有率を測定する過程を更に含む、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記抗CD47因子の初期用量は約1mg/kg/投与である、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

用量は約1〜30mg/kg/投与分漸増される、請求項12に記載の方法。

請求項14

用量は週に2回から隔週で漸増される、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記抗CD47因子は週に2回から隔週で投与される、請求項13または請求項14に記載の方法。

請求項16

追加の治療因子の投与を更に含む、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

前記追加の治療因子は脱メチル化因子である、請求項16に記載の方法。

請求項18

前記追加の治療因子は、化学療法剤腫瘍免疫療法薬腫瘍標的薬食細胞活性化、増殖または局在化を促進する生物学的因子移植輸血ロイコフェレーシス、またはエリスロポエチン刺激因子のうちの1種または複数種である、請求項16に記載の方法。

背景技術

0001

CD47は、単一のIg様ドメイン及び5つの膜貫通領域を有し広く発現している膜貫通糖タンパク質であり、SIRPαのNH2末端様ドメインを介して結合することによりSIRPαの細胞リガンドとして機能する。

0002

SIRPαは主に、マクロファージ顆粒球骨髄樹状細胞(DC)、肥満細胞、及びそれらの前駆体(造血幹細胞を含む)を含む骨髄細胞上で発現している。CD47は、白血球接着及び遊走、T細胞活性化、アポトーシス及び貪食作用を含む様々な生物学的プロセスを媒介する。

0003

SIRPαはマクロファージによる宿主細胞の貪食作用を阻害するが、宿主標的細胞上に発現するCD47がマクロファージ上のSIRPαと結合すると、貪食作用を負に調節するSHP−1が媒介する阻害シグナルが生成される。SIRPαは「自己」がもたらすシグナルを検出するように作用し、これらの細胞に対する自然免疫エフェクター機能を負に制御する。

0004

CD47はまた、白血病を含む数多くのがんにおいて恒常的に上方制御されている。CD47が過剰発現すると、がん細胞に貪食を回避させることによって病原性が上昇する。CD47の標的化はがん治療のための独特作用機序を意味しているが、広範囲に及ぶCD47の発現により治療上の課題が提示されている。加えて、白血病及び関連血液疾患の治療は、骨髄及び血液学的機能に対するがんの悪影響、及び腫瘍崩壊症候群由来する合併症を含む、特殊な課題を提示している。本明細書で提供する方法はこれらの課題に対処するものである。

0005

限定するわけではないが、急性骨髄性白血病急性リンパ性白血病多発性骨髄腫などの白血病を含む血液悪性腫瘍は、有効な治療法に関する独特な一連の問題を提起している。殺傷が急速過ぎると、白血病に関係する場合が多い高負荷循環腫瘍細胞は、患者に対して有毒となり得る。このことは、抗CD47因子用量漸増を急速に行い過ぎることのリスクであり得る。同時に、その因子の治療レベルへと患者を急速に引き上げ治療効果をもたらすことも望ましい。

0006

本明細書では、臨床的に有効な期間内に治療レベルを達成しつつ安全な用量漸増をもたらすスケジュールで、最適用量治療用抗CD47因子を決定及び投与するための方法を提供する。本方法は、クリアランス漸増及び維持の過程を含んでいてもよい。一実施形態では、投与レジメンでは、その後の治療のための循環腫瘍細胞の安全レベルを達成するために、初期の(i)治療用量以下の抗CD47因子を投与するか、または、(ii)細胞減少療法を実施し(クリアランス)、治療用量に到達するまで抗CD47因子の用量を漸増させて患者由来骨髄芽球における約80%超の受容体占有率を達成し(漸増)、患者の骨髄における腫瘍細胞を減少させるために十分な期間にわたり治療用量を維持する(維持)。代替投与レジメンでは、診察時に循環腫瘍細胞の安全レベルを有することが確認された患者は、治療用量に到達するまで抗CD47因子の用量を漸増させて患者由来の骨髄芽球における約80%超の受容体占有率を達成すること(漸増)、及び、患者の骨髄における腫瘍細胞を減少させるために十分な期間にわたり治療用量を維持すること(維持)を含む、漸増及び維持の過程により治療される。

0007

用量及びタイミングのためのパラメータは「直線的漸増」スケジュールに含まれていてもよく、それらのパラメータは、投与のための全般的ガイドラインと、例えば、循環芽球のレベルを評価すること、骨髄芽球の受容体占有率をモニターすることなどによって直線的漸増を調節することに個々の患者データを利用することができる特定の時点との両方を提供する。

0008

血液悪性腫瘍に関係する高循環及び骨髄腫瘍負荷は、好適な用量漸増を行わずに治療用量の抗CD47因子を個体に投与する際に、赤血球に対する抗CD47治療の効果に加えて、毒性問題を生じさせる場合がある。毒性は循環腫瘍細胞の溶解に起因する場合がある。本方法では、患者が循環腫瘍細胞の安全レベルを有するまで治療レベルへの漸増を開始しないが、この状態を漸増時点と呼ぶこともある。初期循環腫瘍細胞レベルが高過ぎる場合、循環腫瘍細胞負荷を軽減するための細胞減少剤、例えば、ヒドロキシウレアヒドロキシカルバミドフルダラビン、経口エトポシドロイコフェレーシスなどを投与することにより、安全レベルへの到達を達成することができる。代替的に、少ない治療レベル以下の抗CD47因子を投与することにより、このことを達成することができる。一旦循環細胞の安全レベルに到達すると、その後、治療レベルへと用量を漸増させることができる。この用量漸増は、急死を予防し、白血病細胞の安全なクリアランスをもたらす。

0009

一部の実施形態では、血液悪性腫瘍を治療するための治療用量は、骨髄における芽球表面上のCD47結合部位の抗CD47因子による実質的に完全な占有(本明細書では、受容体占有率と呼ぶ)を定義された期間にわたってもたらす用量に相当する用量である。一部の実施形態では、抗CD47因子はCD47に特異的に結合する。実質的に完全な受容体占有率は、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、またはそれ以上であってもよい。定義された期間は、例えば、用量投与間の期間、例えば、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約1週間、約10日間、約2週間などであってもよい。代替的に、定義された期間は、治療用量の投与と移植との間の期間、治療用量の投与と代替、相補的及び/または相乗的な別の因子の投与との間の期間などであってもよい。

0010

目的の抗CD47因子のための投与スケジュールは、(i)漸増の回数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回など、(ii)漸増間の期間、例えば、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約1週間、約10日間、約2週間など、(iii)それぞれの漸増における用量の増加レベル(固定または可変を問わない)、及び、(iv)初期用量を含んでいてもよい。スケジュールはまた、(v)循環腫瘍細胞負荷を軽減するための細胞減少剤の投与及び/または漸増を含んでいてもよい。これらのパラメータは、安全かつ臨床的に有効な投与のスケジュールを定義する。

0011

個体の反応を評価してスケジュールを調節するためのデータポイントは、循環腫瘍細胞の数を測定すること、例えば、骨髄または血液中の腫瘍細胞の表面上におけるCD47結合部位の受容体占有率を測定することにより、例えば、個体が抗CD47因子の治療レベルに到達しているか否かを確認すること、抗CD47因子の血清レベルを算出することなどを含んでいてもよい。

0012

循環腫瘍細胞の数を測定するために、循環芽球または白血球の測定を実施してもよく、用語「芽球」は循環血液腫瘍細胞を意味するために用いられる。一部の実施形態では、患者の循環芽球が、約20×109 /リットル超、約15×109 /リットル超、約10×109 /リットル超、約5×109 /リットル超、約2×109 /リットル超である場合、患者は、循環芽球のレベルが治療のための安全レベルに低下するような時点まで、治療用量以下の抗CD47因子で治療される、細胞減少剤で治療される、または、その両方で治療される。逆に、約2×109 /リットル未満、約5×109 /リットル未満、約10×109 /リットル未満の循環芽球の初期レベルを有する患者は、細胞減少を行わずに漸増過程を開始してもよい。循環芽球の代わりに循環白血球(WBC)をカウントしてもよく、患者の循環WBCが、約50×109 /リットル超、約20×109 /リットル超、約5×109 /リットル超である場合、患者は、循環腫瘍細胞のレベルが治療のための安全レベルに低下するような時点まで、治療用量以下の抗CD47因子で治療される、細胞減少剤で治療される、または、その両方で治療される。逆に、約5×109 /リットル未満、約10×109 /リットル未満、約20×109 /リットル未満の循環WBC細胞の初期レベルを有する患者は、細胞減少を行わずに漸増過程を開始してもよい。

0013

本方法は、腫瘍細胞の減少に相加及び/または相乗効果をもたらし得る組み合わせ治療で、血液悪性腫瘍を治療するための抗CD47因子の投与を含む。特定の組み合わせ治療としては、細胞減少剤及び細胞減少治療との組み合わせ、脱メチル化エピジェネティック)因子との組み合わせ、腫瘍免疫療法薬(T細胞に作用する腫瘍免疫療法薬を含む)との組み合わせ、腫瘍標的薬、例えば、がん細胞マーカーに選択的に結合する抗体との組み合わせ、食細胞活性化、増殖、局在化などを促進する生物学的因子との組み合わせ、移植、輸血、ロイコフェレーシス(leukapheresis)、エリスロポエチンを含むエリスロポエチン刺激因子との組み合わせなどが挙げられるがこれらに限定されない。

0014

本方法は、血液悪性腫瘍を治療するための抗CD47因子の効果のために患者を選択すること、及び、選択した患者を治療することを含む。選択基準は、臨床パラメータバイオマーカーの発現などを基準としていてもよい。バイオマーカーとしては、効果を高めるための分子変異、例えば、MDS特異的変異が挙げられる。臨床パラメータとしては、中/高リスクMDS患者(R/R)、アザシチジンを用いた未治療適格患者の組み合わせ治療、通常の治療法に再発難治性を示し導入化学療法に不適格な患者の単剤治療、及び、微小残存病変を有する患者の治療を挙げてもよいがこれらに限定されない。

0015

本発明は、添付図面と関連させて読解する場合、以下の発明を実施するための形態から最も理解される。一般的な慣習に従い、図中の様々な形状は縮尺に従っていないことを強調しておく。別の見方をすれば、様々な形状の寸法は、分かりやすくするために適宜伸びたり縮んだりしている。図面中に含まれるものは以下の図である。

図面の簡単な説明

0016

Hu5F9−G4とアザシチジンの組み合わせ治療による、急性骨髄性白血病細胞における向上したマクロファージ貪食作用を示す図である。略語:AZA=アザシチジンである。
AMLにおける用量漸増治療を示す図である。
A及びBは、AMLにおける用量漸増治療が急死を予防することを示す図である。
患者におけるhu5F9−G4の血清中濃度を示す図である。
抗CD47Abで治療したマウス及び患者に由来する骨髄生検材料顕微鏡写真を示す図である(マウス:クローンB6H12、ヒト:クローンhu5F9−G4)。
hu5F9−G4で治療した患者由来の骨髄生検材料中におけるマクロファージ及びT細胞の免疫組織化学解析の顕微鏡写真を示す図である。
受容体占有率アッセイの概略を示す図である。
臨床投与プロファイルを示す図である。
AMLにおけるCD47受容体占有率を示す図である。データは、15mg/kgの1回投与(1mg/kgのプライミング用量後の)が、末梢血及び骨髄の臨界コンパートメント(critical compartment)におけるほぼ100%のROを達成するために十分であったことを示している。

0017

臨床的に有効な期間内に治療レベルを達成しつつ安全な用量漸増をもたらすスケジュールで、血液悪性腫瘍、例えば、白血病の治療のための、最適用量の治療用抗CD47因子を決定及び投与するための方法を提供する。

0018

本方法及び組成物を説明する前に、本発明が記載する特定の方法または組成物に限定されることはなく、それゆえ当然変化し得るということを理解されたい。本明細書で用いる専門用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることから、限定することを意図するものではないということも理解されたい。

0019

数値の範囲を提供する場合、その範囲の上限と下限との間にある各介在値(文脈上特に明確に定めない限り、下限値の単位の10分の1まで)もまた具体的に開示されることを理解されたい。明示範囲内の任意の明示値または介在値とその明示範囲内の任意のその他の明示値または介在値との間のそれぞれのより狭い範囲は本発明に包含される。これら狭めた範囲の上限値及び下限値は、その範囲内に独立して含まれていてもよく、または、その範囲から除外されていてもよく、一方または両方の限界値がその狭めた範囲内に含まれる(またはどちらの限界値もその狭めた範囲内に含まれない)それぞれの範囲はまた、明示範囲内において特に除外した任意の限界値に従い、本発明に包含される。明示範囲がそれら限界値のうちの一方または両方を含む場合、それら包含される限界値のいずれかまたは両方を除外する範囲もまた本発明に包含される。

0020

別途定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。本明細書に記載の方法及び物質と同様または同等の任意の方法及び物質を、本発明の実施または試験において使用することができるが、ある程度可能性があり好ましい方法及び物質については以下で説明する。本明細書で言及する全ての刊行物は、それら刊行物が引用する内容と関連させて本方法及び/または物質を開示及び説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾が生じる限りにおいて、組み込まれた刊行物のあらゆる開示に本開示が取って代わるということを理解されたい。

0021

本開示を読解することにより当業者には明らかとなるが、本明細書で記載及び説明する個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、その他のいくつかの実施形態のいずれかにおける特徴から容易に切り離すまたはそれらと組み合わせることができる個々の構成要素及び特徴を有する。列挙したあらゆる方法は、列挙したイベント順番で、または、論理上可能な任意のその他の順番で実施することができる。

0022

本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上特に明確に定めない限り、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。それゆえ、例えば、「細胞」への言及は、複数のそのような細胞を含み、「ペプチド」への言及は、1つまたは複数のペプチド及び当業者に周知のその同等物、例えば、ポリペプチドへの言及を含む、などである。

0023

本明細書に記載する刊行物は、単に本願の出願日前にそれらの開示を提供したに過ぎない。本明細書におけるいずれの内容も、本発明が、先行発明によりこのような刊行物に先行する権利を持たないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、提供した刊行物の日付は実際の刊行日とは異なる場合があり、個別に確認する必要が生じる場合がある。

0024

用語「レシピエント」、「個体」、「対象」、「宿主」及び「患者」は本明細書において同じ意味で用いられ、診断処置または治療が望まれる任意の哺乳動物対象、特にヒトのことを意味する。治療を目的とした「哺乳動物」とは、ヒト、飼育動物及び家畜、ならびに、動物園動物スポーツ用動物またはペット動物、例えば、イヌウマネコウシヒツジヤギブタなどを含む哺乳動物に分類される任意の動物のことを意味する。一般的に、哺乳動物はヒトである。

0025

用語「がん」、「新生物」、「腫瘍」及び「がん腫」は本明細書において同じ意味で用いられ、比較的自立的な増殖を示すことにより、細胞増殖における著しい制御喪失を特徴とする異常な増殖表現型を示す細胞のことを意味する。一般的に、本願における検出または治療を目的とした細胞としては、前がん性(例えば、良性)細胞、悪性細胞、前転移性細胞、転移性細胞、及び非転移性細胞が挙げられる。がん性細胞の検出を特に目的としている。「正常細胞」の文脈において用いられる用語「正常」とは、非形質転換表現型の細胞、または、試験する組織型非形質転換細胞の形態を示す細胞のことを意味する。「がん性表現型」とは一般に、がん性細胞に特徴的な様々な生物学的現象のいずれかのことを意味し、それらの現象はがんのタイプに応じて様々であり得る。がん性表現型は通常、例えば、細胞成長または細胞増殖(例えば、制御されていない成長または増殖)、細胞周期の調節、細胞移動性、細胞間相互作用、または転移などにおける異常により区別される。

0026

用語「血液悪性腫瘍」、「血液腫瘍」及び「血液がん」は、本明細書における最も広い意味において同じ意味で用いられ、造血系の細胞から生じるあらゆるステージのあらゆる形態のがんのことを意味する。

0027

本方法を用いて治療することができる血液悪性腫瘍の例としては、急性二表現型白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性前骨髄性白血病APL)、二表現型急性白血病(BAL)、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍、慢性骨髄性白血病CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、慢性リンパ性白血病(CLL)(白血病細胞が存在しない場合は小リンパ球リンパ腫(SLL)と呼ばれる)、急性単球性白血病(AMOL)、ホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁層リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫BL)、毛様細胞性白血病、移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症リンパ形質細胞性リンパ腫、肝脾細胞リンパ腫、及び皮膚T細胞リンパ腫セザリー症候群を含む))、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、及び骨髄増殖性腫瘍を含むがこれらに限定されない白血病、リンパ腫及び骨髄腫が挙げられる。特定の実施形態では、本方法は、白血病、例えば、急性二表現型白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性前骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性単球性白血病(AMOL)の治療に有用性が見出されている。

0028

AMLにおいては、限定するわけではないが、t(15;17)PML/RARα、t(8;21)AML1/ETO、11q23、及びinv(16)CBFβ/MYH11などの細胞遺伝学的変異、または、中程度のリスクを伴うFLT3における分子変異(例えば、FLT3−ITD、FLT3−D835)、NPM1、EVI1またはcEBPαにおける分子変異を含む、良好なアウトカムに関連した周知の臨床的予後因子、正常核型、ならびに、細胞遺伝学的変異、+8、+21、+22、del(7q)、及びdel(9q)を含むがこれらに限定されない、中程度のアウトカムに関連した臨床的予後因子、細胞遺伝学的変異、del(5q)、11q23、t(6;9)、t(9;22)、異常3q、複合細胞遺伝学、及び、IL2Rα及び/またはMSI2の発現レベルの上昇を含むがこれらに限定されない、有害なアウトカムに関連した臨床的予後因子を含む様々な分子マーカーに、患者の選択及び投与における有用性を見出すことができている。

0029

本明細書で使用する場合、「標的細胞」とは、その表面上にCD47を発現している血液悪性細胞のことであり、CD47陽性の表現型をマスクする、あるいは別の方法で変化させる(例えば、抗CD47因子を投与することにより)ことにより、貪食作用が向上することになる。通常、標的細胞は哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞である。

0030

循環芽球及び骨髄芽球。腫瘍細胞が循環系及び骨髄内に見つかることは、白血病及び骨髄異形成症候群に特有のものある。これらの組織内における芽球または白血球の数をカウントしてもよい。芽球であるWBCのパーセンテージ病状によって変化し得ることから、芽球をカウントするとより精度が高くなり得る。

0031

French−American−British(FAB)分類では、急性骨髄性白血病(AML)と診断するためには、骨髄(BM)または末梢血(PB)中における少なくとも30%の芽球パーセンテージが必要となり、また、MDSに細分類するためには特定の芽球パーセンテージが必要となる。それに対し、世界保健機構(WHO)の分類では、AMLと診断するためのカットオフ限界を30%から20%のBMまたはPB芽球へと低下させている。任意のクローン芽球集団の存在が診断に役立つことから、PB及びBM芽球のパーセンテージは急性リンパ芽球性白血病(ALL)の診断において重要ではない。しかしながら、治療後のPB芽球パーセンテージは、ALLにおける結果を反映する重要な予後指標である。

0032

ほとんどの症例において、芽球のパーセンテージがPB中よりもBM中でより高いことから、白血病及びMDSの診断はBM芽球を基準としている。しかしながら、「末梢性白血病」として知られている急性白血病を有するほんの一部の患者においては、BM芽球パーセンテージの診断上の上昇は認められていない(診断は、少なくとも20%のPB芽球の存在を基準としている)。芽球パーセンテージに加え、循環芽球の数は有効な指標を提供することができる。

0033

漸増時点、または、抗CD47因子の治療レベルへの漸増を開始することが安全な時点は、循環芽球またはWBCのレベルにより定められてもよい。一部の方法では、1つまたは複数の時点で数をモニターして、治療レベルへの用量漸増を開始することが適切であるか否かを判定する。例えば、漸増時点は、約2×109 /リットル未満、約5×109 /リットル未満、約10×109 /リットル未満の循環芽球、または、白血球(WBC)では、約5×109 /リットル未満、約10×109 /リットル未満、約20×109 /リットル未満の循環WBC細胞であってもよい。

0034

細胞減少療法とは、循環芽球の数を減少させて、例えば、漸増時点に到達させるプロセスのことである。例えば、約20×109 /リットル超、約15×109 /リットル超、約10×109 /リットル超などの循環芽球を有する患者を細胞減少療法で治療して循環芽球の数を減少させる。

0035

1つの目的の細胞減少療法は、治療用量以下の抗CD47因子を投与することである。治療用量以下とは、腫瘍細胞の溶解、凝集などによる急死を予防する用量(すなわち、量)のことである。治療用量以下の抗CD47因子は使用する特定の因子に依存し得るが、約20mg/kg未満の5F9G4抗体、約15mg/kg未満の5F9G4抗体、約10mg/kg未満の5F9G4抗体、約7.5mg/kg未満の5F9G4抗体、約5mg/kg未満の5F9G4抗体、約2.5mg/kg未満の5F9G4抗体、約1mg/kg未満の5F9G4抗体に相当する用量であってもよい。治療用量以下は、例えば、約1〜20mg/kgの5F9G4抗体、約2.5〜約15mg/kgの5F9G4抗体、約5〜1010mg/kgの5F9G4抗体に相当していてもよい。

0036

細胞減少の代替法では、抗CD47因子以外の細胞減少剤、例えば、ヒドロキシウレア、ヒドロキシカルバミド、フルダラビン、経口エトポシド、ロイコフェレーシスなどの投与を利用する。このような因子は周知の方法に従い投与されるが、例えば、ヒドロキシウレアは、1日あたり約10、約15、約20、約25、約30mg/kgの用量でPO投与されてもよく、または、最低500mg〜最大6グラム一定用量毎日PO投与されてもよい。

0037

「治療有効用量」または「治療用量」とは、所望の臨床結果を達成する(すなわち、治療効果を達成する)ために十分な量のことである。本発明の目的において、治療有効用量の抗CD47因子とは、標的細胞(例えば、標的細胞)の貪食作用を向上させること、例えば、血液、骨髄などにおける腫瘍細胞の数を減少させることで、疾患状態緩和、改善、安定化、逆転、予防、疾患状態の進行を遅延または遅滞させるために十分な量のことである。それゆえ、治療有効用量の抗CD47因子は、標的細胞の貪食作用を向上させるための有効用量で、標的細胞上のCD47が食細胞上のSIRPαに結合することを抑制する。

0038

標的介在性除去経路は、抗CD47因子とその薬理学的標的との間の相互作用を含み、タンパク質クリアランス経路に相当する。例えば、細胞表面上の標的へとmAbが結合すると、その複合体の細胞内への内部移行誘導され、それに続き、その複合体のリソソーム分解が生じ得る。標的介在性除去は、標的抗原の量に限りがあることから飽和性であり、非線形の除去をもたらす場合がある。膜抗原に結合するmAbのクリアランスは通常、非結合標的が抗体を「吸収」してシンクとして機能する(この現象は「抗原シンク」と呼ばれる)ため、低用量においてより速い。また、赤血球及びがん細胞上における抗CD47因子の作用の結果として標的の数が変化すると、標的介在性除去経路を介した治療抗体薬物動態が変化する。

0039

治療用量は、抗原シンクと、因子の生物学的活性と、がん細胞の貪食作用を向上させるための必要条件の間の複雑な相互作用を考慮に入れた治療有効用量の指標として、例えば、骨髄、血液などにおける芽球表面上のCD47結合部位の抗CD47因子による実質的に完全な占有(本明細書では、受容体占有率と呼ぶ)を定義された期間にわたってもたらす用量に相当する用量として決定され得る。一部の実施形態では、抗CD47因子はCD47に特異的に結合する。実質的に完全な受容体占有率は、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、またはそれ以上であってもよい。

0040

例えば、図7に示すような競合アッセイを用いて、受容体占有率を測定してもよい。例えば、個体に因子を投与した後に、好適な生体試料(通常は骨髄吸引液)を得て、任意選択的に、その生体試料を処理して、間質及びその他の細胞からWBCを分離する。試料分配し、1つのアリコートを抗CD47因子で人工的に飽和させる。次に、検出可能に標識された抗CD47因子の対応物で2つのアリコートを染色し、その検出可能標識を定量する。受容体占有率とは、試験試料を人工的に飽和させた試料で割ったパーセンテージ比のことである。

0041

受容体占有率は因子の投与後一時的にピークに達し得るため、実質的に完全な受容体占有率が達成される期間を定義するために有用である。定義された期間は、例えば、用量投与間の期間、例えば、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約1週間、約10日間、約2週間などであってもよい。代替的に、定義された期間は、治療用量の投与と移植の間の期間、治療用量の投与と代替、相補的及び/または相乗的な別の因子の投与の間の期間などであってもよい。例えば、骨髄芽球におけるCD47の受容体占有率の測定値は、因子の用量の投与後、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週、約10日、約2週で求めることができる。

0042

受容体占有率の代用として、抗CD47因子の血清レベルを算出してもよい。一部の実施形態では、治療有効用量は、約40μg/ml以上(例えば、約50μg/ml以上、約60μg/ml以上、約75μg/ml以上、約100μg/ml以上、約125μg/ml以上、または約150μg/ml以上)の抗CD47因子(例えば、抗CD47抗体)の持続的な血清レベルをもたらす。一部の実施形態では、治療有効用量は、約40μg/ml〜約300μg/ml、最大約500μg/ml、最大約750μg/ml、最大約1000μg/mlの範囲(例えば、約40μg/ml〜約1000μg/ml、約40μg/ml〜約800μg/ml、約40μg/ml〜約700μg/ml、約40μg/ml〜約600μg/ml、約50μg/ml〜約500μg/ml、約50μg/ml〜約750μg/ml、約50μg/ml〜約300μg/ml、約50μg/ml〜約250μg/ml、約75μg/ml〜約1000μg/ml、約75μg/ml〜約750μg/ml、約75μg/ml〜約500μg/ml、75μg/ml〜約250μg/ml、約100μg/ml〜約1000μg/ml、約100μg/ml〜約600μg/ml、または約100μg/ml〜約300μg/ml)で変動する抗CD47因子(例えば、抗CD47抗体)の持続的な血清レベルをもたらす。一部の実施形態では、血液悪性腫瘍を治療するための治療有効用量は、約50μg/ml以上の持続的な血清レベル(例えば、75μg/ml以上の持続的な血清レベル、または、約50μg/ml〜約150μg/mlの範囲で変動する持続的な血清レベル)の抗CD47因子(例えば、抗CD47抗体)をもたらす。

0043

漸増。本明細書で使用する場合、「漸増」とは、因子の用量における増加のことであり、増加のレベル、例えば、約10%の増加、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、2倍、2.5倍、5倍またはそれ以上に応じて様々であり得る。増加のレベルは、一定または可変であってもよい。例えば、循環芽球のレベルを測定することにより、個体に対する効果をモニターしてもよく、循環芽球の数を基準として漸増を調節してもよい。

0044

例えば、漸増が安全である時点に患者が到達したことが確かめられると、抗CD47因子の用量は、約1mg/kg/投与分、約2.5mg/kg/投与分、約5mg/kg/投与分、約7.5mg/kg/投与分、約10mg/kg/投与分、約12.5mg/kg/投与分、約15mg/kg/投与分、約20mg/kg/投与分、約25mg/kg/投与分、約30mg/kg/投与分、通常は、約1〜約30mg/kg/投与分、1〜20mg/kg/投与分、1〜15mg/kg/投与分、などで増加され得、漸増は、毎週、隔週、週に2回(twice−weekly)、週に2回(semi−weekly)、3日間毎などであってもよい。

0045

維持用量」とは、治療有効レベルに到達した際に投与される用量のことである。治療有効用量または一連の治療有効用量により、抗CD47因子の血清レベル及び/または実質的に完全な受容体占有率を達成及び維持することができる。抗CD47因子の治療有効用量は使用する特定の因子に依存し得るが、通常は、約8mg/kg(体重)以上(例えば、約8mg/kg以上、約10mg/kg以上、約15mg/kg以上、約20mg/kg以上、約25mg/kg以上、約30mg/kg以上、約35mg/kg以上、または約40mg/kg以上)、または約45mg/kg以上、または約50mg/kg、または約60mg/kg以上である。範囲は、約10mg/kg〜約60mg/kg(例えば、約10mg/kg〜約50mg/kg、または、約10mg/kg〜約30mg/kg)を含んでいてもよい。特定の治療用量を達成及び/または維持するために必要な用量は、用量間の時間の長さに比例し、投与した用量の回数に反比例する。それゆえ、投与の頻度を高くするほど、必要となる用量は減少する。投与戦略の最適化は、当業者に容易に理解され実施される。

0046

抗CD47因子。本明細書で使用する場合、用語「抗CD47因子」とは、CD47(例えば、標的細胞上の)のSIRPα(例えば、食細胞上の)への結合を抑制する任意の因子のことを意味する。好適な抗CD47試薬非限定例としては、限定するわけではないが、高親和性SIRPαポリペプチド、抗SIRPα抗体、可溶性CD47ポリペプチド、及び抗CD47抗体または抗体フラグメントを含む、SIRPα試薬が挙げられる。一部の実施形態では、好適な抗CD47因子(例えば、抗CD47抗体、SIRPα試薬など)はCD47に特異的に結合して、CD47のSIRPαへの結合を抑制する。好適な抗CD47因子の効果は、その因子をアッセイすることにより評価することができる(以下で更に説明する)。例示的なアッセイでは、候補因子の存在下または不存在下で標的細胞を培養する。本発明の方法に用いる因子は、因子がない状態の貪食作用と比較して、貪食作用を、少なくとも10%(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも120%、少なくとも140%、少なくとも160%、少なくとも180%、または少なくとも200%)上方制御する。同様に、SIRPαのチロシンリン酸化レベルのインビトロアッセイは、候補因子がない状態で観察されたリン酸化と比較して、少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%)のリン酸化の低下を示す。

0047

一部の実施形態では、抗CD47因子は、結合時にCD47を活性化しない。CD47が活性化されると、アポトーシス(すなわち、プログラム細胞死)に似たプロセスが起こる場合がある(Manna and Frazier,Cancer Research,64,1026−1036,Feb.1 2004)。それゆえ、一部の実施形態では、抗CD47因子は、CD47発現細胞細胞死直接誘導しない。

0048

SIRPα試薬。SIRPα試薬は、認識可能な親和性でCD47に結合するために十分なSIRPαの部分(通常は、シグナル配列膜貫通ドメインの間にある)、または、結合活性を維持したそのフラグメントを含む。好適なSIRPα試薬は、天然タンパク質SIRPαとCD47との間の相互作用を抑制(例えば、遮断、予防など)する。SIRPα試薬は通常、少なくとも、SIRPαのd1ドメインを含む。一部の実施形態では、SIRPα試薬は、例えば、第2のポリペプチドとインフレームで融合した融合タンパク質である。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、例えば、融合タンパク質が循環系から急速に排出されないように、融合タンパク質のサイズを大きくすることができる。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは免疫グロブリンFc領域の一部または全体である。Fc領域は、「eat me」シグナル(高親和性SIRPα試薬によりもたらされる「don’t eat me」シグナルの遮断を高める)をもたらすことにより貪食作用を補助する。その他の実施形態では、第2のポリペプチドは、Fcとほぼ同等の任意の好適なポリペプチドであり、例えば、サイズの拡大、多量体化ドメイン、及び/または、Ig分子との更なる結合または相互作用をもたらす。

0049

一部の実施形態では、本抗CD47因子は「高親和性SIRPα試薬」であり、SIRPαに由来するポリペプチド及びその類似体を含む。高親和性SIRPα試薬については、国際出願PCT/US13/21937(参照により明示的に本明細書に組み込まれる)に記載されている。高親和性SIRPα試薬は天然SIRPαタンパク質変異体である。一部の実施形態では、高親和性SIRPα試薬は可溶性であり、そのポリペプチドは、SIRPα膜貫通ドメインを欠き、野生型SIRPα配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸変異を含み、そのアミノ酸変異は、例えば、オフレートを少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、またはそれ以上低下させることにより、CD47に結合するSIRPαポリペプチドの親和性を向上させる。

0050

高親和性SIRPα試薬は、認識可能な親和性、例えば、高親和性でCD47に結合するために十分なSIRPαの部分(通常は、シグナル配列と膜貫通ドメインの間にある)、または、結合活性を維持したそのフラグメントを含む。高親和性SIRPα試薬は通常、少なくとも、SIRPαのd1ドメイン(親和性を向上させるための修飾アミノ酸残基を有する)を含む。一部の実施形態では、本発明のSIRPα変異体は、例えば、第2のポリペプチドとインフレームで融合した融合タンパク質である。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、例えば、融合タンパク質が循環系から急速に排出されないように、融合タンパク質のサイズを大きくすることができる。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは免疫グロブリンFc領域の一部または全体である。Fc領域は、「eat me」シグナル(高親和性SIRPα試薬によりもたらされる「don’t eat me」シグナルの遮断を高める)をもたらすことにより貪食作用を補助する。その他の実施形態では、第2のポリペプチドは、Fcとほぼ同等の任意の好適なポリペプチドであり、例えば、サイズの拡大、多量体化ドメイン、及び/または、Ig分子との更なる結合または相互作用をもたらす。親和性の向上をもたらすアミノ酸変異はd1ドメインに局在化しているため、高親和性SIRPα試薬は、野生型配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸変異をd1ドメイン内に有するヒトSIRPαのd1ドメインを含む。このような高親和性SIRPα試薬は任意選択的に、別のアミノ酸配列、例えば、抗体Fc配列、d1ドメイン以外の野生型ヒトSIRPαタンパク質の部分(限定するわけではないが、天然タンパク質またはそのフラグメントの残基150〜374を含み、通常はd1ドメインに隣接したフラグメントである)、などを含む。高親和性SIRPα試薬は、単量体または多量体(すなわち、二量体三量体四量体など)であってもよい。

0051

抗CD47抗体。一部の実施形態では、本抗CD47因子は、CD47に特異的に結合する抗体(すなわち、抗CD47抗体)であり、一方の細胞(例えば、感染細胞)上のCD47と別の細胞(例えば、食細胞)上のSIRPαとの間の相互作用を抑制する。一部の実施形態では、好適な抗CD47抗体は、結合時にCD47を活性化しない。好適な抗体の非限定例としては、クローンB6H12、5F9、8B6及びC3(例えば、国際特許公開WO2011/143624(参照により本明細書に明示的に組み込まれる)に記載されているような)が挙げられる。好適な抗CD47抗体としては、このような抗体の完全ヒト型ヒト化型またはキメラ型が挙げられる。ヒト化抗体(例えば、hu5F9−G4)はその低抗原性ゆえ、ヒトにおけるインビボ応用に特に有用である。同様に、イヌ化、ネコ化などの抗体も、それぞれイヌ、ネコ及びその他の種における応用に特に有用である。目的の抗体としては、ヒト化抗体、または、イヌ化、ネコ化、ウマ化、ウシ化、ブタ化などの抗体、及びそれらの変異体が挙げられる。

0052

抗SIRPα抗体。一部の実施形態では、本抗CD47因子は、SIRPαに特異的に結合する抗体(すなわち、抗SIRPα抗体)であり、一方の細胞(例えば、感染細胞)上のCD47と別の細胞(例えば、食細胞)上のSIRPαとの間の相互作用を抑制する。好適な抗SIRPα抗体は、SIRPαの活性化が貪食作用を阻害し得るために、SIRPαを介したシグナル伝達を活性化または刺激することなくSIRPαに結合することができる。むしろ、好適な抗SIRPα抗体は、正常細胞と比較して損傷細胞に対する優先的な貪食作用を促進する。その他の細胞(非感染細胞)と比較してより高レベルのCD47を発現するこれらの細胞(例えば、感染細胞)は優先的に貪食される。それゆえ、好適な抗SIRPα抗体は、SIRPαに特異的に結合し(貪食作用を阻害するために十分なシグナル伝達応答を活性化/刺激することなく)、SIRPαとCD47との間の相互作用を遮断する。好適な抗SIRPα抗体としては、このような抗体の完全ヒト型、ヒト化型またはキメラ型が挙げられる。ヒト化抗体はその低抗原性ゆえ、ヒトにおけるインビボ応用に特に有用である。同様に、イヌ化、ネコ化などの抗体も、それぞれイヌ、ネコ及びその他の種における応用に特に有用である。目的の抗体としては、ヒト化抗体、または、イヌ化、ネコ化、ウマ化、ウシ化、ブタ化などの抗体、及びそれらの変異体が挙げられる。

0053

可溶性CD47ポリペプチド。一部の実施形態では、本抗CD47因子は、SIRPαに特異的に結合する可溶性CD47ポリペプチドであり、一方の細胞(例えば、感染細胞)上のCD47と別の細胞(例えば、食細胞)上のSIRPαとの間の相互作用を抑制する。好適な可溶性CD47ポリペプチドは、SIRPαの活性化が貪食作用を阻害し得るために、SIRPαを介したシグナル伝達を活性化または刺激することなくSIRPαに結合することができる。むしろ、好適な可溶性CD47ポリペプチドは、非感染細胞と比較して感染細胞に対する優先的な貪食作用を促進する。正常な非標的細胞(正常細胞)と比較してより高レベルのCD47を発現するこれらの細胞(例えば、感染細胞)は優先的に貪食される。それゆえ、好適な可溶性CD47ポリペプチドは、貪食作用を阻害するために十分なシグナル伝達応答を活性化/刺激することなく、SIRPαに特異的に結合する。

0054

一部の例では、好適な可溶性CD47ポリペプチドは、融合タンパク質(例えば、米国特許公開US20100239579(参照により本明細書に明示的に組み込まれる)に構造的に記載されているような)であってもよい。しかしながら、SIRPαを活性化/刺激しない融合タンパク質だけが、本明細書で提供する方法に好適である。好適な可溶性CD47ポリペプチドとしてはまた、SIRPαに特異的に結合して、貪食作用を阻害するために十分SIRPα活性を刺激することなくCD47とSIRPαとの間の相互作用を阻害することができる、変異体または天然に存在するCD47配列(例えば、細胞外ドメイン配列または細胞外ドメイン変異体)を含む、任意のペプチドまたはペプチドフラグメントが挙げられる。

0055

特定の実施形態では、可溶性CD47ポリペプチドは、シグナルペプチド(配列番号:2)を含むCD47の細胞外ドメインを含み、その結果、CD47の細胞外部分は通常、142アミノ酸長であり、配列番号:3に記載のアミノ酸配列を有する。本明細書に記載の可溶性CD47ポリペプチドはまた、少なくとも65%〜75%、75%〜80%、80〜85%、85%〜90%、または95%〜99%の同一性(または65%〜100%の間で具体的に列挙する全てのパーセント同一性)を有するアミノ酸配列を含むCD47細胞外ドメイン変異体を含み、それらの変異体は、SIRPαシグナル伝達を刺激することなくSIRPαに結合する能力を維持している。

0056

特定の実施形態では、シグナルペプチドアミノ酸配列は、別のポリペプチド(例えば、免疫グロブリンまたはCTLA4)に由来するシグナルペプチドアミノ酸配列で置換されていてもよい。例えば、外側の細胞膜横断する細胞表面ポリペプチドである全長CD47とは異なり、可溶性CD47ポリペプチドは分泌されるが、それゆえ、可溶性CD47ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、通常は細胞から分泌されるポリペプチドに関連するシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでいてもよい。

0057

その他の実施形態では、可溶性CD47ポリペプチドは、シグナルペプチドを欠く、CD47の細胞外ドメインを含む。例示的な実施形態では、シグナルペプチドを欠くCD47細胞外ドメインは、配列番号:1に記載のアミノ酸配列(124アミノ酸)を有する。本明細書に記載するとおり、シグナルペプチドがタンパク質の移行中開裂する、または、シグナルペプチドが外側の細胞膜にアンカーされたままとなる(このようなペプチドはまた、シグナルアンカーと呼ばれる)のいずれかであるため、シグナルペプチドは、分泌または膜貫通タンパク質の細胞表面上には露出していない。CD47のシグナルペプチド配列は、前駆体CD47ポリペプチドからインビボで開裂すると考えられている。

0058

その他の実施形態では、可溶性CD47ポリペプチドはCD47細胞外ドメイン変異体を含む。このような可溶性CD47ポリペプチドは、SIRPαシグナル伝達を刺激することなくSIRPαに結合する能力を維持している。CD47細胞外ドメイン変異体は、基準CD47配列(例えば、Genbank受入番号NP_001768.1またはNP_942088.1)に対して、少なくとも65%〜75%、75%〜80%、80〜85%、85%〜90%、または95%〜99%同一(記載した範囲のいずれか1つの間の全てのパーセント同一性を含む)なアミノ酸配列を有していてもよい。

0059

本発明で使用する場合、用語「治療」、「治療すること」、「治療する」などは通常、所望の薬理学的効果及び/または生理学的効果を得ることを意味する。その効果は、疾患またはその症状(複数可)を完全にまたは部分的に予防するという観点において予防的であり得、及び/または、疾患及び/またはその疾患に起因する副作用の部分的または完全な安定化または治癒という観点において治療的であり得る。用語「治療」は、哺乳動物、とりわけヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、疾患及び/または症状(複数可)を阻害すること、すなわち、それらの進行を停止させること、及び/または、疾患症状(複数可)を緩和すること、すなわち、疾患及び/または症状(複数可)の退行をもたらすことを含む。治療を必要とする哺乳動物としては、既に血液悪性腫瘍と診断された哺乳動物が挙げられる。

0060

用語「特異的結合」、「特異的に結合する」などは、溶液または反応混合液中のその他の分子または部分と比較して優先的な、分子への非共有結合または共有結合のことを意味する(例えば、その他の利用可能なポリペプチド、またはSIRPαポリペプチドの結合と比較して、特定のポリペプチドまたはエピトープに特異的に結合する抗体)。一部の実施形態では、それが特異的に結合する別の分子に対するある分子の親和性は、10-5M未満(例えば、10-6M未満、10-7M未満、10-8M未満、10-9M未満、10-10 M未満、10-11 M未満、10-12 M未満、10-13 M未満、10-14 M未満、10-15 M未満、または10-16 M未満)のKD (解離定数)を特徴とする。「親和性」とは結合強度のことを意味し、高い結合親和性は低いKD と相関している。

0061

本明細書で使用する場合、用語「特異的結合メンバー」とは、特異的結合対メンバー(すなわち、分子の一方、例えば、第1の特異的結合メンバーがもう一方の分子、例えば、第2の特異的結合メンバーに非共有な方法を介して特異的に結合する、2つの分子、通常は2種の異なる分子)のことを意味する。好適な特異的結合メンバーとしては、CD47及び/またはSIRPαに特異的に結合する因子(すなわち、抗CD47因子)、または別の方法で、CD47とSIRPαとの間の相互作用を遮断する因子が挙げられる。

0062

用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は本明細書において同じ意味で用いられ、アミノ酸残基ポリマーのことを意味する。この用語はまた、1つまたは複数のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工的な化学模倣であるアミノ酸ポリマーに加え、天然アミノ酸ポリマー及び非天然アミノ酸ポリマーに該当する。

0063

用語「食細胞」及び「貪食細胞」は本明細書において同じ意味で用いられ、貪食することができる細胞のことを意味する。貪食細胞には3つの主な分類、マクロファージ、単核球組織球及び単球):多形核白血球好中球)、及び樹状細胞がある。

0064

患者に関する用語「試料」は、骨髄、例えば、骨髄吸引液、血液、及び生体由来のその他液体試料生検標本もしくは組織培養物またはそれから誘導または単離した細胞及びその後代などの固体組織試料を包含する。本定義はまた、試料の入手後に、任意の方法、例えば、試薬で処理すること、洗浄すること、または、特定の細胞集団(例えば、がん細胞など)を濃縮するなどで操作した試料を含む。本定義はまた、特定の種類の分子、例えば、核酸、ポリペプチドなどを濃縮した試料を含む。

0065

用語「生体試料」は臨床試料を包含し、また更に、外科切除により得られた組織、生検により得られた組織、培地中の細胞、細胞上清細胞溶解物、組織試料、器官、骨髄、血液、血漿血清などを含む。「生体試料」は、標的細胞または正常な対照細胞を含む試料、または、このような細胞(例えば、がん性細胞など)またはそれらに由来する体液を含むことが疑われる試料、例えば、このような細胞から得られたポリヌクレオチド及び/またはポリペプチドを含む試料(例えば、ポリヌクレオチド及び/またはポリペプチドを含む細胞溶解物またはその他の細胞抽出物)を含む。患者由来の腫瘍細胞を含む生体試料はまた、非腫瘍細胞を含んでいてもよい。

0066

本発明で使用する場合、用語「エピトープ」とは、抗体の抗原結合部位が結合する抗原上の任意の抗原決定基のことを意味する。エピトープ決定基は通常、アミノ酸または糖側鎖などの化学的に活性な表面分子群からなり、通常は、特定の三次元構造特性に加えて特定の荷電特性を有している。

0067

全血球計算(CBC)及び末梢血塗抹標本を用いて、総合的な健康状態を評価し、貧血感染症及び白血病を含む広範囲の疾患を検出する。全血球計算検査では、赤血球、白血球、ヘモグロビン血球容積比血小板数などを含む血液のいくつかの構成成分及び特徴を測定する。全血球計算で明らかとなった細胞数の異常な増加または低下は、更なる評価を必要とする根元的な医学的症状を示す場合がある。汎血球減少及び末梢芽球は急性白血病を示唆するものである。末梢血塗抹標本中の芽球は、血液悪性腫瘍のWBC数の100%に到達し得る。

0068

感染した末梢血中における芽球の数は、100×109 /lほど多い場合もあるが、約10〜40×109 /lであり得る。慢性リンパ性白血病(CLL)においては、その形態学外観が特徴的である場合は5〜10×109 /lほど少ない数でもその診断が疑われ得るが、数は通常、実質的に上昇する(30〜300×109 /l)。

0069

白血球百分率検査では、血液中におけるそれぞれのタイプの白血球(WBC)のパーセンテージを測定して、任意の異常または未成熟細胞が存在するか否かを明らかにする。一般に、この検査では、好中球、リンパ球、単球、好酸球及び好塩基球をカウントする。

0070

CLLであると診断するには、5000/mm3 超のリンパ球増加が示される必要がある。通常、絶対好中球数は正常であり、赤血球数及び血小板数は少し低下する。加えて、末梢血塗抹標本または骨髄は、55%未満の異常または芽球形態で、正常な成熟小リンパ球を示すはずである。

0071

CMLはその末梢WBC数で定義される。典型的には、白血球増加は100,000/mm3 超である。白血球百分率は好中球前駆体が存在することを示している。白血球増加は好塩基球増加及び好酸球増加を伴う。これらの細胞は、AMLにおける細胞とは異なり、成熟しており機能的である。

0072

AMLはその末梢WBC数で診断され得るが、それによると、血液中の少なくとも20%の骨髄芽球がAMLの診断を意味する。

0073

診断については通常、末梢血塗抹標本を用いて行ってもよいが、吸引または針生検による骨髄検査を定期的に行ってもよい。血液悪性腫瘍では、骨髄中の芽球は一般的に、25〜95%である。

0074

骨髄吸引で白血病の診断を確定させる。芽球の形態は通常、ALLとAMLとで異なり得る。ALLにおいては、リンパ芽球の均一な浸潤が、正常な骨髄要素に取って代わる。リンパ芽球は一般的に小さく、直径約14μmである。リンパ芽球は、顆粒を含まない不十分な細胞質を有している。核は、核小体を有していないか、または、小さく不明瞭な核小体を有している。

0075

AMLと診断するためには、吸引液中における有核細胞の少なくとも20〜30%(分類による)が骨髄由来の芽球である必要がある。複数の大きな核小体、精密なクロマチン、灰青色の細胞質、及びアウエル小体は、骨髄芽球の特徴である。アウエル小体の存在は事実上、これら濃縮されたリソソーム細胞質アズール親和性棒状構造体がALLでは現れないことから、AMLの診断に役立つ。

0076

CLLにおいては、30%のリンパ球を超えて骨髄浸潤が認められる。リンパ球は、55%未満の異常または芽球形態で成熟している。核は円形であり、細胞質は不十分であり、クロマチンは緻密であり、核小体は目立たず、有糸分裂像は稀である。

0077

細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体で標識した後にマルチパラメータフローサイトメトリーを用いた免疫表現型解析を行うと、BまたはT細胞由来のリンパ芽球が同定される。B系統限定抗原の発現、及び免疫グロブリン重鎖及び軽鎖遺伝子のクローン再構成に基づき、最大80%のALL症例がB細胞前駆体に起因することが推定されている。大多数は、白血病細胞上にのみ存在する共通ALL抗原(CALLA)を有している。T細胞性ALLはヒツジ赤血球用の受容体を有しており、これらヒツジ赤血球と受容体とが結合するとEロゼットを形成する。ALLの別のサブセットはBまたはT細胞の特徴を欠いており、ヌル細胞性ALLと呼ばれる。

0078

特定の骨髄特異的抗原、例えば、CD13、CD33、CD41及びその他などを用いて、AMLを診断している。

0079

CLLにおける悪性細胞は、細胞表面免疫グロブリンM(IgM)及び免疫グロブリンDIgD)ならびにT細胞関連抗原CD5を発現するB細胞の小さな亜集団に相当する。

0080

ミエロペルオキシダーゼ(Leder染色)及び非特異的エステラーゼ組織化学染料は、骨髄性前駆体に対する強い親和性を有しているが、リンパ球性前駆体を染色することはできない。核DNA重合酵素であるターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)を実施すると、リンパ系起源が示される。しかしながら、AMLを有する患者の最大2〜5%はこの酵素を示す。骨髄性の特徴とリンパ球性の特徴との両方を発現し得る多能性細胞から悪性クローンを生じさせる場合、例外が起こることがある。

0081

染色体解析も重要な役割を果たしている。9番染色体と22番染色体との間の相互転座を有する造血幹細胞のクローン増殖を細胞遺伝学的または分子的に確認することにより、CMLの診断を確定させる。白血病細胞の染色体解析は現時点において、AMLにおける最も重要な治療前予後情報を提供している。

0082

用語「抗体」は最も広い意味で用いられ、とりわけ、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体フラグメント(所望の生物学的活性を示す限りにおいて)を対象として含む。「抗体」(Ab)及び「免疫グロブリン」(Ig)とは、同一の構造的特徴を有する糖タンパク質のことである。抗体が特定の抗原に対する結合特異性を示す一方、免疫グロブリンは、抗体と、抗原特異性を欠くその他の抗体様分子との両方を含む。例えば、後者の部類のポリペプチドは、リンパ系により低レベルで、骨髄腫により高レベルで産生される。

0083

本明細書で使用する場合、「抗体フラグメント」及び全てのその文法的な変形例は、インタクトな抗体の抗原結合部位または可変領域を含む、インタクトな抗体の部分として定義され、その部分は、インタクトな抗体におけるFc領域の定常重鎖ドメイン(すなわち、抗体のアイソタイプに応じて、CH2、CH3及びCH4)を含まない。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2 、及びFvフラグメント、ディアボディ、限定するわけではないが、(1)単鎖Fv(scFv)分子、(2)1つの軽鎖可変ドメインのみを含有する単鎖ポリペプチド、または、関連重鎖部分を含まずに軽鎖可変ドメインにおける3つのCDRを含有するそのフラグメント、(3)1つの重鎖可変領域のみを含有する単鎖ポリペプチド、または、関連軽鎖部分を含まずに重鎖可変領域における3つのCDRを含有するそのフラグメント、及び(4)非ヒト種由来の単一のIgドメインまたはその他特定の単一ドメイン結合分子を含むナノボディ、及び、抗体フラグメントから形成される多重特異性または多価構造体、を含む、連続アミノ酸残基の1本の連続配列からなる一次構造を有するポリペプチドである任意の抗体フラグメント(本明細書では、「単鎖抗体フラグメント」または「単鎖ポリペプチド」と呼ぶ)、が挙げられる。1つまたは複数の重鎖を含む抗体フラグメントにおいて、重鎖(複数可)は、インタクトな抗体の非Fc領域内に存在する任意の定常ドメイン配列(例えば、IgGアイソタイプ内のCH1)を含有していてもよい、及び/または、インタクトな抗体内に存在する任意のヒンジ領域配列を含有していてもよい、及び/または、ヒンジ領域配列もしくは重鎖(複数可)の定常ドメイン配列に融合したもしくはそれらの内部に位置するロイシンジッパー配列を含有していてもよい。

0084

本明細書で使用する場合、用語「相関する」または「と相関する」及び類似用語とは、2つのイベントの事例間の統計学的関係のことを意味し、それらのイベントは、数値、データセットなどを含む。例えば、それらイベントが数値を含む場合、正の相関(本明細書ではまた、「直接相関」と呼ぶ)とは、一方が増加するともう一方も同様に増加するということを意味する。負の相関(本明細書ではまた、「逆相関」と呼ぶ)とは、一方が増加するともう一方は減少するということを意味する。

0085

投与単位」とは、治療する特定の個体用の単位用量に適した物理的に不連続な単位のことを意味する。それぞれの単位は、所要医薬担体協同して所望の治療効果(複数可)をもたらすように計算された所定量の活性化合物(複数可)を含有していてもよい。投与単位剤形規格は、(a)活性化合物(複数可)固有の特性及び得られる特定の治療効果(複数可)、及び(b)このような活性化合物(複数可)を合成する当該技術分野に固有の制限、に規定され得る。

0086

薬学的に許容される賦形剤」とは、概ね安全、非毒性であり、望ましい、医薬組成物の調製に有用な賦形剤のことを意味し、獣医学的な用途に加えヒト用の医薬品用途に許容される賦形剤を含む。このような賦形剤は、固体、液体半固体であってもよく、または、エアロゾル組成物の場合にはガス状であってもよい。

0087

「薬学的に許容される塩及びエステル」とは、薬学的に許容され、所望の薬理学的特性を有する、塩及びエステルのことを意味する。このような塩としては、化合物中に存在する酸性プロトン無機または有機塩基と反応することができる状態で形成され得る塩が挙げられる。好適な無機塩としては、アルカリ金属、例えば、ナトリウム及びカリウムマグネシウムカルシウムならびにアルミニウムと共に形成される無機塩が挙げられる。好適な有機塩としては、有機塩基、例えば、アミン塩基、例えば、エタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミントロメタミンNメチルグルカミンなどと共に形成される有機塩が挙げられる。このような塩としてはまた、無機酸(例えば、塩酸及び臭化水素酸)及び有機酸(例えば、酢酸クエン酸マレイン酸、ならびに、アルカン及びアレーンスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸など)と共に形成された酸付加塩が挙げられる。薬学的に許容されるエステルとしては、化合物中に存在するカルボキシ基スルホニルオキシ基及びホスホノオキシ基から形成されるエステル、例えば、C1-6アルキルエステルが挙げられる。2つの酸性基が存在する場合、薬学的に許容される塩またはエステルは、モノ酸−モノ塩またはエステル、または、ジ塩またはエステルであってもよく、同様に、3つ以上の酸性基が存在する場合は、このような基の一部または全ては、塩化またはエステル化されていてもよい。本発明において命名された化合物は、非塩化または非エステル化形態、または、塩化及び/またはエステル化形態で存在していてもよく、このような化合物の命名は、元の化合物(非塩化及び非エステル化)とその薬学的に許容される塩及びエステルとの両方を含むことを意味している。また、本発明において命名された特定の化合物は、2種以上の立体異性体形態で存在していてもよく、このような化合物の命名は、このような立体異性体の全ての単一の立体異性体及び全ての混合物ラセミ体であるかそうでないかを問わない)を含むことを意味している。

0088

用語「薬学的に許容される」、「生理学的に許容される」及びそれらの文法的な変形例は、それらが組成物、担体、希釈剤及び試薬を意味する場合に同じ意味で用いられ、組成物の投与を禁止し得る程度の望ましくない生理学的作用をもたらすことなく、物質をヒトに投与可能であることを表す。

0089

組み合わせ治療
「と組み合わせて」、「組み合わせ治療」及び「組み合わせ生成物」とは、特定の実施形態では、本明細書に記載の因子を患者に同時投与することを意味する。組み合わせて投与する際、それぞれの成分を、同時または連続的に、任意の順番で、異なる時点で、投与してもよい。それゆえ、それぞれの成分を、別々にではあるが所望の治療効果がもたらされるような十分に近い時間間隔で投与してもよい。

0090

本発明の方法における活性因子の「併用投与」とは、因子が同時に治療効果を示すような時間で、試薬と共に投与することを意味する。このような併用投与は、因子の同時(すなわち、同時に)投与、前投与、または後投与を含んでいてもよい。本発明の特定の薬物及び組成物を投与する適切なタイミング、順番及び用量を決定することは、当業者にとって難しいことではない。

0091

抗CD47因子と組み合わせて投与可能な化学療法剤としては、アビトレキサート、アドリアマイシンアドルシル、アムサクリンアスパラギナーゼアントラサイクリン、アザシチジン、アザチオプリンビクヌー、ブレキサンブスルファンブレオマイシンカンプトサールカンプトテシンカルボプラチンカルムスチンセルジンクロラムブシルシスプラチンクラドリビンコスゲンシタラビン、サイトサール、シクロホスファミド、サイトキサン、ダクチノマイシンドセタキセルドキソルビシンダウノルビシンエレンス、エルスパル、エピルビシン、エトポシド、フルダラビン、フルオロウラシルフルダラゲムシタビンジェムザールハイカムチン、ヒドロキシウレア、ハイドレア、イダマシンイダルビシンイホスファミド、イフェックスイリノテカンランビス、ロイケラン、ロイスタチン、マチレーン、メクロレタミン、メルカプトプリンメトトレキサートマイトマイシンミトキサントロンミトラマイシン、ムタマイシン、マイレラン、マイロサール、ナベルビン、ニペント、ノバントロンオンコビンオキサリプラチンパクリタキセルパラプラチン、ペントスタチン、プラチノール、プリカマイシン、プロカルバジンプリトール、ラリトレキセド、タキソテールタキソール、テニポシド、チオグアニン、トムデックス、トポテカンバルルビシン、ヴェルバン、ベプシド、ビンブラスチンビンデシンビンクリスチンビノレルビン、VP−16、及びブモンが挙げられるがこれらに限定されない。

0092

抗CD47因子と組み合わせて投与可能な標的化治療薬としては、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、メシル酸イマチニブグリベック、STI−571としても周知)、ゲフィチニブイレッサZD1839としても周知)、エルロチニブタルセバとして市販されている)、ソラフェニブ(ネクサバール)、スニチニブ(スーテント)、ダサチニブスプリセル)、ラパチニブ(タイケルブ)、ニロチニブ(タシグナ)、及びボルテゾミブ(ベルケイド)など、ヤヌスキナーゼ阻害剤、例えば、トファシチニブなど、ALK阻害剤、例えば、クリゾチニブなど、Bcl−2阻害剤、例えば、オバトクラックス、ベンクレクスタ及びゴシポールなど、FLT3阻害剤、例えば、ミドスタウリンライダプト)など、IDH阻害剤、例えば、AG−221など、PARP阻害剤、例えば、イニパリブ及びオラパリブなど、PI3K阻害剤、例えば、ペリフォシンなど、VEGF受容体2阻害剤、例えば、アパチニブなど、[D−Lys(6)]−LHRHに結合したAN−152(AEZS−108)ドキソルビシン、Braf阻害剤、例えば、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ及びLGX818など、MEK阻害剤、例えば、トラメチニブなど、CDK阻害剤、例えば、PD−0332991及びLEE011など、Hsp90阻害剤、例えば、サリノマイシンなど、及び/または、小分子薬物コンジュゲート、例えば、ビンタフォリドなど、セリンスレオニンキナーゼ阻害剤、例えば、テムシロリムス(トーリセル)、エベロリムス(アフィニトール)、ベムラフェニブ(ゼルボラフ)、トラメチニブ(メキニスト)、及びダブラフェニブ(タフィンラー)などを挙げてもよいがこれらに限定されない。

0093

免疫調節因子、例えば、サイトカインリンフォカインモノカイン幹細胞増殖因子リンフォトキシンLT)、造血因子コロニー刺激因子CSF)、インターフェロン(IFN)、副甲状腺ホルモンサイロキシンインスリンプロインスリンリラキシンプロリラキシン卵胞刺激ホルモンFSH)、甲状腺刺激ホルモンTSH)、黄体形成ホルモン(LH)、肝増殖因子プロスタグランジン線維芽細胞増殖因子プロラクチン胎盤性ラクトゲンOBタンパク質トランスホーミング増殖因子(TGF)(例えば、TGF−αまたはTGF−βなど)、インスリン様成長因子(IGF)、エリスロポエチン、トロンボポエチン腫瘍壊死因子(TNF)(例えば、TNF−αまたはTNF−βなど)、ミュラー阻害物質、マウスゴナドトロピン関連ペプチドインヒビンアクチビン血管内皮増殖因子インテグリン顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GM−CSF)、インターフェロン(例えば、インターフェロン−α、インターフェロン−β、またはインターフェロン−γなど)、S1因子、インターロイキン(IL)(例えば、IL−1、IL−1cc、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、またはIL−25など)、LIF、kit−リガンド、FLT−3、アンジオスタチントロンボスポンジンエンドスタチン、及びLTなどと組み合わせて、抗CD47因子を投与してもよい。

0094

抗CD47因子と組み合わせて投与可能な腫瘍特異的モノクローナル抗体としては、ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ)、リツキシマブ(マブセラまたはリツキサンとして市販されている)、トラスツズマブハーセプチン)、アレムツズマブセツキシマブアービタックスとして市販されている)、パニツムマブベバシズマブアバスチンとして市販されている)、及びイピリムマブ(ヤーボイ)を挙げてもよいがこれらに限定されない。

0095

抗CD47因子と組み合わせるために特に関心があるものは、脱メチル化(エピジェネティックとしても周知)因子である。脱メチル化因子は、DNAのメチル化を阻害する薬剤である。現在市販されている脱メチル化因子は、DNAメチルトランスフェラーゼの活性を遮断する(DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤/DNMT阻害剤)。現時点において、この部類における2種のメンバーであるアザシチジン及びデシタビンは、米国における使用用にFDA承認済みである。グアデシタビンにも関心がある。アザシチジン及びデシタビンは、それらの比較的軽い副作用ゆえに、高齢患者及び共存症を有する患者の治療用に特に適している。両方の薬剤は、好ましくない細胞遺伝学的特性を有するAML芽球に対する優れた活性を有している。

0096

血液悪性腫瘍、例えば、白血病の治療は、1種または複数種治療因子と組み合わせることができる。一部の実施形態では、追加の治療因子は免疫応答調節因子である。免疫チェックポイントタンパク質は、標的細胞に対する、特に、本発明の方法における腫瘍細胞に対する免疫応答を抑制するように作用する免疫抑制分子である。T細胞による腫瘍に対する内因性応答は、免疫チェックポイント(免疫抑制タンパク質)を活性化して共刺激受容体(免疫活性化タンパク質)を抑制する腫瘍細胞によって調節不全となり得る。当該技術分野において「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる治療因子の部類では、抑制シグナルのアンタゴニストを投与することにより免疫応答の抑制を逆転させる。その他の免疫療法では、免疫共刺激分子アゴニストを投与して応答性を促進させる。

0097

臨床がん免疫療法との関係において最も積極的に研究されている免疫チェックポイント受容体、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA4、CD152としても周知)とプログラム細胞死タンパク質1(PD1、CD279としても周知)との両方は、抑制性受容体である。これら受容体のうちのいずれかを遮断する抗体の臨床活性は、抗腫瘍免疫が数段向上し得ること、組み合わせ戦略が理性的に設計され、機構要件及び前臨床モデルにより誘導され得るということを暗示している。

0098

CTLA4はT細胞上において排他的に発現しており、主に、初期段階のT細胞活性化の規模の大きさを調節する。CTLA4は、T細胞共刺激受容体であるCD28の活性を抑制する。CD28とCTLA4とは、同一のリガンド、CD80(B7.1としても周知)及びCD86(B7.2としても周知)を共有している。CTLA4の主な生理学的役割は、ヘルパーT細胞活性の下方調節、及び抑制性T(TReg )細胞の免疫抑制作用の増強である。CTLA4を遮断することにより、免疫応答の広範な増強がもたらされる。2種の完全ヒト化CTLA4抗体、イピリムマブ及びトレメリムマブは、臨床試験中であり使用されている。免疫チェックポイント遮断薬に対する応答は臨床的に遅く、多くの患者において治療開始後最長6ヶ月間遅延している。

0099

その他の免疫チェックポイントタンパク質はPD1及びPDL1である。これらの標的に対する現在臨床使用されている抗体としては、ニボルマブ及びペンブロリズマブが挙げられる。PD1の主な役割は、感染に対する炎症反応時に末梢組織におけるT細胞の活性を制限して、自己免疫を制限することである。T細胞が活性化されるときにPD1発現が誘導される。PD1は、そのリガンドのうちの1つが結合すると、T細胞活性化に関与するキナーゼを阻害する。PD1はTReg 細胞上で高発現しており、リガンドの存在下で自身の増殖を亢進することができる。TReg 細胞が多くの腫瘍に著しく浸潤しているため、PD1経路の遮断はまた、腫瘍内TReg 細胞の数及び/または抑制作用を低下させることにより、抗腫瘍免疫応答を向上させ得る。

0100

リンパ球活性化遺伝子3(LAG3、CD223としても周知)、2B4(CD244としても周知)、B及びTリンパ球アテニュエーターBTLA、CD272としても周知)、T細胞膜タンパク質3(TIM3、HAVcr2としても周知)、アデノシンA2a受容体(A2aR)、及びキラー細胞抑制受容体のファミリーはそれぞれ、リンパ球活性の抑制、一部の例においては、リンパ球アネルギーの誘導に関与している。これらの受容体を標的とする抗体を本発明の方法に使用することができる。

0101

TIM3はTヘルパー1(TH 1)細胞応答を抑制し、TIM3抗体は抗腫瘍免疫を向上させる。TIM3はまた、腫瘍特異的CD8+ T細胞上でPD1と共発現していることが報告されている。Tim3遮断薬は、この抑制性シグナル伝達を克服して、抗腫瘍細胞機能を維持または回復させることができる。

0102

BTLAは、TNFRSF14と相互作用する、T細胞上の抑制性受容体である。BTLA高T細胞は、そのリガンドの存在下で抑制される。相互作用する分子のシステムは複雑であり、CD160(免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー)及びLIGHT(TNFSF14としても周知)はそれぞれ、抑制作用及び共刺激作用を媒介する。シグナル伝達は、相互作用の特定の組み合わせに応じて二方向性であってもよい。BTLAとPD1との二重遮断は抗腫瘍免疫を向上させる。

0103

A2aR(そのリガンドはアデノシンである)は、部分的にCD4+ T細胞にFOXP3を発現させて、それによりTReg 細胞へと分化させることにより、T細胞応答を抑制する。この受容体を欠失させると、感染に対する高い、時として病理学的な炎症反応がもたらされる。アデノシン結合を遮断する抗体またはアデノシン類似体のいずれかを用いて、A2aRを抑制することができる。

0104

免疫共刺激分子を作動させる因子もまた本発明の方法に有用である。このような因子としては、CD40とOX40とのアゴニストが挙げられる。CD40は、抗原提示細胞APC)上に存在し、それら抗原提示細胞の活性化に必要な共刺激タンパク質である。これらAPCとしては、貪食細胞(マクロファージ及び樹状細胞)及びB細胞が挙げられる。CD40はTNF受容体ファミリーの一部である。CD40の一次活性化シグナル伝達分子は、IFNγ及びCD40リガンド(CD40L)である。CD40を介した刺激はマクロファージを活性化させる。CD47遮断薬の主な作用の1つは、マクロファージ及びその他貪食細胞による標的細胞の貪食作用を向上させることである。それゆえ、アゴニストCD40リガンドを抗CD47と組み合わせると、それぞれの単剤治療の場合と比較して、治療効果を高めることができる(実施例1)。アゴニストCD40因子を、抗CD47因子とほぼ同時に投与してもよく、または、マクロファージを予備活性化させるために、抗CD47を用いた治療の前及び同時に投与してもよい。

0105

免疫腫瘍微小環境を変化させる因子は本発明の方法に有用である。このような因子としては、インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)の生成を阻害するIDO阻害剤、免疫抑制作用を示す酵素が挙げられる。

0106

本明細書に記載の方法に従いCD47遮断薬と組み合わせて投与可能なその他の腫瘍免疫療法薬としては、限定するわけではないが、抗CCR4及び抗CCR2を含む、ケモカイン受容体に特異的な抗体が挙げられる。目的の抗CCR4(CD194)抗体としては、C−Cケモカイン受容体4(CCR4)に向かう、潜在的な抗炎症及び抗腫瘍活性を有するヒト化モノクローナル抗体が挙げられる。例示的な抗体は、CCR4に選択的に結合してその活性を遮断するモガムリズマブであり、CCR4が介在するシグナル伝達経路を抑制することにより、ケモカインが介在するT細胞の細胞遊走及び増殖ならびにケモカインが介在する血管新生を抑制し得る。加えて、この因子は、CCR4陽性T細胞に対する抗体依存性細胞媒介性細胞傷害ADCC)を誘導し得る。MIP−1、RANTES、TARC及びMCP−1などのC−CケモカインのG共役タンパク質受容体であるCCR4は、一部の種類のT細胞、内皮細胞、及び一部の種類の神経細胞の表面上に発現している。CD194としても周知のCCR4は、成人T細胞リンパ腫(ATL)細胞及び末梢T細胞リンパ腫PTCL)細胞上で過剰発現し得る。

0107

上記の組み合わせ治療薬を、抑制性T細胞に作用するその他の因子、例えば、抗CTLA4Ab、または、その他のT細胞チェックポイント阻害薬、例えば、抗PD1抗体、抗PDL1抗体などと組み合わせてもよい。

0108

一部の実施形態では、本発明の因子の組み合わせの投与を、患者の血球容積比を高める有効用量の因子、例えば、エリスロポエチン刺激因子(ESA)と組み合わせる。このような因子は周知であり、当該技術分野において使用されているが、それらとしては、例えば、アラネスプ登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エポジェン(登録商標)/プロクリット(登録商標)(エポエチンアルファ)、オモンティス(登録商標)(ペギネサチド)、プロクリット(登録商標)などが挙げられる。例えば、米国特許第9,623,079号を参照されたい。

0109

方法
治療有効用量の抗CD47因子の投与は、臨床的に有効な期間内に治療レベルを達成しつつ安全な用量漸増をもたらすスケジュールで提供される。本方法は、クリアランス、漸増及び維持の過程を含んでいてもよい。一実施形態では、投与レジメンでは、その後の治療のための循環腫瘍細胞の安全レベルを達成するために、初期の(i)治療用量以下の抗CD47因子を投与するか、または、(ii)細胞減少療法を実施し(クリアランス)、治療用量に到達するまで抗CD47因子の用量を漸増させ(漸増)、患者の骨髄における腫瘍細胞を減少させるために十分な期間にわたり治療用量を維持する(維持)。

0110

代替投与レジメンでは、診察時に循環腫瘍細胞の安全レベルを有することが確認された患者は、治療用量に到達するまで抗CD47因子の用量を漸増させて患者由来の骨髄芽球における約80%超の受容体占有率を達成すること(漸増)、及び、患者の骨髄における腫瘍細胞を減少させるために十分な期間にわたり治療用量を維持すること(維持)、を含む、漸増及び維持の過程により治療される。

0111

用量及び頻度は、患者における抗CD47因子の半減期に応じて様々であり得る。このようなガイドラインが、活性因子の分子量に応じて、例えば、抗体フラグメントの使用、抗体コンジュゲートの使用、SIRPα試薬の使用、可溶性CD47ペプチドの使用などで調整されるということを、当業者は理解する。用量はまた、局所投与(例えば、経鼻吸入など)または全身投与(例えば、i.m.、i.p.、i.v.など)に応じて様々であってもよい。

0112

キット
本方法に用いるキットも提供する。本キットは抗CD47因子を含む。一部の実施形態では、抗CD47因子は、投与剤形(例えば、治療に有効な投与剤形)で提供される。一部の実施形態では、抗CD47因子は、2種またはそれ以上の異なる投与剤形(例えば、2種またはそれ以上の異なる治療に有効な投与剤形)で提供される。キットに関し、プライマー因子及び/または抗CD47因子は、任意の簡便な包装スティックパックまたはドーズパックなど)に入った液体または固体の形態で提供されてもよい。

0113

上記の構成要素に加え、本キットは、(特定の実施形態では)本方法を実施するための取扱説明書を更に含んでいてもよい。これらの取扱説明書は様々な形態で本キット内に存在していてもよく、これらの形態のうちの1種または複数種は本キット内に存在していてもよい。これらの取扱説明書が存在し得る1種の形態は、好適な媒体または基材(例えば、その上に情報を印刷する一枚または複数枚の紙)上の印刷情報、キットの包装における印刷情報、添付文書における印刷情報などである。これら取扱説明書の更に別の形態は、そこに情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケットコンパクトディスク(CD)、フラッシュドライブなどである。存在し得るこれら取扱説明書の更に別の形態は、削除されたサイトの情報にアクセスするためにインターネットを介して使用することができるウェブサイトアドレスである。

0114

これまで本発明について十分に説明してきたが、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく様々な変更及び修正を実施可能であることは当業者に明らかである。

0115

以下の実施例は、完全な開示及び説明を当業者に提供するために記載するものであり、本発明者が本発明とみなす範囲を制限することを意図するものではなく、以下の実験が実施される実験の全てまたは唯一の実験であると示すことを意図するものでもない。使用する数値(例えば、量、温度など)に対する精度を確保するための努力を行ってはいるが、一定の実験的誤差及び偏差は発生する。別途示さない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、また圧力は大気圧または大気圧付近である。

0116

本明細書で引用する全ての刊行物及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが明示的及び個別に示されるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。

0117

本発明を実施するための好ましい方法を含むと本発明者が発見または提案する特定の実施形態の観点から本発明を説明してきた。本開示に鑑み、本発明の意図する範囲を逸脱することなく、例示される特定の実施形態において多数の修正及び変更が実施可能であることを当業者は理解する。例えば、コドン冗長性により、タンパク質配列に影響を及ぼすことなく、基本的なDNA配列における変更を実施することができる。更に、生物学的機能同等性の要件により、種類的または量的に生物学的作用に影響を及ぼすことなく、タンパク質構造における変更を実施することができる。全てのこのような修正は添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることを意味する。

0118

実施例1
CD47は、ヒト急性骨髄性白血病(AML)幹細胞及びその他のがん細胞上に高発現している。CD47は、ヒトマクロファージによるがん細胞の貪食作用を阻害する。CD47を遮断することにより、マクロファージが貪食作用を介してAMLを除去することができるようになる。それゆえ、CD47は治療抗体の標的である。CD47結合因子は、白血病及びその他のがん細胞、またはその他の疾患細胞の除去をもたらす。高負荷の循環疾患細胞、例えば、循環白血病またはリンパ腫細胞を対象が有している場合、CD47結合因子は、凝集及び/または溶解だけでなく、CD47標的化治療における場合により命にかかわる毒性につながり得る、疾患細胞におけるその他の細胞の殺傷及び除去も引き起こす場合がある。それゆえ、急性の命にかかわる副作用を予防する投与戦略が求められている。本発明者らは、CD47標的化治療薬の用量を徐々に増加させて循環系病変の負荷を軽減することによってこれらの毒性を予防する、対象内用量漸増戦略を確立した。

0119

本発明者らは、CD47−SIRPα経路遮断療法を試験するためのヒトAML異種移植マウスモデルを確立した。本発明者らは、AML細胞の異種移植に続いて極めて高負荷の循環AML細胞(総白血球数の>50%)及びAMLによる骨髄浸潤(>90%)を示したマウスにおいて、抗CD47抗体(hu5F9−G4)を用いたCD47標的化治療が多くの場合、第1の用量の投与の1時間以内に死亡を引き起こすことを発見した。注目すべきことに、低用量のhu5F9−G4を最初に用いて血液中における循環AML細胞の量を減少させてから、それに続くより高用量の薬剤を投与した場合、これらのマウスにおける急死を予防することができた。この対象内用量漸増は、急死を予防しただけでなく、白血病細胞の安全なクリアランスももたらした。

0120

対象内用量漸増は、(1)低用量の抗CD47Abを用いた初期治療により急死症候群を予防し、(2)低用量の抗CD47Abまたは細胞減少剤を用いた初期治療により末梢血の白血病細胞を減少または排出させることができ、(3)低用量の抗CD47Abで正常細胞及び白血病細胞を飽和させて細胞凝集及び関連毒性を予防及び/または低下させ、(4)血液及び骨髄からその病変を最終的に排出することができるそれに続くより高用量の安全な投与を可能にする。それゆえ、初期の低用量の抗CD47Abは、末梢血のクリアランスを行うことにより、より多い治療用量の投与を容易にすることができる。

0121

実施例2
アザシチジンとHu5F9−G4とを用いた組み合わせ治療によるヒトマクロファージでの急性骨髄性白血病がん細胞の貪食除去の向上
AMLの治療についてアザシチジンとHu5F9−G4との組み合わせを評価した。アザシチジン(ビダーザ(登録商標))は、急性骨髄性白血病(AML)の治療に用いられている化学療法剤である。アザシチジンの抗がん作用は、脱メチル化、またはデオキシリボ核酸(DNA)のメチル化を妨害することに加え、急速に分裂するがん細胞が死滅する原因となる直接の細胞傷害効果をもたらすように細胞代謝を妨害することに起因すると考えられている。

0122

0μM、1μM、3μM及び15μMの濃度でアザシチジンの用量を増加させながら、緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードするレンチウイルスをあらかじめ形質導入した急性前骨髄性白血病細胞(HL60)を24時間培養した。その後、HL60白血病細胞を、10μg/mlの濃度のHu5F9−G4 Abの存在下または不存在下にて、ヒト単球から誘導したヒトマクロファージと2時間共培養した。マクロファージを抗CD206 Abで標識してから、フローサイトメトリーを用いて全ての細胞を解析し、HL60白血病細胞の貪食作用を測定した。HL60白血病細胞の貪食作用を、マクロファージの総数と比較した、HL60を飲み込んだGFP陽性のマクロファージのパーセンテージとして定量した。その結果を最大貪食作用(100%)を示す条件に正規化した。

0123

3μMの濃度のアザシチジンとHu5F9−G4とを組み合わせると、単一の因子、アザシチジンまたはHu5F9−G4でのみ処理したHL60白血病細胞の貪食作用と比較して、ヒトマクロファージによるHL60白血病細胞の貪食除去が向上した。患者におけるほぼピークのアザシチジン血漿中濃度であったため、3μMのアザシチジン用量を選択した。1μMの濃度のアザシチジンは、HL60白血病細胞の貪食除去を向上させなかった。Hu5F9−G4と組み合わせた15μMの濃度のアザシチジンは、3μMの濃度のアザシチジンを超えて、HL60白血病細胞の貪食除去を向上させなかった。これらの結果は、2種の異なる単球ドナーから誘導したマクロファージを用いた2種の異なるアッセイ間で一致していた。

0124

要約すると、3μMの濃度のアザシチジンとhu5F9−G4とを組み合わせると、アザシチジンまたはhu5F9−G4を用いた単一因子治療と比較して、インビトロでのヒトマクロファージによるHL60白血病細胞の貪食除去が有意に向上した。これらの実験は、AML患者におけるhu5F9−G4とアザシチジンとの組み合わせの効果の前臨床実施を提供するものである。

0125

臨床的には、1)年齢及び/または共存症により標準的な導入化学療法または同種造血細胞移植に不適格な未治療AML患者、2)第一選択の脱メチル化因子または標準療法のいずれかに再発及び/または難治性のAML患者、3)これまで治療されていない中及び高リスクの骨髄異形成症候群(MDS)患者、及び、4)第一選択の脱メチル化因子に対して再発及び/または難治性のMDS患者の治療のために、hu5F9−G4を、アザシチジン、デシタビンまたはその他の脱メチル化因子と組み合わせてもよい。

0126

この試験は、アザシチジンとHu5F9−G4とを組み合わせると、アザシチジンまたはHu5F9−G4を用いた単一因子治療と比較して、インビトロでのヒトマクロファージによるHL60白血病細胞の貪食除去を向上させることができるということを示すものである。

0127

実施例3
hu5F9−G4用量漸増治療による高い病変負荷を有するマウスにおける急死の予防
この試験では、マウス異種移植モデルを用いて、ヒトAML疾患に対する用量漸増レジメンを、hu5F9−G4(ヒト化抗CD47抗体)により引き起こされる急死の予防戦略として研究した。これまでの研究で、本発明者らは、初期治療用量のhu5F9−G4がAML移植マウスの急死を引き起こすことを観察した。本発明者らはまた、高レベルの循環白血病細胞を有するマウスが急死したことから、急死が循環系病変の負荷に関係しているらしいということを確認した。本発明者らは、初期低用量のhu5F9−G4が循環系病変を排出し、その後、骨髄のクリアランスを実施するためのより多い治療用量の投与を容易とすることが可能となり得るという仮説を立てた。

0128

極めて多い循環白血球(総白血球数の>50%)及びAMLによる骨髄浸潤(>80%)を示す異種移植マウスにおいて、Hu5F9−G4治療は、第1の用量の投与の1時間以内に死亡を引き起こした。この試験の目的は、白血病細胞を殺傷する速度を低下させることによって、AML異種移植マウスで観察された急死を回避することができるか否かを明らかにすることであった。大規模な臨床病理学的及び組織学的解析において、死亡の原因を最終的に同定することはできなかった。急死が白血病細胞の凝集または腫瘍溶解のいずれかに起因し得るものであり、白血病細胞を殺傷する速度を低下させることによって急死を回避することができるという仮説を立てた。

0129

後者の仮説を検証するために、1μg〜100μgの範囲の初期用量のHu5F9−G4でマウスを治療した。100μgのHu5F9−G4で治療した5匹のマウスのうちの4匹が死亡し、10μgのHu5F9−G4で治療した5匹のマウスのうちの1匹が死亡したが、1μgのHu5F9−G4で治療した5匹のマウスのうちの5匹において急死は観察されなかった。

0130

初期低用量のHu5F9−G4を用いて病変を安全に減少させることができ、その後、高用量を用いて疾患を治癒することができるか否かを明らかにするために、同一試験の生存マウスに対して投与を継続した。コホートI−100μg/日を14日間、コホートII−10μg/日を7日間に続けて100μg/日を14日間、及びコホートIII−1μg/日を7日間に続けて10μg/日を7日間に続けて100μg/日を14日間というHu5F9−G4投与スキームでマウスを治療した。初期用量の100μgのhu5F9−G4を注射されたコホートIの5匹のマウスのうちの4匹は、急死症候群を示した。唯一の生存マウスは、100μgの抗体を残り14回投与しても抗体に耐性を示し、病変は排出された。初期用量の10μgのhu5F9−G4を投与されたコホートIIの5匹のうちの1匹のマウスは急死を示し、残りの4匹のマウスは、10μgのhu5F9−G4を最初に7回投与し、その後100μgを14回投与しても生存した。初期用量の1μgのhu5F9−G4を投与されたコホートIIIのマウスはいずれも急死を示さなかったが、病変のクリアランスは、1μgを7回、10μgを7回、及び100μgを14回投与した後に著しく低下し、治療終了後数週間でマウスは再発した。対照群の全てのマウスは継続的に増悪し死亡した。hu5F9−G4の用量漸増レジメンを受けた群は、初期治療の終了後に、病変及びAML細胞の負荷を増加させて再発した。一部の症例においては、再治療により病変が排出され、長期無病生存期間につながった。結果を図2及び図3に示す。

0131

実施例4
AMLにおける薬物動態及び効果プロファイル
正常組織上におけるCD47の広範にわたる発現を考慮すると、治療hu5F9−G4用量は、白血病細胞を飽和及び除去するために、内部CD47シンクを飽和させることができるはずである。AML第1相試験において、hu5F9−G4投与レジメンが、内部CD47シンクを飽和させて、臨床的に実行可能な投与で有効な循環薬物レベルをもたらすことができるということが示されている。

0132

前臨床モデルにおいて、100μg/ml以上のhu5F9−G4トラフレベルが効果に関係していることが明らかとなった(ドット青線)。このトラフレベルは、第1相試験における投与をガイドするための最低トラフレベル目標としての役割を果たした。3mg/kg以下の用量レベルでは目標トラフレベルに到達しなかった。観察された急速なピーク及びトラフは、CD47シンクの非線形飽和による標的介在性除去と一致した。それゆえ、治療に対する効果は、3mg/kgの濃度以下では予想も観察もされなかった(コホート1及び2)。10mg/kg以上の用量レベル(コホート3及び4)では、最初の効果判定評価の時点である約4週間までに目標トラフレベルを達成した。

0133

実施例5
AMLにおけるhu5F9−G4治療の治療効果
最大の10mg/kgのhu5F9−G4を週に2回投与された患者(コホート3)において、3名の患者のうちの2名(106及び702)は生物学的抗白血病活性を示した。これら2名の患者は、前臨床マウス異種移植モデルで観察されたhu5F9−G4抗白血病活性と同様の、著しい低形成骨髄及び確かな芽球数低下を示した。生物学的活性を有するこれらの患者において、いくつかの別の因子が注目に値する。第1に、これら2名の患者のうちの1名は、6ヶ月間を超えて継続中の長続きする効果を有し、>50%の芽球減少を伴う部分寛解(PR)を示した。臨床的にこの患者は、治療に対して十分に耐性を示しており、治療前におけるほぼ毎週から、3ヶ月目の間と治療後における1ヶ月間に1回へと、RBC輸血条件に大幅な改善が認められていた。

0134

全ての患者について、骨髄内の白血病芽球上におけるCD47受容体占有率を、hu5F9−G4活性の薬力学指標として測定した。生物学的効果を有するこれら2名の患者において、白血病骨髄細胞上における50〜60%のCD47受容体占有率が認められており、hu5F9−G4による腫瘍細胞結合を示している。

0135

抗白血病活性に特異的なマクロファージ及びT細胞を誘導するhu5F9−G4のMOAに基づいて、長続きする効果を有するこの患者の腫瘍微小環境(骨髄)における免疫エフェクター細胞の存在を評価した。hu5F9−G4が誘導した著しい低形成にもかかわらず、治療の4週目において、かなりの数のマクロファージが骨髄内に存在していた(CD68染色またはCD163染色のいずれかで評価した)。更に、骨髄へのT細胞浸潤は治療中に著しく増加した(ベースライン時に存在していた総骨髄細胞中の10〜15%のT細胞浸潤が、治療の8週目までに40〜50%に増加した(青円))。サンプル数に限りがあるとはいえ、このデータは、前臨床試験が示す自然免疫機構と適応免疫機構の両方を介して、hu5F9−G4が白血病細胞を除去していることを示唆している。

0136

図9に示すとおり、1日目及び4日目に1mg/kgの5F9−G4のプライミング用量で患者を治療した。8日目に用量を15mg/kgに漸増した。それぞれの投与後に受容体占有率を測定した。CD45+末梢血及び骨髄において、この投与はほぼ完全な受容体占有率をもたらした。

0137

実施例6
細胞減少剤とhu5F9−G4とを用いた組み合わせ治療
細胞減少治療薬とhu5F9−G4とを用いた共治療を行い循環白血病細胞負荷を軽減することにより、hu5F9−G4に関連する急死のリスクを軽減することができる。細胞減少治療薬とは、循環及び骨髄腫瘍負荷を軽減する因子のことであり、例えば、ヒドロキシウレア、経口エトポシド、ロイコフェレーシス、及びその他の細胞傷害性化学療法などの治療を含む。前臨床モデルでは、ヒドロキシウレアの効果、及び、継続中のhu5F9−G4治療に関する潜在的な追加毒性について、免疫応答性で野生型の健康なマウスを用いて評価を行った。

0138

再発/難治性AMLにおけるhu5F9−G4の第1相試験では、hu5F9−G4の併用投与中に、ヒドロキシウレア及び/または経口エトポシドのいずれかを用いた細胞減少を利用して、循環WBC負荷を<10×109 /Lに軽減した。hu5F9−G4治療にハイドレアを加えることは、毒性を上昇させることなく患者のWBCを試験の間<10×109 /Lに維持するために十分であった。hu5F9−G4に関連する急死は、本特許の提出時点において、試験中に治療したいずれの患者においても観察されなかった。

0139

実施例7
hu5F9−G4との腫瘍免疫療法薬の組み合わせ
モノクローナル遮断抗CD47抗体を用いて腫瘍細胞におけるCD47−SIRPαシグナル伝達軸を遮断すると、自然免疫機構と適応免疫機構の両方の活性化による腫瘍除去がもたらされる。自然免疫機構による抗CD47抗体介在性腫瘍除去は、マクロファージ及びその他の貪食細胞による腫瘍細胞の貪食除去を介して行われる。マクロファージが多くの腫瘍タイプに浸潤する一般的な免疫細胞であることが知られており、腫瘍内マクロファージ浸潤の度合いは臨床予後と相関している。マクロファージ浸潤と臨床疾患経過との相関関係は多くの場合、腫瘍進行を抑制する古典的活性化(M1)タイプのマクロファージ、または、腫瘍進行を促進する選択的活性化(M2)タイプのマクロファージのいずれかの存在に依存している。

0140

多くの腫瘍タイプにおけるM2マクロファージの頻繁な浸潤及び腫瘍形成促進におけるその役割を考慮して、腫瘍マクロファージの偏りを腫瘍形成促進M2マクロファージから抗腫瘍形成M1マクロファージへとシフトする治療薬を開発することに広範にわたる関心が存在している。非臨床研究では、抗CD47抗体介在性腫瘍細胞貪食作用がM1マクロファージとM2マクロファージとの両方を介して行われるということが示されている(Zhang et al.(2016)PLoS ONE 11(4):e0153550を参照のこと)。加えて、抗CD47抗体を用いたヒト異種移植腫瘍のインビボ治療が治療後にM1腫瘍内マクロファージの増加を示し、抗CD47抗体がまた、マクロファージの表現型をM2からM1表現型へとインビボでシフト可能であることを示唆した。マクロファージエフェクター動員が抗CD47抗体による抗腫瘍活性における重要なメカニズムであることから、抗CD47抗体で治療した患者における治療前及び治療後のマクロファージ腫瘍浸潤の特性解析を行うことにより、抗腫瘍効果を高める、患者及びがんのサブタイプ、ならびにマクロファージバイオマーカーへの洞察がもたらされる。

0141

自然免疫機構の調節に加え、抗CD47抗体治療はまた、抗腫瘍効果に向けて適応免疫機構を活性化させる。貪食細胞(マクロファージ及び/または樹状細胞)による腫瘍細胞の貪食は、T細胞抗腫瘍効果を可能とするT細胞への腫瘍抗原クロスプレゼンテーションにつながる。1つの非臨床研究では、抗CD47抗体は、抑制性T細胞を増殖させることなく特定のCD8T細胞抗腫瘍効果を介在した(一般的には、腫瘍促進性であると考えられている)。現在、腫瘍に浸潤するT細胞サブセットと腫瘍免疫療法薬の使用による臨床効果との間の関係を調査することに強い関心がある。事実、腫瘍内へのT細胞浸潤の増加は、T細胞チェックポイント阻害薬で治療したがん患者における臨床効果と関連付けられている。抗腫瘍T細胞応答の媒介における抗CD47抗体の役割を考慮すると、T細胞エフェクターの抗CD47抗体介在性効果への寄与に関する臨床研究は、治療に効果を示す患者及びがんのサブタイプを選択する上で重要である。

0142

抗白血病活性に特異的なマクロファージ及びT細胞を誘導するhu5F9−G4のMOAに基づいて、hu5F9−G4を用いた第1相臨床試験におけるAMLを有する患者の腫瘍微小環境(骨髄)における免疫エフェクター細胞の存在を評価した。部分寛解を得た1名の患者において、骨髄内へのマクロファージ及びT細胞の浸潤を評価した。

0143

治療の4週目において、かなりの数のマクロファージが骨髄内に存在していた(CD68染色またはCD163染色のいずれかで評価した)。更に、骨髄へのT細胞浸潤は治療中に著しく増加した(ベースライン時に存在していた総骨髄細胞中の15%のT細胞浸潤が、治療の8週目までに40〜50%に増加した(青円))。このデータは、前臨床試験が示す自然免疫機構と適応免疫機構との両方を介して、hu5F9−G4が白血病細胞を除去していることを示している。

0144

hu5F9−G4治療によりT細胞腫瘍浸潤が増加するというエビデンスに基づくと、抗腫瘍T細胞応答を活性化して高める治療因子とhu5F9−G4との組み合わせは高い臨床効果をもたらし得る。hu5F9−G4との組み合わせ治療薬としては、T細胞チェックポイント阻害薬(例えば、抗PD1抗体、抗PDL1抗体、抗CTLA−4抗体、抗Tim3抗体)が挙げられる。

0145

実施例8
バイオマーカー
hu5F9−G4に対する高い臨床効果を予測する白血病または前白血病状態(例えば、MDS)を有する患者を選択するための、分子、細胞遺伝学、免疫表現型、及び腫瘍微小環境のプロファイリングの使用。

0146

前臨床モデルにおいて、hu5F9−G4は、広範囲の細胞遺伝学、分子及び表現型のAMLサブタイプにわたる単剤治療活性を示している。しかしながら、hu5F9−G4治療薬は、特定のAMLサブタイプに優先的に高い臨床活性を有し得る。DNAシークエンシング、細胞遺伝解析/蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)、及びフローサイトメトリーを用いて、AML患者の分子、染色体及び表現型の特徴を予測検査することは、hu5F9−G4に対するより高い効果を示す患者の同定につながり得る。第1相AML試験では、hu5F9−G4治療を受けている患者に対して、骨髄変異の標的化DNAシークエンシングを実施した。その他の変異と比較した一部の変異について、変異負荷(変異対立遺伝子の頻度)の軽減を観察した(図X)。

0147

AML表現型選択に加え、骨髄内腫瘍微小環境の予測特性解析により、hu5F9−G4の効果を予測することができる。マクロファージ、その他の貪食細胞、及びT細胞がhu5F9−G4抗腫瘍活性に必要とされる主要なエフェクター細胞であることを考慮すると、治療前の骨髄内におけるこれらの免疫細胞タイプの頻度は、hu5F9−G4活性の予測因子となり得る。とりわけ、CD68、CD163、M1及びM2特性解析、ならびにその他の類似マーカーによる骨髄内におけるマクロファージの高い頻度は、高い効果と相関し得る。好中球、樹状細胞及びT細胞の浸潤増加はまた、高い効果と相関し得る。特定のT細胞サブタイプ(CD3、CD4、CD8、PDL1、PD1、FoxP3、CD25発現の特性解析を含むがこれらに限定されない)は、hu5F9−G4効果と相関し得る。最後に、SIRPαがエフェクター細胞上のCD47に対するリガンドであることから、腫瘍へのSIRPα浸潤の度合いは、効果の予測因子となり得る。骨髄における免疫エフェクター特性解析の様式としては、免疫組織化学、免疫蛍光、cyTOF及びフローサイトメトリーが挙げられる。

0148

実施例9
hu5F9−G4 AML適応症
hu5F9−G4は、AMLの形態学的、分子的、及び細胞遺伝学なサブタイプにわたる広範な前臨床活性を有している。それゆえ、hu5F9−G4は、AMLにおける広範で潜在的な臨床活性を有し得る。特定の臨床適応症に関し、hu5F9−G4は、1)再発及び/または難治性の急性骨髄性白血病、2)標準的な低強度療法(例えば、脱メチル化因子による)に失敗し標準的な導入化学療法に不適格なAML患者、3)微小残存病変のエビデンスを有し形態学的な完全寛解を示すAML患者を治療することができる。

0149

微小残存病変(MRD)のモニタリングは、移植前環境と移植後環境との両方のAML患者の治療に中心的な役割を果たしつつある強力な予後因子となっている。新たに診断されたAML患者の複数の大規模研究において、治療後におけるMRD陽性は、独立した不良予後因子であり、再発の予測因子であった。加えて、MRD陽性はまた、移植後環境における不良予後因子であると考えられる。同種HSCTを受けた形態学的な寛解を示す患者における後ろ向き研究では、MRD陰性寛解における22%と比較してMRD陽性寛解を示す患者の67%が移植後3年以内に再発したことから、移植前におけるMRDの存在は再発の独立した予測因子であった。1)異常造血表面抗原を検出するためのマルチパラメータフローサイトメトリー、2)白血病特異的変異負荷の分子学的モニタリング、3)白血病関連染色体異常の細胞遺伝学的モニタリングを含むMRDをモニターするためのいくつかの方法がAMLにおいて利用されている。

0150

前臨床及び初期臨床試験では、hu5F9−G4は、低腫瘍負荷の疾患において高活性を示している。それゆえ、hu5F9−G4は、最小限の腫瘍負荷が検出される環境、とりわけ、微小残存病変を有する患者において、より効果的であり得る。

0151

実施例10
受容体占有率のアッセイ
本アッセイの概略を図7に示す。予定された時点(例えば、hu5F9−G4投与の1日前、hu5F9−G4投与の1日後など)に患者の末梢血及び骨髄吸引液を採取する。これらの試料を2つのチューブ、「RO試験」及び「RO飽和」に分配する。「RO飽和」は、100%受容体占有率(あらかじめ飽和を測定)をシミュレートするために200μg/mlのhu5F9−G4を用いてエクスビボで人工的に飽和させたものである。RO試験は、人工的に飽和させていないものである。その後、これらの2つのチューブを200μg/mlのAlexaFlour−647がコンジュゲートした抗IgG4(クローンG17−4)で染色して、赤血球及び白血球(芽球を含む)上の蛍光強度を測定する。それぞれの血液画分の受容体占有率を、RO飽和中央蛍光強度(MFI)で割ったRO試験MFIのパーセンテージ比として測定する。

0152

実施例11
例示的な臨床投与プロトコル図8に示す。上の表は第1相臨床試験に用いるより少ない用量範囲を示し、下の表は臨床的に意義がある投与スケジュールを示す。

実施例

0153

相互参照
本出願は、2017年 6月21日出願の米国仮特許出願番号62/523,182の利益を主張するものであり、その出願全体は本明細書に参照として組み込まれる。

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