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課題・解決手段
概要
背景
当該技術分野において周知であるとおり、たとえば太陽電池モジュールとしても公知である光起電力(PV)モジュールは、光から電気を生成し、さまざまな種類の適用、特にアウトドア適用に用いられる。光起電力モジュールのタイプはさまざまであり得る。このモジュールは通常多層構造を有し、すなわち異なる機能を有するいくつかの異なる層エレメントを有する。光起電力モジュールの層エレメントは、層材料および層構造に関して異なり得る。最終的な光起電力モジュールは剛性または可撓性であり得る。
上記に例示した層エレメントは、単層または多層エレメントであり得る。通常、PVモジュールの層エレメントはその機能の順にアセンブルされ、次いでともに積層されて一体化したPVモジュールを形成する。さらに、あるエレメントの複数の層の間、または異なる層エレメントの間に接着層(単数または複数)が存在してもよい。
光起電力(PV)モジュールはたとえば、所与の順序の可撓性または剛性であり得る保護前面層エレメント(たとえばガラス層エレメントなど)と、前面封止層エレメントと、光起電力エレメントと、背面封止層エレメントと、バックシート層エレメントとも呼ばれる剛性または可撓性であり得る保護裏面層エレメントと、任意にはたとえばアルミニウムフレームなどとを含み得る。
たとえば前面または裏面封止層エレメントなどの封止層エレメントに対して、エチレンポリマーに基づくポリマー組成物も用いられ得る。たとえば接着特性を改善するなどのために、ポリマー組成物にシラン基含有単位が導入され得る。こうしたシラン含有単位は、a)エチレンポリマーと混合される別個のシラン化合物として加えられてもよいし、b)シラン基含有単位として加えられて、エチレンと、アルファオレフィンコモノマー(単数または複数)またはたとえばアルキルアクリレートコモノマーもしくはビニルアセテートコモノマーなどの極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーのポリマー主鎖にグラフト化されてもよいし、c)エチレンモノマーを極性コモノマー(単数または複数)およびシラン基含有コモノマーと一緒に共重合することによって加えられて、エチレンと前記極性コモノマーと前記シランコモノマーとのコポリマーを提供してもよい。
シラングラフト化ポリエチレンまたはシラン基含有コモノマーを含有するエチレンのコポリマーは、次いでたとえば光起電力(PV)モジュールの積層プロセスの間または後などに架橋され得る。ポリマーの技術分野において周知であり立証されているとおり、ポリエチレンのグラフト化シラン基含有単位またはシラン基含有コモノマーの架橋は、過酸化物またはシラン縮合触媒を用いてもたらされ得る。
当該技術分野において周知であるとおり、グラフト化プロセス(b)は通常、溶融状態の化合物において過酸化物の存在下で行われる。ポリエチレン主鎖にシラン基をグラフト化するためのこうしたプロセスは、たとえばシオプラス(Sioplas)またはモノシル(Monosil)架橋プロセスなどによって公知であり、ここでは前記グラフト化がプロセスの1ステップであり、その後に架橋ステップが続く。シオプラスプロセスはたとえば特許文献1などに記載されており、モノシルプロセスはたとえば特許文献2などに記載されている。グラフト化を記載しているさらなる例として、たとえば特許文献3、特許文献1、および特許文献2などが言及され得る。
さらに、エチレンとシラン基含有コモノマーとのコポリマーを生成するためにエチレンモノマーとシラン基含有コモノマーとを共重合するプロセス(c)は、ポリマーの技術分野における技術水準において周知であり、かつ立証されている。こうした共重合プロセス、および得られるエチレンとシラン基含有コモノマーとのコポリマー、およびエチレンベースのポリマーに基づく封止層エレメントに対して好適なポリマー組成物における前記コポリマーの使用は、たとえば特許文献4、特許文献5、特許文献6、および特許文献7などに開示されている。
したがって、PVモジュールの層エレメントの一部または全部、たとえば前面および背面封止層エレメント、ならびにしばしばバックシート層などは、通常たとえばエチレンビニルアセテート(EVA:ethylene vinyl acetate)ベースの材料などのポリマー材料である。
概要
本発明は、ポリマー組成物と、ポリマー組成物を含む物品、好ましくはポリマー組成物を含む少なくとも1つの層エレメント(LE)を含む光起電力(PV)モジュールである物品と、前記物品、好ましくは前記光起電力(PV)モジュールを生産するためのプロセスとに関する。
目的
本発明のポリマー組成物は、UV放射に対する驚くほど良好な保護を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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この技術が所属する分野
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請求項1
ポリマー組成物であって、−エチレンのポリマー(a)を含むポリマー成分であって、前記エチレンのポリマー(a)は、−(a1)シラン基(単数または複数)含有コモノマーを有するエチレンのポリマー、−(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであって、前記コポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、かつ前記コポリマー(a2)は前記エチレンのポリマー(a1)とは異なる、コポリマー、または−(a3)エチレンと、1つ以上の(C1〜C10)−アルファオレフィンコモノマーとのコポリマーであって、エチレンのポリマー(a1)およびエチレンのポリマー(a2)とは異なる、コポリマーより選択される、ポリマー成分と、−色素(b)とを含み、前記色素(b)の量は前記ポリマー組成物の量(100%wt)に基づいて2.00wt%未満である、ポリマー組成物。
請求項2
前記色素(b)の量は、0.10wt%から2.00wt%未満、好ましくは0.15〜1.99、好ましくは0.20〜1.98wt%である、請求項1に記載のポリマー組成物。
請求項3
請求項4
前記エチレンのポリマー(a)は、(a1)シラン基(単数または複数)含有コモノマーを有するエチレンのポリマーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
請求項5
前記エチレンのポリマー(a)は(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであり、前記エチレンのポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、好ましくは(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上、好ましくは1つの極性コモノマー(単数または複数)と、シラン基(単数または複数)含有コモノマーとのコポリマーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
請求項6
前記エチレンのコポリマー(a2)中の前記極性コモノマーの量は0.5〜30.0mol%、好ましくは2.5〜18mol%であり、好ましくは前記極性コモノマーは(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマーより選択され、より好ましくはメチルアクリレート、エチルアクリレート、またはブチルアクリレートコモノマーより選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
請求項7
エチレンのポリマー(a1)またはエチレンのコポリマー(a2)の前記シラン基(単数または複数)含有単位、または好ましくは前記シラン基(単数または複数)含有コモノマーは、式(I)R1SiR2qY3−q(I)によって表される加水分解性不飽和シラン化合物であり、式中R1はエチレン不飽和ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、または(メト)アクリルオキシヒドロカルビル基であり、各R2は独立に脂肪族飽和ヒドロカルビル基であり、同じであっても異なっていてもよいYは加水分解性有機基であり、qは0、1または2であり、好ましくはエチレンのポリマー(a1)またはエチレンのコポリマー(a2)の前記シラン基(単数または複数)含有単位、または好ましくは前記シラン基(単数または複数)含有コモノマーの量は0.01〜2.0mol%であり、好ましくは前記エチレンのポリマー、好ましくは前記コポリマー(a1)および前記エチレンのコポリマー(a2)は、ラジカルイニシエータを用いた高圧重合プロセスにおける重合によって生成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
請求項8
エチレンのコポリマー(a)は、−20g/10min未満、好適には0.1〜15g/10minのメルトフローレートMFR2(190℃および2.16kgの荷重にてISO1133に従う)、または−明細書において「判定方法」に記載されるとおりの100℃未満の融解温度Tmのうち任意の順序の1つまたは2つ、好ましくは両方を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
請求項9
請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー組成物を含む1つ以上の層(単数または複数)、好ましくは1つの層を含む層エレメント(LE)を生産するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー組成物の使用。
請求項10
1つ以上の層の層エレメント(LE)であって、1つ以上の層(単数または複数)、好ましくは1つの層は請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー組成物を含む、層エレメント(LE)。
請求項11
請求項10に記載の層エレメント(LE)を含む物品を生産するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー組成物の使用。
請求項12
請求項10に記載の層エレメント(LE)を含む物品。
請求項13
2つ以上の層エレメントを含む多層アセンブリであり、少なくとも1つの層エレメントは請求項10に記載の層エレメント(LE)である、請求項12に記載の物品。
請求項14
光起電力エレメントと、1つ以上のさらなる層エレメントとを含む光起電力(PV)モジュールであり、少なくとも1つの層エレメントは請求項10に記載の層エレメント(LE)である、請求項12または13に記載の物品。
請求項15
所与の順序の保護前面層エレメントと、前面封止層エレメントと、光起電力エレメントと、背面封止層エレメントと、保護裏面層エレメントとを含み、少なくとも前記背面封止層エレメントは請求項10に記載の層エレメント(LE)であり、好ましくは前記前面および背面封止エレメントの両方が前記層エレメント(LE)である、請求項14に記載の光起電力(PV)モジュール。
請求項16
前記保護前面層エレメント、好ましくは前記保護層エレメントおよび前記保護裏面層エレメントは、剛性の層エレメント(単数または複数)、好ましくはガラス層エレメント(単数または複数)である、請求項14または15に記載の光起電力(PV)モジュール。
請求項17
所与の順序の保護前面層エレメントと、前面封止層エレメントと、光起電力エレメントと、背面封止層エレメントと、保護裏面層エレメントとを含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の光起電力(PV)モジュールを生産するためのプロセスであって、少なくとも前記背面封止層エレメントは請求項10に記載の層エレメント(LE)であり、好ましくは前記前面および前記背面封止エレメントの両方が本発明の前記層エレメント(LE)であり、前記層エレメント(LE)はポリマー組成物を含み、好ましくはそれからなり、前記ポリマー組成物は、−エチレンのポリマー(a)を含むポリマー成分であって、前記エチレンのポリマー(a)は、−(a1)シラン基(単数または複数)含有単位を有するエチレンのポリマー、−(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであって、前記コポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、かつ前記コポリマー(a2)は前記エチレンのポリマー(a1)とは異なる、コポリマー、または−(a3)エチレンと、1つ以上の(C1〜C10)−アルファオレフィンコモノマーとのコポリマーであって、エチレンのポリマー(a1)およびエチレンのポリマー(a2)とは異なる、コポリマーより選択される、ポリマー成分と、−色素(b)とを含み、前記色素(b)の量は前記ポリマー組成物の量(100%wt)に基づいて2.00wt%未満であり、前記プロセスは、(i)前記保護前面層エレメントと、前記前面封止層エレメントと、前記光起電力エレメントと、前記背面封止層エレメントと、前記保護裏面層エレメントとを所与の順序で配置して光起電力モジュールアセンブリを形成するためのアセンブルステップと、(ii)任意にはチャンバ内で排気条件にて前記光起電力モジュールアセンブリを加熱するための加熱ステップと、(iii)前記多層アセンブリ上の圧力が単一または複数のステップにおいて徐々に増加される、圧力上昇ステップと、(iv)前記アセンブリの積層を起こすために前記加熱条件において前記多層アセンブリ上の前記圧力が保たれる、圧力保持ステップと、(v)得られた前記光起電力モジュールを以後の使用のために冷却して取り出すための回収ステップとを含む、プロセス。
技術分野
0001
本発明は、ポリマー組成物と、ポリマー組成物を含む物品、好ましくはポリマー組成物を含む少なくとも1つの層エレメント(LE:layer element)を含む光起電力(PV:photovoltaic)モジュールである物品と、前記物品、好ましくは前記光起電力(PV)モジュールを生産するためのプロセスとに関する。
背景技術
0002
当該技術分野において周知であるとおり、たとえば太陽電池モジュールとしても公知である光起電力(PV)モジュールは、光から電気を生成し、さまざまな種類の適用、特にアウトドア適用に用いられる。光起電力モジュールのタイプはさまざまであり得る。このモジュールは通常多層構造を有し、すなわち異なる機能を有するいくつかの異なる層エレメントを有する。光起電力モジュールの層エレメントは、層材料および層構造に関して異なり得る。最終的な光起電力モジュールは剛性または可撓性であり得る。
0003
上記に例示した層エレメントは、単層または多層エレメントであり得る。通常、PVモジュールの層エレメントはその機能の順にアセンブルされ、次いでともに積層されて一体化したPVモジュールを形成する。さらに、あるエレメントの複数の層の間、または異なる層エレメントの間に接着層(単数または複数)が存在してもよい。
0004
光起電力(PV)モジュールはたとえば、所与の順序の可撓性または剛性であり得る保護前面層エレメント(たとえばガラス層エレメントなど)と、前面封止層エレメントと、光起電力エレメントと、背面封止層エレメントと、バックシート層エレメントとも呼ばれる剛性または可撓性であり得る保護裏面層エレメントと、任意にはたとえばアルミニウムフレームなどとを含み得る。
0005
たとえば前面または裏面封止層エレメントなどの封止層エレメントに対して、エチレンポリマーに基づくポリマー組成物も用いられ得る。たとえば接着特性を改善するなどのために、ポリマー組成物にシラン基含有単位が導入され得る。こうしたシラン含有単位は、a)エチレンポリマーと混合される別個のシラン化合物として加えられてもよいし、b)シラン基含有単位として加えられて、エチレンと、アルファオレフィンコモノマー(単数または複数)またはたとえばアルキルアクリレートコモノマーもしくはビニルアセテートコモノマーなどの極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーのポリマー主鎖にグラフト化されてもよいし、c)エチレンモノマーを極性コモノマー(単数または複数)およびシラン基含有コモノマーと一緒に共重合することによって加えられて、エチレンと前記極性コモノマーと前記シランコモノマーとのコポリマーを提供してもよい。
0006
シラングラフト化ポリエチレンまたはシラン基含有コモノマーを含有するエチレンのコポリマーは、次いでたとえば光起電力(PV)モジュールの積層プロセスの間または後などに架橋され得る。ポリマーの技術分野において周知であり立証されているとおり、ポリエチレンのグラフト化シラン基含有単位またはシラン基含有コモノマーの架橋は、過酸化物またはシラン縮合触媒を用いてもたらされ得る。
0007
当該技術分野において周知であるとおり、グラフト化プロセス(b)は通常、溶融状態の化合物において過酸化物の存在下で行われる。ポリエチレン主鎖にシラン基をグラフト化するためのこうしたプロセスは、たとえばシオプラス(Sioplas)またはモノシル(Monosil)架橋プロセスなどによって公知であり、ここでは前記グラフト化がプロセスの1ステップであり、その後に架橋ステップが続く。シオプラスプロセスはたとえば特許文献1などに記載されており、モノシルプロセスはたとえば特許文献2などに記載されている。グラフト化を記載しているさらなる例として、たとえば特許文献3、特許文献1、および特許文献2などが言及され得る。
0008
さらに、エチレンとシラン基含有コモノマーとのコポリマーを生成するためにエチレンモノマーとシラン基含有コモノマーとを共重合するプロセス(c)は、ポリマーの技術分野における技術水準において周知であり、かつ立証されている。こうした共重合プロセス、および得られるエチレンとシラン基含有コモノマーとのコポリマー、およびエチレンベースのポリマーに基づく封止層エレメントに対して好適なポリマー組成物における前記コポリマーの使用は、たとえば特許文献4、特許文献5、特許文献6、および特許文献7などに開示されている。
0009
したがって、PVモジュールの層エレメントの一部または全部、たとえば前面および背面封止層エレメント、ならびにしばしばバックシート層などは、通常たとえばエチレンビニルアセテート(EVA:ethylene vinyl acetate)ベースの材料などのポリマー材料である。
先行技術
0010
米国特許第3,646,155号
米国特許第4,117,195号
国際公開第2009/056407号
米国特許第4,413,066号
国際公開第2010/003503号
国際公開第2016/041924号
国際公開第2017/076629号
課題を解決するための手段
0011
透明な背面封止層エレメントをたとえばポリマー保護裏面層エレメントなどと一緒に用いるとき、たとえばその保護裏面層エレメントは、PVモジュールの最終使用においてUV放射に露出されることとなる。こうしたUV露出は保護裏面層エレメントの性能を低下させて、PVモジュールの寿命を短縮し得る。したがって、UV放射のこの悪影響を防ぐために、従来から封止エレメントおよびポリマー保護裏面層エレメントにはUV吸収剤(単数または複数)が加えられている。UV吸収剤は、たとえば望ましくない着色効果をもたらし得る、寿命が限られている、および比較的コストが高いなどの欠点を有する。
図面の簡単な説明
0012
本発明の好ましい実施形態の層エレメント(分離されている)、すなわち光起電力モジュールの保護前面層エレメント(1)と、前面封止層エレメント(2)と、光起電力エレメント(3)と、背面封止層エレメント(4)と、保護裏面層エレメント(5)とを示す図であり、ここで少なくとも背面封止層エレメント(4)は本発明のポリマー組成物を含む。
実施例
0013
したがって、本発明はポリマー組成物に向けられたものであり、このポリマー組成物は、
−エチレンのポリマー(a)を含むポリマー成分であって、このエチレンのポリマー(a)は、
−(a1)シラン基(単数または複数)含有コモノマーを有するエチレンのポリマー、
−(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであって、このコポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、かつこのコポリマー(a2)はエチレンのポリマー(a1)とは異なる、コポリマー、または
−(a3)エチレンと、1つ以上の(C1〜C10)−アルファオレフィンコモノマーとのコポリマーであって、エチレンのポリマー(a1)およびエチレンのポリマー(a2)とは異なる、コポリマーより選択される、ポリマー成分と、
−色素(b)とを含み、この色素(b)の量はポリマー組成物の量(100%wt)に基づいて2.00wt%未満である。
0014
本明細書において、このポリマー組成物は「本発明のポリマー組成物」、または「本発明の組成物」、または「ポリマー組成物」とも呼ばれる。
0015
上記、下記、または請求項において定義されるエチレンのポリマー(a)は、本明細書において短く「ポリマー(a)」とも呼ばれる。
上記、下記、または請求項において定義される(a1)シラン基(単数または複数)含有コモノマーを有するエチレンのポリマーの定義は、本明細書において短く「エチレンのポリマー(a1)」または「ポリマー(a1)」とも呼ばれる。
上記、下記、または請求項において定義される(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであって、このコポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、かつこのコポリマー(a2)はエチレンのポリマー(a1)とは異なる、コポリマーの定義は、本明細書において短く「エチレンのコポリマー(a2)」、「コポリマー(a2)」、または「ポリマー(a2)」とも呼ばれる。
上記、下記、または請求項において定義される、エチレンのポリマー(a1)およびエチレンのポリマー(a2)とは異なる(a3)エチレンと、1つ以上の(C1〜C10)−アルファオレフィンコモノマーとのコポリマーの定義は、本明細書において短く「ポリマー(a3)」とも呼ばれる。
0017
所与の少量の色素(b)を有する本発明のポリマー組成物は、UV放射に対する驚くほど良好な保護を提供する。すなわち、ポリマー組成物は、UV放射を吸収および遮断する。UV放射を阻止することは、たとえば実験パートに示される透過率測定値などによって示される。
0018
したがって、本発明のポリマー組成物は、たとえば積層によって2つ以上の層エレメントの物品を生産するなどのための層エレメント(LE)において用いるために非常に適している。なぜなら、このポリマー組成物を含む層エレメント(LE)が太陽光(UV放射)受光層として用いられるとき、この層エレメント(LE)はUV放射を効果的に阻止することによって、太陽光の受光側とは反対側にあるその他の層(単数または複数)を保護できるからである。
0019
さらに、このポリマー組成物は、たとえば光起電力(PV)モジュールなどの物品に対して非常に好適である。たとえば、本発明のポリマー組成物の層エレメント(LE)を、たとえばPVモジュールの背面封止エレメントなどとして用いることによって、光子を反射して光起電力エレメントに戻すことによって、PVモジュールの電力出力が改善される。加えて、たとえばPVモジュールの背面封止エレメントなどとしての本発明のポリマー組成物の層エレメント(LE)は、UV光を吸収することと、UV光の背面封止層エレメントを通じたバックシート層エレメントへの透過を遮断することとの両方によって、UV放射に対する前記PVモジュールのポリマーバックシート層エレメントの保護にも寄与できる。このことは、たとえば実験パートに示される透過率測定値などによって示され得る。
0020
本発明のさらなる利益は、所望であれば過酸化物を用いてポリマー(a)を架橋しなくてもよいことである。したがって、本発明のポリマー組成物は、過酸化物を含まない層エレメント(LE)の生産を可能にする。
0021
さらに、所与の少量の色素(b)であっても、それによって着色された、好ましくは白く着色された本発明のポリマー組成物は、驚くほど効果的に光の光子を反射できる。こうした特性は、たとえば光起電力適用などに対して有用性が高い。たとえば、ポリマー組成物が光起電力(PV)モジュールの背面封止エレメントとして用いられ、ここで背面封止エレメントが本発明のポリマー組成物を含み、好ましくはそれからなるとき、前記背面封止層エレメントは、好ましくはセル間の間隙を通って貫入する光子のいくらかを反射して、光起電力エレメントのセルの前側に戻す。よって、ポリマー組成物の背面層エレメントは、光子が太陽電池の前側に吸収される確率を高め、このことはより高いモジュール出力をもたらし得る。さらに、光起電力(PV)モジュールのバックシートが着色されている実施形態と比べて、本発明のポリマー組成物を含み、好ましくはそれからなる着色背面封止層エレメントは、UV光を吸収することに加えて、任意に着色され、任意に白く着色されたバックシート層エレメントよりも早く光子を反射することによって、隣接するバックシート層エレメントに対するUV光の悪影響を低減し、好ましくは光子が光電池の後ろにトラップされる危険性を取り除く。
0024
本発明はさらに、本発明のポリマー組成物を含む1つ以上の層(単数または複数)、好ましくは1つの層を含む層エレメント(LE)を生産するための、上記または下記または請求項において定義されるポリマー組成物の使用を提供する。
0025
本発明はさらに、1つ以上の層の層エレメント(LE)を提供し、1つ以上の層(単数または複数)、好ましくは1つの層は、上記または下記または請求項において定義されるポリマー組成物を含む。本明細書において、本発明の層エレメント(LE)は層エレメント(LE)とも呼ばれる。
0026
本明細書において、層エレメント(LE)とは単層エレメントまたは多層エレメントを意味し、このエレメントは特定の機能を有し、たとえば(PV)モジュールにおける封止層エレメントは、特に光起電力層エレメントを保護して前記光起電力層エレメントの光起電力活性に寄与するために機能する。「エレメント」という用語は、当該技術の水準においてよく認識された意味を有する。
0027
本発明はさらに、上記または下記または請求項において定義されるポリマー組成物を含む1つ以上の層(単数または複数)、好ましくは1つの層を含む層エレメント(LE)を含む物品、好ましくは光起電力(PV)モジュールを生産するための上記または下記または請求項において定義されるポリマー組成物の使用を提供する。
0028
本発明はさらに、1つ以上の層の層エレメント(LE)を含む物品を提供し、ここで1つ以上の層(単数または複数)、好ましくは1つの層は上記または下記または請求項において定義されるポリマー組成物を含む。
0029
物品は好ましくは2つ以上の層エレメントを含む多層アセンブリであり、ここで少なくとも1つの層エレメントは層エレメント(LE)である。
0030
上記または下記または請求項において定義されるとおり、物品は、より好ましくは光起電力エレメントと、1つ以上のさらなる層エレメントとを含む光起電力(PV)モジュールであり、少なくとも1つの層エレメント、好ましくは1つの層エレメントは層エレメント(LE)である。
0031
上記または下記または請求項において定義されるとおり、本発明はさらに、所与の順序の保護前面層エレメントと、前面封止層エレメントと、光起電力エレメントと、背面封止層エレメントと、保護裏面層エレメントとを含む光起電力(PV)モジュールを提供し、好ましくは背面封止層エレメントは本発明の層エレメント(LE)である。
0032
上記または下記または請求項において定義されるとおり、本発明はさらに光起電力(PV)モジュールを生産するためのプロセスを提供し、このプロセスは、
−光起電力エレメントと、層エレメント(LE)と、任意かつ好ましくはさらなる層エレメントとをアセンブルして光起電力(PV)モジュールアセンブリにするステップと、
− 光起電力(PV)モジュールアセンブリの層エレメントを上昇温度にて積層して、エレメントをともに接着するステップと、
− 得られた光起電力(PV)モジュールを回収するステップとを含む。
0033
本発明のポリマー組成物、ポリマー(a)、層エレメント(LE)、物品、好ましくはPVモジュール、使用、およびプロセス、ならびにそれらのさらなる詳細、好ましい実施形態、範囲、および特性を下記および請求項に記載しており、これらの好ましい実施形態、範囲、および特性は任意の組み合わせであってもよく、任意の順序で組み合わされ得る。
0034
ポリマー組成物
シラン基(単数または複数)含有単位は、ポリマー(a)のコモノマーとして、またはポリマー(a)に化学的にグラフト化された化合物として存在し得る。
0035
したがって、シラン基(単数または複数)含有単位がコモノマーとしてポリマー(a)に取り込まれる場合、シラン基(単数または複数)含有単位は、ポリマー(a)の重合プロセスの際にコモノマーとしてエチレンモノマーと共重合される。シラン基(単数または複数)含有単位がグラフト化によってポリマーに取り込まれる場合、シラン基(単数または複数)含有単位は、ポリマー(a)の重合後にポリマー(a)と化学的に反応する(グラフト化とも呼ばれる)。この化学反応、すなわちグラフト化は通常、たとえば過酸化物などのラジカル形成剤を用いて行われる。こうした化学反応は、本発明の積層プロセスの前または間に行われてもよい。一般的に、エチレンに対するシラン基(単数または複数)含有単位の共重合およびグラフト化はポリマーの技術分野において周知の技術であり、かつ十分に立証されており、当業者の技術の範囲内である。
0036
本明細書の上記、下記、または請求項において「シラン基(単数または複数)含有コモノマー」とは、シラン基(単数または複数)含有単位がコモノマーとして存在することを意味する。エチレンモノマーとシラン基(単数または複数)含有コモノマーとの共重合の一般的に認識される技術については、高圧およびラジカルイニシエータを用いた重合プロセスに対する一般的な説明と、ポリマー(a)の重合を説明するための実験パートとにおいて、後ほどさらに説明する。こうした共重合プロセスに対するさらなる参考文献として、たとえば特許文書である特許文献4が言及され得る。
0037
シラン基(単数または複数)含有単位をエチレンポリマーの主鎖にグラフト化する一般的に認識された技術に関しては、たとえばシオプラスおよびモノシルプロセスが言及され得る。シオプラスプロセスはたとえば特許文献1などに記載されており、モノシルプロセスはたとえば特許文献2などに記載されている。グラフト化技術を記載しているさらなる例として、たとえば特許文献3、特許文献1、および特許文献2などが言及され得る。
0038
一般的な共重合およびグラフト化プロセスは、Polymeric Materials Encyclopedia,Vol.2,CRCPress,1996(ISBN 0−8493−2470−X),p.1552−1565にも記載されている。
0039
グラフト化実施形態において過酸化物を使用することによって、同時架橋反応のためにエチレンポリマーのメルトフローレート(MFR:melt flow rate)が減少することも周知である。結果として、グラフト化実施形態は、出発ポリマーとしてのポリマー(a)のMFRの選択に制限をもたらす可能性があり、このMFRの選択は最終使用適用におけるポリマーの品質に対する悪影響を有し得る。さらに、グラフト化プロセスの間に過酸化物から形成される副生成物は、最終使用適用におけるポリマー組成物の使用寿命に対する悪影響を有し得る。
0040
シラン基(単数または複数)含有コモノマーのポリマー主鎖への共重合は、これらの単位のグラフト化と比べて単位のより均一な取り込みを提供する。さらにグラフト化と比べて、共重合はポリマーが生成された後の過酸化物の添加を必要としない。
0041
よって好ましくは、シラン基(単数または複数)含有単位は、好ましくはポリマー(a)中にコモノマーとして存在する。すなわちポリマー(a1)の場合、シラン基(単数または複数)含有単位は、ポリマー(a1)の重合プロセスの際にコモノマーとしてエチレンモノマーとともに共重合される。加えてポリマー(a2)の場合、シラン基(単数または複数)含有単位は、ポリマー(a2)の重合プロセスの際にコモノマーとして極性コモノマーおよびエチレンモノマーとともに共重合される。
0042
エチレンのポリマー(a)のシラン基(単数または複数)含有単位、または好ましくはシラン基(単数または複数)含有コモノマーは、好ましくは式(I)
R1SiR2qY3−q(I)
によって表される加水分解性不飽和シラン化合物であり、
式中
R1はエチレン不飽和ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、または(メト)アクリルオキシヒドロカルビル基であり、
各R2は独立に脂肪族飽和ヒドロカルビル基であり、
同じであっても異なっていてもよいYは加水分解性有機基であり、
qは0、1または2である。
さらなる好適なシラン基(単数または複数)含有コモノマーは、たとえばガンマ−(メト)アクリル−オキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ(メト)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、およびビニルトリアセトキシシラン、またはそれらの2つもしくはそれ以上の組み合わせなどである。
0043
式(I)の化合物の1つの好適なサブグループは、不飽和シラン化合物または好ましくは式(II)
CH2=CHSi(OA)3(II)
のコモノマーであり、
式中各Aは独立に、1〜8個の炭素原子、好適には1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。
0044
本発明のシラン基(単数または複数)含有単位、または好ましくはコモノマーは、好ましくは式(II)の化合物であり、それはビニルトリメトキシシラン、ビニルビスメトキシエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、より好ましくはビニルトリメトキシシランまたはビニルトリエトキシシラン、より好ましくはビニルトリメトキシシランのコモノマーである。
0045
ポリマー(a)中に存在する、好ましくはコモノマーとして存在するシラン基(単数または複数)含有単位の量(mol%)は、「判定方法」において後述される「コモノマー含有量」に従って定められるときに好ましくは0.01〜2.0mol%、好ましくは0.01〜1.00mol%、好適には0.05〜0.80mol%、好適には0.10〜0.60mol%、好適には0.10〜0.50mol%である。
0046
1つの好ましい実施形態A1において、ポリマー(a)は、シラン基(単数または複数)含有コモノマーを有するエチレンのポリマー(a1)である。この実施形態A1において、ポリマー(a1)は、ポリマー(a2)に対して定義される極性コモノマーを含有せず、すなわちそれを有さない。好ましくは、シラン基(単数または複数)含有コモノマーは、ポリマー(a1)中に存在する唯一のコモノマーである。したがって、ポリマー(a1)は好ましくは、ラジカルイニシエータを用いてシラン基(単数または複数)含有コモノマーの存在下での高圧重合プロセスにおいてエチレンモノマーを共重合することによって生成される。好ましくは、シラン基(単数または複数)含有コモノマーは、エチレンのポリマー(a1)中に存在する唯一のコモノマーである。
0047
前記1つの好ましい実施形態(A1)において、上記または請求項において定義されるとおり、ポリマー(a1)は、好ましくはエチレンと、式(I)によるシラン基(単数または複数)含有コモノマー、より好ましくは式(II)によるシラン基(単数または複数)含有コモノマー、より好ましくはビニルトリメトキシシラン、ビニルビスメトキシエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリメトキシシランコモノマーより選択される式(II)によるシラン基(単数または複数)含有コモノマーとのコポリマーである。最も好ましくは、ポリマー(a1)は、エチレンと、ビニルトリメトキシシラン、ビニルビスメトキシエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリメトキシシランコモノマー、好ましくはビニルトリメトキシシランまたはビニルトリエトキシシランコモノマー、最も好ましくはビニルトリメトキシシランコモノマーとのコポリマーである。
0048
別の好ましい実施形態(A2)において、ポリマー(a)は、エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのポリマー(a2)であり、このコポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有する。この実施形態(A2)において、ポリマー(a2)はエチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上、好ましくは1つの極性コモノマー(単数または複数)と、シラン基(単数または複数)含有コモノマーとのコポリマーである。好ましくは、エチレンのポリマー(a2)の極性コモノマーは、(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマーの1つ、好ましくはメチルアクリレート、エチルアクリレート、またはブチルアクリレートコモノマーより選択される。より好ましくは、ポリマー(a2)は、エチレンと、メチルアクリレート、エチルアクリレート、またはブチルアクリレートコモノマーより選択される極性コモノマーと、シラン基(単数または複数)含有コモノマーとのコポリマーである。ポリマー(a2)は、最も好ましくはエチレンと、メチルアクリレート、エチルアクリレート、またはブチルアクリレートコモノマーより選択される極性コモノマーと、式(I)の化合物のシラン基(単数または複数)含有コモノマーとのコポリマーである。好ましくは、この実施形態において、極性コモノマーおよび好ましいシラン基(単数または複数)含有コモノマーは、エチレンのコポリマー(a2)中に存在する唯一のコモノマーである。
0049
別の好ましい実施形態(A3)において、ポリマー(a)はポリマー(a3)であり、これは好ましくはエチレンと、(C1〜C8)−アルファオレフィンコモノマーより選択される1つ以上、好ましくは1つのコモノマー(単数または複数)とのポリマーである。この実施形態において、ポリマー(a3)は、好ましくは、ポリマー(a3)の主鎖にグラフト化されたシラン基(単数または複数)含有単位を含有する。
0050
最も好ましくは、ポリマー(a)は、ポリマー(a1)または(a2)より選択される。
0051
ポリマー(a2)中に存在する極性コモノマーの含有量は、「判定方法」において後述される「コモノマー含有量」に従って測定されるときに好ましくは0.5〜30.0mol%、2.5〜20.0mol%、好ましくは4.5〜18mol%、好ましくは5.0〜18.0mol%、好ましくは6.0〜18.0mol%、好ましくは6.0〜16.5mol%、より好ましくは6.8〜15.0mol%、より好ましくは7.0〜13.5mol%である。
0052
前記別の好ましい実施形態(A2)において、ポリマー(a2)は、好ましくは上記、下記、または請求項において定義されるとおりのエチレンと、上記または請求項において定義されるとおりの式(I)によるシラン基(単数または複数)含有コモノマー、より好ましくは式(II)によるシラン基(単数または複数)含有コモノマー、より好ましくはビニルトリメトキシシラン、ビニルビスメトキシエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリメトキシシランコモノマーより選択される式(II)によるシラン基(単数または複数)含有コモノマーとのコポリマーである。好ましくは、ポリマー(a2)は、エチレンと、メチルアクリレート、エチルアクリレート、またはブチルアクリレートコモノマーと、ビニルトリメトキシシラン、ビニルビスメトキシエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリメトキシシランコモノマー、好ましくはビニルトリメトキシシランまたはビニルトリエトキシシランコモノマーとのコポリマーである。より好ましくは、ポリマー(a2)は、エチレンと、メチルアクリレートコモノマーと、ビニルトリメトキシシラン、ビニルビスメトキシエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリメトキシシランコモノマー、好ましくはビニルトリメトキシシランまたはビニルトリエトキシシランコモノマー、より好ましくはビニルトリメトキシシランとのコポリマーである。
0053
したがって、上記、下記、または請求項において定義されるとおり、ポリマー(a2)は、最も好ましくはエチレンと、メチルアクリレートコモノマーと、シラン基(単数または複数)含有コモノマーとのコポリマーであり、好ましくはエチレンと、メチルアクリレートコモノマーと、ビニルトリメトキシシランまたはビニルトリエトキシシランコモノマーとの、好ましくはメチルアクリレートコモノマーと、ビニルトリメトキシシランコモノマーとのコポリマーである。
0054
任意の理論に結び付けることなく、メチルアクリレート(MA:methyl acrylate)はエステル熱分解反応を受けることのできない唯一のアクリレートであり、なぜならこの反応経路を有さないからである。したがって、MAコモノマーを有するポリマー(a2)は、高温にて何ら有害な遊離酸(アクリル酸)分解産物を形成しないため、エチレンとメチルアクリレートコモノマーとのポリマー(a2)はその最終物品の良好な品質およびライフサイクルに寄与する。これは、たとえばEVAのビニルアセテート単位などには当てはまらない。なぜなら、EVAは高温にて有害な酢酸分解産物を形成するからである。さらに、たとえばエチルアクリレート(EA:ethyl acrylate)またはブチルアクリレート(BA:butyl acrylate)などのその他のアクリレートはエステル熱分解反応を受ける可能性があり、もし分解すれば揮発性のオレフィン副生成物を形成し得る。
0055
層間エレメントに存在するポリマー(a)は、所望であれば先行技術に比べてポリマー(a)のMFRを減少させることを可能にし、よって本発明の好ましい層エレメント(LE)の生成中の流れに対するより高い抵抗性を提供する。結果として、所望であれば、好ましいMFRによって層エレメント(LE)の品質および層エレメント(LE)を含むその物品にさらに寄与できる。
0056
ポリマー組成物、好ましくはポリマー(a)のメルトフローレートMFR2は、好ましくは20g/10min未満、好ましくは15g/10min未満、好ましくは0.1〜13g/10min、好ましくは0.2〜10g/10min、好ましくは0.3〜8g/10min、より好ましくは0.4〜6g/10minである(190℃および2.16kgの荷重にてISO 1133に従う)。
0057
ポリマー組成物、好ましくはポリマー(a)は、好ましくは「判定方法」において後述される「レオロジー特性:動的剪断測定(周波数掃引測定)」に従って測定されるときに30.0〜100.0、好ましくは40.0〜80.0のずり減粘指数(Shear thinning index)SHI0.05/300を有する。
0058
この好ましいSHI範囲は、層間のポリマー組成物の有利なレオロジー特性にさらに寄与する。
0059
したがって、ポリマー(a)の好ましいMFR範囲と好ましいSHI範囲との組み合わせは、本発明の好ましい層エレメント(LE)の品質にさらに寄与し得る。結果として、ポリマー組成物、好ましくはポリマー(a)の好ましいMFRは、所望であれば好ましい層エレメント(LE)の品質、物品、好ましくは本発明の好ましい層エレメント(LE)を含む物品にさらに寄与し得る。さらに、本発明のポリマー(a)は、所望であれば低いMFR、たとえば光起電力(PV)モジュールの技術分野において従来から用いられるものよりも低いMFRを有することができる。なぜなら、このポリマー(a)は有利な流動性および加工性の特性と、実現可能性の高い接着特性との組み合わせを有するからである。
0060
組成物、好ましくはポリマー(a)は、好ましくは「判定方法」に記載されるとおりにASTMD3418に従って測定されるときに120℃以下、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下、最も好ましくは95℃以下の融解温度を有する。好ましくは、組成物、より好ましくはポリマー(a)の融解温度は、「判定方法」において後述されるとおりに測定されるときに70℃以上、より好ましくは75℃以上、さらにより好ましくは78℃以上である。この好ましい融解温度は、融解/軟化ステップの時間を低減できるため、たとえば本発明の好ましい層エレメント(LE)の積層プロセスなどに対して有益である。
0061
通常、かつ好ましくは、層間エレメントの組成物、好ましくはエチレンのポリマー(a)の密度は、860kg/m3より高い。好ましくはその密度は、「判定方法」において後述されるとおりにISO 1872−2に従って970kg/m3以下、好ましくは920〜960kg/m3である。
0062
好ましいポリマー(a)は、ビニルトリメトキシシランコモノマーを有するエチレンのポリマー(a1)、またはメチルアクリレートコモノマーおよびビニルトリメトキシシランコモノマーを有するエチレンのコポリマー(a2)である。最も好ましいポリマー(a)は、メチルアクリレートコモノマーおよびビニルトリメトキシシランコモノマーを有するエチレンのコポリマー(a2)である。
0064
好ましい実施形態において、ポリマー(a)すなわちポリマー(a1)または(a2)は、エチレンを、上記に定義されるシラン基(単数または複数)含有コモノマー(=コモノマーとして存在するシラン基(単数または複数)含有単位)と、ポリマー(a2)の場合には極性コモノマー(単数または複数)とともに、高圧(HP:high pressure)プロセスにおいて、1つ以上のイニシエータ(単数または複数)の存在下でのフリーラジカル重合を用い、任意にはポリマーのMFRを制御するための連鎖移動剤(CTA:chain transfer agent)を用いて好適に重合することによって生成される。HPリアクタは、たとえば周知のチューブ状リアクタもしくはオートクレーブリアクタ、またはそれらの混合などであってもよく、好適にはチューブ状リアクタである。高圧(HP)重合、および所望の最終適用によってポリマーのその他の特性をさらに適合させるためのプロセス条件の調整は、周知であって文献に記載されており、当業者が容易に使用できるものである。好適な重合温度範囲は、最大400℃、好適には80〜350℃であり、圧力は70MPaから、好適には100〜400MPa、好適には100〜350MPaである。高圧重合は一般的に、100〜400MPaの圧力および80〜350℃の温度にて行われる。こうしたプロセスは周知であって文献において十分に立証されており、後ほどさらに後述されることとなる。
0065
存在するときに、コモノマーとしてのシラン基(単数または複数)含有単位の好ましい形を含むコモノマー(単数または複数)をエチレンモノマーに取り込むこと、および前記コモノマー(単数または複数)の所望の最終含有量を得るためのコモノマー供給の制御は、周知の方式で行うことができ、これは当業者の技術の範囲内である。
0066
高圧ラジカル重合によるエチレン(コ)ポリマーの生成のさらなる詳細は、特にEncyclopedia of Polymer Science and Engineering,Vol.6(1986),pp383−410、ならびにEncyclopedia of Materials:Science and Technology,2001 Elsevier Science Ltd.:「Polyethylene:High−pressure,R.Klimesch,D.LittmannおよびF.−O.Mahling pp.7181−7184に見出され得る。
0067
こうしたHP重合の結果として、いわゆる低密度エチレンポリマー(LDPE:low density polymer of ethylene)が得られ、本明細書においてはポリマー(a1)またはポリマー(a2)が得られる。LDPEという用語はポリマーの技術分野における周知の意味を有し、HPで生成されたポリエチレンの性質、すなわち典型的な特徴、たとえばオレフィン重合触媒(配位触媒としても公知である)の存在下で生成されたPEとLDPEとを区別するための異なる分岐構成などを説明するものである。LDPEという用語は低密度ポリエチレンに対する略語であるが、この用語は密度範囲を限定するものではなく、低密度、中間密度、およびより高密度のLDPE様HPポリエチレンを包含することが理解される。
0068
ポリマー(a3)は商業的に入手可能であってもよいし、文献において十分に立証されているとおりに配位触媒、通常はチーグラー・ナッタまたはシングルサイト触媒を用いた重合プロセスにおいて生成されてもよい。プロセス、プロセス条件、および触媒の選択は、当業者の技術の範囲内である。
0069
以下の「本発明のポリマー組成物の量(100wt%)に基づく」量とは、本発明のポリマー組成物中に存在する成分の量を合計すると100wt%になることを意味する。
0070
ポリマー(a)の量は、組成物の総量(100wt%)に基づいて好ましくは50.0〜99.99wt%、好ましくは60.0〜99.85wt%、好ましくは70.0〜99.80wt%、好ましくは75.0〜99.70wt%、好ましくは90.0〜99.70wt%、好ましくは95.00〜99.70wt%である。
0071
色素(b)は好ましくは無機色素、好ましくは無機白色色素より選択される。より好ましくは、色素(b)は二酸化チタンTiO2である。二酸化チタンTiO2は、好ましくはルチルの形である。当該技術分野において周知であるとおり、ルチルは主に二酸化チタンに基づく鉱物であり、正方晶の単位格子構造を有する。
0072
色素(b)の量は、組成物の総量(100wt%)に基づいて好ましくは0.10wt%から2.00wt%未満、好ましくは0.15〜1.99、好ましくは0.20〜1.98wt%、好ましくは0.25〜1.98wt%、好適には0.30〜1.97wt%である。
0073
色素(b)は、好ましくはたとえばクロノス・インターナショナル(Kronos International)などの供給業者によって提供されるような、商業的に入手可能な色素製品である。たとえばKronos 2220は、好適な商業的二酸化チタン製品の単なる一例である。したがって、色素(b)の量(wt%)とは、供給業者によって提供された色素製品の量である。商業的な二酸化チタン製品(色素(b))は、たとえば担体ポリマーなどの担体媒体など、他の成分を含有してもよい。前記のとおり、色素の任意のこうした他の成分は、ポリマー組成物の量(100wt%)に基づく色素(b)の量に数えられる。すなわち、たとえば色素(b)の任意の担体ポリマーは、本発明の「ポリマー成分(単数または複数)」には数えられず、色素(b)の量に数えられる。
0074
一実施形態において、本発明の組成物は、好適には色素(b)とは異なる添加剤(単数または複数)を含む。好ましくは組成物は、組成物の総量(100wt%)に基づいて、
− 0.0001〜10wt%の添加剤、好ましくは0.0001〜5.0wt%、たとえば0.0001〜2.5wt%などの、色素(b)とは異なる添加剤を含む。
0075
当然ながら、任意の好ましい添加剤はポリマー(a)とは異なる。
0076
任意の添加剤とは、たとえば所望の最終適用のために好適であって当業者の技術の範囲内である従来の添加剤などであり、それは限定することなく好ましくは少なくとも抗酸化剤(単数または複数)、UV光安定剤(単数または複数)、および/またはUV光吸収剤を含み、加えて金属不活性化剤(単数または複数)、清澄剤(単数または複数)、増白剤(単数または複数)、酸スカベンジャー(単数または複数)、およびスリップ剤(単数または複数)などを含んでもよい。各添加剤は、たとえば従来の量で用いられてもよく、本発明のポリマー組成物中に存在する添加剤の総量は、好ましくは上記で定義されたとおりである。こうした添加剤は一般的に商業的に入手可能であり、たとえばHans Zweifelの「Plastic Additives Handbook」、第5版、2001などに記載されている。
0077
したがって、1つの好ましい実施形態において、ポリマー組成物は
−エチレンのポリマー(a)を含むポリマー成分であって、このエチレンのポリマー(a)は、
−(a1)シラン基(単数または複数)含有単位を有するエチレンのポリマー、または
−(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであって、このコポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、かつこのコポリマー(a2)はエチレンのポリマー(a1)とは異なる、コポリマーより選択される、ポリマー成分と、
−色素(b)であって、この色素(b)の量はポリマー組成物の量(100%wt)に基づいて2.00wt%未満である、色素(b)と、
− 任意には添加剤であって、好ましくは0.0001〜10wt%の添加剤、好ましくは0.0001〜5.0wt%、たとえば0.0001〜2.5wt%などの、色素(b)とは異なる添加剤とを含み、好ましくはそれらからなる。
0078
本発明の1つの好ましい実施形態において、ポリマー組成物は、組成物の総量(100wt%)に基づいて
− 50.0〜99.99wt%、好ましくは60.0〜99.85wt%、好ましくは70.0〜99.80wt%、好ましくは75.0〜99.70wt%、好ましくは90.0〜99.70wt%、好ましくは95.00〜99.70wt%のポリマー成分であって、エチレンのポリマー(a)を含み、好ましくはそれからなり、エチレンのポリマー(a)は
−(a1)シラン基(単数または複数)含有単位を有するエチレンのポリマー、または
−(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであって、このコポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、かつこのコポリマー(a2)はエチレンのポリマー(a1)とは異なる、コポリマーより選択される、ポリマー成分と、
− 2.00wt%未満、好ましくは0.10wt%から2.00wt%未満、好ましくは0.15〜1.99、好ましくは0.20〜1.98wt%、好ましくは0.25〜1.98wt%、好適には0.30〜1.97wt%の色素(b)と、
− 0〜10.0wt%、好ましくは0.0001〜10wt%の添加剤、好ましくは0.0001〜5.0wt%、たとえば0.0001〜2.5wt%などの、色素(b)とは異なる添加剤とを含み、好ましくはそれらからなる。
0079
好ましい実施形態において、ポリマー組成物は、唯一のポリマー成分(単数または複数)としてのポリマー(a)からなる。本明細書における「ポリマー成分(単数または複数)」は、任意の添加剤の任意の担体ポリマー(単数または複数)、たとえば組成物中に任意に存在する色素(b)または添加剤(単数または複数)のマスターバッチ(単数または複数)に用いられる担体ポリマー(単数または複数)などは除外する。こうした任意の担体ポリマー(単数または複数)は、ポリマー組成物の量(100wt%)に基づくそれぞれの添加剤の量に算入される。
0080
本発明のポリマー組成物は、添加剤または色素のマスターバッチ以外のものであり、このマスターバッチは最終的な最終適用を意図して主要ポリマー組成物に加えられる。
0081
ポリマー組成物、好ましくはポリマー(a)は、所望であれば架橋され得る。
0082
ポリマー組成物、好ましくはポリマー(a)は、好ましくは過酸化物を用いて架橋されない。好ましくは、ポリマー組成物は過酸化物を含まない。
0083
最終適用によって所望であれば、ポリマー組成物、好ましくは層エレメント(LE)のポリマー組成物、好ましくはポリマー(a)は、本発明の積層プロセスの前または間にシラノール縮合触媒(SCC:silanol condensation catalyst)を用いてシラン基(単数または複数)含有単位を介して架橋されてもよく、このシラノール縮合触媒(SCC)は好ましくはスズ、亜鉛、鉄、鉛、もしくはコバルトのカルボン酸塩、または芳香族有機スルホン酸の群より選択される。こうしたSCCは、たとえば商業的に入手可能である。
0084
上記において定義されるSCCは、架橋の目的のために従来から供給されていたものであることが理解されるべきである。
0085
ポリマー組成物、好ましくは層エレメント(LE)のポリマー組成物中に任意に存在し得るシラノール縮合触媒(SCC)は、より好ましくは、たとえばスズ、亜鉛、鉄、鉛、およびコバルトなどの金属のカルボン酸塩からなるグループC;ブレンステッド酸に対する加水分解性の基を有するチタン化合物(好ましくは本明細書に参考文献として含まれるボレアリス(Borealis)の国際公開第2011/160964号に記載されるとおり)、有機塩基;無機酸;および有機酸;好適にはたとえばスズ、亜鉛、鉄、鉛、およびコバルトなどの金属のカルボン酸塩、ブレンステッド酸に対する加水分解性の基を有するチタン化合物、または有機酸、好ましくはジブチルスズジラウレート(DBTL:dibutyl tin dilaurate)、ジオクチルスズジラウレート(DOTL:dioctyl tin dilaurate)、特にDOTL;または芳香族有機スルホン酸より選択され、この芳香族有機スルホン酸は好適には次の構造エレメント
Ar(SO3H)x(II)
を含む有機スルホン酸であり、
式中Arは置換または非置換であってもよいアリール基であり、置換されているときには好適には最大50炭素原子の少なくとも1つのヒドロカルビル基で置換されており、xは少なくとも1であるか;または式(II)のスルホン酸の酸無水物を含む前駆物質、またはたとえば加水分解によって除去可能なアセチル基などの加水分解性の保護基(単数または複数)を与えられた式(II)のスルホン酸を含む有機スルホン酸である。こうした有機スルホン酸は、たとえば欧州特許第736065号、または代替的に欧州特許第1309631号および欧州特許第1309632号などに記載されている。
0086
存在するときの任意の架橋剤(SCC)の量は、好ましくは0〜0.1mol/kg、たとえば0.00001〜0.1など、好ましくは0.0001〜0.01、より好ましくは0.0002〜0.005、より好ましくは0.0005〜0.005mol/kgエチレンのポリマー(a)である。前記のとおり、好ましくはポリマー組成物中に架橋剤(SCC)は存在しない。
0087
本発明の好ましい実施形態において、スズ有機触媒からなるグループCまたは芳香族有機スルホン酸のSCCグループより選択されるシラン縮合触媒(SCC)は、ポリマー組成物中に存在しない。さらなる好ましい実施形態において、上記において定義された過酸化物またはシラン縮合触媒(SCC)は、ポリマー組成物中に存在しない。すなわち好ましくは、ポリマー組成物は過酸化物を含まず、かつ「グループCのシラン縮合触媒(SCC)」を含まない。すでに言及したとおり、本発明の本ポリマー組成物によって、上記、下記、または請求項において言及される従来のSCCまたは過酸化物を用いたポリマー組成物の架橋を回避でき、このことはポリマー組成物の最終適用、たとえば本発明の層エレメント(LE)などの良好な品質の達成に寄与する。
0088
本発明は、ポリマー組成物を含む1つ以上の層(単数または複数)を含む層エレメント(LE)を生産するための、先行請求項のいずれか一項に記載のポリマー組成物の使用を提供する。
0089
加えて本発明は、層エレメント(LE)を含む物品を生産するためのポリマー組成物の使用を提供する。
0090
本発明の層エレメント(LE)およびその最終適用
加えて本発明は、1つ以上の層を含む層エレメント(LE)を提供し、ここで少なくとも1つの層、好ましくは1つの層は、本発明のポリマー組成物を含み、好ましくはそれからなり、このポリマー組成物は、
−エチレンのポリマー(a)を含むポリマー成分であって、このエチレンのポリマー(a)は、
−(a1)シラン基(単数または複数)含有単位を有するエチレンのポリマー、
−(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであって、このコポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、かつこのコポリマー(a2)はエチレンのポリマー(a1)とは異なる、コポリマー、または
−(a3)エチレンと、1つ以上の(C1〜C10)−アルファオレフィンコモノマーとのコポリマーであって、エチレンのポリマー(a1)およびエチレンのポリマー(a2)とは異なる、コポリマーより選択される、ポリマー成分と、
−色素(b)とを含み、この色素(b)の量はポリマー組成物の量(100%wt)に基づいて2.00wt%未満である。
0091
層エレメント(LE)は、
− 上記、下記、または請求項において定義されるポリマー組成物を含む単層エレメント、あるいは
− 少なくとも1つの層が上記、下記、または請求項において定義されるポリマー組成物を含む多層エレメントより選択される。
0092
好ましくは、本発明の層エレメント(LE)の1つ以上の層(単数または複数)は、本発明のポリマー組成物からなる。より好ましくは、層エレメント(LE)の1つの層はポリマー組成物を含み、好ましくはそれからなる。
0093
加えて本発明は、本発明のポリマー組成物を含み、好ましくはそれからなる層エレメント(LE)を含む物品を提供し、このポリマー組成物は、
−エチレンのポリマー(a)を含むポリマー成分であって、このエチレンのポリマー(a)は、
−(a1)シラン基(単数または複数)含有単位を有するエチレンのポリマー、
−(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであって、このコポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、かつこのコポリマー(a2)はエチレンのポリマー(a1)とは異なる、コポリマー、または
−(a3)エチレンと、1つ以上の(C1〜C10)−アルファオレフィンコモノマーとのコポリマーであって、エチレンのポリマー(a1)およびエチレンのポリマー(a2)とは異なる、コポリマーより選択される、ポリマー成分と、
−色素(b)とを含み、この色素(b)の量はポリマー組成物の量(100%wt)に基づいて2.00wt%未満である。
0094
層エレメント(LE)は、たとえば任意の形状の層など、たとえば成形物品など、たとえば瓶または容器などの物品の一部であってもよく;またはその物品は層エレメント(LE)であり、すなわち層エレメント(LE)からなり、この層エレメント(LE)はたとえばパッケージングまたは熱成形のための単層または多層フィルムなどであり;またはその物品は2つもしくはそれ以上の層エレメントの多層アセンブリであり、そのうちの1つの層エレメントが本発明の層エレメント(LE)である。
0095
本発明のアセンブリの層エレメントの一部または各々は通常、好ましくは前記アセンブリに異なる機能を提供することが理解されるべきである。
0096
好ましい層エレメント(LE)、好ましくは物品の層エレメント(LE)は、上記、下記、または請求項において定義されるポリマー組成物を含み、好ましくはそれからなる単層エレメントである。
0097
物品は好ましくは2つ以上の層エレメントを含む多層アセンブリであり、少なくとも1つの層エレメントは層エレメント(LE)である。当該技術分野において周知であり、当業者に明らかであるとおり、光起電力(PV)モジュールは、異なる機能の層エレメントを含むこうした多層アセンブリの一例である。
0098
したがってこの物品、好ましいアセンブリは、好ましくは光起電力エレメントと1つ以上のさらなる層エレメントとを含む光起電力(PV)モジュールであり、少なくとも1つの層エレメントは、ポリマー組成物を含み、好ましくはそれからなる本発明の層エレメント(LE)であり、このポリマー組成物は、
エチレンのポリマー(a)を含むポリマー成分であって、このエチレンのポリマー(a)は、
−(a1)シラン基(単数または複数)含有単位を有するエチレンのポリマー、
−(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであって、このコポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、かつこのコポリマー(a2)はエチレンのポリマー(a1)とは異なる、コポリマー、または
−(a3)エチレンと、1つ以上の(C1〜C10)−アルファオレフィンコモノマーとのコポリマーであって、エチレンのポリマー(a1)およびエチレンのポリマー(a2)とは異なる、コポリマーより選択される、ポリマー成分と、
−色素(b)とを含み、この色素(b)の量はポリマー組成物の量(100%wt)に基づいて2.00wt%未満である。
0099
好ましくは、本発明の光起電力(PV)モジュールは、所与の順序の保護前面層エレメントと、前面封止層エレメントと、光起電力エレメントと、背面封止層エレメントと、保護裏面層エレメントとを含み、ここで少なくとも1つの層エレメントは本発明の層エレメント(LE)である。
0100
本明細書において、PVモジュールの保護前面層エレメントおよび前面封止層エレメントは、光起電力(PV)モジュールの受光側にあることが理解されるべきである。
0101
本明細書において、保護裏面層エレメントは、バックシート層エレメントとも呼ばれる。
0102
「光起電力エレメント」とは、そのエレメントが光起電力活性を有することを意味する。光起電力エレメントは、たとえば当該技術分野において周知の意味を有する光電池(単数または複数)のエレメントなどであり得る。シリコンベースの材料、たとえば結晶シリコンなどは、光電池(単数または複数)において用いられる材料の非限定的な例である。当業者に周知であるとおり、結晶シリコン材料は結晶化度および結晶サイズに関してさまざまであり得る。代替的に、光起電力エレメントは、一方の表面に光起電力活性を有するさらなる層または堆積物が供された基体層、たとえば一方の側に光起電力活性を有するインク材料が印刷されたガラス層、または一方の側に光起電力活性を有する材料が堆積された基体層などであってもよい。たとえば、光起電力エレメントの周知の薄膜方策においては、たとえば光起電力活性を有するインクが、通常はガラス基体である基体の一方の側に印刷される。
0103
光起電力エレメントは、最も好ましくは光電池(単数または複数)のエレメントである。
0104
本明細書において「光電池(単数または複数)」とは、コネクタと一緒になった上記で説明した光電池の層エレメント(単数または複数)を意味する。
0105
PVモジュールは、任意には所与の順序でバックシート層エレメントの後にさらなる層エレメントとして保護カバーを含んでもよく、この保護カバーは、たとえばアルミニウムフレーム(および接続箱)などの金属フレームなどであり得る。
前記用語はすべて、当該技術分野における周知の意味を有する。
0106
層エレメント(LE)のポリマー組成物以外の上記エレメントの材料は先行技術において周知であり、当業者によって所望のPVモジュールに依存して選択され得る。
0107
周知のとおり、本発明の光起電力モジュールのエレメントおよび層構造は、PVモジュールの所望のタイプに依存して変わり得る。光起電力モジュールは剛性または可撓性であり得る。たとえば剛性の光起電力モジュールは、たとえばガラスエレメントなどの剛性の保護前面層エレメントと、剛性または通常は可撓性の前面封止層エレメントと、光起電力層エレメントと、剛性または通常は可撓性の背面封止層エレメントと、剛性または可撓性であり得るバックシート層エレメントとを含み得る。可撓性のモジュールにおいては、上記エレメントのすべてが可撓性であり、これは保護前面および裏面ならびに前面および背面封止層エレメントが通常はポリマー層エレメントに基づくことによる。
0108
さらに、PVモジュールの上記層エレメントの任意のものが単層エレメントまたは多層エレメントであり得る。好ましくは、PVモジュールの前面および裏面封止層エレメントの少なくとも一方、好ましくは両方が封止単層エレメント(単数または複数)である。
0109
本発明の物品としての光起電力(PV)モジュールの最も好ましい実施形態は、所与の順序の保護前面層エレメントと、前面封止層エレメントと、光起電力エレメントと、背面封止層エレメントと、保護裏面層エレメントとを含む光起電力(PV)モジュールであり、少なくとも背面封止層エレメントは本発明の層エレメント(LE)であり、好ましくは前面封止エレメントおよび背面封止エレメントの両方が本発明の層エレメント(LE)である。
0110
この実施形態において、PVモジュールのその他の層エレメントは、好ましくは層エレメント(LE)とは異なる。すなわち、その他の層エレメントは、少なくとも背面封止層エレメントとしての層エレメント(LE)のポリマー組成物、好ましくは前面封止エレメントおよび背面封止エレメントとしての層エレメント(LE)のポリマー組成物と比べたときに、異なるポリマー組成物からなる。
0111
たとえば保護裏面層エレメントなどの他の層エレメントも、層エレメント(LE)を含むことも可能である。好ましくは背面封止エレメントが本発明の層エレメント(LE)であり、好ましくは前面封止エレメントおよび背面封止エレメントの両方が本発明の層エレメント(LE)であって、本発明のポリマー組成物を含み、好ましくはそれからなる。
0112
より好ましくは、背面封止エレメントは好ましくは層エレメント(LE)であり、好ましくは前面封止エレメントおよび背面封止エレメントの両方が本発明の層エレメント(LE)であって、これは好ましくは本発明の組成物を含み、好ましくはそれからなる単層エレメントである。
0113
単なる非限定的な例として、前面および背面封止層エレメントの厚さは、通常最大2mm、好ましくは最大1mm、通常は0.3〜0.6mmである。
0114
単なる非限定的な例として、たとえばガラス層などの剛性の保護前面層エレメントの厚さは、通常最大10mm、好ましくは最大8mm、好ましくは2〜4mmである。単なる非限定的な例として、たとえばポリマー(多)層エレメントなどの可撓性の保護前面層エレメントの厚さは、通常最大700、たとえば90〜700など、好適には100〜500、たとえば100〜400μmなどである。
0115
単なる非限定的な例として、たとえば単結晶光電池(単数または複数)のエレメントなどの光起電力エレメントの厚さは、通常100〜500ミクロンである。
0116
いくつかの実施形態においては、当該技術分野において周知であるとおり、アセンブリ、好ましくは本発明のPVモジュールの異なる層エレメントの間、および/またはたとえば層エレメント(LE)などの層エレメント(単数または複数)の多層エレメントの層の間に、接着層が存在し得る。こうした接着層は、2つのエレメント間の接着を改善する機能を有し、かつ積層の技術分野において周知の意味を有する。当該技術分野における当業者に明らかであるとおり、接着層は、たとえば上記、下記、または請求項において明示されるものなどのPVモジュールの他の機能層エレメントとは区別される。好ましくは、保護前面層エレメントと前面封止層エレメントとの間に接着層は存在せず、かつ/または好ましくは、保護裏面層エレメントと背面封止層エレメントとの間に接着層は存在しない。好ましくは、PVモジュールの背面封止エレメントとしての層エレメント(LE)と、光起電力エレメントとの間に接着層は存在しない。さらに好ましくは、層エレメント(LE)の任意の多層エレメントの層の間に接着層(単数または複数)は存在しない。1つの好ましい実施形態において、層エレメント(LE)は単層エレメントである。
0117
PVモジュールの別個の層エレメントは、光起電力の分野において周知であるか、もしくは文献によって周知の方式で生産され得るか、またはPVモジュールに対する層エレメントとしてすでに商業的に入手可能である。層エレメント(LE)、好ましくは背面封止層エレメントとしての層エレメント(LE)のPV層エレメントは、以下に記載されるとおりに生産され得る。
0118
層エレメントの一部は一体化された形であり得ること、すなわち前記PVエレメントの2つ以上が、以下に記載される本発明の積層プロセスを受ける前に、たとえば積層などによってともに一体化され得ることも理解されるべきである。
0119
図1は、保護前面層エレメント(1)と、前面封止層エレメント(2)と、光起電力エレメント(3)と、背面封止層エレメント(4)と、保護裏面層エレメント(5)とを含む、本発明の典型的なPVモジュールの概略図である。好ましい実施形態において、背面封止層エレメント(4)は本発明の層エレメント(LE)である。
0120
本発明はさらに、層エレメント(LE)を生産するためのプロセスを提供し、層エレメント(LE)は通常、文献に記載される従来の押出し機を用いた押出しによって生産される。好ましくは、層エレメント(LE)としての単層または多層エレメントの層エレメント、好ましくは単層エレメントは、キャストフィルム押出しによって生産される。
0121
本発明はさらに、積層によって本発明の物品を生産するためのプロセス、好ましくは上記、下記、または請求項において定義されたアセンブリを生産するためのプロセスを提供し、
ポリマー層エレメント(LE)は
−(a)ポリマーを含むポリマー組成物を含み、
このプロセスは、
(i)少なくとも1つの基体エレメントと少なくとも1つのポリマー層エレメント(LE)とを多層アセンブリの形に配置するためのアセンブルステップと、
(ii)任意にはチャンバ内で排気条件にて多層アセンブリを加熱するための加熱ステップと、
(iii)多層アセンブリ上の圧力が単一または複数のステップにおいて徐々に増加される、圧力上昇ステップと、
(iv)アセンブリの積層を起こすために加熱条件において多層アセンブリ上の圧力が保たれる、圧力保持ステップと、
(v)得られた多層ラミネートを以後の使用のために冷却して取り出すための回収ステップとを含む。
0122
積層プロセスの以下のプロセス条件は、本発明の光起電力(PV)モジュールを生産するために好ましく、かつ任意の順序で組み合わされ得る。
0123
本発明のPVモジュールを生産するための好ましいプロセスは積層プロセスであり、PVモジュールの異なる機能層エレメント、通常は予め作製された層エレメントが積層されて、一体化した最終PVモジュールを形成する。
0124
よって本発明は、所与の順序の保護前面層エレメントと、前面封止層エレメントと、光起電力エレメントと、背面封止層エレメントと、保護裏面層エレメントとを含む光起電力(PV)モジュールを生産するための好ましい積層プロセスも提供し、少なくとも背面封止層エレメントは本発明の層エレメント(LE)であり、好ましくは前面および背面封止エレメントの両方が本発明の層エレメント(LE)であり、この層エレメント(LE)はポリマー組成物を含み、好ましくはそれからなり、このポリマー組成物は、
−エチレンのポリマー(a)を含むポリマー成分であって、このエチレンのポリマー(a)は、
−(a1)シラン基(単数または複数)含有単位を有するエチレンのポリマー、
−(a2)エチレンと、(C1〜C6)−アルキルアクリレートまたは(C1〜C6)−アルキル(C1〜C6)−アルキルアクリレートコモノマー(単数または複数)より選択される1つ以上の極性コモノマー(単数または複数)とのコポリマーであって、このコポリマー(a2)はシラン基(単数または複数)含有単位を有し、かつこのコポリマー(a2)はエチレンのポリマー(a1)とは異なる、コポリマー、または
−(a3)エチレンと、1つ以上の(C1〜C10)−アルファオレフィンコモノマーとのコポリマーであって、エチレンのポリマー(a1)およびエチレンのポリマー(a2)とは異なる、コポリマーより選択される、ポリマー成分と、
−色素(b)とを含み、この色素(b)の量はポリマー組成物の量(100%wt)に基づいて2.00wt%未満であり、
このプロセスは、
(i)保護前面層エレメントと、前面封止層エレメントと、光起電力エレメントと、背面封止層エレメントと、保護裏面層エレメントとを所与の順序で配置して光起電力モジュールアセンブリを形成するためのアセンブルステップと、
(ii)任意にはチャンバ内で排気条件にて光起電力モジュールアセンブリを加熱するための加熱ステップと、
(iii)多層アセンブリ上の圧力が単一または複数のステップにおいて徐々に増加される、圧力上昇ステップと、
(iv)アセンブリの積層を起こすために加熱条件において多層アセンブリ上の圧力が保たれる、圧力保持ステップと、
(v)得られた光起電力モジュールを以後の使用のために冷却して取り出すための回収ステップとを含む。
0125
積層プロセスは、たとえばマルチラミネートを積層させるために好適な任意の従来のラミネータなどであり得るラミネータ機器において行われる。ラミネータの選択は、当業者の技術の範囲内である。通常、ラミネータはチャンバを含み、このチャンバ内で加熱、任意の好ましい排気、プレス、および回収(covering)(冷却を含む)ステップ(ii)〜(iv)が行われる。
0126
本発明の好ましい積層プロセスは、次のとおりである。
圧力上昇ステップ(iii)は好ましくは、少なくとも1つのポリマー層エレメント(LE)が、前記ポリマー層エレメント(LE)のポリマー(a)、好ましくはポリマー(a1)または(a2)の融解温度よりも3〜10℃高い温度に達したときに開始される。
0127
圧力上昇ステップ(iii)は好ましくは、少なくとも1つのポリマー層エレメント(LE)が少なくとも85℃、好適には85〜150、好適には85〜148℃の温度に達したときに開始される。
0128
プレスステップ(iii)において用いられる圧力は、好ましくは最大1000mbar、好ましくは500〜900mbarである。上記の好ましい定義は、圧力保持ステップ(iv)の最後に、回収ステップ(v)の前に圧力を0mbarまで下げ得ることを意味する。
0129
加熱ステップ(ii)の持続時間は、好ましくは0.5〜7分間、好ましくは1〜6分間、好適には1.5〜5分間である。加熱ステップ(ii)は段階的であってもよく、通常は段階的に行われる。
0130
圧力上昇ステップ(iii)の持続時間は、好ましくは0.01〜10分間、好ましくは0.01〜5、好ましくは0.01〜3分間である。圧力上昇ステップ(iii)は1ステップで行われてもよいし、複数のステップで行われてもよい。
0131
圧力保持ステップ(iv)の持続時間は、好ましくは0.5〜20、好ましくは0.7〜15分間である。
0132
好ましくは、圧力上昇ステップ(iii)および圧力保持ステップ(iv)の持続時間の合計は、好ましくは0.5〜20、好ましくは0.5〜18、好ましくは0.5〜15分間である。
0133
加熱ステップ(ii)、圧力上昇ステップ(iii)、および圧力保持ステップ(iv)の持続時間の合計は、好ましくは25未満、好ましくは2〜22、好ましくは5〜22分間である。
0134
判定方法
説明または実験パートで別様に述べられていない限り、以下の方法は、本文または実験パートにおいて特定されたポリマー組成物、極性ポリマー、および/またはその任意のサンプル調製物の特性判定のために用いられたものである。
0135
メルトフローレート
ISO 1133に従ってメルトフローレート(MFR)を定めて、g/10minで示す。MFRはポリマーの流動性、すなわち加工性を示すものである。メルトフローレートが高くなると、ポリマーの粘度が低くなる。ポリエチレンに対するMFRは、190℃にて定められる。たとえば2.16kg(MFR2)または5kg(MFR5)などの異なる荷重にてMFRが定められてもよい。
0136
密度
低密度ポリエチレン(LDPE:Low density polyethylene):ISO 1183−2に従ってポリマーの密度を測定した。ISO 1872−2表3Q(圧縮成形)に従ってサンプル調製を実行した。
0137
コモノマー含有量:
ポリマー中に存在する極性コモノマーの含有量(wt%およびmol%)、およびポリマー組成物(好ましくはポリマー)中に存在するシラン基(単数または複数)含有単位(好ましくはコモノマー)の含有量(wt%およびmol%):
上記または下記の状況において与えられるポリマー組成物またはポリマーのコモノマー含有量を定量化するために、定量的核磁気共鳴(NMR:nuclear−magnetic resonance)分光法を用いた。
0138
400.15MHzにて動作するBruker Advance III 400 NMR分光計を用いて、溶液状態で定量的1HNMRスペクトルを記録した。すべての空気圧に対して窒素ガスを用いた100℃における標準的広帯域インバース5mmプローブヘッドを用いて、すべてのスペクトルを記録した。安定剤としてジターシャリーブチルヒドロキシトルエン(BHT:ditertiarybutylhydroxytoluene)(CAS128−37−0)を用いて、約200mgの材料を1,2−テトラクロロエタン−d2(TCE−d2:1,2−tetrachloroethane−d2)に溶解した。30度のパルス、3sの緩和遅延、およびサンプル非回転を用いた標準的シングルパルス励起を用いた。2つのダミー走査を用いて、スペクトル当り合計16のトランジェントを取得した。約20ppmのスペクトルウィンドウに対応する60μsの滞留時間によって、FID当り合計32kのデータポイントを収集した。次いでFIDに64kデータポイントに対するゼロフィリングを行い、0.3Hzラインブロードニングによって指数ウィンドウ関数を適用した。このセットアップは主に、同じポリマー中に存在するときのメチルアクリレートおよびビニルトリメチルシロキサンの共重合の結果もたらされる定量的信号を分解する能力のために選択した。
0139
カスタムスペクトル分析自動プログラムを用いて、定量的1HNMRスペクトルを処理し、積分し、定量的特性を定めた。5.95ppmにおける残余プロトン化溶剤信号に対して、すべての化学シフトを内部参照した。
0140
存在するときは、さまざまなコモノマー配列中のビニルアクリレート(VA:vinylacytate)、メチルアクリレート(MA)、ブチルアクリレート(BA)、およびビニルトリメチルシロキサン(VTMS:vinyltrimethylsiloxane)の取り込みの結果得られる特徴信号を観察した(Randell89)。ポリマー中に存在するその他すべてのモノマーに関して、すべてのコモノマー含有量を算出した。
0141
*VA部位に割り当てられた4.84ppmの信号の積分を用いて、コモノマー当りの報告する核の数を考慮し、存在するときのBHTからのOHプロトンの重複を補正して、ビニルアクリレート(VA:vinylacytate)取り込みを定量化した。
VA=(I*VA−(IArBHT)/2)/1
0142
1MA部位に割り当てられた3.65ppmの信号の積分を用いて、コモノマー当りの報告する核の数を考慮して、メチルアクリレート(MA)取り込みを定量化した。
MA=I1MA/3
0143
4BA部位に割り当てられた4.08ppmの信号の積分を用いて、コモノマー当りの報告する核の数を考慮して、ブチルアクリレート(BA)取り込みを定量化した。
BA=I4BA/2
0144
1VTMS部位に割り当てられた3.56ppmの信号の積分を用いて、コモノマー当りの報告する核の数を考慮して、ビニルトリメチルシロキサン取り込みを定量化した。
VTMS=I1VTMS/9
0145
安定剤としてBHTを付加的に用いた結果得られる特徴信号を観察した。ArBHT部位に割り当てられた6.93ppmの信号の積分を用いて、分子当りの報告する核の数を考慮して、BHT含有量を定量化した。
BHT=IArBHT/2
0146
0.00〜3.00ppmのバルク脂肪族(バルク(bulk))信号の積分を用いて、エチレンコモノマー含有量を定量化した。この積分は、単離したビニルアセテート取り込みからの1VA(3)およびαVA(2)部位、単離したメチルアクリレート取り込みからの□MAおよびαMA部位、単離したブチルアクリレート取り込みからの1BA(3)、2BA(2)、3BA(2)、□BA(1)およびαBA(2)部位、単離したビニルシラン取り込みからの□VTMSおよびαVTMS部位、ならびにBHTからの脂肪族部位、ならびにポリエチレン配列からの部位を含んでもよい。バルク積分に基づき、観察したコモノマー配列およびBHTを補償して、合計エチレンコモノマー含有量を算出した。
E=(1/4)*[Ibulk−5*VA−3*MA−10*BA−3*VTMS−21*BHT]
0147
バルク信号のα信号の半分はコモノマーではなくエチレンを表すこと、および関連する分岐部位を有さない2つの飽和鎖末端(S)に対する補償ができないことによって有意でない誤差が導入されることに留意すべきである。
0148
ポリマー中の所与のモノマー(M:monomer)の合計モル分率を次のとおりに算出した。
fM=M/(E+VA+MA+BA+VTMS)
0149
モル分率から、モルパーセントでの所与のモノマー(M)の合計コモノマー取り込みを標準的な方式で算出した。
M[mol%]=100*fM
0150
モノマーのモル分率および分子量(MW:molecular weight)から、重量パーセントでの所与のモノマー(M)の合計コモノマー取り込みを標準的な方式で算出した。
M[wt%]=100*(fM*MW)/((fVA*86.09)+(fMA*86.09)+(fBA*128.17)+(fVTMS*148.23)+((1−fVA−fMA−fBA−fVTMS)*28.05))
randall89:J.Randall,Macromol.Sci.,Rev.Macromol.Chem.Phys.1989,C29,201。
0151
もし他の特定の化学種からの特徴信号が観察されれば、定量化および/または補償の論理を、特定的に記載される化学種に対して使用されるものに類似の方式で拡張できる。すなわち、特徴信号の識別、特定の単数または複数の信号の積分による定量化、報告される核の数に対するスケーリング、ならびにバルク積分および関連の算出における補償である。このプロセスは問題となる特定の化学種に対する特定的なものであるが、このアプローチはポリマーの定量的NMR分光法の基本原理に基づくものであり、よって必要に応じて当業者が実施できる。
0153
最初にガラスと、2つの封止材フィルムと、バックシートとからなるラミネートを積層する。ガラスと第1の封止材フィルムとの間の端部の1つにテフロン(Teflon)の小さいシートを挿入することによって、ガラスに接着していない封止材およびバックシートの小さい部分を生じさせる。この部分を張力テストデバイスに対する係留点として用いることとする。
0154
次いで、ラミネートに沿ってラミネートを切断して幅15mmのストリップを形成し、この切断はバックシートおよび封止材フィルムを通ってガラス表面まで続く。
0155
ラミネートを張力テスト機器に装着し、張力テストデバイスのクランプをストリップの端部に取り付ける。
0156
引張り角度はラミネートに対して90°であり、引張り速度は14mm/minである。
0157
引張り力は、ストリップ内の25mmから始まる50mmの剥離の間の平均として測定する。
0158
50mmにわたる平均の力をストリップの幅(15mm)で割って、接着強度(N/cm)として提供する。
0159
レオロジー特性:
動的剪断測定(周波数掃引測定)
上記または下記の状況において与えられるポリマー組成物またはポリマーの溶融物を動的剪断測定によって特徴付けることは、ISO規格6721−1および6721−10に準拠する。この測定は、25mm平行プレートジオメトリを備えるアントンパール(Anton Paar)MCR501応力制御回転レオメータにおいて行った。窒素雰囲気を用いて、歪みを線形粘弾性領域内に設定して、圧縮成形プレートに対する測定を行った。振動剪断テストは190℃にて、0.01〜600rad/sの周波数範囲を加え、1.3mmの間隙を設定して行った。
0160
動的剪断実験において、プローブは正弦波変動剪断歪みまたは剪断応力(それぞれ歪みおよび応力制御モード)での均質な変形を受ける。歪み制御の実験において、プローブは、次式で表され得る正弦波の歪みを受ける。
γ(t)=γ0sin(ωt)(1)
0161
加えられた歪みが線形粘弾性領域内であるとき、結果として得られる正弦波応力応答は、次式によって得ることができる。
σ(t)=σ0sin(ωt+δ)(2)
式中
σ0およびγ0はそれぞれ応力および歪みの振幅であり、
ωは角周波数であり、
δは位相シフト(加えられた歪みと応力応答との間の損失角)であり、
tは時間である。
0162
動的テストの結果は、通常いくつかの異なるレオロジー関数、すなわち剪断貯蔵係数G’、剪断損失係数G’’、複素剪断係数G*、複素剪断粘度η*、動的剪断粘度η’、複素剪断粘度の異相分η’’、および損失正接tanδによって表され、これらのレオロジー関数は次のとおりに表され得る。
0163
0164
上述のレオロジー関数に加えて、たとえばいわゆる弾性指数EI(x)などの他のレオロジーパラメータを定めることもできる。弾性指数EI(x)は、x kPaの損失係数G’’の値に対して定められる貯蔵係数G’の値であり、等式(9)で説明できる。
EI(x)=(G”=x kPa)に対するG’[Pa](9)
0165
たとえばEI(5kPa)は、5kPaに等しいG’’の値に対して定められる貯蔵係数G’の値によって定義される。
0166
ずり減粘指数(Shear Thinning Index)(SHI0.05/300)は、周波数0.05rad/sおよび300rad/sにて測定される2つの粘度の比率μ0.05/μ300と定義される。
0167
参考文献:
[1]Rheological characterization of polyethylene fractions”Heino,E.L.,Lehtinen,A.,Tanner J.,Seppala,J.,Neste Oy,Porvoo,Finland,Theor.Appl.Rheol.,Proc.Int.Congr.Rheol,11th(1992),1,360−362
[2]The influence of molecular structure on some rheological properties of polyethylene”,Heino,E.L.,Borealis Polymers Oy,Porvoo,Finland,Annual Transactions of the Nordic Rheology Society,1995.).
[3]Definition of terms relating to the non−ultimate mechanical properties of polymers,Pure & Appl.Chem.,Vol.70,No.3,pp.701−754,1998.
0168
融解温度、結晶化温度(Tcr)、および結晶化度
使用したポリマーの融解温度Tmを、ASTMD3418に従って測定した。TmおよびTcrは、メトラー(Mettler)TA820示差走査熱量測定(DSC:differential scanning calorimetry)によって、3±0.5mgのサンプルに対して測定した。結晶化および融解曲線はどちらも、−10〜200℃の10℃/minの冷却および加熱走査の間に得た。融解および結晶化温度は、吸熱および発熱のピークとして取った。結晶化度は、同じポリマータイプの完全な結晶ポリマーの融解熱、たとえばポリエチレンに対しては290J/gと比較することによって算出した。
0169
光学測定:反射率および透過率
透過率および反射率は、モノクロメータおよび150mm積分球を備えたベンサム(Bentham)PVE300を用いて、サンプル試料の層エレメント(厚さ0.45mmの単層フィルム)に対して直接測定した。調査中の層エレメントを、透過率測定に対しては積分球の前に、反射率測定に対しては球の後ろに置き、300〜1100nmの光波長の間で5nm間隔で測定を行った。式1による算出によって、300〜400nmの光の太陽光加重透過率波長と、400〜1100nmの光の反射率波長とが得られ、ここでτwは加重透過率または反射率、τは試料の測定された透過率または反射率、λは光の波長、Epλは参照スペクトル光子放射照度(IEC60904−3に与えられるとおり)を示す。本明細書において、反射率を測定し、サンプル試料の値を以下の実験パートに与えている。
0170
0171
実験パート
本発明のポリマー実施例(エチレンと、メチルアクリレートコモノマーと、ビニルトリメトキシシランコモノマーとのコポリマー)の調製
本発明の層エレメント(LE)IE1および色素(b)を有さない参照層エレメントCE1のポリマー(a)の重合。
従来の過酸化物イニシエータを用いて、2500〜3000バールの圧力および250〜300℃の最高温度における市販の高圧チューブ状リアクタにおいて、本発明のポリマー(a)を生成した。エチレンモノマー、メチルアクリレート(MA)極性コモノマー、およびビニルトリメトキシシラン(VTMS:vinyl trimethoxy silane)コモノマー(シラン基(単数または複数)含有コモノマー(b))を、リアクタシステムに従来の方式で加えた。当業者に周知であるとおり、MFRを調節するためにCTAを用いた。本発明の最終ポリマー(a)に対する所望の特性バランスの情報を有した後に、当業者は本発明のポリマー(a)を得るためにプロセスを制御できる。
0172
ビニルトリメトキシシラン単位VTMS(=シラン基(単数または複数)含有単位)の量、MAの量、およびMFR2を、表1に与えている。
0173
以下の表中の特性は、以下に示されるとおりにリアクタまたは層サンプルから得られたポリマー(a)から測定したものである。
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0175
上の表1および以下において、MAはポリマー中に存在するメチルアクリレートコモノマーの含有量を示し、それぞれVTMS含有量はポリマー中に存在するビニルトリメトキシシランコモノマーの含有量を示す。ポリマー(a)を以下のテストに用いた。
0176
色素(b):ルチルの形の二酸化チタンTiO2製品であるKronos2220製品を、色素(b)として用いた。すなわち、Kronos2220は塩化物プロセスによって生成されるルチル色素であり、CAS No.13463−67−7、TiO2含有量(DIN EN ISO591)92.5%以上であり、Kronos Internationalが供給している。
0177
参照ポリマー組成物CE1(色素(b)なし)および本発明のポリマー組成物IE1〜IE5異なる量の色素(b)を有する同じベースポリマー)からなる層エレメント(LE)(単層フィルム)サンプルの調製。
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本発明の組成物および比較組成物は、フィルムキャスト押出しラインにおいて、押出し機にCE1の場合は色素(b)を伴わないポリマー(a)を加え、IE1の場合にはポリマー(a)と色素(b)とを上記に与えた量で組み合わせることによって生成し、次いで前記組成物の層エレメント(単層フィルム)サンプルを生産した。機器および押出しおよび層エレメント生産の条件について以下に記載する。
機器:「Plastikmaschinenbau PM30」ライン
0180
使用した機器設定および調製条件:
・ダイ間隙:0.5mm
・スクリュー速度:98rpm(51〜53kg/h)
・ライン速度:2.9m/min
・スクリーン:400/900/2500/900/400
・チルロール温度:10℃〜15℃
・温度プロファイル:
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・サンプルのフィルム厚:450μm
・フィルム幅:550mm
・サンプルの融解温度:140℃
・サンプルの融解圧力:50〜53バールスループット
・サンプルのスループット:51〜53kg/h
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積層
保護前面層エレメント(ガラス層)/前面封止層エレメント(透明、ポリマー(a)のみからなる、CE1として調製)/光起電力エレメント(はんだ付けしたSiセル/背面封止層エレメント(テスト層エレメント、すなわちCE1(色素(b)を有さない透明ポリマー(a))またはIE1(白色、上記に与えた量の色素(b)を有する))/保護裏面層エレメント(ガラス層)の5つの層エレメントすべてを真空ラミネータ(ICOLAM25/15、Meier Vakuumtechnik GmbHより供給)において以下の積層条件を用いて積層することによって、光起電力モジュールを調製した。ピンアップ時間:2分間、排出時間:5分間、プレス時間:3分間、保持時間:7分間、145℃の温度および800mbarの圧力。ガラス層エレメント、すなわち寸法1670*983mmおよび厚さ2mmを有するFISolarのTVG Z−704−194を、保護前面層エレメントおよび保護裏面層エレメントとして用いた。PVセルエレメントとしての太陽電池を10セルずつ自動的に直列に並べ、セル間の距離を1.5mmにした。上記において定義した前面封止材エレメントを前面保護ガラスエレメントの上に置いた後、次いで太陽電池を各10セルの6行として前面封止材エレメントの上に置き、行間の距離を±2.5mmにして、太陽モジュール内の合計60セルを標準モジュールとした。次いで太陽電池の端部を互いにはんだ付けして、PVモジュール製造者に周知のとおりの完全に一体化した接続を得る。積層モジュール当り、はんだ付けして直列接続した総数60のSiセル(6*10セル)を用いた。次いで、上記において定義した背面封止エレメントを太陽電池エレメントの反対側に供し、背面封止エレメントの反対側に保護裏面層エレメント(ガラス層)をアセンブルした。上述の積層の後、モジュールは電流−電圧測定を容易にするための接続箱を備えた。得られたラミネートサンプルを、以下に記載する電力出力測定に用いた。
0187
ランプから約3.5mのところに置いた構造の上に、モジュールを鉛直に装着した。反射を避けるために、ランプとモジュールとの間の範囲およびモジュールの後ろの範囲を黒色の壁およびカーテンで覆った。モジュールの近くに置いた参照セルを用いてモジュールの面における放射照度を測定し、測定範囲内に置いた温度計を用いて温度を測定した。これらのパラメータ(放射照度および温度)を用いて、得られたIV曲線をIEC60904規格によって必要とされるSTC条件(25℃および1000W/m2)に対して補正した。
0188
表4は、参照PVモジュールサンプルと比べて、本発明のPVテストモジュールサンプルの短絡電流の有意な増加を示す。この増加は、上記に考察したとおりの白色背面封止層エレメントからの光子反射によるものであると考えられる。これらの結果は、3つの参照PVモジュールおよび本発明のPVモジュールの各々の3つのモジュールからの平均値である。
0189
0190
貯蔵安定性
30℃における本発明のポリマー組成物の極度に良好な貯蔵安定性を表5に示す。
0191