図面 (/)

技術 ADAMTS5、MMP13およびアグリカンに結合するポリペプチド

出願人 メルクパテントゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツングアブリンクスエン.ヴェー.
発明者 シュテッフェンゼン,ソーレンベステ,ジェラルドギューリング,ハンストライキス,ラースラデル,クリストフリンデマン,スヴェンケルナー,ローランドギュンター,ラルフ
出願日 2018年6月4日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2019-566730
公開日 2020年8月13日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-523986
状態 未査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質 微生物による化合物の製造
主要キーワード キャットウォーク ロジスティックス マルチモ ヒンジ様 状態群 平均勾配 M成分 KI値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題・解決手段

本発明は、アグリカンならびにADAMTS5および/またはMMP13に結合するポリペプチドに、より特に、アグリカンに結合する免疫グロブリンならびにADAMTS5に結合する免疫グロブリンおよび/またはMMP13に結合する免疫グロブリンを含むかまたは本質的にそれからなるポリペプチド(本明細書ではそれぞれ、「本発明のポリペプチド」および「本発明の免疫グロブリン」とも呼ばれる)に関する。本発明はまた、免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)などのかかる免疫グロブリンまたはポリペプチドを含む構築物、ならびにかかる免疫グロブリンまたはポリペプチドをコードする核酸(本明細書では「本発明の核酸」とも呼ばれる)に;かかる免疫グロブリン、ポリペプチドおよび構築物を調製する方法に;かかる免疫グロブリンまたはポリペプチドを発現するかまたは発現可能な宿主細胞に;かかる免疫グロブリン、ポリペプチド、構築物、核酸および/または宿主細胞を含む組成物、および特に医薬組成物に;特に、本明細書に記載の予防および/または治療目的などの予防および/または治療目的のための、免疫グロブリン、ポリペプチド、構築物、核酸、宿主細胞および/または組成物の使用に、関する。本発明の他の側面、態様、利点および用途は、本明細書のさらなる説明から明らかになるであろう。

概要

背景

2.発明の背景
変形性関節症OA)は、世界中に及ぶ廃疾の最も一般的な原因の1つである。3,000万人のアメリカ人がこれに罹患しており、最も一般的な関節障害である。米国人口の20%以上が、2025年までにこれに罹患すると予測されている。この疾患は全身性ではなく、通常は少数の関節に限定されている。しかし、この疾患はすべての関節で、ほとんどの場合は股関節、手、肩、および脊椎で発生する。OAは、慢性的な痛みと障害をもたらす関節軟骨(骨を覆う軟骨)の進行性侵食によって特徴付けられる。最終的にこの疾患は、関節軟骨の完全な破壊、その下にある骨の硬化骨棘形成などにつながり、すべて運動喪失と痛みにつながる。変形性関節症は、関節症状、関節軟骨の欠損に起因する徴候、ならびに骨、、および筋肉などを含む隣接組織における変化の組合せを特徴とする、多様な状態群として定義できる。OAの最も顕著な症状は痛みであり、これは多くの場合、患者医療的援助を求める理由となる。OAに治療法はなく、すなわち現在の処置はOAの関節の構造的劣化を抑制しない。疾患管理はせいぜい緩和的な処置に限られ、疾患の進行の根本的な原因にはほとんど対処できない。

構造的疾患の進行を抑制し、理想的には症状および/または機能を改善する薬物として定義できる、疾患修飾性抗変形性関節症薬(DMOAD)が強く求められている。DMOADは、高齢人口でのこの慢性疾患において長期間にわたって処方される可能性が高いため、複数の併存疾患および薬物間相互作用の可能性がある対象集団において、優れた安全性データが要求される。
疾患の開始は多因子性であり得るが、軟骨の破壊は、細胞外マトリックス(ECM)の制御されないタンパク質分解の結果であると考えられる。関節軟骨の最も豊富なECM成分は、コラーゲン(主にコラーゲンII)およびプロテオグリカン、主にアグリカンである(Kiani et al. 2002 Cell Research 12:19-32)。

アグリカンは、軟骨に耐荷重性を与える水和ゲル構造を提供することにより、関節軟骨の適切な機能において重要である。アグリカンは、軟骨細胞によって発現される大きなマルチモジュラー分子(2317アミノ酸)である。そのコアタンパク質は、3つの球状ドメイン(G1、G2、およびG3)および、グリコサミノグリカン鎖の結合のためのG2とG3の間の大きな拡張領域で構成されている。この拡張領域は、2つのドメイン、すなわちケラタン硫酸鎖置換されたドメイン(KSドメイン)とコンドロイチン硫酸鎖で置換されたドメイン(CSドメイン)で構成されている。CSドメインには、100〜150のグリコサミノグリカン(GAG)鎖が結合している。アグリカンはヒアルロナンと大きな複合体を形成し、ここでは50〜100のアグリカン分子が、G1ドメインおよびリンクタンパク質を介して1つのヒアルロナン分子と相互作用する。水を吸収すると(GAG含有量により)、これらの複合体は圧縮抵抗する可逆的に変形可能なゲルを形成する。関節軟骨の構造、体液貯留および機能は、アグリカンのマトリックス含有量、および無傷のコアタンパク質に結合したコンドロイチン硫酸の量に関連している。構造的には、OAはアグリカンの分解によって特徴付けられ、ドメインG3およびG2を徐々に放出し(軟骨の「収縮」をもたらす)、最終的にG1ドメインの放出とコラーゲンの分解を引き起こし、軟骨構造を不可逆的に破壊する。OA病因の最も重要なアグリカン切断部位は、配列TEGE373↓374ARGSに位置する。この切断部位は、G1ドメインとG2ドメインの間にある、アグリカンの球間ドメイン(IGD)に位置している。
374ARGSネオエピトープを認識する抗体は、ADAMTS4であることが証明されたアグリカナーゼ1およびADAMTS5であるアグリカナーゼ2の発見につながった。その後、ADAMTS1、−8、−9、−15、−20を含む他の関連ADAMTS酵素が、アグリカナーゼ活性を有することが示された。様々な証拠が、ADAMTS5が変形性関節症の病因に関与する主要な酵素であることを示している。ヒト軟骨外植片および軟骨細胞において、ADAMTS5のノックダウンアグリカン分解減衰させ、この酵素がヒト組織に関与し得ることを示唆した。この酵素の発現は、インターロイキン1およびオンコスタチンMなどのサイトカインによって増強され、組織内のアグリカンの分解を引き起こす。ADAMTS5によって生成されたアグリカン断片は、OA患者の滑液および血清から検出される(Germaschewski et al., 2014 Osteoarthritis Cartilage 22:690-697)。

いくつかの製薬会社がDMOADを開発している。これらの化合物のいくつかは、ADAMTS5に特異的であると主張されているが、他の化合物は別のADAMTSメンバー、またはマトリックスメタロプロテイナーゼに対してさえも効果を有する。特にMMPに対するこれらの交差阻害は、筋骨格症候群MSS)、すなわち広域スペクトル阻害剤によって引き起こされ関節痛筋肉痛、関節硬直および腱炎を伴う副作用の、原因であると考えられている(Santamaria et al., 2015 Biochem J 471:391-401)。これらの副作用は、さらなる開発を中止する理由であった。Pfizerのアグリカナーゼ阻害剤AGG−523は、OAの第I相臨床試験で使用されたが、それ以上には進んでいない。他の低分子ADAMTS阻害剤も、潜在的なDMOADとしてさらなる臨床開発に参入していない(Bondeson et al., 2015 Drug Discovery 10:5-14)。Galapagos/ServierのADAMTS5阻害剤GLPG1972は最近、第I相試験を終了したが、その有効性未定である。実際、DMOADを具体的に調査した近年の多くの臨床試験にもかかわらず、これまでの所かかる処置は承認されていない(El Bakali et al., 2014 Future Medicinal Chemistry (Review) 6:1399)。ADAMTS5のスペーサードメインに向けられたRottapharmのモノクローナル抗体(mAb)CRB0017の研究により、マウスにおいて、このmAbの関節内投与によって、疾患の進行が用量依存的に有意に予防されたことが示された(Chiusaroli et al., 2013 Osteoarthritis Cartilage 21:1807)。しかし全身投与との比較は行われず、mAbが滑膜腔からどの程度漏出したかは評価されなかった。別の研究では、マウスにmAb 12F4を全身投与し、構造的疾患の改善と疼痛関連行動の軽減の両方が実証された(Miller et al., 2014 Osteoarthritis Cartilage 22iii, S35)。しかし、mAb 12F4をカニクイザルに1回投与すると、局所出血、用量依存性の平均動脈圧および心臓コンダクタンス異常(より具体的にはECGでのST上昇および心室性不整脈)が引き起こされ、心虚血単回投与後8か月まで持続することが示された(Larkin et al., 2014 Osteoarthritis Cartilage 22iii, S483)。この場合においてもまた、mAb 12F4のさらなる臨床開発は副作用のために中止された。

ADAMTS酵素の次に、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)もOAに関連する組織破壊に大きな役割を果たすことを実証する、説得力のある証拠が存在する。MMPは、細胞外マトリックスの分解および組織のリモデリングに関与する亜鉛依存性エンドペプチダーゼファミリーである。約28のMMPファミリーメンバーがあり、これらは、コラゲナーゼゼラチナーゼストロリシン、膜型MMP、マトリリシン、エナメリシンなどを含む様々なサブグループ分類できる。MMP1、MMP8、MMP13、およびMMP18を含むコラゲナーゼは、三重らせん原線維コラーゲンを、特徴的な3/4および1/4断片に分解することできる。さらにMMP14はまた、原線維コラーゲンを切断することも示されており、MMP2もコラーゲン分解が可能であるという証拠がある。MMPは長い間、OAの処置のための魅力的治療標的として考えられてきた。しかし、関節炎処置用に開発された広域スペクトルMMP阻害剤は、痛みを伴う関節硬化の副作用、すなわちMSSのために、臨床試験で失敗した。

関節への治療的介入は、薬物を関節軟骨に標的化することが困難であるために、さらに妨げられている。関節軟骨は無血管および無リンパ組織であるため、従来の薬物送達経路(経口、静脈内、筋肉内)は、薬物の、受動拡散による滑膜毛細血管から軟骨への経滑膜移行に最終的に依存している。これは、医薬の関節内(IA)送達の開発を促進した。IA送達は受動拡散の問題を回避したが、治療用タンパク質のIA送達は、関節空間からの急速なクリアランスと第一には軟骨内の保持不足により制限されている。注目すべきは、関節における薬物の滑膜滞留時間は、多くの場合24時間未満である(Edwards2011 Vet J 190:15-21;Larsen et al., 2008 J Pham Sci 97:4622-4654)。ほとんどのIA注射された薬物の急速なクリアランスのため、有効な濃度を維持するには頻繁な注射が必要となる(Owen et al., 1994 Br J Clin Pharmacol 38:349-355)。しかし、頻繁なIA注射は、痛みや不快感のために患者のコンプライアンスが困難になる可能性があり、関節感染症を引き起こすリスクがあるため、望ましくない。
効果的なDMOADの必要性が残されている。

概要

本発明は、アグリカンならびにADAMTS5および/またはMMP13に結合するポリペプチドに、より特に、アグリカンに結合する免疫グロブリンならびにADAMTS5に結合する免疫グロブリンおよび/またはMMP13に結合する免疫グロブリンを含むかまたは本質的にそれからなるポリペプチド(本明細書ではそれぞれ、「本発明のポリペプチド」および「本発明の免疫グロブリン」とも呼ばれる)に関する。本発明はまた、免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)などのかかる免疫グロブリンまたはポリペプチドを含む構築物、ならびにかかる免疫グロブリンまたはポリペプチドをコードする核酸(本明細書では「本発明の核酸」とも呼ばれる)に;かかる免疫グロブリン、ポリペプチドおよび構築物を調製する方法に;かかる免疫グロブリンまたはポリペプチドを発現するかまたは発現可能な宿主細胞に;かかる免疫グロブリン、ポリペプチド、構築物、核酸および/または宿主細胞を含む組成物、および特に医薬組成物に;特に、本明細書に記載の予防および/または治療目的などの予防および/または治療目的のための、免疫グロブリン、ポリペプチド、構築物、核酸、宿主細胞および/または組成物の使用に、関する。本発明の他の側面、態様、利点および用途は、本明細書のさらなる説明から明らかになるであろう。

目的

本発明は、他の有利な特性に加えて、従来技術のアミノ酸配列および抗体と比較した場合に、改善された予防的、治療的および/または薬理学的特性(例えば、改善された調製の容易さ、良好な安定性、および/または商品コスト削減)を有する、OAに対するポリペプチドおよび構築物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

以下からなる群から選択される、ポリペプチド:(a)少なくとも2つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むポリペプチドであって、ここで第1のISVDはマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に特異的に結合し、第2のISVDはアグリカンに特異的に結合する、および任意にアグリカンに特異的に結合する第3のISVDを含む、前記ポリペプチド;(b)少なくとも2つのISVDを含むポリペプチドであって、ここで第1のISVDはトロンボスポンジンモチーフを有するAディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ(ADAMTS)に特異的に結合し、第2のISVDはアグリカンに特異的に結合する、および任意にアグリカンに特異的に結合する第3のISVDを含む、前記ポリペプチド;および(c)少なくとも3つのISVDを含むポリペプチドであって、ここで第1のISVDはマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に特異的に結合し、第2のISVDはADAMTSに特異的に結合し、第3のISVDはアグリカンに特異的に結合する、および任意にアグリカンに特異的に結合する第4のISVDを含む、前記ポリペプチド。

請求項2

第1のISVDがMMPに特異的に結合し、第2のISVDがADAMTSに特異的に結合し、第3のISVDがアグリカンに特異的に結合し、第4のISVDがアグリカンに特異的に結合する、請求項1に記載のポリペプチド。

請求項3

MMPがMMP13である、請求項1または2に記載のポリペプチド。

請求項4

MMP13に特異的に結合するISVDが3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)を含む、請求項3に記載のポリペプチドであって、ここで(i)CDR1は、配列番号8;または配列番号8と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;(ii)CDR2は、配列番号10;または配列番号10と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;および(iii)CDR3は、配列番号12;または配列番号12と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列である、前記ポリペプチド。

請求項5

CDR1が配列番号8であり、CDR2が配列番号10であり、CDR3が配列番号12である、請求項4に記載のポリペプチド。

請求項6

MMP13に特異的に結合するISVDが、配列番号2を含むかまたはそれからなる、請求項4または5に記載のポリペプチド。

請求項7

ADAMTSがADAMTS5である、請求項1〜6のいずれかに一項に記載のポリペプチド。

請求項8

ADAMTS5に特異的に結合するISVDが、3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)を含む、請求項7に記載のポリペプチドであって、ここで(i)CDR1は、配列番号14[GRTSSYAMG]または配列番号14と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;(ii)CDR2は、配列番号16[GISRSAERTY]または配列番号16と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;および(iii)CDR3は、配列番号18[DLDPRIFSREEYAY]または配列番号18と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列である、前記ポリペプチド。

請求項9

CDR1が配列番号14であり、CDR2が配列番号16であり、CDR3が配列番号18である、請求項8に記載のポリペプチド。

請求項10

ADAMTS5に特異的に結合するISVDが、配列番号3を含むかまたはそれからなる、請求項8または9に記載のポリペプチド。

請求項11

アグリカンに特異的に結合するISVDが、3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)を含む、請求項3に記載のポリペプチドであって、ここで、(i)CDR1は、配列番号19または配列番号19と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;(ii)CDR2は、配列番号21または配列番号21と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;および(iii)CDR3は、配列番号23または配列番号23と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列である、前記ポリペプチド。

請求項12

CDR1が配列番号19であり、CDR2が配列番号21であり、CDR3が配列番号23である、請求項11に記載のポリペプチド。

請求項13

アグリカンに特異的に結合するISVDが、配列番号4を含むまたはそれからなる、請求項11または12に記載のポリペプチド。

請求項14

ISVDが、リンカーを介して互いに連結している、請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリペプチド。

請求項15

リンカーが、配列番号24〜40からなる群から、好ましくは配列番号28[9GS]または配列番号35[35GS]から選択される、請求項14に記載のポリペプチド。

請求項16

請求項1に記載のポリペプチドであって、ここで第1のISVDがMMP13に特異的に結合し、第2のISVDがADAMTS5に特異的に結合し、第3のISVDがアグリカンに特異的に結合し、第4のISVDがアグリカンに特異的に結合し、およびここで前記ポリペプチドは、好ましくは配列番号1もしくは62を含むかまたはそれからなるか、または配列番号1もしくは62と少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチドを含むかまたはそれからなる、前記ポリペプチド。

請求項17

請求項1に記載のポリペプチドであって、ここで第1のISVDがMMP13に特異的に結合し、第2のISVDがアグリカンに特異的に結合し、第3のISVDがアグリカンに特異的に結合し、好ましくは配列番号5または63を含むかまたはそれからなる、前記ポリペプチド。

請求項18

請求項1に記載のポリペプチドであって、ここで第1のISVDがADAMTS5に特異的に結合し、第2のISVDがアグリカンに特異的に結合し、第3のISVDがアグリカンに特異的に結合し、好ましくは配列番号6または64を含むかまたはそれからなる、前記ポリペプチド。

請求項19

請求項1〜18のいずれかに一項に記載のポリペプチドであって、ここで、(i)MMP13に特異的に結合するISVDが、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域CDR1〜CDR3から本質的になり;および/または(ii)ADAMTS5に特異的に結合するISVDが、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域CDR1〜CDR3から本質的になり;および/または(iii)アグリカンに特異的に結合するISVDが、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域CDR1〜CDR3から本質的になる、前記ポリペプチド。

請求項20

請求項1〜19のいずれか一項に記載のポリペプチドを含むか、または本質的にそれからなり、任意に1つ以上のペプチドリンカーを介して連結される1つ以上の他の基、残基、部分または結合単位をさらに含む、構築物

請求項21

請求項1〜19のいずれか一項に記載のポリペプチドまたは請求項20に記載の構築物をコードする、核酸

請求項22

請求項21に記載の核酸を含む、発現ベクター

請求項23

請求項21に記載の核酸、または請求項21に記載の発現ベクターを含む、宿主または宿主細胞

請求項24

請求項1〜19のいずれか一項に記載のポリペプチドまたは請求項19に記載の構築物、または請求項21に記載の核酸を含む、組成物

請求項25

請求項1〜19のいずれか一項に記載のポリペプチドを生産する方法であって、前記方法が、少なくとも以下のステップ:a)適切な宿主細胞、宿主生物または適切な発現系において、請求項21に記載の核酸を発現させること;任意にこれに続いて、b)請求項1〜19のいずれか一項に記載のポリペプチドを、単離および/または精製すること、を含む、前記方法。

請求項26

医薬組成物である、請求項24に記載の組成物。

請求項27

少なくとも1つの薬学的に許容し得る担体希釈剤または賦形剤および/またはアジュバントをさらに含み、任意に1つ以上のさらなる薬学的に活性なポリペプチドおよび/または化合物を含む、請求項26に記載の組成物。

請求項28

医薬として使用するための、請求項26または27に記載の組成物、請求項1〜19のいずれかに一項に記載のポリペプチド、または請求項20に記載の構築物。

請求項29

関節症および軟骨異栄養症関節炎、例えば変形性関節症関節リウマチ痛風性関節炎乾癬性関節炎外傷性裂傷または剥離軟骨形成不全肋軟骨炎脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア腰部椎間板変性疾患変性関節疾患再発性多発性軟骨炎離断性骨軟骨炎、アグリカノパチー、NASH、慢性歯周炎および腹部大動脈瘤の、症状の予防または処置に使用するための、請求項26または27に記載の組成物、請求項1〜19のいずれかに一項に記載のポリペプチド、または請求項20に記載の構築物。

請求項30

個体の疾患または障害の症状を予防または処置する方法であって、方法が、請求項1〜19のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項20に記載の構築物、または請求項26もしくは27に記載の組成物を、関節症および軟骨異栄養症、関節炎、例えば変形性関節症、関節リウマチ、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性裂傷または剥離、軟骨形成不全、肋軟骨炎、脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、再発性多発性軟骨炎、離断性骨軟骨炎、アグリカノパチー、NASH、慢性歯周炎および腹部大動脈瘤の症状を処置または予防するための有効量で、前記個体に投与することを含む、前記方法。

技術分野

0001

1.発明の分野
本発明は、アグリカンならびにADAMTS5および/またはMMP13に結合するポリペプチドに、より特に、アグリカンに結合する免疫グロブリンならびにADAMTS5に結合する免疫グロブリンおよび/またはMMP13に結合する免疫グロブリンを含むかまたは本質的にそれからなるポリペプチド(本明細書ではそれぞれ、「本発明の免疫グロブリン」および「本発明のポリペプチド」とも呼ばれる)に関する。本発明はまた、免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)などのかかる免疫グロブリンまたはポリペプチドを含む構築物、ならびにかかる免疫グロブリンまたはポリペプチドをコードする核酸(本明細書では「本発明の核酸」とも呼ばれる)に;かかる免疫グロブリン、ポリペプチドおよび構築物を調製する方法に;かかる免疫グロブリンまたはポリペプチドを発現するかまたは発現可能な宿主細胞に;かかる免疫グロブリン、ポリペプチド、構築物、核酸および/または宿主細胞を含む組成物、および特に医薬組成物に;特に、本明細書に記載の予防および/または治療目的などの予防および/または治療目的のための、免疫グロブリン、ポリペプチド、構築物、核酸、宿主細胞および/または組成物の使用に、関する。本発明の他の側面、態様、利点および用途は、本明細書のさらなる説明から明らかになるであろう。

背景技術

0002

2.発明の背景
変形性関節症OA)は、世界中に及ぶ廃疾の最も一般的な原因の1つである。3,000万人のアメリカ人がこれに罹患しており、最も一般的な関節障害である。米国人口の20%以上が、2025年までにこれに罹患すると予測されている。この疾患は全身性ではなく、通常は少数の関節に限定されている。しかし、この疾患はすべての関節で、ほとんどの場合は股関節、手、肩、および脊椎で発生する。OAは、慢性的な痛みと障害をもたらす関節軟骨(骨を覆う軟骨)の進行性侵食によって特徴付けられる。最終的にこの疾患は、関節軟骨の完全な破壊、その下にある骨の硬化骨棘形成などにつながり、すべて運動喪失と痛みにつながる。変形性関節症は、関節症状、関節軟骨の欠損に起因する徴候、ならびに骨、、および筋肉などを含む隣接組織における変化の組合せを特徴とする、多様な状態群として定義できる。OAの最も顕著な症状は痛みであり、これは多くの場合、患者医療的援助を求める理由となる。OAに治療法はなく、すなわち現在の処置はOAの関節の構造的劣化を抑制しない。疾患管理はせいぜい緩和的な処置に限られ、疾患の進行の根本的な原因にはほとんど対処できない。

0003

構造的疾患の進行を抑制し、理想的には症状および/または機能を改善する薬物として定義できる、疾患修飾性抗変形性関節症薬(DMOAD)が強く求められている。DMOADは、高齢人口でのこの慢性疾患において長期間にわたって処方される可能性が高いため、複数の併存疾患および薬物間相互作用の可能性がある対象集団において、優れた安全性データが要求される。
疾患の開始は多因子性であり得るが、軟骨の破壊は、細胞外マトリックス(ECM)の制御されないタンパク質分解の結果であると考えられる。関節軟骨の最も豊富なECM成分は、コラーゲン(主にコラーゲンII)およびプロテオグリカン、主にアグリカンである(Kiani et al. 2002 Cell Research 12:19-32)。

0004

アグリカンは、軟骨に耐荷重性を与える水和ゲル構造を提供することにより、関節軟骨の適切な機能において重要である。アグリカンは、軟骨細胞によって発現される大きなマルチモジュラー分子(2317アミノ酸)である。そのコアタンパク質は、3つの球状ドメイン(G1、G2、およびG3)および、グリコサミノグリカン鎖の結合のためのG2とG3の間の大きな拡張領域で構成されている。この拡張領域は、2つのドメイン、すなわちケラタン硫酸鎖置換されたドメイン(KSドメイン)とコンドロイチン硫酸鎖で置換されたドメイン(CSドメイン)で構成されている。CSドメインには、100〜150のグリコサミノグリカン(GAG)鎖が結合している。アグリカンはヒアルロナンと大きな複合体を形成し、ここでは50〜100のアグリカン分子が、G1ドメインおよびリンクタンパク質を介して1つのヒアルロナン分子と相互作用する。水を吸収すると(GAG含有量により)、これらの複合体は圧縮抵抗する可逆的に変形可能なゲルを形成する。関節軟骨の構造、体液貯留および機能は、アグリカンのマトリックス含有量、および無傷のコアタンパク質に結合したコンドロイチン硫酸の量に関連している。構造的には、OAはアグリカンの分解によって特徴付けられ、ドメインG3およびG2を徐々に放出し(軟骨の「収縮」をもたらす)、最終的にG1ドメインの放出とコラーゲンの分解を引き起こし、軟骨構造を不可逆的に破壊する。OA病因の最も重要なアグリカン切断部位は、配列TEGE373↓374ARGSに位置する。この切断部位は、G1ドメインとG2ドメインの間にある、アグリカンの球間ドメイン(IGD)に位置している。
374ARGSネオエピトープを認識する抗体は、ADAMTS4であることが証明されたアグリカナーゼ1およびADAMTS5であるアグリカナーゼ2の発見につながった。その後、ADAMTS1、−8、−9、−15、−20を含む他の関連ADAMTS酵素が、アグリカナーゼ活性を有することが示された。様々な証拠が、ADAMTS5が変形性関節症の病因に関与する主要な酵素であることを示している。ヒト軟骨外植片および軟骨細胞において、ADAMTS5のノックダウンアグリカン分解減衰させ、この酵素がヒト組織に関与し得ることを示唆した。この酵素の発現は、インターロイキン1およびオンコスタチンMなどのサイトカインによって増強され、組織内のアグリカンの分解を引き起こす。ADAMTS5によって生成されたアグリカン断片は、OA患者の滑液および血清から検出される(Germaschewski et al., 2014 Osteoarthritis Cartilage 22:690-697)。

0005

いくつかの製薬会社がDMOADを開発している。これらの化合物のいくつかは、ADAMTS5に特異的であると主張されているが、他の化合物は別のADAMTSメンバー、またはマトリックスメタロプロテイナーゼに対してさえも効果を有する。特にMMPに対するこれらの交差阻害は、筋骨格症候群MSS)、すなわち広域スペクトル阻害剤によって引き起こされ関節痛筋肉痛、関節硬直および腱炎を伴う副作用の、原因であると考えられている(Santamaria et al., 2015 Biochem J 471:391-401)。これらの副作用は、さらなる開発を中止する理由であった。Pfizerのアグリカナーゼ阻害剤AGG−523は、OAの第I相臨床試験で使用されたが、それ以上には進んでいない。他の低分子ADAMTS阻害剤も、潜在的なDMOADとしてさらなる臨床開発に参入していない(Bondeson et al., 2015 Drug Discovery 10:5-14)。Galapagos/ServierのADAMTS5阻害剤GLPG1972は最近、第I相試験を終了したが、その有効性未定である。実際、DMOADを具体的に調査した近年の多くの臨床試験にもかかわらず、これまでの所かかる処置は承認されていない(El Bakali et al., 2014 Future Medicinal Chemistry (Review) 6:1399)。ADAMTS5のスペーサードメインに向けられたRottapharmのモノクローナル抗体(mAb)CRB0017の研究により、マウスにおいて、このmAbの関節内投与によって、疾患の進行が用量依存的に有意に予防されたことが示された(Chiusaroli et al., 2013 Osteoarthritis Cartilage 21:1807)。しかし全身投与との比較は行われず、mAbが滑膜腔からどの程度漏出したかは評価されなかった。別の研究では、マウスにmAb 12F4を全身投与し、構造的疾患の改善と疼痛関連行動の軽減の両方が実証された(Miller et al., 2014 Osteoarthritis Cartilage 22iii, S35)。しかし、mAb 12F4をカニクイザルに1回投与すると、局所出血、用量依存性の平均動脈圧および心臓コンダクタンス異常(より具体的にはECGでのST上昇および心室性不整脈)が引き起こされ、心虚血単回投与後8か月まで持続することが示された(Larkin et al., 2014 Osteoarthritis Cartilage 22iii, S483)。この場合においてもまた、mAb 12F4のさらなる臨床開発は副作用のために中止された。

0006

ADAMTS酵素の次に、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)もOAに関連する組織破壊に大きな役割を果たすことを実証する、説得力のある証拠が存在する。MMPは、細胞外マトリックスの分解および組織のリモデリングに関与する亜鉛依存性エンドペプチダーゼファミリーである。約28のMMPファミリーメンバーがあり、これらは、コラゲナーゼゼラチナーゼストロリシン、膜型MMP、マトリリシン、エナメリシンなどを含む様々なサブグループ分類できる。MMP1、MMP8、MMP13、およびMMP18を含むコラゲナーゼは、三重らせん原線維コラーゲンを、特徴的な3/4および1/4断片に分解することできる。さらにMMP14はまた、原線維コラーゲンを切断することも示されており、MMP2もコラーゲン分解が可能であるという証拠がある。MMPは長い間、OAの処置のための魅力的治療標的として考えられてきた。しかし、関節炎処置用に開発された広域スペクトルMMP阻害剤は、痛みを伴う関節硬化の副作用、すなわちMSSのために、臨床試験で失敗した。

0007

関節への治療的介入は、薬物を関節軟骨に標的化することが困難であるために、さらに妨げられている。関節軟骨は無血管および無リンパ組織であるため、従来の薬物送達経路(経口、静脈内、筋肉内)は、薬物の、受動拡散による滑膜毛細血管から軟骨への経滑膜移行に最終的に依存している。これは、医薬の関節内(IA)送達の開発を促進した。IA送達は受動拡散の問題を回避したが、治療用タンパク質のIA送達は、関節空間からの急速なクリアランスと第一には軟骨内の保持不足により制限されている。注目すべきは、関節における薬物の滑膜滞留時間は、多くの場合24時間未満である(Edwards2011 Vet J 190:15-21;Larsen et al., 2008 J Pham Sci 97:4622-4654)。ほとんどのIA注射された薬物の急速なクリアランスのため、有効な濃度を維持するには頻繁な注射が必要となる(Owen et al., 1994 Br J Clin Pharmacol 38:349-355)。しかし、頻繁なIA注射は、痛みや不快感のために患者のコンプライアンスが困難になる可能性があり、関節感染症を引き起こすリスクがあるため、望ましくない。
効果的なDMOADの必要性が残されている。

0008

3.発明の概要
本発明は、他の有利な特性に加えて、従来技術のアミノ酸配列および抗体と比較した場合に、改善された予防的、治療的および/または薬理学的特性(例えば、改善された調製の容易さ、良好な安定性、および/または商品コスト削減)を有する、OAに対するポリペプチドおよび構築物を提供することを目的とする。特に本発明は、関節内で長時間保持されながら、ADAMTSおよび/またはMMP13を阻害し、特にADAMTS5を阻害するポリペプチドを提供することを目的とする。

0009

変形性関節症は均一には進行せず、病変の進行のペースは大きく変動する可能性があることを認識し—極端な場合には、変形性関節症は長い間安定したままであり得るが、一方他の患者においては、OAは非常に急速に進行して数か月の内に軟骨の完全な破壊が完了する—、本発明者らは(ただし、理論に拘束されることなく)かかる様々な疾患進行パターンは、様々なプロテアーゼの不均一な活性パターンによるものであると仮定した。
異なるファミリーおよび軟骨アンカー部分からの効果的なプロテアーゼ阻害剤を、創造的で従来にないスクリーニング特性評価、および組み合わせ戦略によって特定した後、本発明者らは、様々な機能が結合した組み合わせを開発した。アグリカン(CAP)に結合する軟骨アンカー部分、およびADAMTS5阻害剤またはMMP13阻害剤のいずれかを含む、2つの二重特異性ポリペプチド、ならびに、ADAMTS5阻害剤、MMP13阻害剤、CAP結合剤を含む三重特異性ポリペプチドを、操作した。
本発明のポリペプチドは、異なるOA状態を表す様々なモデルシステムにおいて、ベンチマーク分子(WyethおよびPfizer)がそうでない場合であっても、有効性を維持することが実証された。

0010

本発明者らはまた、2つの他の部分と組み合わせた場合でも有効性を維持するCAP結合剤を、同定および再設計することができた。また、本発明のポリペプチドのCAP部分により、関節での保持が増加することが実証された。
本発明のポリペプチドは、関節内で安定したままであることも実証された。
したがって、本発明のポリペプチドは、一方ではOA患者に広く有用であり、他方では(IA)投与スケジュールの負担が軽減されるであろう。さらに、1つの分子内にさまざまな部分を組み合わせることにより、有効用量を増やすことができる。
したがって本発明は、以下からなる群から選択される、ポリペプチドに関する:(a)少なくとも2つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むポリペプチドであって、ここで第1のISVDはマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に特異的に結合し、第2のISVDはアグリカンに特異的に結合する、および任意にアグリカンに特異的に結合する第3のISVDを含む、前記ポリペプチド;(b)少なくとも2つのISVDを含むポリペプチドであって、ここで第1のISVDはトロンボスポンジンモチーフを有するAディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ(ADAMTS)に特異的に結合し、第2のISVDはアグリカンに特異的に結合する、および任意にアグリカンに特異的に結合する第3のISVDを含む、前記ポリペプチド;および(c)少なくとも3つのISVDを含むポリペプチドであって、ここで第1のISVDはMMPに特異的に結合し、第2のISVDはADAMTSに特異的に結合し、第3のISVDはアグリカンに特異的に結合する、および任意にアグリカンに特異的に結合する第4のISVDを含む、前記ポリペプチド。

0011

一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、第1のISVDはMMPに特異的に結合し、第2のISVDはADAMTSに特異的に結合し、第3のISVDはアグリカンに特異的に結合し、第4のISVDはアグリカンに特異的に結合し、好ましくは前記MMPは、MMP13である。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のISVDを提供し、前記ISVDは、構造FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4を有し、式中、CDR1、CDR2およびCDR3は本明細書で定義されるとおりであり、FR1、FR2、FR3およびFR4は、フレームワーク配列である。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、MMP13に特異的に結合するISVDは4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、(i)(a)CDR1は、配列番号8;および(b)配列番号8と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;(ii)(c)CDR2は、配列番号10;および(d)配列番号10と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;および(iii)(e)CDR3は、配列番号12;および(f)配列番号12と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;好ましくは、ここで、CDR1は配列番号8であり、CDR2は配列番号10であり、CDR3は配列番号12であり;さらにより好ましくは、ここで、MMP13に特異的に結合するISVDは、配列番号2で表される。

0012

一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ADAMTSはADAMTS5であり、好ましくは、ADAMTS5に特異的に結合する前記ISVDは、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、(i)(a)CDR1は配列番号14[GRTSSYAMG];および(b)配列番号14と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;(ii)(c)CDR2は、配列番号16[GISRSAERTY];および(d)配列番号16と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;および(iii)(e)CDR3は、配列番号18[DLDPRIFSREEYAY];および(f)配列番号18と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;さらに好ましくは、ここで、CDR1は配列番号14であり、CDR2は配列番号16であり、CDR3は配列番号18であり;さらにより好ましくは、ここで、ADAMTS5に特異的に結合するISVDは、配列番号3で表される。

0013

一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここでアグリカンに特異的に結合する前記ISVDは、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで(a)CDR1は、配列番号19;および(b)配列番号19と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;(ii)(c)CDR2は、配列番号21;および(d)配列番号21と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;および(iii)(e)CDR3は、配列番号23;および(f)配列番号23と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;より好ましくは、ここで、CDR1は配列番号19であり、CDR2は配列番号21であり、CDR3は配列番号23であり;さらにより好ましくは、ここで、アグリカンに特異的に結合する前記ISVDは、配列番号4で表される。

0014

本発明のすべての側面の好ましい態様において、本明細書の上および下に略述されるように、本発明による免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)は、好ましくは、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域CDR1、CDR2およびCDR3からなるか、または本質的にそれらからなる。好ましいフレームワーク配列は、例えば以下の表A−2に開示されており、本発明のISVDに使用することができる。好ましくは、表A−2に示されているCDRは、同じISVD構築物のそれぞれのフレームワーク領域と一致している。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、前記ISVDはリンカーを介して互いに連結され、好ましくは前記リンカーは、配列番号24〜40からなる群から、好ましくは配列番号28[9GS]または配列番号35[35GS]から、選択される。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで第1のISVDはMMP13に特異的に結合し、第2のISVDはADAMTS5に特異的に結合し、第3のISVDはアグリカンに特異的に結合し、および第4のISVDはアグリカンに特異的に結合し、好ましくは、配列番号1または62で表される。

0015

一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで第1のISVDはMMP13に特異的に結合し、第2のISVDはアグリカンに特異的に結合し、および第3のISVDはアグリカンに特異的に結合し、好ましくは、配列番号5または63で表される、
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、第1のISVDはADAMTS5に特異的に結合し、第2のISVDはアグリカンに特異的に結合し、および第3のISVDはアグリカンに特異的に結合し、好ましくは、配列番号6または64で表される。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドを含むか、または本質的にそれからなる構築物に関し、これはさらに、任意に1つ以上のペプチドリンカーを介して連結される、1つ以上の他の基、残基、部分または結合単位を含む。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドまたは本明細書に記載の構築物をコードする、核酸に関する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載の核酸を含む、発現ベクターに関する。

0016

一側面において、本発明は、本明細書に記載の核酸、または本明細書に記載の発現ベクターを含む、宿主または宿主細胞に関する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチド、本明細書に記載の構築物、または本明細書に記載の核酸を含む、組成物に関する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドを生産する方法に関し、前記方法は、少なくとも以下のステップを含む:a)適切な宿主細胞、宿主生物または適切な発現系において、本明細書に記載の核酸を発現させること;任意にこれに続いて、b)本明細書に記載のポリペプチドを単離および/または精製すること。
一側面において、本発明は、医薬組成物である、本明細書に記載の組成物に関し、好ましくは前記組成物はさらに、少なくとも1つの薬学的に許容し得る担体希釈剤または賦形剤および/またはアジュバントを含み、任意に1つ以上のさらなる医薬活性ポリペプチドおよび/または化合物を含む。
一側面において、本発明は、医薬として使用するための、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載のポリペプチド、または本明細書に記載の構築物に関する。

0017

一側面において、本発明は、関節症および軟骨異栄養症、関節炎、例えば変形性関節症、関節リウマチ痛風性関節炎乾癬性関節炎外傷性裂傷または剥離軟骨形成不全肋軟骨炎脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア腰部椎間板変性疾患変性関節疾患再発性多発性軟骨炎離断性骨軟骨炎、アグリカノパチー、NASH、慢性歯周炎および腹部大動脈瘤の、症状の予防または処置に使用するための、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載のポリペプチド、または本明細書に記載の構築物に関する。
一側面において、本発明は、個体の疾患または障害の症状を予防または処置する方法に関し、該方法は、本明細書に記載のポリペプチド、本明細書に記載の構築物、または本明細書に記載の組成物を、関節症および軟骨異栄養症、関節炎、例えば変形性関節症、関節リウマチ、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性裂傷または剥離、軟骨形成不全、肋軟骨炎、脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、再発性多発性軟骨炎、離断性骨軟骨炎、アグリカノパチー、NASH、慢性歯周炎および腹部大動脈瘤の症状を処置または予防するための有効量で、前記個体に投与することを含む。

0018

ポリペプチドおよび組成物の他の側面、利点、用途および使用は、本明細書のさらなる開示から明らかになるであろう。本明細書の本文にわたりいくつかの文書引用されている。ここに引用された各文書(すべての特許、特許出願、科学刊行物製造業者仕様書説明書などを含む)は、上記であっても下記であっても、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書のすべては、本発明が先行発明によってかかる開示に先行する権利を与えられない、ということの承認として解釈されるべきではない。

図面の簡単な説明

0019

4.図の凡例
図1は、ポリペプチド949(「C010100949」、配列番号1)による、FRETベース酵素活性アッセイでの、種のADAMTS5の機能的阻害を示す図である。Vi:阻害された酵素反応の速度(進行曲線の傾き);V0:阻害されていない反応の速度。各点は、技術的重複測定の平均を表す。エラーバー:技術的重複における標準偏差。このグラフは、3つの独立した実験の代表である。
図2は、ポリペプチド949による、FRETベースの酵素活性アッセイでの、ヒト、カニクイザルおよびラットMMP13の機能的阻害を示す図である。左:ポリペプチド949(ALX−1011)による種のcdMMP13阻害。右:種の活性化proMMP13の阻害(ポリペプチド949はC010100949と示す)。Vi:阻害された酵素反応の速度(進行曲線の傾き);V0:阻害されていない反応の速度。Cd:触媒ドメイン;pro:活性化pro−MMP13。各点は、技術的重複測定の平均を表す。エラーバー:技術的重複における標準偏差。図は少なくとも2つの独立した実験の代表である。

0020

図3は、ポリペプチド949(「NB949」)のウシ軟骨外植片アッセイにおける有効性を示す図である。有効性は、これらの条件下でIL−1α刺激GAG放出を完全に阻害する参照小分子アグリカナーゼ阻害剤(AGG−523、Wyeth)と比較して計算され、これを100%に設定し、非誘導の軟骨を0%に設定した。
図4は、ポリペプチド949のヒト軟骨外植片アッセイにおける有効性を示す図である。有効性は、これらの条件下でIL−1α刺激GAG放出を完全に阻害する参照小分子アグリカナーゼ阻害剤(AGG−523、Wyeth)と比較して計算され、これを100%に設定し、非誘導の軟骨を0%に設定した。
図5は、ウシ外植片アッセイにおける、ポリペプチドのCAP媒介性軟骨固定の効果を示す図である。

0021

図6は、ポリペプチド949(「C010100949」または「MAC949」)が、共培養物からのC2M(Col II分解=構造)およびC3M(Col III分解=症状に関連)の放出を阻害することを示す図である。
図7は、軟骨の保持:異なる時点における、ラットの局所ナノボディ構築物濃度を示す図である。
図8は、異なる群における、内側脛骨の実質的な軟骨変性幅を示す図である。
図9は、内側脛骨軟骨変性幅を示す図である。
図10は、キャットウォークによる歩行分析を示す図である。
図11は、関節(右膝)あたり400μgのナノボディ構築物の単回関節内注射を受けた変形性関節症ラットおよび健康ラットにおけるポリペプチドの、初回投与後の時間(h)に対する血清濃度(ng/ml単位の平均濃度)を示す図である。点は、健康な動物の個々の濃度を表す;三角形は、OA動物の個々の濃度を表す;および線は平均の濃度を表す。

0022

5.詳細な説明
安全で効果的なOA医薬品、特にDMOADの必要性が残されている。これらの医薬は、特に広く適用可能なフォーマットが意図される場合、様々な頻繁に対立する要件適合する必要がある。かかるフォーマットは、好ましくは広範囲の患者に有用であるべきである。フォーマットは好ましくは安全であり、頻繁な投与による感染を誘発しない。加えてフォーマットは、好ましくは患者に優しく、例えば、便利な投与計画および投与経路、例えば全身投与を許容する。例えば、投与されると、フォーマットは循環から即座に除去されないことが好ましい。ただし、半減期延長しても、好ましくは標的外の活性や副作用が生じたり、有効性が制限されるべきではない。
本発明は、これらの要件の少なくとも1つを実現する。
従来にはないスクリーニング、特性評価、および組み合わせ戦略に基づいて、本発明者らは驚くべきことに、免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)が、in vitro、ex vivoおよびin vivo実験で非常に良好に機能することを観察した。

0023

さらに本発明者らは、ISVDを再操作して、OAの改善において比較薬よりもさらに優れた性能を発揮させることができた。また本発明のISVDは、先行技術の化合物よりも有意に安全であることが実証された。
さらに本発明者らは、MMP13阻害剤、ADAMTS5阻害剤およびアグリカン結合剤を含む様々な機能性を組み合わせることにより、阻害剤のいずれかよりもさらに優れた効果が得られることを実証した。
本発明は、CAP結合剤に結合した、ADAMTS、特にADAMTS5に拮抗するISVD、および/またはMMP、特にMMP13に拮抗するISVDの組み合わせであって、従来技術のアミノ酸配列および抗体と比較して、より安全なプロファイルを含む改善された予防的、治療的および/または薬理学的特性を有するものを提供することを意図する。

0024

したがって、本発明は、以下からなる群から選択されるポリペプチドに関する:
(a)少なくとも2つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むポリペプチドであって、ここで第1のISVDはマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に特異的に結合し、第2のISVDはアグリカンに特異的に結合する、および任意にアグリカンに特異的に結合する第3のISVDを含む、前記ポリペプチド;
(b)少なくとも2つのISVDを含むポリペプチドであって、ここで第1のISVDはトロンボスポンジンモチーフを有するAディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ(ADAMTS)に特異的に結合し、第2のISVDはアグリカンに特異的に結合する、および任意にアグリカンに特異的に結合する第3のISVDを含む、前記ポリペプチド;および
(c)少なくとも3つのISVDを含むポリペプチドであって、ここで第1のISVDはMMPに特異的に結合し、第2のISVDはADAMTSに特異的に結合し、第3のISVDはアグリカンに特異的に結合する、および任意にアグリカンに特異的に結合する第4のISVDを含む、前記ポリペプチド。

0025

別に示されているか定義されていない限り、使用されるすべての用語は、当業者には明白であろうこの分野でのそれらの通常の意味を有する。例えば、次のような標準的なハンドブックが参照される:Sambrook et al. (Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Ed.) Vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)、F. Ausubel et al. (Current protocols in molecular biology, Green Publishing and Wiley Interscience, New York, 1987)、Lewin (Genes II, John Wiley & Sons, New York, N.Y., 1985)、Old et al. (Principles of Gene Manipulation: An Introduction to Genetic Engineering (2nd edition) University of California Press, Berkeley, CA, 1981);Roitt et al. (Immunology (6th Ed.) Mosby/Elsevier, Edinburgh, 2001)、Roitt et al. (Roitt’s Essential Immunology (10th Ed.) Blackwell Publishing, UK, 2001)、およびJaneway et al. (Immunobiology (6th Ed.) Garland Science Publishing/Churchill Livingstone, New York, 2005)、ならびに本明細書で引用する一般的な背景技術

0026

別に示されていない限り、特に詳細に説明されていないすべての方法、ステップ、技術、および操作は、それ自体既知の様式で実行でき、また実行されており、これは当業者には明らかであろう。例えば、本明細書で言及される標準ハンドブックおよび一般的な背景技術、ならびにそこに引用されているさらなる参考文献が再び参照され;また、例えば、以下のレビューも参照される:Presta (Adv. Drug Deliv. Rev. 58 (5-6): 640-56, 2006)、Levin and Weiss (Mol. Biosyst. 2(1): 49-57, 2006)、Irving et al. (J. Immunol. Methods248(1-2): 31-45, 2001)、Schmitz et al. (Placenta 21 Suppl. A: S106-12, 2000)、Gonzales et al. (Tumour Biol. 26(1): 31-43, 2005);これらは、親和性成熟などのタンパク質工学技術、および免疫グロブリンなどのタンパク質の特異性およびその他の望ましい特性を改善するためのその他の技術について、説明している。

0027

本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の言及を含むことに留意すべきである。したがって例えば、1つの「試薬」への言及には、かかる異なる試薬の1つ以上が含まれ、「方法」への言及には、改変され得るかまたは本明細書に記載の方法で置換され得る、当業者に知られている同等のステップおよび方法への言及が含まれる。
特に明記しない限り、一連の要素に先行する「少なくとも」という用語は、一連のすべての要素を指すと理解されるべきである。当業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載された本発明の特定の態様に対する多くの均等物を認識し、または確認することができるであろう。かかる均等物は、本発明に含まれることが意図されている。
用語「および/または」は、本明細書で使用される場合は常に、「および」、「または」、および「前記用語によって接続される要素のすべてまたは任意の他の組み合わせ」の意味を含む。

0028

本明細書で使用される場合、用語「約」または「およそ」は、所与の値または範囲の20%以内、好ましくは15%以内、より好ましくは10%以内、おとび最も好ましくは5%以内を意味する。
本明細書およびそれに続く特許請求の範囲を通して、文脈が特に必要としない限り、「含む」という単語、および「含む」および「含むこと」などの変形は、述べられた整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループを含むが、任意の他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループを除外しない、ということを意味する。本明細書で使用する場合、「含む(comprising)」という用語は、「含有する(containing)」または「含む(including)」という用語で置き換えることができ、または場合によっては本明細書において、「有する」という用語を使用することもできる。
本明細書で使用される場合、用語「配列」(例えば、「免疫グロブリン配列」、「抗体配列」、「可変ドメイン配列」、「VHH配列」または「タンパク質配列」などの用語)は、一般に、文脈がより限定された解釈を必要としない限り、関連するアミノ酸配列ならびにこれをコードする核酸またはヌクレオチド配列の両方を含むと理解されるべきである。
アミノ酸配列は、文脈に依存して、単一のアミノ酸または、2つ以上のアミノ酸の分岐していない配列を意味すると解釈される。ヌクレオチド配列は、3つ以上のヌクレオチドの非分岐配列を意味すると解釈される。

0029

アミノ酸は、天然のタンパク質に一般的に見られるL−アミノ酸である。アミノ酸残基は、標準の3文字または1文字のアミノ酸コードに従って示される。例えば、WO 08/020079の48頁表A−2を参照されたい。D−アミノ酸を含むこれらのアミノ酸配列は、この定義に含まれることを意図しない。翻訳後修飾されたアミノ酸を含むアミノ酸配列は、この表A−2に示されている記号および、例えばヒドロキシル化またはグリコシル化などの修飾位置を使用して、最初に翻訳されるアミノ酸配列として説明し得るが、しかしこれらの修飾は、アミノ酸配列に明示的に示されてはならない。配列修飾された結合、架橋およびエンドキャップ、非ペプチジル結合などとして発現できるペプチドまたはタンパク質はすべて、当技術分野で知られているように、この定義に含まれる。

0030

用語「タンパク質」、「ペプチド」、「タンパク質/ペプチド」、および「ポリペプチド」は、本開示を通して交換可能に使用され、それぞれは本開示の目的に対して同じ意味を有する。各用語は、2つ以上のアミノ酸の直鎖でできた有機化合物を指す。化合物は、10以上のアミノ酸、25以上のアミノ酸;50以上のアミノ酸;100以上のアミノ酸、200以上のアミノ酸、さらには300以上のアミノ酸を有し得る。当業者は、以下を理解するであろう:すなわち、ポリペプチドは一般にタンパク質よりも少ないアミノ酸を含むが、しかしポリペプチドとタンパク質を区別するアミノ酸の数の、当技術分野で認識されているカットオフポイントは存在しないこと;ポリペプチドは、化学合成または組換え法により作成できること;および、タンパク質は一般に、当分野で 知られている組換え方法によりin vitroまたはin vivoで作製されること。慣例により、ポリペプチドの一次構造アミド結合は、アミノ酸が書かれている順序の通りであり、ここでポリペプチドのアミン末端N末端)は常に左側にあり、酸末端C末端)は右側にある。

0031

核酸またはアミノ酸配列が、「(本質的に)単離された(形態)(にある)」と見なされるのは、−例えば、それが得られた反応培地または培養培地と比較して−、上記ソースまたは培地と通常関連している少なくとも1つの別の成分から、例えば別の核酸、別のタンパク質/ポリペプチド、別の生物学的成分または高分子、または少なくとも1つの汚染物質不純物または微量成分などから、分離された場合である。特に、核酸またはアミノ酸配列は、少なくとも2倍、特に少なくとも10倍、より特に少なくとも100倍、および最大1000倍またはそれ以上まで精製されている場合に、「(本質的に)単離された」と見なされる。「(本質的に)単離された形態にある」核酸またはアミノ酸は、適切な技術を使用して、例えばポリアクリルアミドゲル電気泳動などの適切なクロマトグラフィー技術を使用して決定されるように、好ましくは本質的に均質である。

0032

ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列が、それぞれ別のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を「含む」、または別のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列から「本質的になる」と言われる場合、これは、後者のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列が、最初に言及されたヌクレオチド配列またはアミノ酸配列それぞれに組み込まれていることを意味し得るが、より一般的には、これは一般に、最初に言及されたヌクレオチド配列またはアミノ酸配列がその配列内に、後者の配列と同じヌクレオチド配列またはアミノ酸配列それぞれを有する、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基のストレッチそれぞれを含むことを意味し、最初に言及された配列が実際にどのように生成または取得されたか(例えば、本明細書に記載の任意の適切な方法による)には関係しない。非限定的な例により、本発明のポリペプチドが、免疫グロブリン単一可変ドメイン(「ISVD」)を含むと言われる場合、これは、前記免疫グロブリン単一可変ドメイン配列が、本発明のポリペプチドの配列に組み込まれたことを意味し得るが、より通常には、これは一般に、本発明のポリペプチドがどのように生成または取得されたかに関係なく、本発明のポリペプチドがその配列内に、免疫グロブリン単一可変ドメインの配列を含むことを意味する。また、核酸またはヌクレオチド配列が別のヌクレオチド配列を含むと言われる場合、最初に言及された核酸またはヌクレオチド配列は、これが発現産物(例えばポリペプチド)に発現されるときに、後者のヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列が前記発現産物の一部を形成している(言い換えると、後者のヌクレオチド配列は、最初に言及されたより大きな核酸またはヌクレオチド配列と同じリーディングフレームにある)。また、本発明の構築物がポリペプチドまたはISVDを含むと言われる場合、これは、前記構築物が、前記ポリペプチドまたはISVDをそれぞれ、少なくとも包含することを意味し得るが、より一般的には、これは、前記構築物が、前記ポリペプチドまたはISVDに加えて、基、残基(例えばアミノ酸残基)、部分および/または結合単位を包含することを意味し、ここで前記ポリペプチドまたはISVDが前記の基、残基(例えば、アミノ酸残基)、部分および/または結合単位にどのように接続されているかには関係せず、および前記構築物がどのように生成または取得されたかにも関係しない。

0033

「本質的に〜からなる」とは、本発明で使用されるISVDが、本発明のISVDと全く同一であるか、または、本発明の次のようなISVDに対応することを意味する:すなわち、限られた数のアミノ酸残基、例えば1〜20アミノ酸残基など、例えば1〜10のアミノ酸残基、好ましくは1〜6のアミノ酸残基、例えば1、2、3、4、5または6個のアミノ酸残基を、ISVDのアミノ末端カルボキシ末端、またはアミノ末端とカルボキシ末端の両方に付加されて有するISVD。
2つ以上のヌクレオチド配列を比較するために、第1ヌクレオチド配列と第2ヌクレオチド配列の間の「配列同一性」のパーセンテージは、次のように計算することができる:[第2ヌクレオチド配列内の対応する位置のヌクレオチドと同一の、第1ヌクレオチド配列内のヌクレオチドの数]を、[第1ヌクレオチド配列内のヌクレオチドの総数]で除算し、[100%]を掛ける;ここで、第1ヌクレオチド配列と比較した、第2ヌクレオチド配列内のヌクレオチドの各欠失、挿入、置換または追加は、単一のヌクレオチド(位置)における違いと見なされる。代替的に、2つ以上のヌクレオチド配列間の配列同一性の程度は、NCBI Blast v2.0などの配列アラインメントのための既知のコンピューターアルゴリズムを使用して、標準設定を用いて計算され得る。配列同一性の程度を決定するための他のいくつかの技術、コンピューターアルゴリズムおよび設定は、例えば、WO 04/037999、EP 0967284、EP 1085089、WO 00/55318、WO 00/78972、WO 98/49185およびGB 2357768に記載されている。通常、上記で概説した計算方法に従って2つのヌクレオチド配列間の「配列同一性」のパーセンテージを決定する目的で、最大数のヌクレオチドを有するヌクレオチド配列が「第1」ヌクレオチド配列とされ、他のヌクレオチド配列が「第2」ヌクレオチド配列とされる。

0034

2つ以上のアミノ酸配列を比較するために、第1アミノ酸配列と第2アミノ酸配列の間の「配列同一性」のパーセンテージ(本明細書では「アミノ酸同一性」とも呼ばれる)は、次のように計算することができる:[第2アミノ酸配列内の対応する位置のアミノ酸残基と同一の、第1アミノ酸配列内のアミノ酸残基の数]を、[第1アミノ酸配列内のアミノ酸残基の総数]で除算し、[100%]を掛ける;ここで、第1アミノ酸配列と比較した、第2アミノ酸配列内のアミノ酸残基の各欠失、挿入、置換または追加は、単一のアミノ酸残基(位置)における違い、すなわち本明細書で定義される「アミノ酸差異」と見なされる。代替的に、2つ以上のアミノ酸配列間の配列同一性の程度は、ヌクレオチド配列の配列同一性の程度を決定するための上記のような既知のコンピューターアルゴリズムを使用して、再度標準設定を用いて計算され得る。通常、上記で概説した計算方法に従って2つのアミノ酸配列間の「配列同一性」のパーセンテージを決定する目的で、最大数のアミノ酸残基を有するアミノ酸配列が「第1」アミノ酸配列とされ、他のアミノ酸配列が「第2」アミノ酸配列とされる。

0035

また、2つのアミノ酸配列間の配列同一性の程度を決定する際に、当業者はいわゆる「保存的」アミノ酸置換を考慮してもよく、これは一般的に、アミノ酸残基が類似の化学構造の別のアミノ酸残基で置換されるが、ポリペプチドの機能、活性または他の生物学的特性にほとんどまたは本質的に影響を与えないアミノ酸置換として説明することができる。かかる保存的アミノ酸置換は、当分野において、例えばWO 04/037999、GB 335768、WO 98/49185、WO 00/46383およびWO 01/09300からよく知られており;およびかかる置換の(好ましい)種類および/または組み合わせは、WO 04/037999ならびにWO 98/49185およびそこに引用されているさらなる参考文献からの関連する教示に基づいて選択され得る。

0036

かかる保存的置換は、好ましくは、以下のグループ(a)〜(e)内の1つのアミノ酸が、同じグループ内の別のアミノ酸残基で置換される置換である:(a)小さな脂肪族非極性またはわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;(b)極性の負に帯電した残基およびそれらの(非帯電)アミド:Asp、Asn、GluおよびGln;(c)極性の正に帯電した残基:His、Arg、およびLys;(d)大きな脂肪族非極性残基:Met、Leu、Ile、ValおよびCys;(e)芳香族残基:Phe、TyrおよびTrp。特に好ましい保存的置換は、以下の通りである:Alaを、GlyまたはSerへ;ArgをLysへ;Asnを、GlnまたはHisへ;AspをGluへ;CysをSerへ;GlnをAsnへ;GlnをAspへ;Glyを、AlaまたはProへ;Hisを、AsnまたはGlnへ;Ileを、LeuまたはValへ;Leuを、IleまたはValへ;Lysを、Arg、Gln、またはGluへ;Metを、Leu、Tyr、またはIleへ;Pheを、Met、Leu、またはTyrへ;SerをThrへ;ThrをSerへ;TrpをTyrへ;TyrをTrpへ;および/またはPheを、Val、IleまたはLeuへ。

0037

本明細書に記載のポリペプチドに適用される任意のアミノ酸置換はまた、Schulz et al. (“Principles of Protein Structure”, Springer-Verlag, 1978)によって開発された異なる種の相同タンパク質の間のアミノ酸変異頻度分析、Chou and Fasman (Biochemistry 13: 211, 1974; Adv. Enzymol., 47: 45-149, 1978)によって開発された構造形成可能性の分析、およびEisenberg et al. (Proc. Natl. Acad Sci. USA 81: 140-144, 1984)、Kyte and Doolittle (J. Molec. Biol. 157: 105-132, 1981)およびGoldman et al. (Ann. Rev. Biophys. Chem. 15: 321-353, 1986)によって開発されたタンパク質の疎水性パターンの分析に、基づいてもよい;これらはすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ナノボディの一次、二次および三次構造に関する情報は、本明細書の説明および上記で引用した一般的な背景技術に記載されている。また、この目的のために、ラマからのVHHドメインの結晶構造は、例えば、Desmyter et al. (Nature Structural Biology, 3: 803, 1996)、Spinelli et al. (Natural Structural Biology, 3: 752-757, 1996)およびDecanniere et al. (Structure, 7 (4): 361, 1999)により与えられている。従来のVHドメインにおいてVH/VL界面を形成するいくつかのアミノ酸残基、およびこれらの位置での潜在的なラクダ化置換についてのさらなる情報は、上記の先行技術に見出すことができる。

0038

アミノ酸配列および核酸配列は、それらがその全長にわたって100%の配列同一性(本明細書で定義されるもの)を有する場合、「完全に同一」と言われる。
2つのアミノ酸配列を比較する場合、用語「アミノ酸差異(amino acid difference)」は、第2の配列と比較した、第1の配列の位置にある単一のアミノ酸残基の挿入、欠失、または置換を指す;2つのアミノ酸配列が、1つ、2つまたはそれ以上のかかるアミノ酸差異を含み得ることが理解されている。より具体的には、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドにおいて、用語「アミノ酸差異」は、(b)、(d)または(f)で特定されるCDR配列の位置上の、それぞれ(a)、(c)または(e)のCDR配列と比較した、単一アミノ酸残基の挿入、欠失、または置換を指す。(b)、(d)および(f)のCDR配列は、それぞれ(a)、(c)または(e)のCDR配列と比較して、1、2、3、4または最大5個のかかるアミノ酸差異を含み得ることが理解される。

0039

「アミノ酸差異」は、任意の1、2、3、4または最大5個の置換、欠失または挿入、またはそれらの任意の組み合わせであることができ、これは、本発明のISVD、すなわち、本発明のポリペプチドなどの、本発明のADAMTS5結合剤、本発明のMMP13結合剤、および/または本発明のアグリカン結合剤の、特性を改善するか、または、本発明のISVD、すなわち、本発明のポリペプチドなどの、本発明のADAMTS5結合剤、本発明のMMP13結合剤、および/または本発明のアグリカン結合剤の所望の特性から、または所望の特性のバランスもしくは組み合わせから、少なくとも過度に低減のないものである。この点において、得られた本発明のポリペプチドは、1、2、3、4、または最大5個の置換、欠失、または挿入なしの1つ以上のCDR配列を含むポリペプチドと比較して、少なくとも、同じ、ほぼ同じ、またはより高い親和性で、アグリカンおよびMMP13および/またはADAMTS5に結合すべきである。親和性は、当分野で 知られている任意の適切な方法により測定され得るが、好ましくは、実施例の節に記載の方法により測定される。

0040

この点において、本明細書に示される(b)、(d)および/または(f)によるCDRのアミノ酸配列は、それ自体知られているかまたは実施例に記載されているような親和性成熟の1つ以上の技術を使用した親和性成熟を用いた、それぞれ(a)、(c)および/または(e)によるアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列であってよい。例えば、本発明のポリペプチドの発現に使用される宿主生物に応じて、かかる欠失および/または置換は、翻訳後修飾のための1つ以上の部位(1つ以上のグリコシル化部位など)が削除されるように設計され得、これは当業者の能力の範囲内であろう(実施例を参照)。
本明細書で使用される「ナノボディファミリー」、「VHHファミリー」または「ファミリー」とは、同一の長さを有するナノボディおよび/またはVHH配列のグループを指し(すなわち、それらはその配列内に同じ数のアミノ酸を有する)、そのうち、位置8と位置106(Kabat番号付けによる)の間のアミノ酸配列は、89%以上のアミノ酸配列同一性を有する。

0041

互換的に使用可能な用語「エピトープ」および「抗原決定基」とは高分子の一部を指し、例えば免疫グロブリン、従来の抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/または本発明のポリペプチドなどの、抗原結合分子によって、より具体的には前記分子の抗原結合部位によって認識される、ポリペプチドまたはタンパク質である。エピトープは、免疫グロブリンに対する最小結合部位を定義し、したがって免疫グロブリンの特異性の標的を表す。
エピトープを認識する抗原結合分子(免疫グロブリン、従来の抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインおよび/または本発明のポリペプチドなど)の一部は、「パラトープ」と呼ばれる。
特定のエピトープ、抗原またはタンパク質(またはその少なくとも一部、断片またはエピトープ)に対して、「結合」または「特異的に結合」できるか、「親和性を有する」か、および/または「特異性を有する」アミノ酸配列(本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン、抗体、ポリペプチド、または一般にその抗原結合タンパク質またはポリペプチドまたは断片)は、前記エピトープ、抗原またはタンパク質に「対する」または「向けられる」と言われるか、またはかかるエピトープ、抗原またはタンパク質に関する「結合」分子であるか、または「抗」エピトープ、「抗」抗原または「抗」タンパク質(例えば、「抗」アグリカン、「抗」MMP13、および/または「抗」ADAMTS5)であると言われる。

0042

親和性は、分子相互作用の強度または安定性を示す。親和性は通常、KD、または解離定数として与えられ、これはモルリットル(またはM)の単位を有する。親和性は会合定数KAとして表すこともでき、これは1/KDに等しく、(モル/リットル)−1(またはM−1)の単位を有する。本明細書において、2つの分子間の相互作用の安定性は、主にそれらの相互作用のKD値に関して表される。KA=1/KDの関係を考慮して、分子相互作用の強度をそのKD値によって指定することを用いて、対応するKA値を計算できることは、当業者には明らかである。KD値はまた、分子相互作用の強度を熱力学的意味でも特徴付けるが、これはKD値が、結合の自由エネルギー(DG)の変化に、よく知られている関係DG=RT.ln(KD)(等価的にDG=−RT.ln(KA))(式中、Rは気体定数、Tは絶対温度、lnは自然対数を表す)によって関連するためである。
重要(例えば特異的)と考えられる生物学的相互作用のKDは、通常10−12M(0.001nM)〜10−5M(10000nM)の範囲である。相互作用が強いほど、KDは低くなる。

0043

KDは、koffで表される複合体の解離速度定数と、konで表されるその会合速度との比として表すこともできる(したがってKD=koff/konおよびKA=kon/koff)。オフレートkoffの単位はs−1である(sは秒のSI単位表記である)。オンレートkonの単位はM−1s−1である。オンレートは、102M−1s−1〜約107M−1s−1の間で変化し、二分子相互作用の拡散律速会合速度定数に近づく。オフレートは、関係t1/2=ln(2)/koffによって、特定の分子相互作用の半減期に関連している。オフレートは、10−6s−1(複数日数のt1/2を有する不可逆的な複合体に近い)〜1s−1(t1/2=0.69s)の間で変化し得る。
ISVDなどの抗原結合タンパク質の、抗原または抗原決定基への特異的結合は、例えば飽和結合アッセイおよび/または競合結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイRIA)、酵素免疫測定法EIA)およびサンドイッチ競合アッセイを含む、それ自体既知の任意の適切な方法、および当技術分野でそれ自体知られているそれらの様々な変形、ならびに本明細書で言及される他の技術により、決定することができる。

0044

2つの分子間の分子相互作用の親和性は、それ自体が既知の異なる技術によって測定でき、例えば、周知の表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサー技術などであり(例えば、Ober et al. 2001, Intern. Immunology 13: 1551-1559)ここで、一方の分子はバイオセンサーチップに固定され、もう一方の分子は、kon、koffの測定、したがってKD(またはKA)値をもたらすフロー条件下で、固定された分子上を通過する。これは例えば、よく知られているBIACORE(登録商標機器(Pharmacia Biosensor AB, Uppsala, Sweden)を使用して実行できる。Kinetic Exclusion Assay(KINEXA(登録商標)機器)(Drake et al. 2004, Analytical Biochemistry 328: 35-43)は、結合パートナーの標識なしで溶液中の結合イベントを測定し、複合体の解離動力学的に除外することに基づいている。溶液内親和性分析はまた、自動化されたバイオ分析と迅速な試料ターンアラウンドプラットフォームを提供するGYROLAB(登録商標)イムノアッセイステム(Fraley et al. 2013, Bioanalysis 5: 1765-74)、またはELISAを使用して実行することもできる。

0045

また、測定プロセスが、例えばある分子のバイオセンサーのコーティングに関連するアーチファクトにより、意味された分子の固有結合親和性に何らかの影響を与える場合、測定されたKDが見かけのKDに対応し得ることも当業者には明らかであろう。また、1つの分子が他の分子に対する複数の認識部位を含む場合、見かけのKDを測定してもよい。かかる状況において、測定された親和性は、2つの分子による相互作用の結合力の影響を受ける可能性がある。特に、KDの正確な測定は非常に労働集約的である可能性があり、その結果、見かけ上のKD値が、2つの分子の結合強度を評価するためにしばしば決定される。すべての測定が一貫した方法で行われる限り(例えば、アッセイ条件を変更しない限り)、見かけのKD測定を真のKDの近似値として使用できるため、本書ではKDおよび見かけのKDは、同等の重要性または関連性で扱うべきである。

0046

「特異性」という用語は、特定の抗原結合分子または抗原結合タンパク質(本発明のポリペプチドまたはISVDなど)分子が結合できる、抗原または抗原決定基の異なる種類の数を指す。抗原結合タンパク質の特異性は、例えば、WO 08/020079(参照により本明細書に組み込まれる)の53〜56頁に記載されているように、親和性および/または結合力に基づいて決定することができ、ここには、抗原結合分子(本発明のポリペプチドまたはISVDなど)と関連抗原の間の結合を測定するためのいくつかの好ましい技術も記載されている。典型的には、抗原結合タンパク質(本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなど)は、解離定数(KD)として10−5〜10−12モル/リットル以下、好ましくは10−7〜10−12モル/リットル以下、およびより好ましくは10−8〜10−12モル/リットルで、それらの抗原に結合する(すなわち、会合定数(KA)として105〜1012リットル/モル以上、好ましくは107〜1012リットル/モル以上、およびより好ましくは108〜1012リットル/モル)。10−4モル/リットルを超える任意のKD値(または104リットル/モル未満の任意のKA値)は、一般に、非特異的結合を示すと考えられる。好ましくは、本発明の一価ISVDは、所望の抗原に、500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは10nM未満、例えば500pM未満、例えば10〜5pM以下などの親和性で、結合するであろう。WO 08/020079の53〜56頁の段落n)も参照されたい。

0047

ISVDおよび/またはポリペプチドが、別の(第2)標的または抗原と比較して(第1)標的または抗原に「特異的」であると言われるのは、ISVDおよび/またはポリペプチドが第1の抗原に、ISVDおよび/またはポリペプチドが第2の標的または抗原に結合する場合の親和性よりも、(上記のように、およびKD値、KA値、Koffレートおよび/またはKonレートとして適切に表現されて)少なくとも10倍、例えば少なくとも100倍、好ましくは少なくとも1000倍以上の親和性で結合する場合である。例えば、ISVDおよび/またはポリペプチドは、第1の標的または抗原に、前記ISVDおよび/またはポリペプチドが第2の標的または抗原に結合するKDよりも少なくとも10分の1、例えば少なくとも100分の1、および好ましくは少なくとも1000分の1、またはさらに小さいKD値で、結合し得る。好ましくは、ISVDおよび/またはポリペプチドが、第1の標的または抗原に対して、第2の標的または抗原と比較して「特異的」である場合、(本明細書で定義されるように)これは前記第1の標的または抗原には向けられるが、前記第2の標的または抗原には向けられない。

0048

抗原結合タンパク質の抗原または抗原決定基への特異的結合は、例えば飽和結合アッセイおよび/または競合結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)およびサンドイッチ競合アッセイなどを含む、それ自体既知の任意の適切な方法、および当技術分野で知られているそれらの異なる変形、ならびに本明細書で言及される他の技術により、決定することができる。
親和性を評価するために使用できる好ましいアプローチは、Friguet et al. 1985 (J. Immunol. Methods77: 305-19)の2ステップELISA(酵素結合免疫吸着検定法)手順である。この方法は、液相結合平衡測定を確立し、プラスチックなどの支持体への1つの分子の吸着に関連する、起こりうるアーチファクトを回避する。当業者には明らかなように、解離定数は実際のまたは見かけの解離定数であってよい。解離定数を決定する方法は当業者には明らかであり、例えばWO 08/020079の53〜56頁に記載されている技術が含まれる。

0049

最後に、多くの状況において、経験ある科学者はある参照分子に対する結合親和性を決定するのが便利であると判断し得ることに、注意すべきである。例えば、分子AとBの間の結合強度を評価するために、例えばBに結合することが知られており、かつ発蛍光団または発色団または他の化学成分で好適に標識されている、例えばELISAまたはFACS蛍光活性セルソーティング)または他のフォーマット(蛍光検出用の発蛍光団、光吸収検出用の発色団、ストレプトアビジン媒介ELISA検出用のビオチン)についてのビオチンなどで好適に標識されている、参照分子Cを使用し得る。通常、参照分子Cを固定濃度に維持し、Aの濃度をBの特定の濃度または量に対して変化させる。その結果、Aの不在下でCについて測定されたシグナルが半分になるところでのAの濃度に対応する、IC50値が得られる。参照分子のKDであるKDref、および参照分子の総濃度crefが既知である場合、相互作用A−Bの見かけのKDは、次の式から得られる:KD=IC50/(1+cref/KDref)。cref<<KDref、KD≫IC50であることに注意。IC50の測定が、比較される結合剤について一貫した方法で行われる場合(例えば、crefを固定するなど)、分子相互作用の強度または安定性の違いを、IC50を比較することで評価でき、この測定は、このテキスト全体でKDまたは見かけのKDに等価であると判断される。

0050

半数阻害濃度(IC50)はまた、例えば薬理効果などの生物学的または生化学的機能を阻害することにおける、化合物の有効性の尺度でもある。この定量的尺度は、一定の生物学的プロセス(またはプロセスの成分、すなわち、酵素、細胞細胞受容体走化性退形成転移侵襲性など)を半分に阻害するために必要な、ポリペプチドまたはISVD(ナノボディなど)の量を示す。言い換えれば、これは物質の最大半数(50%)阻害濃度(IC)(50%IC、またはIC50)である。IC50値は、本発明のポリペプチドまたはISVD(例えばナノボディ)などの所定のアンタゴニストについて、アゴニストの最大生物学的応答の半分を阻害するために必要な濃度を決定することにより、計算することができる。薬物のKDは、用量反応曲線を作成し、本発明のポリペプチドまたはISVD(例えばナノボディ)などのアンタゴニストの異なる濃度が、アゴニスト活性逆転させる効果を調べることにより、決定することができる。

0051

半数効果濃度(EC50)という用語は、指定された暴露時間の後、ベースラインと最大の中間の反応を引き起こす化合物の濃度を指す。本文脈において、これは、ポリペプチド、ISVD(例えばナノボディ)の効力の尺度として使用される。段階的用量反応曲線のEC50は、最大効果の50%が観察される化合物の濃度を表す。濃度は、モル単位で表されることが好ましい。
生物学的システムにおいて、リガンド濃度のわずかな変化は、典型的には、S字関数に従った急速な応答の変化をもたらす。リガンド濃度の増加に伴う応答の増加が鈍化し始める変曲点が、EC50である。これは、適合線の導出によって数学的に決定できる。推定のためにグラフに依存することは、ほとんどの場合に便利である。EC50が実施例の節で提供されている場合、実験は、KDを可能な限り正確に反映するように設計されている。すなわち、EC50値はKD値と見なされる。用語「平均KD」は、少なくとも1回、しかし好ましくは1回より多くの、例えば少なくとも2回の実験で得られた、平均KD値に関する。「平均」という用語は、数学用語の「平均」(データの合計をデータのアイテムの数で割ったもの)を指す。

0052

これはまた、化合物の阻害(50%阻害)の尺度であるIC50にも関連している。競合結合アッセイおよび機能的アンタゴニストアッセイの場合、IC50は用量反応曲線の最も一般的な要約測度である。アゴニスト/刺激剤アッセイの場合、最も一般的な要約測度は、EC50である。
阻害定数(Ki)は、阻害剤がどれだけ強力かを示す指標である;これは、半数阻害をもたらすのに必要な濃度である。実験条件に応じて変化するIC50とは異なり、Kiは絶対値であり、しばしば薬物の阻害定数と呼ばれる。阻害定数Kiは、次のCheng-Prusoff方程式を使用して計算できる:



式中、[L]はリガンドの固定濃度である。

0053

本明細書で使用される、本発明のポリペプチドおよび/またはISVDの「効力」という用語は、その特定の効果が生じるのに必要な本発明のポリペプチドおよび/またはISVDの量の関数である。これは、本発明のポリペプチドおよび/またはISVDが、MMP13の活性を調節および/または部分的もしくは完全に阻害するか、および/またはADAMTS5の活性を調節および/または部分的もしくは完全に阻害する能力を指す。
特にこれは、前記ポリペプチドの、本明細書で定義されるMMP13活性を低下させるか、または完全に阻害する能力を指す場合がある。したがってこれは、前記ポリペプチドのタンパク質分解を阻害する能力、例えばアグリカン、コラーゲンII、コラーゲンI、コラーゲンIII、コラーゲンIV、コラーゲンIX、コラーゲンX、コラーゲンXIVおよびゼラチンなどの基質と結合する、プロテアーゼ活性、エンドペプチダーゼ活性を阻害する能力を指し得る。

0054

特にこれは、前記ポリペプチドおよび/またはISVDの、本明細書で定義されるADAMTS5活性、および/または本明細書で定義されるMMP13活性を、低下させるか、さらには完全に阻害する能力を指し得る。効力は、当技術分野で知られているか、または本明細書に記載されている任意の適切なアッセイによって測定され得る。本明細書で使用される「アグリカナーゼ活性」は、アグリカンのタンパク質分解的切断として定義される。
本発明のポリペプチドの「有効性」は、効果自体の最大強度を、飽和ポリペプチド濃度において測定する。有効性は、本発明のポリペプチドから達成可能な最大応答を示す。これは、ポリペプチドが所望の(治療)効果を生み出す能力を指す。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、ADAMTS5に、例えばGyrolabまたはKinExAによって決定される場合、KDとして1E−07M〜1E−13Mの間、例えば1E−08M〜1E−12Mの間、好ましくは最大で1E−07M、好ましくは1E−08Mもしくは1E−09M未満、または1E−10M未満、例えば5E−11M、4E−11M、3E−11M、2E−11M、1.7E−11M、1E−11Mなど、または5E−12M、4E−12M、3E−12M、1E−12Mなどで、結合する

0055

一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、MMP13に、例えばGyrolabまたはKinExAによって決定される場合、KDとして1E−07M〜1E−13Mの間、例えば1E−08M〜1E−12Mの間、好ましくは最大で1E−07M、好ましくは1E−08Mもしくは1E−09M未満、または1E−10M未満、例えば5E−11M、4E−11M、3E−11M、2E−11M、1.7E−11M、1E−11Mなど、または5E−12M、4E−12M、3E−12M、1E−12Mなどで、結合する
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、アグリカンに、例えばGyrolabまたはKinExAによって決定される場合、KDとして1E−07M〜1E−13Mの間、例えば1E−08M〜1E−12Mの間、好ましくは最大で1E−07M、好ましくは1E−08Mもしくは1E−09M未満、または1E−10M未満、例えば5E−11M、4E−11M、3E−11M、2E−11M、1.7E−11M、1E−11Mなど、または5E−12M、4E−12M、3E−12M、1E−12Mなどで、結合する

0056

一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、例えばSPRにより決定される場合、オフレートとして5E−04s−1未満、例えば1E−04s−1または5E−05s−1未満、またはさらに1E−05s−1未満で、ADAMTS5に結合する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、例えばSPRにより決定される場合、オフレートとして5E−04s−1未満、例えば1E−04s−1または5E−05s−1未満、またはさらに1E−05s−1未満で、MMP13に結合する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、例えばSPRにより決定される場合、オフレートとして5E−04s−1未満、例えば1E−04s−1または5E−05s−1未満、またはさらに1E−05s−1未満で、アグリカンに結合する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、例えば結合ELISA(ADAMTS5活性の決定のため)、または競合ELISA、競合TIMP−2 ELISA、蛍光発生ペプチドアッセイ、蛍光発生コラーゲンアッセイ、もしくはコラーゲン分解アッセイ(MMP13活性の決定のため)によって決定される場合、EC50として1E−07M〜1E−12Mの間、例えば1E−08M〜1E−11Mの間で、ADAMTS5活性および/またはMMP13活性を調節する。

0057

一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、例えばヒトFRETアッセイまたはヒトAlphaLISA(ADAMTS5活性の決定のため)、または競合ELISA、競合TIMP−2 ELISA、蛍光発生ペプチドアッセイ、蛍光発生コラーゲンアッセイ、もしくはコラーゲン分解アッセイ(MMP13活性の決定のため)によって決定される場合、IC50として1E−07M〜1E−12Mの間、例えば1E−08M〜1E−11Mの間で、ADAMTS5の活性および/またはMMP13の活性を阻害する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、該ポリペプチドは、IC50として最大1E−07M、好ましくは1E−08M、5E−09M、または4E−9M、3E−9M、2E−9M、例えば1E−9Mなどで、ADAMTS5および/またはMMP13の酵素活性を阻害する。

0058

ISVDまたはポリペプチドなどのアミノ酸配列が、2つの異なる抗原または抗原決定基(例えば、哺乳類の異なる種からのADAMTS5、例えばヒトADAMTS5、ウシADAMTS5、ラットADAMTS5、モルモットADAMTS5、マウスADAMTS5、またはカニクイザルADAMTS5、または例えば哺乳類の異なる種からのMMP13、例えばヒトMMP13、イヌMMP13、ウシMMP13、ラットMMP13、ブタMMP13、マウスMMP13、ウサギMMP13、カニクイザルMMP13、または例えば哺乳類の異なる種からのアグリカン、たとえば、ヒトアグリカン、イヌアグリカン、ウシアグリカン、ラットアグリカン、ブタアグリカン、マウスアグリカン、ウサギアグリカン、カニクイザルアグリカン、および/またはアカゲザルアグリカン)に対して「交差反応性である」と言われるのは、これが、これらの異なる抗原または抗原決定基に特異的(本明細書で定義のように)である場合である。ISVDまたはポリペプチドは、2つの異なる抗原に対する結合親和性が、2、5、10、50、100倍またはそれ以上に異なる可能性があっても、これらの異なる抗原または抗原決定基に(本明細書で定義されるように)特異的であれば、交差反応性であると考えられることが理解されよう。

0059

ADAMTS5は、ADAMTS11、ADMP−2、またはアグリカナーゼ2とも呼ばれる。
ADAMTS5の関連する構造情報は、例えば、以下の表B−1に示すように、UniProtアクセッション番号に見出すことができる(表Bを参照)。
表B−1

0060

「ヒトADAMTS5」とは、配列番号67のアミノ酸配列を含むADAMTS5を指す。一側面において、本発明のポリペプチドは、Human sapiens、Mus musculus、Cavia Porcellus、Bos taurus、Macaca mulattaおよび/またはRattus norvegicusからのADAMTS5に特異的に結合し、好ましくはヒトADAMTS5、好ましくは配列番号67に特異的に結合する。
MMP13は、CLG3またはコラゲナーゼ3、MANDP1、MMP−13、マトリックスメタロペプチダーゼ13、またはMDSTとしても知られている。MMP13に関連する構造情報は、たとえば、以下の表B−2に示すように、UniProtアクセッション番号に見出すことができる(表Bを参照)。
表B−2

0061

「ヒトMMP13」とは、配列番号66のアミノ酸配列を含むMMP13を指す。一側面において、本発明のポリペプチドは、Human sapiens、Mus musculus、Canis lupus、Bos taurus、Macaca mulatta、Rattus norvegicus、Gallus gallus、および/またはP.troglodytesからのMMP13に特異的に結合し、好ましくはヒトMMP13、好ましくは配列番号66に特異的に結合する。
アグリカンは、アグリカン1、ACAN、AGC1、AGCAN、CSPGCP、MSK16、SEDK、軟骨特異的プロテオグリカンコアタンパク質(CSPCP)またはコンドロイチン硫酸プロテオグリカン1(CSPG1)としても知られている。アグリカンは、ヒトにおいて、染色体Chr15:q26.1に位置するACAN遺伝子によってコードされる。アグリカンに関連する構造情報は、たとえば、以下の表B−3に示すUniProtアクセッション番号に見出すことができる(表Bを参照)。

0062

表B−3



「ヒトアグリカン」とは、配列番号68のアミノ酸配列を含むアグリカンを指す。一側面において、本発明のポリペプチドは、Human sapiens、Mus musculus、Canis lupus、Bos taurus、Macaca mulatta、Rattus norvegicus、Gallus gallus、および/またはP.troglodytesからのアグリカンに特異的に結合し、好ましくはヒトアグリカン、好ましくは配列番号68に特異的に結合する。

0063

用語「(交差)ブロックする」、「(交差)ブロックされた」、「(交差)ブロッキング」、「競合的結合」、「(交差)競合する」、「(交差)競合すること」および「(交差)競合」は本明細書において互換的に使用され、免疫グロブリン、抗体、ISVD、ポリペプチドまたは他の結合剤が、他の免疫グロブリン、抗体、ISVD、ポリペプチドまたは結合剤の所定の標的への結合を妨害する能力を意味する。免疫グロブリン、抗体、ISVD、ポリペプチドまたは他の結合剤が標的への別の結合を妨げることができる程度、したがって、本発明に従って交差ブロックすると言うことができるかどうかは、当技術分野で一般的な競合結合アッセイを使用して、例えば、精製されたISVDを、競合ELISAにおいてファージ上に提示されたISVDに対してスクリーニングすることによる等で、決定することができる。特に適切な定量的交差ブロッキングアッセイには、ELISAが含まれる。
標的(交差)ブロックに向けられた免疫グロブリン、抗体、ISVD、ポリペプチド、または他の結合剤が、本明細書で定義されるように(交差)ブロッキングが可能か、競合的に結合するか、または(交差)競合するかを決定するための他の方法は、例えば実施例の節で説明されているような、SPRベースの「サンドイッチアッセイ」によって評価することができる。他の適切な方法は、例えばXiao-Chi Jia et al. (Journal of Immunological Methods288: 91-98, 2004)、Miller et al. (Journal of Immunological Methods 365: 118-125, 2011)に説明されている。

0064

「ADAMTS5活性」および「ADAMTS5の活性」(これらの用語は、本明細書では互換的に使用される)には、限定はされないが、タンパク質分解などの酵素活性、例えばプロテアーゼ活性(プロテイナーゼまたはペプチダーゼ活性とも呼ばれる)、およびエンドペプチダーゼ活性、ならびに例えば基質の認識および/または結合などの、エキソイトによる活性、例えばディスインテグリン様ドメイン、中央トロンボスポンジンI型様(TS)リピートシステインリッチドメインスペーサー領域および/または追加のTSモチーフによるもの、が含まれる。ADAMTS5活性には、ヒアルロナン結合コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)細胞外タンパク質などの基質、例えばアグリカン、バーシカンブレビカンニューロカンデコリン、およびビグリカンなどの、結合および/またはタンパク質分解が含まれる。本明細書で使用される場合、タンパク質分解とは、タンパク質の、より小さなポリペプチドまたはアミノ酸への分解であって、ポリペプチド鎖においてアミノ酸を一緒に連結するペプチド結合加水分解によるものである。

0065

「MMP13活性」および「MMP13による活性」(これらの用語は本明細書では互換的に使用される)には、限定はされないが、一方ではプロテアーゼ活性(プロテイナーゼまたはペプチダーゼ活性とも呼ばれる)およびエンドペプチダーゼ活性などのタンパク質分解、および、例えばヘモペキシン様ドメインおよびペプチドグリカン結合ドメインによる、基質の結合が含まれる。MMP13活性には、アグリカン、コラーゲンII、コラーゲンI、コラーゲンIII、コラーゲンIV、コラーゲンIX、コラーゲンX、コラーゲンXIVおよびゼラチンなどの基質の、結合および/またはタンパク質分解が含まれる。本明細書で使用される場合、タンパク質分解は、タンパク質の、より小さなポリペプチドまたはアミノ酸への分解であって、ポリペプチド鎖においてアミノ酸を一緒に連結するペプチド結合の加水分解によるものである。

0066

本発明の文脈において、「調節すること」または「調節する」とは、一般に、適切なin vitro、細胞またはin vivoアッセイ(例えば、本明細書で言及されるものなど)を使用して測定される、ADAMTS5および/またはMMP13による活性の変化を意味する。特に、「調節すること」または「調節する」とは、適切なin vitro、細胞またはin vivoアッセイ(例えば、本明細書で言及されるものなど)を使用して測定されるADAMTS5および/またはMMP13の活性を、同じアッセイにおいて、同じ条件下であるが本発明のISVDまたはポリペプチドが存在しない場合のADAMTS5および/またはMMP13の活性と比較して、少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、例えば少なくとも10%または少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または90%以上、低下または阻害するか、または活性を増加させることを意味し得る。
したがって、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、ADAMTS5および/またはMMP13の活性を調節し、好ましくはADAMTS5および/またはMMP13の活性を阻害する。

0067

したがって、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、ADAMTS5のプロテアーゼ活性を阻害する、例えばアグリカン、バーシカン、ブレビカン、ニューロカン、デコリン、および/またはビグリカンなどの基質のタンパク質分解を阻害する。
したがって、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、ADAMTS5の基質への結合、例えばアグリカン、バーシカン、ブレビカン、ニューロカン、デコリン、および/またはビグリカンなどの基質への結合をブロックし、ここで前記基質は、好ましくはアグリカンである。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、例えばELISAで決定される、ADAMTS5のアグリカンへの結合を、少なくとも20%、例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上、ブロックする。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、ADAMTS5の活性に拮抗またはこれを阻害し、例えば(i)プロテアーゼ活性、好ましくはアグリカン、バーシカン、ブレビカン、ニューロカン、デコリン、および/またはビグリカンなどの切断、好ましくはアグリカンの切断;好ましくは、ADAMTS5のアグリカナーゼ活性に、拮抗またはこれを阻害し;(ii)基質のADAMTS5への結合、例えばADAMTS5のエキソサイト例えばディスインテグリン様ドメイン、中央トロンボスポンジンI型様(TS)リピート、システインリッチドメイン、スペーサー領域または追加のTSモチーフなどへの結合に、拮抗またはこれを阻害する。

0068

したがって、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、MMP13のプロテアーゼ活性を阻害する、例えば、アグリカン、コラーゲンII、コラーゲンI、コラーゲンIII、コラーゲンIV、コラーゲンIX、コラーゲンX、コラーゲンXIVおよび/またはゼラチンなどの基質のタンパク質分解を阻害する。
したがって、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、MMP13の基質への結合をブロックする、例えば、アグリカン、コラーゲンII、コラーゲンI、コラーゲンIII、コラーゲンIV、コラーゲンIX、コラーゲンX、コラーゲンXIVおよび/またはゼラチンなどの基質への結合をブロックし、ここで前記コラーゲンは、好ましくはコラーゲンIIである。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、例えばELISAベースの競合アッセイで決定される、MMP13のコラーゲンおよび/またはアグリカンへの結合を、少なくとも20%、例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上、ブロックする(Howes et al. 2014 J. Biol. Chem. 289:24091-24101を参照)。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、該ポリペプチドは、MMP13の活性に拮抗またはこれを阻害し、例えば(i)プロテアーゼ活性、好ましくはアグリカンおよび/またはコラーゲンの切断、ここで、前記コラーゲンは好ましくはコラーゲンIIである;(ii)コラーゲンのヘモペキシン様ドメインへの結合、に拮抗または阻害する。

0069

一側面において、本発明は、明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで該ポリペプチドは、ADAMTS5および/またはMMP13のプロテアーゼ活性を、例えば競合アッセイまたは実施例の節に記載のような当技術分野で知られている任意の適切な方法で測定した場合に、好ましくは少なくとも5%、例えば10%、20%、30%、40%、50%またはそれ以上、例えば少なくとも60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上、阻害する。
ADAM、ADAMTS、およびMMPは、配列および全体の形状の両方で非常に類似している、アグリカンへの結合部位を共有し、例えばADAMTS4およびADAMTS5の触媒ドメインは高度の配列類似性を共有するが、本発明者らは、実施例の節で実証するように、標的特異的なISVDを同定することができた。標的特異性はまた、広域スペクトル阻害剤によって引き起こされる副作用である筋骨格症候群を、回避するか、少なくとも制限する。

0070

一側面において、本発明は、本発明のISVDおよびポリペプチドなどのADAMTS5結合剤に関し、ここで該ADAMTS5結合剤は、ADAMTS4、ADAMTS1、ADAMTS15、MMP1および/またはMMP14(膜型)に結合しない。好ましくは、本発明は、本明細書で定義されるポリペプチドに関し、ここでADAMTS5に結合するISVDは、ADAMTS4、MMP1またはMMP14に結合しない。
一側面において、本発明は、本発明のISVDおよびポリペプチドなどのMMP13結合剤に関し、ここで、該MMP13結合剤は、MMP1および/またはMMP14(膜型)に結合しない。好ましくは、本発明は、MMP13に結合する前記ISVDが、MMP1またはMMP14に結合しない、本明細書で定義されるポリペプチドに関する。
特に明記しない限り、用語「免疫グロブリン」および「免疫グロブリン配列」は、本明細書において重鎖抗体または従来の4鎖抗体を指すために使用されるかどうかにかかわらず、フルサイズの抗体、その個々の鎖の両方、ならびにそのすべての部分、ドメインまたは断片(それぞれ、抗原結合ドメインまたは断片、例えばVHHドメインまたはVH/VLドメインなどを含むが、これらに限定されない)を含む一般用語として使用される。

0071

本明細書で使用される(ポリペプチドまたはタンパク質の)「ドメイン」という用語は、タンパク質の残りの部分とは無関係にその三次構造を保持する能力を有する、折り畳まれたタンパク質構造を指す。一般にドメインはタンパク質の個別の機能特性に関与しており、多くの場合、タンパク質および/またはドメインの残りの機能を失うことなく、他のタンパク質に追加、除去、または転送されることができる。
本明細書で使用される用語「免疫グロブリンドメイン」とは、抗体鎖の球状領域(例えば、従来の4鎖抗体または重鎖抗体の鎖など)、またはかかる球状領域から本質的になるポリペプチドを指す。免疫グロブリンドメインは、抗体分子に特徴的な免疫グロブリン折り畳みを保持するという特徴があり、これは、2つのβシートに配置された約7つの逆平行β鎖の2層サンドイッチで構成され、任意に、保存されたジスルフィド結合によって安定化される。

0072

本明細書で使用される用語「免疫グロブリン可変ドメイン」とは、4つの「フレームワーク領域」から本質的になる免疫グロブリンドメインを意味し、これらは当技術分野および本明細書では、それぞれ「フレームワーク領域1」または「FR1」;「フレームワーク領域2」または「FR2」;「フレームワーク領域3」または「FR3」;および「フレームワーク領域4」または「FR4」と呼ばれる;当該フレームワーク領域は、3つの「相補性決定領域」または「CDR」によって中断され、これらは当技術分野および本明細書の以下では、それぞれ「相補性決定領域1」または「CDR1」;「相補性決定領域2」または「CDR2」;および「相補性決定領域3」または「CDR3」と呼ばれる。したがって、免疫グロブリン可変ドメインの一般的な構造または配列は、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4のように示され得る。抗原結合部位を保有することにより、抗体に抗原に対する特異性を付与するのは、免疫グロブリン可変ドメインである。

0073

用語「免疫グロブリン単一可変ドメイン」(本明細書では「ISVD」または「ISV」と略す)は、「単一可変ドメイン」と交換可能に使用され、これは、抗原結合部位が単一免疫グロブリンドメイン上にあり、かつ単一免疫グロブリンドメインによって形成されている分子を定義する。このため免疫グロブリン単一可変ドメインは、「従来の」免疫グロブリンまたはその断片とは別に設定され、ここで2つの免疫グロブリンドメイン、特に2つの可変ドメインが相互作用して、抗原結合部位を形成する。通常、従来の免疫グロブリンでは、重鎖可変ドメイン(VH)と軽鎖可変ドメイン(VL)が相互作用して、抗原結合部位を形成する。後者の場合、VHとVLの両方の相補性決定領域(CDR)が抗原結合部位に寄与する、すなわち、合計6つのCDRが抗原結合部位の形成に関与する。

0074

上記の定義を考慮して、従来の4鎖抗体(IgGIgMIgAIgDまたはIgE分子など;当技術分野で既知)またはFab断片、F(ab’)2断片、ジスルフィド結合FvまたはscFv断片などのFv断片、またはかかる従来の4鎖抗体に由来するダイアボディ(すべて当技術分野で知られている)の、抗原結合ドメインは、通常、免疫グロブリン単一可変ドメインと見なされないが、その理由は、これらの場合、抗原の各エピトープへの結合が、通常1つの(単一)免疫グロブリンドメインではなく、一対の(関連する)免疫グロブリンドメイン、例えば軽鎖および重鎖可変ドメインなどによって、すなわち、それぞれの抗原のエピトープに共同して結合する免疫グロブリンドメインのVH−VLペアによって、生じるからである。
対照的にISVDは、追加の免疫グロブリン可変ドメインとペアリングすることなく、抗原のエピトープに特異的に結合することができる。ISVDの結合部位は、単一のVHH、VHまたはVLドメインによって形成される。したがって、ISVDの抗原結合部位は、3つ以下のCDRによって形成される。

0075

そのため、単一可変ドメインは、軽鎖可変ドメイン配列(例えば、VL配列)またはその適切な断片;または重鎖可変ドメイン配列(例えば、VH配列またはVHH配列)またはその適切な断片であってよいが、ただし、単一の抗原結合単位(すなわち機能的抗原結合単位;これは単一の可変ドメインから本質的になり、単一の抗原結合ドメインが別の可変ドメインと相互作用して機能性抗原結合単位を形成する必要はない)を形成できる限りにおいてである。
本発明の一側面において、ISVDは重鎖可変ドメイン配列(例えば、VH配列)である;より具体的には、ISVDは、従来の4本鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列、または重鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列であり得る。

0076

例えば、ISVDは、(単一)ドメイン抗体(または(単一)ドメイン抗体としての使用に適したアミノ酸)、「dAb」またはsdAb(またはdAbとしての使用に適したアミノ酸)、またはナノボディ(本明細書で定義され、VHHを含むがこれに限定されない);他の単一可変ドメイン、またはそのいずれかの適切な断片であってよい。
特に、ISVDは、Nanobody(登録商標)(本明細書で定義)またはその適切な断片であり得る。[注:Nanobody(登録商標)、Nanobodies(登録商標)およびNanoclone(登録商標)は、Ablynx N.Vの登録商標である。]ナノボディの一般的な説明については、以下の詳細な説明、および本明細書で引用した先行技術、例えばWO 08/020079(16頁)に記載されている。

0077

VHH、VHHドメイン、VHH抗体断片、およびVHH抗体としても知られる「VHHドメイン」は、元々「重鎖抗体」の(すなわち、「軽鎖を欠く抗体」の;Hamers-Casterman et al. 1993 Nature 363: 446-448)抗原結合免疫グロブリン(可変)ドメインとして記述されてきた。用語「VHHドメイン」が選択されたのは、これらの可変ドメインを、従来の4本鎖抗体に存在する重鎖可変ドメイン(本明細書では「VHドメイン」または「VHドメイン」と呼ばれる)から、および従来の4本鎖抗体に存在する軽鎖可変ドメイン(本明細書では「VLドメイン」または「VLドメイン」と呼ばれる)から区別するためである。VHHおよびナノボディの詳細については、Muyldermans (Reviews in Molecular Biotechnology 74: 277-302, 2001)のレビュー、および一般的な背景技術として言及されている以下の特許出願を参照する: Vrije Universiteit BrusselのWO 94/04678、WO 95/04079およびWO 96/34103;UnileverのWO 94/25591、WO 99/37681、WO 00/40968、WO 00/43507、WO 00/65057、WO 01/40310、WO 01/44301、EP 1134231およびWO 02/48193; Vlaams Instituut voor Biotechnologie (VIB)のWO 97/49805、WO 01/21817、WO 03/035694、WO 03/054016およびWO 03/055527;Algonomics N.V.およびAblynx N.V.のWO 03/050531;National Research Council of Canada によるWO 01/90190;Institute of AntibodiesによるWO 03/025020 (= EP 1433793);ならびにAblynx N.V.によるWO 04/041867、WO 04/041862、WO 04/041865、WO 04/041863、WO 04/062551、WO 05/044858、WO 06/40153、WO 06/079372、WO 06/122786、WO 06/122787およびWO 06/122825、およびAblynx NVによるさらなる公開された特許出願。これらの出願で言及されたさらなる先行技術、特に国際出願WO 06/040153の41〜43頁の参考文献のリストも参照;そのリストおよび参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。これらの参考文献に記載されているように、ナノボディ(特にVHH配列および部分ヒト化ナノボディ)は、1つ以上のフレームワーク配列に1つ以上の「ホールマーク残基」が存在することによって、特に特徴付けられる。ナノボディのヒト化および/またはラクダ化、ならびに他の修飾、部分または断片、誘導体または「ナノボディ融合」、多価構築物(リンカー配列の非限定的な例を含む)、およびナノボディの半減期を延ばすための異なる修飾およびその調製を含む、ナノボディのさらなる説明は、例えばWO 08/101985およびWO 08/142164に見出すことができる。ナノボディのさらなる一般的な説明については、本明細書で引用される先行技術、例えばWO 08/020079(16頁)の記載を参照する。

0078

特に、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のアグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤に存在するフレームワーク配列は、本発明のアグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤がナノボディであるように、1つ以上のホールマーク残基を含んでもよい(例えば、WO 08/020079(表A−3からA−8)に記載のように)。かかるフレームワーク配列(の適切な組み合わせ)のいくつかの好ましいが非限定的な例は、本明細書のさらなる開示から明らかになる(例えば、表A−2を参照)。一般に、ナノボディ(特にVHH配列および部分的ヒト化ナノボディ)は、1つ以上のフレームワーク配列における1つ以上の「ホールマーク残基」の存在によって、特に特徴付けることができる(例えば、WO 08/020079、61頁24行目から98頁3行目にさらに記載されているように)。本明細書で使用される場合、任意の配列番号の文脈における「によって表される」とは、前記配列番号「を含むかまたはそれからなる」と同等であり、好ましくは前記配列番号「からなる」と同等である。

0079

より詳細には、本発明は、次の(一般的な)構造を有するアミノ酸配列である少なくとも1つの免疫グロブリン単一可変ドメインを含む、アグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤を提供する:
FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4
ここにおいてFR1〜FR4はそれぞれフレームワーク領域1〜4を指し、CDR1〜CDR3はそれぞれ相補性決定領域1〜3を指し、および前記免疫グロブリン単一可変ドメインは:
i)配列番号2、3または4(表A−1を参照)のアミノ酸配列の少なくとも1つと、少なくとも80%、より好ましくは90%、さらにより好ましくは95%のアミノ酸同一性を有し、ここでアミノ酸の同一性の程度を決定する目的で、CDR配列を形成するアミノ酸残基は無視される。この点において表A−2も参照し、この表は、配列番号2、3または4の免疫グロブリン単一可変ドメインのフレームワーク1配列(配列番号7)、フレームワーク2配列(配列番号9、15および20)、フレームワーク3配列(配列番号11、17および22)を列挙する;または、
ii)表A−2に示すフレームワーク配列の組み合わせ;
およびここで:
iii)好ましくは、Kabatの番号付けによる位置11、37、44、45、47、83、84、103、104および108における1つ以上のアミノ酸残基は、例えばWO 08/020079の表A−3から表A−8に記載されているようなホールマーク残基から選択される。

0080

本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のアグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤はまた、すべて「改良された免疫グロブリン可変ドメイン」と題された以下の同時係属米国仮出願に記載された特定の変異/アミノ酸残基を含み得る:2014年5月16日出願のUS 61/994552;2014年6月18日出願のUS 61/014,015;2014年8月21日出願のUS 62/040,167;2014年9月8日出願のUS 62/047,560(すべてAblynx N.V.に割り当てられている)。
特に、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のアグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤は、以下を好適に含有し得る:(i)位置112にKまたはQ;または(ii)位置11のVと組み合わせた、位置110のKまたはQ;または(iii)位置89のT;または(iv)位置89のLおよび位置110のKまたはQ;または(v)位置11のVおよび位置89のL;または(i)〜(v)の適切な組み合わせ。

0081

前記同時係属米国仮出願にも記載されているように、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のアグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤が、上記(i)から(v)の1つ(またはその適切な組み合わせ)に従った変異を含む場合:
−位置11のアミノ酸残基は、好ましくはL、V、またはKから選択される(およびVが最も好ましい);および/または
−位置14のアミノ酸残基は、好ましくはAまたはPから適切に選択される;および/または
−位置41のアミノ酸残基は、好ましくはAまたはPから適切に選択される;および/または
−位置89のアミノ酸残基は、好ましくはT、VまたはLから適切に選択される;および/または
−位置108のアミノ酸残基は、好ましくはQまたはLから適切に選択される;および/または
−位置110のアミノ酸残基は、好ましくはT、KまたはQから適切に選択される;および/または
−位置112のアミノ酸残基は、好ましくはS、KまたはQから適切に選択される。

0082

前記同時係属米国仮出願で述べたように、前記の変異は、いわゆる「既存の抗体」の、本発明の免疫グロブリンおよび化合物への結合を防止または低減するのに有効である。この目的のために、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のアグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤はまた、(任意に前記変異と組み合わせて)C末端伸長(X)nを含み得る(式中、nは1から10、好ましくは1から5、例えば1、2、3、4または5(および好ましくは1または2、例えば1)であり;および各Xは、独立して選択される(好ましくは天然に存在する)アミノ酸残基であり、好ましくはアラニン(A)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)からなる群から独立して選択される)、例えば、米国仮出願およびWO 12/175741を参照。特に、本発明のISVDおよび/またはポリペプチドなどの本発明のアグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤は、タンパク質、ポリペプチドまたはこれらを含む他の化合物もしくは構築物のC末端を形成する場合、かかるC末端伸長を含み得る(例えば、前述の米国仮出願およびWO 12/175741を参照)。

0083

本発明のアグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤は、任意の適切な様式で任意の適切な供給源に由来する免疫グロブリン、例えば免疫グロブリン単一可変ドメインであり得、例えば、天然に存在するVHH配列(すなわち、ラクダ科の適切な種由来)または、合成または半合成アミノ酸配列であって、「ヒト化」(本明細書で定義)ナノボディまたはVHH配列、「ラクダ化」(本明細書で定義)免疫グロブリン配列(および特にラクダ化重鎖可変ドメイン配列)を含むがこれらに限定されないもの、ならびに、親和性成熟(例えば、合成、ランダム、または天然の免疫グロブリン配列から開始)、CDRグラフトベニアリング、異なる免疫グロブリン配列由来の断片の組み合わせ、オーバーラッププライマーを使用したPCRアセンブリ、および当業者に周知の免疫グロブリン配列を操作するための同様の技術などの手法によって得られたナノボディ;または、本明細書でさらに説明する前述のいずれかの適切な組み合わせであってよい。また、免疫グロブリンがVHH配列を含む場合、本明細書でさらに説明するように、前記免疫グロブリンを適切にヒト化して、本発明の1つ以上のさらなる(部分的または完全な)ヒト化免疫グロブリンを提供してもよい。同様に、免疫グロブリンが合成または半合成配列(部分的ヒト化配列など)を含む場合、前記免疫グロブリンを任意にさらに適切にヒト化して、再度、本明細書に記載されるように、再度、1つ以上のさらなる(部分的または完全な)本発明のヒト化免疫グロブリンを提供する。

0084

「ドメイン抗体」は、「Dab」、「Domain Antibodies」、および「dAbs」(「Domain Antibodies」および「dAbs」は、GlaxoSmithKlineグループの商標として使用されている)としても知られ、例えば以下に記載されている:EP 0368684、Ward et al. (Nature 341: 544-546, 1989)、Holt et al. (Tendsin Biotechnology 21: 484-490, 2003)およびWO 03/002609ならびに例えばWO 04/068820、WO 06/030220、WO 06/003388;およびDomantis Ltdの他の公開特許出願。ドメイン抗体は本質的に、非ラクダ科哺乳類のVHまたはVLドメイン、特にヒト4鎖抗体に対応する。エピトープを単一の抗原結合ドメインとして、すなわちVLまたはVHドメインとそれぞれペアリングせずに結合するために、かかる抗原結合特性の特異的な選択が必要となり、例えばヒトの単一VHまたはVLドメイン配列ライブラリを使用することによる。ドメイン抗体は、VHHと同様に約13から約16kDaの分子量を有し、完全にヒト配列に由来する場合、例えばヒトにおける治療的使用のためにはヒト化を必要としない。

0085

哺乳動物起源ではないために本発明の文脈ではあまり好ましくないが、単一可変ドメインは、ある種のサメに由来し得ることにも留意されたい(例えば、いわゆる「IgNARドメイン」、例えばWO 05/18629を参照)。
本発明は特にISVDに関し、ここで該ISVDは、VHH、ヒト化VHHおよびラクダ化VHからなる群から選択される。
VHHドメインのアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al. ("Sequence of proteins of immunological interest", US Public Health Services, NIH Bethesda, MD, Publication No. 91)によるVHドメインの一般的な番号付けに従って、例えばRiechmann and Muyldermans (J. Immunol. Methods231: 25-38, 1999)の図2に示されるように、ラクダのVHHドメインに適用されたものと同様になされる;これらはすべて当技術分野で知られている。VHドメインのアミノ酸残基に番号付けする代替方法は、同様の方法でVHHドメインにも適用することができ、当技術分野で知られている。しかし、本明細書、特許請求の範囲、および図面では、特に明記しない限り、上記のようにVHHドメインに適用されるKabatによる番号付けに従う。

0086

VHドメインおよびVHHドメインについて当技術分野で周知のように、各CDRにおけるアミノ酸残基の総数は変化する可能性があり、Kabatの番号付けにより示されるアミノ酸残基の総数に対応しない場合があることに、留意すべきである(すなわち、Kabat番号付けによる1つ以上の位置が実際の配列で占有されていないか、または実際の配列がKabat番号付けで許容されている数よりも多くのアミノ酸残基を含む場合がある)。これは一般に、Kabatによる番号付けは、実際の配列内のアミノ酸残基の実際の番号付けに対応する場合と対応しない場合があることを意味する。VHドメインおよびVHHドメインのアミノ酸残基の総数は、通常110〜120、多くの場合112〜115の範囲にあるだろう。しかし、より小さな配列およびより長い配列もまた、本書に記載の目的に適する可能性があることに注意すべきである。

0087

CDRに関しては、当技術分野でよく知られているように、Kabatの定義(これは配列の可変性に基づいており、最も一般的に使用されている)およびChothiaの定義(これは構造ループ領域の位置に基づいている)などの、VHまたはVHH断片のCDRを定義および説明するための複数の規則がある。例えば、ウエブサイトhttp://www.bioinf.org.uk/abs/を参照。本明細書および特許請求の範囲の目的のために、CDRは、最も好ましくはAbm定義に基づいて定義され(これは、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアに基づいている)、これはKabat定義とChothia定義の間の最適な妥協案であると考えられている(参照:http://www.bioinf.org.uk/abs/)。本明細書で使用する場合、FR1はアミノ酸残基を位置1〜25に含み、CDR1はアミノ酸残基を位置26〜35含み、FR2はアミノ酸を位置36〜49に含み、CDR2はアミノ酸残基を位置50〜58に含み、FR3はアミノ酸残基を位置59〜94に含み、CDR3はアミノ酸残基を位置95〜102に含み、FR4はアミノ酸残基を位置103〜113に含む。
本発明の意味において、用語「免疫グロブリン単一可変ドメイン」または「単一可変ドメイン」は、非ヒト源、好ましくはラクダ科動物、好ましくはラクダ科動物の重鎖抗体に由来するポリペプチドを含む。本明細書に記載されるように、それらはヒト化されてもよい。さらにこの用語は、非ラクダ科の供給源、例えばマウスまたはヒトであって、本明細書に記載されるように「ラクダ化」されたものに由来する、ポリペプチドを含む。

0088

したがって、ドメイン抗体およびナノボディ(VHHドメインを含む)などのISVDは、ヒト化の対象となる場合がある。特に、ナノボディ(VHHドメインを含む)などのヒト化ISVDは、本明細書で一般的に定義されるISVDであり得るが、ここで少なくとも1つのアミノ酸残基が(特に、フレームワーク残基の少なくとも1つに)存在し、これはヒト化置換(本明細書で定義のように)であるか、および/またはそれに対応する。潜在的に有用なヒト化置換は、天然に存在するVHH配列のフレームワーク領域の配列を、1つ以上の密接に関連するヒトVH配列の対応するフレームワーク配列と比較することで確認でき、その後、こうして決定された1つ以上の潜在的に有用なヒト化置換(またはその組み合わせ)は、前記VHH配列に導入され得(本明細書でさらに説明されるように、それ自体既知の任意の様式によって)、得られたヒト化VHH配列は、標的に対する親和性、安定性、発現の容易さおよびレベル、および/またはその他の所望の特性について、試験され得る。このようにして、限られた程度の試行錯誤によって、他の適切なヒト化置換(またはその適切な組み合わせ)が、本明細書の開示に基づき当業者によって決定され得る。また、上記に基づいて、ナノボディ(VHHドメインを含む)などのISVD(のフレームワーク領域)は、部分的にヒト化または完全にヒト化されてもよい。

0089

本発明の別の特に好ましいクラスのISVDは、天然に存在するVHドメインのアミノ酸配列に対応するが、ただし「ラクダ化」されているアミノ酸配列を有するISVDを含み、ここで「ラクダ化」されているとは、すなわち従来の4本鎖抗体からの天然に存在するVHドメインのアミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸残基が、重鎖抗体のVHHドメイン内の対応する位置にある1つ以上のアミノ酸残基で置換されることによる。これは、それ自体既知の様式で実行することができ、当業者には、例えば本明細書の説明に基づいて明らかであろう。かかる「ラクダ化」置換は、好ましくは、本明細書で定義されるように、VH−VL界面を形成するおよび/またはそこに存在するアミノ酸位置、および/または、いわゆるラクダ科のホールマーク残基に、挿入される(例えば、WO 94/04678およびDavies and Riechmann (1994 and 1996)も参照)。好ましくは、ラクダ化免疫グロブリン単一可変ドメインを生成または設計するための出発材料または出発点として使用されるVH配列は、好ましくは哺乳動物からのVH配列、より好ましくはVH3配列などのヒトのVH配列である。しかし、本発明のかかるラクダ化免疫グロブリン単一可変ドメインは、それ自体既知の任意の適切な様式で得ることができ、したがって、天然のVHドメインを含むポリペプチドを出発材料として使用して得られたポリペプチドに厳密に限定されるのではないことに、留意されたい。以下を参照:Davies and Riechmann (FEBS339: 285-290, 1994;Biotechnol. 13: 475-479, 1995;Prot. Eng. 9: 531-537, 1996)およびRiechmann and Muyldermans (J. Immunol. Methods231: 25-38, 1999)。

0090

例えば本明細書でさらに説明するように、「ヒト化」および「ラクダ化」は共に、次のように実施することができる:天然に存在するVHHドメインまたはVHドメインそれぞれをコードするヌクレオチド配列を提供し、次いで、それ自体既知の様式で、前記ヌクレオチド配列中の1つ以上のコドンを変更して、新しいヌクレオチド配列がそれぞれ本発明の「ヒト化」または「ラクダ化」ISVDをコードするようにすること。次いでこの核酸をそれ自体既知の様式で発現させて、本発明の所望のISVDを提供することができる。代替的に、天然に存在するVHHドメインまたはVHドメインのアミノ酸配列それぞれに基づいて、本発明の所望のヒト化またはラクダ化ISVDのアミノ酸配列をそれぞれ設計し、それ自体知られているペプチド合成の技術を使用してde novoで合成することができる。また、天然に存在するVHHドメインまたはVHドメインのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列それぞれに基づいて、本発明の所望のヒト化またはラクダ化ISVDをそれぞれコードするヌクレオチド配列を設計し、次に、それ自体既知の核酸合成の技術を使用してde novoで合成することができ、その後、こうして得られた核酸をそれ自体既知の様式で発現させて、本発明の所望のISVDを提供することができる。

0091

ドメイン抗体およびナノボディ(VHHドメインおよびヒト化VHHドメインを含む)などのISVDはまた、1つ以上のCDRのアミノ酸配列に1つ以上の変更を導入することで親和性成熟させることができ、この変更は、それぞれの親分子と比較して、そのそれぞれの抗原について得られたISVDに改善された親和性をもたらす。本発明の親和性成熟ISVD分子は、当技術分野で 知られている方法によって調製することができ、例えば以下に記載されている:Marks et al. (Biotechnology 10:779-783, 1992)、Barbas, et al. (Proc. Nat. Acad. Sci, USA 91: 3809-3813, 1994)、Shier et al. (Gene 169: 147-155, 1995)、Yelton et al. (Immunol. 155: 1994-2004, 1995)、Jackson et al. (J. Immunol. 154: 3310-9, 1995)、Hawkins et al. (J. MoI. Biol. 226: 889 896, 1992)、Johnson and Hawkins (Affinity maturation of antibodies using phage display, Oxford University Press, 1996)。

0092

VH、VL、VHH、ドメイン抗体またはナノボディなどのISVDから開始して、ポリペプチドを設計/選択および/または調製するプロセスは、本明細書では前記ISVDを「フォーマットする」とも呼ばれる;ポリペプチドの一部を作るISVDは、「フォーマットされた」または「そのフォーマットの」ポリペプチドであると言われる。ISVDがフォーマットされ得る方法の例およびかかるフォーマットの例は、本明細書の開示に基づいて当業者には明らかであろう;かかるフォーマットされた免疫グロブリン単一可変ドメインは、本発明のさらなる側面を形成する。
好ましいCDRを、表A−2に示す。

0093

特に、本発明は本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ISVDはMMP13に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、
(i)CDR1は、配列番号8;および配列番号8と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;
(ii)CDR2は、配列番号10;および配列番号10と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;および
(iii)CDR3は、配列番号12;および配列番号12と1、2、3または4個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列である。
特に、本発明は本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ISVDはMMP13に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、CDR1は配列番号8であり、CDR2は配列番号10であり、およびCDR3は配列番号12である。

0094

特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはADAMTS5に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、
(i)CDR1は、配列番号14[GRTVSSYAMG];および配列番号14と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;
(ii)CDR2は、配列番号16[GISRSAERTY];および配列番号16と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;および
(iii)CDR3は、配列番号18[DLDPNRIFSREEYAY];および配列番号18と1、2、3または4個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列である。
特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはADAMTS5に特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、CDR1は配列番号14であり、CDR2は配列番号16であり、およびCDR3は配列番号18である。

0095

特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはアグリカンに特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、
(i)CDR1は、配列番号19;および配列番号19と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;
(ii)CDR2は、配列番号21;および配列番号21と1、2または3個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列であり;および
(iii)CDR3は、配列番号23;および配列番号23と1、2、3または4個のアミノ酸差異を有するアミノ酸配列である。
特に、本発明は本明細書に記載のISVDに関し、ここで前記ISVDはアグリカンに特異的に結合し、4つのフレームワーク領域(それぞれFR1〜FR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1〜CDR3)から本質的になり、ここで、CDR1は配列番号19であり、CDR2は配列番号21であり、およびCDR3は配列番号23である。

0096

特に、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記のMMP13に特異的に結合するISVDは、配列番号2である。
特に、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記のADAMTS5に特異的に結合するISVDは、配列番号3である。
特に、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記のアグリカンに特異的に結合するISVDは、配列番号4である。
さらに好ましい態様において、本発明のアグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤は、少なくとも2つのCDR1配列、少なくとも2つのCDR2配列および少なくとも2つのCDR3配列を含み、各々は以下の表から独立して選択される:

0097

前述のアグリカン、ADAMTS5、および/またはMMP13結合剤において、配列の順序は好ましくはCDR1a−CDR2a−CDR3a−リンカー−CDR1b−CDR2b−CDR3bであり、ここでリンカーは、CDRの第1のセット(CDR1a−CDR2a−CDR3a)を第2のセット(CDR1b−CDR2b−CDR3b)に連結するのに適した、5アミノ酸より長いポリペプチドである。好ましくは、リンカーは、以下の表Cから選択され、最も好ましくは、配列番号35のアミノ酸配列を有するリンカーである。より好ましい態様において、アグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤は、上記の表からの9つすべてのCDR配列を含み、ここで、CDR配列とリンカーポリペプチドは次の順序である:CDR1a−CDR2a−CDR3a−リンカー1−CDR1b−CDR2b−CDR3b−リンカー2−CDR1c−CDR2c−CDR3c、ここでリンカー1およびリンカー2はそれぞれ少なくとも5つのアミノ酸のポリペプチドであり、リンカー1およびリンカー2のポリペプチド配列は互いに同一であるか、または互いに同一ではない。好ましくは、リンカー1およびリンカー2は、それぞれ以下の表Cから互いに独立して選択され、最も好ましくは、リンカーの少なくとも1つ(好ましくは両方)は、配列番号35によるアミノ酸配列を有する。
さらに好ましい態様において、本発明のアグリカン、ADAMTS5および/またはMMP13結合剤は、好ましくは、少なくとも以下の表に列挙されたCDR配列を含む:

0098

前述の態様において、CDR配列の順序は、CDR1a−CDR2a−CDR3a−リンカー1−CDR1b−CDR2b−CDR3b−リンカー2−CDR1c−CDR2c−CDR3c−リンカー3−CDR1d−CDR2d−CDR3dであり得る;式中、リンカー1、リンカー2およびリンカー3は、それぞれ少なくとも5アミノ酸のポリペプチドであり、リンカー1、リンカー2およびリンカー3のポリペプチド配列は、互いに同一かまたは互いに同一ではない。好ましくは、リンカー1、リンカー2およびリンカー3は、以下の表Cから互いに独立して選択され、最も好ましくは、リンカーの少なくとも1つ(好ましくは3つすべて)が、配列番号35のアミノ酸配列を有する。上記の2つの表の文脈で概説された好ましい態様において、CDR配列は、本明細書の他の場所で説明されるフレームワーク配列を介して互いに連結され、好ましくは、表A−2に開示されるフレームワーク配列が、この点で使用され得る。

0099

限定することなく、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、ポリペプチドの調製のための「ビルディングブロック」として使用でき、これは、ビルディングブロックとして機能することができる、1つ以上のさらなる免疫グロブリン単一可変ドメインを任意に含み得ることが、理解されるであろう。
当該技術は、変形性関節症などの関節の軟骨に影響を与える障害に対する、より効果的な治療を必要としている。関節内に投与された場合でも、罹患した軟骨を処置するためのほとんどの薬物の滞留時間は不十分である。理論に束縛されることなく、本発明者らは、本発明の構築物、ポリペプチドおよびISVDなどの治療薬の有効性は、治療薬を、関節内に薬物を「固定」しその結果薬物の保持を増加させるが、治療薬の有効性は邪魔しない部分に結合することによって、調節できるとの仮説をたてた(この部分は、本明細書では「軟骨固定タンパク質」または「CAP」とも呼ばれる)。この固定の概念は、薬物の有効性を調節するのみでなく、毒性と副作用を減らすことによって罹患した関節の操作上の特異性を調節することができ、それにより、可能性のある有用な薬物の数を増加させた。

0100

臨床使用のための分子のフォーマットは、MMP13および/またはADAMTS5に結合する、ISVDなどの1つまたは2つのビルディングブロック、およびかかる保持モードの作用を有する、ISVDなどの1つ以上のビルディングブロック、および場合によってはさらなる部分を含むことが予想された。本発明において、かかるフォーマットは、MMP13および/またはADAMTS5結合と例えば抑制活性などの治療効果の両方、ならびに保持特性を保持することが実証されている。保持モードの作用を有する、ISVDなどの1つ以上のビルディングブロックは、例えば以下のようなMMP13および/またはADAMTS5が関与する疾患において保持効果を有する任意のビルディングブロックである(「CAPビルディングブロック」):関節炎、変形性関節症、脊椎骨端異形成症、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、関節リウマチ、離断性骨軟骨炎およびアグリカノパチー。
「CAPビルディングブロック」は、他の例えば治療用のビルディングブロック、例えばMMP13および/またはADAMTS5に結合するISVDなどを、例えば関節などの所望の部位に、誘導、固定、および/または保持するために使用され、ここで前記他の例えば治療用のビルディングブロックは、例えばMMP13および/またはADAMTS5の結合および/または阻害などの、その効果を発揮する。

0101

再度、理論に束縛されることなく、本発明者らはさらに、アグリカンに結合するISVDなどのアグリカン結合剤は、アグリカンが重度にグリコシル化され、関節の軟骨に影響を及ぼす様々な障害において分解されるにも関わらず、潜在的にかかるアンカーとして機能すると仮定した。さらに、薬剤が臨床に入る前に必要とされる様々な動物モデルでのコストおよび広範な試験を考慮すると、かかるアグリカン結合剤は、優先的に広い交差反応性を有するべきであり、例えば、アグリカン結合剤は、様々な種のアグリカンに結合すべきである。
様々な独創的免疫化、スクリーニング、および特性評価方法を使用して、本発明者らは、関節内において延長された保持時間を可能にする、優れた選択性、安定性、および特異性を備えた様々なアグリカン結合剤を特定することができた。
一側面において本発明は、関節からの、組成物、ポリペプチドまたは構築物の流出を低減および/または阻害する方法に関し、前記方法は、本発明による少なくとも1つのポリペプチド、本発明による構築物、または本発明による組成物の薬学的活性量を、それを必要とする人へ投与することを含む。

0102

本発明において、用語「流出の低減および/または阻害」は、組成物、ポリペプチドまたは構築物の、関節内から外部への外向きの流れを低減および/または阻害することを意味する。好ましくは、流出は、関節内における前述の組成物、ポリペプチドまたは構築物の流出であって、同じ条件下であるが本発明のアグリカン結合剤、例えばアグリカンに結合するISVDの存在なしの流出と比較して、少なくとも10%、例えば少なくとも20%、30%、40%、または50%、またはそれ以上、例えば少なくとも60%、70%、80%、90%、または100%をも、低減および/または阻害される。
MMP13および/またはADAMTS5が関与する疾患、例えば関節炎、変形性関節症、脊椎骨端異形成症、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、関節リウマチ、離断性骨軟骨炎およびアグリカノパチーなどの次に、本発明のアグリカン結合剤はまた、軟骨に影響を与える様々な他の疾患、例えば、関節症および軟骨異栄養症、関節炎、(例えば変形性関節症、関節リウマチ、痛風性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性裂傷または剥離)、軟骨形成不全、肋軟骨炎、脊椎骨端異形成症、椎間板ヘルニア、腰部椎間板変性疾患、変性関節疾患、および再発性多発性軟骨炎(本明細書では一般に「アグリカン関連疾患」と示される)にも使用できることが予想される。

0103

上記のCAPビルディングブロック、例えばアグリカンに結合するISVDは、好ましくは軟骨および/または半月板などの軟骨組織に結合する。好ましい側面において、CAPビルディングブロックは他の種に対して交差反応性であり、以下の1つ以上に特異的に結合する:ヒトアグリカン(配列番号68)、イヌアグリカン、ウシアグリカン、ラットアグリカン;ブタアグリカン;マウスアグリカン、ウサギアグリカン;カニクイザルアグリカンおよび/またはアカゲザルアグリカン。アグリカンの関連構造情報は、例えば上の表B−3に示すように、(UniProt)アクセッション番号に記載されている。
好ましいCAPビルディングブロックは、ISVD結合アグリカン、好ましくはヒトアグリカンであり、好ましくは表Bに示されるように配列番号68で表される。

0104

したがって本発明は、少なくとも1つのCAPビルディングブロックをさらに含む、本発明によるポリペプチドまたは構築物に関する。
したがって本発明は、好ましくは配列番号4で表されるISVDから選択される、アグリカンに特異的に結合する少なくとも1つのISVDをさらに含む、本発明によるポリペプチドまたは構築物に関する。
一側面において、本発明は、アグリカンに特異的に結合する少なくとも2つのISVDを含む、本明細書に記載のポリペプチドに関する。
一側面において、本発明は、アグリカンに特異的に結合する少なくとも2つのISVDを含む本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、アグリカンに特異的に結合する前記少なくとも2つのISVDは、同一でも異なっていてもよい。

0105

一側面において、本発明は、アグリカンに特異的に結合する少なくとも2つのISVDを含む、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、アグリカンに特異的に結合する前記少なくとも2つのISVDのそれぞれは、配列番号4により表される。
一側面において、本発明は、アグリカンに特異的に結合するISVDを含む、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで、アグリカンに特異的に結合する前記ISVDは、ヒトアグリカン[配列番号68]に特異的に結合する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、アグリカンに特異的に結合する前記ISVDは、ヒトアグリカン(配列番号68)、イヌアグリカン、ウシアグリカン、ラットアグリカン、ブタアグリカン、マウスアグリカン、ウサギアグリカン、カニクイザルアグリカンおよび/またはアカゲザルのアグリカンに特異的に結合する。

0106

一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここでアグリカンに特異的に結合する前記ISVDは、好ましくは軟骨および/または半月板などの軟骨組織に結合する。
本発明のISVD、ポリペプチドおよび構築物は、好ましくは安定であることが理解されるであろう。本発明のポリペプチド、構築物またはISVDの安定性は、当業者に知られている日常的なアッセイにより測定することができる。典型的なアッセイには、(限定はされないが)ポリペプチド、構築物またはISVDの活性が測定され、続いて滑液中で所望の期間インキュベートされ、その後活性が再度測定されるアッセイが含まれる。
一側面において、本発明は、滑液(SF)中37℃で、少なくとも7日、例えば少なくとも14日、21日、1ヶ月、2ヶ月、または3ヶ月間も、安定性を有する、本発明のISVD、ポリペプチドまたは構築物に関する。
本発明の多価ポリペプチドまたは構築物中のMMP13および/またはADAMTS5に結合するISVDなどの、治療用ビルディングブロックの望ましい活性は、当業者に知られている日常的なアッセイにより測定することができる。典型的なアッセイには(限定されないが)、実施例の節に詳述されているGAG放出アッセイが含まれる。

0107

本発明のポリペプチド(本明細書では「ナノボディ構築物」としても示される)は、以下からなる群から選択される:
(a)少なくとも2つの免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含むポリペプチドであって、アグリカンに特異的に結合する第1のISVDおよびマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に特異的に結合する第2のISVDを含む、前記ポリペプチド;
(b)少なくとも2つのISVDを含むポリペプチドであって、アグリカンに特異的に結合する第1のISVDおよび、トロンボスポンジンモチーフを有するAディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ(ADAMTS)に特異的に結合する2番目のISVDを含む、前記ポリペプチド;および
(c)少なくとも3つのISVDを含むポリペプチドであって、アグリカンに特異的に結合する第1のISVD、ADAMTSに特異的に結合する第2のISVD、およびMMPに特異的に結合する第3のISVDを含む、前記ポリペプチド。
本発明のポリペプチドにおいて、ISVDは、直接連結されても、リンカーを介して連結されてもよい。さらにより好ましくは、本発明のポリペプチドは、C末端伸長を含む。本明細書で詳述するように、C末端伸長は、ヒト対象/患者のほとんどの試料中の既存の抗体/因子の結合を、本質的に防止/除去する。C末端伸長は、最後の(最もC末端に位置する)ISVDの最後のアミノ酸残基(通常はセリン残基)のC末端に存在する。

0108

以下でさらに詳述するように、ISVDは、VHH、VHまたはVLドメインに由来し得るが、しかしISVDは、本発明のポリペプチドにおいてVHおよびVLドメインの相補的な対を形成しないように選択される。ナノボディ、VHH、およびヒト化VHHは、軽鎖を有しない天然のラクダ抗体に由来するという点で珍しく、実際これらのドメインは、ラクダ科の軽鎖と会合して相補的なVHHとVLの対を形成することができない。したがって、本発明のポリペプチドは、相補的ISVDを含まず、および/または例えば相補的VH/VL対などの相補的ISVD対を形成しない。
一般に、単一のビルディングブロック、単一のISVDまたは単一のナノボディを含むかまたは本質的にそれらからなるポリペプチドまたは構築物は、それぞれ「一価」ポリペプチドおよび「一価構築物」と呼ばれる。2つ以上のビルディングブロック(例えばISVDなど)を含むポリペプチドまたは構築物は、「多価」ポリペプチドまたは構築物とも呼ばれ、かかるポリペプチドまたは構築物に存在するビルディングブロック/ISVDは、本明細書において、「多価フォーマット」であると言及される。例えば、「二価」ポリペプチドは、リンカー配列を介して任意に連結された2つのISVDを含み得るが、「三価」ポリペプチドは、2つのリンカー配列を介して任意に連結された3つのISVDを含み得;一方、「四価」ポリペプチドは、3つのリンカー配列を介して任意に連結された4つのISVDを含み得る、などである。

0109

多価ポリペプチドにおいて、2つ以上のISVDは同一でも異なっていてもよく、同じ抗原または抗原決定基に対して(例えば、エピトープの同一部分またはエピトープの異なる部分に対して)向けられてもよく、または代替的に、異なる抗原または抗原決定基、またはそれらの任意の適切な組み合わせに向けられてもよく、例えば、アグリカンに向けられる。少なくとも2つのビルディングブロック(例えば、ISVDなど)を含むポリペプチドおよび構築物であって、ここで少なくとも1つのビルディングブロックは第1の抗原(例えば、アグリカン)に向けられ、少なくとも1つのビルディングブロックは第2の抗原に向けられる(すなわちアグリカンとは異なる、例えば、ADAMTS5に向けられた)ものは、「多重特異性」ポリペプチドおよび構築物とも呼ばれ、かかるポリペプチドおよび構築物に存在するビルディングブロック(例えばISVDなど)は、本明細書において「多重特異性フォーマット」とも呼ばれる。したがって、例えば、本発明の「二重特異性」ポリペプチドは、第1の抗原(すなわちADAMTS5)に向けられた少なくとも1つのISVD、および第2の抗原に向けられた(すなわちアグリカンとは異なる、例えば、ADAMTS5に向けられた)少なくとも1つのISVDを含むポリペプチドであり、一方、本発明の「三重特異性」ポリペプチドは、第1の抗原(例えば、アグリカン)に向けられた少なくとも1つのISVD、第2の抗原に向けられた(すなわちアグリカンとは異なる、例えば、ADAMTS5に向けられた)少なくとも1つのさらなるISVD、および少なくとも第3の抗原に向けられた(すなわち、アグリカンおよびADAMTS5の両方とは異なる、例えば、MMPに向けられた)少なくとも1つのさらなるISVDを含むポリペプチドである、など。

0110

一側面において、本発明は、少なくとも2つのISVDを含むポリペプチドに関し、ここで少なくとも1つのISVDはMMP、好ましくはMMP13に特異的に結合し、より好ましくは前記1つのISVDは、配列番号2のアミノ酸配列によって表される。
一側面において、本発明は、少なくとも2つのISVDを含むポリペプチドに関し、ここで少なくとも1つのISVDは、ADAMTS、好ましくはADAMTS5に特異的に結合し、より好ましくは前記1つのISVDは、配列番号3のアミノ酸配列によって表される。
一側面において、本発明は、少なくとも2つのISVDを含むポリペプチドに関し、ここで少なくとも1つのISVDはアグリカンに特異的に結合し、より好ましくは、前記1つのISVDは、配列番号4のアミノ酸配列によって表される。
「多重パラトピック」ポリペプチドおよび「多重パラトピック」構築物、例えば「二重パラトピック」ポリペプチドまたは構築物および「三重パラトピック」ポリペプチドまたは構築物は、それぞれ異なるパラトープを有する2つ以上のビルディングブロックを含むか、本質的にそれらからなる。

0111

本発明の1つ以上のISVDは、かかるポリペプチドまたは構築物中のビルディングブロックとして使用され、すべて本明細書に記載されるように、本発明の一価、多価または多重パラトピックポリペプチドまたは構築物を提供する。
したがって本発明は、例えば、本発明の2つ以上のISVDを含むかまたは本質的にそれらからなる二価または三価ポリペプチドまたは構築物などの、多価ポリペプチドまたは多価構築物であるポリペプチドまたは構築物にも関する(1つ以上のVHHドメインを含む多価および多重特異性ポリペプチドおよびそれらの調製については、Conrath et al. (J. Biol. Chem. 276: 7346-7350, 2001)、ならびに例えばWO96/34103、WO99/23221およびWO 2010/115998も参照)。

0112

別の側面において、本発明の多価ポリペプチドまたは構築物は、アグリカンに向けられたナノボディなどの第1のISVDと、例えばADAMTS5またはMMP13などの第2の抗原に向けられたナノボディなどの第2のISVDとを含む、本発明の二重特異性ポリペプチドまたは構築物であり得、ここでナノボディなどの前記第1および第2のISVDは、リンカー配列(本明細書で定義される)を介して任意に連結され得る;一方、本発明の多価ポリペプチドまたは構築物はまた、ADAMTS5に向けられたナノボディなどの第1のISVD、例えばアグリカンなどの第2の抗原に向けられたナノボディなどの第2のISVD、および例えばMMP13などの第3の抗原に向けられたナノボディなどの第3のISVDを含む、本発明の三重特異性ポリペプチドまたは構築物であってもよく、ここでナノボディなどの前記第1、第2および第3のISVDは、1つ以上、特に2つのリンカー配列を介して、任意に連結されていてもよい。
本発明はさらに、ADAMTS5、好ましくはヒトADAMTS5に結合する少なくとも1つのISVD(またはその適切な断片)、およびアグリカンに結合するISVDなどの追加の1つのISVDを含むか、または(本質的に)それからなる、多価ポリペプチドに関する。

0113

本発明による特に好ましい二価、二重特異性ポリペプチドまたは構築物、および四価、三重特異性ポリペプチドまたは構築物は、本明細書に記載の実施例および表A−1に示すものである(例えば、配列番号1、5、6、62、63および64)。
本発明の多価ポリペプチドまたは構築物に存在する2つ以上のISVDは、軽鎖可変ドメイン配列(例えば、VL配列)または重鎖可変ドメイン配列(例えば、VH配列)からなり得る;それらは、従来の4本鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列、または重鎖抗体に由来する重鎖可変ドメイン配列で構成されていてもよい。好ましい側面において、それらは、ドメイン抗体(またはドメイン抗体としての使用に適したアミノ酸)、単一ドメイン抗体(または単一ドメイン抗体としての使用に適したアミノ酸)、または「dAb」(またはdAbとしての使用に適したアミノ酸)、Nanobody(登録商標)(VHHを含むがこれに限定されない)、ヒト化VHH配列、ラクダ化VH配列;または親和性成熟によって得られたVHH配列からなる。2つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインは、部分的または完全にヒト化されたナノボディまたは部分的または完全にヒト化されたVHHからなることができる。

0114

特に好ましい側面において、本発明のポリペプチドまたは構築物は、4つ以上のISVDを含むか、または本質的にそれからなり、このうち少なくとも2つのISVDは、アグリカンに向けられている。アグリカンに向けられた前記少なくとも2つのISVDは、同一でも異なっていてもよく、アグリカンの同じエピトープまたは異なるエピトープに向けられてもよく、同じエピトープビンまたは異なるエピトープビンに属することができ、および/または、アグリカンの同じドメインまたは異なるドメインに結合できることが、理解されるであろう。
相対的親和性は、ポリペプチド内のISVDの位置に依存し得る。本発明のポリペプチドにおけるISVDの順序(配向)は、当業者の必要性に従って選択され得ることが理解されるであろう。個々のISVDの順序、およびポリペプチドがリンカーを含むかどうかは、設計選択の問題である。リンカーの有無にかかわらず、一部の配向は、他の配向と比較して優先される結合特性を提供し得る。例えば、本発明のポリペプチドにおける第1のISVD(例:ISVD1)および第2のISVD(例:ISVD2)の順序は、(N末端からC末端へ):(i)ISVD1(例:ナノボディ1)−[リンカー]−ISVD2(例:ナノボディ2)−[C末端伸長];または(ii)ISVD2(例:ナノボディ2)−[リンカー]−ISVD1(例ナノボディ1)−[C末端伸長];(ここで、角括弧内の部分、すなわちリンカーおよびC末端伸長は、任意である)。すべての配向が本発明に包含される。所望の結合特性を提供するISVDの配向を含むポリペプチドは、例えば実施例の節で例示されるように、日常的なスクリーニングにより容易に同定され得る。

0115

好ましい順序において、アグリカンに結合するISVDは、ポリペプチドのC末端側に位置する。特に好ましい順序は、N末端からC末端へ:ADAMTS5に結合するISVD−[リンカー]−アグリカンに結合するISVD−[C末端延長]、または、MMP13に結合するISVD−[リンカー]−アグリカンに結合するISVD−[C末端伸長]、ここで角括弧内の部分は任意である。さらに特に好ましい順序は、N末端からC末端へ:ADAMTS5に結合するISVD−[リンカー]−アグリカンに結合するISVD−[リンカー]−アグリカンに結合するISVD−[C末端伸長]、または、MMP13に結合するISVD−[リンカー]−アグリカンに結合するISVD−[リンカー]−アグリカンに結合するISVD−[C末端延長]、ここで角括弧内の部分は任意である。例えば、好ましい順序は、N末端からC末端へ:MMP13に結合するISVD−[リンカー]−ADAMTS5に結合するISVD−[リンカー]−アグリカンに結合するISVD−[C末端伸長]、ここで角括弧内の部分は任意である。たとえば、特に好ましい順序は、N末端からC末端へ:MMP13に結合するISVD−[リンカー]−ADAMTS5に結合するISVD−[リンカー]−アグリカンに結合するISVD−[リンカー]−アグリカンに結合するISVD−[C末端伸長]、ここで角括弧内の部分は任意である。

0116

さらなる側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、配列番号1、5、6、62、63または64のいずれかと少なくとも80%、90%、95%または100%の配列同一性を有する。
一側面において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドに関し、これは、配列番号1(ALX−1011)、配列番号5(MMP13−CAP−CAP)、および配列番号6(ATS5−CAP−CAP)、配列番号62、配列番号63および配列番号64からなる群から選択される。

0117

本発明の特定の側面において、本発明の構築物またはポリペプチドは、それのない本発明の対応する構築物またはポリペプチドと比較して、増加した半減期を付与する部分を有し得る。本発明のかかる構築物およびポリペプチドのいくつかの好ましいが非限定的な例は、当業者には、本明細書のさらなる開示に基づいて明らかになり、これは例えば以下を含む:化学修飾されて半減期を増加させた(例えば、ペグ化による)、本発明のISVDまたはポリペプチド;血清タンパク質血清アルブミンなど)に結合するための少なくとも1つの追加の結合部位を含む、本発明のポリペプチドまたは構築物;または、本発明のアミノ酸配列の半減期を延長する少なくとも1つの部分(特に少なくとも1つのアミノ酸配列)に連結された、少なくとも1つの本発明のISVDを含む本発明のポリペプチド。かかる半減期延長部分またはISVDを含む本発明の構築物およびポリペプチドの例は、本明細書のさらなる開示に基づいて当業者に明らかになるであろう;例としては、限定はされないが、以下のポリペプチドである:本発明の1つ以上のISVDが、1つ以上の血清タンパク質またはその断片((ヒト)血清アルブミンまたはその適切な断片など)に好適に連結したポリペプチド、または、血清タンパク質に結合することができる1つ以上の結合単位に好適に連結したポリペプチド(血清タンパク質の例としては、例えば、ドメイン抗体、ドメイン抗体としての使用に適した免疫グロブリン単一可変ドメイン、単一ドメイン抗体、単一ドメイン抗体としての使用に適したISVD、dAb、dAbとしての使用に適したISVD、または血清アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)などの血清タンパク質に結合できるナノボディ、IgGなどの血清免疫グロブリン、またはトランスフェリンである;本明細書に記載のさらなる説明および参考文献を参照されたい);本発明のアミノ酸配列がFc部分(ヒトFcなど)またはその適切な部分もしくは断片に連結されているポリペプチド;または、本発明の1つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインが、血清タンパク質に結合することができる1つ以上の小タンパク質またはペプチドに適切に結合したポリペプチド、例えば、以下に記載のタンパク質およびペプチド:WO 91/01743、WO 01/45746、WO 02/076489、WO2008/068280、WO2009/127691およびPCT/EP2011/051559。

0118

一側面において、本発明は、本発明のポリペプチドおよび構築物を提供し、ここで前記構築物または前記ポリペプチドはさらに、血清タンパク質結合部分または血清タンパク質を含む。好ましくは、前記血清タンパク質結合部分は、ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミンに結合する。
一側面において、本発明は、血清アルブミンに結合するISVDを含む、本明細書に記載のポリペプチドに関する。
一般に、半減期が増加した本発明の構築物またはポリペプチドは、好ましくは、対応する本発明の構築物またはポリペプチドそれ自体、すなわち半減期の増加をもたらす部分がない場合の半減期よりも長い、少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、例えば少なくとも5倍、例えば少なくとも10倍または20倍より長い、半減期を有する。例えば、半減期が増加した本発明の構築物またはポリペプチドは、対応する本発明の構築物またはポリペプチド自体と比較して、すなわち半減期の増加をもたらす部分がない場合と比較して、例えばヒトにおいて、半減期の増加が1時間超、好ましくは2時間超、より好ましくは6時間超、例えば12時間超、またはさらに24、48または72時間を超え得る。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ