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課題・解決手段

本出願はウィルムス(Wilms)腫瘍タンパク1(WT1)発現細胞を示している被験者治療する方法について開示している。典型的には、前記方法は、抗WT1抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体免疫応答細胞を、必要とする被験者に用いて腫瘍細胞を殺傷するものである。

概要

背景

がんは世界中において社会に対して重大な影響を及ぼすものである。2016年、米国のみにおいても、1,685,210件の新しいがん症例が診断され、且つ595,690人が該疾患のために死亡していると推測される。The Journal of Oncology Practice(Erikson 2007)によれば、2020年までに、1820万人の米国人(19人に1人)はがん患者またはがん生存者となり、2005年の時は1170万人であった(26人に1人)。

キメラ抗原受容体(CAR)は抗原組換え受容体であり、単一の分子中で、T細胞及び他の免疫細胞特異性及び機能を新たに定義する。がん免疫治療における応用では、能動免疫の障碍を回避し、速やかに腫瘍を標的とするT細胞が生成される。細胞中で一旦発現されれば、CARによって修飾される細胞は被験者体内において即効且つ長期的な作用を発揮できる。

キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、がん患者のT細胞を編集して彼らの腫瘍を識別させるもので、血液がん治療に対して有効であることが示されている。最近の臨床実験において、CAR T細胞療法は大いに末期血液がん(治療できない形の白血病及びリンパ腫を除く)患者の予後を改善している。逆に、CAR−T細胞は固形腫瘍背景下においては一連独特チャレンジに臨んでいる。これらのチャレンジは、明確に腫瘍及び正常組織上における発現に区別がある抗原を識別することを含み、且つ腫瘍内の腫瘍細胞を効果的に殺傷し、これにより腫瘍の大きさを減少させることを含む。

概要

本出願はウィルムス(Wilms)腫瘍タンパク1(WT1)発現細胞を示している被験者を治療する方法について開示している。典型的には、前記方法は、抗WT1抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体の免疫応答細胞を、必要とする被験者に用いて腫瘍細胞を殺傷するものである。

目的

本明細書において使用される、用語の「トランスフェクション形質移入)」とは、外因性核酸真核細胞に導入することである

効果

実績

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請求項1

抗原結合ユニットであって、軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、前記抗原結合ユニットは、HLA複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、前記WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列有し、及び前記抗原結合ユニットは、HLAと複合している参照ペプチドとは顕著な結合を示さず、前記参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するものであることを特徴とする、前記抗原結合ユニット。

請求項2

抗原結合ユニットであり、軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、前記抗原結合ユニットはHLAと複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、前記WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列有し、及びSEQ ID NO:60のアミノ酸配列を有する参照抗原結合ユニットと比較した場合、前記抗原結合ユニットはHLAと複合している参照ペプチドとより少ない非特異性結合を示し、前記参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するものであることを特徴とする、前記抗原結合ユニット。

請求項3

前記HLAは、HLA−A2を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の抗原結合ユニット。

請求項4

HLAと複合している参照ペプチドとの結合レベルは、HLAと複合しているWT1ペプチドとの結合レベルの10%を超えないことを特徴とする、請求項1または2に記載の抗原結合ユニット。

請求項5

結合特異性は、FACSによって測定されることを特徴とする、請求項4に記載の抗原結合ユニット。

請求項6

前記結合特異性は、ELISAによって測定されることを特徴とする、請求項4に記載の抗原結合ユニット。

請求項7

前記抗原結合ユニットは、1.5nM未満のKDを示すことを特徴とする、請求項1または2に記載の抗原結合ユニット。

請求項8

前記抗原結合ユニットは、50pM未満のKDを示すことを特徴とする、請求項1または2に記載の抗原結合ユニット。

請求項9

前記軽鎖CDRはLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、前記重鎖CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれ、SEQID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列を有し、及び前記HCDR1、HCDR2及びHCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の抗原結合ユニット。

請求項10

前記軽鎖CDRは、a.SEQID NO:5、SEQ ID NO:6及びSEQ ID NO:7;b.SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:13;並びにc.SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:13上記LCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項9に記載の抗原結合ユニット。

請求項11

前記重鎖CDRは、a.SEQIDNO:2、SEQIDNO:3及びSEQIDNO:4;b.SEQIDNO:8、SEQIDNO:9及びSEQIDNO:10;c.SEQIDNO:8、SEQIDNO:16及びSEQIDNO:10;並びにd.SEQIDNO:8、SEQIDNO:17及びSEQIDNO:10上記HCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項9に記載の抗原結合ユニット。

請求項12

前記抗原結合ユニットは、モノクローナル抗体ヒト化抗体キメラ抗体多価抗体またはキメラ抗原受容体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の抗原結合ユニット。

請求項13

前記抗原結合ユニットは、sFc、Fv、Fabまたは(Fab)2であることを特徴とする、請求項1または2に記載の抗原結合ユニット。

請求項14

抗原結合ユニットであって、軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、前記軽鎖CDRはLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、前記重鎖CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれ、SEQID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列と少なくとも80%の配列相同性を有する配列を含み、前記HCDR1、HCDR2及びHCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列と少なくとも80%の配列相同性を有する配列を含むことを特徴とする、前記抗原結合ユニット。

請求項15

前記軽鎖CDRはLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、前記重鎖CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれ、SEQID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列を有し、及び前記HCDR1、HCDR2、HCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列を有することを特徴とする、請求項14に記載の抗原結合ユニット。

請求項16

前記軽鎖CDRは、a.SEQID NO:5、SEQ ID NO:6及びSEQ ID NO:7;b.SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:13;並びにc.SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:13上記LCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項14に記載の抗原結合ユニット。

請求項17

前記重鎖CDRは、a.SEQIDNO:2、SEQIDNO:3及びSEQIDNO:4;b.SEQIDNO:8、SEQIDNO:9及びSEQIDNO:10;c.SEQIDNO:8、SEQIDNO:16及びSEQIDNO:10;並びにd.SEQIDNO:8、SEQIDNO:17及びSEQIDNO:10上記HCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項14に記載の抗原結合ユニット。

請求項18

前記抗原結合ユニットは、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体またはキメラ抗原受容体であることを特徴とする、請求項14に記載の抗原結合ユニット。

請求項19

前記抗原結合ユニットは、sFc、Fv、Fabまたは(Fab)2であることを特徴とする、請求項14に記載の抗原結合ユニット。

請求項20

キメラ抗原受容体であって、細胞外抗原結合ユニット、膜貫通ドメイン及び細胞ドメインを含み、前記細胞外抗原結合ユニットは、HLAと複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、前記WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列有し、及び前記細胞外抗原結合ユニットは、HLAと複合している参照ペプチドとは顕著な結合を示さず、前記参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有することを特徴とする、前記キメラ抗原受容体。

請求項21

キメラ抗原結合受容体であって、細胞外抗原結合ユニット、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含み、前記細胞外抗原結合ユニットはHLAと複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、前記WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列有し、及びSEQ ID NO:60のアミノ酸配列を有する参照抗原結合ユニットと比較した場合、前記細胞外抗原結合ユニットはHLAと複合している参照ペプチドとより少ない非特異性結合を示し、前記参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するものであることを特徴とする、前記抗原結合ユニット。

請求項22

前記細胞外抗原結合ユニットは、軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、及び前記軽鎖CDRはLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、前記重鎖CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれ、SEQID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列を有し、及び前記HCDR1、HCDR2及びHCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列を有することを特徴とする、請求項20または21に記載のキメラ抗原受容体。

請求項23

前記軽鎖CDRは、a.SEQID NO:5、SEQ ID NO:6及びSEQ ID NO:7;b.SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:13;並びにc.SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:13上記LCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項22に記載のキメラ抗原受容体。

請求項24

前記重鎖CDRは、a.SEQIDNO:2、SEQIDNO:3及びSEQIDNO:4;b.SEQIDNO:8、SEQIDNO:9及びSEQIDNO:10;c.SEQIDNO:8、SEQIDNO:16及びSEQIDNO:10;並びにd.SEQIDNO:8、SEQIDNO:17及びSEQIDNO:10上記HCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項22に記載のキメラ抗原受容体。

請求項25

前記細胞内ドメインは、SEQID NO:46、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62またはSEQ ID NO:66のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項20または21に記載のキメラ抗原受容体。

請求項26

前記キメラ抗原受容体は、WT1、またはHLAと複合しているWT1ペプチドを含む細胞の細胞毒性誘導するものであることを特徴とする、請求項20または21に記載のキメラ抗原受容体。

請求項27

キメラ抗原受容体と標的細胞の比が20:1、10:1、5:1、3:1、2.5:1、1:1または1:3である場合、細胞毒性のレベルは少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%であることを特徴とする、請求項26に記載のキメラ抗原受容体。

請求項28

請求項1〜19のいずれかに記載の抗原結合ユニットまたは請求項20〜27のいずれかに記載のキメラ抗原受容体、及び薬学上許容される賦形剤を含む、医薬品組成物

請求項29

請求項1〜19のいずれかに記載の抗原結合ユニットまたは請求項20〜27のいずれかに記載のキメラ抗原受容体をコードするものである、分離された核酸

請求項30

請求項1〜19のいずれかに記載の抗原結合ユニットまたは請求項20〜27のいずれかに記載のキメラ抗原受容体をコードする核酸配列を含む、ベクター

請求項31

請求項1〜19のいずれかに記載の抗原結合ユニットまたは請求項20〜27のいずれかに記載のキメラ抗原受容体を発現する、宿主細胞

請求項32

請求項1〜19のいずれかに記載の抗原結合ユニットまたは請求項20〜27のいずれかに記載のキメラ抗原受容体をコードする核酸を含む、宿主細胞。

請求項33

請求項1〜19のいずれかに記載の抗原結合ユニットを生産する方法であって、前記抗原結合ユニットの発現に適した条件下において請求項31または32の宿主細胞を培養すること、及び、前記宿主細胞が発現する前記抗原結合ユニットを分離することを含む、前記方法。

請求項34

前記抗原結合ユニットの発現に適した条件下において請求項31または32の宿主細胞を培養すること、及び、前記宿主細胞が発現する前記抗原結合ユニットを分離することを含む、請求項20〜27のいずれかに記載のキメラ抗原受容体を生産する方法。

請求項35

前記細胞と請求項20〜27のいずれかに記載のキメラ抗原受容体とを接触させることを含む、前記HLAと複合しているWT1ペプチドを含む細胞の細胞死を誘導する方法。

請求項36

前記細胞と前記キメラ抗原受容体とを体内において接触させることを特徴とする、請求項35に記載の方法。

請求項37

前記細胞と前記キメラ抗原受容体とを体外において接触させることを特徴とする、請求項35に記載の方法。

請求項38

前記細胞は、がん細胞であることを特徴とする、請求項35に記載の方法。

請求項39

前記細胞は、血液がん細胞または固形腫瘍細胞であることを特徴とする、請求項38に記載の方法。

請求項40

前記細胞は、腎芽腫細胞、結腸がん細胞、直腸がん細胞、卵巣がん細胞、慢性骨髄性白血病細胞または腸がん細胞であることを特徴とする、請求項38に記載の方法。

請求項41

前記細胞は、中皮腫の細胞であることを特徴とする、請求項38に記載の方法。

請求項42

前記標的細胞に請求項31または32の複数の宿主細胞を施用することを含み、類似量の前記抗原結合ユニット、キメラ抗原受容体またはそれらをコードする核酸を有しない宿主細胞を施用することに比べ、複数の宿主細胞を前記標的細胞に施用することにより、より大きく標的細胞のアポトーシスを誘導したことを特徴とする、標的細胞の細胞死を誘導する方法。

請求項43

前記複数の宿主細胞を体内において前記標的細胞に施用する、請求項42に記載の方法。

請求項44

前記複数の宿主細胞を体外において前記標的細胞に施用する、請求項42に記載の方法。

請求項45

前記標的細胞は、がん細胞であることを特徴とする、請求項42に記載の方法。

請求項46

前記がん細胞は、血液がん細胞または固形腫瘍細胞であることを特徴とする、請求項45に記載の方法。

請求項47

前記細胞は、腎芽腫細胞、結腸がん細胞、直腸がん細胞、卵巣がん細胞、慢性骨髄性白血病細胞または腸がん細胞であることを特徴とする、請求項45に記載の方法。

請求項48

前記細胞は、中皮腫の細胞であることを特徴とする、請求項45に記載の方法。

請求項49

前記被験者に対して有効量の請求項20−27のいずれかに記載のキメラ抗原受容体を施用することを含み、前記キメラ抗原受容体はがん細胞の細胞死を誘導することを特徴とする、治療を必要とする被験者のがんを治療する方法。

請求項50

前記被験者に対して有効量の請求項1−19のいずれかに記載の抗原結合ユニットまたは請求項20—27のいずれかに記載のキメラ抗原受容体を施用することを含む、治療を必要とする被験者のがんを治療する方法。

請求項51

前記被験者に対して有効量の請求項28の医薬品組成物を施用することを含む、治療を必要とする被験者のがんを治療する方法。

請求項52

前記がん細胞は、血液がんまたは固形腫瘍であることを特徴とする、請求項49—51のいずれかに記載の方法。

請求項53

前記がんは、中皮腫であることを特徴とする、請求項49−51のいずれかに記載の方法。

請求項54

前記がんは、腎芽腫、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、慢性骨髄性白血病または腸がんであることを特徴とする、請求項49—51のいずれかに記載の方法。

請求項55

請求項20—27のいずれかに記載のキメラ抗原受容体及びIL−12を含む、免疫応答細胞

請求項56

前記IL−12は、前記免疫応答細胞の表面上に発現することを特徴とする、請求項55に記載の免疫応答細胞。

請求項57

前記IL−12は、前記免疫応答細胞内において発現することを特徴とする、請求項55に記載の免疫応答細胞。

請求項58

前記免疫応答細胞は、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%または少なくとも60%の細胞毒性を有することを特徴とする、請求項55に記載の免疫応答細胞。

請求項59

前記免疫応答細胞は、エフェクターターゲット(E:T)比が5:1、10:1、15:1、20:1またはそれらの組み合わせのとき、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%または少なくとも60%の細胞毒性を示すことを特徴とする、請求項58に記載の免疫応答細胞。

請求項60

前記免疫応答細胞は、標的細胞中において細胞死を誘導することを特徴とする、請求項55に記載の免疫応答細胞。

請求項61

前記標的細胞は、HLAと複合しているWT1ペプチドを含むことを特徴とする、請求項60に記載の免疫応答細胞。

請求項62

前記被験者に対して有効量の請求項55の免疫応答細胞を施用することを含む、必要とする被験者に対してHLAと複合しているWT1ペプチドを含む細胞の細胞死を誘導する方法。

技術分野

0001

相互引用
本出願は2017年5月31日に提出された国際PCT出願PCT/CN2017/086606号の利益を要求し、当該出願は引用により本明細書に併合される。

背景技術

0002

がんは世界中において社会に対して重大な影響を及ぼすものである。2016年、米国のみにおいても、1,685,210件の新しいがん症例が診断され、且つ595,690人が該疾患のために死亡していると推測される。The Journal of Oncology Practice(Erikson 2007)によれば、2020年までに、1820万人の米国人(19人に1人)はがん患者またはがん生存者となり、2005年の時は1170万人であった(26人に1人)。

0003

キメラ抗原受容体(CAR)は抗原組換え受容体であり、単一の分子中で、T細胞及び他の免疫細胞特異性及び機能を新たに定義する。がん免疫治療における応用では、能動免疫の障碍を回避し、速やかに腫瘍を標的とするT細胞が生成される。細胞中で一旦発現されれば、CARによって修飾される細胞は被験者体内において即効且つ長期的な作用を発揮できる。

0004

キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、がん患者のT細胞を編集して彼らの腫瘍を識別させるもので、血液がん治療に対して有効であることが示されている。最近の臨床実験において、CAR T細胞療法は大いに末期血液がん(治療できない形の白血病及びリンパ腫を除く)患者の予後を改善している。逆に、CAR−T細胞は固形腫瘍背景下においては一連独特チャレンジに臨んでいる。これらのチャレンジは、明確に腫瘍及び正常組織上における発現に区別がある抗原を識別することを含み、且つ腫瘍内の腫瘍細胞を効果的に殺傷し、これにより腫瘍の大きさを減少させることを含む。

0005

複数種類の固形腫瘍の代替療法及び有効療法が切実に望まれている。本発明はこれらのニーズを満たし、さらに関連のメリットを提供している。

0006

そのため、本発明は抗原結合ユニット(antigen binding unit)を開示し、それは軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、前記抗原結合ユニットはHLA複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、そのうち前記WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列有し、且つ前記抗原結合ユニットは、HLAと複合している参照ペプチド(reference peptide)とは顕著な結合を示さず、そのうち前記参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有する。本明細書はさらに抗原結合ユニットについて開示し、それは軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、前記抗原結合ユニットはHLAと複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、そのうち前記WT1ペプチドはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列有し、且つSEQ ID NO:60のアミノ酸配列を有する参照抗原結合ユニットに比較して、前記抗原結合ユニットはより少ないHLAと複合している参照ペプチドとの非特異性結合を示し、前記参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有する。幾つかの場合において、前記HLAはHLA−A2を含む。幾つかの場合において、HLAと複合している参照ペプチドとの結合レベル(binding level)は以下とすることができる:HLAと複合しているWT1ペプチドの結合レベルの10%。幾つかの場合において、結合特異性はFACS(fluorescence−activated cell sorting)によって測定できる。幾つかの場合において、前記結合特異性はELISAによって測定できる。幾つかの場合において、前記抗原結合ユニットは1.5nM未満のKDを示すものである。幾つかの場合において、前記抗原結合ユニットは50pM未満のKDを示すものである。幾つかの場合において、前記軽鎖CDRはLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む;前記重鎖CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む;そのうち前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列を有する、前記HCDR1、HCDR2及びHCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列を有する。幾つかの場合において、前記軽鎖CDRは、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6及びSEQ ID NO:7;SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:13;及びSEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:13のLCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含む。幾つかの場合において、前記重鎖CDRは、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4;SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9及びSEQ ID NO:10;SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:16及びSEQ ID NO:10;及びSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:17及びSEQ ID NO:10のHCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含む。幾つかの場合において、前記抗原結合ユニットはモノクローナル抗体ヒト化抗体キメラ抗体またはキメラ抗原受容体とすることができる。幾つかの場合において、前記抗原結合ユニットはsFc、Fv、Fabまたは(Fab)2とすることができる。

0007

本明細書は抗原結合ユニットについて開示し、軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、そのうち前記軽鎖CDRはLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、前記重鎖CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、そのうち前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれ、SEQID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列と少なくとも80%の配列相同性を有する配列を含み、前記HCDR1、HCDR2及びHCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列と少なくとも80%の配列相同性を有する配列を含む。幾つかの場合において、前記軽鎖CDRはLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み;前記重鎖CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれ下記からなるグループから選ばれる配列を有する:SEQ ID NO:5−7及び11−15、そのうち前記HCDR1、HCDR2及びHCDR3はそれぞれ下記からなるグループから選ばれる配列を含む;SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17。幾つかの場合において、前記軽鎖CDRは、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6及びSEQ ID NO:7;SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:13;及びSEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:13のLCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含む。幾つかの場合において、前記重鎖CDRは、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4;SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9及びSEQ ID NO:10;SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:16及びSEQ ID NO:10;及びSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:17及びSEQ ID NO:10のHCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含む。幾つかの場合において、前記抗原結合ユニットはモノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、多価抗体またはキメラ抗原受容体とすることができる。幾つかの場合において、前記抗原結合ユニットはsFc、Fv、Fabまたは(Fab)2である。

0008

本明細書はキメラ抗原受容体について開示し、細胞外抗原結合ユニット、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含み、前記細胞外抗原結合ユニットはHLAと複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、そのうち前記WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列有し、及び前記抗原結合ユニットは、HLAと複合している参照ペプチド(reference peptide)とは顕著な結合を示さず、そのうち前記参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するものである。本明細書はキメラ抗原受容体について開示し、細胞外抗原結合ユニット、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含み、前記細胞外抗原結合ユニットはHLAと複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、そのうち前記WT1ペプチドはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列有し、及びSEQ ID NO:60のアミノ酸配列を有する参照抗原結合ユニットと比較した場合、前記細胞外抗原結合ユニットはHLAと複合している参照ペプチドとより少ない非特異性結合を示し、そのうち前記参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するものである。幾つかの場合において、前記細胞外抗原結合ユニットは、軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、且つ、そのうち前記軽鎖CDRはLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、前記重鎖CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、そのうち前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列を有し、及びそのうち前記HCDR1、HCDR2、HCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列を有する。幾つかの場合において、前記軽鎖CDRは、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6及びSEQ ID NO:7;SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:13;及びSEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15及びSEQ ID NO:13のLCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含む。幾つかの場合において、前記重鎖CDRは、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4;SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9及びSEQ ID NO:10;SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:16及びSEQ ID NO:10;及びSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:17及びSEQ ID NO:10のHCDR配列の組み合わせから選ばれるアミノ酸配列を含む。幾つかの場合において、前記細胞内ドメインはSEQ ID NO:46、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62またはSEQ ID NO:66のアミノ酸配列を含む。幾つかの場合において、前記キメラ抗原受容体は、WT1、またはHLAと複合しているWT1ペプチドを含む細胞の細胞毒性誘導する。幾つかの場合において、キメラ抗原受容体と標的細胞の比が20:1、10:1、5:1、3:1、2.5:1、1:1または1:3である場合、細胞毒性のレベルは少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%である。

0009

本明細書は医薬品組成物について開示し、本明細書が開示する抗原結合ユニット、または本明細書が開示するキメラ抗原受容体、及び薬学上許容される賦形剤を含む。本明細書は分離された核酸について開示し、該核酸は本明細書において開示された抗原結合ユニットまたは本明細書において開示されたキメラ抗原受容体をコードするものである。本明細書はベクターについて開示し、該ベクターは本明細書が開示した抗原結合ユニットまたは本明細書が開示したキメラ抗原受容体をコードする核酸を含むものである。本明細書は宿主細胞について開示し、本明細書が開示する抗原結合ユニットまたは本明細書が開示するキメラ抗原受容体を発現するものである。本明細書は宿主細胞について開示し、本明細書が開示する抗原結合ユニットまたは本明細書が開示するキメラ抗原受容体をコードする核酸を含むものである。本明細書は本明細書が開示する抗原結合ユニットを生産する方法を開示し、前記抗原結合ユニットの発現に適した条件下において本明細書が開示する宿主細胞を培養すること、及び、前記宿主細胞が発現している前記抗原結合ユニットを分離することを含む。本明細書はキメラ抗原受容体を生産する方法を開示し、前記キメラ抗原受容体の発現に適した条件下において宿主細胞を培養すること、及び、前記宿主細胞が発現した前記機キメラ抗原受容体を分離することを含む。

0010

本明細書は前記HLAと複合しているWT1ペプチドを含む細胞の細胞死を誘導する方法を開示し、前記方法は前記細胞と本明細書が開示するキメラ抗原受容体とを接触させることを含む。幾つかの場合において、前記細胞と前記キメラ抗原受容体を体内において接触させる。幾つかの場合において、前記細胞と前記キメラ抗原受容体を体外において接触させる。幾つかの場合において、前記細胞はがん細胞とすることができる。幾つかの場合において、前記細胞は血液がん細胞または固形腫瘍細胞とすることができる。幾つかの場合において、前記細胞は腎芽腫細胞、結腸がん細胞、直腸がん細胞、卵巣がん細胞、慢性骨髄性白血病細胞または腸がん細胞とすることができる。幾つかの場合において、前記細胞は中皮腫の細胞とすることができる。

0011

本明細書は標的細胞の細胞死を誘導する方法を開示し、前記方法は複数の本明細書が開示する宿主細胞を前記標的細胞に施用することを含み、類似量の前記抗原結合ユニット、キメラ抗原受容体またはそれらをコードする核酸を有しない宿主細胞を施用することに比較して、複数の宿主細胞を前記標的細胞に施用することでより大きく標的細胞の細胞死を誘導する。幾つかの場合において、前記複数の宿主細胞を体内において前記標的細胞に施用できる。幾つかの場合において、前記複数の宿主細胞を体外において前記標的細胞に施用できる。幾つかの場合において、前記標的細胞はがん細胞とすることができる。幾つかの場合において、前記がん細胞は血液がん細胞または固形腫瘍細胞とすることができる。幾つかの場合において、前記細胞は腎芽腫細胞、結腸がん細胞、直腸がん細胞、卵巣がん細胞、慢性骨髄性白血病細胞または腸がん細胞とすることができる。幾つかの場合において、前記細胞は中皮腫の細胞とすることができる。

0012

本明細書は治療を必要とする被験者のがんを治療する方法について開示し、前記方法は前記被験者に対して有効量の本明細書が開示するキメラ抗原受容体を施用することを含み、前記キメラ抗原受容体はがん細胞の死亡を誘導するものである。本明細書は治療を必要とする被験者のがんを治療する方法について開示し、前記方法は前記被験者に対して有効量の本明細書が開示する抗原結合ユニットまたは本明細書が開示するキメラ抗原受容体を施用することを含む。本明細書は治療を必要とする被験者のがんを治療する方法について開示し、前記方法は前記被験者に対して有効量の本明細書が開示する医薬品組成物を施用することを含む。幾つかの場合において、前記がんは血液がんまたは固形腫瘍である。幾つかの場合において、前記がんは中皮腫とすることができる。幾つかの場合において、前記がんは腎芽腫、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、慢性骨髄性白血病または腸がんとすることができる。

0013

本明細書は免疫応答細胞について開示し、本明細書に記載のキメラ抗原受容体及びIL−12を含む。幾つかの場合において、前記IL−12は免疫応答細胞の表面上において発現される。他の場合において、前記IL−12は前記免疫細胞内に発現される。幾つかの実施形態において、前記免疫応答細胞(本明細書に記載のキメラ抗原受容体及びIL−12を含む)は少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%または少なくとも60%の細胞毒性を有する。幾つかの場合において、前記免疫応答細胞は、エフェクターターゲット(E:T)比が5:1、10:1、15:1、20:1またはそれらの組み合わせであるとき、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%または少なくとも60%の細胞毒性を有する。本明細書に記載の前記キメラ抗原受容体及びIL−12を含む免疫応答細胞は標的細胞において細胞死を誘導できる。幾つかの場合において、前記標的細胞はHLAと複合しているWT1ペプチドを含む。且つ本明細書は、必要とする被験者中にHLAと複合しているWT1ペプチドを含む細胞の細胞死を誘導する方法を含み、前記方法は、前記被験者に対して有効量の免疫応答細胞を施用することを含み、当該免疫応答細胞は本明細書に記載のキメラ抗原受容体とIL−12を含むものである。

0014

(引用により併入
明細書中におけるすべての出版物、特許及び特許出願はいずれも引用により、それぞれの出版物、特許及び特許出願が具体的でかつ単独で指摘する引用の程度により併入される。本明細書中の用語及び併入された引用文献の用語が矛盾する場合、本明細書中の用語を基準とする。

0015

付属する請求項において本明細書が開示する新規の特徴について記載している。本明細書が開示する特徴及びメリットは以下の例に示される実施形態(本開示の原理を利用して)及び図面の詳細な説明を通して、より良く理解できる。

図面の簡単な説明

0016

HLA.A0201−BSP遺伝子を融合するドラフトを描いたものである。
図2A及び図2Bはそれぞれ分離されたポリペプチドクロマトグラム及びアガロースゲル精製実施例を示したものである。
図3はELISA測定の実施例データを示したものである。
図4結合アッセイの実施例データを示したものである。
図5はELISA測定の実施例データを示したものである。
図6は選択される抗原結合ユニットの配列の比較を示したものである。
図7はKD実験の実施例データを示したものである。
図8は結合アッセイの実施例データを示したものである。
図9はポリペプチド精製結果の実施例を示したものである。
図10A及び図10Bは細胞毒性実験の実施例データを示したものである。
図11はIL−12を発現するCAR−T細胞遺伝子構築体の実施例を示したものである。
図12A、図12B及び図12CはIL−12を発現するCAR T細胞の細胞毒性実験の実施例データを示したものである。

実施例

0017

以下の記載及び実例は本明細書が開示する実施形態を詳細に示したものである。以下のように理解すべきである。本開示は本明細書に記載の特定の実施形態に限定されず、さらに変更可能である。当業者は以下のように考えるべきである。本開示には多くの変更及び修正があり、これらはその範囲にカバーされるものである。別途説明する場合を除き、如何なる実施形態も他の実施形態と組み合わせることができる。

0018

本明細書に使用のように、別途説明する場合を除き、本明細書の幾つかの発明実施形態は数値範囲を考慮する。本発明は多くの場合範囲の形で示すことができる。以下のように理解すべきである。範囲という形は利便性及び簡潔さだけのためであり、本発明の範囲に対する制限と解釈するべきではない。そのため、この範囲に対する記載は具体的に、すべての可能なサブ範囲及び該範囲内の単一の数値を示すと見なされ、明確に記載したのと同じである。例えば、範囲が1〜6という記載は、そのサブ範囲を公開したと見なされ、例えば1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6等、及びこの範囲の単一の数字、例えば1、2、3、4、5及び6を開示したと見なされる。範囲の広さに係わらず、適用される。範囲が存在する場合、該範囲は範囲の境界値端点)を含む。

0019

<定義>
本明細書において使用されるものは、別途説明する場合を除き、詞「a」は一つまたは複数を指し、別途明確な説明がある場合は除く。

0020

本明細書において使用されるものに、別途説明する場合を除き、用語の例えば「含む(contain)」「含有(containing)」「含み(include)」「からなる(including)」は「含む(comprising)」を意味する。

0021

本明細書において使用されるものに、用語の「活性化」(または「活化」)及びその文法上の同義語は細胞が静止状態から活動状態に変わる過程を示す。該過程は抗原に対する反応、遷移及び/または表現型または遺伝的に機能上の活動状態になることを言う。例えば、用語の「活性化」とは、T細胞が活性化するステップごとの過程を言う。例えば、T細胞が完全に活性化されるには、少なくとも二つのシグナルを必要とする。第一シグナルはTCRと抗原−MHC複合体コンジュゲーション後に発生し、第二シグナルは共刺激分子のコンジュゲーションにより発生する(表4)。体外において、抗CD3は第一シグナルをシミュレーションし、抗CD28は第二シグナルをシミュレーションすることができる。例えば、エンジニアリング遺伝子操作)によって改造されるT細胞は発現されるCARによって活性化されることができる。本明細書に使用される「T細胞活性化」または「T細胞トリガー」は、充分に刺激され、これにより測定可能細胞増殖サイトカイン生産及び/または測定可能なエフェクター機能のT細胞を誘導することを言う。

0022

本明細書において使用される、用語の「抗原結合ユニット」とは、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学活性部分を指し、即ち、抗原と特異的に結合する(抗原と免疫反応を示す)抗原結合部位を含む分子である。用語の「抗原結合ユニット」にカバーされるのは複数の種(species)に由来する免疫グロブリンを示し、これらの種は無脊髄動物及び脊髄動物を含む。構造上において、最も簡単な自然発生の抗体(例えばIgG)はジスルフィド結合によって互いに連結する4つのポリペプチド鎖、二つの重(H)鎖及び二つの軽(L)鎖を含む。免疫グロブリンはマクロ分子を代表し、複数タイプの分子を含み、例えばIgD、IgG、IgAIgM及びIgEである。用語の「免疫グロブリン分子」は例えばハイブリッド抗体及びまたは改造された抗体及びそのフラグメントを含む。既に示されているように、自然発生の抗体のフラグメントにより抗体の抗原結合機能を持たせる。これらのフラグメントはまとめて「抗原結合ユニット」を通称される。用語「抗原結合ユニット」にカバーされるのは特定の形状を有する如何なるポリペプチド鎖を含む分子構造であり、該形状のエピトープを識別することに適し、一種類または複数種類の非共有結合が互いに作用することにより分子構造及び該エピトープ間の複合体が安定化される。

0023

抗原結合ユニットが、ポリペプチドまたは他の物質を含む他の参照抗原とよりも大きい親和力(affinity)または結合力(avidity)で結合するなら、抗原結合ユニットが抗原と「特異的結合する」または「抗原と免疫反応を起こす」ことを意味する。

0024

本明細書において使用される「抗原」とは、抗原結合ユニットによって特異的に識別及び結合する物質を言う。抗原はペプチド、タンパク質糖タンパク質多糖及び脂質、これらの部分及びこれらの組み合わせを含むことができる。非制限的で、例示的な抗原は、ヒト、マウス及び他のそれらのホモロジーのWilms腫瘍タンパク1(WT1)を含む。「抗原」とは免疫応答を引き起こす分子を指すこともできる。該免疫反応は抗体の生産に関係し、または特定免疫担当細胞(immune competent cell)の活性化に関係し、または両者ともである。当業者は、如何なるマクロ分子は、ほぼすべてのタンパク質またペプチドを含み、いずれも抗原とすることができると理解すべきである。

0025

本明細書において使用するように、用語「免疫グロブリン」または「Ig」は一種のタンパク質を指し、抗体として働くものである。B細胞が発現する抗体は場合によってキメラ抗原受容体または抗原受容体と称される。これらのタンパク質に含まれる五つのメンバーはIgA、IgG、IgM、IgD及びIgEであり、そのうちIgGは最もよく見られる循環抗体である。これらは凝集補体(complement)による固定及び他の抗体反応において最も有効的な免疫グロブリンであり、細菌及びウイルス防御することにおいて重要である。例えば、腫瘍細胞抗原はCARによって識別されることができる。

0026

用語の「抗WT1抗体」とは充分な親和力により、WT1またはWT1ペプチドに結合できる抗体または抗体結合部位を意味し、これにより該抗体は、WT1またはWT1ペプチドと細胞によって発現される他の抗原を区別させるのに用いることができる。一つの実施形態において、抗WT1抗体と関連しない非WT1タンパクの結合の程度は、放射免疫測定RIA)によって測定される該抗体とWT1またはWT1ペプチドの結合の程度の約10%未満である。幾つかの実施形態において、WT1と結合する抗体は<1μΜ、<100nM、<10nM、<5nM、<4nM、<3nM、<2nM、<1nM、<0.1nM、<0.01nMまたは<0.001nMの(例えば、10−8Mまたはより小さい、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有することができる。幾つかの実施形態において、抗WT1抗体は異なる種のWT1における保守的WT1エピトープに結合する。

0027

本明細書において示されるように、用語「自身の」及びその文法上の同義語は同じ存在物に由来するものを指す。例えば、サンプル(例えば、細胞)は移動、処理及び後から同じの被験者(例えば、患者)に戻されることができる。自己プロセス(autoimmune processlocalized autoimmune process)は同種異体プロセスと異なり、同種異体プロセスにおいてドナー及びレシピエントは異なる被験者である。

0028

本明細書に示されるように、「異種移植(Xenotransplantation)」及びその文法上の同義語は、細胞、組織または臓器をレシピエントに移植(transplantation)、植入(implantation)または注入(infusion)する如何なるプロセスをカバーでき、ここにおいてドナーとレシピエントは異なる種である。本明細書に記載される細胞、臓器及び/または組織の移植は、ヒト(人類)に異種移植されることができる。異種移植は以下を含むがこれらに限られない:血管化の異種移植(vascularized xenotransplant)、一部血管化の異種移植(partially vascularized xenotransplant)、非血管化の異種移植(unvascularized xenotransplant)、異種ドレッシング(xenodressings)、異種包帯(xenobandages)及び異種構造(xenostructures)。

0029

本明細書において使用される「同種異体移植(Allotransplantation)」及びその文法上の同義語(例えば、同種異体移植(allogenic transplantation))は以下をカバーすることができる:レシピエントに細胞、組織または臓器を移植、植入または注入する如何なるプロセス。そのうちレシピエントとドナーは同じ種であるが、異なる個体である。本明細書に記載される細胞、臓器及び/または組織の移植は、ヒト(人類)に対する同種異性移植に用いることができる。同種異体移植は以下を含むがこれらに限られない:血管化の同種異体移植(vascularized allotransplant)、一部血管化の同種異体移植(partially vascularized allotransplant)、非血管化の同種異体移植(unvascularized allotransplant)、同種異体ドレッシング(allodressings)、同種異体包帯(allobandages)及び同種異体構造(allostructures)。

0030

本明細書に使用される「自己移植(Autotransplantation)」及びその文法上の同義語(例えば、自己の移植(autologous transplantation))は以下をカバーするものである:レシピエントに細胞、組織または臓器を移植、植入または注入する如何なるプロセス。そのうちレシピエントとドナーは同じ個体である。本明細書に記載される細胞、臓器及び/または組織の移植は、ヒト(人類)に対する自己移植に用いることができる。自己移植は以下を含むがこれらに限られない:血管化の自己移植(vascularized autotransplantation)、一部血管化の自己移植(partially vascularized autotransplantation)、非血管化の自己移植(unvascularized autotransplantation)、自己ドレッシング(autodressings)、自己包帯(autobandages)及び自己構造(autostructures)。

0031

本明細書において使用される、用語「キメラ抗原受容体」または「CAR」はエンジニアリング化分子(engineered molecule)であり、免疫細胞によって発現でき、該細胞はT細胞を含むがこれに限られない。CARはT細胞の発現時にT細胞を再定義して(人工受容体による指令の特異性)標的細胞の殺傷を誘導するものである。CARの細胞外結合ドメインは、マウス、ヒト化または全ヒトのモノクローナル抗体である。「抗WT1 CAR」はWT1またはWT1と結合できるCARである。

0032

本明細書において使用される、用語の「エピトープ」及びその文法上の同義語は、抗体、B細胞、T細胞または遺伝子操作された細胞(engineered cells)によって識別される抗原の一部である。例えば、エピトープはTCRによって識別されるがんのエピトープである。抗原内の複数のエピトープも識別される。前記エピトープも突然変異されることができる。

0033

本明細書に使われる、用語の「遺伝子操作された(engineered)」及びその文法上の同義語は、核酸(例えば生体ゲノム内の核酸)の一か所または複数箇所が改造されたものである。用語の「遺伝子操作された」とは、遺伝子の改造、追加及び/または欠失を指す。遺伝子操作された細胞は遺伝子を追加、欠失及び/または改造した細胞を指す。

0034

本明細書に使われる、用語の「細胞」または「遺伝子操作された細胞」及びその文法上の同義語は、ヒトまたは非ヒト動物由来の細胞を指す。遺伝子操作された細胞はCARを発現する細胞を指すこともある。

0035

本明細書に使われる、用語の「適正製造規範GMP)」及びその文法上の同義語は、FDAによる安全、有効または純正製品である。GMPは場合によって「cGMP」と呼ばれることもある。「c」は「現在(current)」を意味するものである。製品の製造者最新の技術及びシステムを用いることで、GMP製品の規定に満たすことができる。研究環境に反して、GMP適合製品は通常臨床環境において使用されるものである。

0036

「宿主細胞」は個体細胞または細胞培養物を含み、それは本件ベクターのレシピエント、または以前の本件ベクターのレシピエントである。宿主細胞は単一の宿主細胞の子孫を含む。自然的、偶然的にまたは人為的な突然変異により、該子孫細胞原始親細胞と完全に同じとは限らない(形態学上または全DNA相補体のゲノム学上において)。宿主細胞は本発明のベクターを用いて体内トランスフェクションを行う細胞を含む。「宿主細胞」は原核細胞真核細胞または単細胞として実体培養する細胞株を指すことができ、それは組換えベクターまたは他のポリヌクレオチド転移のレシピエントとして使用できまたは使用され、かつトランスフェクションされた初代細胞(original cell)の子孫を含む。以下のように理解すべきである:自然的、偶然的にまたは人為的な突然変異により、単一細胞の子孫は形態学またはゲノム上、または全DNA相補体において初代親細胞(original parent)と完全に同じとは限らない。

0037

「細胞株」または「細胞培養物」とは体外で成長または維持される細菌、植物の、昆虫のまたはさらに高等の真核細胞を指す。細胞の子孫は親細胞(parent cell)と完全に同じとは限らない(形態学上または全DNA相補体のゲノム学上において)。

0038

本明細書において使用される、用語の「トランスフェクション(形質移入)」とは、外因性核酸を真核細胞に導入することである。トランスフェクションは本分野に知られている複数の手段によって行うことができ、リン酸カルシウム−DNA共沈殿DEAEデキストラン介在のトランスフェクション、ポリブレン介在のトランスフェクション、電気穿孔法マイクロインジェクション法リポソーム融合法、リポソームトランスフェクション法プロトプラスト融合法レトロウイルス感染法および遺伝子銃法を含む。

0039

用語の「安定的にトランスフェクション」または「安定的トランスフェクションにより」とは、外因性核酸、DNAまたはRNAをトランスフェクションされる細胞のゲノム中に導入及び組み込まれた(integration)ものを指す。用語の「安定発現株(stable transfectant)」とは、外因性DNAがゲノムDNA中に安定的に組み込まれた細胞を言う。

0040

本明細書において使用される、用語の「核酸分子コード」「DNA配列コード」及び「DNAコード」とは、デオキシリボ核酸鎖に沿ったデオキシリボヌクレオチド順序または配列である。これらのデオキシリボヌクレオチドの順序はポリペプチド(タンパク質)鎖に沿ったアミノ酸配列を決定する。そのため、核酸配列はアミノ酸配列をコードする。

0041

用語の「ポリペプチド」、「ぺプチド」及び「タンパク質」は本明細書において交換して使用でき、如何なる長さのアミノ酸重合体を指す。該重合体は直鎖、環状または分岐鎖のものであり、修飾されたアミノ酸を含むことができ、かつ非アミノ酸によって中断されることができる。該用語は、すでに修飾されたアミノ酸重合体を含み、例えば、硫酸化グリコシル化、脂質化、アセチル化リン酸化ヨウ素化メチル化酸化タンパク質分解処理、リン酸化、イソペンテニル化、ラセミ化セレン化輸送RNA介在によりアミノ酸をタンパク質に添加(例えばアルギニン化、ユビキチン化)または如何なる他の操作(例えばラベル成分との結合)を行うことができる。本明細書において使用される、用語の「アミノ酸」は天然の及び/または非天然のまたは合成されたアミノ酸であり、グリシン及びDまたはLの光学異性体(optical isomers)、及びアミノ酸類似体ペプチド模倣物を含む。「由来」とは、タンパク質のポリペプチドまたはアミノ酸配列、ポリペプチドの由来を言う。好ましくは、該ポリペプチドは該配列またはその一部がコードするポリペプチドと基本的に同じアミノ酸配列を有し、そのうち該部分は少なくとも10〜20個のアミノ酸、または少なくとも20〜30個のアミノ酸、または少なくも30〜50個のアミノ酸からなり、または該配列がコードするポリペプチドが免疫学上において識別できるものである。該用語はさらに、指定された核酸配列によって発現されるポリペプチドを含む。

0042

本明細書において使用される、用語の「被験者」とは如何なる動物をいい、例えば、哺乳動物または有袋類の動物である。本発明の被験者は以下を含むが、これらに限られない:ヒト、非ヒト霊長類動物(例えば、アカゲザルまたは他のタイプのマカク)、マウス、ブタウマロバウシヒツジラット及び如何なる種類の禽類。

0043

本明細書において使用される、用語の「レシピエント」及びその文法上の同義語は、療法または治療を受けるヒトまたはヒトでない動物を言う。

0044

本明細書に使用される、用語の「治療(treatment)」、「治療(treating)」、「治療(treat)」等は通常、希望される薬理及び/または生理作用を得ることを言う。疾病またはその症状を完全にまたは部分的に予防することにとって、該効果は予防的で、及び/または、該疾患を完全にまたは部分的に安定化させまたは治癒させる、及び/または該疾病に起因する不良反応を完全にまたは部分的に安定化させまたは治癒させる場合、該効果が治療的であると言う。本明細書において使用される、「治療」は哺乳動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、ブタ、霊長類動物(ヒト及びその他のサル類を含む、特にヒト)の疾患の如何なる治療をカバーし、かつ以下を含む:(a)該疾患または症状を患いやすいがまだ該疾患または症状を患っていると診断されていない被験者において該疾患または症状が発生することを防止する;(b)疾患の症状を抑制する;(c)疾患の進行を阻止する;(d)疾患の症状を減軽する;(e)疾患または症状の消退を招く;またはそれらの任意の組み合わせ。

0045

用語の「がん」、「新生物」、「腫瘍」及び「癌」は本明細書に交換して使用でき、自発的に成長する細胞に対して、これらは異常な成長表現型を示し、その特徴は細胞増殖に対する制御を顕著に失っていることである。一般的に、本出願において測定または治療の目的細胞は、がん初期(例えば良性の)、悪性の、移転前の、移転性の及び非移転性の細胞を含む。「正常細胞」の前後文において使用する用語の「正常」とは、形質転換(transformation)されていない表現型の細胞または検査される組織タイプの形質転換されていない細胞形態の示す細胞を言う。「がん性表現型」とはがん性細胞特徴を有する複数の生物現象の如何なる一種を言い、これらの現象ががんのタイプに従って変化する。細胞成長または増殖(例えば、制御を受けない成長または増殖)、細胞周期の調整、細胞遷移、細胞—細胞間相互作用または転移等の異常によりがん性表現型を鑑定できる。

0046

本明細書において使用される、用語の「末梢血リンパ球(PBL)及びその文法上の同義語は血液(例えば、末梢血)中にて循環するリンパ球を言う。末梢血リンパ球とは、臓器に位置固定されないリンパ球を指すことができる。末梢血リンパ球はT細胞、NK細胞、B細胞またはそれらの任意の組み合わせを含む。

0047

用語の「免疫応答細胞」とは免疫反応を引き起こす細胞をいい、T細胞、B細胞及びNKT細胞、それら各自の前駆細胞及び子孫を含むがこれらに限定されない。免疫応答細胞はリンパまたは骨髄系の細胞を指すこともできる。

0048

本明細書において使用される、用語の「T細胞」及びその文法上の同義語は如何なる由来のT細胞を言う。例えば、T細胞は原始T細胞、例えば、自己T細胞、細胞株(cell line)等とすることができる。T細胞はヒトまたは非ヒトのものとすることができる。

0049

本明細書において使用される、用語の「T細胞活性化」または「T細胞トリガー」及びその文法上の同義語は、充分に刺激され、これにより測定可能な細胞増殖、サイトカイン生産及び/または測定可能なエフェクター機能のT細胞の状態を誘導することを言う。幾つかの場合において、「完全T細胞活性化」はT細胞の細胞毒性をトリガーするようなものである。本分野に知られる複数種類の測定によりT細胞の活性化を測定できる。前記測定は、サイトカイン分泌を測定するELISA、ELISPOT、細胞内サイトカインの発現を測定するフローサイトメトリー(CD107)測定法、増殖を測定するフローサイトメトリー測定法、及び、標的細胞消去を決める細胞毒性測定法(51Cr放出測定法)とすることができる。前記測定は通常、コントロール(非遺伝子操作された細胞(非遺伝子改変細胞))と遺伝子操作された細胞(遺伝子改変細胞)(CAR T)に対して比較を行うことにより、遺伝子操作された細胞と比較した場合の相対的活性化を知ることができる。また、前記測定はインキュベーションされたまたは標的抗原を発現しない標的細胞と接触する遺伝子操作された細胞を比較できる。例えば、前記比較物はCD19を発現しない標的細胞とインキュベーションされたCD19−CAR T細胞とすることができる。

0050

アミノ酸配列に用いる場合、用語の「配列」及びその文法上の同義語はDNAまたはRNAをカバーできる;一本鎖または二本鎖とすることができる。核酸配列は突然変異されることができる。核酸配列は如何なる長さを有することができ、例えば、長さが2〜1,000,000個またはより多くのヌクレオチド(またはその間またはその上の如何なる整数の値である)、例えば100から10,000個のヌクレオチド、または約200から約500個のヌクレオチドである。

0051

本明細書において使用される、用語の「分離された」とは成分、細胞または他の物と分離することを言い、そのうちポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはそれらのフラグメントは自然界において通常は一緒にあるものである。当業者は以下について容易に知ることができる。非自然的に発生するポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはそれらのフラグメントは「分離」を必要とせずにそれが自然発生する対応物区分けすることができる。また、「濃縮された」、「分離された」または「希釈された」ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはそれらのフラグメントが、それらが自然発生した場合の対応物との区別は以下である:単位体積分子濃度または数量で計算した場合、「濃縮された」とは自然に発生する対応物より大きく、また「分離された」それが自然発生の対応物より少ない。絶対値に基づいて濃縮でき、例えば単位体積溶液中の重量、または、起因混合物に存在する第二種類、干渉のある物質に基づいて測定できる。本発明の実施形態により濃縮させることは濃縮すればするほど好ましい。そのため、例えば、好ましくは2倍濃縮、より好ましくは10倍濃縮、さらに好ましくは100倍濃縮、さらにより好ましくは1000倍濃縮である。物質は人口組み換え過程(例えば化学合成または組換え発現により)により分離された状態で提供できる。

0052

「連結された」及び「融合された」または「融合」は本明細書において、交換して使用できる。これらの用語は化学結合または組換え手段を含む任意の手段によって二つ以上の化学元素または成分を連結させることを言う。「フレーム内融合」とは原始のORFフレームに対して精確にリードする方式により二つまたはより多くのオープンリードフレーム(ORF)を連結させることで形成される連続したより長いORFである。そのため、得られる組換え融合タンパク質は二つまたはより多くのフラグメントを有る単一タンパク質であり、前記フラグメントは原始ORFによってコードされるポリぺプチドに対応するものである(これらのフラグメントは自然界においてこのように連結しない)。リードフレームは全体の融合フラグメントによって連続されるが、リードフレームのリンカー配列(例えば flexon)により物理上または空間上においてこれらのフラグメントを分けることができる。

0053

ポリヌクレオチドに応用される「組み換えの(Recombinant)」とは、該ポリヌクレオチドが下記の異なる組み合わせから生じる生成物を指す:クローン、制限及び/または連結ステップ、及び、自然界と異なる自然界に発見されるポリヌクレオチドの構造体を生成する他のプロセス。

0054

用語の「遺伝子」または「遺伝子フラグメント」は、本明細書において変換して使用できる。これらは少なくとも一つのオープンリードフレームを有するポリヌクレオチドを指し、該リードフレームは転写及び翻訳後に特定のタンパク質をコードできる。遺伝子または遺伝子フラグメントはゲノム、cDNAまたは合成されたもので、該ポリヌクレオチドは少なくとも一つの下記オープンリードフレームを含み、コード領域(coding region)全体またはそのフラグメントをカバーできる。

0055

「操作可能に(Operably)連結」または「操作的に(operatively)連結」とは並置(juxtaposition)を言い、その記載される成分はこれらを予期される方式で作用するのを許す関係である。例えば、プロモーター配列コード配列の転写を促進するであれば、プロモーター配列は操作可能にコード配列に連結されるということができる。

0056

本明細書において使用される、「発現」とはポリヌクレオチドをmRNAに転写するプロセス、及び/またはその後転写されたmRNA(「転写物」ともいう)をペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質に翻訳する過程を言う。転写物及びコードされるポリペプチドはまとめて遺伝子産物(gene product)と呼ばれる。真核細胞において、ポリヌクレオチドがゲノムDNAに由来するであれば、発現はスプライシングmRNA(splicing of the mRNA)を含むことができる。

0057

組成物-抗原結合ユニット>
一つの実施形態において、本明細書は抗原結合ユニットを提供し、それは軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、前記抗原結合ユニットはHLA複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、前記WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列を有し、前記抗原結合ユニットはHLAと複合している参照ペプチドと顕著な結合を示さなく、そのうち前記参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するものである。

0058

もう一つの実施形態において、本明細書は抗原結合ユニットを提供し、軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、前記抗原結合ユニットはHLAと複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、前記WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列を有し、SEQ ID NO:60のアミノ酸配列を有する参照抗原結合ユニットと比較して、前記抗原結合ユニットはより少なくHLAと複合している参照ペプチドと非特異的に結合し、前記参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有する。

0059

もう一つの実施形態において、本明細書は抗原結合ユニットを提供し、それは軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、前記軽鎖CDRはLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む;前記重鎖CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む;前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれ、SEQID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列と少なくとも80%の配列相同性を有するものであり、そのうち前記HCDR1、HCDR2、HCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列と少なくとも80%の配列相同性を有するものである。

0060

本明細書が開示するいかなる実施形態の幾つかの面において、抗原結合ユニットは軽鎖CDRを含む。軽鎖CDRは抗原結合ユニットの軽鎖の相補決定領域とすることができる。軽鎖CDRはアミノ酸残基の一つの連結配列またはアミノ酸残基の二つまたはより多くの連結配列を有することができ、前記配列は非相補決定領域例えばフレームによって分けられ、かつ隣接する(flanked)のものとなることができる。幾つかの実例において、軽鎖CDRは二つまたはより多くの軽鎖CDRを含み、軽鎖CDR−1、CDR−2等と称されることができる。有利な実例において、軽鎖CDRは三つの軽鎖CDRを含み、それぞれ軽鎖CDR−1、軽鎖CDR−2及び軽鎖CDR−3と称されることができる。幾つかの実例において、共同の軽鎖上に存在する一組のCDRは軽鎖CDRと通称することができる。

0061

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、抗原結合ユニットは重鎖CDRを含む。重鎖CDRは抗原結合ユニットの重鎖の相補決定領域とすることができる。重鎖CDRはアミノ酸残基の一つの連続配列またはアミノ酸残基の二つまたはより多くの連結配列を含むことができ、前記配列は非相補決定領域例えばフレームによって分けられ、かつ隣接する(flanked)のものとなることができる。幾つかの実例において、重鎖CDRは二つまたはより多くの重鎖CDRを含み、重鎖CDR−1,CDR−2等と称されることができる。有利な実例において、重鎖CDRは三つの重鎖CDRを含み、それぞれ重鎖CDR−1、重鎖CDR−2及び重鎖CDR−3と称されることができる。幾つかの実例において、共同の重鎖上に存在する一組のCDRは重鎖CDRと通称することができる。

0062

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、本件の抗原結合ユニットはWT1またはWT1ペプチドに特異的に結合する。幾つかの実施例において、本件の抗原結合ユニットはHLAと複合しているWT1ペプチドに特異的に結合するものである。本明細書に使用されるように、WT1は既知のWT1配列のオーソログ(orthologues)、ホモログ(homologues)、コドン最適化された形(codon−optimized forms)、切断された形(truncated forms)、フラグメント化された形(fragmented forms)、突然変異された形(mutated forms)または如何なる他の既知の誘導体の形を指すことができる。例えば、WT1はヒトWT1とすることができ、GenBank登録番号[P19544]で示され、且つSEQID NO:1の配列を含む。また、WT1は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:58及びSEQ ID NO:59のうちの如何なる一つと、少なくとも50%の同一性を有する配列を含むものである。WT1は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:58及びSEQ ID NO:59のうちの少なくとも一つと、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%または99%を超える同一性を有する配列を含むことができる。

0063

結合特異性は相互決定領域またはCDR、例えば軽鎖CDRまたは重鎖CDRによって決められる。多くの場合において、結合特異性は軽鎖CDR及び重鎖CDRによって決められる。重鎖CDR及び軽鎖CDRの所定の組み合わせは所定の結合ポケットを提供し、該結合ポケットはWT1またはHLAと複合しているWT1ペプチドに対して(他の参照抗原または参照ペプチドと比較して)より大きい親和力及び/または特異性を有する。

0064

抗原結合ユニットと、HLAと複合しているWT1ペプチドとの結合は本分野における既知の如何なる方法によってキャラクタリゼーションまたは表現されることができる。例えば、結合は結合親和力によってキャラクタリゼーションされることができ、該結合親和力は抗原結合ユニットと抗原の間の相互作用の強度とすることができる。結合親和力は本分野において既知の如何なる方法によって知ることができ、例えばインビトロ結合アッセイ(in vitro binding assay)である。例えば、インビトロ結合アッセイにおいてWT1及びHLAを発現する細胞に対して測定を行う場合、本明細書が開示する抗原結合ユニットの結合親和力を知ることができる。本件の抗原結合ユニットの結合親和力はKdによって示すことができ、Kdは抗体と他の対応抗原との間の平衡解離定数である。幾つかの場合において、本明細書が開示する抗原結合ユニットは特異的にHLAと複合しているWT1ペプチドと結合し、Kd値は約10μMから約1fMの範囲である。例えば、抗原結合ユニットは、約10μM、1μM、0.1μM、10nM、1nM、0.1nM、10pM、1pM、0.1pM、10fM、1fM、0.1fMより小さく、または0.1fM未満のKdでCD47と結合するものである。幾つかの実例において、Kdは1.5nMより小さい。幾つかの例において、Kdは50pMより小さい。

0065

幾つかの面において、本件の抗原結合ユニットは、HLAと複合している参照ぺプチドと顕著な結合を示さない。幾つかの実例において、本件の抗原結合ユニットと、HLAと複合している参照ペプチドとの結合レベルは、前記抗原結合ユニットと、HLAと複合しているWT1ペプチドとの結合レベルの10%を超えない。例えば、該結合レベルは前記抗原結合ユニットと、HLAと複合しているWT1ペプチドとの結合レベルの10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%または1%未満である。幾つかの例において、該参照ペプチドはSEQID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有する。

0066

幾つかの面において、参照抗原結合ユニットと比較して、本件の抗原結合ユニットはHLAと複合している参照ペプチドより、より少ない非特異的結合を示す。幾つかの実例において、参照抗原結合ユニットと比較して、本件の抗原結合ユニットは、HLAと複合している参照ペプチドと、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%の、より少ない非特異的結合を示すものである。幾つかの実例において、参照抗原結合ユニットと比較して、本件の抗原結合ユニットは、HLAと複合している参照ペプチドと、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍または10倍を超える、より少ない非特異的結合を示すものである。幾つかの実例において、参照抗原結合ユニットは、SEQID NO:60のアミノ酸配列を有する。幾つかの実例において、参照ペプチドは、SEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有する。

0067

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、本件の抗原結合ユニットは軽鎖CDR及び重鎖CDRを含む。本件の抗原結合ユニットは表1に示される任意のLCDRまたはHCDRを含むことができる。または追加にまたは代替案として、本件の抗原結合ユニットは表1に示される任意のLCDRまたはHCDRと少なくとも60%の同一性を有するLCDRまたはHCDRを含む。幾つかの面において、本件LCDRまたはHCDRは表1に示される任意の配列ID番号(SEQID NO)と少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはより高い配列相同性を示すものである。

0068

0069

幾つかの場合において、軽鎖(LC)CDRは軽LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む;重鎖(HC)CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む。幾つかの実例において、前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれ、SEQID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列を有する。幾つかの実例において、前記HCDR1、HCDR2、HCDR3はそれぞれ、SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列を有する。幾つかの例において、前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3はそれぞれSEQ ID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列を有する。前記HCDR1、HCDR2、HCDR3はそれぞれSEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列を有する。

0070

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、抗原結合ユニットは軽鎖CDRを含み、前記軽鎖(LC)CDRは三つのLCDR(即ちLCDR1、LCDR2及びLCDR3)の組み合わせを含む。三つのLCDRの組み合わせは表2に示される任意の組み合わせを含むことができる。

0071

0072

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、抗原結合ユニットは重鎖CDRを含み、前記重鎖(HC)CDRは三つのHCDR(即ちHCDR1、HCDR2及びHCDR3)の組み合わせを含む。三つのHCDRの組み合わせは表3に示される任意の組み合わせを含むことができる。

0073

0074

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、抗原結合ユニットは軽鎖CDR及び重鎖CDRを含むことができ、前記軽鎖CDR及び前記重鎖CDRはそれぞれ、表2に示されるLCDRの任意の組み合わせ及び表3に示されるHCDRの任意の組み合わせからなるグループから選ばれるLCDR及びHCDRを含む。

0075

幾つかの面において、本件の抗原結合ユニットはモノクローナル抗原結合ユニット、ポリクローナル抗原結合ユニット、ヒト化抗原結合ユニット、キメラ抗原結合ユニット、単価抗原結合ユニット、多価抗原結合ユニット、二重特異抗原結合ユニット、またはそれらの任意の組み合わせである。抗原結合ユニットは複数の形を用いることができ、sFC、Fv、ccFv、Fab’、F(ab’)2及びFdを含むが、これらに限られない。これらの抗体結合ユニットはリシン(ricin)、ペプシン(pepsin)、パパイン(papain)または他のプロテアーゼ(protease)の切断作用により完全な免疫グロブリンから生成できる。本件の抗原結合ユニットはキメラ抗原受容体(CAR)に含まれることもできる。このような実例において、該抗原結合ユニットは通常、細胞外抗原結合ユニットである。

0076

また、組換え免疫グロブリン技術を利用して抗原結合ユニットを設計できる。例えば、ペプチドリンカーにより可変軽鎖領域可変重鎖領域に連結させることで本発明の「Fv」免疫グロブリンを生産できる。例えば、ペプチドリンカーはポリグリシンまたはαヘリックスまたはβシートモチーフを形成しないもう一つの配列とすることができる。さらに以下のFvとすることができ、VHとVL領域との間の安定化ジスルフィド結合を含み、例えば米国特許第6,147,203号に記載され、その全部の内容は引用によって本明細書に導入される。これらの抗原結合ユニット中のいかなる一つはいずれも本発明に用いることができる。幾つかの面において、抗原結合ユニットは二つの軽鎖及び二つの重鎖がセットとなっている完全免疫グロブリンである。

0077

抗原結合ユニットは、軽鎖ポリぺプチドと重鎖ポリぺプチドを含むヘテロマルチマー(heteromultimers)である。抗原結合ユニットの実例は以下を含むが、これらに限られない:(i)米国特許第6,833,441号(その全部の内容は本明細書に併入される)によって開示される、ヘテロダイマー配列安定化のccFvフラグメント;(ii)少なくとも一つの本明細書に記載のccFvフラグメントを含む如何なる他の単価及び多価分子;(iii)VL、VH、CL及びCH1ドメインからなるFabフラグメント;(iv)VH及びCH1ドメインからなるFdフラグメント;(v)抗体シングルアームのVL及びVHドメインからなるFvフラグメント;(vi)F(ab’)2フラグメント、即ち二つのヒンジ領域がジスルフィド結合によって連結されているFabフラグメントを含む二価フラグメント;及び(vii)二重特異性抗体(Diabody)。

0078

ポリクローナル抗体生産動物に対して抗原組成物を注入するスタンダードプロクトル(standard protocol)によって生成される。以下を参照できる。例えば、Harlow及びLane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988。全体のタンパク質またはタンパク質の比較的大きい部分を利用する場合、該タンパク質と適切なアジュバント(adjuvant)(例えば、Freund’s アジュバント、Freund’s完全試薬水中油型乳液(oil−in−water emulsions)等)免疫生産動物を用いて抗体を生成する。比較的小さいペプチドを利用する場合、有利なのはペプチドと比較的大きい分子を結合させて免疫刺激性結合体を製造することである。市販で購入されるこの用途の常用結合タンパク質は、ウシ血清アルブミン(BSA)及びキーホールリンペットヘモシアニン(keyhole limpet hemocyanin,KLH)を含む。特定のエピトープに対する抗体を生成するため、全配列ペプチドに由来するペプチドを利用できる。代替案として、タンパク質ターゲットの比較的短いペプチド部分に対する抗体を生成するため、例えばポリぺプチドとキャリアタンパク(carrier protein)(例えば、オボアルブミン、BSAまたはKLH)によって連結されるならば、優れた免疫応答を引き起こすことができる。

0079

ポリクローナルまたはモノクローナル抗原結合ユニット又は抗体は、すでにヒト免疫グロブリンを生産するように遺伝子改造された動物によって生産できる。下記により遺伝子組換え動物を生産できる:まずは自然の動物抗体を生産しない「ノックアウト」動物を生産し、それからヒト抗体遺伝子座(locus)(例えば、ヒト人工染色体を使用することにより)安定的に該動物を形質転換させる。このような場合、該動物はヒト抗体のみを製造する。米国特許第6,162,963号及び第6,150,584号(全体引用により本明細書に併入される)においてこのような動物を生産しさらに抗体を誘導する技術が記載されている。このような抗体は異種ヒト抗体(human xenogenic antibody)と呼ぶこともできる。

0080

代替案として、ヒト可変領域を含むファージライブラリーから抗原結合ユニットを生産できる。米国特許第6,174,708号を参照する(全体引用により本明細書に併入される)。

0081

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、抗原結合ユニットはハイブリドーマによって生産される。例えば、本明細書が開示する抗原結合ユニットは、「表1に記載の抗原結合ユニットの一つを発現するハイブリドーマ」からなるグループから選ばれるハイブリドーマから生産されるものである。

0082

モノクローナル抗原結合ユニットまたはモノクローナル抗体に対して、ハイブリドーマは刺激を受けた免疫細胞(例えば、被接種動物の脾臓に由来するもの)を分離することにより形成される。それからこれらの細胞(例えば、骨髄腫細胞または形質転換された細胞)と不死化細胞を融合させ、それらは細胞培養物中において無限に複製でき、これにより永生の、免疫グロブリンを分泌する細胞株を生産する。利用される不死細胞株選出される(一部の栄養物の利用に必要とされる酵素が足りないか)。多くのこれらの細胞株(例えば、骨髄腫)は当業者に知られるものであり、かつ、例えば以下を含む:チミジンキナーゼ(TK)またはヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(hypoxanthine−guanine phosphoriboxyl transferase,HGPRT)。これらの欠陥は以下を許容する:融合細胞の例えばヒポキサンチンアミノプテリンチミジン培地(hypoxanthine aminopterinthymidine medium,HAT)における増殖する能力により融合細胞を選択する。

0083

また、遺伝子工学により本件の抗原結合ユニットを生産する。下記は本発明に用いることができる:ヒトに対して比較的少ない免疫応答を生じる、ヒト化の、キメラのまた異種ヒト抗原結合ユニット(xenogenic human antigen binding units)を施用する。

0084

本明細書が開示する抗原結合ユニットは、低減されたヒトにおいて希望されない免疫応答(例えば、過敏性ショック)を誘導する傾向にあり、さらに低減された免疫応答を誘発する傾向を示し、これにより抗体治療剤または現像剤の重複投薬を防止する(例えば、ヒト抗マウス抗体「HAMA」応答)。これらの抗原結合ユニットは、ヒト化、キメラのまたは異種ヒト抗原結合ユニットを含むがこれらに限られない。

0085

遺伝子工学により、複数の方式によって抗原結合ユニットを修飾できる。幾つかの場合において、抗原結合ユニットは突然変異されることができ、これにより抗原結合ユニットを選択して標的に対してより高い親和力を有する(例えば、HLAと複合しているWT1ペプチド)。幾つかの場合において、抗原結合ユニットのその標的に対する親和力は、正常組織上において低い水準で発現する標的に対して最適化を行うことができる。このような最適化により潜在の毒性を最小化させることができる。他の場合において、膜結合型の標的に対してより高い親和力を有する抗原結合ユニットのクローンはその可溶型の対応物より優れる。これに対して修飾を行い、これらの標的は異なるレベルの可溶型で測定されることができ、かつこれらの指向性は予期されない毒性をもたらす可能性がある。

0086

幾つかの場合において、本件の抗原結合ユニットはマウスの、ヒト化のまたは全ヒトのものである。抗原結合ユニットは約1%から約100%人類のものである。幾つかの場合において、抗原結合ユニットは約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%人類のものである。

0087

キメラ抗原結合ユニットまたはキメラ抗体は例えば組換え手段、マウス(または他の動物由来)のハイブリドーマクローンのマウス可変軽鎖及び重鎖領域(VK及びVH)を組み合わせることで得られるものであり、これによりヒトドメインを有する抗体を生成し、ヒト恒定の軽鎖及び重鎖領域を含む。これらのキメラ抗体の生産は本分野において公知のものであり、かつ標準的な手段によって実現できる(例えば米国特許第5,624,659号(全体引用により本明細書に併入される)において記載されている)。

0088

非ヒト(例えば、げっ歯類動物または霊長類動物)抗体に用いられる用語の「ヒト化」は、ハイブリッド免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそのフラグメントであり、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含む。ほとんどの部分において、ヒト化抗体はヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、該レシピエントの相補決定領域(CDR)の残基は非ヒト種(ドナー抗体)(例えばマウス、ラット、ウサギまたは霊長類動物)のCDRの残基によって置換され、希望される特異性、親和力及び能力を有する。幾つかの場合において、ヒトグロブリンのFvフレーム領域(FR)残基は対応の非ヒト残基によって置換される。また、ヒト化抗体はレシピエント抗体または導入されたCDRまたはフレーム配列に発現されていない残基を含むことができる。これらの修飾はさらに抗体性能を改善及び最適化することができ、且つそれを人体に導入する時の免疫原性最低に低下させる。幾つかの例において、ヒト化抗体は少なくとも一つ且つ通常は二つの可変ドメインの基本的に全部を含み、そのうち全部または基本的全部のCDR領域は非ヒト免疫グロブリンのそれらに対応し、全部または基本的に全部のFRエリアはヒト免疫グロブリン配列のそれらである。ヒト化抗原はさらに免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部を含むことができ、通常はヒト免疫グロブリンの定常領域である。

0089

ヒト化抗体は以下にエンジニアリング(遺伝子操作)できる:ヒト免疫グロブリンドメインを含み、かつ動物由来性抗体の相補決定領域にのみ導入される。以下によって完成できる:モノクローナル抗原結合ユニットまたはモノクローナル抗体の可変領域の超可変リング(hypervariable region)の配列をチェックし、これらをヒト抗原結合ユニットまたはヒト抗体鎖に適した構造にする。以下を参照できる:米国特許第6,187,287号(全体引用により本明細書に併入される)。

0090

非ヒト抗体をヒト化させることに用いられる方法は本分野に公知のものである。「ヒト化」抗体とは次のような抗体であり、即ち少なくとも一部の配列は開始の形からよりヒト免疫グロブリンに近い形に改造されたものである。幾つかの変化形において、重(H)鎖及び軽(L)鎖定常(C)領域はヒト配列によって置き換えられる。これらは可変(V)領域及び異種免疫グロブリンC領域融合ポリぺプチドとすることができる。幾つかの変化形において、相補決定領域(CDR)は非ヒト抗体配列を含み、Vフレーム領域はヒト配列に変換されたものである。例えばEP0329400を参照すること。幾つかの変化形において、ヒト及びマウスV領域の共有配列を設計することにより、共有配列の間に異なるCDR以外で残基を変換し、V領域をヒト化させる。

0091

原則的に、ヒト化抗体のフレーム配列はCDR移植テンプレートとして用いられる:しかし、直接CDRをこのようなフレームに入れ替えることにより抗原の結合親和力の顕著な損失をもたらしてしまう。Glaserら (1992)J.Immunol.149:2606;Tempestら(1992)Biotechnology 9:266;及びShalabyら(1992)J.Exp.Med.17:217。ヒト化抗体(HuAb)と原始マウス抗体(muAb)の同一性(ホモロジー)が高いほど、ヒト化フレームがマウス由来CDR中に親和力を低下させる歪みを導入できる可能性はより少ない。抗体配列データベースの配列相同性調査に基づいて、HuAb IC4はmuM4TS.22と優れたフレーム同一性を提供し、他の高度に同一由来のHuAbも適用できる(特にヒトIサブグループに由来するκ鎖またはヒトIIIサブグループに由来するH鎖)。Kabatら(1987)。異なるコンピュータプログラム(例えば、ENCAD(Levitt et al.(1983)J.Mol.Biol.168:595))により、V領域の理想的な配列を予測する。そのため、本発明は異なる可変(V)領域のHuAbをカバーする。適切なV領域の配列を決めてさらにこれらの配列を最適化させることは当業者の能力の範囲内にある。低下された免疫原性の抗体を得る方法は、米国特許第5,270,202号及び欧州特許第699,755号に記載されている。

0092

親及びヒト化配列の三次元モデルを使用して、親配列及び異なる概念上のヒト化生成物に対して分析するプロセスによりヒト化抗体を製造する。三次元免疫グロブリンモデルは当業者が熟知のものである。下記コンピュータプログラムを得ることができ、選択された候補免疫グロブリン配列の可能な三次元コンフォメーション構造を説明及び示している。これらのディスプレイに対する検査は以下を許している:残基の候補となる免疫グロブリン配列の機能中における可能な作用について分析し、即ち候補免疫グロブリンの抗原結合能力の残基に対する分析に影響する。このような方式により、共有配列及び導入される配列からFR残基を選択及び結合でき、これにより希望の抗体特性(例えば、標的抗原の親和力の向上)を得ることができる。

0093

本件の抗原結合ユニットをヒト化させる過程は以下に示された通りである。移植に用いられるヒト抗体種の同一性、典型的構造及び物理的特徴に基づいて、最も適切な種受容体重鎖及び軽鎖可変エリアを選択する。mVH/VLと移植のhVH/VLのコンピュータモデリングを行い、原型ヒト化抗体配列を生成する。モデリングにおいてフレームの逆突然変異が必要であれば、示されるFW変化を有する第二の変異体が生成される。選択された種のフレーム及びマウスCDRをコードするDNAフラグメントを合成する。合成されたDNAフラグメントをIgG発現ベクター中にサブクローンし、さらにDNA配列決定により配列を確認する。ヒト化抗体は例えば293Fの細胞中において発現され、例えばMDM食作用測定法及び抗原結合測定法により該タンパク質を測定する。ヒト化抗原結合ユニットと親抗原結合ユニットの抗原親和力の比較を行い、例えばFACSにより標的抗原を発現する細胞に対して比較を行う。親和力は親抗原結合ユニットより2倍以上低下すれば、前記のように第二サイクルヒト化変異体の生産及び測定を行う。

0094

前記のように、抗原結合ユニットは「単価」または「多価」である。前者はそれぞれの抗原結合ユニット上に一つの結合位置を有し、後者は複数の結合位置を有し、同じまたは異なる種類の一つを超える抗原と結合することができる。結合位置の数量により、抗原結合ユニットは二価(二つの抗原結合位置を有する)、三価(三つの抗原結合位置を有する)、四価(四つの抗原結合位置を有する)等とすることができる。

0095

多価の抗原結合ユニットはそれらの結合特異性に基づいてさらに分類できる。「単特異性」抗原結合ユニットは同じ種類の一つまたは複数の抗原に結合できる分子である。「多特異性」抗原結合ユニットは少なくとも二種類の異なる抗原と結合特異性を有する分子である。このような分子は通常、二種類の異なる抗原のみと結合でき(即ち二重特異性抗原結合ユニット)、しかし本明細書において使用する際、該発現は他の特異性を有する抗体(例えば三重抗原特異抗体)をカバーできる。本明細書はさらに多特異性抗原結合ユニットを提供する。ポリ特異性抗原結合ユニットは少なくとも二種類の異なる抗原に結合できる多価分子である。好ましいポリ特異抗原結合ユニットはそれぞれ二種類及び三種類の異なる抗原に対して結合特異性を示す二重特異及び三重特異の分子である。

0096

本明細書が開示する実施形態の幾つかの面において、抗原結合ユニットは二重特異抗原結合ユニットであり、前記抗原結合ユニットは、HLAと複合しているWT1ペプチドと第二抗原に特異的に結合するものである。幾つかの実例において、第二抗原はWT1ではない。幾つかの例において、第二抗原はPD1またはPD−L1である。幾つかの実例において、第二抗原は他の免疫検査点分子であり、CTLA−4、OX40、OX40L、4−1BB(CD137)、CD40、CD40L、ICOS、CD70、CD27、GITR、GITRL、TL1A、TNFRSF25、VISTA、TIM−3、LAG−3、TIGIT、CD112、CD112R、CD226、CD96、B7−H3、B7−H4、CD48、CD244、CD200R、CD200、HVEMBTLA、CD160、LIGHT、HHLA2、TMIGD2、BTNL2、CD39、CD73、NKG2A、NKG2D、MICA/B、KIR2DL−1、KIR2DL−2、KIR2DL−3、及びKIR3DL2を含む。幾つかの例において、第二抗原はEGFRである。幾つかの例において、第二抗原はCD19、CD20、CD22、CD33、CD44、CD52、CD79b、CD96、CD97、CD99、CD123、CD138、CD155、CD171、PTHR2、HAVCR2または他の既知のがん細胞マーカーである。適切な第二抗原の他の実例は以下を含むが、これらに限られない:FcγRI、CD 15、p185HER2、HER3、FcγRIII(CD16)、CD3、悪性B細胞(1D10)、p97、claudin18.2、OVCAR−3、ホスファチジルイノシトール−3、メソセリン、L−D1(結腸癌)、Trop2、メラニン細胞を刺激するホルモン類似体、ErbB2、CAMA1、MoV18、CAIX(カルボキシルアンヒドラーゼIX)、神経細胞接着分子(NCAM)、葉酸結合タンパク(FBP)、GD2、GD3、EpCAM、EGP−40、VEGFR2、MUC−1、MUC−16、STEAP1(前立腺の六回膜貫通型上皮抗原)、PSMA、PSCA前立腺幹細胞抗原)、GPC−3、LMP−1、DNAM−1(DNAX補助分子1)、大腸がん関連抗原(AMOC−31)、サポニン、Id−1、CD7、CD38、CD30、CD44v7/8、CEA、リシンA鎖、インターフェロン−α(IFN−α)、ハイブリドーマイディオタイプビンカアルカロイドアルカリホスファターゼフィブリン組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子(uPA)、低密度リポタンパク質(LDL)、Fc受容体(例えばFcγRI、FcγRIIまたはFcγRIII)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、T細胞受容体インフルエンザ、FcγR、HIVEOTUBE、DPTA、ハプテン、ウサギIgG、フェリチン西ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、ホルモンソマトスタチンP物質FITC及びβ−ガラクトシダーゼ。他の適切な第二抗原は以下を含むが、これらに限られない:腫瘍細胞抗原、細胞毒性トリガー分子毒素フィブリン溶解剤細胞表面受容体感染症の標的、ワクチンアジュバント診断試薬検出分子、及びレポーター分子

0097

<組成物—キメラ抗原受容体>
一つの実施形態において、本明細書はキメラ抗原受容体を提供し、それは細胞外抗原結合ユニット、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含む、そのうち前記細胞外抗原結合ユニットはHLAと複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、そのうち前記WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列を有し、かつその細胞外抗原結合ユニットはHLAと複合している参照ペプチドと顕著な結合を示さなく、該参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有する。

0098

一つの実施形態において、本明細書はキメラ抗原受容体を提供し、それは細胞外抗原結合ユニット、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含み、そのうち前記細胞外抗原結合ユニットはHLAと複合しているWT1ペプチドに特異的に結合し、前記WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列を有するものであり、そのうちSEQ ID NO:60のアミノ酸配列を有する参照抗原結合ユニットと比較して、細胞外抗原結合ユニットはより少ないHLAと複合している参照ペプチドとの非特異的結合を示し、参照ペプチドはSEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するものである。

0099

本件の抗WT1キメラ抗原受容体(CAR)は通常、細胞外抗原結合ユニット、膜貫通ドメイン及び免疫応答細胞活性化を制御する細胞内シグナル伝達領域を含むものである。幾つかの場合において、抗WT1 CARはさらにヒンジまたはスペーサを含む。幾つかの場合において、抗WT1 CARはさらに一つまたは複数の共刺激ドメインを含む。

0100

本明細書が開示する如何なる実施形態の一つの面において、本件のキメラ抗原受容体は本明細書が開示する如何なる本件の抗原結合ユニットを含む。幾つかの実例において、本件の抗原結合ユニットは下記細胞外抗原結合ユニットを含み、本件の抗原結合ユニットでありまたは本件の抗原結合ユニットを含む。

0101

キメラ抗原受容体は通常、細胞外抗原結合ユニットを含む。一つの実施形態において、該細胞外抗原結合ユニットは全ヒトのものとすることができる。他の場合において、該細胞外抗原結合ユニットはヒト化されることができる。他の場合において、該細胞外抗原結合ユニットは、マウスのまたは下記細胞外抗原結合ユニットに嵌合するものであり、少なくとも二種類の異なる動物種に由来するアミノ酸配列からなるものである。幾つかの場合において、細胞外抗原結合ユニットは非ヒトのものである。複数種類の抗原結合ユニットを設計してHLAと複合しているWT1ペプチドを標的とするものを設計できる。非制限的な実例は以下を含む:抗体に由来する単鎖可変フラグメント(scFvの)、ライブラリーから選ばれるフラグメント抗原結合ユニット(Fab)、単一ドメインフラグメント、または同一由来受容体と接合する天然リガンド。細胞外抗原結合ユニットはscFv、Fabまたは天然リガンド、及びそれらの如何なる誘導体をカバーできる。細胞外抗原結合ユニットは、完全なる抗体以外の分子を指し、完全なる抗体の一部を含むことができ且つ完全なる抗体と結合する抗原に結合できる。抗体フラグメントの実例は以下を含むがこれらに限られない:Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2;二重特異性抗体、線形抗体、単一鎖抗体分子(例えば、scFv);抗体フラグメントからなる多重特異性抗体。

0102

細胞外抗原結合ユニット(例えば、scFv、Fabまたは天然リガンド)は抗原特異性を決めるCARの一部とすることができる。細胞外抗原結合ユニットは如何なる相補標的と結合できる。細胞外抗原結合ユニットは可変領域の配列が知られている抗体に由来することができる。細胞外抗原結合ユニットはすでに得られたマウスハイブリドーマから得られる抗体配列に由来することができる。代替案として、選択可能に、細胞外抗原結合ユニットは、腫瘍細胞または初代細胞(primary cell)(例えば、腫瘍浸潤リンパ球(TIL))の全エクソン配列決定により得ることもできる。

0103

幾つかの状況において、細胞外抗原結合ユニットの結合特異性は相補決定領域またはCDR(例えば、軽鎖CDRまたは重鎖CDR)によって決まる。多くの場合において、結合特異性は軽鎖CDR及び重鎖CDRによって決まる。重鎖CDR及び軽鎖CDRの与えられた組み合わせは所定の結合ポケットを提供することができ、重鎖CDR及び軽鎖CDRの所定の組み合わせは所定の結合ポケットを提供し、該結合ポケットは抗原(例えば、HLAと複合しているWT1ペプチド)に比較して(他の参照抗原または参照ペプチドと比較して)より大きい親和力及び/または特異性を有する。例えば、HLAと複合しているWT1ペプチド特異性のCDRはCAR細胞外結合ドメインにおいて発現され、これによりHLAと複合しているWT1ペプチドを標的とするCARは、免疫応答細胞がHLAと複合しているWT1ペプチドを発現する腫瘍細胞を標的とするようにさせる。

0104

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、細胞外抗原結合ユニット(例えば、scFv)は、HLAと複合しているWT1ぺプチドと特異性を有する軽鎖CDRを含むことができる。軽鎖CDRは、抗原結合ユニット、例えばCARのscFvの軽鎖相互決定領域とすることができる。軽鎖CDRはアミノ酸残基の一つの連続とした配列またはアミノ酸残基の二つまたはより多くの連続配列を含み、前記配列は非相補決定領域、例えばフレームによって分けられ、かつ隣接する(flanked)のものとなることができる。幾つかの場合において、軽鎖CDRは二つまたはより多くの軽鎖CDRを含み、軽鎖CDR−1、CDR−2等と称されることができる。幾つかの場合において、軽鎖CDRは三つの軽鎖CDRを含み、それぞれ軽鎖CDR−1、軽鎖CDR−2及び軽鎖CDR−3を含む。幾つかの実例において、共同の軽鎖上に存在する一組のCDRは軽鎖CDRと通称することができる。

0105

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、細胞外抗原結合ユニット、例えばscFvは、HLAと複合しているWT1ペプチドと特異性を有する重鎖CDRを含むことができる。重鎖CDRは、抗原結合ユニット、例えばscFcの重鎖の相補決定領域とすることができる。重鎖CDRはアミノ酸残基の一つの連続配列またはアミノ酸残基の二つまたはより多くの連結配列を含むことができ、前記配列は、非相補決定領域、例えばフレームによって分けられ、かつ隣接する(flanked)のものとなることができる。幾つかの場合において、重鎖CDRは二つまたはより多くの重鎖CDRを含み、重鎖CDR−1,CDR−2等と称されることができる。一部の場合において、重鎖CDRは三つの重鎖CDRを含み、それぞれ重鎖CDR−1,重鎖CDR−2及び重鎖CDR−3を含む。幾つかの場合において、共同の重鎖上に存在する一組のCDRは重鎖CDRと通称することができる。

0106

幾つかの場合において、細胞外抗原結合ユニットはHLAと複合しているWT1ペプチドを特異的に識別する。幾つかの場合において、細胞外抗原結合ユニットはWT1のN末端ペプチド、C末端ペプチドまたは如何なるペプチドを標的とするものである。幾つかの場合において、WT1ペプチドはSEQID NO:1のアミノ酸配列を有する。

0107

幾つかの場合において、抗WT1のCAR免疫応答細胞はHLAと複合しているWT1ペプチドを標的とする細胞外抗原結合ユニットを発現するものである。幾つかの場合において、HLAと複合しているWT1ペプチドと結合するCDR、軽鎖及び/または重鎖はCAR免疫応答細胞、例えばCAR T細胞の細胞外抗原結合ユニット内に含まれることができる。幾つかの場合において、修飾された抗WT1 CDRは、CAR免疫応答細胞の細胞外抗原結合ユニット上に発現でき、かつ原始抗WT1 CDRと約50%から約100%の同一性を有する。幾つかの場合において、修飾された抗WT1 CDRは、未修飾の抗WT1 CDRと約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または約100%の同一性を有する。

0108

遺伝子工学により、複数の方式によって抗原結合ユニットを修飾できる。幾つかの場合において、細胞外抗原結合ユニットを突然変異させることができ、これにより標的に対してより高い親和力を有する細胞外抗原結合ユニットを選択できる。幾つかの場合において、細胞外抗原結合ユニットのその標的に対する親和力は、正常組織上において低い水準で発現する標的に対して最適化を行うことができる。このような最適化により潜在の毒性を最小化させることができる。他の場合において、膜結合型の標的に対してより高い親和力を有する細胞外抗原結合ユニットのクローンはその可溶型の対応物より優れる。これに対して修飾を行い、これらの標的は異なるレベルの可溶型で測定されることができ、且つこれらの指向性は予期されない毒性をもたらす可能性がある。

0109

幾つかの場合において、本件の抗原結合ユニットは、マウスの、ヒト化のまたは全ヒトのものである。抗原結合ユニットは、約1%から約100%人類のものである。幾つかの場合において、抗原結合ユニットは、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%人類のものである。

0110

幾つかの例において、本件のキメラ抗原受容体は細胞外抗原結合ユニットを含むことができ、それは軽鎖(LC)CDR及び重鎖(HC)CDRを含む。

0111

幾つかの場合において、本件の細胞外抗原結合ユニットは、表1に示される如何なるLCDRまたはHCDRを含むことができる。付加的にまたは代替的に、本件の抗原結合ユニットは、表1に示される如何なるLCDRまたはHCDRと少なくとも60%の同一性を有するLCDRまたはHCDRを含む。幾つかの面において、本件LCDRまたはHCDRは、表1に示される如何なる配列ID番号(SEQID NO)と少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはより高い配列相同性を示すものである。

0112

幾つかの場合において、軽鎖(LC)CDRは、軽LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む;重鎖(HC)CDRはHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む。幾つかの実例において、前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3は、それぞれ、SEQID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列を有する。幾つかの実例において、前記HCDR1、HCDR2、HCDR3は、それぞれ、SEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列を有する。幾つかの例において、前記LCDR1、LCDR2及びLCDR3は、それぞれSEQ ID NO:5−7及び11−15からなるグループから選ばれる配列を有する。前記HCDR1、HCDR2、HCDR3は、それぞれSEQ ID NO:2−4、8−10及び16−17からなるグループから選ばれる配列を有する。

0113

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、細胞外抗原結合ユニットは軽鎖CDRを含み、そのうち前記軽鎖(LC)CDRは三つのLCDR(即ちLCDR1、LCDR2及びLCDR3)の組み合わせを含む。三つのLCDRの組み合わせは表2に示される任意の組み合わせを含むことができる。

0114

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、細胞外抗原結合ユニットは重鎖CDRを含み、そのうち前記重鎖(HC)CDRは三つのHCDR(即ちLCDR1、LCDR2及びLCDR3)の組み合わせを含む。三つのHCDRの組み合わせは表3に示される任意の組み合わせを含むことができる。

0115

本明細書が開示する如何なる実施形態の幾つかの面において、細胞外抗原結合ユニットは軽鎖CDR及び重鎖CDRを含み、そのうち前記軽鎖CDRと前記重鎖CDRはそれぞれ以下からなるグループから選ばれるLCDR及びHCDRを含む;表2に列挙されるLCDRの任意の組み合わせ及び表3に示されるHCDRの任意の組み合わせ。

0116

幾つかの場合において、細胞外抗原結合ユニットはヒンジまたはスペーサを含む。用語のヒンジ及びスペーサは交換して使用できる。ヒンジはCARの一部とすることができ、細胞外抗原結合ユニットに対して柔軟性を提供する。幾つかの場合において、ヒンジは細胞の細胞表面上のCARを測定のために用いることができ、特に細胞外結合ユニットの測定に用いる抗体が作用せずまたは得ることができない場合である。例えば、該エピトープの細胞外抗原結合ユニットが標的とする標的上の位置によって決められ、場合によっては免疫グロブリンのヒンジの長さを最適化させる必要がある。

0117

幾つかの場合において、ヒンジは免疫グロブリンに属さなく、もう一つの分子に属する可能性があり、例えばCD8α分子の天然ヒンジである。CD8αヒンジはシステインプロリン残基を含む可能性があり、これらの残基はCD8共受容体MHC分子の相互作用に作用するものである。前記システインとプロリン残基は前記CARの性能に影響できる。幾つかの例において、CD8αヒンジはSEQID NO: 35のアミノ酸配列を含むものである。

0118

CARヒンジはサイズが調整可能で、かつある程度CAR免疫反応細胞と標的細胞の間の垂直シナプス距離の正常化に対して保障するものである。免疫応答細胞と標的細胞の間の免疫シナプスのこれらのトポロジーはさらに距離を定義し、該距離は細胞表面標的分子上の膜遠位エピトープであり、CARによって機能連結できなく、短ヒンジCARを使用してもシプナス距離が近いことによるシグナル伝達を実現できない。同じように、膜近位CAR標的抗原エピトープについて記載され、これらのシグナル伝達出力値は長ヒンジCARの状況下にだけ観察される。ヒンジは使用される細胞外抗原結合ユニットによって調整できる。ヒンジは如何なる長さとすることができる。

0119

膜貫通ドメインはCARを細胞の形質膜アンカーできる。CD28の天然膜貫通部分はCARに用いることができる。他の場合において、CD8αの天然膜貫通部分はCARに使用できる。「CD8」はNCBIレファレンス番号:NP_001759と少なくとも85、90、95、96、97、98、99または100%の同一性を有するタンパク質または刺激活性を有するフラグメントである。「CD8核酸分子」とはCD8ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。幾つかの場合において、膜貫通領域はCD28の天然膜貫通部分である。「CD28」はNCBIレファレンス番号:NP_006130と少なくとも85、90、95、96、97、98、99または100%の同一性のタンパク質または刺激活性を有するフラグメントである。「CD28核酸分子」とは、CD28ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。幾つかの場合において、膜貫通部分はCD8α領域を含むことができる。

0120

CARの細胞内伝達領域は、少なくとも一種類の免疫応答細胞のエフェクター機能を活性化できる(CARは該細胞中に放置されている)。CARはT細胞のエフェクター機能を誘導し、例えば、細胞溶解活性または補助因子活性(分泌サイトカインを含む)の可能性がある。そのため、用語の細胞内シグナル伝達領域とはタンパク質の一部を意味し、そのエフェクター機能シグナルを伝達し、かつ細胞の特定の機能を誘導する。通常は細胞内シグナル伝達領域全体を用いることができるが、多くの場合、シグナル伝達ドメインの鎖全体を使用する必要はない。幾つかの場合において、細胞内シグナル伝達領域の切断部分を使用する。そのため、幾つかの場合において、用語の細胞内シグナル伝達領域はエフェクター機能シグナルの細胞内シグナル伝達領域を形質移入できる如何なる切断部分を有する。

0121

CARのシグナル伝達ドメインの好ましい実例は、T細胞受容体(TCR)及び共受容体(これらが共同作用して標的受容体が接合した後にシグナル伝達を開始する)の細胞質配列、及びこれらの配列の如何なる誘導体または変異体及び同じ機能を有する如何なる合成配列を含むことができる。

0122

幾つかの場合において、前記細胞内シグナル伝達領域は、免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)のシグナル伝達モチーフである。ITAMを含む細胞質シグナル伝達配列の実例は以下を含む:TCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、CD22、CD79a、CD79b及びCD66dに由来するもの。しかし、好ましい実施形態において、細胞内シグナル伝達ドメインはCD3ζ鎖に由来するものである。

0123

一つまたは複数のITAMモチーフを含むT細胞シグナル伝達ドメインの実例はCD3ζドメインであり、T細胞受容体T3鎖またはCD247とも称される。このドメインはT細胞受容体—CD3複合体の一部であり、かつ下記過程において重要な作用を有するものである:抗原識別をT細胞主要エフェクター活性化を有する数種類の細胞内シグナル伝達経路カップリングさせる。本明細書に記載のように、CD3ζは、まずSwissprotのP20963により既知のヒトCD3ζ及びそのサブ型に対するもので、基本的に同じ配列のタンパク質を含むものである。キメラ抗原受容体の一部として、全T細胞受容体T3ζ鎖を必要とせず、かつT細胞受容体T3ζ鎖のシグナル伝達ドメインの如何なる誘導体(如何なる機能同等物を含む)も適切である。

0124

細胞内シグナル伝達ドメインは表4の如何なるドメインから選ぶことができる。幾つかの場合において、ドメインを修飾でき、これにより如何なる一つの参照ドメインとの同源性は約50%から約100%である。表4のいかなるドメインを修飾でき、これにより修飾されたバージョンは約50、60、70、80、90、95、96、97、98、99または約100%の同一性を有することができる。

0125

CARの細胞内シグナル伝達領域は、さらに一つまたは複数の共刺激ドメインを含むことができる。細胞内シグナル伝達領域は単一の共刺激ドメインを含むことができ、例えばシグナル伝達領域は単一の共刺激ドメインを含むことができ、例えばζ鎖(第1世代CAR)またはCD28または4−1BB(第2世代CAR)である。他の実例において、細胞内シグナル伝達領域は二つの共刺激ドメインを含むことができ、例えばCD28/OX40またはCD28/4−1BB(第3世代)である。

0126

これらの共刺激ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインは、例えばCD8と共にキナーゼ経路の下流の活性化を生じさせることができ、遺伝子転写及び機能性細胞応答を支持する。CARの共刺激ドメインは、CD28(ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスリン酸3-キナーゼ)または4−1BB/OX40(TNF−受容体関連因子リンカータンパク)経路及びMAPK及びAktの活性化と関連する近位シグナル伝達タンパクを活性化させることができる。

0127

幾つかの場合において、CARによって生じるシグナルはサブ(二次)または共刺激シグナルと複合できる。共刺激シグナル伝達ドメインについて、キメラ抗原受容体状複合体を、幾つかの可能な共同刺激シグナル伝達ドメインを含むように設計できる。本分野において知られるように、ナイーブT細胞において、T細胞受容体の接合のみではT細胞を細胞毒性T細胞に完全活性化するように誘導するに不十分である。完全の、多産のT細胞活性化は第二の共刺激シグナルを必要とする。すでに報道されている、T細胞活性化に対して共刺激を提供する数種類の受容体は、以下を含むが、これらに限られない:CD28、OX40、CD27、CD2、CD5、ICAM−1、LFA−1(CD11a/CD18)、4−1BBL、MyD88及び4−1BB。これらの共刺激分子が利用するシグナル伝達経路は主要T細胞受容体活性化シグナル協同作用と共同の特性を共有する。これらの共刺激シグナル領域が提供するシグナルは、一つまたは複数のITAMモチーフ(例えばCD3ζシグナル伝達ドメイン)に由来する主要エフェクター活性化シグナル協同作用であり、かつ活性化T細胞のニーズを満たすことができる。

0128

幾つかの場合において、キメラ抗原受容体複合体に対して共刺激ドメインを添加することでエンジニアリング(遺伝子操作された)細胞の機能及び耐久性強化できる。一つの実施形態において、T細胞シグナル伝達ドメイン及び共刺激ドメインは互いに融合し、これによりシグナル伝達領域となる。

0129

0130

幾つかの場合において、本件CARは、SEQID NO:46、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62及びSEQ ID NO:66うちのいずれかと約50%から約100%の配列相同性を有する配列またはその一部を含むことができる。幾つかの場合において、本件CARは、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:61からSEQ ID NO:62及びSEQ ID NO:66のうちのいずれかと約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または約100%の配列相同性を有する配列を含むことができる。

0131

幾つかの場合において、本件のCARは、SEQID NO:67からSEQ ID NO:75(表5)のいずれか一つと約50%から約100%の配列相同性を有する配列を含むことができる。幾つかの場合において、本件のCARは、SEQ ID NO:67からSEQ ID NO:75のいずれか一つと約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または約100%の配列相同性を有する配列を含むことができる。

0132

0133

<本発明のポリヌクレオチドおよびベクター>
幾つかの実施形態において、本明細書は、本明細書が開示する如何なる抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体をコードする分離された核酸を提供する。もう一つの実施形態において、本明細書は本明細書が開示する如何なる抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体をコードする核酸配列を含むベクターを提供する。幾つかの実施形態において、本発明は本明細書が開示する抗原結合ユニットまたは細胞外抗原結合ユニットの軽鎖CDR及び重鎖CDRをコードする分離された核酸を提供する。

0134

本件の抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体は組換えDNA技術合成化学技術またはその組み合わせによって製造できる。例えば、通常使用されている本分野において知られる標準分子技術を用いて抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体の希望される成分をコードする配列(軽鎖CDR及び重鎖CDR)をクローン化して発現ベクター中に組み入れる。これらの配列は、所望のタンパク質配列をコードする他のベクター、各自のテンプレート核酸を使用してPCRから生じるフラグメント、または所望の配列をコードする合成ヌクレオチド組立体によって組み入れられる。興味のある抗原結合ユニットを含む発現ベクターにより適切な細胞をトランスフェクションすることにより発現系を構築する。

0135

通常の技術を用いて、従来抗体の軽鎖または重鎖の複数の領域の対応するヌクレオチド配列を容易に得ることができ、さらにそれに対して配列決定を行い、前記通常技術はハイブリッド、PCR及びDNA配列決定を含むことができるがこれらに限られない。モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞は抗体ヌクレオチド配列の好ましい由来である。パブリックのまたは私立の保存データベースから一連のモノクローナル抗体を大量に生産するハイブリドーマ細胞を生産できる。最大の寄託機関はアメリカン・タイプ・.カルチャーコレクション(American Type Culture Collection,atcc.org)であり、該寄託センターは複数種類の優れたキャラタリゼーションを有するハイブリドーマ細胞株寄託を提供している。代替案として、免疫されたまたは免疫されていないげっ歯動物または人類及び形成臓器(例えば、脾臓及び末梢血リンパ球)から抗体ヌクレオチドを得る。抗体ヌクレオチドの抽出及び合成に適した特定の技術はOrlandiら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A86:3833−3837;Larrickら(1989)Biochem.Biophys.Res.Commun.160:1250−1255;Sastryら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.、U.S.A.86:5728−5732;及び米国特許5,969,108号に記載されている。

0136

抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドは、例えばヒト重鎖及び軽鎖定常領域のコード配列により同一非ヒト配列に置き換えて修飾することにより行うことができる。このような方式により、原始抗原結合ユニットの結合特異性を保持したキメラ抗体を製造する。

0137

以下のように理解すべきである。本発明に示されているポリヌクレオチドは、例示的なポリペプチドの機能同等物及びそのフラグメントのそれらをコードするものである。機能上同等のポリぺプチドは、これによりコードされるポリぺプチドのそれらの特性を向上、低下または顕著に影響しないものが含まれる。機能同等物は保守アミノ酸置換基を有するポリペプチド、融合体及び突然変異体アナログを含む。

0138

遺伝暗号(genetic codon)の同義性(degeneration)により、抗原結合ユニットをコードする配列、及び、本発明のポリヌクレオチド及びベクターの配列の構築に適したヌクレオチドは大きく変化する可能性がある。配列変異体は修飾されたDNAまたはアミノ酸配列を有することができ、一つまたは複数の置換、欠失または追加があり、その純作用は希望される抗原結合活性を保持する。例えば、コード領域にて複数種類の置換を行うことができ、これらの置換はコードされるアミノ酸を変化させず、保守性の変化をもたらさない。これらの置換は本発明にカバーされる。保守的アミノ酸置換は以下のグループ内の置換を含む:グリシン、アラニンバリンイソロイシンロイシンアスパラギン酸グルタミン酸アスパラギングルタミンセリンスレオニンリジン、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン。保守的置換は、確実に有効的に生産されるポリぺプチドに含まれる一つまたは複数のアミノ酸残基を改変させ、しかし該置換は生産される抗原結合ユニットの抗原結合活性を干渉しないと予測される。コードされるアミノ酸残基を改変しないヌクレオチド置換は、異なる系中の遺伝子発現を最適化することに用いられる。適切な置換は当業者が知っているもので、かつこれを行うことができ、例えば発現系中の好ましいコドンとして用いる。以下例を挙げて保守的置換について説明する。

0139

0140

希望する際、本明細書が開示する組換えポリヌクレオチドは、遺伝子産物の発現及び精製の検出に用いられる異種配列を含む。これらの配列の実例は本分野で知られるものであり、かつレポータータンパク、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−ラクタマーゼクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼCAT)、ルシフェラーゼ緑色蛍光タンパク質(GFP)及びそれらの誘導体をコードするものを含む。他の精製の助けになる異種配列は、エピトープ、例えば、Myc、HA(インフルエンザウイルス血球レクチン由来)、His−6、FLAGまたは免疫グロブリンのFc部分グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)およびマルトース結合タンパク(MBP)をコードできる。

0141

本明細書が開示するポリヌクレオチドは上記複数種類の化学機能を有する部分と結合できる。通常用いる部分は、測定可能なシグナルを生成するラベル、シグナルペプチド免疫反応試薬を強化させる試薬、固体ベクター(solid support)とカップリングする試薬、ワクチンベクター生体反応調整剤(biological response modifier)、順磁性ラベル及び薬物を含む。これらの部分は組換えまたは本分野に知られる他の手段によりポリヌクレオチドを共有結合させる。

0142

本発明のポリヌクレオチドは他の配列を含むことができ、例えば、同一転写単位内の他のコード配列、プロモーターのような制御エレメントリボソーム結合部位ポリアデニル化部位、同じまたは異なるプロモーターの制御下における他の転写単位、宿主細胞のクローンニング、発現及び形質転換を許す配列、及び本発明の実施形態に必要な如何なるこのような構築体を提供する。

0143

本発明に示されるポリヌクレオチドは、化学合成、組換えクローンニング方法、PCR、またはそれらの組み合わせによって得ることができる。化学ポリヌクレオチド合成の方法は本分野において知られるもので、ここにおいて詳細に記載しない。当業者は本明細書にて提供する配列データによりDNA合成装置または商業サービスでの購買により所望のポリヌクレオチドを得ることができる。

0144

希望される配列のポリヌクレオチドを適切なベクターに挿入することで、該ベクターを適切な宿主細胞に導入して複製及び拡張に用いる。そのため、本発明は一種類または複数種類の本発明のポリヌクレオチドの複数のベクターをカバーする。さらに発現ベクターの選択可能ライブラリーを提供し、それは本明細書が開示する抗原結合ユニットの少なくとも一種のベクターを含むものである。

0145

本発明のベクターは通常、抗原結合ユニットの発現に必要な転写または翻訳の制御配列を含む。適切な転写または翻訳制御配列は以下を含むがこれらに限られない:複製起点、プロモーター、エンハンサーリプレッサー結合領域、転写開始位置リボソーム結合位置翻訳開始位置、及び、転写と翻訳の終了位置。

0146

プロモーターに対する選択はベクターを導入される宿主細胞に大きく依存する。これらの制御配列と宿主細胞が相容性を有すれば、通常希望される軽鎖または重鎖遺伝子と関連のプロモーターを利用できる。細胞特異性または組織特異性のプロモーターを用いることもできる。当業者は多くの種類の組織特異性プロモーターを記載及び採用した。選択性動物細胞の操作可能な例示的なプロモーターには、肝細胞特異性プロモーターおよび心筋特異性プロモーターを含む。受け入れ細胞タイプの選択により、当業者は本発明の発現ベクターの構築に適した他の適切な細胞特異性または組織特異性プロモーターを知ることができる。

0147

既に知られた分子クローニングまたは遺伝子工学技術により、適切な転写制御配列、エンハンサー、ターミネーターまたは本分野に知られている如何なる他の遺伝子素子は操作可能な関係により組み込まれ、本発明に発現される完全の選択可能な融合遺伝子を選択できる。上記エレメント以外に、ベクターはさらに選択マーカー(例えば、該ベクターで形質転換される宿主細胞の生存または成長に必要なタンパク質をコードする遺伝子)を含むことができ、このようなマーカー遺伝子は共同で宿主細胞中に導入されるもう一種のポリヌクレオチド配列携帯できる。

0148

本発明のポリヌクレオチド及びベクターは数種類の特定の用途を有する。これらは例えば抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体の生産に用いられる発現系において有用である。これらのポリヌクレオチドは下記プライマーとして使用でき、それは所望のポリヌクレオチドの増幅に影響する。また、本発明のポリヌクレオチドは薬物組成物として用いることができ、ワクチン診断薬及び医薬品を含む。

0149

本発明の宿主細胞は特に、本件のポリヌクレオチド、ベクターの保存データベースとして使用でき、またはその抗原結合特異性に基づいて所望の抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体を生産及びスクリーニングする運搬体として使用できる。

0150

そのため、本発明は所望の抗原発生免疫反応の抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体を鑑別する方法を提供する。このような方法は以下のステップを含む:(a)遺伝子上の異なる抗原結合ユニットのライブラリーを作成し、該ライブラリーは少なくとも一つの本件の抗原結合ユニットを含む;(b)抗原結合ユニットのライブラリーと所望の抗原を接触させる;(c)抗原結合ユニットと抗原の間の特異性結合を測定し、これにより所望の抗原と免疫反応を起こす抗原結合ユニットを鑑別する。

0151

抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体の所望の抗原に特異的に結合する能力は本分野においてよく確立された複数の方法によって測定できる。Harlow及びLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、New York;Gherardiら(1990)J.Immunol.Meth.126:61−68参照。一般的に、免疫測定により、例えばラベルを添加した抗原結合ユニットと固体ベクター上または基底上に固定化される抗原反応により、所望の抗原特異性を示す抗原結合ユニットを直接検出できる。一般的に、免疫測定過程において低いレベルを示す非特異性結合の材料を使用して抗原が粘着される基底を製造する。例示的な固体ベクターは下記一種類または複数種類の材料から製造される:プラスチック重合体ガラスセルロースニトロセルロース半導体材料および金属。幾つかの実例において、該基底は培養皿クロマトグラフィービーズ磁気ビーズ等である。

0152

このような固相測定により、未反応の抗原結合ユニットは洗浄により除去される。しかし、液相測定において、未反応の抗原結合ユニットは他の分離技術、例えば、ろ過またはクロマトグラフィーによって除去される。抗原とラベル添加の抗原結合ユニットを結合させた後、結合マーカーの量を決められる。該技術の一つの変化は競合性の測定であり、そのうち抗原は原始結合分子により飽和になるよう結合される。一群の本件の抗原結合ユニットを複合体中に導入する際、より高い親和力を示す抗原のみが競争力を有し、かつ抗原との結合を保持する。

0153

代替案として、細胞選別により所定の抗原との特異性結合を評価でき、これは所望の抗原を選別待ちの細胞上に呈することを含み、それから測定可能試薬とカップリングできる抗原結合ユニットを用いて標的細胞に対してラベリングを行い、それからセルソーター中でラベルを添加していない細胞中からラベルを添加された細胞を分離する。先進的細胞分離方法蛍光活性化細胞選別法(FACS)である。シングルファイル(single file)の細胞はレーザービームを通過し、それから蛍光によってラベリングされた抗原結合ユニットが結合するそれぞれの細胞の蛍光を測定する。

0154

溶出された抗原結合ユニットは後続の分析においてタンパク質配列決定に係ることができ、これにより軽鎖及び重鎖のアミノ酸配列を知る。得られたアミノ酸配列に基づいて、組換えクローニング方法(PCR、ライブラリースクリーニング、従来の核酸データベース中における同一性検索またはそれらの任意の組み合わせを含む)により、抗体ポリペプチドをコードするcDNAを得る。通常用いられるデータベースは以下を含むがこれらに限られない:GenBankEMBLDDBJ、PDB、SWISS−PROT、EST、STS、GSS及びHTGS。

0155

ファージまたは細菌粒子上に抗原結合ユニットのライブラリーを展開する場合、好ましくはアフィニティークロマトグラフィーを用いて選択する。該方法は通常、ファージ抗原結合ユニットのライブラリーと溶液中の抗原被包プレートカラム基質、細胞またはビオチン化の抗原と結合し、それから捕獲を行う。固相と結合しているファージまたは細菌を洗浄し、それから可溶性ハプテン、酸またはアルカリによって溶出させる。代替案として、抗原濃度を向上させることでアフィニティ基質上から抗原結合ユニットを解離させることに用いられる。抗原に対して極めて高い親和力または結合力を有する幾つかの抗原結合ユニットに対して、例えばWO 92/01047に記載のように、効果的な溶出は高pHまたは温和還元性溶液を必要とする場合がある。

0156

選択の効率は幾つかの要素の組み合わせによる可能性があり、洗浄過程中の解離動力学、及び単一ファージまたは細菌上の複数の抗原結合ユニットが同時に固体ベクター上の抗原と結合できるかを含む。例えば、ショート洗浄、多価ディスプレイ及び固体ベクター上における高い抗原被包密度によりスピード解離動力学(及び弱い結合親和力)を有する抗体を保留する。反するように、ロング洗浄、単価ファージ及び低い抗原被包密度により、緩やかな解離動力学(及び優れた親和結合力)を有する抗原結合ユニットを選択することに有利である。

0157

希望する場合は、関連しない抗原に対して抗原結合ユニットのライブラリーを予め選択することで希望しない抗原結合ユニットを逆選択できる。また、関連抗原に対してライブラリーを予め選択し、これにより例えば抗独特型抗原結合ユニットを分離できる。

0158

<本発明の宿主細胞>
幾つかの実施形態において、本明細書は本明細書が開示する如何なる一種の抗原結合ユニットを発現する宿主細胞を提供する。本件の宿主細胞は通常、本明細書が開示する如何なる一種の抗原結合ユニットをコードする核酸を含む。

0159

本発明は上記ポリヌクレオチド、ベクターまたはベクターライブラリーによるトランスフェクションの宿主細胞である。多くの適切な手段(電気穿孔微粒子衝突、リポソームトランスフェクション、感染(そのうちのベクターと感染試薬がカップリング)、塩化カルシウム塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAE−グルカンまたは他の物質を用いたトランスフェクション)中のいかなる一種によりベクターを適切な原核または真核細胞中に導入する。ベクターに導入する手段の選択は通常、宿主細胞の特徴によって決まる。

0160

大多数の動物細胞に対して、如何なる上記方法もベクター輸送に適している。好ましい動物細胞は脊椎動物細胞であり、好ましくはmgレベル哺乳動物細胞で、大量に外因性の導入された遺伝子産物を発現できる。好ましい細胞の非制限性の実例はNIH3T3細胞、COS、HeLa及びCHO細胞である。

0161

一旦適切な宿主細胞中に導入されれば、本分野で知られている如何なる核酸またはタンパク質を用いて測定することにより抗原結合ユニットの測定できる。例えば、軽鎖CDRまたは重鎖CDRまたは抗原結合ユニットの転写mRNAの存在は、抗原結合ユニットポリヌクレオチドの如何なる領域に相補のプローブを用いて、通常のハイブリッドによって測定できる(例えば、RNAプロット分析(ノーザンブロット分析))、増幅プログラム(例えば、RT−PCR)、SAGE(米国特許第5,695,937号)及び/またはアレイに基づく技術(米国特許5,405,783、5,412,087及び5,445,934号)を用いて測定及び/または定量できる。

0162

ベクターの発現は、発現される抗原結合ユニットを検査することによって知ることができる。複数種類の技術が本分野においてタンパク質分析に用いられることができる。それらは放射免疫測定、ELISA(酵素結合免疫吸着法)、「サンドイッチ」免疫測定、免疫放射測定、In situ免疫測定(例えば、コロイド金、酵素または放射同位体ラベル)、ウエスタンブロット分析、免疫沈降測定、免疫蛍光測定及びSDS−PAGEを含むがこれらに限定されない。

0163

<抗原結合ユニットの準備>
幾つかの実施形態において、本明細書は、本明細書が開示する如何なる抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体を生産する方法を提供し、該方法は以下を含む:抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体の発現に適した条件下において、抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体を発現する宿主細胞を培養し、さらに宿主細胞が発現する抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体を分離させる。

0164

本分野において知られる、複数種類のタンパク質精製技術により発現された抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体を分離させることができる。一般的に、抗原結合ユニットは分泌されたポリペプチドとして培地から分離されるもので、シグナルペプチドを含まずに生産する際、宿主細胞溶解物または細菌ペリプラズムから回収できる。抗原結合ユニットが膜結合であれば、当業者が通常採用する適切な汚れ除去剤洗剤)溶液により溶解できる。塩沈殿(例えば、硫酸アンモニウム)、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、中性pHにおいて稼働しさらにイオン強度を増加させる段階的勾配溶出カチオンまたはアニオン交換カラム上における)、ゲルろ過クロマトグラフィーゲルろ過HPLCを含む)、及びマーカー(tag)アフィニティカラムまたはアフィニティ樹脂(例えば、タンパク質A、タンパク質G、ヒドロキシアパタイト抗免疫グロブリン)上のクロマトグラフィーによってさらに回収された抗原結合ユニットを精製できる。

0165

また、本発明の方法及び組成物中において下記によって誘導される免疫グロブリンを利用できる:添加された化学的リンカー、測定可能部分(例えば、蛍光染料、酵素、基質、化学発光部分)、特異的結合部分(例えば、ストレプトアビジンアビジン及びビオチン)または薬物コンジュゲート

0166

本明細書はさらに化学機能部分に結合する抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体を開示している。一般的に、該部分は測定可能シグナルを生成できるラベル(label)である。これらの結合の抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体は、例えば検出システム、例えば腫瘍負荷の定量、転移箇所のイメージング及び腫瘍画像形成に用いることができる。このようなラベルは本分野において既知のものであり、放射線同位体、酵素、蛍光化合物化学発光化合物生体発光化合物基補因子及び阻害剤を含むが、これらに限られない。以下を参照できる。このようなラベルの使用を示唆する特許の実例は、米国特許第3,817,837;3,850,752;3,939,350;3,996,345;4,277,437;4,275,149及び4,366,241号である。該部分は第二試薬、例えば第二抗体、タンパク質Aまたはビオチン-アビジン複合体により抗原結合ユニットと共有連結、組換え連結または抗原結合ユニットに結合するものである。

0167

他の機能部分はシグナルペプチド、免疫反応を強化する試薬、個体担体とのカップリングを促進する試薬、ワクチンベクター、生物的応答調整剤、順磁性ラベル及び薬物を含む。シグナルペプチドは短いアミノ酸配列であり、新しく合成されたタンパク質が形質膜を貫通するように指導し、通常は真核細胞の小胞体、及び細菌の内膜または内外膜である。シグナルペプチドはポリぺプチドのN−末端部分またはポリぺプチドのC−末端部分にあることができ、かつ生体からポリぺプチドが合成され、生合成と細胞からのポリペプチドの分泌の間で酵素的に除去されることができる。このようなペプチドを抗原結合ユニットに混合して合成分子の分泌を許すことができる。

0168

免疫応答を強化する試薬は細菌性スーパー抗原を含むが、これに限られない。固体担体にカップリングすることを促進する試薬はビオチンまたはアビジンを含むが、これらに限られない。免疫原担体(Immunogen carriers)は如何なる生理上許容できる緩衝液を含むが、これに限られない。生体応答調整剤(サイトカイン、特に腫瘍壊死因子(TNF)を含む)、インターロイキン−2、インターロイキン−4、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子子及びγ−インターフェロン)である。

0170

組換え手段により抗原結合ユニットの免疫毒素を含むことができる。本分野において異なる免疫毒素の生産が知られており、かつこれらの方法は例えば以下から見つけることができる「Monoclonal Antibody−toxin Conjugates:Aiming the Magic Bullet,」Thorpeら(1982)Monoclonal Antibodies in Clinical Medicine、Academic Press、pp.168−190;Vitatta(1987)Science 238:1098−1104;及びWinter及びMilstein(1991)Nature 349:293−299。適した毒素は以下を含むが、これらに限られない;リシン、放射性核種ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質シュードモナス外毒素A、ジフテリア毒素、リシンA鎖、マイコトキシン(例えば、局所アスペルギリン及びホスホリパーゼ)。一般的に、以下を参照できる「Chimeric Toxins,」Olsnes及びPihl、Pharmac.Ther.15:355−381(1981);及び「Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy」編集Baldwin及びByers、pp.159−179、224−266、Academic Press(1985)。

0171

例えば、抗原結合ユニット及び機能性部分をコードする融合遺伝子を構築することにより、組み換えにより化学機能性部分を製造できる。代替案として、抗原結合ユニットは複数種類のよく設立された化学プロセス中の如何なる一種類の化学結合により該部分に結合できる。例えば、当該部分がタンパク質である場合、異常二重機能架橋剤、例えば、SPDP、カルボジイミドグルタルアルデヒド等によって結合できる。例えば、これらの部分は第二試薬、例えば第二抗体、タンパク質Aまたはビオチン-アビジン複合体により共有接続または結合される。順磁性部分及びそれと抗体の結合は本分野において公知のものである。例えば、Miltenyiら(1990) Cytometry 11:231−238を参照できる。

0172

<使用する方法>
一つの実施形態において、本明細書は細胞死を誘導する方法について開示し、該細胞はHLAと複合しているWT1ペプチドを含み、前記方法は該細胞と本件のキメラ抗原受容体とを接触させることを含む。

0173

幾つかの例において、該細胞は体内においてキメラ抗原受容体と接触する。他の実例において、該細胞は体外またはインビトロにおいてキメラ抗原受容体と接触する。

0174

幾つかの例において、該細胞はがん細胞である。例えば、該がん細胞は血液がん細胞、固形腫瘍細胞、中皮腫がん細胞、結腸がん細胞または大腸がん細胞である。

0175

一つの実施形態において、本明細書は標的細胞の細胞死を誘導する方法を提供し、該方法は標的細胞において、本件抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体を発現する複数の宿主細胞を施用し、相当数量の抗原結合ユニットまたはキメラ抗原受容体またはこれらをコードする核酸に欠けている宿主細胞を施用する場合と比較して、標的細胞に対して複数の宿主細胞を施用することでより多くの標的細胞の細胞死を誘導できる。

0176

幾つかの例において、複数の宿主細胞は体内において標的細胞に施用できる。幾つかの実例において、複数の宿主細胞は体外またはインビトロにおいて標的細胞に施用できる。

0177

幾つかの例において、標的細胞はがん細胞である。例えば、がん細胞は血液がん細胞、固形腫瘍細胞、中皮腫がん細胞、結腸がん細胞または大腸がん細胞である。

0178

一つの実施形態において、本明細書は被験者のがんを治療する方法を提供し、前記方法は被験者に対して有効量の本件のキメラ抗原受容体またはそれを含む宿主細胞を施用することを含み、そのうちキメラ抗原受容体はがん細胞の細胞死を誘導する。幾つかの実例において、がんは血液がん、固形腫瘍、中皮腫がん、結腸がんまたは大腸がんである。

0179

一つの実施形態において、本明細書は必要とする被験者に対してがんを治療する方法を提供し、前記方法は被験者に対して有効量の本件の抗原結合ユニットまたはそれを含む宿主細胞を施用することを含み、前記がんは血液がん、固形腫瘍、中皮腫がん、結腸がんまたは大腸がんである。

0180

一つの実施形態において、本明細書は必要とする被験者に対してがんを治療する方法を提供し、前記方法は被験者に対して有効量の薬物組成物を施用することを含み、前記薬物組成物は本件の薬物賦形剤及び本件の抗原結合ユニットまたは本件のキメラ抗原受容体を含む。幾つかの実例において、前記がんは血液がん、固形腫瘍、中皮腫がん、結腸がんまたは大腸がんである。

0181

本明細書が開示する方法によって治療される被験者は、がんまたは固形腫瘍とすることができる。通常、がん細胞または固形腫瘍細胞は一種類または複数種類の腫瘍抗原を発現する。一般的に、腫瘍抗原はWT1またはWT1ペプチドであり、例えばSEQID NO:1のアミノ酸配列を有するWT1ペプチドである。HLAと複合しているWT1ペプチドを発現するがんまたは固形腫瘍の被験者は、WT−1陽性がんと表現できる。

0182

HLAと複合しているWT1ペプチドを発現するがんは以下を含むが、これに限られない:肝臓がん胃がん食道がん肺がん乳がん頭頸部がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん子宮頸がん膵臓がん脂肪肉腫精巣セミノーマ性生殖細胞がん(testicular nonseminomatous germ cell cancer)、黒色腫腺腫副腎癌、神経鞘腫、悪性、線維性筋腫、中皮腫、結腸、腸、またはそれらの任意の組み合わせである。本件方法は胃腸扁平上皮がんまたは腺がん神経内分泌がんに適用できる。他に、本明細書が開示する免疫応答細胞(例えば、本明細書が開示する抗WT1 CAR−T細胞)は、卵巣がん、胆管がん、中皮腫、乳がん、肺がんの扁平上皮がん、子宮頸部上皮内腫瘍、子宮頸部扁平上皮がん、肝内および肝外がん、胆嚢がん浸潤性乳管がん、透明細胞がん、好酸球性腺腫、乳頭がん、腺がん、乳頭がん、および乳房小葉および髄様がんに用いることができる。

0183

幾つかの場合において、フローサイトメトリーまたは免疫組織化学によりがん細胞または腫瘍細胞のWT1発現評価を行うことができる。がん細胞または腫瘍細胞上のWT1レベルは、低、中または高に分けることができる。

0184

幾つかの場合において、がんまたは腫瘍細胞は細胞表面上に、HLAと複合しているWT1ペプチドを発現できる。例えば、WT1に対する抗体を使用して、例えば免疫組織化学またはフローサイトメトリー分析により、HLAと複合しているWT1ペプチドの細胞表面における発現を知ることができる。代替案として、WT1mRNAは細胞表面上のWT1発現と関連し、かつIn situハイブリダイゼーション及びRT−PCRの方法によって測定できる。

0185

本件の抗WT1 CARをコードする組換え遺伝子を細胞中に混入できる。例えば、組換え遺伝子を免疫応答細胞、例えばT細胞に混入できる。細胞中に挿入する場合、組換え遺伝子は相補DNA(cDNA)フラグメント(メッセンジャーRNA(mRNA)のコピー)、または自身がゲノムDNAの原始領域に位置する遺伝子(イントロンを有するかまたは含まない)とすることができる。

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