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技術 チオカルボニル官能基を有する試薬による金属硫化物の浸出方法

出願人 ザユニバーシティオブブリティッシュコロンビア
発明者 ディクソン,デイビッドアスラン,エドアールレン,ジヘモラエルタス,ネルソン
出願日 2017年10月19日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2019-521835
公開日 2020年7月30日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-522606
状態 未査定
技術分野 金属の製造または精製 抽出、液体の置換
主要キーワード 注水速度 処理済み溶液 ハロゲン化物種 電子構成 電気化学溶解 d軌道 鉱物学的組成 溶液電位
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年7月30日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

本願は、金属硫化物から金属を回収する方法に関し、前記方法は、 前記金属硫化物を、硫酸第二鉄チオカルボニル官能基を有する試薬とを含有する酸性硫酸塩溶液に接触させる工程を含み、前記酸性硫酸塩溶液の試薬濃度は、前記金属イオンを含有する貴液を生成するために、前記試薬を含有しない酸性硫酸塩溶液に比べて高い金属イオン抽出率を得るのに十分な濃度である。

概要

背景

鉱物水性処理は、特に、複雑かつ/または低品位の鉱石を扱う際には、乾式製錬アプローチに対していくつかの利点がある。湿式製錬法には、数種の金属硫化物含有鉱石に適用された場合に抽出率が低いという主な短所がある。工業的関心の対象となる時間スケールで高い金属抽出率を達成可能な方法を開発することが望まれる。

例えば、黄銅鉱半導体であり、したがって、酸化溶液中で電気化学的に腐食する。硫酸第二鉄溶媒中における、全体の浸出反応は以下のとおりである。
CuFeS2(s)+2Fe2(S04)3(a)→CuS04(a)+5FeS04(a)+2S0(s)

この反応は、アノードおよびカソード半電池反応の組み合わせとして表わすことができる。
アノード半電池反応:CuFeS2→Cu2++Fe2++2S0+4e−
カソード半電池反応:4Fe3++4e−→4Fe2+

黄銅鉱酸化の基本的な問題は、黄銅鉱物の表面が、あるレベル超の溶液電位(一般的に、Ag/AgClに対して約550mV〜600mVであると考えられる)において電気化学的に降伏しにくくなるということである。これは、代替的かつ部分的に鉄が減損した形の黄銅鉱で通常構成される鉱物表面上に、ある種の不動態化した膜が形成した結果であるということが広く知られている。このような不動態化を減少または回避する浸出方法を提供することが望まれている。

概要

本願は、金属硫化物から金属を回収する方法に関し、前記方法は、 前記金属硫化物を、硫酸第二鉄とチオカルボニル官能基を有する試薬とを含有する酸性硫酸塩溶液に接触させる工程を含み、前記酸性硫酸塩溶液の試薬濃度は、前記金属イオンを含有する貴液を生成するために、前記試薬を含有しない酸性硫酸塩溶液に比べて高い金属イオン抽出率を得るのに十分な濃度である。

目的

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、金属イオンを含む浸出貴液を生成するために、前記試薬を含まない酸性硫酸塩溶液に比べて高い金属イオン抽出率を得るのに十分なチオ尿素を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

鉱石中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法であって、前記方法は、前記鉱石を、硫酸第二鉄チオカルボニル官能基を有する試薬とを含有する酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程であって、前記試薬の濃度は、約0.2mM〜100mMの範囲にある工程と、前記貴液から前記少なくとも1つの金属を回収する工程とを含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱銅藍銅鉱、硫砒銅鉱化学式CuxSyで表される硫化銅であって、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくは、これらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、方法。

請求項2

前記鉱石は粗粒子の形で提供されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項3

精鉱中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法であって、前記方法は、前記精鉱を、チオカルボニル官能基を有する試薬を含有する酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程であって、前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の初期濃度は、約0.2mM〜100mMの範囲にある工程と、前記貴液から前記少なくとも1つの金属を回収する工程とを含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表される硫化銅であって、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくは、これらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、方法。

請求項4

前記精鉱は粗粒子の形で提供されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。

請求項5

ある材料中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法であって、前記方法は、前記材料を、チオカルボニル官能基を有する試薬を含有する酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程であって、前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の初期濃度は、約0.2mM〜100mMの範囲にある工程と、前記貴液から前記少なくとも1つの金属を回収する工程とを含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表される硫化銅であって、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくは、これらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、方法。

請求項6

前記精鉱は粗粒子の形で提供されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記粗粒子は凝集粒子であることを特徴とする、請求項2、4、または6に記載の方法。

請求項8

前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約30mMの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約20mMの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約10mMの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約5mMの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約4mMの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約3mMの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約2mMの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約1.5mMの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約1.0mMの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

前記酸性硫酸塩溶液中の前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約0.5mMの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記少なくとも1つの金属は銅を含み、前記金属硫化物は黄銅鉱を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

前記少なくとも1つの金属は銅を含み、前記金属硫化物は銅藍を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

前記少なくとも1つの金属は銅を含み、前記金属硫化物は、化学式CuxSyで表される硫化銅であって、x:y比が1〜2である硫化銅を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

前記硫化銅は輝銅鉱を含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。

請求項22

前記硫化銅はデュルレ鉱を含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。

請求項23

前記硫化銅はダイジェナイトを含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。

請求項24

前記少なくとも1つの金属は銅を含み、前記金属硫化物は斑銅鉱を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。

請求項25

前記少なくとも1つの金属は銅を含み、前記金属硫化物は硫砒銅鉱を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

前記少なくとも1つの金属はカドミウムを含み、前記金属硫化物は硫カドミウム鉱を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

前記少なくとも1つの金属はニッケルを含み、前記金属硫化物は硫鉄ニッケル鉱を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。

請求項28

前記少なくとも1つの金属はニッケルを含み、前記金属硫化物はビオラル鉱を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。

請求項29

前記試薬は、チオ尿素(thiourea:Tu)、チオアセトアミド(thioacetamide:TA)、エチレンチオ尿素(ethylenethiourea:ETu)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(sodium−dimethyldithiocarbamate:SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ethylenetrithiocarbonate:ETC)、チオセミカルバジド(thiosemicarbazide:TSCA)、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。

請求項30

鉱石中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法であって、前記方法は、前記鉱石を、硫酸第二鉄とホルムアミジンジスルフィド(formamidinedisulfide:FDS)とを含む酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程と、前記貴液から前記金属を回収する工程とを含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表される硫化銅であって、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、方法。

請求項31

前記鉱石は粗粒子の形で提供されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。

請求項32

精鉱中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法であって、前記方法は、前記精鉱を、硫酸第二鉄とホルムアミジンジスルフィド(formamidinedisulfide:FDS)とを含む酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程と、前記貴液から前記金属を回収する工程とを含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表される硫化銅であって、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、方法。

請求項33

前記精鉱は粗粒子の形で提供されることを特徴とする、請求項32に記載の方法。

請求項34

ある材料中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法であって、前記方法は、前記材料を、硫酸第二鉄とホルムアミジンジスルフィド(formamidinedisulfide:FDS)とを含む酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程と、前記貴液から前記金属を回収する工程とを含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表される硫化銅であって、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、方法。

請求項35

前記材料は粗粒子の形で提供されることを特徴とする、請求項34に記載の方法。

請求項36

前記粗粒子は凝集粒子であることを特徴とする、請求項31、33、または35に記載の方法。

請求項37

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、約0.1mM〜約15mMの範囲にあることを特徴とする、請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、約0.1mM〜約10mMの範囲にあることを特徴とする、請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、約0.2mM〜約5mMの範囲にあることを特徴とする、請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、約0.1mM〜約2.5mMの範囲にあることを特徴とする、請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。

請求項41

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、約0.1mM〜約2mMの範囲にあることを特徴とする、請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。

請求項42

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、約0.1mM〜約1.5mMの範囲にあることを特徴とする、請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。

請求項43

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、約0.1mM〜約1.0mMの範囲にあることを特徴とする、請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。

請求項44

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、約0.1mM〜約0.5mMの範囲にあることを特徴とする、請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。

請求項45

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、約0.1mM〜約0.25mMの範囲にあることを特徴とする、請求項30から36のいずれか一項に記載の方法。

請求項46

前記少なくとも1つの金属は銅を含み、前記金属硫化物は黄銅鉱を含むことを特徴とする、請求項30から45のいずれか一項に記載の方法。

請求項47

前記少なくとも1つの金属は銅を含み、前記金属硫化物は銅藍を含むことを特徴とする、請求項30から45のいずれか一項に記載の方法。

請求項48

前記少なくとも1つの金属は銅を含み、前記金属硫化物は、化学式CuxSyで表される硫化銅であって、x:y比が1〜2である硫化銅を含むことを特徴とする、請求項30から45のいずれか一項に記載の方法。

請求項49

前記硫化銅は輝銅鉱を含むことを特徴とする、請求項48に記載の方法。

請求項50

前記硫化銅はデュルレ鉱を含むことを特徴とする、請求項48に記載の方法。

請求項51

前記硫化銅はダイジェナイトを含むことを特徴とする、請求項48に記載の方法。

請求項52

前記少なくとも1つの金属は銅を含み、前記金属硫化物は斑銅鉱を含むことを特徴とする、請求項30から45のいずれか一項に記載の方法。

請求項53

前記少なくとも1つの金属は銅を含み、前記金属硫化物は硫砒銅鉱を含むことを特徴とする、請求項30から45のいずれか一項に記載の方法。

請求項54

前記少なくとも1つの金属はカドミウムを含み、前記金属硫化物は硫カドミウム鉱を含むことを特徴とする、請求項30から45のいずれか一項に記載の方法。

請求項55

前記少なくとも1つの金属はニッケルを含み、前記金属硫化物は硫鉄ニッケル鉱を含むことを特徴とする、請求項30から45のいずれか一項に記載の方法。

請求項56

前記少なくとも1つの金属はニッケルを含み、前記金属硫化物はビオラル鉱を含むことを特徴とする、請求項30から45のいずれか一項に記載の方法。

請求項57

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、前記金属イオンを含む前記浸出貴液を生成するために、前記試薬を含まない酸性硫酸塩溶液に比べて高い金属イオン抽出率を得るのに十分なチオ尿素を提供するのに十分な濃度であることを特徴とする、請求項30から56のいずれか一項に記載の方法。

請求項58

第二鉄イオンを使用して前記金属硫化物を酸化することを特徴とする、請求項1から57のいずれか一項に記載の方法。

請求項59

前記第二鉄イオンを、少なくとも一部、細菌によって発生させることを特徴とする、請求項58に記載の方法。

請求項60

前記方法はパーコレーション浸出であることを特徴とする、請求項1から59のいずれか一項に記載の方法。

請求項61

前記パーコレーション浸出は、堆積浸出であることを特徴とする、請求項60に記載の方法。

請求項62

前記浸出は、バット浸出であることを特徴とする、請求項60に記載の方法。

請求項63

前記方法はタンク浸出であることを特徴とする、請求項1から59のいずれか一項に記載の方法。

請求項64

前記貴液から前記金属を回収する前記工程は、溶媒抽出および電解採取を含むことを特徴とする、請求項1から63のいずれか一項に記載の方法。

請求項65

前記酸性硫酸塩溶液はハロゲン化物イオンを含むことを特徴とする、請求項1から64のいずれか一項に記載の方法。

請求項66

前記ハロゲン化物イオンは、塩化物イオン臭化物イオンヨウ化物イオン、またはこれらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項65に記載の方法。

請求項67

前記ハロゲン化物イオンはヨウ化物イオンを含むことを特徴とする、請求項65または66に記載の方法。

請求項68

前記酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は約20g/L以下であることを特徴とする、請求項66に記載の方法。

請求項69

前記酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約20g/L〜約120g/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項66に記載の方法。

請求項70

前記酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約20g/L〜約80g/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項66に記載の方法。

請求項71

前記酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約20g/L〜約50g/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項66に記載の方法。

請求項72

前記酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約120g/L以下であることを特徴とする、請求項66に記載の方法。

請求項73

前記酸性硫酸塩溶液中のヨウ化物の濃度は、約300ppm以下であることを特徴とする、請求項66または67に記載の方法。

請求項74

前記酸性硫酸塩溶液中のヨウ化物の濃度は、約100ppm以下であることを特徴とする、請求項66または67に記載の方法。

請求項75

前記酸性硫酸塩溶液中のヨウ化物の濃度は、約100ppm〜約300ppmの範囲にあることを特徴とする、請求項66または67に記載の方法。

請求項76

前記酸性硫酸塩溶液中の臭化物の濃度は、約10g/L以下であることを特徴とする、請求項66に記載の方法。

請求項77

前記酸性硫酸塩溶液中の臭化物の濃度は、約30g/L以下であることを特徴とする、請求項66に記載の方法。

請求項78

前記酸性硫酸塩溶液中の臭化物の濃度は、約10g/L〜約30g/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項66に記載の方法。

請求項79

ある材料中の少なくとも1つの卑金属硫化物から少なくとも1つの卑金属を抽出するための、試薬の使用であって、前記試薬は、チオカルボニル官能基を有し、前記試薬の濃度は約0.2mM〜100mMの範囲にある、使用。

請求項80

前記試薬は、チオ尿素(thiourea:Tu)、エチレンチオ尿素(ethylenethiourea:ETu)、チオアセトアミド(thioacetamide:TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(sodium−dimethyldithiocarbamate:SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ethylenetrithiocarbonate:ETC)、チオセミカルバジド(thiosemicarbazide:TSCA)、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項79に記載の使用。

請求項81

前記試薬の濃度は、約0.2mM〜約30mMの範囲にあることを特徴とする、請求項79または80に記載の使用。

請求項82

ある材料中の少なくとも1つの卑金属硫化物から少なくとも1つの卑金属を抽出するための、ホルムアミジンジスルフィド(formamidinedisulfide:FDS)の使用。

請求項83

前記FDSの濃度は、約0.1mM〜約50mMの範囲にあることを特徴とする、請求項82に記載の使用。

請求項84

前記FDSの濃度は、約0.1mM〜約15mMの範囲にあることを特徴とする、請求項82に記載の使用。

請求項85

前記少なくとも1つの卑金属は、銅、カドミウム、ニッケル、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項79から84のいずれか一項に記載の使用。

請求項86

前記少なくとも1つの卑金属は、銅であって、前記少なくとも1つの卑金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表される硫化銅であって、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの卑金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの卑金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項79から85のいずれか一項に記載の使用。

請求項87

前記材料は鉱石であることを特徴とする、請求項79から86のいずれか一項に記載の使用。

請求項88

前記材料は精鉱であることを特徴とする、請求項79から86のいずれか一項に記載の使用。

請求項89

前記使用は、ハロゲン化物イオンの存在下で行われることを特徴とする、請求項79から88のいずれか一項に記載の使用。

請求項90

前記ハロゲン化物イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項89に記載の使用。

請求項91

前記ハロゲン化物イオンはヨウ化物イオンを含むことを特徴とする、請求項89または90に記載の使用。

請求項92

塩化物の濃度は約20g/L以下であることを特徴とする、請求項89に記載の使用。

請求項93

塩化物の濃度は、約20g/L〜約120g/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項89に記載の使用。

請求項94

塩化物の濃度は、約20g/L〜約80g/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項89に記載の使用。

請求項95

塩化物の濃度は、約20g/L〜約50g/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項89に記載の使用。

請求項96

塩化物の濃度は約120g/L以下であることを特徴とする、請求項89に記載の使用。

請求項97

ヨウ化物の濃度は約300ppm以下であることを特徴とする、請求項89から91のいずれか一項に記載の使用。

請求項98

ヨウ化物の濃度は約100ppm以下であることを特徴とする、請求項89から91のいずれか一項に記載の使用。

請求項99

ヨウ化物の濃度は、約100ppm〜約300ppmの範囲にあることを特徴とする、請求項89から91のいずれか一項に記載の使用。

請求項100

臭化物の濃度は約10g/L以下であることを特徴とする、請求項89または90に記載の使用。

請求項101

臭化物の濃度は約30g/L以下であることを特徴とする、請求項89または90に記載の使用。

請求項102

臭化物の濃度は約10g/L〜約30g/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項89または90に記載の使用。

請求項103

チオカルボニル官能基を有する試薬を水性浸出貴液(pregnantleachsolution:PLS)から回収する方法であって、前記水性PLSは、前記試薬と卑金属イオンとを含み、前記試薬の一部は、卑金属イオンと錯体を形成しており、前記方法は、前記PLSと、卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して、混合物を形成する工程と、前記PLSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、前記試薬を含む、卑金属イオン減損ラフィネートと、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオンが豊富有機相とに分離する工程とを含む、方法。

請求項104

前記PLSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する前記工程は、卑金属イオンから試薬を分離させて、前記PLSと比べて、前記ラフィネート中の遊離試薬の量を増加させることを含むことを特徴とする、請求項103に記載の方法。

請求項105

前記試薬は、チオ尿素(thiourea:Tu)、エチレンチオ尿素(ethylenethiourea:ETu)、チオアセトアミド(thioacetamide:TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(sodium−dimethyldithiocarbamate:SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ethylenetrithiocarbonate:ETC)、チオセミカルバジド(thiosemicarbazide:TSCA)、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項103または104に記載の方法。

請求項106

前記試薬はTuであることを特徴とする、請求項103、104、または105に記載の方法。

請求項107

前記ラフィネートは、ホルムアミジンジスルフィド(formamidinedisulfide:FDS)をさらに含むことを特徴とする、請求項106に記載の方法。

請求項108

前記方法は、前記ラフィネートを還元剤に接触させて、FDSをTuに還元する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項107に記載の方法。

請求項109

前記ラフィネートを還元剤に接触させてFDSをTuに還元する前記工程は、FDSを還元して約0.5:1〜約9:1の範囲のTu:FDS比を得ることを含むことを特徴とする、請求項107に記載の方法。

請求項110

前記還元剤は、H2S、SO2、Zn、またはNaSHであることを特徴とする、請求項108または109に記載の方法。

請求項111

前記有機溶媒は、脂肪族溶媒芳香族溶媒、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項103から110のいずれか一項に記載の方法。

請求項112

前記有機溶媒は、灯油アルキル芳香族化合物シクロパラフィン、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。

請求項113

前記卑金属イオンはカドミウムを含むことを特徴とする、請求項103から112のいずれか一項に記載の方法。

請求項114

前記卑金属イオンはニッケルを含むことを特徴とする、請求項103から113のいずれか一項に記載の方法。

請求項115

前記卑金属イオンは銅を含むことを特徴とする、請求項103から114のいずれか一項に記載の方法。

請求項116

前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシムケトキシム、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項115に記載の方法。

請求項117

前記卑金属イオン抽出剤は、エステル改質剤アルキルフェノール改質剤、または、これらの組み合わせをさらに含むことを特徴とする、請求項116に記載の方法。

請求項118

ホルムアミジンジスルフィド(formamidinedisulfide:FDS)を水性浸出貴液(pregnantleachsolution:PLS)から回収する方法であって、前記水性PLSは、前記試薬と卑金属イオンとを含み、前記方法は、前記PLSと、卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して、混合物を形成する工程と、前記PLSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、FDSを含む、卑金属イオン減損ラフィネートと、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオンが豊富な有機相とに分離する工程とを含む、方法。

請求項119

前記有機溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項118に記載の方法。

請求項120

前記有機溶媒は、灯油、アルキル芳香族化合物、シクロパラフィン、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項119に記載の方法。

請求項121

前記卑金属イオンはカドミウムを含むことを特徴とする、請求項118、119、または120に記載の方法。

請求項122

前記卑金属イオンはニッケルを含むことを特徴とする、請求項118から121のいずれか一項に記載の方法。

請求項123

前記卑金属イオンは銅を含むことを特徴とする、請求項118から122のいずれか一項に記載の方法。

請求項124

前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項123に記載の方法。

請求項125

前記卑金属イオン抽出剤は、エステル改質剤、アルキルフェノール改質剤、または、これらの組み合わせをさらに含むことを特徴とする、請求項124に記載の方法。

請求項126

前記PLSは、卑金属イオンと錯体を形成するチオ尿素(thiourea:Tu)をさらに含み、前記PLSから前記卑金属イオンを抽出する前記工程は、卑金属イオンからTuを分離させて、前記PLSと比べて、前記ラフィネート中の遊離Tuの量を増加させることを含む、ことを特徴とする請求項118から125のいずれか一項に記載の方法。

請求項127

少なくとも1つの卑金属硫化物を含有する材料中の前記少なくとも1つの卑金属硫化物から、少なくとも1つの卑金属を回収する方法であって、前記方法は、前記材料を浸出剤に接触させて、前記少なくとも1つの卑金属硫化物から卑金属イオンを抽出して、浸出貴液(pregnantleachsolution:PLS)を生成する工程であって、前記浸出剤は、硫酸第二鉄とチオカルボニル官能基を有する試薬とを含有する酸性硫酸塩溶液を含む、工程と、前記PLSと、卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して、混合物を形成する工程と、前記PLSから卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、前記試薬を含む、卑金属イオン減損ラフィネートと、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオンが豊富な有機相とに分離する工程とを含む、方法。

請求項128

前記PLSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する前記工程は、卑金属イオンから試薬を分離させて、前記PLSと比べて、前記ラフィネート中の遊離試薬の量を増加させることを含むことを特徴とする、請求項127に記載の方法。

請求項129

前記試薬は、チオ尿素(thiourea:Tu)、エチレンチオ尿素(ethylenethiourea:ETu)、チオアセトアミド(thioacetamide:TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(sodium−dimethyldithiocarbamate:SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ethylenetrithiocarbonate:ETC)、チオセミカルバジド(thiosemicarbazide:TSCA)、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項127または128に記載の方法。

請求項130

前記試薬はTuであることを特徴とする、請求項127、128、または129に記載の方法。

請求項131

前記ラフィネートは、ホルムアミジンジスルフィド(formamidinedisulfide:FDS)をさらに含むことを特徴とする、請求項130に記載の方法。

請求項132

前記方法は、前記ラフィネートを還元剤に接触させて、FDSをTuに還元する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項131に記載の方法。

請求項133

前記ラフィネートを還元剤に接触させてFDSをTuに還元する前記工程は、FDSを還元して約0.5:1〜約9:1の範囲のTu:FDS比を得ることを含むことを特徴とする、請求項132に記載の方法。

請求項134

前記還元剤は、H2S、SO2、亜鉛、またはNaSHであることを特徴とする、請求項132または133に記載の方法。

請求項135

前記有機溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項127から134のいずれか一項に記載の方法。

請求項136

前記有機溶媒は、灯油、アルキル芳香族化合物、シクロパラフィン、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項135に記載の方法。

請求項137

前記卑金属イオンはカドミウムを含むことを特徴とする、請求項127から136のいずれか一項に記載の方法。

請求項138

前記卑金属イオンはニッケルを含むことを特徴とする、請求項127から136のいずれか一項に記載の方法。

請求項139

前記卑金属イオンは銅を含むことを特徴とする、請求項127から136のいずれか一項に記載の方法。

請求項140

前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項139に記載の方法。

請求項141

少なくとも1つの卑金属硫化物を含有する材料中の前記少なくとも1つの卑金属硫化物から、少なくとも1つの卑金属を回収する方法であって、前記方法は、前記材料を浸出剤に接触させて、前記少なくとも1つの卑金属硫化物から卑金属イオンを抽出して、浸出貴液(pregnantleachsolution:PLS)を生成する工程であって、前記浸出剤は、硫酸第二鉄とホルムアミジンジスルフィド(formamidinedisulfide:FDS)とを含有する酸性硫酸塩溶液を含む、工程と、前記PLSと、卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して、混合物を形成する工程と、前記PLSから卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、前記試薬を含む、卑金属イオン減損ラフィネートと、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオンが豊富な有機相とに分離する工程とを含む、方法。

請求項142

前記PLSは、卑金属イオンとともに錯体を形成しているチオ尿素(thiourea:Tu)をさらに含み、前記PLSから前記卑金属イオンを抽出する前記工程は、卑金属イオンからTuを分離させて、前記PLSと比べて、前記ラフィネート中の遊離Tuの量を増加させることを含む、ことを特徴とする請求項141に記載の方法。

請求項143

前記方法は、前記ラフィネートを還元剤に接触させて、FDSをチオ尿素(Tu)に還元する工程を、さらに含むことを特徴とする、請求項141または142に記載の方法。

請求項144

前記ラフィネートを還元剤に接触させてFDSをTuに還元する前記工程は、FDSを還元して約0.5:1〜約9:1の範囲のTu:FDS比を得ることを特徴とする、請求項143に記載の方法。

請求項145

前記還元剤は、H2S、SO2、亜鉛、またはNaSHであることを特徴とする、請求項143または144に記載の方法。

請求項146

前記有機溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項141から145のいずれか一項に記載の方法。

請求項147

前記有機溶媒として、灯油、アルキル芳香族化合物、シクロパラフィン、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項146に記載の方法。

請求項148

前記卑金属イオンはカドミウムを含むことを特徴とする、請求項141から147のいずれか一項に記載の方法。

請求項149

前記卑金属イオンはニッケルを含むことを特徴とする、請求項141から147のいずれか一項に記載の方法。

請求項150

前記卑金属イオンは銅を含むことを特徴とする、請求項141から147のいずれか一項に記載の方法。

請求項151

前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項150に記載の方法。

請求項152

前記酸性硫酸塩溶液はハロゲン化物イオンを含むことを特徴とする、請求項127から151のいずれか一項に記載の方法。

請求項153

前記ハロゲン化物イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項152に記載の方法。

請求項154

前記PLSはハロゲン化物イオンを含むことを特徴とする、請求項103から153のいずれか一項に記載の方法。

請求項155

前記ハロゲン化物イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項154に記載の方法。

請求項156

チオカルボニル官能基を有する前記試薬を含む前記ラフィネートの一部を、前記浸出剤に再循環させる工程を、さらに含むことを特徴とする、請求項150から155のいずれか一項に記載の方法。

請求項157

溶媒抽出から再循環した前記ラフィネートの前記一部を含む前記浸出剤に、チオカルボニル官能基を有する新しい試薬を追補して、前記浸出剤中の、チオカルボニル官能基を有する試薬の濃度を所望の濃度にすることを特徴とする、請求項156に記載の方法。

請求項158

少なくとも1つの卑金属硫化物を含む浸出材中に封鎖されたチオカルボニル官能基を含む試薬を回収する方法であって、前記方法は、卑金属イオンを含む洗浄液で前記浸出材をすすいで、前記試薬を含む貴洗浄液(pregnantwashsolution:PWS)を生成する工程を含む、方法。

請求項159

前記方法は、前記PWSと、卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して、混合物を形成する工程と、前記PWSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、前記試薬を含む、卑金属イオン減損溶液と、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオン豊富な溶液とに分離する工程とを含むことを特徴とする、請求項158に記載の方法。

請求項160

前記PWSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する前記工程は、卑金属イオンから試薬を分離させて、前記PWSと比べて、前記卑金属イオン減損溶液中の遊離試薬の量を増加させることを含む、ことを特徴とする請求項159に記載の方法。

請求項161

前記有機溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項159または160に記載の方法。

請求項162

前記有機溶媒は、灯油、アルキル芳香族化合物、シクロパラフィン、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項161に記載の方法。

請求項163

前記試薬は、チオ尿素(thiourea:Tu)、エチレンチオ尿素(ethylenethiourea:ETu)、チオアセトアミド(thioacetamide:TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(sodium−dimethyldithiocarbamate:SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ethylenetrithiocarbonate:ETC)、チオセミカルバジド(thiosemicarbazide:TSCA)、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項159から162のいずれか一項に記載の方法。

請求項164

前記試薬はTuを含むことを特徴とする、請求項159から162のいずれか一項に記載の方法。

請求項165

前記卑金属イオン減損液は、ホルムアミジンジスルフィド(formamidinedisulfide:FDS)をさらに含むことを特徴とする、請求項164に記載の方法。

請求項166

前記方法は、前記卑金属イオン減損溶液を還元剤に接触させて、FDSをTuに還元する工程を、さらに含むことを特徴とする、請求項165に記載の方法。

請求項167

前記卑金属イオン減損溶液を還元剤に接触させてFDSをTuに還元する前記工程は、FDSを還元して約0.5:1〜約9:1の範囲のTu:FDS比を得ることを含むことを特徴とする、請求項166に記載の方法。

請求項168

前記還元剤は、H2S、SO2、亜鉛、またはNaSHであることを特徴とする、請求項166または167のいずれか一項に記載の方法。

請求項169

前記卑金属イオンはカドミウムを含むことを特徴とする、請求項158から168のいずれか一項に記載の方法。

請求項170

前記卑金属イオンはニッケルを含むことを特徴とする、請求項158から168のいずれか一項に記載の方法。

請求項171

前記卑金属イオンは銅を含むことを特徴とする、請求項158から170のいずれか一項に記載の方法。

請求項172

前記銅イオンは第二銅イオンを含むことを特徴とする、請求項171に記載の方法。

請求項173

前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項171または172に記載の方法。

請求項174

前記卑金属イオン抽出剤は、エステル改質剤、アルキルフェノール改質剤、または、これらの組み合わせをさらに含むことを特徴とする、請求項173に記載の方法。

請求項175

前記洗浄液中の卑金属イオンの濃度は、少なくとも100ppm、少なくとも400ppm、または、少なくとも1,000ppmであることを特徴とする、請求項158から174のいずれか一項に記載の方法。

請求項176

前記洗浄液で前記浸出材をすすぐ前記工程の前に、酸性溶液で前記浸出材をすすぐ工程を含むことを特徴とする、請求項158から175のいずれか一項に記載の方法。

請求項177

前記酸性溶液のpHは約1.8であることを特徴とする、請求項176に記載の方法。

請求項178

少なくとも1つの卑金属硫化物を含有する材料から、少なくとも1つの卑金属を回収する方法であって、前記方法は、請求項158から177のいずれか一項に記載した方法によって、少なくとも1つの卑金属硫化物を含む浸出材中に封鎖されたチオカルボニル官能基を含む試薬を回収する工程と、回収した前記試薬と、硫酸第二鉄を含有する酸性硫酸塩溶液とを混合して、浸出剤を形成する工程と、前記材料を前記浸出剤に接触させて、前記少なくとも1つの卑金属硫化物から卑金属イオンを抽出して、卑金属イオンを含む浸出貴液(pregnantleachsolution:PLS)を生成する工程とを含む、方法。

請求項179

回収した前記試薬と混合する工程の前に、前記酸性硫酸塩溶液は、チオカルボニル官能基を有する、先在試薬、先在FDS、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項178に記載の方法。

請求項180

前記先在試薬は、チオ尿素(thiourea:Tu)、チオアセトアミド(thioacetamide:TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(sodium−dimethyldithiocarbamate:SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ethylenetrithiocarbonate:ETC)、チオセミカルバジド(thiosemicarbazide:TSCA)、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項179に記載の方法。

請求項181

前記PLSと、卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して、混合物を形成する工程と、前記PLSから卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、前記試薬を含む、卑金属イオン減損ラフィネートと、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオン豊富な溶液とに分離する工程とをさらに含むことを特徴とする、請求項179に記載の方法。

請求項182

前記PLSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する前記工程は、卑金属イオンから試薬を分離させて、前記PLSと比べて、前記ラフィネート中の遊離試薬の量を増加させることを含むことを特徴とする、請求項181に記載の方法。

請求項183

前記試薬はTuであることを特徴とする、請求項181または182に記載の方法。

請求項184

前記ラフィネートは、ホルムアミジンジスルフィド(formamidinedisulfide:FDS)をさらに含むことを特徴とする、請求項183に記載の方法。

請求項185

前記ラフィネートを還元剤に接触させて、FDSをTuに還元する工程を、さらに含むことを特徴とする、請求項184に記載の方法。

請求項186

前記ラフィネートを還元剤に接触させてFDSをTuに還元する前記工程は、FDSを還元して約0.5:1〜約9:1の範囲のTu:FDS比を得ることを含むことを特徴とする、請求項185に記載の方法。

請求項187

前記還元剤は、H2S、SO2、またはNaSHであることを特徴とする、請求項185または186に記載の方法。

請求項188

前記有機溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項181から187のいずれか一項に記載の方法。

請求項189

前記有機溶媒は、灯油、アルキル芳香族化合物、シクロパラフィン、または、これらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項188に記載の方法。

請求項190

前記卑金属イオンはカドミウムを含むことを特徴とする、請求項181から189のいずれか一項に記載の方法。

請求項191

前記卑金属イオンはニッケルを含むことを特徴とする、請求項181から190のいずれか一項に記載の方法。

請求項192

前記卑金属イオンは銅を含むことを特徴とする、請求項181から191のいずれか一項に記載の方法。

請求項193

前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、または、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項192に記載の方法。

技術分野

0001

本願は、2016年10月19日に出願された米国特許出願第62/410,331号、第62/410,348号、および第62/410,351号、ならびに2016年12月5日に出願された米国特許出願第62/430,333号の優先権主張を伴うものである。上記米国特許出願の各々の内容は、参考文献として本願に組み込まれる。

0002

本開示は、金属硫化物を含有する鉱石から金属を浸出する方法に関する。特に、チオカルボニル官能基を有する試薬を用いて、卑金属硫化物を含有する鉱石から卑金属を抽出するための湿式製錬法に関する。さらに、本開示は、チオカルボニル官能基を有する試薬を用いて卑金属硫化物を含有する鉱石から卑金属を抽出する湿式製錬法に再循環させるために、前記試薬を浸出貴液から回収すること関する。さらに、本開示は、使用済み浸出材から触媒を回収する方法に関し、特に、卑金属が浸出された、卑金属硫化物を含有する使用済み浸出材から、チオカルボニル官能基を有する試薬を回収することに関する。

背景技術

0003

鉱物水性処理は、特に、複雑かつ/または低品位の鉱石を扱う際には、乾式製錬アプローチに対していくつかの利点がある。湿式製錬法には、数種の金属硫化物含有鉱石に適用された場合に抽出率が低いという主な短所がある。工業的関心の対象となる時間スケールで高い金属抽出率を達成可能な方法を開発することが望まれる。

0004

例えば、黄銅鉱半導体であり、したがって、酸化溶液中で電気化学的に腐食する。硫酸第二鉄溶媒中における、全体の浸出反応は以下のとおりである。
CuFeS2(s)+2Fe2(S04)3(a)→CuS04(a)+5FeS04(a)+2S0(s)

0005

この反応は、アノードおよびカソード半電池反応の組み合わせとして表わすことができる。
アノード半電池反応:CuFeS2→Cu2++Fe2++2S0+4e−
カソード半電池反応:4Fe3++4e−→4Fe2+

0006

黄銅鉱酸化の基本的な問題は、黄銅鉱物の表面が、あるレベル超の溶液電位(一般的に、Ag/AgClに対して約550mV〜600mVであると考えられる)において電気化学的に降伏しにくくなるということである。これは、代替的かつ部分的に鉄が減損した形の黄銅鉱で通常構成される鉱物表面上に、ある種の不動態化した膜が形成した結果であるということが広く知られている。このような不動態化を減少または回避する浸出方法を提供することが望まれている。

発明が解決しようとする課題

0007

銅抽出後の黄銅鉱残留物または銅精鉱から金または銀などの貴金属を回収する抽出湿式製錬において、いくつかの方法が実行されてきた。DeschenesとGhali(Hydrom0073etallurgy 20:129−202))は、金および銀を選択的に回収するために、黄銅鉱含有硫化物精鉱などの硫化物精鉱の酸性ケイ酸塩浸出において、チオ尿素を適用する可能性を示した。チオ尿素は、チオカルボニル官能基を有する有機硫黄化合物である。しかし、硫化銅から銅を回収するのに、チオ尿素は効果をあらわさなかった。

0008

また、ハロゲン存在下で金属を浸出することも、過去数十年間、広範囲に研究されてきた。高温塩化物を使用すると、黄銅鉱から銅を高回収率で回収(Winand, Hydrometallurgy, 27: 285−316)することができる。また、室温での塩化物浸出も有効であり、したがって、堆積浸出に好適であることが示されている(国際公開第WO2015059551号)。臭化物浸出は、主に金に適用するために研究されてきた(Li et al. Proceedings of the 3rd Pan American Materials Congress, 2017: 653−660)。しかし、硫化鉱から銅を抽出するのに有効である技術もいくつか示されている(米国特許第5989311号、第9290827号)。ヨウ化物浸出もまた、様々な条件下で有効であると示されてきた(米国特許第5989311号、第8163063号、第8287623号、および第8865119号)。

課題を解決するための手段

0009

本開示は、チオカルボニル官能基を含むいくつかの試薬(例えばチオ尿素)が、酸性浸出液、例えば、酸性硫酸塩浸出液またはハロゲン化物浸出液を用いて、いくつかの金属硫化物から金属(例えば、黄銅鉱から銅)を浸出することを促進するのに使用することができるという予期せぬ発見に少なくとも部分的に関する。このような試薬を少量添加すると、試薬が不在である場合よりも、その試薬によって金属浸出率が増加しうる。

0010

本開示は、鉱石中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法に関し、前記方法は、前記鉱石を、硫酸第二鉄とチオカルボニル官能基を有する試薬とを含有する酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程と、前記貴液から前記少なくとも1つの金属を回収する工程と、を含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍銅鉱、硫砒銅鉱化学式CuxSyで表され、x:y比は1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含む。

0011

本開示は、精鉱中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法に関し、前記方法は、前記精鉱を、チオカルボニル官能基を有する試薬を含む酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程と、前記貴液から前記少なくとも1つの金属を回収する工程と、を含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表され、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含む。

0012

本開示は、ある材料中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法に関し、前記方法は、前記材料を、チオカルボニル官能基を有する試薬を含む酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程と、前記貴液から前記少なくとも1つの金属を回収する工程と、を含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表され、x:y比は1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含む。

0013

前記精鉱、前記鉱石、または前記他の材料は、粗粒子であってもよい。前記粗粒子は、凝集粒子であってもよい。

0014

上述した方法において、酸性硫酸塩溶液中の試薬の濃度は、約0.2mM〜100mM、約0.2mM〜約20mM、約0.2mM〜約10mM、約0.2mM〜約5mM、約0.2mM〜約4mM、約0.2mM〜約3mM、約0.2mM〜約2mM、約0.2mM〜約1.5mM、約0.2mM〜約1.0mM、または、約0.2mM〜約0.5mMの範囲にあってもよい。

0015

前記金属が、化学式CuxSyで表され、x:y比が1〜2である硫化銅である場合は、硫化銅は、輝銅鉱デュルレ鉱、ダイジェナイト、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。

0016

上述した方法において、試薬は、チオ尿素(thiourea:Tu)、エチレンチオ尿素(ethylene thiourea:Etu)、チオアセトアミド(thioacetamide:TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(sodium−dimethyldithiocarbamate:SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ethylene trithiocarbonate:ETC)、チオセミカルバジド(thiosemicarbazide:TSCA)、またはそれらの組み合わせであってもよい。

0017

さらに、本開示は、ある鉱石中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法に関し、前記方法は、前記鉱石を、硫酸第二鉄とホルムアミジンジスルフィド(formamidine disulfide:FDS)とを含む酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程と、前記貴液から前記金属を回収する工程と、を含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表され、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含む。

0018

さらに、本開示は、ある精鉱中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法に関し、前記方法は、前記精鉱を、硫酸第二鉄とホルムアミジンジスルフィド(FDS)とを含む酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程と、前記貴液から前記金属を回収する工程と、を含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表され、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含む。

0019

さらに、本開示は、ある材料中の少なくとも1つの金属硫化物から少なくとも1つの金属を回収する方法に関し、前記方法は、前記材料を、硫酸第二鉄とホルムアミジンジスルフィド(FDS)とを含む酸性硫酸塩溶液に接触させて、金属イオンを含有する貴液を生成する工程と、前記貴液から前記金属を回収する工程と、を含み、前記少なくとも1つの金属は、銅であって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表され、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせを含む、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含む。

0020

前記精鉱、前記鉱石、または前記他の材料は、粗粒子であってもよい。前記粗粒子は、凝集粒子であってもよい。

0021

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、約0.1mM〜約50mM、約0.1mM〜約15mM、約0.1mM〜約10mM、約0.2mM〜約5mM、約0.1mM〜約2.5mM、約0.1mM〜約2mM、約0.1mM〜約1.5mM、約0.1mM〜約1.0mM、約0.1mM〜約0.5mM、または、約0.1mM〜約0.25mMの範囲にあってもよい。前記金属が、化学式CuxSyで表される硫化銅であって、x:y比が1〜2である硫化銅である場合は、硫化銅は、輝銅鉱、デュルレ鉱、ダイジェナイト、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。

0022

前記酸性硫酸塩溶液中のFDSの濃度は、金属イオンを含む浸出貴液を生成するために、前記試薬を含まない酸性硫酸塩溶液に比べて高い金属イオン抽出率を得るのに十分なチオ尿素を提供するのに十分な濃度であってもよい。

0023

上述した方法において、前記鉱石は、粗粒子であってもよく、前記粗粒子は、凝集粒子であってもよい。第二鉄イオンを前記金属硫化物を酸化するのに用いてもよい。上述した方法において、第二鉄イオンを、少なくとも部分的に、細菌によって発生させてもよい。

0024

前記方法は、パーコレーション浸出を伴ってもよい。パーコレーション浸出は、堆積浸出であってもよい。パーコレーション浸出はバット浸出であってもよい。浸出は、タンク浸出であってもよい。

0025

前記浸出貴液からの金属の回収は、溶媒抽出および電解採取を含んでもよい。

0026

上述した方法において、前記酸性硫酸塩溶液はハロゲン化物イオンを含んでもよい。前記ハロゲン化物イオンは、塩化物イオン臭化物イオンヨウ化物イオン、またはこれらの組み合わせを含む。前記酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約20g/L以下、約50g/L以下、約80g/L以下、約20g/L以下、約20g/L〜約120g/L、約20g/L〜約80g/L、または約20g/L〜約50g/Lの範囲にあってもよい。前記酸性硫酸塩溶液中のヨウ化物の濃度は、約300ppm以下、約100ppm以下、または約100ppm〜約300ppmの範囲にあってもよい。前記酸性硫酸塩溶液中の臭化物の濃度は、約10g/L以下、約30g/L以下、または約10g/L〜約30g/Lの範囲にあってもよい。

0027

さらに、本開示は、ある材料中の少なくとも1つの卑金属硫化物から少なくとも1つの卑金属を抽出するために、チオカルボニル官能基を有する試薬を使用することに関する。前記試薬は、チオ尿素(Tu)、エチレンチオ尿素(ETu)、チオアセトアミド(TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ETC)、チオセミカルバジド(TSCA)、またはそれらの組み合わせであってもよいが、必ずしもこれらに限定されない。試薬の濃度は、約0.2mM〜100mMの範囲、または約0.2mM〜約30mMの範囲にあってもよい。

0028

さらに、本開示は、ある材料に含まれる少なくとも1つの卑金属硫化物から少なくとも1つの卑金属を抽出するために、ホルムアミジンジスルフィド(FDS)を使用することに関する。

0029

前記FDSの濃度は、約0.1mM〜50mMの範囲、または約0.1mM〜約15mMの範囲にあってもよい。

0030

上述した使用において、前記少なくとも1つの卑金属は、銅、カドミウム、ニッケル、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。前記少なくとも1つの卑金属は、銅であって、前記少なくとも1つの卑金属硫化物は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、硫砒銅鉱、化学式CuxSyで表され、x:y比が1〜2である硫化銅、もしくはこれらの組み合わせである、銅か、カドミウムであって、前記少なくとも1つの卑金属硫化物は硫カドミウム鉱である、カドミウムか、ニッケルであって、前記少なくとも1つの卑金属硫化物は、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、もしくはこれらの組み合わせである、ニッケルか、または、これらの組み合わせを含んでもよい。

0031

前記材料は、鉱石または精鉱であってもよい。

0032

ハロゲン化物イオンの存在下で、上述した使用を行ってもよい。前記ハロゲン化物イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。前記酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約20g/L以下、約50g/L以下、約80g/L以下、約20g/L以下、約20g/L〜約120g/L、約20g/L〜約80g/L、または約20g/L〜約50g/Lの範囲にあってもよい。前記酸性硫酸塩溶液中のヨウ化物の濃度は、約300ppm以下、約100ppm以下、または約100ppm〜約300ppmの範囲にあってもよい。前記酸性硫酸塩溶液中の臭化物の濃度は、約10g/L以下、約30g/L以下、または約10g/L〜約30g/Lの範囲にあってもよい。

0033

さらに、本開示は、チオカルボニル官能基を有する試薬を水性浸出貴液(pregnant leach solution:PLS)から回収する方法に関し、前記水性PLSは、前記試薬と卑金属イオンとを含み、前記試薬の一部は、卑金属イオンと錯体を形成しており、前記方法は、前記PLSと卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合させて混合物を形成する工程と、前記PLSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、前記試薬を含む、卑金属イオン減損ラフィネートと、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオンが豊富有機相とに分離する工程、とを含む。前記PLSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程は、卑金属イオンから試薬を分離させて、PLSと比べて、前記ラフィネートに含まれる遊離試薬の量を増加させることを含んでもよい。前記試薬は、チオ尿素(Tu)、エチレンチオ尿素(ETu)、チオアセトアミド(TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ETC)、チオセミカルバジド(TSCA)、またはそれらの組み合わせであってもよい。前記ラフィネートは、さらに、ホルムアミジンジスルフィド(FDS)を含んでいてもよく、この場合、前記方法は、前記ラフィネートを還元剤に接触させて、FDSをTuに還元する工程を、さらに含んでもよい。前記ラフィネートを還元剤に接触させてFDSをTuに還元する工程は、FDSを還元して約0.5:1〜約9:1の範囲のTu:FDS比を得ることを含んでもよい。前記還元剤は、H2S、SO2、またはNaSHであってもよい。

0034

さらに、本開示は、FDSを水性浸出貴液(PLS)から回収する方法に関し、前記水性PLSは、前記試薬と卑金属イオンとを含み、前記方法は、PLSと卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して混合物を形成する工程と、前記PLSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、FDSを含む、卑金属イオン減損ラフィネートと、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオンが豊富な有機相とに分離する工程と、を含む。

0035

前記卑金属イオンは、カドミウム、ニッケル、銅、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。

0036

前記有機溶媒は、脂肪族溶媒芳香族溶媒、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記有機溶媒は、灯油アルキル芳香族化合物シクロパラフィン、またはこれらの組み合わせであってもよい。

0037

前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシムケトキシム、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記卑金属イオン抽出剤は、さらに、エステル改質剤アルキルフェノール改質剤、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。

0038

前記PLSは、卑金属イオンとともに錯体を形成したTuをさらに含んでもよく、PLSから卑金属イオンを抽出する工程は、卑金属イオンからTuを分離させて、PLSと比べて、ラフィネートに含まれる遊離Tuの量を増加させることを含む。

0039

さらに、本開示は、少なくとも1つの卑金属硫化物を含有する材料中の前記少なくとも1つの卑金属硫化物から、少なくとも1つの卑金属を回収する方法に関し、前記方法は、前記材料を浸出剤に接触させて、前記少なくとも1つの卑金属硫化物から卑金属イオンを抽出して、浸出貴液(PLS)を生成する工程であって、前記浸出剤は、硫酸第二鉄とチオカルボニル官能基を有する試薬とを含有する酸性硫酸塩溶液を含む、工程と、前記PLSと卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して混合物を形成する工程と、前記PLSから卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、前記試薬を含む、卑金属イオン減損ラフィネートと、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオンが豊富な有機相とに分離する工程とを含む。

0040

前記PLSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程は、卑金属イオンから試薬を分離させて、前記PLSと比べて、前記ラフィネートに含まれる遊離試薬の量を増加させることを含んでもよい。前記試薬は、チオ尿素(Tu)、エチレンチオ尿素(ETu)、チオアセトアミド(TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ETC)、チオセミカルバジド(TSCA)、またはそれらの組み合わせであってもよいが、必ずしもこれらに限定されない。前記試薬がTuを含む場合、前記ラフィネートは、さらに、ホルムアミジンジスルフィド(FDS)を含んでもよく、この場合、前記方法は、前記ラフィネートを還元剤に接触させて、FDSをTuに還元する工程を、さらに含む。前記ラフィネートを還元剤に接触させてFDSをTuに還元する工程は、FDSを還元して約0.5:1〜約9:1の範囲のTu:FDS比を得ることを含んでもよい。前記還元剤は、H2S、SO2、またはNaSHであってもよい。

0041

さらに、本開示は、少なくとも1つの卑金属硫化物を含有する材料中の前記少なくとも1つの卑金属硫化物から、少なくとも1つの卑金属を回収する方法に関し、前記方法は、前記材料を浸出剤に接触させて、前記少なくとも1つの卑金属硫化物から卑金属イオンを抽出して、浸出貴液(PLS)を生成する工程であって、前記浸出剤は、硫酸第二鉄とホルムアミジンジスルフィド(FDS)とを含有する酸性硫酸塩溶液を含む、工程と、前記PLSと卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して混合物を形成する工程と、前記PLSから卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、前記試薬を含む、卑金属イオン減損ラフィネートと、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオンが豊富な有機相とに分離する工程とを含む。前記PLSは、卑金属イオンとともに錯体を形成しているチオ尿素(Tu)をさらに含んでもよく、この場合、前記PLSから前記卑金属イオンを抽出する工程は、卑金属イオンからTuを分離させて、前記PLSと比べて、前記ラフィネート中の遊離Tuの量を増加させることを含む。前記方法は、前記ラフィネートを還元剤に接触させて、FDSをTuに還元する工程を、さらに含む。前記ラフィネートを還元剤に接触させてFDSをTuに還元する工程は、FDSを還元して約0.5:1〜約9:1の範囲のTu:FDS比を得ることを含んでもよい。前記還元剤は、H2S、SO2、またはNaSHであってもよい。

0042

前記有機溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記有機溶媒は、灯油、アルキル芳香族化合物、シクロパラフィン、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。前記卑金属イオンは、カドミウム、ニッケル、または銅を含んでもよい。前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、またはこれらの組み合わせであってもよい。

0043

前記卑金属イオンは、カドミウム、ニッケル、銅、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。

0044

前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、またはこれらの組み合わせでもよい。さらに、前記卑金属イオン抽出剤は、エステル改質剤、アルキルフェノール改質剤、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。

0045

前記浸出剤および/または前記PLSは、ハロゲン化物イオンを含んでもよい。前記ハロゲン化物イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。前記浸出剤またはPLS中の塩化物の濃度は、約20g/L以下、約50g/L以下、約80g/L以下、約20g/L以下、約20g/L〜約120g/L、約20g/L〜約80g/L、または約20g/L〜約50g/Lの範囲にあってもよい。前記浸出剤またはPLS中のヨウ化物の濃度は、約300ppm以下、約100ppm以下、または約100ppm〜約300ppmの範囲にあってもよい。前記浸出剤またはPLS中の臭化物の濃度は、約10g/L以下、約30g/L以下、または約10g/L〜約30g/Lの範囲にあってもよい。

0046

前記方法は、チオカルボニル官能基を有する試薬を含むラフィネートの一部を、前記浸出剤に再循環させる工程をさらに含んでもよい。溶媒抽出から再循環したラフィネートの一部を含む浸出剤に、チオカルボニル官能基を有する新しい試薬を追補して、浸出剤中の、チオカルボニル官能基を有する試薬の濃度を所望の濃度にしてもよい。

0047

さらに、本開示は、少なくとも1つの卑金属硫化物を含む浸出材中に封鎖されたチオカルボニル官能基を含む試薬を回収する方法に関し、前記方法は、卑金属イオンを含む洗浄液で浸出材をすすいで、試薬を含む貴洗浄液(pregnant wash solution:PWS)を生成する工程を含む。さらに、前記方法は、PWSと卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して混合物を形成する工程と、前記PWSから卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、前記試薬を含む、卑金属イオン減損液と、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、前記卑金属イオンが豊富な溶液とに分離する工程とを含む。PWSから卑金属イオンを有機溶媒中に抽出する工程は、卑金属イオンから試薬を分離させて、PWSと比べて、卑金属イオン減損液に含まれる遊離試薬の量を増加させることを含む。前記有機溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。前記有機溶媒は、灯油、アルキル芳香族化合物、シクロパラフィン、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。前記試薬は、チオ尿素(Tu)、エチレンチオ尿素(ETu)、チオアセトアミド(TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ETC)、チオセミカルバジド(TSCA)、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、必ずしもこれらに限定されない。前記試薬がTuを含む場合、前記卑金属イオン減損液は、さらに、FDSを含み、その場合、前記方法は、前記卑金属イオン減損液を還元剤に接触させて、FDSをTuに還元する工程を、さらに含んでもよい。前記卑金属イオン減損液を還元剤に接触させてFDSをTuに還元する工程は、FDSを還元して約0.5:1〜約9:1の範囲のTu:FDS比を得ることを含む。前記還元剤は、H2S、SO2、またはNaSHであってもよい。

0048

前記有機溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記有機溶媒は、灯油、アルキル芳香族化合物、シクロパラフィン、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。前記卑金属イオンは、カドミウム、ニッケル、または銅を含んでもよい。前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、またはこれらの組み合わせであってもよい。

0049

前記卑金属イオンは、カドミウム、ニッケル、銅、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。

0050

前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記卑金属イオン抽出剤は、さらに、エステル改質剤、アルキルフェノール改質剤、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。

0051

前記洗浄液中の卑金属イオンの濃度は、少なくとも100ppm、少なくとも400ppm、または少なくとも1,000ppmであってもよい。

0052

さらに、前記方法は、洗浄液で浸出材をすすぐ前に、酸性溶液で前記浸出材をすすぐ工程を含んでもよい。前記酸性溶液のpHは、約1.8であってもよい。

0053

さらに、本開示は、少なくとも1つの卑金属硫化物を含有する材料から、少なくとも1つの卑金属を回収する方法に関し、前記方法は、上述した方法によって、少なくとも1つの卑金属硫化物を含む浸出材中に封鎖されたチオカルボニル官能基を含む試薬を回収する工程と、硫酸第二鉄を含有する酸性硫酸塩溶液と回収した前記試薬とを混合して、浸出剤を形成する工程と、前記材料に前記浸出剤を接触させて、前記少なくとも1つの卑金属硫化物から卑金属イオンを抽出して、卑金属イオンを含む浸出貴液(PLS)を生成する工程とを含む。回収された試薬と混合する前の前記酸性硫酸塩溶液は、チオカルボニル官能基を有する、先在試薬、先在FDS、または、これらの組み合わせを含んでいてもよい。前記先在試薬は、チオ尿素(Tu)、チオアセトアミド(TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ETC)、チオセミカルバジド(TSCA)、またはそれらの組み合わせである。さらに、前記方法は、前記PLSと卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して混合物を形成する工程と、前記PLSから卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、前記混合物を、前記試薬を含む、卑金属イオン減損ラフィネートと、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含み、卑金属イオン豊富な溶液とに分離する工程とを含む。前記PLSから前記卑金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程は、卑金属イオンから試薬を分離させて、前記PLSと比べて、前記ラフィネートに含まれる遊離試薬の量を増加させることを含む。前記試薬はTuである場合、前記ラフィネートは、さらにFDSを含み、この場合、前記方法は、前記ラフィネートを還元剤に接触させて、FDSをTuに還元する工程を、さらに含む。前記ラフィネートを還元剤に接触させてFDSをTuに還元する工程は、FDSを還元して約0.5:1〜約9:1の範囲のTu:FDS比を得ることを含んでもよい。前記還元剤は、H2S、SO2、またはNaSHである。

0054

前記有機溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記有機溶媒は、灯油、アルキル芳香族化合物、シクロパラフィン、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。前記卑金属イオンは、カドミウム、ニッケル、または銅を含んでもよい。前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、またはこれらの組み合わせであってもよい。

0055

前記卑金属イオンは、カドミウム、ニッケル、銅、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。

0056

前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記卑金属イオン抽出剤は、さらに、エステル改質剤、アルキルフェノール改質剤、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。

0057

前記浸出剤および/または前記PLSは、ハロゲン化物イオンを含んでもよい。前記ハロゲン化物イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。前記浸出剤またはPLS中の塩化物の濃度は、約20g/L以下、約50g/L以下、約80g/L以下、約20g/L以下、約20g/L〜約120g/L、約20g/L〜約80g/L、または約20g/L〜約50g/Lの範囲にあってもよい。前記浸出剤またはPLS中のヨウ化物の濃度は、約300ppm以下、約100ppm以下、または約100ppm〜約300ppmの範囲にあってもよい。前記浸出剤またはPLS中の臭化物の濃度は、約10g/L以下、約30g/L以下、または約10g/L〜約30g/Lの範囲にあってもよい。

0058

本発明の他の態様および特徴は、添付図面とともに、本発明の具体的な実施形態についての以下の説明を参照することで、当業者に明らかとなる。

図面の簡単な説明

0059

以下の図面は、本発明の実施形態を例示するものである。
図1は、本発明の実施形態に係る浸出方法における回収のフローチャートである。
図2は、本発明の実施形態に係る浸出方法における回収のフローチャートであり、ラフィネートを浸出剤へ再循環させる前に、還元工程を含む。
図3は、CuFeS2電極の混合電位および溶解電流密度(idissol)に及ぼすチオ尿素の濃度の効果を示すプロット図である。
図4は、チオ尿素、ホルムアミジンジスルフィド(FDS)、およびFe(III)の初期濃度を変化させた際の、25℃でのpH2の硫酸溶液中のCuFeS2電極の電気化学溶解率を示す棒グラフである。
図5は、図4図5、および図6に関連する浸出実験に関して使用する浸出カラムの概略図である。
図6は、カラム浸出実験において、鉱石Aからの銅の浸出に及ぼすチオ尿素濃度の効果を示すグラフである。
図7は、カラム浸出実験において、鉱石Bからの銅の浸出に及ぼすチオ尿素濃度の効果を示すグラフである。
図8は、カラム浸出実験において、鉱石Cからの銅の浸出に及ぼすチオ尿素濃度の効果を示すグラフである。
図9は、カラム浸出実験において、鉱石Cからの銅の浸出率に及ぼすチオ尿素濃度の効果を示すグラフである。
図10は、時間の経過とともに、動作電位(operating potential:ORP)に及ぼすチオ尿素濃度の効果を示すグラフである。
図11は、ボトルロール実験において、粗鉱石Aに関して、銅の溶解に及ぼすチオ尿素濃度の効果を示すグラフである。
図12は、ボトルロール実験において、粗鉱石Bに関して、銅の溶解に及ぼすチオ尿素濃度の効果を示すグラフである。
図13は、Cu(I)を含有する各種鉱物に及ぼすTu添加の効果を示すグラフである。菱形は斑銅鉱に関し、三角形は銅藍を示し、逆三角形は輝銅鉱に関し、正方形は黄銅鉱に関する。白抜き記号は、Tuを使用しない対照処理を示し、一方、塗りつぶし記号は2mMの初期Tu濃度を有するミネラル処理済み溶液を示す。
図14は、硫カドミウム鉱からカドミウムを抽出する際にTuが及ぼす効果を示すグラフである。
図15は、硫砒銅鉱から銅を抽出する際にTuが及ぼす効果を示すグラフである。
図16は、ビオラル鉱からニッケルを抽出する際にTuが及ぼす効果を示すグラフである。
図17は、さまざまな量のTuを添加した後に溶液に残留しているCuイオン百分率を示すグラフである。
図18は、さまざまなTu用量下における、黄銅鉱からのCuの抽出を示すグラフである。
図19は、172時間後のCu抽出とTu用量との関係を示すグラフである。
図20は、チオカルボニル官能基を含む試薬を用いた攪拌反応器テストにおける、黄銅鉱からの銅の浸出を示すグラフである。丸形はTuに関し、三角形はTAに関し、逆三角形はSDDCに関し、菱形はETCに関し、星形はTSCAに関し、正方形は対照群に関する。
図21は、チオカルボニル官能基を含む試薬を用いた攪拌反応器テストにおける、銅藍からの銅の浸出を示すグラフである。丸形はTuに関し、三角形はTAに関し、菱形はSDDCに関し、正方形は対照群に関する。
図22は、チオカルボニル官能基を含む試薬を用いた攪拌反応器テストにおける、斑銅鉱からの銅の浸出を示すグラフである。三角形はTuに関し、丸形はTAに関し、正方形は対照群に関する。
図23は、チオカルボニル官能基を含む試薬を用いた攪拌反応器テストにおける、硫砒銅鉱からの銅の浸出を示すグラフである。丸形はTuに関し、三角形はTAに関し、逆三角形はETCに関し、正方形は対照群に関する。
図24は、チオカルボニル官能基と、尿素と、二硫化炭素とを含む試薬を使用した攪拌反応器テストにおける、黄銅鉱からの銅の浸出を示すグラフである。丸形は尿素に関し、三角形は対照群に関し、逆三角形はTAに関し、菱形はTuに関し、星形はETCに関し、正方形は二硫化炭素に関する。
図25aは、初期濃度2mMのTu(塗りつぶし記号)、または初期濃度1mMのFDS(白抜き記号)のいずれかを有する浸出液を使用する、黄銅鉱(丸形)または斑銅鉱(三角形)からの銅の浸出を比較するグラフである。
図25bは、初期濃度2mMのTu(塗りつぶし記号)、または初期濃度1mMのFDS(白抜き記号)のいずれかを有する浸出液を使用する、銅藍(丸形)または黄銅鉱(三角形)からの銅の浸出を比較するグラフである。
図26は、ORPおよび高速液体クロマトグラフィ(high performance liquid chromatography:HPLC)によって、細菌活性およびFDS含有量監視したグラフである。
図27は、閉ループ実験において、Fe3+のみを用いたCuFeS2のバイオ浸出(0日〜50日)、および、Fe3++Tuを用いたCuFeS2のバイオ浸出(90日〜150日)を示すグラフである。
図28は、塩化物濃度を変化させながら、Tuの存在下で黄銅鉱から銅を浸出した結果を示すグラフである。
図29は、塩化物濃度を変化させながら、(a)Tuおよび(b)ETuの存在下で黄銅鉱から銅を浸出した結果を示すグラフである。
図30は、臭化物濃度を変化させながら、(a)Tuおよび(b)ETuの存在下で黄銅鉱から銅を浸出した結果を示すグラフである。
図31は、密閉反応器において、(a)100ppmのヨウ素、および(b)300ppmのヨウ素の存在下で、TuまたはETuにより黄銅鉱から銅を浸出した結果を示すグラフである。
図32は、(a)ヨウ素100ppmおよび(b)ヨウ素300ppmで、TuおよびETuの存在下または不在下での、密閉反応器におけるヨウ素の濃度を時間の経過とともに示すプロット図である。
図33は、Tuの存在下または不在下で、開放型反応器におけるヨウ素の濃度を時間の経過とともに示すプロット図である。
図34は、密閉されていない(すなわち、開放型)反応器において、(a)100ppmのヨウ素、および(b)300ppmのヨウ素の存在下で、TuまたはETuを用いて黄銅鉱から銅を浸出した結果を示すグラフである。
図35は、(a)ヨウ素100ppmおよび(b)ヨウ素300ppmで、TuおよびETuの存在下または不在下で、密閉されていない(すなわち、開放型)反応器におけるヨウ素の濃度を時間の経過とともに示すプロット図である。
図36は、シミュレートされたPLSおよび溶媒抽出後に生じたシミュレートされたラフィネートにおける遊離Tu当量を示す棒グラフである。
図37は、シミュレートされたPLSおよび溶媒抽出後に生じたシミュレートされたラフィネートにおける遊離ETuを示す棒グラフである。
図38は、2mMのTu当量濃度の溶液を注水している際の、3種の鉱石における流出物中の全チオ尿素濃度を時間の経過とともに示すグラフである。
図39は、酸性水洗浄している間の、図38に示した3種の鉱石サンプルにおける全チオ尿素当量濃度を時間の経過とともに示すグラフである。
図40は、各種処理後に、3種の鉱石サンプルのカラムに残留しているTu当量を示す棒グラフである。

0060

本開示は、卑金属硫化物の鉱物から卑金属を回収する方法に関し、特に、例えばチオ尿素(「Tu」、チオカルバミドとしても知られる)などのチオカルボニル官能基を有する各種試薬が、ハロゲン化物種の存在下でさえ、酸性硫酸塩浸出液を用いて、各種鉱物中の卑金属硫化物からの卑金属を浸出するのを促進するために使用可能であるという予期せぬ発見に関する。これらの試薬により金属硫化物の浸出率を高めることができる。

0061

本開示のさらなる態様は浸出液(すなわち、浸出剤)へと再循環するために、浸出貴液(PLS)からチオカルボニル官能基を有する試薬を回収することに関する。そのような再循環には、時間が経過した時に浸出剤に添加しなければいけない新しい試薬の量を減らせるという利点がある。

0062

当業者は、溶液中のTuとホルムアミジンジスルフィド(FDS)との間に平衡状態が存在することを理解するであろう。溶液中のTuとFDSとの間の平衡状態は、以下の式で示される。
2CS(NH2)2⇔(CSNH2NH)2+2H++2e−(可逆反応
チオ尿素⇔FDS+2H++2e−(可逆反応)

0063

卑金属硫化物を含有する材料からの卑金属の浸出を向上させることに対して、Tuはより強い効果を示す。例えば、FDSまたはTUとCuの錯体の存在下よりも、TUの存在下で、銅は硫化物鉱石/精鉱からより速く浸出する。したがって、より高い遊離TUを有する溶液を浸出液へと再循環することによって、この浸出方法を向上させられるであろう。したがって、特に本開示の態様は、Tu(Tu)とホルムアミジンジスルフィド(FDS)とを含むラフィネートに還元剤を添加し、浸出液へ再循環する前に、Tuを優先するよう平衡状態にバイアスをかけることに関する。

0064

また、本開示は、使用済み浸出材から触媒を回収する方法に関する。特に、本開示は、卑金属が浸出された、卑金属硫化物を含有する、卑金属減損浸出材から、チオカルボニル官能基を有する試薬を回収することに関する。

0065

本明細書に記載の「卑金属」は、貴金属以外の非鉄金属を意味する。前記卑金属は、銅、鉛、ニッケル、およびカドミウムが含んでもよい。さらに、前記卑金属は、亜鉛アルミニウム、スズ、タングステンモリブデンタンタルコバルトビスマス、カドミウム、チタンジルコニウムアンチモンマンガンベリリウムクロムゲルマニウムバナジウムガリウムハフニウムインジウムニオブレニウム、およびタリウムを含んでもよい。

0066

前記方法は特に、低比率で卑金属硫化物の鉱物を含有する低品位の鉱石から、金属を回収するのに有用である。前記方法は、チオカルボニル官能基を有する試薬を含有する酸性硫酸塩溶液に、前記卑金属硫化物の鉱物を接触させることを含む。

0067

さらに、当業者は、チオカルボニル官能基を有する試薬が、ある金属硫化物またはその金属硫化物を含有する鉱物から卑金属を抽出するのに有用であるという理由だけで、上記の試薬が、同様の金属を含有する他の金属硫化物から、その金属を抽出するのに役立つであろうとは言えないことは理解するであろう。

0068

鉱物
黄銅鉱(CuFeS2)
黄銅鉱の浸出は、以下の反応式に従って、酸性硫酸第二鉄溶液中で実現される。
CuFeS2+4Fe3+→Cu2++5Fe2++2S0

0069

銅藍(CuS)
硫酸第二鉄溶液中の銅藍の浸出は、以下の反応式に従って進行する。
CuS+2Fe3+→Cu2++2Fe2++S0

0070

輝銅鉱(Cu2S)
第二鉄溶液中の輝銅鉱の浸出は、以下の反応式に従って進行する。
Cu2S+2Fe3+→Cu2++2Fe2++CuS

0071

当業者は、「輝銅鉱」の鉱石が化学式CuxSyで表され、x:y比が1〜2である鉱物の混合物を含有することがよくあることを理解している。この化学式内の付加的な鉱物は、ダイジェナイトおよびデュルレ鉱を含む。

0072

斑銅鉱(Cu5FeS4)
斑銅鉱は、通常、黄銅鉱と共存する重要な銅の鉱物である。第二鉄溶液中の斑銅鉱の浸出方法は、以下の2段階で説明される。
Cu5FeS4+4Fe3+→Cu3FeS4+2Cu2++4Fe2+
Cu3FeS4+8Fe3+→3Cu2++9Fe2++4S0

0073

硫砒銅鉱(Cu3AsS4)
上述した他の銅の鉱物(黄銅鉱、銅藍、輝銅鉱、および斑銅鉱)とは異なり、硫砒銅鉱中の銅は、Cu(I)の代わりに、主にCu(II)である。銅の酸化状態の差は、触媒条件のもとでの、浸出反応速度に効果を及ぼす。先の研究により、大気圧での硫砒銅鉱の浸出は極端に遅いことが示された。硫酸第二鉄溶媒中での硫砒銅鉱の分解行程は、様々である。そのうちの2つを以下に示す。
Cu3AsS4+20H2O+35Fe3+→3Cu2++AsO43−+4SO42−+40H++35Fe2+
Cu3AsS4+4H2O+11Fe3+→3Cu2++AsO43−+4S0+8H++11Fe2+

0074

硫カドミウム鉱(CdS
カドミウム金属および化合物は、主に合金コーティングバッテリ、およびプラスチック安定剤に使用される。カドミウム抽出専用の鉱床はない。硫化カドミウムは、通常、硫化亜鉛と結合しており、焙焼した硫化物精鉱から亜鉛を浸出する際の副産物として回収される。

0075

ビオラル鉱(FeNi2S4)
ビオラル鉱は、通常、一次硫化ニッケル鉱石を伴う硫化ニッケル(III)鉱物である。

0076

試薬
当業者は、チオカルボニル官能基を有するいかなる化合物も、潜在的には、本明細書に記載する技術に従って用いられることを理解するであろう。また、当業者は、チオカルボニル官能基を有する試薬は、Tu、エチレンチオ尿素(ETu)、チオアセトアミド(TA)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDDC)、トリチオ炭酸エチレン(ETC)、および、チオセミカルバジド(TSCA)を含むが、これらに限定されないことも理解するであろう。

0077

すべてを網羅して記載するわけではないが、チオカルボニル官能基を有する、さらなる化合物は、イソチオ尿素、ETu(2−チオキソイミダゾリジンまたはN,N’−エチレンチオ尿素としても知られている)がその一例であるN−N’置換チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、ジチオビウレット、チオセミカルバジドプラム、チオセミカルバジド、クロチオノぎ酸メチルジチオオキサミド、チオアセトアミド、2−メチル−3−チオセミカルバジド、4−メチル−3−チオセミカルバジド、トリチオ炭酸ビニレンプラム、トリチオ炭酸ビニレン、2−シアノチオアセトアミド、トリチオ炭酸エチレン、エチルキサントゲン酸カリウムジメチルチオカルバモイルクロリドジメチルジチオカルバミン酸塩、ジチオ炭酸S,S’−ジメチル、ジメチルトリチオ炭酸塩、N,N’−ジメチルチオホルムアミド、4,4−ジメチル−3−チオセミカルバジド、4−エチル−3−チオセミカルバジド、O−イソプロピルキサントゲン酸、チオオキサム酸エチル、ジチオ酢酸エチル、ピラジン−2−チオカルボキシアミドジエチルチオカルバモイルクロリド、ジエチルジチオカルバメートテトラメチルチウラムモノスルフィドテトラメチルチウラムジスルフィド、クロロチオノぎ酸ペンタフルオロフェニル、クロロチオノぎ酸4−フルオロフェニル、クロロチオノぎ酸O−フェニル、クロロチオノぎ酸O−フェニル、クロロジチオノぎ酸フェニル、3,4−ジフルオロチオベンズアミド、2−ブロモチオベンズアミド、3−ブロモチオベンズアミド、4−ブロモチオベンズアミド、4−クロロチオベンズアミド、4−フルオロチオベンズアミド、チオ安息香酸、チオベンズアミド、4−フェニルチオセミカルバジド、O−(p−トリル)クロロチオノぎ酸、4−ブロモ−2−メチルチオベンズアミド、3−メトキシチオベンズチオアミド、4−メトキシチオベンズアミド、4−メチルベンゼンチオアミド、チオアセトアニリドサリチルアルデヒドチオセミカルバゾンインドール−3−チオカルボキシアミド、S−(チオベンゾイルチオグリコール酸、3−(アセトキシ)チオベンズアミド、4−(アセトキシ)チオベンズアミド、N’−[(e)−(4−クロロフェニルメチリデンヒドラゾノチオカルバミン酸メチル、3−エトキシチオベンズアミド、4−エチルベンゼン−1−チオカルボキシアミド、3−[(メチルスルフォニルオキシ]−1−アゼタンカボン酸tert−ブチルジエチルジチオカルバミン酸、2−(フェニルカルボノチオイルチオ)プロパン酸、2−ヒドロキシベンズアルデヒド、N−エチルチオセミカルバゾン、(1R,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−チオンテトラエチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、4’−ヒドロキシビフェニル−4−チオカルボキシアミド、4−ビフェニルチオアミド、ジチゾン、4’−メチルビフェニル−4−チオカルボキシアミド、テトライソプロピルチウラムジスルフィドアントラセン−9−チオカルボキシアミド、フェナントレン−9−チオカルボキシアミド、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、および、4,4’−ビスジメチルアミノチオベンゾフェノンを含む。これらの試薬は、例えば、SigmaAldrich社から直ぐに入手可能である。

0078

Tu、ETu、TA、SDDC、ETC、およびTSCAの各々は、1)部分的に負の電荷を有し、2)負の静電ポテンシャル表面を有し、3)最低空分子軌道(lowest unoccupied molecular orbital:LUMO)として空のπ*反結合性軌道を有する、硫黄を含むチオカルボニル官能基を特徴とする。したがって、当業者は、このような基準を満たし、かつ、十分な水溶性を有する、上記の追加の試薬を含む他の試薬が、本明細書において開示する方法を実施するのに有用であることを合理的に予測することができる(ただし、これらの試薬は、金属または鉄酸化剤と複合して沈殿物を形成することはない)。潜在的に有用な試薬を識別し、任意の特定の鉱石との有効性を決定するためにその試薬に対して試験を実施することは、当業者にとって理解可能な範囲である。

0079

例えば、Tuは、ソフトウェアGaussian09を使用して計算した部分電荷が−0.371であり、硫黄の周囲に負の静電ポテンシャルを有し、かつ、LUMOとしてπ*反結合性軌道を有する、硫黄を含むチオカルボニル官能基を有する。したがって、Tuは、3つの基準すべてを満たし、かつ、実証された触媒効果を有する。

0080

TAは、Tuと類似の構造を有するが、NH2の代わりに、CH3側鎖を有する。TAは、ソフトウェアGaussian09を使用して計算した部分電荷が−0.305であり、この部分電荷はTuよりもわずかに小さく、硫黄の周囲に負の静電ポテンシャルを有し、かつ、LUMOとしてπ*反結合性軌道を有する、硫黄を含むチオカルボニル官能基を有する。したがって、TAもまた、3つの基準すべてを満足し、かつ、実証された触媒効果を有する。

0081

ETCは、TuおよびTAとは異なり、チオアミド基を含まない。ETCは、側鎖として、炭素σ結合した2つの硫黄原子を有するチオカルボニル官能基を有する。チオカルボニル官能基の硫黄は、ソフトウェアGaussian09を使用して計算した部分電荷が−0.122であり、この部分電荷はTuよりもはるかに小さく、前記硫黄の周囲に負の静電ポテンシャルを有し、かつ、LUMOとしてπ*反結合性軌道を有する。したがって、ETCもまた、3つの基準すべてを満たし、かつ、実証された触媒効果を有する。

0082

比較として、尿素は、C=S結合の代わりにC=O結合を有するカルボニル官能基を有する。C=O結合中の酸素は、ソフトウェアGaussian09を使用して計算した部分電荷が−0.634であり、前記酸素の周囲に負の静電ポテンシャルを有する。この点において、Tuの硫黄と非常に類似している。しかし、そのLUMOは、π*反結合性軌道を含まない。したがって、尿素は、金属浸出において触媒効果を有さないと予測される。

0083

二硫化炭素(CS2)は、2つのチオカルボニル官能基を含む。各官能基硫黄元素はそのLUMOとしてπ*反結合性軌道を含むが、前記硫黄元素は、ソフトウェアGaussian09を使用して計算した部分電荷が、正の電荷、+0.012である。したがって、CS2は触媒効果を有さいないと予測される。

0084

もちろん、試薬は水溶性でもあるべきである。例えば、ETCは、水にほとんど溶解しない。これによって、黄銅鉱から銅を浸出する上で、ETCはTuよりも有効ではないことの理由がわかる。

0085

試薬は、Fe2+/Fe3+イオンとともに錯体/沈殿物を形成しないことが好ましい。例えば、TSCAは、溶液に含まれるFe3+とともに赤色錯体を形成することができる。これによって、黄銅鉱から銅を浸出する上で、TSCAはTuよりも有効ではない理由が説明できる。

0086

また、試薬は、Cu+、Cu2+、Cd2+、または、Ni2+等の対象金属イオンとともに錯体/沈殿物を形成すべきではない。ジチオオキサミドは銅イオンとともに不溶性錯体を形成するので、硫化銅の鉱物の浸出に用いることができない。一方、TAはCd2+イオンと複合して不溶性錯体を形成するので、硫カドミウム鉱等の硫化カドミウムの鉱物を浸出するのに用いる事ができない。

0087

また、チオカルボニル官能基を有する化合物すべてが、金属硫化物からの金属抽出率を高めるのに有用である訳ではないことは、当業者も認識している。さらに、ある金属硫化物からの金属抽出率を高めるように機能する試薬が、別の異なる金属硫化物からの金属抽出率を高めるのに有用でない可能性もあることは、当業者も認識している。また、潜在的に有用な試薬を識別し、任意の特定の鉱石、精鉱、またはもしあれば他の材料との有効性を判定するためにその試薬に対して試験を実施することは、当業者にとって理解可能な範囲である。

0088

〔ホルムアミジンジスルフィド(FDS)〕
ホルムアミジンジスルフィド(FDS)は、Tuの酸化によって生成される。硫酸第二鉄等の酸化剤の存在下で、Tuは、下記の半電池反応に従って部分的に酸化してホルムアミジンジスルフィド(FDS)になる。
2SC(NH2)2→[(NH2)2CS]22++2e−

0089

FDSは、チオカルボニル官能基を含有しないが、その代わりに、硫黄と硫黄の間のσ結合を含む。硫酸第二鉄溶液中のFDSとTuとの間には平衡状態が存在し、その結果、TuではなくFDSを用いて調製される浸出液が、金属硫化物浸出の触媒に必要なTuを生じさせる。すなわち、FDSの分子は、硫酸第二鉄浸出液での分解時に2つのTu分子に分解する。したがって、チオカルボニル官能基を有する試薬としてTuを使用する浸出液は、TuまたはFDSのいずれかを用いて効果的に調製することができる。

0090

当業者は、この平衡状態により、Tu(およびFDS)の濃度が時間の経過とともに変動しうることを理解するであろう。したがって、本明細書において用いられる「濃度」または「Tu当量」は、浸出液中のTuの濃度を指し、また、溶液中のすべてのFDSがTuに分解されるとして(すなわち、2つの形態間での相互変換を無視して)、溶液中に存在するTuの量に関連する。同様に、本明細書において用いられ、浸出液中のFDSの濃度を表す「濃度」は、溶液中のすべてのTuがFDSに変換されるとした場合に(すなわち、2つの形態間での相互変換を無視して)、溶液中に存在するFDSの量に関する。

0091

本明細書で用いられる「初期濃度」という用語は、浸出液を鉱石サンプルに適用する時の試薬の初期濃度を指す。しかし、当業者は、試薬の濃度は、カラムまたはヒープを介して溶液が浸出する際の時間の経過とともに(例えば、析出または腐食を通じて)減少し得ることを理解するであろう。したがって、本明細書において開示する方法は、試薬の濃度が、鉱石を介する部分的な析出の際に適切な範囲内にあれば、金属硫化物からの金属抽出率を高めるように機能することを当業者は認識するであろう。したがって、材料(例えば、鉱石、精鉱、または卑金属硫化物を含む他の材料)の「接触」は、本明細書において用いられているように、前記浸出方法における任意の時点での材料の接触を意味する。より確実には、「接触」は、浸出される材料に浸出剤および/または試薬を適用する初期作用に限定されるのではなく、浸出方法中の任意の時点での浸出剤および/または試薬との接触を含む。

0092

黄FDSおよび硫酸第二鉄(または他の好適な酸化剤)の存在下で、銅鉱等の硫化銅の鉱物の陽極溶解は、以下の2つの反応に従って、FDSまたは第二鉄による黄銅鉱の酸化とともに、それぞれ進行する。
CuFeS2(s)+2[(NH2)2CS]2SO4(aq)→CuSO4(aq)+FeSO4(aq)+2S0(s)+4SC(NH2)2(aq)
CuFeS2(s)+2Fe2(SO4)3(a)→CuSO4(a)+5FeSO4(a)+2S0(s)

0093

黄銅鉱を酸化し、精鉱から銅を浸出した後に、浸出貴液から銅を回収することが望ましい。

0094

本明細書に開示する方法は、2つの基本的な工程、すなわち浸出および金属回収、例えば、溶液抽出(solvent extraction:SX)および電解採取(electrowinning:EW)、総称してSX−EW、を含む。前記浸出方法は、当業界で周知のように、パーコレーション浸出(堆積浸出等)、バット浸出、またはタンク浸出として実施してもよい。

0095

本開示のために、用語「含有する」および「含む」は、非限定的な意味で用いられ、これらの用語に続く項目を含むが、具体的に言及していない項目も除外することはないことを意味する。不定詞「a」を用いた要素の言及は、文脈が、要素が1つ、および複数の要素のうちの1つのみであると明確に要求しているのでない限り、要素が複数存在する可能性を除外するものではない。

0096

「パーコレーション浸出」は、本明細書で用いられているように、例えば、カラム浸出または堆積浸出であり、所望の溶解可能な鉱物を含有する一塊または一山の材料を介して、そこに好適な溶媒を浸透させて、鉱物を選択的に除去することを意味する。

0097

「カラム浸出」は、本明細書で用いられているように、実際に堆積浸出する際に生じる典型的な変動の効果を測定するために、鉱石サンプルと溶液が接触している、細長いカラムを用いて実施する浸出を意味する。

0098

「堆積浸出」は、本明細書で用いられているように、金属が見つかった鉱石から、その金属を抽出する方法、すなわち、選鉱しない方法である。堆積浸出は、効率およびコスト効果のために選択されることが多い。地山から鉱石を採取した後、通常、その鉱石をクラッシャー送り、より小さい粒子粉砕する。(ただし、ヒープ鉱石は、「採掘されたままの状態」、つまり、鉱石がそれ以上破砕されることなく、「爆破された」状態で浸出されている状態でありうる。)ヒープ鉱石は、一次、二次、または三次破砕の産物であってもよい。従来、粉砕された粒子は、その後、「堆積」または「積み重ね」られて、大きな一山を形成する。

0099

堆積浸出作業の失敗は、パッド上に配置した材料内に過剰な微粉が存在することがその永続的な原因である。過剰な微粉は、浸透性の低い材料となり、これによって、経済的なパッド作業において、浸出剤の浸透速度が非常に遅くなるか、または、鉱石と溶液との接触が不十分となる。したがって、堆積浸出の効率は、粉砕の後の凝集によって向上する。「凝集」は、本明細書で用いられているように、材料微粉または粒子を結合して、より大きな製品を製造する技術を意味する。凝集は、当業界において周知の異なる方法によって、実行可能である。通常、堆積浸出凝集は、結合剤を用いず、硫酸を用いてドラム凝集装置内で実行されるか、または、液滴ポイントで鉱石上に酸を噴霧することによりコンベヤーベルト上で実行される。

0100

抽出される鉱石の種類に応じた溶液を用いて、ヒープを洗浄する。当業界に周知の方法を利用して、浸出液用の酸を細菌によって発生させることが好ましい。または、必要に応じて、追加の酸を添加することができる。

0101

洗浄された溶液は、鉱石に浸透し、ヒープの底に流出することができる。プラスチックシート等の不浸透性層全体に一山の鉱石を配する。浸出貴液がその不浸透性層を通って流出し、収集池に向かって流れると、不浸透性層によって浸出貴液が収集される。溶液を収集すると、その溶液をポンプによって回収プラントに送り、溶媒抽出および電解採取(SX−EW)によって銅を抽出する。

0102

本明細書に開示する方法を堆積浸出に適用すると、適切な硫化鉱を含有する鉱石が、チオカルボニル官能基を有する試薬および酸性硫酸塩の存在下で選択的に浸出される。浸出液中の、チオカルボニル官能基を有する試薬の濃度は、約30mMまたはそれ以上であってもよい。当業者は、試薬濃度は金属硫化物の浸出率を高めるのに十分な範囲内にあればよいと理解するであろう。

0103

さらに、特定の金属硫化物からの金属の浸出を促進するのに、約100mM以下の試薬濃度で十分であるが、現時点で、100mM濃度は経済的に実現可能でなくてもよい。したがって、低濃度の試薬を使用することが好ましく、経済的および作業的な観点から実現可能な前記試薬濃度は、例えば、約90mM以下、約80mM以下、約70mM以下、約60mM以下、約50mM以下、約40mM以下、約30mM以下、約20mM以下、約10mM以下、約5mM以下、約4mM以下、約3mM以下、約2mM以下、約1.5mM以下、約1mM以下、約0.9mM以下、約0.8mM以下、約0.7mM以下、約0.6mM以下、約0.5mM以下、約0.4mM以下、約0.3mM以下、または、約0.2mM以下が好ましい。

0104

したがって、酸性硫酸塩中の試薬の濃度は、約0.2mM〜約0.3mM、約0.2mM〜約0.4mM、約0.2mM〜約0.5mM、約0.2mM〜約0.6mM、約0.2mM〜約0.7mM、約0.2mM〜約0.8mM、約0.2mM〜約0.9mM、約0.2mM〜約1.0mM、約0.2mM〜約1.5mM、約0.2mM〜約2.0mM、約0.2mM〜約2.5mM、約0.2mM〜約3mM、約0.2mM〜約4mM、約0.2mM〜約5mM、約0.2mM〜約10mM、約0.2mM〜約20mM、約0.2mM〜約30mM、約0.2mM〜約40mM、約0.2mM〜約50mM、約0.2mM〜約60mM、約0.2mM〜約70mM、約0.2mM〜約80mM、約0.2mM〜約90mM、または約0.2mM〜約100mMの範囲内であってもよい。

0105

浸出方法を、0℃(すなわち、水の氷点)〜80℃の温度で実行してもよい。しかし、前記方法は、通常、周囲温度かつ大気圧で実行される。

0106

状況によっては、ハロゲン化物を含む浸出剤を用いて浸出することが必要または好ましい。ハロゲン化物は、塩化物、臭化物、またはヨウ化物を含んでもよい。例えば、汽水海水、または塩水を用いて浸出することが必要でありうる。したがって、本明細書に開示する浸出方法を、120g/L程度の濃度で塩化物を含む浸出液を用いて実行してもよい。酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約1g/L〜約10g/L、約1g/L〜約20g/L、約1g/L〜約30g/L、約1g/L〜約40g/L、約1g/L〜約50g/L、約1g/L〜約60g/L、約1g/L〜約700g/L、約1g/L〜約80g/L、約1g/L〜約120g/L、約1g/L〜約90g/L、約1g/L〜約100g/L、約1g/L〜約110g/L、または約1g/L〜約120g/Lの範囲内にあってもよい。具体的な実施形態において、酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約20g/L〜約120g/L、20g/L〜約80g/L、または20g/L〜約50g/Lの範囲内にある。

0107

または、本明細書に開示する浸出方法を、30g/L程度の濃度で臭化物を含む浸出液を用いて実行してもよい。酸性硫酸塩溶液中の臭化物の濃度は、約1g/L〜約10g/L、約1g/L〜約20g/L、または約1g/L〜約30g/Lの範囲内にあってもよい。具体的な実施形態において、酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約10g/L〜約30g/Lの範囲内にある。

0108

または、本明細書に開示する浸出方法を、300ppm程度の濃度でヨウ化物を含む浸出液を用いて実行してもよい。酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約1g/L〜約10ppm、約1ppm〜約20ppm、約1ppm〜約30ppm、約1ppm〜約40ppm、約1ppm〜約50ppm、約1ppm〜約60ppm、約1ppm〜約70ppm、約1ppm〜約80ppm、約1ppm〜約90ppm、約1ppm〜約100ppm、約1ppm〜約110ppm、約1ppm〜約120ppm、約1ppm〜約130ppm、約1ppm〜約140ppm、約1ppm〜約150ppm、約1ppm〜約160ppm、約1ppm〜約170ppm、約1ppm〜約180ppm、約1ppm〜約190ppm、約1ppm〜約200ppm、約1ppm〜約210ppm、約1ppm〜約220ppm、約1ppm〜約230ppm、約1ppm〜約240ppm、約1ppm〜約250ppm、約1ppm〜約260ppm、約1ppm〜約270ppm、約1ppm〜約280ppm、約1ppm〜約290ppm、または約1ppm〜約300ppmの範囲内にあってもよい。具体的な実施形態において、酸性硫酸塩溶液中の塩化物の濃度は、約100ppm〜約300ppmの範囲内にある。

0109

溶媒抽出
前記浸出方法に従い、浸出液から銅を抽出することができる。固液分離の後、すなわち、ヒープから銅を含有する浸出貴液を排出した後、貴液に対して従来の溶媒抽出および電解採取を施して、下記の全体反応に従って、純銅カソードを製造することが好ましい。
SX−EW:CuSO4(a)+H2O(l)→Cu(s)+H2SO4(a)+1/2O2(g)

0110

浸出貴液中のチオカルボニル官能基を有する試薬は、電解採取作業において問題を引き起こさず、もちろん、レベリング剤としても有用である。Tuを含有するラフィネートを、その後、さらなる浸出のために、ヒープへと再循環してもよい。再循環された浸出液に、Tuを追補して、浸出のための所望の初期Tu濃度を実現してもよい。

0111

堆積浸出から回収したPLSは、鉄イオンおよび銅イオンを含む。チオカルボニル官能基を含む試薬は、銅イオンとともに様々な安定した錯体を形成できることが知られている(Doona and Stanbury, Inorg Chem 35:3210−3216; Mironov and Tsvelodub, J Solution Chem 25:315−325; Bowmaker et al.,Inorg Chem 48:350−368)。ヒドロキシオキシムやアルドキシム等、銅溶媒抽出(SX)に一般に使用される抽出剤は、銅イオン用の強い錯化剤である。溶媒抽出剤は、銅イオンおよびチオカルボニル配位子との間の平衡状態を変化させて、銅錯体からチオカルボニル配位子を分離することができる。遊離チオカルボニル配位子がラフィネート溶液に入ると、それらをヒープに回収することができ、浸出に触媒作用を及ぼし続けることができる。

0112

したがって、固液分離によって浸出から回収されたPLSは、その後、卑金属イオン抽出剤を含有する有機溶媒と混合して、混合物を形成する。当業者は、抽出される金属イオンに応じた適切な溶剤を選択することができる。前記有機溶媒は、脂肪族溶剤、芳香族溶媒、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記有機溶媒は、灯油、アルキル芳香族化合物、シクロパラフィン、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。

0113

また、当業者は、適切な抽出剤を選択することができるであろう。前記卑金属イオン抽出剤は、アルドキシム、ケトキシム、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記卑金属イオン抽出剤は、さらに、エステル改質剤、アルキルフェノール改質剤、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。

0114

前記溶媒抽出中に、卑金属陽イオンは前記試薬から分離され、これによって前記試薬が遊離し、前記PLSから前記卑金属陽イオンを前記有機溶媒中へと抽出することができる。前記遊離試薬は前記水相に残留する。前記水相から前記有機溶媒を分離すると、その結果として、前記遊離試薬を含む、卑金属イオン減損ラフィネート、および、前記有機溶媒と卑金属イオンとを含む、卑金属イオンが豊富な有機相が生じる。

0115

その後、前記卑金属イオン豊富な溶液を処理して、卑金属を回収してもよい。一方、浸出剤で使用するために、前記ラフィネートを再循環してもよい。

0116

上述したような濃度でPLSに存在する、塩化物、臭化物、またはヨウ化物等のハロゲン化物を用いれば、溶媒抽出の間、水相に遊離試薬を保持して、遊離試薬を含むラフィネートを製造することができる。

0117

上述したように、TuとFDSの間に平衡状態が存在し、その結果、PLS中のTuに対するFDSおよびTUとCuの錯体の比率は、浸出剤中のその比率より高くなることを、当業者は理解するであろう。Tuは、FDSまたはTUとCuの錯体よりも、硫化鉱/精鉱からの卑金属の浸出を向上させるのに強い効果を有するので、浸出へと再循環する前に、例えば、PLS中の卑金属イオンからTuを分離する、または還元剤を添加して、Tuを優先するよう平衡状態にバイアスをかけることによって、ラフィネート中の遊離Tuの割合を増加させることで、浸出方法を向上してもよい。

0118

図5には、卑金属硫化物から卑金属を回収する方法が、500で示されている。例えば、鉱石または精鉱など、少なくとも1つの卑金属硫化物を含む材料を浸出剤に接触させることによって、前記方法を開始する。浸出剤は、上述したように、酸性硫酸塩溶液とチオカルボニル官能基を有する試薬とを含み、少なくとも1つの卑金属硫化物から卑金属イオンを抽出して、試薬と卑金属イオンとを含む浸出貴液(PLS)を生成する。前記試薬の一部は、卑金属イオンと錯体を形成する。浸出を、反応器(すなわち、反応槽)、または反応器を伴わないヒープにおいて実行する。

0119

図6を参照する。試薬としてTuを用いる特定の実施形態において、FDSとTuとの平衡状態に対してTuを優先するようバイアスをかけるために、ラフィネートを浸出に戻す前にラフィネートを還元剤と混合する。当業者は、適切な還元剤を選択することができるであろう。例えば、還元剤は、H2S、NaSH、または亜鉛であってもよい。還元剤を添加して、Tu:FDS比を約0.5:1〜約9:1の範囲としてもよい。

0120

上記に挙げた鉱物から金属イオンを抽出するのを促進するために、チオカルボニル官能基を有する試薬を、触媒として酸性硫酸第二鉄溶液に添加した。本明細書に開示する実験において、チオカルボニル官能基を含む試薬は、鉱物の抽出に対して触媒効果を有することが認められた。上記のすべての試薬の中で、Tuが一貫して最も高い触媒性能を示した。したがって、確認した試薬の中で、Tuを最も重点的に研究した。しかし、チオカルボニル官能基を有する他の試薬での実験結果も示して、それらの触媒効果を比較する。チオカルボニル官能基を含まないものの、Tuと同等の触媒効果を有するFDSを、Tuとの平衡状態により、特別なケースとして研究した。以下に記載するように、様々な鉱石組成、試薬濃度、第二鉄濃度、および、様々な他の条件下で、浸出反応を大気圧で実施した。

0121

〔実施例1チオ尿素を使用する黄銅鉱からの銅の抽出〕
〔実施例1.1〕
黄銅鉱電極の電気化学的挙動に及ぼすTuの効果を、従来の三極ガラスジャケット型セルで研究した。CuFeS2電極を作用電極として使用し、飽和カロメル電極(saturated calomel electrode:SCE)を基準電極として使用し、グラファイト棒対電極として使用した。CuFeS2電極を、600および1200グリットカーバイドペーパーを用いて研磨した。すべての実験を、温度制御された水浴を用いて25℃で実行した。電解液の組成は、500mMのH2SO4、20mMのFe2SO4、および、0〜100mMのTuであった。測定を開始する前に、溶液を、N2を用いて30分間バブリングし、溶解したO2の濃度を低下させた。開路電位(open circuit potential:OCP)を、観測される変化が0.1mV/min以下となるまで記録した。観測したOCP値が一定となった後、電気化学インピーダンス分光(electrochemical impedance spectroscopy:EIS)を、10kHzから10mHzで正弦関数摂動する5mV交流電流を使って、OCPで実行した。また、直性偏波抵抗(Linear polarization resistance:LPR)試験を、OCPから±15mVで0.05mV/sの走査速度で実行した。

0122

直線電位スキャンを、各Tu濃度で測定したOCPから±15mVの電極電位で実行した。すべてのスキャンによって、解析した電極電位範囲内において直線挙動が示された。実験プロットの傾斜の増加が、Tu濃度の増加とともに、観測された。これらの曲線の傾斜を、各濃度における偏波抵抗(Rct)の値を推定するのに用いた。これらの値を、その後、式1を使って、溶解電流密度の値を推定するのに使用した。

0123

0124

図3は、CuFeS2電極の混合電位および溶解電流密度へのTuの効果を示し、また、Tu濃度が30mMの時に、最大溶解電流密度が得られたことを示す。Tu濃度が100mMまで増加すると、その結果、CuFeS2電極の電流密度および混合電位が減少した。さらに、100mMのTu溶液にCuFeS2電極を浸漬した後、銅のような膜が電極表面上で観察された。この膜は、カーバイドペーパーで電極を研磨することによってのみ除去できた。

0125

〔実施例1.2〕
図4は、初期TuまたはFDS濃度が、pH2および25℃における硫酸溶液中の黄銅鉱電極の電気化学溶解に及ぼす効果を示す棒グラフである。浸出液中のTu濃度が10mMであると、その結果、Tuが存在しない場合と比べて、溶解率が6倍増加し、FDS濃度が5mMであると、10mMのTuと比べて、溶解率が6倍増加した。40mMのFe(III)もまた含有する浸出液中のTuの濃度が10mMであると、40mMのFe(III)のみの場合と比べて溶解率が30倍増加した。

0126

〔実施例1.3〕
酸処理した異なる銅鉱石のカラム浸出を、浸出液に添加したTuを用いて実行した。図5に、カラムのセットアップの概略を示す。カラムの直径は8.84cm、カラム高は21.6cm、カラムスタック高さは15.9cmであった。注水速度は、0.77mL/min、または8L/m2/hであった。カラムから放出される浸出貴液を、原子吸光分光(atomic absorption spectroscopy:AAS)により、2日毎または3日毎に、銅を求めてサンプリングした。

0127

表1に、これらの鉱石の具体的な鉱物学的組成を示す。鉱石A、鉱石B、鉱石CのCu含有量は、それぞれ、0.52%w/w、1.03%w/w、および1.22%w/wであった。浸出前に、鉱石を「酸処理」して、鉱石内に存在する酸消費材中和した。すなわち、鉱石を、濃縮硫酸80%と脱イオン水20%とを含む濃縮硫酸溶液と前記鉱石とを混合し、72時間放置した。鉱石Cを用いた1つの処理において、Tuを前記硫酸処理溶液に添加した。

0128

浸出液の初期組成物は、Feが2.2g/L(すなわち、硫酸第二鉄として、40mM)かつ対照実験用にpH2、および、Tuが0.76g/L(すなわち、10mM)を含む、またはTuを含まなかった。各カラムにおける鉱物の初期充填量は、鉱石1.6kg〜1.8kgであった。鉱石カラムを通過する溶液の空塔速度は、7.4Lm−2h−1であった。希釈された硫酸を用いて、pHを調節した。上記2つのカラムを、全浸出時間、オープンループまたはオープンサイクル構成(すなわち、溶液をリサイクルしない)で維持した。

0129

図6図7、および図8はそれぞれ、鉱石A、鉱石B、および鉱石Cに関する浸出試験の結果を示す。浸出剤中にTuが存在している場合、黄銅鉱からの銅の浸出において明らかにポジティブな効果がある。平均して、Tu存在下の浸出率は、浸出液がTuを含まない場合の対照試験と比べ、1.5〜2.4係数だけ増加した。図6図8に示す最終時点で、Tuは添加されておらず、硫酸と硫酸第二鉄とを含有する溶液を用いて浸出された、鉱石A、鉱石B、鉱石Cを含むそれぞれのカラムに対して銅の抽出を行った結果は、それぞれ、21.2%(198日後)、12.4%(50日後)、および40.6%(322日後)であった。10mMのTuを添加した場合、上記抽出の結果は、それぞれ、37.9%、32.0%、および72.3%であった。

0130

図8を参照する。元々Tuを含有していなかった浸出液に2mMのTuを322日目から以降添加すると、その後、浸出率は急激に増加した。332日目から448日目まで、このカラムから浸出された銅は、40%〜58%に増加し、その期間中ずっと、急速な浸出が維持された。

0131

図9に示すように、最後7日間の平均は、10mMのTuの存在下で浸出した酸処理済みの鉱石Cに対する浸出率は、Tu不在の場合に浸出された酸処理済みの鉱石Cに対する浸出率よりも3,3倍高く、また、Tu不在の場合に浸出された酸処理済みかつTu処理済みの鉱物Cより4.0倍高い。

0132

図10は、溶液電位に及ぼすTuの効果を示す。すべての電位は、Ag/AgCl(飽和)基準電極に対して報告されている。Tuを含有する浸出液の溶液電位は、概して、75mV〜100mVの間であり、Tuを含まない浸出液の溶液電位より低い。より低い溶液電位は、黄銅鉱の不動態化を防止するTu作用と一貫性がある。

0133

〔実施例1.4ボトルロール浸出〕
各種濃度のTuの存在下で、粗鉱石Aおよび粗鉱石Bに対して「ボトルロール」浸出実験を実施した。粗く破砕した鉱物(100%が1/2インチを通過)を用いて、試験を実施した。

0134

カラム浸出実験で使用した鉱石に対してとった手順と同様の手順で、浸出前に鉱石を処理した。濃縮硫酸80%と脱イオン水20%とを含む濃縮硫酸溶液と、鉱石を混合し、72時間放置して、鉱石中に存在する酸消費材料を中和した。いくつかの実験において、硫酸処理溶液を用いて、異なる濃度のTuを鉱石に添加した。

0135

実験に使用したボトルは、長さ20cm、直径12.5cmであった。180gの処理済み鉱石と420gの浸出液を各ボトルに充填し、ボトルの容積の約3分の1まで満たした。

0136

各ボトルから浸出液を、2時間、4時間、6時間、および、8時間でサンプリングし、その後、24時間毎にサンプリングを行った。サンプルの銅含有量を、原子吸光分光(AAS)により分析した。

0137

ボトルロール実験の条件を表2に示す。ボトルへのTuの添加は最初のみにして、実験♯1〜♯6を実施した。実験♯7〜♯11では、Tuを24時間毎に添加して、Tu濃度を回復させた。

0138

Tuは銅浸出にポジティブな効果があったことが観測された。粗鉱石実験において、80時間から120時間経過するまで、プラトーは観測されなかった。粗鉱石実験においてTuを定期的に添加した結果、銅の溶解率が良好となった。

0139

図11および図10に、浸出液中の異なる濃度のTuが粗鉱石の浸出に及ぼす効果(表2に示す実験♯1〜♯11)を示す。

0140

鉱石Bに対して、Tuを24時間ごとに定期的に添加して、系内のチオ尿素濃度を回復させ、その結果、カラム浸出実験における条件をよりよく模倣した。図9に見られるように、8mMおよび10mMのTuは、鉱石Aに対して試験を実施した他の濃度のTuよりも、銅の溶解率が高くなった。溶解におけるプラトーは、約120時間が経過するまで観測されず、図11に示すようにTu濃度とともに変化した。

0141

0142

図12に見られるように、5mMのTuは、鉱石Bに対して試験を実施した他の濃度のTuよりも、銅の溶解率が高くなった。鉱石Aに関して、溶解におけるプラトーは、約80時間から120時間が経過するまで観測されず、図12に示すように、Tu濃度とともに変化した。Tuを定期的に添加した結果、銅の溶解率が高くなり、溶解プラトーを遅らせた。

0143

興味深いことに、100mMのTuを含有する溶液は、Tuを含有しない溶液よりも、銅抽出において、あまり高い効果を示さず、いくつかの時点では、それらより効果が低くさえあった。これは、200mM(すなわち、15g/L)のTuを含有する溶液によって黄銅鉱からの銅抽出は向上しなかったと報告したDeschenesおよびGhaliの結果と一致する。Tuは、高濃度において不安定であり、分解する。したがって、Tuの初期濃度が30mMよりも幾分高い場合、Tuの分解によって十分な硫黄元素が生成されて、黄銅鉱の鉱物上に膜を形成し、それによって、その不動態化を促進することが可能になる。また、Tu用量が高いと、溶液から一部の銅が沈殿し(例えば、図17を参照)、低い抽出結果の原因の一部を占めることになる可能性もある。

0144

〔実施例2黄銅鉱、銅藍、輝銅鉱、斑銅鉱、硫砒銅鉱、硫鉄ニッケル鉱、ビオラル鉱、および硫カドミウム鉱からの、チオ尿素を用いた抽出〕
Tuの触媒効果について、攪拌反応器試験でさらに実証した。すべての反応器に、pH1.8および総イオン濃度40mMの硫酸第二鉄溶液1.9Lが充填された。各反応器試験において、1gの鉱物サンプルを使用した。酸化剤の非制限的供給を維持するように、これらの実験条件を設定した。

0145

黄銅鉱に及ぼす触媒の効果を実証するために、様々な不純物を含有する黄銅鉱の精鉱の代わりに、純度100%の合成黄銅鉱を使用した。前記黄銅鉱は、熱水作用によって合成した。はじめに、CuCl、FeCl3、およびTuを1:1:2のモル比で混合し、150mLの脱イオン(de−ionized:DI)水に溶解した。得られた溶液を、テフロン登録商標)で内張りした反応槽に移し、240℃まで24時間加熱した。反応の終わりに、沈殿したパウダーを酸性水(pH=1)で洗浄し、室温で乾燥した。X線回折(x−ray diffraction:XRD)解析の結果、前記合成黄銅鉱は、黄銅鉱精鉱と比べて、いかなる不純物も含んでいなかったことがわかった。本明細書に開示するように、攪拌反応器で実施したすべての試験において、この合成黄銅鉱を使用した。

0146

0147

本明細書に開示する実験で使用した銅藍鉱物もまた、熱水作用によって合成した。CuClとTuを、1:1のモル比で混合し、150mLのDI水に溶解した。得られた溶液を、テフロンで内張りした反応槽に移し、220℃まで24時間加熱した。合成したCuSを酸洗浄し、空気中で乾燥した。XRD解析の結果、前記CuSは他の成分の干渉をうけず、純度100%であることがわかった。

0148

本明細書に開示する実験で使用した輝銅鉱の鉱物サンプルは、100%の純度を有する天然鉱物であった。

0149

本明細書に開示する実験で使用した斑銅鉱の鉱物は、モンタナ州ビュートから入手したものであり、その銅含有量は誘導結合高周波プラズマ発光分光分析(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry:ICP−AES)により58.9%であることがわかった。XRD解析の結果、前記鉱物は、斑銅鉱を76.8%、黄銅鉱を8.1%、黄鉄鉱を6.3%、砒四面銅鉱を5.8%、硫砒銅鉱を3.0%含有していた。XRDから算出した銅含量は、55.6%であり、この結果は化学分析と比較的一致した。

0150

本明細書に開示する実験で使用した硫砒銅鉱は、硫砒銅鉱の精鉱の形をとっており、XRD解析により硫砒銅鉱を約70%(銅34%)含有していることがわかった。

0151

本実験で使用した硫カドミウム鉱の鉱物は、熱水作用により合成した。CdCl2とチオ尿素を、1:1のモル比で混合し、100mLのDI水に溶解した。得られた溶液をテフロンで内張りした反応槽に移し、150℃まで24時間加熱した。合成したCdSを、酸洗浄し、空気中で乾燥した。XRD解析の結果、前記CdSは他の成分の干渉をうけず、純度100%であることがわかった。

0152

本明細書に開示する実験で使用したビオラル鉱は、天然ビオラル鉱の鉱物であり、そのNi含有量はICP−AESにより15.8%であることがわかった。XRD解析結果、前記鉱物は、ビオラル鉱を約42%、NiSO4・6H2Oを13.1%含有していたことがわかった。

0153

チオカルボニル基における硫黄は、孤立電子対と充填π軌道とを含有し、前記充填したπ軌道は、遷移金属上の充填d軌道から電子逆供与されることが潜在的に可能であるπ*反結合性軌道と一緒に、前記遷移金属とのドナーアクセプター型の結合に用いることができる。したがって、理論的には結合を必要とすることなく、表面イオンとチオカルボニル官能基との相互作用、特に金属から配位子への逆供与が、触媒効果の役割をはたしていると推測される。また、触媒効果は、より高いd電子数の遷移金属に対してより顕著であり、触媒効果はd10電子構成を有する鉱物に最も顕著であると推測される。

0154

図13は、黄銅鉱と、銅藍と、輝銅鉱と、斑銅鉱と(これらはすべてCu(I)を含有する)を含む、一般的な硫化銅鉱物の浸出に、Tuが触媒作用を及ぼすことを示す。96時間の浸出後、黄銅鉱の抽出は、2mMのTuを用いた場合、64.1%に達し、一方、Tuを用いなかった場合は21.1%であった。銅藍の抽出は、2mMのTuを用いた場合、74.4%に達し、一方、Tuを用いなかった場合は7.2%であった。輝銅鉱の抽出は、2mMのTuを用いた場合、85.6%に達し、一方、Tuを用いなかった場合は65.1%であった。斑銅鉱の抽出は、2mMのTuを用いた場合、91.4%に達し、一方、Tuを用いなかった場合は56.7%であった。

0155

Cu(I)と同様に、Cd(II)もまたd10電子構成を有する。図14に示すように、CdS鉱物の浸出は、Tuを添加することで著しく向上する。Tuを用いると、カドミウムの抽出は、48時間で100%に達し、一方、非触媒反応における抽出は、96時間後に47%でプラトーに達した。

0156

硫砒銅鉱の鉱物中の銅イオンは、他の一次および二次硫化物よりもd電子が少なく、よって、触媒効果は、Cu(I)鉱物より遅いと推測される。それにもかかわらず、図15に示す結果のとおり、初期濃度2mMのTuを含む浸出液を用いて浸出した場合、96時間の浸出後にいかなる有意な抽出も示さなかったTu無しの対照に比べ、硫砒銅鉱からの銅の浸出率は高くなることが明らかであった。

0157

Ni(III)などのd7電子構成を有する遷移金属イオンを含有する鉱物に対しても、Tuを添加して触媒作用を利用した浸出を行った。Cu(II)と同様、Ni(III)は、d7電子により最も安定した酸化状態にあるので、d10鉱物の場合のような劇的な触媒効果を期待できない。図16を参照すると、初期濃度2mMのTuを含む浸出液を用いて浸出した場合、Tu無しの対照に比べ、ビオラル鉱からのニッケルの浸出率は高いことがわかる。

0158

表3に、実施例2において言及した浸出実験の結果をまとめる。非触媒条件下および触媒条件(初期濃度2mMのTu)下での抽出率が比較されている。

0159

0160

〔実施例3試薬用量〕
試薬の用量が最適であると、浸出の効果が高くなる。第1に、試薬は、ある濃度で、対象の金属イオンとともに不溶性錯体を形成し、沈殿する。例えば、Tuは3:1のモル比でCu(I)イオンと不溶性錯体を形成することができる。沈殿試験を実施し、CuとTuの錯体が沈殿する濃度範囲を調べた。20mLのCu溶液は、同一の分量で幾つかに分けて、その後、各種用量(すなわち0mM〜60mM)のTuを添加した。得られた溶液を24時間攪拌し、溶液相に残留しているCuをAASによって分析した。図17に残留Cu率をプロットして、結果を示す。

0161

第2に、金属硫化物の堆積浸出は、バイオ浸出メカニズムに基づいており、過剰な量の試薬は、バイオ浸出のための微生物に有害である。例えば、アシドチオバシラスフェロオキシダンス、アシドチオバシラス・チオオキシダンスなど、バイオ浸出に一般に用いられる細菌は、10mMのTuを含有する溶液中では非常にゆっくりと成長し、100mMのTuでは生存できない。

0162

第3に、特にTuに関して、第二鉄はTuと反応し、TuをFDSに転化する(Hydrometallurgy 28, 381−397(1992)参照)。前記反応は、ある条件下において可逆的であるが、高濃度のFDSは、不可逆的に分解してシアナミドと硫黄元素になる傾向がある(J Chromatogr 368, 444−449参照)。
2Tu+2Fe3+⇔FDS+2Fe2++2H+
FDS→Tu+cyanimide+S

0163

したがって、浸出剤にTuを過剰に添加すると、酸化および分解によってFe3+およびTuが損失されうる。FDSの不可逆的分解は、4mMのTuをpH1.8で40mMの硫酸第二鉄溶液に添加したときに観測された。

0164

銅の抽出に及ぼすTu用量の効果をさらに調査するために、攪拌反応器試験を、様々な初期Tu濃度で、pH1.8で40mMの硫酸第二鉄溶液1.9L中の1gの合成黄銅鉱を用いて実施した。前記処理を、172時間行い、最大抽出率に迫った。図18にその結果を示す。その結果によれば、1gの黄銅鉱に対して、Tu用量が高い場合、試験した各種Tu濃度の中で浸出速度がより速くなることが示された。

0165

5mM以下のTu用量に対して、初期濃度40mMの硫酸第二鉄溶液は、酸化剤の十分な供給源と考えられる。しかし、10mMおよび20mMなどの高いTu用量の場合、TuをFDSに酸化するのに、追加の第二鉄を溶液に添加しなければならない(Tuに対して1:1)。10mMのTuの場合、時刻0時点で、追加の10mMのFe3+を添加した。20mMのTuの場合、72時間後に追加の20mMのFe3+を添加し、このようにして、図18に示すように連続抽出を行った。

0166

図19には、Tu用量に対する、172時間後のCu抽出がプロットされている。5mM以下の初期Tu用量は、Cuの溶解に対して最も明確に効果を及ぼすことが明らかである。

0167

上述したように、様々な濃度のFe3+とCu2+イオンを含有する酸溶液(pH1.8)を用いた、先のフラスコ振盪試験において、4mMのTuを添加した際に、FDSの分解により、わずかな沈殿が生じた。したがって、Tu濃度を4mM未満にすると、このような沈殿を回避することができる。Cu錯体沈殿物を生じさせない[Fe3+]および[Cu2+]の濃度範囲を特定するために、初期濃度2mMのTuと、様々な濃度のマトリクスでFe3+(0mM〜100mM)およびCu2+(0mM〜50mM)とを含有する溶液に対して、一連のフラスコ振盪試験を実施した。その結果、この広範囲のFeおよびCuマトリクス濃度において、2mMのTuを使用することで、溶液相からのCuの沈殿も損失も生じなかったことが示された。

0168

〔実施例4代替試薬〕
合成黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱および硫砒銅鉱の浸出について、チオカルボニル官能基を有するいくつかの他の試薬の触媒効果を調べた。実験は、pH1.8で40mMの硫酸第二鉄溶液が入った攪拌反応器で実施した。Tu、TA、SDDC、ETC、およびTSCAを含む、初期濃度2mMの様々なチオカルボニル試薬とともに、1gの黄銅鉱または銅藍を反応器に添加した。図20図21図22、および図23に、上記の試薬すべてまたは一部を用いて、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、および硫砒銅鉱に対するCu抽出曲線を示す。

0169

図20図23から、チオカルボニル官能基を有するこれらのさらなる試薬の各々は、黄銅鉱、銅藍、斑銅鉱、および、硫砒銅鉱の各々の硫酸第二鉄の浸出に有益な効果を示すことは明確である。

0170

図24に、尿素および二硫化炭素を追加で調査した黄銅鉱に関する更なる攪拌反応器試験の結果を要約する。これらの結果によって、予想どおり、尿素および二硫化炭素はともに有効な試薬ではないことが確認された。

0171

〔実施例5FDS〕
黄銅鉱、斑銅鉱、銅藍、および、輝銅鉱の浸出における、FDSを用いて調製した浸出液の触媒効果を、攪拌反応器試験により判定した。すべての反応器に、pH1.8で総イオン濃度40mMの硫酸第二鉄溶液を1.9Lを入れた。1gの鉱物サンプルを、各反応器試験で使用した。1mMの初期FDS濃度、または2mMの初期Tu濃度を適用した。

0172

図25aおよび図25bに示した攪拌反応器試験の結果から、96時間後に黄銅鉱、斑銅鉱、銅藍、および輝銅鉱の各々の浸出において、FDSはTuと同等の効果を有することが明らかとなった。

0173

〔実施例6 Tuを用いた段階的閉ループバイオ浸出〕
Tuを用いて閉ループバイオ浸出を実施した。主にCuFeS2の形をとり、Cu含有量が約0.25%である7kgの鉱石を、約300ML/minの曝気率かつ1L/日の流量で浸出した。

0174

鉱石を、硫酸により前処理し、硫酸を用いて酸化物(例えば、胆礬および塩基性銅塩)を浸出した。酸浸出時間が終了した後、残留液を集めて、栄養分を含む硫酸第一鉄溶液(pH1.6〜1.8に調整され、40mMのFeSO4、0.4g/Lの硫化マグネシウム水和物、および0.04g/Lのリン酸二水素カリウム)と置換した。第一鉄および栄養分を含む溶液をカラムに勢い良く流して、細菌生育に良好な生息環境を設けた。細菌の接種により、48時間内で、274mVから550mVへとORPが増加した。この工程およびそれ以降の工程に使用した溶液を、カラム内で循環させ続け、自立型閉ループ系を形成した。

0175

この段階において、残留している銅源は、主にCuFeS2である。細菌がカラム中に生存した状態で、Tuを浸出液に漸次添加した。上述したように、40mMのFe3+の存在下で、Tuを2:1のモル比でFDSに変換する。動作電位(ORP)を細菌活性の指標として使用し、HPLCをFDS含有量を監視するのに使用した。0日〜50日まで、浸出液は、接種した細菌とともに(Tu添加無し)、40mMのFe3+を含んでいた。90日〜98日まで、合計1.878gのTuを漸次添加した。この時、流出物に関するHPLC分析結果は、FDSが約1.5mMで維持されていたことを示し、それ以上、Tuを添加しなかった。

0176

図26に示すように、流出物のORPは常に、流入物のORP以上であり、これは、細菌が活発にFe2+をFe3+へと酸化させていたことを示す。FDS含有量をHPLCによって分析した結果、約1.5mMのFDS(添加した3mMのTuと同等)が溶液相に存在し、沈殿は観測されなかった。したがって、1.5mMのFDS(3mMのTuと同等)は、第二鉄が沈殿することなく、溶液中で使用可能であることがわかる。

0177

閉ループ浸出試験の結果を図27に示す。0日〜50日まで、細菌は、高い活性を維持し、Fe2+をFe3+へと酸化した。しかし、一定の流量(1L/日)での、最初の50日間の浸出率は、たったの1.97mgCu/日であった。90日目にTuの添加を開始すると、Cuの抽出率は6.54mg/日まで増加し、98日後も、そのまま一定であった。これは、閉ループ系において、試薬は分解されず、有効なままであったことを示している。

0178

〔実施例7チオカルボニル官能基を有する試薬を用いて塩化物の存在下で行う黄銅鉱からの抽出〕
〔実施例7.1〕
硫化銅からの浸出を促進するTuの能力に及ぼす塩化物の効果について、撹拌反応器で試験を行った。各反応器には、40mMの総第二鉄濃度で、pH1.7の硫酸第二鉄溶液2Lに純度100%の合成黄銅鉱1gを入れた。実験反応器には、20g/L、50g/L、80g/L、または120g/Lの塩化物濃度で、初期濃度2mMのTuを入れた。Tuを含まない反応器、塩化物を含まない反応器、および、Tuも塩化物も含まない反応器を、対照群として含んだ。さらに、200ppmのCuで、2mMのTuと80g/Lの塩化物とが入れられた反応器も含まれていた。これらの実験条件を設定して、酸化剤を無制限に供給し続けるようにした。

0179

図28に示すように、Tuの存在は、濃度120g/Lの塩化物の存在下で黄銅鉱から銅を抽出するのにポジティブな効果がある。抽出された銅の量は、塩化物の濃度が高くなるとともに減少したが、それにもかかわらず、Tuが不在であった場合と比較すると、Tuの存在下では銅の抽出率は高かった。例えば、Tuを含まず、20g/Lの塩化物のみを含む溶液と比べて、Tuと120g/Lの塩化物とを含む溶液では、銅の抽出率が高かった。

0180

〔実施例7.2〕
硫化銅からの浸出を促進するTuまたはETuの能力に及ぼす塩化物の効果について、撹拌反応器で試験を行った。各反応器には、40mMの総第二鉄濃度で、pH1.7の硫酸第二鉄溶液1L当たり21.6%の銅を含む黄銅鉱の精鉱1gを入れた。実験反応器には、0g/L、20g/L、80g/L、または200g/Lの塩化物濃度で、初期濃度0mMまたは2mMのTuまたはETuを入れた。表4に溶液組成を記載する。

0181

0182

図29aおよび図29bに示すように、TuまたはETuの存在は、濃度200g/Lの塩化物の存在下で黄銅鉱から銅を抽出するのにポジティブな効果がある。抽出された銅の量は、塩化物の濃度が高くなるとともに減少したが、それにもかかわらず、Tuが不在であった場合と比較すると、Tuの存在下では銅の抽出率は高かった。例えば、Tuを含まず、20g/Lの塩化物のみを含む溶液と比べて、Tuと120g/Lの塩化物とを含む溶液では、銅の抽出率は高かった。

0183

〔実施例8チオカルボニル官能基を有する試薬を用いて臭化物の存在下で行う黄銅鉱からの抽出〕
硫化銅からの浸出を促進するチオカルボニル官能基を有する試薬の能力に及ぼす臭化物の効果について、撹拌反応器で180時間にわたって、試験を行った。各反応器には、40mMの総第二鉄濃度で、pH1.7の硫酸第二鉄溶液1L当たり21.6%の銅を含む黄銅鉱の精鉱1gを入れた。実験反応器には、10g/Lまたは30g/Lの臭化物濃度(臭化カリウムの形で供給)で、初期濃度2mMのTuまたはETuを入れた。TuもETuも含まない反応器を、対照群として含めた。反応器を室温で撹拌した。表5に溶液組成を記載する。

0184

0185

図30aおよび図30bに示すように、TuとETuの両方とも、初期濃度30g/Lの臭化物の存在下で黄銅鉱から銅を抽出するのにポジティブな効果があった。

0186

〔実施例9チオカルボニル官能基を有する試薬を用いてヨウ化物の存在下で行う黄銅鉱からの抽出〕
ヨウ化物の存在下で硫化銅からの浸出を促進するチオカルボニル官能基を有する試薬の能力について、撹拌反応器で180時間にわたって、試験を行った。各反応器には、40mMの総第二鉄濃度で、pH1.7の硫酸第二鉄溶液1L当たり21.6%の銅を含む黄銅鉱の精鉱1gを入れた。実験反応器には、100ppmまたは300ppmのヨウ化物濃度(ヨウ化カリウムの形で供給)で、初期濃度2mMのTuまたはETuを入れた。TuもETuも含まない反応器を、対照群として含めた。反応器を密閉状態で室温で撹拌した。表3に溶液組成を記載する。

0187

0188

図31aおよび図31bに示すように、ヨウ化物媒体チオカルボニル化合物(ここでは例としてTUおよびETU)を添加すると、結果として、密閉反応器試験において、純ヨウ化物を浸出するよりも、反応速度がわずかに遅くなる。これまでの研究が示唆したところによると、金属、ヨウ化物、およびチオカルボニル種の間で錯化が生じうる(Bowmaker et al., Inorganic Chemistry, 48:350−368)。

0189

したがって、浸出反応速度が遅いのは、恐らく、ヨウ化物がそれらの錯体に入ってしまって、触媒作用に利用できなくなってしまうからであろう。

0190

ヨウ素、ヨウ化物、およびトリヨウ化物の間の平衡状態が下記のとおりであるとし、
I2+I−⇔I3− Keq≒700〜770
第二鉄イオンは、下記の反応によって、ヨウ化物を酸化してヨウ素にすることができるという事実から考えると、
2Fe3++2I−→I2+2Fe2+
総ヨウ素(この場合、ヨウ化物+ヨウ素)は、ICP−AES検出前に、元の位置で酸化することによって正確に検出すればよい。したがって、従来のICP−AESのみを実施し、結果を正常化した。

0191

図32を参照すると、密閉反応器中の溶液を分析した結果、ほとんどのヨウ化物が溶液に残留していたことがわかる。しかし、実際の開放環境では、ヨウ化物は、第二鉄によって、ヨウ素に酸化され、そのヨウ素は、その揮発性により浸出剤から失われると予想される。したがって、チオカルボニル官能基を有する試薬の存在下または不在下で、シミュレートされた開放状態においてヨウ化物が保持されるかどうかを試験した。開放表面蒸発試験を2つ平行して実施し、上記現象を実証した。両方の容器日陰に配置し、溶液の表面を、大気に直接に露出させた。溶液を(撹拌せずに)停滞させた。残留ヨウ化物を72時間にわたって測定した。表7に溶液組成を記載する。

0192

0193

図33を参照する。結果は、ヨウ化物が酸性硫酸第二鉄溶液に入り込み、急速にI2に変化して、水相から蒸発したことを示している。チオカルボニル官能基を有する試薬、すなわち、Tuの存在下で、総ヨウ化物濃度は、試験の間、安定していた。

0194

したがって、ヨウ化物の存在下で硫化銅からの浸出を促進するチオカルボニル官能基を有する試薬の能力について、開放状態において、83時間、撹拌反応器で再び試験を行った。各2L反応器には、40mMの総第二鉄濃度で、pH1.7の硫酸第二鉄溶液1Lで21.6%の銅を含む黄銅鉱の精鉱1gを入れた。実験反応器には、100ppmまたは300ppmのヨウ化物濃度(ヨウ化カリウムの形で供給)で、初期濃度2mMのTuまたはETuを入れた。TuもETuも含まない反応器を、対照群として含めた。反応器を密閉状態で室温で撹拌した。表8に溶液組成を記載する。

0195

0196

図34aおよび図34bに示すように、TuとETuの両方とも、初期濃度300ppmのヨウ化物の存在下で黄銅鉱から銅を抽出するのにポジティブな効果があった。抽出された銅の量は、ヨウ化物の濃度が高くなるとともに増加したが、TuおよびETuが不在であった場合と比較すると、TuおよびETuの存在下では銅の抽出率は高かった。

0197

ヨウ化物濃度も、浸出中、監視した。図35aおよび図35bに示す結果のとおり、開放環境下では、ヨウ化物は水相から急速に失われた。溶液中のヨウ化物量は各処理において時間の経過とともに減少した。これも同様に、第二鉄によってヨウ化物が酸化されて生成したヨウ素の揮発性に因るものである。しかし、時間の経過に伴うヨウ化物の減少は、TuまたはETuを含有する溶液においては非常に小さかった。したがって、チオカルボニル官能基を有する試薬は、溶液中のヨウ化物の安定性を維持するのに有用である。

0198

一般に、チオカルボニル官能基を有する試薬は、ハロゲン化物成分を有する浸出系と相溶性がある。前記試薬は、塩化物および臭化物を浸出する環境において、銅の抽出を促進する。一方で、ヨウ化物系では、そのような試薬は、密閉状態下では抽出を促進しないかもしれないが、一方で、堆積浸出等の実際の操作条件下では、そのような試薬は、溶液中のヨウ化物種の安定性を向上させる。

0199

〔実施例10PLSからのチオカルボニル官能基の回収〕
浸出へと再循環するためにPLSから試薬を回収することが望ましい。しかし、PLSから試薬を効果的に回収することが可能かどうかについては、最初は不明であった。チオカルボニル官能基を有する試薬は、溶媒抽出に使用する有機溶媒に溶解しうる有機物である。これは、水相からすべての触媒を除去し、したがって浸出へと触媒が再循環する可能性をなくしてしまうので費用が増加するという望ましくない効果を潜在的に有している。これはまた、溶媒抽出の効果も損ねる、またはさらには消滅させてしまう可能性もある。

0200

チオカルボニル官能基を有する試薬は、銅の錯化剤である。これによって、試薬が溶媒抽出において銅錯体から効率的に抽出されてしまうのを防ぐことができる。

0201

チオカルボニル官能基を有する試薬はまた、界面活性剤でもある。これらの試薬は、溶媒抽出有機物と相互作用して、二相間の中間層(「残滓」としても知られる)を生じさせ、溶媒抽出性能および回収を損ねてしまう可能性がある。

0202

したがって、チオカルボニル官能基を有する試薬を、浸出剤に再循環するためにPLSから回収することができたかどうかを判定するための試験を実施した。

0203

〔実施例10.1〕
Tuを含有する酸性硫酸第二鉄溶液で浸出された黄銅鉱の鉱石カラムからのPLSを、銅抽出剤を含有する有機溶媒と、特定の時間、混合した。前記有機溶媒は、ナフテン酸成分と、パラフィン成分と、イソパラフィン成分とを含む脂肪族炭化水素を含む鉱油蒸留物(Exxsol(登録商標)D80)であった。銅抽出剤は、弱エステル変性アルドキシム(Acorga(登録商標)M5910)であった。前記有機溶媒中の銅抽出剤含有量は、6%v/vであった。混合の際のPLSと有機溶媒の比率は、5:1v/vであった。PLSは、2.5mM当量の遊離Tuを含んでいた。

0204

混合後、有機溶媒と水相を分離し、前記水相から採取したサンプルの試薬含量を分析した。供給PLSは、2.5mM当量の遊離Tuを含んでいた。

0205

銅抽出剤を含む有機溶媒にPLSを2分間、4分間、および10分間、接触させた後に得られたラフィネート中の遊離Tu当量を表9に示す。また、PLS中のTuおよびFDSの量、ならびに、水相(すなわち、ラフィネート)に残留する銅の量も表9に示す。

0206

得られた結果は以下のとおりである。
・(TUおよびFDSの形の)触媒試薬は、PLSから、銅を含まないラフィネート中に回収される。
・有機溶媒とPLSとの混合時間を長くすると、PLSと比べて、ラフィネート中のFDSに対するTuの比率が高くなる。

0207

0208

〔実施例10.2〕
第二鉄、第二銅、塩化物、臭化物、ヨウ化物、およびTuの濃度がそれぞれ異なる合成液を、酸性硫酸塩媒体(pH=1.7)において調製して、浸出貴液をシミュレートした。ハロゲン種を伴う処理が含まれており、それによって、異なるハロゲン浸出系から得られるPLSをシミュレートした。表10に溶液の組成を記載する。

0209

0210

その後、Acorga M5910を用いて、合成PLS溶液の溶媒抽出の前後にTU当量を測定し、合成ラフィネートを形成した。ICP−AESを用いて、元素分析を実施した。HPLCを用いて、チオカルボニル化合物を分析した。回収したTu当量を正確に測定するため、すべてのFDS種をTUに還元する還元剤としての分析前に、亜鉛末を合成PLSおよび合成ラフィネートに添加した。
2H++FDS+Zn→Zn2++2TU

0211

図36は、シミュレートされたPLS中、および溶媒抽出後に生じたシミュレートされたラフィネート中の遊離Tu当量を示す棒グラフである。回収率は、入力濃度に基づいて算出される。合成PLSよりも合成ラフィネートから、より多くのTuが回収された。これは、Tu/FDS種が、SXによって溶液から銅イオンを除去した後の、銅が放出され、錯体化したTu/FDSであったことを示す。

0212

〔実施例10.3〕
第二鉄、第二銅、塩化物、臭化物、ヨウ化物、およびETuの濃度がそれぞれ異なる合成液を、酸性硫酸塩媒体(pH=1.7)において調製して、浸出貴液をシミュレートした。ハロゲン種を伴う処理が含まれており、それによって、異なるハロゲン浸出系から得られるPLSをシミュレートした。表11に溶液の組成を記載する。

0213

0214

その後、Acorga M5910を用いて、合成PLS溶液の溶媒抽出の前後にETuを測定し、合成ラフィネートを形成した。ICP−AESを用いて、元素分析を実施した。HPLCを用いて、チオカルボニル化合物を分析した。

0215

図37は、シミュレートされたPLS中、および溶媒抽出後に生じたシミュレートされたラフィネート中の遊離ETuを示す棒グラフである。回収率は、入力濃度に基づいて算出される。合成PLSよりも合成ラフィネートから、より多くのETuが回収された。これは、ETu種が、SXによって溶液から銅イオンを除去した後の、銅が放出され、錯体化したETuであったことを示す。

0216

〔実施例11使用済み浸出材からの、チオカルボニル官能基を含む試薬の回収〕
図38および図39を参照する。本発明者らは、浸出される材料に付与したTuの一部は、浸出の初期段階で前記材料内に封鎖されることを観測した。異なる3つの銅鉱石サンプルがそれぞれ入ったカラムを、濃度2mM(152ppm)でTuを含有する溶液で洗浄した。流出溶液を監視し、Tu当量濃度を求めた。前記濃度が2mMに達したときに、洗浄を停止した。

0217

図38は、流出溶液における総Tu(つまりTu当量)濃度のグラフを示す。約28時間の洗浄後に、流出物濃度は流入物濃度と等しくなった。図39は、各鉱石サンプルのための2段階の酸性水(pH1.8)洗浄のうち1段階中の流出物濃度のグラフを示す。24時間後、Tuの流出濃度は各ケースにおいてにほぼ0まで低下する。しかし、表12に示すとおり、かなりの量のTuは、そのような2回の酸性洗浄後でさえ、カラムに封鎖されて残留した。

0218

0219

図40は、図表形式の表12に記載されたデータを提供する棒グラフである。

0220

理論にしばられることなく、鉱石固体の表面への吸着機構を介して、かつ/または、鉱石固体の孔隙拡散することによって、封鎖が生じうる。Tuを使用済み浸出材から回収して、触媒コストを最低限に抑えることが望ましい。

0221

したがって、本発明者らは、浸出材からTuを回収する、卑金属イオンを含む希薄溶液の能力に対して試験を実施した。特に、表12および図38を参照すると、硫酸銅希薄溶液(例えば、100ppm、500ppm、または1000ppmのCu)でカラムをすすぐことは、カラムからTuを回収するのに有効であることが実証された。酸性リンス中に、間隙があり有孔のTuが回収されると推定すると、銅希薄溶液は、鉱石表面に吸着したTuを回収するのに有効であるようにみえる。これは、異なる鉱石を用いた酸性リンスのみではその性能は非常に変わりやすい仮定した場合に、特に重要である。さらには、リンス液中の銅濃度を高めることで、Tuの総回収量が増加したものの、100ppmの最低濃度の場合でさえ、有意な結果となった。

0222

実際、銅イオン以外に卑金属イオンを含む溶液は、チオカルボニル官能基を含む、Tu以外の、触媒試薬を、減損浸出材から回収するのに役立つと当業者は理解するであろう。本明細書において、浸出材について述べるのに使用される「減損」または「使用済み」という用語は、鉱石または精鉱を含む材料であって、少なくとも1つの卑金属硫化物を含んでいる、または含んでいた材料を意味し、前記卑金属硫化物は、チオカルボニル官能基を有する試薬を含む酸性硫酸塩溶液を用いて浸出することが容易にでき、ある程度の量が浸出された卑金属硫化物である。

0223

このように、本開示は、少なくとも1つの卑金属硫化物が浸出された浸出材に封鎖されているチオカルボニル官能基を含む試薬を回収する全般的な方法に関することを、当業者は理解するであろう。前記方法は、卑金属イオンを含む洗浄液で浸出材をすすいで、試薬を含む洗浄貴液(PWS)を生成することを含む。

0224

前記方法は、広い濃度範囲の卑金属イオンに対して機能することを当業者は理解するであろう。様々な実施形態において、洗浄液中の卑金属イオンの濃度は、少なくとも100ppm、少なくとも500ppm、または少なくとも1,000ppmである。

0225

洗浄液で浸出材をすすぐ前に、浸出材を酸性溶液ですすいでもよい。酸性溶液のpHは約1.8であってもよい。

0226

様々な実施形態において、卑金属イオンは、銅イオンを含む。様々な実施形態において、銅イオンは、第二銅イオンを含む。

0227

下記に記載し、かつ、ここに参考文献として組み込む、2016年4月15日に出願されたPCT特許出願第PCT/CA2016/050444号においてより詳細に例証されるように、少なくとも1つの卑金属硫化物を含む材料から少なくとも1つの卑金属イオンを回収するのに使用するために、その後、卑金属イオンと回収した試薬とを含むPWSを、酸性硫酸塩溶液を含む浸出剤に添加してもよい。

0228

または、さらに以下に記載するように、PWSに対して溶媒抽出工程を実施して、卑金属イオンを除去し、その後、以下に記載するように少なくとも1つの卑金属硫化物を含む材料から少なくとも1つの卑金属イオンを回収するのに使用するために、卑金属イオン減損液を酸性硫酸塩溶液を含む浸出剤に添加する。Tuは、卑金属硫化物を含有する材料から卑金属を浸出するのを向上させるのに、より大きな効果を有するので、その後に続く浸出は、より高い遊離Tuによって、卑金属イオン減損液を再循環することで向上される。したがって、本開示の態様は、特に、TuとFDSとを含む、卑金属イオン減損液に還元剤を添加することで、浸出剤への添加の前に、Tuを優先するよう平衡状態にバイアスをかけることに関する。

0229

回収した試薬を用いて、浸出剤中に先在している(すなわち、あらかじめ浸出剤に添加されている)、チオカルボニル官能基を有する試薬を追補してもよいことを、当業者は理解するであろう。または、回収した試薬を添加した後、チオカルボニル官能基またはFDSを有する追加の試薬を浸出剤に添加してもよい。

0230

酸性洗浄と第二銅洗浄とを組み合わせることで、銅鉱石ヒープからTuを最大限に回収、恐らく完全に回収することが可能となり、これによって、Tuの触媒作用を利用した堆積浸出の経済性が向上する。

実施例

0231

本発明の特定の実施形態を説明かつ例示してきたが、これらの実施形態は、本発明の例示に過ぎず、添付した特許請求の範囲に従って解釈されるように本発明を限定するものではない。

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