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課題・解決手段
本発明は、Snならびに元素周期表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素から選択される1つ以上の活性金属を含むアミノ化触媒の存在下でエチレングリコールおよび/またはモノエタノールアミンをアンモニアと反応させることにより、液相でアルカノールアミンおよび/またはエチレンアミンを製造する方法において、前記アミノ化触媒を、触媒前駆体の還元焼成により得ることを特徴とする方法に関する。この場合、前記触媒前駆体は、好ましくは、従来の担体材料または触媒担体材料を、前記活性金属の1つ以上の可溶性化合物および任意に前記触媒添加元素の1つ以上の可溶性化合物と接触させることにより製造される。本発明はさらに、Snならびに元素周期表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素から選択される1つ以上の活性金属を含むアミノ化触媒の製造方法であって、前記アミノ化触媒を触媒前駆体の還元焼成により得る方法において、前記触媒前駆体の前記還元焼成が行われる反応器がDenoxプラントに接続されていることを特徴とする方法、ならびにアミノ化触媒の製造におけるDenoxプラントの使用に関する。
概要
背景
概要
本発明は、Snならびに元素周期表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素から選択される1つ以上の活性金属を含むアミノ化触媒の存在下でエチレングリコールおよび/またはモノエタノールアミンをアンモニアと反応させることにより、液相でアルカノールアミンおよび/またはエチレンアミンを製造する方法において、前記アミノ化触媒を、触媒前駆体の還元焼成により得ることを特徴とする方法に関する。この場合、前記触媒前駆体は、好ましくは、従来の担体材料または触媒担体材料を、前記活性金属の1つ以上の可溶性化合物および任意に前記触媒添加元素の1つ以上の可溶性化合物と接触させることにより製造される。本発明はさらに、Snならびに元素周期表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素から選択される1つ以上の活性金属を含むアミノ化触媒の製造方法であって、前記アミノ化触媒を触媒前駆体の還元焼成により得る方法において、前記触媒前駆体の前記還元焼成が行われる反応器がDenoxプラントに接続されていることを特徴とする方法、ならびにアミノ化触媒の製造におけるDenoxプラントの使用に関する。
目的
本発明の課題はまた、高い安全基準を満たすアミノ化触媒の製造方法を提供する
効果
実績
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
Snならびに元素周期表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素から選択される1つ以上の活性金属を含むアミノ化触媒の存在下でエチレングリコールおよび/またはモノエタノールアミンをアンモニアと反応させることにより、液相でアルカノールアミンおよび/またはエチレンアミンを製造する方法において、前記アミノ化触媒を、触媒前駆体の還元焼成により得ることを特徴とする方法。
請求項2
前記触媒前駆体を、従来の担体材料または触媒担体材料を前記活性金属の1つ以上の可溶性化合物および任意に触媒添加元素の1つ以上の可溶性化合物と接触させることにより製造することを特徴とする、請求項1記載の方法。
請求項3
前記触媒担体材料または従来の担体材料を、浸漬または含浸により、前記活性金属の可溶性化合物および場合により前記触媒添加元素の可溶性化合物と接触させることを特徴とする、請求項2記載の方法。
請求項4
前記1つ以上の活性金属が、Co、Ru、Sn、NiおよびCuからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
請求項5
前記1つ以上の活性金属のうちの1つがRuまたはCoであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
請求項6
請求項7
前記担体材料がAlおよび/またはZrを含むことを特徴とする、請求項2から5までのいずれか1項記載の方法。
請求項8
前記担体材料を可溶性Ru化合物および可溶性Co化合物と同時にまたは連続して接触させ、前記可溶性コバルト化合物は硝酸Coであることを特徴とする、請求項2から7までのいずれか1項記載の方法。
請求項9
請求項10
前記還元焼成を水素の存在下で行うことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
請求項11
請求項12
前記還元焼成時の温度が100〜300℃の範囲にあることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
請求項13
前記還元焼成を、Denoxプラントが接続されている反応器で行うことを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
請求項14
請求項15
Snならびに元素周期表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素から選択される1つ以上の活性金属を含むアミノ化触媒の製造方法であって、前記アミノ化触媒を触媒前駆体の還元焼成により得る方法において、前記触媒前駆体の前記還元焼成が行われる反応器がDenoxプラントに接続されていることを特徴とする方法。
請求項16
前記還元焼成を、請求項9から14までのいずれか1項記載の方法により行うことを特徴とする、請求項21記載の方法。
請求項17
請求項18
アミノ化触媒の製造におけるDenoxプラントの使用。
目次
技術分野
0002
一般に、エチレンジアミン(EDA)の工業規模の製造には2つの方法が使用される。
0003
まず、EDAは、1,2−ジクロロエタンをアンモニアと反応させてHClの脱離下に製造することができる(EDC法)。EDAを製造するための更なる工業規模の方法は、アミノ化触媒の存在下でのモノエタノールアミン(MEA)とアンモニアとの反応である(MEA法)。
0004
これらの確立された方法の代替案として、EDAはモノエチレングリコール(MEG)とアンモニアとの反応によっても製造することができる。
0005
このような方法にはさまざまな利点がある。1つの利点は、MEAと比較してMEGの可用性が高いことである。
0006
MEAは、エチレンオキシド(EO)とアンモニアの反応により工業規模で製造される。一般に形成されるのは、MEAのほかに、ジエタノールアミン(DEOA)およびトリエタノールアミン(TEOA)などのより高級なエタノールアミンも含む反応混合物である。これらの副生成物は、別個の蒸留工程によりMEAから分離されなければならない。エチレンオキシドは可燃性の高いガスで、空気と爆発性の混合物を形成する可能性がある。EOの管理は、それに応じて複雑である。したがって、MEAの製造には、下流の精留を伴う技術的に複雑なEOプラントが必要である。
0007
対照的に、MEGは、石油化学原料をベースにしても、再生可能な原料をベースにしても製造することができる。石油化学的手段により、MEGは水との反応によりEOから同様に製造される。EOとアンモニアとの反応の場合と同様に、EOと水との反応の場合、すでに形成されたMEGがEOと反応してジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールなどの副生成物を生成するのを防ぐことはできない。MEGの選択率は約90%であるため、一般に70〜80%であるMEAの選択率よりも明らかに高い。しかしながら、Shellのオメガプロセスにより、MEGの選択率は約99%に再び明らかに向上させることができた。オメガプロセスでは、EOはCO2と反応して炭酸エチレンを生成し、これは2つ目の工程で選択的に加水分解されてMEGになる。
0008
MEGの製造は、たとえば、メタノールを酸化的カルボニル化してシュウ酸ジメチルを生成し、引き続きシュウ酸ジメチルを水素化することによる合成ガス経路を介して行うこともできる。したがって、MEGの製造のための更なる石油化学原料として、天然ガスまたは石炭も考慮に入れられる。
0009
あるいはMEGは、エタノールへの発酵、引き続くエテンへの脱水、その後の酸素との反応によるエチレンオキシドの生成により、トウモロコシまたはサトウキビなどの再生可能な原料からも製造することができる。
0012
気相でのMEGのアミノ化は、中国特許第102190588号明細書および中国特許第102233272号明細書の2つの中国出願に開示されている。
0013
たとえば、中国特許第102190588号明細書は、Cu含有触媒の存在下でのMEGとアンモニアとの一段階の反応について記載している。この記載によれば、反応圧力は3〜30barの範囲にある。反応温度は150〜350℃の範囲にある。
0014
中国特許第102233272号明細書の出願には、主成分としてCuおよびNiならびに副成分としてZr、Zn、Al、Ti、MnおよびCeを含む触媒上での気相でのMEGとアンモニアとの反応が開示されている。しかしながら、得られた反応混合物の組成は開示されていなかった。
0015
気相での反応の代替案として、MEGとアンモニアおよび水素との反応は液相でも行うことができる。しかしながら、気相および液相での触媒の反応挙動には、一般にかなりの違いがあるため、気相でのMEGの反応挙動から液相でのMEGの反応挙動を推論することは一般的に許容されない。
0016
液相でのMEGの金属触媒アミノ化の概要は、Carsten Wolfgang Ihmelsの卒業論文「Reaktionskinetische Untersuchungen zur metallkatalysierten Aminierung von Ethylenglykol in der fluessigen Phase」に示されている(“液相でのエチレングリコールの金属触媒アミノ化の反応速度論の研究”,Diplom thesis from the Carl von Ossietzky University of Oldenburg dated 03.17.2000).Ihmelsは、MEGのアミノ化に際して生じる可能性のある多数の後続反応および副反応、たとえば、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンの形成、不均化、ニトリル形成、カルボニル縮合およびフラグメンテーション反応について記載している。二価アルコールの場合の縮合および不均化は、最終的に、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)などのオリゴマーおよびポリマーの形成にもつながる可能性がある。更なる重要な副反応は環化である。たとえば、ジエタノールアミンまたはDETAはさらに反応してピペラジン(PIP)を生成する可能性がある。より高い温度では、環化に続く脱水素化が促進され、芳香族化合物が生成される。したがって、MEGとアンモニアとの反応により、幅広い生成物スペクトルが得られ、生成物スペクトルにおける一部の生成物は、他の生成物よりも商業的関心が高い。たとえば、EDA、DETAおよびTETAの商業的需要は、PIPまたはアミノエチルエタノールアミン(AEEA)の商業的需要よりも高い。したがって、MEGとアンモニアとの反応に関する多くの研究の目的は、有利な生成物スペクトルをもたらす触媒および反応条件を見つけ出すことであった。
0017
Ihmels自身は、コバルト/二酸化ケイ素担体触媒上でのMEGの反応を研究していた。所望の目的生成物であるMEAおよびEDAを得るためのアミノ化には成功しなかった。代わりに、高分子反応生成物が形成された。穏やかな条件下で、MEGの反応が不完全なままであるため、目的生成物であるMEAおよびEDAは低い収率で得られていた。主たる生成物はオリゴマー化合物であった。
0018
米国特許第4,111,840号明細書は、Ni/Re担持触媒上で500〜5000psig(約34〜340bar)の圧力でのMEGとアンモニアおよび水素との反応を開示している。還元前に、触媒は300〜500℃の範囲で焼成される。焼成は不活性雰囲気下で実施できることも開示されている。
0019
米国特許第3,137,730号明細書には、Cu/Ni触媒上で200〜300℃の温度および1000psig(約69bar)を超える圧力にて液相でのMEGとアンモニアとの反応が開示されている。実施例では、触媒は400〜800℃の温度で焼成される。
0020
西独国特許第1172268号明細書は、Cu、Ag、Mn、Fe、NiおよびCoの金属の少なくとも1つを含む触媒上でのエチレングリコールの反応を開示している。1つの実施例では、MEGが、Co触媒上で水素の存在下に180℃および300barの圧力でアンモニアと反応させられていた。触媒は、適切に700℃を超える温度で焼結することにより製造される。
0021
国際公開第2007/093514号には、EDAを製造するための二段階のプロセスが開示されており、1つ目のプロセス段階では、アミノ化は、最大40%のMEA変換率までヒドロアミノ化触媒上で実施され、2つ目のプロセス段階では、小さな幾何学的形状を有するRu/Co担持触媒成形体が用いられ、この2つ目の段階は、1つ目のプロセス段階よりも少なくとも10℃高い温度で実施される。触媒は200〜500℃で焼成される。実施例では、焼成は空気の存在下で行われる。
0022
国際公開第2013072289号は、Al、Cu、NiおよびCoのほかに元素Snを含む触媒上でのアルコールと窒素含有化合物との反応を開示している。好ましいアルコールとして、エチレングリコールおよびモノエタノールアミンが挙げられている。焼成は、一般的に300〜800℃の範囲の温度で行われる。1つの実施例では、焼成は空気を通過させて行われる。
0023
Snを含むアルコールのアミノ化用触媒が、同様に国際公開第2011067200号に開示されている。そこに記載されている触媒は、Snのほかに元素Co、Ni、AlおよびCuも含む。焼成は、一般的に300〜800℃の温度で行われる。
0024
アルコールのアミノ化用の更なる触媒は、国際公開第200908051号、国際公開第2009080508号、国際公開第200006749号および国際公開第20008006750号に開示されている。これらの触媒は、ZrおよびNiのほかにCu、Sn、Coおよび/またはFeも含む。更なる構成成分は、V、Nb、S、O、La、B、W、Pb、Sb、BiおよびInなどの元素である。
0025
国際公開第96/38226号は、Re、Ni、Co、B、Cuおよび/またはRuを含むアルコールのアミノ化用触媒を開示している。1つの実施例では、SiO2からなる担体にNH4ReO4、硝酸Ni、H3BO3、硝酸Coおよび硝酸Cuの溶液が浸漬され、引き続き焼成される。更なる浸漬工程では、焼成および含浸された担体にRu塩化物が浸漬される。還元前に、200〜500℃の範囲で焼成が任意に実施され、この開示内容によれば、焼成は、好ましくは空気の存在下で行われる。
0026
米国特許第4,701,434号明細書および米国特許第4,855,505号明細書では、Niおよび/またはCoならびにRuを含む触媒の存在下でのMEGおよびMEAのアミノ化が開示されている。この場合、Ni酸化物および/またはCo酸化物を含む触媒前駆体が、Ruハロゲン化物、たとえばRu塩化物と接触させられ、引き続き水素流中で還元される。この開示内容によれば、触媒前駆体の焼成は、空気流中300〜600℃で行われる。Ruハロゲン化物で処理された触媒前駆体の引き続く還元は2段階で行われ、最初は150〜300℃で還元され、第2段階で温度は300〜600℃に上げられる。
0027
欧州特許出願公開第0839575号明細書は、多孔質金属酸化物担体上にCo、Niおよびそれらの混合物ならびにRuを含む触媒を開示している。触媒の製造は、金属を担体に含浸し、含浸担体を乾燥および焼成し、水素流中で焼成担体を還元することにより行われる。さらに、担体に任意の順序で金属化合物を含浸してもよいことが開示されている。1つの実施例では、担体は硝酸Ni、硝酸Coおよび硝酸Cuの溶液で最初に含浸され、引き続き焼成され、硝酸Ru水溶液で後浸漬され、再び400℃で焼成される。
0028
米国特許第5,958,825号明細書は、担体材料を浸漬し、引き続き含浸触媒を乾燥および焼成することにより製造される、NiおよびCoおよびRuを含む触媒を開示している。米国特許第5,958,825号明細書の実施例1では、酸化アルミニウム担体にNiO、CoOおよびCuOを最初に含浸し、400℃での焼成後、触媒前駆体に硝酸Ru溶液が噴霧された。このようにして得られた触媒前駆体は乾燥され、400℃で焼成された。
0030
特に、有価生成物、すなわち、商業的に非常に重要なエタノールアミンまたはエチレンアミン、特にMEAおよびEDAの形成が促進され、環状エチレンアミン、特にPIP、およびより高級なエタノールアミン、特にAEEAの形成が低く抑えられるべきである。なぜなら、PIPまたはAEEAの商業的需要は、EDAおよびMEAよりも低いためである。
0031
特に、NMEDA、NEEDAおよびエチルアミン(EA)などの特定の望ましくない副生成物の濃度も減少されるべきである。NMEDAの揮発性はEDAとほとんど差がないため、両成分を分離するには必ず分離の手間が大いに生まれる。したがって、製造の時点で少量のNMEDAしか形成されなければ有利である。EDAの通常の製造仕様では、EDA中に存在するNMEDAは500ppm未満である必要がある。
0032
さらに、触媒は高い活性を有し、良好な空時収率を達成するために高いMEG変換も可能にすべきである。
0034
本発明の課題は、Snならびに元素周期表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素から選択される1つ以上の活性金属を含むアミノ化触媒の存在下でエチレングリコールおよび/またはモノエタノールアミンをアンモニアと反応させることにより、液相でアルカノールアミンおよび/またはエチレンアミンを製造する方法において、アミノ化触媒を、触媒前駆体の還元焼成により得ることを特徴とする方法により解決された。
0035
驚くべきことに、本発明により還元焼成されるアミノ化触媒が、MEGとNH3との反応時に線状アミノ化生成物MEAおよびEDAに対する高い選択性を有し、環状アミノ化生成物PIPおよびより高級なエタノールアミンAEEAに対する選択性は低いことが確かめられた。
0036
さらに、本発明の触媒により、NMEDAなどの望ましくない副生成物の形成はより少なくなることが確かめられた。そのうえ、本発明の方法で使用されるアミノ化触媒は、MEGの変換に対して高い活性を有し、ひいては変換時に高い空時収率を可能にすることが確かめられた。
0037
本発明の反応での使用に適した還元焼成によるアミノ化触媒の製造において、触媒前駆体の還元焼成は、爆発性混合物を形成し得る窒素酸化物を生じさせる可能性がある。窒素酸化物は、特に触媒前駆体の製造において、触媒担体材料または非触媒担体材料が、製造中に活性金属または触媒添加元素の硝酸塩もしくはニトロシル硝酸塩と接触したときに形成され得る。
0038
したがって、本発明の課題はまた、高い安全基準を満たすアミノ化触媒の製造方法を提供することであった。
0039
この課題は、Snならびに元素周期表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素から選択される1つ以上の活性金属を含むアミノ化触媒の製造方法であって、アミノ化触媒を触媒前駆体の還元焼成により得る方法において、触媒前駆体の還元焼成が行われる反応器がDenoxプラントに接続されていることを特徴とする方法により解決された。
0040
以下の略語を上記および下記で使用する:
AEEA:アミノエチルエタノールアミン
AEP:アミノエチルピペラジン
DETA:ジエチレントリアミン
EA:エチルアミン
EDA:エチレンジアミン
EO:エチレンオキシド
EDC:エチレンジクロリド
HEP:ヒドロキシエチルピペラジン
NEEDA:N−エチルエチレンジアミン
NMEDA:N−メチルエチレンジアミン
MEA:モノエタノールアミン
MEG:モノエチレングリコール
PEHA:ペンタエチレンヘキサミン
PIP:ピペラジン
TEPA:テトラエチレンペンタミン
TETA:トリエチレンテトラミン
0041
アミノ化触媒
MEGおよび/またはMEAとNH3との反応によりアルカノールアミンおよびエチレンアミンを製造する本発明の方法は、アミノ化触媒の存在下で行われる。
0042
触媒前駆体
アミノ化触媒は、触媒前駆体の還元焼成により得られる。
0043
活性組成物
使用される触媒前駆体は、活性組成物を含む。
0044
触媒前駆体の活性組成物は、活性金属と、任意に1つ以上の触媒添加元素と、任意に1つ以上の担体材料とを含む。
0045
活性金属
触媒前駆体の活性組成物は、Snならびに元素周期表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素からなる群から選択される1つ以上の活性金属を含む。
0046
好ましくは、触媒前駆体の活性組成物は、Fe、Ru、Co、Ni、CuおよびSnからなる群から選択される1つ以上の活性金属を含む。
0047
非常に好ましくは、触媒前駆体の活性組成物は、Ru、Co、Ni、CuおよびSnからなる群から選択される1つ以上の活性金属を含む。
0048
特に好ましい実施形態では、1つ以上の活性金属のうちの1つがRuまたはCoである。
0049
非常に好ましい実施形態では、1つ以上の活性金属のうちの1つがRuである。
0050
更なる非常に好ましい実施形態では、アミノ化触媒は、活性金属の下記の組合せのうちの1つを含む:
RuおよびCo;
RuおよびSn;
RuおよびCu;
RuおよびNi;
RuおよびCoおよびSn;
RuおよびCoおよびCu;
RuおよびCoおよびNi;
RuおよびSnおよびCu;
RuおよびSnおよびNi;
RuおよびCuおよびNi;
RuおよびCoおよびSnおよびCu;
RuおよびCoおよびSnおよびNi;
RuおよびCoおよびSnおよびCuおよびNi;
CoおよびSn;
CoおよびCu;
CoおよびNi;
CoおよびSnおよびCu;
CoおよびSnおよびNi;
CoおよびCuおよびNi;または
CoおよびSnおよびCuおよびNi。
0051
非常に好ましい実施形態では、アミノ化触媒は、RuとCoの両方を含む下記の組合せのうちの1つを含む:
RuおよびCo;
RuおよびCoおよびSn;
RuおよびCoおよびCu;
RuおよびCoおよびNi;
RuおよびCoおよびSnおよびCu;
RuおよびCoおよびSnおよびNi;
RuおよびCoおよびSnおよびCuおよびNi。
0052
触媒添加元素
本発明の方法で使用される触媒前駆体の活性組成物は、任意に1つ以上の触媒添加元素を含んでもよい。
0054
好ましい触媒添加元素は、Zr、Al、Pb、Bi、Ce、YおよびMnである。
0055
特に好ましい触媒添加元素は、Zr、Al、YおよびMnである。
0056
非常に好ましい触媒添加元素は、ZrおよびAlである。
0057
触媒活性成分
触媒前駆体において、活性金属および触媒添加元素は、一般的に、それらの酸素含有化合物の形態で、たとえば、触媒添加元素または活性金属の炭酸塩、酸化物、混合酸化物または水酸化物として存在する。
0058
活性金属および触媒添加元素の酸素含有化合物は、以降、触媒活性成分と呼ばれる。
0059
しかしながら、「触媒活性成分」という用語は、これらの化合物自体がすでに触媒活性であることを含意するものではない。触媒活性成分は、一般に、触媒前駆体の還元が行われた後に初めて、本発明の反応において触媒活性を有する。
0060
一般に、触媒活性成分は、活性金属もしくは触媒添加元素の可溶性化合物または活性金属もしくは触媒添加元素の沈殿析出物から焼成により触媒活性成分に変換され、この変換は、一般に脱水および/または分解により行われる。
0061
担体材料
触媒活性組成物は、1つ以上の担体材料をさらに含んでもよい。
0062
本発明の文脈において、触媒担体材料と従来の担体材料とは区別される。
0063
従来の担体材料
従来の担体材料は、一般的に、触媒前駆体の製造において固体として用いられ、この固体上に活性金属および/もしくは触媒添加元素の可溶性化合物を沈殿させるか、または活性金属もしくは触媒添加元素の可溶性化合物を浸漬させる触媒添加元素である。一般に、従来の担体材料は、大きい表面積を有する固体である。
0065
好ましい担体材料は、触媒添加元素のAl、Ti、Zn、ZrおよびSiまたはそれらの混合物の酸化物、たとえば、酸化アルミニウム(ガンマ、デルタ、シータ、アルファ、カッパ、カイまたはそれらの混合物)、二酸化チタン(アナターゼ、ルチル、ブルッカイトまたはそれらの混合物)、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素(たとえばシリカ、ヒュームドシリカ、シリカゲルまたはケイ酸塩)、アルミノケイ酸塩、鉱物、たとえばハイドロタルサイト、クリソタイルおよびセピオライトである。
0066
特に好ましい担体材料は、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物である。
0067
特に好ましい実施形態では、従来の担体材料は、50〜2000μm、好ましくは100〜1000μm、特に好ましくは300〜700μmの範囲の粒子のメジアン径d50を有する酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物である。特に好ましい実施形態では、粒子のメジアン径d50は、1〜500μm、好ましくは3〜400μm、特に好ましくは5〜300μmの範囲にある。好ましい実施例では、粒径の標準偏差は、一般に、メジアン径d50の5〜200%、好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜80%の範囲にある。
0068
触媒担体材料
非常に特に好ましい実施形態では、担体材料は触媒担体材料である。
0069
触媒担体材料は、1つ以上の活性金属を含む固体である。触媒担体材料は、特に、以下に記載されるように、共沈、沈殿適用または浸漬によりそれ自体で製造され、引き続き、一般的に分離、洗浄、乾燥および焼成により後処理され、場合により、成形工程により後述の形状および幾何学的形状に変えられる化合物である。
0071
触媒担体材料は、活性金属または触媒添加元素の可溶性化合物と沈殿剤との同時沈殿(共沈)により製造することができる。このために、一般に、液体中での対応する活性金属の1つ以上の可溶性化合物と、場合により触媒添加元素の1つ以上の可溶性化合物とが、沈殿完了まで、加熱および撹拌しながら沈殿剤と混合される。
0072
一般に、液体として水が使用される。
0073
活性金属の可溶性化合物として、通常、対応する金属塩、たとえば、前述の金属の硝酸塩またはニトロシル硝酸塩、塩化物、硫酸塩、カルボン酸塩、特に酢酸塩または硝酸塩またはニトロシル硝酸塩が考慮に入れられる。
0074
触媒添加元素の可溶性化合物として、一般に、触媒添加元素の水溶性化合物、たとえば、水溶性硝酸塩またはニトロシル硝酸塩、塩化物、硫酸塩、カルボン酸塩、特に酢酸塩または硝酸塩またはニトロシル硝酸塩が使用される。
0075
触媒担体材料はさらに、沈殿適用により製造することができる。
0076
沈殿適用とは、一般に1つ以上の担体材料、好ましくは従来の担体材料を液体に懸濁し、その後に活性金属の可溶性化合物、たとえば活性金属の可溶性金属塩と、任意に触媒添加元素の可溶性化合物とを添加し、次いでこれらを沈殿剤の添加により懸濁担体材料に沈殿させる製造方法を意味する(たとえば、欧州特許出願公開第1106600号明細書、第4頁、およびA.B.Stiles,Catalyst Manufacture,Marcel Dekker,Inc.,1983,第15頁に記載)。
0077
活性金属または触媒添加元素の可溶性化合物として、一般に、活性金属または触媒添加元素の水溶性化合物、たとえば、水溶性硝酸塩またはニトロシル硝酸塩、塩化物、硫酸塩、カルボン酸塩、特に酢酸塩または硝酸塩またはニトロシル硝酸塩が使用される。
0078
沈殿適用で使用される担体材料は、たとえば、細片、粉末または成形体、たとえばストランド、タブレット、球体もしくはリングの形態で用いてもよい。好ましくは、以下に記載される好ましい形状および幾何学的形状をすでに有する担体材料が使用される(「担体材料の形状および幾何学的形状」の項を参照)。
0081
沈殿剤として、アンモニウム塩、たとえば、ハロゲン化アンモニウム、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウムまたはカルボン酸アンモニウムを用いてもよい。
0082
沈殿反応は、たとえば、20〜100℃、特に30〜90℃、特に50〜70℃の温度で実施することができる。
0083
沈殿反応で得られる析出物は、一般的に化学的に不均一であり、一般に、使用される金属または半金属の酸化物、酸化物水和物、水酸化物、炭酸塩および/または炭酸水素塩の混合物を含む。析出物の濾過性に関しては、析出物を熟成すると、すなわち、場合により高温条件下または空気を通過させて、沈殿後に一定時間放置すると有利であることが判明し得る。
0084
触媒担体材料は、担体材料を活性金属または触媒添加元素の可溶性化合物に浸漬することにより製造することもできる(含浸または浸漬)。
0085
浸漬に使用される担体材料は、たとえば、細片、粉末または成形体、たとえばストランド、タブレット、球体もしくはリングの形態で用いてもよい。好ましくは、以下に記載される成形体の好ましい形状および幾何学的形状をすでに有する担体材料が使用される(「担体材料の形状および幾何学的形状」の項を参照)。
0086
上記の担体材料は、たとえば、活性金属または触媒添加元素の塩を1つ以上の浸漬段階に適用することにより、通常の方法(A.B.Stiles,Catalyst Manufacture−Laboratory and Commercial Preparations,Marcel Dekker,New York,1983)に従って浸漬することができる。
0087
活性金属または触媒添加元素の塩として、一般に、対応する活性金属または触媒添加元素の水溶性塩、たとえば炭酸塩、硝酸塩またはニトロシル硝酸塩、カルボン酸塩、特に硝酸塩またはニトロシル硝酸塩、酢酸塩または塩化物が考慮に入れられ、これらは一般に焼成条件下で、対応する酸化物または混合酸化物に少なくとも部分的に変換される。
0088
浸漬は、いわゆる「初期湿潤法」に従って行うこともでき、この方法では、担体材料がその吸水能力に応じて浸漬溶液で最大飽和まで湿潤させられるか、または担体材料に浸漬溶液が噴霧される。あるいは上澄み溶液で浸漬を行ってもよい。
0090
複数の活性金属および/または触媒添加元素および/または塩基性元素を担体材料に適用するために、浸漬は、すべての塩と同時に、または連続して個々の塩の任意の順序で行うことができる。
0091
触媒担体材料の後処理
これらの浸漬プロセスに従って得られた浸漬触媒担体材料または沈殿プロセスに従って得られた析出物は、通常、浸漬または沈殿が実施された液体からそれらを分離し、洗浄し、乾燥させ、焼成し、場合によりコンディショニングして成形プロセスに供することにより加工される。
0092
分離および洗浄
触媒担体材料の製造後、このようにして得られた析出物または浸漬された従来の担体材料は、一般に、触媒担体材料の製造が行われた液体から分離および洗浄される。
0093
触媒担体材料を分離および洗浄する方法は、たとえば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry(DOI:10.1002/14356007.o05_o02)の記事「Heterogenous Catalysis and Solid Catalysts,2.Development and Types of Solid Catalysts」から知られている。
0098
乾燥
分離された触媒担体材料は、一般に乾燥される。
0099
触媒担体材料の乾燥方法は、たとえば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry(DOI:10.1002/14356007.o05_o02)の記事「Heterogenous Catalysis and Solid Catalysts,2.Development and Types of Solid Catalysts」から知られている。
0100
この場合、乾燥は、好ましくは60〜200℃、特に80〜160℃、特に好ましくは100〜140℃の範囲の温度で行われ、この場合、乾燥時間は、好ましくは6時間以上、たとえば6〜24時間の範囲にある。しかしながら、乾燥すべき材料の含水量に応じて、より短い乾燥時間、たとえば約1、2、3、4または5時間なども可能である。
0102
触媒担体材料の乾燥は、触媒担体材料の懸濁液を噴霧乾燥することにより行うこともできる。
0103
焼成
一般に、触媒担体材料は乾燥に続けて焼成される。
0104
焼成中に、活性金属または触媒添加元素の熱不安定な化合物、たとえば炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩またはニトロシル硝酸塩、塩化物、カルボン酸塩、酸化物水和物または水酸化物が、対応する酸化物および/または混合酸化物に少なくとも部分的に変換される。
0105
焼成は、一般に250〜1200℃、好ましくは300〜1100℃、特に500〜1000℃の範囲の温度で行われる。
0106
焼成は、任意の適切なガス雰囲気下で行うことができ、空気および/または空気混合物、たとえば希薄空気が好ましい。あるいは焼成は、水素、窒素、ヘリウム、アルゴンおよび/または蒸気またはそれらの混合物の存在下で行うこともできる。
0107
焼成は、一般に、マッフル炉、回転炉および/またはベルト焼成炉で実施され、この場合、焼成時間は、好ましくは1時間以上、特に好ましくは1〜24時間の範囲、非常に好ましくは2〜12時間の範囲にある。
0108
触媒担体材料の組成
触媒担体材料の組成は、元素分析の既知の方法、たとえば原子吸光分析(AAS)、原子発光分析(AES)、蛍光X線分析(XFA)またはICP−OES(誘導結合プラズマ発光分析)によって測定することができる。
0110
第1族(アルカリ金属)の触媒添加元素は、M2O、たとえばNa2Oとして計算される。
0111
第2族(アルカリ土類金属)の触媒添加元素は、MO、たとえばMgOまたはCaOとして計算される。
0112
第13族(ホウ素族)の触媒添加元素は、M2O3、たとえばB2O3またはAl2O3として計算される。
0113
炭素族(第14族)では、SiはSiO2として、GeはGeOとして、SnはSnOとして、PbはPbOとして計算される。
0114
窒素族(第15族)では、PはH3PO4として、AsはAs2O3として、SbはSb2O3として、BiはBi2O3として計算される。
0115
カルコゲン族(第16族)では、SeはSeO2として、TeはTeO2として計算される。
0116
スカンジウム族(第3族)では、ScはSc2O3として、YはY2O3として、LaはLa2O3として計算される。
0117
チタン族(第4族)では、TiはTiO2として、ZrはZrO2として、HfはHfO2として計算される。
0118
バナジウム族(第5族)では、VはV2O5として、NbはNb2O5として、TaはTa2O5として計算される。
0119
クロム族(第6族)では、CrはCrO2として、MoはMoO3として、WはWO2として計算される。
0120
マンガン族(第7族)では、MnはMnO2として、ReはRe2O7として計算される。
0121
鉄族(第8族)では、FeはFe2O3として、RuはRuO2として、OsはOsO4として計算される。
0122
コバルト族(第9族)では、CoはCoOとして、RhはRhO2として、IrはIrO2として計算される。
0123
ニッケル族(第10族)では、NiはNiOとして、PdはPdOとして、PtはPtOとして計算される。
0124
銅族(第11族)では、CuはCuOとして、AgはAgOとして、AuはAu2O3として計算される。
0125
亜鉛族(第12族)では、ZnはZnOとして、CdはCdOとして、HgはHgOとして計算される。
0126
触媒担体材料の成分の濃度値(重量%)は、特に明記しない限り、触媒担体材料の最後の焼成後の総質量にそれぞれ基づいている。
0127
触媒担体材料の組成は、一般的に、以下に記載される製造方法(共沈もしくは沈殿適用または浸漬)に依存する。
0128
触媒担体材料は、触媒担体材料が成形体として使用される場合、好ましくは、たとえば従来の担体材料の形態の活性金属または触媒添加元素の触媒活性成分と、場合により成形助剤(たとえばグラファイトまたはステアリン酸など)とのみからなる。
0129
触媒担体材料の総質量に基づく活性金属または触媒添加元素の触媒活性成分の割合は、通常、70〜100重量%、好ましくは80〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%、さらに一層好ましくは95〜100重量%、特に好ましくは97重量%〜100重量%である。
0130
共沈により製造される触媒担体材料は、従来の担体材料を一切含まない。以下に記載されるように、沈殿が従来の担体材料の存在下で行われる場合、触媒担体材料の製造方法は、本発明の文脈では沈殿適用と呼ばれる。
0131
共沈により製造される触媒担体材料は、一般に1〜3つ、特に好ましくは1〜2つ、特に好ましくは1つの活性金属を含む。
0132
活性組成物中に存在する活性金属の数に関係なく、共沈により製造される触媒担体材料の場合、活性金属の触媒活性成分の質量は、触媒担体材料の総質量に基づいて、好ましくは1〜95重量%、特に好ましくは10〜90重量%、非常に好ましくは20〜85重量%、特に好ましくは50〜80重量%の範囲にあり、触媒活性成分は酸化物として計算される。
0133
共沈により製造される触媒担体材料は、一般に1〜5つ、特に好ましくは1〜4つ、特に好ましくは1〜3つの異なる触媒添加元素を含む。
0134
活性組成物中に存在する触媒添加元素の数に関係なく、共沈により製造される触媒担体材料の場合、触媒添加元素の触媒活性成分の質量は、触媒担体材料の総質量に基づいて、好ましくは1〜90重量%、特に好ましくは5〜80重量%、非常に好ましくは10〜60重量%の範囲にあり、触媒活性成分は酸化物として計算される。
0135
沈殿適用により製造される触媒担体材料は、一般に5〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは15〜60重量%の従来の担体材料を含む。
0136
沈殿適用により製造される触媒担体材料は、一般に1〜5つ、特に好ましくは1〜4つ、特に好ましくは1〜3つの活性金属を含む。
0137
活性組成物中に存在する活性金属の数に関係なく、沈殿適用により製造される触媒担体材料の場合、活性金属の触媒活性成分の質量は、触媒担体材料の総質量に基づいて、好ましくは5〜90重量%、特に好ましくは10〜70重量%、非常に好ましくは15〜60重量%の範囲にあり、触媒活性成分は酸化物として計算される。
0138
沈殿適用により製造される触媒担体材料は、一般に1〜5つ、特に好ましくは1〜4つ、特に好ましくは1〜3つの異なる触媒添加元素を含む。
0139
活性組成物中に存在する触媒添加元素の数に関係なく、沈殿適用により製造される触媒担体材料の場合、触媒添加元素の触媒活性成分の質量は、触媒担体材料の総質量に基づいて、好ましくは1〜80重量%、特に好ましくは5〜70重量%、非常に好ましくは10〜50重量%の範囲にあり、触媒活性成分は酸化物として計算される。
0140
浸漬により製造される触媒担体材料は、一般に50〜99重量%、好ましくは75〜98重量%、特に好ましくは90〜97重量%の従来の担体材料を含む。
0141
浸漬により製造される触媒担体材料は、一般に1〜5つ、特に好ましくは1〜4つ、特に好ましくは1〜3つの活性金属を含む。
0142
活性組成物中に存在する活性金属の数に関係なく、浸漬により製造される触媒担体材料の場合、活性金属の触媒活性成分の質量は、触媒担体材料の総質量に基づいて、好ましくは1〜50重量%、特に好ましくは2〜25重量%、非常に好ましくは3〜10重量%の範囲にあり、触媒活性成分は酸化物として計算される。
0143
浸漬により製造される触媒担体材料は、一般に1〜4つ、特に好ましくは1〜3つ、特に好ましくは1〜2つの異なる触媒添加元素を含む。
0144
活性組成物中に存在する触媒添加元素の数に関係なく、浸漬により製造される触媒担体材料の場合、触媒添加元素の触媒活性成分の質量は、触媒担体材料の総質量に基づいて、好ましくは1〜50重量%、特に好ましくは2〜25重量%、非常に好ましくは3〜10重量%の範囲にあり、触媒活性成分は酸化物として計算される。
0145
触媒担体材料の好ましい組成物
触媒担体材料として、特に以下の組成物が、特に好ましくは用いられる:
I)
好ましい実施形態では、触媒担体材料として、触媒活性組成物がZr、CuおよびNiの触媒活性成分と、Sn、Pb、BiおよびInの1つ以上の触媒活性成分とを含む組成物が用いられる。そのような組成物は、たとえば国際公開第2008/006749号に開示されている。
0146
この実施形態の特に好ましい変更態様では、
ZrO2として計算される、ジルコニウムの触媒活性成分10〜75重量%、好ましくは25〜65重量%、特に好ましくは30〜55重量%、
CuOとして計算される、銅の触媒活性成分1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、特に好ましくは5〜15重量%、
NiOとして計算される、ニッケルの触媒活性成分10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%、特に好ましくは30〜50重量%、ならびに
それぞれSb2O3、PbO、Bi2O3および/またはIn2O3として計算される、Sb、Pb、Biおよび/またはInから選択される1つ以上の金属の触媒活性成分0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜7%重量の範囲、さらに好ましくは0.4〜5重量%の範囲、非常に好ましくは2〜4.5重量%の範囲
を含む組成物が用いられる。
0147
II)
好ましい実施形態では、触媒担体材料として、触媒活性組成物がZr、Cu、NiおよびCoの触媒活性成分と、Pb、Bi、Sn、SbおよびInの1つ以上の触媒添加元素の1つ以上の触媒活性成分とを含む組成物が用いられる。そのような組成物は、たとえば国際公開第2008/006750号に開示されている。
0148
この実施形態の特に好ましい変更態様では、
ZrO2として計算される、ジルコニウムの触媒活性成分10〜75重量%、好ましくは25〜65重量%、特に好ましくは30〜55重量%、
CuOとして計算される、銅の触媒活性成分1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、特に好ましくは5〜15重量%、
NiOとして計算される、ニッケルの触媒活性成分10〜70重量%、好ましくは13〜40重量%、特に好ましくは16〜35重量%、
CoOとして計算される、コバルトの触媒活性成分10〜50重量%、好ましくは13〜40重量%、特に好ましくは16〜35重量%、ならびに
それぞれPbO、Bi2O3、SnO、Sb2O3および/またはIn2O3として計算される、Pb、Bi、Sn、Sbおよび/またはInから選択される1つ以上の金属の触媒活性成分0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜7重量%の範囲、さらに好ましくは0.4〜5重量%の範囲
を含む組成物が用いられる。
0149
III)
更なる好ましい実施形態では、触媒担体として、触媒活性組成物がZr、NiおよびFeの触媒活性成分と、それぞれSnO、PbO、Bi2O3、MoO3、Sb2O3および/またはH3PO4として計算される、Sn、Pb、Bi、Mo、Sbおよび/またはPの1つ以上の触媒活性成分0.2〜5.5重量%の範囲とを含む触媒前駆体が用いられる。そのような組成物は、たとえば国際公開第2009/080506号に開示されている。
0150
この実施形態の特に好ましい変更態様では、
ZrO2として計算される、ジルコニウムの触媒活性成分20〜70重量%、
NiOとして計算される、ニッケルの触媒活性成分15〜60重量%、
Fe2O3として計算される、鉄の触媒活性成分0.5〜14重量%、好ましくは1.0〜10重量%、特に好ましくは1.5〜6重量%、ならびに
それぞれSnO、PbO、Bi2O3、MoO3、Sb2O3および/またはH3PO4として計算される、スズ、鉛、ビスマス、モリブデン、アンチモンおよび/またはリンの触媒活性成分0.2〜5.5重量%、好ましくは0.5〜4.5重量%、特に好ましくは0.7〜3.5重量%
を含む組成物が用いられる。
0151
IV)
更なる好ましい実施形態では、触媒担体として、触媒活性組成物が、Zr、Cu、Niの触媒活性成分を含み、
CoOとして計算される、コバルトの触媒活性成分0.2〜40重量%の範囲、
Fe2O3として計算される、鉄の触媒活性成分0.1〜5重量%の範囲、ならびに
それぞれPbO、SnO、Bi2O3および/またはSb2O3として計算される、鉛、スズ、ビスマスおよび/またはアンチモンの触媒活性成分0.1〜5重量%の範囲、
を含む組成物が用いられる。
0152
そのような触媒前駆体は、たとえば国際公開第2009/080508号に開示されている。
0153
この実施形態の特に好ましい変更態様では、
ZrO2として計算される、ジルコニウムの触媒活性成分20〜85重量%、特に好ましくは25〜70重量%、さらに好ましくは30〜60重量%、
CuOとして計算される、銅の触媒活性成分0.2〜25重量%、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%、
NiOとして計算される、ニッケルの触媒活性成分0.2〜45重量%、好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは25〜35重量%、
CoOとして計算される、コバルトの触媒活性成分0.2〜40重量%、好ましくは1〜25重量%、特に好ましくは2〜10重量%、
Fe2O3として計算される、鉄の触媒活性成分0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%、ならびに
それぞれPbO、SnO、Bi2O3および/またはSb2O3として計算される、鉛、スズ、ビスマスおよび/またはアンチモンの触媒活性成分0.1〜5.0重量%、好ましくは0.3〜4.5重量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜4重量%
を含む組成物が用いられる。
0154
V)
更なる好ましい実施形態では、触媒担体材料として、触媒活性組成物が、触媒活性成分Zr、CuおよびNiを含み、
CoOとして計算される、コバルトの触媒活性成分1.0〜5.0重量%の範囲、ならびに
それぞれV2O5、Nb2O5、H2SO4、H3PO4、Ga2O3、B2O3、WO3、PbOおよび/またはSb2O3として計算される、バナジウム、ニオブ、硫黄、リン、ガリウム、ホウ素、タングステン、鉛および/またはアンチモンの触媒活性成分0.2〜5.0重量%の範囲、
を含む組成物が用いられる。
0155
そのような組成物は、たとえば国際公開第2009/080508号に開示されている。
0156
この実施形態の特に好ましい変更態様では、
ZrO2として計算される、ジルコニウムの触媒活性成分46〜65重量%、特に好ましくは47〜60重量%、さらに好ましくは48〜58重量%、
CuOとして計算される、銅の触媒活性成分5.5〜18重量%、好ましくは6〜16重量%、さらに好ましくは7〜14重量%、
NiOとして計算される、ニッケルの触媒活性成分20〜45重量%、好ましくは25〜40重量%、特に好ましくは30〜39重量%、
CoOとして計算される、コバルトの触媒活性成分1.0〜5.0重量%、好ましくは1.5〜4.5重量%の範囲、特に好ましくは2.0〜4.0重量%の範囲、ならびに
それぞれV2O5、Nb2O5、H2SO4、H3PO4、Ga2O3、B2O3、WO3、PbOおよび/またはSb2O3として計算される、バナジウム、ニオブ、硫黄、リン、ガリウム、ホウ素、タングステン、鉛および/またはアンチモンの触媒活性成分0.2〜5.0重量%、特に好ましくは0.3〜4.0重量%、さらに好ましくは0.5〜3.0重量%
を含む組成物が用いられる。
0157
VI)
更なる好ましい実施形態では、触媒担体材料として、触媒活性組成物が、Al、Cu、Ni、CoおよびSnの触媒活性成分を含み、
それぞれY2O3、La2O3、Ce2O3および/またはHf2O3として計算される、イットリウム、ランタン、セリウムおよび/またはハフニウムの触媒活性成分0.2〜5.0重量%の範囲
を含む組成物が用いられる。
0158
そのような組成物は、たとえば国際公開第2011/067200号に開示されている。
0159
この実施形態の特に好ましい変更態様では、
SnOとして計算される、スズの触媒活性成分0.2〜5.0重量%、特に好ましくは0.4〜4.0重量%の範囲、さらに好ましくは0.6〜3.0重量%の範囲、さらに一層好ましくは0.7〜2.5重量%の範囲、
CoOとして計算される、コバルトの触媒活性成分10〜30重量%、さらに好ましくは12〜28重量%、非常に好ましくは15〜25重量%、
Al2O3として計算される、アルミニウムの触媒活性成分15〜80重量%、特に好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは35〜65重量%、
CuOとして計算される、銅の触媒活性成分1〜20重量%、好ましくは2〜18重量%、さらに好ましくは5〜15重量%、
NiOとして計算される、ニッケルの触媒活性成分5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、さらに好ましく12〜28重量%、非常に好ましくは15〜25重量%、ならびに
それぞれY2O3、La2O3、Ce2O3および/またはHf2O3として計算される、イットリウム、ランタン、セリウムおよび/またはハフニウムの触媒活性成分0.2〜5.0重量%、好ましくは0.4〜4.0重量%の範囲、さらに好ましくは0.6〜3.0重量%の範囲、さらに一層好ましくは0.7〜2.5重量%の範囲
を含む組成物が用いられる。
0160
VII)
更なる好ましい実施形態では、触媒担体材料として、硝酸スズおよび少なくとも1つの錯化剤を含む溶液(L)を担体に適用することにより製造される組成物が使用され、溶液(L)は固体を含まないか、または溶解成分の総重量に基づいて最大0.5重量%の固体割合を含み、溶液(L)はさらに、少なくとも1つの更なるニッケル塩、コバルト塩および/または銅塩、特に好ましくは硝酸ニッケル、硝酸コバルトをおよび/または硝酸銅を含む。
0161
そのような組成物は、たとえば国際公開第2013/072289号に開示されている。
0162
この実施形態の特に好ましい変更態様では、
SnOとして計算される、スズの触媒活性成分0.2〜5重量%、
Al2O3として計算される、アルミニウムの触媒活性成分15〜80重量%、
CuOとして計算される、銅の触媒活性成分1〜20重量%、
NiOとして計算される、ニッケルの触媒活性成分5〜35重量%、および
CoOとして計算される、コバルトの触媒活性成分5〜35重量%
を含む組成物が用いられる。
0163
この実施形態の非常に好ましい変更態様では、前述の組成物を有する触媒前駆体は、CoおよびSnの可溶性化合物を微細に分散された担体材料上に沈殿適用させることにより得られ、可溶性化合物は硝酸Snであり、沈殿適用は錯化剤の存在下で行われる。
0164
Coの可溶性化合物は、有利には硝酸Coである。
0165
沈殿適用は、さらに好ましくは、触媒添加元素の少なくとも1つの更なる可溶性化合物、有利にはCuおよび/またはNiの可溶性化合物の存在下で行われる。さらに好ましくは、触媒添加元素は、同様にそれらの硝酸塩またはニトロシル硝酸塩の形態でも使用される。
0166
錯化剤は、好ましくは、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、リンゴ酸、マンデル酸、クエン酸、糖酸、タルトロン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グリシン、馬尿酸、EDTA、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンからなる群から選択される。
0167
担体材料は、好ましくは、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物である。
0168
使用される担体材料の形状および幾何学的形状
担体材料は、好ましくは、粉末もしくは細片の形態で、または成形体の形態で使用される。
0169
担体材料が粉末または細片の形態で使用される場合、粒子のメジアン径d50は、一般に50〜2000μm、好ましくは100〜1000μm、特に好ましくは300〜700μmの範囲にある。粒径の標準偏差は、一般に、メジアン径d50の5〜200%、好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜80%の範囲にある。
0170
特に好ましい実施形態では、使用される粉末または細片の粒子のメジアン径d50は、1〜500μm、好ましくは3〜400μm、特に好ましくは5〜300μmの範囲にある。粒径の標準偏差は、一般に、メジアン径d50の5〜200%、好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜80%の範囲にある。
0171
しかしながら、担体材料は、好ましくは、本発明の方法において成形体の形態でも使用される。
0172
成形体として、任意の幾何学的形状または形状を有する成形体が適している。好ましい形状は、タブレット、リング、シリンダー、星形押出物、車輪または球体であり、タブレット、リング、シリンダー、球体または星形押出物が特に好ましい。シリンダー形状が非常に好ましい。
0173
球体の場合、球体形状の直径は、好ましくは20mm以下、特に好ましくは10mm以下、非常に好ましくは5mm以下、特に好ましくは3mm以下である。
0174
好ましい実施形態では、球体の場合、球体形状の直径は、好ましくは0.1〜20mm、特に好ましくは0.5〜10mm、非常に好ましくは1〜5mm、特に好ましくは1.5〜3mmの範囲にある。
0175
ストランドまたはシリンダーの場合、長さ:直径の比は、好ましくは1:1〜20:1、特に好ましくは1:1〜14:1、非常に好ましくは1:1〜10:1、特に好ましくは1:2〜6:1の範囲にある。
0176
ストランドまたはシリンダーの直径は、好ましくは20mm以下、特に好ましくは15mm以下、非常に好ましくは10mm以下、特に好ましくは3mm以下である。
0177
好ましい実施形態では、ストランドまたはシリンダーの直径は、有利には0.5〜20mmの範囲、特に好ましくは1〜15mmの範囲、非常に好ましくは1.5〜10mmの範囲にある。
0178
タブレットの場合、タブレットの高さhは、有利には20mm以下、特に好ましくは10mm以下、非常に好ましくは5mm以下、特に好ましくは3mm以下である。
0179
好ましい実施形態では、タブレットの高さhは、好ましくは0.1〜20mmの範囲、特に好ましくは0.5〜15mmの範囲、非常に好ましくは1〜10mmの範囲、特に好ましくは1.5〜3mmの範囲にある。
0180
タブレットの高さh(または厚さ):タブレットの直径Dの比は、好ましくは1:1〜1:5、特に好ましくは1:1〜1:2.5、非常に好ましくは1:1〜1:2である。
0182
成形
好ましくは、上記の好ましい形状および幾何学的形状をすでに有する担体材料が使用される。
0183
製造後に望ましい形状および幾何学的形状を有しない担体材料、特に触媒担体材料は、成形工程に供することができる。
0185
粉砕後、コンディショニングされた担体材料は、成形助剤、たとえばグラファイト、バインダー、細孔形成剤およびペースト剤などの更なる添加剤と混合し、さらに加工して成形体を得ることができる。有利には、担体材料は、成形助剤としてグラファイトのみと混合され、成形時に更なる添加剤は添加されない。
0186
成形の標準的なプロセスは、たとえば、Ullmann[Ullmann’s Encyclopedia Electronic Release 2000,chapter:“Catalysis and Catalysts”,第28頁〜第32頁]、およびErtl et al.[Ertl,Knoezinger,Weitkamp,Handbook of Heterogeneous Catalysis,VCH Weinheim,1997,第98頁以降]に記載されている。
0188
成形プロセスにより、上記の幾何学的形状を有する成形体を得ることができる。
0189
あるいは成形は、担体材料の懸濁液を噴霧乾燥することにより行うこともできる。
0190
一般に、コンディショニングまたは成形後に熱処理が行われる。
0191
熱処理は、一般に、250〜1200℃、好ましくは300〜1100℃、特に500〜1000℃の範囲の温度で行われる。
0192
焼成は、任意の適切なガス雰囲気下で行うことができる。好ましくは、熱処理は空気の存在下で行われ、空気の体積割合は、好ましくは20〜100体積%、特に好ましくは35〜90体積%、特に好ましくは30〜70体積%の範囲である。
0193
熱処理は、一般に、マッフル炉、回転炉および/またはベルト焼成炉で実施され、この場合、継続時間は、好ましくは1時間以上、特に好ましくは1〜24時間の範囲、非常に好ましくは2〜12時間の範囲にある。
0194
触媒前駆体の製造(従来の担体材料または触媒担体材料の浸漬)
触媒前駆体の製造は、好ましくは、従来の担体材料または触媒担体材料を、活性金属の1つ以上の可溶性化合物と、任意に触媒添加元素の1つ以上の可溶性化合物と接触させることにより行われ、接触は、好ましくは浸漬または含浸により行われる。
0195
担体材料と、活性金属または触媒添加元素の可溶性化合物との接触は、たとえば、活性金属または触媒添加元素の塩を1つ以上の浸漬段階に適用することにより、通常の方法(A.B.Stiles,Catalyst Manufacture−Laboratory and Commercial Preparations,Marcel Dekker,New York,1983)に従って行うことができる。
0196
活性金属または触媒添加元素の塩として、一般に、対応する活性金属または触媒添加元素の水溶性塩、たとえば炭酸塩、硝酸塩またはニトロシル硝酸塩、カルボン酸塩、特に酢酸塩、好ましくは硝酸塩またはニトロシル硝酸塩および酢酸塩、非常に好ましくは硝酸塩またはニトロシル硝酸塩が考慮に入れられ、これらは一般に焼成条件下で、対応する酸化物または混合酸化物に少なくとも部分的に変換される。
0197
接触は、いわゆる「初期湿潤法」に従って行うこともでき、この方法では、担体材料がその吸水能力に応じて浸漬溶液で最大飽和まで湿潤させられるか、または担体材料に浸漬溶液が噴霧される。あるいは上澄み溶液で浸漬を行ってもよい。
0198
多段階浸漬プロセスの場合、個々の浸漬工程間で乾燥させることが適切である。多段階浸漬が有利に使用されるのは、担体材料を比較的多量の塩と接触させる場合である。
0199
複数の活性金属および/または触媒添加元素および/または塩基性元素を担体材料に適用するために、浸漬は、すべての塩と同時に、または連続して個々の塩の任意の順序で行うことができる。
0200
好ましい従来の担体材料は、触媒添加元素AlおよびZrまたはそれらの混合物を含む担体材料である。
0201
非常に特に好ましい実施形態では、担体材料と接触させられる活性金属の可溶性化合物は、それらの硝酸塩またはニトロシル硝酸塩の形態で部分的または完全に使用される。非常に好ましくは、活性金属の可溶性化合物として、活性金属の硝酸塩またはニトロシル硝酸塩のみが用いられる。
0202
触媒添加元素の可溶性化合物を、それらの硝酸塩またはニトロシル硝酸塩の形態で部分的または完全に使用することがさらに好ましい。非常に好ましくは、触媒添加元素の可溶性化合物として、触媒添加元素の硝酸塩またはニトロシル硝酸塩のみが用いられる。
0203
特に好ましい実施形態では、担体材料が接触させられる相手である活性金属および触媒添加元素の可溶性化合物として、対応する硝酸塩またはニトロシル硝酸塩のみが用いられる。
0204
更なる好ましい実施形態では、担体材料として、Ru、Co、Sn、CuおよびNiからなる群から選択される1つ以上の活性金属を活性金属として含む触媒担体材料が用いられる。特に好ましくは、担体材料として、Co、Sn、CuおよびNiからなる群から選択される1つ以上の活性金属を活性金属として含む触媒担体材料が用いられる。
0205
触媒担体材料が、ZrおよびAlからなる群から選択される1つ以上の触媒添加元素を含むことがさらに好ましい。
0206
上記の好ましい組成物を触媒担体材料として使用することが非常に好ましい。
0207
担体材料は、たとえば、細片、粉末または成形体、たとえばストランド、タブレット、球体もしくはリングの形態で用いてもよい。
0208
好ましくは、上記に記載される好ましい形状および幾何学的形状をすでに有する担体材料が使用される(「担体材料の形状および幾何学的形状」の項を参照)。
0209
担体材料と接触させられる相手である活性金属の可溶性化合物の含有量は、各活性金属について、0.1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは2〜15重量%の範囲にある。
0210
特に好ましい実施形態では、担体材料が浸漬される相手である少なくとも1つの活性金属はRuである。この実施形態では、Ruをニトロシル硝酸Ruの形態で使用することがさらに好ましい。
0211
更なる非常に好ましい実施形態では、担体材料に可溶性Ru化合物および可溶性Co化合物を同時にまたは連続して接触させることにより、担体材料にRuおよびCoが浸漬され、この場合、RuおよびCoの両方が、好ましくは硝酸塩またはニトロシル硝酸塩の形態で使用される。
0212
担体材料が接触させられる相手である溶液のRu含有量は、通常、0.1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは2〜15重量%の範囲にある。
0213
担体材料と接触させられる相手である溶液のCo含有量は、通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.15〜2重量%の範囲にある。
0214
担体材料とCoおよびRuの可溶性化合物との接触により、
触媒前駆体中のRuの割合は、それぞれ触媒前駆体の総質量に基づいて約0.1〜5重量%、有利には0.5〜4重量%、非常に好ましくは1〜3重量%高められ、
触媒前駆体中のCoの割合は、それぞれ触媒前駆体の総質量に基づいて約0.1〜5重量%、有利には0.5〜3重量%、非常に好ましくは1〜2重量%高められる。
0215
担体材料は、可溶性Ru化合物および可溶性Co化合物と同時にまたは連続して接触させてよい。
0216
好ましい実施形態では、担体材料は、Ruの可溶性化合物とCoの可溶性化合物の両方を含む溶液と接触させられる。
0217
更なる好ましい実施形態では、担体材料は、第1段階でRuの可溶性化合物を含む溶液と接触させられ、その後に第2段階でCoの可溶性化合物を含む溶液と接触させられる。
0218
更なる好ましい実施形態では、担体材料は、第1段階でCoの可溶性化合物を含む溶液と接触させられ、その後に第2段階でRuの可溶性化合物を含む溶液と接触させられる。
0219
多段階浸漬プロセスの場合、個々の浸漬工程の間で、担体材料は、以下に記載されるように浸漬溶液から分離され、乾燥され得る。
0220
2回以上の浸漬工程で可溶性Ru化合物と可溶性Co化合物との接触が行われる場合、1回目と2回目の浸漬の間に乾燥工程後の焼成を行わずに、1回目の浸漬工程の乾燥工程の直後に、2回目の浸漬を行うことが好ましい。
0221
この実施形態では、担体材料は、好ましくは、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物である。
0222
特にこの実施形態では、担体材料は触媒担体材料であることが好ましい。
0223
触媒前駆体の後処理
これらの浸漬プロセスに従って得られた浸漬触媒前駆体は、通常、浸漬が実施された液体からそれらを分離し、洗浄し、乾燥させることにより加工される。
0224
分離および洗浄
浸漬触媒前駆体は、一般に、触媒前駆体の製造が行われた液体から分離および洗浄される。
0225
触媒前駆体を分離および洗浄する方法は、たとえば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry(DOI:10.1002/14356007.o05_o02)の記事「Heterogenous Catalysis and Solid Catalysts,2.Development and Types of Solid Catalysts」から知られている。
0226
洗浄液として、一般に、分離された触媒前駆体は難溶性を示すが、触媒に付着する不純物、たとえば沈殿剤に対しては良好な溶媒である液体が使用される。好ましい洗浄液は水である。
0227
バッチ製造では、一般に、分離はフレームフィルタープレスで行われる。この場合、洗浄液を濾過方向とは逆方向に流すことにより、洗浄液によるフィルター残留物の洗浄を行うことができる。
0228
連続的な製造では、一般に、回転ドラム真空フィルターで分離が行われる。フィルター残留物の洗浄は、通常、フィルター残留物に洗浄液を噴霧することにより行われる。
0229
触媒前駆体は、遠心分離により分離することもできる。一般に、ここでの洗浄は、遠心分離時に洗浄液を添加することにより行われる。
0230
乾燥
分離された触媒前駆体は、一般に乾燥される。
0231
触媒前駆体の乾燥方法は、たとえば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry(DOI:10.1002/14356007.o05_o02)の記事「Heterogenous Catalysis and Solid Catalysts,2.Development and Types of Solid Catalysts」から知られている。
0232
この場合、乾燥は、好ましくは60〜200℃、特に80〜160℃、特に好ましくは100〜140℃の範囲の温度で行われ、この場合、乾燥時間は、好ましくは6時間以上、たとえば6〜24時間の範囲にある。しかしながら、乾燥すべき材料の含水量に応じて、より短い乾燥時間、たとえば約1、2、3、4または5時間なども可能である。
0233
分離および洗浄された触媒前駆体は、たとえば、チャンバーオーブン、ドラム乾燥機、回転炉またはベルト乾燥機で乾燥させることができる。
0234
触媒前駆体の乾燥は、触媒前駆体の懸濁液を噴霧乾燥することにより行うこともできる。
0235
好ましい実施形態では、乾燥は300℃以下の温度で行われる。
0236
触媒前駆体の組成
活性組成物の割合
方法で使用される触媒前駆体は、触媒前駆体が成形体として使用される場合、触媒活性組成物と、場合により成形助剤(たとえばグラファイトまたはステアリン酸など)とのみからなる触媒前駆体の形態で使用されることが好ましい。
0237
触媒前駆体の総質量に基づく触媒活性組成物の割合は、通常、70〜100重量%、好ましくは80〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%、さらに一層好ましくは95〜100重量%、特に好ましくは97重量%〜100重量%である。
0238
触媒前駆体の組成の測定
触媒前駆体の組成は、元素分析の既知の方法、たとえば原子吸光分析(AAS)、原子発光分析(AES)、蛍光X線分析(XFA)またはICP−OES(誘導結合プラズマ発光分析)によって測定することができる。
0239
本発明の文脈における触媒活性成分の濃度値(重量%)は、対応する酸化物として報告される。
0240
第1族(アルカリ金属)の触媒添加元素は、M2O、たとえばNa2Oとして計算される。
0241
第2族(アルカリ土類金属)の触媒添加元素は、MO、たとえばMgOまたはCaOとして計算される。
0242
第13族(ホウ素族)の触媒添加元素は、M2O3、たとえばB2O3またはAl2O3として計算される。
0243
炭素族(第14族)では、SiはSiO2として、GeはGeOとして、SnはSnOとして、PbはPbOとして計算される。
0244
窒素族(第15族)では、PはH3PO4として、AsはAs2O3として、SbはSb2O3として、BiはBi2O3として計算される。
0245
カルコゲン族(第16族)では、SeはSeO2として、TeはTeO2として計算される。
0246
スカンジウム族(第3族)では、ScはSc2O3として、YはY2O3として、LaはLa2O3として計算される。
0247
チタン族(第4族)では、TiはTiO2として、ZrはZrO2として、HfはHfO2として計算される。
0248
バナジウム族(第5族)では、VはV2O5として、NbはNb2O5として、TaはTa2O5として計算される。
0249
クロム族(第6族)では、CrはCrO2として、MoはMoO3として、WはWO2として計算される。
0250
マンガン族(第7族)では、MnはMnO2として、ReはRe2O7として計算される。
0251
鉄族(第8族)では、FeはFe2O3として、RuはRuO2として、OsはOsO4として計算される。
0252
コバルト族(第9族)では、CoはCoOとして、RhはRhO2として、IrはIrO2として計算される。
0253
ニッケル族(第10族)では、NiはNiOとして、PdはPdOとして、PtはPtOとして計算される。
0254
銅族(第11族)では、CuはCuOとして、AgはAgOとして、AuはAu2O3として計算される。
0255
亜鉛族(第12族)では、ZnはZnOとして、CdはCdOとして、HgはHgOとして計算される。
0256
触媒前駆体の触媒活性成分の濃度値(重量%)は、特に明記しない限り、還元焼成前の最後の乾燥工程後の触媒前駆体の総質量にそれぞれ基づいている。
0257
触媒前駆体の組成
担体材料が触媒担体材料でない場合、触媒前駆体は、使用される活性金属および触媒添加元素の数に関係なく、
好ましくは:
0.01〜20%重量の活性金属;および
80〜99.99重量%の触媒添加元素、
特に好ましくは:
0.1〜10%重量の活性金属;および
90〜99.99重量%の触媒添加元素、
非常に好ましくは:
1〜5%重量の活性金属;および
95〜99重量%の触媒添加元素
を含む。
0258
担体材料が触媒担体材料である場合、触媒前駆体は、使用される活性金属および触媒添加元素の数に関係なく、
好ましくは:
5〜95%重量の活性金属;および
5〜95重量%の触媒添加元素、
特に好ましくは:
10〜90%重量の活性金属;および
10〜90重量%の触媒添加元素、
非常に好ましくは:
50〜80%重量の活性金属;および
20〜50重量%の触媒添加元素
を含む。
0259
好ましい触媒前駆体組成物
好ましい実施形態では、触媒前駆体は、
RuOとして計算される、Ruの触媒活性成分0.01〜20重量%、特に好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%、
CoOとして計算される、Coの触媒活性成分1〜50重量%、特に好ましくは10〜45重量%、特に好ましくは20〜40重量%および
SnOとして計算される、Snの触媒活性成分0.1〜5重量%、特に好ましくは0.2〜4重量%、特に好ましくは1〜3重量%
を含む。
0260
特に好ましい実施形態では、触媒前駆体は、
(i)SnOとして計算される、Snの触媒活性成分0.2〜5重量%、
(ii)CoOとして計算される、Coの触媒活性成分1〜35重量%、
(iii)Al2O3および/またはZrO2としてそれぞれ計算される、Alおよび/またはZrの触媒活性成分10〜80重量%、
(iv)CuOおよび/またはNiOとして計算される、Cuの触媒活性成分1〜35重量%および/またはNiの触媒活性成分1〜35重量%ならびに
(v)RuOとして計算される、Ruの触媒活性成分0.01〜20重量%
を含む。
0261
特に好ましい実施形態では、触媒前駆体は、
(i)SnOとして計算される、Snの触媒活性成分0.2〜5重量%、
(ii)CoOとして計算される、Coの触媒活性成分5〜35重量%、
(iii)Al2O3および/またはZrO2としてそれぞれ計算される、Alおよび/またはZrの触媒活性成分15〜80重量%、
(iv)CuOとして計算される、Cuの触媒活性成分1〜20重量%、
(v)NiOとして計算される、Niの触媒活性成分5〜35重量%ならびに
(vi)RuOとして計算される、Ruの触媒活性成分0.1〜20重量%
を含む。
0262
還元焼成
一般的に、乾燥に続けて、触媒前駆体の本発明に従った還元焼成が行われる。
0263
還元焼成は、還元性ガス、特に水素の存在下で行われる。
0264
さらに、還元焼成は、不活性ガス、有利には窒素、ヘリウムまたはアルゴンの存在下で実施することができ、不活性ガスとの混合物中の還元性ガス、特に水素の体積割合は、有利には1〜50体積%の範囲、特に好ましくは2.5〜40体積%の範囲、非常に好ましくは5〜20体積%の範囲にある。
0265
さらに、不活性ガスとの混合物中の水素の割合を、たとえば0体積%の水素から20体積%の水素まで漸進的または段階的に高めることが好ましい。たとえば、加熱時に、水素の体積割合は0体積%であってよく、焼成温度に達した後、1つ以上の段階で、または漸進的に20体積%まで高めてよい。
0266
還元焼成時の温度は、有利には100〜400℃、特に好ましくは150〜350℃、特に好ましくは180〜300℃、非常に好ましくは200〜280℃である。
0267
還元焼成時の温度は300℃を超えないことが特に好ましい。この場合、選択性、活性、および望ましくない副生成物の回避に関して特にプラスの特性プロファイルを提供する触媒を得ることができる。
0268
還元的焼成に続けて、一般に、たとえば以下に記載されるような不動態化が行わる。
0270
好ましくは、還元焼成は、シャフト反応器または回転炉で行われる。
0271
還元焼成時の焼成時間は、好ましくは1時間以上、特に好ましくは1〜24時間の範囲、非常に好ましくは2〜12時間の範囲にある。
0272
特に好ましくは、後述するように、触媒前駆体の還元焼成が行われる反応器はDenoxプラントに接続されている。
0273
Denoxプラント
還元焼成によるアミノ化触媒の製造において、触媒前駆体の還元焼成は、爆発性混合物を形成し得る窒素酸化物を生じさせる可能性がある。窒素酸化物は、特に触媒前駆体の製造において、触媒担体材料または非触媒担体材料が、活性金属または触媒添加元素の硝酸塩もしくはニトロシル硝酸塩と接触したときに形成され得る。
0274
したがって、本発明の課題は、高い安全基準を満たすアミノ化触媒の製造方法を提供することであった。
0275
この課題は、アミノ化触媒の製造にDenoxプラントを使用することにより解決された。
0276
この課題はさらに、Snならびに元素周期表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素から選択される1つ以上の元素を含むアミノ化触媒を製造し、アミノ化触媒を還元焼成により得る方法において、還元焼成が行われる反応器がDenoxプラントに接続されていることを特徴とする方法により解決された。
0277
好ましくは、触媒前駆体の製造および還元焼成は上記のように行われ、アミノ化触媒の本製造においても、各場合に好ましいと特定された変更態様および実施形態が好ましい。
0278
触媒前駆体の製造において、触媒担体材料または非触媒担体材料を活性金属または触媒添加元素の1つ以上の硝酸塩またはニトロシル硝酸塩と接触させた場合に、アミノ化触媒の製造に本発明の方法を使用することが特に好ましい。
0279
特に好ましい実施形態では、還元焼成が行われる反応器はDenoxプラントに接続されている。これには、還元焼成で形成された、場合により爆発性の窒素酸化物を破壊できるという利点がある。
0280
既述のように、還元焼成は、一般に、マッフル炉、回転炉、シャフト反応器、多段炉、流動床反応器および/またはベルト焼成炉で行われる。
0281
好ましくは、還元焼成はシャフト反応器または回転炉で行われる。
0283
Denoxプラントでは、一般的に、ガス流中に存在する可能性のある窒素酸化物は部分的または完全に破壊される。
0285
選択的接触還元では、一般に、アンモニアが還元剤として還元焼成からのオフガスに混合され、Denox触媒、たとえば酸化チタンおよび酸化バナジウム含有触媒上を通過する。ここで、窒素酸化物は、一般にアンモニアと反応して、水蒸気の形態の水と窒素を生成する。
0286
好ましい実施形態では、還元に必要なアンモニアが水素と一緒に供給される。還元性ガスと場合により不活性ガスとからなるガス流中のアンモニアの体積割合は、それぞれ還元焼成時に触媒前駆体上に導かれる総ガス流に基づいて、通常、5〜50体積%、好ましくは10〜40体積%、特に好ましくは20〜30体積%である。
0287
更なる好ましい実施形態では、アンモニアは、還元焼成が行われる反応器の下流の時点で、かつDenoxプラントの上流で添加される。
0288
アンモニアを尿素水溶液として供給することはあまり好ましくない。なぜなら、この場合、尿素の加水分解反応によりアンモニアとCO2が形成されるからである。形成されたCO2は、触媒毒としてアミノ化触媒の活性を低下させる可能性がある。
0289
Denox触媒を通過するガス流の温度は、有利には100〜400℃、特に好ましくは150〜350℃、特に好ましくは180〜300℃、非常に好ましくは200〜280℃である。これは、還元焼成時にも使用される温度に本質的に対応しているため、一般に、Denox触媒を通過する前にガス流の温度をさらに調整する必要がない。
0290
アンモニアによる還元時に形成された水は、通常、有利には凝縮または適切なモレキュラーシーブでの乾燥により、Denox触媒の下流でガス流から除去され、ガス流は循環モードで、場合により更なる水素を混ぜて還元焼成に返送される。
0291
Denoxプラントは、ガス洗浄操作として構成されていてもよい。この場合、一般的に、窒素酸化物含有ガス流は洗浄液と接触させられる。洗浄液として、一般的に、塩基性物質、たとえば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アンモニアおよび尿素の水性懸濁液または水溶液が考慮に入れられる。アルカリ金属水酸化物、特にNaOHおよびKOHの水溶液、アルカリ土類金属炭酸塩またはアルカリ土類金属水酸化物、特に水酸化Mg、炭酸Mg、水酸化Ca、炭酸Caの水溶液または水性懸濁液、アンモニアの水溶液または尿素水溶液が好ましい。
0292
あるいは洗浄液として、過酸化水素水溶液または水を使用してもよい。
0293
窒素酸化物含有ガス流の接触は、好ましくは、交換スクラバー、噴霧スクラバー、不規則充填塔または棚段塔、ジェットスクラバー、渦流スクラバー、回転スクラバーまたはベンチュリスクラバーとして構成されていてよい吸収装置内で行われる。吸収装置は、有利には、不規則充填塔もしくは棚段塔または噴霧スクラバーとして構成されている。この場合、ガス流は、好ましくは、向流で塔内の洗浄液で処理される。この場合、一般的に、ガス流は下部領域に供給され、洗浄液は塔の上部領域に供給される。好ましい実施形態によれば、洗浄工程は、窒素酸化物含有ガス流が、洗浄工程において、20〜80℃、好ましくは20〜70℃、特に30〜60℃の温度にて洗浄液で処理されるように実施される。洗浄工程における総圧は、一般に、還元焼成も実施される圧力に対応し、好ましくは1bar(絶対)である。洗浄操作の正確な動作条件は、当業者によって日常の手順として確認され得る。
0295
Denoxプラントを出るガス流は、一般的に、Denoxプラントの上流でガス流中に存在する濃度よりも低い窒素酸化物の濃度を有する。窒素酸化物が減少したガス流は、場合により水素および/または不活性ガスを添加して、還元焼成の段階に返送することができる。
0296
還元焼成に続けて、一般に、たとえば以下に記載されるような不動態化が行われる。
0297
不動態化
触媒は、還元焼成後、好ましくは、酸素含有ガス流、たとえば空気または空気と窒素との混合物と接触させることができる
0298
これにより、不動態化された触媒が得られる。不動態化された触媒は、一般的に保護酸化物層を有する。この保護酸化物層により、たとえば、不動態化された触媒の反応器内への設置が単純化されるように、触媒の管理と保管が簡素化される。
0299
不動態化のために、還元焼成に続けて、酸素含有ガス、好ましくは空気と接触させられる。酸素含有ガスは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンまたは二酸化炭素などの不活性ガスを追加して使用することができる。好ましい実施形態では、空気が窒素と一緒に用いられ、この場合、空気の体積割合は、好ましくは1〜80体積%、特に好ましくは20〜70体積%、特に好ましくは30〜60体積%の範囲である。好ましい実施形態では、窒素との混合物中の空気の体積割合は0〜約50体積%に徐々に高められる。
0300
不動態化は、好ましくは50℃まで、好ましくは45℃まで、非常に好ましくは35℃までの温度で行われる。
0302
一般に、活性化により保護不動態化層が除去される。
0303
水素は一般的に技術グレードの純度で使用される。水素は、水素含有ガスの形態でも、すなわち、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンまたは二酸化炭素などの他の不活性ガスを追加して使用することもできる。好ましい実施形態では、水素は窒素と一緒に用いられ、この場合、水素の体積割合は、好ましくは1〜50体積%、特に好ましくは2.5〜30体積%、特に好ましくは5〜25体積%の範囲である。水素流は、循環ガスとして、場合により新しい水素と混合し、場合により凝縮により水を除去した後に、還元に返送することもできる。
0305
触媒前駆体は、特に好ましくは、触媒前駆体が固定床の形態で配置されている反応器内で活性化される。特に好ましくは、触媒前駆体は、その後のMEGおよび/またはMEAとNH3との反応が行われる同じ反応器内で還元される。
0306
触媒前駆体は、一般に50〜600℃、特に100〜500℃、特に好ましくは150〜450℃の還元温度で還元される。
0308
特に好ましい実施形態では、活性化時の温度は、還元焼成も実施された範囲、すなわち、有利には100〜400℃、特に好ましくは150〜350℃、特に好ましくは180〜300℃、非常に好ましくは200〜280℃である。活性化がこのより低い温度範囲内でも実施される場合、特に有利な特性プロファイルを有するアミノ化触媒が得られる。
0309
反応物
還元された触媒または活性化アミノ化触媒の存在下でのエチレングリコール(EG)および/またはモノエタノールアミン(MEA)とアンモニア(NH3)との本発明の反応は、本発明によれば液相で行われる。
0310
エチレングリコール
エチレングリコールとして、少なくとも98%の純度を有する工業用エチレングリコールが好ましく、少なくとも99%、非常に好ましくは少なくとも99.5%の純度を有するエチレングリコールが非常に好ましい。
0311
この方法で使用されるエチレングリコールは、石油化学プロセスから得られるエチレンから製造することができる。たとえば、一般に、エテンが最初の段階でエチレンオキシドに酸化され、その後にエチレンオキシドは水と反応してエチレングリコールを生成する。あるいは得られたエチレンオキシドを、いわゆるオメガプロセスで二酸化炭素と反応させて炭酸エチレンを生成し、炭酸エチレンを引き続き水で加水分解してエチレングリコールを生成することもできる。オメガプロセスは、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールなどの副生成物がより少ないため、エチレングリコールに対する選択性がより高くなるという点で優れている。
0312
あるいはエテンは再生可能な原料から製造することもできる。たとえば、エテンはバイオエタノールからの脱水により形成することができる。
0313
エチレングリコールは、合成ガス経路を介して、たとえば、メタノールの酸化的カルボニル化によるシュウ酸ジメチルの生成およびシュウ酸ジメチルの引き続く水素化により製造することもできる。したがって、MEGの製造のための更なる石油化学原料として天然ガスまたは石炭も考慮に入れられる。
0314
MEA
本発明の方法では、MEAも用いることができる。
0315
上記のように、MEAはエチレンオキシドをアンモニアと反応させることにより製造できる。
0316
有利には、MEAは、MEGをアンモニアと反応させることにより、たとえば、MEGをアンモニアと最初に反応させ、EDAのほかに形成されたMEAをEDAから分離し、場合により未変換MEGと一緒に分離されたMEAを本発明の製造方法に返送する本発明の方法により製造することができる。
0317
MEAがMEGなしで本発明の方法で使用される場合、MEAは、好ましくは少なくとも97%の純度で、非常に好ましくは少なくとも98%、非常に好ましくは少なくとも99%の純度で使用される。
0318
MEAがMEGと一緒に本発明の方法で使用される場合、MEAおよびMEGの質量に基づくMEAの重量割合は、好ましくは0〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%、非常に好ましくは20〜40重量%の範囲にある。
0319
アンモニア
本発明によれば、エチレングリコールおよび/またはモノエタノールアミンとアンモニアとの反応が行われる。
0320
アンモニアとして、従来の市販のアンモニア、たとえば、98重量%を超えるアンモニア、好ましくは99重量%を超えるアンモニア、好ましくは99.5重量%を超える、特に99.8重量%を超えるアンモニア含有率を有するアンモニアを用いてよい。
0321
水素
本発明の方法は、好ましくは水素の存在下で行われる。
0322
水素は一般的に技術グレードの純度で使用される。水素は、水素含有ガスの形態でも、すなわち、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンまたは二酸化炭素などの他の不活性ガスを追加して使用することもできる。水素含有ガスとして、使用される触媒にとっての触媒毒、たとえばCOなどを含まない限り、たとえば改質器オフガス、精製ガスなどを使用することができる。しかしながら、純粋な水素または本質的に純粋な水素、たとえば、99重量%を超える水素含有率、好ましくは99.9重量%を超える水素含有率、特に好ましくは99.99重量%を超える水素含有率、特に99.999重量%を超える水素含有率を有する水素を用いることが好ましい。
0323
液相での反応
本発明によれば、エチレングリコールおよび/またはモノエタノールアミンとアンモニアおよびアミノ化触媒との反応は液相で行われる。
0324
本発明の文脈において、液相での反応とは、エチレングリコールとモノエタノールアミンの両方が液相に存在し、アミノ化触媒の周りを液体で流れるように、圧力および温度などの反応条件が調整されることを意味する。
0327
特に好ましくは、アミノ化触媒が固定床として配置されている管状反応器内でエチレングリコールおよび/またはモノエタノールアミンとNH3との反応が行われる。
0328
触媒が固定床として配置されている場合、反応の選択性のために、反応器内の触媒を不活性の不規則充填物と混合し、それらをいわば「希釈」することが有利であり得る。そのような触媒製造物中の不規則充填物の割合は、20〜80体積割合、好ましくは30〜60体積割合、特に好ましくは40〜50体積割合であってよい。
0329
あるいは反応は、管束型反応器または単流式プラント内で有利に行われる。単流式プラントの場合、反応が行われる管状反応器は、複数(たとえば2つまたは3つ)の個々の管状反応器の直列接続からなり得る。ここで可能かつ有利な選択肢が、フィード(反応物および/またはアンモニアおよび/またはH2を含む)および/または循環ガスおよび/または下流反応器からの反応器排出部の中間導入である。
0330
反応条件
液相で作業する場合、MEGおよび/またはMEAに加えてアンモニアが、一般的に5〜30MPa(50〜300bar)、好ましくは5〜25MPa、特に好ましくは20または15〜25MPaの圧力、および一般的に80〜350℃、特に100〜300℃、好ましくは120〜270℃、特に好ましくは130〜250℃、特に160〜230℃の温度で、通常好ましくは外部から加熱される固定床反応器内にある触媒上に、水素を含めた液相で同時に誘導される。
0331
水素分圧は、有利には0.25〜20MPa(2.5〜200bar)、特に好ましくは0.5〜15MPa(5〜150bar)、非常に好ましくは1〜10MPa(10〜100bar)、特に好ましくは2〜5MPa(20〜50bar)である。
0334
反応容器に供給する前の時点で、反応物を、好ましくは反応温度に加熱することが有利である。
0335
アンモニアは、各場合に使用されるMEGおよび/またはMEAに基づいて、0.90〜100倍のモル量、特に1.0〜20倍のモル量で使用されることが好ましい。
0336
触媒負荷量は、一般的に、触媒1kgおよび1時間当たり0.05〜5kg、好ましくは0.1〜2kg、特に好ましくは0.2〜0.6kg(MEG+MEA)の範囲にある。
0337
記載されている触媒負荷量の場合、MEGおよび/またはMEAの変換率は、一般に20〜75%の範囲、好ましくは30〜60%の範囲、非常に好ましくは35〜55%の範囲にある。
0338
反応の過程で形成された反応の水(各場合に変換されたアルコール基1モル当たり1モル)は、一般的に、変換の程度、反応速度、選択性および触媒寿命に悪影響を及ぼさず、したがって、反応生成物が後処理された時点で、反応生成物から、たとえば蒸留により適切に除去される。
0340
アミノ化反応の生成物として、アミノ化反応器からの排出物はさらに、MEGに基づく対応するエタノールアミンおよび/またはエチレンアミンを含む。
0341
アミノ化反応器からの排出物は、好ましくはMEAおよび/またはEDAを含む。
0342
アミノ化反応の生成物として、反応排出物はさらに、好ましくは、一般式
R−CH2−CH2−NH2
[式中、Rは、式−(NH−CH2−CH2)X−NH2の基であり、xは1〜4、好ましくは1〜3、非常に好ましくは1〜2の範囲の整数である]のより高級な線状エチレンアミンを含む。好ましくは、反応排出物は、DETA、TETAおよびTEPA、非常に好ましくはDETAおよびTETA、特に好ましくはDETAを含む。
0343
アミノ化反応の生成物として、アミノ化反応器からの排出物は、式
R−CH2−CH2−OH
[式中、Rは、式−(NH−CH2−CH2)X−NH2の基であり、xは1〜4、好ましくは1〜3、非常に好ましくは1〜2の範囲の整数である]のより高級な線状エタノールアミンも含み得る。
0344
より高級な線状エタノールアミンの一例は、AEEAである。
0345
アミノ化反応の生成物として、反応排出物は、式
[式中、R1は、式−(CH2−CH2−NH)X−CH2−CH2−OHの基であり、xは0〜4、好ましくは0〜3、特に好ましくは1〜2の範囲の整数であり、R2は、独立してもしくは同時に、Hまたは式−(CH2−CH2−NH)X−CH2−CH2−OHの基であり、xは0〜4、好ましくは0〜3、特に好ましくは1〜2の範囲の整数であるか、または式−(CH2−CH2−NH)X−CH2−CH2−NH2の基であり、xは0〜4、好ましくは0〜3、特に好ましくは1〜2の範囲の整数である]の環状エタノールアミンも含み得る。環状エタノールアミンの一例は、ヒドロキシエチルピペラジン(HEP)である。
0346
アミノ化反応の生成物として、反応排出物は、一般式
[式中、R1およびR2は、独立してもしくは同時に、Hまたは式−(CH2−CH2−NH)X−CH2−CH2−NH2の基であってよく、xは0〜4、好ましくは0〜4、特に好ましくは1〜2の範囲の整数である]の環状エチレンアミンも含み得る。
0347
反応排出物中に含まれる環状エチレンアミンの例は、ピペラジンおよびAEPIPである。
0348
好ましくは、排出物は、1〜60重量%のMEA、1〜90重量%のEDA、0.1〜30重量%のより高級な環状エチレンアミン、たとえばPIPおよびAEPIP、0.1〜30重量%のより高級な線状エチレンアミン、たとえばDETA、TETAおよびTEPAを含む。
0349
特に好ましくは、排出物は、10〜50重量%のMEA、25〜85重量%のEDA、0.25〜10重量%の環状エチレンアミン、たとえばPIPおよびAEPIP、1〜30重量%のより高級な線状エチレンアミン、たとえばDETA、TETAおよびTEPAを含む。
0350
非常に好ましくは、排出物は、15〜45重量%のMEA、30〜70重量%のEDA、0.5〜5重量%の環状エチレンアミン、たとえばPIPおよびAEPIP、5〜25重量%のより高級な線状エチレンアミン、たとえばDETA、TETAおよびTEPAを含む。
0351
本発明の方法により、1.5以上、好ましくは4以上、特に好ましくは8以上の選択性指数SQを達成することができる。これは、本発明の方法により、所望の線状エチレンアミンならびにエタノールアミン、たとえばMEAおよびEDAと、望ましくない環状エチレンアミンならびにより高級な望ましくないエタノールアミン、たとえばPIPおよびAEEAとの生成物比を増加できることを意味する。
0352
排出物は、一般に、異なる成分が互いに分離されるように後処理される。
0353
このために、反応排出物は適切に減圧される。
0354
減圧後、水素および不活性ガスなどのガス状の形態で存在する成分は、一般に、気液分離器で液体成分から分離される。ガス状の成分は、個々に(更なる後処理工程の後)または一緒にアミノ化反応器に返送することができる。
0355
水素および/または不活性ガスの分離後、アミノ化反応器からの排出物は、場合によりアンモニア、未変換のエチレングリコールおよび/またはモノエタノールアミン、水ならびにアミノ化生成物を含む。
0356
好ましくは、アミノ化反応器からの排出物は2つの分離シーケンスに分離され、各分離シーケンスは多段蒸留を含む。そのような後処理は、たとえば欧州特許第198699号明細書に記載されている。それに従って、1つ目の分離シーケンスでは、水とアンモニアが最初に分離され、2つ目の分離シーケンスでは、未変換のMEGと、MEA、EDA、PIP、DETA、AEEAおよびより高級なエチレンアミンとへの分離が行われる。この場合、MEGとDETAの共沸混合物に比べて低沸点成分と高沸点成分が最初に分離され、引き続き、MEGとDETAで濃縮された混合物が、選択的溶媒としてトリエチレングリコール(TEG)を用いた抽出蒸留により、MEGとDETAを含む流に分離される。
0357
MEAは、場合により、未変換のMEGと一緒にまたは別々に、部分的にまたは完全に本発明の方法に返送することができる。
0358
利点
本発明の方法では、線状アミノ化生成物DETAおよびEDAに対する高い選択性でMEGおよび/またはMEAを変換することが可能であり、環状アミノ化生成物PIPおよびより高級なエタノールアミンAEEAに対する選択性は低い。
0359
この効果の尺度は、MEAとEDAに対する選択性の合計とPIPとAEEAに対する選択性の合計との商として定義される選択性指数SQである(SQ=(S(DETA)+S(EDA))/(S(PIP)+S(AEEA))。
0360
高い選択性指数SQを達成することは、線状アミノ化生成物MEAおよびEDA、ならびにそれらの線状同族体、たとえばDETAやTETAに対する市場の需要が、PIPまたはAEEAに対する需要よりも高いため、工業的に有利である。
0361
さらに、本発明の方法により、望ましくない副生成物の形成はより少なくなる。望ましくない副生成物は、たとえば、ガス状の分解生成物、またはMEAおよびEDAに基づく不溶性もしくは難溶性のオリゴマーおよびポリマーである。そのような副生成物の形成は、炭素収支の低下、ひいては方法の経済的実行可能性の低下をもたらす。難溶性または不溶性の副生成物の形成は、アミノ化触媒への堆積をもたらす可能性があり、これがアミノ化触媒の活性を低下させる。
0362
本発明の方法は、同様にN−メチルエチレンジアミン(NMEDA)の量の減少をもたらす。NMEDAは望ましくない副生成物である。多くの工業用途では、NMEDAの割合が500重量ppm未満であるEDAの純度が指定されている。
0363
さらに、本発明の方法で使用される触媒前駆体は、方法において高い活性を有し、そのため好ましい空時収率を達成できることが確かめられた。
0364
総じて、本発明の方法により、総選択性、選択性指数、活性、および望ましくない副生成物の形成に関する有利な特性スペクトルを達成することができる。
0365
アミノ化触媒を製造する本発明の方法は、高い安全基準を満たす方法を提供することができた。
0366
本発明を以下の実施例により説明する:
触媒前駆体の製造
比較例1:
硝酸コバルト六水和物85.62gを約80mlの熱脱塩水に溶解し、硝酸ニトロシルRu溶液269.75g(16重量%のRu)を添加した。このようにして得られた溶液に脱塩水を入れて合計371mlにした。
0369
細片を、事前に製造した金属塩溶液に浸漬した。溶液の量は、細片の最大吸水量の95%に相当する。
0371
乾燥に続けて、触媒前駆体を空気の存在下で600℃にて酸化焼成した。
0372
酸化焼成に続けて、200℃で約6時間、触媒前駆体の周りに水素からなるガス流を流すことにより、触媒を還元した。
0373
還元に続けて、室温で触媒の周りに98Nl/hのN2および2Nl/hの空気のガス流を流すことにより、触媒を不動態化した。20Nl/hのN2および18Nl/hの空気に達するまで、空気量はゆっくりと増加させ、N2量はゆっくりと減少させた。空気量の増加は、触媒温度が35℃を超えないように実施した。
0374
比較例2:
触媒前駆体を、国際公開第2013/072289号の実施例B3に従って製造した。それに応じて、触媒前駆体は、空気を通過させながら450℃の温度で酸化焼成した。このようにして製造されたタブレットの還元前に、これらを1〜2mmの細片に微粉砕した。
0375
このようにして得られた触媒前駆体を、以下の規定に従って還元した(表1を参照):
0376
0377
還元に続けて、触媒前駆体の不動態化を行った。このために、還元された触媒前駆体の周りに50Nl/hのN2と0Nl/hの空気からなる流を流した。20Nl/hのN2および20Nl/hの空気に達するまで、空気量はゆっくりと増加させ、N2量はゆっくりと減少させた。空気量の増加は、触媒温度が35℃を超えないように実施した。
0378
比較例3:
触媒前駆体を、国際公開第2013/072289号の実施例B3に従って製造した。このようにして得られたタブレット(3×3mm)を1〜2mmの細片に微粉砕した。細片の吸水能力は0.25mL/gであった。
0379
金属塩溶液を製造した。このために、硝酸コバルト六水和物9.39g(20.25重量%のCo)を熱水に溶解し、硝酸ニトロシルRu溶液24.58gを添加した。このようにして得られた溶液に脱塩水を入れて45mLにし、噴霧容器に移した。
0380
細片に、細片の最大吸水量の90%に相当する量を浸漬装置内で噴霧した。続けて、触媒の細片を空気循環乾燥キャビネット内で120℃にて16時間乾燥させた。
0381
乾燥に続けて、触媒前駆体を空気の存在下で600℃にて酸化焼成した。
0382
このようにして得られた触媒前駆体を、以下の規定に従って還元した(表2を参照):
0383
0384
還元に続けて、触媒前駆体の不動態化を行った。このために、還元された触媒前駆体の周りに50Nl/hのN2と0Nl/hの空気からなる流を流した。20Nl/hのN2および20Nl/hの空気に達するまで、空気量はゆっくりと増加させ、N2量はゆっくりと減少させた。空気量の増加は、触媒温度が35℃を超えないように実施した。
0385
実施例1:
硝酸コバルト六水和物85.62gを約80mlの熱脱塩水に溶解し、硝酸ニトロシルRu溶液269.75g(16重量%のRu)を添加した。このようにして得られた溶液に脱塩水を入れて合計371mLにした。
0386
このようにして得られた金属塩溶液を噴霧容器に移した。
0387
Al2O3担体500g(1〜2mmの細片)を900℃の空気雰囲気下で焼成した。続けて、担体の最大吸水量を測定した。これは0.78mL/gであった。
0388
細片を、事前に製造した金属塩溶液に浸漬した。溶液の量は、細片の最大吸水量の95%に相当する。
0389
引き続き、金属塩溶液に浸漬した細片を、空気循環乾燥キャビネット内で120℃にて12時間乾燥させた。
0390
乾燥に続けて、触媒前駆体を表3にリストされた条件下で還元焼成した。
0391
0392
還元焼成に続けて、触媒を不動態化し、室温で触媒の周りに98Nl/hのN2と2Nl/hの空気からなるガス流を流した。20Nl/hのN2および18Nl/hの空気に達するまで、空気量はゆっくりと増加させ、N2量はゆっくりと減少させた。空気量の増加は、触媒温度が35℃を超えないように実施した。
0393
実施例2:
触媒前駆体を、国際公開第2013/072289号の実施例B3に従って製造した。このようにして得られたタブレット(3×3mm)を1〜2mmの細片に微粉砕した。細片の吸水能力は0.30mL/gであった。
0394
金属塩溶液を製造した。このために、硝酸コバルト六水和物20.25g(20.25重量%のCo)を熱水に溶解し、硝酸ニトロシルRu溶液37.91gを添加した。このようにして得られた溶液に脱塩水を入れて71mLにし、噴霧容器に移した。
0395
細片に、細片の最大吸水量の95%に相当する量を浸漬装置内で噴霧した。浸漬溶液の均一な吸収を保証するために、細片をさらに30分間、後回転させた。
0396
続けて、触媒の細片を空気循環乾燥キャビネット内で120℃にて16時間乾燥させた。
0397
このようにして得られた触媒前駆体を、実施例1に記載されているように還元焼成し、不動態化した。
0398
触媒試験:
触媒の試験は、パイロットプラント規模で連続運転されるマルチプラントにおいて試験した。プラントの反応部は8つの個別の反応器で構成され、そのうちそれぞれ4つが1つの反応器ブロック(加熱ブロック)に統合されている。各個別の反応器は、内径8mmで長さ1.5mのステンレス鋼管である。これらの管は、Al−Mg合金からなる電気加熱式反応器ブロックに取り付けられている。
0399
触媒を細片の形態(1.5mm〜2mm)で反応器に導入し、サイズ3mmのガラスビーズからなる長さ約33cmの不活性床に担持させた。触媒床の上にはさらに、サイズ3mmのガラスビーズからなる長さ15cmの隣接する不活性床がある。
0400
触媒と不活性床は、長さ1cmの布線で反応器に固定した。
0404
反応前に、水素と窒素の50:50混合物中で18時間かけて200℃および170barで触媒を活性化した。
0405
すべての触媒の試験は、次の条件下で行った:
・温度:165℃
・圧力:170bar
・H2:5Nl/h
・N2:10Nl/h
・NH3:MEGのモル比=10:1
・触媒負荷量:0.3kg/L/h〜0.5kg/L/h
・触媒容積:50mL
正確な条件は、以下の表4にまとめている。
0406
0407
比較例1では、触媒前駆体(RuおよびCoを浸漬した酸化アルミニウム担体材料)を酸化焼成した。
0408
実施例1は、触媒前駆体を酸性焼成ではなく還元焼成したという点で比較例と異なる。
0409
還元焼成により変換率が大幅に増加したことがわかる。高い変換率にもかかわらず、選択性指数は2.9であるため、本発明の反応により、所望の生成物EDAおよびDETAが高レベルで得られ、望ましくない生成物PIPおよびAEEAは低レベルで得られる。同時に、NMEDAなどの望ましくない副生成物は少量しか形成されない。
0410
比較例2では、酸化アルミニウム上のNi、Co、CuおよびSnを含む触媒前駆体を、乾燥後、空気の存在下で450℃にて酸化焼成した。
0411
比較例3では、比較例2からの酸化焼成触媒前駆体にRuおよびCoを後浸漬し、このようにして得られた浸漬触媒前駆体を酸化焼成した。
0412
実施例2は、RuおよびCoに浸漬した触媒前駆体を還元焼成したという点で実施例3とは異なる。
0413
還元焼成により変換率が大幅に増加したことがわかる。高い変換率にもかかわらず、選択性指数は2.0であるため、本発明の反応により、所望の生成物EDAおよびDETAが高レベルで得られ、望ましくない生成物PIPおよびAEEAは低レベルで得られる。同時に、NMEDAなどの望ましくない副生成物は少量しか形成されない。
0414
実施例1と実施例2との比較は、従来の担体材料(実施例1)の代わりに触媒担体材料(実施例2)を浸漬し、引き続き還元焼成した触媒前駆体の場合、選択率がさらに増加し得ることを示している。同時に、NMEDAなどの望ましくない副生成物の量を減らすことができる。
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