図面 (/)

技術 ネクチン4結合性タンパク質及びその使用方法

出願人 アジェンシス インコーポレーテッド
発明者 モリソン、カレンジェインメイリックドネート、フェルナンドヤン、ペン
出願日 2018年6月4日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2019-566609
公開日 2020年7月30日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-522261
状態 未査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 医薬品製剤 微生物による化合物の製造 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析 微生物、その培養処理 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤
主要キーワード 不連続数 残余材料 セレノール基 下方範囲 上方範囲 相対的情報 組合せシステム 文字式
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年7月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

課題・解決手段

本明細書では、ネクチン4に特異的に結合する抗体を伴う組成物、方法、及び使用が提供される。本明細書ではまた、試料又は患者における、ネクチン4の発現を評価するための方法、及びがんの、抗がん治療剤に対する応答性を評価するための方法も提供される。

概要

背景

4.背景
ポリオウイルス受容体関連タンパク質4(PVRL4)としてもまた公知のネクチン4は、細胞接着分子のネクチンファミリーに属する、約52kDaのサイズの、I型1回膜貫通タンパク質である。ネクチンは、接着結合において、1つのネクチン4が、別のネクチン4と相互作用する、同種親和性相互作用、及びネクチン4が、ネクチン1、ネクチン2、又はネクチン3など、別のネクチンファミリータンパク質と相互作用する異種親和性相互作用の両方を介して、Ca2+非依存性細胞間接着を媒介する(Miyoshi Jら、2007、Am J Nephrol、27:590〜604;Takaiら、2003、Cancer Sci、94:655〜667;Reymond N.ら、2001、Journal of Biological Chemistry、276:43205〜15)。ネクチン4の細胞外ドメインは、V、C1、C2と称する、3つのIgサブドメインを有する。ネクチン2内のC1ドメインが、同種親和性相互作用の一因となるのに対し、大半のネクチン分子のVドメインは、異種親和性相互作用及び細胞間接着に寄与することが示されている(Miyoshi Jら、2007、Am J Nephrol、27:590〜604;Takaiら、2003、Cancer Sci、94:655〜667;ReymondN.ら、2001、Journal of Biological Chemistry、276:43205〜15)。

ネクチンは、例えば、造血細胞神経細胞内皮細胞、及び上皮細胞を含む、多様な組織内で発現する(Mendelsohn Cら、1989、Cell、56:855〜865;Lopez Mら、1998、 Blood、92:4602−4611;Reymond Nら、2000、Gene(Amst.)255:347−355;Cocchi F.ら、1998、Journal of Virology、72:9992〜10002;Takahashi K.ら、1999、Journal of Cell Biology、145:539〜549;Miyoshi Jら、2007、Am J Nephrol、27:590〜604;Takaiら、2003、Cancer Sci 94:655〜667)。

同種親和性相互作用、又は他のネクチンファミリータンパク質との異種親和性相互作用による細胞間接着を媒介する以外に、ネクチンは、カドヘリンなど、他の細胞接着分子、又はプロラクチン受容体など、他の細胞表面受容体動員しうる。他の細胞表面受容体を動員することにより、ネクチンはまた、刺激性共受容体としても用いられ、したがって、シグナル伝達機能を有する場合もある。例えば、マウス乳腺内で、ネクチン4は、その細胞外ドメイン及び膜貫通ドメインを介して、プロラクチン受容体と相互作用し、通常は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)のキナーゼ活性阻害するSOCS−1(suppressor−of−cytokine signaling−1)に結合し、これを隔離し、これにより、プロラクチン誘導性のJAK2の活性化及びシグナル伝達を増強する(Maruokaら、2017、Journal of Biological Chemistry、doi:10.1074/jbc.M116.769091、jbc.M116.769091、Epubによる刊行前公開版;Kitayamaら、2016、Journal of Biological Chemistry、291:5817〜5831)。ネクチンはまた、初期の細胞間接着時において、カドヘリンと協同作用して、Rac1活性を誘導し、次いで、これを、迅速に抑制する場合もある(Khameekaら、2011、PLoS ONE6:e17841)。

概要

本明細書では、ネクチン4に特異的に結合する抗体を伴う組成物、方法、及び使用が提供される。本明細書ではまた、試料又は患者における、ネクチン4の発現を評価するための方法、及びがんの、抗がん治療剤に対する応答性を評価するための方法も提供される。

目的

5.概要
本開示は、ネクチン4(例えば、ヒトネクチン4である、配列番号43)に結合するタンパク質であって、ネクチン4に結合する抗体などの結合性タンパク質を含む上記タンパク質を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(a)配列番号3のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(VL)、及び配列番号4のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(VH)を含む抗体により認識されるヒトネクチン4のエピトープに結合するか;又は(b)ヒトネクチン4への結合について、配列番号3のアミノ酸配列を有するVL、及び配列番号4のアミノ酸配列を有するVHを含む抗体と競合する抗体又はその抗原結合性断片

請求項2

ネクチン4に結合し、(a)表1に明示されるVL相補性決定領域1(CDR1)、VLCDR2、及びVLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL);並びに/又は(b)表1に明示されるVH相補性決定領域1(CDR1)、VHCDR2、及びVHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)を含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項3

(a)表2に明示されるVLフレームワーク1(FR1)、VLFR2、VLFR3、及びVLFR4をさらに含む軽鎖可変領域(VL);並びに/又は(b)表2に明示されるVHフレームワーク1(FR1)、VHFR2、VHFR3、及びVHFR4をさらに含む重鎖可変領域(VH)を含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項4

(a)(1)配列番号7及び8からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVLCDR1;(2)配列番号9、10、及び11からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVLCDR2;並びに(3)配列番号12及び13からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)と;(b)(1)配列番号14、15、16、及び17からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVHCDR1;(2)配列番号18、19、20、及び21からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVHCDR2;並びに(3)配列番号22、23、及び24からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVHCDR3を含む軽鎖可変領域(VH)とを含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項5

VLCDR1、VLCDR2、及びVLCDR3が、それぞれ、配列番号7、10、及び12のアミノ酸配列を含み、VHCDR1、VHCDR2、及びVHCDR3が、それぞれ、配列番号15、19、及び23のアミノ酸配列を含み、前記VLCDR配列及びVHCDR配列が、KabatによるCDR定義に従い決定される、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項6

配列番号3のアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項7

配列番号4のアミノ酸配列を含むVHを含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項8

(a)配列番号3のアミノ酸配列を含むVLと;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むVHとを含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項9

マウスIgGFc領域、ヒトIgG1Fc領域、又はこれらの突然変異体を含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項10

配列番号35のアミノ酸配列を含む重鎖Fc領域を含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項11

配列番号33のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域をさらに含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項12

(a)配列番号33のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域と;(b)配列番号35のアミノ酸配列を含む重鎖Fc領域とを含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項13

配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項14

配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項15

(a)配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖と;(b)配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖とを含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項16

ネクチン4に結合する場合に、配列番号1のアミノ酸配列内の残基31〜346のうちの少なくとも1つ、配列番号1のアミノ酸配列内の残基1〜150のうちの少なくとも1つ、又は配列番号1のアミノ酸配列内の残基31〜150のうちの少なくとも1つに結合する、請求項1から15までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項17

ネクチン4を発現する細胞に特異的に結合する、請求項1から16までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項18

陰性対照に結合する抗体又はその抗原結合性断片の相対量が、陽性対照に結合する抗体又はその抗原結合性断片の量の、約10%、5%、1%、0.5%、又はこれ未満である、請求項17に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項19

陰性対照内又は陽性対照内のネクチン4の発現が、独立に、qPCRアッセイ、第2の抗体を用いる免疫組織化学アッセイ、第2の抗体を用いる免疫ブロットアッセイ、第2の抗体を用いる蛍光活性細胞分取(FACS)アッセイ、又は第2の抗体を用いる酵素免疫測定アッセイ(ELISA)により決定される、請求項18に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項20

細胞に結合した抗体又はその抗原結合性断片の量が、免疫組織化学アッセイ、免疫ブロットアッセイ、蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は酵素免疫測定アッセイ(ELISA)により決定される、請求項18に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項21

細胞が、組織由来するがん性細胞を含む、請求項17から20までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項22

基準細胞に結合するより高レベルで、前記がん性細胞に結合する、請求項21に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項23

基準細胞が、同じ組織に由来する非がん性細胞を含む、請求項22に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項24

前記組織が、膀胱尿管乳腺結腸直腸卵巣卵管食道頸部子宮内膜、皮膚、喉頭骨髄唾液腺腎臓前立腺、脳、脊髄胎盤副腎膵臓副甲状腺下垂体精巣甲状腺脾臓扁桃腺胸腺心臓小腸肝臓骨格筋末梢神経中皮、又は眼に由来する組織を含む、請求項17から23までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項25

抗体又はその抗原結合性断片の結合特異性が、免疫組織化学アッセイにおいて決定される、請求項17から24までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項26

ネクチン4陰性対照に特異的に結合しない、請求項1から25までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項27

モノクローナル抗体である、請求項1から26までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項28

ヒト化抗体ヒト抗体、又はキメラ抗体である、請求項1から27までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項29

ヒト化抗体が、脱免疫化抗体又は複合ヒト抗体である、請求項28に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項30

Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、dsFv、ダイアボディートリアボディーテトラボディー、又は抗体断片から形成された多特異性抗体である、請求項1から29までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項31

第1の残基におけるグルタミンを、ピログルタミン酸置換した、請求項1から30までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。

請求項32

請求項1から31までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片のうちの、VH、VL、又はVH及びVLの両方をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド

請求項33

請求項1から31までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片のうちの、重鎖、軽鎖、又は重鎖及び軽鎖の両方をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド。

請求項34

プロモーター作動可能に連結された、請求項32又は33に記載のポリヌクレオチド。

請求項35

請求項32又は33に記載のポリヌクレオチドを含むベクター

請求項36

請求項32から34までのいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む細胞。

請求項37

請求項35に記載のベクターを含む細胞。

請求項38

請求項1から31までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片を産生する単離細胞

請求項39

ヒトネクチン4のエピトープに特異的に結合する抗体又はその抗原結合性断片を作製する方法であって、請求項36から38までのいずれか一項に記載の細胞を培養して、抗体又はその抗原結合性断片を発現させるステップを含む上記方法。

請求項40

ヒトネクチン4のエピトープに特異的に結合する抗体又はその抗原結合性断片を作製する方法であって、請求項32から34までのいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを発現させるステップを含む上記方法。

請求項41

請求項1から31までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片を含むキット

請求項42

請求項1から31までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片を含む、抗がん処置に対するがん患者応答性予測するためのキットであって、前記患者に由来するがん性細胞が、ネクチン4の発現について陽性であれば、前記がん患者が、抗がん処置に対して応答性であると予測される、上記キット。

請求項43

がん患者に由来する組織試料中の、ネクチン4の発現を決定するための、請求項1から31までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片を含む、抗がん処置に対するがん患者の応答性を予測するためのキットであって、組織試料中の、ネクチン4の発現レベルが、ネクチン4の基準発現レベルより高ければ、前記がん患者が、抗がん処置に対して応答性であると予測される、上記キット。

請求項44

シグナル増幅システムをさらに含む、請求項41から43までのいずれか一項に記載のキット。

請求項45

基準試料セットをさらに含む、請求項41から44までのいずれか一項に記載のキット。

請求項46

対照抗体をさらに含む、請求項41から45までのいずれか一項に記載のキット。

請求項47

がんを有することが疑われる対象に由来する組織試料中のネクチン4の発現を評価するための方法であって、(a)前記組織試料を、請求項1から31までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片と接触させるステップと;(b)前記抗体又はその抗原結合性断片の、前記組織試料への結合を検出するステップと;(c)組織試料中の、ネクチン4の発現を決定するステップであって、組織試料中の、ネクチン4の発現レベルを、ネクチン4の基準発現レベルと比較する上記ステップとを含む上記方法。

請求項48

がんが、子宮内膜がん尿路上皮がん、膀胱がん、尿管がん、尿道がん、肺がん卵巣がん乳がん食道がん膵臓がん頭頸部がん前立腺がん陰茎がん肛門がん、外陰がん、尿膜管がん、及びネクチン4を発現する上皮由来の他のがんからなる群から選択されるがんである、請求項47に記載の方法。

請求項49

ネクチン4の基準発現レベルが、前記対象の非がん性細胞内、又は第2の対象に由来する非がん性細胞内の、ネクチン4の発現レベルである、請求項47又は48に記載の方法。

請求項50

ネクチン4の基準発現レベルが、陰性対照におけるネクチン4の発現レベルであり、前記陰性対照におけるネクチン4の発現が、独立に、qPCRアッセイ、第2の抗体を用いる免疫組織化学アッセイ、第2の抗体を用いる免疫ブロットアッセイ、第2の抗体を用いる蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は第2の抗体を用いる酵素免疫測定アッセイ(ELISA)により決定される、請求項47から49までのいずれか一項に記載の方法。

請求項51

陰性対照に結合する抗体又はその抗原結合性断片の相対量が、ネクチン4を発現する試料細胞に結合する抗体又はその抗原結合性断片の量の、約10%、5%、1%、又はこれ未満である、請求項50に記載の方法。

請求項52

ネクチン4の基準発現レベルが、陽性対照におけるネクチン4の発現レベルであり、前記陽性対照におけるネクチン4の発現が、独立に、qPCRアッセイ、第2の抗体を用いる免疫組織化学アッセイ、第2の抗体を用いる免疫ブロットアッセイ、第2の抗体を用いる蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は第2の抗体を用いる酵素免疫測定アッセイ(ELISA)により決定される、請求項47から49までのいずれか一項に記載の方法。

請求項53

組織が、膀胱、尿管、乳腺、肺、結腸、直腸、卵巣、卵管、食道、頸部、子宮内膜、皮膚、喉頭、骨髄、唾液腺、腎臓、前立腺、脳、脊髄、胎盤、副腎、膵臓、副甲状腺、下垂体、精巣、甲状腺、脾臓、扁桃腺、胸腺、心臓、胃、小腸、肝臓、骨格筋、末梢神経、中皮、又は眼に由来する組織を含む、請求項47から52までのいずれか一項に記載の方法。

請求項54

免疫組織化学(IHC)法、免疫ブロットアッセイ、蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は酵素免疫測定アッセイ(ELISA)を使用して、ネクチン4の発現レベルを検出する、請求項47から53までのいずれか一項に記載の方法。

請求項55

ネクチン4の発現レベルを、シグナル増幅システムにより検出する、請求項54に記載の方法。

請求項56

カテゴリー化ステムスコアリングシステム、ネクチン4の発現の、少なくとも1つの基準タンパク質の発現に対する比、前記カテゴリー化システム又はスコアリングシステムにおける細胞の百分率、ネクチン4の染色シグナル定量的測定値、又は前記カテゴリー化、スコア、比、百分率、及び定量的測定値のうちの1若しくは複数を入力として使用する数学的関数の結果を使用して、ネクチン4の発現レベルを決定する、請求項47から55までのいずれか一項に記載の方法。

請求項57

ネクチン4の発現レベルを、前記ネクチン4の発現のHスコア、又は前記Hスコアのカテゴリー化に基づき決定する、請求項47から56までのいずれか一項に記載の方法。

請求項58

前記組織試料を、前記抗体又は前記その抗原結合性断片と接触させる前に、熱誘導エピトープ賦活化(HIER)により、ネクチン4のエピトープを賦活化させるステップをさらに含む、請求項47から57までのいずれか一項に記載の方法。

請求項59

がんを有することが疑われる対象に由来する組織試料中のネクチン4の発現を評価するための方法であって、(a)請求項1から31までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片により、組織試料についての、免疫組織化学アッセイを実施するステップと;(b)組織試料中の、ネクチン4の発現を決定するステップとを含む上記方法。

請求項60

組織試料中の、ネクチン4の発現レベルを、ネクチン4の基準発現レベルと比較する、請求項59に記載の方法。

請求項61

がんが、子宮内膜がん、尿路上皮がん、膀胱がん、尿管がん、尿道がん、肺がん、卵巣がん、乳がん、食道がん、膵臓がん、頭頸部がん、前立腺がん、陰茎がん、肛門がん、外陰がん、尿膜管がん、及びネクチン4を発現する上皮由来の他のがんからなる群から選択されるがんである、請求項59又は60に記載の方法。

請求項62

ネクチン4の基準発現レベルが、前記対象の非がん性細胞内、又は第2の対象に由来する非がん性細胞内の、ネクチン4の発現レベルである、請求項59から61までのいずれか一項に記載の方法。

請求項63

ネクチン4の基準発現レベルが、陰性対照におけるネクチン4の発現レベルであり、前記陰性対照におけるネクチン4の発現が、独立に、qPCRアッセイ、第2の抗体を用いる免疫組織化学アッセイ、第2の抗体を用いる免疫ブロットアッセイ、第2の抗体を用いる蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は第2の抗体を用いる酵素免疫測定アッセイ(ELISA)により決定される、請求項59から62までのいずれか一項に記載の方法。

請求項64

陰性対照に結合する抗体又はその抗原結合性断片の相対量が、ネクチン4を発現する試料細胞に結合する抗体又はその抗原結合性断片の量の、約10%、5%、1%、又はこれ未満である、請求項63に記載の方法。

請求項65

ネクチン4の基準発現レベルが、陽性対照におけるネクチン4の発現レベルであり、前記陽性対照におけるネクチン4の発現が、独立に、qPCRアッセイ、第2の抗体を用いる免疫組織化学アッセイ、第2の抗体を用いる免疫ブロットアッセイ、第2の抗体を用いる蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は第2の抗体を用いる酵素免疫測定アッセイ(ELISA)により決定される、請求項59から62までのいずれか一項に記載の方法。

請求項66

組織が、膀胱、尿管、乳腺、肺、結腸、直腸、卵巣、卵管、食道、頸部、子宮内膜、皮膚、喉頭、骨髄、唾液腺、腎臓、前立腺、脳、脊髄、胎盤、副腎、膵臓、副甲状腺、下垂体、精巣、甲状腺、脾臓、扁桃腺、胸腺、心臓、胃、小腸、肝臓、骨格筋、末梢神経、中皮、又は眼に由来する組織を含む、請求項59から65までのいずれか一項に記載の方法。

請求項67

ネクチン4の発現レベルを、シグナル増幅システムにより検出する、請求項59から66までのいずれか一項に記載の方法。

請求項68

カテゴリー化システム、スコアリングシステム、ネクチン4の発現の、少なくとも1つの基準タンパク質の発現に対する比、前記カテゴリー化システム又はスコアリングシステムにおける細胞の百分率、ネクチン4の染色シグナルの定量的測定値、又は前記カテゴリー化、スコア、比、百分率、及び定量的測定値のうちの1若しくは複数を入力として使用する数学的関数の結果を使用して、ネクチン4の発現レベルを決定する、請求項59から67までのいずれか一項に記載の方法。

請求項69

ネクチン4の発現レベルを、前記ネクチン4の発現のHスコア、又は前記Hスコアのカテゴリー化に基づき決定する、請求項59から68までのいずれか一項に記載の方法。

請求項70

ネクチン4の発現レベルを決定する前に、熱誘導エピトープ賦活化(HIER)により、ネクチン4のエピトープを賦活化させるステップをさらに含む、請求項59から69までのいずれか一項に記載の方法。

請求項71

がん患者の、抗がん治療剤に対する応答性を評価するための方法であって、前記患者に由来する組織試料中の、ネクチン4の発現に基づき、(a)前記組織試料を、請求項1から31までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片と接触させるステップと;(b)前記抗体又はその抗原結合性断片の、前記組織試料への結合を検出するステップと;(c)組織試料中の、ネクチン4の発現レベルを決定するステップであって、組織試料中の、ネクチン4の発現レベルを、ネクチン4の基準発現レベルと比較する上記ステップとを含み、ネクチン4の発現レベルの、基準と比較した上昇が、前記抗がん治療に対する応答性を示す、上記方法。

請求項72

抗がん治療剤が、抗ネクチン4抗体、又は抗ネクチン4抗体の抗体薬物コンジュゲートを含む、請求項71に記載の方法。

請求項73

がんが、子宮内膜がん、尿路上皮がん、膀胱がん、尿管がん、尿道がん、肺がん、卵巣がん、乳がん、食道がん、膵臓がん、頭頸部がん、前立腺がん、陰茎がん、肛門がん、外陰がん、尿膜管がん、及びネクチン4を発現する上皮由来の他のがんからなる群から選択されるがんである、請求項71又は72に記載の方法。

請求項74

ネクチン4の基準発現レベルが、前記対象の非がん性細胞内、又は第2の対象に由来する非がん性細胞内の、ネクチン4の発現レベルである、請求項71から73までのいずれか一項に記載の方法。

請求項75

ネクチン4の基準発現レベルが、陰性対照におけるネクチン4の発現レベルであり、前記陰性対照におけるネクチン4の発現が、独立に、qPCRアッセイ、第2の抗体を用いる免疫組織化学アッセイ、第2の抗体を用いる免疫ブロットアッセイ、第2の抗体を用いる蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は第2の抗体を用いる酵素免疫測定アッセイ(ELISA)により決定される、請求項71から74までのいずれか一項に記載の方法。

請求項76

陰性対照に結合する抗体又はその抗原結合性断片の相対量が、ネクチン4を発現する試料細胞に結合する抗体又はその抗原結合性断片の量の、約10%、5%、1%、又はこれ未満である、請求項75に記載の方法。

請求項77

ネクチン4の基準発現レベルが、陽性対照におけるネクチン4の発現レベルであり、前記陽性対照におけるネクチン4の発現が、独立に、qPCRアッセイ、第2の抗体を用いる免疫組織化学アッセイ、第2の抗体を用いる免疫ブロットアッセイ、第2の抗体を用いる蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は第2の抗体を用いる酵素免疫測定アッセイ(ELISA)により決定される、請求項71から74までのいずれか一項に記載の方法。

請求項78

組織が、膀胱、尿管、乳腺、肺、結腸、直腸、卵巣、卵管、食道、頸部、子宮内膜、皮膚、喉頭、骨髄、唾液腺、腎臓、前立腺、脳、脊髄、胎盤、副腎、膵臓、副甲状腺、下垂体、精巣、甲状腺、脾臓、扁桃腺、胸腺、心臓、胃、小腸、肝臓、骨格筋、末梢神経、中皮、又は眼に由来する組織を含む、請求項71から77までのいずれか一項に記載の方法。

請求項79

免疫組織化学(IHC)法、免疫ブロットアッセイ、蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は酵素免疫測定アッセイ(ELISA)を使用して、ネクチン4の発現レベルを検出する、請求項71から78までのいずれか一項に記載の方法。

請求項80

ネクチン4の発現レベルを、シグナル増幅システムにより検出する、請求項71から79までのいずれか一項に記載の方法。

請求項81

カテゴリー化システム、スコアリングシステム、ネクチン4の発現の、少なくとも1つの基準タンパク質の発現に対する比、前記カテゴリー化システム又はスコアリングシステムにおける細胞の百分率、ネクチン4の染色シグナルの定量的測定値、又は前記カテゴリー化、スコア、比、百分率、及び定量的測定値のうちの1若しくは複数を入力として使用する数学的関数の結果を使用して、ネクチン4の発現レベルを決定する、請求項71から80までのいずれか一項に記載の方法。

請求項82

ネクチン4の発現レベルを、前記ネクチン4の発現のHスコア、又は前記Hスコアのカテゴリー化に基づき決定する、請求項71から81までのいずれか一項に記載の方法。

請求項83

ネクチン4の発現レベルを決定する前に、熱誘導エピトープ賦活化(HIER)により、ネクチン4のエピトープを賦活化させるステップをさらに含む、請求項71から82までのいずれか一項に記載の方法。

請求項84

がん患者の、抗がん治療剤に対する応答性を評価するための方法であって、前記患者に由来する組織試料中の、ネクチン4の発現に基づき、(a)請求項1から31までのいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合性断片により、組織試料についての、免疫組織化学アッセイを実施するステップと;(b)組織試料中の、ネクチン4の発現レベルを決定するステップであって、組織試料中の、ネクチン4の発現レベルを、ネクチン4の基準発現レベルと比較する上記ステップとを含み、組織試料中のネクチン4の発現レベルの、基準と比較した上昇が、前記抗がん治療に対する応答性を示す上記方法。

請求項85

抗がん治療剤が、抗ネクチン4抗体、又は抗ネクチン4抗体の抗体薬物コンジュゲートを含む、請求項84に記載の方法。

請求項86

がんが、子宮内膜がん、尿路上皮がん、膀胱がん、尿管がん、尿道がん、肺がん、卵巣がん、乳がん、食道がん、膵臓がん、頭頸部がん、前立腺がん、陰茎がん、肛門がん、外陰がん、尿膜管がん、及びネクチン4を発現する上皮由来の他のがんからなる群から選択されるがんである、請求項84又は85に記載の方法。

請求項87

ネクチン4の基準発現レベルが、前記対象の非がん性細胞内、又は第2の対象に由来する非がん性細胞内の、ネクチン4の発現レベルである、請求項84から86までのいずれか一項に記載の方法。

請求項88

ネクチン4の基準発現レベルが、陰性対照におけるネクチン4の発現レベルであり、前記陰性対照におけるネクチン4の発現が、独立に、qPCRアッセイ、第2の抗体を用いる免疫組織化学アッセイ、第2の抗体を用いる免疫ブロットアッセイ、第2の抗体を用いる蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は第2の抗体を用いる酵素免疫測定アッセイ(ELISA)により決定される、請求項84から87までのいずれか一項に記載の方法。

請求項89

陰性対照に結合する抗体又はその抗原結合性断片の相対量が、ネクチン4を発現する試料細胞に結合する抗体又はその抗原結合性断片の量の、約10%、5%、1%、又はこれ未満である、請求項88に記載の方法。

請求項90

ネクチン4の基準発現レベルが、陽性対照におけるネクチン4の発現レベルであり、前記陽性対照におけるネクチン4の発現が、独立に、qPCRアッセイ、第2の抗体を用いる免疫組織化学アッセイ、第2の抗体を用いる免疫ブロットアッセイ、第2の抗体を用いる蛍光活性化細胞分取(FACS)アッセイ、又は第2の抗体を用いる酵素免疫測定アッセイ(ELISA)により決定される、請求項84から87までのいずれか一項に記載の方法。

請求項91

組織が、膀胱、尿管、乳腺、肺、結腸、直腸、卵巣、卵管、食道、頸部、子宮内膜、皮膚、喉頭、骨髄、唾液腺、腎臓、前立腺、脳、脊髄、胎盤、副腎、膵臓、副甲状腺、下垂体、精巣、甲状腺、脾臓、扁桃腺、胸腺、心臓、胃、小腸、肝臓、骨格筋、末梢神経、中皮、又は眼に由来する組織を含む、請求項84から90までのいずれか一項に記載の方法。

請求項92

ネクチン4の発現レベルを、シグナル増幅システムにより検出する、請求項84から91までのいずれか一項に記載の方法。

請求項93

カテゴリー化システム、スコアリングシステム、ネクチン4の発現の、少なくとも1つの基準タンパク質の発現に対する比、前記カテゴリー化システム又はスコアリングシステムにおける細胞の百分率、ネクチン4の染色シグナルの定量的測定値、又は前記カテゴリー化、スコア、比、百分率、及び定量的測定値のうちの1若しくは複数を入力として使用する数学的関数の結果を使用して、ネクチン4の発現レベルを決定する、請求項84から92までのいずれか一項に記載の方法。

請求項94

ネクチン4の発現レベルを、前記ネクチン4の発現のHスコア、又は前記Hスコアのカテゴリー化に基づき決定する、請求項84から93までのいずれか一項に記載の方法。

請求項95

ネクチン4の発現レベルを決定する前に、熱誘導エピトープ賦活化(HIER)により、ネクチン4のエピトープを賦活化させるステップをさらに含む、請求項84から94までのいずれか一項に記載の方法。

請求項96

対象が、ヒト対象である、請求項47から95までのいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

1.分野
本明細書では、ヒトネクチン4に特異的に結合し、ネクチン4の発現レベルを検出する抗体を伴う組成物、方法、及び使用が提供される。

0002

2.関連出願の相互参照
本出願は、その全内容が、参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月5日に出願された、米国仮出願第62/515,454号に対する優先権の利益を主張する。

0003

3.電子的に提出された配列表への言及
本出願は、本出願と共に提出され、「14369−208−228_SEQ_LISTING.txt」と題され、2018年5月31日に作成され、37,280バイトのサイズである、ASCIIテキストフォーマットにおける、参照により、配列表のコンピューター読取り可能形態(CRF)を組み込む。

背景技術

0004

4.背景
ポリオウイルス受容体関連タンパク質4(PVRL4)としてもまた公知のネクチン4は、細胞接着分子のネクチンファミリーに属する、約52kDaのサイズの、I型1回膜貫通タンパク質である。ネクチンは、接着結合において、1つのネクチン4が、別のネクチン4と相互作用する、同種親和性相互作用、及びネクチン4が、ネクチン1、ネクチン2、又はネクチン3など、別のネクチンファミリータンパク質と相互作用する異種親和性相互作用の両方を介して、Ca2+非依存性細胞間接着を媒介する(Miyoshi Jら、2007、Am J Nephrol、27:590〜604;Takaiら、2003、Cancer Sci、94:655〜667;Reymond N.ら、2001、Journal of Biological Chemistry、276:43205〜15)。ネクチン4の細胞外ドメインは、V、C1、C2と称する、3つのIgサブドメインを有する。ネクチン2内のC1ドメインが、同種親和性相互作用の一因となるのに対し、大半のネクチン分子のVドメインは、異種親和性相互作用及び細胞間接着に寄与することが示されている(Miyoshi Jら、2007、Am J Nephrol、27:590〜604;Takaiら、2003、Cancer Sci、94:655〜667;ReymondN.ら、2001、Journal of Biological Chemistry、276:43205〜15)。

0005

ネクチンは、例えば、造血細胞神経細胞内皮細胞、及び上皮細胞を含む、多様な組織内で発現する(Mendelsohn Cら、1989、Cell、56:855〜865;Lopez Mら、1998、 Blood、92:4602−4611;Reymond Nら、2000、Gene(Amst.)255:347−355;Cocchi F.ら、1998、Journal of Virology、72:9992〜10002;Takahashi K.ら、1999、Journal of Cell Biology、145:539〜549;Miyoshi Jら、2007、Am J Nephrol、27:590〜604;Takaiら、2003、Cancer Sci 94:655〜667)。

0006

同種親和性相互作用、又は他のネクチンファミリータンパク質との異種親和性相互作用による細胞間接着を媒介する以外に、ネクチンは、カドヘリンなど、他の細胞接着分子、又はプロラクチン受容体など、他の細胞表面受容体動員しうる。他の細胞表面受容体を動員することにより、ネクチンはまた、刺激性共受容体としても用いられ、したがって、シグナル伝達機能を有する場合もある。例えば、マウス乳腺内で、ネクチン4は、その細胞外ドメイン及び膜貫通ドメインを介して、プロラクチン受容体と相互作用し、通常は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)のキナーゼ活性阻害するSOCS−1(suppressor−of−cytokine signaling−1)に結合し、これを隔離し、これにより、プロラクチン誘導性のJAK2の活性化及びシグナル伝達を増強する(Maruokaら、2017、Journal of Biological Chemistry、doi:10.1074/jbc.M116.769091、jbc.M116.769091、Epubによる刊行前公開版;Kitayamaら、2016、Journal of Biological Chemistry、291:5817〜5831)。ネクチンはまた、初期の細胞間接着時において、カドヘリンと協同作用して、Rac1活性を誘導し、次いで、これを、迅速に抑制する場合もある(Khameekaら、2011、PLoS ONE6:e17841)。

発明が解決しようとする課題

0007

多様な生物学的試料中のネクチン4の発現を特異的に検出し、評価するために、これまでに開発された、抗ネクチン4抗体は、成功を収めていない。したがって、生物学的試料中のネクチン4の発現を特異的に検出し、評価しうる、抗ネクチン4抗体を同定することが必要とされている。

課題を解決するための手段

0008

5.概要
本開示は、ネクチン4(例えば、ヒトネクチン4である、配列番号43)に結合するタンパク質であって、ネクチン4に結合する抗体などの結合性タンパク質を含む上記タンパク質を提供する。抗体を含む、このような結合性タンパク質は、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4断片、及び/又はネクチン4エピトープに結合しうる。

0009

ある特定の実施形態では、本開示はまた、ネクチン4を発現する細胞に特異的に結合する抗体又はその断片を含む結合性タンパク質も提供する。

0010

本明細書ではまた、このような抗体をコードする配列を含むポリヌクレオチド及びベクター、このようなポリヌクレオチド又はベクターを含む細胞(例えば、宿主細胞)、並びにこのような抗体を含む組成物、試薬、及びキットも提供される。本明細書の別の態様では、ネクチン4の活性をモジュレートする(例えば、ネクチン4シグナル伝達を活性化させる)か、又はネクチン4の発現レベルをモジュレートするための方法、診断方法、及びこのような抗ネクチン4抗体の使用が提供される。

0011

一部の実施形態では、結合性タンパク質(例えば、抗ネクチン4抗体)は、6つの相補性決定領域(CDR)、又は6つより少ないCDRを含む。他の実施形態では、結合性タンパク質(例えば、抗ネクチン4抗体)は、重鎖可変領域(VH)CDR1、VH CDR2、VH CDR3、軽鎖可変領域(VL)CDR1、VL CDR2、及び/又はVL CDR3から選択される、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのCDRを含む。ある特定の実施形態では、結合性タンパク質(例えば、抗ネクチン4抗体)は、本明細書で記載される、M22−321b41.1と称するモノクローナル抗体、又はそのヒト化変異体の、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL CDR3から選択される、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのCDRを含む。一部の実施形態では、結合性タンパク質(例えば、抗ネクチン4抗体)は、ヒト免疫グロブリンアミノ酸配列、又はその変異体の、VH FR1、VH FR2、VH FR3、VH FR4、VL FR1、VL FR2、VL FR3、及び/又はVL FR4を含む、足場領域又はフレームワーク領域(FR)をさらに含む。

0012

一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、表1に明示された、抗体であるM22−321b41.1のVLCDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLを含む。

0013

他の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、表1に明示された、抗体であるM22−321b41.1のVHCDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHを含む。

0014

他の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、
(a)表2に明示された、抗体であるM22−321b41.1のVL FR1、VL FR2、VL FR3、及びVL FR4を含むVLと;
(b)表2に明示された、抗体であるM22−321b41.1のVH FR1、VH FR2、VH FR3、及びVH FR4を含むVHと
を含む。

0015

ある特定の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片のVLCDR1、VL CDR2、及びVL CDR3は、それぞれ、配列番号7、10、及び12のアミノ酸配列を含み、抗体又はその抗原結合性断片のVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3は、それぞれ、配列番号15、19、及び23のアミノ酸配列を含む。

0016

別の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号3のアミノ酸配列を含むVLを含む。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、1箇所又は複数箇所の、その保存的修飾を含む。

0017

ある特定の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含むVHを含む。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、1箇所又は複数箇所の、その保存的修飾を含む。

0018

ある特定の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含むVLと;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むVHとを含む。

0019

一部の実施形態では、抗体は、ヒトIgGFc領域を含む。他の実施形態では、抗体は、突然変異体のヒトIgG1 Fc領域を含む。

0020

一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号33のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域をさらに含む。

0021

他の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号35のアミノ酸配列を含む重鎖Fc領域をさらに含む。

0022

さらに別の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号33のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域と;配列番号35のアミノ酸配列を含む重鎖Fc領域とをさらに含む。

0023

一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。

0024

ある特定の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、ネクチン4に結合する場合に、配列番号1のアミノ酸配列内の残基31〜346のうちの少なくとも1つに結合する。一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、ネクチン4に結合する場合に、配列番号1のアミノ酸配列内の残基31〜150のうちの少なくとも1つに結合する。ある特定の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、ネクチン4に結合する場合に、配列番号1のアミノ酸配列内の残基1〜150のうちの少なくとも1つに結合する。

0025

一実施形態では、ヒトネクチン4のエピトープは、ネクチン4リガンド結合性部位とは別個である。

0026

本明細書の一態様では、ヒトネクチン4のエピトープに結合する抗体又はその抗原結合性断片であって、ネクチン4を発現する細胞に特異的に結合する上記抗体又はその抗原結合性断片が提供される。

0027

一実施形態では、ヒトネクチン4のエピトープに結合する抗体又はその抗原結合性断片を使用して、がんを有することが疑われる対象に由来する組織試料中のネクチン4の発現を評価し、(a)前記組織試料を、抗体又はその抗原結合性断片と接触させるステップと;(b)前記抗体又はその抗原結合性断片の、前記組織試料への結合を検出するステップと;(c)組織試料中の、ネクチン4の発現を決定するステップであって、組織試料中の、ネクチン4の発現レベルを、ネクチン4の基準発現レベルと比較する上記ステップとを含む。

0028

ある特定の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗体は、ヒト化抗体ヒト抗体、又はキメラ抗体である。別の実施形態では、ヒト化抗体は、脱免疫化抗体又は複合ヒト抗体である。ある特定の実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。具体的な実施形態では、抗体は、ヒトネクチン4に特異的に結合するヒト化抗体である。

0029

ある特定の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、dsFv、ダイアボディートリアボディー、又はテトラボディーである。一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、抗体断片から形成された多特異性抗体である。

0030

一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片を、薬剤へとコンジュゲートさせる。一実施形態では、薬剤は、放射性同位元素金属キレート剤酵素蛍光化合物生物発光化合物、又は化学発光化合物である。

0031

本明細書ではまた、本明細書で提供される抗体又はその抗原結合性断片を含む組成物も提供される。ある特定の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。

0032

本明細書ではまた、本明細書で提供される抗体のうちの、VH、VL、又はVH及びVLの両方をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドも提供される。

0033

ある特定の実施形態では、本開示はまた、本明細書で提供される抗体のうちの、重鎖、軽鎖、又は重鎖及び軽鎖の両方をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドも提供する。

0034

ある特定の実施形態では、ポリヌクレオチドを、プロモーター作動可能に連結する。

0035

本明細書ではまた、(a)本明細書で提供される抗体のVH又は重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、第1のポリヌクレオチドと、(b)本明細書で提供される抗体のVL又は軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、第2のポリヌクレオチドとを含む、ポリヌクレオチドの集団も提供される。ある特定の実施形態では、第1のポリヌクレオチドを、第1のプロモーターに作動可能に連結し、第2のポリヌクレオチドを、第2のプロモーターに作動可能に連結する。

0036

本明細書ではまた、本明細書で提供されるポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。

0037

ある特定の実施形態では、本開示はまた、(a)本明細書で提供される抗体のVH又は重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、第1のベクターと、(b)本明細書で提供される抗体のVL又は軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、第2のベクターとを含む、ベクターの集団も提供する。

0038

ある特定の実施形態では、本開示は、(a)本明細書で提供される抗体のVH又は重鎖をコードするヌクレオチド配列であって、第1のプロモーターに作動可能に連結した、上記ヌクレオチド配列を含む、第1のベクターと、(b)本明細書で提供される抗体のVL又は軽鎖をコードするヌクレオチド配列であって、第2のプロモーターに作動可能に連結した、上記ヌクレオチド配列を含む、第2のベクターとを含む、ベクターの集団をさらに提供する。

0039

ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書で提供されるポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドの集団を含む細胞を提供する。

0040

ある特定の実施形態では、本開示はまた、本明細書で提供されるベクター又はベクターの集団を含む細胞も提供する。

0041

ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書で提供される抗体又はその抗原結合性断片を産生する単離細胞をさらに提供する。

0042

本明細書ではまた、(a)本明細書で提供される抗体のVH又は重鎖をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含む、第1の宿主細胞と、(b)本明細書で提供される抗体のVL又は軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含む、第2の宿主細胞とを含む、細胞の集団も提供される。

0043

さらに、本明細書では、(a)本明細書で提供される抗体のVH又は重鎖をコードするヌクレオチド配列であって、第1のプロモーターに作動可能に連結した、上記ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含む、第1の宿主細胞と、(b)本明細書で提供される抗体のVL又は軽鎖をコードするヌクレオチド配列であって、第2のプロモーターに作動可能に連結した、上記ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含む、第2の宿主細胞とを含む、細胞の集団が提供される。

0044

本明細書ではまた、本明細書で提供される抗体又はその抗原結合性断片を含むキットも提供される。

0045

本明細書ではまた、ヒトネクチン4のエピトープに特異的に結合する抗体又はその抗原結合性断片を作製する方法も提供される。ある特定の実施形態では、方法は、本明細書で提供される細胞を培養して、抗体又はその抗原結合性断片を発現させるステップを含む。他の実施形態では、方法は、本明細書で提供されるポリヌクレオチドを発現させるステップを含む。一実施形態では、ヒトネクチン4のエピトープは、ネクチン4リガンド結合性部位とは別個である。

図面の簡単な説明

0046

6.図面の簡単な説明
全てのがん性細胞が、2.5μg/mLのM22−321b41.1による、ネクチン4mRNA陽性AG−B1異種移植片についてのIHC染色アッセイにおいて、陽性染色されたことを示す、実験の結果を描示する図である。

0047

全てのがん性細胞が、2.5μg/mLのM22−244b3.1.1.1による、ネクチン4mRNA陽性AG−B1異種移植片についてのIHC染色アッセイにおいて、陽性染色されたことを示す、実験の結果を描示する図である。

0048

全ての細胞が、2.5μg/mLのM22−321b41.1による、ネクチン4mRNA陰性AG−K24異種移植片についてのIHC染色アッセイにおいて、染色されたわけではないことを示す、実験の結果を描示する図である。

0049

多くの細胞が、2.5μg/mLのM22−244b3.1.1.1による、ネクチン4mRNA陰性AG−K24異種移植片についてのIHC染色アッセイにおいて、陽性染色されたことを示す、実験の結果を描示する図である。

0050

全ての細胞が、2.5μg/mLのM22−321b41.1による、ネクチン4mRNA陰性MDA−MB−231−MFP−XCL異種移植片についてのIHC染色アッセイにおいて、染色されたわけではないことを示す、実験の結果を描示する図である。

0051

多くの細胞が、2.5μg/mLのM22−244b3.1.1.1による、ネクチン4mRNA陰性MDA−MB−231−MFP−XCL異種移植片についてのIHC染色アッセイにおいて、陽性染色されたことを示す、実験の結果を描示する図である。

0052

全ての細胞が、2.5μg/mLの陰性対照であるIgG2a抗体による、ネクチン4mRNA陽性AG−B1異種移植片についてのIHC染色アッセイにおいて、染色されたわけではないことを示す、実験の結果を描示する図である。

0053

全てのがん性細胞が、2.5μg/mLのM22−321b41.1による、ネクチン4mRNA陽性AG−L16異種移植片についてのIHC染色アッセイにおいて、陽性染色されたことを示す、実験の結果を描示する図である。

0054

がん性細胞の大部分が、2.5μg/mLのM22−321b41.1による、ネクチン4mRNA陽性AG−B11異種移植片についてのIHC染色アッセイにおいて、陽性染色されたことを示す、実験の結果を描示する図である。

0055

M22−321b41.1による、尿路上皮癌についてのIHC染色アッセイにおける、強いネクチン4染色を示す実験の結果を描示する図である。

0056

M22−321b41.1による、乳癌についてのIHC染色アッセイにおける、ネクチン4染色の不均一性を示す実験の結果を描示する図である。

0057

図12Aは、ネクチン4を発現する細胞及び異種移植片だけにおける、ネクチン4バンド特異的検出を示す、ウェスタンブロット実験の結果を描示する図である。

0058

図12Bは、図12Aにおいて、M22−321b41.1により、陽性のブロットをもたらした、Rat1(E)−ネクチン4細胞が、高レベルのネクチン4を発現し;図12Aにおいて、M22−321b41.1により、陰性のブロットをもたらした、他のRat1(E)細胞が、高レベルのネクチン1、ネクチン2、及びネクチン3を発現したことを示すことから、M22−321b41.1が、ネクチン4に特異的であることを指し示す対照FACS実験の結果を描示する図である。

0059

M22−321b41.1抗体が、ネクチン4のV断片/ドメイン(アミノ酸残基1〜150)を含有するタンパク質バンドを認識したことを示す、ウェスタンブロット実験の結果を描示する図である。上パネルでは、M22−321b41.1抗体を、野生型全長(wt)、V断片/ドメイン(V)、V及びC1断片/ドメイン(V/C1)、C1及びC2断片/ドメイン、C2断片/ドメイン、並びに陰性対照(neo)を発現する細胞溶解物に対するウェスタンブロットアッセイにおいて調べた。下パネルでは、GAPDHのブロッティングを、ローディング対照として使用した。

0060

7.詳細な説明
本明細書では、ヒトネクチン4を含むネクチン4に結合する抗体などの結合性タンパク質が提供される。一実施形態では、ネクチン4抗体は、ヒトネクチン4に結合する。一部の実施形態では、ネクチン4抗体の、ネクチン4への結合を、in vitroにおいてアッセイした。他の実施形態では、ネクチン4抗体の、ネクチン4への結合を、ex vivoにおいてアッセイした。ある特定の実施形態では、アッセイは、免疫組織化学(IHC)アッセイ、蛍光活性細胞分取(FACS)アッセイ、ELISA免疫ブロット(例えば、ウェスタンブロット法ドットブロッティング、又は細胞内ウェスタンブロット法)、及び他のイムノアッセイを含む。

0061

具体的な実施形態では、本明細書で提供される、ネクチン4に結合する抗体などの結合性タンパク質は、ネクチン4への結合について、互いと競合するという、共通の特徴を共有する。この競合的阻害は、各抗体が、ネクチン4の同じ領域(例えば、同じエピトープ)に結合し、これにより、同様な効果を確保することを指し示しうる。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗ネクチン4抗体は、抗体であるM22−321b41.1から導出されるか、又はこれに基づき導出されたヒト化抗ネクチン4抗体などのヒト化抗ネクチン4抗体を含む。他の実施形態では、本明細書で提供される抗ネクチン4抗体は、結合について、M22−321b41.1から導出されるか、又はこれに基づき導出された抗体と競合する。一部の実施形態では、抗ネクチン4抗体は、表1に記載されたCDR配列を有する。ある特定の実施形態では、抗ネクチン4抗体は、ヒトネクチン4の特異的ドメイン(例えば、配列番号1のアミノ酸配列内の、残基31〜346、1〜150、又は31〜150)に結合する。さらに、このような結合は、大部分、本明細書で記載される抗ネクチン4抗体により認識されるエピトープを含む領域内の、特定のアミノ酸残基に帰することができる。まとめると、本明細書で記載される結果は、M22−321b41.1から導出されるか、又はこれに基づき導出された抗ネクチン4抗体であって、表1に記載された、1又は複数のCDRを有する抗体を含む上記抗体について観察される効果を、同じであるか、又は同様なエピトープ特異性(例えば、同じであるか、又は同様なCDR)を有する、本明細書で記載される、他の抗ネクチン4抗体へと外挿しうることを裏付ける。

0062

本開示についての、一部の実施形態では、抗ネクチン4抗体などの結合性タンパク質は、表1に記載された、1又は複数のCDRを含む、免疫グロブリン可変領域を含みうる。このような結合性タンパク質(例えば、抗ネクチン4抗体)内では、CDRを、CDR(単数又は複数)の、適正な抗原結合特性が達成されるように、CDR(単数又は複数)を方向付ける、表2に記載された足場領域又はFR領域など、1又は複数の足場領域又はフレームワーク領域(FR)と接合させることができる。本明細書で記載される抗ネクチン4抗体を含む、このような結合性タンパク質は、多様なアッセイにおいて、ネクチン4に結合しうる。

0063

7.1 一般的技法
本明細書で記載されるか、又は言及される技法及び手順は、一般に、例えば、Sambrookら、「分子クローニング実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」(3版、2001);「分子生物学における最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」(Ausubelら編、2003);「治療用モノクローナル抗体:実験室から臨床まで(Therapeutic Monoclonal Antibodies:From Bench to Clinic)」(An編、2009);「モノクローナル抗体:方法とプロトコール(Monoclonal Antibodies:Methodsand Protocols)」(Albitar編、2010);及び「抗体の操作(Antibody Engineering)」、1及び2巻(Kontermann及びDubel編、2版、2010)において記載されている、広く利用される方法など、従来の方法を使用して、当業者により、十分に理解され、且つ/又は一般に用いられる技法及び手順を含む。

0064

7.2用語法
そうでないことが規定されない限りにおいて、本明細書で使用される、全ての技術用語及び科学用語は、当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書を解釈する目的では、以下の用語についての説明が、適用され、適切な場合はいつでも、単数形で使用される用語はまた、複数形も含み、この逆もまた成り立つであろう。全ての特許、出願、出願公開、及び他の刊行物は、参照によりそれらの全体において組み込まれる。万一、明示された用語についての任意の説明が、参照により本明細書に組み込まれた、任意の文献と齟齬を生じる場合、下記に明示された用語の説明に従うものとする。

0065

「ネクチン4」、「ネクチン4ポリペプチド」、又は「ネクチン4タンパク質」という用語は、そうでないことが指し示されない限りにおいて、動物(例えば、ヒト及びカニクイザル(cynomolgus monkey(cyno)))、イヌ、及び齧歯動物(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む、任意の脊椎動物供給源に由来する、任意の天然ポリペプチドを含むポリペプチド(本明細書では、「ポリペプチド」と「タンパク質」とを、互換的に使用する)を包含する。ある特定の実施形態では、用語は、そのSNP変異体を含む、「類縁のネクチン4ポリペプチド」を含む。「ネクチン4」という用語はまた、プロセシングされていないネクチン4である、「全長」ネクチン4のほか、細胞内のプロセシングから生じる、ネクチン4の任意の形態も包含する。一部の実施形態では、ネクチン4は、配列番号1のアミノ酸配列を有する。GenBank商標受託番号:NM_030916(mRNA)、NG_028109(ゲノムのDNA)、Gene ID:81607(遺伝子)、NP_112178(前駆体アミノ酸配列)は、他の例示的な、ヒトネクチン4の核酸配列又はアミノ酸配列を提示する。例示的なヒトネクチン4アミノ酸配列を、下記:

0066

(配列番号1)
に提示する。

0067

GenBank(商標)受託番号:NM_030916は、1つの、例示的な、ヒトネクチン4の核酸配列:

0068

(配列番号36)
を提示する。

0069

GenBank(商標)受託番号:AF472510、NM_027893、XM_203738、NM_001122680は、例示的な、マウスネクチン4の核酸配列及びアミノ酸配列を提示し;GenBank(商標)受託番号:XM_005541220及びXM_005541223は、例示的な、サルネクチン4の、核酸配列及びアミノ酸配列を提示する。

0070

「類縁のネクチン4ポリペプチド」は、ネクチン4活性を保持しうる、対立遺伝子変異体(例えば、SNP変異体);スプライス変異体;断片;誘導体置換変異体欠失変異体、及び挿入変異体;融合ポリペプチド;並びに種間相同体を含む。当業者が理解する通り、本明細書で提供される抗ネクチン4抗体は、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチド断片、ネクチン4抗原、及び/又はネクチン4エピトープに結合しうる。「エピトープ」は、大型のネクチン4ポリペプチドの一部でありうる、大型のネクチン4ポリペプチド断片の一部でありうる、大型のネクチン4抗原の一部でありうる。ネクチン4は、天然形態で存在する場合もあり、変性形態で存在する場合もある。本明細書で記載されるネクチン4ポリペプチドは、ヒト組織型など、様々な供給源、又は別の供給源から単離することもでき、組換え方法又は合成方法により調製することもできる。当技術分野ではまた、ネクチン4ポリペプチドに対するオーソログも周知である。

0071

「ネクチン4リガンド」とは、ネクチン4と結合するか、又は他の形で相互作用する分子を指す。ネクチン4は、別のネクチン4分子との同種親和性相互作用と、ネクチン1、ネクチン2、及びネクチン3など、他のネクチンファミリータンパク質との異種親和性相互作用とを有しうる。ネクチン4はまた、カドヘリンなど、他の表面接着分子、及びプロラクチン受容体など、他の細胞表面受容体とも相互作用しうる。ネクチン4はさらに、ウイルス粒子、例えば、麻疹ウイルス及びポリオウイルス、並びにウイルス粒子上のウイルスタンパク質とも相互作用しうる。したがって、ネクチン4リガンドは、ネクチン1、ネクチン2、ネクチン3、若しくはネクチン4、又はネクチンファミリータンパク質のうちのいずれかの断片を含みうる。ネクチン4リガンドはまた、カドヘリン若しくはその断片、又はプロラクチン受容体若しくはその断片など、他の細胞表面受容体のドメイン又は全長分子も含みうる。ネクチン4リガンドは、ネクチン4に結合しうる、ウイルス粒子、ウイルスカプシドタンパク質ウイルス表面タンパク質、及びウイルスタンパク質のうちのいずれかの断片もさらに含みうる。本明細書で記載されるか、又は当業者に公知である天然に存在するリガンド以外のネクチン4リガンドの非限定的な例は、人工的に作出されるリガンド、例えば、ネクチン4に結合しうるペプチドを得るためにペプチドのライブラリースクリーニングすることにより同定されるリガンドを含む。

0072

「ネクチン4の活性」及び「ネクチンによるシグナル伝達」という用語は、例えば、in vivo又はin vitroにおいて、ネクチン4リガンドの、ネクチン4への結合により誘導される、生物学的効果又は生物学的応答を意味する。用語はまた、ネクチン4リガンドの機能を模倣する分子により誘導される、同様な効果又は応答も指す。このようなネクチン4リガンドの模倣体は、そうでなければ、ネクチン4リガンドの結合から生じる、生物学的応答又は生物学的効果を誘導する。

0073

「結合性タンパク質」という用語は、ネクチン4に結合する部分(例えば、CDRなど、1又は複数の結合性領域)と、任意選択で、結合部分が、結合性タンパク質の、ネクチン4のポリペプチド、断片、又はエピトープへの結合を促進するコンフォメーションを取ることを可能とする、足場部分又はフレームワーク部分(例えば、1又は複数の足場領域又はフレームワーク領域)とを含むタンパク質を指す。このような結合性タンパク質の例は、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、組換え抗体単鎖抗体、ダイアボディー、トリアボディー、テトラボディー、Fab断片、F(ab’)2断片、IgD抗体、IgE抗体IgM抗体、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、又はIgG4抗体、及びこれらの断片などの抗体を含む。結合性タンパク質は、例えば、CDR又はCDR誘導体をグラフトされた、代替的なタンパク質足場又は人工的足場を含みうる。このような足場は、例えば、結合性タンパク質の三次元構造を安定化させるように導入された突然変異を含む、抗体由来の足場のほか、例えば、生体適合性ポリマーを含む、完全合成足場を含むがこれらに限定されない。例えば、Korndorferら、2003、「タンパク質:構造、機能、及びバイオインフォマテクス(Proteins:Structure,Function,and Bioinformatics)」、53(1):121〜29;及びRoqueら、2004、Biotechnol.Prog.、20:639〜54を参照されたい。加えて、ペプチド抗体模倣体(「PAM」)もまた、フィブロネクチン成分を、足場として利用する抗体模倣体に基づき、足場として使用することができる。本開示の文脈では、結合性タンパク質は、ネクチン4に特異的に結合するか、又はこれに選択的に結合するという。

0074

本明細書では、「抗体」、「免疫グロブリン」、又は「Ig」という用語は、互換的に使用され、最も広い意味で使用され、具体的には、例えば、個別の抗ネクチン4モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体又はインタクトなモノクローナル抗体を含む)、ポリエピトープ特異性又はモノエピトープ特異性を伴う抗ネクチン4抗体組成物ポリクローナル抗体又は一価抗体、少なくとも2つのインタクトな抗体、単鎖抗ネクチン4抗体、及び下記で記載される抗ネクチン4抗体の断片から形成される多価抗体を対象とする。抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、及び/又はアフィニティー成熟抗体のほか、他の種、例えば、マウス及びウサギなどに由来する抗体でありうる。「抗体」という用語は、特異的分子抗原に結合することが可能であり、ポリペプチド鎖の、2つの同一な対から構成されるポリペプチドであって、各対が、1つの重鎖(約50〜70kDa)と、1つの軽鎖(約25kDa)とを有し、各鎖の各アミノ末端部分が、約100〜約130、又はこれを超えるアミノ酸可変領域を含み、各鎖の各カルボキシ末端部分が、定常領域を含む上記ポリペプチドの、免疫グロブリンクラス内にある、B細胞のポリペプチド産物を含むことを意図する。例えば、「抗体の操作(Antibody Engineering)」(Borrebaeck編、2版、1995);及びKuby、「免疫学(Immunology)」(3版、1997)を参照されたい。具体的な実施形態では、本明細書で提供される抗体は、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4断片、又はネクチン4エピトープを含む、特異的分子抗原に結合しうる。抗体はまた、合成抗体、組換えにより作製された抗体、ラクダ化抗体、イントラボディー抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及び断片が由来する抗体の結合活性の一部又は全部を保持する、抗体の重鎖ポリペプチド又は軽鎖ポリペプチドの部分を指す、上記のうちのいずれかの機能的断片(例えば、ネクチン4結合性断片などの抗原結合性断片)も含むがこれらに限定されない。非限定的な機能的断片(例えば、ネクチン4結合性断片などの抗原結合性断片)の例は、単鎖Fv(scFv)、Fab断片、F(ab’)断片、F(ab)2断片、F(ab’)2断片、ジスルフィド連結Fv(dsFv)、Fd断片、Fv断片、ダイアボディー、トリアボディー、テトラボディー、及びミニボディーを含む。特に、本明細書で提供される抗体は、免疫グロブリン分子と、免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分、例えば、ネクチン4抗原に結合する抗原結合性部位を含有する抗原結合性ドメイン又は分子と(例えば、抗ネクチン4抗体の、1又は複数のCDR)を含む。このような抗体断片は、例えば、Harlow及びLane、「抗体:実験室マニュアル(Antibodies:A Laboratory Manual)」(1989);「分子生物学とバイオテクノロジー総合便覧(Mol.Biology and Biotechnology:A Comprehensive Desk Reference)」(Myers編、1995);Hustonら、1993、Cell Biophysics、22:189〜224;Pluckthun及びSkerra、1989、Meth.Enzymol.、178:497〜515;並びにDay、「上級免疫化学(Advanced Immunochemistry)」(2版、1990)において見出すことができる。本明細書で提供される抗体は、免疫グロブリン分子の、任意のクラス(例えば、IgG、IgEIgM、IgD、及びIgA)又は任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)の抗体でありうる。

0075

「抗原」とは、抗体が選択的に結合しうる、所定の抗原である。標的抗原は、ポリペプチド、炭水化物核酸、脂質、ハプテン、又は他の天然に存在する化合物若しくは合成の化合物でありうる。一部の実施形態では、標的抗原は、ポリペプチドである。

0076

「抗原結合性断片」、「抗原結合性ドメイン」、「抗原結合性領域」という用語、及び類似の用語は、抗原と相互作用し、結合剤に、抗原(例えば、CDR)に対する、その特異性及びアフィニティーを付与するアミノ酸残基を含む、抗体の部分を指す。

0077

「〜に結合する」又は「〜に結合すること」という用語は、分子間の相互作用であって、例えば、複合体を形成する相互作用を含む上記相互作用を指す。相互作用は、例えば、水素結合イオン結合疎水性相互作用、及び/又はファンデルワールス相互作用を含む、非共有結合的相互作用でありうる。複合体はまた、共有結合的結合若しくは非共有結合的結合、相互作用、又は力により、併せて保持される、2つ又はこれを超える分子の結合も含みうる。抗体の、単一の抗原結合性部位と、ネクチン4など、標的分子の、単一のエピトープとの、全非共有結合的相互作用の強度は、抗体又は機能的断片の、このエピトープに対するアフィニティーである。抗体の、一価抗原に対する解離速度(koff)の、会合速度(kon)に対する比(koff/kon)は、アフィニティーと反比例する、解離定数KDである。KD値が小さいほど、抗体のアフィニティーは大きい。KDの値は、抗体と抗原との、異なる複合体に応じて変動し、kon及びkoffの両方に依存する。本明細書で提供される抗体についての解離定数KDは、本明細書で提供される、任意の方法、又は当業者に周知である、他の任意の方法を使用して決定することができる。1つの結合性部位におけるアフィニティーは、抗体と抗原との相互作用の、真の強度を、常に反映するわけではない。多価ネクチン4など、複数の、反復的な抗原決定基を含有する複合体抗原が、複数の結合性部位を含有する抗体と接触する場合、1つの部位における、抗体の、抗原との相互作用は、第2の部位における反応の可能性を増大させるであろう。多価抗体と抗原との、このような複数の相互作用の強度を、アビディティーと呼ぶ。抗体のアビディティーは、その結合能についての、その個別の結合性部位のアフィニティーより良好な尺度でありうる。例えば、高アビディティーは、IgGより低アフィニティーであるが、その多価性から生じる、IgMの高アビディティーを有しうる、五量体IgM抗体において、場合によって、見出される通り、低アフィニティーを補完することが可能であり、五量体IgM抗体が、抗原に、効果的に結合することを可能とする。

0078

本明細書では、「ネクチン4に特異的に結合する抗体」、「ネクチン4エピトープに特異的に結合する抗体」という用語、及び類似の用語もまた、互換的に使用され、ネクチン4抗原、又はネクチン4断片、又はネクチン4エピトープなどのネクチン4ポリペプチド(例えば、ヒトネクチン4ポリペプチド、ヒトネクチン4抗原、又はヒトネクチン4エピトープなどのヒトネクチン4)に特異的に結合する抗体を指す。ネクチン4(例えば、ヒトネクチン4)に特異的に結合する抗体は、ネクチン4の細胞外ドメイン又はネクチン4の細胞外ドメインに由来するペプチドに結合しうる。ネクチン4抗原(例えば、ヒトネクチン4)に特異的に結合する抗体は、類縁の抗原(例えば、カニクイザルネクチン4)と交差反応性でありうる。ある特定の実施形態では、ネクチン4抗原に特異的に結合する抗体は、ネクチン1、ネクチン2、及び/又はネクチン3などであるがこれらに限定されない、他の抗原と交差反応しない。ネクチン4抗原に特異的に結合する抗体は、例えば、イムノアッセイ、Biacore(登録商標)、又は当業者に公知の他の技法により同定することができる。

0079

「目的の抗原に結合する」(例えば、ネクチン4などの標的抗原に結合する)抗体とは、抗体が、抗原を発現する細胞又は組織のターゲティング又は検出において、薬剤として有用であるが、他のタンパク質と、それほど交差反応しないように、抗原に、十分なアフィニティーで結合する抗体である。このような実施形態では、抗体の、「非標的」タンパク質への結合の程度は、例えば、蛍光活性化細胞分取(FACS)解析又はRIAにより決定される、抗体の、その特定の標的タンパク質への結合の約10%未満であろう。抗体の、標的分子への結合に関して、「特異的結合」、特定のポリペプチド若しくは特定のポリペプチド標的上のエピトープ「に特異的に結合する」、又はこれら「に特異的である」という用語は、非特異的相互作用と、測定可能な程度に異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、分子の結合を、一般に、結合活性を有さない、同様な構造の分子である、対照分子の結合と比較して決定することにより測定することができる。例えば、特異的結合は、標的と同様な対照分子、例えば、過剰量の、標識化されていない標的との競合により決定することができる。この場合、標識化された標的の、プローブへの結合が、過剰量の、標識化されていない標的により、競合的に阻害されれば、特異的結合が指し示される。「抗ネクチン4抗体」又は「ネクチン4に結合する抗体」という用語は、抗体が、例えば、ネクチン4のターゲティングにおける診断剤として有用であるように、十分なアフィニティーにより、ネクチン4に結合することが可能な抗体を含む。本明細書で使用される、「特異的結合」、特定のポリペプチド若しくは特定のポリペプチド標的上のエピトープ「に特異的に結合する」、又はこれら「に特異的である」という用語は、分子が、他のいかなるポリペプチド又はポリペプチドエピトープにも、実質的に結合せずに、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープに結合する場合の結合を指す。本明細書では、ネクチン4に特異的に結合する抗ネクチン4抗体が提供される。本明細書ではまた、ネクチン4に、ネクチン1、ネクチン2、及び/又はネクチン3を上回って、特異的に結合する抗ネクチン4抗体も提供される。

0080

ラジオイムノアッセイ(RIA)及び酵素免疫測定アッセイ(ELISA)などの実験技法を使用して決定される通り、それが、ネクチン4抗原に、任意の交差反応性の抗原に対するより、大きなアフィニティーで結合する場合に、抗体は、ネクチン4抗原に特異的に結合する。典型的に、特異的反応又は選択的反応は、バックグラウンドシグナル又はノイズの、少なくとも2倍であり、バックグラウンドの10倍を超えうる。例えば、抗体の特異性に関する議論については、「基礎免疫学(Fundamental Immunology)」332〜36(Paul編、2版1989)を参照されたい。代替的に、抗体の特異性は、例えば、IHCアッセイにおいて、定性的に決定することができる。このようなIHCアッセイでは、抗体が、ネクチン4を発現する細胞に結合する、例えば、これを免疫組織化学に染色するが、ネクチン4を発現しない細胞には、実質的に結合しない、例えば、これを実質的に染色しない場合に、抗体は、ネクチン4抗原に特異的に結合するか、又はネクチン4抗原に対する特異性を有する。例として述べると、抗体が、細胞に、免疫グロブリンのアイソタイプ対照について見られる結合のレベルと、実質的に同様なレベルで結合する、例えば、これを、免疫組織化学に染色する場合、抗体は、細胞に実質的に結合しない、例えば、IHCにおいて、これを実質的に染色しない。

0081

本明細書では、「完全ヒト抗体」又は「ヒト抗体」という用語は、互換的に使用され、ヒト可変領域と、例えば、ヒト定常領域とを含む抗体を指す。具体的な実施形態では、用語は、ヒト由来の可変領域と、定常領域とを含む抗体を指す。ある特定の実施形態では、「完全ヒト」抗ネクチン4抗体はまた、ネクチン4ポリペプチドに結合し、ヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン核酸配列の、天然に存在する体細胞変異体である核酸配列によりコードされる抗体も包含しうる。具体的な実施形態では、本明細書で提供される抗ネクチン4抗体は、完全ヒト抗体である。「完全ヒト抗体」という用語は、Kabatら(Kabatら(1991)、「免疫学的対象となるタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)」、5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH刊行物第91−3242号を参照されたい)により記載されている、ヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列に対応する、可変領域及び定常領域を有する抗体を含む。完全ヒト抗体を作製する例示的方法は、例えば、本明細書の実施例に提供されるが、当技術分野で公知である、任意の方法を使用することができる。

0082

組換えヒト抗体」という語句は、宿主細胞にトランスフェクトされる組換え発現ベクターを使用して発現させた抗体、組換え、コンビナトリアルの、ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子について、トランスジェニック及び/又はトランスクロモソーマルである動物(例えば、マウス又はウシ)から単離された抗体(例えば、Taylor,L.D.ら(1992)、Nucl.AcidsRes.、20:6287〜6295を参照されたい)、又はヒト免疫グロブリン遺伝子配列の、他のDNA配列に照らしたスプライシングを伴う、他の任意の手段により、調製されるか、発現させるか、創出されるか、又は単離された抗体などの組換え手段により調製されるか、発現させるか、創出されるか、又は単離されたヒト抗体を含む。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列に由来する可変領域及び定常領域(Kabat,E.A.ら(1991)、「免疫学的対象となるタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)」、5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH刊行物第91−3242号を参照されたい)を有しうる。しかし、ある特定の実施形態では、このような組換えヒト抗体を、in vitroにおける突然変異誘発(又は、ヒトIg配列に対してトランスジェニックである動物を使用する場合は、in vivoにおける体細胞突然変異誘発)にかけるので、組換え抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系列のVH配列及びVL配列に由来し、これらと類縁であるが、in vivoのヒト抗体生殖細胞系列レパートリー内には、天然で存在しえない配列である。

0083

抗ネクチン4抗体(例えば、ネクチン4に結合し、標的上の、同じエピトープ又は結合性部位について競合する、抗体及び結合性タンパク質)の文脈で使用される場合の、「競合する」という用語は、アッセイにより決定される競合であって、研究下の抗体(又はその結合性断片)が、基準分子(例えば、基準リガンド、又は基準抗体など、基準の抗原結合性タンパク質)の、共通抗原(例えば、ネクチン4又はその断片)への特異的結合を防止又は阻害する、上記競合を意味する。多数種類の競合的結合アッセイを使用して、被験抗体が、基準抗体と、ネクチン4への結合(例えば、ヒトネクチン4)について競合するのかどうかを決定することができる。用いられうるアッセイの例は、直接的固相RIA又は間接的固相RIA、直接的固相酵素イムノアッセイ(EIA)又は間接的固相酵素EIA、サンドイッチ競合アッセイ(例えば、Stahliら、1983、Methodsin Enzymology、9:242〜53を参照されたい)、直接的固相ビオチンアビジンEIA(例えば、Kirklandら、1986、J.Immunol.、137:3614〜19を参照されたい)、直接的固相標識化アッセイ、直接的固相標識化サンドイッチアッセイ、(例えば、Harlow及びLane、「抗体:実験室マニュアル(Antibodies:A Laboratory Manual)」、(1988)を参照されたい)、I−125標識を使用する、直接的固相標識化RIA(例えば、Morelら、1988、Mol.Immunol.、25:7〜15を参照されたい)、及び直接的標識化RIA(Moldenhauerら、1990、Scand.J.Immunol.、32:77〜82)を含む。典型的に、このようなアッセイは、固体表面に結合させた精製抗原(例えば、ヒトネクチン4などのネクチン4)、又は標識化されていない被験抗原結合性タンパク質(例えば、被験抗ネクチン4抗体)若しくは標識化された基準抗原結合性タンパク質(例えば、基準抗ネクチン4抗体)を保有する細胞の使用を伴う。使用されうる、他の例示的競合的結合アッセイは、ELISA、FACS、細胞接着アッセイ(例えば、Humphriesら、Methods Mol Biol.、2009;522:203〜10に記載されている)、表面プラズモン共鳴(SPR)、又は当業者に公知である、他の競合的結合アッセイを含む。競合的阻害は、被験抗原結合性タンパク質の存在下で、固体表面又は細胞に結合した標識の量を決定することにより測定することができる。通例、被験抗原結合性タンパク質は、過剰量で存在する。競合アッセイ(競合抗体)により同定される抗体は、抗体の、基準抗体と同じエピトープへの結合、及び/又は抗体の、基準抗体が結合するエピトープと、抗体の立体障害が生じる程度に、十分に近位である、隣接するエピトープへの結合を含む。本明細書では、競合的結合を決定するための方法に関するさらなる詳細も記載する。通例、競合する抗体タンパク質が、過剰量で存在する場合、それは、基準抗体の、共通抗原への特異的結合を、少なくとも30%、例えば、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、又は75%阻害するであろう。一部の場合には、結合は、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はこれを超えて阻害される。

0084

本明細書で使用される、「組み合わせて」という用語の文脈では、他の治療投与とは、1つを超える治療の使用を指す。「組み合わせて」という用語の使用は、治療を、感染を伴う対象へと投与する順序制約しない。第1の治療を、第2の治療の投与の前(例えば、1分間、45分間、30分間、45分間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)に、これと共時的に、又はこの後(例えば、1分間、45分間、30分間、45分間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に、ネクチン4媒介性疾患を有したか、これを有するか、又はこれに対して感受性である対象へと投与することができる。任意のさらなる治療を、他のさらなる治療と共に、任意の順序で投与することができる。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体を、1又は複数の治療(例えば、本明細書で提供される抗体ではない治療であって、ネクチン4媒介性疾患を防止、処置、管理、及び/又は改善するのに現在投与されている、上記治療)と組み合わせて投与することができる。本明細書で提供される抗体と組み合わせて投与されうる治療の非限定的な例は、鎮痛剤麻酔剤抗生剤、又は免疫調節薬剤若しくは米国薬局方及び/又は医師便覧において列挙されている、他の任意の薬剤を含む。

0085

「単離」抗体は、抗体が由来する、細胞供給源若しくは組織供給源、及び/又は他の夾雑物成分に由来する、細胞物質若しくは他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか、又は化学合成される場合の、化学的前駆物質若しくは他の化学物質を実質的に含まない。「細胞物質を実質的に含まない」という表現は、抗体を、それが単離されるか、又は組換えにより作製される細胞の細胞内成分から分離した、抗体の調製物を含む。したがって、細胞物質を実質的に含まない抗体は、約30%、25%、20%、15%、10%、5%、又は1%(乾燥重量で)未満の異種タンパク質(本明細書ではまた、「夾雑タンパク質」とも称する)を有する、抗体の調製物を含む。ある特定の実施形態では、抗体を、組換えにより作製する場合、それは、培養培地も実質的に含まない、例えば、培養培地は、タンパク質調製物の容量のうちの、約20%、15%、10%、5%、又は1%未満を表す。ある特定の実施形態では、抗体を、化学合成により作製する場合、それは、化学的前駆物質又は他の化学物質を実質的に含まない、例えば、抗体を、タンパク質の合成に関与する、化学的前駆物質又は他の化学物質から分離する。したがって、このような抗体の調製物は、約30%、25%、20%、15%、10%、5%、又は1%(乾燥重量で)未満の、目的の抗体以外の化学的前駆物質又は化合物を有する。夾雑物成分はまた、抗体の治療的使用に干渉する物質も含みうるがこれらに限定されず、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質性溶質又は非タンパク質性溶質を含みうる。ある特定の実施形態では、抗体を、(1)ローリー方法(Lowryら、1951、J.Bio.Chem.、193:265〜75)により決定される通り、抗体の重量で、96%、97%、98%、若しくは99%など、95%を超えるまで、(2)スピニングカップシーケネーターの使用により、N末端若しくは内部のアミノ酸配列のうちの、少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、又は(3)クーマシーブルー染色若しくは銀染色を使用する、還元条件又は非還元条件下におけるSDS−PAGEにより、均一となるまで精製する。抗体の天然環境の、少なくとも1つの成分も存在しないので、単離抗体は、組換え細胞内のin situにおける抗体も含む。しかし、通常、単離抗体は、少なくとも1つの精製ステップにより調製される。具体的な実施形態では、本明細書で提供される抗体は、単離抗体である。

0086

鎖抗体単位とは通例、2つの同一な軽(L)鎖及び2つの同一な重(H)鎖から構成される、ヘテロ四量体糖タンパク質である。IgGの場合、4鎖単位は一般に、約150,000ダルトンである。各L鎖が、1つの共有結合によるジスルフィド結合を介して、H鎖へと連結されるのに対し、2つのH鎖は、互いと、H鎖のアイソタイプに応じて、1又は複数のジスルフィド結合により連結されている。各H鎖及びL鎖はまた、規則的な間隔を隔てた、鎖内ジスルフィド架橋も有する。各H鎖は、N末端において、可変ドメイン(VH)に続いて、α鎖及びγ鎖の各々については、3つの定常ドメイン(CH)を有し、μアイソタイプ及びεアイソタイプについては、4つのCHドメインを有する。各L鎖は、N末端において、可変ドメイン(VL)を有し、続いて、その他方の末端において、定常ドメイン(CL)を有する。VLは、VHと並列し、CLは、重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)と並列する。特定のアミノ酸残基が、軽鎖可変ドメイン重鎖可変ドメインとのインターフェースを形成すると考えられる。VHとVLとの対合は、一体となって、単一の抗原結合性部位を形成する。抗体の異なるクラス構造及び特性については、例えば、「免疫学の基礎と臨床(Basic and Clinical Immunology)」71(Stitesら編、8版、1994)を参照されたい。

0087

「可変領域」、「可変ドメイン」、「V領域」、又は「Vドメイン」という用語は、抗体の軽鎖又は重鎖の部分であって、軽鎖又は重鎖のアミノ末端に一般に位置し、重鎖内の約120〜130アミノ酸、及び軽鎖内の約100〜110アミノ酸の長さを有し、各特定の抗体の、その特定の抗原に対する結合及び特異性において使用される、上記部分を指す。重鎖の可変領域は、「VH」と称する場合がある。軽鎖の可変領域は、「VL」と称する場合がある。「可変」という用語は、可変領域の、ある特定のセグメントの配列が、抗体の間で広範に異なるという事実を指す。V領域は、抗原への結合を媒介し、特定の抗体の、その特定の抗原に対する特異性を規定する。しかし、可変性は、可変領域のうちの、110アミノ酸の区間にわたり均等に分配されているわけではない。そうではなくて、V領域は、各々が、約9〜12アミノ酸長である、「超可変領域」と呼ばれる、可変性の大きな(例えば、極めて可変性の)短い領域により隔てられた、約15〜30アミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる、可変性の小さな(例えば、比較的不変性の)連なりからなる。重鎖及び軽鎖の可変領域は、各々が、βシート構造の一部を接続し、場合によって、これを形成するループを形成する、3つの超可変領域により接続された、βシートの立体配置を、大部分が取る、4つのFRを含む。各鎖内の超可変領域は、FRにより、近接して、一体に保持され、他の鎖に由来する超可変領域と共に、抗体の抗原結合性部位の形成に寄与する(例えば、Kabatら、「免疫学的対象となるタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)」、(5版、1991)を参照されたい)。定常領域は、抗体の抗原への結合に直接関与せず、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害作用(ADCC)及び補体依存性細胞傷害作用(CDC)への、抗体の参与など、多様なエフェクター機能を呈する。可変領域は、配列が、抗体の間で広範に異なる。具体的な実施形態では、可変領域は、ヒト可変領域である。

0088

「Kabatにおける通りの可変領域残基の番号付け」又は「Kabatにおける通りのアミノ酸位置の番号付け」という用語、及びこれらの変化形は、Kabatら、前出における、抗体のコンピレーションによる重鎖可変領域又は軽鎖可変領域のために使用された番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを使用すると、実際の直鎖状アミノ酸配列は、可変ドメインのFR又はCDRの短縮又はこれらへの挿入に対応する、より少数であるか、又は追加のアミノ酸を含有しうる。例えば、重鎖可変ドメインは、残基52の後における、単一のアミノ酸挿入(Kabatに従う、残基52a)と、残基82の後における、3つの挿入残基(例えば、Kabatに従う、残基82a、82b、及び82cなど)とを含みうる。Kabatによる残基の番号付けは、所与の抗体について、抗体の配列の、「標準的な」Kabat番号付け配列との相同性の領域におけるアライメントにより決定することができる。Kabatによる番号付けシステムは一般に、可変ドメイン(軽鎖の残基約1〜107及び重鎖の残基約1〜113)(例えば、Kabatら、前出)内の残基に言及する場合に使用される。「EU番号付けシステム」又は「EUインデックス」は一般に、免疫グロブリンの重鎖定常領域内の残基に言及する場合に使用される(例えば、Kabatら、前出において報告されているEUインデックス)。「Kabatにおける通りのEUインデックス」とは、ヒトIgG1 EU抗体の残基の番号付けを指す。他の番号付けシステムは、例えば、AbM、Chothia、Contact、IMGT、及びAHonにより記載されており、当業者により十分に理解されている。

0089

「インタクトな」抗体とは、抗原結合性部位のほか、CLと、少なくとも重鎖定常領域である、CH1、CH2、及びCH3とを含む抗体である。定常領域は、ヒト定常領域、又はそれらのアミノ酸配列変異体を含みうる。ある特定の実施形態では、インタクトな抗体は、1又は複数のエフェクター機能を有する。

0090

「抗体断片」は、インタクトな抗体の抗原結合性領域又は可変領域など、インタクトな抗体の部分を含む。抗体断片の例は、限定なしに述べると、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディー及びジダイアボディー(例えば、Holligerら、1993、Proc.Natl.Acad.Sci.、90:6444〜48;Luら、2005、J.Biol.Chem.、280:19665〜72;Hudsonら、2003、Nat.Med.、9:129〜34;WO93/11161号;及び米国特許第5,837,242号及び同第6,492,123号を参照されたい);単鎖抗体分子(例えば、米国特許第4,946,778号;同第5,260,203号;同第5,482,858号;及び同第5,476,786号を参照されたい);二重可ドメイン抗体(例えば、米国特許第7,612,181号を参照されたい);単一可変ドメイン抗体(sdAb)(例えば、Woolvenら、1999、Immunogenetics、50:98〜101;及びStreltsovら、2004、Proc Natl Acad Sci USA.、101:12444〜49を参照されたい);並びに抗体断片から形成された多特異性抗体を含む。

0091

治療用抗体の「機能的断片」、「結合性断片」、又は「抗原結合性断片」は、インタクトな抗体へと帰せられる生物学的機能の一部又は全部ではなくとも、少なくとも1つの機能である、少なくとも標的抗原への結合を含む機能を呈するであろう(例えば、ネクチン4結合性断片又はネクチン4に結合する断片)。

0092

本明細書で使用される「融合タンパク質」という用語は、抗体のアミノ酸配列と、異種ポリペプチド又は異種タンパク質のアミノ酸配列(例えば、通常は抗体の一部ではないポリペプチド又はタンパク質(例えば、非抗ネクチン4抗原結合性抗体))とを含むポリペプチドを指す。ネクチン4又は抗ネクチン4抗体に関して使用される場合の、「融合」という用語は、ペプチド若しくはポリペプチド、又はその断片、変異体、及び/若しくは誘導体の、異種ペプチド又はポリペプチドとの接合を指す。ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、ネクチン4又は抗ネクチン4抗体の生物学的活性を保持する。ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、ネクチン4抗体のVH領域、VL領域、VHCDR(1つ、2つ、又は3つのVH CDR)、及び/又はVL CDR(1つ、2つ、又は3つのVL CDR)を含み、この場合、融合タンパク質は、ネクチン4エピトープ、ネクチン4断片、及び/又はネクチン4ポリペプチドに結合する。

0093

抗体に言及して使用される場合の「重鎖」という用語は、約50〜70kDaのポリペプチド鎖を指し、この場合、アミノ末端部分は、約120〜130又はこれを超えるアミノ酸の可変領域を含み、カルボキシ末端部分は、定常領域を含む。定常領域は、重鎖定常領域のアミノ酸配列に基づき、アルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)、及びミュー(μ)と称する、5つの別個の種類(例えば、アイソタイプ)のうちの1つでありうる。別個の重鎖は、サイズが異なる:α、δ、及びγが、約450アミノ酸を含有するのに対し、μ及びεは、約550アミノ酸を含有する。軽鎖と組み合わされると、これらの別個の種類の重鎖は、それぞれ、抗体の、5つの周知のクラス(例えば、アイソタイプ)である、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMであって、IgGの4つのサブクラス、すなわち、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含む上記クラスをもたらす。重鎖は、ヒト重鎖でありうる。

0094

抗体に言及して使用される場合の「軽鎖」という用語は、約25kDaのポリペプチド鎖を指し、この場合、アミノ末端部分は、約100〜約110又はこれを超えるアミノ酸の可変領域を含み、カルボキシ末端部分は、定常領域を含む。軽鎖の近似的な長さは、211〜217アミノ酸である。定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパκ)又はラムダ(λ)と称する、2つの別個の種類が存在する。当技術分野では、軽鎖アミノ酸配列が周知である。軽鎖は、ヒト軽鎖でありうる。

0095

本明細書で使用される「宿主」という用語は、哺乳動物(例えば、ヒト)などの動物を指す。

0096

本明細書で使用される「宿主細胞」という用語は、核酸分子をトランスフェクトされうる特定の対象細胞と、このような細胞の後代又は潜在的な後代とを指す。このような細胞の後代は、後続する世代において生じうる突然変異若しくは環境の影響、又は核酸分子の、宿主細胞ゲノムへの組込みに起因して、核酸分子をトランスフェクトされた親細胞と同一ではありえない。

0097

本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、例えば、個々の抗体を含む集団は、少量で存在しうる、可能な、天然に存在する突然変異を除き、同一であり、各モノクローナル抗体は典型的に、抗原上の、単一のエピトープを認識するであろう。具体的な実施形態では、本明細書で使用される「モノクローナル抗体」は、単一のハイブリドーマ又は他の細胞により産生される抗体であり、この場合、抗体は、例えば、当技術分野で公知の、ELISA又は他の抗原結合アッセイ又は競合的結合アッセイにより決定される通り、ネクチン4エピトープだけに結合する。「モノクローナル」という用語は、抗体を作るための、任意の特定の方法に限定されない。例えば、本開示において有用なモノクローナル抗体は、Kohlerら、1975、Nature、256:495により最初に記載されたハイブリドーマ方法により調製することもでき、細菌細胞又は真核動物細胞又は植物細胞内の組換えDNA方法を使用して調製することもできる(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、Clacksonら、1991、Nature、352:624〜28;及びMarksら、1991、J.Mol.Biol.、222:581〜97において記載されている技法を使用して、ファージ抗体ライブラリーからも単離することができる。当技術分野では、クローン細胞系、及びこれにより発現させるモノクローナル抗体を調製するための他の方法が周知である。例えば、「分子生物学における簡易プロトコール(Short Protocols in Molecular Biology)」(Ausubelら編、5版、2002)を参照されたい。モノクローナル抗体を作製する例示的方法は、本明細書の実施例に提供する。

0098

核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞など、生物学的材料との関連で使用される場合の「天然」という用語は、天然において見出され、人為による操作、改変、及び/又は変化(例えば、単離、精製、選択)がなされていない生物学的材料を指す。

0099

本明細書で提供される抗体は、重鎖及び/又は軽鎖の部分が、特定の種に由来する抗体内、又は特定の抗体クラス若しくは抗体サブクラスに属する抗体内の、対応する配列と同一又は相同である一方、鎖(単数又は複数)の残りの部分は、別の種に由来する抗体内、又は別の抗体クラス若しくは抗体サブクラスに属する抗体内の、対応する配列と同一又は相同である、「キメラ」抗体のほか、所望の生物学的活性を呈する限りにおいて、このような抗体の断片(例えば、米国特許第4,816,567号;及びMorrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA、81:6851〜6855(1984)を参照されたい)も含みうる。

0100

非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、天然CDRの残基を、マウス、ラット、ウサギ、又は非ヒト霊長類など、非ヒト種(ドナー抗体)の、対応するCDRであって、所望の特異性、アフィニティー、及び能力を有する、上記CDRに由来する残基により置きかえた、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む、キメラ抗体である。一部の場合には、ヒト免疫グロブリンの、1又は複数のFR領域の残基を、対応する非ヒト残基により置きかえる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体内でも、ドナー抗体内でも見出されない残基も含みうる。抗体の効能をさらに精緻化するように、これらの修飾を施すことができる。ヒト化抗体の重鎖又は軽鎖は、少なくとも1つ又はこれを超える可変領域の実質的に全てを含むことが可能であり、この場合、CDRの全て又は実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリンのCDRの全て又は実質的に全てに対応し、FRの全て又は実質的に全ては、ヒト免疫グロブリン配列のFRの全て又は実質的に全てである。ある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、免疫グロブリンの定常領域(Fc)のうちの少なくとも一部、典型的に、ヒト免疫グロブリンのFcのうちの少なくとも一部を含むであろう。さらなる詳細については、例えば、Jonesら、1986、Nature、321:522〜25;Riechmannら、1988、Nature、332:323〜29;Presta、1992、Curr.Op.Struct.Biol.、2:593〜96;Carterら、1992、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:4285〜89;米国特許第6,800,738号;同第6,719,971号;同第6,639,055号;同第6,407,213号;及び同第6,054,297号を参照されたい。

0101

「ヒト抗体」とは、ヒトにより産生される抗体のアミノ酸配列、及び/又は本明細書で開示される、ヒト抗体を作るための技法のうちのいずれかを使用して作られた抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を保有する抗体である。ヒト抗体のこの定義はとりわけ、非ヒト抗原結合性残基を含むヒト化抗体を除外する。ヒト抗体は、当該技術分野で公知の、多様な技法であって、ファージディスプレイライブラリー(Hoogenboom及びWinter、1991、J.Mol.Biol.、227:381;Marksら、1991、J.Mol.Biol.、222:581)及び酵母ディスプレイライブラリー(Chaoら、2006、Nature Protocols、1:755〜68)を含む技法を使用して作製することができる。Coleら、「モノクローナル抗体とがん治療(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)」、77(1985);Boernerら、1991、J.Immunol.、147(1):86〜95;及びvan Dijk及びvan de Winkel、2001、Curr.Opin.Pharmacol.、5:368〜74において記載されている方法もまた、ヒトモノクローナル抗体を調製するために利用可能である。ヒト抗体は、抗原投与に応答して、このような抗体を産生するように改変されているが、それらの内因性遺伝子座失効化させたトランスジェニック動物、例えば、トランスジェニックマウスへと、抗原を投与することにより調製することができる(例えば、XENOMOUSE(商標)技術に関しては、Jakobovits、1995、Curr.Opin.Biotechnol.、6(5):561〜66;Brueggemann及びTaussing、1997、Curr.Opin.Biotechnol.、8(4):455〜58;並びに米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号を参照されたい)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して作出されるヒト抗体に関しては、例えば、Liら、2006、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、103:3557〜62もまた参照されたい。

0102

「CDR」とは、免疫グロブリン(Ig又は抗体)VHのβ−シートフレームワーク、非フレームワーク領域内の、3つの超可変領域(H1、H2又はH3)のうちの1つ、又は抗体VLのβ−シートフレームワーク、非フレームワーク領域内の、3つの超可変領域(L1、L2又はL3)のうちの1つを指す。したがって、CDRとは、フレームワーク領域配列内に散在した可変領域配列である。CDR領域は、当業者に周知であり、例えば、Kabatにより、抗体可変(V)ドメイン内の最も超可変性の領域として規定されている(Kabatら、1997、J.Biol.Chem.、252:6609〜16;Kabat、1978、Adv.Prot.Chem.、32:1〜75)。CDR領域の配列はまた、Chothiaにより、保存的β−シートフレームワークの一部ではなく、したがって、異なるコンフォメーションに適合することが可能な残基として、構造的にも規定されている(Chothia及びLesk、1987、J.Mol.Biol.、196:901〜17)。当技術分野では、いずれの用語法も、十分に認知されている。CDR領域の配列はまた、AbM、Contact、及びIMGTによっても規定されている。カノニカル抗体可変領域内のCDRの位置は、多数の構造の比較により決定されている(Al−Lazikaniら、1997、J.Mol.Biol.、273:927〜48;Moreaら、2000、Methods、20:267〜79)。超可変領域内の残基の数は、異なる抗体内で変動するため、カノニカルな位置と比べたさらなる残基は、従来、カノニカルな可変領域番号付けスキームにおける残基番号の隣に、a、b、cなどを伴って番号付けされている(Al−Lazikaniら、前出)。このような命名法も同様に、当業者に周知である。

0103

本明細書で使用される場合の「超可変領域」、「HVR」、又は「HV」という用語は、抗体の可変領域のうちの、配列が超可変性であり、且つ/又は構造的に規定されたループを形成する領域を指す。一般に、抗体は、VH(H1、H2、H3)内の3つ、及びVL(L1、L2、L3)内の3つである、6つの超可変領域を含む。いくつかの超可変領域の画定が使用されており、本明細書にも包含される。Kabatにより相補性決定領域(CDR)は、配列の可変性に基づき、最も一般に使用されている(例えば、Kabatら、前出を参照されたい)。代わって、Chothiaは、構造的ループの位置に言及する(例えば、Chothia及びLesk、1987、J.Mol.Biol.、196:901〜17を参照されたい)。Kabatによる番号付け慣例法を使用して番号付けされる場合の、Chothia CDR−H1ループの末端は、ループの長さに応じて、H32〜H34の間で変動する(これは、Kabatによる番号付けスキームが、H35A及びH35Bに、挿入を配置するためであり;35Aも35Bも存在しない場合、ループは、32で終わり;35Aだけが存在する場合、ループは、33で終わり;35A及び35Bのいずれもが存在する場合、ループは、34で終わる)。AbMによる超可変領域は、KabatによるCDRと、Chothiaによる構造的ループとの折衷を表し、Oxford Molecular製のAbM抗体モデルソフトウェアにより使用されている(例えば、「抗体の操作(Antibody Engineering)」2巻(Kontermann及びDubel編、2版、2010)を参照されたい)。「Contact」超可変領域は、利用可能な複合体結晶構造の解析に基づく。これらの超可変領域又はCDRの各々に由来する残基については、下記で言及する。

0104

近年、ユニバーサルの番号付けシステムである、ImMunoGeneTics(IMGT)InformationSystem(登録商標)が開発され、広く採用されている(Lafrancら、2003、Dev.Comp.Immunol、27(1):55〜77)。IMGTとは、ヒト及び他の脊椎動物の、免疫グロブリン(IG)、T細胞受容体(TCR)、及び主要組織適合性複合体MHC)に特化した、統合型情報システムである。本明細書では、軽鎖内又は重鎖内の、アミノ酸配列及び位置の両方に関して、CDRに言及する。免疫グロブリン可変ドメインの構造内のCDRの「位置」は、種間で保存されており、ループと呼ばれる構造内に存在するので、構造特徴に従い、可変ドメイン配列をアライメントする番号付けシステムを使用することにより、CDR残基及びフレームワーク残基は、たやすく同定される。この情報は、1つの種の免疫グロブリンに由来するCDR残基の、典型的に、ヒト抗体に由来するアクセプターフレームワークへのグラフティング及び置きかえにおいて使用することができる。さらなる番号付けシステム(AHon)が、Honegger及びPlueckthun、2001、J.Mol.Biol、309:657〜70により開発されている。当業者には、例えば、Kabatによる番号付けシステム及びIMGT固有の番号付けシステムを含む、番号付けシステム間の照応が周知である(例えば、Kabat、前出;Chothia及びLesk、前出;Martin、前出;Lefrancら、前出を参照されたい)。

0105

超可変領域は、以下:VL内の24〜36又は24〜34(L1)、46〜56又は50〜56(L2)、及び89〜97又は89〜96(L3)、並びにVH内の26〜35又は26〜35A(H1)、50〜65又は49〜65(H2)、及び93〜102、94〜102、又は95〜102(H3)の通りの「拡張超可変領域」を含みうる。本明細書で使用される、「HVR」及び「CDR」という用語は、互換的に使用される。

0106

「定常領域」又は「定常ドメイン」という用語は、軽鎖及び重鎖のカルボキシ末端部分であって、抗体の抗原への結合に直接関与せず、多様なエフェクター機能など、Fc受容体との相互作用を呈する、上記カルボキシ末端部分を指す。用語は、抗原結合性部位を含有する可変領域である、免疫グロブリンの他の部分と比べて、より保存的なアミノ酸配列を有する、免疫グロブリン分子の部分を指す。定常領域は、重鎖のCH1、CH2、及びCH3領域と、軽鎖のCL領域とを含有しうる。

0107

「フレームワーク」又は「FR」という用語は、CDRを挟む可変領域残基を指す。FR残基は、例えば、キメラ抗体内、ヒト化抗体内、ヒト抗体内、ドメイン抗体内、ダイアボディー内、直鎖状抗体内、及び二特異性抗体内に存在する。FR残基は、超可変領域残基又はCDR残基以外の可変ドメイン残基である。

0108

「アフィニティー成熟」抗体とは、1又は複数のそのHVR内に、1又は複数の変更(例えば、変化、付加、及び/又は欠失を含む、アミノ酸配列の変化形)であって、抗原に対する抗体のアフィニティーの、これらの変更(単数又は複数)を有さない親抗体と比較した改善を結果としてもたらす、上記変更を伴う抗体である。アフィニティー成熟抗体は、標的抗原に対する、ナノモル単位、なお又はピコモル単位のアフィニティーを有しうる。アフィニティー成熟抗体を、当技術分野で公知の手順により作製する。総説については、Hudson及びSouriau、2003、Nature Medicine、9:129〜34;Hoogenboom、2005、Nature Biotechnol.、23:1105〜16;Quiroz及びSinclair、2010、Revista Ingeneria Biomedia、4:39〜51を参照されたい。

0109

結合アフィニティー」とは一般に、分子(例えば、抗体などの結合性タンパク質)の単一の結合性部位と、その結合パートナー(例えば、抗原)との非共有結合的相互作用の総計の強度を指す。そうでないことが指し示されない限りにおいて、本明細書で使用される「結合アフィニティー」とは、結合対メンバーの間(例えば、抗体と抗原との間)の1:1の相互作用を反映する、内在的な結合アフィニティーを指す。結合性分子Xの、その結合パートナーYに対するアフィニティーは一般に、解離定数(KD)により表すことができる。アフィニティーは、当該技術分野で公知の、一般的な方法であって、本明細書で記載される方法を含む上記方法により測定することができる。低アフィニティー抗体が一般に、抗原に、ゆっくりと結合し、且つ、たやすく解離する傾向があるのに対し、高アフィニティー抗体は一般に、抗原にすばやく結合し、且つ、長く結合を維持する傾向がある。当技術分野では、結合アフィニティーを測定する、様々な方法が公知であり、これらのうちのいずれも、本開示の目的で使用することができる。具体的な例示的実施形態は、以下を含む。一実施形態では、「KD」又は「KD値」は、当技術分野で公知のアッセイにより、例えば、結合アッセイにより測定することができる。KDは、例えば、目的の抗体のFab変化形及びその抗原により実施されるRIAにおいて測定することができる(Chenら、1999、J.Mol Biol、293:865〜81)。KD又はKD値はまた、例えば、Biacore(登録商標)TM−2000又はBiacore(登録商標)TM−3000を使用するBiacore(登録商標)による表面プラズモン共鳴アッセイを使用することにより測定することもでき、例えば、Octet(登録商標)QK384システムを使用するBLI(biolayer interferometry)により測定することもできる。「オン速度」又は「会合の速度」又は「会合速度」又は「kon」もまた、例えば、Biacore(登録商標)TM−2000若しくはBiacore(登録商標)TM−3000、又はOctet(登録商標)QK384システムを使用する、上記で記載した、同じ表面プラズモン共鳴法又はBLI(biolayer interferometry)法により決定することができる。

0110

「実質的に同様な」又は「実質的に同じ」という語句は、当業者が、値(例えば、KD値)により測定される生物学的特徴の文脈で、2つの値、又は2つの画像の間の差違を、生物学的有意性及び/又は統計学的有意性が、ほとんどないか、又はないと考えるように、2つの数値、又は2つの画像(例えば、本開示の抗体と関連する1つの画像、及び基準抗体と関連する他の画像)からのシグナル(例えば、IHC染色シグナル)の間の、十分に高度な類似性を表す。例えば、2つの値の間の差違は、基準抗体についての値の関数として、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、又は約5%未満でありうる。

0111

本明細書で使用される、「実質的に増大した」、「実質的に低減された」、又は「実質的に異なる」という語句は、当業者が、値により測定される生物学的特徴の文脈で、2つの値又は2つの画像の間の差違を、統計学的有意性があると考えるように、2つの数値、又は2つの画像(例えば、本開示の抗体と関連する1つの画像、及び基準抗体と関連する他の画像)からのシグナル(例えば、IHC染色シグナル)の間の、十分に高度な差違を表す。例えば、前記2つの値の間の差違は、基準抗体についての値の関数として、約10%を超える、約20%を超える、約30%を超える、約40%を超える、又は約50%を超える差違でありうる。

0112

抗体の「エフェクター機能」とは、抗体のFc領域(例えば、天然配列のFc領域又はアミノ酸配列変異体のFc領域)に帰せられる生物学的活性を指し、抗体のアイソタイプと共に変動する。抗体のエフェクター機能の例は、C1qへの結合;CDC;Fc受容体への結合;ADCC;食作用;及びB細胞活性化を含む。

0113

本明細書で使用される「有効量」という用語は、所望の転帰を結果としてもたらすのに十分な量の、本明細書で提供される抗体又は医薬組成物を指す。

0114

本明細書では、「Fc領域」という用語を、天然配列のFc領域、組換えFc領域、及び変異Fc領域を含む、免疫グロブリン重鎖C末端領域を規定するように使用する。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界部は、変動しうるであろうが、ヒトIgG重鎖Fc領域は通例、そのCys226位又はPro230位のアミノ酸残基から、カルボキシル末端へと連なると規定されることが多い。Fc領域の、C末端のリシン(EU番号付けシステムに従う残基447)は、例えば、抗体の作製時又は精製時に除去することもでき、抗体の重鎖をコードする核酸を、組換えにより操作することにより除去することもできる。したがって、インタクトな抗体の組成物は、全てのK447残基を除去した抗体集団、K447残基を除去していない抗体集団、及びK447残基を伴う抗体と、K447残基を伴わない抗体との混合物を有する抗体集団を含みうる。

0115

「機能的Fc領域」は、天然配列のFc領域の「エフェクター機能」を保有する。例示的「エフェクター機能」は、C1qへの結合;CDC;Fc受容体への結合;ADCC;食作用などを含む。このようなエフェクター機能は、一般に、Fc領域を、結合性領域又は結合性ドメイン(例えば、抗体の可変領域又は可変ドメイン)と組み合わせることを要求し、開示される多様なアッセイを使用して評価することができる。

0116

「天然配列のFc領域」は、天然において見出され、人為による操作、改変、及び/又は変化(例えば、単離、精製、選択すること、可変領域の配列など、他の配列を含むこと、又はこれらと組み合わせること)がなされていないFc領域のアミノ酸配列と同一なアミノ酸配列を含む。天然配列のヒトIgG1 Fc領域は、天然配列のヒトIgG1 Fc領域(非Aアロタイプ及びAアロタイプ);天然配列のヒトIgG2 Fc領域;天然配列のヒトIgG3 Fc領域と;天然配列のヒトIgG4 Fc領域のほか、これらの天然に存在する変異体を含む。例えば、天然のヒトIgG1 Fc領域のアミノ酸配列を、下記(配列番号35)に提示する。

0117

「変異体のFc領域」は、少なくとも1カ所のアミノ酸修飾(例えば、置換、付加、又は欠失)により、天然配列のFc領域のアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、変異体のFc領域は、天然配列のFc領域又は親ポリペプチドのFc領域と比較した、少なくとも1カ所のアミノ酸置換、例えば、天然配列のFc領域内又は親ポリペプチドのFc領域内の、約1〜約10カ所のアミノ酸置換、又は約1〜約5カ所のアミノ酸置換を有する。本明細書の変異体のFc領域は、天然配列のFc領域及び/又は親ポリペプチドのFc領域との、少なくとも約80%の相同性、又はこれらとの、少なくとも約90%の相同性、例えば、これらとの、少なくとも約95%相同性を有しうる。

0118

ネクチン4又は抗ネクチン4抗体に関して使用される場合の「変異体」という用語は、天然配列又は非修飾配列と比較して、1カ所又は複数カ所の(例えば、約1〜約25、約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、又は約1〜約5カ所などの)アミノ酸配列の置換、欠失、及び/又は付加を含むペプチド又はポリペプチドを指す場合がある。例えば、ネクチン4の変異体は、天然のネクチン4のアミノ酸配列に対する、1カ所又は複数カ所の(例えば、約1〜約25、約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、又は約1〜約5カ所などの)変化の結果として得ることができる。これもまた、例を目的として述べると、抗ネクチン4抗体の変異体は、天然の抗ネクチン4抗体又はあらかじめ修飾されていない抗ネクチン4抗体のアミノ酸配列に対する、1カ所又は複数カ所の(例えば、約1〜約25、約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、又は約1〜約5カ所などの)変化の結果として得ることができる。変異体は、対立遺伝子変異体又はスプライス変異体など、天然に存在する場合もあり、人工的に構築される場合もある。ポリペプチド変異体は、変異体をコードする、対応する核酸分子から調製することができる。具体的な実施形態では、ネクチン4の変異体又は抗ネクチン4抗体の変異体は、基準抗体と比較した、ネクチン4への特異的結合を、少なくとも保持する。ある特定の実施形態では、変異体は、ネクチン4、或いは抗ネクチン4抗体のVH領域若しくはVL領域、又は1又は複数のCDRなどの部分領域をコードする核酸分子の一塩基多型(SNP)変異体によりコードされる。

0119

「ベクター」という用語は、例えば、核酸配列を、宿主細胞へと導入するために、本明細書で記載される抗ネクチン4抗体をコードする核酸配列を含む核酸配列を保有するか、又はこれを組み入れるのに使用される物質を指す。使用のために適用可能なベクターは、例えば、宿主細胞の染色体への安定的な組込みのために作動可能な、選択配列又はマーカーを含みうる、発現ベクタープラスミドファージベクターウイルスベクターエピソーム、及び人工的染色体を含む。加えて、ベクターは、1又は複数の選択用マーカー遺伝子と、適切な発現制御配列と、を含みうる。組み入れられうる選択用マーカー遺伝子は、例えば、抗生剤又は毒素に対する耐性をもたらすか、栄養要求性欠損を補完するか、又は培養培地中に存在しない、極めて重要な栄養物質を供給する。発現制御配列は、当技術分野で周知である、構成的プロモーター及び誘導可能なプロモーター、転写エンハンサー転写ターミネーターなどを含みうる。2つ又はこれを超える核酸分子を共発現させる(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖の両方、又は抗体のVH及びVLの両方)場合、両方の核酸分子を、例えば、単一の発現ベクターへと挿入することもでき、個別の発現ベクター内に挿入することもできる。単一のベクターによる発現のために、コード核酸を、1つの共通の発現制御配列へと任意選択で連結することもでき、1つの誘導可能なプロモーター、及び1つの構成的プロモーターなど、異なる発現制御配列へと連結することもできる。核酸分子の、宿主細胞への導入は、当技術分野で周知の方法を使用して確認することができる。このような方法は、例えば、ノーザンブロット若しくはポリメラーゼ連鎖反応PCR)によるmRNAの増幅などの核酸解析、遺伝子産物の発現についての免疫ブロット、又は導入された核酸配列又はその対応する遺伝子産物の発現について調べるのに適する他の解析方法を含む。当業者により、核酸分子を、所望の産物(例えば、本明細書で記載される抗ネクチン4抗体)をもたらすのに十分な量で発現させることが理解され、当技術分野で周知の方法を使用して、十分な発現を得るように、発現レベルを最適化しうることが、さらに理解される。

0120

ネクチン4ポリペプチドの「細胞外ドメイン」又は「ECD」とは、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを本質的に含まない、ネクチン4ポリペプチドの形態を指す。例えば、ネクチン4ポリペプチドECDは、このような膜貫通ドメイン及び/又は細胞質ドメインのうちの1%未満を有することが可能であり、このようなドメインのうちの0.5%未満を有しうる。

0121

同一性」という用語は、配列をアライメントし、比較することにより決定される、2つ若しくはこれを超えるポリペプチド分子、又は2つ若しくはこれを超える核酸分子の配列の間の関係を指す。基準ポリペプチド配列との関係における「アミノ酸配列の同一性パーセント(%)」は、配列をアライメントし、必要な場合、最大の配列同一性パーセントを達成するように、ギャップを導入し、保存的置換を、配列同一性の一部として考慮せずにおいた後における、基準ポリペプチド配列内のアミノ酸残基と同一な、候補配列内のアミノ酸残基の百分率として規定される。アミノ酸配列の同一性パーセントを決定することを目的とするアライメントは、当技術分野の範囲内にある多様な方途により、例えば、BLASTソフトウェア、BLAST−2ソフトウェア、ALIGNソフトウェア、又はMegalign(DNAStar,Inc.)ソフトウェアなど、一般に利用可能なコンピューターソフトウェアを使用して達成することができる。当業者は、配列をアライメントするのに適切なパラメーターであって、比較される配列の全長にわたり、最大のアライメントを達成するのに必要とされる、任意のアルゴリズムを含むパラメーターを決定することができる。

0122

アミノ酸残基/位置の「修飾」とは、一次アミノ酸配列の、出発アミノ酸配列と比較した変化を指し、この場合、変化は、前記アミノ酸残基/位置を伴う、配列の変更の結果から生じる。例えば、典型的な修飾は、残基の、別のアミノ酸による置換(例えば、保存的置換又は非保存的置換)、前記残基/位置に隣接する、1若しくは複数の(例えば、一般に、5つ、4つ、又は3つより少ない)アミノ酸の挿入、及び/又は前記残基/位置の欠失を含む。

0123

「エピトープ」とは、単一の抗体分子が結合する、抗原分子の表面上の部位であって、抗体の、1又は複数の抗原結合性領域に結合することが可能であり、哺乳動物(例えば、ヒト)などの動物において、抗原性又は免疫原性活性を有し、免疫応答を誘発することが可能な、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチド断片など、抗原の表面上の局在化領域などの、上記部位である。免疫原活性を有するエピトープは、動物において抗体応答を誘発する、ポリペプチドの部分である。抗原活性を有するエピトープは、例えば、イムノアッセイを含む、当技術分野で周知である、任意の方法により決定される通り、抗体が結合するポリペプチドの部分である。抗原性エピトープは、必ずしも免疫原性である必要はない。エピトープは、アミノ酸又は糖側鎖など、化学的活性表面の分子の群分けからなることが多く、特異的三次元構造特徴のほか、特異的電荷特徴を有する。抗体のエピトープは、直鎖状エピトープの場合もあり、コンフォメーションエピトープの場合もある。直鎖状エピトープは、タンパク質内のアミノ酸の連続する配列により形成される。コンフォメーションエピトープは、タンパク質が、その三次元構造へとフォールディングすると、一体となる、タンパク質配列内の、不連続なアミノ酸から形成される。誘導型エピトープは、別のタンパク質又はリガンドの活性化又は結合の後など、タンパク質の三次元構造が、変更されたコンフォメーションにある場合に形成される。ある特定の実施形態では、ネクチン4エピトープは、ネクチン4ポリペプチドの三次元表面特徴である。他の実施形態では、ネクチン4エピトープは、ネクチン4ポリペプチドの直鎖状特徴である。一般に、抗原は、いくつかのエピトープ又は多くの異なるエピトープを有し、多くの異なる抗体と反応しうる。

0124

2つの抗体が、三次元空間内の、同一であるか、重複するか、又は隣接するエピトープを認識する場合に、抗体は、「エピトープ」、基準抗体と「本質的に同じエピトープ」、又は「同じエピトープ」に結合する。2つの抗体が、三次元空間内の、同一であるか、重複するか、又は隣接するエピトープに結合するのかどうかを決定するための、最も広く使用され、且つ、迅速な方法は、例えば、標識化された抗原又は標識化された抗体を使用して、いくつかの異なるフォーマットで構成されうる、競合アッセイである。一部のアッセイでは、抗原を、96ウェルプレート上に固定化するか、又は細胞表面上に発現させ、放射性標識蛍光標識、又は酵素標識を使用して、標識化されていない抗体が、標識化された抗体の結合を遮断する能力を測定する。

0125

「エピトープマッピング」とは、それらの標的抗原上の、抗体の結合性部位又はエピトープを同定する工程である。「エピトープビニング」とは、それらが認識するエピトープに基づき、抗体を群分けする工程である。より特定すると、エピトープビニングは、抗体を、それらのエピトープ認識特性に基づきクラスター化し、顕著に異なる結合特異性を有する抗体を同定するための、コンピューターによる工程と組み合わせて、競合アッセイを使用して、異なる抗体のエピトープ認識特性を区別するための方法及びシステムを含む。

0126

本明細書で使用される「担体」は、用いられる用量及び濃度で、それらへと曝露される細胞又は哺乳動物に非毒性である、薬学的に許容される担体、賦形剤、又は安定化剤を含む。生理学的に許容される担体は、水性pH緩衝液であることが多い。生理学的に許容される担体の例は、リン酸クエン酸ヒスチジン、及び他の有機酸などの緩衝剤アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量の(約10アミノ酸残基より少ない)ポリペプチド;血清アルブミンゼラチン、若しくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマーグリシングルタミンアスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、若しくはリシンなどのアミノ酸;単糖二糖、及び、グルコースマンノース、若しくはデキストリンを含む、他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤マンニトール若しくはソルビトールなどの糖アルコールナトリウムなどの塩形成対イオン;並びに/又はTWEEN(商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商標)などの非イオン性界面活性剤を含む。「担体」という用語はまた、希釈剤アジュバント(例えば、フロイントのアジュバント(完全又は不完全))、賦形剤、又は媒体も指す場合がある。医薬担体を含む、このような担体は、水、石油動物油ラッカセイ油ダイズ油鉱物油ゴマ油など、植物由来又は合成由来の油を含む油などの滅菌液体でありうる。水は、組成物(例えば、医薬組成物)を、静脈内投与する場合の、例示的担体である。生理食塩液及びデキストロース水溶液及びグリセロール溶液もまた、特に、注射用液のための液体担体として用いることができる。適切な賦形剤(例えば、医薬の賦形剤)は、デンプン、グルコース、ラクトーススクロース、ゼラチン、オオムギ、コメ、コムギチョークシリカゲルステアリン酸ナトリウムモノステアリン酸グリセロール滑石塩化ナトリウム脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどを含む。所望の場合、組成物はまた、少量の保湿剤若しくは乳化剤、又はpH緩衝剤も含有しうる。組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン錠剤丸剤カプセル剤粉剤持続放出製剤などの形態を取りうる。経口製剤を含む経口組成物は、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウムサッカリンナトリウムセルロース炭酸マグネシウムなどの、標準的な担体を含みうる。適切な医薬担体の例については、Remington及びGennaro、「レミントンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、(18版、1990)において記載されている。医薬化合物を含む組成物は、単離形態又は精製された形態の抗ネクチン4抗体を、例えば、適量の担体と併せて含有しうる。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、動物、及び、より特定すると、ヒトにおける使用について、米国連政府若しくは米国州政府の規制機関により承認されているか、又は米国薬局方、欧州薬局方、若しくは他の一般に認知された薬局方において列挙されていることを意味する。

0127

本明細書で使用される「ポリクローナル抗体」とは、多くのエピトープを有するタンパク質に対する免疫原性応答により作出される抗体集団を指し、したがって、タンパク質内の、同じエピトープ又は異なるエピトープを指向する、様々な異なる抗体を含む。当技術分野では、ポリクローナル抗体を作製するための方法が公知である(例えば、「分子生物学における簡易プロトコール(Short Protocols in Molecular Biology)」(Ausubelら編、5版、2002)を参照されたい)。

0128

単離核酸」とは、核酸、例えば、RNA、DNA、又は他のゲノムDNA配列のほか、タンパク質、又は天然では、天然配列に付随する、リボソーム及びポリメラーゼなどの複合体から実質的に分離された混合核酸である。「単離」核酸分子は、核酸分子の天然供給源中に存在する、他の核酸分子から分離された核酸分子である。さらに、cDNA分子などの「単離」核酸分子は、組換え技法により作製される場合の、他の細胞物質若しくは培養培地、又は化学合成される場合の、化学的前駆物質又は他の化学物質を、実質的に含まない場合がある。具体的な実施形態では、本明細書で記載される抗体をコードする、1又は複数の核酸分子は、単離又は精製されている。用語は、それらの天然に存在する環境から除去された核酸配列を包含し、組換え単離物、又はクローニングされたDNA単離物、及び化学合成された類似体、又は異種系により、生物学的に合成された類似体を含む。実質的に純粋な分子は、分子の単離形態を含みうる。

0129

本明細書で互換的に使用される「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドリボヌクレオチド修飾ヌクレオチド若しくは修飾塩基、及び/又はこれらの類似体、或いはDNAポリメラーゼ又はRNAポリメラーゼにより、ポリマーへと組み込まれる場合もあり、合成反応によりポリマーへと組み込まれる場合もある、任意の基質でありうる。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体などの修飾ヌクレオチドを含みうる。本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」は、一般に、約200ヌクレオチド未満であるが、必ずしもそうではない長さの、短鎖であり、一般に、一本鎖である、合成ポリヌクレオチド、を指す。「オリゴヌクレオチド」という用語と、「ポリヌクレオチド」という用語は、互いに排他的ではない。ポリヌクレオチドについての上記の記載は、オリゴヌクレオチドに対しても、同等、且つ、完全に適用可能である。本開示の抗ネクチン4抗体を産生する細胞は、親ハイブリドーマ細胞のほか、抗体をコードする核酸を導入した、細菌宿主細胞及び真核宿主細胞を含みうる。適切な宿主細胞については、下記に開示する。

0130

そうでないことが指定されない限り、本明細書で開示される、任意の一本鎖のポリヌクレオチド配列左手末端は、5’末端であり;二本鎖ポリヌクレオチド配列の左手方向を、5’方向と称する。新生RNA転写物の、5’から3’への付加方向を、転写方向と称し;RNA転写物の5’側から5’末端であるRNA転写物と同じ配列を有する、DNA鎖上の配列領域を、「上流の配列」と称し;RNA転写物の3’側から3’末端であるRNA転写物と同じ配列を有する、DNA鎖上の配列領域を、「下流の配列」と称する。

0131

「組換え抗体」という用語は、組換え手段により、調製されるか、発現させるか、創出されるか、又は単離された抗体を指す。組換え抗体は、宿主細胞にトランスフェクトするための組換え発現ベクターを使用して発現させた抗体、組換え、コンビナトリアルの、抗体ライブラリーから単離された抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子について、トランスジェニック及び/又はトランスクロモソーマルである動物(例えば、マウス又はウシ)から単離された抗体(例えば、Taylorら、1992、Nucl.AcidsRes.、20:6287〜6295を参照されたい)、又は免疫グロブリン遺伝子配列の、他のDNA配列に照らしたスプライシングを伴う、他の任意の手段により、調製されるか、発現させるか、創出されるか、又は単離された抗体でありうる。このような組換え抗体は、ヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列に由来する可変領域及び定常領域を含む可変領域及び定常領域(Kabatら、前出を参照されたい)を有しうる。しかし、ある特定の実施形態では、このような組換え抗体を、in vitroにおける突然変異誘発(又は、ヒトIg配列に対してトランスジェニックである動物を使用する場合は、in vivoにおける体細胞突然変異誘発)にかけうるので、組換え抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系列のVH配列及びVL配列に由来し、これらと類縁であるが、in vivoのヒト抗体生殖細胞系列レパートリー内には、天然で存在しえない配列である。

0132

「対象」及び「患者」という用語は、互換的に使用することができる。本明細書で使用された、ある特定の実施形態では、対象は、非霊長動物(例えば、ウシ、ブタウマネコ、イヌ、ラットなど)又は霊長動物(例えば、サル又はヒト)などの哺乳動物である。具体的な実施形態では、対象は、ヒトである。一実施形態では、対象は、本明細書で提供される状態又は障害を伴うと診断された哺乳動物、例えば、ヒトである。別の実施形態では、対象は、本明細書で提供される状態又は障害を発症する危険性がある哺乳動物、例えば、ヒトである。

0133

「実質的に全ての」とは、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%を指す。

0134

検出用プローブ」という用語は、検出可能なシグナルをもたらす組成物を指す。用語は、限定なしに述べると、その活性を介して、検出可能なシグナルをもたらすものなど、任意のフルオロフォア発色団、放射性標識、酵素、抗体又は抗体断片を含む。

0135

検出剤」という用語は、試料又は対象における、本明細書で記載される抗ネクチン4抗体など、所望の分子の存在(exsistence又はpresence)を確認するのに使用されうる物質を指す。検出剤は、視覚化することが可能な物質、又は他の形で決定及び/若しくは測定する(例えば、定量化により)ことが可能な物質でありうる。

0136

「診断剤」という用語は、対象へと投与される物質であって、疾患、障害、又は状態の診断の一助となる、上記物質を指す。このような物質を使用して、疾患を引き起こす過程の局在化を明らかにし、特定し、且つ/又は規定することができる。ある特定の実施形態では、診断剤は、単独で、又は物質とコンジュゲートさせ、対象へと投与するか、又は対象に由来する試料と接触させると、ネクチン4媒介性疾患の診断の一助となる、本明細書で記載される抗ネクチン4抗体又はその断片を含む。

0137

核酸分子に言及して使用される場合の「コード核酸」という用語又はその文法同等物は、その天然状態において、又は当業者に周知の方法により操作された場合に、mRNAをもたらすように転写され、次いで、ポリペプチド及び/又はその断片へと翻訳されうる核酸分子を指す。アンチセンス鎖とは、このような核酸分子の相補体であり、コード配列を、これから導くことができる。

0138

「賦形剤」という用語は、一般に、希釈剤、媒体、防腐剤、結合剤、又は安定化剤として使用される不活性物質を指し、タンパク質(例えば、血清アルブミンなど)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸グルタミン酸、リシン、アルギニン、グリシン、ヒスチジンなど)、脂肪酸及びリン脂質(例えば、スルホン酸アルキル、カプリラートなど)、界面活性剤(例えば、SDS、ポリソルバート非イオン界面活性剤など)、糖(例えば、スクロース、マルトーストレハロースなど)、並びにポリオール(例えば、マンニトール、ソルビトールなど)を含むがこれらに限定されない。また、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Remington及びGennaro、「レミントンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、(18版、1990)も参照されたい。

0139

本明細書の、ペプチド又はポリペプチドの文脈で使用される、「断片」という用語は、全長未満のアミノ酸配列を含むペプチド又はポリペプチドを指す。このような断片は、例えば、アミノ末端における切断から生じる場合もあり、カルボキシ末端における切断から生じる場合もあり、且つ/又はアミノ酸配列に由来する残基(単数又は複数)の内部欠失から生じる場合もある。断片は、例えば、代替的なRNAスプライシングから生じる場合もあり、in vivoにおけるプロテアーゼ活性から生じる場合もある。ある特定の実施形態では、ネクチン4の断片又は抗ネクチン4抗体の断片は、ネクチン4ポリペプチド又は抗ネクチン4抗体のアミノ酸配列のうちの少なくとも5連続アミノ酸残基、少なくとも10連続アミノ酸残基、少なくとも15連続アミノ酸残基、少なくとも20連続アミノ酸残基、少なくとも25連続アミノ酸残基、少なくとも30連続アミノ酸残基、少なくとも40連続アミノ酸残基、少なくとも50連続アミノ酸残基、少なくとも60連続アミノ酸残基、少なくとも70連続アミノ酸残基、少なくとも80連続アミノ酸残基、少なくとも90連続アミノ酸残基、少なくとも100連続アミノ酸残基、少なくとも125連続アミノ酸残基、少なくとも150連続アミノ酸残基、少なくとも175連続アミノ酸残基、少なくとも200連続アミノ酸残基、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275、少なくとも300、少なくとも325、少なくとも350、少なくとも375、少なくとも400、少なくとも425、少なくとも450、少なくとも475、少なくとも500、少なくとも525、又は少なくとも550連続アミノ酸残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。具体的な実施形態では、ネクチン4ポリペプチドの断片又は抗ネクチン4抗体は、ポリペプチド又は抗体の、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又はこれを超える機能を保持する。

0140

「約」及び「およそ」という用語は、所与の値又は範囲から、20%以内、15%以内、10%以内、9%以内、8%以内、7%以内、6%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1%以内、又はこれ未満を意味する。

0141

「〜を投与する」又は「投与」とは、経粘膜送達、皮内送達静脈内送達、筋内送達、及び/又は本明細書で記載されているか、若しくは当技術分野で公知である、物理的送達の、他の任意の方法などにより、体外に存在する物質(例えば、本明細書で記載される抗ネクチン4抗体)を、患者へと注射するか、又は他の形で物理的に送達する行為を指す。

0142

本明細書のポリペプチドの文脈で使用される、「類似体」という用語は、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、若しくは抗ネクチン4抗体と同様な機能又は同一な機能を保有するが、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、若しくは抗ネクチン4抗体と同様なアミノ酸配列又は同一なアミノ酸配列を必ずしも含むか、又はネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、若しくは抗ネクチン4抗体と同様な構造又は同一な構造を必ずしも有するわけではないポリペプチドを指す。同様なアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、以下:(a)本明細書で記載されるネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、又は抗ネクチン4抗体のアミノ酸配列と、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)厳密な条件(例えば、Sambrookら、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」(2001);及びManiatisら、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」(1982)を参照されたい)下で、本明細書で記載されるネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、又は抗ネクチン4抗体(又はそのVH領域又はVL領域)をコードするヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列であって、少なくとも5アミノ酸残基、少なくとも10アミノ酸残基、少なくとも15アミノ酸残基、少なくとも20アミノ酸残基、少なくとも25アミノ酸残基、少なくとも30アミノ酸残基、少なくとも40アミノ酸残基、少なくとも50アミノ酸残基、少なくとも60アミノ酸残基、少なくとも70アミノ酸残基、少なくとも80アミノ酸残基、少なくとも90アミノ酸残基、少なくとも100アミノ酸残基、少なくとも125アミノ酸残基、若しくは少なくとも150アミノ酸残基の、上記ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド;又は(c)本明細書で記載されるネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、又は抗ネクチン4抗体(又はそのVH領域又はVL領域)をコードするヌクレオチド配列と、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも99%同一なヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドのうちの少なくとも1つを満たすポリペプチドを指す。本明細書で記載されるネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、又は抗ネクチン4抗体と同様な構造を伴うポリペプチドとは、本明細書で記載されるネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、又は抗ネクチン4抗体と同様な、二次構造三次構造、又は四次構造を有するポリペプチドを指す。ポリペプチドの構造は、X線結晶構造解析核磁気共鳴、及び電子顕微鏡による結晶構造解析を含むがこれらに限定されない、当業者に公知の方法により決定することができる。

0143

ポリペプチドの文脈において、本明細書で使用される「誘導体」という用語は、アミノ酸残基の置換、欠失、又は付加の導入により変更された、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、又はネクチン4ポリペプチドに結合する抗体のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。本明細書で使用される「誘導体」という用語はまた、例えば、任意の種類の分子の、ポリペプチドへの共有結合的接合により化学的に修飾された、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、又はネクチン4ポリペプチドに結合する抗体も指す。限定を目的としないが、例えば、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、又は抗ネクチン4抗体は、例えば、グリコシル化アセチル化、PEG化、リン酸化アミド化、公知の保護(protecting/blocking)基による誘導体化タンパク質分解性切断、化学的切断、製剤化、ツニカマイシンの代謝的合成、細胞のリガンド又は他のタンパク質への連結などにより化学修飾することができる。誘導体は、接合させる分子の種類又は位置において、天然に存在するペプチド若しくはポリペプチド、又は出発ペプチド若しくは出発ポリペプチドと異なる形で修飾される。誘導体は、ペプチド上又はポリペプチド上に天然で存在する、1又は複数の化学的基の欠失をさらに含む。さらに、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、又は抗ネクチン4抗体の誘導体は、1又は複数の、非古典的アミノ酸を含有しうる。ポリペプチド誘導体は、本明細書で記載されるネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチドの断片、又は抗ネクチン4抗体と同様な機能又は同一な機能を保有する。

0144

「組成物」という用語は、任意選択で、指定された量の、指定された成分(例えば、本明細書で提供される抗体)を含有する生成物を包含することを意図する。

0145

本明細書で使用される「〜を防止する」、「〜を防止すること」、及び「防止」という用語は、ネクチン4媒介性疾患及び/又はこれと関連する症状の、発症、再発発病、又は拡大の、完全な阻害又は部分的な阻害であって、本明細書で提供される治療又は治療の組合せの投与(例えば、本明細書で提供される抗体などの、予防剤又は治療剤の組合せ)の結果として得られる、上記阻害を指す。

0146

本明細書で使用される、「予防剤」という用語は、対象における、ネクチン4媒介性疾患及び/又はこれと関連する症状の、発症、再発、発病、又は拡大を、完全に、又は部分的に阻害しうる、任意の薬剤を指す。ある特定の実施形態では、「予防剤」という用語は、本明細書で提供される抗体を指す。ある特定の他の実施形態では、「予防剤」という用語は、本明細書で提供される抗体以外の薬剤を指す。一部の実施形態では、予防剤は、ネクチン4媒介性疾患及び/若しくはこれと関連する症状を防止するか、又はネクチン4媒介性疾患及び/若しくはこれと関連する症状の、発病、発症、進行、及び/又は重症度を抑えるのに有用であることが公知であるか、又はこのために使用されたことがあるか、若しくは現在使用されつつある薬剤である。具体的な実施形態では、予防剤は、完全ヒト抗ネクチン4モノクローナル抗体などの、完全ヒト抗ネクチン4抗体である。

0147

ある特定の実施形態では、「予防的に有効な血清力価」とは、ヒトなどの対象における血清力価であって、前記対象における、ネクチン4媒介性疾患及び/又はこれと関連する症状の、発症、再発、発病、又は拡大を、完全に、又は部分的に阻害する、上記血清力価である。

0148

本明細書では、「ネクチン4媒介性疾患」及び「ネクチン4媒介性障害」は、互換的に使用され、ネクチン4により完全に、若しくは部分的に引き起こされるか、この結果であるか、又はこれと相関する、任意の疾患を指す。ある特定の実施形態では、ネクチン4は、細胞の表面上で、異常に(例えば、高度に)発現する。一部の実施形態では、ネクチン4は、特定の細胞型において、異常に上方調節されうる。他の実施形態では、ネクチン4の、ネクチン4リガンドへの結合により、正常な細胞シグナル伝達、異常な細胞シグナル伝達、又は過剰な細胞シグナル伝達が引き起こされる。一部の実施形態では、ネクチン4媒介性疾患とは、ネクチン4を、対象、例えば、ヒトにおけるバイオマーカーとして使用しうる疾患である。一部の実施形態では、ネクチン4媒介性疾患とは、ネクチン4の発現が、対象、例えば、ヒトにおける疾患の進行又は予後を反映しうる疾患である。ある特定の実施形態では、ネクチン4リガンドは、例えば、細胞の表面上に発現するネクチン4受容体である。

0149

本明細書で使用される「血清力価」という用語は、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、又は少なくとも40例〜最大で約100、1000、又はこれを超える対象の集団内の、平均血清力価を指す。

0150

本明細書で使用される「副作用」という用語は、治療(例えば、予防剤又は治療剤)の、望ましくない作用及び有害作用を包含する。望ましくない作用は、必ずしも有害ではない。治療(例えば、予防剤又は治療剤)に由来する有害作用は、害を及ぼす場合もあり、不快な場合もあり、危険な場合もある。副作用の例は、下痢胃腸炎喘鳴悪心嘔吐拒食症腹部痙攣発熱疼痛、体重の減少、脱水禿頭呼吸困難不眠めまい粘膜炎、神経作用及び筋肉作用疲労感口渇、並びに食欲不振投与部位における発赤又は腫脹、発熱、悪寒、及び疲労感などの流感様症状、消化管問題、並びにアレルギー反応を含む。患者により経験される、さらなる所望されない効果は、多数であり、当技術分野で公知である。多くは、医師便覧(60版、2006)において記載されている。

0151

本明細書で使用される、「治療剤」という用語は、ネクチン4媒介性疾患及び/又はこれと関連する症状の処置、管理、又は改善において使用されうる、任意の薬剤を指す。ある特定の実施形態では、「治療剤」という用語は、本明細書で提供される抗体を指す。ある特定の他の実施形態では、「治療剤」という用語は、本明細書で提供される抗体以外の薬剤を指す。一部の実施形態では、治療剤は、ネクチン4媒介性疾患又は1又は複数のこれと関連する症状の処置、管理、又は改善に有用であることが公知であるか、又はこのために使用されたことがあるか、若しくは現在使用されつつある薬剤である。

0152

治療(例えば、予防剤又は治療剤の使用)の組合せは、2つ又はこれを超える、任意の単剤療法相加効果より有効である。例えば、予防剤及び/又は治療剤の組合せによる相乗効果は、単剤単独より有効であり、且つ/或いはネクチン4媒介性疾患を伴う対象に対する、薬剤のうちの1若しくは複数の低投与量、及び/又は前記薬剤の低投与頻度の使用を可能とする。低投与量の予防的治療若しくは治療的治療を利用し、且つ/又は前記治療を低頻度で投与する能力は、ネクチン4媒介性疾患の防止、管理、処置、又は改善における、前記治療の有効性を低減せずに、対象への前記治療の投与と関連する毒性を軽減する。加えて、相乗効果は、ネクチン4媒介性疾患の防止、又は管理、処置、若しくは改善における治療の有効性の改善を結果としてもたらしうる。最後に、治療(例えば、予防剤又は治療剤)の組合せによる相乗効果は、任意の単剤療法の使用と関連する、有害であるか、又は望ましくない副作用を回避又は軽減しうる。

0153

ある特定の実施形態では、「治療的に有効な血清力価」とは、ヒトなどの対象における血清力価であって、前記対象における、ネクチン4媒介性疾患と関連する重症度、持続時間、及び/又は症状を軽減する、上記血清力価である。

0154

本明細書で使用される、「治療」という用語は、ネクチン4媒介性疾患の防止、管理、処置、及び/又は改善において使用されうる、任意のプロトコール、方法、及び/又は薬剤を指す。ある特定の実施形態では、「複数の治療」及び「治療」という用語は、医療従事者などの当業者に公知である、ネクチン4媒介性疾患の防止、管理、処置、及び/又は改善に有用な、生物療法支持療法、及び/又は他の治療を指す。

0155

本明細書で使用される、「〜を処置する」、「処置」、及び「〜を処置すること」という用語は、1又は複数の治療(本明細書で提供される抗体など、1又は複数の予防剤又は治療剤の投与を含むがこれらに限定されない)の投与から結果として得られる、ネクチン4媒介性疾患の、進行、重症度、及び/又は持続時間の軽減又は改善を指す。

0156

本明細書で使用される、「〜を管理する」、「〜を管理すること」、及び「管理」という用語は、対象が、治療(例えば、予防剤又は治療剤)から導出する、有益な効果であって、ネクチン4と関連する状態の治癒を結果としてもたらすわけではない、上記効果を指す。ある特定の実施形態では、状態又は障害の進行又は増悪を防止するように、対象に、1又は複数の治療(本明細書で記載される抗体などの、予防剤又は治療剤)を投与して、本明細書で記載される状態又は障害、これらの1又は複数の症状「を管理する」。

0157

本明細書で使用される「〜を防止する」、「〜を防止すること」、及び「防止」という用語は、ネクチン4媒介性疾患及び/又はこれと関連する症状の、発症、再発、発病、又は拡大の、完全な阻害又は部分的な阻害であって、本明細書で提供される治療又は治療の組合せの投与(本発明の抗体など、予防剤又は治療剤の組合せ)の結果として得られる、上記阻害を指す。

0158

本明細書で使用される、「〜を投与する」又は「投与」とは、経粘膜送達、外用送達、皮内送達、非経口送達、静脈内送達、皮下送達、筋内送達、及び/又は本明細書で記載されているか、若しくは当技術分野で公知である、物理的送達の、他の任意の方法などにより、物質(例えば、本明細書で記載される抗ネクチン4抗体又はその抗原結合性断片)を、対象又は患者(例えば、ヒト)へと注射するか、又は他の形で物理的に送達する行為を指す。

0159

本明細書で使用される、「有効量」又は「治療有効量」という用語は、所与の状態、障害、若しくは疾患及び/又はこれらと関連する症状の重症度及び/又は持続時間を軽減及び/又は改善するのに十分な量の治療(例えば、本明細書で提供される抗体又は医薬組成物)を指す。これらの用語はまた、所与の疾患の悪化若しくは進行の軽減、緩徐化、若しくは改善、所与の疾患の再発、発症、若しくは発病の軽減、緩徐化、若しくは改善のために、且つ/又は別の治療(例えば、本明細書で提供される抗ネクチン4抗体以外の治療)予防効果若しくは治療効果(単数又は複数)を改善若しくは増強するのに必要な量も包含する。一部の実施形態では、本明細書で使用される「有効量」はまた、指定された結果を達成するための、本明細書で記載される抗体の量も指す。

0160

本明細書の、ネクチン4抗原に免疫特異的に結合する抗体を含む液体製剤の文脈で使用される「安定性」及び「安定的」という用語は、所与の製造条件調製条件輸送条件、及び保存条件下における、製剤中の抗体の、熱的アンフォールディング及び化学的アンフォールディング、凝集、分解、又は断片化に対する耐性を指す。本明細書で提供される「安定的」製剤は、所与の製造条件、調製条件、輸送条件、及び保存条件下で、80%、85%、90%、95%、98%、99%、又は99.5%以上の生物学的活性を保持する。抗体の安定性は、還元型キャピラリーゲル電気泳動(rCGE)、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、及びHPSECを含むがこれらに限定されない、当業者に公知の方法を介した、凝集、分解、又は断片化の、基準抗体と比較した程度により評価することができる。ネクチン4抗原に免疫特異的に結合する抗体を含む製剤の全体的安定性は、ネクチン4の特異的エピトープを使用する、多様な免疫学的アッセイであって、例えば、ELISA及びラジオイムノアッセイを含む上記免疫学的アッセイにより評価することができる。一部の例示的製剤では、抗ネクチン4抗体は、2カ月間、4カ月間、6カ月間、8カ月間、10カ月間、1年間、18カ月間、2年間、3年間、又はこれを超える期間にわたり安定でありうる。

0161

本明細書で使用される「界面活性剤を実質的に含まない」という用語は、ネクチン4抗原に免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、界面活性剤のうちの0.0005%未満、0.0003%未満、若しくは0.0001%未満、及び/又は界面活性剤のうちの0.0005%未満、0.0003%未満、若しくは0.0001%未満を含有する、上記製剤を指す。

0162

本明細書で使用される「塩を実質的に含まない」という用語は、ネクチン4抗原に免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、無機塩のうちの0.0005%未満、0.0003%未満、又は0.0001%未満を含有する、上記製剤を指す。

0163

本明細書で使用される「無機塩」という用語は、炭素を含有しない、任意の化合物であって、酸の水素又は酸の一部又は全部の、金属又は金属と同様に作用する基による置きかえから生じ、生物学的材料による医薬組成物中及び調製物中で、張性調整化合物として使用されることが多い、上記化合物を指す。最も一般的な無機塩は、NaCl、KCl、NaH2PO4などである。

0164

本明細書で使用される「界面活性剤」という用語は、有機物質を有する両親媒性構造を指す;すなわち、界面活性剤は、反対の可溶性傾向基、典型的に、油溶性炭化水素鎖及び水溶性イオン基から構成される。界面活性剤は、表面活性部分の電荷に応じて、アニオン性界面活性剤カチオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤へと分類することができる。界面活性剤は、生物学的材料による、多様な医薬組成物及び調製物のための、保湿剤、乳化剤、可溶化剤、及び分散剤として使用されることが多い。

0165

8.組成物及びこれを作製する方法
本明細書では、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチド断片、又はネクチン4エピトープに免疫特異的に結合する抗体が提供される。また、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチド断片、又はネクチン4エピトープに免疫特異的に結合する抗体をコードする単離核酸も提供される。ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチド断片、又はネクチン4エピトープに免疫特異的に結合する抗体をコードする核酸を含むベクター及び宿主細胞もさらに提供される。また、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチド断片、又はネクチン4エピトープに免疫特異的に結合する抗体を作製する方法も提供される。

0166

ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体は、ヒトネクチン4及び/又はカニクイザルネクチン4に結合する。一実施形態では、ネクチン4抗体は、ヒトネクチン4に結合する。一実施形態では、ネクチン4抗体は、カニクイザルネクチン4に結合する。一実施形態では、ネクチン4抗体は、ヒトネクチン4及びカニクイザルネクチン4の両方に結合する。他の実施形態では、本明細書で提供される抗体は、齧歯動物ネクチン4に結合しない。

0167

一部の実施形態では、抗ネクチン4抗体は、ネクチン4の細胞外ドメイン(ECD)に結合する。ある特定の実施形態では、抗ネクチン4抗体は、ネクチン4リガンド結合性部位とは別個である、ネクチン4のECD内のエピトープに結合する。

0168

また、本明細書で提供される抗ネクチン4抗体の、ネクチン4ポリペプチドへの結合を競合的に遮断する抗体も提供される。

0169

また、ネクチン4ポリペプチドへの結合について、本明細書で提供される抗ネクチン4抗体と競合する抗体も提供される。

0170

一部の実施形態では、抗ネクチン4抗体は、ネクチン4リガンドの、ネクチン4ポリペプチドへの結合を遮断しない。

0171

一部の実施形態では、抗ネクチン4抗体は、ネクチン4リガンドと、ネクチン4ポリペプチドへの結合について競合しない。

0172

ある特定の実施形態では、ネクチン4リガンドの、ネクチン4への結合は、抗体により阻害されない。

0173

本明細書で提供される抗ネクチン4抗体はまた、例えば、診断剤、検出剤、及び/又は薬剤へとコンジュゲートさせるか、又は組換えにより融合させることもできる。抗ネクチン4抗体を含む組成物もさらに提供される。

0174

本明細書ではまた、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチド断片、ネクチン4ペプチド、又はネクチン4エピトープに結合する抗ネクチン4抗体の免疫グロブリン重鎖、免疫グロブリン軽鎖、VH領域、VL領域、VHCDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL CDR3をコードする単離核酸分子も提供される。

0175

ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチド断片、ネクチン4ペプチド、又はネクチン4エピトープに結合する抗ネクチン4抗体をコードする核酸分子を含むベクター及び宿主細胞もさらに提供される。また、ネクチン4ポリペプチド、ネクチン4ポリペプチド断片、ネクチン4ペプチド、又はネクチン4エピトープに結合する抗体を作製する方法も提供される。

0176

一実施形態では、本開示は、本明細書で診断剤として使用されうる抗ネクチン4抗体を提供する。例示的抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、及びヘテロコンジュゲート抗体のほか、アフィニティー又は他の特性を改善した、これらの変異体を含む。

0177

9.抗ネクチン4抗体
本明細書で提供される抗体は、合成抗体、モノクローナル抗体、組換えにより作製された抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二特異性抗体、イントラボディー、単鎖Fv(scFv)、ラクダ化抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド連結Fv(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及び上記のうちのいずれかのエピトープ結合性断片を含むがこれらに限定されない。

0178

特に、本明細書で提供される抗体は、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分、すなわち、ネクチン4抗原に免疫特異的に結合する抗原結合性部位を含有する分子を含む。本明細書で提供される免疫グロブリン分子は、免疫グロブリン分子の、任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)、又はサブクラスの分子でありうる。具体的な実施形態では、本明細書で提供される抗体は、IgG1抗体などのIgG抗体である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社カネカの「 多能性幹細胞凝集抑制剤」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】この出願は、細胞周期停止剤を含むことを特徴とする多能性幹細胞の浮遊培養に用いるための多能性幹細胞凝集抑制剤、その凝集抑制剤を含む培地中で多能性幹細胞を浮遊培養する工程を含む、多能性幹... 詳細

  • 株式会社カネカの「 細胞凝集促進剤」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】本発明は、細胞凝集塊の大きさを機械学的/物理学的な手段に依らずに適切に制御するための手段を提供することを目的とし、具体的には、SRF阻害剤を含む、細胞の浮遊培養に用いるための細胞凝集... 詳細

  • 国立大学法人東北大学の「 相同組換え修復活性の定量法」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】細胞における相同組換え修復活性の測定方法は、部位特異的ヌクレアーゼにより、細胞内の標的ゲノムDNA領域の二本鎖を特定部位で切断すること、細胞にタグ配列を含むドナーベクターを導入し、相... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ