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技術 優れた外観を備えるポリプロピレン組成物

出願人 ボレアリスエージー
発明者 ミレヴァダニエラカーレンスザンヌグレシュテンベルガーゲオルクサゲダーアントンヴルニッチュクリストフハルトルアンナロヴァーパトリックピルクルバウアーエルヴィン
出願日 2018年6月26日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2019-566641
公開日 2020年7月27日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-521865
状態 未登録
技術分野 高分子組成物 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理
主要キーワード 自動車用物 低フロー 自動化プログラム 高フロー グレー値画像 立体配列 特徴的部位 トップカット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年7月27日)のものです。
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課題・解決手段

本発明は、3.5dl/g超のキシレン可溶部(XCS)の固有粘度(IV)を有する異相プロピレンコポリマーHECO1)と、無機充填剤(F)と、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)とを含むポリプロピレン組成物(C)に関する。さらに、本発明は、発泡品の製造のためのこのポリプロピレン組成物(C)の使用、及びこのポリプロピレン組成物(C)を含む発泡品に関する。本発明は、ポリプロピレン組成物の虎皮模様の低減のための、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)の使用にも関する。

概要

背景

自動車産業におけるプラスチック類に対する最近の要求は、機械的特性プロファイル及び外観を保ったままでの軽量化に向かっている。欧州連合は、2012〜2015年までに現行の160〜120g/kmから排出を削減することを自動車製造業者OEM)に命じる厳しいCO2制限を承認した。このため、自動車製造業者は、その法規制を満たすための軽量化対策を探している。密度低下によって特徴づけられるポリプロピレン組成物を調製するための1つのアプローチは、無機充填剤又はガラス繊維を含有する組成物の応用である。しかしながら、無機充填剤又はガラス繊維で強化したポリプロピレン化合物の応用による密度低下は限定的である。

それゆえ、さらなる軽量化を支える可能な次のステップは、射出成形変換工程のあいだの発泡であり、これは、見えない自動車用部品及び見える自動車用部品に対して適用することができる。発泡部品は密度低下という優位点を有するが、表面は良好ではなく機械的特性が犠牲になっている。従って、大多数の発泡部品は、見える内装外装用途に対して使用されない。

従って、当該技術分野で、良好な機械的特性プロファイルによって特徴づけられ優れた外観を伴う発泡可能なポリプロピレン組成物に対してニーズがある。

概要

本発明は、3.5dl/g超のキシレン可溶部(XCS)の固有粘度(IV)を有する異相プロピレンコポリマーHECO1)と、無機充填剤(F)と、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)とを含むポリプロピレン組成物(C)に関する。さらに、本発明は、発泡品の製造のためのこのポリプロピレン組成物(C)の使用、及びこのポリプロピレン組成物(C)を含む発泡品に関する。本発明は、ポリプロピレン組成物の虎皮模様の低減のための、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)の使用にも関する。なし

目的

それゆえ、高フローレート、良好な寸法安定性を有し、機械的特性及び外観の良好なバランスを有し、かつ上記に加えてこの特性プロファイルを発泡部品において保つポリプロピレン組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

a)3.5dl/g超のキシレン可溶部(XCS)の固有粘度(IV)を有する異相プロピレンコポリマーHECO1)であって、i)プロピレンポリマー(M1)であるマトリクス、及びii)前記マトリクスに分散している弾性プロピレンコポリマー(E1)を含む異相プロピレンコポリマー(HECO1)と、b)無機充填剤(F)と、c)ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)とを含むポリプロピレン組成物(C)。

請求項2

前記異相プロピレンコポリマー(HECO1)が、40.0モル%未満の前記キシレン可溶部(XCS)のコモノマー含有量を有する請求項1に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項3

40.0モル%以上のキシレン可溶部(XCS)のコモノマー含有量を有する異相プロピレンコポリマー(HECO2)をさらに含み、前記第1異相プロピレンコポリマーが、i)第1プロピレンポリマー(M2)であるマトリクス、及びii)前記マトリクス中に分散している弾性プロピレンコポリマー(E2)を含む請求項1又は請求項2に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項4

高密度ポリエチレン(HDPE)並びに/又はエチレン及びC4〜C8のα−オレフィンコポリマーであるプラストマーPL)をさらに含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項5

前記ポリプロピレン組成物(C)全体に対して、i)15.0〜35.0重量%の前記異相プロピレンコポリマー(HECO1)と、ii)36.0〜60.0重量%の前記異相プロピレンコポリマー(HECO2)と、iii)5.0〜30.0重量%の前記無機充填剤(F)と、iv)0.001〜2.0重量%の前記核形成剤(NU)と、v)任意に、2.0〜10.0重量%の高密度ポリエチレン(HDPE)と、vi)任意に、5.0〜15.0重量%のエチレン及びC4〜C8のα−オレフィンのコポリマーであるプラストマー(PL)と、を含む請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項6

前記異相プロピレンコポリマー(HECO1)が、i)1.0〜20.0g/10分の範囲の、ISO1133に従って求められたメルトフローレートMFR2(230℃)、及び/又はii)5.0〜30.0モル%の範囲のコモノマー含有量、及び/又はiii)15.0〜40.0重量%の範囲のキシレン可溶部(XCS)を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項7

前記異相プロピレンコポリマー(HECO2)が、i)50〜120g/10分の範囲の、ISO1133に従って求められたメルトフローレートMFR2(230℃)、及び/又はii)4.0〜30.0モル%の範囲のコモノマー含有量、及び/又はiii)8.0〜35.0重量%の範囲のキシレン可溶部(XCS)を有する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項8

前記プロピレンポリマー(PP2)及び/又は前記第2プロピレンポリマー(M2)がプロピレンホモポリマーである請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項9

前記弾性プロピレンコポリマー(E1)及び/又は前記弾性プロピレンコポリマー(E2)がプロピレン及びエチレンのコポリマーである請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項10

10.0〜40.0g/10分の範囲の、ISO1133に従って求められたメルトフローレートMFR2(230℃)を有する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項11

前記プラストマー(PL)がエチレン及び1−オクテンのコポリマーである請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項12

前記無機充填剤(F)がタルク及び/又は珪灰石である請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項13

前記核形成剤(NU)が1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又はその塩である請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)。

請求項14

請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)の虎皮模様を低減するための、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)の使用。

請求項15

発泡品の製造のための、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)の使用。

請求項16

請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物(C)を含む発泡品、好ましくは自動車用発泡品。

技術分野

0001

本発明は、3.5dl/g超のキシレン可溶部(XCS)の固有粘度(IV)を有する異相プロピレンコポリマーHECO1)と、無機充填剤(F)と、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)とを含むポリプロピレン組成物(C)に関する。さらに本発明は、発泡品の製造のためのこのポリプロピレン組成物(C)の使用、及びこのポリプロピレン組成物(C)を含む発泡品に関する。本発明は、ポリプロピレン組成物の虎皮模様虎縞模様)の低減のための、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)の使用にも関する。

背景技術

0002

自動車産業におけるプラスチック類に対する最近の要求は、機械的特性プロファイル及び外観を保ったままでの軽量化に向かっている。欧州連合は、2012〜2015年までに現行の160〜120g/kmから排出を削減することを自動車製造業者OEM)に命じる厳しいCO2制限を承認した。このため、自動車製造業者は、その法規制を満たすための軽量化対策を探している。密度低下によって特徴づけられるポリプロピレン組成物を調製するための1つのアプローチは、無機充填剤又はガラス繊維を含有する組成物の応用である。しかしながら、無機充填剤又はガラス繊維で強化したポリプロピレン化合物の応用による密度低下は限定的である。

0003

それゆえ、さらなる軽量化を支える可能な次のステップは、射出成形変換工程のあいだの発泡であり、これは、見えない自動車用部品及び見える自動車用部品に対して適用することができる。発泡部品は密度低下という優位点を有するが、表面は良好ではなく機械的特性が犠牲になっている。従って、大多数の発泡部品は、見える内装外装用途に対して使用されない。

0004

従って、当該技術分野で、良好な機械的特性プロファイルによって特徴づけられ優れた外観を伴う発泡可能なポリプロピレン組成物に対してニーズがある。

発明が解決しようとする課題

0005

それゆえ、高フローレート、良好な寸法安定性を有し、機械的特性及び外観の良好なバランスを有し、かつ上記に加えてこの特性プロファイルを発泡部品において保つポリプロピレン組成物を提供することが本発明の目的である。

課題を解決するための手段

0006

本発明の知見は、高分子量弾性体画分(フラクション)とジカルボン酸である核形成剤とを含む充填剤含有異相ポリプロピレン組成物が、優れた機械的特性及び良好な外観を示す発泡部品の調製に応用できるということである。

0007

従って、本発明は、
a)3.5dl/g超のキシレン可溶部(XCS)の固有粘度(IV)を有する異相プロピレンコポリマー(HECO1)であって、
i)プロピレンポリマー(M1)であるマトリクス、及び
ii)上記マトリクスに分散している弾性プロピレンコポリマー(E1)
を含む異相プロピレンコポリマー(HECO1)と、
b)無機充填剤(F)と、
c)ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)と
を含むポリプロピレン組成物(C)に関する。

0008

本発明の1つの実施形態によれば、この異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、40.0モル%未満の上記キシレン可溶部(XCS)のコモノマー含有量を有する。

0009

本発明の別の実施形態によれば、当該ポリプロピレン組成物(C)は、40.0モル%以上のキシレン可溶部(XCS)のコモノマー含有量を有する異相プロピレンコポリマー(HECO2)をさらに含み、上記第1異相プロピレンコポリマーは、
i)第1プロピレンポリマー(M2)であるマトリクス、及び
ii)上記マトリクス中に分散している弾性プロピレンコポリマー(E2)
を含む。

0010

本発明の別の実施形態によれば、当該ポリプロピレン組成物(C)は、高密度ポリエチレン(HDPE)並びに/又はエチレン及びC4〜C8のα−オレフィンコポリマーであるプラストマーPL)をさらに含む。

0011

本発明の1つの実施形態によれば、当該ポリプロピレン組成物(C)は、そのポリプロピレン組成物(C)全体に対して、
i)15.0〜35.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO1)と、
ii)36.0〜60.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO2)と、
iii)5.0〜30.0重量%の無機充填剤(F)と、
iv)0.001〜2.0重量%の核形成剤(NU)と、
v)任意に、2.0〜10.0重量%の高密度ポリエチレン(HDPE)と、
vi)任意に、5.0〜15.0重量%のエチレン及びC4〜C8のα−オレフィンのコポリマーであるプラストマー(PL)と
を含む。

0012

本発明の別の実施形態によれば、上記異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、
i)1.0〜20.0g/10分の範囲の、ISO 1133に従って求められたメルトフローレートMFR2(230℃)、及び/又は
ii)5.0〜30.0モル%の範囲のコモノマー含有量、及び/又は
iii)15.0〜40.0重量%の範囲のキシレン可溶部(XCS)
を有する。

0013

本発明のさらに別の実施形態によれば、上記異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、
i)50〜120g/10分の範囲の、ISO 1133に従って求められたメルトフローレートMFR2(230℃)、及び/又は
ii)4.0〜30.0モル%の範囲のコモノマー含有量、及び/又は
iii)8.0〜35.0重量%の範囲のキシレン可溶部(XCS)
を有する。

0014

上記第1プロピレンポリマー(M1)及び/又は上記第2プロピレンポリマー(M2)がプロピレンホモポリマーであることがとりわけ好ましい。

0015

本発明の1つの実施形態によれば、上記第1弾性プロピレンコポリマー(E1)及び/又は上記第2弾性プロピレンコポリマー(E2)は、プロピレン及びエチレンのコポリマーである。

0016

本発明の別の実施形態によれば、当該ポリプロピレン組成物(C)は、10.0〜40.0g/10分の範囲の、ISO 1133に従って求められたメルトフローレートMFR2(230℃)を有する。

0017

本発明のさらなる実施形態によれば、上記プラストマー(PL)はエチレン及び1−オクテンのコポリマーである。

0018

本発明の1つの実施形態によれば、上記無機充填剤(F)はタルク及び/又は珪灰石である。

0019

上記核形成剤(NU)が1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又はその塩であることがとりわけ好ましい。

0020

本発明は、上記のとおりのポリプロピレン組成物(C)の虎皮模様を低減するための、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)の使用にも関する。

0021

本発明はさらに、発泡品の製造のための、上記のとおりのポリプロピレン組成物(C)の使用に関する。

0022

本発明は、上記のとおりのポリプロピレン組成物(C)を含む発泡品、好ましくは自動車用発泡品にも関する。

0023

以下では、本発明がより詳細に記載される。

0024

ポリプロピレン組成物(C)
本発明のポリプロピレン組成物(C)は、プロピレンポリマー(PP1)であるマトリクス(M1)と、このマトリクスに分散している弾性プロピレンコポリマー(E1)とを含む異相プロピレンコポリマー(HECO1)を含む。このように、マトリクス(M1)は、マトリクス(M1)の一部ではない(微細に)分散した混在物を含有し、この混在物は、弾性プロピレンコポリマー(E1)を含有する。用語「混在物は」、マトリクス(M1)及びこの混在物が以降に規定するような異なる相を形成することを示す。

0025

さらに、本発明のポリプロピレン組成物は、無機充填剤(F)と、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)とを含む。

0026

従って、当該ポリプロピレン組成物(C)が、当該ポリプロピレン組成物(C)の総重量に対して、少なくとも15.0重量%、より好ましくは少なくとも20.0重量%、さらにより好ましくは少なくとも25.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO1)と、5.0〜30.0重量%、より好ましくは8.0〜25.0重量%、さらにより好ましくは12.0〜16.0重量%の無機充填剤(F)と、0.001〜2.0重量%、より好ましくは0.01〜1.0重量%、さらにより好ましくは0.05〜0.1重量%の核形成剤(NU)を含むことが好ましい。

0027

本発明の好ましい実施形態によれば、当該ポリプロピレン組成物(C)は、異相プロピレンコポリマー(HECO1)とは異なる異相プロピレンコポリマー(HECO2)をさらに含む。

0028

この異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、プロピレンポリマー(PP2)であるマトリクス(M2)と、このマトリクス中に分散している弾性プロピレンコポリマー(E2)とを含む。このように、マトリクス(M2)は、マトリクス(M2)の一部ではない(微細に)分散した混在物を含有し、この混在物は、弾性プロピレンコポリマー(E2)を含有する。

0029

それゆえ、当該ポリプロピレン組成物(C)が異相プロピレンコポリマー(HECO2)を含む場合、当該ポリプロピレン組成物(C)は、プロピレンポリマー(PP1)及びプロピレンポリマー(PP2)によって形成されるマトリクス(M)を含む異相系を含み、第1弾性プロピレンコポリマー(E1)及び第2弾性プロピレンコポリマー(E2)が上記マトリクス(M)中に分散している。このように、マトリクス(M)は、マトリクス(M)の一部ではない(微細に)分散した混在物を含有し、この混在物は、弾性プロピレンコポリマー(E1)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)を含有する。

0030

当該ポリプロピレン組成物(C)が、当該ポリプロピレン組成物(C)の総重量に対して、15.0〜35.0重量%、より好ましくは18.0〜30.0重量%、さらにより好ましくは22.0〜27.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO1)と、36.0〜60.0重量%、より好ましくは37.0〜53.0重量%、さらにより好ましくは38.0〜45.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO2)と、5.0〜30.0重量%、より好ましくは8.0〜25.0重量%、さらにより好ましくは12.0〜16.0重量%の無機充填剤(F)と、0.001〜2.0重量%、より好ましくは0.01〜1.0重量%、さらにより好ましくは0.05〜0.1重量%の核形成剤(NU)とを含むことが好ましい。

0031

好ましくは、当該ポリプロピレン組成物(C)は、マトリクス(M)を形成するプロピレンポリマー(PP1)及びプロピレンポリマー(PP2)を1:1〜3:1の比で含有し、弾性プロピレンコポリマー(E1)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)を1:1〜3:1の比で含有する。

0032

従って、当該ポリプロピレン組成物(C)は、当該ポリプロピレン組成物(C)の総重量に対して、40〜63重量%、より好ましくは46〜60重量%、さらにより好ましくは50〜53重量%のプロピレンポリマー(PP1)と、20〜32重量%、より好ましくは23〜30重量%、さらにより好ましくは25〜27重量%のプロピレンポリマー(PP2)と、3〜26重量%、より好ましくは7〜20重量%、さらにより好ましくは13〜17重量%の弾性プロピレンコポリマー(E1)と、2〜14重量%、より好ましくは3〜10重量%、さらにより好ましくは6〜8重量%の弾性プロピレンコポリマー(E2)と、5.0〜30.0重量%、より好ましくは8.0〜25.0重量%、さらにより好ましくは12.0〜16.0重量%の無機充填剤(F)と、0.001〜2.0重量%、より好ましくは0.01〜1.0重量%、さらにより好ましくは0.05〜0.1重量%の核形成剤(NU)とを含むことが好ましい。

0033

さらに、当該ポリプロピレン組成物(C)が、高密度ポリエチレン(HDPE)を含むことが好ましい。

0034

それゆえ、当該ポリプロピレン組成物(C)が、当該ポリプロピレン組成物(C)の総重量に対して、15.0〜35.0重量%、より好ましくは18.0〜30.0重量%、さらにより好ましくは22.0〜27.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO1)と、36.0〜60.0重量%、より好ましくは37.0〜53.0重量%、さらにより好ましくは38.0〜45.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO2)と、2.0〜10.0重量%、より好ましくは3.0〜8.0重量%、さらにより好ましくは4.0〜6.0重量%の高密度ポリエチレン(HDPE)と、5.0〜30.0重量%、より好ましくは8.0〜25.0重量%、さらにより好ましくは12.0〜16.0重量%の無機充填剤(F)と、0.001〜2.0重量%、より好ましくは0.01〜1.0重量%、さらにより好ましくは0.05〜0.1重量%の核形成剤(NU)とを含むことが好ましい。

0035

これまでの段落に加えて、又はこれまでの段落とは別に、当該ポリプロピレン組成物(C)が、エチレン及びC4〜C8のα−オレフィンのコポリマーであるプラストマー(PL)をさらに含むことが好ましい。

0036

従って、当該ポリプロピレン組成物(C)が、当該ポリプロピレン組成物(C)の総重量に対して、15.0〜35.0重量%、より好ましくは18.0〜30.0重量%、さらにより好ましくは22.0〜27.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO1)と、36.0〜60.0重量%、より好ましくは37.0〜53.0重量%、さらにより好ましくは38.0〜45.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO2)、2.0〜10.0重量%、より好ましくは3.0〜8.0重量%、さらにより好ましくは4.0〜6.0重量%の高密度ポリエチレン(HDPE)と、5.0〜15.0重量%、より好ましくは6.0〜12.0重量%、さらにより好ましくは7.0〜10.0重量%のプラストマー(PL)と、5.0〜30.0重量%、より好ましくは8.0〜25.0重量%、さらにより好ましくは12.0〜16.0重量%の無機充填剤(F)と、0.001〜2.0重量%、より好ましくは0.01〜1.0重量%、さらにより好ましくは0.05〜0.1重量%の核形成剤(NU)とを含むことが好ましい。

0037

好ましくは、当該ポリプロピレン組成物(C)は、少なくとも2つ、例えば3つ、の反応器直列に接続されている逐次重合プロセスによって得られる。例えば、このプロセスは、
a)プロピレン及び任意にエチレンを第1反応器(R1)中で重合し、プロピレンポリマー(PP1)を得る工程と、
b)プロピレンポリマー(PP1)を第2反応器(R2)に移す工程と、
c)上記第2反応器(R2)中で、上記プロピレンポリマー(PP1)の存在下で、プロピレン及び任意にエチレンを重合し、プロピレンポリマー(PP2)を得る工程であって、上記プロピレンポリマー(PP1)及び上記プロピレンポリマー(PP2)がマトリクス(M)を形成する工程と、
d)マトリクス(M)を第3反応器(R3)に移す工程と、
e)上記第3反応器(R3)中で、マトリクス(M)の存在下で、プロピレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィンを重合し、第3ポリマー画分を得る工程であって、このポリマー画分が弾性プロピレンコポリマー(E1)である工程と、
f)マトリクス(M)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)を第4反応器(R4)に移す工程と、
g)上記第4反応器(R4)中で、マトリクス(M)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)の存在下で、プロピレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィンを重合し、第4ポリマー画分を得る工程であって、このポリマー画分が、弾性プロピレンコポリマー(E2)であり、上記マトリクス(M)及び上記弾性プロピレンコポリマー(E1)及び上記弾性プロピレンコポリマー(E2)が異相プロピレンコポリマーを形成する工程と、
h)第4反応器(R4)で得られた上記異相プロピレンコポリマーを、無機充填剤(F)、核形成剤(NU)、任意に高密度ポリエチレン(HDPE)及び任意にプラストマー(PL)と溶融混合する工程と
を備える。

0038

あるいは、当該ポリプロピレン組成物(C)は、プロピレンポリマー(PP1)であるマトリクス(M1)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)である分散相を含む第1異相プロピレンコポリマー(HECO1)、プロピレンポリマー(PP2)であるマトリクス(M2)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)である分散相を含む第2異相プロピレンコポリマー(HECO2)、無機充填剤(F)、核形成剤(NU)、任意に高密度ポリエチレン(HDPE)並びに任意にプラストマー(PL)を溶融混合することにより得られる。上記第1異相プロピレンコポリマー(HECO1)及び上記第2異相プロピレンコポリマー(HECO2)の溶融混合は、プロピレンポリマー(PP1)及びプロピレンポリマー(PP2)がマトリクス(M)を形成し、弾性プロピレンコポリマー(E1)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)が分散相を形成する異相系を生じる。

0039

当該ポリプロピレン組成物(C)が、上記第1異相プロピレンコポリマー(HECO1)及び上記第2異相プロピレンコポリマー(HECO2)を無機充填剤(F)、核形成剤(NU)並びに任意に高密度ポリエチレン(HDPE)及び/又はプラストマー(PL)と溶融混合することにより得られることがとりわけ好ましい。

0040

好ましくは、本発明に係るポリプロピレン組成物(C)は、ポリマー成分として、異相プロピレンコポリマー(HECO1)、異相プロピレンコポリマー(HECO2)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びプラストマー(PL)のみを含む。換言すれば、当該ポリプロピレン組成物(C)は、さらなる添加剤を含有してもよいが、全ポリプロピレン組成物(C)に対して5.0重量%を超える、より好ましくは3.0重量%を超える、例えば1.0重量%を超える量の他のポリマーは含有されない。そのような少量で存在してもよい1つのさらなるポリマーは、当該ポリプロピレン組成物(C)の調製によって得られる反応副生成物であるポリエチレンである。従って、本発明のポリプロピレン組成物(C)は、異相プロピレンコポリマー(HECO1)、異相プロピレンコポリマー(HECO2)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びプラストマー(PL)並びに任意にこの段落に記載した量のポリエチレンのみを含有することが特に認識される。

0041

本発明のポリプロピレン組成物(C)は添加剤(AD)を含んでもよい。

0042

従って、当該ポリプロピレン組成物(C)は、当該ポリプロピレン組成物(C)の総重量に対して、15.0〜35.0重量%、より好ましくは18.0〜30.0重量%、さらにより好ましくは22.0〜27.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO1)と、36.0〜60.0重量%、より好ましくは37.0〜53.0重量%、さらにより好ましくは38.0〜45.0重量%の異相プロピレンコポリマー(HECO2)と、2.0〜10.0重量%、より好ましくは3.0〜8.0重量%、さらにより好ましくは4.0〜6.0重量%の高密度ポリエチレン(HDPE)と、5.0〜15.0重量%、より好ましくは6.0〜12.0重量%、さらにより好ましくは7.0〜10.0重量%のプラストマー(PL)と、5.0〜30.0重量%、より好ましくは8.0〜25.0重量%、さらにより好ましくは12.0〜16.0重量%の無機充填剤(F)と、0.001〜2.0重量%、より好ましくは0.01〜1.0重量%、さらにより好ましくは0.05〜0.1重量%の核形成剤(NU)と、0.0〜5.0重量%、より好ましくは0.05〜4.0重量%、さらにより好ましくは0.1〜3.0重量%の添加剤(AD)とを含み、より好ましくはこれらからなることが好ましい。添加剤(AD)は、以降でより詳細に記載される。

0043

当該ポリプロピレン組成物(C)が適度なメルトフローレートを有することが好ましい。このように、当該ポリプロピレン組成物(C)のISO 1133に従って求められるメルトフローレートMFR2(230℃、2.16kg)が、10.0〜40.0g/10分の範囲、より好ましくは12.0〜35.0g/10分の範囲、さらにより好ましくは14.0〜28.0g/10分の範囲、例えば14.0〜19.0g/10分の範囲にあることが好ましい。

0044

さらに、当該ポリプロピレン組成物(C)が、緻密な(発泡体ではない)射出成形試験片に対して求められるかなり高い曲げ弾性率によって特徴づけられることが好ましい。従って、当該ポリプロピレン組成物(C)が、1000〜3000MPaの範囲、より好ましくは1500〜2800MPaの範囲、さらにより好ましくは2000〜2500MPaの範囲の、ISO 178に従って射出成形試験片に対して測定される曲げ弾性率を有することが好ましい。

0045

これまでの段落に加えて、又はこれまでの段落とは別に、当該ポリプロピレン組成物(C)は、少なくとも10.0kJ/m2、より好ましくは少なくとも12.0kJ/m2、さらにより好ましくは少なくとも15.0kg/m2の、ISO 179/1eAに従って緻密な射出成形試験片に対して23℃で求められるノッチ付きシャルピー衝撃強さを有することが好ましい。

0046

好ましくは、当該ポリプロピレン組成物(C)は、緻密な射出成形試験片に対して測定される、かなり低い密度を有する。特に、当該ポリプロピレン組成物(C)が、4.0g/cm3未満、より好ましくは2.0g/cm3未満、さらにより好ましくは1.5g/cm3未満、例えば1.1g/cm3未満の密度を有することが好ましい。

0047

好ましくは、発泡後の射出成形されたポリプロピレン組成物(C)は、かなり低い密度を有する。特に、発泡後のポリプロピレン組成物が2.0g/cm3未満、より好ましくは1.5g/cm3未満、さらにより好ましくは1.1g/cm3未満、例えば0.9g/cm3未満の密度を有することが好ましい。

0048

以下では、異相プロピレンコポリマー(HECO1)、異相プロピレンコポリマー(HECO2)、高密度ポリエチレン(HDPE)、プラストマー(PL)、無機充填剤(F)及び核形成剤(NU)がより詳細に記載される。

0049

異相プロピレンコポリマー(HECO1)
本発明のポリプロピレン組成物(C)は、異相プロピレンコポリマー(HECO1)を含む。

0050

本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、プロピレンポリマー(PP1)であるマトリクス(M1)と、それに分散した弾性プロピレンコポリマー(E1)である弾性プロピレンコポリマーとを含む。このように、マトリクス(M1)は、マトリクス(M1)の一部ではない(微細に)分散した混在物を含有し、この混在物は、弾性プロピレンコポリマー(E1)を含有する。用語「混在物」は、マトリクス(M1)及びこの混在物が異相プロピレンコポリマー(HECO1)内に異なる相を形成することを示す。第2相又はいわゆる混在物の存在は、例えば高分解能顕微鏡法、例えば電子顕微鏡法又は原子間力顕微鏡法によって見ることができるし、又はそれらは、動的機械温度分析(dynamic mechanical thermal analysis:DMTA)によって検出することができる。具体的には、DMTAにおいて、多相構造の存在は、少なくとも2つの区別可能ガラス転移温度の存在によって特定できる。

0051

従って、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、好ましくは
(a)マトリクス(M1)としての(半)結晶性プロピレンポリマー(PP1)と、
(b)弾性プロピレンコポリマー(E1)と
を含む。

0052

好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO1)のプロピレンポリマー(PP1)と弾性プロピレンコポリマー(E1)との間の重量比[PP1/E1]は、90/10〜40/60の範囲、より好ましくは85/15〜45/55の範囲、なおより好ましくは83/17〜50/50の範囲、例えば75/25〜60/40の範囲にある。

0053

好ましくは、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、ポリマー成分として、プロピレンポリマー(PP1)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)のみを含む。換言すれば、異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、さらなる添加剤を含有してもよいが、全異相プロピレンコポリマー(HECO1)に対して5.0重量%を超える、より好ましくは3.0重量%を超える、例えば1.0重量%を超える量の他のポリマーは含有されない。そのような少量で存在してもよい1つのさらなるポリマーは、異相プロピレンコポリマー(HECO1)の調製によって得られる反応副生成物であるポリエチレンである。従って、本発明の異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、プロピレンポリマー(PP1)、弾性プロピレンコポリマー(E1)及び任意にこの段落に記載した量のポリエチレンのみを含有することが特に認識される。

0054

本発明に従って適用される異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、かなり低いメルトフローレートによって特徴づけられる。従って、異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、1.0〜20.0g/10分の範囲、好ましくは3.0〜15.0g/10分の範囲、より好ましくは5.0〜10g/10.0分の範囲のメルトフローレートMFR2(230℃)を有する。

0055

好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO1)が熱機械的に安定であることが望ましい。従って、異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、少なくとも162℃、より好ましくは163〜167℃の範囲、さらにより好ましくは163〜165℃の範囲の融解温度を有することが認識される。

0056

異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、プロピレンとは別にコモノマーも含む。好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、プロピレンとは別にエチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィンを含む。従って、本発明に係る用語「プロピレンコポリマー」は、
(a)プロピレン
及び
(b)エチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィン
から誘導できる単位を含み、好ましくはそのような単位からなるポリプロピレンと理解される。

0057

このように、異相プロピレンコポリマー(HECO1)、すなわちプロピレンポリマー(PP1)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)、は、プロピレンと共重合可能モノマー、例えばエチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィン、特にエチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセン等のコモノマーを含むことができる。好ましくは、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを含み、とりわけこれらからなる。より具体的には、本発明の異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、プロピレンとは別に、エチレン及び/又は1−ブテンから誘導できる単位を含む。好ましい実施形態では、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、エチレン及びプロピレンから誘導できる単位のみを含む。さらにより好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO1)のプロピレンポリマー(PP1)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)は同じコモノマー、例えばエチレンを含有する。

0058

加えて、異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、好ましくはかなり低い全コモノマー含有量、好ましくはエチレン含有量を有することが認識される。このように、異相プロピレンコポリマー(HECO1)のコモノマー含有量が5.0〜30.0モル%の範囲、好ましくは6.0〜18.0モル%の範囲、より好ましくは7.0〜13.0モル%の範囲にあることが好ましい。

0059

異相プロピレンコポリマー(HECO1)のISO 16152(25℃)に従って測定される冷キシレン可溶(XCS)部は、15.0〜40.0重量%の範囲、好ましくは17.0〜35.0重量%の範囲、より好ましくは20.0〜33.0重量%の範囲、さらにより好ましくは23.0〜30.0重量%の範囲にある。

0060

さらに、異相プロピレンコポリマー(HECO1)の冷キシレン可溶(XCS)部はその固有粘度によって特定されることが認識される。低固有粘度(IV)値は低重量平均分子量を反映する。本発明については、異相プロピレンコポリマー(HECO1)の冷キシレン可溶部(XCS)は、3.5dl/gを超える、ISO 1628/1(デカリン中135℃)に従って測定される固有粘度(IV)を有することが認識される。より好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、3.5〜9.0dl/gの範囲、好ましくは3.7〜8.5dl/gの範囲、より好ましくは3.9〜8.0dl/gの範囲の固有粘度(IV)を有する。

0061

加えて、異相プロピレンコポリマー(HECO1)の冷キシレン可溶(XCS)部のコモノマー含有量、すなわちエチレン含有量、が39.0モル%未満、好ましくは20.0〜38.0モル%の範囲、より好ましくは23.0〜35.0モル%の範囲、なおより好ましくは25.0〜29.0モル%の範囲にあることが好ましい。冷キシレン可溶(XCS)部中に存在するコモノマーは、プロピレンポリマー(M1)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)それぞれについてこれまでに規定されたものである。1つの好ましい実施形態では、このコモノマーはエチレンのみである。

0062

異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、その個々の成分、すなわちプロピレンポリマー(PP1)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)によってさらに規定することができる。

0063

プロピレンポリマー(PP1)は、プロピレンコポリマー又はプロピレンホモポリマーであってよく、後者が好ましい。

0064

プロピレンポリマー(PP1)がプロピレンコポリマーである場合、プロピレンポリマー(PP1)は、プロピレンと共重合可能なモノマー、例えばエチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィン、特にエチレン及び/又はC4〜C6のα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセン等のコモノマーを含む。好ましくは、本発明に係るプロピレンポリマー(PP1)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを含み、とりわけこれらからなる。より具体的には、本発明のプロピレンポリマー(PP1)は、プロピレンとは別に、エチレン及び/又は1−ブテンから誘導できる単位を含む。好ましい実施形態では、プロピレンポリマー(PP1)は、エチレン及びプロピレンから誘導できる単位のみを含む。

0065

本発明に係るプロピレンポリマー(PP1)は、70〜300g/10分の範囲、より好ましくは75〜250g/10分の範囲、さらにより好ましくは80〜200g/10分の範囲の、ISO 1133に従って測定されるメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)を有する。

0066

上で触れたように、異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、低コモノマー含有量によって特徴づけられる。従って、プロピレンポリマー(PP1)のコモノマー含有量は、0.0〜5.0モル%の範囲、なおより好ましくは0.0〜3.0モル%の範囲、さらにより好ましくは0.0〜1.0モル%の範囲にある。プロピレンポリマー(PP1)がプロピレンホモポリマーであることがとりわけ好ましい。

0067

プロピレンポリマー(PP1)は、好ましくは、少なくとも2つのポリマー画分、例えば2つ又は3つのポリマー画分を含み、それらのすべてが、プロピレンホモポリマーである。さらにより好ましくは、プロピレンポリマー(PP1)は、第1プロピレンホモポリマー画分(H−PP1a)及び第2プロピレンホモポリマー画分(H−PP1b)を含み、好ましくはこれらの画分からなる。

0068

好ましくは、第1プロピレンホモポリマー画分(H−PP1a)及び第2プロピレンホモポリマー画分(H−PP1b)はメルトフローレートが異なる。

0069

従って、プロピレンポリマー(PP1)のプロピレンホモポリマー画分(HPP1a)及び(H−PP1b)のうちの一方は低メルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)画分であり、他方の画分は高メルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)画分であり、さらにこれらの低フロー画分及び高フロー画分は式(I)、より好ましくは式(Ia)、さらにより好ましくは式(Ib)を満たす。



上記式中、MFR(高)は、より高いメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)を有するプロピレンホモポリマー画分のメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)[g/10分]であり、MFR(低)は、より低いメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)を有するプロピレンホモポリマー画分のメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)[g/10分]である。

0070

好ましくは、第1プロピレンコポリマー画分(H−PP1a)が、より高いメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)を有するランダムコポリマー画分であり、第2プロピレンコポリマー画分(H−PP1b)が、より低いメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)を有するランダムコポリマー画分である。

0071

従って、第1プロピレンホモポリマー画分(H−PP1a)が90〜160g/10分の範囲、より好ましくは100〜150g/10分の範囲、さらにより好ましくは120〜140g/10分の範囲のメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)を有すること、かつ/又は第2プロピレンホモポリマー画分(H−PP1b)が10〜39g/10分の範囲、より好ましくは17〜32g/10分の範囲、さらにより好ましくは22〜27g/10分の範囲のメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)を有することが好ましい。

0072

さらに、第1プロピレンホモポリマー画分(H−PP1a)と第2プロピレンホモポリマー画分(H−PP1b)との間の重量比は、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは75:25〜25:75、さらにより好ましくは55:45〜45:55である。

0073

異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、異相プロピレンコポリマー(HECO1)の総重量に対して、好ましくは60〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%、さらにより好ましくは72〜87重量%のプロピレンポリマー(PP1)を含む。

0074

加えて、異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、異相プロピレンコポリマー(HECO1)の総重量に対して、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%、さらにより好ましくは13〜28重量%の弾性プロピレンコポリマー(E1)を含む。

0075

このように、異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、異相プロピレンコポリマー(HECO1)の総重量に対して、好ましくは、60〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%、さらにより好ましくは72〜87重量%のプロピレンポリマー(PP1)と、5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%、さらにより好ましくは13〜28重量%の弾性プロピレンコポリマー(E1)とを含み、より好ましくはこれらからなることが認識される。

0076

従って、異相プロピレンコポリマー(HECO1)のさらなる成分は、プロピレンポリマー(PP1)であるマトリクス(M1)に分散した弾性プロピレンコポリマー(E1)である。弾性プロピレンコポリマー(E1)で使用されるコモノマーに関しては、第1異相プロピレンコポリマー(HECO1)について提供された情報が参照される。従って、弾性プロピレンコポリマー(E1)は、プロピレンと共重合可能なモノマー、例えばエチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィン、特にエチレン及び/又はC4〜C6のα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセン等のコモノマーを含む。好ましくは、弾性プロピレンコポリマー(E1)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを含み、とりわけこれらからなる。より具体的には、弾性プロピレンコポリマー(E1)は、プロピレンとは別に、エチレン及び/又は1−ブテンから誘導できる単位を含む。このように、とりわけ好ましい実施形態では、弾性プロピレンコポリマー(E1)は、エチレン及びプロピレンから誘導できる単位のみを含む。

0077

弾性プロピレンコポリマー(E1)のコモノマー含有量は、好ましくは15.0〜55.0モル%の範囲、より好ましくは20.0〜50.0モル%の範囲、さらにより好ましくは25.0〜40.0モル%の範囲にある。

0078

本発明で規定される異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、5.0重量%以下の添加剤、例えば核形成剤及び酸化防止剤、並びにスリップ剤及びブロッキング防止剤を含有してもよい。好ましくは、添加剤含有量(α核形成剤を除く)は、3.0重量%未満、例えば1.0重量%未満である。

0079

本発明の好ましい実施形態によれば、異相プロピレンコポリマー(HECO1)はα核形成剤を含有する。

0080

本発明によれば、このα核形成剤は添加剤(AD)ではない。

0081

上記α核形成剤は、好ましくは
(i)モノカルボン酸及びポリカルボン酸の塩、例えば安息香酸ナトリウム又はtert−ブチル安息香酸アルミニウム、並びに
(ii)ジベンジリデンソルビトール(例えば1,3:2,4ジベンジリデンソルビトール)及びC1−C8−アルキル置換ジベンジリデンソルビトール誘導体、例えばメチルジベンジリデンソルビトール、エチルジベンジリデンソルビトール若しくはジメチルジベンジリデンソルビトール(例えば1,3:2,4ジ(メチルベンジリデン)ソルビトール)、又は置換ノニトール誘導体、例えば1,2,3,−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニルメチレン]−ノニトール、並びに
(iii)リン酸ジエステルの塩、例えばリン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニルナトリウム又はリン酸ヒドロキシ−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]アルミニウム、並びに
(iv)ビニルシクロアルカンポリマー又はビニルアルカンポリマー、並びに
(v)これらの混合物
からなる群から選択される。

0082

好ましくは、本発明の組成物に含まれるα核形成剤は、ビニルシクロアルカンポリマー及び/又はビニルアルカンポリマー、より好ましくはビニルシクロアルカンポリマー、例えばビニルシクロヘキサンVCH)ポリマーである。ビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーは、α核形成剤として特に好ましい。当該組成物中のビニルシクロアルカンポリマー、例えばビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマー及び/又はビニルアルカンポリマー、より好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーの量は、500ppm以下、好ましくは200ppm以下、より好ましくは100ppm以下、例えば0.1〜500ppmの範囲、好ましくは0.5〜200ppmの範囲、より好ましくは1〜100ppmの範囲にあることが認識される。さらには、このビニルシクロアルカンポリマー及び/又はビニルアルカンポリマーは、BNT技術によって当該組成物に導入されることが認識される。BNT技術に関しては、国際公開第99/24478号パンフレット、国際公開第99/24479号パンフレット、特に国際公開第00/68315号パンフレットが参照される。この技術によれば、触媒系、好ましくはZiegler−Natta触媒前駆体は、特にその特別のZiegler−Natta触媒前駆体、外部ドナー及び共触媒を含む上記触媒系の存在下でビニル化合物を重合することにより改質変性)することができ、上記ビニル化合物は、下式を有し、
CH2=CH−CHR3R4
上記式中、R3及びR4は一緒に5員若しくは6員の飽和環不飽和環若しくは芳香環を形成するか、又は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、改質された触媒は、好ましくは、変性ポリプロピレン組成物(mPP)中に存在する異相組成物(HECO)の調製のために使用される。重合したビニル化合物はα核形成剤として作用する。この触媒の改質工程における固体触媒成分に対するビニル化合物の重量比は、好ましくは5(5:1)以下、より好ましくは3(3:1)以下、例えば0.5(1:2)〜2(2:1)の範囲にある。

0083

このような核形成剤は市販されており、例えばHans Zweifelの「Plastic Additives Handbook」、第5版、2001年(967〜990頁)に記載されている。

0084

異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、プロピレンポリマー(PP1)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)を混合(ブレンド)することにより製造することができる。しかしながら、異相プロピレンコポリマー(HECO1)が、直列構成を有し異なる反応条件稼働する複数の反応器を使用して逐次プロセスで製造されることが好ましい。結果として、特定の反応器で調製される各画分は、それ自体の分子量分布及び/又はコモノマー含有量分布を有してもよい。

0085

従って、異相プロピレンコポリマー(HECO1)が、
(a)プロピレン及び任意に少なくとも1種のエチレン及び/又はC4〜C12のα−オレフィンを第1反応器(R1)中で重合し、プロピレンポリマー(PP1)の第1ポリプロピレン画分を得る工程であって、好ましくはこの第1ポリプロピレン画分がプロピレンホモポリマーである工程と、
(b)上記第1ポリプロピレン画分を第2反応器(R2)に移す工程と、
(c)上記第2反応器(R2)中で、上記第1ポリプロピレン画分の存在下で、プロピレン及び任意に少なくとも1種のエチレン及び/又はC4〜C12のα−オレフィンを重合し、これにより第2ポリプロピレン画分を得る工程であって、好ましくは上記第2ポリプロピレン画分が第2プロピレンホモポリマーであり、上記第1ポリプロピレン画分及び上記第2ポリプロピレン画分がプロピレンポリマー(PP1)、すなわち異相プロピレンコポリマー(HECO1)のマトリクスを形成する工程と、
(d)工程(c)のプロピレンポリマー(PP1)を第3反応器(R3)に移す工程と、
(e)上記第3反応器(R3)中で、工程(c)で得られたプロピレンポリマー(PP1)の存在下でプロピレン及びエチレンを重合し、プロピレンポリマー(PP1)に分散した弾性プロピレンコポリマー(E1)の第1プロピレンコポリマー画分を得る工程と、
(f)プロピレンポリマー(PP1)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)の第1プロピレンコポリマー画分を第4反応器(R4)に移す工程と、
(g)上記第4反応器(R4)中で、プロピレンポリマー(PP1)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)の第1プロピレンコポリマー画分の存在下でプロピレン及びエチレンを重合し、プロピレンポリマー(PP1)に分散した弾性プロピレンコポリマー(E1)の第2プロピレンコポリマー画分を得る工程であって、プロピレンポリマー(PP1)及び弾性プロピレンコポリマー(E1)が異相プロピレンコポリマー(HECO1)を形成する工程と
を備える逐次重合プロセスで製造されることが好ましい。

0086

当然、第1反応器(R1)中で、上記第2ポリプロピレン画分を製造することができ、第2反応器(R2)中で、上記第1ポリプロピレン画分を得ることができる。同じことは、上記弾性プロピレンコポリマー相についても当てはまる

0087

好ましくは、第2反応器(R2)と第3反応器(R3)との間で、上記モノマーは洗い流される。

0088

用語「逐次重合プロセス」は、異相プロピレンコポリマー(HECO1)が、直列に接続された少なくとも2つ、例えば3つ又は4つの反応器で製造されることを示す。従って、本プロセスは、少なくとも第1反応器(R1)及び第2反応器(R2)、より好ましくは第1反応器(R1)、第2反応器(R2)、第3反応器(R3)及び第4反応器(R4)を備える。用語「重合反応器」は、主たる重合が起こることを示すものとする。このように、上記プロセスが4つの重合反応器からなる場合、この定義は、プロセス全体が、例えば前重合(予備重合)反応器の中での前重合(予備重合)工程を備えるという選択肢を排除しない。用語「からなる」は、主たる重合の反応器を考慮した閉鎖語句(closing formulation)に過ぎない。

0089

第1反応器(R1)は、好ましくはスラリー反応器(SR)であり、バルク又はスラリーで稼働する、いずれの連続又は単純撹拌式のバッチタンク反応器又はループ反応器であることができる。バルクは、少なくとも60%(重量/重量)のモノマーを含む反応媒質中での重合を意味する。本発明によれば、上記スラリー反応器(SR)は、好ましくは(バルク)ループ反応器(LR)である。

0090

第2反応器(R2)は、上記第1反応器のようにスラリー反応器、例えばループ反応器であってもよいし、あるいは気相反応器(GPR)であってもよい。

0091

第3反応器(R3)及び第4反応器(R4)は、好ましくは気相反応器(GPR)である。

0092

このような気相反応器(GPR)は、任意の機械混合式反応器又は流動層反応器であってよい。好ましくは、この気相反応器(GPR)は、少なくとも0.2m/secのガス速度を有する機械撹拌式流動層反応器を含む。このように、上記気相反応器は、好ましくは機械式スターラーを有する流動床型反応器であることが認識される。

0093

このように、好ましい実施形態では、第1反応器(R1)はスラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)であるのに対し、第2反応器(R2)、第3反応器(R3)及び第4反応器(R4)は気相反応器(GPR)である。従って、本発明のプロセスについては、直列に接続された少なくとも4つ、好ましくは4つの重合反応器、つまりスラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)、第1気相反応器(GPR−1)、第2気相反応器(GPR−2)及び第3気相反応器(GPR−3)が使用される。必要に応じて、このスラリー反応器(SR)の前に、前重合反応器が置かれる。

0094

別の好ましい実施形態では、第1反応器(R1)及び第2反応器(R2)はスラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)であるのに対し、第3反応器(R3)及び第4反応器(R4)は気相反応器(GPR)である。従って、本発明のプロセスについては、直列に接続された少なくとも3つ、好ましくは3つの重合反応器、つまり2つのスラリー反応器(SR)、例えば2つのループ反応器(LR)、及び2つの気相反応器(GPR−1)及び(GPR−2)が使用される。必要に応じて、第1スラリー反応器(SR)の前に、前重合反応器が置かれる。

0095

好ましい多段階プロセスは、Borealis A/S(ボレアリス)、デンマークによって開発されたもの(BORSTAR(登録商標)技術として公知)等の「ループ気相」プロセスであり、例えば欧州特許出願公開第0887379号明細書、国際公開第92/12182号パンフレット、国際公開第2004/000899号パンフレット、国際公開第2004/111095号パンフレット、国際公開第99/24478号パンフレット、国際公開第99/24479号パンフレット又は国際公開第00/68315号パンフレット等の特許文献に記載されている。

0096

さらなる好適なスラリー−気相プロセスはBasell(ベーセル)のSpheripol(登録商標)プロセスである。

0097

好ましくは、上で定義されたとおりの異相プロピレンコポリマー(HECO1)を製造するための本発明のプロセスにおいて、工程(a)の第1反応器(R1)、すなわちスラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)についての条件は、以下のとおりであってもよい。
温度が、50℃〜110℃の範囲内、好ましくは60〜100℃、より好ましくは68〜95℃であり、
圧力が、20bar〜80barの範囲内、好ましくは40bar〜70barであり、
モル質量を制御するために、公知の方法で水素を添加することができる。

0098

その後、工程(a)からの反応混合物は、第2反応器(R2)、すなわち気相反応器(GPR−1)、すなわち工程(c)に移され、この際の工程(c)における条件は、好ましくは以下のとおりである。
温度が、50℃〜130℃の範囲内、好ましくは60〜100℃であり、
圧力が、5bar〜50barの範囲内、好ましくは15bar〜35barであり、
モル質量を制御するために、公知の方法で水素を添加することができる。

0099

滞留時間は、上記3つの反応器ゾーンで異なってもよい。

0100

上記ポリプロピレンの製造方法(プロセス)の1つの実施形態では、バルク反応器、例えばループの中での滞留時間は、0.1〜2.5時間、例えば0.15〜1.5時間の範囲にあり、気相反応器の中での滞留時間は、一般に0.2〜6.0時間、例えば0.5〜4.0時間となる。

0101

その後、工程(c)からの反応混合物は、第3反応器(R3)、すなわち気相反応器(GPR−2)に、そして任意に第4反応器(R4)、すなわち気相反応器(GPR−3)に移される。反応器(R3)及び/又は反応器(R4)の中での条件及び滞留時間は、好ましくはこれまでの段落で説明した反応器(R2)の中での条件及び滞留時間と同一である。

0102

所望に応じて、上記重合は、第1反応器(R1)中、すなわちスラリー反応器(SR)中、例えばループ反応器(LR)中で、超臨界条件下で、かつ/又は気相反応器(GPR)中で、凝縮モードとして公知の様式で行われてもよい。

0103

好ましくは、上記プロセスは、Ziegler−Natta触媒前駆体、外部ドナー及び任意に共触媒を含む、詳細に後述する触媒系を用いる前重合も含む。

0104

好ましい実施形態では、前重合は液体プロピレン中でバルクスラリー重合として行われ、すなわち液相は、主にプロピレンを含み、これに少量の他の反応物質及び任意に不活性成分が溶解している。

0105

上記前重合反応は、典型的には10〜60℃、好ましくは15〜50℃、より好ましくは20〜45℃の温度で行われる。

0106

重合反応器中の圧力は重要ではないが、反応混合物を液相中に維持するに十分高い必要がある。このように、圧力は20〜100bar、例えば30〜70barであってもよい。

0107

触媒成分は、好ましくはすべて前重合工程に導入される。しかしながら、固体触媒成分(i)及び共触媒(ii)を別個に供給することができる場合、共触媒の一部のみが前重合段階に導入され、残部がその後の重合段階に導入されるということが可能である。またそのような場合にも、前重合段階で十分な重合反応が得られるほどに多くの共触媒を前重合段階に導入することが必要である。

0108

他の成分も上記前重合段階に加えることが可能である。このように、当該技術分野で公知のとおり、プレポリマー分子量を制御するために、水素が前重合段階に加えられてもよい。さらに、粒子が互いに又は反応器の壁に接着するのを防止するために、帯電防止添加剤が使用されてもよい。

0109

重合条件及び反応パラメータの精密な制御は当該技術分野の技術の範囲内である。

0110

本発明によれば、異相プロピレンコポリマー(HECO1)は、低級アルコール及びフタル酸エステルエステル交換生成物を含有するZiegler−Natta触媒前駆体を成分(i)として含む触媒系の存在下での上記のとおりの多段階重合プロセスにより得られる。

0111

異相組成物(HECO1)を調製するために本発明に従って使用される触媒前駆体は、
a)噴霧結晶化した(spray crystallized)又はエマルションから固化した(emulsion solidified)MgCl2及びC1−C2アルコール付加体をTiCl4と反応させる工程と、
b)工程a)の生成物を式(I)のフタル酸ジアルキルと、上記C1〜C2のアルコールと上記式(I)のフタル酸ジアルキルとの間のエステル交換反応が起こり内部ドナーが形成される条件下で反応させる工程であって、



上記式(I)中、R1’及びR2’は独立に少なくともC5アルキルである工程と、
c)工程b)の生成物を洗浄する工程、又は
d)任意に工程c)の生成物をさらなるTiCl4と反応させる工程と
により調製される。

0112

上記触媒前駆体は、例えば特許出願、国際公開第87/07620号パンフレット、国際公開第92/19653号パンフレット、国際公開第92/19658号パンフレット及び欧州特許出願公開第0491566号明細書に規定されているようにして製造される。これらの文献の内容は、参照により本明細書に援用される。

0113

最初に、式MgCl2*nROH(式中、Rはメチル又はエチルであり、nは1〜6である)の、MgCl2とC1−C2アルコールとの付加体が形成される。好ましくはエタノールがアルコールとして使用される。

0114

この付加体は、まず溶融され、次いで噴霧結晶化され又はエマルションから固化され、そして触媒担体として使用される。

0115

次の工程で、噴霧結晶化され又はエマルションから固化された式MgCl2*nROH(式中、Rはメチル又はエチル、好ましくはエチルであり、nは1〜6である)の付加体はTiCl4と接触し、チタン化(titanized)担体を形成し、このあとに、
上記チタン化担体に、
i)R1’及びR2’が独立に少なくともC5−アルキル、例えば少なくともC8−アルキルである式(I)のフタル酸ジアルキル、
又は、好ましくは
ii)R1’及びR2’が同じであり、かつ少なくともC5−アルキル、例えば少なくともC8−アルキルである式(I)のフタル酸ジアルキル、
又は、より好ましくは
iii)フタル酸プロピルヘキシル(PrHP)、フタル酸ジオクチルDOP)、フタル酸ジ−iso−デシル(DIDP)、及びフタル酸ジトリデシル(DTDP)からなる群から選択される式(I)のフタル酸ジアルキル、なおより好ましくは、フタル酸ジオクチル(DOP)、例えばフタル酸ジ−iso−オクチル又はフタル酸ジエチルヘキシル、特にフタル酸ジエチルヘキシルである式(I)のフタル酸ジアルキル
を加え、第1生成物を形成する工程と、
上記第1生成物を好適なエステル交換反応条件、すなわち100℃超、好ましくは100〜150℃、より好ましくは130〜150℃の温度に供し、その結果、上記メタノール又はエタノールが、上記式(I)のフタル酸ジアルキルの上記エステル基エステル交換され、好ましくは少なくとも80モル%、より好ましくは90モル%、最も好ましくは95モル%の、式(II)のフタル酸ジアルキルが形成され、



式中、R1及びR2はメチル又はエチル、好ましくはエチルであり、
この式(II)のフタル酸ジアルキルが内部ドナーである工程と、
上記エステル交換反応生成物触媒前駆体組成物(成分(i))として回収する工程と
が続く。

0116

式MgCl2*nROH(式中、Rはメチル又はエチルであり、nは1〜6である)の付加体は、好ましい実施形態では融解され、次いでその融液は、好ましくはガスによって、冷却された溶媒又は冷却されたガスの中へと注入され、これにより上記付加体は、例えば国際公開第87/07620号パンフレットに記載されているような形態学的に有利な形態へと結晶化される。

0117

この結晶化された付加体は、好ましくは触媒担体として使用され、国際公開第92/19658号パンフレット及び国際公開第92/19653号パンフレットに記載されているような本発明で有用な触媒前駆体へと反応される。

0118

触媒残渣は抽出により除去されるため、上記チタン化担体及び上記内部ドナーの付加体が得られ、この内部ドナーにおいては、エステルアルコールに由来する基が変わっている。

0119

十分なチタンが担体上に留まる場合には、チタンは、上記触媒前駆体の活性要素として作用することになる。

0120

十分なチタンが担体上に留まっていない場合には、十分なチタン濃度、従って活性を確実にするために、上記の処理の後に上記チタン化が繰り返される。

0121

好ましくは、本発明に従って使用される触媒前駆体は、2.5重量%以下、好ましくは2.2%重量%以下、より好ましくは2.0重量%以下のチタンを含有する。そのドナー含有量は、好ましくは4〜12重量%、より好ましくは6〜10重量%である。

0122

より好ましくは、本発明に従って使用される触媒前駆体は、アルコールとしてのエタノール及び式(I)のフタル酸ジアルキルとしてのフタル酸ジオクチル(DOP)を使用し、フタル酸ジエチル(DEP)を内部ドナー化合物として得ることにより製造される。

0123

さらにより好ましくは、本発明に従って使用される触媒は、実施例の項に記載される触媒であり、とりわけ式(I)のフタル酸ジアルキルとしてのフタル酸ジオクチルを使用するものである。

0124

本発明に係る異相組成物(HECO1)の製造のために、使用される触媒系は、好ましくは、上記特別のZiegler−Natta触媒前駆体に加えて、有機金属共触媒を成分(ii)として含む。

0125

従って、上記共触媒をトリアルキルアルミニウム、例えばトリエチルアルミニウム(TEA)、ジアルキルアルミニウムクロリド及びアルキルアルミニウムセスキクロリドからなる群から選択することが好ましい。

0126

使用される触媒系の成分(iii)は、式(IIIa)又は式(IIIb)によって表される外部ドナーである。式(IIIa)は
Si(OCH3)2R25(IIIa)
によって規定され、上記式(IIIa)中、R5は、炭素原子数3〜12の分枝状のアルキル基、好ましくは炭素原子数3〜6の分枝状のアルキル基、又は炭素原子数4〜12のシクロアルキル、好ましくは炭素原子数5〜8のシクロアルキルを表す。

0127

R5がiso−プロピル、iso−ブチル、iso−ペンチル、tert−ブチル、tert−アミルネオペンチルシクロペンチルシクロヘキシルメチルシクロペンチル及びシクロヘプチルからなる群から選択されることが特に好ましい。

0128

式(IIIb)は、
Si(OCH2CH3)3(NRxRy) (IIIb)
によって規定され、上記式(IIIb)中、Rx及びRyは同じであってもよいし異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。

0129

Rx及びRyは、独立に、炭素原子数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数1〜12の分枝状脂肪族炭化水素基及び炭素原子数1〜12の環状脂肪族炭化水素基からなる群から選択される。Rx及びRyが独立にメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、オクチル、デカニル、iso−プロピル、iso−ブチル、iso−ペンチル、tert−ブチル、tert−アミル、ネオペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル及びシクロヘプチルからなる群から選択されることが特に好ましい。

0130

より好ましくは、Rx及びRyはともに同じであり、なおより好ましくはRx及びRyはともにエチル基である。

0131

より好ましくは、上記外部ドナーは、式(IIIa)のもの、例えばジシクロペンチルジメトキシシラン[Si(OCH3)2(シクロペンチル)2]、ジイソプロピルジメトキシシラン[Si(OCH3)2(CH(CH3)2)2]である。

0132

最も好ましくは、外部ドナーはジシクロペンチルジメトキシシラン[Si(OCH3)2(シクロペンチル)2](ドナーD)である。

0133

さらなる実施形態では、上記Ziegler−Natta触媒前駆体は、上記特別のZiegler−Natta触媒前駆体(成分(i))、外部ドナー(成分(iii))及び任意に共触媒(成分(iii))を含む触媒系の存在下で、下式を有するビニル化合物を重合することにより改質することができる。
CH2=CH−CHR3R4
上記式中、R3及びR4は一緒に5員若しくは6員の飽和環、不飽和環若しくは芳香環を形成するか、又は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、この改質触媒は本発明に係る異相組成物(HECO)の調製のために使用される。重合したビニル化合物はα核形成剤として作用することができる。

0134

触媒の改質に関しては、国際公開第99/24478号パンフレット、国際公開第99/24479号パンフレット、特に国際公開第00/68315号パンフレットが参照され、これらは、触媒の改質に関する反応条件に関して、及び重合反応に関して参照により本明細書に援用したものとする。

0135

異相プロピレンコポリマー(HECO2)
本発明の好ましい実施形態によれば、当該ポリプロピレン組成物(C)は、異相プロピレンコポリマー(HECO1)とは異なる異相プロピレンコポリマー(HECO2)をさらに含む。

0136

本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、プロピレンポリマー(PP2)であるマトリクス(M2)と、それに分散した弾性プロピレンコポリマー(E2)である弾性プロピレンコポリマーとを含む。このように、マトリクス(M2)は、マトリクス(M2)の一部ではない(微細に)分散した混在物を含有し、この混在物は、弾性プロピレンコポリマー(E2)を含有する。用語「混在物」に関しては、上で与えられた定義が参照される。

0137

従って、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、好ましくは、
(a)マトリクス(M2)としての(半)結晶性プロピレンポリマー(PP2)と、
(b)弾性プロピレンコポリマー(E2)と
を含む。

0138

好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO2)のプロピレンポリマー(PP2)と弾性プロピレンコポリマー(E2)との間の重量比[PP2/E2]は、90/10〜40/60の範囲、より好ましくは85/15〜45/55の範囲、なおより好ましくは83/17〜50/50の範囲、例えば82/18〜60/40の範囲にある。

0139

好ましくは、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、ポリマー成分として、プロピレンポリマー(PP2)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)のみを含む。換言すれば、異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、さらなる添加剤を含有してもよいが、全異相プロピレンコポリマー(HECO2)に対して5.0重量%を超える、より好ましくは3.0重量%を超える、例えば1.0重量%を超える量の他のポリマーは含有されない。そのような少量で存在してもよい1つのさらなるポリマーは、異相プロピレンコポリマー(HECO2)の調製によって得られる反応副生成物であるポリエチレンである。従って、本発明の異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、プロピレンポリマー(PP2)、弾性プロピレンコポリマー(E2)及び任意にこの段落に記載した量のポリエチレンのみを含有することが特に認識される。

0140

本発明に従って適用される異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、かなり高いメルトフローレートによって特徴づけられる。従って、異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、50〜120g/10分の範囲、好ましくは60〜110g/10分の範囲、より好ましくは65〜91g/10分の範囲のメルトフローレートMFR2(230℃)を有する。

0141

好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO2)が熱機械的に安定であることが望ましい。従って、異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、少なくとも160℃、より好ましくは160〜167℃の範囲、さらにより好ましくは162〜165℃の範囲の融解温度を有することが認識される。

0142

異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、プロピレンとは別にコモノマーも含む。好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、プロピレンとは別にエチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィンを含む。従って、本発明に係る用語「プロピレンコポリマー」は、
(a)プロピレン
及び
(b)エチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィン
から誘導できる単位を含み、好ましくはそのような単位からなるポリプロピレンとして理解される。

0143

このように、異相プロピレンコポリマー(HECO2)、すなわちプロピレンポリマー(PP2)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)は、プロピレンと共重合可能なモノマー、例えばエチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィン、特にエチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセン等のコモノマーを含むことができる。好ましくは、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを含み、とりわけこれらからなる。より具体的には、本発明の異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、プロピレンとは別に、エチレン及び/又は1−ブテンから誘導できる単位を含む。好ましい実施形態では、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、エチレン及びプロピレンから誘導できる単位のみを含む。さらにより好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HECO2)のプロピレンポリマー(PP2)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)は同じコモノマー、例えばエチレンを含有する。

0144

加えて、異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、好ましくはかなり低い全コモノマー含有量、好ましくはエチレン含有量を有することが認識される。このように、異相プロピレンコポリマー(HECO2)のコモノマー含有量が4.0〜30.0モル%の範囲、好ましくは6.0〜18.0モル%の範囲、より好ましくは10.0〜13.0モル%の範囲にあることが好ましい。

0145

異相プロピレンコポリマー(HECO2)のISO 16152(25℃)に従って測定される冷キシレン可溶(XCS)部は、8.0〜35.0重量%の範囲、好ましくは11.0〜30.0重量%の範囲、より好ましくは12.0〜25.0重量%の範囲、さらにより好ましくは13.0〜22.0重量%の範囲にある。

0146

さらに、異相プロピレンコポリマー(HECO2)の冷キシレン可溶(XCS)部はその固有粘度によって特定されることが認識される。低固有粘度(IV)値は低重量平均分子量を反映する。本発明については、異相プロピレンコポリマー(HECO2)の冷キシレン可溶部(XCS)は、1.0〜3.3dl/gの範囲、好ましくは1.5〜3.2dl/gの範囲、より好ましくは1.7〜3.0dl/gの範囲の、ISO 1628/1(デカリン中135℃)に従って測定される固有粘度(IV)を有することが認識される。

0147

加えて、異相プロピレンコポリマー(HECO2)の冷キシレン可溶(XCS)部のコモノマー含有量、すなわちエチレン含有量、が40モル%以上、好ましくは40〜55モル%の範囲、より好ましくは42〜50モル%の範囲、なおより好ましくは43〜46モル%の範囲にあることが好ましい。冷キシレン可溶(XCS)部中に存在するコモノマーは、プロピレンポリマー(PP2)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)それぞれについてこれまでに規定されたものである。1つの好ましい実施形態では、このコモノマーはエチレンのみである。

0148

異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、その個々の成分、すなわちプロピレンポリマー(PP2)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)によってさらに規定することができる。

0149

プロピレンポリマー(PP2)は、プロピレンコポリマー又はプロピレンホモポリマーであってよく、後者が好ましい。

0150

プロピレンポリマー(PP2)がプロピレンコポリマーである場合、プロピレンポリマー(PP2)は、プロピレンと共重合可能なモノマー、例えばエチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィン、特にエチレン及び/又はC4〜C6のα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセン等のコモノマーを含む。好ましくは、本発明に係るプロピレンポリマー(PP2)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを含み、とりわけこれらからなる。より具体的には、本発明のプロピレンポリマー(PP2)は、プロピレンとは別に、エチレン及び/又は1−ブテンから誘導できる単位を含む。好ましい実施形態では、プロピレンポリマー(PP2)は、エチレン及びプロピレンから誘導できる単位のみを含む。

0151

本発明に係るプロピレンポリマー(PP2)は、120〜500g/10分の範囲、より好ましくは130〜200g/10分の範囲、さらにより好ましくは140〜170g/10分の範囲の、ISO 1133に従って測定されるメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)を有する。

0152

上で触れたように、異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、低コモノマー含有量によって特徴づけられる。従って、プロピレンポリマー(PP2)のコモノマー含有量は、0.0〜5.0モル%の範囲、なおより好ましくは0.0〜3.0モル%の範囲、さらにより好ましくは0.0〜1.0モル%の範囲にある。プロピレンポリマー(PP2)がプロピレンホモポリマーであることがとりわけ好ましい。

0153

異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、異相プロピレンコポリマー(HECO2)の総重量に対して、好ましくは、60〜95重量%、より好ましくは60〜90重量%、さらにより好ましくは65〜87重量%のプロピレンポリマー(PP2)を含む。

0154

加えて、異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、異相プロピレンコポリマー(HECO2)の総重量に対して、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜40重量%、さらにより好ましくは13〜35重量%の弾性プロピレンコポリマー(E2)を含む。

0155

このように、異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、異相プロピレンコポリマー(HECO2)の総重量に対して、好ましくは、60〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは65.0〜87.0重量%のプロピレンポリマー(PP2)と、5〜40重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは13.0〜35.0重量%の弾性プロピレンコポリマー(E2)とを含み、より好ましくはこれらからなることが認識される。

0156

従って、異相プロピレンコポリマー(HECO2)のさらなる成分は、プロピレンポリマー(PP2)であるマトリクス(M2)に分散した弾性プロピレンコポリマー(E2)である。弾性プロピレンコポリマー(E2)で使用されるコモノマーに関しては、異相プロピレンコポリマー(HECO2)について提供された情報が参照される。従って、弾性プロピレンコポリマー(E2)は、プロピレンと共重合可能なモノマー、例えばエチレン及び/又はC4〜C8のα−オレフィン、特にエチレン及び/又はC4〜C6のα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセン等のコモノマーを含む。好ましくは、弾性プロピレンコポリマー(E2)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを含み、とりわけこれらからなる。より具体的には、弾性プロピレンコポリマー(E2)は、プロピレンとは別に、エチレン及び/又は1−ブテンから誘導できる単位を含む。このように、とりわけ好ましい実施形態では、弾性プロピレンコポリマー(E2)は、エチレン及びプロピレンから誘導できる単位のみを含む。

0157

弾性プロピレンコポリマー(E2)のコモノマー含有量は、好ましくは35.0〜70.0モル%の範囲、より好ましくは37.0〜60.0モル%の範囲、さらにより好ましくは40.0〜50.0モル%の範囲にある。

0158

本発明で規定される異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、5.0重量%以下の添加剤、例えば核形成剤及び酸化防止剤、並びにスリップ剤及びブロッキング防止剤を含有してもよい。好ましくは、添加剤含有量(α核形成剤を除く)は、3.0重量%未満、例えば1.0重量%未満である。

0159

本発明の好ましい実施形態によれば、異相プロピレンコポリマー(HECO2)はα核形成剤を含有する。

0160

本発明によれば、このα核形成剤は添加剤(AD)ではない。

0161

上記α核形成剤は、好ましくは
(i)モノカルボン酸及びポリカルボン酸の塩、例えば安息香酸ナトリウム又はtert−ブチル安息香酸アルミニウム、並びに
(ii)ジベンジリデンソルビトール(例えば1,3:2,4ジベンジリデンソルビトール)及びC1−C8−アルキル置換ジベンジリデンソルビトール誘導体、例えばメチルジベンジリデンソルビトール、エチルジベンジリデンソルビトール若しくはジメチルジベンジリデンソルビトール(例えば1,3:2,4ジ(メチルベンジリデン)ソルビトール)、又は置換ノニトール誘導体、例えば1,2,3,−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール、並びに
(iii)リン酸のジエステルの塩、例えばリン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム又はリン酸ヒドロキシ−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]アルミニウム、並びに
(iv)ビニルシクロアルカンポリマー又はビニルアルカンポリマー、並びに
(v)これらの混合物
からなる群から選択される。

0162

好ましくは、本発明の組成物に含まれるα核形成剤は、ビニルシクロアルカンポリマー及び/又はビニルアルカンポリマー、より好ましくはビニルシクロアルカンポリマー、例えばビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーである。ビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーは、α核形成剤として特に好ましい。当該組成物中のビニルシクロアルカンポリマー、例えばビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマー及び/又はビニルアルカンポリマー、より好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーの量は、500ppm以下、好ましくは200ppm以下、より好ましくは100ppm以下、例えば0.1〜500ppmの範囲、好ましくは0.5〜200ppmの範囲、より好ましくは1〜100ppmの範囲にあることが認識される。さらには、このビニルシクロアルカンポリマー及び/又はビニルアルカンポリマーは、BNT技術によって当該組成物に導入されることが認識される。BNT技術に関しては、国際公開第99/24478号パンフレット、国際公開第99/24479号パンフレット、特に国際公開第00/68315号パンフレットが参照される。この技術によれば、触媒系、好ましくはZiegler−Natta触媒前駆体は、特にその特別のZiegler−Natta触媒前駆体、外部ドナー及び共触媒を含む上記触媒系の存在下でビニル化合物を重合することにより改質することができ、上記ビニル化合物は、下式を有し、
CH2=CH−CHR3R4
上記式中、R3及びR4は一緒に5員若しくは6員の飽和環、不飽和環若しくは芳香環を形成するか、又は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、改質された触媒は、好ましくは、変性ポリプロピレン組成物(mPP)中に存在する異相組成物(HECO)の調製のために使用される。重合したビニル化合物はα核形成剤として作用する。この触媒の改質工程における固体触媒成分に対するビニル化合物の重量比は、好ましくは5(5:1)以下、より好ましくは3(3:1)以下、例えば0.5(1:2)〜2(2:1)の範囲にある。

0163

このような核形成剤は市販されており、例えばHans Zweifelの「Plastic Additives Handbook」、第5版、2001年(967〜990頁)に記載されている。

0164

異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、プロピレンポリマー(PP2)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)を混合(ブレンド)することにより製造することができる。しかしながら、異相プロピレンコポリマー(HECO2)が、直列構成を有し異なる反応条件で稼働する複数の反応器を使用して逐次プロセスで製造されることが好ましい。結果として、特定の反応器で調製される各画分は、それ自体の分子量分布及び/又はコモノマー含有量分布を有してもよい。

0165

本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、好ましくは、当該技術分野で公知の逐次重合プロセスで、すなわち多段階プロセスで製造され、この際、プロピレンポリマー(PP2)が、少なくとも1つのスラリー反応器中で、好ましくはスラリー反応器中及び任意にその後の気相反応器中で製造され、その後、弾性プロピレンコポリマー(E2)が、少なくとも1つ、すなわち1つ又は2つの、気相反応器中で製造される。

0166

従って、異相プロピレンコポリマー(HECO2)が、
(a)プロピレン及び任意に少なくとも1種のエチレン及び/又はC4〜C12のα−オレフィンを第1反応器(R1)中で重合し、プロピレンポリマー(PP2)の第1ポリプロピレン画分を得る工程であって、好ましくはこの第1ポリプロピレン画分がプロピレンホモポリマーである工程、
(b)任意に、上記第1ポリプロピレン画分を第2反応器(R2)に移す工程と、
(c)上記第2反応器(R2)中で、上記第1ポリプロピレン画分の存在下で、プロピレン及び任意に少なくとも1種のエチレン及び/又はC4〜C12のα−オレフィンを重合し、これにより第2ポリプロピレン画分を得る工程であって、好ましくは上記第2ポリプロピレン画分が第2プロピレンホモポリマーであり、上記第1ポリプロピレン画分及び上記第2ポリプロピレン画分がプロピレンポリマー(PP2)、すなわち異相プロピレンコポリマー(HECO2)のマトリクスを形成する工程と、
(d)工程(c)のプロピレンポリマー(PP2)を第3反応器(R3)に移す工程と、
(e)上記第3反応器(R3)中で、工程(c)で得られたプロピレンポリマー(PP2)の存在下でプロピレン及びエチレンを重合し、プロピレンポリマー(PP2)に分散した弾性プロピレンコポリマー(E2)を得る工程であって、プロピレンポリマー(PP2)及び弾性プロピレンコポリマー(E2)が異相プロピレンコポリマー(HECO2)を形成する工程と
を備える逐次重合プロセスで製造されることが好ましい。

0167

当然、第1反応器(R1)中で、上記第2ポリプロピレン画分を製造することができ、第2反応器(R2)中で、上記第1ポリプロピレン画分を得ることができる。同じことは、上記弾性プロピレンコポリマー相についても当てはまる。

0168

好ましくは、第2反応器(R2)と第3反応器(R3)との間で、上記モノマーは洗い流される。

0169

用語「逐次重合プロセス」は、異相プロピレンコポリマー(HECO2)が、直列に接続された少なくとも2つ、例えば3つ又は4つの反応器で製造されることを示す。従って、本プロセスは、少なくとも第1反応器(R1)及び第2反応器(R2)、より好ましくは第1反応器(R1)、第2反応器(R2)、及び第3反応器(R3)を備える。用語「重合反応器」に関しては、上で与えられた定義が参照される。

0170

第1反応器(R1)は、好ましくはスラリー反応器(SR)であり、バルク又はスラリーで稼働する、いずれの連続又は単純撹拌式のバッチタンク反応器又はループ反応器であることができる。バルクは、少なくとも60%(重量/重量)のモノマーを含む反応媒質中での重合を意味する。本発明によれば、上記スラリー反応器(SR)は、好ましくは(バルク)ループ反応器(LR)である。

0171

第2反応器(R2)は、上記第1反応器のようにスラリー反応器、例えばループ反応器であってもよいし、あるいは気相反応器(GPR)であってもよい。

0172

第3反応器(R3)は、好ましくは気相反応器(GPR)である。

0173

このような気相反応器(GPR)は、任意の機械混合式反応器又は流動層反応器であってよい。好ましくは、気相反応器(GPR)は、少なくとも0.2m/secのガス速度を有する機械撹拌式流動層反応器を含む。このように、上記気相反応器は、好ましくは機械式スターラーを有する流動床型反応器であることが認識される。

0174

このように、好ましい実施形態では、第1反応器(R1)はスラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)であるのに対し、第2反応器(R2)及び第3反応器(R3)は気相反応器(GPR)である。従って、本発明のプロセスについては、直列に接続された少なくとも3つ、好ましくは3つの重合反応器、つまりスラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)、第1気相反応器(GPR−1)及び第2気相反応器(GPR−2)が使用される。必要に応じて、このスラリー反応器(SR)の前に、前重合反応器が置かれる。

0175

別の好ましい実施形態では、第1反応器(R1)及び第2反応器(R2)はスラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)であるのに対し、第3反応器(R3)は気相反応器(GPR)である。従って、本発明のプロセスについては、直列に接続された少なくとも3つ、好ましくは3つの重合反応器、つまり2つのスラリー反応器(SR)、例えば2つのループ反応器(LR)、及び気相反応器(GPR−1)が使用される。必要に応じて、第1スラリー反応器(SR)の前に、前重合反応器が置かれる。

0176

好ましい多段階プロセスは、Borealis A/S(ボレアリス)、デンマークによって開発されたもの(BORSTAR(登録商標)技術として公知)等の「ループ−気相」プロセスであり、例えば欧州特許出願公開第0887379号明細書、国際公開第92/12182号パンフレット、国際公開第2004/000899号パンフレット、国際公開第2004/111095号パンフレット、国際公開第99/24478号パンフレット、国際公開第99/24479号パンフレット又は国際公開第00/68315号パンフレット等の特許文献に記載されている。

0177

さらなる好適なスラリー−気相プロセスはBasell(ベーセル)のSpheripol(登録商標)プロセスである。

0178

好ましくは、上で定義されたとおりの異相プロピレンコポリマー(HECO2)を製造するための本発明のプロセスにおいて、工程(a)の第1反応器(R1)、すなわちスラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)についての条件は、以下のとおりであってもよい。
温度が、50℃〜110℃の範囲内、好ましくは60〜100℃、より好ましくは68〜95℃であり、
圧力が、20bar〜80barの範囲内、好ましくは40bar〜70barであり、
モル質量を制御するために、公知の方法で水素を添加することができる。

0179

その後、工程(a)からの反応混合物は、第2反応器(R2)、すなわち気相反応器(GPR−1)、すなわち工程(c)に移され、この際の工程(c)における条件は、好ましくは以下のとおりである。
温度が、50℃〜130℃の範囲内、好ましくは60〜100℃であり、
圧力が、5bar〜50barの範囲内、好ましくは15bar〜35barであり、
モル質量を制御するために、公知の方法で水素を添加することができる。

0180

第3反応器(R3)、好ましくは第2気相反応器(GPR−2)における条件は、第2反応器(R2)と同様である。

0181

滞留時間は、上記3つの反応器ゾーンで異なってもよい。

0182

上記ポリプロピレンの製造方法の1つの実施形態では、バルク反応器、例えばループの中での滞留時間は、0.1〜2.5時間、例えば0.15〜1.5時間の範囲にあり、気相反応器の中での滞留時間は、一般に0.2〜6.0時間、例えば0.5〜4.0時間となる。

0183

所望に応じて、上記重合は、第1反応器(R1)、すなわちスラリー反応器(SR)中、例えばループ反応器(LR)中で、超臨界条件下で、かつ/又は気相反応器(GPR)中で、凝縮モードとして公知の様式で行われてもよい。

0184

好ましくは、上記プロセスは、Ziegler−Natta触媒前駆体、外部ドナー及び任意に共触媒を含む、詳細に後述する触媒系を用いる前重合も含む。

0185

好ましい実施形態では、前重合は液体プロピレン中でバルクスラリー重合として行われ、すなわち液相は、主にプロピレンを含み、これに少量の他の反応物質及び任意に不活性成分が溶解している。

0186

上記前重合反応は、典型的には10〜60℃、好ましくは15〜50℃、より好ましくは20〜45℃の温度で行われる。

0187

前重合反応器中の圧力は重要ではないが、反応混合物を液相中に維持するに十分高い必要がある。このように、圧力は20〜100bar、例えば30〜70barであってもよい。

0188

触媒成分は、好ましくはすべて前重合工程に導入される。しかしながら、固体触媒成分(i)及び共触媒(ii)を別個に供給することができる場合、共触媒の一部のみが前重合段階に導入され、残部がその後の重合段階に導入されるということが可能である。またそのような場合、前重合段階で十分な重合反応が得られるほどに多くの共触媒を前重合段階に導入することが必要である。

0189

他の成分も上記前重合段階に加えることが可能である。このように、当該技術分野で公知のとおり、プレポリマーの分子量を制御するために、水素が前重合段階に加えられてもよい。さらに、粒子が互いに又は反応器の壁に接着するのを防止するために、帯電防止添加剤が使用されてもよい。

0190

前重合条件及び反応パラメータの精密な制御は当該技術分野の技術の範囲内である。

0191

本発明によれば、異相プロピレンコポリマー(HECO2)は、低級アルコール及びフタル酸エステルのエステル交換生成物を含有するZiegler−Natta触媒前駆体を成分(i)として含む触媒系の存在下での上記のとおりの多段階重合プロセスにより得られる。

0192

好ましい触媒系に関しては、異相プロピレンコポリマー(HECO1)に関して上で規定された触媒が参照される。

0193

別の好ましい実施形態によれば、異相プロピレンコポリマー(HECO2)の調製のためのZiegler−Natta触媒は、80℃以上の高い重合温度で使用することができる、内部ドナー成分を含む高収率Ziegler−Natta型触媒を含む。そのような高収率Ziegler−Natta触媒は、コハク酸エステルジエーテル、フタル酸エステル等、又はそれらの混合物を内部ドナー(ID)として含むことができ、例えばLyondellBasell(リヨンデルベーセル)からAvant ZNの商標名で市販されている。Avant ZNシリーズの例は、Avant ZN 126及びAvant ZN 168である。Avant ZN 126は、3.5重量%のチタン及び内部電子ドナーとしてのジエーテル化合物を有するZiegler−Natta触媒であり、LyondellBasell(リヨンデルベーセル)から市販されている。Avant ZN 168は、2.6重量%のチタン及び内部電子ドナーとしてのコハク酸エステル化合物を有するZiegler−Natta触媒であり、LyondellBaselll(リヨンデルベーセル)から市販されている。Avant ZNシリーズのさらなる例は、LyondellBasell(リヨンデルベーセル)の触媒ZN180Mである。

0194

さらなる実施形態では、第2異相プロピレンコポリマー(HECO2)の製造のためのZiegler−Natta触媒前駆体は、上記のとおりの触媒系の存在下でビニル化合物を重合することにより改質することもできる。

0195

プラストマー(PL)
本発明の好ましい実施形態によれば、当該ポリプロピレン組成物(C)は、エチレン及びC4〜C8のα−オレフィンのコポリマーであるプラストマー(PL)をさらに含む。

0196

プラストマー(PL)は、いずれのエラストマーポリオレフィンであってよいが、ただしプラストマー(PL)は、本明細書中に規定される弾性プロピレンコポリマー(E1)及び(E2)とは化学的に異なる。より好ましくは、プラストマー(PL)は、超低密度ポリオレフィン、さらにより好ましくはシングルサイト触媒反応、好ましくはメタロセン触媒反応を使用して重合された超低密度ポリオレフィンである。典型的には、プラストマー(PL)はエチレンコポリマーである。

0197

このプラストマー(PL)は、0.900g/cm3未満の密度を有する。より好ましくは、プラストマー(PL)の密度は、0.890g/cm3以下、さらにより好ましくは0.845〜0.890g/cm3の範囲にある。

0198

好ましくは、上記プラストマー(PL)は、50g/10分未満、より好ましくは10.0〜40g/10分、さらにより好ましくは15.0〜35g/10分、例えば25.0〜33.0g/10分の範囲のメルトフローレートMFR2(190℃、2.16kg)を有する。

0199

好ましくは、プラストマー(PL)は、エチレン及びC4〜C20のα−オレフィンに由来する単位を含む。

0200

プラストマー(PL)は、(i)エチレン及び(ii)少なくとも別のC4〜C20のα−オレフィン、例えばC4〜C10のα−オレフィンから誘導できる単位、より好ましくは(i)エチレン並びに(ii)1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン及び1−オクテンからなる群から選択される少なくとも別のα−オレフィンから誘導できる単位を含み、好ましくはこれらの単位からなる。プラストマー(PL)は、(i)エチレン及び(ii)1−ブテン又は1−オクテンから誘導できる単位を少なくとも含むことがとりわけ好ましい。プラストマー(PL)がエチレン及び1−オクテンのコポリマーであることがとりわけ好ましい。

0201

とりわけ好ましい実施形態では、プラストマー(PL)は、エチレン及び1−オクテンから誘導できる単位からなる。

0202

プラストマー(PL)のコモノマー含有量、例えばC4〜C20のα−オレフィン含有量は、3.0〜25.0モル%の範囲、より好ましくは4.0〜20.0モル%の範囲、さらにより好ましくは5.0〜15.0モル%の範囲、例えば6.0〜10.0モル%の範囲にある。

0203

1つの好ましい実施形態では、プラストマー(PL)は少なくとも1種のメタロセン触媒を用いて調製される。プラストマー(PL)は、複数のメタロセン触媒を用いて調製されてもよく、又は異なるメタロセン触媒を用いて調製された複数のエラストマーのブレンド(混合物)であってもよい。いくつかの実施形態では、プラストマー(PL)は、実質的に直鎖状エチレンポリマー(SLEP)である。SLEP及び他のメタロセン触媒によるプラストマー(PL)は当該技術分野で、例えば米国特許第5,272,236号明細書から公知である。これらの樹脂は、例えばBorealis(ボレアリス)から入手できるQueo(商標)プラストマー、Dow Chemical Co.(ダウケミカル)から入手できるENGAGE(商標)プラストマー樹脂、又はExxon(エクソン)製のEXACT(商標)ポリマー、又はMitsui(三井)製のTAFER(商標)ポリマーとして市販もされている。

0204

高密度ポリエチレン(HDPE)
本発明の好ましい実施形態によれば、当該ポリプロピレン組成物(C)は、高密度ポリエチレン(HDPE)をさらに含む。

0205

本発明で使用される表現「高密度ポリエチレン」は、実質的に、すなわち99.70モル%超、さらにより好ましくは少なくとも99.80モル%のエチレン単位からなる、Ziegler−Natta触媒又はメタロセン触媒の存在下で得られたポリエチレンに関する。好ましい実施形態では、この高密度ポリエチレン(HDPE)中のエチレン単位のみが検出可能である。

0206

この高密度ポリエチレン(HDPE)は、少なくとも0.800g/cm3の密度を有する。より好ましくは、高密度ポリエチレン(HDPE)は、0.830〜0.970g/cm3の範囲、さらにより好ましくは0.900〜0.965g/cm3の範囲、例えば0.940〜0.960g/cm3の範囲の密度を有する。

0207

上記高密度ポリエチレン(HDPE)が60〜85kg/molの範囲、好ましくは65〜85kg/molの範囲、さらにより好ましくは70〜80kg/molの範囲の重量平均分子量Mwを有することがとりわけ好ましい。

0208

さらに、高密度ポリエチレン(HDPE)がかなり広い分子量分布(Mw/Mn)を有することが好ましい。従って、高密度ポリエチレン(HDPE)の分子量分布(Mw/Mn)が6.0〜8.0の範囲、より好ましくは6.5〜7.5の範囲、例えば6.5〜7.0の範囲にあることが好ましい。

0209

加えて、上記高密度ポリエチレン(HDPE)がかなり低いメルトフローレートを有することが好ましい。従って、高密度ポリエチレン(HDPE)のISO 1133に従って測定されたメルトフローレートMFR(190℃、2.16kg)は、190℃において好ましくは0.1〜15.0g/10分の範囲、より好ましくは1.0〜10.0g/10分の範囲、さらにより好ましくは2.0〜4.0g/10分の範囲にある。

0210

好ましくは、本発明に係る高密度ポリエチレン(HDPE)は、当該技術分野で公知の高密度ポリエチレンである。特に、この高密度ポリエチレン(HDPE)がBorealis AG(ボレアリス)の市販のエチレンホモポリマーMB7541であることが好ましい。

0211

核形成剤(NU)
本発明に係るポリプロピレン組成物(C)は、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)をさらに含む。

0212

従って、上記核形成剤(NU)は、好ましくは、2つのカルボン酸官能性を、遊離酸として、又はアルカリ金属カチオン若しくはアルカリ土類金属カチオンを用いて部分的に若しくは完全に中和されたものとして含む脂肪族化合物又は芳香族化合物である。特に、本発明に係る核形成剤(NU)のカルボン酸官能性は、遊離酸であってもよいし、ナトリウム、リチウムカリウムカルシウムバリウムマグネシウムストロンチウム又はこれらの混合物のカチオンを用いて部分的に又は完全に中和されていてもよい。好ましくは、すべてのカチオンがアルカリ土類金属カチオンである。このアルカリ土類金属カチオンがカルシウムであることがとりわけ好ましい。

0213

好ましくは、上記核形成剤(NU)は、2つのカルボン酸官能性を、遊離酸として、又はアルカリ金属カチオン若しくはアルカリ土類金属カチオンを用いて部分的に若しくは完全に中和されたものとして含む脂肪族化合物である。特に、核形成剤(NU)は、直鎖状又は環状の脂肪族化合物であることができる。従って、核形成剤(NU)は、シュウ酸マロン酸コハク酸リンゴ酸クエン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸及び/又はこれらの塩からなる群から選択される。

0214

上記核形成剤(NU)が、2つの酸官能性を、遊離酸として、又はアルカリ金属カチオン若しくはアルカリ土類金属カチオンを用いて部分的に若しくは完全に中和されたものとして含む環状脂肪族化合物であることがとりわけ好ましい。従って、この核形成剤(NU)は、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸及び/又はこれらの塩からなる群から選択される。

0215

核形成剤(NU)が1,2−シクロヘキサンジカルボン酸であることがとりわけ好ましい。特に、核形成剤(NU)が1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及びそのCa塩を含む組成物であることが好ましい。

0216

本発明はさらに、上記のとおりのポリプロピレン組成物(C)の虎皮模様を低減するための、ジカルボン酸及び/又はその塩である核形成剤(NU)の使用に関する。

0217

本発明によれば、核形成剤(NU)は、充填剤(F)及び添加剤(AD)の部類に属さない。

0218

無機充填剤(F)
本発明に係る組成物のさらなる必要条件は、無機充填剤(F)の存在である。

0219

好ましくは、この無機充填剤(F)は鉱物充填剤である。無機充填剤(F)はフィ珪酸塩鉱物マイカ又は珪灰石(ウラトナイト)であることが認識される。さらにより好ましくは、この無機充填剤(F)は、マイカ、珪灰石、カオリナイトスメクタイトモンモリロナイト及びタルクからなる群から選択される。

0220

最も好ましい無機充填剤(F)は、タルク及び/又は珪灰石である。無機充填剤(F)がタルクであることがとりわけ好ましい。

0221

充填剤(F)が、0.8〜20μmの範囲のメジアン粒径(D50)及び10〜20μmの範囲のトップカット(top cut)粒径(D95)、好ましくは5.0〜8.0μmの範囲のメジアン粒径(D50)及び12〜17μmの範囲のトップカット粒径(D95)、より好ましくは5.5〜7.8μmの範囲のメジアン粒径(D50)及び13〜16.5μmのトップカット粒径(D95)を有することが認識される。

0222

本発明によれば、充填剤(F)はα核形成剤及び添加剤(AD)の部類に属さない。

0223

上記充填剤(F)は、技術水準のものであり、市販の製品である。

0224

添加剤(AD)
異相プロピレンコポリマー(HECO1)、異相プロピレンコポリマー(HECO2)、無機充填剤(F)、任意にプラストマー(PL)及び任意に高密度ポリエチレン(HDPE)に加えて、本発明の組成物(C)は添加剤(AD)を含んでもよい。典型的な添加剤は、酸スカベンジャー、酸化防止剤、着色料光安定剤可塑剤、スリップ剤、擦り傷防止剤分散剤加工助剤潤滑剤、顔料等である。上記のように、核形成剤(NU)及び無機充填剤(F)は、添加剤(AD)とはみなされない。

0225

このような添加剤は市販されており、例えばHans Zweifelの「Plastic Additives Handbook」、第6版、2009年の(1141〜1190頁)に記載されている。

0226

さらには、本発明に係る用語「添加剤(AD)」は、担体材料、特にポリマー担体材料包含する。

0227

ポリマー担体材料
好ましくは、本発明の組成物(C)は、組成物(C)の重量に対して、異相プロピレンコポリマー(HECO1)及び(HECO2)、プラストマー(PL)並びに高密度ポリエチレン(HDPE)とは異なるさらなるポリマー(1種又は複数種)を、15重量%を超える量、好ましくは10重量%を超える量、より好ましくは9重量%を超える量では含まない。添加剤(AD)に対する担体材料であるいずれのポリマーも、本発明で示されたポリマー化合物の量には算入されず、それぞれの添加剤の量に算入される。

0228

添加剤(AD)のポリマー担体材料は、本発明の組成物(C)中での均一分布を確保するための担体ポリマーである。このポリマー担体材料は、特定のポリマーに限定されない。このポリマー担体材料は、エチレンホモポリマー、エチレンとC3〜C8のα−オレフィンコモノマー等のα−オレフィンコモノマーとから得られるエチレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、並びに/又はプロピレンとエチレン及び/若しくはC4〜C8のα−オレフィンコモノマー等のα−オレフィンコモノマーとから得られるプロピレンコポリマーであってもよい。

0229

物品
本発明の組成物は、好ましくは物品、より好ましくは発泡品の製造のために使用される。さらにより好ましいのは、自動車用物品、とりわけ自動車の内装品及び外装品、例えばバンパーサイドトリムステップアシスト車体パネルスポイラーダッシュボード内装トリム等の製造のための使用である。

0230

本発明は、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、なおより好ましくは少なくとも95重量%の本発明の組成物を含む物品、より好ましくは発泡品、例えば本発明の組成物からなる物品、より好ましくは発泡品をも提供する。従って、本発明は、とりわけ、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、なおより好ましくは少なくとも95重量%の本発明の組成物を含む自動車用物品のパーツに、とりわけ、自動車内装品及び外装品、例えばバンパー、サイドトリム、ステップアシスト、車体パネル、スポイラー、ダッシュボード、内装トリム等、例えば本発明の組成物からなる自動車用物品のパーツに、とりわけ、自動車内装品及び外装品、例えばバンパー、サイドトリム、ステップアシスト、車体パネル、スポイラー、ダッシュボード、内装トリム等に関する。

0231

使用
本発明は、これまでの段落に記載されたとおりの発泡品の製造のための本発明の組成物の使用にも関する。

0232

本発明は、これより、以下に提供する実施例によってさらに詳細に説明される。

0233

1.測定方法
以下の用語の定義及び測定方法は、特段の記載がない限り、本発明の上記の一般的記載及び以下の実施例について適用される。

0234

異相プロピレンコポリマー(HECO1)の第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマー画分のコモノマー含有量の算出:



上記式中、
w(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(PP3)は、第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
C(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]でり、
C(PP)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]であり、
C(PP2)は、第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの算出したコモノマー含有量[モル%単位]である。

0235

異相プロピレンコポリマー(HECO1)の第2弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第4反応器(R3)中で製造されたポリマー画分のコモノマー含有量の算出:



上記式中、
w(PP123)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(PP4)は、第2弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第4反応器(R4)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
C(PP123)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]であり、
C(PP)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1及び第2の弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2、第3及び第4の反応器(R1+R2+R3)で製造されたポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]であり、
C(PP4)は、第2弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第4反応器(R4)中で製造されたポリマーの算出したコモノマー含有量[モル%単位]である。

0236

異相プロピレンコポリマー(HECO1)の弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3及び第4の反応器(R3+R4)中で製造されたポリマー画分の冷キシレン可溶部(XCS)含有量の算出:



上記式中、
w(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(E)は、弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3及び第4の反応器(R3+R4)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
XS(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]であり、
XS(HECO)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2、第3及び第4(R1+R2+R3+R4)中で製造されたポリマーの冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]であり、
XS(E)は、弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3及び第4の反応器(R3+R4)中で製造されたポリマーの算出した冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]である。

0237

異相プロピレンコポリマー(HECO1)の第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマー画分の冷キシレン可溶部(XCS)含有量の算出:



上記式中、
w(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(PP3)は、第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
XS(PP12)は、第1及び第2の弾性プロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]であり、
XS(PP)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーの冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]であり、
XS(PP3)は、第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの算出した冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]である。

0238

第2弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第4反応器(R4)中で製造されたポリマー画分の冷キシレン可溶部(XCS)含有量の算出:



上記式中、
w(PP123)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(PP4)は、第2プロピレンコポリマー画分、すなわち第4反応器(R4)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
XS(PP123)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーの冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]であり、
XS(PP)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1及び第2の弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2の反応器及び第3反応器(R1+R2+R3+R4)中で製造されたポリマーの冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]であり、
XS(PP4)は、第2弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第4反応器(R4)中で製造されたポリマーの算出した冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]である。

0239

異相プロピレンコポリマー(HECO1)の第2プロピレンポリマー画分、すなわち第2反応器(R2)中で製造されたポリマー画分のメルトフローレートMFR2(230℃)の算出:



上記式中、
w(PP1)は、第1プロピレンポリマー画分、すなわち第1反応器(R1)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(PP2)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第2反応器(R2)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
MFR(PP1)は、第1プロピレンポリマー画分、すなわち第1反応器(R1)中で製造されたポリマーのメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分単位]であり、
MFR(PP)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーのメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分単位]であり、
MFR(PP2)は、第1プロピレンポリマー画分、すなわち第2反応器(R2)中で製造されたポリマーの算出したメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分単位]である。

0240

異相プロピレンコポリマー(HECO1)の第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマー画分のキシレン可溶部の固有粘度の算出:



上記式中、
XCS(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーのキシレン可溶部[重量%単位]であり、
XCS(PP3)は、第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーのキシレン可溶部[重量%単位]であり、
IV(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーのキシレン可溶部の固有粘度[dl/g単位]であり、
IV(PP)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーのキシレン可溶部の固有粘度[dl/g単位]であり、
IV(PP3)は、第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーのキシレン可溶部の算出した固有粘度[dl/g単位]である。

0241

異相プロピレンコポリマー(HECO1)の第2弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第4反応器(R4)中で製造されたポリマー画分のキシレン可溶部の固有粘度の算出:



上記式中、
XCS(PP123)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーのキシレン可溶部[重量%単位]であり、
XCS(PP4)は、第2弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第4反応器(R4)中で製造されたポリマーのキシレン可溶部[重量%単位]であり、
IV(PP123)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーのキシレン可溶部の固有粘度[dl/g単位]であり、
IV(PP)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに第1及び第2の弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2、第3及び第4の反応器(R1+R2+R3+R4)中で製造されたポリマーのキシレン可溶部の固有粘度[dl/g単位]であり、
IV(PP4)は、第2弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第4反応器(R4)中で製造されたポリマーのキシレン可溶部の算出した固有粘度[dl/g単位]である。

0242

異相プロピレンコポリマー(HECO1)の弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3及び第4の反応器(R3+R4)中で製造されたポリマー画分のコモノマー含有量の算出:



上記式中、
w(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(E)は、弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3及び第4の反応器(R3+R4)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
C(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]であり、
C(HECO)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに弾性プロピレンコポリマー、すなわち第1、第2、第3及び第4(R1+R2+R3+R4)中で製造されたポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]であり、
C(E)は、弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3及び第4の反応器(R3+R4)中で製造されたポリマーの算出したコモノマー含有量[モル%単位]である。

0243

異相プロピレンコポリマー(HECO2)の弾性コポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマー画分のコモノマー含有量の算出:



上記式中、
w(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(PP3)は、弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
C(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]であり、
C(PP)は、第1プロピレンポリマー画分、第2プロピレンポリマー画分及び弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]であり、
C(PP3)は、弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの算出したコモノマー含有量[モル%単位]である。

0244

異相プロピレンコポリマー(HECO2)の弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマー画分の冷キシレン可溶部(XCS)含有量の算出:



上記式中、
w(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(E)は、弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
XS(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]であり、
XS(HECO)は、第1プロピレンポリマー画分、第2プロピレンポリマー画分及び弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2の反応器及び第3反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーの冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]であり、
XS(E)は、弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第2及び第3の反応器(R2+3)中で製造されたポリマーの算出した冷キシレン可溶部(XCS)含有量[重量%単位]である。

0245

異相プロピレンコポリマー(HECO2)の弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマー画分のメルトフローレートMFR2(230℃)の算出:



上記式中、
w(PP12)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(PP3)は、弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
MFR(PP12)は、第1及び第2のプロピレン画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーのメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分単位]であり、
MFR(PP)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分並びに弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第1、第2及び第3の反応器(R1+R2+R3)中で製造されたポリマーのメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分単位]であり、
MFR(PP3)は、弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの算出したメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分単位]である。

0246

異相プロピレンコポリマー(HECO2)の弾性プロピレンコポリマー画分、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマー画分のコモノマー含有量の算出:



上記式中、
w(PP)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
w(E)は、弾性プロピレンコポリマー、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの重量分率[重量%単位]であり、
C(PP)は、第1及び第2のプロピレンポリマー画分、すなわち第1及び第2の反応器(R1+R2)中で製造されたポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]であり、
C(HECO)は、プロピレンコポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]、すなわち第3反応器(R3)中での重合後に得られたポリマーのコモノマー含有量[モル%単位]であり、
C(E)は、弾性プロピレンコポリマー画分の、すなわち第3反応器(R3)中で製造されたポリマーの算出したコモノマー含有量[モル%単位]である。

0247

MFR2(230℃)は、ISO 1133(230℃、2.16kg荷重)に従って測定する。
MFR2(190℃)は、ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)に従って測定する。

0248

MR分光法による微細構造の定量
定量的核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して、ポリマーのコモノマー含有量及びコモノマー配列分布を定量した。定量的13C{1H}NMRスペクトルは、1H及び13Cについてそれぞれ400.15MHz及び100.62MHzで動作するBruker Advance III 400 NMR分光計を使用して、溶液状態で記録した。すべてのスペクトルを、125℃の13Cに最適化した10mm拡張温度プローブヘッドを使用し、すべての空圧について窒素ガスを使用して記録した。およそ200mgの物質を、溶媒中の緩和剤の65mM溶液(Singh,G.,Kothari,A.,Gupta,V.,Polymer Testing 28 5(2009),475)を与えるクロム(III)アセチルアセトナート(Cr(acac)3)と共に3mlの1,2−テトラクロロエタン−d2(TCE−d2)に溶解した。均一溶液を確保するために、ヒートブロック中での最初の試料調製のあと、そのNMRチューブ回転式オーブンの中で少なくとも1時間さらに加熱した。磁石の中へ挿入したあと、チューブを10Hzで回転させた。正確なエチレン含有量の定量のために必要である高分解能及び定量性を主な理由としてこの設定を選んだ。最適化した先端角(tip angle)、1sの繰り返し時間(recycle delay)及びバイレベルALTZ16デカップリングスキーム(Zhou,Z.,Kuemmerle,R.,Qiu,X.,Redwine,D.,Cong,R.,Taha,A.,Baugh,D.;Winniford,B.,J.Mag.Reson. 187(2007)225;Busico,V.,Carbonniere,P.,Cipullo,R.,Pellecchia,R.,Severn,J.,Talarico,G.,Macromol.Rapid Commun. 2007,28,1128)を使用して、NOEを伴わない標準的なシングルパルス励起を採用した。1スペクトルあたり全部で6144(6k)の過渡信号を取得した。

0249

定量的13C{1H}NMRスペクトルを、独自のコンピュータープログラムを使用して処理し、積分し、関連の定量的特性積分値から求めた。すべての化学シフトは、溶媒の化学シフトを使用して、30.00ppmのエチレンブロック(EEE)の中央のメチレン基間接的に基準とした。このアプローチにより、この構造単位が存在しない場合でも比較可能基準設定が可能になった。エチレンの組み込みに対応する特徴的なシグナルを観察した(Cheng,H.N.,Macromolecules 17(1984),1950)。

0250

ポリプロピレンホモポリマーについては、すべての化学シフトは、21.85ppmのメチルアイソタクチックペンタッド(mmmm)を内部標準とした。

0251

位置欠陥(Resconi,L.,Cavallo,L.,Fait,A.,Piemontesi,F.,Chem.Rev. 2000,100,1253;Wang,W−J.,Zhu,S.,Macromolecules 33(2000),1157;Cheng,H.N.,Macromolecules 17(1984),1950)又はコモノマーに対応する特徴的なシグナルを観察した。

0252

タクチシティ分布は、23.6〜19.7ppmのメチル領域の積分により、注目する立体配列に関連しない部位があればそれを補正して定量した(Busico,V.,Cipullo,R.,Prog.Polym.Sci. 26(2001)443;Busico,V.,Cipullo,R.,Monaco,G.,Vacatello,M.,Segre,A.L.,Macromoleucles 30(1997)6251)。

0253

具体的には、タクチシティ分布の定量に及ぼす位置欠陥及びコモノマーの影響は、立体配列の特定の積分領域から代表的な位置欠陥及びコモノマーの積分値を減算することにより補正した。

0254

アイソタクティシティは、ペンタッドレベルで決定し、すべてのペンタッド配列に対するアイソタクチックペンタッド(mmmm)配列の百分率として報告した。
[mmmm]%=100×(mmmm/全ペンタッドの合計)

0255

2,1エリスロ位置欠陥の存在は、17.7及び17.2ppmの2つのメチル部位の存在によって示され、他の特徴的部位によって確認した。
他のタイプの位置欠陥に対応する特徴的なシグナルは観察されなかった(Resconi,L.,Cavallo,L.,Fait,A.,Piemontesi,F.,Chem.Rev. 2000,100,1253)。

0256

2,1エリスロ位置欠陥の量は、17.7及び17.2ppmの2つの特徴的なメチル部位の平均積分値を使用して定量した。
P21e=(Ie6+Ie8)/2

0257

1,2一次挿入プロペンの量はメチル領域に基づいて定量した。その際、この領域に含まれるが一次挿入に関連しない部位及びこの領域から除外される一次挿入部位について補正を行った。
P12=ICH3+P12e

0258

プロペンの全量は、一次挿入プロペン及び存在するすべての他の位置欠陥の合計として定量した。
Ptotal=P12+P21e

0259

2,1エリスロ位置欠陥のモルパーセントは、全プロペンに対して定量した。
[21e]モル%=100×(P21e/Ptotal)

0260

コポリマーについては、エチレンの組み込みに対応する特徴的なシグナルを観察した(Cheng,H.N.,Macromolecules 17(1984),1950)。
位置欠陥も観察された場合には(Resconi,L.,Cavallo,L.,Fait,A.,Piemontesi,F.,Chem.Rev. 2000,100,1253;Wang,W−J.,Zhu,S.,Macromolecules 33(2000),1157;Cheng,H.N.,Macromolecules 17(1984),1950)、コモノマー含有量に及ぼすこのような欠陥の影響に対する補正が必要であった。

0261

コモノマー分率は、13C{1H}スペクトルのスペクトル領域全体にわたる複数のシグナルの積分により、Wangらの方法(Wang,W−J.,Zhu,S.,Macromolecules 33(2000),1157)を使用して定量した。この方法を、そのロバスト性、及び必要な場合には位置欠陥の存在を考慮できることが理由で選んだ。積分領域は、直面するコモノマー含有量の全範囲にわたる適用性を高めるためにわずかに調整した。

0262

PPEPP配列中の孤立したエチレンのみが観察される系については、Wangらの方法を、存在しないことが公知の部位の非ゼロ積分の影響を低減するように改変した。このアプローチはそのような系に対するエチレン含有量の過大評価を低減し、これは、絶対的なエチレン含有量を求めるために使用される部位の数を
E=0.5(Sββ+Sβγ+Sβδ+0.5(Sαβ+Sαγ))
に減じることにより成し遂げられた。
この部位の組の使用により、対応する積分方程式は、Wangらの論文(Wang,W−J.,Zhu,S.,Macromolecules 33(2000),1157)で使用されたのと同じ表記法を使用して、
E=0.5(IH+IG+0.5(IC+ID))
となる。絶対的プロピレン含有量のために使用した方程式は改変しなかった。
モルパーセントでのコモノマー組み込みモル分率から算出した。
E[モル%]=100×fE
重量パーセントでのコモノマー組み込みはモル分率から算出した。
E[重量%]=100×(fE×28.06)/((fE×28.06)+((1−fE)×42.08))

0263

トライアドレベルでのコモノマー配列分布は、Kakugoらの分析方法(Kakugo,M.,Naito,Y.,Mizunuma,K.,Miyatake,T. Macromolecules 15(1982)1150)を使用して決定した。この方法は、そのロバスト性、及びより広い範囲のコモノマー含有量へと適用性を高めるためにわずかに調整される積分領域が理由で選んだ。

0264

NMR分光法によるプラストマー(PL)のコモノマー含有量の定量
定量的核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して、ポリマーのコモノマー含有量を定量した。

0265

定量的13C{1H}NMRスペクトルは、1H及び13Cについてそれぞれ500.13MHz及び125.76MHzで動作するBruker Avance III 500 NMR分光計を使用して、溶融状態で記録した。すべてのスペクトルを、150℃の13Cに最適化した7mmマジック角回転(MAS)プローブヘッドを使用し、すべての空圧について窒素ガスを使用して記録した。およそ200mgの物質を外径7mmのジルコニアMASローターに詰め、4kHzで回転させた。迅速な同定及び正確な定量に必要な高感度(Klimke,K.,Parkinson,M.,Piel,C.,Kaminsky,W.,Spiess,H.W.,Wilhelm,M.,Macromol.Chem.Phys. 2006;207:382.;Parkinson,M.,Klimke,K.,Spiess,H.W.,Wilhelm,M.,Macromol.Chem.Phys. 2007;208:2128.;Castignolles,P.,Graf,R.,Parkinson,M.,Wilhelm,M.,Gaborieau,M.,Polymer 50(2009)2373;NMR Spectroscopy of Polymers:Innovative Strategies for Complex Macromolecules,Chapter 24,401(2011))を主な理由としてこの設定を選んだ。3sの短い繰り返し時間の過渡的NOE(Pollard,M.,Klimke,K.,Graf,R.,Spiess,H.W.,Wilhelm,M.,Sperber,O.,Piel,C.,Kaminsky,W.,Macromolecules 2004;37:813.;Klimke,K.,Parkinson,M.,Piel,C.,Kaminsky,W.,Spiess,H.W.,Wilhelm,M.,Macromol.Chem.Phys. 2006;207:382.)及びRS−HEPTデカップリングスキーム(Filip,X.,Tripon,C.,Filip,C.,J.Mag.Resn. 2005,176,239.;Griffin,J.M.,Tripon,C.,Samoson,A.,Filip,C.、及びBrown,S.P.,Mag.Res. in Chem. 2007 45,S1,S198)を利用して、標準的なシングルパルス励起を採用した。1スペクトルあたり全部で1024(1k)の過渡信号を取得した。低コモノマー含有量に対するその高感度が理由でこの設定を選んだ。

0266

定量的13C{1H}NMRスペクトルを、特注スペクトル解析自動化プログラムを使用して処理し、積分し、定量的特性を求めた。すべての化学シフトは、30.00ppmのバルクメチレンシグナル(δ+)を内部標準としている(J.Randall,Macromol.Sci.,Rev.Macromol.Chem.Phys. 1989,C29,201.)。

0267

ポリ(ポリエチレン−co−オクテン) − オクテン含有量
1−オクテンの組み込みに対応する特徴的なシグナルを観察し(J.Randall,Macromol.Sci.,Rev.Macromol.Chem.Phys. 1989,C29,201.;Liu,W.,Rinaldi,P.,McIntosh,L.,Quirk,P.,Macromolecules 2001,34,4757;Qiu,X.,Redwine,D.,Gobbi,G.,Nuamthanom,A.,Rinaldi,P.,Macromolecules 2007,40,6879)、すべてのコモノマー含有量をポリマー中に存在するすべての他のモノマーに対して算出した。

0268

孤立した1−オクテンの組み込み、すなわちEEOEEコモノマー配列から生じる特徴的なシグナルを観察した。孤立した1−オクテン組み込みを、38.37ppmのシグナルの積分値を使用して定量した。この積分値は、それぞれ孤立した(EEOEE)の*B6部位及び孤立した二重の不連続の(EEOEOEE)1−オクテン配列の*βB6B6部位の両方に対応する分解されないシグナルに帰属される。この2つの*βB6B6部位の影響を補正するために、24.7ppmのββB6B6部位の積分を使用する。
O=I*B6+*βB6B6−2×IββB6B6

0269

連続する1−オクテン組み込み、すなわちEEOOEEコモノマー配列から生じる特徴的なシグナルも観察した。このような連続する1−オクテン組み込みを、ααB6B6部位に帰属される40.57ppmのシグナルの積分値を使用し、コモノマーあたりの報告部位の数を考慮して定量した。
OO=2×IααB6B6

0270

孤立した連続しない1−オクテン組み込み、すなわちEEOEOEEコモノマー配列から生じる特徴的なシグナルも観察した。このような孤立した連続しない1−オクテン組み込みを、ββB6B6部位に帰属される24.7ppmのシグナルの積分値を使用し、コモノマーあたりの報告部位の数を考慮して定量した。
OEO=2×IββB6B6

0271

孤立した三連続する1−オクテン組み込み、すなわちEEOOOEEコモノマー配列から生じる特徴的なシグナルも観察した。このような孤立した三連続する1−オクテン組み込みを、ααγB6B6B6部位に帰属される41.2ppmのシグナルの積分値を使用し、コモノマーあたりの報告部位の数を考慮して定量した。
OOO=3/2×IααγB6B6B6

0272

他のコモノマー配列を示す他のシグナルが観察されなかったため、全1−オクテンコモノマー含有量を、孤立した(EEOEE)、孤立した二連続する(EEOOEE)、孤立した連続しない(EEOEOEE)及び孤立した三連続する(EEOOOEE)の1−オクテンコモノマー配列の量にのみ基づいて算出した。
Ototal=O+OO+OEO+OOO

0273

飽和末端基から生じる特徴的なシグナルを観察した。このような飽和末端基を、22.84ppm及び32.23ppmの2つの分解されたシグナルの平均積分値を使用して定量した。22.84ppm積分値は、それぞれ1−オクテンの2B6部位及び飽和鎖末端の2S部位の両方に対応する分解されないシグナルに帰属される。32.23ppm積分値は、それぞれ1−オクテンの3B6部位及び飽和鎖末端の3S部位の両方に対応する分解されないシグナルに帰属される。2B6及び3B6の1−オクテン部位の影響を補正するために、全1−オクテン含有量を使用する。
S=(1/2)×(I2S+2B6+I3S+3B6−2×Ototal)

0274

エチレンコモノマー含有量を、30.00ppmのバルクメチレン(バルク)シグナルの積分値を使用して定量した。この積分値は、1−オクテン由来のγ部位及び4B6部位並びにδ+部位を含んでいた。全エチレンコモノマー含有量を、このバルク積分値に基づき、そして観察した1−オクテン配列及び末端基を補正して算出した。
Etotal=(1/2)×[Ibulk+2×O+1×OO+3×OEO+0×OOO+3×S]

0275

少なく考慮されたエチレン単位の数と過剰に考慮されたエチレン単位の数とが等しいため、孤立した三重組み込み(EEOOOEE)1−オクテン配列の存在に対するバルク積分値の補正は必要ではないことに留意されたい。

0276

次に、ポリマー中の1−オクテンの全モル分率は、下記のように算出した。
fO=(Ototal/(Etotal+Ototal)
モルパーセント単位での1−オクテンの全コモノマー組み込みは、標準的な方法でモル分率から算出した。
O[モル%]=100×fO
モルパーセントのエチレン組み込みを下式から算出した。
E[モル%]=100−O[モル%]

0277

ポリ(ポリエチレン−co−ブテン) − ブテン含有量
1−ブテンの組み込みに対応する特徴的なシグナルを観察し(J.Randall,Macromol.Sci.,Rev.Macromol.Chem.Phys. 1989,C29,201)、すべてのコモノマー含有量をポリマー中に存在するすべての他のモノマーに対して算出した。

0278

孤立した1−ブテン組み込み、すなわちEEBEEコモノマー配列から生じる特徴的なシグナルを観察した。孤立した1−ブテン組み込みを、*B2部位に帰属される39.9ppmのシグナルの積分値を使用し、コモノマーあたりの報告部位の数を考慮して定量した。
B=I*B2

0279

二連続する1−ブテン組み込み、すなわちEEBBEEコモノマー配列から生じる特徴的なシグナルを観察した。連続する二重の1−ブテン組み込みを、ααB2B2部位に帰属される39.4ppmのシグナルの積分値を使用し、コモノマーあたりの報告部位の数を考慮して定量した。
BB=2×IααB2B2

0280

連続しない1−ブテン組み込み、すなわちEEBEBEEコモノマー配列から生じる特徴的なシグナルも観察した。連続しない1−ブテン組み込みを、ββB2B2部位に帰属される24.7ppmのシグナルの積分値を使用し、コモノマーあたりの報告部位の数を考慮して定量した。
BEB=2×IββB2B2

0281

孤立した(EEBEE)及び連続せず組み込まれた(EEBEBEE)1−ブテンのそれぞれ*B2部位及び*βB2B2部位の重なりに起因して、孤立した1−ブテン組み込みの全量を、存在する連続しない1−ブテンの量に基づいて補正する。
B=I*B2−2×IββB2B2

0282

三連続する1−ブテン組み込み、すなわちEEBBBEEコモノマー配列から生じる特徴的なシグナルを観察した。連続する三重の1−ブテン組み込みを、ααγB2B2B2部位に帰属される40.4ppmのシグナルの積分値を使用し、コモノマーあたりの報告部位の数を考慮して定量した。
BBB=3×IααγB2B2B2
他のコモノマー配列、すなわちブテン鎖開始、を示す他のシグナルが観察されなかったため、全1−ブテンコモノマー含有量を、孤立した(EEBEE)、二連続する(EEBBEE)、連続しない(EEBEBEE)及び三連続する(EEBBBEE)1−ブテンコモノマー配列の量にのみ基づいて算出した。
Btotal=B+BB+BEB+BBB

0283

飽和末端基から生じる特徴的なシグナルを観察した。このような飽和末端基の含有量を、それぞれ2s部位及び3s部位に帰属される22.84ppm及び32.23ppmのシグナルの積分値の平均を使用して定量した。
S=(1/2)×(I2S+I3S)

0284

エチレンの相対含有量を、30.00ppmのバルクメチレン(δ+)シグナルの積分値を使用して定量した。
E=(1/2)×Iδ+

0285

全エチレンコモノマー含有量を、上記バルクメチレンシグナルに基づき、そして他の観察したコモノマー配列又は末端基中に存在するエチレン単位を考慮して算出した。
Etotal=E+(5/2)×B+(7/2)×BB+(9/2)×BEB+(9/2)×BBB+(3/2)×S

0286

次に、ポリマー中の1−ブテンの全モル分率は、下記のように算出した。
fB=(Btotal/(Etotal+Btotal)

0287

モルパーセント単位での1−ブテンの全コモノマー組み込みは、通常の方法でモル分率から算出した。
B[モル%]=100×fB
モルパーセントのポリエチレン組み込みを下式から算出した。
E[モル%]=100−B[モル%]

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