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課題・解決手段

本発明は、がん処置のための、ある特定の二重特異性VEGFおよびAng2結合分子のPD1アンタゴニストとの組み合わせ使用に関する。本発明は、このような結合分子およびアンタゴニストを含む、医薬組成物およびキットにさらに関する。

概要

背景

血管新生は、栄養の血液供給、ならびに固形腫瘍の増殖および生存のための必要条件を提供する新たな血管の発生である。血管新生経路に関わる重要な分子を標的とする、がん治療におけるアプローチが行われている。血管内皮増殖因子VEGF)が最も強力な血管新生増殖因子であると考えられているので、これらは、VEGFのシグナル伝達経路阻害の様式を含む。
肺がんは、2012年には世界中でほぼ160万人が死亡し、または全体としてがんの死亡率のおよそ20%という、がん関連死亡率の主要な原因である(Molina et al., Mayo Clin Proc. 2008;83(5):584-594; Chan et al., Transl Lung Cancer Res. 2014;4(1):36-54)。最も一般的な種類の肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)であり、これは、すべての肺がんのおよそ85%を占める(Chen et al. Nat Rev Cancer 2014;14:535-546; Nawaz et al. Nat Rev Drug Discov. 2016;15:229-230)。NSCLCは、今日では、多様な病態生理学的特徴を有する疾患、これらの中でも、最も突出したサブタイプとして、肺腺癌扁平上皮癌(SCC)および大細胞癌の異種のセットを含むものとして理解されている。

近年、化学療法および放射線治療に加えて、診断の時点で局所進行性または転移性疾患を有する患者のための多様な新しい処置選択肢が、がん、とりわけ、NSCLCのために開発されている。これらの新しい処置方法は、例えば、低分子阻害剤または受容体モノクローナル抗体(mAb)を含む標的治療であり、上皮性増殖因子受容体(EGFR)などの受容体チロシンキナーゼ(TK)における変化を含む、主な細胞シグナル伝達および制御経路の変化、ならびに肺がんにおいて頻繁な血管新生経路における変化に基づく。最近の研究の多くは、EGFRの変異、ならびにEGFRチロシンキナーゼ阻害剤およびクリゾチニブによって阻害される未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の異常な融合に焦点を合わせている。VEGFを標的とするモノクローナル抗体であるベバシズマブ投与と化学療法を組み合わせることにより、結腸直腸がん(Hurwitz et al. New Eng J Med 2004;350:2335-2342)または進行性の非扁平上皮NSCLC(Sandler et al. J Clin Oncol 2005 23(16s pt 1):2s)を有する患者の間で生存の顕著な改善をもたらすことがさらに示されている。VEGF経路、例えば、アンジオポエチン2(Ang2)に直接関与する成分を遮断する治療に加えて、VEGFなどの他の血管新生因子の機能を有効にすることによって血管リモデリングを制御するTie2受容体チロシンキナーゼのリガンドは、がん治療における別の魅力的な標的である。
国際公開第2010/040508号およびKienast et al.(Clin Cancer Res; 19(24), 2013)は、二重特異性抗VEGF−Ang−2抗体であるバヌシズマブ、およびがんの処置におけるその使用を開示している。

欧州特許第2694546号および国際公開第2012/131078号は、VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインおよびAng2結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、ならびにさらにがんおよび他の疾患の処置において使用される血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含む、二重特異性結合分子に関する。
国際公開第2016/170039号は、アンジオポエチン2に特異的に結合する抗体と、プログラム死ポリペプチド(PD−1)に特異的に結合する抗体との組み合わせ治療に関する。
国際公開第2016/170040号は、アンジオポエチン2に特異的に結合する抗体およびVEGFに特異的に結合する抗体と、プログラム死リガンド1(PD−L1)に特異的に結合する抗体との組み合わせ治療に関する。

概要

本発明は、がんの処置のための、ある特定の二重特異性のVEGFおよびAng2結合分子のPD1アンタゴニストとの組み合わせ使用に関する。本発明は、このような結合分子およびアンタゴニストを含む、医薬組成物およびキットにさらに関する。

目的

血管新生は、栄養の血液供給、ならびに固形腫瘍の増殖および生存のための必要条件を提供する

効果

実績

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請求項1

腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患を処置または予防する方法であって、それを必要とする患者に、a)治療有効量の化合物A、およびb)治療有効量の化合物Bを投与することを含み、ここで、化合物Aが、VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメイン血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、およびAng2結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含む二重特異性結合分子であり、前記VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列CDR1:SYSMG(配列番号1)、CDR2:AISKGGYKYDAVSLEG(配列番号2)、CDR3:SRAYGSSRLRLADTYEY(配列番号3)を有し、前記血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:CDR1:SFGMS(配列番号4)、CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(配列番号5)、CDR3:GGSLSR(配列番号6)を有し、前記Ang2結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:CDR1:DYAIG(配列番号7)、CDR2:AIRSSGGSTYYADSVKG(配列番号8)、CDR3:VPAGRLRYGEQWYPIYEYDA(配列番号9)を有し、化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、前記方法。

請求項2

腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患が、がんまたは腫瘍疾患である、請求項1に記載の方法。

請求項3

腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患が、非小細胞肺がん(NSCLC)である、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記化合物Aの免疫グロブリン単一可変ドメインが、VHHドメインである、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

化合物Aが、配列番号:11、配列番号:12または配列番号:13に記載のアミノ酸配列を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

PD−1アンタゴニストが、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体である、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

抗PD−1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、PD1−1、PD1−2、PD1−3、PD1−4およびPD1−5からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。

請求項8

抗PD−L1抗体が、アテゾリズマブ、アベルマブおよびデュバルマブからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。

請求項9

化合物Aが、化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患、とりわけ好ましくは、NSCLCを処置または予防する方法における使用のための、請求項1、4または5のいずれか1項に定義される化合物Aであって、前記方法が、それを必要とする患者に、化合物Aを化合物Bと組み合わせて投与することを含み、化合物Bが、請求項1および6から8のいずれか1項に定義される、化合物A。

請求項11

化合物Aが、化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、請求項10に記載の使用のための化合物A。

請求項12

腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、特に、がんまたは腫瘍疾患、とりわけ、NSCLCを処置または予防する方法における使用のための、請求項1および6から8のいずれか1項に定義される化合物Bであって、前記方法が、それを必要とする患者に、化合物Bを化合物Aと組み合わせて投与することを含み、化合物Aが、請求項1、4または5のいずれか1項に定義される、化合物B。

請求項13

化合物Bが、化合物Aと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、請求項12に記載の使用のための化合物B。

請求項14

腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患、より好ましくは、NSCLCを処置または予防するための医薬組成物を調製するための、請求項1、4または5のいずれか1項に定義される化合物Aの使用であって、化合物Aが、化合物Bと組み合わせて使用され、化合物Bが、請求項1および6から8のいずれか1項に定義される、使用。

請求項15

化合物Aが、化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、請求項14に記載の化合物Aの使用。

請求項16

腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患、より好ましくは、NSCLCを処置または予防するための医薬組成物を調製するための、請求項1および6から8のいずれか1項に定義される化合物Bの使用であって、化合物Bが、化合物Aと組み合わせて使用され、化合物Aが、請求項1、4または5のいずれか1項に定義される、使用。

請求項17

化合物Bが、化合物Aと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、請求項16に記載の化合物Bの使用。

請求項18

a)化合物A、およびb)化合物Bを含む医薬組成物であって、ここで、化合物Aが、VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、およびAng2結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含む二重特異性結合分子であり、前記VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:CDR1:SYSMG(配列番号1)、CDR2:AISKGGYKYDAVSLEG(配列番号2)、CDR3:SRAYGSSRLRLADTYEY(配列番号3)を有し、前記血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:CDR1:SFGMS(配列番号4)、CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(配列番号5)、CDR3:GGSLSR(配列番号6)を有し、前記Ang2結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:CDR1:DYAIG(配列番号7)、CDR2:AIRSSGGSTYYADSVKG(配列番号8)、CDR3:VPAGRLRYGEQWYPIYEYDA(配列番号9)を有し、化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、前記医薬組成物。

請求項19

前記化合物Aの免疫グロブリン単一可変ドメインが、VHHドメインである、請求項18に記載の医薬組成物。

請求項20

化合物Aが、配列番号:11、配列番号:12または配列番号:13に記載のアミノ酸配列を有する、請求項18または19に記載の医薬組成物。

請求項21

PD−1アンタゴニストが、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体である、請求項18から20のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項22

抗PD−1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、PD1−1、PD1−2、PD1−3、PD1−4およびPD1−5からなる群から選択される、請求項21に記載の医薬組成物。

請求項23

抗PD−L1抗体が、アテゾリズマブ、アベルマブおよびデュルバルマブからなる群から選択される、請求項22に記載の医薬組成物。

請求項24

1つまたは複数の薬学的に許容される、担体賦形剤および/またはビヒクルをさらに含む、請求項18から23のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項25

腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患、より好ましくは、NSCLCを処置および予防する方法における使用のための、請求項18から24のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項26

a)化合物Aを含む第1の医薬組成物、およびb)化合物Bを含む第2の医薬組成物を含むキットであって、ここで、化合物Aが、VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、およびAng2結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含む二重特異性結合分子であり、前記VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:CDR1:SYSMG(配列番号1)、CDR2:AISKGGYKYDAVSLEG(配列番号2)、CDR3:SRAYGSSRLRLADTYEY(配列番号3)を有し、前記血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:CDR1:SFGMS(配列番号4)、CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(配列番号5)、CDR3:GGSLSR(配列番号6)を有し、前記Ang2結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:CDR1:DYAIG(配列番号7)、CDR2:AIRSSGGSTYYADSVKG(配列番号8)、CDR3:VPAGRLRYGEQWYPIYEYDA(配列番号9)を有し、化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、前記キット。

請求項27

前記化合物Aの免疫グロブリン単一可変ドメインが、VHHドメインである、請求項26に記載のキット。

請求項28

化合物Aが、配列番号:11、配列番号:12または配列番号:13に記載のアミノ酸配列を有する、請求項26または27に記載のキット。

請求項29

PD−1アンタゴニストが、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体である、請求項26から28のいずれか1項に記載のキット。

請求項30

抗PD−1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、PD1−1、PD1−2、PD1−3、PD1−4およびPD1−5からなる群から選択される、請求項29に記載のキット。

請求項31

抗PD−L1抗体が、アテゾリズマブ、アベルマブおよびデュルバルマブからなる群から選択される、請求項29に記載のキット。

請求項32

それを必要とする患者における、腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患、とりわけ好ましくは、NSCLCの処置または予防における、同時の、同時的な、順次の、連続的な、交互の、または別々の、患者への投与のための、可読の説明書を含む添付文書をさらに含む、請求項26から31のいずれか1項に記載のキット。

技術分野

0001

本発明は、がん処置における組み合わせ治療、およびこのような組み合わせ治療における使用のための化合物に関する。組み合わせのための化合物は、抗体誘導体のような二重特異性結合分子、およびPD−1アンタゴニストである。

背景技術

0002

血管新生は、栄養の血液供給、ならびに固形腫瘍の増殖および生存のための必要条件を提供する新たな血管の発生である。血管新生経路に関わる重要な分子を標的とする、がん治療におけるアプローチが行われている。血管内皮増殖因子VEGF)が最も強力な血管新生増殖因子であると考えられているので、これらは、VEGFのシグナル伝達経路阻害の様式を含む。
肺がんは、2012年には世界中でほぼ160万人が死亡し、または全体としてがんの死亡率のおよそ20%という、がん関連死亡率の主要な原因である(Molina et al., Mayo Clin Proc. 2008;83(5):584-594; Chan et al., Transl Lung Cancer Res. 2014;4(1):36-54)。最も一般的な種類の肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)であり、これは、すべての肺がんのおよそ85%を占める(Chen et al. Nat Rev Cancer 2014;14:535-546; Nawaz et al. Nat Rev Drug Discov. 2016;15:229-230)。NSCLCは、今日では、多様な病態生理学的特徴を有する疾患、これらの中でも、最も突出したサブタイプとして、肺腺癌扁平上皮癌(SCC)および大細胞癌の異種のセットを含むものとして理解されている。

0003

近年、化学療法および放射線治療に加えて、診断の時点で局所進行性または転移性疾患を有する患者のための多様な新しい処置の選択肢が、がん、とりわけ、NSCLCのために開発されている。これらの新しい処置方法は、例えば、低分子阻害剤または受容体モノクローナル抗体(mAb)を含む標的治療であり、上皮性増殖因子受容体(EGFR)などの受容体チロシンキナーゼ(TK)における変化を含む、主な細胞シグナル伝達および制御経路の変化、ならびに肺がんにおいて頻繁な血管新生経路における変化に基づく。最近の研究の多くは、EGFRの変異、ならびにEGFRチロシンキナーゼ阻害剤およびクリゾチニブによって阻害される未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の異常な融合に焦点を合わせている。VEGFを標的とするモノクローナル抗体であるベバシズマブ投与と化学療法を組み合わせることにより、結腸直腸がん(Hurwitz et al. New Eng J Med 2004;350:2335-2342)または進行性の非扁平上皮NSCLC(Sandler et al. J Clin Oncol 2005 23(16s pt 1):2s)を有する患者の間で生存の顕著な改善をもたらすことがさらに示されている。VEGF経路、例えば、アンジオポエチン2(Ang2)に直接関与する成分を遮断する治療に加えて、VEGFなどの他の血管新生因子の機能を有効にすることによって血管リモデリングを制御するTie2受容体チロシンキナーゼのリガンドは、がん治療における別の魅力的な標的である。
国際公開第2010/040508号およびKienast et al.(Clin Cancer Res; 19(24), 2013)は、二重特異性抗VEGF−Ang−2抗体であるバヌシズマブ、およびがんの処置におけるその使用を開示している。

0004

欧州特許第2694546号および国際公開第2012/131078号は、VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインおよびAng2結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、ならびにさらにがんおよび他の疾患の処置において使用される血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含む、二重特異性結合分子に関する。
国際公開第2016/170039号は、アンジオポエチン2に特異的に結合する抗体と、プログラム死ポリペプチド(PD−1)に特異的に結合する抗体との組み合わせ治療に関する。
国際公開第2016/170040号は、アンジオポエチン2に特異的に結合する抗体およびVEGFに特異的に結合する抗体と、プログラム死リガンド1(PD−L1)に特異的に結合する抗体との組み合わせ治療に関する。

発明が解決しようとする課題

0005

すべてのアプローチにもかかわらず、依然として、がん患者のための改善された処置の選択肢についての必要性が存在する。したがって、本発明の目的は、改善された治療有効性および適用性のためのがん治療における医薬組成物および方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、二重特異性抗VEGF/抗Ang2抗体と、T細胞受容体シグナルを負に調節する免疫阻害性タンパク質であるプログラム死1(PD−1)に対するアンタゴニストとを一緒に、患者に処置するための方法を提供する。この処置は、腫瘍の増殖の顕著な低減、またはさらに腫瘍の縮小をもたらす(図1)。したがって、本発明は、二重特異性抗VEGF/抗Ang−2抗体およびPD−1アンタゴニストを含む組み合わせ治療を提供する。

0007

詳細な態様において、本発明は、腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、特に、がんまたは腫瘍疾患を処置および/または予防する方法であって、それを必要とする患者に、
a)治療有効量の化合物A、および
b)治療有効量の化合物B
を投与することを含み、
ここで、
・化合物Aが、
〇VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、
〇血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、および
〇Ang2結合免疫グロブリン単一可変ドメイン
を含む二重特異性結合分子であり、
〇前記VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列
CDR1:SYSMG(配列番号1)
・CDR2:AISKGGYKYDAVSLEG(配列番号2)
・CDR3:SRAYGSSRLRLADTYEY(配列番号3)
を有し、
〇前記血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:
・CDR1:SFGMS(配列番号4)
・CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(配列番号5)
・CDR3:GGSLSR(配列番号6)
を有し、
〇前記Ang2結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:
・CDR1:DYAIG(配列番号7)
・CDR2:AIRSSGGSTYYADSVKG(配列番号8)
・CDR3:VPAGRLRYGEQWYPIYEYDA(配列番号9)
を有し、
・化合物Bが、PD−1抗体アンタゴニストである、
方法に関する。

0008

関連する態様において、本発明は、腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患を処置および/または予防する方法におけるそれぞれの使用のための、化合物Aおよび化合物Bであって、前記方法が、化合物Aおよび化合物Bをそれを必要とする患者に投与することを含む、化合物Aおよび化合物Bを提供する。

0009

本発明は、腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患を処置および/または予防するための医薬組成物をそれぞれ調製するための、化合物Aおよび化合物Bの使用であって、化合物Aおよび化合物Bが、化合物Aおよび化合物Bの組み合わせ投与を意図するか、または化合物Aおよび化合物Bの組み合わせ投与を提供する、化合物Aおよび化合物Bの使用にさらに関する。

0010

別の態様において、本発明は、
a)化合物A、および
b)化合物B
を含む医薬組成物であって、
ここで、
・化合物Aが、
〇VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、
〇血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、および
〇Ang2結合免疫グロブリン単一可変ドメイン
を含む二重特異性結合分子であり、
〇前記VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:
・CDR1:SYSMG(配列番号1)
・CDR2:AISKGGYKYDAVSLEG(配列番号2)
・CDR3:SRAYGSSRLRLADTYEY(配列番号3)
を有し、
〇前記血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:
・CDR1:SFGMS(配列番号4)
・CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(配列番号5)
・CDR3:GGSLSR(配列番号6)
を有し、
〇前記Ang2結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:
・CDR1:DYAIG(配列番号7)
・CDR2:AIRSSGGSTYYADSVKG(配列番号8)
・CDR3:VPAGRLRYGEQWYPIYEYDA(配列番号9)
を有し、
・化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、
医薬組成物を開示する。

0011

さらなる態様において、本発明は、
a)化合物Aを含む第1の医薬組成物、および
b)化合物Bを含む第2の医薬組成物
を含むキットであって、化合物Aおよび化合物Bが上記に定義される通りである、キットに関する。

図面の簡単な説明

0012

二重特異性結合分子のVEGFANGBII22(化合物A)(用量:15mg/kg;スケジュール:3〜4日ごと)(A−B)、および国際公開第2010/040508号またはKienast et al.(2013、上記)に定義された抗VEGF/抗Ang−2抗体のクロスマブ(バヌシズマブ)(用量:15mg/kg;スケジュール:3〜4日ごと)(C−D)を、それぞれ、ラットIgG2a抗マウスPD−1抗体EX101359(クローンRMP1−14)(用量:10mg/kg;スケジュール:3〜4日ごと)と組み合わせて、9試験個体(白三角、下側の線)を処置した際の腫瘍増殖阻害を、9未処置個体(黒丸、上側の線)と比較して示すグラフである。処置された個体には、マウスモデルにおける抗VEGF活性模倣する、低分子チロシンキナーゼ阻害剤バタラニブ(EXBF003)(用量:100mg/kg;スケジュール:1日1回)をさらに投与した。処置は、マウス個体あたり5×104LL/2皮下腫瘍細胞の注射5日後に開始した。実験の35日目までの、腫瘍体積(A、C)をmm3で、対応する無作為化された相対腫瘍体積(B、D)をそれぞれ示す。
対照アイソタイプ抗体の抗PD−1抗体(用量:10mg/kg;スケジュール:3〜4日ごと)、VEGFANGBII22(用量:15mg/kg;スケジュール:3〜4日ごと)、バタラニブ(用量:100mg/kg;スケジュール:1日1回)、バタラニブ+抗PD1抗体、バタラニブ+抗PD1抗体+VEGFANGBII22、または抗PD1抗体+VEGFANGBII22で処置されたマウスの平均生存を示すグラフである。それぞれの処置群は、10個体の腫瘍を有する無作為化されたマウスで構成した。処置は、マウス個体あたり5×104LL/2皮下腫瘍細胞の注射3日後に開始した。

0013

本発明は、
・化合物Aが、
〇VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、
〇血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメイン、および
〇Ang2結合免疫グロブリン単一可変ドメイン
を含む二重特異性結合分子であり、
〇前記VEGF結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:
・CDR1:SYSMG(配列番号1)
・CDR2:AISKGGYKYDAVSLEG(配列番号2)
・CDR3:SRAYGSSRLRLADTYEY(配列番号3)
を有し、
〇前記血清アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:
・CDR1:SFGMS(配列番号4)
・CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(配列番号5)
・CDR3:GGSLSR(配列番号6)
を有し、
〇前記Ang2結合免疫グロブリン単一可変ドメインが、以下のCDR配列:
・CDR1:DYAIG(配列番号7)
・CDR2:AIRSSGGSTYYADSVKG(配列番号8)
・CDR3:VPAGRLRYGEQWYPIYEYDA(配列番号9)
を有し、
・化合物Bが、PD−1アンタゴニストである、
化合物Aおよび化合物Bの組み合わせ治療または組み合わせ提供にすべて言及する、方法、使用のための化合物、化合物の使用、医薬組成物およびキットに関する。

0014

本発明者らは、驚くべきことに、化合物Aおよび化合物Bの組み合わせが、化合物Aのみ、または化合物Bのみによる治療と比較して、腫瘍増殖の顕著な低減、またはさらに縮小をもたらすことを見出した。化合物Aおよび化合物Bは、相乗的に一緒に作用し、がんの低減をもたらすことができる。

0015

本発明による化合物Aは、二重特異性抗VEGF/抗Ang−2結合分子である。抗血管新生治療は、いくつかの種類の腫瘍のための重要な処置の選択肢になっている。これらの治療は、VEGFまたはその受容体を中和することによって、VEGF経路(Ferrara et al., Nat Rev Drug Discov. 2004;3(5):391-400)を遮断することに焦点を合わせている。マウスにおける最近の研究は、Tie2受容体のリガンドであるアンジオポエチン2(Ang2)が、VEGFなどの他の血管新生因子の機能を有効にすることによって血管リモデリングを制御することを示している。Ang2は、内皮細胞によって主に発現され、低酸素症および他の血管新生因子によって強力に誘発され、腫瘍血管の柔軟性を調節して、血管をVEGFおよびFGF2に応答させることが実証されている(Augustin et al., Nat Rev Mol Cell Biol. 2009;10(3):165-77)。この役割と一致して、Ang2の欠損または阻害は、血管新生の低減をもたらす(Gale et al., Dev Cell. 2002;3(3):302-4)、(Falcon et al., Am J Pathol. 2009;175(5):2159-70)。Ang2の血清濃度の上昇は、結腸直腸癌、NSCLCおよびメラノーマを有する患者について報告されている(Goede et al., Br J Cancer. 2010 Oct 26;103(9):1407-14)、(Park et al., Chest. 2007;132(1): 200-6)、(Helfrich et al., Clin Cancer Res. 2009 15;15(4):1384-92)。CRCがんにおいて、Ang2の血清レベルは、抗VEGF治療に対する治療応答相関している。

0016

Ang2は、Tie2受容体チロシンキナーゼのための分泌された66kDaのリガンドである(Augustin et al., Nat Rev Mol Cell Biol. 2009;10(3):165-77)。Ang2は、N末端コイルドコイルドメインおよびC末端フィブリノゲン様ドメインからなり、後者は、Tie2の相互作用のために必要である。Ang2は、内皮細胞によって主に発現され、低酸素症、およびVEGFを含む他の血管新生因子によって強力に誘発される。Tie2は、内皮細胞、造血幹細胞および腫瘍細胞上に見出される。Ang2−Tie2は、腫瘍血管の柔軟性を調節して、血管をVEGFおよびFGF2に応答させることが実証されている。

0017

Ang−Tie系は、2つの受容体(Tie1およびTie2)、および3つのリガンド(Ang1、Ang2およびAng4)からなる(Augustin et al., Nat Rev Mol Cell Biol. 2009;10(3):165-77)。Tie2、Ang1およびAng2は、このファミリーの最もよく研究されたメンバーであり、Tie1は、オーファン受容体であり、血管リモデリングのためのAng4の役割は、依然として定義される必要がある。Ang2およびAng1は、Tie2の結合および活性化の際に、反対の機能を媒介する。Ang2によって媒介されるTie2の活性化は、内皮細胞の活性化、周皮細胞解離、血管の漏出および血管の発誘導をもたらす。Ang2とは対照的に、Ang1のシグナル伝達は、周皮細胞の動員によって血管の完全性を維持し、それによって、内皮細胞の静止状態を維持する。
本発明に従って使用することができる二重特異性抗VEGF/抗Ang−2結合分子は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2012/131078号に開示されている。

0018

本発明による化合物Bは、PD−1それ自体またはそのリガンドの1つであるPD−L1もしくはPD−L2などのタンパク質プログラム死1(PD−1)ファミリーのメンバーに対するアンタゴニストである。PD−1は、TCRシグナルを負に調節する免疫阻害性タンパク質として知られている(Ishida, Y. et al. (1992)EMBO J. 11:3887-3895; Blank, C. et al. (2006) Immunol. Immunother. 56(6):739-745)。PD−1およびPD−L1の間の相互作用は、免疫チェックポイントとしての機能を果たし得、これは、例えば、腫瘍浸潤リンパ球の減少、T細胞受容体が媒介する増殖の減少、および/またはがん細胞による免疫回避をもたらし得る(Dong et al. (2003) J. Mol. Med. 81:281-7; Blank et al. (2005) Cancer Immunol. Immunother. 54:307-314; Konishi et al. (2004) Clin. Cancer Res. 10:5094-100)。免疫抑制は、PD−1とPD−L1またはPD−L2の局所の相互作用を阻害することによって反転させることができ、この効果は、PD−1とPD−L2の相互作用が同様に遮断される場合に、相加的である(Iwai et al. (2002) Proc. Nat'l. Acad. Sci USA 99:12293-7; Brown et al. (2003) J. Immunol. 170:1257-66)。

0019

PD−1は、T細胞制御因子拡張CD28/CTLA−4ファミリーの阻害性メンバーである。CD28ファミリーの他のメンバーとしては、CD28、CTLA−4、ICOSおよびBTLAが挙げられる。PD−1は、単量体として存在することが示唆されており、他のCD28ファミリーのメンバーの不対システイン残基の特徴が欠如している。PD−1は、活性化したB細胞、T細胞および単球上で発現される(Okazaki et al. (2002) Curr Opin Immunol 14:391779-82; Bennett et al. (2003) J. Immunol. 170:711-8)。PD−L1(B7−H1)およびPD−L2(B7−DC)のPD−1のための2つのリガンドが特定されており、これは、PD−1に結合する際に、T細胞の活性化を下方制御することが示されている(Freeman et al. (2000) J. Exp. Med. 192:1027-34; Carter et al. (2002) Eur. J. Immunol. 32:634-43)。PD−L1およびPD−L2は両方とも、PD−1と結合するB7ホモログである。PD−L1は、さまざまなヒトのがんにおいて豊富である(Dong et al. (2002) Nat. Med. 8:787-9)。
PD−1遺伝子は、Ig遺伝子スーパーファミリーの部分である、55kDaのI型膜貫通タンパク質をコードする(Agata et al. (1996) Int Immunol. 8:765-72)。完全PD−1配列は、GenBank受託番号U64863で見出すことができる。CTLA−4と構造的に類似するが、PD−1は、B7−1およびB7−2結合のために重要なMYPPYモチーフ(配列番号:10)を欠いている。

0020

上記の観点から、PD−1アンタゴニストとしてのモノクローナル抗体は、近年、治療における使用のため、より正確には、がんおよび感染性疾患を含む各種の疾患を処置するために開発されている(例えば、国際公開第2006/121168号;国際公開第2015/112900号)。このような抗体のいずれか1つを本発明に従って使用することができる。

0021

本発明者らは、驚くべきことに、上記/下記に定義される化合物Aおよび化合物Bの組み合わせで個体を処置すると、化合物Aのみ、または化合物Bのみによる処置と比較して、腫瘍体積の顕著に強い低減、またはさらに縮小をもたらすことを見出した。また、バヌシズマブおよび同じPD−1アンタゴニストによる個体の処置と比較した場合に、上記/下記に定義される化合物Aおよび化合物Bを含む組成物による処置は、腫瘍の縮小をさらに生じた(実施例1;図1)。化合物Aおよび化合物Bは両方とも、本発明による活性薬剤である。
本発明の意味の範囲内のPD−1アンタゴニストは、PD−1とその受容体またはリガンドの相互作用を阻害する化合物である。
好ましくは、PD−1アンタゴニストは、PD−1の阻害剤またはPD−L1の阻害剤である。PD−1アンタゴニストは、好ましくは、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体、より好ましくは、ヒト化もしくは完全ヒト抗PD−1抗体、またはヒト化もしくは完全ヒト抗PD−L1抗体であってもよい。これらの抗体のいずれか1つは、組換えヒト抗体であってもよい。

0022

本明細書において「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、各種の抗体構造包含し、限定されるものではないが、これらが所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、単鎖抗体シングルドメイン抗体、および断片化抗体抗体断片とも称する)、例えば、Fab、F(ab)2、F(ab’)2、Fab’、単鎖可変断片(scFv)または抗体の抗原結合ドメインが挙げられる。

0023

抗体は、抗体のFc部分(抗体の定常領域)によって通常媒介される、ADCCまたはCDCなどのエフェクター機能を有していてもよく、あるいは抗体は、例えば、FC部分が欠如することによって、または遮断され、マスクされたFc部分、本質的に、免疫細胞もしくは補体系のような免疫系成分によって認識されないか、または不十分に認識されるFc部分を有することによって、エフェクター機能を有していなくてもよい。
抗体またはその断片は、任意の種類、例えば、IgAIgDIgE、IgG、IgMのものであってもよい。好ましくは、IgGである。
本明細書において使用される「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」という用語は、単一のアミノ酸組成抗体分子調製物を指す。
組換え抗体」は、組換え操作された宿主細胞によって産生された抗体である。これは、単離または精製されていてもよい。
ヒト抗体」は、ヒト細胞によって産生された抗体、またはヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体をコードする配列を利用する非ヒト源に由来する抗体のものに対応するアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、具体的には、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除く。

0024

「組換えヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、NS0細胞もしくはCHO細胞などの宿主細胞から単離された抗体、またはヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体、あるいは宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体などの組換え手段によって、調製、発現、作製または単離されたすべてのヒト抗体を含むことを意図する。このような組換えヒト抗体は、再編成された形態中に可変領域および定常領域を有する。本発明による組換えヒト抗体は、インビボ体細胞高頻度突然変異に付されている。したがって、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系のVHおよびVL配列に由来し、関連しているが、インビボでヒト抗体の生殖細胞系レパートリー内に天然に存在し得ない配列である。

0025

「ヒト化」抗体とは、非ヒト超可変領域HVR)からのアミノ酸残基、およびヒトFRからのアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。ある特定の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、すべてまたは実質的にすべてのHVR(例えば、相補性決定領域(CDR))が非ヒト抗体のものに対応し、すべてまたは実質的に全体のフレームワーク領域(FR)がヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、ヒト抗体に由来する抗体の定常領域の少なくとも1部を含んでいてもよい。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、ヒト化を受けた抗体を指す。
ポリペプチド(免疫グロブリン、抗体、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン、または一般に抗原結合分子もしくはその断片など)の「結合する」は、ある特定のエピトープ、抗原またはタンパク質(またはこれらの少なくとも1つの部分、断片もしくはエピトープ)に「親和性を有すること」または「特異性を有すること」を意味する。

0026

一般に、「特異性」という用語は、特定の抗原結合分子または抗原結合タンパク質(本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインなど)の分子が結合することができる、異なる種類の抗原またはエピトープの数を指す。抗原結合分子の特異性は、その親和性および/またはアビディティーに基づいて決定することができる。抗原と抗原結合タンパク質の解離の平衡定数(KD)によって表される親和性は、エピトープおよび抗原結合タンパク質上の抗原結合部位の間の結合の強度の測定値であり、KD値が小さければ小さいほど、エピトープおよび抗原結合分子の間の結合強度は強くなる(あるいは、親和性は、親和性定数(KA)としても表すことができ、これは、1/KDである)。当業者に明らかであるように(例えば、本明細書のさらなる開示に基づいて)、親和性は、対象の特異的な抗原に応じて、それ自体公知の方法で決定することができる。アビディティーは、それを含有する抗原結合分子(免疫グロブリン、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはポリペプチドなど)および関連する抗原の間の結合強度の測定値である。アビディティーは、エピトープおよび抗原結合分子上のその抗原結合部位の間の親和性、ならびに抗原結合分子上に存在する関連する結合部位の数の両方に関係する。

0027

自然抗体は、例えば、単一特異性である。本明細書において使用される「単一特異性抗体」という用語は、それぞれが同じ抗原の同じエピトープに結合する、1つまたは複数の結合部位を有する抗体を意味する。「多重特異性抗体」は、2つ以上の異なるエピトープ(例えば、2つ、3つ、4つまたはそれよりも多くの異なるエピトープ)と結合する。エピトープは、同じまたは異なる抗原上にあり得る。多重特異性抗体の例は、2つの異なるエピトープと結合する「二重特異性抗体」である。抗体が、2つ以上の特異性を有する場合、認識されるエピトープは、単一の抗原または2つ以上の抗原に関連していてもよい。

0028

エピトープは、抗体または抗原結合部分によって結合される、抗原の領域である。「エピトープ」という用語は、抗体または抗原結合部分と特異的に結合する能力がある任意のポリペプチド決定基を含む。ある特定の実施形態において、エピトープ決定基は、アミノ酸グリカン側鎖、ホスホリルまたはスルホニルなどの分子の化学的活性表面基を含み、ある特定の実施形態において、特異的な三次元構造の特徴および/または特異的な電荷特徴を有し得る。立体構造エピトープまたは非立体構造エピトープは、変性溶媒存在中で、前者への結合は喪失し、後者への結合は喪失しないという点で区別される。本明細書で使用される場合、「結合する」および「特異的に結合する」という用語は、インビトロアッセイにおいて、好ましくは、精製された野生型抗原を用いるプラズモン共鳴アッセイ(BIAcore(登録商標)、GE−Healthcare Uppsala、スウェーデン)において、抗体または抗原結合部分が抗原のエピトープに結合することを指す。

0029

抗原に対する化合物Aまたは化合物Bのこれらの抗体を含む、本発明による結合分子(例えば、抗体)の結合の親和性は、Ka(抗体/抗原複合体からの抗体の会合についての速度定数)、kD(解離定数)およびKD(kD/ka)という用語によって定義される。1つの実施形態において、結合すること、または特異的に結合するものとは、10-8mol/l未満、1つの実施形態において、10-8M〜10-13mol/lの結合親和性(KD)を意味する。したがって、本発明による多重特異性抗体は、10-8mol/l未満の結合親和性(KD)、例えば、10-8〜10-13mol/lの結合親和性(KD)の特異性でそれぞれの抗原と特異的に結合する。1つの実施形態において、結合親和性(KD)は、10-9〜10-13mol/lである。

0030

本明細書において使用される「可変ドメイン」または「可変領域」またはFvの表現は、抗体の抗原への結合に直接関与する軽鎖および重鎖のそれぞれの対を意味する。軽鎖の可変ドメインは、「VL」と略され、重鎖の可変ドメインは、「VH」と略される。可変の軽鎖および重鎖のドメインは、同じ一般構造を有し、それぞれのドメインは、配列が、幅広く保存され、3つのHVR(またはCDR)によって連結されている4つのフレームワーク(FR)領域を含む。フレームワーク領域は、ベータシート高次構造の形をとり、CDRは、ベータ−シート構造を連結するループを形成し得る。それぞれの鎖中のCDRは、フレームワーク領域によってそれらの三次元構造中で保持され、他の鎖の抗原結合部位からのCDRと一緒に形成する。抗体の重鎖および軽鎖のCDR3領域は、本発明による抗体の結合特異性/親和性において特に重要な役割を果たし、したがって、本発明のさらなる目的を提供する。
本出願内で使用される「定常ドメイン」または「定常領域」という用語は、可変領域以外の抗体のドメインの合計を意味する。定常領域は、抗原の結合に直接関与しないが、各種のエフェクター機能を示す。

0031

本明細書に開示される抗体において使用される「定常ドメイン」は、好ましくは、ヒト起源であり、これは、サブクラスIgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4のヒト抗体の定常重鎖領域および/または定常軽鎖カッパ領域もしくはラムダ領域に由来する。このような定常ドメインおよび領域は、当技術分野技術水準において周知であり、例えば、Kabat et al.("Sequence of proteins of immunological interest", US Public Health Services, NIH Bethesda, MD, Publication No. 91)によって記載されている。

0032

抗体の「Fc部分」は、抗原への抗体の結合に直接関与しないが、各種のエフェクター機能を示す。「抗体のFc部分」は、当業者に周知の用語であり、抗体のパパイン切断に基づいて定義される。これらの重鎖の定常領域のアミノ酸配列に応じて、抗体または免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMのクラスに分けられ、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4、IgA1およびIgA2にさらに分けられ得る。重鎖定常領域によれば、異なる免疫グロブリンのクラスは、それぞれ、α、δ、ε、γおよびμと呼ばれる。抗体のFc部分は、補体活性化、C1q結合およびFc受容体結合に基づいて、ADCC(抗体依存性細胞媒介性傷害)およびCDC(補体依存性細胞傷害)に直接関与する。補体活性化(CDC)は、ほとんどのIgG抗体サブクラスのFc部分への補体因子C1qの結合によって惹起される。補体系における抗体の影響は、ある特定の条件に依存するが、C1qへの結合は、定義されたFc部分中の結合部位によって引き起こされる。このような結合部位は、当技術分野の技術水準において公知であり、例えば、Boackle, R.J., et al, Nature 282 (1979) 742-743;Lukas, T.J., et al, J. Immunol. 127 (1981) 2555-2560;Brunhouse, R., and Cebra, J.J., Mol. Immunol. 16 (1979) 907-917;Burton, D.R., et al, Nature 288 (1980) 338-344;Thommesen, J.E., et al, Mol. Immunol. 37 (2000) 995-1004;Idusogie, E.E., et al, J. Immunol.164 (2000) 4178-4184;Hezareh, M., et al, J. Virology 75 (2001) 12161-12168;Morgan, A., et al, Immunology 86 (1995) 319-324;欧州特許出願第0307434号によって記載されている。このような結合部位は、例えば、L234、L235、D270、N297、E318、K320、K322、P331およびP329(Kabat, E.A.のEUインデックスに従って番号付け;下記を参照のこと)である。サブクラスIgG1、IgG2およびIgG3の抗体は、通常、補体活性化ならびにC1qおよびC3結合を示すのに対して、IgG4は、補体系を活性化せず、C1qおよびC3と結合しない。

0033

化合物Aに関して、「二重特異性結合分子」という用語は、少なくとも1つのAng2結合分子(「Ang2結合成分」)および少なくとも1つのVEFG結合分子(「VEFG結合成分」)を含む分子を指す。二重特異性結合分子は、2つ以上のAng2結合分子および/または2つ以上のVEFG結合分子、すなわち、Ang2またはVEFGと結合する分子の部分において、すなわち、それぞれ、その「Ang2結合成分」(または抗Ang2成分)または「VEFG結合成分」(または抗VEGF成分)において、二重特異性結合分子がバイパラトピック(下記に定義する)Ang2結合分子および/またはバイパラトピックVEFG結合分子を含有する場合において、を含有していてもよい。しかしながら、この文脈における「二重特異性」という語は、二重特異性結合分子からのVEGFおよびAng2以外の分子に結合特異性を有するさらなる結合成分を除外するものとされるべきでない。このようなさらなる結合成分の非限定的な例は、血清アルブミンと結合する結合成分である。

0034

他に指示がない限り、「VEGF結合分子」または「Ang2結合分子」という用語は、本明細書において定義される、抗VEGF抗体もしくは抗Ang2抗体、抗VEGF抗体もしくは抗Ang2抗体の断片、「抗VEGF抗体様分子」もしくは「抗Ang2抗体様分子」、およびこれらのいずれかとのコンジュゲートを含む。抗体としては、限定されるものではないが、モノクローナル抗体およびキメラ化モノクローナル抗体が挙げられる。「抗体」という用語は、宿主細胞における組換え体の発現によって産生されるモノクローナル抗体のような完全な免疫グロブリン、ならびに抗体断片、または例えば、国際公開第2002/056910号に記載されているような、単鎖抗体および直鎖抗体、いわゆる「SMIP」(「小モジュラー免疫医薬」)を含む「抗体様分子」を包含し;抗体様分子としては、本明細書において定義される免疫グロブリン単一可変ドメインが挙げられる。抗体様分子の他の例は、免疫グロブリンスーパーファミリー抗体(IgSF)またはCDR移植分子である。

0035

「Ang2結合分子」または「VEGF結合分子」は、それぞれ、両方の一価標的結合分子(すなわち、それぞれの標的の1つのエピトープと結合する分子)、および二価または多価結合分子(すなわち、2つ以上のエピトープと結合する結合分子、例えば、本明細書の下記に定義される「バイパラトピック」分子)を指す。2つ以上のAng2(またはVEGF)結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含有するAng2(またはVEGF)結合分子は、「フォーマット化」結合分子とも称され、これらは、標的結合成分内に、免疫グロブリン単一可変ドメインに加えて、リンカーおよび/またはエフェクター機能を有する部分、例えば、アルブミン結合免疫グロブリン単一可変ドメインのような半減期延長する部分、ならびに/または血清アルブミンのような融合パートナー、ならびに/またはPEGのような結合ポリマーを含んでいてもよい。
本明細書において使用される「バイパラトピックAng2(またはVEGF)結合分子」または「バイパラトピック免疫グロブリン単一可変ドメイン」という用語は、本明細書において定義される第1の免疫グロブリン単一可変ドメインおよび第2の免疫グロブリン単一可変ドメインを含む結合分子を意味するものとし、ここで、2つの分子は、それぞれの抗原の2つの非オーバーラップエピトープに結合する。バイパラトピック結合分子は、エピトープに関して異なる特異性を有する免疫グロブリン単一可変ドメインで構成される。

0036

フォーマット化結合分子はまた、たとえ好ましさが劣るとしても、2つの同一の免疫グロブリン単一可変ドメイン、あるいは同じエピトープもしくはオーバーラップエピトープまたはそれらのそれぞれの抗原を認識する2つの異なる免疫グロブリン単一可変ドメインも含んでいてもよい。この場合において、VEGFに関して、2つの免疫グロブリン単一可変ドメインは、VEGF二量体を形成する2つの単量体のそれぞれにおいて、同じエピトープまたはオーバーラップエピトープに結合し得る。
本発明の二重特異性結合分子およびこれを含む組成物の有効性は、対象の特定の疾患または障害に応じて、それ自体公知の任意の適切なインビトロアッセイ、細胞系アッセイ、インビボアッセイおよび/もしくは動物モデル、またはこれらの任意の組み合わせを使用して試験することができる。適切なアッセイおよび動物モデルは、当業者には明らかであり、例えば、欧州特許第2694546号に記載されているアッセイが挙げられる。

0037

他に指示がない限り、「免疫グロブリン」および「免疫グロブリン配列」という用語は、重鎖抗体または従来型の4鎖抗体を指すために本明細書において使用されようとも、フルサイズ抗体、その個々の鎖だけでなく、全ての部分、ドメインまたは断片(限定されるものではないが、それぞれ、抗原結合ドメイン、またはVHHドメインもしくはVH/VLドメインなどの断片を含む)の両方を含む一般的な用語として使用される。加えて、本明細書において使用される「配列」という用語(例えば、「免疫グロブリン配列」、「抗体配列」、「(単一)可変ドメイン配列」、「VHH配列」または「タンパク質配列」のような用語において)は、文脈がより限定的な解釈を必要としない限り、一般に、関連するアミノ酸配列、ならびにこれをコードする核酸配列またはヌクレオチド配列の両方を含むと理解されるべきである。
本明細書において使用される(ポリペプチドまたはタンパク質の)「ドメイン」という用語は、その三次元構造を、タンパク質の残部と独立して維持する能力を有する、折り畳まれたタンパク質構造を指す。一般に、ドメインは、タンパク質の個別の機能的特性の原因であり、多くの場合において、タンパク質および/またはドメインの残りの機能を損なうことなく、他のタンパク質に、付加、除去または移転され得る。

0038

本明細書において使用される「免疫グロブリンドメイン」という用語は、抗体鎖(例えば、従来型の4鎖抗体または重鎖抗体の鎖など)の球形の領域、または本質的にそのような球形の領域からなるポリペプチドを指す。免疫グロブリンドメインは、それらが、抗体分子に特徴的な免疫グロブリンの折り畳みを維持するという特徴を有し、これは、2つのベータシート中に配置され、保存されたジスルフィド結合によって安定化されていてもよい、約7個の逆平行ベータ鎖の2層のサンドイッチからなる。免疫グロブリンドメインは、可変ドメイン、すなわち、1つまたは複数の免疫グロブリン可変ドメインを含む。

0039

本明細書において使用される「免疫グロブリン可変ドメイン」という用語は、当技術分野および本明細書の下記で、それぞれ、「フレームワーク領域1」もしくは「FR1」、「フレームワーク領域2」もしくは「FR2」、「フレームワーク領域3」もしくは「FR3」および「フレームワーク領域4」もしくは「FR4」と称される、本質的に4つの「フレームワーク領域」からなる免疫グロブリンドメインを意味し、このフレームワーク領域は、3つの「相補性決定領域」または「CDR」によって中断され、これは、当技術分野および本明細書の下記で、それぞれ、「相補性決定領域1」もしくは「CDR1」、「相補性決定領域2」もしくは「CDR2」および「相補性決定領域3」もしくは「CDR3」と称される。したがって、免疫グロブリン可変ドメインの一般構造または配列は、以下の通り示すことができる:FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4。これは、抗原結合部位を有することによって抗原に対する特異性を抗体に付与する免疫グロブリン可変ドメインである。本発明の分子としては、VHHのような免疫グロブリン単一可変ドメインが挙げられる。
本明細書において使用される「免疫グロブリン単一可変ドメイン」という用語は、追加の可変免疫グロブリンドメインと対形成することなく、抗原のエピトープと特異的に結合する能力がある免疫グロブリン可変ドメインを意味する。本発明の意味における免疫グロブリン単一可変ドメインの一例は、「ドメイン抗体」、例えば、免疫グロブリン単一可変ドメインVHおよびVL(VHドメインおよびVLドメイン)である。免疫グロブリン単一可変ドメインの別の例は、本明細書の以下に記載されるラクダ科動物由来の「VHHドメイン」(または単に「VHH」)である。

0040

上記定義の観点から、これらの場合において、抗原のそれぞれのエピトープとの結合が、通常、1つの(単一の)免疫グロブリンドメインによって生じないが、軽鎖および重鎖可変ドメインなどの一対の(会合している)免疫グロブリンドメインによって、すなわち、それぞれの抗原のエピトープと一緒に結合する免疫グロブリンドメインのVH−VL対によって生じるので、従来型の4鎖抗体(IgG、IgM、IgA、IgDまたはIgE分子など;当技術分野で公知である)の抗原結合ドメイン、あるいはFab断片、F(ab’)2断片、ジスルフィド連結FvもしくはscFv断片などのFv断片、またはこのような従来型の4鎖抗体に由来するダイアボディ(すべて、当技術分野で公知である)の抗原結合ドメインは、通常、免疫グロブリン単一可変ドメインとみなされない。

0041

VHH、VHHドメイン、VHH抗体断片およびVHH抗体としても公知の「VHHドメイン」は、当初は「重鎖抗体」(すなわち「軽鎖のない抗体」)の抗原結合免疫グロブリン(可変)ドメインとして記載されている;Hamers-Casterman C, Atarhouch T, Muyldermans S, Robinson G, Hamers C, Songa EB, Bendahman N, Hamers R.: "Naturally occurring antibodies devoid of light chains"; Nature 363, 446-448 (1993)。「VHHドメイン」という用語は、これらの可変ドメインを従来型の4鎖抗体に存在する重鎖可変ドメイン(本明細書において、「VHドメイン」または「VHドメイン」と称する)から、および従来型の4鎖抗体に存在する軽鎖可変ドメイン(本明細書において「VLドメイン」または「VLドメイン」と称する)から区別するために選択されている。VHHドメインは、追加の抗原結合ドメインなしで、エピトープと特異的に結合することができる(従来型の4鎖抗体中のVHまたはVLドメインとは逆に、この場合では、エピトープは、VHドメインと一緒にVLドメインによって認識される)。VHHドメインは、単一の免疫グロブリンドメインによって形成される、小さくて強い、効率的な抗原認識ユニットである。

0042

本発明の文脈において、VHHドメイン、VHH、VHHドメイン、VHH抗体断片、VHH抗体という用語は、互換可能に使用され、免疫グロブリン単一可変ドメイン(FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4の構造を有し、第2の免疫グロブリン可変ドメインの存在を必要とせずに、エピトープに特異的に結合する)を代表し、これは、例えば、国際公開第2009/109635号の図1において定義される、いわゆる「ホールマーク残基」によってVHドメインと区別される。

0043

免疫グロブリン単一可変ドメイン、例えば、VHHのアミノ酸残基は、例えば、Riechmann and Muyldermans, J. Immunol. Methods231, 25-38 (1999)の図2に示されている、ラクダ科動物由来のVHHドメインに適用されるように、Kabat et al.("Sequence of proteins of immunological interest", US Public Health Services, NIH Bethesda, MD, Publication No. 91)によって与えられるVHドメインについての一般的な番号付けに従って番号付けされる。この番号付けによれば、
− FR1は1〜30番目のアミノ酸残基を含み、
−CDR1は31〜35番目のアミノ酸残基を含み、
− FR2は36〜49番目のアミノ酸を含み、
− CDR2は50〜65番目のアミノ酸残基を含み、
− FR3は66〜94番目のアミノ酸残基を含み、
− CDR3は95〜102番目のアミノ酸残基を含み、
− FR4は103〜113番目のアミノ酸残基を含む。

0044

しかしながら、VHドメインおよびVHHドメインについて当技術分野で周知のように、それぞれのCDRにおけるアミノ酸残基の総数は変わってもよく、Kabatの番号付けによって示されるアミノ酸残基の総数とは一致しない場合があることに留意すべきである(すなわち、Kabatに従った番号付けによる1つまたは複数の位置は、実際の配列で占められていなくてもよく、あるいは実際の配列は、Kabatの番号付けによって許容される数よりも多い、1つまたは複数のアミノ酸残基を含有していてもよい)。これは、一般的に、Kabatに従った番号付けは、実際の配列中のアミノ酸残基の実際の番号付けと一致していてもよく、または一致しなくてもよい。

0045

類似の手法でVHHドメインにも適用することができる方法である、VHドメインのアミノ酸残基の番号付けの代替の方法は、当技術分野において公知である。しかしながら、本明細書、特許請求の範囲および図面において、他に指示がない限り、Kabatに従った番号付けおよび上に記載のVHHドメインに適用される番号付けに従う。
VHHドメイン中のアミノ酸残基の総数は、通常、110から120、しばしば、112から115の間の範囲である。しかしながら、より小さい配列およびより大きい配列もまた、本明細書に記載の目的のために適切であり得ることに留意すべきである。

0046

免疫グロブリン単一可変ドメイン、例えば、VHHおよびドメイン抗体は、本発明の好ましい実施態様によれば、それらを、機能的な抗原結合分子としての治療における使用のために、非常に有利にする、多数の固有構造的特徴および機能的特性を有する。特に、それらに限定されないが、VHHドメイン(軽鎖可変ドメインと対を形成することなく、生来、抗原と機能的に結合するように「設計」されている)は、単一の比較的小さい機能性抗原結合構造ユニットとして機能することができる。
免疫グロブリン単一可変ドメインの利点について、およびVHHを得ることについてのさらなる詳細および情報は、欧州特許第2694546号に詳細に開示されている。
本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、それらを得る特定の生物学的供給源、または特定の調製の方法に関して限定されない。特定の抗原またはエピトープに結合するVHHドメインを得るための適切な方法および技術は、国際公開第2006/040153号および国際公開第2006/122786号に記載されている。

0047

特定の実施形態によれば、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインは、天然に存在するVHHドメインのアミノ酸配列と本質的に一致するが、すなわち、前記天然に存在するVHH配列のアミノ酸配列中の1つまたは複数のアミノ酸残基を、ヒト由来の従来型の4鎖抗体の可変重鎖ドメイン中の対応する位置に存在するアミノ酸残基の1つまたは複数によって置き換えることによって「ヒト化」または「配列最適化」(親和性成熟後でもよい)されているアミノ酸配列を有するVHHドメインである。これは、当技術分野において公知の方法を使用して行うことでき、当業者によって日常的に使用することができる。

0048

ヒト化VHHドメインは、1つまたは複数の完全なヒトフレームワーク領域配列を含有していてもよく、さらにより特定の実施態様において、JH5などのJH配列と組み合わせてもよい、ヒト生殖細胞系列Vh3配列のDP−29、DP−47、DP−51に由来する、またはこれらとの高度に相同であるヒトフレームワーク領域配列もしくはこれらの部分を含有していてもよい。したがって、ヒト化プロトコールは、DP47、DP29およびDP51などの生殖細胞系列VH遺伝子のフレームワーク1、2および3(FR1、FR2およびFR3)残基に対応する任意のVHH残基のいずれか単独、または組み合わされた置き換えを含んでいてもよい。本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインの適切なフレームワーク領域(FR)は、例えば国際公開第2006/004678号において説明されたものから選択することができ、具体的には、いわゆる「KERE」および「GLEW」クラスが挙げられる。例は、約44から47番目にアミノ酸配列G−L−E−Wを有する免疫グロブリン単一可変ドメイン、およびそれらのそれぞれのヒト化対応物である。ヒト化VHHドメインは、1つまたは複数の完全なヒトフレームワーク領域配列を含有していてもよい。
例として、103P、R、S群および/またはGLEW群(下記で定義する)に属するVHHについてのヒト化置換は、108Qから108Lである。免疫グロブリン単一可変ドメインのヒト化のための方法は当技術分野において公知である。

0049

治療適用の観点から改善された特性、例えば、増強された親和性または減少した免疫原性を有する免疫グロブリン単一可変ドメインの結合は、「配列最適化」とも称される、本明細書に記載の、親和性成熟(例えば、合成、ランダムまたは天然に存在する免疫グロブリン配列から出発する)、CDR移植、ヒト化、異なる免疫グロブリン配列に由来する断片の結合、オーバーラップするプライマーを使用するPCRアッセンブリー、および当業者に周知の免疫グロブリン配列を操作するための類似の技術、または前述のいずれかの適切な任意の組み合わせなどの当技術分野において公知の技術によって、個々の結合分子から得られ得る。例えば、標準的なハンドブック、ならびにさらなる説明および例を参照できる。
上記によれば、好ましい実施形態において、化合物Aの免疫グロブリン単一可変ドメインは、VHHドメインである。より好ましくは、化合物Aは、以下のアミノ酸配列



を有する化合物から選択される。

0050

上記に示された3つの配列は、N末端配列を除きほぼ同一であり、これは、選択した発現系(発現ベクター、宿主細胞)に配列を最適に適合させるため、または他の必要性を理由として、変更または改変することができる。したがって、本質的に上記の配列を含むが、例えば、得られるポリペプチドの結合親和性を変化させないアミノ酸の変更、欠失または付加によってわずかに改変されたさらなるポリペプチドも、本発明による医薬の組み合わせの「化合物A」として有用であることは当業者に明らかである。

0051

別の実施形態においてにおいて、本発明のVEGFおよび/またはAng2結合免疫グロブリン単一可変ドメインの代表的なクラスは、すなわち、従来型の4鎖抗体の天然に存在する可変重鎖のアミノ酸配列中の1つまたは複数のアミノ酸残基を、重鎖抗体のVHHドメイン中の対応する位置に存在する1つまたは複数のアミノ酸残基によって置き換えることによって、「ラクダ化」された天然に存在するVHドメインのアミノ酸配列と一致するアミノ酸配列を有する。これは、当業者には明らかであるそれ自体公知の手法で行うことができ、国際公開第1994/04678号を追加して参照できる。このようなラクダ化は、VH−VLの境界面、およびいわゆるラクダ科動物のホールマーク残基に存在するアミノ酸の位置で優先的に生じ得る(例えば、国際公開第1994/04678号も参照のこと)。このような「ヒト化」および「ラクダ化」技術の詳細な説明、ならびにそれらと一致する好ましいフレームワーク領域配列は、追加で、例えば、国際公開第2006/040153号の98頁、および国際公開第2006/122786号の107頁から取得することができる。

0052

本発明の意味の範囲内のPD−1アンタゴニストおよびその実施形態のすべては、PD−1とその受容体の相互作用を阻害する化合物である。PD−1アンタゴニストは、当技術分野において周知であり、例えば、Li et al., Int. J. Mol. Sci. 2016, 17, 1151(参照によって本明細書に組み込まれる)によって概説されている。任意のPD−アンタゴニスト、とりわけ、抗体、例えば、Li et al.によって開示されているもの、ならびに本明細書の下記に開示されているさらなる抗体を、本発明に従って使用することができる。好ましくは、本発明のPD−1アンタゴニストおよびそのすべての実施形態は、以下の抗体:
− ペムブロリズマブ(抗PD−1抗体);
− ニボルマブ(抗PD−1抗体);
ピディリズマブ(抗PD−1抗体);
PDR−001(抗PD−1抗体);
− 本明細書の下記に開示される、PD1−1、PD1−2、PD1−3、PD1−4およびPD1−5(抗PD−1抗体);
− アテゾリズマブ(抗PD−L1抗体);
− アベルマブ(抗PD−L1抗体);
デュバルマブ(抗PD−L1抗体)
からなる群から選択される。

0053

ペムブロリズマブ(以前は、ランブロリズマブとしても公知;商品キイトルーダ;MK−3475としても公知)は、例えば、Hamid, O. et al. (2013) New England Journal of Medicine 369(2):134-44に開示されており、PD−1に結合するヒト化IgG4モノクローナル抗体であり、Fc媒介性細胞傷害を予防するために設計されたC228Pに変異を含有する。ペムブロリズマブは、例えば、米国特許第8,354,509号および国際公開第2009/114335号に開示されている。これは、切除不可能または転移性のメラノーマを患う患者、および転移性NSCLCを有する患者の処置のために、FDAによって承認されている。

0054

ニボルマブ(CAS登録番号:946414−94−4;BMS−936558またはMDX1106b)は、検出可能な抗体依存性細胞毒性(ADCC)がない、PD−1を特異的に遮断する完全ヒトIgG4モノクローナル抗体である。ニボルマブは、例えば、米国特許第8,008,449号および国際公開第2006/121168号に開示されている。これは、切除不可能または転移性のメラノーマ、転移性NSCLC、および進行性腎細胞癌を患う患者の処置のために、FDAによって承認されている。
ピディリズマブ(CT−011;Cure Tech)は、PD−1に結合するヒト化IgG1kモノクローナル抗体である。ピディリズマブは、例えば、国際公開第2009/101611号に開示されている。

0055

PDR−001またはPDR001は、PD−L1およびPD−L2とPD−1の結合を遮断する、高親和性でリガンドを遮断するヒト化抗PD−1IgG4抗体である。PDR−001は、国際公開第2015/112900号および国際公開第2017/019896号に開示されている。
抗体PD1−1からPD1−5は、表1に示される配列によって定義される抗体分子であり、ここで、HCは、(全長)重鎖を意味し、LCは、(全長)軽鎖を意味する。

0056

具体的には、本明細書の上に記載の抗PD−1抗体分子は、以下を有する:
(PD1−1:)配列番号:14のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号:15のアミノ酸配列を含む軽鎖;または
(PD1−2:)配列番号:16のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号:17のアミノ酸配列を含む軽鎖;または
(PD1−3:)配列番号:18のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号:19のアミノ酸配列を含む軽鎖;または
(PD1−4:)配列番号:20のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号:21のアミノ酸配列を含む軽鎖;または
(PD1−5:)配列番号:22のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号:23のアミノ酸配列を含む軽鎖。
アテゾリズマブ(テセントリク、MPDL3280Aとしても公知)は、PD−L1を標的とする、ファージ由来ヒトIgG1kモノクローナル抗体であり、例えば、Deng et al. mAbs 2016;8:593-603に記載されている。これは、尿路上皮癌を患う患者の処置のために、FDAによって承認されている。
アベルマブは、完全ヒト抗PD−L1 IgG1モノクローナル抗体であり、例えば、Boyerinas et al. Cancer Immunol. Res. 2015;3:1148-1157に記載されている。
デュルバルマブ(MEDI4736)は、PD−L1に対する高い特異性を有するヒトIgG1kモノクローナル抗体であり、例えば、Stewart et al. Cancer Immunol. Res. 2015;3:1052-1062またはIbrahim et al. Semin. Oncol. 2015;42:474-483に記載されている。

0057

Li et al.(上記)によって開示されているか、または臨床試験で公知のさらなるPD−1抗体、例えば、AMP−224、MEDI0680(AMP−514)、REGN2810、BMS−936559、JS001−PD−1、SHR−1210、BMS−936559、TSR−042、JNJ−63723283、MEDI4736、MPDL3280AおよびMSB0010718Cを、上述のアンタゴニストの代替として、または上述のアンタゴニストに加えて、使用してもよい。

0058

本明細書において使用されるINNは、限定されるものではないが、米国において合衆国法律集第42編§262のサブセクション(k)および他の管轄の同等の規制の下で認可されたバイオシミラー抗体を含む、創製者の抗体と同じまたは実質的に同じアミノ酸配列を有するすべてのバイオシミラー抗体を包含することも意味する。
上記に列挙されたPD−1アンタゴニストは、それらのそれぞれの製造、治療的使用および特性により、当技術分野において公知である。
1つの実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ペムブロリズマブである。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ニボルマブである。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ピディリズマブである。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、アテゾリズマブである。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、アベルマブである。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、デュルバルマブである。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PDR−001である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD1−1である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD1−2である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD1−3である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD1−4である。
別の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD1−5である。

0059

発明内では、本発明による使用のための、組み合わせ、組成物、キット、方法、使用または化合物は、活性薬剤または活性成分の、同時、同時的、順次、連続的、交互、または別々の投与が構想され得ることが理解されるべきである。二重特異性結合分子およびPD−1アンタゴニストは、独立せず、または独立してのいずれかで製剤化して投与することができ、例えば、二重特異性結合分子およびPD−1アンタゴニストを、同じ医薬組成物/剤形の部分として、または好ましくは、別々の医薬組成物/剤形のいずれかで投与され得ることが認識される。

0060

この文脈において、本発明の意味内の「組み合わせ」または「組み合わされた」とは、限定されるものではないが、2つ以上の活性薬剤の混合または組み合わせから生じる生成物を含み、例えば、成分もしくは薬剤の、同時、同時的、順次、連続的、交互、または別々の使用などの、固定された組み合わせおよび固定されていない(例えば、自由な)組み合わせ(キットを含む)の両方ならびに使用を含む。「固定された組み合わせ」という用語は、活性薬剤が、単一のものまたは単回投薬量の形態で、患者に、同時に、両方とも投与されることを意味する。「固定されていない組み合わせ」という用語は、活性薬剤が、別々のものとして、患者に、同時に(simultaneously)、同時的に(concurrently)、または特定の時間制限を伴わない順次のいずれかで、両方とも投与されることを意味し、このような投与は、患者の体内で、2つの化合物の治療的に有効なレベルを提供する。後者は、カクテル治療、例えば、3つ以上の活性薬剤の投与にも適用される。
二重特異性分子/化合物AおよびPD−1アンタゴニスト/化合物Bの投与は、活性成分または活性薬剤の共投与によって、例えば、1つの単一の製剤もしくは剤形、または2つの別々の製剤もしくは剤形で、これらを同時または同時的に投与することによって、行われてもよい。あるいは、二重特異性結合分子およびPD−1アンタゴニストの投与は、例えば、2つの別々の製剤または剤形などで、順次または交互に、活性成分または活性薬剤を投与することによって、行われてもよい。

0061

例えば、同時投与は、実質的に同じ時点での投与を含む。この投与の形態は、「併用」投与とも称し得る。同時的投与は、同じ一般的な期間、例えば、必ずしも同じ時点ではないが同じ日に、活性薬剤を投与することを含む。交互投与は、期間の間、例えば、数日または1週間の治療単位にわたって、1つの薬剤の投与、続いて、その後の期間の間、例えば、数日または1週間の治療単位にわたって、他の薬剤の投与、次いで、1回または複数回のサイクルでこのパターンを繰り返すことを含む。順次投与または連続的投与は、1つまたは複数の用量を使用して、第1の期間の間(例えば、数日または1週間の治療単位にわたって)、1つの薬剤を投与し、続いて1つまたは複数の用量を使用して、第2の期間の間(例えば、数日または1週間の治療単位にわたって)、他の薬剤を投与することを含む。重複するスケジュールも使用してよく、これは、必ずしも規則的な順番に従わず、処置の期間にわたって、異なる日に活性薬剤を投与することを含む。例えば、使用される薬剤および対象の状態により、これらの一般的な指針に対する変更も用いられてよい。

0062

したがって、好ましい実施形態において、本発明による方法では、本明細書に記載の化合物Aは、本明細書に記載の化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される。類似の好ましい実施形態において、本発明による方法における使用のための本明細書に記載の化合物Aは、本明細書に記載の化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される。関連する好ましい実施形態において、本発明による方法における使用のための本明細書に記載の化合物Bは、本明細書に記載の化合物Aと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される。さらに好ましい実施形態において、化合物Aが、化合物Bと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、本明細書に記載の化合物Aの使用が提供される。さらに関連する実施形態において、化合物Bが、化合物Aと、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、本明細書に記載の化合物Bの使用が提供される。別の実施形態において、第1の医薬組成物が、第2の医薬組成物と、同時に、同時的に、順次、連続的に、交互に、または別々に投与される、本発明によるキットが提供される。

0063

別々または同時に投与される、化合物A、化合物Bまたはその両方についての好ましい投与の経路は、限定されるものではないが、経口、腸管非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、経皮もしくは皮下の注射、またはインプラント)、経鼻経膣直腸または局所投与が挙げられる。好ましい実施形態において、投与の経路は、静脈内投与、とりわけ、静脈内への注入または注射である。本発明の化合物は、単独または一緒に、それぞれの投与の経路に適した、従来の非毒性の薬学的に許容される担体賦形剤および/またはビヒクルを含有する、適切な投薬単位の製剤に製剤化されてもよい。より好ましくは、製剤は、凍結乾燥溶液(例えば、注射可能および注入可能な溶液)、分散液または懸濁液、リポソームおよび坐剤などの、固体半固体または液体の剤形を含む。好ましい様式は、意図された投与の様式および治療適用に依存する。とりわけ好ましい実施形態としては、液体製剤および凍結乾燥が挙げられる。凍結乾燥の場合において、凍結乾燥物は、液体中、好ましくは、水中で再構成され得る。
本明細書に記載の化合物は、毎日、1週間に5回、1週間に3回、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、投与されてもよい。好ましい投与間隔としては、1週間に1回および2週間に1回が挙げられる。
好ましくは、化合物Aおよび化合物Bは、静脈内注入によって、1週間に1回投与される。

0064

投与レジメンは、長期の処置を含んでいてもよい。「長期」とは、少なくとも2週間、好ましくは、数週間、数カ月または数年の期間を意味する。この投薬レジメンにおける必要な改変は、本明細書における教示を考慮すると、日常的な実験のみを使用して、当業者によって決定することができる。Remington's Pharmaceutical Sciences (Martin, E.W., ed. 4), Mack Publishing Co., Easton, PAを参照のこと。投薬量はまた、任意の合併症事象において、個々の医師によって調整することができる。投与は、毎日、2日ごと、3日ごと、4日ごと、週あたり1日、週あたり2日、2週間あたり1日、3週間あたり1日などであり得る。

0065

本明細書に記載の化合物は、適した時間間隔で投与される、単一用量または分割用量の治療有効量で投与され得る。治療有効量は、所望の治療結果を達成するために必要な投薬量および期間での有効な量を指し、疾患もしくは障害を予防、緩和または処置するために必要な最小量である。本発明による化合物の治療有効量は、個体の疾患状態年齢性別および体重、ならびに個体において所望の応答を誘発する化合物の能力などの要因によって変更してもよい。治療有効量は、治療的に有益な効果が、化合物の任意の毒性効果または有害効果を上回る量でもある。治療有効用量は、好ましくは、測定可能パラメーター、例えば、腫瘍増殖速度を、未処置の対象と比較して、または処置される同じ対象の未処置の先行期間と比較して、少なくとも約20%、より好ましくは、少なくとも約40%、さらにより好ましくは、少なくとも約60%、またより好ましくは、少なくとも約80%、阻害する。

0066

活性化合物は、単剤治療における治療有効量であるような用量で、または単剤治療であるが、所望の(一緒の)治療有効量をもたらすように組み合わせた場合に、使用される用量よりも低いまたは高いような用量で、投与され得る。処置における使用のために必要な本発明の二重特異性結合分子の量は、特定の選択された結合分子、投与の経路、処置される状態の本質、ならびに患者の年齢および状態に適合され得、最終的には、主治医または臨床医の裁量である。また、本発明の結合分子の投薬量は、標的細胞、腫瘍、組織移植片または臓器に応じて、適合され得る。
化合物Aまたは化合物Bの所望の用量は、患者において設定された血中濃度に達するために、投与あたりの固定量として、またはボーラス投与として投与されてもよい。

0067

本明細書に記載の化合物BであるPD−1アンタゴニストの投与は、例えば、約0.1〜30mg/患者の体重1kg、例えば、約0.5〜25mg/患者の体重1kg、約1〜20mg/患者の体重1kg、約2〜5mg/患者の体重1kg、または約3mg/患者の体重1kgの用量での、例えば、注射(例えば、皮下または静脈内)によるものであり得る。

0068

PD−1アンタゴニストの投薬量および治療レジメンは、当業者によって決定することができる。本発明のPD−1アンタゴニストのための好ましい投薬レジメンは、静脈内投与による1mg/宿主の体重1kgまたは3mg/宿主体重の1kgを含み、抗体は、以下の投与スケジュールの1つを使用して投与される:(i)4週間ごとに6回の投薬、その後は3か月ごと;(ii)3週間ごと;(iii)3mg/宿主の体重1kgを1回、続いて、1mg/宿主の体重1kgを3週間ごと。ある特定の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、約1〜40mg/宿主の体重1kg、例えば、1〜30mg/宿主の体重1kg、例えば、約5〜25mg/宿主の体重1kg、約10〜20mg/宿主の体重1kg、約1〜5mg/宿主の体重1kg、1〜10mg/宿主の体重1kg、5〜15mg/宿主の体重1kg、10〜20mg/宿主の体重1kg、15〜25mg/宿主の体重1kg、または約3mg/宿主の体重1kgの用量で、注射(例えば、皮下または静脈内)によって投与される。投与スケジュールは、例えば、1週間に1回から、2週間、3週間または4週間に1回で変更することができる。1つの実施形態において、PD−1アンタゴニストは、隔週で、約10〜20mg/宿主の体重1kgの用量で投与される。抗体分子は、約35〜400mg/m2、典型的には、約70〜310mg/m2、より典型的には、約100〜130mg/m2の用量に達するように、20mg/分よりも速い速度、例えば、20〜40mg/分の速度、典型的には、40mg/分以上の速度での静脈内注入によって投与することができる。実施形態において、約110〜130mg/m2の注入速度は、約3mg/宿主の体重1kgのレベルに達する。他の実施形態において、抗体分子は、約1〜100mg/m2、例えば、約5〜50mg/m2、約7〜25mg/m2または約10mg/m2の用量に達するように、10mg/分未満、例えば、5mg/分以下の速度での静脈内注入によって投与することができる。いくつかの実施形態において、抗体は、約30分の時間にわたって注入される。投薬量の値は、緩和される状態の種類および重症度によって変更し得ることに留意すべきである。任意の特定の対象について、特定の投薬レジメンは、個々の必要性および組成物の投与を投与または監督する人の専門的判断に従って、経時的に調整すべきであること、ならびに本明細書おいて説明される投薬量の範囲が、例示のみであって、特許請求に係る組成物の範囲または実施を制限することを意図するものではないことがさらに理解されるべきである。

0069

化合物Aおよび化合物Bの別々または一緒の投与スケジュールは、例えば、1週間に1回から2、3または4週間ごとに1回で変更し得る。ある特定の実施形態において、化合物A、化合物Bもしくはその両方の投与量または投薬量は、より低い(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%低い)。他の実施形態において、所望の効果をもたらす(例えば、過剰増殖性疾患または腫瘍学的疾患の処置)、化合物A、化合物Bもしくはその両方の量または投薬量は、より低い(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%低い)。
本発明による、方法、化合物、使用のための化合物、化合物の使用、医薬組成物およびキットは、本明細書に記載の二重特異性抗体分子および抗PD−1抗体分子の組み合わせを対象に投与することを含む。

0070

処置されるがん性疾患に応じて、本明細書に定義される組み合わせ治療は、それ自体で、あるいは特に、がん細胞における血管新生、シグナル伝達経路もしくは有糸分裂チェックポイントを阻害する化学療法剤または治療的に活性な化合物から選択される、1つもしくは複数の追加の治療薬剤とさらに組み合わせて、使用してもよい。
追加の治療薬剤は、同時に投与されてもよく、これは同じ医薬調製物の成分としてであってもよく、あるいは、結合分子および/もしくPD1アンタゴニストの投与の前または後に、投与されてもよい。

0071

化学療法剤は、ホルモン、ホルモンアナログおよび抗ホルモン(例えば、タモキシフェントレミフェンラロキシフェンフルベストラント酢酸メゲストロールフルタミドニルタミドビカルタミド酢酸シプロテロンフィナステリド酢酸ブセレリンフルドロコルチゾンフルオキシメステロンメドロキシプロゲステロンオクトレオチドアルゾキシフェンパシレオチドバプレオチド)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾールレトロゾールリアロゾール、エキセメスタン、アタメスタン、フォメスタン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリンロイプロリド、アバレリクス、セトロレリクス、デスロレリン、ヒストレリントリプトレリン)、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサートペメトレキセドのような抗葉酸剤、5フルオロウラシルカペシタビンデシタビン、ネララビンおよびゲムシタビンのようなピリミジンアナログ、メルカプトプリンチオグアニンクラドリビンおよびペントスタチンなどのプリンおよびアデノシンアナログシタラビンフルダラビン);抗腫瘍性抗生物質(例えば、ドキソルビシンダウノルビシンエピルビシンおよびイダルビシンのようなアントラサイクリンマイトマイシン−C、ブレオマイシンダクチノマイシンプリカマイシンミトキサントロン、ピクサントロンストレプトゾシン);白金誘導体(例えば、シスプラチンオキサリプラチンカルボプラチンロバプラチン、サトラプラチン);アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン(meclorethamine)、メルファランクロラムブシルブスルファンダカルバジンシクロホスファミドイホスファミドヒドロキシウレアテモゾロマイドカルムスチンおよびロムスチンなどのニトロソウレアチオテパ);抗有糸分裂剤(例えば、ビンブラスチンビンデシンビノレルビンビンフルニンおよびビンクリスチンのようなビンカアルカロイド);パクリタキセルドセタキセルおよびそれらの製剤、ラロタキセルのようなタキサン;シモタキセル、およびイクサベピロンのようなエポチロンパツピロン、ZK−EPO);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびエトポホスのようなエピポフィトキシン、テニポシド、アムサクリントポテカンイリノテカン)、ならびにアミホスチンアナグレリドインターフェロンアルファプロカルバジンミトタン、およびポルフィマーベキサロテンセレコキシブなどの種々の化学療法薬から選択され得る。

0072

好ましい実施形態において、化合物Aおよび化合物Bを含む処置は、「白金ダブレット」治療、すなわち、(i)シスプラチンまたはカルボプラチンなどの白金化合物と、(ii)ドセタキセル、パクリタキセル、ビノレルビンまたはゲムシタビンなどの第三世代の化学療法剤による治療をさらに含む。
別の好ましい実施形態において、化合物Aおよび化合物Bを含む処置は、がん細胞標的治療と組み合わされる。

0073

ある特定の実施形態において、本明細書に開示される組み合わせ治療で処置される、腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、特に、がんまたは腫瘍疾患としては、限定されるものではないが、固形腫瘍、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫)および転移性病変が挙げられる。1つの実施形態において、がんは固形腫瘍である。固形腫瘍の例としては、悪性腫瘍、例えば、肉腫および癌腫、例えば、乳房卵巣リンパ系胃腸(例えば、結腸)、肛門生殖器および尿生殖路(例えば、腎臓尿路上皮膀胱細胞前立腺)、咽頭CNS(例えば、脳、神経細胞およびグリア細胞)、頭頸部、皮膚(例えば、メラノーマ)および膵臓に影響を及ぼすものなどの各種の臓器系の腺癌、ならびに結腸がん、直腸がん、腎細胞癌、肝臓がん、非小細胞肺がん、小腸のがんおよび食道のがんなどの悪性腫瘍を含む腺癌が挙げられる。がんは、早期、中期後期または転移性のがんであってもよい。
本明細書で使用される場合、「過剰増殖性疾患」とは、細胞増殖が、正常なレベルを超えて増加している状態を指す。例えば、過剰増殖性疾患または障害としては、悪性疾患(例えば、食道がん、結腸がん、胆道がん)および非悪性疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症良性過形成良性前立腺肥大症)が挙げられる。

0074

1つの実施形態において、がんは、肺がん(例えば、NSCLC(例えば、扁平上皮および/もしくは非扁平上皮組織を有するNSCLC、またはNSCLC腺癌))、メラノーマ(例えば、進行性メラノーマ)、腎臓がん(例えば、腎細胞癌)、肝臓がん、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、前立腺がん乳がん(例えば、エストロゲン受容体プロゲステロン受容体またはHer2/neuのうちの1つ、2つまたはすべてを発現しない乳がん、例えば、トリプルネガティブ乳がん)、結腸直腸がん、膵臓がん頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、肛門がん、胃食道がん、甲状腺がん子宮頸がんリンパ増殖性疾患(例えば、移植後リンパ増殖性疾患)、または血液がん、T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫もしくは白血病(例えば、骨髄性白血病またはリンパ性白血病)から選択される。
別の実施形態において、がんは、癌腫(例えば、進行性または転移性の癌腫)、メラノーマ、または肺癌、例えば、NSCLCから選択される。
1つの実施形態において、がんは、肺がん、例えば、NSCLCまたは小細胞肺がんである。好ましい実施形態において、がんは、NSCLCである。

0075

本発明の任意の態様および実施形態と組み合わせ可能なとりわけ好ましい実施形態において、本発明による組み合わせ治療は、EGFR変異またはALK転座がない、局所進行性または転移性の非扁平上皮NSCLCを患う患者を処置するためのものである。したがって、患者は、高または低PD−L1発現状態などの患者のPD−L1発現状態に従って選択されてもよい。処置は、一次治療、すなわち、疾患(NSCLC)のために与えられる第1の処置であり得る。したがって、患者は、化学療法または放射線治療を受けていなくてもよく、特に、本発明に従って処置されるときにNSCLCの処置を受けていなくてもよい。患者の任意のがん処置の前のPD−L1発現状態を決定することによって、信頼できる結果を達成することができる。

0076

PD−L1発現状態は、例えば、免疫組織化学検査を使用することによって、Han et al. (Journal of Pathology and Translational Medicine 2017; 51: 40-48)またはWang et al. (OncoTargets and Therapy 2016:9 5023-5039)によって記載されているようにして決定することができる。処置される患者の腫瘍の生検試料は、PD−L1発現状態の決定のために使用されてもよい。2つ以上の生検が使用される場合において、個々の患者からの単一の腫瘍生検または複数の生検が使用されてもよく、好ましくは、最も高いPD−L1発現を有する生検が、本発明に従ってPD−L1発現状態を決定するために使用される。PD−L1は、細胞表面(膜)または細胞質発現、腫瘍細胞のみによる発現および/または腫瘍環境(例えば、免疫細胞)の他の細胞による発現において決定することができる。PD−L1陽性の発現を検討するための閾値は、例えば、細胞、例えば、腫瘍および/または免疫細胞において、少なくとも1%、少なくとも5%、または少なくとも10%のPD−L1発現であり得、ここで、例えば、免疫組織化学的検査によって決定される、細胞において1≧%、≧5%または10≧%のPD−L1発現を有する試料をPD−L1「陽性」と考えることができる。好ましい実施形態において、上記の、好ましくは、例えば、Han et al.またはWang et al.によって記載されているように、免疫組織化学的検査による決定によって、PD−L1発現状態は、腫瘍細胞または免疫細胞、より好ましくは、腫瘍細胞について決定され、細胞の1%〜5%のPD−L1発現は、低PD−L1発現と考えられ、細胞の>5%、例えば、細胞の>5%〜40%のPD−L1発現は、高PD−L1発現と考えられる。処置される患者は、低PD−L1発現の患者、高PD−L1発現の患者、高PD−L1発現を有する患者を除く低PD−L1発現の患者、または低PD−L1発現の患者を除く高PD−L1発現の患者であってもよい。

0077

1つの実施形態において、がんは、メラノーマ、例えば、進行性メラノーマである。1つの実施形態において、がんは、他の治療に応答しない、進行性または切除不可能メラノーマである。他の実施形態において、がんは、BRAF変異(例えば、BRAFV600変異)を有するメラノーマである。
別の実施形態において、がんは、ウイルス感染、例えば、慢性ウイルス肝炎を有するか、または有さない、肝細胞癌、例えば、進行性肝細胞癌である。
別の実施形態において、がんは、前立腺がん、例えば、進行性前立腺がんである。
また別の実施形態において、がんは、骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫である。
また別の実施形態において、がんは、腎臓がん、例えば、腎細胞癌(RCC)(例えば、転移性RCCまたは明細胞癌(CCRCC))である。
上記で概要を述べたように、本発明は、本明細書において定義される化合物Aおよび化合物Bを含む医薬組成物、ならびに本明細書に定義される化合物Aを含む第1の医薬組成物、および本明細書に定義される化合物Bを含む第2の医薬組成物を含むキットに関する。

0078

本明細書において定義される「医薬組成物」という用語は、その中に含有される活性成分の生物学的活性を有効にすることが可能であるような、そのような形態であって、組成物が投与される対象に対して容認しがたい毒性である追加の成分を含有しない調製物を指す。本発明の医薬組成物は、当技術分野において公知のさまざまな方法によって投与することができる。当業者には明らかであるように、投与の経路および/または様式は、所望の結果に応じて、変更される。
選択された投与の経路にかかわらず、本発明の組み合わせ治療、ならびに/または本発明の医薬組成物、第1の医薬組成物および第2の医薬組成物において使用される化合物は、当業者に公知の慣用の方法によって、薬学的に許容される剤形に製剤化される。
本明細書において定義されるキットは、第1の医薬組成物および/または第2の医薬組成物を含む、適切な1つの容器またはいくつかの適切な容器を含んでいてもよく、ここで、第1および第2の医薬組成物は、同じ容器、または異なる容器に含有されていてもよい。キットは、本発明の任意の方法または任意の使用において使用され得る。

0079

好ましくは、本発明によるキットは、それを必要とする患者における腫瘍学的疾患または過剰増殖性疾患、好ましくは、がんまたは腫瘍疾患、とりわけ、NSCLCの処置および/または予防において化合物Aおよび/または化合物Bを使用するための可読の指示を含む添付文書をさらに含む。指示は、本発明の方法およびその好ましい実施形態のいずれかに関する上記の記載のように、さらなる詳述を提供し得る。
特許請求の範囲および/または明細書において「含む」という用語と組み合わせて使用される場合の「a」または「an」という語の使用は、「1つ」を意味してもよいが、これは、「1つまたは複数」、「少なくとも1つ」および「1つまたは2つ以上」の意味とも一致する。
本明細書において使用される「約」は、測定の精度の性質を考慮した、測定された量について許容可能な程度の誤差を意味する。例示的な誤差の程度は、所与の値または値の範囲の20%以内、典型的には、10%以内、より典型的には、5%以内である。

0080

本明細書において使用される「処置する」または「処置」という用語は、すでに存在する、疾患状態もしくは状態を治癒させること、または疾患状態もしくは状態からの回復の可能性を増加させることを意味する。処置することには、阻害すること、すなわち、疾患状態もしくは状態の進行を抑止すること、および緩和すること、すなわち、疾患の進行の退縮を引き起こすことまたは遅延させることも含み得る。処置は、患者を治癒させず、疾患の症状を緩和させるためであり得る。
本明細書において使用される「予防する」または「予防」という用語は、患者または対象に疾患状態または状態が完全に発生するのを止めることを意味しないが、疾患状態または状態が進行する危険性を低減させることも指す。
本発明を、本発明のこれらの実施形態に必ずしも限定されることなく、以下の実施例によってさらに例証する。化合物、用量および投与経路、ならびに処置の組み合わせを含む、例またはその一部は、それぞれそのままで、または上記の詳細な記載と組み合わせて、本発明の一部を形成する。

0081

頭字語および略語
CD表面抗原分類
DMEMダルベッコ改変イーグル培地
FCSウシ胎仔血清
ID識別
i.p.腹腔内
LAG−3リンパ球活性化遺伝子3
モル濃度
MEM最小必須培地
PBSリン酸緩衝食塩水
PD−1プログラム細胞死
PD−L1 プログラム細胞死リガンド1
PD−L2 プログラム細胞死リガンド2
q3or4d 3日または4日ごと(週に2回)
R応答
GI式:
TGI=100×{1−[処置最終日−処置1日目]/[対照最終日−対照1日目]}
によって計算された、腫瘍増殖阻害
IL腫瘍浸潤リンパ球

0082

(例1)
試験化合物
ラットIgG2a抗マウスPD−1抗体のEX101359(クローンRMPI−14)(10mg/kg)、二重特異性のVEGFおよびAng2結合タンパク質のVEGFANGBII22(本明細書の上記に定義され、配列番号:11、12および13の構造/配列を有する)、低分子TKIのバタラニブおよびクロスマブ抗体のバヌシズマブ(抗ヒトVEGF−Aおよび抗ヒト/マウスAng−2)をこれらの実験のために使用した。対照群のために、PD−1抗体のラットIgG2a(EX101362)に対応するアイソタイプ、すなわち、類似の配列を有するが、PD−1と結合しない抗体を使用した(10mg/kg)。すべての抗体を1×PBSで希釈し、BioXcell、West Lebanon、NH、米国に注文した。

0083

細胞
LL/2(LLC1)は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関ATCC)、米国(CRL−1642)から購入した、マウス肺癌細胞系である。細胞を、T175組織培養フラスコ中、37℃、5%CO2で培養した。使用した培地は、10%FCS(HyClone(登録商標)Fetal Bovine Serum Characterized;カタログ番号SH30071.03;Thermo Scientific製)で補充されたDMEMであった。培養物を、2〜3日ごとに、1:4/1:6の比で分割した。

0084

マウス
C57BL/6NTacは、完全免疫適格性のマウス系統であり、Taconic Denmarkによって供給された。雌マウスは、Taconicから7週齢で地域の動物施設発送された。動物施設に到着後、マウスは、マウスを実験に使用する前に、少なくとも5日間、条件に順応させた。マウスを、21.5±1.5℃の温度、55±10%の湿度標準条件下、10頭の群で収容した。標準試料(PROVIMI KLIBA)およびオートクレーブされた水道水を自由に提供した。イソフルレン麻酔下で移植された皮下マイクロチップを使用して、それぞれのマウスを識別した。試験番号、動物識別番号、抗体および化合物、ならびに用量レベル、投与経路、ならびにスケジュールを示すケージカードを、試験の間中、動物と一緒にしておいた。
腫瘍の確立、無作為化
動物を、コンピュータープログラムSEPIAによって、異なる群に無作為に送った。皮下腫瘍モデルを確立するために、LL/2細胞を収集し、PBS/5%FCS中に再懸濁し、5×105/mlで、Matrigel Matrix(増殖因子なし、Corning、Tewksbury、MA、米国)と1:2で混合した。5×104細胞を含有する100μlの細胞懸濁液をマウスごとに注射した(5日目)。

0085

試験化合物の投与
抗体をPBSで1mg/mLに希釈し、10ml/kgの容積で腹腔内に注射した。希釈物を最大で5日間、4℃で保管した。処置の開始(1日目)は、細胞注射の3日後であった。バタラニブを、5%のNatrosol溶液(ヒドロキシエチルセルロース)に懸濁し、経管栄養ニードル(Infusionskanule Olive A、Acufirm、No.14 64 ll−1)によって胃内に投与した。投与容積は、体重1kgあたり10mlであった。投与は、24時間ごとに1回であった。懸濁液を調製するために、化合物をNatrosol溶液に添加し、混合物終夜撹拌した。時々超音波処理が必要であった。溶液を、最大で1週間、暗所で室温で保管した。

0086

0087

腫瘍増殖および疾患の進行の監視
腫瘍直径を、週に3回(月曜日、水曜日および金曜日)、キャリパーで測定した。処置の開始後14日目から28日目まで、すべての腫瘍を毎日測定した。それぞれの腫瘍の体積[mm3]を、式「腫瘍体積=長さ×直径2×π/6」に従って計算した。処置の副作用を監視するために、マウスを、異常について毎日検査し、体重を、少なくとも週に3回決定した。動物を、腫瘍が1500mm3のサイズに達したとき、または腫瘍のネクロシスが腫瘍表面の1/3より大きくなったときに、屠殺した。加えて、体重の>18%を失った動物は、倫理的な理由のために安楽死させた。腫瘍増殖阻害(TGI)値は、以下の通り計算した:
TGI=100×{1−[(処置最終日−処置1日目)/(対照最終日−対照1日目)]}

0088

統計解析抗腫瘍有効性
腫瘍阻害の統計学有意性の評価のために、片側非母数マンホイットニーウィルコクソンU検定を、効果が一方向でのみ測定され得るという仮説に基づいて(すなわち、腫瘍阻害は予想されるが、腫瘍刺激は予想されない)、行った。この場合において、U検定を、特定の日における絶対体積に従って、2つの群の個々の腫瘍のランキングを比較した(群間一対比較)。解析を実験の17日目に行った。U検定から得られたp値を、ボンフェローニ−ホルム補正を使用して調整した。慣例により、p値が≦0.05は、差の有意性を示す。

0089

結果
同位体対照群のマウスを、EX101362で腹腔内に週に2回処置した。処置期間の間、腫瘍は、41mm2の体積の中央値から1275mm3の体積に増殖した。10mg/kgのEX101359、抗マウスPD−1抗体での処置は、腹腔内に週に2回投与した。EX101359処置は、アイソタイプの対照と比較して、腫瘍増殖を低減させた(中央値TGI=51%)。
VEGFANGBII22単独での処置は、49%のTGIという結果であった。バタラニブ単独での処置は、54%のTGIという結果であった。バタラニブ、VEGFANGBII22および抗PD1での組み合わせ処置は、79%のTGIという結果であった。
バヌシズマブ単独での処置は、64%のTGIという結果であった。バタラニブ、バヌシズマブおよび抗PD1での組み合わせ処置は、81%のTGIという結果であった。
組み合わせのさらなる結果および比較化合物の結果を図1に示す。

0090

結論
この研究において、抗PD1、バタラニブ(VEGFRを標的とする)、VEGFANGBII22およびバヌシズマブの単剤治療は、それぞれ、51%、54%、49%および64%のTGI値で、最小から中度の抗腫瘍応答を示した。抗PD1+バタラニブ+VEGFANGBII22または抗PD1+バタラニブ+バヌシズマブの3剤併用は、79%および81%のTGI値で、明らかにより有効であった。個々の腫瘍の応答曲線を解析することによって、抗PD1+バタラニブ+VEGFANGBII22の3剤併用は、処置された腫瘍の1つが縮小を示したように優れている一方、抗PD1+バタラニブ+バヌシズマブで処置された群におけるすべての腫瘍は、腫瘍増殖の低減を示す。
3剤併用は、アイソタイプの対照および単剤治療と比較して、より良好な抗腫瘍効果を示す。抗PD1+バタラニブ+VEGFANGBII22の3剤併用は、処置された1個体において腫瘍の縮小でさえ誘導した。すべての処置は、この実験において十分に耐容であった。

0091

上記から、これらの結果をヒトにおける治療に移す際に、VEGFANGBII22の化合物がヒトVEGFに結合するので、この化合物には、抗Agn2だけでなく抗VEGF活性が含まれることを理解すべきである。したがって、上に記載の実験におけるバタラニブなどの抗VEGF剤の追加の使用は必要ではない。したがって、上記のデータは、VEGFANGBII22+抗PD1抗体などのPD1アンタゴニストでのヒトの処置が、ヒト患者において有用な治療効果をもたらすことを示す。

0092

(例2)
さらなる実験を、本質的に実施例1に記載されているように構成し、単剤治療とVEGFANGBII22+抗PD1抗体+バタラニブの3剤併用とを比較する(バタラニブは、マウスの抗VEGF活性を再び模倣し、その活性は、その化合物のVEGF結合成分がマウスVEGFに結合しないので、VEGFANGBII22からは予想することができない)。
再び、TGI値を決定し、3剤併用の投与で80%を達成した。これとは対照的に、22%(抗PD−1抗体)、27%(VEGFANGBII22の抗Ang2活性)および43%(バタラニブ)のTGI値が単剤治療によって達成された。

実施例

0093

加えて、それぞれの処置群のマウスの生存率を決定した。図2から分かるように、VEGFANGBII22、バタラニブおよびPD1アンタゴニストでの処置のみが、30日の制限を顕著に超える生存を提供した。再び、これは、提案された処置が、ヒトにおいても優れた効果を達成すると予想され得ることを示す(再び、抗VEGF活性がVEGFANGBII22成分によってすでに提供されているので、バタラニブの追加は必要がないことが理解されている)。

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